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【今日】読んだ本と聴いた音楽をひたすら記録するスレ#3

1dancinginyourheads@gazza:2003/06/11(水) 00:07 ID:pbS65n9g
初代スレ
http://jbbs.shitaraba.com/sports/bbs/read.cgi?BBS=5795&KEY=1044203829&LAST=100
スレ#2
http://jbbs.shitaraba.com/sports/bbs/read.cgi?BBS=5795&KEY=1047311491&END=100

2まつざき:2003/06/12(木) 17:50 ID:R5GPJ4Hw
『少年カフカ』講談社、『ナンバー』代表特集号
とりあえず今日は2冊買ってきました。

3まつざき:2003/06/13(金) 00:09 ID:yUiMMshU
『ZICO JAPANに言いたいことがある』サカマガ別冊
 新しいサッカーの言葉をつくらければならないのかな、と思う。クラマーさんにインサイド・キックから教わり始めた日本代表は、長い暗黒の時代を経て、主にヨーロッパの下位リーグみたいな約束事をようやく果たすことができるようになったのかもしれないけど、もう一度、たとえば「パス」でも「シュート」でも、ごく単純な言葉のシニフィエを考えるときなのかな、と。

 サカマガの別冊はこざかしい自称サッカーライターは埋め草に追い込まれていて、テレ・サンターナやファルカン、ソクラテス、後藤さん、大住さんなど信頼できる人たちが、好きなこと書いていて、久々に、この手のムックとしては成功なんじゃないかと思った。

 で、そこで考えさせられたのが言葉。「フットボール・アレグレ」(楽しいサッカー)「フットボール・アルチ」(芸術的なサッカー)という言葉もそうだけど、「自由」「スペース」というおそらくスペイン語圏でも英語系統の言葉として使わていたであろう基礎的な単語でさえ、ぼくたちとジーコたちではシニフィエ(言葉が持っているウラに張り付いたイメージ)が違うんじゃないかと思う。つか、違いすぎるから、なかなかわからないんじゃなないかと思う。

 サッカーは大衆的なスポーツなのだから、わかりやすく合理的に説明しろというクリアカットなご意見もすばやく出そうだが、そうしたつまらん「リアクション・サッカー的反発」は放置しておいて、もう一段、サッカーを深く理解するためにも、ジーコ・ジャパンは必然だったんじゃないかと思いたい。

4dancing@TCR*YFM*RS:2003/06/17(火) 00:30 ID:2ZGSwELo
「会議の心理学」

会社においてあったのを、外出先の行き帰りであっというまに読了。
どうでもいい本と思って手にしたのだが、本当にどうでもいい本だった。
萎え。

5まつざき:2003/06/17(火) 08:16 ID:5KthAo/E
『小津安二郎  東京グルメ案内』朝日文庫
独身グルメだった小津監督の通った店をストーカーする本。ヒマな時にはこんな本もいいかな、とか。

6まつざき:2003/06/20(金) 08:01 ID:DfpuEW4s
『フランソワ・トリュフォー映画読本』山田宏一、平凡社

そうか、トリュフォーが死んでからもう20年になるのか、と立ち読みで年譜を見ながら納得。そのままレジに直行したのがこの本です。

修作の『ある訪問』1954から遺作となった『日曜日が待ち遠しい』1983までトリュフォー作品を年代順に振り返ります。ちなみにぼくが一番好きな作品は『恋のエテュード』1971です。確か原題は「二人の女性と大陸」。イギリス人の姉妹を愛するレオ様の物語。

ラスト。唐突に街角のウィンドーに映る自分の姿に「もう老人だ」とモノローグして終わるのですが、おいらももうすぐ…。ちょっと調べないで書いているのですが、コレットの『シュリ』二部作と時代背景も似ていて、第一次世界大戦がヨーロッパの男たちをいかに打ち砕いたかわかるような気がします。週末にDVDで買って久々に見よ。

7まつざき:2003/06/22(日) 11:38 ID:vzG4Q0DM

『不肖・宮嶋 国境なき取材団』宮嶋茂樹、新潮社
不肖・宮嶋の新潮からの第三弾、今回はルーマニア革命からトルコ地震までの取材記10篇。相変わらず笑わせてくれる。今日みたいな気乗りのしない遠出の取材で、列車に揺られながら読むには一番かな、と。

でも、あまりにナンだなと思い、パレストリーナ(16世紀後半にローマで活躍した教会音楽作曲家)のミサ曲でも聴いてから出かけることに。精緻なポリフォニー技法は心休まります。

あと、トリュフォーの『恋のエチュード』は中古の通販しかなかったので(でもゲット、来週到着)、昨日は『アメリカの夜』を見る。ジャクリー・ビセットは美しい。自身が監督の役で出ているこの映画で、監督として

「希望に満ちて映画作りはスタートするが、やがて様々な困難に直面し、最後は完成させることだけわ思うようになる」

「でも、そうした時にこそ、なんとか映画を救わなければ。少しでもいいものにしなくては」

というセリフ(セリフは不肖・まつざき訳)が好きだったことを思い出す。

8dancing@TCR横浜FマリRS:2003/06/23(月) 22:13 ID:VTjefWW6
「北大路魯山人」
金彩、銀彩の絢爛は魯山人の独壇場。
魯山人を陶芸家として掘り起こしたのは、進駐してきたアメリカ人であったわけですが、
確かに魯山人のギラギラと突き上げてくるような釉の発色や赤絵は、この時代には独特の風貌であり
日本人の着想にはそぐわなかったのかも知れない。

家を出るときに、何か本はないかと文庫の本棚から手に取った一冊ではあるが、これは初めて読む。
もともと自分の本ではなく、前に一緒にしばらくいた人物の所有。彼女は焼き物が趣味であったのだが、
暮らしていた時分には、横から眺めてつくりあがり器などを見ていたのだが、こうやって見てみると
つくづく面白そうな世界だと思う。

電車の中でフェラクティ"Confusion"をウォークマンで聴きつつ読了。

9まつざき:2003/06/26(木) 10:15 ID:O3mL.bWs
『世界を読み解く 2002-3』ウォーラーステイン、藤原書店
左翼をひきずっている人間(たとえばおいら)にとって、9.11後の世界で救いなのは、アナール派というか世界システム論なのかもしれない。ウォーラーステインの「遠い目」からみるとコンドラチョフ波のB局面の開始(米国独占経済の終了と日欧の台頭)、ベトナム戦争の敗北、1968年の世界革命(イデオロギーの敗北)によって、「ジオポリティクス上のアリーナにおいて、合衆国が描く世界秩序のあり方を維持する能力は、その終わりの始まりを刻することになった」(p.140)というのです。
いまは、あまりにも楽観的にみえますが、これぐらいの希望は欲しいかな、と。

10まつざき:2003/06/27(金) 07:47 ID:XlDMQl5I
『合戦の日本地図』武光誠、文春新書
 足軽の活用による集団戦が展開された戦国時代の前、日本の戦場の中心は弓だったそうです。そうです。両軍が少し離れたところから弓を射掛け合い、しばらく戦うと優劣がつく、と。平将門も最後の戦いで矢を眉間に受けて死んだという伝説が残っていますが、あながち史実を反映しているのかもしれません。そして大量の足軽を使って弓の射掛け合いを大規模に発展させたのが大田道灌だそうで、そこから戦国時代の新しい戦闘のシステムが発展する…こんな日本の合戦の歴史を、戦略や戦術などではなく、あくまでハード面に焦点を当てて書いたのがこの本。概論の後は、なんと北から順番に地方別の大合戦を評価していきます。東北以北で最大の合戦は伊達政宗vs芦名義広によるスリ上原の戦いだなんて知らなかった。
文春新書は『歴史人口学で見た日本』速見融という名著もあるけど、歴史モノ特に日本史関係で優秀な編集がいるのかもしれない。かなり確信を持って言います。激しく面白い本です。

11dancing@TCR横浜FマリRS:2003/06/27(金) 16:33 ID:AuFbMFuY
『エリック・ホッファー自伝(構想された真実)』
考えるところ大の一冊。
こういう読書に突き当たると何もしばらくは書けなくなってしまう。

ちょっとメモ代わりに。
自殺に失敗し、身寄りのなくなってからのひとときを過ごしたロサンゼルスから離れ、
その後の10数年の放浪がはじまるその日。
ホッファーが偶然に乗せてもらったトラックの運転手は、ホッファーを勇気付けるためか
ドイツ語なまりでゲーテの詩を引用した。
「希望は失われ、全てが失われた。生まれてこないほうがよかった」・・・
だから人間は目標をもたなくてはいけない、希望をもたなければいけない。

それを聞いたホッファーは、ゲーテは小者だと思う。
もしくは引用ミスかと。

図書館でその詩句を探すと、それはドイツ語なまりのトラックの運転手の記憶違いだった。
失われると生きている価値がないのは、「希望」ではなく「勇気」だった。


「自己欺瞞なくして希望はないが、勇気は理性的で、あるがままにものを見る。
希望は損なわれやすいが、勇気の寿命は長い。
 希望に胸膨らませて困難なことにとりかかるのはたやすいが、
それをやり遂げるには勇気がいる。
 戦いに勝ち、大陸を耕し、国を建設するには、勇気が必要だ。
 絶望的な状況を勇気によって克服するときに、人間は最高の存在になる。」

ホッファーの季節労働者としてアメリカ各地を転々と流浪する生活はここから10年以上にわたる。

12まつざき:2003/06/28(土) 09:05 ID:/9GaBA.2
『熱狂のシーズン ヴェローナFCを追いかけて』ティム・パークス、北代美和子訳、白水社

ナカータが在籍していたローマがスクデットを獲ったシーズン、まだ黒人選手をひとりも抱えていなかったヴェローナはあっという間にセリエBに沈みました。そのヴェローナを英国人作家がティフォジとなって追い掛け回した記録がこの本(ティフォジの語源がチフス患者だというのをこの本で知りました)。
北代さんは『フーリガン戦記』も訳している。きっと売り込んだんだんだろうな、と思うけど、読むのが楽しみ!

13まつざき:2003/07/01(火) 08:12 ID:sX54deuc
『山本周五郎のことば』清原康正
新潮新書らしい企画。買って損なし。つか一家に一冊。ぜひ。

14dancing@酔っ払い中:2003/07/02(水) 00:43 ID:lOhJrg6A
今日は激しく酔っ払いながら、ウォークマンでJef Beckとアーチシェップ聴きながら
かえってきまちた。

Diamond Dustは傑作だ。

1519号:2003/07/02(水) 22:17 ID:5qygQzvg
今日の「ロックの要」
エア・サプライ「all out of love」
ギターとベースの人は左利きなのだが、弦を張り替えずにそのまま弾いていた、
しかも「張り替え方を知らずにプロになってしまった。」という驚愕の事実!
松崎しげるもそうだとか。

確かに運指がめちゃめちゃ変だ。

バングルズ「walk like an Egyptian」
これってまずいタイトルじゃないか?(w
ボブ・マーリー「ラスタの恋」って「Is this love?」かえ?

1619号:2003/07/02(水) 22:26 ID:5qygQzvg
ボブ・マーリーの後にWHAM!のWake me up! before you go goをかけるのは
「ロックの要」だけ。

1719号:2003/07/02(水) 22:40 ID:5qygQzvg
Georgios (Yorgos) Kyriacos Panayiotou, 25 June 1963, Finchley, London, England.

本名かっこよすぎ。ギリシャ移民。
しかしまだ40歳なのかー。
やり直しいくらでもきくのにー。

18まつざき:2003/07/02(水) 23:08 ID:5aY1q1h2
『静かなる戦争』ハルバースタム、PHP
 出し忘れの証文みたいな邦訳。War in a Time of Peaceが出たのは2001年。もう2年前のことだし、内容はすぐにサマライズされてインターネットに載っちゃうから、よほどのクラシックにならない限り、すぐに邦訳が出ないとキツイ。だからいまどき上下巻で3600円(各巻1800円)という安さなのかな、と思う。4800円でもおかしくないのに。

 PHPというヤル気のない版元が翻訳権をゲトしたからなのか、もはや民主党・リベラル・アメリカの良心みたいなハルバースタムがオールドタイマーだと見られたのかわからないけど、時事モノに2年後の翻訳はないわな、と思う。

 でも、ハルバースタムは広尾に住んでいたとき、何回も日赤通り商店街で会っているし、スポーツものも好きだし『ベスト・アンド・ブライテスト』にはすごい影響受けているから、いまでも新作はアマゾンしたり、翻訳を買います。

 内容はパパブッシュによる冷戦終結の時代から旧ユーゴ紛争の終結にかけての米政権と国防省、軍とのルポ。やたらクリントンが魅力的に描かれているのがハルバースタムの限界なんだろうか。

1910号@モットボイ:2003/07/02(水) 23:12 ID:TPeGDPWw
WHAM!のWake me up! before you go goといえば
↓のスレで当然のごとく名前があがってるわけだが

☆ダサい邦題No1を決めるスレ☆
http://tv3.2ch.net/test/read.cgi/musice/1056007669/

Georgios (Yorgos) Kyriacos Panayiotouってじょーじまいこーの本名すか?

2019号:2003/07/02(水) 23:24 ID:5qygQzvg
George Mickael, biographyでぐぐったらでてきますた。
Georgiosってのが本名ときいたことがありますが、こんなにバリバリの
ギリシャ名とは思いませんですた。
George MichaelのGeorgeに関してはイングランド名でしょうけど、Michaelは
芸名ぽいな。

カイリー・ミノーグの「あなたもM?」っていうタイトルも凄かった。

21マグロ:2003/07/02(水) 23:28 ID:Ryj9gEs2
音楽を聴きつづけていて、本当に何年かに一回くらいに「こいつは…」
と言葉を失うほどのアルバムや人に出会うことがある。

音的にはドラムンベースということになるが、とてもそんな範疇には収まらず
各界(w)に多大な影響を及ぼしたリチャード・D・ジェームスこと
「エイフィックス・トゥイン」

フォークを基調にしながらもヒップホップへの大胆な接近を見せ、
ある意味「負け組」をポップにすることに成功したクレバーなアメ公
「ベック」

そして「カール・スティーブンソン」。
"フォレスト・フォー・ザ・トゥリーズ"という、一見エコ系かと思われるユニット名
で(ユニットつっても本人一人)一枚だけアルバムを発表。
リチャードジェームスがイタズラ心を「暴力」にまで高め、
ベックがグレイハウンドでアメリカ中を経巡っていた時、
この男は、現在我々が聞くことができるただ一枚のアルバムを製作中だった。
バグパイプ、アザーンを思わせる中東独特のヴォーカル、動物の効果音、
電子音。それらが一体となりながらも少しも嫌味ではなく聴かせてしまう稀有な才能。
本当に衝撃だった。

実はある種の精神病を患っていた(いる?)彼。
次のアルバム制作はいつのことになるやら現在の消息がどうなっているか
さっぱり分からないのだが、一生追っかけていきたいと思わせる人間です。

2219号:2003/07/02(水) 23:55 ID:5qygQzvg
>>21
おお、エイフェックス双子お好きな方がここにも!
私はselected ambient worksが好きです。
新譜出てないですよね?
もうこの人もうやる気ないんだと思います。
ベックちゃんは1stのダメパワーがすさまじかったですね。
渋谷のタワーで「Loser」が流れたとき、ぶったまげてしばらく動かずに
聞き入ってしまいました。CD持ってどきどきしながらレジへ小走りに
向かったのを覚えてます。
ジャド・フェアの息子サイモンとカート死んだ直後のニルヴァーナの二人が
やってたStinky Puffsってユニットも素敵な破壊ぶりでした。
ガキパン最高。

私は高校の頃スミスに出会って道を踏み外した感があります。
自転車こぎながら「ぱぁ〜んくちゃ〜どば〜いしこ〜♪」と歌ってたのを
思い出します。

ここ10年くらい音楽聴いてこのようなドキドキと衝動が皆無。

23マグロ:2003/07/03(木) 00:54 ID:Ryj9gEs2
>>22
うあ、まさか反応があるとはw

りちゃあどくんですが、数年前のフジロックで目撃しますた。
パキスタンな方が出してたカレースタンドに喜んで並んでましたよw。
「お前リチャード?」「NO〜」というやり取りをやっていてワロタ。

スミスにはここには書き切れない、いろーんな思い出があるですw

2419号:2003/07/03(木) 11:58 ID:NZwFsuio
リチャはドッキリルームでみますた。
かわいいクマのぬいぐるみ着てレイープごっこやってた。
手作りシンセだかコンピウタみたいの持ってきててわらた。

これから渋谷で外用、次の約束まで時間あるから塔寄っていこうかな。

>>23
モリシーの初来日公演@大阪城ホールいった時、うようよ居たモリワナビーを
みて「あんたら今までどこにいたんだYO!」と思いました。
終演後、破壊された椅子の数々が圧巻ですたなー。
一緒に行った連れは眼鏡壊れて顔血だらけ、左足の2本の指が思いっきり
折れてますた(w。

2519号@ガキパン命:2003/07/03(木) 17:27 ID:3qZNvjQ6
http://members.tripod.com/~nifty/images/coney.jpg
こわいよー、こわいよー。。

26dancing@TCR*YFM*RS:2003/07/03(木) 19:22 ID:OjzNbNR.
新すれー

http://jbbs.shitaraba.com/sports/bbs/read.cgi?BBS=5795&KEY=1057227715&END=100

27dancing@TCR*YFM*RS:2003/07/03(木) 19:27 ID:OjzNbNR.
スレ間違った。

「おい!おまいらの無人島レコード教えてください。」スレ

どっかにあります。

2819号:2003/07/04(金) 02:04 ID:kcGvLXyg
ラヂオ頭の新譜。
いまいちのめりこめず。
詞に目を通せばいくぶん違うかもしれない。

DJ SHADOW Q-bert mix
スクラッチ、スクラッチ、イエイ!

久しぶりにゆっくり音楽ききますた。

29dancing@TCR横浜FマリRS:2003/07/04(金) 20:29 ID:Qj8SrgPo
>スクラッチ、スクラッチ、イエイ!

これはどうかとw

3019号:2003/07/04(金) 23:05 ID:sKVDoQ4U
来日公演もおもしろかった。
スクラッチ、スクラッチ、スキラッチ、イエイ!

3119号:2003/07/04(金) 23:10 ID:sKVDoQ4U
関係ないけど、ちょっとの昔に仕事で伊豆に車で行ったのですが、帰りに下手に
近道しようと思って違うルートにチャレンジしてしまい、ケモノ道に迷いこんで
しまいました。
その時にonce upon a time in Americaをかけてたんですけど(サントラ好き)、
迷ったときの音があのせっぱ詰まった
ちゅちゅるちゅ〜〜〜
ちゅちゅるちゅちゅちゅるちゅ〜〜
ってので、通り掛かりのおじちゃんとおばちゃんに国道に出るにはどうしたら
いいかと半泣きで聞いて、やっとにぎやかな通りに出られたときに
めちゃめちゃほんわかする曲調になって笑いが止まらなかった想い出があります。

32dancing@TCR横浜FマリRS:2003/07/05(土) 02:29 ID:zQJahx7s
ちゅ〜る、ちゅるちゅちゅ! 
♪なーつのお嬢さん、ビキニがとっても似合うよ〜
刺激的さ〜
クラクラしちゃーうー♪
ちゅ〜る、ちゅるちゅちゅ!

33まつざき:2003/07/05(土) 02:35 ID:w7S5Bbds
『間取りの手帖』佐藤和歌子、リトル・モア
 今朝の朝日の人欄で紹介されていて、すぐ買おうと思い、帰りに六本木ABCでゲト。新聞の折り込み広告や住宅雑誌などの間取りを収集、分類、整理したのがこの本。
 安藤忠雄さんが学生にコルビジェの設計図を元に紙でミニチュアを作らせて、それを集めたらなかなかイイということで展覧会までやったことを思い出した。
 なんとなく、ジーっと覗き込んでいると、自分が生活しはじめたりする姿が想像できたり、家族が動き出したりするような錯覚を与えるのが「間取り」なのかもしれない。ということで新しい枕元の本にケテーイ。

3419号:2003/07/05(土) 08:21 ID:B1bJjM0g
>>33

あ、これ買おうと思ってまだ買ってなかったー。

35まつざき:2003/07/06(日) 08:26 ID:.3E3yJT2
 昨日は飲み屋の仲間と拙宅でLED ZEPPELINのDVDを観る会を開催。いろいろと検討の結果、拙宅が一番、防音の面からもAV機器からもいいだろうということでお昼すぎから酒をかっくらいながら男4人女1人でギャーギャー騒ぎながらみる。

 こまDVDには1970年のロイヤル・アルバート・ホール、72年のショウグラウンド、73年のマジソン・スクウェア・ガーデン、79年のネブワースでのライブが収録されている。

 実は、LED Zepのライブは行ったことがありまして(リアル厨房の時です。尊敬してくれ)、2回目の来日の時、武道館の1階で聴くことができました。その公演は、『ロックン・ロール』から始まったのですが、ボンゾのドラムソロが始まったときの総毛立つ感覚は今でも忘れることができません。

 DVDで一番良かったのも『モビー・ディック』でのボンゾの延々と続くドラム・ソロ。あれだけ速く音が一定のドラマーは、ちょっといないんじゃないかと思うぐらいすごい。音楽やっているヤツらにチラッと聞いた話では、ツェッペリンのコピーバンドがあまり出ないのは、ボンゾのコピーが難しいからだという説があるらしい。バスドラのリズムパターン、「こんなところで入れるのかよ!」みたいなオカズの入れ方など、全部良かった。
 4人で5時間観た後、酔いにまかせてジミ・ヘンのDVDやLD、『バングラディッシュのコンサート』、『ラスト・ワルツ』なども続け、11時に解散。爆睡。で、朝早くおきてこんなこと書いてる。

36dancing@TCR*YFM*RS:2003/07/06(日) 14:46 ID:wcU1sbd2
>>35
もう死んでしまった日野元彦が、ことあるごとに目標とするドラマーはボンゾと公言してたの思いだちまちた。
あの音のでかさは尋常じゃない、あんな音が出したい・・・と。
リズムが後ろがかりなのに、あえてルーズにならずタイトにリズムキープするという芸風はあの人だけかも。
しかもあの深く重い大音。まさにone and only....

