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ウェストファリア体制の次にくるもの

25中葉:2004/02/11(水) 23:39
>>22 私のこの後の発言も、槁と時を改めることとします。

マシューズの要約をやり直します。

もはや「ウェストファリア・システム」の絶対性はすべて解体しつつある。インターネットに象徴される高度情報化時代にある現在、おカネ、情報、汚染、大衆文化といった資源や脅威が重要性をましながら拡散し、「政治的な境界線には殆ど関係のない形」で人々の生活や経済を規定しているからだ。新たな問題の多くがトランスナショナルな性格となり、国際コミュニティが何に対して関与するべきかという概念も広がりを見せているため、国家がもつ力では十分な対応がとれない状態にあり、これを補完するかのようにNGOや市民団体が台頭し、多国間機構への関心も高まっている。こうした中で、国民国家がそれ以外を支配するという体制は弱まり、NGOに一方的にバランスが偏った「パワー・シフト」が起きている。多元化は市民社会の実現という意味で好ましい面もあるが、その逆に、民主的な統治を混乱や膠着に陥れる危険も秘めている。しかし、中世における皇帝、王、君主、騎士、法王、大司教、ギルド、町は、帝国を包み込む世俗的な力をもとに生活していたわけで、このシステムは、帝国崩壊後の階層的で厳格な国民国家秩序よりも、むしろ、市民団体、国際機構、国民国家という三次元のネットワークからなる現代により似通っていた。しかし、この結果が吉と出るか凶と出るかは、これからの舵取りにかかっている。ビジネス部門がより広範な政策上の役割を担いうるようになること、NGOがより視野を広くし、さらに大規模な活動を行えるような存在に変貌すること、国際機構が、国家にも市民にも効率的な社会サービスを提供する二重の舵取り役を担えるようになること、とりわけ、今日におけるトランスナショナルな課題に対応でき、透明度の高い民主的な統治を求める市民の願いをともに満たすような新たな機構と政治単位が登場することが含まれよう。


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