したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

菊の国より〜菊地板編〜

1右や左の名無し様:2002/08/24(土) 00:37
菊地スレ初の連続ネタ小説「菊の国より」のスレです。

2第一話:2002/08/24(土) 00:37
「アイゴーアイゴー」
某国工作船。今日も日課の日本人拉致作業をする為に工作員達は北陸某県の
海岸に近づいていた。

「はぁ〜、誰か女の人はいないですかね?」
同じ頃、その街の駅についた夜行列車から降りる一人のブタ・・・もとい少年。
少年の名前は菊地正男と言った。
「はぁ〜、会社クビになってどうしたらいいんでしょうか?お父さんやお母さんには
言い出せないし、はぁ〜。勿論2chにも戻れませんよねぇ」
正男はコネで押し込んで貰った印刷工場をついこのあいだクビになり、更に大口を叩いて
いたネットにも戻れず思わず衝動的に夜行列車に乗ってここまで来てしまったのだ。
「アイゴーアイゴー」
ザバアアアアア
突然正男の目の前に小さな船が現れた
「うぽぽぽぽぽおおおお」
「アイゴオオオオオオオ」
続く

3第二話:2002/08/24(土) 00:37
「うぽぽっぽぽおおおおおおおお」
正男は盛大に尻餅をつく、倒れ込んだところに船から男達が殺到する。
「アイゴーこの少年は何者ニダか?」
「ケンチャナヨー。眼の錯覚ニダか?そりゃああの御方は盛ん・・」
パーン
「失礼ニダ。もしこの少年が我らが親方様のご子息だったらどうするニダか!」
「アイゴー、プリンセステンコーにはまだ・・・・」
パーン
「国家秘密を漏らすなニダ、ところでこの少年は・・・・」
少年はガクガクブルブルしていた・・・・。生まれて初めてマトモに外国人と対面した
正男は外国人への恐怖心も加わって身動きがとれないでいた。
「あああ・・・・」
「なんか恐怖でブルってるニダ」
「でもこの少年、次期親方様にそっくりニダ。利用価値は充分にあるニダ」
「そうだニダ」
「拉致るニダ、拉致るニダ」
工作員達は正男に近寄って逝く・・・・・。
続く

4第三話:2002/08/24(土) 00:38
正男は後悔していた、旅に出てきたこと、家を飛び出してきたこと。そして
それより強く、某コテハンのことを恨んでいた。
愛国者であるボクを2chから追い出すなんてと。
しかし、その思いは不意に断ち切られた。
「我々はあなたを国賓として迎えにキタ」
「えええええええ!!!!!」
驚く正男、まさかそんなに自分が有名になっていたなんて!
そうだ、これはボクが日本から亡命するってことだ。こんなバカンボだらけの
国捨ててやる!ボクを捨てたことを後悔するがいい!
「嬉しいです!逝きます逝きます!」
「で、名前は?」
「菊地正男です!」
「アイゴオオオオオオオオオオオ」
工作員達は偶然に驚いた。親方様のご子息と同じお名前とは!
「ではこの船で行きましょう」
正男は船に乗り込んだ・・・・。
明日に続く

5阪京氏による追補バージョン:2002/08/24(土) 00:40
> 「ジョンナム様・・・・」
> 工作員たちは棒立ちになった。そこにはかの偉大なる軍事委員長のご子息様が
> たたずまれていたからであった。しかし、近づいてみるとそれは他人の空似である
> ことは容易にわかった。サイズが決定的に違うからである。それでも、仮想
> 敵国の地で目にするジョンナム様のお姿に工作員たちは本来の女性を拉致する目的
> も忘れ、プチジョンナム様を工作船に迎え入れたのだった。慇懃にひれ伏す
> 工作員たちに菊地は「うぼぼぼおおおおお!! ついに来るべき時が来ましたね。
> 大飛躍ですよ」と相当の勘違いをしていたのであった。しばしの航海の後に工作船は
> 元山港に入港した。沿道で国旗を振って歓喜する北朝鮮市民の出迎えに菊地はもっと
> 勘違いをしていた。「えっへん!」

6第四話:2002/08/24(土) 20:46
ボボボボボボボボ
工作船は元山港に入港し、速やかに菊地は首都平壌に移された。勿論、顔故にかなりの
国賓待遇である。いくらにっくきイルボン人でも、絶対的忠誠を誓ったアノ御方のそっくりさんには
ヒドイ扱いをするのは気がひけたのであった。
その工作員達の行為に、菊地は2chでの数々のハン厨的発言を忘れ、すっかり下手なサヨンボ以上の
親某国な人間になっていた。
「なんてこの人達は素晴らしい人々なんだ!ボクのことを今までこんなに正当に評価してくれた人は
いなかった!!!!」
そんなことを思いながら菊地は車で王宮へと向かった。
「この服に着替えて下さい」
王宮内に案内されると、菊地は服を着替えるように言われた。用意されていたのは、イト○ヨー○ドー
に卸すための紳士服工場からチョッパってきたスーツ上下とワイシャツ・それにネクタイだった。
菊地はすぐに着替えて、案内されるがまま奥へと向かっていった。
扉を開けるとその男は奥でどっしりと構えていた。
菊地は何回もテレビでみたその男の姿が眼の前にいることに驚いた。
あの個性的すぎるヘアスタイル・ちょっと寸づまりなサイズ・真面目そうかつエロそうな黒メガネ
・そしてちょっと背伸びブーツ・・・・。
テレビでお馴染みの某国のとってもエラい人が菊地の眼の前に鎮座していた。
「うおおおおおおおお」
男がなにやら言う。
とってもうれしそうだ。
菊地はその場の雰囲気に流され、握手を求め頭を何回も下げた。
男がまた、何か言う。
その時、王宮内は驚きに包まれた。
続く

7第五話:2002/08/24(土) 21:05
実は某国のとってもエライ人は一つ、悩んでいることがあった。
それは息子のアレがあまりにも自分に似ても似つかぬ長身であることだった。
確かにスラっとした女性は大好きだし、栄養状態も庶民とは比較にならない
条件で息子は育てた。でも・・・・・・
老年に差し掛かり、男は元々そういう性格だったのが、さらに疑り深くなっていた。
国内外の情勢がその男の国に対して厳しくなってきたのも大いに関係していた。
そんなある日・・・・。いつもの工作船から奇妙な報告が入った。
男そっくりな日本人の少年を東海沿岸の某県で捕らえたと。
まさか・・・・と思った。
以前、今自分の息子かどうか疑ってる息子のように私もコッソリ日本へ入国した
ことがある。そして・・・・・そこで・・・・。
いや、そんなことはない。
男はかぶりをふってその時は忘れようとした。
しかし、今日その少年と対面してみてどうだろう!若い頃の自分の生き写しではないか!
そう男は確信した。もうこれは絶対だ。間違いない。年代もほぼあっている。
あの整った顔も、ガタイのいい体格も、意欲溢れる燃える瞳も、全て若い頃の自分そっくりだ!
そう男は思い、いきなりこう言った。
「この少年、菊地正男・・・いや、菊正男を私の正式な後継者とする!今までの正男は廃嫡とする!」
明日に続く

8第六話:2002/08/25(日) 22:29
正男は廃嫡となった、そして強制収容所に連れて行かれた。
まるで、つたやに煽られた菊地のように泣きながら。
そして新たに菊地正男・・・・・いや、偉大なる指導者様から新たに授けられた名前
菊正男が正式な後継者に任命された。のちのち血縁を結び、金正男になる予定で。

菊正男は後継者に任命されたのち、高卒だという本人の訴えを受けて、偉大なる指導者様
記念大学に編入。そこでありとあらゆるソノ国で生きるための知識を教えられた。
さて、そこで読者の皆さんは不思議がるかも知れない。
天下一品ウヨ厨房の菊地がアノ国に本当に馴染めるのかと。
それについては全く心配はいらなかった。「もてない男の為の公娼制度」などを言い出す
菊地は全くのサヨンボであり、ソノ国もよーするに偉大なる指導者様の絶対独裁国家なので
全く問題ない・・・というよりピッタリ馴染んでしまった。
更に、教わるだけではなんなので、菊正男はソノ国の人々に言葉を教えた。
菊地語を・・・・。
続く

9第七話:2002/08/25(日) 22:29
菊地語は最初は謎の日本語とされていたが、そのノリの良さと、パパが大変気に入ったことにより、
平壌の高等官僚に広まり、更に平壌市民、そして国中に広まり、
相手を罵倒する言葉「サヨンボ」「バカンボ」
他人を責める言葉「犯罪系」
などは日常会話にも使われるようになり、それと同時に2ch語も菊地によってもたらされ、
やはり国中に広まった。
だから、犯罪者が国内で処刑される時、処刑人が
「犯罪系、逝って良し」とハングルで逝ったりする光景が日常的になったりした。
あと、特に流行ったのは菊正男が気合いを入れるときに
「うおおおおおおおおおおおおおお」
と叫ぶことは大変偉大なる指導者様も気に入り、親子二人で仲良く叫ぶ光景が
王宮内で見られたりした。
続く

