したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

ご利用は計画的に…

1くぬーぴー:2002/12/18(水) 19:16
初めまして。
ちょっと息抜きに書いてみました。
お恥ずかしながら、掲載させて頂きます。

36名無しハロモニ:2002/12/23(月) 01:26
おーいよしざわー!
おまえまちがってるぞー!(w

37くぬーぴー:2002/12/25(水) 17:13

<7>

サウナ室はすでに熱気が充満していて喉がはりついてしまうくらいの熱さだった。
ただでさえ、スタジオ内はライトで熱いのに・・・。
入ってから1分もしないうちから、あたしは汗を掻き始めた。
梨華ちゃんにいたっては先に特殊スーツを着ていたせいもあって、汗が流れ出していた。

「熱いね・・・」
梨華ちゃんはおでこの汗をぬぐいながら、呟いた。

「うん・・・」
こんな短い言葉を発するのも辛い状況だった。
あたしの身体は物凄い勢いで水分を求めていた。
喉が渇いてしかがたない・・・。

サウナ室の扉は、外が見えるようにガラス貼りになっていた。
2チームがそれぞれパズルのピースを手に、夢中になって作業に取り掛かっている。
サウナ室内からは外の音は一切聞こえなかった。
たぶん、こっちの声も向こうには聞こえないのだろう。

38くぬーぴー:2002/12/25(水) 17:15

「パズル、どれぐらいで完成するのかな?」

隣に座った梨華ちゃんが話し掛けてきても、あたしは、ずっとその作業の様子を眺めていた。
目線を合わせたくなかった。


「分かんない・・・」

「こんなに熱いと汗でメイク落ちちゃうね」

「だね・・・」

「耳当てピンクだから嬉しい」

「うん」

「どっちが先に出れるかな?」

「どっちだろうね」

「サウナ好きだけど、これは辛いよね?」
短い返答で会話を済ませるあたしに対抗するかのように、梨華ちゃんは次から次へと言葉を紡ぎだす。

39くぬーぴー:2002/12/25(水) 17:16

「よっすぃー、汗すごいよ?これで拭きなよ」
視界に梨華ちゃんが差し出したタオルが映る。


「いいよ」

「目に汗入るとしみるよ?はい、これで拭いて」
手に強引にタオルを渡された。
それでも、あたしは梨華ちゃんの方を振り向くことなくみんなの作業風景を眺めつづけた。


「よっすぃー・・・なんでシカトするの?」

「・・・してないよ」

「じゃあ、こっち見て答えてよ」

「みんなの作業を見ていたい・・・」

「・・・・・・」


ごめんね。梨華ちゃん。
夜になったら、全部ちゃんと話すから。
どっちにしても、ごめんねだね。
別れ話するんだから・・・。

40くぬーぴー:2002/12/25(水) 17:18

<8>

それにしても熱い。
サウナ室に入ってどのくらい時間がたっだんだろうか?
いや、熱いだけならまだ我慢しよう。
苦しくらいに喉が渇いていた。
気のせいか、少し視界がクラクラする。
今なら、バケツ一杯分の水を飲み干せる自信がある。


外で作業しているあいぼんと目が合った。
あたしは口パクで「は・や・く」と伝える。
するとあいぼんは、あたしに向かって何か叫んだ。


「なに?わかんないよ!」

あたしは声に出しつつ、両手を挙げて分からないポーズを取った。
するとあいぼんはカンペ用のスケッチブックに何か書き込んでこちらに見せた。

『我慢しろ。いいダイエットになるよ』

41くぬーぴー:2002/12/25(水) 17:19

「・・・」

「っぷ」
隣にいた梨華ちゃんも、あいぼんのカンペに気付いたのだろう。
小さく噴出した。
あたしはそこである事を思いつく。
今、サウナ室から飛び出して、あいぼんを追い掛け回そうかと。
その方が、相手チームは「よっすぃーずるいよぉー」とか言ったりして、
番組的にも、私的にもおいしい流れになるんじゃないかなと。


あたしは立ち上がって、勢いよく扉に体ごとぶつかった。
「こらぁ、あいぼーん!」と叫びながら。

けど扉は開かれることはなく、逆にあたしが跳ね返されてしまった。

「痛ぇ」
床に背中からゴロリと倒れこむ。
どうやら、扉には外から鍵をかけられているらしい。
そうだよね、じゃなきゃ簡単に人質は逃げ出してしまう。


「よっすぃー、大丈夫?」
梨華ちゃんは心配そうにあたしを覗き込んだ。

「外、鍵掛かってるんだよ。知らなかったの?」
梨華ちゃんはそのまま立ち上がると、あたしに手を差し伸べる。
でもあたしは、その梨華ちゃんの差し伸べた手を無視して自力で立ち上がる。
立ち上がる・・・立ち上がろうと・・・

あら?立ち上がれない?

