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小噺をば

1超初心者:2002/12/05(木) 09:15
アイデアノートを兼ねて、この場をお借りしマス^^

小噺その1
KKコーポレーションを、少し離れたビルの蔭から見張っている黒デルモ
「なおみ」ポン、と肩を叩かれ、はっと振り向くとガストの姿。
「盗み見はいけないぜ、お嬢さん…」言いざま、繰り出される拳が女の下腹に沈む
――ドズウッ「うぅッ…!」力なく倒れ掛かる彼女を抱き止め、やれやれの表情
「ったく、まだ藍華を付け狙っているのかよぉ。いい加減、諦めてほしいなあ」
気絶している彼女を肩に担ぐと車に載せ、さっさと走り去る。1時間後。
自分のオフィスに連れこんだガスト、そこには既に50人のデルモたちが先客として
捕われていた。捕われの身、といっても何ら拘束されている訳ではなく、部屋に鍵が
かかっている訳でもない。それどころか、一人一人に豪華な机とPCが宛がわれ、
何か仕事しているように見える。今、一人の画面を覗きこむと、司令の会社への
振込手続き中。大富豪のガストは身銭を切って、司令の会社を支援しているのである。
何の為に?一人、溜め息混じりのガストである――「司令や副官たちも、安易な
リストラしないで欲しいなあ。あぶれたデルモたちが、プー太郎になれば、
以前の惰性で、藍華を狙うのはわかってんだから…もう」雇用創造も楽じゃない。
ガストの隠れた苦労を全く知らない司令たちであった。

185副官:2003/09/20(土) 20:40
>57の舞台は、六甲・神戸をイメージ

えっ、あの街並み描写は神戸だったのか!(w
「超初心者様は関西ご出身かしら」と思いながら拝読しておりました。
(当方大阪府在住です)

「憂歌団」
このグループ、詳しくは知らないのですが、大阪が根拠地で
「お掃除おばちゃん」という曲(題名だけで聴いたこと無し)があった様な。

186超初心者:2003/09/20(土) 21:01
副官様
 大阪ミナミで阪神優勝のどんちゃん騒ぎをしたデルモ+藍華サンたちが、翌日
 神戸・三宮へやってきた、という筋書きで如何でしょー^^;;
 ナターシャたちがやってきたのは六甲山牧場ということで。
 (一回しか行った事ないのに、よくここまでデッチアゲルもんだと、我ながら
  大汗デス…)でも今ごろ六甲おろし、凄いんでしょーねー^^

187副官:2003/09/20(土) 21:27
>今ごろ六甲おろし、凄いんでしょーねー

日本橋ではエンドレスで流しているスポーツ店があります。
私?勿論「六甲颪し」のCDを所有しております。
えぇ、それはもぅ、ずーと以前から・・・


しかし一方、読売ジャイアンツの「闘魂こめて」も持っておりまして。
作曲は両方とも古関裕而。
奇しくもライバル球団両方の歌を、同じ方が作曲している訳です。
(ついでに夏の甲子園大会歌「栄冠は君に輝く」もです)

188黒デルモあゆみ:2003/09/21(日) 09:23
>>187
>作曲は両方とも古関裕而。
なあ〜んだ、「モスラの歌」や「イヨマンテの夜」と同じ人なんじゃん。
「比島決戦の歌」も…。

♪いざこい、アイーカ、めがねっこ
 出てくりゃ、地獄へ、逆落とし

きゃはははは。

189超初心者:2003/09/21(日) 18:03
>古関裕而
  これまた、すんごい御大が登場デスね^^;;大正〜昭和初期って感じじゃ
  ないですか?確かに「阪神」以前に「大阪タイガース」ですもんね^^
>黒デルモあゆみサン
  よ、よおおおーーー……っくご存知で…(後ずさり、、、)
  実年齢をうかがうのも憚られますガ、あなた様はひょっとして某財閥の
  お嬢様!??でしたら、ポケットマネーでさっくりと続編製作費
  出してくださああい^^

190匿名黒:2003/09/25(木) 19:28
>>188
あゆみ〜、あんた今度からシルバーデルモって呼ぶわよ。

191超初心者:2003/11/16(日) 14:41
小噺その59

「お疲れ〜〜」夜11時、居酒屋の前。りおん、道草と飲んでいた藍華は二人と別れ、ひとり
会社の方へ歩き出す。仕事熱心だが、それを全く苦にしないのも藍華流。しこたま煽った安酒
のせいで少し足がふらつくが、意識はしっかりしている。コツ、コツ…ハイヒールの音を
響かせ悠然と歩いているようで、その実既に気付いているのが尾行の気配。何回か角を
曲がったところで、藍華は壁に張り付き身構える。程なくぬっと現れる人影に凛と放つ一声。
「私に御用かしら?」「あ…」街路灯に照らされた人物は、読まれていたことに驚きを隠せ
ない様子。片や藍華にとってはすっかりお馴染みのデルモ制服、またか、という感じである。
しかも見覚えのある顔…尾行者は、あの地下駐車場で巴投げの末、鳩尾に当て身をして
気絶させた黒デルモその人に違いない。「一度お会いしてるわね。名前はなんて言うの?」
「あずさ…」あけすけに聞く藍華につられてつい答える黒デルモが次の瞬間はっとして
睨みつける。敵意満ちる視線を正面から受け止めながら、藍華はあくまでマイペース。
「ねえ、あずさ。もう終わったんでしょ?これ以上何をしようというの?」
「わ、私は…お前を倒す…なんとしても…」夜の路上には二人だけ、通りかかかる人も
いなければ周囲に仲間が潜んでいるとも感じられない。となれば1対1の勝負を望んでいる
ことになるのだろう、そんなもの常識的には結果が見えている。それでも藍華は片隅に緊張の
面持ちを忘れず言葉を紡ぐ。「いいわ。気のすむまでかかってらっしゃい」…この後の展開は
推して知るべし、たちまち路面に叩きつけられたあずさ仰向けの身体。その柔らかな腹部には
藍華電光の拳がまさに突き込まれる刹那だった。−−ドボッ!!「ぐぁッ…!」衝撃の反動で
四肢や頭が跳ね上がるが、すぐに力なく横たわる。深い気絶の闇に落ちた黒デルモの傍らに
ひざまずき、その顔じっと見つめる藍華は例によって寂しげな表情への移ろい。半開きに
なった口元から流れ落ちる涎も前回同様見慣れた光景だが、おもむろに股間へ目をやると…
剥き出しになった純白パンティから沁み出すように、いや、こんこんと湧き出すような水溜り
ができている。ぐっしょり濡れたパンティを通して、ぴったり貼りつく女陰の色彩形状も
鮮やか。同性の藍華も見とれる程の眩しさだが、しばらくすると意を決したように
立ち上がる。一旦この場を離れた彼女が数十分後に再び現れた時、ひとつの袋をぶら下げて
いた。それから時間は更に流れ…あずさの目覚めは公園のベンチにて。(あの女がここまで
運んできてくれたのか…)路上に放置しない気遣いは嬉しいが、またしても負けた、という
のが素朴な第一感…悄然とする彼女の脇に1枚のメモが置いてある。
手にとってそれを読むうち「えっ!?」と、素っ頓狂な声。思わず股間に手を伸ばす。と、
その表情には複雑な微笑み。あずさの脳裏にはいくつかの思いが無秩序に飛び交っていた。
ブラック仲間やブルーへの言い訳をどうしよう、ああ、でもこれ中々いい、あの女への挑戦は
止めないけど憎めない相手だわ、いや本当は感謝しなけりゃいけないんでしょうけど、でも
やっぱり藍華は私たちの敵だ…などなどなど。一体何が書いてあったのか、この際メモの
一部を読み上げてみることにしよう。「…近くのコンビニにあったのは男性用パンツだけ
だったの。だからこれで我慢して。あなたの濡れたパンティは私が持ち帰って
洗濯するから…」失禁した自分への恥じらい。敵である筈の藍華からかけられた情け。官給品
であるパンティの紛失届をどんな理由にするか。にしてもこのパンツ意外に履き心地がいい、
前が開いてるのも○○に都合いいし…と、ここまで諸々の事情が重なれば、あずさvs藍華
の闘いに小休止が打たれるのも至極当然というところなのである。

