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【ポニテ】無敵超人ザンボット3【太股】

18はかり:2004/02/27(金) 20:08 ID:Cz28zLxo
「開 戦 前 夜」
 一人の少年と少女が夕闇が訪れようとしている公園のベンチに座り込んでいた。
 「どうなの・・・?そっちの方は?」長い沈黙の後、少女は耐えかねたように少年
 に話し掛けた。

 「どうって言ったって」目の前に飛んできた鳩に目をやりながら
 「ようやくビアル二世が動くようになったぐらいさ。」と答える。

 「そうね、ビアル三世もようやくエンジンが始動するようになったの。
  テスト運転をするわけにもいかないから・・・ぶっつけ本番みたいね。
  誰も・・・信じてくれなかったから・・・。」

 「そうだな、お偉いさんの頭の中にはソ連の侵攻ぐらいしかないんだろうさ。
  異星人の侵略を騒いだってSF小説の読みすぎとしかみてくれねえんだろう。」

公園の先の商店街からは駅から家路につく勤め人の姿や夕飯の買い物をする主婦、
 仲間同士で思い思い遊んでいる子供たち・・・日常の風景、そんな光景が広がっている。
 祖父や父から聞かされたガイゾックや先祖の星ビアルの事など全て夢物語に思えてくる。
 そして、この光景を全て灰にしようとする悪意の存在などあり得ないように少女には
 思えた。  

 「・・・・ねえ、この事誰かに話した?」
 今まで日常の光景を見つめていた少女の視線が少年の顔に注がれる。
 
 「・・・・ああ、でも誰も信じちゃくれなかった。だから話すのはやめたんだ。
  ・・・気が違ったと思われるのが関の山さ。俺だってまだ信じられないくらいなんだから」
 少年も少女の顔見つめ返す。

 「・・・・私も・・・誰も信じてくれなかった。ひろみだけは信じてくれると思っていたのに。それに
  最近自分が怖い。怖いと思っていた事が怖くなくなっているの。自分が自分でなくなる気がして・・・」
 幾筋もの涙が少女の頬を濡らす。
(睡眠学習のレベルが上がるといずれそんな事も考えなくなるって父さんは言っていたな)
  そんな事を考えながら少年は無言でその涙を指で拭きとった。「恵子は恵子だ、何も変わっちゃいないさ。」

 「次に会う時は戦争が始まっているかもしれない・・・。死ぬなよ。」
 少年は握手を求めるように手を伸ばす。
 「・・・うん、でも今度は二人じゃなくて三人ね。」
 少年の手をしっかり握り締め初めての笑顔を見せる少女。

 その二人を見守るように松本城は夕焼けの中たたずんでいた。
 全人類の存亡を賭けた戦いが間もなく始まる事など知らないように。
 
 ・・・宇宙空間。
 漆黒の宇宙から地球に接近する影。 
 その影の中心にそのものはいた。
 「・・・・悪シキ考エニ満チ満チタ星ガマタ一ツ・・・我ガ造ラレシプログラムハ言ウ滅ボセト」


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