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歌手の“声質”区分――声の重さ・サイズの違い、役柄の違い(改)

1ユルシュール:2004/10/11(月) 11:53 ID:9CIkd6dA
すみません、初めて立てた同タイトルのスレの1がやたら長くて見づらくなってしまったので、やり直しました。

僭越ながら、初めてスレを立てさせていただきます。
「CDを書き込むスレ」でのしばゆうさまへのお返事が長くなってしまいそうなのと、私自身とても気になっていた問題でしたので、スレを立ち上げました。
私の知識は生半可で、かつ誤認や偏見もあると思います。みなさまのご教示、ご見解をぜひお聞かせお願いいたします。

今事典が手元になくて(いつも大学の図書館で読んでいます)、自分の頭の中だけの理解になってしまうのですが……。
私の知識の範囲内でだいたいのことを申しますと、エーファ役を得意にする歌手が同時期にブリュンヒルデやイゾルデを歌うことはあまり多くない、というようなことです。多くは声の“重さ”という表現で説明されます。
ブリュンヒルデやイゾルデ(ホーホ・ドラマティッシャー・ソプラノと呼ばれる)はソプラノの中でも最重量級の声を必要とするもので、エーファやエリーザベト、エルザを歌うのにふさわしい、もう少し軽めの声(ユーゲントリッヒ・ドラマティッシャー・ソプラノ。リリック・ソプラノ(モーツァルトのアルマヴィーヴァ伯爵夫人やパミーナなど)で歌われることもある)で歌うにはやや負担が大きい、ということになります。
まだ若いソプラノがあまり重い役に早くから手を出すと声をつぶす、などともよく言われます。

2ユルシュール:2004/10/11(月) 11:54 ID:9CIkd6dA
このような声の重さ軽さの区分は他国のオペラにもあります。例えばトスカやトゥーランドットを得意にする歌手(ソプラノ・ドラマティコ)と、ミミやリュウを持ち役にする歌手(ソプラノ・リリコ)とはやはり声の重さに違いがあります。
そんな中、カラヤンはしばしば、あえてリリコの歌手にドラマティコの役を歌わせていて(カティア・リッチャレッリのトスカやトゥーランドット、ミレッラ・フレーニのアイーダなど。両者とも本来はリリコ)、賛否両論を起こしています。
カラヤンにはドイツ・オペラでも同様の傾向がみられ、『トリスタン』録音でイゾルデを歌っているヘルガ・デルネシュは、本来はエリーザベトやジークリンデに本領があったようです。『ラインの黄金』ヴォータン役にフィッシャー=ディースカウを起用したあたりなど、まさにカラヤンでなければあり得ない選択だと思います。
カラヤンの歌手起用法への批判のひとつには、本来リリコの歌手に自分の本来の声の重さ(あるいは声のサイズ)に合わない役を歌わせて、素晴らしい声を早くつぶさせてしまった、というものがあります。カラヤンのせいかどうかは知りませんが、前述のデルネシュも比較的早くに高音を失い、メッゾ・ソプラノに転向しています。
バリトンですが、ヴォルフラムを十八番にする歌手がヴォータンも得意にする、という例はあまり多くないように感じます(私がよく知らないだけかもしれませんが)。
例えばF=ディースカウの場合、ヴァーグナーものも多く録音を残していますが、実際によく歌ったのはヴォルフラムとアンフォルタス、軍令使くらいだったように思います(クルヴェナールは……どうだったっけ?)。キャリアの後期にザックスにもチャレンジしていますが、彼の本領はやはりヴァーグナーのバリトン役の中でも軽めの役、ヴォルフラムのような役にあったと私は思います。

3ユルシュール:2004/10/11(月) 11:57 ID:9CIkd6dA
細かいことに関しては明日か明後日、事典で調べてから改めて書き込ませていただきます。すみません。

ところで、ネットで検索してみると、イタリア・オペラでの声質区分(リリコやドラマティコなど)の解説には少なからずお目にかかるものの、ドイツ・オペラでの区分(ホーホ・ドラマティッシャーとか)の解説などはあまり目にしません。私の調べ方が悪いのでしょうか?

