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マリ見ての祐麒に関して

5魚スープ屋:2004/12/03(金) 21:58 ID:idCN1xFE
(↑7話つづき③)
真美「行きません。私は…もう記事は書きません。」
三奈子「もうって事は、二度と記事は書かないって事かしら?」
真美「そうです。山口真美はペンを折りました。」
三奈子「あっそう。部員はあなただけじゃないから、自由になさい。」
真美「お姉さま…」
三奈子「なに?」
真美「私はもう、お姉様のお役には立てません。スールの契りを解消してください。」
三奈子「それは、お断りね。別にあなたが部員だからスールになった訳じゃないわ。それに、三年の
この時期で、スールの契りを解消されても、どうしようもないわよ。」
        平成16年9月11日AM10:30 K駅
 日曜の混雑の中、オロオロしていた志摩子さんを呼ぶ声があった。その特徴的な元気の良い声
を頼りに人の波をかき分けて進むと、真美さんが待っていた。
真美「おはよう志摩子さん!!」
志摩子「おはよう、真美さん」
真美「ねぇ。お買い物の前に動物園行かない?私、好きなんだ動物」
志摩子「私も、動物さん大好きよ。行きましょう」
           同日 動物園AM11:00
真美「みて!!タヌキよ!! タヌキさん!!化かされそう。」
志摩子「タヌキは祐巳さんね。そっくりでしょ。」
真美「う〜ん。言われてみれば。タヌキネンシスって奴ね」
志摩子「うふふふ。」
真美「キリンだ!!おっきー」
志摩子「キリンは可南子ちゃんね。」
真美「うん。ぴったり」
志摩子「ゴリラは令様。」
真美「えっ?!ロサ・フェティダがゴリラ?!」
志摩子「見た目と違って、とても女性らしく、母性本能があるところが似ているわ。」
真美「ロサ・フェティダはゴリラか。あっ!!イノシシ。これは由乃さんね!!初めて一緒のクラスになって
由乃さんの正体を知ったからね。知らなかったら、リスとかペルシャ猫(*動物園にはおりません)って
言っていたかもしれないわ」
志摩子「うふふ。間違いないわね」
ヤマノベ「熊耳モード♥」
真美「ねぇ…志摩子さん。なんか、知ってる人が熊の檻の中にいない?」
ヤマノベ「熊耳モード♥」
志摩子「人が檻の中にいる訳無いわ。次、行きましょう。」
ヤマノベ「熊耳モード♥先生辞めたくなっちゃった♥」
      同日PM13:45 I公園
真美「ねぇ志摩子さん…わたしね、新聞部辞めようと思ってるんだ。」
 昼食を採った二人は、I公園の池のボートに乗った。ボートの上でとりとめも無いおしゃべり
をしていた時、真美さんは話を切り出してきた。
志摩子「どうして辞めるの?」
真美「私、今まで良い記事を書く為に全力疾走でやってきた。どんなに他人に迷惑が掛かろうとも
何が起ろうとも真実を知りたい人達がいる限り、立ち止まってはいけないと信じてた。けれど
ある人の悲しむ姿を見て、もう書く気が起き無くなちゃった。」
志摩子「真美さん…」
真美「だからね昨日、お姉さまにロザリオ返そうとしたの。」
志摩子「本当に?」
真美「うん。お姉様のお役に立てないから返しますって、言ったの。そうしたら、『部員じゃなくても
貴女は妹よ』だって。気持ちはありがたいんだけどね。私、部活辞めたら部室に行く事は、もう無い
じゃない。そうしたら受験で忙しいお姉さまのお役に立つ事が出来ない。だったら、あの人にとって
私って何なのかなって思って。」
志摩子「私と、同じね。」
真美「志摩子さんと?」
志摩子「そうよ。ロサ・ギガンティアだった、お姉さまにとって私は存在価値があるのか?私は何時
もそんな事ばかりを考えていた。けれど、私に妹が出来て、そんな悩みこそ、必要ない事だと解った。
何故なら姉にとって妹とは、いてくれるだけで有難いのよ。」
真美「志摩子さん…」
志摩子「それに、真美さんがあんなに生甲斐にしていた新聞部を辞めてしまうのは、私は不幸な事
だと思う。その人が真美さんの記事を見て、どんな気持ちになったかは、私は知らない。けれど私
だったら、私のせいで大好きな友達が生甲斐を無くしてしまった事の方が悲しいわ。」
真美「…」
志摩子(真美さんの姿が私と重なるのは、本当は過去の姿だけじゃない。リリアンの存亡を掛けた
この時期に、私は何も出来ないでいる。そんな私が、祐巳さんや令様の力になる事ができるの
だろうか?お姉さまと乃梨子がいない薔薇の館に私がいる意味は何なのだろう?)


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