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仮面ライダー総合@エロパロ避難所

1名無しさんが妄想します:2010/09/05(日) 23:57:15
エロパロ板 仮面ライダー総合エロパロスレ
の避難所です。エロパロ板に書き込めないときなどに。

*煽り・荒らしはスルーしましょう。あくまでも大人の為のスレです
*作品投下後、数レスまたは半日待ってからの作品投下にご協力お願いします
 (作品が流れるのを防止するためetc.)
*保管庫についてはエロパロ板のスレ参照
*次スレは>980が立ててください(不可能な場合は代理を頼んでください)
*ネタバレを含む雑談は警告+改行を入れる
*ネタバレを含む作品は名前欄に明記するか前書きで説明する
*エロパロ板へ転載希望あれば投下時に書き添える

352344:2011/10/25(火) 14:56:51
以上です。
保管庫はオルフェノク編がなかったので書きました。
結花は海堂だったり啓太郎だったりでどうかとも思ったけど
こういう幸せな時間が少しぐらいあったらいいなぁ、という希望を込めました。
文章が拙いのと、思いのほか長くなってしまったのは申し訳ないです。
読んでくださった方、ありがとうございました。

353名無しさんが妄想します:2011/10/25(火) 18:14:21
>>344投下GJ!素朴な生活感に萌えた
これはいずれ、ついカッとなって押し倒しちゃうだろうな……

354名無しさんが妄想します:2011/10/26(水) 23:39:37
投下おつ!どうしよう…海堂にキュンとなったんだが…

355名無しさんが妄想します:2011/10/31(月) 01:43:31
>>344->>352を投下した者です。
お試し●で書き込めるところと忍法帖を作らされるところがあるのはなぜなんだ?

萌えキュンしていただいて光栄です。
チーム・オルフェノク編を再び投下します。
これ以降、古すぎるネタは自重します。

・海堂×結花
・小説版からの設定(波動云々)あり
・エロなし

356海堂×結花 2:2011/10/31(月) 01:44:50
ここ最近同じ夢を見る。
なぜかわたしは子猫。
どこまで歩いてもひとりぼっちで誰もいない。
冬の夜空、雪がちらつく中で必死に誰かを探して鳴いている。
ミャァ…ミャァ…
さびしいよ、さむいよ、たすけてよ…
だれかわたしをみつけて…
震えながらうずくまるわたしを、突然暖かい手が包む。
その手で抱き上げられた子猫のわたしは、その人の腕の中でようやく安らぎを得る。
そしてすぐ上の方から優しい声が聞こえた。
 −大丈夫だ 心配ない−


+++++++++++++++++++++++


「気が付いたようだね」
木場さんの安堵した顔がぼんやりと目に入った。
「あ、あの、わたし…?」
「キッチンで急に倒れてさ。びっくりしたよ」
そういえば、キッチンで洗い物をしてたような気がする。
突然視野が狭くなったかと思うやいなや、体中の力が抜けてしまいもうそれ以上は覚えていない。
「お皿…洗わなきゃ」
思わず起き上がったら、額から濡れタオルが落ちた。
「ダメだよ、まだ起きちゃ」
木場さんが止めるのも聞かず、身を乗り出して階下を見た。
ソファに座って雑誌を見ている海堂さんと目が合った。
「ったく、人騒がせだな」
「なんだよ、その言い方はないだろう?」
「ご、ごめんなさい。わたし…」
「長田さんが謝ることはないよ」」
「いいんです、わたしが悪いんです」
「なんだか熱があるみたいだよ。顔が赤い」
木場さんが心配そうにわたしの顔を覗き込む。
確かに朝から調子が悪かった。
寒気がしたのでカーディガンをはおったけど、寒さは収まらなかった。
「熱、測った方がいいよ」
木場さんが体温計を渡してくれた。
…………ピピッピピッ
「さ、38度です」
「うーん、まだ上がりそうだなぁ。俺、ちょっと薬買ってくるよ」
「いいんです、大丈夫ですから」
「そうはいかないよ。長田さんは今日一日休んでて」
「でも…」
「薬買いに行くついでに買い物もして、クリーニングも受け取っておくから」
「木場さん…本当にありがとうございます」
「気にしないで。それから、体調が悪かったらちゃんと言わなきゃダメだよ?」
「そうですね…これから気をつけます。」
「海堂、俺が帰るまで長田さんについててあげてくれないか?」
「なんで俺様が?」
「頼めるのはきみしかいないじゃないか」
「ちゅーか、おめぇ、いつも楽なのばっか取りやがってよ!」
「いいから、とにかく頼んだよ!」
そう言い残して、木場さんは足早に玄関を出て行った。
「おい、木場ぁ!!」
玄関のドアに向かって海堂さんが大声を張り上げたが、もう遅い。
イライラしたのか、海堂さんは乱暴にソファに座ると、テーブルに足を投げ出した。
「ご、ごめんなさい。わたしのせいで…」
海堂さんはこちらを一瞥したが、すぐにプイッと向こうを向いてしまった。
わたしは泣きたくなった。
なんで熱なんか出したんだろう。
みんなに迷惑かけて、わたしはバカだ。

357海堂×結花 2:2011/10/31(月) 01:46:32
海堂さんは黙って、ずっと右手の爪先を親指にこすり合わせるようなしぐさをしている。
たまに天井を見上げてまた目線を爪先に戻す、を繰り返す。
「…何見てんだよ?」
「いえ、なんでもないです」
「寝てろ。木場にそう言われたろ?」
「はい…」
わたしはまた横になると、なぜかあの夢を思い出した。
暖かい手、腕の中に抱きかかえられた安心感。
なんとも心地よく、ふわふわした気持ちになる。
もしこれが本当ならどんなにいいか…自然と涙が出そうになった。

