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小噺をば

1超初心者:2002/12/05(木) 09:15
アイデアノートを兼ねて、この場をお借りしマス^^

小噺その1
KKコーポレーションを、少し離れたビルの蔭から見張っている黒デルモ
「なおみ」ポン、と肩を叩かれ、はっと振り向くとガストの姿。
「盗み見はいけないぜ、お嬢さん…」言いざま、繰り出される拳が女の下腹に沈む
――ドズウッ「うぅッ…!」力なく倒れ掛かる彼女を抱き止め、やれやれの表情
「ったく、まだ藍華を付け狙っているのかよぉ。いい加減、諦めてほしいなあ」
気絶している彼女を肩に担ぐと車に載せ、さっさと走り去る。1時間後。
自分のオフィスに連れこんだガスト、そこには既に50人のデルモたちが先客として
捕われていた。捕われの身、といっても何ら拘束されている訳ではなく、部屋に鍵が
かかっている訳でもない。それどころか、一人一人に豪華な机とPCが宛がわれ、
何か仕事しているように見える。今、一人の画面を覗きこむと、司令の会社への
振込手続き中。大富豪のガストは身銭を切って、司令の会社を支援しているのである。
何の為に?一人、溜め息混じりのガストである――「司令や副官たちも、安易な
リストラしないで欲しいなあ。あぶれたデルモたちが、プー太郎になれば、
以前の惰性で、藍華を狙うのはわかってんだから…もう」雇用創造も楽じゃない。
ガストの隠れた苦労を全く知らない司令たちであった。

2超初心者:2002/12/05(木) 15:43
小噺その2
スーパーのお菓子売場。会社のおやつにと、チップスの袋を一つ手にとろうとした
ところ、つい滑って床に落としてしまう藍華。すぐ横を通りかかり、拾い上げて
くれた者がいる。「どうぞ…」「有難うございます…」礼を言いつつ、目を合わせた
瞬間。「あっ!!」今までさんざ目に焼き付いてきたあのコスチュームそのままに
立つ女は、ゴールデン・デルモ「ビアンカ」その人。間を取り持つチップス
の髭キャラもチビってしまいそうな緊張、今まさに一触即発かと思われた、が…
先に口開いたはビアンカの方――「あの…」藍華の方も、ここで事を荒立てる
つもりは毛頭ない、固唾呑みながらも何とか穏便に済ませたいと、目に懸命の
明るさを送りこんでいる。ビアンカの言葉は続く「いきなりで何ですけど、私の
友達に会ってくれませんか?」「友達…?」「船内の爆発で一度大怪我を負った事があって…
回復はしたんですけど、まだ精神的ショックから立ち直れてないんです」
ガストたちが来てくれた時のことね、と思い出せば藍華も、自らの責任ないものの
気にはなってしまう。「いいわ、私でお役にたてるようなら…」快い返事に
にっこり笑うビアンカの目の奥が微かに光るさまを藍華は見逃している。
友の精神治癒のために、どれ程のハードプレイが伴うのか、などとはその時想像
つく訳もない。その日からである、金に糸目つけず、にんにくてんこ盛りの
ステーキ肉をドカ買いし、途中の薬局でユンケル液まとめ買いする姿が見られる
ようになったのは。タフな藍華だが、極度の睡眠不足に加え、あまりに激しい
新陳代謝。さすがに目は窪み頬もこけ落ちている藍華のお肌は、もうボロボロ。
思わず身体のバランスを崩し、倒れかけたところで、オルタネート・メタルが
緊急作動する。「今から鉄分を補充する」と。スーパーで全裸になり、恥ずかしさに
声も出ない。それでも、生活感を忘れない藍華、もうこの店にはこれないヮ、安くて
良かったのにィ、と地団太踏むのであった…

3副官:2002/12/06(金) 02:17
超初心者様、小説もさることながら、小噺も絶妙です。

「その2」オチ。
藍華さんの「安くて良かったのにィ」には大笑いです。

4超初心者:2002/12/06(金) 11:32
副官様、お立ち寄り頂き有難うございます。こちらでは、ホントに脱線SSのみ
寄稿させていただいておりマス^^

小噺その3
「藍華おねえさま、お久しぶりです!」弾けるような明るい声は、勿論リエのもの。
藍華の脇に張り付くと、頬ずりしながら少女の全身を密着させている。
「元気そうね、リエ。私も会えて嬉しいわョ」思春期の複雑な乙女心が、その後
どう変遷を遂げていったか気がかりの藍華だったが、第一印象に見る限り、
健全に成長してくれているようである。が、そう思うのも束の間、巧みに挿し入れ
られるリエのしなやかな指が、柔らかなパンティの端をするりと抜け、股間の蕾を
包み込む。「あはぁっ…な、何を…!?」思わずその手を払いのける藍華。この子は、もう、
イケナイ子ね、と、たしなめようとするが…「は…ああぁぁ」芽生えた快感が、突如暴走し、
今随喜の喘ぎしか発することができない。何故?一気に昇りつめる
恍惚の中で、辛うじて目を落とせば、払いのけた手の代わりに、リエのリボンが
纏わりつき、一部は秘所の奥深く入りこんでいる。それは、まるでそれ自身が命持つかの
ように脈々と蠢くのである。「データのことは残念だったけど、藍華おねえさまの、
メタルを研究して、オルタネート・リボンを作ったの。逃がさないわよぉ♪」
リエの好奇心は、20回も果て殆ど気絶の際にある藍華がようやく紡ぐ一言を聞くまで
満たされることはないのであった。
「も、もう一度…あはああ…デ、データとらせてあげるからぁ…や、め、てぇ…」
少女の一念メタルも穿つ、ということである。

5超初心者:2002/12/06(金) 19:42
小噺その4
司令と副官が興した人材派遣会社「デルモ・コーポレーション」のプロモビデオ撮影現場。
各界でデルモ派遣社員たちが活躍する姿を華々しく描こうというコンセプトである。
今撮ろうとするシーンは廊下で間近に向かい合う司令と副官のカット、副官の持つ企画書を
司令が覗き込み頷く、というところである。おなじみのローアングルとはいえ、簡単に
見えるものだが…「カアアーット!」又してもNG、これでテイク35である。
「二人とも、それじゃスケスケですよ、勘弁して下さいヨ〜」ディレクターが指し示す先は
二人のパンティ。ぐっしょり濡れ、貼りつく秘肉の妖艶な形状やくっきりと浮かび上がる
双璧の隆起、恥じらいの丘を覆う愛の繁みなどが一切モロ見えとあらば致し方ない。
NGの都度パンティを履きかえるのであるが、ハイ本番、の声にすぐ反応してしまう二人。
「しょうがないスね、このシーン没にします」遂に匙を投げたディレクター。用済みと
なった小道具の企画書にふと目をやると、何と司令と副官が全裸で絡み合う
セルフ・ポートレートが一番上にのっかっている。こんなの見てちゃ尚更ダメだ、と
思うが、次の瞬間ふと浮かぶアイデア。そっとテープをバッグにしまい、サイドビジネスに
流用しようと企む不逞な輩である。それでも悪い事は出来ないもの、屋外ロケとなる
次のシーンで消防レスキューを演じるデルモたち、今、燃え盛るセットへ飛び込もうと
するサニアが誤ってそのバッグにつまずき、蹴飛ばしてしまう。一瞬にして灰燼と帰す
幻の流出VTRなのであった。

6副官:2002/12/07(土) 01:27
超初心者様、もぉメチャクチャに面白いです。
私、この板を訪問するのが毎晩の楽しみです。

7超初心者:2002/12/07(土) 15:22
小噺その5
時々、コンビ二弁当に飽きた藍華は黒デルモたちとランチに出かける。皆それぞれ可憐な
女たち、こうして打ち解けあえば、かつての闘いなどはすっかり忘却の彼方。それでも、
談笑の最中、一人の黒デルモ「りか」を見据える藍華の脳裏には、どうしてもあの時の
記憶が蘇ってしまう。あの犬吠島基地でのこと。変身した藍華が、メタルの触手で次々に
デルモたちを吹き飛ばし、唯一人残された彼女に迫る。「い、いやああぁぁ…!!」
壁に追い詰められ悲鳴をあげていた「りか」の寸前まで勢いよく伸びたメタルだが…
次の瞬間ピタリと静止。何?全員気絶させるつもりだった藍華自身、よくわからない。
するとシヴィエ藍華が答えるには「標的ハ大量ニ尿成分ヲ分泌シテイル。融合スルト
深刻ナ問題ガ起キル」言われてみれば、恐怖に凍り付いている黒デルモの股間は失禁で
パンティを濡らしているが。それが何故問題に?メタルの威力には関係ないだろうに。
「威力ノ問題デハナイ。臭イナノダ。融合スルト決シテ離レナイ。ソレデモイイノカ?」
そんなのイヤに決まってるじゃない、と藍華が念じたその時である、メタルは一気にもとの
ビスチェに戻ってしまう。となれば当然の帰結として…覆うものなき藍華の下半身は
あまりに眩しい。顔を真っ赤にしながらも藍華、眼前の黒デルモの胸ぐらをつかむと、
必死の形相で迫るのである「更衣室はどこ?案内して!!」銃を突きつけている訳でも
ないのに圧倒される気迫、途中廊下に居並ぶ黒デルモの仲間たちも「は…あぁ…」と
息をのむばかりである。しずしずと行く二人、人質となった哀れな黒デルモの股間から
溢れ滴り落ちる液体がぽたぽたと床にこぼれる様を見れば、誰がこの掃除すんのよー、
と思う者もいたろう。一切の妨害を受けず更衣室に入りドアの鍵を閉める。
「あなたのロッカーはどこ!?」震える手で彼女のロッカーを開けさせれば、狙いどおり
替えの下着が数枚見える。渡された1枚の純白パンティをつけ、随分ハイレグねぇと
思いつつも、ようやく人心地つく藍華である、が。「隣がシャワールームよね。
早く行きなさい!」すぐにも替えの下着を持たせ、彼女をシャワールームへ追いたてる。
ざっと全身を洗い、タオルで拭いた後。例によって黒のブラに白のパンティを履き終わった
黒デルモがおずおずと口を開く「あの…もう見逃して頂けるんでしょう…?」すると
少しはにかみながらもにっこり返す藍華「そうしてあげたいけど、ゴメンネ…」
言いざま、至近から繰り出される鳩尾への一撃−−ドスッ「あはうぅッ…!」
崩折れる黒デルモを抱きながら一言を加える藍華「あなたも、おしっこ溜まりのなかで目を
覚ますなんてイヤでしょ?」これまた思いやりというべきか、一人を倒すまで、随分
まだるっこしくも丁寧な段取り。何れにせよ、この一件のせいで、りおんたちの救出が
遅れたことは未だに内緒なのである。

8超初心者:2002/12/08(日) 13:59
小噺その6
文字通り骨身を削るというべきか、藍華の献身的な情愛によって、心身共に元通りの元気さ
を取り戻した青デルモ。ビアンカやヴァレリの喜びはまさにこの上ない。とはいえ10日間
ぶっつづけで激しい愛の交歓をした負担も相当なもの、今ベッドの上でまどろむ四つの
裸身はさすがに気だるい動き。「本当に良かったわネ、ビアンカ。あなたは彼女と別室で
ゆっくりして…」二人水入らずで親友の回復を祝うように、と気を利かすヴァレリの一言で
ある。お言葉に甘えて、と二人が隣室に姿を消すと、今度は傍らにぐったり死に体の藍華へ
向けて語り出すヴァレリ。「私、彼女が大怪我した時、ショックで髪を切る決心をつけたの。
でも、こうして彼女が元気になってくれたから…もう一度髪を伸ばすことにするわ」
「そ、そう…女のあなたに(はあはあ)その美しい髪(ぜえぜえ)…お似合いね…」
「あの日の口づけ、覚えてます…?」「え、ええ…まぁ」思い出したくない、というのも
面と向って失礼かと、口を濁す藍華。そんなことにお構いなく続くヴァレリの言葉。
「実は私、KKコーポレーションの真向かいのマンションの一室を借りたんです」{…?…」
「この髪が元の長さに伸びるまで、毎日会って頂けませんか?」「えーっ!!」
元の長さに戻れば、再びビアンカ、あの青デルモと今までどおり三人の愛情生活に
立ち戻れる、それまでの間といっては失礼だが、世話になった藍華へ恩返ししたいという
訳である。既にここまでの深みに嵌まっている藍華、投げやりの一言である「いいわよぉ、
いつまでだって…!」ヴァレリの、あの長い髪に戻るには最低1年はかかる。その間、
ご近所のオバサンたちから「あら、素敵な旦那サンお持ちですね♪」と言われ続けなければ
ならない藍華なのであった。

9超初心者:2002/12/08(日) 21:19
小噺その7
ブティックのショーウィンドウを覗き込んでいる黒デルモ一人。ポン、と肩を叩かれ、
はっと振り向くとガストの姿、その右拳が今、自分の腹部に突き込まれようとする刹那
だった。「…あぁ…」恐れおののく黒デルモ、短く絞り出す声がやっと。ところがガストの
拳は意外なことに見事な寸止め。震えながら固く目をつぶっている女に向ける声は至極
優しいもの。「御免よ、驚かしちゃって。ハイ、これ」握っていたグーの手を開くと
何とそれは小箱に入ったティファニーの純金ペンダント。「今日は君の誕生日だもんナ」
女の方もようやくにっこり、二人は並んで歩き出し、そのまま高級フレンチの店内へと
消える。あの時、自分が手荒に振るまったデルモたちへのフォローに精を出すガスト、
雑に見えてもその実性根はマメの一語、更に言えば郷造に負けじ劣らずのストイックさ
を併せ持つ。藍華だけが憧れのマイ・スウィート、毎年数十人のデルモたちへの
アプローチは、高価なプレゼントと食事だけであっさり引き上げる潔さ。この世にゃ、
イイ男が一杯いるんだ、キミも早く誰か見つけて幸せな華燭の典をあげてくれ、などと
説教オヤジ丸出しである。そんなセリフに女たちは一様に思う、心配は嬉しいけど、
早く帰りたい…女同士、愛の宴が待ってるンだもの。日々に高まる愛欲の嵐、聖夜とも
なれば、極限超えたクライマックスとなること固く約束されている。彼女たちの社用車も
この日ばかりは高貴な百合の香り漂わせフル稼働間違いないもの、その名も
「ホーリー・エクタシー号」というのである…

10副官:2002/12/08(日) 21:57
>>9
>「ホーリー・エクスタシー号」

ギャハハ、傑作なオチ。笑いが止まりません。

11超初心者:2002/12/09(月) 13:08
小噺その8
女子中学生とのじゃれ合いは果せなかったが、デルモたちと懇意になった今、
道草のポジションは本来よりどりみどり、最高にオイシイ立ち位置の筈である。
「行こうゼィ」休日の仕切りは自信満々とばかりに数人の黒デルモを引き連れる
道草。さすがお坊ちゃま、最先端のキュイジーヌまで良くご存知である。若い男女
には勿体ない美食三昧だが、道草の奢りとあれば気にもならない。例によって
とりとめない話に花が咲けば、ワインも景気よく空いていく。心地よいまどろみ
の中、枝垂れかかる傍らの黒デルモ、道草の耳元でそっと囁く仕草も自然なもの。
「あたし、道草くんのこと…好きになって…いい…?」当意即妙、そっと上手に
答えれば目出度くゴールインだったかも知れないが…しゃしゃり出るのはあの河童、
1オクターブ高いお決まりの奇声である「OKッスヨ〜♪」
酔ったフリしながら内心結構マジだった彼女にこのリアクション。満座は爆笑の渦。
プライド傷つくもさることながら、初めての男にとことん幻滅した彼女、いよいよ
もってわき目も振らず百合への道を爆進することになるのである。

12超初心者:2002/12/09(月) 17:22
小噺その9
喫茶店の窓辺で一人物思いにふける青デルモ。今や司令の新会社では中堅のビジネス
マネージャーとして活躍中の彼女だが、この瞬間どこか寂しげな面持ち。ハーゲン
への忠誠に生きた頃、自分でも無我夢中だった。それなりに充実していたと思う。
ところが藍華たちと関わるようになってからは…メタルに打ち据えられたり、
藍華やガストに当て落されたりと、散々だった。何度も気絶させられ、無様に肢体を
晒した自分は一体何なのだろう?…全て終わったこと、今更涙すことでもなかろうに、
ふと目頭が熱くなる。と、その時。「この席、空いてます?」顔をあげれば、そこに
立つは藍華本人。営業廻りがてら昼下がりの休息を取りに立ち寄ったところ、偶然
彼女を見かけたという訳である。新たな暮しに勤しむ毎日、彼女も普通に会話を
楽しむべきなのであろうが、どうしても頭よぎるは、あの甲板上で変身した藍華に
頭持ち上げられた時のこと。あの時の恐怖はそうそう拭い去れるものではない、
反射的に生暖かいものが股間から溢れ出すのを禁じえない青デルモ。繰り返しに
なるが、ここは喫茶店である。今や消え入りそうな情けない表情の彼女。
しかし藍華も落ち着いたもの、素早くポケットティシュを取出し椅子の周りを
さっさと拭き取ると、いつから持ち歩いていたのかペーパー・パンティを彼女に渡す。
恐縮至極の青デルモに顔を近づける藍華は、ほんの一言「慣れョ、慣れ…」
あくまであっさり…これも藍華流励ましのお言葉なのである。

13超初心者:2002/12/10(火) 00:25
小噺その10
ひょんなことから持ち上がった第3シリーズ製作話。集まったスタッフ・キャスト全員
を前にプロデューサーは意気軒昂。「パンチラは不滅!今回も18禁じゃあありません、
皆さん安心してジャンジャンバリバリやって下さい!」熱気に包まれる企画会議の席を
抜け出す藍華と司令、物陰でひっそり相談である。「私たち全員を倒すって書いてあるけど
あくまで演技よ、わかってるわね?」台本片手の司令が念を押せば、藍華も当然の一言。
「言われなくてもわかってるわ。あなたたちこそNG出さないでネ」撮影が進み、次は
いよいよのモブシーン。藍華に対峙するデルモたち数十名、今闘いの火蓋切って落とされる。
次々と眼前の相手をとらえ、その腹部へ拳突き込んでいく藍華、苦悶の呻き声をあげ
バタバタと倒れていくデルモたち。ニナ・エスコにはお約束の肘打ちを食らわせ、今回
副官へは膝蹴りに仕留める。最後の司令には、真正面から下腹への一撃−−ドスッ
「ふぐうッ…!」藍華が拳引き抜けば力なく仰向けに倒れゆく。「ハーイ、OKで〜す」
自分でも納得の演技と思う、一発OKは当たり前でしょ、と御満悦の藍華である、が。
いつまで倒れているのよ、とデルモたちに近寄り、おふざけで身体をゆするが、ぴくりとも
しない。ま、まさか…!!抱き起こせば更に明らか、皆悉く涎流し失神しているのである。
ほんの軽く当てただけなのに…何故!?闘いに身を置かなくなったデルモたち、その腹筋が
極めて弱くなった為あっけなく気絶に至ったなどとは後で知る話である。
「ど、どうしてなの??も、もう、いやあーーー!!!」絶叫する藍華。ヒロイン降板と
共にあえなく製作頓挫となったのは言うまでもない。それでも懲りないプロデューサー氏、
今度は、モブシーン一切無しの「細雪」に藍華やデルモたちを出演させるべく水面下の
交渉続けているんだそうである…

14超初心者:2002/12/10(火) 21:22
小噺その11
郷造社長はただの頑張り屋にあらず、その気配りにも年輪を感じさせるもの。
社員とのコミュニケーションも怠りなく、今10人の黒デルモ社員たちと、
個別面談に及んでいる。当初りおんは怪訝な顔だった。「そんなに気を使わなく
たっていいじゃない。ついこの間まで私たちに襲いかかってきていた連中なのよ!」
が、そこは大人の器量、噛んで含めるように諭す郷造である。
「そんなこと言うもんじゃない。彼女たちだって考えてみりゃ可哀想な人たちなんだ。
罪を憎んでデルモを憎まずって言うだろう?」そうねー彼女たちの人生も
考えてあげなきゃいけないのよネェ、と素直に応じるりおん。熱しやすく冷めやすい
ところはあるが、根は情に厚い気風の良さが彼女の信条である。ではその面談内容、
チョイ垣間見てみると…
黒デルモ「私、本当に結婚出来るでしょうか…?」
郷造「そりゃあ大丈夫さ。キミみたいな可愛いコは周りが放っとかないよ」
黒デルモ「でも時々不安になるんです。デルモ以外に私、取り柄があるのかしらって…」
郷造「何度も気絶させられ、パンティを晒すのが取り柄なのかね?そんなものより、君自身
の魅力をもっと見つめていった方がいい。自分自身の幸せのためにね」
黒デルモ「有難うございます。私も、もう気絶なんかしたくないし、お仕置きもイヤ。
好きな人と優しい愛に包まれたい…ただそれだけが夢なんです…」
郷造「キミも優しいコだ、その夢、きっと叶うよ…」郷造にとっては手馴れた人生相談と
ばかり軽く流した会話である。きっと眼前の女も自信をもって幸せを掴んでくれるだろう…
そこまでは間違っていない。ただ何年か後に、デルモ同士の結婚式の仲人を務めようとは
夢にも思わぬ郷造なのであった…

15超初心者:2002/12/13(金) 00:03
小噺その12
社員面談の続き。別の黒デルモが座っている。
黒デルモ「今まで黙ってたんですけど…」
郷造「何だね?心配ごとでもあるのかな…?」
黒デルモ「わたし…襲われたんです」
郷造「な、なんだってぇ!」
黒デルモ「夜道で3人の男に襲われて…抵抗したんですけど、もうすっかり
闘いの勘がなくなっていて…鳩尾に拳を当てられ気絶してしまったんです…」
郷造「そ、それで…?」
黒デルモ「しばらくして気がついたら、3人とものびてました。一体何が起きたのか、
わからなかったのですが、誰かが助けてくれたようなんです」
郷造「それはよかった…それで、その…キミは大丈夫だよな…?」
黒デルモ「ええ、操は守れました。怪我もせずに済んだんですけど…」
郷造「よかったじゃないか。他に何か気になることでも…?救ってくれた人のこと
かな?」
黒デルモ「いえ、あの…わたしの…パンティが…なくなってるんです…」
赤面する郷造「え、えぇー!?」
黒デルモ「最初、男たちに脱がされたのか、と思いました。でも、近くを見回しても
見当たらないんです。誰か、通りかかった人が持っていったんだと思います…」
口ごもる郷造「ま、まあ…パンティ1枚ぐらい…気にしないで」
黒デルモ「ところが、それってただのパンティじゃないんです!」
郷造「ど、どういうことかね…?」しばらく逡巡し黙りこくっている黒デルモ。
黒デルモ「実は…あの日、襲われる直前、わたし…トイレの中で自分一人慰めて…
イってたんです…」
あまりのことに絶句の郷造「……」
黒デルモ「…その時パンティをすっかり濡らしてしまっていて…ですから、もう、
気が気じゃなくって…」
郷造「い、いや、大丈夫だよ、誰かが盗ったところで、そいつの欲求を満たして
終わりさ。気にすることはないよ」たまたま運良く通りかかった郷造が暴漢たちを
ぶちのめし、黒デルモを救ったことは誇らしいこと。しかし、気絶し大きく両脚
開けっぴろげの股間を覆うパンティが、ぐっしょり濡れているさまに、つい出来心と
ばかり、パンティを脱がせ持ち帰ったなどと、口が裂けても言えるものではない。
墓場まで抱いていくオヤジの秘密がまた一つ…重い十字架ではある、が、あの芳しさ、
あの濡れ具合…キミのパンティは何物にも代え難い宝物…決して悔いのない郷造であった…

16超初心者:2002/12/14(土) 20:47
小噺その13
更けゆく夜、ささやかな間接照明だけが灯るホテルのスイートルーム。大きなベッドの上に
艶かしい肢体を晒すのは藍華と4人の黒デルモたちである。藍華は変身していた。自在に
分散するオルタネート・メタルが5人の裸身を包み、そのいくつかの先端は女たちの股間に
分け入っている。宝石さながらに煌めく秘所へ、およそメタルの呼称からは想像もつかない
繊細で柔らかなアプローチ。藍華は今、4人全員と結ばれる。メタルの意思もこう告げる
「皆、全く汚れていない。純粋なメタルとの相性は良好だ」形状、硬度の変化などお手の
もの、性愛究極の未来形に黒デルモたち止め処ない喘ぎを洩らすは当然。「はあうぅ…」
「くはあぁ…」「…んん…うふうぅ…」「あはあぁぁ…」数限りない絶頂の波頭に洗われ
極限にまで果てゆけば、その先に用意されているのは甘美な気絶。藍華自身も、4人の
随喜がメタルを通して増幅逆流、くまなく身体の深奥にしみわたり、タフな彼女と言えど、
この時ばかりは気が遠くなっていた。薄れる意識の中で藍華はメタルに尋ねる、これは
必然の成り行きなのか、と。「これから全てのデルモたちと交わる。彼女たちの心身は
澄んでおり、交わることによって、メタルや藍華をよりパワーアップできる」平然と
メタルが言い放った時には既に失神の藍華である、この先の大量情交など思いも寄らぬ
ままに…
(灰色デルモ様<547>、こんなところで如何でショウカ?^^;;;)

17超初心者:2002/12/15(日) 12:42
小噺その14
発展続けるデルモ・コーポレーション次なる展開はレストラン事業。大事な1号店の
支配人にはニナ・エスコ、店長にはウェイトレス経験のある青デルモがつき、多くの
デルモ社員が働く。オープン以来、店は長蛇の行列出来るほどの大盛況。決して
価格が安い訳ではない、ではこの大ヒットの秘訣は?確かにパン○ロ眩しいあの
デルモ・コスチュームもその一因、可愛くて気立てもよくサービスもいい。注文時や料理を
並べる時の姿勢ともなれば推して知るべしである。だがそれだけか?メニューを覗き込むと、
ところどころにピンクやブルー、ゴールドのハートマークが付いている。今、ピンクマークの
フカヒレラーメンを注文した男性、出てきたものは置き、先ずは傍らのレンゲに手を伸ばす。
と、その端には色鮮やかなリュージュのキスマーク。掴む部分にはマジックで小さく「りか」とある。
また、別のテーブルでは、ブルーマークのオムライスを頼んだ若い女性が、
添えられたスプーンを見やっている。そこには「ピエール」のキスマーク。さすがにキッズ
メニューではゴールドマークも「リエ」一種類しかないが。出された料理そっちのけで
食器に頬ずりし、次いで料理を口に運ぶふりして、さりげなく口づけする客たち。こんな
露骨な手段では、一時のノー○ンしゃぶしゃぶの二の舞かと心配する向きもあったが、
結果は正解であった。それぞれのマークは姑息な暴利に走らないデルモたちの誠心誠意、
不純とも無縁な、大いなる愛の証しだからである。それは又、「デルモ」のアイデンティティを
広く世間に認知してもらうこと。人々に愛されるデルモたちの2号店はこの次あなたの町に
現われるかも知れない…

18名無しさん:2002/12/18(水) 09:19
その店イキテー

19超初心者:2002/12/21(土) 16:02
小噺その15
これも封印される過去の記憶。あの白銀基地でリエを追っていた藍華が、ある部屋に
飛び込むと、中に二人の黒デルモ発見。が、思わず目を見開く藍華。非番にこっそりと紡ぐ
愛だったのか、片隅で仰向けに横たわる二人は、互いに真反対の向きに身を倒しその下肢
のみ絡ませている。その姿、上下のコスチュームや膝上までのストッキング、黒のパンプス
はそのままに。しかし、パンティは脱ぎ捨てられ、互いの股間を妖しく繋ぐのはなんと!
双頭のディルドウ…。目にした瞬間、部屋の温度を20度は上げたであろう、羞恥の灼熱で
真っ赤な顔のまま二人に近寄る藍華である。当然藍華をみとめた二人も、すぐさま
起き上がろうとする、が。今までの恍惚から一転緊張が走った刹那、二人を襲うは無情の
膣痙攣。焦るほどに固く締まりまさに抜き差しならぬ状況に嵌まってしまう。二人は恥じらいと
快楽、恐怖ない交ぜのパニックに陥っていた。「あはっ…いやあぁ、見ないでえ…!」
「お、お願い、んはぁ…た、助けてぇっ…!」繋がったまま悶えている二人に近づく赤面の
藍華だが、ひと呼吸置けばその表情最早こわばってはいない、いつものマイペース顔。
一人の傍らに膝をつき、穏やかな声を掛ける。「大丈夫、助けてあげるわ。あなたは目を
つぶって、お腹の力を抜いて…」涙目の黒デルモは震えながらも覚悟を決めて目を閉じる。
女のスカートをまくしあげ、下腹に手のひらを這わせながら手早く然るべきつぼ探し当てる
藍華。狙いつけた場所への拳も正確そのもの。「はうっッ…!」短い呻きを残し、動かなく
なる黒デルモ。しかしもう一人の方は、愛する仲間が当て落とされる様を目前にし、更に
動揺が加速する。「い、いやっ…わたし、んふ…き、気絶したくない。来ないでえっ!」
「心配ないわ。少しの間眠るだけ…」言いざま、藍華の拳が女の下腹、先ほどと寸分違わぬ
部位に突き込まれていく。ドズウッ「うぐうっ…」おとなしくなった二人の股間は緊張
解ければ適度な弛緩に戻り、二人を固く繋いでいた一物もようやく抜き取ることが出来る。
次いで傍らの純白パンティを履かせていく藍華。あとで助け出される時のことまで考えた
配慮である。全く世話の焼けるコたちね、と溜息まじりに立ち上がる、が、思わぬ収穫も
一つ。黒光りする例の一物、今まで愛用していた電撃棒の代わりとばかり、まじまじと
見詰めた後、そっと懐にしまう藍華なのであった。

20副官:2002/12/23(月) 02:07
>>19
>今まで愛用していた電撃棒の代わり

チャハー、藍華さん何ちゅー「物」をご愛用!!
体の奥深く電撃の迸りを受け、恍惚となっている姿が目に浮かびます。
こうなっては、もはや人間の男では、お相手が出来ましぇん。

21超初心者:2002/12/23(月) 23:01
小噺その16
少子化の逆風をついて幼児教育に挑戦するデルモ・コーポレーション。小高い丘の上に
新設なった「愛のデルモ幼稚園」は近隣の施設が軒並み閉鎖される中で、ぶっちぎりの
人気、女児だけの募集というのに入園志望者はひきもきらない。理由は簡単、先生たちが、
あのコスチュームそのままのデルモたちだから。入園式、運動会、クリスマス会…諸行事に
かこつけてビデオ片手に殺到する父兄たち、その狙いは勿論アレ。ローアングルで、我が子を
撮るふりしながらピントはしっかりアレ一本。例えば入園式。黒組、青組、白組、金組
夫々の先生たちの前に列をなして並ぶ可愛い天使たち。と、言いたい所だが、男女差があまり
無い年代、クレヨン某ちゃん顔負けの男勝りな腕白娘もいて中々大変である。今一人の女の子が、
つかつかと黒デルモ先生のところへ近寄ると、隠し持っていた水鉄砲をいきなり発射!
「えい、ラグ・ビーム!!」勢いよく噴出した水は彼女のパンティに見事命中。「キャッ…」
次の瞬間、満場の目は、100%スケスケとなったアレに釘付けとなる。赤面の
黒デルモが動転して尻もちをついたこともカメラ放列の父兄たちに火をつける結果と
なった。そうかと思えばクリスマス会。こどもたちは、慣れ親しむ先生たちの影響で
何の抵抗もなくプレゼントをねだる。「わたしィ、ハイレグでェ真っ白のォ、
紐がついてるゥ、おぱんちゅがほしいの…」それに乗じるお父さん、娘がああいうんじゃ
仕方ないな、はは…と、妻公認の下着売り場通い。どさくさにまぎれて愛人用を買い込んで
いるかは定かでないが、サンタも随分鷹揚になったもの。こんなハレンチ幼稚園、母親が
許さない?どうして、これだけ開けっぴろげになれば情操教育も満点、窮屈なお受験に
身をやつすより遥かに大物に育つだろう事、母性の勘は告げている。勘だけではない、
デルモたちが持つあれだけの科学力、一度はラグを手中に収めたその先見性、それだけでも、
ここへ通わせる意味はあるとの算段もしっかり。かくして園児の明るいはしゃぎ声そのままに
愛くるしいデルモ予備軍はすくすくと育ちゆくである…

22超初心者:2002/12/24(火) 11:44
小噺その17
例のデルモ幼稚園に娘を通わせている、とある家庭。父親が酔っ払って帰宅すると
リビングの机に1枚の書状。ヤバイ!離婚届か、と慌てるが、よく見れば幼稚園
からのお知らせ。全く驚かせやがって、とネクタイ外しながら見やるところへ、
キッチンから妻がお茶を運んでくる。「相変わらず遅いわねェ。でも今日は、
ちょっといい話があるのヨ♪」「なんだい、これか…?」件のお知らせに目を
走らせると、園名変更とある。園庭の花壇に色とりどりの百合植えたのを機に、
「百合丘デルモ幼稚園」と改名したとの事。たかが花を植えた位で大袈裟な、と
思う夫に、妻が熱く語る。「あの幼稚園って小学校からも高く評価されているの。
今度の名前は、あの名門○百合女学院が是非推薦入学枠を作らせて欲しいという要望
があってああなったんですって。百合もそこからの寄贈らしいわ。凄いでしょ、
あの名門校と姉妹校になったのよ!」何!それは凄い、じゃあ憧れの○百合女学院に
エスカレーターで進学出来るという訳か、とお気楽父サンも小躍りである。実際、
名門校との提携話は嘘ではない、小学校側もデルモ幼稚園の実力を認めた上での話
である。ただ、デルモたちが目指すミッション「総百合化計画」の本当の意味に
気づく者はまだ誰もいない、辛うじて勘ぐる一部の嗜好者を除いては…。

23Untitled:2002/12/25(水) 22:16
>>「総百合化計画」

断固反対!!

「総両刀化」ならオケ〜イ!!(w

24名無しさん:2002/12/29(日) 13:54
デルモは一生男を知らずに終えるのでせうか。

25ぱんちーと:2003/01/01(水) 22:22
デルモ幼稚園から連想して、デルモ幼年学校というのはどうでしょう。
10歳から15歳までのローティーンを対象に未来のデルモを養成。
まだ年端もいかない美少女たちが健気に先輩デルモたちについて修行したりして。
白デルモたちや各色のリーダーたちの身辺のお世話をしながら毎日訓練に励むとか。
でも司令の従卒になったら毎日たっぷりねっぷりかわいがられたりするんでしょうな。
幼年デルモのコスチュームはオレンジ色なんかだとかわいいですね。

26超初心者:2003/01/05(日) 01:29
あけましておめでとうございます。年明けから、下ネタで申し訳ありませんが、
23,24へのお答えを踏まえ、小噺をば^^;;;

小噺その18(新春姫初め編…^^;;;)
数百人はいるといわれるデルモたち、新会社内での人間関係は百合の愛が建前と
されているが、プライベートとなれば男とねんごろになる者がいても不思議でない。
何せあのコスチューム、プロポーションも抜群の美女とあれば、周囲が放って
おかないもの。今、一人の黒デルモが派遣先で知り合った男と腕組みホテルへと消える。
ところが部屋に入った二人、どうも動きがぎこちない。粋がってはいてもやはり処女、
黒デルモの事情は容易に察せられるが、やさ男の方も、なりばかりのカッコツケは童貞
であること明らか。それでもなんとかベッドインした二人、男がこれまた上擦った声で
囁くはいきなりの決めセリフ「君を一生幸せにするよ…♪」その言葉に胸詰まらせる
黒デルモ、潤む目で男を見上げている。この人と私、結ばれるんだ…
やや乱暴ともいえる愛撫の末、遂に一線を越えようとする男の下半身。実物を見るのは
無論初めての彼女、その眼前には、いかにも巨大にして逞しい一物が屹立している。
「優しく…して」目をつぶる黒デルモ、その表情は言い得ないほど美しい。感極まる男、
自らの疼き極限に達し最早辛抱もかなわない、小さく頷く間もなく野獣のように
のしかかってゆく…。その瞬間。「うッ…!」二人一気に果てたかと思いきや、何やら
様子がおかしい。よくよく見れば男のいきり立った物はなんと、女の腹部にめりこんで
いる。焦った男が場所も確かめずに猪突猛進した結果がこの有様。下に横たわる黒デルモ
のお腹一面に自分の精のたけをぶちまけている。しかし彼女の方は…ぴくりともしない。
先ほどの短い呻きと共にこれまた気絶してしまったのである。とんだ姫初め。動転し
一気に萎えた男と黒デルモが結ばれることは、その後決してないのだった。が、
それでも尚…二人は幸せな結婚を果たすことになる。子どもが体外受精で授かるという
こともあるが、それ以上に彼女の側で、ある意向が働いたから。それは「棒突き」フェチ。
あの駐車場で藍華の電撃棒を腹に突き込まれ気絶したトラウマが男の一突きで覚醒し、
禁断の快感にのめり込む黒デルモなのであった…

27副官:2003/01/05(日) 01:53
超初心者様、明けましておめでとうございます。
こちらの板でも、どうぞ宜しくお願いいたします。

>それは「棒突き」フェチ。
この男、凄いですネ。藍華さんの電撃棒並み・・・

28ぱんちーと:2003/01/05(日) 02:10
>あの駐車場で藍華の電撃棒を腹に突き込まれ気絶したトラウマ
というと黒デルモJですね。
いかーん!黒デルモJは絶対そんな優男の嫁にはやらん!!
デルモたちの結婚はワシが絶対ゆるさーん!!!
デルモ同士で結婚するのならいいけど…。

29超初心者:2003/01/05(日) 10:43
う〜ム、あちら立てればこちらが立たず(って何が立つのやら…汗)…じゃ、あれは内縁の
夫ということで、籍を入れるのは好き合ったデルモ同士と致しましょう(笑)
それでお許し下さいますか、お父様…(自爆)
小噺その19(ぱんちーと様アイデアいただき編^^)
人気沸騰の幼稚園に気をよくしたデルモ・コーポレーション、一気呵成に学校法人化を
進め、遂に幼年女学校の併設も果たした。それはヨーロッパ流の9年制、6歳から15歳
まで広くカバーする一環教育である。そして全寮制。何分コスチュームが黒デルモの
色違い、あの超ミニスカに純白ハイレグの紐パンもそのままとあっては、おちおち
通学などさせられる訳もない。親元離れるとは言え、理事長の司令、校長の副官を筆頭に
多くのデルモ先生たちの豊かな愛に育まれる女児、女生徒たち。明るさ絶えない校舎は
子ども達にとってまさに楽園である。それでも12歳を過ぎる頃には、専門授業が始まり、
夫々担当の先生がマンツーマンで教える英才教育が施される。今ある部屋を覗くと
オレンジ色コスチュームの生徒と黒デルモ先生が格闘術の実技中。組み手をする二人の
姿に、成る程こんなところからデルモ組織のレベルアップを図っているのか、と思う
ものだが、その瞬間。ドスッ「あうッ…!」腹部に強烈な膝蹴り受け昏倒するのは
なんと先生の方。「先生、大丈夫ですか!」慌てて駆け寄る女生徒の声も届かぬまま失神
している。数時間後、医務室のベッドで目を覚ました黒デルモ、傍らに寄り添う女生徒に
気付き照れ笑い。「あなたって凄いのね…まだお腹が震えてるみたいよ…」すると
にっこり笑みのこぼれる女生徒も一言。「いい〜顔して気絶してましたよぉ、うふふ♪」
これはまたリエのセリフそのもの、このコはきっと大物になるに違いない。そう確信した
黒デルモ、「うふふじゃないわよ…」と言いながらも、スパーリング・トレーナーの如く
盾に徹しようと、悲壮な決意を固めている。その日から1年間、見かねた教頭の
ニナ・エスコが彼女を交代させるまで、気絶すること実に百回!しかし黒デルモ先生の
一身を捧げた特訓は功を奏し、件の女生徒見事ゴールデン・デルモへの昇格を果たす。
司令も先生の献身を讃え、大枚の報奨金と学園内殿堂入りを許すは当然の措置。
涙ぐましいこの成功物語、後日プロジェクトXで放送されたのを皮切りに海外からも
取材が殺到。今や世界の合言葉…それが「デルモ・スタンダード」である。

30ぱんちーと:2003/01/06(月) 23:47
>それはヨーロッパ流の9年制、6歳から15歳
>まで広くカバーする一環教育である。そして全寮制。
>何分コスチュームが黒デルモの色違い、あの超ミニスカに純白ハイレグの
>紐パンもそのまま
6歳の幼女の超ミニスカ、ひもパンだなんてほとんど犯罪。

31超初心者:2003/01/07(火) 18:42
>6歳の幼女の超ミニスカ、ひもパンだなんてほとんど犯罪。
 先ほど、学校から御父兄への連絡状が配られました。
 6〜10歳の女児は、ノーマル下着、膝までのプリーツスカートに
 変わったそうです。御安心下さい^^;;;

32Untitled:2003/01/07(火) 19:26
>>26
これはわざわざすいませんm(_ _)m
尾案も結構ですが男はどうなるの?と、思いつきで書いただけでしたが(笑)
にしてもよくこれだけ次々思いつきますね。感心します。文体も、そこはかとなく
エロ小説みたいですし。
しかし、なんちゅ〜オチなんですか。ワロた(^^)

33ルドルフ・ハーゲン:2003/01/08(水) 00:15
>>31
>6〜10歳の女児は、ノーマル下着、膝までのプリーツスカートに
司令よ世間の声がどうであろうと私の作った原則を枉げてはいけない。
あくまで「スカートは短めにヒールは高めに。そしてパンティは小さめに」だ。
それとパンティは純白以外許さん。わかったな。

34ぱんちーと:2003/01/08(水) 00:19
>>33
>文体も、そこはかとなくエロ小説みたいですし。
以前「AIKa」スレに書きましたが、超初心者さんの文体は
二葉亭四迷の「浮雲」の文章を彷彿とさせます。
所謂戯作調というやつですね。

35Untitled:2003/01/09(木) 23:25
>>34
>>所謂戯作調というやつですね。
 となると、『AIKa』は動く春画なのでせうか(w

36てる君:2003/02/07(金) 23:41
皆様方初めまして。新参者です。どうぞ宜しく。

>超初心者様
文章拝読致しました。デルモ養成システムという中での、女同士の師弟間エロ物ですね。
少々エロを感じました。でも私個人としましては、女ザコ戦闘員としてのデルモが、もっとやられる要素が欲しいのです。

例えば、「デルモvsデルモ」という戦闘アクションが見たいですね。
デルモ養成システムならば、月に一度、野外又は建物内での、実戦的な格闘戦闘訓練をさせるのはどうでしょうか?
デルモ候補生達を二つの陣営に分け、互いに格闘戦のみで争わせる訳です。相手側の陣地にあるフラッグを奪った方が勝ち。
ルールは相手を殺さない事。気絶はOK。

この格闘戦闘訓練で、個人タイトルで相手陣営のデルモ候補生を倒せば倒す程、個人戦闘評価での成績ランクがUPする訳です。(優秀な者は、ゴールデンデルモ候補や幹部候補にも道が開ける?) これと同じ格闘戦闘訓練は、正規配属のデルモ達にも、月1回のペースで同じ訓練が課せられている。つまり、黒デルモ同士やピンクデルモ同士、青デルモ同士の格闘戦が行われているそうな。たまに、黒デルモvsピンクデルモの様な、異なる色のデルモ部隊相手に格闘戦闘訓練もしている模様。
しかし、あまり戦闘能力はUPしていない模様である。

デルモ候補生達は全員、頭に「つば無し略帽」を被っている。
その「つば無し略帽」の端に、水鳥の羽が一本さしてある。
これは格闘戦闘訓練で、個人が相手のデルモ候補生を格闘で倒した証拠となる物であり、デルモ候補生を倒したら必ず、相手の「つば無し略帽」から羽を抜き取る事になる。(羽の数=倒した敵のデルモ候補生の数)
尚、日頃は「つば無し略帽」を被らない、正規の黒デルモ、青デルモ達も、月1の格闘戦闘訓練の時だけは、上記の理由で「つば無し略帽」を被らなければならないそうな。(是非見てみたい)

一応、デルモ養成システムは、ところてん式卒業システムであると思われる。(ザコ戦闘員ぽくて良い)
何故かというと、デルモ達は各自戦闘能力において、かなりムラがありますでしょ? そこが大変良い所なんですけど。
例えば、黒デルモリーダー(チーフ)の様な格闘能力の高い者も居れば、第5巻で出て来た、髪型がおさげのロリ系黒デルモの弱さと言ったら…(笑) それにもっと弱い黒デルモも居ましたね。第6巻に出て来た、渦巻眼鏡を掛けた黒デルモ。
この黒デルモは格闘能力は殆ど無いタイプの典型でしょう。知的なガリ勉タイプの黒デルモ... 一体どういう基準でタイプ分けしているのでしょうか? 元、学の無いコンピューターマニア? 黒デルモは全員、格闘戦に長けた女戦闘員と思ってましたが、どうやらそうではなく、ピンからキリまで居るといった所の様です。

以上、つまりデルモとしての成績が悪くても、時がくれば全員ところてん式に卒業して、デルモゲニィ組織に各自配属されて行くので、戦闘能力の低い、黒デルモ、青デルモ、ピンクデルモも、当然沢山居るものと思われる。(魅力的)
しかし、「ルドルフ・ハーゲン様」と共に地球征服を成し遂げ、自分達の理想郷を創るという確固たる目標があるので、デルモ軍団は非常に士気が高い。それに若い美女、美少女のみで構成されていて、戦闘力の強さはムラがあって弱い部分も多々あるが、各自士気が高くてプライドも高い。しかも、女らしさを全く捨ててなくて制服もキュートで色っぽくて良い。パンツシーンも非常に多い。等という所に、ファンは非常に魅力的な物を感じる訳ですよね。

そういう訳で、やられ役の女ザコ戦闘員好きには、非常にたまらない設定です。
是非「AIka」の続きが見てみたいものです。
以上、長文済みませんでした。


>Uniteld様 「男の立場はどうなるんじゃ!」
大丈夫です。デルモ候補生並びに卒業生のデルモの彼女達は全員、デルモゲニィ社のデルモ養成システムにおいて、「メイド教育」も同時に施されております故。それにデルモのモットーの一つは、「女を捨てない」という事なので、その点でも殿方にはよく弁えております故。ただ、「ルドルフ・ハーゲン殿」が何らかの理由で復活なされた場合、その後、どうなるかは一切保証でき兼ねますが...。

最近のデルモゲニィ社のお仕事では、「ナジカ電撃作戦」や「花右京メイド隊」等のメイド役や兵士、ヒューマリオン役等に社員を派遣といった所でしょうか。裏組織完全復活には、まだまだ前途多難な様です。
つまり、藍華さん達から受けたダメージは、相当な物だった訳です。

今後、デルモゲニィ組織は、新たなるカリスマを立てる事を検討する模様です。
「故? ルドルフ・ハーゲン殿」の遺伝子を利用して、何らかの手をうつものと思われまする。
それでは、これにて御免!

