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必殺外道ファンクラブ  辰の会

1実は沖時男ファン:2007/03/26(月) 02:03:34
当面の会長はわしがやる。
わしに対する批判・罵倒・人格否定はここで思う存分やれや。
ただし2ちゃんや他のスレでの展開は厳禁とする。

会員随時募集中w

しろうとを〜 そんなにいじって なんになる〜w

10実は沖時男ファン:2007/03/27(火) 19:06:16
>いいかね、どんな作品でもそれなりにバグや矛盾が生じる。シリーズ中もっとも不安定な無印仕事人は、
>そのバグの中でかろうじて終わらせられるエレメントを結集させただけで、真に「終わらせる為」に果敢に
>「激進」してるエピではない。これはクリーターの資質以前に、不安定な外枠の事情によるものだ、と推察
>している。

その推察はおそらく正しいだろう。
今後の役者のスケジュールの都合などを考慮した結果、伊吹の退場編で決着をつけざるを得ない、
という「制約的条件が発生したことにより誕生した精算作品」と言いたいんだろう?
「最初からこうする計画があったわけじゃないけど、仕方ないから最後もあんたやってよ。 でも再会のイベント編も考えているから、しばらく旅に出ることにして」
という、取って付けた感があるわけでしょ?
または、ギリギリまでふんぎりがつかない、急いでメシ食わされて消化不良起こした感じか?
私が評価しているのは、そういう「仕方がない」外的条件が発生した中で指名されたキャ
ラクターの結末を、初期の動機とサイヤ人のいうエレメントを丁寧に拾い集めて吟味した
作業を、決意表明に戻したところに価値があると思っている。

11実は沖時男ファン:2007/03/27(火) 19:07:04
サイヤ人最大の疑問は、作品を終わらせるためになぜ「激進」が必要か?という点だな。
(解散無用が刷り込まれた「固定観念」だと、私は思っているが)
「大きなお世話だ」と言われるのはわかっているのだが、散り技は次回作へ繋げる
休止という意味は、もちろんあると思う。
しかし終点(再スタート)の位置を延長戦上に置きっぱなしにせず、きちんとスタート
地点に戻す作業をしたところに、大きな喜びと誠実さを感じるわけ。
(ここが他の最終回と大きな違いだと思っている)
最後がたまたま伊吹降板だった(らしい)から、こういう形を取らざるを得なかった。
だから「取ってつけた」という印象がわからんわけではないが、そういう「条件」を
逆手に取って搾り出した、すばらしい名案じゃないかな?
クリエーターの的確な状況判断と解釈してもいいだろ?

もちろん最初から準備していたのかどうかは知らないけど、長いシリーズになって
最後は意外と「因果」に的を絞って「激進」はしていたと思うよ。
視覚効果の強い爆発を見せて「終わらせる為」の最終回よりも、心の奥を狙い撃つ精神攻撃で
あえて「終わらせない為の」最終回にする事が目的なんじゃないの?
私はそれに「乗った」だけ。 だから今でも一番心に残って最高の評価をしてるわけで…
まあ、ここでサイヤ人を無理矢理乗せようとはしないけどw
第1話の狙い(コンセプト)が、最後の最後に大輪の花を咲かせた。
この程度の表現なら、許してもらえる範囲なのかな?

左門の生かして残すというのは制裁ランクとしては、自分が死ぬ事より上でしょう。
しかし終了でも継続でもどちらにも転用できる発明的アイデアが、人によっては中途
半端に見えて評価が低くなってしまう元凶になってしまったのかもしれん。

12実は沖時男ファン:2007/03/27(火) 19:07:54
ようは「因果」だよな。
サイヤ人からこの一言があれば、私としては溝は相当埋められるんだけど。
伊吹の降板という制約から誕生したらしい「散り技〜」なんだけど、これもサイヤ人が
言うところのバグを拾い集めて整理して、素材を活かした「因果」の結集作品と評価
してもいいだろ?
たしかに左門=視聴者というのは最初は小さな狙いのひとつだっただけかもしれん。
しかし最後。バグやエレメントを因果を絡めて調理して食ってみたら、この味が一番残る、
みたいな。
最初からテーマとして力んで描こうとしたものではなく、全部みたら印象に残ったのは
これだけだった、と。

私はたまたま「因果」というアイテムを見つけて拾った。
すると最初の部屋へ通じる扉のカギが開いた。
そこで最終回の意味がなんとなく心に通じた。
それは製作が意図していない曲解して間違ったままの感動かもしれない。
馬鹿にされもいいし、叩かれてもいい。
それを言うなというなら黙っていてもいい。
でもひとつだけ言える事は、私はサイヤ人よりずっーと幸せだったということだなw

13実は沖時男ファン:2007/03/27(火) 19:08:47
最後に。
ひとつ誤解があるようだが。
左門を全体の主役とは言ってないぞ。
第1話に関しては、「伊吹さんの登場でーす」と司会者(藤田)が紹介してるわけで。
じゃあ、ゲストが主役か司会者が主役か?という質問だったら、今回に関しては
「ゲストだよ」と答えるが…?問題あるか?
全体の主役は誰か?という議論をした覚えはない。
サイヤ人の能力をこんな素人の駄文の粗捜しに使う無駄な消費はしてほしくないね。
素人ごときの論破を主目的としているのは、正直大変惜しい。

>他人に見せる以上否定される覚悟を持て。
>噛み付かれたくないなら誰もが納得できる事を書け。議論する気ならまず自己の欠点を直視しろ。
>ただそれだけだ。

了解した。
行き過ぎがあったことを認めて反省する。
と同時に真面目に相手してくれて、こちらの指定した場所に来てくれたことを感謝します。

というわけでとりあえず俺としてはこれで終了にしたいのだが?いかがかな。
今度は大好きなケンシロウで語ってくれよ。よそでw
俺はもうドーベルマン刑事(知ってるかな?)全48巻チャレンジマラソンしてるから。
もう邪魔すんなよ。

>お前自身は「何の」主役なの? これも答えて頂戴な
「仕置屋稼業」に決まってんだろうw

14実は沖時男ファン:2007/09/05(水) 21:38:13
さて。このスレを立てたのはいいけど…
サイヤ人は逃走したまま姿消しちゃうしw
放置するのもなんか申し訳ないので、新しい企画を考えてみた。

ここからは外道スレらしく、必殺に登場した数々の悪党を紹介していこうかと思う。
題して「オススメしたいこの悪党」(笑)
レギュラー仕置人にも負けないくらい、個性的な外道仕置人たちの意外な表情。
ふと見せる人間性などなど。
華々しく散った者。断末魔に苦しみながら地獄に堕ちた者…
この世に未練を残しながら仕置きされた彼らも、また人間である。

必殺シリーズを語る上で、あまり話題にならない悪党サイドからのメッセージにも
たまには耳を傾けてやろうじゃないか、と…
そう思いながら長年放置されてきた、必殺のいわばウラ側の「スター軍団」だ。
鉄や貢や剣之介、仇吉に新次…
きっとあの世では、和解して仲良く酒でも飲んでいるのかもしれんw

