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石川さんネッツ。(短編集)
1
:
リースィー
:2003/05/10(土) 14:17
またスレ立てて・・・(自分に突っ込み)
石吉用とは他に、ここでは私一押しの石川さんと他のメンバーとの「やり取り」をたくさん書こうかな、と。
(もしかしたらここにも石吉書いたりして・・・)
とにかくこちらは「石川さんと〜」で頑張って見ます。
78
:
リースィー
:2003/08/28(木) 13:03
「・・・私は・・・石川さんがいてのラジオだと思ってますよ」
そりゃあ、半年以上頑張ったらやっと慣れてきたかなって感じで、一人で進行役も任されたりもしますけど、でも・・・。
「やっぱり、石川さんがいるから安心するっていうか・・・」
「・・・・・」
「落ち着けるんですよ、私は。・・・少なくとも私は」
「・・・そっか」
その言葉で戻る石川さんの視線。だけど表情はまだどこか悲しげで。
“・・・ウソだね”
ラジオでは軽い、柴田さんと話してる時の石川さんの口癖。
「私は、本当の気持ちで言ってますよ。私・・・石川さん好きですから」
こんな悲しい石川さんを見るためにご飯を食べに来たんじゃない。楽しみに来たんだ。
石川さんには・・・そんな顔してほしくない。
79
:
リースィー
:2003/08/28(木) 13:05
「ハハ・・・ちょっとびっくりしたよ紺野・・・」
「・・・・・」
不意に柔らかく叩かれた肩。それは石川さんの手で、空気みたいな感触の後はゆっくり撫でるようにされて。
・・・だけど、顔は。
「・・・ありがとね」
さっきよりは、笑ってくれていた。
お願いです。誰でも良いから。
私と石川さんだけ、このままでいさせてください。
今は無理でも・・・未来できっと。
80
:
リースィー
:2003/08/28(木) 13:11
「たーだいまぁ」
「あ、柴ちゃんっ。・・・もーどこ行ってたのよーっ」
ようやく石川さんと話が弾み始めたと思った頃に、ぱーっとした足取りで柴田さんが戻ってきた。
「だから“ちょっと”って言ったじゃない」
「ホントにもー・・・」
「ま、気にしない気にしない」
いつものような石川さんとの会話の後に柴田さんは席に着いた。
「もう、柴ちゃん早く食べてよ。話す暇無いっ」
「え〜?私も話がしたいよ〜」
「だーめ。今は紺野と話弾んでるんだもん。ね、紺野」
また振られた。
・・・でも。
「はいっ」
今度はぜーんぜん、自分にムカつかなかった。
ちゃんと言おう、愛ちゃんに。
「私も石川さんが好きなんだ」って。
もし、これで愛ちゃんとの仲が壊れても。
・・・それでも私は、石川さんを譲らない。
終。
81
:
リースィー
:2003/08/28(木) 13:13
終了でござい。
「一粒シリーズ」の紺野さん視点ですね。
タイトルは「本当の気持ちで。」です。
誓っちゃいました、紺野さん。これからどうなりましょうか。
今度は高橋さんですね。
では。
82
:
名無し(0´〜`0)
:2003/09/04(木) 11:34
こっちもキタ━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━!!!!
川o・-・)ノさんツボです!!
続き楽しみ〜〜〜〜
がんばってください!!
83
:
リースィー
:2003/09/04(木) 12:20
82さん>ありがとうございます。
では続きを。今度は高橋さんです。
84
:
リースィー
:2003/09/04(木) 12:25
「梨華ちゃ〜ん、来たよ」
「?」
テレビの収録の帰り際、私と里田さんとミカさんと石川さんだけが残る楽屋のドアが開いた。
「あ、柴ちゃーん、ちょっと待っててね」
そしたら急に張り切りだした石川さん。
今日だったのかな、柴田さんとご飯食べに行く・・・。
「・・・え・・・」
一瞬見えたもう一つの影。
「あさ美、ちゃん・・・?」
私自身にしか聞こえないだろう声。
“あれ?柴ちゃん、紺野も一緒に?”
“そうだよー”
「・・・・・」
このまま・・・自分自身が固まってしまうんじゃないかと思ってしまった。
85
:
リースィー
:2003/09/04(木) 12:32
“そうだね。・・・柴ちゃんくらいしかいないし・・・”
・・・そう言ってたじゃないですか、石川さん。
この前・・・ウソついたんですか・・・?
