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中近東・アフリカ関連のイベント情報
26
:
さーひぶ。
:2010/06/20(日) 23:39:50
(
>>25
から続く)
今月に来日したシュロモー・サンド教授は、文献学・考古学・歴史学などの立場から、
「ローマ帝国によって故国を滅ぼされ、ユダヤ人は離散した」とか
「ホロコーストで迫害されたユダヤ人は2千年ぶりにイスラエルに帰還して建国した」
などというシオニズムの「神話」を痛烈に批判しています。
日本の教科書にも載っているような、このようなユダヤ人の歴史というものは
考古学や文献学などを駆使して見ると、根拠がなかったりするようです。
イスラエルを建国したアシュケナージーム(東欧系ユダヤ人)などが実は、
古代ユダヤ人とは血縁関係のない改宗者で、カスピ海岸にいたハザール人など
ではないかということは、以前から主張されていました。
(アーサー・ケストラー著『ユダヤ人とは誰か─第十三支族 カザール王国の謎』
宇野正美訳、三交社、ISBN 978-4-87919-102-1、税込2,018円、1990年、などを参照)
サンド教授によれば、現代イスラエルに来た他のユダヤ人も「改宗者」であると
のこと。さらに、ローマ帝国によって古代のユダヤ人が追放されたという記録はなく、
その末裔は実は、キリスト教やイスラーム教に改宗した現代パレスチナ人だというのです。
サンド教授は先々週から先週にかけて日本各地で講演をして回ったようですが、
私は先々週の6月11日(金)の東京講演(明治大)を聴講して来ました。
著書の日本語訳はまだ読んでいないのですが、講演はほぼ著書の内容だった
模様です。
質疑応答では、現在イスラエルでユダヤ教神殿の建設が計画されているとの
話が出ましたが、サンド氏によれば、神殿は救世主(メシア)が現われて
建てるものであって、シオニストが勝手に建ててはいけないのだそうです。
だが、イスラエル・パレスチナ問題はかなり厳しい情勢だとのこと。
しかし、従来はシオニズムやイスラエルへの批判をすると「反ユダヤ主義」の
烙印を押されたものでしたが、正統なユダヤ教徒が批判の声を上げることによ
って、国際社会の反応は少しずつ変わりつつあるようです。
シュロモー・サンド
http://en.wikipedia.org/wiki/Shlomo_Sand
『ユダヤ人の発明』
http://en.wikipedia.org/wiki/The_Invention_of_the_Jewish_People
ヤコブ・M・ラブキン
http://en.wikipedia.org/wiki/Yakov_M._Rabkin
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