みなさんにも、思い出深い悪党の顔がそれぞれ浮かんでくるであろうかと思う。
参加は自由だ。(一部を除いてw)
好きな悪党の顔を思い浮かべて、ここでおもいっきり語ってくださいw

15実は沖時男ファン:2007/09/05(水) 21:39:30
第1回目は橋掛人・第10話「日本橋の地獄火を探ります」
(監督 松野宏軌 脚本 中原朗)
(あらすじ)
日本橋の呉服問屋・近江屋は全国に店舗を展開する大商家だったが、先代の創業者が
死亡して、店主争いが激化していた。
番頭が次々に変死して不審に思った柳次ら橋掛人メンバーは、早速近江屋の探索を始めるのだが…
旅芸人一座として全国を巡回する地獄火の伝蔵(菅貫太郎)が、二番番頭の五兵衛(千波丈太郎)に
金で雇われて、次々に殺しを行ってきた事を突き止める。
その手口は多様多彩。
悪党とは思えないほどの華麗な手口に、橋掛人レギュラーも大苦戦を強いられてしまう。

16実は沖時男ファン:2007/09/05(水) 21:40:26
(1)
記念すべき第1回目は、日本一の悪役大スター・菅貫太郎の登場だ。
地獄火の伝蔵率いる、菊之丞・芝居一座に扮した殺し屋軍団。
なんと「旅シリーズ」の外道版!!
大きな特徴は、元々は橋掛人元締め・多助配下の正道仕置人だった点だ。
そして大阪に流れて、正道仕置人・黒獅子の元締めの配下で仕事をしていたようだが。
元締めを裏切り、カネ優先の外道殺し屋に成り下がったお決まりのパターンである。

伝蔵は悪党なりにチームの統率力はあるようで、その教育体制と結束は意外と固い。
配下の殺し屋全員オモテでは目立たず、あくまで暗殺部隊に徹している点を評価する。
大体、外道仕置人ってのは、手口が荒っぽいからな。
匕首や、いいとこクサリ鎌ってとこだろう。
大勢の観客の眼前での暗殺実行は非常に見ごたえがある。
正道仕置人でも難しい難仕事突破は、一見の価値がるぞ。

また松が、探索のため一座に弟子入りを志願する場面が登場するのだが。
その時の伝蔵一味とのやりとりは、悪人サイドのオモテの顔で対応するという
実に人間味豊かな表情が見える。
表裏の顔を見せる外道仕置人というのは、大変珍しい。
そういう意味でも貴重な悪党チームで、強く印象に残っているのです。

17実は沖時男ファン:2007/09/05(水) 21:41:01
(2)
簡単に言うと、ひとりの元締めの先輩・後輩対決でもある。
劇場版「THE HISSATSU」の六文銭チームの焼き直しかもしれん。

こういう作品を観ると、必殺における正道・外道仕置人の定義が非常に揺らぐんだよね。
カネだけ動いたら外道か?というと主水だってそういう場面もあるし。
使用者と外道仕置人の罪の対比が、明らかに使用者のほうが重い場合もあるし。
今回の場合。
二番番頭が店の乗っ取り、というかよくある出世争いの果てのケース。
本当は人の良さそうな二番番頭が、ライバル番頭の存在が疎ましくなって排除するという、
人間なら誰にでもある心の隙間を描いた作品だ。
伝蔵は、そういう人の心の隙に入り込んだわけで。
人間の心が「欲望」によって悪魔に負けてしまって、その末の伝蔵使用という哀しい結末なのだ。

そう考えると必殺は、レギュラー仕置人に視聴者を投影したように見えて、実は悪党側にも
きちんと人間の「心」を投影していた点に気付かされるわけよ。

18実は沖時男ファン:2007/09/05(水) 21:41:38
(3)
その真価は、本作で十分に見ることが出来る。
伝蔵の仕置きは、チーム頭の柳次ではなく新吉との対決だった。
つまり主犯は二番番頭の五兵衛。柳次がきちんとトリで担当した。
ようするに伝蔵一味はただの雇われの殺し屋さん、というポジションを明確に確立していたのだ。

前期作品なら殺し屋伝蔵vs橋掛人の対決をメインイベントにして、盛り上げるところだろうが。
主犯と共謀者を明確に分けて仕置きしたところに、当時の必殺スタッフの冷静さと円熟味が味わえるわけよ。
全国展開する日本橋本店の二番番頭と言えば、相当なポジションであろう。
そこに行き着くまでは相当の努力と苦労があったと想像できる。
しかし、悲しいかな。これが欲にかられた人間の憐れな末路であります。
努力も苦労も、みな一瞬でパーである。
使われた伝蔵一味も、忠実な仕事ぶりを見せて、仕事料を約束どおり頂いたのに
殺されてしまった哀しい最期でありました。

19実は沖時男ファン:2007/09/05(水) 21:42:19
(4)
今回非常に面白い点は、伝蔵はカネだけの「仕事」と割り切っていた点だ。
本当の外道なら、乗っ取った店を更に食い物にしようと、五兵衛から離れないだろう。
必ずゆすりタイプの吸血外道商人になるはずだ。
そっちのほうがはるかに安全で、カネになるからなw
ま、商売がヘタで昔堅気の殺し屋と言えるかもしれんw
カネを貰ったらさっさと逃亡する実に潔い殺し屋で、これなら全国の商人からひっぱりダコだろうなあw

まじめに人生をまっとうしていれば、五兵衛はそこそこ良い人生ではなかったか?
伝蔵も真面目(?)に正道仕置人でいたならば、闇の会にスカウトされていたのかもしれない(笑)
悪とはどの人間でも、ちょっとした心の隙間に入り込んでくるものなのだ。

必殺では、よく商売上の利権争いに利用される第三者的な外道仕置人が登場する。
そういう連中も一緒に始末するのが慣わしだが、基本は雇い主が主犯だろう。
(事実、仕置屋で志賀勝を見逃していた例がある)
当時地上げ屋ばかりが叩かれて、使用者側の銀行・大企業は一切手を汚すことはなかった。
真の巨悪に必殺スタッフが怒りをぶつけているような、そんな気がしないでもないのだが…(?)
そう考えると、雇われた伝蔵一味にもちょっと同情してしまう。

道を踏み外しながらも、ほんのわずか仕置人魂の片鱗を見せた伝蔵一味。
非常に味わい深い悪党チームでした。

20実は沖時男ファン:2007/09/05(水) 21:42:58
(最後に)
さて、いきなり始めてしまったが。
これからも面白く個性的な悪党を中心に観てみようと思う。
するとどうだろう?
必殺の意外な側面も見えてくるような気がしてきたのだが…

よく考えてみれば、悪党も生まれたときから悪人というのはいないはずだ。
人間ちょっとしたきっかけで悪の道に引きずり込まれるのは、今も昔も変わらない。
悪人の人生観に思いを馳せて見返すのも一興かもしれん。

「後期は悪人が弱い」という意見はよく聞くが、実は個性派ぞろい。
橋掛人では他に、最強との噂がある松山照夫。
まっしぐらには、マインドコントロールという言葉が流行る前に、既にロボット化した
人間を操る連中も登場したりする。
みなさんも、お気に入りの悪党をどんどん語ってくれると嬉しいです。


サイヤ人へ
お前のせいでこのスレが立ったんだから、責任取ってお前もやれw

21名も無ぇ仕置人:2007/09/06(木) 03:31:09
いや〜、ごめん、バカバカしくって全部読んでらんないわ。
構ってあげるの俺しかいねえのかな。今マジで忙しいんでヒマな時相手してあげるよ。

とりあえず、主水が秀や順と何で組んだのかをもう一回妄想して書いといてよ。
何ヶ月かしたら添削してあげるからさ。
あ、たまに今でもプレイボーイで超人募集してるぜ。又出したら?