朝の目覚めはすごく悪かった。
起きて早々吐気が来て、朝ごはんも全然食べられなくて。
熱は・・・何となく測るのが怖かった。
って言ったら。
「“怖い”じゃなくて、ちゃんと測りなさいよ」
車の中でマネージャーさんに怒られてしまった。
「ずっとその調子なら病院に行かないと。今日は娘。で収録だから」
「はい・・・分かってます・・・」
私だけしかいない車の中。黒いフィルムが貼られた後部座席のガラスに頭をくっつけて次に乗る人を待つ。窓の外に目を向けると最近ようやく見慣れてきた景色が流れて、次に誰が乗るのかって事が少しずつ分かってきた。
多分この道だと・・・。
あ。
「石川、さん・・・?」
ある建物、マンションの中に入ってく車。そこは何度か見た事がある建物で、地下の駐車場だって分かった時すぐに見えた人。・・・それが石川さんだった。
86
:
リースィー
:2003/09/04(木) 12:37
「おはよーございます」
「おはよー」
ドアが開いて、私のいる後部座席に滑り込むように石川さんが乗ってきた。
「あ、高橋。おはよー」
「はい。・・・おはようございます・・・」
まさか石川さんが乗ってくるなんてって思わずに出た感情と、昨日の事ですごい痛んでる心臓の影響と、・・・私自身の今日の体調のせいで、声はものすごく沈んで返事をした。
「?・・・高橋、どうしたの?」
「いえ。何でもないです・・・」
「何でもないじゃないでしょ。石川、テレビ局着くまで高橋診ててくれる?」
「高橋がどうかしたんですか?」
「・・・風邪引いてるみたいなんだよ。熱は測ってないんだって」
・・・あー、言われてしまった。
このままシラ切ろうと思ったのに。
87
:
リースィー
:2003/09/04(木) 12:42
「そうなの高橋、大丈夫?」
「はい。大丈夫ですから・・・」
急に心配そうな顔に変わった石川さん。・・・だけど昨日を多めに引きずってる今の私にはその一つ一つが・・・“いじめ”みたく思える。
・・・心配されるような存在と違うって、私の中がすごく反抗して。
「大丈夫って・・・顔赤いよ」
建物から出た後、黒いフィルムの側から洩れただけの光の下にいた私の額に伸びた何か。
もちろん、それは石川さんの手で。
「あー・・・熱あるよ高橋・・・」
「・・・・・」
分かってますよ、そんな事。
朝起きてものすごく気分悪くて、そんな時から熱があるんだろうなって自分でも分かってた。
だから・・・怖かったんだ。
「本当に大丈夫ですから・・・少し寝かせてください」
「うん。その方が良いかも」
やけにすんなりとした石川さんの返事。
その後少しは寝たけど、自分の胸の内はまだ・・・くすぶっていた。
88
:
リースィー
:2003/09/04(木) 12:48
テレビ局に着いたら、石川さんとはぐれて自分だけ別の楽屋に連れてかれた。熱もあるし、うつしたらそれこそ大変だからってマネージャーさんが・・・決める前に私が言った。
はぐれて・・・欲しかったから。
「え、愛ちゃん熱出てるんですか?」
荷物を置きに一度だけみんなの所に行ったら、マネージャーさんから話を聞いてみんながザワついた。
「ねぇ、大丈夫?今日無理したら・・・」
「んー、大丈夫。・・・そんな大した事無いから」
まこっちゃんがものすごく心配そうな顔で私に聞いてきたけど、・・・それに応えるのにもちょっとだけ疲れて。
だからもう、できるだけ早く他の楽屋に移動した。
89
:
リースィー
:2003/09/04(木) 12:51
「時間になったら呼ぶから。それまで横になってて」
「はい・・・」
マネージャーさんのいつになく小さい声の後、部屋の電気が消された。でも楽屋のドアにガラスが張られてるから、そこから光が洩れて中の様子はちょっとは分かる。
「・・・・・」
私以外、だーれもいないこの空間。台本が目の前のテーブルに置いてあるのが見えるけど、完全にソファに埋もれてる私は手を伸ばすのも面倒くさく思えて。
「・・・・・」
体が眠ろうとしてるのに、頭は何故か冴えてる。というか・・・。
「石川さん・・・」
こんな時に限って。
何で石川さんの事ばかり考えてるんだ、私は。
90
:
リースィー
:2003/09/04(木) 12:55
「石川さん・・・」
訳も無く、無意識に石川さんを呼ぶ口を掛けてもらったブランケットで塞ぐ。それでも押し出すように抵抗する私の声。
・・・何で。どうしてこんなにまでおかしくなってるんだ。熱?今日の熱のせい?
そうだ。・・・そうだよ。今日だけおかしいんだ。今日の朝のせい。今日の朝から・・・。
「っ・・・」
そう、思いたいのに。
何で私は今、こんなに・・・泣くのをこらえているんだろう。
「い、しっ・・・」
ほら、また。
また口から名前が出ようとする。また・・・石川さんを呼んでる。
自分から離れようとしたのに。自分から別々になろうとした・・・のに・・・。
・・・高橋?