42くぬーぴー:2002/12/25(水) 17:20

「どうしたの、よっすぃー?」
いつまで経っても自分の腕を掴んでくれないあたしを不審に思ったのか、
梨華ちゃんは強引にあたしの腕を掴む。
自力で立ち上がれないあたしは、素直に梨華ちゃんの腕にすがった。
梨華ちゃんはあたしを起こそうと引っぱりあげる。
途中まで起き上がれた。
でも、力が出せなくて、
あたしの手は梨華ちゃんの腕からも離れてしまう。

「よっすぃー!!」
梨華ちゃんの声がする。
でもなんか、梨華ちゃんの声はすごく遠くに聞こえて。
あ、背中が痛てぇ。
あら?あたし、また倒れたの?

「大丈夫?ねえ、しっかりしてよ!」
梨華ちゃんがあたしの身体を揺さぶる。

「大丈夫だよ」

声に出したつもりだけども、あたしはもう声も出せなくなってるみたいで。
口だけがパクパクと動く。


「やだぁ、ねえちょっと!よっすぃー!!」
なんで梨華ちゃん、そんな泣きそうな顔してるの?
って、泣いちゃったよ・・・
泣かないでよ。ごめん、悪かったよ。
梨華ちゃん、今度はちゃんと梨華ちゃんの腕掴むからさぁ。

43くぬーぴー:2002/12/25(水) 17:21

「どうしたの、よっすぃーってば!ねえ、しっかりしてよ!」
あ、嬉しいね。この特殊スーツ脱がせてくれるの?
すげぇ、熱かったんだよね。
梨華ちゃんも脱いだ方がいいんじゃない?
だって、すごい汗かいてるもん。
少しタオルで拭いた方がいいよ?


「誰か、来てぇ!よっすぃーがっ!ねえ、早くドア開けてよ!」
梨華ちゃんがサウナ室の扉を叩いてる後姿が目に入る。
そんなに叩くと、手怪我しちゃうよ?梨華ちゃん。

「早く!開けてってば!ねえ、よっすぃーがっ!早くー!え、何?聞こえないよ!」
梨華ちゃんはすごく混乱してるようだった。
泣き叫んでるのに、それでも扉は開けてもらえなくて。


「何で?なんで開かないの?鍵?鍵がないの?」
え?
ちょっと待ってくれよ。
鍵なくした?
何これ?拷問?
やべぇ、シャレになんないくらいに喉渇いた。
あたしの身体はもう汗さえかけないくらいに、水分が・・・


ああ、紺野に紅茶貰えば良かった。
いや、収録前に何か飲めばよかったんだな。
ううん、違う。
車が道に迷うことなく、ちゃんとコンビニ寄ってくれてれば・・・
あの新人・・・恨むぞ・・・。

44くぬーぴー:2002/12/25(水) 17:24

「よっすぃーしっかりして!大丈夫だから。もうすぐでドア開けてもらうからね!」
梨華ちゃんはなおも扉を叩きつける。
大丈夫・・・大丈夫なの?
入る前にも梨華ちゃんそう言ったよね、大丈夫だからって。
で、何が大丈夫なんだろ?

でも不思議だね。
梨華ちゃんに「大丈夫」って言われると、大丈夫のような気がしてくるよ。


『パリン』
遠くでガラスの割れる音がした。
少しだけ冷たい空気がサウナ室に入ってくる。
気持ちがいいな。

あ、梨華ちゃん。
ドア開いたの?
まだ?
そっか、まだドアは開かないのか・・・

口元に冷たい感触。
あ、水じゃん。
やっと飲めるんだね。
嬉しいよ。
でもさ、喉が張り付いちゃって・・・
上手に飲めないよ・・・。

って、梨華ちゃん、なんだよ。自分が飲むのかよ!

45くぬーぴー:2002/12/25(水) 17:26

・・・と思ったら、水を口に含んだ梨華ちゃんの顔があたしに近づいてくる。
梨華ちゃん、もう汗だか涙だか分からない顔だね。
ふふふふ、これ放送したらヤバイでしょ?
そんな梨華ちゃんだと、ファンの人、がっかりしちゃうよ?