「おい、もっかい熱測っとけ」
急に声がしたので見ると、海堂さんが体温計を持って立っていた。
「あ、はい」
海堂さんはポンと体温計を放り投げ、またリビングに下りていった。
…………ピピッピピッ
38度5分…木場さんの言うとおり、熱が上がってきた。
さっきまで寒かったのに、今度は体中が熱い。
また海堂さんに怒られる…そう思うと悲しい気持ちでいっぱいになった。
とその時、階下で冷蔵庫を開けてゴソゴソと中を探る音がした。
引き出しを開ける音…何をしてるのだろう?
起き上がって見たいのを抑えて、怒られないようわたしはずっと横になっていた。
階段とトントンと上がる音…海堂さんがこっちに来る。
わたしは少し身を硬くしたが、姿が見えた途端に拍子抜けした。
海堂さんがアイスクリームを食べながら近づいてきた。
「ちゅーかオマエさ、こんなのこっそり買ってんじゃねーよ」
それは、いつかデザートに出そうと思って買っておいたカップアイスだった。
バニラとチョコとストロベリーの3種。
海堂さんはストロベリーアイスをおいしそうに食べている。
「うめーな、これ」
「よかったです、気に入ってもらえて」
海堂さんの機嫌が直って、わたしはホッとした。
「熱、まだあんだろ?」
海堂さんがベッドに腰を下ろした。
「はい、ちょっとまだ下がりそうになくて…ごめんなさい」
「食うか?」
「え?」
「顔真っ赤で涙目になってんぞ。冷たいの、食え」
そう言うと、海堂さんはストロベリーアイスにスプーンを差し、ひとさじすくった。
「ほれ」
「え、あ、あの…」
冗談なのか本気なのかわからずにいると、熱でほてった唇に冷たいスプーンが押し当てられた。
おそるおそる口を開けると、スプーンがゆっくりと口中に押し込まれた。
「…ん…」
わたしは目を閉じた。
アイスのなめらかな舌触りと甘酸っぱい苺の味が同時にとろけた。
「な?うめーだろ?」
海堂さんは子どものような笑顔を見せると、次のひとさじは自分の口に入れた。
口をモグモグさせならがまたひとさじすくったかと思うと、今度はわたしの口に入れた。
「よし!これで終わり!後は俺のだから!」
海堂さんはスプーンを口に咥えて機嫌良くリビングに下りていった。
わたしは少し混乱した。
おいしかったけど、そういう問題じゃない…。
口の中はひんやりとしているのに、頬はますます熱っぽくなってきた気がする。
甘い苺の香りに包まれて、さっきとは逆に熱が出たことにちょっぴり感謝した。


+++++++++++++++++++++++


ソファに座って雑誌をめくっていた勇治がいきなり立ち上がった。
キッチンの冷蔵庫の前にいた直也がほぼ同時に身構えた。
「長田さん!?」
「結花!?」

オルフェノクの特性故か、結花の意識が遠退いたのを二人は瞬時に感じ取ったのだ。
名前を呼ぶが早いか、直也は結花に駆け寄り寸でのところで彼女を受け止めた。
「あっぶねー」
「気絶…してるのか?」
「だな。なんか熱っぽいニオイがする」
「俺、濡れタオルを作ってくるから、きみはそのまま長田さんをベッドまで運んでくれないか?」
「おいおい、力仕事は俺かよ!」
「仕方ないだろ。さぁ早く!」
「チッ!しょうがねぇな……っこらせっと!」
直也は結花を抱きかかえると、注意深く階段を上っていった。
ゆっくりとベッドに結花の体をおろし、彼女の額に手を当てて直也は呟いた。
「大丈夫だ。心配ない」

「どう?様子は?」
勇治が洗面器に氷水とタオルを入れて持ってきた。
「あぁ、別にたいしたことねーな」
「そうだね。変な波動は感じられないし、このまま寝かせて様子を見よう」
「そんじゃ、俺様はイチ抜けたっと!」
「海堂〜…」
「ちゅーか俺、オマエみたいに暇じゃねーからよぉ!」
そう言うと直也は、階段の途中から一気に飛び下りてソファの真ん中に陣取り、さっき勇治が読んでいた雑誌を手に取った。

358355:2011/10/31(月) 01:56:10
以上です。
2レスに収まって良かった!
海堂は結花のことをちゃんと気に掛けてるんだ、と信じたい気持ちで書きました。
木場さんはいつも都合よくいなくなりますがw
本スレの作品を参考に、もっとうまく書きたいものです。
読んでくださった方、ありがとうございました。

359名無しさんが妄想します:2011/10/31(月) 17:25:01
おつ!俺が得するから自重しなくてもいいんだぞ
あと、運用情報板のテンプレ↓
ttp://qb5.2ch.net/test/read.cgi/operate/1316784252/1-4

360名無しさんが妄想します:2011/11/01(火) 01:22:40
GJです

361名無しさんが妄想します:2011/12/18(日) 20:42:54
避難所書き込むの初めてなので良く分からないので、誰か頼む。

保管庫管理人さんより、以下

2011/12/18
 お久しぶりです。保管庫管理人です。
 まず、私事により保管作業を放置しましたこと、この場をお借りして謝罪いたします。苦情や意見は甘んじて受ける所存です。
 規制のため、スレ自体に書込みが出来ませんので、どなたかこの文をお読みになった方で転載が可能な方がいらっしゃいましたら、転載のご協力をお願いいたします。
 以前お話しましたブログ形式からサイト形式への移行ですが、現在サイトのベースの構築を進めているところでして、このブログに保管した作品(作者様からの要望により削除希望の作品を除く)を移植しだい、サイトアドレスをご案内したいと思っております。
 その際、このブログ保管庫の方は一定期間(一ヶ月の予定です)を経た後、削除をするつもりです。
 サイト移行の際には、HP作成初心者のために様々なトラブルが発生するとは思いますが、皆様のご意見等々を私の方までお寄せいただけたら幸いです。
 長々となりましたが、この辺で失礼いたします。
            友人とフォーゼが、ボラ●ノールかおにぎりかでちょっとしたケンカになる管理人より

とのことです。
自分も本スレ書き込めないから頼む。

362名無しさんが妄想します:2011/12/18(日) 23:24:01
管理人さん生きてたんだな……
胸熱だ!!

しかし、本スレが803から動かないんだが、もしや容量こえたのか……?
それとも803が本気でカキコミしながら投下しようとしてるのか……?