22実は沖時男ファン:2007/09/06(木) 07:15:37
>>21
おー、サイヤ人か。
ひさしぶりだな。
よく帰ってきてくれたな。
(恥ずかしがらずにw)

また遊びに来いよ。
趣向を変えて、今度は「コブラ」読んで待ってるからw

23名も無ぇ仕置人:2007/09/07(金) 23:43:33
暇だったのでざっと読んだけど
137の圧勝じゃねーか。
まっすぐで理路整然とした意見に対して、千葉はあまりに一人よがりすぎる。
一人で妄想してればいいんだけど、「なんでわかんないかなあ、この愚民どもは」
みたいな態度が見えるから嫌われるんだと思うよ。
何度言われてもわからないみたいだからこのまま老いていくんだろうけど。
とりあえず文章を短くまとめる能力は身に着けて欲しい。

24名も無ぇ仕置人:2007/09/08(土) 01:13:06
そうかな?
俺はどっちもどっちって印象だけど。
こんな僻地でやりあってるのだから放っておくのが大人の対応でしょう。
本人たちが応酬を楽しみにしてるんだからいいじゃない。
へたに口を挟むとあなたが137の自演と見られるよ。

25実は沖時男ファン:2007/09/10(月) 01:16:45
さて第2回目は、あのMMRも裸足で逃げだした(笑)という、徳島剣山編を紹介しよう。
まっしぐら!第7話「相手は徳島剣山の暴力修験者」
(監督 津島勝 脚本 中原朗)
ゲストは「月の船を待っていたのは秀」でも鬼畜並みの演技で評価の高い山本昌平。
今回はファン待望の、秀vs山本・夢の再戦だ。

(あらすじ)
天保四年九月十九日
村の庄屋で、徳島剣山に修業に出た人々がいつまでたっても帰らず、大騒ぎになっていた。
今回の仕事相手は、その剣山の山伏修験者・土佐坊俊源(佐藤京一)ら。
一行はさっそく阿波徳島に飛ぶが、秀は刺客に襲われたところを日顕(山本昌平)という謎の男に
窮地を救われる。
元締めから「並みの相手ではない」とクギを刺されたとおり、次々にメンバーに襲いかかる謎の
殺人集団!!
シリーズ史上類例を見ない、最強・凶悪のカルト教団からの迎撃に、秀ら仕事人たちの勝算は果たして
あるのか!?

(参考サイト)
民謡:祖谷の粉ひき唄 (徳島)
ttp://www.hitobito.net/index.php?module=Blog&action=ViewStory&blog_story_id=2189

26実は沖時男ファン:2007/09/10(月) 01:17:27
(1)
武器はもはや生きた「人間」である。
何の罪もない人々をアヘン中毒にして洗脳した上、殺しを仕込む恐怖の殺戮集団。
「必殺もとうとうここまでやるようになったのか」というのが素直な感想だ。

元々は仏に仕える信心深い山伏集団だったらしいのだが。
教団教祖が高齢になり、自然と世代交代の時期に。
その後、社会と取り囲む環境の転換期が同時に訪れて、そのまま宗教集団が凶悪組織に変貌を遂げる様は、
その後の現代社会を見事に予見した事になる。
ナントカ教会の霊感商法や、オ○ム真理教が、「マインドコントロール」という言葉を一般的にし、
社会を恐怖のドン底に突き落とすのは、このわずか数年後の事だ。
本来なら、いの一番に紹介しようか迷ったほどの冷酷な殺人集団で、ぜひ見返してほしい作品です。

27実は沖時男ファン:2007/09/10(月) 01:17:59
(2)
兄弟弟子の日顕(山本昌平)と、俊源(佐藤京一)は、教団内での地位や実権はほぼ互角であるが、
若干日顕のほうが上、というのが本作の面白いところだ。
前回ご紹介した二番番頭(俊源)の支配力・権力欲に魅入られた、愚かな人間の業と。
死期を感じた大悪党(日顕)が、遂に仏の境地に目覚める皮肉を、非常にリアルに描いた本作中盤の、壮絶な
ヒューマン巨編でもあるのだ。

本作品の大きな特徴は、
悪党組織のナンバー3・俊源の頭角に、ナンバー2の日顕が最後の逆転勝負に出る、という暗闘劇である。
その目的は、組織の掌握ではけっしてなく、なんと肥大化した凶悪組織の「壊滅」という、非常に奥の深い
作品なのだ。
つまり形式上、秀たちは日顕のサポート係りとして利用されていたというわけ。
限度を超えた悪党が、逆に危機感も大きくなり、終いには自らを迎撃依頼するなんて、シリーズ唯一無二の
展開だ。

普通の人をアヘン漬けにしてあまつさえ殺人マシーンとして操り、自らの手を汚さない俊源に、日顕は
怒り心頭する。
しかし。自分の体もまたアヘンに侵されていて、俊源の「だったらアヘンを捨てたらどうだ」との言葉に、
何も言い返す事が出来なくなっていたのだ。
悪党なりに、アヘンの恐ろしさを身をもって知っていた日顕。 そのアヘンが世に出回ってしまったら…
悪党の心の中に、一縷の人間性がまだ残されていたのだ…

28実は沖時男ファン:2007/09/10(月) 01:18:38
(3)
日本三大秘境と呼ばれる阿波の祖谷(いや)渓谷を舞台にした、実に興味を惹かれる作品だ。
必殺ではあまり馴染みのない景色で、「もしかしたら本当にロケを敢行したのかもしれない」と錯覚を覚える
くらいの見事な画作りで、その美しい風景も大きな見所です。
作品の中ではあまり細かく触れてはいないが、薬事目的のアヘンに目を付けて、おそらくそこから教団の
崩壊劇が始まったのだろう。
劇中で使用される民謡「 祖谷の粉ひき唄 (徳島)」や、地域の歴史を調べてから併せて見返してみよう。
おそらく本作のメインライター中原朗先生が密かに忍ばせた、まっしぐら!の隠れたコンセプトが見えてくるはずだ。

民謡をダシにした旅シリーズは、仕舞人以来、必殺のお得意ワザです。
民謡に隠された深い意味や、その地方の歴史を探りながらビデオを見返してみると、今までの印象が違って
見えてきます。
今回、自分なりに阿波の歴史やアヘンにまつわる忌まわしい過去の出来事に触れることができた。
みなさんも一度調べてみる事をお勧めする。
すると、ファンの間でも最低に近い評価のまっしぐら!に、がぜん興味がわいてきますよ。