・・・・・・。

梨華ちゃん、ダメだよ。
収録中だよ?何でキスしてくるの?
ダメだってばさ・・・あ、水だ。


『ゴクリ』

もっと・・・欲しいな。
梨華ちゃん、もっと頂戴よ・・・。

テレビの収録だろうと、みんなが見ていようと、そんなのは気にならない。
あたしは梨華ちゃんから何度も水分を・・・あたしを助ける為のキスを受け取った。

この水分に名前をつけてあげよう。
当たり前じゃん、もちろん『梨華』って名づけるよ。
『梨華』が、あたしの体内に広がっていく。

あたしが倒れるまで求めた『梨華』が、今あたしの色んな感覚を蘇らせてくれる。
生き返らせてくれて、ありがとう『梨華』。
あたしには『梨華』が必要だ。
今あたしが助かるためにも、それに生きていくためにも『梨華』が必要・・・なんだね。

46くぬーぴー:2002/12/25(水) 17:28

<9>

目が覚めた時、見たこともない天井が視界に入った。
驚いて辺りを見渡す。
あたしの腕には細いチューブが繋がれていて・・・
あ、点滴だ。
そっか、ここは病院なんだ。


マネージャーさんの話によると、
あの後、収録は中止になって、脱水症状だったあたしはすぐに病院に運ばれたらしい。
大事を取って、今日一晩入院しなくてはならないようだ。


「あの、みんなはどうしたんですか?」
あたしは、収録を止めてしまった事をメンバーに謝りたかった。

「今日は解散したよ。収録は後日撮り直しすることになったから」

「また同じやつを?」

「まさか。今度はパズルだけでね」
マネージャーさんは、微笑みながらあたしのおでこにかかった髪の毛を掻き分けた。

47くぬーぴー:2002/12/25(水) 17:30

「色々とすみませんでした・・・」

「まさか、吉澤が倒れるとは・・・って、鍵を失したことも問題だけどね」

「あの・・・梨華ちゃんも家に帰ったんですかね?」
梨華ちゃんのことが心配だった。
迷惑も散々掛けたし。

「石川なら今、治療してもらってるよ」

「治療?何で・・・」

「ほら、バカみたいにドア叩きまくって、ガラス割ったからね」

「梨華ちゃん、怪我したんですか?!」

「ん、拳をね。思ったより深かったから、たぶん何針か縫うんじゃないかな」

「・・・そうですか」


梨華ちゃんが手を怪我した。
あたしのせいで。
可愛らしい華奢な梨華ちゃんの手が・・・。
あたしを助ける為に・・・あの小さな拳がガラスを叩き割った。

必死にドアを叩く梨華ちゃんの後姿を思い出したら、涙がこぼれてきた。

48くぬーぴー:2002/12/25(水) 17:32

「吉澤は石川に愛されてるんだね。さすがにちょっと口移しにはみんな驚いてたけど」
マネージャーさんは少し笑いながらもあたしの涙を拭ってくれる。


「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」

何に対しての謝罪だろうか?
事務所に黙って、梨華ちゃんと付き合っていたことへの謝罪?
それとも、怪我をさせてしまった梨華ちゃんへの謝罪?
どちらにしても、あたしは謝りたかった。
あたしは「ごめんなさい」を繰り返しながら、頭から布団をかぶって泣き続けた。

そうだ、この涙・・・。
これはあの『梨華』かもしれない。
そう思うと、更に胸が締め付けられて
あたしの目からは『梨華』がとめどなく溢れ続けた。

49くぬーぴー:2002/12/25(水) 17:40
メリークリスマスっと。
更新は以上です。たぶん、次回が最終話になるかと思います。

>33 名無しハロモニさん
レスありがとうございます。
確かに不条理な世界ですね。
自分でも書いてて「なんじゃこりゃ?」って思ってます(w
サウナ室ではこうなりました。

>34 名無しハロモニさん
レスありがとうございます。
梨華ちゃんの「L・O・V・E、ラブリーひとみ」私も聞いてみたいものです。
カラオケで歌ったりしたことあるんですかね、石川さんも。。。

>35 名無しハロモニさん
レスありがとうございます。
今のところ、悲しい話ではないと思うので・・・このままたぶん・・・
どうだろ?気まぐれ作者なので(w

>36 名無しハロモニさん
レスありがとうございます。
勘違いよっすぃーを描きたかったので、
そのようなツッコミ頂けて嬉しい限りでございます。

んでわ、今週中にはまた更新出来たら頑張ります。

50名無しハロモニ:2002/12/26(木) 17:14
続きキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
楽しみにしています。ガンガッテください!!