37まつざき:2003/07/06(日) 23:17 ID:f4varECA
『放送禁止歌』森達也、知恵の森文庫
 ハードカバーの時から気になっていたけど、買いませんでした(量が多いので、少しでも減らしたいしぃ)。ということで文庫版になったので即ゲト。なんかわからないうちに自縄自縛が行過ぎて、放送禁止になるという過程の取材が単刀直入というか、無手勝流というかテレビ的でいいと思った(著者はディレクター)。

 あ、アメリカではLIVEとはいっても6秒のディレイがかけられていて「ピーッ」が入れられるというのは知らなかった。

>>36

武道館のライブには子供の頃からよく行ったんですけど、ボンゾのドラムの音は、PAからだけじゃなくって、ズシンというかバコーンと物理的に響く感じが、本当に今でも残っているんですよ。ホント違っていた。ボンゾのセットは、当時のドラマーすべてが影響を受けたジンジャー・ベイカーみたいなダブルバスだったのですが、あまりにも音が大きいので、ジミー・ペイジに一個にされたとか言われてます。さもありなん。

 それと…日野元彦さん死んでしまっていたんですか…。知らなかった。

38近鉄裏@ルカサーに抱かれた男:2003/07/07(月) 10:54 ID:Qul..34w
モビーディックいいですね。個人的には、モントルーのボンゾの方が萌えですが。
ZEPPELINを生で見れたなんて羨ましいです。
私はせいぜいペイジ&プラントを2日連荘で見たくらいです。

39dancing@TCR*YFM*RS:2003/07/07(月) 18:09 ID:AQK1J1z6
>>38
相変わらず謎が謎を呼ぶ漢、それは近鉄裏。。。

スティーブ・ルカサーか。
クインシージョーンズの80年代おしゃれサウンドは香具師なしでは考えられなかった。。。
話はかわるけど、80年代最強のフュージョンサウンドのひとつは、マイケルジャクソンの"Wall"だと
おもっちょります。フーッ!!

40POWDER:2003/07/07(月) 23:53 ID:E/N0C5LI
>>39
つーかこのBBSで団信さんが実際に会ったこと無いのは
近鉄裏さんとマグロさんだけ?

そーゆーケージバンも珍しいっちゃー珍しいかもw

41dancing@TCR横浜FマリRS:2003/07/08(火) 00:29 ID:EuGx6np.
次のガス戦はマグロさんを囲む会ということで。

ぐるぐる。

42dancing@TCR横浜FマリRS:2003/07/08(火) 00:30 ID:EuGx6np.
近鉄裏タソも囲みたい。

437号:2003/07/08(火) 00:32 ID:Oi0eHcVk
           (⌒Y´ ̄ヽ  ∧_/( ̄)) ∧_∧
    γ´  `ヽ_`と.__   )( ・ ∩( 《 ( ・∀・)  ゴロン
     )) ,、 , ) <、_,.ノ  ヽ、.__,ノ  l  つ つ
    ((_/し∪V              .ヽ.__ノ!__)) ゴロン
  ∧__∧       ∧_∧          ∧_∧
 (    )       ( ;´Д`)マグロ   (・∀・ ) よろしこー
 (    つ     (U_U )つ       (つ  と)
 .ヽ___ノj                   (⌒Y⌒)
    ∧__∧                . / ̄ヽ ̄
   (・    )           __    ( __  ) (  ゴロン
    と   ヽ ( ̄))∧_∧  /´ `Y⌒) VUVJ_)
    (__ト、__丿 〉 》∩ _) (   .__つ´
          ヽ、.__,ノ   ヽ、__,.>

447号:2003/07/08(火) 00:34 ID:Oi0eHcVk
           (⌒Y´ ̄ヽ  ∧_/( ̄)) ∧_∧
    γ´  `ヽ_`と.__   )( ・ ∩( 《 ( ・∀・)  ゴロン
     )) ,、 , ) <、_,.ノ  ヽ、.__,ノ  l  つ つ
    ((_/し∪V              .ヽ.__ノ!__)) ゴロン
  ∧__∧       ∧_∧          ∧_∧
 (    )       ( ;´Д`)近鉄裏   (・∀・ ) ゆっくりしてやー
 (    つ     (U_U )つ       (つ  と)
 .ヽ___ノj                   (⌒Y⌒)
    ∧__∧                . / ̄ヽ ̄
   (・    )           __    ( __  ) (  ゴロン
    と   ヽ ( ̄))∧_∧  /´ `Y⌒) VUVJ_)
    (__ト、__丿 〉 》∩ _) (   .__つ´
          ヽ、.__,ノ   ヽ、__,.>

45近鉄裏:2003/07/08(火) 15:50 ID:TCsGQxEo
まわりでゴロンゴロンしてくれるのが、可愛い女の子達だったら・・・
おじさん何でも買っちゃいそうです。

46dancing@TCR横浜FマリRS:2003/07/09(水) 00:07 ID:T1lh/bFM
>>45
誰かコメントを!w

47まつざき:2003/07/09(水) 06:25 ID:wyZR4YYc
>>45
それは請負います@ボートビアホテル.激しい二日酔

48マグロ:2003/07/09(水) 21:09 ID:Ryj9gEs2
>>43-44
これは、団信アーンドヒロミスタ様たちと会うために必要な、
一種の通過儀礼なのだろうか?
みんなが一度通った道であれば、尊重いたしますがw

>>45
ゴロンゴロンしてくれるのが女性なら…

全 速 力 で そ の 場 か ら 離 脱 し ま す 

でも可愛い子だったら踏み止まろうてw

49dancing@TCR横浜FマリRS:2003/07/10(木) 02:04 ID:DysEtGSs
>>48
単なるイジメという噂も・・・ええ、先週6号タソにいじめられました。。。。
ゴロンゴロンと。

50dancing@TCR横浜FマリRS:2003/07/10(木) 21:46 ID:yLMkPU/w
しばらく読んだ本を書いてなかったんですが、適度に読書はしつづけておりました。

で、今日は探し物している途中で本整理をしたので、ここ一ヶ月くらいの読んだ本まとめて。

「最速で開発し最短で納めるプロジェクトマネジメント」
「自立の思想的拠点」吉本隆明
「モハメドアリとその時代」マイク・マークシー
「現代思想87年8月号コミュニケーションとしての経済」
「現代思想93年12月号法人資本主義」
「スポーツ産業論」
「坂口安吾と中上健二」柄谷行人
「われ万死に値す〜ドキュメント竹下登」岩瀬達哉
「KAWADE夢ムック 中上健二」
「マラドーナ自伝」
「名前のない女たち〜企画系AV女優20人の人生」中村淳彦

ホントにいまさらながら節操のない読書でありんす。。。。

51dancing@TCR横浜FマリRS:2003/07/10(木) 22:03 ID:yLMkPU/w
音源この一ヶ月

"The piper at the gates of dawn" pink floyd
"Daddy's house vol.1" Dj Master Key
"Free soul. the classic of al cooper"
"Best Gedo" 外道
"頭脳警察1" 頭脳警察
"Denjalously in love" Beyonce
"Odelay" Beck
"ベストセレクション" 一世風靡セピア

こっちもワケワカランw

526号@すまんかったw:2003/07/11(金) 00:59 ID:uvVqWRDU
>>49
 (´Д`;)ヾ ドウモスミマセン
   ∨) 
   (( 

 (;´Д`)  スミマセンスミマセン
 (  八)
   〉 〉

    ヾ
 (´Д`;)、  コノトオリデス
   ノノZ乙

536号@すまんかったw:2003/07/11(金) 01:00 ID:uvVqWRDU
>>49
(つд∩) ウエーンウエーン
(つд∩) ウエーンウエーン
つ・д∩)チラ
(つд∩) ウエーンウエーン

54まつざき:2003/07/11(金) 07:55 ID:x92BS0dg
 Numberの最新号は大久保が表紙だった。代表特集IIIとして、リトバルスキー、ギーなどが書いている。

 いま、じっくり考えてみると、この夏の一連の試合で、収穫だったのは山田、遠藤だったと思う。そうなるとベンゲルが四人プラス遠藤で中盤を構成した4-5-1を薦めていたのが、改めて納得的だなぁ、みたいなことを思いつつ酔っ払いながら読んだ。

 『吉本隆明が語る戦後55年』もついに11巻。今回は自身の詩作について語っている。昔から『五番街のマリー』が好きだったということは知っていたけど、高橋真梨子にサインねだるほど好きだったの、みたいな。自分では「流行歌みたいな詩が書きたい」と言っているのも印象的、みたいな。

5519号:2003/07/11(金) 12:27 ID:nPn3BrI.
実家によって本をもらってきますた。

「バカの壁」養老孟司
「気配りのススメ」を思い出した。

あと司馬遼太郎エッセイも何冊か。
「日本人とは何か」とあと1冊タイトル忘れた。

56まつざき:2003/07/14(月) 06:25 ID:p6OgtLRA
『古事記講義』三浦佑之、文藝春秋
古老が語るというスタイルが話題を呼んだ『口語訳古事記』の著者による、カルチャースクールでの古事記講義録をまとめた本。

三浦さんの口語訳で初めて古事記を全文読んで、その性的なイメージの濃さ深さに驚くいたけど、このコメンタールで、さらに深く内容を知ることができたし、日本書紀には収録されていない出雲神話の部分がなぜ古事記には入っているのか、という問題についても、その成立過程からして律令国家の理論的な基礎をつくるという目的から外れていたというのも納得的。出雲から見たら、朝鮮半島も、壱岐も、能登半島も「外つ国」と同じだな、という地図も素晴らしかったし。

つか、文献学的なアプローチがどこまで進んでいるんだろ、とかフト気になった。

『口語訳古事記』とセットでどうぞ。

57dancig@TCR☆横浜Fマリ☆RS:2003/07/15(火) 21:12 ID:hQya1GAU
「出版大崩壊」小林一博
「大衆運動」エリック・ホッファー

エリック・ホッファーは読み直し。
この人は何故、「大衆運動」や「狂信者」と、後々明らかになる自分の半生とは全く関係ない
社会科学のような著作から始めたのだろう。とても不思議。
自伝を読んだ時の妙に空虚な文体と訥々と語られる生涯の不思議さともあわせて考えると面白い
物語解釈が出来るかも知れない。久々にマーカー片手に読んでいる。

58まつざき:2003/07/16(水) 08:17 ID:BimsiF66
『イスラーム生誕』井筒俊彦、中公文庫BIBLO
コーランを翻訳した(岩波文庫)の井筒先生のよるイスラーム概説。井筒先生はモノホンの学者だから、ちゃんとこ難しい往相の学問だけでなく、縁なき素衆にもわかりやすく解説してくる還相の学問の成果も残してくれる。
 コーランというと、基本的な構造は「もし不倫とかしちゃったどーなるんすかねぇ」「ヴォケェ!不倫なんぞしおったら地獄行きじゃ!そんときの地獄はなぁ火が燃え盛ってのぉ…」。「もし人殺しちゃったらどーなるんすかねぇ」「ヴォケェ!人殺しなんぞしおったら地獄行きじゃ!そんときの地獄はのぉ、水が渦舞いてのぉ…」みたいなのが延々と続く超退屈な本なのですが、なぜそんな退屈なものが聖典となったのか、歴史を追って解説してくれます。

59dancig@TCR☆横浜Fマリ☆RS:2003/07/17(木) 01:45 ID:GfrzBkWA
「稲村ジェーン」

サザンの本当の姿は70年代に出された2枚のアルバム、「熱い胸騒ぎ」と「10ナンバーズカラット」につきる。
もともとは生粋のフュージュンバンドだったことが、この2枚は説得力をもって伝えてくる。
「茅ヶ崎に背を向けて」「奥歯をくいしばれ」などは、今でもふとしたはずみで口に出る秀作。
しかし、サザンの最高傑作は別。
「稲村ジェーン」は、企画系のアルバムであり、ひたすら小林武史のアルバムでもあるのだが、
クワタのその本気度も他のアルバムとは違う。すでに、ラフアンドレディで曲を手馴れたノリで
乱造するサザンの態度はそこには感じられない。
原由子の、ひたすら肯定的なブロックコードから始まる「希望の轍」から始まり、
漏れの大好きな小品「東京サリーちゃん」「Love Potion no.9」。
そして、どうしょうもないくらいにせつないリリックがこれでもかと小林武史の編曲フレーズに
からみつく「真夏の果実」。

このアルバムの最後は、映画のセリフ「暑かったけど、短かったね、夏」で終わるのだけれども、
漏れ的には、今日そんな気分になったので、新横浜からの帰りのタクシーでウォークマンで聞いてみた。

まあ、いいアルバムだ。

60まつざき:2003/07/17(木) 12:48 ID:.4VAaJ9k
『従軍日記 イラク戦争・兵士と過ごした36日』今泉浩美、日本テレビ
イラク戦争の時、日テレで米軍の立ちレポかましていた今泉さんの日記が出ました。まあ、想像以上のものはなかったけど、砂嵐が意外と短かったことや、第三歩兵師団第二旅団に同行した20数人のジャーナリストのうち4人が死んだことには、やっぱ大変だったんだな、と思った。
あと、今泉さんが第三歩兵師団第二旅団というホットシートの従軍をゲットできたのは、最初のブリーフィングから駆けつけたことが大きかったとか書いているのは、やっぱ足で稼がなきゃとか改めて思った。

61まつざき:2003/07/18(金) 08:04 ID:UGjBd8go
『不肖・宮嶋inイラク 死んでもないのに、カメラを離してしまいました。』宮嶋茂樹
 米軍は「衝撃と恐怖 ("Shock and Awe")」と名づけた超弩級規模の集中爆撃をイラク侵攻の初期段階で行ったのですが、その時、バクダッドにいた不肖・宮嶋は「死んでもないのに、カメラを離し」て防空壕に飛び込んでしまったそうです。
 
 アフガンでカブール入城という決定的瞬間を撮り逃した不肖・宮嶋はこんどこそとばかりに、バクダッドに潜入、米軍がやってくれのを待ち構えます。そして撮りまくったのがこの写真集。

 宮嶋の大判の写真集はこれが初めてじゃないかな。一人でよく押さえてあると思う。毎日新聞の写真記者10人分ぐらいの働き者だ。

 文章も冴えている。「次のイラクの指導者になる奴に、私は同情する」として、略奪しまくり、図書館までに放火した市民を「やっていることはタリバン以下である。そんなことをやったのはヒトラー以来である」「人間の盾ならぬ、人間のクズの寄せ集めの国だったのである」と看破する。貴重な視点だと思う。

6219号@不肖らいすっき:2003/07/18(金) 10:56 ID:ZFeLrfdw
あ、ついに出たんですかっ!?
出すなら大判しかないなと思ってました。
「死んでもないのに…」は週刊文春に一報来た時のタイトルですよね。
現場は速報性重視ですっかりデジカメ盛りなのにあくまでもフィルムにこだわる漢、不肖。
テレ朝の中継1回だけみましたけど、恐怖からの疲れが顔に出ていたし、
声も心なしかちょっと震えていたように思います。
「儂は舞い降りた」「舞い上がった」のタリバン取材んときは余裕感じましたが
今回はほんとに怖いんだなと。
はじめて「生きて還ってこいよー!」と声をかけてしまいました。

http://www.fushou-miyajima.com/
いつまでたっても工事中。

6319号:2003/07/18(金) 12:15 ID:ZFeLrfdw
M新聞のG記者のことこれでもかってくらいボロカスに言ってすね(w。

インマル開いて衛星回線通じてネットで戦況の動向をつかむっていうのも
かつて「21世紀はこんな世界〜」っていうのが現実になっているように
私には感じられて、なんともはやシュールな時代になったものだと思います。。

64dancing@TCR☆横浜Fマリ☆RS:2003/07/21(月) 18:01 ID:RbPCkI6s
『美と共同体と東大紛争』三島由紀夫vs東大全共闘
『太陽と鉄』三島由紀夫

大阪の心斎橋、アメ村のあたりをうろちょろしていると、雑貨屋と本屋と半々に
なっている面白い店を発見する。
しばらく時間をつぶしていたのだが、フェラクティの伝記やらにまじって三島由紀夫の
特集コーナーが平積みされていて、そこでフューチャーされていたのが、三島の全共闘との
討論の文庫本。
三島の評論ものなどで、断片的にしか読んでなかったので購入。
ついでに、『太陽と鉄』。
これは表題作は随分昔に読んでいるのだが、そこに並収されている『私の遍歴時代』のために買い込む。

全共闘討論は、ドキュメントとして面白い。当時の雰囲気を如実に伝えるちょっとしたエピソードが
むしろ語られている内容より面白いぐらいだ。

三島   ここには灰皿ないんですか、煙草も飲めないんですか?
全共闘A いや、どうぞ床の方で結構です。
三島   ああ、床・・・・うん。

などという件や、全共闘学生同士のウチワモメや壇下からのヤジなどは、
ちょっとした芝居じみていてなかなかにスリリングであるw

基本的に、討論は幾つかのテーマに収斂されていくのだが、特にそれが身のあるもの
かといえば、どうだろう。表題は『美と共同体と東大闘争』とあるが、そのタイトルに
ふさわしい展開の議論はおこなわれない。
この本が発売当初ベストセラーになってから、しばらく埋もれていた(ように見える)のは
そういうところからなのだろう。

特に本の前半ページを占める自然と事物の形而上学的議論はひたすら退屈である。

65dancing@TCR☆横浜Fマリ☆RS:2003/07/21(月) 18:12 ID:RbPCkI6s
この本の中で行われた討論の中で、唯一学生らしく直截に三島のふところに差し出された危険はひとつだけ。
全共闘Hと名前がついた人間からの発言。
この発言は非常に面白い三島の反応をひきだしている。
以下、抜粋。

全共闘H  三島がね、今「英霊の声」以来、天皇についていろいろ書いているし、感情を
     書き散らしていると。しかし、ぼくが思うに、今天皇がいないからこそ三島はああいうことを
     書いているのであって、今天皇がいたらああいうことを書くはずがない。
      つまり非現存の存在だからこそ、三島に言わせれば、至高としての、同時に至禁としての美が
     存在すると。(中略)
      それなのに、なぜ三島が自衛隊に一日入隊なんかして、あるいはヘンな右翼のまねごとなんかするのか。
      三島が美を追う物書きであれば、美は美の中で簡潔するのだから、ヘンな甘っちょろい、
     ぐだぐたした行動なんかしないで、三島がその美の中にとじこもらないで、行動に出てくる時、
     天皇としての美が、実は共同幻想として、共同規範として、非常にみっともないものになってしまうと。
      そのへんに三島さんの欠点があるのではないかとはぼくは思うわけです。

この発言に対して、三島は明確な答えを最後まで出さない。
もちろん、それは質問された本人が答えられる性質のものでないから、韜晦するのである

66dancing@TCR☆横浜Fマリ☆RS:2003/07/21(月) 18:36 ID:RbPCkI6s
三島の政治的活動を茶番として退けるのは容易い。
全共闘Hのように、そこを「欠点」として指摘するのも簡単だし、石原慎太郎のように
(「三島由紀夫の日蝕」)徹底的に茶化して逆説的な悲劇、つまり喜劇仕立てにつづるのも
ありえる態度だろう。

しかし、そこにとどめてしまっては、三島由紀夫という名にまつわることとなった異様な
物語のパワーの背景を読み取ることは出来ないし、さらにはそれを解体することもできない。