29実は沖時男ファン:2007/09/10(月) 01:19:08
(祖谷の粉ひき唄)
なんとまあもの哀しい唄調に、おもわず心が揺さぶられてしまうよ。
民謡なんかに、あんまり興味はなかったんだけどな。
必殺を長いこと見てきたが、見た目の派手さばかりに目が移って、今までスルーしてきたことを反省したいね。
サイトや文献なんかで調べるのがすいぶん楽になってきたので、これからはまた違うアプローチで必殺を
再視聴する楽しみが多くなると思う。

今回尺が余っていたのか、秀に意味のわからない女が突然押しかけてきたり、巡礼ではぐれた一家の悲劇を
サイドストーリーに挿入させていたり。
どうもまだ何か見落としている気がしてならない。
ていうか、まっしぐらで一体何がやりたかったのか?という肝心な部分が、まだすべて解明されてないような
気がしますね。
個人的に謎が多い徳島編。
この他にも、まっしぐらには何かこう、特別な「裏メッセージ」が隠されているのでは?という思いが、長年
つきまとっているのだが…(?)
「スーパーマリオ」というより、バイオハザードのような隠れたアイテム探しのつもりで見直すのも、また
一興ではないかな?と思う。

30実は沖時男ファン:2007/09/10(月) 01:20:03
(最後に)
今回は悪の心の中の、一縷の人間性にスポットを当てた(必殺としては)特殊な作品である。
どんな善良な人間でも、心の中には悪魔が棲むという。
それを昇華させ臨界値を超えて、人の道を踏み外した人間の事を、我々は「仕事人」と呼ぶ。

日顕の目的は、自分の始末よりも明らかに組織の壊滅だった。
アヘンの蔓延をギリギリのところで食い止めたわけである。
組織壊滅のために、命懸けで挑んだ最初で最期のチャンス。
麻薬の苦しさに悪の臨界値を超えたその時。皮肉な事に日顕ははじめて「人間性」に目覚めたのだ。
その壮絶な生き様と戦略は、ある意味、仕事人以上の「仕事人」と呼ぶにふさわしいのではないだろうか…?
悪党サイドのヒューマニズムを描くというのは、必殺にとってはとても危険な作業でもある。
なぜなら、両端から突き詰めていくと悪人も仕事人も必ずどこかで交差してしまうからだ。

ラスト。
とうとう母親と、永遠に逢うことが出来なくなった巡礼の一家を見つめる秀。
誰の救いにもならなかった仕事に、自分の裏家業に少々疑問を抱くようになったようだ。
真のテーマというか。裏のメッセージというか。
まっしぐら!にはまだまだ、そういう気付かないアイテムが隠されているような気がしてならない…

31実は沖時男ファン:2007/09/25(火) 19:52:20
さて、今回のオススメ悪党第3弾は本郷直樹さんを紹介したいと思います。
新仕事人第33話「主水、粗食に我慢する」
(監督 黒田義之 脚本 藤城洋子)

最近大病を患っていたらしいのだが、めでたく無事に復帰したそうですよ。
往年の2枚目アイドルスターも、必殺ではなぜか悪役ばっかりで、前々から少し気の毒に
思っていました。
しかし、冷血なキレ者のお侍さんを演ると、これがまた実にハマる貴重な俳優さんです。
対戦相手も、対三田村・村上戦などスター・マッチが楽しめる必殺の華。
剣術戦・頭脳戦・愛憎劇などなど… どれをとっても抜群の迫力!! 
この人が出るだけでドラマに一層深みが出る。
その甘いマスクに隠された非道さは、俳優不足に泣いた後期必殺の中でかなり重宝されたであろう、
と予想する。
悪役だけど、男なら少し憧れてしまう(笑)二枚目外道スターのナンバー1。
「いつかはハッピーエンドな役で…」という願いは、叶わぬ夢で終わってしまうのか…?

32実は沖時男ファン:2007/09/25(火) 19:52:57
(あらすじ)
風邪をこじらせた秀は、お浪(川口敦子)という夜鷹のおばさんに看病してもらう事になった。
天涯孤独の秀はお浪に母親の影をみつけ、いつしか二人は母子のような感情を抱くようになっていった。
ある日主水は、旗本・奥平家の門前で居座る女ストーカーの退治を命じられた。
散々なぶり叩かれた瀕死の女を調べてみると、なんと秀から聞いたお浪だった。
彼女は奥平家の重要な秘密を握っているらしい。
そしてメンバーは、次期将軍のご近侍に内定している真之助(本郷)が、幼名を一太郎といい、お浪の
実の息子だった事を知る!!
スキャンダル発覚を恐れた真之助は、秘密を知る者すべての抹殺にとりかかる。
幼い頃から愛情を注いで育ててくれた乳母(庄司歌江)もその対象になり、そしてなんと、実の母親で
あるお浪にもその凶刀は向けられた…

33実は沖時男ファン:2007/09/25(火) 19:53:30
(1)
いやもう「よくNGにならなかったな」と思うほど嫌悪感を抱く内容で、とにかく後味の悪い作品です。
お浪も乳母も、真之助の出世の妨げになることは考えられず、完全な勇み足の凶行です。
真之助の目的はもはや金銭欲や出世欲を通り越し、「真実(=下女から生まれた)を断ち切る」こと。
「卑しい者の真心なぞ、私を汚す汚物でしょう」と冷たく言い放つ真之助に、「実は口だけで、なんとか
母親を助けてやろうと画策しているのだろう」と、最後のドンデン返しを期待していたのだが…
殿様(お浪の相手)と息子と。初めて父母、息子3人の涙の再会で、本当に生みの母親を斬り捨ててしまう
場面は、思わず目を背けてしまう。

まあ、正直やりすぎだろうな。いくらなんでもこれは酷い…
欠番は作りたくないが、これは封印されても仕方のない内容だろう。
正直ここで紹介するのもためらってしまうよ。

34実は沖時男ファン:2007/09/25(火) 19:54:20
(2)
そしてこの作品には長年、大きな疑問が残る。
斬り捨てられ、絶命寸前のお浪が無言で、秀に手渡した小銭入れだが…
「あれは本当に仕置き依頼の金か?それとも(お浪にプレゼントした)簪の礼金か…?」という点だ。
「子が母親を殺し、その母親が実の子供を仕置き依頼する」という、もう絶望的な展開になってしまうため、
私は後者だ、と今でも信じている。
いやそう思わなきゃ、とてもじゃないけどやりきれないだろうよ。
もはや人間として完全に許容範囲を超えた畜生並みの悪党で、これを超える悪人は後にも先にも存在しない。

母親の存在が悲劇を生み出すきっかけとなる作品は、
「主水は葵の紋を斬れるか?」(仕事人)や「大仕事!大名殺し」(激闘編)など確かに多い。
しかし、母親に対する熱い思いがあったからこそ、暴走する悪党にもまた人間性のウラ面を感じる事が
出来るわけであって。
今回のような展開は「あってはならない」人物像として、今後の指針になるように心掛けていただきたいものだ。

35実は沖時男ファン:2007/09/25(火) 19:55:20
(3)
脚本は藤城洋子。
馴染みのない名前だな?って調べてみたら、なるほど。必殺ではこれ1本きり。
誰だよ、こんなの連れてきたのはw 必殺の路線からは明らかに外れているだろう。
これ以降、1本もないところから予想すると、おそらく干されたのではないだろうか、と…(?)