10第八話:2002/08/25(日) 22:30
菊正男は国内でアイドル的存在になった。
その人気は菊正男のブロマイドの配給品があれば、多少の食料の不足は気にならないと
平壌放送のアナウンサーに言わせたほどである。
そして、偉大なる指導者様は仲良しの菊正男の映画を作ることを思い立つ、
監督・総指揮偉大なる指導者様、主演菊正男の一大娯楽プロパガンダ映画である。
ざっとその粗筋を紹介しよう。
偉大なる指導者様のご子息としてお生まれになった菊正男は、悪辣な米帝の罠にかかり
日本へと送られる。そこでの庶民としての生活は、菊正男を苦しめ、プライドをズタズタに
切り裂いた。しかし、祖国への愛は決して消えることはなかった。
高校生になった菊正男は、高校で「チョソチョソ」といじめられまくり、カツアゲされ
つらい生活を送った。だが、成績は常にトップクラスだった。そして菊正男はイルボン
最高峰の大学を目指す。しかし陰謀によって大学を落とされてしまう。
大学に落ちた正男は、新聞社の印刷部門で働き始め、さらに自分でホームページを運営し
飛躍の時を待った。しかし、そこでも煽られ荒らされさらにはデリられてしまい、同時期に
会社も悪辣な大企業の法務担当の男によってクビにされてしまう・・・。
そんな菊正男だったが、この国に来た途端全てが好転し、素晴らしい人生を生きているという
ナイスプロパガンダ映画であった。
大変、菊地の人生観が反映されていると言えよう。
この映画はソノ国中で大ヒットを記録した。並んでる列が途切れないと平壌放送で報道された。
「エッヘン」
菊正男は地位・名誉を手に入れた。そして女性も・・・。
明日に続く

11第九話:2002/08/29(木) 00:24
「ウエーップ」
イルボン人でありながら偉大なる指導者様のお気に入りとして、名字を与えられ、
次の指導者となるべく帝王学を学ぶ地位にまで上り詰めた菊地正男。
更に国民のアイドルとなった菊地正男。
そんな彼は、毎日自分の部屋に女を連れ込み、ドンペリをラッパ飲みしていた。
「もうオレは猫や吉田の比ではありませんね。あ、阪京さんよりもはっきりと
もてもてですね。エッヘン」
「キャー、菊様素敵ー」
と喜び組。菊正男とパパンの女性の趣味は異なるため、喜び組の採用枠も広くなって
国民も大喜びです。
「さて、今日は猫さんに言論で勝った話をしましょうかね。あのインチキサヨンボを
粉砕した話。いや、悪しき米帝の使いの大企業法務担当のつたやさんに復讐する計画を・・」
そう菊正男は言いつつ、またドンペリを一気のみする。
「楽しいですね。ホントに。生まれて初めてですよ。こんなに楽しいのは」
ぎゅうっと近くの女を抱き寄せる菊正男。
しかし、その時脳裏に一人の女性の姿が浮かんだ。
「びたみんさんどうしてるかなあ・・・」
「びたみんさんって誰?」と喜び組
「ボクの初恋の人ですね。ああ会いたい・・・・。そうだ!びたみんさんに
会いに行こう!そして、この国にびたみんさんを呼ぼう!うおおおおおおお
なんて素晴らしい考えなんだ!」
そう、菊地が決意した頃。日本でもとんでもないことが起こっていた。
続く

12第十話:2002/08/29(木) 00:40
東京麹町のイルボンテレビ。その中のニュース番組「けふの出来事」ではしばしば
偉大なる指導者様の国に潜入取材を行い、川を渡る難民やら、場末の長○屋以下の
品揃えしかない首都の高級デパートの様子などをコソーリビデオ取材し、2chにネタ
を提供してきた。
菊が自主的に連れ去られてからしばらくたった頃、同じように潜入したスタッフの
報告が同じ番組内で流された。
そこには2ch政治思想板住民にとって笑撃的な画像が次々と映し出されていた。
>これ、誰?
>菊正男って誰よ?
この書き込みから全てが始まった。
大写しになるデヴ、名前は菊正男、国内で大人気の元在日アイドル、苦難の人生が
映画化、サインやブロマイド売れまくりetcetc
一人の政治思想板出張ハン厨が気付いた。
>これって政治思想板の菊地じゃない?
と。
すぐに菊地がいなくなったあと、過疎板筆頭かつコヴァ板との合併も囁かれていた
政治思想板に大量の駄スレが立つ。
さらにそのニュースからキャプられた画像も提供され、菊地かどうかの確認作業が
進められた。
そして・・・・・。
明日に続く

13第十一話:2002/08/30(金) 22:38
史上初、エイエソのライバル関係にあったハングル・極東板と政治思想板が組んでの一大
プロジェクト、ニュース映像の人間は菊地かどうか調査する作業は両板の主要住民を
巻き込んで順調に進んだ。そして衝撃の結論が・・・・。
菊地家に突撃した人間がこう言ったのだ
「菊地、数ヶ月前から見ていないって、それに菊両親もアノ映像見せたら本人って・・・」

その頃菊地はびたみんを迎えに行く準備をしていた。
「お父さん、工作員連れていっていい?」
「ああ、好きなだけ連れて行きなさい」
菊正男は工作員から、特に選りすぐりのエリート集団をチョイスし、工作船に乗り込ませた。
「おお、それから我が可愛い息子よ。ニポーンとはこの前小泉とか言う犯罪系慶應卒の男と交渉して
しばらくこっちの言うことを聞いて貰えるようにしたから好き放題やっていいぞ!」
偉大なる指導者様の息子を思っての事前交渉も成功し、菊正男は東海に工作船を出した。
ボボボボボボ・・・・・
「待っていて下さい、びたみんさん!今、犯罪系だらけの大都会東京から地上の楽園へと
救い出してあげますよ!うおおおおおおおおおおおおお」
菊正男は叫んだ。
「うおおおおおおおおおおおおお」
工作員達も叫んだ。
深夜の東海上に菊地達の叫び声がこだました。
続く

14第十二話:2002/09/01(日) 21:18
「スンスンスーン」
憧れの東京一人暮らし、びたみんはその生活を満喫していた。鼻歌もでちゃうほど。
「スンスンスーン」
「イエェ」
「スンスンスーン」
「イエェェエェエ」
ん?
誰かが私の鼻歌に合いの手を入れる・・・・。
ガサッ、ガサガサ
妙な物音がする。
ガバッ
いきなり口を封じられ、びたみんは気を失った。

ボボボボボボボボ・・・
「びたみんさん、起きて下さい」
ん?誰かの声が聞こえる。聞き覚えのない声。でも妙に馴れ馴れしい口調・・・・
記憶が・・・・。
「びたみんさん、起きて下さい。ボクです、政治思想板の菊地です。」
菊地・・・・・、まさか・・・・。あの2chにいた・・・・。
きゃああああああああああああ
びたみんは叫んだ。だが、何かがヘンだ。潮の香りがする。しかもお尻の下にある存在は
動いている・・・・・。
「びたみんさん、あぶないですよ。ここは海の上ですから」
続く

15第十三話:2002/09/01(日) 21:31
「びたみんさん、あぶないですよ。ここは海の上ですから」
眼の前に現れたのは、前にテレビで見た某国の指導者の息子そっくりの男だった。
「大丈夫ですか?びたみんさん。東京の一人暮らしは怖かったでしょう。でもこれから
ボクが地上の楽園に連れて行ってあげますから安心して下さい。」
びたみんは辺りを見渡した。見渡す限りの大海原、そして船の上、さらに乗組員はどっちかつーと
ニダーっぽい・・・・。
まさか、とびたみんは思った。そして自分の頬を思いっきりつねる。
「痛い・・・」
「どうしたんですか?びたみんさん。もう何も畏れなくていいんですよ。ボクとお父さんが
護ってあげますから、エッヘン。」
まさか・・・・。菊地君がアノ国の人だったなんて・・・・、そして拉致られるなんて・・・・。
びたみんは激しくショックを受けていた。
「このまま一生帰れなくて、ミイラになって死ぬのかな・・・・アタシ・・・」
そこに菊地がワインを持って現れた。
「どうしたんですか、びたみんさん。大丈夫ですよ。びたみんさんは、ボクのお嫁さんに
なりますから餓死なんてしませんよ」
えええええええええええええええええええええ
びたみんは叫ぶ。それと時を同じくして・・・・・
ドーン
工作船に何かが突っ込んだ。
続く

16第十四話:2002/09/01(日) 21:52
工作船に何かが突っ込んだ勢いで、菊正男はびたみんを押し倒してしまった。
「うおおおおおおおおおおおお、びたみんさん!!!!!」
「いやあああああああああああああハングル板の言うこと聞いておけばよかったあああああ」
同時にびたみんはおもいっきし菊正男をブン殴る。ごす、とか言う鈍い音の後菊地はふっとんで
よろめいて倒れた。
「正男様ー、今応急処置をー」
男達が菊正男を介抱する間に、隙をみてびたみんは連中の目の届かないところに逃げようとする。
そして状況を調べようと工作船から半身乗り出すと、クルーザーがどうも衝突しているようだ。
「ドン」
びたみんは何かにぶつかった。
「何だとゴルァ!チョソはぶつかっても謝らない連中の集まりかトルァ!」
眼の前に見覚えがある顔がまた居た。昔、某公共放送の番組に出ていた少年・・・・。
「この鉄線会・ウポタマの沿道辞世様を舐めてるんかチョソオオオオオオ、修理代はらえや!」
なんかサイアクの状況の時にサイアクの人間と会ってしまったかも知れない。
びたみんは、ふとそう思った。しかしとりあえずこのいきり立っている沿道をどうにかすれば
日本に帰れるかも知れない。びたみんは賭けに出た。
「あのう、私北の某国に拉致られて船に無理矢理乗せられちゃったんです。助けて下さい」
おめめウルウル、すがりつくようなポーズ、徹底的に沿道に媚びてみた。これで拒絶されたら
しょうがない、彼の地で死のう。そう思っての決死の賭けだった。
「萌え〜、よーしパパやまとなでしこを護るため頑張っちゃうぞー」
沿道はあっさりびたみんの誘いに乗った。
今、太平洋上で2chウヨナンバーワンを賭けての死闘が始まろうとしていた・・・・。
不定期に続く

