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たかし&恵子「バトロワ愛の劇場」

1バサラ</b><font color=#FF0000>(Lng5G4kg)</font><b>:2003/07/12(土) 00:34
リレーストーリーを作って行くスレです。

設定とか、いろいろは・・自由!
だんだん分かる・・と思うw

2バサラ</b><font color=#FF0000>(Lng5G4kg)</font><b>:2003/07/12(土) 00:34
第一話

「ね〜たかしー今夜遊ぼー」
「いや、バトロワあるから帰る」
「たかしのバカー」

3バサラ</b><font color=#FF0000>(Lng5G4kg)</font><b>:2003/07/12(土) 00:35
第二話

「ふぅ、恵子って奴は・・」ため息とともに携帯を切るたかし。
まだ学生の身で自由奔放な恵子とは対照的に、24歳リーマンたかしは、まじめ一方、
唯一の娯楽は毎週土曜、イカすHNでバトロワに参戦することくらいなのだ。
ちょうどその時、たかしの携帯に心当たりのないアドレスからメールが・・
メールはこう告げていた
「ダンケ後藤さま、今夜のバトロワ、楽しみにしています」

4あぼーん:あぼーん
あぼーん

5℃</b><font color=#FF0000>(HqiBUzVI)</font><b>:2003/07/18(金) 21:20
第三話

「ちぇっ、せっかくの土曜日だってのにさ。たかちゃんのイケズ」
PCの横に置いた写真立て。そこで笑っているたかしをでこピンする恵子だった。
「それにしても”ばとろわ”ってなんだろ。たかちゃん真面目だから小説や映画の事じゃないだろうし…」
モニターには検索エンジンの画面が写っていた。検索ワードは当然”バトロワ”。次々に出てくる項目の
中、彼女は他の〜映画などのファンが作る〜HPに比べ明らかに異彩を放つ一つの言葉に目を止めた。
「えーと、”極東バトロワ”? ……なんか、何だか気になるなあ……」

6なりたあっぷろーど</b><font color=#FF0000>(8qoqUMA.)</font><b>:2003/07/20(日) 21:00
第四話

 〔Far East〕ヨーロッパからみた名称で、東洋の最も遠い地域をいう。
 中国の東半分、朝鮮・東シベリア・日本などをさす。極東地方。東アジア。

辞書を引いて「極東」という言葉を確認してみる恵子。
なんだか難しそうな言葉が並んでいるが、
つまりは自分たちが今住んでいる場所のこと・・・・・・だよね。
でも、それと”バトロワ”と、どんな関係が・・・・・・?
疑問に思いながらも、不思議と胸のうちより湧き上がってくる好奇心に任せてアドレスをクリックしてみる恵子。
・・・・・・一瞬の間があって、リンク先が画面に広がる!

7なりたあっぷろーど</b><font color=#FF0000>(8qoqUMA.)</font><b>:2003/07/21(月) 21:05

×辞書を引いて「極東」という言葉を確認してみる恵子。
○辞書を引いて恵子は「極東」という言葉を確認してみた。

こっちの表現のほうがいいかな。

8大野奈津美:2003/07/22(火) 23:13
第五話

たかしは会社帰りの電車の中。よりにもよって土曜出勤、おまけに残業のコンボ。
10時のバトロワスタートに間に合うか気が気でなく、知らず知らず貧乏ゆすりしてしまい
となりで酒臭いいびきで爆睡していたオジさんを起こしてしまい、充血した目で睨まれてしまう始末。
「あ・・・すいません・・・」と小声で謝りながら、携帯で現在時刻を確認してみた。

(うーん、ぎりぎり間に合うかなぁ)

9大野奈津美:2003/07/22(火) 23:17
第六話

携帯を見て、さっきの謎のメールを思い出し、もう一度、受信メールを呼び出してみるたかし。
「ダンケ後藤さま、今夜のバトロワ、楽しみにしています」
なんだこれ?完全な間違い勘違い。
俺がバトロワに参加してるのは確かだが、HNが違ってる。
メールに書いてあるのは、まったく他人のHNだった。
(俺はもっとナイスなHNだぜ。)
しかも、よりにもよって勘違いされた相手が「ダンケ後藤」とは…。