とにかく、本郷さんの鬼気迫る芝居には文句ナシなんだが、内容的にちょっと疑問が残る問題作品だ。
紹介しながら、なんだかムカついてきたよ。
旋風編・最終回にしとけばよかったかなあ…?と思えてきた(笑)

必殺では後期に入るとベテラン俳優さんが次々にお亡くなりになり、慢性的な悪役不足となっていき
必殺シリーズのパワーダウンが顕われて来たのだが。
本郷さんはじめ。堀内正美、石田信之、剣持伴紀などなど。
二枚目俳優を悪役に起用することが多くなり、これはこれで絶大な効果を上げた。
出世、カネ、女… なるほどなるほど。
等身大の悪党という点では、ベテランより若手俳優を起用したほうがリアル感があっていいのかも
しれないね。

36実は沖時男ファン:2007/09/25(火) 19:56:24
(最後に)
打ち切りのピンチを乗り越えて、必殺もいよいよ10周年を迎えた歴史的なシーズンの到来だ。
シリーズ最高人気の新仕事人だが、特に中盤の傑作群は迫力満点である。
初期からのお馴染み・ベテラン俳優さんの活躍が少なくなってきたのは残念だが、悪役も被害者役も、
このあたりからから参加する俳優さんも目立ってくるようになる。

よく「前期にくらべて後期は甘い」などと言われるが、意外とエゲつない悪人も多いんだ、これが。
今回のような、肉親を平気で殺す冷血タイプや。
同級生の姉をレイプしたりする集団凶悪タイプや(仕事人3)。
前期ではボカしていた子供の殺害シーンの挿入などなど。
昔は絵空事の出来事として眺めていたが、だんだん妙に現実世界に近づいてきたことを感じてくるようになる。
(まあこれは当時、中学生だったという個人的な事情によるものが大きいのだが)
必殺の内容がエスカレートしてきた、というより現実の世界がだんだんドラマに近づいてきたんだろうな。
必殺ブームと呼ばれる時期が、校内暴力など世の中がドラマ並みに荒んでいた時代とピッタリ重なるのは
偶然ではないだろう。
今回のゲスト・本郷直樹みたいな奴なんか「ドラマの中だけで済めば良いのだが」と思っていましたが…?

ドラマの世界と現実の世界が逆転しはじめる、ちょうど過渡期が生んだこれも反映作品なのかもしれない。
とすれば、本作品が特に嫌悪感を覚えて印象に残る理由がわかるってもんだ。
そう思うと、ちょっと背筋が寒くなるような気がしてきませんか…?
それでは、また次回よろしく。

37名無し:2007/10/28(日) 22:08:02
  |l、{   j} /,,ィ//|     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ     | あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
  |リ u' }  ,ノ _,!V,ハ |     < 『先週まで金が無く途方に暮れていたと
  fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人.    |  思ったらいつのまにかサイフに金があった』
 ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ   | 闇金だとか窃盗だとか
  ヽ iLレ  u' | | ヾlトハ〉.   | そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
   ハ !ニ⊇ '/:}  V:::::ヽ. │ 働くのがばからしくなるほどの片鱗を味わったぜ…
  /:::丶'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ│ttp://green55.org/doll3/pc/?2jltSUSE
                 \____________________

38実は沖時男ファン:2008/11/23(日) 01:41:14
さてこのスレもだいぶご無沙汰してしまって申し訳なかった。
今回はあの全覚をご紹介しよう。
必殺仕置屋稼業・第19話「一筆啓上業苦が見えた」
(監督 工藤栄一 脚本 安倍徹朗)
だいたい「辰の会」を標榜しておきながら、この人を取り上げないわけにはいかないよなw
遅ればせながら佐藤慶。これから必殺ファンになる人もいるだろうが。
この名前だけはチェックしておいても損はしないだろう。

「主水最大の敵」と言えば、まずこの全覚の名を挙げる方が多いのではないでしょうか?
しかし結論から先に言わせてもらえれば、この全覚。
悪役ではなく、カテゴリー分類すれば実は「 被 害 者 」役であるのだ。
この見解にいぶしがる方も多いでしょうが。
しかしこのスレの主旨から若干外れてしまっても、「悪」の定義を見直すいい機会になればと思い、
あえて問題を提起をしてみた。
今度の必殺仕事人2009を観る前に、再度見直すべき一作になるだろう。
悪人側からの必殺・逆アプローチとして観るのも、これまたオツなものというものだw

日本を代表する性格俳優の代名詞ともいえる存在。
近いうち。またカツ入れに来てくれんかなあ(笑)

39実は沖時男ファン:2008/11/23(日) 01:42:04
(あらすじ)
秩父の山中で激しい荒行の果てに、一人の修験者が死んだ。
今回の頼み人はその母親。
おこうの手腕が冴え渡り仕置き料をゲットしたメンバーは、江戸に托鉢で歩き回る
全覚(佐藤)一行を追跡する。

その正体を探索した主水は愕然とする。
旧名を木原兵三郎と名乗り、元は主水が剣術を学んだ師範・田所(波田久夫)の道場に通う
同じ門弟だったのだ!!
しかし木原は師匠である田所を惨殺し、全国を逃亡した上消息を絶っていたのだ。
そして田所の門弟3名が集結し、旧交のある主水にも師範の仇討ちに誘ってきた。
しかし、いまだに謎の残る田所殺しに主水は仇討ちをためらうのだった。
後日その3人の門弟が、市松の眼前で全覚を襲撃したのだが、逆に返り討ちに遭ってしまう。
その凄まじい光景に市松でさえも殺しを断念する。

覚悟を決めた主水は、生き残った仲間の門弟たちと秩父の修験場へ向かう。
遂に対峙することになった剣豪二人。
勝ちも負けも超越した、二人の対決の結末は…?

