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【王様】801十二国記【麒麟】

使い方と注意事項。
・1スレにつき1SS。
・SSのあるアドレスはカプと傾向を添えて801スレに貼る。
・SSの感想はSSのあるスレに書く。
・パクリ(・∀・)カエレ!(゚Д゚)ゴルァ!!今度やりやがったら徹底的に叩くぞ(゚Д゚)ゴルァ!!

スレッド作成:
タイトル:
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内容:

1 : チラ裏+雑談+感想スレ(159) / 2 : 尚六SS「永遠の行方」その2(88) / 3 : 尚六掌編(14) / 4 : 尚六SS「三日夜(みかよ)」(46) / 5 : 尚六SS「仁重殿の夜」(20) / 6 : 尚六幾星霜(230) / 7 : 尚六SS「酔夢」(14) / 8 : 尚六SS「六太、猫になる」(12) / 9 : 尚六SS「永遠の行方」(1000) / 10 : 【お気軽】書き逃げスレ【SS】(630)
11 : 尚六SS「六太の災難」(69) / 12 : 【黒麒】リレー小説【戴極国】(33) / 13 : 六太+尚隆(43) / 14 : 尚六婚礼SS(18) / 15 : 尚×六ss タイトル未定(421) / 16 : リレ抜粋 227その後 氾×朱ss(99) / 17 : 尚六初夜SS「除夜」(26) / 18 : 荒らし推進委員会(1) / 19 : 【マターリ】同人関連雑談スレ【801】(29) / 20 : ロビースレ(496) / 21 : 尚六後朝SS「一夜の過ち」(8) / 22 : 【尚六】ケータイSS【広達etc.】(502) / 23 : 【十二国記】姐(兄)さん方に質問するスレ【801】(16) / 24 : 【泰王】書き逃げスレ【総受け】(75) / 25 : 管理人召喚スレ。(32) / 26 : 掲示板管理者様へ(1) / 27 : 十二国記SS「† 夜に別れを †」(101) / 28 : ダーク雁主従×朱衡(16) / 29 : 【王様】一行リレー小説【麒麟】(843) / 30 : 失踪中の六太(21) / 31 : ココだけじゃね?(1) / 32 : がっぽり稼げたぜ!(1) / 33 : 俺は勝ち組(1) / 34 : ヤれまくり!!(1) / 35 : ヤれまくり!!(1) / 36 : プチ自慢!(1) / 37 : 落札されてみませんか?(1) / 38 : 捨てちゃって下さい!(1) / 39 : 童貞買います(1) / 40 : 最新流出情報(2) / 41 : かける様大学(1) / 42 : かける様大学(1) / 43 : 最新流出情報(1) / 44 : なッチあリガとう( ● ´ヘ ` ○ )(1) / 45 : 当日完全無料!今すぐ直アドゲット!(2)  (全部で45のスレッドがあります)

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1 チラ裏+雑談+感想スレ (Res:159)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 1
1名無しさん :2010/08/20(金) 00:15:05
チラ裏、雑談、SSの感想、何でもありのスレ

・ひとりごと:淡々と萌えをつぶやいてみる(絡んでほしくない場合は明記)
・雑談:何でも
・SSの感想:各SSスレでレスの時期を逃した、投下の邪魔をしたくない等々の場合に

153『一人カウントダウン企画』 :2019/07/30(火) 19:03:27
>>152
えへへ、ありがとうございます。

投下予定作品を7作ピックアップはしたものの、
一作はレス数合わせのために1レスあたりの行数が少なすぎたため、
いろいろ吟味して再構成、書き逃げスレに落とすぶんはなくなりました。
あとバリエーションを考えたというか、箸休めのような1~2レスの掌編を挟むつもりだったのですが、
読みごたえ的に、そこそこの長さのものだけにしたほうがいいのかもと今になって迷い中。

というわけで、もしご希望があればどうぞ♪


154名無しさん :2019/07/30(火) 20:41:33
えっ希望言っちゃっていいんですか(o^^o)
では遠慮なく…
シリアスなら読みごたえあるのがいいかなーと思うんですが、ほのぼのやラブラブなら短いのもいいし…
つまりなんでも読みたいですw
全部で7作とのことなので、最後の話は明るくてラブラブでハッピーな話希望です!
新刊がハッピーな展開とは限らないので(むしろキツイ展開の可能性大…)幸せ尚六を最後に補給してから新刊に臨みたいです(*^ω^*)

勝手なことばかり言ってすみません(^^;)
楽しみにしてまーす♪


155『一人カウントダウン企画』 :2019/07/30(火) 21:58:21
>>154
>新刊がハッピーな展開とは限らないので(むしろキツイ展開の可能性大…)

あああーっ! そうか、そうですよね。確かに……。なんてこったい。
とりあえずは全四巻のうちの二巻刊行だから結末はわからないとしても、
たとえばメリーバッドエンド的な感じを暗示させる内容ってこともありえますもんね。

7作というのはあくまで当初の予定で、全5作~全8作の4パターン考えてあったのですが、
ほのぼのだったりラブラブ的な話が多い全8作のほうで行くことにします。
シリアスで切ない話(両片思い)も混ぜますが、期間中の最初のほうに出す予定だし。

ではでは投下開始となる明後日8/1をお待ちくださいませ~。


156『一人カウントダウン企画』 :2019/10/11(金) 01:03:45
というわけで、突発での思い付きでしたが、一人カウントダウン企画&尚六祭りを終わります。

カウントダウン日めくりまで配布していたくらいだから、
配送はまだしも店頭でのフライングはないでしょうけど、
明日午前零時に発売という書店はあるらしいですね。

うちのほうは台風の影響で、そもそも近場の書店が休みかも……。
入手が日曜にずれ込む可能性が非常に高いため、
うっかりネタバレを見ないよう、念のためこれから暫時ネット断ちします。

長々とお付き合いくださりありがとうございました。


157名無しさん :2019/10/11(金) 17:51:46
>>156
72日間毎日更新ありがとうございました!
お疲れ様でした。
たくさん尚六を読めて幸せです(≧∀≦)

最後の掌編は、果てしない道をふたりが手を携えて歩いていく、という王と麒麟の関係が胸に響いて泣きそうになりました。
驍宗と泰麒も無事に再会して、そうやって生きていけるのかな……いけるといいな……


158『一人カウントダウン企画』 :2019/10/14(月) 17:52:58
こちらこそ読んでくださりありがとうございます。
やっと新刊を読破したので、災害情報以外断ってたネットに復帰しましたw

新刊を読んで、驍宗と泰麒はちゃんと再会してハッピーエンドになりそうと感じました。
むろん困難はあるだろうし、いろいろな方面で被害は少なくないでしょうけど。

ただ残念ながら陽子や雁主従は登場しなそうな感じ?
仮に出るとしても、せいぜい最後の最後のエピローグ的なものっぽい。
泰麒と六太は親交もあるわけだし、顔出し程度でもいいから出るといいなー。


159名無しさん :2019/12/10(火) 01:46:48
新刊の新キャラ達でヤオろうという猛者はおらんのか


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2 尚六SS「永遠の行方」その2 (Res:88)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 2
1名無しさん :2017/11/16(木) 20:24:16
シリアス尚六ものです。オムニバス形式。
というか「永遠の行方」本編の続き用です。

82名無しさん :2019/07/20(土) 07:26:31
六太がおいていかれる話は辛いですね、ラブラブな方を希望です!