『太陽と鉄』は、発表当時から酷評を与えられ続けた作品である。
三島の緊密で、それゆえに芝居ががった文体のドラマが、止め処もなく現実の方へとなだれおちていき、
ほとんどジョークではないかとも思える滑稽な詩的文体が、下世話な50年代末の時代光景に汚されていく。
全共闘Hがいう、無粋に近い指摘はその意味で確かに的を得ている。

大江健三郎の「セブンティーン」そして「政治少年死す」に至る右翼ものの問題作は、
もう「太陽と鉄」の忠実なパロディではないかと思わせる。まさに突っ込みどころ満載。
(最近この「政治少年死す」をやっと読むことが出来た。アングラ雑誌が強行突破で雑誌のコピーを全文掲載
したものだ。こいつらは偉いと思う。次は、石原慎太郎の「処刑教室」を掲載してくれ!w)

67dancing@TCR☆横浜Fマリ☆RS:2003/07/21(月) 18:54 ID:RbPCkI6s
さて、全共闘Hの発言に対して、韜晦を巡らす三島に対して、激高する他の全共闘学生に対して
三島は、それ自体マジメに答えているのがわからぬのか、と逆ギレで返す。
韜晦はここでは肯定である。そして、だからこそ同時に当の本人が答えるべき問題ではないのでもある。
三島の欠点は、それ自体が三島そのものの存在の意義なのであるから、それを否定されても、普通は
ああそうですか、としか答えようがない。

三島は、この学生の質問に対して、2つの有名な発言をもって返す。
ひとつは、例のあれだ。きみたちが「天皇」と一言いえば、オレはきみらにつく、というもの。
もうひとつは、三島の天皇観。
三島は古事記を引き合いに出して、極めて独自の天皇観を語るが、それは「架空の、それゆえに至禁の天皇」
という全共闘Hの発言を肯定しているようにしか読めない。

ちなみに、前の「天皇と口にすれば・・・」の方については、こういう面白い発言を「私の遍歴時代」に三島が書いているのが
むしろ興味深い。
これも有名なエピソードであるが、学生の自分、太宰治に対して「あなたの作品は嫌いなんです」と
三島がテロリスト風情で宴席上で言いに行ったときのことを回想してのものである。


 「あなたの文学は嫌いです」と面と向かって言われた心持ちは察しがつく。私自身も何度かそういう目に
 会うようになったからである。(中略)
 こういう文学上の刺客に会うのは文学者の宿命のようなものだ。もちろん、私はこんな青年を愛さない。
 こんな青臭さの全部をゆるさない。私は大人っぽく笑ってすりぬけてるかきこえないふりをするだろう。
 ただ、私と太宰氏の違いは、ひいては二人の文学のちがいは、私は金輪際、「こうしてきているのだから、
 好きなんだ」などとは言わないだろうことである。


実際、三島は全共闘hに対して韜晦というテクニックで、何も言わない。
そして、逆説的なジョークで切り抜ける。曰く、「天皇とひとこと君等が口にすれば・・・」である。
しかしぼくには、これは宴席の太宰がテロリスト三島に言ったコトバ「そんなこといったって、こうして
きているのだから好きなんだろう・・・」とさして変わらない態度だとも思うのだが。

68dancing@TCR☆横浜Fマリ☆RS:2003/07/21(月) 19:08 ID:RbPCkI6s
三島の本質は、美的世界を外部に延長する行動そのもの、それを叙述することだ。

 少年期と青年期のナルシシズムは、自分のために何をでも利用する。世界の滅亡でも
 利用する。鏡は大きければ大きいほどいい。二十歳の私は、自分を何とでも
 夢想することが出来た。

金閣寺に放火した少年僧の悪意に満ちた自己延長の欲望。鏡に映すのは自己である。
自己を投影する対象物は、大きければ大きいほどスリリングであり性的に充実することが
できる。

三島は、このような認識が20代中盤で昇華されたのだと「私の遍歴時代」で書く連ねるが、
それはアリバイ工作に過ぎない。
三島の自己投影のための仕掛けづくりは、いちだんと手が込んだものとなっただけで、
単に色の違う裏返したシーツにくるまって横たわっているだけなのである。

  私に余分なものといえば、明らかに感受性であり、私にかけているものといえば
 何か、肉体的な存在感とでもいうべきものであった。すでに私はただの冷たい知性を
 軽蔑することをおぼえていたから、一個の彫像のように、疑いようのない肉体的な存在を
 持った知性しか認めず、そういうものしか欲しいと思わなかった。それを得るには、
 洞穴のような書斎や研究室にとじこもっていてはだめで、どうしても太陽の媒介が要るの
 であった。

69dancing@TCR☆横浜Fマリ☆RS:2003/07/21(月) 19:28 ID:RbPCkI6s
三島が折に触れ、書き連ねる「肉体」や「太陽」というコトバにハメられるのは賢明な態度ではない。
また、そこにうさんくささを嗅ぎつけて、ただ遠ざけるのも、これも賢明とはいえない。

三島がいう「肉体」や「太陽」というコトバに、祭りの日に神輿をかついでその喧騒と興奮の中に見た
青空や、自衛隊のF104の体験飛行に感じた性的フレーズを重ね合わせるのは、三島の手の込んだトリックに
幻惑されてしまうだけなのである。
(大江健三郎の「セブンティーン」そして右翼の脅迫と出版社への暴力的圧力により未だ日の目を見ることが
できない「政治少年死す」は、そのトリックを大げさに反復し、パロディとして茶化した。
そしてだからこそ、彼らの逆鱗に触れる破壊力があったのである。)

美的世界を外部に延長すること。
そして、そのスリル。
それは露出癖のある性的倒錯者とあまり変わらない。
三島が、いくらそれが、自らの感受性の過剰の嫌悪から招いたたものと膨大にあちらこちらに書いたとしても、
残念ながらそれに説得力は感じられない。

三島の書くところによれば、禁色第一部と第二部の間、つまり彼が二十六歳の時、ひとつの転換が行われたと
書いている。三島が自己をマスメディアに露出させ、様々な痴態に近いスキャンダラスなネタを披露しはじめた
のは恐らくこのへんがきっかけになっているはずだ。(作品の時代考証してませんけど・・・)

政治は、そのためのひとつの手段である。
天皇もその手段のひとつである。手段だから、それは架空の天皇でかまわないし、実現など出来るはずもない
古代王権の長の姿を夢想するのでも全く構わない。
三島はそういう意味で、「政治」などは全く信じていないのである。ただ単に、それは自分自身を投影する鏡で
あればよいのだ。
 全共闘に対して、天皇のひとことで連帯することを冗談まじりながら述べることの出来る背景はそこにあるし、
政治論理としてひとつも有効なものを示すことをしなかった彼の政治団体の理由もそこにある。
 三島にとって、「政治なんてその程度のもの」なのである。

70dancing@TCR☆横浜Fマリ☆RS:2003/07/21(月) 19:37 ID:RbPCkI6s
三島の文学が傑出しているのは、その倒錯である。
そして、その倒錯の論理を三島はエロティックに外部世界に延長を開始した。
延長を開始する三島にとって、美の論理をテキストの中で完結させることなど
もうどうでもいいことであり、自らをその論理に当てはめて振舞うことが重要になった。
滑稽な三島の政治少年としての活動とスキャンダラスなマスコミ露出は、それが原因である。

三島のテキストに秘められた可能性は、その倒錯の論理そのものなのであり、政治活動は本来
どうでもいいことだ。変質のターニングポイントを見失うのは、危険である。
三島をあざ笑う石原慎太郎のテキストは、同時に三島の倒錯の論理を無自覚にひきづっている
だけにしか見えないのだが、これもそのターニングポイントがどのように訪れたのかを
理解してない人間だけが行えるものだ。三島の政治活動を笑うことは出来ても、文学者としての
ひとつの「誠実」をぼくは決して笑うことは出来ない。

71マグロ:2003/07/21(月) 23:16 ID:Ryj9gEs2
>三島   ここには灰皿ないんですか、煙草も飲めないんですか?
>全共闘A いや、どうぞ床の方で結構です。
>三島   ああ、床・・・・うん。

これは中野翠(だったかな?)と誰かの対談で書かれていて印象に残ってます。
自己演出たっぷりで登場する三島と、そんなことはどうもでいい(つか分からない)
全共闘側のギャップが面白かったように記憶しています。

政治活動はともかく、作品として三島を楽しめないのは「男の子」として
ものすごく損ではないかと。一回でも自分が「男の子」だった人なら絶対に分かる。
そして超ビジュアルw。筋は覚えてなくても、情景はすぐ思い出せるのはスゴイ。
(つか、漏れは昔読んだ小説はほとんど覚えていない体質w)学生の頃読んで、
今読み返しても面白いのは日本ではこいつぐらいw

いま三島が生きていたら(かつて何回も出た話だが)面白いだろうなあ。
一番必要なタイプじゃないかと思うんだが。

72まつざき:2003/07/22(火) 08:14 ID:11/XviGc
『深海のパイロット 6500mの海底に何を見たか』藤崎慎吾、田代省三、藤岡換太郎
 光文社から出て、なんとなく買った新書。深海調査船「しんかい6500」「しんかい2000」のプロジェクトⅩ的な解説本。ただし、世界で一番深い1万m級のマリアナ海溝以外は6000m級なので、世界中の深海調査船もそこを性能の目安にしているとか、なるほどな、みたいな情報は満載。暑い夏の読み物としてはまあまあか。

 土曜日に『狂熱のシーズン ヴェローナFCを追いかけて』がいい、イイとふれまわっていたら、ならもっと内容を書いてくれと言われたので、書きます。とはいっても、個人的に面白いと思った情報でけなんすけど…。

 まず場面はいきなりバーリへのアウェイ・バスツアーから始まります。主人公つーか筆者のティム・パークスはイタリアの大学で教えているイングランド人。コカインで酔ってるおバカな少年もいるクスリ天国イタリアの現状をサラリと書いた後、外国人ということでなかなか受けいれられてもらえなかったパークスが、警官隊との小競り合いで機転を利かせてというか「試合を観たいんだ!」と説得して全員をスタジアムに無事入れた後に、仲間としてのあだ名をもらうシーンなんか、良かったな。ちなみにあだ名は「パロッコ」(教区司祭)。「奇跡を祈ったかい、パロッコ」みたいな感じで、彼はこの後もサポ軍団「ブリガーデ」とともに行動をともにします。

 01/02シーズンはキエーボがセリエBからAへの昇格を決める一方、ヴェローナにとってはレッジーナとの降格を争うプレーオフにまで持ち込まれた厳しいシーズンだったのですが(降格するよりはマシだったけど)、印象的なのはキエーボの忌み嫌われさ加減。パークスいわく、キエーボは2300人ぐらいの人口しか基盤にしておらず、TVサッカーの申し子でグローバリズムの権化。そうなのか…とやや悲しくなるとともに、ウルトラ地域主義と人種差別の代表選手的な「エラス(祖国)ヴェローナ」のサポとしてみれば、キエーボはいまいましい存在なのかもしれないな、と思った。

 あと、南北問題。北に位置するヴエローナ人からすれば、南は「テッローニ」(地の底の人間)。南をバカにするその罵倒の豊富さ(pp.49-50)には圧倒されます。Jがああなればイイとは思えませんが、それにしても、ややうらやましくなります。

 あと、サッカー協会からホームの試合開催権を没収されそうになった「ウォッホ!ウォッホ!」と叫ぶ猿鳴きの声。黒人選手あるいは東欧のジプシー系の選手がボールを持つとゴール裏からはこの声が渦巻いていたそうです。特にひどかったのが、当時はパルマに所属していた壮麗なまでに肌の黒いテュラムに対するもの。テレビなどでも猿鳴きに包まれるスタジアム様子が繰り返し映され、ホームで試合できなくなる寸前までいきます。結局、この問題は「公平さを追求するあまりにっちもさっちもいかなくなる」イタリア式問題解決方法によって先送りにされるわけですが…。

 パルマといえば、「タンツィの金だけを元に作られたチームで、サッカーの伝統もなく、本当の観客もいない。スタジアムの収容人員はわずか2万2千」(p.399)という評価はナカータのパルマについて、これまで理解できなかった何事かを了解させてくれるに十分な箴言でした。

 そしてクライマックス。忘れもしないレッジーナが降格したプレーオフに勝った後のあっけないラスト。しかし、そのあっけなさが、フットボールは続いていくんだという現実の重さなのかもしれないと思いました。

 サッカーを描いた作品としては、最上級に面白い本です。これまで読んできたサッカー本ではベスト3に間違いなく入ります。抄訳らしいので、原書もゲト。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/1559706287/ref=pd_rhf_p_1/250-5279250-5085064

73まつざき:2003/07/23(水) 18:22 ID:5hSYx6Ks
『ウィトゲンシュタインはこう考えた』鬼界彰夫、講談社現代新書
400頁超と新書の割には気合が入っているな、と感じて手にしてみると、ウィトゲンシュタインの書き残した全てのものが00年にCD-ROM化されたのを機に、どうもそれを使って構造分析的にといいいますか、全ての言葉について年代を追いつつ、思考の軌跡をたどろうという「その心意気や良し」みたいな本だということがわかりました。
カントの著作がCD-ROM化されたのは90年代初めだと思いますが、テキスト分析を中心にした哲学研究はそれまでのやり方からガラッと変わったといわれます。特定の接続詞の後に重要な意味合いの言葉が続くとか、ある動詞を使う場合にはどのようなことを論証しようとしたときだとか、割と簡単に、悪く言えばアタシみたいなトーシローでもできるようになったんですね。昔はセンセが書き写して、弟子が分析するのがやっただったのが、パソコン一台でセンセ代わりになるんですから。
ざっくり読んだところではマルコムの評伝(『ウィトゲンシュタイン 天才哲学者の思い出』板坂元訳、平凡社ライブラリー)を、テキストをたよりに再構成しただけといわれかねない内容です。でも、誰もが読みたいのが、実はそうしたものだったりするわけで。
哲学(古典、神学含む)とかやってる先生に「いまでも一番好きな現代の哲学者って誰ですか?」と酒の席なんかで聞くと、個人的に知る限りで一番多かったのはやっぱりウィトゲンシュタインです。例えば、詩を暗誦するように、日本でも英語でもドイツ語でも、一節を突然語りだすみたいなことも何回かありました(相当、敵も油断している時ですけど)。
ということで、ぼくみたいなウィトゲンシュタインに関しては単なるミーハーだけど「割と本当に好きっす」という良心的なアマチュアが泣いて喜ぶような一冊なんじゃないかと思います。

あと、ウィトゲンシュタイン・アーカイブのCD-ROM版ですが、以下で買えます。シングル・ユーザーのCD-ROMだけで600ユーロ。フト、自分にプレゼントしたいような時には注文しちゃいそうな、実にそそられる値段かな、と思います。

http://www.oup.co.uk/academic/humanities/philosophy/wittgenstein/

「間違った思想でも、大胆にそして明晰に表現されているなら、それだけで十分な収穫といる」(ウィトゲンシュタイン『反哲学的断章』)

74まつざき:2003/07/25(金) 13:26 ID:XVvS8dyQ
『カメラジャーナル 124号 終刊』
カメラは結構好きでして、大学生の頃、初めて自分のニコンを手にすることができた時の喜びは忘れられません。商売柄、多少はカメラに凝っても、会社からはなかなか仕事熱心だと思われるだけだし(少なくとも趣味に凝る変人とは思われない)、会って話す人がカメラ好きならとたんに雰囲気だって良くなります。前も書いたかもしれないけど親友のカメラマンもいますし、カメラマン全般が割と気持のいいヤツらばっかりということで好きだったりします。

90年代にライカブームがあったことを覚えていらっしゃるでしょうか?手巻レバーもなく、指の腹でグリグリとまわすような「写るんです」の古典版のようなバルナック型ライカ、50年代前半に登場して、それまでのバルナック型ライカから機構を一新ししたM型ライカなど、クラシックなカメラが高値を呼びました。ぼくはどうも恥ずかしかったので、ライカブームには乗らずにすみましたが、それでもレンズは何本か揃えて、別の機種で使ったりしました。

そんなクラカメブームの火付け役だったのが田中長徳さんと、彼の1人雑誌とも呼ばれていた月刊の『カメラジャーナル』です。最初はB5版8頁というパンフットみたいな体裁で、ヨドバシカメラあたりじゃないと買えませんでしたが、何年か前からは普通の雑誌サイズに変わって一般書店でも売られるようになりました。でも、今売りの124号で終刊です。

耐久収費財だったカメラがケータイのオマケになって、映像を得るという目的のためにわざわざ重いカメラを手にする必要がなくなった今、カメラはアンティークな場所に逃げるか、安価なデジカメで生きていくしかないのかもしれません。終刊の記事に中に、大昔の日本のサラリーマンは「パーカーの万年筆、ダンヒルのライター、オメガの時計が三種の神器だった」と書いていますが、第二次世界大戦後の西側先進国でブランドを築いたものは、全てモノとしての意味を失っているのかもしれません(いまどき万年筆は持たないでしょ…ぼくもマイスターシュティックのBとか無理して買ったことはありますが…)。

というアタシもここ3〜4年で手もちのカメラを20台、レンズも30〜40本ぐらいは売り飛ばしまして、今や手元に持っているのはニコンのF、F2、F3とFM2の4台だけになっています(レンズは20から200㎜までの単焦点レンズを一本ずつの計10本だけ)。友だちのカメラマンも「D2が発表されたけど、800万画素になるといわれているD2Xが出たら即買い」とか情緒のカケラもないことを言っています。レンズも広角、標準、望遠の3本を持ってボディ2台にくっつけりゃおしまいという味わいのない世界になってきました(除大判)。

終刊号では「無人島カメラ」の読者アンケートをやっていますが、一時より回答が少なくなっているのが痛々しい。ま、それはおいておいて、ぼくの無人島カメラはニコンF2アイレベルであると宣言して、カメラジャーナルと銀鉛フィルム、ライカから始まりニコンでピークを迎えたカメラメーカーへの惜別の辞とします。長い間ありがとう。

75まつざき:2003/07/27(日) 10:11 ID:0omaGICs
『スローフット』西部謙司、双葉社
 サッカー批評なんかに書いている西部さんの3冊目の本。『アスラ』『スポルティーバ』なんかに書いているのをまとめたものだが、たんに書き散らしたものを集めたという感じよりは、少しだけどフォーカスされている感じはする。1600円は他に読む本がなくなったときの六本木ABCで見つけたから買っただけかもしれないけど、電波系じゃないと思うから頑張ってほしい。

 日曜日の朝はやっぱりパレストリーナだな、と思う。つか、バロック以前のポリフォニーかな、と。Gimellから出ているTallis Scholarsで。

下がっていたのでageます。

76まつざき:2003/07/28(月) 01:49 ID:m/AfDgko
『ローズ』
 ヘッド・ミドラーがジャニスの伝記を演ったのがこの映画で、実際にジャニスの愛人だったクリス・クリストファーソンが、やっぱり愛人の役で出ていて、しかも、わといいというか破綻してない映画でした。

 クリス・クリストファーソンがジャニスと知り合ったのは「ミー・アンド・ボキー・マギー」をジャニスがすごく気に入ったからなんだけど、彼は、実際のジャニスに歌でインスパアして、死後は映画でケリをつけたという感じがして、日本的なおさまり方にはあてはまらないけど、きっちりケリをつけたのかもしれない。

 今日は、スタジオ・ジブリの特集をやってる番組で、都はるみさんが『おもひでぽろぽろ』でこの歌を日本語の歌詞で歌ってたのを聞いてちょっと感動して、いろいろ思い出してしまいました。なんつうかヘミングウェイじゃないけど『何を見ても、何かを思い出す』状態ですか。

"The Rose"
Some say love, it is a river that drowns the tender reed.
Some say love, it is a razor that leaves your sould to bleed.
Some say love, it is a hunger, an endless aching need.
I say love, it is a flower, and you it's only seed.

