第37回世界遺産委員会 - 1367744552

1：漣：2013/05/05(日) 18:02:32: いつの間にか1年が経ち、いよいよ今年の世界遺産委員会が迫ってきました。
日本でも富士山と鎌倉関連で沸き立っています。

下記に速報を記します。

【記載勧告】

富士山(鄴)(酛)(鄽には合致せず)
ケニヤ山の追加登録(醃)(醬)
セラバテーベ国立公園(ドラケンスバーグ追加登録醃/醱、ICOMOS評価は記載延期)
ボクニア王立製塩所(ウィエリチカ追加登録鄽)
ナミブ砂漠(醃)(醞)(醬)(醱)
新疆天山(醃)(醬)
エトナ山(醞)
エル・ピナカテ、グラン・デシエルト・デ・アルタルの生物圏保護区(醃)(醞)(醱)
タジク国立公園(醃)(醞)
アガデス歴史地区(鄱)(鄴)
ハニ族の棚田(鄴)(酈)
レヴカの歴史的港湾都市(鄱)(鄽)
開城(鄱)(鄴)
レッドベイ(鄴)(鄽)
ヴィルヘルムスヘーエ公園(鄴)(鄽)
メディチ家の別邸と庭園(鄱)(鄽)(酛)
カルパチア地域の教会群(鄴)(鄽)
ヘルソネス(鄱)(酈)

【情報照会】

ゴレスタン宮殿(鄱/鄴に合致。保全計画と緩衝地域の見直し)
コインブラ大学(鄱/鄽に合致。管理計画の見直し。)

【記載延期】

大ヒマラヤ国立公園
ハミギタン山脈野生生物保護区
ビジャゴス群島
ピマチオウィン・アキ
イサンドラ洞窟
メイマンドの文化的景観

【不記載】

鎌倉
カットティエン国立公園
スヴィヤジスク
ブルガール
ヴィアンデン
テイラーズ
歴史都市アラニャ
2：浦に～と：2013/05/06(月) 10:34:32: まとめていただき、ありがとうございます。
ケソン、ついに来ましたね！
ナミブ砂漠は自然基準コンプリートとは、さすが。
3：浦に～と：2013/05/28(火) 13:10:53: 鎌倉、推薦を撤回しましたね。

それはそうと今回、オランダでも不登録勧告があったんですね。
オランダといえば日本、ベルギーとともに、第一号の登録から順調に件数を伸ばしてきた国です。
国内ではひと騒ぎあったのでしょうか。
4：Riichi-A：2013/06/01(土) 05:07:12: 漣さんに質問です。
①世界遺産に無知な我々山梨県民は、もう富士山が世界文化遺産に登録されたかの様な錯覚をもっています。
ところが、文化庁はイコモスよりリスト除外を勧告された三保の松原をそのまま申請するそうですが、何やら雲行きが怪しくなってきたように思われます
展望をお聞かせください。
②旅行のまぐまぐに掲載されていた、漣さんの世界遺産旅行記が平成22年以来更新されていません。楽しみだったので、また復活してください。お願いいたします。
5：浦に～と：2013/06/06(木) 10:42:55: Riichi-Aさん、
すみません横から。
①について私見を述べさせていただくと、委員会の席では、
三保の松原を含めて登録することが重要であると、再度強調すると
思います。
そのうえで、会場の雰囲気が、「ICOMOSの勧告が妥当」というまま
変わらなければ、最後の段階で三保の松原を外すと思います。

昨年の世界遺産委員会はユーストリームか何かで生中継されたので、
それを見ていたのですが、新規登録の審議はかなりいい加減です。
「登録延期」勧告が出されていても、委員の一人が「○○という条件
つきで、登録を認めてもいいのではないか？」と言って、２人、３人と
賛同者が出て逆転登録された、なんていう例もありました。

