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最萌トナメ用支援貼り場

139保科智子支援 『思い出の街、始まりの朝]』:2007/10/05(金) 02:54:04
「聞きたいことが、あるんやけど……」
 この街を見下ろす場所で、ふと、口から出てきた言葉。
「えっと、藤田君は……どうして私のこと、好きになってくれたん?」
 そっと、小さく震えながら、声に出す。
 うじうじそんなことを悩むなんて、格好悪いなって思う。相思相愛なら、それでいいじゃ
 ないかって思う。なのにいつだって、自分に自信が持てなくて、訳もなく不安になる。

 鼓動が、片思いの夜のように苦しい。
 動揺、不安、緊張、罪悪感、恋心、嫉妬、そして、願い……胸の中に、色々な気持ち
 が溢れ出して、頭が真っ白になった状態で、固まったように藤田君を見つめる。
 恥ずかしい。後ろめたい。何より、藤田君に悪い。
 ずっとずっと、もう長い間傍に居るのに、どうして自分は、こんなことを考えてしまうの
 かなって思う。そんな自分は信じられないし、好きにもなれない。
 しかし、自分がどんなに否定しようとしても、相手は本当に信頼できる人だと分かって
 いても、ソレはずっと心の奥底に引っかかったまま。
 よく分らないけど、何故かいつになっても消えてくれなくて……。

「どうしてなんて言われてもなぁ……」
 うだうだ引きずり続けている臆病で格好悪い不安に、向き合ってくれる藤田君。
 しょーがねーなー、という、いつもの口癖を言う時の、面倒臭そうな雰囲気と、優しくし
 てくれている雰囲気の混じった、あの表情を浮かべて。

 私は本当に、心から愛されているのだろうか?それは、今の自分が本当に幸せだか
 らこその、贅沢な悩み。こんな夢みたいな時間だからこそ、目が覚めるように消えて
 しまうのが怖い。この思い出の街で、リアルな温もりを感じている今でさえ。
 くだらない、でも確かにある不安。そんな私に、彼は……
「はっきり言って、分かんねーんだよなー」
 なにげなく、でも顔を僅かに赤らめながら、呟く。
「いいん……智子のどこが好きって言われても、色々あってどう答えたらいいんだか、
 よくわかんねーんだよな。可愛いし、綺麗だし、あ゛〜何て言うんだろ〜な〜……」


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