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I LOVE YOU

1クロイツ:2003/06/22(日) 23:26
はじめまして!!クロイツと申します!!
いしよし小説を、書かせて頂きたいと思います!!
未熟ですが、がんばりますので…どうぞよろしくお願いしますッ!!

239名無し(0´〜`0):2003/11/23(日) 14:59
。・゚・(ノД`)・゚・。
あやみきサイコーーーーーーーーー!!
間に合ってよかったよ

240名無し(0´〜`0):2003/12/11(木) 22:05
作者さんが心配…

241選択:2003/12/12(金) 14:15

 長い沈黙の後、ひとみが口を開いた。
 ぽつりぽつり、まるでかみ締めるように。
「…初めて会ったのは、市井さんの研究室だったよね。」
「うん。」
 梨華の声の響きは、穏やかで優しい。
「…第一印象は、最悪だったよ。」
「だろうね。」
「梨華ちゃん、いきなり『こんなちっちゃいのにわたしのパートナーが務まるはずない』
とか言うしさ。」
 くす、と梨華の笑い声が聞こえた。
「そうだったね。…だってあの頃はわからなかったんだもん。人の能力なんて、外見だけ
じゃ図れないなんて事。」
「でもさぁ、ちょっとはわかっても良かったんじゃない?」
 羽をくるりと動かして、ひとみは梨華の顔の前で止まる。
「自分だって、そんな華奢な身体で『ストリート・ファイト最強』とか言われてるんだか
らさ。」
「…もしかしたらあの当時のわたし、コンプレックス強かったのかな?」
「そうかもよ。意外と。」
 目を合わせて、くすくす笑い合う。

242選択:2003/12/12(金) 14:16
 そうしている内に、ひとみの顔が『泣き笑い』になる。
「・・・・・・あれから、思い出たくさん作ったよね。」
「…うん。」
「・・・・・・。」
 大きな瞳から、ぼろぼろと大粒の涙がこぼれ始めた。
「…嫌だよ。」
「…ひーちゃん。」
「それが全部消えちゃうなんて、絶対嫌だ。」
 目には涙。それから、絶望の光。
「ねえ、駄目なの!?このままずっと、一緒にいちゃ駄目!?」
「・・・・・・。」
「梨華ちゃんは、良いんだ!!あたしが忘れちゃっても…この思い出が全部消えちゃって、
あたしが梨華ちゃんじゃない人と人生歩き始めても、それで良いんだ!!」
「ひーちゃん。」
 そっと頬に、梨華の指が触れる。
 ひとみはびくっと身体を強張らせた。
「…ねえ、ひーちゃん。」
「・・・・・・?」
「…わたしはひーちゃんを、愛してる。」
「・・・・・・!!!」
 顔に、身体中の熱がのぼった気がした。

243選択:2003/12/12(金) 14:16
「きっと、もう現れない。もう二度と、ひーちゃんを想うのと同じ位愛情を抱ける相手な
んて現れない。…断言するよ。ひーちゃんこそ、わたしがこの人生の中で唯一愛せる存在。」
「それなら…!!」
「だけどね。」
 梨華の笑顔は、透明に見えた。
「…だからこそ、わたしとの思い出を全部忘れちゃっても…それでも、人間に戻って欲し
い。幸せなお嬢様に、戻って欲しい。」
「なんでだよ!!」
「・・・・・・。」
 梨華は、ひとみを胸に抱きしめた。
「…わたしは、ひーちゃんと一緒にいる事が一番の幸せだけど、ひーちゃんは違う。」
「・・・・・・っ!!」
「それが、わかるから。…このまま一緒にいたら、わたしもひーちゃんも苦しくなっちゃ
う。」
「…なんでだよ!!梨華ちゃん、何勝手に決めてんだよ!!!あたしだって、梨華ちゃん
と一緒にいるのが一番…!!!」

244選択:2003/12/12(金) 14:16
「・・・・・・ねえ、お願い。わたしの我侭、聞いて?」
「っ!!!」

「人間に戻って、幸せになって。
 それがわたしの、人生最大の我侭だから。」

 ひとみは、意識が急速に遠のくのを感じた。
 今更のように、外から何かの信号が送られて来たのを感じ取る。
 梨華の手元を見ると…小さなリモコン。
「…強制…終了…!?」
「・・・・・・。」
「ひ…卑怯…だよ、梨華ちゃ…っ!!」
「・・・・・・。」
「あたしは…あた…し…」
 カクン、とひとみの身体から力が抜けた。
「・・・・・・。」
 ぽつり、ぽつりと…ひとみの服が濡れる。
「・・・・・・。」
 声も出さずに、梨華はしばらく泣き続けた。

245選択:2003/12/12(金) 14:17

****************************************

 「ただいま帰りました。」
 美貴の声に、その場にいた全員が顔を上げた。
「オイお前!!また勝手に出て行って…!!!?」
 紗耶香は文句を言いかけたが、美貴の隣にいる人物を見て絶句した。
「…松浦亜弥!?」
 亜依が全員をかばうように前に出る。
「藤本さん!!どう言うつもりやねん!!」
 美貴は亜弥を気遣うように見るが、亜弥はそんな美貴を制して一歩前に出る。
 そして…

