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書き込み代行スレ

1名無しさん@妄想の虜:2003/08/13(水) 21:32
規制されてエロパロ板に書けない、でも書きたいレスのある方はこちらでどうぞ。

書き込みたいスレッド、書き込みたいレスの内容、
名前欄、メール欄(age、sage指定など)をこちらに書き込んでください。

対応してくださる方がいないときは、
代理書き込みに時間のかかる場合があることはご了承ください。

代理書き込み終了後、こちらに書き込んだレスは消去して欲しい場合、
その旨(書き込み依頼時に)申し出てください。

消さない前提で運営しますが、消して欲しい書き込みには、
出来るだけ善処します。

※ BBSPINKの削除対象にあたるレスの代行はお断りします。

2あぼーん:あぼーん
あぼーん

3名無しさん@妄想の虜:2003/08/26(火) 21:54
>>2
いってきますた。342にかきこみました。

4</b><font color=#ff6699>(D4A4JAAQ)</font><b>:2003/08/26(火) 22:40
>>2さん
遅くなってすみません。レスのほう消しておきました。

>>3さん
代行ありがとうございます。

5名無しさん@妄想の虜:2003/08/26(火) 22:44
2です。
>>3さん
>>4さん
お手数をおかけしました。
どうもありがとうございました。

6あぼーん:あぼーん
あぼーん

7</b><font color=#ff6699>(D4A4JAAQ)</font><b>:2003/11/27(木) 23:51
>>6さん
書き込んできましたー
ご確認ください。

8</b><font color=#ff6699>(0O8vqBKU)</font><b>:2003/11/28(金) 08:23
>>7さん
迅速な対応感謝します。ありがとうございました。

9あぼーん:あぼーん
あぼーん

10名無しさん@妄想の虜:2004/01/19(月) 00:14
>>9
いってきます

11名無しさん@妄想の虜:2004/01/19(月) 00:17
>>9
行こうと思いましたが、即死しています。

<エロパロ板総合情報室>スレより
481 名前:名無しさん@ピンキー[] 投稿日:04/01/18 00:58 ID:eu1G40i/
//--------------------------------------【即死】
トランスフォーマースーパーリンク (7)
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1074177939/l50

1210=11:2004/01/19(月) 00:18
追伸:管理人さん、>>9の削除、よろしくお願いします。

13</b><font color=#ff6699>(D4A4JAAQ)</font><b>:2004/01/19(月) 02:21
すみません、遅くなりました。

>>9は削除しました。
>>10-12さん、お疲れさまです。

14名無しさん@妄想の虜:2004/01/20(火) 23:36
>>10-13
落ちているとは知らずにお手数をおかけしました。
また、事情によりお礼が遅くなって申し訳ありません。
ありがとうございました。

15名無しさん@妄想の虜:2004/01/28(水) 23:27
スレが増えてめだたないのでage

16名無しさん@妄想の虜:2004/04/05(月) 21:55
書き込み代行依頼させていただきます。
【書き込みたいスレ】↓
【ふたりだけの】相棒萌えスレッド【特命係】
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1081165083/l50
【書き込みたいレスの内容】↓
>2
男性キャラの女性化ですか。右京や伊丹がもし女だったら・・・・ちょっと萌えるかも。
【名前】名無しさん@ピンキー
【メール欄】sage

17名無しさん@妄想の虜:2004/04/05(月) 22:05
>>16
いってきた

1816:2004/04/05(月) 22:10
>17さん、有り難うございます。

1916:2004/04/06(火) 11:30
再度書き込み代行依頼させていただきます。
【書き込みたいスレ】↓
【ふたりだけの】相棒萌えスレッド【特命係】
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1081165083/l50
【書き込みたいレスの内容】↓
薫×女版伊丹、ちょっと想像してみた。
薫「お前、女になったら結構かわいいな。まあ美和子には負けるけど」(伊丹の体を愛撫する)
女版伊丹「何チンタラやってんだバ亀山、とっとと入れやがれ!」
薫「下準備もなしに入れられるかコノヤロウ!」
女版伊丹「今の俺は野郎じゃねえよバカヤロウ!」
・・・ギャグになっちゃいそう。
【名前】名無しさん@ピンキー
【メール欄】sage

20名無しさん@妄想の虜:2004/04/06(火) 11:41
もしかしてスレも立ててもらった人?
そんなにたくさん書き込む必要があるなら●買った方がいいんじゃないだろうか。
その調子じゃ即死回避もできないでしょ。

2116:2004/04/06(火) 16:33
>20
すみません、お手数かけます。

22</b><font color=#ff6699>(D4A4JAAQ)</font><b>:2004/04/06(火) 19:26
16さんはまだおられますでしょうか?

ご依頼のスレにまだレス投稿されてないようですがいかがいたしましょう?
結構時間経っちゃいましたし、その間にSSも投稿されたようなので、
レス内容このままでいいか、変えた方がいいか・・・

この時間からはずっといますので、お気軽にご依頼ください。

23</b><font color=#ff6699>(D4A4JAAQ)</font><b>:2004/04/06(火) 19:27
あ、最近は規制から解除までの流れも速いですし、
すでに解除されてる可能性もありますね。。

2416:2004/04/06(火) 23:39
>22
投稿していただいて構いません。

25名無しさん@妄想の虜:2004/04/07(水) 00:04
>>24
行ってきた

26</b><font color=#ff6699>(D4A4JAAQ)</font><b>:2004/04/07(水) 08:02
>>25さんありがとうございますー

・・・寝ちゃってました。

2716:2004/04/07(水) 19:55
報告が遅れてしまいましたが、>22さん、>25さん、本当に有り難うございました。

28名無しさん@妄想の虜:2004/06/28(月) 14:25
書き込み代行を依頼します。
スレ/COWBOY BEBAPでエロ
名前/名無しで
レス/以下のとうり
>>247
GOD JOB。凄いよアンタ。ビバップならではの背徳感やラストのかぽーんと軽くなる感じ。だぁぁぁぁ、コレであかんかったらワシゃあ二度と投下できませんわな。
素晴らしいSSを有り難う。あと否定した友人とやらのドタマブチ抜いとおきなさいな。

でお願い致します。

29名無しさん@妄想の虜:2004/06/28(月) 14:51
>>28
コピペしておきました。

30名無しさん@妄想の虜:2004/06/28(月) 15:46
>29様
28です。どうもです。感謝。謝々。

31</b><font color=#ff6699>(D4A4JAAQ)</font><b>:2004/07/30(金) 08:31
■ 新生【エロパロ板】自治スレッド ■
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1012435162/684-686

あまり利用頻度の多いスレじゃありませんが、いちおう。
代行内容によっては該当スレで荒らし扱いされる畏れがあるようなんで、
連続投稿の代行時は、代行レスである旨、
どこかに記載したほうがよさげです。

代行で投稿したかどうかは、規制を依頼する人、
実際に規制する人にとって、どうでもいいことかもしれません。
2ch・BBSPINKへの投稿は、あくまでも投稿者の自己責任でなされなければいけませんので、
他人の善意を悪用する人がいる可能性も、頭の片隅にでも置いておいてもらえれば。

32名無しさんが妄想します:2005/10/28(金) 02:36:21
どなたか恐れ入りますが、エロパロ板SS保管庫の連絡スレに代行をお願いします。

http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/2051/1081523361/l100

----------------------------------------------------------------
微力ではありますが、お時間がある時にでもご活用下さい。


<ライトノベルの部屋その1>
スレイヤーズ 第5話
5-745様続き(5-766様)
「月夜に咲く花(リナ触手→ガウ)」
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1113229332/767-770
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1113229332/774-775

5-780 ◆q8jcg88JXk様
「ゼルアメ ◆q8jcg88JXk 」
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1113229332/790-802
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1113229332/811-820

<ライトノベルの部屋その2>
10-890様
「結婚後ギアパス 娘Ver1」
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1078245053/890-902

保管庫管理人様へ
以下、時間がある時に保管のお手伝いをしたいと考えています。
ただ、当方は基本的にこちらのBBSに書き込めない(これは善意の第三者さん
にお願いして代行書き込みしていただいています)ので、以降はメールで連絡
を取りたいのですが、トップのメールアドレスですと送信出来ない模様です。
お手数ですが、ここ連絡用スレッドに新しいメアドをお知らせ下さい。
よろしくお願い致します。

33名無しさんが妄想します:2005/10/28(金) 02:46:03
>>32
任務完了。

ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/2051/1081523361/328

34名無しさんが妄想します:2005/10/28(金) 20:27:08
>>33さん、迅速な対応ありがとうございます。

35名無しさんが妄想します:2006/01/28(土) 00:06:29
書き込み代行依頼させていただきます。
【書き込みたいスレ】↓
嫉妬・三角関係・修羅場系総合SSスレ
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1137914849/l50
【書き込みたいレスの内容】↓
(ノД`) 今応募要綱を再確認したら250枚じゃなくて350枚だった罠

今回の投下分
ttp://kasamatusan.sakura.ne.jp/cgi-bin2/src/ichi22889.txt.html
○警告というか言い訳
・かなり殴り書きに近いです
・前回(>8)の続きじゃないです
・全然嫉妬の炎は見えません(一応後々ちゃんと燃え上がります、多分)

【名前】8
【メール欄】sage

36名無しさんが妄想します:2006/01/28(土) 00:09:31
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1137914849/103

完了。

37名無しさんが妄想します:2008/11/10(月) 01:14:26
どなたか以下の場所へ以下のSSを投下していただけないでしょうか…
よろしくお願いします
★ジョジョの奇妙な冒険のエロ小説 第6部★
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1217169452/l50

「あら、テレンスじゃないの」
「おや、これはミドラーさん」
相変わらず丁寧な物腰で目の前の踊り娘のような女性に会釈を返した。
「DIO様は?」
「DIO様は今、休んでいらっしゃいます、誰も通すわけにはいきません…」
「あ、っそ!」
ミドラーはテレンスの横をすりぬけDIOの部屋へ向かおうとした。
甘い香りがテレンスの鼻を突く。
テレンスがミドラーの華奢な手を引いた。
「ここを通すわけには参りませんよ、ミドラーさん。」
丁寧だが、そこにははっきりと拒絶の意思が示されている。
ミドラーはくるっと振り向いた。
見事な大きさの胸は、男の心情など全くお構いなしに星型の薄布でわずかに
隠されていて、わずかにその動作だけでも豊かに揺れる。
一瞬でも目を奪われたテレンスはそれを悟られたくなくて握る手に力を込めた。
「とにかくダメと言ったらダメです!」
「手を離しな、テレンス」
敵意を感じたミドラーのほうも紅色のルージュがぬられた唇からは似つかわしくないほど言葉が荒くなった。
それからミドラーは表情を変えると妖艶に微笑んだ。
「お願いよ…テレンス、ね?」
長くて美しい脚を密着させた。
ズボン越しに感じるミドラーの足の柔らかさと温もりを
なんとか理性の力で振り払うテレンス。
「どうしても、と言うなら私を倒してからにしてもらいましょうか。」
「勝負ッ!?一体何の勝負よッ!」
ミドラーの長い睫が揺れて視線が険しくなった。
テレンスは薄笑いを浮かべた。
「そうですね…なんでもいいですが、
麻雀などいかがですか…?フフフ…」
ミドラーの美貌に挑発するような視線を送るテレンス。
ミドラーも負けてはいない。
細い指をテレンスの唇に絡ませた。
「覚悟できてるんだろうねェっ!」
DIOの館の中の一室。
8畳ほどの部屋に全自動の麻雀卓が備えられている。
なかなか立派な作りだ。
「ようこそ、プレイルームへ」
「こんな部屋があったの…」
ミドラーがキョロキョロと部屋を見回した。
「うッ…!?」
部屋の一箇所に目がとまりうめき声が漏れた。
そう、彼の自慢の、悪趣味な人形だ。
どれもこれも悲しげな表情を浮かべて、低いうなり声をあげている。
「魂を…賭けるんだったわね?」
「いえいえ…」
ミドラーもまた選び抜かれたスタンド使いの一人であり、
近いうちに来るジョースターたちとの戦いに必要な戦力だ。
テレンスが勝手にその命を奪うわけにはいかないのだ。
「そこまでは、求めませんよ。そのかわりに…衣服をかける、などはいかがでしょう?フフフ…」
「衣服ッ!?」
「つまりこういうことです。
負けたほうが一枚づつ脱いでいく。もう脱ぐものがなくなるか、
あるいは脱ぐ意思がなくなって降参の意思を表したときに勝負は付きます。」
「いいわッ!あんたが負けたら道はあけてもらうわよッ!」
「そのかわりミドラーさんが負けたら大人しく帰ってもらいますよ。」
「上等だわッ!かかってきなッ!」
むきだしの肩をいからせてミドラーは声をあげた。
それを制するテレンスはあくまで冷静だ。
「二人で麻雀というのも味気ないでしょう…
もうお一人参加してもらいましょうか。」
パチン、とテレンスは指を弾いた。
「何をかっこつけて…ブーーーッ!!」
ミドラーは口元の薄布をめくり上げて用意されていた紅茶を一口喉に
ながしこんだところで思い切り吹き出してしまった。
なんと冷蔵庫が指の音ともにいきなり開きだして一人の全身傷だらけの
大男が地を這うように出てきたからだ。
「あ、あんたッ!」
ミドラーも知っている、裏社会での大物殺し屋だ。
「デーボさん、お待たせしました。さぁ、三人でゲームを始めましょうか。」
三人は睨みあった。
緊迫した空気があたりに立ち込める。
「ゲヘへへへへ…」
「フンッ、まとめて消化してやるよッ!」
「フフフ…面白い…」
衣服をかけた麻雀ゲームが今幕を開けた。

以上です。よろしくお願いします。

38名無しさんが妄想します:2008/11/10(月) 19:02:49
>>37
投稿しておきました

39名無しさんが妄想します:2008/12/17(水) 03:58:43
>>38ありがとうございました。
これはその続きです

「この牌、いいでしょう?
象牙で出来た特注品なんですよ。」
テレンスはいとおしそうに「白」を摘み上げて表面を撫でた。
ミドラーは険しい視線を投げる。
「フンっ…」
「安っぽい『鉱物』などではないですから、安心して楽しんでくださいね…。
フフフ…」
当然ミドラーがやってくるであろうイカサマに牽制を挟んだ。
(スタンドを都合のいい牌に変えて有利に運ぶつもりだったろうが
そうはいかない…ッ!)
「では始めましょうか。
簡単にルールを説明しておきます。
決着がつくまで東南を交互に繰り返します。
脱衣が行われるのは満貫以上、満貫に満たない手は
場が回るだけとします。」
デーボは聞いているのかいないのか。
乳房を半分も隠していない柔らかそうな
ミドラーの胸を濁った目で舐めるような視線を送っている。
そして低い渋い声で薄笑いを漏らしている。
「満貫で一枚、以降跳満二枚、倍満三枚、というふうに
成立した手に合わせて脱いでいく枚数は増えます。
服は今現在身に付けているもののみをカウント、
靴、靴下など対になっているのものはセットで一つと数えます。」
ミドラーのむき出しのむっちりとした太ももにデーボの手が伸びた。
薄気味悪い生暖かい感触。
「ぐへへへ…」
ミドラーはニッコリと笑うと自分の太ももを雀卓の裏に叩き付けた。
自然と彼女の太ももと雀卓の裏のくぼんだ金具に手を挟まれたデーボはのた打ち回った。
「ぐぉぉぉおおお…痛ぇよぉぉおおッ!!」
「フフっ…」
ことの成り行きがわからず絶句するテレンス。
ミドラーは微笑を向けた。
「せっかくの説明中にごめんね?
説明を続けてテレンス」
椅子から転げ落ちて、血のにじんだ手をおさえてうめくデーボに
テレンスは冷ややかな視線を送った。
「全く…続けますよ。
…ツモアガリであれば他の二人が、ロンであれば振り込んだ人間に脱いでもらいます。
まぁ、こんなところでしょうか。」
「痛ぇよぉおおお…」
「わかった。そのルールでいいわ。ほら、デーボ、やるわよ!」
舌を出して上唇に付け、そして小粋にウインクを投げた。
テレンスはデーボに向けてされたそのしぐさに思わず魅入られたように見つめた。
倒れこんでいたデーボが顔をあげた。
そこには今までテーブルの下にあって見えなかったものがあった。
腰から厚底サンダルにまでのびたむき出しの脚線美。
あまりに白く、そして長い脚。

40名無しさんが妄想します:2008/12/17(水) 03:59:04
再びデーボは視線で嘗め回した。
「ぐうううぅぅぅ…」
デーボはうめき、手をおさえながらも立ち上がり椅子に座る。
なおもブツブツと口の中で呪詛を繰り返していた。
よだれをたらしながらも強くミドラーを睨みつけている。
その視線を受け流しつつ、軽く勝ち誇ったように笑顔になる。
まだ若いながらも裏の世界で生きてきた。
そしてかなり名の売れた存在にまでなった。
その自分の強運を彼女は自分自身で信じていた。
「フフッ…!」
配パイはかなりまとまったすっきりしたいい手。
―やっぱりあたしの幸運は本物だわッ
さらに三巡ほど進む。
必要な牌がズバズバと入ってくる。
「おや、どうしたんですか、ミドラーさん。
かなり手がいいようですね?」
表情に出たのだろうか、それともカマをかけているのか。
テレンスはニヤニヤと笑ってミドラーを眺めた。
どちらにしてもゲームの勝負事での駆け引きになれているテレンスに自分の表情を晒したくなかった。
「おかげさまで、
…いいわよッ♪」
前かがみになり肩を寄せて微笑みを向けた。
あらわな胸元がますます強調され深い谷間がテレンスの目前に迫った。
「さ、さぁ!早く捨ててく、ください!
ま、み、ミドラーささん!」
テレンスは慌てて視線をあさってのほうに向けて牌を捨てるように促した。
耳が真っ赤になり額には汗が浮かんだテレンス。
「フフッ…わかってるわよぉッ…」
(この女ッ…!)
テレンスはミドラーを睨み付けた。
握れば折れそうな細身の身体。
その華奢な身体。
しかし、そんな見た目とは裏腹に彼女はDIO配下のスタンド使いの中でも
パワーでは指折りの力をもつスタンド使いだ。
長い睫が瞬きに合わせて光る。
「う〜ん…」
ミドラーは手牌に視線を落として考え込んでいる。
「これ、かしら…?」
一つの牌を長い爪で摘み上げた。
それだけでも豊かに実った胸は柔らかく波を打ち、
その頂上をわずかに覆っただけの青い星型の胸当てが窮屈そうに、
それに追尾する。
その肢体を押さえ込み意のままにしたいという欲望を
テレンスは懸命に押し殺した。
幸い熱くなった股間は卓の下であり、見えないはずだ。
次の手番のデーボが牌を捨てるとミドラーは妖艶に微笑んだ。

41名無しさんが妄想します:2008/12/17(水) 03:59:24
「ふふっ…」
「……?」
「ロン!」
「ぐおおおおおお……」
力なくうめくデーボに勝ち誇っての余裕の視線を送るミドラー。
「タンヤオ、ピンフ、それにドラ3つね♪」
「げへへへっげへへへへへへ…」
負け惜しみの強がりかニヤニヤとした笑いを崩さないまま
羽織ったコートを脱いで床に叩きつけるように投げた。
手ひどい拷問を受けたかのような傷だらけのデーボの上半身。
視線を流して微笑むミドラー。
「なかなかセクシーな身体してるじゃない?」
挑発的に微笑んだ。
「いぃてえええよぉぉぉぉ… けへへへ…」
ミドラーの鮮やかな先制パンチが決まった。
(ふふ…デーボも運がないわね…
動きのないテレンスが不気味なところだけど
ここは一気に…!)
2局目。
前回の流れを引き継いだか、淀みのないいい手だ。
(ふふ、一気に片付けてやるわ…デーボ、テレンス!)
気分良く牌を摘まんで叩き付けた。
「恨み…はらさでおくべきかッ…!」
デーボがぼそっとつぶやいた。
壁にかかってうなだれた表情の人形が突如目を見開いた。
「メーンッ!このトンチキがーッ!」
「何ッ…!?」
「ロンだよぉおおおッ!!」
―恨めば恨むほど強くなる!
―まさか、さっきのあたしへの振込みはわざとだったって言うのッ!?
「人和、げへへへ…役満だぜ…役満ッ…テレンス、役満は何枚だ?」
「役満は…5枚脱いでもらいます。」
少し紅潮しながらもテレンスは無機質な声でいい放った。
あまり日の光を受けていないであろうテレンスの青白い頬は
赤みが少しづつ増していった。
ミドラーにもデーボにも視線を向けず正面を向いたまま。
ミドラーは表情を押し殺した。
黄色い口元の布の奥で、悔しさかそれとも別の感情か、唇が震えている。

42名無しさんが妄想します:2009/05/02(土) 18:11:32
どうしよう

43名無しさんが妄想します:2009/05/02(土) 20:33:21
なにを?

44名無しさんが妄想します:2009/06/08(月) 05:49:03
>>1
どなたか存じませんが助かります
うちはソフトバンクで長らく規制くらって投下ができませんでした
さっそくですがお願いいたします

投下場所 二次元キャラを牧場で飼い慣らす妄想スレ 第7牧場
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1237993984/l50

名前欄 4枚切りの触パン
メ欄 sage

↓から6レスになります

45名無しさんが妄想します:2009/06/08(月) 05:50:00
清掃員


今日はこの公園のトイレ掃除の日だった。
AM10:30。
いつもの時間になると、どこからともなく白い軽ワゴン車がやって来る。
車体の側面部には「TBクリーン㈱」のロゴマーク。  (T:トイレ B:便器)
運転席から下りた男は車体横のドアをスライドさせ、中から緑色のバケツを取り出すと
車にロックを掛けて歩き出した。
向かう先は、この公園の公衆便所。
入り口にある公園内部の案内板を見ると、台形をしたこの施設のほぼ中央。
噴水と屋根付きの休憩所のある広場の片隅に、本日彼が担当する仕事場があった。

右側が女性用で、左側が男性用。
清掃員の彼は緑のバケツを持ったまま、まずは左側へと向かう。
入り口に黄色の『清掃中』の立て札を置き、ゴム手袋をして
バケツの中でとぐろを巻いていたゴムホースを手洗い場の蛇口へと接続する。
随分と慣れた手つきだった。
床に置いた掃除用具一式の詰まったバケツ。
その中から棒付き束子を取り出すと、2つある個室の手前からから仕事を始めることにする。
ここのトイレの掃除は一週間に一回。
扉を開けると、やはり結構な悪臭が漂ってくる。
しかし彼は嫌な顔一つすることもなく、早速仕事に取りかかった。

ここのトイレの構造は二重便器式。
TOTOと書かれた白い洋式便器の上に、便座の蓋よろしく
もう一つ肉でできた便器が乗せられている。
その肉便器の名は御坂美琴。
とある科学の超電磁砲である。
彼女は股を大きく広げた格好で便座に腰掛け、手足は天井から吊るされた鎖で固定されていて
ある程度動くことはできるものの、逃げられないように
個室から絶対に出てはこられないようにされていた。
意識はないようである。
ここは個人宅のトイレではなく、公共の場の公衆便所。
便座にカバーなどは掛けられていない。
だから御坂美琴という名の肉便器は何も身に纏ってはおらず、下着すらなしのスッポンポン状態だった。
清掃員である彼の勤めている会社の他の人間がこのトイレを最後に綺麗にしたのは一週間ほど前。
それから約7日間。
色々な人たちが利用するので汚れ放題だった。
肩辺りで揃えられた茶色い髪は固まった精液でガビガビ。
顔も、第二次成長期途中のボリュームに欠ける胸も
髪と同じようにザーメンまみれで、お腹の辺りには誰が書いたかは知らないが
油性のマジックペンとおぼしき物で『発情中』とか『精液便所』
地図記号の工場のマークによく似た、いわゆるオマンコマークなどが施されていた。
なかなかに掃除のしがいがありそうだ。
清掃員は腕まくりをして、さっそく仕事に取りかかった。

46名無しさんが妄想します:2009/06/08(月) 05:50:58
まずはホースの水でざっと流す。
流れる冷たい液体を頭から。
髪や顔にジョボジョボかける。
「―――――っ冷たっ!?」
今まで気を失っていた肉便器が、ようやっと目を覚ました。
「わぷっ!!  うぶぅっ げほっ、ゴホッゲホォッ!!」
どうやら顔に掛けられていた水が鼻に入ったらしい。
咽せながら水道水と一緒に鼻水を垂れながした。
「やめっ・・! 冷たいって言ってんのよ! 止めなさいよ!!」
顔を背け、直接ホースの水が鼻や口に当たらないようにしながら抗議の声を上げる。
ちょっとうるさい。
だけど気にせず、そのまま水を流しながら
今度は棒付き束子でゴシゴシとこする。
「い゙っ!?」
肉便器の顔面を、硬いブラシの毛が肌を摺り下ろすように往復する。
便器の汚れは力を入れて擦らないとなかなか落ちない。
便器娘はなおも騒ぎ立てるが、清掃員はとくに気に留める様子もなく
念入りに、力を込めてこする。
顔と髪が終われば今度は胴体。
マジックでの落書きがある部分である。
こればかりはいくら力と愛情を込めて擦っても、なかなか落ちるものではない。
だから洗剤を使う。
ひとかけ、2こすり、サンポール。
酸性で刺激臭の強い、便所掃除の強い味方。
しかも業務用。
水の滴るホースを置き、1リットル入りのそれを棒束子を持っているのと反対の方の手で持ち
容器の腹を押す。
すると飛び出る酸性洗剤。
それはホースの水とは違ってトロみが付いていて、青緑色の液体で。
「・・ぅぅ・・・気持ち悪い」
マジック落書きに直接かけた。
あとはさっきと同じ要領。
力と清掃員としての職人根性を込めてゴシゴシする。
「ひぎっ! 痛いっ! 痛いって言ってるでしょこのバカぁっ!!」
手足を固定した鎖をジャラジャラと揺するがそれ以上動くことはできず
御坂美琴という名の肉便器は汚れを落とされてゆく。
洗剤をかけてこすった場所がどす黒い泡を出し、水で流すと意外に綺麗に落ちていた。

次は便器穴。
一番汚れの酷い場所である。
そして、一番清潔にしておかなければならない場所でもある。
青いゴムホースを前の穴にズプリと突っ込んでホースの腹の部分を押した。
「ひいぃっ!?」
すると圧力の高まった水が先端から飛び出し、一番奥まった場所まで届いた。
その水は奥の壁に当たって跳ね返り、何十人分と詰め込まれていたドロドロを穴の外へと押し流す。
ゴポゴポと逆流する、濁液混じりの水。
膣口に咥え込ませ、ホースの圧迫に変化を付ける。
これによって、中の洗い残しがないようにするのだ。
「ぅぅ・・・・冷たい〜っ」
ビデなどの膣洗浄機もあるが、ホースの水の勢いと量はそれらの比ではなく
あっという間に前の穴が綺麗になる。
今度は後ろの穴。
同じように水の流れ出るゴムホースを突っ込んで、同じように腹の部分を押す。
すると同じように、今度は直腸の中を勢い良い水流が奥の方まで伸びて行く。
「ひいいぃっ!?」
すると肉便器はS字結腸まで水が届いたあたりで
頭のてっぺん所から出したような変わった悲鳴を上げた。
この肉便器は体内を洗われることに慣れていないのかもしれない。

47名無しさんが妄想します:2009/06/08(月) 05:51:41
首輪に取り付けられたタグを見る。
平成21年4月27日。
これが設置されたのは、ついぞ二週間前である。
それなら無理もない。
後ろの穴にホースを突っ込んでゴネゴネしていると、先程洗った前の穴から
尿切れの悪い年寄りみたいにピュッピュ、ピュッピュとひっきりなしに水が飛沫いてきた。
だけど気にせず奥の奥の奥まで流し込む。
汚れを洗い流す。
「ひゃあぁあっ! はふ・・・うう〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!」
知的障害者の施設あたりで聞く事のできそうな変わった唸り声。
すると、呻きとも悲鳴ともつかないそんな声と共に電気が漏れてきた。
彼女は学園都市最強の電撃能力者。
アース線を取り付けてはいるものの、やはり微量に電気が蓄積されるらしく
たまにこうやって利用者や清掃係に残った電気を放出してしまうのだ。
だけど彼にとってはどこ吹く風。
もともと放電される電気は微量であるし、何よりゴム手袋をしているので絶縁対策は万全。
どうということはなかった。

ひとしきり二つの穴を洗浄し終えると、肉便器の座っている陶器でできた本来の便器と
タイル貼りの床をざっと洗い流した。
次は隣の個室。


扉を開けると、こちらの便器も随分と汚れていた。
とりあえず、挨拶代わりに頭から水をかけてやる。
「・・・・・・・っ・・・・」
だけどもこの便器は、あちらのものとは違い存外に大人しかった。
反応自体が薄い。
それに経年劣化と蓄積された汚れが酷い。
桃色の長い髪は、元々ソバージュがかっていたのか
それとも単に手入れが行き届いていないだけなのかわからないぐらいにヨレヨレのバサバサで
目はドロリと濁り口は半開きのまま、ブツブツと聞き取れないぐらいの声で何事かを呟いていた。
意識は一応あるらしい。
状態が酷いため、首輪に取り付けられたタグを確認すると
ルイズ・フランソワーズ・ル・ブランド・ラ・ヴァリエールという名のこの肉便器は
2年ほど前に設置されたようだった。
以来、ずっとここで便器として使われ続けている。
破損や汚れが激しいのはそのためだろう。
もうそろそろ取り替え時かもしれない。
掃除したとしても、いくら頑張っても元のピカピカ状態に戻すことは難しいだろう。
それでも、これからもかるべく多くの人に使ってもらうために
清掃員は出来うる限り綺麗にしてやることにした。

今度は頭からサンポール。
惜しみなくバシャバシャと振りかけ、シャンプーをする要領でゴム手袋を填めた手で直接洗う。
ブクブクと泡立て、散髪屋がやるような手つきで
荒れ放題の髪と頭皮を揉みほぐす。
耳の後ろや首筋。
髪が長いので見逃しがちな部分もきっちりと丁寧に。
優しく、優しく、洗ってやった。
次は胴体。
頭の泡がブクブクと垂れてきてはいたが、こちらにも洗剤を掛ける。
この便器の落書きは、隣の個室のものよりも酷かった。
マジック書きの範囲は腹部だけではなく肩や二の腕、足にまで広がっており
新しく書かれたものは言うまでもなく、長年の消し残しなども相まって
全体的に黒ずんで見える。

48名無しさんが妄想します:2009/06/08(月) 05:55:07
すみません、間違えました
申し訳ありません、投下場所は↓こっちのスレでした
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1241067024/l50
「公衆便所」とマジック書きした美少女と性交するSS 2

49名無しさんが妄想します:2009/06/08(月) 05:56:15
書いてある内容も様々で、隣の便器に書いてあったようなものはもちろんのこと
誰のものだかわからない電話番号や頭の悪い暴走族が書きそうな当て字のメッセージ。
『(性器に向かって)チンポ IN→』や『緩マン』、『便所女』とか『孕ましたの誰?』などなど。
実に様々な落書きが施されていた。
腹部を見てみると、ほんのりと僅かな膨らみ。
少しつついてみる。
プニョプニョとした、柔らかな指触り。
妊娠しているのかと思ったが、どうやらこの便器は
孕んだものをしばらく前に一度産み落として、いま子宮の中はカラッポの状態であるらしかった。
つまりは萎みかけ。
この僅かな膨らみは、出産の名残なのだ。
個室の隅にある汚物入れを見てみると、中には赤黒い紐のような物が入っていた。
ヘソの緒だった。
しかも胎盤付き。
産み落としたはずの赤ん坊は見あたらなかった。
取り立てて行方は気にならなかったので、本来の作業に戻ることにする。

もう一度サンポール。
青緑の液体を汚れに直接かけ、今度はより力を入れられるように
棒付きのものではなく、鷲掴みにして使うタイプの普通の束子を握る。
思いっきり擦った。
どこかの国の垢擦りもかくやと言わんばかりにガシガシやった。
だけども悲鳴は上がらなかった。
便器は力を入れて擦ると音を出すものなのだが
虚ろな瞳でブツクサ言ってはいたが、別段痛がっている様子はない。
もう何も感じないのかもしれない。
うるさくないのは好都合なので、ここぞとばかりに思いっきり磨いてやった。

ある程度洗い、ホースの水で泡を流してやると
そこそこ汚れは落ちてくれていた。
しかしながら完全に取れたわけではなく、所々がまるで工場の機械油の汚れを
薄く広く引き延ばしたかのようになっていて
それはいくら根性入れてやってみても、ついに落ちることはなかった。
なかなか一筋縄ではいかない。

お次は穴の中。
マンコとケツである。
開かれた股の間に身体を入れると、清掃員は専用の道具を取りだした。
細長い棒の先に柔らかめのブラシが付いたもの。
これが二本。
先の肉便器のときのように、ホースの水だけでは綺麗にはならないかもしれない。
ゆえにこれらの棒ブラシで、今から二つの穴の中をガシガシするのだ。
電話ボックスでもないのに内股に貼ってあったテレクラの公告シールを剥がして捨て
ホースから流れ出る水でブラシを濡らす。
挿入場所を見る。
前の穴も後ろの穴も、もうグチャグチャだった。
パイパンなのか誰かが剃ったのかはしらないが、邪魔っけな陰毛は一本もなかった。
おかげで局部は丸見え。
2年間使い続けられたこの肉便器のそこは、いろいろなものが内側からはみ出していた。
前の穴は小陰唇が鬱血して黒ずんで腫れていて、大陰唇が2つついてるように見えるし
後ろの穴は明らかに脱肛と切れ痔になっている。
たぶんもう、用は足せない。
棒ブラシを突っ込んでも反応すらなかった。
そんな穴の中を前後左右、色々な角度で出し入れする。
急緩を付けたり、時には円を描いたり。
二本の棒を巧に操り、膣内の襞と襞の間に溜まった汚れを
腸の内壁にこびり付いたものを刮げ落として行く。

50名無しさんが妄想します:2009/06/08(月) 05:57:03
するといくらもしないうちに、ブラシの滑りが良くなってきた。
抜き差しをすると、クチョ、ニチャという粘質の音がする。
何かが纏わりついてくる。
それは愛液と腸液だった。
心は壊れてしまっていても、身体の方はこれ以上自分に負担がかからないようにと
潤滑油を勝手に垂れ流し始めたのだ。
どうやらこの肉便器は、ウォッシュレット機能が完備されているようである。
古くて壊れかけなのに大したものだ。

「はぎゅ、ゔ・・・も、だめ・・・・出ちゃう」
二つの肉壺をゴシゴシやっていると、隣の個室から呻き声が上がった。
何かを懸命に堪えるような、押しとどめているような。
そんな切羽詰まった声。
「はふぅ・・っ、出・・。、れちゃ、あ! ああ〜〜〜〜っ!」
防波堤が崩れてしまったかのような悲壮な声がして
直後、もの凄い音がした。
泥水か何かを勢い良く放出する音。
擬音で例えるならば『ブリブリ』というよりも『ベリベリ』に近い。
ベッ! ベッベッベッベリッ! べりぶりぶちゅぶちゅぶちょちょちょっ
どうやら大きい方を漏らしたようだ。
先程の膣と直腸の洗浄でお腹が冷えたからかもしれない。
せっかく綺麗にした所だったが、仕方がないので後でもう一度
水でも流しておくことにした。

隣で放便があっても、手は止めずに動かし続ける。
膣と肛門を掻き回し続ける。
気が済むまで中をこすり、ぬるっと棒を引き抜いて
代わりにゴムホースを咥え込ませた。
ホースの腹を押す。
勢い良く飛び出た水は、子供を産んでまだ開きっぱなしだった子宮にまで届き
おかげで本当の奥の奥まで洗うことができた。
尻の穴も同様、もう緩みきってしまっているためビュービューと奥の方まで流し込めた。
ホースを抜くと、二つの穴からゴボゴボと音を立てて濁った水が逆流。
これでいくらかは綺麗になったに違いない。
清掃員はもう一度この肉便器に頭から水をかけ
隣の個室に戻ることにした。


「・・・・・ぅぅ・・・っ」
扉を開けると、何故だか肉便器が泣いていた。
大きく開いたまま、閉じることのできない股。
その中心部を汚す茶色い液体。
どうやら漏らしてしまったことを嘆いているようだった。
別に便器なのだから、そんなもの気にする必要はないというのに。
せっかくなので、汚れついでに
清掃員は自分も用を足してしまおうと思った。
脱ぎにくいはずのゴム手袋からいとも簡単に手を抜いて、作業着のズボンのジッパーを下げる。
排泄器官を取り出すと、御坂美琴という名の便器に向かって
膀胱に溜まっていたものを放出した。
その液体は緩やかな放物線を描いて、肉便器の顔を黄色く汚す。
「うぶうっ!? 汚っ! もう嫌あっ、やめてっやめてよぉ・・・」
飲ませるつもりだったのだが、顔を逸らされたのでうまく口に入らない。
しかたがないので顎を掴んで口を開けさせ、流し込んでやることにする。
ジョボジョボジョボジョボ・・・・
最後の一滴まで飲ませて解放すると、便器は思いっきり嘔吐いた。
「ゴホッゴホゴホッ、げはっ、うええぇぇぇ〜〜〜〜〜〜〜」
そしてまた、頭から水をかけてやることにする。
涙と小便まみれの顔も、漏らしてしまった股間も。

51名無しさんが妄想します:2009/06/08(月) 05:58:52
これでようやく綺麗になった。
新品同様だ。
清掃員は自分の仕事に満足を覚える。
しかし、この肉便器はまだ新しいが
いずれは隣の便器のように、少し掃除したぐらいではどうにもならないぐらいに
汚くなってしまう事だろう。
公共の場の物はみんなの物。
色々な人が使うのだから、大切にしてほしいものなのだが
世の中には自分の物ではないからといって、雑に扱う人も少なくない。
だからメッセージを残すことにした。
できることなら、多くの人に大切に使ってほしい。
他の利用者のために綺麗に使ってほしい。
そんな願いを込めて、せっかく掃除したばかりではあるのだが
便器の腹に、油性のマジックペンで一筆書くことにした。
『公衆便所はみんなのもの。 末長く大切に使いましょう』

おしまい


自分の中の「公衆便所」を書いてみたつもりです

便器に心などいりません
あっても無視
公衆便所はごく当たり前にその辺りにありふれているもので
だからこそ特別な目でも見ません
場合によっては欲情の対象にすらならないかもしれません
だって、ただの便器なのですから

52名無しさんが妄想します:2009/06/08(月) 06:00:26
以上で終了です
有志の代理投稿の皆様、ありがとうございました

53エロ餓鬼:2009/06/14(日) 00:31:06
どなたか↓のスレに代理投下お願いします。

ライトノベルキャラで抜こう! 7th
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1232155349/


元ネタは、オイレンシュピーゲル。
またまた赤犬。といっても良いものか。

注意・3巻の重要なネタバレを含みます。

54「ある男の末路」 1/6:2009/06/14(日) 00:32:55
(破滅だ。破滅だ。破滅だ。このままだと俺は組織に殺される)
解析課情報監督官にして、シンジケートに仲間の情報を売った裏切り者。
その末路は、シンジケートに口封じで抹殺されるか、警察の内通者あぶりだしに引っかかって社会的に抹殺された後に、シンジケートの制裁で物理的に抹殺されるか。
どの道死ぬ。
(落ち着け。大丈夫だ。身代わりを見つければ)
助かるために男が思いついた最後の方法。

バカな生贄を探し出し、犯罪の証拠を偽造。
全ての罪をおっかぶせた後、シンジケートに殺してもらう。

単純で最低な思考。
身代わりとなる獲物を求めてMPB本部ビルの情報解析・通信班フロアの閲覧室をうろつく。

ふと、ある少女の姿が男の目に留まる。

陽炎・サビーネ・クルツリンガー。
最強の特甲児童の一人で狙撃手。
情報通。
良くも悪くも有名人。

その噂の一つ、売春行為。
陽炎の情報元は、ベッドの中のピロト−クだというもの。

男は、舐めるように赤いワンピースの少女を見つめる。
少女趣味は無い男だが、その完成した肢体――すらりとした手足に、眼を引くほど突き出た豊満な胸――は欲情をそそるのに十二分だ。
男の分身がズボンの中で膨らみ固くなっていく。

素行不良の悪い噂が広まっている情報通、生贄としても申し分ない。

すでに男は、陽炎を自らの身代わりにすることを、その過程で若い体を思うさま味わうことまでを一方的に決めていた。

55「ある男の末路」 2/6:2009/06/14(日) 00:33:50
様子を伺い、何やら調べ物をしていた陽炎が作業を終え、立ち去ろうとする背中に声をかける。
「欲しい情報でもあるのか?」
警戒を解くために餌を撒く。
「ちょうどSSコードの定期メンテナンス中だ。俺が複製をもう一つ余計に持っていたとしても誰にも分からないように出来る」
陽炎は、無表情に男を見つめて、ガムを膨らませながら思案。

急すぎたかと内心あせる男。
ガムが弾けると陽炎は一言。
「なぜ私に?」
(貴様が素行不良の丁度いい生贄で、ついでにその体も味わいたいからだよ)
本音を隠してにやりと笑う。
「噂の特甲児童と、仲良くなれる機会を探してたんでね」
小娘の色香に迷ったバカな大人のふりをする男、自分がそのふりをしているモノよりさらに最低な存在であることには、まるで気づいていない。
「優しい男性とはいつでも」
極上の笑顔を浮かべる陽炎の笑みに男は、成功を確信。

男は内心、愚かな少女を嘲りながら陽炎の肢体と無残な最期を思い浮かべて興奮。
「俺は大抵の男に比べれば優しい方だと思うがね。その格好だとオフか? 俺も今日はあがりだ。昼の三時ごろ、俺の家によってみるといい。お前ら風に言えば、素敵な戦利品が手に入るかもしれん」
上ずりぎみになりながら、自分の住所を書いた紙を陽炎に渡す。
「きっと伺います」
にっこりと笑みを浮かべ、立ち去る少女。
その赤いワンピースに包まれた若々しく張りのあるヒップを犬のような体位で、思うさま男根を叩きつける情景を想像。
男は早速準備に取り掛かる。

56「ある男の末路」 3/6:2009/06/14(日) 00:34:25
数時間後、男の家。

陽炎が欲しがっていたいたデータ、餌と罠を用意。
捏造した証拠、架空の犯罪組織と陽炎の取引の記録。
丁寧に小娘をそそのかした共犯者まででっちあげ、MPB隊員番号071・モリィ・円・カリウス。かつて言い寄って振られた腹いせ。

残る時間を陽炎の歓迎の準備に当てる。

すでにカーテンはシンジケートの狙撃を恐れて締め切りっぱなし。
ベッドルーム及びバスルームにビデオを設置、末永くこれから自分が死においやる少女の痴態を楽しむつもり。
そして様々な生活用品と大人の玩具。
縄――よく育った乳房を絞り上げ、より強調されたソレに吸い付くのを想像。
洗濯バサミ――年頃の少女の敏感な乳首へ付ければ、大きな胸が男の突き上げで揺れるたびに痛みが陽炎を襲うだろう。
その他、ロウソク、鞭、ローション、ローター、バイブ、アナルバイブ、クスコなどなど、専門店なみの品揃え。

39歳――陽炎の3倍近い――の男は離婚暦2回、全て男の性癖が原因。
今まで味わったことの無い極上の体を持つ若い雌犬に対して、中年男の穢れた欲望を全てぶつけるつもり。

(人生は最高だ)
ここ数日、シンジケートと内部調査に脅えていたのが嘘のよう。
不安を解消ついでに、性欲も解消できるのだ。
準備を万端にととのえて、精力剤を飲みながら獲物を待つ。
すでに股間は、痛いほどたぎっている。
とても午後三時までまてそうにない。

一度、放出して落ち着くことにする。
妄想するのは陽炎の体の中でも一際目に付く、大きく膨らんだ豊かな乳房。
広報のカメラに映し出されるお仕事中の特甲児童たちの姿の中でも、特に人気が高いのが彼女たちの広報部特製パンツでその人気はケルベロス小隊の三人は、ほぼ互角。
しかし、胸のショットでは――激しい機動で揺れる歳相応に膨らんだ夕霧や、無いのがいい人向けの涼月も、もちろん人気ではあるのだが――やはり、若さと大抵の娘が成長しきっても得られぬ大きさを併せ持つ陽炎が一番人気だ。

57「ある男の末路」 4/6:2009/06/14(日) 00:35:10
例えば、突き出た胸元に飾った小隊記章・名札をアップで捉えた映像。
あるいは、戦闘の激しい動きで装甲に押さえつけられてもなお揺れる乳房を捉えた映像。
もしくは、狙撃のために構える大型ライフルなどに押し付けられ、やわらかに形を変える乳房を捉えた映像。
それらの映像は、たちまちの内に、複製、コピーされ、世界中に流れて大勢の男――もしかしたら少数の女――が一方的な欲望のはけ口として使用する。
今この瞬間にも、陽炎の全身を染め抜くほどの量が放出されているかもしれない。
これからあと少しで、その体を自由にできるのだ。

男は優越感にひたりながら、陽炎の乳房の感触を妄想。
おとなしく従順な雌犬となった陽炎の乳房を乱暴に揉みしだく。
男の力強い手で、こねられ形を変える大きな乳房。
痛みと興奮に硬く、そそりたった乳首。
男に自らの乳房を玩具にされながら、媚びた笑みを浮かべる雌犬の顔。

――白磁の陶器のようだった芸術的な膨らみを、痣になって残るほど手で揉みしだいた後は、口を使って乳房を虐めてやる。
男は、妄想の中で、その嗜虐性を存分に発揮。
赤ん坊のようにではなく、野獣のように、たわわな胸の膨らみに噛り付き、男の所有物となった証であるかの歯型を残す――一つではなくいくつも、いくつも。

そして歯型と涎まみれになった乳房に、いきりたった男の男性器が擦り付けられる。
涎を潤滑油に快感をむさぼる男。
無数につけられた歯型に擦られ、泣きながら痛みを訴える少女。
だが、男はかまわず胸に発射。
大勢の人間が憧れ欲情してきた理想的な膨らみに、冴えない中年男の匂いをマーキング。

竿についた汚れは少女に舐めて掃除させる。
自身の乳首から移った男の涎と、男が発した汚濁液に汚れたそれを、口元に差し出され、好物の骨をしゃぶる犬のように男の物をしゃぶる少女。
いくら舌でぬぐっても、汚れは止まらず。
唇でしごかれ、卑猥な水音が部屋に響き。
男は、少女の髪を掴んで、口腔の一番奥まで自らの欲望を叩き込んで、汚濁液で少女の体の内側まで染め上げる。

58「ある男の末路」 5/6:2009/06/14(日) 00:36:12
あふれた精液が逆流して、鼻から噴出した美少女の無残で滑稽な姿を想像して、男は興奮する。
その妄想は、決して夢物語ではない。後、わずかな時間で実際に起こすことが出来るのだ。

――おっぱいだけじゃないぞ。マンコも、ケツマンコも楽しんで、壊してやる。どうせすぐに組織に殺されるんだからかまわないだろ? 
そうだ、レンタルペットで大型犬を借りてきて交尾せるのもいいかもな。それ位の余裕はあるだろう。

そして玄関のベルがなる。

監視カメラの映像を確認。
若く美しい雌犬の姿。

「時間通りか。偉いぞ」
少女を陥れる作業と、2度の放出で憔悴した顔で、男は、哀れな獲物を出迎える。

「お前が聞きたがっていた小隊の記録と、SSコードのダミーパスだ。ついでにお前達を開発した連中の情報にアクセスするIDを仕込んでおいてやった。本部内ではなく、街のネットカフェででも使うんだな」
自慰をしても収まらない興奮は、獲物を目の前にして抑えきれないほど高まっている。
「それで、優しい男にどんなお礼をしてくれるんだ?」
餌――データディスクをみせびらかしながら男は、ベッドルームに通じるドアを開く。

少女は、歳に似合わぬ、過剰な色気が込められた声でお返事。
「満足のいくように」
艶めいた媚を浮かべて、男に歩み寄る。

その顔が、苦痛に揺らぎ快楽に泣き叫ぶ様子を想像して男は、にやけづら。
当然、少女がその場にべたっと身を伏せた。
「それは服従のポーズか――?」
男は、素敵な時間の始まりに心躍らせる。
ベッドルームの様々な器具は、後で使うとして、まずはここで一度楽しもう。
口でズボンのチャックを開けさせて、手を使わずに取り出させた男の物を奉仕させ、犬の体位でハメながらベッドに向かうのもいいだろう。

59「ある男の末路」 6/6:2009/06/14(日) 00:37:25
そして、これほど従順に躾られた雌犬なら、仲間を他の二匹の雌犬を差し出すよう仕向けるのも可能かもしれない。
信じていた仲間に、薬を飲まされ、意識を失っている間に義肢を外され、ダルマにされて見知らぬ男に体を弄ばれる時、あの気の強そうな黒犬と、天然の白犬は、どんな顔で鳴くのだろう。
目の前で、成熟し開発された赤犬との濃厚な交わりを見せ、これからされることの予備知識を与えてやるのもいいだろう。
ありったけの禁制薬を二人にぶち込んで、年頃らしい膨らみを持つ白犬を責め、仲間が堕ちる瞬間を見せてやれば、未成熟な体の黒犬とて、涎をたらして男を欲しがるだろう。
そうして、調教した三匹の雌犬をかわるがわる味わうのだ。

そうすれば、組織に赤犬が殺された後も、残る二匹を、性処理便器&優秀なボディガードとして使えるだろう。
マンコ貸し出して、様々なコネや金を手に入れば、より上の地位に成り上がることすら可能かもしれない。

人生は薔薇色だ。

一瞬で、脳内に浮かんだ薔薇色の考えは、しかし、口をついて出ることなく、音速を超えて飛来してきた弾丸によって物理的に脳内が薔薇色に弾けたことで、永久に闇に葬られた。
組織の殺し屋は、男が思っていたより格段に早く、その行動を開始していたのである。

そして、組織と巻き込まれた少女の戦いが、今始まる――。

60後書:2009/06/14(日) 00:38:37
どこかで赤犬は、食用ワンコとして最上の評価を得ていると聞いたことがありますが、一番おいしそうな体つきの娘ですよね。
4巻でもあんな目にあいながら、健気で素晴らしいです。

彼女は、ミハさんの前では、奥手で臆病になってしまうイメージがあるので、かけないと思いますが、美少年相手に狼になる話は書くかもしれません。

白犬は、天然過ぎて書きにくいのですが、黒犬はその内書くかもしれません。
というか、一巻の毛布はぎはぎで書いたのが、3巻を読んでボツに、あいつらがもう経験済みだと!?

いずれ、書き直してさらすと思います。
スプ組は、いずれ黄色い娘で書く予定。

かなり間があくと思いますので、みんなもっと妄想を語りましょう。
自分がエロイと思った作品の情報交換でも落ちるよりはマシですし、ある程度、流れているスレじゃないと投下しにくいという方もいると思いますよ?



以上です。
どなたか、代理投下お願いします。

61エロ餓鬼:2009/06/14(日) 00:47:20
すみません。

4/6の14行目に誤植です。

誤 赤ん坊のようにではなく、野獣のように、たわわな胸の膨らみに噛り付き、男の所有物となった証であるかの歯型を残す――一つではなくいくつも、いくつも。

正 赤ん坊のようにではなく、野獣のように、たわわな胸の膨らみに噛り付き、男の所有物となった証であるかのように歯型を残す――、一つではなくいくつも、いくつも。

確認不足すみません。

62名無しさんが妄想します:2009/06/14(日) 23:11:49
代行しました。

6344−52:2009/06/15(月) 05:06:18
代行投下して下さった方、ありがとうございました
前に投下された書き手さんとも間隔を開けて下さったようで
重ねてお礼申し上げます

ソフトバンクにメールしてみても、一応返信はくるものの
投下できない現状は変わらず
そろそろプロバイダの変更を考えた方がいいかもしれませんね

64名無しさんが妄想します:2009/06/15(月) 23:48:18
どなたか↓のスレに投下をお願いいたします。

【シルバーFSR】須田51・ghm作品【killer7NMH】
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1189003197/

名前欄は無記入・ageでお願いします

今晩は。保管庫管理人の代理の者です
管理人kwkm氏本人から頼まれて書き込んでます。

先程管理人kwkm氏のパソコンがGENOウイルスに感染している疑いがあったとの事です。
感染したのも本当に最近らしいですが、念のため皆様にはしばらく
このスレ保管庫の閲覧を控えてほしいとの事です。
閲覧されてしまった方はこちらの対策ページへどうぞ

ttp://www29.atwiki.jp/geno/(GENOウイルスまとめ)

ちょっといつまでこの状態が続くかまだ分からないのですが、また続報がありましたら随時お伝えします。

それではお騒がせしまして失礼しました。

6564:2009/06/16(火) 00:31:16
>>64の者ですが、本人と連絡がつき文面の方にも問題がでてきたので
代行依頼を取り下げさせて頂きます。
お手数ですが>>64-65の書き込みは消して頂けるとありがたいです。
お騒がせして本当に申し訳ありませんでした。

66名無しさんが妄想します:2009/06/16(火) 05:36:40
代理投下をお願いいたします

投下場所
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1237993984/l50
二次元キャラを牧場で飼い慣らす妄想スレ 第7牧場

投下内容↓

どっとうpろだ
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org135562.lzh.html
パス 575
牧場HP ver3.01

鯖規制の煽りをくらってます
このローダーもいつまで保つかわかりませんので
転載・UPしなおしなどは自由に行って下さってかまいません


メ欄 sage

ご面倒をおかけしますが、お願いいたします

67名無しさんが妄想します:2009/06/16(火) 19:25:34
>>66
代行しました。

6866:2009/06/17(水) 05:35:41
>>67
ありがとうございました!

69名無しさんが妄想します:2009/06/24(水) 20:45:20
すみません、また代理投下をお願いいたします。
投下先   二次元キャラを牧場で飼い慣らす妄想スレ 第7牧場
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1237993984/l50

名前欄 4枚切りの触パン
メ欄 sage


ここから↓


>>460のアイデアを拝借させていただきました

いまだ2ちゃんねる全ての板に書き込みができません。
書き込めない鬱憤を晴らすべく、おかげでY!にブログなど作ってしまいましたが



"管理者"との業務提携

彼女には、なにもできなかった。
叫ぶことも、涙を流すことも。
指の一本でさえも、自身の意志で動かすことは叶わない。
なぜなら、彼女にはもう身体がなかったから。
胴体から切り離された脳味噌。
それが今の彼女―――三千院ナギの姿だった。

ナギの消却処分が決まったのは、今から少し前。
5月の終わり頃のことだった。
執事やメイド頭や生徒会長共々攫われ、ここに連れてこられた訳なのだが
このお嬢様、どうにもこの施設に馴染むことができなかったらしい。
有暴力・不服従。
ガンジーも真っ青のそれが、彼女のモットー。
あの小さな身体のどこにそんな元気があるのかは知らないが、蹴るは殴るは噛み付くは。
指が動けば引っ掻くし、全身グルグル簀巻きの芋虫状態でも頭突きをかましてくるはで
スタッフもお客もほとほと困り果て、匙を投げる始末。
仕方なしに、植物状態の牝畜が押し込められる牧場の掃き溜め施設『植物園』に
"身体だけ"放り込まれることになったのである。

70名無しさんが妄想します:2009/06/24(水) 20:46:23
「さあナギちゃん、脱ぎ脱ぎしましょうね〜」
乳幼児に言って聞かせるような、気持ちの悪い作り声。
脂ぎった、幼稚園の中をフェンスの外側から眺めてエヘエヘ言っていそうなこのお客は
膝の上に抱きすくめた三千院ナギの―――いや、かつて三千院ナギだった肉人形の着ている物を
一枚一枚ゆっくりと、時間をかけて愉しみながら脱がせていた。
普段の彼女ならば、そんなことをしようものなら心に深く突き刺さり
後々尾を引きそうな酷い罵倒を浴びせたあげく
命の続くかぎり藻掻いて、唾を吐き掛け、暴れたおすものなのだが
ところがどっこい、今日は随分と大人しかった。
それもそのはず。
実のところをいうと、このロリペドのお客がせっせと脱がせているのはナギの抜け殻。
脳を抜かれて考えることも感じることも出来なくなってしまった、肉体の方だけなのである。
ならば、頭の方はどこへ行ったのかというと
見えるところにはないが、ちゃんと身体と同じこの部屋にいる。
いや"いる"ではなく"ある"というべきだろうか。
小学生と見まごうほど小さなナギの身体が剥かれているベッドの下。
そこに取り付けられた20㎝四方の箱の中に、頭を切開して取り出された
彼女の脳味噌が入っているのだ。
身体と脳を分離。
そんなことをして、いったい全体何になるのかと問われると
返す答えは、以下の通り。
肉体は牝畜として、脳は生体コンピューターとして使用するため。
つまりは、心と身体が一緒では問題が生じるので
分けて使う、ということなのである。


寝たきり老人用の介護ベッドの上。
淡いピンクのスケスケキャミソールを脱がされ、黒い上下の下着姿になりつつあるナギの身体。
「ン〜〜〜〜〜〜、ナギちゃんの肌はちょっとしょっぱいね」
うへへとスケベったらしそうな笑みを浮かべ、お客はナギの
赤ん坊のようにスベスベでつるつるの肌を舌で舐め上げる。
まるでナメクジが這ったような跡を幼い肢体の至る所に付け、ブラをづりあげた。
すると露わになる、悲しくなるほど慎ましやかな胸。
AAサイズ以下のそこは、寄せる肉も上げる肉もなく
ツルペタの真っ平らだった。
「ああ・・・、この無乳具合がたまらないよ♪」
だけどもこのお客にとってはその方が良かったらしく、扁平足ならぬ扁平胸に頬摺りをした。


ジ――――――――・・・
白くて清潔なベッドの上で、組んずほぐれつをするお客と
ただの肉人形に成り下がったナギの身体。
そんな二人の様子を、一台のカメラが見つめていた。
このカメラは、ナギの裏DVDを撮影するために用意されたもので
部屋の隅の上の方に取り付けられているのだが、そこから伸びるAV端子のコードは
彼らが致しているベッドの下へと続いていて、20㎝四方の箱へと接続されていた。
身体から分離された牝畜の脳。
これはバイオチップと呼ばれ、侵入者の迎撃から水洗トイレの水流しにまで使える
随分な優れ物として、牧場では重宝されていた。
ナギのバイオチップは、この部屋の空調管理と照明。
それに病室付随のトイレや流し台の水洗。
そして今は、ビデオ撮影のデータ記録も兼ねていた。

71名無しさんが妄想します:2009/06/24(水) 20:47:07
「へへ・・・じゃあ入れちゃうからね〜」
かいた胡座の上へと、軽いナギの身体を持ってくる。
ローションを勃起に塗りたくり、黒いレースのスケベ下着のクロッチ部分を脇へとずらして
小さな、子供のような女性器へと宛った。
そんな様子を、ナギの脳はビデオカメラのレンズを通して
自分の身体が犯される一部始終を目の当たりにしていた。
もし彼女に肉体があったなら、絶対に相手の息の根を止めるために踊り掛かっていたに違いない。
けれども今のナギには脳味噌だけ。
爪を立てるための指も、噛み付くための歯も。
罵るための口も、拳も足も。
何もないのだ。
箱に入れられた脳は、突き刺された端子針からカメラやスイッチやセンサーなど
外からの情報を入力され、打ち込まれたプログラム通りの処理を返し
グリア細胞と同質の液体に包まれながら、ただミクロン単位の泡を上げ続けるだけ。
達磨と植物状態、いったいどちらの方がましなのだろうか。


「いい、いいよっ、気持ちいいよナギちゃんの子供マンコッ!」
座ったお客の股の上で、抜き差しされる肉の人形。
大事な部分を取り出されてしまったナギは、無表情だった。
脳がないのだから、痛みを感じることも苦しいと思うことも
嬉しくも悲しくも、熱さ寒さささえも感じない。
解らない。
ナギの身体は虚ろな瞳でどこか遠くを見つめながら、ただ犯され続ける。


脳を取られてしまった頭蓋の中には、最低限肉体を維持するためのデータチップが積まれていた。
これにより、心臓やその他の重要機関を動かしてはいるのだが
自分で立って歩いたり、風呂に入ったり歯を磨いたり
オナニーしたりといったことは、決してできはしない。

「んちゅううぅぅ〜〜〜〜〜〜〜っ、ナギちゃ〜ん、ブチュウゥ――――ッ!!」
座位のままナギの顔だけを振り向かせ、熱烈なベーゼを交わす脂ぎったお客。
ある意味、マグロの館よりもダッチワイフプレイが可能なこの植物園。
どちらかと言うと、これは眠姦に近いのかもしれない。
ただし永遠に目覚めることのない眠りではあるが。

カチッ  ジャアアアァァァァ――――
お客とナギの身体がベッドの上で仲良く交尾をしている最中
不意にトイレの水が流れた。
「ナギちゃん、はぁ、はぁ・・・ん? なんだ、またか」
大人しめの牝畜が大好きなこのお客は、マグロの館や植物園にしょっちゅう入り浸っていた。
だからこそ知っているのだが、この植物園のトイレや洗面台は
スイッチを押したりセンサーに触れたりしなくても、よく勝手に流れることがある。
どうせいつものこと。
だから彼は気にしない。
ちっちゃいナギの身体を抱きしめ、思う様ツンデレお嬢のマンコを貪る。

72名無しさんが妄想します:2009/06/24(水) 20:47:51
突然流れる水。
今までに幾人ものお客から、同じような現象が起こっているとの報告があったので
牧場側もバイオチップへのプログラムにバグがないかどうか
何度も何度もチェックをしたし、上書きもしたのだが
何故だか一向に改善されることはなかった。

脳だけの存在になった、消却処分された牝畜たち。
彼女たちは、なにもできない。
叫ぶことも、涙を流すことも。
指の一本でさえも、自身の意志で動かすことは叶わない。
なぜなら、彼女にはもう身体がなかったから。
だから。
だからこそ。
ひょっとすると、この止まらない水の流れは
彼女たちが流した心の涙なのかもしれない。

エンド



以上で投下終了です
代理人の方、お手数ですがお願いいたします

73名無しさんが妄想します:2009/06/24(水) 22:16:27
代理投下完了しました。

すばらしい作品ありがとうございます。
よろしければ、プログの情報も教えて頂きたいのですが・・・。

7469-72:2009/06/25(木) 07:43:38
代理投下、助かりました
ありがとうございます

ここに貼り付けてもいいのかな
ttp://blogs.yahoo.co.jp/kgbfw039
一応、ここが私のブログとなっております
日々の出来事や聖地巡礼、旅行やジオラマなどを語った
他人様が見てもとてもつまらないブログです
YAHOOブログのメイン画面からボタンを「記事」から「ブログ」に変えて
私のコテハンで検索かければ
捜査線上に浮かび上がってくる仕組みにはなっております

75名無しさんが妄想します:2009/07/07(火) 04:26:25
【書き込みたいスレ】↓
ヤンデレの小説を書こう!Part24
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1242892972/
【名前】以前ボクタイスレにいた人
【メール欄】sage

【書き込みたいレスの内容】↓
The sun only for the earth

ある日、その町の果物屋が火事になった。
焼け跡から2人分の白骨死体が見つかった。


ジャンゴ様はあの戦いの後に変わった。いや、始まりからおかしかったのかもしれない。
彼はサバタ様に倒され、記憶を失った。それでも私は彼を愛していた。
彼は戦いで父親のような存在とただ一人の家族――サバタ様を失った。
それからなのか、それとも私は忙しいと思いこむことでそう考えるのを避けていただけで、戦いの

始まりからだったのか、彼は私の言葉に無反応だった。

過去にはDNA鑑定とか言う方法もあったらしいが
今は果物屋の焼け跡から見つかった死体の判別などはできるはずもない。
住人達は認めたくないながらもその店の少女と、町にいた唯一の少年が火事の被害者という結論を出した。

「うまく行ったようですわ。」
少女は少年を背負っていた。
町の外にいたグールを撲殺し、果物屋に放り込み、燃やしたのも彼女である。
アンデッドと呼ばれてはいても再生力が普通の人間の手には負えないだけで、
彼女にとって倒すのはそう難しいことではない。

古の大樹、少女はそう呼ばれているところへと来た。
この中なら、もうアンデッドはいないだろう。
誰にも邪魔されることなくずっと彼と暮らせる、彼女はそう考えたのだ。
気絶させた後にかがせた薬の量が多かったのか、彼は目を覚まさない。
ちょうどいいと言わんばかりに少女は彼の服を脱がし、そして自分も服を脱いだ。
彼はまだ初めてなのか、そのようなことを頭の片隅で考えながら唇に口づけた。
強引に彼の顎を開き、舌を入れる。
彼の舌と自分の舌を絡ませ、唾液を交換する。
極上の甘露が少女の口内に入ってくる。
彼女はそれを恍惚とした表情で飲み干し、そして下の方へ顔をやる。
そこにあったもの、すなわち少年の男性器を両手で、まるでそれがフルートでもあるかのように持
ち、口づけた。
口を先の方へと滑らせ、少女は少年のそれを口に含んだ。
気絶しているとはいえ快感は感じるのか、少年のそれは徐々に大きくなる。
そして臨界点に達し、白濁を噴き出す。それも少女は嚥下する。

76名無しさんが妄想します:2009/07/07(火) 04:30:07
「う……何が……」
直後、少年がうめき声をあげて起きた。
「おはようございます、ジャンゴ様。」
「り、リタ!?」
なにをしているのか、それを聞こうとした少年――ジャンゴに少女――リタは覆いかぶさった。
少女の秘所はすでにぬれぼそっている。
ジャンゴの声に返答せず、リタは自身にジャンゴのそれを打ち込ませた。
リタが痛みを無視して自分の上で上下しているのを見てジャンゴは何も考えることができなかった

ただ、快感と欲望が理性を侵食する。
そして、快感が再び臨界に達した。
「ジャンゴ様、愛しています。永遠に。」
この大地に太陽仔が増えるのはそう遠くはない明日のことだろう。

実際には母乳プレイとか、吸血鬼の血を押さえるために母乳飲ませたりとかのネタを考えていたのですが
綺麗にまとめると入る余地がなくなったわけで。

投下終了です。
ではよろしくお願いします。

7775-76:2009/07/07(火) 19:32:43
改善するので取り下げます。

7875-76:2009/07/10(金) 23:41:25
スレルールに違反していたことと、該当の版権スレがないことから依頼を中止します

79名無しさんが妄想します:2009/07/14(火) 03:29:33
済みませんが代理投下お願いします

書き込みたいスレ
「キモ姉&キモウト小説を書こう!Part21」
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1245379966/415n-
名前:桔梗の剣
メール欄:sage
次のレスからお願いします

80桔梗の剣:2009/07/14(火) 03:32:22

「お兄様」

 背後からかけられた声に、新谷又十郎はうんざりしそうなるのを懸命に堪えた。
 声の主は分かっている。妹の桔梗の声だ。いや声を聞くまでもない。年頃の娘特有の、花のような体臭は、今この道場にいる汗まみれの男たちとは明確に違い、たとえ半間の距離からでも瞬時に判別がつくのだから。
「それでは今日も――小半刻ののちにまた、道場で」
「分かっている」
 振り向きもせずにそう答え、又十郎は額から滝のように流れる熱い汗を手の甲で拭う。
 だが、又十郎のしかめっ面は何も汗のせいだけではない。これから後、桔梗と二人と過ごさねばならない時間に、どうしても憂鬱さを覚えずにはいられないからだ。
「どうぞ」
 すっと手ぬぐいが差し出された。
「……済まんな」
 その手ぬぐいを受け取りながら、しかし憮然とした表情で又十郎が振り返ると、桔梗はその独特な――年頃の娘というより少年のように中性的な――美貌にひまわりのような屈託の無い笑顔を浮かべた。
 しかし、これまで自分や門人たちと激しい稽古に勤しんでいたはずなのに、汗一筋かいた様子も無い笑顔は、又十郎の神経を苛立たせる。
(おれの仕切った稽古では、まだまだぬるいと言いたいのか)
 又十郎は何も言わず、手ぬぐいで顔をごしごしと、必要以上に手荒く拭った。


 時は文久元年。
 勅許を得ないままの強引な開国政策と、それに伴う反対派への大弾圧――いわゆる安政の大獄――を巻き起こした井伊掃部頭が桜田門外で討たれ、はや一年。だが、そんな烈風吹きすさぶ世相をよそに、この楯山三万石の城下町は平和そのものだった。
 剣術指南役たる新谷源左衛門は主君・久世山城守に従って江戸に出府しており、その留守を預かるのが、長男である又十郎の役目であるというわけだ。しかし道場には又十郎よりも年配の門人も多数在籍しており、一抹のやりにくさがないと言えば嘘になる。
 だが、又十郎が覚える息苦しさの真の原因が、この二つ年下の妹である事を知る者は誰もいない。


「若先生」
 野太い声が自分を呼ぶ。
 又十郎が顔を上げると、数人の門下生を背に従えた関口がそこにいた。
「これからみんなで『あけぼの』に繰り出そうかという話になっておるのですが、どうです、たまには一杯?」
 関口が、その巨躯に相応しい毛むくじゃらの手で、くいっとおちょこを呑む仕草をする。
(酒か……)
 いいな、と思う。
 又十郎自身、決して酒が嫌いなわけではない。むしろ気の合う仲間数人でわいわい騒ぎながら飲む酒は、とても楽しい。
 関口は、この新谷道場の嫡男である自分に一応遠慮した口を利くが、元をただせば少年時代から肩を叩き合って互いに稽古に励んだ友人でもあるし、彼の背後に居並ぶ連中もみな同期の古株――又十郎にとって気心の知れた仲間たちだ。久し振りに彼らと飲み明かすのも悪くない。
 なによりこれから桔梗と過ごさねばならない憂鬱な時間を鑑みれば、選択の余地などない誘いであると言える。
 だが――。

「あ、ごめんなさい関口さん、今日のところはご勘弁願えますか?」
「桔梗」
 たまらず又十郎は妹をたしなめた。
 しかし、桔梗は兄の顔も見ず、むしろ楽しげに言った。
「今日こそ早くお屋敷に帰してあげないと、お義姉様がお怒りになるんです」
 お義姉様とは兄嫁、つまり又十郎の妻である葵のことだ。
 桔梗はいたずらっぽい流し目を兄に向けると、
「お義姉様のご機嫌が悪くなると、色々困るんです。結局とばっちりを食うのは桔梗なんですから」
 と微笑んだ。
 関口は目を丸くさせ、そして仲間たちとともに大きく口を開けてからからと笑った。三ヶ月前に祝言を挙げた新妻を、又十郎が意外なほどに大事にしているのは、道場では周知の事実だったからだ。

81桔梗の剣:2009/07/14(火) 03:34:25

「関口」
 こうなってしまうと又十郎の取れる行動は一つしかない。彼は笑い続ける関口と妹の間に割って入り、羞恥に紅く染まった頬を隠すように頭を掻いた。
「済まん。……また誘ってくれ」


「関口さんにも困ったもんだよね」
 彼らが去り、がらんとした道場で再び防具のひもを締め直しながら桔梗がぽつりと言った。その冷たい声音は、さっきまでの日輪のような笑顔をまったく連想させる余地を持たない。
「そういう言い方はよくない。あいつはあれでも……」
「お兄様」
 凛とした桔梗の声が、又十郎の言葉を遮るように響く。
「桔梗に逆らうの?」
「…………」

 かつての桔梗は、又十郎に向かってこんな傍若無人な口を利くような妹ではなかった。兄じゃ、兄じゃと仔犬のように自分を慕って、どこまでも自分の後を付いて来るような無邪気な少女だったはずだ。
 だが、ここにいる桔梗は、もはやあの頃の彼女ではない。又十郎もかつての又十郎ではないのと同じように、ここにいる桔梗も、かつての可愛らしい妹ではないのだ。
「じゃ、始めよっか」
 そう言って、桔梗は冷えた眼差しを兄に向けた。

―――――


 又十郎とて、剣人としてまるっきりの凡骨というわけではない。
 まだ二十歳の若造であるにもかかわらず、年配の門人たちを差し置いて道場を仕切っているのは、彼が道場主たる新谷源左衛門の嫡男であるという理由だけでは決してない。十六歳で目録を取り、十八歳で免許皆伝を許された彼は、新谷流屈指の剣士でもあったからだ。
 その技量は――麒麟児とまでは呼べずとも――まずまず俊才と呼んで差し支えはないものであったろう。彼が道場の御曹司であることを差し引いてもだ。
 あと数年も経てば江戸に出府し、源左衛門に代わって剣術指南役として藩主に直々に仕える事になるだろうし、実際、彼としても生半可な相手に自分が遅れを取るとは思えない。
 だが、そんな又十郎をしても、道場で二人きりになれば妹には逆らえない。

 桔梗は、まさしく剣の天才だった。
 剣術道場の子として幼い頃から竹刀を玩具代わりに育った又十郎と桔梗ではあったが、妹の才能はまさに圧巻だった。十歳で初めて父から一本を取った彼女は、その後も着実に成長を続け、十五になった頃には、もはや完全に道場に敵はいなくなっていた。
 だが、それと時を同じくして、桔梗は道場から足を遠ざけるようになる。
 藩主に剣を指南するはずの新谷一刀流――その道場最強の使い手が、可憐な小娘であるという評判は、新谷家にとっても藩にとっても、決して喜ばしいものではないからだ。
 誰に言われるでもなく桔梗は、周囲のそういう空気を嗅ぎ取ったのであろう。

「あいつが男であればなあ」
 酔った父がそう愚痴をこぼすのを又十郎とて何度聞いたか分からない。
 そんな言葉を聞くたびに、又十郎の胸を疼くような痛みがよぎったのも事実だ。だが、反論は出来ない。桔梗の才を思えば、父の無念も当然だと思うからだ。
 かつて父が母と話しているのを聞いたことがある。
――新谷家はただの石取り武士ではない。刀術を以って主君に仕える技術者なのだ。ならば生まれた順番で嫡子を決めるなど馬鹿げている。より天稟に恵まれた者こそが家を継ぎ、次代にその血を残し、技を伝えるべきなのだ、と。
(親父はやはり、おれではなく桔梗のやつを――)
 又十郎が暗澹たる思いに身を包んだ瞬間、源左衛門はその言葉をこう続けた。
「だが、ままならぬものじゃな。――桔梗め、婿を取ってこの家に残れと言ったわしに、いやだとぬかしおった。この家を継ぐのは又十郎しかおらぬ。又十郎が家を継がぬなら、自分は尼寺にでも行く、とな」
 
 父が語ったその言葉に、又十郎は呆然とした。
 源左衛門が、又十郎の婚約と桔梗の縁談をまとめてきたのも、それから数日後のことだった。

82桔梗の剣:2009/07/14(火) 03:36:07

(あわれなやつだ)
 又十郎は、そう思う。
 桔梗に劣等感を抱いた事がないと言えばさすがに嘘だ。
 だが、実際のところ又十郎は、桔梗に対して劣等感よりもむしろ罪悪感を覚える方が深かった。
 事実上、桔梗に家督を譲られたという思いだけが理由ではない。彼は、自分と共に竹刀を振るっていた妹が、いかに楽しげであったかを覚えていたのだ。そして道場に来なくなった妹が、いかに寂しげで、悄然としていたかも。
 もし兄たる自分が、少なくとも桔梗より強かったなら、せめて彼女も、もう少し心安らかに剣を置けたはずだ。だが、現実はそうではない。桔梗は天才のまま、天才である己を捨てねばならない。その無念と鬱屈はまさしく想像を絶するものであろう。
 そしてそのまま、桔梗は父が調えた縁談を受け入れて他家に嫁ぎ、新谷家から姿を消した。輿入れの際に桔梗が見せた――かつての溌剌とした妹とは、まるで別人のように覇気の無い小さな背中を、又十郎は今も覚えている。
 彼が周囲を絶句させるほどの熱意を稽古に込め始めたのは、それからのことだった。

(おれがもっと強かったら、桔梗にキチンと引導を渡すことも出来たのだ)
(おれが弱かったから、桔梗は挫折すら知ることなく道を諦めざるを得なかったのだ)
 その罪悪感があればこそ、又十郎は己に課した『荒行』と呼べるほどの努力を怠らず、父から免許皆伝を許されるまでの自分になれたのだ。
 だが、まだ足りない。彼はまだまだ現状に満足していない。
 せめて妹の分までおれが強くならなければ、あいつは浮かばれない。
 そのためには、まだまだ強くならねばならない。
――又十郎はそう思う。
 そんな又十郎にとって桔梗は、越えるべき目標である以上に、守るべき大事な妹であった。剣士としての名誉を掴めなかった彼女に、せめて女として当たり前の幸福を掴んで欲しい。そう思う対象であったのだ。
 だから、妹の結婚生活が上手く行きますようにと誰よりも願っていたのは、父よりも母よりも、この又十郎であったと言っても過言ではない。

 そして又十郎も今年に入って、ようやく己の婚約者と祝言を挙げた。
 すでに彼は二十歳を迎えており、当時としては晩婚だったと言ってもいい。
 だが、又十郎が結婚に踏み切ったのは、いつまで待たせる気だと婚約者の実家から矢の催促を受けたことだけが理由ではない。免許皆伝を得てもなお精進を続け、父から三本に二本を取れる腕になった自分を、ようやく一人前になったかと認めることができたからだ。

 だが、桔梗は帰ってきた。
 又十郎が式を挙げてから一ヶ月も経たない内に、夫から強引に去り状をもらい、三年間の結婚生活など最初からなかったかのように新谷家に帰ってきたのだ。
 一体婚家で桔梗に何があったのか、それは分からない。桔梗は黙して何も語らないからだ。その沈黙は父をさらに激怒させ、母はそんな父娘喧嘩を目の当たりにして泣き喚いたものだが……それでも又十郎は彼女を庇った。
 新妻の葵に、これ以上身内の醜い諍いを見せたくなかったというだけではない。又十郎はこの妹を可能な限り労わってやりたかったのだ。

 そして源左衛門が藩主の参勤交代に伴って江戸に発って五日後、桔梗は数年ぶりに道場に顔を出す。
 彼女を知る古参の門人たちは驚き慌てたが、その桔梗は以前のように無邪気に己の強さを誇示する事は無かった。彼女の舞踏のような美しい剣さばきは健在であったが、かつて天才と呼ばれた往時の冴えは、その剣に無かったのだ。
 考えてみれば当たり前の話だ。
 どれほどの才であろうとも、数年間も研磨を怠った宝石がいきなり過去の輝きを放てるわけが無い。
 関口などはむしろ安堵したような表情で、
「これでよかったんだよ」
 と又十郎の肩を叩いたものだが、しかし彼はそんな妹に違和感を禁じ得なかった。
 そして、その違和感はその晩のうちに、最悪の形で立証される事となる。

 久し振りに道場に顔を出した妹は、稽古終了後にこう言った。
「ねえ、お兄様、稽古の後ちょっと桔梗に付き合ってよ」
「どうした?」
「さすがに勘が鈍っているみたいだし、もう少し体を動かしたいんだ」
 又十郎にとっても、その桔梗の申し出を断る理由は無かった。
 妹がどういうつもりで稽古に参加したのかは分からない。
 だが、道場で汗を流す彼女には、実家に戻ってきて以来の――いや、かつて道場から足を遠ざけて以来の――陰鬱な態度が完全に払拭されてしまっていたのだ。体を動かす事で気が晴れたと言うのなら、彼としてもその結果に全く文句を付ける気は無い。
 そう思って通常稽古が終わって小半刻ののち、ふたたび防具を身に付けて桔梗と対峙した又十郎は、まさに徹底的に妹に打ち据えられることになる。

83桔梗の剣:2009/07/14(火) 03:38:17

 天才はやはり健在だった。
 桔梗が道場を去っておよそ三年。
 その間に少しは強くなったという自負が又十郎にはある。
 血尿を日常とするほどの努力もしたし、源左衛門から免許皆伝も許された。道場にはまだ彼よりも強い年輩の門人たちが何人か在籍しているが、それでもいずれは彼らを追い抜き、道場の首席になれる確信もあった。
 だが、――それでも桔梗には自分の剣が通用しない。
 三年の空白で技が曇ったなどとんでもない。
 愕然としながら道場の床に這いつくばる又十郎に、そんな桔梗はにっこりと微笑んだ。

「安心してよ、お兄様。これからも稽古に参加するにさし当たって、桔梗は絶対に本気を見せないことを約束するから。お兄様のお立場をまずくするような事は、桔梗としても不本意だもんね」

「でも、その分お兄様は、この哀れな妹の憂さ晴らしにお付き合い願うよ」

「ふふふ……そんなに怯えなくとも毎日とは言わないさ。――そうだね……毎月、一と五と八のつく日にでもお願い致しましょうか。未来の剣術指南役による不肖の妹の居残り稽古を……ね」


 そして今日、日付は十八日。
 又十郎は溢れる憂鬱さを押さえ切れなかった。

――――――


 灼け付くような痛みが又十郎の全身を包む。
 のどがひたすらに渇く。もう唾すら出ない。
 先程までの稽古とは比較にならない疲労とダメージ――すべては桔梗の凄絶なまでの竹刀さばきがもたらした結果である。道場の若先生として人に教えている立場では決して味わう事など無いはずのものだ。
「さあ、もう一本!!」
 桔梗の鋭い声が飛ぶ。
 いや、鋭いのは声だけではない。
 彼女の動きも剣も、先程までの通常稽古と比べて、段違いにその切れを増している。
(ようやく体があったまってきたよ)
 とばかりに、湯気のような気を立ち上らせながら。

(くそっ!!)
 渾身の力で打ちかかる。
 だが、その打ち込みをあっさりと外した桔梗は、蛇のような速度で又十郎に竹刀を跳ね上げる。その思わぬ角度からの攻撃を、かろうじて又十郎の竹刀は防いだ。が、二の太刀、三の太刀と矢継ぎ早に襲ってくる桔梗の剣の前に、早々と又十郎は防戦一方だ。
 息もつかせぬ桔梗の連続攻撃を何とか凌ぎながら、又十郎は待つ。おびただしいコンビネーションに隠された桔梗の得意技――突きの瞬間を。体重を乗せた刺突を外された術者は、たとえどれほどの達人であっても体勢を崩し、隙を作らざるを得ない。
 そこを狙う。
 そして、又十郎の狙い通り『それ』は、来た。
 その稲妻のような突きを、又十郎は上体を反らして避け、一歩踏み込む。
 だが――。

「ッッッ!!」

 その瞬間、又十郎は何をされたのか気付かなかった。
 一間ほど吹き飛ばされ、羽目板に叩き付けられる。失神すらできない。あるのは内臓を直接ブッ叩かれたような衝撃。呼吸すら満足にできないほどの圧倒的な痺れ。
 ぶざまに体をくの字に曲げ、見開いた眼は何を見ることも許されないままに、又十郎はだらしなく口を開き、重力に任せるままに大量の涎を排出する。
(二段突き、かよ――)
 桔梗の突きを躱して懐に入り込もうとした又十郎の胸部を、まさに迎え撃つ形で桔梗の電光のような突きが襲ったのだ。彼はその攻撃を防ぐ事はおろか、その目に捉えることさえ出来なかった。
 その衝撃は防具や筋肉によって分散されながらも、きれいに又十郎の体の芯に叩き込まれ、気絶すら許されない地獄の苦悶を強制するには充分な威力を持っていた。
 だが、白痴のような表情で痙攣している又十郎を、熱っぽく見つめる桔梗は、さらに容赦のない、鋭い声で言い放つ。
「さあ、お兄様っ、もう一本っっ!!」

84桔梗の剣:2009/07/14(火) 03:40:17

 又十郎が帰ってきたと聞いて出迎えた玄関先で、葵は反射的に息を呑んだ。
 桔梗に肩を担がれ、道場から戻ってきた夫は、まるで溺死体のような真っ青な顔をしていたからだ。
「あなた……ッッ」
 顔だけではない。
 おそらく稽古着を脱げば、全身アザだらけになっている事だろう。
 葵は承知している。
 又十郎がこんな状態で道場から帰って来るのはこれが初めてではない。
 この二ヶ月というもの、一と五と八のつく日に夫は妹に稽古をつけ、そして必ず瀕死の状態で戻ってくる。そして今日は十八日だ。だが、たとえどんな口実があろうとも、自分の夫をここまで手酷く痛めつけられて、笑って出迎えられる妻などいるはずが無い――。
 しかし、この義妹はそんな兄嫁を鼻で笑うような口調で言い放った。

「お義姉様、もういい加減に慣れたらどうなの?」

 思わず身を強張らせた葵の傍らを、兄を肩に担いだ妹がえっちらおっちら通り過ぎる。
 二人――とは言っても、又十郎は意識があるのかどうかも分からない状態なのだが、それでも、身を寄せ合って進む兄妹の溢れんばかりの汗の匂いに、しとねで睦み合ってきたばかりの男女のような生臭さを感じ取り、葵の頬は紅潮する。
 しかし、何か言おうと振り向いた彼女を待っていたのは、射抜くような桔梗の冷たい瞳だった。
「分かっていると思うけど、これは新谷流を担う者として当然の修練――お義姉様には『関係の無いこと』だからね。いくらお兄様のオヨメサンでも口出しはさせないよ」

 その一言を前に、葵は動けなかった。
 分かっている。
 自分は又十郎の単なる妻に過ぎない。
 この新谷家が剣を以って世に立つ一族である以上、これは稽古だと言われてしまえば葵にはどうしようもないのだ。
(だからって……ッッ)
 そう。だからといって、このままでいいわけがない。
「桔梗さん……お待ちなさいッッ!!」
 そのまま小走りに二人に追いつくと、両手を広げて葵は廊下をふさぐ。
「ここから先はワタクシが夫を運びますッッ!」
 そう叫んだ葵の表情はむしろ悲痛とも言うべきものであったが、桔梗はそんな兄嫁に倍する鋭い視線で彼女を迎撃する。

「――道を開けてよ、お義姉様」

 兄嫁と義妹。
 口調と語調こそ二人の関係に乗っ取ったものではあったが、そこに込められた意思は明白だった。
 邪魔をするなら斬る。この場で斬り捨てる。
 桔梗の眼はそう言っていた。
 そして葵は、その殺気の前に今度こそ微動だにできなかった。


 居間に戻り、ぺたりと腰を降ろす。
 まるで下半身の骨がぐにゃぐにゃになってしまったようだった。
 自分の無力を嘆くように、葵は小さく溜め息をつく。
 
 分からないことは幾らでもある。
 まず、自分の兄をあれほどまでに徹底的に嬲り抜ける桔梗の神経が、葵にはまるで分からない。普段の桔梗がどれほど兄にべったり懐いているか、葵はよく知っていたからだ。
 それだけに不可解でならない。あくまで稽古だと主張してはいるが、まるで人変わりでもしたかのような――又十郎に対して桔梗が示す、その凶暴性が。
 そしてもう一つ。
 桔梗が何故これほどまでに自分を憎むのか、ということだ。

 楯山藩筆頭家老たる大杉忠兵衛の末娘・葵が、新谷又十郎の許婚(いいなずけ)となったのは、三年前の夏だった。
 ある日いきなり結婚せよと命じられ、初めて会った男の下に嫁ぎ、人生を全うする。それが当時の武家社会における一般的な婚姻である。無論、例外はある。だが少なくとも、その当時の常識に、自由恋愛の延長としての結婚など存在しなかった。
 しかし幸運なことに、葵はその日初めて会った又十郎に好印象を持った。
 まあ、自分と同世代の若者と言えば、秀才を鼻にかける嫌味な兄しか知らなかった葵が、剣術道場の御曹司たる又十郎に興味を持ったのは、ある意味当然と言えたかもしれない。
 それから幾度か、葵は新谷家に出入りする機会があった。
 いかに縁談がまとまったとはいえ、仮にも筆頭家老の娘である。新谷家で彼女を歓待せぬわけが無かった。常に宴会というわけでもないが、源左衛門も又十郎も、この可憐な未来の嫁を笑って出迎えたものだ。
 だが、――この桔梗だけが一人、葵に怜悧な視線を向けていた。

85桔梗の剣:2009/07/14(火) 03:46:17

 葵が結婚前に桔梗と会ったのは、わずか一度しかない。桔梗はつとめて、この未来の兄嫁の前に顔を出さなかったからだ。だが、そのときの桔梗の様子を、強烈な印象とともに葵は記憶していた。
(この子は何故、ワタクシをこんな眼で見るのかしら)
 当時の葵が理解できなかったのも無理はないだろう。歴然たる権門の令嬢として大杉家に育った彼女に、そういう負の感情をまともにぶつけてくるような人間は皆無だったのだから。