37超初心者:2003/03/02(日) 11:29
小噺その20

もっぱら藍華についていく役どころのりおんだが、か弱いメガネっ子のイメージとは裏腹に
結構活躍談も多いらしい。ハーゲン艦の更衣室で3名の黒デルモとの立ち話をどうにか
ごまかし乗り切った彼女。3人がシャワールームへ消えたあと、一人きりとなった更衣室で、
やれやれとばかり、あのヤバイ下着を被う黒デルモ制服をロッカーから取り出そうとする。
と、その時がっしり肩を掴む手。「あなたッ、私の下着をどうするつもり!?」
びくっと振り返ればそこには、黒のブラと純白パンティのみ纏った女が一人。手に濡れタオル
を持つところを見ると、シャワーから戻ってきたのであろう。「あは…はは、チョッとね、
どんなかな〜って思ってェ」咄嗟にとぼけるさまも、りおん自身イケテナイ、と思う。頬を
伝う汗だらだらのりおんに向かい「あなたね〜」と追い討ちの言葉、見破られたか、と誰しも
思う。「それを着けるってことは、意中の人がいるのネ。誰なの?」これは思わぬ肩透かし、
一瞬ホッとはするが、誰なの、と聞かれて名前など浮かぶ筈もない、相変わらずのピンチは
続く。「あはは…あのコよ、あのコ…」適当に言えば何とかなる、と踏んだところが…
「何ですってえ!?みさきは私だけのものよお、邪魔しないで、これ返してよ!!」これも
思い込みの激しい黒デルモだったのだろう、突然激高する女がりおんから下着を剥ぎ取ろうと
する。揉み合う中の、もののはずみだった。ドスッ「うッ…!」突き出したりおんの肘が
相手の鳩尾に決まっている。「ご、ごめんね」この場を穏便に済まそうとしていたりおん、
口早に謝るが、眼前の女は目を閉じ口元から涎垂らしながら彼女の方へ倒れ掛かってくる。
な、何、涎なんか垂らさないでよ、と思いつつ慌てて抱き止めるりおん。湯上りの暖かい裸身
を肌で感じながら、しばらくして、そうか、このコ気絶しちゃったんだ、と思い至る。
藍華の立ち回りは、あの駐車場で目にしていたが、まさか自分が倒すとは思わぬ展開。
それでも勢いとは怖いもの、その後、艦内で、白銀基地で、ペロロンガ・ホテルの厨房で、
都合あわせて6名ものデルモたちを気絶させたという事実のルーツはここにある。今でこそ、
打ち解けているが、内心藍華並みに恐れ入っているデルモたちがいること、当のりおんは
知らずじまいなのであった。

38副官:2003/03/02(日) 17:25
>りおん、ロッカールームの戦い

あの派手な下着が、いつの間にか「制服白パンツ」に変わっている。
白パンツを穿くには「誰かのパンツを剥ぎ取る」必要がある訳で、
ここは「ストーリー観賞上の盲点」でした。
超初心者様、さすがです。

ここでのバトル経験があればこそ、りおんは青デルモ・キャサリンを
電光石火で倒すことが出来た、ということですネ。
(もっとも、キャサリンは弱っちい感じがしますが・・・)

39超初心者:2003/03/03(月) 12:43
小噺その21

小洒落た喫茶店の一角で午後のひと時を過ごす二人の女。一人は藍華、もう一人は…
青デルモ。ハーゲン艦の甲板上で、シヴィエ藍華によって頭を掴まれ、無残にも
ぶらさげられた、あの青デルモである。デルモ・コーポレーション設立以降の
再会当初は失禁という、いささかの粗相もあったが藍華の暖かいフォローによって、
その後何度かお茶を一緒するまでになっていた。と言っても妖しい関係ではない。
あの恐怖のトラウマから脱する手助けをしようと、リハビリよろしく藍華が付合って
やっているのである。「ね、今では私、メタルの力を使わないし。もう、過去の事と
して忘れましょう…」すると、漸く慣れてきたのか、返事する青デルモの顔にも笑み
が戻る。「ええ。でもあの時は本当に生きた心地がしなかったの。私もうここで死ぬ
のか、と思ってた」「馬鹿ねえ、そんな訳ないじゃない。あなたたちの誰一人、命を
狙ったことなんかないわョ」そうね…と、明るく頷く青デルモ、それでもふと一言を
加えたがるのは、心の片隅に尚引っ掛かるものあるせいか。「藍華さん、もしあの時
ハーゲン様のラグ・ビームがなかったら、あのあと私をどうするつもりだったの?」
これだけはどうしても聞いておきたい質問だったのだろう。藍華としても、にっこり
返したつもりだった。「そうねえ、あの時はメタルも大量の銃弾を浴びておかんむり
だったから…。あなたを人質にして、艦内に残されていたりおんを救いにいってた
かも知れないわね」「じゃ、じゃあ、ずっとぶらさげられたままで…?」「勿論よ♪」
ということは…首だけで全体重を支える?アニメでもそこまで酷いことをする
のか?命保証すると言っても、大怪我につながらないか?後遺症は?ここまで考えた
ところで、青デルモの股間には、例の生暖かいものが。折角のリハビリも再び後退
である。濡れた椅子を拭き取りながらこれまた例の紙パンティを差し出す藍華、この
失敗を挽回するには仕方がない、と顔を近づけ熱いディープキス。結局はこれが一番。
以来この青デルモ、条件反射のようにキス魔になってしまったのは言うまでもない…。

40超初心者:2003/03/14(金) 00:57
小噺その22

深夜、バーカウンターに二人並んで座る姿は見覚えがある。いつもの真紅鮮やかなスーツを
決めた藍華、隣はこれまた眩しいゴールデンのコスチューム、ビアンカである。
呉越同舟もゆかしく酒を酌み交わしているのかと思いきや、なにやら険悪な雰囲気。
バーテンも近寄るどころでなく、カウンターの隅で小さくなっている。
「だいたいねぇ〜、レディーにあんな足蹴りを二度もやるなんて、しっつれえよぉぉ〜〜」
かなーり出来上がっているビアンカに負けじと、藍華も相当な剣幕である。
「それは、こっちのセリフだわぁ〜。あなたこそ素手で闘うなあんて言っておきながら、
あんなヤバイ武器を隠し持つなんて、どうかしてるわよぉぉ〜〜、フーっ」深酒の末、
ベロベロに管を巻く二人だが、互いの身体に手をかけるところまでは行っていない、
睨み合いながらも、ぎりぎりの際で踏み止まっている。と、背後に一人近寄る気配。
「あのお、カラオケでも、どうですかあ〜?」二人が同時に振り返ると、マイクと本を
持った黒デルモ。気まずい二人を何とか和ませようとしたのであろう、ぎこちない笑みを
浮かべて立っている。ところが。
「話の邪魔をするんじゃないよ!」と、ビアンカがドスの利いた声で凄めば
「そうよ、今それどころじゃないのよぉ!」と、藍華の追い討ち。折角気を利かせようと
した黒デルモは一気に窮地へ追い込まれる。「え?あ、す、すみません」おどおどとした
態度が却って火に油を注いでしまう典型か、さっきまで互いに火花散らしていた二人の矛先は
既にこの哀れな黒デルモにロックされていた。酒の勢いで上体少し揺れながらも意味深な
視線を交わす二人。「ここは、この子で気晴らしだね」いきなり、ぐいと胸倉をつかむ
ビアンカ、そのまま黒デルモをボックス席へ引き摺っていく。そこにいた客たちは蜘蛛の子を
散らすようにいなくなり、空席となったロングソファに彼女をうつ伏せに寝かせる。酔った
勢いとは怖いもの、藍華までもがスカートをめくるなどとは思いもよらないことである。更に
二人の手には曲名リストの本が握られていた。次の瞬間。
ピシッ「あん…ッ、ミス・ビアンカ」バシッ「はうん…ッ、藍華…さん」突き出したお尻の
パンティめがけ、二人の責めが交互に続いていく。ネーナの時以来、久しぶりのお仕置き、
黒デルモは痛いのか喜んでいるのか微妙な表情で、悩ましい声をあげている。思わぬ展開に
店内の客は一同目が点。いや、内心狂喜乱舞のところ、無理に固くなっている。
しかし、無理な抑制など、やはりすべきではないのだろう。そのツケで何人か、機能不全に
なってしまったのは誠にお気の毒というしかない、春の椿事であった…。

41超初心者:2003/04/27(日) 00:20
小噺その23

水没した東京に代わって、その都市機能の何分の一かを受け継いでいる埼玉県。あの凝縮
専門店街だった秋葉原も、この県内に新規誕生した春葉原市内に見事復興を果たしたもので
ある。立ち並ぶ店店店、溢れかえる人人人…。あの活気、熱気もまさにそのままの再現。
そんな中、店頭商品を見やりながらぶらぶら歩く5人の女たち。タイトな黒いコスチューム、
超ミニスカの下から時折純白のパンティがのぞくとなれば、言わずと知れた黒デルモたちで
ある。皆、可憐で美しくスタイルも抜群、おまけにあの格好である、本来ならば思い切り
目立つところだろうが、ここ春葉原では別。店頭でプロモーション活動しているコンパニオン
の方がはるかに上をいく際どい姿、203×年のトレンドは殆ど全裸寸前である。同性でも、
いや同性だからか、つい目をそらしてしまう黒デルモたち、ぽっと頬を染めながら小走りに
狭い裏通りへ入った時、パーツ店から出てきた女とぶつかる。「あっ、ごめんなさい…あ!」
相手の女、黒デルモ5人同時にあげる驚きの声。互いに謝りつつ顔を上げれば、そこに立って
いるのは何と藍華だった。「あなたたち…」「ミ、ミス藍華…」聞けば藍華も会社のPCが
余りに旧式で使い勝手が悪いため、代替機を物色していたとの事。偶然の出会いも又面白い
もの、6人の女たちは、多少静かな喫茶店で一休みすることにした。もう闘う間柄ではない、
女同士楽しい語らいに花が咲く。元気?など型どおりの挨拶もそこそこに、藍華は
ふざけながらの一言である。「私と闘ってた頃が懐かしいでしょ?もう一度パンチして
あげましょうか?」「やだ、藍華さん…」明るく返す黒デルモの一人、確かに歴戦の中で
5回気絶していることを思い出すが、今では冗談をまぶす余裕がある。「でも、真似事
くらいなら…」そうこなくっちゃ、と身を乗り出す藍華は、右手に拳を作ると、「えいっ!」
と女の腹へ。「うっ…!」黒デルモは苦悶に顔を歪める、が次の瞬間「な〜んてネ♪」…
突き込む拳も形だけ、わざとらしい呻き声共々、確かにこれは真似事に違いない。だが
黒デルモはここで敢えて明るい表情少し抑え、声を落として藍華に囁きかける。
「ここでは人目につきます。後で私たち、ミス藍華の家へお邪魔していいですか、そこで
思い切り…」この手の嗜好も内密にということか、藍華と黒デルモたちはその後、濃厚な
パートナーシップを築くに至った。その快感の虜となったことが婚期を遅らせる副作用あり
と知っていたのかどうか…それは定かでない。

42超初心者:2003/04/29(火) 11:49
小噺その24

これも白銀基地でのこぼれ話。浴室と更衣室で襲ってきた黒デルモたち7人を倒した藍華、
逃げてゆくリエを追おうとしたその時である。ガタガタッ−−−ひとつ、ロッカーの中から
音がする。藍華たちが近くへ寄ると、それは振動しながら中のものが扉にぶち当たっている
よう。ははーん、と目を見交わす藍華とりおん。古いロッカーにはありがちなのよね、と
身構えながら扉のノブに手をかけ、一、二の三!で引くと、案の定。ドタドタドタ〜〜!
向こうも体当たりした瞬間だったと見え、勢いの止まらないまま一人の黒デルモがもんどり
うって飛び出してくる。しかも真正面しか見る余裕のない女は、倒れ伏している仲間の身体に
足を引っ掛け、つんのめって床に這うのである。「あッ!?、あぁ〜〜ッ…!」一面あられも
ない格好で倒れている仲間の姿態が目に入り恐怖に顔引き攣る黒デルモ。攻撃を命じたリエの
姿もなく、この場に無事でいるのは自分ひとりだけ。へなへなと床にお尻をつき壁の隅に背を
もたれかけながら顔面蒼白の彼女は小刻みに全身震わせ、立つこともかなわない。それでも
接近してくる藍華に向けて振り絞るような声を出す。
「あぁ、い、いやあぁ〜ッ、ゆ、許してぇ〜っ!お、お願い…」最早女は藍華の間合いの内、
このまま腕を突き出せば、相手の腹部に炸裂する拳の一撃で事は終わるであろう。が、藍華は
そうしない。容赦ない責め与える時も勿論あるが、ここではひとつの課題が脳裏に浮かび、
それを思い止まらせるのである。「あなた、腰を抜かしてる場合じゃないわ、湯船にひとり
残されているの。早く行って助けてあげなさい!」追い立てるように黒デルモを浴室へやり、
彼女が仲間の女を引っ張り上げ、洗い場に寝かせるところまで見届ける。言う通りに従った
相手に対し、さていつものペースに戻ったとばかり言い放つ藍華。「じゃあ、覚悟はいい?」
これも当然といえよう、既に涙目の黒デルモは激しく首を振った。「い、いやッ、
やめてえぇっ…!」藍華の足元で取り乱す女の股間からは、何やら生暖かいものが流れ出して
いる。見おろす藍華、一瞬考えた後に紡ぐ一言ありというのも今回やや変則的。
「…わかったわ。あなたには力を振るわない。その代わり、ストッキングを脱ぎなさい!」
「…?…」太腿まである長いストッキングを脱がせると、それで黒デルモの両手両足を縛る。
「しばらくこのまま大人しくしてるのよ…♪」縛り終えた後、女の顔に自らのそれを近づける
藍華は、そのまま軽い口づけ。黒デルモの涙はこの時点で明らかに随喜の雫へと変じていた。
くるりと背を向け去っていく藍華を感極まる表情で見送る黒デルモ。そのせり上がる感情と
連動して彼女の鼻腔をムズムズと刺激するものがある。日頃着け慣れているストッキングが
なくなって生足になったということ、先ほどの段取りで湯ざめしていること、彼女が生来の
冷え性であったこと、そして只今の感激である。「は、は、ハークシッ!」振り返りもせず
悠然と部屋を出て行く藍華が、自分の背中満面に鼻水の飛沫を浴びたなどとは知る由もない
ことなのであった…。

43ぱんちーと:2003/04/29(火) 12:30
白銀のデルモ作戦秘話、面白かったです。
湯船に浸かったまま気絶した黒デルモのことは、ずっと気になっていましたがこれで安心しました。
それにしても身を隠していたロッカーから出られずに
仲間が倒された後にのこのこ出てくるなんて本当にマヌケでかわいいデルモちゃんですね。
私はこのバトルシーンのロッカーに突っ込んだ自爆デルモもかわいくて好きです。

44超初心者:2003/04/30(水) 19:31
小噺その25

なんでもない日常が即ち退屈な日々とは限らない。和解なった藍華たちとデルモたちの
間では、ティータイムのとりとめないおしゃべりも話題に事欠かないもの。例えば今は、
互いの生い立ちについてである。青春を謳歌すべき年頃の美しい女たちがハーゲンへの
忠誠一途な軍隊相当組織を形成していたというのも藍華からすればその経緯が知りたい
ところ。それも少し会話を交わせば夫々の事情が明快に示される。その実彼女たちは残忍な
悪逆の徒などでは決してなく、それどころか皆、育ちも気立ても良い子女たちだったので
ある。いまどき珍しいわね、不良を気取ってる巷の女子中高生にあなたたちの爪の垢でも
煎じて飲ませたいわ、と思う藍華。確かに地球生命を危機に陥れていたあの計画時や、
藍華たちに襲いかかってきた頃は、そうしたデルモたち相手であっても気絶させるのは
止むを得ないところだった。何度となく当て落とされたデルモたちの方も、苦しかった気絶の
刹那を完全に忘れた訳ではない。けれど、互いの心を開いた今となっては、ほろ苦い思い出を
凌駕する、これ以上ない強い絆を感じる。翻って自分の生い立ちを考えてみる藍華。
オルタネート・メタルと同化を果した数少ない成功例としての自分。では、人間としての
生き様はどうであったか、メタルが自分のどんなところに融合のポイントを見出したのか。
時として自己への視線を真摯に投げることは大事だと思う。いろんな過ちもある。自分可愛さ
もある。でも、掛け値なしに誇れるところだってある。人間って何だろう…ふと遠くを見やる
ような瞳にデルモたちの姿が映りこむ。そう、眼前に明るく輝く彼女たち…ひとりひとり
の存在がとても愛しく感じられる今。ぽつり。知らず、デルモたちに語りかけている
藍華である。「この本、とっても良く出来てるわね…」見れば、彼女が手にしているのは、
ぱんちーと著「デルモゲニィIdentification」。犬吠島以降に表面化した事実をもとに
緊急出版されたものだが、好評につき早くも100万部突破の勢いである。これが原作と
なって半年後にアニメ化されるということも、知る人ぞ知る丸秘ミッションなのであった…。

45ぱんちーと:2003/04/30(水) 23:34
おっと、超初心者さんの新作がうpされたと思ったら、私がその世界の住人になっているじゃないですか!
どうやら私は大変動を生抜いたみたいですね。

>好評につき早くも100万部突破の勢いである。
早く印税が入らないかなぁ〜。

46超初心者:2003/05/01(木) 00:28
>ぱんちーと様、アポなし出演、済みませんでした(汗)
 かの名作「デルモゲニィIdentification」はその後、アニメ、ブロードバンド、
 実写ドラマなどにマルチユースされ、莫大な印税が約束されております。
 ただ、数十年お待ち下さいませ^^;;;;

47超初心者:2003/05/01(木) 23:39
小噺その26

華々しい決戦が繰り広げられた犬吠島も、一般人にはついぞその顛末気付かれることなく
今日を迎えている。互いの確執がようやく氷解し、KKコーポレーション、
デルモコーポレーション夫々の事業へも或る程度発展のメドがついた彼らは、久し振りに島を
訪れることにした。朝から白鳥型遊覧船に乗りこんでいるのは、藍華、りおん、道草、
ガスト、メイピア、そして司令以下のデルモたち多数。島に近づくにつれ、こみ上がる思い出
は実に盛り沢山なもの、しばらくは会話だけで彼らの動きを追ってみよう。どこで何を話して
いるか一目瞭然というべきか、当事者には無論懐かしい話題のオンパレードである。
シーン①時折思い出したようにたっぷんと波が打ち寄せる、大きな洞穴の中
青デルモ「このホバークラフト、まだ残ってたのね…。私、操舵室の隅で気を失って…目が
覚めたら、下着だけだったの…恥ずかしかった」
道草「あなたの服、とってもイケテましたよ〜。今でも僕の宝物で〜す♪」
青デルモ「まあ(溜め息)…キミならいいわ。ところで脱がす時ヘンなことしなかった
でしょうね」
道草「そんなああ。ただ見てただけですから。それに、あなたは藍華さんの裸とおんなじ
くらいキレイでしたよお」
青デルモ「てことは一度下着も脱がしたということだろが!」ガルルル〜!
この時ばかりはりおんも味方、代わる代わる道草の上に馬乗りになる二人。美女たちの鉄拳を
受けながらそのお尻の感触を満喫する道草が、幸せの絶頂にあったのか何も感じていなかったのか…
今もって不明ということである。

48超初心者:2003/05/08(木) 22:41
小噺その27(瓶底デルモファンの皆様へ^^)

もう陽射しが夏である。色鮮やかな花たちが煌びやかに咲き誇り、時折、群生する草木の間を
白い蝶がひらと舞うささやかな庭園。その片隅にこれも小ぶりの藤棚が備わり、木陰の下を
爽やかな風が吹き抜ける。下には少し朽ちかけているが、それが却って味わい深い巨木の
ベンチ。そこにはいま、仲良く並んで座る二人の女が見えている。ひとりは黄色の
ノースリーブにダークグリーンのミニスカート姿、肩まで流れる髪もお馴染みのりおん、もう
ひとりは…例の黒いコスチューム、今や見慣れた格好というべきであろう、黒デルモである。
着ている服は違うが、二人には分かりやすい共通点がある、それはメガネ。どちらも膝の上に
本を広げ柔らかい視線を落としていたが、ふと顔を上げ互いに紡ぐよもやま話も微笑ましい。
「あなた、そんな瓶底メガネで疲れない?字だってとても細かいし…」
「まあ、慣れてますから…。それに私、このハーレクイン・ロマンス大好きなの」
「へえ〜。私も前は読んでたけど…ここんとこすっかりご無沙汰ね、今はこれ♪」
りおんが手にするのはトレンド雑誌「JJ」。ファッション、グルメ、セレブ、コスメ、
イベントなどなど盛り沢山な情報チェックに余念ない彼女が今開いているのは、最新の
イタリアン・レストランガイド。まだまだ色気より食い気のりおんである。
「ね、今度この店に行かない?お値段も手頃でとってもおいしいんですって。ワインの種類も
多いっていうし…」ええ、と快諾する黒デルモ、瓶底メガネをかけたままで、ニヘラ〜…と
笑えば、大分慣れてきた筈のりおんも一瞬たじろぐもの。それでも、そよ、と清涼な大気が
頬かすめるひと時…強度近視などに構わず、緑多い自然の情景を裸眼で楽しむ誘惑に
かられたのか…黒デルモは重そうなメガネのつるへ手をやると、そっと外すのである。↓

49超初心者:2003/05/08(木) 22:42
(続きデス)
まあ、随分可愛いじゃない…言葉にこそ出さないが内心の驚きは少なくないりおん。美人と
いうよりキュート、という方がふさわしいのだろう、栗色ショートヘアの裾が僅かに外へ
カールしているさまも愛くるしく、彼女の魅力を無理なく引き出している。
「ねえ、あなたコンタクトにしないの?その方が素敵だと思うんだけど…」
りおんの薦めに、そうね〜、と曖昧な返事を返す黒デルモ。自分の外見にあまり関心
ないのは、どうも彼女の学生時代に原因があるらしい。りおんも一度聞いたことがある、この
黒デルモが文芸クラブに所属していた、ということを。10人いた部員のうち、8人までが
瓶底メガネだったというから、相当濃厚なソサエティ、みな当時から勉強は良く
出来たのだろう、本の虫でもあったに違いない。それ程コアな同類が密集する中で外面など
気にも留めない雰囲気だったことは容易に推察できるが、玉磨かざれば光無しともいう。
お節介かも知れないが、彼女をもう少しだけ変貌させてみたい、と、りおんは思うのである。
「分かったわ。来月にでも眼科に行ってくる」熱心なりおんの提言にようやく肯く黒デルモ
だが、その数年後に自身が劇的な変化遂げるなどとは、当人ですら想像も覚束ない。見かけが
変われば行動もここまで変わるものなのか、理由も何も謎のまま、その名も
「ナゼカ電撃大作戦」の主役を果すというのだから…。

50ぱんちーと:2003/05/08(木) 22:59
メガネをはずすとかわいいキャラクターというと、私は「NG騎士ラムネ&40」の
ココア姫がお気に入りです。メイピアの玉川沙己子さんが、マターリとした声をアテてましたっけ。
メガネをはずすと美少女というパターンに似たもので、髭ぼうぼうのバンカラ学生が、
髭を剃ったら美青年だったという「髭と淑女」という映画が戦前にあったそうです。
やはり意外性をもったキャラクターというのは魅力を感じるわけですね。
「花とゆめ」好きの白デルモNさんとか…。

51超初心者:2003/05/14(水) 23:43
小噺その28

犬吠島思い出ツアー/シーン②秘密基地の大きな空洞、破壊された装甲車も放置されたまま、
ところどころに錆が浮き出している。
あたり一帯を見廻し、深い感慨と共にふと口を開く司令。
「今でも目に浮かぶわ…ここに大勢の仲間たちが倒れていたこと…」
「ホント、ごめんなさい。でも、あの時はりおんたちを助けるのに必死だったし、あなたたち
がこれ以上みんなを巻き込むのを止めさせようとしてたから…」
「分かります。あなたたちをハーゲン様の仇として、襲いかかったのは私たちの方なんです
ものね…」素直に振り返る司令に向け、いや、そういう彼女だからこそ、もう一言添えたい
と願った藍華。「本当に終わりにしたかったの。私だって、あなたたちにひどい怪我なんか
させたくないもの。こんな、お互い傷つけ合うなんて…」その藍華の意はすぐにも司令へ
伝わったのだろう、返事を返す彼女の表情は柔らかな微笑みに満たされていた。
「あの時私も、あなたの目にその気持ちを強く感じたわ。私も仲間たちを傷つけたくはない…
だから…基地からの撤退を決意したの…」ゆっくり言葉を紡ぎながら、司令はおもむろに部下
たちの方へ向き直る。「あなたたちからも、この際なにかあるかしら?」すると、一人の
ピンクデルモがおずおずと進み出、遠慮がちに、しかし節々はっきりと語るのである。
「メタルの触手に吹き飛ばされた瞬間はとても苦しかったです…でも…気を失う間際、司令に
抱かれて…私、幸せでした…」と、その途端。他のデルモたちが口々に言い募る。
「ええ〜っ!?あなただけずる〜い!」首筋や腹部にメタルの一撃を受けあっという間に気絶
していった女たちからすれば、束の間とはいえ司令の胸の中にいたピンクデルモを羨むのも
当然か。これは不用意な一言だった、と顔青ざめるピンクデルモがみんなからのバッシングを
覚悟したその時。ドドドドドッ――女たちが一斉に殺到したその矛先はなんと司令。
もみくちゃになりながら、全員の燃え盛る愛を受けた彼女は一瞬にして立ち枯れ状態である。
「あ…はぁ…あん…」かすれるように喘ぐ司令の衣服はボタンが全てはずれ、真白いブラも
申し訳程度に引っ掛かるのみ、はだけた胸元の白い肌はすっかり赤みが射している。一方、
黒のタイトスカートが剥ぎ取られていない下半身だけは何とか無事と考えるも全くの
見当違い、例の純白パンティはすっかり取り去られ、剥き出しとなった可憐な花園が眩しい
ほどに煌く。既に多くの女たちが様々に愛の交歓を果したのだろう、何度となく擦れ合った
結果、いたいけな秘肉がぷっくり真紅に腫れあがるも致し方ないもの。あまりといえばあまり
の一部始終を目撃しあっ気にとられる藍華たち。片や、へたり込む司令をかばう副官の姿は
それは美しいものだが、その実さっきのどさくさ紛れに、司令の○○○○と熱い挨拶を
交わしたなど全くもっての素知らぬふり。その時用いた愛の小道具をポケットに隠し持つこと
おくびにも出さず、司令はお疲れです、ここで一休みしましょう、とひたすらオトボケを
決めこむお茶目な副官なのであった…。

52副官:2003/05/15(木) 02:32
>ひたすらオトボケを決めこむお茶目な副官なのであった…。

ハイ、私って結構お茶目さんなの・・・

53超初心者:2003/05/17(土) 10:08
小噺その29

ナターシャ・エヌスカヤ。出版・広報担当本部長であるこの白デルモが今回、雑誌の特集で
組むテーマは「Aika続編」。以下は座談会形式で進行するリアルなコメント抜粋である。
司会(ナターシャ)「続編を望む声がいろいろあるようなんですが、今日は当事者みなさんの
ご意見を伺うということで…」
藍華「是非作って欲しいわよねぇ。あれだけしっかりしたコンセプトだったんですもの、7話
で終えるのは勿体無いわ。私だってまだまだ活躍したいし…」
りおん「それと併せて、KKコーポレーションのプロモビデオも製作してくれると嬉しい
ですね!」
ビアンカ「ちょっとお、おまけ映像の話はあとよ!」
りおん「おまけとは何よ〜!あなただって、過激なアクション一本槍じゃ、もう
飽きられるわよ」
ビアンカ「何ですって〜ッ!」
司令「まあまあ、二人とも。プロモーションもアクションも大事な要素なのですけれど、
次回作の可能性って実際のところ、どれくらいあるのかしら…」
ポーラ「現在の日本のアニメ市場は飽和状態です。テレビで週100本も放送されている
中で、今更ヒットは難しいのでは?」
副官「私は結構現実味があると思います。国内の地上波放送が出来なくても、OVA1巻程度で
あればネットでのプリセールで立ち上がる可能性は充分ありますし、それをパイロット版と
して海外へ販売したり、更にシリーズ契約することも出来るでしょう」
(うん、うん、と目を輝かせて頷くニナ・エスコ)
司令「海外でヒットさせて逆輸入、というシナリオですね。その場合プロデューサーは誰に
するのですか」
副官「チーフをヴァレリ、補佐にキャサリン、ではどうでしょう?」
失業中だったキャサリン「わ、私がプロデューサー補?あ、ありがとうございます!!」
プロジェクト成否も見極めないまま無邪気にはしゃぐ青デルモは横におき、一見白熱の、
座談会は続く。しかしその実、美味な紅茶とケーキさえあれば皆すっかり満足、発言の中身
などまるで二の次と割り切るお気楽な面々なのであった…。

54超初心者:2003/05/21(水) 19:08
小噺その30〜お気楽座談会の続き〜

司令「…とりあえず3話だけの製作となると、どんな内容にするのがいいかしら」
藍華「あなたが決着なんて言っちゃうもんだから、みんな派手なアクション期待してる
   わよ〜。どうすんの?」
司令「そうねぇ〜。ああは言ってみたものの、特に作戦は考えてなかったから…」
藍華「んもう。でも、あなたのそんな悠然と構えるところ、私も好きョ♪」
副官「あっ、ミス藍華、それ以上くっついちゃダメ!」
気付けば、丸いテーブルにつく出席者は微妙に二人づつ、寄り添って座っている。ヴァレリと
キャサリンはともにプロデューサーの職責として並ぶのも肯けるが、司令と副官、
藍華とりおん、ナターシャとニナ・エスコの間は、寸分の隙間もない密接ぶり。だからこそ
であろう、藍華の二股は絶対ご法度とばかり、即座敏感に反応する副官である。この他にも
ビアンカと怪我の回復なった青デルモ、トニアとサニアの間柄もかな〜り怪しい。パネラー
テーブルから離れた一般席にいる青デルモたちやピンクデルモたち、黒デルモたちに至っては
言うに及ばず、座談会そっちのけで好き合った者同士の世界に没頭している。そんなアツアツ
ムード盛上る中で、リエと瓶底メガネ黒デルモだけが、ぽつねんと蚊帳の外。もっとも、
瓶底黒デルモは一向構わず、皆さん楽しそうでいいですねぇ、ニヘラ〜と、道草顔負けの
癒し系笑顔なのだが、リエの方は心中まるで穏やかでない。憧れのお姉さまに、りおんや司令
までが接近するなんて…。と、悶々の彼女の肩をポンと叩く者がいる。ニイッ…白い歯が
のぞく、それはメイピア。「一人なの?じゃあ、これからはアタシと組みなよ♪」何かと
自分勝手に見られているメイピアだが、中々どうして面倒見がよい。将来優秀な部下予備軍を
今から掌中に収めておきたいという狙いがあるかどうかは…一応不明ということにして
おいて。片や、藍華一筋に思いを馳せていたリエにとっても、これはひとつの転機だった。
無論こちらも、メイピアとの相性がいいと断ずるには早い。二十歳になるまでは、いろんな
タイプの女性を知って自分を磨き、最後はやっぱり藍華お姉さま、という思惑。全くどっちも
どっちの現実派、この二人これからも当分、台風の目になりそうである。

55超初心者:2003/05/22(木) 20:42
小噺その31

南の楽園ペロロンガ・ホテルを舞台に切って落とされたデルモたちとの再戦。周到にして過激
な攻撃を仕掛けるデルモたち相手に多少の波乱はあったが、最後はいつものようにそれを
退け、無事の脱出を果した藍華たち。今回もまた結果オーライ、ノープロブレムと言うことは
出来ようが、やはりこぼれ話のひとつやふたつあるものである。例えば、藍華は本当に
ヴァレリとのアバンチュールに決別を告げたのか、ビアンカの回想にあった青デルモの近況は
どうか、ホテルのロビーやカジノを破壊した弁償をどうするのか、現地警察には逮捕
されなかったのか…?それらの中で今とりあげるのは、プールサイドに一人残っていた
ピンクデルモのこと。建物内での様子がわからず待ちぼうけをくっていた彼女は、ビアンカ
との激闘を制した藍華たちが戻ってくる姿を見出しても尚、まるで夢でも見ているかのように
呆然と立ち尽くしている。装甲車を2台も出して敗北する筈などあり得ない、という思い込み
であろう、眼前に近づく藍華たちが幻か錯覚程度に映ったのかも知れない。
が、藍華たち4人に囲まれた時点でさすがに彼女は、はっとする。ぎゅっと自分の頬をつねる
ものの時遅し。居丈高なりおんの声がプールサイドにこだまする。
「あなた、ひとりだけのほほんとしてる場合!?これだけのことをしでかして!」
ピンクデルモの顔は蒼白の極み、足元はガクガクと小刻みに震え逃げ出すこともかなわない。
「藍華さん、ここは私が!」興奮気味に拳振り上げるりおん。「い、いやあぁぁっ…!!」
格闘の心得もなく、ただ絶望の悲鳴をあげるピンクデルモの運命はすっかり定まったかに
思われた、が。次の瞬間、りおんの腕を止める者がいる。他ならぬ藍華である。
「藍華さんっ…!??」当惑のりおんへ柔らかな視線投げ、ゆっくり首をふる藍華。次いで
凍りついた表情のピンクデルモへ向けて一言を紡ぐ。「あなたで最後なの。あとはみんな、
ちょっと気絶してもらったわ。だから…ホント、もうこんなこと、やめるように…あとで
仲間に言ってあげて、ね…」じっくり諭すような藍華の言葉に、知らず、女の目が潤む。
それは藍華が彼女のおでこに、そっと口づけた瞬間、最高潮に達した。はらはらと流れ落ちる
涙を拭おうともせず、出航していく藍華たちを見送るピンクデルモ。やがて水平線が明るく
なり、一面きらきらと輝く朝焼けの海をいつまでもじっと見やる彼女のシルエットはそそる
程に美しい。それが犬吠島で、今度こそ容赦無く当て落とされることになろうとも、この日の
情景が彼女の脳裏に刻んだ記憶は決して無駄ではない、と断言出来るのである…。

56超初心者:2003/06/03(火) 19:20
小噺その32(ド下手落書きつきデス…滝汗)
http://moe2.homelinux.net/src/200306/20030601500448.jpg

まだ、バカンスの時期には早い。海に面した高台のヴィラには殆ど人影がないが、ただ一室
のみ、くぐもった気配が感じられる。中を覗けばそこには4人の女たち。出窓から射しこむ
光に満たされた明るい室内、中央に設えられた大きなベッドでのまさに秘め事と映る。一糸
纏うことなく睦み合う4人の姿態この上なく眩しいのは当然だが、しかしてそれ決して淫靡に
走ることなく、さながら午後に戯れる女神たちのよう。
「あっ…あはあぁ…」思わずこぼれる喘ぎは藍華のもの。無理もない、彼女の上に重なる
青デルモと全身くまない交歓を果たし、今最も敏感な愛の蕾は、はちきれんばかりに屹立して
いたというのに。はずみとはいえ、深奥絡みあう瞬間は天にも昇る程に女の情を揺り動かす。
青デルモの瞳には珠玉の輝きが宿り始めていた。持ち上げた顔にビアンカがそっと近づき、
深い、深い接吻を交わす。それは貪るのでなく、ただ与えるがために。そんな青デルモが
ゆっくりと、しかし着々満たされていく様子に、傍らのヴァレリは、まるで我がことのような
歓喜の視線を投げる。今日で4日目。等しく祝福を受ける4人の営みも最終章に至り、青
デルモの言葉にも溌剌さが戻る。「私もう大丈夫。ホントに…本当に有難う…ございます…」
かつて、ホーリー・ファックス号船内の爆発で大怪我を負った彼女。肉体の負傷は回復した
が、心の傷は意外に深く、今日まで自由な感情表現もままならなかった。それが、ここに来て
の劇的な変化、3人の女たちの献身的な働きが漸く実ったのである。あの爆発はガストの
破壊工作によるもの、そもそもはハーゲン博士の地球生命殲滅計画を阻止するためにやむを
得ないプロセスだったとは言えるだろう、少なくとも藍華に直接の責任がある訳ではない。
それでも尚。目前の青デルモを気遣う心にさらさら偽りはなく。偶然街で再会したビアンカ
から彼女のことを聞かされた時、一も二もなく協力を申し出た藍華。自らも高みに
達しながら、辛うじて残る意識の狭間で藍華は思う、どんな小さな、どんなささやかな愛で
あろうとも…その若葉必ずや一輪の麗花を咲かすのだ、と…。微かに伝わり来る潮騒。
いついつまでも、寄せてはかえす。それが…昼下がりの幸せなのである…。

57ぱんちーと:2003/06/03(火) 22:14
ますます、藍華さんはデルモたちと親密になっていくみたいですな。
それにしても4日間ぶっ続けとは…。
なんだかサッフォーの詩みたいな情景ですね。読んだことないけど…。

58超初心者:2003/06/04(水) 00:06
>サッフォーの詩みたいな情景
  私もありません^^;ただ、なんとなく地中海をイメージはしていますね。
  古代ギリシャから連綿と伝えられる、女性たちの織り成すひたむきな優しさと愛。
  この際、メタルの起源をシラクーサやローマあたりに求めるという手もアリ?^^;;

59超初心者:2003/06/06(金) 19:40
小噺その33

ソファで寛ぎながらテレビを見やるサニアとトニア。のんびりとした午後のひと時、今は
芸能ニュースの時間帯である。流れてくるのは「ペッパー警部」、20年ぶりの復活と囃す
ナレーション。トニアがフン、と鼻をならす。
「あんなののどこがいいのかしら。私たちの方がずっとウケルわよねえ、サニア」
「ホント。一回オーディションに出てみようか?」
「いいね!絶対メジャー間違いないわ。早速テレビ局へ行こっ♪」
ルンルン気分でテレビ局を訪ねる二人の姿目撃されたのが午後3時。その1時間後には…
局舎は見る影もない廃墟になっていた。それもこれも番組プロデューサーの不用意な一言から。
「君らのような若いコは掃いて捨てるほどいるしねえ。まあ、リバイバル・ブームに
便乗するダメ元企画ということで、どう?シャボン玉ホリデーのザ・ピーナッツの物真似で
デビューってのは?それも実年齢どおりお婆さんの役どころで。わははは…」いかにも腹黒
そうな彼の饒舌はしかしここまでだった。ガリガリ…脂ぎった男の顔をトニアの鉤爪が襲う。
勿論手加減はしていたが、ご立派な傷はしばらく残ることになろう。更に、立ちあがった
サニアがロケットランチャー片手に大音声。「なめんじゃないわよッ!こんなチンケな局、
ぶっ潰してやる!怪我したくなかったら、今すぐここから出て行きなさいっ!」慌てふためき
蜘蛛の子を散らすように社員たち全員が逃げ去ったあとは、すっかり二人の独壇場。全壊まで
ものの15分のことだった。それでもただで起きないのが業界人。ちょうど設備も老朽化して
いたところだ、かえって保険の利ざやが稼げて好都合などと、ほくそえむ社長は論外として。
腐っても制作者ということか、瓦礫の中から発掘した防犯カメラの記録映像や、避難したあと
望遠で追った映像を組み合わせ、1大スペクタクルに仕立てたプロデューサーは、その
スクープを世界配給し莫大な利益を得る。それはまた、スーパー・ユニット
「ゴールデンデルモ・シスターズ」誕生の瞬間でもあった。「ゴールデン・カップス」以来
ン十年ぶりの大ヒットなどというのは、この際付け足しということにしておきたい。

60副官:2003/06/07(土) 04:43
恐ろしや、サニア・トニア姉妹。
二人の手にかかれば15分でビルも陥落。

>「ゴールデン・カップス」以来ン十年ぶり
わー、これも古い〜。
久し振りにこの名を目にしました。
「長い髪の少女」♪どうぞ〜♪僕だけ〜に の歌唱が重なるところがイイ。
「愛する君に」もいい。
メンパーの入れ替わりで、ミッキー吉野が参加していたこともありました。

61超初心者:2003/06/07(土) 19:09
副官様
 音楽ネタもお詳しいですねー^^GSって懐かしくも、中々いいもんですね。
 りおんも「ジュリー」なんていってましたし(笑)
>ミッキー吉野が参加
 ゴダイゴ結成の前、ということでしょうか?

 今後の小噺には、「はっぴいえんど」の「風街ろまん」でもネタに
 出してみましょーか?^^;;;(32年前かあ…汗汗)

62副官:2003/06/07(土) 23:03
>ゴダイゴ結成の前、ということでしょうか?