 ぺこりと、頭を下げた。

「「「「「!?」」」」」
 その場にいた全員が、目を疑う。
「お騒がせして、本当に申し訳ありませんでした。」
「…あ、亜弥ちゃんが…謝ってる…!!」
 親戚として付き合いの長いあゆみでさえも、驚きの声を漏らす。

246選択:2003/12/12(金) 14:17
「…精神的に追い詰められ過ぎていて、周囲が見えなくなっていたとは言え…許されない
事をしました。本当にごめんなさい。」
「…謝る相手が、ちゃうやろ。」
「いえ、皆様にも謝らなくてはなりませんわ。」
 そんな亜弥の背中を見ながら、美貴は喜びをかみしめていた。
(…あたしの大好きな、あやたんだ…!!)
「あー!!わかった!わかったよ!!」
 紗耶香は大きな溜息を吐いてから言った。
「…ったく、藤本。そんな嬉しそうにニヤニヤしてんじゃねぇっての。私ん所に来てから、
切羽詰ったよーな顔しか見せなかったクセに…。」
「あはっ!良かったじゃん、藤本さんが元気になって。いちーちゃん心配してたもんね〜♪」
「うるさいぞ後藤!!…それよりも。」

247選択:2003/12/12(金) 14:18
 紗耶香は奥の部屋に続く扉をちらりと見た。
「…お前が本当に謝らなきゃいけない相手は今、取り込み中だぞ。」
「待たせて頂きますわ。」
 固い決意を宿した瞳で亜弥が言うと、あゆみも溜息を吐く。
「…それじゃ、待ってる間にお風呂にでも入ってらして。なんだか二人とも焦げ臭いわ。」
 その言葉で、雅恵が動き出す。
「…焦げ臭いって。自分ら、どっから来たん?」
 亜弥と美貴は顔を見合わせてから、声を揃えて言った。

「「火の海?」」

「・・・・・・なんでやねん。」
 うんざりした亜依の声が、和らいだ空気に溶けた。

248選択:2003/12/12(金) 14:18

****************************************

 静かに泣き続ける梨華の背中を、紗耶香がぽんっと叩いた。
「・・・・・・使ったのか。そのリモコン。」
 梨華はこくりと頷く。
「…って事は、ソイツは人間に戻るのを拒否したって事だよな?」
 次は、ちょっと間を置いてから…こくり。
 紗耶香は、バリバリと頭をかく。
「・・・・・・っあ〜〜〜〜〜〜!!!」
 そしてタバコに火をつけると…一口吸って、すぐに灰皿に押し付けた。

「…お前、本当にソレで良いのか!?」

 梨華は涙が際限なく流れ続ける頬を、意識のないひとみの身体にくっつけた。
「…良いんです。」
「・・・・・・だけど!!」
「幸せ、でした。出会ってから今日まで。…こんな幸せ、一生縁がないと思ってた。」
「それなら何故、自分でその幸せ壊そうとしてんだよ!!」

249選択:2003/12/12(金) 14:18
 紗耶香の目には、どうしようもない悲しみが浮かんでいた。
「このままずっと一緒にいる事だって可能なのに、なんで自らそれを…!!!」
「・・・・・・駄目なんです。」
 梨華は、かすかに笑う。
「…このまま一緒にいたら、わたしはひーちゃんから片時も離れられなくなってしまうか
ら。このままじゃひーちゃんは、わたしの幸せの犠牲になっちゃうから。」
「・・・・・・。」
 紗耶香は、そっと目を閉じて…ドアへと向かう。
「・・・・・・手術は、明日の夕方から始める。」
 それだけ言い残して、部屋を去って行った。
 梨華は一晩、そのまま泣き続けた。

250クロイツ:2003/12/12(金) 14:19


 …長らく更新しなくてごめんなさい(汗)ちょっと体調崩してまして…。
 ストレス性胃炎なんですけどね。…まだ治ってないんですが(大汗)
 本当にごめんなさいね〜(泣)…てゆーか放置し過ぎで、もう読んで下さる方がいなく
なっちゃってたらどうしよう…(号泣)


>チップ様
 あやたん、火の海の中で我に返るの巻でした(笑)
 >やっぱり笑顔が1番ですよね(何
 本当に。笑顔が一番です。
 …とか言いながら今回みんな泣きっぱなしな感じですが(汗)
 ありがとうございます!!がんばります!!

>>239名無し(0´〜`0)様
 あやみき、書いてて楽しかったです。
 長さ的にも、短編書いてるような気分で書けました♪
 がんばりますので、どうぞよろしくです!!

>>240名無し(0´〜`0)様
 ありがとうございますぅ〜(泣)そしてごめんなさい(大汗)
 ちょっと良くなって来てるんで、ちょっとずつ更新始めようと思います。
 がんばりますので、どうぞよろしくです!!