17第十五話:2002/09/03(火) 22:55
太平洋上・・・・。二人の男は出会った。かたや、軍事板とNHK板で鳴らし、正論にも
登場し、一人の厨房を廃人までに追い込んだ男 沿道辞世。そしてもう片方は政治思想板の
デムパ・・・、もとい今や某国家の偉大なる指導者の養子になった男 菊地。
2ちゃんねるがかつて誇った二大右翼厨房が、今半島と日本に分かれ一人の女性をめぐって
斗おうとしている・・・・・。
「びたみんさんどこですか!」
ラブコメビンタから立ち直った菊地がびたみんのことを呼ぶ、今此処で見つかったらアノ国への
片道切符を渡されてしまう!びたみんはそう思って沿道の襟袖をしっかりつかみこう逝った。
「アノ男です。アノ男に拉致られたんです!」
沿道は前を向く、見るとテレビで以前、密入国をした男がテプテプ太った身体を揺らしてやってくる。
「オイ!そこの見苦しいデヴ。この可憐な大和撫子を拉致ろうなんてチョソの癖に百年早いんだよ!」
「うおおおおおおおおおおおおおお」
男が走ってくる、テレビで某国の偉大なる指導者の息子の顔として見慣れたツラだ。だが沿道はその
男がやや以前テレビで見たときよりもかなりちっちゃくなってることに気付いた。
なんかヘンだな。と沿道は思った。次の瞬間、そのデヴから大声が放たれる
「びたみんさんを返せ!うおおおおおおおおおおおおおおおお」
「まさか!」沿道は呟く、びたみんが云う「ええ、そのまさかよ・・・・」
続く

18第十六話:2002/09/03(火) 23:14
「ええ、そのまさかよ・・・・・。彼は菊地なの・・・・・」びたみんが云う。
「やっぱり・・・・」沿道が云う。「あそこまでヴァカな愛国者もいないと思ってら、
やっぱり半島人のジサクジエンか・・・・・」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
デヴ・・・・もとい菊地が絶叫する。
「ボクは日本が好きだった。でも日本は何もボクに答えてくれなかった。でも工作員の
皆さんはボクをキチンと扱い、指導者として認めてくれたんだ!その親切な人のことを
バカにするな!そこの犯罪系!」
「あ ん た 、よ ど 号 ハ イ ジ ャ ク 犯 ? 」
沿道のツッコミが炸裂する。
「うるさい、バカンボキティンボ犯罪系!ボクの悲しみがわからないのか!」
「とりあえずさー、半島人菊地君よぅ。クルーザーの件はしょうがないから許すとして、
うら若き大和撫子を拉致るのはヤメロよ」
「違う!その人はびたみんさんでボクの婚約者だ!お父さんのいる地上の楽園にびたみん
さんを連れて行ってあげます!だから返せ!」
「うるせえチョソ、漏れのことを知ってるのか。沿道辞世様だぜ」
「ああ、あの低学歴アニメヲタクンボですね。犯罪系の。びたみんさんを早く返して下さい」
「うるせえ、オマエも高卒だろう。」
「ボクは今偉大なる指導者様総合大学生です。」
「プ、バカじゃねえの」
「お父さんをバカにしたな!オマエのお父さんとは違う!うおおおおおおおおお」
菊地は沿道に襲いかかる、アルトリコーダーを振りかざして。続く

19右や左の名無し様:2002/09/05(木) 19:00
びたみんって誰だっけ?

20右や左の名無し様:2002/09/06(金) 08:14
>>19
昨年の秋から今年の春頃にかけて菊地がストーキングしていた哲学板の女性コテハン<びたみん
菊地は勝手にびたみんの容姿や性格を妄想してハァハァしていて究極にキモかった。

2119:2002/09/06(金) 18:09
ああ、ありがとう思い出した。

22第十七話:2002/09/07(土) 00:25
「うおおおおおおおおおおおおおお」
菊地の振り上げたアルトリコーダーは沿道の鼻先をかすめた。
「うわっ、こいつマジやばいって!」
沿道はびたみんの手を引っ張り、自分(つーか鉄線会から借りたんだけどね)の
クルーザーの方に走る。
「びたみんさんが連れ去れてしまう!うおお。みんな来い!」
菊正男がそう言うと、すぐにニダー兵が駆け寄ってきて、菊地と合流し、沿道と
びたみんを追いかける。
「ちっ、ニダー共はしつこいぜ」
背後に絶叫する菊地とニダー兵が迫る中、沿道はやっとの思いでクルーザーに乗り込み、
びたみんを乗せた。
「ちょっと待ってて、今アイツらブッ倒してくるから」
そう言った沿道の手には日本刀が・・・・・。
「やめてぇ〜(それより早く船だせやゴルァ!)」と言うびたみんの叫びを無視して、
沿道は菊地+ニダー兵の元に駆け込んでいった。
「氏ねや半島人ども〜」
「ふっ、負け犬が来ましたね。早くびたみんさんを返して下さい。」
「それよりサシで勝負しろや、半島デヴ!おい」沿道は、タイマンを申し込む、
「いいでしょう。泣くのはお前だぜ!!!!!!!!うおおおおおおおお」
続く

23第十八話:2002/09/07(土) 00:28
ニダー兵の見守る中、二人の戦いは始まった。
リコーダーVS日本刀、一体リコーダーにどんな勝ち目があると言うのだろうかとも
思うが、さすが元いじめられっこの菊地。不慣れな沿道の日本刀での攻撃を短いリーチで
払っていく。更に、間合いを詰めたところで沿道の腹に打撃を加えるなどの意外な健闘
ぶりを見せた。だが・・・・。
ボキ
「うあああああ」
菊地のアルトリコーダーが酷使に耐えかね折れた。チャンスと見た沿道はそこで菊地に
果敢に斬りかかってゆく・・・・。
パパパン パンパン パパパパン
一斉にニダー兵からトカレフが撃たれる。当たりはしなかったものの、沿道はバランスを
崩し倒れ込む。
「卑怯だぞ!ブタ!」
「エッヘン、ボクは三国志の周ユ並みの策士ですから」
「説明になってねえぞブタ〜」
沿道は、ガックリと肩を落とした。
続く

24第十九話:2002/09/07(土) 00:28
「びたみんさん!!!!」
びたみんは絶望的な気分でクルーザーに乗り込んできた菊地を迎えた。
・・・敵のド真ん中で戦うヴァカが何処の世界にいる、と沿道辞世を呪いながら。
「何がっくりしてるんですか?びたみんさん。お父さんとボクとの地上の楽園に行けるんですよ!」
・・・・その「地上の楽園」って・・・・、と菊地に問いつめたい気持ちを抑えながら、
びたみんは菊地に手を引かれて工作船に乗り込んで行った。菊地がその某国の王子様だとすれば、
そのお后候補には手荒なことはしないだろうとふんで。
沿道のクルーザーには何故か女がたくさん乗り込んでいた。どうも沿道は、船上でオサレ系パーティーを
右翼の癖にやっていたようだった。それらの女も全て菊地は連れて行くことにして、クルーザーと工作船は
某国に向かってまた帰って行った。

平壌では菊地一行は大歓迎を受けた。沿道を除いて。特に某マジシャンタレントを同じような方法で連れてこようと
する計画を練っていた菊パパこと偉大なる指導者様は、特に大喜びだった。そして、菊地の戦い振りを聞いて、
その巧みな用兵に舌を巻き、菊地は一連隊を任されることになった。
続く

25第二十話:2002/09/09(月) 23:52
菊地が着々と某国で権力と地位とびたみんさんを手に入れた頃、菊地の故郷 2ch
政治思想板ではハングル板と菊地の両親を巻き込んで「菊地奪還プロジェクト」が
練られていた。合い言葉は
「半島のデムパと菊地のデムパが共鳴したら日本ヤバい」
であった。事実、少し前に行われた菊パパ・・・もとい偉大なる指導者様と日本の
マシリト総理との会談で菊パ・・もとい偉大なる指導者様は自分に都合良く逝かないと
必ずといっていいほどマシリト総理を「慶応卒の犯罪系」などと呼び、会談の方向を
しばしば迷走させ、会談中は毎日不審船が出没した。しかも、最近の報道で国民的
アイドル菊正男は国軍内で相当の地位を手に入れたという情報も入っていた。
つまり、菊地と某国がある意味だんだん融合しつつあることがはっきりしてきたのだ。

そんなある日・・・・・。
「なんや?これ」
阪京が家に帰り、メールをチェックしていると「結婚式のご招待です!」と言うメールが
入っていた。そしてそのメールの差出人のアドレスは、菊地の捨てメアドだった・・・。
続く