91
:
リースィー
:2003/09/04(木) 13:00
「っ!?」
耳に飛び込んできた、声。ドアが開いて閉まるまでの音の間の出来事。
「・・・・・」
不意に来た悪寒みたいな震え。でも本当に寒いんじゃなかった。
・・・耳に届いた声に、震えて。
「高橋、起きてるの?」
「・・・・・」
その声は石川さん以外の誰のものでもない。それにもう一度気付かされた途端に手はブランケットを強く握っていた。
「・・・・・」
薄目を開けると、視界を横切るように石川さんが映る。暗闇の中でも石川さんの着ている服が何色か分かる。
「高橋・・・」
何度も呼びかけられる名前。
そうして伸ばされた手は。
「・・・高橋」
「・・・・・」
熱くなってどうしようもならない私の顔へ。
それに合わせて目をもっと開いたら。
「石川、さん・・・」
薄闇に浮かぶ服の色しか見えなかった視界に、とうとう石川さんの顔が映った。
92
:
リースィー
:2003/09/04(木) 13:02
「大丈夫?熱上がってない?」
「・・・・・」
車の中で見た時よりも、もっと心配そうな顔。
「大丈夫です。・・・ほんとに」
「そうは見えないよ・・・」
顔を撫でていた手は少しずつ額にいく。それに私の目は閉じて。
胸の奥を紐みたいなもので縛られてる感じがする。誰かに縛られて、締め付けられてる、みたいで。
・・・私はどうして今、こんな気持ちになってるんだろう。
93
:
リースィー
:2003/09/04(木) 13:07
目を閉じてみたけど石川さんが私の頭を撫でてくれてるのが分かった。・・・ずっと。何でこんな風にしてくれるのか分からなくないくらいに。
私だって目を閉じたくて閉じたわけじゃない。
すぐ側まで来た石川さんの顔がすごく綺麗過ぎて。・・・余計におかしくなりそうで。
「・・・ねぇ、高橋」
「・・・・・」
小さい小さい声がまた、耳に届く。
「寝てるんなら聞いてなくても良いけど・・・」
「・・・・・」
「・・・高橋、ごめんね」
今日ちょっと機嫌が悪かったんでしょ、正直。
「・・・・・」
「何でかは分からないけどさ。何か、私が悪いのかなって思っちゃって・・・」
「・・・・・」
撫でる手は止まらない。
「だから・・・」
けど、石川さんがその言葉を言ったら動きはゆっくりになって・・・とうとう、止まって。
・・・そして額に感じた手じゃない、感触。
94
:
リースィー
:2003/09/04(木) 13:09
「私のせいなら・・・ごめんね」
「・・・・・」
額に感じる吐息と声の響き。
・・・それと一緒に感じる抱きしめられてるような感覚。
感覚・・・幻覚?
でも・・・。
「・・・私もここにいて良いって言われたからここにいるね。だから・・・」
「・・・・・」
その言葉の後にまた動いた手。
それはまた頬に戻って・・・。
「・・・もう泣かないで」
自分でも止めるのを忘れていた涙を、掬った。
95
:
リースィー
:2003/09/04(木) 13:12
簡単に解けていく程の絡まりじゃない。
だから紐の端を引っ張れば引っ張るだけ締め付けられて余計に痛くなる。
・・・もうやめよう、こんな事。
もう正直になろう。
あさ美ちゃんに会ったら言うんだ。
「石川さんは私のものだ」って。
その後の未来がどんな風になっても・・・私は。
・・・私は、石川さんを渡さない。
96
:
リースィー
:2003/09/04(木) 13:18
みんなの楽屋の戻る頃には熱はもう引いていた。気分の悪さも無くなって・・・どちらかというと昨日より今の方が断然体調が良い。
「良かったぁ、元気になって。このまま熱が下がらなかったりとかしたらどうしようって思っちゃったよ」
二人で歩く廊下。この前みたいに手をつながれていて、また半歩前を石川さんが歩いてる。
「でも今日は無理しないでね」
「はい、分かってます。・・・でももう大丈夫ですよ?」
応えつつ、やっぱりこの前みたく握ってみる。・・・したら今度の石川さんは。
「そうは言っても、さ」
「・・・?」
弄ぶんじゃなくて、私よりも強く握って。
それに合わせて石川さんの足が、止まった。
「・・・どうしたんですか?」
「んー・・・」
少し上を向いて考え込むような顔してる石川さん。・・・手は、ずっと握られて。
「・・・よしっ、決めた」
「っ?は、はい?」
急に振り向いた顔。その時の石川さんの顔はすごい笑顔で。
「今日は、ね〜・・・」
今日は、できるだけ高橋の側にずっといる。
97
:
リースィー
:2003/09/04(木) 13:21
「・・・・・」
「それで私が、ずっと高橋を見張ってるの」
倒れないようにとか、また熱が出ないようにとかね。
「あ・・・」
思わず出た声。
・・・何故か知らないけど今の私はすごいすごい幸せ者なんじゃないだろうかと思ってしまって。
「高橋が嫌なら良いけど・・・」
「あ、いいえ、あの・・・お、お願いします・・・」
そのせいで、何か変な返事してるし・・・。
でも。
「・・・よし、決まりね」
石川さんの張り切った顔。まだ握られる手。・・・私の肩を叩く、もう片方の手。
その手に余計な力と熱が解されて、私も普通に笑い返せた。
98
:
リースィー
:2003/09/04(木) 13:24
肩を撫でてくれた石川さんの手が楽屋のドアを開ける。
そしてドアの向こうに広がったみんなの顔。
「高橋、復活したよーっ」
石川さんはみんなに向けて私の事を報告してくれた。
そして私は。
「・・・ただいまです」
みんなに向けて、石川さんよりも小さい声で言った。
石川さんの手を握ったまま。
右斜めから来る強い視線を、感じながら。
紐はもう、解けはじめてる。
終。
99
:
リースィー
:2003/09/04(木) 13:26
終了なのです。
タイトルは「熱を解す手。」です。
風邪引き高橋さん。このスレの一番最初も確かかぜっぴきだったような・・・。
ま、シリーズではいないけど。
今度はまた紺野さんです。
では。
100
:
名無し(0´〜`0)
:2003/09/08(月) 20:17
ずっと読んでます。
リースィさんのお話好きです!