40実は沖時男ファン:2008/11/23(日) 01:44:51
(みどころ)
妄想内とはいえ、主水の敗北シーンは圧巻!!
やっていたらおそらく同じ結末だったに違いない。
刀を構えた主水に「斬れっ!!」と命令する全覚に対し、主水は無言回答。
全覚最期の自決決着にご不満の方も多いだろうが。あれは正解。
なぜなら、二人にはもう戦う理由が消滅したからだ。

そもそも全覚には「悪」と定義する証明は存在しない。
荒行で死んだ息子はかわいそうだが、あれはおっかさんのフライング依頼だ。
息子は覚悟の上で死んだわけで、市松の言う「残された者の恨みで仕置きする」という解釈は
間違っている。(ただ市松は「外道サイドに近い殺し屋」という設定を、ここで活かされるわけで。
カネ優先で動いた行動は『キャラクター造形』的には、むしろ正しい)

逃亡のきっかけとなった田所先生殺傷事件も、襲撃を受けた全覚がむしろ「被害者」なのだ。
あまりの剣術の強い師範と弟子にしか理解できない、ライバル意識が背景の事件なわけで。
それを理解した主水は全覚に「逃げろ」と進言。
襲い来る敵を相手に、戦えば戦うほど無駄な苦悩を重ねるような地獄道は、もう逃げる事しか
方法が残されていないのだ。
全覚はその逃亡指示に、主水に殺しの業苦をも見抜いていたのだ。

自分でも既に制御不能に陥った者同士。最期の最期に全覚は理解者(=主水)に出逢えたのだ。
もう戦う理由も、必要もなくなったわけだ。

41実は沖時男ファン:2008/11/23(日) 01:45:55
(業苦とは…)
「強い者が正義」というのは、実は映画やドラマの世界だけの寓話でしかなく。
実際のところ、現実社会であまりに強い者は「巨悪」とみなされるケースのほうが多い。
強い者には強い者ゆえの悩みもあるらしいよ。
特に勝負の世界に生きる人にとっては、次から次に現れるチャレンジャーというのは楽しみな反面、
ちょーウザいだろう(笑)

特に武士の世界ならなおさらで。
意地とプライドが田所先生を凶行に駆り立ててしまったのは理解できる。
不幸だったのは、弟子・木原のほうであった。
あの時なんとか手加減して勝負を中断する道を模索すれば、その後の地獄はなかったと思う。
先生が半分インネンをふっかける勝負になったわけで。
悪気はないのに、悪人にされた木原こそ「被害者」と呼ぶ、最大の理由だ。

人間悪気がないのに、能力の高さゆえに悪者にされるほどツライものはないだろう(笑)
意外とこういう経験をされた人も多いのではないか?
「敵が眼前に現れれば相手をする」という、しごくまっとうな防衛本能が、木原を鬼の殺人兵器・
全覚に変えてしまったのだ。
防衛者(=被害者)が強いと、こういう苦悩も待ち構えているのだ。
悪気がない分、その業苦は想像を絶するものだったに違いない。

42実は沖時男ファン:2008/11/23(日) 01:47:13
(「悪」とは何か…?)
さて難問になるのだが。
私はこの全覚を観るたびに「こいつは被害者だよなあ?」といつも思う。
っていうか。簡単に言うと「逆恨みを買いやすい要領の悪い人間」なんだよねw
いるだろ?現実にも。
本人にしてみれば何も悪い事してないのに、なまじ能力が高くて女の子からもモテるもんだから
回りから「いけ好かない野郎」って嫌われるタイプの男w
その延長線上の男と見れば、全覚を被害者扱いする気持ちもわかるだろう?

そうすると「では悪人の定義とはどうすればいいのか?」という、まったく出口の見えない迷宮の
ラビリンスにはまってしまうのだw
他人を悲しませたら悪人か?
そうしたら息子を失った母親にしてみれば、全覚が悪人に映るのは当然だろうし。
欲で金を奪う事を悪だとしたら?
そんなこと言ったら、この世の商人は全部悪人になるだろうw
必殺シリーズ全般にわたって、豪商の扱いは「悪」と「被害者」と。
両面を描いていて扱いづらかった様子がわかるよな。

43実は沖時男ファン:2008/11/23(日) 01:47:54
(「悪」とは何か…?2)
もう一方的な個人的見解になるけど。
少し乱暴だけど、人間最終的には「性格だけ」だと思うよ、ホントw
事故で死んだんだからおっかさんに「大事な息子さんを死なせてしまい…」とか適当なこと言って
ちょっと誠意を見せていりゃ、仕置きを依頼されてもさすがのおこうだって却下するだろうにw
もう少し柔軟な性格で、シャレもわかるように全覚ももう一歩前に進んでいたら…
ひょっとしたら必殺史上・最強の仕置人としてスーパースターになっていたかもしれんのにね。
(ま、この回があったからこそ。この後の「解散無用」抜擢に繋がったのだろうが…)

悪になるか。それとも被害者になるか?
「性格」と「誠意」と「行動」が大きくモノを言う大事な局面が、人生意外と多くある。
人間才能や能力というのは、ほどほどにして隠しておくほうが利口なんでしょうねw
全覚は剣術は優れていたが、生き方や処世術がヘタな、単なる不器用な武士オトコだっただけ。
真面目・カタブツというのも、度が過ぎると不幸になるいい典型だ。
反対に主水がスーパースターに成長したでしょ? これも人気の秘密なわけ。

44実は沖時男ファン:2008/11/23(日) 01:48:52
(最後に…)
佐藤慶。
意外と、優しい父親とか実直な銀行マン、熱血教師なんか演らせてもハマるんだけど。
あまりの実力にだいたい反対の。知的だけど融通が利かない娘から嫌われるオヤジ・豪腕経営者・
陰湿な教育委員会の若手先生イジメとかなw どこいっても悪役にされてしまう悲運の俳優だw
おかげで必殺ファンからは、その後。顔を見ただけで無条件で全覚、あるいは辰蔵の悪いイメージ
しか残らなくなった。
全覚というのは、佐藤慶の俳優人生そのものなのかもしれない。

必殺後期では、佐藤さんの出番はすっかりなかったけど。なんとなくわかる気がする。
この人が出たら若手俳優なんか、貫禄で負けてしまうだろうw
その風格と威圧感から、セリフがなくとも存在するだけで芝居になる貴重な名優である。
再会を心待ちにしている必殺ファンは、少なくないはずだ。

(参考:必殺渡し人オープニングナレーション)
昔から悪の栄えたためしはないと
世の例えには言うけれど
どうやらそうではないらしい
山のあなたの国々も悪が栄えていると言う
わからない事ばかりだが
わかっている事ただ一つ
許せぬ悪を消す事だ
この世とあの世の境の場所で
舟を浮かべて待っている
三途の川の渡し人
作:山内久司 語り:佐藤 慶
※いまだにファンの間で好き嫌いがわかれるOPナレだが。迫り来る異様な迫力は一見の価値あり。
無断掲載許してちょうだいねw

45名も無ぇ仕置人:2009/03/19(木) 03:03:10
【注】このスレは出来れば「みんなが感想を書き込めるスレ」
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/2872/1059646359/284-291
(新必殺仕事人「主水、御用納めする」)をお読みいただいた後でご覧ください。

さて今から25年ほど前。
必殺仕事人Ⅳ・本放送当時。
「明星デラックス・必殺仕事人」というガイド本が出版された。
当時としては画期的な企画で、カラー写真満載。
撮影所の風景なども覗くことが出来て、必殺マニアが泣いて喜んだという珠玉の
お宝本である。

ただし。
書いてある内容が本当に正しいのか? いまだに疑問が残る記載があって。
それが「悪役登場ランキング」というものだ。
1位今井健二 2位五味龍太郎… 他に津川雅彦などの名前も載っていたのだが…
こんなランキング、まったくのデタラメ。
「よくこんなの掲載したもんだ」と、今でもハラ立つくらいだよ(笑)
そこで四半世紀ぶりに名誉回復のために真実を明かそう。
 必殺シリーズ・悪役登場ランキング 堂々の第1位は…
  
    田中弘史さんで――――す!!