26第二十一話:2002/09/09(月) 23:53
某国の王宮・・・・のようなところ。
「びたみんさん、着替えは済みましたか?」
「え・・・・、うん・・・・・」
菊地に呼ばれて出てくるびたみん。彼女は全身真っ赤な胸元が開いた金魚の
ようなドレスに身を包んでいた。
「素敵ですよ!びたみんさん、うおおおおおおおおお。お父さんのデザイン
ですよ」
菊地の後でお父さんこと偉大なる指導者様が胸を張る。
「・・・・ありがとうございます・・・・・」
「気にしなくていい」と、偉大なる指導者様
「これが普段着ですよ。びたみんさん、素敵でしょう!」
びたみんは心の奥底で「ハァ」と溜め息をつく、自分と全く趣味が合わない
紅白の小林○子のような格好なんて絶対したくなかったが、この国でアノ二人を
敵に回したら確実に芯でしまう。びたみんはちょっとこの国に来てからやつれていた。
しかも、次の瞬間さらにびたみんはやつれることになる。
「そうだ。びたみんさん!結婚式の日取りが決まりましたよ!」
え  
びたみんは固まった。
「出席者にはもうメールも送りました。ボク一人で。エッヘン」
もうだめぽ・・・・・。びたみんは心の中でそう叫んだ 続く

27第二十二話:2002/09/12(木) 21:09
阪京に届いた菊地からのメール・・・。文面は以下の通りであった。

阪京さん!ボクは今ある国で元気に暮らしています。ちょっとその国のことは言えませんが。
でもその国の人はみんないい人です。ボクの力をちゃんとわかっています。つたyさんとは
大違いだ。しかもみんな国の事が大好きで、ボクのお父さんのことを尊敬している素晴らしい
国です。日本とは大違いだ。
それでこの前、びたみんさんを呼びました。今度ボクとびたみんさんは結婚します。結婚式に
ご招待するので必ず来て下さい。
場所は兵庫県城崎町××海岸に、来週の日曜日の午前三時に来て下さい。

これが菊地のメールの文面だった。そして、菊地は同じ内容のメールをつたやとヤマトにも
送っていた。

「あんにゃろ・・・・・。」
つたやはブチ切れた。ブタの癖に俺様に逆らおうとは良い度胸だ。そしてメールの内容を政治思想板の
「菊地大捜索スレッド」に書き込んだ。
続く

28第二十三話:2002/09/12(木) 21:26
「びたみんさ〜ん」
びたみんが菊地によって例の国に連れ去られてから二日目、夕食が済んだ後、
菊地がびたみんの部屋にやって来た。
ビキニパンツに手にはコンドームという出で立ちで・・・・。
「いやあああああああ」
「どうしたんですか!びたみんさん!!!!!!!うおおおおおおおおおお
興奮する!!!!!!!!!」
びたみんは菊地と眼を合わせないようにして小声で云う。
「ゴキブリが・・・・・・」
「うおおおおおおおびたみんさんを襲うなんて、なんて犯罪系のゴキブリだ!!!
まってて下さい!びたみんさん!今、私菊地がゴキブリを見事・・」
「それはいいの・・・・」
びたみんが布団で口元を押さえる。
「菊地君、何をしにきたの・・・?」
「そりゃあもう男女の一番熱い愛のカタチをですね!実演うおおおおおおおお」
・・・エロオヤヂ、そうびたみんは心の奥底から思った。ドーテーがいきなり
経験豊富になると、こう勘違い爆走君になるのかしらん。ともびたみんは思った。
でもこんなバカ・デヴ・エロの三重苦とヤルのだけはいやだ!と思いこうびたみんは
云った。
「あの・・・・、それは結婚式が済んでからがいいな・・・・。女の子の大切なものだから」
「うおおおおおおおお!なんて大和撫子だ!いいですよびたみんさん!わかりました!」
そう言うと菊地は部屋を出ていった。びたみんは胸をなで下ろす。でも結婚式は来週だ・・・。
「誰か助けに来て・・・・・・」
続く

29第二十四話:2002/09/12(木) 21:44
つたやが2chに晒した菊地のメールによって、現在の菊地をめぐる状況、いや
びたみんの悲惨な状況がハッキリした。
・びたみんは某国に拉致られている
・しかも菊地との結婚式が来週に迫っている
・そしてどう考えても菊地はびたみんにムチャなことをしそうだ、ニダーの国に馴染んでるし。
>なんか、マジで洒落にならん状況かも。
>びたみんが可哀想すぎるよ、ウワアアン
>なんとかびたみんだけでも救えないか?
次々とレスがつく、今までどうしようもなかった某国の拉致疑惑が、身近な問題に思えてくる。
そして、自分達でどうにかしようという気持ちが出てくる。
だが、阪京はこういった。
「菊タンが幸せならそれでいいやん」と。
一斉に阪京が叩かれる。もうそういう問題ではない。国家の一大事なのだ。
男 達 は 立 ち 上 が っ た 。
まずマルチで軍事板、ハングル板、極東ニュース板に「2ch女性コテハン半島に拉致られる」
スレッドを立て、菊地のメールを暴露、更に奪還作戦に参加する有志を募った。
結果、招待されたつたや・ヤマト・阪京の他に二百人もの2ちゃんねらーが兵庫県城崎の某海岸に
集結することになった。
男 達 の 戦 い が 始 ま る
続く

30第二十五話:2002/09/15(日) 22:11
「新入りニダ、とっとと入るニダ」
某国の強制収容所、ぐったりとした一人の少年が檻の中に蹴り入れられる。
少年の顔は変形し、痛々しい。
「どうした」
奥から一人の大柄な男が出てくる。
「元次期指導者様!どうやらイルボン人のようです」
大柄な男に元部下が報告する。大柄な男の名前は正男、そう菊地により失脚した
偉大なる指導者様の息子である。強制収容所生活がさすがの彼にも堪えたのか、
痩せて真・正男は妙に格好良くなっていた。
「おう、新入りのイルボン人よぉ」
「・・・・・・」
少年は答えない。よほどひどい拷問を受けてきたようだった。
「お前、イルボン人だろ?オレは真・正男。菊正男とやらによって失脚させられた
人間だ。」
少年が眼を見開く。
「まあ、今はつらいだろうがちょっと待ってろ。」
そう言うと真・正男は食事を渡した。
「オレの分だ。」
少年はガッと手でその粗末なメシをつかみ、口に入れた。しばらくして真・正男はこういった。
「お前をイルボン人だと見込んでちょっと話がある。菊正男を追い出すために力を貸して欲しい」
続く

31第二十六話:2002/09/15(日) 22:12
少年は驚いていた。まさか半島人、しかも偉大なる指導者様の息子が自分に頼み
こんでくるなんて、と。
少年の名前は沿道辞世、びたみんと一緒に半島某国に拉致られたJ右翼の少年である。
びたみんと辞世の連れの女達はみんな菊地に連れ去られたが、辞世のみは強制収容所に
連れて行かれた。そこで彼に行われた行為は筆舌に尽くしがたかった。
「お願いだ。この国を乗っ取ろうとする悪徳イルボン人菊正男をこの国から追放しるために
協力しる!協力しなかったら菊の一味ということになるぞ」
ああ、そういうことか。真・正男のホンネ炸裂トークに一瞬引いたが、ここは協力せねば絶対
日本に帰れない。
ここに、真・正男と沿道辞世の日朝協力体制が確立した。

兵庫県城崎某海岸。ある日曜日。総勢数百人の2ちゃんねらーが集合していた。ある者は抗議の
プラカードを持ち、またある者はエアガンやスタンガン等で武装していた。
その中心にいる人物・・・・・。つたやは近所の旅館である計画を練っていた。
それは菊地奪還計画だった。
続く

32第二十七話:2002/09/15(日) 22:12
つたやによる菊地奪還計画の全貌は恐るべきモノだった。
(1)迎えに来た菊の工作員を武装した2ちゃんねらーで総攻撃(死も厭わずに
(2)工作船を乗っ取りつたや・ヤマト・阪京らが乗り込み某国へ。運転は
   工作員に変装した2ちゃんねらーが行う。
(3)菊地とびたみんの結婚式をメチャクチャにしてから行きのルートを逆走・
   あるいは北へ向かい中国に脱出。
非常につたやらしい、ウヨ厨房に出来るだけ死傷者を出すような非道な計画であった。
「はっはっは、愚者は死すべきだぁ。この私の為に厨房は死ぬべきだね」

そんなこともつゆ知らず、菊地からの迎えの使者がくる時間になった。
ぼぼぼぼぼぼ
沖合から何かが近づいてくる。
「工作船だ!」
赤外線スコープを手にした男が叫ぶ。
「上陸してきたら一斉に攻撃を仕掛けろ!」
つたやの指示が飛んだ。
続く