77まつざき:2003/07/29(火) 11:26 ID:h35YsoMI
『マッカーサー大戦回顧録』津山一夫訳、中公文庫BIBLO
『マッカーサー回顧録』(朝日新聞社、1964年)は長らく絶版になっていました。どうも、翻訳者の津山一夫さんが行方不明になっていることも影響しているかもしれませんが、とにかく図書館あたりでしか読めませんでした。でも、その回顧録から太平洋戦争の部分だけを抜粋したのが中公文庫BIBLOから出ました。それが『マッカーサー大戦回顧録』です。
中公文庫BIBLOは最初はつまんなかったけど、先月の『イスラーム生誕』井筒俊彦といいこのところ冴えてる。
バカウヨはこの本を読みもしないのに、真珠湾攻撃の部分や、憲法制定の問題、天皇謁見などに関して「デタラメ」と書くことが多いようだけど(まあ、そんなのは2chでしか知らんが)、とにかくそういった輩はこの本全体に貫かれている事実の重みを感じてほしい。もっとも、バカの壁をつくっちゃってる場合は無意味だけど。
ネオコンの祖父はマッカーサーなのかな、と思ったのと同時に、日本がアメリカと最初の半年だけは互角に戦っていたことは凄いことなんだなと改めて思った。もっとも、太平洋戦争に一番似ていると山本七平が書いていて、実際のぼくもそう思う紀元66年の第一次ユダヤ戦争のように、最後は巨大な力に圧倒されていくわけですが…。
夏に戦争のことを考えるならば、『ユダヤ戦記』(ちくま学芸文庫)と『失敗の本質』(中公文庫)、それに上下巻のこの 『マッカーサー回顧録』なんかどうでしょ。

78dancing@TCR☆横浜Fマリ☆RS:2003/07/30(水) 20:41 ID:TJo9Ucao
「夜と女と毛沢東」吉本隆明・辺見庸
「太宰治に聞く」井上ひさし

以上2作、時間の無駄。

"Stance punks" Stance punks
"Live at the Fillmore east" Jimi Hendrix
"Small talk at 125th and Lenox" Gil Scott-Heron

渋谷のHMVの本コーナーが6Fに移動してた。
レコスケの単行本見つけて購入。
プレイボーイのマイルスデイビス特集もあわせて。
なんか停滞気味。

79まつざき:2003/07/30(水) 22:54 ID:8NXsGf6Q
『Sigmariom III & @Freedパーフェクトブック』
 Win CE機はSigmariom IIIが初めてだし、版元が技術評論社なのでゲト。Win CEはLook&FeelはWIndowsそのものだけど、まったく別モノで、ソフトの互換性はゼロ。ということで、読んでみる事に。

"A Season With VERONA"Tim Parks, Arcade Publishing, NY
 アマゾンでゲトした『狂熱のシーズン ヴェローナFCを追いかけて』の原書。猿鳴きは"Oo! Oo! Oo! Oo! Oo! Oo! Oo! Oo! Oo! Oo! Oo! Oo! Oo! Oo! "と表記されるのを知る。

80まつざき:2003/08/04(月) 15:21 ID:wEy5FZco
『パワー・インフェルノ』ボートリヤール
『湾岸戦争は起こらなかった』(紀伊国屋書店、1991)で、「実験動物のように何の反応も示させない敵を、電気処刑し、麻痺させ、ロボトミーを施すウルトラモダンなプロセス」は「そんなものは戦争じゃない」(p.93)と書いたボートリヤールは、湾岸戦争をシミュレーション時代のハイパーリアルなノン‐イヴェントに過ぎないと強弁してみせました。

しかし、結局、アメリカの軍部までが、ボードリヤールの発想を借りて、湾岸戦争を "Hyperwar" と呼ぶことになっちゃって、鋭いと自負していた認識も米軍には単なる情報として消費されてしまったという悲しい過去があったのですが、さすが、フランス人の哲っちゃん。アフガン戦争についても『パワー・インフェルノ』(NTT出版)で何か言おうとしています。

結局、短い時間しか有効ではない思考実験にしかすぎないのかもしれないけど、ツインタワーは複製を繰り返して自己増殖していくハイパー資本主義の象徴であり、実行犯が予期した激突・炎上という事態だけでなく、それが見事すぎるほどにすさまじく倒壊したことで、アメリカ人に「ようやく神が我々を打ってくれたのだ」という倒錯した選民意識を呼び覚ましたという展開は、力量を感じさせました。

8119号:2003/08/04(月) 16:42 ID:L/I.ipCg
wowowブンデスのオープニングテエマがクリムゾンですね。
最後のヒムロックとの落差がたまりません。

その昔中野サンプラザか厚生年金だったか忘れましたが、コンサアトに行ったとき
前座のカリフォルニアギタートリオが終わって、ご本尊出てくると同時に
DAT機材をいっせいに膝上に出してマイクをセッティングする観客に腰抜けますた。

そしてそんじょそこらのコメディアンにマネできないナイスな椅子コケだった
ザマーたんハァハァ。

82まつざき:2003/08/05(火) 07:52 ID:f.4wc7KM
『NIPPON SOCCER 日本代表クロニクル1936-2003』
ありがちなムックだが、一応、空白の20年間に関しても比較的豊富な
カラー写真で楽しめるのでゲト。しかし、ハラヒロミ師匠はp.58に尻餅
ついている写真ぐらいしか大きいのが載ってないのはなぜーだ。

83まつざき:2003/08/08(金) 07:33 ID:fih419Rc
『ワールドカップ・メランコリー』サイモン・クーパー
 新作じゃないけど、なぜか六本木ABCのスポーツコーナーにポツンと置かれていたので、帰りの電車用に即買。この人の魅力は、例えば「アルバニアには完璧な芝と67万丁の銃がある」(p.134)みたいに、フットボールと最も関係のないものを対句に持ってくることによって、その国の何事かを一瞬で浮かび上がらせる手法だと思う。
 もちろん、才気は感じるが同時にクラシックにはなれない危うさもあるけど、まあ、そんなことは知ったことではないから、これからも、あたしのようなアームチェア・フットボール・ファンの無聊を慰めてもらうためにも、この人の本は必要だ。
 あと、この人に関してなるほどなと分かった一節があった。それは「僕は自他ともに認める政治おたくだ」(p.16)というところ。後藤さんもそうだけど、サッカーライターには政治学あるいは政治に関するセンスは必要になるんじゃないのか。少なくとも、立体視できるようになるみたいな。

84dancing@TCR*YFM*RS:2003/08/08(金) 19:48 ID:FywWesSQ
例によって今週のまとめて

「ゴールドラッシュ」柳美里
「重力の都」中上健二
「田中角栄失脚」塩田潤
「突破者」宮崎学
「サッカーの物語」

「ゴールドラッシュ」は、あれだな、ランボーみたいな小説だな。
黄金町はあんな彩色ではないし、発動する物語があまりに陳腐。
しかし、この人の突き刺すような文体が嫌で、そういう風に読めたのかも知れない。
なんにしても、これは安い娯楽小説。

「突破者」は読みなおし3回目くらい。
ピカレスクノンフィクションとして、傑作中の傑作。

「サッカーの物語」は古河電工物語の一章が面白かった。
結局今の日本のサッカーの上部構造が、古河の広報室と古河のオフィスにたまたま近かった
という丸の内からはじまったというところが、微妙な牧歌的風景のたまものだったのだなーと思う。

85dancing@TCR*YFM*RS:2003/08/08(金) 19:49 ID:FywWesSQ
>>84のランボーというのは、アルチュールランボーではなく、シスベスタスタローンの「ランボー」です。
念のため。

86dancing@TCR*YFM*RS:2003/08/08(金) 20:15 ID:FywWesSQ
>>85のシスベスタスタローンというのは、もちろんシルベスタスタローンのことです。
念のため。

87まつざき:2003/08/09(土) 10:31 ID:Zhqt5Bhc
>>84
『突破者』を最初に読んだときはぼくも感動しました。70年代の学生運動崩れの物語は様々に語られてきましたが、ほとんどが当たり前のように反代々木系。代々木のしかも伝説的に語られてきた黄ヘルの防衛隊長が、エリートヤクザっぽくなっていくという展開はゾクゾクします。

特に右翼の大物とのつながりができて、彼の代理として企業に「集金」にいく場面なんかは、「ああ、こういったところは誰も書いていないな」と震えました。

60年代の全学連でも島さんが 田中清玄(この人も戦前の元共産党員で戦後は右翼に御転向)にカネもらっていたとかあるけど、心情派が多いから、結局、どっちでもよくなっちゃうんだろうね。まあ、いかにイデオロギーなんつうのが弱いものだったかという証でもあるんだけど。

88まつざき:2003/08/09(土) 10:51 ID:Zhqt5Bhc
>>84
「サッカーの物語」って、これ?
『サッカーの物語 一個のボールにも熱いドラマがある』田中孝一、ベスト新書

ついでに『ディナモ・フットボール』とかもアマゾンで購入してしまった。

>結局今の日本のサッカーの上部構造が、古河の広報室と古河のオフィスにたまたま近かった
>という丸の内からはじまったというところが、微妙な牧歌的風景のたまものだったのだなーと思う。

ヒロミアワーでヒロミが語っていたことか、あるはキャプテソがNHKかなんかで語っていたことかハッキリとした記憶ないのですが、日本リーグの頃は、ヤンマーとか東洋工業と試合すると夜行で東京駅に帰ってきて、当時、駅近くにあった朝からやってるフロ屋で汗を流してから仕事していたという。だから、丸の内組は羨ましがられていたみたいな。今は昔だけど。
ちなみに、1965年の第1回日本リーグの成績はこれなんすけど、8チームのうち、半分が社名変わっているな、と(名相銀とかさすがにまったく記憶なし)。91/92は分かる方多いでしょ?

1. 東洋工業
2. 八幡製鉄
3. 古河電工
4. 日立本社
5. 三菱重工
6. 豊田織機
7. ヤンマー
8. 名相銀

1991/92 第27回日本リーグ [1部] (1991.9.15-1992.3.29)
1. 15-6- 1 (51) +30 読売クラブ
2. 12-7- 3 (43) +11 日産
3. 11-3- 8 (36) - 1 ヤマハ
4. 7-9- 6 (30) + 2 東芝
5. 7-8- 7 (29) - 2 松下電器
6. 7-6- 9 (27) + 7 マツダ
7. 8-3-11 (27) - 8 JR古河
8. 6-7- 9 (25) - 3 全日空
9. 6-7- 9 (25) - 8 日立
10. 5-8- 9 (23) - 7 本田技研
11. 5-6-11 (21) -15 三菱重工
12. 4-8-10 (20) - 6 トヨタ
[2部] (1991.9.8-1992.3.29)
1. (74) フジタ
2. (65) 住友金属
3. (65) ヤンマー
4. (60) NKK
5. (59) 富士通
6. (50) 大塚製薬
7. (46) 東京ガス
8. (45) 川崎製鉄
9. (33) NTT関東
10. (33) 甲府クラブ
11. (29) コスモ石油
12. (27) 中央防犯
13. (27) 東邦チタニウム
14. (22) 京都紫光クラブ
15. (21) 田辺製薬
16. (19) 読売ジュニオール

89dancing@TCR*YFM*RS:2003/08/09(土) 12:15 ID:FywWesSQ
>>87
突破者は本当に短い文章では書き尽くせないほど凄まじいノンフィクション。
ヤクザ-民青ゲバルト部隊-ゲンダイ記者-解体屋-地上屋と続く筆者の歴史が、そのまま日本の高度成長時代の
暗部を照射しつづける。明るみに出すのは、利権・被差別といった暴力装置と、そこに蠢く逞しい人々の姿。
圧倒的。
ボクがこれを読むと必ず思い出すのが、京都という場所の不思議さである。
野中という人の不思議さも必ず思い出す。
突破者でもそうだが、宮崎学がことあるごとにそれとなく触れ、かつ核心については全く踏み込むことのない
北朝鮮がらみの話についても興味が湧きます。

>>84
それです。

90まつざき:2003/08/10(日) 11:05 ID:3TuECWJk
 書評欄を紹介するのもなんとなく間抜けな感じもするけど、今朝の朝日の日曜書評欄は読み応え十分だった。3冊は即買い。

 一冊は丸谷才一さんの『輝く日の宮』。「源氏物語」の最も古の注釈書「源氏物語奥入」で、「このまきもとよりなし」と言及された幻の一帖が「輝く日の宮」。丸谷氏さんは大野晋との対談『光る源氏の物語』(中公文庫)で光源氏が父・桐壺帝に愛される藤壺と初めて関係を結んだ場面を描いた「かゝやく日の宮」が「桐壺」と「帚木」の間にあった語ってきたのですが、その主張を小説で書いたのがこの本です。

 モノホンの学者さんがやむにやまれず書いた小説というのは、論文では論証不可能あるいは論文として発表してしまったら学者生命にかかわると考えるから書かれるのだと思いますが、たいがいはかなーり面白いんです。例えばテリー・イーグルトンの『聖人と学者の国』(平凡社)、タイセン『イエスの影を追って』(ヨルダン社)そしてもちろんエーコ『薔薇の名前』(東京創元社)とか。

 丸谷さんの場合は逆なので、本当は論文として発表して粉砕されてほしいのですが(とはいいつも学会では「んなもんねぇよ」と決着済みの問題らしいですが)、筒井康隆『文学部唯野教授』の日本古典版として読めば面白いんじゃないの、みたいな。

 あと、「招かれてもいないのに出かけていく」という紹介された一節に力強くうなづかされた酒井順子『観光の哀しみ』(新潮文庫)と同じ欄に紹介されていた山本夏彦さんの名言集を集めた『何用あって月世界へ』(文春文庫)も持っていて損はないだろうということで、一緒に注文しました。「招かれてもいないのに出かけていく」。いい言葉ですね。休みというと自宅に引きこもるあたしにとっては、何よりの自己弁護になります。

 あと、前から気にはかかっていた西欧中世を舞台にした小説を書き続けている男版塩野七生さんとも言うべき佐野賢一さんが、東北大学の西洋史の大学院時代に世に出たけど今も山形・鶴岡に西洋史関係の本とともに生きているというようなことも、筆者紹介欄で知り、好感度アップ。直木賞をとった『王妃の離婚』がバリー・リード『評決』にインスパイアされたのを告白し、それが教養学部の英語の原書購読みたいな授業で知った本で、ビデオと翻訳書を読んで読んで単位をゲトしたみたいなことを書いたあと「どんな手段に訴えても、やはり必修の単位だけは取っておくべきである」という流れは、どんなヘボ編集にも「この人にエッセイ書かせたい」と思わせる。

 ぼくも似たような経験がありまして、アウグスティヌスの邦訳のない著作を読んでレポートするみたいな講義の中で、アウグステイヌスについて書かれた19世紀の神学者の論文の邦訳(しかも戦前に自費出版されたものの再版)を超偶然に見つけ、ほぼイタダき、サクッとまとめて単位をかっさらった我ながら情けない思い出がアタマん中をよぎりました。佐野さんは邦訳を単にイタダイただけでなく、なくとなく自分の中で発酵して本を書いたたのに対し、相変わらずフトンの中でねっころがって本を読むばかりで、あきたらサッカーの試合を観るみたいな生活を続けていくおいらは本当に情けない、と夏休みに入った初日に思うみたいな。

9119号:2003/08/14(木) 18:46 ID:UyMLWO/A
まつざき兄やんが感激してた「狂熱のシーズン ヴェローナFCを追いかけて」買いますた。
「を、これかぁ〜」と本屋で見つけて「ふーん、どれどれどれ」と目次をみたら
やたらおもしろそう!!
「フーリガン戦記」とは違うカンジのようだし。
高かったけどこれは買うべき本と判断し、即レジいきますた。
泡盛飲みながら読む事とします。

教えてチャソで申し訳ないのですが、ポルトガルのこと書いた本で何かおすすめありますでしょうか。
檀一男で何かあるかなーとは思ってるんですけど。
「火宅の人」も読んだ事ないクセに、なんですが。。

92まつざき:2003/08/14(木) 20:42 ID:EiseT5fQ
 19号タソ、『狂熱のシーズン』を買ってくだすってどーもです。絶対、面白いと思うよ。とくに休みにお酒飲みつつなんて状況では最高だと思います。

 さて、ポルトガルですが、うーん。本で印象的なのって、沢木耕太郎さんの『深夜特急』で、サグレスのペションに泊まり、紅茶が「チャイ」と発音されることで、なんとなく旅の終止符を打てたと感じたというあたりぐらいっすねぇ。あと、檀一男で読んだのは『檀流クッキング』(中公文庫)だけという…。浅学非才でまことに申し訳ありません。

 ということですが、これはご存知ですよね?ぼくも先日、まだ読んでないサッカー本を大量注文したときに入れていた本なのですが『ポルトガル・サッカー物語』市之瀬敦です。版元が社会評論社ですし、そんなバカな本ではないと思って。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4784503951/ref=pd_sim_dp_1/250-5279250-5085064

93近鉄裏に行けてない:2003/08/15(金) 21:19 ID:li0oYGUM
何も予定の無い夏休み。休み前にアマゾンにオーダーしたCDが届く。
全て所持LPの変換モノ。

Jim Hall アランフェス協奏曲
Gary Moore CORRIDORS OF POWER
Weather Report HEAVY WEATHER
Roy Bucanan LIVE STOCK  ←推薦!
Quiet Riot METAL HEALTH
・先日埼スタでレッズサポのCUM ON FEEL THE NOISEの替え歌を聞き、思い出して購入。歌詞の内容は不明。
Fleetwood Mac RUMOURS噂
・スティーヴィー・ニックスの超イケイケギャル風(死語?)ルックスから、想像もつかないダミ声に驚いた人も多いはず。

趣向はバラバラですが、皆売れたアルバムなんで、興味のある方は聞いてみては?
まだまだ続く変換の道のり。

あと誰かに薦められた、湯本香樹実著「夏の庭」を読んで、ちょっとだけ「僕の夏休み」気分を味わった。

でも殆どの時間を費やしたのはサカツクなのだ・・・。

94近鉄裏に行けてない:2003/08/15(金) 21:26 ID:li0oYGUM
あ!ジェフ・ベック新譜買うの忘れてる!

95dancing@TCR*YFM*RS:2003/08/15(金) 21:56 ID:1sWU5has
Cum on feel the noiz
Girls rock your boys
We'll get wild, wild, wild
Wild, wild, wild

So you think I got an evil mind, I'll tell you honey
I don't know why
I don't know why
So you think my singing's out of time, it makes me money
I don't know why
I don't know why
Anymore
Oh no

Chorus:
So cum on feel the noiz
Girls rock your boys
We'll get wild, wild, wild
Wild, wild, wild
Cum on feel the noiz
Girls rock your boys
We'll get wild, wild, wild
And drunk!

So you say I've got a funny face, I got no worries
And I don't know why
I don't know why
Lord I've got to say it's no disgrace, I'm in no hurry
And I don't know why
I don't know why
Anymore
Oh no

Chorus

Well you think we have a lazy time, you should know better
I don't know why
I don't know why
So you say I got a dirty mind, I'm a mean go getter
I don't know why
I don't know why
Anymore
Oh no

Chorus

Cum on, feel it
Girls, rock it
We'll get wild, wild, wild (to fade

96dancing@TCR*YFM*RS:2003/08/15(金) 21:59 ID:479st3nc
劣頭サポはなんて歌っているんだろう。。。


♪ベーガルター仙台
 オー、いくぞ仙台
 ベーガルター仙台
 レディゴー!♪

97dancing@TCR*YFM*RS:2003/08/15(金) 22:01 ID:1sWU5has
これか!

http://digibi.com/nogucci/ur/note.htm

田中 達也
COME ON SUPER TATSUYA〜!
COME ON WONDER BO〜Y!
SAY!GO(AL)!GO(AL)!GO(AL)!
SAY!GO(AL)!GO(AL)!GO(AL)!

元ネタは「COME ON FEEL THE NOISE」(

98近鉄裏に行けてない:2003/08/15(金) 22:18 ID:li0oYGUM
>>97
そんなんでしたか。

Cum on feel the noiz
Girls rock your boys
We'll get wild, wild, wild
Wild, wild, wild

このままの方が、はるかにレッズっぽくてカッコイイのに。

9919号:2003/08/15(金) 23:34 ID:e4mO4y.Y
しごとちうの音
「氷の世界」井上陽水
「Moondance」坼ぁんもり
「VROOOM」きんくり
「Telephone Free Landslide Victory」Camper Van Beethoven

10019号:2003/08/15(金) 23:36 ID:e4mO4y.Y
>>96

あんな清らかなWe're not gonna take itは仙台でしか聴けません。

せんっ だいっ れっつごっ
せんっ だいっ れっつごっ

101dancing@TCR*YFM*RS:2003/08/16(土) 00:05 ID:bccbe7gk
http://www.geocities.jp/vegamaphy/sub5.htm

仙台、80年代色に染まっております。

102dancing@TCR*YFM*RS:2003/08/16(土) 00:06 ID:479st3nc
>>101
Livin' On A Prayer/ボン ジョヴィ
「オー な〜かむら し〜ん オー な〜かむら し〜ん」の原曲。

↑このへんはだいぶ無理があると思われ

103まつざき:2003/08/17(日) 23:39 ID:/MjmYX2s
 Englisch Woche 

 イングリッシュ・ボーへとは、類推される通り、ドイツ語のEnglish Weekです。何がイギリス流なのかといますと、週末にリーグ戦があつて水曜日にカップ戦があるというハードスケジュールのことを揶揄した言葉だそうで『ワールドカップ・メランコリー』で知りました(p.221)。

 土曜日からプレミアが始まり、稲本は11ヵ月ぶりとなるプレミアのゴールを決めるなど、その活躍でフルアムは3-2でホームの緒戦を勝ちましたが、彼は20日の水曜日に行われるナイジェリア戦のためすぐに機上の人になりました。

 願わくば、欧州組がイングリッシュ・ボーへに負けずに所属クラブでもフィットしてほしいと思いますが、はたして黄色人種は過酷な労働には耐えられるのかという不安は常にあります。アメリカが奴隷をアフリカから大量に輸入したのは、インディアンがことのほか蒲柳の質で、農業労働者として使おうとしてもどんどん死んでしまったからだ、というのを読んだことがあるのですが、リーマンでは考えられないスケジュールで日欧を往復する彼らに幸あれ。『ナノ・フットボール』での、欧州組は直前まで召集すべきではない、という意見が的中しませんように。

 ということで、チェルスキーvsリバプールがもうすぐ始まる!