はい、うんとうんと前です。
彼は、ケネス伊藤というメンバーが(ハワイへ帰国で)抜けたあと参加しました。
容貌・体格共に当時から目をひく(笑)存在でした。

63某灰色デルモ:2003/06/08(日) 10:34
>今後の小噺には、「はっぴいえんど」の「風街ろまん」でもネタに
 出してみましょーか?^^;;;(32年前かあ…汗汗)

渋っっ。「恋は桃色」のほうがデルモ的かも?
(わたし細野萌えで矢野顕子のマネできます(w
皆様レトロ好きなのか、平均年齢が(ry

64超初心者:2003/06/08(日) 11:50
某灰色デルモ様、こんにちは。よせばいいのに最近、ド下手落書きを描きはじめてます。
(研究所様HPにてUpしていただいてます)その中で艦内で負傷したデルモのメンタル・ケア
というシチュエーションをとりあげています(当小噺その32御覧ください)が、
そのモデルは実に「灰色」デルモさんと漏れ伺っております。今回そちらに断りもなく、
描いてしまい申し訳ありません、何卒、お許し下さいマセm(__)m
>細野萌えで矢野顕子のマネ
  いやー、高尚なご趣味で^^レトロついでにクリームの「ホワイトルーム」
  ジャニス・ジョプリン、キング・クリムゾン、岡林信康くらい付け加えて
  おきましょーか?^^;;;

65超初心者:2003/06/09(月) 21:48
小噺その34(研究所様画廊にUpしていただきました!ありがとうございます♪↓)
http://www009.upp.so-net.ne.jp/Aika-ken/Gest-Garally-syosinsya3.html

テーマパーク経営難といわれる中、そこそこの活況を呈しているここ時代劇村。特に、今日は
数百人規模の団体が訪れ賑やかな光景があちこちに見受けられる。しかも。本日の団体は
江戸時代を模したオープンセットにはおよそミスマッチでカラフルなボディ・コンシャス、
黒・青・ピンク・ゴールデン・白の色合いも眩しいあのコスチュームは勿論デルモたちの
ものである。即ちこれデルモ・コーポレーションの慰安旅行。ポーズを決めながら旗本侍や
奉行所同心たちと記念写真に収まる彼女たちも微笑ましいが、おしろいや頬紅をつけお姫様姿
に変身したり、土産物屋でおもちゃの十手を振り回したりと、喜色満面はしゃぐのなんの。
たまたま入っていたロケの関係で居合せた俳優たちも目はヤニ下がり、黄門役の熟年男優も
「いやー、こういうのを命の洗濯というんじゃなあ、のう助さんよ」と言いたい放題である。
そんな中、トレードマークの照れ笑いで大好評な男がひとり。「八兵衛茶屋」の看板がかかる
軒先に昔ながらの旅姿装束、小柄ながら恰幅よい男が座り、その両脇に3人ずつのデルモ
たち、都合7人もが狭い縁台の上でお尻を寄せ合う。そればかりでない、縁台の前後にも、
男を囲むようにデルモたち数名が立ち、この一角のキャピキャピ度はもう大変なもの。
その全員が串団子をほおばっている。好物の団子に舌づつみ、両手に花どころか、一面の
花畑に埋もれている男が、この団子うまいでしょー?と、持ち前の明るさを振りまきながら、
内心幸せの絶頂にいたことは言うまでもない。「うっかり八兵衛」演ずるT橋G太郎62歳。
そんな、浮かれている男を遠くから冷ややかに、しかし半ば羨ましげに見据える女。
いつもならそのナイスバディでお客の視線を一身に集める人気キャラ、くノ一
「かげろうお銀」の憂鬱な一日は、まだたっぷり半日が残っているのである。

66超初心者:2003/06/09(月) 21:50
小噺その35

平和が一番。某古都の古色蒼然たる街並みは、特にその有難味を実感させる。いまどき
慰安旅行ひとつで大はしゃぎのデルモたちも純真の極みだが、歴史ある街が醸し出す悠久の
雰囲気というもの、やはり人々の心を和ませる効能があるのだろう。時代劇村で一日を
満喫した一行の翌日は終日自由行動。タバコ屋の軒数より多いといわれる寺院仏閣を
訪ねたり、由緒ある街道を散策したり、土産物屋が並ぶ商店街でさもない雑貨の品定めを
したり…数人ずつの小グループに分かれた彼女たちは、それぞれ思い思いにこの街を楽しみ、
遊び尽くす。今、とある喫茶店では3人の黒デルモたちが、おしゃべり中。ハーゲン艦の
更衣室でとりとめない話に興じていた、あの連中である。席についたテーブルには3人が
注文した白玉入り抹茶パフェが置かれている。これ、甘すぎなくていいわね、と頷きあい
ながら、ひとり、大きなテーブルに手を触れる。
「…この1枚板も中々よね、年季が入ってるって感じ。随分使いこんでるしィ」
「年季といえば、さっき入ったライブハウスも良かったわよね、何百年も昔の土蔵をそのまま
使うなんてオッシャレ♪」
「あそこでン十年前にデビューした黒水仙ってバンドがまだ続いてるっていうのも
凄いわよね」
「D大学出身っていうふれ込みよね。いつまでも若いわねえ」
「懐かしついでに、今かかってるこの曲知ってる?くそくらえ節っていうのよ」
「なにそれ?やけっぱちは私も嫌いじゃないけど」
「ほら、この店のオーナーの曲なのよ。四畳半フォークの草分けなんですって。あの
“はっぴいえんど”もまだ彼のバックバンドだったのよねー」
「なんでそんなこと、あなたが知ってんの!?」
「えへ。私、レトロなネタ結構好きなんだ♪“風街ろまん”の“風をあつめて”も好きだなー。
松本隆と細野晴臣のコンビ!東京の下町情緒が出ててイイ」
「ふーん、私だってその程度なら…モンキーズのデイビー・ジョーンズって知ってる?当時
マスコット的人気だったらしいわ」
「知ってるけど、あの人たちテレビドラマ向けに結成されたんで、自分たちでは演奏
出来なかったんでしょ?ドラムスのミッキー・ドレンツなんてリンゴ・スターより
下手だったって話よ」
「あはは。随分お気楽な時代だったのね」
「ね、私たちもバンドやろうか?あずさ、りか、にも声かけてさ♪」
「いいね!私もギター・テクならジミー・ヘンドリックスやリッチー・ブラックモア
なんかに負けないわ」
「私はキーボード。クラシックやってたし、リック・ウェイクマンやキース・エマーソンの
レベルなら全然OK♪」
「いいじゃん、いいじゃん!じゃ私はボーカルで。とりあえず、ブリトニー・スピアーズって
とこね♪」キャハハ。ンなこと言ってると、ストーカーに追いまわされるわよー、と賑やかな
3人娘。軽い冗談のつもりが、その数日後には本当にバンドを組んでしまったあたりがその実
侮れない。但し、名前は未定。あくまでAikaファンに、お・ま・か・せ、だそうである。

67副官:2003/06/09(月) 23:40
超初心者様のお話、古く懐かしき時代とは判るのですが、
私がズレている所為か、残念ながら知った名前が殆どありません。

その中で知っているのは「ミッキー・ドレンツ」
私が小学生の頃「サーカス小僧」(?題名怪しい)という
ディズニー映画があり、達者な子役が主演していました。
後年、ドレンツがその子役であったことを知り「へーぇ」と
驚いた記憶があります。

>リンゴ・スターより下手だったって話よ」
う〜ん、それはかなり下手だ・・・(w

68超初心者:2003/06/10(火) 19:57
副官様
 アニメ本編がSFなのにレトロに振ってしまい、済みません。それにしてもサーカス小僧
 (=サーカス・ボーイ)って、1957年の放送じゃ…(汗)まだ、日本の民放局が
 「全国」に4つ(今は130くらい)しかなかった時代。街頭テレビの時代。NHKじゃ
 “お笑い3人組”をやってた時代。今からほぼ半世紀前、私は存じませんが、まさしく
 “アメリカングラフィティ”コテコテのドラマだったんでしょうね。金魚の尾ひれみたいな
 テールランプのオープンカーとかMモンローばりのお姉さまとか^^
 日本も昭和32年といやぁ、郷愁くすぐられるセピア色写真の世界。街には路面電車、グ○コ
 や森○のキャラメルをポッケに入れてメンコやビー玉遊びに興じる子どもたち、利発な
 お姉さんはおかっぱ頭に折り目正しいセーラー服、家計を切り盛りするお母さんは
 “暮らしの手帖”を読んでまだまだ後発だったMadeInJapan商品のよしあしを判じ、それに
 引きかえといった目線で輸入雑貨や先進的な欧米ライフに目を輝かせる。戦争を生き抜いた
 お父さんたちも、第1次ベビーブームの子どもたちを抱え一生懸命に働いていた…

 Aikaにある大災害後の復興期って、技術環境は格段に進化してるでしょうが、
 社会風潮や人情として見れば、この当時と比べてどうなんでしょーね^^

69ぱんちーと:2003/06/10(火) 20:51
超初心者さん
確か栗本慎一郎の本に書いてあったのですが、終戦直後のみんながかつかつの状態のときは、
返ってみんな心を一つにして危機を乗り越えていこうとしていたのに、
ぎすぎすし始めたのは、復興が始まって貧富の差が出てきたときだったそうです。
恐らく大変動直後には、人々は寄り添いあって生きていたでしょう。
大変動をきっかけとして羽振りが良くなってきたサルベイジャーたちが、
彼らの目にどのように映ったかは、想像に難くありません。
サルベイジャーは賎業です。郷造はりおんがサルベイジャーを続けることに反対しました。
りおんの世代には、サルベイジャーはプロフェッショナルなちゃんとした仕事に見えていたのでしょうが、
郷造には良く分っていたのでしょうね。TRIAL 7 の冒頭シーンはそういうものを描いていたのですね。
やっぱり、「AIKa」って、第一級の人間ドラマだったんだな。

70超初心者:2003/06/10(火) 21:29
ぱんちーと様、早速にありがとうございます。
>「AIKa」って、第一級の人間ドラマ
 そうですね。肩肘張るような大作でない分、より一層、そう感じます^^
 まだ初見以来半年しか経過してないのですが、私として常に感じるコト。
 それは…人情。藍華サンたちの側だけでなく、デルモやハーゲン兄妹側にも等しく
 脈づく、生き生きとした人情そのものなんデスね^^

71ぱんちーと:2003/06/10(火) 23:49
昔、ある映画雑誌でこういう随筆を読みました。
少年時代、「紅孔雀」や「笛吹き童子」とかいった“じゃりもの”ばかり見ていた、
その随筆の筆者が、黒澤明の「生きる」を父親といっしょに見に行ったときのこと、
帰る道々「おとうさん、いい映画だったね」というと、「おまえもこういう映画がわかる
歳になったか」といわれたそうです。
いい話ですが、私はこう思います。その少年が「生きる」の良さがわかる大人であった
というよりも、「生きる」は子供でもわかる映画であったということです。
「生きる」は問題作とか、重い映画とかいわれていますが、私は、人間なら誰もが関心を
持つ「死」というものを一大イベントとして描いた第一級のエンターテイメントであると
思います。
一方、われらが「AIKa」は、パンチラやらセクシーなシーンを売りにした俗悪、
低俗なエンターテイメントに見えながら、近未来の過酷な世界に生きる人々の深刻な
闘いを描いた人間ドラマであり、問題作なのではないかと思います。
しかし、超初心者さんのおっしゃるとおり、「AIKa」はそういうところを肩肘張らずに
さらりと垣間見せるだけで、あくまでパンチラアニメに徹するという姿勢を見せている
ところが、俗悪、低俗どころか製作者たちの矜持を感じますね。
デルモたちは、どんなにコテンパンにされても、劇中では誰もフォローしてあげません。
あくまでかたき役としてやられ役に撤しています。しかし、その地面に転がったみじめで
あわれな姿は、悪魔のような天才ハーゲンと非人道的な科学が生んだ怪物である
“シヴィエ藍華”の間で右往左往しながら必死に闘っている生身の人間であるデルモたち
のドラマを饒舌にならずに、静かに語っているといえますね。

72超初心者:2003/06/11(水) 00:18
ぱんちーと様。
ぽんっ!…これは、私の膝を打つ音デス。目からウロコ、とも言いますネ^^
>「生きる」は子供でもわかる映画であった
 そのお言葉の意味するもの。軽々に「倫理」や「規範」という常套句や更には安易な
 「ターゲット論」などに頼りがちな俗人(勿論、愚生も含みます…汗)には耳が痛いッス。
>一方、われらが「AIKa」は、パンチラやらセクシーなシーンを売りにした俗悪、
低俗なエンターテイメントに見えながら、近未来の過酷な世界に生きる人々の深刻な
闘いを描いた人間ドラマであり、問題作なのではないか
 (肩肘張らずに)同意です^^
>俗悪、低俗どころか製作者たちの矜持を感じますね。
 (これも、肩肘張らずに)同意です^^
>デルモたちは、どんなにコテンパンにされても、劇中では誰もフォローしてあげません。
あくまでかたき役としてやられ役に撤しています。しかし、その地面に転がったみじめで
あわれな姿は、悪魔のような天才ハーゲンと非人道的な科学が生んだ怪物である
“シヴィエ藍華”の間で右往左往しながら必死に闘っている生身の人間であるデルモたち
のドラマを饒舌にならずに、静かに語っているといえますね。
 (思い切り肩肘張って)そうです!そうです!!その通り!!!それで私は、あのような
 「フォロー」の後日談を2編も書く衝動にかられ…(以下略)

73超初心者:2003/06/12(木) 21:42
小噺その36(お気楽座談会の続きの続き)

いつの間にやらAika続編云々のテーマからずれて「レトロ」合戦になっている。疾走する
未来、縦横無尽に最先端科学を駆使するデルモたちが、セピア色な話題をふりまくのも
ご愛嬌とは言えようが、次々とまあ、よく出てくるものである。この際鑑定団風に、夫々のお宝を
整理してみよう。
司令:何十年前かしら、元祖泉屋のクッキー。これまだ缶のまわり、セロテープついたままですのよ♪
副官:ラジオ体操第一のマスターテープ。これ持ってる人は中々いないでしょう?
ニナ・エスコ:学研の鉱石ラジオ組み立てキット、大事に保管しています。
ナターシャ:なんたって初版「リボンの騎士」ね。
ビアンカ:ツイッギーが着てたミニ・スカート。私にぴったりだけど、これ高かったあ〜
トニア:鉤爪とはちょっと違うけど、ロシア蚤の市で手に入れた大鳥神社の熊手。結構年代物
らしいわ。
サニア:私、実はグ○コのおまけトーイ・コレクション凄いンです。ロケットランチャーの
おもちゃもあったなー
リエ:曾々おじいさんがGHQからもらったっていうんだけど、ハーシーのチョコレート。これ、ホントに
当時のやつかなぁ。
キャサリン:私何度も気絶してよく倒れるんですけど…気がついたら、顔のすぐ横で小さな
化石を見つけました。なんか、植物みたい。(それがどうした、の声)
ヴァレリ:モンキーズの「素敵なヴァレリ」に決定!「デイドリーム」もいいけど。
なおみ:廃業したスナックのおやじからもらった8トラックカラオケ。これで郷造サンと
デュエットしちゃう♪
りか:それなら私はポータブル蓄音機!でもレコード針はもう磨り減っちゃった。
さき:ソノシートなら持ってるわ。フランク永井「有楽町で逢いましょう」な〜んて。
あずさ:ローラー絞りつき洗濯機。失禁したらすぐ、せっせとお洗濯。
瓶底メガネ:ワタシの家に回転式の計算機があります〜。ガリガリガリって音がいかにも計算中な感じ。
藍華:私のヘアスタイルって、この赤玉ポートワインのポスターモデル似かも。
りおん:おじいちゃんの着てた菅公の学生服持ってんのよ。今やレアもんじゃない?
メイピア:板垣退助の百円札。これは相当な値がつく筈だわねー
この他、ブリキがどうした、チックがこうしたなど一々細かい話はもう一切省略ということで…。

74ぱんちーと:2003/06/12(木) 22:13
キャサリンの化石。
確かに究極のレトログッズでしょうが、(それがどうした、の声)も当然でしょう。
どうやら一人だけ古ネタ合戦のルールがわかっていないようなキャサリンがかわいいですね。

75超初心者:2003/06/14(土) 22:07
小噺その37(キャサリン編全4回)

白銀基地の一室。壁を背に青デルモ、キャサリンとその周りに3人の黒デルモが立つ。同じ
仲間同士何か連絡でも取り合っているのだろう、と言いたいところだが、どうも様子が
おかしい。その実、黒デルモたちはキャサリンを壁に追い詰め、凄みをきかせている
のである。「…まったく、あなたみたいに弱い人なんて、デルモゲニィの面汚しだわ。
それでよくブルーが勤まるわね!」「そうよっ、私たちブラックの辛さを知らずに、
ぬくぬくとブルーに安住してるなんて許せないわ!」猛烈な剣幕の黒デルモたちに
たじたじのキャサリン、頼みの綱は一丁の銃とばかり柄を両手で必死に握り締めているが、
無論仲間相手に滅多なことをする訳もなく、銃口は下を向いている。「そ、そんなあ…
わ、私…あなたたちに何かひどいこと、した…?」「そのノー天気ぶりが気に入らないって
いうの!私たちが藍華との闘いでどれだけ痛い目にあってるかわかってんの!?」
「わ、私だって一生懸命…」「どこがあ!?この前はりおんって女にまで倒されてた
じゃない。しかもあの時は手錠を嵌めてた相手だったのよ。呆れて物がいえない」
「だから、私たちが一から叩き直してやろうってのさ…」最早格上デルモへの口上とは到底
思えないが、それよりもっと情けないのはキャサリンの方。格下のデルモたちを咎める
どころではない、今にも泣き出しそうな顔を横に振りながら全身震わせ、ただ立ち尽して
いるばかり。しかも事はそれだけで終わらなかった。ボグウッ「あうッ…!」一人の
黒デルモが至近から放った正拳がキャサリンの腹部、臍の上あたりに沈んでいる。
「ぐっ…ふ…な、何を…」ろくに身構えてもいなかった柔らかな腹部は、黒デルモの拳を何ら
抵抗なく受け入れ、手首までがずっぽりと埋もれる程。身体にタイトフィットした青い
コスチュームには突き込まれた箇所から放射状に無数の皺が伸び、その中心は深く、深く
抉られている。恐らくは黒デルモの方で計算ずくなのだろう、この一撃で気絶には
至らないが、上体「く」の字に折れ曲がり銃を取り落とす青デルモ。襲い来る激苦のまま
下を向く彼女は、自分の腹にめり込んでいた相手の腕が一旦引き抜かれるさまに安堵する
暇すらない。(続きマス↓)

76超初心者:2003/06/14(土) 22:08
ドボッ「げうッ」もう一人の繰り出す拳が鳩尾へ。「く…うぅぅ、や、め…」たどたどしい
言葉を紡ぐ口元からは、一筋の涎が垂れていた。ど、どうして…どうして私がこんな目に…
空しく駆け巡る思いだが、その思念すら中断余儀なくされる連続の攻撃。ボグウッ「うぐ!」
今度は強烈な膝蹴りが下腹部を直撃している。「くふ…あはあ…」ここは女性にとって
大切に守られるべき部位である。が、子宮や卵巣を刺激するほどの一撃となれば、苦痛と
同時に快感までも高まってしまうのが皮肉な結果、心ならずも喘ぎが洩れてしまう。それは
黒デルモたちの加虐心に更なる火をつけた。お望みならもっともっと喜ばせてあげるわ、と。
でもその前にもう一発ね、と言いざま、左右素早い動きの拳が両の脇腹へ。
ドスッ「う!」ドフッ「あ!」共に短い呻きながら、これで殆どの抵抗力は失われた。両腕を
だらんと垂らし、立っているのがやっとの青デルモ。と、そこで、下肢に思わぬ事態が生じて
いるのに気付く。「あ…あ…」目を落とせば、股間に黒デルモたちの指が伸び、パンティの上
から勝手放題に弄んでいるのである。同性らしい入念な所作で育まれる蕾が忽ちに屹立する
かと思えば、その下に走る双璧の谷間深く挿し入れられるしなやかな指。
「はああ…や、やああああぁぁ…!」声をあげたところで誰に伝わるものでもないのか。
辛うじて表わす拒否のメッセージとは裏腹に、彼女はみるみる昇りつめていく。およそ1分と
かからなかったろう。「あ!…はああぁ…」言葉よりも雄弁なるもの、それが純白パンティ
只今の有様。上方で布を勢いよく押し上げる蕾の形状もさることながら、その中原いっぱいに
広がる染みはまさしく女性だけに授かる愛の賜物に違いない。トロリ。高貴な芳香を伴う
その粘液がパンティ濡らすに飽きたらず、溢れるように染み出している。(続きマス^^↓)

77超初心者:2003/06/14(土) 22:09
「あら、もうイったの?他愛無いわねぇ」「じゃあ、ここからはまたお仕置きの続きね」
パンティから離した指の先がねっとり濡れているのを見て、ホントいやらしい人だわ、と
毒づくあたり滅茶苦茶な物言いだが、そのまま拳に変えると逡巡なく攻撃が再開される。
ドズゥッ「ぐうッ」ボグッ「ふううっ」ズンンッ「んうッ!」…例によって、気絶の沼の際
まで引き摺ってきながらその寸前で立ち止まらせる過酷な責め。腹部一帯に次々突き込まれる
青デルモは、目こそ大きく見開かれようとその焦点最早定まらず、全てが茫洋とかすんで
いる。四肢の動き削がれただけでなくすっかり全身の力が失せた彼女は、そのまま背後の
壁伝いずるずると崩れ落ちようとする。が、左右の二人から腕を掴まれ無理やり直立姿勢に
戻された青デルモは、中央に向き合う黒デルモの為すがまま。「さあ、そっちもイイ思い
したんだから、今度は私の好きにやらせてもらうよ!」即座に放たれる拳と膝蹴り自在の
コンビネーション。鳩尾から下腹部に至るまで執拗な打撃が続き、動かぬ標的の女はその顔
一面涎と涙にまみれている。股間はと言えば、先程来の絶頂が残っていたところへ時折
加えられる丹田への突きが再びの高みを呼び起こし、あの愛すべき蜜を放出する。意図せざる
快感を挟みながらも、怒涛のように押し寄せる苦痛の大波に揉まれ、哀れな青デルモは微かに
留まる意識の中、自らの悲運を繰り返し嘆いていた。親からもこんな折檻を受けたことは
ない。確かに要領の悪い自分を小馬鹿にする連中もいたが、ここまでひどいイジメなど
生まれて初めてだった。私…わたし…もう…生きる価値もないの?おとうさん…おかあさん…
知らず、夢幻の彼方へ誘われていくキャサリン。(続きマス↓)

78超初心者:2003/06/14(土) 22:10
一人が一区切りつくと、腕を掴んでいる女と交代する黒デルモたち。「…ううっ…あぐッ…
ぐふう!…んぐッ…」代わる代わる、間断ない責めとシンクロしながら、か弱な呻き声も延々
続く。キャサリンにとって既に時間の感覚はなくなっていた。このままどこまでも落ちていく
奈落の底。もう誰を恨むこともない、ただ自分がどこか別の世界へ旅立っていくだけなのだ…
きっと…きっとどこか…生まれ変わった自分の居場所が、どこかにあるんだわ…。涙すら
枯れ、今や無心の境地に入りつつある青デルモ。その口元には心なしか微笑みすら浮かんで
いるよう。一方、黒デルモの方もそろそろフィニッシュに入ろうとしていた。
「よーし、最後に全員でいくわよー!」腕を離した瞬間、左右の二人も加わって3人一度の
殴打を仕掛ける気でいる。いよいよ気絶させるつもりなのである。しかし、キャサリンには
そんなこともう、どうでもよかった。それであなたたちの気がすむのなら…全てをありのまま
に委ねたその刹那…ドボウッ「ぐあッ」ズドオッ「えううッ」グボッ「ふうっ…!」…
自分の声ではない。殆ど聴覚だけを頼りとする今の青デルモにとって、何が起きたのか
すぐには分からなかった、が。気配から、3人の黒デルモたちが自分の身体から離れ、倒れて
いく様子を感じる。かすむ目にもう一人の女がうっすらと映るが、そこまでのこと。これは
夢なのか。いや、それにしてもこの女は自分を助けてくれたのではないか…?そう
思いながら、壁沿いに崩折れる青デルモの視界は徐々に平板な床だけに占められていく。
倒れた頭の近く、床のほこりがやけに身近に感じられる彼女の耳に幾ばくかの会話が伝わって
くる。「…ううぅ…お、おのれぇ…」「寄ってたかって仲間をあんなリンチにかけるなんて
最低よ!私の目にとまった以上はこんなことさせない。もう二度とこんなことしないって
約束して!いいわね?」「そんな…お、お前には関係ない…」「関係あるわ。あなたたち
だって人間の情ってものがあるでしょう?だから私だって、あなたたちを傷つけないように
気を使ってるのよ。それがないようなら、もうあなたたち3人、一生立ち上がれないくらい
の目にあわせてあげるから。それでいいなら…」ポキポキと両手の指が鳴る音に続き、
黒デルモの悲鳴があがる。「い、いや!わ、わかったわ」ドスッ「ううっ」「わかりました、
でしょ!?」「…うぅ、わ、わかり…ました。もう二度と…しません…」「他の二人にも
必ず約束させるのよ。もし破ったら…どうなるかわかってるわよね…?」(続きマス↓)

79超初心者:2003/06/14(土) 22:12
涙声の黒デルモが、骨の髄までこたえた様子で了承した瞬間である。「わかればよろしい」
短い一言に添える形であがる鈍い衝撃音−−ズンッ「あぐうッ…!」これが最後の声である
ことから、止めの一撃であることが察せられる。次いで、ヒールの音は自分の傍らへ。
混沌の中で危うく明滅する意識だが、それでもこの状況の意味するところが多少とも
わかる。苦しい息の下から、言葉を絞り出す青デルモ。
「…ありが…とう…助けて…くれて…」対して、返りくる答えは耳元での囁きに違いない。
それでも茫とする感覚からは、その声が遠くから呼ぶかに感じられる。「礼なんかいいの。
もうあのコたちも決してあなたをひどい目に会わせたりしないと思うわ。それより、リエは
どっちへ行ったか、教えてくれる?」「ミス・リエ…?ああ、奥の…司令室だと…思う…」
キャサリンは、間近の女が仲間のデルモだと信じて疑わなかった。目はかすんだまま、いや、
五感全体が今やおぼろげである。ただ、助けてくれた、この窮地を救ってくれた者が自分に
理解ある仲間以外、あり得ないと思っている。そんな彼女が、問われるままに返す言葉は
至って自然なものだった。今度は向こうから礼を返す。「ありがとう…」言いながらデルモの
青いコスチュームをまくしあげ、腹部に手のひらを這わせている様子。「35、36、37…
38個も痣がある…さぞ苦しかったでしょう?」「ええ…でも、あなたが…助けてくれた
から…私…うれしい…」苦しみながらも感傷にふける青デルモだが、相手の次なる言は
いささか事務的な調子を帯びる。「まあ、私なら、こんな手数はかけないわ。いつも大勢を
相手にしてるから…」「…?…」「このまま、苦しみながら横たわっているのも辛い筈よ。
私が楽にさせてあげる」「…??…」「私の当て身って、その時は苦しいけど、目覚めたら
みんな元通り元気になるの。いわばショック療法ね♪」「ま、まさか、お前はっ!」
「そ、私が皇藍華よ」ドボォォッ!「うう!…ん…」深い気絶の迷宮に導かれながら、
確かに黒デルモたちの責めとは異なる、どことなく甘酸っぱい刺激が全身に広がる。意識が
完全になくなっても尚、敏感なる性の装置はこの衝撃を歓待し受け止めているのか。藍華にも
確信はないが、眼下の青デルモの穏やかな寝顔に、それなりの手ごたえを感じるもの。
最早後顧の憂いなく、廊下で待ち受ける青デルモたちや、司令室の白デルモたちとへと
向かいゆく藍華。颯爽と飛ぶように、そして心晴れやかに…(オシマイ^^;)

80NDDS:2003/06/16(月) 02:35
とても読み応えのある内容ですね!
私立AIKA研究所以外にも超初心者さまのSSが読めるとは!\(^o^)/
藍華の当て身が絶頂につながるというのもいい感じです。

81超初心者:2003/06/16(月) 18:46
NDDS様、初めまして、有難うございますm(__)m
こんな拙文デスが、宜しくおねがいします。
早速訂正(汗)  75<誤>全4回 ⇒ <正>全5レス

今回は私的にはチョイ過激でした。それでもデルモLoveの愚生として「救い」の
ある、いつものワンパターンに仕上がっております^^;
それと、多少「宮沢賢治」の影響受けてるカモ^^;;「夜たかの星」とか
「グスコーブドリの伝記」あたりですね。あんな崇高な「自己犠牲」には
程遠いんですガ…(滝汗)

82超初心者:2003/06/16(月) 19:00
小噺その38(全くのフィクションです、念の為^^;てゆーか当たり前デスけど…汗)

203X年。大災害による影響は日本のみならず地球規模で生じたものだが、その中でイタリアは
幸運にも殆ど被害を受けず、古代遺跡や芸術の所産がそのまま残されている稀少な国である。
ここミラノでも多くの歴史的建造物や絵画が一つとして損なわれることなく今日に
至っているが、本日は更にビッグ・ニュースあり。市内中心部にあるダ・ヴィンチ博物館の隣に
Aika博物館が新設されたのである。新旧の違いこそあれ、それはルネサンスの天才にひけを
とらない価値と賞賛され早くも世界からの観光客が押すな押すな。展示ゾーンは大きく二つに
分かれ、博物館エリアと絵画館エリアからなる。前者ではホーリー・ファックス号の模型や
ラグ・リアクター・ルームのジオラマ、各種サルベージ機材など、最先端科学の粋が並び、
入場客は様々な装置でシミュレーションを楽しむことも出来る。大きなセットだけでなく
小道具類も充実で、藍華ご愛用の電撃棒やショック銃、トニア専用鉤爪やビアンカの暗器、
サニアのロケットランチャー、ハーゲン博士のラグビーム銃、青デルモたちの銃などなどが
ずらり。武器だけでなくデルモたちのコスチュームやお仕置き木馬、ネーナの
オルタネートパンツをのせた袱紗つきのお盆、果てはメイピアの名刺まである。一方、後者では
藍華、りおんたちやハーゲン兄妹、そして大勢のデルモたちの等身大肖像画が天井までの壁面
いっぱいに並ぶさまが、まさに壮観の一語。個々人の肖像だけでなく、大勢の集合画や
戦闘シーンも随所にあり、これも当然というべきか気絶して倒れたデルモたちのパンティ
まるみえ画も満載である。それら全てが精緻な油彩によるもの、写真以上に鑑賞者の魂を
揺さぶる迫真の作品群。そんな中「横たわるキャサリン」(作品No.184)の前で佇む3人の
女は当のキャサリンと、その両隣が藍華とりおんである。あの船内でりおんに倒され、
気絶したまま制服を奪われたキャサリンの絵。その青デルモは今、左右の二人から両頬に
柔らかな口付けを受けていた。「こんなこともあったけど…今は、あなたが好き、とっても…」
いつまでもじっと絵に見入る3人。その後、観光客の喧騒を逃れ、街外れにある、かつての
修道院を改装した古ホテルに入った彼等が、どのような成り行きに立ち入ったのか…
定かではない…。

83ぱんちーと:2003/06/16(月) 20:34
>「こんなこともあったけど…今は、あなたが好き、とっても…」
結局、最後はみんな、なかよしこよし。
超初心者さんのSSはこういうところがいいですね。

84超初心者:2003/06/17(火) 19:22
ぱんちーと様、「なかよしこよし」路線もお認めいただき有難うございますm(__)m

更にしつこくAika博物館所蔵作品紹介をば^^;

展示物補足:藍華のデータ・ディスク、リエの着用していたパイロット・スーツ、
   司令と副官の乗る2シーター・スポーツカー、司令の飲みかけの紅茶カップ、
   副官の手板、黒デルモ某の赤いセクシー下着、ネーナの口紅、
   ヴァレリが男装の時胸に巻いていたさらし、ビタミン注射器、
   りおんや瓶底黒デルモのメガネ・コレクションなど…
絵画:そうそうたる絵師の皆様の大作300点…
彫像:卓越した造形家の皆様の大作50点…
書籍:巨匠の皆様の著作200点…

なお、超初心者なる者の出展は、あまりに稚拙なため見送られ、地下の
バックヤードに保管されているそうデス…(汗)

85超初心者:2003/06/17(火) 22:26
小噺その39
順番後先になりましたが、1ヶ月程前、研究所様のご好意に甘えHPに掲載して頂いたモノです^^
http://www009.upp.so-net.ne.jp/Aika-ken/Gest-Garally-syosinsya.html

明るい部屋のひと隅、一冊の本を熱心に読みふける黒デルモ。コツ、コツ、とヒールの音が
近づき、肩越しに声が掛かる。「面白い…?」覗き込むように身体を乗り出す女の声は
優しい響き。「ええ、今月号はクライマックスなんです。ミス・ナターシャに教えて
もらいました」穏やかに答える黒デルモの方も、目は輝いている。「ミス・藍華、一緒に
見ます?」そうね、と藍華もつられてニッコリ。眩い陽光さしこむ窓辺には、まさにこの
二人だけ、いつしか時過ぎるのも忘れ、「花とゆめ」がもたらす甘美な夢想に耽る。知らず、
手をとり顔寄せ合うのは、窓際の鉢植えだけが知り得る昼下がりの秘め事なのである…。

86超初心者:2003/06/18(水) 18:50
小噺その40

古都に遊ぶデルモ慰安旅行だが、トラブルも無いわけではない。土産物屋が並ぶアーケードに
ひしめく大勢の人々、中には性質の悪いヤツもいる。――ドン!「あっ、ごめんなさい」ひとり
ぶらぶらと店先を巡る黒デルモが、すれ違いざま誤って肩がぶつかった瞬間の一言である。
相手は通りいっぱい我が物顔、大きく横1列で練り歩いていた地元女子高生の一団。店の陳列に
気をとられていた黒デルモの過失もゼロではないだろうが、大半は公衆マナーなど微塵もない
先方のせいと思えるところ。だいたい、こんな真昼間から学校サボっている方が如何なものかと
いうことだろう。ところが謝った黒デルモに対し連中の反応は判で押したような不良ぶり。
「あんた、人にぶつかっておいて、ゴメンで済むと思ってんの!?」「何よ、その格好。
今時チンケなファミレスだってもっとましよ」「ちょっとお話しましょ、ここじゃ何だからさ…」
近くの通行人も巻き添えを恐れ見て見ぬふり、周りをぐるり取り囲んだ女子高生たちは
一見丁重に黒デルモの背を押し、うす暗く狭い路地へ引っ張り込む。ワルぶる8人対非力な
黒デルモ1人。結果は火を見るより明らかだった。「顔は勘弁しといてやる、よ!」――ドスッ
「うぐッ…」喧嘩慣れしている連中は脅える黒デルモの腹部を拳や膝蹴りで散々に
責めつける。8人一斉の蛮行、その何十発目かが彼女の下腹部を襲った刹那。「あうっッ!…」
短い呻き声を残し崩折れたまま、動かなくなる黒デルモ。ろくに抵抗も出来ないまま、こぼれる
涙と涎にまみれ、ついに気を失ってしまったのである。以前から気絶が慣れっことはいえ、
この理不尽な受難は彼女にとっていかにも気の毒。しかも上体の痛覚とは裏腹に、股間の
純白パンティから愛の甘露が染み出すというのも、酷な皮肉である。
「フン、イっちゃってるよ。とんだメス猫だね!」吐き捨てるように毒づく女子高生たち。
財布を奪った上、倒れている黒デルモの身体を踏みつけにするさまはまさしく悪の権化そのもの
である。そんな非道がこのまままかり通ってしまうのだろうか?いや。天網恢恢の字句は死語に
あらず。たまたま出張で当地へ来ていた藍華が、土産のお菓子を抱えて商店街をぶらつくうち、
ふと横の細い路地を見やるというのは単なる偶然だけと片付けられまい。その先は――
言うまでもない展開、相応のお仕置きを受け倒された8人と、救い出された黒デルモである。
目覚めた間近に付き添ってくれている藍華を見据え、黒デルモはうれし涙にくれる。もっとも
皇藍華という人物、セリフは相変わらずのあっけらかん。曰く、「そのデルモ服が見えたから…
またあなたたちが何か悪さしてるのかと思って…」更に「あなたもまた一段と弱くなった
わねえ。駐車場で私に膝蹴りを決めたあの勢いはどこへいったのよ♪」…それでも、これらの
言葉自体は照れ隠しと言うべきか。実際、過去いろいろなことがあったが、今回の奇遇は実に
重い。現在、そして未来への展望という意味からも…この有難い絆を改めて噛み締める黒デルモ
なのであった。

87研究所:2003/06/19(木) 00:30
短期間の間に凄い創作力ですね〜、いつもながら感心しております。
キャサリンの行く末を心配しておりましたが、やはり超初心者様らしい
ハッピーなエンディングで安心いたしました。

88超初心者:2003/06/25(水) 01:12
小噺その41

親はなくとも子は育つ。と言っても、親子2年ぶりの再会となれば、やはり涙なしには
語れないものだろう。即ちこれデルモたちのことである。そもそも娘が家を出た経緯は、
残された親族にとって全く不可解なものだった。みんな1枚の紙片を置いて忽然と失踪して
しまったのだから。その紙には極く簡単にこうあった、心配しないで私は大丈夫、と。当時
大災害の後遺症で多くの世帯が少なからず苦難に直面してはいたが、それが直接の原因とも
思えない。家庭内で特段トラブルの火種を抱えていたわけでもなく、どうにも腑に落ちない
まま、どんよりと重い心を引き摺っていた家族。それが犬吠島以降、司令の命に従い、夫々の
家へ戻った彼女たちの姿を見出したときの喜びといったら!2年が20年にも感じられる
歓喜の爆発、もみくちゃに抱擁されるデルモの方も、ここにきて家族の絆と有難味を改めて
肌身に感じ入るばかり。更に程なくデルモ・コーポレーションが設立され、真っ当な会社勤め
が始まるというのも、本人家族ともどものグッドニュースである。まさに心機一転の
デルモたちだが、そんな中でもふと過去を振り返ることはある。思い起こせばハーゲン兄妹に
従いデルモゲニィ組織に加わった彼女たち、今までただひたすら兄妹二人への忠誠に自らを
捧げ、生きてきた。その一途な思いにも一点の曇りがさした瞬間なしとはいえない。それは
ハーゲン博士が地球再生計画と称して、ラグによる地球規模の大変動と現在の地球生命殲滅を
宣言した時。その地上には当然、彼女たちの家族や友人知人がいる。愛する者たちとの永遠の
別れを前に、胸つまらない訳がない。ある種、デルモたちは自身にとてつもなく重い十字架を
背負い、ハーゲン兄妹の夢に賭けたとも言える。そのハーゲン兄妹とて決して狂っていたの
一言で片付けられるものではないのだろうが、今やあの怪しげな強迫観念の一切が払拭され
浄化されるに至ったのは実に人智を超えたメタルのお蔭。デルモたちも、こうして無事
親兄弟の懐に戻ることが出来たというわけである。ここまでの一連で恩着せがましい言葉など
決して口にしない藍華の姿勢も中々のもの。まるで何事もなかったかのように、夫々の日常が
再開されるように見える。ただ、デルモたちについて言えば…以前と少し異なる部分あり。
今、“なおみ”の家庭ではちょっとした事件が起きていた。戻って早々、ひとりの黒デルモ“りか”
を両親に紹介した彼女は何と互いに寿ぐ愛を訴え、同棲したいと申し出たのである。それも
将来の結婚を視野に入れて…。当然両家の親は猛反対したが、およそ聞き入れる二人ではない。
それなら再び出て行くという二人の固い決意に折れた家族は、渋々ながら彼女たちの
同衾を認める、時々は実家へ顔出すことを条件づけて。そんなケースがデルモたちの大半に
当てはまり、彼女たちは遂に自分たち専用のマンションを社宅よろしく建ててしまった。
数百人もの女性が織り成す愛の巣。名前を「メゾン・ホーリー・エクスタシー」という。

89超初心者:2003/06/29(日) 10:56
小噺その42

オールナイト・オープンのファミレスだが、こんな深夜では客もまばら。今、隅のテーブル
には青デルモが一人、何やら物思いに耽っている。少し近寄ってみれば目は真っ赤、きっと
さっきまで泣き腫らしていたに違いない。コツ…コツ…ヒールの音が近づき、青デルモがふと
顔を上げた先に立っているのは…藍華である。「あなた…」こんな時間である、多少の当惑は
あろうが、藍華の頬に残る涙の筋を目ざとく見つけ、次の瞬間には納得の青デルモ。
「見てたのね、あなたも…」青デルモの自然な問いに、藍華の答えも素直なもの。
「ええ…何だか眠れなくなっちゃって」向かいの席につくと、無理にでも作ったような笑顔を
投げる。「あの映画、何度見ても泣けてきちゃうのよね、お涙頂戴ってのは充分わかってる
つもりなんだけど…」「私も。あのホーリー・ファックス号の爆発を思い出してしまうもの」
「そうかぁ…でも、あなたたち全員脱出できたのよね?私、あなたたちの何人かに気絶して
もらったことはあったけど、怪我させた覚えはないし…」言い訳ではないのだが、あの時の
ことを振り返ればつい多弁になってしまう藍華。「いいのよ、もう…」大きな窓越しに夜空を
見上げる青デルモ。いつしか瞬く星に、あの兄妹を思い浮かべているのか…。と、そこへ。
ドタドタドタ−−「ああ、やっぱりいた!ヴァレリ、私…わたしもう…もう、胸が張り裂け
そうになっちゃって…う、うわあんっっ」嗚咽まじり、遂には周りの視線など一向構わず
泣き出した女。いかにも非力な印象と特徴のある金髪。そしてヴァレリと同じ青い
コスチューム、とくれば…。隣の席に座らせた彼女の肩を抱き、静かに語りかけるヴァレリは
あのピエールの時同様、大人のあしらい、といったところである。「あなたも涙もろいわね、
キャサリン…」「だって、だって…」小刻みに肩震わせながらしゃくり上げるキャサリン。
「あの船と一緒に運命を共にした大勢の人たちが可哀想。小さな子供たちだって
いたんでしょう?それに…あのシーンで賛美歌をバックに流すなんて、ずるいわ。もう、
泣くしかないじゃない!」キャサリンはこうも続けた。かつてのアーカイブにあったアニメ
「銀河鉄道の夜」にも似たようなシーンがあり、天に召される青年と幼い兄妹がいた、と。
そこでも、あの賛美歌が流れる中、儚さと希望ないまぜの無常を見せ付けられ、
号泣したのだと。こんな、まさしく天然のキャサリンを優しく見据えるヴァレリと藍華。
特に藍華は思う、ここまで人間の情愛を備えるデルモたちが何故ハーゲンの野望に
付き従ったのか、いや、そのハーゲン博士自体、どこから道を踏み外してしまったの
だろうか、と。いや、いや、いや…再び自分の思考を反転、否定する藍華。私がどうこう
言えるものではない。ハーゲン兄妹やデルモたち、そして私たちみんな…
同じ人間なんですもの…。最近はどうもこんな感じである。それが表面上沈黙を守る
オルタネート・メタルの見えざる働きなのかどうか…未だ結論は出ない。

90超初心者:2003/07/01(火) 01:43
小噺その42資料編
 ①「あの」映画、今回の吹き替え結構ヨカッタよーな感じ^^
   ジャック…石田 彰  ローズ…冬馬 由美
 ②関連楽曲
   メイン…My Heart will go on.(セリーヌ・ディオン)
   賛美歌320番「主よ、みもとに近づかん」
   ドヴォルザーク「新世界」(遥かな新世界アメリカへの船旅、そしてホーリー・
                ファックス号で歪んだユートピアを目指したハーゲン兄妹…)
   アニメ「銀河鉄道の夜」サントラ楽曲…細野晴臣

   氷山の海に沈んだタイタニック、多くの魂に合掌をば。。。

91超初心者:2003/07/02(水) 19:08
小噺その43

某放送局をぶっ潰し、いや正確には老朽化した局舎を無料で取り壊し一躍有名になったサニアと
トニア。世界的に大ブレイクしたゴールデンデルモ・シスターズのお蔭で被害者を装っている
局側もその実情はウハウハ、新社屋建設資金までまるまる浮かせるちゃっかりぶりである。
勿論当人たちに転がり込む所得も莫大なもの、既にして大企業の一つや二つ買収出来る程の
巨額財産を得たのだが、ここから先が又つましい。入ってきた収入の大半を勤務する
デルモ・コーポレーションに納めた二人は、豪華な暮らしにどっぷり嵌まるどころか、却って
様々なチャリティー活動や小さな地域イベントに精を出す。小学校訪問で子どもたちに
三つ編みの髪を引っ張られても、笑顔を絶やさないトニアは犬吠島での強面がまるで嘘のよう。
それでも、失礼千万な芸能レポーターや腹黒プロデューサー相手には、堪忍袋の緒が切れること
だってある。今、くたびれて自宅へ戻ってきた二人を待ち構える無神経なインタビューあり。
「ここまで成功したら、もうやることないでしょう?今度はTATUみたいにドタキャンでも
かましたらどうです、あんたたちもロシアっ娘なんだし。それとも姉妹レズで最後のひともうけ
といきますか、がははは…」嫉妬ややっかみ半分の取材にも最初は我慢していた二人だが、
執拗なツッコミが続くうち、遂にブチ切れ――ガリガリガリ…全く学習効果のない連中である、
トニア鉤爪の洗礼を顔面に受ける一発屋の男性レポーター。このところ、この手の
不良レポーターや記者が同様のパターンで大勢引退に追い込まれているが、実はこの状況、陰で
喜ぶ者も多数いる。不倫ゴシップを抱える芸能人はもとより、政財界の黒幕も枕を高くして
寝られる毎日、密室政治と言われようが結果として彼等のやりたい放題の暗躍がそのまま
経済再生につながったのだから、構造改革の中身なんて所詮この程度なのだろう。つまり
経済活性化のキーはデルモたちにあり、という訳なのである。

92Untitled:2003/07/03(木) 00:54
>>90
この前の放送見ましたが、よく聞くと確かにローズは冬馬さんですね。
クレジットも出なかったし、ここ読んで確認するまで気が付かなかったっス。
石田君はディカプリオに合ってるかはともかく、男の若手声優(と言っても十年選手ですけれど)の中では「巧いなぁ」と思わせる一人ですね。
しかし、取って付けた話しが好かず今回初見だったのですが、見てて思ったのは「やっぱジェームズ・キャメロンはTVより映画だよ」って事ですな(w

93超初心者:2003/07/04(金) 22:23
>石田君は…「巧いなぁ」と思わせる一人ですね。
  「ハリー・ポッターと秘密の部屋」吹き替え版でもトム・リドルの声を好演してました〜^^
>ジェームズ・キャメロンはTVより映画
  今度の「ソラリス」はどーなんでしょーか?

