■掲示板に戻る■ ■過去ログ倉庫一覧■

ノクターン 〜真・女神転生異聞〜 BR
1 名前: オンドゥルルラギッタンディスカー 投稿日: 2004/03/10(水) 14:36 [ fNlZzuwk ]
太陽に照らされたひとつの時間が終わり、やがて次の夜明けが訪れる、
その狭間に横たわる静寂の時間……それが夜。

「終わり」が途絶ではなく「新生」へと繋がるために、
通らねばならない黒き世界。
東京受胎によって、世界はまさしく「夜」を迎える。
人はその静寂の中で、何を想い、どんな「夜想曲」を奏でるのか。
夜を気高く奏でた者だけが、輝かしい夜明けへとたどり着く。


N O C T U R N E


※物語の進行上、かなり設定を変えているキャラクターもいます。 投稿者の皆さん
ご了承ください

2 名前: オンドゥルルラギッタンディスカー 投稿日: 2004/03/10(水) 14:37 [ fNlZzuwk ]
登場人物紹介



主人公:烏丸 啓介(カラスマ ケイスケ) 性別:男
年齢:17
職業:高校生
設定:無感動で無関心な少年 常にやる気が感じられない 
まるで感情が無いように見えるが、ただ表に出さないだけ  藤野先生の生徒。



名前:深山 小夜子(ミヤマ サヨコ)  性別:女
年齢:17歳
職業:高校生
設定:有名な旧家、深山家の一人娘  基本的に育ちも性格もお嬢様。 
特に性別を意識しない また、二重人格か? と思わせるほど態度が豹変することがある。 藤野先生の生徒。


名前:山本 航平 (ヤマモト コウヘイ) 性別:男
年齢:17
職業:高校生
設定:ファッションにうるさく、まず第一に服装 もちろんセンスはなかなか  
ダルく毎日を楽しく生きることに流されがち 先生のファンを自認している


名前:佐伯 健二(さえき けんじ)  性別:男
年齢:23歳
職業:政治家秘書
設定:人当たりが良く、社会的モラルの高い美男子 頭のキレもよく、状況判断がいい 模範人間としてできすぎているほどである
しかし、最近は上司や、金目当ての人間関係にイラ立ちを憶えている



名前:相浜 拓弥(あいはま たくや) 性別:男
年齢:25歳
職業:フリーの記者。
設定:楽天的で陽気。何をするにも大体大雑把。でもそんな自分を嫌ってはいない様子。
細かいことは気にしないが、曲がったことはキライなサッパリした性格


名前:益田 慈円(ますだ じえん) 性別:男
年齢:22歳
職業:インターネット会社 代表取締役 
設定:この歳にして、会社の重役にまで上り詰めた天才 しかし、噂では宗教関係やヤクザなど、イロイロなところに関わっているらしい
基本的には人嫌い。



名前:藤野 透子(フジノ トウコ) 性別:女
年齢:25
職業:教師
設定:知識のつめこみよりも、「人としての教育」を重視する今時珍しい先生 色んな意味で生徒からの人気が高い 
病状など、詳しくは分からないが先週から病院に入院している。



名前:北大橋 真谷(きたおおはし まや) 性別:男
年齢:27歳
職業:医者
設定:潔癖症で人の触った物には決して触らない。すぐに消毒。プライドが高い。説明が長い。理屈っぽい。冗談があまり通じない。
その割に、実は隠れロマンチスト(絶対に誰にも教えないが)


名前:佐藤 義次 (さとう よしつぐ) 性別:男
年齢:17歳
職業:高校生
設定:めんどくさがりやで不真面目 藤野先生の生徒。




名前:森田 陸人(モリタ ユウト) 性別:男
年齢:17歳
職業:高校生
設定:暗くて口を利かない。いつも1人でいる。いじめ、虐待などで人を信じられない。虫がキライ(理由は、いじめられていたころのあだ名が「ハエ」だったから) 
藤野先生の生徒。



名前:神崎 杏(かんざき あん) 性別:女
年齢:17歳
職業:高校生
性格:冷たい 小夜子のソレとはまた違った女王気質が感じられる。 当然、人当たりは悪い  藤野先生の生徒。





名前:荒木 礼二(アラキ レイジ) 性別:男
年齢:17
職業:高校生 
設定:他人をからかったり、おちょくったりすることが趣味。
真面目な話や陰気な空気が苦手で、枠に縛られる事を拒む。 藤野先生の生徒。



名前:浦井 隆之(ウライ タカユキ) 性別:男
年齢:17
職業:高校生
設定:面倒くさがりや 現代っ子で、大人が嫌い 話が通じると思っているのは先生だけ  藤野先生の生徒



名前:春日 聖(かすが ひじり) 性別:男
年齢:17
設定:設定:いつもおどおどしていて恥ずかしがり屋。
女友達がほとんどで男子とは特定の人しかしゃべらない。
話しかけられるとかばんや本などで顔を隠したりする。 藤野先生の生徒

3 名前: オンドゥルルラギッタンディスカー 投稿日: 2004/03/10(水) 14:37 [ fNlZzuwk ]
レジスタンス:アルフレッド(ALFRED)

秩序を重んじるレジスタンス(抵抗組織) 所属メンバーは全員で947人 主な活動はボランティア、破壊工作、荒廃した街の復興
宗教的なところから戦争までそれぞれの問題があり、その考えや抵抗しているところなどによって部隊が分けられる つまり総合(共同)レジスタンス ちゃんとした制服アリ。



主人公2:今井慶介(イマイ ケイスケ) 性別:男
年齢:18
設定:レジスタンス「アルフレッド」の新入り  機械的で無口 常に3連ピアスをつけていて、しっとりとした銀髪。 
尚、彼が入隊する前に「慶介(日向慶介」という名前のメンバーがいたため、あだ名で「アルフ」と呼ばれている 
(アルフの由来:彼が入隊したときにレジスタンスの制服デザインが変更され、新制服の右胸の部分には大きく「ALF」と書かれているため)
基本装備:オートマチックピストル×2、中型スオード、ハーフアーマー



名前:神野 聖馬(カンノ セイマ) 性別:男
年齢:28
設定:レジスタンス「アルフレッド」のリーダー
冷静で、冷徹 そして状況判断がいい と、リーダーにはうってつけの人物 詳しくは「アルフレッド2番隊隊長」である。 いつもペンダントを身につけている
アルフと行動をともにすることが多い(彼は新入りだから)
基本装備:サブマシンガン(MP5A5)、硬プラスチック製ハンドガン、ナイフ、ボディアーマー


名前:桐原 零(きりはら れい) 性別:女
年齢:24歳
設定:レジスタンス「アルフレッド」のメンバー 参謀的存在
物事を公平に見定めることができ、勘が鋭い ただ、神野と違い、生き物を完全に「生き物」として捉える
基本装備:サブマシンガン(MP5A5)、スタンガン、ナイフ、ボディアーマー


名前:金沢 今日子(かねざわ きょうこ) 性別:女
年齢:20
設定:レジスタンス「アルフレッド」のメンバー
優しく面倒見がいいお姉さん的存在 しかし「思い立ったらすぐ行動」的なところがある。
癒し係(何
基本装備:アサルトライフル(M16A2)、硬プラスチック製ハンドガン、ナイフ、ボディアーマー


名前:来栖 充彦(くるす みつひこ)
性別:男
年齢:25才
設定:レジスタンス「アルフレッド」のメンバー
血の気が多く、ムカつくやつを見たら殴るという超短気。 元は軍人。 
基本装備:スナイパーライフル(PSG−1)、ポケットショットガン、ナイフ、ボディアーマー


名前:間宮 光(マミヤ ヒカル) 性別:男
年齢:22歳
設定:レジスタンス「アルフレッド」のメンバー
皮肉屋。思ったことを素直にいえない 神野に心酔している
基本装備:アサルトライフル(M16A2)、コンバットマグナム、ナイフ、ボディアーマー


名前:日向 慶介(ひゆうが けいすけ) 性別:男
年齢:24歳
設定:猜疑心、警戒心が強い また、偽善を好まない ある意味とても人間的な性格。
基本装備:アサルトライフル(M16A2)、サブマシンガン(MP5A5)、ナイフ、ボディアーマー

4 名前: オンドゥルルラギッタンディスカー 投稿日: 2004/03/10(水) 14:39 [ fNlZzuwk ]
―夢は現実の中に―









「これだ・・・」


「ミロク経典の一説どおりだ・・・フフ・・・やっと見つけた・・・ これで・・・次の世界へ向うことができるんだ・・・」
「益田様・・・例のものは・・・?」
「新宿衛生病院にある・・・大丈夫 あそこはもともと我々のものだ バレやしない・・・」

「―ところで・・・鈴木くん」
「ハイ?」



パンッ







―現実は知らないところに―









ザッザッザッザッザッザ・・・


「ヤツらにやらせるわけにはいかない  アレは奪取する!!!! 行くぞ、来栖!」
「わぁかってるよぉ!! くそっ・・・どうしてこんなことに・・・!」
「目標は新宿の端にある・・・確か病院だったな・・・」
「地下通路から乗り込むぞ あまり事を荒立てたくない・・・ッ!」

パララララ・・・

「うわっ」
「あ!!?」
「構うな!! 走れ!!!」
「・・・・・・ぁ」
「アルフ! 振り返るな!!死にたいのか!!? 走れ、走るんだッ!!!」








―そして真実は自分の中にある―









「啓介、明日はセンセイのお見舞いに行くんじゃないの?」
「ん・・・ああ、うん そうだよ   分かってるよ・・・母さん」
「藤野先生、人気あるからねぇ あんまり大人数で行くんじゃないよ」
「10人くらいだけど」
「多ッ!!」







ガタンゴトーン ガタンゴトーン








―・・・もうすぐ・・・は起きてしまう・・・もう時間が・・・無いの―

―?―

―でも私は・・・アナタに死んでもらいたく・・・ない・・・アナタの命は・・・留めておきたい―

―・・・? 一体・・・―

―さぁ、アナタの名前を言って・・・名前が・・・存在するということが・・・必要・・・なのよ―

―・・・・・・僕は―









 まもなく〜代々木公園駅〜 代々木公園駅〜





カッカッカッカッカ・・・











革靴の心地よい乾いた音がホームにコダマする。
都心の駅でありながら 生まれている音はただそれだけ 奇妙な風景だ     青と白と黒 3色入り混じったボーダーのピッタリした革ジャン   好みがハッキリと分かれる個性的な服装をした少年が一人、まるで自分専用の庭園を歩くような足取りで歩いている。 しかし彼の顔に表情は無い。

5 名前: オンドゥルルラギッタンディスカー 投稿日: 2004/03/10(水) 14:40 [ fNlZzuwk ]




―代々木公園駅―











ピルルルルルル・・・

ホームに音が生まれた。 単調な携帯電話の呼び出し音 無個性が個性  最近はね いいじゃない こういうの シンプルでさ。    ―服装は?



ピッ


「ハイ」
「「・・・・・・ハイじゃない  遅い・・・遅いぞ烏丸啓介   ああ、オレ山本だけど―  とっくに集合時間すぎてるぞ・・・別にお前なんかいなくてもいいんだけどさー・・・お前がいると妙にセンセイ優しいんだよなぁ ・・・とにかく早く来いよー・・・ま、所詮オマエはムードメイカー そこんとこ弁えて来いよッ 」」


プツッ





「・・・・・・・・・・・・ムードメイカー?  ・・・」



今風の、やけに間をおいた軽い喋り方 どうやら彼の友人らしい  こんなに静かな空間なのだから、通話は丸聞こえであろうが・・・気にしても仕方が無い

それに・・・でもさ あんまり急ぐような気分じゃないんだ   



ガチャン


さて・・・いつからジュースは120円になったっけ? えーと・・・



「ン?・・・お客さん  もしかして代々木公園、行ったりします?」
「・・・」


ふと改札のほうを見ると、サッパリした若い駅員が身を乗り出してこちらを見ている。 話しかけた内容からして、通話は聞こえていないらしいが・・・

「・・・・・・」
・・・職務中に客に話しかけるな

「あの事件のせいで、この駅にとまる人が最近いませんからねぇ お客さんが始めてですよ、あの日以来 ハジメテの、ね」
「??・・・・・・・・・よく分からないんですが?」
「え? お客さん・・・もしかしてあの事件をご存知無い?  いやはや・・・つい3日前にですねぇ」
いいよ 別にいい 説明しなくたって別にいいよ  




「出たらしいんですよ、悪魔」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「・・・何だって?」
「悪魔」
「・・・アクマ?」
「ええ、まぁ 簡単に言ってしまうと・・・不謹慎な気もしますがね・・・ 代々木公園で殺人事件が起きたんですよ 死者7名 犯人の情報、手がかり、一切無し」
「・・・・・・」
「で、そんときに目撃したって人が多数いるんですよ ・・・何だか黒っぽくてハネのはえた生き物が・・・」
「・・・デマでしょ?」
「いやぁ でも見たって人がいるんですよ  ま 何が何だかサッパリ   あ、職務中に話しかけてしまってすみませんでした あまりにもヒマだったもので」

「・・・・・・悪魔」

カッカッカッカッカッカ・・・


―代々木公園駅北口―





悪魔・・・? 