33第二十八話:2002/09/18(水) 21:51
「上陸してきたら一斉に攻撃を仕掛けろ!」
つたやが海岸沿いの旅館から携帯を使って指示を飛ばすと、一斉にモデルガン・スタンガンなどで
武装した2ちゃんねらーが工作船を降りたニダー兵に襲いかかる。
「アイゴォォォォォォォ」
菊正男の知り合いだと思い、軽装でやってきたニダー兵はあっさり2ちゃんねるのデヴヲタ君達に
押しつぶされた。
「チョソ誌ねやー」数名のニダー兵があっさり組み伏せられると、つたや・ヤマト・阪京の渡菊部隊は
とりあえず大阪日本橋で買った護身用のスタンガンなどを持ち、海岸に移動した。
それから数名武道の心得がある2ちゃんねらーと小型船舶免許を持った2ちゃんねらーにニダー兵の
着ていた軍服を着せ、身分証明書を持たせた。これである程度不審には思われないはずだ。
「じゃあ、あとはニダー兵を菊地の結婚式が終わるまで問いつめていてくれたまえ」
つたやはそう言い残すと、工作船に乗り、菊の国に旅立った。

34第二十九話:2002/09/18(水) 21:52
菊の国にはあっさり簡単についた。そして難関と思われていた入れ替わった
2ちゃんねらーの偽ニダー兵もあっさり入国許可がおり、無事に入国することが
できた。
「ここが『菊地ちゃ〜ん』の国で誤ジャルダニ〜」
ヤマトが年甲斐もなくはしゃぐ、まあ菊パパと同じくパーマをかけ、ド派手な服を
着たヤマトは林○ペーかウメ○カズオにしか見えない。
「ヤマトさん、はしゃぎすぎでっせ。まあ確かに久々に菊たんと会えるのは嬉しいし、
菊たんが偉くなったのは嬉しいけどよりにもよって・・・・。それにつたやさん・・」
「阪京さん、静かにして下さい。ここは菊の国ですから」
阪京をつたやが諫めた。阪京はずっとつたやの「菊地とびたみんの結婚式メチャメチャ計画」に
乗り気ではなかった。やはり、以前ラヴラヴ展開を他人にジャマされたのを引きずっているようだ。
「まあ、あなたの気持ちも解りますが。ここは・・・・菊地を奪還し、びたみんとの結婚は妨害しないと。
そうでないと、菊地の価値観は女性だけですからね。あとはどういうことになるかは・・・・」
「わかりやした、つたやはん」
そう、菊地の目的は好きな女性とハァハァすることだけだ。つまり好きな女性、びたみんや加藤ゆりあや家族を
さらった後の日本には意味がないと見なすだろう。そして・・・菊地の手にテ○丼のスイッチが握られた時、
かなり早い内にそのスイッチが押される可能性は限りなく高い。
「菊様の迎えの使者です。」
三人の前にベンツが止まった。日本を救う三人の男達は車に乗り込んだ。
続く

35第三十話:2002/09/18(水) 22:08
「びたみんさん!もうすぐ結婚式ですからね!」
今日は菊地とびたみんの結婚式の衣装合わせだ。ここ数日、びたみんはずっと浮かぬ顔だった。
「そうね、菊地君。」
「どうしたんですか、びたみんさん。浮かない顔ですね。びたみんさんには笑顔が似合いますよ。ホラ」
菊地はびたみんの前に結婚式用の衣装を差し出す。びたみんは一応その方向を見るが、すぐに顔が凍り付いた。
菊地が差し出した服・・・・、それは超露出度が高いなんだか二十年ぐらい前のヘタレSFアニメ風の妙な
ドレスだった。
着 た く な い 
びたみんは心の底からそう思った。しかし次の菊地の発言がびたみんを更にどん底に追い込む。
「お父さんのデザインですよ、素敵ですよねー。やっぱり国内中にテレビで中継されますから
素敵な衣装をびたみんさんには着て貰いたいですよ!」
・・・・どうすればいいの・・・・。そうびたみんは一瞬思ったが、すぐに「頃されたくない」と
思い直し、にっこりと営業スマイルを浮かべてこう言った。
「とってもこれ素敵だからこれにする」
と。びたみんは今猛烈にプライドを生きるためにダイエーも真っ青な大セールしていた。
「そうだ、ボクの衣装はこれにします。びたみんさんに合わせて。」
菊地の手に取った衣装はジェダイの騎士。
キターの国でデヴ・バカ・エロの菊地とスターウォーズコスプレで結婚式
びたみんはその猛烈な組み合わせに、必死で自我が飛ぶのを押さえていた。
もうだめぽ・・・と思いながら。
続く

36第三十一話:2002/09/28(土) 01:02
菊地とびたみんの結婚式当日がやってきた。
二人は数日前から国中を回っているらしく、今日平壌で披露宴を開くらしい。
折角なのでつたや・ヤマト・阪京の三人はパレードを見に行くことにした。
街角に出るとかなりマンセーマンセー五月蠅い、三人は人波をかき分け前に出る。
楽団の演奏が大きくなった。見ると、前から大きな山車がやってくる。
「だんじりみたい・・・」
出身が関西出身である三人はそんな感想を抱いた。
山車の上にはスターウ○ーズなコスプレをした菊地とびたみんがいた。びたみんは
心なしか小さくなって震えている。
三人は、少し微妙な気持ちになってホテルに戻った。
「で、これから披露宴やけどつたやさん。どうすんの」
阪京が聞く、
「まあ、一応スタンガン等は持っていって下さい。ちょっと賭けに出ますから。
そもそも我々のような一般日本人が国家の指導者関連のイベントに出る訳ですから、
どうせ菊地とびたみんを奪還するしないに関わらず無事に帰れるとは考えにくい
ですから。」
ちょっと怖いことを言うつたや、だが目は真剣だ。
「まあ、手は既に打ってありますけどね。さあ、逝きましょうか」
続く

37第三十二話:2002/09/28(土) 01:03
菊地とびたみんの結婚披露宴のパーティーは王宮で行われた。正装で望む三人、
その顔は穏やかだがほんの少し緊張の色が見え隠れする。よもやこのパーティーの
主役の二人を日本へ連れて帰ろうなどとこの三人が考えてるとは、この会場にいる
人間誰もが予想だにしていないだろう・・・・。
「菊正男同志とそのお相手びたみんさんのご入場ニダ」
割れんばかりの拍手と共にお色直しをしてタキシードを着た球体のナマモノ、もとい
菊地とチマ・チョゴリを着て顔面蒼白のびたみんが入ってきた。
同時に会場中でマンセーの合唱が起こる。
「エッヘン、ボクが来たからにはこの国は世界征服するぜ!チェチェの名の元に!
うおおおおおおおおおおおおお」
菊地のスピーチが始まった。2chでは右派の三人にとって微妙な時間が流れたが、
マンセーマンセーの絶叫の中まんじりとすごした。
「なあ、つたやさん。」
阪京が小声で話しかける。隣では何故かヤマトも一緒にマンセーと絶叫していたが。
「菊タンはやっぱりこの国に合ってるんじゃないやろか。」
「まあ、そうだろうね」つたやが断言した。
「我々右派にとって、半島の国民性は魅力的だ。だからこそ断ち切らなければいけないものが
あるんじゃないのか」
「はあ・・・・」阪京は黙って日本産ビールを口につけた。
「さて、もうそろそろいいかな」
つたやが呟いた。
続く

38第三十三話:2002/09/28(土) 01:03
さて、結婚式の朝当日。平壌のネットカフェに二人の不審な男が忍び込んだ。
警戒にあたっていた警備兵が飛んでくる。
「だっ、誰だニダ!」
「オレだ」
「はっ!あなた様は!」
そこには巨大な体躯の男と、若い男が立っていた。
「黙ってろ。あと、ちょっとネットやらせてくれ。調整はオレ自身でやるから」
「はっ!」警備兵は直立不動の体勢をとった。
カタカタカタカタ、手早く巨体の男はパソコンの調整を終えるとドルをいくらか渡して
CD−ROMを買い本体に挿入した。
「おい、イルボン人。これでアイツを追い落とす工作がバッチリ出来るってホントか?
出来なかったら個人的に銃殺すっぞ。」
「大丈夫ですよ。あとはこのアドレスをいれてhttp://www.2ch.net/2ch.html
・・・・・・。ホラ、アイツの発言ですよ・・・・。」
「アイゴー、こりゃすげえ。これさえあれば反動勢力として追い落とせるぜ」
カタカタカタカタ・・・・・。
三十分後、二人はネカフェを後にした。
続く

39第三十四話:2002/09/28(土) 01:04
結婚披露宴の前日。二人の男がキターの国に入国しようとしていた。
「えーと、目的は観光。で、あとほら一応大学院の指導している教授の名刺。
結構なんていうか社会主義国って今でもやっぱり立派だなあとか個人的に思ってる
ので一応さあ(笑」
一人の男はやせ形でヘラヘラしている大学院生。
「あの、目的はニッキョーソ上層部に頼まれてウリナラマンセー祭りのチケットを予約しに、あと
一応下見にですね、来たんですけど観光目的でいいです」
もう一人はある教職員組合の執行委員だと名乗るちょっと怖げな男。
二人はつたやに強襲船逆襲作戦成功後メールを送られ、キターの国にあるモノを持ってくるようにと
言われたのだった。
「わかったニダ。でも用のない時はそこら辺ふらふらしないように、あと明日は平壌はガイシュツ禁止令
だから外に出ないように。わかったニダか。あと一応治安悪いから護衛をつけるニダ。
特にあんたらのように大きい荷物持ってると夜盗に襲われたりするニダ」
二人には護衛が事実上の監視役ということがすぐにわかったが、キターの国じゃどうしようもない。
「それにしてもつたやさんって人使い荒いね(笑」
大学院生が言う
「まあ、近い業種にいるからわかるけどね。オレは」
強面が言う。
「ところでこの荷物役に立つのかなあ・・・。」
二人は護衛に聞かれないように小声で呟いた。
明日、激闘に続く