192超初心者:2003/11/18(火) 19:54
ラーメン。唐突だが、日本独自の進化を遂げたこの一品はデルモたちにもファンが多い。
今、とある人気店前の路上。もう深夜にもなろうというのに相変わらず引きもきらない行列の中、
3人の黒デルモたちの姿が見える。「ここって麺とスープの絡みが絶妙なのよネー!」
「ホント。つまみも沢山あるし、ビールをきゅーっとやりたい時には最高♪」
風も冷たくなってきているが明るくはしゃぐ3人組には気にもならないのだろう、時折強く
吹き付ける北風に、はためくスカートの裾からのぞく純白パンティも愛らしい。
優に30分は待ったあと、漸く店内に入った彼女たち。満員の店内はもうもうと湯気が立ちこめ視界0m、
「こちらにご相席でお願いしまーす」と案内されたテーブル席につく。向かい側にも3人、
一心不乱にラーメンをすすっていたがフ〜〜ッ…と一息つき顔持ち上げたところで「あーっ!!」
喧騒の店内では全くどうということもない一声だが、当の6人には驚愕の瞬間。席順にみてみよう、
向かい側左から道草、藍華、りおん。手前側左から、あずさ、ジュン、ゆうこ、である。
犬吠島以来の再会、「藍華に関わるな」という司令の厳命はあってもやはり緊張は走るもの。
そんな中、ドギマギする黒デルモたちの表情をいち早く読み、先んじて一言発する藍華は流石に
年長者の余裕といったところだろうか。「ココ、いけるわよね。あなたたちもよく来るの?」
「え?ええ…」慌てて返事するのはジュン。あの地下駐車場で腹部に電撃棒を突き込まれ
気絶した彼女である。少なからず複雑な思いにもかられていよう、と藍華流心配りの言葉は続く。
「元気そうで何よりだわ。おなかの方も大丈夫だったでしょ?私の当て身って、気絶する時
一瞬苦しいけど、目覚める時はかえってスッキリしてる筈だから」
こうもあっけらかんと言われれば黒デルモとしても拍子抜け。何よりここは満員のラーメン屋、
喧嘩腰となるには余りにふさわしくない。折角長時間並んだのだから、ということもあってか、
6人共々取り敢えずはその場を取り繕う。いや、それどころか、ビールやつまみを次々追加し
果ては麺大盛りだなどと、このテーブルの盛上がり相当なもの。しっかり長居を決め込んだあと、
一同ほろ酔い気分で外へ出るとジュンが藍華の耳元でそっと囁く。
「明日夜10時。港湾倉庫にひとりで来て。私もひとりで行くから…」黒デルモの瞳に曇りは
ないが、さて今後の雲行き一体どうなっていくのであろうか…?

193超初心者:2003/11/18(火) 21:53
↑小噺その60(忘れてマシタ…汗)

194超初心者:2003/12/03(水) 21:38
小噺その61(デルモたちのクリスマス・キャロル)

大災害後の社会がどう変貌していこうと年間行事は揺るがないということか、時候はそろそろ
クリスマスである。科学の進歩とは裏腹に心の片隅でファンタスティックな夢や希望を抱く
人々もいて、この伝統への関心は相変わらず根強い。そう、まさしく伝統的なクリスマス。
互いに贈り物をし、愛を確かめる日。毎日元気に活躍するデルモたちも聖夜が近づくにつれ、
特別な思いが胸にこみ上げる。デルモ・コーポレーションの社用車
「ホーリー・エクスタシー」号も既に整備は万全、もはや当日を待つばかり。そんな彼女たち
目下の活動は年末助け合いボランティア。街頭に立って、恵まれない人たちへの寄付を募ると
いうものである。これは世間を欺くカムフラージュ?いや、確かに遊覧船ガイドやファミレス
のウェイトレス同様、ある種情報収集の一面はあるがハーゲン計画を放棄した今、彼女たちの
善意もあながち嘘ではない。あの際立つデルモ制服のまま路上を吹き抜ける北風にめげず
募金箱を持つデルモたち。時折風が下から吹き上げると、清楚な純白パンティは丸見え。
のみならず、いたいけな秘所のぷっくりとしたふくらみや可愛いおへそまでが惜しげもなく
露わになり、その都度目を釘付けにして立ち止まる通行人から気前のいい募金が飛び込む。
こうして全体としては結構な金額が集まってくるがここに一つのハプニングあり。それは
某クライアント老人との遭遇である。ラグデータの入手で莫大な利益を得た彼がボディガード
を引き連れ悠然と歩いていた時、何人もの黒デルモたちから声をかけられる。互いに面識が
あるとはいえ、ラグ争奪の一件は過去の話。毛頭無闇な波風たてるものでなく、ひたすら
丁寧に募金を呼びかけるデルモたちなのだが、彼の態度はけんもほろろ。びた一文出さず自宅
豪邸へ戻った彼が、その晩3人の幽霊の訪問を受ける。ひとりは過去の亡霊。老人が若かりし
頃、純粋な恋に身を置きながら欲望のために別れた苦い青春の思い出を見せる。過去の恋人は
どことなくネーナ似のクール・ビューティだった。二番目は現在の亡霊。ハーゲンそっくりの
長髪内巻カールが特徴のその亡霊は、老人が薄給でこき使うひとりのボディガードの家庭を
見せる。頑丈な身体つきと黒サングラスで強面に見せていても、黒デルモたちによって簡単に
倒される彼はその実、貧しい家庭と病弱で小さな息子を抱える非力な男だった。それでも彼と
その家族は質素ながら楽しい団欒を持っている。しかも雇い主の老人に感謝しクリスマスを
祝ってくれる彼らに、老人の良心はズキンと痛んだ。そして三番目。未来の亡霊は黙ったまま
彼をクライアント・オフィスへ連れていく。そこでは大勢の人間が喜色満面に騒いでいた。
彼らが喜んでいたのはある人間の死。それが誰かと言えば他ならぬ老人の事。三番目の亡霊は
死神だったのだ。助けてくれ…!無限の暗黒に引き込まれながら彼は泣き叫ぶ…と、はっと
目覚めればベッドの上。これが夢でも幻でもないと感じた老人は、傍らの机にある時計を
見る。イブはまだ終わっていない。そうだ!彼は自宅を飛び出し、七面鳥ならぬステーキ+
タラバガニ詰合せと回転木馬ならぬコンピューターゲームを買いこんでボディガードの家へと
急ぐ。本人に対して給料も充分に上げると伝えた後は、デルモたちのところへ戻ってこれまた
盛りだくさんなプレゼント。即ち、大枚の募金である。喜びと悲しみを分かち合う素晴らしさ
に今更ながら気付く老人だが、同時に感激を残す思い出の一品もゲットした。募金に感謝した
黒デルモ“ももえ”がその時履いていたパンティがそれ。その時、ついでに中まで拝ませて
もらったのかどうか…その点は不明なままであるが…。

195副官:2003/12/03(水) 21:58
ディケンズのクリスマス・キャロル。

これはまた、時節柄ピッタリのネタですネ。
老人にとって何よりのクリスマス・プレゼント。
結構なオチでした。

196黒デルモあゆみ:2003/12/09(火) 22:48
ちょっと、超初心者さんと副官さん。
クリスマスはまだちょっと早いよ。
やっぱりこの時節は忠臣蔵だよ。
あゆみはいつか皇藍華の首をあげて、ハーゲンさまの御霊前に酬いてやるんだ。

197副官:2003/12/10(水) 00:42
>>196
今度の日曜、12月14日は「俵星玄蕃」ですネ。(って、何のネタ?)

ふー、やはり私は「文字レスの人」です。
ここは安心して落ち着けます。

198超初心者:2003/12/10(水) 18:18
>196
う〜ム。確かに時節ではありますガ(汗)デルモたちが山鹿流陣太鼓で討ち入りなんて
めっちゃシュール。でも、あゆみさん、無闇に刀や鉄砲振り回しちゃイケマセンョ。
デルモたちはいつも素手の格闘に徹しながら、どこまでも人命を尊ぶ美しい乙女でいてくださーい^^

199超初心者:2003/12/10(水) 18:20
>197俵星玄蕃
 し、渋いっっっ…ひょっとして浪曲の世界デスか?
 三波春夫とか…。

200超初心者:2003/12/12(金) 19:32
小噺その62

日本の伝統としてこの時期クローズアップされるもの、忠臣蔵。どんなにワンパターンと
評されようが根強い人気は伊達じゃない。勿論こうした歴史を語ろうにも、幾多の
モニュメントもろとも大災害で水没した東京ではある。が、京都などに比べ有名な神社仏閣の
少ないことが幸いし、人々の願望に沿ったこの手合いのサルベージ作業は比較的順調に
完了した。その中のひとつ、神奈川県に移設復元された泉岳寺では、来たる12月14日の
義士祭を目前に控え、ごったがえす観光客で押すな押すな。お線香の煙がもうもうと
立ち込める境内にはいくつもの縁日屋台がたち、終日賑わっている。客層はやはり年配が
多いが中に飛びぬけて若い女性の一団あり。黒、青、ピンク、ゴールデン、白のミニスカ・
コスチュームに身を包んだ美しい女たちとくれば、言わずと知れたデルモたちということに
なるが、その場の爺さん婆さんオッサンオバちゃんたちには全く見当もつかない。
ぎゅうぎゅうに押し合う中、何じゃこのコたちは、パンツなんぞ丸出しで…それも見慣れた
福助のと違って随分布が小さいわい、これじゃすぐ風邪引くぞ、と怪訝な顔をする位である。
これこそ猫に小判とも言えようが、当のデルモたちは一様に神妙な顔つき。どうも大石内蔵助
の墓前で何かを誓おうとしているらしく、黒緑のロングヘアをなびかせる白制服の女、即ち
司令が数十人ものデルモたちを引き連れ人波をかき分けている。時折部下の方へ振り返る
司令が放つ、凛とした一声。「もうすぐです。みんな、バラバラにならないよう固まって
いきましょう。誓いは私が代表して言いますから…」ところが、ごったがえす境内でも特に
人気のこの一角は、次々と押し寄せる客によって立ち止まることも叶わない。皆、押される
ように歩を進めながら一目墓石を見やる程度がやっと。そんな中、漸く墓前に到達した司令が
大勢のデルモたちを止め、例のおっとり口調で切り出せばどうなるか?「…あなたは、主君
への忠義に生き、そして死んだ人ですね。私たちも…」ここまで言ったところで、周囲から
怒涛の圧力と罵詈雑言。「こりゃあっ、後ろが詰まってるんだぞお!さっさとどかんかっ」
「すみません、もう少し待って…あ、ああ〜〜!!」ドドドドドッッッ…多勢に無勢、司令の
声など完全にかき消され、あっという間に押し出されてしまったデルモたち。そのまま
弾かれるように山門まで流されてきた彼女たちは全員呆然としている。「し、司令ぇ〜…」
泣きべそのニナ・エスコ。しかし流石に司令というべきだろう、落ち着きを取り戻した
彼女は、若い白デルモの肩にそっと手を置き、ゆっくりと仲間へ話しかけている。
「誓いは…叶いませんでした。仕方ありません、来年の12月まで計画を延期しましょう…
それより、この近くにお洒落な喫茶店がありますから、そこで皆さん紅茶でもいかが…?」
そもそも何の計画か司令にしかわからないまま、またも1年の平穏が決定された瞬間なので
あった…。