251オレンヂ:2003/12/12(金) 17:50
更新お疲れ様です。
はじめてレスさせていただきます。
クロイツさんの作品が大好きでもずっと読ませてもらってます。
涙が出てきてこのあとどうなっていくんだろって思ってドキドキ…
気長に待ってますので、まずは体を大切にしてください。

252240:2003/12/12(金) 21:28
体調の悪い時は無理しないで下さいね。
それが胃痛の原因になりそう…
いつまでも待ちますので、ゆっくりマターリ。。。

253フェンリル:2003/12/12(金) 21:58
こまめにチェックしててよかったw。
約1ヶ月ぶりの更新お疲れ様です。
体調未だ戻ってないんですね・・・心配です。
くれぐれも無理をなさいませんように。
私もストレスで胃潰瘍寸前までなった事があるので辛さは良く分かります。

>>放置し過ぎで、もう読んで下さる方がいなく
なっちゃってたらどうしよう…(号泣)

大丈夫ですよwまたーりと待っていますので先ずは療養を。では

254匿名匿名希望:2003/12/13(土) 00:17
更新お疲れ様です。
無理せずにゆっくりと身体直して下さいね。
私も皆様と同じようにマターリと待っています。

255名無し(0´〜`0):2003/12/17(水) 19:56
読んでますよーーーーーーーー!!
楽しみに待っていました!!
きっちり療養してがんばってください!!

256絶望:2003/12/17(水) 21:10

 手術室の前に、一組の夫婦がいた。
 彼らは紗耶香に向かって頭を下げる。
「私達の娘を、よろしくお願いします。」
 夫が言った。妻の方は、泣いてしまっていて…言葉を発せない状態である。
「…そんなに期待しない方が良いぞ。」
 紗耶香は冷たく言い放つ。
 見るからに高級だとわかるスーツを身に着け、意識しなくても銘柄を言い当てられる香
水の香りがするこの夫婦。そう言う人種が、紗耶香は昔から嫌いだった。
「成功するとは限らないからな。」
「もう、いちーちゃん!!…ごめんなさい、いちーちゃ…先生は誰に対しても無愛想で…。」
 フォローに回る真希に、夫はやわらかく微笑んで見せる。
「いいえ、私達なら大丈夫です。」
「でも…」
「先生にそう言って頂いた方が…私達としても気が楽ですから。」
「?」
 不安そうな表情の真希に、夫は言う。
「…昨夜、ご連絡を頂いた時・・・・・・正直、あなた達は私達を騙すつもりなのだと思っ
ていました。」

257絶望:2003/12/17(水) 21:11
「賢明な判断だ。頭から信用する方が間違ってる。」
 夫は、紗耶香に向けて温和な笑顔を見せた。
 その笑顔が、手術室のベッドの上で眠っている少女の微笑と重なる。
「…だけど、私達はここに来ました。」
「・・・・・・。」
「それが、どんな意味か…わかりますか?先生。」
「・・・・・・サッパリわからないな。」
 夫は妻の肩を抱いた。

「騙されても、夢でも良いんです。
 娘が生き返ると言う話に、乗らないわけには行かないんですよ。私達は。」

 妻がこくこくと何度も頷くのを見て。
 紗耶香も真希も、ひとみが生前どれだけ愛されていたのかを知った。
「・・・・・・。」
「…いちーちゃん…。」
 不安気な真希の髪に、そっと触れて。
「…終了予定時刻は、明日の朝だ。」
「はい。ここで、二人で待たせて頂きます。」
 紗耶香はその言葉を聞いてから、何も言わずに手術室へと入って行った。

258絶望:2003/12/17(水) 21:12
(…石川の馬鹿が…!!!)
 人間に戻ったひとみが、梨華を思い出す確率は…限りなくゼロに近い。
 しかもあんなに愛情豊かな夫婦のもとに戻るのなら、絶対に思い出す事はないだろう。
『ひーちゃんに、幸せになって欲しいから。』
 梨華の望みは叶えられるだろう。
 しかし、梨華の幸せは?
 ひとみの望みは?
「・・・・・・チッ!!」
 手術室の扉が閉まり、ベッドの上に横になった『Y−0412:HITOMI』と吉澤
ひとみの身体を見る。
「…ごめんな。」
 その呟きは、誰に向かって発せられたものなのか。
 それは、紗耶香自身にもわからなかった。

259絶望:2003/12/17(水) 21:12

****************************************

 ばし、っと平手打ちが飛んだ。
「…バ…ッカじゃありませんの!?あなた!!!」
 梨華は、叩かれた勢いに任せて顔ごと右下を向いていた。左頬が赤い。しかしその表情
は、見事なまでに感情がなかった。
 叩いた方の亜弥の方が、よっぽど痛そうな顔をしていた。
「あ、あやたん!駄目だよ、謝るつもりでここに来たんでしょ!?」
「それとこれとは別問題ですわ!!」
 亜弥は涙の浮かんだ目で、梨華をにらみ付ける。
「独りよがりも良い所ですわよ!!何が『ひーちゃんの幸せの為』ですの!!?『吉澤ひ
とみ』に戻って、彼女が幸せになれると…誰が決めたんですの!!?」
「・・・・・・。」
「彼女は、あなたと一緒に歩く人生を望んでいたのでしょう!!?それを…!!」
「・・・・・・全て、あなたの言う通りだよ。」
 梨華は痛いくらいの無表情のまま、唇だけを動かすようにして喋った。
「…そうだね。ひーちゃんはわたしといたいって言ってくれてた。」
「それなら何故!?」
「・・・・・・限界だった。わたしが。」
「!!?」
 わけがわからない、と言う感情をむき出す亜弥。

260絶望:2003/12/17(水) 21:13
 梨華はそんな亜弥の目を、見つめ返した。
「・・・・・・!!」
 亜弥は一歩退き、無意識の内に美貴の腕をぎゅっとつかむ。美貴も美貴で、亜弥を支え
ながらも…自分が倒れないように精一杯になった。
 梨華の目は、まるで奥の見えない空洞のように真っ暗だった。
「…もう、耐えられなかった。」
「な…にに、ですの…!!?」