・・・何故か頭から「悪魔」という言葉が離れないな






代々木公園・・・行ってみるかな   近いし。

6 名前: オンドゥルルラギッタンディスカー 投稿日: 2004/03/10(水) 14:40 [ fNlZzuwk ]
殺人事件・・・悪魔・・・殺人事件・・・
どうせバカげたことだ 分かってる 歩けば歩くほど、自分がバカらしくなってくる   犯人が特定できない&手がかりが無い・・・ ただ単に逃げてるだけじゃないのか・・・悪魔だなんて  UFOとはワケが違うんだぞ・・・


「「ピピーッ・・・サイバーテクノロジー社代表の、益田慈円氏が以前、行方不明です・・・」」

・・・街の巨大スクリーンには色白で怪しい色気を持った男が移っている・・・サーバーテクノロジー社代表?・・・ふーん・・・
「あの益田って人さぁ、超カッコよくないw? ガクト系で本人以上だよ」
「でもなんか怪しいよ〜〜〜」

女子高生・・・最近の女子はああいうのが好きなのか? ただのジャンキーまがいにしか見えないけどな・・・それに・・・冷たい眼をしている。
今日は少し気温が高い・・・革ジャンなんか着てくるんじゃなかった。  

さてと  代々木公園・・・もうすぐか   










―代々木公園―







「チッ 現場写真の一枚も撮らせん気か どうかしてるぜ全く・・・」

落ち着いた服装の男が一人・・・公園入り口の前に刺してある看板に文句を垂れている 「侵入禁止」 なるほど まぁ7人も死んだ事件だ 当然といえば当然かな?

「ん?」


男はこちらに振り返った。 顔もわりと淡白だ 若くも見えるし、それなりに歳を取っているようにも見える・・・ 男は片方の眉を少し上に上げると、話しかけてきた。なかなかサマになっている


「俺に―何か用か?」
「・・・・・・・・・何してるんですか?」

基本的にはそう聞かれたらこう聞き返すしかないんだけど 



「俺は相浜拓弥って者で、まぁ一応ジャーナリストだ  目的は当然、例の事件の調査だが・・・・・・見てのとおりだ」
男は看板と封鎖バリケードを、順に親指で指した。
「・・・バリケード・・・」
「一部では普通の殺人事件なんかじゃなくて、悪魔同士のなんたらかんたらって言われてるよ 俺もな、ソッチ系の雑誌担当なんだ」

目をつぶるようにして、ダルく話す「アイハマ」と名乗った男 手にもった帽子がやけに気になる
「・・・・・・」





ピルルルルルルル・・・




「ん? 鳴ってるの・・・オマエのじゃないか?」
「はぁ・・・」

ピッ

「・・・もしもし」
「「ちょっと、烏丸くん? 私、深山小夜子だけど あんまり遅いから皆で先に病院向かってるからね! 悪いけど直接、病院に来て ・・・今どこ?」」
「・・・代々木公園」
「「もしかして事件のことでも調べようとしてるの??  もう・・・全く  とにかく私は先生とイロイロ話したいことがあるの、進路のこととか  だからあんまり待たせないでね」」
「・・・お見舞いだろ」
「「何よ? 私は将来の負け組みと違って、ちゃんと考えてるのよ! 本当はキミとか山本くんとかが考えないといけないのよ」
「・・・」
「「あ、ところで病院の場所わかる? 新宿衛生病院」
「・・・わかるよ」
「「それじゃあね」」


ピッ



「坊主・・・新宿衛生病院行くのか?」
「・・・・・・」
「偶然だな 次の行き先も同じだとは」

・・・・・・まさかついて来るんじゃないだろうな?・・・この男

「これも何かの縁だ コレやるよ」

そう言って相浜は、ショルダーバックから雑誌を一つ取り出した 「月刊アヤカシ」 聞いたことの無い名前だ  オカルト雑誌なんだろうが


「まだギリギリで発売前なんだけどな、『拓弥様のメシア教特集』 あの病院には何かある・・・ってな  ま、間違ってたら笑って許せや また会ったら感想でも聞かせてくれ じゃあな」




―相浜は去っていった―



「・・・・・・」

パラ・・・


・・・・・・『病院の地下では人体実験が行われていた!? 衝撃特集は27ページ!!』






あまり趣味のいい雑誌とは言えないな







・・・そろそろ本当に病院に行かないと。

7 名前: オンドゥルルラギッタンディスカー 投稿日: 2004/03/10(水) 14:41 [ fNlZzuwk ]



―新宿衛生病院―








分院は閉鎖中です、だって?・・・フーン まぁ関係ないけど






カチャ・・・




「・・・あら、烏丸くん 遅い到着ね・・・」

病院のロビーには、待ち合わせていた友人の一人 深山小夜子 がいた  サラサラの黒髪に小柄な体格 それでいて気の強そうな目  いかにも日本女子な感じ どことなく気品と女王オーラが溢れている ・・・実際、彼女の家は名のある旧家らしい。
    ・・・ロビーには彼女だけがいた  スチール製パイプで造られた椅子に腰掛けている。




・・・・・・・・・








「?」
「おかしいでしょ? この病院」
「・・・うん」
「人が・・・一人もいないのよ 受付すらも」
「・・・・・・」

―ま、所詮 オマエはムードメイカー そこんとこ弁えて来いよ―



「―航平は?」
「今 先生探しに行ってる 2階にいると思うわ ・・・」



清潔感と幻想的な雰囲気に支配された最新式の病院 広すぎるロビーにはただ2人の声が繰り返し響くだけ 一歩歩いただけで自分の足音が何回も聞こえてくる。  とても静かで、とても寂しい空間 外とは完全に隔離されている  


「・・・他の奴らは?」
「・・・・・・他の人も先生探しに行ってるのっ」
「そう」
「・・・・・・・・・」





「・・・ハァ 全くもう  キミはいつだって無感動なんだね・・・ もしかして人じゃないんじゃないの?」
「知らない」



・・・・・・・・・






「(間がもたねーわ) 何持ってるの?ソレ」
「・・・もらったんだ」

啓介は雑誌 そう、「月刊アヤカシ」を軽く持ち上げてみせる 表紙に書かれた「ミロク経典」の文字がやたらと目立っている


「なにその雑誌? 見たことないけど・・・知らない人から貰ったの? ダメじゃない あぶないわよ?  で・・・ちょっと貸して」
小夜子は、半ば強引に啓介から雑誌を受け取った 眉間にしわを寄せてまじまじと表紙を見つめている

「月刊アヤカシ・・・うわー・・・ なによこれオカルト雑誌じゃないのよぅ!! こんなときに・・・余計に不気味じゃないのよ・・・」
「読めば」
「誰がッ」








パラ・・・






・・・・・・読むのか






「でも・・・・・・ヒマつぶしくらいにはなりそうね  ね、ちょっとみんな探してきてよ 先生いないんだったらこんな病院・・・早く出たいし」
小夜子は顔を上げて、啓介の顔をじっ と見つめた。

・・・人を使う気ですか。




「じゃ、お願いね・・・・・・」
そう短く言うと小夜子は、顔を膝の上に開いた月刊アヤカシに落とした。


パラ・・・


「(聞く耳は持ってないのかな ・・・まぁいいか)」





タッタッタッタ・・・


確か2Fだったな。

8 名前: オンドゥルルラギッタンディスカー 投稿日: 2004/03/10(水) 14:41 [ fNlZzuwk ]
カチャ ゴッゴッゴッゴッゴ・・・


エレベーター・・・これはいつも苦手だ   体が捻じ曲げられるような感覚・・・このまま異世界でもに行ってしまいそうな感じ・・・ そして息苦しい・・・嫌だ。



チン




・・・誰もいない  この静けさは・・・・・・ 窓から外を見れば街は人で溢れかえっているというのに・・・ここには人がいる・・・いや、人がいたという感じすらしない・・・
広すぎるのが余計に嫌だな 大体、エレベーターの踊り場だけでこんなに場所とるかな・・・

ォ?   自販機・・・




ガチャン





この病院のは110円か・・・

無意識にあたりを見回しながら少し歩いている啓介
壁のほとんどがガラス張りの病院 まるで水族館だ。  外からも中からもほとんど全てが見えるだろうな・・・ まぁ、ここは中庭に面しているから気にする必要は無いんだけど
・・・ん? 向う側の廊下に誰かいるな・・・





204号室  先生の個室のはずだな・・・ ちゃんと書いてある 「藤野透子様」  ・・・



・・・・・・カチャ





「――――っ?」




「―って、何だ  啓介かよ・・・いきなり後ろから脅かすなよなぁ・・・遅れてきてそりゃあないだろ?」
病室には一人の少年がいた 一緒に来る予定だった友人の一人 山本 航平だ・・・逆光で顔はよく見えないが、特徴的なシルエットで分かる
ズタズタのジーパンに短めの黒い上着・・・そして深いキャスケットをかぶった男子・・・ やれやれというような感じで、軽く目をつぶって帽子の位置を直している。


「で、アレだよ  ホラ ―誰もいないだろ?」

「うん」

「・・・ちゃんと探したんだけどなぁ・・・いそうなところは全部  おかしいよな、こんなの・・・」
「・・・・・・」
「で、何? オマエも先生探しに来たの?  少なくとも2階にはいなかったよ あとは屋上と地下だけだけど・・・地下は従業員のなんだかよくわかんないアレで入れないから・・・屋上か? 1階は初めにみんなで探したんだ」
「・・・・・・屋上?」
「んー・・・ま、とりあえず俺ちょっと戻ってみるよ 深山・・・あいつ何もしてないだろ? これだからお嬢様育ちは困るよ・・・やれやれ、だ」





カッカッカッカッカ・・・





―航平は去っていった―





2階にはいない・・・か
じゃあ探してる意味も無いよな  ・・・戻るか・・・ 


・・・階段で行くかな 仕方ない
啓介はその場にジュースの空き缶を置いていった

9 名前: オンドゥルルラギッタンディスカー 投稿日: 2004/03/10(水) 14:42 [ fNlZzuwk ]
カッカッカッカッカッカ


階段が隅のほうに追いやられるような感じでひっそりとあった。 人目にはつかない位置だ 
暗くて空気が重い・・・なんだこの病院・・・まぁ、病院で階段はあまり使わないからな・・・


カチャ  そういえばあっちの隅にあるドアも階段か・・・? 4つあるぞ・・・



カチャ・・・(ここの階段にはいちいちドアがついている・・・)

カッカッカッカッカッカ・・・






カチャ


「!?」



「・・・あ」←こっちが啓介



「アルフ、・・・やめておけ」


階段のドアを開けた先には・・・ 銀髪と黒髪の男・・・―しかも妙な服に武装している―  がいた。
「ソイツは関係者ではないだろう・・・いいから銃をしまえ・・・」
「・・・・・・」

アルフと呼ばれた、しっとりとした銀髪の少年は、しぶしぶ啓介に向けていたハンドガンを降ろした  何だこいつらいきなり・・・銃?


「少年」

背の高い黒髪の男は、コチラを向かずに・・・どこかをじっと見つめたまま話しかけてきた
「・・・」
「ここは危険だ どうせ人はいなかっただろ?  自分の身を一番に考えているならば・・・早くここから出たほうがいい」
「入院中の患者はどこに行った」
「・・・」
男は振り返った 今度は自分の眼を見つめている   先ほどから銀髪の男は警戒するように自分を見ているが・・・しっとりした銀髪のほうは大体、自分と同じ年齢か  

「知り合いがこの病院にいたのか?」
「・・・・・・ああ」
「・・・入院患者のことはよく知らない    とにかく危険だ 妙な探索はそれくらいにしておけ・・・・・・行くぞアルフ」

男は眼を逸らして歩き出した ・・・アルフが後に続く・・・まだあいつだけは振り返ってコチラを見ている・・・


―2人は去っていった―





ん・・・?そういえば窓が無い・・・それに・・・・・・
ここは地下1Fか?  どうして2Fからいきなり地下に階段が繋がっているんだ・・・?




・・・・・・また2階に戻ってエレベーターで一階に下りないといけないのか・・・・・・



―少年―



・・・うざいってんだろ?