あんまりレスしませんが応援しています。
頑張ってください
101
:
名無し(0´〜`0)
:2003/09/22(月) 16:22
石高も石紺も好きな自分にはどうなるのかハラハラです(w
どっちも幸せになって欲しいし(><)
更に高紺が好きなのでそれでもハラハラ(w
とても文が好きです!
続きマータリ待っています、頑張ってください。
もちろん向こうも(w
102
:
リースィー
:2003/10/14(火) 09:38
お久しぶりです。
やっと時間が持てたので、続きを載せます。
103
:
リースィー
:2003/10/14(火) 09:45
テレビ局に着く前に立ち寄った本屋。時間もあったからって事でその本屋さんをくまなく回っていたら。
「・・・?」
ふと目に入って、手に取った本の表紙を飾っていた花。
「・・・これ・・・」
それに、体が動かなくなった。
ラジオが九月いっぱいで終わるというのは、マネージャーさんと里沙ちゃんから直接聞いた。・・・結局今の時点で石川さんと一緒に収録に出ることがないままで。
「急な話・・・じゃないよね」
「うん。・・・あ〜あ、私ももっとラジオ出たかったのになあ」
応えてくれた里沙ちゃんはそのまんま独り言の世界に入ってしまった。・・・もっと聞きたいことあったのに。
石川さんは里沙ちゃんにどんな話してた?とか。
私の事何か言ってた?とか。
・・・でも。
「秋は大変だよね〜。グループ分かれて行動になっちゃうし」
「・・・・・」
その言葉に一瞬凍らされて、質問するどころじゃなくなってしまった。
そうだ。
・・・もう、こんな風に自分だけモヤモヤしてちゃだめだ。
104
:
リースィー
:2003/10/14(火) 09:49
「でもさ、テレビの収録とかではみんな一緒だし、そんなに寂しくないよね」
「・・・・・」
「あさ美ちゃん?」
「・・・?あ、うん・・・」
ようやく解けた声で応えて、ちょっと笑う。里沙ちゃんは首を傾げたけど、安倍さんに呼ばれてすぐに向こうに行った。
「・・・・・」
小さくため息をついて、テーブルで腕を組む。
私以外のメンバーはみんな誰かと話をしてる。・・・一人、私と同じように石川さんとはぐれる事になった彼女を除いて。
「・・・・・」
・・・今の話、盗み聞きしてたんでしょう。
だから今、一人で大人しくしてたんでしょう?
終わるって聞いて、ちょっと嬉しがってるんでしょう。
105
:
リースィー
:2003/10/14(火) 09:55
「っ・・・」
唇を噛み締めて、組んだ手をギリギリと力強く握り締める。この場の空気が、ものすごく黒く思えてきた。
「・・・あの、ちょっと外に出て良いですか?」
「ん?あ、良いけど。・・・一人で?」
丁度一人でいた矢口さんに聞いて「はい、そうです」ってドアに向かいながら応えていた。
「じゃあ、行ってきます」
その言葉はもう、ドアの外で。
何をこんなにイライラしているんだろう。
・・・なんて、そんなこと考え込まなくても分かる。
私に足りないから。
本屋で見つけたその花の実が。
私を苦しみから救ってくれる、たった一粒の実が。
106
:
リースィー
:2003/10/14(火) 10:02
どこにでもいるような人はないのは分かってるんだけど、それでも探してしまうのはある意味「癖」というんだろうか。
「・・・・・」
外の様子が見える窓を覗き込む。そして下を向いたら急に吸い込まれていきそうな錯覚を覚えた。
・・・こんな中で粒みたいな石川さんを探すなんて、絵の中の動かないウォーリーよりも数千倍難しい。
いない場合もあるんだから。
「・・・・・」
こんなところでこんな事考えてるなんて、一体誰が分かるんだろう。私の事を探してくれるメンバーもいないのに。
いない、のに・・・。
「石川さん・・・」
言葉は呟かれて、ため息と一緒に。
・・・ここにいても一緒だ。私同じ事してる。そう思った体はポーンと反動をつけて窓から離れた。
そうしたら。
「あ、紺野」
「・・・?」
窓から離れた反動で崩れたバランスを直してる隙に聞こえた声。
確実に私を刺した声。
・・・その声の主は。
「石川さん・・・?」
107
:
リースィー
:2003/10/14(火) 10:09
一瞬見えた光景に、失礼だけど「ウォーリーだ」って言いそうになった。
・・・自分からは会いに来ないはずなのに。
「どうしたの、こんなところで」
「あ・・・ちょっと、散歩です」
隣には別のマネージャーさんがいた。・・・そっか、石川さんだけ別の仕事があったんだ。
「まだ時間あるんだ。じゃあ私もここにいようかな」
「・・・・・」
何だろう、この展開。
いきなり現れて、「私もここにいようかな」って。
ウォーリーにも程がありませんか?
