これは1938年初版の、A.W.Austen氏による「Teachings of Silver Birch」の桑原氏による和訳ですが、原書の雰囲気とはかなり趣が異なり、同時期に既に数冊出版されていた近藤氏による他の翻訳版と比べると、没個性的でダイジャスト的仕上がりになっていて、中川にしてみれば手っ取り早く「霊言集」とあるからそれだけで良いと思ったのでしょう、例によっていつもの如く、お粗末な上辺だけの浅い理解で語ろうとして馬脚を現すという、そうした態度が「隆バーチ」の出来の悪さに如実に表れており、血筋と言っていい中川家の詰めの甘さは、この頃からのものであることを物語っています。
対人恐怖症者の心中では、他者との関係下における自己の異質性、劣等感の自覚と、自己顕示、自己優越への強い欲求が激しく対立しており、その葛藤の最中で、もともと自分とは無関係な外部の出来事を、自分と結び付けて考えたり、特別な意味があるように受け止める「関係念慮(idea of reference)」 といった症状などを発現させ、妄想性を強化して病態を重症化させるのです。