4ユルシュール:2004/10/15(金) 00:37 ID:lJxJEsmg
ごめんなさい、“細かいこと”ですが、もう少しお待ち下さいませ(え、誰も待ってない?とほほ……)。
オック××ォードのオペラ大事典め……なぜ例にマイナーな役ばかり挙げるんだ……私が全然聴いたことのないような役ばかり……。

ところでジークリンデって、比較的軽めのリリック・ソプラノからブリュンヒルデも歌えそうなドラマティック・ソプラノ、さらにはメッゾ・ソプラノまで(もうマイアー女史はメッゾとはいえないのかな?)、いろんなタイプの歌手が歌いますね。
この役の音楽面での懐の深さ(?)がうかがえて、面白いです。私は……リリックであろうとドラマティックであろうとメッゾであろうと、情熱的で芝居心のある歌唱をしてくれるジークリンデが好きです。

5ユルシュール:2004/10/15(金) 22:28 ID:MPshTYhA
声の分類についてですが、細かいことについて書かれているサイト(イタリア風区分もドイツ風区分も両方表記されています)を見つけました。灯台下暗しでした……。一応、直リンクは控えさせていただきますが、
ttp://www.cantabile-subito.de/Categories/categories.html
の頭にhを足して、どうぞ。かなり細かい区分が書かれています。
最初はソプラノ/コントラルト(=アルト)/テノール/バスの四声のみ、その後メッゾ・ソプラノとバリトン、バス=バリトンが加わった後、さらに、声の重さとカラーによってあのように細かく分類されるようになったようです。
とりあえず、あちらの分類(‘German Fach System’と呼ぶようです)に従って、ヴァーグナーものの主な役柄を声の軽い順に挙げてみますと、次のようになります。声の分類名は、先に書いてあるのがイタリア語名、後に括弧付きで書いてあるのがドイツ語名です。分かりづらくてごめんなさい。
では今回はまず、ソプラノから……。

【スブレット(Soubrette [Soubrette])】
<他作品ではツェルリーナ(『ドン・ジョヴァンニ』)、デスピーナ(『コジ・ファン・トゥッテ』)、エンヒェン(『魔弾の射手』)など>
牧童(『タンホイザー』)

【リリック・コロラトゥーラ・ソプラノ (Lyric Coloratura Soprano [Lyrischer Koloratursopran])】
<他作品:ツェルビネッタ(『ナクソス島のアリアドネ』)、ムゼッタ(『ラ・ボエーム』)など>
ヴォークリンデ(『ラインの黄金』)/森の小鳥(『ジークフリート』)

【ドラマティック・コロラトゥーラ・ソプラノ (Dramatic Coloratura Soprano [Dramatischer Koloratursopran])】
<他作品:フィオルディリージ(『コジ・ファン・トゥッテ』)、夜の女王(『魔笛』)、ヴィオレッタ(『椿姫』)など>
ヴォークリンデ(『ラインの黄金』)

6ユルシュール:2004/10/15(金) 22:30 ID:MPshTYhA
続きです。

リリック・ソプラノ (Lyric Soprano [Lyrischer Sopran])】
<他作品:パミーナ(『魔笛』)、ミミ(『ラ・ボエーム』)、リュウ(『トゥーランドット』)など>
牧童(『タンホイザー』)/ヴェルグンデ(『ラインの黄金』)

【リリコ・スピント・ソプラノ(ユーゲントリッヒ・ドラマティッシャー・ソプラノ)
(Lirico Spinto Soprano [Jugendlich-dramatischer Sopran])】
<他作品:クリソテミス(『エレクトラ』)、デズデーモナ(『オテロ』)など>
エリーザベト(『タンホイザー』)/エルザ(『ローエングリン』)/エーファ(『ニュルンベルクのマイスタージンガー』)/フライア(『ラインの黄金』)/グートルーネ(『神々の黄昏』)

【スピント・ソプラノ(ドラマティッシャー・ソプラノ) (Spinto Soprano [Dramatischer Sopran])】
<他作品:レオノーレ(『フィデリオ』)、サロメ、トスカ、トゥーランドット、アイーダなど>
ヴェーヌス(『タンホイザー』)/オルトルート(『ローエングリン』)/ジークリンデ(『ヴァルキューレ』)/第三のノルン(『神々の黄昏』)/グートルーネ(『神々の黄昏』)/クンドリー(『パルジファル』)

【ドラマティック・ソプラノ(ホーホ・ドラマティッシャー・ソプラノ) (Dramatic/Heroic Soprano [Hochdramatischer Sopran] )】
<他作品:エレクトラなど>
ゼンタ(『さまよえるオランダ人』)/オルトルート(『ローエングリン』)/イゾルデ(『トリスタンとイゾルデ』)/ブリュンヒルデ(『ヴァルキューレ』『ジークフリート』)/クンドリー(『パルジファル』)