・・まあ。
「紺野もまだここにいる?」
「・・・あ、はい。・・・います」
嬉しい事に変わりはないんだけど。
「やっぱり楽屋はゴチャゴチャしてるの?」
「ちょっと、してますね・・・はい」
手を引かれて近くにあったベンチに座る。石川さんのもう片方の手はハタハタと顔に風を送って。
「雨ばっか降って蒸し暑いってヤだね〜。このまま秋になっちゃうんだよ?」
何となく嫌だね、ってもう一度言う唇。・・・私は、そう言った唇を見つめる事しかできなかった。
あー、石川さんからもこんな話題が出ちゃったか・・・って。
108
:
リースィー
:2003/10/14(火) 10:15
「そういえばさ」
「・・・はい?」
「・・・新垣から話聞いた?」
「・・・・・」
急に静かになった声。マネージャーさんの声も聞こえないなあって思いながら石川さんの方ちょっと見てみたら、視線は窓の方をまっすぐ向いていた。
「ラジオの話、ですか?」
その顔に吸い寄せられるみたいに声が出る。・・・したら石川さんは。
「・・・うん」
小さい小さい声で、応えた。
「終わっちゃうって話・・・ですよね」
「うん」
変わらない視線。だから私も石川さんと同じ場所を見てみた。
さっきまでへばりつくように窓に立ってたのに下しか見てなかったから、空に向ける視線は少し新鮮な感じがする。夕方、というには暗めの空。
・・・浮き世。
一瞬、その言葉が頭の中に浮かんだ。
109
:
リースィー
:2003/10/14(火) 10:23
「・・・ね、紺野」
「・・・はい?」
視線を元に戻して声を返す。戻した先の石川さんは、今度はこっちを向いていた。
「紺野は、やっぱりラジオが終わっちゃうって聞いて寂しい?」
「?」
何で、そんな質問をするんだろう。
「・・・寂しいに決まってるじゃないですか」
そうに決まってる。
初めてのラジオで、色んな物に挑戦できて。・・・それに。
石川さんっていう人を、こんなにも近くで感じられるようになったから・・・“感じたい”って思うようになったから。
・・・それは絶対、口にはできないけど。
「・・・そっか」
ため息をつくのに似たような呟き。・・・そこに、私よりも長く「そこ」にいた石川さんの寂しさが見える。
聞かざるを、得なくて。
「石川さんは・・・」
「ん?」
「・・・やっぱり、辛いんですよね。寂しいだけじゃなくて」
「・・・ん、まあ、ね。ずーっとやってきただけあるし。でも・・・」
それが時の流れなのかな。
「でもこの秋は・・・色々ありすぎて何が何だか分かんないや」
「・・・?」
石川さんの話を全部聞こうとしていた私の手は、知らない間に強く握られていた。
・・・思わずそこに目を移したら。
「もう・・・」
何で“別れ”なんてあるんだろうね。
110
:
リースィー
:2003/10/14(火) 10:30
「・・・・・」
心臓が止まっちゃうんじゃないかと思うような光景が、そこにあった。
私の手を強く握る石川さんの手。そこにぽつぽつと落ちてく・・・滴。
石川さんは、泣いてた。
「・・・石川、さん?」
「ん・・・ごめん。ちょっと浸りすぎちゃった・・・」
あはは、ごめんねー、ほんとに。私最近涙もろくてさあ。ちょっとの事ですぐ・・・。
「・・・石川さん」
「・・・・・」
私の声に石川さんは言葉を止めた。
握ってたのは石川さん。だけど私はそれに引っ張るっていう力を加えてこっちに石川さんを向けた。
目頭押さえて、唇噛んで。
・・・そんなの、石川さんじゃないよ。
「石川さん・・・」
そう思ったら。
「・・・紺野?」
「・・・・・」
何してんだろ、私。
私の腕、私の手。
・・・私は、一生懸命に石川さんを抱きしめようとしてた。
111
:
リースィー
:2003/10/14(火) 10:37
「・・・泣かないで下さい」
「・・・・・」
「もう、泣かないで下さい」
「・・・・・」
何にも応えなくなった石川さんの顔はここからは見えない。丁度私の肩の方に突っ込んでいて、涙は止まっているのか止まっていないのか分からない。
・・・でも、良いや。
今は、このままでいたいって思ってる私がいる。
「私、秋から石川さんと違うグループで行動するんですよね」
「・・・・・」
「だけど、私全然寂しいなんて思ってませんよ」
上の空だったけど、里沙ちゃんに応えた言葉は嘘じゃない。タンポポで一緒なのはもちろん。
・・・でも、その前に。
「ずっと会えないわけじゃないです。会える機会もたくさんあります。だから・・・」
だから、本当は寂しいなんて思っても口に出しません。寂しくないです。
「・・・寂しく、ないです」
私はホントに、石川さんが好きなんだなって思った。
どんなに好きな人でも今までの私ならこんな事できなかったのに。