363名無しさんが妄想します:2011/12/18(日) 23:37:07
>>361
保管庫管理人様、保管及び移行作業お疲れ様です。
大変感謝いたしております、ありがとうございます。

現在保管対象となっていない直近数スレにて何作か投下させて頂きましたが、
それらの作品について保管庫への転載を希望しないという選択は可能でしょうか。

お手数をおかけしまして申し訳ございませんが、可能な場合はどのように
対象作品をお伝えすれば良いかお知らせ頂けますと幸いです。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

364保管庫管理人:2011/12/19(月) 17:34:08
>>363
こちらこそ作品の投下ありがとうございます。
職人さんあっての私でありますので…。

保管庫への転載の件ですが、可能です。
現在ブログの方で本スレ9までは保管していますが、
10スレ以降の作品で保管しないで欲しいとの作品をブログのコメントから
いただいている作品が何点かあります。

とりあえずHPへの移行を済ませてから、という形にはなりますが、該当作品を
現段階ではブログのコメント機能で(はじめにという記事タイトルにあると思いますが)
「管理人のみ」というチェックボックスに印の上、コメントしていただければ届くと思います。

出来れば本年度中には移行を済ませたいと思っていますので、ご連絡が早ければ
それだけ早く対処はさせていただけたらと思います。

365 ◆Z2ooh/uJqs:2011/12/21(水) 01:38:51
>>364

保管庫管理人様
いつもお世話になっております。

先程、保管庫の方にコメントさせていただきました。
よろしくお願いいたします。

366名無しさんが妄想します:2011/12/25(日) 18:24:24
次スレ立ててきます
ミスったらごめん

367名無しさんが妄想します:2012/03/21(水) 04:16:19
規制中なのでこちらにキバなごめぐSS投下させて下さい。
名護さんちはお母さんも亡くなっているという捏造前提、エロなし(朝チュン程度)ほのぼのです。

368キバなごめぐ「もってる、まってる、まもってる。」:2012/03/21(水) 04:17:23
たった独りで生きて来た。
いや、そのつもりでいた。

家族と死に別れ、あっという間に消え失せたまやかしの幸せ。
そのせいか否か、名護啓介は端正な顔立ちとすらりと高い身長、長い手足と女受けする容姿の持ち主にも関わらず、幼く独り善がりで強固な正義感に凝り固まった偏屈な人物だった。
パートナーである麻生恵が女だてらに特訓を重ね、母の仇を討たんと奮闘する姿にも共鳴をしないばかりか、気持ちに理解も示さず鼻で嗤い、未熟だと皮肉を振り撒いて去って行く。
典型的な男尊女卑と冷徹さ。
基本的に思いやり深い性格の恵に、生まれて初めて「人を嫌う」という感情を教えたのは、他ならぬ名護だったのだ。

だが、どれだけ疎み合っても皮肉な運命は彼らを切り離さず、常に一番近くに居続けることを求めた。
結果、訪れたのはまさに世紀のどんでん返し。
ファンガイアせん滅と同時に二人が愛し合うことになるなんて、一体誰が想像出来ただろうか。

共に過ごす時間が増えたある日、家に遊びに来ない?と恵に誘われた。
名護は驚きを隠しつつ、うん、ともあぁ、ともつかない声で承諾する。
バウンティハンターとモデル。いわばどちらも自由業なので、予定さえ入っていなければ週末など待たなくても会えるのが利点。
約束は数日のうちに果たされ、揃って恵のアパートのリビングで午後を過ごすことになった。

とはいえ、まだ手を繋ぐくらいのことしかしていない二人には、こういう場面での勝手がまるで分からない。
お互いの間に見えない壁でもあるかのようで息苦しく、距離が近い分もどかしさと切なさを煽られていた。

「えっと、お昼ご飯作って来るね」
恵がソファーを立ち、名護は大きく息を吐いて全身を弛緩させる。
傍らには、最近彼女が載ったという雑誌。ぱらぱらとめくってみて、いつもと違うよそゆき顔を不思議な気持ちで見つめた。

今日の恵の服装はざっくりしたニットとチェックのパンツ。髪はアップにしているが巻いてはおらず、地毛はストレートなのだと初めて知った。
部屋着のラフさは、また違った魅力を伝えて来る。
あの服は果たして簡単に脱がせられるものなのか…ふと過るヨコシマな考えを慌てて打ち消すが、似たような妄想が何度となく名護の思考を乱しにかかった。
家具も壁の飾りも匂いも、全て恵が作ったこの空間の中では、所詮一元である自分の理性なんてないに等しいものなのかも知れない。

369キバなごめぐ「もってる、まってる、まもってる。」:2012/03/21(水) 04:17:48
「お待たせー」
ややあって、プレートを掲げて恵が戻って来る。二つの皿の上には、サラダとオムライスとミートボールが色良く盛り付けられていた。
「嫌いなものないよね?有り合わせで悪いけど」
それはつまり、所謂残り物か。いや、それでここまで作れるのならむしろ素晴らしいことではないか。
「出来るんだな、料理」
「適当に何でもやれるようになるわよ、母親いないもの」
照れくさいせいか素っ気なく答え、いっただきまーす!とわざと大きく手を合わせて食べ始める。そんな横顔に唇の端で笑ってから、名護もスプーンを取った。

「…、」
口にした瞬間、何とも言えない郷愁が胸を浚う。
「どうかした?」
不安げな恵をよそに、もう一口、更に一口とオムライスを崩して行った。
「懐かしい…」
「え?」
「昔、食べたことのある味だ」
そもそもオムライスなんて子供じみたものは近年さっぱり口にしていなかったから、これが標準なのか特化した出来なのかは分からない。
だが、それを抜きにしてもとても美味しい。
懐かしさだけじゃない歓びを感じるのは、きっと心が込もっているせいだろう。

「名護くんがご飯食べるとこ、見たことなかったのよね。あたし」
サラダを食みスープに手を伸ばし、夢中で食べ尽くしてしまうと、恵がぽつりと言った。
「だろうな」
正直に認める。元々食に執着がなかったし、知り合いの前では努めて物を口にしないでいたから。
名護は誰かと食事をすること、食べている場面を見られることを殊更嫌っていた。理由は分からないが、それだけ相手に隙を見せる行為のような気がして。

「食べてくれるか、実はちょっと不安だったの。嶋さんとの食事会だって、殆どまともに食べないでお皿返しちゃってたじゃない?」
「そこまで酷くはない。第一、君は食事に夢中になって他を見ていないだろう」
「だって嶋さんが連れて行ってくれるお店、何処もおいっしーんだもん!」
興奮気味の恵に同調出来ないくらい味の記憶がないのは、結局いくらも食べていなかった証拠だろうか。
改めて、舐めたようにきれいになっている皿に気恥ずかしさが募るが、恵は嬉しそうに頬を弛ませている。