83書き手 :2019/07/22(月) 23:55:51
ラブラブがいいですよねー♥
来月ぐらいになったら、ちまちまと1レスずつ落としていこうかなと思います。


84名無しさん :2019/10/13(日) 11:56:09
新刊を読んで久しぶりに覗いたら完結していらっしゃった…!
「王と麒麟」のラストがあまりにも美しく切なくてこの続きは完結してから
全部一気に読みたいと思い時々進捗確認をするだけに留めておりました。
もう一度1話から全部読み返させて頂きます。
素敵な物語を、本当にありがとうございます。


85書き手 :2019/10/14(月) 17:56:17
わざわざありがとうございます。
新刊を手に入れたのが昨日日曜午後だったので、こちらはようやく読み終えたところです。
本を読むのは速いほうだと思ってたのに一冊目だけで五時間はかかっちゃいましたw

やっぱり十二国記はいいですよね~。
残念ながら今回の戴の話で、雁主従については言及程度で終わるかもしれませんが、
来年にはオリジナル短編集が出るという話だし、また妄想がはかどりそうです。


86名無しさん :2019/11/09(土) 06:06:18
新刊発売から十二国記熱が再熱し、こちらの超大作を何日もかけて読ませていただきました。
最高でした。
すれ違い両片想いが好きなので、切ない描写の数々に悶えました。
オリキャラも本当に十二国記の登場人物のようなクオリティで読んでいてハラハラしました。
こんな大作が読めて幸せです。
ありがとうございます。


87書き手 :2019/11/11(月) 00:05:35
こちらこそ読んでくださってありがとうございます。

新刊良かったですよねー♥
雁主従の安心安定ぶりと言ったら……!


88名無しさん :2019/11/11(月) 01:23:16
新刊よかったです!
相変わらず六太は可愛く、尚隆はかっこいい二人でしたね!


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3 尚六掌編 (Res:14)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 3
1一人カウントダウン企画 ◆y8UWMRK39I :2019/08/06(火) 20:52:06
『一人カウントダウン企画』のレス数合わせに手頃だったので、
書き逃げスレに投下した「夜這い」や「適切な頻度」のような、
1~2レスで終わる程度の他愛のない尚六掌編を落としていきます。
シリアスもありますが、基本はほのぼのやコメディ。

連作ではなくそれぞれ単発の話なので、
強気だったり甘えんぼだったり、ちょっとおバカだったり、
いろんなタイプのろくたんがいますw
視点も当人たちだったり他のキャラだったりとまちまち。

8名無しさん :2019/08/08(木) 22:21:25
知らない間に新しいお話が!女遊び以上に心を締める終わりの話に尚六の真髄を見た気がしました…六太に飽きたらその時が国の最後になるんですね…


9便利な言葉:新刊発売まであと56日 :2019/08/17(土) 08:59:52
『一人カウントダウン企画』第四弾は、他者視点の尚六。
-----

 楽俊と並んで街中を歩いていた鳴賢は、雑踏の向こうに人待ち顔でたたず
む風漢を見つけた。風漢のほうもすぐ彼らを見つけ、「おう」と笑顔で声を
かけてきた。
「こんなところで何をしてるんだ? 誰かと待ち合わせか?」
 鳴賢が尋ねると、風漢は「まあ、そうだ。逢い引きでな」と答えた。
「逢い引き?」
 ――女か。
 鳴賢のほうは男ふたり、それも獣形の楽俊と色気もなく連れだっていたと
あって顔をしかめた。うらやましい、という言葉は飲み込んでおく。
 そこへ。
「おー。待ったぁ?」
 片手を振りながら、ぱたぱたと風漢に走り寄ってきたのは六太だった。い
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10初寝(1):新刊発売まであと40日 :2019/09/02(月) 21:08:00
『一人カウントダウン企画』第六弾。
旅先で迎えた初夜の翌朝の、ぎこちなくも初々しいやりとり。
-----


 素泊まりの粗末な宿の衾褥で目覚めると、傍らの尚隆は既に起きて六太の
顔を覗きこんでいた。一瞬状況がわからずにぼけっとしたものの、褥の中で
ふたりとも素っ裸であることを思い出し、とたんに顔が熱くなる。おまけに
今は尚隆の腕の中だ。
 六太は狼狽をごまかすように恋人の腕枕から頭を持ち上げ、狭い室内を
きょろきょろした。
「どうした?」
「う、うん、あの。その、俺の服、どこかなって……」
「――ああ」
 尚隆が上体を起こしたことで衾が引っぱられたため、六太はあわてて衾を
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11初寝(2/E):新刊発売まであと39日 :2019/09/03(火) 20:32:01
「それで、だな」
 服を着た尚隆は向き直ると、やや困った顔になった。
「そのう――おまえ、腰はどうだ? つらくないか?」
「え、え?」
「加減はしたつもりなのだがな、やはりこれだけ体格の差があるとな……」
「だ、大丈夫。なんかちょっと変な感じはするけど」
 体に刻まれた昨夜の情交を意識した六太は、いっそう顔を赤くしながらも
何とか答えた。「そうか」と言った尚隆は明らかに安堵した様子。
「でも、あの……どうしよう。けっこう衾褥を汚しちゃったけど」
「まあ、宿代を余分に包んでおけば問題なかろう」
「う、うん」
 六太はうなずくと、ぎくしゃくした仕草で褥から出た。
「今日は高岫を越えようかと思っていたが、どうする? 何なら今日一日、
この街にいてもいいのだが」
 尚隆が六太に旅の希望を尋ねるなど滅多にあることではない。先ほどの言
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12はっぴー・どりーむ:新刊発売まであと2日 :2019/10/10(木) 19:30:23
『一人カウントダウン企画』第八弾は、
尚隆との情事を夢だと思い込んでいる、天然でちょっとおバカなろくたん。
-----

 酒盛りのあと、そのまま尚隆の臥室に泊まるのはけっこう好きだったりす
る。ここだけの話、あいつの房室に泊まると、必ずと言っていいほど淫靡な
夢を見るのだ。
 でもそれは嫌じゃない。ちょっと、いや、かなりどきどきするけど、あい
つに組み敷かれていろいろされる夢はむしろお気に入りだ。尚隆にそんな気
がないことはわかってるから、内心で自分がこんなことを望んでいるのかと
考えると気恥ずかしいけど、たぶん相手の体温を感じられるほど近くで寝る
から影響されるんだろう。
 特にゆうべはすごかった。出奔した尚隆が宮城に戻ってきたのは半月ぶり
で、間が空くと夢も激しくなる傾向があるから、俺は内心でうきうきしなが
ら、市井で買った安酒を土産に長楽殿に行った。もちろん酒に強くはない俺
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13夢を見た:新刊発売はいよいよ明日! :2019/10/11(金) 01:01:50
『一人カウントダウン企画』ラストはちょっとシリアス。六太視点。
-----

 夢を見た。
 尚隆と手をつなぎ、ふたりで歩いていた。平坦な歩きやすい場所はほとん
どなく、険しい山道やぬかるんだ泥土を、苦労しながら進んでいく。
「あっちがいい」
「阿呆、こっちだ」
 時に諍う俺たちの前に道はなく、だが振り返ると歩いた跡に道ができてい
た。その道を無数の人々が同じように歩いてついてくる。
 何とはなしに尚隆を見上げると、てっきり脇目も振らずに歩いていると
思ったのに、彼としっかり目が合った。ふ、と笑われて赤面していると、彼
は背後にもちらりと視線を投げ、何やらうなずいた。ついでふたたび前方を
見据える。
 世界は尽きず、俺たちが踏みしめる大地は永遠に続いていくのだろう。
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14名無しさん :2021/08/16(月) 13:54:46
素晴らしい尚六をありがとうございます!