51名無し新年:2003/01/02(木) 11:40
吉には、梨華ちゃんが必要だよう…。
続きが気になるます。
ガンガッテクダサイ!

52くぬーぴー:2003/01/09(木) 16:45
明けましておめでとーございます。
昨年中に終わらせるつもりだったのですが、
文書を保存したフロッピーをなくしてしまいました。
いい訳みたいで申し訳ないのですが、今探しているところです。
来週になっても見つからなければ、新たに書き直します。
読んで下さった皆様には申し訳なく思っております。
がんがります。

53名無し新年:2003/01/09(木) 19:19
フロッピーご愁傷様です。(あ!探し中ですね
いつまででも、マターリ待ちますよ!!
ガンガッテください!!

54名無し誕生日:2003/01/19(日) 15:22
まってますよ〜〜〜〜!!

55くぬーぴー:2003/01/23(木) 00:05

<11>


翌日、あたしは退院をした。
でも大事を取って1週間休むように言われた。
梨華ちゃんも手の怪我のせいで同じく1週間休みを言い渡されたらしい。
その1週間は、あたしは外に出る訳でもなく、かと言って梨華ちゃんと会う訳でもなく、家でノンビリと過ごした。
毎日のように梨華ちゃんとは電話やメールでお話をした。
他愛もない話。
今テレビ見てる?とか、ご飯何食べたとか。
普段と変わらない関係。
あの日、あたしは何で梨華ちゃんに別れを告げようと思ったのか?
今となってはよく分からない。

56くぬーぴー:2003/01/23(木) 00:06

1週間ぶりの仕事。
それは、本番中に倒れてしまった回のハロモニの撮り直しだった。
先週とは違って小川と紺野を途中で拾っていかなくていいので、14時出発。
家の前に付けられた車に乗り込むと、運転手の新人さんが声を掛けてきた。

「もう体調大丈夫ですか?」
ヘラヘラと笑う姿に少し腹が立った。
お前が道に迷わなければ、あたしはコンビニに寄れて、
脱水症状を起こす事もなかったかもしれないのに。

「お陰さまで…」
あたしがちょっと不機嫌そうに答えると、彼は少し恐縮したように
「では、出発しますか…」と独り言のように呟いてから、車を発進させた。

スモークの貼られた窓から外を見る。
見慣れた景色。
晴れてるのに、曇ったような景色…。

窓の端の方に目をやると、スモークのフィルムが少しはがれていた。
あたしは運転席に座る新人さんの目を盗んで、
少しずつスモークフィルムをはがした。
自分の顔分くらいフィルムをはがすと、外の光が入ってきたのか
少しだけ車内が明るくなったように思えた。

57くぬーぴー:2003/01/23(木) 00:07

車の横を並行して走るスクーターがいた。
赤信号で止まった時、そのスクーターを運転している人と目が合った。
スモークが、顔一つ分はがされてるから、向こうからもあたしが間違いなく見えているはずだ。
スクーターに乗っていたのは、あたしと同い年くらいの男の子。
その彼と目が合った途端、あたしは、窓を開けてから、笑顔で彼にこう言った。

「スクーター乗る時は、ヘルメットした方がいいですよ!」

あたしが言い終わるのと同時くらいに車は動き出した。
でも、スクーターの彼は、見ず知らずの人にいきなり話しかけられて驚いたのか…すぐには走り出さなかった。

窓から少し顔を出して、あたしの髪の毛は風に揺れる。
よくよく考えてみると、スモークはがさないでも、窓を開ければ済んだ事じゃないのかな?
今になってそんなことに気付く。

「吉澤さん」
運転席から声を掛けられる。
バックミラー越しに、目が合う。

「あのぉ、コンビニ寄りますか?」
先週、立ち寄れなかったことを少しは反省しているのか、
申し訳なさそうに彼はあたしの様子を伺う。

58くぬーぴー:2003/01/23(木) 00:07

「いやぁ、今日はいいですよ」

「そうですか。先週…すみませんでした…僕が道に迷ってしまったのに」

「ああ…別に…そんな気になさらないで…」

あたしもそうだけど、この新人さんもすごく口下手な人なのではなかろうか。
彼はこちらに一度も振り返る事はなく、それでも頭をペコペコとさせていた。
ま、運転してるんだから、後ろ振り向かれても恐いんだけどね。