40第三十五話:2002/09/29(日) 15:20
「おい、ブタ。」
菊地が押しつけられた冷たいモノの方を見ると顔に拳銃が押しつけられていた。
「うおおおおおおおお、誰だ一体!」
驚く菊地、拳銃を押しつけた男から意外な名前が吐かれる。
「オレだ、つたやだ。オイ、ブタ。こんな所で遊んでないでびたみんと一緒に日本へ
帰るぞ。」
「うおおおおおおおおおおおお、反逆者です!殺されます!助けて!」
一斉に警備兵が宮中になだれ込む。同時に銃声
「おい、こっちでも大変なことになってるニダ」
見るとイルボン人二人、阪京とヤマトが菊パパの首筋に銃を押しつけている。
「うおおおおおおおおおおおおおお」
叫ぶ菊パパ
「菊地ちゃ〜んは日本固有領土で誤ジャルだに〜」
「すまんな、菊たん。でもしょうがないんや・・・・・」
そして同時に宮中の明かりが軍に入り込んだ2ちゃんねらーの手で落とされる。一気に
宮中はパニック状態になった。
続く

41第三十六話:2002/09/29(日) 15:21
そのころ、ホテルでまんじりと猫と松田は過ごしていた。
「どうしたんだろう、つたやさん。そろそろ連絡が来る頃だけど・・・・。」
「さあ、つたやさんのことだから案外入場禁止を食らってるとか(笑」
ジリジリジリジリ
いきなり外が騒がしくなった。
「ちょっと大変なことが起こったニダ。絶対に外に出るなニダよ」
護衛がそう言い残し外へ出ていく。
「まさか!」松田が叫ぶ、「多分つたやさんやらかしてるな(笑)、さて行きましょうか。
松田先生」猫が大荷物を担いでそう言った。
外に出るとやけにがらんとしていた、しかし妙な緊張感が走っていた。二人が王宮に急ごうとした
その時、通りの向こうから戦車がやってくるのが見えた。
「ヤバっ」
二人はあわてて隠れる、しかしやってきた戦車の上に乗っている男を見て二人は驚いた。
「辞世タン!」
そう、少しはやつれていたが2chでも有名なJ右翼の少年である辞世タンが戦車に箱乗りを
している。
「ん?」辞世がこっちに気付いたようだ。そしてその後から現れた人間に二人はもっと驚くことに
なる。
「真・正男がなんでここに〜!」
続く

42第三十七話:2002/09/29(日) 15:36
「おーい止めろ止めろ」
辞世が言うと戦車は止まり中から辞世と真・正男が出てきた。
「あのう、何しにいくんですかあ」猫が二人に聞く。
「おう。あのにっくきイルボン人をこの国から追い出すためさ!」
真・正男が言う。
「それって菊正男とか言う奴じゃあ・・・・」松田がおそるおそる聞くと
真・正男は力強く頷いた。
「ところで辞世タンなんでここにいるの?」
「ああ、まあなんていうか・・・・」
口を濁す辞世。まさか菊地に負けてここにいるとは口が裂けてもいえまい。
「おお、コイツか。コイツは良いヤツだぞ。日本のアニメに詳しくて退屈しない」と真・正男
なんとなく猫と松田は辞世タンが頃されなかった理由を察することが出来た。
「で、これからもしかして二人で王宮へと行くんですか?」
「そうだ、アイツの結婚式ブッ潰してやる」
「じゃあ乗せていって下さい。私たちも菊地のこの国の支配は反対ですから」
「おお!同志よ!」
真・正男は強く猫と松田を抱きしめた。
続く

43本当の三十五話:2002/09/29(日) 22:54
びたみんとの結婚披露宴、菊地は人生最高の瞬間を迎えていた。
「うおおおおおおおお、びたみんさん。こんなに多くの人民がボク達をお祝いしてくれているんですよ。
すごいですよね。エッヘン」
びたみんの耳にはその声が聞こえない。
「これもボクの実力ですよ。あのまま日本に居たらボクは絶対ダメになっていた。高校の頃からみんな
ボクはすごいのに全然誉めてくれないんですよ。びたみんさん。ボクはすごく有名な私立中学に入学して、
日本の指導者になる人間だった。でも、誰も誉めてくれない。それどころか街に遊びに逝ったら犯罪系な
バカンボ高校生にバカにされる。それで悔しくて小林さんのマンガを読んだ、そうしたらこの日本がおかしい
ことに気付いた。だからボクは戦うことにした。でも学校じゃみんなや先生にバカにされ、右翼とか軍国
主義者とか言われた。」
ん、とびたみんは思った。本当は菊地君って寂しい人じゃないの?と。
「その頃お父さんが使わなくなったパソコンをボクにくれた。そしてネットに繋いだ。そうしたら
ボクみたいな、ボクと同じような人がいっぱいいたんだ・・・・。」
菊地の目元に何かが光った。涙だ。
「なんかボクらしくもありませんね。うおおおおおおおおおおお、ボクはやるぞ」
その時菊地の首筋に冷たいモノが当てられた。
「きゃああああああああ」びたみんの悲鳴が宮廷中に響いた。
続く

44作者より:2002/09/29(日) 22:56
ええとちょっとコピペ順間違えちゃいまして、というか本当の三十五話をコピペして
張ることを忘れてしまいすみませんですた・・・・。

45第三十九話:2002/09/29(日) 23:20
「うおおおおおおおお、つたやさん。やっぱりボクのことを亡き者にしようとしましたね。
メールをやりとりしている時からボクは薄々判っていた。つたやさんはサヨンボだと!!!」
「うるせえ、オレはバカが右翼気取りするのが大嫌いなんだ、氏ね」
菊地のこめかみに銃がきっちり当てられる。
「うおおおおおおお、警備兵の皆さん!ボクはここです!助けて下さい!」
「うるせえ・・・」
そう言ったつたやの眼の前に黒い物が現れる
「観念するニダ、イルボン人」
つたやの眼の前にトカレフが突きつけられている。
「ちっ」
「はっはっは、ボクの勝ちですね。つたやさん。異国の地で氏ぬことを恥じるがいい」
勝ち誇る菊地。
その時だった。
バーンガリガリガリガリ
物凄い大音響が宮中に響く、つたやにトカレフを突きつけていたニダー兵はバランスを
崩し転ぶ。
「だっ誰ニダか!!!!」
続く

46第四十話:2002/09/29(日) 23:20
宮中の揺れが収まり、物凄い量の砂埃の向こうに見えた物。それは一両の戦車だった。
そして上から顔を出したのは・・・・。
「真・正男様ッ!!!」
宮中に衝撃が広がる。まさか、あの強制収容所から帰ってきたとは・・・・。
「フッ、オヤヂ。よくもオレを強制収容所なんぞにブチ込んでくれたな」
「うるさい、お前はもう私の息子ではない。この菊正男こそが本当の私の息子だ!」
菊パパこと偉大なる指導者様は語気を荒げる。
「そうかな・・・、フフ。おい、そこのアニメ大好きイルボン青年、準備しる!」
今度は沿道辞世が出てきた。手にはプロジェクターとパソコンとDVDを持っている。
「いや、まさか僕らっていうかつたやさんと正男・辞世コンビも同じ事を考えていたなんてねえ(笑」
猫がつぶやいた。そう、あの大荷物の正体は菊地の正体を明白にする。2chでの菊地の発言を向こうの
人に見せるためのAV機器一式だったのだ。
「まあ、人類皆兄弟だし」
松田がそう当然といいたげな顔で言う。
「辞世君と真・正男の方もなんか日本のアニメのことで車中で盛り上がっていたし、意外とみんな仲良く
なれるものかもしれないよ。ホントに」
そうこうするうちに準備が整ったようだ。プロジェクターに2chでの菊地の発言が次々とアップされる。
見る見るうちに菊パパこと偉大なる指導者様の顔色が変わっていく。
続く

47第四十一話:2002/09/29(日) 23:36
次々とプロジェクターに菊地のウヨ厨房発言が映し出され、流れていく。菊地とびたみんの
結婚式会場はざわめき始める。何故そのような男をこの国の後継者にしようとしたかと。
今まで外交能力や、宣伝能力だけはかなり評価されてきた偉大なる指導者様だったが、
イルボン人の、しかもウヨ厨房を自らの後継者に据えようとしていたことはさすがに
国家の指導者層に衝撃を与えたようだ。
そして、一番衝撃を受けていたのは当の本人、偉大なる指導者様だった。まず彼は怒りに震え、
その後自分の行いの結果こうなったというやりばのない怒りに代わり、そして・・・・・。
自分を生まれて初めて情けないと思った。そう思うと一気に感情が溢れてくる。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
彼の人生で初の心からの涙だった。
壇上には真・正男とつたやが上がっていた。
「さて、この典型的反動イルボン人の少年・菊地は故意にこの国の工作船に乗り込み我が国を
乗っ取ろうと目論んだわけニダ」
「そう、そして我々半島との友好関係を望むイルボン人有志はこの国に菊地を迎えに来た」
「よくいうなあ・・・つたやはん・・・・。」
阪京はつたやの口から出任せの発言にちょっと末恐ろしさを感じていた。
「ホントはこの場で菊地は処刑だが、イルボン人の心意気に免じて強制退去という・・・」そう、真・正男が
言いかけたとき。
「うおおおおおおおおおおおおおおおお」
パパパパパパパパ
警備兵から銃をひったくった菊地が乱射を始めた。
続く