10℃</b><font color=#FF0000>(HqiBUzVI)</font><b>:2003/08/16(土) 11:37
第七話

「ダンケ後藤」…。彼(もしくは彼女)はたかしにとって正に好敵手と言うべき論者だ。
たかしが緻密に詰め将棋的な議論の組立てをすれば向こうは直感と気分でレスを返すのが通例。
その短い文は、けれど鋭い所を的確に突いており、「ダンケ後藤」のHNがバトロワスレに現われる
度たかしは身の内を引き締めてキーボードに向かうのがいつもの事であった。
「それにしても一体誰がメールを?俺のメルアド知っているのはそういない筈だけど」
その時手元から着信音が不意に鳴る。驚き慌てて取り落としそうになりながら携帯を耳に当てた。
「あのさ、たかし?ちょっとききたいことあるんだけどな…」

11バサラ</b><font color=#FF0000>(Lng5G4kg)</font><b>:2003/08/22(金) 00:39
第八話

たかちゃん、この間はとうとう白状しなかったわね。でも、あれが絶対たかちゃんの言ってる
バトロワよ。極東バトルロワイヤルってやつ。長文だらけで頭痛いけど、たかちゃんは好きそう。
それにしても、隠すところがやっぱり怪しい。まさか浮気でもしてるんじゃないでしょうね
疑惑を胸に秘めた恵子は、たかしとお茶を飲んでいても今ひとつ気分が盛り上がらない。
(もう一度聞いてみようかな・・)その時たかしが、携帯をテーブルに置いたままトイレに立った。
誘惑に抗えず、たかしの携帯に手を伸ばしてしまう恵子。メールを数件遡ると、そこには・・
「ダンケ後藤さま、今夜のバトロワ、楽しみにしています」
たかしが・・ダンケ後藤!?


かなーり強引な急展開ですいませんw

12大野奈津美:2003/08/29(金) 10:53
第九話

アイスティーの氷が溶けて、グラスの中でカランとなった。ファミレスの中は冷房がちょっと寒いくらい。
(ダンケ後藤って、昨日のあの人?)
昨夜たかしに電話したあと、恵子はずっと極東バトロワをROMっていたのだが、
ダンケ後藤のせいでスレは荒れに荒れていた。いや、異様な盛り上がりだったと言うべきか。
(そんな、しんじらんなーい!)
携帯を持つ手に薄く鳥肌が立ってるけど、冷房のせいじゃない。
見ちゃいけないものを見ちゃったのかも…。
「なにやってんの?」

ギクゥッ!

13℃</b><font color=#FF0000>(HqiBUzVI)</font><b>:2003/09/06(土) 17:35
第十話…よくここまで続くなあ(笑

”いやひどい目にあったなぁ”
溜息をつくたかし。先日来からどーにも事が多い日々が続く。極東バトロワではダンケ後藤のふぁんきぃな
レスがきっかけでちょっとした祭になり、自分の思った通りの議論展開が滅茶苦茶にされるし、例のメール
が原因で恵子には誤解され、挙句に大喧嘩(ついでに頭から水引っかけられる)し…。
そういう訳で楽しみにしていた今日の極東板オフもイマイチ楽しめない。当然自分を見ている女性の視線に
も気が付かなかった。そんな彼の前に立った一見大学生風の青年が開口一番こう切り出した。
「あっ、あのダンケ後藤さんですよね。お、俺ファンなんですっ」「……はいぃぃ!?」

その光景を、変装して潜り込んでいた恵子がドキドキしながら見ている事も当然気付いてはいなかった。

14ばさら:2003/09/13(土) 19:55
第十一話

「いえ、ダンケ後藤じゃないですよぉ。俺はもっとイカすハンドル・・いやいや」
ダンケ後藤疑惑を必死に否定するたかし。なんだってみんな、俺をダンケだと思うんだ?
しかし、ダンケ後藤という名に反応して、みなが一斉にたかしに注目し、次々に話しかけてくる。
「ダンケさん、握手してください!」「あ、握手って」「普段はどんなお仕事を?」「だから・・」
「きくちゆみって本物ですかね?」「それはなんとも・・」「ダンケさんは、彼女いるんですかね?」
うつむいたままの変装恵子が耳をそばだてる。しかしたかしは、あまりの質問攻めにうんざりし始めていた。
「彼女?知りませんよ、そんなこと」
恵子の胸に稲妻が!(知らないですって!?ひどい!バトロワでスターダムにのしあがった今、
無名時代に付き合い始めた私のことなんて隠しておきたいって言うの?たかしのバカー!!)