 しかし葵は、桔梗が自分に向ける感情の正体を深く考える事は無かった。
 どうせいつか桔梗も嫁に行く。
 自分が新谷家に嫁ぐように、桔梗もいずれ他家に嫁いで、この新谷家からいなくなる人間なのだ。そんな女が何を考え何を思っていようが知った事ではない。そうタカをくくっていたのだ。
 そして実際、婚約成立からいくらもせぬうちに、桔梗は新谷家から他家に輿入れしていった。
――それが三年前だ。
(せいせいした)
 と、その当時の葵が思わなかったと言えば、さすがに嘘に近い。
 だが、自分たちの祝言からわずか数日と経たぬうちに、桔梗は帰ってきた……。

 無論、葵はもう知っている。
 まるで侵入者どころか侵略者を見るような、あの眼光。――その正体が純然たる敵意である事を。
(でも、どうしてなの……?)
 葵には分からない。自分が桔梗に憎まれねばならない理由が。
 この不可解な出戻り義妹が又十郎に見せる無邪気な仔猫のような表情は、その首の角度が葵に向けられるや、途端に真っ白な能面に切り替わる。そして、その眼光は能面から程遠い鋭利なものだった。
 彼女は一体、自分に何を怒っているのか。
 彼女は一体、自分に何をして欲しいのか。
 今もなお、それは判然としないままだ。

―――――


 又十郎はまだ意識を取り戻さない。
 まるで死体のように引きずられる兄の体重を感じながら、妹は笑っていた。
 彼女が普段、両親に向けている無邪気な笑顔とはまるで別人のような暗い笑みではあったが、それでも桔梗の胸が万感の愉悦に満たされている事は一瞥で見て取れるだろう。
――その笑みを周囲で見ている者があれば、だが。

 楯山藩剣術指南役・新谷家の屋敷はそれほど広大なものではない。幾らも進まぬうちに桔梗は兄の部屋に辿り着く。桔梗は、兄を起こさぬように注意しながら畳に横たえると、行灯に火を灯し、押入れから布団を敷いた。
 彼女の薄笑いは、いまだ口元に張り付いたままだ。
(あの女、真っ青になって怯えてた……)
(桔梗の一睨みで、馬鹿みたいに震えてた……)
 その事実は、桔梗にとって骨が鳴るほどに喜ばしいものだった。
 布団を敷き終えると、そこに又十郎を寝かせ、いまだ半失神状態の兄の顔を見つめた。

――やっぱり、随分と腕を上げたんだね、お兄様。

 今更ながらに、彼女はそう実感する。
 その事実は、桔梗にとっては先程までの暗い愉悦の比ではない、純粋な喜びだった。


 かつて天才と呼ばれた頃の桔梗にとっては、兄としての又十郎はともかく、剣士としての彼など、それこそ歯牙にもかけない相手でしかなかった。実際に試合をしても、一本打ち込むのにさほど労力を要した記憶は無い。
 過去の兄妹の間には、それほど歴然たる技量の差があった。
 それに桔梗は、それほど自分の腕が落ちたとは思ってはいなかった。
 無論、道場で無敗を誇っていた往時に比べれば稽古不足は否めない。
 だが桔梗は、道場から足を遠ざけても、実はこっそり夜間に素振りや打ち込みなどをして、気晴らしをしていたのだ。それはかつての婚家でも変わらない。むしろ新谷家にいた頃よりも個人稽古に身を入れていたといっても過言ではない。
 つまり桔梗としては、それほどまでに結婚生活に不満を抱いていたという証明なのだが、それでも結果として、己の剣速の伸びに、さほどの衰えがないことは確認済みだった。

86桔梗の剣:2009/07/14(火) 03:48:06

 だが、それがいまやどうだ。
 この三年の間に、兄はおそろしく強くなっていた。
 二ヶ月前、稽古後に久し振りに二人きりで立ち会った時、桔梗は密かに瞠目したものだ。
 あの時、桔梗は確実に本気の剣を振るっていた。
 にもかかわらず、それでも過去のように一撃で勝負を決められなかった。十数合打ち合わねば有効打を放てなかった。三年ぶりの仕合稽古という前提条件を差し引いても、それでも桔梗にとってそれは驚嘆すべき現実だったのだ。

――そして、それは今もそうだ。
 その二ヶ月前から比較しても、兄のしぶとさ・粘り強さは着実に上がっている。
 たとえば今日の仕合ならば、自分がかつて得意とした突き技を躱され、思わず二の突きを出さずにいられなかった。これがどういう事かは、もはや明白だ。
(強くなってる……お兄様は、まだこれからも強くなれるんだ……ッッ)
 まだまだ桔梗と互角に渡り合えるほどの腕ではないにしろだ。
 その事実に、彼女は身が震えるような深い感動を覚える。
 
 桔梗が剣から身を置いた事実に対して、兄が負い目を感じている事を彼女は知っている。また、桔梗の嫁入りの日から、彼が凄まじいまでの修行に明け暮れていた事も、そして新たに身に付けた実力によって父から免許皆伝を許された事も、彼女は知っている。
 又十郎は本来、剣客には向かない性格の男なのだ。
 一介の武芸者として生きるには、優しすぎる男なのだ。
 彼を飛躍させる事になった「荒行」にしても、元をただせば桔梗に対する罪悪感こそが、兄を追い立てた結果であり、その罪悪感とは即ち、自分に対する兄のズレた優しさの発露でしかない。
 桔梗は、そんな優しすぎる兄が大好きだった。
 剣に対する未練が無かったとはさすがに言えない。つらかったのは事実だ。だが、それでも自分の存在が兄の家督継承の妨げになるならば、もはや彼女にとっても何も言うべき言葉はない。兄のためならば、自分は喜んで身を引こう。
――彼女はそう思っていたのだ。
 
 だから桔梗は、父の用意した縁談を受諾し、この家を――兄のもとを去った。
 又十郎を廃嫡し、婿を取って新谷家に血を残せという――その命令がいかに非常識なものであったかはともかく――源左衛門の言葉に逆らった以上、新谷家に自分が居座り続けることは、すなわち兄の居場所を奪う結果を招くことになる。
 そう思ったからだ。
 そして桔梗は、失意のままに見知らぬ男と結婚し、その男の妻として三年間、耐えた。「耐えた」という言葉が当て嵌まるほどに、その結婚生活は桔梗にとって苦痛に満ちたものであったのだ。
 だが、又十郎がようやく三年越しの婚約期間にケリをつけ、祝言を挙げたと噂を聞き、彼女の忍耐は限界を超えた。
 気がつけば桔梗は、夫に剣を突きつけ、
「去り状を書け」
 と命令していた……。

87桔梗の剣:2009/07/14(火) 03:49:56

 自分が愚かな行動をしている事は分かっている。
 こんなことをしていても何もならない。
 だが、桔梗はどうしても我慢できなかった。
 兄の傍らに葵が――いや、自分以外の女がいるという現実に、桔梗は耐えられなかったのだ。
 桔梗も三年間、人妻として過ごした女だ。夫婦となった一組の男女がいったい何をするのか、当然知っている。そして知っている以上、彼女の苛立ちが収まることは無い。

 桔梗の大好きな兄が、自分以外の女を妻として愛している。
 桔梗の大好きな兄が、自分以外の女を妻として抱いている。

 その現実こそが、桔梗の神経を何よりも苛立たせるのだ。
 だから、その現実が改変されない限り、彼女の心が安らぐ事はない。
 しかし、だからと言って、桔梗には何をどうする事も出来ないのだ。
 葵が気に食わないから離縁すべし、などと非常識なことを兄に対して言えるわけも無い。
 稽古に顔を出し、兄をぶちのめしたのは、そんなどうしようもない、やり場の無い怒りを直接本人にぶつけてやりたかったからだ。
 無論、そんな手酷い悪戯は、その日限りにするつもりだった。
 だが、道場の床に横たわって泥のように喘ぐ兄を見て、桔梗は考えを変えた。
 
 又十郎が兄である以上、そして桔梗が妹である以上、妹が兄に女として認めてもらう事など絶対に不可能だ。
 ならばどうする。
 取るべき道は一つしかない。
 女として兄の隣に立つことを許されないならば、剣士として隣に並び立つしかない。いかに葵が、公的に認められた又十郎の妻女であるとはいえ、剣の世界にまで葵が侵入してくる事はまずありえない。しょせん葵はただの女でしかないからだ。
 しかも兄はただの侍ではない。剣術指南役――楯山藩三万石の明日の剣壇を担う男なのだ。いざとなればすべてに剣を優先せざるを得ない立場にある者なのだ。結果として又十郎のわざが向上するなら、誰も桔梗の行動に文句をつけることは出来ない。

 とりあえずは兄を鍛えると同時に自分を鍛える事だ。
 桔梗は、眠り続ける兄の頬をそっと撫でた。
 在り得ないとは思うが、もしも兄が剣技に於いて自分を凌ぐことがあれば、桔梗の存在価値は皆無となる。そのためには桔梗自身の腕も常に向上させねばならない。
 桔梗は静かに立ち上がると、ふたたび道場に向かって歩き出した。

88名無しさんが妄想します:2009/07/14(火) 03:52:41
以上で終了です。
どうか宜しくお願いします。

8979-88:2009/07/16(木) 03:05:04
すみません
まことに勝手ながら個人的事情により依頼を取り下げます

90名無しさんが妄想します:2009/07/16(木) 19:54:30
代理投下をお願いいたします

投下場所
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1237993984/l50
二次元キャラを牧場で飼い慣らす妄想スレ 第7牧場

投下内容↓

どっとうpろだ
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org243832.lzh.html
パス 575
祝福の紙芝居・カンパネ牧場凌辱絵巻

>元絵作ってくれた方
「差分絵が…」と言ったのは、別に催促したわけじゃなかったんだ
自分がこのゲーム持ってたら吸尻鬼副会長やフリーズドライのときのような
エロゲのイベントシーンチックにまた紙芝居ができるなぁと思っただけで



だけどせっかく貰ったから作ってみた
梅田のヨドバシで期間限定ワゴンセールでカンパネと水平マイルとフェアリーライフが
どれも新品1000円だったから
…双子以外はいつもの風車だったな
ムービーとかはかなり力入ってたんだけど

前に作ったやつが欲しいという奇特な方↓
何個か抜けてると思うけど
ttp://www1.axfc.net/uploader/He/so/116527.lzh&key=mesu キャベツ調教レポート
ttp://www1.axfc.net/uploader/Li/so/12774.lzh&key=575 オーガスト凌辱祭り1日目
ttp://www1.axfc.net/uploader/He/so/128800.lzh&key=riisu リースSS
ttp://www1.axfc.net/uploader/Ne/so/30267&key=mesutiku ver2.00
ttp://www3.axfc.net/uploader/N/so/59746.lzh&key=8gatu オーガスト凌辱祭2日目
ttp://www1.axfc.net/uploader/He/so/145970.jpg&key=kagura
ttp://www1.axfc.net/uploader/He/so/146448.jpg&key=kan
ttp://www1.axfc.net/uploader/He/so/147174.jpg&key=rika
ttp://www1.axfc.net/uploader/He/so/148661.jpg&key=mai
ttp://www1.axfc.net/uploader/He/so/148663&key=haruhi
ttp://www3.axfc.net/uploader/N/so/62590.lzh&key=575 eraキャベツ
ttp://www1.axfc.net/uploader/He/so/176249.jpg&key=maikoon 
ttp://www1.axfc.net/uploader/He/so/176854.jpg&key=chihiro 
ttp://www1.axfc.net/uploader/He/so/180851.lzh ef 
ttp://www1.axfc.net/uploader/He/so/198194.jpg&key=akemc エステル 
ttp://www1.axfc.net/uploader/He/so/198195.jpg&key=akemc 麻衣 
ttp://www1.axfc.net/uploader/He/so/198196.jpg&key=akemc 天神爛漫 
ttp://www1.axfc.net/uploader/He/so/203021.lzh カンパネラ  パス 575
パスはURLのケツに付いてる「&key=」の右側
斧にUPったのはまだほとんど生きてた


ちなみにまだ鯖寄生中
調べてみたら7/20にうちのサバは解除されるらしい
つーか、したらばにスレ移行とかできんもんかと
どっとうpろだは直ぐに流れちゃうから
転載・UPしなおしなどは自由に行って下され

なんか斧にUPしようとすると赤字で著作権がどうとか猥褻物がどうとか
忠告文みたいなのが出てくるんだけど…
メーカーに8月凌辱祭を密告されたんだろうか
凌辱祭3日目やっても大丈夫かいな
他に息の長いローダーがあれば、そっちにUPするので
いいとこあったら教えてほしい


↑ここまで

メ欄 sage

ご面倒をおかけしますが、お願いいたします

91名無しさんが妄想します:2009/07/17(金) 19:11:23
>90
代行しました。

92名無しさんが妄想します:2009/07/17(金) 19:46:42
>>91
ありがとうございました……なんですが
なんかもうファイルが流れてしまっているみたいで
だからもう一回
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1237993984/l50
二次元キャラを牧場で飼い慣らす妄想スレ 第7牧場
に↓の張り付けをお願いします

斧アップローダー
ttp://www1.axfc.net/uploader/H/so/81459
H_81459.lzh
パス 575


よろしくおねがいします

9391:2009/07/18(土) 15:34:32
>92
該当スレの>>567に貼り付けされているのを確認したため、代行を留保中です。

P.S
当方のミスで流れているのを確認せず代行したのを深くお詫びしますm(_ _)m

94名無しさんが妄想します:2009/07/19(日) 05:58:06
>93
大丈夫です
誰かが貼ってくれたみたい
みんな、ありがとうよ…

95名無しさんが妄想します:2009/07/22(水) 02:12:11


96名無しさんが妄想します:2009/07/26(日) 19:24:14
とりあえず保守しましょう
いやしかしこのスレは助かるね

97名無しさんが妄想します:2009/08/06(木) 20:40:44
補習

98ソースはこのスレの>>36-37の日付を参照:2009/08/07(金) 19:46:41
管理人さんが不在?とはいえ、
この板はしたらばだから2ちゃんやPinkの要領で頻繁に保守しないでも墜ちないと思うよ。

99名無しさんが妄想します:2009/08/20(木) 09:13:00
誰かいる?

100名無しさんが妄想します:2009/08/20(木) 15:06:05
誰もいない

101名無しさんが妄想します:2009/08/21(金) 11:52:13
いるじゃないのさ

102名無しさんが妄想します:2009/08/24(月) 04:07:47
いるいる

103名無しさんが妄想します:2009/08/24(月) 13:59:45
いるいる詐欺?

104名無しさんが妄想します:2009/08/30(日) 14:15:54
おまいら、いるんなら選挙いってこいよな。

105名無しさんが妄想します:2009/09/15(火) 16:48:01
行ってきたもん!

106名無しさんが妄想します:2009/09/15(火) 23:21:16
おらも行ってきたが、結局日本はのっとられそうだなww
まあ、国民が選んだ結果だから仕方ない。

107名無しさんが妄想します:2009/09/22(火) 19:03:16
すみません、こちらに投下お願いいたします。
★ジョジョの奇妙な冒険のエロ小説 第7部★
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1237813054/l50

豪快なエンジン音とともにリンカーンが正面玄関の前へと止まった。
奇妙なことに運転席には誰も乗っていない。
スモークのかかった後部座席が開くと青いスーツをまとった
一人の美女が降り立った。
けだるく立っていた二人の護衛の周りに艶かしいオーラが立ちこめる。
細身の身体とは裏腹なスーツを盛り上げる豊かな巨乳が醸す
開いた胸元の谷間に視線を奪われる護衛を尻目に
建物の中へと進む美女。
護衛たちはその歩みに合わせて揺れる胸から
慌てて視線を引き剥がし立ち塞がった。
「お、おうおう、何だ、ねーちゃんっ…。」
護衛たちは自分達には目もくれないこの生意気な美女にカチンときて
とげとげしい態度だ。
そんな威嚇するような護衛たちの態度にも涼しい顔で言い放つ。
「聞いてないの…?ミドラーよ、今日、この時間の約束。」
「え、あ…あんたが、ミドラー、さん…?」
護衛が聞いていたのは腕利きの殺し屋、という情報だけだ。
どんなごつい男かと思ったら……

108名無しさんが妄想します:2009/09/22(火) 19:03:44
「よく来てくれた。」
「いいわ。わざわざ呼びつけるんだから、シゴト、でしょ…?」
「そうだ、仕事を依頼したい。」
「あたしに頼む、ってことは当然…」
「もちろん、スタンド使い、絡みだ」
ミドラーの形のよい眉がピクリ、と動く。
「某所に匿われてる男を拉致してきてほしい。
ちょっと頼みたいことがあってね…。」
「拉致…?コロシ、じゃなくて…?」
ミニのスーツから伸びる長く引き締まった脚を組んで
ミドラーは聞き返した。
男は思わずその美脚に目をやりそうになるのをこらえて話をつづけようとする。
何度妄想の中で高慢なこの女を屈服させ陵辱しレイプしただろう。
もちろん現実にそんなことはできない。
裏社会では知られた存在のこの男も所詮はただの人間だ。
強引にこのミドラーにそんなことをしようとすれば数秒で切り刻まれ、
肉の塊にされてしまうだろう。
ゴホン、と男はわざとらしく咳払いを挟んだ。
「殺さずにここまで連れてきて欲しい。」
ミドラーの大きな瞳に疑問の色がちらつくのを見てとって男は苦笑した。
「心配しなくていい、その男はスタンド使いじゃない。
その点は大丈夫。サーファーを名乗っているんだがね。
つまらない男、さ。
ただ、そいつが女房と一緒に犯罪をおかしてね。
そいつはつまらん男だが女房のほうは元アイドルだ、いい金づるになる…。」
「だから?」
「だから、その男に全て罪をかぶってもらう。
裁判でそう証言させる。
すると女房は無罪放免、ってわけだ。
うちの傘下の芸能プロから再デビュー、たっぷり稼いでもらう、ってわけだ。」
「ふーん。」
たっぷりと濡れた唇、そそり立つ睫。
興味なさげにしていた美貌に目の鋭さが宿ったのは次の言葉だった。
「ただその男の護衛がスタンド使いだそうだ。」

109名無しさんが妄想します:2009/09/22(火) 19:04:08
詰所の男は思わず目を疑った。
目を丸くしたまま微動だにできなかった。
夜の闇にも鮮やかな踊り子のような美女。
滑らかな線を描くバストは柔らかそうに詰所の電灯を受けて白く光る。
わずかに乳首とそのまわりを星の胸飾りで隠しただけで
乳白色の乳房の大部分を露出させている。
「ハァイっ…」
軽く手を振る、そんな仕草にも柔らかく震える胸に
男は完全に視線を奪われた。
下品な笑みを浮かべながら慌てて詰所を飛び出した男。
ミドラーの切れ長の瞳に侮蔑の表情が浮かぶ。
後頭部にフライパンが浮かび上がり無情にも振り下ろされると
薄笑いのままの表情で男は気を失った。
中の機械を操作して門を開けるとゆっくりと様子を伺うように
邸内へと入り込んだ。
秋の夜中の冷気がミドラーの肌を刺す。
いい感じの緊張感を保っているようだ。
薄暗く何も見えないが人の気配はない。
流れるように門から中庭を経て建物へと向かう。
防音クッションの入ったサンダルは彼女の足音を見事に消している。
しばらく建物の周りを歩くとサーファーの部屋へと続く渡り廊下の
上部の窓ガラスを発見する。
「やっぱり事前の情報どおり、そう警備は固くない…ようね。
あそこか…ふふっ。」
妖艶に笑うと目の前に鉄の梯子が出現する。
器用に登ると窓の手すりにつかまりぶら下がる。
ミドラーは身体を華奢だが身のこなしは軽く、
バネのある高い身体能力を持つ。
今まで脚をかけていた梯子は見る見ると鉄の鍵へと変化し
窓にかかっている鍵が音もなく開く。
その手馴れた仕草で物音一つたてずこなしていく。
あらためて窓から渡り廊下を見ると
明かりは付いているが人の気配はない。
窓ガラスを開け美体を中へと滑らせた。
黄色い頭布が夜の闇を切り裂くように翻る。
「ふぅ…さて、と…それにしてもスタンド使い、
の護衛はいないみたいねぇ…」
ミドラーは廊下の突き当りにある花瓶の飾られたところに立った。
大きな鏡が据えられている。
左手には木製の扉、この中にサーファーがいるはず。
シゴトの内容からしてオオゴトになってはいけない。
サーファーに騒がれたりしては面倒だ。
いざとなったら色仕掛けをつかってでも黙らせて拉致しなければならない。
鏡の中の自分を見つめた。
そこに映るのは極上の美女。
引き締まった細身の身体に、対照的に天を衝く豊かな巨乳。
ヴェールに包まれた美貌は気の強さを表しながらも整っている。
サービス精神旺盛なその服装は自分の肉体への絶対的な自信の表れだ。
「さて…いくわよッ!」
鏡の中の自分に気合を込める。
ちょっとした違和感を感じながらも身体の向きを扉のほうへと変える。
…しかし違和感はやはり拭えない。
「何か…いるッ…?」
改めて鏡を見据えると視線を落とす。

110名無しさんが妄想します:2009/09/22(火) 19:04:30
自分の白くて長い脚、そしてその奥にある暗がり…。
「何かいるッ!」
バッと向き直り暗闇を凝視する。
誰もいない…。
「バカバカしいわッ…疲れてるのかしら…
でも…確かに…鏡に…」
首を振った。
プルプルと乳が小刻みに震える。
「何を言ってるの…あたしは、鏡の中だけに人がいるわけないわッ…
ファンタジーやメルヘンじゃないんだからッ!
大体そんなこと言ってる場合じゃないッ!」
スタンドを鍵に変化させると扉を開けて勢いよく蹴って扉を開けた。
「あんたね…?自称サーファー…ッ!」
ニヤニヤとした笑みを浮かべて男はソファーに腰を沈めている。
突如現れた美女に険を含みながらも舐めまわすような視線を浴びせる。
「誰……??」
「あたしの名はミドラー。
でもあたしが誰か、なんてどうでもいいわ…
あんたはあたしと一緒に来てもらうッ…
そして裁判で証言してもらうわッ!
妻にクスリを勧めたのは自分だ、
自分が妻にクスリを無理やり飲ましたんだ、
妻は悪くない、そう証言してもらうわッ!」
「わかった。」
男があっさり立ち上がるとミドラーは思わずずっこけそうになった。
(何を考えているの…?こいつッ…)
いきなり侵入者が来て、ついて来い、裁判で不利な証言をしろ…
誰だってそんなこと言われたら逆上するか、混乱して動けなくなるか。
それなのにこの男はあっさりと自分の命令にあっさりと服従している。
まるでわけがわからない…。
(ヤクをヤリすぎて完全にイッちゃってるの?それとも…)
「おっと、行く前に、だッ!」
「何ッ!?」
ミドラーは警戒するが男は無邪気に
手をテーブルの上のフルーツの盛り合わせに伸ばした。
そしてチェリーを摘まみ上がる。
「これが大好物なんだ
腹がすいてしょーがねーぜッ!」
舌の上で弄ぶサーファー。
その不敵な態度にカチンと来て、ミドラーはその手をひねり上げるように捻った。
「あんたッ!舐めてんのッ!」
「別に舐めてないぜッ…へへへっ」
そのまま手をひきずるように掴んだまま出口に進もうとした刹那。
サーファーの手が伸びてミドラーのバストを撫でる。
形を生々しいほどに見せる乳房がユサっと重たく揺れる。
「じょうだん!ハハハハ!」
ミドラーの美しい眉が寄る。
「……ッ!」
「また!なにバカづらして睨んでるんだよ
ミドラー先輩!
冗談だって言ってるでしょうが!」
「あんたッ…後でぶっ殺すからね…」
殺意が湧いたが、生きて連れてくる、という依頼を思い出し
なんとか鎮める。

111名無しさんが妄想します:2009/09/22(火) 19:04:49
「なんか言ったか?」
こんなところで揉めている暇はない。
「なんでもないわ、とにかく早く来てッ!」
来た道を戻ろうと部屋のドアに手をかけた。
来るときは自分一人だったから身軽だったが、
帰りはこの男を連れて行かなければいけない。
面倒には違いない。
ミドラーは内心舌打ちをして自分が手をかけたドアに目をやる。
ドアノブ、そしてそれを覆う自分の手、ノブの周りの金具…
ミドラーはピクリと気配を感じ振り返った。
サーファーが好色に満ちた視線を送り続けている。
今もミドラーの真っ白い背中や脚を堪能していたのだろう。
(違うわ、こいつじゃないッ…)
金具に映った男はこいつじゃない。
もっと別のところ。
(上ッ!?…違う…)
見上げるが電灯と無機質なコンクリートの壁。
誰もいない。
むきだしの素肌に冷や汗が走る。
(おかしくなりそう…どういうこと?鏡の世界なんて、本当にあるの…?)
険しい顔で金具をふたたび凝視すると全身にターバンを
纏った男がゆったりとこちらに向けて近づいてきている。
「何が…起こってるのッ!?」
振り向くがそこにはそんな男はいない。
サーファーが相変わらずの視線でいるだけだ。
「ッ!?」
張り付いているような胸飾りの上から撫でるような感触。
そして一方では腰布がめくり上げられ奥へと侵入するような感触。
下半身に侵入しようとする指を拒絶するように太ももを強く閉じて金具を見ると
ターバンの男はそこに映った自分にまとわりつき
さきほど手の感触を感じた部分に手を伸ばしている。
「うわぁぁぁああッ!ハイプリエステスッ!!」
金具に取り付いたスタンドがのこぎりに変わると金具をバラバラに斬り飛ばす。
するとミドラーの身体を襲っていた不快な感触は消えた。
(ハァ…ハァー…なんかやばいわッ)
「いい、あんた!今すぐここを出るわよッ!」
サーファーの手を強く引き扉を押し開け渡り廊下へと出ようとした瞬間。
ひかれた拍子であるかのように後ろから覆いかぶさってくるサーファー。
「きゃッ!?」
「おおっと あぶない!」
突然のことでスタンドで防ぐこともできず押し倒される格好になるミドラー。
後ろ向きの格好でむき出しの背中に男の体重を感じている。
「いたたたッ…ほら、どきなッ!」
「………」
「大人しくどきなッ!」
サーファーは無言のまま真っ白い太ももに指を伸ばしてくる。
そしてこね回すような仕草で胸へと掌を伸ばす。
「やれやれだわッ!ハイプリエステス!」
男にも視認できるように金槌に具現化させると額に叩きつけた。
死にはしない。
…はずだったが……。
その打撃でサーファーの額が両側に裂けそれにあわせて頭皮も両側に裂けたのだ。
(強くやりすぎたッ?まさか、そんなッ…)

112名無しさんが妄想します:2009/09/22(火) 19:05:07
しかも驚くべきことにそんな状態の男は平然としている。
「痛ぇッ!痛ぇえええッ!
冗談が通じねぇのか!」
「バカなッ!」
ねじるような格好で見上げていたミドラーは唖然としながらも
スタンドをボーリング玉に変え男の即頭部に叩きつけた。
「ぐぇえええ!」
情けない悲鳴上げて吹っ飛ぶ男。
態勢を変えてしゃがみこむような格好まで持ち直し
吹っ飛んだ先に倒れるサーファーを確認する。
「ふんッ。
!?う ううっ うー…!?」
すると、突如首に拘束を感じる。
そして真っ白い首に、そして背中に這う生暖かい気味の悪い感触。
「きゃッ!?」
さすがにミドラーを耐えられず悲鳴をあげながら
鳥肌を立たせた。
あわてて背中に手を伸ばすがそこには何もない。
(鏡の男、だわッ!)
そして自分の身体に誰かが密着する感覚。
そして肩と太ももとに指が這い、そしてさらに…奥へと進む。
思わぬ敵襲にミドラーの吐息は荒い。
(ハッ!)
渡り廊下にある鏡、一番最初にこの男の存在を確認したその鏡。
視線を送ると案の定ターバンがしゃがみこんだ自分に抱きつき
自分が感じている部分に手を這わせている。
「くらいなぁッ!!」
ガシャーーーン
鏡に銛を打ち込むと粉々に砕け散った。
気味の悪い感触はひとまず消えた。
しかしこれではあのスタンドを倒したことにはなっていない。
(クククク…)
不気味な笑い声が聞こえたような気がした。
一方では倒れこんだサーファーが起き上がった。
額から上が裂け側頭部には衝撃を受けて大きく顔が歪んでいる。
そしてそのサーファーの変わり果てた顔が飛び散った。
そしてその中にあるもう一つの顔。
「これがオレの本体のハンサム顔だッ!」
「何がハンサム顔よッ!」
ミドラーは素早く立ち上がり、そして間髪いれずに襲いかかるハイプリエステス。
男の首を掻っ切ろうとした瞬間にそこを黄色いゴムのようなものが覆い
攻撃が弾かれた。
「俺のスタンド、『イエローテンパランス』に弱点はない!」
(くっ…まずいわッ)
床の砕け散った鏡を見る。
この中のどこかにあいつはいる…。
全身に虫酸が走るような思いがする。
二対一、その上相手は両方とも凄腕。

113名無しさんが妄想します:2009/09/22(火) 19:07:41
しかも驚くべきことにそんな状態の男は平然としている。
「痛ぇッ!痛ぇえええッ!
冗談が通じねぇのか!」
「バカなッ!」
ねじるような格好で見上げていたミドラーは唖然としながらも
スタンドをボーリング玉に変え男の即頭部に叩きつけた。
「ぐぇえええ!」
情けない悲鳴上げて吹っ飛ぶ男。
態勢を変えてしゃがみこむような格好まで持ち直し
吹っ飛んだ先に倒れるサーファーを確認する。
「ふんッ。
!?う ううっ うー…!?」
すると、突如首に拘束を感じる。
そして真っ白い首に、そして背中に這う生暖かい気味の悪い感触。
「きゃッ!?」
さすがにミドラーを耐えられず悲鳴をあげながら
鳥肌を立たせた。
あわてて背中に手を伸ばすがそこには何もない。
(鏡の男、だわッ!)
そして自分の身体に誰かが密着する感覚。
そして肩と太ももとに指が這い、そしてさらに…奥へと進む。
思わぬ敵襲にミドラーの吐息は荒い。
(ハッ!)
渡り廊下にある鏡、一番最初にこの男の存在を確認したその鏡。
視線を送ると案の定ターバンがしゃがみこんだ自分に抱きつき
自分が感じている部分に手を這わせている。
「くらいなぁッ!!」
ガシャーーーン
鏡に銛を打ち込むと粉々に砕け散った。
気味の悪い感触はひとまず消えた。
しかしこれではあのスタンドを倒したことにはなっていない。
(クククク…)
不気味な笑い声が聞こえたような気がした。
一方では倒れこんだサーファーが起き上がった。
額から上が裂け側頭部には衝撃を受けて大きく顔が歪んでいる。
そしてそのサーファーの変わり果てた顔が飛び散った。
そしてその中にあるもう一つの顔。
「これがオレの本体のハンサム顔だッ!」
「何がハンサム顔よッ!」
ミドラーは素早く立ち上がり、そして間髪いれずに襲いかかるハイプリエステス。
男の首を掻っ切ろうとした瞬間にそこを黄色いゴムのようなものが覆い
攻撃が弾かれた。
「俺のスタンド、『イエローテンパランス』に弱点はない!」
(くっ…まずいわッ)
床の砕け散った鏡を見る。
この中のどこかにあいつはいる…。
全身に虫酸が走るような思いがする。
二対一、その上相手は両方とも凄腕。

114名無しさんが妄想します:2009/09/22(火) 19:08:00
(ここはひとまず…)
自分が開けて入ってきた窓へと近づく。
「どうする気だ…へへへ、可愛がってやるからこっちこいよ、オラっ」
「ハイプリエステス!」
スタンドがそのままテンパランスへと襲いかかる。
「弱点はないといっとるだろーがーッ!」
肉の前に弾かれるとその衝撃をこらえることはせず
そのまま反動を利用してミドラーは窓から身体を躍らせた。
華奢な美体が宙を舞う様はダンスのように美しい。
「む…やるな…」
なんとか空中で態勢を立て直し邸外へと出ると舌打ちを一つ挟んでから
裏門へと向かった。
夜の闇の中でも目立つあまりに白すぎる肌の女が走り去る様を見下ろしながら
テンパランスは呟いた。
「逃がしたか!…いや…」

裏門をハイプリエステスの鍵で開けるとそこは細い路地だった。
夜気の寒さが肌を刺す。
ミドラーは鏡の男の襲撃に備えてスタンドを常時周囲に旋回させる。
スタンドで車を作ると攻撃や防御にスタンドが使えないため
タクシーを拾おうとしていると、一台が通りかかった。
呼び止めて乗り込み、ホテルの名を告げる。
すると、ふとミドラーは妙なことに気付いた。
それは車のハンドルに据えられた手。
右手はお馴染みの通り左から親指、人差し指、中指、薬指、小指。
しかしその手の左にある手も同じ並びなのだ。
ミドラーの視線に気付いたのか、男は口を開いた。
「気にしないでくだせぇ、お嬢さん。
若いころにちょっと色々ありましてね…」
「ふーん、まぁいいわ、それより、飛ばして!」
「へい…」
車はゆっくりと動き始めた…。

【続く?】

115名無しさんが妄想します:2009/09/25(金) 03:33:58
o

116名無しさんが妄想します:2009/10/22(木) 21:59:50
巻き添え規制を食らってしまったため、投下不可能になってしまいました。
どなたか代理投下お願いいたします。

投下スレ
ファルコムでエロ小説PartⅥ
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1253185842/

投下内容
ttp://www1.axfc.net/uploader/Sc/so/48110
パス
zwei2

名前欄
アルウェンRPG 03.金闇の森編

でよろしくお願いいたします。
面倒をかけてしまうと思いますが、よろしくお願いいたします。

117名無しさんが妄想します:2009/10/23(金) 22:35:41
代行しようかと思ったら消えてる……再うpして頂ければ代行しまふ

118エロ餓鬼:2009/10/25(日) 17:26:37
どなたか↓のスレに代理投下お願いします。

卓上ゲームエロパロ総合スレ32
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1254098396/

119「その時チャイカは」4/1:2009/10/25(日) 17:27:54

ビキニアーマーエプロン+ブルーリボンという格好で、調教部屋につれこまれたチャイカを待っていたのは、大きな宝箱だった。
「な、なんですの?」
チャイカの疑問に答えるようにラフランスが指を鳴らすと、お付の楽隊が妖しげな音楽を奏で始める。

それに呼応して、宝箱が独りでに開き始める。
中から現れたのは、長く伸びた黒髪に褐色の柔らかそうな肌、男なら思わず唾を飲み込むような巨大な乳房を持った美女だった。
妖艶に微笑む彼女の体をわずかに隠すのは、金属製の幾つかの装飾品のみ。
ただし、その下半身は箱の奥の不気味な肉塊と繋がっている。

「彼女が君のインストラクターを勤める箱入り娘のイシュター君だ。では早速授業を頼むよ」
「わたたたくし、そおいふことはぁっ」
快活に笑うラフランスに抗議しょうとしたチャイカだが、いきなり箱入り娘に抱きつかれてあまつさえ口内に舌を入れられてしまい、涙目になって必死で相手を突き飛ばす。
箱が倒れ、箱入り娘の体が床にぶつかる。

「いったぁ〜」
石畳に肩を打ち付けて大袈裟に痛がる箱入り娘を見てチャイカの心に罪悪感が不自然なほど湧き上がる。
(なんで、こんな気持ちに……悪いのは、向こうじゃありませんのっ!)
「痕ができちゃうかも。ねぇ、消毒して、ツバつけとけば治るから♪」
そういいながら、傷一つない褐色の肌を差し出す箱入り娘に対してチャイカは、何かと戦い、葛藤し……

(そう、わたくしのせいなんですから、消毒してさしあげませんと)
不自然に思考が捻じ曲げられたことに気づかないまま、犬のように身をかがめて倒れたままの褐色の肌に小さな舌を這わす。
ピチャピチャと湿った音が響き、唾液で濡れた箱入り娘の褐色の肌がよりいっそう妖しい魅力を発揮する。

「ふふ、ありがと♪ お礼にチャイカの体を舐め舐めしてあげるから脱いで♪ 一枚一枚ゆっくりとだよ♪」
あきらかに異常な提案。
だが、
(服を脱ぐだなんて、ですが、イシュターさんは好意でおっしゃっているんですしお断りしてはいけませんよね)

手がゆっくりと、ブルーリボンを足から外す。
(なんでわたくし、こんなことを殿方の前でこれ以上は)
ビキニアーマーに手をかけたまま躊躇するチャイカだが、
「ほらほら、ゆっくりはいいけど、とまっちゃダメだよ♪」
箱入り娘の声に促され、エプロンだけをまとった格好になる。
(スースーしますわ。は、恥ずかしい)
「じゃあ、最後。いってみよう♪」
(恥ずかしい、恥ずかしい、恥ずかしいですわ)
白い肌を羞恥で赤く染め、しかし歪められた思考は箱入り娘に言われるままの行動をとるよう体に命令する。
左手で、はだけてしまわないよう抑えながら、エプロンの紐を右手で解く。
そのまま、はずれたエプロンをバスタオルのようにして、チャイカは自らの裸身を隠す、最後の砦を守ろうとするチャイカの意思は、しかしまたしいても箱入り娘の一言で崩れて消えることとなる。

120「その時チャイカは」4/2:2009/10/25(日) 17:28:52

「じゃあ、舐め舐めするから気おつけして動いちゃやーよ♪」
命じられるままにチャイカの体が動き、体を覆っていたエプロンがハラリと床に落ちた。

羞恥に震える美しい金色のまつげ、ぷるんと揺れて柔らかさを強調する豊かな乳房、緊張して突き出た桜色の乳首、赤みが差した幼さの残る顔立ち。
全てが見るものの欲情さそう一つの芸術品ともいえる姿がそこにあった。

「とっても素敵♪」
箱入り娘の根元、箱の奥の肉塊が裂け、四つに分かれた巨大な舌がチャイカの裸身にからみつく。
「ひゃ、ひゃん、いやぁっ」
悲鳴を上げ、しかし抵抗しないチャイカの体を巨大な舌たちが這いずり回り、唾液で汚してく。
健康的な太股に巻きつき、乳房を揺らし、搾る。
そして箱入り娘の人型の部分が手で、チャイカの敏感な場所をまさぐる。

「おおっ、素晴らしいチャイカどの! 私も興奮しますぞ!」
そういうラフランスの傍には、いつのまにか着物を着崩した、獣耳と尻尾がついた幼い女の子型の怪物、ごんぎつねがいた。
目元に色っぽい黒子を持つごんぎつねは、小さな手でラフランスのチャックをおろし、興奮した肉棒を取り出す。
「あいつも、メスにするのか?」
すねた声で問いながら、ごんぎつねは手馴れた手つきで肉棒を刺激する。
「そうですとも、コン君も先輩として色々教えてあげなっうぉ」
ラフランスの人一倍大きな欲望の化身を、人間の少女というより幼女と言ったほうがよい姿のごんぎつねが、口をせいいっぱい開いて小さな頬をチンポの形に歪ませて奉仕する。

「ほら、見て見て♪ ご主人様がチャイカを見て大きくしたのをコンちゃんがズボズボって、しゃぶってるわよ♪ あれを見ながらオナニーしましょうね♪」
それまで動けずに箱入り娘の指と舌に弄られるままだったチャイカの体が、動くようになった。
ただし、望むようにでは無かったが。

「いやぁ、いやですの、いやぁ」
子供のように涙を流し、首を振りながら、手は意思を裏切って夜毎に馴れた動作を再現する。
指が自らの敏感な場所に触れたとたん、体中に雷撃のように圧倒的な快楽が走ってチャイカは全身を痙攣させて失禁した。
(なんれ、なんれほんふぁにきほちいんれすのぉ?)
箱入り娘の指と巨大な舌で快楽を掘り起こされた体は、普段の何十倍もの刺激をチャイカに伝えたのだ。
こんどは、ゆっくりと指を、自らの望むままに、より深く快楽を得ようと動かす。
「あっ、あっ、んぁ」
そして、今まで堪えていた嬌声を誰はばかることなく口にする。
(ほぉう、なにほぉかんふぇられまふぇんふぁ)
その脳裏からは、いつしか国のこともウムラウトのことも、消えていた。
チャイカは、いつのまにか、ただ自身の快楽をむさぼる一匹のメスと化していた。

そんなチャイカを祝福するように、さきほど口内にラフランスの寵愛を受けたごんぎつねが近寄り、チャイカに口付けする。
ごんぎつねの口内に大量に蓄えられた生臭い精液の臭いがチャイカの鼻腔を犯し、口移しでそそぎこまれて、チャイカの歯を歯茎を舌を、汚していく。
「んぐっ、うっ、ふぐっ」
「先輩からの選別だ。飲み込め」
自分より遥かに小さなごんぎつねに言われるままに、チャイカは喉を嚥下させて汚濁液を体内に受け入れた。

121「その時チャイカは」4/3:2009/10/25(日) 17:29:45

「ラフランスさまの美味しい精液、ありがとうございました。精液はチャイカの大好物です。ラフランスさまのおチンポに残った精液も頂いてよろしいでしょうかって言ってみて♪」
箱入り娘がチャイカの耳元でささやく。
その言葉の内容を吟味するだけの思考力は、すでにチャイカから失われていた。
「ファンファンフひゃまのおいしいせいえき、ふぁりがほうございまひた。せいえきはチャイカのほぁいほうぶつれす。ファンファンフひゃまのおちんぽぉにのこっひゃせいえきもいただひてよろひいれしょうか?」
舌足らずに、言われるままに言葉を繰り返す。

「うむ。本来、ラフランスのおチンポ清掃はコンの役目なのだが。特別に新入りに譲ってやるぞ。コンはいい先輩だろう」
小さな体をそっくりかえして、ごんぎつねが威張る。
「はっはっ、偉いですよ、コン君。後でご褒美をあげますからね。さあチャイカどのよろしくお願いしますよ」
そういってラフランスは、ごんぎつねの頭を撫で撫でしながら、自身の汁とごんぎつねの唾液で汚れた反り返ったチンポをチャイカに突きつける。

それまでチャイカが箱入り娘やごんぎつねに言われるままになってきたのは、彼女たちがもつ怪物スキル。
抵抗に失敗した対象を自由に操ることが出来る【魅了】の力があったからだ、それを持たないラフランスの言葉に従う理由など無い、その筈だ。

「ふぁい……」
だが、これまで何度も【魅了】され、操られ、初心な体に理性が崩壊するほどの快楽を叩き込まれたチャイカは、まるで【魅了】されたかのようにその指示に従う。
あるいはこれが、チャイカが本当の意味で堕ちた瞬間だったのかもしれない。

近づいたチャイカの鼻腔に先ほど飲んだ生臭い液体と同じ強烈な臭いが感じられる。
欲情し発情した男の臭い。
それを感じ取り、無意識にチャイカの女の臭い、メスの体臭が放出され、まざりあう。

そしてついに、チャイカの伸ばした小さなピンク色の舌の先端が、ラフランスの体液で汚れたチンポの先端へと到達する。

「こら、新入り! もっと舌全体で舐めとりな!」
「そうそう、もっと唾液を絡ませて、ピチャピチャ音を立てるのが作法よ♪」
「いいですよ。さすが私が見込んだ花嫁なだけはあります。さあ、つぎは咥えてください」
女怪たちとラフランスに言われるままに、今まで考えもしなかった淫らな行為、男を喜ばせる技をチャイカは身に着けていく。
ラフランスのかたくそそりたった性器の硬さ、熱さをチャイカの舌が口が記憶していく。

「出しますよ、チャイカどの」
宣言と共に、ラフランスの手がチャイカの髪をつかんで、より喉の奥までも蹂躙しようとする。
そして勢いよく放たれた精液が口内にあふれ帰り、受け切れなかった精液が鼻から逆流してチャイカの美貌を無残に汚した。

涙と涎、鼻水と精液で汚された美貌は、だがそれゆえに男を引き付けるすさまじい色気を放っていた。
もはやほとんど意識のないチャイカを箱入り娘の四枚の巨大な舌が支える。
「チャイカどののお初をいただきますが、いいですね?」
その問いの意味を考えることもできず、チャイカはうなずく。

数度の放出にもまったく衰えを見せないラフランスの性器がチャイカの性器にふれ、今まさに押し込まれようと――

122「その時チャイカは」4/4:2009/10/25(日) 17:30:29

「ということになっているのに違いないんだぁ〜〜!!」
ウムラウトの叫びが迷宮にこだまする。
現在、彼らはチャイカを取り戻すために迷宮を踏破中なのだ。

――ウムラウトさま、考えすぎですよ。でもまあ、急いだほうがいいかもしれませんね――
おまりよい評判を聞きませんしと、小鬼のチルダが宥めてるのか焚きつけているのかわからないことを言う。

「うおぉぉぉぉ! 待ってろチャイカぁぁ! 今行くぞぉぉ!」
ウムラウトは疲れを微塵も感じさせない動きで、行く手を遮る大岩へとよじ登っていった。

――迂回した方が早いと思いますよ――
そういいながらもチルダは、主のために上りやすいルートを指示するのであった。

チャイカの処女喪失まで後×日、後×日しかないのだ!
いそげウムラウト、真実の愛を手に入れるために!

123エロ餓鬼:2009/10/25(日) 17:31:57
先週事故で死に掛け(オオゲサ)て、昨日やっとR&R61号を手に入れたのですが……素晴らしくエローイです。
おかげで心の中の創作袋がはじけ飛びました。

チャイカたちの話はその内まとまった本が出てからのつもりだったのですが、皆の心に今号の裸(ニーソ有り?)チャイカと箱入り娘が絡んでいるイラストが残っているうちに1作、本が出たらもっと色々書く予定。
しかし公式で、「性具として飼いならされた箱入り娘もいるぞ」と公言されるとは、それにもぐら棒をどう使うと? 乗り手に体を操らせて馴れさせるとか、調教部屋とか本当にこのゲームは業、いえ奥が深いですね。

ちなみにSSの蛇足をすると、作戦判定(才覚が低いアホの子なチャイカが負ける)→【箱入り娘】が【魅了】(他人を自分の思い通りに行動させた後、行動済みにするスキル)を使っているのです。
さらに【箱入り娘】は自分を傷つけた相手に対して【魅了】の抵抗判定を失敗させる【きずもの】というスキルももっています。

では、事故や病気で死んでなければ、次は年末に、オープンダイス王国特集だと思います。




以上です。
どなたか、代理投下お願いします。

124名無しさんが妄想します:2009/10/25(日) 20:05:09
>>123
代行してきた。

125エロ餓鬼:2009/10/27(火) 19:54:02
遅くなりましたが投下確認いたしました。ありがとうございます。

126名無しさんが妄想します:2009/10/28(水) 16:40:38


規制された
俺もお世話になるかも

127名無しさんが妄想します:2009/10/29(木) 21:23:15
今回の規制は大規模だな

128681:2009/10/30(金) 20:33:37
どなたか見ていらっしゃったら↓のスレに代理投下お願いします。

甘えんぼうな女の子のエロパロ 糖度7
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1250764530/

↓11レス分です。

129甘えんぼうを放置するとこうなる?:2009/10/30(金) 20:34:29
「えーっ!?そー君出張に行くのー?!」
と可愛らしい絶叫がこだました。
「小春さん、こればっかは本社からの命令で……クビにはされたくないし……」
「クビになっても養うのに……そしてそれを理由に……ゴニョゴニョ
……ということは、ぎゅーってして、あんなことやこんなことを……」
と小さな声で彼女は何かぶつぶつと言っている。
「何か言いましたか小春さん?」
「っな、何でもないの!
……あーでも……最後にちゅーだけでも……ちゅっ、んっ」
と彼の唇を彼女がいきなり奪った。口の動き方を見るとおよそ舌が入っているのだろう。
彼女の口付けは約20秒に渡って続いた。
「んんー!……はぅ、ぅぅー、小春さんいきなりは駄目ですってぇ……」
「…そー君は可愛いな〜」
「そ、それじゃあ行ってきます!」
危険を察知したのか彼は急いで玄関から飛び出した。
「あ、そー君!……行っちゃった……」
彼女は残念そうな表情を浮かべている。
「はぅ……これからどーしよ、私……」
不安そうな表情をしながらも彼女は気を紛らわすために冷蔵庫に向かった。
と、そこで彼女の携帯がなった。
「あれ、そー君からだ。どーしたのかなー?えーと何々……
『1週間ほどで帰ります。後出張の間は連絡がほとんど取れませんのでよろしくお願いします』
………………1週間って長いよぅ……はぁあ〜…」
…1週間の彼女の動きを見てみよう。

130甘えんぼうを放置するとこうなる?:2009/10/30(金) 20:35:10
<1日目>
「んー、やっぱり練乳苺は最高だねっ!」
と、彼女は誰もいない部屋で独り言を言いながら甘いものを大量に食べている。
「甘い物ってやっぱり幸せ〜♪……でもそー君、いないんだよなぁ…」
「……ううん、ここで負けるな小春ちゃん!きっと奏助君もすぐ帰ってくるさ!」
彼女は、自分自身を励ましている。
「そうとなれば、そー君のためにも!毎日を乗り切るぞ!おー!」
そう言うと、また彼女は甘いものを食べ始めた。
「はぅ〜チョコおいしいなぁ……あ、そうだ甘いもの買い足してこよう」






―――20分後、彼女はスーパーの袋2袋分に甘いお菓子を詰めて帰ってきた。
「うんっ、これで一週間は耐えられるね」
「と、いうわけでこれ冷蔵庫に入れたら寝ちゃおう」
そして、食べ物の整理が終わった彼女は寝室に向かうのであった。

131甘えんぼうを放置するとこうなる?:2009/10/30(金) 20:35:26
<1日目>
「んー、やっぱり練乳苺は最高だねっ!」
と、彼女は誰もいない部屋で独り言を言いながら甘いものを大量に食べている。
「甘い物ってやっぱり幸せ〜♪……でもそー君、いないんだよなぁ…」
「……ううん、ここで負けるな小春ちゃん!きっと奏助君もすぐ帰ってくるさ!」
彼女は、自分自身を励ましている。
「そうとなれば、そー君のためにも!毎日を乗り切るぞ!おー!」
そう言うと、また彼女は甘いものを食べ始めた。
「はぅ〜チョコおいしいなぁ……あ、そうだ甘いもの買い足してこよう」






―――20分後、彼女はスーパーの袋2袋分に甘いお菓子を詰めて帰ってきた。
「うんっ、これで一週間は耐えられるね」
「と、いうわけでこれ冷蔵庫に入れたら寝ちゃおう」
そして、食べ物の整理が終わった彼女は寝室に向かうのであった。

132甘えんぼうを放置するとこうなる?:2009/10/30(金) 20:36:29
スイマセン↑は連投してしまいましたorz

−−−−−−−−−− ここから −−−−−−−−−−−
<2日目>
「……ん〜、おはよっ、s……そういえばいないのかぁ……」
「暗くなってもはじまんないよっ!てことで、朝食でもとろうっと」
彼女は暗い気分から切り替えて明るくしようとしているらしい。
ろくに着替えもせずに台所にたった彼女は、料理の計画を立て始めた。
「んー、フレンチトーストかなぁ?いや、でもコンビニのチョコパンも捨てがたい……」
台所に立ったにも関わらず、料理を作る気は少ないらしい。
それに彼女の頭には、甘いものしか浮かんでこないらしい。
「まぁ、ここは安易にジャムパンとスクランブルエッグでいっか〜」
と彼女は意外にも(甘いもの以外に)決断したらしい。
「〜♪」
鼻歌を歌いながら作業をする彼女は、テキパキと動いている。
「よーし出来たぞー、あ、パンも焼けた」
「何ジャム塗ろうかなぁ。
やっぱ、いちご……ハチミツがあるしハチミツで行こう」
「はむっ、あ〜スクランブルエッグに砂糖入れてなかった……そー君が入れるなって言ってたんだっけ」





――「うぅ〜……そー君やっぱ寂しいよぉ」

133甘えんぼうを放置するとこうなる?:2009/10/30(金) 20:36:44
<3日目>
「……きゅう」
ありがちな気絶音を立てながら彼女は倒れた。
といっても気絶したわけではなく、足の力を他の場所に移動しようとしたため倒れただけだが。
「うぅー、寂しいよ寂しいよ寂しいよぉ!」
と彼女は駄々をこねている。
「そうだ、そー君の部屋……」

彼女は、今はいない彼の部屋に向かった。

――ギィ……バタン!
ドアが若干強く閉められた。彼女は気が立っているらしい。
「……んっ、そー君の匂いがするぅ……&herats;」
…………訂正。恍惚としている。


「幸せぇ……」
そう言うと彼女は深い眠りに落ちていった。

134甘えんぼうを放置するとこうなる?:2009/10/30(金) 20:37:08

<4日目>
奏助が出張に出てから一応の折り返し地点ともいえる日となった。
彼女は相変わらず苦悶に浸っている……
と言いたいところだが、何とか彼女は精神を安定させることに成功したらしい。
「苺大福おいしっ、んー、お茶でも入れようかなー」
ただ、甘い物の服用量(?)が日に日に増えている。
この前に買ってきていた物の5分の2は既に消化されてしまったらしい。
こんなに食べても太らないらしいから、驚きだ。
もっとも、彼女が会社にいる時は相当な激務をこなしているようだが。
省略はしているが、彼女は会社に毎日行っている。
いわゆるダメ人間ではないみたいだ。
「食べてしまったし、そー君の部屋にでも行って寝ちゃおうかな」

……プライベートでは駄目なのかも知れない。

135甘えんぼうを放置するとこうなる?:2009/10/30(金) 20:37:24
<5日目>
「ただいまぁ……今日も疲れたなぁ……」
今日の彼女は憂鬱そうな顔をしている。
「うー那津子さん、彼氏を見せつけないでほしかったなぁ……寂しくなっちゃうもん……」
那津子さんとは彼女の同僚らしい。
何があったかは分からないが、どうやらかなり凹んでいる。
「……甘いものたべよ」
気分がよっぽど沈んでいるのか、甘い物の服用量がかなりの物になっている。
「今日の、あんまりおいしくないや……」

「そー君にメールでも送ってみよう……
『そー君へ、元気でやってますかー?
甘いもののお土産よろしくねっ!
 小春より』っと。送信」
「はうぅぅ……そー君をぎゅーっってしたい、ずっと体をくっつけてたい……」
「寂しい……なぁ」

136甘えんぼうを放置するとこうなる?:2009/10/30(金) 20:37:47
<6日目>
ピーンポーン
がちゃ。
「はーい?」
「こんにちは、宅急便です、あなたにお届け物です」
「サインでもいいですかね?」
「あっ、ではここに苗字をお願いします」
「はい、どうぞ」
「ありがとうございましたー」
ばたん。

「流石にそー君じゃない……かぁ……えと、荷物は…あ、これお父さんからだ。
中身はなにかなー?」ごそごそ
「あ、メモが中に……なになに、
『最近電話で、元気が無いので滋養のつくものでも送ります。
中身はすっぽんなので鍋にでもして元気になってください』……すっぽんって、調理難しいよねぇ…?
……肝心なとこ抜けてるんだからぁ、お父さんのばかぁ…」
彼女は悪態をついているが、やはり嬉しそうである。
「まぁでも、鍋かぁ。そー君と一緒に食べちゃおうっと」
「あぅ、寂しいな……」
彼女は自分で墓穴を掘った。

「そー君の部屋で、寝ちゃおう……」




――その夜。
――――「ひゃん!」
やけに色っぽい声が聞こえた。
その声とともに、くちゅ、と水音が部屋の中に響く。
「ふあぁっ、そーくん、もっとぉ……」
彼女の頬は上気しきっていて、赤に近い桜色になっている。
「はうぅ〜……らめ…なの……」
彼女は嬌声を上げることをやめない。
むしろ時間が経つとともに、声が大きくなっていく。
「らめっ、あぅ、あっ、いっちゃっ、らめっ、らめぇ!」
彼女は軽いけいれんを起こしている。
「布団、汚しちゃった……どうしよう……」
「……洗ってから寝よ」
彼女は重たそうに体を上げた。

137甘えんぼうを放置するとこうなる?:2009/10/30(金) 20:38:16
<7日目>
「今日はそー君が帰ってくる日だぁ〜♪」
「あー!布団取り込まないと、あとはー、鍋の用意しよー♪」
驚くほどのハイテンションで彼女は仕事をこなしていく。
やがて、彼女がやろうとしたことの全てが終わったらしい。
しかし、奏助が帰ってくるのは夕方頃で、今はまだ太陽が真上にある真っ昼間である。
「仕事、ちょっと早くやりすぎたかなぁ……?」
「寂しいよぅ……久しぶりにお酒でも飲もうかな……」
彼女は、缶チューハイのブルタブを開けた。
「くぅー……アルコール久しぶりだなぁ……」
彼女は1本缶を開けて、しばらく寝ていた。





―――「帰ってきたぞ!我が家よ!」
とは言っても、1週間も小春さんを放置したということは大変なことになっているだろう。
奮発して高いお菓子買ってきたけど、僕は大丈夫なのかなぁ……
……心配してもしょうがない、か。
僕は決心してドアを開けた。
「ただいまぁ〜」
「おかえりーっ!ご飯にする?お風呂にする?って聞きたいけど今日は鍋だから先にご飯食べてね」
「あ、そうなんですか?あ、これお土産です」
「うわぁ〜ありがとう!ここのお菓子おいしいけど普段は手が伸ばせないんだよー」
あれ、小春さん何も言ってこない……どーしたんだろ?
でも、鍋ってことはやっぱおいしいんだろーなぁ……
「はふぅー……よし、じゃあ鍋食べちゃおうか」
「そうしましょう」


「はむっ、んぐっ、けほっけほっ」
「もー、そー君そこまで急いで食べなくても鍋は逃げたりしないよー?」
「だっておいしいんですもんこれ!」
本当においしい。あーもうなくなっちゃった……。
「ごちそうさまでした」
「おそまつさまでしたー。じゃあそー君、食後に悪いけどお風呂はいっちゃってー」
「了解です、小春さん」
本当に何も言ってこないなー……。
まぁお風呂でも入ってしまおう……。

138甘えんぼうを放置するとこうなる?:2009/10/30(金) 20:39:05
「あぅ、シャンプー目に入った!」
かなり痛かったのですぐに洗い流す。
――ふにっ。
「ひゃうっ!?誰っ!?」
「誰だと思うー?」
「こ、小春さん、何やってるんですか!?ちょ、やめ……」
いつの間にか入ってきていた小春さんが、
その、あの、……胸をですね、押し付けて…
「やめてくださいってば小春さん!恥ずかしいんですってばぁ……」
「そー君、裸のお付き合いも大事だよぉ……?」
小春さんを見ると、頬が桜色に染まっている。
もしかして……
「はうっ、さっきは気づかなかったけど、小春さんもしかしてお酒飲みましたか?」
「えへへー、少し、だけね」
「っ!こはるさん、お酒入ってても駄目ですって……」
「だって、この1週間寂しかったんだもん……はむっ」
「ひゃうっ!」
「れろっ、はむっ相変わらず耳弱いね、そー君……ぎゅっ」
小春さんに、体を押し付けられたり耳を攻められる。
やめてほしくは無いのだけど、理性がぎりぎりで踏みとどまる。
「こはるさん、せめて、体だけでも、洗わせてっ」
「おー、そーだね、そー君。背中流してあげるね?」
言葉の選択を間違えた。これじゃあ小春さんをむやみに止められなくなってしまう……
ごしごし、ふにゃっ、ぎゅー……
「あうぅ……」
「……1週間、長かった……」
「えっ?っ!はうっ、あぅ……」
「もう、離さないんだから」
そう言うと小春さんが腕に力を込めた。
「だめっ、やめ、はぅ、う、だめっ、だめぇっ」
「そー君、こっち、向いて…?」
「はぅ、えっ、なんですか……っんー!?」
「ちゅっ、はむっ、んっ」
いつもよりも大胆な口付け。息が詰まるほどに、喉がやけるほどに。
「んあっ、こはる、さ、っん、からだっ、洗いおわ、たでしょっ」
「じゃあ、泡流してから、そー君の部屋、いこっ?」
「えっ、あぅっ、はい」
そうして、やっと一応は小春さんから開放された。
あうぅ……僕、大丈夫なのかなぁ……?

139甘えんぼうを放置するとこうなる?:2009/10/30(金) 20:39:34

11
以上です。
後半は出来次第糖化する……
と思います。
ところで、1本の紐に甘えん坊と、その標的(?)が一緒に縛られ密着という電波を受信した。
送信したのは誰だw

140名無しさんが妄想します:2009/10/31(土) 22:06:15
↑の部分で終了です
よろしくお願いします

141681:2009/11/01(日) 12:42:40
投下確認しました。
代行してくれたかたありがとうございます。

142名無しさんが妄想します:2009/11/03(火) 00:20:29
こちらに投下お願いします。
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1256169874

薄いタンクトップを羽織っただけ。
そしてその下の…。
シンジは目のやり場に困って、頬を染めた。
「どしたの、シンジくん?」
「いえ、その…なんでもないです…。」
緩んだミサトの胸元に目がいきそうになったシンジは自分で自分を恥じた。
心中に罪悪感が湧いてくる。
自分がさびしそうにしているのを見かねて声を掛けてくれたミサト。
その彼女を欲情した目で見るなんて…。
迎えにきてくれた彼女のあまりに短いスカートから伸びる白い太ももに思わず
チラチラと視線を注いでしまった自分がいるのもシンジは知っている。
それは最悪で最低の、…でありながら本能に逆らえない…
ミサトの手がシンジの頭に伸びてきて思考は中断させられた。
「何考えてるのかなぁ、シンジくん?」
「あ、いえ、別に、その…!?」
近づけられたミサトの美貌に思わず息を飲むシンジ。
長いまつげ、濡れた唇。
自分の中にあるかぼそい線が切れそうになるのを必死でこらえるシンジ。
ハーフパンツの中にある男がむくむくと頭をもたげてきたのを感じる。
ミサトはそんなことなどお構いなくのんきにビールに口をつけている。
(続く)

143【ゴブリン娘はブタじゃない(投下依頼)】:2009/11/10(火) 15:04:03
投下依頼します m(_ _)m
投下先は↓の「【妖怪】人間以外の女の子とのお話26【幽霊】」スレです
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1234097929/

次レスから全9レスです
よろしくお願いします

144【ゴブリン娘はブタじゃない(1)】:2009/11/10(火) 15:05:16
「――黒沢双葉(ふたば)いいます。大阪から来ました。見ての通りゴブリンやけど、仲良ぅしてください」
 二学期の初めに転校して来た女子生徒は、ゴブリンだった。
 黒板の前に立って、にこにこ笑顔で挨拶する。
「ちなみに小学三年までは茨城の水戸にいてたんで、納豆は平気ていうか、むしろ好物やったりします」
 はぁぁぁぁ……
 窓際の前から三番目の席で、白岡一樹はゴブリン女を見やり、ため息をついた。
 エグい身体してるなあ、雌ゴブリンって……
 褐色の肌は日焼けした運動部員と、さほど変わらない。
 ショートボブの髪は、いくらか赤みを帯びているけど、茶髪の生徒が多い中では目立たない。
 顔は丸いけど、くっきりとした眼鼻立ちのおかげで、それなりに可愛いといっていい範囲である。
 だが、髪の間から頭の上に突き出しているのは、三角形で先が折れたピンク色の耳――ブタの、耳。
 制服のブレザーがはち切れそうな丸々とした身体つきも、まるで仔ブタだ。
 しかし服の中身が実は筋肉であろうことは、丈を詰めたスカートから伸びた脚が示している。
 艶やかな褐色をしたそれは、ごつごつと筋肉が隆起しているのだ。
 彼女がブタの獣娘ではなくゴブリンである所以だろう。
 スカートをめくってやれば、腰からは、やっぱりブタに似た尻尾が生えているのだろうけど。
「ほかに好きなものいうと、歌手なら絢香、関ジャニなら緑の人、粉モンならタコ焼きよりお好み焼きですぅ」
 あらかじめ考えてきたのか勝手に口をついて出てくるのか、ゴブリン女は調子に乗って喋り続ける。
 クラスの皆が、くすくすと笑っているのはウケているのか失笑か。
 ……うぜ。
 と、一樹は思った。顔はそこそこ可愛いと思わないでもないけど、こいつのお喋りは、うざい。
「えっと……自己紹介はこんなトコやけど、ほかにみんな訊きたいこと、ある? ある?」
 ゴブリン女は生徒たちにマイクを向ける真似をした。
「何でも訊いてくれてええよ、体重とか答えられへんこともあるけどな。あとスリーサイズも堪忍やけど」
 いや、興味ねーからさ。
 どうせ体重七十キロオーバー、ウエストも七十センチはあるんだろ……
 と、一樹が心の中でツッコミを入れていると。
「そしたら、こっちから指名しよか。窓側の前から三番目の、頬杖ついてる彼。ウチに訊きたいこと、ある?」
 ゴブリン女が、わざわざ指名してきやがった。
 クラス中の生徒が、くすくす笑いながらこちらに注目する。
 テメェッ、黒ブタッ! なに勝手に指名してやがるッ!
 一樹は内心、腹を立てながら、しかし学校では冷めたキャラで押し通しているので、
「……前の学校では、何て呼ばれてたの? 普通に黒沢?」
 あくまで落ち着いて訊いてやると、ゴブリン女は「あはっ!」と声を上げて笑った。
「いややわ、そんなん訊く? 前のガッコの綽名は捨てて来たつもりやってんけど」
 そして笑いながら、べーっと一樹に向かって舌を出してみせ、
「『クロブー』や。由来はまあ、見たらわかるやろ? 言うとくけどゴブリン、ホンマはブタと違うねんで」
 クラス中の生徒が、これに大笑いした。
 一樹だけは笑えずに、むしろ呆れ果てたけど。
 何、こいつ? 自分のブタキャラで笑いをとろうって、完全にオンナ捨ててるじゃん。
 アホくさ……
 転校初日。一樹の双葉への第一印象は、最悪だった。
 しかし双葉の側が彼をどう思ったのかは、この時点での一樹は知る由もないのだった――

145【ゴブリン娘はブタじゃない(2)】:2009/11/10(火) 15:06:23
「――なあ、白岡くんてサッカーしてたて聞いたんやけど」
 ゴブリン女の双葉が転校して来て三日目。
 二時限目と三時限目の間の休み時間に、いきなり彼女が話しかけてきた。
 机に頬杖をついて居眠りしていた一樹は、双葉が席に近づいて来たことにも気づいていなかったが、
「……え? ああ……」
 頭の中がぼんやりしたまま視線だけ相手に向けて、曖昧に頷く。
 何だ、このゴブリン女。こっちはオマエに用はないんだけど……
 しかし双葉は一樹の前の空いていた席に勝手に腰を下ろして、にこにこしながら、
「ウチもなあ、サッカーしてたんよ。とゆうても小学校までやけどな」
「あ、そう……」
 一樹は、また曖昧に頷く。ゴブリン女が話しかけてきた理由がさっぱりわからない。
 しかし気のない返事も、双葉はまるで意に介さない様子で、にこにこ笑顔のまま、
「それでな、あのな、相談なんやけど……一緒にJリーグ、観に行かへん?」
「……ほえ?」
 一樹は眼を丸くした。思わず変な声を出してしまったのが恥ずかしくなって、すぐに眉をしかめ、
「……何で?」
「何でて、じぶんサッカー好きやろ?」
 くすくす笑いながら双葉は答える。
「初めは女子の誰か誘おう思てんけど、サッカー知らん子と観ても、おもろないしなあ」
「Jリーグっても、どこの試合、観に行くつもりだよ? セレッソとか?」
「何でセレッソ? ウチが大阪育ちやから? せやったら先にガンバの名前が出て来そうやけどな」
 双葉は、くっくっと苦笑いして、
「まあ、同じJ2には違いないねんけど。観に行きたいんはホーリーホックや」
「……って」
 一樹は相手の顔を、まじまじと見つめ、
「……プリマハム?」
「プリマハムって何でやねん。いや、ホーリーホックの前身がプリマハムなのは知ってるけどな……って」
 双葉は何かに気づいて、けらけら笑いだした。
「セレッソ言うたのも、それでかい。ニッポンハムがスポンサーやから? いややわあ、白岡くん!」
 ばちんっ! と、一樹の肩を思いきりひっぱたく。
「痛ッ!」
 一樹は呻いた。本気で痛かった。ゴブリン女の糞馬鹿力!
 双葉は、けらけら笑い続けながら、
「ゴブリンはブタと違う言うてるやん。ホーリーホックはウチが生まれた水戸のクラブやねんで」
「いや俺、東京サポだし。よその試合は別に興味は……」
「なんやガスサポかいな。ええやん、漢(おとこ)祭りではガスサポにも毎度お世話になってんで」
 双葉は携帯電話を取り出して、ウェブビューアを立ち上げ、
「次節は日曜日の横浜FC戦や。アウェイやけど三ツ沢やから遠ないし、ガスは来週まで試合あれへんやろ」
「そうだけど……」
「なんや渋い顔してはるなあ。チケット代はウチがもつし、スタメシくらいごちそうしたるで」
 にっこりと双葉に笑いかけられて、一樹は答えに困った。
 問題はゴブリン女そのものよりも、先ほどからこちらを見て、くすくす笑っている女子生徒たちだ。
 このゴブリン女、俺をサッカー観戦に誘うことを、ほかの女子に話してやがるのかよ……
 これは慎重な対処が必要だった。迂闊に双葉を怒らせれば、クラス中の女子を敵に回すことになりかねない。
 双葉は転校して来て早々に、クラスの人気者の地位を占めていた。

146【ゴブリン娘はブタじゃない(3)】:2009/11/10(火) 15:07:54
 一樹には騒がしいだけに思える彼女のお喋りを、特に女子連中が面白がって、もてはやしていたのだ。
 お笑い芸人みたいな胡散臭い関西弁が珍しいだけだろうと、一樹は思っているのだけど。
「……三ツ沢のスタメシで何が旨いかなんて知らねえよ」
 一樹は、ため息まじりに言った。
 双葉の誘いを断るべきではないというのが彼の結論だった。
 このクラスで居心地よく過ごすには、人気者のゴブリン女と仲良くしておいて損はないだろう。
 もちろん、あくまで友達としてのつき合いだ。それ以上、何がある?
「横浜FCがJ1にいた年は、俺まだサッカー部でアウェイまで観に行く暇なかったし」
「スタメシのオススメはウチもよう知らんわ。行ってみてのお楽しみでええやん」
 双葉は一樹のブレザーの袖をつかんで、くいくいと甘えるように引っぱり、
「なあ、頼むわあ、白岡くん。女の子ひとりでアウェイ観戦って寂しすぎるやろ? 一緒に来てえなあ」
「……わかった、行ってやる。言っておくけど俺は観てるだけで、水戸の応援までは、つき合わねえからな」
「ほんま一緒に来てくれるん? ありがとお! 嬉しいわあ!」
 双葉は叫ぶと、一樹の腕にぎゅっと抱きついてきた。
「どわっ!?」
 一樹は思わずのけぞったが、双葉はぐいっと自分のほうへ引き戻す。
 ……むッ、胸ッ! ゴブリン女の胸が俺の腕に当たってんじゃねェかッ!!
 自分のブレザーの袖と相手の制服越しに、意外に柔らかな肉の感触があった。
 仔ブタのような、ぱっつんぱっつんの身体で双葉は一樹の腕に抱きついたのだ。
 腕が胸に触れてしまうことは必然といえるだろう。
「応援はしてくれへんのは寂しいけど、他サポに無理は言えんしな」
 双葉は一樹の腕に抱きついたまま、彼の顔を見上げて、にっこりと輝くような笑顔を見せる。
「せやけど服は青いの選んで着て来てな。ホーリーホックのクラブカラーやねんから」
 一樹は思わず、どきりとした。
 こいつ……もう少し痩せたら、マジで可愛いんじゃねえの?
 それだけにゴブリンであることが、もったいないとも思う。
 贅肉ではなく筋肉で丸っこい体型のゴブリンが、人間のようにダイエットできるわけでもないだろうし。
「……わかった。水色のシャツがあるから、それ着て行くよ」
 動揺を隠して言ってやると、双葉は「あはっ!」と笑って、
「水色はアカンわ、横浜FCの色やん。そないな真似したらウチのオーセンティックユニ無理やり着せたるで」
「そしたらオマエは裸族かよ」
「そうそうゴル裏は裸で気合入れていかんとな……って、何でやねん。ウチの裸は安ないで」
 ばしんっ! と、また肩を叩かれて一樹は呻く。
「痛ッ!」
「ユニは毎年買うてるから何枚もあるんよ。一緒に応援する気になったときのため、予備で持ってったるわ」
 双葉は携帯電話をかざして、にこっと笑い、
「それとな、メルアドと電話番号、交換しとかなあかんね」
「あ……、ああ」
 とうとうメルアドまで教える羽目になってしまった。
 赤外線通信で送った一樹のメルアドを見て、双葉は小首をかしげ、
「……メルアドが『kazu_s0912@』って、もしかして白岡くんの誕生日、九月十二日?」
 ついでに誕生日まで知られてしまった。
「もうじきやないの、えらいタイミングやな。よっしゃ、誕生日祝いに新しいオーセンティック買うたるわ!」
 胸を張ってみせる双葉に、一樹は渋い顔をして、
「いや、いらないから。というかオマエ、どうしても一緒に応援させようって気だな」

147【ゴブリン娘はブタじゃない(4)】:2009/11/10(火) 15:08:39
「だって、そのほうが楽しいやん。他サポも巻き込んで一緒に応援するのんが漢祭り以来の水戸の伝統やで」
 にこにこと笑っている双葉に、一樹は小さくため息をつく。
 どうしてゴブリン女に、ここまで懐かれたのか。
 顔は可愛いと思わないでもないのに、その体型はどうにかならないのか。
 ゴブリンである以上、どうにもならないのだろうな……と、一樹は嘆息するほかなかった。
 
 
 日曜日は台風が関東地方を直撃して、朝から大雨だった。
 一樹は朝の九時に起きたけど、部屋のカーテンを閉めたままでもどんな天気か雨音でわかった。
 うんざりしながらカーテンを開ける。窓の外は、やっぱり土砂降り。
 さすがにゴブリン女も、この天気でサッカーを観に行くとは言わねえよな……?
 途中で電車が止まるかもしれないし、現地へ着いても試合自体が中止になる可能性だってある。
 携帯にメールが届いていることに気づいて、開いてみると双葉からだった。
『おはよ(^_^)/ 大雨だね(;_;) 試合も延期かも・・・白岡くん雨男と違うよね?(笑)
 とりあえず予定通り10時に駅前のマクドで待ち合わせお願いしますm(_ _)m』
 大雨の中、駅まで出て行くのも億劫だけど、一樹はあきらめて『了解』と返信した。
 
 
 自転車が使えないので早めに家を出て、一樹は徒歩で駅へ向かった。
 Tシャツと短パン、足元はサンダル。Tシャツは青いものを持っていないので紺色にした。
 濡れても上等な格好だけど、駅へ着くまでに、やっぱりびしょ濡れ。
 風が強まってきて、傘が役に立たなかったのだ。
 ゴブリン女との待ち合わせのために、どうしてここまでしなきゃならんのか……
 関西人にはマクド呼ばわりされてる駅前のマックへ着いたのは約束の五分前。
 店の二階の客席を覗いてみたけど、ゴブリン女は来ていない。お客自体が二、三組しかいない。
 こんな天気で出歩く奴が珍しいのだろう。
 朝食がまだなので、ソーセージエッグマフィンのセットを買って、二階の適当なテーブルに着く。
 食べ始めたところで、ばたばたと階段を駆け上がって来た仔ブタのような丸い娘……双葉だ。
「……あぁ」
 客席を見回してこちらに気づき、ほっとした顔で(ドタキャンされるとでも思ったか?)、歩いて来た。
 白いブラウスに、制服のときより少し長めの膝上丈のデニムスカート。相変わらず筋肉質の脚。
 肩からは『mitre(マイター)』のエナメルバッグを提げている。
 肌が褐色なせいもあり、部活がオフの日の女子サッカー部員みたいだ。それにしては、ちょっと太めすぎか?
「ごめんなあ、バスがさっぱり来おへんで。ウチが誘ったのに時間ぎりぎりで、ホンマ申し訳ない」
「というかオマエ、頭から水かぶったみたいじゃん……」
 スカートも水を吸って色が変わっているけど、ブラウスは完全にびしょ濡れで肌に貼りついている。
 百センチあってもおかしくないくらいのデカ乳を包む、白いレースの大人びたブラが透けて見えていた。
「いややわあ、ホンマや。急いで来たから気づかへんかってん」
 双葉は両手で胸を隠して、ぺろりと悪戯っぽく舌を出す。
 一樹は、またどきりとさせられた。
 ヤバい。ゴブリン女が可愛く思えてきた……
「ちょっとお手洗いで、着替えて来てええか?」
「着替えるって……水戸のユニに?」
「それでええなら、そうするけどな。せやけど試合は延期になってもうてん。さっきネットで調べたんや」
「そっか……」

148【ゴブリン娘はブタじゃない(5)】:2009/11/10(火) 15:09:30
「普通の青いTシャツも用意して来たんよ。白岡くんが空気読めない格好で来たら着替えさせよ思てんけど」
 双葉は、眉間に皺を寄せて一樹のTシャツに顔を近づけ、
「きょうは必要なくなったけど、用意しといて正解やってんな。ウチは青い服、言うたんやで」
「紺でもダメなのかよ」
「アカンわ。もう少し明るい色なら許容範囲やけど、それ濃紺やんか」
「雨で濡れて色が濃く見えるんだろ」
「アホ。濡れてるのんとそうでないのんの見分けくらいつくわ」
「アホって……」
「待っててな。試合中止やからって帰ったらアカンよ。渡したいものがあるんや」
 そう言い残して、双葉はバッグを抱えてトイレへ立ち去った。
 一樹はマフィンを食べながら待つしかない。
 ……それにしても、あいつすげえ乳だな……
 先ほど見たものを思い出して、一樹は、慌てて首を振る。
 おデブ女の乳がデカいのは当たり前である。そんなものに欲情するほどマニアックな趣味ではないつもりだ。
 だが、単純に太っているから大きいといえないほどの高低差も備えていた。
 ブラジャーのおかげかもしれないけど、形も悪くなかった気がする……
 ……って、なに考えてんだ俺は! 俺のアホ!
 相手はゴブリンだぞ。ブタの耳と尻尾を生やした筋肉ダルマだぞ。
 友達としてつき合う分には悪くない奴だけど、オンナとして見るには微妙すぎるだろ。
 双葉が戻って来た。青いTシャツに着替えて、首にホーリーホックのタオルマフラーをかけている。
「白岡くん、タオル使う? タオルマフラー、もう一枚あんねん。頭とか拭いたほうがええよ」
「ああ……じゃあ、借りておく」
 一樹が答えると、双葉はにっこりとして、バッグからタオルマフラーを出して広げてみせた。
「これ見てみ。龍の絵と、漢字で『水戸』の字が入ってるんや。カッコええやろ?」
「俺は東京都民だけどな。いまはオマエもな」
「せやけど水戸はウチの魂の故郷やねん」
「バリバリ関西弁喋ってるくせにな」
「そおだごと言うでねえ、ごじゃっぺが」
「……は?」
 眼を丸くする一樹に、双葉は、くすくす笑いながらタオルを渡してきて、
「茨城弁や。もう半分忘れてるけどな」
「そっか」
 一樹は借りたタオルマフラーで濡れた髪を拭く。
「……で、俺に渡すものって、このタオルマフラーじゃねえだろ?」
「うん。ホーリーホックのシーズンチケットやわ」
「……え?」
「ウソウソ、ホンマはこれや」
 双葉はバッグの中を探って、駅弁の釜飯に似た茶色い壺を引っぱり出した。
 木の蓋を紐で結わいつけてあるところも釜飯に似ている。
「ゴブリンてのは、もともと、戦士の種族なんや」
 壺をテーブルの上に置き、双葉は、じっと真顔で一樹を見た。
「戦士に怪我は、つき物やろ。せやから、それぞれの家に怪我の特効薬がご先祖さんから伝わってるねん」
「……それで?」
 一樹が先を促すと、双葉は、言った。
「それでな。この薬なら白岡くんの膝、完治するとは言わんけど、草サッカー楽しめるくらいにはできる筈や」

149【ゴブリン娘はブタじゃない(6)】:2009/11/10(火) 15:10:19
「…………」
 一樹は口をつぐんだ。
 何でゴブリン女が、俺の膝のことを知ってるんだ?
 いや、知っていてもおかしくねえか。俺がサッカーやってたことも知ってたんだし。
 クラスには同じ中学出身の奴が何人かいるから、あいつらから聞いたのだろう。
 双葉が言った。
「ウチも小学校でサッカーしてた言うたやろ? でも中学でやめてもうた。魔物は中体連、登録できへんから」
「それは……悔しいな」
 一樹が言ってやると、双葉は頷くように顎を引いて、眼を伏せ、
「悔しいに決まってるわ。ゴブリンは人間より筋力も体力もあるけど、それだけでサッカーが有利と違うやろ」
「……ああ」
「ウチがゴブリンに生まれたんは仕方のないことやし、もう割りきったけどな。せやけど」
 再び双葉は眼を上げて、一樹を見つめ、
「白岡くんの膝は治せるねん。何もかも元通りとは言わんけどな、練習してないブランクもあるし」
「だから草サッカー?」
「頑張ってトレーニングすれば、大学でサッカー部に入って公式戦に出られるくらいになるかもしらんけど」
「そこまでは無理だろ。怪我がなくても三年もブランクがあるんだ。大学サッカーはそこまで甘くねえよ」
「せやけど草サッカーで芝生の上でボール追いかけるだけでも楽しいやろ。せやから、この薬……」
 双葉は壺を一樹のほうへ押しやった。
「…………」
 一樹がその壺を手にとると、少し早口になって双葉はつけ足した。
「……あのな、その薬、使い方が少しメンドいねん。毎日朝晩塗り込んで、包帯きっちり巻かなアカンねん」
「そうなのか?」
「せやからウチがやってあげよか? 普段は学校でできるし、休みの日は、きょうみたいに待ち合わせて……」
 そこまで言って、双葉は俯き、
「毎日朝晩、顔を会わせることになるけどな。ウチは構へんねん、白岡くん次第や」
「……怪我のあと、必死でリハビリやったよ」
 一樹は言った。
「膝の皿が砕けて靱帯も痛めて、かなり酷い怪我だったけど、もういっぺんサッカーやりたくて」
「…………」
 双葉は顔を上げて、一樹を見る。
 一樹は自嘲気味に笑って、
「でも結局、日常生活は支障がない程度に回復したけど、それ以上は無理だった。いや、自分で無理と決めた」
 壺をテーブルに戻す。
「心のどこかに恐怖が残っちまったんだ。あんな痛い思い二度としたくなくて、本気でプレーできなくなった」
「痛いのをゼロにするのは無理やわ」
 双葉は言った。
「せやけど、少しでも痛いのを和らげてあげることはできると思う。その薬と……、ウチとでな」
 そしてまた俯いた。
 肌が褐色なのでわかりづらいけど、人間でいえば顔を赤くしている状態かもしれない。
「……何で俺なの?」
 一樹は訊ねた。
「いま俺たち、一緒にサッカー観に行く友達っていう以上の会話、してるよな?」
「魔物の女の子には本能があんねん」
 双葉は答えて言った。

150【ゴブリン娘はブタじゃない(7)】:2009/11/10(火) 15:11:06
「人間が支配してる世の中で、数に乏しい魔物が生き残っていくには、ある種の嗅覚を働かせなあかんねん」
「嗅覚?」
 訊き返す一樹に、双葉は頷いて、
「相性ぴったしの相手を見つけ出す嗅覚やわ。魔物の女の子は、それを本能的に備えてるねん」
「オマエと……俺の相性がぴったりだって?」
「一目惚れやねん」
 双葉は眼を上げて、一樹を見た。
 一樹はまたしても、どきりとさせられた。
 彼女の台詞にも驚いたけど、ゴブリンのくせに筋肉ダルマのくせに可愛らしいことに、どきどきさせられた。
「もちろん、ウチはゴブリンや。人間でも魔物でもウチより可愛い女の子はいくらでもいてるやろ、でもな」
 壺を手にとって、
「ゴブリンでもそうやのうても、ウチにしかできへんこともある。白岡くんの膝を一緒に治してくこととかな」
「…………」
 一樹は次の言葉を待ったけど、双葉が黙り込んでいるので、先を促す。
「一緒に治してくこととか……それと?」
「それと? それと……あとは」
 それ以上は考えてなかったのか、双葉は壺をテーブルに戻して、視線を彷徨わせた。
「ええと……なあ、あとは……その」
「……ぷ!」
 一樹は吹き出した。「あはは!」と声を上げて笑った。
「な……何がおかしいねん!」
 叫ぶ双葉に、一樹は笑いながら、
「オマエさ、可愛いよ。うん、すっげえ可愛い」
「なんや、褒められてる気が少しもせえへん」
「褒められ慣れてねえからだろ。可愛いなんて言われることも滅多にないだろうし」
「そないなことあれへん。クラスの女子は、みぃんなウチを可愛いと言うてくれるわ」
「そりゃ実際、可愛いからな性格の面では。みんなに俺のこと、あれこれ訊きまくったんだろ?」
「そら訊かなしゃあないやろ。ウチ、転校生やねんで。白岡くんのこと、よう知らんねんもん」
「それを可愛いって言うんだよ。女子がみんな俺たちのほうを見て、くすくす笑ってたわけだ」
「あのな、ウチの可愛いとこ、性格だけやあれへんで!」
 双葉が語気を強めて、一樹は苦笑いで訊き返す。
「どこだよ? あと頼むから、声はもう少し抑えてな。ほかに客がいないわけじゃねえし」
「ごめん。ウチの可愛いとこは……その」
「ん?」
「……オッパイや」
「あ?」
 一樹は、あんぐりと口を開ける。顔とでも言い出すかと思ったのに、そっちに振ってきたか。
 双葉は拗ねたように口をとがらせながら、上目遣いに一樹を見て、
「ホンマやで。一緒にトイレ行って見せよか? 乳首はピンクやし、乳輪の小っささはきっと予想外やで」
「……いや、いまは遠慮しとく」
 一樹は苦笑いで言った。
「というか、ぶっちゃけすぎだろ、オマエ」
「白岡くんが、ウチの取り柄が性格しかないみたいに言うからや」
 双葉は、くすくすと笑って、
「せやけど『いまは遠慮しとく』てことは、いまでなければウチのオッパイ見てくれると思てええのん?」

151【ゴブリン娘はブタじゃない(8)】:2009/11/10(火) 15:11:56
「いや、だからオマエ、ぶっちゃけすぎだって……」
 一樹は苦笑いしながら、椅子の上で姿勢を正し、こほんと咳払いしてから真顔になって、言った。
「……あのさ、黒沢」
「うん?」
 にこにこと微笑みながら訊き返す双葉を、一樹は見つめて、
「俺は魔物の女の子とのつき合い方は、よくわからない。だから、オマエを傷つけることもあるかもしれない」
「そんなん怖がってたら、ウチかて人間の男の子とは、つき合えへん」
 双葉は笑って答える。
「ウチは見た目からして人間と違うし。ゴブリンはブタやないてなんぼ言うたかて、耳や尻尾はそっくりやし」
「いや、まあ……ごめん。こないだの『ハム』ネタは」
「ええて。貸しにしとく」
「貸しかよ」
「そのほうが、お互い気がねせんで済むやろ。なんや腹の立つことあれば、怒る代わりに貸しにしといたる」
「オマエ……人間できてんのな。いや人間じゃなくてゴブリンだけど」
 一樹が感心して言うと、双葉は「あはっ!」と笑って、
「ええ女やろ、ウチってば」
「自分でそれを言うのは、どうかと思うけどな」
 一樹も笑って、
「……あのさ、黒沢」
「うん? 何?」
「俺……オマエのこと、好きになってきたみたいだ」
「あはっ!」
 双葉は、にっこりとして、
「それを言うなら、『好きになってきた』やのうて『好きになった』やろ」
「ああ……好きになった」
 苦笑いする一樹に、双葉は微笑み、
「人間は鈍感やねんな。相性ぴったしの相手と出会うても、すぐには気づかへんのんや」
「相性がどうなのかは……正直、まだよくわかんねえけどな。でも、オマエの鼻を信じることにしとく……」
 一樹はテーブルの上に身を乗り出した。
 双葉は微笑みのまま、眼をつむる。
 一樹は、ゆっくりと顔を近づけていき……唇を、重ねた。
「……んっ……」
 双葉が微かに声を上げる。雨で濡れた髪から、シャンプーだかトリートメントだかの甘い香りがする。
 やばい。こいつ、普通にオンナじゃん。人間でもゴブリンでも一緒じゃん。
 しかし積極性は戦士の種族であるゴブリンならではか。
 双葉は自分から唇を緩め、舌で一樹の唇に触れてきた。一樹も舌で応えた。
 互いの舌を、舐めるように絡め合う。一樹はエロビデオの見よう見まねだけど。
 こそばゆいけど不快ではない。舌は濡れているのに熱く火照っている。
 マジでやばい。キスだけでは済まなくなりそうだ。でも、この場所では、まずい。唇を離す。
 とろんと蕩けかけた艶っぽい表情で、双葉は一樹を見つめた。
「白岡くん……一樹くんて呼んでも、ええ?」
「ああ……」
「ウチのことは、双葉て呼んでな。『クロブー』はアカンで」
「……ああ」
 一樹は苦笑いする。色っぽい顔して笑いのネタは忘れないんだな。

152【ゴブリン娘はブタじゃない(9)】:2009/11/10(火) 15:12:42
 双葉は眼を伏せた。
「……あのな、一樹くん。ウチ、もう抑えきれへん……」
「何を……とは、訊かねえよ。俺も一緒だし」
 一樹が答えると、双葉は再び眼を上げて、
「ウチ……ゴブリンやで。服を脱いだらブーちゃんの尻尾も生えてんねんで。それでも、ええの?」
「でも、胸は可愛いんだろ? 見せてくれよ」
 一樹は言って、苦笑いでつけ足す。
「いますぐって意味じゃねえよ。ここを出てから」
「……アホ。それくらいわかってる」
 双葉は口をとがらせて、一樹は笑う。
「アホ呼ばわりかよ。待ってろ、これ片づけちまう」
 一樹は食べかけのマフィンを口に放り込み、ドリンクで流し込んだ。
 双葉が自分の唇に指で触れ、
「ウチらの初めてのキス……マクドのマフィンの味やねんな」
「ソーセージエッグマフィンな。きっと食うたびに思い出すぜ」
「あはっ! 言うとくけどウチがソーセージ味なのと違うで、味がついてたのんは一樹くんやからな」
 くすくすと双葉が笑って、一樹は苦笑いで、
「誰もそこまで言ってねえよ」
「一樹くん」
「ん?」
「好きや。大好き」
「……ああ」
 一樹は赤くなりながら立ちあがった。トレーを返却場所へ運んで行き、ゴミをクズ入れに捨てる。
 双葉があとについて来て、
「さっきの薬、ウチのバッグにしまっといたで。包帯も用意して来たし、あとで塗ってあげるな」
「ああ、頼む。それで……」
 一樹が何か言うより先に、双葉が横に並んで手の指を絡めてきた。
「……あのな、クラスの子らに聞いてきたんやけど。駅のちょい裏に、ホテルあんねやろ?」
「ああ……、あった、かな……? 電車から、ちらっと見えるやつ」
「ウチから誘うようなこと言って、はしたないと思わんといてな。魔物の女の子は本能に忠実やねん」
「人間の男も一緒だよ。俺らみたいな若い奴が、好きな相手ができたら結局、やりたいことは一つだろ」
「一樹くん、それもういっぺん言うて」
「え? いや、だから俺らみたいな……」
「そのあとや」
「そのあと? だから……」
 一樹が双葉の顔を見ると、双葉は、にこにこと笑っている。
 赤くなりながら、一樹は言った。
「……好きだよ。好きだ、双葉」
「あはっ! ようやっと、ちゃんと好きて言うてくれた、ついでに名前も呼んでくれた」
 輝くような笑顔になる双葉に、一樹は眼を細め、
「オマエ……ホントに、可愛いな……」
 その場でもう一度、唇を重ねた。
 
 
【ゴブリン娘はブタじゃない(第一部・完)】 規制解除後の第二部にご期待下さい……

153【ゴブリン娘はブタじゃない(投下終了)】:2009/11/10(火) 15:15:15

投下依頼は上のレスまでです
お手数ですが、よろしくお願いします
埼玉(草加?)OCNの規制解除はいつになることやら……

154名無しさんが妄想します:2009/11/10(火) 20:28:47
かんりょ〜
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1234097929/580-588

以上、最近規制解除された神戸港OCNよりお届けしました。
埼玉(草加?)OCNの早期規制解除を心よりお祈りしております。

155【ゴブリン娘はブタじゃない(投下感謝)】:2009/11/10(火) 20:28:51
スレへの投下、確認しました
依頼してから投下まで早くてびっくりしました
書き込み代行頂いた方、ありがとうございました m(_ _)m

156155:2009/11/10(火) 20:52:07
>>154
4秒差で書き込みがかぶった(汗
神戸港も規制解除済ですか
OCNの他のアクセスポイントは続々と規制解除されてるのに
埼玉はさっぱりなのですよね
以前に契約していてメルアドだけ残しておいたODNにダイヤルアップで繋いでみても
こっちも規制中だし……
ともあれ
投下ありがとうございました m(_ _)m

157パイパン:2009/11/19(木) 00:21:35
たしかバストはEカップで…
それにスタイルのよさは随所で描写されたのは覚えてる。
しかしあなたにとってはレイがいてアスカがいる。
ミサト以下の女性キャラはあまり対象とはしてこなかったのだ。
が、間近で見るとやはり……

「まだ、緊張してるの?」
少し鼻にかかったような声があなたの耳を揺さぶる。
下半身の疼きを感じて、なんとかそれを抑えようとツバをのみこんだ。
「……いえっ。」
「ま、無理もないわ。でも、これから一緒の家で生活するんだし」
絶え間なく続く疼きのテンションが一段と上がる。
全身を巡る血が下半身の一点に集中して流れ込むような感じ。
激しい鼓動。
下げた視線を横にずらし、ミサトを盗み見る。
薄暗い車内で太もも妖しいほど白い。
口の中に湧き出るツバを強引に飲み下した。
(が…我慢できないよっ…)
楽になりたい自分。
しかし、ここで強引な手段を取れるような男ではないことをあなたはよく知っている。
それに相手は女性とはいえ現役軍人。
旧劇場版では自衛官数人を制圧したこともある。
華奢に見える体の中に、確かな戦闘技術はある。
先制攻撃ができればあるいは一時的に優位には立てるだろうが
もみ合っていくうちにミサトの格闘技術の前に苦もなく……

(っていうか…揉み合う?)
(このひと…と……?)
盗み見ていた視線を上げた。
身体にフィットしたその服からは突き上げる豊かなバストが見て取れる。
(揉みあう、こんな人とっ…!??)