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4 尚六SS「三日夜(みかよ)」 (Res:46)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 4
1一人カウントダウン企画 ◆y8UWMRK39I :2019/09/04(水) 21:30:25
『一人カウントダウン企画』第七弾は、この企画一番の長編。
仁重殿に通ってくる尚隆と六太の、前振り+三晩の話です。

基本は甘々でラブラブながら、一部泣き虫ろくたん。

40三日目(6):新刊発売まであと5日 :2019/10/07(月) 00:37:39
 夕餉も済み、寒冷な雁の気候のせいもあって普段は毎日湯浴みをするもの
でもないのに、女官らに強引に湯殿に追いたてられた六太がやっと落ち着い
たのは戌の刻の頃だった。
「なんか今日は一日中ばたばたしていた気がする。でも、もう飯は食ったし
湯浴みもした。これでやっと落ち着けるよな」
 六太はそう言って、榻に座っていた尚隆の隣に腰をおろした。尚隆のほう
はさっさと湯浴みを済ませたあとは酒肴を運ばせて一杯やっていたとあって、
既にほろ酔い加減といったふうだ。上機嫌のまま六太にも杯を勧めてきた。
「最近はあまりおまえと飲んでいなかったな。まあ、一杯やれ」
「うん」
 ちょうど喉が渇いていたこともあって、ぐっと杯を飲みほす。六太に供さ
れる酒はいつもかなり弱いものなので、頭がくらくらすることもなく気持ち
よく飲めた。
「今日は令尹に何度小言を言われたっけかな。うわついて全然仕事にならな
かったから。さすがに明日は謝っとかないと悪いや」
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41三日目(7):新刊発売まであと4日 :2019/10/08(火) 22:57:53
 それでも尚隆が運ばせてくれたものだし、と思って高坏を見やると、一口
大の綺麗な切り餅が盛られていた。尚隆はさっさと手を出して小さな餅とは
いえ三切れも食べたので、夕餉が足りなかったのだろうかと六太は不思議に
思った。
「おまえ、腹減ってんの?」
「いや、そういうわけではない。まあ、おまえも食え」
「俺、腹減ってねーんだけど」
「一切れでいいから」
 普段はこんなことを無理強いする尚隆ではないのに、と不審に思いながら、
六太は仕方なく餅を口に入れた。すると味や歯ごたえから、餅米をついて
作った蓬莱風の餅であることがわかった。
 空腹時ならありがたかったのにな、と少し残念に思いながら六太が食べ終
わると、尚隆は「よし、食べたな」と何やら満足そうにうなずいた。
「これ、何か意味あんの?」
 ようやく尚隆の言動を訝しく思った六太が問うと、尚隆は笑いながら「い
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42名無しさん :2019/10/08(火) 23:57:19
可愛い尚隆w こういう風流なこと趣味じゃないのに本命にハヤトやりそうなところ、ほんと尚隆ww


43一人カウントダウン企画 ◆y8UWMRK39I :2019/10/09(水) 20:45:15
この尚隆は本命にはデロ甘です♥


44三日目(8/E):新刊発売まであと3日 :2019/10/09(水) 20:47:57
 六太は手を伸ばし、餅をひとつ手にとって口に入れた。
「腹は減ってないのではなかったのか?」
 尚隆の問いをよそに、六太はがんばってさらに餅を食べた。
「おい、無理はするな」
 困惑したような尚隆の声音に、六太はもうひとつ餅を取ると、尚隆の口元
に差しだして「おまえも」と言った。「せっかく女官が用意してくれたのに、
残したらもったいないじゃないか」と言い訳しながら。
 尚隆は差しだされた餅をじっと見ていたが、すぐに微笑を浮かべると「そ
うだな」と答え、勧められるままに餅を口にした。そうやってふたりでせっ
せと食べたので、盛られていた小餅はほどなく彼らの腹におさまった。
「さすがに全部食うときついな。米の餅はうまいが、腹にたまりすぎる」
 苦笑する尚隆のかたわらで、六太も満腹して腹をさすった。
「このまま寝ると、もたれそうだな。ちょっとその辺を散歩してくるか」
「うん」
 六太も同意して、ただし護衛を引きつれるのは面倒なので、使令に見張ら
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45一人カウントダウン企画 ◆y8UWMRK39I :2019/10/09(水) 20:52:02
というわけで、どこまでもラブラブな雁主従でした。

さてこの企画も終わりが見えてきましたが(3日後には新刊ですよ、皆さん!)、
次は、2レスに分けると明らかに短いけど、1レスにまとめるとなんか長い、
と微妙な長さの掌編を2分割にしてラストにする予定でした。
しかし最後の最後に微妙な長さの2分割もないだろうと、土壇場で1レスにまとめることにしました。
足りなくなったもう1レス分は別の掌編で補います。


46名無しさん :2019/10/09(水) 23:26:01
とっても素敵なお話でした!二人のほのぼのラブラブのおかげで、私まで幸せ気分です。尚六いいな~。新刊でも出てくれるといいな~。
ついに残り2日!新刊も、残りのお話も楽しみにしてます!


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5 尚六SS「仁重殿の夜」 (Res:20)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 5
1一人カウントダウン企画 ◆y8UWMRK39I :2019/08/18(日) 08:30:19
『一人カウントダウン企画』第五弾は、書き逃げスレの「玄武に乗って」の続編。
前作と同じく尚隆視点です。


(尚六)玄武に乗って
ttps://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/32/1099458470/370-374n
※完全に記憶だけに頼って書いてしまったせいで、玄君の言葉遣いが原作と異なっています。


この話では「麒麟は全員、性欲旺盛で絶倫」「玄武での王宮行は媚薬つき新婚旅行」とのふざけた設定。
(でも内容はシリアス)
その他にもいろいろ捏造設定があり、どの国も王と麒麟の肉体関係は当たり前という前提です。