「ひーちゃんへの、愛情に。」

 今まで黙って見つめていたあゆみが、目を逸らした。
「…すごく、すごくすごくすごく…すっごく好きで。大好きで、大事で…愛してて。」
「・・・・・・。」
「もう…耐えられなかった。自分がどんどんひーちゃんを…際限なくひーちゃんを愛して
行く事に。」
 梨華は、亜弥に喋っているのではない。いや、誰に向かって話しているのでもなかった。
そしてそれは、この場にいる全員にわかっていた。
「…わたし、駄目だから。わたしと愛情って言うのは…駄目になる、運命だから。」
 あゆみは雅恵の手を握った。雅恵はいたわるように、その手を優しく握り返す。
 知っていると言う重圧。それがこんなに痛いとは、あゆみは今まで知らなかった。

261絶望:2003/12/17(水) 21:13
「・・・・・・。」
 亜弥は、唇をぎゅっとかみ締めて…一歩前に出た。
 そしてもう一発、梨華の頬を引っぱたく。
「あ、あやたん!!」
「…教えて差し上げるわ。どうしてあたくしが、あなたのお母様の事を知っていたのか。」
「・・・・・・。」
 今はそれすらもどうでも良い。そんな顔をした梨華に、亜弥は言う。

「あたくしの母も、あなたのお母様と同じ病院に入院しているのよ。」

『!!?』
 衝撃が走った。梨華の顔にも、誰の顔にも例外なく。
「奇遇な事に、病室までお隣なのよ。…知らないでしょう?あなた、一度もお見舞いに行っ
てないみたいですし。」
「・・・・・・。」
「そして、あたくしもあなたと同じ。母に殺されそうになった事があるわ。」
「・・・・・・!!!?」
 亜弥は、強い光の点った目で梨華を突き刺す。
「あたくしの場合は、心中するつもりだったらしいけど。…あたくしが抵抗した事で、母
は精神を壊したわ。『お前まで私を捨てるのか』って、母が最後に言った言葉。あたくし
はきっと、死ぬまで忘れないでしょうね。」

262絶望:2003/12/17(水) 21:14
 梨華の目が、亜弥に問いかける。
 何故、そんな事を自分に話すのか、と。
 亜弥は笑った。
「…わかったから、ですわ。」
「・・・・・・?」
「あたくしとあなたは似ている。そして、あたくしは知ったから。」
「・・・・・・何を…?」
 亜弥は胸を張る。


「報われる愛も、あるって事を。」


 梨華の真っ暗な目から、涙が落ち始めた。
 それを見て、今までずっと黙って下を向いていた亜依が顔を上げる。

263絶望:2003/12/17(水) 21:14
「…なあ、『氷の薔薇』…いや、石川サン。」
「・・・・・・?」
「なんで、もっとひとみサンを信じられんかったん?」
「信じ…られない…?」
「そーや。」
 亜依は言った。
「…ウチが見た所、ひとみサンだってアンタを…アンタがひとみサンを愛してるのと同じ
くらい愛してたで。」
「!!?」
 亜依は、痛みを思い出すような表情で遠くを見た。
「…なんで、もっと必死になってあがかんかったんや。」
「・・・・・・。」
「必死になって、あがけば…なんとかなったのかも知れんのに。」
「・・・・・・。」


「相手は…めっちゃ側にいたのに。なんで、後悔しか残さん結末に自ら進もうとすんねん?」


 梨華の目に、鈍い光が差した。
 今度はすっと、雅恵が一歩前に出る。

264絶望:2003/12/17(水) 21:15
「石川。」
「・・・・・・。」
「私が言えるのは、ただ一つ。」
 背中に、体温を感じた。
 それは自分のものではなく、愛しい者の体温。
 出会うまで知らなかった。


「自分の愛情の価値は、愛する人が決めてくれる。」


 がく、と、梨華が床に膝をついた。
 戦いの中で、どんな苦境でも乗り越えた梨華が。
 松浦邸で手足の自由を奪われながらも、絶対に屈する事のなかった梨華が。
「・・・・・・。」

265絶望:2003/12/17(水) 21:15
 あゆみは、目を伏せた。
 見られなかった。
 あゆみだけではない。その場にいた全員が、目を伏せていた。
 これは、ある意味『自分の姿』なのだ。
『あたしはただ、梨華ちゃんを愛しちゃってるだけなんだから!!』
 無邪気にそう言っていた、小さな天使に救われなかったら。自分がこうなっていたのだ。
 梨華は膝をついたまま、呆然とする。
 涙は出なかった。
 ぽっかりと心にあいた穴は、二度と埋められる事はないだろう。
 埋めてくれる相手は、もういない。
 朝になるまで、誰も何も言えなかった。

266クロイツ:2003/12/17(水) 21:16


 次回、最終回です!!
 いやー。我ながら珍しく暗いなぁ…(大汗)
 そして体調の事ですが、皆様ご心配かけちゃってすみません(汗)しかしありがたいで
す(感涙)
 まだあんまり良くなってないんですが、ちょっとずつ回復してますのでっ!!