・・・これが、ホントに“好きになる”って事なのかな。
112
:
リースィー
:2003/10/14(火) 10:45
「・・・?」
肩からフッと起き上がる感触と一緒に、手を覆ってた感触も消えた。
石川さんは、何も言わずにこっちを見て。
「うん・・・そうだね・・・」
俯き加減の顔は、少し笑っていた。
「ごめんね?・・・色々な事続いて起こったからパニックしてたみたい」
「良いですよ。今は本当にゴチャゴチャしてますから」
さっきまでの石川さんからいつもの石川さんに戻ったような感じがしたから、私もちょっと笑って返す。
・・・泣いてる石川さん見たの、何日振りだろう。そう思ったら「何か良いかも」って失礼な事を考えてしまった。
「・・・ありがとね。ちょっと立ち直ってきた」
「そうですか・・・良かったです」
石川さんの言葉に私は素直にホッとしていた。私でも役に立ったんだー、って思ってたら、また急に圧迫感が。
今度は手じゃなくて、体に。
「ホントに、ありがと」
「・・・・・」
私の今の心拍数、どれくらいだろう。
すっごいドクドクしてるみたいなんだけど、頭は冷静にそんな事考えてて。
あー、このまま止まっててくれたら良いのにって、無謀なお願いをしそうになったけど。
「おーいっ、石川、紺野ーっ。時間っ」
「・・・あ」
あっけなく、マネージャーさんに締め切られた。
113
:
リースィー
:2003/10/14(火) 10:50
「そうだ。もう行かなきゃね。一緒に行こ?」
「・・・はい」
腕を解かれた体は少し火照ってる。やっぱり心拍数は嘘がつけないみたいだ。
先を歩く石川さんに引かれる手。
そこから視線で伝って石川さんの背中を見てみる。
私が無意識に抱きしめた人は今、また“先輩”に戻ってしまったけど。
・・・それでも、少しは近付けたのかなって思ってみたりして。
窓の外を見てみる。
暗さが増した空にさっきまで感じていた空気は無い。
・・・もう少しなんだ。
もう少しで、浮き世は終わる。
私がその実を手に入れるんだ。
浮き世を忘れさせてくれるたった一粒の実を。
終。
114
:
リースィー
:2003/10/14(火) 10:53
終了なのです。
タイトルは「一粒の、滴。」
この文字の間の「点」はお気になさらず・・・。
次回は高橋さんです。
また早めに載せられると良いんですが・・・。
では。
115
:
名無し(0´〜`0)
:2003/10/16(木) 16:40
新作ですね。紺野さんいい味出しててよかったです。
次回の高橋さん楽しみにしています。
116
:
リースィー
:2003/11/30(日) 09:28
ああ・・・。相当ご無沙汰・・・。
では、高橋さん視点でいきます。
時代設定は「さくらとおとめ」に分かれるところらへんで。
117
:
リースィー
:2003/11/30(日) 09:36
ヘッドホンを取って一連の仕事を終えた事にため息をつく。
ブースを出て、ソファに座って。
「どやった、疲れたか」
「あ、いいえ。大丈夫です」
分厚いガラスの向こうでずっと私を見てたつんくさんの背中が目に映る。私の返事を聞いてもずっと背を向けたままで何か書いたり、キーボードに指を乗せてて。
「よし、高橋は終わりや」
「はい。お疲れ様でした」
「おー、お疲れ。・・・あ、そや」
「?」
バッグを持ってスタジオから出ようと手をかけた瞬間、今までずっと背を向けてたつんくさんが私を呼び止めた。
ちゃんと、私を見て。
「高橋、レコーディングする前に聞いたよな」
“娘。は二つに分かれたままになるのか”って。
「あれ、“ずっとそうやない”って応えたの二回目や。高橋と同じ事聞いてきた奴おったから」
「・・・・・」
ドアにかけていた手が、離れる。
目はまだつんくさんを見ていた。
「確か、高橋と入れ違いに出てった奴」
「・・・・・」
普通に、軽く言ったんだろうその言葉。
でも私の心の中はすごく重くなった。
118
:
リースィー
:2003/11/30(日) 09:44
「そう、なんですか・・・」
私と入れ違いにスタジオを出た人。
・・・あさ美ちゃんだった。
「ギリシャ神話でさ、睡蓮とか蓮の花の実は“ロートス”って言って、その実を食べると色んな苦しみから救われるんだって」
「・・・・・」
レコーディングの前、歌詞の書かれた紙を呼んでいるフリをしていた私の隣で、久し振りに私の方へとあさ美ちゃんの声が届いた。
「・・・ロートス?」
でも、それでも私に向けて話してるのか分からない目線だったから小さく返すだけにしたら。
「そうだよ」
「・・・・・」
その返事に、私もやっとあさ美ちゃんの方を向いて。
「それ以外に詳しい事って言うのは分かんないけど、私からしてみれば・・・」
きっとね、今の状態だと思うの。