ブハァ!
派手な音をたてて鼻血がしぶきをあげた。
「キャァ!?シンジくん!?」
「あ、すみませんっ!」
あなたは慌てて、立てかけてあったティッシュ箱から3枚引き抜いて自分の鼻に当てた。
車を道端に寄せて急停車するミサト。
「どうしたのっ…大丈夫?シンジくん!?」
「すみません、すみませんっ……」
情けなく欲情ばかりしている自分への情けなさ、恥ずかしさ、そして車を汚したんじゃないかという罪悪感。
あなたは謝ることしかできない。
「ちょっと、体調が悪くて…!」
「やっぱり。顔も赤いし、そうなんじゃないか、って思ってたの!
大丈夫?何か買っていく?あたしに出来ること、ある?」
顔を寄せるミサト。
化粧品の匂いだろうか、甘い香りが強くなる。
(ここで…ここで…)
自分の思いの丈を思う存分大声で叫べたらどんなに楽なことか。
「いえ、大丈夫ですっ…」
鼻のティッシュを離した。
もともと一過性のもので、出血は長く尾を引かない。
「本当に?」
あなたの額に手を伸ばそうとするミサトを拒否するように前を向く。
「だ、大丈夫っ、ですっ!!」
「……
わかったわ…。
まぁ、何にしてもうちでゆっくり休みなさいね。」
ミサトはエンジンをふかしはじめた。
冗談じゃない。
これ以上接近されて接触までされたら間違いなくキレる。
完全にキレる。
もう何がなんでも絶対にミサトを欲情した目でみない。
固い固い決意を込めて前を見据えるあなた。
「あそこ、あそこ〜!
ほら、見えるでしょ?あのマンションよ〜
あたしたちのこれからの愛の巣♪」
あなたの股間に垂れる両腕は表現できない感情のせいで
ぶるぶると震えて掌はぐっしょりと汗で濡れている。

あなたの苦しみは、言うならば軽い準備体操が終わった段階まで到達したようだ。

158名無しさんが妄想します:2009/11/19(木) 16:32:51
早く解除されないかな

159パイパン:2009/11/19(木) 22:38:35
「さ〜着いたわ♪」
こっちの苦労や苦悶などわずかも察しない、
そんな能天気な声を上げるミサトに軽い殺意さえ抱いた。
素早く荷物と買い物袋を前に抱えて車を降りる。
当然だ。
前に抱えなければ歩けるものではない。
カモフラージュして異変を隠さなくては。
「あら、ありがとう〜、でもそんなに持てる?」
「だ、大丈夫ですよっ…」
「さっすが男の子!」
自分の荷物と買い物袋抱えるあなた。
男の子…であって、あくまでも男ではない…ミサトの中では。
しかし実態は…
先にたって歩くミサトの髪をひたすら凝視した。
凝視しなければ間違いなく視線は下がっていくのだから。
意志の力で押さえ込むしかない。
歩みに合わせて黒髪が揺れる。
(作品の中ではもっと紫っぽかったけど、…でも実際…)
実際には紫は光の加減によるものなのかもしれない。
ほとんど黒髪に近い。
優しく揺れ、かすかな香りがあなたを刺激する。
「ここよ、ここ、ここ♪」
「はい…」
鍵を開けて扉を開けると振り向いた。
髪のいい香りがさらに漂う。
そしてフィットした服から自己主張する胸がかすかに揺れたような気がした。
(ヤバいっ!!)
知らぬ間に視線を奪われていたあなたは慌てて視線を上へと強引に上げた。
ニッコリと笑うミサト。
(本当に美人だ…って、いやいや!そんな場合じゃっ!!胸見てるの、バレ…)
「緊張しないで。ここはあなたの家なのよ。」
(え……)
(えっと、確か……)
「た、ただいま…」
「おかえりなさい。」

いったん居間に来るミサトとあなた。
「買ってきたもの、適当に冷蔵庫に突っ込んどいてくれる?」
「はっはい。」
ミサトは姿を消し、あなたは居間に一人取り残された。
はじめてみる光景だが、どこか懐かしい感じだ。
ここで、時に和んだり衝突したり、そして色々な事実が明かされたりしていくはずだ。
台所はしばらく掃除していないのだろう、黒ずんでいる。
その脇には空き瓶、空き缶が詰め込まれたゴミ袋。
(ふぅー…聞きしにまさるっていうのはこういうことか)
冷蔵庫を開けてビールを詰めていくあなた。
冷蔵庫の冷気が火照りに火照った顔に気持ちいい。
(どうなっちまうんだろ、俺…なんだか耐えられそうにない…)
(くそ、くそー!
ダメだ!もう一度冷静になれ!
ミサトさんはスタイルいいし、胸も大きいし…)
服を突き上げる胸を思い出した。
下着は着けているはずだ、はずなのに
あれだけの大き…
(うるせーうるせーうるせーーーー!!!
知るか、そんなもん知るか、知るか!!
ミサトさんの胸とかどうでもいいし!!)
懸命に首を振るあなた。
脳裏に焼きつくその光景を強引に消去する。
(いいか、いやらしい目で見るなんて最低だ!
何よりも絶対にバレる!
いいか、もう絶対にミサトさんと話すときは顔以外見るな、見るなよ〜、俺!)
「シンジく〜ん♪」
(見ないぞ…絶対顔以外、…)
「お待たせ〜。それじゃご飯にしよっか?」
(何が何でも…顔以外見ないっ…)
悲壮感すら漂う顔であなたは冷蔵庫を閉めるとミサトの方に首を向けた。
あなたが固く心に誓った約束はわずか1秒で破られた。

(続く)

160パイパン:2009/11/19(木) 23:46:49
耳が赤く染まるのを感じる。
鼓動が痛いほど強い。
―むっ…胸っ…
薄い淡い黄色のタンクトップ。
目のやり場に困るほど内部から突き上げられている。
直視できずに慌てて正面を向いた。
緊張でのどはすっかり渇ききっている。
(見れない!絶対見ちゃダメっ!!)
(見たら死ぬ!見たら俺が壊れる、ぶっ壊れちまうっ!)
「どうしたの?シンジくん??」
「手をあら…ぅっ…」
向きを変えて流しへと向かうあなた。
向きを変えなければバレるから当然だ。
手に水を流しながらうつむくあなた。
(見たい、本当は見たい、見て見て見まくりたいっ……)
脳裏に浮かぶさきほどの光景。
薄布一枚だけで、その奥に隠された豊かな膨らみは見て取れる。
(大きいし、それに柔らかそう…
だっ…

ダメ、ダメ、頼む、誰かっ誰かっ!!!)
股間が激しく突き上げてくるのを感じる。
(クソっ…お願い、許してっ……)
強引に自分の欲望をねじ伏せ押さえつけ押さえ込むあなた。
あなたはただそのことに全神経を集中させていて。


ふわり…と鼻につく香り。
「シンジくん?大丈夫?」
さきほどまで遠くに感じていた声がすぐそこから聞こえてようやく気付いた。
女の肌の匂い。
あまりにも細い腕が流しで水を浸していたあなたの腕に伸びてくる。
あなたの腰の辺りに何か柔らかい感触のものが当っている。
そして肩にはその感触とはまた違った何かがあたった。
布、という障害物こそあるものの、
柔らかく、そして熱を帯びたように熱く熱く。
女の肌の匂いはさらに強くなる。
「手、怪我でもしたの?」
あなたの手を見ようとミサトが手を伸ばすと、
その柔らかな感触とはあまりに異色な
やや固い、突起物のようなものの感触が肩を通過した。
あなたは

→もう我慢できない。耐えられない。本能に従うことに決めた。
→身体を震わせながら必死で耐えた。強引な手段をとることはしないと決めた。

161パイパン:2009/11/19(木) 23:48:55
代行のお方、最後のは好きな方選んで付け足してくださいww
では今日はここまでです。

162投下依頼:2009/12/08(火) 14:13:39
すみません、どなたかSS書き込みの代行をお願いできますか?
SS投下までには、解除されるだろうと思っていたのに……。


・書き込みたいスレ(エロパロ)
ときメモGSシリーズでエロパロ8
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1255067057/

・名前欄は、以下に書く本文レスの通りで
 メール欄は、全部 sage でお願いします

・お手数ですが、代行後、こちらの書き込みは削除していただけると有り難いです。


以下より本文です。12レスとなります。
もし誰かが先に投下していたら、見送っていただいて結構です。
改めて、お願いにあがります。

163隠しデイジー 1/12:2009/12/08(火) 14:14:29
隠し、お誕生日おめでとう! のSSを投下をさせていただきます。

・隠し×デイジー
・卒業後で、大学1年生
・名前のみですが、キテル、メッティ、チョビが出ます
---------------------------------------------------



 彼女が来たらすぐわかるようにって、窓際を陣取ったのは失敗だった。
 待ち合わせの時間が過ぎても、目に映るのは灰色の重たい空ばかりで気が滅入ってく。
 ここが学食じゃなくて街中だったら、クリスマスムードに華やいだ景色に気も紛れたかもしれないけど。
 まったく、何やってんだろ……。遅れるなよって、あれほど言ったのに。


 ――あ、やっと来た。
 本当に遅刻魔だな。付き合うようになってからの遅刻の通算率、七割は超えたんじゃないか?
 でも、怒れないんだよなぁ……。
 さっきまでの憂鬱は、もう消えてる。僕を見つけた途端、笑顔になった彼女を見ただけで。
「遅れちゃってごめんね! あのね、佐伯くんに会ったんだけど、やっぱり遅れちゃうって」
「佐伯くん? なんで彼と……ああ、今日のことか。いいよ、別に」

 今夜は、待ちに待った僕のお誕生日会だ。
 思いやりある君が、わざわざ計画してくれたんだよな。はば学で一緒だった友達や、佐伯くん、氷上くん、
小野田さんまで巻き込んで。嬉しくて感謝しきれないよ、まったく。
「ねえ、お誕生日会するの、ホントはいやだったの?」
「そんなことない。楽しみにしてた」
 ……君はズルイよ。そんな顔されたら、いやだなんて言えるわけないだろ。「大勢のほうがいいよね」なんて
すごく楽しそうに言われたら、反対できないよ。

164隠しデイジー 2/12:2009/12/08(火) 14:14:59
 本当は、二人きりで過ごしたかったけど。
 初めて君と過ごす誕生日なんだぜ。ロマンチストじゃなくても色々期待するだろ、普通は。
「でも、機嫌悪いじゃない」
「それは……君が遅刻するからだ」
 こういうところは、良く気が付くんだよな。普段は鈍すぎるほど鈍いのに。
 彼女が本当に細やかだってこと、改めて感じたときは感動したっけ。意地っ張りなだけじゃないんだって。
 新しい一面を知っていくたび、嬉しくて仕方なかった。

「あ、そうだ」
 一瞬で表情が弾けて、笑顔になる。
 くるくる変わる君を見てるだけで楽しくなる、なんて言ったら、また拗ねるのかな。
「時間までは、二人きりでいる約束し――あっ!」
「今度は何?」
「言うの忘れちゃってた……。一雪くん、お誕生日おめでとう!」
 ……彼女のこと、悪く言えないな。
 天気や誕生日会のことでイラついたかと思えば、この一言で上機嫌になったり。意外と単純だったんだ、僕も。
「ね、何してようか? どこか行きたい所とかしたいこと、なんでも付き合うよ」
「行きたい所はあったけど、今からじゃもう無理かな。……誰かの遅刻のせいで」
「うぅっ……ごめん。じゃあ、ここでおしゃべりしてる?」
 そんな訳ないだろ。集合時間までの過ごし方、ちゃんと練り直しておいたさ。
「いや、やりたいことがあるんだ。行こう」

165隠しデイジー 3/12:2009/12/08(火) 14:15:26
 何をするかは、ついて来ればわかるよ。
 お誕生日会なんて開催してくれる君に、是非ともお礼をしなきゃと思って。
 ――お礼って言うより、意趣返しかもしれないけど。
 遅刻のせいで時間が厳しくなったけど、実行させてもらうからな。


 これからすること、実は結構前から思いついてたんだ。
 今まで上手いこと誘えずにいたから、今日の遅刻は丁度いい口実になった。
 ちょっと寒いかもしれないけど、身包み剥がしてまではやらないから、安心してよ。

「ねえ、教室になんか来て、どうするの?」
「ここなら誰の目もなく、二人きりでいられるだろ。集合場所にも近いしさ」
 ちらほら見かける人影に不安を感じるけど、教室に入っちゃえば大丈夫、かな。
「いいのかな、勝手に入っても」
「開いてたんだし、僕らここの学生だし、いいんじゃない?」
 外灯の光があるから、真っ暗ってわけじゃないんだ。いい暗さかもしれない。手近な机に荷物を置いてきょろ
きょろしてる彼女が、影絵みたいだ。
「暗いね……。電気点けようよ」
「んー、それはマズイかな。それにさ、明るすぎるのはいやだって、いつも言ってただろ?」
 電気なんか点けたら、外から丸見えになるぞ。君の痴態を人に見せるほど、僕は変わり者じゃないよ。

166隠しデイジー 4/12:2009/12/08(火) 14:15:57
「え――ぅわっ! な、何っ? 急に抱きついたりして」
 髪、柔らかくていい匂いがする。こうやって抱き締めてると、初めて君に触れたときを思い出すよ。教室に
いるってのに、潮風の匂いまでしてきそうだ。
「何って、ナニするんだよ。寒いかもしれないけど、コートだけは脱いでくれる?」
「えっ? 何? って、ちょっと! なんで脱がしてるの!?」
 そんなに暴れるなって。まったく、こういうときは本当に鈍いんだから。わざわざこんな状況を作ってナニ
するって言ったら、察しがつくだろ。

 スカートが短いのはありがたいけど、上はセーターか。前が開くやつを着てきて欲しかったな。
 まあ、仕方ない。手触りがいいから良しとしておこう。
「も、もしかして、最初からそのつもりだったの?」
「うん」
「なっ……ヘンタイ! 信じらんない!」
 何かしら突っかかってくるとは思ってたけど、変態って言われるとは思わなかったな……。
「さっき言ったろ? 集まるまでの時間、なんでも僕に付き合ってくれるって」
「言ったけど……でも、なんでもって言っても、まさかこんな、あっ!」
 これ以上言い合いしたらケンカになりそうだから、先に進めるか。
 悪いけど、君を黙らせるのは難しいことじゃないんだ。弱いところは把握済みだし。
 うなじだろ、耳だろ、胸とかは言うまでもないけど……そういえば、背中も感じてたっけ。
 服の上からでも感じるのかな? 色々試してみよう。

167隠しデイジー 5/12:2009/12/08(火) 14:16:32
「ねぇ、やめようよ、誰か来たら、んっ……どうするの」
「鍵掛けておいたから平気だよ。よっぽど騒がなきゃね」
 このセーター、本当に触り心地がいいな。彼女の胸がいつもより柔らかく感じるし、直に触るのとはまた
違った良さがある。暫くこうやって楽し……手を温めよう。うん。
「ねえ、寒くない?」
 首筋に唇を這わせて、体温を確かめる。ずっと曝されてたわりに、温かい。触れた頬も、耳も温かい。
「やっ……さむ、いよ。あっ、ぁ……ねぇ、やめて違うとこ、行こ?」
 まだそんなこと言うんだ。上擦った声で言われても、余計いじめたくなるだけだぜ?
 手も温まってきたし、直接触れても大丈夫かな。セーターを伸ばさないように、ちゃんと気を付けるから。

 温かい彼女に直に触れて、素肌で抱き合えないのが残念になってきた。
 やっぱり、ここでやるのはやめとけば良かったかな……。でも、あそこに行く時間はないし、闇に紛れて教室
でやるって誘惑にも勝てなかったし。
「……あ、もう硬くなってる。結構感じてるんだ?」
 胸に手を這わせたとき、下着の上からでもわかるくらい、指先に硬くなったものが触れた。
 もう少し焦らしてから弄ろうと思ってたのに、ついそこに指が集中する。
 軽くつねると、彼女は出そうになる声を喉の奥で押し殺して、代わりに甘ったるい吐息を漏らす。
 下手に喘ぐより、そのほうがよっぽど興奮するって知らないんだろうな。
「感じて、ないよ……ここ、さむ、んっ……寒いから、だよ」
 生理反応って言いたいわけ? 色気ないなぁ。

168隠しデイジー 6/12:2009/12/08(火) 14:16:55
「ごめん。やっぱり寒いよな、こんな所じゃ。もっと温めてあげるよ」
 体を押しつけると逃げるもんだから、気付けば僕と机に挟まれてる。
 もうちょっと押したら、手を着いて前かがみになるかな?
「ね、ダメだってば。ちょっ、わっ! 危ないから押さないでよっ!」
 ……怒られちゃった。
 でも、結果オーライだ。その体勢を取って欲しかったんだよ。直立したままじゃ、ちょっとやり難いし。
「こんなところでするの、絶対やだ!」
「……そうだな。君、声大きいから、外に聞こえちゃうだろうしなぁ」
「そっ、そんな大きくないよ。普通だってば」
「いいや、大きい。気付いてないの?」
「そんなこと、ないもん」
 試してみようなんて持ちかければ、意地っ張りな彼女は大抵乗ってくる。
 さすがに今回は担がれたことにすぐ気付いて、後悔し始めたけど。
 可笑しさを堪えながら、首筋をくすぐる。火照った胸をいいように揉みしだく。まだあるかもしれない彼女の
いいところを探そうと、あちこち触れていく。
 腿からお尻を撫で上げると、最後まで抵抗してた脚も力をなくしていった。
 堪えても漏れる吐息に、すごくそそられる……。ホントやばいよ、それ。
「あっ……ん……っ、ああっ!」
「うわっ!?」

169隠しデイジー 7/12:2009/12/08(火) 14:17:18
 脚の中心に指を這わせた途端、腰が揺らいで崩折れそうになった。
 慌てて腰を抱え、へたり込もうとする体を机に座らせる。
 危なかった……。彼女が手を着いてなかったら、支えきれなかったかも。
 軽く触れたつもりだったけど、ちょっと強すぎたみたいだ。
「大丈夫? どこも打たなかった?」
 暗さに目を凝らし、怪我をしてないかそっと触れていく。
「ごめんね、急に力抜けちゃった……。ね、そんなに心配しないで。平気だから」
 照れくさそうに笑う声と、僕の頭を優しく撫でる感触に、愛しさがどうしようもなく溢れ出してきた。

 重ね合わせた彼女の唇が、色々な感情を呼び起こす。
 会いたくても会えなかった頃の寂寥感。今は僕のそばにいる安堵感。満たされる幸福感。
 そして、彼女が好きで堪らない気持ち。
 僕が抱えてる想いを全部、キスに変えていく。鈍い彼女に伝わるように何度も、何度も。
 開かれた唇の中へ挿し入れる舌にも、想いを込める。絡み合う舌から浸透するように。

 長い長いキスの後、擦り寄る彼女を抱き締めて一息吐く。
 彼女を侵食しようとしたのに、僕のほうが彼女で一杯になってるのが、ちょっと悔しい。
「……どうしたの? 急に優しくなったね」
「君のこと好きすぎて……混乱してきた」
 腕の中で、息を呑む様子が伝わる。そんなに驚くことかと思う矢先、小さな肩が震えだした。

170隠しデイジー 8/12:2009/12/08(火) 14:17:39
「……なんで笑うかな」
「だって……ふふっ。一雪くんて、ホントに変な人」
 たまに素直になれば、笑われるなんて。
 変で悪かったね。でも、それは最初に言ったろ。いい加減慣れて欲しいな。
 君こそ素直に喜んだら? なんだかんだ、しっかり抱きついてるくせに。
「ねえ、時間……まだ平気だよね?」
「え?」
「私も、一雪くんが大好き。すっごく恥ずかしいことされても、つい許しちゃうくらい」
 拗ねたように言いながら、僕の両頬をつねる。でも、少しも痛くない。
「集合時間に遅れないって約束してくれるなら……いいよ、最後までしても」
 返事もしないでキスをしたら何か言いたそうにしたけど、そのまま受け入れてくれた。
 余計な一言は僕の専売で、君のじゃないもんな。

 スカートの中の、更にその中へ手を差し入れる。ちょっと刺激するだけで、彼女は苦しそうな息を吐いた。
「声、我慢できる? 辛いなら、僕の服噛んでていいよ」
「うん……。ねえ、下着……これ以上汚しちゃうと、あとが大変だから」
 立ち上がった彼女の下着を下ろしながら屈んだとき、ロングブーツのせいでそこからは下ろし難いことに
気付いた。無理に脱がしたら伸びるとか怒られそうだし、かと言って、膝で留めておくわけにはいかない。
 どうしたものかと逡巡してると、彼女がブーツのファスナーを下ろしていった。「見ないで」と言い捨てると
ブーツを脱いで、下着から脚を引き抜いていく。
 片膝に下着を纏わせた朧な姿に、思わず興奮する。……僕ってやっぱり、変態なのかな。

171隠しデイジー 9/12:2009/12/08(火) 14:18:01
 彼女の体を机に預け、そっと指を這わす。
 いつもより優しく触れてるのに、すぐにとろとろしたもので濡れそぼっていく。
 僕の肩に顔を押し付けて堪える彼女の声が、体に響いてすごく気持ちいい。
 気遣うつもりで掛けた囁きにさえ震えて、悩ましい息遣いもだんだん大きくなる。
 彼女に釣られるように僕も熱くなって……ダメだ、苦しくなってきた。
「ちょっと、いい?」
 首をかしげて僕を見る彼女に「見るな」と言って、前を寛げようとベルトに片手をかける。
「あ……。ねえ、私が……」
 なんのことかと目を向けると、そこにあるはずだった顔がない。
 僕の前に膝を着いた彼女が、ベルトを外していく。それがすごく幻想的で、見入ってしまった。
 ファスナーを下ろし、ずらした下着から僕のものを引き出すと、ゆっくりと手を動かしだす。
 声をかけるより先に直撃した刺激に、息が詰まった。少し冷たい彼女の手が妙に気持ちよくて、情けない声が
出そうで唇を噛み締める。
 そんな僕に気付いたのか、「私の服、噛んでいいよ?」なんて意地の悪いことを言う。
 ここは言い返さなきゃと口を開こうとして――慌てて閉じた。
 柔らかくて温かい唇が、僕を包み込んでいく。快感に押し潰されそうで、細い肩に掴みかかった。その痛みの
せいか、奥まで咥え込んだせいか、苦しげな呻き声が上がる。
 彼女はそれでも止めることなく、舌も使って扱きあげていく。
 されるがままに、与えられる快楽に酔いしれた。荒くなる息を飲みながら。

172隠しデイジー 10/12:2009/12/08(火) 14:18:24
「ねえ、一雪くん……アレは?」
 問われたアレが解らずにいると、彼女は完全に勃ち上がったものを摩りつつ、ホラとかコレとか言いよどむ。
 ……あぁ、コンドームのことか。なんだ、別に恥ずかしがるものじゃないのに。
 いつまでも人のモノを握ってるほうが、よっぽど恥ずかしいと思うけど。
 ポケットから取り出してみせると、「あったまって溶けてるんじゃない?」と呆れられた。
 辛辣だな。用意周到だねって少しくらい感心して……くれなくても、いいか。
 着け終えると、両手を広げて迎えてくれた彼女を抱き締め、机に浅く腰掛けさせる。お尻が冷たいだろうけど、
スカートは上げておかないと。汚れただのシワがついただの、後で絶対文句を言うに決まってる。

 撫で広げた脚の間に割り込んで、僕の全部を彼女の中に挿し込んでいく。
 なんだか、いつもより熱い気がする。本当に溶けるかも……。
 そんな錯覚は現実的な快楽になって、腰の動きが強く、速くなるのを止められない。
「んんっ! ふっ、んぅ……だ、だめ、ゆっくりして……」
 そう言って僕の腰に絡めた脚に力を入れ、動きを押さえ込もうとした彼女の努力が仇になった。
 弾みで思いきり奥を突かれて大声を上げると、いきなり僕の首に噛みつ――
「ちょ、ちょっと! 痛いって! なんで噛み付くんだよ!?」
「あっ……だ、だって、急に奥まで入れるんだもん」
「君が押さえ込むからだろ? 痛いし、危うくいきそうになるし、酷すぎるぞ」
 服を噛もうとして、狙いが外れて首を噛んだんだろうな。慌ててたし、暗かったから、それをどうこう言う
つもりはないけど。
 謝るどころか「早くいってよ」なんて言い出す始末だ。さすがにこれには頭にきた。

173隠しデイジー 11/12:2009/12/08(火) 14:18:47
「……じゃあ、すぐ終わらせる。その代わり、覚悟しろよ」
「えっ?」
「噛みたかったら、服でも首でも、好きなだけどうぞ」
 無理やり頭を肩に押さえ付け、思いきり腰を叩きつけた。
 繰り返される激しさに戸惑う彼女を離さず、穿つように突き上げる。机に押し付けたいところだけど、向きが
悪くて寝かせられないのがもどかしい。
 首にしがみつき、襟を噛み締める彼女の腰を両手で掴んで、ひたすらに揺さぶり続けた。
「ふぅっ、んんっ! ……はぁっ、あっ、あうっ! くふっ、んぅぅ……っ」
 くぐもった嬌声と荒い息に混じって、彼女から溢れる水音も響く。それを聞いてるだけでも気が逸るってのに、
ぎゅうぎゅう締めるもんだから、もう限界が近い。
「かずっ……か、ああっ! だめっ、ぅあ、あぁっ、いっ……んんっ、んんん――!」

 思いきり首も下も締められて、耐え切れずに僕も一緒に果てた。


 必死に酸素を求める彼女をなんとか机に寝かせて、力果てて床に座り込む。咳き込みながら、僕も酸素の
ありがたさを味わった。
 ……なんだか散々だったな。変態呼ばわりされるし、噛まれるし。最後には首絞めまでされるなんて。
 それほど感じてくれたのは嬉しいけど、限度ってものがあるだろ?
 君がそんなバカ力だったなんて、知らなかったよ……。

174隠しデイジー 12/12:2009/12/08(火) 14:19:12
 漸く落ち着いたところで、後始末にかかる。
 のそのそと動き出した彼女も身支度を始めるのかと思ったら、やけにしおらしく僕を呼んだ。
 ……この声、絶対怒ってる。
 結局はケンカになるのか……。そんな気力ないし、今日くらいは穏やかにいきたいのに。
「ねぇ、一雪くんの行きたいところって、どこだったの?」
「え? ああ、なんだ、そのことか……。あの海辺だよ。ほら、灯台の近くの」
「な……っ、あそこでするつもりだったの!?」
「あ、あのねぇ……。そんなわけないだろ」
 なんだよ、その疑いの眼差し。僕のこと、本当にどう思ってるんだろ……。

 集合時間には、間に合いそうかな。何か飲みながら行こう。
 君が僕に抱いてる変なイメージも、ちょっと修正しておきたいし。
 噛まれた痕は消えないだろうけど……まぁ、いいか。



---------------------------------------------------
以上で終わります。読んでくださった方、お疲れ様でした。

175名無しさんが妄想します:2009/12/08(火) 14:20:05
以上となります。
よろしくお願いします。

176名無しさんが妄想します:2009/12/13(日) 01:16:43
>>162-175 です。
上記の依頼を取り下げます。
ようやく規制が解けたので、投下できました。
スレ消費、大変失礼いたしました。

177名無しさんが妄想します:2009/12/13(日) 01:26:02
っと。しばらくここ駐留するの忘れてたや。>>176の人、スマヌ

178リボンなナイト09 ◆8ue1Tpo8eY:2009/12/22(火) 22:29:09
SS書き込み代行依頼させていただきます。
【書き込みたいスレ】↓
魔法先生ネギま!エロパロスレ30
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1229961111/
【名前】リボンなナイト09
【メール欄】sage

次レスからの文章を書き込み代行お願いします

179リボンなナイト09 ◆8ue1Tpo8eY:2009/12/22(火) 22:35:22
リボンなナイト09、第二話投下入ります。

>>229

 +     +

唇が離れ、愛衣の脚がふらふらと後退し、ぽんとベッドに尻餅を着く。

「大丈夫か?…」

駆け寄った小太郎は、愛衣の意味ありげな微笑みを受けてニッと照れ笑いを浮かべる。
その間に、愛衣の形のいい脚はひょいと柵を越えてベッドの中に入る。

「どうぞー」

そう言われて、小太郎も、ひょいと愛衣が空けたベッドのスペースに上がり込む。
小太郎が何かを言う前に、ちゅっと唇を吸われていた。
唇が離れ、目と目が合い、改めてベッドに座っての長いキスが交わされる。

「ん、んっ」
「んんんっ…」

唇が離れた時には、互いに、はーはーと荒い息を吐いていた。

「あー、なんか…」

小太郎が、舌をぺろりと出して呻く。

「駄目でした?」
「いや、駄目やない、まあなんかおもろかったけど」

真面目に応える小太郎の姿に愛衣がクククと笑い、小太郎も釣られて笑みを浮かべる。

「こーゆー事は私がおねーさんなんですからねー」
「あー、そやなー」

クスクスと言う愛衣に、小太郎はぶっきらぼうに応じる。

「ですからー、もっと教えてほしーですかー?」
「あー、頼むわ師匠」

180リボンなナイト09 ◆8ue1Tpo8eY:2009/12/22(火) 22:40:35
ちょっとからかい気味に言うが早いか、小太郎は愛衣に抱き付いてベッドに押し倒していた。
目の前の、愛衣のうっとりとした瞳広がる髪の毛に、小太郎はつり込まれそうになる。
そこから少し視界を広げると、白く柔らかな女性の姿が。

「触って、ええんか?」
「どうぞ」

思わずごくりと鳴った喉が聞こえたか、と、ちょっと気恥ずかしい思いをしながらの小太郎の問いに、
愛衣はにっこり笑って応えた。

「んふふっ、くすぐったい。でも、敏感なんですから、もう少し優しく…あっ、はあっ…」
「どないしたん?」
「コタローさんのお手々が気持ちいーんです」
「愛衣姉ちゃんのおっぱい柔らこうて、あれやなー、結構おっきいんやなぁ」
「ありがとーございます。
そーですねー、コタローさんの周りって色んな意味で凄い人多いですけど」
「んー?」

その時、ふと、小太郎の脳内スカウターが二つ同時に猛烈な回転を始めた。

「そやな」
「どうしたんですか、真面目に?」
「只の人よりは強い、ちゅーか結構いい線いってる。
けど、トップクラスからは今んトコ思い切り遠い。愛衣姉ちゃんってどっちもそやなーて」
「なんですかそれー?」

愛衣がケラケラ笑ってやり過ごしたのが救いだった。本来、ベッドの上で比較とは実に失礼な事である。

「はああんっ」

思い立った様に小太郎が乳首に吸い付く。くすぐったさの向こうからこみ上げるものに声を上げ、
愛衣はまだしっとり湿った小太郎の黒髪を静かに撫でていた。

「ん、んんっ…」

そのままきゅっと抱き締められた時、
愛衣の体に、下腹の違和感ともぞもぞとする小太郎の抵抗が伝わって来る。

「ここ、我慢、出来ませんか?」
「あ、ああ、なんか又…」
「んー、じゃあ、はい、ここに座る」
「ああ」

181リボンなナイト09 ◆8ue1Tpo8eY:2009/12/22(火) 22:46:28
ちょこんとベッドの上に座りながら、何か普段は師弟的な立場の逆転を楽しんでいるのではないか、
そんな考えも小太郎の頭をよぎる。
が、もはや目の前の甘美な果実の虜になりつつある、そんな自分の事も分かる。

「おかしいんかいな?」

腰のタオルを解かれ、ぴょこんと飛び出したのにくすくすと笑われて、
少しむっとした小太郎を前に愛衣はにこにこと首を横に振る。

「ちゃーんと、立派な男の子ですよー」
「むー…おうっ!」
「こーすると、気持ちいーんですよね」
「あ、ああ、ちょいマテ」
「はい」

ぎゅっと掴んで上下した手をこんな時だけ素直に止められ、
何か残念な様な気もしたのもつかの間、すぐに脳天までズキューンと突き抜けた。

「お、おおっ、おおおおい汚いて…おおおっ!!…」

目の前に這いつくばった愛衣がチロッとその潤んだ瞳を上目遣いに小太郎に向けたその時、
小太郎の忍耐力は限界を迎え、目を白黒させていた愛衣がぷるんと程よい膨らみも露わに
ぐいーっとその身を反らす。
小太郎の目の前で、ごくんと白い喉が鳴る。

「あれ、飲んだんか?」

ぽかーんとして尋ねた小太郎に、そっと手の甲で唇の端を拭った愛衣がにっこり微笑む。

「あれって、旨いんか?」
「すっごくマズイです」

愛衣が、ぺろっと舌を出して笑う。

「気持ち良かったですか、コタローさん?」

逆に尋ねられた小太郎がこっくりと頷く。

「なんつーか、そんなんどこで覚え来んねん?」
「それはまーおねーさんなんですからー、
イケナイお喋りとか雑誌の一つや二つそれぐらい知ってますよーだ」
「あーさいで」

182リボンなナイト09 ◆8ue1Tpo8eY:2009/12/22(火) 22:51:31
微妙について行けず、はあっと嘆息した小太郎は、額にコツンと熱い感触を覚える。

「でも、コタローさんだから、好きな人だからですよ。
好きな人でも、簡単にする事じゃないんですからね。すっごくまずーいですし」

狂わせている熱い額に潤んだ瞳。
だが、それでも、芯は至って真面目、いつも立派な魔法使いになりたいと一生懸命な愛衣。
だから恋にも真面目に一生懸命。
その事を万分の一でも理解し、小太郎は唇で返礼する。そもそも自分のだ、汚いも何も無い。

「あの…」
「ん?」
「また、抱っこ、いいですか?」

小太郎は、下腹から突き上げた快感の余韻を破り、
愛衣の柔らかな裸体がぶるるっと震えている事を思い出した。

「ああ」
「えへへ…」

それでも、ベッドの上に座ってきゅっと抱き締められた愛衣は至福の笑みを浮かべていた。
そして、小太郎は愛衣をそっとベッドに横たえる。

「あー…」

「無理せんでも」、と、続けようと思った所で、
小太郎の視界には小太郎にその熱く潤んだ瞳を向け、
パーッと両腕を広げた愛衣の生まれたままの姿が飛び込んでくる。
そうなると、小太郎も、それが一番の薬かの様に思えてきた。
ベッドの上で静かに抱き合い、唇を重ねる。

「んー、又…」
「かなんなぁ、なんか、愛衣姉ちゃん柔らこうてええ匂いであれや、ホンマ…綺麗やから」
「嬉しい」

にっこり微笑む愛衣に、照れ笑いで従う小太郎はやはり立場の逆転を覚える、が、
それよりも何よりも、愛衣のお腹の上でまたまた節操なく反り返ってるそっちの方が大事に思えて来た。

「準備、て、こうか?」
「はい、そう、そうですはああっ…」
「んー、なんぞ、愛衣姉ちゃんもぬるぬるして来たで」
「それがいーんです女の子も気持ちいーとここがぬるぬるして男の人を受け容れる準備なんですううっ」

183リボンなナイト09 ◆8ue1Tpo8eY:2009/12/22(火) 22:54:48
意外に器用で繊細な小太郎の指使い。
既にすっかり露わになった敏感な小粒を、最初は痛いぐらいだったがコツを掴んだ小太郎の指にこね回され、
愛衣はベッドの上で何度も跳ね上がりそうになった。

「コタローさんっ!」
「はいっ!」

愛衣の叫びに、小太郎は思わず叫び返して指を止めた。

「指、じゃ、なくて…」
「ん?」
「ですから、あの、そにょ」
「だからなんやねん?」

どことなく投げやりな返答。少なくともじらす様な器用さは持ち合わせていない。
むしろ、小太郎の方も切羽詰まった機嫌の悪さだ。

「はい。だから、その小太郎さんの、それをそこにですからあにょその…」
「あー、つまりこーゆー事か…あおおおおっ!!」

どっちも初戦と言う事になると、最後の決め手を握ったのは達人小太郎だった。
だが、その位置を正確に把握し、ぐいっと腰を使ったその瞬間、
小太郎は自分が誘い込まれ呑み込まれトドメを刺された事を下腹から脳天まで突き抜ける一瞬に悟った。
それでも、歴戦の猛者は、微かなうめき声歪んだ顔を見逃さない。

「あー、愛衣姉ちゃん」

愛衣の裸体にぴとっと重なり、互いに荒い息を吐いていた小太郎が、ようやく声を掛ける。

「はい」
「あー、なんつーか、入れた時、どうかしたんか?」

小太郎の心配そうな問いに、愛衣はくすっと笑った。

「あのですねー、女性のここってすごーくデリケートなんです。濡らしたから簡単に、じゃなくって。
特に、初めての時は引っ掛かって痛い所があったりするんですよー」
「そうなんか。で、大丈夫か?」
「はい、全然だいじょーぶ、コタローさんはどーでした?」
「ああ、なんつーか、良かったわ」

184リボンなナイト09 ◆8ue1Tpo8eY:2009/12/22(火) 22:57:59
伝えられない表現し切れないもどかしさを久々に感じる小太郎の今日この頃であった。が、
それはすぐに、熱い口づけによる存分の非言語コミュニケーションをもって埋め合わされる。

 +     +

「大丈夫か?」
「大丈夫大丈夫、大丈夫です」

こうなったらもう、恥ずかしいも何もない。
小太郎が愛衣を支える形で二人で浴室へと向かい、
腰掛けにすとんと座り込んで汗を流す愛衣の傍らで小太郎もシャワーを浴びる。

「んふふっ、なんか赤ちゃんみたい、恥ずかしいですー」

脱衣所で、まだ視線の定まらぬ小太郎に体を拭いて貰い、
愛衣はくすくすきゃっきゃご機嫌だ。

「ほれ」
「きゃっ♪」

バスタオルで愛衣の体を拭き終えた小太郎が、又、背中と腿を支えてひょいと愛衣を持ち上げる。
こうすると女性がえらく喜ぶものだと、小太郎はふと学園祭での光景を思い出していた。

「えへへ…」

実際、実に嬉しそうに、屈託無く笑うものである。小太郎としても苦笑するしかない。
普段は、ちらっと可愛らしい所は見せても堅苦しいくらいに真面目。
一緒になるのが主に修行の場で、小太郎が師匠みたいなものだからと言う事情もある。
それがこの変わり様、これが素なのかとちょっと呆れそうにもなるが、
自分の事を好きだと言う愛衣が素直に甘えて好意を向けて来る。
それはそれで小太郎も悪い気分はしない。
それは、実際可愛いし、普段の愛衣が真面目なしっかり者だと知っているから、
こんな時ぐらいとも思える。

「ほら、着いたでお姫様。病人なんやから精々おとなしゅう寝ときや」
「はーい、ありがとーございまーす」

そっとベッドに下ろされた愛衣は、実に嬉しそうに敬礼する。

185リボンなナイト09 ◆8ue1Tpo8eY:2009/12/22(火) 23:01:15
「…けど…残念やったな」
「?」
「クリスマス・パーティーだったんやろ?出れんくて…」
小太郎の言葉ににっこり微笑んだ愛衣が、ベッドの上でゆっくり首を横に振る。

「最高のクリスマスプレゼント、いただきましたから」
「?」

小太郎は又、愛衣の輝く瞳に吸い寄せられ、静かに唇を奪われる。

「大好きな男の人との初めて、最高のプレゼントです」
「…そうか…」
「Melly X’mas 」

もう少し何かを言いたい気もしたが、綺麗な発音で引き取った愛衣は、既に布団を被り寝息を立てていた。

「あー…ぼちぼち乾いたか?」

そんな、愛衣の寝顔を覗き込んでいる自分の姿に気付いた小太郎が、そっぽを向いて誰に言うともなく言い、
腰のタオルを外して下着を乾かしている暖房の前にスタスタと近づく。
その半ばで、物音に気付いた小太郎は、そちらを見ながら滝の様な汗を噴き出していた。

 +     +

「あーーーーーーーーうーーーーーーーーー………」
「………」

謎の光と共に窓をブチ破った小太郎の体が、
若々しく逞しい反り返りの軌跡を描いてキラーンと空に輝くお星様になるのを、
自分の共用部屋の窓をブチ破られた夏目萌はただ呆然と眺めていた。

「…大体の事情は分かりました…」

部屋に生還した小太郎を正座させ、腕組みをした高音がひくひくと眉を震わせる。

「つまり、高熱で朦朧としたままシャワーに入ろうとした愛衣と危ないから止めようとしたあなたが、
バスルームで組んず解れつのすったもんだの末にずぶ濡れの水浸しになって帰るに帰れず現在に至ると」
「あ、ああ…ま、そんな所や…」

言っている間にも、4泳法を泳ぎ切った小太郎の目を見た高音のコメカミにビキッと青筋が浮かぶ。

186リボンなナイト09 ◆8ue1Tpo8eY:2009/12/22(火) 23:04:19
「あーーーーーーーーうーーーーーーーーー………」
「………」

高音に耳を引っ張られて姿を消す小太郎を、萌は只見送る事しか出来ない。

「あー、高音姉ちゃん…」

小太郎が言いかけた次の瞬間、どんと背中を押し付けられたバスルームの壁に、
ドカカカッと大量の触手が突き刺さる。

「一つだけ言っておきます」
「な、なんや?」

自分の周囲から伝わった衝撃とつり上がった目は、並の猛者でもチビリそうなド迫力。
小太郎も震えを禁じ得ない中で、あえて活路を見出すべく口を開く。

「愛衣を泣かせたらコロス」

頭上の壁にドカン、と、触手が突き刺さり、
小太郎は耐え抜いた自らの膀胱括約筋を誇りに思った。

 +     +

「んー…」

ようやく解放された小太郎が、女子寮近くの屋外で腕組みしながら唸っていた。

「やっぱあれか、責任とか取らなあかんのかいなー。
高音姉ちゃんマジんなったら、あの絶対防壁結構厄介やし…
いやいやそういう事やなくて、女にとってすっごく大変な事なんやろなー、
愛衣姉ちゃんも真面目でフツーのええイトはんやし…」

改めて、屈託の無い笑顔が思い出される。ああして見ると実に可憐。
今まで余りそういう発想をしなかったのが急激にイメージされ、更に生々しい経験までついてきて、
小太郎の頭がボッと熱くなる。

「あ、コタロー君」

ブンブン頭を振っていた小太郎がハッと振り返ると、
原作の主人公である魔法少年がタタタと駆け寄って来る所だった。

187リボンなナイト09 ◆8ue1Tpo8eY:2009/12/22(火) 23:05:49
「なんや、ネギか」

このご挨拶なご挨拶にも、
至って素直な少年は、姉の様に仲のいい神楽坂明日菜を後ろに、にこにこと近づいてくる。

「コタロー君、これ」
「ん?でこぴんロケットクリスマスライブ?って今日、これからやん」
「うん、コタロー君に渡してくれって」
「なかなか捕まらなかったから、間に合わないかと思ったけどねー。
でも、ライブとか行くのコタロ君?」
「んー、まあ、せっかくやからもろとくわ」

 +     +

最初は何か騒々しいだけにも思えたが、終わってみると結構楽しい。
そんなライブハウスでの一時を終え、小太郎はふらりと表に出ていた。

「なんつーか、浮かれとるなぁ」

何となくいつもと違う夜の街、今までは無縁と思えたもの。

「よっ」

振り返ると、先ほどまでステージで熱いライブを展開していたでこぴんロケットご一行様が勢揃いしていた。

「おう、姉ちゃん方」

ハッキリ言って、会場で他の面々とはぐれていた小太郎が機嫌良く手を上げた。

「来てくれたんだ」
「ああ、なんか知らんけど良かったわ」
「そりゃどーも」

小太郎の実に素直な感想に、尋ねた美砂も苦笑を浮かべて答える。

188リボンなナイト09 ◆8ue1Tpo8eY:2009/12/22(火) 23:09:54
「ん?はーい、もしもーし」

美砂が、不意に携帯電話を取り出し話し始める。

「ごめーん、彼のスケジュールが急にオッケーなんだってー」
「はいはーい、ほにゃらば私もーっ」

手を合わせる美砂の脇で、やはり携帯電話を使っていた桜子が続く。

「はーい、ほならうちもナギさんとー♪」
「い、いや、ちょっとそれ明らかに無理あるやろあんた何月連載の和泉さんやねん?」
「んじゃーねー、ちゃーんと送ってきなよ男の子なんだからー」

小太郎の突っ込みも虚しく、美砂が小太郎に釘を刺しながらひらひらと手を振ってその場を後にし、
桜子と亜子もそれぞれ別方向へと消えて行った。

今回はここまでです。続きは折を見て。
−−−−−−−−−−−−−−
代行依頼本文は以上です。
長くてすいませんが、よろしくお願いします。

189リボンなナイト09 ◆8ue1Tpo8eY:2009/12/24(木) 14:26:05
>>179-188代行確認しましたありがとうございました。
引き続き代行依頼させていただきます。

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190リボンなナイト09 ◆8ue1Tpo8eY:2009/12/24(木) 14:28:05
うっげぇーっ、今日イブかよ、無理、絶対まにあわねー、
こりゃ、松飾りしながらクリスマスSS だな…

それでは第三話投下、入ります。

>>241

 +     +

「どこも一杯やなー」
「クリスマスだしねー」

何件かの食べ物屋を回った後、小太郎の言葉に円が苦笑して言った。

「なんつーか、どこもあれ、男と女のアベックやらカップルやらで一杯やな」
「私達もカップルだけどね」
「カップルちゅうか、見た目フツーに姉弟やん」
「まあね」

冗談めかした円の言葉に小太郎があっさりと言い、円は曖昧な笑みで応じる。

「ごめんねーこんなんで」
「いや、ええて、急に一緒んなっておごってもろて」
「素直だねーコタ君は」

結局、最後に立ち寄った牛丼屋も満員御礼、
これからアンチ・クリスマスの大行列にでも繰り出すのかと言う男祭りの真っ最中。
温めたハンバーガーをコンビニの外でかじっていた円が、
ぺろりと平らげた小太郎の髪の毛をくしゅくしゅとかき回した。

「なんやねん」
「別にー」

にこにこ笑っている円を見上げ、小太郎はやれやれと憎めなく感じる。
なんとなく、そんな気分になったのは、屈託のない笑みが先ほどの愛衣に似ていたからかも知れない。
そんな円が、空を見上げる。

「何や?」
「雪だよ」
「そやな」
「もーっ、ホワイト・クリスマスだよーっ」

191リボンなナイト09 ◆8ue1Tpo8eY:2009/12/24(木) 14:29:16
円が、本気ではないにせよ何を怒っているのか今いちピンと来ない小太郎だったが、
そんな円がなんとなく可愛いとは思う。

「ホワイト・クリスマスねぇ」
「そ、ホワイトクリスマスにイルミネーションの下をあーやってカップルで、
女の子の憧れって奴?」
「すまんなー、俺みたいなガキ連れて」
「いいっていいって」
「だからなんやねん」

また髪の毛をかき回され、小太郎は嫌がって見せるが、笑顔の円にそうされるのはどこかくすぐったい。
そうやって、浮かれるイブの街を二人そぞろ歩く。

「…けど…」
「何?」
「ちぃと、ヤバイかもな」
「え?ひゃっ!」

雷鳴が静まった時、円は、小太郎に抱き付いている自分の状態に気が付いた。

「ご、ごめん、いきなりだったから」
「いや、ええて」

ちょっと赤くなってそそそと離れる円に小太郎が言い、チラッとそちらに視線を向ける。
半ばまで開いた黒いジャケットの下はざっくりとVカットされた黒いタンクトップ、
黒革のミニスカから円の形のいい健康的な腿が見える。

“…あのステージがこんなんやったっけ。寒そうやなぁ……”

目にした時にはその様に考える小太郎であるが、同時に生唾を飲んでいる自分のそんな気分にも気が付く。

「…って、何よこれーっ!!…」
「ミゾレや」
「そーゆー事じゃなくてーっ!!」

無感動に言う小太郎に突っ込みながら、円は小太郎を連れてばしゃばしゃと駆け出す。

「うわぁー、参ったねこりゃ」
「そやなー」

192リボンなナイト09 ◆8ue1Tpo8eY:2009/12/24(木) 14:30:24
逃げ惑うカップルに一足遅れ、ようやく軒下を見付けた円が言い、隣の小太郎が応じる。
何しろ、体を冷やしてえらい目に遭った女の子とついさっきまで一緒だった小太郎である。
黒髪が濡れて乱れ、服から除いている胸の谷間や腿に大小の雫がびっしょりと浮いているのは、
見ていて実に不健康に見える。まずそう考えるのだが、
同時に、やはりごくりと生唾を飲みそうになる、そんな自分の事にもちょっと気が付いている。

「うあー、まだ降ってるよー、どっか入れないかなぁ…」
「えーと、この辺ちぃと無いんかー?」

今の所はあくまで円の健康第一を発想とする小太郎がきょろきょろと周囲を見回すが、
なかなか適当な所が見当たらない。

「ん?…そうだ、コタ君アレ持ってる?」
「アレ?」

 +     +

「ふーっ」

つい先ほどまでワイルド系イケメン高校生と化していた小太郎が、
さすがに冷えた体で用を足し終えて部屋のリビングに戻る。
そして、バカでかいベッドに背中から倒れ込んで一息ついていた小太郎だったが、
身を起こした時、目をぱちくりさせていた。

「ふーっ、さっぱりしたーっ」

程なく、つい先ほどまでボーイッシュ美人女子大生と化していた円が、
ほこほこと湯気を立てながらバスローブ姿で姿を現す。

「ん?どったのコタロー君?」

ベッドに座って下を向いている小太郎を前に円が言い、
小太郎の顔が前を向いた場合の視線を追ってくすっと笑った。

「あー、そっかー、こーゆー風になってんだー。
入っていきなしトイレ争奪戦してたもんねー」
「み、見てへん、見てへんからな俺は」
「はいはい、分かってます、コタ君硬派だもんねー」

鏡が内側のマジックミラーなバスルームの壁を前にして、
真っ赤な顔で俯く小太郎の髪の毛を、円が又にこにこ笑ってくしゅくしゅかき回す。

193リボンなナイト09 ◆8ue1Tpo8eY:2009/12/24(木) 14:31:44
「でも、コタ君もびしょ濡れ、風邪ひくよ。入ってきなよ、って、やっぱ恥ずかしいかな」
「べ、別になんて事あらへんっ」
「んじゃ、行ってらっしゃーい。大丈夫だって、そんなお子ちゃまの見てもしゃーないでしょ」

くすくす笑った円が、ひらひらと手を振る。それが円なりの気遣いである事は小太郎にも何となく分かる。
それに、小太郎にもチラ見とは言え多少の疚しいものがある。
ギクシャクと動き出した小太郎の姿に、円はもう一度くすくす笑う。

 +     +

「でも、便利なモンもあったもんねー」

バスローブ姿でベッドに座り、下を向いた小太郎の隣で円が言う。

「たまたまポケットに残っとったからなー年齢詐称薬」
「お陰で一休み出来た訳だけど、ラブホって色々よく出来てるんだねー、はい、タダだって」
「おう」

円にコーヒーを渡され、小太郎はドプドプと甘く味付けする。円もそのつもりでごっちゃりと用意していた。

「まー、夏に色々あって、ちょっとびっくりしたりもしたけどねー」
「ちょっとかいな」
「あのクラスだもん、魔法使いでも超能力者でもねー」
「あー、それ表で…」
「分かってる分かってる」

隣でにこにこと笑う円が、まぶしかった。

細切れですいませんが第三話投下終了です。
今回はここまでです。続きは折を見て。
−−−−−−−−−−
代行依頼本文は以上です。
よろしくお願いします。

194リボンなナイト09 ◆8ue1Tpo8eY:2009/12/24(木) 22:36:41
>>189-193の代行依頼取り下げます。
スレ消費失礼しました。

195リボンなナイト09 ◆8ue1Tpo8eY:2009/12/26(土) 23:23:15
復帰出来たと思ったら又書き込み不能…
すいませんが、又代行お願いします。
本文は次レスからです。

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196リボンなナイト09 ◆8ue1Tpo8eY:2009/12/26(土) 23:25:19
リボンなナイト09、第五話投下入ります。

>>250

 +     +

「ええか?」
「ん」

唇を交わした後、向かい合ってベッドに座りながら小太郎が問い、円が頷く。

「どう、かな?」
「綺麗や」

小太郎に解かれたバスタオルがはらりと滑り落ちる。
まだ、右腕を胸の前に持っていった円がさすがに照れ気味に尋ね、
小太郎はちょっとぽーっとした口調で答える。
きゅっと引き締まっていながら柔らかに育っている少女の肉体は、
肝心な所を隠してさえ十分魅力的だった。
小太郎に腕を掴まれ、円は抵抗しなかった。

「んふっ、んふふっ、くすぐったい。やっぱコタ君もおっぱいいいの?」
「ん、ああ、ぷるぷるしてええわこれ」
「んふっ」

小太郎にその身を横たえられながら型崩れも見せずにぷるんと弾ける、
年齢を考えると十分に膨らんだ瑞々しい乳房を好き放題に、
それでも意外な程に優しい手つきでもみもみちゅうちゅうされていた円は、
時折くすぐったそうな声を上げながら、小太郎の後頭部をくしゅくしゅと撫でていた。

「あー、気持ち、ええんか?」
「なーに?そーゆーの気になる?ま、ちょっとくすぐったいかな?」

円自身はそっち方面には至って真面目だが、いつもすぐ側に美砂がいる。
にこにこ微笑む円には、まだ、お姉さんぶる余裕があった。

「んっ、ふっ…んんっ、そこ…コタ君、気持ち良くしてくれるんだ、ああっ」

引き続き乳房を優しく、しかし時に力強く責められながら、
小太郎の指がするすると下の方へ下の方へと向かう内に、円の背中も段々と強くベッドを叩き始めた。

197リボンなナイト09 ◆8ue1Tpo8eY:2009/12/26(土) 23:27:38
「んぷっ!」

不意に、小太郎の顔面が、目の前のたった今までちゅうちゅう口に含んでいた
弾力ぷるぷるおっぱいにぎゅむっと押し付けられた。

「な、なんやねんっ」

幸せな弾力をちゃっかり味わってから、不意打ちを食らった事に関する釈明を求める小太郎であった。

「ん、いや、まあね。気持ちいいって言うか気持ちいいって言うか気持ちいいって言うか」

そんな小太郎の前で、円は後頭部を掻きながらナハハと照れ笑いを浮かべる。

「ほら」

そして、ふっとまぶしそうな笑みを浮かべながら、円は小太郎の右手を取った。

「私の大事な所、こんなにしちゃって、器用なんだね小太郎君って」
「ま、まあ、そやなうん」

右手を取られて濡れ光る指を掲げられ、小太郎はもごもごと返答する。

「ふふっ、実はこーゆー事も興味ありありって」

些か硬派の沽券にも関わる気もするが、
さりとて、既に興味を通り過ぎて会得していると反論するのも又別の問題が生じる気のする小太郎は、
取りあえず苦笑いで切り抜ける。
そして再び、円は小太郎の頭をぎゅーっと抱き締める。

「だから、ね、小太郎君。小太郎君のおち○ちんもこんなに硬く熱くなってるでしょ、
私もね、小太郎君が上手だからさ」

まさか自分が言うとは思わなかった。後から思い返した時真っ赤になってそう実感した円だったが、
この時はそのまま、自らの内より沸き立つ欲求をそのまま口にしていた。

「あ、ああ、なんか、円姉ちゃんがエロエロやから俺も」
「バカ」

ボーイッシュな円から異様な程の色気が溢れ出た、そんな一言を浴びて、
小太郎は辛抱たまらずぐいっと腰を使っていた。

198リボンなナイト09 ◆8ue1Tpo8eY:2009/12/26(土) 23:30:02
「くっ…」
「円姉ちゃ、うぷっ!くうううっ!!」

全体に健康的に引き締まっているが衣服の跡は意外な程、抜ける様に真っ白、
そして、麻帆良3‐Aクオリティで年齢の割には成熟したまろやかな曲線を描く円と
まだ一見して子供の小柄な姿ながら、一般基準では達人級に逞しく鍛え抜き修羅場をくぐった小太郎。
そんな二人の裸体がぴったり重なりぎゅっと抱き合い、絡み合いながらその時を迎えていた。
ほんの一瞬の後、ベッドの上では、しっかと抱き合った一組の男女が只、はぁはぁと荒い息を吐いていた。

「…痛ないか?…」

最初の一言に、円は、黙って微笑み円に覆い被さる小太郎の黒髪をくしゃくしゃと撫でる。

「気持ち良かった小太郎君?」
「ああ、良かった」

その飾り気の無い一言に、円は満足気に微笑んだ。

「こーゆーのもあるんだね」
「ああ、っておいっ」
「いーからいーから」

備え付けのお絞りを見付けた円が、ベッドの上をはい進んで小太郎に接近していた。
逃れようとした小太郎だったが、円の悪戯っぽい目で上目遣いに見られ、苦笑いを浮かべて身を委ねた。

「ぬるぬるのべとべとの、ちゃーんと…」

円がそこにお絞りを当てて動かし始めると、
そんな円のショートヘアから除くうなじ、白い背中、くりっと引き締まってふるふる震えるお尻を
嫌でも目にしながら、と言って嫌でもなく、
されるがままベッドの上で開脚着座していた小太郎がうめき声を上げ、
一戦終えててろんと柔らかくなっていたものが円の眼前でしゃきんと身を持ち直す。

「ふーん」
「あー…おうっ!」

ぱくっと円の口に含まれ、言葉を探していた小太郎が唸る。

「んふふー、やっぱ男の子ってこれがいーんだ」

ぱっと口を離した円が、小太郎に視線を向けてニッと笑った。

199リボンなナイト09 ◆8ue1Tpo8eY:2009/12/26(土) 23:32:22
「だから、どっから仕入れて来んねそーゆーネタ?」
「んー、私の場合はー、分かるでしょー」
「なーる」

納得する二人の心の目の前をふわりと見事なロングヘアがすり抜ける。

「小太郎君」
「はいっ」

どこか攻め込んで来る様な円の口調に、小太郎が馬鹿丁寧に返答した。

「さっきからさ、男の子ってこーゆー時もうどうにも止ま(以下略)って聞いてるのに、
随分と私の事気遣ってくれたみたいでどーもね」
「いや、まー、女相手やさかい」
「とゆー訳で、この際思いっ切り甘えちゃおっかなー」
「あ、ああ…」

改まって言われると怖い気がしないでもないが、円が相手ならそれもいい気がした。
そうして、小太郎はされるがまま、円の手でベッドに仰向けに横たえられた。

「んっ、くっ…」
「んっ…円姉ちゃん、ぬるぬるやけどきつっううっ…」
「もうっ、そーゆー事っ…」

ぺろっと唇を嘗めた円がベッドに横たわる小太郎に跨り、
そんな円の中に小太郎の反り返ったものが呑み込まれていく。
互いに冗談口を叩きながらも、小太郎の方は実際切迫している。
その、十分に潤いながらもまだまだ窮屈な感触を覚えながらも、
小太郎はぎゅっと歯がみしてその意思力の容易に通じぬ困難な闘いへと挑む。
そうやって、小太郎は、回数の問題があるとは言え
年齢を考えると相当な忍耐力で円の中にしっかり呑み込まれる所まで耐え抜いて見せた。

「くうううっ、円姉ちゃん、これ、すごっ…おっ…」
「んふふっ、そりゃあー、バトル脳のコタロー君これがチアの底力って奴よおっ!」

小太郎の目の前で短い黒髪が跳ね、形よく膨らんだ乳房がぷるんぷるんと上下する。
そして、円の頬が赤く染まり瞳は潤み綻ぶ唇からは堪えきれぬ熱い喘ぎがこぼれ出る。
そんな円の途方もなく色っぽい、そしてバトル脳の小太郎がわくわくするぐらい躍動感溢れる舞姫の姿を、
小太郎は一刻でも多く見ていたいと懸命の自制をしながら惚れ惚れと眺める。

200リボンなナイト09 ◆8ue1Tpo8eY:2009/12/26(土) 23:34:13
「くうううっ、ね、円姉ちゃんっ」
「来る?来ちゃう?私も、私もはああっ!
Go go Let’Go Let’Goオオオオオッッッ!!!」
「うううっ!!」

途中から自らズン、ズンと円に合わせて腰を突き上げていた小太郎は、その時を迎え、
下半身から突き抜け、絞り出される快感にそのまま身を、脳を委ねる。
一瞬気が遠くなる様な、そんな中で見た、
きゅっと上向きの膨らみをぷるんと震わせ、引き締まった白い裸体をピンと反らした円の姿。
その得も言われぬ悦びに弾けた表情も、
小太郎が何か神々しいものすら感じる中、その時は一瞬にして通り過ぎる。
そんな小太郎がふーっと一息ついた辺りで、ぽよんと若々しい芯を残しながらも
むにゅっと柔らかで汗ばんだ感触が、小太郎の逞しい胸板に心地よく伝わる。
むにゅっと柔らかで汗ばんだ感触が心地よく伝わる。
そうやって、くにゃっと小太郎の体に覆い被さった円の顔が迫り、唇を吸われる。
それから、円は小太郎の横のシーツにくてっと顔を埋める。
小太郎がそちらを向くと、心地よい疲労と照れを交えた円と目が合った。
小太郎が苦笑いを返し、二人は顔を見合わせてくくくって笑ってから静かに目を閉じ、ちゅっと唇を重ねた。

「Melly X’mas 」
「めりぃ、くりすます」

見事に街のBGMも変わってしまいましたが、第五話投下、終了です。
今回はここまでです。続きは折を見て。
−−−−−−−−−−
代行本文、以上です。
よろしくおねがいします。

201リボンなナイト09 ◆8ue1Tpo8eY:2009/12/27(日) 03:09:38
>>197
大変お手数ですが投下時の訂正お願いします。
正しくは
−−−−−−−−−−
「あ、ああ、なんか、円姉ちゃんがエロエロやから俺も」
「バカ」

ボーイッシュな円から異様な程の色気が溢れ出た、そんな一言を浴びて、
小太郎は辛抱たまらず、そこに巻いたタオルを脱ぎ捨てぐいっと腰を使っていた。
−−−−−−−−−−
となります、すいません。

202リボンなナイト09 ◆8ue1Tpo8eY:2009/12/28(月) 03:04:59
>>195-200代行確認しました、有り難うございます。
又、代行依頼させていただきます。お手数ですがよろしくお願いします。
本文は次レスからです。

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203リボンなナイト09 ◆8ue1Tpo8eY:2009/12/28(月) 03:10:05
それでは第六話投下、入ります。

>>257

 +     +

「じゃあねー」
「おうっ」

女子寮の廊下で、ひらひらと手を振って立ち去る円に小太郎も元気よく応じる。
そして、円の姿が見えなくなった辺りで、段々と顔から血の気が引いていった。

 +     +

「あ、せっちゃん、狼」
「風流ですねぇ」

遠吠えをBGMに女子寮内でのんびり語り合う二人に、長谷川千雨は最早突っ込む気力も無かった。

 +     +

女子寮の屋上で、小太郎は両手で掴んだ頭をブンブンと振っていた。

「えーと、触手縛り燃える天空BBQで丸焼きにされるか、
本人フツー人でも3Aから仕○人呼ばれたらこれも洒落ならんやろなー…
いやいやいやそうやなくて、くぎみー姉ちゃんも軽い女ちゃうやろし…」

何か強烈な突っ込みを聞いた気がしたハッと振り返った小太郎が胸を撫で下ろす。

「気のせいか…やっぱ、マジやろな当然釘姉ちゃんも。
こんなんで女泣かせたらフツーに最低やし…」

疲れたし今夜は寝る。明日の事は明日の事。
どうしてもと言う事なら、男らしくきっぱりと、土下座でもなんでもする。
こう結論付けた小太郎が665号室のドアを開き、
思わぬ火薬の音にのけ反った。

204リボンなナイト09 ◆8ue1Tpo8eY:2009/12/28(月) 03:15:17
「Melly X’mas!」
「ですわ♪」
「な、なんや、夏美姉ちゃんにあやか姉ちゃん」
「お帰りー♪ライブどうだったー?」
「あ、ああ、まあまあやなうん」
「ふーん、私達も丁度今帰ったの。さ、クリスマスだよクリスマスー♪」

あやかと共に、ミニスカサンタ姿でクラッカーを鳴らした夏美が明るく言った。

 +     +

「おお」

リビングに入った小太郎が、テーブルの上のご馳走に唸り声を上げる。
それは、ちょっと手の込んだ家庭の食卓。

「ちづ姉、保育園で遅くなるから先始めててって」
「じゃあこれ」
「うん、私といいんちょで」
「ほー」
「さあさ、ターキーを温めますわよ」

三人で最後の仕上げにパタパタと歩き回り、テーブルにつく。

「Melly X’mas!」

あやかが、磨かれた背の高いグラスにスパークリングジュースを注ぎ、乾杯をした。

205リボンなナイト09 ◆8ue1Tpo8eY:2009/12/28(月) 03:18:43
「うん、旨いなこのトリ」
「七面鳥ですわ」
「ケーキもあるからねー」

遠い昔、自分とは無縁に思えた風景。
温かな一時に、小太郎は人知れず涙を呑み込んでいた。

 +     +

「たたっ、大変ですっ!」
「どうしたネ?」

そこは超包子、クリスマスイブと言う修羅場の厨房。
本人的には最近開発されたと言う金属の絨毯に電気スタンドを付けた様な機械で遊びに来ていた超鈴音が、
駆け込んで来た五月の珍しい、それでも可愛らしい叫び声に聞き返す。

「ほう、注文されていたケーキを別の客と取り違えたカ?」
「はい。用途が用途なもので、見た目普通のケーキだったのが…」
「で、どのケーキだったのカ?」
「それが…特別注文の…」

五月の告げた番号に、超の目つきが鋭さを増す。

「ほう…あの粗悪品を私が直々に徹底研究改良した
ナチュラルセーフティードー○ン○コ○ソ○に
イモリとヤモリとオオサンシサョウウオ(犯罪)の黒焼き鹿の角人参等々108種類と
一緒に漬け込んだ三十年マムシリキュールをベースに胡桃山芋無臭ニンニク…たっぷり使い倒した
ザ・スーパーアダルティ聖夜さんスペシャルハイパーMAXスイーツナイツを出してしまたと…」

こくんと頷く五月の前で、超は静かに息を呑む。

 +     +

夏美と小太郎の二人がかりであやかの身をソファーに横たえ、毛布を掛ける。

「クリスマスパーティーとか色々忙しかったからねー」
「いいんちょ言うのも大変やなー」
「んー、ネギ先生ーですわー♪」

むにゃむにゃと幸せそうなあやかをソファーに残し、小太郎はテーブルに戻る。
そこで、まだ食えそうなものは、と見回していると、すっと瓶が差し出された。

206リボンなナイト09 ◆8ue1Tpo8eY:2009/12/28(月) 03:22:18
「お、おう」

夏美にスパークリングを注がれ、小太郎がグラスを傾ける。

「ん、じゃあ夏美姉ちゃんも」
「ありがと」

小太郎に返杯され、夏美もぐーっとグラスを空ける。

「あー、コタロー君」
「何や?」
「飲め」
「あ、ああ…」

再びグラスに注がれながら、小太郎は目の前に座る夏美の目が据わっている事に気付く。

「で、コタロー君」

テーブルの対面に座り、喉を潤す小太郎に夏美が声を掛ける。

「コタロー君の本命、結局誰なの?」
「は?」

唐突な質問に、小太郎はあっけに取られた。
その間にも、夏美はふらふらと立ち上がりテーブルを回って小太郎に近づいていた。

「お、おい、大丈夫か?なんかあぶな…」
「やっぱ、愛衣ちゃんとか?かわいーもんねー」

夏美が一人でくすくす笑っている間に、小太郎の目は一泳ぎ終えていた。

「んー、後はくぎみーに夕映ちゃん、いいんちょに…ちづ姉かぁ、すっごいねーコタロー君」
「おいおい…」

そう言えばほんの何時間か前にも脳味噌オーバーヒートな女を相手にしていた小太郎が異変に気付き、
取りあえず夏美をその場に座らせる。

「あっつー」
「確かに、暑そうやな」

小太郎が無感動に言っている前で、夏美はサンタ服を脱ぎ捨てる。

207リボンなナイト09 ◆8ue1Tpo8eY:2009/12/28(月) 03:23:24
「んっ!」

その次の瞬間には、小太郎の頬は両手で挟まれ、ぢゅーっと唇を吸われていた。

「えへへー、久しぶりだねぇ」
「13年振りいやいやなんでもないそやなー、夏だっけか」
「そ、夏休み、村上夏美のファーストキスでしたー」

ケラケラ笑いながらほっぺすりすりする夏美の前で、
小太郎はちょっと考える。

“…やっぱキス…だけでも大変なんやなぁ特に初めて…”

「ん?」

本能の赴くままに小太郎に甘えていた夏美が顔を上げ、小太郎の顔があらぬ方向に向いているのに気が付く。

「ん?あれ?もしかして気になってるー?」
「あ、いや、まー、なんつーか…」

夏美が、厚手のサンタ服に合わせて着ていた肩ひもタンクトップの前を摘み上げ、
その夏美の前で小太郎がダラダラと汗を流して口ごもる。

「んー、もちょっとあったらねー、
ちづ姉やー、いいんちょとまではいかなくてもー、
年下なのに愛衣ちゃんなんかもけっこースタイル良かったりするでしょー。私なんてこれだもんねー」

くいくいとタンクトップの布地を引っ張ってへらへら笑っていた夏美が、
小太郎に両肩をガシッと掴まれて目をぱちくりさせた。

「あー、うまく言えんけどな、その、あれや夏に言うた事、あれ、全然嘘やないからな」
「嬉しい」

夏美がくすっと笑い、どちらともなく唇を重ねる。そんな夏美の目尻から僅かに溢れる。

「ちょい、コタロー君、くるし…」
「あ、ああ、悪い、夏美姉ちゃんなんつーか抱き心地ええモンで」
「何それー、じゃー又ぎゅってしてぎゅうーって」
「おいおいどっちやねん」
「…嬉しい…小太郎君逞しいねー、私も小太郎君抱っこするのいい感じー」

小太郎にぎゅっと抱き締められた夏美がちょっと苦しそうに言うが、
すぐに、二人は共に、再びぎゅっと力強く抱き合う。

208リボンなナイト09 ◆8ue1Tpo8eY:2009/12/28(月) 03:24:28
「…ん?どったの、コタロー君?」
「いや、なんでも、あらへん」
「なんでもないって事ないでしょー、真っ赤な顔ではーはーしてぇ」
「いや、それはそのあれや、あー、だからほら夏美姉ちゃんがやな、
なんつーか俺の体にむにゅってしてんのがやなー」

馬鹿正直な小太郎の返答に、夏美はちょっとの間きょとんとしてからくすっと笑った。

「おかしいんかい?」
「ううん、だって、男の子だもん。
私だってさっきから、コタロー君に抱っこされて、ね、熱くて熱くてたまらないんだからぁー」

既に、その言葉の意味を考える思考能力も失われつつあった。
呆れて前を見た小太郎の心は、そんな夏美の潤んだ瞳に一瞬で吸い込まれ呑み込まれた。
次の瞬間、二人は、貪る様に唇を重ね舌を絡める。
夏美の体が床に横たえられ、一瞬の目と目の交錯、夏美が小さく頷き、小太郎がタンクトップをまくり上げる。
細紐のスポーツブラをまくり上げられ、その頂きでピンと尖った乳首をちゅううと吸われると、
夏美は眉根を寄せ、切なげに喘いだ。
蕾も丘もベトベトになるまで小太郎に吸われている間、夏美は頭を振って喘ぎ続けた。

「?」

不意の小休止に、夏美が開けていられなかった目を開く。
ぐいっと夏美の頭が持ち上げられ、その下にクッションが差し込まれた。

「あ…ああっ!」

何か言おうとしたその前に、ミニスカートの中に手を入れられた夏美が悲鳴をあげた。
今、触れられたそこは、布地越しにも分かるぐらいぷっくりと膨らんでいた。

「ああっ!こ、コタロー君ああっ!!私、私ぃ、怖い、怖いよおっ!!」
「怖い?ほな…」

自分でも多少の、秘かに想ってそこに指を忍ばせる経験があるからこそ、
この異様な鋭敏さで突き抜ける快感には恐怖を覚えてしまう。
それでも、小太郎が何を言わんとしたかを察した夏美は、涙をこぼしてぶんぶんと首を横に振る。

「お願い、小太郎君お願い、小太郎君、私、私小太郎君大好きだからっ!」
「あ、ああっ!!」

そんな夏美にぎゅっと抱き締められ、小太郎は退く事を忘れた。
スカートの中から、ショーツが乱暴なぐらいに引きずり下ろされた。

209リボンなナイト09 ◆8ue1Tpo8eY:2009/12/28(月) 03:25:31
「い、ひいいっ!」
「んー、ぴちゃぴちゃ言うとるわっ」

夏美の甲高い悲鳴に、剥き出しにされたつるつるのオマメを撫でた小太郎が対抗する様に言い返す。
それでも、もう少し優しく撫でてやろうと考えたりもするのが小太郎の素直なところ。
その結果、夏美は元々癖っ毛の赤毛をクッションの上でぐしゃぐしゃに乱しながら、
何度も背筋を床に浮かせのたうっていた。
そんな夏美を見ながら、小太郎の窮屈さも限界に達する。
ザッとズリ下ろしただけの姿になると、その前で夏美が顔を手で覆って指の隙間から目を見張っていた。

「こーゆー風なんだ…」
「あ、ああ、俺、もうビンビンで辛抱たまらんやけど、夏美姉ちゃんは…」
「わ、私も、もう…バカあっ何言わせちゃってんのよおっ!!」
「わ、分かった分かった」

今にもクッションが飛んで来そうな勢いに、小太郎はたまらず腰を浮かせる。

「ん、っ…」
「んんんっ…」

その瞬間、夏美の目尻からコメカミにつーっと涙が伝う。
小太郎が何かを言う前に、夏美が小太郎をぎゅと抱き締める。
小太郎もそんな夏美を愛おしく抱き締めながら、まだまだ、そうやってぎゅっと密着されながらの
僅かな腰の前後だけでも小太郎には十分過ぎるものだった。

第六話投下、終了です。…ヤベー、越年見えてきてる…
今回はここまでです。続きは折を見て
−−−−−−−−−−
代行依頼本文は以上です。
よろしくお願いします。

210リボンなナイト09 ◆8ue1Tpo8eY:2009/12/29(火) 00:18:38
>>202-209
申し訳ございませんが、都合がつきましたので代行依頼取り下げます。
重ね重ねスレ消費失礼致しました。

211名無しさんが妄想します:2010/01/02(土) 22:41:33
すみませんが、どなたか代理投下お願いします。
【書き込みたいスレ】ルミナスアークでエロパロ6
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1245133829/
【名前欄】最初の書き込み以外、『開かれた瞳』
【メール欄】sage

――――ここより下から代理お願いします。


亀ながら明けましておめでとうございます。
ご希望に応えられているかは怪しいですが、閉じられた瞳の続き話を投下します。
注意事項
・レフィ×エルル
・エルルエンディング後設定
・長さエロさ微妙
上記のいずれかがアウトな方はタイトル『開かれた瞳』NGお願いします。

212開かれた瞳:2010/01/02(土) 22:42:30
「うっ……エ、エル…ル……」
「レフィ…わかる!?私だよ!?」

とある民家。
レフィに反応があってからさらに数日後、
ついにエルルの笛の音によりレフィが長き眠りより覚めた。

「ただいま、エルル…」
「おかえり、レフィ…!」

なんの因果か、かつてレフィがエルルを死の淵より救った際とは真逆のやりとり。
久々に聞くレフィの声に、エルルはすぐさまに抱きつく。

「うおっと…力強くなったなお前!いや……俺が弱くなってんのか…
……あれからどんだけ経ったんだ?」
「もう…1年だよ……レフィ、ずっと目を覚まさなくて……」
「そうか…心配かけたな……」

少し空振りしたあと、レフィの手がエルルの頭を優しく撫でる。
奇跡的に目覚めたとはいえ、『星の瞳』の力を使用した代償…
両目の視力や味覚までは戻っていないらしい。
エルルもそれが僅かばかり悲しくはあったが、やはりなによりこうやって、
レフィの声を聞き、触れられることの喜びの方が勝っていた。
そして、今まで堪えていたものが一気に溢れ出す。

「淋しかった…苦しかった…不安だった…!レフィがもう2度と目を開けないんじゃないかって…
本当に、本当に……!」
「エルル……ありがとう」

泣きじゃくるエルルの背を、レフィはあやすように撫で続ける。
この細い体で、よく1年も自分を見捨てずに看病してくれたなと、多大な感謝の念を込めて…
それでもエルルの涙はまだ止まらない。
今までの苦労、ひとりぼっちの孤独感、絶望に覆われそうになった希望…辛い思い出が蘇る。
しかしレフィは目覚め、自分に感謝してくれて、撫でてくれている。
それを思うと、辛い思い出も今の喜びを彩るものでしかなくなる。
今流れている涙は、喜びの涙。



この幸せが、夢でなければ…………

213開かれた瞳:2010/01/02(土) 22:43:43
「レフィ…?夢じゃ…ないよ、ね?」
「あぁ……夢なんかじゃない。俺は…ここにいる」

背中を撫でていた腕を引き寄せ、レフィがエルルを抱きしめる。
触れ合い、伝わる互いの熱。
それは、確かにここに在ることを証明する、命の『ぬくもり』
エルルが何よりも待ち望んだ、彼からの抱擁…
しかしそのぬくもりが、これを現実であることを教え、さらなる欲望を巻き起こす。

「レフィ…もっと、私に触れて……」
「エルル……?」
「ごめんね…私、君の意識がない時……淋しさから逃げるために君を汚したの……
今……本当にレフィに抱きしめられてるのかと思うと…凄く嬉しくて、切ないんだ……
勝手なのはわかってる。でも……せめて今だけでも……私を…」

レフィはエルルの独白を黙って聞いていた。そして…

「馬鹿だな……」
「ぁつう!?」

呆れた声で、頭をこづいた。

「俺が、死ぬ覚悟を決めた戦いの前日に、なんでお前に会いにいったのかわかんないのか?」
「レフィ………」
「……それに、死人同然の俺の看病までして、こうやって呼び戻してくれて……
俺のことなんて忘れて、学院生活をもっと楽しんでりゃ、
俺なんかよりもっといい出会いがあったろうに、本当に…馬鹿だな……」
「私は、レフィじゃなきゃ…いや……」

それだけ言い終え、2人は一旦その身を離し、互いを見つめ合う。
レフィの瞳にはエルルの姿は映らないかもしれない。
けれど、2人は確かに繋がっている。瞳でただ観るだけではない、もっと深いところで。

「エルル……」
「レフィ……」

やがて、2つの影は、再び1つに重なった。

214開かれた瞳:2010/01/02(土) 22:44:37
「んっ……」

たっぷり数分はしたであろう口づけを終えた2人の間に銀糸の橋が出来上がる。
それを名残惜しそうに眺めるエルルの顔は、すでに蕩けきっていた。

「ん…レフィ、こっちも触って……」

仕事着である白衣の前をはだけさせ、下着を上にずらせば、エルルの2つの膨らみが姿を現す。
そしてその上に、レフィの手を誘導する。
目的地に辿り着くと同時に、レフィの両の手が胸を弄り始めた。
ゆっくりと、じっくりと、その感触を確かめるようにやんわりと。

「やっ……レフィ、そんなに…」
「仕方ないだろ?目が見えないんだから、慎重にいかないと」

そう言うレフィの掌の中で、エルルの胸はその形を変え続ける。
少し力をいれれば指が沈み込み、少し力を抜けば元の姿に戻る。
なんともいえないその触り心地に、レフィはひたすら揉みしだく。

「ふ……んぅ、レフィ…私の胸、あんまりなくてごめんね……」
「……いや、十分だと思うぞ?少なくともアシュレ…ゲフンゲフン!とにかく俺は好きだな」

危うく脳天に投剣が飛んできそうな発言をごまかし、レフィは休まず手を動かし続ける。
人は五感のいずれかを失うと、他の器官が優れると言うが、レフィもそうらしく、
掌に感じる柔らかさとぬくもりが心地よく、いつまで触っていてもいいと感じていた。
いつまでも、いつまでも、こうやってふにふにと……

「あ……ん…ちょ、レフィ…そんなに揉まないでぇ…」

触り続けるわけにもいかなかった。
かつて入浴中に仲間の常識はずれのファイナルな胸を見て以来、
自信をなくしていた自分の胸を気に入ってくれたのは悪い気はしない…むしろ嬉しいが、
こうも執拗にせめられると、とてもではないが、もたない。

「っと悪い。あんまり気持ちいいんで止まらなかった」
「……もぅ」

レフィの手がエルルより離れていく。
少し寂しいが、あのまま弄られ続けたら間違いなく自分がもたなかったため、
エルルは小さく安堵のため息をつく。

215開かれた瞳:2010/01/02(土) 22:45:21
「ひあっ!?」

そんな安堵も束の間。
手から解放されたと思いきや、今度は口が襲ってきた。

「揉むのが駄目なら、食べるのはいいよな?」
「ひゃ……あぅ、ず…ずるいよぉ…あくっ……ぅ!」

軽く甘噛みされるだけで、エルルの体は跳ね上がる。
先程までの執拗な揉みしだきの直後にこんなことをされれば、ひとたまりもない。

「美味いな……」
「んっ…あ!そ、そんな…味なんてしないよぉ!」
「まあ確かに味覚は潰れてるけどな。でも……食感は楽しめるぜ。まるでコピンみたいだ」
「そ…それって褒めてるの…ふゎ!?」

エルルの疑問を遮り、レフィは更に口だけではなく舌も使い乳首を嬲り始める。
口全体で感じる柔らかさと、舌先で感じる弾力の連携にレフィは満足するが、
それをやられているエルルは単純計算でもダメージ2倍でたまったものではない。
もともともつかどうか怪しかったところにこの刺激では、気が狂いそうだ。

「ひっ…!あっ…!レ、レフィ…駄目!私…おかしくなっちゃうっ……!」

悶えるエルルの両腕が、レフィの頭を強く抱きしめるかたちに組まれる。
何かに掴まっていないと、本当にどうにかなってしまいそうだった。

そうやって耐え始めて数分、異変が起きた。
こころなしか、レフィの血色が悪くなっている。

「レフィ?」

それに気付いた頃には胸を襲う狂おしい程甘美な刺激もなくなっていた。
一体、なぜ?そんな疑問をもち、一旦レフィの頭から腕をはなすと……

「ああ…カロリンじゃないか。なんでお前が……え?運賃はタダだって?」
「レフィィィィィ!!行っちゃだめぇ!!」



―――――

216開かれた瞳:2010/01/02(土) 22:46:34
「危なかった……輪廻の河が見えたぜ……」
「ごめんねレフィ……」
「いや、俺もがっつきすぎたよ……」

危うく少女の胸で窒息死などという馬鹿げた死に様をさらしそうになったレフィは、
寸でのところで無事生還した。
さすがに生死の狭間を彷徨ったせいか、落ち着きも取り戻している。

「ね……レフィ、つ…続きはベッドの中で、ね……?」
「……あぁ」

腰掛けていた椅子から立ち上がり、2人は近くのベッドに倒れこむ。
少々狭いベッドの上で残った白衣も下着も脱ぎ捨て、エルルが目の見えないレフィの手をとる。

「レフィ、足元気をつけてね」
「あぁ。ここは…どの辺だ?」
「ひぅ!?…そこ、首だよぉ……」

レフィの手はゆっくりと動き、首筋から肩へ、肩から胸へ、胸から腹へと流れる。
その度に体が跳ねるが、構わずに手はさらに下降を続ける。
腹から腰へ、腰から後ろにまわり尻へ、尻から太股へ、太股から爪先へ…

「やぁぁ……そんなにっ…あちこちっ…触るなんてぇ……」
「世界は観ることでしか識ることが出来ない…か。やっぱり大嘘だな。
たとえ目に観えずとも、お前の姿がわかる。……綺麗だよ、エルル」

確かに在ることを識るために、レフィの手は全身を余すことなく撫でる。
本当なら直接観てみたいという気持ちもあるにはあるが、
これはこれでなかなか気に入っているようだ。
やがて、全身を旅していた両の手はエルルの最も敏感な場所で合流した。



「……凄い濡れ具合だな」
「うぅ……言わなくていいよぉ…」

散々に体を弄られた影響か、はたまた想い人が相手だからかは定かではないが、
すでにエルルの秘所は愛液でとうに濡れそぼっていた。

「エルル…挿れるぞ…?」
「うん…来て、レフィ……」

前戯は不要、レフィの肉剣がエルルにあてがわれ、そして……

「あっ……ふぁ…ぁ…!」
「ぐっ…う…っ…!」

ズプリと音をたて、2人の体は繋がった。
最奥を突いては抜き、再び貫く動作を繰り返す度にエルルからは嬌声が漏れる。
「ひゃ…ふっ……ん!レ、レフィ…やっと……一緒に……っ!」
「エルル……ッ!」
「レ…フィ……行かない、で!っはぁ…も…どこに…も……!」
「あたり…まえだろ……!」

互いに強く抱きしめあい、そのぬくもりと存在を識る。
――もう1人にならないように
――もう失うことのないように
――もうこの幸せを離さないように

あらゆる願いを込め、2人は互いを離さない。
夜はまだ長い。

――どうかこの刻が続きますように

217開かれた瞳:2010/01/02(土) 22:47:41
―――――

「ん…ぅ……?あ…もう朝かぁ……レフィ!?」

日の光により目覚めたエルルは、思わず自分の隣を見た。
昨夜、あれだけ交わった後の記憶が飛んでいる。
もしやあれは全部自分の夢だったんじゃないか…そんな不安が頭をよぎったのだ。
慌てて振り向いた先には……



誰もいなかった。
その代わりに、いつものように椅子に腰掛け微動もしないレフィの姿が映る。

「あ…あははは……そう、だよね……夢に決まってる…よね……」

涙を零さないように、必死に明るく振る舞おうとしても、乾いた笑いしか出てこない。
全ては自分の夢。
現実は1人寂しくベッドに潜りこんで、彼を思いながら自慰にふけっただけ。
彼に抱かれたい願望が強すぎて、せめて夢の中だけでもと願ったことが叶っただけ。
願いが叶うなら何故、彼が目覚める願いが叶わないのだろう。
いや、でもむしろ喜ぶべきなんだ。夢とはいえ彼に抱かれたのだから。
最高にいい夢じゃないか。
今日は仕事も休んで寝倒そう。もしかしたら同じ夢が見られるかもしれない……
「うん、なんか体も疲れてるし、それがいいよね……」

力なく起き上がり、エルルはレフィが座る椅子の前まで歩く。
レフィの瞳は、閉じられたままだ。

「……やっぱり夢だったんだね………レフィ……」





「言っただろう?もうどこにも行かないって」



「!?」
「おはよう、エルル」

突然のことにエルルは反応しきれない。
変わらず昏睡状態だと思っていたレフィの瞳が開き、抱きしめられたのだから。

「レフィ!?あ、あれ?まだ夢!?あれ?つねると痛いよ!?」
「夢じゃないさ。ちょっとエルルを驚かそうかと思って…おい、泣くなって……」
「〜〜〜っ!酷いよ!もうレフィは朝ご飯抜きだからねぇ!」
「わー!待て待て悪かった!謝るから許してくれ!」

学院生活を彷彿とさせる、実に久しい慌ただしくも明るい朝の一時。
青癒士は怒りながらも、久しぶりの笑顔をみせて。

――前言撤回。今日はずっと新しい医療魔法の特訓だ。
――もっと甘えたいけれどぐっと我慢。
――1日でも早く、レフィの体を元に戻せる魔法を必ず見つけてみせる。

人間となった星の瞳は壁に激突しつつもやはり笑顔をみせて。

――そう、もうどこにも行きはしない。
――俺が帰るべき場所はここだ。
――俺はエルルを助け、エルルも俺を助けてくれた。一周して、また俺がエルルを助ける番だ。


『全ては、愛するこの人のために――』


――FIN

218名無しさんが妄想します:2010/01/02(土) 22:52:17
以上です。
ほぼ全てのエンディングに言えることですが、
何故エンディングキャラ以外のキャラがレフィ達を過去の人にしているのか解せない…
みんな少しは手伝ったり助けてあげろよ…

それではまた。
―――――ここまで代理投下お願いします

お手数ですが、時間ができたときでいいので代理投下お願いします。

219218:2010/01/04(月) 20:07:03
代理投下確認しました。
素早い対応ありがとうございます。

220名無しさんが妄想します:2010/01/05(火) 23:32:07
どなたか、書き込み代行をお願い致します。
【書き込みたいスレ】P2でエロパロ その2
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1197647197/
【名前】永き地獄の終わり36/?
【メール欄】sage

次レスの文章を書き込み代行お願いします。
60行で4キロ未満にしてありますので、できれば一レスで書き込んで頂きたくお願いします。

221永き地獄の終わり36/?:2010/01/05(火) 23:33:01
その後の試合の結果は私にとって意味のないものだった。
ヒロムは当然その後の試合は出場停止であり、私はブラコンとの鍔迫り合いに忙しかったから。
それからしばらくは平穏な日々が続いた。
ヒロムにとっては色々とあっただろうけど、私にとっては少なくとも平穏だった。
終わることがわかっている日々ではあったけど、逃げ回っていたときとは明らかに違っていた。
次なる決戦が来るまでは、ヒロムの傍は安心できる場所だった。
幸いなことに、ヒロムと兄との公式戦はそれから長らく機会が訪れなかった。
六花と久勢北とがトーナメントでぶつかることが様々な要因によって妨げられたからだ。
他のチームとて無能ではないことを示すように、久勢北が途中敗退することもあり、
兄だけでは団体戦に勝てないということを示すように六花が敗退することもあり。
もちろん、些末なことはいくつもあった。
ドイツの別の変態とヒロムが激突した後、ヒロムがブラコンとよろしくないことになりかけたのを
絶妙のタイミングで邪魔してやったときはどれほど胸がすく思いだったことか。
アンタはあのシスコン兄とよろしくやってればいいのよ。
ただ、腹は立った。
邪魔する直前まで覗いていたあのブラコンの身体は、本当に、綺麗だった。
兄に弄ばれてもいない、汚れのない無垢な身体。
羨ましくて、妬ましくて、ノートに書くことがまた増えた。
……せっかくそんな綺麗な身体なんだから、焦ってヒロムにあげようとしなくてもいいのに。

一方で、私には時間がなかった。
決着がついたとき、私は兄に……される。
それまでに、と思う気持ちは逸るけど、お姉様の家に居候している身分ではなかなかそんな機会はない。
何度か絶好のタイミングが訪れたこともあったけど、自分自身がそれを押しとどめてしまった。
仮にもローゼンベルクの令嬢がそんな簡単に股を開いていいのか、なんて下らないプライドはとっくの昔に消えている。
ここにあるのは兄に弄ばれた肉人形だ。
でも、兄のペニスから逃げるために他のペニスを銜え込もうとすること自体欺瞞ではないか。
そう思うと自分で自分がわからなくなる。
処女を兄に奪われるのを避けたところで、何になるのだろう。
最後は結局兄の奴隷に戻るだけなのに。
永劫に犯され続ける日々が来るのに、最初の一回だけ逃げることの意味を自嘲気味に考える。
それに、それをしてしまえば、ヒロムとのこの日々は間違いなく変わってしまう。
ブラコンとの危ういところでの応酬を見ている限り、ヒロムはまだ経験が無い。
ならば、何も知らないでいて欲しい。
兄と私が知っているような、淫らで爛れた世界など知らずに、どこまでも真っ直ぐあって欲しい。
太陽のように、手が届かない世界ででも、私を照らして欲しかった。
そして何よりも、私がヒロムと交われば、心から私を慈しんでくれるお姉様を裏切ることになる。
私が城での日々をフラッシュバックして泣き叫ぶと、お姉様は何度でも私を抱きしめてくれた。
眠れない夜にはベッドで朝まで抱きしめ続けてくれたことも一度や二度じゃない。
お姉様がいなければ私はとうに破綻していたろう。
どれほど感謝してもし尽くせない。
そのお姉様が、何年も前から全力で育ててきた最愛の存在がヒロムだった。
私が抱いているような恋心なんか遙かに超越して、試練も安らぎも与えるその姿勢は、
シグルズを守るブリュンヒルデにさえ見えた。
その手から、シグルズを奪う資格などあるはずがない。
いっそ太陽にまで駆け上がれ。
兄との対決後、ヒロムは翼でも生えたかのように強くなっていった。
ブリュンヒルデの庇護の下、一年、二年と過ごしたシグルズの成長を、
私は間近で見ることが出来ただけで、喜ぶべきなのだと無理矢理自分に言い聞かせた。

だが、時は誰にでも過ぎる。
長らく対決が無い日々に、あの化け物が焦ったはずはないだろうが、我慢ができなくなったのかもしれない。
ローゼンベルクの政治力を使って、とんでもないことをやっていたことに、気づいたときには遅かった。
詳しくはわからないが、ドイツと中国のスポーツ担当省に圧力を掛けたらしい。
この二国は卓球の世界では恐ろしく影響力がある。
ここが動けば国際的な卓球連盟がそもそも動かざるを得ない。
そうして、気がつけば私の回りにいる者たちが軒並み参加させられていた。
ユース以下年齢無制限、国際個人戦決定戦。
兄はそれを、ヒロムとの決着のためだけにお膳立てしたのだ。
その大会の名前を、Prime Player杯、……P2、という。

222221:2010/01/12(火) 22:34:39
規制解除されたので取り消します。
見直したら最初の書き込みで上げていてしまい済みませんでした。

223名無しさんが妄想します:2010/01/15(金) 14:23:32
代理レスお願いします。
【書き込み先】巨乳小学生をテーマにしたエロパロ6

【メール欄】sage

【レス内容】規制に負けず、千晶を全力で待ってるぜ!!