94超初心者:2003/07/04(金) 22:31
小噺その44(ペロロンカ・ホテル番外編)

再び男女の交わりについてである。今ベッド上で互いの愛撫に勤しむ二人は、あの道草旬太郎
と黒デルモ“ゆき”。デルモは勿論処女だったが道草の方もぎこちない動き、日頃のカッコづけ
とは裏腹に、おっかなびっくりな所作からはおよそこの男、女を知っているとも思えない。
それでも一途な情を奮い立たせ深い口づけを交わせば、骨盤に生じる愛欲の炎がめらめらと
燃え盛る。「やさしく…して…」女の月並みなセリフもこの場合、どぎまぎしている男に
最後の決意を促すもの、大汗をかきながらも道草が「男」になるまさに瀬戸際がそこに
あった、が…。バンッ!――扉が荒荒しく開き、駆け込んできた人影がある。
「やっと見つけたわ、道草クン、そこ離れて!」真紅スーツ姿の女は、下から男の腰に
あてがう女の手をさっさと振りほどき、素っ裸の道草をベッドから引き離す。
「あ…藍華さぁん…」間の抜けた、いやイケテる道草の声を置き去りにしたまま、ベッドの
女へ向かう藍華。「あ…あぁ…」引きつった表情の“ゆき”は今までの恍惚半分、突然の
緊張半分でただ震える裸身を晒すのみ。驚愕のあまり仰向けに横たわる己が身体を
起こそうともしない。「りおんや道草クンまで巻き込んで…あなたも覚悟はいいわねッ!」
「い、いやあぁぁっ…!」涙声になって懸命に首を振る黒デルモ、だが藍華怒涛の勢いは
止まらなかった。一切身構えもしない女の下腹部に藍華の拳が飛び込んでいく――ドボウッ
「あうッ…!」ただの一撃で深い気絶の闇へ落ちていく黒デルモ。この身体に本来迎え入れる
筈だった男のモノを考えれば只今の状況天地の差とも言えよう、が、しかし。さすがは藍華の
技である、苦痛は一瞬、そのあとすぐに甘美な桃源が女の全身を優しく、そしてとろける様に
包み込む。早や股間よりこんこんと湧きだす愛の泉にその証左を読み取ったか、次の瞬間には
呆然と立ち尽くす道草へ向かい、手短かに指示を投げる藍華。「さ、ここを脱出するわよ、
道草クン。早く服を着て頂戴」はぁ〜い、と相変わらずボケた返事で応ずる道草は自分の服で
なく何と黒デルモの下着やコスチュームを着こんでいる。いつもの癖ね、と特段咎めもしない
藍華と道草がそそくさと立ち去っていったあと、部屋には黒デルモひとり、一糸纏うものない
哀れな姿で放置されていた…この顛末改めて俯瞰すれば、あのホテルで道草やりおんを人質に
とろうとしたデルモたちの作戦がそもそもの発端、それは確かに卑怯だし今更弁明の余地も
ない。だがひとつ付言出来ることがある。あの時“ゆき”は、自分単独で道草を拘束する役回り
を申し出、居合わせた他の黒デルモ仲間の同意を得た。その根底には彼への淡い思いがある。
加えて南の島の魔法がもたらしたのか、それからの“ゆき”と道草はあっという間にああいう
仲へと変じていった。道草が人質だからといってぞんざいに扱うつもりなどさらさらなく。
作戦の最終目的である藍華の捕獲さえ果たせば、この男と一緒になってもいい、とまで
思っていたのである。とは言え、そんな背景など当時知るよしもない藍華。犬吠島以降では、
事情を知り幾重にも埋め合わせの愛を注ぐ藍華によって再びの幸せを得る黒デルモだが、
それでもある種運命の歯車が狂ったことには違いない。あれが唯一のご縁だったのだろう、
二人の処女と童貞については…現在も微動だにせずそのまんまということなのだから。

95超初心者:2003/07/07(月) 21:10
小噺その45

忙中閑あり、リビングのテレビを漫然と見やるサニアとトニア。今、オンエアされているのは
37年前の番組「サンダー○ード」である。そういえば最近、画面を賑わすのは、やたら
レトロなラインナップ、テレビ番組だけでなく、音楽や映画などもリメイクやカバー
バージョンが相次いでいる。ふかふかソファにむっちりとお尻を沈ませる二人は、誰に
遠慮なく足はおっぴろげ、例の純白パンティも丸見え状態である。いつも時代の最先端を
走るデルモたちだが、たまにはこんな年代物もよしとするのだろう、眼前の映像にも決して
退屈しているように見えない二人。サニアがぽつりと一言を発し、またぞろトニアとの間で、
よもやまな会話が紡がれていく。
「これって人形劇なのよね。昔の番組にしては良く出来てるわねぇ…」
「結構リアルよね、メカの重量感もあるし。大体CGなんて無かったんでしょうに」
「こういう再放送もそうだけど、昔の原作をリメイクするのも流行ってるわねー」
「そういえばサニア、あなたピノキオの実写映画見た?アニメのイメージがあったから
どうかなー、と思ってたんだけど、中々良かったわよ♪」
「そうね、やっぱり本家イタリアだけあるって感じ〜。ベニーニの演技やピオヴァーニの
カンツォーネも良かったわ。私、“星に願いを”が好きだったけど、今回の映画も
嵌まっちゃった。フィレンツェの街並みも素敵だし…」
「あと、ピーターパンとか宝島とか。初回版がもう何十年も前のものばっかりだけど」
「じゃあAIKaもそのうちリメイクされるかなあ。私たち、あんまりセリフ無かったじゃない?
今度は主役張りたいわよねぇ」…そんな二人の願いは程なくかなう。以前からトニアの
隠れファンはワンサカいた上、現在はゴールデン・デルモシスターズ、この大ヒットである。
但しプロデューサーの人選には誤ったかも知れない、いつの間にやら陳腐な女子プロレス
ものに企画が変わってしまい、今回久々の大コケに終わったのだから…。

96超初心者:2003/07/09(水) 21:43
小噺その46(某チーム・ファンの皆様へ^^)

2039年。科学の進歩は相応に目覚ましいが、人間そのものが進化するわけでもない。
個人の思い、集団心理、何れをとってもそう変わり映えしないものである。今、関西のとある
球場では某球団優勝に王手をかけた大試合が行われ、6万人の観客で溢れかえるスタンドは
これ以上ない大フィーバー真っ只中。それもその筈、ここは球団のホームグラウンド、しかも
18年ぶりに優勝を手中にするというのだから、熱烈ファンならずとも興奮否が応にも高まる
もの。振りかえれば1985年、2003年、2021年と、毎回大変な盛上りだったが
今回は応援席に少し変わった連中が加わっている。白、ゴールデン、青、ピンク、黒、と
彩りも鮮やかなコスチューム。大挙して陣取り、焦点のチームを応援する姿は間違いない、
あのデルモたちである。“六○おろし”にデルモたち。いささかミスマッチにも思えるが
その実ノリはピッタリというべきだろう、もともと集団行動には長けている彼女たちである。
皆キュートでスタイル抜群の美女、シーズン当初は好奇の視線やローアングルで狙うカメラ
などが後を絶たなかったが、今や完全に周囲と一体化。純粋可憐な美しさはまさしく最高の
ムードメーカー、観客席のファンだけでなくフィールドにいる選手たちにも大いに励みに
なっている。新参者だけあって決して整然とした応援とは言えないが、そこが又初々しい魅力、
黄色い声を振りまき、飛び跳ねる彼女たちの純白パン○ロは余りにも眩しい。しかも
相手チーム攻撃のイニングでは、無意識のうちか緊張の力みが股間の肉襞を盛り上げ、清楚な
パンティにくっきりとした筋が浮かび上がる。遠くからでも明快に判別できる程、見事な
クレバス。ましてや選球眼の良い選手たちからすれば、その谷間に福与かな肉付きすら
見通せてしまう。これ絶景といわずして何であろう、しかもそれが、よりどりみどり、ずらり
並んだ秘所の数々にはまさに目がテン、いや既にして脳内虚ろというべきか。これではまともに
打つことなど100%不可能というものである。となれば、ここまでの某チーム快進撃、陰の
功労者はデルモたちと言うことにもなるだろう。かくして相手チームの殆どが骨抜きに
される中、それでも鉄の意志を持つ者が数名は残る。薄々デルモたちの影響と感じムキになって
闘志を燃やす彼等、その対象は…カーン!――いま快音と共にライナーでスタンドに飛び込む
ボール。相手チーム4番バッターの文句ないホームランに静まりかえるホームグラウンド、と
言いたいところだが――「うぐッ…!」静寂のスタンドで短くあがる呻き声ひとつ。見れば
一直線に飛びこんだボールはキャサリンのパンティをストライクで直撃している。高速ライナー
の打球だった為、咄嗟に手で受ける暇もなかったのだろう。目を閉じ涎垂らしながらゆっくり
崩折れようとする青デルモを左右の仲間が辛うじて支えるが、既にキャサリンは深い気絶の
迷宮へ。結局試合は3−1で勝ち、目出度く某チーム優勝に終わったが、気を失った彼女は
その瞬間を見れずじまいだった。しかし、それが不幸なことかどうかは一概に決められない。
ここまでのペナントレースでこうしたホームランボールを受けたケースが実は30回、その
何れもがキャサリンへの一撃である。更にそれらは悉く彼女のパンティ、それも秘所の上方に
居する愛の蕾へのクリーンヒット。周囲には受難の気絶と映るだろうが、よくよく注意して
彼女の寝顔を見れば、僅かに口元綻ぶさまが覗える。誰に打ち明けるでもない彼女だけの秘密。
胸の奥深く封印されるキャサリンの宝物、それは、衝撃の一瞬でもたらされる極上の
エクスタシー。とても言葉で言い尽くせない、ミクロの時間に反比例し超高密度に凝縮された、
いわば快感の結晶というべきものである。最初の経験では確かに驚きも混じっていたろう、が。
彼女が病みつきになるにはこの1度で十二分だった。毎試合、律儀に球場へ足を運ぶ
キャサリン、その胸中はときめきでいっぱい…あの経験をしたい、感じたい…想像しただけで
じっとりと濡れる。当然の結果として、履いていないのかと見紛うほどスケスケになる純白
パンティ。それがまた一層相手チームの劣情に火をつける。完封は出来ないものの応援チームは
確実に勝利し、キャサリンは高らかに昇りつめる。実に一石二鳥である。このコンビネーション
はその後しばらく続き、そのまま毎年の優勝に直結した。最近では勝手知ったるファンによって
「キャサリンはここだ!」という矢印付きの横断幕まで登場し、勝利を磐石にしているようで
ある。

97超初心者:2003/07/13(日) 11:32
こんなんでも過激?小噺(過激派スレの5レス目)の続き
(没になったシナリオの続編一部を御紹介)

「きゃうううッ!!…ん…」−−−−−
「あら、いい声で鳴くじゃない。じゃ、ご褒美ね♪」藍華はパンティのクレバスに侵入させて
いた3本の指を更に奥へ挿し入れ、大きくグラインドするようにくねらせる。
「ひゃう!うふうううぅぅ…んんんッッ…」ニナ・エスコの股間にて噴出する愛の蜜は最早
洪水の有様、藍華の手もべっとり粘り気のある分泌液にまみれている。――ズブブ、
ズチュッ、ズチュウ…深く挿入された指が自在に動くたび、膣内に容量一杯満たされた愛液が
淫靡な音をたて、花芯の疼きをストレートに代弁する。と同時に「ひううっ…あひいい…
ふあああッ…!」…何度絶頂に達していようと、突き抜ける快感の先に終点はないのか…
喘ぐ。喘ぐ。ただ、喘ぐばかりの白デルモ。ここに至って尚、花園の外観を晒してはいない。
いや、制服も着用のまま。彼女の秘肉に直接くい込むのは例の純白パンティなのであり、
藍華の指が深淵の園を土足で侵しているわけではない。にも拘わらず。このパンティには
思わぬ相乗効果が内在する。機能性重視ということなのだろう、素材はコットンのようだが、
それ微細に見れば布地の表層小さな繊毛が無数に生え、ただでさえ敏感な秘所の粘膜を
心にくい程に刺激する。その上、押しこんでいる藍華の指使いがまた絶妙、ただがむしゃらに
強く押さえるでなく、時にはじらすように丹念に…最高のスポットをじっくり延々、そして
こびり付くようにねっとりと愛でるのである。
「ひいいぃぃ!…んはあぁ…ふぐううぅぅぅ…」歓喜のあまり、時折呻き声のようなものも
混じるが、藍華が「鳴く」という言葉を用いたのは言い得て妙といったところ。今や、
ニナ・エスコは生命普遍の喜びを体現するためにだけ、ここにいるようなものである。
「あなた、頭が良さそうな顔してるけど、こういうことは学校で教わらなかったでしょ?
ちょっとは感謝してよ、ねッ!」ズブウッ!「はうううぅぅ…ッ!!」またひとつ、ピークを
迎える喘ぎ声。電気が走ったかのように全身が痙攣し、イッたことがわかる。(続きマス↓)

98超初心者:2003/07/13(日) 11:33
「うふふ。可愛いわね…」これで101回目よ、とまでは口にしないが、内心しっかり数えて
いる藍華。かつてのトレンディ・ドラマばりの構想が脳裏を横切ったところで、もう少し
まとまった会話に戻そうと考える。二人しかいないこの空間、対面する女の悶絶ばかりでは
正直見飽きてきた、ということもあろう。一旦、全ての指を引き揚げるのだが、ここまで
暴走してきた性の炎は藍華の都合よく停まってはくれない。「…はあぅぅぅっ…」
ピクンピクンと身体が勝手に跳ね、昇りつめることそれから実に30回!その間、小一時間
にもなろうというもの、退屈な思いを引き摺りながら眼前の白デルモを眺める藍華である。
漸くに沈静化の兆しが見えたか、女の目にうっすらと理知のかけらが宿るようになったのを
見届け、藍華が語りかける。「私ね、何だかあなたのこと、手放したくなくなっちゃった。
あなたも、ここまでイイ思いしたら、もう私から離れられないでしょう?だから、ずっと
人質でいて頂戴、悪いようにはしないから…」「………」無言のままじっと藍華を見据える
白デルモ。それでも、やや間を置いて後、小さく肯く。この後、KKコーポレーションに
特設された座敷牢で囲われの生活を送ったニナ・エスコ。外出の自由こそなかったが社内では
結構な賓客扱い、郷造社長以下、りおんまでが甲斐甲斐しく白デルモの世話を焼く。しかし
それは昼間のこと。もともと仕事一筋、深夜残業の多い藍華だったが、ここにきてその頻度が
やたらと増えている。人気のないオフィスに二人きり。しかも防音完備の特別室。これが
司令と藍華との確執が氷解するまであと数ヶ月の期間限定とはまだこの段階で予期できる
訳もない。永遠に続いて欲しいと密かに願う、乙女二人の饗宴。要は些細なことかも知れぬ、
決して表に出ることもないが、これも又…藍華とデルモたちの不思議な絆を物語る、
秘められた出来事のひとつ、と言えそうである…。(やっぱ、軟弱〜^^;;;)

99超初心者:2003/07/14(月) 01:41
小噺その47

再び2039年。どこまでも広がる大草原の中に、ぽつねんと建つ1軒の家があり、
張り出した2階のオープンテラスに2つの人影が見える。男女ひとりづつ、男の方は相当な
高齢であろう、白髪で頬もやせこけているがまだまだ元気といった様子、そして女の方は青い
コスチュームに流れるような長い髪…孫とも曾孫とも見える年格好の美女である。もう夜中に
なる時刻、澄み切った大自然の空気は少しひんやりするが、頭上に広がる満天の星に囲まれて
ロマンチック気分も最高といったところ。この家の構えとて、古き良きカントリーライフ
そのままに、昔ながらの素朴が息づく温かみが感じられる。軒先にぶらさげたカンテラの灯り
は仄かなものだが、浮かび上がる二人の表情は眩いばかりに明るい。とは言え、時折ふっ…と
感慨の息をはく老人。眼前の若い女に、遠い過去の青春を脳裏に甦らせているのか…愛想も
ない無骨なホーローのコップでブラックコーヒーをすする二人の会話を、今少しだけ聞き耳を
たててみることにしよう。
「あの時、モデルにした女性と君は、イメージが似ているね。もう一度言わせてくれるかな、
素敵だよ、ヴァレリ…」
「有難うございます♪こうしてMr.ジョーンズにお会い出来るなんて夢みたいです。あの、
今でも馬に乗ってらっしゃるんですか?」
「そうだよ。まだまだ現役ジョッキーさ」…いつまでも若さを失わないこと。そして人生の
幸せは、何も特別なものじゃない、ほんのフツーな暮らしにだって満ち溢れているものなんだ…
齢96を数える老人は朴訥な語り口ながら、その目の奥にはかつての面影がしっかり残って
いる。青デルモが、あの曲をおねだりすると、彼は快く応じた。アカペラで歌う二人の声が
しっかりとハモり合い、彼女が生まれる50年前を生き生きと紡ぎ出していく。
…cheer up sleepy Jean,oh what can it been to a daydream believer and a homecoming
Queen…歌いながら、知らずヴァレリは天空を見上げていた。ハーゲン様、聴いて
らっしゃいますか、ヴァレリはいま幸せです。ハーゲン様もネーナ様とあの世でお幸せに…
すると一つの星が強く瞬いたような気がする。彼女の心が通じたのか?いや、確かに伝わった
ようである、が。本来ならば速やかなレスポンスとなるあの夢の啓示は後回し、勝手に
「あの世」だなどと決め付けるなんてヴァレリ、あなたってコは!これはもうキツーイ
お仕置きもんだね、と力みかえる意識と、まあまあ許してやれよ、という意識が侃侃諤諤混在
したままメタルの繭が矢のように宇宙から落下する。ここはアメリカの片田舎。
デイビー・ジョーンズ氏所有の牧場に程近いあの町が今度こそ眉唾でなく、真の脚光を浴びる
ことになるのだろう、「ロズウェルの話は本当だ」と…。

100副官:2003/07/14(月) 01:55
おぉ、懐かしや。モンキーズの「ディ・ドリーム」
私はあのレコード(45回転のドーナツ盤)を持っておりました。
ミッキーの目が「寄り目」の、ちょっとオドけたジャケット。
ジャケット裏にはデイビーのピンナップ。
曲自体も、目覚まし時計のベル音が鳴るユーモラスな仕上がり。

でもそのレコード、30年も前に、ロック好きの友人にあげちゃいました。

101ぱんちーと:2003/07/14(月) 05:56
あっ、副官殿、100ゲットしてる。
さすがは、キリ番の鬼!

102超初心者:2003/07/14(月) 20:20
副官様、ぱんちーと様、ようこそ、おいでませ〜^^

副官様、100ゲットおめでとうございます。当スレは「一応(←かなーり不安)」
創作系デスので次回200は遥か先デスが、何卒まったりとお付き合い下さいませm(__)m

DayDream…イイですよね。実は昨夜テレ東系23:00-「そして音楽が始まる」でやってたのを
偶然見かけたものですから^^;そのあと番組HPでラインナップ見ましたら、次週は
レッド・ツェッペリンのジミー・ペイジだとか。今までも、ビートルズは勿論、
エリック・クラプトンとかボブ・ディラン、サイモン&ガーファンクル、邦楽では上田正樹や
伊勢正三、赤い鳥などなど結構ピシピシ来ていたようで、昨夜以外は一度も見たことが
なかった私ですが、改めて、へえ〜、という感じでした。

45回転ドーナツ盤…いいなあ…33回転のLP盤も良かったけれど、ドーナツ盤って特に
タイトル作品への思い入れがありますよね^^当時の330円って結構高いイメージも
ありましたし…

1箇所修正(汗)oh what can it been ⇒oh what can it meanでした〜^^;;;
前者でも無理やりコジツケルことはできるでしょうが、やっぱりmeanがしっくり来ますね、
当然^^;この板を訪れる人々もAikaに見果てぬ夢を追うDayDreamBelieverでしょ?

103超初心者:2003/07/15(火) 19:23
小噺その48

白銀基地では司令の陣頭指揮にも拘わらず、完膚無きまでに敗れ去ったデルモたち。しかし、
あれは本当に敗北だったのだろうか?確かに、作戦を率いた司令以下、あの基地にいた
デルモたち全員が藍華や郷造らによって倒され、気絶したことは事実である。だが、
目的とする、藍華の身体能力を記録分析したデータは実のところ、犬吠島本部基地へ既に
転送済みであった…。それは左程考えるまでもないだろう、取得したデータをバックアップも
とらず、たった1枚のディスクのみに保存するなど、彼等の科学力からしてもあり得ないことで
ある。ならば何故、あの基地で、あれだけのディスク争奪戦になったのか。鍵を握るのは二人。
ひとりは司令、もうひとりは…あの瓶底メガネ黒デルモである。あの時、ゴールデン・デルモ
としての活躍をなしたリエですら、ディスクを藍華のハイヒールで無惨に踏みにじられた時
には、泣きわめいて部屋を走り出ていった。唯一の手掛りを失ったと感じた彼女が、絶望と狂乱
ないまぜのまま、ミサイル砲台まで繰り出したことは記憶に新しい。これこそ、まさに敵を欺く
に味方から、のセオリーどおりということ。瓶底黒デルモはデータを送信したあと、あの
データルームで敢えてダミーのディスクを手に持ち、藍華の、いや、リエを含めたデルモたちの
注目をも引いたのである。ある種和み系のキャラだけに、これが演技とは誰も見抜けない、
少なくとも藍華たちは、まんまと策に嵌まってしまったことになる。この絵を描いたのは当然
司令。愛する副官にすら、この計略を明かしてはいなかった。だからこそ、副官も必死に闘い、
挙句に首を締め落とされ、苦しい気絶を強いられたのである。当の司令も、全力で立ち向かって
いったように見えるが今にしてみれば、ひとつ思い当たるふしがある。至近に迫った司令の
胸元に、藍華が例のショック銃を突きつけた時。司令は厳しい表情から一瞬、観念したような、
或いは緊張に耐え切れなくなったような、はたまた無念の相とも言えるような複雑な微笑を
浮かべていた。直後の展開として遠く椅子まで吹き飛ばされ、深い気絶の眠りを余儀なくされた
のだが、あの刹那、彼女の心境もし覗き見ることが出来れば…以下のような思念の糸が
綴られていたに違いない、即ち、基地の全員が倒されたのは計算外だったが、最も大事な所期の
目的は果たし得た。自分は間違い無くこの女に倒されるだろう、こんな間近に銃など
突きつけられ、自分は死ぬのだろうか…いや、この女は今まで私たちデルモの命を奪ったこと
など無い筈だ、それでも私だけは許さないということか…いいや、仮にそうであってもいい。
データさえ手に入れば、デルモゲニィは再び力を取り戻せる。あとは副官に託して…と、一旦
考えを進めてはみるものの、やはり相思相愛の副官と永遠の別れだ、などと思い込めば再びの
恐怖と未練が脳裏いっぱい駆け巡る。実際のところ、余裕一切なく極限状態だったあの時の
司令。藍華たちが去り、随分たって目覚めの時を迎えて初めて、彼女は生き長らえた喜びに
会心の笑みを重ねるのである。事情を知らぬ、まだ気を失ったままの副官を優しく
抱きしめながら、司令のつぶらな瞳は、再起への固い決意に充ち満ちていた。ただ、結論から
いえば、そこまでして得た貴重なデータでありながら、それ結局デルモたちの戦闘能力強化に
向けられることなく終わる。犬吠島決戦が、この後すぐ繰り広げられたため、対応が
間に合わなかったという、いつもながらのお粗末がその原因。藍華とデルモたちとの確執は
この一戦で終焉を迎え、以降、軍事利用への道は放棄された訳だが、それでもまだ、有効な
利用法につなげるあたりが隅に置けない。藍華の強靭な体力はオルタネート・メタルとの
順応の過程で形成された細胞内特異物質の賜物。そのエッセンスを抽出した飲用カプセルは
男女問わず、人類史上最高の精力剤にして最強の催淫剤に結実した。大災害で減少した
世界人口も、この画期的発明によって、再び増加へと転じ新たな繁栄のシナリオが描かれていく
ということなのである…。

104副官:2003/07/16(水) 02:42
超初心者様
第6話の意外な解釈、感服いたします。

あの「瓶底黒デルモ」が司令と組んでの役者であったとは。
私は2ちゃんねるAIKaスレを覗くこと約2年ですが、全く初めての解釈です。
スタッフが「瓶底黒デルモ」を他のデルモとは異なる、特異な風貌キャラにした理由。
成る程と納得いたします。

ショック銃を突きつけられ、フッと微笑む司令。
諦観ではなく、寧ろ何となく「喜び」を感じさせる表情。
司令のこの不可解な笑みが何を意味するのか。
過去色々な意見がありますが、今もって決着していません。
それが「作戦成功」の表情であったとすれば、やはり司令は肝の据わった人物です。

>副官にすら、この計略を明かしてはいなかった。
私は、AIKaスレの初期、司令に意地悪な解釈をしたことがあります。
その再録をお許し下さい。

司令と副官。闘いを前につかの間の、しかし永遠にも感じる口付け。
二人の唇が離れる。放心し上気した頬の副官。
一方、その副官を見つめる司令の冷ややかな眼差し。
「どう?私のキスの味は。これで満足した?」とでも言いたげな司令。
私はここに「司令の打算」を感じます。

強敵・藍華と闘わねばならない。
ここはどうしても副官の協力が必要。
幸い、副官は自分に想いを寄せており、これを利用しない手は無い。
副官に忠誠させるため、キスの一つでもしてやるか。
どうせ減る物じゃないし・・・

以上は穿ちすぎでしょうか?
実際は、土壇場での副官の告白に流石の司令も胸キュンとなり、自分を抑えられず口付けをした。
だから闘いの後、ニナ・エスコではなく副官を抱いていたのでしょう。

>人類史上最高の精力剤にして最強の催淫剤に結実した。
ムム、これは藍華さんのアソコに麻酔をして入手したデータですネ!?
藍華さん、凄い器をお持ちです。
一度で良いから私も拝ませて欲しい。
でも、その後で首絞めか、ブッ飛ばされるか・・・

105超初心者:2003/07/16(水) 20:04
副官様
>第6話の意外な解釈
  例によって強引な展開で失礼しました〜^^;

>司令のこの不可解な笑みが何を意味するのか。
>過去色々な意見がありますが、今もって決着していません。
  私にとっては大いに気になるシーンなんです。絶対逃げられない至近距離で銃を
  突きつけられてる訳ですからねー^^

>私は、AIKaスレの初期、司令に意地悪な解釈をしたことがあります…
>…以上は穿ちすぎでしょうか?
  いえいえ、充分考えられると思います。最初は打算まじりだった思いが、愛に昇華する。
  あの時の二人は眩いばかりに純粋であったと、私は信じマス^^;

>だから闘いの後、ニナ・エスコではなく副官を抱いていたのでしょう。
  勿論、ニナ・エスコへの慈しみもあったことでしょう。けれど、副官との至高の愛の
  前には一歩譲るも止む無し、といったところですか。

>ムム、これは藍華さんのアソコに麻酔をして入手したデータですネ!?
>藍華さん、凄い器をお持ちです。
  いやー、進化したアソコってどうなってんでしょ(滝汗)
  皆様のご想像にお任せシマス^^;

 ところで、ここんとこキリ番ゲットの副官様へささやかながら記念品を、と思いまして^^
 黒デルモ「あずさ」ちゃんに目録を持たせて、副官様ご自宅まで伺わせます。その節は
 ゆっくりとお相手して頂けますようお願い申し上げますm(__)m
 (あれ、「あずさ」ちゃんは、今ぱんちーと様のお宅にいってるんでしたっけ?^^;;)

106超初心者:2003/07/16(水) 20:06
小噺その49

更に白銀基地でのエピソード。今、壁に追い詰められた黒デルモに、藍華がぴったり
張りついている。最早観念しているのか、だらんと両腕を垂らし棒立ち状態の相手ひとり
など、ほんの一撃で倒すことが出来る筈だが、即座の仕掛けを控えているのか、いつもと少し
様子が違うような。間近に寄ってみればすぐわかることだが実は二人、唇を重ねている。深く
舌を絡め合い、さながら貪り尽くすかのように。しかも、じっと受け身の相手に対し、藍華の
方は至ってきびきびとした動き。その全身を艶めかしくくねらせながら擦るまでに密着させ、
黒デルモの美しい身体を延々舐めるように味わう。二人、豊満な乳房は互いに強く、強く
押さえつけられ、衣服ごしであることなどまるで感じさせない。突出した4つの乳首が
ねっとりと絡まるさまは、それ自体意志を持っているかのような錯覚すら覚えるほどである。
胸まわりだけでなく両手は無論忙しい、左手を女の髪やうなじ、頬から胸元まで丹念に
這わせるかと思えば、右手は黒デルモの露出した太腿からせり上がるように股間へと達し、
愛らしいあの純白パンティの上をなぞらえる。敏感な蕾の突起や、むっちりと食い込んだ
一筋の谷間に分け入る藍華の指は、あくまで繊細にしてしなやかな運び。同性として、相手の
琴線に触れるコツは充分過ぎるほどに熟知している藍華である。「んん…んううぅぅ…ん…」
みるみる昇りつめていく黒デルモの口元から喘ぎが洩れるが、片時も離れないディープキスの
ために、くぐもった声ばかりが続きゆく。しばらくして、秘所の深奥より、愛の奔流勢いよく
噴出するも、極く自然な成り行きといったところ。いつしか、黒デルモはイニシャルDの
如く、ぐいと押し出した腹部を頂点とし、アーチを横にしたような全身弓なり姿勢に
なっていた。「んんんんんッ…!」押し寄せる快感に翻弄され、瞬時にイッたのであろう、
すっかり目を閉じている相手の恍惚を見定めながら、右手の先を拳に変ずる藍華。おもむろに
狙いつける先は黒デルモの下腹部である。ゆっくりと構え…そして鮮やかに突く――ドスッ
「うッ!…ん…」呻き声はほんの一瞬、今まで満たされていた女の表情にも翳りは殆どない。
それでも、相手は間違いなく深い気絶の眠りに落ちた。力を失ったその全身を、優しく
抱きかかえながら、ゆっくりと床へ横たえる。と、その傍らには同じように気を失って
横たわる黒デルモたち5名。今6人目を整然と並べたところでしゃがんだままの藍華が後ろに
声を投げる。「ハイ、次の人…」立ち上がった藍華が目にするものは行列をなす9人の
黒デルモ。おずおずと前へ進み出るひとりが消え入りそうな声で質問する。
「あの…ホントに苦しくないですか…?」答える藍華の方は、いつものようにあっさり
そのもの。「大丈夫よ。この6人を見てればわかるでしょ?悪いようにはしないわ♪」
そして又さっきと同じ、二人向かい合うあのプロセスへ。次々とイき、そして気絶する。
まるで予防接種か、診察のような段取り。15人全員が終了するのは実に1時間が経過した
あとだった。なんとも気の長い顛末。司令たちの部屋へ到達するのに、ここまでの時間を
要したとなればその後の展開にも差し障りがありそうだが、リエもまた状況把握が甘く、
加えて司令たち白デルモも藍華が姿を現わすまで悠長に待ちつづけているあたり、どこまで
いってもデルモである。だが、黒デルモたちのこの奇行は一体何か?いや、奇行と一言で
片付けては気の毒かも知れない。あの廊下で武装した青デルモたち7人があっという間に
倒されたのを見て、背後に控えていた黒デルモたちがすっかり戦意を喪失した、という事情が
あったのだから。こわばった表情の彼女たちからすれば、皆一様に、見逃して欲しい、
というのが本音だった。だが、まだデータ奪還と全員の脱出を果たしていない藍華としては、
彼女たちの気持ちはわかるものの、そのまま了承する訳にもいかない。間をとって
成立したのが、絶頂のうちに気絶させる、という選択肢だった。ところがこれはデルモたちに
とって、望外の刺激。すっかり病み付きになった彼女たちは犬吠島でも群がるように同じ
体験を切望する。あの時、警報が鳴り、司令が侵入者に気付くまでに、既に100人以上の
デルモたちが陶酔のうちに気絶の眠りについていたことなどは、まさに知る人ぞ知る
事実なのである。

107超初心者:2003/07/18(金) 22:53
小噺その50

色々なことがあったものの、平和裡に収まってみれば司令と藍華は大の仲良し。
デルモ・コーポレーションが軌道に乗り、仕事にも多少の余裕が出来るようになってからは
ふたり、週一ペースでカラオケボックスに通うほどである。そのレパートリーも中々広く、
慕情たっぷりの演歌から元ちとせ、バックストリートボーイズ、ブリトニー・スピアーズ、
tATuに至るまで何でもこい。今日もご機嫌上々にブリトニーの「Baby One More Time」で
盛上る。
…My loneliness is killing me
I must confess I still believe
When I'm not with you I lose my mind
Give me a sign
Hit me baby one more time…
ここで司令が悪戯っぽく笑う。
「Hit me baby はいいけど、もう、Knock me outはこりごりよ♪わかってる?」
藍華も爽やかな笑顔満面。「でもホントのところは
I lose my mind without your punch in my bellyなんじゃないの〜?」
横に立つ司令のお腹に軽く拳をあてる。「あぅ…」少し呻き声が洩れるのもご愛嬌。
悶絶というより悦楽の表情を湛えている司令である。これも今や、阿吽の呼吸を通り越し、
文字通り裸の付き合いをするふたりなればこそのじゃれあいか。時たま力の加減を失敗し
司令が気絶することになっても、ソファに眠る彼女に向かい延々ひとりで歌い続ける
というのだから、藍華も只々堂に入ったものというしかない。間奏の合間、気を失い半開き
となっている司令の口元へ唇を重ねる藍華。ボックスの怪しげなカクテルライトに
照らされながら、この濃厚な空間一体どこまで凝縮されるのだろうか…当の二人にも
わからない、ひと夏の一日なのである…。

108超初心者:2003/07/26(土) 19:51
小噺その51(1)

今日も仕事に打ち込む藍華。一心不乱にPCへ向かううち、早くも日はとっぷりと暮れ、
もう9時をまわっている。相田親子や道草は例によって定時退社、今静まり返ったオフィス
には、藍華の叩くキーボードの音だけがリズミカルに連なるのみ。とその時。
ピンポーン…静寂を破る玄関チャイムの音。そして再び、いや、再三。
ピンポーン・ピンポーン・ピンポーン…もううるさいわね、こんな時間に何よ、と不機嫌な
顔で席を立つ藍華。仕事が今一はかどっていないこともあって、ムシャクシャした思いを
そのまま夜間の訪問者へぶつけるつもりでいる。ガチャ。ドアを開けたところで目前の人物へ
投げる一言はしかし。「えっ!?」そこに立ち尽くしているのは、忘れもしないデルモたちの
リーダー、あの「司令」と呼ばれていた女だった。「あなた…」驚きはするが、さすがは
特A級サルベイジャー、決して取り乱すことなく、また寸分の隙もなく、眼前の白デルモを
見据えている。と、そこで司令は開口一番「ごめんなさい、突然に…」
ひょっとして犬吠島の意趣返しにやってきたのか、と内心身構えていた藍華にとっては
拍子抜けするほど殊勝な物言い。ざっと見渡したところ彼女以外に大勢のデルモたちが
潜伏している気配もなく、確かにひとりだけでやって来たのだろう、その彼女自身、只今の
姿勢として敵意は無さそうに見える。となれば戸口での立ち話も無粋なもの、大胆にして決断
早い藍華は司令を中へ迎え入れる。「こんな小さなビルだけど、私たちにとっては大変な
借金をして建てたのよ。もう、爆破するような真似は絶対しないでね」デルモたちがその
つもりなら、正面でチャイムを鳴らすようなことなどする筈がない。犬吠島の一件から半年、
その間まがりなりにも平穏が保たれている事からすれば、少しは彼女たち軟化したのか、と
一縷の期待を寄せもする。念押しめいたセリフは半ば冗談混じり、敢えて明るい顔を向けた
藍華。勧められるままソファに座った司令はしかし、強張った表情のままだった。
「どうしたの?あなたの好きな紅茶でも入れる…?」先ずはリラックスさせようと、軽く
紡ぎだす言葉を制し、ひしと藍華の両手を握り締める司令の目はこれ以上ない真剣そのもの。
「あなたしか、いないの。お願い、助けてっ…!」「ど、どうしたのッ…!?」
(とりあえず、ココまでで御座います^^;)

109副官:2003/07/26(土) 20:40
う〜ン、いい所で読み切り。
超初心者様、この続き物凄く気になります。

110超初心者:2003/07/27(日) 12:50
(2)
司令はあの白デルモのコスチュームそのままである。以前、彼女がここKKコーポレーションを
訪れた時には、藍華たちを欺きおびき寄せる為に、もっともらしい身なりをしていた。それを
思えばこの度は一切策を弄していないということ、よくよく差し迫った事情でもあるというの
だろうか。藍華が更なる疑問を投げかけるより早く、司令が堰を切ったように語りだす。
「私…あなたとの決着を諦めたわけじゃない…でも…でも…今は…助けてほしいの…」
随分虫のいいお願いだ、と突っ込むのは容易いが、白デルモの瞳に宿る必死の思いには一点の
曇りもない。藍華は穏やかな視線の内で、暫くの聞き役に徹しようと考える。
「時期がきたら、あなたと私、1対1で決着をつけるつもりだった。でも、それは決して命の
やりとりではないわ。今まであなたが、何度も闘い勝利しておきながら私たちの命を奪おうと
しなかった事…悔しいけれど、とっても感謝してる。だから…あの時、部下たちには、
もうこれ以上あなたに関わらないよう命じたの」本題に入る前の口上としては少し長い気も
するが、藍華は黙って聞いている。この半年、何事も無く普通の生活が営めたのは、この女
の命令が行き届いていたからだ、と確認出来ただけでもひとつの収穫。この先彼女が単独で
自分に勝負を挑んでくるというのなら、それもいいだろう。白銀基地での時同様、多少
苦しい目にあってもらい、再度の気絶と共に今度こそ全ての確執を洗い流してもらいたいと
願う。それより今回の用向きは何なのだ…?藍華が念ずると、これも以心伝心というべきか、
司令の言葉がいよいよの核心に入る。「実は…ニナ・エスコと、彼女の部署の仲間たちが
…さらわれたの…」「え、えぇーッ!??」思わず声が出てしまうのは仕方がない。
「どういうこと、それ…??」平素は落ち着いている司令だが、この瞬間まだ高ぶる情を
抑えきれていない、早口にここまでの顛末を乱雑に並べゆく。即ち、自分たちデルモゲニィが
犬吠島以降、デルモ・コーポレーションという会社を興し、基地にいたデルモたち全員で
懸命に働いてきたこと。ハーゲンの計画は放棄され、この地球に根ざした活動に終始している
こと。ところが昨夜未明、会社が謎の武装集団に襲われ、コントロール・ルームや
オフィスフロアで残業していたデルモたち数十人が気絶させられた、ということ。その時、
研究開発本部で働いていたニナ・エスコと助手の黒デルモたちも同様に気絶させられ、どこへ
ともなく連れ去られてしまったということ。1枚の置手紙があり、このことを警察などへ
通報すれば人質の命はない、と書かれていたことを…。(又してもココまでデス〜^^;)

111副官:2003/07/27(日) 22:23
物語の途中でお邪魔をいたします。

私は、AIKa続編が製作された場合、そのストーリーについて次の様に考えておりました。

藍華対デルモのバトル繰返しではなく、第三の敵(例えば、ラグ情報を奪還する為、
本国から秘密部隊が送られてくる)が現れ、藍華とデルモは反目しつつもある時は協力して敵に当る。
(サイド・ストーリーとしてデルモ達の百合をタップリと挿入)
最後、藍華とデルモに友情が芽生える/或いは「お互いに相容れない」と改めて確信する。
か、どうかは流れに従うとして、新展開には新たな敵の出現が必須と思っておりました。

今回「謎の存在」が現われ「流石は超初心者様」と快哉を叫んでおります。
超初心者様の続きを大いに期待しております。

112超初心者:2003/07/28(月) 19:33
(3)
ぽたり。藍華の手の甲に大粒の雫が落下する。知らず、司令の目尻には今にも溢れんばかりの
涙が浮かんでいた。すがるような思いからか、彼女は藍華の両手をぎゅっと握り締めたまま
離さない。小刻みな震えがその手を通じて伝わり、司令の窮地を如実に物語る。そんな彼女の
言葉を頭から疑いはしないが、さりとて藍華にとり腑に落ちない点が無い訳ではない。
デルモゲニィと言えば、かつては軍隊相当の組織だったのである。青デルモたちをはじめ、
今日まで引き続き武器を携帯している連中が大勢いても不思議ではない。素手の黒デルモたち
にしても、あの駐車場で屈強な男性ガードを倒す程の格闘術を身につけている筈である。
それなのに、数十人ものデルモたちがこうもあっさりと気絶させられるなどとは…。第一、
謎の武装集団とは一体何者なのだ。動機は…?次々と浮かぶ藍華の当惑を視線の内に
読み取ったのだろう、少し落ち着いてきた司令が補足の言葉を添えていく。
「これも罠だと思ってるんでしょうね…そう思われても仕方がないけれど…」そんなこと
ないわ、ただ状況がまだ良くわからないから、と慌てて返す藍華を見つめ、そうだ、この人は
一々疑ってかかるような人ではない、もっと大胆な人だったんだ、と思い出す司令。
「会社が襲われた時、私と副官はマンションに帰っていたの。だから、細かい状況は私も
わからない。気絶から目覚めた仲間の緊急連絡を受けて駆けつけたのは、もう3時間もたった
後だったのよ。それでも皆の出勤時刻にはまだ早いのが幸運だったわ。会社全体がパニックに
ならないように、他の仲間には、まだこの事を伏せてあるの」
「彼らは重武装していたらしいわ。最初に催眠ガス弾が打ち込まれ、みんな全く抵抗出来ずに
朦朧としているまま、一人残らず当て身の一撃を受けているの。あっという間のことで銃で
応射する隙もなかったらしいし。気がついたら、研究開発本部フロアの仲間たち全員が、
いなくなってた。でも、館内モニターカメラには、ニナ・エスコや部員たちが彼らに倒され、
肩に担がれて拉致される映像がはっきり残っていたわ…」
「彼らの正体はわからない。全員ガスマスクをしていたし、人数が20人くらいだったという
ことと恐らく全員男だった、ということくらいかしら。あの手際のよさは、きっとどこかの
特殊部隊なんだと思う。ただ、そこまでしか手掛かりはないの」(ココまでデス〜^^;)

113超初心者:2003/07/30(水) 18:49
4)
ひとしきり事情を語り終えたところで、もう一言を加える司令。「皇藍華を倒そうと
意気込んでる私が、こんなことまで告白することになるなんて…ホントに情けないわね…」
無理にでも口元に笑みを浮かべたのだろう、が、照れ混じりに取り繕おうとする口上とは
裏腹に、彼女の涙腺は正直だった。内奥からこみ上げる激情のままに、滝のような涙が頬を
伝う。頑強に笑顔を保ちながら、ぼろぼろとこぼれる涙のアンバランス。「う…うぅ…」
どうしても差し挟まってしまう嗚咽と共に、小さく肩を震わせている。そんな、
うつむき加減な彼女の顎にそっと触れる左手。「…?…」びっくりした表情を向けた先には、
藍華の柔和な顔がある。そのまま二人の唇接近し、深い口付けに至るもまさに自然な
成り行きというものか。「う…うう…んん…ん…」とろける程に絡み合う舌。恍惚のうちに
閉じられた目。いつ終えるとも知れぬ時の連なり、数分が数時間にも思える熱い接吻では
あろうがしかし、ここにも無情の終焉は訪れるものである。とろり。吊り橋さながら粘りつく
銀糸のアーチを描き、一旦の解除を止む無く受け入れる二人。胸の鼓動高鳴ったまま、
しばらくじっと見詰め合えば司令が僅かに微笑み、これで4度目よね、とつぶやく。
民間企業を装って副官と共にKKコーポレーションを訪れたのが1回目。白銀基地で藍華の
ショック銃を腹部に押し当てられていた刹那が2回目。犬吠島基地の崖から見おろしていた
時が3回目。こうしてお互い、まじまじと見据える瞬間を今更ながらに振り返る。それでも、
司令の顔に僅かな元気が戻りきたことを確認し、藍華もにっこり。「いいのよ、5度目6度目
があったって。私を倒すことに執念を燃やしてるんなら、これで最後じゃないんでしょう?」
「そうね…今度こそはあなたを倒す時に、ゆっくり余裕で見つめていたいわ。気絶させた
あともたっぷりとね…」(ココまでデス〜^^;)

114超初心者:2003/08/03(日) 10:33
(5)
好敵手という言葉がある。では、この白デルモをもってそう表現するのが相応しいのか…
まだ、藍華にもわからない。この先、互いの間柄がどうなっていくのか、その実さしたる
イメージすらないのである。それでも今、藍華が無言のうちに司令を見る目には、どことなく
暖かい情がこもる。そうね、責任感の強いあなたは、決して私との闘いを投げ出したり
しない。二人水入らずの勝負を挑んで、私を倒したいっていうあなたの気持ちもわかる…
気絶した私をたっぷりと見つめたいですって?はい、はい。もし私が敗れれば、あなたの
お望みのままよ。きっと眠っている私とゆっくり唇を重ねるんでしょう?……
藍華はかつて、リエの操る加速機の強大な遠心力加重で気を失ったことがある。それは当時、
同じ基地内にいた司令も周知の一件。ところが、これは彼女にとって、リエ程の満足を
もたらす展開ではなかったということか。自らの手で藍華を気絶させる。これこそが司令の
達成感につながる唯一の道なのであろう…
わかった、わかった。あなたとは何だかんだ、あったことだし。私だってみすみす倒されは
しない。でも、気のすむまで闘って、どちらかが気絶することになっても…私、あなたの
ことがやっぱり気になるの。おかしなものね…とりとめない思索のループも放っておくと、
きりがない。ここまでで一旦留め置き、司令の持ち込んだ課題の整理に着手する藍華。
「ところで、その武装集団だけど…心当たりは全くないの?ニナ・エスコたちの研究と何か
関係があるとか」「あの部門の研究はどれも優れたものだわ。でも、特別に軍事利用される
ような内容じゃないと思う」「一応聞くけど、もうラグエネルギーで地球規模の大災害を
起こす、なんてことは考えてないわよね?」「ええ、そのことは心配しないで。今私たちは
この地球に根ざした活動をしてる。確かにラグのノウハウを利用しているけれど、もっと
生産的な開発研究を通してでも、ハーゲン様の志は立派に生きると信じているの。ホントに、
地球の未来をこよなく思っていたハーゲン様だったのですもの…」再び感傷の世界に
入りそうな司令を、慌てて現実に引き戻すべく藍華の一言が飛ぶ。「ちょっと、あなたたち、
ひょっとして…ラグ・リアクターを再建したの…!?」「ええ」事も無げに返答する司令。
(ココまでデス〜^^;)

115超初心者:2003/08/04(月) 20:29
(6)
ラグ・リアクターといえば、かつてホーリー・ファックス号内に据えられ、艦の爆発と共に
消滅した筈。天才ハーゲン博士だけが実現を可能とした、人類史上初にして唯一の画期的
ユニットであった。それが、デルモたちの会社によって再建されている。恐らくは、既に
細密な構造やスペックが博士から引き継がれていた為に成し得たものだろうが、それは同時に
受け継いだ側のデルモたち、特にニナ・エスコを筆頭とする研究部門スタッフの優秀さを
示すものでもある。藍華としては今更ながら、彼女たちの科学力に対して舌を巻くところ
だが、ことラグというキーワードになると、どうしても敏感に反応してしまう。デルモたち
との闘いに自分が巻き込まれたそもそもの原因がラグ。当時から某国特務機関が執拗に
追っていたラグ…こうした今までの流れから、藍華が今回の事件と関連づけて考えるのは
至って自然な発想だったのかも知れない。「どうも、その辺に鍵がありそうね…」
「ラグのこと?私たちは軍事利用なんてしていないのよ。どうして狙われるの…?」きょとん
とした顔の司令。漸く元気になってはくれたようだが、ついでに人の良さも復活という
感じか、藍華は如何にも純朴な司令の言葉に内心苦笑を禁じ得ない。あなたたちが
軍事利用しないからといって、周囲が放っておくとは限らないじゃない。これだから、
苦労知らずのお嬢様司令官は…と思いながら、表にでる言葉には一応の気をつかう。
「ハーゲン博士は以前ラグ・エネルギーを使って、強力なビーム銃やラグ砲弾を作ったことが
あったわよね。そして、その存在は某国軍も知ってるんでしょ?ということは、今度
の一件にも連中が一枚絡むってこと、考えられるんじゃないかしら…」いつも思いつきで
話す藍華にしては珍しく当を得たセリフである。が、司令はまだ腑に落ちない様子。
「でも、侵入者たちは社内にあったラグの施設に一切手をつけていないのよ。破壊も略奪も
してないの。それに某国は、とっくにクライアントを経由してラグ・データを受け取って
いる筈でしょう?どうして今ごろになってこんなことする必要があるの?」ここにきて
司令の言にも多少の説得力がある。非軍事仕様のリアクターを盗み出したところで、武器
めいたものは作れない、とも言う。しかし、藍華の返事には何故か不思議な自信があった。
「問題なのはリアクターを作れるあなたたちの能力そのものよ。データだけあっても、
彼らの技術では肝心の兵器が完成出来ない、としたら…?」(ココまでデス〜^^;)

116超初心者:2003/08/06(水) 20:07
(7)
「そ、そんな…」動揺する司令の肩に片手を置き、藍華は顔を少し近づける。再度の接吻では
ない。ここからが大事なところと、やや声を落とし、一言ひとこと含むように語るのである。
「落ち着いて考えてみて。あなたたちのずば抜けた技術力がライバル企業の間で話題に
なるってことは確かにあるでしょう。そうした企業にはつきものの裏の顔として、産業スパイ
もどきの暗躍ぐらいする奴らがいるかも知れない。でも、20人もの大規模集団で、それも
こんなに荒っぽく仕掛けたり10人以上の人間をさらったりするなんて、どう見ても民間の
発想じゃないわ。あなただって、どこかの特殊部隊だと睨んでいるんでしょう?そうなると
残りは軍関係者ということになるわよね。それも、あなたたちの才能を既に目の当たりに
していて、今それをどうしても必要としている連中。となれば、ラグの威力を知っている
某国軍が一番怪しいと思わない…?」一気に言を進める藍華としても、勿論確たる物証は
ない。あくまで消去法に基づく推測を並べたに過ぎないとも言えようが、ただあても無く
途方に暮れるよりはマシである。聞き入る司令もうっすらと希望の光点を見出したのか、
その瞳には輝きが宿り、真っ直ぐ藍華を見つめながらこくりと頷く。
「ええ。探ってみる価値はありそうね…」
ひとたび意見が一致すれば、その後は優秀な女性同士、てきぱきと対応策をたてる二人。
司令は本国軍周辺を、藍華はクライアントの動静を密かに調べ、今回事件との関わりを着々と
あぶりだしていく。すると、程なく一つの焦点が浮かび上がった。それは南海のとある小島。
定期便など全くないこの島へ向け、最近日本から一機の自家用ジェットが飛び立ったという。
時期は丁度事件が起きた直後、しかも機の持ち主は例のクライアント筋、と嫌疑の余地は
充分。その小島近辺では更に、妙な現象が見られるという情報も飛び込んできた。この
地域では本来あり得ないオーロラ状の放電が上空に漂っていた、という噂がたったのである。
それはすぐに消え、現地目撃者の誤認だろう、とあまり問題にもされなかったようだが、
藍華や司令にとってはすぐにピンとくる。きっとラグを持ち込んだのだ。そして、秘密裏に
ラグ兵器の開発をしているに違いない…加えて、その海域に某国軍艦艇が頻繁に航行している
というネタまで仕入れたところで、二人の疑いは限りなく確信に近づく。ニナ・エスコたちは
きっとその島に囚われているんだわ…。