「・・・・・」
何となく分かる、あさ美ちゃんの言いたい事。
それはつまり・・・。
「私達、それを取るために二人で遠回りしてる。でももしかしたら、これからもっと遠くなってくのかもしれない」
「・・・・・」
「・・・その前に私達」
どうにかして結果出さないといけないかも。
それにその実は。
「・・・一つしかないんだし」
「・・・・・」
紙を置いて、ちゃんとあさ美ちゃんを見る。したらあさ美ちゃんも私を見た。
「あさ美ちゃん・・・」
けど。
「紺野ー。今度レコーディングーっ」
「?・・・は、はいっ」
「・・・・・」
私が言おうとした言葉は、矢口さんの声に潰された。
119
:
リースィー
:2003/11/30(日) 09:54
休憩時間くらいはちゃんと休もうと思ってレッスン室から出る。レッスン室は私以外のみんながいて、もう一つのレッスン室でもまこっちゃん達がレッスンをしているはずだった。
「・・・・・」
自販機でジュースを買う間にふと思う。
・・・まこっちゃんがいるって事は、石川さんもいるって事なんだよなあ。
「・・・って、いかんいかん・・・」
急に降ってきた考えを頭を振りながら消して、買ったジュースを飲み干す。
だめだなあ。レッスンも仕事なのに。他の事で頭がいっぱいになってどうする。
「・・・・・」
けど、ジュースを飲んでも頭は冷えない。・・・それは分かってるんだけど。
「・・・まだレッスン中なのかな」
自販機側のごみ箱に缶を捨てて少し歩いてみる。レッスン室は隣同士で、今の位置で言えば石川さん達がいるところを過ぎたところが私達のところだ。もしかしたら石川さんがいるのが見えるかもしれないって・・・。
違う違う。まこっちゃんがいるかなって。
・・・そう思ってレッスン室をチラッて覗こうかと思ったら。
「っ!?」
突然、後ろでドンッて音が鳴って、体が前のめりになった。
「わっ・・・ってて・・・」
慌てて足先で自分の体重を支えてその反動で振り返る。
そしたら。
「っい・・・石川さんっ?」
・・・イタズラっぽい顔が、私の目いっぱいに広がった。
120
:
リースィー
:2003/11/30(日) 10:00
「なっ、どっ・・・どうしたんですかっ」
心臓にすごい圧力がかかったみたいに“どっくんどっくん”いってるのが分かる。
あの、レッスン室でまだ音楽鳴ってるんですけど。
あの、まだみんなの声、するんですけど・・・。
「びっくりした?」
いつもの笑い方で私に聞いてくる石川さん。小さく「そんなびっくりするかなあ」って言葉も聞こえた。
「・・・もー・・・びっくりしたあ・・・」
“どっくん”が“どくん”まで落ち着いてく。その証拠に大きなため息が出て。
「ごめんね?ホントは声かけるだけにしようかなって思ったんだけど、高橋の背中が誘っててさ」
「・・・だからってぇ・・・」
というか、私の考えてる事が読めてるみたいな驚かし方して。
ホントに読めてるんじゃないかって、一瞬だけど思ってしまった。
121
:
リースィー
:2003/11/30(日) 10:08
「さっき自販機のところで高橋見つけたんだけど、何か考え込んでるみたいだったからさ。ちょーっと後つけてたの」
「・・・え?あの・・・石川さん、いたんですか?」
「いたっていうか、隠れてたって言うか、ね」
「・・・・・」
隠れてた・・・って。
もしかしたら私の独り言・・・。
「何かブツブツ喋ってたよね。“レッスンが〜”ってその後ゴニョゴニョして」
「あ、あの・・・石川さん達何やってんのかなって思って気になって。ちょっとドアから見てみようかなって思っちゃって」
うん・・・って独りでに頷いて俯く。手は組んだり、ちょっと宙に浮いたままバタバタさせたりして。
・・・さっきの言葉、ホントはちょっと押さえてた。「石川さん“達”」じゃなくて・・・。
って、そういう事まで読まれてたらどうしよう。深く考えすぎかな。
「まあ。そういう事だったら良いけどね。何か悩み事でもあるのかなって。もしそうなら話聞こうと思ったんだけど・・・」
「?」
さっきまで笑ってた顔とちょっと違う“フッ”っとした息。
その後すぐに私の肩を過ぎていった空気。
「・・・・・」
石川さんが、私に寄り添って肩に手を回してくれていた。
122
:
リースィー
:2003/11/30(日) 10:14
「悩み事があったら、いつでも言ってよ」
「あ・・・は、はい」
少し上に視線が行く。そこに広がった石川さんの顔は、ホッとしたような感じの笑顔だった。
「そうだ、高橋。まだ時間ある?」
「え?えー・・・っと・・・」
時計を見ると、まだ二十分ぐらい時間があった。
「時間はありますけど・・・」
そう応えたら石川さんも時計を見て「よし」って。
「・・・ね」
一緒に散歩しよ?