14仁重殿の夜(13):新刊発売まであと43日 :2019/08/30(金) 21:48:35
「はぁっ、あぁ、あ、はあぁ、ん」
 六太は顎をのけぞらせて金の髪を振り乱し、俺の掌に手を添えると、自分
から股間を俺の掌に押しつけて大胆に腰を動かした。
「あっ、あぁっ!」
 激しくあえぎながら腰を動かしていた六太は、俺の手の中で射精した。三
度目にしては量が多い。立派なものだ。なりは小さいが、もう大人の男と変
わらんな。俺は六太の一物をさらにしごくと、精液を最後までしぼるように
して出してやった。
 体から力が抜けた六太をあおむけにして臥牀に寝かせ、その小柄な体に覆
い被さって抱きしめる。先ほど押し倒したときのように太腿の間に腰を入れ、
普段のこいつなら抵抗するに違いないほど大きく股を開かせたが、六太はな
されるがままで、逆に俺の首にしがみついてきた。先ほどと違って服越しで
はない今は、腰を動かすと熱を帯びて濡れた六太の股間が直接俺の腹に当
たってこすれる。
「ん、あん、あぁん」
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15仁重殿の夜(14):新刊発売まであと42日 :2019/08/31(土) 09:46:43
「良いな……?」
 六太は何も答えなかったが、俺の首元に顔を埋めてかすかにうなずいた。
ここに至ってもまだ交わることに抵抗があるのか――あるいは単に恥ずかし
がっているだけなのか。
「いい思いをさせてやるぞ」
 俺はそうささやくなり体を起こすと、最初に脱いだ装束をさぐって、玄武
で使った残りの香油を移し替えた小瓶を取り出した。玄英宮に着いてからわ
かったのだが、香だけでなくどうやらこれも媚薬入りらしい。そのうち蓬山
に使いを出して、新しい品を手に入れることにしよう。
 俺はまず香油を自分の一物に塗った。ついで六太の秘所をまさぐり、なで
たりちょっと中に指の先を入れたりして愛撫がてら、たっぷりと香油を塗り
たくった。そうしてからやっと一物を六太のそこにあてがう。
 先端だけを少し挿入し、腰をぐるりと回して入口を刺激する。身もだえす
る六太にかまわずにしばらくもてあそんでから、ゆっくりと感触を楽しみつ
つ挿入した。
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16仁重殿の夜(15/E):新刊発売まであと41日 :2019/09/01(日) 10:23:09
 俺は構わず、幾度も幾度も深々と突き上げた。六太の欲求に応えるためと
いうのもあるが、既に俺のほうも、こいつと交わる悦楽にのめりこんでいた。
黄医が言っていた、麒麟の性欲の強さは閨でも王に仕えるためという説を思
い出す。どの麒麟もこれほどの快楽を主にもたらすのなら、その説もむべな
るかなというところだ。
 のけぞって白い喉を見せたままひっきりなしにあえぎつづけた六太は、快
楽に溺れるあまり、だんだんすすり泣きのような声になっていった。もう体
に力が入らないようで、完全に俺が支えてやらなければならなかった。
 脱力した六太の体が妙にくにゃくにゃとして扱いづらいのには閉口したも
のの、こいつが小柄で、かつ体重も軽いことが幸いした。両脇の下に手を入
れて支えてやりながら、荒々しく腰を入れつづける。
「どうだ、気持ちいいだろう? おまえの体はこれをずっと求めていたのだ
ぞ」
 そう言いながら俺は、ついに六太が絶頂に達して激しい快楽の叫びを上げ、
恍惚として失神寸前になるまで責めつづけたのだった。
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17一人カウントダウン企画 ◆y8UWMRK39I :2019/09/01(日) 10:25:25
まだまだラブラブになるには時間がかかりそうな感じですが、
尚隆、登極したばかりだしねー。
これから時間をかけて、ゆっくり絆を深めていってくれることでしょう。

次は掌編を挟んで、この企画一番の長編&ラブラブな話です。
というか、残りは全部ラブラブだよん♥


18名無しさん :2019/09/01(日) 20:57:46
乙でした〜
うぶなのに性欲強いろくたんめちゃエロいですね…!
早く心もラブラブになってほしいものです\(//∇//)\

それにしても麒麟がみんな性欲強いという設定は結構すごいですよねw
この設定読んで最初に思ったのは、じゃあ景麒も強いのか…?そりゃあ、堯天に女はいらぬのですとか言いたくなるよね…って予王に同情してしまいました。すいません…

残りのラブラブな話も楽しみにしてます!


19一人カウントダウン企画 ◆y8UWMRK39I :2019/09/02(月) 00:10:04
はっはっ、実は昔、景麒についてはまさにそういう構図でエロパロ板のほうに出したことがあります。
多情な景麒が女官食いまくりで、普通に夫婦のつもりだった予王がどこまでも報われない感じの。
この設定、コメディでもシリアスでも、いくらでもネタにできそうなんですよねー。


20名無しさん :2019/09/02(月) 17:21:11
マジですかw 予王可哀想に…
まさかエロパロ板にも書いていたとは!
姐さんの引き出しの多さに驚嘆です。


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6 尚六幾星霜 (Res:230)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 6
1名無しさん :2017/12/18(月) 19:25:09
9,10月に、書き逃げにいくつか投下した者です。
私も尚六の初夜話を書きたいなあと色々妄想した結果、ちょっと長くなりそうなので別スレ立てます。まだなんとなくの流れしか決まっていないんですが、とりあえず書き始めたので投下します。
最初はごく普通の主従関係で、互いにそういう意識もしていない状態です。

224「確信」5 :2019/08/18(日) 18:48:11
「––––風漢、夕餉は?何か注文するかい?」
「いや、夕餉は済ませた」
「酒は?」
「いらん」
「……不機嫌そうだね。何かあった?」
「何もないが」
風漢の口調はひどく素っ気ない。
卓上に六太が残していった杯には、まだ半分ほど酒が入っていた。風漢はそれを手に取ると、一気に煽った。空になった酒杯を音を立てて卓に置きながら、彼は低い声を出す。
「利広、お前」
何やら物騒なことを言い出しそうな声音に聞こえ、利広はほんの少し身構える。
「––––何故六太に声を掛けた」
あまりにも意外な質問に、利広は暫くの間まじまじと風漢の顔を見つめてしまった。
「……さっき六太も言ってたろう。騎獣に慣れてそうだったから、いい宿を知らないか訊いただけだよ」
「建前を聞きたいのではない」
「……へえ、建前だって分かるんだ」
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


225「確信」6 :2019/08/18(日) 18:50:33
風漢の後ろ姿が見えなくなってから、利広は盛大に溜息をついて椅子の背に凭れた。
「なんだか酔いが醒めちゃったなぁ……」
俺の麒麟に気安くするな、と率直に言われたらどう返そうかと考えていたのだが、さすがにそこまで言う気はなかったらしい。だが不用意なことを言えば斬られそうな、どこか剣呑な雰囲気を漂わせていたのは確かだった。

それにしても、五十年程前に会った時と今回で、風漢の印象がすっかり変わってしまった。それは六太が一緒にいたせいかもしれないし、この五十年の間に何らかの心境の変化があったからかもしれない。
いずれにせよ自分の中での風漢の評価を大幅に修正する必要がありそうだ。飄々として気まぐれな男だと思っていたから、彼ならあっさり禅譲を選ぶこともあり得ると思っていたのだが。
「……ないだろうな、あの感じだと」
溜息をつきながら、利広は呟いた。

