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AIKa過激派

97名無しさん:2008/05/23(金) 19:21:04
穏やか過ぎた天気は一変し、異様なまでに荒れ狂っていた。快適な日差しをもたらしていた青空は、
分厚い雨雲に飲み込まれるように全て覆われてしまった。大雨は地面や海面をえぐるような勢いで降り注ぎ、
強風がさらなる勢いを促すように吹き荒ぶ。眩い稲光に続いて、爆雷とも呼ぶべき雷鳴が次々に轟く。
一方その頃、デルモ基地からそれほど離れていない海域で、浮上してきた潜水艇があった。
そこから姿を見せたのは、スレンダーかつグラマラスなプロポーションに扇情的なビキニを纏った、美しい女性だった。
(本編1話のオレンジ色ビキニ姿)
優しい感じでありながらも知性と意志の強さを感じさせる、透き通るような紺碧の瞳と長い睫が際立ち、ブロンドに近い
美麗なロングヘアーをまとめ、円錐型のピアスがよく似合っている。
美人ではあるが、か弱い貧相なイメージは全くない。一言で表すと、「かっこいい女性」という印象が強い彼女は、
いうまでもなくあの特A級サルベイジャー、皇藍華だ。
偶然にも、今回の仕事はデルモ基地の近海で行っていたのであった。順調に回収作業を済ませた彼女は、作業を始める前とは
天気が別物のように荒れてしまっていることが気にかかっていた。
藍華「予想外に荒れてるわね・・・あら?」
天候の荒れ模様を気にしながら船に戻ろうとした藍華の動きが止まった。彼女の視界に一瞬入ってきたものが、異様な光景だったからだ。
藍華が見たものは、灯台の頂上に立っている人影だった。船は岬からさほど離れていないうえに、稲光が眩く照らしたため、
肉眼でも灯台の様子が捉えることができた。
藍華「・・・?」
これだけの強風を何の障害にもせず、灯台の頂上に平然と上っている者など普通は考えられない。風はますます勢いを増しており、
大波が渦巻くのも時間の問題だ。
しかし、「それ」は全く動じている様子などなかった。どうみても人間離れしている。藍華は不思議に思った。
何者かはわからないが、「それ」の真意が解せなかった。
彼女の所属するサルベイジャー会社の社長であり、養父でもある郷造が船の中から呼びつけた。
郷造「藍華、急ぐんだ。これ以上荒れるとまずい。」
藍華「わかったわ。すぐ戻りましょう。」


灯台に立っていた人影の正体は、紛れもなくティアマットだった。荒れた空模様と暗雲から吹き荒ぶ雷雨を全くものともせず、
長槍を構えて悠然と佇んでいた。美しくも力強く見えたそれは、全滅させた敵兵を背に敵将を討ち取り、
なおも獰猛に荒ぶっている戦士を思わせる姿だった。

(第1部終了)


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