370キバなごめぐ「もってる、まってる、まもってる。」:2012/03/21(水) 04:18:12
「これは、…美味かった」
小さく呟くと、
「また作っていい?」
すかさず訊かれたが、正直名護にも分からない。次もこうして食べられるかどうか。
もしかすると食事風景を見られることの嫌悪感が甦ってしまうかも知れないし、別のマイナス感情に邪魔されるかも知れない。

「…まぁ、」
程々に、と言うか、適当に、と言うか。駄目だとも言い切れずに言葉を濁すと、不意に恵の手が眼前に迫って来て硬直した。
「付いてた」
唇の端からケチャップを掬い取り、指先をぺろりと舐めて照れくさそうに笑う。
付いたままだった事実、行動の大胆さへの衝撃が混ざり合って名護は赤面。それこそケチャップのようになった頬を反らした。

「無理しないで、いいと思う」
冷えたお茶を煽ると、恵が呟く。
「名護くんさ、実は色々いっぱい抱え過ぎてるんだよ、自分じゃ気付いてないかも知れないけど。捨てるのは難しいだろうけど…少しでも小さくしたり、一緒に持つことは出来るよ、あたしにも」
意志の強さを感じさせる眼差しと、呆けたような自分の視線が絡み合った。
「これでも結構力持ちだから、大丈夫。もし名護くんがキレて全部捨てちゃったとしても、ちゃんと拾って持っててあげる」
「……。」
否定出来ない可能性に、名護は返す言葉を失う。『全部捨て』る中には彼女自身も含まれていることに、恵はきっと気付いているんだろうに。

「なーんて、名護くんの荷物を担保にして一生離れない作戦。ずるいなー、あたし」
わざと笑い飛ばして核心を突く、その不器用さが心に刺さった。
腕を伸ばし、胸の中に恵を閉じ込める。強くしっかりと、解けないようにロックして。
「馬鹿だな」
「…迷惑だって思ってるんでしょ?」
「迷惑なら、そもそもこんな関係にならない」

371キバなごめぐ「もってる、まってる、まもってる。」:2012/03/21(水) 04:18:32
恵が人を放っておけない、それこそ相手の世界に踏み込んでまで世話を焼く性格だと知っている以上、いずれ自分のフィールドに入り込まれることは明らかだったのだ。
大切なのは、それを嫌だとは思わなかったこと。
並の恋心程度では無理かも知れないが、一緒に絶望の直中に立ち、手を取って数ミリの淵を歩き出そうと導いてくれた彼女には、どれだけ嘘をついても意地を張ってもきっと無駄だ。

「こんな関係って、どんな関係?」
「え、」
突如、緊迫する空気に面喰らった。
「だって…確かなものが何にもないじゃない。今だって、どんなつもりでぎゅってしてくれてるのか分かんないもの」
可愛さときわどさが半々の表現に、気持ちが高まる。
「名護くんは、もっと欲しくならないの?あたしはどうしたらあなたが手に入るかって、そればっかり考え…」
遮る勇気。やり方も分からぬまま悶々としていた時間を吹き飛ばすように、名護は恵に口づけた。

捉えどころのない柔らかさ。弾力の隙間に絡む吐息と、それによって熱い湿り気を帯びる唇の甘さに全身が溶け出すのを感じる。
ぐずぐずに潰れてしまいそうな心地好さと、ぴりぴりと背中に走る期待感を漂いながら繰り返すと、恵の手が名護のシャツを掴んで手前に引っ張った。
「もっと…」
指先が襟を潜り、首を直接撫でられる。髪をかき上げながら耳を摘み、触れたいと肌を探し回る気配。

引き倒されるままに恵にのし掛かり、名護は口づけを繰り返しながらそっと身体に触れてみた。
「ん…!」
肩、腰、背中。特に問題はなさそうな所から徐々に中心部に向けて手のひらを這わせ、胸の頂に至るとさすがに困惑気味な声を上げはしたが、嫌がる素振りは見せなかった。

「…いいのか?」
「嫌なの?」
質問で返されて、思わず笑ってしまいながら首を振る。
「――したい」
抱きたい。内側まで、隅々まで、恵を自分のものにしてしまいたい。
あたしも、と微笑みながら返す恵に、愛しさが溢れ出した。

372キバなごめぐ「もってる、まってる、まもってる。」:2012/03/21(水) 04:18:57
* * * * *

背後から髪を梳く。
いつものふわふわした感触も好ましいが、指の間を滑って行くこんな繊細さも悪くなかった。
「ん。あ…ごめん、寝ちゃってた」
「いや…俺も今、起きた」

さすがにソファーでは狭いからと、慌ただしく移動したベッドルーム。
すっかり暮れた空の下、唯一の光源であるスタンド程度では、無我夢中で脱ぎ散らかした服が何処にあるのかさっぱり分からない。
肌寒さと独特の気だるさも手伝って、二人は小鳥のように身を寄せ合ったまま動けずにいた。

小さなシングルベッドは縦の長さが名護の身長に満たず、足先が出てしまう。
それを避ける為に膝を折ると恵を蹴ってしまうので、身体を内側に導いて重なり合うことでどうにかはみ出ずに布団に留まっていた。
互いが命綱のような状態だが、愛情は不自由さの中でこそ深まる。
見事な仕掛けだな、と訳もなく運命に感嘆した。

「ねぇ、」
「ん」
「後悔してる?」
「……。」
行動の一つ一つを、言葉で確かめる。恵は大胆なようで、実は臆病なのだと改めて知らされた。
「していると言ったら、どうするんだ?」
だが、名護としては無条件に信じて欲しい。ここまで晒け出し合って、今更何を怖がることがあるのかとすら思ってしまう。
だから意地悪もしたくなる、これは本能みたいなものだから仕方がない。
「そうね…自由をあげる、かな。あたしは後悔してないから、胸を張っていればいいもの」
「らしくないな、あっさり諦めるなんて」
「違うってば。好きにさせてあげるだけ」
取り戻す為にね、と付け足され、どんな歪んだプライドなのかと苦笑する。
離れないように努力するより、離れたものを再び引き寄せる方が何倍も大変ではないか。