...............
>>91

 19号タソ。今日、アマゾンから『ポルトガル・サッカー物語』届きました。悪く言えば、いかにも日本人的な、ややサッカーに詳しい思い込み遊学雑記ですが、ちゃんと紹介されていない情報もいっぱいあるので、読んでも損はないと思います。

104まつざき:2003/08/20(水) 14:36 ID:3LbwvEOc
週間アスキーの有名人パソコン使用レポートに前園が載っていた。第二回目というから先週号から始まったようだ。安養LGでは本当にヒマそうな前園。夕方の練習終って外で夕食をすませ、メールとかインターネットをチェックして寝るという生活は本当に寂しそうだった。

忘れもしない1996年3月25日に行われたサウジアラビア戦(アトランタ五輪アジア最終トーナメント準決勝)は、これまで観てきた代表の試合でも、見ながらガクガク震えていた度では、間違いなくNo.1だ。前園には感謝してもしきれない。その後、日生かなんかのCMで、ブランコに乗りながら歌っているシーンも最高に格好良かった。

しかし、スポーツ選手の勘違いというのは怖い。ただでさえ短い選手生命が一回の勘違いで3年はムダになってしまうから。とにかく前園には頑張ってもらいたい。

10519号:2003/08/21(木) 12:08 ID:c3qL3CN6
>兄やん

ありまとうございます。
今ちょっとバタバタしてるので落ち着いたらモンティパイソンの本と一緒にちうもんすることにします。

ヴェローナ本3分の1まで読みました。ディオ・カン!
コアサポの日常に開いた口がふさがりません(w。

106まつざき:2003/08/21(木) 14:02 ID:MtVsGFOY
>>105
ヴェローナ面白いよね!
もうすぐ、ペーパーバックが発売されるので(アマゾンで1571円)、こちらもどーぞ

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/1559706813/qid=1061441912/sr=1-2/ref=sr_1_0_2/249-1081746-9503528

10718号:2003/08/22(金) 00:43 ID:iMoxs9b.
>>106
あたしはアマゾンのユーズドで1600円でゲト。
カタカナが多くてちょっとクラクラしますが。
イタリアのコアサポって(((((((((;゚Д゚))))))))))ガクガクブルブル・・・

因みに名古屋バスツアーは車内飲酒厳禁だす。

108まつざき:2003/08/22(金) 15:39 ID:/gu.Rt2o
>>107
おぉぉ、18号タソまで買っていただいて…シクシク(うれし泣き)。しっかし、いいっすよねぇ、イタリア人サポ。

イングランドのフーリガン日記なんかはまったく深みがない単純な暴力性に引いてしまう部分あるのですが、イタリア人はなんとなく余裕ありそうで、楽しめます。

誰かが書いていたのですが、試合に負けても美味しい料理が待っている国(日本、イタリア、スペイン)では「くっそー!アタマ来たけど、まあメシでも喰うか」と余裕も出るのですが、メシが不味い国(UK、ドイツ)では、酒でも飲むしかないので凶暴なるというのは納得的だな、と思います。

10919ご運:2003/08/22(金) 16:18 ID:8O2pJIwM
http://www.wowow.co.jp/soccer/column/20020930-000006.html
柄沢アナのコラムは面白い。

11019号@なんだよご運て:2003/08/22(金) 16:25 ID:8O2pJIwM
>>108
「フーリガン戦記」は読破してません。途中でイヤになっちゃった。
「ぼくのプレミアライフ」は面白かったです。
てゆうか映画も出来ちゃってコリン・ファース(らぶ)主役ってだけで観たい。
http://www.tanomi.com/metoo/syusei.html?kid=6610
早く日本版出せYO!!!!!!!

111まつざき:2003/09/01(月) 02:40 ID:LafBq1FQ
 コッリーナ主審の『ゲームのルール』(NHK出版)は予想した範囲の面白さ。死ぬほど面白くはないけど、それなりに読ませるみたいな。06W杯における日本vsトルコ戦の終了直後の6秒間の「鼓膜が破れるほどの静寂」について感動的に語ったり、あらかじめ戦術を含めてゲームを読んでから笛を吹くようにしているみたいなことの説明もしっかりしている(第二章「準備」)。あと、ぼくだけが知らなかったのかもしれないけど、選手交代は30秒、負傷者を外に運び出す時間は1分としてロスタイムの目安にしているとかは初めて聞いた。

 しかし、なかなか良いなと感じたのは、審判になった動機を書いているあたりかな。コッリーナさんの場合、高校時代に友人から「審判の研修コースに参加しないか?」と誘われたことからすべてが始まったそうです。あまり自分のことを語りすぎるのは良くない感じているのか、そこらへんは短く書いてあるのですが「ある日、自分の町にある審判の地域支部へ行き、審判コースに参加するための申込書に記入する。そういうすべての動機は、サッカーへの情熱である」(p.152)というあたりは、なんか、聖職者になることを決意するような趣きもあって、なかなか良かったです。考えてみれば、サッカーのレフェリーは、まるで精霊のように飛び交うボールに奉仕する聖職者なのかもしれません。

 そして、コッリーニさんは偉大な選手たちと知り合い、彼らのプレーを間近に見られることは最高の喜びであることも正直に書き残します。02年のW杯決勝、2点差がついている状況で、コッリーニさんは「ウィニングボール」のゲトを狙います。ずーっとボールをキープしていたブラジルの選手を追いかけ、獲物を捕らえるという。

 しかし、イタリアで活動している2万50000人の審判のうち、セリエB以上で審判できるのはたった35人しかいないという情報は新鮮でしたね(p.170)。サッカー選手以上に彼らは選ばれた人たちなのかもしれません。

112まつざき:2003/09/01(月) 23:41 ID:6JdmWV9M
町田健『コトバの謎解き ソシュール入門』

光文社といえばカッパノベルスなどのお手軽なつくりの本を思い浮かべるような時代は終わったのかもしれません。実際、よくやっていると思う。突然、有能の編集がスポンサーを見つけて、少しの間だけ輝くみたいなことは起こったけど、光文社みたいなケースはまれだと思う。ま、そんなことはどうでもいいですが…。

 レヴィ・ストロースとラカンとの関係ですが、「我々にはその(ラカンを理解する)時間の余裕がない」と語り合ったのは、メルロ=ポンティでした(『遠近の回想』みすず書房、p.140)。これを探すのに時間がかかってしまったのですが、要は、草莽の哲学愛好家であるアタシがよく理解できない人のひとりにソシュールがいる、といのが「 (・∀・)<酔っ払ってます!二日酔い 」スレ#73に書いたことなのですが、この新書は、そんなアタシに一筋の光を与えてくれたのです。

 ソシュールの本というと、ラングとパロールの定義がどうのこうのみたいなことが始まるとアタシなんかはもう読んでられないっつうか、勝手に自分で定義してろや、みたいな雰囲気になってしまうのですが、この本は、前にも書きましたが、学説史をアタシみたいなトーシローにもよく理解させてくれていまして、それなりに、「なぜソシュールは、んなこと考えたのか」みたいなのが納得させられるのですよ。

 それは何かというと、インド・ヨーロッパ祖語の再構築という話なんです。名詞、動詞などコトバに関する学問の定義を最初に行ったのはギリシア人ですが(トラクスによる品詞の分類、なぜか形容詞という分類がないのが笑う)、ヨーロッパの各国語をラテン語経由でどんどんギリシア語に帰らせるみたいな試みの中で、えらく離れているサンスクリット語が非常に似ているということがわかってきたのですね。では、ユーラシア大陸のかなーり広い面積をカバーしているインド・ヨーロッパ祖語を再構築してみようみたいな試みが当然なされるわけで(しもかしたら普遍的なコトバの原則がみつかるかもしれないし)、ソシュールも学位を取得したのはこの分野でした。

 それまで歴史を積みかねてきた比較言語学の手法から研究は進んでいくのですが、「手」という人間同士がコミューケーションを図っていく上で超基本的な単語に関しても、サクスクリット語ではhastah、ギリシア語だとcheir(ケイル)、ラテン語だとmanusと似ても似つかない単語がどんどんみつかってくるわけです。で、ソシュールは単語の音素と意味の関係は恣意的なものであると結論するのです。

 シニフィアン/シニフェがうんぬんみたいなことを一生懸命説明してもらうよりも、比較言語学の研究史から説明してもらった方が、素早く理解できます。そうなれば、差異の体系としての言語なんて言い方も、もっと実感として理解できるわけで、あたしみたいなヘタの横好きにとっては、ありがたい本だったな、と思うのです。
 
最初に紹介した『遠近の回想』(レヴィ・ストロース みすず書房)で興味深いっつうかうらやましかったのが、スターリンに追放されたトロツキーがある人の別荘に招かれて、そこにいたヴェーユがトロツキーにくってかかる場面なんかを目撃する場面です。「いや、まいった。かなわねぇな」と思いました。ま、そんなことはさておきなのですがね。

113まつざき:2003/09/03(水) 01:46 ID:0AeuNy1c
『ポルトガル・サッカー物語』市之瀬敦、社会評論社

 これも忘れないうちに書いておこう。著者の市之瀬さんは上智でポルトガル語教えている助教授とのこと。80年代にポルトガルに留学したときにポルトガルのサッカーのとりことなり、以来、語学や74年までは最後の植民地経営国家だったポルトガルの社会評論などの本を書く間に、いつかはサッカーの本を書きたいと思っていたとのこと。ただし、残念なことに情熱は伝わってこなかった。ユーロ2000でも頑張ったし、見渡しても日本語でポルトガルのサッカーについて書かれた本はないから、まとめてみようか、ぐらいの感じ。でも、ありがたいですよ、本は。なんやかんやいっても、この本に書かれた情報を集めるのは大変だもん。立花隆さんがどっかで書いていたけど、本ほど安い情報源はないですよね。

 ということですが、お決まりの留学体験から筆を起こして、ベンフィカ、スポルティングリスボンという首都の2チームとFCポルトをあわせた3大チームの成り立ち、エウゼビオとW杯イングランド大会での3位という一瞬の輝き、そしてカルロス・ケイロスによるユース世代の台頭とユーロ2000での活躍というのがざっとした流れです。

 ポルトガルは、国防秘密警察「PIDE」を使い1932年〜1968年まで長期にわたって独裁政治を続けてきたサラザールが引退した後、1974年4月25日、左翼諸勢力も支持したスピノラ将軍によるクーデターで独裁政権が打倒されました。スピノラは大統領に就任し、アフリカの植民地(ギニア=ビサウ、モザンビーク、アンゴラ)の独立を承認するとともに、国内でも民主化を進め、1976年4月には民政に移管するという歴史を持っています(なんと、この『カーネーション革命』後の総選挙では社会党単独内閣が誕生)。その後もEUによる経済統合の流れにのって比較的順調な歩みを続けているのですが、エウゼビオはポルトガルの「県」だった当時のモザンビーク出身です。

 モザンビークではスポルティングリスボンの傘下にあったチームに所属していながら、ライバルのベンフィカに入ったことで「空港で拉致された伝説」も残っているエウゼビオですが、真相はこの本に書かれているように、母親がライバルのベンフィカとの契約をまとめていたということなんだと思います。

 この本で、エウゼビオが自身のベストシュートの1本に70年に神戸で日本代表と戦ったときのシュートを入れていることを知りましたが、ぼくもあのシュートは忘れられません。つか、ヒールシュートなんて生まれて初めてみましたから。強烈な印象でした。

 エウゼビオは黒人選手でしたが、ヨーロッパで黒人選手が自国代表の主力として出場した最初の選手ではないでしょうかね(イングランドなんか86年のバーンズからですもん)。しかし、差別がないということではなく、最後の植民地国家としてヨーロッパで長く孤立するという宿命の中で、有力選手を自前で調達するのにアフリカが便利だったということらしいのです。そしてエウゼビオは国宝だから国外に移籍させないという独裁者サラザールの一言で、毎日曜日ごとに「ポルトガル国民に阿片としての喜びを与える」(p.151)役割を続けるのです。彼はサラザールとのやりとりのなかで「国宝の私がなぜ税金を払うのですか?」と口答えしたそうですが、「税金どころか、エウゼビオは徴兵の義務も果たすことを余儀なくされ」たとのこと。

 その後、カルロス・ケイロスによって育てられた黄金世代がユースを連覇し、現在の繁栄の基礎をつくる−という流れですが、ケイロスがポルトガルサッカー協会に提案した代表チームのソシオをつくるみたいな発想は、キャプテソがパクッたんでしょうか。あと、ロベール・ピレスの父親がポルトガル人だとは知りませんでしたね。

11419号:2003/09/04(木) 13:56 ID:a7J1l2b2
ヴェローナの本まだ終わらず(w。

ガイシュツだったらすんませんが、清水エスパルスが出してる「GOAL」て本買いました。499円。
巻頭記事はアマ。特集記事はトサカの戸田が行ったスパーズです。
ちょっと読みですが、リネカー&ガスコインなんてコーナーもあっていいですよ。

直前のバクナンバーがフィオレンティーナ特集だったんで、取り寄せようっと。

11519号:2003/09/04(木) 14:01 ID:a7J1l2b2
>>113

ありがとうございますー。
参考になりますた。
身内がマネージメントや代理交渉にあたるのってのはいいことないですよね。
エウセビオもそうだったとは。
私的にはアネルカ大先生の例が記憶に新しいですが(w。

116まつざき:2003/09/05(金) 00:11 ID:8k0K3R4Y
『ディナモ・フットボール』宇都宮徹壱

 これも忘れないうちに書いておこ。なんといっても、版元がみすず書房です。そうです、編集部の中にカレー部のある、あのみすずです。みすずがサッカー関係で、このぐらいゆるるんな本を出してしまうというのでずから、サッカーも日本の文化に入っているってことでしょうか。とはいっても、売れているという話はちっとも聞こえてこないのですが。

 やっぱり弱いと思うのが、筆者がディナモっつうか東欧サッカーに入れ込んだ理由ですかね。1945年にディナモ・モスクワがイングランド遠征して事実上のイングランド代表としてのアーセナルを含めて2勝2分という成績をのこしたという記録があるのですが、このレコードと1989年の壁崩壊以来の東欧の寂しい状況を重ね合わせてルポすれば一丁あがりみたいなことだったのかもしれません。この人は86年メキシコ大会での、ベラノフ(ディナモ・キエフ所属のソ連代表選手。この年のバロンドールで)のスクリーマーを見ていないんだろうな。

 ま、それを置いておいても、この人は芸大出らしいのですが、写真はヘタ。あまりに「眠い」。それを狙ったというのかもしれないけど、それにしては技術がなってないと思う。

 ま、それはおいておいて、一番、興味深かったのは、歴史的にも最強のディナモであるディナモ・キエフが伝説として伝えている、ナチスとの試合のことですかね。伝聞としてこの島国に伝えられているのは、ナチスに負けるよう強制されたのを拒んで神前試合に勝ってしまったディナモ・キエフの選手たちは銃殺されたという、とてつもないドラマがあったのでずか、最近ではどうも「ウソくさい」というのが一般的な見方になっていました。でも、宇都宮さんがもらったキエフのバンフには、クラブの歴史としてそのことが書かれていたそうです。

国敗れて倶楽部あり

 これが結論のような本ですが、憎悪した対象をかえって懐かしく思うみたいな感情は万国共通なのかもしれません。

 あと、ベルリンでは各国の出稼ぎ労働者たちを代表するクラブが3部4部にひしめているようなルポはよかったし、独立間もない国では、アイデンティティーを確立する意味からも自国語で詠いあげる詩人たちが褒め称えられるみたいなのは新鮮でしたかね。

フォーレの『レクイエム』を聞きながら

117dancing@TCR*YFM*RS:2003/09/05(金) 00:23 ID:bS2s9H/U
宇都宮さんは、いいところと悪いところが極端。
けど、たぶん将来的にはのしあがっていくんだろーなーと思います。

一生懸命、物語に隣接しようとしているところは興味は湧くのですが、なんにせよ、ハンパ。
もっと語学勉強せい、といいたくなりまつ。

118まつざき:2003/09/05(金) 08:04 ID:U/916IO6
>>117
この人の場合、「なんでサッカーについて書いているの?」というのがよくわからないんですよね…
まあ、別にいいんですが

 さっきも書きましたが、ぼくはベラノフの高速ドリブルから切れ込んでの弾丸シュートに魂を抜かされて以来のスラブ系サッカーファソなのですが(ベラノフのシュートは、ぼくにとって、まだW杯No.1です)、あのシュートのことをまったく触れていないのはチト変だと思います。なんつったって、あのシュート1本でバロンドール獲ったんですから、ベラノフは。

 あと、書き忘れたんですが、ディナモというのは「ダイナモ」つまり発電所だから、各地のディナモは発電所労働者のクラブとばかり思っていたのが、KGBのクラブだったというのにはかなーり昔にビックリしたことなのですが、そのディナモの命名者はゴーリキーで、生命力とか力強いという意味でだったというのもこの本で知りました。

11935号@chiika:2003/09/06(土) 02:43 ID:cL99j5ys
職場で、10月末まで暇です!っと宣言されたんで、ここのみなさんを見習って
本読もうっと。

120マグロ:2003/09/06(土) 09:20 ID:Ryj9gEs2
遅まきながら、「狂熱のシーズン」購入しますた。
まだ頭を少し読んだだけだけど、登場する皆さんのあまりのDQNぶりに昇天。
これからビールでも買いに行って、ゆっくり読んでみることにしよう。


(´-`).。oO(しかしマスタはどこにマーカーつけてたんだろ、気になる…)

121まつざき:2003/09/06(土) 20:46 ID:21nLA3C2
おお、マグロさんまで!
しかし、目指したいっすよね、ベローナサポ

122POWDER:2003/09/07(日) 01:28 ID:cuxJy6pw
>>121
兄さんは春頃、「Jリーグサポになるには遅すぎた世代としては・・・」
みたいな書き込みしてませんでしたっけ?
その方が、
>「しかし、目指したいっすよね、ベローナサポ」

(!!!!)

兄さんと、兄さんを引きずりこんだガスサポ同志に、 乾 杯 ☆!!!!