10 名前: オンドゥルルラギッタンディスカー 投稿日: 2004/03/10(水) 14:42 [ fNlZzuwk ]
「あら、烏丸くん おかえりなさい 先生は?  探してた人たちは?」
啓介が自分の前に立っていることに気づくと、小夜子は顔を上げた。
「・・・・・・いなかったよ 会ったのは山本と・・・いや、山本だけだ」
「そう・・・」

―とにかく危険だ 妙な探索はそれくらいにしておけ―



・・・・・・何が危険なんだ

カチャ・・・ウィィーン・・・

「?」



「ふぅ・・・今何時だ・・よし、まだ大丈夫だな」

誰かが病院に入ってきた いや、驚くことはないのだが・・・ただ 静寂に慣れてしまっていたので・・・どうも違和感が解せない

「・・・あれ?  あの、もし  すみません」

背が高く美形 それに整った髪形に高そうなスーツ・・・ウホッ
とにかくその男が、2人に話しかけてきた。

「あ、ハイ」 
小夜子が超速攻で返事をした  さりげなく月刊アヤカシを啓介に押し付けている  目を細める啓介


「・・・・・・誰もいないんですか?」
「ええ、私達がここへ来たのは40分ほど前なのですけれど・・・」
「そうですか・・・変ですね  あ、私 佐伯健二と申します 緒方真一(この世界での有名な政治家)の秘書をやっております^^」
「まぁ、緒方さんの?^^」
「ハハッ 大したことはありません ここの病院にはちょっと睡眠薬を処方してもらおうと思ってきたのですが^^」

超有名政治家の秘書と、超お嬢様の楽しそうな会話  ・・・あまり見ていたくない




「・・・ふぅ あーあ 大変だったぞー ・・・男子トイレまで探したんだぜ? 先生」

航平がエレベーターから降りてきた あの後も実は先生を探し回っていたらしい   まぁ・・・本人は先日 先生のファンを自認していたけど・・・







「・・・・・・誰だこいつ?」
完全に小夜子(と健二)に無視されて、少しカチンときたらしい とりあえず啓介に話しかける
「・・・・・・見てのとおりだよ」

「ん? あら、山本くん・・・先生は―いなかったのね」



ジーッ

「あ、ちょっと失礼」

健二が病院を出て行った 入り口前で、ポケットから携帯電話を取り出し、会話を始めた 先ほどの「ジー」という音は、携帯電話の呼び出しバイブレーションだったらしい

「あれ・・・・・・・・ほかのみんなは?]
「知らないわ」

何だか少し声が冷たい小夜子 また月刊アヤカシを読み始める
「ん、そうそう・・・それでね、ちょっと気になることがこの雑誌にのってたのよ    あのね、メシア教 とガイア教 っていう宗教が対立しててね・・・ とある病院がその片方の宗教の運営だったらしいの」
「ふーん、メシア・・・ねぇ」
ホールを眺め回す航平

「・・・それで・・・その病院ではいろいろあったんだって 悪魔召還の実験とか・・・生態実験とか それで地下に重要な何かが!? ―てところで文章がキレてるの」
「それで待て、次週 なわけね  その病院って、意外とココかもよぉ」
「・・・・・・変なこと言わないでよ」
「・・・・・・・・・・・・・・」

相変わらず何も喋らない啓介 しかしいつもの時とは違って何かを考え込んでいる

「あ、そうそう ―でさ、啓介 お前に頼みがあるんだー (どうせ小夜子に頼んでもきいてくれねぇしな」
「・・・?」
「これさ、何だと思う?」

航平は赤く光る金属製のカードのようなものを取り出した

「・・・IDカード?」
「ビンゴだ 2階の休憩室から盗ってきてやったぜ これで従業員用の地下も行ける」
「あー それ泥棒じゃないのよ」
「気にすんなよ ・・・啓介、 地下・・・探してきてくれないか? オレは屋上を探してくるから」
「・・・・・・」
「怖いのね? 山本くん」
「ち、違うよ ただ・・・ホラ、 地下にいないことを確認してきてくれればいいんだよ! 先生を見つけるのはオレ! どうせ地下なんかに先生はいないから啓介に頼むの!!」
「あ〜ら、強がっちゃって」


地下・・・?



―少年―









「・・・いいよ」
「オッシ! じゃ、頼んだよ」

航平は無理矢理IDカードを啓介の手に押し付けて、さっさとエレベーターに乗ってしまった。






「・・・・・・烏丸くん」
「―?」



「気をつけてね」
「・・・うん」

11 名前: 投稿日: 2004/03/10(水) 15:57 [ pPISi4P. ]
名簿&本編完成おめでとうございますvv
なんだか、前にない設定で
とてもドキドキしながらよめましたv
連載がんばってくださいv

12 名前: ヒロオリ (Iwk/cc7M) 投稿日: 2004/03/10(水) 17:46 [ 8JDLCnzk ]
おぉぉ、本編開始おめでとうです!
なんだか読んでてゲームやってるような気分になってきましたw
一つ一つ会話進めてフラグ立ててくみたいな気分に(笑
いやぁ、小説のつくりが上手いです!
続きも楽しみにしてますw頑張ってくださいw

13 名前: ナナ 投稿日: 2004/03/10(水) 21:39 [ S4m7G/ZI ]
これって、ゲームなんですよね?
どんなゲームなんだかやってみたいです(^^)
廊下に響く足音とか、リアルでとても良かったです。
新感覚な小説が読めて楽しかったです♪
応援してます。頑張って下さい。

14 名前: 影虎 投稿日: 2004/03/10(水) 23:10 [ rnKnoYug ]
チラと読んだのですが原作を綺麗に文章化してますねー。
実はキャラ募集に応募しようとしたのですが締め切りに間に合いませんでした〜。

原作のファンなんでこれからオリジナルキャラがどのように関わっていくか楽しみです。

頑張ってください!

15 名前: 秋菜 投稿日: 2004/03/11(木) 01:05 [ rbuKn15g ]
本編開始おめでとうございます!
何か本当のRPGやってるみたいな感覚にとらわれてしまいました!
何か効果音とかがすごいリアルで楽しいです☆
私はペルソナの罪&罰ならやった事があるんですが、メガテンはないので実際のゲームをやってみたくなりました!
次回も楽しみにしています!頑張って下さい!

16 名前: オンドゥルルラギッタンディスカー 投稿日: 2004/03/11(木) 11:42 [ pXdRjeF6 ]
皆様、レスどうもです^^ 本当にレスが貰えると嬉しいものですね^^
今回、モデルにした作品は「真・女神転生Ⅲ」です^^(あえてマニアクスではなく
かなり設定を変えているキャラもいますね^^;



>空様
連載頑張ります^^ 前に無い といってくださってとても嬉しいです^^
厳密にはBRではないのですが、応援どうもです^^ 本当に力になりますw

>ヒロオリ様
小説のつくりがうまいだなんて・・・w あ、ありがとうございます!! 恐縮です^^
ええ、実際にゲーム・・・というより、想像力に働きかけるように書いています^^ イロイロ想像してくださいねw

>ナナ様
ええ、もともとはゲームです^^ とてもおもしろいので、「マニアクス」のほうはオススメですw
リアルといってもらえるとやっぱりとても嬉しいです^^ いかに表現するかが難しいので^^;

>影虎様
どうもです^^ 原作ファンの人がおられたとはw またもしかしたら新キャラ募集するかもしれないのでよろしくです^^
いろいろと混ぜていきますよ〜w 実は「アルフ」じゃなくて「アレフ(メガテン2の主人公)」 または「サーフ(新作の主人公)」にしようと思ってました^^;
頑張りますw ちなみにアルフレッド とは人名で、秩序とかそういう意味がありますw

>秋菜
RPGですか^^ 嬉しいです〜^^ 
効果音には力いれましたからw ペルソナですかwww アレもメガテンシリーズですね^^ 
時間があったら「メガテン3マニアクス」のほうオススメです^^ 普通に2回連続でプレイしてしまうほど面白いですw

17 名前: オンドゥルルラギッタンディスカー 投稿日: 2004/03/11(木) 11:42 [ pXdRjeF6 ]
―ちょうど2人がエレベーターに乗って地下と屋上の探索に出かけていった直後、先生を探しに言っていた他の生徒がホールに集まってきていた。



「先生いねーよ こんだけ探して誰もいないんだからよー・・・警察に電話したほうが良かないか? だってここ病院だぞ??」
「そ・・・そう・・・かな」
エレベーターが開いて、最初に戻ってきたのは浦井隆之と春日聖の2人組だった。
聖にしてみればこのペアは不本意なのだろうが・・・(男子は苦手・・・ましてやガサツな人は) そうも言っていられない。  隆之の言葉にも、グチというよりは明らかに焦りが含まれている。


「・・・そうね みんな2階を探してたんでしょ・・・? 1階は初めに全員で見て周ったし・・・まさか屋上と地下に人がいるわけないしね・・・」
「どうすんだよ ・・・ヤバイじゃんかよ深山    あ、そういえばさ、汐花と寺島がどこにもいなかったぜ この病院にきてから一度も見てねぇ」
「・・・・・・」







「・・・んもぅ!」



・・・どうも落ち着かない   やはりこの広すぎるホールのせいか? 3人いるとはいえ・・・やはり音が反響しすぎる それに以上に高い天井  まるで教会の礼拝堂だ  受付の真上に飾られた天使の上半身のようなモノが、より雰囲気を高める小道具となっている。 ここまでくると不気味なんてものではない





・・・・・・





「・・・とにかく、みんなが帰ってくるのを待ちましょう」
「・・・えーと・・・あのさ、山本くんと烏丸くんは・・・? いいの?ほっといて・・・」
「山本くんはまず大丈夫でしょ 屋上だし・・・すぐ帰ってくると思う    烏丸くんは・・・・・・地下はIDカードが無いと入れないの・・・でもそのIDカードは烏丸くんが持ってるから・・・」
「やっぱり待つしか無いわけか・・・・・・・・・・・・ところであの入り口のところにいるベテラン(?)は誰だよ」

「失礼なこと言わないの! 彼は(説明中)なのよ!」
「・・・・・・そう、でもそのわりにはなんか怒鳴ってるよ」
「え?」




入り口前で長電話をしている秘書・・・佐伯健二は、受話器に向って確かに怒鳴っていた 通行人が彼を避けているのがここからでも分かる
顔は紅潮し、形のいい眉毛は上につり上がっている 先ほどの彼からは考えられない。


数分後、彼は肩を怒らせながら、病院のホールに戻ってきた 口からは「まったくもう・・・」とか「いい加減にしろ」とかの言葉が聞き取れる。 彼はムッスリと一番後ろのソファーに腰掛けた。

話しかけることもできず、(健二も特に3人を意識せずに) ただ時間だけが流れていく・・・。



「―まったく・・・みんな早く戻ってきてよ・・・」











―新宿衛生病院地下1階 北側通路―











「・・・・・・」
「アルフ」
「ハイ」
「・・・先程の少年のことをまだ気にしているのか?」
「・・・別に」
「・・・・・・とにかくだ、知らない人物に出合ったら、その・・・銃を向けてしまう癖をどうにかしたほうがいいぞ・・・」
「了解」



コツコツコツ・・・

地下というものは、どうしてこうも足音がひびくのだろう・・・お世辞にも広い通路とはいえない  迷路のように入り組んだ地下通路    さらに自分達の足音以外に全く音が聞こえていないところから見て、近くに仲間はいないのだ






―・・・相変わらず無愛想な奴だな   あまり一緒に行動していて落ち着けるようなタイプじゃない  早く他の奴らと合流できればいいが・・・―




「神野さん」
「・・・何だ?」
「他の人たちは何組に分かれて侵入したのですか?」
「俺たちと同じだよ 2人ずつ4組になって別々のダクトから地下に侵入した  早いところ合流して・・・「ターミナル」を破壊するか奪取するかしなくてはな あまり時間も無いんだ」
「・・・そうですか」






会話が終わってるな・・・




・・・・・・・・・

18 名前: オンドゥルルラギッタンディスカー 投稿日: 2004/03/11(木) 11:44 [ pXdRjeF6 ]
―新宿衛生病院 地下1階 カードリーダー前―



ピーッ・・・ IDカクニン 



ゴォォ・・・



2重にされた厚さ15cmはある巨大な扉が大きな音を立てて開いた。
ここまで厳重にロックしておく必要があるのだろうか・・・? まるでここは捕囚所だ 暗くて空気が悪い   それに足元からスッ と冷気が上がってくる・・・      やっぱり引き受けるべきじゃなかったかな・・・? 
第一、ここに入ったってことがバレたら不法侵入だ



コツコツコツコツ・・・





・・・基本的にはただの地下通路だが、やけに入り組んでいる 迷わせるために作ったとしか思えない ・・・・・・どこかに自販機はないか。


カチャ・・・

とりあえず壁にかけてあった緊急用の懐中電灯を拝借する 暗くて数メートル先も見えないから・・・







「ここもダメか・・・」



見つけたドアは7つ そしてそのうち封鎖されていたドアも7つ・・・ もしかして地下は随分と前に封鎖されてしまったんじゃないだろうか?
コツコツコツコツ・・・




・・・!