この人に対して怒りがまったくないというと嘘になる。
先週…彼が道に迷ったせいで、あたしはコンビニにも寄れず、本番では脱水症状を起こし、倒れて・・・
だけど、そのお陰で、あたしは梨華ちゃんと別れずにすんだのも事実だ。
歯車一つずれただけで、あたしと梨華ちゃんの運命も大きく変わったのだ。

ん?運命?
そんな言葉で表現するのは少々照れ臭いが…
それでもやっぱ運命なんだと、あたしは思う事にした。

59くぬーぴー:2003/01/23(木) 00:08

カバンの中から、あたしの携帯がメールの着信を知らせる。
携帯と取り出してメールをチェック。
梨華ちゃんからだった。

【もうすぐスタジオに着く?私はもう着いたよ。あのね、突然だけど大事な話があるの。今夜うちに来れるかな?】

大事な話…。
先週、あたしが送ったメールと似てるな。
もしかしたら、梨華ちゃんの方から別れ話でも切り出されちゃうのかな?
ちょっと不安になる。
でもさ、先週は乗り切ったんだよ?あたし達。
予定通りにいかなければ、あたし達は別れる事はないんだから。

歯車が一つだけずれてしまえば…

もしも、ずれないんだったら…どうすればいい?

答えは簡単。

自分からずらしてしまえばいいんだ。

60くぬーぴー:2003/01/23(木) 00:08

一番後ろに座っていたあたしは、一つ前の席に移動をした。
バックミラー越しに、新人さんが不思議そうにあたしを見る。
あたしは、笑顔を向けた。
そのあたしの笑顔に対して、彼も笑顔を向けてくれる。

今だ!

あたしは、背後から新人さんの目元を片手で隠すと、
もう片方の手でハンドルを大きく左に切った。

「おいっ!何するんだ・・・」
運転手が必死にあたしの手を払おうとする。
でも時すでに遅し...。

あたし達を乗せた車は、対向車線に飛び出すと同時に、

トラックと正面衝突をした。

61くぬーぴー:2003/01/23(木) 00:09
       ・

       ・

       ・

       ・

       ・

       ・

       ・

       ・

       ・

62くぬーぴー:2003/01/23(木) 00:10

----------------------------------------------------------


『よっすぃー・・・ごめんね・・・』

いいよ、謝らないで。

『私のわがままだよね・・・本当にごめんなさい』

だから、いいってば・・・。

『よっすぃーといると楽しかった』

うん、楽しかった

『よっすぃー・・・』

なに?

『大好きだったよ、ありがとう・・・』

あたしは今も大好きだよ・・・梨華ちゃん・・・。

吉澤ひとみ、17歳。
梨華ちゃんと別れるくらいなら、

歯車を・・・自分でずらしちゃいます。

ごめんね、梨華ちゃん。
大好きだよ、梨華ちゃん。




−fin−

63くぬーぴー:2003/01/23(木) 00:20
どうも、すみません。
あのぉ、自分で書いてて何じゃこりゃって思ってたんですけども…
でも、たぶんですが、これ続きを書こうと思ってます。
こんな駄文でも読んで下さった方には、本当感謝しております。
ありがとうございました。

64くぬーぴー:2003/01/23(木) 00:26
>50 名無しハロモニさん
レスありがとうございます。
楽しみにして下さってありがとうございました。

>51 名無し新年さん
レスありがとうございます。
続き、ガンガリました。
つくづく、吉には梨華ちゃんが必要なんだなと思いつつ。

>53 名無し新年さん
フロッピー見つからず、結局書きなおしました。
内容は変わってないんですけども、
若干、フロッピーに保存されてたものとは違うものになりましたが。

>54 名無し誕生日さん
レスありがとうございます。
待って頂けた事感謝しております。

ちょっと時間が経ったら、続きを書こうと思います。
また、お会いする日まで。
最後に、管理人様、このような駄文を披露できる場所を提供して頂き、
誠にありがとうございました。
これからも、宜しくお願い致します。

65オガマー:2003/01/23(木) 02:25
なんてこった!!
でも、続きがあるらしいのでちょっとは安心していいのかな?(ドキドキ
お疲れサマです。面白かったですよほ。
続きマターリ待ってますねー。

66YUNA:2003/01/23(木) 17:38
一気に読ませていただきました。
なんか、心臓がまだドキ②いってます...(苦笑)
続きがあるんですかっっっ!?
楽しみに待っています。

67管理人:2003/01/24(金) 14:10
くぬーぴーさん。完結お疲れ様でした。
駄文だなんてとんでもないです!楽しみにしていた一人ですから(w
こちらこそ、ここで書いて頂きありがとうございます。多謝。
でも、でも、続きをお願いします。。。。。
きゅ救心下さい。。。。(0T〜T0)
続き待ってま〜〜〜す!!