48第四十二話:2002/10/03(木) 21:31
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
菊地の叫び声と同時に結婚式の参加者達の頭上に銃弾がバラまかれる。
「うるさい!うるさい!うるさいっ!!!!!!」
会場は再度阿鼻叫喚の声で満たされる。
「いかんっ、びたみんが!」
つたやが気が付いた時には菊地はこの混乱の中で気を失ったびたみんを小脇に抱え、
㌧走にかかろうとしていた。
「ふっ、つたやさんもまだまだですね。ボクはこのままびたみんさんと逃げます。
その前にボクの近衛軍団がつたやさん達を消すでしょうが」
ダダダダダダダ
混乱の中にある宮中に深く侵入する小集団。菊地がびたみん拉致作戦の成功の恩賞に
菊パパこと偉大なる指導者様に作って貰った特殊部隊である。
「クソっ、菊地の癖に・・・」
つたやが吐き捨てる。
「じゃあつたやさん、さよなら」
そう菊地が言い捨てたと同時に一斉に菊地部隊が宮中に踏み込んできた。
続く

49第四十三話:2002/10/03(木) 21:31
「観念するニダ、菊地様にアダする者共よ。芯で菊地様に謝罪と賠償(以下略)」
マシンガンで武装した特殊菊地部隊。なんぼか武装していると逝っても、2ちゃんねらー軍団に
勝ち目はなさそうに見える。
「もしかしてオレらやばい(笑?」
隅で伏せている猫がつぶやく
「ああ、かなり間違いないのれす」
と松田。
「どーするんや、つたやさん・・・・」
菊パパに銃を突きつけている阪京は不安げだ。
「まあなんとかなるで誤ジャルダニ〜」
「ヤマトはん、余裕ですな・・・・」
「ふっふっふ、菊地様に逆らう者は何人たりとも許さないニダ。覚悟しる!
うおおおおおおおおおおおおおおおお」
そう菊地部隊がつたや達に襲いかかろうとした時だった。
いきなり真・正男が立ち上がり入り口の方に向かう。
「逃げるのか真・正男!」
つたやが叫ぶ
「正男であっても容赦はしないニダ、頃すニダ〜」
真・正男は菊地部隊の追跡を振り切り、戦車に乗り込んだ。
続く

50第四十四話:2002/10/03(木) 22:52
ドガァァァァァン
宮廷内に大音響が響いた。キターの国の主力戦車の主砲から砲弾が次々と飛び出す。
「うわあああああああああああ」
「ニダアアアアアアアアアアア」
絶叫が響いた。
つたやはその砲撃を巧みに避けつつ、メンバー全て・・・阪京・ヤマト・松田・猫
・その他2ちゃんねらーを集め、真・正男の戦車の方へ向かった。
「おお。イルボン人」
妙にフレンドリーな真・正男。つたやを見て微笑みながら砲撃を続ける。
「コワッ」
阪京が小声でつぶやいた。
「なんか言ったか?」
「いえ、なんもいってまへんでえ・・・」

真・正男の砲撃は執拗に続いた。その内老朽化かつ安普請によって建てられていた
宮殿は悲鳴を上げた。
ドドドドドドドド
「逃げろ〜」
続く

51第四十五話:2002/10/03(木) 22:53
菊パパ、こと偉大なる指導者様。建国の父である父親の威光を元に一族を中心とする
独裁国家を極東に作り上げた男。彼の意のままにならないモノなど今まで生まれてから
何一つとしてなかった。そう、彼が老年にかかり、目の前に菊地正男という少年が現れる
まで。菊正男のケコーン式は彼の次代を固める重要なイベントのはずだった。
邪魔者である似ていない息子は強制収容所に押し込んだ。何一つとして手違いはないはずだった。
菊正男の結婚により永遠の彼の一族王朝の繁栄が約束されるはずだった。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
宮殿が崩壊を始める。彼に銃を突きつけていたイルボン人の男二人ー阪京とヤマトは
もう逃げてしまった。政府長官も既に芯だ者以外は誰も中にいない。
彼は自分が孤独であることに気付いた。権力がなければ彼の周りには誰もいなかった。
彼は其の事に今日初めて気付いた。
「なんで私が、菊地正男に引かれたのか判ったよ・・・・。」
ゴゴゴゴゴ
宮殿の天井が崩れ始める。
「彼は・・・。私に似ていたんだ・・・・」

ここにひとりの孤独な男の生涯が終わった。
続く

52第四十六話:2002/10/09(水) 21:45
「菊地は一体何処へ逃げたんだ!豚の癖に生意気だ!」
崩れ落ちる宮殿から逃れたつたやが吐き捨てる。
「フッフッフッ」
真・正男が怪しげな笑みを浮かべた。
「恐らくあのイルボン豚はパパの作った地下通路を抜けて清津に向かったに違いない」
「豚って・・・・」
一同真・正男の菊豚発言に微妙な心境になったが、あえて突っ込むモノはいなかった。
真・正男の案内で一行は秘密の地下通路に侵入し、更にそこを抜けて清津へ向かった。

キターの国北部の都市清津市。菊地正男とびたみんはここに逃れていた。
「びたみんさん、この街で静かに愛の生活を営みましょう。そう、それがボクらの
愛の形に一番ふさわしいですから」
「あのさー、菊地君。一言言ってもいいかな?」
「なんですか、びたみんさん。これからの愛の生活が楽しみだなあ。うおおおおおおお」
「袋から出して、あと護衛の人もどうにかして」
びたみんは袋に押し込まれ蓑虫状態だった。
「どうしてですか?これが一番安全なのに」
続く

53第四十七話:2002/10/09(水) 21:59
はぁ・・・・。びたみんは溜め息をついた。
「菊地君、何処の世界に袋に押し込まれて喜ぶ女の子がいるの?」
「でも、安全ですよ。安全なのと治安が一番大切ですからね」
「それと・・・・・。家の周りの護衛はどうなの・・・・・」
「安全が一番ですよ、あの人達がいればボクらは安全な生活を送れますよ。エヘン」
・・・・・なんて頼りにならない人なんだろう。いや、その事は薄々2chの哲学板に
菊地が来襲した頃から分かっていた。でも・・・・・・・。何処か寂しげで・・・・・。
ううん、びたみんはかぶりを振る。
「菊地君、私前から思っていたことがあるの」
「なんですかびたみんさん、まさか・・・・。今日愛の生活を初めて・・・・・
うおおおおおおおおお!!!!興奮する。そうやって次代のこの国を支える可愛い
愛国心溢れる子どもたちをですねえ、1ダース2ダース3ダース・・・・うおおおお」
サイテー
びたみんは心底思った。ホントはもうちょっとマイルドに言ってあげようとした気持ちもふっとぶ。
「アンタなあ、頼りがいがないんだよ!つーかヘタレ過ぎ、自分で護ってあげようとか思わないの
っていうか治安とか安全とか良く言ってるけど自分でどうにかしようとか思わないわけ?
それとアンタの脳内セックスで腐ってない?アンタすけべのこと以外考えないでしょ!」
一気にびたみんは吐き捨てた。
菊地は・・・・・・、菊地は・・・・・・、菊地は・・・・・・・・。
「うおおおおおおおおおおおおおびたみんさんもスパイだああああああああ」
続く

54第四十八話:2002/10/09(水) 22:31
清津市に向かう車中、つたやはイライラしていた。
「おいっ、松田。もっと飛ばせ!菊豚の好き放題にはさせん」
「ははは、つたやさん。折角正男君が用意してくれたベンツですし、外でも
見て落ち着いたらどうですか」
「そんなことはいいから飛ばせ、何か・・・・。イヤな予感がするんだ」
「でも・・・、ホント荒れ果ててますね・・・。何て言うか、菊パパの圧政が
過酷だったのが手に取るように分かりますよ。あ、もうすぐ清津ですね」
開けた窓から潮の香りがする。数台のベンツは清津市内に入っていく。

「うおおおおおおおおおおお、やっぱりびたみんさんもスパイだったんだ」
「何言ってるの・・・・。菊地君・・・・・。怖いよ・・・・・」
震えるびたみん。
「うおおおおおおおおおおお、助けて下さい!」
菊地が叫んだ。すぐに菊地部隊が踏み込んで来てくれるはずだ。
「ブタ、何吠えてるんだ」
つたやの声、なんでこんな所につたやが?そう菊地が思った瞬間
バシッ
びたみんのビンタが飛んでいた。
「最低よ、菊地君。」
続く