誰かの声が聞こえる・・・   そこの曲がり角の先だ  




―ここは危険だ 自分の身を一番に考えているなら・・・―







・・・
壁越しに片目だけ出して覗いてみる  目の前が少し眩しい ライトか何かの道具があるようだ  やはり人がいる

―「後悔」という言葉がある 文字通り「後で悔やむこと」だ 人は後悔したときに「あの時にああしていればよかった」と2度悔やまずにはいられない・・・何故だ?―



目の前の通路20メートルほど先には・・・一緒に病院へ来る予定だった友人が2人、赤く染まって床を汚していた。  周りには銃を持った5〜6人の男女がいる。 
・・・会話がハッキリと聞こえてくる




「何で殺したのよ!」
「仕方ないだろう!! 見られちまったんだからよ!!」
「・・・問題はどうやって地下通路に入ってこれたのかだが」
「だって・・・だって殺しちゃったんだよ・・・? それにコレ・・・この子達まだ子供じゃないのよ!」
「くそっ・・・どっかに死体は隠しとくか 生徒手帳で身元が分かる・・・名前は汐花と寺島  こいつらはここの連中じゃないな 一般人だ」
「死体を隠す必要は無いんじゃないのか?」
「何冷静になってんのよ!!!」
「オマエは死体を見るのがハジメテだからだろう!?」


―ドクン―






「・・・あっ」


カツッ






―ドクン―




懐中電灯が啓介の手から滑り落ちた。



「!!?」
一斉に振り返る男女

「まだいたか」
「ちょっと・・・やめなさいよ!」

―ドクッドクッドクッ―


「・・・あ・・・あ」


ハジメテ見る光景 ハジメテの感情 ハジメテ見る人間の死体     



―逃げ・・・ないのか? 啓介さんとやらよ―





「うわあああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」


「くそっ!! 逃がすかよ!!!」
「待て、追いかけるな!! はぐれたらどうする」
「じゃあオマエラが付いて来いよ!!!」


タッタッタッタッタッタッタ・・・

ダッダッダッダッダッダ・・・


「待てぇ!!!!」

パララララ


音が反響する
自分が先程立っていた壁際が衝撃音とともに少し抉れた。 
暗闇での追いかけっこ 冗談じゃない

19 名前: オンドゥルルラギッタンディスカー 投稿日: 2004/03/11(木) 11:44 [ pXdRjeF6 ]
「ハッ・・・ハッ・・・ハッ・・・ハッ・・・!!」

タッタッタッタッタ

「来栖!! 銃を乱射するな!! 計器類に命中したらどうするんだ!!」
「暗くて見えないんだから銃撃つしかねぇだろうが!!!」
「殺すなって言ってんだろ!!!!!!!!!!! 止まれ来栖!!!!」





「ハッ・・・ハ・・・」


逃げなきゃ・・・逃げなきゃ・・・! 逃げなきゃ・・・  死にたくない


ハァ   ハァ    ハァ   ハァ





キィ・・・ガタン!!!!!

自分でもどこを走っているのか分からない ただ、ヤツラと反対方向に向っているということだけは確かのはずだ
目の前にある扉・・・開くだろうか 開く? 開かない? 開く?



ガタン






ドアが開いた   急いでドアを閉める啓介   ドアを閉めた途端に、体から力が抜けていくのが分かる    ・・・思わずその場に座りこんでしまう。  
体を丸めるように体育座りになっている 気がつけば汗だくだ   冷めてしまってとても寒い      ・・・怖い

今にもあいつらが後ろのドアを開けて入ってくるんじゃないかと思うと気が気でない



「・・・」


この部屋は・・・?
・・・目の前には異様な光景が広がっていた。
本来は普通の手術室であったのだろうが、肝心の手術台には、様々な道具・・・拘束具? や、刃物、電動ノコギリなど とにかく危険なモノがオプションパーツのように取り付けられている。
足元には六芒星が描いてある趣味の悪いカーペットが敷いてある。


「・・・・・・?」

とても異様な空間 そういえばこの病院に入った時から何かが変だった気がする 
逆にあまりにもこの部屋のインパクトが大きかったので、数分前の出来事を一時的にだが忘れられたのは幸いだった。


・・・さらに目の前にもう一つ扉があるのが見える  ・・・大分目が慣れてきたようだ




額の汗を腕でぬぐうと、啓介は目の前の扉を開けた。

20 名前: オンドゥルルラギッタンディスカー 投稿日: 2004/03/11(木) 11:45 [ pXdRjeF6 ]
―新宿衛生病院 地下1階 不明空間―












「・・・・・・誰かね」

キィ・・・キィ・・・






・・・回転椅子に、腰掛けた男・・・背を向けていて顔は分からないが   きしむ音を心地良く聞いているかのように椅子を揺らしている。 この部屋も本来は真っ暗なのだろうが、もう目が慣れているので・・・全てが見える


カチャ・・・



男は椅子を回してコチラに向き直った
その顔には見覚えがある。  確か前は街の巨大スクリーンにいたはずだ。





「フム・・・・・・・・・キミは藤野先生の生徒かね?  お見舞いにでも・・・来たのかな?」

冷たい眼をした男 ・・・益田慈円   行方不明だったはずだ  どうしてこんな・・・こんな病院の それも地下にいるんだ?
磁円は、右手に持ったペンを人差し指で回し始めた。

カチャリ

「・・・・・・」

イマイチ状況が把握できない  何だか奇妙なことばかりで、前に起きた出来事が全てどうでも良く思えてくる。

カチャリ

「・・・・・・・・・藤野先生も罪な人だ    それにまぁ・・・あまり関係の無い場所には来てはいけないだろう?」
「・・・・・・」


カチャリ

「・・・・・・小さな穴からダムが崩れる・・・ということはよくある    ・・・悪いね ここで死んでいってもらおう」

カチャッ

磁円はペンを回すのをやめて、左腕を上に上げた。

この男のことを考えていてよく分からなかったが、磁円の後ろには円柱型の奇妙なオブジェがあった   ・・・・・・オブジェの上に何かが現れた  いや、正しくない      小さな雷鳴と共に何かが「召還」された

黒い羽・・・黒い肌 ・・・山羊の顔



悪魔

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・

「安心したまえ  どうせこの世界の人間全てがもうすぐキミの後を追うことになる  ・・・光は呼ばれおこる」
男は感情を込めない小さな声で・・・したたかに言ってのけた。



「やめなさい!」
「・・・?」
「・・・・・・」


オブジェの後ろから・・・なんと藤野先生が現れた   ・・・どうやらそこにも入り口があるらしい   この部屋は、きっと地下の中心部にあるのだろう・・・そして当然、中枢
本来は先生が・・・入院していたはずの先生がどうしてここにいるのかが疑問になるはずだが・・・
啓介の頭の中ではもう何かがマヒしていた。

「・・・アナタがそんなことをするつもりなら・・・私はもうアナタに協力しません」
「・・・・・・・・・透子さん これはこれは・・・・・・教え子の様子が心配になったのかね?」
「・・・・・・いいからやめて  どうして彼一人を見逃してあげられないの?」



・・・・・・・・・
しばらく目を合わせたまま何も喋らない両者   完全に自分の存在が否定されているような気分になる


「フゥ・・・いいでしょう・・・・・・・・・アナタがそこまで言うのならね・・・・・・ではさっさとこの部屋から出て行ってもらえるかな・・・? 私は「終わり」を静かに迎えたいのでね・・・」


キィ


・・・男は足で軽く椅子を回して後ろを向いた。



「啓介くん」
「・・・・・・ハイ」


「屋上で待ってるから  見せたいモノがあるの・・・・・・」


「・・・・・・・・・」

21 名前: オンドゥルルラギッタンディスカー 投稿日: 2004/03/11(木) 11:45 [ pXdRjeF6 ]
カチャ・・・ウィーン・・・
「深山−・・・ 屋上にも先生いないぞ・・・どうなってんだよー」
航平がホールに戻ってきた。

「そう・・・じゃああとは烏丸くんね 彼、ちょっと遅いわね」
「・・・地下ねぇ・・・・・・まぁ いいや オレちょっとトイレ行って来るわ」
「そんなことはいちいち報告しなくてもいいのよ」













「来栖!! 止まれ!!」
「ああ!? 何だよ日向  さっきの奴を殺さないといけねぇだろぉがよ」
「・・・・・・リーダーから通信よ   至急、B−9、C−11の配管を通した通路に向え だそうよ・・・」
「桐原、それは・・・目標を発見したととっていいのか?」
「ええ、多分   ・・・・・・・・・さっきの少年なんかほっときなさい 行くわよ」

「あ、待てよ!」











ダッダッダッダッダ・・・





ウィーン・・・



自分がどうやってこのエレベーターに戻ってきたのか・・・よく憶えていない  友人の死体  先生 ・・・行方不明だった男  誰もいない病院  銃を持った男女  銀髪の青年
全てが渦のようになり、目が回るような吐き気に襲われる。
このエレベーターのせいもあるのだろうが・・・ こんなところで倒れるわけには行かない  




ガチャン    






カチャ・・・
コツコツコツコツコツ・・・







―新宿衛生病院 屋上―











「・・・よく来たわね ・・・烏丸くん  こっちに来て」
先生は目の前のフェンスのところに立っていた  ちょうど展望台のようになっており、街を見渡すにはちょうどいい



コツコツコツコツ・・・

「・・・もうすぐ この世界は死ぬの      この病院に今、存在していない人たちは全員・・・命の灯を落としてしまうわ」
「・・・・・・?」

啓介は先生の顔を見た  先生は顔に表情を作らずに、じっと街を見つめている



「もう一度・・・世界が生まれるために、世界は死んでいかなければならない・・・」

「先生・・・一体・・・何を?」




「―――時間ね」

22 名前: オンドゥルルラギッタンディスカー 投稿日: 2004/03/11(木) 11:46 [ pXdRjeF6 ]
カンカンカンカンカン・・・・・・


「神野さん・・・」
「何だ?」
「・・・どうしてこんなところを進んでいるんですか?」
「アルフ、気にするな」







2人は配管の中を進んでいた。

「この調査地図によると・・・俺たちから一番近いところでは、ここのB−7の配管が中枢に繋がっているんだ もう時間が無い ルートを選んでいるヒマなんて当然な」
神野は少し眉を掻いた。

「・・・・・・」
「さっき残りの5人にも無線で報告した おそらく集合場所は・・・中枢だ」
「・・・・・・5人?」
「ああ、一人死んだ ダクトに入る前にな」
「そうですか」
「・・・・・・」





















「時間・・・・・・?」















ガチャ


「ここは・・・」
「中枢か・・・まだアルフと隊長は到着していないようだな」
「見つけたぞ・・・・・・やっぱりリーダーの言ったとおりだ     ・・・益田!!」
「・・・・・・我が静寂を乱すものは誰だね」

益田はもう一度回転椅子を回した。
目の前には武装した男女が5人・・・自分に銃を向けている


明らかに磁円の顔に「不愉快」が浮かんだ

23 名前: オンドゥルルラギッタンディスカー 投稿日: 2004/03/11(木) 11:46 [ pXdRjeF6 ]
「・・・アルフレッド・・・かね?」
「・・・大人しくターミナルを渡してもらおう」
「断るに決まっているだろう・・・・・・第一、これがどのようなモノなのか・・・キミ達に分かっているのかね?」

磁円は立ち上がり、銃を向けられているにも関わらず、後ろのターミナルに手をおいた

「・・・フッフ・・・・・・もう遅い」
「何ィ!!!!?テメェ死にてぇのか!!」


ダダダダダダダ・・・


耳を劈くような音が聞こえる

「今度は・・・・・・」
磁円が顔をあげると、自分の真上の天井が、イヤに揺れている

・・・次の瞬間、天井の鉄板が崩れ、そこから神野と慶介(アルフ)が降りてきた


ガタン!!!