117超初心者:2003/08/06(水) 20:08
(8)
100%ではないにしろ、限りなくクロということになれば、自ずと司令のボルテージも
盛り上がる。ついさっきまで憔悴しきっていた人物とはとても思えない、デルモゲニィの
総力を挙げて人質を奪還するわ、と意気軒昂この上なし。と、そこで口を挟む藍華。
気持ちはわかるけど、ここは私にまかせて、と穏やかに申し出る。
「どうして!?大切な仲間なのよ。今頃なにをされてるかもわからないし、拷問を受けてる
かも知れないわ。私たちが行かなければ…」司令の反応は至極真っ当だが、ここはひとつ
冷静さも必要よ、と藍華は続ける。「警察へ通報するだけで人質の命はないってメッセージを
残しているのよね?危険な連中だわ。あなたたちが大掛かりな作戦行動にでれば、本当に
ニナ・エスコたちを殺すかも知れない。軍の特殊部隊ならやりかねないから」
「じゃあ…じゃあ、どうすればいいのっ…!?」藍華は自分のアイデアを訥々と説明した。
曰く、ハーゲン博士が某国艦隊と一戦交えた後は、デルモたちも某国軍から敵性勢力と
見なされている筈だ。それが今日まで彼女たち身辺の安全が維持されてきたのは、日本という
主権国家に身を置き合法的な会社組織になっていたということと、もう一つ大きな理由。
即ち泳がされていたのではないか、という懸念である。であれば、今回の事件で派手に
巻き返しの動きを見せれば、すぐにも彼らの知るところとなり、最悪証拠隠滅を兼ねて
口封じの挙にでるかも知れない。そう考えれば、まがりなりにもクライアントの信頼を得て
いる自分が単独で相手の懐に飛び込み、人質の身柄を確保するところから入った方がよい、
と言うのである。「でも、首尾よく潜入出来たとして、そこからどうやって脱出するの、
10数人もの仲間を連れて…」と司令。「その時こそ、オルタネート・メタルの出番だわ!
今度は私も積極的に変身する。自由に変形するメタルの壁でニナ・エスコたちを彼らの
銃砲弾から守ってあげられる。もうラグ・ビームにすら耐性が出来ているんだもの、どんな
攻撃を受けても絶対大丈夫よ♪」自信みなぎる藍華を見据え、この人ちょっと調子
良すぎるんじゃないかしら、とは思う。しかし目下のところ他に妥当な手段が思い浮かばない
のも事実。変身した藍華の威力を熟知している司令として、最終的には彼女へ全てを託す
決意固めたのであった。(ココまでデス〜^^;)

118超初心者:2003/08/07(木) 01:00
(9)
そのころ。囚われのニナ・エスコたちは鈍い重低音轟く広大な工場の一角で、巨大な装置に
向き合っていた。窓ひとつなく、そこここに種々の機器やコントロール・パネルがぎっしりと
ひしめく物々しい空間。隅に1箇所だけあるエレベーター・ホールの壁面にB9とあるところ
を見ると、地下相当に深いのであろう。彼女たちの周囲にはいかめしい軍服を着込んだ大勢の
男たち。勇壮な髭をたくわえた佐官クラスが数人、あとは皆、銃を構えた兵卒や尉官クラスが
ずらり並び立つ。何丁もの銃がデルモたちへ突きつけられており、命令一下即火を噴く状況で
あること明らか。厳戒体制にあるここは実に秘密基地以外の何ものでもなく、更に言えば
藍華や司令が目星をつけた、例の怪しい小島の地下に建造された施設そのものなのである。
あの襲撃と誘拐はやはり某国軍特殊部隊の仕業だった。クライアントの内偵によってラグ・
リアクター再建を察知した某国軍があの夜ターゲットとしたもの…それは、まさしく藍華の
読みどおり、ニナ・エスコたちの頭脳。ラグ・データは入手していたものの、その兵器開発に
必要なプロセスがどうしてもクリアできず、あの暴挙に至ったという流れもそのまんまで
ある。とはいえ、彼らも多少は巧妙だった。事件が表面化しないように、日本での殺人行為
だけはしない、と決めているように見える。仮に一企業であるデルモ・コーポレーションで
大量殺人など起こせば大事件として取り上げられ、万が一にも捜査当局に足がついたり、
或いは逆上したデルモゲニイ組織が捨て身の復讐に転じるかも知れぬと計算しているからで
あろう。それでも、社内に居合わせた全員ひとり残らず気絶させることで、デルモたちに
恐怖心を植え付け、その後の彼女たちの動きを封じる効果充分ありと踏んでいたのは
間違いない。要するに今は殺さない、ラグ兵器の開発が成就するまでは、というところで
ある。ここに連れてこられたデルモたちも、そのあたり薄々感じ取っているのか皆一様に
顔面蒼白、まだ足の震えが止まらない者も何名かいる。(ココまでデス〜^^;)

119超初心者:2003/08/07(木) 13:53
(10)
「状況はどうかね、ニナ・エスコ君…」機器に向かう白デルモへ軍幹部と思しき男が声を
かける。恰幅よく、立派な髭を誇る男。有り余る権威と自信からか、余裕しゃくしゃくの
物言いである。デルモたちがこの基地へ到着して1週間。見下したような男の言葉を
震える肩ごしに聞くニナ・エスコは懸命に堪えていた。ここに連れ込まれた当初、武器開発の
命令を当然の如く拒否したデルモたち。そこから彼女たちの苦難は始まる。といって、軍の
側もどこかのC級映画よろしく、悪逆非道を絵にかいたようなステレオタイプではない。
緩急取り混ぜ、一応説得めいたアプローチも行っている。使いようによっては、ラグは核を
上回る破壊力を持つだろう。今、世界中に核が拡散している中、今度の兵器が完成すれば、
最終的な抑止力を発揮することになる。ひいては地球の平和に役立つものなのだ、と。
それでも、聡明なニナ・エスコにとっては言い訳にも値しない。手前勝手な理屈でしょ、と
忽ちに論破されれば、軍としてお定まりの「力の行使」という代物にエスカレートする。
3日目のことだった。「どうしても協力してもらえないんじゃ、仕方がない。こんなことは
したくないんだが…」大佐と呼ばれていたその幹部は傍らの兵卒たちに向け、顎をしゃくる。
銃を突きつけられたまま別室へと移されるデルモたち全員が見たものは…ハーゲン艦以来の
お仕置きルーム!壁にはX字型の磔枠、部屋の中央に跳び箱風の木馬、その他、鞭や板切れ等
が所狭しと並び、哀れな女たちを待ち受けているのだった。ネーナの仕置きには慣れっこ
だった黒デルモたちも、いかつい男たちに囲まれた今回はさすがに縮み上がる。いわんや、
お仕置き経験のないニナ・エスコはもう心臓が飛び出るほどの恐怖に襲われていた。しかし
特殊部隊の兵士たちは無表情のまま、ひとりのデルモを選び出す。まさに典型的な見せしめの
手法、いま悲運の女は…黒デルモ”えり”。「いやああぁぁぁっ!」泣き叫んだところで
屈強な男たちに左右がっしりと掴まれれば抵抗らしい抵抗も出来ず、そのまま壁面の拘束枠に
連れていかれ、四肢目いっぱい広げた姿に固定される。と、そこで彼らが持ち出すのは藍華も
用いていた電撃棒。それを何と、女性の股間、純白パンティに覆われた深遠の花園に押し当て
ようとしているのである。「や、やめてえええぇぇっ!!!」(ココまでデス〜^^;)

120超初心者:2003/08/08(金) 11:52
(11)
黒デルモ”えり”。彼女は生来おとなしい女性だった。デルモゲニィに加わるまでは、学校でも
全然目立たないコだったと言われている。大災害で多くの会社が水没し、一家が失業苦に
あえいでいたあの時、バイト感覚でデルモを志望したクラスメート”みさき”の軽い誘いに
乗った彼女。親友ではあるが、何かとソツない”みさき”に比べ、不器用な”えり”はそれからの
順応に人知れず苦労することが多かった。格闘訓練に疲れ、ひとり、部屋の片隅で膝を組んで
涙すこともしばしば。そんな時は決まって、以前から大事にしていた一冊の本を開く。
F・バーネットの名作、小公女。両親からは充分な愛を受け心身とも健やかに成長した
彼女が、デルモゲニィの理念に共鳴しつつもある種の葛藤に悩むひと時である。
そんな彼女だから、多少格闘術を学んだところで心の内にある真面目さ、優しさは決して
失われることがなかった。組織の頂点に立つハーゲン博士は、例の調子のカリスマぶりだが、
意外にデルモ各人へ干渉することがない。一人ひとり皆、高貴な処女を保ったまま不思議な
共同生活に入り、今日に至っているデルモたち。そんな中、他の仲間たち同様”えり”の
実戦経験はここまでほろ苦いの一言に尽きる。あの地下駐車場では自らの気持ちを
奮い立たせて藍華へ向かったが、早々に廻し蹴りの一撃を食らって気絶した。しばらくして
目覚めれば待っていたのはネーナのお仕置き。壁に磔にされ、鞭打たれ、苦痛と快楽ないまぜ
なまま再び気を失う。その後、ペロロンカ・ホテルでは厨房での闘いで藍華の両足キックを
腹部に受け、これまた気絶。何度も何度も自分の不甲斐なさを嘆いた”えり”である。だが
同時に、心のどこかでこうも思っていた。どんなに非力でも一生懸命頑張る。その結果、
闘いに負けてもそれは仕方ない、と。彼女なりに全力で臨んだ闘いに、藍華の方も容赦ない
技で返していることにはなるが、”えり”の受け止め方はここでややニュアンスが異なるもの。
中々説明しづらい感覚だが、どうも当て落とされる瞬間、藍華の愛を感じているらしい。
もしその事を藍華当人に伝えれば、鼻高々でこう言うだろう、今ごろ気がついた?私だって
あなたたちの事を気遣いながら気絶してもらってるのよ、と。藍華やネーナとの間では
そんな、ほろ苦くも微かな甘さが記憶に残っていた。しかし、只今は全く状況が違う。
眼前の男たちの無機質な表情を見るにつけ、今までの自分がどんなに恵まれていたか、
この瞬間つくづく思う。手段を厭わない、どこまでも冷徹で非情な責めの前奏曲。もう私
このまま死んでしまうの?…私…わたし…まだ死にたくない…!
激しく首を振って大粒の涙を飛び散らかす黒デルモ。年若い彼女の脳裏に死の覚悟を
刻み込むとは、拷問の常といえども、あまりに酷い仕打ちと言えるだろう。(ココまでデス

121超初心者:2003/08/08(金) 18:09
(12)
”えり”に張り付いた兵士は、まずスイッチオフのまま電撃棒を、ゆっくりパンティに添える。
「や、やああぁぁッ!」泣き喚く黒デルモに構わず、そのままぐいと押し付ける男。柔らかな
秘肉を覆う真白の布地が圧力に負けて大きく陥没し、無礼極まる異物に渋々の道をあける。
そこのけとばかり侵入してくる棒のあおりで、周辺の双璧は左右に大きく拡げられ、梨界の
辺境に端座する聖なる蕾までが思わぬ刺激に福与かな膨らみを見せていること、布ごしにも
手に取るようにわかる。「あ、はああぁ…」極大の恐怖。にも拘わらず快感の炎が下半身に
着火する矛盾と屈辱。パンティの溝にずっぽり埋まる棒の先端、兵士がもう一押しすれば
彼女の処女は失われ、その証しとなる鮮血が滲むところである。が、一転。黒デルモの
局部から棒を離す。束の間の平穏にほっと一息つく女の目にはしかし、スイッチを押す兵士の
指が否応無く飛び込んでいた。「バチバチッ」「きゃああああぁッ!…」もう駄目、とばかり
あげた絶望の悲鳴だったが、次の瞬間「?」それは彼女の身体から1メートルも離れたところ
でのスパーク、これでは直接の被害など全くない、ゼロである。どういうことか不審がる
間もなく、相変わらず無表情な男はただ事務的に告げるのみ。
「今のが最小電圧だ。これをそこでやればどうなるか、わかるな?」ベタな脅しだが
黒デルモの背筋を凍りつかせるには充分過ぎるほど。「やめ…て…お、お願い…」
もう涙も枯れようとする”えり”。それこそ泣く子も黙る特殊部隊の兵士に対して、このような
哀願が効果ないことも重々わかっている。それでも今は…この言葉にすがるしかない。実際
男の言うように、あの電圧をか弱な秘所に受ければどうなるか。確かに命失うまでには
至らないだろう。けれど逆に、一時的な失禁というレベルで済むだろうか。女性にとって最も
デリケート、最も大切な部位である。赤子を授かり、そして産み落とす神聖の門。それが、
果たして無事に保たれるものなのか。この衝撃が原因で不妊症になってしまったら…!?
「い、いやっ…いや…いやあっ!!」”えり”は必死で首を振っている。(ココまでデス^^;)

122超初心者:2003/08/09(土) 08:54
(13)
絶望の悲鳴をあげている彼女を他のデルモたち、とりわけニナ・エスコが平然と見据えて
いられるわけがない。やめて、やめさせて!と傍らの大佐に訴える。当然わざとであろう、
聞こえぬふりをする男に、涙目のまま何度も繰り返す白デルモ。すると大佐は、おもむろに
顔を向け、悠然と返すのである。「それは君次第だよ。だが、部下のひとりくらいで、
そんなにムキになるかねえ」嘲け笑うような男の言葉に、内心は怒髪天をつくニナ・エスコ。
それでも、ぎりぎりのところで感情を押し殺し、控えめな口調で願い出る。「私たちはもう
平和に暮らしているのです。だから、彼女をこれ以上責めないでください。お願いします…」
フフン、と鼻をならす大佐の口からは、ここで少し長めのセリフが付け加わる。
「今は平和に暮らしている、か。結構なご挨拶だが、じゃあかつての海戦で我が軍の艦船を
破壊し千名以上にのぼる将兵の命を奪ったことはどうなのかな?忘れたとは言わせないぞ。
それを考えれば、今の君たちに、とやかく注文を出す自由も権利もない筈だがね」
「そのことは…不幸なことだったと思います。でも、先に砲撃してきたのは…」
「そっち、といいたいのか。成る程、ひとたび戦争行為になればそれなりの条約規定が
あるからねえ。国際法上では、君たちを一方的に断罪する訳にもいかんだろう。だが…
生憎ここは法廷ではない。君が協力するかしないか、それであの女の命運が決まるだけ
なのだよ…」表向き穏やかな二人の会話を、他の黒デルモたちは、ひたすら固唾を呑んで
見つめている。彼女たちも絶対の苦境に立たされている友を救いたい気持ちはやまやま、
しかし、銘々に冷たい銃口が突きつけられている現状では身動きすることもかなわない。
一方、この部屋にいる数十人の兵士たちがすべからく戦闘マシーンのような鉄面皮で
占められているかといえば、必ずしもそう言い切れないあたりが人間らしいところ。
ひとり、部屋の隅に不動の直立をする若い兵士は、緊張の面持ちながらその眼差しに逆巻く
ような葛藤を抱えていた。基地へ連行されてきてからこの三日間、工場設備の前に
引き出される以外は一人ひとり独房に収容されていたデルモたち。兵士が一人ずつ個々の独房
を警備監視する役回りを与えられ、その中で彼は”えり”の房を受け持っていたという訳で
ある。最初のうちは警戒怠らなかった彼も、二言三言ことばを交わすうち彼女の人と生りが
少しずつ見えてくる。情が移ると言ってしまえばそれまでだろう、が、彼の目に映る”えり”は
決して凶悪な罪人ではない、あくまで普通の、どこにでもいる若い女性そのもの。彼女が
徒党を組んで犯罪行為に走るとはどう考えてもイメージ出来ないのである。
むしろ大人しく気心の優しい女の子ではないか、このコが果たしてあの砲撃戦に加わって
いたのか?どうにもこうにも信じられないし、彼の思惑を置いて、実際の事実関係から
みても彼女はシロ。ニナ・エスコが言うように、最初口火を切ったのは某国軍の方で
あったし、あの時ラグ・シールドが為されていなければ逆に彼女たち全員が海の藻屑と消えて
いただろう。また、応射した責任は当然、命令したハーゲン博士が負うべきものである。
つまり、あの一件でデルモたちに軽微な罪はあっても、苛酷な拷問をもって償うほどの重大性
はない。そのあたりが、直感とはいえ彼の心臓を締め付ける。”えり”…許してくれ…。

123超初心者:2003/08/09(土) 08:55
(14)
大佐とニナ・エスコの会話は続いている。「…ラグ照射の件は私たちの思い上がりでした。
そのことで裁きを受けるというなら、どこへでも出向きます。でも、それはこんな形で
あなたたちに協力することじゃありません。そもそもハーゲン様は、ラグを核以上の
最終兵器に仕立て上げ互いに殺し合い、地球を破壊する人間たちへの反感から、あの計画を
立案されたのです。今あなたたちがやろうとしていることは、あの時の私たちと同じでは
ありませんか…」聞き入る素振りの大佐は相変わらずの余裕だが、心の内ではこの娘、中々
頭が切れるわい、と小憎らしい思い。確かにこの女の言うとおり、軍として暴走する力の専横
は随所に見られると自認する。ラグの独占入手を図ったのは、勿論世界の中での軍事的優位を
狙う為。抑止力などと言ってはみたものの、大災害によるダメージで各国の利害がますます
激突する今日ではそんなもの飾り程度でしかない。正義など勝てば官軍の世界、要は
軍事的勝利だけが確かな正義なのだ、と。また当初、軍内部で開発メンバーの中心に
据えていたハーゲン博士を実は最初から信用せず、藍華にとってのクライアント、即ち別系統
の特務機関にラグ探索を命ずる二股膏薬からは、モラルなどまるで無視、目的の為には一切
手段を問わない軍の非情な体質が浮かび上がる。ハーゲン艦に送り込んだメイピアのことも
そう。いざとなったら簡単に切り捨てる冷酷さもあの時本国司令部にいた大佐の良く知る
ところである。クライアントがガストたちに、藍華やりおん共々宇宙戦艦を破壊をする旨
言い放ったのも、そうした軍の姿勢を如実に表わしているものといえよう。
ふ…この小娘の言うとおりだ…だが、それがどうしたというのだ。不敵な笑みを浮かべる
大佐が漸くに沈黙を破る。
「さてと、君との議論もここまでだ。そろそろ時間だよ。返事はどうなのかね…?」
言いながら、大佐は”えり”の側にいる兵士の方へ顔を向ける。「私が三つ数えたら、やれ」
「はっ。大佐殿」再び電撃棒を近づけようとする仕草に”えり”は半狂乱。どうして、どうして
なのッ…こんな…これは…ゆ、夢だわああっ!!錯綜する疑問。現実逃避の幻想夢想。今や
彼女の肉体だけが、ありのままを物理的に受け入れる刹那である。
「えりっっ!」「えりィィィ!!」秒読みの中で口々に声を振り絞る黒デルモたちは”えり”の
方へ足踏み出そうとするが、ピタリ胸元に押し当てられた銃口に妨げられ、無念の棒立ち。
やめてください!を必死に繰り返すニナ・エスコの訴えを見て、自分も白銀基地の階段で
同じ言葉を口にした記憶がある、と気付くような余裕は、今の黒デルモにもさらさらない。

124超初心者:2003/08/09(土) 19:13
(15)
そのニナ・エスコも、やめてください、の次に「やるなら私を責めて」と言い切れないのが
今一迫力不足。正直なところ、こんな修羅場に慣れていない彼女としては、恐怖に
押し潰されまいと堪えるのがやっとということか。”えり”の身代わりを自ら申し出る勇気は
残念ながら持ち合わせていなかった。勿論頭の中では、大切な仲間を救おうという気持ちに
偽りなく、自分が進んで身を投げ出そうとも思う。が、身体が、足が、口が…言うことを
きかない。こんな自分が、本当にもどかしい。情けない。無為な涙だけがぼろぼろと頬を
伝う…大丈夫よ、”えり”。彼らは命まで取らないし、きっと大きな怪我も負わせはしないわ。
だってそうでしょう?あなたも同じ研究開発チームの一員なんですもの。あなたにもしもの
事があったら連中だって困る筈じゃない…胸の奥で唱えながら、じゃあ何故自分が前へ
進み出ない、と責める内奥の声があがる。そんな言い訳でごまかすのか、その楽観に何の
保証がある。そうやって自分を無理やり納得させようとしたところで、見殺しにしている
お前の姿は醜悪以外の何ものでもない…と。そんな白デルモの極まる苦悩などまるで
お構いなく、秒読みは最終段階へ。「さあーーーーー……」伸ばす音が「ん」まで来た
ところで、黒デルモのパンティにあてられている電撃棒のスイッチが入るのは間違いない。
「いやああああああぁぁぁぁぁ……」声枯れるまで止め処なく続く”えり”の悲鳴。
見守るデルモたち全員、そして部屋の片隅に立つあの若い兵士までが張り裂けるような思いの
まま、この理不尽に引きずり込まれようとしていた。秒は既に切っていたコンマのかけらで
ある。と、限界の際まさにぎりぎりの瞬間。「わかりましたッ。協力します!」早口に、
しかしはっきりと大きな声量で放たれるニナ・エスコの返事。大佐は間髪おかず片手を挙げ
彼を凝視していた実行役の兵士も即座にスイッチから指を離す。黒デルモにとって最悪の
危機は回避されたようにも見える。が、彼女は既に放心状態だった。何度も突きつけられる
電撃棒の暴虐に、神経が参ってしまったのである。ぽた、ぽた、ぽたっ…股間を覆うパンティ
からしみ出す生暖かい液体が、真下の床へ規則正しい水滴となって落下する。
涎も流れ出す半開きの口に虚ろな目。いや、彼女の尊厳の為に付け加えれば、決して精神に
異常をきたしたわけではない。ただ、この時点では自らの代謝を律する気構えが一時的にせよ
削がれたということ。乙女として恥ずかしく思う心も暫時棚上げである。(ココまでデス^^)

125超初心者:2003/08/10(日) 11:26
(16)
究極の選択に、断腸の思いで服従の意を表わしたニナ・エスコ。白デルモは、全身の力が
抜け、へなへなと床へへたり込む。見下ろす格好の大佐は、勝ち誇った顔で自慢の髭を
なぞるのである。「やっとわかってくれたようだね。私も一応フェミニストなんだ。あんな
無粋な道具、使わずに済めばそれに越したことはない。だがね…」「まだ何かあるの?いう
こと聞いたじゃない!?」下からキッと見据える白デルモに対して、大佐の方は含み笑い。
「最初から快諾してくれれば、こんな手の込んだ事はしなくてもよかったのだよ。貴重な時間
と労力を消費したんだ、その利息分くらい、あのコにも払えるだろう…」何をするの!という
ニナ・エスコの叫びと大佐の合図が同時だった。−−ドスッ「うッ…!」”えり”の腹部に沈む
兵士の拳。電撃棒を持っていない左腕をストレートに突き込んでいる。短い呻きと共に女は
一瞬虚空を仰ぎ、そのままがっくりと頭を垂れる。そこからはぴくりとも動かなくなった
状況から、兵士の当て身が彼女を深い気絶へ突き落とすに充分な一撃であったことがわかる。
慄然とした表情のまま凍りつくデルモたちに向け、あくまで淡々とした物言いの大佐。
「さあ、これでショーは終わりだ。あの女だけは少し休んでもらうとして、残りの君たちは
早速開発に携わってもらう。一緒に来たまえ」有無をいわさず装置のある部屋へデルモたちを
引っ張っていく兵士将校の一団が去ったあと、お仕置きの部屋には磔枠に固定されたままの
黒デルモとあの若い兵士ひとりが残された。担当の見張りとして、この女を独房へ連れていく
よう命じられたためである。しかし、それは彼にとって願ってもないこと。自分でも整理の
つかない、何か込み上げるような気持ちを”えり”に対して抱いていた彼は、まるで壊れやすい
ガラス細工でも扱うような慎重さで彼女を拘束枠から外すと、力を失った女の全身を包み込む
ように抱きしめる。更にお姫様だっこの格好で独房まで運び、優しくベッドに横たえた後は
至近に同僚がいないのを幸い、そっと彼女の頬に手を添えるのである。透き通った白い肌。
どこか幼さを残す顔立ちながら、立派に成長した体型とのアンバランス。眩しすぎる純白
パンティのふっくらした隆起からは健康的な女性のエロスが尽きることなく放出されている。
無論この時点で兵士の下半身は固まっていた。がしかし。彼の理性はこう告げる。
デルモゲニィは女だけの組織だと聞く。何日か、この女と話した中でも確かにハーゲン以外の
男の存在は感じられなかった。いや、そのハーゲンとも交わったことなどない、と彼女は
はっきり言っている。そう、”えり”は処女なのだ。男のひとりも知らず、女としてもすこぶる
非力なまま…それでも懸命に彼女たちの世界を生き抜こうとしている。そんな健気さを
目の当たりにして、それでも尚、己の肉欲に供することを強いるのか…答えはすぐに出る。
何も、怒張した自分を恥に思うことはない。この娘は充分魅力的だ。いつか、こんな任務や
経緯でなければ、心の底から愛し合える機会があるかも知れぬではないか。その時こそ晴れて
互いの全てを投げ出し、睦みとろけ合う楽園に身を置くことができる筈である。
今は「その」時でない…これが答え。これでいい。彼は窮屈な下半身を抱えながら上体
ゆっくり折り曲げると、静かに唇を重ねる。しどけなく、而して汚れひとつなく眠れる
美女との、この口づけが永遠の時にも思えるほどに…。(ココまでデス^^;)

126超初心者:2003/08/10(日) 17:50
(17)
ブウゥーン…重苦しい機械音が、足元から伝わってくる。機器をチェックしている背中ごしに
大佐から作業進捗を問う声が投げつけられ、いま静かに返事をするニナ・エスコである。
「ラグの応用技術はそんな簡単に開発できるものではないんです。あなたたちの目的に
沿うよう、ちゃんとやっていますから…」無用な会話をする暇などないとばかり、他の
仲間たちと一緒に黙々と仕事をこなす白デルモ。しかし、彼女は4日前のあのことを片時も
忘れたことがない。可哀想な”えり”。どんなに苦しかったろう。どんなに悔しかったろう、
そして、どんなに恥ずかしかったろう…
結果として彼女は無事にみんなと合流できた。当て身の痣がしばらく残りはしたが、他は
どこといって怪我をしたわけでもない。けれども、あの苛酷な責めの記憶はそう容易く拭える
ものではない筈だ。”えり”…遠くで別の作業に取り組んでいる彼女の後姿を見やりながら、
必ずここから脱出してみせる、必ずみんなを助け出すのだ、とますますの意を固めるので
ある。しかし大勢の兵士たちに24時間体制で監視されている現状では、正面突破など全く
無理。そこで利発なニナ・エスコは、先ず冷静に周囲を分析することから始める。その上で
彼女が第一に手をつけたのは、目立たない程度のサボタージュ。これで少しずつ時間を稼ぎ、
脱出のチャンスを窺う。用済みになれば消されるかも知れないとの懸念があれば、尚更必要な
ステップである。次に目をつけたのは通信システム。ラグ・ユニット作業の一環と称して
何らかのデータ授受が必要と訴え、そのどさくさに紛れてこの装置の存在と自分たちが
捕らわれていることを送信する。高度な暗号であれば万一基地の人間に傍受されても解読に
相当の時間がかかるだろう。送り先は…デルモ・コーポレーション。もし自分たちの身に
何かあれば、この事実が会社を通して世界に公表される段取りなのだとする、定番の安全保障
手段である。三つ目は、回路の毀弱化、骨抜きとも言うだろう。こんな兵器が完成した暁には
間違いなく多くの人命が失われる。せめて量産できないよう、製造ユニットの心臓部回路は
すぐにダウンするような微細な仕掛けを施すというものである。が、サボタージュはともかく
後者二つの工作は決して順調に進むものではない。結論から言えば、通信システムの件は
失敗に終わった。厳しい監視の目もさることながら、システムそのものに強力なセキュリティ
がかかっていたからである。こうなれば、武器の完成までおとなしくしているしかないのか…
暗澹たる思いに傾きかけていた白デルモの鼻先に、大佐のむさ苦しい顔がにじり寄る。
「今日はひとついいニュースがある。今、日本の支部から連絡があってね。ひとり、美しい
レディが明日こちらに来るそうだ」「…レディ…?」怪訝な顔をする女に、もって回った
表現で翻弄を楽しもうとする男。「そう、君たちの良く知っている女性だ。名は…すめらぎ…
えーと、下は何だったかな…」「ま、まさか皇藍華っ…!?」「そう、それだよ。君たちを
完膚なきまでに打ちのめした女だ。さぞ懐かしいだろう?わはははッ!」

127超初心者:2003/08/12(火) 18:59
(18)
大佐の高笑いをよそに、ニナ・エスコの脳裏はぐるぐると回り始める。皇藍華…あの因縁の
宿敵。白銀基地で容赦ないエルボーを自分の腹に叩き込んだ憎っくき女。ではありながら、
司令が涙をのんで引き下がった犬吠島の闘い以降は、彼女も司令の命に従い、藍華との
関わりを一貫して避けてきた。ところが車で2時間の距離にあるKKコーポレーションと
デルモ・コーポレーションである、物理的には不測の遭遇も考えられないものではない。
実際、とあるショッピングセンターで見かけた経験のあるニナ・エスコ。遠くの商品棚で
和風かつおだし調味料の品定めをしている藍華の姿が目に入ったとき、彼女は咄嗟に
山積みされていた特売コーナーの陰に身を隠した。お蔭で店員から怪しまれ、買う気も
なかったコシヒカリ5kgパックを購入するはめになった白デルモは、帰路重い買い物袋に
四苦八苦しながら一層の屈辱にまみれたものである。その藍華が一体なぜ、どうして
ここまでやって来るというのだ!?ありありと浮かぶ疑問の相に大佐もすぐ気がついたと
見える、愉快でならないといった調子で饒舌に走るのである。「不思議そうだねえ。いや、
実は私も驚いているのだよ。彼女は以前、ラグ・データ入手の件で我々の為に働いてもらった
繋がりがあるから、知らない訳ではないのだがね。今回の訪問はひょんなことから実現した
ようだ…」ぶすっとしたままの白デルモなど気にもかけず、上機嫌の言葉が並びゆく。
「なんでも彼女の方から我が日本支部へ、新たな仕事を求めてアプローチがあったらしい。
前回の仕事では結構な報酬を手にしているからな、ラグ絡みの仕事は金になると
踏んだのだろう。こっちもこの施設にはもっと多くのラグを必要としているところだから、
優秀な特A級サルベイジャーの腕は大いに借りたい、いわば渡りに舟、というわけだ。
そこで先ずは、こちらの状況をミス藍華に見てもらおう、ということになったのだよ」
何の仕事かよく調べもしないで安請け合いするなんて、藍華って女は!それが自分たちを
救出するための方便だなどとは露知らず、節操の無さに呆れ果てるニナ・エスコ。
思わず質問の一言を差し挟む。「私たちがここに囚われていること、あの女は
知ってるのッ!?」

128超初心者:2003/08/12(火) 20:23
(19)
ここで、ますます上気する大佐。「わっはっは!囚われ、とは随分だな。はっきり協力すると
言ったんじゃなかったのかね?だが、まあいい。一応ミス藍華にはここに到着するまで
君たちのことを秘密にしておこうと思ったんだが、支部の連中がつい口をすべらして
しまってね。そうしたら彼女なんて言ったと思う!?」ニヤついている男が用意している
言葉が何なのか、おおよその想像はつく。ここではそんなこと尋ねる気にもならない不遇な
女の神経を、好んで逆撫でする大佐である。
「いい気味だ、もっともっとお仕置きを受けさせればよい、だと!頼もしいじゃないか、え?
なんなら私がお仕置きの手伝いでもしましょうか、とまで言ってくれている。君たちも
久しぶりにミス藍華の責めを受けてみてはどうかな?私も今から楽しみだ」…聞きながら
際限なく落ち込む白デルモ。これでは脱出など到底覚束ない。やはり悪いことは重なるもの
なのか、と思いつめるうち、ズキン、と腹部に鈍痛が走る。藍華の強烈な一撃によって苦しい
気絶に追いやられたあの時のことがまざまざと思い起こされ、精神的なストレスとなって
神経を刺激するのである。あの女は犬吠島での勝利に飽きたらず、まだ我々を苛むつもり
なのか。何度も何度も気絶させ、我々デルモの身体を蹂躙し尽くそうというのか…。
ここから先は大佐とどんな会話を交わしたか、まるで記憶がないニナ・エスコ。聡明な彼女
らしからぬ、というのはこの場合酷だろう、失意のあまり茫とした意識を引き摺りながら
ただ立ち尽くしていたに過ぎなかったのだから。
…それでも時間はどんどん進む。どんな一日でも長さはぴたり同じ、明日という日は確実に
訪れるものである。仲間の黒デルモたちにこの事を内緒にしていたニナ・エスコは、ひとり
独房の中でまんじりともせずに一夜をあかす。それはそうだろう、藍華がやってくる、それも
軍への協力者として、などと仲間たちへ言えるわけがない。今まで一縷の希望にすがり懸命に
支えあってきた者たちを絶望のどん底に突き落とすようなものである。次の日、再び
ラグ・ユニットの前に立った白デルモは睡眠不足など吹き飛ばす凛とした姿勢で、くだんの
女を待ち構えていた。せめて誇り高いデルモゲニィらしく、毅然とした態度で対峙しようと
悲壮な意を固めていたからである。(ココまでデス^^;)

129超初心者:2003/08/13(水) 23:37
(20)
四六時中こうこうとした照明が灯る地下施設。つい時間の感覚もなくなりそうだが、パネルの
ところどころにあるデジタル表示によって精度だけはやたら細かい現在時刻を知るところと
なる。いま午後2時11分38秒64。遂に来てしまうその時。あながち傲慢とは
言い切れないが、充分に慇懃無礼な大佐の声が響きわたる。
「諸君、今日は素晴らしいお客様をお迎えする。といっても君たちがよく知る人物だから
感動の再会、と言った方がよいかな…?紹介しよう、皇藍華さんだ!」
紹介を受けて男の広い肩幅の後ろから姿を現した女、見慣れた真紅のスーツに颯爽と身を
包んだ女…それは今更見紛う筈がない、デルモたちにとって決して忘れようもない皇藍華
その人である。大勢の兵士たちに銃を向けられ、整列させられているデルモたちをゆっくり
見渡し、おもむろに口を開く藍華。「お久しぶりね、あなたたち…」賓客扱いで悠然と現れた
宿敵に、デルモたち皆一様、刺すような視線を投げる。それでも冷静に観察すれば、藍華が
厭味な素振りでなく、その眼差しにも大佐たちに気づかれぬ程の密かな温かみを忍ばせていた
ことが伝わるのだろうが、苦境にあったデルモたちにはそんな微妙なニュアンスまで理解する
余裕など全くない。そんな中ひとりのデルモが一歩前へ進み出る。寝不足で充血している目を
かっと見開きながら決然と気丈な一言を放つニナ・エスコである。「こんなところまで、
一体なんの用なの!?」挑むような白デルモに対し、あっさりかわす藍華流。
「あら、仕事よ♪」この返事に、じっと堪えてきたニナ・エスコの血は一気に逆巻いた。
「仕事ですって!?ここで何が行われてるか分かってるの?核以上に最悪な殺人兵器が
作られているのよ!お前は、ハーゲン様のご計画をぶち壊しておきながら、こっちの企みには
手を貸すというの!?」最早ありきたりの言葉だけでは収まらないのか、いよいよ自分の
激情を抑えられなくなったのか…それは余りに突然のことだった。脱兎の如く藍華の前へ
駆け寄ると、その胸倉をぐいとつかむ白デルモ。兵士が制止する間もないまさに一瞬である。
「皇藍華!お前は私たちを散々に苦しめた。ここにいる仲間たちは皆、お前に手ひどく
痛めつけられ一度ならず気絶させられた者ばかりだわ。私も…あの時、お前の肘うちで
どれだけ苦しい思いをしたことか。戦意を失った者相手でも容赦なく当て落とし気絶させる
なんて、なんてひどい女かしらと思った。でも今はそんなことどうでもいいくらいに感じる。
今のお前は…サイッテーの最低よっ!!」

130黒デルモえり:2003/08/16(土) 00:33
早く続きを読みたいですっ!
超初心者さんがんばってください。

131超初心者:2003/08/16(土) 11:22
>130黒デルモえりさん
 黒デルモさん直々にリクエストいただけるとは光栄デスね。
 ”えり”さんは元気にデルモしてますか、変な男につかまったりしてませんか(笑)
 このストーリーも、全然小噺じゃなくなってしまいましたが、そろそろ
 収束に向けていきます。今回作では”えり”さんに辛い思いをさせてしまいましたが
 まあ、超初心者の考えそうなラストは大体おわかりでしょう。では、↓にて
 (21)のみアップしますデス〜^^

132超初心者:2003/08/16(土) 11:24
(21)
口汚く罵っているようでも、そのつぶらな瞳からは澄んだ涙がぼろぼろこぼれだしている。
日頃の可憐な顔だちからは、ここまでに感情を剥き出しにするニナ・エスコなど想像も
出来ない、それくらい、今の彼女は憤怒と悔しさを顔面いっぱいに曝け出していた。藍華の
胸倉を掴み、その上体を揺する両手。しかし白デルモ中、最も非力とされる脆弱な腕では
如何せん、ほんの僅か藍華のスーツに皺が寄る程度。わなわなと震える手を通して、自分の
煮えたぎる思いを伝えるのが精一杯である。一方、藍華の方も纏わりつく手を払いのけるなど
容易であろうに、自らの両手はだらんと下ろしニナ・エスコにされるがままの棒立ち状態。
大佐までが、女に駆け寄ろうとする兵士たちを抑え、高みの見物を決め込んでいる。
「こんな…お前が、こんな人だったなんて…」少したつと怒りを通り越して情けない、という
気持ちに転じるのか、藍華のスーツを握り締めたまま溢れる涙を拭おうともしない白デルモ。
彼女の目尻から放たれた涙の飛沫はスコールの如く藍華の上着に降りかかる。たっぷり水分を
吸って、その真紅が一段と鮮やかな深みを帯びたところで、藍華はおもむろに口を開くので
ある。「さあ、今度は私の番ということでいいかしら、大佐?」途中から急遽自分に
投げられた言葉に一瞬慌てるものの、男の上機嫌は変わらない。いよいよ藍華がデルモたちを
打ち倒すシーン到来か、と期待十分である。「いいとも、君の好きなように
やってくれたまえ。但し、まだ働いてもらう女たちなのでね、多少そのあたりの加減は
してやってほしい」「ええ♪わかってますわ。では大佐、例のお部屋を使わせて
いただけません?」例の部屋…その一言にニナ・エスコの背筋が凍りつく。藍華は既に
あの部屋の存在を知っているというのか。まあ、そうだろう、こんな連中を雇い主と
仰ぐような最低の女だ、この時点で意気投合していたとしても不思議ではない。白デルモの
脳裏には、自分たちが拘束具に固定され藍華の責めを受ける光景がありありと浮かぶ。
「さぞ、いい気味でしょう!せいぜい私たちを弄ぶがいいわ。このことは決して忘れない。
きっといつの日か…」再び激高しようとする女の言葉を今度は威圧するように遮る藍華。
「うるさいわね!確かに忘れらない思い出を作ってあげるわよ!」と、くるり大佐の方へ
顔を向け一転の微笑。「大佐はどうぞ自室でお休みになって。このコたちには、ちょっと
時間がかかりそうですから…」ニヤつく男も異存はないと見え、小さく肯くと兵士たちに
デルモたちを連れていくよう命じる。藍華に取りついていた白デルモも屈強な兵士たちに
よって荒々しく引き離され、胸張り裂けそうな程に無念の表情を湛える彼女を藍華は
じっと見据えることになる。自分が今ふっと隙間見せるこの寂しげな目に、眼前の女が
気付いてくれれば、と思うは一瞬、遠く戸口に立つ大佐の声が無遠慮に割り込んでくる。
「お言葉に甘えて、私は失礼する。だが後で、そっちの部屋へもお邪魔するよ、ミス藍華の
責めが最高にノッているころを見計らってね。いい眺めだろうねえ、フッフッフッ…」

133超初心者:2003/08/16(土) 20:07
(22)
このお仕置きマニアのスケベジジイ、と内心に呟くのは簡単だが、不思議なところで
大人びた藍華はこの場を同時に俯瞰するかのような、いくつかの思念を走らせている。
次元も視点も異なる発想をパラレルに進行させる。一体何を考えているのかと、その心中
覗き見れば先ず第一は大佐の性格について。と言って、お仕置き好きだのスケベだのと
いう事をいつまでもとやかく云々するつもりはない。男なんて大なり小なりその手の
嗜好は持っているものだろうし、言ってしまえば男と女の間で色んなドラマは付きものだ、
くらいにさっぱり割り切るあたりが、藍華らしいところ。彼だって突き詰めて見れば
異常人格者の類というより、むしろ極くありきたりの人間のようにも思える。だが、問題は
そこにあるのではない。これから自分はこの男を出し抜くのである、その時裏切られた
怒りに燃えてこの男がどう豹変するか、どういう対抗手段をとってくるか、そして
どこまで冷静沈着でいられるか。藍華にとって当面の鍵を握るこの男が、デルモ司令の
ようにあっさり引き下がればよし、逆に蛇のような執念深さの持ち主だと閉口してしまう。
彼女の直感は前者だった。さして根拠はない、ただ相手が職業軍人だから、という程度の
ものなのだが…。第二は島の飛行場格納庫で待機している司令の首尾について。今回の
作戦のために、クライアントのものとは違うもう一機のチャーター機を脱出用として密かに
手配している筈である。変装して事前にこの島へ潜り込んでいる彼女がうまくやってくれて
いれば、と願う。第三は、ニナ・エスコほか囚われのデルモたちのこと。軍を欺くため
とはいえ、現段階では彼女たちの怒りや恨みを買いっぱなしの状態にある。お仕置きルーム
へ入ってから手間をとらずにデルモたちの理解と協力を取りつけねばあとあと面倒。どういう
言い方がいいかしら、あなたたちのこと愛してるのよ、いや、それも変かなあ、と、細かくも
どうでもいいような妄想にふける。そして第四、第五以下は、もうそれこそどうして今
そんな事を考えるのか、というような些末なネタばかり。日本に帰ってから、この一件を
内緒にしていた皆への埋め合わせ何がいいかしら、サルベージ作業を休んだ穴をどう
埋めよう、あとでデルモ・コーポレーションへいくら請求しようか、等々…極めつけは、日本
帰国日の晩御飯のおかずは、とくるから彼女の守備範囲の広さには全く驚かされるしかない。

134超初心者:2003/08/17(日) 14:03
(23)
大佐と別れ、デルモたちを連行する兵士たちと共に「例の部屋」へ入った藍華。話には聞いて
いたが実際足を踏み入れてみると、さすが軍の特殊部隊というところか、壁面にずらり設置
されている拘束枠や手枷足枷、大小様々な責め具のラインナップに改めて目を見張る。
白デルモ1人と黒デルモ11人。都合12人全員の四肢を手馴れた仕草で壁の磔枠につないで
いく兵士たち。程なく作業終了した男たちをねぎらいながら、藍華としては最後に付け加える
一言を忘れない。「ここから先は私ひとりで充分ですわ。皆さんは暫く部屋の外でお待ち
下さい。大佐がお見えになる時、ご一緒にどうぞ♪」兵士たちの方も否応はない。一番
オイシイ部分は大佐と共に拝めるのだと思えば、想像しただけで涎を垂らす輩もいる始末。
勿論あの”えり”を介抱した若い兵士だけは複雑な思いを引き摺っていた。デルモたちへの、
特に”えり”への責めが軽微で済むよう藍華へ請い願う言葉が喉元まで出掛かっている。
しかし、他の兵士たちの前でそのようなこと口に出せる訳もない、女の力なら知れている
だろう、と無理やり自分を納得させながら、仲間たちと共に部屋を出たのだった。
そして残ったのは女たちばかり−−戸口のドアが閉まればここは完璧な防音空間、声を
あげようが外に洩れることはない。多くの黒デルモたちは絶望に打ちひしがれ意気消沈して
いるが、さっき藍華に掴みかかったニナ・エスコだけはまだ凛とした視線を貫いていた。
藍華として、この冒頭やはり甘受せねばならないだろう、と想定していた叱責の言葉が
口角泡を飛ばす勢いで降りかかる。「こんなことして、あなたって人は…人でなしっ!
あんな男たちのお先棒かついでいい気になって!恥ずかしくないの!?」矢のように
突き刺さる言葉を避けようともせず、ずんずん進み出、真っ直ぐ白デルモの前に立つ藍華。
今回最初の餌食は自分か、と身構えるニナ・エスコは、あの白銀基地を思い出し再び全身の
震えに見舞われていた。足がすくんで立てなかったあの時の私。見逃して、という声も出せ
ないほど怯えきっていた。それなのにこの女は…。無抵抗だった私を膝の上でねじ伏せて。
それだけじゃない…あんなに柔らかいお腹に肘打ちだなんて。か弱い女性の腹部なのよ。
そこを一突きされて…。もう言葉に言い表せないくらい苦しくて。気を失って意識が完全に
途切れるまで、ずっとその苦しみは続いてた。それをもう一度やろうというのか。身動き
ひとつ出来ないこの私を?そんな、そんなあ…加速度的に膨張する恐怖の重圧。部下の
黒デルモたちへの体面など一向構わず「い…」いやあああああぁぁぁ!!、と長く轟く
彼女ならではの悲鳴が発せられる、まさに寸前である。