文化庁としては「最初からICOMOS勧告を丸呑みしない。けれども
空気を読みながら、三保の松原を除外することもある」という考え
ではないかと思います。
6：RIICHI－A：2013/06/06(木) 23:16:21: 浦にーとさんへ
御回答頂きありがとうございます。
7：浦に～と：2013/06/18(火) 19:58:34: 今年も委員会の様子が生中継されています。
http://whc.unesco.org/en/sessions/37COM/

あと、ソロモン諸島の「東レンネル」が危機遺産リストに記載されました。
理由は、伐採が生態系に影響しているため、とのこと。
8：浦に～と：2013/06/21(金) 12:32:20: 今年の登録第１号はナミビアの「ナミブ砂漠」。
会場が拍手に包まれます。
やっぱり登録決定の瞬間は感動的ですね！
9：ピロリ：2013/06/21(金) 20:09:59: ライブ映像見ていますが、正直結構適当な感じですね。
10：ピロリ：2013/06/21(金) 20:14:09: イコモスから不記載勧告受けたインドの城塞が、大した学問的議論もなしに強引に登録されました。
そういうものと割りきったほうがいいのかもしれませんが、政治力の渦巻く世界ですね。
11：浦に～と：2013/06/21(金) 21:03:06: ピロリさん、ぼくも去年ライブ映像を見たときは、あまりのいい加減さに驚きました。
が、２日目になると慣れました（笑）

インドの山城は、今年度のICOMOS勧告は「登録」になっていたかと思います。
それにしても、昨年度「不登録」を勧告しておいて、何をどう間違えたら逆転登録勧告になるのか、不思議です。
12：キムラ：2013/06/21(金) 22:48:42: ラジャスターンのヒルフォート群の登録にはびっくりしましたね。
まさか不登録勧告からの登録勧告とは。
このような事があって良いものかと思ってしまいます。

個人的に、ジャイサルメールは単独で世界遺産の価値がある町だと思っています。
城塞を含め、町並みが本当に素晴らしい所です。
そういえば、暫定リストにはジャイサルメールが記載されていないんですよね。
13：ピロリ：2013/06/22(土) 18:13:13: 富士山、無事登録されましたね。
すべての国が熱弁をふるって、北斎やクローデル、セザンヌの名前を持ち出しながらオマージュを捧げたのは、もちろん三保の松原をめぐる根回しもあったでしょうが、それを上回る思い入れが感じられて、胸に迫るものがありました。
登録の瞬間の日本マスコミの騒ぎっぷりは、思い切り失笑を買っていましたが。。。
14：浦に～と：2013/06/22(土) 18:40:26: 私用にて外出してて審議を見逃しました。。
各国のコメント、聞きたかったです。

登録の瞬間はニュース速報が流れたとか。
それだけ多くの国民が関心を寄せていたということなんでしょう。

ただ、「富士山がなぜ世界遺産に登録されたのか」ということが、
ICOMOSの「条件付き登録勧告」以来、ほとんど報道されていない点が気がかりです。

世界遺産としてみた場合、富士山は法隆寺や姫路城ほど「わかりやすい」遺産ではありません。
そのぶん遺産名が推薦時から変更になって、多少はわかりやすくなりましたけど。
15：ピロリ：2013/06/23(日) 22:39:06: 今日のロシアの物件ブルガールをめぐる攻防戦は、まさに生々しい外交駆引きで、下手なドラマより面白かったですね。
最近の傾向で、ロシアとインドがタッグを組んで、無理押しするのが目立ちますが、確かにタタール人の重要な聖地であるにせよ、不登録勧告から一気に登録に持ち込もうとするのは、大胆というか、言葉は悪いですが、ヤ〇ザの恫喝みたいでした。
最初の登録勧告から12年待たされた、と言っていましたが、その間の修復作業に問題があったわけですし。。。
いくつかの委員国から、これを認めると委員会の信頼に関わるという声がありましたが、最後は投票で灰色決着のような感じでしたね。
ご覧になった方はどうお感じになるでしょう。
16：浦に～と：2013/06/24(月) 11:15:40: ピロリさん、
ぼくの貧弱な英語ヒアリング能力では、ほとんど付いていけませんでしたが、
すごいことになっているのだけはわかりました。
２度の中断があったとはいえ、議論は２時間50分にもおよびましたからね…。

