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他人が書いた小説の一部を批評するスレ

1イラストで騙す予定の名無しさん:2004/02/20(金) 16:17
 書いてみたはいいけど、この表現どうなの?会話シーンに自信ないんだけど、ちょっと見てもらいたい・・・。
 そんな悩みを抱えるあなたは、このスレに、書いた作品の一部を載せてみましょう。
 ついでに、執筆上の悩みもガンガンぶちまけましょう。
 
 投稿する際には、あまりに長いのは避けてください。また、このスレはオリジナル限定とします。
 その他は、ライトノベルであれば、ジャンルその他は問いません。

2イラストで騙す予定の名無しさん:2004/02/20(金) 16:38
創作文芸板にも貼り付けたやつです。私としては、書き出しのつもりなのですが・・・。


 北部の城下町ホロコイを首都として、南北に大きく広がるハザル大陸。その東南部
より突き出るケルビ半島の先端部に、〝森の横〟村はある。
 〝森の横〟村はその名のとおり、半島の最先端近くまで続く森のすぐそばに位置
している。場所が場所なだけに大きな道も無く、あるのは地面そのままの小道だけ。
その道も行き交う人が少ないためか、道脇の下草も好きなように伸びている。
 まばらに建つ家は十戸ほどで、人口はおよそ二十人。良くも悪くも、いままで時勢
の影響をほとんど受けてこなかった小村である。
 さて、季節は冬を越したばかりの初春。暖かい陽が照る村はのどかそのもの。森の
色合いも心なしか明るくなり、生き物の微かな気配も感じられる日和。
 物語は、そんなある日の昼下がり、村人の多くがくつろいでいる頃合いから始まる。
村の東端にあるベイマール家。その外壁にもたれて今、一人の少年がまどろんでいた。

3イラストで騙す予定の名無しさん:2004/02/20(金) 16:38
創作文芸板にも貼り付けたやつです。私としては、書き出しのつもりなのですが・・・。


 北部の城下町ホロコイを首都として、南北に大きく広がるハザル大陸。その東南部
より突き出るケルビ半島の先端部に、〝森の横〟村はある。
 〝森の横〟村はその名のとおり、半島の最先端近くまで続く森のすぐそばに位置
している。場所が場所なだけに大きな道も無く、あるのは地面そのままの小道だけ。
その道も行き交う人が少ないためか、道脇の下草も好きなように伸びている。
 まばらに建つ家は十戸ほどで、人口はおよそ二十人。良くも悪くも、いままで時勢
の影響をほとんど受けてこなかった小村である。
 さて、季節は冬を越したばかりの初春。暖かい陽が照る村はのどかそのもの。森の
色合いも心なしか明るくなり、生き物の微かな気配も感じられる日和。
 物語は、そんなある日の昼下がり、村人の多くがくつろいでいる頃合いから始まる。
村の東端にあるベイマール家。その外壁にもたれて今、一人の少年がまどろんでいた。

4イラストで騙す予定の名無しさん:2004/02/20(金) 16:40
 ごめんなさい!何かの手違いで、二つ貼っついてしまいました!

5イラストで騙す予定の名無しさん:2004/02/20(金) 17:25
ゲーム攻略本のストーリー解説みたいだな。
固有名詞が出てくるばかりで、説明文口調ということもあって想像力がかきたてられない。
導入にはあってないと思うよ。

6イラストで騙す予定の名無しさん:2004/02/20(金) 17:31
>>2
創文板ではどんな感想がもらえた?
スレアドきぼん。

7イラストで騙す予定の名無しさん:2004/02/21(土) 13:19
感想ありがとうございます。創文板でも、説明口調って言われました。でも、私の持っている構想の中では、
世界をまたにかけた大きなストーリーの冒頭という位置付けなので、その拠点で
ある村の位置なんかをはっきりさせたかったのです。あと、もっともらしさも出したかったのですが・・・。
 良ければ、皆さんの書いた文章も見せてください。精一杯、批評します。

8イラストで騙す予定の名無しさん:2004/02/21(土) 13:41
ライトノベルなんですよね。だったら、地理的設定よりも先にキャラクターを出す
べきです。キャラクターを出して、その背景としての設定を書くという順番に
すれば、多分隨分印象が変わると思います。
もし設定を重々しく記述することで、神話っぽい感じを出したいのであれば、もっと
堅くて重くてそれっぽい文体にしたほうが良いと思います。

9イラストで騙す予定の名無しさん:2004/02/21(土) 14:04
神話っぽい感じでいくのであれば、太古の昔〜云々とか、伝説曰くといったくだりで纏めるのがよろしいかと思います。
このままだと、単なるTRPGのさわりにしか見えません。
ついでに、やたらと文章が角張っていて、別言語で書かれた原文を翻訳したような感じを受けます。
ある意味、異世界っぽいといえばそうですけど、異世界というよりは英語の翻訳みたいな感じです。

あと、出だしを見る限り、「一昔前のライトノベル」といった印象を受けます。
これは、業界的に完全にアウトです。常に業界は新しいモノを求めています。
今、読者に何が求められているのか、その辺りをきちんと考えていくとよい作品がかけると思います。

10イラストで騙す予定の名無しさん:2004/02/21(土) 14:27
厳しい批評、本当にありがとうございます!特に、翻訳調だと言う批評は、参考になりました。
外国物のファンタジーばかり読んでましたので、その影響かもしれません。
 では、少しばかり<2>の続きを。

 ふと、柔らかい風が吹いた。
 風は、ケンの淡い金髪を揺らし、軽く閉じたまぶたをくすぐっていく。途切れかけた
意識も醒め、ケンは、髪の毛をそっと指で払った。
 ・・・目を開けたい。でも、まぶた越しにも春の光は眩しい・・・。
 少しして、ケンは意を決したように、ゆっくりと目を開け始めた。
 目に映ったのは、まだ緑も薄い下草。背丈も低く、ケンの投げ出した両足をかろうじて
囲っている程度。春が来たんだな、と、ケンは改めて感じた。そして、
 年ごとに、思い出す風景があった。
「あれからもう五年、か。」
小さな呟きとともに、ケンの記憶は、十二歳の春に還っていく。母親と別れ、村の魔道師フギ
とともにやって来た〝森の横〟村。確か、よく晴れた日の昼下がりだった。
 その日のことを、ケンは今でもよく覚えている。村に入るやいなや、髪を短く切った少女が
駆け寄ってきた。少女は当時フギの一人弟子で、歳はケンと同じだった。
 ここから先を、ケンは笑わずには思い出せない。自己紹介もろくにしないうちに、少女は唐突
に言った。
「ねえ、あんた強いの?私と、戦ってみない?」

11イラストで騙す予定の名無しさん:2004/02/21(土) 20:00
私感ですが、適当に指摘。

>>2
「冒頭」だとちょっともたついている感。
 8さんの言う通りキャラを先に書くか、あるいは先にプロローグを張った方がいいかも。

>>10
>途切れかけた意識も醒め、
 うたたねから覚めたということ? わかりにくい表現です。

>そして、年ごとに、思い出す風景があった。
 文章が浮いています。消すか別の場所に入れ替えた方が良さげ。

>「十二歳の春に還っていく」以降
 回想シーンはもう少し膨らました方が吉かと。
 こんな短い文で何度もナレーションを入れるとくどく感じます。

こんなところです、はい。

12イラストで騙す予定の名無しさん:2004/02/22(日) 00:29
冒頭で説明。
回想シーンも主人公の語りによる説明。
これだけ説明ばっかり続くと苦しいです。ラノベとしては読み捨て決定かと。

あと、個人的なことですが、名前がケンて……
ファンタジーっぽい世界をせっかく提示してきたのに、これじゃ萎えますよ。

13イラストで騙す予定の名無しさん:2004/02/22(日) 13:27
批評してください。冒頭です。

 晴れた日の昼間だというのに、気温は約三度。木枯らしは暗い色合
いの川面を波立たせ、ついでに俺の身体をなぶっていく。しかも昨日
には雪混じりの雨が降って、水温は極限まで下がっている。まさに、
釣りをするにはこれ以上ない悪条件といえるだろう。そのうえ、全面
コンクリート護岸された川岸は冷徹なほどに殺風景で、それが寒さを
いっそう際立たせている。
「なあ、今日は止めにしないか?」
見も心も凍え、隣にいる秋華にお伺いを立てる。だけど、秋華は水面
を見つめたまま、頑固に首を振る。そりゃあ、まだ一投もしないうち
に帰るのはどうかと思うけどさ・・・。寒。
「・・・無理はするなよ。」
「うん。」
目線はそのままに力強く頷く秋華。釣りをはじめて半年なのに、根性
だけはキャリア十二年の俺より上だ。もっとも、腕前のほうはひどい
ものだけど。

14イラストで騙す予定の名無しさん:2004/02/22(日) 18:24
>>13
んー、漏れ的にはOKラインを越えている。いいんでないかな?
あ、一ヶ所誤変換が。8行目:見も心も→身も心も、ですね。
原文は大丈夫?

追加で雑感。
もし余裕があるなら、主人公たちの立ち位置とかの描写も入れておいた方がいいかも。
釣りをやってない人間だと「舗装した川での釣り」はうまく絵がイメージできない。
(河原からの渓流釣りとか船や堤防からの海釣りなら、なんとなくわかるんだけど)
下がコンクリートなのか土手なのかとか、手すりやガードレール越しに川に接している
のかなとか、周りに人はいないのかとか、クーラーボックスとか荷物はどこ置いてんの
かなとか、要は主人公たちを正面から見たようなイメージね。そっちのイメージが
湧いてこないんで、その辺もちょこちょこっと書いて欲しいかなと思いますた。

そんなところで。

15イラストで騙す予定の名無しさん:2004/02/23(月) 11:40
批評ありがとうございます。ところで、次の釣り用語は、釣りをしない人にはどのくらい理解できるのでしょう?

 ロッド・リール・ワーム・潮回り・アベレージサイズ・長潮・ライン
スプール・ドラグ・フック

16イラストで騙す予定の名無しさん:2004/02/23(月) 20:59
20代男。釣り経験は知人に誘われて2、3度程度の素人です。

確実に分かるのはロッドとリールくらいで、後は全滅。
他に分かるとしたら、撒き餌、クーラーボックス、ルアーぐらいかな。

この辺、サンプルの多い方がいいだろうし、人の多い本スレでも聞いた方がいいかも。

17イラストで騙す予定の名無しさん:2004/02/23(月) 21:22
>>15
一般的な英語だし、文脈で判断できそう。
むしろ、文脈で判断できるようにしておくべき。

あと、釣りがメインの小説じゃないなら、
釣り描写は適当に流したほうがいいかも。>>14とは正反対の意見だけどナ。
興味のない専門知識が出てくると、途端に読むのがめんどくなる。

18イラストで騙す予定の名無しさん:2004/02/23(月) 21:47
う〜ん。釣り用語の連発には気をつけたほうが良さそうですね。
ところで、漫画「釣りキチ三平」は読んだことがありますか?あれっ
て、釣りをしない人にとってはどうなんですか?それと、「イニ
シャルD」のマシン解説場面は、車に詳しくない人にとってどうな
のでしょう。両方の漫画とも、遠慮なしに用語入れてますが・・・。

19イラストで騙す予定の名無しさん:2004/02/23(月) 22:16
イニシャルDは抵抗なかったよ。
車知識はあまりないけど、車ネタはあのマンガの魅力だしな。

20イラストで騙す予定の名無しさん:2004/02/24(火) 11:41
 たいした速度が出ていないにも関わらず、古ぼけたその列車はひどく揺れた。
 かなりの年を経ているせいか、あるいはレール自体が悪いのか。まるで古い映画に
出てくる第二次大戦中の貨物列車か何かのように、車体はいつまでもぎしぎしと揺れていた。
 そうした機械的な機能面のみならず、内装までがどこか懐かしい色を帯びていた。クッションの
潰れた固い座席、昔の写真のようにセピア色に染まった壁。誰も消す者がいないのか、稚拙な落書き
まで書かれている。網棚も、手すりも、天井隅で唸りながら回る扇風機――扇風機!――も、
何もかもが軽く二○年は時代遅れの代物だった。
 けれども不思議な事に、彼はそれらに対してほとんど不快感を覚えていなかった。それらが
もはや骨董品めいた趣を宿しているということもあるのだが、窓の外の風景が東京では絶対に目に
することのできないものだったからだ。

どげな感じっスかね。酷評希望。プロローグ後の第一章の書き出し。

2120:2004/02/24(火) 11:41
改行うまくいかんかった。読みにくくてスマン。

22イラストで騙す予定の名無しさん:2004/02/24(火) 20:45
第一章の書き出し、ということですね。漏れ的にはおおむねOK。
まあ酷評希望ということで、細かい点を突いてみます。

・……ひどく揺れた。……。……ぎしぎしと揺れていた。
 すぐ近くの行に同じ単語が連続するのは、ちょっと気になる。
・誰も消す者がいないのか〜
 主語不明確。「壁」だろうなとはわかるんだけど、明示しておいたほうが良さげ。
・彼はそれらに対して……。それらがもはや……
 指示代名詞が連続するのはやや野暮ったい。例えば「レトロな車内」とか
 「古びた光景」とか、どちらかを具体的な言い回しにするとすっきりしそう。

 まあ「漏れならこの辺直すだろうなあ」という程度の難癖です。

 あと、ちょっと気になったのは「この車内は「彼」の他は無人」という設定?
 普通、ぐるっと車内を見渡したときは、まず他の乗客の有無が目につくかと思う。
 敢えて書かないことで無人だと悟らせる方法なのかもしれないけど、ここはベタに
 「無人の車内は〜」と入れておいた方が読者に親切かなと思いますた。

 以上です。

23イラストで騙す予定の名無しさん:2004/02/27(金) 16:18
プロローグも見てみたいですね。さて、評価ですが、いいと思いますよ。
でも、「彼は」よりも、「男は」のほうがよさげ。あと、全体を見渡した
ような風景描写があったらよかったです。

24イラストで騙す予定の名無しさん:2004/02/29(日) 14:42
 風景描写と、会話の合い間の書き方を勉強したいのですが、何か
おすすめの作品はありますか?あれば教えてください。ちなみに、
私のレベルは、二年間書いてきて、<2>、<3>、<13>程度
です。

25イラストで騙す予定の名無しさん:2004/02/29(日) 22:33
>>13
執筆歴十年。ワナビのまま。マジおすすめ。の当方なら

「なあ、今日は止めにしないか?」
 隣にいる秋華にお伺いを立てる。だけど秋華は頑固に首を振る。
晴れた日の昼間だというのに、気温は約三度。木枯らしは暗い色合
いの川面を波立たせ、ついでに俺の身体をなぶっていく。
そりゃあ、まだ一投もしないうちに帰るのはどうかと思うけどさ。
 昨日には雪混じりの雨が降って、水温は極限まで下がっている。
釣りをするにはこれ以上ない悪条件だ。
・・・。寒。
 全面コンクリート護岸された川岸は冷徹なほどに殺風景で、
それがいっそう寒さを際立たせている。
「・・・無理はするなよ」
 水面を見つめたまま、力強く頷く秋華。釣りをはじめて半年なのに、根性
だけはキャリア十二年の俺より上だ。腕前のほうはひどいものだけど。

 キャリアが上なら「無理はするなよ」じゃなくてもっとそれらしい言葉を
かけたほうがよさげ。
 悪条件の寒い護岸に連れてこられてる時点で秋華に押し負ける主人公という
構図ができてる。
 だから 主人公はウンチク垂れても秋華に押し切られるという形でキャラを
立たせられるし、2人の関係性もはっきり印象づけられる。

26偏見艦長:2004/03/01(月) 01:02

あんまりラノベっぽくないですが、投稿させて頂きます。
(仲間内で発表しようと思っていた、言わば習作です。
本当に投稿しようと思っている作品を晒すわけにもいかんので……)
ちなみに書き出しの部分です。

--------------------------------------------------------------

際限のない入出力。それは寄せては返す波のように単調で、しかし毎回微妙な
違いがあり、そして決して終わりがない。
今もまた、どことも知れぬ場所から送り込まれた電気刺激に、俺は機械的な
反応を返す。俺は言わば不可視のペンだ。神様の厳格な帳簿をほんの少しだけ、
分からないように改変させてもらうための小ずるいペン。「これ」が「ここ」
にあるという情報を、「あそこ」にあるという風に書き換える。光速の壁を
迂回する、唯一実用的な方法。
ただのペンは思い出など持たない。だから、この思い出をメモリ相手に
語ろうとする俺はただのペンではない。もし俺がただのペンならば、これは
思い出ではなくノイズ、一本のペンがたてる密やかなざわめき、それとも
下らない便所の落書き――

27偏見艦長:2004/03/01(月) 01:03
どうにか正常になりつつある頭が最初に認識したのは、雲を通してうっすらと
明るくなり始めた東の空だった。次いで寒さと、全身の麻痺感覚。酒を飲んだのは
久しぶりだったし、酒を飲んで意識を失ったのは初めてだった。
密造ウィスキーの効き目がノックアウト剤並みという噂は本当だったが、その
味と来ては――いや、正直なところ、酒の味などろくに覚えていない。記憶に
あるのはもぐり酒場のすえた空気。止まり木の上の敗北者たち。彼らに混じって
あおった酒の、接着剤のような臭い。
だが、と、俺――善良な市民ことエーリッヒ・ディヒラー――は思う。
 だが、酔い潰れることができたのだからそれで充分だ。気を失ってしまえば、
少なくとも彼女のことを考えずに済む。
 ハラルトから電話があったのは昨夜のこと。真新しい士官用官舎の、おそらくは
「本物」の木の椅子の上から、イルゼが深淵の彼方に旅立ったことを伝えてきたのだ。
そうか、と俺が言うと、ハラルトは彼女から連絡はなかったかと訊いてきた。
「連絡? どうして?」
 お前に礼が言いたいんだそうだ、というハラルトの答えは、ドライアイスのハンマー
さながらに俺を打ちのめした。受話器を置いてコートを羽織り、雪を踏み分けて
向かった先は貧民街の安酒場。そこで過ごした数時間、脳裏に浮かんだ単語はただひとつ。
完敗、完敗、完敗。俺はあの痩せぎすの、たった一四歳の小娘に負けたのだ。
 いつ店を出たものかは覚えていない。だが、凍死していないところを見ると、
こうしてどこかのビルに背を預けて座り込んでから、どうやら二時間とは経っていまい。
――とは言え、例え昼間であっても、このままこうしていれば公営墓地と称する穴ぼこ
行きになるのは確かだ。身元や軍での階級を示すような品は何も持ってきていないし、
優秀な共和国警察は、行き倒れの身元調査に時間を割くような無駄を省くだろうから。
それもいいさ、と、他人事のような気分で俺は靴を見つめる。爪先に積もった雪が、
まるで風変わりなトゥ・キャップのようだ。
「市民ディヒラー殿は自殺願望がおありか?」

28偏見艦長:2004/03/01(月) 01:03
 雪を踏みしめる音、どこか苛ついたような声音。見上げると、そこにハラルトが
立っていた。階級章の星が、ふた月前より増えている。
 おっしゃっている意味が分かりかねます、ライマン少佐殿。そう皮肉で応じようと
したが、口からかろうじて漏れたのは掠れた囁きだった。舌も唇も凍えきっている。
「聞こえなかったか? 死ぬ気か馬鹿野郎と言ったんだ」
 荒っぽく腕を引っ張られ、俺は呻いた。寒さで麻痺した身体が苦痛を訴える。
ハラルトは俺を強引に立たせると、肩を支えて歩き出した。身体の節々が痛む。
「よく――場所が分かったな」
 小さく咳き込みながら問いかける。喉が酒で焼けている。
「古典的なんだよ。分かりやすい。振られてやけ酒なんてな」
 振られる。イルゼとの関係は、他者からはそんな風に見えたのだろうか。
ハラルトは彼女の憎悪と焦燥を感じなかったのだろうか。ハラルトは続ける。
孤児院時代と少しも変わらぬ辛抱強い話し方で。
「ともかく、イルゼは行った。人狩人を根絶するために。最終的解決ってやつだ。
こいつが反撃の狼煙になるのか、それとも最初で最後の一矢になるのかは知らん。
だが戻ってくることはない。手段がないからな。
――何にせよ彼女のおかげで俺たちは昇進したし、もしかしたら戦争にだって
勝てるかもしれん。結構なことさ」
「ああ、そうだな」
 ハラルトが足を止め、怪訝そうに俺を見る。
「てっきり彼女にご執心とばかり思ってたが」
「冗談」
俺はイルゼに恋してなどいない。その逆だ。彼女は俺を憎み、そして俺は彼女を恐れた。
あの巨大な精神、出来損ないの肉体に押し込められた怒りの巨大さを畏怖した。
――が、彼女に心奪われていたのも、また確かだ。巨大な山や巨大な塔が、
ただ巨大であるというだけで人を惹きつけて止まないように。

29偏見艦長:2004/03/01(月) 01:04
以上です。一部段落のインデントが消えちまってますが、
コピペの際のミスなので気にしないで下さい。

30イラストで騙す予定の名無しさん:2004/03/01(月) 02:26
細かい設定がよく分からんのでコメントし辛いんだが、
その小説世界の「雰囲気」は出てる。
後は冗長な表現が多いか、とも思ったんだが、
それは俺が簡潔に書くタイプだからそう感じるのであって、味の範囲内かも。

31イラストで騙す予定の名無しさん:2004/03/01(月) 15:06
若干抽象的なのを除けばいいと思いますよ。ただ、僕は抽象的
な作品が苦手なほうですから、そう感じるのかも。

32イラストで騙す予定の名無しさん:2004/03/01(月) 15:10
 皆さんの中で、どこかの新人賞の二次、三次、あるいは最終選考
に残ったことのある人はいますか?いたら、その新人賞に関する
アドバイスみたいなのを、差し支えの無い範囲で教えてください。

33イラストで騙す予定の名無しさん:2004/03/01(月) 18:14
>>26
んー、とりあえず二点。

・シーンの場所の確定が遅いかも。
 シーンが始まる「どうにか正常に〜」から「だが、凍死していないところを見ると〜」
の行までがちょっと長い。「この人、どこにいるの?」がはっきりしないと読者としても
落ちつかないんで、少なくとも「路上だよー」ぐらいは分からせてほしいかと。
(ちなみに、漏れはここで「この主人公、下宿のベッドで布団も掛けずに寝てしまった
んだな」と早合点をしてしまいますた(^^)

・ハラルトの描写が欲しいかも。
>見上げると、そこにハラルトが立っていた。
 ここで、せっかく見上げているんで、ついでにハラルトの外見に触れてもいいかと。

 あ、それから。
 この話の背景についてですが、2系統の情報が出ているように感じました。
一方は、「入出力」「電気刺激」「「本物」の木の椅子」等、SF方向の単語。
もう一方は、「密造ウィスキー」「電話」「貧民街の安酒場」等、東ドイツあたりを
舞台にした方向の話。
 まあ、まだ許容内だとは思いますが、どちらに行くか早めに確定して貰った方が
読者としても安心して読めるかな、と思いました。

そんなところで。

34イラストで騙す予定の名無しさん:2004/03/01(月) 18:30
>>24
 「たくさん読んで、気になった本から盗め」としか言いようがないなあ。
 漏れ的に好きな作品を挙げろと言われればあるけど、結局個人の好き好きだし。
 色んな本読んで、その中から感心した描写を分析したり、
 あるいは、相性に合った本を精読するのが一番じゃないかなー。

 あまり参考にならん意見でスマソ。

35偏見艦長:2004/03/02(火) 12:29
批評どうもっす。
文章がくどいというのは全くもってその通りでして、今後の課題ですな。
性格が押し付けがしいせいかも知れません。
いずれまた別の作品も批評をお願いするかと思いますので、
そのときはぜひよろしくお願いします。

>>33
あー。確かに場所を明示するのが遅いですね。
的確な批評をありがとうございます。

話の背景についてはお察しの通りで、地球が氷河期に移行した遠未来の
ドイツの辺りという設定です。
まぁありがちなアフター・カタストロフものです。

36764パクリ:2004/03/15(月) 07:31
席に着いたときから確かにこの式は変な雰囲気だった。
この種の式典に相応しく式場全体を悲しい雰囲気が覆っていたけど、出席者はどこか飢えたオオカミの目をしていた。
式も一段落するといつのまにか、さきほどまで静まり返っていた式場に料理を運ぶウェイターが溢れはじめ、出席者はそのウェイターが配膳した料理を次々と食していた。
式場の奥からはいつの間にか脂っこい匂いと中華料理屋さながらの怒声と調理の音が漏れはじめていた。
先ほどから矢継ぎ早に出てくる中華料理もおよそこの場に相応しいものとは思えず、それは焼餃子、青椒肉絲、八宝菜、回鍋肉、水餃子、乾焼蝦仁、麻婆豆腐、五目炒飯、青島麦酒、雲呑などなど。
一品あたりの量も多く、さらにここ数品は魚香肉絲、酢豚、豚の角煮と豚肉料理が続き豚には食傷ぎみ。
豚の角煮にうんざりした僕は灯夏に向かって、もう食べれないと言った。
え、食欲無いの?と灯夏は残念そうにつぶやいた。信じられないことに灯夏は出された料理をほとんど平らげていた。
呆れるている僕をよそに、おいしいよ? と最後の角煮を箸で掴みを胃に放り込んだ。
やっぺり肉はスタミナの元よね、私はこれを楽しみにしてたんだよね。
胸焼けを覚える。さすがに僕はもういらない。
じゃあ、私が食べてあげると箸を伸ばすのが早いか、僕の小鉢から脂ぎった角煮をひとつつまみ上げ、舐め回すように眺めた。
これがおいしいんだよねえ、と角煮を半分に口に頬張った時の灯夏の目はギラギラ輝いていた。
それでも灯夏は角煮を前に至福の表情を振りまいている。
角煮、そんなに好きだったっけ?と訊ねると、この角煮は特別。さっきも言ったけど肉はスタミナの元だよ、こういう時こそ食べて元気つ
けないと、と口をもぐもぐさせながら言った、行儀悪いな。
灯夏は僕の皿に残っている角煮を次々と自分の口に運んだ。
残りあと一口になったところで、ほら!裕人も食べて元気出そう!と微笑みながら僕の目を見た。
灯夏は給仕された角煮の中でも一段と大きかった最後の角煮を僕の口元まで運んだ。
女の子に食べさせてもらって幸せだね、と灯夏は笑う。
その笑顔に勝てるはずもなく僕は角煮を口にした、ちょっと待ってその箸って灯夏の箸だよね?
さぁ、お茶を飲んだらまた食べるぞ、今日は朝食抜いてきたんだから、まだまだ入るんだと余裕な面持。
これが満漢葬式だということを僕は忘れそうになる。

37イラストで騙す予定の名無しさん:2004/03/15(月) 17:11
 内容はともかく、少し冗長な気がします。怪しげな雰囲気は確かに
伝わってくるのですが・・・。僕としては、食卓を描写するより、参
列している人間を描写したほうがいいと思います。

38晒した香具師ですが:2004/03/21(日) 14:51
富士見で二次だった作品です。当時のまま晒します。
読み返すと余計な説明が多くて描写が足りませぬ。
(略)の部分はいきなり説明文が十行もあったし、自分の文章に酔いっぱなし。


 男は円と十字が重なるのを待たずに、少しだけ人差し指を動かした。電子音と同時
に軽い振動が手に伝わる。
 振動の直接原因となる握り拳ほどの鉄が、軽い拍子を取って目標に食い込んでいく。
発射された二七の鉄塊のうち二二発が命中したところで、相手は行動限界点に達した。
外れた五発はあたりのコンクリート壁を派手に粉砕したが誰も気にかける様子はない。
 はなから廃墟同然なのだから、気にする必要もない。
 相手の脚が崩れるのを確認してから、男は機体を近づけさせた。ふたつの機体が隣
接したところで、端末接触による情報収集を開始する。頭覆型視界装置に数千文字と
いう多量の情報が流れ込んでくる。そのうち二行ほど、数十文字を確認して男はうな
った。
「これが世に言う僥倖ってやつか。まさか見回り人形くんに操室と伝達系の二点組が
ついてるとはな。軍ってのも贅沢なことをするもんだ。納税者に怒られるだろうに」
男はよろこびが空回りして自分に説明していた。気づいてすぐに口をつぐむが、頭の
中ではまだまだ説明文が続いていた。
(略)
 何の気なしに開けた棚から御馳走が転げ落ちてきたわけで、よろこぶのは当然の話
であった。だが明日までこの場でよろこんでいるわけではない。機体同士を厳重に連
結して移動を開始した。足踏み式の加速板にゆっくり重みをのせていった。
 巡航速度に達しようというころに、警告音が鼓膜を突いた。

39晒した香具師ですが:2004/03/21(日) 14:52
「いや、救難信号か。どこから」落ち着いて索敵指示を出した。
 知らずに行けば大隊を相手にするかもしれない。信号はえさで、こちらを釣ろうと
しているのかもしれない。へたを打つと辞世の句も言えずに死ぬことになる。助けに
行って殺されては、意味がない。
 それ以上にダサい、ということもある。根本の考えは簡潔だ。
「赤一、青四。双方識別信号なし。しかも救難信号は青からだとさ。面白いじゃんか」
 口が笑いにゆがんだ。格好悪いのは遠慮するほうだが、厄介ごとは遠慮なしに受け
入れる性格だ。
 男は両足を思い切りよく突っ張った。加速板がいっぱいに踏み倒される。加速に逆
らうもの、慣性が男の身体を支配した。口は苦痛と笑いで複雑にゆがんだ。
 四七秒後、目視で状況を把握した。同系統の駆動兵器が五体、黒い一体は無傷で青
い四体は戦闘不能に近い。ほとんど大破しているといっていい。この状況をどう判断
すればいいだろうか。男にとっては非常によろこぶべき状況だった。
 距離も近づいたところで足を浮かして、動力減速に身を任せた。
 減速に逆らうもの、慣性が男の身体を支配した。男は顔面に血の気が集まるのを感
じたが、感覚を振り払った。
 男は通信を開いた。
「黒い機体、所属を名乗れ。名乗る気がないなら立ち去るか戦うかだ」
 先人にはならっていない通信だった。その上に、いつでも高速徹甲弾を撃ち込める
体勢で黒い機体に近づいている。
 黒い機体は沈黙して、動くことをしない。動力系統の動きさえ感じさせないほどに
静かだった。名乗る気はなさそうだった。
 見切りをつけて、青い機体に通信を開いた。動けない相手に威嚇は必要ない。体勢
は変えずに黒い機体を狙っている。
「青い機体。話せるなら状況を伝えてくれ」

40晒した香具師ですが:2004/03/21(日) 14:53
 青い機体も同じく沈黙している。こちらも名乗る気がないのか、損傷がひどくて通
信できないのか。どちらにしろ無線通信では無理のようだった。
 男は接触通信をこころみて、一番外傷の軽い機体に端末をつなげた。
「青い機体、通信できるか」接触部位が、音波振動を伝える。回線は通じた。しかし
聞こえるのは雑音だけだ。もう一度応答を求めた。「青い機体、通信できるか」
 雑音にかすかな抑揚がついて、次第に規則性を持って伝わってきた。すぐに映像も
入った。二十代後半だろう、輪郭や髪型まではわからないが、鋭く精悍な顔つきで、
意思力あふれる若く有望な指揮官、といったところだ。
 相手が口を動かしていた。男は今まで受け入れていなかった声に、耳を傾けた。
「必要ない。繰り返す。救難信号はこちらの手違いだ。助力は必要ない。聞こえたか」
 予想する最後列の返事であった。言い方からして有無を言わせるつもりがないのも
わかる。男は考えの行き場を失ってしまって、目を泳がせた。
「必要ないって言われてもなあ。こんな面白い現場を見せられて、今さら引き下がろ
うなんてつもりはないんだよな」
 男にとって争いは金のなる木で飯のたね、簡単に手放せる物ではない。厄介ごとを
好む性格である、というのも大きいのだが、やはり世の中にいるからには金の巡りに
めぐり会いたいのだった。
 だからといって、両者から無視されていたのでは進展がない。
「さて、と」男は強引な打開策を実行することにした。
「黒い機体、通信を開くつもりがないなら今すぐに引け。黙っているつもりなら機体
どころかお前の身体にも穴が開くことになる。俺の腕は生白いモヤシとはちがうから
な、みごとな風穴が出来るぞ。機体にはな。お前は挽肉だ」
 男は加速板を踏んで、ゆっくりと黒い機体との距離を詰めていった。駆動兵器の反
応速度ではどうしても弾丸をかわせない距離まで詰められれば、勝ったも同然である。
別に勝ち負けを決めるために戦おうというわけでもないのだが。

以上です。

41478:2004/03/21(日) 16:10
意味はわかるが変な文章が混じっている。
例)軽い拍子を取って。
  根本の考えは簡潔だ。
  先人にはならっていない通信だった。etc

描写すべき部分を説明で逃げている。
例)意思力あふれる若く有望な指揮官、といったところだ

全体に独りよがりな展開が多い。
黒い機体が、青い機体を戦闘不能にした後、なにもしないで
主人公の到着を待っているのは何故?

42イラストで騙す予定の名無しさん:2004/03/21(日) 16:52
説明文削ったら状況が分からないんだが

43イラストで騙す予定の名無しさん:2004/03/21(日) 18:00
んー、個人的には説明調の独り言が気になった。
言葉で指摘するより書いた方が早そうなんで、一ヶ所だけリライトしてみまつ。

「赤一、青四。双方識別信号なし。しかも救難信号は青からだとさ。面白いじゃんか」
 口が笑いにゆがんだ。
 ↓
 グリット状に投射された視界モニターに赤と青の輝点が示される。赤の点が一つに
青の点が四つだ。位置は右側方、距離九○○。識別信号、双方ともになし。
 情報に目を走らせていた男の口が不意に歪んだ。
「へー、面白いじゃんか」
 救難信号は、数で優位に立っているはずの青の機体群から出されていた。

拙文スマソだが、同じ説明でもこんな感じで地の文に落とした方がいいんじゃないかと。

44晒した香具師ですが:2004/03/21(日) 18:43
批評サンクス。
とても参考になりました。
俺は説明厨らしいよ。説明が好きで好きでたまらないらしい。
説明をどうやって描写に昇華させるかが今後の課題かな。

45晒した香具師ですが:2004/03/21(日) 19:00
>41の質問に答えるのを忘れていた。
黒い機体に乗っているのはもうひとりの主人公。
青い機体の奴は付き人で、
どんな人間が救助するか見極める為に待っていた。
と続きます。

46イラストで騙す予定の名無しさん:2004/05/15(土) 01:04
投下します、モノローグ、世界設定の順番です。批評お願いします。

47イラストで騙す予定の名無しさん:2004/05/15(土) 01:09
 ほんの数日前までは人々の笑顔が絶えることの無かったその部屋も、今では
腐った沼の水のような空気を漂わせていた。
「ああ……」
 その重苦しい空気に耐えかねたように、男はうめき声を漏らした。
 その声を皮切りに、次々と部屋に悲痛な溜息や嘆きの声が上がっては闇に溶け
込んでいった。
 木造のその部屋には家具調度品はほとんど無く、主を無くしたゆり椅子だけが
暇を持て余していた。窓の類も無く外の光はまったく入らず、部屋の中央に頼り
なさげに浮かぶ青い光球だけが照明の役割を果たしていた。
 その青白い光に照らされた数人の男女の顔は一様に死人のように生気が無く全
員の双眸は、部屋の中で唯一生命を主張する光球に向けられていた。
「私たちはいったいどうすればよいのでしょう……」
 女の唇は小刻みに震えていた。
「…祈る他あるまい」
 部屋の奥にたたずむ恰幅の良い老人がうなだれたまま答えを返す。
 その言葉に、あるものは大きく溜息をつきあるものは額に手を当て頭を振る。
皆の心を絶望感が埋め尽くしてゆく。
 再び沈黙が部屋を包み込むかに思えたその時、力強い声が室内に響いた。
「いや、私達にも出来ることがあるはずだ」 全員の視線が一人のスーツ姿の男
に向けられる。年の頃は五十前後、オールバックにまとめた銀髪と、口元に蓄え
た口髭が上品な印象を与えている。
「どう言うことです? リチャード」
 先ほどの女性が訝しげに男に問い掛ける。「向こうの世界の混乱を収束させる
世界が安定すれば創造主の人格も復活するだろう」その言葉に周囲がざわめく、
積極的に賛同する者、困惑する者、反応は様々であったが共通して言えることは
人々の目にかすかながら光が戻っているということだった。
 その様子を見てリチャードは小さくうなづくと、言葉を続けた。
「幸い我々にはいくばくかの力がある。この力を利用すれば……」
「奢るな」
 枯れた野太い声がリチャードの言葉を遮った。
 部屋の奥からゆっくりと老人がリチャードに向かって歩いてゆく。その顔には
先程とはうって変わって抑えきれないほどの感情、怒りの感情が浮かべていた。
「世界を管理しようなどと言う考え方が今の状況を生んだのだ。それが解らぬお
前ではあるまい」
 老人は長身のリチャードを睨み上げる。
「解っている。だが、このままでは世界は確実に止まる。そうなれば全て終わり
だ、それに……」
 言葉を切ってリチャードは周囲を見渡す。老人もリチャードの視線を追った。
全員が二人の動向を固唾を飲んで見守っている。皆、期待と不安をないまぜにし
たような表情をしており、そのすがるような目つきは老人の心を締め上げた。
 動けない老人の耳元でリチャードはそっとささやいた。
「コンラッド、人は、希望を持たずに生きていけるほど強くはない」
 老人、コンラッドはゆっくりと視線をリチャードに戻した。その顔は先ほど
よりも疲労の色を濃くしていたが、瞳には決意の光が宿っていた。
「解った……。有志を募ろう」
「頼む」
「しかし……」 
 しばしためらった後コンラッドは口を開いた。
「かわいい一人娘も巻き込むことになるぞ」「ああ……」
 解っている。そう言うとリチャードはコンラッドに背を向け、出口を目指す。
「どこへ行くんだ」
「家だ」
コンラッドの問いに、振り返ることなく答えリチャードはノブを回す。部屋に
外界のまぶしい光が入り入り込み、コンラッドは思わず目をひそめた。
 「当分娘に親らしい事はしてやれないだろうからな」
 そういい残し、リチャードはコンラッド達の視界から姿を消した。コンラッ
ドは再び周囲を見回した。人々はみな、決意に満ちた表情をコンラッドに向け
た。開いたままのドアから流れ込んでくる澄んだ空気を吸い込み、コンラッド
は皆に号令をかけるべく、口を開いた。
「いくぞ、皆出来る限りの努力をしよう」

48設定:2004/05/15(土) 01:12
設定

基本的に世界は神が作ったという設定。生物から無生物まで全てのものが神と繋
がっており、相互に干渉しあっている。世界そのものが神自身ともいえる。
 神は人間と自分のつながりを故意に薄くし、その結果、人間は自由を得たが、
人々の心の片隅には消えることの無い虚無感、孤独感が生まれ、その結果、人は
その心の隙間を埋めようとするかのようにあらゆるものを搾取し、破壊していっ
た。
 神は人間の行為に心をいため、何とか彼らを諭そうとしたが、世界そのもので
ある神もまた弱っており、失敗する。
 悲しみにくれた神は、その世界と少しずれた次元にもう一つ小さな世界を作り
そこに隠遁した。その際に、神とのつながりを非常に強くした人間を作った
彼らは、つながりの強さからいわゆる超能力や、強靭な身体能力を有していた。
 神は彼らと共に、ゆっくりとした生活を送っていたが、危機に瀕していた世界
を見捨てたわけではなかった。常に世界を見守り続けていたが、もう神には世界
を救うほどの余力は無かった。
 そしてついに世界が崩壊してしまう時が来た。その際神は少しでも世界を延命
させるために、自分の身体や自我を形成するのに使っていたエネルギーを世界に
つぎ込んだ。(つまり同化した)またその際、止めようとした数人も一緒に同化
してしまった。残された小さな世界の人間達は、自分たちの手で世界を正常化さ
せることを決意する。
 方法としては、予知能力に長けた者達が世界にとって有害な出来事を予知し、
それを未然に防いだり、逆に、世界に良い影響を与える様な事象を引き起こした
りする。
 基本的には人間の行動に干渉するわけだが、ここで一つ問題が生じる。人間へ
の干渉の中には、暗殺のようなダーティーな行為も含まれるが、神とのつながり
が強い彼らが直接人を殺したりすると、通常の人間が人を殺した時とは比になら
ないほどの負担が神にかかり、逆効果になってしまう。そこで、協力してくれそ
うな通常の人間を探し出し、実行係としての役目を担ってもらい、自分達はサポ
ートに撤することにした。
 本編は協力者である主人公とそのサポーター、主人公の彼女を中心に展開され
ていく。

49イラストで騙す予定の名無しさん:2004/05/15(土) 01:23
面白いよ、上手く書けるかどうかだけど

50イラストで騙す予定の名無しさん:2004/05/15(土) 01:31
若干表現が硬いけど、よく書けてる。

しかし…モノローグ?