12318号:2003/09/07(日) 01:55 ID:iMoxs9b.
>>122
カンパーイ!(・∀・)ノ

124dancing@TCR*YFM*RS:2003/09/08(月) 20:16 ID:bS2s9H/U
>>120
マーカー引いたとこ抜粋


「サッカースタジアムは、巨大な建造物の中で裏表が逆になっている数少ない場所のひとつである。楕円形の競技場は世界を排除し、その神秘を秘伝を授けられたものたちにしか明かさない</B>。
 テレビでさえそれを犯すことは出来ない。捉え始めることさえ出来ない。」

「ヴェローナがローマやナポリやレッチェやレッジョ・カラブリーアでプレイするのを観ること、それはあまりに常識はずれの道楽だ。
(中略)『ようやく本物の旅行記を書くことができそうだ』」

「ファンは選手たちに、自分たちが唯一持つ極めて肯定的なもの、つまり『一体感』を与えなければならない。
 (中略)結局のところ、試合が起動するためには、ここにいる荒れ狂う若者たちを必要とすること(中略)
 興奮の注入、あふれ出すリビドーと歪んだ市民意識としての誇りの大量注入が必要なのだ」

「ブリガーデは讃える、選手でなく、監督でなく、オーナーでなく、ただカラーだけを」

「選手と監督は来ては去る。だけど、俺たちは永遠、永遠だ!」

「サッカーが単なる美学的体験ならば、ボクはこれを楽しみ、賞賛することもできただろう。
 しかし、出来なかった。」

「夢を見続けろ」

125門旗:2003/09/08(月) 20:18 ID:6ohijv3Y
全然頭の方しか読んでないけど

>124
「ファンは選手たちに、自分たちが唯一持つ極めて肯定的なもの、つまり『一体感』を与えなければならない。
 (中略)結局のところ、試合が起動するためには、ここにいる荒れ狂う若者たちを必要とすること(中略)
 興奮の注入、あふれ出すリビドーと歪んだ市民意識としての誇りの大量注入が必要なのだ」

ここのページはめっちゃ折り目つけた。

126dancing@TCR*YFM*RS:2003/09/08(月) 20:22 ID:bS2s9H/U
「サッカーはコトバと暴力の間の曖昧な中間地点を提供する。」

「エラスはひとつの信仰だ。決して、何故と問いかけてはならない。」

「エラス、ラ・ノストラ・ウーニカ・フェーデ 俺たちのただひとつの信仰。」

「無秩序。サッカーとは、サッカーがそうでないなにか−何か純粋のもの−になることを絶えず求めている文化的雑種である。
 ファンたちは、サッカーが信仰であることを望み、それが異なる体験の領域への逃亡という狂気を提供することを望む。
 しかし、儀式を保証する神なしでは、完全にそうはなれない。
 一方で神殿とその所有者たちは、狂信者の熱を冷まそうとする。試合の核心はビジネスと知っており、それがビジネス以上の
ものになるのを好まない。
 テレビの放映権と現金のための、武器をもたない徒歩の青年たちのあいだの闘争。」

「群集はエラスを信じる。だが、信じていない。夢を見ることはできる。だが、天国に行くことを
本気で期待しているわけではない。」

127dancing@TCR*YFM*RS:2003/09/08(月) 20:30 ID:bS2s9H/U
「サッカヘでは、いずれにしても空間は完全な領域ではなく、儀式は健康的な戸外のエンターテインメントという
ありそうもないアリバイを常に必要とする。だから、暴力は繰り返しおこり、おそらくは避けられない。」

「栄光をもたらした探求、過去の偉大なる幻想−軍事的な武勲、芸術的努力−は実際には過ちだった。
 なぜならばすべてなんの価値もないからだ。
 遊戯の試合以上の価値はない。
 僕らがもっとも賞賛するもの、それは誤って意味を与えられたものから生まれる。
 別の言い方をすれば、全てに意味があるのと同じように、サッカーにだって意味はある。
 だから、サッカーを支持しよう!
 ほかにはなにもない。
 この解釈では、僕らの国技は現代のデカダンスに咲く熱帯の花だ。」

「人生は軽蔑すべきものだ!
 だから若いスポーツマンよ、それについては考えるな!心を空の高みにあげよ!
 自分のために、(だが、僕らのためにも!)そうしてくれ!」

128dancing@TCR*YFM*RS:2003/09/08(月) 20:36 ID:bS2s9H/U
「イタリアでエラス、ヨーロッパでエラス、世界中でエラス、永遠にジャロブルー。
 この輝かしい嘘を胸に、僕らはスタジアムへと出発する。」

「ファンたちは自分の声を聞くためにくる。
 声の戦いに参加したい。
 選手は僕らの代表かも知れない。
 だが、本当の戦いは、2つの街の間でおこなわれる。
 戦争のパロディのなかで、一個のボールが村と村のあいだをいったりきたりする。
 これがサッカーの起源ではなかったのではないか?」

「日曜日、俺たちはもう一度クルヴァスッドの神話的な階段わ昇るだろう!
覚えておけ、俺たちはフィールドの13人目14人目、15人目の男にならなければならない。
 歌え、ブテイ、歌うんだ!
 クルヴァの大砲に耳を傾けよう!
 永遠に、そしてエラス・ヴェローナただひとつ!」

129dancing@TCR*YFM*RS:2003/09/08(月) 20:42 ID:bS2s9H/U
「イン・カント、歌の中に。
 イン・カント、魔法。
 歌の中にはいることは、呪いの中に入ること。
 音楽の虜になること。
 個人の人格と差異とは一時的に停止され、自分の重みをリズムのくびきの下に投げ出し、
 歌を牽引する役畜のように、ひとつに結ばれる。」

「日曜日、俺たちは本当に狂ったように歌わなければならない。
 選手たちに、走りながらピッチを掘り返すぐらいのやる気をださせなきゃいけない。」


疲れたので途中で打ち切り。

キェーボに関する記述や、審判に何故イタリア人は抗議するのか、またヴェローナな財政事情については、
ページごとポストイット。

130門旗:2003/09/08(月) 20:49 ID:6ohijv3Y
途中乱入失礼しますた(´-`)

131マグロ:2003/09/08(月) 21:14 ID:Ryj9gEs2
金曜の夜購入して、日曜の東京戦直前に読了。
現在二ターン目。

132dancing@TCR*YFM*RS:2003/09/08(月) 23:03 ID:bS2s9H/U
これからは、宗教ですね。

133マグロ:2003/09/09(火) 20:37 ID:Ryj9gEs2
「イタリア人のレオパルディはショーペンハウアーの数十年前すでに、
 『世界は堅固な無だ』という事実に較べれば、胸がわくわくする過ちの方が、
 あるいはこの点について言えばどんな過ちでも、その方がましだと考えていた。」

「現代人――これはレオパルディが際限なく問い続けた答えのない難題である――
 は、自分自身を意識的に欺くために大きな努力をしなければならない。
 過ちの中にいると決意しなければならない。幻想を求めて出かけねばならない。
 これを実現するのは難しい。」

「君自身のより賢明な判断に反して、自分のチームを、自分の国を、いや、なんでもいい、
 何かを信じられないのなら、君が本質的に幼稚になれないのなら、
 それ(チーム、国、なんでも)と君自身は地表から消え去るだろう。
 なぜならば君は虚無への抵抗手段をなにひとつ持たずに残されるだろうから。」

1340号:2003/09/10(水) 00:57 ID:yGbGhQAs
漏れも18号タソにお借りして読みはじめました、ディア・ボイア。

13518号:2003/09/10(水) 01:15 ID:iMoxs9b.
>>134
線引いたり折ったりしてもいいよん。

136マグロ:2003/09/10(水) 01:24 ID:Ryj9gEs2
漏れは貧乏性のせいか、本を折ったりマーカー付けたりできません。
近所にブック・オフ等のお店があると、なおさらです(・∀・)

137dancing@TCR*YFM*RS:2003/09/10(水) 01:39 ID:L3e1lj5I
みんな読んでいるなー、ディオ・カン。

13818号:2003/09/10(水) 01:55 ID:iMoxs9b.
宗教です。

139まつざき:2003/09/10(水) 07:57 ID:oCyaw3W2
『親指はなぜ太いのか』島泰三
 中公文庫は日沼頼夫先生の『新ウイルス物語』、本川達雄先生の『ゾウの時間  ネズミの時間』など生物学に関する名著が多いと思うのですが、そうした系譜にまた一冊が加わったかな。
 霊長類の手を見ると、ほとんど退行してないような親指を持つクモザルを筆頭に、必ずしも親指がヒトのように太く大きくはないんです。では、なぜ、このような形態になっていったのかを、マダガスタルに住むアイアイの食性から説き起こしていったのが、この本。

 ざっくり言ってしまえば、主食を食べやすいように、歯と手は同時に変化していった、というのが結論でして、木の実の中の胚乳を取り出して食べやすくするために、犬歯がやたら発達させ、中指は胚乳をこそぎ出すために細く長くなっていったと推定します。その後、現存する霊長類の「手と口連動説」を検証していき、初期人類は何を食べていたか、という問題に入ります。狩猟肉食、種子、果肉、植物、スカベンジャー(残肉処理)と仮説を追っていき、「ボーン・ハンティング(骨猟)」仮説に至ります。

 肉食獣によって放置された骨を集め、まだ着いている肉とともに、中の骨髄を主食にしていたのではないか、というのが「ボーン・ハンティング(骨猟)」仮説ですが、けっこう震えます。いくら大型肉食獣でも骨は折れません。それを可能にしたのは初期人類による石器を使っての打撃だったのです。最終章「石器を握る。そして、歩き出す」は、まるで『2001年 宇宙の旅』で、霊長類が骨を空に放り上げ、それが宇宙船の映像に重なっていくようなジャンプ感を味わいました。

ぼくは親戚の子が、大学に入ると、河合雅雄先生の『人間の由来』(上下、小学館)を贈ることにしているのですが、人間のことを考えるとき、類人猿を媒介にすると、なんと様々なことが見えてくるのか、といつも思います。

140まつざき:2003/09/10(水) 08:03 ID:oCyaw3W2
皆さん、読書熱が素晴らしいですねぇ、ディア・ボイア!

ということで、もしよろしかったら、皆さまの『狂熱のシーズン ヴェローナFCを追いかけて』フェイバリットの原文をうpしますので、ページとともに教えてください。

141まつざき:2003/09/10(水) 09:51 ID:uK2Cg8cU
スマーソ、『親指はなぜ太いのか』島泰三は中公文庫じゃなくって、新書の今月の新刊です。

142まつざき:2003/09/10(水) 10:52 ID:uK2Cg8cU
ティム・パークスの『愛すべき北イタリアの隣人たち』世界文化社もアマゾンのユーズドでゲトしました
しかし、ぼくは1987年のパソコン通信の時代から、いろんなネットで本のことを書いてきましたが、
こんなに反響があって、実際に読んでいただいたようなところはありません。感激してまつ(泣)。
POWDERタソも0号タソもありがとうございます(泣)。

14387号:2003/09/11(木) 21:08 ID:IoIsxlzI
「サッカー批評」最新号の書評で「狂熱のシーズン」を取り上げていますね。
東京―レアル戦の東京サイドからの描写(希少!)はガスサポ的にツボでした。
私もみんなに遅れじとマーカー持って読まなくちゃ。

14419号:2003/09/11(木) 22:37 ID:TtrbImfA
レニ・リーフェンシュタール亡くなったんですね。
幼い頃見た「NUBA」は衝撃でした。

145dancing@TCR*YFM*RS:2003/09/12(金) 03:59 ID:UShjxMJA
>>140

「夢をみさせてくれ」p11

「ブリガーデは讃える、選手でなく、監督でなく、オーナーでなく、ただカラーだけを」
p55

「選手と監督は来ては去る。だけど、俺たちは永遠、永遠だ!」
p55

「夢を見続けろ」
p73

「決して一歩を誤らず、決して後退せず、いいときも悪いときも微動だにしない人々と
黄青旅団に栄光を」
p92

「エラスはひとつの信仰だ。決して、何故と問いかけてはならない。」
p123

「エラス、ラ・ノストラ・ウーニカ・フェーデ 俺たちのただひとつの信仰。」
p123

「永遠に、そしてエラス・ヴェローナただひとつ!」
p172


ダンマクづくりの参考にするんでお願いします。

146dancing@TCR*YFM*RS:2003/09/12(金) 04:01 ID:UShjxMJA
ちなみに、まんゆーのダンマク。
http://www6.ocn.ne.jp/~boogie/photo/marinos/mufcthereligion.jpg

147まつざき:2003/09/12(金) 07:55 ID:VQEUmYtU
>>145
 どーも、dancingさん。ご利用いただきまして、ありがとうございます。さっそく抜き出してみましたのでご活用ください。
 水曜日の代表戦の後の二次会でチラッとお話しさせていただいたのですが、本当にPlain Englishで書かれてまして、拍子抜けするような感じもするかとは思いますが、の、とにかく、どぞ。

FACCI SOGNARE, says the banner. Make us dream! Please!

The BRIGADE honour the colours GIALLOBLU, not the players, not the trainer, not the owner, only the colours.

Players and trainers come and go, but we are forever, BRIGADE, BRIGADE GIALLOBLU.
Dream on.

Never a false step, never a retreat, for better or worse (but the literal translation would be: "in good and in evil") honour to the unmovable ones and the BRIGADE GIALLOBLU.

"HELLAS is a faith," ANDREA wrote back at once. "You must never ask why"


"HELLAS, LA NOSTRA UNICA FEDE" Our only faith.

Ever and only HELLAS VERONA!

148まつざき:2003/09/12(金) 08:01 ID:VQEUmYtU
あ、大文字はイタリア語の部分ということで、ひとつ。

あと"HELLAS, LA NOSTRA UNICA FEDE" Our only faithですが、これはラテン語の祈祷文のハズです。以下のラテン語によるカテキズム(教理問答集)にも解説が載っているかな。ちなみにCatechismo della Chiesa Cattolicaとは「カトリック教会教理問答集」という意味でして、ご存知の方は超ご存知の話だとは思いますが、Chiesaキエーザはラテン語でも現代イタリア語でも「教会」を意味します。

http://www.vatican.va/archive/catechism_it/p1s1c3a2_it.htm

149まつざき:2003/09/12(金) 19:01 ID:pknevOBU
『愛すべき北イタリアの隣人たち』ティム・パークス、世界文化社
『狂熱のシーズン』があまりにもよかったので、もう1冊翻訳されているのをゲトしたが、ハッキリ言ってたまらなかった。1989年に出されたピーター・メイル『南仏プロヴァンスの12か月』(河出文庫)のイタリア版を狙ったんだろうな、というマーケティングも見え見えで、少しガッカリする。やっぱ、人間、マーケティングに乗るより、書きたいこと書かななきゃつまらんよな、と思った。

>>143
おお、サッカー批評読んでみまつ

150dancing@TCR*YFM*RS:2003/09/12(金) 23:02 ID:UShjxMJA
>>147

ありがとうございます。
このままダンマクネタに活用しまくります。

151POWDER:2003/09/13(土) 00:12 ID:89W5Tch2
>このままダンマクネタに活用しまくります。

しまくり千代子       (クスクス)

1520号:2003/09/13(土) 00:20 ID:ZGVMpq16
>>143
ありがとうございます!
サッカー批評立読みしました。
しかし江戸っ子なんで、、「批評」ってなかなか変換できなかった。。。。。
ex.「死傷」「指標」「卑小」etc...

Players and trainers come and go, but we are forever, BRIGADE, BRIGADE BLUROSSO

15318号:2003/09/13(土) 00:37 ID:iMoxs9b.
>>152
「百貨店」を変換できなかったヤシもいた。
「者っ加点」「尺か点」
白雪姫って言ってみて!

154POWDER:2003/09/13(土) 00:46 ID:89W5Tch2
こんひゅうのもくしょう

155マグロ:2003/09/13(土) 01:08 ID:Ryj9gEs2
和歌山県(特に南部)では「ざ行」と「だ行」の区別が苦手です。
「どう!」とか言われた日にゃ、「銅」なのか「象」なのか、
前後の文脈で判断するしかありません。
漏れも、高校まで濡れ雑巾を「ぬれどうきん」と平気で言っておりました。

そういや、日本語の音節数は世界一少なくて、時代が下るにつれさらに
少なくなってきてるとどこかの本で読んだな。

15618号:2003/09/13(土) 01:22 ID:iMoxs9b.
まつざきさんのPlain Englishで読みやすい、とのお言葉につられて
ついふらふらと原書をちうもんしてしまいますた。
読めるんだろうか・・・・

昔「マディソン郡の橋」は最初原書で読んでから翻訳読みました。
あのくらい薄くて読みやすい英語だとなんとかなるんでつけど
ヴェローナ厚杉。

1570号:2003/09/13(土) 01:24 ID:ZGVMpq16
江戸っ子はしちめんどくさいのが嫌いなんです。
「ひゃ」よりも「しゃ」、
あと、「ひ」と「し」が入り交じった時、すべて「し」に変換します。
てなわけで、「百貨店」は「しゃっかてん」
「白雪姫」=「しらゆきしめ」
番外編で「標識」=「しょうしき」、「白髭神社」=「しらしげじんじゃ」
などありまつ。

15818号:2003/09/13(土) 01:33 ID:iMoxs9b.
>>155
昔は「ふじ」と「ふぢ」はちゃんと発音分かれていたということを
テレビでやってたような気がします。
前者は「富士」後者は「藤」だったかと。
今ではどちらも「ふじ」ですけどね。

旧仮名遣いは元々はそのとおりに発音していた、とこれもやっぱり
テレビで見たような気がします。
そのへんどうよ? >0号タソ

1590号:2003/09/13(土) 01:41 ID:ZGVMpq16
「ぢ」にはボラギノール♪
>>158
約20年前前でつが、発音の違いを教わった気がします。。。。

1600号:2003/09/15(月) 00:40 ID:6zAfPw/.
本じゃないんですけど、さっきBS11でやってた
『世紀を刻んだ歌「虹の彼方に」』を見て不覚にも
涙ちょちょ切れでした。
Over the reinbowのルーツを探るだけでなく、
その影響された人々を巡ったところは、さすがNHKです。

161まつざき:2003/09/18(木) 14:52 ID:DBytZhHg
うーん、毎年、夏は人文関係の本が枯れるんだけど、今年は特にひどい凶作
食指の動くような本がまったく見当たらない
ということで古典に逃げています
まあ、出版、特に単行本が主力のところはどこも大変だってことは分かるけどさ…

162dancing@TCR*YFM*RS:2003/09/22(月) 03:55 ID:rBl7RVMo
この一ヶ月くらいのまとめて。

「ラカン〜鏡像段階〜」福原康平
「レコードコレクターズ99年2月号 特集ビッチズ・ブルー」
「ハマータウンの野郎ども」ポールウイリス
「フットボールの英語TOTAL BOOK」カール R トゥーヒグ
「HEART OF THE CITY〜取り残された地区GHETTO」新道有美
「ランボオの手紙」ランボオ
「マルクスと歴史の現実」廣松渉
「新約聖書の英語」西尾道子
「ランボウ、砂漠を行く〜アフリカ書簡の謎〜」鈴村和成

ラカンのは、まつざきさんがここでちょこっと書いていたのを見て、思いつきで購入。
よくよく考えると大学時代の精神分析学系の本は、ほとんど図書館で読んだものなので、
家にはフロイト&ユングの代表作がちょこちょことあるだけ。
ラカンは原文読まされていた。
ラカンはジャックアレンミレール編集の「精神病」(有名なセミネールの抜粋本)の上下巻のみ。
当時、丸山圭三郎は、ラカンの大文字の"S"の理論を敷衍して、「無意識」と「潜在意識」の切り分け作業を
行っていて、非言語=他者という認識のもとに、失語症患者に興味を集中させていたラカンのテキストを
やたら学生に読ませていた。もちろん、へたれな仏文学生の漏れにはこんなの原文ではわかろうはずもなく、
ひたすら邦訳にたよっていたのだけれども。
あの原文のせいで、よけいにワカワカラン状態に陥っていたのが、今、邦訳のこういう本などを見るとよくわかるw

ランボウがらみの2冊は、"je est an autre"つながりというわけでもなかろうが、なんだか突然本棚の中から、ランボオの書簡集見つけて、
通勤用にとカバンに入れておいた。
これも学生時代に読んだやつで、再読。

ランボオのように24歳までにウッドシェディングして、アフリカに渡り商人になるなどと、
これまたワケワカランチンを唱えていた当時が懐かしいのだが、やはり2度目の読後感は全く違う。
で、これまた気になって、アフリカ時代の研究書が読みたくなって、本屋チェックするとすぐに見つかったが、
「ランボウ、砂漠を行く〜アフリカ書簡の謎〜」鈴村和成
である。
これは時間をかけて読んでいる最中。

「フットボールの英語」は、どうでもいいような本なのだが、中に入っているスタジアムでの
英語のヤジやサポソングの数々がCDに収録されているので買ってみた。おもろい。


音源

"the Sound Track '96" You the Rock
"ホームシック" ECD
"Space Funk 2001" Muro feat. Nipps
"Galaxy pimp 3000" Nipps feat. Muro/Dev large
"21singles" the Jesus and Marry Chain
"Now I got worry" Blues Explosion

CDは他にも購入していたはずだが、今手元が大混乱中なので埋もれて見つからず。
T-REXの電気の武者もCD買いなおしをしているが、これも買っただけで一回も聞かずに
そのまま行方不明中。

163まつざき:2003/09/22(月) 08:02 ID:6moCIm.E
 最近は新刊も面白ないし、古典も読むとか言ってて重い感じがしたので、もっぱら山口瞳さんのエッセーを読んでいます。

 わざわざ書くのは恥ずかしいことですが、ぼくは、こんな商売に入りたての頃、先輩から「お前は文章が下手だ」と原稿チェックの時に言われて、心の中で突っ伏したことがあったんすよ。

 で、まあ、なんとか読みやすい文章を書けるようにしようと思った時に、これも書くと「お前ごときが」と言われそうなのですか、真似というか、写経するみたいに文章を写したのが、山口瞳さんのエッセーでした。翻訳家の人で、翻訳に入る前、川端康成さんの文庫本1ページをその通りに書くという人がいたそうで、手法もそれを真似ました。

 文庫本でも出ていますが、文庫に収められているのは単行本2冊分を1冊にした分量なんです。ということで、初版本は高いので、時々、小宮山書店あたりに並ぶ、版を重ねた『男性自身』シリーズの単行本を買っていまして、いつかは全冊クリアーしたいと思っています。あまり収集癖とかないのですが、これだけは買い揃えたいと思っています(でも、山口瞳大全は買いたいとは思わない)。