「やはり・・・B−7の配管であっていたな・・・」
「・・・・・・もう少しスマートにキメましょうよ・・・」
「何か言ったか?」
「いえ、別に」

「・・・・・・神野」

降りてきた神野の右腕には、まだ煙を吐いているサブマシンガンが握られている

「久しぶりだな益田 もうオマエと分かり合えるなどとは思っていない ・・・死んでくれ」

言うや否や、神野はサブマシンガンを磁円とターミナルにに乱射した

パララララララ・・・


「・・・!?」

・・・だが、銃弾は一発も両者に命中していなかった

なんと、黒い羽の生えた生き物がターミナルと磁円を守るように2人の間に仁王立ちしていたのだ


「ッ・・・・・・ジ・・・エン・・・サマ」

その生き物は血を吐いて倒れた



「・・・おぉ、我が忠実な下僕・・・バフォメットよ・・・・・・無駄にはしないぞ」
「何だと・・・? 今のは・・・」

全員、その奇妙な・・・生き物に驚きを隠せていない
「フフ・・・本当にダメになるかと思ったぞ神野 ・・・・・・・・・今度こそ」
「なっ!!? く・・・!!!!!」







「終わりだ。」





ゴッゴッゴ・・・



「何だ?」
「ん? 何か外眩しいぞ???」
「地震か??」






「この病院には・・・やはり何かあったな・・・」
コツコツコツ・・・












街に光が集まっていく・・・・・・空間が捻じ曲がるかのように、ビルが振動している
「・・・・・・・・・せ、先生」
「・・・・・・・・・」

空が暗くなった・・・いや、違う 空が無くなった  
無の空から黒い雷がいくつも街に落ち、混沌に染めていく


「・・・あ・・・あ」
「啓介くん」
啓介は、変わっていく街から目を離して先生の顔を見た

「この世界で生き残ることは・・・・・・死ぬより辛いことかもしれない・・・・・・今日、貴方達を病院に呼んだのは・・・」
「・・・」
「・・・・・・どんなに辛いことがあっても・・・どんな風に生きようとも・・・・・・この世界で・・・私に会いに来て   今は分からないことだらけでしょうけど・・・その時は教えてあげるから・・・」
「・・・先生・・・?」
「きっと・・・きっと力になってあげれるから・・・・・・私に・・・私に会いに来て・・・」







街が衝撃波を浴びたように均されて行く 捻じ曲がる空間  病院を中心にして、外から抉れるように街が盛り上がっていく








光が生まれた。

24 名前: オンドゥルルラギッタンディスカー 投稿日: 2004/03/11(木) 19:07 [ pXdRjeF6 ]
http://enjoy.pial.jp/~hirasawayu/eva/evamusic/rei1.mid
↑の音楽を聴きながら、未熟な私の小説をお楽しみくださいませ^^



怒れる神の黙示  あるいは魔界の王の寓話

俺達の世界は死んだ。


邪宗の男が告げた破滅

光は呼ばれおこる

死が死を覆う浄土

混沌―カオス―は地底の海より這い出る

祈る神を捜そうにも、いるのは悪魔と死神だけだ。











「ん・・・・・・」

少年は夢から目を覚ました。

ここは・・・?




広く、何も無い部屋  自分はその部屋にただ一つだけ存在している道具 ・・・人間がかつてそこにいたと、まるで語りかけてくるような古いベッドに、体を折り曲げるようにして座っていた。


―・・・? 一体・・・何が・・・起きた?―




少年は自分の異変に気づいた。  何も着ていない・・・全裸・・・?
・・・首の後ろから何かが生えている・・・ 手で触ってみるとソレは硬く、先端が鋭く尖っている  ・・・角?
何も分からないまま窓の外に目をやってみる。


・・・窓には今まで見たことも無い・・・しかしそれはまぎれもなく見慣れた自分であるはずの姿が映っていた。

頭の天辺から、流れるように・・・体全体に、黒い刻印が走っている。 全身タトゥーのような・・・
刻印の輪郭を保つように、肌と漆黒の闇の間から眩い緑色の光が漏れている  まるで自分の体にヒビが入ったような感じだ ・・・これはどう見ても「描いた」ようなものじゃない・・・
そして淡いダークグレーの瞳・・・

・・・どうして?
何が起きた・・・? 

今度こそ窓の外を見た。
茶色く煤けた地面   生き物の気配は感じられない 砂漠のような死んだ大地   ・・・何も音が聞こえてこない
ここは病院のはずだろう・・・?   新宿衛生病院だ ・・・窓からは景色を妨げる・・・巨大なビルが何本も見えていたはずだ









先生・・・

俺の・・・俺達の現実は・・・・・・どこに・・・どこに行ったんですか?













啓介は、ベッドに掛けてあった自分のミドルパンツを纏い、靴を履いた
・・・いつまでもこんなところに居ても何の意味も無いんだ・・・







カツカツカツカツ・・・



ガチャ






―シンジュク衛生病院 2階 204号室前廊下―

25 名前: キテレツ 投稿日: 2004/03/11(木) 19:44 [ 5mHaD4l. ]
どうも^^
キャラ募集に参加させていただいた、キテレツです^^
すごい文章力ですね、間のとりかたが、とてもミステアスでとてもいい、雰囲気です^^
特に、>24の雰囲気が音楽と文章で引き立てられ最高でした。
すごく羨ましい文章力です^^
これからですが、頑張ってください^^応援してます^о^

26 名前: ヒロオリ (Iwk/cc7M) 投稿日: 2004/03/11(木) 21:46 [ L1jjVks6 ]
この更新量はスゴイです!
しかも中身も面白いw今回の更新でオープニング終了、て感じでしょうか?w
女神転生はソウルハッカーズとデビチルとほか一作(だいぶ前なんで名前覚えてませんw)
くらいしかやったことないのですが、物語の展開が楽しみですw
続きも、期待してますw

27 名前:(u5UmjW1o) 投稿日: 2004/03/12(金) 00:45 [ BULPx9lw ]
もの凄い更新スピードですね。一気に読ませてもらいました。
元のゲームを知らないんで的外れなこと言うかもしれませんが、
何だかゲームと言うより映画を見ているような感覚で読んでました。
頭の中で映像化されていくような文章が魅力的だと思います。
これからも頑張って下さい。楽しみにしてます。

28 名前: みつき 投稿日: 2004/03/12(金) 01:06 [ tabU/xvo ]
ああ〜!こんな小説がやっていたなんて、参加できず大ショックです!!
めちゃめちゃメガテン大好きなんですよ〜!ひっそり応援してますので、頑張ってくださいv

29 名前: オンドゥルルラギッタンディスカー 投稿日: 2004/03/12(金) 15:32 [ pXdRjeF6 ]
>キテレツ様
どうもありがとうございますw 間の取り方や雰囲気には力を入れているので、そう思っていただけるととても嬉しいですw
音楽いい感じでしたか^^ 感想いただけて良かったですw  応援よろしくです〜^^


>ヒロオリ様
えへへ^^;更新量は日によって変わります^^ もしかしたら全然更新しない日もあるかもしれませんw
そうですね、一応、烏丸くんが悪魔に転生を果たしたところでオープニングは終わりですw
お楽しみにw

>蜜様
元のゲームを知らなくても楽しめるように作っているつもりです^^
映画みたいな感じでしたかw 何だかとても嬉しいです^^ 頭の中で想像力に働きかけるように書いているので、狙いが見事に的中しました^^

>みつき様
メガテンファン キターーー(−w−)ノw
どうもですw もしかしたら新キャラ募集とかするかもしrwませんので、その時亜hよろしくですw 応援ありがとうございますw
今回の題材は3ですw

30 名前: オンドゥルルラギッタンディスカー 投稿日: 2004/03/12(金) 15:33 [ pXdRjeF6 ]
―そうさ、俺はお前 お前は俺だ―

―・・・?―








「この力は一体何・・・?」
「わかんねぇよ!! 何なんだよこりゃあ!!?」
「落ち着け、今は状況を明らかにする方が・・・先決だ」
「ふざけんなッ!!!! ・・・落ち着いてなんかいられるか!!」


「ん・・・・・・」

少年は夢から目を覚ました。

ここは・・・?

何だかひどく頭がグラグラする・・・ それに・・・とても・・・とても嫌な夢を見ていた気がする・・・



「・・・気がついたかアルフ ・・・気分はどうだ?」
顔を上げると、レジスタンスの仲間達が自分を見下ろしている・・・    ここは・・・地下の一室か?  暗く湿った・・・息が詰まるような狭い部屋  部屋の隅に置かれたバッテリー式のライトが、気休め程度に部屋を明るく照らしている。
ライトは消したほうがいい・・・生理的に受け付けない汚れ方をした壁の模様だけが目に入ってくる

「・・・最悪ですよ」

神野が差し伸べた手を握り、何とか慶介は立ち上がった  視界が揺れている  ・・・いますぐベッドに入って眠りたい

「さて・・・とにかくだ この病院から出よう  ここに残っていてもメリットは無い・・・」
神野は慶介の無事を確認すると、皆のほうに向き直った 何かを求めるように目を動かしている

「・・・出て・・・どうすんだよ・・・?」
来栖が少し震える声で言った 目は大きく見開かれ、唇は何かを伝えるように動いている ・・・きっと顔は灰色になっているに違いない


「・・・逆に聞くが、ここに残っていてどうする?」
神野が聞き返した。 他のメンバーは何も言わない

「こんな・・・こんなバケモノだらけの病院から無事に出れる自信でもあるのかよ・・・えぇ!!? リーダーさんよ!!!!」
「・・・無くは無い」
「俺は嫌だぜ・・・あんなのは・・・もうコリゴリだ!!!」

来栖が数歩 後ずさった      アルフは初めて彼の異変に気づいた。  ・・・右腕の手の甲に・・・何かの生物の顔のようなモノが描かれている

「来栖さん・・・何ですか?ソレ・・・」
「・・・これかっ・・・?」
来栖は少し自嘲気味に笑うと、右腕をアルフの目の高さまで上げてみせた おそらくはその「何か」を必死に落とそうとしたのだろう いくつものひっかき傷が見える

「・・・俺たちはな・・・全員・・・全員」
「よせ来栖」





「悪魔になっちまったんだ!!」



・・・悪魔?


「こいつぁな、ミロク経典に書いてあった「アートマ」だ ・・・これが出ちまったら・・・この刻印が出ちまったら・・・」
「・・・来栖 その辺にしておけ」
「何がその辺だ!!!その辺ってのどの辺だよ!!!」
来栖が神野の左腕の袖を強引にまくりあげた    ・・・神野の左の二の腕にも似たような刻印が見える

「どうして冷静になれない?」
汚物を触るような感じで、神野が自分の服の袖を下げた
「・・・・・・だって・・・だってオマエラ食ったじゃねぇか!!!!!!!!!!!!!!」

ガチャ

来栖は後ろの壁に立てかけたあった自分のライフルをひっつかむと、神野の胸に向けた  カチャリ という人工的な金属音が響く

「やめて!!!」
「金沢・・・・・・う、うるせぇ・・・テメェラ・・・テメェラも」
「・・・・・・何を・・・食べたんですか?」





アルフの一言で空間が静寂に支配される
口を開くものは今度こそいなかった   

神野は目を瞑った。




・・・・・・




・・・アルフは振り返った。



「!!!」



自分の真後ろにあったモノ・・・・・・・・・・・・あの黒い悪魔・・・神野がサブマシンガンで射殺した悪魔の屍骸だった・・・ ところどころの肉が捥ぎ取られ、内蔵のようなものが見えている
彼は凄いスピードで向き直ると、皆の顔を見回した。

全員、自分を見ている。





「・・・・・・神野・・・さん?」

「畜生オオオオオオオオオオオ!!!!!!!!」
来栖は銃を抱えたまま部屋を走って出て行った 声と足音が部屋に反響する


ダッダッダッダッダッダ・・・






「あ・・・」
「追いかけるな 逸れたら終わりだぞ ・・・・・・・・・地下侵入口のダクトは土砂崩れで埋まってしまった   メインロビーからこの病院を脱出する   ・・・アルフ、説明は後だ ・・・聞く耳はまだ持っているか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・了解」

31 名前: オンドゥルルラギッタンディスカー 投稿日: 2004/03/12(金) 15:36 [ pXdRjeF6 ]
http://enjoy.pial.jp/~hirasawayu/eva/evamusic/thanatos.mid
↑の音楽とセットでどうぞ^^




―シンジュク衛生病院 2階 204号室前廊下―



静けさに包まれた病院  まるで夢であるかのように、病院は荒廃した街・・・―本来は街であった場所―に建っている。
空は無いのに明るい・・・ しかし暗い  そんな・・・表現し難い冷凍庫の中のような空間   あまりにも不自然な静寂でありながら、ここに存在している意識は自分一つではない・・・そんな違和感
音は死んでいる 自分で歩くたびに音が生まれて、また消えていく・・・




コツコツコツコツコツ・・・



自分の体から放たれている光・・・自分の体を覆う闇 ・・・・・・彼はもう不思議には感じていなかった 何故だか・・・少しだけ懐かしい気持ちがする・・・
病院にいた皆はどこへ行ったのだろうか? どこかに人間はいないのだろうか・・・?
先生は・・・  



コツ・・・・・・


ガチャ





彼はエレベーターに乗って地下へ向った。 そこにはきっと・・・まだ希望が見えているはずだから 























―シンジュク衛生病院地下1階  不明空間前―


彼は戻ってきた  自分が初めて見た異界の場所へ  益田磁円・・・奴は先生と知り合いであったらしい・・・もしかしたらまだここにいるのかもしれない   そして先生もいるかもしれない   もう一度会わなきゃ・・・


・・・扉の前にはソファをいくつも重ねたバリケードが作られている。


ガチャ・・・キィ


重い扉が悲鳴を上げるように軋む。    この扉の先で数十分前に銃撃音が響いていたことなど、当然知るはずも無い

32 名前: オンドゥルルラギッタンディスカー 投稿日: 2004/03/12(金) 15:36 [ pXdRjeF6 ]
「・・・誰だ」


・・・扉の先には一人の男がいた。    




カタッ



「オマエ・・・まさか公園で会った坊主か・・・?」
「・・・・・・」

代々木公園で出会った男・・・ジャーナリストがそこにはいた 相変わらず帽子を被らないで手に持っている。
ターミナル と呼ばれていた円柱型のオブジェを調べていたらしい