ここで大功労者・田中弘史の必殺シリーズ全作品を紹介しよう。
圧倒されるぞw (被害者ゲスト含む)

46名も無ぇ仕置人:2009/03/19(木) 03:04:02
田中弘史 必殺出演全作品(その1)
()カッコ内  役柄:仕置人名または結末 ―は存命

1/必殺仕置人  #19「罪も憎んで人憎む」(端役:殺される)
2/助け人走る  #11「落選大多数」(同心:文十郎)
3/助け人走る  #36「解散大始末」(見張り侍:―)
4/暗闇仕留人  #17「仕上げて候」(悪党チーム:悪党仲間からみせしめに殺される)
5/必殺必中仕事屋稼業  #14「招かれて勝負」(被害者:自害)※
6/必殺仕置屋稼業  #19「一筆啓上業苦が見えた」(主水の同門:悪党に殺される)※
7/必殺仕置屋稼業  #25「一筆啓上不倫が見えた」(同心:―)※
8/必殺仕業人  #7「あんたこの仇討どう思う」(ヤクザ:―)※
9/必殺仕業人  #16「あんたこの無法をどう思う」(ヤクザ:主水)※
10/必殺からくり人・血風編  #2「非道にたてつく紅い刃」(被害者:殺されるスパイ)

47名も無ぇ仕置人:2009/03/19(木) 03:04:47
田中弘史 必殺出演全作品(その2)

11/新必殺仕置人  #7「貸借無用」(ヤクザの子分:―)
12/新必殺仕置人  #34「軍配無用」(役人:―)
13/新必殺からくり人  #2「戸塚」(悪党の組頭:蘭兵衛)
14/新必殺からくり人  #10「桑名」(見張り頭:蘭兵衛)
15/必殺商売人  #1「女房妊娠!主水あわてる」(ヤクザ:―)
16/必殺商売人  #26「毒牙に噛まれた商売人」(元締め子分:―)
17/翔べ!必殺うらごろし  #9「家具が暴れる恐怖の一夜」(岡っ引:巻き込まれ死)
18/翔べ!必殺うらごろし  #22「死人が教えた金のありか」(悪党頭:先生)
19/必殺仕事人  #7「主水をあやつるバチの音は誰か?」(悪党の子分:秀)
20/必殺仕事人  #24「冥土へ道連れを送れるか?」(ゆすり:左門)

48名も無ぇ仕置人:2009/03/19(木) 03:05:32
田中弘史 必殺出演全作品(その3)

21/必殺仕事人  #52「潜り技隠し黄金止め」(下っ端悪党:秀)
22/必殺仕事人  #63「誘い技死霊からくり岩山落し」(囮役悪党:主水トリ)
23/必殺仕事人  #74「引き技強奪押し込み斬り」(悪党:左門)
24/必殺仕舞人  #8「坊さんかんざし買うを見た―高知―」(悪党:晋松)
25/新必殺仕事人  #7「主水女の気持ちわかります」(悪党:主水トリ)
26/新必殺仕事人  #30「主水御用納めする」(悪党与力:主水トリ)
27/新必殺仕事人  #48「主水倹約する」(下っ端悪党:勇次)
28/新必殺仕舞人  #4「八木節は悲しい村の恨み節」(悪侍:晋松)
29/必殺仕事人Ⅲ  #5「夢の女に惚れたのは秀」(悪侍:主水)
30/必殺仕事人Ⅲ  #27「暴力塾生にいじめられたのは順之助」(悪侍:順之助)

49名も無ぇ仕置人:2009/03/19(木) 03:06:05
田中弘史 必殺出演全作品(その4)

31/必殺渡し人  #2「秘密の宴で渡します」(悪党:惚太)
32/必殺仕事人Ⅳ  #1「主水悲鳴をあげる」(悪侍:おりく)
33/必殺仕事人Ⅳ  #20「主水宮本武蔵の子孫と対決する」(同心:―)
34/必殺仕事人Ⅳ  #34「主水失神する」(同心:―)※
35/必殺仕事人Ⅳ  #43「秀夕陽の海に消える」(殺し屋:勇次)
36/必殺仕切人  #9「もしも女房が裸婦モデルになったら」
37/必殺仕事人Ⅴ  #19加代、天才男と商売する(ヤクザ:竜)
38/必殺仕事人・激闘編  #7主水、正月もまたイジメられる(ヤクザ:竜)
39/必殺仕事人・激闘編  #17江戸の空にハレー彗星が飛ぶ(塾長:政)
40/必殺仕事人・激闘編  #25主水、紫陽花の下に金を隠す(悪徳商人:政)

50実は沖時男ファン:2009/03/19(木) 03:07:57
名前入れ忘れちゃったw

田中弘史 必殺出演全作品(その5)

41/必殺まっしぐら!  #2相手は京の欲ボケ貴族(悪徳商人:麻呂)
42/必殺仕事人・旋風編  #5主水、Xマスプレゼントする(悪徳商人:順之助)
43/必殺仕事人・旋風編  #13主水、化粧する(悪徳商人:政)
44/必殺仕事人・風雲竜虎編  #12不倫妻、身投げからくり(悪党修験者:政)
45/必殺剣劇人  #2おととい来やがれ!(悪侍:松坊主)
46/必殺剣劇人  #あばよ!(悪党与力:松坊主)
47/必殺仕事人・激突!  #1ねずみ小僧の恋人!(家老:秀)
48/必殺仕事人・激突!  #21最後の大仕事(金改役:秀)
49/必殺仕事人2009  #8一発勝負(両替商:小五郎トリ)

他スペシャル編「恐怖の大仕事」(家老松坂:爆死) 「必殺忠臣蔵」(吉良家来:?)
(※は「田中弘」と表記)

51実は沖時男ファン:2009/03/19(木) 03:08:45
(夢の共演 田中弘史vs西山辰夫)
見てみろ、この回数。
調べるのにちょー大変だったぞ(笑
あと「いや。伊波一夫や山内八郎のほうが上だ」とか言い出す奴もいるだろうけど。
エクラン俳優などエキストラ系はカンベンしてくれよ。
たぶん、ほぼ正しい数字だと思う。
他にもし田中弘史さんを見つけたら報告頼むよ。

ちなみに次点は西山辰夫さん。
田中・西山の共演は3回あったな。
大傑作「八木節」にも2人で共演。マニアなら必見だ。
面白いのは商売人最終回で、西山さんはワル奉行。田中さんは大元締め・山本麟一の
筆頭子分。
ともに殺されずに、今でものうのうと生きてるんだぜ。
サブタイは、正確には「毒牙に噛まれたままの商売人」(笑
シャレで草笛さんをゲストに呼んで、続編を作ろうと思えば可能だ。
是非、真の決着をつけてほしいな(笑