135超初心者:2003/08/17(日) 18:48
(24)
「ねえ、この鍵でいいのよねえ?」「…?…」顔ひきつらせ半ば目を閉じていたニナ・エスコ
には即座にのみ込めない一言。うっすらと目を開ける彼女が見るものは、自分の手を固定して
いる金具に小さな鍵を近づけている藍華の手指である。この女、私だけ部屋の中央へ
引っ張り出して、部下たちの前で大恥かかせるつもりなんだわ、と根強い勘ぐりは働くが、
とりあえず予定されていた悲鳴だけは引っ込んだらしい。一方、黙々と白デルモの枷を
外してゆく藍華の方も、ふと頭を横切るのが彼女同様白銀基地での出来事。今も生々しく
記憶に留まっているのは司令と副官が繰り出したシンクロ・キックの壮烈さ、あの時は自分も
結構痛い目にあっていた、と。気を抜く余裕など全くない、真剣そのものだった闘い。
相手は全力で立ち向かい、こちらも全力で応えた。条件はイーブンではないか。いや、人数的
には3対1だった筈だ。泣き叫んでいたこの女を当て落としたのも、あの場の成り行きという
ものではなかったか。少なくとも一方的に恨まれる筋合いではないと思う。なのに、ディスク
を粉砕しリエが「ばかあ〜!」と泣きながら出て行ったあとの部屋に、なんだか物憂げな
ピアノの旋律が聞こえたような気がしたのは何故だろう、それも、まるで自分を責めるかの
ように。勿論空耳ではあろう、が、藍華としては、どこかモヤモヤとしたものが残る。
何にせよ今回の奇遇はそれを晴らす良い契機。今は無理だけど、日本に帰ったら
いろいろと、ネ…何が「いろいろ」なのかはこの際省略するとして、4つの金具全てを
外し終わった藍華が快活に口を開く。「さあ、これでいいわ。あなたも、この鍵持って!
手分けして、このコたちの枷を外しましょ!」「えっ!?」元々まんまるの目を更に丸くする
白デルモ。一瞬呆然と立ち尽くす彼女の肩をぽんぽんっと軽く叩く藍華である。「理由は後。
とにかくここを脱出しましょ♪」「で、でも…」「何突っ立ってるの。早くしないと
大佐たちが来るじゃない、さ、早く!」藍華に言われるまま、黒デルモたちのところへ
いって枷を外していくニナ・エスコ。拘束から解き放たれた黒デルモは、渡された鍵を持って
次の仲間を、というねずみ算の要領で、てきぱきと進んでいく。12人全員が拘束を解かれる
のに左程の時間はかからない、晴れて自由に動き回れるようになった女たち。だが、あくまで
この部屋内に限った話である、白デルモが藍華に向かい、素朴な疑問を投げるのも至極当然と
いえようか。「外には兵士たちが大勢いるのよ。どうやってこの基地から脱出するの!?」
もっともな彼女の質問だが、ニナ・エスコの言に実はもうひとつの意味合いが
込められている。それは動けるようになった自分たち12人で藍華を襲うようなことなど
しない、ということ。元々藍華には勝てない、という先入観が出来上がっているせいも
あるだろう、この女に関わるな、という司令の厳命もある。万にひとつここで藍華に勝った
ところで、ここからどうやって出る?藍華を人質にとればあの大佐が素直に応じるのか?
いや、逆だろう。いざとなればこの女もろとも自分たちを抹殺するに違いない。等々、
あれこれの打算から行き着いた結論なのだが、同時に心の中で藍華への敵意が薄らいでくる
自分たちにも気付く。まだ完全に信頼できるわけではないが、何分この女は度重なる
自分たちの攻撃を悉く退け、脱出に成功した、言わば「脱出名人」である。ここは藍華の
考えに従ってみよう、と思うデルモたち。あとはその手段である。そうよ、どうやって
脱出するの…?めいめいに口ずさむ。「まかせて♪」そこで待ってましたとばかり藍華の
返事、但し表情には幾分の恥じらいが。「ま、あんまり見せたくはないんだけど…」
と言い終わる前に、突然の閃光が走り、あの華麗な変身が開始されていく。

136超初心者:2003/08/18(月) 21:49
(25)
眩い光のなか、この時の為にこそ着用してきたビスチェの中心から無数の触手が伸び、忽ちに
藍華の全身を変貌させる。彼女のプロポーションが際立つ、何度見ても見事な変身だが、
犬吠島の記憶が拭いきれていないデルモたちにとっては鳥肌たつ光景でもある。
勿論前回と今回が違うことくらい彼女たちにもわかる、本部基地に襲来して自分たちを
なぎ倒したあの時と、何となく自分たちの側に立ってくれそうな今回との違いが。それでも
秒速で眼前に迫るメタルの恐怖は一度味わった者でなければわからない。驚く次の瞬間には、
首筋や鳩尾などに強烈な触手の一撃が見舞われ、苦しむ間もなく気絶させられたのである。
あの圧倒的なメタルの存在感を再び目の当たりにし、足がすくむのも当然。そんなデルモたち
に、いかにも事務的な手招きをする藍華、両者のコントラストはまあ面白いといえば面白い。
「さ、みんな早く私の周囲に集まって!」えっ?でも…という動揺はどうしても近寄り難い
先入観が働くから。しょうがないわねえ、といった顔で藍華が若干の言葉を補足する。
「今、私の立っている足元の周囲にメタルの皮膜が円形に広がっているの。床の色と違うから
すぐわかるでしょう?そこに、あなたたち立って頂戴。大丈夫、ただの床だと思って立って」
ここまでくれば一蓮托生ということか、おっかなびっくりながら藍華にくっつくデルモ
たち。13人弾けるボディと熱い吐息が密集し、幾分怪しげな雰囲気ないともいえないが
とにもかくにも全員集合したところで速やかにメタルは次のフェーズへと。円形の皮膜は
メタルのコアから藍華の下肢を伝い床面に薄く広がった、まるで薄焼きピザかお好み焼きの
ようなものだが、ただのピザやお好み焼きではこの先次のような芸当逆立ちしても、
かなうまい。即ち、円の縁から更に細かい触手が何本も飛び出し上に長く伸びるものと
床方向へ短く生えるものと大きく二極分化する動き。上に伸びたものは女たちの身長を
あっという間に飛び越すと彼女たちの頭上で再び印を結ぶ。更にそれらが薄皮状態に
拡大すれば、彼女たちの上下左右360度隙間なく被われるメタル・バリアーの出来上がり。
一方、下に生えたものはムカデのような、というとメタルは気を悪くするだろうが、要は
そのような形状で敏速かつ小回りの利く移動を可能にしている。そんなこんなで、最終的に
メタルのご機嫌を戻す表現探すなら、銀色に輝くかぼちゃの馬車、とでも言えば丸く収まる
ところであろうか、とりあえず。

137超初心者:2003/08/19(火) 21:05
(26)
ミシッ…と壁に亀裂が走ったかと思うと、バリバリバリッ!ド派手に壁を破り、お仕置き部屋
に外接する廊下へ突如姿を現したもの。繰り返しになるがメタルの機嫌を損ねないように
言えば、それは銀色に輝くかぼちゃの馬車である。が、警備する兵士たちにとっては、
えもいわれぬ怪物以外の何者でもない。反射的に彼らのサブ・マシンガンが一斉に火を
噴くのも当然。ドガガガガガッ!それこそ蜂の巣にするような銃弾の雨あられが降り注ぎ、
それをまた悉く、楽々とはねつける最強のメタル・バリアー。ネーナのメタルから生じた繭も
そうだったが、比類ない防御力は折り紙つきである。威風堂々の前進を続ける通称
“銀かぼちゃ”。銃を乱射する兵士たちはじりじり後ずさりし、遂には背中を向けて逃げ出して
いく。根性と気合だけで踏みとどまろうとする兵士も数人はいるが、目と鼻の先まで
接近されて一体どうやって戦うというのだろう。これが性悪の怪物なら、どこかの映画に
登場するエイリアンのように男たちを八つ裂きにしたり、頭から食ってしまったりと、
スプラッターそのものの展開となってしまうところ。ところが相手は、こんな格好を
していてもシヴィエ藍華である。無知無謀にも行く手を阻もうとする兵士に対し、腕の形状
をした触手が一本にゅっと伸び、やんわりと、しかし有無を言わさず壁の隅へと男を
追いやっていく。あんた邪魔よ、もっと端っこ歩きなさいよ!という仕草なのである。
一方、中ではどうなっているのか興味本位に覗いてみると、これはまた嬌声の賑々しいこと。
おしくらまんじゅう程ではないにしろ、結構満員状態で立っている女たち。殆ど全裸の藍華と
肌身を摺り合わせ「アアン…」と声震わせる黒デルモ”えり”がいるかと思えば、意図的に
互いの乳房や太股を摺りつけ恍惚の表情を湛える黒デルモたちもいる。「あふ♪だ、誰、
私のアレを揉んでるのは!?」「あら、これ”あゆみ”だったの?すっかり濡れてるのね、
ウフフ♪」「もおう〜っ!”あい”のえっちぃぃ!」「きゃは!かわいぃ〜♪」…
内側ではこんなドンちゃん騒ぎを抱え、片や外側では呆気にとられる兵士たちを尻目に、
“銀かぼちゃ”は大きな廊下をずんずん進む。目指すは地上行きエレベーター。その途中、
いくつかの角を曲がったところで、あのラグ・ユニットの部屋が見えてくる。

138超初心者:2003/08/21(木) 12:18
(27)
この辺で、いくつか整理確認しておこう。現在地はB9フロア。といっても、ここは深さ
何十メートルにあたるのか。いや、その実100メートルは優に超えている大深度。
秘密基地の心臓部として、外部からの核攻撃にも耐えられる頑丈な構造になっている。
次に位置関係。“銀かぼちゃ”が目標とするエレベーター・ホールは施設中最も広いスペースを
占有するラグ・ユニット・ルームの一角にある。即ちエレベーターに乗るためには、
どうしてもこの部屋を突っ切らなければならない。但し一旦乗ってしまえば、地上出口まで
そのままノンストップ、所要時間も僅か20秒という代物ではある。そして最後に大きさ。
“銀かぼちゃ” 現在の形状は底面直径で3m、膨らんでいるところで5m、高さ3m。一方、
エレベーターは全部で6基、うち1基が機材搬出入用に金網剥き出しとなっている大型機と
なっていて、それは横幅4.5m、高さ3.5m、奥行き7mというスペックである。
参考までにラグ・ユニット・ルーム全体は幅50m奥行き120m天井高10mという
巨大さ、その中で20m四方もの威容を誇るラグ兵器製造ユニットがでんと中央に鎮座する。
このように部屋自体が広大な割りに廊下側の戸口は狭いため、結果的に壁を破って
侵入せざるを得ないが、その後は順調に奥へ120m進めば、めでたく機材用エレベーターに
辿り着ける、というのが“銀かぼちゃ”の進行予定である。何にせよこの奇怪な移動物体、
ここまででも断続的な銃撃を受けてきたが部屋に入り込んだ途端、緊迫の様相は一気に
エスカレート。大佐を筆頭に重武装した兵士たち数十人がずらりと並び、夫々の銃口を
標的一本に絞っている。ここで、かぼちゃの側としては単にエレベーターに乗りたいだけで
あるから、兵士たちへ向かっていく必然性も義理もない、戸口を抜けてすぐ横を向き、あとは
男たちの眼前を粛々と通り過ぎるだけで事足りる。ところが兵士たちの方はそう見ない、
何の拍子でこんな化け物が生まれたのか皆目見当つかぬまま…いや、細かくみれば、
機密情報を知る大佐だけは薄々感ずいていたというべきだろう、あれがオルタネート・メタル
の変形した姿なのではないか、と。だとすれば、藍華が変身したものなのか。それにしては
不細工な。情報によれば、メタルと同化した彼女は青く流れるような髪と、殆ど一糸纏わぬ
裸身をさらす、ふるいつきたくなる程美しい容姿だと聞く。「あれ」が本当にそうなのか?
未だに半信半疑ではあるが、このままぐずぐずしてもいられない。あの怪物がこの部屋まで
やってきたということは、きっとラグ・ユニットを狙ってのことに違いと思う。であれば、
ここは絶対にあの怪物を近づけてはならない。いや、この場で何としても倒さなければ
基地全体が危ういかも知れない…等々様々な思惑もこれ以上はもう充分。いま、断固たる
大佐の号令が大音声で響き渡る。「撃てっ撃てええッ!撃ちまくれーッ!!」

139超初心者:2003/08/21(木) 12:20
(28)
廊下での小競り合いで時間を稼いだつもりなのだろう、兵士たちが持ち出した武器には
重機関銃は勿論ロケットランチャーまで含まれている。いくら広い部屋とは言っても室内は
室内。こんなところでぶっ放す神経もどうかと思うが、必死の形相で標的に狙いをつける
いまの彼らに聞く耳や余裕などまったくない。ドガーン!バリバリバリバリ!ドガガガガッ!
言語に絶する猛烈な砲撃銃撃が5分も続けば、弾幕共々立ち上る煙にもうもうと包まれ視界は
殆ど0m。ここで第一波の攻撃成果を見極めるためか、一旦発砲を控え煙の晴れるのを
寸時待つ。すると、程なく浮かび上がってくるのは相変わらず眩しい銀色嬉々として輝かせ、
傷や凹みひとつなく悠々と部屋の奥へと進みゆくかぼちゃの歩み。「な、なにいィィッ!?」
あれだけの弾を食らってびくともしないなんて、そんな馬鹿なっ…!だ、第二波攻撃に移れッ
と大佐が口にしようとしたその時である。「警告。ラグパワー回路に異常発生。あと20分で
臨界に達します。職員は速やかに退去してください…」無機質な自動音声が館内に
こだまする。「何だ!どうした!?」兵士たちが大混乱する中、辛うじて踏み止まる大佐。
何とか状況打開に向けて手を打とうとすぐさま次の指示を出す。それは、デルモたちが来て
から別の雑務に就かせていた軍の技術者たちへのもの。非番同然だった彼らを急遽部屋に
呼び、リカバーを命じるのだが事態は全く絶望的。「大佐どの、エネルギー伝送系に
致命的破損です!コントロール系統も寸断され制御不能!爆発しますっ!!」原因は明快、
兵士たちがこれでもかと乱射した砲弾銃弾がメタル・バリアーに跳ね返されるうち、
いくつかの跳弾がラグ・ユニットやコントロール・パネルを直撃したから。こうなることは
少し考えればわかりそうなものだが、頭に血が昇っていたということか、大佐たちは最も
愚かな選択をした訳である。「あと17分30秒…」はっと気付けば“銀かぼちゃ” は丁度
エレベーターに乗り込むところ。どうしましょう、大佐どの、あの化け物が外に出て
しまいます!という兵士の叫びは無論耳に入っているが、これ以上攻撃を続ける時間的余裕も
ない。先ずは自分たちの脱出が先だ、と大佐が結論づけるのに時間はかからなかった。
「今、あれにかまっている暇はないッ総員速やかに退避ィィッ!」この一声と同時に、わっと
エレベーターホールへ駆け出す男たち。

140超初心者:2003/08/21(木) 12:22
(29)
軍の立場から一転、再び視点を戻してみる。機材用エレベーターの前にいる“銀かぼちゃ” の
内部では、兵士たちのパニックをよそに相変わらずのキャピキャピ状態が続いている。特殊
部隊の総力をあげた攻撃を受けていたにも拘わらず、中は空調・防音・防振完備の快適空間。
狭いのだけは仕方がないが、和気藹々の女たちには苦にもならない。それどころか、デルモ
同士密着し合う姿勢のまま、互いの唇は重ねるわ、胸や股間にまで手を伸ばすわ、でみるみる
昇りつめていく。「はああん♪」「うふうう…ん♪」「うれしい…ィィ」メタルに多少の
発光機能はあるが、照明とまではいえない薄暗さを逆手にとってこれ幸い、こんな、誰とは
なしに声をあげる妖艶な饗宴が延々繰り広げられているのだから唖然としてしまう。
もっとも、藍華だけはその宴に加わっていない。それは当然、外部からの熾烈な攻撃から
内部を守り、かつ快適な環境をデルモたちに提供するために、それなりの集中力がいるもの。
彼女たちと一緒になって乳繰り合ってる場合ではないのである。それでも尚、藍華の傍らに
ぴたり立つ”えり”は先程来の快感からか、更に藍華へ乳房を擦りつけ一層の交歓を求める。
にっこり微笑みながらも、そっと彼女の身体を離す藍華。「あなたが私を求める気持ち、
嬉しいけど今はちょっとね。日本に帰ったらたっぷりしてあげるから」わかったわ、約束よ、
と目を輝かせる黒デルモが少し離れてホッとするのも束の間、新たな問題が発生する。それは
エレベーターのサイズ。前述したとおり、エレベーターは高さ奥行き共に充分なのだが、
惜しいことに横幅だけ50cm足りない。伸縮自在のメタルだから、かぼちゃの膨らみ部分を
すぼめればいいのだが、その分若干、中の女たちを圧迫することになる。既に充分高まって
いたデルモたち。それが数センチずつとはいえ、これ以上くっつくとどうなるか。
「はああああ…」「イ…クゥゥ♪」薄暗がりと密集のどさくさに紛れてイっている
ニナ・エスコをはじめ、瞬く間に12人全員がイキ、秘所から溢れ出す愛の蜜を存分に
滴らせることになる。これら芳香麗しいデルモたちの所産をシャワーのように受けるメタルの
心境今一推し量りかねるが、外部からは一瞬ピンク色に変色し床面から飛び上がったという
目撃情報も報告されているそうである。

141超初心者:2003/08/22(金) 00:59
(30)
現在、午後3時36分。南海の小島は今日も強い太陽の日差しと豊かな緑に囲まれ、いつもの
平和な昼下がりが進行しているところである。と、突然、ズズズズッ…ンン…鈍い音が轟き、
この地域では滅多にあり得ない地震発生。こんな小さな島に震度計などないが、近隣の国が
計測したところでは、震度3との由。勿論原因はあれしかない、即ち地下基地の爆発である。
では藍華たちはどうなったか。無事に脱出できたのか…?一言でいえばイエス。500人から
いた基地の軍人たちも全員逃げおおせている。その時の状況をかいつまんで振り返れば、先ず
は藍華たちのことから触れる方が早い。あの時、絶頂の恍惚にあるデルモたち12人を内部に
抱えるとんでもない状態でありながら、外面何ら支障なく悠々とエレベーターに乗り込んで
地上へ出た“銀かぼちゃ” 。ラグ爆発15分前に基地の敷地ゲートを通過したそれは、道路上を
時速100kmまで加速、一息で司令との合流地点である飛行場に到達した。爆発時刻には
既に離陸体勢にあったというから、全くもって楽勝の運びである。おまけで言えば、快感を
満喫した女たちには、もうひとつ愉快なことがあった。兵士たちより一足早く金網の
機材エレベーターに乗り、上昇を始めた“銀かぼちゃ” の下方では、残りのエレベーターに
群がり殺到する男たちの姿が上から見下ろす形となってまるみえ状態である。そこできっと
気を利かせたのだろう、メタルが、かぼちゃの底面近くにピンホール大の穴を作り、
薄暗がりの天井に投影する。いわばプラネタリウムのようなものである。
「ねえ見て!あの慌てぶりったら…」随喜の喘ぎにまみれすっかり自分を無視している
デルモたちに、この瞬間くらい私の言うこと聞きなさいよっ、と合いの手を入れる藍華。
既に何度か果て、とろりとしている目を上に向けると確かにこの光景は最高のサービス
ショット。修学旅行バスでもこうはいかない大爆笑が巻き起こったのであった。一方、大佐を
はじめ兵士たちや施設職員は撤収決断が下された時点から12分で全員の退避を完了し、
なんとか事なきを得る。このラグ爆発は小型核と同等規模だったが、堅牢頑丈にして何重もの
シールドが施されている対核シェルター構造が今回は逆に幸いした形。島に与える影響も
軽微であり、表面的には地下核実験と同じ現象になったということである。

142超初心者:2003/08/22(金) 01:01
(31)
軍の動向については多少補足しておいた方が良いかも知れない。ほうほうの態で脱出した
大佐も勿論あのまま引き下がるつもりはなく、急遽部隊を引き連れ港に待機させていた
大型艦に乗り込むと、体勢建て直しの策を練っている。既に司令の操縦になるチャーター
ジェット機は島から飛び立っているが、マッハ2の艦載機で追いつけないことは
ないだろう。直ちに追撃命令を出す大佐。最新鋭ミサイルを搭載した2機が飛び立っていく。
予定どおり標的をとらえミサイルは全弾発射されるのだがしかし…それは悉く大失敗。全て
空中爆発に終わる。理由は二つ。ひとつは、ジェット機に積んだ最新電波妨害器が功を奏した
ということ。日頃のお嬢様司令がこの時ばかりはと知恵を絞り、日本から持ち込んだ
デルモ・コーポレーション製の優れモノである。これで6発のミサイルのうち、4発が
回避された。それでも尚しつこく追尾してきた2発はどうしたか?それがふたつ目の要因、
またしてもオルタネート・メタルの出番である。ジェット機の機内圧に急激な影響を与えない
よう、後部ドアの微細な隙間から触手を伸ばしたメタルは迫り来るミサイル2基を外側から
すっぽりコーティング。封印させた中で爆発させるという荒技を楽々とこなす。諦めも悪く
銃撃を仕掛けてくる2機にはオイタもいい加減にしなさいよ、とばかりミサイルの小破片を
翼に命中させ航行不能に。カプセルで脱出するパイロットたちを眼下に見届けながら、やっと
落ち着けるわね、と笑みを交し合う女たちなのであった。そして海上でこの結果をチェックし
臍を噛む大佐。ええい、次は核ミサイルかあッ!と声張り上げたところで本国からの通信が
入る。「な、何ですとおおおっ!!?」反駁と驚愕ないまぜの叫びは大佐のもの。画面の
向こうにいる人物は本国軍作戦本部の上級将官である。今、大佐に下された命令は、藍華や
デルモたちにこれ以上関わってはならない、当面の軍事作戦は凍結する、というものだった。
「あの地震で、国際査察委員会が動きだしたのだ。今ラグ兵器の件を探られるのはまずい。
こちらとしては、ただの事故で押しとおすから、そっちも大人しくしていたまえ。それと、
あの皇藍華とデルモ共のことはもうどうでもいい。どのみちラグ・データはこっちに
あるのだ。無用なトラブルを起こすのは得策でない。以上だ」通信が切れ、わなわなと腕
震わせる大佐。だが命令は絶対である。日本の特務機関ともども、命令には服従するしか
ない。立ち尽くす男がいま何思うのか、ここにきて藍華が以前脳裏に描いていた性格診断が
関係する。誇り高い軍人として潔く節目つけるを良しとするか、それとも蛇のようにとことん
しつこい男なのか…?結論から言えば藍華の直感が正しかった。大佐としては水泡に帰した
今回の件に屈辱を感じながらも、前者の道を選択したからである。もっとも老獪な男のこと、
現実的な打算もふんだんにまぶされている。作戦本部は自分を責めてはいない。将官が
いうように、ラグ・データある限りいつでも再起できるのであれば、自分にもチャンスは
ある。また、藍華たちを捨て置くことにもそれなりに納得性は感じられる。何故なら軍事利用
からみたもうひとつの最新材料であるオルタネート・メタルは未だかつてどの国も生成し得て
おらず、今後藍華を捕らえて開発に供させようとするのも100%不可能と思われる為に。
つまり、今まで某国軍の最精鋭部隊をもってしても捕捉出来なかった無敵の彼女に
太刀打ちできる者など地球上どこにもない、ということである。その藍華とデルモたちが
結びついたとすれば、確かにこれは厄介そのもの。こんな女たちを相手にしてトラブルが
起きない訳がない。どうせ彼女たちに軍事的野心はないのだから、放っておけばよい、という
方針に収斂するのも頷ける話である。そうなるとやはりラグだけが依然、兵器開発の
目玉プロジェクト。作戦本部のキーマンである中将が自分を贔屓にしてくれていることも
あり、しぼみかけた昇進の夢が再び急速に膨らむのである。「フン、小生意気な女どもめ…」
小さく呟く大佐は、まさにこの言葉を捨て台詞として、以降彼女たちの前に姿現すことはない。

143超初心者:2003/08/22(金) 21:46
(32)
さて、軍の攻撃を退けたあと彼女たちが機内で何をして過ごしていたかといえば、夫々の
シートを水平にまで倒し、みな激しくも美しく繰り広げられる睦み合い。変身を解き、
すっかり全裸状態になった藍華のまわりにも数名のデルモたちが取り付き、思い思いの体勢で
愛を確かめている。今こうして生命あるを実感できるのは、何と言っても藍華のお蔭。過去に
どんな確執があろうと、自分たちの窮地を救ってくれたことには違いない。命の恩人、という
言い方は勿論だが、ことデルモたちにとっては、自分たちの性を開花させてくれたお姉さん、
と表現する方がしっくりくるだろうか。よほど“銀かぼちゃ” 内での、めくるめく体験が
全身に染み渡っているのだろう、”えり”も日本へ帰るまで待ちきれず他の黒デルモ同様
服を全て脱ぎ捨て藍華のもとへと裸身を投げ出している。そうした耽美な空間には、まさに
ぴったりなのがワインという飲み物。あなたたちの為に冷やしといたわよー、と司令が
マイクで伝えニナ・エスコがみんなに配ってまわるのは何とロマネ・コンティ最上級。
グラスを受け取る黒デルモが、自らはあられもない姿態のまま却って上官にサービスさせて
いる自分たちを深々と詫びると、白デルモはそんなこと気にしないで、と爽やかに返す。
「みんな無事でホントによかった。もう、ここは無礼講でいきましょう♪」本当は彼女も
制服を脱ぎたいところだったのだが、司令の手前我慢我慢。一応白デルモとして上に立つ者の
宿命と諦める。その代わり日本へ帰ったら副官さまと…いや、ひょっとしたら藍華とも…
熱い夜を共にするのだろうか…胸の高鳴りを禁じ得ないニナ・エスコ。そうこうするうち、
しこたま飲んだ快適な空の旅はあっという間に終わり、女たちは無事日本への帰還を果たす。
気圧の低い場所であれだけ飲めばべろんべろんの酔っ払いが出来上がるという説もあるが、
さすがに裸では機外に出ない女たち。タラップを降りたところで、ひとりシラフの司令が
代えのスーツを着用する藍華に近寄りその手をとって語りかける。「本当に有難う。
このことは忘れないわ。あなたの休業補償金もちゃんと払いますから…」まあそんな、などと
謙遜する素振りを見せながら、じゃあいくら請求しようか、などと考えている藍華の耳元で
追加の一言を囁く司令。「でも、あなたとの決着は必ずつけますから…ね♪…」うふふっと
笑みを浮かべる藍華。「どうしても私を気絶させるってわけね…?」
「そうよ。この私の手で気絶してもらうの。そして、あなたを…この先はもういいわね…?」

144超初心者:2003/08/22(金) 21:47
(33)
当たり前だが、一日は昼と夜からなっている。先ず昼間。今回の件に関わっていた間、留守に
していたKKコーポレーションの仕事は案の定の山積み状態。それらを再開するに先立って、
郷造社長や、りおん、道草にここまでの事情を説明するのにもそこそこの時間と労力を
必要とする。復帰早々、会社の大黒柱としてデスクワークに営業に、と飛び回るような多忙の
最中、さりげなく某国軍関係のニュースやクライアントのその後動向をチェックする藍華。
あの島の事件が意外に大きく報じられていない…まぁた軍お得意のウヤムヤ戦術なんだわ、と
呆れるが、それより、物騒な連中があれからデルモたちや自分のまわりにうろつかなくなった
のはいいわねえ、と素直に喜んでいる。藍華やデルモたちに関わるな、という軍の決定が
出されていたことまでは勿論知る由もないが、これまた彼女一流の直感で二度目の襲撃は
ない、と断じ切るわけである。実に羨ましい程の自信というか、あっけらかんというべきか。
何れにしても結果良ければ全てよし。余計な心配もここまでとし、あとは仕事仕事と
打ち込めば昼間の時間はスケジュールもびっしり一杯、外回り中の喫茶店で一休み、という
今までのパターン暫くお預けとなるのは仕方がない。こうしてメチャ忙しの昼間が終わり
夜になるが、これがまた…!藍華とりおん、藍華とニナ・エスコ、藍華と”えり”の3組は
随分早くから予約済み。一方、デルモたちの中でも様々な組み合わせが実現し、
あちらこちらで艶めかしい花が咲き誇る。司令と副官は当然として、副官とニナ・エスコ、
そのニナ・エスコとナターシャ、ポーラとレジーナ、ビアンカとヴァレリ、等などなど…。
青・ピンク・黒の女たちについてはもう、それこそ枚挙に暇がないというものである。
この辺になると、二人だけのお楽しみなのかどうかも一切不明。一番の長を務める司令に
したところで自分と副官の逢瀬にニナ・エスコを混ぜてみたり、黒デルモたちの輪にも
進んで入っていくくらいなのだから。更に付言すれば今回新たなカップルも誕生。
ひとつはキャサリンとりおん。あの一件以来、藍華たちとデルモたちとの接点が少しだけ
広がる中で互いに過去の経緯を気にしていた二人が、まごつきながらも着実なゴールインに
こぎつける、というものである。もうひと組は…”えり”と、あの若い兵士!基地撤退後、
彼は志願して除隊になり本国の民間企業へ勤めるようになったが、どうしてもあの黒デルモが
忘れられずに休暇をとり、はるばる日本までやってきたという訳なのである。

145名無しさん:2003/08/23(土) 08:18
もうヤメテクレ〜。

146超初心者:2003/08/23(土) 15:00
(34)
夜の営み。それはただベッド上、貪り、悦び、昇り詰めるだけのものではない。癒し、
励まし、自覚、共感、そして許し…かつて、「愛だろ、愛…」などという某カクテルバーの
CMがあったが、実際、愛の織り成す形は様々である。例えばニナ・エスコと藍華。一度の
高みに達したあと、白デルモは不意に大粒の涙をこぼす。藍華がそっと尋ねれば、あの海戦を
思い出していたからだと言う。彼女の心に広がるのは、某国軍将兵の人命多数を奪って
しまったことへの深い邂逅と懺悔。向こうが先に戦争の火蓋を切りミサイルを打ち込んでくる
経緯だったとはいえ、ラグ砲弾で応戦した結果が先方大型艦の消滅となった事実は永久に
消えない。あの時はハーゲン博士に尽くすまま無邪気な戦争勝利に沸き立っていたが、今
改めて大佐の言葉が思い起こされるうち、身をよじるほどの心痛が走るというのである。
もっともここで内情を明かせば、デルモ・コーポレーション発足後、既に彼女たちは
少なからずの金銭を某国軍遺族たちに送っている。それも一切「名無し」で。また、
地下基地で大佐が彼女を責めていたセリフに一部誇張があるのも密かな遺族調査の過程から
知っている。随所に自動化された新鋭大型艦にあの時乗り組んでいたのはその実100人。
周辺の小型艦も含め、死亡に至ったのは1000人どころか、120人を下回るものだった。
だが、デルモたち、特に司令、副官をはじめとする指揮官クラスの白デルモたちにとっては、
金銭や人数の問題でない、自分たちの犯した罪そのものが重い十字架となって
のしかかるのである。「じゃあ、どうするの、国際法廷にでも出向くつもり?」
「ええ…司令や副官にはこれから相談するんだけれど…」
「それで死刑にでもなったらどうするの。それでもいいわけ?」
藍華のこの言葉に一段と目が潤む白デルモ。
「だから…だから…この世の思い出に、あなたとのことを身体に刻み付けておこうと…」
ちょっと待ってよォ、縁起でもない、と苦笑する藍華だが、思いつめたような相手の目が
飛び込むにつけ、少し落ち着いて返す方針へと転ずることにする。
…元々戦争に正義なんてない。実際先に仕掛けてきたのは向こうなんでしょう?だから
責任者は双方とも公正に裁かれるべきだわ。ところが片一方の当事者である某国は、あの
海戦の事実そのものを隠蔽してるじゃない。原告席にすら立つ気がさらさらないのよ。それは
どうしてだと思う?ラグ兵器開発のことを世界に知られたくないからでしょう。自分たちだけ
圧倒的軍事優位に立とうとしてるんですものね。それなのに、あなただけがのこのこ
出て行ってどうするの。一方的に泥をかぶって罪に服するの?そりゃ、死刑にはならないかも
知れない。でも軽くはないわよね。それに某国軍の方から見れば笑いの止まらない話よ。
まるで鴨ネギって感じ。自分たちが不利だと思うからこそ法廷に顔をださないというのに、
原告不在のまま被告人が全てを背負ってくれるんですもの…

147超初心者:2003/08/23(土) 15:01
(35)
結果として藍華の説得は効を奏し、ニナ・エスコは思い止まった。ただ、これからも遺族への
償いは続けていく、夫々残された家庭をさりげなく見守ってもいきたい、と答えて。慈愛の
眼差しを注ぐ藍華は内心ほっと胸をなでおろす。と、同時に少し肩がこったなー、という
気持ちも偽らざるところ。全くもって、色んな意味で濃厚な夜が繰り返される中、いや
その前に昼間目の回るような毎日をおくる彼女として、疲労が蓄積しない筈がない。こっそり
ドリンク剤を飲む。頻繁に飲む。がしかし、この事は最も親密なりおんですら知らない程、
見事に表面カムフラージュされるあたり、いかにも藍華らしいといえようか。これは彼女の
屈託ないサービス精神にもよるのだろう、どんな時でもそれなりの雰囲気を醸し出し、相手を
退屈させない。昼間は商談先に対し、そして夜はパートナーに対して…。従って、そうした
ハードな日常に、あのお約束が重なるというのは本来相当なオーバーワークということなのだが。
お約束…言わずと知れた司令との決着の闘いである。「脱出名人」変じて今や
「気配り名人」となるのは結構だがそれだけ精神的負担の大きい現在の藍華と、平素悩みの
少ないお嬢様司令を並べてみれば、傍目にも随分なハンディに映るもの。が、これも結論を
急ぐことにしよう。必然不可避だった二人だけの闘いにも明確な決着はついた。どちらかが
倒され、気を失ったということである。闘いを制した女は、気絶している女と、静かに、
しかし青白く燃え盛る情欲の炎のままに熱い抱擁を交わす。こうなればそれ以降の二人が
どういう関係に至るか、おおよその想像もつこうものだが、さてどちらが激闘に勝利したのか
…それは全国遍く在するAikaファンのみぞ知る秘密のままに…ついでに言えば、非力な
キャサリンには特に自信満々のりおんがどんな愛の交歓を演出するのか、はたまた黒デルモ
”えり”の処女はどうなるのか、等々触れるべき箇所まだまだあるが、これこそは、
あっさりとした藍華流を見習って…いまこの荒唐無稽「小噺」の筆を逡巡なく置くべきと
考えるものなのである。(これにてオシマイデス〜^^;;;)

148超初心者:2003/08/23(土) 15:08
まったく、小噺にあるまじき35レス、例によっての長文・駄文…(汗)
副官様、この程度デスが、ご容赦を〜^^;;;

149副官:2003/08/23(土) 20:30
超初心者様

有難うございました。堪能いたしました。
藍華さんとデルモ達、共通の敵を相手にしたことで絆を深めました。
そうです、続編はこうあって欲しかった。
望んでいた通りの結末に、この副官大満足させて頂きました。

150藍華さん</b><font color=#FF0000>(........)</font><b>:2003/08/29(金) 01:28
超初心者様、ご苦労様でした。
素晴らしいストーリー、大いに楽しませて頂きました。
感想が遅くなり申し訳ございません。

また一つ、新しいAIKaの世界観が広がりました。
その大作をご投稿頂き、この板の開設者として改めて御礼申し上げます。
どうも有難うございます。
これからも引き続き宜しくお願いいたします。

>そうです、続編はこうあって欲しかった。
>望んでいた通りの結末に、この副官大満足させて頂きました。
副官様、よろしゅうございましたネ。

151超初心者:2003/09/02(火) 22:02
小噺その52(前編)

あるシンプルな闘いの顛末。白銀基地から無事脱出した藍華たちが、犬吠島の一件に
巻き込まれる以前のこぼれ話である。いつものように深夜までの残業を終え、くたびれた
身体を引き摺って公園の道を抜けようとした時のこと。ばらばらっと周囲の木陰から飛び出す
多数の人影が、瞬く間に藍華を取り囲む。明るい庭園灯に照らされたそれは、もうすっかり
お馴染みの黒デルモたち。紫色の髪を肩口で少し内巻きにカールした女がお決まりの第一声を
放つ。「皇藍華!今度こそは逃がさないわっ!」無論こんなベタなセリフに藍華が動じるわけ
がない。もう、こっちは疲れてるのにィ、とやれやれの表情でぐるりと見回せば、総勢
20数名もの女たちの顔が否応なく藍華の目に飛び込んでくる。地下駐車場で、
ハーゲン艦で、ペロロンカホテルで、そして白銀基地で…何度も、何度も気絶させた女たち。
実にこの度は、そんな黒デルモのオールスターと言えよう、何としてもこの場の闘いに
勝利したいという執念なのであろうが、単なる人数合わせの感に見えなくもない。そこでふと
藍華の目にとまるのは、白銀基地の廊下で「こっちにこなけりゃいいのにねー」などと非力
この上ない一言を呟いていた、あのいたいけな二人である。あの時は麻酔銃で眠らせたが、
生憎いまはその持ち合わせがない。出来れば力を振るうような野暮など避けたいところだが、
こんな成り行きでは果たしてどうなることやら…あの二人に限らない、デルモたちが何人で
来ようとおよそ結果は見えている。それでも、いや、だからこそ、というべきか。藍華当面の
対応は会話モード。出来るだけ多くの言葉を引き出そうと一応の努力をするのである。
「私は逃げやしないわ。あなたたち、ハーゲンがいないのに、何故こんなことを
続けるの!?」司令たち白デルモには既に投げた質問だが、このセリフ、末端の黒デルモたち
にも改めて認識させておいた方が良いだろうとの、藍華の思いがそこにある。と、その意が
届いたかどうかはともかく、ここで勢いのある反応だけは返ってくる。
「ハーゲン様の崇高なご意志を実現するために、我々デルモゲニィは強くあらねばならない。
その為に皇藍華、お前を捕らえ、その力を分析して我々の能力を向上させるのだ!」
「まぁたその計画?一度失敗してるじゃない。あの時あなたたちも、みんな
気絶したでしょう?あんなこと、私だって本意じゃないの。それに、ハーゲンの意志って
何よ。まだ地球再生計画なんて滅茶苦茶なこと考えてるの!?」(続きマス↓)

152超初心者:2003/09/02(火) 22:05
(後編)
「滅茶苦茶とはなんだ、ハーゲン様のご意志を冒涜する気かあ!」
「あのね…彼はノアの箱舟を気取ってたのかも知れないけど、要は自分とあなたたち以外の
地球生命を全て抹殺しようとしてたのよ。その中には当然あなたたちの家族や友達が含まれて
いるし、何よりそれ以前にハーゲンがこの地球上の生命を脅かす権利なんてどこにもある訳
ないでしょう。あなたたちは命の尊さを何だと思っているの?」…序盤幾つかの会話が
連なるが、この段階ではまだありきたりの応酬というところ。しかし、今回珍しくも粘り強い
やりとりが続く中で、多少前向きな接点が見えてくる。「ハーゲンの意志」一本槍で来ていた
黒デルモリーダーは、その妥当性について僅かながら藍華の意見との融合を試み、藍華の方も
デルモたちの存在や立場について一歩踏み込むアプローチを行うのである。考えてみれば
デルモたちも「ハーゲンの意志」自体、ホーリーファックス号が宇宙へ飛び立つ寸前に一回
聞かされた程度のもの。彼への盲従はあっても、その理念きちんと理解していたとは
言い難い。ハーゲン博士の計画が様々な病巣を抱える地球への問題提起だったのだろうという
見方まで敢えて藍華が歩み寄れば、逆にデルモたちも地球生命を悉く奪おうとしていた
あの計画に無理があったのか、と、胸に手を当てる。とくれば、日頃多くを語らない
藍華でも、この時ばかりはとの思いからか、次のような力説とうとうと述べるのである。
「理想や夢って大事よ。でも、どんな人間でも、どんな生き物でも、命ある限り、みんな
立派な意味を持ってると思う。理想や夢というものは、そんな、みんなの意味を紡ぐ中で
初めて見えてくるものじゃないかしら…?」「う…」段々言葉に詰まってくる黒デルモたち。
更に言葉を交わす中で、あっさり現在の地球を起点とした考えに転じるあたりいかにも天然な
デルモらしく、また微笑ましくもこれご愛嬌の類といえるだろう。が、それでも尚、である。
落としどころとしては、相も変わらず藍華打倒に収斂する。地球生命を尊重せねばならないと
自戒を込めつつも、やはりこれから様々な改革をなしていく為にデルモゲニィを強くする
必要がある、その為には先ず藍華の身体能力を…という、例の論理に逆戻りしてしまう
からである。「だから、お前を倒し、連れていくのよ!」表面上は今までと何ら変わらない
意気軒昂。折角の話し合いもここまでだった。もっとも、藍華としては黒デルモたちが
地球壊滅の企みをここで放棄してくれたことだけでも充分満足、あとは心おきなくこの場の
闘いに専念出来ると感じている。そこから後は例によって例の如きの展開で、黒デルモたちは
次々あっという間に気絶させられ、無様に倒れた場所であられもなく四肢投げ出していく。
早くも残り二人、というところで青ざめた表情の女たちへ向ける一言があり。
「じゃあ、あとは宜しくね。大勢いて大変だろうけど、ちゃんと介抱してあげて。バイバイ♪」
あの非力な二人に手をあげるようでは女がすたる。呆気にとられる黒デルモたちなど
まるで気にせず、自分のあっさり流ばかりに惚れ込みながら、軽い足取りで公園を後にする。
そんな、今回あくまでもシンプル一筋な藍華なのであった…。

153黒デルモめぐみ:2003/09/02(火) 22:09
わーい、私が出てきた。
続きをはやくはやくぅ…。

154黒デルモめぐみ:2003/09/02(火) 22:12
あっ、カキコしてる間に終わっちゃった。
で、めぐみはどうなっちゃったの?

155超初心者:2003/09/02(火) 22:24
おや、このスレには珍しいクイックレスポンス^^;
めぐみさんと、もう一人誰だっけ…廊下で立ち話ししてたの。
お二人とも、藍華サンに見逃してもらい、しばらく仲間の側にいてあげた
ようですヨ^^

156藍華さん</b><font color=#FF0000>(........)</font><b>:2003/09/02(火) 22:46
>このスレには珍しいクイックレスポンス

30分遅れですが、拝読させて頂きました。

157超初心者:2003/09/06(土) 07:31
小噺その53

公園での闘い以降犬吠島に至るまで。何度となく同じやりとりばかりが繰り返されると
いうのも実際のところ如何なものか。即ち、帰宅途中の藍華をデルモたちが襲うという
ワンパターンへの捉え方である。一度相対し、気絶した女が懲りもせず藍華に向かう。
結果は歴然。しかも目覚めればまた徒党を組んで攻めかかり、再びの気絶。一体何度
気を失えば納得するのだろう、とついつい呆れてしまう。そんな中ではあるが、藍華として
一歩一歩着実前向きな手応えを感じているのか、意外にその表情は明るい。闘いの都度、
デルモたちと少なからず会話を持ち、彼らが地球支配の野望から脱却する過程を自身の目で
確認出来ているからである。何だかこれ、説教強盗みたいね、と内心苦笑しながらやはり
言葉ってそれなりに大事だと思う。自らを強盗に例える心の寛容さも大したものだが、
何にせよデルモたちの目的が藍華打倒に転じるのは彼女にとってもむしろ歓迎というところ。
色々問題あるにせよ、地球生命抹殺はないでしょ。自分が相手して済むならいくらでも
相手になるわ、というノリである。初対面のデルモにはくどくどと。二度目以降の相手には
同じ話も一切省略、さっさと闘いに入り、てきぱき倒すのが藍華の流儀。僅かな期間に
黒、青合わせて都合100人、延べ人数にすれば実に500人が気絶に至ったという次第
に至る。それも全て股間おっぴろげ、涎垂れまくりの有様だが、もっと壮観なのは倒れた
女たちの半数以上が純白パンティから沁み出す愛の蜜によって芳しい泉を床一面形成する
光景。藍華に当て落とされながらイったデルモたちは、その多くが忽ちに病み付きとなった。
延べ500人にして一人あたり平均5回という数字が、熱心なリピーターの存在を如実雄弁に
指し示す。倒す相手全員、怪我ひとつ負わせない藍華の技量も確かなものだが、それ以上に
こうした至福のスペシャル体験にはデルモたち皆、吸い込まれるように身を
投じていくのである。それでも藍華の方として、その実断固たる自己規制があったことは
付言すべきだろう、少なくともあの非力な黒デルモ二人に対しては。毎度の闘いを終えた後、
最後に残った二人がおずおずと藍華の前に進み出てきた時、彼女はこう問い掛ける。
「あなたたちも向かってくるの?」すると、およそ格闘の態をなしていない二人の返事は
こうである。「だって、私たちもイキたいんです…」”めぐみ””ひろみ”という二人の
名前までは知る由もないが、藍華は棒立ちな”めぐみ”の前に近寄ると優しい表情で
語りかける。「女性のお腹って、とってもデリケートなの。あなたたちのような若いコに
むやみな力は振るえないわ。イクって言っても、その前に、とても苦しい思いを
しなきゃならないのよ…」言いながらゆっくり右腕を突き出す藍華。先端に作った拳が
”めぐみ”の黒いコスチュームの真ん中やや下腹部あたりに接すると、少しずつ押し込まれて
いく。女の柔らかい腹部がゆるやかに窪み、沈もうとする拳を中心に放射状の皺を刻む。
「…ぅううぅ…」足踏ん張りながら「く」の字に身体折り曲げ、顔をしかめる黒デルモ。
その苦悶の相を見つめながら、藍華は腕を戻す。
「ね、わかったでしょう?だから、そんな無茶は言わないの。ここに倒れているコたちと
同じくらい、あなたたちが大きくなったら考えてもいいけど…」その言葉に二人の瞳が
ぱっと輝く。あと何年かしたら藍華と闘い、みんなと同じあの甘美な気絶を体験することが
出来るんだ…その日を待たず両者の和解が成立するなどとはよもや想像もしない、純真一途な
思いと憧れ。仲間の失神姿をそれこそ際限なく目に焼き付けながら、じっと夢膨らませる
二人なのであった…。

158超初心者:2003/09/10(水) 21:30
小噺その54

ひっそりとした深夜のバーカウンター。今宵のカップルは久しぶりに司令と藍華、仲良く口に
するのは目にも色鮮やかなソフトカクテルである。先ほど食事を共にした二人がこのバーに
来てからもう2時間。静かな会話に興じるその雰囲気から見る限り下衆の勘ぐりは一切無用、
怪しげな感など、まるでなく。勿論この二人のこと、燃え盛る情熱のままベッドインへ
もつれ込む場合も無いではないが、今回ばかりは至って粛々とした進行といえる。会話の
テーマはずばり、デルモゲニィそのものについて。変な話だが、藍華はその存在を一概に
否定する者ではない。物騒な動きさえなければ、どのような組織活動をしようと頓着しない
あっさり加減。片や司令の方も、そんな藍華の人柄に漸く気付き、数少ない理解者を得た
喜びのまま今日に至っている。今や、込み入った話であれ何の苦もなく互いの胸襟を開き、
語り合える二人。その一節をほんの僅か、覗いてみると…。
「…それにしても、あなたたち、ずっと一緒にいてホームシックにならない?そりゃ、お互い
仲はいいんでしょうけど…」「仲の良い悪いってだけじゃないわね。私たちを結びつけている
のは、やっぱりハーゲン様への忠誠なのよ」あの白銀基地ではこの言葉の先に待ち受けて
いたのが闘いという必然だった。しかし今は違う。司令の言う「ハーゲンへの忠誠」
なるものに純粋な興味を抱く藍華。重ねる言葉にも、決して詰問の意などまぶすことは
しない。「一途なのね…」「今だってハーゲン様、ネーナ様をお慕いする心に微塵の曇りも
ないわ。お二人とも、きっとどこかで生きてらっしゃると思うし…それに、組織としての
まとまりは私たちの誇り。単なる仲良しクラブじゃないのよ」「そう…」フラットな返事
ひとつ。うら若い女性ばかりが集まって、ただハーゲンの為に尽くす。その上誇りを感じる
ですって?…ホント、不思議な集団ね、と藍華は思う。しかも司令の話を細かに聞けば、
デルモたちにはある程度個人の自由も許しているらしい、非番の日などは買い物やグルメを
楽しむこともある由。それでいて、組織の一員であること片時も忘れず、自分の役目を
まっとうしようと努力する。一部研究員や技術要員以外は仕事らしい仕事もないのに、
である。つまるところ警備や格闘を仕事とする?いや、確かに仕事ではあろう、が、それを
もって軍隊組織のノリかというと、それも少々疑問あり。理屈ではない、ただ
「ハーゲンへの忠誠」というフレーズだけが一人歩きし、彼女たちのモラルを
支えているのだから。実際一人ひとりは本当に普通の女である。非力な女である。それでも尚
組織を抜けることがない。肝心なハーゲンとの間で結局何もなかった彼女たち。残された
女ばかりの空間で何が楽しいのかと疑いたくもなる。それでもただ黙々と規律正しい生活を
送る。頑なに処女を守る。年頃の女の子が享受する奔放な暮らしを望むこともなく。
ただハーゲンへの忠誠の為に生きるのだ、という信念の下、仲間同士身を寄せ合い
労わり合い、間々愛し合うことすらある純な乙女たち。もとから一般市民への害意なく、
今や藍華との和解もなった。そんな彼女たちにカリスマ盲従だの集団催眠だのという安易な
形容は当たらないだろう。ストイックという表現ですら妥当ではない。一人ひとり、溢れる
魅力を放ちながら、その振る舞いあくまで不思議な、そしてほんのり甘い香りを底流漂わせる
ばかりなのである…。

159しーぽん&カニは死ね!:2003/09/11(木) 23:39
僕を出してよぉー!
僕はネオデルモの最高指導者なんだぞ!
配下には忠実なデルモ達が沢山いるんだぞ!
分かってる? この意味?