メッゾ以降は次回に回させて下さいませ。

7ユルシュール:2004/10/17(日) 00:17 ID:O.smB18A
一昨日の続きです。メッゾ/コントラルト編。
ヴァーグナーもののメッゾ・ソプラノまたはコントラルトの諸役は、そのほとんどがドラマティック・メッゾ・ソプラノ(Dramatic Mezzo-Soprano)あるいはドラマティック・コントラルト(Dramatic Contralto)と呼ばれるカテゴリーに入るようです。クリテムネストラ(『エレクトラ』)やアムネリス(『アイーダ』)、エーボリ(『ドン・カルロ』)を歌うような歌手のための役、というところでしょうか。
ただしエールダだけは、ディープ・コントラルト(Deep Contralto)と呼ばれる声質の歌手が歌うことが多いようです。ドラマティック・コントラルトよりも、深々とした、より低い声が求められるということなのでしょうか?

8ユルシュール:2004/10/19(火) 00:08 ID:7Lp0lXFY
毎度すみません。今日はテノール編。

【テノーレ・ブッフォ (Tenore Buffo [Spieltenor])】
<他作品:バジリオ(『フィガロの結婚』)・モノタストス(『魔笛』)・ゴロー(『蝶々夫人』)など>
舵手(『さまよえるオランダ人』)/ダーフィット/ミーメ

【リリック・テノール (Lyric Tenor [Lyrischer Tenor])】
<他作品:タミーノ(『魔笛』)・アルマヴィーヴァ伯爵(『セヴィリアの理髪師』)・アルフレード(『椿姫』)など>
ヴァルター(『タンホイザー』)

【スピント・テノール(ユーゲントリッヒャー・ヘルデン・テノール) (Spinto Tenor [Jugendlicher Heldentenor])】
<他作品:マックス(『魔弾の射手』)・トゥリッドゥ(『カヴァレリア・ルスティカーナ』)・ラダメス(『アイーダ』)など>
エリック/ローエングリン/ヴァルター(『ニュルンベルクのマイスタージンガー』)/フロー/パルジファル

9ユルシュール:2004/10/19(火) 00:10 ID:7Lp0lXFY
続きです。

【キャラクター・テノール (Charaktertenor (after Kloiber))】
<他作品:アルトゥーム皇帝(『トゥーランドット』)・カイウス(『ファルスタッフ』)など>
メロート/ローゲ

【ドラマティック・テノール(ヘルデン・テノール) (Dramatic/Heroic Tenor [Heldentenor])】
<他作品:バッカス(『ナクソス島のアリアドネ』)・オテロ・カニオ(『道化師』)など>
タンホイザー/ローエングリン/トリスタン/ヴァルター(『ニュルンベルクのマイスタージンガー』)/ジークムント/ジークフリート/パルジファル

「ブッフォ」はイタリア語で、「喜劇的な」という意味。テノーレ・ブッフォは、コメディを得意にするテノールということです(同様にブッフォ・バリトン、ブッフォ・バスもあります)。少なくともドイツ・オペラに関しては、テノーレ・ブッフォとキャラクター・テノールが、結構かぶっているような気がするのは私だけでしょうか?私自身、このふたつは今まであまり分けずに考えてきていましたので……。どちらにしても、高い“歌の演技力”が要求されます。
このブッフォあるいはキャラクター・テノールがヘルデンな諸役、すなわちトリスタンやジークフリートを歌うことはほとんどないと思いますし、逆にヘルデン・テノールがミーメやダーフィットを歌うことも稀なように感じます。ただ、ローゲはヘルデン・テノールが担当することもありますし(ヴィントガッセンもローゲを得意にしていたっけ)、“トーキョー・リング”でミーメを歌ったゲルハルト・ジーゲルのように、ミーメもジークフリートも歌えるという歌手もいないわけではないので……。私は昨年の『ジークフリート』でジーゲルを聴きましたが、その声は確かにジークムントやジークフリートも歌えそうな、分厚く強靭な、パンチの利いた声でした。

10ユルシュール:2004/10/19(火) 23:49 ID:7EFJExfM
今日でやっと区切りがつきそうです。バリトン編です。

【リリック・バリトン (Lyric Baritone [Lyrischer Bariton] )】
<他作品:グリエルモ(『コジ・ファン・トゥッテ』)・パパゲーノ(『魔笛』)・フィガロ(『セヴィリアの理髪師』)など>
ヴォルフラム