201副官:2003/12/14(日) 18:14
今日は12月14日。
時に元禄15年12月14日、江戸の夜風を震わせて〜、響くは山鹿流儀の陣太鼓・・・

>>199
>三波春夫とか…。
私、三波春夫「俵星玄蕃」を隠し芸にしております。
全編9分弱(歌/歌/浪曲/講談/歌/浪曲/歌)を無伴奏で演ります。
レコードを擦り切れるまで聴いて覚えました。(実際擦り切れたので買い直しました)

以前東京に出掛けたついでに、記念にと「泉岳寺」と「吉良家跡」を訪ねました。
泉岳寺では、小振りの浪士達の墓石が、死してなお主君を守るが如く寄り添っていました。

その後玄蕃が「仁王立ち」した両国橋を歩き、松坂町の吉良家跡へ。
そこは塀で囲ったネコの額程の薄暗い土地で、模型の井戸と額がありました。
現在の松坂町一帯が当時の吉良家敷地と聞き、
「浪士達、この広い中、よくぞ隠れていた吉良を発見したもの。運が味方したか。」
「ここから泉岳寺まで約10km」「時間を掛け、敢えて衆人環視で移動した理由は」等々、
思いを巡らせたものです。

AIKaと全く関係の無い話でした。失礼しました。

202超初心者:2003/12/14(日) 20:46
>201副官様
 貴重な体験談有難うございました〜。
 第6話「白銀のデルモ作戦」で司令が言うセリフ「…これが、私たちの意志だ!」
 とダブらせ、人間のモラルやモチベーションってなんだろう〜(Byテツ&トモ)
 と考えたりします^^;

203超初心者:2004/04/03(土) 22:29
小噺その63

4月。年度の初頭。桜並木。それぞれの門出…さて、この節目にあたり一件触れなければならない
ことがある…。そう、以前とりあげたデルモ・コーポレーションの教育事業…ご記憶だろうか。
幼稚園に端を発し11年制一貫の上級学校を創設したデルモたち。その存在は、いま一期生の
卒業生たち悉く17歳にして難関大学への受験を制することによって、厭でも世間の注目を
集めることになった。17歳といえば普通の感覚では飛び級である。そんな優駿を育成している
のが、あの、しょっちゅう失敗ばかりしているデルモたちとは中々イメージ出来ないが、裏を
返せば彼女たちにも知られざる長所がある、ということ。即ち「デルモたちはバカでない」、
という一言に尽きる。まるで浜○あゆを売り出す時に秋○康がつけたキャッチコピーみたい
だが、決して逆説でもなんでもなくデルモたちは多くの失敗をテコにして頑張ってきた、といえば
通りが良いだろうか。闘いの時にはデルモたちをコテンパンにしてきた藍華もその点は同意するに
違いない。いや、あっけらかんなスタンスを見せながら、その実「愛のムチ」を心に秘める藍華
としては、多くのデルモたちを気絶させた過去も大いに意義深いことだったと感じている。
天才ハーゲン博士の科学力をそっくり受け継げること自体、デルモたちに非凡な才があることは
明らかだが、それだけでは人間的な成長は望めない。傍目には厳しく映るかも知れないが、
敢えてド派手な立ち回りをすることによって、彼女たちの魅力を一層引き出そうとした…
まさに挫折こそが成功の母、熱意の源。デルモたちの思いはパンチラ咲き乱れる大らかな情操教育
と相俟って、十二分に生徒たちひとりひとりへ伝わった。その結果が事業の成功である。とはいえ
ここでデルモ予備軍を是認する藍華などとは…司令の思惑が藍華のそれと一致する保証など
どこにもないとなれば、尚更気に掛かる。次世代のデルモたちデビューが迫る中、果たして両者の
間柄がどんな風に紡がれていくのか…実際興味尽きることはない。

204超初心者:2004/05/18(火) 19:05
小噺その64
(1)
そこそこに立ち位置が与えられているが、今一希薄な役どころのガスト。藍華Love、富豪の
ボンボン、精悍な肉体派…プラスに働きそうな材料をいくつも持ってはいても、決して彼自身が
中心を占めることない女たちのドラマ。例えば、捕われの藍華を助けるため単身ハーゲン艦へ
潜入した時。彼は実に数十名ものデルモたちを倒している。特に、艦橋にいた白デルモたち全員を
気絶させた、ということはハーゲン艦制圧にも匹敵する重要ポイント。だが、そこですら彼は
ヒーローたり得ない。あの場の主役はあくまで倒される方の司令だった。
「…俺はフェミニストでね…顔は勘弁しといてやる…よ!」ガストにこのセリフを言わせたのは
司令の凛とした美しさであり、健気さであり、儚さである。
艦橋だけでない、艦内あちこちで遭遇したデルモたちへも、一々言葉を付け足すガスト。
それも皆、失神し倒れゆくデルモたちが、その可憐さ美しさ非力さをもって言わせたと断定して
差し支えない。翻って彼女たちの視点で見てみよう。りおんのお尻にビタミン注射をした後、
交代のため慌てて医務室を出て行った“くるみ”“みか”の場合…
「待ってよぉっ」先に走って出ていった“みか”を追う“くるみ”。廊下の角を曲がり姿が
見えなくなった“みか”に掛ける呼び声は、かえって友が発する苦悶の悲鳴、危険を知らせるサインを
かき消すことになった。“くるみ”が息せき切って角を曲がった瞬間――ドスッ!「うっ…!」
吐き出される短い呻きは“くるみ”の愛らしい口元から。
意識は一瞬で遠のき、まぶたも重く閉じられる。その柔らかな腹部に男の頑丈な拳が突き込まれて
いるのを彼女自身が確認することもない。ただ、一撃を受ける直前、秒にも満たないカケラの
合間、“くるみ”は見た。何か、がっしりとした大きな人影。チラッと垣間見えた、甘いマスクを。
誰だ、などと恫喝するつもりはなかった。(あなたは誰なの…?)一応丁寧に尋ねようとした
筈である。が、そこまでだった。思念を表に出すどころか、全身を走る衝撃と共に視界がみるみる
漆黒に取り込まれてゆく。力失なわれた自分の身体が男の分厚い胸に抱かれている
ことなど知るよしもない。「ったく〜、何だよーここはぁ…おんなぁ〜ばっか、じゃないかぁ…」
ガストが床に倒れる“みか”たちを見やってボヤくセリフも、当然耳には届かない。

205超初心者:2004/05/18(火) 19:06
(2)
気を失った“くるみ”を抱くガスト、頭を掻きながらの表情は明らかに照れ隠し。見かけが
可愛いくとも、そうそうたる新鋭艦に乗り組む軍人たちなのだ、と思えばこそ、当て身や手刀と
いった、敢えて手荒な真似をした。だが…どうも自分で腑に落ちない。というより、むしろ
彼女たちへの羨望が先にたつ。確かにここでも4人の黒デルモたちを倒す手並みは鮮やかである。
が、ちっとも自分が目立つ気がしない。むしろパンティを晒し気絶しているデルモたちに多くの
注目が集まるような気がしてならないのである、この場に第三者などいないにも関わらず…。
そう、ガストの第一感は正しい。単にパンティだけが取り沙汰されるのでなく、彼女たち
一人一人の存在に、しっかりとした裏づけが刻まれているのだから…。彼の知らないプロフィール
ではあるが、この黒デルモ“くるみ”“みか”は揃って14歳。いつも仲良しの二人にはいくつかの
共通点があった。それはどちらも一人っ子ということと…大災害で片親を亡くしている、という
冷徹な事実…。“くるみ”は父を、“みか”は母を失った。止め処なく涙溢れていたその時、彼女たちに
キザなポーズでハンカチを差し出した人物がいる…それがハーゲン博士。彼は夫々の親の承諾を
得て、二人を引き取った。必ず幸せにする、と伝えて。地球再生計画など思いもよらない当人や
家族はすんなり博士の言葉を受け入れた。が、それなりの愁嘆場はある、二人が夫々の親へ残す
一言に。「おかあさん、待ってて。くるみはきっと立派になって戻ってくるから。絶対
おかあさんを幸せにするから…」「みかも頑張るよ。お父さん、楽しみにしててね…」
弱冠14歳にして健気な決意。親思いの優しい心。同期でデルモゲニィに加わり、境遇も
似たもの同士だった二人はすぐに意気投合した。毎日「おっはー」「くるみ、あたし今日ね〜…」
「マジ〜!?それってチョー受けるンだけどぉ…」などと軽い会話ばかりではあるが、それ全て
素直な性格の発露である。本来ならまだ楽しい中学生生活を謳歌できる年代、明るい言葉に
まぶしながら青デルモたちのシゴキに耐え、下積みの仕事を厭わない姿には、見ていて結構
目頭が熱くなったりする。