>オレンヂ様
 はじめまして!!ありがとうございます〜!!
 そんな風に言って頂けると、本当に嬉しくてたまらないです〜!!感激です〜!!
 がんばりますので、どうぞよろしくです!!

>240様
 ありがとうございます!!
 はい、無理はしないように致します♪
 いやぁ、しかし更新できないのって辛いですね(泣)
 がんばりますので、どうぞよろしくです!!

>フェンリル様
 ありがとうございます!!
 長らくお待たせしちゃってすみません(汗)しかし待ってて下さって嬉しいです!!
 お医者さんによると、胃のそこらじゅうに潰瘍ができては治りできては治りした跡があ
るそーで(大汗)うーむ。
 がんばりますので、どうぞよろしくです!!

>匿名匿名希望様
 ありがとうございますー!!
 無理はしないように致しますね(汗)できるだけ気楽に考えなくては。
 がんばりますので、どうぞよろしくです!!

>名無し(0´〜`0)様
 ありがとうございますぅぅぅぅぅ!!!
 マジれすか!!?感謝感激ですー(感涙)!!!
 はいっ!!気楽にがんばります!!どうぞよろしくです!!

267管理人:2003/12/17(水) 21:38
どもども、管理人です(照
お体を崩されてるそうで心配しています。
私も、ひーちゃん欲しい人の一人ですが(w
あまり無理されないように、がんばってください。
いつもありがとうございますm(_ _)m
よかったら、メールくださーい(0^〜^0)

268タロイモ:2003/12/18(木) 00:11
次回で最後ですか、ちょっと寂しくなりますね。
最後はひーちゃんと梨華ちゃんには幸せになってほしいです。
体調を崩されたということで、とても心配しております。
一日も早い回復を願っております。
がんばってください!

269名無し(0´〜`0):2003/12/18(木) 11:36
もう次で最終回なんですね。
あややを救ってくれたクロイツさんなので
ひーちゃんと梨華ちゃんも幸せにしてくれると信じて…
次回更新を楽しみに(終わっちゃうのは寂しいけど)しています。

270I LOVE YOU:2003/12/23(火) 22:31

 「ん…。」
 吉澤ひとみが眩しそうに目を開くと、そこにはたくさんの顔があった。
「…ひとみ…!!」
「ひとみ…っ!!」
 お父さん、お母さん。
 そう言おうと口を開いたが、声が出ない。
「・・・・・・?」
「…まだ、喋れないはずだ。起きているのは意識だけだからな。それから、まだあんまり
目を開けない方が良いぞ。光に慣れてないだろうから、視力が急激に落ちる可能性がある。」
 知らない顔の、真っ白な白衣を着た女が言う。
 冷たい口調。雰囲気も冷たく感じる。…こう言う人、ちょっと苦手かも。そんな事を思っ
ていると、その冷たそうな女は言った。
「いきなり言われても驚くだけだろうが、一応言っておく。お前は丸三年間眠り続けてた
んだ。」
「・・・・・・!?」
 吉澤ひとみの驚愕の表情を無視して、女は続ける。
「…眠っている間に、お前の身体の病気は全て治した。リハビリをしっかりすれば、お前
はもう完全に健康体に戻れる。」
「・・・・・・ぁ…。」
 げほげほ、と咳き込み、眩しいのをこらえて目を開いた吉澤ひとみは、女の顔を見た。
 なんとか声が出そうだ。

271I LOVE YOU:2003/12/23(火) 22:31
「・・・・・・あ…たし、ほんと…に、寝て…たの?」
 ガラガラの声で言うと、女はこくりと頷く。両親の顔を見て見れば、二人とも涙いっぱ
いの目でこくりと頷いて見せた。
「…今から車で、お前を吉澤邸に運び込む。まだしばらく寝てて良いぞ。頭ハッキリして
ないだろ。」
「・・・・・・はい。」
 両親が車の手配をする為にあわただしく部屋から出て行くと、吉澤ひとみは女に聞いて
みた。
「…あの。」
「なんだよ。」
 この女は、何故こんなに苛立っているんだろう?
 そんな事を考えつつ、続ける。
「…寝てたって事は、夢…見てたって可能性もあります…よね?」
「・・・・・・ああ、あるな。それがどうした?」
 吉澤ひとみは、笑った。
「なんだか、良く覚えてないんだけど…夢を見た気が…するから…。」
「・・・・・・夢、か。」
 閉じた瞳から、涙が溢れた。
「…あれ?何で涙が出るんだろ?」
「・・・・・・いきなり目ぇ開いたからな。疲れたんだろ。視神経が。」
 もっともらしい理由を言い、女は吉澤ひとみに背を向けた。

272I LOVE YOU:2003/12/23(火) 22:31
「…そっか。それでか。」
「・・・・・・。」
「…覚えてないんだけど…。」
「・・・・・・何だ?」

「すっごく・・・・・・幸せな夢を見た気がします。」

 女の肩が、ぴくりと震えた。
「なんで…かな?胸の奥がじんわり熱い感じ。…涙、止まらない…。」
「・・・・・・。」
「なんで覚えて…ないのに、幸せだったってわかるんだろ…。」
「決まってるだろ。」
 女は、声を震わせないようにする事に必死だった。
「魂が覚えてるんだよ。その『夢』を。」
 冷たい声。しかも、非現実的な言葉。
 だけど、吉澤ひとみは…涙を流しながら微笑んだ。