「大した自信だ」
「だから言ったでしょ、名護くんの荷物をいっぱい持って担保にするんだって」
「…なるほど」
そういうことだったか。
さっき話したばかりなのに、もう随分前のことのような気がする。
考えてみれば、ほんの数時間前まで恵のあんな表情や声、身体の特徴も何も知らなかったのだ。
何だかじわじわと感慨深いものがある、男として。

373キバなごめぐ「もってる、まってる、まもってる。」:2012/03/21(水) 04:19:16
と、小さな身体がくるりと返り、こちらを向いた。名護の胸に額が付き、腕を背中に伸ばされて密着する。
「気持ちいいよね、…裸って。変なの」
「こんな不道徳なことがいいだなんて、」
「ちょっと、またそういうこと言うー」
ぷぅと膨らむ頬に唇を落とし、追いかけっこのように顔中に繰り返して唇の上でゴールの音を鳴らした。
恵の笑い声はゆるやかに甘さを纏い、鼻に抜ける吐息に名護は新たな高まりを覚える。

「君は、こんな男でいいのか?」
「何?随分急ね」
ぼんやりとした表情で彼女は顔を上げた。
「何でそんなこと訊くの。今なら引き返せるとでも言う気?無理でしょ?駄目なら最初からこんなことしない、超痛いし恥ずかしいし」
ずるい、と噛みつく勢いでキスを返された。
あぁそうだ、確かにずるい。名護は納得する。
恵が絶対認めないことを分かってて、その土壌が確かなのを知った上でしかこんなことを訊かないのだから。
だが、狡猾と言うより単に臆病なのだ。だから受け止めてもらえるのだろうとも思う。

自分が未熟で、最低な人間だと分かっていた。
発展途上を認められるようになった。
だから、いつ何時嫌気が差して全てを放り出したくなるか分からない。そんな種類の危うさを持っていることも知っている。

だが、絶対に捨てられないものが出来た。
それを抱き続けるには努力が必要で、常に成長して行かねばならないのだから、何より自分自身になど負けてはいられない。

「豚汁が食べたい」
ぽつり、口にした。
「え、」
「作って、くれるか?恵」
それもまた、亡き母の得意料理。かつて家族で囲んだ味だった。

恐れることなどない、一歩ずつ進めばいい。
大丈夫だ。心の空白を満たしてくれるものは、愛する者の優しい想いなのだから。

「おっけ、じゃあ夕飯それね。あ、でももう一品おかず作った方がいい?どうしようかなー」
張り切って起き上がろうとする身体を引き戻す。
「その前に、」
こうしてここにいることを、もう一度感じたい。

名護は恵を抱きしめた。


<終>

374キバなごめぐ「もってる、まってる、まもってる。」:2012/03/21(水) 04:19:44
以上です、お目汚し失礼しました。

375名無しさんが妄想します:2012/03/21(水) 15:48:11
>>367
投下おつ!男前なめぐみんならきっと名護さんを幸せにしてくれる!

376名無しさんが妄想します:2012/03/22(木) 01:29:05
>>367
素敵ななごめぐ乙!
二人のぎこちなさと求め合う気持ちに、胸が熱くなるな。

377名無しさんが妄想します:2012/06/12(火) 01:23:43
本スレが規制喰らってるのでこっちで吐き出し

ものすごく久々にフォーゼ見たら弦ユウのナチュラルぴったり感に完全に持ってかれた…
何だあの爽やか高校生カップルは!

お互いを幼なじみ〜仲間くらいにしか思ってなかったのに、部内ではすっかり出来あがってるものと
思われて 囃したてられてテレながら二人して「違う!」と否定した途端に意識し出してしまい、
けれどもう友達宣言しちゃったから今更好きだなんて言えない…とベタにモンモンとする初々しい二人を妄想して一人悶えたw

378名無しさんが妄想します:2012/06/23(土) 01:39:26
規制中につき、弦ちゃん天高制服編を受けての弦ユウ投下。
久々に文章書いたので色々拙いですがすみません。

NGは4z弦ユウ「First taste of Love」でお願いします。

3794z弦ユウ「First taste of Love」:2012/06/23(土) 01:40:31
「もー!納得いかないぃー!」
珍しく平和な放課後。
天高の制服に身を包んだ弦太朗の傍らで、ユウキは何度目かの嘆きを口にした。

「まぁそう怒んなってユウキ。俺だって戸惑ったけどよ、もう慣れたっつーか」
単なるファッションの乱れと決めつけられるのは甚だ不本意だったが、自分以上に憤る他人を見れば宥めてしまうのもまた人情。
「ダメだよ弦ちゃん、そんなこと言っちゃ!だって弦ちゃんは気合いを込めて短ランリーゼントだったんでしょ?不真面目な訳じゃないのに」
「ま、そりゃそーだけど」
参ったな、と鼻の頭を掻く弦太朗の目前で、ユウキは頬を膨らませたまま見上げて来た。
(おっと、…可愛い、ぞ?)
それは幼い頃見覚えのある表情でありながら、弦太朗に新たな想いを呼び起こさせる。

「――決めた!」
叫ぶなり、ユウキは陶然としかけていた弦太朗の手を取って歩き出した。
「お、おいおい何だよ、何処行く気だ?」
つっかえ気味な歩みは止まることなく、やがて行き着く先はユウキの家。昔より小さく見える建物に、不思議としみじみしてしまう。
「こんちはー。って、おばさんは?」
「弦ちゃん、あたしの部屋覚えてるよね?先に行ってて」
ユウキは真っ直ぐキッチンに向かい、すぐに冷蔵庫の扉やガラスの触れ合う音が響き始めた。
誰もいないと言うことだと理解し、弦太朗はうーす、と返事をして何年振りかの城島家の廊下を辿った。

「うはー、こんなだったか?」
おぼろげな記憶で居室を探し当て、一歩踏み込んでぐるりと見回す。
タンスやラグ、カーテンの色には覚えがあるようなないような。
(なーんか、いい匂いしやがるし)
既に「子供」のそれではない、甘く切ないような香りに眩暈を覚え、弦太朗は気恥ずかしさに思わずベッドに座り込んだ。

