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【分館】 参考資料スレ

46シモーヌ・ヴェーユ『ヴェーユの哲学講義』(ちくま学芸文庫):2014/06/12(木) 10:44:27

   たとえば、幾何学でひとつの面に一本の線を書きくわえる場合を考えてください。
   ことばにかぎっていえば「百歩」を言おうとして「一歩」からはじめる必要はありません。    
   つまり、≪ことばのもつ力は、ことばとほかの事物との関係のなかに見いだされます≫

   ≪行動≫が≪現実≫をもたらすのです。

    こうして私たちにとって、≪現実≫というまったく新しい概念が登場するわけです。

  行動がことばのあとからやってきて自身をことばに従わせるとき、
  行動はそれまでなかった≪何か≫をもたらすことになります。

  百歩と≪言う≫ことと百歩≪歩く≫こととのあいだには、ひとつの差異があります。
  ことばと比較した場合、
  行動が内包するこうした「プラス」を否定しさることは不可能です。

  あるいはむしろ、
  そこにあるのは「プラス」ではなく、まったく違う何かだと言うべきかもしれません。
  それが 現実 なのです。 ことばをどれほどとおくまで押し進めていっても、
  けっしてことばによって現実を発見することはありません。

  そこで、外的世界の 現実にかかわる問題は、簡単にこうまとめられるでしょう。

  ≪百歩歩くのが、百歩と言う、のとはべつの事柄である、という単純な事実こそ、
    私たちに現実を証明してくれるものにほかならない。≫

  ≪意外さ≫とは、体系的なことばのなかには含まれていなかったもののことです。


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