51イラストで騙す予定の名無しさん:2004/05/15(土) 01:40
せっかくなのでもう少し。
>神は人間と自分のつながりを故意に薄くし、その結果、人間は自由を得たが、
>人々の心の片隅には消えることの無い虚無感、孤独感が生まれ、その結果、人は
>その心の隙間を埋めようとするかのようにあらゆるものを搾取し、破壊していっ
>た。
ここが良かった。
あと、特殊能力、物語の中心になる問題、全てが世界観で説明できるのは俺好み。
ただ、マイノリティレポートに似ているところがあるのが欠点ではある。有名だしね。
現実的な問題はこの世界観をどう作品の中で説明するか。
一気に説明すれば分り難いが、小出しにしても一緒。微妙なバランスを保ってくれ。

52イラストで騙す予定の名無しさん:2004/05/15(土) 01:41
プロローグだろうか。
設定は面白そうだけど、説明するの大変そうだ。
書き出しの部分で世界観がまったくわからないので、何とかした方がいいと思う。
部屋とか揺り椅子とか書かれても、ファンタジーなのか現代ミステリなのかもわからない。

53イラストで騙す予定の名無しさん:2004/05/15(土) 01:44
>>46-48
よかったら、あらすじも晒してみてくれ。
設定とあらすじとプロローグがあれば、
かなり突っ込んだ話ができそう。

細かいことはまた明日にでも書くね。

54設定:2004/05/15(土) 01:44
ご指摘ありがとうございました。すんません、プロローグでした、大丈夫か?俺。
マイノリティリポートですか……。見てみます。

55イラストで騙す予定の名無しさん:2004/05/15(土) 01:55
>>47-48
設定はかなり好み。俺もこういうのよく書くから
プロローグもいい感じだけど、色々直すべき点、直した方がいいだろう点がある。
まず、日本語としておかしい部分。これはちゃんと推敲すれば治るだろうから細かくは言わない
>怒りの感情が浮かべていた。 とかね

一つ、特に気になったのは、リチャードの台詞と、コンラッドとの会話
>「向こうの世界の混乱を収束させる。世界が安定すれば創造主の人格も復活するだろう」
人々にざわめきを与えるには少し簡潔すぎる言葉だと思う。この程度のことなら、他の人も考えたんでは?とも思ってしまう。
もう少し細部の説明、具体的な言葉を増やして、もっと力強い台詞にした方がいいかと。静かな力強さというか

コンラッドとの会話も同様で、かなりの怒りの表情を浮かべてたコンラッドが納得するには、
この2人のやりとりでは少し簡素すぎると思う。もう少しボリュームアップを

56イラストで騙す予定の名無しさん:2004/05/15(土) 01:55
感想を書きますです。

>設定
面白い素材にはなると思う。だけど、この設定だけだと、なぜ神とつながりの強い人間(別次元の人間)が人を殺すと負担が出るのかがさっぱりわからない。そこの論理を徹底しないと、そもそも話が進まないのだけど、その説明が無いため、そもそも共感できない構造となってしまっている。もう少し設定を練った方がいいんじゃないかな。
あと、この設定だと、残された弱い人間はこの神のことを知っている、ってことになるの? モノローグからだと知っているような知っていないような、そこが釈然としなくて、いまいちわかりずらい物となってしまっているのが難点かな。
おもうにこれだけの設定を始めに説明していくと相当説明口調になってしまうんで、主人公たちの(異世界もの?)行動を描写していきつつ、徐々に明らかになる、と言うほうがいいと思う。

>モノローグ
上記を踏まえてなんだけど、これは冒頭になるのかな? これは個人的な意見なんだけど、もし冒頭ならば、ほとんど説明の無いまま、ただまだ個性の無いキャラクターだけが混在していく様はいたずらに読者を混乱させることになると思うので、登場人物は絞っていって、次第に増えていくのが良いような気がする。
おもうに、このモノローグだけでその(世界観の)きっかけを書き出すには無理があるし、だから全体的に説明口調になってしまっているところが多い。なんか絶望しているんだな、ということはわかるし、世界がどうかなっている、ということもわかるんだけど、それが興味をそそるというよりは、情報量が多すぎて、期待をさせるというより、混乱させる方向に作用する意味合いが強いと思うよ。
向こうの世界ってなに? 収束? 創造主の人格? という次々と起こる疑問に、ただ固有名詞を与えられただけの登場人物の多さが、どちらかというと読む気をなくさせる気がするな。
思うに、三人称ってのは結構難しいんだ。カメラ視点が常に上なだけに、どの場面でどれを描写していいかがわかりずらいし、ある特定の人物の心理描写だけを延々とするわけにも行かない。また風景描写にしても、それがどういう視点なのか、どのような意味を持つのか、というところで、三人称は非常に扱いづらいものだとおもうんだよね。
だから、もしこれがプロローグならば、いきなり矢継ぎ早に世界の謎を畳み掛けるのではなくて、コンラッドなりリチャードなりといった主観から描写していき、それがどういう意味を持つのか、ということを、主人公の心理状態も含めて徐々に明かしていくのが読みやすい方法だとは思うよ。
文章的なことに少し触れると、会話文の口調が思いっきり無個性なのが、いかにも硬い印象を与える。こんあにステレオタイプな反応でいいのかな? やりとりにせよ、世界を救う、という大袈裟な決定をするのだとしたら、こんなにあっさりときまらないでしょう。もしくはあっさりと決まるだけの伏線/素養(キャラのね)があるはず。そこがどうにもひっかかって、先を読もう、という気になれないかな。
地の文もいかにも説明的で、情景描写、という感じがしない。あと、3点リーダーを多用しすぎかな。俺があまり好きではないという個人的な趣味もあるとおもうけど、間を表すのに3点リーダーばっかつかってると安易に見える。動作なり描写なりでうまく間を書いてもらえると雰囲気が出ると思うな。

設定は面白いと思うんで、三人称ではなく、誰かの視点で描いていくのが面白いかな。
個人的には主人公の彼女、という視点で、戦いには直接参加せず、傍観しつつその成り行きに疑問を抱いていく、みたいなのが読みたい。
そうするとありきたりな「世界を救う」話にもならんし、ヒーローモノにもならないからね。
世界を救う物語は正直結構食傷ぎみなのではないかと思うから、つねにそれに抵抗する流れがあると良いと思うんだよね。まあこれは個人的な意見だけど、そうでもないといつまでたってもDQ的RPGの世界観から抜け出れない。

57イラストで騙す予定の名無しさん:2004/05/15(土) 01:55
>>54
あれ?見たことない?なら見たほうがいいよ。(マイノリティリポートだったな
スティーブン・スピルバーグが監督、トム・クルーズが主演。
プリコフ(預言者)を使用して、未然に犯罪を防ぐシステムを確立した世界が母体。
犯人は犯罪をいずれ犯す、という理由で逮捕される。

5853:2004/05/15(土) 02:09
>>46-48
表現が硬いって書いたのは俺ね。
描写が丁寧すぎるせいかもしれない。
また、句読点が省かれていて読みづらいせいかもしれない。

なんとなく、文章全体がピンボケしてる気がするんだな。
伝えたいことの焦点が絞り切れていない、というか。
リチャードとコンラッドが、書き割りの域を出ていない。
世界観もここからはあまり伝わってこない。
冒頭にもってくるには、少し吸引力が足らないと思うよ。

ただ、十分及第点の文章だと思った。

59イラストで騙す予定の名無しさん:2004/05/15(土) 02:13
俺のやつもお願いします。
戦闘シーンの一部抜粋


黒い外套をまとった男、アランは銃剣の撃鉄を引いた。
「話のケリはついたようで───いざ、尋常に勝負!」
 ふっとアランの視界から着物を着た男が消えた。
たたたたたたたっ───
足跡が軽快に聞こえ、そして途切れた。
刹那、上空から一閃の刃が襲い掛かる。
「チィ」
大地をえぐる気の塊。それは魔力であって魔力ではないモノ。彼のエモノが鞘から飛び出したとき、それは放たれた。
しゃらぁ……ん
響く鞘鳴り。そしてたんっという地に足を着く音。
片膝をつきながら、頬から垂れる血を拭う。反応があと少しでも遅れていたら殺られていた。
「───秘技・飛燕」
間髪いれず続く男の閃き。アランに襲う一直線の白い光。咄嗟に横に飛び跳ねる。しかし、その光が裂けた。縦と横に。包み込むように線が弧に変化する。上下の弧は交わしたが、左右から迫る弧がアランを捉えた。
が───
どんっ。
 うなる銃声。アランはトリガを引き、その反動で上空に飛んでいた。そのままアランは男を探すが、いない。
「秘技・空牙」
「上か───!」
 キィィィィィ───ン
 反転しながら銃剣で抜刀された直後のエモノを受け止め、弾く。その回転の勢いを殺さず蹴りを放ち、男を叩き落した。
 遅れてアランが地に足をつけたかと思えば、横に大きくステップしながら左手で撃鉄を連続でおろし、右手でトリガを何度も引く。
 カンカンカンカンカン
 鞘から放たれる線が直線、斜め、横と様々に描き、全ての弾丸を斬りおとした。直後、またも男の姿が消えた。
耳を澄ますが今度は足音も聞こえない。
「抜き足か」
 アランはまぶたを下ろし、 微かな変化を感じ取ろうと精神を集中させ、気配を探った。
 ───シュッ
 ───シュッ
 ───シュッ
 空を駆る微かな音が聞こえる。これは実際に聞こえている音ではない。アランの脳裏に浮かぶ、イメージされた音だ。
「───そこだ」
 自分の横に感じた大気の変化に、銃剣を縦に振るう。
 かぁぁ…ん
 これは…違う!男ではない。アクセルが斬ったのはエモノが納められていた黒鞘だった。
 後ろから迫る突風。
「もらった!」
 ずしゃぁっ
 首に入った一太刀。
 何かが飛ぶ。
その飛んだ何かは、男の左肩を後ろから蹴り飛ばした。
 咄嗟に受身をとり、体制を立て直しながら振り返った。
 赤い髪に白いシャツ。そして黒のレザーパンツ。男の目の前には確かに今、斬ったはずのアランが立っていた。
 がしゃん。という重い金属音。そしてゆっくりとそれにかぶさる黒い外套。
「惜しかったな」
 なんて言いながら、アランは襟元のボタンを外しゆるめた。
 首をとったはずが、実際はアランの纏っていた外套だった。

60イラストで騙す予定の名無しさん:2004/05/15(土) 02:14
「さっすがアラン。オマエさんと殺りあう為に…あの頃の無念を果たす為、現世に戻ったようだぜ」
まだ力を出し切っていなかったアランを見て、極楽丸は生前の燃え滾る闘志が甦っていた。
「生前の記憶を取り戻した…か。さて、第二ラウンドといくか」
「第三ラウンドはないぜ。」
 居合いのためのエモノを投げ捨て、背負っていたもう一本の長いエモノをゆっくりと抜く。一メートル半ほどある、いわば規格外の長さをしたエモノを手にした。
「これでオマエさんは、死というものの恐怖を知ることになるぜ!」
 謳うように男は死の宣告を残し、優雅に大きく構えた。
「秘奥──────」
 アランが懐に踏み込む。
 懐にさえ入り込めば、その長さが仇になる。
 二メートルはある銃剣を扱っていたアランに、そのようなことはわかりきっていた。
 だが。
「───燕返し」
 その考えは覆された。
 真横から円を描くように放たれた一撃。渾身の一撃ともいえるそれは、先ほどの居合いによる速度など比べ物にならないほど鋭く、そして速かった。
 だが、それはアランとて同じ。もっとも得意とする格闘術で対抗する彼の動きも違う。
 瞬時に魔力を手に集め、手の甲で極楽丸の渾身の一撃を弾き返す。
「終わりだ!」
 どのような使い手だろうと、今の一撃を弾かれては一瞬の隙が生じる。
 それを逃すほどアランは甘くはない。時にして秒に満たず。
 残った手で男の腹部を叩きつけようとした瞬間。
「な──────」
 咄嗟に身を引いていた。
 いや、これは引かなければ殺られていた。自分の直感がそう述べている。
「どういうことだ…」
 後退したアランの目には、悠然と佇む着物を着た長刀の剣士がいる。
「やっぱ躱したかぁ。さすがはアラン」
 避けられるのがわかっていたかのように、楽しそうに言う男。
 本当にわかっていたのか…?それとも、避けられるように放ったのか?もしも、避けられるように放っていたのならば…アランは次、繰り出されたら死ぬ。
 刃がまるで二本あるかのように襲う技を見切ることができない。横から放たれた一撃を確かに弾いた。感触もあった。だが、畳み込むかのように上からも迫っていた。二本あるかのようにではなく、二本あったのか?そうでなければ説明がつかない。
 どうすればいい…。
 アランの額から、嫌な滴がしたたり落ちた。


以上です。

61イラストで騙す予定の名無しさん:2004/05/15(土) 02:23
今日眠いから明日にして

6259:2004/05/15(土) 02:28
自分も寝るので、明日また覗きます。

63イラストで騙す予定の名無しさん:2004/05/15(土) 02:30
>>59
かなり独善的でよければ感想を書きますです。

まず一読した感じ、緊迫感が全く無い。これは、ダッシュと擬音の多用によって、ただ「らしい」雰囲気をかもし出しつつ、その実肝心なアクションが殆ど描写されていないことに尽きると思う。
なぜダッシュと擬音をここまで多用するのかな。これは俺の好みなのかもしれないけど、ここまでダッシュや安易な擬音に頼ると、かえって緊迫感は半減すると思うよ。ダッシュで表したい間は、動作を描写すればいいのでは? 戦闘シーンなんだから、とにかく軽快なリズムで描写を重ねていかないと、頭に全くその情景が思い浮かばないんだよね。
細かいところ突っ込むと、例えば
> ふっとアランの視界から着物を着た男が消えた。
>たたたたたたたっ───
これ、したで足音って描写してるから無くてもいいし、あっても読みづらいだけだと思うんだけど。
>足跡が軽快に聞こえ、そして途切れた。
>刹那、上空から一閃の刃が襲い掛かる。
>「チィ」
>大地をえぐる気の塊。それは魔力であって魔力ではないモノ。彼のエモノが鞘から飛び出したとき、それは放たれた。
刃が襲いかかったのに気の塊? 統一が取れてないよ。上空から一閃が、としたほうがよいんじゃないのかな。
>しゃらぁ……ん
>響く鞘鳴り。そしてたんっという地に足を着く音。
で、ここでまた擬音で改行されると、スピード感と緊張感が著しく損なわれると思う。
>片膝をつきながら、頬から垂れる血を拭う。反応があと少しでも遅れていたら殺られていた。
すんでのところでかわした、という描写が皆無(多分鞘鳴りが、鞘に当たったということを描写しているんだと思うけど)なので、反応が後少しでも、って言われても説得力が無いんだよね。
そもそも反応がちょっとでも遅れていたら〜なんていう説明文でそのやり取りを済ませてしまうのは安易でしょう。その状況を思い描かせるように描写しなくては。これだと説明文だよ。

こういうやりとりが全体に渡って続くものだから、戦闘しているという緊迫感も情景もさっぱり伝わってこないんだよね。

思うに小説で戦闘描写をするというのは非常に難しいんだと思う。読むときのリズムにも気を使わないといけないし、かといって描写を執拗にすると情景は浮かぶものの緊迫感が薄れる(時間軸が相対的に伸びてしまう)しさ。
緊迫感と描写のバランス、これが難しいんだけど、上手く出来ると文章のリズムとも相まって非常に劇的な戦闘シーンを描けるので、ここは一つ間を取るのにダッシュや擬音に頼らず、それ自身を適時描写していく方法でかいてみるのは如何でしょうか。

ちょっと厳し目に書いたけど、俺の独断なんで、まあ参考程度でよろしくです。

64イラストで騙す予定の名無しさん:2004/05/15(土) 02:36
>たたたたたたたっ
出来れば擬音は使わないほうがいい。
>足跡が軽快に聞こえ
足音
>一閃の刃
これおかしくない?刃の一閃だろ?
>しゃらぁ……ん
擬音は(ry
>「秘技・飛燕」
好きにすればいいが、これはちょっと…

なんていうか、全体的に擬音多すぎ。それと戦闘描写が分りにくい。
会話のテンポも悪い。
僕がいえることは以上です。

65イラストで騙す予定の名無しさん:2004/05/15(土) 02:42
>>59
要練習。
文章力そのものに難あり。状況がわかりにくいのと、戦闘の緊迫感が感じられない
あと視点の混乱も見られるような。あと表現の重複
例えば
>本当にわかっていたのか…?それとも、避けられるように放ったのか?もしも、避けられるように放っていたのならば…
アランは次、繰り出されたら死ぬ。
    ↓
A 避けられると予測していたのか…?それとも、わざと避けられるように放ったのか?もしも、後者ならば…
  次に繰り出された時、自分の命は終わりを告げる。
B 本当にわかっていたのか。それとも、避けられるように放ったのか。もしも、後者ならば…次に同じ技が
  繰り出される時が、アランの最期となるだろう。

>そのままアランは男を探すが、いない。
ちょっと変かな?
・そのままアランは男を探すが――いない。とかね。
もっと変えちゃうなら
・すぐさま視線を走らせるが、あの目立つ着物姿が視界に入らない。一体どこに――。
 「秘技・空牙」
 「上か!」  とかね

「エモノ」の多用も。同じものを指すにしても、もう少し表現に幅を。
それに漢字の方がいいかな、とも思う。「得物」

あと、細部の描写がたりないので、戦闘シーンが上手く頭の中に浮かんでこない。
「戦闘シーンのあらすじ」って感じで、各々の文において必要最低限の内容しかないから
説得力がない。

あと、擬音はなるべく省いた方がいい。これは俺の好みだけど。
プロでも使ってる人はいるので、そういう作家になりたいのならば別にいいけど、上達を望むなら
擬音なしで、文章のみで描写できるようになったほうが後々のためにもいいと思う
必要最小限の擬音ならば問題ないと思うが

厳しめだけど許せ

66イラストで騙す予定の名無しさん:2004/05/15(土) 06:09
(本スレに書こうかと思ったんですが、ちょっと長くなってしまったんで、こちらに)

>>46
>本スレ363
>表現が固い。というご指摘
 んー、まあ本格ファンタジー目指すなら、このくらいの硬さでも別にいいかも。
ただ、柔らかくするなら、ということなら幾つか。

・翻訳体を直す。
 例えば、物を主語にした物主構文。
 ・○○な印象を与えている→○○な印象だった。
 ・沈黙が部屋を包み込む→部屋中の皆が沈黙した
 とか。指示代名詞を多用したり、主語を必ず書く、なんてのも翻訳体の特徴。
 省けるところは省いていくのが日本語の文体だから、ちょっと仰々しく感じる。

・複文→単文
 例えば、冒頭の文なんかも、二つに分けられる。
 漏れなんかは圧縮した文の方が好きだけど、これも崩した方が柔らかくなる。

・語彙
 悲痛→悲しみ、双眸→両の眼、等々……
 低年齢でもわかるような語彙を選ぶと、柔らかくなる。

・感情を描写で。
 その顔には、怒りの感情が〜 →頬は真っ赤に染まり、眉が固く結ばれていた。
 その顔は、疲労の色を濃く〜 →頬はげっそりとくぼんでいたが〜
 拙い例でスマソだが、○○な色が漂って云々というより、その様子を具体的に描いた
 方が柔らかくなる。

 改めて言うけど、別に直せってわけではないです。
 「12月のベロニカ」とか、けっこう硬めの文体で面白い作品というのは幾らでもある。
 ただ、「もし、気になるようなら」ということで幾つか挙げておきます。

長文、失礼。

67イラストで騙す予定の名無しさん:2004/05/15(土) 08:11
偉そうな悪口雑言になってるんで、気に障ったらごめん。
(眠くて気力がないだけなんだけど)
>59
文章以前に、どこかで観たシーンの連続。だから読んでて退屈。
漫画やアニメ、映画から取るなとはいわないけど、
工夫することを常に考えること。

>57
細かいツッコミだけど、precognition(予見、予知)。
予言者と預言者は違う。後者は神からビジョンを預かった人。

>48
神が世界を救うため超能力者を創った。
読者からすれば一行。
これも「よくある話」、これで意見求められても…。
>47
会議?の意見と雰囲気が、ただの説明文。
55の「この程度のことなら、他の人も考えたんでは?とも思ってしまう」
に同意。

6860の人:2004/05/15(土) 10:18
キャラ紹介とあらすじ晒します。ちなみに、プロローグですが、もう一つ主人公に
殺される人間の視点から書いたプロローブも考えているんですけど、どっちがいい
ですかね?

69キャラ紹介:2004/05/15(土) 10:21
 キャラクター紹介
 岡村 健悟:協力者。大学一年生、サポーターからの申し出に、悪いやつじゃ
なさそうだからと言うアバウトな理由から承諾。性格はいつでも直球勝負でいい
意味で馬鹿。彼女が絡むとただの馬鹿。感覚で行動するタイプ。最近は「殺し」
の仕事ばかりで少し鬱状態にある。
 サイ・ストールマン:主人公のサポーター。年齢十九歳。性別不詳(女)。一
見非常に無気力で、お役所仕事的に仕事をこなしていくが、その実非常に優しい
性格で、無意識のうちに相当無理をしている。覚悟の足りない主人公にいら立ち
を覚えると同時に、素直に自分をぶつけてくる主人公に心地よさを感じている。
 吉村 友美:主人公の彼女、主人公と同じ大学の一年生。休日は福祉活動に当
てることが多い。物腰は穏やかだが芯の強い女性で最近の主人公の変化に不安を
感じているが、さりげなく主人公を励ます。しかしその後主人公のしていること
に気付き始める。

70あらすじ:2004/05/15(土) 10:22
 あらすじ
 協力者になってから三ヶ月。仕事にも慣れてきたが、健悟は軽い鬱状態に
陥っていた。それでもサイに尻を叩かれながら黙々と仕事をこなしていく。
 ある時、仕事場の近くの公園から健悟に指示を出していたサイは、健悟の
彼女である友美と出会う。普通の人間には、暗示によりサイの印象や記憶は
あまり残らないようになっているが、中には暗示がかかりにくい人間もおり
、友美もその手の人間で、その後も何かとサイと関わりをもつことになる。
 その後、ある仕事をきっかけに健悟は鬱状態から脱出し、サイとも打ち解
けるが、その時サイに、自分たちがしていることに気付いてしまった友美の
抹殺命令が下る……。
  
見たいな感じです。最後はハッピーエンドですけどね。ちなみに世界は救わ
れないままです。あと「殺し」といっても直接標的を刺し殺す、とかではな
く、事故を誘発させたり、事故を防ぐことが出来る人間を足止めしたりとか
いった間接的な行為です。

71イラストで騙す予定の名無しさん:2004/05/15(土) 11:12
>>60
ざっと読みました。では、質問っす。

協力者の岡村君は、軽い気持ちで殺しをしているのですか?
で、「少し鬱」だと、彼は少し怖い奴ですな。
無邪気な性格だから人に操られているのか
殺しが好きorそもそも良心が無いのか
彼の性格付けの方向性を詳しく書くと良いかも。

んで、以下は、>>60氏の話の予想。

この路線で行くのなら
①よほど殺しを続けなければならない理由があり
彼の良心と、仕事への責任感という二つの感情の葛藤を描く
やがて仕事に対する疑問・殺し自体に対する疑問が生まれ
岡村君の態度に躊躇が見え始めた組織が彼を見切り、抹殺を決定する・・・

あるいは
②彼は、殺しへの罪悪感が決定的に欠如している。
しかし、恋人の友美と心のやりとりを交わしていく中で
小さいながらも温かい心の萌芽が出、それにより
多くの人々に向ける一般的な感情を獲得するに到った。
やがて仕事に対する疑問・殺し自体に対する疑問が生まれ(以下①と同じ)

という展開になると予想してみる。
結論は
①それでも殺しは続ける。自分が生きるために、友美と生きるために。
②新たな道を模索していく。心配は要らないさ、何故なら隣には友美がいる。
のどちらかだと考えてみる。でもハッピーエンドっぽいから②の方かな。


「殺す」というのは、直接的でも間接的にも
現実では最大のタブーの一つだから、
説得力のある理由付けと、葛藤を乗り越える課程を魅力的に書かねば
返って薄っぺらくなるので注意。
でも、頑張れっす。

72本分(1/2):2004/05/15(土) 12:26
2chの新人○スレで見つけて参りました。
拙い文章で申し訳ありませんが、ご批評頂けると幸いです。宜しくお願いします。
(記載範囲:最初から一回目の場面転換迄)

------------
 寝覚めの僕は機嫌が悪い。
 大した理由は無いのだが。単位に必須の講義が無ければ二度寝決定だが、残念ながらその必須講義が午前中にあるので地を這ってでも行かねばならぬ。
留年はゴメンだ。
 その後文字通り這い蹲りながら学校を目指した筈だが、

 気がついたら真っ白い部屋の中にいた。
 壁も床も天井も真っ白。そこが壁なのか床なのか見分ける事も出来ぬ白さ。聴覚が“有る程度の広さを持つ場所”だと教え、背中を包む感触が“柔らかい何か”に腰掛けているのだと教えてくれる。
「さっきから何をブツブツ言っておる」
 正面。
 そこには女の子が訝しげな顔をして座っていた。
 大きな目、小さな顔。華奢な体と合わせ、存在自体が人形の様だ。年齢は14、5歳と言った所だろうか? 緑がかった長い黒髪はポニーテールにし、光を弾かぬ黒いワンピースを着ている。体だけがこの場所から欠落しているかに見えた。
 そして違和感。彼女の横に立てかけられている巨大な鎌。
似合わない。
「第三者に説明し、少しでも同意を得て状況を変えようという涙ぐましい努力」
「遠回りな様で俄然ストレートなツッコミじゃな。何回目かは知らぬが、この場にはワシとお主しかおらんよ」
 目を真っ直ぐに見つめられて返された。確かに、幾ら見回しても白の一色のみ。
 溜息を吐く。
 彼女が笑った。何度も見た顔だ。
「そろそろ観念せ」「いやだ」
 言葉を遮って、体全体を使って表現をする。
 彼女は眉をひそめ、
「話を遮るのは無礼じゃぞ」
「なら聞き返すけど」腕時計に目を走らせ、「この三時間に、今のを含めて同じ様な問答を百飛んで三回繰り返してるから答えは分かると思うんだけど、まだ聞く?」
「無論。お主が首を縦に振るまではな。と言うことで我が僕となれ」「いやだ」
 多少の間が空くが彼女はめげようとしない。
「という訳なんじゃが」「いやだ」
「というからには」「いやだ」
「という訳だ!」「いやだ!」

73本文(2/2):2004/05/15(土) 12:27

「何もそんなに拒否せんでもよかろ――」「いやだ! え?」
「何に基づき頑ななまでに拒否するのだ? 悪い話では無かろう?」
 彼女は頬杖をつく。
「人を殺しておいてそれは無いと思うんだけど」
「遅かれ早かれ何時かは死ぬのだ、今死んだ所で大して変わる訳でもあるまい?」
 ――死んだらしい。
 この部屋で気がついた後、既にいた彼女の第一声は『お、死んだな』だった。聞き質して見れば『死ぬよう仕向けた』と衝撃の一言まで飛び出し、その後手渡された写真はグチャグチャになった自分の自転車とダンプカーが写り、その下で扇状に広がる赤いシミ。
「まだ僕は若いんだ! 死ぬには早いし心残りがありすぎる! マトモに彼女だって出来た事ないし、手を繋いだことだって無いんだぞ! それにHDの中身も……」
「あぁ、わかったわかった。まずは落ち着いて座れ。だがお主は現にここにおるぞ」
「ああここにいるな。だからもう出て行く!」
「何処にじゃ?」
「大学行かなきゃ単位が貰えないんだ、お遊びに付き合いすぎたよ。帰るから」
「だから、お主は死んだのだと言っておろう」
「死んだのなら僕は誰さ? ここに居るのだから僕は僕だ!」
 彼女は大きく息を吐き出し、小さく首を振ってから続ける。
「死んだのじゃよ。いや、正確に言えば体はまだ死んではおらんがな。じゃが、お主は――お主等の世界で言う所の幽霊じゃ。そして、物理的な体とは繋がっておらん。お主がここにいると言うことは即ち、死んだと言う事だ」
「じゃあ何か、ここは地獄か?天国か?」
「どちらでもない。現世と幽界の隙間じゃな」
 腰を下ろす。信じられる訳が無いが、信じられるような雰囲気はある。
「死んだとして。僕は生き返れるのか?」
 彼女は黙る。
 たっぷり30回の脈動の間を空け、目を逸らしながら小声で言う。
「……まあ、無くは無い。方法は二通」「ならそれを今すぐ僕に施してくれ」
「そうか。では仕方がないの」
 彼女が鎌を手に取る。テニスラケットでも持っているのかと思うほど軽く持ち上げられたそれ、ギラつく刃が、自分の首に宛われ、めり込み、
「ま、まてまてまて、もう一方ってのを聞いてない――」
「さっき己が拒否したであろう。ワシの僕になる事じゃ。ワシに権限はないが、働き様によっては親方に頼んでやると言おうとしただけの事でな。拒否しているのだから自ずと前者になろう。輪廻転生のサイクルへと還るが良い」
 つぷ、と首に刃がめり込む音。背筋に冷たい物となま暖かい物が流れ落ちる。
「ま、まままま、まって……」
「何だ?」
「僕になって……働くから……上申をお願いします……」
 彼女の顔が輝いた。しまった騙されたかと脳裏を過ぎるが時既に遅し。
「僕一号!」
 満面の笑顔で、びし!と指さして言い放った。

***

1/2の方漢字間違えた上にsage忘れました。ごめんなさい(汗

7459:2004/05/15(土) 13:11
>>63-65
指摘ありがとうございます。
自分では、すっごい上手に書けたと思ってたんですけど
まさか同意見を3つも連続で貰うとは。
自分に酔ってただけかもしれません。

擬音に頼らず、もっと色々読んで力つけようと思います。

75イラストで騙す予定の名無しさん:2004/05/15(土) 13:41
>寝覚めの僕
寝起きでしょ?
>大した理由は無いのだが。単位に必須の講義が無ければ二度寝決定だが、
「だが」を2回使うのはリズムが悪い。
「大した理由は無いのだが」の意味が分からない。重要なんだろ?
>這い蹲りながら
ん〜、嫌々行くという描写にはあってないような。病人でしょこれは。
>気がついたら真っ白い部屋の中にいた。
こういう風に急に場面を切り替えるなら、
主人公をその場においてスタートを回想シーンにしたほうがいいと思う(個人的意見
>そろそろ観念せ
観念せえ
>幽界
幽界ってあの世のことだったっけ?

前に、死んだ後生き返るって作品書いてるってレスしてた人だね?
そのときも突っ込まれてたが幽白に似てる。
全体的にはもう少し煮詰めたほうがいい。
自分の書きたいところと、そこまで行く過程のところが手に取るように分かる。
自分の書きたいところは良く書けてると思う。

76イラストで騙す予定の名無しさん:2004/05/15(土) 13:49
72氏へ。死神?女の子の描写のところで、
>体だけがこの場所から欠落しているかに見えた。
体が欠落→ワンピースの中身がないってことか?
思わず、「ハンガーに吊ったワンピースに顔がくっついてる」ような激しく薄っぺらい物体をイメージしてしまいました。
こういう想像するやつもいるってことで。
それから「上申」て言葉が大学生の台詞にありますが、「〜なのじゃ」と年寄りっぽくしゃべっている女の子の方に使わせて、学生はふつうに「頼みます」と言うのが無難では?
あの、学生に「上申」と言わせるのが伏線だったら、まったく問題ないです。

59氏へ。つねに「この話をまったく知らない読者」としての自分を意識に置いて、作者たる自分と相談しながら書くのもいいかもしれません。

77イラストで騙す予定の名無しさん:2004/05/15(土) 13:52
いまさら死神は……

78イラストで騙す予定の名無しさん:2004/05/15(土) 14:15
擬音や記号の類は判断に悩むところだなあ。
ワナビ(俺も含む)は好きではない人の方が多そうだけど
ラノベの何割かは多用している作品というのも事実。

直接文章リズムに関わってくるところだから
自分にあってるのなら変に変えない方がいいのかもと思ったりもする。

79イラストで騙す予定の名無しさん:2004/05/15(土) 14:20
擬音を多用するのは、あかほりと初期神坂ぐらいしか思いつかんが・・・
あかほりはデビューして地位が出来てから多用するようになったし、
神坂はデビュー作が別格だった。

80sage:2004/05/15(土) 15:36
自分も何となく晒してみたくなったので一年位前に書いていた未完成作の一部を貼ってみました。

「で、この石の何を調べろというのかな?」
 小寺教授は不愉快極まりないと言わんばかりに眉間に皺を寄せ、右手に持ったガラスケースを眺めていた。
 ガラスケースの中にはルビーにと思われる小さな宝石が収納されている。
「何を、ではなく、何なのかを調べて欲しいのです。ただし、そのルビーは非常に危険な物であることは確認できているので、直接触れるのはおやめになった方がよろいいかと思います。それともう一つ。こちらの指輪を二・三日預かっていただきたいと思います」
 芹沢は淡々とした口調で用件を伝えた。
 口調は穏やかだが、依頼を断る権利を与えるつもりはないように聞こえる。
「危険ってのはどういう意味かね?」
 小寺教授はガラスケースをテーブルの上に置き芹沢に問い掛けた。
 眉間に浮かぶ皺が、より深みを増している。
 芹沢の後ろで、大男が扉の前に立ち塞がっている。大男のにやついた顔が小寺教授の心象を損ない不愉快さに拍車をかけていた。
 この男達はいつもそうだ。
 芹沢は必要最小限の情報だけを伝え、丁寧な口調のわりには敬意の欠片も感じられない。大男にいたっては、半ば侮辱とも取れる表情で、こちらのやり取りを監視するだけだ。
 彼らの後ろに何らかの組織があるのは分かる。その組織がいかに絶大な権力を持っているかは依頼内容で明らかであったが、だからといって小寺教授には彼らの態度を許容しようなどとは思わなかった。
 口に出して非難することも無かったが――。
「危険というのはですね、小寺教授。その石が血を好む、という事です」
 芹沢は相変わらず他人事のように淡々とした口調のままだ。
「詳しい話は私にも分かりませんが、その石は人を喰うそうです」
「人を喰う? このルビーがかね?」
「にわかに信じられる話でないのは承知していますが、何度か私共の依頼を受けておいでの先生なら、この話が嘘でないという事を納得していただけるかと思います。ちなみに指輪の方も似たような性質を持っているとのことです」
 小寺教授は自身でも知らぬ間に左手で拳を作り、きつく握り締めていた。
 掌に汗がにじむ。
「喰う、と言うのは物理的にかね? それとも比喩表現としてかね?」
 そう問いかけたものの、その答え自体にはあまり興味は無かった。
 今、小寺教授の興味を引いていたのは、寿命が尽きかけて、周期的な点滅を繰り返す蛍光灯だ。彼の位置からは右斜めの天井に見える、備え付けの蛍光灯から放出される光が、やけに眼にに入り、鬱陶しく感じていた。
 昨日までは何も感じなかったものが、先程からはやけにちらついて感じられていた。
 教務課に言って代わりを持って来なければいけないな。などと考え、この研究所内に梯子があるかなとの考えにいたる

8180:2004/05/15(土) 15:39
sage間違い。ダサいことしてスマンです。
なれないことはするもんじゃないな。

82イラストで騙す予定の名無しさん:2004/05/15(土) 17:56
>直接触れるのはおやめになった方がよろいいかと思います。それともう一つ。こちらの指輪を二・三日預かっていただきたいと思います。
「思います」が連続してるのが…
>眉間に浮かぶ皺が、より深みを増している。
>芹沢の後ろで、大男が扉の前に立ち塞がっている。
「いる」の連続

教授視点の描写と作者の視点の描写が混じって分かりずらい。

83イラストで騙す予定の名無しさん:2004/05/15(土) 18:15
>68

 え? 現実世界の話だったの? てっきりファンタジーでやるのかと思ってた……
 とりあえず、粗筋みた感想。
 おおざっぱな方向は、それでいいんじゃない? 具体的なエピソードがないので
想像しづらいですが、大筋は王道かと。
 キャラはまあ主役の三人……んー、もうちょっと出てくれないとわからないけど、
 その辺はおいおい決めていくのかな?