【カヴァリエ・バリトン (Kavalierbariton (after Kloiber))】
<他作品:ドン・フェルナンド(『フィデリオ』)・アルマヴィーヴァ伯爵(『フィガロの結婚』)・ドン・ジョヴァンニなど>
ヴォルフラム/軍令使

【ドラマティック・バリトン (Dramatic Baritone [Verdi Baritone, Dramatischer Bariton]
)】
<他作品:ドン・ピツァロ(『フィデリオ』)・リゴレット・イアーゴなど>
クルヴェナール/コートナー/アルベリッヒ/ドンナー/グンター/アンフォルタス/クリングゾール

11ユルシュール:2004/10/19(火) 23:57 ID:7EFJExfM
続きです。

【バス=バリトン(ヘルデン・バリトン) (Bass-Baritone [Heldenbariton])】
<他作品:ヨカナーン(『サロメ』)・バラク(『影のない女』)・ファルスタッフなど>
オランダ人/フリードリッヒ/クルヴェナール/ザックス/ヴォータン/さすらい人/アルベリッヒ/グンター/アンフォルタス/クリングゾール

「カヴァリエ・バリトン」は和訳すると「騎士バリトン」。二枚目、あるいは貴族的な役を担当することが多いです。リリック・バリトンと近いように感じるのは私だけでしょうか?
バス=バリトンとヘルデン・バリトンが同義にされているのは、私は少し疑問に感じてしまいます。前者は声の高さの分類、後者は声のタイプの分類なので、一緒にしてしまうこと自体どうかなという気が……。同じくらいの声の重さ、ということでしょうか?ヘルデン・バリトンは、ヘルデン・テノール同様、ヴァーグナーもので必要とされるヒロイックな、重い声を要求する役柄と解釈してよいのではないでしょうか。
ザックス役は本来バス指定ですが、本来ヴォルフラムなどが持ち役のベルント・ヴァイクルがバイロイトでザックスを歌ったあたりから、軽めのバリトンもよく歌うようになったそうです(最近ではブレンデルがこのタイプに当てはまるのでしょうか)。

12ユルシュール:2004/10/20(水) 00:00 ID:7EFJExfM
最後です。バス編。

【バッソ・ブッフォ (Basso Buffo [Spielbass])】
<他作品:オスミン(『後宮からの誘拐』)・オックス(『薔薇の騎士』)・バジリオ(『セヴィリアの理髪師)など>
ダーラント/ベックメッサー/アルベリッヒ

【バス(バッソ・カンダンテ) (Bass [Basso cantante])】
<他作品:マゼット(『ドン・ジョヴァンニ』)・ランフィス(『アイーダ』)・宗教裁判所長(『ドン・カルロ』)など>
ビテロルフ/ファーゾルト

【バッソ・プロフォンド (Basso profondo [Deep Bass, Serioser Bass] )】
<他作品:ザラストロ(『魔笛』)・フィエスコ(『シモン・ボッカネグラ』)・コッリーネ(『ラ・ボエーム』)など>
ヘルマン/ハインリッヒ/マルケ/ポーグナー/ファーフナー/フンディング/ハーゲン/グルネマンツ/ティトゥレル

ベックメッサーはバスというよりはバリトンの声域のような気がするのですが……第三幕ではハイAが出てきますし。ブッフォ系の歌手だけでなく、真面目な(!?)バリトンがあえて真面目に歌う場合もありますね。むしろ今は後者の傾向の方が強い気がします。

13ユルシュール:2004/10/20(水) 00:12 ID:bBeZJAug
最後に……。
これまで長々と書いてきましたが、これらの分類はあくまで、便宜上のものです。
オルトルートがソプラノともメッゾとも分類されていることからもうかがえるように、ひとつのカテゴリーに属する歌手が他のカテゴリーの役に手をつけるということは日常茶飯事といってよいですし、声や持ち役を見るだけではどのカテゴリーに属するのかよく分からない歌手もいます。また、年齢によって声質が変化し、若い頃は牧童を歌っていた歌手が年を取ってジークリンデを歌うような歌手になる、なんてことも(あくまで喩えですが)あり得ます。
従って、普段はそんなに厳密に考慮する必要もないかと思われます。「‘German Fach System’はあくまで主観的な枠組み」と、上記のサイト(書き込み[5]参照)にはあります。近年はとみに、昔に比べるとこの枠組みはあいまいなものになっているような気がします(実際上の区分、私も書いていながら「?」と思ったところがいくつかありましたし……)。
ただやはり、本来ならばエーファやエルザがぴったりな声の重さ(サイズ)の歌手が、ブリュンヒルデを歌ったりするのはどうなんだろうとか、あるいは、素晴らしいヴァルターやローエングリンが良いジークフリートだとは限らないとか、そういう「限界」みたいなものは、確かに存在すると思います。
(ジークフリートがどうこうと書いていて思い出しましたが、上の書き込み、「ヘルデン・テノール」でひとくくりにされている役の中でも、いろいろ違いがあって、本当は一概に語れないようです。ジークフリートやトリスタンはヘルデンの中でも最難関の役ではないでしょうか)