160名無しさん:2003/09/12(金) 00:22
てる君?しーぽん?長門・・・どっちでもいいや
一つ言わせてください。
あなたのハイレグレオタだかなんだか知りませんが、自分の妄想や理想を他人の目的や趣旨が違うスレで爆発させないでいただけますか?
迷惑で、とても困っています。4Life様や、超初心者様のスレではなく、ご自分のスレでおやりなさいよ。なんのために立てられたんですか?
ここや4Life様のスレがとっても好きで見ている私にとっては、ハッキリ言ってとっても邪魔でムカツキます。話の筋を見極めた上での慎重な書き込みを、どうか、お願いいたします。
超初心者様、こんなことカキコして申し訳ありません。

161しーぽん&カニは死ね!:2003/09/12(金) 00:39
よく言うよ。
SSの方が遥かに問題発言が連発されてるのに、
何故オレだけ濡れぎぬ着せられて悪者扱いされんにゃならんのかと小一時間。
フザけんなと言いたいね。

162名無しさん:2003/09/12(金) 00:40
>>160
死ね!馬鹿。

163名無しさん:2003/09/12(金) 00:45
>>160
オイ、テメェ、ブチ殺すぞこの野郎!

164名無しさん:2003/09/12(金) 00:46
まあまあ、みんななかよくしようよ。

165名無しさん:2003/09/12(金) 00:54
>160
変な言いがかり付けるのはやめて欲しいね。
ここの板の趣旨が分かって無い奴の発言だよ。

166名無しさん:2003/09/12(金) 01:12
>>160
他にも問題発言している人物はいるのに、特定の人物だけ名をあげて責めるのは公平ではないだろう。

167名無しさん:2003/09/12(金) 01:24
>160
死ねや!このボケナス。

168名無しさん:2003/09/12(金) 02:37
>>160
この馬鹿が!

169名無しさん:2003/09/12(金) 08:09
>160を叩くのはもうよしなよ。

170超初心者:2003/09/12(金) 20:36
>159-169
いきなりレスが伸びているので、びっくりしましたー(汗)159さんも160さんも
164さんも169さんも有難うございますm(__)m
お互いファン同士、まったりいきましょ〜^^
所詮は愚生ごときの駄文です。皆様お気楽に読み飛ばしていただければ、と。
なにせ私はデルモゲニィ内部犯と目されているのですから^^;;
(4Life様SSスレ参照)

171超初心者:2003/09/13(土) 21:22
小噺その55

藍華とデルモたちとの関係。概ね闘いに明け暮れているよう見られがちだが、人間同士の
やりとりである以上、様々なサイドストーリーがついてまわる。中々表面に出ないが
その実、藍華がデルモたちを助けることだってあるのである。例の公園バトルで黒デルモたち
10人を倒した藍華が、少し疲れた足取りで自宅に向かう途中のこと。ふと、ご愛用の耳飾り
がひとつ、なくなっているのに気付く。さっきの闘いで外れてしまったに違いない、もう、
ほんとにィ、とぼやきながら公園へ戻ると、何やら怪しげな人影数名あり。傍らに
大型トラックが停まり、その荷台に女たちを運び込んでいるような気配である。あの
地下駐車場と同じく青デルモたちが暗躍してるのかと最初は思うが、よく目を凝らして
みると、それは女でなく、いかつい格好の男たちばかり。近くの植え込み伝い、密かに
接近して様子を窺えば彼らの低い声が否応なく耳にも届く。「フフフ…こりゃあ、
上玉だな…」「相当な値段になるぞォ、これは…」「しかも、噂じゃ全員処女だって触れ込み
だぜ。たまらんなあ」「こいつらに手を出そうとした仲間が今まで散々やられてきたが、
あの女のお蔭で万事うまくいく。笑いが止まらない、とはこの事だな!」フハハハ…どす黒い
悪意と狡猾が入り混じった下卑な笑いである。この男たちの正体が何なのか正確には
わからないが、およそロクでもないことだけは明らか。デルモたちへの義理はないが、
ひとりの黒デルモの胸元にのる藍華の耳飾りを男が胡散臭そうに拾い上げ
「フンッ、こんなもの!」と道端の側溝に投げ捨てた時には、さすがに藍華も我慢の限界を
越えていた。さっと姿現し、凛とした声で言い放つ。
「あなたたち!そのコたちをどうするつもりなのッ!?」(To be continued^^)

172超初心者:2003/09/14(日) 12:44
小噺その55の後編

男たちは5人。服装はまちまちで背広にネクタイ姿の者もいたが、その人相お世辞にも良い
とは言えないだろう。およそ堅気の人間とは思えない、訳ありな雰囲気が全身に
充満している。藍華の出現に一同ぎょっとはするがそれも瞬時のこと、すぐニヤけた笑みを
口元に浮かべ彼女を取り囲む。どれも似たような風貌の中で僅かにリーダー然とした男が、
気持ち悪い程の愛想で返す答えがある。「これはこれは、ミス藍華。どうなされましたか?」
「どうって、それはこっちのセリフよ。何をしてるのか…教えて頂きたいわ」
「見ての通り、こいつらを連行して調べるんですよ。あなたに何度も襲い掛かった悪い
奴らでしょう?」自分の名前を呼ばれたことから、この連中がそれなりの下調べと計画を
練っていたことがわかる。藍華にとってその計画が何を意味するのかは分からないが、
一貫して持ち続けている自己の信念だけはこの場においても微動だに揺るがない。信念…
それは次の言葉で明らかになるもの。「これは、私とこのコたちとの問題なの。
手を出さないで頂きたいわね。それに見たところ、あなたたち警察でもなければ救急隊
でもないようだし。上玉だの値段だのっていうさっきの会話もばっちり聞かせてもらってる
のよ。二度とこんなことしないで頂けないかしら?」藍華とデルモたちだけの問題である。
純粋な闘いである。男たちの黒幕や狙いに興味はない、ただ自分たちの確執に立ち入るな、
その一点なのである。ちょっと考えれば、随分鷹揚な発想。男たちを追及するでもなく、
翻って彼らが素直に引き下がれば何ら痛い目に逢わずに済んだのだろうが、格闘に場慣れして
いる自信と数の優位が冷静な判断を狂わせる。間髪おかず、周囲から一斉に殺到する男たち。
が、雲泥の差とはこういうことを言うのだろう。二人ほどは銃まで出したが結果は同じ、
あっという間に全員が地に這った。まったく、何て男たちよ!と呆れ顔の藍華。再び手にした
耳飾り、ついた汚れをハンカチで丁寧に拭きとり装着したところで、もうひと仕事が待って
いる。それは気絶した黒デルモたちを揺り起こすこと。「う…う〜ん…あ?…ああ…」
怯える女にニッコリ微笑む藍華である。「さ、早く仲間を助け起こしてあげて。この男たちが
目を覚ます前に」10人全員を起こしたところで、藍華は簡単に説明する。油断も隙も
あったもんじゃないわ。あなたたちも気を付けてね、と。敵である自分たちまで救ってくれた
藍華に黒デルモたちは感激一杯、胸がつまるのも当然か。涙目を潤ませながら去っていく
女たちは最後に一言を残した、もう公園では闘わない、と。不逞の輩に付け込まれないよう、
場所を選ぶということだが、闘いそのものは放棄しないというしぶとさの表れでもある。
あとは自分たちの基地である犬吠島まで一直線…最終決戦に向けたシナリオがここに
出来上がったという訳なのである。(End^^)

173名無しさん:2003/09/15(月) 15:34
>>171 >>172
超初心者さんのSSをいつも楽しみにしています。
今回のSSを読んで、気づいたのですが、
藍華さんが、男たちと格闘するというシチュエーションは、OVA本編でも、コミックでも、
そしてSSでも初めてのことなんじゃないでしょうか?
ナジカもOPでは複数の男たちと格闘していましたが、本編ではそういうシーンは、
なかったんじゃないでしょうか?少なくとも印象に残っていません。

これからもSSを期待しています。
それからイラストももっと描いてください。

174超初心者:2003/09/15(月) 17:09
>173様
 私のような駄文にまでお付き合いいただき、有難うございますm(__)m
 最近は数十レス以上の長文だらだらデッチアゲストーリーを書く気力が伴わず
 小噺中心に妄想しておりマスが、その分シチュエーションのデタラメさは
 膨張する一方(笑)本編では、クライアントが結構ワルに描かれていたように
 感じましたが、郷造のような苦労人もいれば、ズルイ奴らもいる、ということ
 デスネ^^私の独断と偏見としましては、OVA本編の主役を藍華に限定して
 いません。敵味方を超えた女性たちの躍動がまぶしく映るばかりなのでアリマス。
 多くの皆様も仰ってますが、Aikaはコンセプトの段階でも中々良く練られていると
 思いますね。(もっとも、私はコミックすら読んでないのですが…汗汗)
>イラストももっと描いてください
 えーーっ!?あんな鉛筆落書きですよ?研究所様のゲスト画廊もどんどん
 ハイレベルになって、私などもうお恥ずかしの一言デス(大汗)
 カラーCG関係の資料や本を読んだだけで、頭クラクラ…現在ギブアップ状態です^^;;

175ぱんちーと:2003/09/15(月) 18:45
いえいえ、超初心者さんのイラストにはそこはかとない味があります。

176超初心者:2003/09/15(月) 20:19
ぱんちーと様、いつも暖かいお言葉、有難うございます。
>そこはかとない味
  絵師の皆様がお描きになるダイナミックで美しいCGの足元にも及びませんが、
  何か、雰囲気のかけらだけでも醸し出せれば、との思いデシタ^^

 PS:副官様、例の優勝フィーバーは今ごろ最高潮では^^?
   当小噺その46でも触れさせていただきました。3-1と予測しましたが
   3-2でしたネ^^

177副官:2003/09/15(月) 20:28
>優勝フィーバーは今ごろ最高潮では

今夜は愚息が「飛び込み」で有名な道頓堀・戎橋に見物にいっております。
さて、何時ごろ帰ってきますやら。
サンTV(阪神全試合中継)がず〜と放送しております。

178超初心者:2003/09/17(水) 22:40
小噺その56(その46の尾ひれ羽ひれ)

2039年9月17日、某大都市圏。フランチャイズ球団優勝の興奮冷めやらぬ街のあちこち
では、大きなパーティから小さな飲み会に至るまで様々な人々が感激に酔い痴れている。
ここ、とあるダイニング・バーでも50余人もの女性たちが貸切状態で大盛り上がり。
黒、青、ピンク、ゴールデン、白…もう言うまでもないだろう、何れ劣らぬ美女揃いの
コスチューム姿は勿論デルモたちのものである。大勢のデルモたちに混じって藍華やりおんの
顔も見え、女性ばかりの嬌声はただひたすらに姦しい。本来彼らの職場である関東圏からは
離れているが、この日ばかりは距離など問題でないと、夫々に出張をデッチアゲこれだけの
人数が集まったということである。店内BGMにかかるのは何故か上田正樹「OsakaBayBlues」…
バラードだと盛り下がるのでは、と考えるのは早計で、女たちの会話を妨げないこの程度が
まさに最適といえようか。およそまとまりのあるおしゃべりではないが、順不同に彼女たちの
コメントをひろってみると…。
「“勝ち組、負け組。そんなん、ないんや”なんて格好いいこと言うわよねえ、このお爺さん」
「とても92歳とは思えないわよね。見た目もまだ若いし、何だか私のタイプ♪」
「え〜っ?マジ〜〜ッ!??」一方こんな黒デルモたちの喧騒とは別に、ゆったり進行する話
もある。「キャサリン、今年はお疲れ様でした。あなたたちの応援が効いたって、昨日監督
以下球団関係者の方がお見えになって感謝状を頂いたわ」「有難うございます、司令。でも私
なんか、気絶ばかりしててお恥ずかしいです…」「うふ♪まあ、あなたらしくって
いいじゃない?それより、あなたに球団マスコットガールになってもらいたいって申し出が
ありましたけど、それはお断りしましたよ。あなたにはこれからヴァレリと一緒に続編製作に
携わってもらわなくてはならないんですから…」続編、と聞いて身を乗り出す藍華とりおん。
「やっぱりあなたとの決着、という話になるのかしら?」水を向ける藍華に微笑む司令。
「そうね…ただ、それをどういう味付けで見せるか、よねえ。前作も色々な評価があった
でしょう?色んな嗜好の人がいるし、そういう人たちが小異を捨てて大勢集まって支えて
下さった結果あのヒット作が生まれたんですものね…考えてみると難しいわ…」と、ここで
深い思索に入る司令の思惑など微塵も構わずりおんの突っ込みが放たれる。「水ポチャ!
これは絶対入れましょうよー!ペロロンカホテルのプールや白銀基地の浴室みたいな!
今度は道○堀川に投げ込むってのがいいなー♪」単なる勢いで出したアイデアだが、意外に
これは現実味を帯びる。あれ以来ラグの平和利用をリードしたデルモ・コーポレーションは
その卓越した先端技術を使い、地球浄化ならぬ河川浄化で目覚しい成果を挙げた。かつては
ヘドロの堆積層にこんもり覆われていたあの川が、今や山間の渓流に匹敵する清水に生まれ
変わっている。飲料にすら適する程の水質まで改善させたデルモたちの技術をPRするには
実におあつらえのロケーション、ということ。何も自分たちが水に入ると決め付ける必要は
ない、主役は藍華たちと限らないじゃないと思いつつ、ここは社業発展のためにしょうが
ないか、と割り切るデルモたち。実に百人が橋から落ちることになったシナリオ第一稿の
キッカケは、こんなとりとめない雑談から生まれたのである…。

179副官:2003/09/17(水) 23:10
超初心者様

拝見いたしました。
早速に、阪神優勝/飛込み/デルモ・コープ/続編の各ネタを見事に纏めておられます。
流石です。

180超初心者:2003/09/18(木) 17:31
副官様、ご当地ネタを勝手な妄想でかきまわし、失礼致しマシタ。
飛込みは、もはやシャレで済まなくなってしまったこの節ですので
今後、注意いたしますー(汗)

181超初心者:2003/09/18(木) 21:18
小噺その57

昨晩は結構な深酒だったにも拘わらず、翌日は朝から元気に観光へ繰り出すあたりが若さの
証明。長く連なる山々が間近に迫る某ハーバー・シティにやってきた彼女たちは異人館めぐり
や輸入アイテムショッピング、中華街でのグルメ三昧などを次々と満喫し、今は山上にある
広大な牧場を訪れている。澄み切った空気、のんびりと草を食む牛馬たち…この手の場所では
定番の濃厚脂肪ソフトクリームに舌鼓、透き通る青空のもと思い思いに開放空間を楽しむ
女たちである。特に牧歌的な雰囲気がお気に入りの白デルモ・ナターシャは、草地に腰を
おろすと、一冊の本を開きそのままメルヘンの世界へひとっ飛び。読み耽る厚手本は勿論あの
「花とゆめ」に相違ない。とその時、悠然と彼女の近くを通りかかるホルスタイン。ある種
わかりやすいコントラストの妙に、あのオッパイならお似合いねー、などと陰口をたたく
黒デルモたちは当然いるが、当の本人はまるで気づいていない様子。淡く色づく山間から
微かな涼風に乗って飛来したトンボが、ちょこんと羽休めることが出来るのも彼女の福与かな
胸あればこそ。こんな、微笑ましくも不可思議な情景にかぶさる音がまた渋い。遠く
クラブハウスから聞こえてくるのは昔日のソーバッド・レビュー、ウエストロード・ブルース
バンド、憂歌団などのご当地ラグタイム・ブルース。実にアンバランスでミスマッチなこの
一角を、それでも羨望の眼差しで見据える女がひとりいる。それは藍華。あのコ、あれだけの
豊乳でも垂れないなんて…白デルモの服越しに天をつく程せり上がった乳房、ツンと上を
向いた乳首の隆起に、思わずゴクリと呑み込む生唾ひとつ。今この女たちの中で最年長、
僅かな体型の崩れにもナーバスな彼女として、このコのライフスタイルってひょっとすると
大きな参考になるかも、とは思うもの。どういうお手入れをしてるのかしら、毎日何を
食べてるの、運動は…?聞きたいことなど山ほどあるが、いきなりの質問から入るのも如何な
ものかと、先ずは当り障りのない会話からアプローチを試みる藍華。結果として彼女の望む
収穫は得られず、特段秘訣らしいものもないまま常識的な答えに終わってしまう。がしかし。
この日を境にひとつだけ明記できることがあるのだろう、ニナ・エスコ、ナターシャ共々、
都合3名の「花ゆめ」派が岩より固い契りをもって結成されたということが。

182研究所:2003/09/20(土) 11:27
「花ゆめ」派....
まだこの設定が生きていたとは?(笑)
生かして頂けて光栄です。

183超初心者:2003/09/20(土) 13:14
小噺その58

社員が数百人といえば、既に小企業の部類には入らないだろう。新興の
デルモ・コーポレーションも一応の体裁なった組織として、社員の福利厚生やその一環として
の健康診断まで自前で行う中々の会社に成長した。デルモ社員の健康チェック。といっても
社長を兼ねる司令の暖かい思いやりが光る、懇切丁寧なメニューである。年数回に分けて実施
されるその診断日には多くのデルモたちが医務室に集まり、いつも賑やかなことこの上なし。
検査する医師や助手たちも全て身内のデルモたちだから、誰に遠慮するでなく裸のまんまで
列を作る開けっぴろげ具合はもう壮観そのものといえる。その中で、身長・体重測定くらい
までならともかく、聴診器を胸にあてたり、検査台に横になったりするさまは、まさに眩しい
の一語。しかも気心知れた者同士、リラックスしようとしているのか、はたまた軽く
じゃれ合っているのか、あちこちで挙がる喘ぎ声がまた言い尽くせないほどに悩ましい。
乳がん検診のために乳房を揉めば「アアンッ…♪」
子宮筋腫発見のために超音波ローラーを下腹部に這わせれば「はううぅぅ〜んん♪」
心電図計測のため小さな電極パッドを胸周りに置けば「きゃう!冷たあぁい♪」…
黄色い声だけではない。日頃格闘ではチビリっぱなしの彼女たちが改めて尿検査を受けると
なれば、皆、紙コップに満ちていく自分のオシッコをまじまじ見つめ、深い感慨にふける。
これが私のオシッコ、私の生の証し…おもらしした私を人が何と笑おうが、これも
かけがえない命の営みなんだわ…と。圧巻はバリウム飲んだ後の胃部X線撮影。自在に
回転する検査台の上で、身をよじらせる度にデルモたちは「うう…」と呻く。彼女たちの
大半が藍華の当て身を食らった経験があり、今も姿勢によっては腹部などに鈍痛を覚えるから
である。そんな被験者の呻き声などまるでお構いなしに次々と注文を出すレントゲン医の
ピンクデルモ。「うつ伏せから仰向けになって少し息を止めて下さぁい。それで両手は上に
あげてぇ」全裸の被験者デルモは一々健気に従おうとするのだが、時折無理な要求が混ざる
こともあり、傍目にはお仕置き以上の体勢に陥ることも。例えば台が頭を下にするほど
傾くと、ずり落ちないように両手は左右のバーを掴むが、傾斜角度が極端になると、両足の
方が知らず開いてしまう。「あううぅぅ…」この場に男がいないから良いようなものの、
呻き悶えながら懸命に裸身を支える女の姿態は余りにも刺激的。普通に目を向けただけで、
露わになった女性の房中が、すぐ鼻先に見える。ところが更に状況をややこしくするのが
助手デルモの働き。下肢だけでなく上体もろとも台から転落すると思い込んだ助手は慌てて
駆け寄り被験者の身体を押さえようとするが…伸ばした両の手のひらの一方はまだ鈍痛残る
お腹をギュウ!「うぐううぅッ…!」もう一方、指が絡まる先は何と!いたいけな秘所の蕾。
「あふうぅっんん…!」台上の女が苦痛と絶頂ないまぜの喘ぎ声を放ちながら、あえなく気絶
に至るのも当然の理。目を閉じ全身の力を失った彼女は支える助手を下敷きにしてドタリ!と
床へ這う。巻き添えで失神する助手も出てくる中で、一体こんな検査先に進められるのかと
心配になるが、彼女たちにとって時間はたっぷりあるのだろう。むしろ当人たちにとっては、
生まれたままの自分の身体を改めて愛しく感じる充足の時…少しでも長く、長く味わって
いたい、思い出を刻む一日なのである…。

184超初心者:2003/09/20(土) 19:44
>182研究所様
  あとさきになりましたが、「花ゆめ」派、健在デス^^
  補足:小噺その56と57は続きものです。57の舞台は、六甲・神戸を
     イメージしてるかも(って、モロバレじゃん…)

185副官:2003/09/20(土) 20:40
>57の舞台は、六甲・神戸をイメージ

えっ、あの街並み描写は神戸だったのか!(w
「超初心者様は関西ご出身かしら」と思いながら拝読しておりました。
(当方大阪府在住です)

「憂歌団」
このグループ、詳しくは知らないのですが、大阪が根拠地で
「お掃除おばちゃん」という曲(題名だけで聴いたこと無し)があった様な。

186超初心者:2003/09/20(土) 21:01
副官様
 大阪ミナミで阪神優勝のどんちゃん騒ぎをしたデルモ+藍華サンたちが、翌日
 神戸・三宮へやってきた、という筋書きで如何でしょー^^;;
 ナターシャたちがやってきたのは六甲山牧場ということで。
 (一回しか行った事ないのに、よくここまでデッチアゲルもんだと、我ながら
  大汗デス…)でも今ごろ六甲おろし、凄いんでしょーねー^^

187副官:2003/09/20(土) 21:27
>今ごろ六甲おろし、凄いんでしょーねー

日本橋ではエンドレスで流しているスポーツ店があります。
私?勿論「六甲颪し」のCDを所有しております。
えぇ、それはもぅ、ずーと以前から・・・


しかし一方、読売ジャイアンツの「闘魂こめて」も持っておりまして。
作曲は両方とも古関裕而。
奇しくもライバル球団両方の歌を、同じ方が作曲している訳です。
(ついでに夏の甲子園大会歌「栄冠は君に輝く」もです)

188黒デルモあゆみ:2003/09/21(日) 09:23
>>187
>作曲は両方とも古関裕而。
なあ〜んだ、「モスラの歌」や「イヨマンテの夜」と同じ人なんじゃん。
「比島決戦の歌」も…。

♪いざこい、アイーカ、めがねっこ
 出てくりゃ、地獄へ、逆落とし

きゃはははは。

189超初心者:2003/09/21(日) 18:03
>古関裕而
  これまた、すんごい御大が登場デスね^^;;大正〜昭和初期って感じじゃ
  ないですか?確かに「阪神」以前に「大阪タイガース」ですもんね^^
>黒デルモあゆみサン
  よ、よおおおーーー……っくご存知で…(後ずさり、、、)
  実年齢をうかがうのも憚られますガ、あなた様はひょっとして某財閥の
  お嬢様!??でしたら、ポケットマネーでさっくりと続編製作費
  出してくださああい^^

190匿名黒:2003/09/25(木) 19:28
>>188
あゆみ〜、あんた今度からシルバーデルモって呼ぶわよ。

191超初心者:2003/11/16(日) 14:41
小噺その59

「お疲れ〜〜」夜11時、居酒屋の前。りおん、道草と飲んでいた藍華は二人と別れ、ひとり
会社の方へ歩き出す。仕事熱心だが、それを全く苦にしないのも藍華流。しこたま煽った安酒
のせいで少し足がふらつくが、意識はしっかりしている。コツ、コツ…ハイヒールの音を
響かせ悠然と歩いているようで、その実既に気付いているのが尾行の気配。何回か角を
曲がったところで、藍華は壁に張り付き身構える。程なくぬっと現れる人影に凛と放つ一声。
「私に御用かしら?」「あ…」街路灯に照らされた人物は、読まれていたことに驚きを隠せ
ない様子。片や藍華にとってはすっかりお馴染みのデルモ制服、またか、という感じである。
しかも見覚えのある顔…尾行者は、あの地下駐車場で巴投げの末、鳩尾に当て身をして
気絶させた黒デルモその人に違いない。「一度お会いしてるわね。名前はなんて言うの?」
「あずさ…」あけすけに聞く藍華につられてつい答える黒デルモが次の瞬間はっとして
睨みつける。敵意満ちる視線を正面から受け止めながら、藍華はあくまでマイペース。
「ねえ、あずさ。もう終わったんでしょ?これ以上何をしようというの?」
「わ、私は…お前を倒す…なんとしても…」夜の路上には二人だけ、通りかかかる人も
いなければ周囲に仲間が潜んでいるとも感じられない。となれば1対1の勝負を望んでいる
ことになるのだろう、そんなもの常識的には結果が見えている。それでも藍華は片隅に緊張の
面持ちを忘れず言葉を紡ぐ。「いいわ。気のすむまでかかってらっしゃい」…この後の展開は
推して知るべし、たちまち路面に叩きつけられたあずさ仰向けの身体。その柔らかな腹部には
藍華電光の拳がまさに突き込まれる刹那だった。−−ドボッ!!「ぐぁッ…!」衝撃の反動で
四肢や頭が跳ね上がるが、すぐに力なく横たわる。深い気絶の闇に落ちた黒デルモの傍らに
ひざまずき、その顔じっと見つめる藍華は例によって寂しげな表情への移ろい。半開きに
なった口元から流れ落ちる涎も前回同様見慣れた光景だが、おもむろに股間へ目をやると…
剥き出しになった純白パンティから沁み出すように、いや、こんこんと湧き出すような水溜り
ができている。ぐっしょり濡れたパンティを通して、ぴったり貼りつく女陰の色彩形状も
鮮やか。同性の藍華も見とれる程の眩しさだが、しばらくすると意を決したように
立ち上がる。一旦この場を離れた彼女が数十分後に再び現れた時、ひとつの袋をぶら下げて
いた。それから時間は更に流れ…あずさの目覚めは公園のベンチにて。(あの女がここまで
運んできてくれたのか…)路上に放置しない気遣いは嬉しいが、またしても負けた、という
のが素朴な第一感…悄然とする彼女の脇に1枚のメモが置いてある。
手にとってそれを読むうち「えっ!?」と、素っ頓狂な声。思わず股間に手を伸ばす。と、
その表情には複雑な微笑み。あずさの脳裏にはいくつかの思いが無秩序に飛び交っていた。
ブラック仲間やブルーへの言い訳をどうしよう、ああ、でもこれ中々いい、あの女への挑戦は
止めないけど憎めない相手だわ、いや本当は感謝しなけりゃいけないんでしょうけど、でも
やっぱり藍華は私たちの敵だ…などなどなど。一体何が書いてあったのか、この際メモの
一部を読み上げてみることにしよう。「…近くのコンビニにあったのは男性用パンツだけ
だったの。だからこれで我慢して。あなたの濡れたパンティは私が持ち帰って
洗濯するから…」失禁した自分への恥じらい。敵である筈の藍華からかけられた情け。官給品
であるパンティの紛失届をどんな理由にするか。にしてもこのパンツ意外に履き心地がいい、
前が開いてるのも○○に都合いいし…と、ここまで諸々の事情が重なれば、あずさvs藍華
の闘いに小休止が打たれるのも至極当然というところなのである。

192超初心者:2003/11/18(火) 19:54
ラーメン。唐突だが、日本独自の進化を遂げたこの一品はデルモたちにもファンが多い。
今、とある人気店前の路上。もう深夜にもなろうというのに相変わらず引きもきらない行列の中、
3人の黒デルモたちの姿が見える。「ここって麺とスープの絡みが絶妙なのよネー!」
「ホント。つまみも沢山あるし、ビールをきゅーっとやりたい時には最高♪」
風も冷たくなってきているが明るくはしゃぐ3人組には気にもならないのだろう、時折強く
吹き付ける北風に、はためくスカートの裾からのぞく純白パンティも愛らしい。
優に30分は待ったあと、漸く店内に入った彼女たち。満員の店内はもうもうと湯気が立ちこめ視界0m、
「こちらにご相席でお願いしまーす」と案内されたテーブル席につく。向かい側にも3人、
一心不乱にラーメンをすすっていたがフ〜〜ッ…と一息つき顔持ち上げたところで「あーっ!!」
喧騒の店内では全くどうということもない一声だが、当の6人には驚愕の瞬間。席順にみてみよう、
向かい側左から道草、藍華、りおん。手前側左から、あずさ、ジュン、ゆうこ、である。
犬吠島以来の再会、「藍華に関わるな」という司令の厳命はあってもやはり緊張は走るもの。
そんな中、ドギマギする黒デルモたちの表情をいち早く読み、先んじて一言発する藍華は流石に
年長者の余裕といったところだろうか。「ココ、いけるわよね。あなたたちもよく来るの?」
「え?ええ…」慌てて返事するのはジュン。あの地下駐車場で腹部に電撃棒を突き込まれ
気絶した彼女である。少なからず複雑な思いにもかられていよう、と藍華流心配りの言葉は続く。
「元気そうで何よりだわ。おなかの方も大丈夫だったでしょ?私の当て身って、気絶する時
一瞬苦しいけど、目覚める時はかえってスッキリしてる筈だから」
こうもあっけらかんと言われれば黒デルモとしても拍子抜け。何よりここは満員のラーメン屋、
喧嘩腰となるには余りにふさわしくない。折角長時間並んだのだから、ということもあってか、
6人共々取り敢えずはその場を取り繕う。いや、それどころか、ビールやつまみを次々追加し
果ては麺大盛りだなどと、このテーブルの盛上がり相当なもの。しっかり長居を決め込んだあと、
一同ほろ酔い気分で外へ出るとジュンが藍華の耳元でそっと囁く。
「明日夜10時。港湾倉庫にひとりで来て。私もひとりで行くから…」黒デルモの瞳に曇りは
ないが、さて今後の雲行き一体どうなっていくのであろうか…?

193超初心者:2003/11/18(火) 21:53
↑小噺その60(忘れてマシタ…汗)

194超初心者:2003/12/03(水) 21:38
小噺その61(デルモたちのクリスマス・キャロル)

大災害後の社会がどう変貌していこうと年間行事は揺るがないということか、時候はそろそろ
クリスマスである。科学の進歩とは裏腹に心の片隅でファンタスティックな夢や希望を抱く
人々もいて、この伝統への関心は相変わらず根強い。そう、まさしく伝統的なクリスマス。
互いに贈り物をし、愛を確かめる日。毎日元気に活躍するデルモたちも聖夜が近づくにつれ、
特別な思いが胸にこみ上げる。デルモ・コーポレーションの社用車
「ホーリー・エクスタシー」号も既に整備は万全、もはや当日を待つばかり。そんな彼女たち
目下の活動は年末助け合いボランティア。街頭に立って、恵まれない人たちへの寄付を募ると
いうものである。これは世間を欺くカムフラージュ?いや、確かに遊覧船ガイドやファミレス
のウェイトレス同様、ある種情報収集の一面はあるがハーゲン計画を放棄した今、彼女たちの
善意もあながち嘘ではない。あの際立つデルモ制服のまま路上を吹き抜ける北風にめげず
募金箱を持つデルモたち。時折風が下から吹き上げると、清楚な純白パンティは丸見え。
のみならず、いたいけな秘所のぷっくりとしたふくらみや可愛いおへそまでが惜しげもなく
露わになり、その都度目を釘付けにして立ち止まる通行人から気前のいい募金が飛び込む。
こうして全体としては結構な金額が集まってくるがここに一つのハプニングあり。それは
某クライアント老人との遭遇である。ラグデータの入手で莫大な利益を得た彼がボディガード
を引き連れ悠然と歩いていた時、何人もの黒デルモたちから声をかけられる。互いに面識が
あるとはいえ、ラグ争奪の一件は過去の話。毛頭無闇な波風たてるものでなく、ひたすら
丁寧に募金を呼びかけるデルモたちなのだが、彼の態度はけんもほろろ。びた一文出さず自宅
豪邸へ戻った彼が、その晩3人の幽霊の訪問を受ける。ひとりは過去の亡霊。老人が若かりし
頃、純粋な恋に身を置きながら欲望のために別れた苦い青春の思い出を見せる。過去の恋人は
どことなくネーナ似のクール・ビューティだった。二番目は現在の亡霊。ハーゲンそっくりの
長髪内巻カールが特徴のその亡霊は、老人が薄給でこき使うひとりのボディガードの家庭を
見せる。頑丈な身体つきと黒サングラスで強面に見せていても、黒デルモたちによって簡単に
倒される彼はその実、貧しい家庭と病弱で小さな息子を抱える非力な男だった。それでも彼と
その家族は質素ながら楽しい団欒を持っている。しかも雇い主の老人に感謝しクリスマスを
祝ってくれる彼らに、老人の良心はズキンと痛んだ。そして三番目。未来の亡霊は黙ったまま
彼をクライアント・オフィスへ連れていく。そこでは大勢の人間が喜色満面に騒いでいた。
彼らが喜んでいたのはある人間の死。それが誰かと言えば他ならぬ老人の事。三番目の亡霊は
死神だったのだ。助けてくれ…!無限の暗黒に引き込まれながら彼は泣き叫ぶ…と、はっと
目覚めればベッドの上。これが夢でも幻でもないと感じた老人は、傍らの机にある時計を
見る。イブはまだ終わっていない。そうだ!彼は自宅を飛び出し、七面鳥ならぬステーキ+
タラバガニ詰合せと回転木馬ならぬコンピューターゲームを買いこんでボディガードの家へと
急ぐ。本人に対して給料も充分に上げると伝えた後は、デルモたちのところへ戻ってこれまた
盛りだくさんなプレゼント。即ち、大枚の募金である。喜びと悲しみを分かち合う素晴らしさ
に今更ながら気付く老人だが、同時に感激を残す思い出の一品もゲットした。募金に感謝した
黒デルモ“ももえ”がその時履いていたパンティがそれ。その時、ついでに中まで拝ませて
もらったのかどうか…その点は不明なままであるが…。

195副官:2003/12/03(水) 21:58
ディケンズのクリスマス・キャロル。

これはまた、時節柄ピッタリのネタですネ。
老人にとって何よりのクリスマス・プレゼント。
結構なオチでした。

196黒デルモあゆみ:2003/12/09(火) 22:48
ちょっと、超初心者さんと副官さん。
クリスマスはまだちょっと早いよ。
やっぱりこの時節は忠臣蔵だよ。
あゆみはいつか皇藍華の首をあげて、ハーゲンさまの御霊前に酬いてやるんだ。

197副官:2003/12/10(水) 00:42
>>196
今度の日曜、12月14日は「俵星玄蕃」ですネ。(って、何のネタ?)

ふー、やはり私は「文字レスの人」です。
ここは安心して落ち着けます。

198超初心者:2003/12/10(水) 18:18
>196
う〜ム。確かに時節ではありますガ(汗)デルモたちが山鹿流陣太鼓で討ち入りなんて
めっちゃシュール。でも、あゆみさん、無闇に刀や鉄砲振り回しちゃイケマセンョ。
デルモたちはいつも素手の格闘に徹しながら、どこまでも人命を尊ぶ美しい乙女でいてくださーい^^

199超初心者:2003/12/10(水) 18:20
>197俵星玄蕃
 し、渋いっっっ…ひょっとして浪曲の世界デスか?
 三波春夫とか…。

200超初心者:2003/12/12(金) 19:32
小噺その62

日本の伝統としてこの時期クローズアップされるもの、忠臣蔵。どんなにワンパターンと
評されようが根強い人気は伊達じゃない。勿論こうした歴史を語ろうにも、幾多の
モニュメントもろとも大災害で水没した東京ではある。が、京都などに比べ有名な神社仏閣の
少ないことが幸いし、人々の願望に沿ったこの手合いのサルベージ作業は比較的順調に
完了した。その中のひとつ、神奈川県に移設復元された泉岳寺では、来たる12月14日の
義士祭を目前に控え、ごったがえす観光客で押すな押すな。お線香の煙がもうもうと
立ち込める境内にはいくつもの縁日屋台がたち、終日賑わっている。客層はやはり年配が
多いが中に飛びぬけて若い女性の一団あり。黒、青、ピンク、ゴールデン、白のミニスカ・
コスチュームに身を包んだ美しい女たちとくれば、言わずと知れたデルモたちということに
なるが、その場の爺さん婆さんオッサンオバちゃんたちには全く見当もつかない。
ぎゅうぎゅうに押し合う中、何じゃこのコたちは、パンツなんぞ丸出しで…それも見慣れた
福助のと違って随分布が小さいわい、これじゃすぐ風邪引くぞ、と怪訝な顔をする位である。
これこそ猫に小判とも言えようが、当のデルモたちは一様に神妙な顔つき。どうも大石内蔵助
の墓前で何かを誓おうとしているらしく、黒緑のロングヘアをなびかせる白制服の女、即ち
司令が数十人ものデルモたちを引き連れ人波をかき分けている。時折部下の方へ振り返る
司令が放つ、凛とした一声。「もうすぐです。みんな、バラバラにならないよう固まって
いきましょう。誓いは私が代表して言いますから…」ところが、ごったがえす境内でも特に
人気のこの一角は、次々と押し寄せる客によって立ち止まることも叶わない。皆、押される
ように歩を進めながら一目墓石を見やる程度がやっと。そんな中、漸く墓前に到達した司令が
大勢のデルモたちを止め、例のおっとり口調で切り出せばどうなるか?「…あなたは、主君
への忠義に生き、そして死んだ人ですね。私たちも…」ここまで言ったところで、周囲から
怒涛の圧力と罵詈雑言。「こりゃあっ、後ろが詰まってるんだぞお!さっさとどかんかっ」
「すみません、もう少し待って…あ、ああ〜〜!!」ドドドドドッッッ…多勢に無勢、司令の
声など完全にかき消され、あっという間に押し出されてしまったデルモたち。そのまま
弾かれるように山門まで流されてきた彼女たちは全員呆然としている。「し、司令ぇ〜…」
泣きべそのニナ・エスコ。しかし流石に司令というべきだろう、落ち着きを取り戻した
彼女は、若い白デルモの肩にそっと手を置き、ゆっくりと仲間へ話しかけている。
「誓いは…叶いませんでした。仕方ありません、来年の12月まで計画を延期しましょう…
それより、この近くにお洒落な喫茶店がありますから、そこで皆さん紅茶でもいかが…?」
そもそも何の計画か司令にしかわからないまま、またも1年の平穏が決定された瞬間なので
あった…。

201副官:2003/12/14(日) 18:14
今日は12月14日。
時に元禄15年12月14日、江戸の夜風を震わせて〜、響くは山鹿流儀の陣太鼓・・・

>>199
>三波春夫とか…。
私、三波春夫「俵星玄蕃」を隠し芸にしております。
全編9分弱(歌/歌/浪曲/講談/歌/浪曲/歌)を無伴奏で演ります。
レコードを擦り切れるまで聴いて覚えました。(実際擦り切れたので買い直しました)

以前東京に出掛けたついでに、記念にと「泉岳寺」と「吉良家跡」を訪ねました。
泉岳寺では、小振りの浪士達の墓石が、死してなお主君を守るが如く寄り添っていました。

その後玄蕃が「仁王立ち」した両国橋を歩き、松坂町の吉良家跡へ。
そこは塀で囲ったネコの額程の薄暗い土地で、模型の井戸と額がありました。
現在の松坂町一帯が当時の吉良家敷地と聞き、
「浪士達、この広い中、よくぞ隠れていた吉良を発見したもの。運が味方したか。」
「ここから泉岳寺まで約10km」「時間を掛け、敢えて衆人環視で移動した理由は」等々、
思いを巡らせたものです。

AIKaと全く関係の無い話でした。失礼しました。

202超初心者:2003/12/14(日) 20:46
>201副官様
 貴重な体験談有難うございました〜。
 第6話「白銀のデルモ作戦」で司令が言うセリフ「…これが、私たちの意志だ!」
 とダブらせ、人間のモラルやモチベーションってなんだろう〜(Byテツ&トモ)
 と考えたりします^^;

203超初心者:2004/04/03(土) 22:29
小噺その63

4月。年度の初頭。桜並木。それぞれの門出…さて、この節目にあたり一件触れなければならない
ことがある…。そう、以前とりあげたデルモ・コーポレーションの教育事業…ご記憶だろうか。
幼稚園に端を発し11年制一貫の上級学校を創設したデルモたち。その存在は、いま一期生の
卒業生たち悉く17歳にして難関大学への受験を制することによって、厭でも世間の注目を
集めることになった。17歳といえば普通の感覚では飛び級である。そんな優駿を育成している
のが、あの、しょっちゅう失敗ばかりしているデルモたちとは中々イメージ出来ないが、裏を
返せば彼女たちにも知られざる長所がある、ということ。即ち「デルモたちはバカでない」、
という一言に尽きる。まるで浜○あゆを売り出す時に秋○康がつけたキャッチコピーみたい
だが、決して逆説でもなんでもなくデルモたちは多くの失敗をテコにして頑張ってきた、といえば
通りが良いだろうか。闘いの時にはデルモたちをコテンパンにしてきた藍華もその点は同意するに
違いない。いや、あっけらかんなスタンスを見せながら、その実「愛のムチ」を心に秘める藍華
としては、多くのデルモたちを気絶させた過去も大いに意義深いことだったと感じている。
天才ハーゲン博士の科学力をそっくり受け継げること自体、デルモたちに非凡な才があることは
明らかだが、それだけでは人間的な成長は望めない。傍目には厳しく映るかも知れないが、
敢えてド派手な立ち回りをすることによって、彼女たちの魅力を一層引き出そうとした…
まさに挫折こそが成功の母、熱意の源。デルモたちの思いはパンチラ咲き乱れる大らかな情操教育
と相俟って、十二分に生徒たちひとりひとりへ伝わった。その結果が事業の成功である。とはいえ
ここでデルモ予備軍を是認する藍華などとは…司令の思惑が藍華のそれと一致する保証など
どこにもないとなれば、尚更気に掛かる。次世代のデルモたちデビューが迫る中、果たして両者の
間柄がどんな風に紡がれていくのか…実際興味尽きることはない。

204超初心者:2004/05/18(火) 19:05
小噺その64
(1)
そこそこに立ち位置が与えられているが、今一希薄な役どころのガスト。藍華Love、富豪の
ボンボン、精悍な肉体派…プラスに働きそうな材料をいくつも持ってはいても、決して彼自身が
中心を占めることない女たちのドラマ。例えば、捕われの藍華を助けるため単身ハーゲン艦へ
潜入した時。彼は実に数十名ものデルモたちを倒している。特に、艦橋にいた白デルモたち全員を
気絶させた、ということはハーゲン艦制圧にも匹敵する重要ポイント。だが、そこですら彼は
ヒーローたり得ない。あの場の主役はあくまで倒される方の司令だった。
「…俺はフェミニストでね…顔は勘弁しといてやる…よ!」ガストにこのセリフを言わせたのは
司令の凛とした美しさであり、健気さであり、儚さである。
艦橋だけでない、艦内あちこちで遭遇したデルモたちへも、一々言葉を付け足すガスト。
それも皆、失神し倒れゆくデルモたちが、その可憐さ美しさ非力さをもって言わせたと断定して
差し支えない。翻って彼女たちの視点で見てみよう。りおんのお尻にビタミン注射をした後、
交代のため慌てて医務室を出て行った“くるみ”“みか”の場合…
「待ってよぉっ」先に走って出ていった“みか”を追う“くるみ”。廊下の角を曲がり姿が
見えなくなった“みか”に掛ける呼び声は、かえって友が発する苦悶の悲鳴、危険を知らせるサインを
かき消すことになった。“くるみ”が息せき切って角を曲がった瞬間――ドスッ!「うっ…!」
吐き出される短い呻きは“くるみ”の愛らしい口元から。
意識は一瞬で遠のき、まぶたも重く閉じられる。その柔らかな腹部に男の頑丈な拳が突き込まれて
いるのを彼女自身が確認することもない。ただ、一撃を受ける直前、秒にも満たないカケラの
合間、“くるみ”は見た。何か、がっしりとした大きな人影。チラッと垣間見えた、甘いマスクを。
誰だ、などと恫喝するつもりはなかった。(あなたは誰なの…?)一応丁寧に尋ねようとした
筈である。が、そこまでだった。思念を表に出すどころか、全身を走る衝撃と共に視界がみるみる
漆黒に取り込まれてゆく。力失なわれた自分の身体が男の分厚い胸に抱かれている
ことなど知るよしもない。「ったく〜、何だよーここはぁ…おんなぁ〜ばっか、じゃないかぁ…」
ガストが床に倒れる“みか”たちを見やってボヤくセリフも、当然耳には届かない。