 いま、新潮文庫で、『男性自身』の年代別のベスト集を刊行していますが、興味のある方はどーぞ。

dancingタソ

>T-REXの電気の武者もCD買いなおしをしているが、これも買っただけで一回も聞かずに
>そのまま行方不明中。

T-REXは大好きでして、もし機会がありましたら、TYRANNOSAURUS REX時代のA BEARD OF STARSをぜひ聴いてみてください。アタシはこれが一番好きでした。

16419号:2003/09/22(月) 17:14 ID:v6FuGtxA
恵比寿駅ビルの輸入本セールを覗いたら
http://childscapes.com/bookpages/zwerger.html
素敵な絵本が。
挿絵が淡々とシュール、かわいすぎてどきどきしました。
「不思議の国のアリス」と「オズの魔法使い」を悩み抜いて買いました。
1冊3780円。
6800円くらいでこの画家の代表作を集めた画集も出てたんだけどがっちしラップしてあって中身見れず。なんだよケチ。

とかいって買っちゃいそうで怖いワー。よかったもうすぐ給料日で。

165まつざき:2003/09/24(水) 18:00 ID:NKQlcSlY
非常に恥ずかしいので、言わなかったのですが、昨日、やや遅れたのは、ジブリの『耳をすませば』の舞台となった、聖跡桜ヶ丘まで足を伸ばし、散歩がてら歩いていたからでした(見たのは今年になって、しかもDVDなのですが、ジブリの作品では、なんつうか、2番目に好きな作品です)。

聖蹟桜ヶ丘駅から南側(駅の出口を背に左側)に延びている「桜通り」を歩き、いろは坂に向います。主人公である雫(しずく)がいろは坂の途中で見た風景とか、大栗川などもいちいち「おお」と激しく感動。

聖蹟桜ヶ丘は全体がこんもりとした丘なので、重要な舞台となる西洋アンティークの「地球屋」があるという設定になっているロータリーまでは30分弱かかる。途中、ショートカットする坂が何本もあって、映画にも使われていたなとか思う。本当は、映画に出てきたのと同じ形の給水塔をもつ摩ニュータウン・愛宕2丁目団地まで行きたかったけど、途中で道草を喰ったので、断念。

聖蹟桜ヶ丘はちょっとした高級住宅街で、各戸を記した組合の看板なんかもあった。ローターリーを取り囲んで、郵便局、交番など公共施設がという設計で、その取り囲みの中に昭和モダンな組合集会場を持つという「よく設計・管理された庭園都市」でした。

こんどはいつか、冬場の早朝に来てみようと思ったところで、試合開始が近くなり、丘の上から見た風景をたどりながら、別の道を駅の方向へ帰ったけど、ネコのムーンを追いかけていた雫と同じように、道にまよい、なんと!映画と同じように竹林に迷い込む。途中で本格的に方向感覚がくるい、道行くおばばに駅の方向を聞いたら全く逆だった。ぜいぜいと戻る。

その途中で考えたんだけど、いわゆる「ニュータウンの風景」は否定的に描かれている作品が多いと思うけど(小説だけど安部公房さんなんかは特に)、『耳をすませば』によって、はじめてニュータウンの風景が詩になったんじゃないかと感じた。ちゃんちゃん。

16619号:2003/09/25(木) 14:32 ID:0FgRI9/.
10月号の「月間GOAL」はドリア特集でーす。
日本のクラブで横浜FCがとりあげられております。

マンチーニハァハァ

167マグロ:2003/09/26(金) 23:25 ID:Ryj9gEs2
先日押入れの整理をしていたら、普段あまり聴かないCDが結構出てきて、
「お〜、これは」「これ一回しか聴かなかったな…」
とか、整理そっちのけでワイワイやってたんだが、その中の一枚。

ブラインド・メロン 「スープ」

これは彼らの二枚目のアルバムになる。
友人に空顔似のボーカル、シャノン・フーンはこのアルバムを発表後、
ヘロイン中毒(かなんかで)お亡くなりに(のはずだ、確か)。
音的にはガンズン・ローゼズやレッチリの範疇に入るんだろうが、
このバンドには、上記にはない繊細さがある。
田舎の名もないバンドが、ポロンポロン爪弾き出しそうな繊細さ。
でも無骨一遍ではなく。

当時ミクスチャーの面白いバンドが結構あって(特にハードロック界隈に)、
エゲレス中心だった僕もその手を結構漁っていた。
たぶん、そういう流れで買った一枚なのだろう。

168dancing@TCR*YFM*RS:2003/09/27(土) 00:09 ID:lkp.3d0M
>ブラインド・メロン 「スープ」

わからん・・・。漏れのロックは90年ぐらいで進化を止めているので
(漏れにとって最後のおっかけバンドがジーザス&メリーチェーンw)わかりません。
どんなバントか教えてください。
ことによっては買う。


今週の本
「スタジアムの神と悪魔」エドゥアルド・ガレアーノ
「現代思想03年9月号特集占領とは何か」
「リヴァプールより悪意をこめて」トニー・クロスビー

トニー・クロスビーの本は、単なるおちゃらけ本というにはちょっとおしい感じの面白さがありんす。
ジョニーライドン(元ピストルズ)の自伝を読んだ時と同じく、イギリス労働者階級の過酷さと、それを
裏返しつくしたファンキーさがとてもつたわってきます。まあまあ一読に値するかも。

169マグロ:2003/09/27(土) 01:08 ID:Ryj9gEs2
>>168
リスペクト、…は嬉しいんだが補足説明することはほとんどないっす。
アメリカーンなバンドですよ、ひたすら。

ボーカルはロバート・プラントな感じもしますが、ほんの一瞬です。
昼よりは夜、夏よりは秋に効くバンドかと思われます(なんのこっちゃ)。
前出の如く、ボーカルがあぼーんしたためバンドとして二枚だけで解散しますた。
(それほど入れ込んだバンドではないため、ほとんどうろ覚えなまま書いてまつが)

でも、いま聞くといいんですよ。なぜか知らないがやたら郷愁感をかきたてられますし。
最近はほとんど毎日聞いてますね。
ちなみに、このバンドのファーストが出たのは90年代初めだったと思います。

170まつざき:2003/09/27(土) 23:32 ID:K1n1dRUY
 『ギャラクシー・クエスト』ってメチャクチャ面白いと聞いたので、DVDで買ってみたけど、死ぬほど面白かった。

 『スタートレック』のパロディなんだけど『ギャラクシー・クエスト』という人気テレビ番組があって、番組が終了してからも大人気で、その番組に出演していた役者さんたちが全国各地でサイン会をしているというのが設定。で、サイン会で生活しているのにイヤ気がさしている、と。

 そのサイン会には、『ギャラクシー・クエスト』のコスプレをしたファンがいっぱいきているんだけど、そのなかの一団が、本当のエイリアンで、役者さんたちを本当に宇宙に連れて行ってしまう。そのエイリアンたちは、ウソを知らない星の人たちで、番組の役者さんたちを、本当に実在したヒーローだと思い込んで、自分たち危機を救ってほしいと頼む。地球でサイン会で喰ってくみたいな生活をしていくぐらいだったらと張り切る役者さんたち。

 エアリアンたちはエンタープライズ号みたいな、番組に登場する宇宙船を作ったから、役者さんたちは操縦できるんだけど、細かな操作方法がわからないで困り果てる時に彼らを救うのが、ヲタたちという設定が泣かせる。香山リカが『愛国問答』でも、チラッと触れていたんだけど、実際に観てマジで感動。何回も画面に向かって拍手してしまった。

 しかも、シガニー・ウィーバー、ティム・アレン、アラン・リックマンが出ているので、B級じゃないし、DreamWorksだし。2000年の作品だど、どなたかご覧になりました?久々に感動しました。特にラストは気持ちが昇華されました。マジで。

 サタデー・ナイト・ライブでも『スター・トレック』のサイン会をおちょくったコントがあったけど、それを大々的にやって、しかも、肯定的に描いたって感じ。

171まつざき:2003/09/28(日) 17:09 ID:6TsLmO1M
 なんか本も読まずにDVDで映画ばっかり見ています。ということで、今日はジョン・ヒューストンの『勇者の赤いバッヂ』。南北戦争に召集された若い兵士が恐怖にかられて戦線から逃げ出すが、それを克服し、英雄になるというなんともいえないストーリーだけど、ジョン・ヒューストンのファンにとっては見逃せない映画。ビデオも含めての初のソフト化だったので、逆上して買い、やっと見る。

 『眼下の敵』(1957) 、『雨に唄えば』(1952) 、『アスファルト・ジャングル』(1950)、『オズの魔法使い』(1939) などのHarold Rosson ハロルド・ロッスンの白黒撮影が見事。ジョン・ヒューストンは『黄金』(1948) のシャープな画面が印象的だけど、ノリノリだった頃のヒリヒリ感がそのまま画面に投影されている感じ。本当にシャープで締まりのいい画面。しかも、時間は69分。ジョン・ヒューストンは『アフリカの女王』(51)製作のためにアフリカに渡って象狩りに夢中になってるうちに、MGMが勝手に再編集して公開し、映画は興行的にも惨敗してしまったらしい。この版がどっちの編集のものかはわからないけど、怪物時代のヒューストンの勢いは十分に堪能しまつた。

 アフリカの像狩りのエピソードは、クリント・イーストウッドが『ホワイトハンター ブラックハート』で描いているし、ブラッドベリが白鯨の脚本書くので招かれて、散々、ヒューストンにいたぶられるという映画もあったけど、とにかく、この人好きです。

172まつざき:2003/09/30(火) 11:02 ID:Di5PU7vw
しかし、新刊本で面白いものがない。もう一週間以上、新刊本を買ってない。休みの日にはDVDを観たり、好きだった山口瞳さんの本を読み直したりしていたのですが、やっぱり飽きる。という中で、やや食指を動いたのが『タングステンおじさん―化学と過ごした私の少年時代』早川書房。

『レナードの朝』を書いたオリヴァー サックス博士が「タングステンこそ理想の金属だ」などと口走るおじさんが回りにいた子供時代を描いています。

もう1冊、手にとったのが日本の女流作家のナポレオンを描いた上下二分冊の分厚い本。一瞬、期待してしまったが、出だしを読んで素早くやめる。ベルバラを下品にしたような感じ。つうこって書き出しは重要です。

173まつざき:2003/09/30(火) 16:46 ID:CnMRJt0w
>>168
そういえば、これ買ってなかったと思い出し、『リヴァプールより悪意をこめて』を注文しました。
ありがとさんです。

174まつざき:2003/10/05(日) 12:57 ID:R2CB.Zew
『リヴァプールより悪意をこめて』トニー・クロスビー、双葉社、2002

 ところどころ章の切れ目などに挿入される、チャントが笑う。ほとんどが相手選手、もしくは審判に対するチャカし。しかし、サッカーの試合なんかそんなもんなハズだったのに、今はちょっと違う。特に日本では…。そんな違和感はトニーも感じているらしい。

......Quote........

 日本の応援は「○×のゴールが見たい」「見たい」てな調子で、選手におねだりしているだけ。徹底的に相手を野次り倒すなんてことは全然ないので、まるで迫力に欠ける。(中略)
 相手チームの選手、関係者はもちろ、レフェリーだって変な判定をくだした途端に徹底的にコキ下ろされる。
 「レフェリーはオナニーのしすぎだ」
 「お前には父ちゃんも母ちやんもいない。お前の味方なんか誰もいないんだ」
 こんなことを5万人が一斉に歌い出すんだ。並大抵の神経じゃできないよな。

『リヴァプールより悪意をこめて』pp.166-167
.......End of Quote.......

いいですねぇ。唐突に、こんな本の一節を思い出してしまった。

......Quote........

都並が主に標的にしていたのは、三菱のゴールキーパーで、日本代表でもあった田口光久に対してだった。
「大袈裟にセービングしてんじゃねぇよ」
といった罵詈雑言をゲーム中に浴びせるのである。田口はいちいち振り向いて、
「クソガキ、グラウンドに下りてくるんじゃねえ」
などと反応してくれるので、その反応するのがおもしろくてまたからかうという感じだった。

『狂気の左サイドバック』一志治夫、新潮文庫、p.157
.......End of Quote.......

この頃の日本リーグなんか、本当に人がいなかったので、この都並みたいにグラウンドに下りたゴール裏で観戦するようなガキもいたんですね…(遠い目)。

 まあ、それはさておき、イングランドでなぜ観客がグラウンドに下りないかという問題についても、警官が怖いからとか、警備の馬はとても怖いとか、なんとなく100%は納得できないけど、それなりに語られていないことを語ってくれているのは貴重だ。

 にしてもdancingさんが書いているけど「イギリス労働者階級の過酷さ」は十分描かれている。トニーはアッパー寸前のクラスらしいから(両親ともクルマを持っていたとか=離婚しちゃったけど)、客観的に描けるのかもしれない。

 トニーが最初に付き合ったガールフレンドの家には9人兄弟がいたけど働いているのたった2人だけで、孫は40人も出来てしまったという暴力的なボイトン・ファミリーの章なんかは素晴らしい(p.88-90)。そして、フジテレビ系のワールドカップ予選の番組で相棒だったジローラモの出身地であるナポリと同様、貧しさからくる泥棒の多さでリヴァプールが知られているなんてのは、初めて聞いた(これをからかうマンUのチャントも紹介されている。題して"Lock Your Car"。リヴァプールサポのヤツらは泥棒が多いから、ヤツらが来たらクルマにはチャンと鍵をかけておけという意味。p.95)。

あと、ドイツ、アメリカ、フランスに対する憎しみ、黒人に対する人種差別のすごさも十分描かれている。ロンドンの美術学校の話だけど

......Quote........

 学校の中に黒人が2人いて、先生が一人を「ゴリラ」、もう一人を「モンキー」と呼んでいたぐらいだった。
「モンキー、モンキー、さっさと走れ」なんて言っていた。
今じゃ、とても考えられないことだ。
『リヴァプールより悪意をこめて』pp.106
.......End of Quote.......

 この後の「今なら、たぶん考えただけで捕まりそうだから」というフレーズが効いている。イギリス人はドイツに旅行に行かない理由として「行ったらみんなシューマッハみたいなヤツだったらどうする?」(p.183)というのも笑う。

 dancingさんも書いているけど、一読に値する。もう大きな書店でしか売ってないから、アマゾンをお勧めします。

175まつざき:2003/10/05(日) 13:43 ID:R2CB.Zew
『生涯最高の失敗』田中耕一、朝日新聞社

 そう、ノーベル田中さんである。一時の喧騒から逃れ、いまや研究生活に戻れたらしいが、講演依頼が絶えず、それを減らす意味もこめて書いたのだという。

 ヒトゲノムの解読が完了して、生命の設計図が分かったので、「今度は設計図に基づいてつくられ、実際に現場で生命活動を担っているたんぱく質にはどんな種類があり、どんな性質で、どんな働きをするのか調べよう、というのが『プロテオミクス』です。これからの生命科学とバイオ産業の焦点は、プロオミクスに移っていくでしょう。今回の受賞の対象となった技術はどれも、プロテオミクスにとって鍵となる技術と言えます」(pp.101-102)というのは本人ならではの素晴らしい要約だと思う。なるほどねぇ、みたいな。

 で水素を1として、質量1万を超える分子の測定を可能にした方法(超簡単に要約すると、一瞬のうちにレーザーで熱することで、分子が破壊される頻度より気化される頻度が上回るから、そこで飛び出した分子の飛行時間で質量を測る−らしい…)なんかが要領よくまとめられていて、ドシロートを分かった気にさせてくれる。遺伝子の数は約32000種類なのにたんぱく質は人間だけでも10万種類もあり、遺伝情報をもとにつくられているにもかかわらず、たんぱく質の種類の方が、もとの情報より多いのは解明されていないとか(p.104)、ある細胞は内臓になり、別の細胞が目になる理論はよくわかっていなくて、がんの発生のメカニズムも「たんぱく質ができるときに、なにかが起こっている」(p.183)というのもフームです。

 あと、個人的に共感できたのはソニーの入社試験のとき、「マクスウェルの方程式」をちゃんと思い出せなかったという話。アタシも博士課程の試験の時、権力構造の社会学的分析をした学者さんとしてパーソンズやガーフィンケルの名前を思い出せなかったときのことをフト…。まあ、アタシの場合は、論文自体がダメダメだったんですがね…。

 まあ、そんなことですが、サクッと読めて楽しめました。

176まつざき:2003/10/06(月) 23:49 ID:Ht1j/PLQ
『情念戦争』鹿島茂
 ナポレオンがフランス革命を保証する優秀な軍人から皇帝となり、失脚した後、ワーテルローで破れ、セント・ヘレナで死ぬまでを描いている。プレイボーイに連載していたのをまとめたらしい(知らんけど)。

 チラッと紹介した角川の女流の長い小説といい、なんか今年はナポレオンの記念年になるんでしょうか。ようわかないけど買ってみて、たぶん、2800円という価格には内容が負けている。ま、いいけど。

 日曜日から、Carole Kingをずっと聴いています。意外というかすきなのは、5年ぐらい前に発売された1971年のカーネギーホールのライブ。

 Eventuallyというどこにも入っていない曲とかいいな、と。

177まつざき:2003/10/09(木) 00:03 ID:JYEA7zFk
『現代サッカー様式学入門』三才ブックス

 「フロムエーMONDAY」の01年〜02年にかけて連載されたもをまとめたのがこの本。けっこうビジュアルにはおカネをかけている。だけど、思惑とはやや違い好きな人には微苦笑的楽しいけど、サッカーには興味人間を取り込むまでは至らなかったんじゃないか。

 ホイチョンプロダクションと比べると、よりビジュアルに、よりマニアックにはなっているけど、ケッと笑っている作者が感じられない。いっばいいっばいパロッてみましたっつうか、連載のページを守ってますみたいな感じがして、それはそれでいいんだけど。でも、キチンとしたビジュアルには、ある程度、カネをかけたんだろうな、と思う。サッカー専門誌もマネなきゃね。つか、育てようとせんと。サカダイの「スーパーさぶ」を育てたぐらいじゃものたりん。でも、やっぱ買うでしょう。1300円だし。

 今日は、『ナンシー関 消しゴム版画』メディアファクトリーも買う。よく、絵解きの入った写真は、13文字の原稿の100行分とかいわれるけど、ナンシー関さんの版画は、B5の1頁の文章に匹敵していた。

 いきつけの飲み屋に持っていったら、みんな買うとかいってました。3500円はバカ安。

 で、そのうちの一人の提案で、田村亮子と谷選手の結婚式はどうせテレビが中継するだろうから、そしたら誰かんチに集まって、ナンシー関さんが生きていたら、どんな感じで毒づくかを考えながら酔っ払って観る会ををやろうということになった。そうなると、果然、浮上してくるのはウチなんだけど、なるべくその日は、親戚の用事とか作ろうとか思いました。

178まつざき:2003/10/11(土) 07:46 ID:Aq.CjyTo
『おとな二人の午後』塩野七生、五木寛之

 毎年、夏場に出ていた『ローマ人の物語』は、昨年ついに年末にズレ込んでいます。ということで塩野七生不足に陥っている状態の中で、「いくらなんでもこんな本は買わない」と思っていた本が文庫本になってしまったので、ついフラフラと…。買わなきゃ良かった、読まなきゃ良かったと思いつつ内容の薄い対談を素早く読み終える。

 塩野さんはカルチョの国に生きているから、時々、ナンバーなんかにも寄稿していますが、彼女がまるでパトロンのように接っし、愛情をもって語るナカータについては、最後にチラッとだけ書いてます。最初に夕食をともにした夜について(pp.370-371)。

「彼はめずらしく私にわかってもらおうなんて、ちっとも思わない青年なんですね」

「(ナカータには開口一番30歳ぐらいに見えるといったらしいですが、その言葉はホメ言葉であると解説し)そういう顔にならないと、チャンピオンにはなれないと思う」

「日本人ゴルフ選手が(4大トーナメントで勝てないのは)おとなとして自立てせきてない雰囲気という点もあるんでしょうね」

「フォーマルの場ではフォーマルな話をしなきゃいけないんです」

 ナカータは幸せもんだ。

179まつざき:2003/10/11(土) 07:47 ID:Aq.CjyTo
『人間にとって法とは何か』橋爪大三郎、PHP新書

 いま、「世の中にモノを言っていくのはオレだ」と妙な自信をのぞかせながら発言できている人たちは社会学者だったりする場合が多い。彼らはモノを言う前に、フィールドワークするから、例え集めたデータが極小のレアケースであったとしても、何もデータを持ってない観念派がかなうわけはない。

 ということで宮台をはじめとして、どんどん発言の機会を与えられるし、やっぱり性格がマメな人たちだろうから、マメに仕事をこなすということで、また書かされるという循環が続いているんだと思う。でも、これだけ幅広い事象に対して発言を求められるようになると、果たして彼らの真骨頂である「フィールドワークで集めたデータ」をキチンと持っているかは怪しくなったりして…。