55第四十九話:2002/10/09(水) 23:29
びたみんは菊地が目を離していたほんのわずかな間に袋を抜け出し、菊地を
ビンタしていた。
「びたみんさんひどいです、そんな暴力的な犯罪系な人とは知らなかった。
つたやさん、助けて下さい!!!!」
めり、菊地の顔面につたやの革靴がめり込んだ。
「ああ、一つ云っておくが、外の近衛部隊は正男が懐柔した。元々は正男の
モノだったらしいしな」
つたやが菊地にそう言う。
「まあようするにお前にもう頼るべき人もモノもいないってこった。そうだ、
みんなお前を迎えにきてなあ、オレの他に阪京や猫、松田先生やヤマトもいるぞ」
・・・・・・。菊地は下を向いていた。まるで万引きでしょっぴかれた厨房のように。
「ん?どうした」
つたやがしょんぼりしている菊地の肩に手を掛けようとした時だった。
「うおおおおおおおおおおお」
「まずいっ、菊地を押さえろ!」
菊地が手元から銃を取り出していた。つたやはとっさに身を伏せる。
パパパパパ
菊地の左手はびたみんを抱えていた。やはり、大切な人なのだろう。
菊地は一気に隠れ家の玄関から突破を計った。
「うおおおおおおおおおおおおおお」
叫び声と共に蹴散らされる陣取ったコテハン+元近衛隊員
「ボクはやる、ボクはやれるぞおおおおおおおおおお」
続く

56第五十話:2002/10/11(金) 22:46
「ボクはやる、ボクはやれるぞおおおおおおおおおお」
みんなを突き飛ばし、びたみんを抱えたまま菊地は正男が用意したベンツを
奪って逃走する。
「マズイ、追いかけるんだ!」
つたやの指示が飛び、みんなは残った車に分乗する。
ものすごいスピードで清津の市内をブッ飛ばす菊地の運転するベンツ。
松田も正男もなかなか追いつけないでいた。
「いやあ、菊地君なかなか運転上手いですよ・・・・」
「でもさ、松田センセ。菊地君は多分無免許運転だと思うけど犯罪じゃないのかな(笑」
「大丈夫で誤ジャルよ、菊地ちゃ〜んの犯罪は菊地ちゃ〜んだから免罪されるで誤ジャルだに〜」
「言えてるかも・・・・」
猫と松田は顔を見合わせた。

「うおおおおおおおおおおおおおおおお、愛の逃避行ですよ!びたみんさん、映画みたいだ」
菊地は眼を血走らせながら車を走らせていた。びたみんはその運転の荒さに縮こまってブルブル
震えていた。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおお」
菊地の絶叫が静かな清津市中に響いた。
続く

57第五十一話:2002/10/11(金) 22:58
菊地の予想外の運転に手を焼いた松田と真・正男は、一つ作戦を練ることにした。
恐らく菊地は港からロシアに逃げるつもりだ、だから港で挟み撃ちをするように
先回りしよう、と。

「びたみんさん、大丈夫ですよ。」
極悪な菊地の運転に怯えて震え上がっていたびたみんに菊地がやさしい声を掛けた。
「はへ?」
びたみんは顔を上げる。
「ボクは生まれ変わった。ボクは命に代えてもびたみんさんのことを護る。びたみんさんに
怒られたとき、ついあんなことを言ってしまったけどボクは目覚めた。好きな人も守れない
ような人間は男じゃないって。だから大丈夫ですよ、びたみんさん。うおおおおおおお、ボク
はやれる、ボクはやりぬいてみせる!うおおおおおおおお」
そこには菊地の見慣れたブタフェイスがあった。しかしその時びたみんには天下一の美青年に
菊地が見えていた。このキュンとする気持ちはなんだろう・・・・。

清津港、松田と真・正男は菊地のベンツを待っていた。
ブロロロロロ
菊地のベンツが現れる
「今だっ!」
松田と真・正男のベンツが急発進した。
続く

58第五十二話:2002/10/11(金) 23:36
ブロロロロ
「もうすぐロシアに渡る船がある港ですよ!びたみんさん」
菊地は快調にベンツを走らせていた。
ドン
「うわあ」
後に何かぶつかったようだ、中にいる顔は・・・・真・正男!
「しつこい奴らだ、何処までもボク達の邪魔をするつもりなんだな」
菊地は真・正男の車を弾くようにハンドルを切る、一旦押し出される真・正男の
車。だがしかし今度は反対側から松田先生のベンツが菊地のベンツを止めようと
突っ込んでくる。
「うおおおおおおおおおおおお」
菊地、素早い判断でハンドルを切り返し今度は松田先生の車を弾き飛ばした。
だがしかし、
「前見て!前!」
びたみんの声、眼の前にはドラム缶が幾つか。
「うおおおおおおおおおおおお」
菊地のベンツはドラム缶に乗り上げる。そして横転
「うおおおおおおおおおおおお」
「きゃあああああああああああ」
ドーン
続く

59第五十三話:2002/10/11(金) 23:49
ドーン
何かが硬いモノにぶつかる音。
ドーン
何かが燃え上がる音。
菊地のベンツは物凄い勢いで燃え上がっていた。
「菊地・・・・・・」
つたやが呆然と立ちつくす
「おめえは三国一の大バカ野郎だったよー」
そして絶叫。
言葉を失う阪京・松田・猫、そして勝ち誇った笑みの真・正男と何故か楽しそうな
ヤマト。
「なんでわらってんだー、ヤマト!」ブチ切れるつたや
「菊地ちゃ〜んは不滅で誤ジャルよ〜」
「んなワケあるか、菊地はブタで良く燃えるわ!クソ」
そこに歩み寄る一人のデヴ・・・・・・。腕にはびたみんを抱えている。
「ふっふっふ、つたやさん。オレは火計ごときには負けませんよ。まあ、三国志一の英雄に
なれる男ですけどね、ボクは」
「き、菊地ぃ〜〜」
「つたやさん、最終決戦です。ボクはこれに勝って英雄になる!うおおおおおおお」
続く

60第五十四話:2002/10/12(土) 00:31
「つたやさん、最終決戦です。ボクはこれに勝って英雄になる!うおおおおおおお」
菊地はびたみんを抱えながらそう言った。
「何が最終決戦じゃヴォケ、ゲームのやりすぎだ」
「ふっふっふ、それはどうかなつたやさん。ボクはびたみんさんの為なら何でもやれる
男に生まれ変わったんだ。この幸せは誰にも邪魔されたくない!」
そう言うと菊地は両手を突っ込んでいたポケットから手をだして、その両手には拳銃が
握られていた・・・・・。
「どうせ分かってますよ!みんなびたみんさんを連れ戻しに来たって事。だけどもうボクは
びたみんさん無しでは生きてる価値がないんです!!!うおおおおおおおおお」
パパパパン パパパン
デタラメに銃を乱射する菊地、一斉に伏せるコテハン連中。だが、一人突っ込んでいくヤツが・・・・。
「うるせえ、反動イルボンガキ!!!!!!」
真・正男が特攻を懸けている。手には鋭いナイフが。
「うおおおおおおおおおおおお、ボクは負けない!!!!!!!!」
次に菊地が撃った弾は、真・正男の眉と眉の間を。その次に撃った弾は真・正男の心臓をきっちり打ち抜いた。
バターン
倒れる真・正男、菊地は弾を撃ち尽くしたらしく、びたみんを連れて山の方に逃げる。
「おいっ、松田、猫。同じサヨのよしみで真・正男を看取ってやれ。オレと阪京さんとヤマトで菊地は追いかけるから。
何とかびたみんだけは日本に連れ戻す。」
「いや、つたやさん。もう真・正男だめぽです」松田が言う。真・正男はこときれていた。
「私たちもついていきます」
続く

61第五十五話:2002/10/14(月) 21:46
断崖絶壁の上に立つ菊地とびたみん。二人は追いつめられていた。
「おい、ブタ。びたみんはかえせや!」
つたやがいう。
「いやです!!!!ボクは死んでもびたみんさんを護る」
「菊地君・・・・・」
言葉に詰まるびたみん、彼女の中に不思議な感情が芽生え始めていた。
「でもさー、菊地君。」
猫が説得に入る。
「君はこの国の国民全部とびたみんさんを護らなきゃいけないんだよ、出来る?」
「出来ます!うおおおおおおおお」
「叫べばどうにかなる話でもないぞ、菊地。」とつたや
「オレはびたみんの両親にあって、びたみんが半島にさらわれた事をしっかり伝えた。
お前は拉致犯の大犯罪者だ!どうする、ブタ」
「いいんですよ、ボクは日本国憲法を超えた存在だああああああああ」
その時だった。寒さのせいだろうか。菊地の鼻から青っぱなが垂れた。
続く

62最終話:2002/10/14(月) 21:47
その時だった。寒さのせいだろうか。菊地の鼻から青っぱなが垂れた。
「菊地君、鼻が垂れてるよ・・・・・」
そう、びたみんは事実を指摘しただけだった。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
菊地の絶叫が寒空を切り裂く
「この、このボクがびたみんさんの前で鼻水を!!!!!うおおおおおおおお」
菊地は駆けだした。虚空に向かって
「菊地君!!!!」
びたみんの叫び声がキターの空に響いた。

つたや達一行は無言で日本に戻って来た。泣きじゃくるびたみんを連れて。
同じ頃沿道辞世がキターに連れ去られた人間を連れ帰り、かなり2chで英雄に
なっていた。つたや達は忘れ去られた。菊地がいなくなった政治思想板は、
材料物性板以上の過疎板になった。そして菊地の存在も忘れ去られた頃・・・・。

イルボンテレビ、けふの出来事。キターの国潜入レポート
一人のデブが新たな指導者になったことを伝えていた。そしてブラウン管越しに
そのデブはこう言った。
「エッヘン」
「菊の国より」〜完〜


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板