224名無しさんが妄想します:2010/01/20(水) 04:56:05
規制されちまった……

225名無しさんが妄想します:2010/01/25(月) 01:30:58
どなたか書き込みお願いします!

→【巨乳小学生をテーマにしたエロパロその七】
→【レス内容】
スレ立て乙です!

以上です。

226名無しさんが妄想します:2010/01/28(木) 01:24:59
こっちのが良いんじゃないか? 人いるし
☆BBSPINK用 レス代行スレッド☆
ttp://babiru.bbspink.com/test/read.cgi/pinknanmin/1263716017/

227名無しさんが妄想します:2010/01/29(金) 16:36:04
また規制だよ

228牧場 ◆KCG/NoRpDg:2010/04/02(金) 01:37:30
エイプリルフールネタで勢いで書き上げたところ、
規制に引っかかってしまいました。転載頂ければ幸い、なのですが、現在丁度新スレ
立てのタイミングとも被ってしまっており、タイミングをずらして頂いても構いません。

【書き込みたいスレ】孕ませ/子作り/種付/妊娠/妊婦/出産/HR総合【13
 ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1253274768/
【名前】maternity rhapsody
【メール欄】sage

229牧場 ◆KCG/NoRpDg:2010/04/02(金) 01:38:35
「できちゃったの……」
夕飯を終えリビングでくつろぎ、なんとなくTVを見ていた時だった。洗い物を済ませた芽衣さんが、俺に近づくなりそういった。
「は?」
最初は聞き間違いかと思った。TVの声に被った千晴さんの発言は、あまりにもさりげなかったからだ。俺はゆっくり、座椅子から体を返して芽衣さんの顔を見た。
「だからぁ、できちゃったのよう。私と、春君のあかちゃん……」
そういって芽衣さんは困ったような、嬉しいような表情で顔を伏せた。セミロングの髪が流れてあらわになった彼女の耳は、ちょっと赤くなってるような気がする。

──が! しかし! 肝心の俺にそういう事態がぼぼ勃発するに至った記憶が無い!

俺の脇に芽衣さんがちょこんと、正座したので、思わず俺も正座で向き合う。
「今年の始めくらい新年会でぇ、ハル君すっごい酔っ払って帰ってきた事あるでしょ?」
「はぁ、そういえばそんなことも……。で、それが、あの……?」
とは言ったものの新年会の記憶はあってもどうやって帰ってきたかは覚えてない。
「その時ね、ハル君ったら無理やり求めてきて……。酔った勢いだなんて、いやだよぅって私言ったのに、ハル君ったら……。なんか、レイプみたいな感じだったな。
……あ、思い出したらなんか涙でてきちゃった」
そういって芽衣さんは、すん、とちょっと鼻をならした。
まいった。そんな事があったとは。っていうかせめて覚えてたら……。そんな我侭なセックスを芽衣さん相手にした事とか無いし。
「面目ないっス……。あー、新年会かぁ、あれ一月の第二金曜日でしたっけ……? ん? んーっ?!」
カレンダーを見やった俺はあることに気づく。今日は四月一日! すなわち──。
「おほ、なんだ、俺本気あせったっスよ、そか、エイプリ」
「嘘じゃないよっ?」
「は?」
家ではおっとりしている芽衣さんの強い言葉は、俺を黙らせるのに十分だった。
「私がママで、ハル君はパパになるんだよ? そんな大事な事で嘘つくわけないよ?」
「そ、そうっスね……、い、いやでも母子手帳とか、は?」
「ウチの市町村はぁ、毎週火曜日じゃないと母子手帳を交付してくれないの! まーだ疑ってるの? ハル君!」
「いやあの聞いてみただけっス……」
「これはもう、責任をとらなきゃダメって、ハル君判ってる?」
「そ、そうっスね……」
芽衣さんが正座のまま、ずいっずいっと少しづつ俺に近寄って来る。
「『そうっスね……』じゃないでしょ?! とるの? とらないの?! 責任!」
お袋に説教されてるみたいだった。芽衣さんの口調は仕事の時の毅然としたそれに変わっていた。俺は思わず──。
「とります……。男として……」
「はい今とるって言った! ハル君言いました! 私ちゃんと聞きました! じゃぁ食後のデザートだねっ!」
すっくと立ち上がった芽衣さんはちょっと小走りに冷蔵庫に向かった。なんか無理やり説得されたような、引っかかる気持ちを抱えながら、俺はTVを消してカーペットに大の字になった。

230牧場 ◆KCG/NoRpDg:2010/04/02(金) 01:42:15
            〜maternity rhapsody〜

俺、佐川春一と芽衣さんは同棲して二年ほどになる。芽衣さんは六歳年上で、出会った
のは仕事上の取引で、だった。三十路手前のキャリアウーマン。数人の部下を持ち、仕
事ではやり手のバリバリ。対して俺はしがないヒラだ。
幾度か同じ仕事をこなし、それとなく彼女と付き合いだし、「家賃もったいないから私
の家にね、こない?」と誘われ、言われるままに芽衣さんのマンションへと転がり込ん
だ。よってこの家での俺の地位は低い。俺が勝手にそう思ってるだけかもしれないが、
やはり依存していることは否めない、と思う。体育会系出身だから余計だ。

芽衣さんも結婚の事を、それとなく俺に切り出したことがあった。だが、うやむやな返
事で終わりにしていた。俺が彼女を引っ張っていけるだけの経済力を持ってから、なん
て古風なこだわりがあったのは認めざるをえなかった。
なので婚前交渉には、必ずスキンを使って、避妊には気を使っていたというのに……。
ああ、バカバカ俺のバカ。そして初めての生で中出しを経験した、あのヤラかしちゃっ
た晩の俺を殴ってやりたい。

「プリン、おいしかったねぇ。コンビニの甘いものって、いろいろあるけどどれも美味
しいよねぇ」
「はい……」
芽衣さんは 家用のチャコールカラーのセルフレームの眼鏡(仕事では2ポイントフ
レーム。え? 聞いてない?)でパジャマ。完全にOFFモードだ。対して俺は先ほど
の告白のショックから立ち直れないモードである。
カーペットに座って二人して見るくだらないTVは、俺にとってはただ点けてるだけ
だった。
芽衣さんは時折反応したり観客と一緒に笑ったりしているが、俺は焦点の合わない目で
眺めているだけのみ。
「どうしたの? 元気ないよ」
「芽衣さんだって判ってるでしょうに……」
「……あー、そっかぁ。いきなりだもんね。なんか、ゴメンなさい」
「いや、芽衣さんが謝るトコじゃないっス! 悪いのはその、俺の方で……」
うつむいた俺の向こうで、ふと、芽衣さんが笑ったような気がした。TVが消えた。
芽衣さんが消したのだ。
「でも、悪いことかな? 私、嬉しいよ? あかちゃん欲しかったしな……」
「え? ……でも俺、芽衣さんの仕事に差し支えちゃうかなとか、ちょっと……」
「そんな事言ってたら、私オバサン通り越して、おばあちゃんになっちゃうでしょ?」
「まぁ、そうっスね、はは」
「あー、今、老けちゃった私の事を想像した? もー、ハル君のバカー」
あまり抑揚の無い、のんびりした口調で怒られた俺は、だいぶん気が楽になった。
ややふっくらぎみの芽衣さんの笑顔を見れば、まぁ、いいかなんてすら思えてくる。

「そしたらね、ハル君、そんなハッピーの記念ついでに、お近づきにならない? あか
ちゃん、できたからね、スキン要らないよね」
ちょっとテレた、他人行儀な『お近づきにならない?』は、芽衣さんの使う、今晩エッ
チしませんか? の暗号だ。だがそれよりも俺の心を震わすワードはスキン要らないす
なわち生OK! である。
ぼんやりしていて回転の遅かった頭に火が入った気がした。ちょっと息を呑む。
「いいんスか……?」
「……いいんだよー?」

ならば、だった。俺は小さくうなずいてから、そっと芽衣さんの髪に手をやり、撫でる
仕草から彼女の眼鏡を外す。
スキン無し、という事実は俺のテンションを上げていた。ローテーブルに普段使いのタ
オルが在る事を確認すると、それを彼女の傍らに置いた。
芽衣さんが、『え? ベッド行かないの?』という顔をしたが俺はお構いなしだ。
なれた手つきで芽衣さんのパジャマの上を脱がす。彼女は寝る前にブラをつけない。
大きめバストがすぐあらわになって、テレ屋の芽衣さんは、ちょっと普段より強引気味
の俺に戸惑いの顔を向けたが、嫌がる様子は無かった。覗けた普段は白い肌。今は興奮
からなのか、血色がよくなってピンク色。だが、俺の方が興奮している自信があった。

なぜなら、俺はこれから孕ませの追体験をするのだから──。

231牧場 ◆KCG/NoRpDg:2010/04/02(金) 01:44:15

「ハル、君……」
小さく呟いた芽衣さんの唇を自分ので塞いで、息が続くまで重ねた。その間にパジャマ
の下にも手やる。俺に協力してくれて芽衣さんはお尻を浮かす。すかさず、タオルをそ
の下に敷いた。ショーツに指を忍ばせて前戯、なんてまどろっこしい事はしない。
お尻を撫でるように、俺は芽衣さんを開始一分(くらい。別にタイム計ってないし)で
生まれたままにした。

見てろよ、一月第二金曜日の晩泥酔していた俺。俺はこれからお前なんかが到底できも
しなかったセックスを展開してやるからな。独りよがりな、芽衣さんの事を慮らないあ
たかもオナニーのようなそれとは違う、本当に、『子供つくろうね』ってセックスをし
てやる。あああ、だがしかし今芽衣さんのお腹に宿った新しい命の父親がお前ってのが
本当に悔しい。って俺だが。なんかよくわかんなくなってきた。集中するわ。芽衣さん
に。

「もう、準備できちゃってるっスね……」
芽衣さんの体が熱い。指で触れた柔らかい箇所はもっと熱かった。そしてよく濡れそ
ぼっていた。こちょこちょと擽るだけでも、ねっとりと愛液が俺の指に絡んでくる。
「……いいよ、来て……」
仰向けで、芽衣さんは顔を横に向け、小さく俺を誘う。開かれた両足はさらに開いて、
俺を向かい入れる準備をしている。俺は有無言わず彼女の芯を前に膝立ちになった。
「それじゃ、生の芽衣さんいただきますっ!」
「私食べ物じゃないよぉ、んんっ!」
「っ! うぁ、ヤバイっス……」

背筋がぞっとした。記憶があるうちでは始めて、スキン無しの挿入。そりゃ芽衣さんと
体重ねて、今までだって気持ちよかった。だが、この一閃は違う。俺のペニスが芽衣さ
んの秘所に触れ、そこから突き進んだ時の感触がまるで別物だ。
入り口の狭まさに亀頭を刺激されるのは序の口、そこを抜け、腰を突き進めると更に、
折り重なった熱い粘膜のヴェールが連続でかぶされる様な……。
それすら芽衣さんのポテンシャルの一つに過ぎなかった。次に感じるのはやや固めの、
おそらくはGスポット。そこすらペニスへの刺激を緩めない感触。さらにはそれらが、
なにより、くんっくんっと脈動しているのだから!
「あ、れ?芽衣さんもしかしてイってる……?」
横向きのまま芽衣さんは頷いた。ぎゅっと目を瞑って、快感に痺れてるのが判る。
か、かわいい。俺だけではないのだ。芽衣さんも生の感触に震えてるんだ。

もちろん、その感触は今までだって感じていた。でも、裸眼で2.0の俺が眼鏡を掛けた
ら視界がぼやけるのと同じように、スキン無しの、ダイレクトの感触は新鮮で、なんと
いうか嬉しさ、(それも褒められた時のような)多幸感が湧き上がってくるのだ。
初めて芽衣さんと夜を共にした時の事を俺は思い出した。
小さいストロークで、俺は再び動き始める。柔らかく彼女の体を揺らす。芽衣さんが
『あっ……』と声を上げる。
いつものペースだったら、おそらく俺はすぐに達してしまうだろう。なんというかそん
なもったいない事はできない。
芽衣さんのその顔を見ながら、息を整え一定のリズムでペニスを抽送する。
その顔は真っ赤になって、俺のリズムを感じている。俺が動くたび、快感が彼女の中に
溜まっていっているに違いなかった。
閉じられていた目は次第に開かれ、極力声をあげまいとこらえていた口もまた──。
俺はそっと、芽衣さんの下腹部を動きながら押す。ペニスと手で芽衣さんの肉を挟み撃
ちにする。

「あっああ……っ!」
控えめに呻いて、芽衣さんがやわやわと俺に顔を向けた。
「……、いいよぅ。イこう? 私、おかしくなっちゃう、終わりにして? ね?」
助けて、と言わんばかりの顔で、芽衣さんは俺の首に腕を伸ばし、俺の腰に自身の足を
絡ませた。俺もラストに向け、遠慮なく!

「おっきいのくる、あ、ぁん……っ! いいよ、妊娠させてぇ!!」
「っつあ!」
どん、と、それまでより強く、俺を打ちつけた瞬間、芽衣さんも俺もほぼ同時に感電に
も似た痙攣を起こした。深い、今までと比べ物にならない射精。内臓が引っこ抜かれる
ような快感。普段の倍の時間放出しているかのようだ。そして、その脈動とシンクロす
るかのように、芽衣さんの奥が同じく俺を締め上げる。これが、然るべき女性に精を注
ぎ、子よ宿れと、命を繋いでいく、本当の射精……っ、かっ。
あ、でももう芽衣さん妊娠してるか。
ん? いやまて──。『妊娠させてぇ』って、今……。

232牧場 ◆KCG/NoRpDg:2010/04/02(金) 01:44:49

「ねえ、ハル君怒ってる?」
「いや、別に……」
ベッドに寝転がって、俺はぼんやり天井を見つめる。横にうつぶせになっている芽衣さ
んが、足をぱたぱたさせていた。
俺はまんまとハメられていたのだった。芽衣さんの狙いは、もう妊娠しちゃってるのだ
から、と俺と生で子作りしまくり、既成事実を後から作り上げる事だったのである。
先ほどの一戦を終え、二人してシャワーを浴び、裸のまま寝室に移った時、芽衣さんは
ふと、『騙してるの、悪いから……』と俺にすべてを白状した。
そういう、なんか素直でやさしいトコも好きだが。でも事後という事実は揺るがない。
「私ね、やっぱり不安だったんだよー? 何か無いと、その、これから先、無くなっ
ちゃうような気がして……」
しょげた顔の貴方を見たら怒れないに決まってるさと、声には出さず、俺は芽衣さんに
向き直った。
「男にね、二言は無いっスよ。順番めちゃくちゃっスけど、俺みたいな甲斐性無い男で
も、いいんスか?」
「うんうん、いいよぅ♪」
芽衣さんの笑顔は柔らかい。
「それにしても、ハル君かんっぜんに騙されてたねー。私、大学で演劇部だったんだぁ。
いぇい♪ 面白かったぁ」

あ、ちょっと調子に乗ってますね芽衣さん。

「覚悟決めたついでに、もっとディープに、今晩はお近づきになりまスか」
俺は上体を起こし、芽衣さんの背中から手を流して丸いお尻に触れる。
「うん、さっき、凄かったねぇ。毎晩しても、いいかも……、ぁう……」
俺の精をまだ収めて、そしてさっきの余韻もあるのだろう。芽衣さんのソコはまだ十分
に熱い。水音がするたび、その気になった芽衣さんはお尻をわずかづづ持ち上げてく。

「どうしよう、カラダ震えちゃうよぅ、感じ方、変わっちゃった……」
「俺もっスよ。もうスキンなんてつけられないかもっスわ」
芽衣さんのバックに陣取って、俺はその腰を手繰り寄せる。芽衣さんの仕上がっちゃっ
てる秘所に、俺のペニスが触れた。
「は、はやくぅ……、は、ぁぅぅっ」
まだ挿入はせずに、秘所の先端のクリトリスを指で転がした。芽衣さんのお尻が悩まし
げに振られる。
それでも俺は、まだ挿入しない。
「……ねぇ……? ハル君?」
不安げに俺に顔を向けた芽衣さんに、俺は少し意地悪な表情をしていたろう。
「……欲しいんすか? 俺の。芽衣さんの何処に?」
「あ、……っ」
芽衣さんはとても恥ずかしがり屋なので、女性器のその名を言ったこととか無いのだ。
俺は騙された報復、とでも言うのか、性欲を盾にして彼女を脅迫している。
「陸上で鍛えてたから、今晩はマジ寝かせない勢いで頑張りますよ俺。でも、芽衣さん、
ちゃんとおねだりしなくちゃダメ、っすよ?」
芽衣さんの顎が震えた。
「あ、あの、私の奥、ハル君の、下さい……」
「奥って、どこっスか?」
「奥は、あの、お、おま……。ば、ばかぁ、言えないよぅぅ」
「じゃぁお預けっスね」
俺は腰を引いた。ペニスが離れる瞬間、引き止めるかのように芽衣さんの秘所が動いた
のを感じた。
「ダメぇ、言う、言うからぁ……」
「じゃぁ、ちゃんと、礼儀正しく、おねだりしてみて下さいよ」
芽衣さんは耳まで真っ赤にしてこくんと頷いた。恥ずかしさからか、目尻から本気の涙
がこぼれてる。俺はことさら、ぞくっときた。

「あ、あの、あの、ハル君のを、私の、その、その──っ」
泣き声交じりに恥ずかしい単語を発した芽衣さんの事を、俺は背後から、勢いよく貫い
た。

だが、よく考えると俺はやっぱりまんまとハメられてるのではなかろうか。まぁいい。
そうだ。子供の名前は男の子でも女の子でも、『まこと』にしようか。漢字は後から考
えるとして。
嘘から出た真。なんちて。



PS その話を朝、芽衣さんにしたら、『ふざけてるぅ。却下!』って怒られた。
まぁその晩も子作りしたがな!!



            〜maternity rhapsody〜  おしまい。
                                  20100402

233牧場 ◆KCG/NoRpDg:2010/04/02(金) 01:46:57
以上となります。すみませんがよろしくお願いいたします。

234牧場 ◆KCG/NoRpDg:2010/04/03(土) 15:26:31
何とか書き込めることができました。お騒がせしてすみませんでした。

235 ◆OYHllSodOc:2010/05/05(水) 23:29:22
もう二カ月規制されてさすがに我慢できないので、誰か代行お願いします。
ネタがリョナで投下先が特殊ですので、ご迷惑をかけますが、できればお願いします。
スレの性質上必ず下げてお願いします。

【書き込みたいスレ】猟奇・鬼畜・グロ・嗜虐・リョナ系総合スレ 第9章
 ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1266941581/l50
【名前】風と華のその後(舞乙-HiME)
【メール欄】sage

(以下、書き込みお願いします)

舞乙-HiMEネタ、原作終了後の話。
全四回上梓予定。


第一回、女王の最期



1、

「アリカ、ミコト、アオイ……」
磔台の少女は今にも消え入りそうな声で呟いた。
涙を浮かべ、蒼白になって震える彼女の眼下には、処刑を望み喚声を上げる無数の群衆が見て取れた。

初め、マシロ女王の治世は全く順風満帆であった。
親友でもあるマイスターとともにヴィント市を奪回し、世界の破滅を防ぎ止めたマシロの勇敢は高く評価された。
一時労働者の賃金を切り下げる法案を裁可した事で、一部労働者階級からの反発も受けたが、
その後の経済の成長や社会福祉政策によって、民衆の支持も安定したものになっていった。
しかし、一方で利益を受ければ一方で損害を受け、一方で喜歓すれば一方で憤怒し、一方で成功すれば一方で怨望するのが世の常である。
その代表はヴィントの貴族連だった。
ヴィントブルームは元々あまり貴族の勢力の強い国家ではなく、貴族とは宮廷に寄生する廷臣として門閥を存続させるだけの一階級に過ぎなかったが、先代、先々代から王政に容喙するのはしばしばだった。
時には勅令にも干渉を及ぼす彼らは、支那唐代の門下省に集う門閥貴族を例にすると分かり易い。
彼らはヴィント事変時には揃ってナギ大公に寝返りをうっている。
その後、マシロが復位すると平気なつらで出てきて万歳を唱え忠誠を誓ったのだが、
玉座を奪還したマシロにとって、面白い存在であるはずがない。
又、国家の中央集権化、官僚制度の能率化、産業の自由化などの諸政策を推し進め、富国を図る女王の眼中に、彼らの既得権益は障害にしか映らなかった。
そこで「削藩政策」が実施された。
門閥貴族の実権を奪い、また大規模の貴族をお取り潰しにし、有名無実ならしめる策である。
手始めに、堂々と国家への反逆者を出した某オトメの生家である、マルグリット家から取り潰された。マルグリット家に続き、口実を設けて半年で六諸侯が廃絶された。
ヴィントの国家官僚は貴族出身の高官と平民出の胥吏で半々に占められていたが、
マシロは原則高級官吏の採用には国家試験を導入し、恩顧の制の類は一切之を廃した。これで官界からは貴族勢力の力は一掃される事となった。

当然、貴族勢力はこれを古今未曾有の危機と取り、マシロを烈しく呪詛怨嗟することとなる。
夜毎ヴィントの高級パブの何件かは貸切になり、彼らの権謀術数の運(めぐ)らされる籌策の巷となったが、ウィスキーの瓶は空いても、中々良い案は浮かばない。
大した実権もない彼らに正面から謀叛を起こして、支持するものも同調するものも出て来るはずもない。
だが、ある夜一人巧妙なる奸策を出だすものがあった。


マシロの出自である――

236 ◆OYHllSodOc:2010/05/05(水) 23:30:35
「はい、あの女王奴(め)は確かにこの廓の卑しい娼妓が産み落とした、赤子がその正体でございます……」

代々ヴィントブルーム王家の血筋に連なるもののみ奏でる事が出来る、例のハルモニウムの使い手が、
オトメ候補生だった少女であってマシロでなかったという一事で、マシロがヴィント王家とは何ら血縁のない事は已に明らかなのである。
一応、マシロ自身は、件の大臣がヴィントの遠戚の子供である自分を探し出したとし、
今は前王の養子となるという形を取って、自らの君主権の源泉たる権威の正当性を主張していた。
そもそも、ヴィント事変を遡る十四年前、内大臣が行方不明の所となった王女を、
この方こそマシロ女王御人なりと見つけ出したというのが当時の建前だった。
全体、この赤子の出自については全く不明であったのだ。
そこで貴族勢力が大金をばら蒔き、秘密警察機構の一部も利用して突きとめたところ以下のような事実が明らかになった。
実はマシロ、いや、本来はその名はハルモニウムの使い手であった少女に与えられたものだったが――は、
内大臣が通い詰め、情を交わせて孕ませた所のヴィントの娼館の卑しい一遊女の産み落とした女児、私生児だったというのである。
内大臣にしてみれば、替え玉を誰に据えるかは極端な所、誰でもいいわけで、相手が卑しい下女でも、自分の庶子、
老い先短い自分の血筋が以後、歴史あるこの王家を乗っ取る事は、人生最後の快事とてマシロを「賊に攫われた前王の嫡子」と称し連れて来たというのだ。
もと娼館にて身をひさいでいた老妓の確たる証言を確保すると、貴族連はこれを一大醜聞(スキャンダル)として大々的に世間に公表した。
下賤の娼婦の娘が、自分たちの王国に百姓万民に並ぶものない絶対の聖上として君臨しているというのである。
国内は果たして大いに動揺した。靖難の役は再現したのだ、より最悪の形で。


「サ、サコミズ、貴様……」
「誰に口をきいているのかな、マシロ陛下、いやもうそうではないな、一匹の薄汚いメス犬が」
肥満した全身を嘲りに揺らして、近習だった男が酷薄に告げた。
「軍は全て貴族連合に付きました。国民の大半も動揺しており、あなたを、いや、お前を誰も守りなどはしない。条約機構は中立を保ち、
ガルデローベはヴィントの内政に口を出せない建前だ。そうなるともうお前なんぞの小便垂れのお守を、なんでこのわたしがしなくちゃならん?」
サコミズの背後には銃を構えた一団の兵士がマシロにその鈍く光る銃剣の切っ先を向けている。
「アリカ、アリカはどこじゃ!?」
マシロは自分の半身であるマイスターを探したが、栗色のお下げの少女はどこにも見当たらない。
「あのおバカさんなら、居ませんし、役に立ちませんよ。――もうオトメの資格を失いました」
「なんじゃと、まさか貴様……!」
マシロは最悪の事態を想像してそのあまりのおぞましさに戦慄するが、サコミズは意外、言下にそれを否定した。
「いえいえ、わたくしはそのような下卑たまねはしません。まあいずれ末路は同じでしょうけど、とりあえず『無力化』すればいい」
サコミズは手に握っていた何かの塊のようなものを投げつけた。
「ひ!」
マシロが蒼ざめる。
それは切り落とされた片耳だった。
その耳朶に付いているジェムは蒼天の――。
「サコミズ、貴様あああああああああああああああっ!!」
サコミズに掴みかかろうとして、忽ち兵士に抑えつけられ、銃床で袋叩きにされる。
それでも血にまみれながら呪いの言葉を吐く旧主にサコミズは背を向けて去って行った。
「これで晴れて私も貴族の一員。糞ガキのお守で一生を終えるはずだった平民出の私にも、立身のチャンスが巡ってきたというもの。
まさに『王侯將相(わうかうしやうしゃう)、寧(いづく)んぞ種有らん乎』ですな。ほほほ。じゃ、あばよ、糞ガキ――いえ、”マシロ陛下”♪」

「アリカあああああああああああああああああああああああああああっ!!」

マシロは約二百日程幽閉されていたが、その間新政権を樹立した貴族連合は、国内を大略平定すると、
ヴィントブルーム王家の滅亡を宣言し、以後この国を諸侯連合国として運営すると公表、国民は大方疑いつ迷いつも賛同した。
幽閉間中、毎日のように下賤の獄吏や兵卒による拷問と強姦の凌辱地獄で叫喚していた所のマシロ元女王の処遇については、次のように下された。

「国家の尊厳を穢し、社稷を毀ち、上は皇天を欺き、下は生民を惑わし、君統を絶やし、王家に叛した大逆人として酷刑を以て処死し、衆人をして環視せしむべし」

――寸磔(陵遅)である。

237 ◆OYHllSodOc:2010/05/05(水) 23:31:51
2、

その日が来た。
マシロは風華宮の地下牢から引き出され、鉄の鎖で縛られて、荒々しく兵卒に引きずられていった。
衆人に環視せしむ為、わざわざ沿道を徒歩(かち)で引き回され、縄目の辱と刑戮の残を被るこれからの「元女王」の惨めさを掻きたてようというのだ。
――目的地はヴィント郊外の砂漠、臨時の刑場である。
「へへ、女王様、これから生きたまま切り刻まれるご気分はいかがですかい?」
兵卒の一人がサディズムに酔った顔でからかうように問いただす。この兵卒は昨晩までマシロの女性を凌辱した男だった。
青白く沈んだ顔を一瞬朱に染めて唇を噛む女王の心中の屈辱はいかばかりだろう。
マシロは投獄中下賤の匹夫に寄ってたかって抑えつけられ、処女を散らされた。
破瓜の鮮血が男のものに塗れて自分の肉を蹂躙するさまを眺めながら、マシロはあまりの恥辱と心身の苦痛に気が遠くなりそうだったが、
次々と自分の体に衝撃を与えて来る男たちの前に、気を失う事すら叶わず、ただ輪姦(まわ)され続けていた。それが今日の今日まで続いたのだ。
「刃物で肉を削がれるのは痛いですぜ? その内“ヘぇイカ”は自分から『もう殺して!』と哀願するようになるんですわ。
それでもまだトドメは許されず、じわじわと虐め殺しがまっているんですぜ、愉快でげすなあ、げえへへ♪」
その言葉の意味する所が脳裏を突き抜けて、マシロは妙な離人感を感じていた。
顔の肌を灼くヴィントの烈しい陽光も、沿道に群がる平民のどよめきも、熱気で陽炎(かげろう)のように揺らめくアスファルトの公道の眺めも、
悉皆現実味のない、どこか現実から薄皮一枚を隔てた幻のように感じられた。
だが、マシロの本能がこれから肉体の辿る運命を悟っていてマシロの胸を早鐘のように打ち、せつなく苦しましむのだ。

犯され過ぎて鈍痛のする股の刺激に耐えながら一二時間引きずられて歩かされ、臨時の公開処刑場に着くと、そこにはもう黒だかりの群衆が集まっていた。
殆どがヴィントの平民であり、中にはかつて自分を怨望していただろう元スラムの住人もいたが、むしろ人民中、中産階級に属する連中の方が多かった。
皆、一時はマシロ陛下万歳を唱え、生まれ変わったマシロを「王」と認め忠誠を誓った者たちばかりだった。
今はただ自分でない赤の他人が味わう苦痛と悲惨、それに権力者の失脚劇とを「娯楽」として楽しむ猥雑な好奇心だけが彼らの胸中に蟠って、どやどやと上ずった嬌声まで轟く。

砂漠中、群衆が見やすいよう処刑台は一段高く作られている。
壇上に登らされ、そのまま鎖を木製の頑丈な磔台にしっかり繋がれると、マシロは漸く恐怖がこみあげて来て、
胸が張り裂けそうであり、またどうしようもなく心細く、涙が血の気の抜けた白い肌を滴った。

「アリカ、ミコト、アオイ……」

胸中親愛する者の名を無意識に口にする。アリカがその後どうなったか、考えたくもない。ミコトはどうなっただろう。
まさか獣まで屠られることはないだろうが、もう自分は二度と愛する朋友に会えないのだ。
そして、アオイ、彼女がどうなったかは全く聞いていない、そなたは今どうして……。

その時、マシロは視界の真ん中に一影の人影を見出した。既視感(デジャ・ヴュ)がマシロの意識を駆け抜ける。
ボロボロになった、いつものメイド服を着て、縛られ、自分を見上げるその女性は……。

「アオイぃぃっ!!」

十メエトル先でもその表情は読み取れた。
体中の青痣や着た切り雀のメイド服の破け具合、薄汚れ、疲労困憊したその様子から、アオイも下衆どもにどんな「目」に遭わされたか、容易に想像できた。
そして、何やら必死に叫ぶ声は聞こえないが、彼女の伝えたい言葉は、耳に届かなくても心に響いた。

「アオイ……済まぬ……妾は……っ」

これから間もなく自分の身に加えられる尋常ならざる残虐すら忘れて、悔恨の涙がマシロを咽ばせた。
自分はこんなにも己に献身する侍女を、二度も死地に追いやり、そして最期まで彼女の心を苦しめてしまったのだ。

238 ◆OYHllSodOc:2010/05/05(水) 23:32:23
「……以上の罪状により、この賊を凌遅三千三百五十七刀にて処死すべし。制を敬え」

処刑官吏の頭(かしら)が群衆に何やら読み上げ終わったが、そんなものは殆どマシロの脳裏に残らなかった。
覆面をした執行吏が鈍く煌めく小刀を用意し髪を掴んで顔を捩じ上げても、マシロはただアオイをだけ見つめていた。群衆が喝采を上げる。

――刑が始まった。


「っ痛う!!」

マシロの顔が引き攣るように醜く歪んだ。
激痛に自ら歯を食いしばり、瞼をきつく閉じるが、それでも耐えかねて、縛られた体を必死に捩じる。
するとすぐに次の激痛が走る。マシロは又惨酷な呻きを上げる。
寸磔の間隔(テンポ)はまこと規則的で、あまりの激痛に脳が壊れそうになるとともにそれでも無意識の裡に次に痛みの来る時を計って、
喘ぎながらもその間恐怖に心が埋め尽くされる。そして、無慈悲な機械仕掛けのごとく正確に同じだけ間を置いて、さらなる激痛が全身を襲うのだ。

「ぐぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああっ!!」

寸磔は、地球時代の一民族の規則に従い、まずは手の甲の肉から削いで行く。
マシロのちっちゃな、真っ白く繊細で労働など知らぬような掌は、肉を削がれるとすぐ骨を露出し、鮮血を溢れしむ。
削いで削いで掌部の骨格が見える程になると、次は指の肉を削いで行く。
本来動脈も傷つけているため、失血死してもおかしくないのだが、その際は患部を紐で縛り上げて止血しながら刑を続ける決まりである。
しかしその必要もなく、恐怖で血の気の薄らいだマシロからは思った程の失血はなかった。
やがて指も含めて手全体が白骨を剥き出しにする。手だけ骨格標本になったとでも形容すべきさまだった。

マシロは犯され続けたまま着替える事ない襤褸切れを纏っていたが、肉を削ぐ光景をよく観衆に観覧させるため、今裸に剥かれていた。
両手が削ぎ終わると、次は小刀は露わにされた胸に向かう。

壇上には数人の執行吏、監督する官の他、数脚のカメラが用意され、残虐極まりない処刑をこの機械どもは何の感情もなくに撮影している。
この光景はこの場だけでなくliveでヴィント市各所の立体映像(ソリヴィジョン)で放映されているのだ。当然、そこでも見物の群衆の山ができているはずである。

「あくぅ、がぁっ!!」

マシロが頤を反らして酷くくぐもった悲鳴を上げた。文字通り悲鳴と言って可い痛恨の悲鳴であった。
鋭利な刃はマシロの発達途上の乳房の頂きにある、真珠の乳首を切り取ったのだ。

「う、くっ……う、ううっ……うっ」

マシロは泣きじゃくりだしていた。すぐにもう片方の乳首も切り取られ、激痛に喉を反らせ、全身が引き攣る。
女王である以前に一人の少女であり、わずか二百日前まで処女だった一個の女子は、女性の象徴である乳首を切り取られ、心身の激痛に涙と嗚咽が止まらないのだ。
マシロの乳房はまだ幼く容量が小さい為、すぐ脂肪の肉を削ぎ終わり、胸骨が無残に曝されると、またすぐ今度は刃は脇腹に向かい、肋(あばら)を露出させ始める。

苦痛のあまり意識が朦朧になると、十刀ごとに執行吏が頬を殴って大声で怒鳴り喝を入れる。
正気に戻るとすぐ、マシロはこれから殺される為だけに長い時間が待っているというあまりの惨憺たる絶望だけが心を満たした。
そして、いつしか視線の先に、縋るようアオイを探してしまう。
アオイはわずかな距離を隔てて、数人の兵卒に身を抑えられ、髪を掴まれ顔を引き上げられていた。
見るに忍びず目をそむけようとするが、暴力を加えて無理やり主人の肉体が解体されていくさまを目撃させられる。

(アオイ……痛いよ……もうやだよ、こんなのやだよお……妾を助けてよ……っ)

マシロはあまりの苦痛と絶望に哀願するようにアオイを見やる。
アオイが顔を捩じ上げられ、前を向かされた。――そして、一瞬、主従の目が合った。

239 ◆OYHllSodOc:2010/05/05(水) 23:33:21
(――アオイ……!)

お互いが見つめ合ったのはほんのMS(マイクロセカンズ)単位であったろうし、亦それなりに距離もあったのだが、
それでもこの瞬間、主従は二霊の心と心を通じ合わせた。アオイの目には何ら後悔も、またマシロを恨むような色もなかったのだ。
ただ、まさに酷い殺され方で嬲り殺されつつあるマシロを、自分の仕える主人を、心の底から悼み哭(な)く悲痛と非憤とそして非命への絶望だけがその瞳の中にあった。
心からマシロを思いやっていた。自分が体を弄ばれ、穢された事への非難がましい気持など、欠片すらならなかった。それだけだった。

この瞬間、マシロは決した。もう、この娘に、自分の愛するこの侍女に、断じてこれ以上の心痛を与えまい。
アオイだけではない、やがてこの録画されている光景を目にするだろうアリカにも、また愛するミコトにも。
そして、まだ自分を敬し愛してくれる全ての人々の為にも。
そして自分の解体処刑ショーを嘲笑って眺める全ての群衆に、ヴィントの諸国民に、見せつけてやろう。
自分の女王としての、最期の矜持を。王たるべきものの、最後の魂魄を。

「――皆の者、聴くがよい!!」

辺りが静まり返る。今まで激痛に喘ぐだけだったマシロ女王が、腹の底から絞ったような大音声で何やら叫んだのだ。
その裂帛の気合の篭った声質に、執行吏も思わず、刃を振るう手を止めた。

「妾は……わらわはヴィントの、ヴィントブルーム王国の正統なる女王Mashiro blanc de Windbloomである! わらわは最期そなたたちに詔(の)る。
そなたたちは今、大きな罪を犯そうとしている。じゃが、妾はそなたたちを許そうと思う。願わくば、ヴィントの行く末と、そなたたちの身の上に上天の幸いと嘉みする所があらん事を!!」

誰も声を上げる者はいなかった。しばらく、しずまり返っていた刑場に、慌てた怒声が響いた。監督の官がマシロを面罵し、殴りつけた。

「ニセモノの女王のメス犬の分際で、何をほざくか!! こやつにはまだまだ苦痛が足りぬようだ。刑の執行を続けよ!!」

それで我に返った執行吏が、再びマシロの身を削ぎ始める。肩の皮膚が裂け、肉が一塊削がれて、血が噴き出す。
だが、今までと違ってもうマシロは一声も上げなかった。ただ苦痛に歯を食いしばりながら、決して呻きなど漏らさず、自分の体が骨のみを曝していくのに耐え続けていた。
涙も、もうけして流さなかった。いくら刀が振るわれても、それは変わらなかった。

しばらくは、群衆の間でも、どよめきや猥声、笑いなどは一切やんだ。やがてちょっとずつ再び雑声が流れだすが、
しばらくして、結局それもさ程大きな歓声にはならず、そのまま延々と時が過ぎ去り、やがて夕刻となって、処刑は翌日に持ち越された。
マシロは肉体の四分の一を失っていた。

一晩、処刑場の傍らに設けられた、臨時の監禁小屋に縛られたまま転がされ、マシロは苦痛に荒く喘息していたが、息は乱しても、決して呻きは上げなかった。
最後に殺すまでを長引かせる為だけに生かす、それだけの為、血管を紐で縛って止血し、体力が続くよう、無理やり粥を二三杯口に含まされ喉に流し込まれた。
眠るのは自由だったが、マシロは一睡もしなかった。
自動小銃で武装した国軍兵士は小屋を数重(すうちょう)に囲み、中では数名の兵卒が徹夜で番をしていたが、
その間、明日また切り刻まれ、ただできるだけ苦痛を長引かせて殺す為だけにわずかに一晩か二晩生かされているこの女王だった少女が、
今一体何を考え何を思っているのか、そう想像していくらか背筋の寒くなる思いをする者も中にはいたのだが、
マシロ女王の胸中の気高い決意と矜持など、下賤の者どもの知る由もある筈が無かった。

240 ◆OYHllSodOc:2010/05/05(水) 23:34:06
翌日、刑が再開される。相変わらず、一山の群衆が押し合い圧(へ)し合い見物にきている。
そう、これは見せ物だ。嬲り殺しという、大衆が見物するための娯楽である。しかし、彼らの反応は昨日とはいささか違った。
まず、昨日削ぎ残した肩や腕の肉が削ぎ始められる。
執行台の壇上には交代が効くよう鋭利な小刀が卓上に何本となく並べられていたが、鋭く研ぎ澄まされた刃物は、多少骨を削ったところで刃毀れもせず、
マシロの解体を淡々と幇助(たす)ける。両の腕がすっかり白骨だけになると、次は肉のよくついた内腿が削がれ始めた。
処刑は日の昇り出した頃から始められ、この頃にはちょうど太陽は中天に差し掛かっていたが、マシロは間中、まったくの一声も漏らさなかったのだ。

「おい、『お慈悲(マァシィー)を、貴族様(サァー)』と叫べ。そうすれば、規定より切り刻みの数を減らしてやる」

監督官が小声でマシロの耳元に吹き込むが、マシロは虫けらでも見るように軽蔑の視線でその顔を一瞥して、すぐ目をそむける。
怒りに興奮した監督の官が執行吏に、削ぐ際はできるだけ組織を抉りぐちゃぐちゃに傷つけるように命じる。
やがてマシロはびくんと、今や骨だけになった肩を震わせてしばらく痙攣していたが、それでもやはり声は上げなかった。

さらに、切り刻みは二百刀を超え、地面には削いだばかりの肉片の山がうず高く積っていた。

次第に執行吏たちに自分たちが今解体している女子に対する、ある種の畏怖感とでも言うべき心理が沸き起こって来た。
どれだけ筋肉や脂肪の組織を損壊し、撹拌し、破爛して、血管と神経を剥き出した上で刺激を加えても、この少女は全く一つの苦痛を色にも顕わさず、
やがて女王が眉一つ動かさずひたすら沈黙を保(ほう)すようになるその自若とした姿に、
彼らは何か懼る可きもの、敬う可きものを見出したような感覚に陥り、次第に肉を削ぐ方の自分たちが血の気を失い蒼ざめて行った。

その心理は群集にも伝播した。初めは前日の前半同様に嘲りや淫声を交わしていた一群の人間どもも、
次第沈黙が波のように伝わって声を上げる者も少なくなりいつか厳粛な空気に呑まれていったのだ。

腿がすっかり削ぎ終わると、寸磔は脛や足の甲、爪先に及びマシロの、元々見るからに華奢な体を、文字通り骨格だけにしていったが、
一体何を見つめているのだろう、マシロは中空を見つめてただひたすら耐えている。
その瞳にはまさに消えかからんとして最後の煌めきを灯す篝火のような生命が輝いていた。

やがて二日目の夕ロ軍(せっき)が落ちて、刑は翌日に持ち越される。
今日の切り刻みだけで、マシロの体のありさまを見れば、もう長くない事は誰の目にも明らかなのである。明日こそが最期だと、誰もが胸に期した。

獄舎の中で殆ど昏睡しているマシロは一度だけわずかに声を漏らした。番の兵卒は聞き逃して知る由もない。
マシロはその人生最後の夢で、夢裡に邂逅した愛する人の名前を呼んでいたのを。

三日目。壇上にマシロが引きずり上げられる。
数人の屈強な兵卒がマシロの体を縛ったまま引きずったが、もはや鉄鎖と頑強の士で厳重に逃亡を警戒する必要もない程、マシロは誰の目にも弱っていた。
例のごとく日の出とともに処刑の再開が監督官から宣告され、群衆が群がりだし、小刀がきらめいて寸磔が再開されても、
マシロは呻くどころか表情一つ動かさず、ただうなだれた様に全身弛緩して、ただ時折思い出したように痙攣だけした。

見物の群衆たちもその全身の白骨を曝した髑髏そのもののような体をみて、もはや誰も歓喜や驚喜の喚声を上げはしなかった。
中にはあまりの酷い光景に気分を悪くし、胃を擦る者もいる。削ぐべきところをすべて削いで、やがてマシロの四肢が切断され始めた。
膝の所で脚(くるぶし)を切り落とし、肩で腕を裁断する。
マシロは執行吏に抱きかかえられ、すっかり小さくなったその体には肋骨を剥き出しにして、
小さくなった肉体に比して顔だけが大きく見えるようになったそのさまで、弱弱しく肉の削げた胸板を上下させていた。

その光景を見ているメイド服の女性がいる。言うまでもない、アオイ・セノーである。

241 ◆OYHllSodOc:2010/05/05(水) 23:35:52
アオイは、もう目を背けずただ涙だけが枯れる事のないかのように流れて、主人の最期がいよいよ迫りつつあるのをただじっと見つめていた。
それが、自分にできる最後の奉仕であるかのように、目をそらさなかった。
マシロはふとその涙に濡れた顔を、霞む視界裡に認めて、その顔はかすかに微笑したようにも見えた。

「現在(いま)、二千余刀の咼リ(か)を超過し、未だ制の定む所の規定数には及ばぬと雖も、賊にははや削ぐべき肉片もなく、
ここまでの膺懲(仕置き)にて賊をして大逆の忌むべき罪(とが)をも十分償わしめたものと小官は判断す。是を以て抽腸(とどめ)をば執行せん」

 監督官が大声で呼ばまわり、とうとうの瞬間を宣告した。アオイは呻きとも、嗚咽ともつかぬ声を漏らす。
そしてマシロは、朦朧とした意識の中で、最期に、

「アリカ、アオイ、ミコト……ち……ち上……はは…上……」

 マシロは枯れたと思っていたはずの涙を二日ぶりに流していた。観衆の誰もがそこにある種の美を見出して、皆が皆息をつめた。

「の……う、アリカ、アオイ……妾は、わららは……がん……ばった、じゃろう……?」

 涙は水晶の流れのようにみえ、全員の胸中に水晶の姫という言葉が思い浮かんだ。
その腹に止めの刀が深々と刺し込まれた。マシロは一度だけびくんとのけ反って、そのまま永久に動かなくなった。
やがて大量の出血と共に裂かれた腹から抽出された草草の内臓が台上に陳列され、観衆に閲覧せしめ、マシロの死亡を確認した監督官が刑の終了を高らかに宣言した。

 移民歴三百三十三年、仲秋の事だった。



(続)

242 ◆OYHllSodOc:2010/05/05(水) 23:36:47
以上、グロネタで申し訳ありませんが、どなたかよろしくお願いします。

243 ◆OYHllSodOc:2010/05/07(金) 00:14:31
代行確認しました。ありがとうございました。

244名無しさんが妄想します:2010/05/21(金) 19:38:37
代理投下依頼に来ました。

【書き込みたいスレ】↓
【妖怪】人間以外の女の子とのお話27【幽霊】
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1267983526/
【名前欄】たったひとつの(ry 1/6〜6/6
【メール欄】sage

次のレスから6レス、お願いします。

245たったひとつの(ry 1/6:2010/05/21(金) 19:39:30
投下します。長さは6レス分
人外っぽい描写はあまりないので注意

「ん、む……」
形を持ち始めた俺のモノを口一杯に頬張り、ユキさんが小さく声を漏らす。
柔らかな口腔の感触に先端を包み込まれ、堪え性のない愚息は早速びくびくと震え始めた。
快感に情けない声を上げる俺を見上げて、ユキさんは楽しげに目を細める。

「きもひいい……? しずるくん」
「ぅ……はい、すっげぇ、気持ちいいです」
俺の素直な返答に彼女はふふっと笑い、口にした一物を音を立てて吸い上げた。
不意打ちをまともに食らい、再び呻く俺。やべぇ、イっちまうかと思った。

「ちょっ……ユキさん、今のは…反則……!」
「ん、ろうして? しずるくん、きもちよくなひ?」
「いや、気持ちいいんですけど、気持ち良過ぎて色々やばいというか……ようするに男の面子の危機というかですね……っ」
早漏のレッテルを張られるのだけは勘弁と、必死に射精欲と戦う俺の心情を分かっているのかいないのか。
ユキさんは不思議そうな顔を浮かべたまま、肉棒を舌で唇で愛撫する。
桜色をした可憐な口唇に挟まれて、見る間に硬度を増していく雄の欲望。
口に含まれていない部分には代わりに彼女の指が絡み付き、陰茎全体が目の眩むような刺激に包まれた。

246たったひとつの(ry 2/6:2010/05/21(金) 19:40:19
「あ、くっ……」
相変わらず、絶妙な舌使いおよび指使い。
抵抗することが馬鹿らしくなってくる程の気持ち良さに、つまらない男の意地はあっさりと屈服させられた。
荒い息を吐きながら、股間に顔を埋める恋人の表情を窺う。目が合った。
きっと興奮に赤くなっているだろう俺の顔をしばし眺め、彼女はまた笑う。心底嬉しそうに、幸せそうに。
いっそ無邪気でさえあるその笑顔に釣られ、俺の頬も自然と緩んでいた。

――叶わないよなぁ、ホント。
本格的に力が抜けた俺は、大人しく壁にもたれてユキさんの奉仕を受け入れる体勢になった。
ユキさんも俺の態度が従順になったことを察して、竿に絡む舌の動きをより激しく、熱を帯びたものに変えていく。

薄暗い部屋に、舌と肉棒が絡むいやらしい水音が響き渡る。
下を見れば、俺のモノを咥え込み、口唇で扱き上げるように動くユキさんの美妙な面。
そして、間断なく舐められ吸われ続ける、爆発寸前の怒張。
聴覚、視覚、触覚。それら全てで性感を苛まれ、俺はあっけなく限界へと追い込まれた。

「ゆ、きっ……さん」
さらりと流れる金色の髪に、指を絡ませる。
ユキさんは心得たとばかりに肉竿を深く咥え、奥にわだかまる精を絞り出すかのように強く吸い上げた。
直後、性器から脳天までを電流のような感覚が走り抜け、俺はユキさんの口の中に己の欲望を吐き出した。

247たったひとつの(ry 3/6:2010/05/21(金) 19:40:57
「ん……!」
精液が喉に当たる感触に驚いたんだろう、ユキさんがかすかに声を上げる。
けれどそれも一瞬のこと。
彼女はすぐさま平静を取り戻すと、まだ射精を続ける肉棒を口腔のより深いところまで咥え込んだ。
普通の女性ならば息苦しさに呻くところ、しかしユキさんは動じない。
喉奥にじかに流し込まれる濁った体液を、苦しげな素振り一つ見せずに受け止め、飲んでいく。
それも当然だ。だって彼女は、端から呼吸なんてものする必要がないのだから。

「う、くぅ……っ!」
とろとろと流れ出る射精の名残を優しく吸われ、俺は心地良い気だるさに身を預ける。
背後の壁にもたれ、肩で大きく息を吐いていると、足元からくすくすと笑い声が聞こえた。
「ふふふっ、しずるくん、今日はたくさんだったね〜。いつもより多かったから、私びっくりしちゃった」
直前までの情事の名残など欠片も感じさせない爽やかな笑顔でそんなことを言われ、
賢者タイム真っ最中の俺はどうにも居た堪れなくなる。

「……久しぶりだからですよ」
「久しぶりだと、たくさん出るの?」
「…………出るんです」
「そうなんだぁ……でも、この間したの、一昨日だよね?」
「………………ユキさんもう勘弁して下さい」
無自覚の言葉責めにライフポイントを削り倒され、俺は力なく天井を仰いだ。
そのまま壁の時計に目線を走らせる。明日の講義は朝一からある、そろそろ寝ておかないとまずい。
俺の視線を追いかけて時計を眺めたユキさんも、「結構遅くなっちゃったねぇ」とのんびり呟いた。

248たったひとつの(ry 4/6:2010/05/21(金) 19:41:36
「どうするしずるくん、もう寝ちゃう?」
「や、一応シャワー浴びてからにします。結構汗かいたし」
ティッシュで適当に拭った息子をしまい、俺はのろのろと重い腰を上げる。
それに続いてユキさんも立ち上がると、ぽんと両手を打ち合わせてこう言った。

「分かった。じゃあ、その間に着替え用意しておくね」
「いいですよ、そのぐらい自分でできますし」
「大丈夫。下着はタンスの一段目の左端でしょ? もうちゃんと覚えたんだから」
心持自慢げな笑みを浮かべ、ユキさんはえへんと胸を反らす。
嬉しそうなとこ悪いんですが、左端じゃなくて右端ですユキさん。
あと一段目じゃなくて二段目です。

俺の突っ込みにユキさんは小首を傾げ、「そうだっけ?」と目を瞬かせた。
のんびりとした性格が影響しているのか、彼女はこの手のドジが結構多い。
実際にタンスを開けてみてホントだー、と呟いているユキさんの横顔を、俺はなんとはなしに見つめた。

息が乱れている訳でも、汗をかいている訳でもない、平静そのものの顔付き。
ついさっきまで指や唇に付着していたはずの精液の残滓も、いつの間にか跡形もなく消えてしまっていた。

249たったひとつの(ry 5/6:2010/05/21(金) 19:42:03
俺の恋人――ユキさんは人間じゃない。

彼女が一体どういう存在であるのか、詳しいことを俺は知らない。
分かっているのは、俺と同じ人間ではないことと、いわゆる動植物のような生命体ではないということだけ。

それしか、知らない。

外見だけを見るならば、ユキさんの容姿は人間の女性と何一つ変わらないのだ。
美しさの中にも少女のような可憐さを残す、色白の細面。
金色の長い髪は両サイドで結われ、彼女が動くのに合わせていつも軽やかに揺れなびく。
黒を基調にした丈の長いワンピースが、白い肌と細身の肢体をよく引き立てていると思えた。

しかし、衣服も含めてその姿はあくまで擬態でしかなく、仮に欠損したり汚れたりしても
――例えば、精液をかけられたりしても――少し時間が経過すれば自然と元の状態に戻る。
当然生命活動だってしていないから、心臓が鼓動することも、頬が紅潮したりすることも、
恋人と情を交わして性感を得る、ということも、ない。絶対に。

250たったひとつの(ry 6/6:2010/05/21(金) 19:42:41
「しずるくん?」
はたと気付いて、いつの間にか俯いていた面を上げる。
形の良い眉を曇らせて、ユキさんがじっと俺の顔を覗き込んでいた。
「どうしたの? なんだかとっても怖い顔になっちゃってるわよ」
「あ、いや、なんでもないですよ。ちょっと考え事してただけで」
心配そうなユキさんに笑って見せ、俺はつまらない考えを頭から追い出す。
正直なことを言ったところで、彼女を悲しませてしまうだけだ。
これ以上、ユキさんにそんな顔をしていてほしくなかったから、俺は笑顔でその場を誤魔化す。

「……そっか」
しばらく俺の顔を見つめ、ユキさんはこくんと頷いた。
何かを考えるような、その間が少し気にかかったが、結局問い質すことはできなかった。
「はい、どうぞ。下着とジャージ。寝る時はいつもこれでしょ?」
「どうも。じゃ、俺シャワー浴びてきますね」
綺麗に畳まれた着替え一式を受け取り、俺はユキさんに背を向けて歩き出す。
ドアを閉める直前、背後から聞こえた「いってらっしゃい」の声に振り返ると、
にこにこ笑顔のユキさんが俺に向かって手を振っていた。
――風呂場に行くだけなんだけどな。
大仰とも言える恋人の行動に、苦さ一割むず痒さ九割の笑みを浮かべながら、俺は今度こそドアを閉める。

その時――。

「――――ごめんね」

扉が閉まる音に紛れて聞こえた声は、いやに鮮明に俺の脳裏に焼き付いた。




――――――――――――
以上です。続けたいとは思っている

251名無しさんが妄想します:2010/05/21(金) 19:44:26
以上になります。
お手数ですがどなたかお願いします。

252名無しさんが妄想します:2010/05/22(土) 01:02:05
>>245-250
投下済みました

253244:2010/05/22(土) 16:26:33
投下確認しました。ありがとうございます

254 ◆qs7EFMKq0E:2010/06/13(日) 04:08:08

どなたか代理投下おねがいします。

【書き込みたいスレ】↓
ハンマーセッションでエロパロ
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1227622072/

255「堕チル淫獄」1:2010/06/13(日) 04:08:45
注1・この作品は、ハンマーセッション1、2巻の内容をもとにしています。状況を詳しく知りたい方はそちらを先に読んでください。
注2・鬼畜系。



体の震えが止まらない。
(怖い怖い怖い)
何がおきてるのか分からない、渚は分かりたくない。

部屋中に漂う濃厚なアルコールと生臭い体臭に、渚は吐きそうになる

渚の父親は、新しく出来た会社に役員として迎えられ、転校をしなくて良くなり、最近よそよそしかった、親友たちに誘われ、
渚は今日という日を親友たちと一緒に精一杯楽しむつもりだった。
――それが、どうして。

「ほらぁ、早く服脱ぎなよう。せっかくのお洋服汚れちゃうよぉ?」

親友の岬が、ベッドの上に腰掛けた口の場所が開いた覆面をすっぽり被った男に寄りかかりながら、今まで聞いたことがないような甘いとろけた声を出す。
マスクをした、マスクだけをした男がそそり立った股間を隠しもせずに座っており、いやおう無く渚の視界に入ってしまう。
傍らの親友の姿も。

濡れた白いスクール水着。しかも、その生地はありえないほど透けていて、童顔の親友のここ数日でますます大きく膨らんだ豊満な乳房も若草の陰りも丸見えになっていた。
それでいて表情には羞恥の欠片も無く、お菓子を目の前にした子供のように、「これから起こること」への期待に満ちた目をしている。

「ま、真潮…ちゃん」
救いを求めて、ここまで渚を案内してきたもう一人の親友を見て、渚はもう一度衝撃を味わった。

真潮は、私服を脱いでいた。
それだけならいい。下に陸上ウェアをまとっていたから岬よりも、まともな人前に出られる格好だ。
だが、そのむき出しになった健康的な太ももにはマジックで不健康な、卑猥な言葉が書き連ねてあった。

256「堕チル淫獄」2:2010/06/13(日) 04:09:23

「↑ザーメンミルク入れ」「アナルOK」「淫乱変態娘」ざっと読めるもの他に、もっと沢山の小さな字でかかれた色とりどりの落書き。

だがしかし、真潮はいつも通りの顔で、それが渚を余計に混乱させる。

「もう、渚はあたしたちが面倒見てあげなきゃ何もできないんだから」
体育の時間によくそうしていたように、渚の着替えを手伝おうと真潮の指がブラウスのボタンに手がかかる。

「い、いやっ! おかしいよっ! どうしてっ、二人とも、どうしちゃったの!? 真潮ちゃんも岬ちゃんも元(正気)に戻ってよぉっ!」
「――渚のせいじゃない」
真潮の声が、渚を見つめる目が冷たくなる。

「えっ?」
「あのねぇ。渚のパパ、新しい会社に入れたでしょ? あの会社、渚のパパのためにこの人が作ってくれたんだよぉ」
男にしなだれかかり、手でその男根をいじりながら岬が説明する。

「この人ねぇ、すごいお金持ちでね。最初は真潮ちゃんと酔わせてお金盗ろうとたんだけどぉ、逆に全部奪われちゃったの。キスもバージンもお尻の穴もぜ〜んぶ」
そんなことを言いながら岬は無邪気に笑う。
まるで楽しい思い出を話してるかのように。

「それでね、奪われたのは体だけじゃないんだよ。心も未来も奪われちゃったんだぁ、ほら」
岬が左手で男根をいじったまま、右手で近くにあったリモコンを操作する。

一般家庭にはまず置いていない複数の巨大なAV機器。
その画面、それぞれに複数の男達になぶられ陵辱される真潮と岬の姿が映し出される。
いや、陵辱という言葉はふさわしくないかもしれない。
男子トイレで体中に小便を浴びせられる真潮も、車の中で体中をまさぐられる岬も、その顔に陵辱の悲愴は無く、むしろ恍惚としている。

「これだけじゃないよぉ。数え切れないほどいっ〜ぱい、いやらしいことされて、みんなビデオに撮られちゃったのぉ。
今度ねぇ、そのビデオを裏で売っちゃうんだってぇ。すごいよねぇ、あたし達、知らない男の人のオナペットアイドルになるんだよぉ。
ううん。知らない人だけじゃなくて、知ってる人もビデオ見ちゃうかもぉ。
そしたらぁ、男の先生やクラスメートや近所のオジサンにバレたらぁ、あたし達、どうなっちゃうんだろうねぇ。
でもねぇ、あたし達全然後悔してないんだよ。だって親友の渚のためだもんねぇ」

257「堕チル淫獄」3:2010/06/13(日) 04:09:50

「なぎ、なぎさ、渚のせいなの……?」
真潮が服を脱がせるのに抵抗するのも忘れて、渚が自失呆然とつぶやく。

「渚のお父さんのために会社を作った費用は30億だって。そんなの一生働いても返っせこないよね」
真潮のつぶやき。

渚は、残った衣服を自分で脱いだ。
子供じみた猫の絵が描かれたパンツまで全て、そして生まれたままの姿(メガネはかけているが)で男の前に土下座する。

「お願いです! あた、あたしが二人の代わりにどんなことでもしますからっ! ビデオ売らないでっ! 二人を解放してあげてください!」
渚は全身全霊をかけて、額を床にこすり付けて懇願する。

「嬉しいわぁ。やっぱり、渚は親友ね。あのね、この人が渚の初めてをとっても高く買ってくれるんだってぇ」
「そのお金で、あたし達のビデオを全部買えるだけの額を稼げば、あたし達のビデオは出回らない」
だから気がつかない、親友であるはずの二人の瞳に浮かぶものに。

「売る! 売るよっ! 処女だってあげるからっ!」
即答する渚に親友ふたりは、笑みを浮かべる。

「じゃあ、まずは渚のファーストキッスからいってみようかぁ?」
岬に言われるままに、渚は男のマスクのあいている口へと、唇を近づけていく。
男の吐息がかかり、渚は思い描いていたそれとの違いに震えながら目を閉じ、一気に口付けをしようとした所で渚は後ろから真潮に頭を押さえつけられ、男の生殖器を咥えてしまった。

「ひゃっ……うっ、ん、ん」
渚は、口内に進入した生臭い塊を口から追い出そうとし、しかし、運動部で鍛えた真潮の力にはかなわず、喉の奥まで蹂躙される。

「ほらっ! 喉チンコにチンコがガンガンぶつかるのがいいでしょ。渚」
変わり果てた親友の声。
巨大な異物のピストンに抗議の声をあげることもできずに、滲んだ涙が床に落ちる。
呼吸もまともにできず、ただ終焉を望み――それはすぐに叶えられた。

258「堕チル淫獄」4:2010/06/13(日) 04:10:19

渚の口内の生殖器が一際膨れ上がり、喉の奥へと射精を開始する。
勢いよく食道に噴出された大量のザーメンが逆流し、口の端と鼻穴からこぼれ出る。

「うヴぅっっゥ! ぇっつ! はう、はっ、はっ、はぁ」

ようやく初めての口内陵辱から開放された渚は、口の中に残ったものを吐き出そうとひとしきりえづいた後、酸素を補給しようと荒く息をする。
そんな渚をやさしく抱きとめたのは、岬だった。

それは、かつての日常で渚がドジに落ち込んでいたときによくそうしていたように。
決して戻らない日々がまたやってくるのではないかと淡い期待を渚に持たせるように。

「あのねぇ。これでぇ、皆一緒なんだよ。真潮ちゃんも私も、一番最初にファーストキスをおチンポ様にささげたんだよぉ。真潮ちゃんなんか最初、胃の中のものまで吐いちゃったんだからぁ」
だが、過ぎた日は二度と戻ることはない。

「真潮ちゃんは床の掃除をお願い。渚は、ほらぁ、これをごっくんしてお口の消毒、ねっ」
岬が、ミニボトルをあおると中身を自分の口に含み、渚に口づけをする。
初めて味わう他人の唇の味。

見れば真潮は、陸上部のキャプテンとして活躍し、勝気な性格ながら皆に慕われていた少女は、四つんばいになり陸上ウェアに包まれた引き締まった尻を突き出しながら
渚が床に吐いたザーメンを猫のように舌で舐めとっている。

渚の目から、先刻、男の生殖器を咥えさせられた時より大粒の涙が出る。
そして渚は考えるのをやめた。

岬から口移しで与えられた謎の液体を飲み干す。

「次はどうするの?」
渚は自ら、男に問う。

259「堕チル淫獄」5:2010/06/13(日) 04:10:49

覚悟を決めたとはいえ、その体は恐怖で震えている。
渚の問いに男は指をさして答えた。
その先には、渚のまだブラが必要ないほどの小さな胸の突起、乳りんが広がっていないピンクの子供乳首。

「今度は、オッパイだってぇ、イッパイ可愛がって貰おうねぇ」
渚の背後から岬が抱きつき、渚の最近の中学三年生にしては未発達な乳房をよせあげて持ち上げる。
ささやかながら、強調された乳房に男が吸い付き、成長途上の敏感な場所を舌で弄り回す。

渚はそれに顔を真っ赤に紅潮させ、しかし、抵抗をせずに耐える。
羞恥と、体の奥、お腹の下からくる得体の知れない感覚に。

渚はしらない、ブラもしていない――衣服から浮き出る突起に寄せられる男の視線に無頓着だった自分が、
男から与えられる快感を刻み込まれ、クラスの男子の視線を感じるたびに股ぐらを濡らしてしまうような雌に変えられてしまうことを
その快感を求め、男をさそう仕草を自分からしてしまうようになることを。

右そして、左と中学生の乳房が男のヨダレで覆われていく。
渚は、もれでそうになる声を必死で押さえ、しかし、太ももには汗以外の液体が伝っている。

「我慢しなくていいんだよぉ。さっき飲んだお薬が効いてきてるでしょ」
悪魔のように背後の岬が先ほど飲んだ液体の効能をささやく。

世間には出回っていない恐ろしく強力な媚薬、即効性な上に異常な量の脳内麻薬の分泌は、その薬の被験者に「今されていること」への快楽と常習性を生み
その後、薬を飲まずとも同等の行為を受けるだけで強力なフラッシュバックが発生する悪魔の薬。

「真潮ちゃんはぁ、お尻を弄られて泣きながらぁ、何度もおまたから潮吹いたんだよう」
「岬だって、おっぱいつねられて獣みたいな声あげてたじゃない」
そんな親友達の声に羞恥以上に、悲しみ以上に、男への恐怖以上に
自分の心と体が作り変えられる恐怖に渚は悲鳴をあげる。

260「堕チル淫獄」6:2010/06/13(日) 04:11:20

先ほど決めた覚悟も吹き飛び、渚は発作的に男を自分の胸からはなそうと手を伸ばし

「ヴッ、いあっ!」

噛まれた。
歯形がくっきり残るほど深々と、食いちぎられたと錯覚するほど鋭々と。

渚の目がくるりと裏返り、緊張を失った股間から液体が一気に吹き出し床に水溜りを作る。
渚の意識は一時的に、この地獄から逃げ出すことに成功していた――それは不幸なのか、それとも幸運だったのか。

意識を無くした体は男と親友達に弄ばれ、親どころか自分さえみたことが無い体の隅々までいじくられ、
そして目覚めることになる。
処女の守りを男の杭で貫かれ、背後からディルドーを装着した真潮にアナルを突かれる衝撃で。

二つの穴を攻められ抉られ貫かれ、

純潔の断末魔の叫びを声の限りに響かせ、泣き喚く。
それは、やがて調子を変えて、雌の産声へと変化していくのだ。

そして渚は作り変えられる。
わずか数時間で、今まで生きてきた14年の人生を快楽のために投げ捨てるように、これからの人生の全てを快楽に捧げるように。

人ではなく、快楽の獣、淫楽の家畜に
そうなるまで、後――

261あとがき:2010/06/13(日) 04:12:39

お待たせしました。
いや、煮詰まってぜんぜん書けないんで、本能にまかせて好きなようにプロットなしで少しずつ書き進めたらごらんのありさまだよ。

ちなみに後づけで思いついた設定的には、悟郎に万引きを止められた二人が意趣返しで、お詫びといって強引に悟郎をさそって
酔わせて財布を盗って、弱みも握ろうとしたのを覚醒した鬼畜悟郎が返り討ちして調教。
その後、深みにはまった二人はお酒を持ち寄って鬼畜悟郎を目覚めさしてはさらに深みにはまり、
普段の悟郎は、酔っているときの記憶は残っていない――となっております。

またリクエストがあったら、どんどん書き込んでください(まあ数ヶ月単位の時間はかかりますが)。
まさかの新連載にドラマ化で人が増えるといいなと思いつつ、雑誌は立ち読み、コミックは古本でしか買わない人間なので、そっちをネタにしたリクには応えかねます。

好評なら、これの続編の構想がいくつかあるのでそれで、とはいってもあんまりこの路線でやっても「それハンマーセッションでやる意味あるの?」という気も
8月まで、別所の長編(エロ無し)に取りくみ、その息抜きに書く予定なので今回以上に間が空くかも。



以上です。どなたかよろしくお願いします。

262名無しさんが妄想します:2010/06/14(月) 13:49:08
>>255-261
済みです

263 ◆qs7EFMKq0E:2010/06/14(月) 21:25:42

ありがとうがざいます。
投下確認しました。

264名無しさんが妄想します:2010/06/16(水) 23:59:20

どなたか代理投下おねがいします。

【書き込みたいスレ】↓
エデンの檻のエロパロ
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1236261221/

265「最悪の選択肢」:2010/06/17(木) 00:00:20
注1・今号ネタバレ
注2・鬼畜系
注3・雑誌の立ち読み、しかも飛び飛びの知識しかないで書いてます。



「オレたちもう死ぬんだろ!? だったら最後によ、やりてーんだよ! 真美ちゃんと!!」

あばた面の太った男が荒く息をしながら、まだ幼さの残る少女の華奢な体にのしかかる。

身勝手な欲望の声。
少女は、自らの身を守るため男を突き飛ばし、駆け出そうとして
足をメガネの中年男に掴まれた。

少女の体が再び、地面に倒れる。

「い…池田さん!?」
娘であってもおかしくない少女の足を掴みながら中年男の顔に浮かぶのは、太った男と同じ、卑しい欲望。

「ボ…ボクも真美ちゃんが、生えてるかどーか、気になっていたんだよ」
少女は、今まで守ってくれた大人の豹変に、自分が欲望の対象となっていた事実に抵抗を忘れて呆然とする。

「よ…よし、いいぞ!  そっちはまかせたっ、オレは…」
太った男が少女の手を押さえつける。

「いやっ、あっ、ひっ、お願いです。やめて、やめてください」
上半身を押さえた太った男が、舌をくっつけるようにして、少女の清らかな顔を嘗め回し、ナメクジの這い回ったような後で汚していく。
下半身を押さえ込んだ中年男は、同様に恐怖に震える少女の太ももを嘗め回し、若い肉の張りを楽しんでいる。

少女は、なんとか逃れようと涙を流しながら、非力な抵抗を続け――右ほほを殴られた。

266「最悪の選択肢」2:2010/06/17(木) 00:00:50

衝撃による痺れがとれ、ゆっくりと痛みと内出血の熱が少女に伝わっていく。
「あっ? えっ?」
この期に及んでもまだ、少女はどこかで、男達が自分に危害を加えず、本当に嫌だということが伝われば性的暴行すらやめてもらえると思っていた、
だが、それはもちろん間違いで、仮に今、少女が心臓麻痺で死のうとも男達は躊躇なく、その死体を嬲っただろう。
もはや、男達には少女は一個の人間ではなく、性欲をぶつけるためのオナホールにも等しい存在でしかないのだ。

それを理解し、少女は
一縷の望みにかけ、大声で人を呼ぼうとし、
力の限り、男達に抗おうと思い。

しかし、体はいうことをきかず。
口から、出たのは小さな――服従の言葉。

「ら…乱暴にしないで、くだ、さい。……言うこと聞きますからっ」
その言葉に男達は欲望をあらわにした、世にも醜い笑顔を浮かべる。
そして、少女は男達に言われるまま、右ほほを紫に腫らした顔で、涙を滲ませながら、口の端を引きつらせた無理やりな笑みで媚びながら、
自らを守る衣服をはだけていく。

少女が、制服のニットを巻くりあげ、ブラウスのボタンを外し、白いブラに包まれた乳房を露出する。
男達が左右からギラついた目で、最近の子供らしく、すでにかなり膨らんだ乳肉を視姦し、荒い息が少女の双球に吹きかかる。

「ひっ!?」
どちらが先だったのか、男達が少女のブラを強引にめくり、大人への変化を起こしかけている乳輪と淡い桃色をした陥没ぎみの乳頭に吸い付く。

年端もいかない少女の乳房に、はるか年上の男達が赤ん坊のように吸い付く、異様な光景。
だが、それをとがめるものはここには存在せず、それゆえに男達は暴走して止まらない。

少女が乳房を開放されたのは、それからどれほどたった頃か、男達のヨダレに汚された乳房が、冷たい風を感じとる。
その先端、男達の舌で散々いじくられ、歯で甘噛みされた乳頭は、生理反応をおこして飛び出ていた。

「真美ちゃんのおっぱいおいしかったよ。次は――」
太った男が、虚ろな目をして呆然としている少女のミニスカートに手をかける。

「うおおおっつ!」
中年の男が奇声を発しながら、自らのズボンのベルトを緩め、しかし、視線は少女の腰に定まり、動かない。

男達の目に、少女のお尻を包み込む、フルヒップの白いショーツが晒された。

267なかがき:2010/06/17(木) 00:02:58

ハンマースレあてに「雑誌は立ち読み、コミックは古本でしか買わない」と書き込みましたが
ただで手に入ったなら話は別です。

注でも書きましたが、毎号立ち読みしているわけでもないですし、立ち読みしててもほとんど忘れてたりしますので
知識の無さゆえに間違っているところとかあったら、指摘お願いします。

いや、しかし、なんでしょう鬼畜をかくのが異様に馴染む。
好きだけど、理性が邪魔して書けないとかいってた昔が信じられない。
吹っ切れるとはこういうことか。

でもさすがに当日だと、ここぐらいまでが限界。
ハンマースレに書いた前作なんか(書き始めるのに大分かかったとはいえ)リク貰ってから数ヶ月かけてるので、それに比べれば遥かに早いのですが、
がんばって土曜か日曜には続きをあげる予定(他にしなくちゃいけないことがある時ほど、書きたいエロパロのネタが次々に浮かんでくるのはなんでだ)。



以上です。どなたかよろしくお願いします。

268名無しさんが妄想します:2010/06/17(木) 01:18:01
>>265-267
投下しました

269 ◆qs7EFMKq0E:2010/06/17(木) 20:16:32

ありがとうがざいます。
投下確認しました。

270 ◆qs7EFMKq0E:2010/06/20(日) 16:03:29

どなたか代理投下おねがいします。

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271「最悪の選択肢 完全版」1:2010/06/20(日) 16:04:13

注1・29号ネタバレ
注2・鬼畜系
注3・雑誌の立ち読み、しかも飛び飛びの知識しかないで書いてます。



「オレたちもう死ぬんだろ!? だったら最後によ、やりてーんだよ! 真美ちゃんと!!」

あばた面の太った男が荒く息をしながら、まだ幼さの残る少女の華奢な体にのしかかる。

身勝手な欲望の声。
少女は、自らの身を守るため男を突き飛ばし、駆け出そうとして
足をメガネの痩せた男に掴まれた。

少女の体が再び、地面に倒れる。

「い…池田さん!?」
ほんの数分前、少女を絶対守ると言った、メガネの男の顔に浮かぶのは、太った男と同じ、卑しい欲望。

「ボ…ボクも真美ちゃんが、生えてるかどーか、気になっていたんだよ」
少女は、今まで守ってくれた大人の豹変に、自分が欲望の対象となっていた事実に抵抗を忘れて呆然とする。

「よ…よし、いいぞ!  そっちはまかせたっ、オレは…」
太った男が少女の手を押さえつける。

「いやっ、あっ、ひっ、お願いです。やめて、やめてください」
上半身を押さえた太った男が、舌をくっつけるようにして、少女の清らかな顔を嘗め回し、ナメクジの這い回ったような後で汚していく。
下半身を押さえ込んだメガネの男は、同様に恐怖に震える少女の太ももを嘗め回し、若い肉の張りを楽しんでいる。

少女は、なんとか逃れようと涙を流しながら、非力な抵抗を続け――右ほほを殴られた。

272「最悪の選択肢 完全版」2:2010/06/20(日) 16:04:45

衝撃による痺れがとれ、ゆっくりと痛みと内出血の熱が少女に伝わっていく。
「あっ? えっ?」
この期に及んでもまだ、少女はどこかで、男達が自分に危害を加えず、本当に嫌だということが伝われば性的暴行すらやめてもらえると思っていた、
だが、それはもちろん間違いで、仮に今、少女が心臓麻痺で死のうとも男達は躊躇なく、その死体を嬲っただろう。
もはや、男達には少女は一個の人間ではなく、性欲をぶつけるためのオナホールにも等しい存在でしかないのだ。

それを理解し、少女は
一縷の望みにかけ、大声で人を呼ぼうとし、
力の限り、男達に抗おうと思い。

しかし、体はいうことをきかず。
口から、出たのは小さな――服従の言葉。

「ら…乱暴にしないで、くだ、さい。……言うこと聞きますからっ」
その言葉に男達は欲望をあらわにした、世にも醜い笑顔を浮かべる。
そして、少女は男達に言われるまま、右ほほを紫に腫らした顔で、涙を滲ませながら、口の端を引きつらせた無理やりな笑みで媚びながら、
立ち上がり、商売女のように自らを守る衣服をはだけていく。

少女が、制服のニットを巻くりあげ、ブラウスのボタンを外し、白いブラに包まれた乳房を露出する。
男達が左右からギラついた目で、幼さの残る顔立ちと対照的に、すでに立派に成長し膨らんだ乳肉を視姦し、荒い息が少女の双球に吹きかかる。

「ひっ!?」
どちらが先だったのか、男達が少女のブラを強引にめくり、大人への変化を起こしかけている乳輪と淡い桃色をした陥没ぎみの乳頭に吸い付く。

大人へとなる一歩手前の少女の乳房に、年上の男達が赤ん坊のように吸い付く、異様な光景。
だが、それをとがめるものはここには存在せず、それゆえに男達は暴走して止まらない。

少女が乳房を開放されたのは、それからどれほどたった頃か、男達のヨダレに汚された乳房が、冷たい風を感じとる。
その先端、男達の舌で散々いじくられ、歯で甘噛みされた乳頭は、生理反応をおこして飛び出ていた。

「真美ちゃんのおっぱいおいしかったよ。次は――」
太った男が、虚ろな目をして呆然としている少女のミニスカートに手をかける。

「うおおおっつ!」
メガネの男が奇声を発しながら、自らのズボンのベルトを緩め、しかし、視線は少女の腰に定まり、動かない。

男達の目に、少女のお尻を包み込む、フルヒップの白いショーツが晒された。

273「最悪の選択肢 完全版」3:2010/06/20(日) 16:05:14

「黄ばんでるっ! 真美ちゃんのパンツ黄ばんでるよっ!」

すでに胸を見られ、弄られた少女だが、それとはまた別種の羞恥に白い肌に紅がさす。
漂流してから満足な着替えも無く、危険な獣が多数うろつく上に、多数の大人――男達との集団生活。
言い出しにくく、それでも機会があるごとに、水洗いはしているものの、洗剤も無い生活では、真っ白に戻すことはできはしない。
さらに女性の体の構造上、男と違ってどうしても用を足した後、雫が残ってしまうが、トイレットペーパーなど無いこの島では、
それを拭き取ることもできない。