206超初心者:2004/05/18(火) 19:07
(3)
無論ガストの方は、そんな経緯など露知らず楽々とデルモたちを眠らせていくのだが、いま
“くるみ”を抱きながら図らずも思う。(このコ、いったいいくつだよぉ〜。こんな、ひ弱な
女の子が軍人気取りってのは、どういうこったぁ。それに…)黒デルモの髪から漂うフローラルな
リンスの香りを満喫し、ここで若干情に絡むのも仕方がない。
(見たとこ14、5歳って顔つきなのに、この胸ずいぶんデカイじゃねえか…下の方は
どうかなっと…)片手をスカートの中に入れ鼻息も高ぶるガスト。
(こ、こりゃあ…パンティの上からでも充分わかるな…立派に発育してるぜ って、ヤベエ、
俺までどうにかなっちまいそうだ…)いつの間にか、膨らんだ股間の先端がズボンを勢い良く
押し上げ、そのまま黒デルモのスカート、下腹部あたりにくい込んでいる。
「…ぅぅ…」気絶している“くるみ”無意識の呻き声にハッと我に返る男はしかし、僅かに身体を
離し、改めて彼女を見据える理性があった。豊かに実る乳房やくびれた腰まわり、ぷっくりとした
花園の丘、すらりと伸びた足の線などは実際惚れ惚れするほどだが、幼げな雰囲気も十二分に
残っている。そうだ、このコなんてまだほんの子供だろう、子供だ、子供だ、子供だ…心の内で
呪文のように呟き、荒ぶる欲情をなんとか封じた段階で自画自賛。(まぁ、どうってことはない。
俺には藍華だけが全てさ。こんな年端も行かないコにクラっときてどうするガスト!)
さっき当て身を食らわせた時の、柔らかくうねるお腹の感触を思い起こしつつ…辛うじて未練を
断ち切り、穏やかな視線に転じるガスト。(何の因果かぁわからないが…さっさとこんな船から
降りて普通の暮らしをしなよ、お嬢ちゃん…)(今は藍華を助け出そうって時だから、こんな
巡り合わせになっちまったが…いつか、縁があればお嬢ちゃんにイイ男のひとりも
紹介してやるよ、俺よりはブサイクだろうけどな…)娘ほどではないにしろ相当な年齢差を感じる
ガストとして、ありがちな落としどころを思い浮かべただけの筈であった。それが十年後、よもや
彼女の結婚の媒酌人に自分が任ぜられるなど、まるで想像するわけもなく…(オシマイ^^)

207副官:2004/05/18(火) 23:22
超初心者様

早速に有難うございます。
ガストをメインにした珍しいお話を楽しませて頂きました。

208名無しさん:2004/05/19(水) 21:14
>超初心者様

ごちそうさまでした。
ちょっとデルモ寄りのおさえめなSSも良いですよね。
音楽に例えると超初心者様のSSは、ある時は可愛らしいポップス、ある時はまったりしたジャズという感じで、受け入れ易いのが良いところ(そう考えると4Life様はハードロックですね)。

またくるみちゃんやみかちゃんを出してあげてください。シリアスではなく今度はサロンでお気楽SSみたいなのが見たいです!
できればみみちゃんも・・・

209超初心者:2004/07/22(木) 20:27
小噺その65

連日うだるような猛暑が続く。そう、日中の気温43度だなんて全くもってハンパじゃない。
にも拘わらず…昼間から外回りに精を出すデルモたち。きっかけは某ネットオークションで
デルモ・グッズが話題になったことだった。それが引き金となりデルモ・コーポレーションの
キャラクター・ビジネスが思わぬ大ヒットへ発展。彼女たちは急遽様々な取引相手へ出向くことに
なったという訳である。颯爽と活動するデルモたち、あのミニスカ姿は涼しげに見えるが、
問題は上半身。何せ乳首の形状までピッチピチに浮き出る例のコスチューム、すべすべの肌に
隙間なく密着するだけでも蒸し暑さ満点だが、それが通気性も悪いうえハイネック・デザインの
おまけ付となれば、何をかいわんや。黒デルモは更に太股までのストッキングを履いているから、
まさにダメ押しである。これでは、いくら営業スマイルを振りまいていても、服の内側は滝の汗。
蒸発すら許されず、逃げ場を失った膨大な量の発汗は生暖かい洪水となって股間へ押し寄せる。
その純白パンティをぐっしょり濡らすに飽き足らず、ぷっくらと浮き出る縦筋伝いに流れ落ちる
一筋の滝。さながらおしっ○の奔流にも似るが、だからといって人前であたりかまわず撒き散らす
それをおしっ○と受け止める者もいない。それは当然だろう、いちいち考えるまでもない
常識以前。道行く人々が興味本位で眺めていても、ああそうか、という程度である。大体これだけ
暑くなれば、あれこれ深く考える頭も働かない。それより効果てきめんなのが取引先への
ウケである。案内した応接のフロアやソファが濡れるのも意に介さず、快く席をすすめる彼等。
企業人として上辺の紳士を気取ってはいるが、デルモたちの股間に視線釘付けなことはバレバレ
というもの。まあ、無理もない、もともとがピッタリ貼りつき秘肉の隆起を生々しく伝える
かたちばかりの薄衣パンティが、じっとり濡れればどうなるか。腰掛けた姿勢を正面から見るのは
ある意味、ノーパンよりエロティック、氷の微笑ごときの比ではない。どうしても身を乗り出し
前のめりになってしまう取引先2名(うち一人は話を聞きつけ強引に割り込んできた専務である)
と、青デルモ・キャサリン、黒デルモ・みみ のやりとりをいま、少しだけ抜き出してみよう。
キャサリン(ニナ・エスコから渡されたマニュアルの棒読み)「…ですから、そちら様で
製造される商品のロイヤリティは80%を頂戴するということで宜しいでしょうか?それも
アドヴァンスでミニマム・ギャランティ○○億円を設定するということで…」デルモ側へ
ハチャメチャ有利な条件設定は置くとして、ここではただ一本調子に読むだけでよい筈の
キャサリンがまたも重大なミスを犯している。それは彼女が持参し先方に提示した契約書。よりに
よってその取引先のライバル企業向けのものを誤って持ってきてしまったのである。デルモたち
二股かけているのがモロに露見したとなれば即ご破算になるところだが、オヤジ2名は彼女たちの
パンティに視線が吸い寄せられているせいか、ロクに文面を見ていない様子。むしろ、みみの方が
興味深く書面に手を伸ばしている。(なんか、裏に書いてある…)鉛筆書きが透けてみえる紙片を
おもむろにひっくり返し一言。「あぁっ、ミス・キャサリン、これぇ私が書いてた奴ですぅぅ〜」
期末テストの計算用に、という言葉を付け加える前に、専務が瞬間目を落とし応答する。
「ふむふむ、この計算だとロイヤリティ90%ですな。ギャランティも○○○億になりますが…」
平素仕事は殆どしない役員も金勘定だけは滅法早い。一方みみの目尻にはうっすらと光る涙の雫。
まだ中学生の年齢ながらイケナイことをした、こんな大事な席で…と純粋な自責の念に
かられている。「ごめんなさあぁぃ…お詫びにみみのお尻を…」叩いてお仕置きしてください、と
いうセリフに達するのをまたも威勢良く遮る専務。「OK!それで決定!!」きょとんとする
デルモ2人に構わず専務の口上が続く。「みみちゃんのお尻をここでじっくり見させて
もらえれば、この条件のみますよ。みみちゃん、パンツ履いたままでいいからね。その代わり
もっと近くに寄って…」パシャ、パシャ…携帯カメラを撮りまくる音響くなか、全く呆れる展開で
商談が一丁あがり。キャサリンに終始ミスの自覚なく、みみに逆転ホームランの感動もなく。
それでも成立したビジネスは当初条件を遥かに上回るボロ儲け。行く先々で全てこの調子だと
いうのだから人がなんと言おうとデルモ・コーポレーションの飛躍的成長は何重にも約束された
ようなもの。あわせて、ン十億円という某球団買収話も俄かに現実味を帯びてくるアツイ夏
なのであった…。