幸せか、という利広の問いに、微笑んで頷いた六太の様子を思い出す。
雁の治世は三百年を数年過ぎたところだが、懸念していた王朝最大の山はどうやら既に越えたらしい、とあの笑顔を見て利広は確信した。
しかし風漢の予想外の態度を目にして、今度は別の懸念を覚える。
麒麟が笑って幸せだと言うのなら、きっと悪いことではないし、雁の王朝は当分安泰だろう。だが斃れる時は、おそらく悲惨なことになる。これも確信といってよかった。
「ずっと先のことだといいんだけどね……」
利広は腕を組んで暫く物思いに耽っていたが、ひとつ息をついて気を取り直すと、手を挙げて店員を呼んだ。
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226「確信」7 :2019/08/18(日) 18:52:36
尚隆が部屋に戻ると、榻に寝転んでいた六太が肘をついて上半身を起こし、意外そうな眼差しを向けてきた。
「……早かったな。利広と飲むんじゃなかったのか」
「飲むとは言っとらんだろう」
「そうだっけ?……まあ、いいけど」
尚隆は無言で上衣を脱ぎ、腰に帯びていた刀を外して床に放り投げてから榻に座る。隣に寝そべる軽い身体を両手で持ち上げて、自分の膝の上に跨らせた。
六太は驚いた表情をしたものの、特段の抵抗を示さずにおとなしく座った。正面から目を合わせ、六太は小首を傾げる。
「……何かあったか?」
「……」
尚隆は沈黙したまま金髪を撫でる。髪を弄んでから両手を滑らせて頰を挟み、柔らかな感触を確かめる。
「あ、分かった。利広と喧嘩したんだろ?それで飲めなくなって拗ねてんだ」
冗談めかした六太の推測に対して、尚隆は深く溜息をついた。
「……見当違いも甚だしいな」
頰を挟んだ両手をしっかりと固定して、六太の瞳を覗き込む。努めて平静な口調で尚隆は問うた。
「––––約束とはなんだ」
「約束、って……誰と誰の?」
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227「確信」8/E :2019/08/18(日) 18:54:59
「なんか利広ってさあ、ぱっと見の印象では人が良さそうだし、まあ話も面白いんだけど、肚の底では何考えてるか分かんない感じなんだよなぁ」
「同感だな。あいつは相当根性が悪いぞ」
「尚隆と同じくらい?」
「おそらくな」
言って尚隆が笑うと、六太もくすくすと笑い声をたてる。
「––––だから六太、気をつけろよ。初対面の男に簡単について行くな」
「ついて行ったわけじゃないって。むしろ逆だろ?利広がおれについて来たんだから」
「たいして変わらん。しかも二人で酒まで飲むとは、警戒心が薄すぎるだろう」
「最初から酒飲む気だったわけじゃないよ。利広がお前のこと知ってるって言うし、奏の太子だって分かったから。––––お前、昔話してくれたじゃん、出奔先で奏の太子に会ったって。利広に初めて会った時にさ」
「そうだったか?」
「そうだよ。ずっと昔のことだけど、一度だけ話してくれた。……それから何度も会ってるってのは、初耳だったけどさ」
どこか拗ねたように、六太は言う。
出奔先で誰と会ったとか何をしたとか、そういうことは以前は六太に殆ど話さなかった。利広に前回会った五十年程前にも、話した覚えはない。そもそも奏の太子に会ったという話は、六太以外の誰にもしていないはずだ。
「前回会ったのが五十年も前のことだ。六太とて、俺に何でも話していたわけではなかろう?」
「……そうだったかな」
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228書き手 :2019/08/18(日) 18:57:35
利広と六太、尚隆それぞれの会話を書くのが楽しかったです( ^ω^ )
そして相変わらず尚隆が心狭い感じになってしまいましたw
まあいつも通り最終的には尚六ラブラブなんですがね…

カプ妄想なしに帰山読むとそれぞれの王朝の終わりを考えてちょっと凹むんですが、
尚六フィルターかけて読むと萌え要素が多すぎてものすごく滾ります。


229名無しさん :2019/08/18(日) 19:38:58
乙でした、まさか続きが読めるとは!
心の狭い尚隆、何となく書き逃げの囚われた獣を連想しちゃったり
平常では心が狭いで済むけど、失道すると病的な執着に…


230名無しさん :2019/08/18(日) 23:13:03
続ききてた、乙です。
尚隆のやきもち美味しいし、ラストの大人っぽい甘さがめちゃくちゃ萌えます・・・!


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7 尚六SS「酔夢」 (Res:14)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 7
1一人カウントダウン企画 ◆y8UWMRK39I :2019/08/08(木) 19:37:51
『一人カウントダウン企画』第三弾。

六太に薬を盛って想いを遂げる尚隆。
切ない両片思いのシリアス話。

8酔夢(5):新刊発売まであと61日 :2019/08/12(月) 11:56:32
 六太はめまいのようなものを覚えながらも、自分でそれを突きとめるほか
ないことを悟った。それで次に尚隆に酒盛りに誘われ、いつものように果汁
を加えた酒を勧められたとき、その大半をひそかに床にこぼして使令に始末
させ、自分は飲んだふりをして酒量を抑えたのだった。
 もっとも酔って眠りこんだふうを装ったのは、完全に芝居というわけでも
なかった。いつもの半分も飲んでいないのに体が重くなり、急速で不自然な
眠気に襲われたからだ。尚隆がだまされたのはそのためだろう。実際に眠く
てたまらなくて横になっただけに、見た目もごく自然だったのだ。
 六太が榻の上で丸くなって目を閉じてしまうと、尚隆はしばらくひとりで
酒をあおっているようだった。やがて、「またか。しょうのないやつめ。寝
るならちゃんと臥牀で寝ろ」というつぶやきが聞こえたかと思うと、尚隆の
力強い腕が背に回されて六太の体が浮いた。どうやら牀榻に連れていってく
れるつもりらしい。
 自分の思い過ごしだったかと、うつらうつらしながらも六太は安堵したが、
それでも体が妙に重いのが気になった。だが薬を盛られたとしたら、最初か
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


9酔夢(6):新刊発売まであと60日 :2019/08/13(火) 10:48:17
 やがて尚隆は六太の脚を両肩にかけることで六太の腰を軽く持ちあげた。
固く猛った熱い先端があてがわれる感触がし、圧倒的な質量をもったものが
すぐに六太の中に侵入してきた。
 自分が犯されていることにやっと気づいた六太は、ひたすら茫然としてい
た。尚隆はしばらくゆるやかな動きで六太の中を行き来していたが、次第に
その動きが早くなっていった。それと同時に、彼の口から漏れる快感のうめ
きも激しくなる。
「六太――六太――」
 そんなふうにうわごとのように繰り返し六太の名を呼ぶ。六太の腰をしっ
かりとつかんでは、幾度も幾度も根元まで深々と身を沈める。
 六太のほうは声も出せずになされるがままになっているしかなかった。感
覚が鈍っているせいか、彼自身は痛みも、逆に快感も感じなかったものの、
何をされているのかまったくわからないほどではない。猛った一物を奥まで
激しく挿入されているとなればなおさらだ。
 六太の目には尚隆が女遊びをする回数が減ったようには見えなかったが、
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


