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ある体験の・・・回想録6

765N:2014/08/28(木) 01:50:28
『  ブランケは興味をかき立てられた。天井からハイディが見ているのは自分の下半身だけである。
 でも、どうして、そうなのだろう? なぜ、全身ではない? 
 そのとき、彼女の本当の身体の姿勢に目が行った
 ―彼女はまっすぐ脇に下ろした両腕で身体を支えて、ベッドから起き上がっている。
 天井近くの高みから、
 彼女はベッドにいる自分が見ているのと同じ身体部位―足、パジャマ、胴体、脚を見ていたのだ。(....)

 「手足を見てごらんなさい」 と、彼は三度目の電気刺激を与えながら言った。
 「何が見えるか、教えてください」
  彼女はまた息を呑んだ。
 今度はいっぱいに伸ばした腕が目に入ったのだが、
 左腕がいつもの半分の長さに縮んでいるように見える。
 『トムとジェリー』のアニメのように、どんどん縮んだかと思うと、
 電流が止まったとたんに、ポンと普通の長さに戻った。      (....)

  ところが、次の刺激中には、奇妙なことに、両脚が三分の一も短くなったように見えた。
 ブランケがベッドの彼女に脚を曲げさせて、何か起こるか確かめようとしたのである。
 また、電流が流れた。今度は、ハイディは悲鳴を上げた。
 両脚が跳ね上がって、顔を直撃しそうになったからだ。
 しかし、本物の脚は少しも動いていない。
 目を閉じると、上半身を脚のほうに曲げて腹筋運動をしているような感じがした。 』


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