15ばさら:2003/09/27(土) 19:45
あれ?書いたつもりが書き込めてない。
どっかに誤爆してるのかな?

えっと、今週のお知らせには、「たかし&恵子」の別ヴァージョン使います。

16大野奈津美</b><font color=#FF0000>(MYIUlUEw)</font><b>:2003/09/27(土) 23:48
>>15
誤爆ですか(w
すると、またどっかで(*´д`*)ハァハァされてるわけですな(w

17ばさら:2003/09/29(月) 21:57
>>16
う。どうしてそれを?w

えっと十二話は別ヴァージョンと思ってたけど、
やっぱ、このまま続けましょw

第十二話

たかちゃん、変わったよね・・オフの場にいたたまれなくなり、
とぼとぼと家路を辿りながら、恵子が思い出すのは1年前
たかしと二人で出掛けたパラオ旅行のことだった。
パラオはよかったな・・海は綺麗だし、日本語も結構通じるし
現地の人たちみんな優しくて、猪木にも偶然会えたりして・・
2004年のパラオ独立10周年にまた一緒に来ようって、約束してたのに・・

18バサラ </b><font color=#FF0000>(Lng5G4kg)</font><b>:2003/10/11(土) 03:23
第十二話−2

「そうだ!パラオへ行こう」恵子はふいに思いつき、次の瞬間にはスーツケースを
引っ張り出していた。「パラオで、もう一度考え直したい。たかちゃんのことを」
こうと決めたら、恵子の行動は早い。一週間後、たかしに一本のメールが届いた。
「たかちゃん、私は満月の国へ旅立ちます。行く先々で思い出すのはアナタのことだと
わかっています。探してください。恵子」
呆然とするたかし。「満月の国って、まさかパラオ!?探せったって・・ああああ」

19バサラ </b><font color=#FF0000>(Lng5G4kg)</font><b>:2003/10/11(土) 18:44
たかし&恵子「パラオ愛の旅路」は、なかったかのように、進行するますw

20バサラ </b><font color=#FF0000>(Lng5G4kg)</font><b>:2003/10/11(土) 19:21
第十三話

恵子を追って、パラオへ向かおうとするたかしだったが、現実はなかなかそう簡単ではない。
日本に帰った恵子が連絡をよこしていないかと、頻繁にメールをチェックするのだが、
入るメールは不審なものばかり。今では毎日のように、たかしをダンケ後藤と勘違いした者からの
メッセージが届くようになっていた。
「一体どうなってるんだ。俺はダンケじゃないのに。大体どうして俺のアドレスが広まってるんだ」
恵子のこともあり、少し気が立っていたたかしは、あるいたずらを思いついた。

土曜、たかしはバトロワに参戦するべくパソコンに向かい、名前の欄を書き換えた「ダンケ後藤」と。

21バサラ </b><font color=#FF0000>(Lng5G4kg)</font><b>:2003/10/11(土) 19:23
第十三話(ちょっと修正

恵子を追って、パラオへ飛ぼうとするたかしだったが、現実はなかなかそう簡単ではない。
日本に帰った恵子が連絡をよこしていないかと、頻繁にメールをチェックするのだが、
入るメールは不審なものばかり。今では毎日のように、たかしをダンケ後藤と勘違いした者からの
メッセージが届くようになっていた。
「一体どうなってるんだ。俺はダンケじゃないのに。大体どうして俺のアドレスが広まってるんだ」
恵子のこともあり、少し気が立っていたたかしは、あるいたずらを思いついた。