273I LOVE YOU:2003/12/23(火) 22:32

****************************************

 それから、二年後。
 大きなホールに、正装した紳士・淑女が溢れかえる。
 立食形式のパーティーだ。テーブルの上には、最高のシェフが最高の素材を使って作っ
た料理が無数に並んでいる。
『それでは皆様、グラスをお持ち下さい。』
 司会者の声で、全員がグラスを手に取った。そして全員の視線が、一人の少女に注がれ
る。
『吉澤ひとみお嬢様の、二十歳のお誕生日を祝して…乾杯!!』
 光の加減でキラキラと色を変える、可愛らしいブルーのドレスを身にまとった吉澤ひと
みは、その真っ白な頬を恥ずかしそうにピンクに染めた。
 乾杯、と人々の声が重なる。
『お嬢様から皆様に一言、お願い致します。』
「…はい。」
 壇上に上がり、緊張と喜びで胸を弾ませながら…吉澤ひとみは喋りだす。
『皆様、本日はあたしの為にわざわざ来て下さって…本当にありがとうございます。』
 タキシードにスーツ、色取り取りのドレスの軍団。
 軽く数百人はいるであろう客達。彼らは全員、一人残らず『エリート』と呼ばれる人間
たちである。例外がいるとすれば、彼らのSPくらいだろうか。
『まだまだ幼く、未熟ではありますが…あたしももう、二十歳です。』
 スピーチの内容は、かなり前にできあがっていた。頭の中に叩き込まれている。

274I LOVE YOU:2003/12/23(火) 22:32
 客に、視線を投げる。一通り見回して…はっと気付く。
 吉澤ひとみは、自分の中に違和感を感じた。

 どうして自分は、『誰かを探している』のだろう?

 誰を探しているのかもわからない。探すような相手はいないのだ。
 友達は全員招待してあるが、居場所は全て把握している。
 気のせいだ、と自分に言い聞かせて、吉澤ひとみは続けた。
『未熟ながらも、今日を迎えるまでには色々な事がありました。…三年間眠り続けたり。』
 会場から、どっと笑いの声があがる。
 このお嬢様が、二年前まで三年間眠り続けていたのは周知の事実。『眠り姫』などと言
うあだ名までついている程なのだ。
 冗談を交えつつ、感謝の言葉を述べて…吉澤ひとみは拍手の中で壇上から降りた。
 そこに。
「お誕生日、おめでとうございます!吉澤先輩!!」
 聞き覚えのある声に、くるりと振り向く。
「・・・・・・松浦さん!!?」
 吉澤ひとみは、満面の笑顔で花束を差し出す後輩に驚きを隠せない。
「来てくれたんだ!!」
「ええ、もちろん!!このあたくしが、来ないはずないじゃありませんの。」
「ふふふ、ありがとう。」
 花束を受け取る。

275I LOVE YOU:2003/12/23(火) 22:32
「今日は、あたくしの従姉妹も一緒に来ましたのよ?」
「え?松浦さんの…従姉妹?」
「ええ。…あゆみちゃん。」
 呼ばれて、一歩前に出てきた少女も花束を抱えていた。
「はじめまして、吉澤ひとみさん。柴田あゆみです。」
「…ああ!あの柴田家の!!そうだ、松浦さんの従姉妹さんだったんですよね!!」
 右手を差し出して、輝くような笑顔で言った。
「あたし、今年の二月にあった柴田さんのお誕生日パーティーには行かせて頂いてたんで
すよ。でも直接お話するチャンスがなくて…ですから、はじめまして、ですね!!」
 その言葉に、亜弥とあゆみの胸に悲しさがこみ上げた。
 しかし、それを表に出す程馬鹿ではない。
「…そう、ですわね。どうぞよろしくお願い致しますわ。」
「ええ、こちらこそ!」
 すっと、亜弥とあゆみの背後に二人の人影があらわれた。
「…マサオ?」
「みきたん?」
 亜弥とあゆみがそれぞれのボディーガード名前を呼ぶと、緊張した声が返って来た。

276I LOVE YOU:2003/12/23(火) 22:33
「…不審者が発見されました。数人は拘束しましたが、仲間がまだあと一人いるそうです。」
「…えぇ!?」
 あゆみが不安気な声を漏らした、その時。
「死ね、吉澤ひとみィィィィィィィィィィ!!!!!」

 ズガァァァァァァァァァァァン

『!!!?』
 銃声が響き、その場にいた全員が凍りついた。
 天井に向けて撃たれた銃弾は、シャンデリアに直撃。欠片がパラパラとふり注ぐ。
 銃を持った、ボーイの姿をした男は…今度は吉澤ひとみに向けて銃を突き出したのだ。
 雅恵と美貴は、自分の主人を抱きかかえて床に転がる。
「な…っ!!ちょ、ちょっとみきたん!!吉澤先輩が…!!!」
 抗議の声を上げた亜弥に、美貴は言う。
「大丈夫。…『彼女』がいる。」
「!!」
 亜弥の視界に、真っ黒のスーツを着た少女が飛び込んで来た。
「・・・・・・!!」
 彼女はためらいもせず、ボーイ姿の男の手首を掴みあげる。
「ぅあッ!!」
 男はたまらずうめき声を上げ、銃を落とした。彼女は床に落ちた銃を蹴って、雅恵へと
渡す。
 流れるような動きで、足を払って男を床に転がした。そこで吉澤家のボディーガード達
や警備員が到着し、男は連行されて行く。
「・・・・・・。」
 あっと言う間の出来事。まるで、映画を見ているような気分だ。自分の命が狙われた事
に対する恐怖など、生まれる前に終わってしまった。