「久し振りだね、家来るの」
「おっ、カルピスカルピス!初恋の味ってヤツか?」
照れくささが極まり、殊更大きな声を出してユウキの持っていた盆の上からグラスを引ったくる。思った以上に喉が渇いていたのか、一気に中身を飲み干してしまった。
「弦ちゃん」
「ん、」
ベッドをゆるく軋ませ、隣に座るユウキ。
「ホントに、このまま真面目になっちゃうの?」
「んっだそれ、俺すげーいい加減みてぇじゃ、」
「違うよ」
そうじゃないから、とユウキは言葉を重ねて身を接近させて来た。

「あ、あーその…何だ、し、宿題でもすっか?」
昔みたいに、と言いかけた時、彼女の手が不自然なほど折り目正しい弦太朗の制服の裾を掴んだ。
「な、何を」
「脱いで?」
「あぁ!?」
解かれるタイ、シャツのボタンにかかる指先。思わず見惚れ、頭と身体がリンクし切れていないのを感じた。

3804z弦ユウ「First taste of Love」:2012/06/23(土) 01:41:05
「ちょ、待て待て待てユウキ!」
「待たないっ」
キッと強い瞳で見上げられ、叱られてすらいるような感覚に怯む。
「だって弦ちゃんは優しいもん、素敵だもん!何も分かってないのに、一方的に『正せ』なんて酷いよ」
だから忌わしきこの衣を脱げと、そういうことか。

ユウキがそんなことを口にするとは思わなかったが、改めて聞かさせると悪い気はしなかった。
正直叫び出したいくらい嬉しい、好きな女の子に褒められればきっと誰だってそうに違いない。
「なぁ、ユウキ」
だからこそ、何処まで許されるのかを知りたくなる。それも哀しきオトコのサガ。

「例えばよ、今ここでこれ脱ぐとするだろ?そしたら、その後どうすんだ?」
弦太朗の問いに、ユウキは動きを止める。
「…好きにすれば、いいんじゃないかな」
頬を真っ赤に染め、やがて小さな声でそう言った。

今にもニヤけそうなのを抑え、弦太朗は懸命に唇を結びながら俯いたままのつむじを見つめる。
あぁ、指先が笑えるくらい震えている。必死の思いでユウキの頬に触れ、顔を上げさせた。
「して、い?」
敢えて主語を省いたが、意図は伝わったらしい。
返事の代わりに伏せられた睫毛。頬は赤いのに瞼は蒼白い。
普段元気印の彼女からは考えられない緊張感としおらしさに胸を射抜かれ、弦太朗は自身に喝を入れながら首を傾けて唇同士をくっつけてみた。

びっくりするような柔らかさ。互いに驚いて離し、怖がりながらも再び重ねる。
そのまま固まるが、果たしてこういうものは何分くらいしているのが正しいのか。そもそも呼吸はいつすればいいのか。
分からないことだらけで頭が回り出した瞬間、ユウキの腕が首の後ろに触れたのが分かった。
「――。」
少しずつ角度を変えて啄むうちに、呼吸の合わせ方を理解する。
ユウキ唇のぬくもり、腕に篭った力の強さ。
より深く唇が絡み合う位置を見付けると、血液が苦しさとも違う焦燥を伴って体内を高速回転し始めた。

「っ…弦、ちゃ…」
いつもと違う顔、違う声。
どうしたって抜け出せない罠に囚われた弦太朗は、欲求のままユウキの髪に指を通す。
ずっと触れたかったもの全てを確かめるように手を滑らせ、背中を撫でて肩を包み込んだ。
「悪ィ…俺、ヤバい」
自嘲気味に宣言すると、うん、と頷いてユウキはブレザーを握る。
「…脱いで?」

望みが叶うまで、そう時間はかからなかった。

3814z弦ユウ「First taste of Love」:2012/06/23(土) 01:41:26
「ユウ、キ…」
「ふ、ぁ…はずかしぃ、よ…!」
具体的に何をどうしたのか定かではないが、互いに協力し合ってどうにか制服を取り去ることに成功した。
だが、ユウキは胸元を隠しながらうつ伏せになってしまう。弦太朗はめげずに、と言うかむしろ燃えながら髪を梳いて背中に唇を這わせた。
「女の背中って、すげーキレーなんだな」
「や、ぁんっ…」
シミ一つない、真っ白でキメの細かい肌。
すっと伸びた背骨を舌で辿り、肩甲骨に歯を立てれば、ユウキはくすぐったそうな声を上げながらシーツを掴んだ。

「そろそろこっち向いてくんねぇ?」
淋しいぞ、と唇を尖らせて拗ねてみせると、おそるおそる身を起こす隙間に手を突っ込み、柔らかな胸に触れた。
「ひゃあ!」
単に男子特有の戯れのつもりだったその行動こそ魔性、或いは命取り。
むにゅりと頼りない、だが押し返すような弾力を兼ね備えた乳房は、忽ち弦太朗を虜にしてしまった。
「ん、あっ…や、弦、ちゃ…!」
笑い声を含む嬌声に気持ちが昂り、素早くユウキの身を反転させてふくらみの頂点を口に含んだ。
湿ったぬくもりを与えられ、跳ねる手足をそっと押さえ付けながら舌を動かし、時折赤ん坊のように口を窄めて吸う。

知識は「ないこともない」程度。
テクニックだって当然覚束ないが、何をすべきかは不思議と分かる。
これが男の本能なのかと感じながら、弦太朗は空いている方の胸の突起を軽く摘むように刺激した。
「う、ぅんんっ」
「すげ、かわいー…」
何処からともなく噴き出して来る汗。拭う代わりに首を振ると、ユウキは恥ずかしそうに閉じていた目を開いた。

「弦ちゃんも…かっこいい、よ?」
伸ばした両手で前髪をかき上げ、撫で付けられる。いつもの髪型を再現するかのように。
「リーゼントしてねぇ俺は嫌なんだろ?」
思わず問うと、ユウキはぶんぶんと首を振った。
「好き。どんな弦ちゃんも」
ニコッと笑う、濁りも淀みもない顔。
子供の頃から見ていた、弦太朗にとってはそれが何よりの自慢。