しかし、そんな言い訳を主張できるわけも無く、
少女は、ただ大粒の涙を流して、されるがまま。

「いけないなあ、こんな汚いパンツは脱いじゃおうねっ!」
太った男が片手でスカートを捲くりながら、もう片方の手を無造作に少女のショーツに伸ばす。
メガネの男は自らの起立した男根を露出させ、手を添えながら少女の股間を覗き込む。

そして、あっさりと少女の「他人に見せてはいけない場所」が、家族でも恋人でも無い男達の目に晒される。

まだ一度も異物を受け入れていない綺麗なスリットは、顔立ちと同じく子供じみていて、
それを覆い隠すべき毛は、わずかに上部に生えているだけだった。最も長い毛も1、2センチ程度の長さしか無い。

それを見た瞬間、メガネの男の男根から、白い欲望の液体が飛び出した。
飛び散った飛まつが少女の足元を汚す。

「お…お願い」

これから起こることへの恐怖が、右ほほに刻まれた恐怖を上回り、少女は男達にもう一度懇願しようとした。
こんなに恥ずかしくて死んでしまいそうな所を見たのだから、満足したのでは無いかと都合のいい淡い期待を抱いて。
そうメガネの男――池田は、「生えてるかどーか、気になっていたんだよ」と言ってたではないか、ならばそれを確認した今
太った男――向井を止めてくれるのではないかと。

そんなはずが無かった。

274「最悪の選択肢 完全版」4:2010/06/20(日) 16:05:46

少女の言葉の途中で
メガネの男は、少女の腰に抱きつくようにしがみつき、地面に押し倒した。
大地に全身が打ち付けられ、少女が抵抗することもできないのをいいことに太ももの間に引っかかっていたショーツを脱がし、
頭にかぶると、スリットに顔をおしつけ、舌を無理やりねじ込む。

「畜生、一人で楽しみやがってっ」
出遅れた太った男は、倒れた少女の頭のほうにいくと、少女の顎に手を伸ばす。

「おい、口を思いっきり広げろ」
いままで少女を守るといい、崇拝してさえいるような態度をとっていた太った男は、
もうすでに、少女を人間とすらみていない。
打たれた右ほほの記憶が、少女に口を開かせた。

少女の涙は、誰にも省みられることなく大地に消えていく。

メガネの男が、少女の股間で奏でる舌の水音が響く中、太った男がその醜悪な下半身をさらす。

「さあ、真美ちゃん。ごちそうをあげるから沢山、沢山食べてね!」

地面に倒れた少女の顔に横向きに覆いかぶさる太った男の体。
太った男の体から発せられる異臭、その大元が少女に近づき、横向きに少女の口へと挿入された。

太った男は、その体格に比べれば粗末な、
しかし、比較対照をしらない少女にとっては巨大なものが、少女の左ほほを突き破る勢いで叩きつけられる。

そのおぞましさに、少女はそれに触らないように口をより大きく開き、それが結果として男の行為を手助けしてしまう。

そして幾度目かのピストンの末、太った男は少女の口の中に欲望が詰まった白濁液を噴射した。
見るからに運動が出来無そうな太った男は、とりあえずの満足に浮かせていた体をそのまま少女に乗せて休む。

自分の2倍以上はあろうかという太った男に体重を預けられた少女は悲惨だった。
頭蓋が割れるのではというほどの重み、男の排泄器官を咥えたまま男の肉に顔を覆われ、息も出来ず、口内に溜まった白濁液を吐き出すこともできない。

メガネの男が場所を交換しようと言いだし、太った男がその体を少女の頭からどけたとき、
少女は、朦朧として、かすかな抵抗さえもできなくなっていた。

275「最悪の選択肢 完全版」5:2010/06/20(日) 16:06:16

朦朧とした少女の前で、
男達が、勝手に少女の体を扱う権利を話し合い、取り決めを結ぶ。

少女の足が大きく広げられる。
メガネの男の唾液でビショビショに濡れた秘部に、先ほど少女の口内を蹂躙した男根が近づくが、少女はされるがまま。
そして太った男は、思いをとげる。

今まで、クラスの男子と付き合ったことさえ無い、奥手の少女。
かわいい顔立ちの予言者として雑誌などで騒がれ有名な、巫女少女。

その少女の純潔が、普通に生きていれば、接点の欠片も無く、口も交わさなかったであろう、
醜く、社会生活すら碌にいとめない様な、男としてなんの魅力も無い人間によって奪われた。

「オレ、オレがぁ、オレが真美ちゃんの初めての人だよっ! ああ、遭難して良かったよぉ!!」

処女の証である血が飛び散るのにもかまわず、太った男は腰を打ちつけ、より深く少女の中に入り込もうとする。

「は、早く、ボクと代われよぉ」
メガネの男が自らの股間を弄りながら、一方的な性交をうらやましげに見つめる。

「じゃあ、こっち使えよ。二本挿しだぁ!」
太った男が少女の体を掴むと、性器を結合させたまま、少女の体を持ち上げる。
メガネの男の視界に少女の小ぶりなお尻が丸見えになった。

メガネの男は、誘われるまま少女の後ろの穴に起立した男根を挿入する。

「いやあああ!! もういやあああ!! 助けてっ、誰か助けて〜!!」

体の全てを、排泄するための穴ですら男の欲望の餌食となり、少女は始めて大声で助けを求めた。
そうしなければ、体ばかりか魂――心まで犯されつくされるという危機感が、暴力への恐怖を一時の間忘れさせた。

しかし、
「ああぁぁぁ。真美ちゃん、そんなに動いたら、で、出るぅぅ、オレの精子で真美ちゃんを種付けするぅぅ!」
抵抗がもたらしたのは最悪の結果。

「いや…嘘っ、そんな、うそ? 嘘だよね?」

少女の子宮を太った男の白濁液が汚し、すぐにメガネの男の白濁液も少女の直腸を汚した。

276「最悪の選択肢 完全版」6:2010/06/20(日) 16:06:42

ガササッ

その時、今更少女の助けを求める声が神に届いたのか――あるいは悪魔に――草を掻き分け、凶暴な肉食の爬虫類の群れが姿をあらわした。

「ひいいいっ!」

男達は、少女の体から自らの生殖器を引き抜くと、我先にと逃げ出した。
窮地に陥った人間の底力か、太った男ですら、陸上選手並の速度で逃げていくが野生動物の前には亀の歩みに等しい。

そして、多くの肉食獣に備わっている本能に従い、鰐どもは、動けないでいる少女を通り過ぎて、逃げる男達に襲いかかる。

かつて少女が見た予知、その通りの光景。
今はまだ、鰐どもは男達の新鮮な肉を喰らうのに夢中だが、おそかれはやかれ、少女もまた予知の通りになるだろう。

あきらめが少女を包もうというとき、遠くに見知らぬ大人の集団が見えた。
粗末な手製の石斧や、棍棒で武装している5人ほどの男達。
あるいは、少女の、人間の悲鳴をききつけてこの死地に来てしまったのだろうか。

その時、少女の脳裏にまた映像が浮かんだ。

少女の助けを求める声に駆けつけた男達が、鰐どもを追い払う姿が、その後、興奮した男達に再び陵辱される自分の姿が、そして、
数ヶ月立った頃だろうか、
虚ろな目で彼岸の笑みを浮かべながら、少女は一糸まとわぬ姿で、ヘソが伸びてなくなるほど膨れ上がった自らの腹を撫でていた。
その乳房は3周りは大きく膨らみ、乳りんは広がって、色はピンクからどどめ色に変わり果て、乳首と股間から白い液体を垂れ流している姿。

少女は震える。
このまま鰐に食われて死ぬのか、男達に助けを求めるのか。

猶予のときは、もうあまり残されてはいない。

277あとがき:2010/06/20(日) 16:07:55

実は、池田が向井と同い年ぐらい?
しかも、中学生だと思ってた真美が高校生……資料をそろえてから書かないから……。

山田先生のキャラの年を絵で見ただけで判断するのは、とっても危険。

というわけで、前回書いたものに微修正を加えて最初から。
ただし、フルヒップのショーツは私の趣味なのでその設定でいきます。ビキニタイプとか邪道だよね。

エデ檻は、良い題材の宝庫なので古本が手に入ったら、また書きたいですね。



以上です。どなたかよろしくお願いします。

278名無しさんが妄想します:2010/06/23(水) 13:37:33
>>271-277
代理投下してきました。

279 ◆qs7EFMKq0E:2010/06/23(水) 20:57:35

ありがとうがざいます。
投下確認しました。

280名無しさんが妄想します:2010/08/01(日) 00:44:55
どなたか代理投下おねがいします。

【書き込みたいスレ】↓
【バトスピ】バトルスピリッツでエロパロ
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1264618679/l50
【名前】M×R
【メール欄】sage
次のレスからの代理投下をお願いします。

281M×R:2010/08/01(日) 00:46:10
警告。
華実×弾
妄想炸裂別人警報発令徹頭徹尾自己満足。
ほぼ百二十パーセント捏造。
華実の相手は兄さまだけだとか、捏造CPは認められないとか、お前の妄想に付き合ってられるかって人は、スルー推奨。

公式で弾×華実があり得なかったのでカッとしてやった。只今絶賛後悔中。
何気に初のエロパロ
あと、長いです。

282M×R:2010/08/01(日) 00:48:13
―――あ………。

 と。熱に酔った音が唇をつきました。
 音が言葉になる前に、彼の舌が私の唇をするりと潜ったのです。

「んっ」

 意志を持った生き物のように動く舌に、歯列や歯茎を舐められて喉の奥から、くぐもった音が漏れ出ます。
 オトナのキス。それだけで、私の体ははしたなくも昂ぶってしまいました。

「んっ、んん―――っ!」

 淫らな熱に意識が緩んだ瞬間、まるで、狙い澄ましたように彼の舌が歯列を超え、私の舌に絡み付きました。
 まるで蛇の交尾のように。ペチャ。ペチャ――と、私の舌と彼の舌が、赤面してしまいそうなほど、生々しい音を立てます。
 気付けば彼からだけではなく、私の舌も体内に侵入していて、お互いに舌を吸いあい、獣のように貪り合っていました。
 五分か、もしくはそれ以上。私にとっては永遠と思えた口付けは、お互いが酸素を求めたことで、唾液の橋だけを残して別れました。
 けれども、それも一瞬の出来事。どちらともなく、私たちは再びお互いを求めあって、互いの唇の味に酔いしれます。

 そして―――、

 痛いほどの力で私を抱きしめていた右手は、項を撫で上げ、淡い緑色をした私の髪を指に絡めながら。
 片割れとは逆方向に動いた左手は、腰のラインをなぞり、肉付きの薄いお尻の感触を愉しみながら。
 キスを貪り合う下で、わずかな隙間も許さないほど、密着した体はお互いの熱を共有して。
 下腹部に触れる一際熱い肉の感触に、私の子宮はどうしようもない疼きを抑えられないのでした。

 二度目のキスが終わります。
 銀糸が宙に解れ、お互いに言葉はなく、見つめ合う彼の瞳に、悦楽に蕩けた女の顔を見つけて、私はさらに赤くなってしまいました。

 赤。紅は彼の色。
 馬神 弾。
 コアの光主で、赤の戦士で、激突王。そして、百瀬華実の恋人。兄さまとはまた別の、愛を与えてくれる愛しい人。
 
 弾と睦み合うと、私はいつだって彼の赤に染められてしまいます。いつもの物言わぬ姫君は何処かに消え去って、まるで娼婦のように、体を開く牝になってしまうのです。
 弾に触れられるたび、舐められるたび、突かれるたびに、二次性徴もろくに迎えていない癖に、私の体は淫らに花開き蜜を溢れさせます。
 そして、引き締まった彼の体に縋り付いて、快楽に咽び泣くのです。

 弾は、そんなはしたない私にいつも、可愛いよ。と、囁いてくれて、だから私も歯止めがきかなくて、どんどんと、彼に溺れてしまうのです。

 本当に、ひどい人。

 百瀬華実と馬神弾が、こんな関係になったのは、数か月も前の事。
 ハレの日の喧騒に浮かれる、とある町のこと。
 お祭のフィナーレを飾る、空に開いた万色の花の下で――――、

「きゃっ」

283M×R:2010/08/01(日) 00:49:09
 衝撃に、小さな悲鳴が漏れました。背中を柔らかく受け止めたのは、スプリングの利いたベッドの反動。
 いつの間にか天井に向いた視界には、覆いかぶさるような弾の姿。どうやら、回想に意識が向いている間に、寝台に押し倒されてしまったようです。

「……いきなりだなんて、ひどい人」

 軽く語尾を弾ませて、くすり。と笑うと、弾は面白いくらいに狼狽して、一生懸命言い訳らしき言葉を紡ぎます。
 ああ、なんて可愛らしい。
 湧き上がる衝動のまま、上体を起こして伸ばした腕を弾のうなじに回して、軽くついばむようなキスをすれば、彼の唇は言い訳の垂れ流しを中断しました。

「今夜も、いっぱい愛し合いましょう」

 私だって、もう我慢は効かないのです。二度のディープキスで、私の秘所はすでに濡れそぼっているのですから。

 対面座位で向き合って、両手は私の胸から腰のラインを撫でるようにしながら、もう一度、弾は唇を触れ合わせるだけのキスをしてから、私の肌に舌を這わせます。
 唇から、顎を通って首筋まで、鎖骨の辺りで一度止まって、コリっと、歯を立てられました。

「はぅッ」

 甘噛の感触に、びくりと体が震えます。弾はにんまりと笑うとそこに唇をあてて吸い上げました。

「ああっ!」

 喉を震わせた嬌声に気を良くしたのか、弾のキスは止まりません。反対側の鎖骨や、肩、二の腕から指先に至るまで、いつもの黒いドレスからのぞく肌に、キスの雨を降らしてゆき、

「んっ―――。あっ、あっあぁあ!」

 桜色に昂ぶった肌に、赤く烙印が捺される度に、ビクビクッと、私の体は弾むのでした。
 
「―――ああ、こんなに……」

 赤く残ったキスマークたち。

 ―――弾ったら、明日の朝、兄さまや魔ゐさんに、何を言われても知りませんよ?

 そうこうしているうちに、ドレスの上から這わされていた指先が、布地の淵にかかります。これから、この身を包むドレスを剥ぎ取って、私の裸身を夜気に晒す気なのでしょう。

「ま、待ってください」

 思わず制止の声が出てしまって、弾が怪訝そうな瞳を向けてきました。

 私だってこんなところで止めたくなんてありません。でも、
 彼とこんな関係になってからもう数カ月。幾度も交わってきたけれども、やはり裸になるこの瞬間は、とても恥ずかしいのです。

 どうした? と、視線で問うてくる弾から、私は両手で顔を覆って逃れます。

「あの、やはり、脱がなければいけませんか?」

 指の間から、恐る恐るのぞき返せば、

「うん。俺、綺麗な華実の躰、見たいな」

284M×R:2010/08/01(日) 00:50:36
 なんてことを言うのでしょう。臆面もなく返された言葉にさらに紅潮してしまって、私は弾を見ることすらできません。
 そうやって私が固まっている間に、彼は手早くドレスを剥ぎ取ってしまっていて、抵抗すら出来ずに、私は総てを晒していました。

「〜〜〜〜〜〜っ!」

 あわてて前を隠そうとした手は、優しく掴まれて、頭の上で片手にひとまとめにされてしまい、弾の視線の視線を遮るものは何もありません。
 羞恥と、申し訳のなさに全身を焦がされて、私は小さくつぶやきました。

「ごめんなさい……」

 小さな、桜色だけが目立つ平坦な胸。
 肉付きの薄い、少年のような臀部。
 それらを繋ぐ、括れを知らない子供そのままの腰。
 マギサ様は愚か、魔ゐさんにも届かない幼児体型。
 その癖、淫らに火照り、濡れそぼる恥知らずの躰。
 おのれの淫乱さに居た堪れなくなって、もう一度謝罪の言葉が唇を突きそうになった時、それよりも早く、弾の舌が肌を這いました。

「ひゃうっ!」

 思わず、変な声が飛び出しました。
 谷間と云うにもおこがましい、僅かな膨らみの狭間に、弾の赤い印が刻まれます。

「謝るなよ、そんなこと」
「でも―――、弾だって、もっと女らしい躰のほうがいいでしょう?」

 マギサ様や、魔ゐさんみたいな。

「馬鹿だな」

 そう言って、彼は幾度目かのキスを、唇に落としました。

「何度も言ってるだろ? 俺が、抱きたいのは華実だけなんだ。それだって、華実が華実だからで、胸とか腰とか、そんなん、どうでもいい」

 胸が大きかろうが小さかろうが、俺が好きなのは百瀬華実っていう、女の子なんだから。

 それを証明するかのように、弾が私の小さな胸に吸いついて、舌先で桜色のとがりを弄びます。
 つついたり、舐めたり、それだけでは物足りないと、もう片方の乳首を指で引っ掻いたり擦ったり、
 その行為で、電流を流されたかのように暴れる私の躰を、逞しい腕と胸板で抑え込んで、弾の責めは下半身にまで及びます。

「ひゃあああぁああ!!!!」

 濡れそぼった花芯に、いきなり指を突きこまれて、私はあられもない声で叫んでいました。

「やっ、そん、っなっ、いきなぃいいいいい!!!」

 膣内を指の腹で擦られ、爪の先を軽く引っかけられて、かき回され、いつの間にやら二本三本と増えていく、指での愛撫。
 不規則に指がうごめくたびに、膣から脳まで白い電流が駆け抜けて、弱点を的確に攻めるその快楽に、意識は、早々に彼岸へと向かいます。

 しかし、絶頂へと解放されかけた私の意識は、まるで冷や水を浴びせられたかのように引き戻されました。

285M×R:2010/08/01(日) 00:52:37
「ちがぅ、そこちがうぅううううう!!」

 今まで乳首を弄っていた弾の指が、奥に窄まる菊門をなぞり出したのです。

「今日は、こっちも使ってみようか?」
「駄目っ駄目ええええええ!!」

 いつもと変わらぬ声音で、とんでもない事を言い放つ弾に、恐怖を覚えました。

 確かに、こういった行為の中で、そこを使うこともあるというのは、魔ゐさんから聞いたことはあります。でも、いきなりだなんて、ゼッタイに無理です!

 けれども、体をよじっても、弾の腕の中にいる私はその拘束から逃れられず。
 それどころか、膣口に含まれている指がさらなる快楽を生み落として、逆に抵抗の力は、どんどんと殺がれていきます。
 逃れることもできずにいる内に、弾の指は、私の菊門の中心を、軽く押しこみます。
 それだけで。心臓が爆発しそうなほど高鳴りました。

「嫌ぁ! お願いダンッ! それは嫌なのぉ!!」

 そんなの、嫌。そこは排泄のための器官で、不浄の穴で、こんなことに使う場所じゃないのに――。

「でも、華実。
 こっち触り出してから、前を随分きつく締めつけてきてるし、出てくる愛液の量、増えてるぜ?」
「嫌ぁアッ! 言わないでぇえ!!」

 ほら。と、証明するかのように弾が指を動かせば、聞くに堪えない淫らな水音と、今までに倍する快楽の波に襲われます。

 そう、だから。嫌なのです。お尻の穴だなんて、そんなところに指を入れられて、そんな事で気持ち良くなってしまうなんて―――、そんな事、私自身が耐えられない。
 そんなことを期待している自分自身に、耐えられない。

「―――お願いぃ。何でもしますからぁ。お願いですから、それはやめてぇ」
「………わかった、よ」

 弾の指が少々名残惜しげに菊座から離れます。そのことに安堵して、力が抜けた体が重力に引かれます、

「あ」

 そして奇妙な声を聞いたと思った瞬間。
 私は、膣口を愛撫し続ける指をさらに深く咥えこみ、膣外の親指に、とうに勃起していたクリトリスを押しつぶされ、
 何よりも、それほど離れていなかった逆の手の指が、菊座の中心にめり込ませて、

「ひぅぁああああああああああああああああああああああっ!!!」

 初めて味わうお尻の快楽によって、潮を吹き、絶頂に押し上げられてしまいました。
 ぽすん。と力が抜けた体が、ベッドに受け止められます。その感触すら、明滅する感覚に邪魔されて判りませんでした。

「あー。………大丈夫か? 華実」

 すぐ近くなのに、やけに遠くから、申し訳なさそうな弾の声が降ってきます。

―――バカぁ。

286M×R:2010/08/01(日) 00:53:49
 けれど荒れ狂う絶頂の余韻は、口を呼吸以外に使わせてはくれなくて、一言の罵倒すら言葉になりません。

 荒い呼吸を少しは落ち着かせて。
 その間、お尻を抉った事を、悪く思ってはいるのか、謝罪の言葉を重ねる弾のほうへ、やっとのことで視線を向けると、

 そこには、弾の男性器が隆々と、臍のあたりまでに反り立っていました。

「―――」

 息を呑みました。
 散々に私の痴態を観察して、とっくに準備完了しているソレ。
 幾度も、私の最奥を突いて狂わせてきた肉の凶器を。今夜は、もしかしたら直腸まで蹂躙するかもしれないソレを見て、ふと、脳裏に閃きが走りました。
 未だにひくひく痙攣する、気だるい躰を引きずって、弾のほうへにじり寄ります。

「? か、華実?」

 無言で這い寄る私に、何か不穏なものを感じたのか、弾が腰を引きますが、逃がしたりなんてしません。
 自分でも感心する速さで髪をほどいて、リボンを根元に巻き付けます。

「華実!? なにを!?」

 返答もせず、私はリボンに彩られた、弾の陰茎にむしゃぶりつきました。

 今度は―――、私の番ですよ。弾。


 「くぁっ、華、実。そこは、マズイッ」

 赤黒い先端の弾力を、愉しむように甘噛をすれば、弾が苦しげな声を上げます。でも、聞いてなんてあげません。
 そして、こんな事をして差し上げます。

「くぅおぉぉぉおおおっ。やばいっ! やばいってば!!」

 知りません。懇願を無視して、尿道口を舌先で嬲ってあげます。
 私はやめてと言ったのに、やめてくれなかった仕返しです。
 
 先程は弾にイかされたのですから、今度は私の番です。すごく恥ずかしかったのですから、同じくらい恥ずかしい目に遭ってください。

 言外に、視線に込めた言葉を察してか、弾がうなだれます。たじろぐそこに、わずかな期待の色が在る事を、私は見逃しません。
 可愛い人。
 どうせですから、もっと可愛らしいところを見せて貰いましょう。

 隆々と勃起した陰茎を口や舌で弄り回します。フェラチオというこの行為は、女性の一方的な奉仕に見えて、実は明確に主導権をとることのできる体位です。

 と、魔ゐさんは仰っていました。セルジュさん相手に実践なされたのでしょうか? かく云う私も、一方的に弾を可愛がれるので気に入っています。

「くぁ、か、じつ。もぅ、限界」

 大きくて、固くて太い弾のモノを、喉の奥にまで咥え込むのは大変ですけれど、こんな弾が見られるのなら悪くありません。
 そんな事を考えながら、唾液を舌先に集めて先端の穴に注ぎ込みます。

287M×R:2010/08/01(日) 00:55:21
「っ!!!!!!!!!!! あぁあああああああああっ」

 異物が尿道を逆流する感覚に、弾が激しく身もだえます。けれど、後ろ手に拘束されていてはどうしようもありませんね。
 でも、ソレは弾が望んだ事ですよ? オーラクセックスと引き換えにした事は認めますが。

 三つ編みを二つとも解いた髪を振り乱して、私は口腔全てで弾を愛撫します。
 血管が浮き出るほどに勃起した陰茎は、精液を吐き出したくてたまらないようですが、根元をリボンで縛られていては、それも叶いません。
 ずぞぞぞぞ。と、下品な音を立てて吸い上げれば、かくかくと弾の腰が無様な前後運動を見せます。くすっ。早く出したいのですね。

 そろそろ弾も限界の様。なら。

「ねぇ、弾。イきたいですか?」
「あ、ああ」

 いつもの力強さを失った、苦しげにかすれた声。

「臭い精液を私の口にぶちまけたいのですね?」
「ああ!」

 快楽におぼれるその声が、―――嗚呼、ぞくぞくする。

「でしたら、言うべき事が有るでしょう」
「………。華実。頼む、出させて」

 ねぇ、弾。

「違うでしょう」
「ぅあああ」

 もっと淫らに、もっと無様に、

「さぁ、ちゃんとお願いして見せて?」
「あ、あああ」

 私と、同じ処に堕ちましょう?

 弾の無様な懇願とともに戒めのリボンを解けば、限界を迎えた怒張は、マグマのように、白濁した精液を吐き出して、私の咽喉を叩きます。

「うぅっ! けほ、ゲホッ!!」

 ドロドロのマグマのような熱の塊に叩かれた、生理的な反射で陰茎から口を離してしまえば、いまだ吹き出すそれに、顔といい髪といい白く汚されていきます。
 独特な匂いに鼻孔がくすぐられ、指で掬えば、どろりと糸を引いて。

 口に含むと、青いえぐみが舌の上に広がりました。

 嗅覚と味覚が犯されて、子宮にさらなる火が入ります。下腹部からの熱は、全身を駆け巡り、やがて脳髄を犯します。

 トロリと悦楽に蕩けた視線を向ければ、これだけの精液を吐き出した癖に、弾の陰茎は、血管を浮かび上がらせ、ビクビクと硬度を誇っていました。

 天頂へとそり立つ焼けた鉄のような肉棒に、キュン。と、子宮が熱く疼きます。

 嗚呼―――。早く、早く、あの肉で、あの勃起で、私の中を抉られて貫かれて、濃い精液をぐりぐり塗りつけられて、イってしまいたい!!

288M×R:2010/08/01(日) 00:57:11
 快楽を求める衝動に、私は荒い息をつきながら弾の拘束を解いた――その途端、私はベッドに押し倒されていました。

「!!っ ん〜〜〜ッ!!!」

 唇を奪われ、くぐもった音が漏れ出ます。
 我慢できないのは彼も同じで、両手が私の足をすくい上げ開かせて晒した、止め処なく蜜を吐き出す淫裂に、熱く自己主張するソレをあてがいました。

「華実。―――行くぞ?」

 そんな事、いちいち確認せずともよろしいのに。

「ええ。
 来て――、下さい」

 ずぶり。と、
 反り返った肉棒が、私の中心を貫きます。百舌鳥のはや贄にされたようなその衝撃で、肺が空にするような嬌声が、空を裂きました。

「華実。華実ッ!」

 様子見などなく、いきなりトップスピードに乗った激しいピストン運動とともに、弾が私の名前を呼びます。

「ひゃ、ああんッ! だっ!!!! ああッ、弾〜〜〜ッ!!!!!」

 腕をまわして縋り付き、狂ったように私は、弾に合わせて腰を振りました。

 噛み合う動きが、快楽を、悦楽を、愉悦を、慕情を、愛情を―――、
 総ての思いを二乗します。

 弾が呼ぶ私の名前。私が呼ぶ弾の名前。

 その声以外、結合部で淫らに響く淫音しか、私の耳には届きません。

 触覚はぶつかり合う痴骨と痴骨の感触を、
 味覚は混ざり合う二人の唾液の味を
 嗅覚は弾と私の汗のにおいを
 視覚は愛しい赤色とそこに映る淡緑の色を、
 五感のすべてが弾と、弾と交わる私で埋め尽くされ、

「あっ、あぁん。あああああっ!」

 私の総ては今、この寝台の上だけに。愛する人と総てを共有するこの時間だけでいい。
 それ以外は、もうどうでもいい。マザーコアも異界王も、課せられた宿命も逃れ得ぬ運命すら、

 もう、どうだっていい。私には、弾さえいればソレで良い!

 膣内を蹂躙される快感が、限界に近付いて来る。あの熱い塊がもうすぐ私の中を、膣中(ナカ)を焼き尽くす。

 その快楽はずっと前から知っていた。彼の熱はずっと私の心を焦がしてきた。
 あの青の世界のトーナメントで、それから先の様々なバトルで、幾度も彼の思いは、力とともに私の心に響いていた。

 その熱が、何より熱い彼の心が、凍てついて歪んでしまっていた、私の心を溶かした。救ってくれた。

289M×R:2010/08/01(日) 00:58:43
 両の足を弾に絡み付け、さらに奥へ奥へと導いて―――。
 嗚呼、この体さえなければ、心まで、弾と一つに成れるのにッ!!

「一緒に、一緒にぃ!! ずっとぉ、一緒に!」
「ああ、ずっと一緒だ。 華実ッ!」
「ダンッ!!! ダンッ!!!! あッ、ぁああああああああああああああああああああ!!!!!」

 絶頂を迎えた私の膣壁は、弾を思いっきり締め付けて、吐き出された熱い精液に、私は今までで最大の嬌声を上げたのです。


 夜の中、ふと目を覚ましました。
 一瞬の前後不覚を乗り越えた瞬間、私の顔は恋人のコア以上に赤くなっていたでしょう。恥ずかしすぎて、鏡で確認する気も起きません。
 恐る恐るお尻の穴に手を伸ばせば、本来そこから溢れるはずのない、粘性の白い液体が。紛れもない情事の、肛門性交の跡。
 どうして、そんなものが溢れてくるのか、できれば永遠に謎のままにしておきたい、幾重にも箱詰めにして、誰も訪れない荒野の真ん中に穴を掘って埋めてしまいたい。
 けれど、記憶なんてものは、そう簡単にはなくなってくれません。
 あの後、三度目の絶頂を迎えて気を失っても、弾は私を開放してはくれず、私自身も意識の掛け金をどこか変なふうにかけ間違えたみたいで、
 その、お、お尻の穴から溢れる、せ、い、液は、私自身が、その、はしたなく、ねだった――、結果でした。
 それ以上にも、思い出すのも憚られるような、そんな痴態を晒していたのです。

 そう思うと、唇が触れ合うほどの近くで寝息を立てているこの恋人が、ひどく憎らしく思えてきて、えい。と、ほっぺたを引っ張ってやります。

 それでも起きない彼に、苦笑しそうになって。

 ―――罪人め。

 その声に、心が凍りつきました。

 ―――よくもあれだけの人を傷つけておきながら、自分だけ幸せになろうだなんて思えるわね。

 耳をふさいでも、その声はやみません。

 ―――地球で、異界で、どれだけの人が、貴方の犠牲になったと思ってるの?

 それは、耳に届く声ではなく、心の中の、私が私を責める声。

 ―――ズングリーの家族を酷い目に合わせて。

 やめて

 ―――大好きな兄さまに、あんな事をさせて!

 やめて

 ―――弾だって、貴方といると不幸になるわ!!

 やめてぇええええええええええ!!!!!

「華実」

 弾の声に、ビクリと全身が震えました。
 心の声は、私が拒絶されると、それが順当なのだと騒ぎたて、

290M×R:2010/08/01(日) 00:59:49
「大好きだよ」

 ……、嘘。

「…………。弾?」

 恐る恐る、声をかけてみれば。けれど、弾の反応はなく。
 唇から漏れるのは、微かな寝息だけ。

「………。寝言?」

 ふと、強張っていた体から力が抜けます。
 そうです。弾は、私を大好きだと言ってくれました。私の罪を誰より知っている彼が、それを含めて、それでも私を大好きなのだと、あの花火の下で誓ってくれたのです。

 私には、逃れ得ぬ運命が有ります。
 それは、今まで犯してきた、罪の贖い。傷つけて来たものへの償い。
 因縁は、呪いのように帳尻を合わせる。私の未来は定まっている。

 けれど、今だけは、私を愛してくれる、愛おしい人の腕の中で、幸せな夢を見たいと願うのは、決して許されない事なのですか?

291M×R:2010/08/01(日) 01:03:42
以上です。
ここまでお付き合いくださりありがとうございました。

でも、兄妹相姦ネタか―――。
兄妹二人の狭い世界から熱血主人公に関わったせいで世界が広がるってのは王道なのに。
つか、弾×あにさま。なのか? そうなのか!?

292名無しさんが妄想します:2010/08/01(日) 01:04:20
以上になります。
お手数ですがどなたか、宜しくお願いします。

293名無しさんが妄想します:2010/08/01(日) 02:19:03
>>281-291
投下してきました

294292:2010/08/01(日) 02:28:02
代行確認しました。ありがとうございました。

295名無しさんが妄想します:2010/08/16(月) 11:41:07
依頼スレッド:ビッチな娘が一途になったら第3章
レスの内容:(sage希望)
p2規制もありレスできない時用の避難所です。
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/2964/1281926181/l50

以上の2行をお願いいたします。

296名無しさんが妄想します:2010/08/18(水) 00:02:20
機能しねえのな、ここ

297名無しさんが妄想します:2010/08/19(木) 18:54:45
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1232552229/

こちらのほうに以下をお願いします。

王異(魏02SR)はそのつややかな黒髪をたなびかせると
冷やかな視線を投げおろした。
拘束された鎖をはずそうと懸命にもがく男を
汚いものでもみるような視線を投げる。
「何を暴れているの?
無駄なことよ……」
「くっ、ほ、…ほどいてくれっ…」
全裸の男は羞恥と屈辱で顔を真っ赤にしている。
「これも…さだめ……」
手を振りかざす王異。
その艶やかな黒髪と、黒い服を豊かに盛り上げる肢体に
男は下半身のうずきを止めることができなかった。
「うわぁ…楽しそう、何してるの?」
眠そうな目をこすりながら一人の女が近づいてきた。
女の肌の匂いが男を激しく高ぶらせる。
その女、蔡文姫(魏13UC)は男の下半身をみて眠たげに目をこする。
「う、う〜ん…びんびんだねぇ。」
「勃起してこの程度だから…たかが知れてるわね。」
王異は残酷な言葉を吐く。
男は美女二人に間近で性器を見られる状況に興奮をおさえきれず
ますます、高ぶっていく。
「くっ…くぅぅっ……
ううっ……ぐわぁぁぁっ!!」
背中に激しい痛みが走る。
上から吊られて拘束された両腕を鳴らして懸命にもがいている。
「二人とも、甘やかすことなんてないよ。
いじめて…ほしいんでしょう…?」
姿は見えないが、冷酷な声が後ろから響く。
賈南風(魏58SR)だ。
「ふふふ……」
冷酷な笑い声とともに男の首にムチがからみつく。
「な、なにをぐえええっ……」
男は懸命にもがくが、どうすることもできない。
ふんわりとした甘い香りが辺りを包むと、ムチの締め付けが少し緩む。
そして、男の前に賈南風が姿を現した。
薄暗いこの場所に、露出された腹部が艶やかすぎるほど白い。

298名無しさんが妄想します:2010/08/19(木) 18:55:03
思わず目がいってさらに下半身が高ぶる。
そんな男の様子を見て緩んでいた首のムチが強さを取り戻した。
「どこ見てるの…?クソ男…」
「ぐえぇぇぇぇっ、ぐぇぇっぇええええっ!!
たちゅけへくれぇぇ!!」
「まぁまぁ。それ以上やると死んじゃうよ〜。」
蔡文姫がとぼけた声でとりなすと、賈南風のムチはふたたび緩む。
「まだまだイジメたりないわ…」
賈南風の黒い服を突き上げるバストを凝視したい誘惑にかられながらも
男はムチでの首絞めを恐れて、その誘惑を振り払う。
「はぁ…はぁ……一体なんなんだっ!」
男は懸命に叫んだ。
自分が一体どうして?
なぜ?
ただの、一介の三国志大戦プレイヤーの自分が、
全裸にされ縛りあげられ、そして…
「あらぁ…まだ説明してなかったのぉ…?」
甘ったるい声が男の思考を中断させた。
甘皇后(蜀07UC)がけだるげに歩みよると、
男の眼はくぎ付けにされた。
その豊かに揺れる豊満なバスト。
「ううっ……うううっ…くっ……」
性器は激しく膨張し、小刻みに震える。
一歩、また一歩と歩み寄るたびに震えるバストに
充血した眼を注いでいる。
そんな男に甘い視線を投げかける甘皇后。
「犯した罪はつぐなってもらうってことよ♪」
彼女の言葉は男の耳にはほとんど入っていない。
強烈な色気、破壊力のあるその肢体。
視線どころか、魂すら奪われようとしている。
突如として賈南風の首のムチが男を締め上げる。
「ぐえぇぇぇぇっ!!!」
「話を聞いてるの?クズ…」
王異が手にした剣の鞘で男の尻をしたたかに叩く。
「ぐぎゃっ!?」
「きちんと話を聞きなさい。」

299名無しさんが妄想します:2010/08/19(木) 18:55:17
甘皇后は前かがみになると、そのバストはますます強調される。
男はその強烈な色気にとろけそうになりながらも
必死で自我を保って、話を聞くことに努めた。
「あなた、私たちに散々ひどいことしたでしょう?
ね?その報い、つまり、そのおしおきよ〜〜」
「そーゆーことだからさぁ〜」
蔡文姫は無邪気に笑いかけた。
「ひどいこと!?ひどいことなんて僕はっ…何もしてないっ!!
僕はぁぁぐぐぐうっ痛い痛いっ!!」
髪を引っ張られる痛みから逃れようと頭を振るが、
その強い力からは逃れられない。
呂姫(群30R)は残酷な笑みを浮かべて、男の頭髪をひっぱる。
「あら…とぼけるつもり?下郎がっ!」
さらに強まる痛みに男は懸命に耐える。
「知らない、僕は何もっ…」
ぽってりとした厚い唇、そして適度に焼けた肌、豊かな胸。
祝融(群38R)は男のあごを手で持ち上げた。
ギンギンになった性器は祝融の体からの芳香に反応し、
ますます激しくうずいている。
「あたしたちにひどいことをしたってこと。
知らない…なんて言わせないよっ!」
王異はため息をついた。
「ゴミ箱に投げ捨てたり、台に放置したり…」
「こうやって破り捨てたこともあったでしょ〜」
甘皇后がそのマネをすると、豊かなバストが震える。
「ううっ、うう、そそれは、ぎゃあああああああっ!!!!」
「天罰よ……」
男の全身を稲妻が貫いた。
夏侯月姫(蜀03C)は長くスラリとした脚線美を
惜しげもなく晒しながら男に近づいてくる。
唾を飲み込み、その美貌を見つめる男。
「認めるの?認めないの?」
柔らかな太ももを男の足におしつける夏侯月姫。
その感触に男の性器はブルブルと震える。
「はぅああああっ…くうううっ……」
男は思った。

300名無しさんが妄想します:2010/08/19(木) 18:55:33
確かに排出されたカードで使えないと
思ったカードはそのようにしたことがある。
しかし…認めてはダメだ。
認めたら、もっとどんなひどい目にあわされるか……
必死で身をよじる男だったが突如としてそれすらかなわなくなった。
何太后(漢11C)と甄洛(漢22R)に左右から抑え込まれたのだ。
「動いちゃダメよぉっ……」
「抵抗することはできません。」
体を使って抑え込まれた男は脇に当たる豊かなバストの感触に
陶然となり、身動きは愚か、言葉を発することすらできなくなった。
二人は手を男の腹部付近に這わせる。
「吐いちゃいなよ〜〜?」
「自白、しますか?」
性器はビクビクと脈動を繰り返す。
「はわぁぁっ…ぁぁぁぁああっ……」
触れられれば即座に白濁の液を噴出して果ててしまうだろうが、
決して触れてくれない二人。
男の淀んだ目の先に小さな影がうつった。
「自白できない?
できないなら、いっそ切り落としちゃおうか☆」
ハサミを手に、チョキチョキさせながらその幼い少女はほほ笑む。
「オジイサマも、男への拷問はそれがいいって言ってたよ☆」
「ひぃぃぃっ…ひぃいいいいいっ!!!!」
その後ろには黒髪の美女が幼い少女を後ろに従えて近づいてくる。
「そんな野蛮なことを…。
ここは、悪霊を憑依させて発狂させてしまいましょう。
それが一番簡単なこと……
よく見ておくのですよ、壱与。」
「は、はい……」
呼びかけられた少女は恥ずかしげにうなづく。
妖艶な美女がまた一人現れた。
「あら…ドブネズミの排除なら…私に任せて…?
ふふ……」

狂宴の幕は…今上がったばかりだった。
カードを粗末にしたり、乱暴に扱ったりしている、そこの貴方。
次にこの狂った宴に招かれるのは…貴方かもしれない…

301名無しさんが妄想します:2010/08/19(木) 18:55:55
以上になります。
よろしくお願いします。

302297:2010/08/28(土) 23:35:23
代行してくださった方ありがとうございます。

続きのほうも随時こちらに上げていく予定です。

お気づきの方は時間があればお願いします。

303名無しさんが妄想します:2010/08/29(日) 00:00:51
>>302
代行した者です
勝手に前書きをつけるのはさすがに躊躇われたので今回はそのまま投下したのですが、
元スレ>>1
>一、投下の際は、カップリング(A×B)と特殊な場合は傾向(レイープ、鬼畜、オリキャラなど)を事前申告のこと。
  見やすいところに『続く』『終わり』等の区切りを入れることを推奨。
を踏まえ、次回以降は前書きに注意等を併記すべきではないかと思います
あと、続きものでしたら作品の最後の部分にその旨書いておくとか
差し出がましいようですいません

304297:2010/08/29(日) 02:55:50
あうう…
色々足りなかったですね…

もう少し色々勉強したのち出直してきます。
投下代行とご指摘ありがとうございました。

305名無しさんが妄想します:2010/11/16(火) 19:34:29
保守。依頼おk

306名無しさんが妄想します:2010/11/17(水) 14:42:04
代行依頼でなくて申し訳ありません
オリジナルVRMMOみたいな作品ってどこに投下すればいいんでしょう?
規制に巻き込まれているので向こうで聞く事ができません、お願いします

307名無しさんが妄想します:2010/11/17(水) 16:26:07
>>306もっと詳しく。

例えば、無頼な狩人×素朴な町娘で凌辱注意とか
世界の存亡に巻き込まれた高校生×物語の鍵になる謎の少女でエロ無し注意
とか具体的な内容を聞かないと答えられないや。

エロパロ板質問スレへ代理書き込みもできますよ。

308名無しさんが妄想します:2010/11/17(水) 17:43:30
説明足りなくて申しわけありません
なんていうか、強制的にプレイさせられてログアウトは相手に制御されてる
同じような人が多数いて、VRMMO自体はエロというかそういうのに特化した使用
その中でGMにもてあそばれながらもクリアを目指す、みたいな内容です
同一世界観の短編多数みたいな感じで考えてるんで、シチュで分けるのが難しいと思ったのですが

309名無しさんが妄想します:2010/11/17(水) 19:02:49
.hackやソードアート・オンラインみたいな世界観で
でも特定作品のエロパロじゃなくオリジナル小説で
シチュはバラバラな短編連作、―ここまで合ってますか?

シチュの違う連作を同じスレに連載したいとなると
エロパロ板内ではココとかになっちゃうと思います。
【うpろだ】専用スレのないSS その2【代わり】
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1240477403/

いっそ、エロパロ避難所板の立て逃げスレを使っちゃうとか
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/2964/1214573840/

あと、無料で官能小説を公開できるWEBサービスもいろいろあるので
FC2小説とかも検討してみたらいかがでしょう?

310名無しさんが妄想します:2010/11/17(水) 19:36:32
回答ありがとうございます
少し考えて見ます

311名無しさんが妄想します:2010/12/01(水) 21:08:35
どなたか代理投下おねがいします。

レス代行お願いします。
【書き込みたいスレ】愛するが故に無理やり…… Part6
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1289151978/
【名前】神山家の巫女
【メール欄】sage
次のレスから前書きからあとがきまでの7レスをお願いします。

312前書き:2010/12/01(水) 21:10:04
今さらですが前スレの神獣と巫女ネタ
舞台は現代でヒロインは自分が神を祀る家系だとは知りません
男神ですが女体ふたなり状態でヒロインを犯しています

313神山家の巫女:2010/12/01(水) 21:11:01
 宮下唯が不思議な手紙を受け取ったのは彼女が小学五年生の時だった。
 給食の時間に給食袋の中から折りたたまれた紙を見つけたのだ。
 開くとA4ほどの大きさがある紙に、筆でこう書かれていた。

『宮下唯様 あなたは選ばれました。六年後の今日あなたをおむかえにあがります。』

 差出人の名前は書かれていない。
 唯は小首を傾げながら、机を円形に並び替えている近くのクラスメート達に声をかけた。
「ねえ。この手紙、私の給食袋に入れたのだれ?」
 クラスメート達は唯の周りに集まってきて紙を覗き込む。
 「知らない」「こんなに字の上手いやついないよ」と声が上がる。
 言われてみれば、こんな大人のような字を書くクラスメートはいない。
 仲の良い友達から「気持ち悪いから捨てちゃいなよ」と言われて、唯はくしゃりと紙を丸めてゴミ箱に放り投げた。
 紙屑はプラスチックのゴミ箱の淵にあたり、床にころりと転がり落ちる。
 興味をなくした唯はゴミ箱に背を向けて友人の輪に入っていく。
 溶けるように消えた紙屑に気づく者は誰一人いなかった。

「お嬢ちゃん。大丈夫?」
 肩を揺り動かされて17歳になった宮下唯ははっと目を覚ました。
 セーターの袖の先で涎を拭き取り、人の良さそうな年配の女性に礼を言うと、慌てて電車から駆け下りた。
 プラットホームに降り立ち宮下唯は呆然とした。
 彼女は帰宅途中であったはずだ。だから駅をいくつか乗り過ごしていても時刻は夕方でなければならない。
 しかし――。
 携帯電話のボタンを押す。ディスプレイが開き、時刻が表示される――13:47。
 日付までもが変わっている。
 すなわち18時間以上の記憶が唯から抜け落ちていた。
 どうしてと一人慌てふためく唯は辺りを見渡す。目の前に大きく駅名が書かれていた。
 白峰駅。全く知らない場所ではなかった。母親の生まれ故郷だ。
 ただし唯が現在暮らす家から新幹線と電車を乗り継ぎ時間距離にして四時間半も離れている。
 最後にこの地を訪れたのは8年前の唯の祖父の葬儀以来だ。
 何かに引き寄せられるように改札の前に立つ。制服のジャケットのポケットに手を入れると切符が一枚入っていた。
 切符を自動改札に通す。切符は自動改札に吸い込まれ、問題なく自動改札は開き、唯を歓迎する。

314神山家の巫女:2010/12/01(水) 21:12:09
 駅を出た唯の真正面にまたしても驚くべきものが待っていた。
「シロ!?」
 近所の野良犬がちょこんとお座りをして待っていたのだ。
 唯はシロに駆け寄り、膝をつく。
 シロと呼ばれた野良犬は尻尾を振って唯の唇を舐めた。
「シロだよね?どうして?」 
 不安からかシロの大きな体躯を抱きしめる。
 その首には首輪が嵌められていない。
 なので勝手にシロは野良犬なのだろうと思っているが、実際野良犬なのかどうかは唯にもわからなかった。
 野良犬にしては毛並みが良く、肉付きもいい。
 唯がパンなどの食べ物を与えようとしても一度も食べ物を口にしようとしない。
 幼い頃からどこからともなく現れ、去っていく不思議な存在だ。
 そのシロがどうしてここに。
 シロの体を離したところでするりとシロは唯の腕から抜け出し走っていく。
「あ、シロ」
 車道を横切り走っていくシロを追いかけようと唯も駆け出す。
 横断歩道を走って渡っていると今度は唯の名前が呼ばれ、唯は声の方に顔を向ける。
 軽自動車の窓から男性が顔を出し、驚いた顔で唯を見つめていた。
「誰?」
「俺だ。神山祐介。お前の叔父だよ」
 神山は母親の旧姓だ。母親には弟が一人いたはずだ。毎年クリスマスカードを贈ってくれる。
 最後に会った時の叔父の顔を思い出そうとするが、青信号が点滅し出したのに気づいた唯は横断歩道を渡りきる。
 そして軽自動車を路肩に停めた自称叔父の男の車に寄る。
「どうしてお前がここにいるんだ?学校は?家出か?」
 男は親しげに話しかけてくる。
 しかし、突然の不測の事態の連続に、唯は疑心暗鬼になっていた。
 本当にこれが叔父なのだろうか。
 もしこの男が本物の叔父だとしても、少なくとも八年は会っていなかった姪の顔など見分けがつくものだろうか。
 男は「とりあえず乗ってけ」と助手席を指すが、唯は頭を振った。
 運転席から不思議そうに唯を見上げる男に唯は言う。
「……簡単に、男の人の車に乗ったらいけないって。お母さんが」
 男は一瞬きょとんとした顔をして、次に神妙な顔つきに変わり頷く。
「女の子はしっかりしすぎるくらいしっかりしていた方がいい」
 そして破顔し、財布から一万円札を取り出して、唯に差し出す。
「後ろのタクシーに乗って、俺の車についておいで」

315神山家の巫女:2010/12/01(水) 21:12:54
 八年ぶりの母親の実家は大人になっても、大きかった。
 和風の旅館を思わせる広い玄関で靴を脱ぎ、長い廊下を男について歩く。
 通された客間で男と向かい合って座る。
 男に近況を訊かれて唯はぽつぽつ話す。
 途中でお手伝いさんがお茶とお茶請けを出してくれる。
「本当に家出じゃないんだろうな」
 男は念を入れて聞き返してくる。
「そうです。気づいたら駅にいて」
「18時間以上記憶が抜けてると。姉ちゃんに電話したのか?捜索願いが出てるかもしれない」
 その場で母親に電話をする。
 しかし、仕事中からか母親は電話に出ない。
 留守番電話で神山の家に来ていることを伝言に残して通話を切った。

 その夜は神山家に泊まることになり、唯は用意された部屋で制服姿のまま、畳の上に仰向けに寝転がった。
 い草の匂いが鼻腔をくすぐる。
 窓から見える空は橙から紺へと移り変わる。日はとうに沈んでしまい少し肌寒い。
 瞼を閉じた唯の耳にコツコツとガラスを叩く音が届き、唯は瞼を開け、身を起こした。
 窓の外から唯と同い年くらいの女の子が窓ガラスを叩いている。
 唯は部屋の電気を点けて、窓を開いた。
「ここの、家の人?」
 紺のセーラー服を着た女の子は小さく首を振る。
「違う。昼間、あなたがあの男と話しているところを見て気になって。ねえ、早く逃げた方がいいよ!」
 逃走劇のような台詞に唯は面食らったが、女の子は極めて真剣な顔をして、声をひそめる。
「あいつ、若い女の子に優しく声をかけて……酷いことをするの。私の友達も……。だから逃げた方がいい」
「でも、あの人も神山だって。私のお母さんも旧姓は神山って苗字で。
 私の叔父さんなの……たぶん。ここだってちゃんとお母さんの実家だよ」
「この辺には神山って苗字の人はいっぱいいるよ。私も神山。
 この家はあなたのお母さんの実家かもしれないけど、本当のあなたの叔父さんとは限らないんじゃない?」
 ごくりと生唾を飲んだ。
 あの男か目の前の少女か。
 どちらの言葉を信じるべきか迷ったが、素性の知れない三十前後と思しき男よりも、同年代の少女の言葉の方がより真実味を帯びて唯には聞こえた。
 畳の上に放ってあった通学リュックを背負う。
「靴……」
「上履き持ってきてる」と少女は上履きを掲げる。
 唯は窓から脱出して、赤い上履きを履いて、少女の後について庭から神山の家を出た。

 少女の後について田舎道を走っていると遠くから男の声で唯と呼ばれた。
 振り返り見ると、遠くから叔父と名乗った男が追いかけてきていた。
「やだ。追いかけてくる」
「こっち」
 少女二人は手を取り合い、山へと向けて走る。
 黒く生い茂る木々を前に唯が躊躇しているとぐいと引っ張られる。
「大丈夫。うちの代々の山だから。小学生の子供の足でも越えられる」
 少女二人は山道に飛び込んだ。

316神山家の巫女:2010/12/01(水) 21:13:42
 30分以上走り続け、二人は山道を少し外れた茂みで休憩を取っていた。
 唯はその場に座り込み息を整える。
 なかなか息が整わない唯を心配してか、少女は唯の肩に手を置いて、唯の顔を覗きこんでくる。
「大丈夫?」
「ん……文化部だから、体育駄目で。走るの、苦手なんだ」
 少女は唯に優しく微笑みかけ「知ってる」と言って唯の肩を押した。
 唯の体は簡単に倒れ、唯の視界に木々の枝と夜空が広がった。
 すぐに少女が呆気に取られる唯の腰を両足で挟み馬乗りの状態で覆いかぶさってくる。
「知ってるよ。唯。だって私はずっと唯の側にいたじゃないか。
 唯のお父さんとお母さんが離婚した時も。唯がテストで100点を取った時も。高校に合格した時もずっと」
 少女の姿のまま、少女から発せられる声だけが低くなっていく。
 唯は悲鳴を発することもできずに、カッと目を見開き、少女を食い入るように見つめることしかできない。
 少女は恍惚とした笑みを浮かべ、唯の白く柔らかい頬に触れる。
「可愛い唯。大人は君に何も教えてくれなかったね。
 神山家は代々この山の社を祀る家系なんだ。男は社を守り、女は私の花嫁候補だ。
 唯。あの男は本当の君の叔父だったんだよ」
「待って!意味がわからない。そんなのありえない。だって、だって」
 否定を繰り返す唯に構わず、少女は唯のカーディガンの前を左右に引っ張った。
 少女の力とは思えない力がカーディガンに働き、ボタンが弾け飛ぶ。
 同じようにしてYシャツも。
 唯の前が肌蹴け、首から下腹部までの肌が外気に晒される。
「やだやだやだやだ。やめてっ!お願い」
 目に涙をいっぱいに溜めて少女に懇願する唯。
 少女はそんな唯を見下ろして、熱い息を漏らす。
「綺麗だ。唯」
 両腕で体を隠そうとする唯の手を少女は掴み、木の葉の地面の上に縫い付ける。
 すると少女が手を離しても、唯の両手は地面に縫い付けられたまま、ビクともしない。
「えっ。嘘」
 青ざめる唯のブラジャーのホックを外すと、丸い胸がぷるんと零れ落ちる。
 冷たい空気に晒されたため、桃色の乳首は何もしなくとも存在を主張している。
「ああ。すごい。こんなに立派に育って」
 少女は低い男の声で感極まった声を上げて、唯の柔らかくも張りのある乳房を揉みしだく。
 目の前の異常な少女と初めての性的接触に、恐怖しか感じられない唯は、全身を震わせ、大粒の涙を零す。
「唯。可愛い。そんなに泣かないでおくれ」
 少女は唯の乳房から手を離して、唯の顔を両手で包み込むと、唯の唇を中心にキスの嵐を降らせる。
 少女の滑つく舌は唯の口内に侵入してこようとするが唯は歯を食いしばり相手の侵入を拒む。
 少女は残念そうに僅かに眉を下げ、少女の首筋、鎖骨に吸いつき、唯の若い肌に赤い花を散らしていく。

317神山家の巫女:2010/12/01(水) 21:14:36
「おいしぃ」
 片手で唯の胸を鷲掴み、おいしいおいしいと硬くなった乳首を吸う。
 これが童話の世界なら姫のピンチを聞きつけ、王子様が駆けつけれくれるのが王道のシナリオだが、現実は残酷だ。
 唯の悲鳴を聞きつけて山奥まで駆けつけてくれる騎士はいない。
 いつしかパンツは剥ぎ取られ、唯の足を大きく開かせて、少女は唯の中心に顔を埋める。
「いい匂いだよ。唯」
 少女は犬のようにすんすんと鼻を鳴らして割れ目に舌を這わせた。
 渇いた処女の花園を少女は自身の唾液で濡らしていく。
 浅く唯の中に入り込んでくる少女の舌の動きに、唯の体は敏感に反応する。
「気持ち悪い!いや!いやぁぁあ」
 口で拒否しようとも、少女の舌と指で次第に唯の蕾は開かされていく。
 少女は白い顔にうすい笑みを貼りつけ、唯の愛液で濡れた唇を舐めながら、セーラー服のスカートをたくし上げた。
「やはり最初は人の性器の方がいいかと思って、急ごしらえで作ってみたけれど」
「あっ……や……何で……」
 ほどよく肉のついた太もも、女らしい丸みをおびた腰。
 まごうことなき女の体。
 しかし、その中心には不釣合いな、本来ついているはずのないものが、生えていた。
 勃起し、赤黒く、血管の浮き出た、グロテスクな男性器を直視できずに、唯はかたく目をつむる。
「さあ、夫婦の契りを交わそう」
 唯の割れ目に熱が押しつけられる。
 唯は千切れんばかりに首を振る。
「やだ!入ってこないでえええ!やああああッ――」
 肉欲が唯の中に押し入る。
 膣は異物を追い出そうと収縮するが、それよりも強い力で少女の雄は唯を引き裂く。
 結合部からは破瓜の血が流れ落ちていた。

318あとがき:2010/12/01(水) 21:19:01
以上です
ここまで読んでくださりありがとうございました
続きたいなと思ってますが少々時間がかかるかもしれません

319名無しさんが妄想します:2010/12/01(水) 21:20:14
以上です
レス代行お願いします

320名無しさんが妄想します:2010/12/01(水) 23:29:00
>>311いってきます

321名無しさんが妄想します:2010/12/01(水) 23:41:22
>>320
確認しました
ありがとうございました

322名無しさんが妄想します:2010/12/08(水) 22:21:14
代行の依頼をさせていただきます。

書き込みたい場所は↓です
ファルコムでエロ小説PartⅥ
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メール欄は sage で、次のレスからの代理投下をお願いしたいです。

323名無しさんが妄想します:2010/12/08(水) 22:21:57
長い一日楽しんでいただけたみたいで安心しました。
性懲りも無く再び思いついたものを、さわりだけですが張っておきます。
零は既存キャラのバランスが良いので、正直設定で新しい人物を出すべきではないとは思うのですが、
ロイドの洞察力を考えると、クロスベルに来る前にも何かしら武勇伝あってもいいじゃないと思ったので…。
いろんな意味でベタベタな展開ですが温い目で再度お付き合いいただけたら幸い。

324共に歩みぬく意志:2010/12/08(水) 22:27:13
「脱獄だァっ!」

雷雨の夜、暗雲を切り裂く稲妻を背に、看守は叫んだ。

「出してくれえ!悪魔だ、悪魔が雷を担いで、こっちに来るゥ!」

頑強な造りの牢屋には、いくつもの影が、あるいは格子に抱きつき喚きたて、あるいはベッドに堅く寝そべり、あるいはかかえた膝に独り言を延々とつぶやいていた。
その一番奥の、格子が特別に二重にされた部屋の壁に、ぽっかりと小さな穴があいている。中に人の姿はない。

「ロジセルの犬だ!ヤツが、ヤツが逃げたぁ!」

看守は松明を手に大声を張り上げ、小さな街を駆け抜けていった。
雨はさらに勢いを増し、街のいたるところに激流の根を伸ばす。

その街を遥かに望む森の中、彼は息を切らせ、走っていた。
この一年。復讐という二文字だけが、彼に強い意思を与え、気の遠くなる虚無の日々から、精神の崩壊を防いできた。

「…ロイド・バニングス。」

再び雷鳴が轟き、真っ白な腕が大地に爪を立てる。取り戻した昼間の景色に、その名をつぶやく彼の姿が不気味に浮かび上がった。
片目に光はなく、閉じた瞼が歪にへこんでいた。

やがて気配は蘇った闇に溶け、降りしきる雨が息遣いもかき消す。ぬかるみ、草木の妖しく煌く小道に足跡は続いていた。
魔都、クロスベルへ向けて。

***

325共に歩みぬく意志:2010/12/08(水) 22:27:47
「ようやく今週も終わったって感じだな。」
「ああ、お疲れさまランディ。」

特務支援課のメンバーは、日曜午前の仕事を終え、午後からの休暇を迎えていた。
帰宅の途中に購入したクロスベルタイムズを開き、ランディが開放感たっぷりにこぼす。

「たまの休日くらいはゆっくりしたいもんだが、魔獣の連中も日を選んでくれないもんかねえ。」
「緊急の手配だったから、遊撃士にも依頼はいっていたかもしれないけど…。人手が減った今、俺たちに出来ることは、なるべく負担したいしな。」
「んだな。あの三人、向こうでも元気みたいで何よりだ。」

テーブルの上には、ヨシュアからの手紙があった。エステル、レンと共に、再びリベールの各地を巡り、遊撃士の仕事をこなしているらしい。

「ロイドさん…ちょっといいですか。」

端末の前に座っていた少女が、ロイドを呼ぶ。

「すぐいくよティオ。俺達も、彼らに負けてられないな、ランディ。」
「おお、せいぜい精進するとしようぜ、相棒!」

拳を打ち付けあうと、ロイドはティオが待つ端末へと席を立つ。同時にキッチンの扉が開き、エリィがお茶を点て終え、出て来た。

「皆、お疲れさま。お茶にしましょう。」
「おっ、ありがたいねえ。」

手際よく食器を机に置いていき、エリィがポットのふたをとると、ミントの香りが湯気とともに広がる。

「先の住宅街のボヤ騒ぎ…警察は愉快犯の仕業と判断、か。空家だったしなあ。」
「大事になる前に発見されて良かったわ。隣には共和国議員の邸宅もあったし。」
「正しい火遊びは美人とするもんだぜ。おっと、ありがとよお嬢。」
「ふふ、どういたしまして。」

ランディの目の前のコップにお茶をつぎながら、エリィはちらりとロイドを見た。
彼は端末の前でティオと話し合っている。その姿は以前にも増して凛々しく見え、絶え間無く小さな光が粒となって全身から弾けだしているようだ。
そんな彼に思う様愛された夜から、はやくも二週間が過ぎていた。

326共に歩みぬく意志:2010/12/08(水) 22:28:23
エリィ誘拐事件の始末、多忙な通常業務に加え、休日はキーアをつれて、皆での小旅行。
相変わらず日常は、エリィとロイドの関係をより深めるには健全的すぎた
唯一、各自の時間が作られる夜でさえ、ロイドは入浴から、着替え、睡眠に至るまでキーアにつきっきりである。
キーアがロイドにつきっきりと言ったほうがいいのかもしれない。

(仕方ないことだけど…。)

再びお互いの肌を感じる暇も、もちろん無い。
エリィとて平和な日々に不満はなく、むしろ神に感謝していたが、ロイドに対する恋しさも山と積み上げられていた。
心の内の要望すら、暴走気味になるほどに。

――今すぐ私を部屋にさらって、抱きしめて欲しい。

「わっちゃ!お、お嬢!?こぼれてるこぼれてる!」
「え?あっ…ご、ごめんなさい!」

気付けばコップにお茶がなみなみと注がれ、追加されるままにテーブルにおすそ分けをしていた。
そのまま角をつたってランディの膝へと落ちている。

「わたしったらうっかり…今拭くから!」
「ふー、ふー。や、いいさ、ほっときゃ乾くって。それよかお嬢、疲れてんじゃねえのか?あの日からまだそう経ってねえし。」
「え…。」

考えてみれば、例の事件で自分は拉致され、まだ皆の記憶にも新しい。
周囲の気遣いも、様々な言動から感じ取っていた。それら全てを差し置いて、ロイドを求めていたことに気がつき、彼女は急に恥ずかしくなる。

「ううん、大丈夫よ。ちょっと考え事をしていただけ…ありがと、ランディ。」
「なら良いけどよ。んー、やっぱお嬢の淹れた茶はうめえ!」

ランディが小皿にこぼれた分まですする。行儀が悪いながらも、その仕草にエリィは思わず微笑んでしまう。
今こうして支援課に身を置き、ロイド、ティオ、ランディ、課長と…そしてキーアと出会えた事に、再び空の女神に対し心で手を合わせた。

327共に歩みぬく意志:2010/12/08(水) 22:29:19
「…以上が報告の内容です。さきほど退治した魔獣から入手した情報も、この端末から参照できるようにしておきます。」
「サンキュー、助かるよ、ティオ。」
「まあ、もともと膨大な情報を管理するのが主な役目ですから。対したことではありません」

端末を操作しながら、相変わらず素っ気無いティオに、その隣に立っていたロイドはもう慣れっこだった。
しかし何処かいつもと違う彼女を感じ取り、ロイドはその細い肩に手を置く。

「ティオ、体の調子は大丈夫か?」
「…?なんですか、やぶからぼうに。」
「いや、何か目の下がいつもより少し青いような。唇のつやも、少し鈍いし。」

ティオが横目でロイドを突き刺す。

「……ロイドさんって、いつもそんなところ見てるんですか?」
「た、たまたま目に入っただけだよ、そんないつもってわけじゃ!」

ティオは作業を再開しながらつぶやく。

「別に、睡眠時間も確保してますし、疲れてるわけでもありませから、気のせいです。」
「そうか、ならいいんだけど。」
「相変わらず自分のことを棚にあげますね。わたしたちの分まで、やたら走り回ってるロイドさんこそ、もうすこし自分を労わったほうが良いんじゃないですか?」
「え?」
「わたしたちは全員で一つのチームなんです。頼れるときは無理せず頼ってくださいということです。
…責任をひとりでしょいこもうとする悪いクセが、まだ少し直ってません。」

そっぽを向いたまま淡々と続く説教に、まるで反論できず、ロイドが頭をかく。

「ああ、悪い、気を使わせたな。そうだな、これからもずっと、頼りにさせてもらうよ、ティオ。」
「……はい。話は、以上です。」
「わかった。じゃあ、そのへんで切り上げてくれ。お茶にしよう。」

ロイドがテーブルに戻っていく。端末の導力を落とす操作をしながら、ティオはそっと唇に触れた。

「…これからも、ずっと。」

漏れた言葉は、他の三人の会話に吸い込まれてく。ティオはそのまましばらく画面を見つめ、どこか遠くで、玄関の開く音を聞いていた。

328共に歩みぬく意志:2010/12/08(水) 22:29:44
「よう。」
「課長、お帰りなさい。」
「ウイーッス!」
「休日の朝からご苦労だったな。働き者のお前らのおかげでこっちの呼び出しまで増えちまったぜ。」

毒づきながら、セルゲイが入ってくる。そのまま、外に向けて指で誘い込む仕草をした。

「ま、それはそうとロイド、お前に客だ。」
「俺にですか?」
「駅から来たところに偶然出くわしてな。話は本人から聞いてくれ。俺は少し寝るぞ。」

ロイドが何か言いかけるのも待たずに、セルゲイは二階へと上っていく。

「ほんと取り付く島もねえなあ。」
「でも課長、小言を言いながらも、どこか嬉しそうだったわね。」
「うーん。」

階段の前まで歩いていったロイドが、玄関を見ると、彼女は立っていた。
ひまわり色のつば広帽子を深くかぶり、純白のベールからは黒の長髪が、ゆるくウェーブがかってすらりと腰まで伸びている。
帽子と同色のワンピースは、ゆったりとしているが、着ている人物のスタイルの良さを物語っていた。
玄関を一歩、室内に入ってくると、一同の視線は彼女に集中する。ランディは彼女の魅惑的なラインを、思わず席を立ち確認した。

「ロイド様…。」
「はい?」

つぶやき、面をあげると、感極まったように眉をしかめ、はじける笑顔とともに、もう一度彼女はその名を呼んだ。

「ロイド様ぁ!」
「え、うわっ!」
「!」

帽子が高く舞い、端正な顔が現れたかと思うと、彼女は突然ロイドに飛びついた。彼はよろめき、その肩を掴む。
美しい来客の奇襲に、ランディは口笛を鳴らす。エリィとティオは銅像と化した。

「ああ、再びあなた様にこうしてお会いできるなんて…感激ですわ!」
「ちょ、ちょっと、お嬢さん?」
「お嬢さん、だなんて。昔みたいに、名前で呼んで下さいませ?」

女性はロイドに、片目にかかった髪をかきあげて見せた。しばらく記憶と相談していたロイドが、はっと顔をあげ、彼女をもう一度見る。

「もしかして、アロネ?」
「ああ、やっぱり覚えててくださったのね!嬉しい!」

今度は首に抱きつかれ、ロイドは大きくバランスを崩し、思わず腰に手を回してしまう。
瞬間エリィが握るポットの取っ手が、みしりと音を立てたのを、ランディは確かに聞いた。
ティオの目も、さきほど画面に落としていた表情の面影もないほどに、毒気に濁っている。
支援課の平和な休日は、早くも終わろうとしていた。

329名無しさんが妄想します:2010/12/08(水) 22:32:46
以上です。お手数おかけしますがお願いします。スレ消費失礼いたしました。

330名無しさんが妄想します:2010/12/08(水) 23:08:19
>>322
やってみる

331330:2010/12/08(水) 23:16:13
終了!!ミスが無いか確認よろ。「以上です。」は勝手に付けた

332名無しさんが妄想します:2010/12/08(水) 23:44:30
確認しました、ありがとうございます。
締めくくりの追加感謝です。

333名無しさんが妄想します:2010/12/09(木) 21:38:59
代行の依頼を1レスお願いします。

書き込みたい場所は↓です。
不気味なモノに寄生されて虜になる娘!!Part15
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1276082367/

なお、メール欄は sage で次レスの代理投下をお願いします。

334名無しさんが妄想します:2010/12/09(木) 21:39:17
このレスは俺が規制されてるんで書き込み代行スレで代行依頼したものです。

ttp://qiufen.bbspink.com/test/read.cgi/hgame/1289935413/ からの引用だけど
触祭の都は↓らしいんで一応注意な。

199 名前:名無したちの午後:2010/11/30(火) 19:16:52 ID:tE599s6+0
触祭の都のサイトがやっとできた
ttp://www.syoku-game.com/01syokusai/index.html

二代目SHOKUSYURIANに成らない事を祈る。
げっちゅ屋のCG見たらもう眼鏡で抜けそうにない……

211 名前:名無したちの午後:2010/12/01(水) 20:24:18 ID:pqr9lweE0
>>199
中の人がショクシュリアンと同じなんだけど同じ開発元?
設定も似てるし、また地雷?

217 名前:名無したちの午後:2010/12/02(木) 00:06:51 ID:viINPbyU0
新規ブランドスレでも話題になってるけど、
SYOKUはショクシュリアン作った会社で確定
勘弁してくれ

335名無しさんが妄想します:2010/12/10(金) 10:08:43
>>333完了しました。

336333:2010/12/10(金) 18:55:44
>>335
確認しました。 有難うございます。

337名無しさんが妄想します:2010/12/11(土) 22:24:45
322で代行依頼したものですが、続きの投稿をお願いしたいです。

書き込みたい場所は↓です
ファルコムでエロ小説PartⅥ
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1253185842/

メール欄は sage で、次のレスからの代理投下をお願いしたいです。
度々ごめんなさい。

338共に歩みぬく意志:2010/12/11(土) 22:25:28
***

「皆様はじめまして。わたくし、アロネ・パスキューブと申します。共和国の外れにある、小さな鉱山街から来ましたの。どうぞよろしく。」

テーブルを囲む面々に、席についたまま深く頭を下げ、アロネは自己紹介をする。

「…エリィ・マグダエルです。」
「…ティオ・プラトーです。」
「ランディ・オルランド、だ。よろしくなお嬢さん。」

やけに温度差がある声と共に各自名乗り終えたのを確認し、ロイドが切り出す。

「ロイド・バニングスです。ここ、特務支援課のリーダーを務めていますが…、今日はどういった用件で、こちらに?」
「どうしてそんな言葉遣いですの?嫌ですわ、そんな他人行儀な聞き方。」

そっぽを向くアロネに、ロイドはため息をこぼし、改めて聞いた。

「じゃあその、アロネはなんで、ここに?あんな遠くから来たんだ、よっぽどの事なんだろうけど…。」
「ふふ、ロイド様ったら、相変わらず鈍いのね。決まってますでしょう?」

アロネはロイドにまっすぐ向き直ると、彼のほうに身を乗り出す。

「ロイド様の妻になるため、ですわ。」
「――!?」

鼓膜が鳴るほどに空間が張った。

「妻って、どうしてそんな?」
「おいロイド!おまえこんな綺麗な婚約者がいたのかよ?」
「いや、違うよランディ、彼女には以前、お世話になって…」
「あら、でも約束したはずですわ。いつか私を迎えに来てくださるって。どうしても待ちきれなくて、こうして来てしまいましたけど。」
「確かに再会する約束はしたけど、そういう意味で言ったんじゃないから!」

ロイドがうろたえながら、さきほどから正面で冷ややかな視線を突き刺してくるエリィに何度も振り向きながら、必死に弁解する。
無表情な笑顔が、やたら恐ろしい。ティオも、まるで汚物を見るような眼差しで、ロイドを見つめていた。

「でもみたところ、クロスベルで知り合ったって訳じゃなさそうだな。」
「ああ、以前外国を回ってた頃、彼女の故郷を訪れた事があってさ。」
「ほほう。馴れ初めはそこからというわけか。」
「わたくし、忘れもしませんわ。あれはもう、一年も前のこと…。」

それは小さな鉱山街の出来事だった。
属性は限られるが、大量の七耀石が採掘されるその地で、盗難事件が発生した。
街の宝である、火、水、土、風の四属性が美しい十字を象った、「四方石」が、その中央に位置する広場から跡形も無く消えていたのだ。

疑いは、領主として代々街をおさめてきたバスキューブ家に集中した。
理由は単純なものだった。広場の小屋にある四方石を覆う二重のカバーの鍵は、それぞれパスキューブ家と、それに次ぐ権力を持つ、ロジセル家が持っていたのだが、
事件発覚のその日のうちに、四方石とともに、二つの鍵がパスキューブ家から見つかったのである。

街の人間は、けして裕福とは言えないながらも、善良な事業を打ち立ててきた領主が、事件の犯人であるという追及に、懐疑的ではあった。
しかし徐々にロジセル家に言いくるめられ、パスキューブ家の名誉と歴史が崩れようとしていたその時、たまたま同家に滞在していた一人の青年により、事体は急速に解決に向かうことになる。
彼は、鉱山の見学の際、ロジセル家が雇っているという発破行員が隻眼であることと、パスキューブ家の使用人の目の動きのクセから、両者が同一人物であることを見抜いたのだ。
その使用人は領主を陥れるために、義眼をはめ巧みに変装し、長い間紛れ込んでいたのだった。鍵の管理も、つい最近は彼が任されていた。
その後の取調べにより、真犯人は青年の推理どおりであることが明らかになり、領主の名誉は守られ、ロジセルは取り潰しとなった。
パスキューブ家の令嬢は、訪問当初から困っている街の人々をよく助け、もとから好印象だった青年に、この件によりすっかり虜となり、生涯慕うことを誓ったのであった。

彼が出立の意思を伝えると同時に、令嬢はその熱い胸のうちを語った。
かくして青年と領主の一人娘は、離別するまでの数日の間に、幾度も逢瀬を重ね、昼夜問わず愛し合ったのだった。

「それはもう濃密に、わたくしを何度も、やさしく…。」
「ちょっ、待った待った待ったぁ!」

ロイドがあわてて、両手を頬にあてうっとりと回想にふけるアロネを止めにかかる。

339共に歩みぬく意志:2010/12/11(土) 22:26:11
「他はともかく、最後の部分は完全に記憶にないんだけど!」
「あら。じゃあ今からあなた様のお部屋で、思い出させてあげてもよろしくってよ?」
「いやだからあの事件の後俺は普通に、いつかお互いの故郷に来たとき再会しようと約束して、そのまま帰ったじゃないか!」

寄り添ってくるアロネを食い止めながら、ロイドは彼女の話を訂正した。

「はっは、ロイド、やっぱりタダもんじゃないなお前は。こっちに来る前から武勇伝ばら撒いてたってわけかよ。ついでに嫁までゲットしちまうなんてな!」
「うふふ、まんまと捕まってしまいましたわ。;」
「ランディ、話をかき混ぜないでくれ!」

エリィは表情を固めたまま、話の最中も延々とカップに突き刺したスプーンを廻していた。なぜかその中の紅茶が激しく泡立ち、沸騰している。
ティオはというと、こちらは加えたミルクごと凍り付いてしまった内容物を、削っては食べていた。

(うひゃー、こいつは血を見そうだ。)

もみくちゃになる二人と、殺気を漲らせる二人を交互に見ながら、ランディはほくそ笑んだ。
彼は内心、ロイドがこういった状況に陥ることに何処か期待していたのかもしれない。
それは意地悪な意味合いも含んではいたが、そうして慌てふためくロイドを眺めるのもまた、今のランディにとっての役目な気がしていたのだ。
そんな荒れ狂う海原に、一羽のハトが飛びこんできた。

「たっだいまー!」
「やや、お姫様のお帰りだ。」

玄関を勢いよくあけ、めまぐるしい足取りで、キーアが走ってきた。

「ロイドーー!」
「おかえり、っと!学校は楽しかったか?」
「うんっ!」

席を立ったロイドにキーアが飛びつく。抱き上げられその頭を撫でてもらい、彼女の笑顔は最高潮を迎えた。

「まあ、かわいらしい!」

キーアが歩み寄ってきたアロネを見て、丸い目をさらに丸くした。

「ロイド、このおねーちゃん、だあれ?」
「ふふ。わたくしはロイド様の…。」
「お・客・様、よ。キーア。」

沸騰した紅茶を涼しい顔ですすりながら、エリィが割り込む。アロネの眉がぴくりと動いた。

「こんにちはおきゃくさま!」
「こんにちは。キーアちゃんっていいますのね。この子はどうして、こちらに?」
「ああ、ある事情でうちで預かることになったんだ。今となっては家族みたいなもんかな。」
「…みたいな、というか、すっかり家族ですね。“私たち”は。」
「あらそうですの。家族、ねえ。」

ティオがぼそりとこぼした言葉に、アロネの眉が再び動く。三人の乙女の間に見えない火花がいくつも散り、その闘志の熱により背景が歪む。
キョロキョロするキーアを抱いたまま、その中心に立たされて、ロイドは滝の汗をかいていた。

(うーん、カメラにとっときてえなあ。)

ランディはしげしげとその様を見守る。

「キーア。とりあえず部屋にもどって、荷物をおいてくるんだ。もうすぐ昼食だからな。」
「はーい。」

キーアがするりとロイドから離れ、階段を駆け上がっていった。
笑顔の二人と、ひたすら表情の無い一人が、目で抗争しているのをなだめ、アロネを座らせるとロイドがきっぱりと言った。

「とにかく。俺はまだ結婚する気もないし、遠くから来てもらって悪いんだけど、そういう用件なら受けられないよ。」
「あら、わたくし、ロイド様に嫁ぐのはもちろんのことですけど、他にも目的がありましてよ?」
「他にも?」

340共に歩みぬく意志:2010/12/11(土) 22:26:41
アロネが真剣な面持ちになる。

「一週間前に、故郷の牢が破られ、囚人が脱走しましたの。その男の名はシェバルド。ロイド様が解決してくださったあの忌々しい盗難事件の、実行犯です。」
「なんだって?」
「彼は、一番頑丈な牢で、この一年、おとなしく服役していました。私の街では、特に問題を起こさない囚人は、年ごとに一つだけ、本人の望む物が届けられるのです。
彼が望んだのはあの義眼、ただ一つだけ。」

シェバルト…ロジセルの発破工員は、渡された義眼を常に肌身離さず持っていた。それは彼にとって、相当大事なものだったようで、その慈しみ方は異常なほどだったという。

「もちろん念入りに調べた上で、義眼は彼のもとに届けられたのですけど…その数日後の雷雨の夜、牢は破られ、彼は脱走したのです。」
「オイオイ、どういうことだ。」
「爆弾、だったのですわ。その男の義眼は。」

アロネが、今も信じられない様子で、その時の事を語った。
牢屋は旧式のものだったが、それでも人外の力でもないかぎり突破できるはずのない造りになっていた。
その牢の壁が、雷雨に紛れた爆音と共に、穴が穿たれていたのだった。

「義眼サイズの爆弾なんて…そんなもの、作れるのかしら。」
「戦場じゃあ珍しいものじゃあないな。俺が見た中じゃ、義眼よりも小さくて軽い爆弾なんて腐るほどある。ただ、一般に出回ってないのは確かだ。」
「となると、その男も戦争を経験している人間だったのかもしれないな。」
「かもしれませんわね、彼も流れ者ですし。少なくとも、わたくしの街には、そんな事考え付く人間はひとりもいませんでした。」

アロネがかぶりを振る。

「脱走後の足取りもまったくつかめませんでしたわ。ロイド様が来るまでの間だまされていたほどに、変装の名人だったようですから。」
「厄介な相手ですね。」
「私は考えました。プライドの塊のようだったあの男が、私たちパスキューブ家に対する復讐以外に、脱獄の目的となりうる対象。」
「おいおい、そりゃもしかして…。」

全員の視線が、ロイドに集まる。

「俺に対する、報復、というわけか。」
「その通りですわ。わたくしのもう一つの目的、それはその企みを阻止し、あなた様をお守りすること。おわかりいただけまして?」

にっこりと微笑む彼女に、ロイドは頭を抱えた。

「モテモテじゃねえかロイド。領主様のご令嬢のお次は爆弾魔とは恐れ入るぜ。」
「…人間磁石です。」
「ホント、節操というものが無いのかしら。」

全員につつかれ、ロイドはその針のむしろから逃れるようにアロネに質問を浴びせた。

「それで、このことを君のお父さんは?」
「もちろんご存知です。あなた様との事も含めて背中を押してくださいました。」
「仮にこの街に滞在するとして、宿のあてはあるのか?」
「あら、そんなもの必要ありませんわ。」

アロネがロイドの腕にしがみつき、指先でつつ、とその胸をなぞった。

「あなた様と同じ場所で…寝泊りいたしますから。」
「!?」

限界まで張り詰め、溶けるほど炙られたかと思えば、急激な冷却をうけ、空間は悲鳴をあげるようにひび割れた。

「はっはっは!大胆だねえ、お嬢さん。」

ランディが笑い、エリィとティオの太いつららのような気迫に貫かれ、ロイドはしがみついてくるアロネを振りほどくこともできず、固まっていた。
初めて経験する、犯罪者に狙われるというオプション付きの修羅場に、彼にしては珍しく、弱気に祈っていた。
夢なら醒めてくれ、と。

341共に歩みぬく意志:2010/12/11(土) 22:27:35
***

「先ほども見ましたけど、車が沢山ですわ。」
「この通りでは、似たような感想を良く聞くよ。」

午後もしばらくすぎた頃、ロイドは街の案内を彼女にせがまれ、中央広場へと来ていた。
休日なだけあり、人通りも多い。

「私の故郷とはまるで別世界ですわね。鉄道がいくつも敷かれてますし。」
「俺も驚いたよ。数年でこんなに様変わりするなんてね。」
「でもこの街が、ロイド様を育んだのだと思うと、なんだか愛しく思えてきますわ。」
「はは…。俺も、なんだかんだいって好きだな。この街の事が。」

日差しに手で影を作り、景色を見上げロイドが微笑む。
素朴な乙女ならばめまいもしかねない光景に、アロネは熱い眼差しを送った。

(ああ、たっぷりと陽を受けて、まるで一つの絵のよう…!)