68名無しジェンヌ:2003/01/25(土) 20:20
ヒサブリに来たらオワッテル━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
お疲れ様でした。
続き期待!期待!
( T▽T)<このままじゃ悲しすぎるっ…。

69ご利用も計画的に:2003/01/31(金) 16:28
<1>

あの事故から1ヶ月が過ぎた。
メンバーもダイブ落ち着きを取り戻してはいるようではあったが、
それでも楽屋はかなり静まり返っていた。
一番お喋りな加護さんは、一人ウォークマンを聴いていて、完全に「私は誰とも話したくないんだよう」モードであったし、
あの辻さんは、一日五食から三食になったようだし、
愛ちゃんは訛りたくとも標準語しか話せなくなってしまったし、
矢口さんは吉本新喜劇のビデオ鑑賞を始めるし、
保田さんは何を思ったのか「wow wow wow」の振り付けを、アヤカさんから教わってるし、
安倍さんは「やばくねぇーか?現状だとなっちが一番太って(ry…べさ)と体重計と睨めっこ、
飯田さんは「はぁ、お陰ですっかり夜はご無沙汰になっちゃったよ」と呟きながら今夜も交信中、
里沙ちゃんは「眉毛ビームよりもさ、みんな愛してるぜぇグレイトォ!の方がいいよね?」とコンサートでの挨拶を盗むつもりらしいし、
まこっちゃんにいたっては、富良野行ったきり戻ってこないし…。

とにかく、あの事故以降、みんなの中に確実な変化があったようだ。

70ご利用も計画的に:2003/01/31(金) 16:29

そんな中で、普段と変わらない姿勢を続けていたのが石川さんだった。
相変わらず寒いギャグを言うし、相変わらず色黒いし・・・それは関係ないか。
とにかく、石川さんは暗い雰囲気を吹き飛ばそうとするかのように、必死に明るく振舞っていた。

「ね、あいぼん、この洋服、昨日買ったんだけど、どう?似合うかな?」
黙々とウォークマンを聴く加護さんに話し掛ける石川さん。
「・・・・・・・・・・・・。」
あからさまにシカトする加護さん・・・。

「ね、ののちゃん。私のお弁当あげようか?」
お弁当を一つしか食べない辻さんに話し掛ける石川さん。
「・・・・・・もう食ったからいらねーのれす!」
やっと反抗期を迎えた様子の辻さん・・・。

「ねえ高橋、ラブリーのキャラは訛ってこそラブリーよ?」
訛れなくなった愛ちゃんを心配して話し掛ける石川さん。
「・・・・・・かたじけない。だがしかし、拙者にはもう無理のようでござる」
標準語じゃなくて、それじゃ時代劇だよ愛ちゃん・・・。

「矢口さぁーん、何見てるんですか?」
血眼になって新喜劇ビデオを見る矢口さんに話し掛ける石川さん。
「かいーの」
めだかネタを辞めて寛平になるらしい矢口さんは石川さんに自分のお尻を・・・。

71ご利用も計画的に:2003/01/31(金) 16:30

「保田さん、石川にもその振り教えて下さいよ」
プッチのリーダーに戻ろうとする保田さんに話し掛ける石川さん。
「じゃ、ついでにタンポポとカントリーの振りも教えてよ。いつ石川も事故るか分かんないでしょ?」
娘を卒業したら各ユニットを制覇するつもりなのか?保田さん・・・。

「何がご無沙汰なんですか、飯田さん?」
更新中の為、目が完全に逝っちゃってる飯田さんに話し掛ける石川さん。
「・・・石川もご無沙汰なんだよねぇ、お互い辛いね」
素直に恋敵であることをバラす飯田さん。

「ライブの挨拶考えてるの?」
眉毛を剃るか剃らないか悩んでいる里沙ちゃんに話し掛ける石川さん。
「かっけぇー、いや違うな。1,2,3ダー!!」
富良野に行った、まこっちゃんのネタさせパクろうとする里沙ちゃん・・・。

「もしもし、小川?今どこにいるの?」
富良野に旅立ってしまったまこっちゃんに電話をする石川さん。
「え?何?純の結婚式会場が分からなくて迷ってる?」
内田有紀との挙式はとっくに終わってるよ、まこっちゃん・・・。