「好きだぜ、ユウキ」
初めて言えた想いを封じるように、どちらからともなく唇を重ねた。
舌を差し入れ、受け止めて絡め合い、響く水音は妖艶そのもの。

3824z弦ユウ「First taste of Love」:2012/06/23(土) 01:41:44
弦太朗の指はユウキの脇腹を掠め、腿を撫でる。健康的ななめらかさと弾力に感動しながら、勇気を込めて内腿に触れた。
肩を抱きしめながら夢中で口腔を愛撫し、柔らかな茂みをそっと撫でる。
「ッ!!」
衝撃はユウキの喉に留まるが、咄嗟に強く足に篭るこの力をどうして弛めさせたものか。
「触りてぇ。ダメか?」
初めての体験ばかりで今にもパンクしそうな頭で出した結論は、情けなくも真摯に頼み込むことだった。

「出来る限り…その、優しくすっからよ」
「…、」
蒼かったユウキの瞼、その淵はいつの間にかほんのりと色っぽい赤みを湛えている。
「へ、変でも、笑わない?」
「変な訳あるか。お前はキレーで眩しくて…キラキラで、まともに見えねーって言うか」
あぁそうか。さっきからユウキが薄絹の向こうにいるように感じられたのは、自分が興奮して挙動不審なばかりじゃない。彼女が美し過ぎるせいだったのだ。

「あたしのこと、あんまり見たくない?」
「そうじゃねぇ。いや、何つーかよ…」
好き過ぎて緊張してる、それは必死で集めた本音。
「そっか、弦ちゃんもそうなんだ」
笑い、返されたキスが深まる。その肩や背中から力が抜け落ちて行くのを手のひらで悟った弦太朗は、ゆっくりと腿を開かせながら指先で探り始めた。
「んっ、く…!」
恥ずかしい思いを必死で堪えながら、眉根を寄せて唇を噛むユウキを少しでも夢中にさせてやりたい。

指を埋めた途端、甘く絡み付いて来る蜜。おぉ、と思わず感嘆の声を漏らしながら更に動かすと、熱く熟れた蕾を探り当てた。
「ひゃ!」
瞬間、電流に撃たれたように弾けるユウキの身体。
弦太朗は素早く腿をこじ開け、そこを見下ろした。

(マジやべぇ、エロ過ぎる…)
健康な男子らしく抱いて来た関心と興味が満たされ、喜びで浅く荒くなる呼吸。
夢中であちこちに触れ、膨らみを増す蕾を揺らして転がした。
その度にユウキは手の甲を口に当てて喘ぎ、ふるりと揺れる胸と溢れ出す蜜。はぁはぁと興奮の吐息を漏らしながら、弦太朗は人差し指を彼女の中心に挿し入れた。
「痛ッ!」
「あ、」
悪い、と謝る間もなく、熱に浮かされた状態で身を屈める。

「え!?げ、弦ちゃん、なに…きゃ、あぁ!」
「痛いってーから、」
舐めてやる、とばかりに舌を覗かせ、ユウキの秘所へと這わせた。
蕾を集中的に攻め、時折腿や周囲を舐め上げてやると、ユウキは弦太朗の頭を退かそうと手を伸ばす。
片手でそれを掴んで排除しながら、蕾に口を付けて小刻みに舌を動かした。

3834z弦ユウ「First taste of Love」:2012/06/23(土) 01:42:02
「あ、は…!やだやだ、弦ちゃんっ…そこ、だめ…!」
「気持ちいーんだな?」
べろべろと傍若無人に、本能の赴くままに愛撫を続けながら再び内側へと指を忍ばせる。
先程より更にしっとりと濡れたそこは、弦太朗の指を異物と認識しながらも徐々に深い侵入を許していた。
現にユウキも痛みを告げることなく、ひたすらにぽっかりと喘いでいる。
軽く指を回して、くちゅくちゅと水音を響かせながらスライドさせて、「解す」とはこんな要領か。

「ユウキ」
弦太朗は背を伸ばし、胸の上に頬を乗せた。
「挿れてぇ…」
胸の突起を弄びながら懇願すると、
「…いいよ」
小さな許しの声に、俄然活気付く現金さ。

「あ、でも待って!ちょっとだけ、ごめん」
ユウキは身を起こし、すーはーと二〜三度深呼吸する。
「…はいっ、どうぞ!」
再び横になり、ぎゅっと目を閉じた。
その姿が何ともいじらしくて、弦太朗は微笑みながらキスを落とす。

「なんか、熱い」
不意に手を伸ばし、ユウキは弦太朗のものに触れて来た。
「えへ、」
だが、悪戯っぽく向けられた笑顔はやや引きつって見える。
「何か、可哀想んなって来るな」
「そんなことない!」
思わず呟くと、瞬時に否定されて驚いた。

「可哀想なんかじゃないよ!弦ちゃんのこと好きだから…一つになれたら、あたし嬉しいもん」
気丈に、元気に。
まるで励ますような言い方に、弦太朗は実感する。
この笑顔があったから、自分はこれまで多少無茶なことも、上手く行かない苦しみも乗り越えられたのだと。
「…行くぜ、ユウキ」
話でしか知らないが、女にとっては相当の苦痛を伴う行為。
身一つで惚れた相手を傷付けてしまう男の不甲斐なさを生涯背負う覚悟で、弦太朗はユウキの奥を目指し始めた。

「く…っふ、…った、痛……いた、いッ…!」
口元に手を当てて懸命に堪えようとするが、抑えられず漏れ出る呻き声。
ユウキの痛みと圧迫感は弦太朗にも嫌と言うほど感じられるが、徐々に胎内に呑み込まれて行く自身を前にやめることなど到底出来そうになかった。
「ごめん、…ごめんな、ユウキ」
はぁっと大きく息をつき、全身びっしょりになりながらうわ言のような謝罪を繰り返す。
指を絡めて強く握り、下唇を軽く噛むようなキスを与えて腰を進めた。

3844z弦ユウ「First taste of Love」:2012/06/23(土) 01:42:35
「ひっ、あ、あぁ!」
瞬間、より狭い部分を通り抜けたような確かな手ごたえを得る。
「ん、っ…く、るし……ッ!」
「だ、大丈夫か!?」
息を詰めて咳込むユウキを覗き込み、慌てて抱きしめた。
「ん…へいき。あたし、今弦ちゃんでいっぱいで…ちょっと、苦しくなっちゃった」
罪深い真実は、何とも言えない殺し文句でもある。
「――。」
弦太朗は貪るようなキスを重ね、ゆっくりと腰を動かしてみた。
「う、ん…んっ」
心の中で何度も詫びるが、走り出してしまった欲望はもう止められない。
呼吸ごと奪い去るような口づけを交わしながら貫き、押しては引いて。