長々と、スレ汚しならぬ掲示板汚しをしてしまいました。
みなさまのご叱正・ご教示、ご意見などいただけましたら幸いです。

14しば@かんりにん:2004/11/07(日) 22:54 ID:NuuysBzU
「200CD&LD オペラの発見」(立風書房)という本に声質と声域の種類が出ていましたので、こちらにそのまま引用します。ユルシュール様がご紹介くださったものと同じだったり若干ちがったりもしているのですが、参考までに。

ソプラノ
 【レッジェーロ(コロラトゥーラ・ソプラノ)】もっとも軽い声のソプラノ。きわめて高い音域を歌うことができる。<夜の女王(魔笛)、ルチア(ランモルメールのルチア)、アミーナ(夢遊病の女)、エルヴィーラ(清教徒)、ジルダ(リゴレット)>
 【リリコ】高音域から中・低音域にわたってムラのない音量で発生し、表情豊かな叙情性をもった声。もっとも一般的なソプラノ。<伯爵夫人(フィガロの結婚)、ドンナ・アンナ(ドン・ジョヴァンニ)、パミーナ(魔笛)、ヴィオレッタ(椿姫)、ミミ(ボエーム)>
 【リリコ・スピント】リリコよりも太く強靱な声で、力強く輝かしい高音域から豊かな中・低音域をもつ。<アイーダ、アメリア(仮面舞踏会)、レオノーラ(運命の力)、蝶々夫人、トスカ、エルザ(ローエングリン)>
 【ドラマティコ】リリコ・スピントよりさらに太くて厚みのある強い声で、劇的な表現に富んだソプラノ。<トゥーランドット、レオノーレ(フィデリオ)、ブリュンヒルデ、サロメ、エレクトラ)

15しば@かんりにん:2004/11/07(日) 23:05 ID:NuuysBzU
メゾソプラノ(アルト)
 【リリコ(レッジェーロ)】比較的軽い声のメゾソプラノ。<ロジーナ(セビリアの理髪師)、チェネレントラ、ケルビーノ(フィガロの結婚)>
 【ドラマティコ】より太くて厚みのある強い声をもち、劇的な表現に適している。<アムネリス(アイーダ)、カルメン、アズチェーナ(トロヴァトーレ)、デリラ(サムソンとデリラ)>

16しば@かんりにん:2004/11/07(日) 23:08 ID:NuuysBzU
テノール
 【カウンター・テノール】通常の男声より高い音域をファルセットを使って歌う。オルフェオ(オルフェオとエウリディーチェ)などバロック・オペラの男声アルト役など。
 【レッジェーロ】軽い声のテノール。<アルマヴィーヴァ伯爵(セビリアの理髪師)、ドン・ラミロ(チェネレントラ)>
 【リリコ】声の表情に富む叙情的な歌唱に適したテノール。ほとんどのテノールがこれにあたり、役柄も多い。<タミーノ(魔笛)、ネモリーノ(愛の妙薬)、アルフレード(椿姫)、マントヴァ公爵(リゴレット)、ロドルフォ(ボエーム)、ドン・ホセ(カルメン)>
 【リリコ・スピント】輝かしく強靱な声。<マンリーコ(トロヴァトーレ)、リッカルド(仮面舞踏会)、ラダメス(アイーダ)、カヴァラドッシ(トスカ)>
 【ドラマティコ】太くて厚みの強い声で、劇的な表現に適している。<オテロ、カラフ(トゥーランドット)、サムソン(サムソンとデリラ)>
 【ヘルデン・テノール】ワーグナーの英雄役を歌うテノール。<トリスタン、ジークフリート>