277I LOVE YOU:2003/12/23(火) 22:33
 呆然とする吉澤ひとみに、彼女は言った。
「…お怪我はありませんね。」
「・・・・・・は、はい。」
「それは良かった。」
 可愛い顔。自分よりも背が低く華奢な少女。
 今目の前で起きた事が、ますます信じられなくなった。
「…ありがとうございます…。」
「いいえ、無事で良かった。」
 それだけ言い残すと、彼女はぺこりと頭を下げて…すぐにすっと姿を消した。
「ああ、吉澤先輩!本当にご無事で良かった…!!」
「ま、松浦さん…ええ、無事だけど…。」
 心臓が早鐘のようにドキドキと言っている。
 息苦しい。
 目が回る。
「…い、今の…あの方は…!?」
 亜弥は言った。
「柴田家のボディーガードの内の一人ですわ。すごく腕が立つんですの。」
「・・・・・・そ、そう…。」
 どうしてだろう。
 あの可愛い顔。華奢な身体。…独特の声。
 胸が熱い。痛い。苦しい。
「…あゆみさんの…専属なの?」
「いいえ、違います。言い方が悪かったですわね。」
「え?」

278I LOVE YOU:2003/12/23(火) 22:34
「彼女は、フリーのボディーガードですのよ。現在は柴田家に雇われてますけど。」
「…フリー…?」
 どうしちゃったんだろう。
 知らなければいけない事がある。
 いや、新たに知るのではない。そんな気がする。

「ご存知ありません?『石川梨華』って言うフリーのボディーガード。」

 どくん。
 身体の中で、何かが弾けた。
 光の洪水が、身体の中に流れ込んで来た。

279I LOVE YOU:2003/12/23(火) 22:34

****************************************

 会場を出で、走り出す。
「…はぁっ、はぁっ、はぁっ・・・・・・はぁっ!!!」
 しばらく走った所で、壁に手をついて息を整えた。
 そんなに長く走ったわけではない。そんなに速く走ったわけでもない。
 それなのに、息が乱れる。…心拍数のせいだ。
「・・・・・・はぁっ!!」
 梨華は、ぎゅっと目を閉じた。
 あの後、ストリート・ファイトを無敗のまま引退した。
 『ひーちゃん』がいなければ、続ける意味なんてなかったから。
 そして今度はフリーのボディーガードとなった。…戦い以外では、食べて行けないから。
「・・・・・・ひーちゃん…。」
 来るんじゃなかった。
 今、梨華は激しく後悔していた。
「・・・・・・ひーちゃん…!」
 幸せそうだった。笑っていた。…元気そうだった。
「・・・・・・ひーちゃん…!!」
 梨華が、望んだ通りの姿だった。絵に描いたように幸せなお嬢様。
「…ひーちゃん…ひーちゃん!ひーちゃん!!ひーちゃん!!!」
 まるで、傷や痛みをそのまま吐き出すような叫び。
 胸が痛い。張り裂けるように痛い。

280I LOVE YOU:2003/12/23(火) 22:34
 梨華は自分のてのひらを見つめた。
 何度も何度も血を浴びて、何度も何度も誰かを痛めつけた手。
 吉澤ひとみの手を思い出す。
 真っ白で、冷たさも熱さも知らない綺麗な手。
「・・・・・・。」
 梨華は壁を殴りつけた。
 もう、届かない。
 あんなに側にいたのに。ずっと一緒にいたのに。
 自分でその幸せを手放した。
「…良かったんだよ。ひーちゃんは幸せになった。これからもずっと幸せに生きて行く。
…良かったんだ、それで。」
 だから、もうあきらめなくてはいけない。そのつもりで、今日ここに来たのだ。
 一目見たら、あきらめる。そう決めたのだ。
 顔を見せる気なんてなかった。会話を交わす気も。…あんな事さえなければ。
「・・・・・・ッ!!」
 壁をもう一度だけ殴って、梨華は顔を上げた。
「・・・・・・さよなら。『ひーちゃん』。」
 小さく呟いた、その直後。


「…梨華ちゃん!!!」


 涙が混じったような声が、響き渡る。

281I LOVE YOU:2003/12/23(火) 22:35
「・・・・・・。」
 幻聴だと思った。
 だって、そんなはずないのだ。
 彼女が梨華の名前を、そんな風に呼ぶなど。
「待って、梨華ちゃん!!」
 今度こそ、梨華は振り返った。
 幻聴でも良い。幻影でも良い。
 逢いたい。

「・・・・・・!!」

 気がついたら、梨華は抱きしめられていた。
「梨華ちゃん!!梨華ちゃん!!!」
「・・・・・・なん…で…!?」
 ひとみは、力いっぱい梨華の身体を抱きしめた。
「…梨華ちゃん!!」
「…嘘でしょ?幻覚でしょ…?」
 ひとみは梨華を離し、梨華の手を取った。そして自分の頬にくっつける。
「…思い出したんだ。梨華ちゃんの事。…あたしの愛する人の事。」
「・・・・・・。」
「ひどいよ、梨華ちゃん!!なんで無理矢理手術受けさせたりしたのさ!!」
「・・・・・・。」
 涙でぼろぼろの瞳で、ひとみは梨華を見る。
「…あたし、幸せだよ。両親の元で、元気に暮らせてる。」
「・・・・・・。」
「だけどね、不幸でもある。…一番愛してる人が、側にいてくれないから。」
「・・・・・・。」