土曜、たかしはバトロワに参戦するべくパソコンに向かい、名前の欄を書き換えた。「ダンケ後藤」

22ばさら:2003/10/18(土) 20:00
第十四話

バトロワ上で、ダンケ後藤になりすますたかし。
ほんの悪ふざけのつもりだった。本物のダンケが出てきたら、すぐにやめるつもりだった。
しかしその夜、ダンケ後藤本人は現れなかった。
いつも論戦していた相手。口癖も論理展開の手順も知り尽くしている。
終了まで誰にも見破られることなく、ダンケ後藤になりすましてしまった。

この時たかしは予想もしていなかった。
この悪戯が後に、たかし自身を窮地に追い詰めることになろうとは。

23ばさら:2003/11/08(土) 18:54
第十五話

一方恵子は、意外にもあっけらかんとパラオを堪能していた。
元々ダイバーでもある恵子。青い海を目の前にすれば、悩み事など忘れてしまう。
翌朝、申し込んでいたビーチダイブのため、ダイブサイトへと出かけていくと
すでに数人のダイバーが集まっていた。今日、一緒にもぐるメンバーだ。
ダイバー達はそれぞれに自己紹介し、すぐにフレンドリーな空気が作られる。
中でも「後藤」と名乗る男は、このビーチの常連らしく、他のメンバーとも顔見知りのようだった。
その時、ひとりの男が後藤氏に声をかけた「やあ!ダンケさん。この前はどうも」

ダンケ?ダンケ・・後藤!?

24℃ </b><font color=#FF0000>(HqiBUzVI)</font><b>:2003/11/12(水) 23:33
第16話

今日のたかしは不幸だった。
「先輩最近何かあったんすか?」と職場の後輩にまで心配されるほど顔色が悪い。ダンケなりきりは自分でも上手くやった
自信はあるが、やはり正直者の彼には心身的に大分負担だったようだ。恵子からは相変わらず連絡は来ないし…。後輩
が飲みに誘ってくれたのは自分を励ますつもりだったらしい、が…。
「…なんだよー俺一人のけもんにしてみんなバカンスなんていきやがってー」などと酔っ払って管を巻く後輩を終電に放り
込み、自分も久しぶりの大酒で足元をふらつかせながら部屋に帰る。いつもの通りPCをつけ、バトロワ観戦スレを開くと
誰かのつけたレスが目に入ってきた。
”ダンケ最近切れ味悪いなー。それにいつも相手している奴も顔出さないし。あのちょっと笑えるコテつけた奴(笑”
……な、な、な、なんですとおおおおおおお-------------っ!!


鯖移転記念カキコ←おい。

25ばさら:2003/11/22(土) 17:02
第十六話

たかしは必死にならざるを得なかった。もっと上手にダンケ後藤になりきらなくては。
どうしてこうまでダンケに拘るのか、かすかに疑問に思いながらも、その夜もたかしは
ダンケ後藤としてバトロワにのぞんだ。ダンケに見えるように。短かく、かつ核心に
切り込むレスを。。いい調子だ。このまま25時まで突っ走ろう。
と、その時、たかし扮するダンケに反論して来る者が現れた。
バトロワなのだから、それは当然だ。しかし・・
その反論者は、通常たかしが使っていたHNを名乗ってきたのだった。

「なんだこいつは!?俺のHNを。。しかも・・極端に素人臭い奴じゃないか」

26ばさら:2003/11/22(土) 17:03
ちょっと修正

第十六話

たかしは必死にならざるを得なかった。もっと上手にダンケ後藤になりきらなくては。
どうしてこうまでダンケに拘るのか、かすかに疑問に思いながらも、その夜もたかしは
ダンケ後藤としてバトロワにのぞんだ。ダンケに見えるように。短かく、かつ核心に
切り込むレスを。。いい調子だ。このまま25時まで突っ走ろう。
と、その時、たかし扮するダンケに反論を挑む者が現れた。
バトロワなのだから、それは当然だ。しかし・・
その反論者は、通常たかしが使っていたHNを名乗ってきたのだった。

「なんだこいつは!?俺のHNを。。しかも・・極端に素人臭い奴じゃないか」

27℃@にょ団 </b><font color=#FF0000>(HqiBUzVI)</font><b>:2003/12/06(土) 18:53
第十八話…だよね(笑。