 という問題があるにせよ、彼らの本は、理屈こね回すようなものよりは即効で役立つ知識なんかも入っているし、学術論文でなければ、分かりやすく書いてくれるので、新書なんかではサクッと読みするために買いますね。

 ということで橋爪センセの新著は法律について近代法の成立過程をざっくり説明した後、宗教法との関係をひとくさりして、最後は現代日本の法をとりまく問題を概観するという無難な構成。左翼を引きずっている「(法律のことを真剣に研究することは)バカバカしくてやつてられない」「よい法律をつくろうという動機が少なかった」アタシみたいなニンゲンにとっては、よいベンキョーになりますです。

180まつざき:2003/10/11(土) 23:07 ID:H7Ay/C/c
『超麺通団 団長田尾和俊と12人の麺徒たち』田尾和俊、西日本出版社

讃岐うどんの聖典『恐るべき〜』シリーズの著者である田尾和俊さんが去年出した本。とはいっても全然知らずにいて、新宿にオープンしたばかりの「讃岐うどん大使 東京麺通団」というお店でうどんを喰った後にゲトしたので紹介。

 とりあえず、今年の春、讃岐のS級店のうち1/3ぐらいは制覇して「まあ、こんなもんだろ」という感じになっていたんですが、これを読んだら、また行きたくなった店が出てきた(宇宙を感じさせてくれる「橙家」、鶏小屋みたいな「赤坂」、工場の中で食わせる「上原製麺所」とか)。奥が深すぎるっつうか、あやしい店多すぎ、みたいな。

 これまでほとんど触れられてこなかった公共交通手段を使っての巡礼方法についても、新しく「麺徒」に加わった京都在住の大学院生である別p君が語っている。また「巨大なうどんのテーマパーク 香川」から目がはなせなくなった。

 と、ここまで書いて辛抱たまらなくなったので「すみた」に行くことに決めた!というのも今日は、3週間1回の土曜日午前中出社の日。ということで、六本木から恵比寿で降りて、埼京線で18分という十条まで「すみた」のうどんをまた、喰いにいった。山越で修行したと語る丸香のうどんがあまりにも期待を裏切るものだったので、ツルツルのピカピカのうどんを食べなければ気がおさまらなかったから。

 恵比寿12:18発の埼京線で十条に向かうが、なんと快速は池袋の先は赤羽まで止まらない。知らなかった。ということで一本戻って十条へ。しかし、十条駅は「すみた」のある演芸場通りに近い出口がない。よっぽどホームから路地に飛び降りてしまおうかと思ったが、足をくじいたりするとシャレにならないんでやめる。

 演芸場通りというだけあって「歌と笑いと涙の大衆演劇」の劇場があり、今日も「都(みやこ)なんとか」という座長の公演をやっている。入り口からはおばばたちの笑い声も漏れてきて、なんつうかのんびりとした雰囲気。そういえば、道の途中に「ユニオン座」とかいう劇団のアトリエもあるけど、十条って演劇が盛んな町なのだろうか。

 というようなことを考えているうちに到着。1時過ぎなのに10名以上が並んでいる。すなわち30分待ち。けっこう待たされるのは、中で昼間っから飲んでいる人たちがいるから。ということで、席を確保したら「オデンは平天とたまご。あ、凱陣も」と飲みの体制。うどんは、またもやかしわざる。とにかくかしわ天が旨いから。ということで、ピカピカのうどんをツルツルと「飲み」つつマターリしていると、元木を太めにした店主が、隣に座っている常連と話し出す。

店主「麺通団いった?」
男A「オープンの日に行ったわ。田尾さんがいるまではうどんも良かったけど、いなくなってからの出来はガクッと落ちたな」
店主「てんぷらはどう?」
男A「ゲソ天なんかは大したもん。パロットのマスターがしっかりしてるから。あと、つゆも旨い。だけど…」
店主「なんか問題ある?」
男A「24時間営業は辛いと思う」

ここまで聞いていて辛抱たまらず、「あやー、アタシも行ったんすよぉ」と話に加わる。

店主「うどんあげてる3人は香川からでしょ?」
男A「あんな田舎から新宿出てきて24時間営業だから、そらえ大変。しかも、店長経験ある人間がパロットのマスターひとりだから、けっこう混乱してる」
不肖「ぼくがいったときもオペレーションうまくいってなかったんすよ」
男A「まあ、最初にあれだけ客が来るとな…」
店主「ウチなんか最初、お客さん少なかったから」

てなことを話しているうちに、丸香の話に。以下は会話のみ。

「丸香どうでした?」
「山越で修行したとかいう話を抜きに喰えば、普通だと思う」
「なんであんなこと口走ったんだろ?」
「わからない」
「まだ『うどんを研究中』とかいって本格オープンじゃないでしょ」
「ずつと正式オープンしなかったりして」
「『やまごえ』じゃなくって『やまこし』で修行したって言えばよかっのにね」
「水が悪いのかな…」

 なんて話しているうちに、明日は絶対「綾」に行こうと決意。「綾」は大井松田の酒造メーカーまで汲みにいくそうだが、そのツルピカうどんで何事かを感じてこようと思う。しかも、アタシが一番好きな宮武ファミリー系の「あたりや」で修行した主人だというし。

181マグロ:2003/10/12(日) 01:15 ID:Ryj9gEs2
「Ziggy Stardust and the spiders from Mars」 David Bowie

高校生のとき、友達に「これいいよー」と部室で聞かされたのが最初。
欲しくなって大阪に遊びに行ったときに探したんだけど、当時は廃盤になっていて
高価な値がついていた。とても手が出せなかった。

上京して、仕事をしだしてからようやく手に入れた。
購入当初の数年間は、それはもう狂ったように聞いた。
聞くたびにぼろぼろ泣いた。
歌詞にというより、ボウイの声にだな。
ボウイが絶望の声を絞り出すたび、救われた気分になった。

今は、たまーにしか聞かなくなった。
CDもぼろぼろになったし、聞いて泣くこともなくなった。
しかし、これからもことあるごとに聞くのは間違いない。

18219号:2003/10/12(日) 12:20 ID:llEPOhFQ
ground control to Major Tom,
your circuit's dead
there's something wrong
can you hear me Major Tom?
can you hear me Major Tom?

その昔、glass spider tourでボウイをみにいきましたが、腐ってもボウイでした。

183まつざき:2003/10/16(木) 00:36 ID:Y2EcEOs.
『包丁ごよみ』池波正太郎、近藤文夫
 ぼくは、ほとんどエッセイしか読んだことないのですが、池波正太郎はエッセイだけでなく、小説の中でも、旨そうな文章を書いています。
 
 その池波さんの小説に書いてある料理を、銀座・天ぷら近藤の店主、近藤文夫さんが再現、それを豊富なカラー写真で収めたのが新潮文庫のこの本。知り合いの池波正太郎のファンが飲み屋に持ってきたのを見て、即買いしました。古本屋で単行本を見つけたら、絶対、大判で買おうとも。
テテオヤ  ソラマメ
 「おはるの父親が、蚕豆のうまいのを持ってくれてな、こいつをちょいと炒りつけ、水に浸けて皮をむいたのを茶飯へ炊き込む。これが豆茶飯よ」(『陽炎の男』)

 なんて書かれた豆茶飯を近藤さんがつくってしまうんですねぇ。

 近藤さんは、ご存知、銀座「てんぷら近藤」の店主。山の上ホテルの修行時代から、揚げて揚げて揚げまくっていたというけど、高い天ぷらの店は、刺身の魚なんかも最高のものを使わなくてはコースが貧弱になっちゃうから、和食全般の達人になっていく人もいます。ぼくなんか、高くていけないから、この世で最高の天ぷらは茅場町「みかわ」のランチだと思っているけど、まあ、とにかく近藤さんは天ぷらでは太陽系で3本指に入る料理人。その手にかかれば、どんなもんも最高っつうことで。

 あと、昔の人は川魚をよく食べていたんだな、ということも実感しました。

184あおあかどとねとの中の人:2003/10/21(火) 01:34 ID:gQ9X6X5.
激しく遅レスですが
わたしもエイフェックスツイン大好きっ子です〜

18519号:2003/10/21(火) 04:44 ID:b2QO1cFk
>>184

新作って永遠にでないのでしょか…。
windowlickerが自分が購入した最後の作品のような気が。。
ベスト買ってないし…(´・ω・`)
フジロックとかに来てるんでしたっけ。

186どとねと:2003/10/21(火) 05:04 ID:gQ9X6X5.
どうなんでしょうねえ。。。
前のアルバム出たときってまだ東京がJFLにいたころですよねえw

ベストは一応買いましたが。。。
ほとんど聴いてない。。。。

187どとね:2003/10/21(火) 08:02 ID:gQ9X6X5.
あ、嘘だ。。。。 ドラックスの存在を忘れてた。。。。

188まつざき:2003/10/22(水) 05:03 ID:8C9z5OgU
『自由はどこまで可能か―リバタリアニズム入門』講談社現代新書、森村進

 自由主義者というか、市場原理主義者たちが、自分たちの立場をチラッと哲学的にといいますか、本質的に定義するときに使うリバタリアニズムについての概説。

 「小さな国家」「夜警国家」を理想とする彼らは、最小の税率を主張するけど共感できるのは、そこらへんだけ。あと、自己決定の原則(自己所有権)をどこまでもつらぬくと、たとえば妊娠中絶の問題などはどうなるか、臓器移植はどうかなどという議論も展開されるけど、「オメーらには考えてもらいたくねぇよ」たいな気分が先にたつ。

 『人間にとって法とは何か』橋爪大三郎、PHP新書に紹介されていたから読んでみたけど、久々に雑巾で顔を拭かれたような不愉快な気分になった。

189まつざき:2003/10/22(水) 05:20 ID:8C9z5OgU
『ニッポン人の西洋料理』知恵の森文庫、村上信夫

 ご存知、インペリアルの村上シェフの書いた、なんつうか家庭でつくる洋食のワンポイントアドバイス集。豊富なカラー写真がうれしい。

 アタシはいわゆる日本人向けにアレンジされた「洋食」が大好きでありまして、今日も、昼間は出向いた先が近かったので「たいめいけん」で小皿料理を喰ってしまったのでありますが、定国ホテルで食べるフランス料理なんかも、完璧に日本人向けにアレンジされていて、それはそれで嬉しかったりします(限界もあるけど)。

 何回やっても肉がトロトロにならないビーフシチューなんかは、小麦粉をふった肉を煙がでる寸前まで熱々になったフライパンで表面に焼き色をつけてから煮込むという、誰でも一度は教わったポイントが、よりわかりやすく理解できるよう、中に火が通っていない状態の肉を切ってみせてくれたりします。

 あと、ローストビーフの焼き具合の確かめ方なんかも、氷水に入れておいた金串をズブッと刺して、下唇が生暖かく感じられたらOKとか、じっさいにやってみたい。

 白いシチューには鶏肉とか豚肉、仔牛肉などの白い肉を使い、黒いシチューには牛肉や鴨などの黒い肉を使うなんていう書き方も納得的。ううぅ、ごはんで食べる洋食が、こんな時間なのに喰いたくなってきた…。

19019号:2003/10/22(水) 15:35 ID:S6OnQ9Oc
『月刊GOAL』11月号 REAL SOCIEDAD特集 誇り高きレアル・ソシエダ
(発行/清水エスパルス)

ソシエダについてだけでなく、バスク特集といった感じです。
バスク観光協会もバックアップ。
現地取材もNumberスペイソ特集よりずっといい。
ますますバスク地方に惹かれますた。
いずれビルバオも取り上げてほしいなぁ。

インタビューはシャビ・アロンソ。イ・チョンスのコーナーもあります。
冒頭コラムのひとつに代表に東京の選手が入ったってことでヒロミ記事。
ソシエダ特集号に載ったってのがなぜかうれしい。

191まつざき:2003/10/22(水) 23:11 ID:a82T57s6
『巨頭会談』ビートたけし、新潮社
 たけしさんが小泉純一郎総理、最高検検事総長、自衛隊統幕議長、国立がんセンター総長などの"巨頭"と対談するという、いかにも新潮45らしい企画を集めた単行本。このほか、将棋の羽生四冠、400勝の金田、ボクシングで日本最高の選手だったファイティング原田そして部落開放同盟委員長など、よく出てきたなという人まで狩り出されている。

 たけしさんはどんな人にも絶対に媚びないし、斜に構えて言葉尻をつけまわすみたいなことしないから、本音らしきものが垣間見えるところが素晴らしい。まだ途中だけど、例えば、統幕議長に対して陸海空の幕僚長と

たけし  じゃあ、ヘンな話、その四人で革命を起こそうと思えば出来るわけだ

とか平気で聞いて、その後、実際に部隊を動かす命令は防衛庁長官からしか出せないというシビリアンコントロールのキモの話までもっていく。また、検事総長にもアメリカでは司法長官が日本で言う法務大臣と検事総長を兼ねていて、そこからいろんな問題が出てくるとか、面白い話が随分聞ける。

 1300円は安い。

..............

 音楽はしばらく7枚組の松本隆『風街図鑑』を聴くことにします。何年か前に作詞家生活30周年を記念した番組が作られたりしたんですが、そのときにLIMITED EDITION]として出されたみたい。

 ある人に「すごくいいんだ」と言われて、急に欲しくなり、廃盤だから、ヤフオクで落としました。

 アグネスチャンの「ポケットいっぱいの秘密」とか鮮烈。

192まつざき:2003/10/23(木) 19:53 ID:rafsnTiU
『マトリックス完全制覇!』
芸文社というとろから出ているムック。『マトリックス リローデッド』をDVDで見て、ラストがようわからなかったので買い。いくらでも安直なつくりはできそうな本だけど、あまりそうした部分は感じなかったので、立ち読みでパラパラめくって決めた。

ということですが、『アニマトリックス』は買う価値ありますかね?

19319号:2003/10/24(金) 12:39 ID:knEUtbE6
「Live at Sin-&Eacute; legacy edition」Jeff Buckley

まだ死人で商売してんのかコノー、と思いつつも偶然寄った駅ビルのレコ屋で発見。
フルアルバム「Grace」に先駆けてNYイーストヴィレッジのアイリッシュカフェSin-&Eacute;(読み方は"シネイ"でゲール語でThat's itの意味らしい。)で行われた3時間ほどにも及ぶライブから4曲収録されてたリリースされていたミニアルバムのほぼフルレングス盤+インタビューとMC5のKick out the jamsなどおさめたDVD付。
お客さんとの何気ないやりとりで即興はじめたり、ヌスラット・ファッテ・アリ・カーンのマネ始めたりなど、その時の雰囲気が伝わってくる。
ビデオがあったらとっくにリリースされていたとは思うけど、おそらくないのでしょう。

カヴァーが多いけどヴァン・モリソンの「the way young lovers do」は特に白眉。
ちらっとさわりを歌った「Moondance」なんかもやってなかったのかな。
来日時は幸運にもとてもいい席で見られたのだけど、繊細で神経質そうな外見が歌い出すと強いオーラのようなもんが出て吹き飛んでしまってこっちも引きずり込まれてしまったのと、近くに居たキヨシローが興奮してたことを思い出しました。

194まつざき:2003/10/25(土) 12:52 ID:ev3ZtDZI
 「少餡があらわれた。日曜日なので、ラフな格好をしている。四十キロのフグが用意してあるという。
 私のためのフグが夏から生簀で泳いでいるというのは、どうやら、言葉のアヤであったようで、十五日、豊後水道に船を出して、一本釣りで釣らせたという。十五日に船を出したのは、釣ってから三日目のフグがもっともうまいからであるそうだ。
 四十キロのフグ!小柄な女性の体の一人分を食べなければならない。(中略)
 タイとエビの刺身。煮物。それに、直径一メートルの大皿に盛ったフグサシが三皿。(中略)
 その翌日も、朝、昼、晩、夜中とフグサシの大皿が続くのであるが、ついに一度も、大皿の中心部のサシミに箸が到達することはなしに終わった。」
(『迷惑旅行』山口瞳、新潮社、1978、pp.238-239)

 まだまだ山口瞳さんの本を読んでます。昔は大きな本屋なら、文庫でほとんど買えたけど、いまはおいてないところ増えたし、最近、テーマ別に再編集されたのもなんか買うのは業腹だから、自然と古本屋さんでポツポツと買うことになる。この本も文庫本はボロボロになるまで読んだけど、単行本は初めて。初版だけで背焼だったので、2500円で買えた。

 ということだけど、これを読んで、おいしいフグを食べたくなったので、新宿のTIMES SUUARE B1に出ている「ふくの奈可越(なかお)」へも行ってしまった。1500円でフグ刺し、ふくめし、煮凝り、お吸い物が食べられる。

 ここのふぐ刺しだけど、表で売ってるテクアウトのと比べてると、余裕で3000円分ぐらいはありそう。なんとリーズナブル。そして、おそらく、いくらなんでも店の名前をかけて本当の「とらふく」を出してくれるだろうから、「別なふぐなんじゃないだろうか」とか変な心配しなくてもいいのが安心だ(と思う)。きり方というか薄さというか厚さもちょうどいい納得感を味合わせてくれる。

 それに「ふくめし」。ふぐの炊きこみご飯の上に、湯引き、河豚皮の煮凝りのはじっこのほう、錦糸卵、海苔が乗ってる。ふぐの出汁が沁みててサイコー。しかも、200円でおかわりまでできるんだよー。皮の煮凝りと、アラで出汁をとったお吸い物はフツー。サラリーマンがとら美味しいとらふぐを自腹で堪能できるとしたら、ここっきゃないというのは大げさかな。

195dancing@ますたろう:2003/10/25(土) 22:24 ID:No6YbiaI
今月の読んだ本と買ったCDひとまとめに。

「サウンドファイル徹底研究」(工学社)
「ベルクソン〜人は過去の奴隷なのか〜」金森修
「刺青・秘密」谷崎潤一郎
「チェケバラ日記」
「社会思想の歴史」生松敬三
「ACIDであなたもミュージシャン」
「エリックホッファーブック〜情熱的な精神の軌跡」
「パリコミューン」磯見辰則
「現代思想2003年9月号占領とは何か」
「Four Four Two2003年11月号」
「スタジアムライフ」小郷永顕
「スタジアムの神と悪魔」エドゥアルノ・ガレアーノ

196dancing@ますたろう:2003/10/25(土) 22:30 ID:No6YbiaI
エリックホッファーは本屋に顔を出すたびに関連本が出版されているような印象。
なんだ、流行っているノカー?
谷崎は、突然「刺青」が読みたくなったので、家の書棚を探すがどうしても見つからず、
しょうがないので買いなおした。「少年」「秘密」、あいかわらず凄すぎ。

あとは、小林秀雄の考えるヒント4(ランボー・中原中也)も読み出したのだが、途中で投げ出す。
そうか、漏れがランボーに感じるアレルギー的な厭わしさは、小林秀雄を通じてランボーを、
若い時分に読んでしまったからか〜と発見!w
ランボーは先月から読み出した「砂漠の・・・」が、まだゆっくり読み続けているので、これもいつか
まとめてみたいっす。

197dancing@ますたろう:2003/10/25(土) 22:35 ID:No6YbiaI
音源

"City of god" original sound track
"Music maker" Dev large feat. 椎名純平
"Sympathy for the devil remix" the Rolling Stones
"the singles 93-03" the Chemical Brothers
"Field Work + Steppin into asia + the arrangement" 坂本龍一
"Blood, sweat & tears" 1st
"御用牙"YKG
"One life" Master Key
"the fast and the furious" original sound track

198dancing@ますたろう:2003/10/25(土) 22:43 ID:No6YbiaI
City of godのサントラはみっけもの。
ブラジリアンファンクなどというものがあるのをはじめて知った。で、これがけっこう(・∀・)イイ!!
現地DJのリミックスアルバムも出ていたので後で追加購入予定。

「御用牙」は勝新のカルトエロ時代劇の主題歌のカバー。
前々から、ブッダブランドのリリック中に、この「御用牙」という名称がやたら出てきていたのだが、
これがまた調べたら、本当にすごい映画だった。
で、どうしても見たくて、そんなときにちょうど勝新映画特集などというものをどこかの映画館が一ヶ月にも
わたってやるらしく、さっそくそこの上映リスト調べてみたら、3本もシリーズ化されたこの御用牙なのだが、
一本も上映せず・・・。よっぽど勝新の歴史から消滅させたいらしいw
http://home.catv.ne.jp/nn/kotatu/jmov/1998_04/980417.html

199まつざき:2003/10/25(土) 23:06 ID:gvaTzf8I
タランティーノがパクリでフカーツさせるかもね、御用牙

200dancing@ますたろう:2003/10/26(日) 00:47 ID:No6YbiaI
足らんティー野に誰かビデオ送付しる!




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