10酔夢(7):新刊発売まであと59日 :2019/08/14(水) 10:14:23
 傍らでぐっすりと眠っている尚隆をちらりと見た六太は、震える手で帯の
結び目を検分した。前夜はわざと、いつもとは異なる結びかたをしていたの
に、今はそうなっていなかった。
 臥牀の上で茫然と座りこんだ六太は、しばし瞑目した。これまで幾度とな
く見た淫靡な夢が、決して夢ではないことを知った。酒に果汁を加えて勧め
るようになったのは、口当たりを変えて薬の味を誤魔化すためか。
 ――どうして。
 泣きたい思いで、傍らの尚隆に無言のまま問いかける。
 あんなことをしなくても、自分が欲しいならそう求めてくれれば。王と麒
麟が深い仲になったという話は聞かないし、ましてや自分たちのように同性
の主従の場合、誰もそんなことを想像もしないだろうが、麒麟はもともと王
のものだ。たとえ倫理に反していようと、恋い慕う王のものになれるのなら、
たいていの麒麟は悦びに震えるだろうに。
 そこまで考えて、ようやっと尚隆が求めているのが別の者である可能性に
思いいたる。
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11酔夢(8):新刊発売まであと58日 :2019/08/15(木) 09:23:36
 あの哀愁の気配。まるで泣いているようだと感じたこと。だから尚隆は自
分を抱くのだと、六太はやっと思いいたった。きっと尚隆はそうせずにはい
られないのだ。自分自身でいるために。王であるために。
 目から一筋の涙がこぼれ、それを袖でぐいとぬぐった六太は、もう一度尚
隆を見やった。
 自分を抱くことで、尚隆が慰められているのなら。ならば自分は何も言う
まい。気づくまい。
 それから六太は二度と酒をこぼすことはなかった。注がれるままにすべて
干して、自分の身に起こることを受け入れた。

 あるとき尚隆がからかうように言った。「礼をするなら、女どもはもっと
感謝の意を表わすぞ」と。
 尚隆が城を抜けだして半月ぶりに帰ってきたとき、彼はささやかな手みや
げを六太にくれた。市井の素朴な菓子。尚隆はいつも六太のことを「おまえ
は色気より食い気だな」と言って、そのとおりのみやげをくれるのだ。
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12酔夢(9/E):新刊発売まであと57日 :2019/08/16(金) 09:59:57
 彼の視線が、六太を通りすぎて誰か別の人間に注がれているのだろうこと
を知りながら、その視線をつなぎとめることができたらと願った。もし、尚
隆が少しでも核心に触れる言葉をほのめかしてくれたら。背後の見知らぬ誰
かではなく、六太自身に視線がそそがれていると思うことができたら。もし、
もし――。
 しかし尚隆はふざけた表情を崩さなかったし、それは六太も同様だった。
 六太は唇を尖らせて、すねたように言った。
「もー、わかったよ。麒麟の口づけなんぞ、滅多にもらえるもんじゃねーぞ。
ちゃんとありがたがれよ。俺の初めての接吻なんだからな。本当なら王ごと
きにくれてやるもんじゃねーんだぞ」
「わかった、わかった」
 六太は不承不承といった体で、腰をかがめて苦笑する尚隆の肩に手を置い
た。そうしてそっと相手の頬に唇をよせる。ありったけの想いをこめて。
「唇にはくれんのか?」
「そーゆーのは女にやってもらえ。妓楼の馴染みのねーちゃんとかさ」
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13一人カウントダウン企画 ◆y8UWMRK39I :2019/08/16(金) 10:03:08
というわけで、最後まで両片思いのままでした。

でも大丈夫。
誤解と紆余曲折を経て、将来はきっとラブラブになるから!


14名無しさん :2019/08/16(金) 13:41:34
尚隆の意気地なしーっ!
と叫びたいところですが、将来的に両想いになるのなら、そうなるまでおとなしく待ちます。
頑張れ尚隆…

尚隆が自覚あるのに六太に手を出せない理由があるとしたら(この話では手出してるけど)男だからじゃなくて麒麟だからだろうなあ…


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8 尚六SS「六太、猫になる」 (Res:12)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 8
1一人カウントダウン企画 ◆y8UWMRK39I :2019/08/01(木) 19:39:37
原作の新刊発売まであと72日!
雑談スレでひっそり予告していた『一人カウントダウン企画』第一弾は、ほのぼの尚六。

実は六太は麒麟ではなく猫だった?
遊び好きな猫型六太に引っかき回される玄英宮。
数レスでさくっと終わります。

6六太、猫になる(3) :2019/08/03(土) 09:04:28
「まずいぞ、台輔がご一緒だ」
「そこに積んである書類を全部隠せ!」
 六太が尚隆にまとわりついている隙に、彼らはむきだしの書類を布で覆っ
たり扉のついた棚にしまいこんだりと、慌ただしく立ち働いた。幸い六太は
尚隆の肩に駆けあがったり、長い袖に爪を引っかけてぶらさがったり、主を
遊びに誘うのに忙しい様子。裳から肩口まで幾度も駆けあがっては駆けおり、
衣装に爪を引っかけつつ肩から反対側の肩へと移り、腕の中にもぐりこみ、
さすがに閉口した尚隆に振りはらわれて床に降りては、またおもしろがって
駆けあがる。
 だが尚隆もいつまでも相手をしているわけにはいかない。にゃーにゃーう
るさく鳴いて気を引こうとする声を無視して椅子に座り、官らに渡された書
類を順に繰った。その合間にも六太は、尚隆の膝に乗ったり、卓に広げられ
た重要な書類の上で長々と寝そべったり、別の書類をくわえて振りまわした
りと、執務の邪魔に余念がなかった。
「猫じゃらしを持ってこい」
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


7六太、猫になる(4) :2019/08/04(日) 09:52:59
 だが平和は長く続かない。紐の先の房をくわえた六太が、そのまま室内を
全力疾走しはじめたのだ。卓の上下、棚や櫃の上、壁際等々をおかまいなく
駆けぬけ、控えている諸官の頭の上にも駆けあがると、頭から頭に飛び移り、
尚隆が筆を浸していた硯に勢いよく脚を突っこんで黒い飛沫をあげ、右往左
往する官らの官服や卓上にあった書類はもちろん、騒ぎで床に落ちた書類に
も見事な足跡を残した。
「ああああああ、書類がっ」
 その有様を、筆を持ったままの尚隆は声もなく見守っていた。
 さんざん引っかきまわすとやがて六太は気が済んだらしく、くわえていた
紐をぽとりと落として嬉しそうに「にゃー」と一声鳴き、ふたたび尚隆の膝
によじ登った。そのまま座り込み、あくびをしたかと思うと丸くなって、前
脚の上にあごを載せて目を閉じる。どうやらとりあえずは満足して眠くなっ
たらしい。
「やっとお休みになられたか……」
 髪と服を乱した官らは、うんざりとした様子ながらもほっとした顔になっ
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)


8六太、猫になる(5/E) :2019/08/05(月) 20:50:26
「執務室には猫じゃらしを備えつけておくか」
 そんなことを言って満足そうに六太の腹をなでる尚隆自身、やがて眠く
なってあくびをもらしたのだった。