210超初心者:2004/10/18(月) 21:24
小噺その66

夢。こんな一文字では味もそっけもないが、人は誰も夢を見る。しかも個々人それぞれ、明滅する
ビジョンには実に多様な煌きがあり。その一環と位置づけて差し支えないだろう、楽しく胸踊る夢を
そこそこリアルな空間に仕立てた某ねずみ系テーマパークが相も変らぬ活況を呈していたり、遠出の
旅行などに非日常の刺激を満喫するのはまさに人の常と言える。それは新生なった
デルモ・コーポレーションにとっても少なからぬビジネスチャンス。天才ハーゲン博士の抱いた夢は
暫時置き、いまデルモたちが注目するのは観光事業この一点。もともと遊覧船ガイドやファミレスの
ウェイトレス、カラオケのコンパニオン、カジノのバニーガールなどで培ったサービス業のノウハウは
充分過ぎるほどある。先般イタリア・ミラノでオープンしたAika博物館の好調にも触発されたに
違いない、大災害で水没した東京ディ○ニー・シーに代わり、いや、その上を行くイタリアンテイストな
本格巨大テーマパークを興したデルモたち。その名も「ピアッツァ・デッラ・デルモゲニィ」。
サブ・コンセプトを「水」とし、ゆったり運河を巡るゴンドラ遊覧はもとより、トレヴィの泉、青の洞窟
やカラカラ浴場のレプリカ、微細な彫刻まで完璧にコピーした芸術的噴水などをパーク随所に設置した。
ホーリー・ファクス号に凝縮された最先端科学はあくまで隠し味とし、もっぱらデルモたちとナマの
触れ合いを通して夢の世界を疑似体験してもらう…この手のノリは、やはり最近増えている参加型
アトラクションを意識してのことだろう。キャストの配置も適材適所、浴場のガイドは何といっても
「ももえ」を始めとする黒デルモたち。更衣室に待機し、要望があれば肩を揉んだり背中を流すサービス
もあるらしい。ところが悪ふざけで「ももえ」の腕をとり湯船に引っ張りこむ者が後を絶たず、
「キャアアッ!」と叫びながらずぶ濡れになる彼女目当てが何時の間にやら主流になった。一方、運河の
主役ゴンドリエの方はといえば、白、ゴールデン、青、ピンク、黒のフルカラー・オールスターで
ゲストを待ち受け、ずらり並んだ彼女たちの肢体が眩しいの一語。というのも、コスチュームはデルモの
まんま、唯一水兵帽のみがゴンドリエのしるしになっているからである。本場のゴンドリエがシマシマの
シャツに黒ズボンの男たちあることを思えば随分なまがい物だが、かえってそっちの方が良いという
ゲストが多いと見え、連日長蛇の行列が出来る。ゴンドラを漕ぐデルモたちをロー・アングルで眺めて
楽しむ人々。漕ぐ力を入れるたびパンティの筋目がくっきり浮かび出る様子を余すところ無く目にする
のも乙なものだが、単に眺めるだけでない、彼女たちとのざっくばらんなやりとりも大半のゲスト
お楽しみのうち。例えば、それがキャサリンであれば…「シニョーラ、シニョーレ、ヴォンジョルノ!
ようこそ当ピアッツァへ♪」と呼びかける青デルモの口上を全く無視し「チャオ、ベイビィ(ハアト)」と
言いながら彼女のパンティに手をかける青年約1名。「いやあぁぁぁっっっ…!!」と身を
よじらせながら、実際脱がされるがままにしている、ということは…中々船着場に戻ってこない当該
ゴンドラ上で、彼女のパンティ次々ゲストの手に渡り至福の鑑賞会が開かれているということ。それも
まぁサービスではあろうが、あまりに直接的な展開…夢を売るといっても、観光の本流から言えば
ゲストに手を出させないピンク・リーダーのスキルが今更ながらに脚光浴びるのも頷けるのである…。

211超初心者:2004/10/28(木) 23:09
小噺その67
(1)
南海の楽園、ペロロンカ。藍華たちとデルモのバトルに巻き込まれ、あの時はホテル側もとんだ迷惑
だったろうが、人気は逆に急上昇。今日に至るまでずっと満室続きの大盛況とくれば、全く何が
幸いするかわからないものである。装甲車が我が物顔で走り回った階段や廊下、砲撃戦で破壊された
ロビーなどの修復にはデルモ・コーポレーションからの補償金をあて、すっかり元通りの華やかさが
戻ったペロロンカ・ホテル。今、レセプション・カウンターに藍華やりおん、郷造、道草の姿が見えると
いうことは、これKKコーポレーション慰安旅行の仕切りなおしといったところだろうか。到着時間が
早かったせいで部屋のメイクアップが間に合わず各人思い思い小一時間を潰す羽目になったが、さすが
リゾート地だけあって退屈はしない。早速にプールサイドへ駆け出していったりおんと道草、自信満々
カジノフロアを覗きにいった郷造だが…その一方、藍華だけはロビーのソファでまったりくつろぐあたり
相変わらずマイペースの彼女らしい。現地発行のフリーペーパーに目をやりながら、あ、この店
安いカモ♪だけど、コピー商品くさいナーなどと入念なチェックをしているところで、ふと間近の気配を
感じる。ブランド物の次は当然グルメとばかり、あれこれご執心の彼女にはお邪魔な人影。なになに、
フルコース・ディナーが先着10名限定アーリーバード・サービスで@300円ですって!?ド派手な
広告に釘付けだった藍華が、それでも渋々顔を上げると…「あなたは…」眼前に立つすらりとした
シルエット。大きく肩口を露出させたゆったりシャツにエレガントなミニスカートの組み合わせ。一見
普通の女性という感じだが、あの赤茶色の髪に特徴ある濃い目の眉、凛々しい眼差しを湛えた端正な
顔立ちは…忘れもしない、ゴールデンデルモ「ビアンカ」その人である。

212超初心者:2004/10/28(木) 23:10
(2)
「久しぶりね、ミス藍華…」紛れもない美人だが少しキツ目の表情から発せられる言葉。
変わってないわねぇ、と思いながら藍華も穏やかな挨拶を返す。「ホント、久しぶり…。あなたも
バカンスで来たの?」「ええ、まあ…」
意味深な答えである。この期に及んでまだ何かやらかそうとするのか。それにしては、こんな人ごみの
ロビーで声をかけるなど随分な大胆不敵。そもそも、デルモたちは今や一般人として暮らしている筈。
やはり穿ち過ぎか…?いや、何れにせよ警戒解くにはまだチョイ早い、とりあえず余裕の笑みを
浮かべてみる藍華である。「で、私に何か御用かしら…?」
「あの…私の部屋に来てほしいの…」これはいきなりの直球ね。つまり何、まんまノコノコ出向いて
来い、と?何の説明も無しに?何考えてるの、このコは、もうっっ……が、藍華はこうも思う。
スーパーで偶然再会した件(小噺その2)がある。艦内で一度負傷した青デルモやヴァレリ共々4人で
癒しの時を持った件(小噺その6、その32)だってある。今更、復讐だの敵対だのということは
ないだろう、と。「わかったわ。でも今は時間がないの。夜じゃダメ?」「そうね。じゃ、10時に
1234号室へ来て。待ってるわ…」りおんたちとのディナー後、適当な口実を作り指定された部屋の
前へやってきた藍華。コホン…やはり一瞬は身構える。前回と違い、ピエールの誘惑に乗せられ
ヘベレケ状態などということはない。そりゃあこの度も折角のバカンスを満喫しようと、
スクリュー・ドライバーをガブ飲みしたことは認める。だが、元からデルモがいることが分かっていて
多少なり意識しない筈もない。一呼吸してからノックする。と、ガチャリ。ドアを開けたビアンカが
仏頂面のまま彼女を部屋の奥へ導き、大きなダブルベッドを指差すのである。「ここに寝て…」
或いはひょっとして、と脳裏の片隅に描いていた藍華が即座のリアクション。「ちょ、ちょっとお。
私、そっちの趣味はないわよ!この前だって、相手がイイ男だと思ったからあんな風に…」
早口な言い訳を遮るビアンカの一言はしかし決然の迫力あり。「みんな、出てきて!」

213超初心者:2004/10/28(木) 23:11
(3)
予め待機していたのだろう、隣室から6人の女たちが一斉に飛び出し、藍華を取り囲む。どれも見覚えの
ある顔、そうだ、このコたちあの時の黒デルモじゃない、と口に出そうした刹那。ビアンカの言葉が
先んじる。「この日を待ってたのよッ!」――
「どう…して…?」もうすっかり治ったんでしょ、あのコ。復讐なんてありえないんじゃ…?と
続けようとした時。7人の女たち、やにわに手を自分のシャツやブラウスに伸ばし、思い切り
捲し上げる。――バババババッ―― 
何よ、またデルモ・コスチュームに変身するつもり?あのデザイン嫌いじゃないけど、ここで私に
見せ付けて何の意味があるっていうの?素朴な疑問を抱きながら周囲を見渡しているが…
5秒…10秒…15秒…捲し上げたポーズのまま、シーン…静かな時間だけが過ぎていく。
「あの…」黙ったままもどうかと、口を開く藍華。ところが答えるビアンカの口調はここぞとばかりの
自信に満ちていた。「どう?私たちの胸。この前より大きくなったでしょっ♪」――
えぇ〜要はこれが目的…?元々ナイスバディな藍華にとって、つい「はあ〜??」と白けてみたくなる
ところだが、ぐっと呑み込み「え?ええ、素敵な胸ネ♪」と話を合わせる。確かに、ぶるんと弾ける
豊満な色白乳房はつんと上向きに発育し、淡い乳輪の中心には可憐な乳首が天をつくように
屹立している。夫々の童顔にはいかにも不釣合いなエロスの花満開。無論文句なしの美しさだが、
デルモたちはただこれを見せるためだけに、呼び出したのか…これまた一本気の、或いは思い込みの
激しい女だこと。あの青デルモの怪我から派生した復讐の炎もさもありなん…。
藍華とデルモたち…既に許せる間柄ではある。が、そんなビアンカの一途さに改めて思いを寄せる…
これも秋色の日々が導く所産…奇妙なレトリックとも言えるのであろうか…。
(お粗末〜^^;;;)