282I LOVE YOU:2003/12/23(火) 22:35
「梨華ちゃん…!!!」
 ひとみは、もう一度梨華をぎゅっと抱きしめる。

「やっと…抱きしめられた…!!!」

「え…?」
「…ずっとずっと、望んでたんだ。梨華ちゃんを抱きしめたいって。ずっと…。」
「・・・・・・。」
「いっつも無理ばっかして、ギリギリまで自分を追い込んでる梨華ちゃんを。
 本当はそんなに強くないクセに、強がってる梨華ちゃんを。
 ・・・・・・抱きしめたかった。ずっと、ずっと。」
 梨華の目から、涙が溢れた。
「…なんで、抱き返してくれないの?」
「・・・・・・抱き返したいけど…。」
「けど?」
「消えて、なくなりそうで。」
 ぷっと吹き出して、ひとみは言った。
「…大丈夫。そんなに簡単に消えてあげないから。」
「・・・・・・。」
 梨華がそっと抱き返すと、ひとみはもっと強く抱きしめ返した。
「ほらね?消えないでしょ?」
「・・・・・・っ!!」
 梨華は、想いを吐き出すように口を開いた。


「…ひーちゃん!!」


 どちらからともなく、唇が重なる。
 もう、言葉なんていらなかった。
 その存在を確かめ合えるだけで、気持ちは十分伝え合えた。

283I LOVE YOU:2003/12/23(火) 22:36

****************************************

 伝説が、ある。
 裏の世界で、今一番人気のある『娯楽』…ストリート・ファイトと、この国の上流階級
の女性たちとの間で語り告げられる、伝説。
 互いに手を取り合い、最強を保持し続けたファイターとその相棒の伝説。
 真実の愛を見つけた、恋人同士の伝説。
「梨華ちゃん。」
「ひーちゃん。」
 彼女達を語る際に、必ず前置きされる言葉。
 二人の間で、一番重要で大切な言葉。
 『I LOVE YOU』
                                   〜END〜

284クロイツ:2003/12/23(火) 22:36


 …はいっ!!最終回でございます!!!
 いかがでしたでしょうか〜?なんか書き上げた感想としては・・・・・・

『未熟者でごめんなさい』

 ですかね(大汗)
 あああ〜!!書ききれない所とか反省点がいっぱいありまくりでんもぅ(泣)
 しかし、『I LOVE YOU』はこれで終わりです。
 読んで下さった皆様方、本ッッッ当にありがとうございました!!


>管理人様
 ご心配、ありがとうございますぅぅ〜!!!
 なんとか回復はして来ております!!早く完治したいです…(泣)
 >いつもありがとうございますm(_ _)m
 いえいえいえ、こちらこそいつもありがとうございますですよ!!
 また今度、新たに連載させて頂きたいと思っておりますので、その時はどうぞよろしくです(笑)
 本当に、ありがとうございました!!

>タロイモ様
 いかがでしたか〜?最終回〜…。
 私もちょっと寂しさを感じています。あと、物足りなさも(泣)
 ああ、自分の力量不足が悲しい…(号泣)
 体調、なんとか回復して来ております!!ご心配ありがとうございます!!
 今まで読んで下さって、本当にありがとうございました!!

>名無し(0´〜`0)様
 最終回、いかがだったでしょうか〜?
 満足して頂けたら幸いなんですが、私自身ちょっと反省の残る所がありまして…(大汗)
 でもでも、楽しんでいただけたら本当にうれしいです!!
 今まで本当にありがとうございました!!

285タロイモ:2003/12/24(水) 00:14
うぅぅ〜最高でした。泣けますねー(号泣)
梨華ちゃんとひーちゃんが幸せになってよかったです。
クロイツ様も順調に回復されているようでホッとしてます。
次回作と「愛人」も期待してます!

286フェンリル:2003/12/25(木) 19:06
更新&完結お疲れ様でした。
最悪な体調の中の更新でご苦労が偲ばれます。
一時期に比べれば快方に向かっている印象を受けますが
直りかけが肝心なのでくれぐれもご自愛を。
他の方同様次回作&『愛人』楽しみに待っていますね。

287チップ:2003/12/27(土) 23:07
もぉぉ〜大好きですこのお話、お疲れ様でした。
石川さんよかったね・゜・(ノД`)・゜・感動したっちゃ・゜・(ノД`)・゜・
個人的に松浦さんが救われたのもすごく嬉しかったです(w
気が早いですけど、お正月ゆっくり休んでお身体大事にしてくださいませ。
次回作、愛人、私も楽しみに待ってます。頑張ってください。

288本庄:2004/01/22(木) 13:07
遅ればせながら脱稿お疲れ様です。
梨華ちゃんとひーちゃんの愛の深さに感動いたしました・・・。
みんな幸せそうでよかったです・・・・゜・(ノД`)・゜・
愛人のほうもがんがってくださいね。


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