 71さんの言うとおり、現実世界では命の価値が1ランクアップするから、そこらへん
は注意して書いた方がいいかも。
 そんなところです。

余談。
 「殺し」の問題について、71さんがキャラ造形の方から提案してくれているので、
 漏れは別方向からアプローチ。
 これ、殺され役を、読者から見て本気でむかつかせるように描写できれば無問題。
 そういう奴らを成敗することは、感覚的に「よくやった」と感じてくれるから、
 殺人の問題がエスケープされ、さらにそのことに悩む主人公に対し、
 「んー、俺は構わんと思うけど、まあ本人からすりゃ悩むとこかもなあ」と
 共感してもらえる確率が高くなるよ。
 まあ、そういう手もある、ということで。

8480:2004/05/15(土) 18:26
視点か……。確かに分り難くなってるな。
今度からもう少しそこんとこ意識してみます。

8568:2004/05/15(土) 19:42
ありがとうございます、参考になりました。
ちなみに脳内設定では、最初は嫌なやつばかりが対象だったけど、小さな子供が
対象者となり苦悩、いろいろ吹っ切れて、最後は、他の人にはさせたくない、と
言う理由で、相方と仕事を続けていく。て感じなんですよね。ヒロインが理解を
示すかどうかが悩みどころだ・・・。

8672:2004/05/15(土) 22:10
批評ありがとうございました。m(__)m
死んだ後生き返る〜とは私ではありませんでしたが、読み返してみると確かに幽白に似ていると感じ、
>>76さんのイメージと共に目からウロコと言った感じでした。

指摘を頂いた所を改善し、更なる精進を計りたいと思います。
ありがとうございました。また来ると思いますので、その時は宜しくお願いします。

87イラストで騙す予定の名無しさん:2004/05/24(月) 19:22
辛口の批評お願いします。

 蝉の声がしていた。無限に続く輪唱のように、それは途切れることがなかった。不快ではなかった。真夏の昼下がりの郊外の墓地の、それは必然的な唱和だった。異質なのはぼくたちふたりのほうだった。
 マリが立っていた。ほっそりとした体つきで、まっすぐに立っていた。ぼくはそのかたわらにしゃがみこんで、ただ墓石に手を合わせていた。
 時おりマリの様子が気になって、ぼくは彼女の横顔を下から見上げた。
 彼女は、彼女の姉の眠る墓を見下ろしたまま、みじろぎもしなかった。
 初めてぼくらが出会ったときの、無愛想だった彼女を思い出して、ぼくは急に不安に襲われた。
「ねえ、マリ」
「大丈夫」マリは先回りして答えた。すっと目を細め、ぼくに笑いかけてみせた。
 あれから一年が経つ。まったく、彼女は大人になった。ぼくは16歳で、彼女は15歳で、その差は未来永劫縮まらないはずなのに、すでに追い抜かれてしまったような印象をぼくはうけた。
「わたし、謝らなきゃいけない人がいるんです」彼女は視線を墓石に戻した。
「うん」
「まだ姉が生きてたころ。わたしたち、約束したんです。『最後の最後、わたし意識が完全に途絶えるその瞬間まで、一緒にいようね。双子として生まれて、それまでに一緒に味わったいろんなことを話して、笑いあおうねって。五、四、三、二、一。大晦日みたいにカウントダウンしながら、最後に思い切り笑おうって。いままでありがとう、楽しかったよって』。機械じゃないのに。人間なのに。そんなきれいに死ねるわけがないのに。苦しみながらいくしかないのはわかってるのに。姉はそういったんです」
 淡々と、感情を抑制しながら、彼女は続けた。白く細い指先が、腰の後ろで持っている麦わら帽子のひさしを歪ませていた。
「でも、わたしは笑えなかった。がんばったけど、笑えなかった。口では『あはは』っていってるんです。でも、顔は泣いてた。もう大好きな姉と話すことができなくなるんだって考えると、涙が止まらなかった。わたしは、約束を守れなかった」
 神様は、といいかけ、彼女は言葉を詰まらせた。目に涙の粒がぶわりと膨れ上がり、表面張力をこえてあふれた。
「神様は、なんでこんなことをするの。なんで、双子のうちひとりだけの命を奪ったりするの。わたしたちは、ふたりでひとつだったのに。半身を失って、わたしはいったいどうしたらいいの」
 なんで、なんでと、彼女はつぶやき続けた。
「かわいそうに、とか思ってる?」ぼくは立ち上がった。
「え?」彼女は驚いた顔をした。
「神様は、人間にふたつのことを約束した。生と死。母親の胎内から出る前に死んでしまう胎児がいる。ボランティアに人生を捧げ、地雷を踏んで死んでしまう人がいる。一方で、人殺しのくせに百歳まで生きるやつもいる。ぼくも、こうしてのうのうと16になった。悪人も善人も、あまねく平等なんだ。誰も、不公平は働いていない」
「姉のことも、公平だったっていうんですか?」彼女は唇をとがらせた。
「そうじゃないよ。うまくいえないけど、世の中にはいろんな人がいて、いろんな一生を送ってる。だめなんだ。よくわからないけど、かわいそうだとか思っちゃいけないんだ。それはとても、失礼な考え方だと思う。生まれてくることのできなかった胎児にだって、きっとプライドはあるんだ。きみの姉さんにもね。哀れまれたって、それを嬉しいとは思わないんじゃないかな」
 マリの手をたぐりよせ、握った。そうしないと、どこかへ消えてしまいそうだった。マリも、ぎゅっと握り返してきた。ぼくという存在をたしかめるように、力いっぱい握ってきた。不器用に手を握り合ったぼくらは、子供みたいだった。
「きみは、大人になった。ぼくなんかよりも、ずっと立派な、暖かい心をもった、素敵な女の子になった。だから、笑うんだ。わたしは元気ですって。とても幸せですって。それが、約束を守ることなんじゃないかな。姉さんも、それを望んでるんじゃないかな」
「都合のの、い、いい、考えじゃ、ない、ですか?」しゃくりあげながら、彼女はいった。
「ごめんね、開き直るようで悪いけど、究極的に、ぼくはエゴイストなんだ。ぼくはきみに笑ってほしい。きみを笑わせることが、ぼくの生きがいなんだ」
 マリが、体をぼくの胸に預けてきた。相変わらず手は握り合ったままだったから、ぼくはもう片方の手で彼女の頭を抱え込んだ。
 ふたり、しばらく動かなかった。蝉の声を聞きながら、時が過ぎていくのを感じていた。
 不意に、彼女が頭をあげた。泣き笑いめいた表情で、ぼくを見ていた。顔同士がゆっくりと近づく。逆らえない引力のようなものがあった。

88イラストで騙す予定の名無しさん:2004/05/24(月) 20:36
>感情を抑制しながら
この部分だけ視点がズレてる。「無理に感情を抑制しているように見えた」とかなら分かるけど。

>表面張力をこえてあふれた・半身・胎内・胎児
表現が硬い。雰囲気が壊れる。胎児→子供みたいに言葉を変えたほうがいい。

>ボランティアに人生を捧げ、地雷を踏んで死んでしまう人がいる
このたとえ話は変えたほうがいいかな。すぐに状況を想定できなかった。

地の文が全体的に細切れなのと、…た。…た。…た。の連続で読みにくい。

89イラストで騙す予定の名無しさん:2004/05/25(火) 01:56
>>87
作品の冒頭かな。
どちらにしても「蝉の声がしていた」で改行したほうがいいんじゃない?
台詞にしても文字が続きすぎて読みづらいし。
以下、箇条書き。

文章について──
・「──た。」の連続というのは効果としてわかるけれど、上手に活かせていない。
・言葉の選び方 未来永劫縮、表面張力、半身、エゴイストなど要検討。
・言葉の並べ方 「マリが、体をぼくの胸に預けてきた」とか「淡々と、感情を抑制し
ながら、彼女は続けた」とか(まあ、これは個人の好みか)。
・「無愛想だった彼女」という文章から受ける印象と、実際の彼女の口調が一致し
ない(これも個人的なことかな)。
・マリの台詞と姉の言葉の引用がゴッチャになっている。

内容について──
・セミの唱和に対して、ふたりの存在が異質なのはなぜか?
・「笑いあおうねって」というのは、口で『あはは』と笑うことではなく、笑顔でってこと
じゃないの?
・「悪人も善人も、あまねく平等なんだ」 だれにでも死はやってくる、ということなの
だろうが、主人公の言葉やたとえ方はあきらかに変。彼がうまく伝えられない、とい
う表現でもないだろうし。
・約束を守るために笑うんだ、と言っておきながら「ぼくはエゴイストなんだ」じゃ、本
当にただの身勝手男。
・「ふたり、しばらく動かなかった……時が過ぎていくのを感じていた」 二人とも時の
経過を感じているの?
・(あなた個人に対して)身内の方を亡くされたことはありますか? そのときの気持
ちはどうでしたか? その気持ちとマリの思いはいっしょですか? ちがいますか?
あるいは、マリを支える主人公の思いは? あなたは彼と同じような立場になったこ
とがありますか?

ほかに気になった表現は──
「真夏の昼下がりの郊外の墓地の」、「ただ墓石に手を合わせて」、「墓を見下ろした
まま」(墓は彼女より小さいの?)、「ぼくに笑いかけてみせた」、「まったく、彼女は大
人になった」、「謝らなきゃいけない人が」(姉じゃない別の人?)、「彼女はつぶやき
続けた」(泣いてるんでしょう)、「子供みたいだった」(十代なら子供では)、「きみは、
大人になった……素敵な女の子になった」、「究極的に、ぼくはエゴイスト」、「相変わ
らず手は握り合ったまま」、「泣き笑いめいた表情で」……こんなところかな。

ずいぶん書きましたが、嫌いじゃないです。むしろ好きなタイプです。

90鶴田:2004/05/25(火) 16:54
87です。

>>88
>>89
さん、すばやく詳細なレスありがとうございます。反応が遅れてもうしわけありません。ネットカフェで書いてるもので・・・。
いままで人に小説を読んでもらったことがなかったので、ずいぶんと参考になりました。自分ひとりではやはり独りよがりになってしまうものですね。
ご指摘されたポイントもしごくもっともで、早急に改善したいと思います。

これ自体は個人的に処女作というか、一番最初に書こうと思って書ききれなかったものの一部です。
個人的な話ですが、昔つきあってた彼女が自殺未遂をしたことがあって、そのときに感じた「どうして相談してくれないんだ」とか「どうしたら慰められるんだ」とか、そういう思いをばらばらにしてキャラに振り分けたらこうなりました。
その時、彼女にどうやって接すればいいかわからなくて、それはいまもわからなくて。そのまま書いたらやっぱりキャラ自身もわからないから、けっきょくちぐはぐな印象の話になってしまった。という感じですかね。
笑わせたかったんだけど、泣かせることしかできなかったなあ。人間修行も積まなきゃ・・・。

技術的な部分だと、言葉の選び方がまずい、というのが共通してますね。これは単純に硬いから、やわらかくすればいいんでしょうか?

「ーた。」の連続については、北方謙三さんの小説が好きなもので、どうも影響されすぎですかね。
効果的に書ければいいんだけど、そこまでの実力はまだないみたいです。しばらく使わないようにしてみます。

文字が続きすぎ、というのは改行を多くしたほうがいい、ということですかね?

視点がぶれるのも直したいと思います。

91鶴田:2004/05/25(火) 17:40
もうひとつお願いします。

「オルガンの蓋と鍵盤の間のところ」

 幽霊は眠ることがない。あらゆる瞬間に意識があって、それが無限に連続していく。
 だから幽霊にとっての三十年は、人間にとっては六十年近くにもなる。四六時中起きているからだ。里香は十歳の時に幽霊になって、それから三十年だから、気分はもうおばあさんだ。
 里香が幽霊生活を送っているのは廃村の廃校の音楽室だ。より正確には、オルガンの蓋と鍵盤の間のところに、彼女はいる。
 蓋を開くこと。蓋を閉じること。鍵盤をたたくこと。オルガンの椅子に座ること。それが彼女にできることのすべてだ。
 学校には他にも幽霊がいた。里香のようにひとつのところから動けない者も多かったが、中には自由に校舎の中を歩き回ることのできる者もいた。話し相手がほしい時はダジャレ好きの進藤教頭が来てくれた。本を読みたいときは図書館すべての本を一字一句残らず暗記している、司書の牧子女史が音読してくれた。オルガンに埃が積もれば、掃除が趣味の太一おじいさんがハタキをかけにきてくれた。
 つまり寂しくはなかった。退屈をまぎらわすこともできた。慎ましくもかわりばえのしない、穏やかな時の流れの中に里香はいた。

 普通の人間には幽霊は見えない。だけど、世の中には幽霊と波長の合う人間が時々いる。馬が合うというか、雰囲気的に仲良くなれそうというか。友達ができる時って、だいたいそんなふうじゃないだろうか。
 マサムネと潤子。どちらも十歳で、子供だけど役者だ。
 ふたりに出会ったのは、ある八月の暑い日。
 大勢のスタッフが、学校を舞台にした映画を撮影するために校舎の中を走り回っていた。
 
 


 電撃文庫の短編用に考えているものの冒頭です。学校の怪談みたいなノリで、原稿用紙100枚くらい。
 幽霊は死んだときの記憶を例外なく忘れる、とり戻した時に成仏するという設定を、話の中盤以降で書くつもりです。冒頭では「とりあえず」の説明だけを書きました。
 批評してほしいポイントは、説明としてちぐはぐな印象の部分はないか。冗長な部分はないか。イメージとして、すっと頭の中に入るかどうか。言葉遣いや文章の読みにくさなども指摘してください。お願いします。

92イラストで騙す予定の名無しさん:2004/05/25(火) 19:02
えっと、電撃文庫関係の新人賞で、100枚という規定の賞はないように思うのですが。
100枚だったらコバルトですかね。

93イラストで騙す予定の名無しさん:2004/05/25(火) 20:27
読者はあらすじより物語を求めているもの。
説明でも情感を持ってやらないとただのだらだらとした言葉の羅列では投げる。
>批評してほしいポイントは、説明としてちぐはぐな印象の部分はないか。冗長な部分はないか。イメージとして、すっと頭の中に入るかどうか。言葉遣いや文章の読みにくさなども指摘してください。お願いします。
それ以前の問題。書き直しておいで。

9489:2004/05/25(火) 23:07
> 個人的な話ですが、
余計なことを書いてしまったようです。ごめんなさい。
なんであんなことを書いたかというと、マリの言葉が感情の発露ではな
くて、どうもじぶんの状況説明をしているよう(それはつまり作者が説
明させているということですが)に感じられたので、つい質問しました。

言葉の選び方──
わたしの場合は単純に硬いから、というだけではないです。
たとえば「表面張力」という表現。こういう描写は固さというよりも、
よほどうまくやらないと素人臭さが出るだけじゃないかという感じ。
あるいは、「半身」という言葉はマリの台詞の中に出てくるけれど、は
たして話すときにこういう言葉を実際に使うかどうか、ということ。
作品全体の雰囲気に合うか、場面に合うか、文脈に合うか、キャラクター
に合うか、そういったことを考えてみてのことです。

文字が続きすぎ──
一般的にライトノベルというジャンルでは改行を多用した方がいいそう
です(わたしはそういうのは好きじゃないけど)。
それとはべつに、「蝉の声が……」から続く段落は長すぎです。
蝉の声の描写と、「不快ではなかった」という主人公の感情は、同一パ
ラグラフで並列するものではないでしょう。
また、読み始めようとしてぱっと目に入ってくるのが文章の固まりなの
で、作品に入りにくいということもあります。
地の文でも台詞でも、紙面(画面)上の文字密度が高すぎる、とでも言
いましょうか。

9589:2004/05/25(火) 23:10
で、「オルガンの蓋と鍵盤の間のところ」について。

・「幽霊は眠ることがない。」以下の説明と2行目の「だから幽霊にとっ
ての三十年は……」とがつながらない。眠らないことがどうして人間と
の二倍近くの年齢差になるのか?
・「理香は十歳の時……」が独立していないのはケアレスミス?
・「気分はもうおばあさんだ」 どうでしょう?
・「……歩き回ることのできる者もいた。」 まあ、幽霊が歩いたって
問題ないかな……とりあえず保留。
・廃校なのに教頭先生や司書がいるというのは? と思ったけど、あ、
もしかしてこの人たちも幽霊なのか。そうだとすれば、学校関係者の死
人が多いですね。
・「つまり寂しくはなかった。……里香はいた。」 ここはまずいでしょ
う。説明ではなく描写すべきでは。たとえば寂しくしてるときに教頭が
はげますシーンとか、退屈しているときに司書が物語ってくれるとか。
・「友達ができる……じゃないだろうか」 同感ですが、地の文として
はいただけない。三人称作者視点(こういう表現があるかわかりません
が)なら問題ないでしょうけれど。
・「どちらも十歳で、子供だけど……」 直前で年齢を提示しているの
でくどい。
・「ある八月の暑い日」 「ある」が八月にかかる、日本なら八月は大
概暑い。

とりあえずこんな感じかな。

それから、この説明の中には、シーンやエピソードとして活かせるもの
がたくさんあります。それを説明で終わらせるのはもったいない。93さ
んがいみじくも『あらすじより物語を』と書いておられますが、その通
りだと思います。

96イラストで騙す予定の名無しさん:2004/05/27(木) 09:35
>>91
遅レスだけど。
自分好みのナイスな作品になる予感。
ただ主人公達の印象が、中々入って来れなかったかな。
だから、

「オルガンの蓋と鍵盤の間のところ」
幽霊は眠ることがない。あらゆる瞬間に意識があって、それが無限に連続していく。


マサムネと潤子。どちらも十歳で、子供だけど役者だ。
ふたりに出会ったのは、ある八月の暑い日。
大勢のスタッフが、学校を舞台にした映画を撮影するために校舎の中を走り回っていた。


てな感じに、出だしの一文を書いてから
主人公達を出したほうが読みやすいと思う。
そして、幽霊が出てくる場面で、>>91の幽霊に関する話題を入れていくと。

97鶴田:2004/05/27(木) 17:35
>>92
来年の受付ですが、電撃で長編250〜410枚、短編42〜100枚、という規定の募集がHPにあったので、その短編のほうに送るつもりです。
それとは別にコバルトでも応募してたんですね・・・。読んだことがなかったので気づきませんでした。
そちらに応募するかどうか、時間と相談して考えてみます。有益な情報ありがとうございました。

>>93
うーん、たしかにそうですね。出直します。

>>89
なんだか気をつかわせてしまったようで、こちらこそすいません。
見苦しいところをお見せしました。こういうのって削除することはできないんですかね・・・?

文字密度・・・濃いですね・・・。反省。

ご指摘された部分もなるべく直します。
なんというか・・いま見てみると矛盾が多すぎますね。

>>96
ありがとうございます。
アドバイス、さっそく使わせていただきます。

98鶴田:2004/05/27(木) 19:32
 幽霊を見ることは普通の人間にはできない。だけど、たまに例外もいる。
 そのふたりに出会ったとき、わたしには予感があった。
 馬が合うというか、雰囲気的に仲良くなれそうというか。
 友達ができるときって、だいたいそんなふうじゃないだろうか。
 マサムネと潤子。どちらも十歳で、子供だけど役者だ。
 ふたりに出会ったのはある夏の日。
 廃校を舞台にした映画の撮影のために、大勢のスタッフがかけ回っていた。
 
 その日はとても暑い日だった。
(たぶん、きっと暑いんだわ。三十度は超えてるかも)
 里香はそう思った。暑さも寒さも感じることのできない幽霊にだってそれとわかるほど暑い日だった。
 蝉の輪唱が限りなく続いていた。穴の開いたカーテンから差し込む強い日差しが、宙を舞う埃のひとつひとつを鮮明に浮かび上がらせていた。
 廃村の廃校の、市の職員すらも見回りに来ない音楽室。黒板の脇に古びたオルガンがあった。
 里香はそこにいた。より正確には、オルガンの蓋と鍵盤の間のところだ。
 蓋を開くこと。
 蓋を閉じること。
 鍵盤を叩くこと。
 できるのはそれくらいだった。オルガン以外のものは近くになかったし、離れようとすれば引力のようなものに引き戻された。
 里香はオルガンに背を向けて、窓のほうを向いて座っていた。いつもそうしているようにまっすぐに背筋を伸ばしていた。
 オルガンの付属の椅子は丈が高すぎて、里香の足は床につかない。でもぶらぶらさせるのは行儀の悪いことだから、いつもそうしているようにぴたりと膝をくっつけていた。
 赤いエナメルの靴に、白いレースの靴下に、フリルのついた赤いワンピース。それもいつもの服装だ。
 髪の毛も、いつもどおり背中で水平にカットしている。
 なにもかもいつもどおりで、いつもづくしで、かわりばえしない。そんな生活が何年も何十年も続いていた。それはこれから先も、きっと変わることがない。
 校庭で騒ぎがした。校舎の中にもそれは入り込んできた。複数の人間が話す声。足音。かなづちのようなものが壁を叩く音。それらが一体となって校舎の中を反響した。 
(なにかしら)
 里香はなんとなく首を伸ばした。窓から外を見たかったが、オルガンは窓と反対側にあった。廊下を覗こうにも、角度が悪くて壁しか見えない。
 どうしようもないとわかってはいても、落ち着かなかった。なにせこれだけ賑やかなのはひさしぶりのことだ。
 いてもたってもいられず、はしたなくも椅子の上に立ち上がった。
 いきなり部屋の外で声がした。戸が開いて、人間が入ってきた。
(わー!)
 不意をつかれ、あわててオルガンの中に逃げ込んで蓋を閉めたが、考えてみれば普通の人間には里香を見ることができない。
(まー、これじゃなにも見えないじゃない)
 ひとりで憤慨して、自分の頭をぽかぽか叩いた。
「なんでこんなところに来るのよ」
「はあ?おまえがセリフ合わせしようっていったんだろ」
 男の子と女の子だ。
(しかも子供だ)
 里香の心は弾んだ。
「ここじゃなくたってできるでしょ」
「なんだ、怖いの?」男の子の声にバカにしたような響きが混じった。
「そんなわけないでしょ、くだらない」女の子は冷ややかに即答した。
「私、リアリストなの。十歳といったらもう立派な大人だしね。『幽霊が出るかもしれないから逃げましょう。怖いわ、私』なんていわないわ。本番になったら別だけど。だいたいスタッフの人たちがこれだけたくさんいる中で、しかも昼よ。幽霊も何もないと思う」
「あーあ」男の子はつまらなそうにため息をついた。
「すこしは怖がれよ。おもしろみのないやつ。だいたいロマンってものに欠けてるんだよ。子供のくせに。もっとこう、涙声になったりさ、びくびくしてすこしの音でも怖がってみせたりさ、そういう情緒みたいなのはないもんかね」
「だからいったでしょ、私は大人なの。すくなくともあなたよりはね」
 ふん、と男の子が鼻を鳴らした。
 里香は我慢できずにそろりそろりと蓋を持ち上げた。一センチ、二センチ……隙間から女の子の足が見えた。赤いエナメルの靴に、白いレースの靴下。
「うー」女の子の声がくぐもった。口になにかあてたのかもしれない。
「ここ本当に汚いわね。クモの巣張ってるし、埃が絨毯みたいに積もってるし。これって絶対喉によくないわ。控え室かバスに戻りましょうよ」
 隙間を広げる。女の子は里香と同じフリルのついた赤いワンピースを着ていた。ここまで似ていると、顔のほうはいったいどうなっているのだろう。里香は興奮しながら、いつしか注意をはらうことを忘れていた。

99鶴田:2004/05/27(木) 19:37
長すぎたので続き

「む」男の声が緊張を帯びた。
「おい。その蓋って、最初からそんな中途半端な状態だったか?」
「完全に閉まってたと思うけど。おかしいわね」
 ふたりの注目を浴びて、里香は困ってしまった。まさかこんな目の前で閉じるわけにもいかない。それはさすがに怪しすぎる。
(むむむ、どうしよう……)
 進退きわまって硬直していると、二組の双眸が隙間を覗き込んできた。
 ばっちりと目が合った。
「わー!」
「うおっ?」
「きゃー!」
 三人同時に悲鳴をあげた。不協和音が音楽室に響き渡った。


 書き直しです。改行多めに。「ーた。」はあまり少なくなってない……。
 幽霊的なものについては話の流れの中でおいおい説明していきます。

100鶴田:2004/05/27(木) 19:41
 ああ、ミス。
「む」男の声が緊張を帯びた。→「む」男の子の声が緊張を帯びた。
 です。

101イラストで騙す予定の名無しさん:2004/05/28(金) 23:14
ぶったぎりますぞ。ご覚悟。

>その日はとても暑い日だった。
>(たぶん、きっと暑いんだわ。三十度は超えてるかも)
>里香はそう思った。暑さも寒さも感じることのできない幽霊にだってそれとわかるほど暑い日だった。

「暑い」を何回使うんですか。
それに「三十度は超えてるかも」は、暑さを表現するための言葉の選択をまちがえてる気がします。
廃校の音楽室に温度計なんかないですよね。
この幽霊の女の子の視界に入るもので描写すべきでしょう。
目に見えるもので、暑さを象徴するものって何?しかも音楽室内にあるか、窓から見えるもので。

適当なもの、すぐには浮かびませんね。
人間の女の子のほうに文句たらたらで汗ふかせたりとかさせたほうがましです。
人間の女の子つながりで、もうひとつつっこんどきます。
撮影って昼間にやってるのに、そんなに怖いのか?
いきなり幽霊の話を始めてますが、上のような疑問を覚えてしまったので、会話がやはり説明くさく感じました。

102イラストで騙す予定の名無しさん:2004/05/28(金) 23:38
これで電撃は無理だって。文が状況説明に偏りすぎている。
もっとキャラ主体で動かしていかないと。
パンダの帯が付いた新潮文庫のB級小説みたいだ。

>幽霊〜かけまわっていた。
まずはこれをカット。冒頭からくどくど説明されると読む気なくします。
ストーリーの中で細切れに千切って状況に合わせて放り込んでいくべき。
後も無駄が多いです。暑い暑いオルガンオルガンと連呼するはめになっているのは構成が出来ていない証拠。

103イラストで騙す予定の名無しさん:2004/05/29(土) 04:10
要点だけ述べると…
「『描写』と『説明』を混同している限りは、一次落ちが関の山ですよん♪
…といったところでしょうか。

104水野:2004/05/29(土) 07:49
批評お願いします。冒頭の一部です。

 足下ではね返った白球を、ラケットを振って打ち返した。
 軽快な打音がコートに鳴り響き、打球はネットを越えて相手側のコートへ伸びていった。そしてまた、白球が自分のコートの隅を狙って低空を走る。
 ラケットを右手に、左手には握り拳を作って、その白球の方へと駆けた。あたためられた地面の熱気が、踏みしめた足にまとわりつく。空高く昇った太陽が、じりじりと肌を焼いていた。
 もうあと二、三歩というところで、弧を描いていた白球が一度コートではねた。再度、はねようとする打球は、同じような弧を、先ほどよりもうんと小さい弧を描いて、地面に向かって落ちる。
 それを地面に落ちる寸前に、ラケットですくうように持ち上げた。持ち上げ、そのまま腕を振りかぶるようにして、相手コートに打ち返す。
 息を吹き返したように速度を取り戻し、打球は先ほど描いた軌道をたどうようにして相手コートへ迫る。
 宙を裂くようにして白球は走り、そして――――ネットの上部に引っかかって、こちら側のコートに落ちた。
 球がはねるたびに間抜けな音が聞こえ、跳ね終わる前に、審判の試合終了の一言が、ネットを挟んだ両者に告げられた。


「森田。森田隆造」
 その言葉が自分の事だと気付くのに、隆造は何秒かの時間を費やした。
「あ…はい」
 気の抜けたような声で、隆造は目の前にいる中年の顧問に返事をした。
近隣の高校とのソフトテニスの練習試合を終えて、反省会を直接コートで開き、それが終わろうとしていたところに、顧問は隆造の名前を呼んだ。
周りの部員が隆造と顧問を交互に見比べる。
「お前は残っていろ」
 少し怒気をはらんだ声で、顧問が隆造に言い放った。訝しがりながらも隆造は、はい。と今度は少しだけ歯切りよく返した。
 その次の解散の言葉で、他の部員達はコートを離れ、水分補給やトイレなどに向かっている。
 隆造のペアの浦田――――ソフトテニスはダブルスがメインである――――が一度だけ隆造を振り返り、自分の水道へと歩いていった。
「なん…でしょうか」
 戸惑いながら隆造は顧問へと尋ねた。その言葉を無視したように、顧問は
「二敗か」
 と吐き捨てるように言った。
 痛いところを突かれた。今日の練習試合は二試合中、二敗。それも格下の相手にだ。
「お前、本当にフォームを変えなきゃ、負けっ放しだぞ」
 中学の頃からソフトテニスをやっていたが、隆造は目立った成績を収める事が出来なかった。
 隆造が通い始めて一年になるこの高校は、ソフトテニスで言えば県内では中程といったところか。中学の時はそれなりの技量だった隆造だが、強豪が集う工業高校には行かなかった。周りのレベルについていけそうもないと思ったからだ。
 だが、いざそういった中級の高校ですら、隆造は周りから置いて行かれるようになった。
 ラケットを振るフォームにクセがあるのだ。間違ったフォーム、とまではいかないものの、クセのある隆造のフォームでは技量の上限にぶち当たってしまう。
 そして今、その上限に頭を押さえられているのだ。
「本気でフォームを矯正しようとしないと、一年にも取り残されるぞ」
 そんなこと、と隆造は声に出しそうになったが、自分でもわかっているので、のど元まで出かかった言葉を飲み込んだ。
 そう、わかっているのだ。一日一日ではわからないが、一ヶ月、二ヶ月も時間が経つと、明らかに技量の差が出ていた。同じ内容の練習をしようと、どれだけ熱心に取り組もうと、だんだんと差が開いていく。
 やはり、フォームの矯正を行わなければ、負けるばかりだ。だが――――
「………ふぅっ」
 うつむいて押し黙る隆造に、顧問の男は鼻で笑うようにして息を吐いた。
「じゃあ、今日は帰れ」
 早く目の前から居なくなってくれと言うように、顧問は言葉と一緒に手を振った。
「…………はい」
 軽く頭を下げて、隆造は顧問に背を向けた。

105イラストで騙す予定の名無しさん:2004/05/29(土) 09:32
作中人物が前衛なのか後衛なのか分かりませんが
どちらかの動きが全く無視されてるというか出てこないので
硬式テニスのシングルに見えました。
軟式の場合、どんなに勢い良くネット上部(テープ部分)にぶつけても
音が聞こえるほど球が跳ね回ることはないかと思います。当たった時は良い音しますけど。
球まで2-3歩というところで跳ねてる場合、文中のように速度を出して相手の打ってきた
軌道そのままに打ち返すのは難しいと思います。
球が跳ねてる時には、すでに落下地点でフォーム作ってないと駄目ですから。
ラケットですくうように持ち上げたと言う事は
ロブで高く打ち上げようとしたと思うので後の描写もおかしいような。

106イラストで騙す予定の名無しさん:2004/05/29(土) 11:06
小説でスポーツ書くのは目茶目茶難しい。
それをわかって書いてるとは思えない。もっともっと苦労して、進化しろ。

105氏も指摘してるが、自分も硬式だと思った。(どっちにしろ球の動きだけ追ってるような文章じゃテニスの面白さはまったく伝わってこないが)
そう思った理由をさらにつけたすと、プレー中にペアの動きをまったく意識してない。
スポーツ、やったことあるだろ?
バスケでもサッカーでもいい。敵・味方、人間の動きこそが重要になってくる。
そういうのをつかまないでいったいなにを書くのか小一時間(ry

それから冒頭では「テニスをしてる」とストレートに書いてないのに、つぎのシーンで
>――――ソフトテニスはダブルスがメインである――――
こういういわずもがなな説明がぼこっと(ダッシュなんか使って)入ってるのはださい。

107鶴田:2004/05/29(土) 11:25
>>101
うーん、ぶったぎられました。ありがとうございます。
三十度〜はたしかにほかの表現をさがしたほうがよいですね。
撮影って昼間にやってるのに〜の部分は、完全に説明不足でした。子供たちがホラーものの映画をとっている、というのが私の頭の中にあって、それが当然みたいに思ってました。面目ない。

>>102
くどくどと説明が多いのと、キャラ主体で動かせていないのは私の最大の弱点のようです。ご指摘ありがとうございます。

>>101.102
同じ言葉出しすぎですね。
表現と構成を練り直します。

>>103
身に染みます。

>>104
スポーツものとかはリアルな描写が売りみたいな部分があるので、つっこまれるのはしかたないですね。
わたしも中高とソフトテニスの経験があるので、細かくつっこみいれます。
主人公がダブルスなのかどうかはっきりしない、というのは105さんのいうとおりだと思います。ダブルスは後衛だけではできませんよね。前衛の位置とか駆け引きとか、そういうのがあってこそのダブルスですから、一瞬でもいいので前衛の動きを書くべきだと思います。
ソフトテニス云々に関しても、冒頭のテニスシーンの時点では硬式か軟式かわかっていないので、不自然さがでてしまっているのかな。
水野さんはソフトテニス経験がおありのようですので、硬式との違いはわかっていると思うのですが、予備知識のない読者視点からいわせてもらえば、「ソフトテニス?テニスに硬式も軟式もあるの?」といったところなのではないでしょうか(悲しいかな。マイナースポーツ)。
なので、読者は「まったくテニスを知らない」こと前提で描写をしていったほうがよろしいかと。それだけで描写は全然変わってくると思います。
あとはソフトテニス的に気になった部分を。
ラケットですくうように持ち上げた〜の部分は表現が変ですね。たぶん急激にこすりあげてむりやりドライブ回転をかけたんだと思いますが(わたしもこのクセありました)。すくいあげて〜ではロブにしか見えない。
しかもこれってかなり手首が強くないとできないような……。隆造がこれから才能を発揮していく、ということの伏線なのでしょうか。そうだったらかまわないけど、そうでなかったら問題かも。

108水野:2004/05/29(土) 17:54
>>105
>>硬式テニスのシングルに見えました。
>>106
>>敵・味方、人間の動きこそが重要になってくる
 顧問やペアなどを、今後一切出さないつもりでしたので、テニスの部分だけは主人公主体で行こうと思ったのですが、皆さんの言う通り、硬式のシングルにしか見えませんでしたね。

>>鶴田氏
>>「まったくテニスを知らない」こと前提で描写
 一応ソフトテニスの経験あります。ただ硬式は軟式との違いがわかっているものの、硬式を実際にプレーした事は数回ほどしか無い上に、スポーツの描写自体が初めてだったので、軟式で落ち着いたのですが、やはり偏った書き方をしてしまいました。
>>すくいあげて〜ではロブ
 105氏も指摘していましたが、この辺りは書き直したいと思います。

 あとこれはただの言い訳兼、質問なんですが、
 私が書き込んだ>>104の文章での、テニスの描写は今後全く関係なく、ただ主人公が「悪いとわかっていても、自分を変えようとしない」と言う事を描写したかったのですが、こういう場合でもやはり詳しく描写しなければならないでしょうか?
 書いた時には“今後、物語に関係がないから”と言った気持ちで、テニスや顧問、ペアの描写は掘り込まなかったのですが…

 半端なものを晒してしまい、申し訳ありませんでした。
 又、詳しい批評、ありがとうございました。とりあえず、テニスの部分を大幅に書き直したいと思います。

109イラストで騙す予定の名無しさん:2004/05/29(土) 18:57
>水野さん
そういう意図なら、いらないんじゃないですか、テニスのシーン。
「ゲームセット!」で呆然としてるとこから始めるとか。
試合終わったあとの場面で「フォームが変」ってのは説明してるし、今後関係ないシーンなんか冒頭で読みたくないですよ、読者は。
テニスのシーンが上手くかけてればかけてるで、「なんだよ、結局最初しかないのかよ」とがっかりしちゃいますし。

110猫丸:2004/05/29(土) 20:06
 このスレを開いた者です。いつの間にやらレスも百件超えて、ほんとうれしいです。
では、久々に批評お願いします。電撃hp短編用の冒頭です。

 川辺に立って釣竿を握っていると、汗がまぶたの上をつつ、と滑った。でも、拭う
わけにはいかない。今はただ、せせらぎに浮かぶ毛針を見つめるだけだ。
 透明度の高い水は容赦なく太陽光を反射し、俺の両目をくらまそうとする。つい目
を細めそうに・・・、いや、ここは我慢。魚は、その隙をついてくる。
 少したって、毛針は水面に小さく顔を出した岩に近づく。いかにも、アマゴが棲んで
いそうな場所だ。ここで俺はいっそう気持ちを落ち着かせる。殺気、気の昂ぶりは禁物。
今は魚の気配に集中。
 毛針が岩の前を通過する時間はほんの1、2秒のはずなのに、俺には永遠のように思えた。
気配を落としつつも集中力を切らさないでいるのは、かなり精神力を消耗する。案外、釣り
の腕は精神力で決まるのかも・・・
 その時、水中にきらめきが見えた。手首に力を入れ、心持ちの間を取り、
「もらったぁ!」
叫ぶのと、アマゴが毛針をくわえるのはほぼ同時だった。早すぎたかな、とも思ったけど、
竿はアマゴの引きで根元まで絞り込まれている。手首に気持ちいい張りを感じつつ、俺は
やり取りを開始した。
「またっすかぁ〜、先輩。」
上流から釣り部の後輩の声が聞こえたけど、今は無視。アマゴは流れに乗ってどんどん突っ
走っていく。かなりの大型かもしれない。俺はアマゴと一緒に下流へ下っていく。

111猫丸:2004/05/29(土) 20:22
 と、不意に釣り糸が浮き上がる感触。魚が跳ねる予兆だ。
 ------パシャッ!
 涼しげな音とともに水面を割ったのは、20cm後半のアマゴ。細身の体側に浮かぶ
深緑の斑点は、言葉で表現できないほどに清冽だ。思わず見惚れそうになるけど、今は
慎重にやり取りを続ける。何せ毛針釣りに使われる糸は細いから、無理をすればあっと
いう間に切れてしまう。
 しばらく糸を引いたり出したりしていると、やがてアマゴは岸に寄ってきた。相手が
弱っているのを確認して、俺は魚を流れの弱い場所に寄せる。すると、魚は無抵抗に水面から
顔を出した。こっからは一瞬。俺は魚をそっと、岸にずり上げた。

 ここまでで風景描写がほとんど無いので気になる方もいると思いますが、釣りに集中していたため
風景を見る余裕は無かったということで許してください。このあとで入りますので・・・。

112イラストで騙す予定の名無しさん:2004/05/29(土) 22:08
>>110
釣り雑誌に載せるならともかく電撃の読者層にこれは合わないと思う。
コロコロコミックのホビー漫画のようなノリで書いたら良いと思う。

113>>110:2004/05/30(日) 00:14
私的に気になったのは、惑わす?様な描写が多いって所かな。
意識を集中させてるなら、その対象の描写に集中させてしまった方が良いと思う。
。。。のは私的意見ね。

文章のテンポを上げればそれが持ち味にもなるかもしれないけど。

114鶴田:2004/05/30(日) 15:08
>>110
釣りに集中してるなら後輩の声もまったく聞こえないほうがいいような気がしたりもします。
そのことも後輩との会話のタネになるだろうし。
釣りに関してはわたしはまったくわからないのですが、そんなわたしでもどういう状況かはよくわかりました。
一人称ゆえなのかどうかはわかりませんが、ぼんやりした表現が混じりすぎているような気もします。たとえば「心持ちの間〜」とか「〜俺はやり取りを開始した。」の部分とかですね。気になります。このふたつの言葉を除いても話としては十分通じますし、抜いたほうがいいのかも。

115鶴田:2004/05/30(日) 15:19
>>108
109さんのいうとおりですね。読者にしてみれば「関係ないんかーい」とつっこみたくなるかも。そういうふうな肩透かしは読者にとっては悲しい。

116イラストで騙す予定の名無しさん:2004/05/31(月) 05:29
おっ。釣りネタか。
好きな人は好きだけど、興味を持てない人には食い付きが悪いジャンルですね。
でも、ツボに入れば反響が大きいからガンガレ。


個人的には、
釣りの話に主人公の描写は、要らないとオモタ。
主人公が受ける印象は、釣りのファイトシーンで書いとけYo
読者がの意識が「魚釣りの話」なのか「主人公の話」なのか分かりにくいじゃないか。



とか色々書いたけど、描写力が高くて好印象ですた。
主人公描写を出来るだけ削って、アマゴ釣りのほうにページを回してくんれろ。
自分は、それで十分だと思いました。

それと釣りを書くなら「オーパ」と「釣りキチ三平」を読む事をお勧めします。
数ある釣り作品の中で、この二作品はダンチで釣りシーンがカッコ良いです。

117116:2004/05/31(月) 05:30
おっと、アンカー付け忘れ。
>>116
>>110さんへのレスね。

118116:2004/05/31(月) 05:36
連続カキコスマンです。
訂正よろっす。
「個人的には」〜「分かりにくいじゃないか。」のくだりですが


釣りの話に主人公の描写は、要らないとオモタ。
「魚釣りの話」なのか「主人公の話」なのか意識が散漫されて分かりにくいじゃないか。
主人公の気持ち・印象は、釣りのファイトシーンで書いとけYo


でした。寝起きがまだ取れて無いみたいでした。申し訳ないっす。

あと釣りの話だけど、漏れ大好き。頑張って良い作品を書いておくれ。

119批評希望です:2004/06/10(木) 22:46
電撃系雑誌の大賞応募用の一部です。冒頭で二人の名前と何年生かは説明ずみです。

 その日の正午、二人は校舎の裏側にある花壇のベンチに
仲良く腰をおろしてお弁当を食べていた。
 花壇の花々はフブキよチトセが水をやったばかりのせいか
生き生きとして見える。チューリップやパンジーやワスレナグサが
花びらに水滴をのせてとてもキレイだ。
といっても、二人が園芸部に所属しているわけではない。
フブキと同じ中等部のクラスメートがこの花壇の本来の世話係なのだが、
彼が病気でしばらく学校に出てこれないため、
等分の世話をフブキが頼まれ、それをチトセも手伝っているのだ。

120批評希望ですの続き:2004/06/10(木) 22:57
 ひと仕事終えたあとのランチタイムは格別である。
 「はい、フッくん、チトセのアスパラガスのベーコン巻
あげるね。あーんして(はぁと)」
 「いただきます。あ〜ん(はぁと)」
 チトセが自分のおかずから一品つまんでフブキの口に放りこむと、
ムシャムシャとそれを頬張った。
 「…おいしい?」
 少し不安そうにチトセがきく。
 「うん? おいいしいよ! すっごく!」
 フブキが正直な感想をのべると、
たちまちチトセの顔から不安が消しとんだ。
 「ホント? よかった〜! それね、チトセが作ったんだよ!
ママに教えてもらって練習したの!」
 「そうかー、こんなに美味しいのが作れるなんて、ちーちゃん料理の天才じゃん!
お礼に僕のオカズもあげるね。あーんして」
 今度はフブキが自分の弁当箱からカラアゲをつまむと、
餌をせがむ雛鳥みたいにアーンとあけたチトセの口に入れてあげた。
 「どう? 僕のは冷凍食品を加熱しただけなんだけど?」
 「ううん、おいしい! フッくんが食べさせてくれるんなら何でも美味しいよ〜!」
 
 ちなみに、ちーちゃんは小学二年生です。

121イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/10(木) 23:51
>>119
いや、何なんだこれは? 冗談晒しじゃないよな?
バカップルのシーンだけか? これでは批評すらしようがない。
文章構成の稚拙さを見る限り、小説を書き始めたばかりの奴だろうな。
悪い事は言わんから、これを送るのは止めておけ。
この部分だけこんな感じで、他はストーリー性抜群文章構成抜群って
んなら話は別だけど。

122イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/11(金) 05:16
ライトノベルってこんなもんでは?

123イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/11(金) 07:02
>>122
こんなもんなの?
ライトノベル書き志望が急増する訳だw

124イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/11(金) 08:36
こんなもんだろ。文章にはこれと言った破綻もないし、
文体のテンポがよいのでさくさくと読める。
ワナビ特有の俺オーラが出てないのもいい。
ただし、萌えを狙ったのなら失敗。

てか、せめて起承転結の起の部分くらいは晒してくれ。
この文だけじゃ何も感じないし。

125イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/11(金) 09:25
俺オーラって何だ?

126119です:2004/06/11(金) 09:36
ご指摘のとおり小説書きはじめたばっかりです。
ていうか文章自体あんまり書いたことないかも。
何かを「狙って」書いたつもりはなくて、
イチャイチャしてるコたちっていいよねって書いたのですが。
始まりの部分は、男の子が女の子のスカートめくって、
もーバカバカってどつかれる場面ですが晒しましょうか?

127イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/11(金) 14:14
>>126
晒しましょうかって……
この文章のなにを批評してもらいたかったんだ?
>>121-124 みたいなやりとりを見たかったわけじゃないんだろ

……しかしなあ、こんなものだの、破綻がないだの、そういう問題か?

128鶴田:2004/06/11(金) 19:35
>>119
うーん難しいな。
121、124、127さんもいってることですが、これだけだとバカップルがイチャイチャしてるだけの作品、と思われてもしかたないと思います。
しかもあまりにも極端な部分なので引いてる人のほうが多いみたいだし、結果的に満足に批評してもらえてないですよね。これはお互いにとっていいことではないのではないでしょうか。改稿して送りなおすことをおすすめします。
個人的にはイチャイチャの部分を否定するつもりはないです。宮藤官九郎さんの「ぼくの魔法使い」のようにコミカルに書ければ笑える感じの作品になるのではないでしょうか。
がんばってください。

129イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/11(金) 23:39
驚いた。ここにも結構人いるんだな……。

130イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/12(土) 00:18
>>127
言いたいことがあるならはっきり言わないと。

131119です:2004/06/12(土) 03:29
もし、あなたの目の前に、
アニメチックに描かれた動物プリント(本日は猫ちゃん)
もまぶしい女子小学生のパンツが現れたとしたらどうだろうか?
 しかもパンツ単体ではなくて中身のつまった状態、
あの白い布一枚へだてた向こう側には、女子小学生のかわいい
お尻の存在が保証されているという状態である。
 コーフンしますか? ドキドキしますか? ワクワクしますか?
 それとも僕はロリコンじゃないからねってクールに通り過ぎますか?
 今ここでは、前者のタイプの因果な星の下に生まれた男たちなら
無視できるはずもない光景・生粋のナマ女子小学生のスカートが
曲者の手によってまくりあげられ、その下着が白日にさらされるという事態
が起きているのだ。
 「やだあっ!」
 スカートの端をつかむ手を振りはらったのは、
蛍学園の小等部の2年生の上野チトセだ。
 そして、それまでチトセのお子様パンツを至近距離で観察
していた曲者が、同じく蛍学園中等部1年生の男鹿フブキである。

132119です続き:2004/06/12(土) 03:45
 「やあ! ちーちゃんおはよう。今朝はまた、
とってもカワイイ猫ちゃんだねえ〜」
 「いーかげんにしてっ! 朝からレディのスカートめくるなんて
非常識もいーとこだよっ!」
 「悪い悪い。でも、ちーちゃんの後姿見てたら、
どうしても誘惑に勝てなくてさあ…」
 フブキは登校途中、前方二十メートルほど先を行く
ランドセルを背負ったチトセを発見した。
 その途端、あの赤いチエック柄のスカートの中身に
ご挨拶したいという欲望がわきおこり、あとは本能の命じるまま
迅速に行動し、目的を果たしたというわけなのである。
 足音もたてずに一瞬で標的の背後まで接近するというニンジャばりの早業だ。
 「悪いじゃすまないよ! これで何回目だと思ってるのおッ!」
 チトセは髪を両側でしばっておさげにしている。
それを触覚みたいにゆらして抗議した。しかしフブキは
チトセがこっちを向くのを待ってましたとばかりに、
 「おや? 前には何も描いてないんだねえ?」
 と、スカートを正面からめくって残念そうに言うのだった。
 「も〜ッ! バカバカバカ! フッくんのエッチ!」
 チトセが真っ赤になってフブキの頭をポカポカたたく。
 「わ〜! ゴメンゴメン!」
 ちいさなゲンコツの感触も心地よいらしく、フブキは謝りながらニヤけていた。

これが始まりです。文の稚拙な点、意味不明な点などあればご指摘ください。
またキャラの外見については初登場の時点で詳しく書くべきでしょうか。

133イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/12(土) 05:34
>119
もういいから。
氏ね

134イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/12(土) 06:02
氏ねとか考えらんねー
どうしてそんなこと言うんだよ

135イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/12(土) 08:21
この板では仲良くな

136121:2004/06/12(土) 08:43
というか、晒すならもう少し内容のある物を晒してくれ。
客観的に見た率直な意見を言うが、小学二年生のパンツを見て興奮
する奴はかなり変人だと思うぞ。
内容が良ければ、文が下手でも面白い小説はたくさんある。
文なら誰でも書けるだろ? まずは内容を磨け。

137119です続き:2004/06/12(土) 12:10
ご意見ありがとうございます。
しかし小2のパンツを見ることが内容がないというのは考えの違いに過ぎません。
内容があるとはもっと知性や教養を感じさせるものを書けということでしょうか。
私が伺いたかったのは、この文はこれより後にもってきたほうがいいとか、
ここでキャラを印象づけるためにもっと説明をいれたほうがいいとか、
そういう文章を書く上での作法みたいなことだったのです。

思うに131〜132ではまず少年・女の子と表記し、最後に名前を明かして、
次の章から二人の素性について書いたほうがいいような気がしてきました。

138イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/12(土) 13:52
 >>119
 あなたは根本的に間違っている。
 批評を希望しておきながら、136(121)が寄せた意見に対して『考えの違い』と反論している。そして、本来あなたが考えなければならないのは、彼の書いた「率直な意見」の部分である。
 中学一年生が小学二年生のスカートをめくる、ということの意味を真剣に考えたのか?(スカートめくりするな、と言っているわけではない)
 あなたは、文章構成や見せ方以前の問題を解決していない。

 ここで受ける感想や批評というのは、表面上は誤用や文章作法などの指摘かもしれないが、その奥では、書き手の姿勢そのものが問われているのだ、ということをしっかり頭に入れておいた方がいい。

139イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/12(土) 14:19
>>137
んー、なんつーか、感想の裏にあるもの読んでみ。

「小学二年生のパンツを見て興奮する奴はかなり変人だと思う」と136は言っている。
では、なぜこのような感想を抱くようになったか? そのような感想を抱かせたフレーズはどこか、想定してみ。

結論から言うと、1行目からボタンを掛け違っている。
>もし、あなたの目の前に〜〜パンツが現れたとしたらどうだろうか?
 ここで普通の読者の反応は、「いや、パンツったって小学生だろ? 特になあ」の
はず。それを、
>しかもパンツ単体ではなくて〜〜保証されているという状態である。
 と言い募っている。いらないと断ったのに「いやいや、しかもこれはね……」
としつこく勧めてくる押し売りのようなもん。ますまず「ウゼー」と思う。
 で、読者に悪感情を持たれたら、もうおしまい。
>コーフンしますか? ドキドキしますか? ワクワクしますか?
「コーフンしねーよ。ドキドキしねーよ。ワクワクしねーよ。いいから帰れ!」
>それとも僕はロリコンじゃないからねってクールに通り過ぎますか?
 「クールつーか、それが普通の反応だろ? 一緒にすんな、ロリコン」
ようやく5行目から本題に入るわけだけど、その頃にはすっかり嫌気が差している。
引き込むはずのイントロで、逆に呆れさせてどうするの?

もちろん、この導入にウンウンと頷いてくれる読者もいるかと思う。ただ、そういう読者は、
「そうそう、小学生のパンツは最高だよなー」
 という真性ロリか、
「あー、ガキのパンツね。ま、お約束通り(;´Д`) ハァハァしといてやるか」
 つー、ネタ好きのオタ。
 つまり、このイントロは予め限定された読者層を想定しており、「そういう奴は変人(数の少ない少数派)だから(やめておいた方がいいぞ)」つーこと。
 構成的に言えば、「イントロは多くの読者にとって不要(有害)だから削れ」という指摘になる。

140イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/12(土) 14:38
それから、たぶん文章を人前に晒した経験が少ないと思うんで忠告するけど。
基本的に、作者は読者に感想の注文はつけられないよ。

感想自体が十人十色だし、叩くか励ますか分析するかといったスタイルもバラバラ。
そもそも「読んで、しかも感想をくれる」だけでも希有なのね。
だから、作者はどんな感想でもいただくだけいただいて、
そこから自力で作品の良かった点なり改善点なりを読みとる努力をする必要があるわけ。
(まあ、どうしても「こんな指摘が欲しい」という場合は事前に申告する手もあるけど)。

つーことを頭に入れて、まあ頑張れ(・∀・)

141119です:2004/06/12(土) 20:03
むずかしいなあ。低俗すぎるってことでしょうか?
世間には女子小学生のパンツを好まない人のほうが多いとわかったのは収穫でした。

142138:2004/06/12(土) 21:58
>>141
もうこの場所から降りちゃったのかもしれないけれど、あえてきわどいこと書くよ。

 低俗すぎるってことじゃないのよ。
 あのスカートめくりってたぶんサービスカットでしょ。しょっぱなで読者を食いつかせるはずが、ひかせてしまうような書き方をしてるってとこが問題なの。
 あれじゃフッくんはエッチじゃなくて変態にしか思えない。さらっと流せないの。なんでこうなるかっていうと地の文が不必要にいやらしいから。さらに作者の顔まで出てきているもんだから、あなたの人間性に対する疑いにまでつながってきちゃう。
 おれが問題だと思うところ。それはなにより、中学生が小学二年生のスカートをめくるという点。この年齢差はまずい。もう子供のイタズラではすまない、犯罪でしょ(フィクションだからなんて言っちゃだめだよ)。同い年ならまだどうにでもなるけどさ。

 エッチけっこう、スケベけっこう。でもさ、あなたのパンツに対する情熱を気取られちゃいけない。そして、妄想するのは読者の仕事であって、書き手が先に妄想しちゃいけない。リビドーをリビドーのままぶつけちゃいけない。
 冷やかしでも煽りでもなく、おれが純粋に萌え死にできる作品を書いてくれ。本気で期待して待ってる。 以上。

143イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/13(日) 00:20
 変態が書きたいならべつにそれでかまわないと思うのよ。
 ただ、書き手自身が、「どういう生い立ち、過去があってこのキャラはこういう変態になったか」をよく考えてない感じがするのよね。
 作者自身が小学生のぱんつ書きたいから、それだけの都合で変態さん出したんとちゃうかと。

144イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/13(日) 00:46
変態がどうして変態になったのか。
たしかに、掘り下げ方によってはいい作品になる!
だれか書いてくれ〜い。

145イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/14(月) 22:19
電撃の賞って、ひょっとして萌え王大賞?
だったらアリかもな。
hpならやめとけ。

146無名人:2004/06/14(月) 22:33
初めまして。いきなりですが、批評をお願いいたします。
電撃小説大賞に書いているもので、オープニング部分です。

我を過ぎて憂愁の都へ
我を過ぎて永劫の憂苦へ
我を過ぎて亡滅の民のうちへ
正義わが高き造り主を動かし
神の力、至高の智慧
また本原の愛我を造れり。
永劫のもののほか我より前に
造られしものなく、我は又永劫に続く。
一切の希望を棄てよ、汝等ここに入る者。
              ダンテ・アリギエリ (1265―1321)


プロローグ CITY OF THE LIVING DEAD:SIDE A

 真夏の強い日ざしが路面に照り付け、80度近くまで熱せられたアスファルト
から立ち昇る陽炎が、あちこち舗装が剥げて雑草が生えた路上に横たわるしゃれこうべや、
風雨に晒されて錆び付いた乗用車といった荒涼とした光景を、ゆらゆらと揺らめかせていた。
 "四つ目通り"と辛うじて読める腐食の進んだ交通標識が、風が吹くたびに音を立てて揺れ、
開け放たれたビルの入り口や家屋の窓から雑誌の切れ端や新聞、紙幣などが吹き散らかされていく。
 街を覆う完全なる沈黙。命の気配が微塵も感じられない死の静寂を、何処からともなく
聞こえてきたヘリコプターのローター音が破った。その音は次第に大きくなり、やがて爆音と共に
十機のヘリが空に現れて大通りを南の方へと飛んでいった。
 ヘリの轟音に反応して、ビルの入り口から一人の人間が外に出てきた。白衣を着ていることから、
医師かそれに関連する職業についていると思しき人物の動きは緩慢で、生気がまったく感じられない。
光のない眼、生白い肌。そして下顎は見るも無残にえぐられているのに出血は止まっていて、
白衣を染める血は黒っぽく乾いている。何処をどう見ても死体としか言いようがなかった。
ただ一点、動いている事を除けば。
 その一人目を最初にビルや家屋の中から、路地の暗がりから続々と歩く死体たちが大通りに現れた。
高校の制服を着た男子女子、エプロンをつけた主婦、和服姿の老人、サラリーマン、
犬や猫といった動物たち…。様々な年代・服装の死体が通りを埋め尽くし、まるで鬨の声を上げる
軍勢のように低く、しかしよく通る不気味な呻き声を上げ、小さくなっていくヘリを掴もうとする
かのように手を上げてゆっくりと行進を始めた。

147イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/14(月) 23:39
>>146

題辞は不要。どうしてもやりたいなら、書かずに応募して受賞したとき
に手直しさせてもらえ。
"SIDE A"とかやめて。
文章が冗長すぎ。冒頭三行句点なしとは! 続く文にしても長々書けば
描写しているというわけではない。
漢字をひらく。ワープロの変換に頼りっぱなしにしかみえん。
硬質な文章を書いているつもりだろうが、いろんなところでぼろが出て
いる。
舞台設計ができていないように感じられてならない。

148119です:2004/06/14(月) 23:50
いろいろとご意見いたみいります。今度は少しは内容がありそうというか、
以前ほど極端ではない部分です。ていうか>120の続きです。

「ううん、おいしい! フッくんが食べさせてくれるんなら
何だっておいしいよ〜!」
 足をバタつかせて喜ぶチトセ。今朝のモメっぷりが冗談
のような仲むつまじさだ。
 実際、二人は兄妹のように仲が良かった。
 二人が出会ったのはチトセが一年生になったばかりの頃
だった。明日、近所に引っ越してくる人がいると母親から
聞かされたチトセは、持ち前の好奇心の強さから、あれこ
れ妄想をふくらませた。
 一体どんな人が来るんだろう? やさしい女の子だった
ら友達になれるかもしれないし、やさしい男の子だったら
彼氏にしてあげてもいいな…なんて生意気なことを考えな
がら待つことにした。
 翌日は朝から雨で、風も強かった。それでもチトセはま
だ見ぬ彼氏候補(性別や年齢もわかってないというのに)
がどんな人物かを検分すべく、傘をさして風雨の中に立った。
 その新しい住人をむかえる予定の家は、チトセが生まれ
るよりずっと昔から建っている立派な日本家屋で、身寄り
のない一人暮らしの老人が住んでいたという。その老人が
死んでからは長らく空き家になっていたのだ。

この後、フッくん登場ですが、しょっぱなで変態行為をして、
後からそれだけの人じゃないんですよーと説明していくのは邪道?

149イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/15(火) 01:36
>>146
最初の詩で読むのやめようかと思ったけど、目を通してみた。
どの文章にも作者の主観が入りすぎ。うるさい。
アスファルトなんか、「陽炎が立っていた」だけで熱いのわかるから、
80度とか余計な説明だよ。温度計でもつきささってんのかと思った。
それから、
>そして下顎は見るも無残にえぐられているのに出血は止まっていて、
>白衣を染める血は黒っぽく乾いている。
>何処をどう見ても死体としか言いようがなかった。
>ただ一点、動いている事を除けば。

顎が砕けてるのに痛そうなそぶりを微塵も見せないってとこで、
こっちは、「こいつゾンビ?」くらい思うんだよ。
それなのに
>何処をどう見ても死体としか言いようがなかった。
>ただ一点、動いている事を除けば。
なんてわざわざ倒置法でいわれてもハァ(゜Д゜)としか感じない。

どうでもいい説明ばっかりなんだよな。
白衣を着た男、だけでこっちで勝手に職業くらい想像するからさー。
肝心なこと(読者の知りたい情報)は書かれてないし。
つかみは大事だよ、ほんと。

150イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/15(火) 10:49
>>146
もう少し、技術を磨いてからここに晒す事をお勧めする。
あなたは人に頼りすぎている。

151イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/15(火) 10:50
↑間違えた。本当は>>148ね。146すまん。

152イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/15(火) 11:45
>>146
情景を書き込みすぎてるせいか、短いのに読み疲れした。
純文なら割り切って読むと思うけど、この文体で長編娯楽小説というのは
読み手も書き手も疲れ切ってしまうんじゃないかな。
それから、ライトノベルの賞に送るつもりなら句点をもうちょっと増やすべき。

>白衣を着て〜と思しき人物の動きは緩慢で
”思しきその人物””思しきそれ”など、
指示語が入らないと文意が捩れてしまうんでは?

ダンテ引用という古臭さは、ゾンビ小説にはマッチしてていいと思う。
四つ目通りというホラーならではのネーミングセンスも素敵。

ゾンビが上空のヘリを見上げるシーンということで、
デイオブザデッドのパクりと思われても文句はいえない。
舞台が日本だというローカリティが武器だと思うので、
それを表現していく上でゾンビのファッションに頼ったりせず、情景から描き出しほしかった。
コンビニとか渋谷のセンター街とか。

>>149
真面目な質問。
八十度という説明は神視点の文章ならば問題ないと思うんだけど、どうかな。
それとも、ラノベに神視点は禁物なの?
確かに神視点のラノベはあまり見ないけど。

153鶴田:2004/06/15(火) 14:45
>>148
なるほど。チトセが妄想系暴走少女だというところはよくわかりました。
それだったらもうすこしコミカルなアクションを増やしたほうがいいんじゃないかな。風雨の中に立つだけじゃなくて。
あと、基本的に119さんは、チトセを書くときはチトセの視点、フブキを書くときはフブキの視点で書いているけど、一度他人(たとえば母親、友人)の視点から見た二人を書くことをおすすめします。それによってキャラに奥行きが出るし、あらたな人間関係なども生まれるのではないでしょうか。
邪道云々に関しては、正直わかりません。読み手側がどこまで変態行為を我慢して読んでくれるかわかりませんから。119さんのいれてくれるであろう説明の部分まではたして持つのかどうか……。
そういうことを考えると、説明が先のほうがいいかもしれないですね。順番的に。それも一気に説明するとあれなので、匂わせておくというか……うまくいえませんが。

>>152
80度〜に関しては、神視点がどうとかではなく、直接的な表現すぎるのが問題なのではないか、と思います。
それこそ温度計がささっているのであれば80度でもいいと思いますが、実際にはそうではないだろうし、だったら他の表現をすべきかなと。
パクリ〜については、シーン的にもあまりにも有名なシーンだから、どちらかといえばオマージュ的意味合いが強いのではないでしょうか。ばれるの上等で、知ってる人はにやりとできるし、そうでない人は普通に見れるし。
渋谷のセンター街をうろつくゾンビ、のイメージはいいですね。それはぜひ読んでみたい。

>>146
ゾンビ三部作をもってくるあたり渋いですね。
個人的にはにやりとしながら読ませていただきました。
ダンテの詩(なのかな、読んだことはないのでわかりませんが)引用の部分はホラーっぽいというかゾンビっぽというか、いいんじゃないかなと思います。電撃の読者層を考えればもう少し平易な文のほうがいいかなとも思いますが。
まあ雰囲気づくりの部分ですしね、このへんは好きずきなんでしょう。
SIDE Aのところは、これはプロローグが二部構成になっているということなのかな。できればSIDE Bも一緒に読みたかったです。
みなさんいっていることですが、僕も全体的に文字密度が濃いかな、と感じました。硬質にもっていきたいという気持ちはわかりますが、読み手としてはどんなに面白い文章でも密度が濃すぎると読む気を失ってしまうので、密度を薄く、あるいは改行を多めにしたほうがいいのではないでしょうか。
思しきとか黒っぽくとか、すっきりしない表現も多いようです。一人称ではないのですから、もっとはっきりさせるべきかと。
四つ目、とかのネーミングセンスは僕も好きです。個人的な要望ですが、ゾンビだけでなく登場人物が出てくるシーンを期待しています。

154イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/15(火) 18:00
>>148
キャラクタ・エピソードともに何の捻りもない。
これじゃただの文字の羅列だよ。読んでて全く感想が湧かないというのも珍しい。
読者が登場人物に対して興味を抱く前に、物語を勝手に進めちゃダメっす。

サクサク読める文章は持ち味だと思うし嫌いじゃない。
もうちょっと真面目に人物造形に取り組み、心にぐっとくるエピソードが配置できれば、
読める作品になる可能性もありかも。

155イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/15(火) 19:07
>>148
チトセが頭からっぽに思える。思考が足りない。
チトセの印象エピソードを立てきらないうちに家の描写に飛んじゃ駄目。切り替えが不自然だろう。

156イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/15(火) 19:51
>>146
1文の情報量が多すぎ。翻訳小説の文体だね。

・真夏の強い日ざしが路面に照り付けていた。
・アスファルトは80度近くまで熱せられていた。
・アスファルトから陽炎が立ち昇っていた。
・路面はあちこち舗装が剥げ、雑草が生えていた。
・路上にしゃれこうべが横たわっていた。
・路上に乗用車があった。
・乗用車は風雨に晒されて錆び付いた。
・陽炎が荒涼とした光景をゆらゆらと揺らめかせている。

例えば、1行目だけでもこれだけの情報が盛り込まれている。
英文なんかでは動詞が前に来たり関係代名詞でくるんだりするからあまり感じないけど、
日本語でこういう書き方をすると、かなりの頻度で読みづらい悪文になる。
ちょっと整理した方がいいかも。

 真夏の強い日ざしが路面に照り付けていた。
 表面温度は80度近くにまで上っているだろう。あちこち舗装が剥げ、雑草の生い茂る
アスファルトの上では、熱せられた空気がゆらゆらと立ち上っている。
 街は沈黙に包まれていた。
 虚ろな眼窩を虚空に晒すしゃれこうべ。風雨に晒されて錆び付いた乗用車。
 そうした荒涼とした光景が、陽炎の中に揺らめいて見える。
 時折、一陣の風がうだるような暑さの中を吹き抜けていく。
 その度に、ビルの入り口や家屋の窓から、雑誌の切れ端や新聞、紙幣などが吹き散らか
され、路肩の交通標識が音を立てて揺れる。
 腐食が進んだその交通標識には、"四つ目通り"という地名が記されていた。

拙文でスマソだが、例えば1-3行目だけ書き換えてみた。
入っている情報は同じ。崩して並び替えただけ。
こうするだけでも、だいぶ読みやすくなると思うけど、どうだろう?

157119さんへ:2004/06/15(火) 21:00
どうも>>119さんは自分の都合のいいようにしか批評を解釈してないような気がするなあ。
自分は批評しなかったが、普通は批評してくれた一人一人に感謝し、自分の欠点を見直す筈。
119さんもいい大人(多分)なんだから、それくらいはして当然。
じゃないと成長しないよ。
安っぽいとってつけたようなお礼は、かえって失礼。

それが出来ないのなら、ここへくる資格はないと思う。
生意気言ってすいませんけど。

158イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/15(火) 23:34
>>148
 おんなじ人間が何度も発言するのはよくないだろうけど、これで最後にするから勘弁ね。

 まず、内容がないとか、低俗すぎるとか気にしすぎ。あなたがあなたの作品に対して誠実でなくてどうする。ちーちゃんやフッくんにも失礼だよ。
 それから文章を小出しにだしてくること。すこしずつ書いてはここに上げているのだったら、ずっとそうやっていこうと思っているのならやめなさい。とりあえず思う通りに一本仕上げるべき。
 そして、あなたはこの作品のなにが書きたいのか。単純に小学生のパンツか、ちーちゃんとフッくんのオノロケか、それともほかの何かか。どちらにしても、もっとふたりのことを知るべきだよ。作品を書く前の作業がまだたくさん残っていると思う。

> この後、フッくん登場ですが、しょっぱなで変態行為をして、
> 後からそれだけの人じゃないんですよーと説明していくのは邪道?

 全然邪道じゃないよ。ダメなやつと思わせといて、あとで格好よくきめさせるというのは定番でしょう。小説書くのはじめてということだけれど、勘はいいんだと思う。
 でもさ、あなたが気にしなければならないのは、そんなことじゃない。構成だ、見せ方だなんて、ぶっちゃけそんなのは小手先の技術でしかない。「なんてすばらしい構成の小説だ!」なんて感動のしかたは、ないとはいわないけれど、しょせん二次的なものにすぎない。読者が心を動かされるのは、ちーちゃんのかわいらしい仕草や、普段はどうしようもないフッくんがちーちゃんのために懸命に頑張る姿なんだよ。そのことをよく考えてみて。

159138:2004/06/15(火) 23:38
あ、ごめん、158=138ね。

160無名人:2004/06/16(水) 00:06
色々とご批評、ありがとうございます。
皆様のご指摘どおり、説明がくどすぎて、その割に肝心の状況説明がされてま
せんでした、きちんと作り直します。

言い訳ですが、自分の意図を説明いたしますと…。
冒頭の題辞は「組曲 地獄編」の最初、地獄の門に刻まれている文で主人公の
住む世界が生き地獄である事の象徴として使いました。
プロローグはSIDE AでエピローグがSIDE Bの予定でしたが、これ
もいきなりネタばれになる可能性に気付きました。

出来上がり次第、もう一度こちらにアップいたしますのでよろしくお願い致し
ます。

161149:2004/06/16(水) 00:19
152氏の指摘で、初めて、146の文章が神視点で書かれてるものだと知った次第で。
「80度」というのは鶴田氏のいうように、ここだけストレートすぎるからひっかかったんす。


ラノベの神視点については、十分ありだと思うよ。
ただ、俺の印象では、神視点の作品って『初めて書いた小説を投稿→入選、デビュー』ぐらい天才的にうまくなかったら、読めない気がする。
初投稿で入選しましたっていってる作家の言葉を信用するとしてだがw
どっちにしても、文章に対する絶対音感みたいなものが優れてるわけじゃなかったら、視点を固定して縛りのある状態で表現を模索したり工夫するのが、上達への道だと思う。
はい、俺のことです。

162149:2004/06/16(水) 00:31
>無名人さん
がんばってください。
「地獄の門」ってダンテの考える人が見下ろしてたあの門?
といまごろ思い当たるほど知識がないくせに、偉そうなこといってしまった。

163イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/16(水) 05:55
>>160
再アップたのしみにしてます。
地獄の門ってことは、フルチの「地獄の門」を意識してるんだよね。いいなあ。

それと晒しに来る以上、ネタばれは気にしない方がいいと思う。

164イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/20(日) 14:52
昔書いた奴です。評価もらえると嬉しいです。

某所―夜

 ずんぐりとした胴体に、H型についた尾翼。中央、左右に伸びる主翼にはくぐもった音を立てながらプロペラを廻すエンジンが付いていた。主翼は回転させることができるもので、固定翼機―真っ直ぐにしか飛べない飛行機―とは違い、上昇や下降、その場で機体を維持できるようになったテイルトローター機と呼ばれるものだった。
暗緑色に塗られたその機体は夜空の黒に溶け込み、その眼下には、まるで空から地上に落ちた星のように人工の光を輝かせる、無機質なコンクリート製のビルの立ち並ぶ街が広がっていた。
そのテイルトローター機のガラス張りの操縦席に男はいた。夜間飛行用の薄暗い照明で照らし出された計器の前で操縦桿を握っていた。後頭部までを覆った白色のヘルメットに、酸素マスクとインターカムを兼用したマスクで覆われ、その下の表情は見えなかった。その脇では、もう1人の男が同じくマスクを付けて計器版に目を凝らしていた。
機体後部に設けられた輸送室は、壁で操縦席とは隔離されていた。ただ無機質に機体の骨組みやそれを覆う金属板が剥き出しに見えていた。その中に、2つの“人型”が存在した。ずんぐりとした胴体。二本足で立った蛙のような形状のそれは、つや消しの、黒に近い灰色に塗られて輸送室の影に溶け込めずにいた。縦に並んだそれらは、前脚―立っているので腕ともいえる部分には左右にそれぞれ、無造作に黒光りする機関部を晒した機関“砲”が上下に取り付けられていた。
2つの人型は、小さな赤い電灯に照らされ、ただ縦に並んでそこに立っていた。
テイルトローター機は1つのビルの上で主翼を回した。エンジンと共にプロペラも上向きになり、そのまま低回した。操縦席の男は計器版の中の小さな赤い蓋を開けた。そしてそこに現れた同じく赤色の上下式のスイッチを黒色の手袋をつけた指で上に押し上げた。
輸送室の扉、機体後部のそれが油圧パイプに押されて鎌首をもたげて開き始める。外の視界は開いていき、四隅に設置されたライトの点滅する、白色の丸の中にHと大きく書かれた、―着陸可能な天井を示す―コンクリート製の平らな屋上が広がって見えた。エンジン音がうるさくなった輸送室内で、2つの人型は静かに開いた出口向かって滑り出した。1つ、そして2つとも空中に少しの間だけ滞空した、そして
1つが、そして2つがやや遅れ、足を屈伸させて人型はビルの屋上に着地した。足に踏まれて、コンクリートが少し飛び散った。しばらくの沈黙のあと、2つの人型は屈伸させた足を伸ばす。
蛙で言えば、御でこにあたる部分に赤い“眼”を光らせた2体は、ゆっくりと歩き出した。1つが、そして2つがやや遅れ、足を屈伸させて人型はビルの屋上に着地した。足に踏まれて、コンクリートが少し飛び散った。しばらくの沈黙のあと、2つの人型は屈伸させた足を伸ばす。

165イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/20(日) 14:54
そして蛙で言えば、御でこにあたる部分に赤い“眼”を光らせた2体は、ゆっくりと歩き出した。

すいません、2レスにわたってしまいました。

166イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/20(日) 22:10
一部のケンカシーンを
よければ批評お願いします

 彼は街をさまよっていた。
 Tシャツとジーンズのみのきわめてラフな格好をし、口元には不敵な笑みを浮かべながら、深夜の街中を我が物顔で歩いていた。
 時は既に深夜、商店街といえともコンビニなど一部の店をのぞいてはすべてシャッターを下ろし閉店している。
 駅に近いということもあるため時々会社帰りのサラリーマンやOLを見かけるが、それ以上に、ブチ家出などと呼ばれる未成年の少年少女がたむろっている姿をよく見かける。
 彼はそんな集団を見かけ、通り過ぎるたびに嘲笑するようなら笑いを浮かべる、それもわざと見えるように、わざと声を出して鼻先で笑うような事もした。
 挑発。
 わざとそうしてるようにしか見えない、彼のそんな行動に、当然気に障る者も出て来る。
 商店街のはずれを通りかかると、彼は急に肩をつかまれる。
 それを予想はしていたのか、彼はゆっくりとした動きでその手をどかし、ゆっくりと振り返った。
 そこには5・6人ほどの若者がいる、いずれも不機嫌そうな顔をしていて、彼のことをにらんでいる。
 そしてよく見るとその後ろには制服を着た女子高生が4人ほどいて、こちらはあまりこわばった顔をしていなく、どちらかというと観戦気分でいるようだ。
 彼がその手を払いのけると、若者たちは堰を切ったように一気に彼に罵声を浴びせる、だが彼はそれを意にも介さず、両手をポケットに入れたまま軽薄するかのように薄笑いを浮かべつづけた。
 その態度は若者たちの神経を逆なでる。
 先ほど彼の肩をつかんだ一番近くに立つ若者は、こめかみに青筋を浮かべ彼の襟口をつかんだ。
 それすらも気にせず、むしろそれを待っていたかのように、彼はゆっくりと右手をポケットから出す。
 何をするつもりだ。と、若者の言葉には耳を貸さず、彼は無言で拳をアッパーで振り上げる。
 それは正確に若者の肘関節を捉えた。二の腕を抑えうずくまり、悲鳴をあげる若者の肘は、本来あるべき方向とは真逆に曲がっている。
 たった一撃で、若者の関節は脱臼してしまったのだろう。
 本来そう簡単には外れない関節、だが彼の鍛えられた上半身から一切の迷いなく振り上げた拳、そして若者は彼の襟口をつかんでいたため、その一撃は彼に大きなダメージを与えた。
 なおも薄笑いを浮かべ、出した右手の人差し指で挑発ポーズをとる彼、それが確実に残った若者に火をつけた。
 拳を構え臨戦体制をとる若者たち、中にはどこに隠し持っていたのかを疑うような警棒やナイフを持ち出すものもいた。
 彼はそんな道具を見るなり、手を口元を抑えプッと笑い出しそうな仕草をする。
 その行動が若者たちの怒りのボルテージを限界に押し上げた。
 雄たけびを上げて襲い掛かってくる若者を拳を、いつのまにかポケットから出した左手で払い、体勢が崩れたところに右の拳を全力で若者の顎に打ち込む。
 一撃でその若者を沈め、彼は笑みを浮かべたまま振り返る。
 他の若者たちも同じように、左手で攻撃をを受け流し、右手で急所に攻撃した。
 警棒を持っている若者にはさすがに苦戦したが、最後には同じ様に一撃でしとめた。
 戦い終わったあと、感触を確かめるように彼は拳を握り締めてみた。右腕を一振りしてみると、満足そうに口元をゆがめる。
 そのとき彼は気づいた。先ほど観戦気分でこちらを見ている、おそらくは若者たちの仲間であろう女子高生たちは、あるものは膝を震わせ、あるものは既に地面にへばりこんでいた。
 彼はにやりと笑うと、そのままゆっくりとした足取りで四人の女子高生に近づける。
 その間、舌なめずりながら、彼女らをなめまわすような視線も送っていた。
 それがさらに、彼女たちの恐怖感を煽り立てる。
 だが、彼はそれ以上何もせず、おびえた彼女たちの姿を見ると満足そうに、高笑いをしてその場を立ち去った。