214副官:2004/10/29(金) 01:18
>>212
>大きなダブルベッドを指差すのである。「ここに寝て…」
あっ、やっぱり。

>>213
>隣室から6人の女たちが一斉に飛び出し、藍華を取り囲む。
しかも今回は乱交。

と、思いきや微笑ましいオチでした。
本編の「デルモ達が私服を捲る=乳首が見えるシーン」を
ほのぼの・ストーリーにして頂き、有難うございます。

215超初心者:2004/11/12(金) 20:59
小噺その69

2046年とは鬼才ウォン・○ーワイ監督の描くとおり、摩訶不思議な未来なのか?まあ、そういう
見方もあるだろう。が、他方そうでない部分もしっかりある。それは不易と流行が織り成す永遠の
スパイラル。不動の伝統もまた、いいものである。ここ神奈川県の某ホテルでは今日も賑々しく
結婚披露宴が執り行われていた、変哲ない定番スタイルそのままに。但し広々とした宴会場には、やけに
華やいだ雰囲気が満ち溢れている。それもその筈、列席者の多くは女性だらけ。正面奥に、新郎新婦と、
その両隣に媒酌人夫妻が座る高砂の席。周囲に大きな円卓がいくつも並び、主賓席だの家族席だの、
といった構成すこぶる一般的ではあるのだが、親族を除けばやはり男性の影は薄い。さて改めて高砂席を
注視してみれば、純白レースのウェディング・ドレスに身を包む主役は何と黒デルモ“くるみ”!――
横の新郎はありきたりの普通人っぽいが、媒酌をつとめる男で再び目が止まる。半ば照れながら
まんざらでもない様子で鎮座しているのが他ならぬガストだからである。かつてハーゲン艦内で
“くるみ”のお腹に当て身を食らわせ気絶させたガスト(小噺その64参照)。気を失った黒デルモの
身体を抱きとめながら、ふと彼女の行く末や幸せを思い、短い感慨に浸ったものである。それがまさか、
今日という日を迎えるとは…!無論ガストにとって不愉快になる話ではない、むしろ理屈ぬきに祝福
できる華燭の典。遠く、“くるみ”の母親がその目尻に涙浮かべるさまを目ざとく見つけると、彼も
保護者になった気分で感情が高ぶっていく。(あの大災害でキミもお父さんを亡くしたんだよなあ…
お母さんもさぞ苦労なさったろう。見てご覧、お母さん万感に胸つまらせて涙まで浮かべてるよ…
キミはこれからうんと親孝行しなきゃいけない。わかるよな!約束だぞ!!)自分の中で勝手に
盛り上がり、有り余る勢いのまま、隣の花嫁に肘を向ける。「…なあっ!」同意を求め軽く小突いた
つもりだった。が、――ドスッ「うッ!」女の柔らかな脇腹に深々めりこむエルボーの一撃。
全身の力が抜けテーブルに突っ伏そうとするところを慌てて抱きかかえるが、時既に遅く気絶している。
例によって苦悶のうちに目は閉じられ、口元も半開き。涎は垂れる、股間の方もなにやら生暖かい
モノが沁みだすような状況で、焦りまくるガストである。それでも汗だくで司会に耳打ちし、式次第の
強引な変更を迫る媒酌人。突然の番狂わせとはいえ、他に妙案がなければ是非もない。こういう時は、
心が全くこもってなくとも、平然と取り繕う司会のアナウンスは有難いものである。
「え〜、ここで新婦はお色直しに入られます。媒酌人のガスト様にお手伝いいただきます、皆様拍手で
お送りください…」ガストは軽〜く彼女を肩に担ぎ上げると、悠然たる足取りで出口へ向かう。実は心臓
バクバクものなのだが、表情だけは虚勢丸出しの作り笑い。即席の因果を含めた通り、司会の軽口が
フォローする。「また、新婦のたってのご希望で、皆様に可愛いパンティをお見せしながらお色直しに
向かわれます。心やさしいくるみ様に一層の拍手をお願い致しまァ〜すっ!」ドッと沸きあがる場内。
既に結構なアルコールが入っていたせいもあろう、“くるみ”が目をつぶっているのは恥じらいのため、
くらいにしか受け取らず、純白パンティに淡い沁みが浮かぶさまも気付く者はいない。
「くるみィ、やるゥ〜♪」「やはり、パンティはデルモの官給品に限りますね、これはハーゲン様の
御意志ですから」「しかし、今更パンモロなど生ぬるいのでは…」などなど、デルモたちの声が
無責任に飛び交う中、先ずは無事に退場完了。控え室に戻るや懸命に揺り起こそうとするガスト、優に
30分も渾身の努力を続けた後で漸くに、といったところだろうか…うっすらと女は目を開ける。
「…ぅ…あ、あたし…どうしちゃったの…?」「ご、ごめんな。ちょっと合図しようと
しただけなんだが、つ、つい…」「………」“くるみ”は黙って聞いている、微かな笑みを込めて――
その後、くい込みパンティを履き替えドレスも着替え、ガストと共に式場へ戻った新婦だが、厳密には
そこで15分の空白があった。いったい何が行われたのか、起きたのか…どうにも気にはなるがその真相
…知るのはやはり当Aikaファンだけ…ということにしておきたい。

216名無しさん:2004/11/24(水) 01:52
http://moe2.homelinux.net/src/200411/20041123899801.jpg
もえタン ロリロリ

217超初心者:2004/11/24(水) 20:34
>>216
あ、このコが青デルモ”もえ”さんでしたか^^;確かにひ弱そうで、おしとやかそうな「萌え」キャラですネ^^

218超初心者:2004/11/24(水) 20:36
小噺その70

デルモ・コーポレーションが教育事業まで手を広げるからといって、よもや大学まで設立すると
想像した者は少ないだろう。それも、ラグやホーリー・ファクス号のノウハウをベースとした
理工系学部だけかと言うと、答えはノー。広く人文社会経済までカバーする総合大学だというのだから、
中々のものである。もっとも、表向きの教員構成としてはヘッドハントした気鋭の学者たちを立て、
デルモたちは専ら学生の役回り。このあたりは一部の白デルモが大学の要職を占める構造と矛盾するかに
見えるが、付属幼稚園から高校まで持ち上がってきた後進の若手デルモたち大勢いることを
考えれば肯ける話。さても日々真面目に勉強する彼女たちだが、秋の大学祭だけは一転デルモらしい
キャピキャピの華やかさに突き進む。構内いっぱい、各サークルが主催する模擬店、音楽系会場、
各種展示などなど所狭しとひしめく中で、やはりイチオシに目を引くのはパンティ研究会のブース。
内容はデルモたちのパンティ展示という、何のひねりもない企画だがこれが結構な人気なのである。
教室の窓は全て厚いカーテンで閉ざされたうえ、照明器具にはカラフルなセロハンを巻きつけた、
安っぽくも怪しげな雰囲気…そんな中、机の上にはパンティの数々が整然と並ぶ、メチャ、キッチュな
空間が仕上がっている。しかもお目当てのパンティについていえば、デルモの官給品として新品時に
同一デザインで作られたものが、ぴっちりと履きこなすうち個々人の体型に合った変形や変色など、
使用者の個性を主張する百花繚乱。そのうえ展示品は自由に触れることができ、グループでやってきた
外人連中に至っては、もう頭にかぶったりするなど大はしゃぎである。
更に更に。部屋のコーナーではMCが声張り上げるノリノリのオークションが展開中。
黒山の人だかりから、うなぎ上りのオファーが連発され、驚異的な価格で次々落札されていく。
瞬く間に完売となるのは当然だが、実は内々にまだ何点かのストックがあり。
当掲示板の皆様限定で、後日マル秘ネット・オークションを行う予定があるとの事である。さぁてその
ハンマー・プライスとは……「せーの、ハウマッチ!!???」(って古ゥゥ〜っっっ!!)

219副官:2004/11/24(水) 21:17
入札!副官が今穿いているパンツに!!

>「せーの、ハウマッチ!!???」
巨泉の司会。
どうやって見つけてくるのか、海外のトンでもない商品がありました。
値段をズバリ当れば大カップ。或いは小カップを10個溜めれば世界一周旅行。
回答者の日本語が達者な米国人弁護士さん。名前は何といいましたっけ?