「・・・俺はさっき病院に到着したところなんだが・・・・・・その姿は・・・一体どうしたんだ・・・?」
「・・・分からない」
「・・・・・・・・・・・・そうか」
相浜は目を閉じた
ポケットからタバコを取り出すと、覚束無いしぐさで口に咥えて火を点けた


ボシュッ・・・






「・・・で、本当だったらしいな ・・・・・・やっぱりこの病院には・・・何かあったろ?」
「・・・・・・何が起きたか・・・・・・正確に知っているのか?」
相浜は目を開いて真っ直ぐに啓介を見つめた。

「・・・・・・先生には会えたか?」
「・・・・・・・・・ああ」





「・・・東京受胎・・・これはな・・・・・・一種の儀式みたいなもんだ ・・・ちと大袈裟すぎるけどな」
「・・・受胎・・・?」
「文字通り・・・身篭ったんだよ・・・世界がな ・・・もう一度生まれるために・・・世界は死んでいかなければならない・・・」
「・・・・・・・・・どういう意味だ」
「世界を一度壊して・・・もう一度作り直すための儀礼さ・・・破滅と創生・・・・・・・・・詳しくは知らないが・・・とにかく、噂が現実になった時ってのは恐ろしいもんだな・・・記者の俺が言うのも変だが」
口から煙を吐き出すと、彼は少し唇の端を持ち上げた。



「で・・・益田を探しに来たのか?」
「・・・・・・・・・・・・何故そのことを知っているんだ?」
「いい質問だ」

相浜は煙草を捨てると、隣にある円柱のオブジェに手をあてた

「こいつはな、益田の蔵入りの貴重品だったんだ・・・・・・俺が取材・・・というかスパイしたから知ってるんだがな いろいろ病院の中を回っているうちにここに辿り着いた・・・」
「・・・・・・・・・」
「異界と繋がっているとか何とか言われているが・・・とにかくここに置きっぱなしってことは・・・もう用済みってことだ  この病院にもな」
「・・・・・・・・・ここにはいないのか?」
「そりゃ用が無きゃいないだろうな・・・益田に会いたいなら・・・まずは外を目指すんだな  外がどうなってるかは知らんが、ここにいてもどうにもならないからな」
「・・・・・・病院に着いた時は・・・ホールに誰かいたか・・・?」
「いねぇな ・・・誰か知り合いでも待たせてたのか?」
「いや・・・・・・」
「・・・・・・ま、頑張ってくれ」
「・・・お前はどうする?」
「お前・・・? ったく・・・歳いくつだよ?」
相浜は苦笑した  特に気にしているという風には見えないが

「・・・俺はな ・・・オマエと違ってこの病院の中を・・・今現在の病院の中を普通に歩き回る度胸はない ・・・俺は悪魔と会話ができない」
「・・・・・・悪魔?」
「会わなかったか? かなりの数がいるぜ・・・・・・ それに俺の作ったバリケードを・・・音も立てずに壊したのはお前だろ?  少なくともお前には戦える力がある」
「・・・・・・・・・」
「俺のことは心配しなくてもいい・・・ここでしばらくこのターミナルを調べてるからな・・・」
「・・・そう」

「ところで・・・オマエ、名前は?」
「・・・啓介  烏丸啓介・・・」
「そうか啓介・・・・・・死ぬなよ」




ガチャ・・・

33 名前: オンドゥルルラギッタンディスカー 投稿日: 2004/03/12(金) 22:21 [ pXdRjeF6 ]
皆様、多量のレスありがとうございます^^ 本当に力になりますw エネルギー(何
で、えーと・・・ちょっち補足です・・・
ストーリーの進行上、かなり出番にバラつきがあるキャラがおります^^ ご了承ください。
序盤ではあまり出てこないキャラも、終盤でとんでもないことになったりするので、お楽しみに^^(原作の裏まで知ってる人はネタバレしちゃダメです^^;

34 名前: 幸成 投稿日: 2004/03/12(金) 22:33 [ ch4x6ehQ ]
順調な更新お疲れ様です。
物音や空白を見事に使っているな、という印象を持ちました。
内容も手に汗握る展開が上手く描かれているし、楽しく(?)読ませて
いただいています。

ああ、早く続きよみたいなぁ、と思わせるほどです(何
マイペースを保って頑張ってください。
体調にも気をつけてくださいね。

35 名前: オンド 投稿日: 2004/03/14(日) 11:21 [ pXdRjeF6 ]
>幸成様
どうもです^^ 続き頑張ります^^  いやはや・・・体まで気遣っていただいて^^;
恐縮です^^ これからも応援よろしくです〜。

36 名前: オンドゥル 投稿日: 2004/03/14(日) 11:22 [ pXdRjeF6 ]
・・・人の定めか・・・人の希望は悲しみに綴られているね






ウィィーン  



・・・ガチャ













―シンジュク衛生病院 1階 ホール―









「・・・・・・な」



・・・1階に下りてみると、なんと出口が塞がれている    先程の・・・東京受胎だったか    これによって地形は変化し、地下から飛び出た岩盤が入り口を貫き・・・青いホールの半分以上を埋めている  勿論、外へは出られない。・・・・・・どうやって外に出ればいい?   
鏡張りの部屋のようだったホール   ・・・自分を待ってくれているはずだった友人はいない   パイプ椅子の上には、月刊アヤカシが寂しく乗せられている ・・・お前は置き去りにされたのか?   
TOPページは破れ、2ページ目の「悪魔と殺人事件の関係」という文字がハッキリと読み取れる。
・・・まだ死ぬ訳にはいかない。





「・・・・・・ん?」

岩盤根元の近くに、青い塊がフワフワと浮いている・・・魂??  まさかコレが悪魔とやらか?
・・・・・・



「・・・あの」
「ん? 何だ 悪魔のくせにそんなに俺が珍しいのか?」

話しかけると、その塊はみるみるうちに形を変えていき、半透明の、人の上半身になった  ・・・幽霊・・・なのか?


「・・・そういうアンタは幽霊か?」
「フン、俺は思念体だ で、話しかけたからには何か用があるんだろうな?」

何だか拍子抜けだ ・・・やけにパサパサしている


「・・・・・・ここにいた人間達がどこに行ったのか知らないか?」
「人間? オマエもマガツヒ目当てか??   そいつらは2階に行ったぞ」
「どうやって?」
「エレベーターで に決まっているだろう」
「・・・・・・ああ、 そうだな    ・・・ありがとう」


啓介は階段を探し始めた。 地殻変動であれだけの岩盤が飛び出るくらいだ・・・もしも地震でも起きたらエレベーターなどひとたまりも無い  もうここのには乗れないな

カタ・・・コツコツコツ・・・






・・・2階でのあのことがあってから、どうも階段は敬遠しがちだ ・・・しかし1階からの階段ならば、上に上がれば確実に2階へ繋がっている また地下へ降りてしまう なんていうことは無い




コツ・・・コツ・・・コツ・・・コツ・・・コツ・・・



初めに来た時のそれとは少し違う・・・この病院内に響く足音がとても寂しく聞こえるのは、ここに「人」がいると確信できないから・・・
パイプ椅子の上にあった月刊アヤカシを拾い上げた。 自分が今は人間なのかどうなのかも分からない・・・唯一人間の面影を感じられるモノ  ・・・無意識に俺は人間に縋っている。
少なくともまだ俺は「俺」だ・・・





カチャ・・・



ここが階段か・・・


「クケ? クカカカカカカカ ココトオサン ココトオオサン!!!!! ギルルルルルルル!!!!!」

階段の一段目の上には、紫色の肌をした、気持ちの悪い人型の生物がいた・・・これが悪魔か
茄子のような顔に、異常にギョロギョロしている目と手 ガリガリなのに腹部だけ異常に膨らんでいる


「・・・そこをどいてくれないか?」
「クカカカカカカカカカカ」

話の通じる相手ではなさそうだな・・・
確か前にマンガで読んだ・・・右手を後ろに引いて重心を後ろに倒す・・・ そして重心を前に移動させる瞬間に右手の中指を少し前に出し、捻りを加えて一気に・・・貫き抜ける

ヒュッ


めこ

「ギュェェエエ!!!?」

狙う場所は当然鼻先だ  中指一本拳、人中打ち  ・・・ほとんど殺人拳に近い


「あぼぅッ!!!」



ドゴッ・・・

・・・パタ





その悪魔は吹き飛び、後ろの踊り場の壁にぶつかると・・・・・・動かなくなった。


・・・・・・・・・・・・





カン・・・カン・・・カン・・カン・・・カン





ガチャ



―シンジュク衛生病院 2階―

37 名前: オンドゥル 投稿日: 2004/03/14(日) 11:23 [ pXdRjeF6 ]
カツカツカツ・・・






やはり・・・初めてここに来た時のように、音は生まれていない
人はいるのか・・・?






「コラ!! 病院内でタバコを吸うな!! ・・・第一、キミまだ高校生だろう!!?」
「うっっるっさいな!! テメ、ケツ掘るぞ」
「な、なななななな何ということを言うんだキミは!! 」


・・・


手前のドアの中に・・・バカが2匹・・・・・・?








ガチャ









―シンジュク衛生病院 2階  休憩室―






「ん?」
「ん?」
「ん?」



・・・・・・・・・・・・

色んな意味でとても嫌な静寂
かなり広い職員用休憩室 観賞用植物や食玩が置いてある・・・  3部屋くらいくっつけたような広い部屋 休憩室内にドアがあり、2つの部屋に分けられている。





「・・・・・・佐藤?」
「何だお前?? ・・・俺はそんな妙なスミイレ(刺青)入れた奴なんか知らないぞ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・烏丸だよ」
「烏丸?・・・・・・・・・ああ、そういや・・・その履いてる靴に見覚えがある」

・・・靴? 「靴だけに」見覚えがあるのか? ・・・とにかく・・・何だか毒を抜かれた気分だ 一気に空気が変わった ・・・いや、違う  ここの部屋だけ空気がズレている・・・何だこのコントくささは・・・??


「・・・そこの人は誰だ?」

休憩室にいた生徒・・・佐藤義次 ダルそうに着崩した制服にヘッドフォン・・・ボサボサの前髪 口にはタバコ(ヴァージニア・スリム・メンソール)を咥えている。 彼は自分には気を使わないらしい・・・
とにかくこの病院に人はいた    ・・・もう一人いる 先程のカタイ喋り方をしていた若い男 ・・・床に蹲って震えている



「あぁ、北大橋さーん?」
「・・・い、イヤだ!!!!   け、ケツを掘られるなんて・・・・・・ぜ、絶対にイヤだ!!!!!」
「・・・・・・・・・」
「・・・えーと・・・この人は・・・ま、一応医者だ(汗)   先生探してる時にここで会ったんだよ」

38 名前: オンドゥル 投稿日: 2004/03/14(日) 11:24 [ pXdRjeF6 ]
―約45分前の出来事―




カツカツカツカツ・・・






「先生いねぇよ・・・・・・別にいいんだけどなー・・・ったく」

2階廊下を歩く一人の男子生徒  足を引きずるようにして、力を入れないで体を動かしている。
彼は着ている私立高校の制服の胸ポケットからタバコを取り出した。  そう、彼は いわゆる「はねっかえり」だ。

「―っと ここは病院だったな ・・・やれやれだね」

思い直してタバコをポケットに戻す。 一応、一般常識は弁えているようだ

カタッ・・・





「で、もう一通り2階は見て周ったし」

うん、一通り「廊下」は見て周ったよ佐藤君 


「帰るか」
待て。




イヤになるくらいに清潔で広い病院  しかし彼はこういう空間が嫌いではなかった 空気に混じって漂う薬の匂いや、窓から差し込む日光と影のコントラスト  そして外とは隔離されたような静寂
心が休まり、落ち着ける空間。  廊下に響く革靴の音が、より雰囲気を引き立てる。




「―まぁ・・・もう少しいてもいいかな・・・先生探すのは他の奴らに任せてー」

彼はタバコを一本取り出し、口に咥えた   火は点けていない   煙草の中に含まれた香料の匂いが自分を満たしていくのが分かる。



「俺は休憩だ」

39 名前: オンドゥル 投稿日: 2004/03/14(日) 11:24 [ pXdRjeF6 ]
―新宿衛生病院 2階 休憩室―



カチャ



「!?」
「・・・んあ?」

休憩室(職員用)の中には、同じく先生を探しにきた生徒の内の一人がいた
山本・・・えーと何だっけ?・・・ああ、アレだ 山本航平。


「あ・・・えーと・・・うん  ここにも先生はいなかったよ佐藤」
何だか挙動不審な航平 キラリと光る「何か」を服の袖の中に隠したのを佐藤は見逃さなかった。

「ああ・・・そう」
「ん、じゃ そういうことで」


カチャ


―航平は去っていった―




・・・・・・



OK 分かってるぞ山本  
何かパクッたんだろ? 大丈夫 誰にも言わねぇよ



・・・お互い様だ♪




「よっと・・・」
佐藤は入り口近くに設置されていた自販機の、商品取り出し口に手を突っ込んだ。
彼は日頃から日本円を持ち歩かない 浪費癖があるからだ  所持している金はすぐ使ってしまう 
でもだからと言って全く持ち歩いていないのもどうかと思うが・・・