だが、快楽に耐性のない身体に、限界は突然訪れた。
――まずい!
慌てて身を起こしてモノを引き抜くが、中との温度差までもが刺激となり、ユウキの腹の上に欲望を吐き出してしまう。

「――!は…、ッ……!」
ぶるぶると全身を震わせ、終わらぬ吐精が何とも恥ずかしくて情けない。
ユウキは無邪気にそれを掬い上げ、不思議そうに指先で擦り合せた。
「よせって、汚れんぞ」
「ちょっとピンク色?」
それはお前の出血と混ざっているからだと言う気力はなく、弦太朗は枕元にあったティッシュケースを掴んだ。
吐き出したものを全て拭ってやり、背を向けて自分の処理をする。

ユウキの視線が気まずくてたまらないが、このままクールに離れてしまうような下衆な男にはなりたくなかった。
「隣、いいか」
真横に身を沿わせると、胸にぴったりと頬を付けて来るユウキ。
「すごい、心臓がごぅごぅ言ってる」
「おぉ、100メートル全力疾走した気分だぜ」
実際の負担はそれ以上だろう、身も心も。
それだけ必死だった。随分身勝手なこともしたが、結構頑張った。その証拠に、ひどく疲れてはいるが気だるさはなかなか心地好いものだから。

「ね、気持ち良かった?」
「すっげー良かった」
「弦ちゃん謝ってばっかりだったから…あたしだとだめなのかなって、心配だった」
「んな訳ねぇだろ、つか俺謝ってたか?」
ほとんど記憶にない。そのくらいユウキに、ユウキの身体に溺れていたらしい。
ありがとな、と瞼に唇を落とすと、ぎゅっと抱きつかれて愛しさが募った。

「ところでユウキ、親何時に帰って来んだ?こんなカッコしてたらヤバくねぇか」
「あ、そっか」
起き上がり、二人して制服を着込む。何もなかったように。
周到な秘密と嘘の成就に、どちらからともなく弾ける笑い声。

健全さを極めるべく宿題を取り出してから、すっかり氷が溶けて薄まってしまったカルピスを同じストローで分け合って飲んだ。
初恋の味。甘酸っぱくて切ない、忘れ得ぬ思い出の時。
(でも、俺の初恋はずっと終わらねぇけどな)

「なー、ユウキ?」
「ねー、弦ちゃんっ」
意味など分かる筈のない問いにも、疑いなく相槌を打つユウキを膝の上に座らせ、弦太朗はちゅっと音を立てて額にキスをする。
「ん!きゃ、あはは…っ!」
くすぐったがって逃げようとするのを阻み、耳にも頬にも繰り返しながら笑った。


<終>

3854z弦ユウ「First taste of Love」:2012/06/23(土) 01:43:29
以上です、失礼しました。
転載はどなたか可能でしたらお願いいたします。

386名無しさんが妄想します:2012/10/28(日) 23:54:44
てす

387名無しさんが妄想します:2013/06/15(土) 11:54:33
てすと

388名無しさんが妄想します:2013/08/17(土) 15:20:03
本スレ…?

389名無しさんが妄想します:2014/04/21(月) 19:49:38
てすと

390名無しさんが妄想します:2014/05/06(火) 05:50:25
弦ちゃんと美羽のみたいかと

391名無しさんが妄想します:2014/08/11(月) 23:57:13
新スレの鎧武版のテンプレ考えられる職人さんいる?

スレ建てようとしてくれる人はいるんだが皆思いつかないようで。

392名無しさんが妄想します:2014/08/12(火) 00:44:37

「ここからは【仮面ライダー総合エロパロ】ステージだ!」
「【純愛】、【陵辱】、【萌え】、【燃え】……。私の趣味だ。いいだろう?」
「もう紘汰!書き込みする前にメ欄に【sage】入れなきゃ駄目でしょ?」
「何? 住民がネタバレの前置きもせずに書き込みをしている? そんな馬鹿な話があるか、仕事に戻れ」

「どうして規制は、僕の思う通りに投下させてくれないんだ……」
「お前、避難所に投下するか?」

「自分なりのカップリングを貫くために、自分なりのSSを投下するのよ!」
「自分の手は汚さずスレを荒らす……。俺の敵は自ら行動を起こさない卑劣な荒らしだ!」
「さぁ始めますわよ!SS投下と萌え談義のパジェントを!」

「【sage】に【2010年6月】……私はこの保管庫に選ばれた」




*避難所・過去の作品の保管庫・過去ログは>>2
*不快な書き込みや好きでない話題はスルー、あくまでも大人の為のスレです
*ネタバレは必ず前書きで警告+空白改行をする
*属性注意書きやカップリングは前書きか名前欄に明記推奨
*他の人の作品投下後、数レスまたは半日待ってからの
 作品投下をお願いします(作品が流れるのを防止するためetc.)
*次スレは>980か容量480KB、作品投下も同じタイミングで中断して次スレへ

393名無しさんが妄想します:2014/08/12(火) 00:46:08
これでいいかな?
どなたか新スレ建てお願いしますね。

394名無しさんが妄想します:2014/08/12(火) 19:30:24
立ててくる。間違えたらすまぬ

395名無しさんが妄想します:2014/08/12(火) 19:37:01
ごめん俺携からやったんだけどエラー出て駄目だった。誰か宜しくorz

396名無しさんが妄想します:2014/08/12(火) 19:38:12
【携帯】から、だった、何度もごめん

397名無しさんが妄想します:2014/09/09(火) 19:35:51
やっとこさスレ立て完了。
鎧武版のテンプレ考えてくれた職人さん、本当にありがとう!

398名無しさんが妄想します:2014/09/12(金) 00:22:40
>>397
乙です!
よければ誘導して頂いてもよろしいでしょうか
url貼って頂けると有難いです

399名無しさんが妄想します:2014/09/12(金) 06:55:59
立ててくれた人は俺じゃないけど

仮面ライダー総合エロパロスレ20
ttp://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1410251223/

400名無しさんが妄想します:2014/09/12(金) 14:29:12
>>399
ありがとうございます!

401名無しさんが妄想します:2015/06/04(木) 22:53:12
最近本スレへの書き込みが全く出来ないのだが・・・
戦隊の方は普通に書き込めるのに・・・


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