220超初心者:2004/11/24(水) 21:33
>>219
さすが副官様、一番札!
>米国人弁護士さん
 ケント・ギルバート氏デスね^^

221副官:2004/11/24(水) 21:55
超初心者様
お久し振りです。

>>220
早速に有難うございます。
そぅそぅ、ケントでした。
彼は弁護士の顔以外に「モルモン教宣教師」でもあり、
布教のため日本語の勉強をしたとか。
(ここまで書いてチョイ混乱してきました。
ケント・デリカットという回答者も居た様な気がするのですが・・・)

222超初心者:2004/11/27(土) 14:24
小噺その71

激闘の犬吠島決戦ではあった。けれども、最後に藍華たちがボートで島を離れる際は、穏やかな波間同様
まったりとした空気が流れていたように感じる。それは司令が潔い撤退の決断をしたから?自ら基地を
放棄し爆破したから?長きに亘った闘いに漸くの終止符がうたれたから…?確かにそれもある。だが
見落としてならないもう一点…司令とシヴィエ藍華が様々な思いを込めて見詰め合った後、両者が島を
去るまでの時間において…今ひとつのドラマを忘れるわけにはいかないために。即ち、待機する
デルモたちの方へ向き直った司令の、その後の挙動について触れざるを得ない、ということ。あの時
デルモたちへ指示を与えた直後、彼女は副官の制止も聞かずさっとエレベーターに飛び乗り崖下の
出口に現れると、倒れ伏す4人のゴールデン・デルモたちの側へ駆け寄った。そこにはまだ
シヴィエ藍華が立ち尽くしているというのに、である。超人的なパワーとスキルに圧倒され
4人散り散りに倒れる“ビアンカ”“サニア”“トニア”そして“リエ”…。司令はひとりひとり、優しく上体を
抱き起こし抑えきれない衝動のまま頬ずりまでするが、無論すぐに目覚めるわけもない。その間、
藍華がじっと司令の動きを見据える中で、片や彼女の視線などまるで気にしないかのように
立ち振る舞う司令。やがて、最後に倒された“ビアンカ”の介抱に一区切りをつけ、すっくと立ち上がった
司令が、シヴィエ藍華の至近で向かい合う。
「私を…好きにすればいいわ…覚悟は…できてる…」デルモゲニィ・トップとしての自負からか、
それとも脳裏に渦巻く激情の嵐ゆえか…女の目は潤んでいた。その凛とした立ち姿へゆっくりと…
歩み寄る藍華。間近にせり立つ二人のシルエットは白銀基地で司令の胸に銃を突きつけたあのシーンを
彷彿させる。その気になればメタルの触手を使うまでもなく、一撃でこの白デルモを地に這わせる
ことも出来るだろう。しかし。二人はじっと静止したまま。いや、厳密に言えば、司令は一瞬小さい
身震いをしたかも知れない。そのあたり、もう少し丁寧に見てみよう。司令の名誉を思い、それが
恐怖に基づく震えでないこと証明しつつ…。先ず最初のプロセスは、藍華の股間を覆うメタルの微細な
変化だった。目と目を交わす当人達が全く気付かぬうちに、藍華の下半身、秘所周辺から一本の
細長い糸状隆起が生まれ、ぐんぐんそれが伸びてゆく。ピアノ線のような形状のメタル糸はそのまま
司令の下肢へ到達すると、肌にぴったり張り付くパンティの裾を楽々すり抜け、神秘にして美麗なる
花園の扉を開ける。彼女に震えが走ったのはこの瞬間である。が、すぐにも元の平静に戻るのは
何故なのか…結論からいえば、それは擬似生命体たるメタルの気配り。…闘いは終わった。藍華の
気持ちとして、眼前の女へ手をあげるつもりなどさらさらなく。ならば、言葉でのやりとりということに
なるのだろうが、こんなオイシイ最後のクライマックスで口角泡飛ばす言い合いは似合わない。
さりとて、何の会話も持たなければ多くの誤解が積み残される。ああ、だから人間というものは不器用と
いうのだ。やはりここは、お前たち二人の間を私が取り持つしかないのか…と。ひとたびメタルが
しゃしゃりでれば、誤解も六回もない。短時間で光ファイバーを遥かに凌ぐ大容量の意志疎通が実現し、
一切無言であるにも拘わらず二人の表情雲一点なく晴れ上がってゆく。それは一方的な決め付けでなく。
善悪のステレオタイプでなく。勝ち組も負け組もなく。無論、このことによって二人の人格が根底から
変わるわけではない。司令の、決着への志が削がれるものでもない。だが意味はある。とても言葉で
表現し尽くせない、混沌と無限。その彼方、仄かにゆらめく小さな灯火を互いに確認できたのだから。
ちゃっかり司令の秘所深く、恥じらいの園を覗くメタルの役得はこの際大目に見てもいいだろう、
頭上には澄み切った青空が広がっている。終始細糸の存在に気付かず「藍華さん、何やってるんですか!
そんな女、ぶっ飛ばしちゃってくださいよー」と盛り上がるりおん、
「いや、顔は勘弁してやってくれ、藍華…」と注文をつけるガスト、「ま〜、早くしてほしいのよね、
こんなトコさっさとおさらばしたいし」と催促するメイピア、「藍華さぁん、僕、白デルモの服が
着たいんですけど〜」と相変わらずコスプレにご執心の道草…そしてこの場だけでない、崖の上、
包帯姿のデルモたちひとりひとりに至るまで…温かい日差しだけはいつもとまったく変わらない…
分け隔てなく、ただ平等にそのかけらを降り注ぐだけの昼下がりなのであった…。

223超初心者:2004/12/08(水) 20:59
小噺その72

絶滅寸前などと揶揄されながら、203X年時点でもシブトク生き残っている歌番組。といって、年末が
近づくにつれ大ホールでライブ中継を組むやり方は相変わらず芸がない。だが、今年は出演者の中で、
ひと際目をひくユニットが登場。そう、あのゴールデンデルモ・シスターズの二人である。キュートで
スタイリッシュな金色デルモ服に身を包み、軽やかなステップで歌い踊るサニアとトニアはこの年
ぶっちぎりの大ブレイク。加速度的に社会現象となった。中には、どうせイロ物だろう、と
冷ややかに見ていた者もいたが、ひとたびその伸びやかな声とパフォーマンスに触れるやすっかり
魅了され、一転追っかけの最前線に身を投じている。まあ、ルックスと実力を兼ね備えた彼女たちの
こと、人気は当然とも言えるところだが、実はもうひとつのヒット要因あり。それはパンティ。ステージ
いっぱいに飛びまわる激しい振り付けの副産物か、ぴったり張り付く布ごしに秘肉の形状がくっきりと
浮かび上がり、オーディエンスの目を釘付けにするのである。二人が意図的に見せているものではない
だけにかえって自然な健康美が際立ち、ファンはただただうっとりとするばかり。それでもこの種の
スペシャル番組につきもののお笑い系ピン芸人は、数少ない出演チャンスで自分を目立たせようとする
余り、無理栗に突っ込みを入れようとする。彼女たちがオープニングの一曲を終えたところで幕の裾から
勢いよく出てきたのは「ギター侍Ⅱ世」。これもリバイバルのノリなのだろう、父親ゆずりのネタその
まんま、ギターかき鳴らし声を張り上げる。「〜〜デ、ル、モ、と言えば、いつも真っ白〜いパンティだ
…っていうじゃな〜い?…でも、あんたのそのパンティ…洗濯してるとこ一度も見たこと
ありませんからああああっっ!!残念っっ!!」痛快にぶった斬ったつもりだった、有頂天な男の鼻先に
忽然と現れる、あるモノを見るまでは。ガリガリガリ――「ア痛ァァーッ!!」言わずと知れたトニアの
鉤爪だがリアクションはややオーバーか。台本にない失礼な物言いでご機嫌ナナメの彼女とはいえ、一応
手加減はするもの、これだって単なるかすり傷の筈である。それより大喜びなのが満場のファン。
この時代でも彼は余りに多くの有名人を斬りすぎていた、そのツケがここで一気にまわってきたに
違いない。「ト、ニ、ア!ト、ニ、ア!」たちまち最高潮に達する「もっとやれ」コール。背中を
押される格好となったゴールデン・デルモは困った顔をして「ごめんねえ、ギター侍Ⅱ世さん」と
丁寧な一言を発するが、満を持す両の手に心から申し訳ないという気持ちが宿っていたかは疑わしい。
ガリガリガリガリガリガリッ!!!同時にあがる男の絶叫、今度はオーバーでも何でもなく。そのまま
病院に運ばれた彼は全治1ヶ月の床につき、退院後は芸風も変えた。息子が産まれりゃ「ギター侍Ⅲ世」
くらいに仕込もうかと考えていた彼は、もっとオーソドックスな司会業に安全確実な道を見出したの
だろう。「せーの、どん!更に倍!おっと三択の女王に全員がたちましたね〜」…動機はともかく、
こんなところでも歴史は繰り返すものなのである…。