205超初心者:2004/05/18(火) 19:06
(2)
気を失った“くるみ”を抱くガスト、頭を掻きながらの表情は明らかに照れ隠し。見かけが
可愛いくとも、そうそうたる新鋭艦に乗り組む軍人たちなのだ、と思えばこそ、当て身や手刀と
いった、敢えて手荒な真似をした。だが…どうも自分で腑に落ちない。というより、むしろ
彼女たちへの羨望が先にたつ。確かにここでも4人の黒デルモたちを倒す手並みは鮮やかである。
が、ちっとも自分が目立つ気がしない。むしろパンティを晒し気絶しているデルモたちに多くの
注目が集まるような気がしてならないのである、この場に第三者などいないにも関わらず…。
そう、ガストの第一感は正しい。単にパンティだけが取り沙汰されるのでなく、彼女たち
一人一人の存在に、しっかりとした裏づけが刻まれているのだから…。彼の知らないプロフィール
ではあるが、この黒デルモ“くるみ”“みか”は揃って14歳。いつも仲良しの二人にはいくつかの
共通点があった。それはどちらも一人っ子ということと…大災害で片親を亡くしている、という
冷徹な事実…。“くるみ”は父を、“みか”は母を失った。止め処なく涙溢れていたその時、彼女たちに
キザなポーズでハンカチを差し出した人物がいる…それがハーゲン博士。彼は夫々の親の承諾を
得て、二人を引き取った。必ず幸せにする、と伝えて。地球再生計画など思いもよらない当人や
家族はすんなり博士の言葉を受け入れた。が、それなりの愁嘆場はある、二人が夫々の親へ残す
一言に。「おかあさん、待ってて。くるみはきっと立派になって戻ってくるから。絶対
おかあさんを幸せにするから…」「みかも頑張るよ。お父さん、楽しみにしててね…」
弱冠14歳にして健気な決意。親思いの優しい心。同期でデルモゲニィに加わり、境遇も
似たもの同士だった二人はすぐに意気投合した。毎日「おっはー」「くるみ、あたし今日ね〜…」
「マジ〜!?それってチョー受けるンだけどぉ…」などと軽い会話ばかりではあるが、それ全て
素直な性格の発露である。本来ならまだ楽しい中学生生活を謳歌できる年代、明るい言葉に
まぶしながら青デルモたちのシゴキに耐え、下積みの仕事を厭わない姿には、見ていて結構
目頭が熱くなったりする。

206超初心者:2004/05/18(火) 19:07
(3)
無論ガストの方は、そんな経緯など露知らず楽々とデルモたちを眠らせていくのだが、いま
“くるみ”を抱きながら図らずも思う。(このコ、いったいいくつだよぉ〜。こんな、ひ弱な
女の子が軍人気取りってのは、どういうこったぁ。それに…)黒デルモの髪から漂うフローラルな
リンスの香りを満喫し、ここで若干情に絡むのも仕方がない。
(見たとこ14、5歳って顔つきなのに、この胸ずいぶんデカイじゃねえか…下の方は
どうかなっと…)片手をスカートの中に入れ鼻息も高ぶるガスト。
(こ、こりゃあ…パンティの上からでも充分わかるな…立派に発育してるぜ って、ヤベエ、
俺までどうにかなっちまいそうだ…)いつの間にか、膨らんだ股間の先端がズボンを勢い良く
押し上げ、そのまま黒デルモのスカート、下腹部あたりにくい込んでいる。
「…ぅぅ…」気絶している“くるみ”無意識の呻き声にハッと我に返る男はしかし、僅かに身体を
離し、改めて彼女を見据える理性があった。豊かに実る乳房やくびれた腰まわり、ぷっくりとした
花園の丘、すらりと伸びた足の線などは実際惚れ惚れするほどだが、幼げな雰囲気も十二分に
残っている。そうだ、このコなんてまだほんの子供だろう、子供だ、子供だ、子供だ…心の内で
呪文のように呟き、荒ぶる欲情をなんとか封じた段階で自画自賛。(まぁ、どうってことはない。
俺には藍華だけが全てさ。こんな年端も行かないコにクラっときてどうするガスト!)
さっき当て身を食らわせた時の、柔らかくうねるお腹の感触を思い起こしつつ…辛うじて未練を
断ち切り、穏やかな視線に転じるガスト。(何の因果かぁわからないが…さっさとこんな船から
降りて普通の暮らしをしなよ、お嬢ちゃん…)(今は藍華を助け出そうって時だから、こんな
巡り合わせになっちまったが…いつか、縁があればお嬢ちゃんにイイ男のひとりも
紹介してやるよ、俺よりはブサイクだろうけどな…)娘ほどではないにしろ相当な年齢差を感じる
ガストとして、ありがちな落としどころを思い浮かべただけの筈であった。それが十年後、よもや
彼女の結婚の媒酌人に自分が任ぜられるなど、まるで想像するわけもなく…(オシマイ^^)

207副官:2004/05/18(火) 23:22
超初心者様

早速に有難うございます。
ガストをメインにした珍しいお話を楽しませて頂きました。

208名無しさん:2004/05/19(水) 21:14
>超初心者様

ごちそうさまでした。
ちょっとデルモ寄りのおさえめなSSも良いですよね。
音楽に例えると超初心者様のSSは、ある時は可愛らしいポップス、ある時はまったりしたジャズという感じで、受け入れ易いのが良いところ(そう考えると4Life様はハードロックですね)。

またくるみちゃんやみかちゃんを出してあげてください。シリアスではなく今度はサロンでお気楽SSみたいなのが見たいです!
できればみみちゃんも・・・

209超初心者:2004/07/22(木) 20:27
小噺その65

連日うだるような猛暑が続く。そう、日中の気温43度だなんて全くもってハンパじゃない。
にも拘わらず…昼間から外回りに精を出すデルモたち。きっかけは某ネットオークションで
デルモ・グッズが話題になったことだった。それが引き金となりデルモ・コーポレーションの
キャラクター・ビジネスが思わぬ大ヒットへ発展。彼女たちは急遽様々な取引相手へ出向くことに
なったという訳である。颯爽と活動するデルモたち、あのミニスカ姿は涼しげに見えるが、
問題は上半身。何せ乳首の形状までピッチピチに浮き出る例のコスチューム、すべすべの肌に
隙間なく密着するだけでも蒸し暑さ満点だが、それが通気性も悪いうえハイネック・デザインの
おまけ付となれば、何をかいわんや。黒デルモは更に太股までのストッキングを履いているから、
まさにダメ押しである。これでは、いくら営業スマイルを振りまいていても、服の内側は滝の汗。
蒸発すら許されず、逃げ場を失った膨大な量の発汗は生暖かい洪水となって股間へ押し寄せる。
その純白パンティをぐっしょり濡らすに飽き足らず、ぷっくらと浮き出る縦筋伝いに流れ落ちる
一筋の滝。さながらおしっ○の奔流にも似るが、だからといって人前であたりかまわず撒き散らす
それをおしっ○と受け止める者もいない。それは当然だろう、いちいち考えるまでもない
常識以前。道行く人々が興味本位で眺めていても、ああそうか、という程度である。大体これだけ
暑くなれば、あれこれ深く考える頭も働かない。それより効果てきめんなのが取引先への
ウケである。案内した応接のフロアやソファが濡れるのも意に介さず、快く席をすすめる彼等。
企業人として上辺の紳士を気取ってはいるが、デルモたちの股間に視線釘付けなことはバレバレ
というもの。まあ、無理もない、もともとがピッタリ貼りつき秘肉の隆起を生々しく伝える
かたちばかりの薄衣パンティが、じっとり濡れればどうなるか。腰掛けた姿勢を正面から見るのは
ある意味、ノーパンよりエロティック、氷の微笑ごときの比ではない。どうしても身を乗り出し
前のめりになってしまう取引先2名(うち一人は話を聞きつけ強引に割り込んできた専務である)
と、青デルモ・キャサリン、黒デルモ・みみ のやりとりをいま、少しだけ抜き出してみよう。
キャサリン(ニナ・エスコから渡されたマニュアルの棒読み)「…ですから、そちら様で
製造される商品のロイヤリティは80%を頂戴するということで宜しいでしょうか?それも
アドヴァンスでミニマム・ギャランティ○○億円を設定するということで…」デルモ側へ
ハチャメチャ有利な条件設定は置くとして、ここではただ一本調子に読むだけでよい筈の
キャサリンがまたも重大なミスを犯している。それは彼女が持参し先方に提示した契約書。よりに
よってその取引先のライバル企業向けのものを誤って持ってきてしまったのである。デルモたち
二股かけているのがモロに露見したとなれば即ご破算になるところだが、オヤジ2名は彼女たちの
パンティに視線が吸い寄せられているせいか、ロクに文面を見ていない様子。むしろ、みみの方が
興味深く書面に手を伸ばしている。(なんか、裏に書いてある…)鉛筆書きが透けてみえる紙片を
おもむろにひっくり返し一言。「あぁっ、ミス・キャサリン、これぇ私が書いてた奴ですぅぅ〜」
期末テストの計算用に、という言葉を付け加える前に、専務が瞬間目を落とし応答する。
「ふむふむ、この計算だとロイヤリティ90%ですな。ギャランティも○○○億になりますが…」
平素仕事は殆どしない役員も金勘定だけは滅法早い。一方みみの目尻にはうっすらと光る涙の雫。
まだ中学生の年齢ながらイケナイことをした、こんな大事な席で…と純粋な自責の念に
かられている。「ごめんなさあぁぃ…お詫びにみみのお尻を…」叩いてお仕置きしてください、と
いうセリフに達するのをまたも威勢良く遮る専務。「OK!それで決定!!」きょとんとする
デルモ2人に構わず専務の口上が続く。「みみちゃんのお尻をここでじっくり見させて
もらえれば、この条件のみますよ。みみちゃん、パンツ履いたままでいいからね。その代わり
もっと近くに寄って…」パシャ、パシャ…携帯カメラを撮りまくる音響くなか、全く呆れる展開で
商談が一丁あがり。キャサリンに終始ミスの自覚なく、みみに逆転ホームランの感動もなく。
それでも成立したビジネスは当初条件を遥かに上回るボロ儲け。行く先々で全てこの調子だと
いうのだから人がなんと言おうとデルモ・コーポレーションの飛躍的成長は何重にも約束された
ようなもの。あわせて、ン十億円という某球団買収話も俄かに現実味を帯びてくるアツイ夏
なのであった…。

210超初心者:2004/10/18(月) 21:24
小噺その66

夢。こんな一文字では味もそっけもないが、人は誰も夢を見る。しかも個々人それぞれ、明滅する
ビジョンには実に多様な煌きがあり。その一環と位置づけて差し支えないだろう、楽しく胸踊る夢を
そこそこリアルな空間に仕立てた某ねずみ系テーマパークが相も変らぬ活況を呈していたり、遠出の
旅行などに非日常の刺激を満喫するのはまさに人の常と言える。それは新生なった
デルモ・コーポレーションにとっても少なからぬビジネスチャンス。天才ハーゲン博士の抱いた夢は
暫時置き、いまデルモたちが注目するのは観光事業この一点。もともと遊覧船ガイドやファミレスの
ウェイトレス、カラオケのコンパニオン、カジノのバニーガールなどで培ったサービス業のノウハウは
充分過ぎるほどある。先般イタリア・ミラノでオープンしたAika博物館の好調にも触発されたに
違いない、大災害で水没した東京ディ○ニー・シーに代わり、いや、その上を行くイタリアンテイストな
本格巨大テーマパークを興したデルモたち。その名も「ピアッツァ・デッラ・デルモゲニィ」。
サブ・コンセプトを「水」とし、ゆったり運河を巡るゴンドラ遊覧はもとより、トレヴィの泉、青の洞窟
やカラカラ浴場のレプリカ、微細な彫刻まで完璧にコピーした芸術的噴水などをパーク随所に設置した。
ホーリー・ファクス号に凝縮された最先端科学はあくまで隠し味とし、もっぱらデルモたちとナマの
触れ合いを通して夢の世界を疑似体験してもらう…この手のノリは、やはり最近増えている参加型
アトラクションを意識してのことだろう。キャストの配置も適材適所、浴場のガイドは何といっても
「ももえ」を始めとする黒デルモたち。更衣室に待機し、要望があれば肩を揉んだり背中を流すサービス
もあるらしい。ところが悪ふざけで「ももえ」の腕をとり湯船に引っ張りこむ者が後を絶たず、
「キャアアッ!」と叫びながらずぶ濡れになる彼女目当てが何時の間にやら主流になった。一方、運河の
主役ゴンドリエの方はといえば、白、ゴールデン、青、ピンク、黒のフルカラー・オールスターで
ゲストを待ち受け、ずらり並んだ彼女たちの肢体が眩しいの一語。というのも、コスチュームはデルモの
まんま、唯一水兵帽のみがゴンドリエのしるしになっているからである。本場のゴンドリエがシマシマの
シャツに黒ズボンの男たちあることを思えば随分なまがい物だが、かえってそっちの方が良いという
ゲストが多いと見え、連日長蛇の行列が出来る。ゴンドラを漕ぐデルモたちをロー・アングルで眺めて
楽しむ人々。漕ぐ力を入れるたびパンティの筋目がくっきり浮かび出る様子を余すところ無く目にする
のも乙なものだが、単に眺めるだけでない、彼女たちとのざっくばらんなやりとりも大半のゲスト
お楽しみのうち。例えば、それがキャサリンであれば…「シニョーラ、シニョーレ、ヴォンジョルノ!
ようこそ当ピアッツァへ♪」と呼びかける青デルモの口上を全く無視し「チャオ、ベイビィ(ハアト)」と
言いながら彼女のパンティに手をかける青年約1名。「いやあぁぁぁっっっ…!!」と身を
よじらせながら、実際脱がされるがままにしている、ということは…中々船着場に戻ってこない当該
ゴンドラ上で、彼女のパンティ次々ゲストの手に渡り至福の鑑賞会が開かれているということ。それも
まぁサービスではあろうが、あまりに直接的な展開…夢を売るといっても、観光の本流から言えば
ゲストに手を出させないピンク・リーダーのスキルが今更ながらに脚光浴びるのも頷けるのである…。

211超初心者:2004/10/28(木) 23:09
小噺その67
(1)
南海の楽園、ペロロンカ。藍華たちとデルモのバトルに巻き込まれ、あの時はホテル側もとんだ迷惑
だったろうが、人気は逆に急上昇。今日に至るまでずっと満室続きの大盛況とくれば、全く何が
幸いするかわからないものである。装甲車が我が物顔で走り回った階段や廊下、砲撃戦で破壊された
ロビーなどの修復にはデルモ・コーポレーションからの補償金をあて、すっかり元通りの華やかさが
戻ったペロロンカ・ホテル。今、レセプション・カウンターに藍華やりおん、郷造、道草の姿が見えると
いうことは、これKKコーポレーション慰安旅行の仕切りなおしといったところだろうか。到着時間が
早かったせいで部屋のメイクアップが間に合わず各人思い思い小一時間を潰す羽目になったが、さすが
リゾート地だけあって退屈はしない。早速にプールサイドへ駆け出していったりおんと道草、自信満々
カジノフロアを覗きにいった郷造だが…その一方、藍華だけはロビーのソファでまったりくつろぐあたり
相変わらずマイペースの彼女らしい。現地発行のフリーペーパーに目をやりながら、あ、この店
安いカモ♪だけど、コピー商品くさいナーなどと入念なチェックをしているところで、ふと間近の気配を
感じる。ブランド物の次は当然グルメとばかり、あれこれご執心の彼女にはお邪魔な人影。なになに、
フルコース・ディナーが先着10名限定アーリーバード・サービスで@300円ですって!?ド派手な
広告に釘付けだった藍華が、それでも渋々顔を上げると…「あなたは…」眼前に立つすらりとした
シルエット。大きく肩口を露出させたゆったりシャツにエレガントなミニスカートの組み合わせ。一見
普通の女性という感じだが、あの赤茶色の髪に特徴ある濃い目の眉、凛々しい眼差しを湛えた端正な
顔立ちは…忘れもしない、ゴールデンデルモ「ビアンカ」その人である。

212超初心者:2004/10/28(木) 23:10
(2)
「久しぶりね、ミス藍華…」紛れもない美人だが少しキツ目の表情から発せられる言葉。
変わってないわねぇ、と思いながら藍華も穏やかな挨拶を返す。「ホント、久しぶり…。あなたも
バカンスで来たの?」「ええ、まあ…」
意味深な答えである。この期に及んでまだ何かやらかそうとするのか。それにしては、こんな人ごみの
ロビーで声をかけるなど随分な大胆不敵。そもそも、デルモたちは今や一般人として暮らしている筈。
やはり穿ち過ぎか…?いや、何れにせよ警戒解くにはまだチョイ早い、とりあえず余裕の笑みを
浮かべてみる藍華である。「で、私に何か御用かしら…?」
「あの…私の部屋に来てほしいの…」これはいきなりの直球ね。つまり何、まんまノコノコ出向いて
来い、と?何の説明も無しに?何考えてるの、このコは、もうっっ……が、藍華はこうも思う。
スーパーで偶然再会した件(小噺その2)がある。艦内で一度負傷した青デルモやヴァレリ共々4人で
癒しの時を持った件(小噺その6、その32)だってある。今更、復讐だの敵対だのということは
ないだろう、と。「わかったわ。でも今は時間がないの。夜じゃダメ?」「そうね。じゃ、10時に
1234号室へ来て。待ってるわ…」りおんたちとのディナー後、適当な口実を作り指定された部屋の
前へやってきた藍華。コホン…やはり一瞬は身構える。前回と違い、ピエールの誘惑に乗せられ
ヘベレケ状態などということはない。そりゃあこの度も折角のバカンスを満喫しようと、
スクリュー・ドライバーをガブ飲みしたことは認める。だが、元からデルモがいることが分かっていて
多少なり意識しない筈もない。一呼吸してからノックする。と、ガチャリ。ドアを開けたビアンカが
仏頂面のまま彼女を部屋の奥へ導き、大きなダブルベッドを指差すのである。「ここに寝て…」
或いはひょっとして、と脳裏の片隅に描いていた藍華が即座のリアクション。「ちょ、ちょっとお。
私、そっちの趣味はないわよ!この前だって、相手がイイ男だと思ったからあんな風に…」
早口な言い訳を遮るビアンカの一言はしかし決然の迫力あり。「みんな、出てきて!」

213超初心者:2004/10/28(木) 23:11
(3)
予め待機していたのだろう、隣室から6人の女たちが一斉に飛び出し、藍華を取り囲む。どれも見覚えの
ある顔、そうだ、このコたちあの時の黒デルモじゃない、と口に出そうした刹那。ビアンカの言葉が
先んじる。「この日を待ってたのよッ!」――
「どう…して…?」もうすっかり治ったんでしょ、あのコ。復讐なんてありえないんじゃ…?と
続けようとした時。7人の女たち、やにわに手を自分のシャツやブラウスに伸ばし、思い切り
捲し上げる。――バババババッ―― 
何よ、またデルモ・コスチュームに変身するつもり?あのデザイン嫌いじゃないけど、ここで私に
見せ付けて何の意味があるっていうの?素朴な疑問を抱きながら周囲を見渡しているが…
5秒…10秒…15秒…捲し上げたポーズのまま、シーン…静かな時間だけが過ぎていく。
「あの…」黙ったままもどうかと、口を開く藍華。ところが答えるビアンカの口調はここぞとばかりの
自信に満ちていた。「どう?私たちの胸。この前より大きくなったでしょっ♪」――
えぇ〜要はこれが目的…?元々ナイスバディな藍華にとって、つい「はあ〜??」と白けてみたくなる
ところだが、ぐっと呑み込み「え?ええ、素敵な胸ネ♪」と話を合わせる。確かに、ぶるんと弾ける
豊満な色白乳房はつんと上向きに発育し、淡い乳輪の中心には可憐な乳首が天をつくように
屹立している。夫々の童顔にはいかにも不釣合いなエロスの花満開。無論文句なしの美しさだが、
デルモたちはただこれを見せるためだけに、呼び出したのか…これまた一本気の、或いは思い込みの
激しい女だこと。あの青デルモの怪我から派生した復讐の炎もさもありなん…。
藍華とデルモたち…既に許せる間柄ではある。が、そんなビアンカの一途さに改めて思いを寄せる…
これも秋色の日々が導く所産…奇妙なレトリックとも言えるのであろうか…。
(お粗末〜^^;;;)

214副官:2004/10/29(金) 01:18
>>212
>大きなダブルベッドを指差すのである。「ここに寝て…」
あっ、やっぱり。

>>213
>隣室から6人の女たちが一斉に飛び出し、藍華を取り囲む。
しかも今回は乱交。

と、思いきや微笑ましいオチでした。
本編の「デルモ達が私服を捲る=乳首が見えるシーン」を
ほのぼの・ストーリーにして頂き、有難うございます。

215超初心者:2004/11/12(金) 20:59
小噺その69

2046年とは鬼才ウォン・○ーワイ監督の描くとおり、摩訶不思議な未来なのか?まあ、そういう
見方もあるだろう。が、他方そうでない部分もしっかりある。それは不易と流行が織り成す永遠の
スパイラル。不動の伝統もまた、いいものである。ここ神奈川県の某ホテルでは今日も賑々しく
結婚披露宴が執り行われていた、変哲ない定番スタイルそのままに。但し広々とした宴会場には、やけに
華やいだ雰囲気が満ち溢れている。それもその筈、列席者の多くは女性だらけ。正面奥に、新郎新婦と、
その両隣に媒酌人夫妻が座る高砂の席。周囲に大きな円卓がいくつも並び、主賓席だの家族席だの、
といった構成すこぶる一般的ではあるのだが、親族を除けばやはり男性の影は薄い。さて改めて高砂席を
注視してみれば、純白レースのウェディング・ドレスに身を包む主役は何と黒デルモ“くるみ”!――
横の新郎はありきたりの普通人っぽいが、媒酌をつとめる男で再び目が止まる。半ば照れながら
まんざらでもない様子で鎮座しているのが他ならぬガストだからである。かつてハーゲン艦内で
“くるみ”のお腹に当て身を食らわせ気絶させたガスト(小噺その64参照)。気を失った黒デルモの
身体を抱きとめながら、ふと彼女の行く末や幸せを思い、短い感慨に浸ったものである。それがまさか、
今日という日を迎えるとは…!無論ガストにとって不愉快になる話ではない、むしろ理屈ぬきに祝福
できる華燭の典。遠く、“くるみ”の母親がその目尻に涙浮かべるさまを目ざとく見つけると、彼も
保護者になった気分で感情が高ぶっていく。(あの大災害でキミもお父さんを亡くしたんだよなあ…
お母さんもさぞ苦労なさったろう。見てご覧、お母さん万感に胸つまらせて涙まで浮かべてるよ…
キミはこれからうんと親孝行しなきゃいけない。わかるよな!約束だぞ!!)自分の中で勝手に
盛り上がり、有り余る勢いのまま、隣の花嫁に肘を向ける。「…なあっ!」同意を求め軽く小突いた
つもりだった。が、――ドスッ「うッ!」女の柔らかな脇腹に深々めりこむエルボーの一撃。
全身の力が抜けテーブルに突っ伏そうとするところを慌てて抱きかかえるが、時既に遅く気絶している。
例によって苦悶のうちに目は閉じられ、口元も半開き。涎は垂れる、股間の方もなにやら生暖かい
モノが沁みだすような状況で、焦りまくるガストである。それでも汗だくで司会に耳打ちし、式次第の
強引な変更を迫る媒酌人。突然の番狂わせとはいえ、他に妙案がなければ是非もない。こういう時は、
心が全くこもってなくとも、平然と取り繕う司会のアナウンスは有難いものである。
「え〜、ここで新婦はお色直しに入られます。媒酌人のガスト様にお手伝いいただきます、皆様拍手で
お送りください…」ガストは軽〜く彼女を肩に担ぎ上げると、悠然たる足取りで出口へ向かう。実は心臓
バクバクものなのだが、表情だけは虚勢丸出しの作り笑い。即席の因果を含めた通り、司会の軽口が
フォローする。「また、新婦のたってのご希望で、皆様に可愛いパンティをお見せしながらお色直しに
向かわれます。心やさしいくるみ様に一層の拍手をお願い致しまァ〜すっ!」ドッと沸きあがる場内。
既に結構なアルコールが入っていたせいもあろう、“くるみ”が目をつぶっているのは恥じらいのため、
くらいにしか受け取らず、純白パンティに淡い沁みが浮かぶさまも気付く者はいない。
「くるみィ、やるゥ〜♪」「やはり、パンティはデルモの官給品に限りますね、これはハーゲン様の
御意志ですから」「しかし、今更パンモロなど生ぬるいのでは…」などなど、デルモたちの声が
無責任に飛び交う中、先ずは無事に退場完了。控え室に戻るや懸命に揺り起こそうとするガスト、優に
30分も渾身の努力を続けた後で漸くに、といったところだろうか…うっすらと女は目を開ける。
「…ぅ…あ、あたし…どうしちゃったの…?」「ご、ごめんな。ちょっと合図しようと
しただけなんだが、つ、つい…」「………」“くるみ”は黙って聞いている、微かな笑みを込めて――
その後、くい込みパンティを履き替えドレスも着替え、ガストと共に式場へ戻った新婦だが、厳密には
そこで15分の空白があった。いったい何が行われたのか、起きたのか…どうにも気にはなるがその真相
…知るのはやはり当Aikaファンだけ…ということにしておきたい。

216名無しさん:2004/11/24(水) 01:52
http://moe2.homelinux.net/src/200411/20041123899801.jpg
もえタン ロリロリ

217超初心者:2004/11/24(水) 20:34
>>216
あ、このコが青デルモ”もえ”さんでしたか^^;確かにひ弱そうで、おしとやかそうな「萌え」キャラですネ^^

218超初心者:2004/11/24(水) 20:36
小噺その70

デルモ・コーポレーションが教育事業まで手を広げるからといって、よもや大学まで設立すると
想像した者は少ないだろう。それも、ラグやホーリー・ファクス号のノウハウをベースとした
理工系学部だけかと言うと、答えはノー。広く人文社会経済までカバーする総合大学だというのだから、
中々のものである。もっとも、表向きの教員構成としてはヘッドハントした気鋭の学者たちを立て、
デルモたちは専ら学生の役回り。このあたりは一部の白デルモが大学の要職を占める構造と矛盾するかに
見えるが、付属幼稚園から高校まで持ち上がってきた後進の若手デルモたち大勢いることを
考えれば肯ける話。さても日々真面目に勉強する彼女たちだが、秋の大学祭だけは一転デルモらしい
キャピキャピの華やかさに突き進む。構内いっぱい、各サークルが主催する模擬店、音楽系会場、
各種展示などなど所狭しとひしめく中で、やはりイチオシに目を引くのはパンティ研究会のブース。
内容はデルモたちのパンティ展示という、何のひねりもない企画だがこれが結構な人気なのである。
教室の窓は全て厚いカーテンで閉ざされたうえ、照明器具にはカラフルなセロハンを巻きつけた、
安っぽくも怪しげな雰囲気…そんな中、机の上にはパンティの数々が整然と並ぶ、メチャ、キッチュな
空間が仕上がっている。しかもお目当てのパンティについていえば、デルモの官給品として新品時に
同一デザインで作られたものが、ぴっちりと履きこなすうち個々人の体型に合った変形や変色など、
使用者の個性を主張する百花繚乱。そのうえ展示品は自由に触れることができ、グループでやってきた
外人連中に至っては、もう頭にかぶったりするなど大はしゃぎである。
更に更に。部屋のコーナーではMCが声張り上げるノリノリのオークションが展開中。
黒山の人だかりから、うなぎ上りのオファーが連発され、驚異的な価格で次々落札されていく。
瞬く間に完売となるのは当然だが、実は内々にまだ何点かのストックがあり。
当掲示板の皆様限定で、後日マル秘ネット・オークションを行う予定があるとの事である。さぁてその
ハンマー・プライスとは……「せーの、ハウマッチ!!???」(って古ゥゥ〜っっっ!!)

219副官:2004/11/24(水) 21:17
入札!副官が今穿いているパンツに!!

>「せーの、ハウマッチ!!???」
巨泉の司会。
どうやって見つけてくるのか、海外のトンでもない商品がありました。
値段をズバリ当れば大カップ。或いは小カップを10個溜めれば世界一周旅行。
回答者の日本語が達者な米国人弁護士さん。名前は何といいましたっけ?

220超初心者:2004/11/24(水) 21:33
>>219
さすが副官様、一番札!
>米国人弁護士さん
 ケント・ギルバート氏デスね^^

221副官:2004/11/24(水) 21:55
超初心者様
お久し振りです。

>>220
早速に有難うございます。
そぅそぅ、ケントでした。
彼は弁護士の顔以外に「モルモン教宣教師」でもあり、
布教のため日本語の勉強をしたとか。
(ここまで書いてチョイ混乱してきました。
ケント・デリカットという回答者も居た様な気がするのですが・・・)

222超初心者:2004/11/27(土) 14:24
小噺その71

激闘の犬吠島決戦ではあった。けれども、最後に藍華たちがボートで島を離れる際は、穏やかな波間同様
まったりとした空気が流れていたように感じる。それは司令が潔い撤退の決断をしたから?自ら基地を
放棄し爆破したから?長きに亘った闘いに漸くの終止符がうたれたから…?確かにそれもある。だが
見落としてならないもう一点…司令とシヴィエ藍華が様々な思いを込めて見詰め合った後、両者が島を
去るまでの時間において…今ひとつのドラマを忘れるわけにはいかないために。即ち、待機する
デルモたちの方へ向き直った司令の、その後の挙動について触れざるを得ない、ということ。あの時
デルモたちへ指示を与えた直後、彼女は副官の制止も聞かずさっとエレベーターに飛び乗り崖下の
出口に現れると、倒れ伏す4人のゴールデン・デルモたちの側へ駆け寄った。そこにはまだ
シヴィエ藍華が立ち尽くしているというのに、である。超人的なパワーとスキルに圧倒され
4人散り散りに倒れる“ビアンカ”“サニア”“トニア”そして“リエ”…。司令はひとりひとり、優しく上体を
抱き起こし抑えきれない衝動のまま頬ずりまでするが、無論すぐに目覚めるわけもない。その間、
藍華がじっと司令の動きを見据える中で、片や彼女の視線などまるで気にしないかのように
立ち振る舞う司令。やがて、最後に倒された“ビアンカ”の介抱に一区切りをつけ、すっくと立ち上がった
司令が、シヴィエ藍華の至近で向かい合う。
「私を…好きにすればいいわ…覚悟は…できてる…」デルモゲニィ・トップとしての自負からか、
それとも脳裏に渦巻く激情の嵐ゆえか…女の目は潤んでいた。その凛とした立ち姿へゆっくりと…
歩み寄る藍華。間近にせり立つ二人のシルエットは白銀基地で司令の胸に銃を突きつけたあのシーンを
彷彿させる。その気になればメタルの触手を使うまでもなく、一撃でこの白デルモを地に這わせる
ことも出来るだろう。しかし。二人はじっと静止したまま。いや、厳密に言えば、司令は一瞬小さい
身震いをしたかも知れない。そのあたり、もう少し丁寧に見てみよう。司令の名誉を思い、それが
恐怖に基づく震えでないこと証明しつつ…。先ず最初のプロセスは、藍華の股間を覆うメタルの微細な
変化だった。目と目を交わす当人達が全く気付かぬうちに、藍華の下半身、秘所周辺から一本の
細長い糸状隆起が生まれ、ぐんぐんそれが伸びてゆく。ピアノ線のような形状のメタル糸はそのまま
司令の下肢へ到達すると、肌にぴったり張り付くパンティの裾を楽々すり抜け、神秘にして美麗なる
花園の扉を開ける。彼女に震えが走ったのはこの瞬間である。が、すぐにも元の平静に戻るのは
何故なのか…結論からいえば、それは擬似生命体たるメタルの気配り。…闘いは終わった。藍華の
気持ちとして、眼前の女へ手をあげるつもりなどさらさらなく。ならば、言葉でのやりとりということに
なるのだろうが、こんなオイシイ最後のクライマックスで口角泡飛ばす言い合いは似合わない。
さりとて、何の会話も持たなければ多くの誤解が積み残される。ああ、だから人間というものは不器用と
いうのだ。やはりここは、お前たち二人の間を私が取り持つしかないのか…と。ひとたびメタルが
しゃしゃりでれば、誤解も六回もない。短時間で光ファイバーを遥かに凌ぐ大容量の意志疎通が実現し、
一切無言であるにも拘わらず二人の表情雲一点なく晴れ上がってゆく。それは一方的な決め付けでなく。
善悪のステレオタイプでなく。勝ち組も負け組もなく。無論、このことによって二人の人格が根底から
変わるわけではない。司令の、決着への志が削がれるものでもない。だが意味はある。とても言葉で
表現し尽くせない、混沌と無限。その彼方、仄かにゆらめく小さな灯火を互いに確認できたのだから。
ちゃっかり司令の秘所深く、恥じらいの園を覗くメタルの役得はこの際大目に見てもいいだろう、
頭上には澄み切った青空が広がっている。終始細糸の存在に気付かず「藍華さん、何やってるんですか!
そんな女、ぶっ飛ばしちゃってくださいよー」と盛り上がるりおん、
「いや、顔は勘弁してやってくれ、藍華…」と注文をつけるガスト、「ま〜、早くしてほしいのよね、
こんなトコさっさとおさらばしたいし」と催促するメイピア、「藍華さぁん、僕、白デルモの服が
着たいんですけど〜」と相変わらずコスプレにご執心の道草…そしてこの場だけでない、崖の上、
包帯姿のデルモたちひとりひとりに至るまで…温かい日差しだけはいつもとまったく変わらない…
分け隔てなく、ただ平等にそのかけらを降り注ぐだけの昼下がりなのであった…。

223超初心者:2004/12/08(水) 20:59
小噺その72

絶滅寸前などと揶揄されながら、203X年時点でもシブトク生き残っている歌番組。といって、年末が
近づくにつれ大ホールでライブ中継を組むやり方は相変わらず芸がない。だが、今年は出演者の中で、
ひと際目をひくユニットが登場。そう、あのゴールデンデルモ・シスターズの二人である。キュートで
スタイリッシュな金色デルモ服に身を包み、軽やかなステップで歌い踊るサニアとトニアはこの年
ぶっちぎりの大ブレイク。加速度的に社会現象となった。中には、どうせイロ物だろう、と
冷ややかに見ていた者もいたが、ひとたびその伸びやかな声とパフォーマンスに触れるやすっかり
魅了され、一転追っかけの最前線に身を投じている。まあ、ルックスと実力を兼ね備えた彼女たちの
こと、人気は当然とも言えるところだが、実はもうひとつのヒット要因あり。それはパンティ。ステージ
いっぱいに飛びまわる激しい振り付けの副産物か、ぴったり張り付く布ごしに秘肉の形状がくっきりと
浮かび上がり、オーディエンスの目を釘付けにするのである。二人が意図的に見せているものではない
だけにかえって自然な健康美が際立ち、ファンはただただうっとりとするばかり。それでもこの種の
スペシャル番組につきもののお笑い系ピン芸人は、数少ない出演チャンスで自分を目立たせようとする
余り、無理栗に突っ込みを入れようとする。彼女たちがオープニングの一曲を終えたところで幕の裾から
勢いよく出てきたのは「ギター侍Ⅱ世」。これもリバイバルのノリなのだろう、父親ゆずりのネタその
まんま、ギターかき鳴らし声を張り上げる。「〜〜デ、ル、モ、と言えば、いつも真っ白〜いパンティだ
…っていうじゃな〜い?…でも、あんたのそのパンティ…洗濯してるとこ一度も見たこと
ありませんからああああっっ!!残念っっ!!」痛快にぶった斬ったつもりだった、有頂天な男の鼻先に
忽然と現れる、あるモノを見るまでは。ガリガリガリ――「ア痛ァァーッ!!」言わずと知れたトニアの
鉤爪だがリアクションはややオーバーか。台本にない失礼な物言いでご機嫌ナナメの彼女とはいえ、一応
手加減はするもの、これだって単なるかすり傷の筈である。それより大喜びなのが満場のファン。
この時代でも彼は余りに多くの有名人を斬りすぎていた、そのツケがここで一気にまわってきたに
違いない。「ト、ニ、ア!ト、ニ、ア!」たちまち最高潮に達する「もっとやれ」コール。背中を
押される格好となったゴールデン・デルモは困った顔をして「ごめんねえ、ギター侍Ⅱ世さん」と
丁寧な一言を発するが、満を持す両の手に心から申し訳ないという気持ちが宿っていたかは疑わしい。
ガリガリガリガリガリガリッ!!!同時にあがる男の絶叫、今度はオーバーでも何でもなく。そのまま
病院に運ばれた彼は全治1ヶ月の床につき、退院後は芸風も変えた。息子が産まれりゃ「ギター侍Ⅲ世」
くらいに仕込もうかと考えていた彼は、もっとオーソドックスな司会業に安全確実な道を見出したの
だろう。「せーの、どん!更に倍!おっと三択の女王に全員がたちましたね〜」…動機はともかく、
こんなところでも歴史は繰り返すものなのである…。

224超初心者:2004/12/22(水) 22:34
小噺その73
(1)
一年なんて本当に早いものである。去年の12月14日、順調なサルベージ作業によって移設復元なった
泉岳寺に集まり、大石内蔵助の墓前で決然の志をたてようとしていたデルモたち(小噺その62参照)。
その時は大混雑の人並みに圧倒され彼女たちの目的も果たせなかったが、一年たって再びやってくるとは
司令も律儀というべきか。
「今日はみんなの誓いを胸に秘め、墓前には長く立ち止まらないようにしましょう…」
多少とも前回の学習効果があったとみえ、このたびはやけに人の流れに従順である。もうもうと
立ち込める線香の煙、その中を40名ものミニスカ美女軍団が二列縦隊で粛々進むミスマッチ。
そうやって義士たちの小さな墓石群を抜けていく序盤は順調だったが、直後予期せぬアクシデントが
発生する。それは参拝者に混じり無邪気に遊ぶ子供たちの群れ…縁日がたつ境内では当たり前の
光景だが、何をしでかすかわからないのもチビッコ・ギャングの常といえ。いつのまにか、十数人の
幼稚園男児女児たちがデルモたちの行列左右にぱらぱらと張り付きキッと睨みつけるのである。見れば
可愛らしい夫々の手にカラフルな水鉄砲を握り締め。一体何故に?と訝る間もなく一人の男の子が
口火を切る。「おねえさんたち悪い人でしょ?悪い人はボクたちが許さないぞ〜!」彼らが屋台で
おもちゃを買ってもらったことはわかるが、この切り口上はなんだろう。どこからそんな決め付けが
生まれるか。直接の原因はまず水鉄砲の説明書にありそうである。

225超初心者:2004/12/22(水) 22:35
(2)
「つかいかた…ず(挿絵つき)のようなふくをきてパンツがみえている女のひとは、せかいせいふくを
たくらんでいる。このラグ銃(じゅう)でやっつけよう!」こんな安物の玩具にはおよそ似つかわしく
ない…そう、多くの子供をターゲットとする商品にあるまじき独断と偏見の羅列なのだが、何事によらず
素直な園児はすんなりと受け入れる。けれども尚残る疑問。デルモの登場に合わせ、余りにタイムリー
過ぎないか?とは思うもの。答えはある男が握っていた。件の品物を置いていた露店に立つ彼は、
焼きそばやたこ焼の屋台にいるアンちゃんとはかなり毛色が異なる雰囲気。何というか、まるで
商売っ気がないのである。五百円以上するお面などは放っておき、実に十円というタダ同然の価格設定を
したあの水鉄砲だけを熱心に売り込むのだから。しかも屋台の裏手にこっそり置かれた手提げ袋の
中には、例の怪しげな文章踊るシールが束になって積まれている。それが本来の商品説明書の上から
ぺったり貼り付ける用途であるのも間違いない!ここまでいくと裏の狙いがぷんぷんとしてくるが、
ひとまず子供たちの現況に目を戻そう。「な、何??どういうこと???」
ざわつく女たちの中で真っ先に声をあげるのが黒デルモ“めぐみ”。白銀基地での廊下では友達の
“ひろみ”が藍華の麻酔銃で昏倒し錯乱狼狽していた黒デルモ、今回もほぼ同じ反応というのが
情けない。更に、動揺する黒・青・ピンクたちを静めなければならない白デルモまでが
「い、いやああああっっ!!」と身じろぎするニナ・エスコの絶叫で総崩れになる。そのまま勢いにのる
子供たちが一斉に銃を構える標的はデルモたちのパンティこれ一点。

226超初心者:2004/12/22(水) 22:37
(3)
「えい!ラグ・ビーム!!」――ピシャアアアアッ!!!「キャアアアアアアッッッ!!!!!」
「いやあああああんん!!!」「やめてええええ!」手で隠そうにも四方八方から降りかかる放水で
瞬く間にパンティはぐっしょり。もともと股間にむっちり食い込む薄手のパンティ、それがスケスケと
なればもう秘肉の形状、桃色の花園に至るまで余すところ無くまる見えである。
恥じらいで顔を真っ赤にしながら大混乱に陥るデルモたち。慌てて転倒して、パンモロ+可愛いお臍が
のぞく者も多数おり目のやり場には困るのなんの。基本的に年配が多いギャラリーだが「おぉ〜」
というどよめきに混じって「ン十年ぶりに元気になってきたぞう」との雄たけびも上がる。
さてこのどさくさに紛れる者ありといえばピンとくるのがさっきの男。予め配備しておいたのだろう、
数名のADらしき女たちに超小型ビデオカメラを持たせローアングルでの撮影をバッチリものに
している。タネを明かせば彼は某局のプロデューサー。トニアとサニアが局舎をぶっ潰した、あの時の
当事者である(小噺その33参照)。あれ以来、デルモ・スクープ映像に血道をあげるようになった
彼は、デルモたちがここへ参拝するとの情報を嗅ぎつけ、先回りし張り込んでいたのだった。これで
背景一式が解明されたわけだが、当のデルモたちはそれどころでない。日頃のパンチラ状態は全く
気にしないくせに、一旦「見られる」という意識が臨界に達すると収拾がつかないほどのパニックに
突入する。全員ほうほうの態で山門の外までたどり着いた女たち。結果だけで見れば昨年と全く同じ
展開である。大きく肩で息をするデルモたちの中で、それでも司令だけは最低限の体面を保っていた。
「今回は不測の事態でした。これでは誓いをたてたことになりませんわね…また来年、あらためて
来ることにしましょう」取り乱す仲間を落ち着かせ労わる、気配りの言葉。そして最後に…お嬢様司令
らしく、付け加える一言も決まりなのである――「それより、新しい喫茶店がこの近くに出来たそうよ。
皆さん、そこでゆっくりと紅茶でもいかが…?」(Fin〜^^;)

227名無しさん:2004/12/23(木) 02:21
超初心者様、大変良かったです。
クリスマス小噺をリクエストして宜しいでしょうか?

228超初心者:2004/12/23(木) 10:40
>クリスマス小噺
例によっての駄文デスが、小噺その61を御覧クダサイ^^;;;

229超初心者:2004/12/26(日) 12:35
小噺その74

イブに向けて意地になる程盛り上がるクリスマスも、ひとたび当日が過ぎればまったりとした街の空気。
勿論、ぴたり腕を組むカップルがあちこちを闊歩する光景は例年の副産物である。片や街頭で売られる
ケーキは日毎にダンピングされ、本日は定価の20%まで下落。それでも買い手がついてくれれば
大OKの店側にとって、一挙3箱も買ってくれる人物は極めて上客に違いない。
有難うございましたぁ〜、の声を背に歩き出すのは赤いスーツにビスチェ姿の藍華。向かう先は
会社である。仕事命の彼女は今日もひとり休日出勤。買い込んだケーキはきょうのおやつに一切れ、
残りは冷蔵庫に入れて翌日からの社内お茶だしに利用、と考えている。(どうせこんなケーキ随分前から
作り置きしてあるんだから…冷蔵庫に入れておけば軽く一週間はもつわ。ふふ、こういうのを賢い
買物っていうのよね…)社の経費までテキパキとはじき出し内心ニンマリ。すれ違うアツアツカップル達
などまるで眼中にない。そのままKKコーポレーションまでやってきた彼女は軽快な仕草で入口の
ドア・ロックにキーをさす…が…。「…?」鍵が開いている…!?出るとき閉め忘れたかしら、いや、
昨日はりおんが一緒だったから彼女が閉めてくれてたわね…ということは…いやだ泥棒!?こんな
時期にィ?…クリスマスが終わって間もないというのに罰当たりな連中だ、軽〜くコテンパンに
してやるから、と一気にボルテージがあがる。もっとも、特A級サルベイジャーの彼女だけに、表面上は
冷静沈着な行動。そっとドアを開けると、物音たてずするりと室内へ。睨んだとおり奥の部屋からは
複数の気配が感じられる。僅かに開いたドアの隙間から中を覗うと…見えるのはサンタの衣裳を着込んだ
人影が十人ほど、ごそごそ部屋の中を探し回っている様子。また、外には洩れないとタカを
くくっているためだろう、時折いくつかの声も洩れてくる。「…ないわねえ、あのビスチェ」
「もう一度よく探そ。あれさえ手に入りゃ、もうあの女なんかこわくないんだから…」「にしても
あゆみ、よく思いついたね、この格好」「えへ。今日くらいまではサンタの格好してても、ケーキの
売り子やイベントコンパニオンが事務所に戻ってくる風に見れるからね。怪しまれずに侵入出来るって
ワケ♪」――全員、サンタ服の下はすらりと伸びた長い脚。床に手をつき机の下を探っている者は
お尻突き出しのポーズから純白のパンティまで丸見えである。更に、サンタ服の下からは黒いスカートの
裾がのぞく…これだけ材料が揃えばもう充分だろう。(は…は〜ん)藍華はケーキを脇へ置くと、ドアに
張り付いて身構える。ホント、懲りない黒デルモのコたち…どうしてくれようかしら…
さて次の展開はその実未知数。Aikaファンの皆様なら、どれを望まれるだろうか…?
(A)十人全員打ち倒し気絶させ、目覚めたあとケーキとお茶を与えながら、さんざん説教して基地へ帰す。
(B)メタルの触手で弄んだあと、ケーキとお茶を与えながらさんざん説教して基地へ帰す。
(C)力を振るうことなく言葉だけで牽制する。そのあとケーキとお茶を与えながらさんざん説教して基地へ帰す。

230副官:2004/12/26(日) 17:15
私は(B)を希望いたします。

しかし「弄んだあと」ではデルモ達、
「基地に帰りたくない」「ずっと一緒にいたい」
と言い出すかも。

2314Life:2004/12/27(月) 14:55
私も(B)を希望します。

当方、結構Sなんで、激しく弄んで頂ければと。

232宣伝に付、削除:宣伝に付、削除
宣伝に付、削除

233宣伝に付、削除:宣伝に付、削除
宣伝に付、削除

234名無しさん:2008/04/30(水) 16:50:43
age


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