ガタガタ・・・



「んー・・・おかしいな〜・・・・・・大抵はこの・・・奥の板を」
「そこのアナタ 何してるんですか」
「え?」


真後ろに誰かいる? ・・・完全に気配を消せるか(何の話だ)
振り返ってみると、細身のメガネを掛け、長い白衣を着た若い男が立っていた おそらく と言うか露骨に医者であろう
なかなか「ホモ受け」の良さそうな顔だな・・・(何だその言い方
とりあえず佐藤は口からタバコを落とした。


「・・・まさか泥棒さんですか?」
「いや、・・・えーと・・・整備士です(何」

・・・・・・・・・
ヤバイ・・・・・・・・・今まで一度もバレたこと無かったのに・・・



「ああ、整備の人ですか(ニッコリ)? いや、失礼いたしました ・・・私、今日 整備の方が来るとは聞いておりませんでしたので   あ、そうそう それからコーヒーがきれているので補充しといていただけますか 私そっちの部屋に行っておりますので、何かあったら呼んでくださいね」
「・・・・・・・・・ハイ」


こいつバカだ。








パタン 



・・・ふぅ・・・隣の部屋に行ったか・・・あぶなかった



バタン!
「って・・・んなわけねぇじゃないですか!!!!!!! アナタそれ着てる服・・・制服でしょぉ!!!!?」


「・・・」

ドアを閉めてから約1秒後にまた激しくドアが開かれた。 バカ医者アゲイン(意味不明



「さぁ、えーと・・・ホラ! 立ちなさい! 警察さんに電話しますからね」
「・・・えー・・・マジで!? いや・・・あの ただ手ェ突っ込んでただけだし」
「過失でも犯罪は犯罪です」
「ジュース買おうと思って金いれてボタン押したら・・・ええーと ジュースが出てこなかったから何かあったのかな〜・・・と思って・・手を入れました」
「・・・・・・本当ですか?」
「・・・・・・」


嘘です。






・・・・・・・・・

「フム・・・そうでしたか」
何だ 簡単な奴だな  ちょっと良心がアレな気もするけど、結果オーライだ


「ところで・・・入院患者さ、どこにいるか知らない?」
「・・・??  入院患者さんは病室にいるに決まってるじゃないですか」
男は怪訝そうな眼でコチラを見つめている。

「いや、いないって それどころか受付とか職員までもがいないよ」
「ええ!!? 有り得ませんよ! 今日は休診日じゃありませんよ??」
「・・・知らないよ」
「・・・いえね、私は昨日、この病院に泊まったんですよ 今日までに仕上げないといけないレポートがあったものでね・・・」
「・・・で?」
「もしかしてこれは私に対する陰質なイジメなのでしょうか?」
「・・・(;−w−)」

40 名前: オンドゥル 投稿日: 2004/03/14(日) 11:25 [ pXdRjeF6 ]
「・・・と、いうことがあったんだ」
全く意味の無い回想シーン。


「・・・・・・・・・この人が医者だということは分かった(回想前に言ったしな)・・・けど ここで何してるんだ?」
「何だか変だしさ〜 何か外出るの危ないじゃん? 変な生き物ももっさりいるし」
佐藤はタバコの煙を上手そうに吐き出した。

「・・・ん? キミ・・・何ですかその刺青は?」
「・・・・・・・・・・・・・・」

何だかコイツらはズレている  とてもズレている   とてもとてもズレてしまっている
物語の空気が変わるほどズレt(以下省略)



「・・・・・・他の奴らがどこへ行ったか知っているか?」
「分院だろ? 多分、外に出てったはずだ  2階から渡り廊下通って分院へ行けるんだ な?」
「ええ、確かIDカードがいるはずですけど もともとロックは解除されてたと思います」
「・・・そうか   お前らはこの後どうするんだ???」
「どうもこうも無いだろ 気が向いたら外へ出るさ」
「あ、そうだ刺青さん お茶飲みますか?(この期に及んで・・・」


「・・・・・・じゃ」






ガチャン








全く意味の無い2人を残して、啓介は休憩室を出て行った 
何だか奇妙な気分だ。

41 名前: ナナ 投稿日: 2004/03/15(月) 21:21 [ tIYEO3.Q ]
前回の話まではすごい神妙な感じだったのに、今回、なんか笑えますね。
この独特の空間の中にある笑いが好きです。
一番最初の話の「あまり大人数で行くんじゃないよ」で「10人」「多ッ!!」って
いうツッコミも好きでした。
それにしても、悪魔は恐いですけど、益田 慈円っていう人もある意味恐いですw
(なんか、22歳に見えない・・(失礼しました。

これからも頑張って下さい。

42 名前: オンド 投稿日: 2004/03/15(月) 21:41 [ pXdRjeF6 ]
>ナナ様
レスどうもです^^ いやはや・・・一応、今回の話では狙いました^^ もともとはギャグ小説専門なんですけど・・・私(汗
益田さんは・・・30くらいですかねぇ(苦笑) これから、イロイロと意味の分からない単語が出来ますが、後々にわかってくるので これからも応援よろしくですw

43 名前: オンドゥル 投稿日: 2004/03/15(月) 21:44 [ pXdRjeF6 ]
↓前フリ兼 タイトルですw 

―人はね、頭がいいけど成長はしない生き物なんだよ 分かる? どっちが悪魔か・・・辞書で「悪魔」という単語を調べてみたが それに一番近い生き物は人間だと思うぞ―



カツカツカツカツ・・・



地下の暗い配管の中を、数人の男女が歩いている ・・・何故だろう 一人ではないのに・・・この孤独感  ・・・足音は異常に反響し、心細さをより強める   




「リーダー、そろそろ1階へ通じるエレベーターに出るはずですよ この配管の並び具合からして・・・おそらくそろそろ本流に着くはずですから」
「そうか間宮 ありがとう  ・・・」
「・・・・・・神野さん」
「・・・何だ?」

「そろそろ教えてくれませんか? ・・・・・・」
「・・・・・・・・・よし いいだろう  ・・・アルフ 自分の顔を見てみろ」
静かな声でそう言うと、神野は慶介に髭剃り用の鏡を渡した。 相変わらず前を向いたままだが


・・・・・・

「あ・・・・・・!?」

「気づいたか? それが『アートマ』だ ・・・別名は悪魔の刻印という」

自分の見慣れた顔・・・ 左頬の部分には、ラッパのような形をした・・・刺青のようなモノが張り付いていた 少し熱を持っており、これもまた、輪郭を保つように青い光が周りから漏れている。

「こ、これは・・・」
「それは ・・・悪魔が封印されている証、かな・・・?  封印とは言っても融合に近いがな」
「な・・・」
「俺たちはあの時・・・そう、益田の持っていたあのオブジェ 「ターミナル」の周りに居た 受胎の時にターミナルは共鳴し、魔の力を解放したんだ ・・・そして近くにいた俺たち人間・・・そう、マガツヒの集合体に引き寄せられて 一部の魔力は俺たちと融合した・・・   全て経典に載っていたよ ・・・危険だったが・・・・・・あの時に阻止できていればな   こんなことにはならなかった  ・・・済まなかったな」

神野の言っていることの中に聞きなれない単語がいくつかでてきたが、慶介は流すことにした 今は自分のことについて優先的に知るべきだ   肝心なのは・・・

「・・・つまり・・・ええと 来栖さんが言っていたように悪魔になってしまったんですか?? ・・・僕らは」
「・・・厳密には少し違うが・・・似たようなモノだな・・・・ッ」
神野は突然よろめいた そして壁に手を置くと、立ち止まった。
「・・・?」
「丁度いいな・・・目の前にいる・・・」

カチャ・・・

そしてナイフを抜くと、目の前の闇に投げつけた。



シュッ


ドス

「!!」

44 名前: オンドゥル 投稿日: 2004/03/15(月) 21:45 [ pXdRjeF6 ]
神野は前に歩いていくと、「何か」を持って帰ってきた。

悪魔の死体だった 20センチ程度の小さな人型の悪魔・・・肌が赤く、背中からハネのようなものを生やしている ピーターパンに出てきた、ティンカーベルに少し似ている・・・
一つ決定的に違うところは、腹部に小柄なナイフが突き刺さっているところか


グチョ・・・


「!!?」
「驚くな そのうち慣れるさ」

なんと神野は、その悪魔の頭に食いつくと、上半身を食いちぎった。

「・・・俺たちは常にマガツヒを一定量に保たないと・・・アートマの力を抑えることが出来ないんだ  特に・・・個人差があるようで、俺の場合 起きているときには数十分に一回のペースで補給しなくてはならない・・・・・・」

「そ、そのマガツヒとは・・・」
「禍つ霊 ・・・主に人間から発せられる・・・いわば生命エネルギーだ  このエネルギーも求めて・・・悪魔は人を襲う 悪魔はマガツヒを体内で生成できない  何故必要なのかは疑問だが   とにかく生きている限りはマガツヒが常に体から生成され、放出されている  生命エネルギーなのだから、当然 無くなれば死ぬ・・・・・・俺たちの場合 体内で生成されたマガツヒは、全てアートマに吸収される・・・ そのために他の生物・・・悪魔からマガツヒを補給しなくてはならない ・・・勿論、口以外からは体内に取り入れることは出来ない」

一通り説明し終えると、残っていたその悪魔の下半身を口に放り込んだ ・・・こんな・・・・・・こんなの・・・・・・見たくないっ


グチャ ・・・コリコリコリ・・・   パキ




「・・・・・・」
「マガツヒが足りなくなってくると・・・(もぐもぐ)目眩や頭痛がする・・・まぁ・・・アートマの力を解放させるとどうなるか・・・? というところも気にはなるがな(・・・ごっくん)」




カツ・・・カツ・・・カツ・・・カツ・・・カツ・・・




「来栖さんは・・・」
「その話はやめろ   もう1階に出るぞ」
「・・・・・・」


カチャ


ウィィーン・・・










―シンジュク衛生病院分院 1階 ロビー―

45 名前: オンドゥル 投稿日: 2004/03/15(月) 21:45 [ pXdRjeF6 ]
・・・そこは恐ろしいほどに冷え切った空間だった 異常に広いホール・・・かつて人が使っていたであろうソファや机などが散乱している・・・ ここは冷凍庫か? 時間が止まったような錯覚・・・
上を見上げると、ここがただの部屋ではないことに気づける  高すぎるホールの天井には、巨大なエイとサメを混ぜたような生物が張り付いている   ・・・ここは冷凍庫ではない ・・・巣だ






「AKONETE EOUYEDINOTOSEDIKUNOMUTASIA ONNANINAMAS USU ENUROFONOK AREXE EMET? (何だオマエラ このフォルネウス様に何の挨拶も無しで外に出ようってのか?」
その生物は話しかけてきた ・・・互いに言葉は通じないようだが ・・・

「・・・何だ あの悪魔は・・・異様にデカイな・・・」
「EXENASAGIN OMIROTIH ADNOMONAMASERO MAGATUHI!! ・・・ATTADUKAKUHAHIKAAS(ここのマガツヒはずべて俺のものだ・・一人も逃がさん!! ・・・さっきは人間に逃げられちまったけどな)」
「・・・・・・よく言っていることは分からないが・・・通してくれそうな雰囲気じゃあなさそうだ・・・」
「・・・ああ・・・KOREKA? この言葉NARA通じるYOだな・・・死んDEゆけ!!!」


鈍い音と共に、その悪魔は飛び掛ってきた まるで空間を泳いでいるようだ。



堕天使 フォルネウス

海の怪物の姿で現れるが、命じれば人間の姿にもなるという。 敵の愛を魔術師にもたらすために召喚される他、自分の知識も分け与えてくれるらしい
もともとは座天使だった。  全ての言語、修辞学、科学、芸術に通じている  とても頭のいい悪魔。  しかし堕ちるくらいなのだから、もともと良いと認識されている悪魔ではない。
属性:冷気・氷結


「いきなりか・・・」



パンッ!
硬プラスチック製のハンドガンから、空薬莢が勢い良く吐き出される。
・・・乾いた破裂音がホール全体を包む・・・ 試合開始の合図か?