とにかく、楽屋はこんな状態。
それでも石川さんは一人笑顔を絶やさない。
まるで、吉澤ひとみという人物の存在をかき消すかのように・・・
石川さんは今日も笑顔を振りまいている。

72ご利用も計画的に:2003/01/31(金) 16:31
<2>

「ね、紺野このあと暇?」

収録を終えて、衣装から私服に着替え終えた時に、石川さんに話し掛けられた。

「え?暇といえば暇ですけども・・・」
履き古して、相当ボロボロになった矢口さん(スニーカー)を履きながら、私は答える。

「なら、ちょっと私に付き合ってくれるかな?」

「いいですけど、どちらに行くんですか?」
椅子に座って靴を履いている石川さん(この靴に石川さんも名前付けてるのかな?)を見下ろす形で私が問い掛けると、少し間を置いてから石川さんは顔をあげた。

「うんとね、よっすぃーのところに・・・」

73ご利用も計画的に:2003/01/31(金) 16:32
<3>

あの日の事故は、翌日のスポーツ新聞の一面を大きく飾った。
『モー娘。吉澤ひとみ交通事故で重態』と・・・。

一ヶ月前、収録現場に向かう吉澤さんを乗せた車は、車線を飛び出して、大きなトラックと正面衝突した。
運転していた事務所のスタッフは・・・残念ながら即死だった。
そして、吉澤さんは頭部を強打したせいで・・・意識不明の昏睡状態に陥った。

幸いにして無傷だったトラックのドライバーの話によると、突然反対車線から車が飛び出して来たらしい。
運転手と後座席にいる吉澤さんは何やら激しく取っ組み合いをしながら揉め合っていたようで・・・

『オラには、ドライバーが女の子にちょっかい出してるように見えただ』
東北訛りのトラックのドライバーが、マスコミの質問にそう答えてるのをワイドショーで見たことがある。

74ご利用も計画的に:2003/01/31(金) 16:32
一方で週刊誌に、亡くなったマネージャーさんの経歴などが暴露され始めた。
彼はどうやら、熱狂的な安倍さんファンだったらしい。
彼の友人のコメントがあった。「あいつはすげぇ、なちヲタで、それが目的で入社したんですよ」と。
そうなると、今度は『事務所がらみのセクハラ疑惑』や『つんくはメンバーに手を出している』などありとあらゆることが書かれてしまう。
「俺が手出したのは圭織だけやのになぁ・・・」
悲しそうに嘆いていたつんくさんの後姿が記憶に新しい・・・。


それにしても一体、あの日・・・吉澤さん達に何が起こったというのだろうか?
当事者の一人は即死してしまい、もう一人は意識がない。
真実は闇に葬られたままだ。

75ご利用も計画的に:2003/01/31(金) 16:33
<4>

病院に向かうタクシーの中で初めて知ったことなのだが、石川さんは仕事に来る前、もしくは仕事が終わったあと必ず、吉澤さんが入院する病院へ通っていたらしい。
他のメンバーも何度かお見舞いに行きたいと申し出てはいたが、マネージャーさんから許可が下りなかった。
「吉澤がもう少し回復するまで待ってほしい」
マネージャーさんはそう答えていた。
加護さんはそれでも毎日しぶとく「回復するまでっていつまで待たせんねん!」と食って掛かっていた。
そんな状況の中で、石川さんだけが病院に行ける事は、スタッフの中でもおそらく暗黙の了解なのだろう・・・。
入院する恋人に会いに行くのは当然のことだから。

76ご利用も計画的に:2003/01/31(金) 16:34

「あのぉ・・・吉澤さんは今はどんな様子なんですか?」
恐る恐る、一番聞きたかったことを訪ねてみる。
事務所の人たちは「まだ回復していない」とだけメンバーに伝えるだけで。
詳しい状況はメンバーに知らされていなかったから。

「様子って?」
私の質問の仕方が悪かったのだろうか?
石川さんは「何言ってるの、紺野?」と言わんばかりの表情で答える。

「いやぁ、そのぉ・・・意識の方は・・・戻られたんですか?」
私が再び訪ねると…石川さんは悲しそう顔をして、それから小さく頭を横に振った。

「そうですか・・・」
私も小さく答える。
吉澤さんの意識はまだ戻っていない。
予測していたことではあったが、事実を改めて知らさせると心に穴が開いた感覚に襲われた。