PCに電源を入れ、jane橙を開く。見慣れた「極東バトロワ」のスレッドを前に、たかしは緊張した顔を向けていた。
前回に書き込まれた自分のコテハンを見ながら今日もダンケなりきりを始めるが、その文章は前回以上に切れ
が悪いのを自分でも感じる。理由は判っていた。
「ああ、俺がバカだったからさ」
前回自分のコテで書込まれたレスを見ていて自分の愚かさが身に染みた。自分に自信が無いから、ダンケの振り
をして復讐をしたつもりになっていたんだ、と。本当に自分を信じていたら誰に間違われても気にする事は無かった
ろうに…。
惰性でレスを書き込み、画面更新した時彼は目を見張った。自分が書いた覚えの無いダンケのレスがあった。
「ヤアヤアヤアヤァ!ここんとこテンション低めでもーしわけなーし(笑。こっから本調子で逝くのDA!DA!DA!」

「たかちゃん」モニター前で固まるたかしの背に、恵子の声がかけられる。

28ばさら:2003/12/13(土) 19:26
第十九話

「最近ダンケさんに成りすましてたの、やっぱりたかちゃんだったんだ」
「な、成りすまし?俺がダンケだよ。みんなそう思ってる。恵子も俺の携帯に送られたダンケ宛のメール見ただろ?」
「たかちゃん前に、間違えて、私へのメールをダンケさんに送ったでしょう。ダンケさんがバトロワオフ会連絡用に公開してたアドレスに。
ダンケさんは、それを嫌がらせメールだと勘違いして、意趣返しにたかちゃんのアドレスをダンケのアドレスと偽って晒したんだって。
まさか、ただの間違いだったとは思わなかった。すまなかったって、ダンケさん謝ってたよ」
恵子宛のメールをダンケに?記憶がないが・・と、携帯の送信履歴をたどると・・
確かに恵子宛と思しき文面を見慣れないアドレスに送信している。酔っ払ってうっかりしたか?
しかし、このメールをダンケに見られたのか!?ああああ!待てよ。その前に。。なんで恵子がこんなこと知ってるんだ?
たかしの疑問を読み取ったかのように恵子が答える。
「私ね、パラオで本物のダンケさんに会ったの。それで・・日本に帰る時、ダンケさんに言われたの。結婚しようって」

け、結婚!?

29℃ </b><font color=#FF0000>(HqiBUzVI)</font><b>:2003/12/20(土) 19:09
第二十話

「け、けっけけけ」「何笑ってのよ」「違っ!…けっ結婚ってどーゆーことだよっ!?」
成りきりも、自己嫌悪も、羞恥心も全てが頭の中から吹っ飛んだ。何考えてんだあの男!!
「ダンケさんは優しかった。私から全てを聞いて事情を飲み込んだ後しきりに謝って、慰めてくれて」
「そして彼女の魅力に気がついた訳さ。…はじめまして…って言うべきかな?」
恵子の後からそう声がかかる。ノーパソを抱え申し訳無さそうな顔をしたたかしの後輩をお供に現れた男。
「ダンケ後藤!お、おまっっなな何しにっ」「ところが恵子さんはなかなか決心がつかなくてね」
当り前だ!激昂するたかし。「恵子は物じゃない!彼女の気持ちも考えろっ」
だがそんな言葉を聞いているのかいないのか。日に焼けた精悍な容姿の男はたかしに向かって言い放った。
「そこでね、君と僕、どちらが彼女に相応しいか知ってもらうために決闘を申し込みに来たわけさ」
そう言ってダンケはゆっくりとある一点を指差した。「そこに僕たちの決闘場所がある」

指差す先にあったのはたかしのPC。画面は極東バトロワのスレが開いたままだった。

30ばさら:2004/01/10(土) 19:42
これまでのあらすじ

24歳リーマンたかしと、学生で直情型の恵子のラブストーリーw
たかしは、毎週土曜にバトロワに出るのが趣味だったが、それが元で恵子との間に溝が生まれる。
そんな折、たかしの元へバトロワのスターファイター「ダンケ後藤」宛のメールが届くようになり
恵子にまで「たかし=ダンケ」と誤解されて戸惑うたかし。