「ロイド、キーアちゃんに新しい靴、買ってあげましょ。今のもけっこう痛んできたわ。」
「…エニグマの更新が出来るかもしれませんし、GENTENにも行くべきかと。」
「カジノに、アルカンシエルも通ってこうぜ!」
「ロイドー、だっこー。」

額の中に大量の乱入者が混じり、アロネの体勢が盛大に崩れる。

「ま…まったくもう!わたくしはロイド様に案内を頼んだのに、なんで皆様まで付いてきて下さるの!」
「ふふっ。特務支援課は万全のサービスでお客様の依頼を果たしますから。」
「チームワークが売りですので…。」
「どうせ家にいても退屈だしな。」
「ロイドのほっぺよくのびるー。」

完全に所帯の一端にひっかけられ、アロネは別の意味でめまいがしていた。
が、すぐに気を取り直し、キーアの遊具にされているロイドを見つめる。

(が、我慢よ我慢。まだこちらには来たばかりですし、チャンスはいくらでもありますわ。)

そしてちらりと、その前をつかつかと歩いていく二人を素早く観察した。

(あの二人、ロイド様とずいぶん親しいようですけど、一人はまだ幼いですし、あと一人も胸だけ先に育ちきったような小娘に過ぎませんわ。わたくしの大人の色香で攻めれば、ロイド様はおのずと。あわよくば、今夜にでも…きゃっ。)

「ねえ、おきゃくさまが、一人でがっかりしたり、てれたりしてるけど、どうしたのかな?」
「さぁ。病気なんじゃないかしら?」
(言うねえお嬢。)
「ほ、ほりはへず、げんへんによろう。…キーア、人の顔で遊ばない。」
「はーい。」

かくしてアロネの案内を兼ねた、クロスベル街めぐりは始まる。

――オーバルストア<<GENTEN>>。

「いらっしゃい。あ、ロイド。」
「やあ、ウェンディ。」
「皆さんもこんにちは。あら?見慣れない方だね。」
「はじめまして。ロイド様の妻になるアロネですわ。今後ともよろしく。」

ぞくりと背筋に悪寒を感じたロイドと腕を組みながら、アロネがお辞儀する。

「あはは、ロイドってそんな甲斐性あったっけ。」
「いや…そう言われるとなんか府に落ちないけど。彼女は観光でここに来てるんだ。もちろん婚約はしてないよ。」
「わかってるって。出来るくらいなら今頃何人泣かしてるか知らないし。お姉さん、この人追っかけるなら、それ相応の覚悟したほうがいいかもよ。」

ころころと笑いながら、ウェンディがアロネに目配せする。
あっさりと受け流されて、拍子抜けしたアロネがふと感じたままに口にした。

「もしかして貴女も、ロイド様のことを…?」
「え?わたしがロイドを?ないない!とても幼馴染っておもえないくらい可愛い弟分だし。」

顔の前で手を振り、ウェンディは否定した。

「可愛いとか言うなよ!年だって同じじゃないか。」
「しょうがないじゃない。それにロイドとくっついたって、どうせこのお人よしさんは、いろんなとこで別の人釣り上げちゃうだろうし。
…でもそうだなあ。」

カウンターに肘をついたまま頬に手をあて、ロイドを見上げながら、彼女はつぶやく。

「貰い手に困ったら、受け取ってもらおうかなあ。」
「なっ!?」
「絶対だめですわ!」
「あはは。あせってるあせってる。冗談よ冗談!」

思いがけない玩具が転がり込んできて、ウィンディが愉快そうにロイドとアロネを手玉にとる。
その間に割り込み、ティオとエリィが、エニグマを差し出した。

「ロイド。当初の目的を忘れてもらっては困るわね?まだ予定は一杯あるのよ。」
「エニグマのメンテナンス、お願いします。」
「あ、はーいオッケー。すぐ済むから待っててね。」

342共に歩みぬく意志:2010/12/11(土) 22:28:59
立ちはだかった二つの背中から、確かな威圧感を感じ、ロイドはたじろいだ。
アロネがまだ疑わしそうにウェンディの作業を眺めている。

「ランディ、これかってにおゆわかしてくれるんだって!すごいね!」
「ああ、優れモンだ。…なぁキーア、平和って、いいもんだよなあ。」
「?へーわってなあに?」
「あっちじゃなくて、こっちってことさ。」
「???よくわかんないけど、ランディ楽しそう。」

ランディはキーアと顔を見合わせて、二人してにししと笑った。
結局メンテナンスが終わるまで、カウンター前は時が息絶えたように静まり、来客を一歩も近寄らせなかった。
店を出るときにオーナーがこちらを睨んでいたのは言うまでもない。

――百貨店<<タイムズ>>。

「いろんなものが売ってますのね…。このお店があれば、他には何もいりませんわ。」
「ここは大抵のものはそろってるからね。どうだ、キーア。履き心地は。」
「うん、すっごくいいよ。ほら。」
「…あ、キーアだめです。急にはしりだしてはいけません。」

新品の靴を買ってもらってご機嫌のキーアが、出口をまっさきに飛び出してティオにつかまり、くるくるとその腕のなかで回っている。
微笑ましい画を見守る一同に、二人の少女が駆け寄ってきた。

「あ、やっぱりロイド君だ。」
「やっほー。」
「ああ、君達はいつもここにいる…って、一応二人より年上なんだから、ロイド“君”っていうのはよしてくれないか?」
「だってロイド君、なんだかほっとけないし、弟みたいなんだもん。」

きゃあきゃあとあっという間に囲まれ、三対のジト目が出来上がった。

「う゛っ…じゃ、じゃあ俺は用事があるから。」
「えー、これから一緒に買い物してほしかったなあ。」
「水着選ぶの、手伝ってもらいたかったのに。」
「ご、ごめんな!皆、行こう!」
「あーん。また今度付き合ってねー。」
「ばいばいロイド君。」

ロイドは先頭となって東通りを目指した。
なるべく後ろを振り向かないようにしながら。

――東通り。

「あら、一風変わってますわね。この通りは。」
「東方の町並みってのはいつみても雰囲気あっていいねえ。この渋さはたまんねえよ。」

足を止め、異国情緒を楽しんでいると、後ろから声をかけられる。

「こんにちは!皆さんお出かけですか?」
「よお、フランちゃん。」
「今日はあなたもお休みなのね。」
「はい。これからお姉ちゃんのところにいこうかなって。あれれ、はじめまして、ですよね。私、フランっていいます。」
「はじめまして、わたくし、アロネと申します。この街には今日来たばかりですの。」
「そうなんですか、ようこそクロスベルへ!」
「フランだー!」

キーアがフランに駆け寄る。

「あ、キーアちゃん!いいなあ、皆さんとおさんぽ?」
「うん!あたらしいくつ、かってもらったの!」
「いいなあーわたしもご一緒したいなー。」

うらやましそうな視線を一行に注ぎながら、フランは、思い出したようにロイドを見た。

「あ、ロイドさん、今度の休日って空いてますか?」
「今のところは予定はないな。俺に出来ることなら、何でもするよ。」
「あ、いえ、お姉ちゃんと合わせて三人で行く予定だったライブのチケットが、友達のキャンセルで一枚余っちゃったので、一緒にどうかな、なんて。」
「へ?」
「ほら、記念祭でご一緒したときの、あのバンドです!」

てっきり手伝い事だと思っていたロイドが、再三吹き出る冷や汗を感じながら、しどろもどろに返事をする。

「いや、でも前もそうだったけど、せっかくなんだから姉妹水入らずで…。」
「でもお姉ちゃんも来て欲しそうでしたし、私もロイドさんなら大歓迎ですから、考えておいてくださいね。」
「気持ちはありがたいんだけど!もっと他に相応しい人が…」
「あ、いけない、そろそろバスが出ちゃう!皆さん、これで失礼しますね!キーアちゃん、ばいばい!」
「おーう。姉さんによろしくなー。」
「ばいばいフランー!」

走り去るフランを見送り、ロイドは言い訳するのもあきらめ、キーアと手をつなぐと、港へと向き直った。

「さあ、次へ行こう。」
「はーい。」
(見事に手と足が揃ってるぞ、ロイド。)

だんだんと口数の減ってきた数名に反して、ランディは自然と口元がゆるんでしまっていた。

343共に歩みぬく意志:2010/12/11(土) 22:29:17

――行政区。

「なるほど。」

一行は、図書館に入るや否や、タイミング悪くアロネがロイドの腕に抱きついた瞬間に、マリアベルと遭遇していた。

「エリィのことをさんざんたぶらかしておきながら、他の女性も口説いていた、ということ。」
「いや、これは違っ!?」
「ベル、大丈夫よ。このお方はただのクライアントで、ただの観光客だから。」
「そうそう。ロイド様と同じベッドを幾晩も共にした程度の仲に過ぎませんわ。」
「…じー。」

書籍に霜が降りるほどの吹雪が巻き起こり、ランディとキーアはカウンターへと避難していた。

「だ、大丈夫かね、ロイド君は。なにやらもめてるようだが。」
「ああ、大丈夫ですよおやっさん。いつものことですから。」
「ロイドに本よんでほしいのにー。」

心配そうなマイルズをなだめ、ランディは童話の新作のチェックをしながら、十字架にはりつけ状態のロイドを遠目に、猛烈にうなずいていた。

――歓楽街。

「あら、弟君じゃなーい!」
「あ、イリアさん、おひさしってムグッ!?」

相変わらず遠慮のない突然の抱擁に、ロイドはよろめき後ずさる。

「い、イリアさん!あなたは劇団の看板女優だし、俺は子供じゃないんですから、所構わずこういうことはちょっと!」
「あら、しばらく会いにきてくれなかった上にそういう生意気な事言うわけなの?これはきつーいオシオキが必要ね。」

ぐいぐいと抱きしめられていると、後ろからもう一人の女性も現れた。

「こんにちは、皆さん。」
「ああ、リーシャ、ちょうどよかった。イリアさんに離れるようングーッ!」
「えいえい!どうだ、参ったか!」

私服に包まれた豊かな女体の中でもがくロイドを見て、今度ばかりはランディも冷ややかな視線をあびせながら、うすら笑いを浮かべていた。

「なんだか皆かおがこわーい。」

そういいつつも、キーアがけたけたと笑う。
ロイドは今すぐ彼女と立場を交換できたら、どれだけ楽だろうと心から思った。

――住宅街。

「けほっ…そ、そういえばエリィ、今日は実家には顔を出さないのか?」
「そうね。挨拶くらいしないとね。」

磨かれた三本槍に貫かれ、そのまま押されるように歩きながら、ロイドが提案する。
マグダエル家に向かうべく、通りの階段を下りると、一匹の仔猫が横切っていった。

「まあかわいい仔猫ちゃん。」
「あら、この子は確か。」
「マリー、いらっしゃい!」

階段の上り口にある住宅から、一人の少女が駆け出してきた。彼女はロイド達をみつけると、ぱっと顔を弾かせ、お辞儀をする。

「こんにちは、しえんかのおにいさまがた。」
「こんにちは。礼儀正しいお嬢ちゃんね。」
「やあサニータ。マリーも元気そうでなによりだな。」

ロイドがしゃがみこんで、マリーの鼻先をちょいちょいとなでると、甘えたい盛りの仔猫は、その指に喉をならして擦り寄った。
サニータはその傍らに歩み寄り、ロイドの顔をじっと見つめる。

「ああ、ごめん。お邪魔だったかな。」
「…そういえば、おにいさまに、マリーをみつけてくれたおれいを、まだしてませんでしたわね。」

ロイドが疑問符を浮かべる間もなく、その頬にサニータが口付けをした。

「え…。」
「お、おとうさまだけにしてあげる、げんきのでるおまじないですけど…おにいさまはとくべつですわっ。」

そのままマリーをかかえあげ、顔を真っ赤にさせると、再びお辞儀をして、彼女は家の中に走っていった。
呆然とする一同と、口を半開きにしてサニータを見送るロイドの側に、キーアがいつのまにか立っている。

「ロイド、今のげんきが出るの?」
「え?…ああ、そうだな。大事な人にしてもらうと、これ以上ないおまじないだろうな。」
「ふーん。」

目をぱちぱちと瞬きした後、キーアもロイドの首にしがみつき、その頬にキスをした。

「お、おい、キーア?」
「えへへ、ロイドげんきでた?」

344共に歩みぬく意志:2010/12/11(土) 22:30:23

屈託なく笑うキーアに、ロイドは言いかけた言葉も忘れ、その頭を優しくなでた。

「じゃあつぎはキーアにもして?」
「え?や、それは…。」
「イヤなの?」

顔を曇らせたキーアを、背後の若干名の影に、めりめりと音を立てて角が生えるのを感じつつ、ロイドが必死でなだめる。

「いや、このおまじないは、女の子が男の子にすると、効果があるものなんだ。かわりに男の子は、女の子を守ってあげるっていう約束をするのさ。」
「…ふーん。」

どこか納得しなさそうに口を尖らせながら、キーアがじっと見上げてくる。
ロイドはすっくと立つと、目的地へと向き直った。

「さ、さて、挨拶に行こう。執事さんたちも、エリィの近況を気にしてるだろうし。」

ランディは吹き出しそうになるのを必死で堪えながら、ズンズンと地響きが聞こえそうな足取りでロイドの後をついていく三人を見ていた。

(ああ、こりゃもう、犬にじゃれられただけでも、大惨事だな。)

――某所。

「ロイドさーん♪」
「うわぁ!」

――某宅。

「ロイドちゃーん♪」
「ちょ、ちょっと!」

――某通り。

「ロイドくぅ〜ん!」
「だああ!」
(うへえ、こればっかりはうらやましくないな。)
(…オカマさんです。)

――西通りベーカリーカフェ<<モルジュ>>前。

「さすがロイド様ですわ。沢山の街の人に慕われてますわね。」
「…アロネさん、顔がひきつっています。」

椅子に腰掛け、エリィ、ティオ、アロネの三人は、買い物をするロイド達を待っていた。

「まあ、どうせロイド様の容姿にばかり目がいってのことでしょうけど。その内に秘める情熱も全て知った上での、純粋な愛情をもつこのわたくしの敵ではなくってよ。」
(…そういえば確かに…教団摘発の後から、あの手の人達が熱を増しましたね。)

アロネが自分に言い聞かせるようにひとりごつ。対照的に冷静なエリィがカフェの入り口を見つめている。
鋭く伸びた細目から、それはさながら真夏の太陽のような瞳で、その焦点から煙を噴出しかねない。

「そういえばお二人とも、わたくしに対してかしこまる必要はありませんわ。普段の口調で話していただいたほうが、わたくしとしても嬉しいですし。」
「…わたしは元からこれが普通なのですが、一応、了解です。」
「ありがとう、ティオさん。…エリィさん?」
「えっ?あ…解かりました。アロネさんがそうおっしゃるなら。」
「ふふ。改めてよろしくね。」

カフェの扉が開き、ロイドとランディが、その間で満足そうにパンをほおばるキーアと共に出て来た。

「おまっとさん。」
「ごめん待たせて。オスカーは顔が広いから、あまりアロネの事も教えないほうがいいと思って。」

キーアを椅子に座らせ、抱えていた袋包みをガーデンテーブルに置くと、ロイド達も席に着いた。

「冷やかされるのも嫌だったし、だろ?ロイド。」
「うっ。まあ、無いといえば嘘になるけど。」
「オスカーのパン、おいしー。」
「もうすぐ夕食だからあまり食べ過ぎたらダメだぞ、キーア。」

キーアをたしなめるロイドとエリィの目が合った。彼女はぷいと目を逸し、紙袋からパンを取り出すと、小口で噛り付く。

「そ、そういえば今日の夕食はエリィの当番だったな。今から楽しみだよ。」
「あら、当番制ですのね。ロイド様、お料理もなさるの?」
「ああ、難しいものじゃなければ、一通りは一応作れるかな。」
「家庭的な一面もあるなんて、素敵ですわ。」

アロネがエリィをちらりと一瞥し、掌を打ち合わせた。

「そうですわ。案内してくださったお礼に、今日のディナー、わたくしが作らせていただきます。よろしくて?」
「お、自信たっぷりだねえ。」
「もちろん皆様と、エリィさんさえよければ、ですけど。」

話をふられ、パンを咥えたままテーブルを睨んでいたエリィが、顔を上げる。

「ええ、構わないわ。でも全部お任せするのもなんだし、デザートは私が作るわね。」
「ありがとう、お願いしますわ。」
「とくると、晩飯は共和国の家庭料理って訳か。」
「ロイド様、楽しみにしててくださいね。わたくし、愛情たっぷり込めますから。」
「ああ…。」

再びエリィがテーブルに視線を落とした。
ティオがその隣で、シェイクのストローを口にしたまま、平たい表情もそのままに、少しずつ吸い上げている。

「よおし、そうと決まったら材料も買わねえとな。ちょうど一週巡ったとこだしよ。」
「そうだな。帰りにタイムズにもう一度よろう。」

345共に歩みぬく意志:2010/12/11(土) 22:31:29

一行はそのまま、オスカーのパンをつまみつつ、アロネの故郷の話題などを交わしながら休憩をとり、買い物へと繰り出した。
やがて大量の食材と日用品をかかえ、特務支援課ビルに戻ってきたときには、陽は茜色に染まっていた。

***

「おいしー!」

支援課は夕食時を迎えていた。
テーブルに並ぶ料理はどれも素朴ながらも品があり、その味も申し分のないものばかりだった。

「こいつはおどろいたな。どれも食べた事の無いもんだが、いけるぜ!」
「…おいしいです。」
「ふむ。クロスベルと共和国じゃあ味の濃さの違いが顕著に出るもんだが…こいつはちょうど良いな。」
「どれもわたくしの国では代表的な料理ですの。皆様の口に合うかどうか心配でしたけど、そういっていただけてひと安心ですわ。」

セルゲイ含める一同の反応に、アロネは嬉しそうに微笑む。
エリィも黙ってはいたが、口に運ぶ料理に対しては率直な反応を返し、頷いていた。

「でも、わたくしとしてはもっと上手に作りたいですわ。でなくてはロイド様の伴侶は務まりませんもの。」
「伴侶?」
「はんりょってなーに?」
「いや、そういえば課長、どうでしたか?本部の返事は。」

ロイドがあわてて話の腰を折る。

「ああ、まあ当然といえば当然だが、動くのは難しいそうだ。確証もないし、いかに領主の娘の言でも、憶測の域は出ない訳だからな。」
「やはりそうですか…。警戒態勢をしいてもらうだけでも助かるんですが。」
「市民の不安をかきたてるからな。簡単にはいかん。」

ロイド達の帰宅後、起床してきたところで説明を受け、セルゲイは一応本部への報告もしていた。
幾度の事件の解決により、支援課の情報は警察としても無視できないものにはなっていたが、やはり信憑性の問題から、前述のような判断が下されたのだった。

「ま、連中の耳にいれておくだけでも、それなりの効果はある。遊撃士のほうには連絡はいれたのか?」
「はい。こちらも注意の喚起のみですが。」
「気を張り詰めてももたんしな。相手が着の身着のままの脱獄犯なら、すぐには行動にうつせんだろう。」

二人のやりとりを聞いていたアロネが、問いかける。

「セルゲイさん…ロイド様もそうでしたけど、わたくしの狂言ということを疑いはしませんの?」
「ん?」
「ロイド様と面識があるとはいえ、わたくしは今日こちらに着いたばかりの来訪者に過ぎませんわ。なのに、そこまで考えていただけるなんて、少し意外で…。」
「そうだな。正直半信半疑ではあるが。」

セルゲイが肉料理を小さく切り、ロイドを手にしたフォークで指しながら言った。

「そこの男とこいつらは、今までこういった感じで事を運んできては、それなりの成果をあげてきた。お嬢さんの言う事が本当かどうかも、解かるんだろうよ。だから俺はそれに乗っかってるまでだ。」
「課長…。」
「…ようするに。」
「自分で考えるのがめんどくさいんだな。」
「クク、そういうことだ。」

ワインの蓋をあけ、グラスに注ぎながら、セルゲイは頷いた。ロイドが根拠を付け足す。

「俺が一年前厄介になったパスキューブ家の人々は、温厚で誇り高い人達ばかりだった。犯人が解かったのも、そうした中、存在が浮いていたからなんだ。
その一員である君がこうして、遠路はるばる訪ねてきてくれたわけだから、疑いようが無いよ。」
「ロイド様…。」
「仮に嘘だとしても、俺達を不安にさせるようなことは絶対に言わないだろうし。」

ロイドが料理を口に運び、続けた。

「こんな美味しい料理は、狂言を企むような人間には作れないさ。」

彼は笑顔で言葉を結ぶ。一瞬、食卓が静まり返った。

「あ、あれ、何か変なこと言った?」
「ロイド様、やっぱり貴方様は…」
「うん?」
「わたくしの、王子様ですわぁっ!」
「って、アロネ、あぶなっ!?」

ロイドが座った体勢でしがみつかれ、あやうく転げ落ちそうになりながら、胸の中のアロネを支える。
ティオがキーアの口を拭きながら、あきれた様に目を伏せ、ランディが遠慮もなく笑った。
エリィが、唐突に席を立つ。

「え、エリィ?」
「皆そろそろ食べ終わるみたいだし、デザートを持ってくるわ。少し待っててね。」
「わーい!でざーと!」

空の女神が実在するとすれば、今の彼女がそうだろう。それほど美しく、優しい声だった。
しかしキッチンに消え行く姿は、虎もすくむ威を放っている。
ロイドは尚も纏わりついて来るアロネを押しのけるのがやっとで、その背中に声もかけられなかった。

「お嬢のデザートは絶品だからな。きっとアロネのお嬢さんも気に入るぜ。」
「まあ、そうなの?今度教えていただこうかしら。」

346共に歩みぬく意志:2010/12/11(土) 22:32:02

のん気な会話の隣で、ロイドは気が気ではなかった。
彼とて、今日一日のエリィの様子がおかしい事に気付かないほど末期ではない。
だが、自分に対して好意的な相手を無下に扱えないという、長所とも短所とも言い難い部分が彼にはあった。
半ば自覚しつつも、アロネを無理矢理突き放す事が出来ない。だから目の前に出て来たデザートも、ある程度覚悟はしていた。

「エリィ、その、何か怒ってるか?やっぱり。」
「あら、どうして?私そんなふうに見える?」

シチェーションさえ違えば、迷うことなくロイドはエリィを優しく抱きしめるだろう。腕の中の彼女を見つめ、幸福に酔いしれるだろう。
それはそんな笑顔だったが、彼はそれ以上何も言えず、出された皿に乗っているものを見た。

「凄く美味しいですわ!」
「エリィさんのデザートはわたしもいつも楽しみです。」
「甘いものはあまりくわんが、なかなかのものだ。」
「ありがとう。余分に作ってあるから、足りなかったら言ってね。」

口の中で滑らかに溶け、ほろ苦いカスタードとの相性抜群の甘さのプリンを、一同が賞賛する。
ロイドの目の前にある物は、見た目はそれとまったく同じなのだが、なぜかスプーンでつつくと金属音がした。
彼はナイフとフォークを使って強敵を一口サイズに切り取り、派手な音を立てながら黙って食べていく。

「そういえば、特務支援課、でしたかしら。普段はどういった仕事をしてらっしゃるの?」
「おう、いい質問だ。」
「簡単に言えば遊撃士協会と似たイメージですが。」

食後の話題が提供され、話は支援課発足から、教団壊滅にまで広がり、数々の武勇伝にアロネは目を輝かせた。
特にキーアが目立ついくつもの笑い声と、ロイドが奏でる剣戟の中、団欒の時は過ぎていく。

***

(バカねロイド…全部食べることないのに。)

エリィは、ロイドが死闘を繰り広げた会場を洗いながら、そっとその真ん中を、彼の頬に当てるように撫でる。

(私ったら、なにしてるのかしら…。)

彼らが想いを確認し合ったことを明言しないのは、暗黙の了解であった。奥ゆかしい二人は、わざわざ報告するような事ではないと判断していたのだ。
そんなロイドがどれだけ他の女性と懇意にしていようと、エリィにとってはそれは、既にほとんど日常の一部のようなものだった。
彼の人柄を思えば、当然の事だと思っていたからだ。あるいは、彼女自身にそう言い聞かせていたのかもしれない。
しかしその具体例を一日中見せ付けられた事で、複雑な心境に無意識のジレンマが生まれ、彼女が料理する手に、悪戯をさせていた。

「…やっぱりエリィさんも、ロイド様の事を、お慕いしてらっしゃるのね。」

隣で同じく洗いものをしていたアロネに不意をつかれ、エリィはあやうく手にした皿を落としかける。

「突然に、なんのこと?」
「あら、とぼけなくてもよろしくてよ。それだけじゃないわ。ロイド様も、エリィさんのことを憎からず思っている。
もしかしたら、すでにお二人は恋人同士なのかしら。」

心を読まれたかのように言い当てられ、エリィは手が完全に止まっていた。

「ふふ。こう見えてもわたくし、領主の娘ですもの。人と人の繋がりを観察するのには慣れてますの。
まあ、あなた方は、誰の目で見たとしても、初々しくて解かり易いですけど。」

くすりとアロネが笑みをこぼす。エリィはあわてて作業を再開し、明らかに変わってしまった自らの顔色を隠した。

「でも、貴女には悪いですけど、わたくし、あきらめませんわよ。例えお二人の仲が深いものであったとしても。」

アロネはエリィの横顔に向かい、はっきりと宣言した。

「彼の若さなら一人や二人、加えてあの魅力でしたらそれこそ十数人、お相手がいてもおかしくはありませんわ。でも最後に、死ぬまで一緒にいてくださる…その相手にわたくしを選んでくだされば、それで構いませんもの。」
「そんな…どうしてそこまで、ロイドのことを。」
「ふふ。自分でも、おかしいと思いますわ。でも、仕方ありませんわね。ロイド様を愛しているということ以外、理由が見つかりませんもの。
正直恐ろしいですわ。あの吸い込まれるような瞳と、燃え盛る魂を持ち合わせたあのお方が。」

347共に歩みぬく意志:2010/12/11(土) 22:32:44

エリィは、愕然とし、あえて考えないようにしていた一点が急浮上してきたのを感じ取り、あわてて押さえ込んだ。
ロイドはあの日、媚薬を飲んでいる。その言葉に嘘偽りがあったとは思えないが、彼自身が心から望んでいた事なのかどうかも断定できない。
純粋な好奇心と色欲の結果が、夜の出来事だとしたら、エリィは今の彼にとって特別であると言えるのだろうか。

「なぜ私に、こんな話…。」
「べつに他意はありませんわ。わたくし、フェアな勝負がしたいだけですの。ロイド様が決めた相手を、お互いが認め合い、後腐れが無いように、ね。
その為の宣戦布告と受け取っていただいてよろしくてよ。」
「私がそのルールに従わなかったら?」
「貴女がロイド様を困らせるような事をしないということくらい、わたくしにも解かりますわ。」

銀器を磨きながら、アロネが付け加える。

「それから、ティオさんも、貴女と同じくらいロイド様のことを好いてらっしゃるわね。」
「え?」
「霧に沈んだ湖のように表情を映さない子ですけども、あのお方を見つめる時だけ、その内に火が灯りますもの。あれは、恋する乙女の瞳ですわ。」

ティオがガイに救出され、彼の亡き今、ロイドがその約束を受け継いだことは、すでにエリィも聞かされていた。
しかし、ティオのロイドに対する態度は、作戦行動中は良好だが、それ以外はあまり際立たず、彼を立派なリーダーとして認めているのは見て取れても、好意にまで発展しているとは思わなかった。
それ故に、エリィには解からなかったのかもしれない。その変化は、ティオがロイドに異性を見ていると意識して、ようやく見ることが出来るほど微細なものだった。

「ライバルは多いですけど、しかたないですわね。お互いに頑張りましょう?」
「ええ…。わ、私、クロスを片付けてくるわね。」

作業を終え、逃げ出すようにエリィがキッチンを出て行く。

(やはり何か、訳ありのようですわね。)

その後ろ姿を眺めながら、アロネは磨いていたフォークに口付け、ほくそ笑む。それはロイドが先ほどの決闘に使用した獲物の一つだった。

(ごめんなさいね、エリィさん。わたくしもこればかりは負けられないの。卑怯といわれても、品がないと罵られても。)

一方で、エリィは混乱していた。
片付け後のシャワーを使い終え、二階の廊下からビルの前を見下ろすと、ロイドとランディが街灯の側で稽古をつけている。
その姿が、再び遠くなっていくのを、肉眼で確認した途端に実感していた。

(ロイド…。)

窓に額を付け、イヤリングを指の背で慈しむ。
それは彼からの真心の贈り物であり、唯一形として残っている物だった。そして命を懸け、エリィを救ったのも、違いようの無い事実である。
そんなロイドの想いを、エリィは一切疑っていなかったが、それもまた単なる独りよがりに過ぎないと、アロネに気付かされてしまう。
もしティオが議長の娘なら、イヤリングは彼女に贈っただろう。もちろん誘拐の危機からも、同じように救っただろう。

348共に歩みぬく意志:2010/12/11(土) 22:33:31

エリィは今、巧みな言葉の罠にすっかり陥っていた。
部屋に向かうと、外したイヤリングを机に置き、ろくな寝支度もしないままにベッドに身体を預ける。
あの日以来、感じることの無かった精神的な苦悩をえぐりだされ、うずくまる。やがて泥沼に沈むように、深い眠りについていた。

しばらくの時間のあと、まるでティオに連行されるようにして、アロネが三階へと上ってきた。
どうやらロイドの部屋に忍び込もうとしていたようだが、すでに彼女の部屋はティオの隣に確保されている。
二人が挨拶を交わし、部屋へと入っていく。

やがて街がすっかり寝静まった頃、足音を押さえ、一つの気配が廊下を歩いていた。
それはエリィの部屋の前でとまり、小さく三度ノックをする。間を置き、今度は一度だけ、ノックをした。
部屋の主は、夢の何処かでこの音を聞いていたのだろうか。声には出ず、しかしその唇の動きは、愛しい人の名を呼んでいた。
気配は小さな鎖のような音を立て、しばらく黙っていたが、何もせずにその場を離れる。その正体は、窓から足元を照らす月だけが知っていた。

***

349名無しさんが妄想します:2010/12/11(土) 22:35:47
とりあえず例によって物語は完成してますが推敲してますのでしばしおまちください。
実は一ヶ月前にほぼ出来上がってたんですが今の今まで規制されていてぐったりです。
しかも前置きがめちゃくちゃ長いので、当分えろくないです。ごめんなさいごめんなさい。

350名無しさんが妄想します:2010/12/11(土) 22:39:10
以上です。ここまでを投稿おねがいします。
お手数おかけします。

351名無しさんが妄想します:2010/12/12(日) 18:31:11
>>337いってきます!

352351:2010/12/12(日) 18:38:21
ちょっとタイム、1レスあたりの行数が多すぎでした。どうします?
改行減らしてもギリギリかと

353名無しさんが妄想します:2010/12/12(日) 20:55:40
ああ…どうしましょう。
本当に、ほんっとーにずうずうしいお願いをするとすれば、足りない分を削って、削った部分を次のレスに追加して、オーバーしたらまた削って・・・
といった形にしていただけると有難いのですが・・・すごく面倒くさいと思います。
なのでそのエラーが出たところまでで、とりあえずはお願いします。
自分ではれないばかりにしょーもない苦労をおかけします。

354名無しさんが妄想します:2010/12/12(日) 21:13:51
とおもったらもう一個目からオーバーしてそうですね。
あまりスレを無駄遣いしたくないのですが、もし問題なければ行と字数きちんとあわせて再投稿させていただきます。
351さん本当にお手数おかけしました、代行なさってくださって感謝です。

355351:2010/12/13(月) 17:54:46
>>354 >行と字数きちんとあわせて再投稿させていただきます
それでおkかと。またいつでも依頼にお越しください。

1レスあたりの行数と文字数は
2ch用ブラウザやアスキーアート用エディタとかで
確認すると便利ですよ

356322:2010/12/13(月) 19:19:16
助言ありがとうございます!322から依頼させていただいている者です。
再三の依頼となりますが、どうかお願いいたします。

書き込みたい場所は↓です
ファルコムでエロ小説PartⅥ
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1253185842/

メール欄は sage で、次のレスからの代理投下をお願いしたいです。

357共に歩みぬく意志:2010/12/13(月) 19:21:02
***

「皆様はじめまして。わたくし、アロネ・パスキューブと申します。共和国の外れにある、小さな鉱山街から来ましたの。どうぞよろしく。」

テーブルを囲む面々に、席についたまま深く頭を下げ、アロネは自己紹介をする。

「…エリィ・マクダエルです。」
「…ティオ・プラトーです。」
「ランディ・オルランド、だ。よろしくなお嬢さん。」

やけに温度差がある声と共に各自名乗り終えたのを確認し、ロイドが切り出す。

「ロイド・バニングスです。ここ、特務支援課のリーダーを務めていますが…、今日はどういった用件で、こちらに?」
「どうしてそんな言葉遣いですの?嫌ですわ、そんな他人行儀な聞き方。」

そっぽを向くアロネに、ロイドはため息をこぼし、改めて聞いた。

「じゃあその、アロネはなんで、ここに?あんな遠くから来たんだ、よっぽどの事なんだろうけど…。」
「ふふ、ロイド様ったら、相変わらず鈍いのね。決まってますでしょう?」

アロネはロイドにまっすぐ向き直ると、彼のほうに身を乗り出す。

「ロイド様の妻になるため、ですわ。」
「――!?」

鼓膜が鳴るほどに空間が張った。

「妻って、どうしてそんな?」
「おいロイド!おまえこんな綺麗な婚約者がいたのかよ?」
「いや、違うよランディ、彼女には以前、お世話になって…」
「あら、でも約束したはずですわ。いつか私を迎えに来てくださるって。どうしても待ちきれなくて、こうして来てしまいましたけど。」
「確かに再会する約束はしたけど、そういう意味で言ったんじゃないから!」

ロイドがうろたえながら、さきほどから正面で冷ややかな視線を突き刺してくるエリィに何度も振り向きながら、必死に弁解する。
無表情な笑顔が、やたら恐ろしい。ティオも、まるで汚物を見るような眼差しで、ロイドを見つめていた。

「でもみたところ、クロスベルで知り合ったって訳じゃなさそうだな。」
「ああ、以前外国を回ってた頃、彼女の故郷を訪れた事があってさ。」
「ほほう。馴れ初めはそこからというわけか。」
「わたくし、忘れもしませんわ。あれはもう、一年も前のこと…。」

それは小さな鉱山街の出来事だった。
属性は限られるが、大量の七耀石が採掘されるその地で、盗難事件が発生した。
街の宝である、火、水、土、風の四属性が美しい十字を象った、「四方石」が、その中央に位置する広場から跡形も無く消えていたのだ。

疑いは、領主として代々街をおさめてきたバスキューブ家に集中した。
理由は単純なものだった。広場の小屋にある四方石を覆う二重のカバーの鍵は、それぞれパスキューブ家と、それに次ぐ権力を持つ、ロジセル家が持っていたのだが、
事件発覚のその日のうちに、四方石とともに、二つの鍵がパスキューブ家から見つかったのである。

街の人間は、けして裕福とは言えないながらも、善良な事業を打ち立ててきた領主が、事件の犯人であるという追及に、懐疑的ではあった。
しかし徐々にロジセル家に言いくるめられ、パスキューブ家の名誉と歴史が崩れようとしていたその時、たまたま同家に滞在していた一人の青年により、事体は急速に解決に向かうことになる。
彼は、鉱山の見学の際、ロジセル家が雇っているという発破行員が隻眼であることと、パスキューブ家の使用人の目の動きのクセから、両者が同一人物であることを見抜いたのだ。
その使用人は領主を陥れるために、義眼をはめ巧みに変装し、長い間紛れ込んでいたのだった。鍵の管理も、つい最近は彼が任されていた。

その後の取調べにより、真犯人は青年の推理どおりであることが明らかになり、領主の名誉は守られ、ロジセルは取り潰しとなった。
パスキューブ家の令嬢は、訪問当初から困っている街の人々をよく助け、もとから好印象だった青年に、この件によりすっかり虜となり、生涯慕うことを誓ったのであった。

彼が出立の意思を伝えると同時に、令嬢はその熱い胸のうちを語った。
かくして青年と領主の一人娘は、離別するまでの数日の間に、幾度も逢瀬を重ね、昼夜問わず愛し合ったのだった。

358共に歩みぬく意志:2010/12/13(月) 19:21:46

「それはもう濃密に、わたくしを何度も、やさしく…。」
「ちょっ、待った待った待ったぁ!」

ロイドがあわてて、両手を頬にあてうっとりと回想にふけるアロネを止めにかかる。

「他はともかく、最後の部分は完全に記憶にないんだけど!」
「あら。じゃあ今からあなた様のお部屋で、思い出させてあげてもよろしくってよ?」
「いやだからあの事件の後俺は普通に、いつかお互いの故郷に来たとき再会しようと約束して、そのまま帰ったじゃないか!」

寄り添ってくるアロネを食い止めながら、ロイドは彼女の話を訂正した。

「はっは、ロイド、やっぱりタダもんじゃないなお前は。こっちに来る前から武勇伝ばら撒いてたってわけかよ。ついでに嫁までゲットしちまうなんてな!」
「うふふ、まんまと捕まってしまいましたわ。;」
「ランディ、話をかき混ぜないでくれ!」

エリィは表情を固めたまま、話の最中も延々とカップに突き刺したスプーンを廻していた。なぜかその中の紅茶が激しく泡立ち、沸騰している。
ティオはというと、こちらは加えたミルクごと凍り付いてしまった内容物を、削っては食べていた。

(うひゃー、こいつは血を見そうだ。)

もみくちゃになる二人と、殺気を漲らせる二人を交互に見ながら、ランディはほくそ笑んだ。
彼は内心、ロイドがこういった状況に陥ることに何処か期待していたのかもしれない。
それは意地悪な意味合いも含んではいたが、そうして慌てふためくロイドを眺めるのもまた、今のランディにとっての役目な気がしていたのだ。
そんな荒れ狂う海原に、一羽のハトが飛びこんできた。

「たっだいまー!」
「やや、お姫様のお帰りだ。」

玄関を勢いよくあけ、めまぐるしい足取りで、キーアが走ってきた。

「ロイドーー!」
「おかえり、っと!学校は楽しかったか?」
「うんっ!」

席を立ったロイドにキーアが飛びつく。抱き上げられその頭を撫でてもらい、彼女の笑顔は最高潮を迎えた。

「まあ、かわいらしい!」

キーアが歩み寄ってきたアロネを見て、丸い目をさらに丸くした。

「ロイド、このおねーちゃん、だあれ?」
「ふふ。わたくしはロイド様の…。」
「お・客・様、よ。キーア。」

沸騰した紅茶を涼しい顔ですすりながら、エリィが割り込む。アロネの眉がぴくりと動いた。

「こんにちはおきゃくさま!」
「こんにちは。キーアちゃんっていいますのね。この子はどうして、こちらに?」
「ああ、ある事情でうちで預かることになったんだ。今となっては家族みたいなもんかな。」
「…みたいな、というか、すっかり家族ですね。“私たち”は。」
「あらそうですの。家族、ねえ。」

ティオがぼそりとこぼした言葉に、アロネの眉が再び動く。三人の乙女の間に見えない火花がいくつも散り、その闘志の熱により背景が歪む。
キョロキョロするキーアを抱いたまま、その中心に立たされて、ロイドは滝の汗をかいていた。

(うーん、カメラにとっときてえなあ。)

ランディはしげしげとその様を見守る。

359共に歩みぬく意志:2010/12/13(月) 19:22:22
「キーア。とりあえず部屋にもどって、荷物をおいてくるんだ。もうすぐ昼食だからな。」
「はーい。」

キーアがするりとロイドから離れ、階段を駆け上がっていった。
笑顔の二人と、ひたすら表情の無い一人が、目で抗争しているのをなだめ、アロネを座らせるとロイドがきっぱりと言った。

「とにかく。俺はまだ結婚する気もないし、遠くから来てもらって悪いんだけど、そういう用件なら受けられないよ。」
「あら、わたくし、ロイド様に嫁ぐのはもちろんのことですけど、他にも目的がありましてよ?」
「他にも?」

アロネが真剣な面持ちになる。

「一週間前に、故郷の牢が破られ、囚人が脱走しましたの。その男の名はシェバルド。ロイド様が解決してくださったあの忌々しい盗難事件の、実行犯です。」
「なんだって?」
「彼は、一番頑丈な牢で、この一年、おとなしく服役していました。私の街では、特に問題を起こさない囚人は、年ごとに一つだけ、本人の望む物が届けられるのです。
彼が望んだのはあの義眼、ただ一つだけ。」

シェバルト…ロジセルの発破工員は、渡された義眼を常に肌身離さず持っていた。それは彼にとって、相当大事なものだったようで、その慈しみ方は異常なほどだったという。

「もちろん念入りに調べた上で、義眼は彼のもとに届けられたのですけど…その数日後の雷雨の夜、牢は破られ、彼は脱走したのです。」
「オイオイ、どういうことだ。」
「爆弾、だったのですわ。その男の義眼は。」

アロネが、今も信じられない様子で、その時の事を語った。
牢屋は旧式のものだったが、それでも人外の力でもないかぎり突破できるはずのない造りになっていた。
その牢の壁が、雷雨に紛れた爆音と共に、穴が穿たれていたのだった。

「義眼サイズの爆弾なんて…そんなもの、作れるのかしら。」
「戦場じゃあ珍しいものじゃあないな。俺が見た中じゃ、義眼よりも小さくて軽い爆弾なんて腐るほどある。ただ、一般に出回ってないのは確かだ。」
「となると、その男も戦争を経験している人間だったのかもしれないな。」
「かもしれませんわね、彼も流れ者ですし。少なくとも、わたくしの街には、そんな事考え付く人間はひとりもいませんでした。」

アロネがかぶりを振る。

「脱走後の足取りもまったくつかめませんでしたわ。ロイド様が来るまでの間だまされていたほどに、変装の名人だったようですから。」
「厄介な相手ですね。」
「私は考えました。プライドの塊のようだったあの男が、私たちパスキューブ家に対する復讐以外に、脱獄の目的となりうる対象。」
「おいおい、そりゃもしかして…。」

全員の視線が、ロイドに集まる。

「俺に対する、報復、というわけか。」
「その通りですわ。わたくしのもう一つの目的、それはその企みを阻止し、あなた様をお守りすること。おわかりいただけまして?」

にっこりと微笑む彼女に、ロイドは頭を抱えた。

「モテモテじゃねえかロイド。領主様のご令嬢のお次は爆弾魔とは恐れ入るぜ。」
「…人間磁石です。」
「ホント、節操というものが無いのかしら。」

全員につつかれ、ロイドはその針のむしろから逃れるようにアロネに質問を浴びせた。

「それで、このことを君のお父さんは?」
「もちろんご存知です。あなた様との事も含めて背中を押してくださいました。」
「仮にこの街に滞在するとして、宿のあてはあるのか?」
「あら、そんなもの必要ありませんわ。」

360共に歩みぬく意志:2010/12/13(月) 19:22:46

アロネがロイドの腕にしがみつき、指先でつつ、とその胸をなぞった。

「あなた様と同じ場所で…寝泊りいたしますから。」
「!?」

限界まで張り詰め、溶けるほど炙られたかと思えば、急激な冷却をうけ、空間は悲鳴をあげるようにひび割れた。

「はっはっは!大胆だねえ、お嬢さん。」

ランディが笑い、エリィとティオの太いつららのような気迫に貫かれ、ロイドはしがみついてくるアロネを振りほどくこともできず、固まっていた。
初めて経験する、犯罪者に狙われるというオプション付きの修羅場に、彼にしては珍しく、弱気に祈っていた。
夢なら醒めてくれ、と。

361名無しさんが妄想します:2010/12/13(月) 19:23:15
とりあえず例によって物語は完成してますが推敲してますのでしばしおまちください。
実は一ヶ月前にほぼ出来上がってたんですが今の今まで規制されていてぐったりです。
しかも前置きがめちゃくちゃ長いので、当分えろくないです。ごめんなさいごめんなさい。

362322:2010/12/13(月) 19:26:49
以上です。
自分の知識不足でお手数おかけしますが、どうぞ宜しくお願いします。

363名無しさんが妄想します:2010/12/13(月) 20:32:52
>>356終了。確認よろ

364名無しさんが妄想します:2010/12/14(火) 03:08:48
どなたか代理投下をお願いします

投下スレ
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1289674137/l50
おとめ妖怪ざくろでエロパロ

投下内容↓

>>183
攻め総角!ごちそうさまでした!!

神々の作品を正座して待ってる間に描いてみた
ttp://loda.jp/vip2ch/?id=842.jpg

メ欄 総ざく

ご面倒をおかけしますが、どうぞお願いします

365名無しさんが妄想します:2010/12/14(火) 11:52:52
>>364確認のため聞きますが、
「総ざく」って書くのはメール欄でおk?名前欄じゃなく?

366名無しさんが妄想します:2010/12/14(火) 17:16:12
>>365
すいません
名前欄が「総ざく」で、メ欄が「sage」です。

367322:2010/12/14(火) 20:37:26
>>363
確認させていただきました。度々ありがとうございました。

368365:2010/12/15(水) 10:23:12
>>364>>366完了しました。

369364:2010/12/16(木) 22:11:36
>>368
ありがとうございました。

370322:2011/01/05(水) 18:56:45
恐縮ながら、再び代行の依頼をさせていただきます。

書き込みたい場所は↓です
ファルコムでエロ小説PartⅥ
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1253185842/

メール欄は sage で、以下の内容の書き込みをお願いします。

371共に歩みぬく意志:2011/01/05(水) 18:57:11
***

「先ほども見ましたけど、車が沢山ですわ。」
「この通りでは、似たような感想を良く聞くよ。」

午後もしばらくすぎた頃、ロイドは街の案内を彼女にせがまれ、中央広場へと来ていた。
休日なだけあり、人通りも多い。

「私の故郷とはまるで別世界ですわね。鉄道がいくつも敷かれてますし。」
「俺も驚いたよ。数年でこんなに様変わりするなんてね。」
「でもこの街が、ロイド様を育んだのだと思うと、なんだか愛しく思えてきますわ。」
「はは…。俺も、なんだかんだいって好きだな。この街の事が。」

日差しに手で影を作り、景色を見上げロイドが微笑む。
素朴な乙女ならばめまいもしかねない光景に、アロネは熱い眼差しを送った。

(ああ、たっぷりと陽を受けて、まるで一つの絵のよう…!)

「ロイド、キーアちゃんに新しい靴、買ってあげましょ。今のもけっこう痛んできたわ。」
「…エニグマの更新が出来るかもしれませんし、GENTENにも行くべきかと。」
「カジノに、アルカンシエルも通ってこうぜ!」
「ロイドー、だっこー。」

額の中に大量の乱入者が混じり、アロネの体勢が盛大に崩れる。

「ま…まったくもう!わたくしはロイド様に案内を頼んだのに、なんで皆様まで付いてきて下さるの!」
「ふふっ。特務支援課は万全のサービスでお客様の依頼を果たしますから。」
「チームワークが売りですので…。」
「どうせ家にいても退屈だしな。」
「ロイドのほっぺよくのびるー。」

完全に所帯の一端にひっかけられ、アロネは別の意味でめまいがしていた。
が、すぐに気を取り直し、キーアの遊具にされているロイドを見つめる。

(が、我慢よ我慢。まだこちらには来たばかりですし、チャンスはいくらでもありますわ。)

そしてちらりと、その前をつかつかと歩いていく二人を素早く観察した。

(あの二人、ロイド様とずいぶん親しいようですけど、一人はまだ幼いですし、あと一人も胸だけ先に育ちきったような小娘に過ぎませんわ。わたくしの大人の色香で攻めれば、ロイド様はおのずと。あわよくば、今夜にでも…きゃっ。)

「ねえ、おきゃくさまが、一人でがっかりしたり、てれたりしてるけど、どうしたのかな?」
「さぁ。病気なんじゃないかしら?」
(言うねえお嬢。)
「ほ、ほりはへず、げんへんによろう。…キーア、人の顔で遊ばない。」
「はーい。」

372共に歩みぬく意志:2011/01/05(水) 18:57:38
かくしてアロネの案内を兼ねた、クロスベル街めぐりは始まる。

――オーバルストア<<GENTEN>>。

「いらっしゃい。あ、ロイド。」
「やあ、ウェンディ。」
「皆さんもこんにちは。あら?見慣れない方だね。」
「はじめまして。ロイド様の妻になるアロネですわ。今後ともよろしく。」

ぞくりと背筋に悪寒を感じたロイドと腕を組みながら、アロネがお辞儀する。

「あはは、ロイドってそんな甲斐性あったっけ。」
「いや…そう言われるとなんか府に落ちないけど。彼女は観光でここに来てるんだ。もちろん婚約はしてないよ。」
「わかってるって。出来るくらいなら今頃何人泣かしてるか知らないし。お姉さん、この人追っかけるなら、それ相応の覚悟したほうがいいかもよ。」

ころころと笑いながら、ウェンディがアロネに目配せする。
あっさりと受け流されて、拍子抜けしたアロネがふと感じたままに口にした。

「もしかして貴女も、ロイド様のことを…?」
「え?わたしがロイドを?ないない!とても幼馴染っておもえないくらい可愛い弟分だし。」

顔の前で手を振り、ウェンディは否定した。

「可愛いとか言うなよ!年だって同じじゃないか。」
「しょうがないじゃない。それにロイドとくっついたって、どうせこのお人よしさんは、いろんなとこで別の人釣り上げちゃうだろうし。
…でもそうだなあ。」

カウンターに肘をついたまま頬に手をあて、ロイドを見上げながら、彼女はつぶやく。

「貰い手に困ったら、受け取ってもらおうかなあ。」
「なっ!?」
「絶対だめですわ!」
「あはは。あせってるあせってる。冗談よ冗談!」

思いがけない玩具が転がり込んできて、ウィンディが愉快そうにロイドとアロネを手玉にとる。
その間に割り込み、ティオとエリィが、エニグマを差し出した。

「ロイド。当初の目的を忘れてもらっては困るわね?まだ予定は一杯あるのよ。」
「エニグマのメンテナンス、お願いします。」
「あ、はーいオッケー。すぐ済むから待っててね。」

立ちはだかった二つの背中から、確かな威圧感を感じ、ロイドはたじろいだ。
アロネがまだ疑わしそうにウェンディの作業を眺めている。

「ランディ、これかってにおゆわかしてくれるんだって!すごいね!」
「ああ、優れモンだ。…なぁキーア、平和って、いいもんだよなあ。」
「?へーわってなあに?」
「あっちじゃなくて、こっちってことさ。」
「???よくわかんないけど、ランディ楽しそう。」

ランディはキーアと顔を見合わせて、二人してにししと笑った。
結局メンテナンスが終わるまで、カウンター前は時が息絶えたように静まり、来客を一歩も近寄らせなかった。
店を出るときにオーナーがこちらを睨んでいたのは言うまでもない。

373共に歩みぬく意志:2011/01/05(水) 18:58:01
――百貨店<<タイムズ>>。

「いろんなものが売ってますのね…。このお店があれば、他には何もいりませんわ。」
「ここは大抵のものはそろってるからね。どうだ、キーア。履き心地は。」
「うん、すっごくいいよ。ほら。」
「…あ、キーアだめです。急にはしりだしてはいけません。」

新品の靴を買ってもらってご機嫌のキーアが、出口をまっさきに飛び出してティオにつかまり、くるくるとその腕のなかで回っている。
微笑ましい画を見守る一同に、二人の少女が駆け寄ってきた。

「あ、やっぱりロイド君だ。」
「やっほー。」
「ああ、君達はいつもここにいる…って、一応二人より年上なんだから、ロイド“君”っていうのはよしてくれないか?」
「だってロイド君、なんだかほっとけないし、弟みたいなんだもん。」

きゃあきゃあとあっという間に囲まれ、三対のジト目が出来上がった。

「う゛っ…じゃ、じゃあ俺は用事があるから。」
「えー、これから一緒に買い物してほしかったなあ。」
「水着選ぶの、手伝ってもらいたかったのに。」
「ご、ごめんな!皆、行こう!」
「あーん。また今度付き合ってねー。」
「ばいばいロイド君。」

ロイドは先頭となって東通りを目指した。
なるべく後ろを振り向かないようにしながら。

――東通り。

「あら、一風変わってますわね。この通りは。」
「東方の町並みってのはいつみても雰囲気あっていいねえ。この渋さはたまんねえよ。」

足を止め、異国情緒を楽しんでいると、後ろから声をかけられる。

「こんにちは!皆さんお出かけですか?」
「よお、フランちゃん。」
「今日はあなたもお休みなのね。」
「はい。これからお姉ちゃんのところにいこうかなって。あれれ、はじめまして、ですよね。私、フランっていいます。」
「はじめまして、わたくし、アロネと申します。この街には今日来たばかりですの。」
「そうなんですか、ようこそクロスベルへ!」
「フランだー!」

キーアがフランに駆け寄る。

「あ、キーアちゃん!いいなあ、皆さんとおさんぽ?」
「うん!あたらしいくつ、かってもらったの!」
「いいなあーわたしもご一緒したいなー。」

うらやましそうな視線を一行に注ぎながら、フランは、思い出したようにロイドを見た。

「あ、ロイドさん、今度の休日って空いてますか?」
「今のところは予定はないな。俺に出来ることなら、何でもするよ。」
「あ、いえ、お姉ちゃんと合わせて三人で行く予定だったライブのチケットが、友達のキャンセルで一枚余っちゃったので、一緒にどうかな、なんて。」
「へ?」
「ほら、記念祭でご一緒したときの、あのバンドです!」

てっきり手伝い事だと思っていたロイドが、再三吹き出る冷や汗を感じながら、しどろもどろに返事をする。

374共に歩みぬく意志:2011/01/05(水) 18:58:41
「いや、でも前もそうだったけど、せっかくなんだから姉妹水入らずで…。」
「でもお姉ちゃんも来て欲しそうでしたし、私もロイドさんなら大歓迎ですから、考えておいてくださいね。」
「気持ちはありがたいんだけど!もっと他に相応しい人が…」
「あ、いけない、そろそろバスが出ちゃう!皆さん、これで失礼しますね!キーアちゃん、ばいばい!」
「おーう。姉さんによろしくなー。」
「ばいばいフランー!」

走り去るフランを見送り、ロイドは言い訳するのもあきらめ、キーアと手をつなぐと、港へと向き直った。

「さあ、次へ行こう。」
「はーい。」
(見事に手と足が揃ってるぞ、ロイド。)

だんだんと口数の減ってきた数名に反して、ランディは自然と口元がゆるんでしまっていた。

――行政区。

「なるほど。」

一行は、図書館に入るや否や、タイミング悪くアロネがロイドの腕に抱きついた瞬間に、マリアベルと遭遇していた。

「エリィのことをさんざんたぶらかしておきながら、他の女性も口説いていた、ということ。」
「いや、これは違っ!?」
「ベル、大丈夫よ。このお方はただのクライアントで、ただの観光客だから。」
「そうそう。ロイド様と同じベッドを幾晩も共にした程度の仲に過ぎませんわ。」
「…じー。」

書籍に霜が降りるほどの吹雪が巻き起こり、ランディとキーアはカウンターへと避難していた。

「だ、大丈夫かね、ロイド君は。なにやらもめてるようだが。」
「ああ、大丈夫ですよおやっさん。いつものことですから。」
「ロイドに本よんでほしいのにー。」

心配そうなマイルズをなだめ、ランディは童話の新作のチェックをしながら、十字架にはりつけ状態のロイドを遠目に、猛烈にうなずいていた。

――歓楽街。

「あら、弟君じゃなーい!」
「あ、イリアさん、おひさしってムグッ!?」

相変わらず遠慮のない突然の抱擁に、ロイドはよろめき後ずさる。

「い、イリアさん!あなたは劇団の看板女優だし、俺は子供じゃないんですから、所構わずこういうことはちょっと!」
「あら、しばらく会いにきてくれなかった上にそういう生意気な事言うわけなの?これはきつーいオシオキが必要ね。」

ぐいぐいと抱きしめられていると、後ろからもう一人の女性も現れた。

「こんにちは、皆さん。」
「ああ、リーシャ、ちょうどよかった。イリアさんに離れるようングーッ!」
「えいえい!どうだ、参ったか!」

私服に包まれた豊かな女体の中でもがくロイドを見て、今度ばかりはランディも冷ややかな視線をあびせながら、うすら笑いを浮かべていた。

「なんだか皆かおがこわーい。」

そういいつつも、キーアがけたけたと笑う。
ロイドは今すぐ彼女と立場を交換できたら、どれだけ楽だろうと心から思った。

375共に歩みぬく意志:2011/01/05(水) 19:02:13
――住宅街。

「けほっ…そ、そういえばエリィ、今日は実家には顔を出さないのか?」
「そうね。挨拶くらいしないとね。」

磨かれた三本槍に貫かれ、そのまま押されるように歩きながら、ロイドが提案する。
マクダエル家に向かうべく、通りの階段を下りると、一匹の仔猫が横切っていった。

「まあかわいい仔猫ちゃん。」
「あら、この子は確か。」
「マリー、いらっしゃい!」

階段の上り口にある住宅から、一人の少女が駆け出してきた。彼女はロイド達をみつけると、ぱっと顔を弾かせ、お辞儀をする。

「こんにちは、しえんかのおにいさまがた。」
「こんにちは。礼儀正しいお嬢ちゃんね。」
「やあサニータ。マリーも元気そうでなによりだな。」

ロイドがしゃがみこんで、マリーの鼻先をちょいちょいとなでると、仔猫はその指に喉をならして擦り寄った。
サニータはその傍らに歩み寄り、ロイドの顔をじっと見つめる。

「ああ、ごめん。お邪魔だったかな。」
「…そういえば、おにいさまに、マリーをみつけてくれたおれいを、まだしてませんでしたわね。」

ロイドが疑問符を浮かべる間もなく、その頬にサニータが口付けをした。

「え…。」
「お、おとうさまだけにしてあげる、げんきのでるおまじないですけど…おにいさまはとくべつですわっ。」

そのままマリーをかかえあげ、顔を真っ赤にさせると、再びお辞儀をして、彼女は家の中に走っていった。
呆然とする一同と、口を半開きにしてサニータを見送るロイドの側に、キーアがいつのまにか立っている。

「ロイド、今のげんきが出るの?」
「え?…ああ、そうだな。大事な人にしてもらうと、これ以上ないおまじないだろうな。」
「ふーん。」

目をぱちぱちと瞬きした後、キーアもロイドの首にしがみつき、その頬にキスをした。

「お、おい、キーア?」
「えへへ、ロイドげんきでた?」

屈託なく笑うキーアに、ロイドは言いかけた言葉も忘れ、その頭を優しくなでた。

「じゃあつぎはキーアにもして?」
「え?や、それは…。」
「イヤなの?」

顔を曇らせたキーアを、背後の若干名の影に、めりめりと音を立てて角が生えるのを感じつつ、ロイドが必死でなだめる。

「いや、このおまじないは、女の子が男の子にすると、効果があるものなんだ。かわりに男の子は、女の子を守ってあげるっていう約束をするのさ。」
「…ふーん。」

376共に歩みぬく意志:2011/01/05(水) 19:03:16
どこか納得しなさそうに口を尖らせながら、キーアがじっと見上げてくる。
ロイドはすっくと立つと、目的地へと向き直った。

「さ、さて、挨拶に行こう。執事さんたちも、エリィの近況を気にしてるだろうし。」

ランディは吹き出しそうになるのを必死で堪えながら、ズンズンと地響きが聞こえそうな足取りでロイドの後をついていく三人を見ていた。

(ああ、こりゃもう、犬にじゃれられただけでも、大惨事だな。)

――某所。

「ロイドさーん♪」
「うわぁ!」

――某宅。

「ロイドちゃーん♪」
「ちょ、ちょっと!」

――某通り。

「ロイドくぅ〜ん!」
「だああ!」
(うへえ、こればっかりはうらやましくないな。)
(…オカマさんです。)

――西通りベーカリーカフェ<<モルジュ>>前。

「さすがロイド様ですわ。沢山の街の人に慕われてますわね。」
「…アロネさん、顔がひきつっています。」

椅子に腰掛け、エリィ、ティオ、アロネの三人は、買い物をするロイド達を待っていた。

「まあ、どうせロイド様の愛くるしい容姿にばかり目がいってのことでしょうけど。その内に秘める情熱も全て知った上での、純粋な愛情をもつこのわたくしの敵ではなくってよ。」
(…そういえば確かに…教団摘発の後から、あの手の人達が熱を増しましたね。)

アロネが自分に言い聞かせるようにひとりごつ。対照的に冷静なエリィがカフェの入り口を見つめている。
鋭く伸びた細目から、それはさながら雲間から覗く真夏の太陽のような瞳で、その焦点から煙を噴出しかねない。

「そういえばお二人とも、わたくしに対してかしこまる必要はありませんわ。普段の口調で話していただいたほうが、わたくしとしても嬉しいですし。」
「…わたしは元からこれが普通なのですが、一応、了解です。」
「ありがとう、ティオさん。…エリィさんは、どう?」
「えっ?あ…解かりました。アロネさんがそうおっしゃるなら。」
「うふふ。改めてよろしくね。」

カフェの扉が開き、ロイドとランディが、その間で満足そうにパンをほおばるキーアと共に出て来た。

「おまっとさん。」
「ごめん待たせて。オスカーは顔が広いから、あまりアロネの事も教えないほうがいいと思って。」

キーアを椅子に座らせ、抱えていた袋包みをガーデンテーブルに置くと、ロイド達も席に着いた。

「冷やかされるのも嫌だったし、だろ?ロイド。」
「うっ。まあ、無いといえば嘘になるけど。」
「オスカーのパン、おいしー。」
「もうすぐ夕食だからあまり食べ過ぎたらダメだぞ、キーア。」

キーアをたしなめるロイドとエリィの目が合った。彼女はついと顔を逸し、紙袋からパンを取り出すと、小口で噛り付く。

377共に歩みぬく意志:2011/01/05(水) 19:05:19
「そ、そういえば今日の夕食はエリィの当番だったな。今から楽しみだよ。」
「あら、当番制ですのね。ロイド様、お料理もなさるの?」
「ああ、難しいものじゃなければ、一通りは一応作れるかな。」
「家庭的な一面もあるなんて、素敵ですわ。」

アロネがエリィをちらりと一瞥し、掌を打ち合わせた。

「そうですわ。案内してくださったお礼に、今日のディナー、わたくしが作らせていただきます。よろしくて?」
「お、自信たっぷりだねえ。」
「もちろん皆様と、エリィさんさえよければ、ですけど。」

話をふられ、パンを咥えたままテーブルを睨んでいたエリィが、顔を上げる。

「ええ、構わないわ。でも全部お任せするのもなんだし、デザートは私が作るわね。」
「ありがとう、お願いしますわ。」
「とくると、晩飯は共和国の家庭料理って訳か。」
「ロイド様、楽しみにしててくださいね。わたくし、愛情たっぷり込めますから。」
「ああ…。」

再びエリィがテーブルに視線を落とした。
ティオがその隣で、シェイクのストローを口にしたまま、平たい表情もそのままに、少しずつ吸い上げている。

「よおし、そうと決まったら材料も買わねえとな。ちょうど一週巡ったとこだしよ。」
「そうだな。帰りにタイムズにもう一度よろう。」

一行はそのまま、オスカーのパンをつまみつつ、アロネの故郷の話題などを交わしながら休憩をとり、買い物へと繰り出した。
やがて大量の食材と日用品をかかえ、特務支援課ビルに戻ってきたときには、陽は茜色に染まっていた。

***

「おいしー!」

支援課は夕食時を迎えていた。
テーブルに並ぶ料理はどれも素朴ながらも品があり、その味も申し分のないものばかりだった。

「こいつはおどろいたな。どれも食べた事の無いもんだが、いけるぜ!」
「…おいしいです。」
「ふむ。クロスベルと共和国じゃあ味の濃さの違いが顕著に出るもんだが…こいつはちょうど良いな。」
「どれもわたくしの国では代表的な料理ですの。皆様の口に合うかどうか心配でしたけど、そういっていただけてひと安心ですわ。」

セルゲイ含める一同の反応に、アロネは嬉しそうに微笑む。
エリィも黙ってはいたが、口に運ぶ料理に対しては率直な反応を返し、頷いていた。

「でも、わたくしとしてはもっと上手に作りたいですわ。でなくてはロイド様の伴侶は務まりませんもの。」
「伴侶?」
「はんりょってなーに?」
「いや、そういえば課長、どうでしたか?本部の返事は。」

ロイドがあわてて話の腰を折る。

「ああ、まあ当然といえば当然だが、動くのは難しいそうだ。確証もないし、いかに領主の娘の言でも、憶測の域は出ない訳だからな。」
「やはりそうですか…。警戒態勢をしいてもらうだけでも助かるんですが。」
「市民の不安をかきたてるからな。簡単にはいかん。」

ロイド達の帰宅後、起床してきたところで説明を受け、セルゲイは一応本部への報告もしていた。
幾度の事件の解決により、支援課の情報は警察としても無視できないものにはなっていたが、やはり信憑性の問題から、前述のような判断が下されたのだった。

「ま、連中の耳にいれておくだけでも、それなりの効果はある。遊撃士のほうには連絡はいれたのか?」
「はい。こちらも注意の喚起のみですが。」
「気を張り詰めてももたんしな。相手が着の身着のままの脱獄犯なら、すぐには行動にうつせんだろう。」

378共に歩みぬく意志:2011/01/05(水) 19:06:22
二人のやりとりを聞いていたアロネが、問いかける。

「セルゲイさん…ロイド様もそうでしたけど、わたくしの狂言ということを疑いはしませんの?」
「ん?」
「ロイド様と面識があるとはいえ、わたくしは今日こちらに着いたばかりの来訪者に過ぎませんわ。なのに、そこまで考えていただけるなんて、少し意外で…。」
「そうだな。正直半信半疑ではあるが。」

セルゲイが肉料理を小さく切り、ロイドを手にしたフォークで指しながら言った。

「そこの男とこいつらは、今までこういった感じで事を運んできては、それなりの成果をあげてきた。お嬢さんの言う事が本当かどうかも、解かるんだろうよ。だから俺はそれに乗っかってるまでだ。」
「課長…。」
「…ようするに。」
「自分で考えるのがめんどくさいんだな。」
「クク、そういうことだ。」

ワインの蓋をあけ、グラスに注ぎながら、セルゲイは頷いた。ロイドが根拠を付け足す。

「俺が一年前厄介になったパスキューブ家の人々は、温厚で誇り高い人達ばかりだった。犯人が解かったのも、そうした中、存在が浮いていたからなんだ。
その一員である君がこうして、遠路はるばる訪ねてきてくれたわけだから、疑いようが無いよ。」
「ロイド様…。」
「仮に嘘だとしても、俺達を不安にさせるようなことは絶対に言わないだろうし。」

ロイドが料理を口に運び、続けた。

「こんな美味しい料理は、狂言を企むような人間には作れないさ。」

彼は笑顔で言葉を結ぶ。一瞬、食卓が静まり返った。

「あれ、何か変なこと言った?」
「ロイド様、やっぱり貴方様は…」
「うん?」
「わたくしの、王子様ですわぁっ!」
「って、アロネ、あぶなっ!?」

ロイドが座った体勢でしがみつかれ、あやうく転げ落ちそうになりながら、胸の中のアロネを支える。
ティオがキーアの口を拭きながら、あきれた様に目を伏せ、ランディが遠慮なく笑った。
エリィが、唐突に席を立つ。

「え、エリィ?」
「皆そろそろ食べ終わるみたいだし、デザートを持ってくるわ。少し待っててね。」
「わーい!でざーと!」

空の女神が実在するとすれば、今の彼女がそうだろう。それほど美しく、優しい声だった。
しかしキッチンに消え行く姿は、虎もすくむ威を放っている。
ロイドは尚も纏わりついて来るアロネを押しのけるのがやっとで、その背中に声もかけられなかった。

「お嬢のデザートは絶品だからな。きっとアロネのお嬢さんも気に入るぜ。」
「まあ、そうなの?今度教えていただこうかしら。」

のん気な会話の隣で、ロイドは気が気ではなかった。
彼とて、今日一日のエリィの様子がおかしい事に気付かないほど末期ではない。
だが、自分に対して好意的な相手を無下に扱えないという、長所とも短所とも言い難い部分が彼にはあった。
半ば自覚しつつも、アロネを無理矢理突き放す事が出来ない。だから目の前に出て来たデザートも、ある程度覚悟はしていた。

「エリィ、その、何か怒ってるか?やっぱり。」
「あら、どうして?私そんなふうに見える?」

シチェーションさえ違えば、迷うことなくロイドはエリィを優しく抱きしめるだろう。腕の中の彼女を見つめ、幸福に酔いしれるだろう。
それはそんな笑顔だったが、彼はそれ以上何も言えず、出された皿に乗っているものを見た。

379共に歩みぬく意志:2011/01/05(水) 19:07:26
「凄く美味しいですわ!」
「エリィさんのデザートはわたしもいつも楽しみです。」
「甘いものはあまりくわんが、なかなかのものだ。」
「ありがとう。余分に作ってあるから、足りなかったら言ってね。」

口の中で滑らかに溶け、ほろ苦いカスタードとの相性抜群の甘さのプリンを、一同が賞賛する。
ロイドの目の前にある物は、見た目はそれとまったく同じなのだが、なぜかスプーンでつつくと金属音がした。
彼はナイフとフォークを使って強敵を一口サイズに切り取り、派手な音を立てながら黙って食べていく。

「そういえば、特務支援課、でしたかしら。普段はどういった仕事をしてらっしゃるの?」
「おう、いい質問だ。」
「簡単に言えば遊撃士協会と似たイメージですが。」

食後の話題が提供され、話は支援課発足から、教団壊滅にまで広がり、数々の武勇伝にアロネは目を輝かせた。
特にキーアが目立ついくつもの笑い声と、ロイドが奏でる剣戟の中、団欒の時は過ぎていく。

***

(バカねロイド…全部食べることないのに。)

エリィは、ロイドが死闘を繰り広げた会場を洗いながら、そっとその真ん中を、彼の頬に当てるように撫でる。

(私ったら、なにしてるのかしら…。)

彼らが想いを確認し合ったことを明言しないのは、暗黙の了解であった。奥ゆかしい二人は、わざわざ報告するような事ではないと判断していたのだ。
そんなロイドがどれだけ他の女性と懇意にしていようと、エリィにとってはそれは、既にほとんど日常の一部のようなものだった。
彼の人柄を思えば、当然の事だと思っていたからだ。あるいは、彼女自身にそう言い聞かせていたのかもしれない。
しかしその具体例を一日中見せ付けられた事で、複雑な心境に無意識のジレンマが生まれ、彼女が料理する手に、悪戯をさせていた。

「…やっぱりエリィさんも、ロイド様の事を、お慕いしてらっしゃるのね。」

隣で同じく洗いものをしていたアロネに不意をつかれ、エリィはあやうく手にした皿を落としかける。

「突然に、なんのこと?」
「あら、とぼけなくてもよろしくてよ。それだけじゃないわ。ロイド様も、エリィさんのことを憎からず思っている。
もしかしたら、すでにお二人は恋人同士なのかしら。」

心を読まれたかのように言い当てられ、エリィは手が完全に止まっていた。

「ふふ。こう見えてもわたくし、領主の娘ですもの。人と人の繋がりを観察するのには慣れてますの。
といっても、あなた方は誰の目で見たとしても、初々しくて解かり易いですけど。」

くすりとアロネが笑みをこぼす。エリィはあわてて作業を再開し、明らかに変わってしまった自らの顔色を隠した。

「でも、貴女には悪いですけど、わたくし、あきらめませんわよ。例えお二人の仲が深いものであったとしても。」

アロネはエリィの横顔に向かい、はっきりと宣言した。

「彼の若さなら一人や二人、加えてあの魅力でしたらそれこそ十数人、お相手がいてもおかしくはありませんわ。でも最後に、死ぬまで一緒にいてくださる…その相手にわたくしを選んでくだされば、それで構いませんもの。」
「そんな…どうしてそこまで、ロイドのことを。」
「ふふ。自分でも、おかしいと思いますわ。でも、仕方ありませんわね。ロイド様を愛しているということ以外、理由が見つかりませんもの。
正直恐ろしいですわ。あの吸い込まれるような瞳と、燃え盛る魂を持ち合わせたあのお方が。」

エリィは愕然とし、あえて考えないようにしていた一点が急浮上してきたのを感じ取り、あわてて押さえ込んだ。
ロイドはあの日、媚薬を飲んでいる。その言葉に嘘偽りがあったとは思えないが、彼自身が心から望んでいた事なのかどうかも断定できない。
純粋な好奇心と色欲の結果が夜の出来事だとしたら、エリィは今の彼にとって特別であると言えるのだろうか。

380共に歩みぬく意志:2011/01/05(水) 19:08:17
「なぜ私に、こんな話…。」
「べつに他意はありませんわ。わたくし、フェアな勝負がしたいだけですの。ロイド様が決めた相手を、お互いが認め合い、後腐れが無いように、ね。
その為の宣戦布告と受け取っていただいてよろしくてよ。」
「私がそのルールに従わなかったら?」
「貴女がロイド様を困らせるような事をしないということくらい、わたくしにも解かりますわ。」

銀器を磨きながら、アロネが付け加える。

「それから、ティオさんも、貴女と同じくらいロイド様のことを好いてらっしゃるわね。」
「え?」
「霧に沈んだ湖のように表情を映さない子ですけども、あのお方を見つめる時だけ、その内に火が灯りますもの。あれは、恋する乙女の瞳ですわ。」

ティオがガイに救出され、彼の亡き今、ロイドがその約束を受け継いだことは、すでにエリィも聞かされていた。
しかし、ティオのロイドに対する態度は、作戦行動中は良好だが、それ以外はあまり際立たず、彼を立派なリーダーとして認めているのは見て取れても、好意にまで発展しているとは思わなかった。
それ故に、エリィには解からなかったのかもしれない。その変化は、ティオがロイドに異性を見ていると意識して、ようやく見ることが出来るほど微細なものだった。

「ライバルは多いですけど、しかたないですわね。お互いに頑張りましょう?」
「ええ…。わ、私、クロスを片付けてくるわね。」

作業を終え、逃げ出すようにエリィがキッチンを出て行く。

(やはり何か、訳ありのようですわね。)

その後ろ姿を眺めながら、アロネは磨いていたフォークに口付け、ほくそ笑む。それはロイドが先ほどの決闘に使用した獲物の一つだった。

(ごめんなさいね、エリィさん。わたくしもこればかりは負けられないの。卑怯といわれても、品がないと罵られても。)

一方で、エリィは混乱していた。
片付け後のシャワーを使い終え、二階の廊下からビルの前を見下ろすと、ロイドとランディが街灯の側で稽古をつけている。
その姿が、再び遠くなっていくのを、肉眼で確認した途端に実感していた。

(ロイド…。)

窓に額を付け、イヤリングを指の背で慈しむ。
それは彼からの真心の贈り物であり、唯一形として残っている物だった。そして命を懸け、エリィを救ったのも、違いようの無い事実である。
そんなロイドの想いを、エリィは一切疑っていなかったが、それもまた単なる独りよがりに過ぎないと、アロネに気付かされてしまう。
もしティオが議長の娘なら、イヤリングは彼女に贈っただろう。もちろん誘拐の危機からも、同じように救っただろう。

エリィは今、巧みな言葉の罠にすっかり陥っていた。
部屋に向かうと、外したイヤリングを机に置き、ろくな寝支度もしないままにベッドに身体を預ける。
あの日以来、感じることの無かった精神的な苦悩をえぐりだされ、うずくまる。やがて泥沼に沈むように、深い眠りについていた。

しばらくの時間のあと、まるでティオに連行されるようにして、アロネが三階へと上ってきた。
どうやらロイドの部屋に忍び込もうとしていたようだが、すでに彼女の部屋はティオの隣に確保されている。
二人が挨拶を交わし、部屋へと入っていく。

やがて街がすっかり寝静まった頃、足音を押さえ、一つの気配が廊下を歩いていた。
それはエリィの部屋の前でとまり、小さく三度ノックをする。間を置き、今度は一度だけ、ノックをした。
部屋の主は、夢の何処かでこの音を聞いていたのだろうか。声には出ず、しかしその唇の動きは、愛しい人の名を呼んでいた。
気配は小さな鎖のような音を立て、しばらく黙っていたが、何もせずにその場を離れる。その正体は、窓から足元を照らす月だけが知っていた。

381名無しさんが妄想します:2011/01/05(水) 19:10:06
あけましておめでとうございます。
反応ありがとうです。凄い励みになります。
皆さんのコメントは、地味にストーリーのネタとしても拾わせて頂いています。そこで少しでも「おっ、こいつは」と思っていただけたら、私としても嬉しいです。

以下は、私事なので、読み飛ばしてくださっても構いません。チラ裏というやつでしょうか。
11月中旬からの規制巻き込みが、未だ続いている状態で、実はこの書き込みも、>>34で代行していただいています。
あまり代行スレを消費するのもよろしくないので、これ以上頻繁に続くようでしたら、避難所に、Falcomスレのみの代行場所をつくろうかなと思っています。
(私としてもこのスレに枯れ木を生やしたいので、どうしてもこのスレに書き込みたくて考えている事です。)
2chは初心者で、新規スレとか作るの初めてなので、タブーなどを調べ慎重に事を進めるつもりですが、何か軽くアドバイスをいただけるとありがたいです。

382322:2011/01/05(水) 19:10:57
以上です。再三の依頼となり申し訳ありませんが、どうかお願いします。

383名無しさんが妄想します:2011/01/06(木) 15:23:26
>>370いってくる

384383:2011/01/06(木) 15:33:21
終了、確認宜しくー。322さんは名前欄に322って
書くのやめれwまぎらわしいから。

385名無しさんが妄想します:2011/01/06(木) 17:47:47
ありがとうございます、確認してきました。
ごめんなさい。以前も依頼したから、このほうが解かり易いかなとおもって、そのままにしてました。
以後気をつけます。代行、感謝いたします。

386毒怪竜と私:2011/02/26(土) 02:44:59
書き込み代行を依頼。

書き込みたいスレ:【MH】モンスターハンターでエロパロ 25匹目【モンハン】
ttp://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1294888480/

名前欄:毒怪竜と私
メル欄:sage
備考:スレのルール上必要なので、注意書きの投下を忘れずに

387毒怪竜と私:2011/02/26(土) 02:46:32
存在感の割に今まで描かれることの無かったラギア作品がついに来た。期待も込めてGJ!

そして……タイミング被りかけて投下しようかどうか迷ったけど結局投下。
規制巻き込まれたので代行依頼。代行者にはこの場を借りて感謝を。
ギギネブラの雌雄同体ネタ少ないなぁ→エロい人は言っている。だったら自分で書け、と。
という流れで描いた、反省は……後でする。
誰得要素が多いので以下の注意書きを読むことを強く勧めます。

・ハンター♀×ギギネブラ?(雌雄同体) つまり生えてます。何がってナニが。
・擬人化ものです。どっちがとか聞かない。
・解体作業あります。食事中は回避推奨。
・今回は微エロ、というかエロ無し。
・設定面で軽くごり押しあるので広い心の携帯を忘れないように。

以上の注意時点を確認したうえでどうぞ。受け付けない場合はスルー推奨。

388毒怪竜と私:2011/02/26(土) 02:49:12
一見すると生物の住めないような場所にもモンスターが生息するように、それを狩る狩人も様々な狩場で見かけることができる。
昼夜で違う顔を見せその両方で訪問者を悩ませる砂原、豊富な鉱物資源と圧倒的な熱さで来るものを出迎える火山、そして雪と氷に閉ざされた凍土など常人なら踏み入れるのを躊躇うような場所へも平然と立ち入るのが狩人だ。
時間さえ凍ると例えられる凍土。その中でも上位と呼ばれるその地の寒さと静けさ、それを打ち割るような採掘音が響いている。ピッケルを握り締める手は細くて繊細だが力強く、それが女性の狩人のものであることが分かる。
白い息を吐きながらも一心不乱に採掘を続ける姿は獲物を追い求める狩人のイメージからはかけ離れているが、これも立派な狩人の仕事のうちである。
というのも、普段人が足を踏み入れないような場所には鉱物や昆虫など様々な資源が眠っていることが多い。
それらが狩りに必要な武器や防具の素材として、あるいは研究のための資料や実験の材料として珍重されることからこれらを追い求める狩人も少なくないのだ。
今ピッケルを振るっている彼女――歳は20に届くか届かないかといったところだろうか。周囲から『案内人』という二つ名で呼ばれるハンターも、そうした素材目当ての狩人の一人だ。
身軽さを重視した片手剣と、このこの寒さの中だというのに露出の少なくないレザーS装備一式、更には採集した骨や鉱物で膨れ上がったポーチにと、その姿はまさに欲張りを体現するかのようだ。
周囲は凍てつくような寒さだがあらかじめホットドリンクを飲んだ身体に重労働は熱いらしく、短く切りそろえた金髪を逆撫でるように拭えば汗が水滴となって周囲に散った。

「お、これが噂のグラシスメタルかな。やっぱり凍土に来て正解だったなぁ!」

ようやくお目当ての品を掘り当てたのかピッケルを振るう手にも力が入っている。嬉々として採掘を続けるそんな彼女を静かに見下ろす影があった。
這いずるような独特の足音は硬質な金属音にかき消され、人さえ丸呑みに出来るその巨体は洞窟の暗い影に覆われ、獲物を狙う気配は興奮にかき消される。
冷たい洞窟の中で一際大きな熱をと共に動き続ける物質――目標された彼女の真上に来たところで、それが伸ばした長く滑らかな首が鞭のように大きく振るわれた。

「え、え? え!?」

重厚な装備を身に纏った狩人でさえ大型のモンスターの一撃に吹き飛ばされることは多い、ましてや採集用の軽装でしかも完全に奇襲された形となった『案内人』の身体はあっさりと宙を舞った。
だが驚きの声を上げたところで獲物を狙う「それ」の攻勢が止む筈も無く、次なる一手……いや、一口が彼女に覆いかぶさった。

(痛っ……まさかこれ、ギギネブラ!? 採集ツアーなのになんで!?)

凍った地面に叩きつけられたショックと予期せぬ敵の襲撃に混乱しながらも、とっさに身体を動かして拘束から逃れようとする。
ギギネブラ特有の口の中にびっしりと生えた歯によって幾つもの切り傷が出来たものの、何とか毒を吐かれる前に素早く逃れることが出来た。
ドスンと大きな音を立てて着地したそれを眼前に『案内人』は腰の片手剣を抜きながら状況を再確認する。

(まいったなぁ……解毒薬なんて持って来てないし回復薬も最低限、あと使えるものは……)

体内に猛毒を持ちそれを多用することで多くの狩人から恐れられるギギネブラ。対抗策が無いわけではないが、今の手持ちで相手に出来る自信は無い。
幸い今回は討伐の依頼で来たわけではないのだし逃げるのが得策、と腰元のポーチに忍ばせたこやし玉とモドリ玉を探って……ポーチの感触が異常なことに血の気が引いた。
採集した素材を入れるものとは別に必要最低限の道具が入っているはずのそれは、先ほどまでそれなりに膨らんでいたはずだ。その膨らみが無くて、地面に何も落ちていないとなれば……

389毒怪竜と私:2011/02/26(土) 02:51:15
(まさか……さっきので食べられた!?)

慌てて中身を探るが、ほとんどの中身はポーチに空いた大穴から外に……ギギネブラの口の中に入ってしまったらしい。
一瞬にして回復と戦局打開の切り札を奪われた衝撃は隙を生むのに十分なもので、道具を漁る間にも目の前の毒怪竜もそれを察したのか首を逸らして攻撃の動作に入る。
獲物に毒を吐きかけるそれは回復も解毒も出来ないこの状況では一番致命的なものだ。おそらく逃げ切るより先に体力が尽きて、後は弱ったところを一呑みといったところだろう。
とっさに左手の盾を構えたものの、その盾は全身を庇うにはあまりに心もとない。これで万事休すか、と覚悟を決めて彼女は目を瞑る。しかし……
一秒、二秒、そして三秒。毒液の当たる衝撃どころか何の攻撃も無いことを不審に思って目を開けると、毒怪竜は首を逸らした先ほどのポーズのまま固まっていた。
何が起きたのかを把握する前に慌てて相手の側面に回りこむ。ここまで来てようやく向こうにも動きがあったが、それは予想の斜め上を行くものだった。

「……は、何で? 私何もしてないよ?」

『案内人』が驚くのも無理は無い。何せ目の前のギギネブラは……何かに悶えるように仰向けになってもがいた挙句、パタリと動きを止めてしまったのだから。
トドメを刺すどころかこちらは一太刀も加えていない。傷一つ無い滑らかな皮を見る限り、何者かに襲われて瀕死だったなどということもないだろう。
念のためにと辺りに落ちていた小石を投げつけて、足で軽く蹴ってみて、それでも呼吸の音すら漏れないことを確認してようやくそれが間違いなく息絶えていることを確認した。
ほっと一息つくと同時に改めて目の前の亡骸を確認するが、やはり出血や外傷は見当たらない。だが『案内人』の関心は既にそれの死因ではなく別の方向に向いていた。

(無傷でさっきまで生きてたギギネブラ……これって、素材剥ぎ取り放題!?)

モンスターの中でも大型のものの鱗や爪が武器・防具の素材となるのは当然だが、それを入手するのは簡単なことではない。
何せ剥ぎ取るためにはまず相手を仕留めなくてはならず、仮に仕留めたとしても獲物から剥ぎ取れるのはほんの一部分。多くは戦いで傷ついて使い物にはならないのだ。そう、本来なら。
だが目の前には無傷の獲物が横たわっている。それはすなわち普段なら捨てなくてはならない傷物の爪や皮が無い。余すことなく全て剥ぎ取ることができることを示していた。
成体の毒怪竜が丸々一頭。これだけの皮と爪、更にはギギネブラが持つ毒腺があれば防具を一揃い作っても釣りが来る。
先ほどまでの危機とは打って変わって降りかかった幸運に感謝しながら『案内人』は解体用のナイフを片手に嬉々として作業を始めた。

390毒怪竜と私:2011/02/26(土) 02:52:13
数分後、ナイフを振るう『案内人』の脇には剥ぎ取ったばかりの毒腺や爪・皮が綺麗に並べられていた。残すは地面と接している背中の部分の皮だけだが、これだけ剥ぎ取ったのだからもう十分だろう。
ホットドリンクの効果がそろそろ切れることを考えればこの辺りが潮時だろうと、収穫物を無事だったポーチにまとめて詰め込んだところでふと視界の端に動くものを認めた。
それは先ほどまで無言で切り刻まれていた毒怪竜の亡骸の、丁度腹部にあたる部分。まさかと一瞬身構えたが、その動きは起き上がるというより中で何かが蠢いているといった感じのものだ。
厄介事を避けるならここで回れ右して帰るべきだったのだろう。だが恐怖からか好奇心からか、『案内人』はとっさにその場から動くことが出来なかった。
そうしているうちに動きは徐々に大きくなり、ついには腹の一部分……毒腺を剥ぎ取った痕を割くようにして細く白いものが突き出した。
初めはギギネブラの幼生――ギィギが体内で孵化したのだろうと思った。だがそれが関節と五本の指を持つ人間の手だと気付いたときには既に『案内人』はナイフを片手に駆け出していた。
内部の身体を傷つけないよう慎重に、だが窒息してしまう前に迅速に。ようやく人一人通れるくらいに傷口を広げたとき、中に居た「それ」はぐったりとしていた。

「ねえ、大丈夫!? お願いだから目を開けて!!」

歳は自分より少し若いくらいだろうか。毒怪竜の血や体液で汚れてはいるものの、透き通るように白い肌と同じく真っ白で腰まで届く長い髪の毛だ。
幸い息はしているもののその呼吸は弱弱しく、呼びかけにも目を開ける気配すらない。
寒さに構わず手袋を外して触れた咽元はかすかに動いてはいるもののひんやりとしていて、一刻の猶予も無いことを示している。
そして何より問題なのは……

(裸のまま運んだら、絶対キャンプまで持たない……! どうしよう……!!)

引っ張り出せたのは上半身までだが、その身体は一糸纏わぬ……それこそ女性特有の膨らみさえ隠すものの無い状態だった。
これが急を要する事態でなければ、同性とはいえあられもない姿に目の遣りどころに困るところなのだが今はそんなことは言っていられない。
この凍土で裸、しかも半死半生で血や体液で濡れたまま出歩けば一分も持たずに凍りつきかねない。
何か手は無いか、祈るような気持ちでポーチを探ると……あった。穴の開いたポーチの隅にかろうじて、無事なままのホットドリンクが一本。
急いで栓を抜いて少女の口元に流し込むが、気管に入ってしまったのかゲホゲホとむせてしまった。仕方無しに濡れた彼女の口元を拭って残りのドリンクを一息に呷る。

(ファーストキスだったらごめん、でもこれ事故だから許して!)

唐辛子特有の辛さに耐えてしっかりと口に含んだそれを、口移しでゆっくりと少女の口の中へ落としていく。幸い今度はむせることも無く、全部飲んでもらえた。
だが安心するにはまだ早い。ホットドリンクを飲んだといっても効果があるのは精々五分程度。運ぶにしても下手に抱きかかえると防具の金具で凍傷を起こしかねない。
苦肉の策としてとっさに目に付いたのが先ほど大量に剥ぎ取ったギギネブラの皮。剥ぎたてで感触が気持ち悪いかもしれないが、これで包んで運べば少しはマシだろう。
運搬依頼でするような抱え方……所謂お姫様抱っこの形で『案内人』は急ぎ洞窟を後にした。

391毒怪竜と私:2011/02/26(土) 02:53:38
凍土におけるベースキャンプは寒さから逃れることができる唯一の安全地帯だ。その安全地帯にどうにか逃げ込んだ『案内人』はそれまで抱えていた少女を備え付けの寝台の上にドサリと置いた。
何せ見た目より軽いとはいえ、人一人を運んでここまでノンストップで来たのだ。これくらいは許してくれるだろう。
チケットも納品し、後は迎えが来るのを待つのみとなったところで改めて寝台で眠る少女を見る。
先ほどまでは余裕が無くて気付かなかったが中性的な顔立ちといい長い髪といい、同性の自分から見ても十分美人といえる相手だ。
背丈こそ自分の方が上のようだが、特に胸は惨敗といって良いレベルで……いや、自分のまな板と比べては彼女に失礼だろう。
そんなことを考えているうちにふと自分がいつも以上に身軽なことに気付いて、荷物を全部置いてきたままだったことを思い出した。

(チケット納品しちゃったけど、取りに戻るくらいなら大丈夫だよね)

何せ皮以外の鉱物を含めた収穫物はおろか、得物さえ放り出してここまで駆けつけたのだ。この場を離れるのは心もとないが、回収しないと明日からの生活に支障が出る。
ついでにガウシカかポポでも狩ってこよう。肉でも食べればこの子の体力も少しは回復するはず……と、適当な理由をつけてその場を後にしたのは良かった。
数分後に置いてきた荷物とお土産代わりのガウシカの肉を持ってきた、これも良い。少女がまだ寝台に居たのも良かった。
だがそこに居た少女は既に目を開けていて、綺麗な紫色の瞳がこちらを捉えてからは完全に予想外だった。

「っ――――!!」

大きな笛のように低い、それでいて唸り声ともまた違う音。本家本元と比べれば音量こそまだ可愛い方だが、それでも耳を覆わずにはいられないそれはまさに立派な「咆哮」だった。
しかもそれは凍土で出くわしたものなら忘れるはずも無い、毒怪竜の咆哮にそっくりなものだった。
見れば先ほどまで雪のような純白だった髪は、墨を流したように真っ黒に染まっている。表情も警戒の色を隠さない険しいものだ。まさか――

「ギギ……ネブラ?」

ありえない。毒怪竜が人の姿になるなんて、御伽噺にすらないものだ。だが現に目の前の少女はギギネブラの特徴を持っていて……と、戸惑うこちらに向けて彼女が大きく身体を仰け反らせる。
先ほどの毒怪竜が見せたのと同じ、毒を吐きかける前兆動作。今度は盾を構える余裕も無く、呆然と見つめるしかなかった。
だが今日の私はよほど運が良かったのか、今度も毒液が飛んでくることは無かった。
確かに目の前の少女は口を大きく開けて何かを吐き出すような動作を取った。だがそこから漏れ出したのは白く染まった吐息だけで、それ以外には何も出てこない。
予想外だったのは向こうも同じようで呆然とする『案内人』の前で首をかしげたり、ケホケホと咳をしたりする姿は可愛らしいものがあった。

「えっと……肉、食べる?」

見かねた『案内人』が先ほど狩ったガウシカの肉を片手に声をかけると少女は驚いたように飛びずさって、その弾みで彼女を包んでいたギギネブラの皮が捲れて落ちる。
その下……主に股間の辺りにあるものを見て、『案内人』の混乱は更に加速する羽目になった。

392毒怪竜と私:2011/02/26(土) 02:54:38
「えっと、その……それってその……あれだよね?」

端的にいうと生えていた。何がと聞かれればアレが。いやしかし確かに胸は膨らんでいるし、よく見ればアレの下には別の方のアレが……
ああそういえばギギネブラってどれもポンポン卵産んでるし、雌雄同体って話本当だったのかなぁ……
と、頭を抱える姿を見て攻撃の意思無しと見たのか少女の髪が静かに元の白色に戻っていく。
そして自分の裸を隠すどころか、寒そうに震えながらもこれが自然体だと言わんばかりに『案内人』の方へ歩み寄る。そしてその目が肉の方に向けられた。
『案内人』がそのことに気付くのと少女が素早く肉に食らい付いたのはほぼ同時、だが叫び声が上がるのと間合いを取るのとでは後者の方が先だった。

「え、ちょっとそれまだ生だよ! 焼くまで待ってって!」

とは言ったものの意味が通じていないのか、躊躇うことなく咥えたそれを飲み込もうとして――そのまま硬直した。
無理に決まっている。何せ咥えた肉は骨が付いたままで、それこそ少女の口より大きなものなのだ。それを何を勘違いしたのか、噛みもせずに丸呑みにしようとしたのだからこの結果は当然だ。

(ほんっとうにこの子ギギネブラなのかも……)

以前読んだ『週間・狩りに生きる』の凍土特集によると、ギギネブラは獲物を鑢状の歯で削り取るようにして食べるらしい。つまり……噛むということを知らない。
それでも肉を離さない辺りよほど腹を空かせているのだろう。全裸で肉を咥えた美少女(?)というのも中々面白い図だが、このまま放っておくのも可哀想だ。
仕方無しにキャンプで焚いてある火を使って即席のこんがり肉を作る。肉焼きセットほど上手くはいかないだろうが、最悪生焼けでも食べれないことは無いはずだ。

「ほら、これで大丈夫。ちゃんとゆっくり噛んでね」

最初は差し出された肉の熱さに戸惑ったようだったが、少し冷ましてから焼けた肉を口に入れて食べ方を実践してやるとそれがようやく食べても大丈夫なものだと分かってくれたらしい。
それまで口に咥えていた肉を放して、焼けた方の肉を咥えて……そして『案内人』がしたようにゆっくりと噛み締める。
そこからは早かった。焼いた肉がよほど気に入ったのか、度々喉を詰まらせながらもハンター並みの速度で肉を平らげた少女は、仕舞いには先ほどまで口に咥えていた方の肉を差し出した。

(これって「こっちも食べたいから焼いて」ってことだよね。なんか可愛いなぁ……)

言葉が通じれば楽だったのだが、警戒を解いてくれただけマシとしよう。差し当たっての問題は、この子の格好とどうやってネコタクに乗せるかだが……

(服は予備のインナーがあるし、ネコタクならマタタビで買収できるよね。よし、となれば行動開始!)