「――ご起床の刻限でございます。どうぞお目覚めくださりませ」
 牀榻の外からやわらかく声をかけられ、尚隆は目を開けた。政務の途中か
ら記憶がなかったので、いつの間に寝たのだろうと不思議に思っていると、
妙に腹が重い。衾をめくってみると、六太が彼の腹に頭を乗せて平和に寝こ
けていた。猫形ではなく人形だが、被衫を乱して腹を出しているだらしのな
いかっこうは、猫形での寝相を彷彿とさせた。
「おい、起きろ。朝だ」
「んー……」
 六太はうなるように応えてから目を開けた。褥の上で座りこみ、大きく伸
びをして「うーん」とうめく。
「今日は猫ではないのだな」
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9一人カウントダウン企画 ◆y8UWMRK39I :2019/08/05(月) 20:53:04
というわけで、夢オチでした★


10名無しさん :2019/08/05(月) 23:22:36
ほのぼの尚六ありがとうございました!ろくたんはかわいいから猫姿がすごく似合いますね!ろくたみたいな猫がいたら即飼っちゃうなあ


11名無しさん :2019/08/07(水) 23:59:20
このろくたん、元気良すぎて
飼ったらカーテンとか壁とかボロボロにされそうw
あとPC操作してたら絶対邪魔しにくるタイプw


12名無しさん :2021/08/09(月) 10:30:57
めちゃくちゃ可愛いかったです!
ありがとうございます


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9 尚六SS「永遠の行方」 (Res:1000)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 9
1名無しさん :2007/09/22(土) 09:45:00
シリアス尚六ものです。オムニバス形式。

994名無しさん :2017/11/17(金) 20:36:56
新スレ立ってた!
そして続き乙です、無理をせず更新していってください
待ってます!


995名無しさん :2017/11/17(金) 20:41:59
待ってました!ラブラブな二人の様子ゴチです!スレ立てもありがとうございます!続き待ってます…!


996書き手 :2017/11/17(金) 21:42:52
えへへ、どうもです。
そりゃラブラブっすよー。
何せ新婚旅行直後なんで!
あーんなことやこーんなことをさんざんやってきた後です。



……青姦、とかも……。


えへ。


997名無しさん :2017/11/17(金) 22:27:06
ちょww
その話、読みたすぎですよ姐さん…!
興奮しすぎないよう心を落ち着けながら続きお待ちしてます…


998書き手 :2017/11/18(土) 00:17:02
わははは、ほら、その辺書こうとすると、また完結が遠のくので……。
いちおうこんな↓感じですが、好きなように妄想してやってください。

まだ時折情緒不安定になるろくたんを連れて
尚隆は以前からたまに訪れていた僻地の里閭へ。
のんびりした場所で気持ちが落ち着き始めるろくたん。でもここで尚隆に誤算が。
里家に泊まってたんだけど掃除等は里家にいる老人とか孤児の担当なんで
さすがに情事の後始末はさせられないと、結果的に禁欲を強いられることに。
寝るときはろくたん、尚隆にぴったりくっついてなついてくるので余計煽られる。
数日後、里閭を後にした尚隆は、どこかの街で宿を取ろうと考えるものの
「これから妓楼なり宿なりを探して部屋を取って――だと? だめだ、もたん!」
ふと騎獣から眼下を見下ろせば、山間にちょっと開けた場所があり小さな湖が。
「山の中だしひと気はないな……よし!」
即座に着地して、状況がわかってないろくたんを草むらに押し倒し本懐を遂げる。
その後、体を洗うために湖に入り、そこでも以下略。
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999名無しさん :2017/11/18(土) 03:00:11
ありがとうございます、姐さん!
里家の寝台は狭いだろうから、一緒に寝ると密着せざるを得ないよねw
尚隆にぴったりくっついて安心してすやすや眠るろくたんと、ムラムラもんもんとして眠れない尚隆とか
草むらに押し倒されて、明るい日差しの下で乱れた姿を見られちゃって、事後に照れるろくたんとか
そんな様子が可愛くて湖でまた襲っちゃう尚隆とか
めっちゃ妄想が滾るんですけど…!
変態尚隆、バンザイ!


1000書き手 :2017/11/18(土) 11:16:36
「自分のモノ」認定したろくたんには遠慮なくケダモノになる尚隆ですw
しかもそれでいて乱暴じゃなく優しいから始末に負えない。
ろくたんをしっかり抱えて逃がさないようにし、愛撫の手も容赦ないのに優しい。
湖の中の凶行も、ろくたんが痛い思いをしないよう
ちゃんと柔らかい苔やらがびっしり生えている岸壁を選んで
そこにろくたんの背を押し付けて体勢を安定させてから立位でガンガン突き上げる。
もし誰か通りがかったらどうしようと、気が気じゃないのに次第にのめりこんで、
最後は尚隆にしがみついて大声で嬌声を上げてしまったろくたん。
あとで「……もう!」と甘えたふうに唇を尖らせてすねてみせるも、
「怒るな怒るな。しばらくおまえを抱けなかったから、
どうしても我慢できなくてな」と苦笑されておしまい。
ろくたんも恥ずかしいは恥ずかしかったけど
「そんなに俺がほしかったんだ」と思えばまんざらでもなかったり。


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10 【お気軽】書き逃げスレ【SS】 (Res:630)All First100 Last50 SubjectList ReLoad 10
1名無しさん :2004/11/03(水) 14:07
ここはなんでも書けるスレです。初心者、エロエロ、ムード系、落ち無し、
瞬間的モエ、特殊系、スレ内SS感想等なんでもщ(゚Д゚щ)カモーン!!
どんなカプでもお気軽にドゾー!!
投稿ルール、スレ説明は>>2、その他意見・質問はまずロビスレへ。

※もちろん個人での派生スレ設立は、さらに大推奨※

624初詣(尚六)1/6 :2017/12/26(火) 19:15:43
尚六の別スレ立てて一話目も途中だというのに、ふと思いついた話を先に書いてしまいました…
ちょっと早いですが初詣デートの話
皆様も素敵な新年を迎えられますように(*^ ^*)

ーー
大晦日の深夜、間もなく年が明ける頃のこと。
関弓山の中腹にある禁門が、内側から少しだけ押し開けられた。門番が訝しんでそちらを見ると、門の隙間から一つの騎影が飛び出した。
三本の尾を持つ狼の背に、二つの人影。
止める間も無く騎影は跳躍し、岩棚の向こうへ降りていく。
二人の門番が騎影の飛んだ方へ走り、岩棚の端から下を見渡した。しかしそこには暗闇の中、街の灯りが散りばめられた星のように輝くのが見えるだけ。三尾の狼の姿はどこにもなかった。

「……やられた」
「五年……いや、六年振りか?」
「確か六年振りだな、大晦日の逃亡は」
「最近なくて安心してたんだがなあ」
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625初詣(尚六)2/6 :2017/12/26(火) 19:18:13
少しの間、尚隆はその横顔を見つめてから、軽い口調で声を掛けた。
「浮かれとるのはお前だろうが。勝手に先に行くな、迷子になるぞ」
「ならねぇよ。おれはお前の気配わかるし」
六太はそう言ってから、はたと尚隆を振り仰いで、にっと笑った。
「あーそうか。おれじゃなくて尚隆が迷子になるって話か」
尚隆は笑って、拳で六太の頭を小突く真似をする。
やめろよ、と笑って頭を庇おうとした六太の手を、尚隆は掴まえた。そのまま手を下ろして、六太の冷えた手を繋ぎなおすと、六太は少し驚いたように尚隆を見つめてから、悪戯っぽく笑った。
「……お前が迷子にならないように?」
「そうだ。手を離すなよ」
尚隆が念押しするように言うと、六太は楽しそうな笑い声をたて、手を握り返してきた。