17しば@かんりにん:2004/11/07(日) 23:15 ID:NuuysBzU
バリトン(バス・バリトン、バス)
 【リリコ(カンタンテ)】叙情的な表現に適した声。<アルマヴィーヴァ伯爵(フィガロの結婚)、ドン・ジョヴァンニ、ルーナ伯爵(トロヴァトーレ)>
 【ドラマティコ】劇的な表現に適した、太く強靱な声。<リゴレット、アモナスロ(アイーダ)、スカルビア(トスカ)、オランダ人(さまよえるオランダ人)>
 【ブッフォ】18,9世紀のオペラ・ブッファの中で、早口で軽妙に歌うバリトンを言う。<フィガロ(フィガロの結婚)、レポレッロ(ドン・ジョヴァンニ)、ドン・バルトロ(セビリアの理髪師)>
 【バッソ(バス)・ドラマティコ】男声の中でもっとも低音域の太く重い声で、劇的な表現に適している。<ザラストロ(魔笛)、ランフィス(アイーダ)、メフィスト(ファウスト)、ボリス・ゴドゥノフ>

18しば@かんりにん:2004/11/07(日) 23:30 ID:NuuysBzU
なんだかよけいにわかりにくくなってしまったみたいですみませんです。声楽独特の用語も難しいですね。ファルセットってなんだろうとおもって辞書をひいたら裏声のことでした(^^ゞ
あと、この本によると、アルトの役柄は今はメゾソプラノによって歌われていることが多い、らしいです。ほかにテノールは「ソプラノのほぼ1オクターブ下にあたるもっとも高い声域の男声をいう」とあります・・・・が、いまタンホイザーの楽譜を眺めているのですけれども、エリーザベトとタンホイザーのパート、両方ともト音記号ですしほとんど音域かわらないですね。タンホイザーの譜面はてっきりエリーザベトの1オクターブ下くらいの低い音域の表記になってるかなとおもっていたら違いました(^_^;難しいですね。

19ユルシュール:2004/11/07(日) 23:45 ID:GtQSR3QE
しばゆうさん、ありがとうございます!私が挙げたのよりも、ずっと分かりやすいです。
お話のご本、そういえば以前立ち読みしたままほったらかしにしていた本です……。
テノールの定義、初めて知りました。やはり音楽は奥深く難しい……。
譜面ですが、確かテノールの場合は女声と同じト音記号、バリトンやバスの場合はヘ音記号だったような気がします。思い違いかもしれません。

20しば@かんりにん:2004/11/10(水) 21:09 ID:JtpOkFmM
この立風書房の「200」シリーズ、書き方がユニークで読んでいて楽しいのでいくつかもってます。これもおもしろそうなので買ってきました。
各パートの譜面は曲によって、というか調によってちがうみたいです。ソプラノのト音記号表記、バス、バリトンのへ音記号表記は共通みたいですけれど、ローエングリンの総譜をみると、テノールはテノール譜表(ハ音記号)、アルトもアルト譜表(ハ音記号)になっていたりしてます。音楽の専門教育うけたわけではないので、私めは楽典の関係は駄目駄目なんですけれども(^_^;
何かお気づきの点がございましたら、また教えてやってくださいませ。

21Mimi:2004/12/09(木) 21:29 ID:igLPf7vQ
とっても遅レスですみませんが
テノールパートのト音記号は,実音では1オクターブ下げて歌います.
本当はト音記号にひげが付いていたり,ト音記号の下に8って
書いてあったりするのですが,省略されているものも多いですね.
(手持ちの「ボエーム」ボーカルスコアではロドルフォのパートは
ト音記号にひげがついています.)
ハ音記号,読みにくいですね.良くあれでぱっと音程が取れるなあと思ってしまいます.
もっとも自分がピアノから音楽に入ったせいなのかもしれませんが.

22しば@かんりにん:2004/12/12(日) 20:38 ID:lrknyirU
Mimi様こちらでも書き込み頂いてありがとうございます。
>テノールパートのト音記号は,実音では1オクターブ下げて歌います
・・・・おお!そうだったのですね(^^)謎がとけました。ソプラノのテノールの音域が一緒ってなんか変だな〜と思っていたのですが、ひとつ知識が増えました。
ところでト音記号のひげってどんなやつなんでしょう?パート譜のほうにしかのっていないものなのでしょうか?フルスコアにはどうもみあたらないんですが・・・・(^_^;
>ハ音記号
同じハ音記号でもテノール譜表とアルト譜表では「ド」の位置が確か違うんですよね。便利かもしれないですけど読みにくいですね。なじみがいまひとつな譜表ですね。


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