「・・・・・」
タオルを肩にかけて、すっごい汗かいた後だと思うんですけど、あの・・・。
「石川さん・・・」
「ん?」
「あの・・・疲れてませんか?」
休憩時間が同じくらいだったら、私達と同じくらいレッスンして、同じくらい疲れてるんだと思うんですけど・・・。
「なーに言ってんのよ。休憩なんだし、それに私・・・」
今は高橋と二人で話がしたいし。
「高橋が疲れてるんなら、私一人で散歩するけど」
「あ・・・」
言葉と同時に、石川さんの手が私から離れてく。
・・・嫌だ。
123
:
リースィー
:2003/11/30(日) 10:19
「あ、私も散歩しますっ」
離れていきそうになった手を今度は私が捕まえる。
一瞬びっくりした顔の石川さんが目に入ったけど、そんなのおかまいなしに「行きましょーよー」て。
「・・・うんっ、時間無いし。よっしゃ、行こうかあ」
「はいっ」
二人並んで、手をつないで。
・・・結局ちょっとサボリっぽくなったけど、隣にいるのが石川さんだからすごく楽しくて。
・・・このまま、散歩じゃなくてずっと歩いていたいなあって、思った。
休憩時間の間、それこそギリギリまで。
・・・なんて、ホントはずっと。
124
:
リースィー
:2003/11/30(日) 10:25
レコーディングが終わってスタジオを出たら、あさ美ちゃんはまた一人でいた。そのまま帰りそうな姿で、でも壁に寄ってて。
私が言いそびれた事を、待っているようで。
「・・・あさ美ちゃん」
「?」
俯いていたあさ美ちゃんの顔が上がる。その目は、同じように帰る準備を終えて今にも通り過ぎようかとしている私が映ってる。
でも足は、ちゃんとあさ美ちゃんも前で止まった。
「明日、みんなで収録があるよね」
「・・・うん」
「・・・その後、私言うつもりだから。・・・石川さんに」
自分の、気持ちを。
「離れて仕事をする日が始まる前に、今のこのウヤムヤみたいのを取っておきたいから。・・・どんな結果になっても」
「・・・・・」
「・・・私だって欲しいもん。その実が」
バッグを肩にかけ直してふっとため息をつく。言いたい事は言ったつもりで、そのまま歩き出した。
・・・そしたら。
「・・・だめだよ」
「?」
背中に届いた、声。
125
:
リースィー
:2003/11/30(日) 10:31
「愛ちゃんだけずるい」
「・・・・・」
振り向いた先にどんな表情が待っているのかは分かってたけど、今はそうしなきゃいけなかった。
そうしてまた目に映ったあさ美ちゃんは・・・私のすぐ目の前にいた。
「・・・競争じゃないけど」
“誰が先に”なんて、絶対嫌だ。
「明日」
「・・・・・」
「明日、私も石川さんに言うよ」
私だって、欲しいから。
「・・・・・」
目は、お互いを見てた。でも「分かった」とか「うん」とか、そんな返事はできない。
その返事さえも「何か」を認める事になりそうな気がして。
・・・だから。
「じゃあ、明日」
「・・・明日、ね」
そんな二人から出た言葉は・・・もうそれだけだった。
終。
126
:
リースィー
:2003/11/30(日) 10:36
終了です。
タイトルは「一粒の、実」。
石高というよりも「高紺、水面下の戦い」という感じですなあ・・・(w
とりあえず、紺野さんと高橋さん視点での話はここで一旦休みです。
今度は・・・もうそろそろ石川さん視点で書かないと(汗
では。
127
:
名無し(0´〜`0)
:2003/12/10(水) 03:27
気づかないうちに新作が…
見逃していました…ΣΣ(゚д゚lll)ズガーン!!
作者さんの作品好きです!がんばってください
次作もたのしみにしております。
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