224超初心者:2004/12/22(水) 22:34
小噺その73
(1)
一年なんて本当に早いものである。去年の12月14日、順調なサルベージ作業によって移設復元なった
泉岳寺に集まり、大石内蔵助の墓前で決然の志をたてようとしていたデルモたち(小噺その62参照)。
その時は大混雑の人並みに圧倒され彼女たちの目的も果たせなかったが、一年たって再びやってくるとは
司令も律儀というべきか。
「今日はみんなの誓いを胸に秘め、墓前には長く立ち止まらないようにしましょう…」
多少とも前回の学習効果があったとみえ、このたびはやけに人の流れに従順である。もうもうと
立ち込める線香の煙、その中を40名ものミニスカ美女軍団が二列縦隊で粛々進むミスマッチ。
そうやって義士たちの小さな墓石群を抜けていく序盤は順調だったが、直後予期せぬアクシデントが
発生する。それは参拝者に混じり無邪気に遊ぶ子供たちの群れ…縁日がたつ境内では当たり前の
光景だが、何をしでかすかわからないのもチビッコ・ギャングの常といえ。いつのまにか、十数人の
幼稚園男児女児たちがデルモたちの行列左右にぱらぱらと張り付きキッと睨みつけるのである。見れば
可愛らしい夫々の手にカラフルな水鉄砲を握り締め。一体何故に?と訝る間もなく一人の男の子が
口火を切る。「おねえさんたち悪い人でしょ?悪い人はボクたちが許さないぞ〜!」彼らが屋台で
おもちゃを買ってもらったことはわかるが、この切り口上はなんだろう。どこからそんな決め付けが
生まれるか。直接の原因はまず水鉄砲の説明書にありそうである。

225超初心者:2004/12/22(水) 22:35
(2)
「つかいかた…ず(挿絵つき)のようなふくをきてパンツがみえている女のひとは、せかいせいふくを
たくらんでいる。このラグ銃(じゅう)でやっつけよう!」こんな安物の玩具にはおよそ似つかわしく
ない…そう、多くの子供をターゲットとする商品にあるまじき独断と偏見の羅列なのだが、何事によらず
素直な園児はすんなりと受け入れる。けれども尚残る疑問。デルモの登場に合わせ、余りにタイムリー
過ぎないか?とは思うもの。答えはある男が握っていた。件の品物を置いていた露店に立つ彼は、
焼きそばやたこ焼の屋台にいるアンちゃんとはかなり毛色が異なる雰囲気。何というか、まるで
商売っ気がないのである。五百円以上するお面などは放っておき、実に十円というタダ同然の価格設定を
したあの水鉄砲だけを熱心に売り込むのだから。しかも屋台の裏手にこっそり置かれた手提げ袋の
中には、例の怪しげな文章踊るシールが束になって積まれている。それが本来の商品説明書の上から
ぺったり貼り付ける用途であるのも間違いない!ここまでいくと裏の狙いがぷんぷんとしてくるが、
ひとまず子供たちの現況に目を戻そう。「な、何??どういうこと???」
ざわつく女たちの中で真っ先に声をあげるのが黒デルモ“めぐみ”。白銀基地での廊下では友達の
“ひろみ”が藍華の麻酔銃で昏倒し錯乱狼狽していた黒デルモ、今回もほぼ同じ反応というのが
情けない。更に、動揺する黒・青・ピンクたちを静めなければならない白デルモまでが
「い、いやああああっっ!!」と身じろぎするニナ・エスコの絶叫で総崩れになる。そのまま勢いにのる
子供たちが一斉に銃を構える標的はデルモたちのパンティこれ一点。

226超初心者:2004/12/22(水) 22:37
(3)
「えい!ラグ・ビーム!!」――ピシャアアアアッ!!!「キャアアアアアアッッッ!!!!!」
「いやあああああんん!!!」「やめてええええ!」手で隠そうにも四方八方から降りかかる放水で
瞬く間にパンティはぐっしょり。もともと股間にむっちり食い込む薄手のパンティ、それがスケスケと
なればもう秘肉の形状、桃色の花園に至るまで余すところ無くまる見えである。
恥じらいで顔を真っ赤にしながら大混乱に陥るデルモたち。慌てて転倒して、パンモロ+可愛いお臍が
のぞく者も多数おり目のやり場には困るのなんの。基本的に年配が多いギャラリーだが「おぉ〜」
というどよめきに混じって「ン十年ぶりに元気になってきたぞう」との雄たけびも上がる。
さてこのどさくさに紛れる者ありといえばピンとくるのがさっきの男。予め配備しておいたのだろう、
数名のADらしき女たちに超小型ビデオカメラを持たせローアングルでの撮影をバッチリものに
している。タネを明かせば彼は某局のプロデューサー。トニアとサニアが局舎をぶっ潰した、あの時の
当事者である(小噺その33参照)。あれ以来、デルモ・スクープ映像に血道をあげるようになった
彼は、デルモたちがここへ参拝するとの情報を嗅ぎつけ、先回りし張り込んでいたのだった。これで
背景一式が解明されたわけだが、当のデルモたちはそれどころでない。日頃のパンチラ状態は全く
気にしないくせに、一旦「見られる」という意識が臨界に達すると収拾がつかないほどのパニックに
突入する。全員ほうほうの態で山門の外までたどり着いた女たち。結果だけで見れば昨年と全く同じ
展開である。大きく肩で息をするデルモたちの中で、それでも司令だけは最低限の体面を保っていた。
「今回は不測の事態でした。これでは誓いをたてたことになりませんわね…また来年、あらためて
来ることにしましょう」取り乱す仲間を落ち着かせ労わる、気配りの言葉。そして最後に…お嬢様司令
らしく、付け加える一言も決まりなのである――「それより、新しい喫茶店がこの近くに出来たそうよ。
皆さん、そこでゆっくりと紅茶でもいかが…?」(Fin〜^^;)

227名無しさん:2004/12/23(木) 02:21
超初心者様、大変良かったです。
クリスマス小噺をリクエストして宜しいでしょうか?

228超初心者:2004/12/23(木) 10:40
>クリスマス小噺
例によっての駄文デスが、小噺その61を御覧クダサイ^^;;;

229超初心者:2004/12/26(日) 12:35
小噺その74

イブに向けて意地になる程盛り上がるクリスマスも、ひとたび当日が過ぎればまったりとした街の空気。
勿論、ぴたり腕を組むカップルがあちこちを闊歩する光景は例年の副産物である。片や街頭で売られる
ケーキは日毎にダンピングされ、本日は定価の20%まで下落。それでも買い手がついてくれれば
大OKの店側にとって、一挙3箱も買ってくれる人物は極めて上客に違いない。
有難うございましたぁ〜、の声を背に歩き出すのは赤いスーツにビスチェ姿の藍華。向かう先は
会社である。仕事命の彼女は今日もひとり休日出勤。買い込んだケーキはきょうのおやつに一切れ、
残りは冷蔵庫に入れて翌日からの社内お茶だしに利用、と考えている。(どうせこんなケーキ随分前から
作り置きしてあるんだから…冷蔵庫に入れておけば軽く一週間はもつわ。ふふ、こういうのを賢い
買物っていうのよね…)社の経費までテキパキとはじき出し内心ニンマリ。すれ違うアツアツカップル達
などまるで眼中にない。そのままKKコーポレーションまでやってきた彼女は軽快な仕草で入口の
ドア・ロックにキーをさす…が…。「…?」鍵が開いている…!?出るとき閉め忘れたかしら、いや、
昨日はりおんが一緒だったから彼女が閉めてくれてたわね…ということは…いやだ泥棒!?こんな
時期にィ?…クリスマスが終わって間もないというのに罰当たりな連中だ、軽〜くコテンパンに
してやるから、と一気にボルテージがあがる。もっとも、特A級サルベイジャーの彼女だけに、表面上は
冷静沈着な行動。そっとドアを開けると、物音たてずするりと室内へ。睨んだとおり奥の部屋からは
複数の気配が感じられる。僅かに開いたドアの隙間から中を覗うと…見えるのはサンタの衣裳を着込んだ
人影が十人ほど、ごそごそ部屋の中を探し回っている様子。また、外には洩れないとタカを
くくっているためだろう、時折いくつかの声も洩れてくる。「…ないわねえ、あのビスチェ」
「もう一度よく探そ。あれさえ手に入りゃ、もうあの女なんかこわくないんだから…」「にしても
あゆみ、よく思いついたね、この格好」「えへ。今日くらいまではサンタの格好してても、ケーキの
売り子やイベントコンパニオンが事務所に戻ってくる風に見れるからね。怪しまれずに侵入出来るって
ワケ♪」――全員、サンタ服の下はすらりと伸びた長い脚。床に手をつき机の下を探っている者は
お尻突き出しのポーズから純白のパンティまで丸見えである。更に、サンタ服の下からは黒いスカートの
裾がのぞく…これだけ材料が揃えばもう充分だろう。(は…は〜ん)藍華はケーキを脇へ置くと、ドアに
張り付いて身構える。ホント、懲りない黒デルモのコたち…どうしてくれようかしら…
さて次の展開はその実未知数。Aikaファンの皆様なら、どれを望まれるだろうか…?
(A)十人全員打ち倒し気絶させ、目覚めたあとケーキとお茶を与えながら、さんざん説教して基地へ帰す。
(B)メタルの触手で弄んだあと、ケーキとお茶を与えながらさんざん説教して基地へ帰す。
(C)力を振るうことなく言葉だけで牽制する。そのあとケーキとお茶を与えながらさんざん説教して基地へ帰す。

230副官:2004/12/26(日) 17:15
私は(B)を希望いたします。

しかし「弄んだあと」ではデルモ達、
「基地に帰りたくない」「ずっと一緒にいたい」
と言い出すかも。

2314Life:2004/12/27(月) 14:55
私も(B)を希望します。

当方、結構Sなんで、激しく弄んで頂ければと。

232宣伝に付、削除:宣伝に付、削除
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233宣伝に付、削除:宣伝に付、削除
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234名無しさん:2008/04/30(水) 16:50:43
age


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