77ご利用も計画的に:2003/01/31(金) 16:35

元気な頃の吉澤さんを思い出す。
最期に吉澤さんと交わした会話はどんな会話だったっけ?
そっか。
あの収録の日か。
もしもあの時、私がダダをこねなければ吉澤さんがサウナに入ることもなかったはずだ。
石川さんが手に怪我をすることだってなかっただろうし・・・。
事故だって・・・起きなかったかもしれない。

吉澤さんの事故以来ずっと私が感じていたもの。
それは『罪悪感』・・・。

私のせいだ。
全部、私のせいなんだ・・・。
私のせいで、吉澤さんは倒れた。
石川さんは怪我をした。
二人は一週間休むことになった。
それで・・・事故が起きたんだ。

私が素直にサウナに入っていれば・・・
私がワガママ言わなければ・・・
私が、私が・・・。

78ご利用も計画的に:2003/01/31(金) 16:35

「石川さん・・・あのぉ・・・」

謝ろう。
ちゃんと、自分の罪を認めて・・・。
私が吉澤さんの意識を奪った張本人だと・・・謝罪しなくちゃ。

「でもね、紺野」
私が呼びかけが届いていないのか、石川さんは窓の外を見たままの状態で呟くように声を出す。

「私には分かるの・・・」

「え?」

「よっすぃーの意識がね・・・私には分かるの」
不可解なことを口にする石川さんはそれでもこちらを振り返ることはなくて。
なぜだか、私は少し背筋に寒さを感じた。

石川さんには、吉澤さんの意識が分かる?

「それってどういう意味なんですか?」と口にしようとしたが、
私はそれ以上、何も言わなかった。
いや、正確には何も言えなかった。

だって、石川さんの背中が震えていたから・・・。
石川さんが声を押し殺して泣いていたから・・・。

79くぬーぴー:2003/01/31(金) 16:44
時間があったので、何となくの勢いで続きを開始しちゃいました。
自分でもちょっと
「これでいいのかよ?」と自問自答しながらの書き込みです。
いい加減な態度で申し訳ございません…。

>65 オガマーさん
レスありがとうございます。
自分でも「オーマイガッ」状態です。
これでどうやって続けさせるんだっちゃうねん!ってな感じで…

>66 YUNAさん
レスありがとうございます。
そのドキドキを落ち着かせること出来る続編を書ければ、
わたくしとしても悔いのない人生を送れるのだろうと思います。

>67 管理人さん
レスありがとうございます。
再び、駄文を掲載させて頂きます。
何卒よろしくお願い申し上げますですますく。

>68 名無しジェンヌさん
レスありがとうございます。
悲しい過ぎますかね…ですよね?
次は明るい完結を目指して…目指せるのか?
いや、目指します。

次回更新がいつになるか分かりませんが、そんなに長くない話だと思うので
早くに更新できるよう頑張ります。
いや、がんばっちゃえ!
そして、HEY未来!

80名無しジェンヌ:2003/01/31(金) 19:27
突然コメディに変わったかと思ったら、
やっぱり切ないっす。

81YUNA:2003/02/01(土) 14:17
更新お疲れさまですっっっ!!!

よっちぃ〜、早く目を覚ましてぇ〜〜
梨華ちゃんが、泣いてるよぉ〜〜
続き、期待していますっっっ!!!

82名無しひょうたん島:2003/02/01(土) 14:29
うがーーー!!
どうなってるんだ?????
続きが気になって気になって仕方がありません!
作者様がんばってください!
明るい未来を!!

83名無しひょうたん島:2003/03/06(木) 19:09
更新まだかな?

84名無し(0´〜`0):2003/07/24(木) 22:13
…。
どこいったんだろう?作者さん
(0^〜^0)が、永遠に目覚めないのか!!
( T▽T)<そんなの悲しすぎる!!

85くぬーぴー:2006/07/12(水) 04:33:05
吉澤ひとみは考える。

今となってこの作品の続きを書くことは不可能なのではないだろうか。

石川梨華は述べる。

それは、てめぇの器量の問題だよ。

藤本美貴は呟く。

これって、私出てこないよね。

矢口真理は泣く。

オイラなんて卒業じゃなくて脱退だよ、脱退。キャハハ

紺野あさ美がまとめる。

じゃ、こうしましょう。私が卒業したら続けるってことで。


くぬーぴーは放棄する。

我が人生に一片の悔いなし!



北斗の拳後継機、間もなくフロアーデビュー!!!!


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板