で、最後は結局、投票したんでしょうか？
議論の終盤で、審議保留を求める声が大きくなると、議長が情報照会を提案し、
最終的にはロシアが推薦のコンセプトを見直して再度挑戦する旨を述べて
決着したように聞こえたんですが……。

「不登録」勧告が出ているのにもかかわらず審議にかけたということは、
ロシア側は少なくとも「登録延期」以上になるという相当の自信があったのでしょうね。
インドとのつながりは、去年もすごかったですし、今年もお互いにフォローし合っていて、
（ロシアは「グレートヒマラヤ」の二段階登録を提案していましたよね、確か）
あまりにも見え見えで「他国の目は気にならないのかな」と思いました。
その辺が国民性なのかもしれませんけど。

でも日本だって、三保松原を含めた登録を各国に言い含めていたようですし、
程度の差はあっても、結局どの国もやっていることなんですよね…。
17：浦に～と：2013/06/24(月) 11:21:08: そんななか、ルクセンブルクの「ヴィアンデン城と旧市街」が不登録になりました。
議長が議論を呼びかけても誰も挙手せず、不登録が採決されてもシーンと静まり返ったままで、
拍手喝采に包まれる登録決議とのあまりの落差に驚きました。
（まあ、不登録採決で拍手が沸いたら、それこそ驚きですけど）。
18：浦に～と：2013/06/24(月) 11:27:59: キムラさん
最近の傾向として、90年代まであったような正攻法の遺産が少なくなっています。
インドといえば３年前に「ジャイプールのジャンタル・マンタル」が登録されましたが、
ジャイプールといえば、ガイドブックを見る限り、「風の宮殿」や城壁が残る歴史地区が
一押しであるかのように書かれています。

それが、あえて天体観測施設だけで登録してきたように、独特のコンセプトがあり、かつ、
そのコンセプトが従来の枠外にあるような場所が、今後はますます有利になっていくはずです。

ジャイサルメールで登録運動がないのは、そうした理由なのかも、と思いました。
19：ピロリ：2013/06/24(月) 18:27:34: 最後は遺産の価値を強調する情報照会で、限りなく次回の登録を保証する形で決着がついたように記憶していますが。
ちなみに日本を含め、多数の国は棄権してました。
ロシアの横暴に立ち向かったのがエストニアというあたり、国際関係を反映してますよね。
20：キムラ：2013/06/24(月) 19:59:58: ＞浦に～とさん
ジャイプルはマハラジャの宮殿を始め多数の文化財を有していながら、
ジャンタル・マンタルに絞った時には「そう来たか！」と感心しました。
確かにジャンタル・マンタルはユニークな文化財ですし
（インド国内にはデリーやバラナシなどにも同様の物がありますが、
やはりジャイプルの物が最大ですし）、良い推薦だったと思います。

今回登録されたヒル・フォート群にはジャイプルのアンベール城も含まれてしますし、
コンセプト重視のシリアル・ノミネーションにシフトしているのが良く分かりますね
（城塞群というコンセプトは割とありがちですが）。

ジャイサルメールにこれまで登録の動きがなかった理由ですが、
インドは多数の個人財産を含む物件は推薦しない傾向にある気がします。
ジャイサルメールを単独で推薦するとなると、町並みを含める事になりますが、
これを嫌ったのではないかと思っていたりします
（今回のヒル・フォート群は、面積から察するに城塞部分だけですし）。

コルビュジェのチャンディーガルが宙に浮いているのも、
その辺りが理由にあるような気がします。完全に憶測ですが。
21：浦に～と：2013/06/27(木) 00:05:42: ピロリさん、あの攻防のなかで、そんなことをしていたんですね。
まったく付いていけてませんでした…。

キムラさん、言われてみればインドの世界遺産には町並みや集落が
ほとんどない（というか、皆無？）ですね。
国内法で保護対象になっていないのか、そもそも住居と文化財は別だ
という考えが一般的なのか…？？