167某スレの809:2004/06/21(月) 17:35
某スレで、「オピローグ」という単語を流行らせてしまった者です。
いろいろあって、ギャグ小説を書いてみました。
約一時間、ほとんど自動筆記状態で書き、推敲も2回しか行っていません。
多分誤字脱字だらけでしょうが、聞きたい事は二つあります。

一つ目は、読んでる間、一回でも笑ってしまったか。
二つ目は、状況描写がうまくできているか。

です。
多分、某所で吊るした奴より、今回の方が評判良かったら、筆を折ると思います。



 駅にはいろいろな人がいる。
 無愛想にただ目的地に向かっていくだけのサラリーマン。人の迷惑も考えず、友達同士きゃあきゃあ騒いでいる学生。どこかのファミリーレストランに食事にでも行くのだろうか? 笑いあっている親子連れ。
 僕は、タエちゃんと待ち合わせをしている所だった。
 タエちゃんとは、出会い系サイトで出会った。あの日、僕は
「女だったら誰でもいいので、僕と付き合って下さい」
 と、掲示板に書き込んだ。
 数分後、
「私、あなたみたいな人を探していたんです。私と付き合って下さい。私も、男だったら誰でもいいと思っていたんです」
 という、返信メッセージが書き込まれていた。
 僕は、その書き込みを見て、狂喜乱舞した。
 即OKした。
「横浜駅、6月20日午前10時に、JR北改札の前で、会いましょう」
 と、女の子にメールを送った。
 女の子は、
「みなとみらい線が出来て、新しく出来たあの通路ですね! ところで、君はもうみなとみらい線の全駅見学してきた? どの駅もすごくきれいだよね。私は、馬車道駅が気に入ってるんだ」
 というメールを送ってきた。

 僕には、メールの意味がさっぱり理解できなかった。

 だが、そんな事は全く気にせずに、
「面白そうな人ですね。会うのが楽しみです」
 というメールを送った。



 僕は「白い巨根」という小説を読んでいたので12時になるまで気付かなかったのだが、11時59分になっても、タエちゃんは約束の場所に来ていなかったようだった。
 僕は、
「あーあ」
 と言った。もう帰ろうと思った。
 その時、
「あのう。すいません」
 僕の目の前に、一人の美少女が現れた。
 美少女だった。
 転げ落ちそうなほど大きな瞳。あるのかないのかわからないほどに小さな鼻。ふっくらした頬。アンバランスに小さな首。水色で、肌にぴっちりくっついていて、体のラインがそのまま浮き出ている、学校制服。
 僕にとって、この上なく理想的な、美少女がいた。
 その美少女が、僕に言った。
「私、『みんなで幸せな世界を作る会』に入ってるんです。御前田喪名さんは、世界一の宗教家なんです。きっと、誰も苦しまずにすむ、素晴らしい世界を創造してくれるはずです。だから私は、会に一人でも多くの人を勧誘し、一人でも多くの人に幸せになってもらおうと思ってるんです。あなたも、『みんなで幸せな世界を作る会』に入りませんか?」
 僕は、
「はい。一緒に素晴らしい世界を作っていきましょう」
 と言った。



168某スレの809:2004/06/21(月) 17:36
 女の子は、僕の腕を右手で引っ張りながら、どんどん駐車場の奥に進んで行った。
 僕は、女の子の手を握るのは8年ぶりだった。
 僕は、女の子の手を握っている間、「どんな場所だって、好きな子と一緒なら幸副な気分になる」という言葉は、嘘じゃなかったんだ! という事を、身に染みて感じていた。
 ……僕とその女の子がいるのは、横浜駅地下駐車場だった。
 当然、そこには何台何十台という車が、ナチスのトラックに詰め込まれた某民族のように、礼儀正しく整列していた。
 駐車場は、真っ暗だった。
 一応、極めて輝度の低い蛍光灯は灯っていたのだが、蛍光灯の弱弱しい光は、周囲の暗闇を強調する以外の意味を持ち合わせてはいなかった。
 こういう所で女の子と二人っきりだなんて、ちょっとヤバイなあ、と、僕は思っていた。
「ここよ」
 女の子は、「関係者以外立ち入り禁止」と書かれている、薄いステンレス製のドアの前に立ち止まった。、ジャイアント馬場あたりが蹴ったら粉々にぶっ飛んじまいそうな、薄いドアだった。

「儀個刃煮耶也」

 女の子がそう言うと、「関係者以外立ち入り禁止」の扉は、

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴォ……

 と、まるで某国の某国主が管理している超巨大城の超巨大な鉄製城門が開く時のような轟音を轟かせつつ、開いた。
 扉の向こうには、思ったよりもキレイな部屋が広がっていた。
 20畳はあるだろう。畳敷きの広い部屋。
 多分、いつかこの部屋で、何人もの信者が修行に勤しむ日が来るのだろう。
 そのつもりで、こんな部屋を用意したのだろう。
 僕は、自分の選択が正しかった事を確信し、ニヤリと笑った。
「奥で、喪名さんがお待ちしています」
 そう言って、女の子はさっきよりも強く僕の手を引っ張り、奥へと急いだ。
 女の子は、さっきよりも強く、僕の手を握っていた。
 僕は、自分の選択が正しかった事を確信し、女の子について行った。






ここまでです。
よほどの事が無いかぎり、続きは書かないと思います。

169鶴田:2004/06/21(月) 17:42
>>164
SFの冒頭かな。雰囲気的には好きですね。
細かくいきます。
とりあえず行頭一字下げをしましょう。
全体的に同じ表現「無機質に」とか「ずんぐりした」というやつが出てくるところが気になりました。もうすこし長い文の中でかぶるのならかまわないとは思いますが、冒頭の時点でかぶるのはどうかなあと。
テイルトローター機の説明が個人的にわかりにくかったです。「中央、左右に伸びる主翼」のところで混乱しました。「主翼は回転させることができる」というのも、航空機関連に詳しくない人(私も)にはわかりづらいのではないかと。今もうまくイメージできません。
「空から地上に落ちた星のように人工の光を輝かせる、無機質なコンクリート製のビル〜」は、相反するイメージのような……。「空から地上に落ちた星」はロマンチックできれいな感じですけど、「人口の光を輝かせる、無機質なコンクリート製のビルは〜」の部分は硬質なイメージなので、違和感を感じました。どっちかにしぼったほうがいいと思います。
2つの人型の描写は詳しく書いてほしかったかなあ。こういうのが好きだというのもあるけど、描写が少なすぎて軽いのか重いのか中に人が乗ってるのか乗ってないのかもわからないのはちょっと。
低回 は低空を旋回、という意味でいいのですかね?
鎌首をもたげて→鎌首をもたげるように のほうが適切かと。
「足を屈伸させて人型はビルの屋上に着地した」いいたいことはわかるのですが、このままだと順番的におかしいですよね。屈伸したままだと衝撃を殺せないだろうし。
「足に踏まれて」はそこまで説明せんでも、という感じです。落下の衝撃で壊れたのはだれがみてもかわるのですから、シンプルに「衝撃で」とかでもいいのでは。
「しばらくの沈黙」はたぶん文章的に間がほしかったのだと思うのですが、そのまま書いてしまうと安っぽい感じがします。なにか他の描写、たとえば航空機が去っていくシーンを一行いれるなどしたあとに足を伸ばせば、同様の効果が得られると思います。
「おでこにあたる部分」だと子供っぽいので、「額」などで代用したほうがよいと思われます。

>>166
バキみたいな感じですかね。
とりあえずセリフがほしいかなあ。若者たちの罵声とか、主人公の受け答えとか。
若者たちの倒れる描写もほしいですね。しとめた、沈めた、だけだとあまりにも素っ気ない。格闘ものなんだから、読み手側としては痛そうな迫力ある描写を期待してる部分があると思います。
個人的意見ですが、四人も女子高生がいたら、中には逃げる(あるいは逃げ出そうとする)人もいるのではないかなあと思います。全員一様に動けないのは嘘くさいかも。
細かいところだと、「Tシャツにジーンズ」は「きわめて」とつけるほどラフな格好ではないのでは。

170イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/21(月) 17:48
大学受験ということは、まだ高校生なんだよね?
だったら、その年で筆を折るとかふざけたこと言ってないで、勉強したら?
文章にしても内容にしても、薄すぎる。
これから何をするにしても、自分に厚みを付けてから
チャレンジすると良いと思います。

171鶴田:2004/06/21(月) 17:55
>>167
なんか複雑なんですね……。
「いろいろあって、ギャグ小説を書いてみました」の部分でいろいろ想像して笑ってしまいました。
安心してください、というべきか、それ以外では笑っていません。
描写については、「わかるけど、読み手のイメージに頼りすぎ」という感じですかね。某国とか某民族とか。
「某所で吊るしたやつ」と見比べてみたい気はします。

172イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/21(月) 18:08
>>167
>>170に激しく同意。質問の回答だが、
笑った箇所? ない。状況描写? 自分の感覚では、君の書いた〝美少女〟は
妖怪としか思えない。はっきり言って、下手。

厳しい事を言うようだけど、今の君には小説は無理だよ。

173イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/21(月) 18:43
ちょっとスレ違いかも知れないけど>>167を自分が書くならこんな感じだな。

 僕はとてつもなく、切羽詰まっていた。
 昼間、友達数人で入ったバーガーショップで、嘘をついてしまったのだ。
 どうしてそんな話しの流れになったのかは良く覚えていない。気付けば、みんなそれぞれカメラ付き携帯の画面に、彼女の写真を映し出していた。
 内心では、いつの間に皆に彼女が出来たのかと焦りつつ、自分の携帯にカメラが付いていない事を感謝していたが、表面上はまるで自分にも彼女がいるように話しを合わせていた。
 その時、一人が余計なことを聞いてくる。
「お前は?」
「うん。まあ」
 僕は曖昧な返事をした。それで気付けよと思いながら。
 だが、奴らは容赦しなかった。 
「写真とか持ってないの?」
「プリクラなら、あるだろ?」
 本当は、彼女はいないと言えば良かったのだが、自分だけという負い目がのし掛かる。
 僕はつい、明日、持ってくると口にしていた。
 周りも「絶対な」などと、念を押す。
 今まで彼女なんていずれは出来ると高を括り、クラスの女子に無理に声を掛ける事もなく、雑誌のナンパ記事も浅ましい奴らだと鼻で笑っていたが、そんな状態ではなくなってしまった。
 どうする?
 中学時代の知り合いに頼むか?
 近くに住んでいる親戚を使うか?
 結局、僕が思いついたのは、出会い系サイトだった。
 僕は、緊張の余り動きの鈍い指先で、文字を打つ。
『女だったら誰でもいいので、僕と付き合って下さい』
 最悪な文章だと気付いたのは、送信してからだった。思わず、本心をそのまま書き込んでしまったが、こんな書き込みに返事が来るわけがない。
 だが、返事は数分できた。
『私、あなたみたいな人を探していたんです。私と付き合って下さい。私も、男だったら誰でもいいと思っていたんです』
 目を疑う。
 そんな都合の良い話があるか?
 もしかすると、これが運命?
 いや、どこかのサクラか、何かのセールスかもしれない。
 しかし、それでもいい。プリクラ一枚、撮ってしまえばこっちのモノだ。
 僕は即座に返事をする。
『横浜でいい? JRの北口、知ってる? 今日の8時ぐらいでどう?』
 なるべく軽い口調を選んでみた。返事はまたも早かった。
『あー。知ってる。新しいトコでしょ? あの通路、出来たばっかだよね。みなとみらい線、もう乗った? 馬車道駅が出来たから、ワールドポーターズが近くなって便利だよね』
 僕の口調に合わせて、向こうも砕けた書き方に変わっている。本当に会えそうだ。もっとも僕には内容が良く理解できなかったが、この際、気にはしていられない。
『じゃ、8時に。会えるの楽しみにしてる』
 やりとりが終わると、掌にはじっとりと汗が滲んでいた。

174:2004/06/21(月) 19:52
えっと、電撃小説賞で一次落ちした作品の冒頭です。
長いので三つにわけます。
よければ、その、批判お願いします……

175■1/3:2004/06/21(月) 19:52
 浮かんでいた。揺らぐ水の上に漂っている。白い物が目の隅でチラチラしている。
 まだ目が見えない。
 僕は膨大な知識を持っている。けれども、僕が覚えている事は何一つとしてない。
 もう少し浮かんでいよう、目が見えるようになるまで。水が温かいから。

 僕は水の上から起きあがる。水滴が飛ぶ。ミルクのような、真っ白い液体だった。
 音に反応し、無数の目が僕を見つめる。水上には多くの人々が立っていた。彼らはみんな同じ顔をしている。コピーを取ったようにまったく同じだった。髪は光沢のない灰色で、中途半端に長く垂れ下がっていた。青い瞳をしている。その無数の青い目が、僕を見ていた。けれど、すぐに興味を失ったのか、それぞれの方に向き直る。
 白い水は膝の辺りまであって、生温い。青い目をした彼らは何かを探しているようだった。探るように、その辺をウロウロしている。
 立方体の空間だった。天井まで100mくらいある。出口は見あたらない。閉じこめられているのか。ひょっとしたら彼らは出口を探しているのかもしれない。

『………UF………ない……は………よ………する………』

 ふと、何か聞こえた。誰かの声。僕は耳をすました。

『……UFOは………ない、人類は………マシ………によって……する……』

 僕は、声のする方へと進んでいった。

『UFOは存在しない、人類はマシンミュージックによって進化する』

 目の前には壁がある。僕は振り返る。彼らはこの声には気づいていないようだ。
 僕は壁に手を触れた。触れた手はそのまま壁を通り抜ける。手は水の中に入れたように、壁の中に沈んでいる。僕は足を進めていく。壁を通り抜けた。
 壁の向こうには、長い通路が広がっていた。
 通路は果てしなく、先が見通せない。通路の壁には無数のパイプがはい回っている。

『UFOは存在しない、人類はマシンミュージックによって進化する』

 またあの声が聞こえた。僕を呼んでいるのだろうか? 僕は、声のする方へと歩き出した。歩いている最中、『UFO〜』を何度も聞かされた。
 しばらく歩くと、パイプが途切れ、通路の壁はガラスで覆われた。巨大なフレームに、ガラスが埋め込まれている。顔を近づけて外を覗き込む。
 何かが横たわっていた。生き物のようだ、でも大きい。全長は数10kmはある。人の形をした、巨人だ。幾つものチューブが巨人の体に突き刺さっており、巨人は機械に囲まれていた。顔はチューブで覆われていて、分からない。
 僕はふと、ガラスに映り込んでいる顔に気が付いた。僕の顔。似ていると思った。いや、同じだ、コピーを取ったように、僕を見ていたあの無数の顔と。僕は誰だ?
 僕は横たわる巨人を見下ろしながら、歩き続けた。『UFO〜』を何度も聞かされた。
 やがてガラスは途切れ、壁は再びパイプで覆い尽くされ、巨人は見えなくなった。

『もう一度言う。UFOは存在しない。人類はマシンミュージックによってのみ進化する』

 終着にたどり着いた。通路の突き当たりには、エレベータがある。僕はスイッチを押した。エレベータを呼び出す。265階に止っていて、ここは3271階だ。遠いんだろうか。

ペタペタペタペタ、ペタペタペタペタ

176■2/3:2004/06/21(月) 19:53
 聞き慣れない音がした。片手をドアに置いたまま、振り返る。何かが見えた。
 見通せない通路の闇の向こうに、ボウっとした白い光が見えた。光が増えていく。光は次第にはっきりとしていき、人の形になる。
 近づいてくる。同じ顔をした人間の集合体が、こちらへ近づいてくる。
 薄暗い通路で、青い目が無数に光っている。僕の事を見ているのが分かる。気持ち悪い、怖い。僕はエレベータのドアに背中を押しつける。集合体は歩み寄ってくる。
 突然、僕は背中に支えを失って、床に転がり込んだ。天井が見える。通路の天井とは違う。どこの天井だろう? エレベータの天井だ。
 彼らはエレベータに乗り込もうと、歩み寄ってくる。僕はドアを閉める。

ビチャ

 エレベータのドア越しに、何か水っぽい音が聞こえた。溶けてるの?

ビチャビチャビチャビチャ

 ドアの隙間から、白い液体が滲み出して、溝に沿ってツーっと流れていく。

ビチャッ

 これ以上こんな音聞きたくない。エレベータを動かした。体が床に押しつけられる。
「ああぁーうああぁぁーうえぇぇぁあああ」
 僕は泣き喚いてエレベータの中を転げ回った。突っ伏しまま、暫く泣いていた。
 ドアが開かれる。僕は泣きやみ、外へと歩き出す。声が僕を呼んでいた。
 そこは、小さな部屋だった。人一人入れるかどうかの部屋に、機械と、何かのディスプレイと、複雑な形をした椅子が置かれていた。
『端末に触れろ。それであなたは進化する』
 僕は椅子に座り、声に従いディスプレイに手を触れた。
 その瞬間、ブラックアウトする。全ての感覚がシャットアウトされた。

 感覚が再接続される。僕は、広大な空間の中心にいた。でも何もない。
『選択せよ』

please:choice the body's/

 選べって何を? と、僕の目の前に一糸まとわぬ姿の女性が現れる。
 女性の体は宙に浮かんでいて、ゆっくりと回転している。彼女の体から青い粒子が飛び散り、ゆっくり闇の中に消えていく。
 女性の体は、僕が頭の中で女性の姿を思い描くたびに変化していく。『選択せよ』、そういう事なのか。僕は創造し、彼女の体を少しづつ調整していった。肌は白く、髪は背中に届くほどの長さ。瞳は青で、年は子供。僕と似た姿にしてしまった。
 でもなぜだか、僕と似た姿が一番安心できたのだ。自分と同じ顔の人達にあれだけ怖い思いをさせられたっていうのに。自分でもよく分からない。
 けど全く同じというわけじゃない。彼女は僕とは少し違う。そういう風に作った。

end:y/n?

 僕はプログラムを終了させた。彼女の体が淡い光を放つ。体を無数の繊維が絡み取り、それが彼女の服になる。滑らかでフラットな表面で、切れ目のないツナギだ。余裕があって、少しダボッとしている。色は冷たい白で、表面に無数の線と文字が走っている。
 閉じていた目を開ける。瞳が青い、僕たちの目と同じように。
 情報が僕の頭の中に入ってくる。
彼女の名前はミール。僕の名前はナギロ。108時間以内、世界が、なぜ?、脳が、人格はコ、それは新、潜行、セントラル、精製される。
 ノイズだらけで全然分からない。
「ミール?」
[はい]
「それが君の名前?」
[そうです]
「僕の名前はナギロ?」
[そうです]
「君は僕のナビゲータ?」
[そうです]

177■3/3:2004/06/21(月) 19:54
 澄んでいて、滑らかな声なのだけれど、声に抑揚がなかった。無機質で、無表情な声だ。ミールは僕の質問に淡々と答えていく。
「ここへ来る途中で、僕と同じ姿をしていた人が一杯いたんだ。僕は彼らに追いかけられて、それで、怖かった。彼らは一体なんなの?」
[あれは、精製プログラムのバグからくる失敗作です]
「失敗作?」
[それについては、チュートリアルを受けることをおすすめします]
[お願い]

チュートリアル1
[メインシステムは既に放置され、物質循環が途絶えた状態で生存するために、システムは自身の手によって常に書き換えられています]
[最初はRootの存在下で意識的にシステムの書き換えが行われていました。しかし、何らかの現象により、Rootは消滅。システムはRootの不在下で書き換えをしなければならなくなりました。無自覚に生存のみを追求した結果、システム本来の理論は破綻し、至る所に重大なバグが発生しました]
[バグを修正するために、Rootの存在下の元でシステムを再構築する必要があります]

チュートリアル2
[Rootの認識は、人格の称号によってなされます。認識はパスワードでも、身体的特徴でもなく、人格の同一性によってなされます]
[人格は、現在のテクノロジーの中で最も再現するのが難しい情報です。それは100Tbitのパスワードに相当します]
[しかしテクノロジーの進歩によって、いつかは人格の複製さえ容易となるでしょう。いずれ、新しい認証手段の検討が必要となります]

チュートリアル3
[システムは自らを修復するために、あなたを生成しました]
[元のデータを入手することができれば、あなたにプレインストールされている機能によって人格を復元し、上書きインストールされます]
[55時間以内にルートの人格をインストールする事ができなければ、個体としてのあなたは消滅します。つまり、“死ぬ”と言うことです]
[あなたが消滅した場合は、新しい個体が再びに送り込まれます]
[Rootの人格は、システムの管理下に置かれている”テクノポリス”に、何らかの形で存在していると予想されます]

チュートリアル4
[“テクノポリス”は………“テクノポリス”に関するデータは破損しています。チュートリアル4を実行することができません]
チュートリアル終了。
[テクノポリスへ潜行しますか?]
「うん」
[潜行シークエンスを始動します]
 再び全感覚がシャットダウンされる。

 僕は、どこか硬い地面にうつぶせに倒れていた。僕はとても大きな構築物の上にいた。世界は夜だった。街の明かりが見える。聴覚や味覚や嗅覚、そういった様々な感覚が接続されていく。風を感じる。髪が風に煽られてバタバタしている。
「ここが?」
[そうです]
 リアルだった。街の鼓動と息づかいが感じられる。世界は天井と壁に遮られている。まるで箱の中のように。
 僕は屋上の端へと移動した。見下ろすと、僕の足下にビルがそびえ立っている。ここのビルは高い、他のビルより頭一つ抜き出ている。
 街は精密に圧縮され、合理的に配置されている。まるで半導体の電子回路のように。
 僕はこの圧縮された都市を目の前にして、叫んだ。
「UFOは存在しない! 人類は! マシンミュージックによって進化する!」
 そして叫びが終わってしまう前に、僕はビルの屋上から飛び降りた。叫び声も何もかも、強い風の音に打ち消され、何も聞こえなくなる。風は耳の中で荒れ狂う。
 視界が反転している。僕は今、UFOの存在しない世界にいる。

178:2004/06/21(月) 19:55
えっと、以上です。
スレ汚しすいませんでした……

179イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/21(月) 20:53
>>178
わけ分からん話だ。
わけ分かる所まで書いてくれ。
まるでスクリーンセイバーのように見た目は美しいが内容が垂れ流し。
ただ流れるだけで自立した行動が無い。
電撃読者なら環境に浸るよりもキャラの活躍を望むだろう。

180:2004/06/21(月) 20:59
>>179
すいません! すいません!
こういう話が好きでして……
電撃には向いてないような気がしたんですけど、やってしまって……
はい、反省します……

批判、ありがとうございました

181イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/21(月) 21:29
>浮かんでいた。揺らぐ水の上に漂っている。白い物が目の隅でチラチラしている。
>まだ目が見えない。
>僕は膨大な知識を持っている。けれども、僕が覚えている事は何一つとしてない。
 これは、「目の隅でチラチラ白い物が見えるが、目は見えない」と「膨大な知識を持っているが、何も覚えていない」ってことで対応させてるのかな。
 文の構造で明示してくれないと、ここで何が言いたいのかがひどくわかりにくい気が。二行目まで読んだ時、目が見えているのか見えていないのかさっぱりでした。

>『………UF………ない……は………よ………する………』
>『……UFOは………ない、人類は………マシ………によって……する……』
>『UFOは存在しない、人類はマシンミュージックによって進化する』
 三度目でいきなり明晰になりすぎていて、まるでギャグのような。だんだんはっきりと聞こえるようになってくるっていう表現だと思うんですが、これはどうかなと。

>目の前には壁がある。僕は振り返る。彼らはこの声には気づいていないようだ。
>僕は壁に手を触れた。触れた手はそのまま壁を通り抜ける。手は水の中に入れたように、壁の中に沈んでいる。僕は足を進めていく。壁を通り抜けた。
>壁の向こうには、長い通路が広がっていた。
>通路は果てしなく、先が見通せない。通路の壁には無数のパイプがはい回っている。
 この連続した数行だけで、「壁」という語が七回も。これは別に狙ってやっているわけではありませんよね。ここだけでなく全体的に、語彙がそもそも少ないのか、あるいはあっても活かせていないのでは、という印象を受けます。

 文章技術だけを見れば、小説としての体を成しているとは言えないような気がします。
 まずは、自分の文章とプロの作家の文章を比べてみることから始めてはいかがでしょうか。人に読ませる文章というものについて、一度考える必要があると思います。

182某スレ何番だったか:2004/06/21(月) 21:29
 >>167
 お、へこたれずに書いてるんだ。
 まず、一時間でこれだけの量を書けるってのはすごいなあ。
 で、二番目。ギャグはむつかしいよ。人を笑わせるってのは、いちばん技術がいる。ほかの人も書いているけど、この文章で笑えたところはひとつもない。きみが笑わせてやろうと意図している部分はどこ? ネタはイッちゃってる宗教だよね。笑いってのは落差で起こるものだから、女の子のズレを見せなければならないのだけれど、主人公が普通に対応している。これじゃギャグにならない。
 こういう場合は、主人公が巻き込まれるか、主人公が周囲を巻き込んでいくか。この作品は一見前者だけど、それでは腑に落ちないところがいくつかある。端的には「自分の選択が正しかった事を確信し」という部分。もしかすると、主人公が教祖の上をいくような人物なのか(深読みしすぎ?)。そういう設定を考えているのならば、そこまで晒さないと意味がない。しかし、かといって待ち合わせのときの地の文からはそういった感じはいっさい見られない。
 ということはやはり、きみが書いているとおり「自動書記」で思いつくまま書きなぐっただけのものでしかないのだろう。ギャグだから勢いが必要とか、そういう次元じゃないものな、これは。
 だから三番目は「なめてんのかてめぇ、んなもん読ませるな!」ですよ。ここに集まっている人間は物好きだから、そして書くことが好きだから『約一時間、ほとんど自動筆記状態で書き、推敲も2回しか行っていません。多分誤字脱字だらけでしょうが』なんてふざけたことを冒頭で見せられても、一応は読んで感想を寄せたんだ。つまらんいいわけはするな。おまえの未熟さと拙さを余計に露呈させるだけだ。
 某スレで、おまえを応援してくれた幾つもの書き込みをきちんと読んだのか?
 おまえの臆面のなさは買っていたが、これじゃほんとに世間知らずでしかない。オピローグを馬鹿にした連中以下だぞ。
 まずは大学受験に全力で取り組め。

183:2004/06/21(月) 21:47
>>181
はい、文章指摘ありがとうございます。

文の構造ですか……
注意を怠りました。

UFOの所は正にそのギャグみたいな方法を心がけたんですが……
失敗したみたいですね……

改めて読んでみると凄い読みにくい文章ですね……
“人に読ませる文章”を心がけて頑張りたいです。
ご指導承りました。ご指導の通り鍛錬いたします。

批判、ありがとうございました。

184イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/21(月) 23:10
>>174
好きよ、こーゆーの。
おれはそんなに読みにくいとは感じなかったけれど。読みにくさが、主人公の混乱ぐあ
いをあらわしているんならいいんだけれどね。そういうわけでもないみたい。
あっちで「アシッド系」ってのがあったけど、たしかに幻覚っぽさとか、揺れてる感じとか
表現し得ない感覚のノリを含んでいると思う。これが意図してのことならすごいけどなぁ。
あ、それから、ひとりよがり、と受けとられるかもしれない。

気になったのは舞台となる施設に関して。相当高度な技術をもっているようだが、先の
見通せない通路の壁にパイプが丸見えってのはまずくない? それから巨人について。
全長数十キロもあるなら、それが人の形をした巨人だなんて認識できないんじゃない?
あなたが「SFだなんてとんでもない」と思っていても、読み手がそう認識すれば、評価も
その基準でなされる。SFとして読んでいくなら、致命的なところがかなりあったのかもし
れない。

あ、あと批判じゃなくて批評ね。

185:2004/06/22(火) 19:30
>>184
ひとりよがりというのは、本当に仰る通りです。
ひとりよがりでも、全力で取り組んだひとりよがりなら、伝わるんじゃないだろうか……
そう思ったのですが……考えが甘すぎました……

パイプや巨人の部分は、完全にイメージ先行で取り組んでしまって、科学的な正しさや、空間的な正しさがおろそかになっていると、自分でも思います。
冒頭だけではなく、全編に渡ってイメージ先行ですので、SF的な正しさは微塵もないはずです。
この辺にもやはり自分のひとりよがりな性分がでているのだと思います。
181さんも仰いましたが、人に読ませる文章、つまり自分の中に客観的な他人の目を持つ事が大切なのだと知りました。

>あ、あと批判じゃなくて批評ね。
ああ……批評でしたか……
仮にも小説を書いている者がこのようなミステイクを犯してしまうなんて、お恥ずかしい限りです……
批評、ありがとうございました。

186某スレの809:2004/06/22(火) 21:05
皆さん、返信ありがとうございます。

>>170
……明日あたりから、受験生に戻る事にします。
4月末辺りから、ほとんど遊ばなくなっていたのですが、意思が弱いため、そんな状態は1ヶ月しか持ちませんでした。
反省します。

>>171
その、某所で叩かれた作品も、「出来る限り、きっかりした描写無し。読者毎にまったく違う情景を思い浮かべられるように」なんていう電波な事を考えつつ、書いた物だったりします。今後は、出来る限りそういう「甘え」を無くすように努力していきます。

>>172
美少女が妖怪にしか思えないのは、わざとです。
「主人公は、妖怪みたいな女が好きなんだ」
っていうのが、笑うポイントのつもりでいました。

>>173
読者が、主人公に共感できるように、なんて事はまったく考えずに書きました。
逆に、読者に「なんだ。この主人公」と思わせ、それで笑わせるつもりでいました。

>>182
>お、へこたれずに書いてるんだ。
>まず、一時間でこれだけの量を書けるってのはすごいなあ。
学校では、高校二年までパソコン部に入っていたため、早打ちは得意です。
俺が唯一、このスレの住人さん達に勝っている事じゃないでしょうか?
無意味ですが。

ちなみに、その部にいた頃、
「何でもいいからわけわからん事を書いて、周囲にいるバカ部員を笑わせる」
という事をやっていた先輩がいました。俺もそれを真似、高校1年後半辺りから頻繁に自動筆記電波文を書くようになっていました。今回の文章は、完全にその時のノリです。

>きみが笑わせてやろうと意図している部分はどこ?
主人公の性格です。
とんでもない大馬鹿な主人公を書き、それで笑いを取るつもりでいました。

>それでは腑に落ちないところがいくつかある。
腑に落ちない事しかやらない、大馬鹿野郎を書いたつもりでした。

>「なめてんのかてめぇ、んなもん読ませるな!」
すいませんでした。
何書いても言い訳になってしまいますが、なんていうか、この小説書いてる間、シラフじゃありませんでした。
二度とこんな事はしません。

>某スレで、おまえを応援してくれた幾つもの書き込みをきちんと読んだのか?
信じてくれないかもしれませんが、一応、全部読んだつもりです。途中からは飛ばし読みをしたので、見落とした物も多数あるかもしれませんが、一応、全部読んだつもりです。

……読んでも、実行しなきゃ意味がないですが。
いろいろ、一からやりなおしてきます。

187イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/22(火) 23:23
>>164です。懲りずに気に入ってる部分を載せてみました。


それは、ライフルと言うよりも“砲”と形容する方が正しかった。
長く伸びた銃身の先に付いた、平行四辺形を2つ張り合わせたような―ガスを後方に噴出させ、衝撃を緩和する―マズルブレーキ。銃を支える穴の空いた銃を支える2脚のバイポッド。通常のライフルの2倍の大きさの斜めにカットされた短い長方形のマガジン。バレッタライフルと言われる、対“戦車”用のものだった。
黒色の迷彩生地に覆われたヘルメットを被り、暗緑色と黒色のスモッグ迷彩の上から黒色の雨合羽を着込んだ男は、銃を抱えるように構えていた。耳には耳栓のようなイヤホンが付けられ、コードが通信機の付いた腰の部分まで延びていた。機関部の上に取り付けられたスコープを覗く視線は、わずかに土の浮き出た森と森との間に向けられていた。
『いいか、中村』
中村の耳に、福井の野太い声が響いた。
『狙撃のチャンスは、一度だけだ。外したら、すぐさま逃げろ』
「心配ありません」
中村はインターカム内臓のマスクの下で笑って言った。
「目標は的よりもでかい」
それを聞いて、福井は小さく笑う。そして、いつもよりさらに低い声で
「しっかり当てろよ」と言った。
「了解」
中村も真顔になって答えた。

横に細長い丸が御わんの上に載ったような影―“目標2の姿が視界に映った。
「AVS−01を確認。狙撃を開始します」
『許可する』
中村が言って、福井が了承する。
指に力を入れながらも、中村は銃の脇に付いた、スコープとコードで繋がったの暗視装置のスイッチを入れた。
緑と黒色の世界に、“目標”はさらにはっきりと見え、そしてその脇に
「…女の子!?」
見えた人影に、中村は思わず銃口をずらした。

轟音と共に、ハイポッドが後退して地面を少し抉る
銃口から飛び出した弾丸は、音速を超える速度で飛翔し、そして

硬い金属音と火花を残して、目標のボディで兆弾して空に向かって消えた。
その様子を見ていた中村は、さらにボディ後部についた“目標”の細長い、何かが動くのを認識した。
「狙撃失敗!」
中村はそれだけ言うと、すぐさま踵を返して駆け出した。
背後で“目標”の細長い何かの先に、フラッシュがたかれた。


以上です…乱文すみません…

ところで、やっぱり応募するにはこれ以上の文を書かなくてはいけないのでしょうか?そういったアドバイスももらえると嬉しいです。

188182:2004/06/23(水) 00:01
>>186
 勉強は息抜きも大切だけれど、小説書きはハマると無駄に時間を使ってしまう
よ。時間はたっぷりあるけど、あっという間に過ぎていく。だから、いましかで
きないことを、後悔しないようにね。

 ここでもらった小説への意見は受験がすんでから、ゆっくり考えてみればいい
よ。

189イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/23(水) 14:06
批評お願いします。ライトノベル風を目指して書きました。冒頭部分です。


 カリンが黒旅団に入団したきっかけは、パルゲルゲ人身売買事件である。
 この事件は表ざたにこそされはしないが、パルゲルゲという売買ギルドが年に一度開くオークションである。珍しい動物や、奴隷として扱う人間を非合法に売買するのである。
 その対象の一人がカリンである。カリンはエルフと人間のハーフであり、希少価値がもっとも高い。


 大人が一人しか入れないくらいの小さい檻に、カリンはうずくまっていた。
「お父さん、お母さん、ごめんなさい。私、悪い子でした。こうなっちゃったのは自分のせい・・・しょうがない、しょうがないの」


 カリンの家はお世辞にもきれいとはいえなかった。
 母親のエルフと人間の父親という理由だけで迫害され続けたこの家族は、けして裕福とはいえない生活であった。それでもカリンはそんなことは全然気にならなかったし、自分の家庭は幸せだとずっと信じていた。

 しかし、カリンが十四のとき、背中から羽が生えているのに気づいた。その羽は透明で繊細な美しいもので、カリンはうれしかった。ほかの誰にもない、背中にはえた、小さな羽。こんなの母親にも生えていなかった。誰かにみてほしくて、自慢したくて、いつも遊んでいた友達に見せてみた。喜びと憧れの視線をうけると思っていた。
「うわあ!ばけものだ!」
「寄らないで、気持ち悪い!」
 返ってきた応えは期待とは逆だった。
 噂が広まったのは、その日からだった。「あのエルフの子供、エルフと人間のハーフのくせに背中に羽がはえてえるんですって、気味が悪い」「あの親子はなにを考えているんだ?エルフなんてみんな消えてしまえばいいのに」「人間は人間の子を産むべきなのに、きっと あれはバチのあたった悪魔の子だよ」・・・・・・
 母や父は何も言わなかったが、それが余計に自分を追いつめているような気がした。
 月日が経つにつれて、罪悪感がよりいっそう強くなっていった。

「ごめんなさい。ごめんなさい。お父さん、お母さん。羽をみんなに自慢して、お父さんとお母さんも嫌な目でみられるようになってしまいました。私、もう・・・」
カリンは、自分の羽を血が出るまでむしりとり、近くにあった森へ捨てた。

 一週間。また、羽が生えてきた。またむしる。そして、また生えてくる・・・。まるで、切っても切っても伸びてくるツメのように。
 不思議と痛みは感じず、ただただ血が流れるだけだった。

 ―――一年がすぎても、羽が生えない日はなかった。

 ・・・もう、ここにはいられないと思った。ここにいる限り、お父さんとお母さんは心無い中傷を受け続ける気がした。・・・カリンは最後にもう一度だけ自分の羽をむしりとって、町を出て行った。

 背後から声をかけられたのは、町を出て、小さな森を抜けたあたりだった。
「おや?君、背中から血がでてるよ」
 声の主は頭は禿げ上がっており、中太り、親切そうな中年。カリンの背中の血を案じているようだ。「大丈夫。これは私の血じゃありません」カリンはそう答えた。
「ふーん」何かを含んだようにうなずいたあと、言った。
「妖精を保護する会っていうのを知ってる?」
「妖精を・・・保護する会?」思わずおうむ返しをしてしまった。そんな会の名前は一度も聞いたことがない。
「そう。妖精のような体形をもっている人間って、迫害されることが多いんだよね。そんな人たちを保護して人権を得ようっていう集まりなんだけど」
 カリンは思った。その通りだ。なぜ妖精やハーフエルフが迫害されなければならないのか。
きっと、私がこんな羽さえもっていなければ、あんなことにならずにすんだのに。羽さえなければ。こんな羽さえなければ。
 中年の男は言った。「興味ない?」
 カリンは押されるようにうなずいた。

190189:2004/06/23(水) 14:08
 気がついたら、すでに檻の中だった。薄暗い周りを見回すと、自分のほかにも多くの檻が無造作に置いてあり、その中にはキメラや見たこともない生物、直視できないほどおぞましいものもいた。自分もその中の一員かと思うと、なんだか悲しくなった。
「うそつき・・・」頬をぽろぽろ涙がつたった。
 家畜にやるような飯を食わされ、三日が過ぎた。


ここまでが第一章の頭のほうです。

191イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/23(水) 20:40
>>187
 164の文よりはだいぶいいと思う。
 数の表現については、純粋に数字を記述する以外は漢数字を使うべき。ダッシュは線ふたつで一組。どうでもいいことかもしれんけど、どうでもいいことならばこそね。
 説明からイメージしにくいというのはある。「平行四辺形を二つ張り合わせた」では俺のような素人には見当がつかない。「遠目には矢印のように見えるが云々」とか、素朴な印象に落したほうがいいのでは(もしかして間違ったものを想像している?)。
 狙撃手の格好、黒色が何度も続くのはうるさい。もうちょっとスマートにまとめられるはず(164でも蛙ってのが何度もでてきてくどかった)。
 思い入れがあるから細かい描写になるのだろうが、一般受けを考えているのなら、筆を抑えたほうがいいと思う。一方で、発射したらガスがでたとか、それっぽい言葉をさらっと入れとくと印象が増すのでは(マズルブレーキの役割も明確になるし)。
 中村の仕事っぷりについて意地悪なことを言うと、プロならば不測の事態に際してもその任務を確実に果たさなければならないのではないか(まあ、そんなこと言ってたらハリウッド映画には軒並みダメ出しせんといかんけど)。

>>189
 書きたいことと実際の文章が一致しない箇所が多数見られる。たとえば冒頭三行。これはカリンが黒旅団に入ったきっかけを説明するはずが、途中でパルゲルゲの活動内容へとかわっている。
 パルゲルゲってのは、なんか特撮戦隊モノの怪人みたいな響きがあって、個人的にはどうかなと思う。
 作品のなかに、書き手の現代人としての意識や社会背景が混入している。たとえば、「非合法な人身売買」、「人権」。こういった意識や思想がはたして作品世界のなかで確立しているものなのかどうか。「妖精を保護する会」ってのもそぐわない。
 主人公がフリークスとして迫害を受けているのに、自分とともに捕らえられているキメラやおぞましいものを見て「自分もその中の一員かと思うと、なんだか悲しくなった」と考えてしまう点。迫害を受ける者の心のなかに更に蔑視する対象があるというのは問題あり。これをきっかけに彼女が成長していくのならいいけど、あるいはブラックに人間の醜さを描こうというのでなければ直したほうがいい。
 全体的に軽すぎる、と思ったんだけれど「ライトノベル風」という言葉に気付いて、だったら、皮肉でもなんでもなくこれはこれでいいのかなあとも……。
 とはいえ、やはり文章自体はかなり拙いです。文章力ってどうしても読書の質と量に左右されるから、もっと意識的に本を読んでいったほうがいいと思います。

192189:2004/06/23(水) 21:13
>>191さんレスと指摘ありがとうございます。

冒頭三行のちぐはぐさと、
>「自分もその中の一員かと思うと、なんだか悲しくなった」
と考えてしまう点。迫害を受ける者の心のなかに更に蔑視する対象があるというのは問題あり。
言われて初めて気がつきました。確かにその通りですね。修正しようと思います。

>作品のなかに、書き手の現代人としての意識や社会背景が混入している。
>たとえば、「非合法な人身売買」、「人権」。こういった意識や思想が
>はたして作品世界のなかで確立しているものなのかどうか。
>「妖精を保護する会」ってのもそぐわない。
やっぱりそういう世界背景はきちんと前もって文章で説明したほうがいいんでしょうか。
キャラの交流を重視して書いているのです。なので
流れと別の方向へいってしまう気がして、そういう世界設定は書かないように
していました。キャラクターがちまちまと説明する箇所は多々ありますが。それが根本的間違いでしょうか。

ともあれ初の小説なので大切にゆっくりと推敲していきます。

193イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/24(木) 01:16
続きも考えてないような小説の冒頭でつ。よろしかったら批評(m。_。)m オネガイシマス


畜生、畜生、畜生。なんで僕が?日ごろの行い?今日の運勢?