人々の波は神社のある方向へと流れて行く。その流れに乗って、尚隆と六太も神社へ向かって歩き出した。
こちらの世界で初詣の風習があるのは、蓬莱の影響を色濃く受けている雁だけだろう。
鳥居へ続く街路には幾つか出店があり、食べ物や玩具などが売られていた。六太は尚隆の手を引っ張りながらふらふらと店を覗いていく。
「甘酒の匂いがする」
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626初詣(尚六)3/6 :2017/12/26(火) 19:20:17
今夜の六太は上機嫌だ。本当に楽しそうに笑っている。
数日前に初詣に行きたいと六太が言い出した時、尚隆は正直なところ、面倒だなと最初は思った。ここ数年は閨で新年を迎えていたから、今年もそうするつもりだったのだ。
元日は慶賀の式典があるので、準備のため早朝から起こされる。さすがに新年初の重要な行事をサボるわけにはいかないので、
「深夜に抜け出したら閨で過ごす時間がないではないか」
と尚隆が言うと、六太は、
「そんなのいつだっていいだろ。初詣は年に一度の特別なことだぞ。ここ何年か行けてないんだから、今年は絶対に行きたい。お前が行かなくても、おれ一人で行くからな」
などと言い出した。
どうしても譲らない六太に結局尚隆が折れて、初詣に来ることになったのである。
そんなことを思い出して、尚隆は軽く溜息をつきながら六太の笑顔を見やる。
浮かれた様子の民を見るのも、楽しそうな六太を見るのも悪くはないがな、と内心で呟きながら、自分の頰が緩んでいることは十分に自覚していた。

尚隆と六太は手を繋いだまま、他愛のない話をしながら歩いていく。鳥居をくぐり、神社の境内に足を踏み入れた。
凍えるような冷たい空気の中、吐き出される息は白い。境内のあちこちに、赤々と燃える篝火がある。
石畳の参道を参拝客の群れが進む。社殿が近づくにつれ人の密度は増していく。動きが緩やかになり、やがて殆ど動かなくなった。
蓬莱と違って、こちらの人は基本的に神頼みはしない。子や家畜を授けてくれる里木には熱心に祈るが、特に見返りのない神に何かを願うのは無意味だと考える者が多いらしい。
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627初詣(尚六)4/6 :2017/12/26(火) 19:22:32
六太の願い事はいつも同じだ。
手を合わせて心の中でそれを唱えてから、六太は目を開ける。最後に一礼をしてから隣を見上げると、尚隆はまだ目を閉じたまま、いつになく真剣な様子で手を合わせていた。
何を願っているのだろう。神頼みの御利益など、全く信じていないだろうに。

その横顔を少し見つめた後、ちょっとした悪戯心でその場からそっと離れた。人混みの中に入ってしまえば、小柄な六太を見つけるのは難しいだろう。逆に背の高い尚隆を見つけることはたやすいし、六太には王気が分かる。圧倒的に有利なかくれんぼだ。

尚隆が一礼してから六太が居た場所を見て、それからまわりを見渡すのを、六太は人混みの中から眺めた。慌ててはいないだろうが、きっと呆れているだろう。なんだか可笑しくなって、六太は小さく笑う。
周囲に目を配りながら歩き出した尚隆を、六太はこっそりと追いかけた。ゆっくり歩く尚隆に気付かれないように、慎重に背後から近付いて行く。
三歩程の距離から尚隆の袖を引こうと右手を伸ばした瞬間、不意に尚隆が振り返った。
「あ」
袖を引くより先に気付かれて、六太は思わず声が出た。伸ばしていた手を尚隆の左手に掴まれる。その手は大きくて暖かい。
「まったく、少し目を離すとお前はすぐにいなくなるな」
わざとらしい溜息をついてから、尚隆は笑った。
「迷子になったと思ったか?」
六太はそう言ってくすくす笑いながら、三度目だ、と思う。年が明けたばかりなのに、もう三度も尚隆につかまえられた。
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628初詣(尚六)5/6 :2017/12/26(火) 19:24:34
尚隆は六太の右耳に口を寄せると低く囁いた。
「––––六太の性欲がもっと強くなるように」
予想以上に、碌でもない願いだった。
「お前…!ほんとに莫迦だろ?くだらない願い事するんじゃねーよ!」
六太が声を上げると、尚隆は真面目くさった顔を作って首を横に振った。
「いや、これはかなり切実な願いだぞ。どうもお前は俺と比べると、そういう欲が弱い」
「お前と比べんなって、この色欲魔が。……あぁもう、ほんと訊くんじゃなかった」
六太は深い溜息をついたが、尚隆は楽しそうに笑った。
「お前は何を願ったんだ」
「教えない」
「せっかく俺の願い事を教えてやったのに、つれないな」
どうせ本当の願い事じゃないくせに、と六太は心の中だけで言い返しながら、尚隆に指を突きつけた。
「初詣の願い事ってのは、人に言ったら叶わないんだぜ?つまり、さっきおれに言ったお前の願い事は、叶わないってこと」
人に言ったら叶わない、というのはよく聞く噂だが、六太はそれを信じているわけではない。きっと願い事を他人に教えたくない誰かが考えた言い訳だろう。今の六太のように。
「……ほう、それは残念だな」
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629初詣(尚六)6/E :2017/12/26(火) 19:26:35
舌が溶け合ったのかと錯覚するくらい、長い口づけだった。やがて尚隆の唇は離れ、陶酔感の余韻が、六太に吐息をつかせた。
六太が瞼を上げると、間近に尚隆の笑みが浮かんでいる。
「その気になったか」
「……」
沈黙していると、尚隆は意地悪げに目を細めて、六太の首に巻いてある襟巻きをするりとほどいた。露わになった六太の首筋に、尚隆が顔を埋めた。
尚隆の冷えた鼻先が首筋に当たり、思わず首を縮める。そこに暖かい舌が這い出して、首筋からうなじへとゆっくりと移動し、そして耳朶に至った。
「あ…ん、やめ……尚…隆」
舌が耳に侵入してきて、ぞくぞくと背筋が泡立ち、声が上擦った。
「その気になったと言うまで続けるぞ」
尚隆の含み笑いと低い囁きが、耳をくすぐった。無駄な抵抗と知りつつも、六太は抗議する。
「……今夜は、そういうことしないはずだろ」
「誰がしないと言った」
う、と六太は言葉に詰まる。しない、とは確かに言ってない。
だが閨で過ごす時間がないと文句を言って、初詣に来るのを渋っていたのは尚隆だ。散々揉めた末に尚隆も初詣に行くと言ったのだから、閨事は諦めたと思っていたのに。
「でも、戻ったらどうせ夏官が待ち構えてて、それぞれ臥室に連れ戻されるだろ」
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630名無しさん :2018/01/16(火) 19:15:44
かわいいろくたんをありがとう!


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