しかし、恵子はひとり傷心旅行に旅立ったパラオの地で本物のダンケ後藤に会い、たかしとは別人だったことを知る。
一件落着と思いきや、恵子はたかしに、ダンケからプロポーズされたことを告白する。

31ばさら:2004/01/17(土) 00:54
第二十一話

こうして恵子を巡るたかしとダンケの決着は、バトロワでつけられる事となった。
心配そうにふたりを見比べる恵子。ダンケが連れ立ったたかしの後輩は、審判員としてその場に控える。
バトロワ上では、すでにダンケが怖いもの知らずの書き込みを繰り広げている。
「落ち着け。切れたら負ける」たかしは、自分にそう言い聞かせ、出来る限り冷静に反論する。
「それはそうだが、相手国の気持ちも考えなくては本当の解決にはならない」
そこへ、ダンケが襲い掛かる。「は!?相手の気持ち?あんたはいつもそうだよ。相手相手相手!ごもっとも。
そう言っていれば一見優しい男に見えるだろうよ。だがな、あんた自身の気持ちはどうなんだい。
これまで、あんたが自分の正直な気持ちを書いているのを見たことがないね!
その調子では、日本はどこぞの国に乗っ取られる。そして、あんたの女は他の男に取られるな!(爆)
いい加減、すましてないでハッキリ言ったらどうだい?あんた自身はどうしたいんだい?」
何の話をしてるんだ!たかしがダンケに目をやった瞬間、後輩審判員がいつになく真剣な口調で制した。
「対戦中はリアル会話は禁止です。すべてスレに書いてください」

32℃@墓穴掘り職人 </b><font color=#FF0000>(HqiBUzVI)</font><b>:2004/02/14(土) 18:26
第二十二話(ver1.0)

いつしか極東バトロワスレにはたかしとダンケ以外の論者は居なくなり、観戦スレでは二人のやり取りを固唾を飲んで
見守っている状態であった。
「僕は只相互理解を得る為には互いの状況を知る事が一番の早道だと言っている」
「だーかーらー、それが言い訳だってンノ。何でかって?宜しい、ならば教えて進ぜよう。
よーはだな、おまえさん、知る事しることっつーてホントは 知 っ て ん だ ろ 。相手が何が欲しいかって」
キーボードの上に置いた手がこわばる。
「だがな、おまえさんはそれを具体的にする事に逃げてるんだ。シンパシーとか何とかだっつーてな。
そんな事じゃあ行き違い引き違いは遠く離れて十四万八千光年の彼方に俺は相手を攫って逝っちゃうゼ!」
横目でダンケの顔を見る。レスの調子と違い彼の口元は厳しく引き締まっていた。
「それは…じゃあ共感や愛は無意味だって言うのか。心の触れ合いは確かにあるんだ」
何故だろう、口に出しては言えない恥ずかしい叫びもレスでならば言える。
「”言葉”は何の為にある?」
短い切り返し。だがたかしはその中にある大きな意思を見た。
「俺たちゃニュータイプでもエスパーでもねー。共感は確かに大事だし、更々捨てっちまう気はねえって。
だがな、それだけでは補えない物の為に言葉ってあるわけだろ。バトロワやっていてそれはおまえさんも判ってるよな」
このスレにて戦わせた数々の論戦、交わされた幾千の言葉。そしてそれによって得られた多くの共感と新しい考え。
たかしは言葉は単なるコミニュケーションのツールではなく、もっと大きな物であった事を思い出した。
「な、ちゃーんと言葉を大事に使ってやれよ。俺とここまでやりあったおまえさんなら出来るだろ。
俺が図らずも預かっちまったおまえさんの言葉、返してやるからホントの相手に渡してやるんだな」
メール欄に「終了」と書かれたそのレスを最後にダンケは席を立った。
「あ、ダ、ダンケさn…あ、何するんですかあ」
慌てる後輩の襟口を引っ張って部屋を出ようとするダンケに「おい…」と声をかけるが、彼は片手を上げただけで振り向
きもしなかった。

33℃@墓穴掘り職人 </b><font color=#FF0000>(HqiBUzVI)</font><b>:2004/02/14(土) 19:26
第二十二話(ver1.2)