情けない話だが、あのときの僕にはこんなピンチの時のステレ
オタイプな言葉を心の中でつぶやきながら、足よちぎれよといわ
んばかりに全力疾走することしかできなかった。

「ギョォオォオォォォ」

後方で凄まじい轟音がする。今まで耳にしたことが無いような。
しいて言うなら怪獣の鳴き声のようだった、と言えばわかりや
すいだろうか。

事実それに限りなく近いものに僕は追われていた訳だが。

後ろを見る余裕など無い。周りの建物が壊れていく音で、イヤ
でも背後の様子は容易に想像できた。

「うっ!?」

と唸った時はもう遅かった。足がもつれ、鼻っ柱がコンクリの
地面にぶつかった。ザーッと砂埃を上げながら1mほど滑っただろ
うか。両手で体を起こそうとした時、不意に後ろを見てしまっ
た。

四肢の無い幅4mはあろうかという、巨大な体躯。
大きく見開かれた瞳。レモン色の瞳孔が見える。
疲れているのだろうか。大きな体を上下に揺らして大きく呼吸
をしている。

あわてて起き上がろうと―――できない。腰が抜けていた。

「あ・・ぁわあ・・・・」

精一杯の恐怖を込めた言葉が口をついて出た。自分の目に涙が
溜まっているのがわかる。鼻からなにかがこぼれるのもわかる。
鼻血だと気づくのに1秒ほどの時間がかかった。

194イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/24(木) 17:58
>>189
 H×H? ――まあ、それはともかく。
 一番気になったのは、時系列が飛びすぎている点。
 「村にいた」→「奴隷商人に捕まった」→「黒旅団に入団した」という時間的に異なる
3つの出来事を一遍に詰め込んでいるから、おかしなことになっている。
まず、「カリンが黒旅団に入団した〜」云々の冒頭4行はいらない。
それから、「捕まっているシーン」→「これまでの回想」→「再び捕まっているシーン」
という回想の形自体はいいんだけど、ちょっと書き足りていない。回想シーンのある本を
研究してみればわかると思うけど、ベースは「現在」に置くわけね。「現在」の方で少し
話を進めていって面白くなってきたところで一旦「過去」に戻し、それから時間を飛ばして、
「現在」に帰る、という形が基本。その「現在」が書き足りていない。
 「過去」の話に主眼を置きたいなら、素直にそっちから書き始めることをお勧めしる。

>>193
 「どこを?」「なにが?」が確定していない。
「どこを?」――「どこを走っているのか?」
「何が?」――「何が追いかけてきていたのか?」
 ね。
 なもんで、主人公が焦っている様子は伝わるが、その焦りが読者にはピンとこない結果になってる。
 マンガに喩えてみると。
 「どこを?」が確定していないので背景がなく、白い世界を走っている主人公。
 「何が?」が確定していないので、高さ4mの位置に目だけが浮いている物体のラフ画。
 といった脳内イメージしか湧いてこない。これでは手抜きと思われても仕方ないっしょ?

 動きのテンポ自体はいいと思う。そのテンポを殺さないまま背景なり描写なりを入れていく書き方があるはずだから、頑張ってみてくれい。

195イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/24(木) 19:15
>>194
レス㌧クスでつ。

とりあえず勢いだけは殺さずに、ってことを念頭に置いて20分ぐらいで書いた
文なんでぶっちゃけ手抜きかもです_l ̄l○スマンカッタ

背景や状況を描写しているとキャラのいる世界の時間が止まるんで、あえてし
なかったんですが、やっぱり読んでる人にはわかりづらいですよね・・・

>そのテンポを殺さないまま背景なり描写なりを入れていく書き方があるはずだから

これを身につけるべく試行錯誤してみまふ。どうもですた(´▽`)

196鶴田:2004/06/25(金) 17:56
>>174
読ませていただきました。細かな部分についてはほかの方たちが存分に指摘してくださってるので、私はそれ以外のところを。
状況描写と伏線?が延々と続いていく冒頭は読みにくい感じを与えるかもしれません。179さんがわけのわからない話だ、といってるように。
なので、このシーンは話の中ほどで出したほうがいいのでは。
僕は、どこか硬い地面にうつぶせに倒れていた〜の部分からスタートしたほうが、意表をつく展開を予感させてくれるような気もします。
全体としては、すごく好きなタイプの話です。マシンミュージックとか、単語のひとつひとつも好みです。
がんばってください。

>>189
いきなり疑問に思ったのが、ハーフエルフってそんなに希少なのか?ということです。ぶっちゃけ人間とエルフが交配しただけ(というとあれですが)ですよね。
この世界がどうなっているのかはわかりませんが、おそらく価値が高い生き物という意味でならもっと上のものがいくらでもいるのでは。
これは私が刺激に慣れきっているから思うことなのかもしれませんが、意外性には乏しいと感じました。
せっかく自作のファンタジーなのですから、世界観を象徴するような独自の色をもった生き物or人種を考えられたほうがいいのでは。妖精もエルフも使い古された単語です。
あとはまあ、細かいことですが、「キメラや見たこともない生き物、直視できないようなおぞましい生き物」というのは表現として中途半端かなと。難しい表現から逃げているようにすら感じられます。具体的な描写がほしいところです。

>>187
スピード感があって、個人的には好きです。
ただ、狙撃シーンはもう少し緊迫感がほしかった。
トム・ベレンジャー主演の「山猫は眠らない(映画)」あたりを参考にされるとよいかと。

197イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/26(土) 17:07
>>196
ああ、山猫は眠らないですか―もう一回見直してみます。原稿も、かなり前に書いたものですから、色々手直ししてみます。

198猫丸:2004/06/27(日) 11:59
 >>193
確かに情景が分かりにくいところがあるけど、主人公の慌てぶりを強調する
ならこんなのもありかも。それでも、このちょいあとに描写を補強する必要
はあるでしょう。ところで、これは主人公の夢の中かなにかでしょうか?現実
にしては雰囲気がアレですけど・・・。なんとなく、「灼眼のシャナ」第一巻
冒頭を思わせますね。

199猫丸:2004/06/27(日) 14:57
主人公(男)が色っぽい先輩に誘惑されて、新入生歓迎パーティーに行く
ことを決めるシーンで、次のような表現を使ってみました。どうでしょうか。

 ・・・合格したうれしさも手伝って、俺は人間に尻尾を振る子犬のように
「行きます」と答えた。

200イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/27(日) 16:47
>>199飼い主に尾を振る犬のように

のほうがスッキリしない?

そうでもないか・・・|出口| λ............トボトボ

201鶴田:2004/06/27(日) 17:24
>>199
普通に「あり」だと思います。
あーでも「人間に」はいらないかな。書かなくてもつたわりそう。
「子犬」である必要もないですかねえ。大人の犬だって尻尾は振るし。
どちらかといえば200さんのほうがすっきりかもです。

>>187
あっと書き忘れ。
暗視装置のスイッチいれてから即座に撃つってことはしないんじゃないですかね。
すこしは間をおくだろうし、だとしたら女の子はいきなり目に飛び込んでこなければおかしいかと。

202鶴田:2004/06/27(日) 18:09
『オルガンの蓋と鍵盤の間のところ』

 メモリースティックに残された画像の中で、里香は微笑む。
 それを見ながら、俺は思う。
 幽霊はゴムひもに似ている。
 長いものも短いものもあり、ひっぱれば反発する。
 里香という名のゴムひもの端は、廃村の廃校の音楽室の、オルガンの蓋と鍵盤の間のところに結ばれていた。
 幽霊の悲しみ。
 ゴムひもの悲しみ。
 この世には、そんな種類の悲しみもある。
 
 空間に切れ目でもあるかのように、その女の子は唐突に現れた。
 びっくり箱か飛び出し絵本か、あるいは青いネコ型ロボットのポケットかって光景。幻想的。ファンタジー。
 おれはなにかいおうとしたんだけど、言葉にはならなかった。「ぁー」という呻き声のようなものが漏れただけだった。
 女の子はオルガンの上の一段高くなってるところに正座した。空中に三つ指ついて、バカ丁寧に頭を下げた。
「お初にお目にかかります。里香と申します」
 年齢はおれたちと同じくらい。つまり十歳くらいだろうか。
 ボリュームのある黒髪がまっすぐ背中まで届いている。赤いエナメルの靴に白いレースの靴下、おまけにフリルのついた赤いワンピースというお嬢様風なファッションだ。お茶とかお花とかピアノとか習ってそうなタイプ。そんな友達いないけど、イメージ的にな。
「あなたたちのお名前をうかがってもいいかしら」
 里香は首をかしげて上品に微笑んだ。子供のくせに、そういうしぐさが似合う子だった。本物のお嬢様だからかもしれない。
「潤子よ」
 普段と変わらない調子で潤子が答えた。よくよく気の強い女だとは思ってたが、こんな状況に直面しても本当にまったく微塵も揺らいでいない。
「順応するの早いなあ。おまえ……」おれは半ば感心して、半ばあきれていった。
「わたしはリアリストなの。どれだけ破綻して見えようと現実は現実。受け入れるしかないでしょ」
 潤子はおれを一瞥してから里香を見た。
「こっちの礼儀知らずがマサムネね」
「だれがだよ」ツッコむ。
「あなたは、幽霊ね?」
「はい。幽霊です」
 頭の痛くなる会話だ。
「なあ、そりゃこいつが非常識極まりない登場の仕方したことは認めるよ。でもおまえ疑問とかねえのかよ。こいつが実は人間で、びっくり手品使ったんじゃないかとかさ、考えたりしない?」
「考え無しみたいにいわないで。あなたにそんなことをいわれるまでもなく、わたしなりの推理はしたわ。でも」
 そういって、潤子は音楽室の入り口からオルガンまでのルートを示した。けっこうある。直線で7、8メートル。
「この距離を埋める方法はわたしには考え付かなかった。里香さんが五輪代表クラスのジャンプ力を持ってる可能性は抜きにして」
「だから手品なんだよ」
「タネをしかけるのにだって準備はいるでしょう。この絨毯みたいに積もった埃の上にまったく痕跡を残さないっていうのは不可能なんじゃないかしら」
「そりゃあれだ。すげえ足の細い竹馬を使ったり」
「それで?」潤子はおれをじっと見つめた。北欧系の血が混じってるとかいう冷たい湖面のような瞳。
「ロープを張って消防士みたいに渡ったり」
「それから?」
「天井か床に穴がある。もしくは、こいつは最初からここにいて、埃はあとから積もったんだ。たくさんの食料と水とを持ち込んでだな……」
 おれはしばらく考えて、「わかった」と手を打った。
「埃製造機」
 潤子はおれから目をそらしてため息をついた。
「なんだかあなたを見てるとかわいそうになってくるわ」
 むかっ。
「わかんねえだろ。びっくりカメラかもしれねえじゃん」
 ぐい、と手首を掴まれた。
「いてて。なにすんだおまえ」
「触ってみればはっきりするわ」
「はあ?」おれは目を剥いた。
「バカ。おまえそれはやばい。なんか倫理的によくない。呪われたらどうすんだ。やめろー」
「暴れないの。信じてないなら怖くないでしょ。男なら潔く腹をくくりなさい」
 潤子は容赦なく里香の膝に手をつっこんだ。おれの手ごと。
「うわー」おれは悲鳴をあげた。
「まー」里香は口元に手をあてて恥ずかしげに頬を赤らめた。
 そこにはなにもなかった。なんの感触もなく、おれたちの手はむなしく空をきった。
「ほらね」潤子は胸を張った。「里香さんは幽霊なのよ」


 前のほうで晒したものを書き直してみました。三人称だとどうしても硬くなってしまうので一人称で軽めなノリを意識して書きました。
 これは冒頭部分で、一章の終わりのシーンからの続きという構成になっています。
 表現が変とか、想像できないとか、違和感とか。批評お願いします。

203イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/27(日) 19:47
>「順応するの早いなあ。おまえ……」
>「わたしはリアリストなの。どれだけ破綻して見えようと現実は現実。受け入れるしかないでしょ」
>「バカ。おまえそれはやばい。なんか倫理的によくない。呪われたらどうすんだ。やめろー」
>「なんだかあなたを見てるとかわいそうになってくるわ」
>「暴れないの。信じてないなら怖くないでしょ。男なら潔く腹をくくりなさい」

こんなことを10歳の子供が言うかなあと素人目に見て思った。倫理的に、とか。
それ以外はうまくまとまってると思います。

204119です:2004/06/27(日) 20:12
性懲りもなくもう一回だけ晒します。作品は九割完成しています。
キャラクターについては、かなり前から頭の中で構想していて、
家族構成とかも含めて細かい部分まで考えてはいたのですが、
それが先走って、すでに自分の中では了解ずみのことだからと、
説明するのを面倒くさがっていたように思います。

 さて、美少女小学生モデル須磨鈴蘭転校のニュースは瞬時にして
学園内をかけめぐり、翌日からは蜂の巣をつついたどころじゃない
騒ぎになった。
 小等部はもちろん、中、高等部からも話題の美少女を一目見よう
と、男子生徒が押すな押すなと詰めかけた。
 たとえ鈴蘭がモデルでも有名人でもなかったとしても、事情はあ
まり変わらなかっただろう。道ですれちがっただけで大抵の男なら
「おっ?」と振り向かずにはいられないほどキレイな女の子なのだから。
 おかげで遠くから無許可で撮影した鈴蘭の写真が高値で取引され
るという、学び舎たる学園で行われるにはあまりに嘆かわしい事態
まで発生していた。
 フブキもその嘆かわしい取引に応じた生徒の一人であった。
 あまり豊かではない懐具合ではあったけれど、何とかやりく
りして鈴蘭のナマ写真を一枚購入し、人のいない屋上でニタニ
タしながら眺めていた。

205続き:2004/06/27(日) 20:26
 「ん〜、きわどいアングルだよね〜、カメラマンがもうちょっと勇気
出して下方から迫ってくれれば、確実にパンチラ写真になったのに!
くう〜ッ惜しいな〜って…ぎゃああああああああああっ!?」
 何者かに思いっきりお尻をつねられ、フブキは悲鳴をあげた。
 「フッくん、何見てんの?」
 案の定、つねったのはチトセである。
 「ちーちゃん、ひどいじゃないか…」
 お尻をさすりながら不満をたれるが、チトセの殺気を宿した目
に強制的に黙らされた。
 「何見てるのって聞いてるじゃない。それ貸して!」
 チトセがフブキの手から写真をひったくる。
 「あーっ! やっぱりあのオバンの写真だ!」
 「オバンとはなんだよ。鈴蘭ちゃんに失礼じゃないか」
 ひったくられたままにしておくとビリビリと破られそうな気が
したので、素早く写真を奪い返した。
 「もうっ、あんな年増のどこがいーのよ? ちょっとキレイなだ
けで、お高くとまってて、女子からは嫌われまくってんだから!」
 「そうかなあ? 鈴蘭ちゃんを見物にくる連中には、女子も結構いるよ」
 「そんなのキレイになるお手本がほしいだけでしょ」
 言われてみればそんな気もする。鈴蘭が転校してきてまだ一週間だが、
彼女には友達ができないようである。
 「まあ、名前の売れちゃったモデルさんだからねえ。まわりが意識して
普通に近づけなくても無理はないよ」
 フブキは他人事っぽく言ってはみたものの、自分のように八才女児のス
カートをめくったり、ストーカー写真を見ては目尻を下げているお祭頭の
人間には、およびもつかない苦悩というものが鈴蘭にはあるのだろうなと、
心中ひそかに同情していたのだった。

206イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/27(日) 21:04
>>205
もう・・・なんというか・・・_l ̄l○

207イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/28(月) 00:03
>>205
キャラに共感とか同情できるものを感じない。
もっと降りてきてもいいんじゃない? 平凡な日常の中にさ。

208イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/28(月) 00:05
>>205
モウヤメテクダサイ……_| ̄|○

209イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/28(月) 01:09
プロローグです。
批評お願いします。

少女の肩まで下ろした真っ直ぐな髪を、ふわりと乾いた風が散らす。
「・・・ねえ衛、別れよう?」
葉が少し俯きながら呟く。
同じ坂道、同じ夕刻、同じ唇から紡がれる二度目の告白。
以前と違うのは、それが別れの言葉だという只一点。
だが、予感はしていた。
従姉妹でもなく、友人でもなく、この一週間恋人として見てきた葉の姿に、ずっと違和感を拭えずにいた。
根本的なところで、僕達は良く似ている。
「ああ、僕も言おうと思ってた。」
少し先を進む彼女を見上げ、自分でも驚く程冷静にそんな台詞を告げる。

――長く伸びる二つの影。次第に空は深い蒼に呑まれてゆく。

210イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/28(月) 01:16
>>209
>少し先を進む彼女を見上げ
彼女のほうが背が高い?

誰かいる?いるなら晒そうと思うんだけど。いるなら教えて。

211イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/28(月) 01:48
てことで晒し。

焼けつくような、それでいて湿気を伴い、ジメジメとした暑さ。
今日のスイフテッドの城下町はそんな日だった。一週間ほど前から、世界中から集まっている屈強な男達が、さらに暑苦しさを増しているように感じた。
彼は、城下町をかれこれ二十分はうろついている。
たかだか二十分にかれこれ、と付けるのは、本来適切ではないだろうが、この気温で二十分も外を歩き回るほうがどうかしているのであった。
もちろん彼も、なんの目的も無く城下を徘徊しているのではない。
それなりの目的があってのことだった。
さきほど、人に聞いた道はこれであっているはずなのだが、一向に見つかる気配は無かった。
「城下は広いからねえ。初めて来た人は迷うでしょう?」
と、頼みもしないのに丁寧に地図まで書いてくれた。
ありがたいこととは思いつつも彼はその達筆すぎる字がうまく読めないでいた。
スイフテッド王国――。
肥沃な大地と恵まれた水源からなる、農業大国である。国家財源の殆どを他国への農作物輸出で得ており、ここ十年は他国との戦争もない。
何も問題ないように見える国である。
そんな国の城下に、いかにも腕自慢、といった様相の男達が集まっているのは、滑稽であり、同時に物々しさも感じさせた。

212イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/28(月) 01:49
続き。

「・・・」
彼は、無言で顔を上げ、その建物を見上げた。
場末の酒場、とまではいかないが、どんなに褒めても、新しいとはいえそうにもない、レンガ造りの建物。表に酒樽が積まれているところを見ると、酒場かなにかだろうか。
看板には、BARアバンテ、とある。
落書きで埋められた外壁があまり品いい店でないことを体現していた。
ギイ、と酒場のドアが開く。中はかなりの広さだった。四人がけの丸テーブルが四十ほど配置されており、昼間だというのに、席の空きはほぼ無いように見えた。
テーブルについているのは、殆ど男で、これ見よがしに腕に力瘤を作り、テーブルの仲間と大きさを比べていたり、大声であまり上品とは言えないような笑い方で周りから顰蹙を買っていたり、尻に自分の手のひらを滑らせ、怒るウェイトレス茶化していたりと、おおよそ堅気とは思えない客が、大多数を占めていた。
ドアの音で、さっきまでガヤガヤとくっちゃべっていた客が一斉に彼を見やった。
かと思った次の瞬間には、再び自分たちの話を始めていた。
数人ではあったが、彼の異様な風貌に目を奪われた者もいた。
漆黒のローブ。しかも、彼が着るには、サイズが大きいように感じられる。フードがついており、それを目深にかぶっている。背中には、背中から離れないよう、紐でくくられた「く」の字に見えないことも無い、巨大な何か。布で包まれており、それがなんであるか見抜けるものはいなかった。

213イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/28(月) 02:22
量的にストーリーや世界観は何ともいえないから、文章について。

> それなりの目的があってのことだった。
> さきほど、人に聞いた道はこれであっているはずなのだが、一向に見つかる気配は無かった。

この二文はもうちょっと上手く繋がらないかな。

で、その先。

> 「城下は広いからねえ。初めて来た人は迷うでしょう?」
> と、頼みもしないのに丁寧に地図まで書いてくれた。

これ、誰がいったのか一読で素直に入ってこない。
省略すべきでない主語を省略しちゃったみたいだね。

> 「・・・」
> 彼は、無言で顔を上げ、その建物を見上げた。

無言で、って入れるなら、「・・・」はいらない。
ついでにリーダーは……を使うべき。

> 看板には、BARアバンテ、とある。

異世界ものなら、BARって書くのやめた方が……

> テーブルについているのは、殆ど男で、これ見よがしに腕に力瘤を作り、テーブルの仲間と大きさを比べていたり、大声であまり上品とは言えないような笑い方で周りから顰蹙を買っていたり、尻に自分の手のひらを滑らせ、怒るウェイトレス茶化していたりと、おおよそ堅気とは思えない客が、大多数を占めていた。

文章短く区切った方がいいと思う。長い一文が必要なわけでもないし、
そもそもテンポよく上から下に繋がってない。

> ドアの音で、さっきまでガヤガヤとくっちゃべっていた客が一斉に彼を見やった。

くっちゃべってた、って口語じゃないかな? これは漏れが間違っているかも。
誰か解説Plz

> 紐でくくられた「く」の字に見えないことも無い、巨大な何か

異世界なら「く」の字とは(ny

他、全体的に句読点の使い方が練られてないから、テンポよく読めない。
自分の文章を声に出して読んでみた方がいいと思う。
他の小説をよく研究するのもいいし。ラノベでもいいから。

視点は……ラノベだから気にしなくていいのかな。
とりあえずざっと思ったところだけ、軽く。

214イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/28(月) 02:43
>212
全然だめ。悪いけど話にならない。
これはどこにでもある文章のカタマリ。小説未満。これは細かな欠点云々以前の問題。
そもそも異世界モノ書くのはかなり高い能力が必要。そうおいそれと手を出すのは
控えた方がいい。
きつい言い方をしたが悪意はない。純粋にそう感じた。小説、物語とは何かってことを
もう少し考えること。あと五年くらい修行すればものになるかも。

215211=212:2004/06/28(月) 02:48
>文章短く区切った方がいいと思う。長い一文が必要なわけでもないし、
そもそもテンポよく上から下に繋がってない。

確かに長くてクドい_l ̄l○なんで自分で気づかんかなあ。

>> 紐でくくられた「く」の字に見えないことも無い、巨大な何か

ぶっちゃけると大鎌を背負ってるんです。くの字って表現は気に入ってるんだけどなあ_l ̄l○

やっぱ他人に読んでもらうべきですね。言われたところ見直したら言ってることよくわかりまふ。

216新人賞スレ869:2004/06/28(月) 02:50
誘導した責任上、俺も。

基本的には213の意見と同じ。
ただし「くの字」はセリフでなくて描写なので俺的には許可。
「BAR」は現実世界との接点があるという条件付きで許可。
とりあえず視点を固定して、ひとつひとつのセンテンスを短くしたら
読みやすくなるんじゃないかな。

ただ、残念だけど、この部分から予想される物語に
魅力や意外性を感じないな。
まあ、それは好みの範疇なので、どうでもいいけど。

素人意見なので、あまり気にしないでくれ。

217イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/28(月) 02:57
>>209

「僕」という単語が出てくるのが遅すぎです。おかげで、非常に読みにくい。状況が掴みにくい。
もっとはやく、一人称であるということを表明させてください。


>>211,212

描写がありません。修行してください。
自分の経験から言いますが、一年修行すれば説明の羅列から描写できるようになります。


>焼けつくような、それでいて湿気を伴い、ジメジメとした暑さ。

身体感覚を使って暑さ、湿度を表現してください。それが一番伝わりやすい。


>たかだか二十分にかれこれ、と付けるのは、本来適切ではないだろうが、この気温で二十分も外を歩き回るほうがどうかしているのであった。

と書いてるわりには、彼に疲れた様子が見えません。
疲れない人であるなら、疲れない人(特殊な人)であるとまず先に書いてください。


>どんなに褒めても、新しいとはいえそうにもない、レンガ造りの建物。

ここもそう。どこがどう古いんですか?


>ギイ、と酒場のドアが開く。中はかなりの広さだった。四人がけの丸テーブルが四十ほど配置されており、昼間だというのに、席の空きはほぼ無いように見えた。
テーブルについているのは、殆ど男で、これ見よがしに腕に力瘤を作り、テーブルの仲間と大きさを比べていたり、大声であまり上品とは言えないような笑い方で周りから顰蹙を買っていたり、尻に自分の手のひらを滑らせ、怒るウェイトレス茶化していたりと、おおよそ堅気とは思えない客が、大多数を占めていた。
ドアの音で、さっきまでガヤガヤとくっちゃべっていた客が一斉に彼を見やった。
かと思った次の瞬間には、再び自分たちの話を始めていた。
数人ではあったが、彼の異様な風貌に目を奪われた者もいた。
漆黒のローブ。しかも、彼が着るには、サイズが大きいように感じられる。フードがついており、それを目深にかぶっている。背中には、背中から離れないよう、紐でくくられた「く」の字に見えないことも無い、巨大な何か。布で包まれており、それがなんであるか見抜けるものはいなかった。


まったく喧騒が聞こえません。書き順がまずおかしい。喧騒と男たちの様子から書かないと。酒場に入った男に合わせて、酒場のことを伝えようとしているのですから。

彼自身の耳にどのように喧騒が響いたかを書くと、騒がしさも伝わるでしょうか。

それから、彼の風貌ですが……出し方が不自然です。もっと前に出したほうがまだいいのでは。

218イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/28(月) 03:05
同じ表現が多い。(特に国は削ろう)
全体的にくどい。

細かいところだと、
暑苦しさ→息苦しさ
場末の酒場→他の表現

折角暑さを細かく描写してるのに、彼が「気温」で参ってるのは勿体無い。
あと完全に好みの問題ですが、中はともかく、外壁(レンガ)に落書きは・・・。
国の設定的に、普段はボロくても温かみのある酒場のが自然な気がします。

219211=212:2004/06/28(月) 03:13


>>216
>ただ、残念だけど、この部分から予想される物語に魅力や意外性を感じないな。

個人的にこれは非っ常に納得できます。自覚してる時点で(ry

>>217
>描写がありません。修行してください。

はい_l ̄l○付け焼き刃で書いた文章は他人に読まれるとボロしかでませんね(´ρ`)

>>214
>そもそも異世界モノ書くのはかなり高い能力が必要。そうおいそれと手を出すのは
控えた方がいい。

実力・・・。まったく無いですね。ゼロじゃなく下手したらマイナs(ry
処女作と呼べるものもまだ無く。頑張りまふ。

人から指摘されまくるのは気持ちいいもんですね。
また晒すかもしれませんが、ヒマならみてやってください_l ̄l○オネガイ

220イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/28(月) 03:22
>211-212さん
殆ど意見は出尽くしているようですが、私からも一つ。

>落書きで埋められた外壁があまり品いい店でないことを体現していた。
(中略)
>数人ではあったが、彼の異様な風貌に目を奪われた者もいた。
ここの部分、文末が連続して「〜た」となっています。
出来れば、「〜している」等に変えるなどして、工夫された方がいいかと思います。

221イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/28(月) 13:38
>>204
ライトな方向としては悪くないとは思うよ。
楽しげな、元気のいい雰囲気はある。
でも、もちろんこの後の続きしだいだが。
ちょっと話がベタな匂いがするかな。

>>209
なかなかポエム的な雰囲気があっていい出だしだと思う。
あんまり短すぎるから何とも言えないが、続きを読みたくなる文章ではあるね。

>>211
ちょっと、外国の小説を日本語訳したような文章だね。
読みにくさがあるな。
もう少し、地の文を簡潔にして、テンポをよくすること。
後、文章に雰囲気がないね。ただ情景を説明しているだけ。この文だけでは、どんな作風の話か判断つかない。
もっと、インパクトのあるOPを考えなくちゃ。

222イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/28(月) 14:18
>>204に対して、現実から乖離してるっていう批判は無意味だろw
この世界はこの世界で、破綻なく成立してると思う。
でも、小学生の台詞が妙に老けて見えるのはいくないと思う。

223イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/28(月) 15:42
>>211
五感の、視覚以外の部分にも気をつけましょう
たとえば暑さに関してですが

>焼けつくような
ここで読者は、強い日差しの、ひりひりとする乾いた暑さを連想するのではないかと思われます。が
>それでいて湿気を伴い
次のこの描写で、その乾燥した感じを否定してしまいます。

また、その暑い中で、主人公はローブにフードという格好。これがもしキャラ付けなら、
ならば主人公が町を歩いている間の
>たかだか二十分にかれこれ、と付けるのは〜
の描写は不要です。
また、町の人たちはそんな主人公に不審の目を向けるはずですから、容姿の描写は
ここに持って来ることができるはずです。

蒸し暑い昼間、バーの中が蒸し暑い男たちでほぼ満室なら、さらに蒸し暑くなります。
その状況で客たちがその場所に居座る理由はありません。
つまり、蒸し暑い昼間に満室のバー、という状況がありえません。
どうしてもその状況を作り出したいなら、バーを地下などの涼しい場所に置いて、
男たちが涼を取りに来ているのだ、ということにするしかないでしょう

視点というのは読者視点でもあるので、そのことを踏まえてご注意を

224イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/28(月) 16:10
”焼けつくような〜湿気をともない”っておかしいか?
そういう夏の日もよくある気がする。

225138:2004/06/28(月) 16:45
>>204
名無しで書き込もうかとも考えたけれど、さんざいろいろ発言した立場上、ね。
まずは苦言1。これは改稿したりしたのかな? 毎回異なるシーンを見せられても、はたしてそれが意見をくみ取って手を加えたものか、それとも、もとから書いているものをそのままあげているのかわからない。
苦言2。小学生パンツ発情それ自体についてはもうなにも言うまい。たださ、見えそで見えないからからこそ妄想する余地もあるのではないか、とパンツを見ることばかりに熱を上げるフッくんにわたしは問いたい。

ちーちゃんがずいぶん老成してみえるね。
でも、フッくんの表面的な性格とのバランスを考えればこれくらいでもいいかもしれない。しかし、そうなると119での印象とかなり差がある。苦言1の通りなんの変更も加えていないのであれば性格設計ができてないということでは。

> 蜂の巣をつついた
安易に慣用句を用いるより、具体的な描写で書いたほうがいい。

> 小等部は
これは初等部が正しいんじゃないのかな?

> 事情はあまり変わらなかった
このばあいは事情ではなくて事態とか状況とかでしょう。

> 学び舎たる学園
二重表現。

> あまり豊かではない懐具合ではあったけれど
こういうのは具体的に書いたほうがいい。たとえば「残り二週間を1000円でやりくりしなければならなかったが」みたいな感じで。

> あんな年増、やっぱりあのオバン
ちーちゃんの路線はあくまでかわいいということなら、この言葉づかいはきつすぎるように思える。嫉妬してるんだろうけど性根まで老けてみえる。こういう発言をするちーちゃんのほうがよっぽどオバサン。いじらしさがほしい。

226イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/28(月) 17:35
>>224
>そういう夏の日
223じゃないが・・・日本ならあるだろうなぁ。

文章的にどうなのかはさて置き、
気候や地理的な要素と文化は、それぞれ密接に結びついて発達してる。

”焼けつくような〜湿気をともない”と肥沃な大地と恵まれた水源。
上記にあてはまり、なおかつ設定のような世界観が発達する、周辺を含めた国の配置と地形を考えみて欲しい。
自分は違和感があると思う。
気にならないなら、変なこと言ってるヤツがいるってことでスルーしちゃって下さい。

227226:2004/06/28(月) 17:40
あ、局地的な設定があるなら話は別。
この場合書いてないから↑みたいな話出したんだけど・・・。

228イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/28(月) 17:45
納得。確かに、作中のヨーロッパorメリケン的な世界観とは矛盾してるね。
横レスごめん。

229119です:2004/06/28(月) 20:34
では今度は批評したくれて一人一人にお礼を。
>206・208
そんな膝をつくほど呆れることを書いているでしょうか? 自覚できません。
>207
まだ日常レベルの出来事を書いているつもりなんですが、
そうは見えないということでしょうか。人間が描けてない?
>221
たしかにベタですね。でも作者が教養をひけらかすような作品より、
煩悩というかバカ丸出しというか、コイツはこんなのをオナペット
にしてんだなへーみたいな作品のほうが好きなんです自分は。
楽しげな、元気のいいとは、うれしい誉め言葉です。
>222
小学生のセリフが老けてみえる…これは自分も感じていました。
ただ、ちーちゃんは普段はお子様そのものだけれど、
フブキの浮気とかいう事態になると「女」としての部分が
急に前面に出てくるという子のつもりです。
>225
枚数の問題もありますので、すべての指摘された部分を、
その通りに書き直すのは難しいとは思いますが、
せっかくのアドバイスですので、なるべくそれに沿うように書いてみます。
改稿はやっています。ここでの意見も取り入れているつもりですが。
私の中では、キャラの性格や行動は理屈が通っているのですけど、
それが他人には理解しにくいのは問題でしょうね。
部分部分を見せているせいもあるのでしょうけど。
最後にフッくんが真面目なところを見せて3人仲良くなりますが、
そうなる過程を書くのにページが足りない気がする。
冒頭のスカートめくりは削るべきかなあ。

230イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/28(月) 22:51
>私の中では、キャラの性格や行動は理屈が通っているのですけど、
それが他人には理解しにくいのは問題でしょうね。

理解させ、共感させるのが小説です。

>最後にフッくんが真面目なところを見せて3人仲良くなりますが、
そうなる過程を書くのにページが足りない気がする。
冒頭のスカートめくりは削るべきかなあ。

知るか

231イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/28(月) 23:22
>では今度は批評したくれて一人一人にお礼を。

お礼って一言も言ってない気がする香具師俺だけか。

232イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/29(火) 02:26
ここは、なかなか手厳しいインターネットですね。(w

233イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/29(火) 02:49
>>229
もうね…。

234イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/29(火) 03:02
>>229
自分でにやにやしたいだけの小説を書きたいならなんもいわんけどさ。
まがりなりにも君は人を楽しませようとして小説を書いているんだよな?
だったらこれまで自分についたレスの意味を考えろ。
君の文章を読んで腰が砕けたような印象をもった人もいるんだよ。
まずそれを認めろ。
自覚できないなんて返答はありえない。
なぜその人がそういう印象をもったのか考えてみろよ。
じゃなきゃなにも変わらんぞ。小手先の技術なんて練習すればいくらでもうまくなるけど、そういうメンタルな部分はけっこうどうにもならなかったりするからな。
ここまでの流れをざっと見てきたけど、君に一番必要なのはそこだ。
他人の意見を受け入れることと、楽しませようとするサービス精神ね。
俺が教えられる最善の策は、まずいままで書いたものを全部データごと消すこと。それで、一ヶ月なりある程度の期間をおいて頭を冷やして書き直してみること。その時には全然ちがう小説になってると思うよ。

235イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/29(火) 11:59
>>229
万年一次落ちな奴って、自分の文章を貶されるとクドクド自己防衛したがるもんだよな〜
感想に対して「ここはこれでいいんです」「きっとこうなんです」って理論武装してそれがさも正しいように言い、都合が悪くなると「僕なりの考え方です」「個性です。違って見えるのは当たり前です」と開き直る、と。
個性。僕なりの考え方。うん、素晴らしい理屈ですねー。
これを口にすれば、どんな程度の低いモノでもオンリーワンに早変わり!
・・・まー、下読みから見れば速攻ゴミ箱突っ込むレベルのままなワケだが。

とりあえず、感想に対して言い訳している時点で終わってると思うぞ。
>>119の意見全てが小説の中だけで伝わっていない時点で、それは既に小説として失敗してる。
理解してくれない読み手が悪い、なんて言うのであれば今すぐ新人賞用の小説書くのやめたほうがいい。
全部無駄だろうから。

ちなみに・・・ネタとしてなら中々に上等だ。
つうかネタだよな?

236イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/29(火) 16:06
真面目な話、失礼ですが>>119さんはおいくつでらっしゃいますか?
年齢によっては、ここのスレ住民の評価も多少変わってくるかと…。
(勿論、新人賞などでの下読みさんによる評価などとは違うので、
可能なことですが)

237イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/29(火) 16:25
いや、マジ失礼だと思う。
匿名掲示板に土俗的因習を持ち込むのはやめようや。

238鶴田:2004/06/29(火) 18:31
>>203
レスありがとうございます。
子供のくせに大人びた言葉遣いをする子供が好きだ、というのがあるんですよね。名探偵コナンみたいな(あれは中身は高校生ですが)。
なので、「大人と大人びた子供との会話」とか「大人びた子供同士の会話」とか、そういうシーンをコミカルに書けたらいいかなと思っています。
問題は違和感が我慢できるものなのかできないものなのかという部分ですよね。これに関しては、どうも自分では判断できません。
できればその点に関しても意見を下さると幸いです。
我慢できないとか。
我慢できないが、特定条件下(例えばそういう子供に成長した理由を挿入する)でのみ許すとか。
それによって方針を変更するかどうか検討したいです。細かな要望でもうしわけありませんが、ぜひお願いします。

239203:2004/06/29(火) 19:49
結論から言うと
特定条件下(例えばそういう子供に成長した理由を挿入する)だと違和感は緩和できると。
この文の場合、そういう説明だとか設定が(あるとしても)わかんなかったんで。
事前に大人びた口調をする理由の説明があれば・・・と思ったんですが、あったらあったで
その文に違和感を感じるかも。

240イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/29(火) 19:53
たとえば、自分の文章に批判的な感想をもらったとして、
それがただの負け惜しみではなく、どうしても納得できかねる場合、
どういう態度をとるのが大人なのだろう?

241イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/29(火) 19:57
>>240
口では「ああ、そうですねー」とか言っといて、心の中で唾を吐く

242イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/29(火) 20:00
いや、やっぱ表には出したらあかん。

243イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/29(火) 21:11
黙っておくことができなければ、批判を受けた部分について
自分の意図を書くことはわるいことではないだろう。
読み手に誠意があれば、さらにそれに対しての意見を述べる。
どちらも相手に対しての礼儀を忘れずにいれば、どこかしら
話は落ち着くはず。
ただ、掲示板でこうしたやりとりはむずかしいだろうなと思
う。両者が納得できる結論ではなく、妥協で終わるかことが
多いだろう。
プロであれば黙って次の作品を書くしかない。

244無名人:2004/06/30(水) 00:09
新たに書き直しましたので、批評をお願いいたします。登場人物の描写も
多少入っています。

プロローグ
破滅は、突然にやって来た。
死者が甦って生きている人間を食い殺し、犠牲者も同じ怪物となる異常現象が、
世界規模で発生したのである。
マスコミはこぞってこの怪事件を取り上げ、怪物を有名なホラー映画に出てくる
化け物より“ゾンビ”又は“リビング・デッド”と名付けた。
当初、人々は“その内に居なくなるだろう”と楽観的に構えていた。ゾンビの動作が
緩慢で容易に逃げられた事と、映画同様、弱点が頭と分かっていたからであろう。
だが、人々が油断しているうちにゾンビはその数を着々と増やし続け、発生より
一ヵ月後には天文学的数字にまで膨れ上がっていた。
急激に悪化していく状況に、人はようやく事の重大さに気付いたが、その時には
総ては手遅れとなっていた。
恐怖が燎原の火の如く全世界に広がり、暴動・略奪。殺戮の嵐が荒れ狂った。
しかし、そんな狂乱の宴もやがてゾンビの海に呑み込まれ、わずか二年程で
地球上ほとんどの地域はゾンビに制圧された。
そして八年の時が過ぎた…。

第一部
真夏の日差しが路面に照り付け、陽炎がゆらゆらと立ち昇っている。
陽炎の向こうには、錆び付いて動かなくなった乗用車の群れと、雑草の生えた
路上に横たわるしゃれこうべが見えた。
風が吹くたびに、路上を紙幣や雑誌の切れ端が舞い上がり、世界的に有名だった
大型テーマパークのエントランスホールへと吹き散らかされて行く。
この地を覆う命の気配が微塵も感じられない静寂を、どこからともなく聞こえて来た
ヘリコプターのローター音が破った。
音は次第に大きくなり、やがてAH−64アパッチ攻撃ヘリ五機と、
UH−60ブラックホークヘリ六機の計十一機が、爆音と共にその雄姿を現わした。
音に反応して、パークのゲートからネズミを模したマスコットキャラの帽子を
かぶった男が、緩慢な動作で陽光の下に現れた。
無残にえぐれた顎と、白いシャツにこびり付く黒く乾いた血。ゾンビだ!
生ける屍は、生気のない眼で上空を通り過ぎるヘリ部隊を見上げた。
一人目に続いて、パーク内部から、焼け焦げた駅ビルから、
駐車場に放置された乗用車の中から、続々とゾンビたちがエントランスに集結する。
学校の制服を着た中高生。エプロン姿の主婦。和服の老人。サラリーマン。
犬や猫などの動物達…。
様々な服装・年代のゾンビたちは、パークのシンボルである青いトンガリ屋根の
城の上空を通り過ぎて東京港方面へと消えてゆくヘリ部隊へ向けて手を上げた。
そして、鬨の声を上げる軍勢のように、低く、しかし周囲を圧する不気味な呻き声を
上げ、ゆっくりと死の行進を開始したのであった。

十八歳になったばかりの山本宏樹は、支給されたM−16A2自動小銃を抱きかかえながら、
ブラックホークの機内より眼下を流れる街の光景を食い入るように眺めていた。
顔は緊張で強ばり、手は銃を強く握り締めて少し震えていた。
「お前、実戦は初めてか?」
宏樹の真正面にいる、M−14ライフルを肩に立てかけて乾パンを食べていた二十八歳の
白人兵士、ヘンドリック・ゴードン伍長が話し掛けてきた。
「え? は・はい!」
いきなり声をかけられた宏樹は、慌てて答えた。
「怖いか?」
「い・いいえ。これはむ・武者震いです!」
しどろもどろに答える宏樹に、伍長はニヤリと笑って言った。
「無理しなくていい。俺も実戦に初めて出た時は、同じように緊張したものさ」
「そ・そうなんですか?」
「ああ。心配するな、まずは俺たちの後ろについて、今までの訓練通りに行動することだ。
分からない事があれば遠慮なく聞け」
そう言って伍長は、持っている乾パンの缶を、宏樹に差し出す。
「は・はい。ありがとうございます!」
 宏樹は礼を言うと、乾パンを一枚受け取って口に入れた。頬張りながら機内を見回すと、
見知った面々の姿が目に入った。
射撃の腕はピカ一の坂井隆康は、ベレッタM−93R自動拳銃の弾倉を装填してスライド
を引いた。
方向感覚が抜群で地図を読むのが得意な豊田隆は、目を閉じて壁に背を預けていた。
読書少女にして爆発物のエキスパートである源田由紀子は、持ってきた小説を
熱心に読み込んでいた。
そして、宏樹と最も親しい古賀美里は、宏樹と同じように外の光景を眺めていた。
美里が宏樹の視線に気付いて微笑みながら親指を上げると、宏樹も笑いを返して親指を上げる。
「あと十五分だ!」
ヘリの轟音をも圧する程の大声を張り上げたのは、軍曹の階級章を付けた五十前の白人の男、
宏樹が所属する小隊の隊長であるライズ・アーメイだった。

245イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/30(水) 00:30
>>244
やたら突っ込むけど、スマソ。

バイオハザード&ブラックホーク・ダウン?

ゾンビが二年で地球制圧は、納得いかない。
ウィルスとか、宇宙人とかなら、まだ分かるけど。

あと、八年って長すぎない?

246イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/30(水) 03:14
>>244
冒頭の部分は説明ではなく描写で説明したほうがいいかなあと思った。このままだと堅苦しい感じ。
ゾンビが増えていく速度は、なんかまあどのゾンビ映画でも早いから、2年という数字に違和感は感じない。俺はね。
ただ、8年後ということであれば子供だろうとなんだろうとゾンビに襲われたことぐらいあるんじゃねえ?実戦は初めて、というのがなんかうさんくさいきがする。逃げることとたたかうことはちがう。とかいわれりゃそれまでだが。
登場人物については、主人公と隊長とゴードン以外あまりイメージがわかなかった。年齢とか書いてないからだと思う。
いちいちこいつは何才だ、こいつは何才だなんていう必要はないけど、イメージを喚起する描写がほしいやね。
あとは舞台かな。日本かと思ったら外国のヘリがばしばし飛んでるし、主人公が外国人とも平気で会話してるのがひっかかった。全員が全員セイン・カミュみたいなご都合主義というか、そういう違和感があるなあ。米軍基地の兵士と日本の子供たちの共同戦線てことなんか?

247イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/30(水) 03:46
>>240
オナニーをすることぐらいじゃない?

248イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/30(水) 13:12
俺はこの作品を書店で見かけたら、冒頭だけ読んで間違いなく買う。
非常に”分かっている”人間が書いたゾンビ小説だと思う。
ディズニーランド・ゾンビ素敵。生前の習性から、房総の民が続々集結してるわけだな。
ただ、冒頭でこれだけ期待を持たせてしまったら、期待を裏切らないように書くのが大変かも。
”ディズニーランドで銃撃戦”を越えるものが作中に出てこなければ、恐らく読者は(俺は)失望する。

プロローグはダメだと思う。文章がやたらぎこちないし、説明に終始してしまっている。
別になくても話は通じるし、本当に必要なパートなんだろうかと首を捻ってしまった。

第一部について。
前も指摘されてたけど、描写ではなく言葉で説明してしまっている箇所が気になった。
「宏樹と最も親しい古賀美里は」なんて書いちゃいけない。描写で表現すべき。
その後の親指を立て合うシーンも、意味があまりない。ちょっと弱いと思う。

249248:2004/06/30(水) 13:12
ゴメン、無名人へのレスです。

250イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/30(水) 17:10
>>244
なんか説明的過ぎる気がした。疲れる。

>射撃の腕はピカ一の坂井隆康は、ベレッタM−93R自動拳銃の弾倉を装填してスライド
を引いた。
方向感覚が抜群で地図を読むのが得意な豊田隆は、目を閉じて壁に背を預けていた。
読書少女にして爆発物のエキスパートである源田由紀子は、持ってきた小説を
熱心に読み込んでいた。
そして、宏樹と最も親しい古賀美里は、宏樹と同じように外の光景を眺めていた。

ここね。今ここでヘリに乗ってる乗組員の名前は出すべき・・・なんだろうか。
もっと後でもよさそうな気が。と、思った。
素人意見なんで参考程度に。

251イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/30(水) 17:37
私感を。

プロローグ:
 頑張ってください。

廃墟シーン:
 不要な長文を崩し読みやすくしたのは好印象。
ちょっとぎこちない所もあるけど、まあいいんでないかな。

ヘリ内部シーン:
 伍長とのやり取りの後、宏樹が順繰りに見ていくという形でキャラ紹介に入る、という
形は良。工夫していると思う。で、提案なんだけど、どうせやるなら、もうちょっと徹底
して外見的特徴も少し加えたらどうかと。

例えば、
>射撃の腕はピカ一の坂井隆康は、ベレッタM−93R自動拳銃の弾倉を装填してスライドを引いた。

この坂井が、例えば「20代後半の男性。大柄」という特徴があるとして例えば。

・射撃の腕はピカ一の坂井隆康は、大柄の身体を丸めるようにしてベレッタM−93R自動拳銃の弾倉を装填し、スライドを引いていた。どこか満足できないのか、20代後半という歳に不相応な無精髭を撫でつけてはしきりに首を捻っている。

 という具合にやっていけば、外見の特徴も混ぜ込める。四人分やるとちょっと長くなるけど、長編なら許容範囲かと。

 そんなところです。

252イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/30(水) 17:41
>>244
うまいね。バイオハザード好きにはうけるかも。
ただ一般向けならともかく、ラノベならゾンビ出した段階で凄腕ガンマンでもとっとと特攻させて撃ちまくるべし。
説明ばかりだと読者が飽きる。

253イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/30(水) 17:52
>>251
外見的特徴をいきなり描き込んでも、読まされてる感がするだけでは。
むしろ、単なる顔見せ程度で流してた>>244の方が正しいと思う。

全く書かないのも寂しいし、ちょっとでも書きすぎるとうざったくなってしまう。
どんなメンバーがいるのかを匂わせる程度なら、
「チームには男性がx人、女性がx人。」と銘打った上で、
それぞれの特殊技能を羅列していくというやり方もありかも。

254イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/30(水) 18:00
伍長以外のキャラも、会話しながら紹介した方が読みやすい気がする。

255イラストで騙す予定の名無しさん:2004/06/30(水) 18:09
プロローグの内容を、キャラ同士の会話で描き出すという手もありだな。
それこそ、読書好きの源田由紀子にダンテを引用させることもできるし。

256251:2004/06/30(水) 21:16
>>253
 いや、ここは敢えて「読まされている」でいいと思うんだわ。
 形式からして読者にも「ああ、キャラを紹介したいんだな」とわかるんで、そこは
割り切って読んでくれるかと。
 むしろ気になったのは外見描写がなかった点で、これだと作者が想定するイメージと
読者の想定するイメージにズレが出てしまい、後で読者にイメージ変更させる必要が生
じてしまう。せっかく「今、目の前で見ている」シーンなんだから、多少わざとらしくて
も、ここで書いておいた方がいいかと思う。

 ただまあ、これは「三十男だと思ったら実は十代かよ!」とか感じさせないための
方法なんで、確かに「くどい」と感じるなら不要かもしれない。
 ……うーん、好みの問題かな?

257イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/01(木) 01:56
 ズガガガ……
 機関銃のけたたましい音が、もう三分ほど僕の耳元で鳴り続けている。
 映画なんかで聞くよりも、リアルで、恐怖を感じさせられる。当たり前だが。
僕は腰が抜け、その場にうずくまることしかできない。
目に涙がたまり、上顎と下顎が凄まじい速さで触れ合っては離れ、ガチガチと音を立てる。
その勢いは、隣のマシンガンにも負けていないと思った。
隣で、口をとんがらせながら機銃の操作をしている男・・・・・・門倉灰次の瞳はサングラスに隠されていて、見ることができない。
しかし、僕のいきつけの店のウェイターであるはずの彼が、どうして町外れの廃工場で、
機銃を乱射しているのか。
 今、目の前の風景が、一番信じられなかった。



爆弾投下してみる。ちなみに冒頭。
穴ありまくりだと思うから存分に指摘してくれ。んじゃ寝る。

258イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/01(木) 02:16
なんか怯えてるように思えるが、妙に冷静だな。

259イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/01(木) 02:21
>>258
んげ。この後の文で「何で自分はこんな状況なのに頭の中は冷静なんだろう?」
的な文が出る。これほんと。いやマジで。

260イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/01(木) 02:22
↑は>>257ね。連カキスマソ

261イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/01(木) 02:23
もとい

↑は>>257ね。連カキスマソ
じゃなく
↑は257ね。連カキスマソ
ね。3連カキs(ry      ほんとに寝ます。

262246:2004/07/01(木) 02:38
>>256
おれも同意見。豊田なんか子供か大人かすらわからんしな。
説明するなら説明はほしいが、描写で記述していったほうがいいと思う。逆に説明なしなら書かないほうがいいと思う。主人公と一部の人物だけ書いて、あとはその他大勢ですませてしまってもいいかもしれない。好みの問題にはちがいないが、どっちつかずだけは避けてくれ。

>>257
音だけじゃなく衝撃とかでマシンガンの迫力を表現するのもありかなと思た。
あと気になったのは3分間耳元でマシンガンの轟音を聞き続けた人間が正常な聴力をたもっていられるかどうかだな。すこしは麻痺したりするんでない?それを考えにいれれば、他にも主人公がとりそうな行動が増えると思う。逃げる。耳をふさぐ。「もうやめてくれ」と叫ぶ。とかな。

263イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/01(木) 02:44
>今、目の前の風景が、一番信じられなかった。
ここ意味がわからん。
強調を用いなくとも、”目の前の風景が信じられない”で事足りるんじゃないか?

264イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/01(木) 02:47
>>262
昔の機関銃はとんでもないくらい音がデカかったらしい。
耳元で3分も撃たれたら、すこしどころか、永遠に聞こえなくなる可能性もあるぞ。

265イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/01(木) 03:15
素人意見だけど「リアル」と「信じられなかった」に違和感。
色々気になったので、自分の練習がてら書いてみた。
よろしければ他の方も突っ込みお願いします。

もう三分程になるだろうか。
機関銃のけたたましい音が、僕の耳元で断続的に鳴り続けている。
強烈な振動と火薬の香りに、これは映画等では無く、リアルなのだという恐怖を感じさせられる。
すっかり腰が抜けた僕は、情けないことにその場で耳を塞ぎ蹲る事しか出来ない。
目には涙が溜まり、上顎と下顎が凄まじい速さで触れ合っては離れ、硬質な音を発する。
その勢いは、隣で暴れ続けるマシンガンにも引けを取らない。
先程から口を尖らせ、機関銃を操る男……名を門倉灰次という。
行きつけの店のウェイターであるはずの彼が、なぜ町外れの廃工場で銃を乱射しているのか。
僕は目の前の光景を信じたくなかった。

266265:2004/07/01(木) 03:21
行きつけの店のウェイターであるはずの彼が、何故、町外れの廃工場にいるのか。
何故、銃を乱射しているのか。

あー、訂正。ここ分解で。

267257:2004/07/01(木) 08:37
>>262
確かに。
>>263
こっちも確かに。ちょっと手直ししてまた晒してみるかな。

268257:2004/07/01(木) 21:51
 ズガガガ……
 機関銃のけたたましい音が、僕の耳元で鳴り続けている。
 映画なんかで聞くよりも、リアルで、そこにある恐怖を否応無しに突きつけられる。
僕は腰が抜け、その場にうずくまることしかできない。
目には涙がたまり、上顎と下顎が凄まじい速さで触れては離れ、激しい音を立てる。
その勢いは、隣のマシンガンにも負けていないなと思った。
隣で、口を尖らせながら機銃の操作をしている男……門倉灰次の瞳はサングラスに隠れていて、見ることができない。
僕のいきつけの喫茶店「茶房 跳梁跋扈」のウェイターであるはずの彼が、どうして町外れの廃工場で、機銃を乱射しているのか。
僕がその理由を知ることになるのは、この長い夜が終わった後だ。
 目の前の風景が現実感を伴っていないのがわかる。
 まるで、夢の中の出来事であるかのように。
 しかし、耳元の轟音は、これは現実なのだと、僕に言い聞かせているようでもあった。
少し時間がかかるけど、こんな事になったいきさつを話させてもらってもいいだろうか。
 信じてもらえないかもしれないけど。


テメーあんま変わってねえじゃねえかとか、改良じゃなくて改悪になってんだよタコとか
いろいろ言いたい事はあるでしょうけど、晒しときます。

ああっ石投げないで。

269イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/01(木) 22:03
死に腐ってた文章に命が吹き込まれてるよ。だいぶよくなった。
ただ、まだちょいとぎこちない。

マシンガンの速射力を震える歯の根と比較してるのは、
緊迫感のあるシーンを台無しにしてるのでやらない方がいい。
”その勢いは〜”の部分ね。

それから、長い夜についての”僕”のコメントをもう少し聞きたい。
これは読者として非常に興味がある点なので。

次のシーンへの引きにしては、最後の一文が弱い。そんな感じ。

270257:2004/07/01(木) 22:56
>>269
素早いレスどうもです。

>僕のいきつけの喫茶店「茶房 跳梁跋扈」

とか、説明的で違和感とかはないですかね・・・。個人的に店の名前はここでは出すべきじゃないのかな、と
思っていたり思っていなかったりするんですが。なんかあまりにも具体的で。

271イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/01(木) 23:02
俺は別に引っかかりを感じなかった。
いかにも小説的で、それがかえっていい感じなんでは。

272パクリっぽいところはあとで修正。:2004/07/02(金) 00:37
午前の授業も終わり、アキノは一級河川沿いのあの屑鉄置き場に向かった。
訳の分からない女子高生が、屑鉄を拾って小銭を稼いでいると噂の、あの屑鉄置き場だ。
案の定、今日もシノイモモは新台高校の制服のまま大八車を駆使して屑鉄を集めていた。
『学校サボって、なにやってんだか』
まだ距離があるせいか、アキノが来たのをシノイはまだ気付いていない。
ランドセル代わりのデイパックを彼女が雨宿りに使っている廃バスの中に放り投げて、
廃材と産廃のど真ん中に佇む彼女の方に歩いていった。酷暑の陽炎の中で彼女は揺れていた。
シノイは満面の笑みでアキニに手を振った。なぜか一昔の前の広島の帽子を被っている。
「今日は良いもの見付けたよ。」
「まさか、その帽子?」
「違う、違う、私、日ハムのファンだし」
彼女はスカートのポケットから、未開封のアンプルを取り出した。
「非道いよねぇ。医療品だよ、これは。こういうのを棄てるときは許可とらないといけないんだよ。ぜったい、不法投棄だなぁ。」
瓶の中身は、どろどろのぶつぶつの緑色だった。
「……でも、きれいかも」
シノイはバカっぽいしぐさと表情で、アンプルを天高く掲げ、中身を太陽光に透かして、どろどろの緑色を観察した。
「そんなグロい塊のどこかが綺麗なんだか。」
「…………」
「……ねぇ、いつまで続けるの? そういえばご飯食べた?」
「……何か買ってこようか? 何か食べたいものある、男子小学生。」
アキノは「カロリーメイトとミネラルウォーター」と答えた。
シノイは満面の笑みで「ダブルハンバーグカレーチキン弁当とコーラね」と返した。
「沢山食べて、沢山遊ばない小学生は、陰湿で険悪で陰険な中学生になっちゃうぞ。」とバカみたいな声で笑った。
こいつが高校二年生で自分が小学校六年生だということを考量すると、賢明さは年の差は比例するわけないと思った。
広島の帽子を残して大八車に乗せられた屑鉄の上に残して、シノイはコンビニへと走っていった。

273パクリっぽいところはあとで修正。:2004/07/02(金) 00:39

「レモンスカッシュなんて買ってくるなよ、すっぽいものは苦手なんだ」
シノイからレモンスカッシュを受け取ってから飲もうか飲まないか悩んだ。
激辛カレーのせいで、舌や咽がひりひりする。酷暑で水分を奪われた身体も新鮮な水を欲している……
結局、一口だけ飲み下しす。

ん? もしかしたら、おいしいかも……

そうそうと食事をすまして、黙々と大八車に屑鉄を積み込み始めていたシノイは急に僕をちらりと見て、ニヤリと笑った。
不安を感じた僕はジュースの中身を地面にぶちまけた。
飲み口から勢いよく流れ出した白色半透明の液体は地面に黒い染みを作り出していった。
しばらくすると緑色の粘液が缶から垂れてきた。
『やっぱり。』
シノイのニヤリ具合が絶頂に近づく。
「医療品であるから少量は大丈夫なはずですッス」
「ぜったいに、なんか、放置されているあいだにおかしい反応しちゃってるよ……」
早くもお腹が痛くなってきた。
「いやっ、セ・ン・ハ・゚イ、そんなこと言わず、グィッ気合いで頑張ってください。」
大腸が締め付けられるような下腹部の痛みが脳天を付く。
「おトイレですか? おトイレ行くんですか?」
「あぁ、教えようかな。ここから2番目に近いトイレ教えようかなぁ」
「でも、なぁ、建設現場の仮設トイレの方が近いかもなぁ」
「どうせなら、アキノは清潔なおトイレが良いかな? 」
怒りが全身に駆けめぐっている間に、いつのまにか腹痛が収まっていた。
「あぁ、でもなぁ、『屑鉄置き場でウロウロしている奴ら』って言われて評判悪いっすよ、わたし」
突然の回復を不審に思う前に、次は怒りの感情がさっぱり消えていった。
次は変なモノを食べてしまったことへの原初的な不快感が消えていく。
そして、感覚が消えていく事への不信感が急速に身体から引いていった。
身体からものを感じるとる能力が煙のように出ていってしまった。
それでも頭の奥は冷水に冷やされて、どこかに涼しい場所に繋がっているような気がした。
“涼しい場所に繋がっている”感覚に次第に身体が侵食されていって、視覚が聴覚が、そして暑さの感覚が薄れていく。
これから僕の中で身体を通じずに、直接、世界と脳味噌が交渉がはじまろうとしている。
その感覚は、千円の中でご飯を食べ、電車賃を出すのが今までの感覚だとすると
今の感覚は一千億円でジャンボジェット機を買い、カジノで豪遊する感覚だ。
自分ではない自分が“涼しい場所”からやって来て自分の中で増殖していく。本来、僕が居るべき場所も彼らに占拠され始めた。
『これがあのタコ野郎の呪いその一だ、まぁどうにかなるから安心しろ、なっ?』と僕の意識の端の方で、さっき現れた大人の自分が呟いた。
やっと視力が戻ってきた時には世界は塗り絵のような輪郭だけをそのままに残して、真っ赤に染まっていた。
まだ午後も少し過ぎただけなのに、世界は夕暮れだった。
シノイが、マイペースマイウェイなあの女が、突然、倒れてしまった僕の周りを必死そうでかつ悲しそうな表情で右往左往していた。
突然、真剣な顔に戻ったシノイは何を勘違いしたいのか、毒林檎の呪いをかけられたアキノを救おうと、アキノを仰向けに直してアキノの頭を膝に乗せて、自分をクチビルをアキノのクチビルにマウス・トゥ・マウスしようとした。
血肉の通った身体から既に抜け出していたアキノの意識も、それでぶっ倒れた。

274272:2004/07/02(金) 00:43
何か微妙に日本語だダフっているけど、よろしくお願いします。

275イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/02(金) 01:37
>>272
・少なからぬ誤字、脱字
・人称の揺れ
 (一人称と三人称の混在など)
・無意味な文章ルールの否定
 (カギカッコの終わりに「。」がついたりつかなかったり)
・固有名詞の使用は細心の注意を。
 (広島の帽子ってサンフレッチェ広島の帽子?)

 投稿の前にはもう一度、きちんと推敲することをお勧めします。

276262:2004/07/02(金) 04:07
>>265
破綻なくまとまってる。
でも自分の作品じゃないせいかひきつけるものがないとも感じる。
268と合わせればちょうどいいかなあと個人的には思った。

>>268
レスされたこと全部守らなきゃいけないってわけじゃないからいいんじゃない?
自分で必要だと思う部分だけをピックアップして改めていけば。
最終的にはセンスの問題だしな。
店の名前については、出したら出したでそれ相応の効果があるし、出さないなら出さないですっきりするような気もする。はっきりいえるのは、自分自身でも悩んでるような中途半端な状態なら出すべきではない。迷いは読者に見抜かれるよ。
長い夜に関しては、269のいうとおり、あと一コメントほしい。でも一行以上はいらない。冗長との境目のぎりぎりのラインだと思う。

>>272
自分でもいってるように、日本語がだふってる。読みづらい。
表現がおかしい。なるべく自分の言葉で書こうとしてるのはつたわってくるし、そこは好感がもてるんだけど、自分の言葉を他人に伝えるのがへたというか。うまくつたわってこないんだよな。
一度、全体をシンプルな日本語に直してみてくれ。鉛筆で下書きして清書するみたいな気持ちで。

277鶴田:2004/07/03(土) 16:50
>>239〜243
うーん、そうですね。
ぐだぐだ考えずにいろいろなパターンを書いてみます。ありがとうございました。

278鶴田:2004/07/03(土) 17:00
>>272
275さんも276さんもいっていることですが、基本的な日本語部分に違和感を覚えます。微妙というレベルでは済まないほどに。そのせいで話の内容が入ってこなくなってしまうというか。
このままだと批評も何もないので、リライトをおすすめします。
シノイのキャラクターは好きなんですけどね……。

279イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/03(土) 17:20
>>272
読書量か執筆量が欠けていると思う。
個性に引っ張られすぎ。自分で文体を切り開くにしてもセンスが感じられない。
だけど、駄目駄目というわけでもない。
センスに頼りすぎているきらいがあるので、もっと先達から学ぶべきかと。

それから、特に気になった部分をピックアップしてみた。
全体的には、説明文が多いのが気になる。

>まだ距離があるせいか、アキノが来たのをシノイはまだ気付いていない。
 気付いたという描写がなければ、気付いてないことになる。
 シノイに作業でもさせておけばいいのでは。

>彼女が雨宿りに使っている廃バスの中に放り投げて
 説明文になってる。シノイについてのエピソードを交えて語って欲しい。

>こいつが高校二年生で自分が小学校六年生だということを考量すると
 これも説明文。

>原初的な不快感
 聞き慣れない言葉に違和感が。

そんな感じ。あとフリクリぱくんな。俺は怒っている。

280無名人:2004/07/03(土) 22:01
皆様のご批評、ありがとうございます。

プロローグは確かに無意味でした“ゾンビの出現より十年後…”とか言った
感じに、一文でまとめます。
登場人物の描写も無理のない範囲できちんと説明できるよう努力いたします

兵器命等を具体的に表すようにいたします。
また、書き直しましたら晒しますので、ご批評をお願いいたします。

最後に、また自分の意図を言い訳いたしますと
○『死霊のえじき』+『ブラックホーク・ダウン』+『ガンパレ』+『ほしのこえ』
○旧自衛隊・在日米軍の混成部隊
以上です。

281イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/03(土) 23:52
>>164です。質問なんですが、次の表現の中でどっちがしっくり来ると思いますか?

>1
男の腕が、少し跳ね上がる。銃身に彫られたレールに沿って、回転しながら銃口から放たれた弾は、狼狽する痩せた男の額に飛び込んでいった。

>2
引き金が、引かれた。

男の額に、小さな赤い点が生まれる。

それとは対照的に、さらに喰い込んでいった、縁の広がった弾丸は後頭部を爆ぜさせた。


あえて違いを言うと、弾が放たれる様子を細かく描写するか、命中した後を描写するかで迷っています。それとも、混ぜる合わせた方がいいのでしょうか?

282イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/04(日) 00:05
連続してすみません…

それは、ライフルと言うよりも“砲”と形容する方が正しかった。
長く伸びた銃身の先に取り付けられた、ハーモニカ型の物体―ガスを後方に噴出させ、衝撃を緩和する―マズルブレーキ。銃を支える穴の空いた銃を支える2脚のバイポッド。通常のライフルの2倍の大きさの斜めにカットされた短い長方形のマガジン。バレッタライフルと言われる、対“戦車”用のものだった。
迷彩の施されたヘルメットを被り、黒色の雨合羽を着込んだ男は、銃を抱えるように構えていた。耳には耳栓のようなイヤホンが付けられ、コードが通信機の付いた腰の部分まで延びていた。機関部の上に取り付けられたスコープを覗く視線は、わずかに土の地面を露呈した、森と森との間に向けられていた。

轟音と共に、ハイポッドが後退して地面を少し抉った。
大きなマズルブレーキからは白いガスが両脇から噴出す。
雨の溜まった水溜りの水が狙撃手とライフルを中心に円形に爆ぜた。

>>187の時に書いた物を、手直してみました。単に手直しのため、登場人物等の会話は削除しています。

283イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/04(日) 00:07
>>282
そういえば、よく先輩達から「こんな文章駄目だ」と駄目押しされるのですが…どうでしょうか?

284257:2004/07/04(日) 12:08
>>282
銃に詳しくないヤツから言わせてもらうとなんか無理矢理説明されてる感が。
銃うんぬんの説明は(やりたい気持ちもわかるが)なくてもいいかも。
もっと抽象的でもいいというか。興味がないやつはわかりづらいと思う

285イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/04(日) 12:11
>>257
でも効果音を使うのは…ちょっと?

286イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/04(日) 14:00
>>281
 どっちもありじゃない? 漏れなら混ぜるけど。

 男の腕が小さく跳ねた。
 銃身に彫られたレールを回転しながら飛び出した弾丸が、狼狽している兵士の額に赤い点を穿つ。
 爆ぜた後頭部から脳漿を飛び散らせ、兵士の身体はゆっくりと地面に崩れ落ちていった。

 ↑漏れが書くならこんな感じ。1を基本に、命中した後の様子も書く。
 漏れ自身はこんな書き方だから1の方がしっくりくるけど、2の書き方をしている作品もみるので
そう違和感はない。2は早いアクション向けかな。
 まあ使い分ければいいかと。

>「こんな文章駄目だ」と駄目押し
 文章自体は先輩たちの真意を聞かないとなんとも。
 一般ノベルやSF系の文体なので、ライトノベルにはやや固い、という意味かもしれないし。
 あるいは所々でちょっとクドい表現があるので、そこを指摘したのかもしれないし。
 そこは微妙なところ。

 漏れ自身が問題を感じたのはむしろ>>164かな。
 全般に静的な「絵」を表現したいばかりに、動的な動きが弱くなっている。
 例えば冒頭1段落目で外から見たヘリ、2段落目は操縦席、3段落目はコックピットの様子で、
 全部動きがない。なもんで、読んでいてかったるく感じさせてしまう。
 >>187あたりを見ていると、まあ問題ないかなとは思うんだけど、ひょっとして画をくどく描きすぎる
 傾向はあるかもしれない。もし自分でもその傾向があると思ったら、若干、動きの方を重視した
 書き方を意識してみるといいかもしれない。

 まあ、そんなところです。

287イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/04(日) 15:25
>>286
ああ、なるほど…参考になります。

288イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/05(月) 03:00
>>281
小説だったら2>2&1混合>1かな。映像だったら真逆。
理由は銃の描写よりもそういう「状況」の描写のほうがスピーディーに見えるから。
1と2に共通していえるのは、最初の一文がいらないこと。
男の腕が、少し跳ね上がる。
引き金が、引かれた。
このふたつをないものとして読んでみてくれ。それでも文意はつたわってこないか?あえて描写しないことで読み手の想像力を喚起するという方法もある。丁寧に説明するばかりが能じゃないということだ。

>>282
銃を支える穴の空いた銃を支える というのはなんかおかしいな。ミス?
マガジンの説明はいらないかな。マズルブレーキとバイポッドだけで十分。
基本的に説明しすぎの感があるので、もっと省くといいよ。
細かいとこでは 黒色の よりは単に 黒い のほうがいい。
先輩たちの件に関しては自分で聞け。ここで聞かれてもわからん。

289288:2004/07/05(月) 03:05
>>285
まあたしかに効果音ってのはいいイメージないんだけどさ。そう頭ごなしに否定するものでもない。きちんと使えば効果はあると思う。固定観念にとらわれるのはよくない。

290イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/05(月) 11:18
>>289
285じゃないが、この場合は使わないほうが・・・。
良い悪いじゃなく、軽くなって合わないと思う。

291イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/05(月) 12:37
この場合は、効果音なくても十分伝わる文と思うぞ。

292イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/05(月) 16:41
>>288
効果音って三人称の時は付けないほうが良いんじゃないかな?どっちか、というと一人称で主人公の思考が曖昧になってるときとかは合うと思うけど?

293288:2004/07/06(火) 03:15
ん?ああすまん。誤解をまねいたか。
これは285が257に対してつけてるレスへのツッコミというか。
257は別にここで効果音を使えといってるわけではないのに285が効果音に関することをいってたからさあ。
おれも別にここで効果音を使えといってるわけではないのよ。285が効果音そのものを否定してるような書き方をしてるように見えたから――うーん、よりわかりづらいか。すまんかった。いいたいのは固定観念にとらわれるなよということです。

294257:2004/07/06(火) 13:04
>>293
ていうか、俺が間違えて名前「257」のまま書き込んで
287が257の俺の文読んだら俺が効果音使ってたからでしょ。

何がいいたいのかわかりづらっ

295イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/06(火) 15:38
>>257
うーん…せっかく一人称なのに、三人称みたいな表現がちょっと…
もうちょっと思考をキレさせた方が良いんじゃないかな?ズガガガってのも、何か微妙。そんな音するかな?
俺だったらこういう風にするな。


天井の高い、廃工場に響く破裂音
既に3分も響くそれは、僕の鼓膜を揺らしに揺らす。そろそろ僕の耳はイカれそうだ。
爆竹?聴覚だけなら、それだけで十分、というよりもそうあってほしい。
だが、視覚は涙が溜まりぼやけた像を送ってくる。
ごてごてした黒光りする、機関銃を構えた門倉灰次の姿を。
瞳を隠すサングラスは発砲音と共に白く点滅するように光っていた。

撃つな、撃つなよ

思考は引き金を引く彼の行為に拒絶を示す。だが、ガチガチと歯は噛み鳴り、唇の震える自分の口からは声が発する事は不可能に近かった。
まあ、最も発砲音に掻き消されてどうせ届かないだろうが。彼の足下には金色に輝く薬莢が転がっていく。それは徐々に金色の海を形成していっていた。

さて、ここで問題。
銃規制の厳しい日本で珍しくも信じられないこの光景。
何故、行きつけの店のウェイターの彼はこんな所で機関銃を乱射しているのでしょう?