目の前で美味しそうに肉を頬張るギギネブラだったと思われる目の前の少女をここに置き去りにするという選択肢は、最初から『案内人』には無い。
あるのは数分後には駆けつけるであろう帰りの便への言い訳と少女に着せる服のこと、そして家で待つオトモたちに彼女のことをどう説明するかだけだった。

393毒怪竜と私:2011/02/26(土) 03:02:29
今回はこれにて投下終了。飛ばさずに読んでくださった方は読了感謝。
「無いなら書け」を合言葉に突っ走った結果がこれだよ!
規制中の身ではあるものの供給があれば需要が生まれると信じて頑張る。
あ、続編希望の意味でのペイントボールなら歓迎だけど、こやし玉はマジ勘弁。
_____________________________________
代行依頼はここまで。何卒よろしくお願いします。

394名無しさんが妄想します:2011/02/27(日) 06:04:41
iphoneで代行してきた
大丈夫かな・・・?

395名無しさんが妄想します:2011/02/28(月) 01:07:37
>>394
大丈夫、しっかり書き込めてる。
遅くなったが改めて書き込み代行感謝。
思ったより好評だったみたいなので続編書き上げ次第ここでまた投下するかも。
そのときはまた誰かにお世話になるとおもうので、よろしくお願いします。

396名無しさんが妄想します:2011/05/09(月) 13:04:05
ちょと質問
エロパロじゃなくて創発とか他の板でもいいのかな?

397名無しさんが妄想します:2011/05/09(月) 15:16:19
>>396創作発表板なら専用スレがあるよ↓

したらば創作発表板避難所 レス代行はここでおk その3
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/3274/1297265346/l50

398名無しさんが妄想します:2011/05/12(木) 09:53:03
ありがとうございます
そっちにも行ってみます

399名無しさんが妄想します:2011/05/15(日) 22:13:58
他板でも2chでも、可能な範囲でなら代行しますよー
2chとPINKの全板に専用避難所があるわけでもないし

400名無しさんが妄想します:2011/06/21(火) 02:22:43
依頼お待ちしてますage

401名無しさんが妄想します:2011/07/04(月) 08:34:26
どなたか代行お願いします

レッスルエンジェルスのエロパロ 6
ttp://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1274691127/

sageでお願いします
内容は↓です

402石川涼美×社長:2011/07/04(月) 08:36:03
午後八時。社長室の長椅子で移動車両の検討をしていると、ゆっくりとした特徴的なノックの音がした。
「社長?いらっしゃいますか〜?」
入ってきたのは、石川涼美だった。トレーニングを終えてシャワーを浴びた後らしく、髪からは微かにシャンプーの
香りが漂っている。
「社長、よろしいですか〜?」
「石川か。どうした?」
「えっと、この間はご迷惑おかけしました〜」
『この間』とは、涼美が疲労から風邪をこじらせて倒れてしまったときのことだ。
そういえばたしかあの時も、今日のように皆が帰って二人きりだったような気がする。
「私が至らないせいで、社長の手を煩わせてしまって……」
「ああ、あのことか。かまわんかまわん、社長の仕事のうちさ。そんなことでいちいち礼に来るな」
俺は『気にするな』と言いたかったのだが、涼美はいつものボケっぷりを発揮したらしく『礼』の言葉に食い付いて
きた。
「お礼ですか〜?じゃあ社長、どこか身体の具合が悪いところとかありませんか〜?」
「どこも悪いところなんて無いよ。……ていうかそれって、今度は俺を看病しようって気か?」
「そうですよ〜。社長、何かありましたら遠慮なく言いつけてください〜」
涼美は俺の隣に座ると、右手を取って引っ張ってきた。資料に一通り目星を点けたら今日はもう帰ろうと思っていた
が、これでは作業も進まない。
「しつこいぞ……もう帰って休めよ」
「あれ、お手洗いですか〜?」
「風呂だ。お前の話でここ何日か入ってないのを思い出した」
俺がジムのそばにある浴室を使っているうちに、涼美も寮に帰るだろう。
とりあえず俺は、話を打ち切る理由を作って社長室を離れた。

403石川涼美×社長:2011/07/04(月) 08:37:41
(あの資料、また明日検討し直さないとな……)
背後の脱衣所から人の気配がしたのは、仕事のことを考えながら頭を洗い終えた時だった。
「誰だ?今使ってるぞ」
「社長、入りますよ〜」
錯覚ではなかった。間延びした声に続いて浴室の引き戸を開ける音がして、身体にバスタオルを巻いた涼美が入って
きたのだ。
「す、涼美?どうした!?」
俺はとっさに無防備な股間にタオルをかぶせて振り向いた。
「まだいたのか?なぜ帰らない?」
「せっかくですからぁ、社長の体を洗ってさしあげようかと思って〜」
涼美はろくに話も聞かず、俺の背後に座り込みボディタオルを取ってソープを付けている。
「いいだなんて、言ってな……うっ」
浴室といってもあくまで一人で入るための狭い部屋だから、二人で入ってしまえば嫌が応にも身体は密着する。それ
もあって、振り向いた俺の目の前にある涼美の体は写真集で見たそれとは比較にならないほど肉感的だった。
さらには95cmもの豊満なバストがタオルに巻かれて水着の時以上に谷間が強調され、涼美がわずかにでも体を動か
す度にその膨らみが微妙に形を変えている。
「ええ?駄目ですかぁ〜?」
俺はどうにも直視できなくなり、慌てて向き直った。
「わ、わかったよ。勝手にしろ」
「は〜い。一所懸命やりますね〜」

背中を洗ってもらう間、涼美が新人として入ってきた頃のことを思い出していた。
(相変わらず、無防備な奴だ……)
思えば入団したての頃の涼美は、身体こそグラビアアイドルとしても成功しそうな程ではあったがまだまだという感
じだった。
それが今や団体の看板レスラーであり、自分が後輩の世話を焼く立場となっている。
身体の方もさらに妖艶に成長し、『頼れるお姉さん』の雰囲気と相まってますますその魅力に磨きがかかっていた。
(涼美にここまで女を感じる日が来るとはなあ……)

404石川涼美×社長:2011/07/04(月) 08:38:48
洗った背中に湯をかけられてから、自分が考え事に耽っていたことに気付いた。涼美は背中を洗い終えたようだ。
「ああ涼美。ごくろ……」
「それじゃ今度は、前ですよ〜」
涼美は立ち去るかと思いきや何の躊躇もなく前に廻って座り込み、今度は俺の腹を洗い始めた。
「お、おい!背中だけじゃないのか?」
「え?そんなこと言いました〜?」
「し、しかし……うっ!」
バスタオル一枚だけに包まれた涼美の肢体が、今度はさっきよりも近いところにある。しかも今度は洗うためにより
大きく体を動かしているせいで、白く豊かな乳房はゆさゆさと揺れている。
(ま、まずい!)
さっき心を落ち着かせて鎮めたはずの勃起が、再び頭を上げ始めた。
股間にはタオルを被せたままなため直に見られているわけではないが、いずれ涼美が不自然さを感じるのも時間の問
題だろう。
そうなればいくら涼美が温厚で世間知らずでも、悲鳴を上げて逃げ帰るくらいはするに違いない。
(でも涼美のことだから、まさかこのままいくと……)
そのまさか、だった。
俺がなんとか勃起を鎮めようと四苦八苦している間に股間以外の場所を全て洗い終えた涼美は、ボディタオルを床に
置いたかと思うと躊躇う様子も無く俺の股間に手を延ばしてきた。
「ちょ!そ、そこまではいい!」
「恥ずかしくないですよ〜。洗うだけですから〜」
「い、いやそこはその……ほら、急所だから!」
咄嗟に言ったことだが、ドジな涼美のことだから本当に強く握ってしまうかもしれない。
「む〜!金的くらい知ってますよ〜。私もレスラーの端くれなんですから〜」
「し、知ってるなら尚更だ。そこはいいって」
「いえ〜。今更やめられません〜。ゆっくりじっくりしますから、大丈夫ですよ〜」
だが、その『ゆっくりじっくり』が何より問題だったのだ。

405石川涼美×社長:2011/07/04(月) 08:41:06
「失礼しますね〜」
涼美はタオルの隙間から手を入れ直接俺の勃起したペニスを握り、ゆっくりと撫で摩り始めた。さらにもう片方の手
で玉を握り、掌で優しく転がしながら洗っている。
(う……うおおおおっ)
目の前では豊満な美乳が谷間も露わに揺れている上に、ペニスは滑らかな泡に包まれ優しく扱かれている。
俺は両足を突っ張って平静を装い必死で堪えたが、忙しさで一週間も抜いていない欲求不満のペニスは硬さも大きさ
も増すばかり。
(とにかく、心を落ち着かせて……)
なんとか心を平静にして勃起を鎮めようとしている俺の耳に、奇妙な音が聞こえてきた。今動いている涼美の手元と
は別のところから、何か衣擦れの音がしているのだ。
よく見ると、涼美が体を動かす度にタオルの切れ目が徐々に深くなっている。胸元で簡単に留めてある箇所が甘くな
り、擦れたタオルが徐々にずれ今にも外れ落ちそうになっているのだ。
(こ、これは……)
「す、涼美……タオルが」
「え〜。これ使ったら、ザラザラするんじゃないですか〜?」
涼美は自分の体ではなく、床に置いたボディタオルを見ている。自分のタオルが外れかかっていることには全く気付
いていないらしい。
「いやそうじゃなくて……タオルが、外れそうなんだ」
「は〜い」
涼美は手を止めて身を乗り出すと、自分のそれではなく俺の腰に被せられたタオルを掛け直す。そのせいで、タオル
の切れ目はもう外れ落ちんばかりに広がってしまった。
「違っ!てかそんな動いたら……!」
「えっ?」

406石川涼美×社長:2011/07/04(月) 08:42:56
そして涼美が体を戻したその瞬間、予測していた事態は起こった。甘かった留めがついに外れ、はらりと涼美のタオ
ルが落ちたのだ。
「!?きゃあっ!?」
桃色の乳首が露わになると同時に、気付いて身をよじらせた涼美の乳房はぷるんと揺れる。涼美は咄嗟に手をあてた
が隠し切ることはできず、両方の乳首が指の間から覗いていた。
その白く豊満な乳房が両手で強調され、さらには手から付いた白い泡が谷間を滴る光景が俺のさらなる欲情を煽る。
(も……もうだめだ!)
その瞬間、俺の忍耐はついに限界を越えた。
「う、うおあああ!」
下腹部から凄まじい衝撃がこみ上げてきたかと思うと、我慢の限界を越えた俺のペニスがついに暴発した。
俺はその勢いで体が反り返るのを必死で堪えたが、タオル越しに激しく脈打つペニスまで止められるはずもない。
これを目の前の涼美にかけたい、その膣内に思い切り解き放ちたいという欲望が俺の頭を渦巻く。
そのせいだろうか、亀頭にかかっているタオルに染み込んでいる精液がこれまでにない濃さと量の多さであることが
容易に実感できる。
そして一時の間、俺は押し寄せる快感にただその身を委ねるまま射精し続けた……。

「はぁ、はぁ、はぁ……」
「しゃ、社長?」
目の前の涼美は、俺を見てタオルを直した手も止めたままひたすら驚いた顔をしている。
そのまましばらくの時間が空いた後、先に口を開いたのは涼美の方だった。
「社長、すみません〜」
「えっ?」
涼美は突然、泣きそうな表情になって頭を下げる。
「なんか、驚いた時に力が入っちゃいましたか〜?」
「力が……?どういうことだ?」
「社長、痛かったんですよね〜?」
どうやら涼美は、俺が呻いたのを急所に力を入れてしまったせいだと勘違いしているようだ。
「い、いや。いいんだ涼美、気にすんな。俺はもう上がるよ」
「あ、社長!今度もう一回チャンスをください〜。次は、すごく気持ちいいくらいにしますから〜」
涼美は両手を合わせてまでそう言っているが、もちろん気持ちよすぎるのが問題だということには気付いているはず
もない。
「わかったわかった。でも今度は、水着でも着てからやってくれ」
「やだ〜。社長ったら水着ふぇちなんですか〜」
「あ、あのな!」

俺がジムの浴室を使うのをそれとなく涼美に伝える習慣がついたのも、涼美の写真集で抜く習慣がついたのもこの日
からだった。

407名無しさんが妄想します:2011/07/04(月) 08:44:03
↑まで投下お願いします

408名無しさんが妄想します:2011/07/04(月) 17:26:31
>>401いってくる、規制にかからないように
ゆっくり投下するのでしばらくお待ちください

409名無しさんが妄想します:2011/07/04(月) 17:37:09
終了!

410名無しさんが妄想します:2011/07/08(金) 14:58:49
>>408
ありがとうございます!

411名無しさんが妄想します:2011/07/19(火) 17:21:45
代行をお願いします

書き込みたいスレ:■■男のオナニー小説■■
ttp://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1232090875/

名前欄:なし
メル欄:sage
備考:代行明記のこと

内容は↓です

412名無しさんが妄想します:2011/07/19(火) 17:22:54
今日の千夏の格好は普段と少し感じが違っていたのだが、彼女に慕情を抱く周平には却ってよくわからないものであった。
「あ、千夏さん。いらっしゃい」
「こんにちは、周平くん。美智子いる?」
「はい。部屋にいますよ、どうぞ」
「お邪魔するわね」
既に幾度も訪れて勝手を知っている千夏は、靴を脱ぐなり自分の家のそれを登るように自然に階段を登っていく。出来うることならいつも千夏を見ていたい周平は、そんな彼女を今日も下からじっと見ている。
そしていつものように僅かな背徳感を感じながら千夏の尻を見ていた周平はこの時はじめて千夏がミニスカートを穿いているのに気付いたが、それとほぼ同時に信じ難い光景を見ることとなった。
「あ……」
唐突に視界に入ったのは、憧れの女性の純白の下着。
それに包まれた柔らかそうな――しかしおそらく芯のところはしっかり締まっている――尻と、黒のニーソックスに引き締められた太腿。
極めつけは、股に入った僅かな一本筋。
「ああ……!」
「え?」
千夏はその箇所を晒したまま、下から自分を見上げる周平に振り向いた。
「どしたの?周平くん?」
千夏は心配そうな顔で周平を見下ろしているが、自分が今なお下着を晒していることには全く気付いていない。そんな無防備な千夏の仕草が、さらに周平の背徳感を煽り性欲を滾らせる。
それでも辛うじて残っていた理性が千夏への注意を喚起したが、動揺のあまり声はかすれるばかりだった。
「あ、あの……千夏さ……」
「……?」
「千夏、来てたの?」
周平の視線が自分のそれと必ずしも合っていないことに千夏が気付き始めたその時、不意に二階から姉の美智子が姿を現した。
美智子は頭だけを階下に向けている千夏と下の周平を見やり、怪訝な顔をする。
「?何かあった?」
「えっとね。周平くんが、何か言いたそうなんだけど」
「ん?周平ー?」
階上の美智子に見下ろされた周平は慌てて『なんでもない』と言い部屋に駆け込む。しかし目敏い美智子は、周平の視線の先と顔色を見逃さなかった。
「……ああ、きっと私が寝てるって言いたかったのよ。さっきまでちょっと寝てたから…………ところで、珍しいわね。今日はミニスカなの?」
「うん。大分短くてちょっと下着もきついけど、可愛かったからつい買っちゃった」

413名無しさんが妄想します:2011/07/19(火) 17:24:26
周平は部屋に駆け込むと、未だ動悸の収まらない胸をさすりながらベッドに倒れ込んだ。そして一旦心を落ち着かせてから先の衝撃的な、しかしどうやったら見られるのかとじっくり考えたこともあった光景を鮮明に思い出す。
「千夏さん……あんなに凄いなんて」
今までに見たパンツといえば同級生の女子のスカートが風で捲れて一瞬見えたくらいのものであったし、ましてそれらが先程見た素晴らしく形の良い千夏の尻に敵うはずもない。
殆ど無意識の内に股間を弄っていたことに気付いた周平は、ベッドの上に仰向けになったままズボンとパンツを下ろした。そして既に先走り液も出ている性器を握り、ゆっくりと擦り始める。
「あ、あそこなんだ……あそこに挿入れるんだ……」
憧れの千夏の、しかも下着の上からとはいえ女性器を現す筋までがはっきりと見えたのだ。自慰をするのは初めてではないが、今回ほど強く本当のセックスに対する欲望を抱いて(まして千夏に対して)自慰行為をしたことは無かった。
周平は想像力をさらに働かせ、千夏が自分の目の前で足を広げ女性器を晒して寝ているところを妄想してさらに激しく手を動かす。
ちょうど精も溜まっていた頃合だったため、興奮の度合いは強く今回の絶頂はいつになく早かった。
「だ、出すよ千夏さん……!あああ、で、出るぅ……!」
射精が近いことを悟った周平の右手は性器をより強く握り、より速く擦り上げる。
そして自分の性器が千夏の割れ目に入り溶かさんばかりに強く熱く吸い付かれるところが鮮明に頭に浮かんだところで、性器が大きく脈動しついに精が放出された。
「ああ!んああああー!」
射精の瞬間に大声を挙げ体を大きく反らしたが、周平は僅かな理性を振り絞って性器を天井の方に向けた。
これまでにない程の爆発的な射精でティッシュで亀頭を覆うのも忘れていたため、漲っていた精は天井にまで飛び頭の後ろの壁にも降りかかった。
「はぁ、はぁ、はぁ、ふぅ……」
今までの三回分にもなろう大量の精を出しただけあって、虚脱感も大きい。周平は事後の強烈な眠気に抗えず、なんとかパンツだけを穿き直すとそのまま眠ってしまった。

「あら?今の周平くんの声よね?何かしら?」
「ああ、ゲームでしょ。こないだも『セーブしてないのにー』とか叫んでたから」
「そうなの……ところで、さっきから何見てるの?またネット動画の隠しカメラもの?」
「ええ。今日のは特に傑作よ」
「ふうん……どんなの?」
「『姉の友達を想像して一人エッチする弟』よ」

414411:2011/07/19(火) 17:25:18
↑までお願いします

415名無しさんが妄想します:2011/07/19(火) 22:18:13
>>411依頼完了!


依頼人心得
※代行さんはいつ来るか分かりません※
※投下タイミングは選べません※
(他の人の分割投下に割り込まないか、だけは最低限チェックしますが)

416411:2011/07/24(日) 10:25:27
>>415
心得ました
ありがとうございます

417名無しさんが妄想します:2011/08/05(金) 20:09:54
また代行をお願いします

書き込みたいスレ:■■男のオナニー小説■■
ttp://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1232090875/

名前欄:なし
メル欄:sage
備考:代行明記のこと

内容は↓です

418名無しさんが妄想します:2011/08/05(金) 20:10:23
美智子は、最近発見したとある動画サイト内サークルにハマっていた。
「あははははははは!何よこれ!」
映っていたのは、部屋でこっそりと芸能人の物真似をしていた男をビデオカメラで撮っていた映像。
やがて自分が見られていたどころか撮影されていることに気付いた男が、慌てて撮影者を咎めるところで動画は終わ
った。動画の説明文には、この動画が被写体である弟の同意を得てアップロードされたことが書いてある。
そのサークルには他にもこうしたドッキリ動画の類がいくつかアップロードしてあり、また同じような動画を求めて
いることが書いてあった。
「よーし……私も一つ作ってみるか」
こんな動画の被写体といえば、一人しかいない。
美智子は完成はしたものの使い途に困っていた隠しカメラを取り出し、弟が留守のうちに部屋に仕掛けその帰りを待
った。

それから、10分もしない頃。
行きつけのレンタルショップから帰ってきた周平は、興奮を隠せないまま部屋に入ってきた。
袋を開けて借りてきたDVDを取り出すと、裏面の具合を確かめる。多くの人に借り出されたようだが、見ると幸い
にして盤面が傷ついている様子はない。
「よかった、新品同様だ」
このDVDはある露出度の高い青年向けアニメの所謂『水着回』が収録されたDVDであり、周平はまめにレンタル
ショップに通いながら空くのを待っていた。
今日はその念願が叶い、ついに借りることが出来たのである。
周平は早速DVDをプレイヤーに入れ、興奮で乾いた喉を買ってきた缶ジュースで潤わせる。しかしそれでも、胸の
高鳴りは早くなるばかりであった。
今は10月。半裸になるには涼しい時期だったが、服を脱ぎシャツとパンツだけになって鑑賞を始めた周平。
そのまま5分くらい鑑賞を続けた頃、ついに目的のシーンが始まった。
「ああ……す、すごい……」
地上波放送でも充分際どかったシーンが、このDVDではさらに過激になってしまっている。息をさらに荒くした周
平は、既にトランクスをずり下げ性器を出して弄り始めていた。
すっ、すっ、すっ、すっ……。
右手で性器を扱き、左手でリモコンを操作して繰り返し再生をする周平。もちろん、ティッシュを手繰り寄せるのも
忘れていない。
ただ頭に無いのは、慌てて部屋に入ったために鍵をかけ忘れていることだけであった。

419名無しさんが妄想します:2011/08/05(金) 20:10:50
「周平……」
テレビの中の二次元水着美少女に欲情してオナニーを始める周平の姿を、美智子は半ば苦笑いで見つめていた。普段
は品行方正で勉強熱心な周平だが、すぐにHなことを考えてしまうのを美智子は知っているのだ。
実をいうと、弟の部屋に隠しカメラを仕掛けるのもそれによって弟のオナニーを目撃するのも初めてではない。この
隠しカメラを作った際に験しに弟の部屋に仕掛けてみたのだが、美智子はその時も弟のオナニーを見てしまっていた。
「まったくもう……そうだ!」
あの時の美智子は、弟のものとはいえ勃起した男性器を見るのは初めてだった。しかし今はネットを使う中で既に卑
猥な動画をいくつか見ているし、男は皆オナニーをするという性知識も得ている。
そんな余裕のある美智子は、先の動画のことを思い出しある悪戯心を起こしていた。

しゅっ、しゅっ、しゅっ、しゅっ……。
周平の息は荒くなり、擦る右手も線液で滑りきっている。いよいよ絶頂が近いことを悟り、左手はティッシュを摘み
出し準備万端となっていた。
そしてついに興奮が最高潮に達して爆発し、性器が大きく脈動したその瞬間。
「うっ!あああああ!」
「周平ー?」
「えっ!?」
唐突にドアが開き、美智子が入ってきた。
「ビデオ屋行ったの?『ていおん!』借りてきてくれた?」
「ああっ!ね、姉さ……!ああっ!」
慌てて立ち上がりパンツを履きなおそうとするが、亀頭をティッシュで押さえる左手は離せない。さらにはそうして
いる間にも性器が脈動を続け、出た精液がティッシュの隙間から垂れていく。
それに伴う快感も収まるはずがなく、美智子にかける声ももはや声になっていなかった。
「あっ!ああっ!な、何……うっ!」
「周平?どしたの?」
周平からしてみれば、とにかく精液が出ているところを見られる訳にはいかない。咄嗟の判断でティッシュをもう一
枚右手であてたが、それ故に両手で性器を押さえる不自然な形になってしまった。
そのまま射精もひと通り終わり周平が落ち着いた頃をわざわざ待って、美智子は内心で腹が捩れる程笑いながらあく
まで事情を飲み込めない風を装い再度声をかけた。
「もしかしてジュース溢した?タオル持ってこよっか?」
「い、いらないよ!薬塗ってただけだよ!てか、ノックぐらいしてよ!」
「薬?どっか怪我したの?見せてごらん」
「いいって!もう終わったから!」
薬などどこにもないし美智子くらいの年齢の者ならば誰でも判るあからさまな格好であったが、本当に心配している
風を装う美智子が本当は気付いている(まして隠しカメラで覗いていた)とは周平は思っていない。
ともかく周平はティッシュを捨てさっとパンツを履いてから、DVDを手渡し強引に美智子を部屋から押し出した。
「ありがと周平、じゃあそのDVDもあたしが返しておくわね」
「い、いいよ!自分で返すよ!」

420名無しさんが妄想します:2011/08/05(金) 20:11:13
部屋に戻った美智子は、DVDを放り出して早速カメラの映像を確認した。
映像には先に部屋に突入した際には見られなかった、射精の快感が動揺に変わる瞬間がばっちり映っている。もちろ
ん、それに続いて周平が必死に性器とそこから滴る精液を隠そうとしている所も。
美智子はこの素晴らしい映像をもっと大きな動画サイトにアップロードして世界中の皆で楽しみたい衝動に駆られ
る。この動画は美智子にとってそれくらい傑作なのだが、さすがに弟の恥を無断でネットに晒すわけにはいかない。
「投稿は……無理か」
それにしてもここまでタイミングが良かったとは、美智子にも思いも寄らぬところであった。これでティッシュが切
れて股間を隠し切れていなければ、アップロードはしないにしても世紀の映像として家宝にしていたことだろう。
ともあれ、いずれ友人の千夏に見せる機会があるかもしれない。
美智子はほくそ笑みながら動画の編集に取り掛かった。

421名無しさんが妄想します:2011/08/06(土) 18:44:59
>>417
代行を依頼する理由は?書き込み規制じゃないよね。

忍法帖トラブルで長文が投下できないなら相談スレや自治スレへ。
相談スレや自治スレへの代行もするよ

422名無しさんが妄想します:2011/08/07(日) 11:14:29
相談スレ自治スレってどこにありますか?

423名無しさんが妄想します:2011/08/07(日) 19:21:01
エロパロ板自治スレッド11
ttp://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1238791725/

■ エロパロ板総合雑談スレッド・4■
ttp://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1267329237/

424名無しさんが妄想します:2011/08/07(日) 19:22:53
すまん。 下は↓の間違いだった

Q&Aはここ!エロパロ板総合質問スレッド7
ttp://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1261999123/

425名無しさんが妄想します:2011/08/07(日) 22:04:10
>>417のご依頼は遂行してきました

426417:2011/08/08(月) 13:55:35
ありがとうございます

427名無しさんが妄想します:2011/09/09(金) 01:27:06
依頼お待ちしてますage!

428名無しさんが妄想します:2011/09/17(土) 00:05:30
投下直前で全鯖規制に巻き込まれました
二週間ほど待ちましたが、解除の見通しが全く立ちません
以下↓のスレに投下代行をお願いします

書き込みたいスレ:魔法少女まどか☆マギカでエロパロ4
ttp://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1313028261/

作品投下の前に、一レスだけ注意書きを入れます。

429名無しさんが妄想します:2011/09/17(土) 00:06:59
投下させていただきます。

・舞台はループ二週目、主人公はゴルフクラブ装備メガほむ(かってに改蔵特別編にも登場)
・ストーリーは田丸浩史の同人誌そのまんま。
・エロ無し、ただし若干下ネタにつき注意。

コブラネタが出てきますが、あくまでこの作品の舞台と登場人物はまどマギです。
クロスオーバーではございませんので、コブラが出てきて欝フラグクラッシュするという事はありません。

430宇宙冒険ほむらやん〜SPACE ADVENTURE HOMURA THE ANIMATION:2011/09/17(土) 00:07:42
 魔法少女となった暁美ほむらちゃんは、同じく魔法少女で中学校の先輩でもある巴マミさんの
リビングで、昨夜自分が見た夢の話をしていました。
 半ばは灰塵と化し、残る半ばも廃墟となりつつある見滝原の市街地。灰色の空に浮かぶのは、
人類史上未だ誰も目にしたことのない巨大で強力な歯車。
 史上最大の魔女・ワルプルギスの夜から見滝原を守るのは――
 左腕に銃を仕込んだ少女、暁美ほむらただ一人だけでした。
 ほむらは四角い乗り物を橋梁のアーチ上に走らせ、宙を駆けて乗り物を魔女に特攻させます。
 衝突寸前で乗り物から飛び降りるほむら。地に転がって着地の衝撃を緩和すると、すぐに立ち
上がって四角い乗り物を見上げます。
 予め乗り物に仕掛けておいた榴弾が、積載してあった数十トンもの燃料に引火誘爆します。
ビルのワンフロアを丸ごと焼き払う火力の、そのまた三十倍にも及ぶだろう強烈な大爆炎が、
巨大な魔女の全貌を飲み込みました。
 しかし直撃を受けたにも関わらず、巨大な魔女はびくともしません。
 あれほど頼りになる百戦錬磨の兵<<つはもの>>マミさんも、いかなる絶望的な状況でも決して
諦めなかった鹿目まどかもいない。
 彼女はたった一人。けれどほむらは歩みを止めることはできません。ほむらにとって、歩みを
止めることすなわち絶望なのです。
 ほむらの扱う武器は、火薬を用いたプリミティブなシロモノでした。やくざや自衛隊が好んで
用いる、要するに魔法少女でなくとも扱える普通の銃にすぎません。
 マミさんが召喚するマスケット銃や、まどかちゃんが繰り出す光の矢のように、強力な魔力を
宿しているわけでもない。一応魔女にも効く事は効きますが、効果の程はどうしても魔法少女の
武器には一歩及びません。まして先ほどの爆発に比べたら、ほむらの持つ銃など、文字通り豆鉄
砲程度の威力でしかありませんでした。
 とうていワルプルギスの夜にダメージを与えられるとは考えられない。それでも、
 ――左腕の銃は心で撃つのよ!
 決して心折れることなく、ほむらは左腕から取り出した銃身を空に向けるのでした。

431宇宙冒険ほむらやん〜SPACE ADVENTURE HOMURA THE ANIMATION:2011/09/17(土) 00:09:02
「――なるほどね」
 見滝原中学校の制服に身を包んだ巴マミさんは、気弱な三つ編み眼鏡娘と向き合ったままで、
ティーカップを口元に運びます。
 ほむらちゃんは自分の隣に座ったまどかちゃん同様、先輩の大人っぽくて優雅な動作に思わず
見惚れてしまっておりましたが、先輩が自分に微笑みかけていたことに気付くと、顔を真っ赤に
して俯きます。
「ほむらちゃん、顔を上げなよ。別にマミさん怒ってるわけじゃないから。ほらマミさんの作った
シフォンケーキ食べよう。おいしいよ」
「は、はい……」
 まどかちゃんのフォローを受けて、ほむらちゃんはフォークを手に再びマミさんと向き合いました。
 何かある度に目を背けようとするこの眼鏡っ子。引っ込み思案ゆえに一見従順なようでいて、
実はかなり警戒心が強くて扱い難いのがほむらちゃんの本質です。
 そういう娘と会話をするには、心を開いてもらうのが先決。まどかちゃんがそうしたように、
食べ物で釣ってほむらちゃんの警戒心を解くのも有効な手段です。
「おいしいね、ほむらちゃん」
「うん」
 隣のまどかちゃんを見つめ、笑顔を浮かべたほむらちゃん。緊張が解れた頃合いを見計らって、
マミさんが話を進めようとします。
「それで暁美さん、その夢のことなんだけど」
 ケーキを咀嚼しているところ、いきなり先輩から声をかけられたほむらちゃん。
 口の中身を慌てて飲み込もうとしてむせ返り、まどかちゃんが咄嗟に差しだしたティーカップを受け取ります。
 部屋の主であるマミさんの動作とは似ても似つかぬ、優雅さの欠片もない慌ただしい仕草で
紅茶の薫りを味わう暇もなく一気飲みして、ほむらちゃんはようやく落ち着きを取り戻しました。
「何でしょうか、巴さん」
「夢というのが、潜在意識の発露であることはよく聞いてるわよね?」
「せんざいいしきのはつろ、って何ですか?」
 マミさんは言葉づかいが難しすぎた、と一瞬の内に反省し、ほむらちゃんにも通じるように
易しい言い方に直しました。
「こんな人になりたい、こんなことがしたい。あるいはその逆に、こんな人になりたくない、
こんなことはしたくない。普段は意識しないものだけど、人間はいつも心のどこかでそんな事を
考えている生き物なの。暁美さんもそうでしょう?」
「……う、うん」
 ほむらちゃんは話に取り残されまいと思うあまり、つい敬語を忘れてしまいました。マミさんは
気にすることなく続けます。
「そういう考えがイメージをともなって現れたのが夢なの。だからね暁美さん。あなたの見た夢には、
暁美さん自身の願いが込められてるとも考えられるわけね」
「そんな、そんな事ないです。巴さんも鹿目さんもいない世界なんて、私そんなの……イヤです」
 まさか先輩たちを無意識の内に疎ましく思っている、などという誤解を受けたのだろうか。
マミさんは怒っているのだろうか。
 自分は決してそんな事を望んではいないのに。巴さんと鹿目さんと、ずっと一緒にいたいのに。
また先輩から目を背けた眼鏡っ子にフォローを入れるべく、まどかちゃんはほむらちゃんに呼び
かけました。
「でもその夢の中のほむらちゃんって、すごくかっこよかったんでしょ? つまりほむらちゃんは、
かっこよくなりたいんだよね?」
「え? そ、そういうこと、なのかな……」
 可愛らしくいじらしいものです。俯いて両手の人差し指どうしを叩く三つ編みの眼鏡っ子とは。
 ほむらちゃんは上目づかいの視線をまどかちゃんに送ります。自分に自信がないほむらちゃん
にとって、自信家であるまどかちゃんの後押しは何よりも必要とするものでした。
「そうだよほむらちゃん!せっかく『燃え上がれ〜!』って感じの素敵な名前なんだから、
ほむらちゃん自身がもっともっとかっこよくなっちゃえばいいんだよ!」
 かつて彼女の口から聞いた言葉が、ほむらちゃんの脳裏に蘇りました。
 一カ月後にワルプルギスの夜と戦い、そして命を落とした魔法少女まどか。その彼女が遺したのと
同じ言葉が、目の前のまどかちゃんの口を突いて出たのです。
 まどかちゃんを救うために契約した魔法少女ほむら、それが今のほむらちゃんなのです。
 鹿目まどかが死んでしまった世界をやり直すためにも、自分はかっこよくなりたい。

432宇宙冒険ほむらやん〜SPACE ADVENTURE HOMURA THE ANIMATION:2011/09/17(土) 00:09:28
――かっこよくなって、今度こそ鹿目さんを助けたい。

 小動物のように臆病な眼鏡っ子だったはずのほむらちゃんが、雛を捕食者から守るために闘う
親鳥のように鋭い眼差しで頷きます。
「うん、わたしかっこよくなる!巴さんみたいに、そして鹿目さん、あなたみたいに!」
「……そ、そうだね」
 まどかちゃんの両手を乱暴に掴むほむらちゃん。豹変したほむらちゃんの積極的な態度に戸惑
ったのか、まどかちゃんは少し身を引きました。
 そんな二人に割り込むように、マミさんが口を開きました。
「そうね。暁美さん、コブラって知ってる?」
 まるでたった今マミさんの存在を思い出したかのように、ほむらちゃんは慌ててまどかちゃんの
手を離しました。正座してマミさんと向き合います。
「コブラ、ですか?……毒蛇の?」
 マミさんは静かに首を振ります。
「古いマンガに出てきた宇宙海賊の名前よ。そのマンガが、暁美さんの語ってくれた夢の内容と
そっくりなの。空飛ぶ四角い乗り物とか、心で撃つ左腕の仕込み銃とか……」
「つまりほむらちゃんの理想の姿を追い求めると、その海賊コブラになるってことだよね。
そうでしょマミさん」
「え、その……」
 話の展開に違和感を覚えたのか、ほむらちゃんは反論を試みようと考えました。
 宇宙海賊コブラなんて、ほむらちゃんは今日この瞬間まで知りませんでした。コブラを読んだ
影響で左腕の銃夢を見た、などという事は決してありえません。
 しかし空飛ぶ四角い乗り物も、左腕に仕込んだ銃も、ほむらちゃんの夢に登場しています。
それらがコブラに登場した乗り物であり銃であったのはおそらく偶然の一致でしょうが、果たして
単なる偶然だとマミさんが素直に認めてくれるだろうか。
 考えが上手くまとまってくれません。
 頭の中でぐるぐる思考を回し続けるほむらちゃんを差し置いて、まどかちゃんは先輩へと身を
乗り出しました。
「マミさん、コブラってどんな奴なの?」
 マミさんは人差し指で自分の唇を触りながら、天を仰いで断片的な記憶を辿ります。
「えっと確か――左腕の仕込み銃でしょ、それから――あ、パートナーのレディって人がいたわ」
 まどかちゃんは魔法少女の設定を記したノートを開き、新しいページにマミさんがつぶやいた
キーワードを書きこみます。想像した姿を絵にしようと思ったところで、
マミさんがまどかちゃんを押し留めてノートを閉じました。
「実物を見た方が早いと思うの。私は今コブラのマンガを持っていないから、鹿目さんが調べて
描いてくれる?」
「わかったわマミさん。ほむらちゃんのこと、私に任せて!」
「あの……その……」
「ほむらちゃん、私がほむらちゃんをかっこよくしてあげるね! その海賊コブラみたいに!」
「あ……は、はい……」
 当事者であるほむらちゃんの意思を置き去りにしたまま、魔法少女たちの作戦会議(という
名目で催されたマミさんのお茶会)は終了しました。

433宇宙冒険ほむらやん〜SPACE ADVENTURE HOMURA THE ANIMATION:2011/09/17(土) 00:10:22
 翌日の夕刻。昨日の作戦会議と同時刻といったところでしょうか。
 二人の魔法少女が、ふたたびマミさんのマンションに集結しておりました。
 一人は当然のことながら、部屋の主であるマミさん。そしてもう一人は、ほむらちゃんでした。
 まどかちゃんは保健委員の会合があったため、残念ながら今日のほむらちゃんドレスアップ会
(もとい魔法少女の作戦会議)は欠席です。
 ――巴さんと差し向いでの着替え、か。
 ほむらちゃんは心ここにあらずといった様子で、小刻みに震え続けておりました。
 ほむらちゃんが心酔しているそのまどかちゃんが、さらに尊敬しているベテランの魔法少女。
加えて実生活でも、新しく通い出した見滝原中学の先輩でもあります。
 ただでさえ気安くは口を利きにくい相手なのに、二人のクッションとなってくれるはずだった
まどかちゃんは不在ときています。
 ほむらちゃんは只戸惑うばかり。
 マミさんに失礼のないように、マミさんの気分を害さないように、できれば怒らせないように。
 ほむらちゃんはマミさんの寝室に足を踏み入れてからも、そんな気弱なことばかり考えておりました。
「ねえ暁美さん」
「ひっ」
 マミさんに声を掛けられると、どうしても身じろぎしてしまうほむらちゃんでした。
 小心を通り越して卑屈ささえ感じられるほむらちゃんの態度に、マミさんは小さく溜息を吐きます。
「そろそろ私にも心を開いて欲しいところなんだけどね」
「……す、すみません」
「ほら謝らないの。謝るのは悪い事したときだけ。暁美さん、あなた何か悪い事したの?」
 首を勢いよく振って否定するほむらちゃん。心臓の病気でずっと入院していた引っ込み思案な
娘としては、十分に元気で強固な意思表示と見るべきでしょう。そんなほむらちゃんの態度に、
マミさんは頷きました。
「よし。じゃあ本題に入りましょうか」
 マミさんは通学カバンを床に置くと、中からノートを取り出します。その正体に気付くや否や、
ほむらちゃんの頬にほのかな紅が差しました。
 まどかちゃんが魔法少女の設定を書き込んだノート。
 念のため申しておきますが、決してポドリムス人が落したドリムノートではありません。
 閑話休題。
 ノートの一番真新しいページに、陽気でマッチョなオッサンのラフスケッチが、まどかちゃん
らしく可愛いタッチで描かれていました。
「かっこいい、のかな……どうなんでしょう巴さん?」
「うーん……」
 マミさんは少しばかり首を傾げて、
「でも小さい頃に見た海賊コブラと大体同じような気がする。これでいいんじゃない?」
「それにしてもすごく絵が上手ですね、鹿目さんって」
「そうよね。あの子私よりずっと絵心があるから、こういうのつい頼んじゃうのよ。絵の描ける
人って羨ましいわ。ねえ暁美さん、そう思わない?」
「はい、……私も羨ましいです」
 珍しく打ち解けた様子のほむらちゃんとマミさん。元々二人とも、まどかちゃんが大好きです。
ですからまどかちゃんの話題だと場が持つのですね。
 その場に居合わせずして仲介役を果たす辺り、さすがまどかちゃん。まさに面目躍如ですね。
「このノートを書いてきてくれた鹿目さんのためにも、頑張ってコブラを目指しましょう、ね。
暁美さん」
「は、はい!」
 マミさんから改めて言われるまでもなく、ほむらちゃんは目を皿にして、まどかちゃんの研究
成果を目に焼き付けます。
 中でも彼女の注意を引いたのは、まどかちゃんが書き記したコブラとしての必須条件でした。
『これを忘れちゃダメ!コブラじゃなくなっちゃうよ!』と一際大きく書かれた赤のサインペン
文字の下に列挙されています。
 少し読んでみましょう。

・左腕のサイコガン。
・パートナーのアーマロイド・レディ。
・ピッチリとした全身タイツ。
・トレードマークの咥え葉巻。

434宇宙冒険ほむらやん〜SPACE ADVENTURE HOMURA THE ANIMATION:2011/09/17(土) 00:11:42
「つまりこの四点を抑えれば、完璧なコブラになれるって訳ね」
マミさんの説明口調に、ほむらちゃんは力強く頷きました。
「じゃあさっそくサイコガンを!」
「慌てないの。まず銃なんてどこで手に入れるのよ?」
 日頃からマスケット銃を乱射しているとは思えない、マミさんにしてはえらく常識的な意見を前に、
ほむらちゃんは返答に窮しました。
「えっと、やくざさんに貸してもらうとか……」
 心臓病で長い間入院していた引っ込み思案な娘にしては、えらく斜め上にぶっ飛んだ発想です。
さすがのマミさんもこれは慌てて止めました。
「ダメダメ!それは暁美さんが危険な目に遭いすぎるでしょう?」
「じゃあ、巴さんの銃を……」
「せっかく仕込み武器として使うのに、単発銃じゃ使い勝手が悪すぎるでしょう?」
 マミさんはそういいますが、仕込み銃の本質は不意打ち狙いの一撃必殺にあります。ですから
たとえ単発式でも十分強力だとは思われます。
 とはいえ仕込み銃が単発式では、コブラっぽさが微妙に足りなくなってしまうのは事実でした。
単発銃ではサイコガンの連射性能には遠く及びません。
 何か方法はないものか。マミさんは伏し目がちな三つ編み眼鏡っ子にアイデアを出してみます。
「暁美さんの魔法で銃を召喚できないの? あるいはロックバスターとか空気砲みたいな魔法は
使えないの?」
「それは……」
 魔法少女とはいえ、ほむらちゃんは時間を止めることしかできません。マミさんのような回復
魔法も、まどかちゃんのような攻撃魔法も使えないのです。
 それはほむらちゃんの能力を確かめた時にマミさんも知ったはずの事実でした。最初の契約内
容で魔法の性質が決まる以上、今更ほむらちゃんの魔法の性質を変えることなどできません。
 打つ手無し。重い空気が流れたのを感じ取り、マミさんは疲れをほむらちゃんに見せないよう
わざと明るい声で宣言しました。
「少し考える時間が必要ね、お互いに。暁美さん、私お茶を淹れてくるわ」
「……すみません」
「ほらまた謝った。悪いことしてないんだから、謝る必要なんてないのよ。こういう時はどう言
えばいいのかしら?」
「あ……ありがとうございます」
「よろしい。よくできました」
 マミさんはそう言い残してキッチンへ向かい、寝室にはほむらちゃんが一人取り残されました。

 ほむらちゃんがその物体に気付いたのは、まったくの偶然でした。
 マミさんの寝室でひとり、まどかちゃんのノートを一文字一文字舐め取るように熟読していた
のですが、コブラっぽくなれそうなヒントは何一つ見つけることができませんでした。
 半ば諦め気味にノートから顔を上げたその時、マミさんのベッドの枕元にそれが置いてあった
のを見てしまったのです。
 すぐさま駆け寄って、ほむらちゃんはその奇妙な物体を手に取りました。
 ピンク色で少し変わった形状をした、プラスティックの円筒です。ほむらちゃんが見たことも
ないような、けれどどこか既視感を覚えるような細工が施してあります。
「……マツタケ? それともハニワかな?」
 ほむらちゃんは棒の全体を三百六十度俯瞰して、その特殊な棒を左手に握ってみました。
 全体的な形状は、隻腕のハニワに近いかもしれません。けど頭にマツタケのような笠を被った
ハニワなんて実在したのでしょうか。
 仮にこの棒がハニワではなくマツタケを模したものだとしても、こんな左右非対称な形状をした
マツタケなんてあるのでしょうか。それになぜ、根元にも小さなマツタケが生えているのでしょう。
 いずれにしても、ほむらちゃんはこのピンクの棒の正体を知りませんでした。棒の用途も皆目
見当が付きません。
 さらによく調べてみると、棒の根元付近にスイッチと思しき突起が見つかりました。
 ほむらちゃんは突き動かされるものを感じて、スイッチをオンに切り替えてみます。

435宇宙冒険ほむらやん〜SPACE ADVENTURE HOMURA THE ANIMATION:2011/09/17(土) 00:12:35
 ピンクの棒が不規則にうねる様は、隻腕のハニワが首を振って踊っているようにしか喩えようが
ありませんでした。
 ――なんなの?! ホントに一体なんなの、この棒は?!
 三つ編みの頭を掻き毟って苦悩します。
 なぜこんな棒がマミさんの寝室に置いてあったのか、どう頭を働かせてもほむらちゃんはその
理由を想像できません。
 その時ほむらちゃんは、変な棒を左手に持っている自分の鏡像を偶然見てしまいました。
 ――左手のサイコガン。
 そうです。
 本来ほむらちゃんがこの部屋に足を踏み入れたのは、コブラっぽさを追求するためなのです。
決して変な棒が存在する理由やその用途について悩むためではありません。むしろ変な棒だって、
コブラっぽくなるために利用してやればいい。
 眼鏡の奥で、ほむらちゃんの固い決意が光ります。
 ほむらちゃんは全身鏡の前で、まどかちゃんのラフ画をまねるように、サイコガンで天を撃つ
コブラのポーズを取ってみました。
 意外としっくり来るような気がしました。謎多き棒の正体も、本当に弾が撃てるかどうかも、
コブラっぽく見えるかどうかに比べれば些細な問題です。
 ではもう一度。
 こんどは仁王立ちの姿勢から左手の棒をを真正面に突き出し、右手で左前腕を支えつつ、
宇宙戦艦や惑星クラスの巨大な的を狙い撃つコブラのポーズを取って……

「暁美さん、お茶が入ったからリビングにいらっしゃ…」
 寝室のドアを開けたマミさんの視界に、決して他人が触れてはならない道具を左手に構えた、
三つ編み眼鏡な下級生の姿が飛び込みました。
 マミさんが血相を変えてほむらちゃんに駆け寄り、左手の棒を取り上げようとします。
「暁美さん! これどこで見つけたの?!」
 いつになく取り乱したマミさんの見幕にほむらちゃんは怯え、手に持った棒を絶対に離すまいと
握り締めたまま、心ここに在らずといった様子で答えます。
「え……そ、その、ベッドの枕元に……」
「枕の下を探したの?!」
「ちがいます巴さん! 枕元にこれが置いてあったのが見えたんです!」
「……!!」
 自分の失態を認め、マミさんは素早くほむらちゃんを離します。
 体調不良のままフルマラソンを走り終えたランナーのように膝を着き、荒げた息を整えるマミさん。
ほむらちゃんは恐る恐る尋ねました。
「あの、巴さん? この棒って何に使う道具なんですか?」
 顔を上げたマミさんの瞳に映るのは、あどけない顔立ちの眼鏡っ子が見下ろす無垢な眼差し。
ほむらちゃんが何も知らない事を、マミさんは瞳の光から理解しました。
「それはね暁美さん、どうしようもなく寂しい夜に使う道具なの。寂しくて切なくて狂いそうな夜は、
それを使って心とカラダを鎮めるのよ」
 マミさんはいつにも増してお姉さんぶった、したり顔で説明します。
 ほむらちゃんは先輩が頬を赤らめているのに気付いたものの、その理由は解りませんでした。
「巴さんでも寂しくなることがあるんですか? いつも鹿目さんと一緒に行動してるのに?」
「そういうのとはちょっと違うんだけど……」
 マミさんは顔を赤らめたまま、答えにくそうに目を逸らしました。

436宇宙冒険ほむらやん〜SPACE ADVENTURE HOMURA THE ANIMATION:2011/09/17(土) 00:13:31
 これは珍しい。
 相手と目を合わせられずに伏してしまうのは、本来ほむらちゃんの専売特許であるはずなのに。
いつも自信に満ち溢れたマミさんが、ほむらちゃんみたいに相手の顔色を伺う態度を取るなんて。
「まあいいわ。暁美さんも女の子だから、いつか解る日が来るから」
「今じゃダメなんですか? それにこの棒って、どう使えば寂しさを鎮められるんですか?」
「女の子ならいつか解る日が来るからっ!!」
 質問に一切答えず強引に話を切り上げるマミさんの見幕に、ほむらちゃんは怖気づいてそれ以上
話を続けることができませんでした。
「暁美さん、ちょっとさっきの構えを取ってみてくれる?」
 ほむらちゃんは怯えた目で無言のまま頷きます。ではもう一度。
 仁王立ちの姿勢から左手の棒を真正面に突き出し、右手で左前腕を支えつつ、宇宙戦艦や惑星
クラスの巨大な的を狙い撃つコブラのポーズ。
 やたら素早く首肯するマミさんのアピールが、非常にわざとらしく大げさに見えたのですが、
ほむらちゃんはその事を指摘しませんでした。
「今のポーズ、とてもコブラっぽく見えて良かったわ。これでサイコガンの問題は解決したから、
次はパートナーのアーマロイド・レディね」
 強引に話をまとめ上げると、マミさんは黄色いソウルジェムを取り出して何やら祈ります。
魔法を使ってマミさんが呼び出した道具は、果たして――

 ヘルメットにも似た、真黒なフルフェイスのマスクでした。
「ウォーズマンのマスクじゃないですか! どうして巴さんがそんなモノを持ってるんですか?」
 コブラを知らないのにウォーズマンを知っている辺り、ほむらちゃんの知識も偏っております。
どこでキン肉マン読んだんだ。
「これはね、いざって時に頭を守るための防具よ。頭は大事にしなきゃ、ね?」
 その後マミさんが辿るだろう運命を思うと、シャレにもならないセリフです。が、今は敢えて
突っ込まないでおきましょう。
「ウォーズマンのマスクを被ったぐらいで、アーマロイド・レディになれるのかな……?」
 当然の疑問を呟いたほむらちゃんですが、
「しゃらっぷ!!」
「ひぃっ!!」
 ほむらちゃんは黄色いリボンでムチ打たれました。
 ウォーズマンマスクを被ったマミさんが鬼コーチよろしく、しなを作って床に倒れて涙ぐんだ
ほむらちゃんを叱責します。
「たとえマスクがレディじゃなくてウォーズマンでも、気の持ちようでいくらでもコブラになれ
るのよ! 暁美さん、じゃなくてコブラ!」
「は、はい! 巴さん!」
 再びマミさんが黄色いリボンでほむらちゃんを打ちます。ウォーズマンというよりロビンマスクだな。
「今の私は巴マミじゃないわ。コブラのパートナー、アーマロイド・マミィよ」
 コーホー。
 マミさん、もといマミィはマスクに内蔵された変声器を通して、機械じみた呼吸音を発します。
 コーホー。
「さあ暁美さん」
「コブラ、ですけど?」
「……もといコブラ、これでパートナーの問題は解決したわ」
「その、私、できればパートナーは鹿目さんがいいです」
 オドオドしながらも図々しいほむらちゃんを、黄色いリボンが再びムチ打ちました。
「パートナーの問題は解決したわコブラ。次はピッチリとした全身タイツの番ね」
 マミさん、もといマミィはすっかりコブラの世界に入り込んでしまったようです。
 それにしてもマミィの呼吸が苦しそうです。ウォーズマンのマスクなんか被ってたら、普通は
窒息して死んでしまいます。
 マミィの思考がどこか狂いはじめているのは、ひょっとして既に彼女が酸素欠乏症に罹患して
いるからでしょうか。

437宇宙冒険ほむらやん〜SPACE ADVENTURE HOMURA THE ANIMATION:2011/09/17(土) 00:14:52
 二人で協力してマミさんのクローゼットを探し回っても、ほむらちゃんの体形に合うサイズの
全身タイツなんてありませんでした。
 さにあらん。ほむらちゃんにとってピッチリとしたサイズの服なんて、マミさんが着ることは
できません。特に胸周りが小さすぎて。
 着られない服など元々持っているはずがない。そんな物をマミさんの部屋で探すのが間違って
いたのです。
「暁美さん!」
「は、はい!」
 マミさんのおかしなテンションを前に、ほむらちゃんは「今の私はコブラじゃないんですか?」
と突っ込みを入れるのも忘れてしまっておりました。
「全身タイツは仕方ないにしても、何かピッチリした服は持ってないの?」
「ま、前の学校で使ってた水着とかじゃダメですか?」
「それよ!今すぐ着替えなさい! ああピッチリしてるわ、これで全身タイツの問題も解決よね、
次は葉巻だけど……」
「あの、巴さん。私たち中学生だから、葉巻はダメなんじゃ……」
「葉巻の代わりに咥えるものぐらいあるでしょう! そうよ、これだったらイケるんじゃない?」
「そんな! ねえ巴さん、ロッキーとかうんまい棒とかじゃ咥えちゃダメなんですか?!」
「ダメよ! ロッキーじゃ細すぎるし、うんまい棒みたいなジャンクフードは体に良くないわ!
だいたい咥えロッキーだなんて、隣町のあの娘とキャラが被るじゃない!」
「だからって、だからってそんなモノを口に咥えるなんて……ほむぅ?!」

 こうして、ほむらちゃん改造計画は一応完了しました。
 それでは気弱だった三つ編み眼鏡っ子が、どれほど宇宙海賊コブラに近づいたのか。
 ひとつひとつコブラらしい要素を検証してみましょう。

・左腕のサイコガン――のつもりで持った、用途不明なピンク色の棒。
・パートナーのアーマロイド・レディ――っぽくウォーズマンマスクを被ったマミさん。
・ピッチリとした全身タイツ――は無かったので、代わりに前の学校のスクール水着。
・咥え葉巻――は犯罪なので、代わりに咥えたのは脱ぎたてのほむらちゃんパンツ。

 完璧です。
 まどかちゃんが調べてくれた情報を完璧に再現したはずなのです。
 なのに鏡に映った二人の姿を見ていると、自分たちが致命的な間違いを幾つも犯しているかの
ように思えてくるではありませんか。
 二人の異様な格好が醸し出すイヤな空気が、寝室の壁や床を鳴らします。
 地響きにも似た不気味な重低音が、一帯を支配しているような気がします。
 煉獄ほどに重苦しい空気の中、ほむらちゃんもマミさんも一瞬言葉を失ってしまいました。

「と、巴さぁん……」
 パンツを咥えたスクール水着姿のほむらちゃんが、泣きそうな目でマミさんに助けを求めます。
ウォーズマンマスクに隠れて、マミさんがどんな表情を浮かべているのかは伺い知れません。
ですがマミさんが平静を失っていることだけは、ほむらちゃんにも察することができました。
「決めゼリフよ暁美さん! かっこいいセリフが決まれば、少しはコブラっぽくなるかも!」
 動揺のあまりすっかりマミィのキャラクターも忘れたマミさんが、上ずった声で助言します。
「『銃を向けられるたびに五セントもらっていたら、今頃大金持ちだぜ』みたいなセリフですね?
わかりました!」
 ほむらちゃんはマミさんに同意して、まどかちゃんのノートを拾い上げました。
 書き込みの一つに、コブラがここ一番の名場面で使った決めゼリフが色々と並んであります。
それら決めゼリフを纏めた項目に、まどかちゃんの似顔絵がアドバイスを付け加えておりました。
『とにかく短くてわかりやすいセリフが肝心! ちょっと相手をからかってみること!』と。

 ――鹿目さん、私がんばる!最後まであきらめない!
 
 ほむらちゃんは決意を込めた視線をマミさんに送り、鏡の前に立ちます。
 目に映るのは、パンツを咥えたスクール水着姿の貧相な眼鏡っ娘。
 短くて解りやすいセリフで、ほむらちゃんは鏡の中の小娘をコブラっぽくからかってみます。

438宇宙冒険ほむらやん〜SPACE ADVENTURE HOMURA THE ANIMATION:2011/09/17(土) 00:15:36
「ヒューッ! 奴の胸を見ろよ、まるでまな板だぜ?!」

 ……自分はなんてバカな娘なんだろう。
 ほむらちゃんはガックリと膝を着いて床に目を落しました。眼鏡のレンズに熱い涙が滴り落ち、
分厚いレンズを内側から汚します。
 やはり駄目なものは何をやっても駄目でした。
 ほむらちゃんもマミさんも――途中からは主にマミさんが――頑張って近づこうとしたのに、
 やればやるほどコブラから遠のいてしまっているように思えてきます。
 これではかっこいい宇宙海賊どころか、ただの変態さんです。ただの変態さんならまだしも、
さらにまな板ときたものです。
 少女たちの努力は報われませんでした。世界はなんと理不尽で残酷なのでしょう。
 魔法少女としての務めを一生懸命果たそうと努力を重ねるほど、世間の基準でいう非行少女に
いっそう近づいてしまうぐらい理不尽な話です。
 そんな悲しい不条理な世界が、あっていいものでしょうか……

 重苦しくイヤな空気を切り裂いて、聞き覚えのある元気で明るい声が寝室に届きました。
「マミさ〜ん、ほむらちゃ〜ん。ごめんね委員会が遅くなっちゃって。どう? ほむらちゃんは
コブラっぽくなったかな?」
 寝室のドアを開けたまどかちゃんは、中を覗いた途端に凍りついてしまいました。
 なぜってそこにいたのは、かっこよくサイコガンを構えた宇宙海賊コブラではなくて……

「どうして、どうしてなの?ほむらちゃんがそんなモノを持ってるなんて……」
「鹿目……さん?」
 顔から血の気が失せたまどかちゃん。ほむらちゃんは彼女の異変を察して、何があったのかと
問いかけました。
「そのピンクのおちんちんみたいな形の棒、あたしさやかちゃんの部屋で見たよ。さやかちゃんが
持ってたのと色も形も一緒……」
「え?」「え?」
 ほむらちゃんとマミさんが、ほぼ同時に驚きの声を上げました。
 ほむらちゃんは手にした棒の正体に。マミさんは、顔立ちも体形も幼い後輩がこの棒について
『すべてを知っていた』という事実に。
 もちろんほむらちゃんもマミさんも、相手が驚いた理由まで気が回りません。
 それだけまどかちゃんの指摘に戸惑っていたのです。
 動揺していたのは、まどかちゃんも同じでした。自分が幼馴染の重大な秘密をしれっと暴露
してしまった事にも気付いていません。
「ねえほむらちゃん、ほむらちゃんはそれ全部入っちゃうの? ずっぽり奥まで入っちゃうの?」
 まどかちゃんが何を言っているのか、ほむらちゃんには全く理解できません。
「さやかちゃんだって、中に入れるのはまだ怖いからイヤって言ってたのに……だから使う時は
先っぽだけだって言ってたのに……」
 理解できないがゆえに、まどかちゃんの問いを肯定することも否定することもできません。
 ほむらちゃんはただオロオロと狼狽するばかり。そんなほむらちゃんの態度が、彼女の意に反
して間違ったメッセージをまどかちゃんに送ってしまいます。
 沈黙を肯定と受け取ってしまったまどかちゃんは、
「そんな……やっぱりほむらちゃん、そんな太いのが全部入っちゃうんだ!そうなんだ!
しかもする時は水着で、パンツ咥えて……ほむらちゃんいつもそうやってるんだ……」
 真っ青な顔に血色が戻ってくるや、まどかちゃんの瞳がうるうると涙を湛えてゆき、

「ほむらちゃんの特殊性癖―――――――――――――!!」

 泣きながら駆け去ってゆくまどかちゃんを追いかけて、
「違うの、違うの鹿目さん! この格好はコブラの……」
 スクール水着姿のまま、左手にピンクの棒を持ち、口元のパンツを風にたなびかせて駆け出した
ほむらちゃんを追って、
「待ちなさい暁美さん!それに鹿目さん!」
 ウォーズマンのマスクを被ったまま、マミさんが玄関を飛び出します。
「ほむらちゃんが、ほむらちゃんが、あんな変態さんだったなんて……!」
「まって鹿目さん! 違うの! 私はただ、コブラみたいにかっこよくなりたかっただけなの!」
「暁美さん待ちなさい! そんな格好を誰かに見られたら、明日から学校に通えなくなるわよ!」
 夕陽を背景に川辺を全力疾走する三人娘のシルエットが、ふたむかし以上前に放送された古臭い
青春ドラマのような、昭和の香りを漂わせておりました。

439宇宙冒険ほむらやん〜SPACE ADVENTURE HOMURA THE ANIMATION:2011/09/17(土) 00:16:00
 ところで、今回はキュゥべえの出番が全然なかったような気がするのですが。
 キュゥべえさんあんた何してたの?
「知るかバカ! そんな事より契約だ!」

<<終>>

440429:2011/09/17(土) 00:17:58
以上まで投下をお願いいたします。
なお当方のミスで一部のレスをageてしまいましたが、代理の際は全てsageでお願いします。

441名無しさんが妄想します:2011/09/19(月) 18:24:05
>>428いってくる、投下完了までしばらくお待ちください

442名無しさんが妄想します:2011/09/19(月) 18:34:10
終了しました。
名前欄を短く&レスの通し番号書いてくれるともっとよかった

443429:2011/09/19(月) 18:58:03
ありがとうございました

レスの通し番号にはいつも悩まされます
行数や容量は計算しているはずなのですが、
実際に投下してみるとerrorを頻発させて結局前後してしまうので

444名無しさんが妄想します:2011/11/06(日) 20:54:43
代行をお願いします

書き込みたいスレ:エロパロ板自治スレッド11
ttp://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1238791725/

名前欄:書き込み代行依頼
メル欄:age
本文は以下の通りです。

>>491の件は↓絡みで、荒らしを拒むなら、
自治スレで審議してBBS_NINJA=checkedを入れろってことを言ってるみたいだな

ttp://qb5.2ch.net/test/read.cgi/sec2chd/1318664715/431
> 431 名前: ◆G3E3Ee8IMBFg-隠居♪ [] 投稿日:2011/10/19(水) 14:03:42.38 ID:rtn7HsDb0
> >>414
> ふむ、
>
> 誰かがやってしまうとみんなお客さんになっちゃうから
> 自分の居場所は自分で面倒見るにしたいから
> それを拒む板、受け入れる板いろいろあっていいと思う
> そして最終的にその人が行き着く板が決まるんだと思う
> 私はそうしたい。
>
> BBS_NINJAの値をそれぞれの板で決めろと、
> chekedでもnashiでもご自由にネ
> それぞれどうなるかは十分みたはずー

ttp://qb5.2ch.net/test/read.cgi/sec2chd/1318664715/972
> 972 名前: ◆G3E3Ee8IMBFg-隠居♪ [] 投稿日:2011/11/04(金) 13:48:37.71 ID:J4eSjgSn0
> BBS_NINJAの設定がないところは BBS_NINJA=nashiとbbs.cgiで読み替えるかな、
> 設定の無い板がcheckedを導入するわけでもなく只報告するだけでいまいちだから、
> つまり設定の無い板も報告禁止。

445名無しさんが妄想します:2011/11/06(日) 21:16:07
やたらと塵スレが多いんでageますね

446名無しさんが妄想します:2011/11/07(月) 02:13:55
行って来ました。名前欄は勝手に変えておいたけどいいよね?

447444:2011/11/07(月) 19:15:55
>446
確認しました。 お疲れ様&Thxなのです

448名無しさんが妄想します:2011/12/27(火) 14:50:53
依頼受付中!

449名無しさんが妄想します:2012/06/01(金) 12:23:38
誰かいらっしゃいますか……?

450おっちゃん牛乳 ◆2nkMiLkTeA:2012/06/01(金) 15:03:15
以下のSSを代行していただけるかたがいらっしゃれば、
よろしくお願いします

【投下したいスレのスレタイ】
女の子に催眠、洗脳されてしまうスレ3
【投下したいスレのURL】
ttp://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1334150545/

SSは以下になります

451犬と彼の十の約束 ◆2nkMiLkTeA:2012/06/01(金) 15:04:58
「犬とわたし、どっちが大事なの?」
 それは、自分からしてみれば、突拍子もない質問だった。
 しかし相手は、不意に呼び出した用事として、それは適当だと疑い無い仏頂面でこちらを見ている。様子から、相当頭に来ているようだというのは、簡単に見てとれた。
「そんなの」
 どう答えればいいだろうか。いや、彼女がどう言って欲しいかは分かっている。つまりは撿撿
『そんなの、もちろん君じゃないか』
 そういうことだろう。これを言えば、彼女の溜飲をちょっとは下げられるだろう……しかし彼は、正直に答えた。
「そんなの、どっちも大事に決まってるじゃないか」
 訂正したい。正直ではなかった。
 確かにどっちも大事だが、本当は、6対4撿撿いや、7対3くらいで愛犬のほうが大事だ。
 目の前の彼女と違い、犬の方はもう一緒に暮らしている家族なのだ。仕方がない。
 でも、それを本当に正直に言えば、まあ、彼女との関係が終わるのは目に見えている。
 しかし、彼女は、その少々嘘の入った答えにさえ不満があるようで、仏頂面を更に険しくさせていた。尚も抗弁する。徒労感を感じつつも。
「アイは家族なんだ。君だって大切だけど、どっちがなんて言えないよ」
「だからって、犬のためにわたしとの約束を破るなんて」
 拗ねている。そういった声だ。これならまあ、まだ弁解の余地はある。
「それは謝るよ。でも、言っただろう?アイの具合が急に悪くなったんだ。アイはもう14歳だし、心配で」
 14歳。犬の年齢で言えば、そろそろ寿命と言っていいのだ。愛犬のアイは、普段はそうとは思えないくらい元気いっぱいだけど、やはり具合が悪ければ心配はひとしおだった。
「それは分かるけど……」

452犬と彼の十の約束 ◆2nkMiLkTeA:2012/06/01(金) 15:05:32
 糸口が見えた。弁解の。彼女だって鬼ではないのだから、正当な理由があれば、怒りきれないはずだ。
「おかげでアイの具合もよくなったし、埋め合わせはするからさ」
「……」
 ついに、彼女は黙った。もう一押しだろう。
「……でも、あなたはいつだってそうじゃない。アイ、アイって……犬のためにお泊まりも、夜遅くもダメで……部屋に遊びにも行っちゃダメなんて」
「それは」
 彼女の主張は、分からなくはない。でも、
「それは、最初に言ってあっただろう?アイは大事な家族で、僕は独り暮らしだし、面倒は僕が見るしかないって」
 彼女も、最初はそれでいいって言ってくれたのに。
「アイは人見知りが激しいから、友達や、ペットホテルに預けるなんてこともできないし、しょうがないじゃないか。犬は、僕があげなきゃご飯だって用意できないんだから」
「そりゃ……そうだけど」
 未練がましく、彼女は続けてきた。でも、もはや最初の勢いも、仏頂面も保っていない。
「せめて、あなたの部屋に行くことくらい」
「それはまあ、おいおいね」
 それも、彼女と将来を考える段階が来れば、避けては通れない道だが、彼女とはまだそこまでの関係ではない。
「じゃあ、話は終わりでいいかな?さっき言った通り、埋め合わせはするよ」
「じ、じゃあ!この後」
「ごめん」
 そう言って、彼は立ち上がった。
「もう門限間近だ。アイのご飯があるから」
 じゃあ、ばいばいと手を振って、伝票を持ってレジに向かう。それを見送る彼女の、捨てられた犬のような表情は、彼の目には入らなかった。

453犬と彼の十の約束 ◆2nkMiLkTeA:2012/06/01(金) 15:05:58
◆◇◆◇◆

 扉を開ける瞬間、身構える。予想通りの衝撃を、今日もなんとか抱き止めて、ぶつかってきたものの頭を撫でた。
(本当は、ここで撫でるのはよくないんだけどね)
 撫でるということは、褒めることになる。この、『お出迎え』を容認したことに。
 それでもいつも撫でてしまう。だって、可愛いんだもの。
「ただいま、アイ」
 声かけられたアイは、まっすぐこっちに顔を向けて、嬉しそうに舌を出して息を荒くしている。前足は彼の胸に添えられて後ろ足で立っている。アイは断尾しているので尻尾はないが、あれば物凄い勢いで振っていることだろう。
 アイはその体勢から、さらにつま先立ちになり、彼の顔に口を届かせると、思いきり唇と唇を合わせてきた。最初は何度も唇を押し付けるだけだったが、ついには舌を彼の口内に侵入させた。
 彼もそれに素直に応え、アイとのキスを楽しんだ。それを終えるまで数分かかった。
「……ふぅ、落ち着いた?」
 彼の言葉を聞いているのかいないのか、今はもう、彼に寄りかからずに“一人で立った”アイは、まだまっすぐ彼のことを見ていた。
「まったく、アイのせいで帰ったらいつも顔を洗わなきゃいけないじゃないか」
 毎日、よく飽きもせず、自分の顔を涎まみれにできるものだ。
 まあでも、ここまで純粋な親愛の表現をされて、悪い気はしない。彼が犬を好きなのは、人間と違って、犬は嘘をつかないからだ。
 彼が洗面所に向かうと、アイはとことこついてくる。甘えんぼのアイは、家の中で彼から離れることはない撿撿トイレにもついてきて待たれるのは、正直止めてほしいけど。
 洗面所で顔と手を洗い、ついでに少し湿らせたタオルでアイの顔も拭いてやる。アイも既になれたもので、嫌がるそぶりもなかった。
 その後、彼は晩飯の準備を始めた。アイもキッチンの中で待機している。
 犬を料理場にいれるなんて、と思う人もいるかもしれないが、アイはほとんど毛がない種類だし撿撿その為、服を着せるようにしている。昔は犬に服なんてとも思っていたが、実際に愛犬に着せてみると、確かに可愛いし、最近はお洒落をさせる楽しみに目覚めてしまった撿撿、その少し生えている毛もそれほど抜けないので、彼は気にしなかった。
 それになんとアイは撿撿彼女には犬は自分でご飯の準備をできないと言ったが撿撿、賢いので料理の手伝いもできるので、むしろキッチンにいてくれたほうがいい。
「お皿取って。カレーのお皿ね」
 言われてアイは、間違えることなく、いつもカレーを盛り付けるお皿を二つとった。このくらいアイにはできて普通なのだ。

 その後もアイに手伝ってもらって、夕御飯はすぐにできた。持つべきものは賢い愛犬だ。
 彼は正直、これなら恋人もいらないのではないかと思った。
 アイは賢いので、人間とほぼ変わらないくらい家事ができるし、人間と違って素直で、彼を裏切ることなんてありえないのだから。
「じゃあ、食べようか」
 彼がそういうと、アイも彼と同じ食卓に腰かけた。
「いただきます」
「いただきます」
 アイは滅多に鳴かないけれど、たまに聞くその声はとてもかわいい。彼はカレーを食べ始めたアイを見ながらそう思った。

454犬と彼の十の約束 ◆2nkMiLkTeA:2012/06/01(金) 15:11:53
以上です。短編のエロ無しですが、よろしくお願いします。

455名無しさんが妄想します:2012/06/01(金) 19:28:38
いってきます、終了までしばらくお待ち下さい

456455:2012/06/01(金) 19:45:55
終了。長すぎてエラーになる行のみ勝手に改行しときました。
ttp://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1334150545/254-256

457おっちゃん牛乳 ◆2nkMiLkTeA:2012/06/01(金) 20:03:41
>>456
ありがとうございます。
確認致しました。助かりました。

458名無しさんが妄想します:2012/08/22(水) 06:18:43
SSの代行をお願いします。

【スレッド名】不気味なモノに寄生されて虜になる娘!!Part17
【スレッドのURL】ttp://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1329626386/

名前欄は各レスの名前欄に準じ、メール欄は全てsageでお願いします。
お手数をおかけしますが、本当に申し訳ありません。
注意書きが一レス、そのあとが文章です。
これより以下となります。

459五行戦隊:2012/08/22(水) 06:19:35
五行戦隊 第五話
『寄生化スーツ』

悪堕ち寄生モノ第五話です。
以下投下開始。

460五行戦隊 第五話『寄生化スーツ』(1/20):2012/08/22(水) 06:20:29

睦美は蔓を素手で掴んだ。
触肉の先端部は瞬時に石化し、ぼりぼり音を立てて握り潰される。
石化がほかの部位へ伝染し始めると、トカゲの尻尾のように蔓が断ち切り、
翠のところへ戻ってその右腕に巻きつく。

触手の残骸を握ったまま、睦美は翠を見つめる。
学校で別れた時と比べ、少女の様子は随分と変わった。

触手化したコスチュームは、かつてのデザインをもとに大胆なアレンジが施されていた。
胸の谷間や背肌は露出し、匂い立つような色香が伝わってくる。
足の付け根は過激にカットされて、むっちりとした尻肉や太ももを見せ付ける。
体を覆う肉布の隙間からところどころ蜜液が溢れ、いやらしい連想をさせる。

もともと端正な顔立ちも、今では常時欲情しているかのように赤く染め、
異性を誘惑するような息を吐露する。
羞恥なのか快楽なのか、彼女の全身がビクビクと震えていた。
それが潤んだ瞳や切ない表情と合わさって、見る者の嗜虐心を刺激する。

更に異様なのは、彼女の服だった。
植物の蔓のような触手が布地のように繋ぎ止め、
肉付きの良い体を足のつま先までぴっちり包む。
繋ぎ目のところから見え隠れする裏側の繊毛や、ねっとりとした粘液。
そして何よりも不気味な、服の表面にある多数の目玉。
その邪悪な雰囲気は、鈴華のそれとまるっきり同じだった。
ただ鈴華の色は淀んだ黄色に対し、翠の装束は鬱蒼としたダークグリーンである。
いずれも元の五行霊服の面影を残しながらも、おぞましいまでに変貌した触手スーツ。

怪奇ではあるが、それ以上に妖しい魅力を感じさせる姿だった。
あの慎ましい翠がこれほど凄艶に変貌できるとは、
親友である睦美にも想像がつかなかった。
もともと豊満だったバディは触手服によって、余すところ無く性的な興奮を焚きつける。
だがそれが魅力的であればあるほど、睦美は心に痛みを覚えた。

背中で急上昇する温度を感じる。
首に降りかかる息は、溶鉱炉から吹き出る火の粉のように熱くて痛い。
振り返らずとも、背後にいる灯の怒りを感じ取る。
そのまま自分までが沸騰しないよう、睦美はできる限り冷静な口調で尋ねた。

「あなたはいつ妖魔側になったの」
「……昨日から」
「清見はどこ」
「森の奥、あなた達を逃したところ」
「これからどうするつもりだ」
「二人とも妖眼蟲に寄生させてもらうの。……私や、鈴華と同じように」
かつての仲間であり、正義の味方であった少女は静かに答える。
その言葉も態度も、睦美にとって残酷なものだった。

461五行戦隊 第五話『寄生化スーツ』(2/20):2012/08/22(水) 06:21:16
騒ぎ立てる灯を制して、睦美はため息を吐く。
「驚いたな。まさかあなたほどの人間が、そこまで堕ちるとは」
「……」

後ろめたいからか、翠は視線をそらしてうつむいた。
「心配する必要はありません。一度されてみれば、
 あなた達もすぐに私と同じ気持ちになれます」

「妖魔に屈するつもりは無いね」
「だがあなた達には勝ち目はありません」
「そんなのやってみなきゃ分かんないじゃん!」
灯は睦美の背中から頭を伸ばして、「べーだ」とあかんべを作った。

そう、と翠はただ悲しげに呟いた。
次の瞬間、彼女の体を覆う触手スーツはにゅるりと音を立ててうねり始める。
服の表面にある妖眼は獰猛な緑光を放ち、
あたりの妖気と淫気は一段とこまやかになっていく。
その妖気に刺激されたか、妖樹の群れはシュルシュルと音をあげながら前進する。
だが先頭に立つ翠はそれを腕で止める。

「この戦いは私だけのもの。あなた達は下がりなさい」

翠の服の胸元にある目玉が強烈な眼光を放つと、妖樹の群れはピタリと動きを止めた。
その光景に、睦美はチクリとした痛みを感じた。
彼女はすでに手足のように、下級妖魔を扱うことができる。
それが何よりも妖魔の一員となった証拠である。

戦端は唐突に開かれる。
翠は腰まで及ぶロングヘアを優雅にかき上げた。
周囲に一陣の薫風が舞い上がり、綺麗な長髪がサラサラと流れる。
どこからともなく花びらが現われ、ふらふらと睦美達の方向へ吹いてくる。

ほぼ同時に、睦美は人差し指と中指で印を結んで地面を突いた。
一枚の巨岩が地表から急速にせり上がる。
ただ浮かんでいるように見えた花びらは、
まるで発射されたカッターナイフのように次々と岩に刻んだ。
岩に受け止められた花びらはその場で青々しく変化し、
まもなく刻み込んだ溝から苗が生え出た。

苗の生長が終わるよりも速く、睦美は岩をまるごと放り投げた。
疾走しながら翠は蔓鞭を縦一線に振り上げ、
すでに内部まで植え崩された巨岩はその一撃によって砕かれる。
降り注ぐ土石の中から、翠は睦美達に急接近する。
彼女が踏みつけた土に草花が生え、睦美のテリトリーだった砂地を緑に作り変える。

睦美は相手の動きを目で追いながら、背中に一筋の冷や汗を流した。
相性は、断然こっちのほうが不利である。
その上自分は一歩も動けない。

462五行戦隊 第五話『寄生化スーツ』(3/20):2012/08/22(水) 06:22:02

綿密な戦闘スタイルを擁する翠相手では、
こちらから仕掛けなければどんどん追い込まれてしまう。
その先手さえ譲らないといわんばかりに、翠は睦美を目掛けて蔓触手を振るわす。
だが彼女が睦美に向かって踏み込んだ途端、
足場が崩れて大きな落とし穴が現われる。

(今だ……!)
睦美は機を逃さず右の拳に霊力を溜め始めた。
狙いは全身全霊の一撃のみ。
相性をも覆し、翠の回復力でさえ追いつかない大きなダメージを。

しかし、翠は想定したよりも速く復帰した。
落とし穴から数本のツタが伸びると、
そこからラフレシアのような巨大植物がよじ登る。
開花した中から無傷な翠が現われ、蔓触手で睦美の首を絡め取る。

「おしまいです。もう降参してください」
言い終わってから、翠は違和感を覚えた。
あれほど騒がしかった灯が、戦い始まってからまだ一言も喋っていない。
睦美の背後に目をやると、
灯の顔が真っ赤なヒキガエルのように膨らんでいるのが視界に入る。

翠はすかさずラフレシアを前へ蹴り上げ、そこから飛び降りる。
一瞬速く、灯が口を広げて大きな火炎弾を吐き出す。
直径二メートルにも及ぶラフレシアは、悪臭を散らしながら灯に向かって突進する。
だがまばゆいほど輝く火球に触れると、わずかな炭屑を残して蒸発した。
火炎弾は翠の上方を掠め、明後日の方向へ飛んで行った。

灯はケホンケホンと煙を吐きながら、悔しそうに睨みつける。
あと一歩というタイミングで、狙いを邪魔されてしまった。
首より下が動けない彼女にとって、この攻撃は唯一取れる行動だった。
しかし彼女が作ったこの隙は、睦美にとって十二分の助けとなる。
彼女は緩んだ触手を振り解きながら、溜め終わった右拳を構える。

その時。
翠は忽然と睦美に顔を近付けた。
そして彼女の耳側で、小さな声で呟く。

(お願い、私に捕まったフリをして)

その言葉はどういう意図で言っているのか、睦美にはよく分からなかった。
考える暇もなかった。
凝縮しきった霊力は、ギリギリまでつがえた矢のように、発さずにいられない。
「……砕石拳!」
気合の入った一喝とともに、
睦美の右手は無数の石つぶてと砂塵を巻き上げて相手に直撃する。

463五行戦隊 第五話『寄生化スーツ』(4/20):2012/08/22(水) 06:22:58

翠は何もしてこなかった。
小腹に直撃を受けて、糸が切れた凧のように遠くへ飛んだ。
その様子を、睦美は半信半疑の表情で見つめるしかなかった。
力を一点に凝縮した一撃は、単純に対象を内側から破壊するのみ。
あまりにも凄まじいパワーに、睦美自身も途中で不発にすることはできない。
それを無防備に向かってくるなんて、自滅するようなものだ。

妖樹達の前で、翠は震えながら立ち上がった。
直撃を受けた触手スーツはぐにゃりと潰れ、
その部分に生えていた目玉の白身と合わせて溶け出し、
下にある少女の素肌を外気に晒す。
すぐに周りの肉布が活発に細胞分裂を繰り返し、
損傷部分を補うための緑色の液体を分泌する。
緑汁は肌の上で絡み合いながら、だんだんと繊維の形を成す。

「……お見事です……」
負傷した部分を手で抑え、口から一筋の血を流す翠。
たとえ表面の傷は妖眼蟲の力で回復できても、
体内部まで届いたダメージはそう短時間に回復できないはずだ。

「皮肉なことですね……味方だったとき、何よりも頼もしかったこの技を、
 自分の身で受けるなんて……」
翠は口の血を拭いながら、冷たい表情に戻る。

「しかし残念です。睦美さん、あなたは最後のところで迷いが生じましたね。
 本来なら、私がここで横になったままのはずです。
 その未練が、あなたの命取りとなりましょう」

翠が言い終わった途端、睦美と灯のまわりから大量の蔓が伸び出た。
不意を突かれた二人は抵抗する暇さえなく、
次から次へと現われる触手によって体を隅々まで緊縛される。

翠は更に印を結ぶと、砂を押しのけて一つの巨大植物が現れる。
それはウツボカズラのような、長い壷型の怪物だった。
壷のような捕虫器で二人を足元から頭まで一気に呑み込むと、
蓋を閉じ蔓で何重も巻いた。
ウツボの内側からもがく音が漏れ出るが、蔓が巻いていくにつれ弱まり、
やがて何も聞こえなくなった。

完全に静まったことを見届けた翠は、妖眼樹の群れを振り返る。
「この子達は私が連れて行くわ。
 あなた達はこの森に誰も入らないよう、周囲を監視してきなさい」
「「……シュルルル……」」
スライムの肉同士が擦れ合って、奇声を発しながら緩慢な足取りで散った。

その場にほかの者がいないことを確認してから、
翠はゆっくりとウツボカズラの前にやってきた。
巨大食虫植物の蓋はパカッと開き、息を求める二つの頭が急浮上する。

464五行戦隊 第五話『寄生化スーツ』(5/20):2012/08/22(水) 06:23:59

「ハァ、ハァ……」
「ぷはー! あと少しで窒息するところだったぜ」
睦美と灯が口を大きく開けて息を吸っている隙に、
翠は丸薬を取り出しそれぞれの口に押し込む。

「んぐぅ!」
「これは……?」
「解毒剤よ」
お腹が暖かいと感じるや否や、睦美達は鉄枷がはずれたような身軽さを感じた。
気の流れが一循すると、
それまで体にまとい付いていた悪寒がスーッと消えていく。
ついさきほどまで筋肉が動けなかったのが嘘のようだ。

灯はウツボカズラから地面に降り立ち、嬉しそうに屈伸運動を繰り返す。

「おお、体が治った!」
「即効性のものです。後遺症も一切残らないはずです」
「オレは最初から翠のことを信じてたからな。
 五行戦隊の絆は、ダイヤモンドカッターでも切れないぜ!」

灯は翠に向かってウインクしながら、ピースを作る。
その横で、睦美がゆっくり足を伸ばして着地する。

「よく言うよ。火を吹いた時は必死だったくせに」
「そ、そういう睦美こそ、マジになって翠を殴ったじゃないか」
「そうよ」
「えっ?」
「敵の目を欺くには、それくらい力を入れないと」
「なんだよ、最初から全部分かってたのかよ!」
「いいえ、私もあなたと同じ本気だったわ」

睦美はそう言いながら、翠に顔を向けた。
「敵を容赦するつもりは一切無い。あの時点では翠を敵として見ているから、
 例えかつての仲間だろうと手加減しないし、後悔もしない。
 それでいいよね、翠?」

石よりも固い信念を滲ませながら、睦美は翠を見つめた。
今度の翠は視線をそらさず最後まで視線を受けとめた。
そして、いつも学校で見せるような微笑を浮かべて。
「ありがとう、睦美。でも、手加減しなかったというのは、嘘かな」
「うーん……ちょっと、したかもしれない」
「あれれ、睦美はもしかしは照れちゃってるの?」
灯が意地悪い声をあげると、睦美はますます気恥ずかしそうに頬をかいた。

それを隠すかのように、睦美は改めて翠に尋ねた。
「ごめん、翠。まだ痛い?」
「大丈夫よ。私が今まで傷つけた人と比べれば、
 これくらい何でもないから……」

その言葉にこもる悲しい感情を感じると、睦美も灯も真剣な表情になる。

465五行戦隊 第五話『寄生化スーツ』(6/20):2012/08/22(水) 06:24:42

「翠、あなたや鈴華に起きたことを詳しく教えてくれない?」
「はい……」
翠はつらそうに顔を俯き、重々しく口を開く。

「全ては昨日の夜のことです。私はみんなと離れた後、
 鈴華ちゃんの影を見かけて……そして彼女に襲われたの」
「鈴華め! やっぱり原因はあいつだったのか」

「あの時点で、彼女はすでに妖眼蟲に支配されていました。
 そして、私も妖眼蟲に寄生され、彼らの……言いなりになったのです。
 そこから今までずっと」
翠は震えながら、言葉を続けた。
彼女が身に着けている触手スーツを観察しながら、睦美は慎重に尋ねる。

「これもその妖眼蟲の一種なのか?」
「はい。姿形はさまざまありますが、このタイプは人間に寄生して全身を支配し、
 精神まで浸蝕します。寄生の進行度は人によって違うみたいで、
 鈴華ちゃんはすでに心を支配されたが、私はまだなんとか意識が保てる状態です」

「鈴華は、やはり完全に敵側になったのか」
「……はい。一度妖眼に寄生された者は、速かれ遅かれ悪の心を植えつけられてしまいます。
 この妖眼蟲がある限り、私もいずれ……」
「へどが出る妖怪だぜ! こんなもの、オレがひっぺかしてやる!」

灯はいきり立って、触手スーツの襟口を掴み取った。
しかし彼女が力を入れた途端、スーツの表面にある妖眼はぎょろりと視線を集める。
翠は悲鳴を上げながら地面にうずくまり、
同時に寄生スーツから数本の触手が分裂して灯に襲い掛かる。

「灯、やめろ!」
睦美はすかさず灯を引き離す。
触手は空中でうねうね浮遊した後、攻撃対象を失ったせいか、
元の触手服に合体していく。
翠の荒々しい息遣いだけがいつまでも響き渡った。
その中にかすかな官能的な響きが含まれていたが、
睦美や灯には気付くはずがなかった。

「どうやら外から敵意を感じると、宿主の意思によらず自動的に反撃を行うようだ」
「くそっ、これじゃあ迂闊に手が出せないじゃないか!」
「一気に除去ではなく、霊力で少しずつ浄化するほかないだろう。
 いったんここを離れて、翠を安全な場所に移動させよう」

「だ……め……」
翠は熱っぽい吐息を漏らしながら、まだ身震いが止まらぬ体を無理やり立たせる。
ほのかに赤い肌色は、しらずしらずのうちに雌としての媚態を強調する。
しかし、彼女の表情は必死だった。
「私なら、大丈夫よ……それより、速く清見ちゃんを助けて!」