ザゥ


フォルネウスは体を捻ると、銃弾を弾き返した。  返された銃弾は、神野の右肩に刺さった。

「ぐぅッ・・・!」

右肩に熱い感触が走る 肉が裂け、弾丸の熱により傷口が焼かれる・・・肉の焦げる嫌な臭い・・・あまり出血はしていないが、銃弾は貫通していない
「神野!?」
「大丈夫だ桐原・・・・・・・・・・・・お前ら、逃げる準備をしておけ・・・攻撃はするな」
「・・・何故ですか?」
アルフが質問する もうすでに両腕に、大型のオートマチックピストルを握っている。 どこかのハンターさんにスタイルが似ているな・・・

「見ていなかったのか? 奴は銃弾をいとも簡単に弾いたんだぞ? ・・・銃では殺せない あの動き方だと銃弾くらいならば簡単に避けられるだろう・・・」
「DAGA、銃弾よRI 早く動けるわけでWAない 撃つ寸前の 目の動きや、手のブレNADODE・・・大体のことを予測SURU」

フォルネウスが会話を聞いていたらしく、とても楽しそうに答えた。

「・・・・・・だそうだ  銃はしまえ 弾丸の無駄だ」
「では・・・どうするんです!?」
「・・・・・・・・・俺のアートマを解放させてみる 何となく分かったよ・・・・・・どうやって自分から「悪魔を受け入れるか」が」
「な、何を言ってるの!! そんなことしたら」
「黙れ どうせこのままでは全滅だ  少しでも確率の高いほうに賭けてみたくはないか・・・?」
「・・・・・・」

神野は右肩を押さえながら、唇の端をグイ と上にあげた。 肩と口から血液の塊が落ちる

「AAN? 何を話してIRU???」
翻弄するかのように天井を泳いでいる・・・遊んでいるのだ

「・・・・・・でも」
「俺がッ・・・俺の、 もしも俺の意識がトンで・・・バケモノになった場合は・・・すぐ逃げろ ・・・分かったな?」
「・・・・・・了解しました」
「皆・・・・・・・・・・・・アルフを頼んだぞ・・・」

46 名前: オンドゥル 投稿日: 2004/03/15(月) 21:46 [ pXdRjeF6 ]
「NN???」
 ゴォ・・・


空気が変わった。 神野の額には脂汗が滲んでいる。
メキョ・・・

左腕のアートマが輝きを帯び、体中の血管が浮き出始める  まるで特撮映画を見ているようだ。

「NNN!!!?  何かわからんGA・・・危険SOUDANA・・・死ねィ!!!!!」
フォルネウスが口から氷の塊を吐き出した 直径2メートルはあるかと思われる氷塊が、神野の頭部目掛けて飛んでくる。

「神野さ」
「慶介!!! こっち来い!!!!」




ガシッ!!!!・・・パキ・・・


「!!!!!???」





神野は、飛んできた氷解を左腕一本で受け止めた。 指の第二関節までめり込んでいる・・・


ザワッ・・・
神野の肌が黒く変色してゆく・・・ 眼は黄色く輝き、耳が大きくなってゆく そして体毛が濃く全身を覆う・・・
その姿はまさしく「黒猫」であった。


アートマ・インストール:神野聖馬  

太陽神 ヘリオス
ギリシャ神話の太陽神 金のこしきを持った太陽の車の御者。「すべてを見る者」 ともいわれる.。
属性:火炎・熱



「NA、何だ そNO姿は!!?」
「か、神野・・・さん?」



ヘリオス「IANA HUOYUTIHUA KUT OWABOTOKON OSINIRUM?(もう自分の言葉で喋れ 覚悟はいいか?」
フォルネウス「ADIRUKA RAKANNOD? IOR ISO MOUN(一体どんなカラクリだ? 貴様人間ではなかったのか」
ヘリオス「CAR・・・NEIGES!!!(うるさい・・・そこをどけ!!!」






―戦闘開始―

47 名前: オンドゥルルラギッタンディスカー 投稿日: 2004/03/16(火) 12:45 [ 86Px2BFM ]
今までのあらすじ&解説


ターミナル
円柱型の1メートル程度のオブジェ なにやらいろいろと噂があるらしいが、「魔」の力が封印されていたらしい


カグツチ(迦具土)
裏東京の中心に存在する原初の光 周期性を持って活動しており、生物の体に影響を与える。 太陽のようなモノ。
誕生光を浴びたものは、悪魔の力が備わる ・・・らしいが


東京受胎
詳しくは不明・・・ 儀礼のようなものらしい 益田がターミナルを使って引き起こした 「世界はもう一度生まれるために、死んでいかなくてはならない・・・」
新宿衛生病院(ターミナル付近)にいなかった生物は、全て死滅してしまった


裏東京
東京受胎により、変貌した世界(東京) 山手線とほぼ同じ面積が、巨大な球の内側に形成された世界  ・・・謎の光を中心として、地平が内球状にひしゃげた「異界」 世界は丸くなった・・・


マガツヒ(禍つ霊)
意識存在から形成される精神エネルギー 主に人間の体から発せられ(字を見ていただければ分かると思うが)無くなると死ぬ  悪魔はこのエネルギーを得るために、人間を襲う または契約する場合もある。
人間を殺すと一定量のマガツヒが散乱されるが、生きている間はマガツヒは無尽蔵に生成されるため、契約を交わすほうが得  だが人間の下につくカタチとなるために、契約を拒む悪魔も少なくない


悪魔
裏東京に住む、神話や黙示録に出てくる生き物 肉体、頭脳 どれをとっても基本的には人間以上 互いに言葉が違うため、コミュニケーションは困難
生きるために「マガツヒ」を必要とする 体内ではマガツヒを作り出せないため、他の生物から奪ったり、分けてもらったりする。(食料と思っていただけると話が早い


アートマ
ターミナルから開放された「魔」の力が、マガツヒの集合体(人間)と融合したことを示す言葉 直接「魔の人格」ということも指す。
魔の力は、体内のマガツヒを常に吸収し続けるため、融合してしまった人間は、他の生き物からマガツヒを補給する必要がある・・・つまり悪魔を食べる
マガツヒが足りなくなってくると、アートマが解放され、表面に「魔」が現れる(一時的に悪魔が肉体を乗っ取る その悪魔を眠らせるためにマガツヒを消費している) 自分の意思で解放させることもできるらしい
とても簡単に言うと、悪魔と自分と 2重人格になってしまったということ。



登場人物 途中経過

烏丸啓介(カラスマ ケイスケ)・・・病院の屋上で純度の高いカグツチ誕生の光を大量に浴びたため、半悪魔として生まれる(一度死んでいるカタチ)
人でもなく、悪魔でもない存在 人修羅。人ではないのにマガツヒを発し、悪魔ではないのに、悪魔との会話が可能

佐伯 健二(さえき けんじ)・・・分院を通って、外へ脱出
深山 小夜子(ミヤマ サヨコ)・・・分院を通って、外へ脱出
相浜 拓弥(あいはま たくや)・・・病院に残る 地下でターミナルを調査中
益田 慈円(ますだ じえん)・・・不明
藤野 透子(フジノ トウコ)・・・不明
北大橋 真谷(きたおおはし まや)・・・病院に残る
佐藤 義次 (さとう よしつぐ)・・・病院に残る
森田 陸人(モリタ ユウト)・・・不明
荒木 礼二(アラキ レイジ)・・・分院を通って、外へ脱出
春日 聖(かすが ひじり)・・・分院を通って、外へ脱出
山本 航平(ヤマモト コウヘイ)・・・不明
浦井 隆之(ウライ タカユキ)・・・分院を通って、外へ脱出
神崎 杏(かんざき あん・・・分院を通って、外へ脱出

レジスタンス
全員、ターミナルの魔力解放の影響を受け、アートマが発生する。 悪魔とは会話はできず、マガツヒも発しない

神野 聖馬(カンノ セイマ)・・・アートマ:太陽神ヘリオス 
今井慶介(イマイ ケイスケ)・・・アートマ:???
桐原 零(きりはら れい)・・・アートマ:???
来栖 充彦(くるす みつひこ)・・・アートマ:???   
日向 慶介(ひゆうが けいすけ)・・・アートマ:???   
間宮 光(マミヤ ヒカル)・・・アートマ:???
金沢 今日子(かねざわ きょうこ)・・・アートマ:???


尚、この中に病院の窓を通して誕生光を浴びた者もいる
非常に弱く純度の低い光だが、それでも悪魔と会話だけはできるらしい

48 名前: たけ 投稿日: 2004/03/16(火) 14:34 [ DoaeJ5jY ]
すげーおもしれーです。
更新がすげーたのしみです。
更新頑張ってください。
応援してます!

49 名前: キテレツ 投稿日: 2004/03/17(水) 14:40 [ MXBbxx32 ]
なんかすごいことになってますね〜^^;
もうバカな自分にはついていけなくなりそうなくらい・・・^^;
もうすでにバトルモード突入してるし・・・・^^;
更新頑張ってください^^応援し続けますよ〜^^

50 名前: オンドゥルルラギッタンディスカー 投稿日: 2004/03/17(水) 20:42 [ 86Px2BFM ]
>たけ様
どもです^^ これからも応援よろしくお願いします^^;
>キテレツ様
ホントすごいことになってます(−w−;) 神野さんは悪魔になっちゃうし・・・応援どもです^^

すみません^^; ちょっと忙しいのでお粗末なレスしかできませんが、明日には更新予定です^^

51 名前: オンドゥルルラギッタンディスカー 投稿日: 2004/03/18(木) 09:02 [ 86Px2BFM ]
あれ?(大声
何だか・・・みつきさんの小説とかぶっている気がする・・・(激汗
バフォメットとか・・・妖精とか・・・

いや・・・言い訳するようでアレなのですが・・・実際に原作のほうでも、序盤にバフォメットと妖精さんが出てきます(;−w−)

52 名前: オンドゥルルラギッタンディスカー 投稿日: 2004/03/18(木) 13:30 [ 86Px2BFM ]
えぇーと・・・皆様

先日(ってか今日) とあるメガテンファンサイトで、この小説が「吊るし」に合いました(汗
つまりこういうことなんだそうです。

「同人小説などけしからーん いや、まぁでも同人は別にいいですよ しかし、アバタールチューナー(今年の夏発売の次回作)のネタバレ的要素まで入れるとは何事ですか」
つーことです(アートマ というのは、メガテン3には出てこなく、次回作で出てくる予告的要素です)
・・・確かにこりゃブーイング来ます・・・ でもだからといってアートマを抜いてしまうとこの小説は成り立たない・・・

・・・・・・ごめんなさい皆様 僕もメガテンの1ファンとして・・・

いさぎよく打ち切ります 今まで応援してくださった方 どうもありがとうございました
そして大変失礼しました・・・今回はこんなカタチで終わってとても残念です 極めて異例の打ち切りね(自己皮肉
・・・普通にBRの小説でも書くことにします(泣

53 名前: 一閲覧者 投稿日: 2004/03/18(木) 14:35 [ UD4VoYvk ]
ネタばれも何も実際ゲームも出ちゃいないし
見たくない奴は見なければイイと思うんだがどうなんだろう

54 名前: キテレツ 投稿日: 2004/03/18(木) 19:51 [ k6ev7Grs ]
そうですか・・・・残念ですTT
でも、ここはバトロワの小説掲示板であって、あくまで真・女神転生風のバトロワであって、
真・女神転生とはまったくとも言えませんが、関係がないということで、続けるのは不可能でしょうか?
それでもムリだと言うなら仕方ありません。お疲れ様でした^^
今までにない新しい小説であっただけにとても残念です。
無理がなければ、メールで個人的に送って欲しいくらいです^^(ぇ
では、次回作に期待してます^^

55 名前: オンドゥルルラギッタンディスカー 投稿日: 2004/03/18(木) 19:59 [ tSVeQo1s ]
また・・・新しいBRを書くつもりではあります(涙
その時は投稿お願いします・・・(泣


今度は何のゲームを題材にしようかなー・・・

56 名前: ヒロオリ (Iwk/cc7M) 投稿日: 2004/03/18(木) 20:18 [ YMH9uEGI ]
うぁ!打ち切りだなんて・・・残念です。。。
けど次の小説も楽しみにしてますよw

57 名前: 影虎 投稿日: 2004/03/18(木) 21:44 [ rnKnoYug ]
メガテンの一ファンとして楽しみにしてたんですが、残念です。

次の作品に期待して待ちますね♪

58 名前:(u5UmjW1o) 投稿日: 2004/03/19(金) 00:57 [ TgWW6ri2 ]
打ち切りですか……。楽しみにしていたので残念です。
でも事情があるようですし、仕方がないことですよね;
今度の作品の方、楽しみにしています。

59 名前: たけ 投稿日: 2004/03/19(金) 13:17 [ TSB8sOow ]
仕方ないっすよ。次の小説も期待してるよ

60 名前: オンドゥルルラギッタンディスカー 投稿日: 2004/03/19(金) 13:41 [ tSVeQo1s ]
皆さん・・・ありがとう・・・
お礼にね、そのメガテンサイト荒らしてきたよ(オイ!
おそらく今日か明日くらいには生徒募集いたしますので、改めてよろしくです^^;

61 名前: 幸成 投稿日: 2004/03/19(金) 14:07 [ RLWejNec ]
残念です。
まぁ、オンドゥルさんに素晴らしい文章力があったとわかったところで
次の生徒応募にも気合が入りますよね?

というわけで次作がんばってください

■掲示板に戻る■ ■過去ログ倉庫一覧■