52実は沖時男ファン:2009/03/19(木) 03:09:47
(田中ヒストリー)
リストをご覧になればわかるが。
初登場は必殺仕置人。
大倉クン世代の若い人にしてみれば、生まれてくるずーと前の、もはや伝説の作品で。
その頃からシリーズに関わってきた、必殺の大恩人だ。

最初から殿様クラスの西山辰夫さんと比較してみると。
田中さんは、初期の頃は下っ端からスタート。
悪党仲間から見捨てられたり。
その他大勢のヤクザで、鉄や錠なんかガン無視するほどの小悪党だったり。
まともに仕置人からも相手にされないの(笑

ようやく、ちゃんと仕置きされるようになったのは、うらごろしの頃からで。
先生に突き刺されて、左門に折られて。勇次に吊るされて池にジョボンとかw
結構スパルタンな役も嫌な顔しないで、きれいに仕置きされていたよ。

トリ(締め)で主役級に殺られる例はホンのわずか。
あちらでご紹介した「御用納め」など、2〜3回くらいしかない。

53実は沖時男ファン:2009/03/19(木) 03:10:32
(田中ヒストリー2)
しかしまあ。よくこれだけの数の悪役なんか引き受けるよなあ。
ご家族もいるだろうに(知らんけど)
大抵の俳優さんは、映画ならともかくTVドラマで悪役はやりたがらないらしい。
山内プロデューサーも著書の中で、「TVドラマで悪役なんかやる人は奇特な人だと思う」
と、無責任な感心していたし(笑

ドラマの中では下っ端悪党が多かった田中さんだが。
現在では「関西俳優協議会」の会長さんだ。
若い役者の育成・教育。そして仲間たちの地位向上と。
また地域の芸術文化の発展を目指して、地道に活動を続ける上方の「大ボス」だ。
さすがは、必殺シリーズ悪役登場ランキング・ナンバー1だ。
なぜ昔から喜んで多くの悪役なんか引き受けてきたのか、なんとなくわかります。

地道な活動のウラに見える、職業に対する誇り。
身を削ってまで仲間を大切にする気持ち。
地道にコツコツコツコツ。血の滲むような思いで築き上げたこの実績。
名ワキ役にして関西の大元締め・田中弘史。
あなたこそ、真の必殺「仕事人」と呼ぶにふさわしい。

54実は沖時男ファン:2009/03/19(木) 03:11:23
(田中トピックス)
被害者もわずかだがある。
個人的なお気に入りは、血風編第2話。
ドザさん(山崎努)をサポートするスパイなんだけど。
場面は少ないけど、あの山崎努と堂々互角の芝居は一見の価値がある。

今回、田中さんの場面をたくさん見返してみたんだけど。
他の悪役俳優さんと違うのは。やっぱこの人が悪役だと仕置人が映える映える。
スターが一番カッコよく見えるのが、田中さんだよ。
仕置人が引き立つように、静かに崩れる姿はもう芸術的!!
これが「プロフェッショナル」というものだろう。素人にはまずマネ出来ないから。

渡し人第2話にも登場。
あの「瞬間アレンジ」で仕置きされるという、超激レア体験された数少ない俳優でもある。
仕置人は中村雅俊。
私の中では、シリーズ史上最も美しい仕置きシーンの一つであります。

55実は沖時男ファン:2009/03/19(木) 03:12:24
(一番の幸せ者かも…?)
上記の渡し人もそうだけど。
考えてみればこの人。
主水、秀、勇次。政・竜と。そして渡辺小五郎まで…
生きながら、たくさんのスター達にあの世に送られて、ある意味一番幸せ者じゃないか?
数々の仕置きのテーマに乗って、俺らファンの夢を一人で叶えてるよなあ。
ズルイぞ。田中さんばっか。たまには俺も替わりたいよ。
そういえば商売人では300回記念で悪役供養なんて、粋な企画がありましたねえ。
次回は田中さんと西山さんも出してあげてください。お願いします。

しかし。ドラマの中でこれほどのスター達を引き立てて死んでいったんだから。
この人だけは、極楽往生間違いなしだろうな(笑

56実は沖時男ファン:2009/03/19(木) 03:13:43
(必殺シリーズが教えてくれたこと)
さて先日放映の第8話「一発勝負」
粋な演出に思わず目が潤んじゃったよ(笑
本来、小五郎の仕置きは力関係トップの勘定組頭・永井のはずだろう。
しかし、今回は悪党No.2の田中弘史をトリに配置した。
それも桜吹雪の中で。
非常に美しい演出でよかったよ。
仕置き担当の小五郎も、田中さんのおかげですげーカッコよく決まってたしね。

必殺のスタッフは昔から、功労者に対してすごく手厚いんだよね。
渡辺篤史さんに、仕置人役を用意したり。
大集合では半兵衛の登場に東さんを起用して、スチールに配ったり。
「裏か表か」では西山さんに何千両ものカネを蹴飛ばす場面を用意したり。
そうやってさりげなく、いい場面を作ってあげるんだ。
そういう「伝統」が今でも生きているのを感じて、私はそれが一番嬉しいです。

多くの大スターを輩出した必殺シリーズであるが。
スターは引き立ててくれる人がいてこそ、スターである。
この番組がこれほど長く愛されるのは、田中さんのように、地道な努力をコツコツ続ける
人たちと、その気持ちに応えるスタッフのおかげなんだなあ、と改めて思う。

「人間、地道にコツコツやるのが一番」なんだと。
必殺のスタッフと、田中弘史さんに教えてもらった気がします(笑

57実は沖時男ファン:2009/03/19(木) 03:14:24
(最後に…)
次はいよいよ田中弘史・ゲスト出演50回目の大きな節目を迎える。
前人未到の大記録だが、まだまだ通過点かもしれないね。
50回と言わず。100回200回目指していつまでもお元気で活躍してください。

藤田、三田村、中条。そしてヒガシや松岡クンも輝くスターだけど。
田中弘史さんが地道に積み上げてきたこの偉大な記録と。仲間を思いやる生き方は。
どんな大スターにも負けないくらい、まぶしく輝いてるぜ!!

田中弘史(たなかひろし)
関西俳優協議会 会長
設 立1965年12月
主な事業として
(1) 新人研修公演と新人賞の授与および助成
(2)俳優の創造力を高めるための一流講師による研修セミナー
(3) ニュース誌「関俳協」の隔月発行等を行っている
(関俳協のHPより)

58実は沖時男ファン:2009/03/19(木) 17:43:27
まったくの偶然なんだが。
今日発売された「必殺仕事人2009・公式ガイドブック」で、田中弘史さんのコメントが
掲載されている・・・・(p85〜87)
ううっ。。。感激w
こんなにデカデカと。良かったねえ田中さん。

話は変わるけどさあ。
出陣のテーマ、新曲使えよっ!!w

59名も無ぇ仕置人:2009/03/26(木) 01:01:25
(笑 を使うのをやめれば読みやすくなると思う


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