彼女は睦美と灯の顔を見つめ、一字一句続けた。
「今はまだ間に合うけど……速くしないと、彼女の寄生化が終わってしまう」

466五行戦隊 第五話『寄生化スーツ』(7/20):2012/08/22(水) 06:25:38



清見が目を覚ましたのは、蕾に三度目の激震が走った時だった。
ぶよぶよした肉色の壁は不規則にうねり、次第に大きく波を打つ。
脳髄に直接刻まれるような鋭い快感が、曖昧な意識を強引に覚醒させる。
まぶたをゆっくり開けば、肉壁についた妖眼が一斉に自分を見つめ返す。

「うぅっ……」
妖眼が怪しげな光を放つたびに、快感がさざなみとなって背筋を押し上げる。
肉壁に埋もれる四肢はまるで咀嚼されているかのように、
ねっとりとした気持ち良さが伝わってくる。
天井から滴る粘液の頻度は、明らかに以前よりも増した。
絶え間なく分泌される甘汁が顔を汚し、体に垂れ落ちる。

気を紛らそうと体を見下ろした時、清見は愕然となった。
身に付けているバトルスーツが、触手化しているのだ。

最初はただの錯覚かと思った。
だが目を良く凝らしてみると、自分の服が少しずつ蠢いていることに気付く。
粘液をたっぷり吸い込んだ布地は、ゆっくりと液状に同化されていく。
爽やかなだった青が。絵の具のような青液と化し、
そこから更にドロドロした肉質に変化する。

粘体同士が凝縮しながら濃度を高め、繊維を伸ばし合い、
新たな肉布として生まれ変わる。
それは元の清らかなイメージと異なり、暗く淀んだものだった。

青色の肉布はまるで生き物のように蠕動し、更に効率よく粘液を吸い上げる。
面積はまだ小さいが、触手化はまるで伝染するかのように周りへと広がっていく。
固体と液体の中間状態で細い繊毛を伸ばし、肉質の繊維を増殖させる。
そしてより長時間粘液に漬かった部分から触手化が速く進んでいく。

不思議なことに、恐怖の気持ちは一瞬しか起こらなかった。
それよりもすぐに、麻薬のような背徳感が脳を染める。

(私は……蕾の一部……)
ぼんやりとした思考の中、まるで誰かに囁かれたかのような思念が浮かぶ。
それを口に出してつぶやいた途端、
体中から言いようのない甘い幸福感が起こる。
心臓は秘所と繋がる触手と同じリズムで、ドクドク鼓動する。
血液が循環するたびに霊力が吸収され、
代わりに邪悪な妖力を体内に注がれているのを実感できる。

ふと、正面の肉壁から一本の触手が盛り上がり、清見の前まで伸びる。
淫靡な香りが漂い、二三個の目玉が嵌め込まれた先端部は、
思わず顔を背けたくなるほどグロテスクだった。

しかし、清見はそこから目を離すことができない。
粘液よりもずっと濃い匂いが、少女の淫欲を引き付けて離さない。
以前の清見なら、この淫臭には耐えられただろう。
だが霊服が保護機能を果たさないほど弱まった今、
体の奥底から抑えきれないほどの衝動が湧き上がる。

467五行戦隊 第五話『寄生化スーツ』(8/20):2012/08/22(水) 06:26:21

(私は、雌しべだから……雌しべはちゃんと雄しべから受精しなきゃ……)
自分じゃない声が心を支配する。
おかしいと分かっていても、清見はこの寄生本能に抗えなかった。
肉壁がうねり出すと、清見の四肢を後ろに回し、彼女をバック体勢から突き出す。
顔の間近に雄しべの触手があると、くらくらするような匂いがより濃くなる。

まわりの無数の妖眼に見守られる中、
清見はただうつろな目で勃起をじっと見つめていた。
猛々しい造形の表面に血管が浮かび、一定のリズムで脈打つ。
先端から滲み出る白い液体は、蜂を誘う蜜のようにキラキラ輝く。

そこに顔を近付け、唇を開き、小さな舌先で先端をちょこっと舐める。
触手がビクンと反応する。
それに安心したかのように、清見は触手の輪郭をなぞって上から下へ、下から上へと舐める。
雄しべの蜜と自分の唾液が混ざり合う。
飲み込んだ時の甘さは、陶酔した表情によって表現する。

気がついたら、清見は夢中になって異型をしゃぶり始めた。
普段機知に富んだ両目も今はとろんとして、
無表情な顔は赤く染まり色気を振りまく。

「ぴちゅ……はむっ、んぐ」

まるで恋人とディープキスをかわすかのように、雄しべの柱頭と舌を絡め合わせる。
ときには唇で優しくついばみ、ときにはざらついた表面を舌でなぞる。
最初こそ噛み千切ることを思い立ったが、
それもすぐに淫液が飲める安堵感に代替される。
それどころか、時折思い出したかのように両足の付け根をもぞもぞさせ、
娼婦になった気持ちで股間の触手から快感をねだる。

性器を突かれる嫌悪感はすっかり無くなり、今では何よりも体に馴染んでいた。
気だるい淫楽が妖力とともに体に染み渡り、
自然と腰を振って迎合するようになる。
蕾の雌しべとなってから、乙女の体がどんどん淫乱な色に染められていく。

ふと、口内の触手が雄々しく脈を打ち始める。
心の準備ができるよりも速く、触手の先端からおびただしい量の白液が吐き出される。
「ひゃっ……」
思わず口を離して、小さな悲鳴をあげた。

口で受け止めきれなかった熱液は顔や髪にかかり、
そこからいやらしい匂いを放つようになる。
しかし清見はよごれることも気にせず、虚ろのまま雄しべ周りの残滓を舐め取り始めた。
花の雌しべにとって、雄しべから受精することはこの上ない喜びである。

妖液を大量に浴び続けたことにより、霊気が溶かされるスピードはますます速くなった。
妖力が宿し始めた肉布は更なるスピードでうねり、
小腸のような表面積を増やしていく。
そうして分裂した繊毛を通して、毛細管現象のごとく妖液を正常だった服まで浸透させる。
アメーバがほかの細胞を食いながら増殖するよう。

たびかさなる浸蝕を経て、
もともと服の表面にあた霊気の紋様はほとんど消えかかっていた。
その代わりに、妖気を滲ませる禍々しい模様が浮かび上がる。
寄生面積が増加していくにつれ、霊服は蕾の肉壁と同じ肉繊維に作りかえられる。

468五行戦隊 第五話『寄生化スーツ』(9/20):2012/08/22(水) 06:27:16

ポトッと、一つの目玉が天井からふってきた。
目玉は触手化し終わった服地に移動すると、そのまま表面にピタッと張り付く。

「んんむ……はああぁん!」
体を弓のように反らす清見。
妖眼が取りついた部分を中心に筋が走る。
そこから妖眼は押し込むように肉布の中に入っていく。
目玉がめり込むたびに、ずきゅんとするような痺れが全身に広がる。
体がいくらこわばったところで、触手に絡められた清見は身動きもできず、
ただ背中をもどかしそうに揺らすしかなかった。

(だめ、それ以上は……!)
激しい衝撃によって、失いかけた我を取り戻す。
妖眼と肉布が一体化していく。
普通の人間にとって、今すぐにも没頭してしまう快感。
しかし、その意味を察知した清見は、なんとか寄生を食い止めようと歯を食い縛った。

妖眼と肉布が繋がってしまえば、おそらくその部位は完全に触手化してしまう。
五行戦隊のバトルスーツはもともと霊力で維持されるため、
仮に破壊されても修復はできる。
だがそれ自体が妖魔化してしまった、もはや浄化しても元には戻れないだろう。

妖眼が深く押し込むほど、布地と接する肌から甘い快感が広がる。
裏側に生え始めた繊毛がぬめっと肌を愛撫し、
抵抗の意思を少しずつ溶解していく。

(くぅぅぅ……っん!)
清見は眉を悩ましげに曲げた。
筋目は一気に裂かれ、そこに目玉全体が沈む。
肉布がしばらく激しくうねったが、
やがて妖眼が完全に定着すると、そこで改めてまぶたをあける。

「かぁあああんっ!」
清見の瞳孔が大きく開いた。
妖眼の寄生が終わった瞬間、極限に迫るような快楽が体を突き抜ける。
みるみるうちに目玉と肉布は融合し、繋ぎ目が見当たらなくなった。
そして新たに神経細胞のネットワークが構築され、今までなかった性感帯が一つ増える。

妖眼は寄生後の居心地に満足したのか、きょろりとあたりを眺め回す。
その映像が綺麗に脳内で再生された。

「ハァ、ハァ……」
少女の可憐な胸が起伏を繰り返す。
衝撃を感じる気力さえなかった。
上昇してくる粘液の水位をぼんやりと見つめ、清見は疲れ切った顔で目をつむる。
何も考えられない。
何もできない。
身を焦がす淫欲は自分の感情なのか、それとも植えつけられたものなのか、
それすら区別できなくなった。
だがどちらにしろ、彼女はもうその快感に身を委ねるしかない。

触手化していくスーツがベトベトしてて気持ち良い。

469五行戦隊 第五話『寄生化スーツ』(10/20):2012/08/22(水) 06:27:42



緑、赤、褐の三色が風のごとく木々の間を駆け抜け、
地面の落ち葉に踏み跡を残す。

ふと、先頭を走る緑の人影が立ち止まる。
残りの二人は一瞬飛び越えるが、すぐ地面に釘を刺したようにピタッと止まる。
「二人とも、隠れて」
緑の少女が小声で呟くと、赤と褐色は音も無く幹を登って気配を消す。

森奥からシュルシュルと草葉の掠れ音が近付く。
二匹の暗緑色のスライムが現われ、体中央にある目玉を輝かせる。
それを応えるかのように、少女の服の胸元にある妖眼も淡く光る。

「こちらに敵はいないわ。あなた達はあっちへ行って見張りなさい」
「「シュルルル」」
スライムは躯体をうねらせ、指示された方向へのろのろと移動した。
妖気が完全に遠のいてから、少女はほっと息をつく。
「もう大丈夫です」

「ハラハラするぜ。あいつらは何考えてるかまったく分からないし。
 翠を襲ったりしないのか?」
「はい……私が心の中で念じれば、彼らには意思が伝わるみたいです」

木の後ろから出てきた灯に対し、翠はやや答えづらそうに顔を俯いた。
途中で何度かこうして妖眼蟲と遭遇したが、その度に翠が出てやり過ごした。
その不思議な光景に灯は驚くばかりでいた。
一方、睦美の考え方は堅実だった。

「識別信号みたいなものなのか。あの植物型以外の蟲にも通じるか?
 以前私達が戦った金色のやつとか」

「あれは鈴華ちゃんの直属だから、私を敵とは認識しないだけで、
 直接指示を下せるのは鈴華ちゃんだけだと思います」
翠は顔を赤らめ、「もうすぐ着くはずです」と再び先頭をとった。

森を抜ける道中、睦美と灯はむず痒いような、複雑な気持ちになった。
今の翠は、妖魔の寄生スーツを身にまとっている。
正義を象徴する五行戦隊の霊服と違い、
それは女性をより淫らに見せるための造形だった。

邪悪を示す妖力以外にも、翠の肢体から絶えず芳ばしい香りが漂う。
それは決してアロマなど上品なものではなく、
メスがオスを誘うときに放つ淫らな匂いであった。
そして翠自身は抑制しているものの、
彼女の仕草には無意識のうちに官能的な情緒が溢れ、淫花のように美しかった。

人一倍気配りな翠には、自分の身に起きている変化は当然気付いているはず。
それでも睦美と灯に心配をかけまいと、恥ずかしさをこらえて道案内を先導する。
その心内を思うと、睦美も灯もやるせなかった。

470五行戦隊 第五話『寄生化スーツ』(11/20):2012/08/22(水) 06:28:26

「そろそろ見えてきましたわ」
翠は足を緩め、一本の木の後ろに体を預ける。
睦美と灯は手前にある茂みに身を屈め、視線をそこに移す。

やや開いた空け地に、複数の巨大蕾が地面に根ざしていた。
蕾から地面に突き刺さる極太触手は、リズミカルに膨張と収縮を繰り返す。
そのたびに、気色悪い触肉の表面に妖気が凝縮し、
まるで地中から養分を吸い上げているようだ。

それぞれの蕾の表面に妖眼が開きかけているが、
一番奥にある蕾だけ三つもの妖眼が見開いていた。
その蕾はほかと比べ、異様なほど大量な妖気を漂わせる。
霊力を習得している睦美や灯には、一目でその異常性を理解した。

「あの一番大きい中に、清見がいるだろ?」
「はい。それ以外の蕾の中にも、一般人が捕らえられています」
「なぜそんな手間をかける。寄生だけならすぐじゃないのか」

「あの特殊な方法により、どうやら宿主に記憶や能力を植え付けることができるみたいです。
 潜在的霊力を持つ人間を選別し、よりも強い妖魔に作り変える……
 これは私の予測ですが、おそらくその人達を上級妖魔の指揮官に仕立てて、
 人間界に侵略させるつもりでしょう」

「じゃあ、清見のやつを解放したら、この人達も助けないと」
「はい……あれは!?」

突如、翠の声色が変わった。
睦美と灯は急いで視線を戻す。

清見を捕らえた巨大蕾はぶよぶよ蠢き、
太い触手を給水ポンプのように膨らませた。
それに合わせて蕾表面の脈絡膜が抽縮を繰り返し、新たな筋目が開き始める。
筋目の隙間はみるみるうちに広がり、
やがて完全な巨大妖眼として見開いた。
すでに開いた三つの妖眼と合わせて、不気味な眼光を周囲に放つ。

さっきよりも増して、濃密な妖気が睦美と灯の胸に圧しかかる。
だが、彼女達よりも翠のほうがよっぽど驚いていた。
「そんな、もう四つ目が……!」

「何かまずいのか?」
「寄生の進行速度が、予想をはるかに越えています!
 ……まだ四つ目ですが、これが五つ全て開いてしまうと、妖気が五行循環してしまい、
 中にいる清見ちゃんが完全に妖魔になってしまいます!」

「つまり今すぐあのデカイのをぶっ壊せばいいだろ?」
「灯、待てっ!」
睦美が制止するよりも速く、灯はとび出した。
回復した彼女は動物園の檻から解放された豹のように、
標的に向かって一直線に飛んでいく。
だが彼女が蕾に届く直前、一つの梯形の鉄塊が空から降ってきた。

471五行戦隊 第五話『寄生化スーツ』(12/20):2012/08/22(水) 06:29:11

灯は寸前のところで身を引き、後ろから駆けつけた睦美や翠と肩を並べる。
表面に「5t」と書かれた鉄塊は地面にめり込み、
その上に一人の小柄な少女が立っていた。
彼女は黄色い触手スーツを身に付け、憤怒と不服の表情を灯達に向ける。

「どういうことなのよ……どうしてお前達がピンピンしてるの?
 どうして翠はそっち側にいるのよ!」
「やい鈴華、いつまで寝ぼけるつもりだ!」
灯が啖呵を切ると、鈴華は鼻で笑った。

「寝ぼける? ふふっ……今まで我慢してたけど、この際はっきり言わせてもらうわ。
 私はね、馬鹿で馬鹿なバカリのことは大っ嫌いなのっ!
 あなたも百眼様のしもべに寄生させて、一生私の性奴隷になってもらうわ!」

鈴華は鉄塊の一端を掴んで走り出す。
鉄塊からそのまま一本の棒が伸び出て、鈴鹿によって力いっぱい薙ぎ払われる。
地中から起こされた鉄塊はそのままハンマーとなって振り下ろされる。
だがそれが目標を叩く直前、幾重もの葛草がきつく巻きつく。

「鈴華は私が止める。あなた達はその間に!」
「翠……!」
心配の表情を浮かべる灯や睦美に対し、翠は頬を赤らめながらも健気な笑みを返す。

「私のことなら心配いりません。それより、残り時間はもうそんなに無いはずです。
 速く清見さんのところへ行ってください」
「清見は私と百眼様のもの! 誰にも渡さないんだから!」
「行って!」

翠は灯と睦美を押し出すと、すかさず巻き蔓を手放して無数の花びらを散らした。
鋭い刃が空を擦る。
葛草の巻き蔓は横一線に両断され、あとずさった翠の頬にも一筋の傷がつけられる。
微量の血の色が滲み出す。

「灯、行くぞ」
その場から離れる睦美に、灯はきょとんとする。

「鈴華と戦うには翠一人じゃきついだろ」
「足止め戦は彼女が一番得意としている。逆に言えば、
 残り時間はそれくらいしか無いってことだろう。翠自身がそれを一番理解してるはずだ」
「くっ……分かったよ」
最後に翠の背中を一瞥してから、灯は睦美の後を追った。

切り刻まれた植物の残骸が地面に散らばり、鈴華と翠の剣幕を彩る。
「ふふっ、裏切り者がわざわざ裁きを受けに来たわけ?」
「私はもとから妖魔の味方になっていないから、裏切りではありません。
 あなたの目から離れるチャンスをずっと待っていました」

「でも、翠ちゃんのおかげでこれまで色んな人間に寄生できたわ」
「……その罪を含めて、私が償いをするだけです」
「無意味だな。いずれあなたの精神は完全に邪悪に染まり、その感情さえ忘れてしまうわ」
「そうなる前に、この命と引き換えに妖魔の野望を防いで見せます」

472五行戦隊 第五話『寄生化スーツ』(13/20):2012/08/22(水) 06:30:01

嘲笑じみた口調の鈴華に対し、翠は毅然とした表情で答えた。
彼女は頬の血珠を指で拭うと、それを地面に垂らした。
まるで息が吹き返ったかのように、
蔓の残骸から刺々しいイバラと真紅の薔薇が生え、鈴華と翠を取り囲む。
植物の表面に妖眼が見開き、禍々しい妖気を発散する。
翠の寄生スーツからも同様な妖気が溢れるが、彼女の表情には迷いは無かった。

「笑えるね。その体はもう完全に妖魔化したのに。まだ正義の味方でいるつもり?」
「蓮は泥沼より出でて、汚れに染まらず気高く伸びる。
 例え私の体が邪道に堕ちようと、心を正義のために使うことができます」
「ざれごとを――!」

鈴華は全身の妖気を漲らせた。
彼女の触手スーツが一気に解放され、無数の刃となって翠に襲い掛かる。
翠もすかさず妖気を集中させ、目玉の生えたイバラと薔薇を起動させる。
邪悪なオーラ同士が、互いに激しくぶつかり合った。



翠や鈴華と違って、灯の技は単純明快である。
彼女が最も得意としている攻撃方法は、ズバリ体当たり。

四方八方から集まってくる蟲の群れの中、一陣の陽炎が縦横無尽に突き進む。
「どけどけどけ――っ!」

陽気な叫び声とともに、爆炎をまとった灯が敵の集団に突っ込む。
彼女が通った道に、ただ焼け溶けた蟲の黒染みが残される。
妖気の弱いものは、彼女に半径一メートル近付いただけで沸騰して蒸発していく。
そんな我先逃げまとう蟲の中、一匹の金属体の妖眼蟲が立ちはだかる。
その蟲ほかの軟体種と違い、はがねの体はくっきりとした輪郭を持っていた。
以前灯が戦ったことのある特殊種だ。

「出やがったな!」
灯は不敵な笑みを浮かべると、立ち止まるどころか更に加速した。
金色スライムの体から八本もの刀が伸び出て、左右から灯の体を切り裂く。
灯は頭身を低くしてかわすと、豪快な勢いでタックルをしかけた。
妖魔の金属体は瞬時に高熱化し、地面と摩擦する度に大量な体液が溶け出していく。
残された妖眼を灯がポイと捨てると、空中で小さく爆発して飛び散った。

久々に動けるのがよっぽど嬉しいのか、灯の炎はいつも増して燃えていた。
だが次に現れた敵手に、彼女は思わず足を止めた。

相手は少女だった。
華奢な体の上に、一本の蔓触手が右手から左足にかけていやらしく巻きつく。
その顔に恍惚な表情を浮かべていたが、灯を認識した途端腕を振り上げた。
蔓が一瞬にして伸び、灯が避けた後の地面に深い溝を作る。
その溝の縁から、緑色のコケが素早く成長する。

「こいつは……!」
「おそらく、ほかの寄生者だろう」
後方の妖眼蟲を退けて、睦美が灯のそばに駆けつけ指をさす。

473五行戦隊 第五話『寄生化スーツ』(14/20):2012/08/22(水) 06:31:21

「あれを見ろ」
「なにっ!?」
灯は睦美に言われたとおり、視野を広げた。
左右にある二つの蕾の妖眼が完全に見開いていた。

蕾の肉片は縫い目を沿って綻び、毒々しいほど鮮やかな花が咲く。
中からとろりと粘液が流れ出た後、それぞれ一人の少女がおぼつかない足取りで立ち上がる。
一人は葉っぱのような服飾を身に付け、もう一人は頭に一輪の花をかざす。
花は綺麗な色に反し、中央に一つの目玉が生えている。

まだ乾かぬ体から、生まれたての淫香が漂ってくる。
だが灯達の前を阻むようにして立つと、改めて妖眼蟲を上回る妖気が伝わってくる。
「こいつら、翠の能力を……!」
「厄介な話だが、今は彼女達を相手にしている場合ではない」
「わかってらあ!」

灯は前を飛び越えるようにして大きく跳躍した。
しかし想像以上の速さで少女達は反応し、
三つの角度からそれぞれ蔓、葉っぱ、花びらを飛ばして攻撃した。

一方の睦美はその場でジャンプして、両足で地面を力いっぱい踏んだ。
土は平方形に沈み、逆に違う場所から同面積の土台が高く盛り上がった。
空高く跳んだ灯はそれを足場にして、敵の攻撃を越えて巨大蕾の真上に飛び上がった。
そのタイミングは阿吽のごとく一致する。

「清見は返してもらうぜ!」
灯は両腕を胸の前で交差すると、闘志を頂点までに燃やした。
火の鳥を模した霊気の形が背後で生成される。

「喰らえ、バーニング・バースト・バード!」
語尾を延ばしながら、灯は空中から急降下した。
朱雀色の霊気は空気と摩擦するたびに、耳をつんざくような爆音を弾く。

いつもより完璧な一撃だった。
蕾も凄まじい気配を感じたか、四つの妖眼をぎょろりと空に向け、灯と見つめ合う。
だが次に起きたことに対し、灯は自分の目を疑った。
それまで「蕾」と思い込んでいた敵は、
なんと地面から茎を引っこ抜き、そのまま逃走した。
カサカサと音を立てて、高速に離れていく。

「な――に――?」
あまりにも衝撃的な光景に、灯はポカンとした。
せっかくの必殺技はただの着地技となり、ぽっかり空いた穴の中で立ち尽くす。
蕾はジグザグ移動で、睦美の放った地烈斬を華麗にかわす。

「灯、やつを追え! 絶対逃すな!」
「おおう!」
灯は躊躇なく快足を飛ばす。
寄生された少女達はそれを追いかけようとする。
しかし、彼女達は一歩たりとも前へ進めなかった。
地面の土はまるで流砂のように後退していき、後方にいる睦美の足元へ集まっていく。

縮地法を駆使しながら、睦美は不安な気持ちで灯の去り姿を見つめた。
一瞬だが、蕾の最後の目が開きかけていることを彼女は見てしまった。
(でも、やらなくちゃ……!)
砂から起き上がる敵の少女達を見て、睦美は意を決して霊力を練り出す。

474五行戦隊 第五話『寄生化スーツ』(15/20):2012/08/22(水) 06:32:30



四度目の激震が収束したしばらく後。
蕾の中を充満する粘液は、左右に軽く揺れた。
頭まで液体に漬かる清見は、口や秘部に触手をくわえたまま、
眠ったように目をつむっていた。
外界の衝撃は肉壁と粘液によって緩衝され、
彼女の髪が液体の中を揺れる程度だった。

バトルスーツはすでに半分以上が触手化していた。
淫液に漬かれた布地は目に見える速さで触肉と同化し、
溶かされた部分から小さな泡が浮上する。
暗い溶液の中は静寂に包まれ、寄生眼だけが不気味に輝く。

目玉は一度スーツに着床すると、地盤を固めるようにして繊毛を侵食させ、
今まで寄生した妖眼と絡め合って、更なる強固な肉布に形成する。
時間が一分一秒経つにつれ、その面積が拡大していく。
熟成した触肉は裏側に生え渡った繊毛を使って、清見の肌にべっとりと吸い付く。
そしていまだに抵抗する正常な布地に対し、寄生しながら強制的に変質させる。

長い時間をかけて進化した結果、肉布の構成は単純なものから複雑な形となった。
肉帯は彼女の首筋を巻きつき、そこから鎖骨まで二本に分かれて左右の乳房を覆い、
更に後背部で交差する。
露出した胸のラインや腋下の肌は、少女の性的な部分をより強調する。
そして触肉は腰つきを撫で下ろしながら、レオタード状となって股間を覆う。
蕾の中に埋もれていた四肢はすでにロンググローブやブーツ状の触手を履かされ、
触肉の切断面はうようよと繊毛がひしめく。

押し寄せてくる邪悪に、心が染まっていく。

清見は薄っすらと目を開いた。
淫液は彼女を内側から改造し、一から妖魔として作りかえていく。
なんとなく、もうすぐ終わるんだなと理解する。
だが頭に浮かぶのは悲しい感情ではなく、ドキドキするような気持ちだった。
蕾の雌しべとして受精し、ちゃんとした妖眼蟲の虜に成長することができた。
これからは自分が妖眼蟲を産み出し、妖魔の繁栄のために尽くす。

正義だった自分がもうすぐ悪のしもべになってしまうと思うと、
妖しい興奮がこみ上げてくる。
それを睦美や灯が見たら、二人はどんな表情をしてくれるだろう。

(すごく、ゾクゾクする……)
ドス黒い思いが、清見の心の中をよぎる。
彼女の瞳もまわりの妖眼と同じよう、邪悪な光がともり始めた。

475五行戦隊 第五話『寄生化スーツ』(16/20):2012/08/22(水) 06:33:03

「清見――ィ!」
灯は懸命に叫び声をあげた。
しかし蕾が木々を押し潰して進む音が、その声を覆いかぶさる。
森中を進む敵を追いながら、灯は顔の前に腕を構えて飛んでくる木屑を防いだ。

なかなか縮まらない距離に、灯は強火で焼かれた卵のように焦った。
倒れてくる樹木が邪魔で、なかなか思うように闊歩できない。
そして少しでも近付けば、蕾は花粉やら種やらを放出して攻撃してくる。
こうして駆けくらべしているうちにも、五つ目の筋が開きつつある。

(絶対に開けさせないんだから……!)
灯は妖眼の様子を確認していた、その時。
彼女の足は、茂みから伸びた一本のツタに引っかかってしまった。
全力疾走が全力転倒となり、鼻から地面にぶつける。
その直後、四方八方から触手が伸び出て彼女をぐるぐる巻きにする。
罠にかかったことをあざ笑うかのように、蕾は振り向いた。
五つ目の筋間から強い眼光が漏れ出し、今にも完全に開きそうだ。

「舐めたマネしやがって……」
触手巻きの中から、くぐもった怒声が響く。
次の瞬間、灯に巻きつく触手が急速に枯れ落ちる。
蔓をつたって、一陣の炎が目にも留まらぬ速さで延焼していく。

「シュルルルル!」
蕾は重い奇声をあげながら、みずから蔓を寸断する。
それを機に、高熱化した炎気が蔓の残骸から突き破って出る。
鳳凰の形をした霊気を背に、
灯は空気をつんざくような音を立てながら蕾に向かって突進する。
すかさず蕾は自身を触手で包み、体組織を戦車の装甲よりも固く変化させる。

「いっけえ――!」
少女の火拳は一番外側のガクに直撃した。
そのまま中の木部繊維を貫き、維管束を貫き、子房を貫く。
大きな爆音とともに、蕾は内部から木っ端微塵に崩れ、
あいた大穴からおびただしい量の白液が飛び散った。
その粘液をかき分けながら、灯は一人の少女を抱き起こす。

少女の手足は肉片に埋め込んでいて、大文字のように固定されていた。
灯が力をこめて外へ引っ張り出すと、触肉の筋糸が少しずつ切れ、
肘や膝まで包んだ触手の布地が露呈する。

「清見、清見!」
灯は少女の体を地面に置くと、その名前を大声で呼んだ。
清見の目は閉じられ、白紙のような顔色に血の気がまったく見当たらない。

少女の体は暗藍色の肉布に覆われ、まだ癒着が終わらない触肉が小刻みに蠢き、
最後の合成を完成させようとしている。
彼女の手足にいたっては、すでに触肉の布地が服飾として完成していた。
淫らにうごめく媚肉は、少女の体にいやらしいイメージを添える。
そして寄生スーツ全体から濃厚な淫気と妖気がたちこめ、意志の弱い者を堕落させる。

476五行戦隊 第五話『寄生化スーツ』(17/20):2012/08/22(水) 06:33:54

「清見、今すぐ助けるからな!」
灯は粘液でよごれてしまうこともかまわず、
清見の側で膝を立て、両手を彼女の腹に重ねた。
寄生スーツの妖眼に触れると、ふにゃっとした手触りが返ってくる。

意識を集中し霊気を高め、本人を傷つけないよう慎重に解き放つ。
霊力が触肉に衝撃を与えると、次第に熱したマグマのように赤く変色し、
妖眼もろとも溶け始めた。

「シュルルルゥ!」
触肉は耳を裂くような奇声を作りながら、
いくつもの肉紐に分裂して灯に襲い掛かる。
だが、灯はそれに気をかけることは無かった。
触手がいくら絡んでこようと、ただ霊力を両手に集中させる。

(妖魔なんかに、成らせてたまるものか!)
心の中で必死に唱えると、灯は霊力を十二分に引き上げた。
触手スーツはドロドロに溶け出し、流れ落ちた粘液が地面に溢れかえる。
その粘液の下から、本来の肌の色が見えた。

触肉が全て溶けた後、灯はようやく手を引いた。
額を伝う汗を拭う暇もなく、清見の胸に耳を伏せた。
しかし、伝ってくるのは冷たい感触だけだった。

「そんな、清見……お前、まさか自分から命を……!」
ますます生気が減っていく仲間の顔色に、灯は目尻を濡らした。

「せっかく助けてあげたんだから、死んだら絶対許さないんだからな!」
灯は清見の胸骨を押さえ、肘をまっすぐ伸ばして圧迫を繰り返した。
更に彼女の気道を確保して、人工呼吸を行おうと口を伏せる。
心肺蘇生で何がなるか分からない。
だが今の灯にとって、どんなことでもいいから、ただ清見に返事をしてほしかった。

その時。
いきなり開いた清見の目と、バッタリ見つめ合った。

「灯、顔が近い」
「うわあぁぁ!」

灯は思わずビックリしたが、すぐ歓喜の表情に一変する。
飽きるほど見慣れた、むっつりで無愛想な顔。
それが今の灯にとって、どんなものよりも愛着を感じた。

「清見、無事だったのか!」
「来るのが遅い。暑苦しい。後ろ危ない」
清見は灯に頬ずりされながら、矢継ぎ早にしゃべり出す。
灯は喜びの表情のまま背後へ裏拳を打ち出す。
拳の甲は飛び掛ってきた妖眼蟲に命中し、吹き飛んだ先にある木の幹でぺちゃっと潰れる。

477五行戦隊 第五話『寄生化スーツ』(18/20):2012/08/22(水) 06:34:46

「良かった、本当に良かったよ。無事だったなんて」
「実のところ、ちょっと危なかった。蕾を破壊してくれるのがもう少し遅かったら、
 私の体まで完全に妖魔化していたかもしれない。
 しかし息を止めたおかげで、寄生はそこまで浸透しなかった」

「へぇ、息を止めたって……?」
「脳部から副交感神経を刺激し、心臓の鼓動を抑制したの。
 私、潜水だけは得意だから……」
「二度とそんな危ない方法で泳ぐな!」

灯は清見を支えた手でツッコミを入れた。
だが意外なことに、清見はそのまま力無く倒れた。
まるで四十度の熱を出したままマラソンを走りぬいたように、
憔悴しきった表情を浮かべる。
虚ろな瞳は、どこまでも遠くを見つめていた。

「おい、清見? 冗談なんかやっている場合じゃないんだぞ」
灯は慌てて清見に触れる。
そしてビックリする。
少女の体は、まるで厳冬の湖に沈む氷のように冷たい。
その温度は、なおも下がり続けている。

「うんっ……」
苦しげな息が清見の口から漏れ出る。
彼女が呻き声をあげると、はだけた胸の部分から勾玉が浮かび上がる。
五行戦隊に変身するための霊具。
本来なら彼女を象徴する澄んだ青色が、今では色彩を失って黒がかっていた。

灯は愕然とする。
勾玉は彼女達それぞれの霊力によって作り出され、
彼女達の生命力を示すものでもある。
それがこんなにも黒く変色したのは、灯にとって初めて見た光景だ。

「そんな、どうして……」
「私の霊力は、ほとんど吸い取られて……」
「これ以上しゃべるな!」
「大丈夫……私より、速く鈴華達を……」
「何が大丈夫だバカヤロウ! いつもいつも必要以上にがんばって!
 そこでじっとしてろ」

灯はバトルスーツから自分の勾玉を取り外した。
身に付けていた服は瞬時に赤い炎と化し、勾玉の中へ吸い込まれる。
その代わりに、彼女は変身した前の学生服姿に戻る。
灯は勾玉同士を当て、意識を落ち着かせた。

「鈴華のやつなら、睦美と翠に任せれば良い。今はこっちに集中しろ」
「……翠も睦美と一緒にいるのか」
「ああ、オレと睦美を助けてくれたんだ。だから心配は無い。
 さあ経脈を開いて、霊気を同調させるぞ。私の力を分けてやるから」

478五行戦隊 第五話『寄生化スーツ』(19/20):2012/08/22(水) 06:35:21

清見は目を瞑り、弱々しく頷いた。
軽くしかめた眉間は、今にも苦痛を我慢しているようだ。
灯は二つの勾玉を通して、清見と気の流れを循環させる。
勾玉の片方は輝き、片方は黒ずむ。

焦りが増していく。
手のひらの先から、清見の霊力が微塵も感じられない。
自分の霊力だけ相手に流れていって、まるで一方通行のようだ。
どんな人間にも、最低限の生命エネルギーがあれば霊力となって現われるはず。
それがまったく感知できないとは、
清見の容態が想像もつかないほど悪いということだ。

「本当に……灯がもう少し速く来てくれたら、手遅れになることもなかったわ」
「……っ?」
霊力のコントロールに精神を集中するため、灯は言葉を発することもできず、
ただ清見の顔を見つめた。
清見の雰囲気は、どこか変わったように感じた。

「あともう少し速かったら、私も希望を捨てずに待っていられたのに」
清見は何事も無かったように、手のひらを広げて見せた。
彼女の勾玉は、墨汁の中から拾い上げたかのように真っ黒だった。
灯の心は震え上がった。
恐ろしいほどのスピードで、自分の霊気が吸い取られていくことに感付く。

「蕾が花咲く前に私を助けてくれて、ありがとう。でも、ちょっと遅かった。
 私はもうあなた達の助けを諦め、妖魔に心を捧げてしまったの」
清見は淡々と述べながら、黒い勾玉を強く当てた。
まるでダムが決壊するかのように、灯の体から霊力が急速に溢れ出ていく。
顔を真っ赤にして止めるが、最初から無防備に解放した霊力は、
そう簡単にせき止めることはできない。

清見は立ち上がると、その体から濃密な邪気がほとばしる。
やがて、彼女の勾玉は一つの妖眼として見開く。

「はい、五つ目」

清見は静かに宣言した。
その途端、彼女の気配が完全に妖魔のものに変質する。
灯は渾身の力を振り絞り、なんとか清見から離れた。
「清見、お前……」
「邪魔よ」
冷酷な口調とともに、清見の手から激しい水流が放たれ、灯の胴体をつんざく。

森を切り裂くような悲鳴をあげ、灯の躯体が吹き飛ばされる。
その拍子に、赤の勾玉を手放してしまう。
何の前触れもない一撃。
バトルスーツも無く、無防備な体で受けてしまった灯は、
気絶しないだけで精一杯だった。
彼女は苦痛を耐えながら、傷だらけの体をなんとか起こす。

479五行戦隊 第五話『寄生化スーツ』(20/20):2012/08/22(水) 06:36:03

「バカな……体に憑依した邪気は、全て浄化したはずなのに……!」
「ええ。確かに私の体は完全に妖魔化には至らなかった。
 だから、灯の霊力を借りて、妖力を補充したの」

「なにっ……?」
「助けてくれてありがとう、灯。
 あなたのおかげで、私は生まれ変わることができたわ」
清見は静かに告げると、蕾の残骸のほうへ歩んだ。

「やめろ……!」
灯は腹の底から声をきしませ、懸命に起き上がろうとした。

夜空に雲が集まり、月明かりを遮る。
空気のうなりが突風を呼び起こし、周囲の木々を揺らし始める。
一滴、二滴と続いて、無数の雨粒が降り始める。

清見は蕾の中にある一番太い触手を拾い、それを自分の股間に近づける。
そして眉間を悩ましく曲げて、触手の先端を自分の陰部に宛がう。
損傷を受けなかった蕾内壁の妖眼は、まるで祝福を贈るかのように妖しく光り出す。

「さようなら、灯」
「やめろ、清見――ぃ!」
灯が必死にあげた声は、激しく降り注いだ雨音に消される。
暗闇の中、清見の背中が弓なりに反らすと、
彼女が握る邪眼の勾玉から暗黒のオーラが溢れ出る。
魔の妖気は黒帯となって、乙女の裸体を妖しく包む。
形のいい乳房や柔らかい腰つき、腕や太もも、そして女性器までも。

一連の変身動作は、五行戦隊の時とまるっきり一緒だった。
だから灯は一瞬、これが全部清見の嘘じゃないかと思った。
そのささやかな希望は、周囲を溢れ返る妖気によって打ち砕かれる。

ひそかに伸ばした腕が、暗闇から伸びた水の触手に弾かれる。
触手はそのまま灯の前から赤い勾玉を奪い去る。
「くっ……!」
「灯、あなたにはもうチャンスは無いの」
清見はゆっくりと灯の側にやってきて、触肉に包まれた足で彼女を踏みつけた。

雷の閃光が遠くの空で炸裂する。
しばらく経ってから、ようやくゴロゴロと轟音が鳴り響いた。
だが、灯の頭にはその音は入らなかった。
彼女の脳内には、雷光によって一瞬照らされた清見の姿が、
いつまでも焼きついていた。

深海よりも暗い青色の寄生スーツ。
下から見ると良く見える太ももや、陰部に食い込むいやらしい触肉の形。
その宿主は、底知れぬ冷たい目で自分を見下ろしていた。

官能的な色香があたりを包みこむ。


(以上です)

480名無しさんが妄想します:2012/08/22(水) 06:38:16
- ここまで -

なにとぞ、よろしくお願いしますorz

481480:2012/08/24(金) 00:57:45
ありがとうございます。
大変助かりました!

482名無しさんが妄想します:2012/10/19(金) 20:56:22
どなたか恐れ入りますが、どなたか↓のスレにレス代行お願いします。

【うpろだ】専用スレのないSS その3【代わり】
ttp://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1319038014/
なお、名前欄は無記入・sageでお願いします。
以下本文です。
----------------------------------------------------------------
>>103-105
>>102はローカルルールの
>以下は禁止、より相応しい他の板でどうぞ。
>画像の貼り付け →半角二次元/お絵描き・創作等
を盾にとって言ってるんだとは思うが

自治スレでLRを審議してた時の過去ログ見る限りでは
画像貼り付けを主体としたスレ建ては、この板(エロパロ&文章創作板)では板違いだからね。
って意味で、SS作者が挿絵に画像1枚貼り付けたりキャラ紹介で1〜2枚貼り付けたりするのを禁止する物じゃないハズ……なんだけどね。

483名無しさんが妄想します:2012/10/20(土) 13:01:51
>>482 いってくる

484483:2012/10/20(土) 13:03:22
終了!

485名無しさんが妄想します:2012/10/20(土) 20:02:20
>>484
確認しました。 代行乙でした。

486名無しさんが妄想します:2012/12/25(火) 22:58:49
代行大丈夫ですかね。
見てくれた暇な人、お願いします。

甘えんぼうな女の子のエロパロ 糖度13
ttp://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1329558939/
名前欄 「B.Y.O.B」と表記お願いします。
sageでお願いします。

以下本文

487名無しさんが妄想します:2012/12/25(火) 22:59:36
とろとろと心地良い浅い眠りに意識を預けていた。
誰かが鳴らしたインターホンの音で、僕の意識は現に返る。
天井にぶら下がる蛍光灯の灯りを妙に眩しく感じた。起き上がって、あくびをする。重い瞼を擦りながら、時計を見た。十一時。
眼は開いているものの、まだ夢うつつの気分だった。
もう一度、インターホンの音が部屋に鳴ったところで、玄関のドアを開けに、寝起きの重い身体をどうにか立ち上がらせた。
ドアを開けると、背の低いサンタががたがたと歯を鳴らしていた。
「い、居るんなら早く開けてよ」そう言うが早いか、由梨はさっと室内に体を滑り込ませ、ドアを閉めた。
「うー、寒かったぁ……」そう言って、自身の冷たい手を僕の頬にくっつけた。ぞくり、とその冷たさに身震いした。
「ごめん。うたたねしてた」
「いいよいいよ。それよりごめんね。バイト長引いちゃって。忙しくて連絡できなくてさ」
頬を掻いて、申し訳なさそうに微苦笑をもらした。由梨は赤と白のコントラストが目立つ服に身を包み、暖かそうなふわふわの付いた三角帽をかぶっていた。所謂、サンタ服だ。

488名無しさんが妄想します:2012/12/25(火) 23:00:00
街中にあるケーキ屋でアルバイトをしている由梨は、激務が必至の二十四日、二十五日の二日間を、当然避けようと思っていたのだが、店主に泣きつかれ、期間中の時給を三倍にする、という約束の元に手伝うことになった。
疲れた身体を曲げ伸ばししながら、三倍はちょっと割に合わなかったなぁ、と笑う由梨。
由梨が僕の住むアパートに来ると予定していた時刻は二時間前に過ぎた。聖夜には、二人が思っていたよりも上を行く過密なスケジュールが用意されていたらしい。
由梨は小さなテーブルの傍に座り込み、激務と喧騒の中で張りつめた気持ちの糸を緩めるように、長い溜息を吐くと共に肩の力を抜いた。
僕は、インスタントのコーンスープの封を切り、大きめのマグカップに粉を入れる。ポットのお湯を注いで、スプーンで軽く混ぜてから由梨に差し出した。
「来るとき君の部屋の灯り、点いてるの見たよぉ」カップを受け取った由梨は、上機嫌に目を細めた。
「そっか」由梨の傍に腰を下ろす。
「ちゃんと、待っててくれたんだねぇ。えらいえらい」カップを持ち替えて、僕の頭を撫でてくれた。由梨の手はとても暖かくなっていた。
照れ隠しに、温かいうちに飲んでよ、と僕はそっぽを向いた。
由梨はちょっと驚いたように目を見開いて、そして、にんまりと笑った。
「分かった。ありがとねー、うふふ」僕の頭をもう一度、撫でてからカップへ手を戻し、ゆっくりとコーンスープを啜った。
「かわいいんだからー」と、僕の肩に寄りかかる由梨。今度は僕が由梨の頭を撫でた。

489名無しさんが妄想します:2012/12/25(火) 23:00:18
少ししてコーンスープを飲み干した由梨は、思い出したように自身の荷物を漁り始めた。
「ケーキ貰ってきたの。一緒に食べよ?」
可愛らしいクリスマス仕様の包装の箱を手に、由梨はそれを満足げに掲げ、わずかに膨らんだ胸を張った。
僕は快くうなずいて、棚から皿を二枚持ち出した。
「小さいやつなんだけど、店長さんが二つ、取っておいてくれてね」
「へえ、良い人だね」
「まあねー。あと、クリスマスに働かせたの、申し訳ないと思ってたのかな」
由梨は箱から一つずつ取って、皿にのせた。艶のある黒い髪が、柔らかく揺れる。垂れた前髪の奥で光る白い歯を、ケーキの乗った皿を差し出されたのに気付くまで、僕は見詰めていた。
「チョコレートとショートケーキ、どっちがいい?」
「せっかくだし、半分ずつ、分けて食べない?」
「ん、ナイスアイデアだね。じゃあ、先にショートケーキ食べる」
由梨はいそいそとケーキに巻きついたビニールを剥がして、待ちきれないとばかりにフォークで一口目を口に運ぶ。まるで子供のような柔らかな表情の由梨に、思わず僕の表情も柔かいものになる。
「んふ、おいし……」ほっぺたに手を当てて、幸せそうな表情を浮かべる。
「すっごくおいしいよ。君もどんどん食べなー」
「うん、頂きます」ビニールを取り、チョコレートケーキにフォークで切れ目を入れ、口に運んだ。
甘い。生地の中に詰まったチョコレートが舌の上に溶ける。生来、甘いものは苦手だったが、甘すぎない苦みのあるビターなこのケーキはなかなか好みだった。
「気に入った?」
顔をあげると、由梨は本当に嬉しそうな笑顔をしていた。
「うん。おいしい」
「ね、一口ちょうだい」
由梨は悪戯っぽく笑いながら、身を乗り出した。僕は由梨がこういう風に笑う時は、試されているのだと知っていた。恋人らしい振る舞いを求められている。
フォークの先に揺れているチョコレートケーキを、由梨の口に運んでやる。
「ん……うん……ありがと……」
由梨から積極的に動く割に、行為が終わると大抵顔を真っ赤にして口をつぐんでしまう。
可愛いな、と思うのと同時に、無理をさせているようで申し訳ない気分になる。
「僕も、一口食べたいな」
ぽつりとつぶやいた言葉に、由梨は驚いたらしかった。自分の手元にあるショートケーキを見つめ、やがて、意を決したようにフォークで切り、僕の口の傍にケーキを持ってきた。
甘いクリームとスポンジ。とても、甘かった。
「ちょっと、恥ずかしいね」頬を掻いて微笑すると、由梨も真っ赤な顔で笑ってくれた。

490名無しさんが妄想します:2012/12/25(火) 23:01:12
食べ終わったケーキの包装の残りや、使った食器を片付けて、お互いシャワーを浴びて、身繕いを済ませるとあっという間に日付が変わった。
「あれ、まだその格好してる」僕は敷いた布団の上に座る由梨の、サンタ衣装を見て言った。
「んー、バイト先から直接来たから、着替え用意してなかったの」
「もう、クリスマスも終わったのに」
「明日、着替え取りに一回家に帰る」
「明日はバイトは休み?」
「うん。私が頑張った分、暫くは他の人に任せる……」そう言って、大きくあくびをした。
「本当のサンタも、明日からおやすみなんだろうね」
「だろうねー」由梨は僕の言葉を聞いて、くつくつと笑った。
「偽物サンタから、大好きなあなたにクリスマスプレゼントをあげよう」
「言ってて恥ずかしくない?」
「うるさいなぁ、もうっ。こっち来て」
隣に座る由梨に無理やり身体を引き寄せられる。密着する。由梨の体温を首筋に感じた。
少し低い位置にある由梨の眼を見つめる。こげ茶色の透き通った瞳に、言いようのない感情を抱く。
由梨は僕の首に手を回し、さらに身体を寄せた。僕も、由梨の腰を抱いた。自分の心臓の鼓動が騒がしい。
由梨の瞳がゆっくりと近づいた。
湿った、柔らかい唇が、僕の唇にそっと触れた。
「はい。メリークリスマス」
「……うん」
「顔赤いぞー」僕の熱くなった頬を軽くつねる由梨の顔も負けず劣らず赤かった。愛おしかった。
僕は由梨を強く抱きしめて、頬や、髪に唇を押し付ける。由梨の綺麗な髪を手櫛で梳いた。手と手を絡めて、由梨を優しく押し倒した。
「好き……」
「うん、私も」
唇を重ねる。舌を由梨の閉じた唇の間に滑り込ませ、口内を愛撫する。由梨の鼻から甘い吐息が漏れる。
由梨の胸に手を伸ばしかけたとき、かすれた声で制止をされた。
「電気……消して」
僕は無言で立ち上がってぱちぱち、と電灯を消した。
布団にもぐりこんで、由梨の柔かい身体を服の上から撫でる。
深いキスを何度も交わし、由梨の敏感な首筋や頬をそっと舌でなぞる。
互いの唾液で互いの顔がべたべたになるまで、キスをした。舐め合った。

491名無しさんが妄想します:2012/12/25(火) 23:02:00
由梨の息遣いが荒くなり始めたあたりで体勢を変え、由梨の胸を後ろからまさぐる。
「んぅ……はっ、くぅん……」
由梨の胸ははっきり言って小さい。だが、色白で、柔らかく、綺麗な形をしていた。僕は由梨を愛するのと同じように、由梨の身体も愛していた。
サンタ服を肌蹴させ、ブラをずらして直接胸を触る。幸い、サンタ服は普通の服とあまり変わらないシンプルな構造だったので、暗闇の中でも苦労しなかった。
由梨の脇の下から差しこんだ手の指先で、ツンとたった乳首をくりくりと弄る。
「やぁ……あっ、んっ……うん……」
指先の動きと連動して喘ぐ由梨の声に、身体の芯が急速に熱を帯びる。
片方の手を胸から離し、由梨の身体の下へ移らせる。
お腹を指でなぞりながら、確実にスカートの中へ、そして熱を持ったそこへ手を滑らせる。
「あぅっ……!」そこに触れた瞬間、由梨の身体が跳ねた。
パンツの上から触っても分かるくらい、そこはぐじゅぐじゅに濡れていた。
そこを布の上からこすりつけると、暗闇の中でぴちゃぴちゃと淫らな水音が響いた。布団の中にむせ返る性の匂いと、由梨の声、水音、身体の擦れる感覚。
もう、我慢できなかった。
「由梨、入れるよ……?」
「う、うん……」
そのままの体勢で、パンツを下ろし、由梨の下着もずらす。由梨の小さな尻を手で抱え、自分のものを由梨のそこにあてがった。
「あ、や、やっぱり待って……」
「ん? どうした」
「その、前、前からが良い……」
ころんと、僕の方に向き直り、恥ずかしそうに甘えるように僕の胸に顔をうずめた。
「じゃあ、入れるよ……」
由梨を布団に寝かせ、上から抱えるように抱きしめて、繋がる。
「あっ……んぅ……く……」ゆっくりとした、相手を思いやった静かな挿入。
由梨の蕩けた表情が暗闇の中でもよく分かった。身体を密着させ、舌を絡める。手を繋いで、ゆっくりゆっくり腰を動かす。
由梨の鼻にかかった声に、だんだんと理性が崩され、終いにはぐずぐずになって溶けて無くなり、動物のように息を荒げて腰を打ちつけていた。

492名無しさんが妄想します:2012/12/25(火) 23:02:26
「あんっあ……ああぅ……っ、くぅ……! すきぃ、ねぇ、あっ……んぅ、好きぃ好き、はぁんっ」
次第に快楽の頂上が見えてきた。ペースがさらに早まる。
由梨の腰が浮き、身体全体が小刻みに震え始めた。
「いっ、いっ……ぐ、はぁ、んぁ……!」
「僕も、そろそろ、はぁっ……!」
由梨を強く強く抱きしめ、濃厚なキスを交わす。
僕のものの付け根がぞわぞわと脈打つような快感。快楽の波が引いた一瞬後、僕は由梨の中で果てた。
自分の身体の中のすべてが流れ出たような感覚。精液が尿道を擦り、由梨の身体の中へ吐き出される。
由梨も、同時に達したらしかった。蕩けた顔で、夢うつつのようだ。

改めて、静かな夜だった。
僕と由梨の荒い、途切れがちな呼吸の他に、暗闇に音はなかった。
「今……何時?」
「……二時」
「はぁー、ちょっと頑張りすぎちゃったかなぁ」由梨はその白いお腹を愛おしそうに撫でて、笑みをこぼした。
「ごめん、残業代は出せそうにないや」
「なにそれ」由梨は楽しげに笑った。
「二人でシャワー浴びて、後ゆっくり寝ようか」
「……うん」

終わり

493名無しさんが妄想します:2012/12/25(火) 23:03:10
以上、もし都合よければ、代行よろしくお願いします。

494名無しさんが妄想します:2012/12/26(水) 20:11:02
>>486いってくる

495494:2012/12/26(水) 20:17:23
終了!

496名無しさんが妄想します:2012/12/26(水) 20:18:32
あ、名前欄最初の1回しか書いてなかったごめん

497名無しさんが妄想します:2012/12/26(水) 20:30:26
>>495
サンクス!
その程度、気にしなくておkk
ありがとう!

498名無しさんX ◆q5tFVKFOs2:2013/08/21(水) 13:34:13
【すいません。回数制限に引っかかってしまいました…代行スレにて書きこみます
ちなみに遅くなりましたが今回の属性は沙織×久美のレズ 夢落ちハーレムの二本です
この後はエロ成分ありません
次から投稿します】

■ 巨乳小学生をテーマにしたエロパロ その八 ■
ttp://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1347367020/l50

>>362の続き 次スレにて

499舞い降りる鷹 ◆q5tFVKFOs2:2013/08/21(水) 13:37:05
そんな事を考えていた私だったが理奈から
「うん!あたし翔の事好きだよ!優子よりも!パパよりも!」
全く屈託も無しにはっきり言い切るのだった。私はそんな彼女の言葉を聞きながらカードを理奈に示す

過去が“吊るされた男”の正位置
現在が“節制”の正位置
未来は“恋人”の正位置

「んにゃっ❤久美ちゃんこれはどう言う意味?」
理奈は私に説明を求めるのでまずは過去から…

「ん…過去は“吊るされた男”意味合い的には試練だね
理奈だったら私以上にあいつの事知ってるだろうから省くけど、あいつ昔色々あって暗かったのよ」
私の言葉に知っているという意味で軽く頷く

「けど少なくても今のあいつは義務感だけで光陵をやってなんかないというのはすぐ気が付いた
それもあんたが体を張ってアイツを叱咤したからなんでしょ?」

私は理奈があいつをどんなふうに激励したかなんとなくだが察していた
元々理奈も大きく…野球の効果もあって形も良いおっぱいをしているのだが
チームメイトからは何時も性的な目で見られ、色眼鏡をかけられるばかりで選手としては取り合ってくれない事とかも

だけど理奈は光陵に入団しエースピッチャーとして活躍を始め、土生もかつて持っていた闘志を取り戻した。

やっぱりお互い体を通して(SEXまでしたかどうかは知んないし興味ないけどね)分かりあったという事を

理奈も私の言った事が当たっているとばかりに驚き
「凄い…何をしたかっていうのは禁則事項だから言わないけど、翔はずっと辛かったんだって
でもみんなの前で弱音とかいえなかったし…あたしの事とかで少し揉めたけど翔は分かってくれたから…」
私に好意と多少畏怖の混じった視線で私を見つめる

で…現在の二枚目“節制”はというと…
「うん。過去からあんまり進展してないでしょあんた等」

そう…節制は良くも悪くも調和・節度を表すカード。
大幅に関係が悪くなる事は無いけど進展も見込めない

その言葉通り理奈はガックリ肩を落とし
「うん…あたしとしてはもっと…あっ久美ちゃんだから言うんだけど
本当はあたし…もっと翔の事知って翔と…翔と繋がりたいんだって!そう…思ってるから❤」
まあ朴念仁らしいあいつらしい…土生の性格的に自分からがっつり理奈を食べるっていうのは立場上やりにくいんだろう

でも三枚目がお待ちかねという“恋人”のカード!

「おうっ。これは文字通り恋人のカード!理奈…あんた始めてを土生にあげたいんでしょ?
その望みは絶対なんて保証はできないけど叶うかも
少なくても今までよりもしっかりした恋愛関係は築けるみたい」
恋人は文字通り恋人に取ってみたら、相当良いカードで未来はかなり明るい様だ
だけど…
「けどね…浮気ってのもあるから、理奈…今後土生のほかにキープ君とか作る可能性もあるかもね…
それから…あんまり程度を超えた恋愛はとんでもない事態を引き起こす可能性もあるからそこら辺はあいつのテンションとか見ながら気を付ける様に」
とまあ“恋人”が指し示す正位置の効力は“恋愛成就”だけではなく“性欲”或いは“浮気”だから土生が本命という事は疑いようもないがひょんな所から野郎と関わる事も十分あり得る

そして理奈は優子が言った通り。普段こそおとなしいが好きな人間相手なら明るい所も見せる
ただ土生の場合は普通の友情や愛情と以上に強い物。
だからテンションが上がり過ぎて変な事をしないか少し不安になったりしたのだ

理奈は私の忠告に少し怪訝そうな表情で
「え〜私は翔が好きだから他の男の子や…今更久美ちゃんから優子を取ろうとか考えてないから…
そもそも優子とは子供の時お医者さんごっこをしてちょっと気持ち良かったってくらいで
女の子同士とか興味ないし……でも可愛い男の子が来たら…あッそれは翔には絶対黙っててね
変な誤解をさせたくないから…それから……」

理奈の話は続き
「あんまり程度を超えたって言っても…あたし翔の事が好きで好きでたまらないの
だからチャンスさえあれば最後まで…」
とまあ続けるがちょっと思い詰めた様なやばげな雰囲気になってきたので私から

「まあ落ち着きなさいな理奈。とりあえず未来の“恋人”はもうしばらく先だしゆっくり絆を築いていきゃいいじゃん」
理奈を取りなすのだった。

理奈も一応は応じてくれる模様で
「分かった久美ちゃん。まだ翔と恋人になれるのが後だって言うんだったら頃合いを見てみる
占ってくれてありがとうね」
私に礼を言って、うちのメンツで一番自分と顔なじみである優子ん所に言って二人で色々と話しだすのだった。

500舞い降りる鷹 ◆q5tFVKFOs2:2013/08/21(水) 13:38:00
んでんで…暫く色々と占っていたが人が引いたのを見計らった菊野さんから
「巫女様もお疲れでしょう…まだ場所を変えて午後の部も控えてますし、
ウエイトレスの方に頼んで巫女様分の食事を作ってもらったので暫くお休みください」
気を使って休むよう声をかけてくれた、因みに菊野さんが言うにはマミーはとっくに高いびきで昼寝中らしい

それにそろそろお腹も減ってきた事もあるので
「分かりました菊野さん。では私も暫く休憩します」
さっと仕事着を片づけて、昼ごはんの準備を整えていた

お〜菊野さんが言うとおり予めテーブルには私が食べられる分の食事がぱっぱぱっぱと置かれている所だった。
しかもなんか申し訳事に

「大泉。お前の分は司馬さんが頼んだ分量だけ置いたから、もし足りなかったら私に言え」
梢先輩直々の調理だったようだ

蜂綾 梢(はちあや こずえ)先輩。または梢打撃件守備コーチは成人だ。
しかし背丈や体つきにクールだけど可愛い童顔に似合ったシャギーヘアを見れば私とそんな変わらなく見える。
寧ろお姉さまら長身組と比べたらどちらが年長者か分からないほど低い。
しかし歴代リリアムでも五本の指に入るほどの猛打撃とあり得ないほどの俊敏さから来る鉄壁の守備で名を馳せた人物だ。

現在大学に通いながらここハニィスールのフロアチーフ件リリアムのコーチを兼ね、勤勉に働いており…
その約2割のお金は猫を飼えない分。猫カフェに消えていくのは有名な話である。

流石に普通のお客さんならきっちり敬語とか使うが
今回は仲間内の誕生日会という訳で本来ぶっきらぼうな梢先輩らしい口調にて営業していた。

さてと…ぬをぉ……基本的に菊野さんがオーダーした通りにバランスのとれた
半玉オムライス・リーフサラダ・ハーフハンバーグにハニィスール名物のハニートースト
そして保奈美んち直伝のマーブルスクリュケーキ……ここまでは普通だけど
サラダの脇にあってはいけない物が……

「蜂綾先輩…なんなんすか?これ??」
どうしても私は梢先輩に聞かざる負えなかった…だって…だって……

梢先輩はぶすっとした表情で
「ああ蜂のフリッターだけどどうした?一品精の付く物をって司馬さんは言ってたから作ったんだが
もしかして食べられんのか?基本的に昆虫はよほどの常連じゃなきゃ作らないんだがな」

蜂!蜂のぉぉ!!やっぱ蜂のフリッターすかこれぇぇぇ!!!
大きなスズメバチのてんぷらがあったからなんだこれって思ったけど

だが悪びれず梢先輩は
「小倉先輩とか一人で食事する時喜んで注文するんだがな。あとはオーストラリアの芋虫ソテーなり昆虫料理とかもな…」
てな具合に小倉監督もげても…いやいや……昆虫料理とか変わったもんを食べていると聞き私も覚悟を決めて食べたのだが…

「美味しい!」
思いのほか美味しくて声をあげてしまう。エビフライの様な…流石にいつも食べろと言われたら難儀するけどそれでも味自体は良かった。

梢先輩は嬉しそうに
「それじゃあついこの間ハブを入荷したばかりだから、生き血入りドリンクもサービスしてやろう
夏にかけて特にお前のスタミナを増しておく必要があるしな」
ぱっぱぱっぱとキッチンに入り土生の…じゃないや、ハブの生き血入りぶどうジュースを出してくれる

味は…流石にぶどうジュースを混ぜたとはいえ飲みにくいが…なんとなく精が付いた気がする
それに…ハブを食べるというのはいつかヤツを倒すという意味づけをより強く出来る訳だし。

で…当然梢先輩の料理がおいしかった事。
菊野さんのオーダーした分が本当にちょうどいい塩梅だった事など昼ごはんは大満足だった。

もっとも…夜は副キャプテンの会社関係者から付き合いのある企業関係者まで来ると言った理由から
私らでもそうそう滅多にいけない割烹“明日野”での懐石料理が控えている為
現在腹6分くらいなのだけど。しばらくの間全く問題は無い

そんな後の事はまた考えればいいし、今はハニィスールにて占いをひたすら行っていた

501舞い降りる鷹 ◆q5tFVKFOs2:2013/08/21(水) 13:39:12
そんなこんなで、日も暮れてきた所で副キャプテンからお客さん等に対して一礼した後
「皆様。私の誕生日に来てくれてありがとうございます。
続いて夜の部にも来られる方・或いは帰られる方にもそれぞれ送迎車を用意しましたので搭乗してください
昼の部にて帰られる方。改めてありがとうございました」
もう一度深く頭を下げる…呼んだ側とはいえそこまで丁寧にしなくてもいい気がするけど…

で殆どみんな夜の部にも出るのか、ぞくぞくと明日野行きの送迎バスへ乗り込むのだが…
ふと私は理奈を見かけたので見てみたが、今日はもう上がるようで…副キャプテンと少し話した後
何かプレゼントしたようだ…余りに遠くだったから、読唇術も様を成さず詳しい話までは流石に分からないが
雰囲気を見る限り。副キャプテンはかなり嬉しそうに理奈から小包を受け取って、西小行きのバスに乗る理奈を見送っていた。

んで…私は当然仕事件リリアムのお付き合いなどのファクター
そして明日野の“海賊海鮮”目当てでそのまま明日野行きバスへと乗り込むのだった。

運のいい事に優子と相席になれたので…
「優子。私理奈と…あの野村理奈と友達になったよ」
て報告すると優子も嬉しそうに

「そうなんだ!占いとかやっぱ土生絡みの事とか? ああごめん久美…占いの結果とか言わないんだったよね」
優子は理奈が土生の事を私に占ってもらうと踏んでた様で興味があった様だけど
意味もなく第三者に占いの結果は言わないと言う事を思い出してくれたようでそれ以上の詮索はしなかった

でも優子の話は続き
「後ね…副キャプテンのプレゼント。この間私や理奈。芙蓉さん・村田さんが集まって
絶対に副キャプテンが喜びそうなものって事で理奈の声を入れた目ざまし時計を贈る事にしたの」
成程ね…あの大きさなら目覚まし時計っていわれりゃ納得がいく
最も…ただ理奈に頼みごとをするだけで、リリアムのスタメンが三人も出る事は無いと思うから
優子達が土生等と練習をしに行くついでに理奈を捕まえたと言うとこなんだろうな

そういう事情なら副キャプテンが申し訳なく思うのも、小倉監督が照れているのもなんとなくわかるし

で…話は続き、梢先輩直々に土生ドリンクじゃないハブドリンクなどを振舞われたと聞いた時はさすがに優子もびっくりしていたが

「味は良かったんだ、蜂のフリッター
じゃあ今度私の家に来ない久美?母さんがモツ鍋凄く上手でさ…梢コーチが言った通り私たち以上に久美は夏に向けて体力をつけなきゃいけない訳だし
それからこれは久美が良かったら…なんだけど……」
今度は優子が優子の小母さん直伝のモツ鍋でもどうだと誘ってくれた…それから何か言いたげだったが、バスは明日野に到着し……

優子は待ちくたびれたとばかりに席を立つが
「それじゃあ詳しい日程とか連絡するし、私の家に遊びに来てね❤」
とまあ私に気を使ってくれるのだった

502舞い降りる鷹 ◆q5tFVKFOs2:2013/08/21(水) 13:41:07
んで…やっぱり4代続く老舗割烹!でか〜い!!説明不要!!!
聞いた話だと第一次世界大戦から営業を始めたお店で、総代明日野真里菜(あすの まりな)さんが料理長を務めていたと言う話だ
で…流石に真里菜さんはもう他界したが、85を超えてなお“天才”と呼ばれている総料理長
明日野 俊彦(あすの としひこ)さんを筆頭に
“海賊船長”とあだ名を取る二代目料理長明日野 卓也(あすの たくや)さん
そして初代利彦料理長の再来と呼ばれている副料理長 明日野 来生(あすの きお)さん
の家族経営で現在に至る

んで…今度は前もって来ていた副キャプテンの会社のお偉いさんなり、その家族であろう
いいとこのお嬢様やお坊ちゃんだったりと、やっぱり私もマミーも大忙しだった。

そんな中。私は仲良さげな兄妹の占いを務める事となったのだけど…

「お兄ちゃん。私だけでいいの?」
可愛らしい女の子が高校生くらいの男に申し訳なさそうな口調で言うも、丸坊主な兄と思われる男は
「俺はいいや…それよりさやかが占ってもらってばいいよ…大洋とか色々あるだろうしさ……」
妹…兄が言うさやかという少女を先に占って欲しい様だ

ん…あっ。この丸坊主の人どっかでみた事ある気がするなと思ったら
大分前大洋リトルが優勝した時の主戦力だった人か〜けど今じゃ大洋リトルは落ちぶれたって話だけど

たしか…石井卓郎…って名前だったかな?
そんなオールドスターに妹がいたなんて全然知らなかった
どれだけのもんなんだろ?けど過去の名声にしがみついているリトルじゃねぇ〜
今の監督さんも愚鈍だって口ずてに聞いたし…それとも下手くそだからその程度のリトルでしか勤まらないって事?

けどまあ仕事だからさやかという少女を占う事にした
「じゃあ貴女ね占ってもらうのは…今日は何を占って欲しい?」

私はさやかに問う…さやかは卓郎さんの顔を少し見て…
「わ…わたしお兄ちゃんが日本一にした大洋リトルをもう一度日本一にしたいんです!!」
きっぱりと所属している大洋リトルを日本一にしたいと言い切った。

ただ卓郎さんはなんか引け目・或いは負い目があるのか少し表情が暗くなる。
私としても昔はともかく、ぶっちゃけ今は弱小リトルでしかない大洋リトルじゃとても無理だろうなと心の中では思った。

だけどまあ私は何も言わずにタロットをさやかの前に出した。その結果

過去が大洋だけあってか“太陽”の逆位置
現在が“運命の輪”の正位置
未来は“吊るされた男”の正位置

なるほどなるほど
私はカードの意味とともにさやかの境遇を察した
「成程。大洋リトルではあまりよくしてもらってない…でしょう貴女」
失礼だと思ったけど、私ははっきりと言い切った
太陽のリバースは不調や落胆を意味し、チーム自体衰退しきっている大洋リトルに相応しいカードといえた。

卓郎さんはぎょっとし、さやかも表情が沈んだが…
「そんな事…それは私の出来が悪いから……チームが悪い訳じゃ…」
健気に言い返してくる。でも卓郎さんは直接見たのか聞いたのかと言わんばかりに
チームになじめていない、或いはチームから浮いていると言うのを態度で私に教えてくれた。

私は気を取り直して
「でもね…現在のカード“運命の輪”はチャンス!或いは新しい出会い
だからそのうちきっといい事があるわよ」
運命の輪の説明をする…私としては恐らく校舎の意味でかなうだろうと思ったがさやかは

「はい。きっと…きっとチャンスは掴み取ります!!」
前者の意味と取ったようだ…どちらかというと新しい出会いの方がカードの意味合い的にはよりぴったりなんだけどね

で…最後のカード“吊るされた男”
「でもまだまだ。試練は続くってさ
その代わり堅実に物事を積み重ねれば、着実に自分の力になるよ」
とまあさやかの野球ロードは順風満杯と行かないが…そのうちさやかを受け入れるリトルが現れれば、ちゃんと活躍できると言う事を匂わせ
さやかの占いは終えるのだった。

因みにだいぶ後の話になるんだけど。
恵の一件でさやかと再び会った時。彼女が光陵に入ったと知り
運命はどう転ぶか分らないモンだな〜と心から思う事となる。

ましてはさやかがあのパワー馬鹿と純粋なお付き合いをする事になるとは思わんかった。

とまあ私が知りえる話からしたら未来の話は置いておき、ひたすらお偉いさん等の占いを続けていたが…

503舞い降りる鷹 ◆q5tFVKFOs2:2013/08/21(水) 13:44:14
自分でもいい加減お腹が減った事は自覚していたので、近くにいた菊野さんを捕まえて

「すいません菊野さん。私おなか減ったんで少し休んできてもいいですか?」
て休憩を求めるも、元々菊野さんも私を休ませるつもりだったか

「ええ…そろそろ頃合いかと私も思ってましたわ
巫女様が好きな卓也料理長がする海賊船盛りを今しておられるようですし…見ながらお食事をとってきてくださいませ」
優しく微笑み、着替えを渡してくれた。

私は菊野さんにお礼を言った後大急ぎで着替え、さっそく卓也料理長お得意の船盛りを見ていた
豪快な包丁さばきでマグロなどの大型魚をたちまち解体し、細やかな動作で盛りつけていく。

卓也料理長渾身の海鮮割烹だった。
で切り上がった船盛りを皆まるでピラニア(勿論最低限の行列はしているけどね)の様に群がり
あっという間に食いつぶしていく

当然私も皿全開に刺身を取って食べるのだが…美味しい!やっぱり美味しい!!
うまい事〆てあるから鮮度も極上。熟成も完璧と非の打ち所が無い

舌鼓を打ちまくりだったのだが、利彦総料理長入魂の“天ぷら”(フリットにあらず)も同じくらいにギャラリーと食べる人が集まり
祖父と父の手伝いをしようと来生副料理長が二人の手伝いをしてという具合に大盛り上がり!!

言うまでも無く天ぷらもご飯と一緒に疑似天丼風としてとっても美味しく食べるのだった。

で〜お腹も仕事ができる位程度には抑えて、再びお開きになるまでひたすら占いに没頭していたのだけど
最後に副キャプテンのお母さんと思われる綺麗な女の人とお付きの人らしい男の人が壇上に上がって…

「皆様。奈津の誕生日においで下さり有難う御座いました
そろそろ夜も更けてまいりましたので、宴もこの辺でお開きにさせて頂きたいと思います
皆様お気をつけてお帰り下さいませ。ありがとうございました」

てな具合に〆るのだった。

さ〜て。仕事も終わった終わった❤みんな撤収を始めているんだけど

「久美ぃ。仕事終わったらら菊野さんのギャランティを鷲沢さんがらもらうけん、控室に来てくれって」
マミーから“仕事”として報酬を受け取るから、移動とのことだ
折檻は菊野さんがやってくれているのだろう…私達母娘で控え室で待つことにした
と…暫く待っていたら……

「大泉占いお疲れ様。大泉のお母さん…夜分まで付き合わせてすいません」
何と副キャプテンが直に来た。何でも副キャプテンの話だと自分達が思っていた以上に私らが働いていたので
鷲沢夫妻と菊野さんとの間でギャランティの折檻などでまだ話しているようだった

因みに…副キャプテンの話だと、壇上に副キャプテンのお母さんと一緒にいて
特に何もしゃべらなかったお付きの人は副キャプテンの父親だそうだ。

「うちの父は目立たないからね…会社は母主導で経営しているから」
と…実の親だからこそ、わりとはっきり言うのだった。

因みに後日鷲沢家の会社を調べていたら、父親よりも母親の方が大きく写真に出ているほどだった。
かといって縁故とかでは無い様で、父親も身分相応の力はあるが、母親が更に経営の天才な模様で頭が上がらないようだ。

それで副キャプテンの話は続き

「で…菊野さんと両親の交渉もう少しかかるみたいだから、その間に大泉と大泉のお母さんに礼を言いに来たんだ」
そうなんだ…変な所で折り目正しい事で

マミーはそんな副キャプテンに感心したのか
「よかお嬢しゃんね…うちも今日一日楽しか思いばしゃしぇてもろうたわ
あんたのようによか先輩のいて久美も幸しぇね」
てな具合に副キャプテンを褒め、話を私にふる。

んんっと❤確かに今日は楽しかった。色々思う所もあるのはやっぱり変わらないけど
「いえいえ。私も母同様に色々と楽しかったです鷲沢副キャプテン!」
正直に心境を話すのだった。

そんな私達に副キャプテンはほっとしながら
「そっか…改めて今日一日ありがとう大泉。大泉のお母さんも本当に今日は助かりました」
再び私達に礼を言うのだった。

そんな風な青春の一ページみたいなシーンをしていたら
「巫女様・御母様。お疲れ様です」
菊野さんが私達を労い…続いて

504舞い降りる鷹 ◆q5tFVKFOs2:2013/08/21(水) 13:45:20
「お疲れ様。現リリアムのエース大泉久美さん
あの娘たち以来かしらね、先が楽しみだって思える娘は……それから
大泉勝代さん。貴女も“大泉の母”と呼ばれる事はありますね…お疲れ様です」
副キャプテンのお母さんに続いて、御父さんから

「奈津の後輩は可愛い子ばかりだけど君は特にかわいいね久美ちゃん
それから勝代さん、重役とかの占いありがとうございました」
てな具合にねぎらわれた…あれ?副キャプテンのお母さんリリアムの関係者??あの娘たちって…誰?

後で調べるか…今聞くのは少し疲れもあるし…
で…マミーの方も軽く会釈して
「娘の世話になっとる先輩ん誕生会たいもん…母親んうちのご家族ん助けになるんは当然たい」
鷲沢夫妻を労う

直接リリアムとは関係ない菊野さんは仕事を優先とばかりに

「鷲沢様。御母様と巫女様に対し、色を付けて下さり有難うございます
また御用があれば優先して予定を開ける様に致しますので今後とも御贔屓にしてください」
ショウビスとしてこの上ない上客と関われた事を喜んでいた様だ

そうしていたら…今度は保奈美らアキュリス組も現れた。
午前の部同様。午後の部のデザートやらお土産の焼き菓子やらで凄く忙しかったようで
家族皆コックコートを着たままだった。だけどきっちり厨房の片づけなどをしてきたという事だ

「村田さん達もお疲れ様でしたね。お菓子美味しかったですよ」
まずは菊野さんの方が保奈美や保奈美の両親に対し、お菓子がうまいと褒め称える。

そんな菊野さんの言葉に保奈美のお母さんが
「いえいえ…菊野さんも勝代さんや久美ちゃんが動きやすいよう色々尽力をしていたのを見ていましたよ
私は夫や保奈美と違って作る方専門では無いですから、手伝いくらいしか出来ませんでしたし」
菊野さんを褒めるのだった。

菊野さんも会釈をして「ありがとうございます」てな具合にお礼を言い返す。

ただ流石にもう夜も更けて迎えのバスを待っているよりかはという話になり、今日は保奈美らの車で帰る事となった。

「んじゃ。副キャプテンお疲れ様です」
「何かパーティがありましたら何時でもおっしゃってくださいね副キャプテン!」

私らは車に乗り込む際。副キャプテンにこういう事があったらと遠慮なく呼んでと言い
副キャプテンもまた
「悪いね二人とも。私らが用入りだったらありがたく呼ばせて貰うよ
それから次は沙織の誕生会で色々頑張る事になるんだろ?私も沙織の誕生日に出させて貰うから今度は客として宜しく頼むね」
てまあ次の機会と沙織お姉さまがじきに開く誕生会のお客としてまた会おうと声をかけてくれるのだった。

「「お疲れさまでした!!」」あたしらは改めて副キャプテンに頭を下げ、車に乗るのだった。

505舞い降りる鷹 ◆q5tFVKFOs2:2013/08/21(水) 13:47:25
で…車の中でビックリする事を保奈美から聞く事となる
「久美ちゃん。お疲れ様だね……ところで久美ちゃんはまだ知らなかったっけ
鷲沢副キャプテンのお母様って先代の監督だったんだって」

え…何それ……初めて知った。でもそれだったら確かにリリアムの事知ってるわな❤
でもなんで黙ってたんだろ…ひいきされているって勘違いされるのを嫌がったとかかな?
私なりに推察したが保奈美の方から

「…そうだね。ある程度久美ちゃんが思っている事で正解だけど
一番の原因として神楽坂キャプテンとの勝負の一件に
リリアムから一線引いたけど前監督の娘って言うので色眼鏡をかけられたりするのが嫌だったんだって」

だろうね…お姉さまと副キャプテンのキャプテン争いはし烈なんて言葉では片付かず
話し合いでも人望でも二分してしまい、一週間トライアウトをやってようやく小倉監督は
沙織お姉さまをキャプテンにした訳だけど…
当然情実縁故で出来レースとかやられたら、副キャプテン的にはいやだろうし
言うまでも無く私はそんな話が出てたら、実力だとしても副キャプテンがキャプテンになってたら絶対言う事聞かなかっただろうし。
そういった所からケチが付くと言うのは、お姉さま的にも嫌だろう。

で保奈美の話は続き
「後は現役時代の小倉監督と春日監督の事もよく知っていて
というよりあの二人がバッテリーを組んでいた頃の監督さんだったから…久美ちゃんに対しては今更言うまでも無いけど…凄いよね小倉監督達!」
てな具合に過去小倉監督達が4年からレギュラー入りし…そして春日監督が家族の人とひっこしをするまで二人が試合に出た際の防御率が0.00
つまり凡打はおろか、出塁やエラーさえも出さなかったというまじでプロになれるほどの凄まじい有様だった

もったいないな〜春日監督の事情は知らないけど、今に至るまでリリアム歴代で“最高のバッテリー”と謳われる英雄譚は語り草だ。

けど引っ越したからこそあのでたらめチームが生まれたと考えると…春日監督は小倉監督の為に対等以上に戦えるチームを揃えた…て事かな?
それともうちの決まりとして余程無茶なお願いでなければ、“勝った相手が負けた相手に従う”というルール上。ずっと見てもらいたいって考えてたりして❤

けど春日監督と小倉監督の関係は羨ましい
最強のライバル…そして最愛の恋人って言うのはロマンチックだ

私と優子もそこまでの高みに行けるのかな?相性の良さは今更考えるまでも無い
けど流石に速球も変化球も天才と言われた春日監督に勝てると言えるほど、私は傲慢では無い。

少なくても“今現在”は

真顔のままの私を見てか保奈美は
「久美ちゃんは春日監督を超えたいんでしょ❤現リリアムのエースとして…それだったら久美ちゃんだけのスぺシャリテを作る必要があると思う
久美ちゃんの変化球は凄いけど…タイガーソウルはいうまでもなく、他の強豪チームだって久美ちゃんの持ち球は研究し尽くているだろうし」

なんとなく私の考えている事を察したみたいに助言をする
スペシャリテ…要するにもっと強力な決め球を覚える必要がある事に

そう。私もなめてかかった所はあるけど
先輩どころかリリアムトップレベルのお姉さまら上位打線にさえ私のツーシームはそうそう打たれない。
だけどあいつは…土生翔平は打ってきた……
直接相対していない大河虎らタイガーソウルの上位打線はビデオを見る限り。低く見積もってさえ土生と同等

506舞い降りる鷹 ◆q5tFVKFOs2:2013/08/21(水) 13:49:47
でもどうする?とりあえず速球は試してみても理奈と比べたら雲泥の差。
良くできても理奈の模倣の範疇を越さず、当然その程度では通用しないだろう。
逆だったら当然私が雲で理奈が泥だけどね

となるとやっぱり変化球だけどどう言うのにするか…体力消耗とか考えると色々と頭を悩ます所だ。

で保奈美は…
「私は久美ちゃんみたいにピッチャーやる事は無理だし、打撃にしても凪ちゃんや石引さん等には遠く及ばないのは分かっているから
せめて守り切る事はね…久美ちゃんにも頑張ってもらうけど私もフォローはするから…お互いガンバろ!」
てな具合にいきなり結論は出さなくていいからベストを尽くそうと励ましてくれた

確かに幸いなことにまだ決め球を絞る時間はある。或いは何かしらできっかけをつかめる可能性だってあり得る。
とりあえず今日は占い疲れもたまってたし、明日改めて考えるとしますか❤

「まかせてよ。保奈美達がビックリするような球投げて見せるからさ」
私は心配するなとばかり保奈美にそう言い返し、保奈美も信じているとばかりに微笑んでくれた。

そうして保奈美と話している間に我が家が明かりをともして出迎えてくれたのでまず私から
「ありがとうございます保奈美のお父さんとお母さん」
続いてマミーも
「村田しゃんうちら親娘ば送り迎え届けて頂きありがとねやった」
てな具合にお礼を言い車から降りようとするも、菊野さんから少し止められ。

「今日はお疲れ様です。お二人とも本日のギャランティです…お受け取りくださいませ」
てな具合に今日の給料を渡してくれた。

で…保奈美から
「それじゃあ司馬君のお母さん送って帰るから、ゆっくり体休めようねお互いに」
とまあ私に気遣ってそのまま帰るのだった。

で…鍵を開けて私らはお給料の確認をすると…封筒の重みでなんとなく察しはついていたが
菊野さんが言ってた通りかなり色を付けてくれたようで、かなり割の良い仕事だった

お風呂も律儀にパピーがわかしてくれたようで、先にマミーを入らせ…私は疲れているなりに着替えながら、ソフトボール大百科を眺めていたら…
電話?だれからだろう…仕事用の番号だから冷やかしとかではないだろう…受話器を取ったら出てきたのは…

「はいは〜い。大泉ですけど…ん?あ〜あんたか〜
え…あ〜私に?まあいいけど…マミーはその日付だと別の仕事だし…OK
ただ予約取れるの営業時間ぎりぎりだから結構夜遅くになるけど…ああ良いのね。分かった分かった
大阪からはるばるとねぇ…ふーん。はいはいじゃあ夜にまた」

ひょんなことってあるモンだ、まさかあいつが私に占いを頼みに来るなんて
まあいいや仕事が増えるのはそんな悪い事じゃないし…あッ!聞こえたるはマミーの声

「久美。いんたはしゃっしゃっち風呂入っち寝ない! 疲れとるんやろ」

マミーは相変わらず早上がりだな〜電話終わった時着替えが終わっていたようだ

私はとりあえず明日の為引き出しから服を取り出し浴槽に向かうのだった。続く

507設定資料 ◆q5tFVKFOs2:2013/08/21(水) 13:53:06
ミニ設定資料

蜂綾 梢(はちあや こずえ) 150cm B76(B) W56 H80 47kg 21歳
喫茶店ハニィスールのフロアチーフを務める大学3年生でリリアムの打撃件守備コーチも務めている。
特徴としてシャギーを入れたショートをしている童顔小柄なクールビューティー
本来はぶっきらぼーな性格ながらとても機敏で接客スマイルなども完璧に行う

過去リリアムに属していた事もあり、当時から尋常じゃない動きの俊敏さを守備に使いつつ
小柄な体躯とは想像もつかないほどの強烈な打撃で名を馳せた四番打者
因みに猫マニアでオフの時は猫カフェに通い詰めているらしい

元ネタはブリーチ登場人物 砕蜂(ソイフォン)の本名 蜂 梢綾(フォン・シャオリン)より

喫茶店ハニィスール
小倉監督がわりと良く行く喫茶店。
基本的に甘味料は蜂蜜縛りという一風変わった喫茶店
さらに常連などに提供する裏メニューには昆虫の類が混ざったキワモノ料理(味はいい)を提供する

因みに後日土生少年と野村穣も中井監督との食事会にてこの店に訪れる事となる
(再開のストレートより)

元ネタはハースニール(WIZシリーズに出てくる剣・或いはみさくらなんこつのサークル名)より


割烹明日野
100年以上前から付属地区にて名を馳せる割烹料理店
初代明日野 真里菜を皮切りに二代目明日野 利彦 三代目 明日野 卓也そして
現料理長は明日野 来生が務める

初代板長 真里菜は他界したものの、揚げ物を得意とする利彦・刺身を得意とする卓也
オールマイティな来生の三人で切り盛りしている

名前の由来はガンダムAGEのアスノ一族から
フリット・アスノの母 マリナ・アスノ
第一部の主人公にて本編キーパーソンのフリット・アスノ
第二部主人公 アセム・アスノ
第三部・および三世代編主人公 キオ・アスノ より

508名無しさんX ◆q5tFVKFOs2:2013/08/21(水) 13:53:38
以上で投稿終了です。
次は

509名無しさんX ◆q5tFVKFOs2:2013/08/21(水) 13:56:31
【変なところで失礼しました。
舞い降りる鷹の裏話“保奈美イズム”と超展開必至の久美イズム続編
そして今まで語られなかった“彼女”の裏事情が明らかに!
次週をお待ちください】

改めてどなたか書き込みお願いいたします
以上です。

510名無しさんが妄想します:2013/08/22(木) 09:26:22
連投規制ならもう解除されたはずですよね?
またのご依頼お待ちしております

511 ◆q5tFVKFOs2:2013/08/22(木) 12:53:59
>>510
【すいません勝手がわからなかったのでいろいろ使わせていただきました
今後は気をつけます】

512名無しさんが妄想します:2013/08/23(金) 12:54:23
テンプレ置いときますね

【依頼に関してのコメントなど】
【スレのURL】
【名前欄】
【メール欄】
【本文↓】

513名無しさんが妄想します:2013/12/14(土) 20:46:24

久しぶりにネタ思いついたけどスマホ全規制
小ネタでもよければ代行よろしくお願いします

クイーンズブレイドのエロパロ
ttp://pele.iand2ch.net/bbspink/test/read.cgi/eroparo/1201432565/l50
名前欄 名無しさん@ピンキー
メール欄 sage

以下本文↓

514名無しさんが妄想します:2013/12/14(土) 20:48:06
アルドラ「ふと気になったのだが…そなた名は何というのだ?」

コック「…え?」

アルドラ「いや、コックコックと呼んではいるが名前を聞いた事は無かったと思ってな」

コック「…はあ」

アルドラ「これからは名前で呼んでやろう、名乗ってみよ」

コック「いや、コックでいいですよ」

アルドラ「…おい、余が名前で呼ぶと言ったのだ。さっさと名乗らんか」 

コック「だからコックでいいんですってば」

アルドラ「いい加減にしろ、名乗れと言うのがわからんのか!?」

コック「だから名乗ってるじゃないですか」

アルドラ「…え?」

コック「コック(職業)の、コック(名前)です」

アルドラ「…えぇー…」

コック「まあモブキャラですからねー」ヤレヤレ

アルドラ「そういう事を自分言うものでは…いや…そなたがそれで良いと言うなら…まあ…」

コック「ああ、ちなみに一部の国では『コック』って『ち○こ』って意味になるそうですよ」HAHAHA


アルドラ「よしそなた今すぐ改名しろ」

コック「え」

アルドラ「いいから改名しろ」

コック「え」

アルドラ「四の五言わず改名しろ!余がもうそんな風(ち○こ)にしか見られなくなるだろぉぉぉぉ!!」

515名無しさんが妄想します:2013/12/14(土) 20:49:45
以上です
よろしくお願いします

516名無しさんが妄想します:2013/12/15(日) 14:18:27
いってきます

517名無しさんが妄想します:2013/12/15(日) 14:21:36
ほい
ttp://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1201432565/648

518名無しさんが妄想します:2013/12/15(日) 17:14:56
>>517
確認しました、ありがとうございました

519名無しさんが妄想します:2014/02/15(土) 19:45:55
申し訳ありませんが当方の環境では、どう言う訳かは解りませんが
画像認証のCAPTCHAが出てこないの書き込み代行お願いします。

【スレのURL】ttp://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1388241481/
【名前欄】
【メール欄】sage
【本文↓】
画像認証必須になったんで、取り急ぎしたらばのエロパロ避難所に避難スレ建てた。

不気味なモノに寄生されて虜になる娘!!避難所
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/2964/1392460664/

520名無しさんが妄想します:2014/02/16(日) 11:55:16
>>519 ttp://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1388241481/152

521名無しさんが妄想します:2014/02/16(日) 19:30:39
>>520
ありがとうございました。

522名無しさんが妄想します:2015/09/27(日) 09:46:36
保守


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