いつしか極東バトロワスレにはたかしとダンケ以外の論者は居なくなっていた。
「僕は只相互理解を得る為には互いの状況を知る事が一番の早道だと言っている」
「だーかーらー、それが言い訳だってンノ。何でかって?宜しい、ならば教えて進ぜよう。
よーはだな、おまえさん、知る事しることっつーてホントは 知 っ て ん だ ろ 。相手が何が欲しいかって」
キーボードの上に置いた手がこわばる。
「おまえさんはそれを具体的にする事に逃げてるんだ。シンパシーとか何とかだっつーてな。
そんな事じゃあ行き違い引き違いは遠く離れて十四万八千光年の彼方に俺は相手を攫って逝っちゃうゼ!」
横目でダンケの顔を見る。レスの調子と違い彼の口元は厳しく引き締まっていた。
「それは…じゃあ共感や愛は無意味だって言うのか。心の触れ合いは確かにあるんだ」
何故だろう、口に出しては言えない恥ずかしい叫びもレスでならば言える。
「”言葉”は何の為にある?」その短い切り返しの中に、たかしは彼の本当の心を見る気がする。
「俺たちゃニュータイプでもエスパーでもねー。共感は確かに大事だし、更々捨てっちまう気はねえって。
だがな、それだけでは補えない物の為に言葉ってあるわけだろ。バトロワやっていてそれはおまえさんも判ってるよな」
このスレにて戦わせた数々の論戦、交わされた幾千の言葉。そしてそれによって得られた多くの共感と新しい考え。
たかしは言葉は単なるコミニュケーションのツールではなく、もっと大きな物であった事を思い出した。
「な、ちゃーんと言葉を大事に使ってやれよ。俺とここまでやりあったおまえさんなら出来るだろ。
俺が図らずも預かっちまったおまえさんの言葉、返してやるからホントの相手に渡してやるんだな」
メール欄に「終了」と書かれたそのレスを最後にダンケは席を立った。
「あ、ダ、ダンケさn…あ、何するんですかあ」慌てる後輩の襟口を引っ張って部屋を出ようとするダンケに「おい…」と声
をかけるが、彼は片手を上げただけで振り向きもしなかった。

ちょっと短くしてみますた。どないなもんでしょ。

34ばさら:2004/02/14(土) 22:12
これまでのあらすじ

24歳リーマンたかしと、学生で直情型の恵子のラブストーリーw
たかしは、毎週土曜にバトロワに出るのが趣味だったが、それが元で恵子との間に溝が生まれる。
そんな折、たかしの元へバトロワのスターファイター「ダンケ後藤」宛のメールが届くようになり
恵子にまで「たかし=ダンケ」と誤解されて戸惑うたかし。

しかし、恵子はひとり傷心旅行に旅立ったパラオの地で本物のダンケ後藤に会い、たかしとは別人だったことを知る。
一件落着と思いきや、恵子はたかしに、ダンケからプロポーズされたことを告白する。

そこへ、ダンケとたかしの後輩が登場し
恵子をめぐる二人の対決はバトロワ上でつけようとなるが・・

35ばさら:2004/02/28(土) 19:35
最終話

ダンケ。お前の議論はいつも無茶苦茶だった。常識のかけらもあったもんじゃない。
だが、お前には注目せずにいられない何かがあったよ。ずっと疑問だった。なぜ俺はお前に比べてイマイチなのか。
俺は、言葉で伝えることの意味を見くびっていたんだな。自分が傷つくことを恐れて、
ただ安全な道を歩いて来たんだ。それが人を傷つけていると気付かずに。
たかしは、画面の方だけを見ながら、横に座る恵子に言った。
「人生に一回くらい、馬鹿なことやってもいいよな。ダンケに誤爆したメール。今、ここに書くよ」
たかしは、むしろ爽快な顔つきでキーボードを打ち、送信ボタンを押した。

「恵子、結婚しよう! ◆doib749tYo」

バトロワ優等生◆doib749tYoの思わぬ発言を受け、観戦スレで勝手大祝賀会が繰り広げられたことを
たかしと恵子が知るのは翌朝のことだった。


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