「知るかよ…」
僕はうずくまったまま、音と光に支配された廃工場の中で自問自答した。

296イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/08(木) 20:33
>>282
>それは、ライフルと言うよりも“砲”と形容する方が正しかった。

どうでもいいことだが、この書き出しでベルセルクを思い出した(w

297イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/08(木) 21:10
>>296
俺はアリソンを思い出した

298某スレの809@期末試験終了:2004/07/09(金) 18:31
電撃に送った奴で、作家のごはんに上げなかった短編の一つです。
何故か、友人達が高い評価をしてくれてる話です。
「小説の一部」ではなく、短編一つ、全部上げます。


  ドクター

 俺は、帝国大学という大学に通っていた。
 この国では、この学校に入れば「国一番のエリート」と周囲から見られるようになる。
 そういう学校だった。

 その大学に、松村というバカな教授がいた。その教授の話をしたいと思う。



 俺は薬学部の学生で、松村は薬学部の教授だった。
 松村は、研究室で、人類を滅亡させたあの奇病の研究を行っていた。
 この教授は、ありとあらゆる手段を使って、自分自身に奇病が感染してしまう危険がある方法まで使って、この奇病の研究を行っていた。
 そして昨日。教授はようやく、奇病の原因となっていたウィルスを発見した。
「これで、我々はようやくワクチン作りのスタートラインに立てたという事だよ……」
 ウィルスを発見した時、顕微鏡の中でうじゃうじゃ這い回るそいつらを見ながら、教授はそうつぶやいていた。

 俺は、この松村という教授の事を、心の底から尊敬していた。



 その日、俺はいつも通り学校に向かった。
 その頃には、世界の人口の50%がウィルスのせいで死に絶えていた。電車も、20分に一本くらいしか走らないようになってしまっていた。
 それでも、どういうわけか、この学校のほとんどの研究室は、普段通りに動いていた。

 学生の半分がどこかに逃げ出し、教員の半分が死んでしまっているにも関わらず、だ。

 あの奇病のせいで死んだ奴が出ても、2日も経てばみなそいつの話をしなくなった。
 この学校は、そんな風になっていた。そういう風にならなきゃ、まともな精神状態ではこの世界を生きていく事は不可能だった。
 みんなが、それに気付いていた。

299某スレの809:2004/07/09(金) 18:32
 俺は、研究室のドアを開けた。
 そこに、松村教授がいた。
「竹山君」
 教授は、俺に話しかけてきた。
「ちょっといいかな?」
「……ええ。なんでしょうか?」
「私がこの研究室でやっていた事が何なのか、生きている人間の中で一番良く知っているのは、君だ」
 そりゃそうだろう。畑山助教授も、久米田慶介も、みんな死んでしまったんだから。
「……はい。そうですね」
「私がこの一ヶ月間、必死になって作っていたのは、名前の与えられていないあのウィルスを無力化させるためのワクチンだ」
「ええ。そうです」
「そして、君が必死になって作っていたのも、同様に、あのウィルスに対するワクチンだった」
「……はい。そうです」
 この人は、何が言いたいんだろう?
「君は、ワクチンを作っている時に、『何故自分はこんな事を一生懸命やっているんだろう』と考えた事が、今までに何回あるかね?」
「はい?」
「ワクチンなんか作って、君に何の得があると思う?」
「え……そりゃあ、自分の力で人を助ける事が出来たら嬉しいですし、その中の何人かはきっと私の事を感謝してくれるでしょうし……そうしたら、すごく名誉な事ですし……」
「確かに、常識で考えればそうだ。だが、君はとんでもない勘違いをしている。もう、人に感謝をしてくれるような、まともな人間は、この世にはいないのだよ」
 教授は言った。
「もう、世界の人間の8割がこの病気によって死亡してしまっている。そして、生きている人間の9割以上は、発狂してしまっている。
 君も知っているはずだ。各地で起きている暴動の事を。
 ……もう、ほとんどの人が生きているに値しない、生きているに値する人間になろうという努力を放棄してしまっている、そんな人間ばかりだ。そんな人達のためにワクチンを作っても、喜んでなんかはくれないだろう」
「……いや、しかし……」
 俺は、教授の言葉を聞いて、「何を言っているんだ? この人は?」と思った。

 生きたいと思っている奴が、まだいるんでしょう。まだ、この世界には1億人以上の人間が生きていて、そのうちの一千万人は、まだ人間らしい奴なんでしょう?
 そういう人達のために、我々がいるんでしょう?

300某スレの809:2004/07/09(金) 18:33
 俺は、そう思った。だから、俺は教授にそういう意味の事を言った。
 うまく伝えられたかどうかは、わからなかったけれど。
「……私も、昨日まではそう思っていた」
「じゃあ、何故いきなりそんな事を言い出すんですか?」
 教授は、ロッカーの中に入っていた、実験用の猿を指差した。
「ここにいる猿達は、生きているべきだと思うかね?」
「は?」
 俺は、バカみたいな声を出してしまった。
「この猿どもが『生きていたい』って言ったら、私達は全力でこいつら猿のためにワクチンを作るべきだと思うかね?」
「え……」
 何を言っているのだろう。この人は。
 ひょっとして……
 松村教授は一ヶ月前、あの奇病のせいで、家族3人を同時に失った。
 三人が死んでしまった時、教授がどれだけ深く悲しんでいたかというのは、学校内でも有名だった。
 その時の事が原因で、発狂した? この人も、自分にはこの上なくまともに見えるこの人でさえも、発狂してしまっている?
「どういう意味なのでしょうか。私には、教授の言いたい事がよくわからないのですが……」
「じゃあ、わかりやすく言おう。私が、あのウィルスを全滅させる事が出来るワクチンを作ったとする。しかし、私の作ったワクチンを人に打つと、ワクチンを打たれた人間は全員猿になってしまうとする。猿になってでも生きたいと思っている人間にはワクチンを打つべきだと思うかね?」



一瞬、俺は何も言う事が出来なかった。教授も、俺と同じように、何も喋らなかった。
しばらく経って、俺は言った。
「……教授? まさか、この猿たちは、もともと人間だった、なんて事は言いませんよね? あなたの作ったワクチンのせいで、猿になってしまった、なんて事は」
「いいや。違う」
 教授は、真顔でそう言った。
 俺は、乾いた笑みを浮かべながら、教授に言った。
「たちの悪い冗談を言わないでくださいよ」
 多分俺は、この上なく明るい、いつも通りの声で、そう言う事が出来た。
「……あながち冗談でもないんだよ」
 教授はそう言った。あの時の松村教授の顔は、多分一生忘れられない。
 あんな顔、これまで一度も見た事は無かったし、これからも、二度と見る事は出来ないのだから。



301<削除>:<削除>
<削除>

302某スレの809:2004/07/09(金) 18:34
 4日後。研究室で、松村教授の遺体が発見された。
 首吊り自殺だった。
 遺体は、二週間前から入った新しい用務員によって、乱暴に部屋から引きずり出された。
 死体を大事に扱おうとする人なんて、この世にいなかった。
遺体は、「その辺にあるたくさんの遺体の一つ」として、その辺にあるたくさんの遺体と一緒に焼かれた。
 研究室唯一の生き残りとなった俺は、松村教授の蔵書や遺品を「好きなようににしていい」と大学に言われた。
俺は、松村教授の蔵書、遺品、そして、遺稿の整理を始めた。

整理を始めた。
整理をやっていたら、回りから奇異の目で見られるようになった。
君は、何をしているの?
なんのために、そんな事をしているの?
クスリを作るため? なんのために?
そんな事、今更やっても仕方が無いだろう。
もう、この星に何人の人間が生きているのか、それさえわからないんだぞ?
お前が最後に人間を見たのは、いつだ?

どこからか、そんな声が聞こえ始めた。
その頃には、学校には人がいなくなっていた。
八割以上の人間があの奇病にかかって死に、残りの人間も、俺を残してどこかに消えてしまっていたのだった。

この世の中で一番正しいのは、俺のはずだった。
俺は、ワクチンの研究を続けるつもりでいた。

 松村教授の机の引き出しの中に一つ、教授の直筆の原稿用紙が入っていた。
――ウィルスを確実に無力化する方法、およびその副作用について
 そんなタイトルの文章だった。
――このウィルスに感染しても死なない方法が、一つある。その方法を使えば、絶対に患者を救う事ができる。その方法とは、人の脳にある「A-1357神経」を切除する事である。「A-1357神経」は、人間の脳の処理能力を抑制する神経として十二年前に発見され、切除法が長い間研究されつづけていた。
 そして、この十二年間、「A-1357神経」切除法は誰にもわからなかった。少なくとも、世間ではそう思われていた。
 しかし、本当は「A-1357神経」切除法は、七年前に発見されている。
発見者は、私である。



303某スレの809:2004/07/09(金) 18:34
 私が、「A-1357神経」切除法を外部に漏らさなかった理由は、二つある。
 一つ目は、「A-1357神経」の切除により、私のIQ値が倍以上に跳ね上がったからである。
 「天才は、私一人で十分だ」
そう考えたのだ。

 二つ目は、この神経を切除して生きていても、いい事は何もない、と気付いたからだ。
 この世には、先天的に「A-1357神経」を持っていない人間が存在する。そいつらの大部分は、凶悪な犯罪者となってしまっている事が、最近の研究でわかってきているのである。
では、「A-1357神経」所持者が犯罪者になってしまう原因は何か? いくつかの仮説が立てられている。
その中で一番有力な説は、「A-1357神経」を持たない人間はどんな犯罪を行っても、全く罪悪感を感じないように脳ができてしまっているのではないか、という説である。

 現在、「A-1357神経」を持っていない人間は、ほとんどが「ある年齢」で殺されてしまっている。

 では、「A-1357神経」を持たない人間が、犯罪を犯さないようにする方法、つまり、人間らしい感情を持たせる方法は、ないのか?

 私は、非常に長い時間をかけ、その方法を突き止めた。
 それは、自分がいかに「世間にとって有害なのか」それに気付く事である。
 私はそれにより、今日まで犯罪を犯さずに生きていく事ができた。
 ……その事に気付く前の私は、いくつもの犯罪を犯してきたが、その事に気付いてからは、一度も犯罪を犯さずに済んでいる。
 ……だが、同時に、生きていても楽しくなくなってしまったのである。

 理由はわからない。だが、何をやっても、何をどうしても満たされない空白が、常に心の中にできるようになってしまったのである。
 ただ、犯罪を犯さないようになっただけで、である。

 この文章を読む人がはたしているのか? それは、私にはまったくわからない。
 だが、読んだ人がいるなら、その人に伝えておく。
 この世に、「A-1357神経」切除法を知っている人間は、もういない。
 そして、願わくば、誰も「A-1357神経」切除法を突き止めないで欲しいと思う。

 私は、「A-1357神経」を切除してまで、人間を生かしておく理由は無い、と考えている。



304某スレの809:2004/07/09(金) 18:35
 松村教授の死因は、頚動脈の圧迫による失血死。と思われている。
 解剖を行っていないので、正確な死因はわからないのだ。
 俺は、教授が死んだ時、用務員に、「解剖をやらせてくれ」と頼んだ。
しかし、
「解剖した後の、バラバラになった気持ち悪い死体を誰か運ぶと思ってるんだい。こっちだって、忙しいんだ」
 と言われ、叶わなかった。
 だから、彼の脳から本当に「A-1357神経」が切除されていたのかは、永遠にわからない。



 もう、世界中の人間の何パーセントが生きているのか、わからない。
 今でも生きている人間が、今でも生きていられる人間が、何故生きているのか、俺にはわからない。
 
俺は決めたのだ。
俺自身ではなく、松村教授の言う事を信じる、と。
誰にも、生きている意味は無いのだ、と。

 みな殺してやれ、と。
 みな、苦しまないように殺してやれ、と。
 松村教授のような、苦しい目にはあわせるな、と。
 そんな声が聞こえた。

 松村教授は、正しい事を言っていたのだ、と。

 彼らに生きている理由は、ないのだ、と。

 全員殺してやれ、と。

それが正しい事だ、と。

 ――それが、俺の生きていく理由となった。

305某スレの809:2004/07/09(金) 18:36
すいません。300と301で多重投稿してしまいました。
削除以来出して来ます。

306某スレの809:2004/07/09(金) 18:39
……ごめんなさい。
削除依頼をどこで出せばいいのかわかりませんでした……

吊ってきます。

 ∧||∧   
(  ⌒ ヽ
 ∪  ノ
  ∪∪

307イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/09(金) 20:04
>>306
消しといた。

雑談↓に書いといてくれたら処理しときますよ。
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/read.cgi/movie/2689/1051886724/

308無名人:2004/07/09(金) 21:06
リチャード・マシスンの『終わりの日』みたいで良いですね。
個人的にはそのままでも充分いけると思います。

309イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/10(土) 00:55
新人賞を狙うには、少々厳しいような…。
はっきり言うなら長編の序章だけ読んでるみたいです。
全ては既に終わった事であり、作中で新しく何かが起こるわけでもない。これを軸に物語を広げていくのであれば面白くなりそうですが、これで全部となると…

310イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/10(土) 04:02
>>某スレの809
これと似たようなのをどこかの投稿ページで見たことあるような気がする。あれは君だったのか。
ぱっと見たところ、冒頭でバカな教授の話をするといってるのにラストで認めちゃってるのが気になるかな。主人公もバカになったってことをいおうとしてるんだろうけど、だったら冒頭でバカな教授の話をしようとはいわない。
あとは309氏もいってることだが、新しい何かがおこるわけでもなく淡々と進行しすぎているのが気になる。まったく盛り上がらない。最初から最後まで事実をただ肯定するだけ。それは面白くないってことなのではないか。
途中で「本当に」人間が猿になってもいいんじゃない?あるいは最後に主人公が「でも俺は絶望しない、教授みたにはならない」といってのけてもいい。なんでもいいからドラマをくれ。ショートショートをなめるな。

311その1:2004/07/10(土) 04:49
一応、ライトノベル長編の冒頭、のつもり。改行等は掲示板用に変型。
どんなもんでしょう?

「実はね、全く期待してなかったのよ。だってそうでしょう? 今まで何度誘ったってついて来なかったじゃない。
遊びの誘いだって何度も何度も何度も何度も断って……だから今更学校に誘ったって来る筈がないと思ってたわけ。
誘ったのは駄目元ってのと、ほとんど毎日誘ってたからもう半分習慣になっちゃったから、ね」

凪の言葉にDがそうかそうだね僕を誘って僕に断われてそのまま学校に行くのはもう習慣になっちゃってるんだよね
僕が今日に限ってついてったりしたらいつもの習慣が崩れちゃうね崩しちゃて悪かったねついて来たりして悪かったね
なんだよそれじゃまるでついて来ない方が良かったみたいな言い方じゃないかと言うと、凪は慌てて付け加えた。

「……もちろん一緒に来てほしいとは思っていたんだけどね」

そう言ってちょっぴり俯きながら小石をコツンと蹴った凪の姿がほんの少しだけ寂しそうだったので、Dは彼女に笑って欲しい一心で、
かつて一度そうしたように「凪って名前、アニメのキャラクタみたいだよね」と言ってニッコリと笑った。
「誰がアニメのキャラクタみたいだ」と言って凪もニッコリと笑い返してきた。やった、笑ってくれた。Dは嬉しくなった。
そして素早く彼女の隣から逃げ出そうとした。が、直後に腕を掴まれた。さらにはつねられた。痛い痛いと叫んで暴れたがさらに強くつねられた。
「引きこもり虐待だ世界引きこもり協会を作って引きこもり総会に訴えるぞ」と叫んだが今度は蹴られた。
かなり本気の蹴りだったのでDは右の脛を抱えてうずくまるハメになった。

「誰が・アニメの・キャラクタ・みたい・だって?」

312その2/2:2004/07/10(土) 04:49
頭上から聞こえるドスの効きまくった声に震えながら、涙目で顔を上げると、恐るべき表情で凪が仁王立ち
(ああ、それはまさに「仁王立ち」だった。でもこれ以上凪の心証を悪くすると悲惨な末路を辿ることが明白であったため、Dはそれについては指摘しないことにした)していた。
彼女は自分の名前がアニメ風なのを気にしているのだ。以前それを指摘したときも凪は恐るべき微笑みを浮かべて恐るべき制裁をDに加えたのだった。
その恐ろしさたるや、Dもそれを目撃した椎名も広瀬も二度と凪には逆らわないと硬く堅く固く誓ったほどである。ああ恐ろしい。
Dは今後自分に加えられる数々の行為を想像し、半分以上本気で死を覚悟した。ああ自分はどうして遺書を用意してなかったんだろう詠嘆した。
そして凪をジッと見つめた。助けてください助けてくださいほんの出来心だったんですと念を送りながらジッと見つめた。凪はまだ怒っているようだった。
そのプレッシャーに耐えられず、ああ、いよいよ最後、さようならみなさんさようならとDは心の中でゴジラごっこをして遊んでいたが、その間に凪は表情を崩し、
「あーなんかもういきなりいつも通りね」と言って、頭をクシャクシャと掻き、そして、なんと、びっくりすることに、微笑を浮かべた。
それはさっき「アニメのキャラクタみたいだ」とDに言われた直後のようなわざとらしい笑いではなく、
呆れたような、安心したような、ごくごく自然な、経験の浅い野郎どもの心を一瞬で奪ってしまいそうな、そんな微笑だった。
Dは驚いた。――嘘だ。本当はちっとも驚いてなんかいなかった。彼女が笑ってくれるのをDは実は知っていた。
彼女は本当はとても優しいのだ。うん、きっと、たぶん。そして思った。

――ああよかった、これでいつもの調子を取り戻せそうだ。

最も恐れていたのは彼女と以前のように話せなくなることだった。
一年。決して短くはない時間。人が変わるには十分な時間。十五歳の少年少女が変わるには、十分すぎるほどに十分な時間。
Dは思う。そうだ、僕は変わった。この一年で小さく、あるいは大きく変わってしまった。
Dは思う。そしてきっと、凪も変わってしまった。ティーンエイジは成長をする年だ。彼女はもう、一年前、Dに最後に会ったときの彼女ではないのだろう。
現に背は伸び、髪形は変わり、当たり前なのだが一年前よりも大人びて見えた。

――ああよかった。

だから、Dは正直、心底、ホッとしていた。……僕は変わった。彼女も変わった。でも、僕らの関係は相変わらずのままらしい。
……もしかしたら、多少は歪んでしまっていたかも知れないけれども。でも大丈夫、この気持ちがあればきっと大丈夫。
何しろ自分は明るく、正しく、健やかな人間なのだ。いや、ほんとに。――ひきこもりだけど。

学校へ向かって、すっかり機嫌を直して楽しそうに笑う凪と並んで歩きながら、Dはフッと空を見上げた。
生憎というか、曇り空だった。今にも雨が降りそうな、灰色の雲に覆われた、しかし雲間からは微かに日の光が差し込んでいた。
もし雨が降れば虹でも出そうだった。そんな……そんな曇り空。

313猫丸:2004/07/10(土) 14:59
 全体的に冗長な印象を受けます。特に序盤で。もう少しコンパクトな描写
心がけたら良いのかもしれません。わずかな文章で行間の雰囲気を出し切る
のも、書き手の腕の見せ所ですからね。ちなみに、ラスト六行は個人的に好き
です。

314某スレの809:2004/07/10(土) 22:13
>>307
ありがとうございました。

>>308
ありがとうございます。
けれど、コレ一次落ち作品なんですよ。(苦笑)

>>309
実は、当初予定ではこの学生を主人公にキノの旅みたいな短編連作小説を書くつもりでいました。
どういう話を書くつもりだったかっていうと、
1:その短編における、メインキャラクターの独白
2:主人公登場
3:メインキャラクター、殺される

……もちろん、書いてる途中で「ダメだ」と気付き、やめました。
そして、「1」だけの話が量産される事となりました……

>>310
>ぱっと見たところ、冒頭でバカな教授の話をするといってるのにラストで認めちゃってるのが気になるかな。主人公もバカになったってことをいおうとしてるんだろうけど、だったら冒頭でバカな教授の話をしようとはいわない。
実は、投稿寸前まで書いてあったけど、投稿寸前になって削除した行があるんです。

 僕は、それでも教授に生きていて欲しかった。
 そして、できれば僕と同じ事を、正しい事だと信じ続けていて欲しかった。

っていう文章が、最後の方に書いてありました。
削除した理由は……婦女子大喜びな文章って事に気付いたからなんですが。

>まったく盛り上がらない。
これでも、事件は起こしてるつもりなんですよ……
具体的に「どこが事件だ」なんて説明するのは、悲しくなるのでしませんが。
次は(いつになるかわかりませんが)、キャラクター重視の、現在進行形のお話を書こうと思っています。

315猫丸:2004/07/11(日) 00:39
>>314
一次落ちだったんだ・・・。で、どこに送ったの?枚数がやけに少ないみたい
だけど。

>婦女子大喜びな文章って事に気付いた・・・・
作品を作るうえで、ある程度のベタさは必要&必然だと思うよ。すくなくとも、
今回の場合あったほうが良いのでは?

ちなみに私は、高校時代小説を書きすぎて現在一浪中です。夏になったことだし、
809さんもほどほどに勉強しましょう。まあ、現在萌王大賞用の原稿を書いてい
る僕が言うセリフではないですけどね。それでは、お互い頑張りましょう。

316310:2004/07/11(日) 03:19
>>314
婦女子だろうが腐女子だろうが、読んで面白いとおもってもらえればそれにこしたことはないと思うがね。
猫丸氏もいってるように、今回は削除しないほうがよかったよ。
次もがんばってくれ。

>>311
神視点と一人称が混在していて読みづらい所がある。まあ好みの問題なんだろうけど、一人称に統一したほうがすっきりまとまるような気はする。試しに一人称で書いてみたら?
(ああ、それはまさに「仁王立ち」 のとこの()は必要なのかな?いらないと思う。他の文とそれほど変わっているわけじゃないしね。

317猫丸:2004/07/11(日) 11:16
萌王大賞に応募しようと思っている作品の冒頭です。

 誰もいない小道を遅足で歩いていると、どこからか石焼き芋の売り声が聞こえてきた。近づいているなら買ってもいいかな、と思ったけど、売り声は徐々に遠ざかって、しばらくすると吹き荒れる北風にかき消された。たぶん、俺が住んでいる住宅地のほうに向かったのだろう。俺は大きくため息をついて、住宅街から遠ざかる方向へ再び歩き始める。目的地の十市神社までは、あと少しのはずだ。
 念のために言っておくけど、俺はそんなに信心深くはない。じゃあなんでこんな寒い中、神社へ行くのかというと・・・・・そうでもしないとやってられないんだよ。
 季節は十二月。あと一ヶ月ほど先に、俺は大学受験を控えている。ところが、高三の夏までろくに勉強しなかったツケが回ったのか、成績は一向に伸びる気配を見せない。このままでは、来年の進学先は予備校間違いなしだろう。それでも何か手は無いのか。そう考えたあげく、俺は<困ったときの何とやら>に賭けるしかないと気付いたのだった。
 歩いていくうちに、住宅はほとんど無くなって、代わりに低い山が見えてきた。高さを考えれば、むしろ丘といったほうがいいのかもしれないけど、この辺りでは一応「鎮守の山」なんて呼ばれている。つまり、十市神社はこの山のふもとにあるというわけだ。
 それにしても、この辺りは昔とまったく変わっていない。今とちがって神社へちょくちょく遊びに来ていた小学校の頃と、風景はもちろん、寒さの具合、風に乗ってくる埃の匂いまで同じ気がする。ただ、いくら環境がそっくりでも、俺自身はそうはいかない。足取り、気分、目的、何もかもが違う。多分、これは受験のせいというより、悪い意味で年をとったからなんだろうけど・・・・・。
 そんなことを考えていると、神社はすぐ目の前に迫っていた。眺めてみると、相も変わらず小さい神社だった。実際、木肌も黒ずんだ本堂は並の家と変わらない大きさだし、石の色そのままの鳥居も人二人分くらいの高さしかない。それでも枯れ木の目立つ山を背景に立つその姿は、風情がある以上に霊験あらたかで、見ていてみすぼらしい気はしなかった。けれど、
 ・・・・・あれ?
 何かが妙だった。あまりに不自然で、かえって気づきにくい、そんな変化が起きている気がした。気になる俺は、狭い境内を一面見渡す。本道、参道、手水舎、鳥居・・・・・あ。
 一匹、足りない。
 「初詣のときは・・・二匹ともいたよな?」
 そう。本来なら二匹で向かい合っているはずの狛犬は、今や右側のがただ一匹で虚空を見つめていた。一匹は、壊れでもして捨てられたのかもしれない。そう考えて残っているほうを見ると、こっちも今にも壊れそうな感じでヒビが入っていた。狛犬は魔除けのためにあると言うけど、一匹、それも壊れかけので魔除けの役割は果たせるのだろうか。狛犬の目を見ていると、ふとそんなふうに思ってしまう。なんとなしに狛犬の頭を撫でてやると、手に伝わる石の感触がやけに硬くて冷たかった。

318イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/11(日) 13:55
>>317
まあ、続きが予想できちゃうけど<困ったときの何とやら>に賭けるしかないと気付いたのだった。―既に諦めモードってのはちょっとね

319某スレの809:2004/07/11(日) 16:02
>>315
>で、どこに送ったの?枚数がやけに少ないみたいだけど。
送ったのは電撃です。
賞には、これと似たような短編を別に三本書いて、四本を「短編連作小説」として応募しました。

>今回の場合あったほうが良いのでは?
……はい。ちょっと後悔してます。
今後は、こういう事を気にするのをやめます。

>ほどほどに勉強しましょう。
やろうと思えば思うほど、やる気がどっか飛んでいくんですよね。
なぜなのでしょう。

>>316
ありがとうございます。がんばります。

320イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/11(日) 16:45
>>317
ありがち。
説明より描写。
ちゃんと一人称なら一人称で書く。

萌王に応募するのなら、女の子が出てる部分も晒した方がいいのでは。

321イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/11(日) 16:48
狛犬少女が出てくるんだよな!?

322320:2004/07/11(日) 16:53
書き忘れ。
「……」使ったほうがいいと思う。

323猫丸:2004/07/11(日) 19:13
>322
「・・・・」を使うならどこなんでしょう?

324猫丸:2004/07/11(日) 19:15
>320
ありがちとのことですが、どういうふうにでしょうか?

325イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/11(日) 21:49
>>317
 そこまでしか晒していないので微妙なところなんだけど。
 もたついている感があり。
 冒頭を、
>・・・・・あれ?
 と違和感を感じたあたりからはじめてもいいんでないかい?

 それから、やはり神社を訪れた動機が弱いかと。
 いくら受験生でも、深夜に一人でお詣りに行くのはノイローゼっぽい。
 もうちょっとこの辺の動機は自然にできる。考えてみてくれい。

 そんなところです。

326イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/12(月) 02:40
>>317
おれは322じゃないけど。「・・・」ではなく「…」つかえってことじゃない?中黒連打じゃなく三点リーダ。ちなみに使う時は「……」ふたつかさねて。
ありがち、といったのもおれじゃないけど、萌王とかに出すならテンポを意識的に早くして意外性を早めに出せってことをいいたいのではないかと思われ。この文章でいえば狛犬少女……かどうかわからんが、そいつを出すシーンはもっと前にもってくると。その狛犬少女(仮)が萌えられるものならば君の勝ち。そんな感じ。実際、冒頭の住宅地のシーンって実は削れるだろ?いきなり神社付近から初めたってかまわないように見える。住宅地のシーンは話がもすこしすすんでからでもいいからな。
動機に関しては俺もちょっと好きになれない。といって全面的に否定するわけじゃないよ。出しかたひとつだと思うんだ。
あとは……せっかくだから萌え要素を見せてくれw

327イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/12(月) 18:57

止まるな
駆けろ
この土の剥き出した土地を

止まるな
超えろ
火薬の匂いのするこの砲撃の跡を
あの鉄条網を

止まるな
前を見ろ
脇に転がる死は気にするな

止まるな
止まるな
トマルナ?

書き出しです…少しパロッた感じがしたのなら成功です

328猫丸:2004/07/12(月) 20:33
>>325
深夜と思いましたか・・・。私としては夕方のつもりだったのですが、伝わらなかったでしょうか?

329某スレの809:2004/07/12(月) 22:01
>>猫丸さん
>>317の気候描写で読者に伝わるのは、
「焼き芋屋が芋を売りに来ている、寒い町」
って事だけです。
(私だけかもしれませんが)私は、「寒い」という事ばかりを強調されると、一日の中で最も寒い時間帯である、深夜を想像してしまいます。
夕方である事を読者に伝えたいなら、夕方である事を連想させる言葉を書くべきです。

……夕方の描写でしたら「太陽が遠くの山に沈もうとしている」とか、「電信柱の影が長くなっている」とか。そういうのはどうでしょうか?

330イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/13(火) 11:17
始めまして。ほとんど完成している小説の一部ですが晒してみたいと思います。
読者に気楽に楽しんでもらおうというのを念頭に置いて書いた作品です。
描写や文章としての不備など、色々意見をいただければ幸いです。(辛辣な意見もドーンと……コイ……)
これから晒すのは序章の格闘大会の決勝の対決シーンです。長いので分けます。

 前回王者のルチャ・マルロと無名の新人、フリオ・モンテカルロの対決は、大方の予想に反して互角の戦いとなっていた。
 双方の力量に差はほとんどなく、その事実に驚きを隠せないでいたのは、他の誰よりも前回の王者であるルチャ本人であった。
(こ、こいつ……これほどの強さを持った奴がなんで今まで……フリオ・モンテカルロだと?何者だ!こいつは!)
 何より驚かされるのは二人の体格差である。ルチャは鋼のような筋肉を全身に纏った巨躯の男であるが、対するフリオ・モンテカルロは引き締まった筋肉をしているものの、体自体は普通の男性と比べても非常に細身である。そんな圧倒的な体格差のある二人が互角の戦いを繰り広げているのだった。
 長い戦いの中、互いに打ち合いという点では多くの手数を出していたが、決定的な一撃を相手に決める隙を未だに見出せないでいた。
 二人は間合いをとり、互いに相手の出方をうかがう様にじりじりと闘技台の上を廻る。
 もはや無駄な打ち合いを続けられるほどの体力は互いに残されてはいまい。少々のことでは隙を見せるような相手でもない。ならば捨て身の覚悟で、渾身の一撃にて決着をつけるべし。
 ルチャの体中の筋肉が盛り上がる。こめかみに浮かぶ青筋がビクビクと波打つ。みなぎる力がその巨躯の隅々にまで行き渡っていくのが見て取れた。全てを打ち砕くか打ち砕かれるか。まさに乾坤一擲、全身全霊をかけた一撃をルチャは放とうとしていた。
 対する細身のフリオも、その構えに一層の力を込める様子を見せた。体を低くし、重心を下げて踏み込む側の足を大地にねじ込む。
 二人の放つ闘気が競技場内を支配する。あれだけお祭り騒ぎをしていた観客たちも水を打ったように静まり返っていた。
 空気が動きを止める。観客たちは、唾を飲み込むのも躊躇してしまうような静寂と緊張感に包まれた。
 この一撃に対する皆の期待と不安とが競技場内に膨れ上がる。
 それら全てが臨界点に達した、その時。

 ぷぅ。

 妙な音がした。
 その音が引き金になったのかどうかは分からない。しかしその瞬間、ルチャが動いた。尋常ならざる力と意思とをそのこぶしに湛えながら。
 ルチャがフリオに向かって突進する。巨大な岩が迫るような圧力。しかし。
「あ!」
 皆が目を疑った。フリオが突然構えを解いて、無防備な体勢をとったのである。フリオは両手を下げて真っ直ぐに立っていた。まるで親しい友人を迎えるかのような穏やかな表情をその顔に浮かべながら。
 一瞬驚いたルチャだったが、すでに体は動いている。ルチャは思った。猛るこぶしと体をそのままこの棒立ちの優男に叩きつければよい。それで勝利だ。
 まるで敗北を覚悟したかのようなフリオの様子に、勝利の喜びを爆発させながら、ルチャはフリオにそのまま渾身の一撃を放つ。

331イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/13(火) 11:19
だが。
「!?」
ルチャの放った一撃はフリオの体を捉えることはなかった。フリオの姿は、突進してくるルチャの正面ではなく、側面にあったのである。
空振りをして大きく体勢を崩したルチャの足元をフリオは無造作に足で払う。ルチャの巨体はそのまま大きく宙に浮き、頭から闘技台の硬い石の床の上に叩きつけられる。砕け散る床。
巻き上がる砂埃の中で、ルチャはすぐに体を起こす。あれだけの衝撃を受けたにもかかわらず、である。しかし、ルチャは混乱していた。
(腕に何かが触れたと思った瞬間……あいつは……)
 ルチャが、はっと気付いて顔を上げた時、すでにフリオが眼前にいた。その瞬間、ルチャはみぞおち辺りに凄まじい衝撃が走るのを感じた。視界が揺らぐ。堕ち行く意識の中でフリオの声が響いてきた。
「剛には柔。動の中に静を感じ、静の中に動を育む。良い試合だった」
 そのままルチャの体は床に崩れ落ちた。
 観客たちは見ていた。ルチャが突進していった時のフリオの優美な動きを。ルチャの突き出された腕に軽く手を添えながら体をかわし、力を受け流しながら体勢を崩した相手の足をそのまま蹴り払ったのである。後に観客たちは言ったものである。まるで異国の闘牛士の姿を見るようだった、と。
 わああああああぁぁぁ!!!
 観客たちの盛大な歓声が競技場内を包み込んだ。観客たちの興奮は頂点に達し、あちらこちらで真新しいワインの瓶の栓が一斉に抜かれた。楽器を手にする者は陽気な音楽を奏で、見知らぬ者同士がダンスを踊る。闘技台の上に立つ、新たな勇者を祝福するために。なぜか裸で疾走する男が三人ほどに増えた。

興奮の観客席の中で、敗れたルチャのごとく地面に倒れている青年がいた。その頬には赤い手のひらの形をしたあざがあった。
倒れている青年の近くにいた、ワインの瓶を手にした中年の男はその青年に言った。
「にいちゃん。いいとこで屁ぇこくなや」
青年アメデオは、ハハハと乾いた笑いを浮かべてチラリとエミリアの方をうかがった。
「最っっっ低!」
フンとそっぽを向くエミリアにアメデオはがっくりと肩を落とした。
エミリアは闘技場の方に目をやる。そこには観客の祝福に応えるフリオがいた。エミリアはぐっとこぶしを握り締めると、倒れているアメデオに向かって声を上げる。
「アメデオ!いつまでそんなところで寝てるつもり?!さぁ、行くわよ」
 さっさと歩いていくエミリアに、アメデオは慌てて後を追いかける。
「ま、待ってください。お嬢様〜〜」

332イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/13(火) 18:45
>>331
うーん、アクションが実況形式、ってのがいけないな。
結構マンネリ化した描写だから読むのすら億劫…というのが直な意見
しかも戦っている登場人物の焦りとか、描写が難しい所から逃げてる感じも受けた

333イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/13(火) 22:33
そもそも二人が何の競技で戦ってるのか判らんのだが。

334イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/14(水) 00:22
>>333
あ、それも

335イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/14(水) 03:26
>>317
時間については一切描写がなかったし、夕方と思わせるようなものもなかったので、何時と思われてもしょうがないだろう。深夜にしては視界がいいようなので、深夜ではないとわかるだけだ。それとも石焼きいもは夕方にしか売らないものなのか?

>>330
333もいってるけど、なんの大会だかわからない。格闘と一口にいってもいろいろあるだろう。打撃オンリーなのかサブミッションありなのか。ノックダウンすれば勝ちなのかプロレスみたいにスリーカウント制なのか。説明がないと、どんな状況に陥れば選手にとってやばいのかわからない。緊迫感などいらないというのならそれでいいのだろうがね。
巨漢のルチャに対してフリオがいかにして戦ったか書くとイメージがわきやすいので、そのへんも書いてほしい。最後のとどめだけだと淡泊にすぎる。あと、見たところ体力の消耗にしかきみは言及してないけど、実際には傷とかいろいろついてるだろ。これはないと不自然だと思う。
裸で疾走する男が三人に増えたという部分に関しては、まったくわからない。増えたもなにも、それまで一度も描写してないじゃん。

>>327
パロッた感じとかいわれても、元ネタがわからんのでなんともいえません。批評するにしてもあまりに短すぎる。

336330:2004/07/14(水) 08:26
>>332>>333>>334>>335
ご意見ありがとうございます。
大会形式に関してですが、ノックダウン制の打撃系格闘競技です。
前項に古王国時代からの伝統的な格闘大会〜云々と酔っ払いの親父を絡めて詳しい説明がしてありますが、
晒すにはあまりに長くなるので割愛しました。まさに小説の一部を前後お構いなしに抜き出した形です。確かにこれだけではよく分かりませんよね。すみませんでした。
肝心なシーン自体での描写不足というのも多分にあるんですが……
裸の男も前項に登場しています。フライドポテトの袋を抱えたアメデオがなぜか裸の男に追い回され、
おつかいに遅れてエミリアに叱られるというエピソードに使用しました。後にも何度が登場します。
これは物語の所々に出てくるいわゆるあまり意味のない小道具の一種です。(こういうくだらない小道具やその他仕掛けが好きなもので……)

で、一番お聞きしたかった描写・手法関連に関してですが……
こういういわゆる実況的な手法は、速いテンポの場面展開が欲しい時に多様していますが確かに古臭さがあるかもしれませんね。
早いテンポを出す為の他の文章表現も勉強したいと思います。
あと、ルチャの焦りを「静」のフリオと強く対比させる為にももっと細かく描写すればよかったと思いました。
例えば……「ルチャの額から流れ落ちる汗が顎を伝って闘技台の乾いた表面にその滴を落とした。汗が伝う感覚にルチャは顔をしかめ、苛立たしげにこぶしで額の汗を拭った。」とか……
戦いによる二人の傷などの描写にしてもそうですが、あらゆる面で描写不足だというのが改めて浮き彫りになった感じがします。
難しいなぁ……
ところでアクションが秀逸なお勧めの小説って何かありますか?
私の凝り固まった古臭い文章手法を吹き飛ばすような……

337333:2004/07/14(水) 14:54
>>336
なるほど、大体周囲の状況は判ったんでお詫び代わりに手厳めで長い赤ペンチェック。

描写が駄目すぎ。せっかく巨体VS小兵なのだから最初に互いの体格差を明確にし、それでも互角に戦ってるという挑戦者の凄さを判り易くした方がよいのでは?

鍛え抜かれたチャンピオンの肉体、ニの腕に至っては丸太のように太い。
一方挑戦者たる青年の体はルチャと比べ明らかに貧弱だ。確かに全体的に引き締まっていて余分な贅肉は無い。
だがあくまでも普通に引き締まっているだけで、素人目にもルチャの鋼のような筋肉に対抗できるとは到底思えない。

しかし、そんな観客の予想を裏切りってリングは膠着状態にあった。
ルチャの豪腕を青年は華麗に避け、また青年の攻撃はルチャの強靭な筋肉に阻まれる。
既にそんな攻防が30分も経過していた。

ってな感じで。
ま、この辺は個人の嗜好なんで置いといても、文章全体が無駄にクドく冗長で読み手に情景が伝わってこない+見せたい箇所がブレすぎなのは間違いない。
戦闘シーンなんてスピード感とメリハリだろうにたらたらだらだらしすぎてると思う。
お前さんは一つのシーン、一つの行動を1から10まで全て描写してしまってるということ。
極端に例えると少女は電話をかけようとする、受話器を取った。ダイヤルを押す、0、3、3……みたいな?
>>329の前文から推察するに挌闘メイン物ではないのなら尚更よみやすい描写にすべき。

他にも表現自体に突っ込みたい箇所とか一つの箇所を過剰に描写してるくせに肝心の部分が書いていない所とか
(例えばチャンピオンが力を込める描写が長いワリに最後の一撃がどんな攻撃なのか判り難い、ちゃんと
地の文で「こぶし」と明記されているにも関らず、だ)あるが長くなるので割愛。

君の書き込みからも推察できるが文章に無駄な遊びの部分が多すぎる。そういう戯言シリーズみたいにくどい言い回しが
好きな人間もいるが君のはステーキの脂身の様な物、クド過ぎて肉(内容)そのものの味が判らなくなっている。

もっとも漏れは一度も戦闘描写なんて書いたことないんで的外れなこといってたら存分ケツに突っ込んでくれ。以上長文カキコ失礼しますた。
or2ハジメテナンデヤサシクシテネ?

338333:2004/07/14(水) 14:56
>>329の前文から〜
アンカー間違えた、>>330だな、失礼。

339鶴田:2004/07/14(水) 18:10
>>336
永瀬隼介の『ポリスマン』(幻冬舎)なんかそのものズバリですかね。
小兵だけど鍛え上げられた肉体の持ち主の深見が外国人の巨漢レスラーやら総合最強の男なんかと戦います。
書き方は実況的手法なんだけど、描写が丁寧で、とくに立ち回りというか魅せ方がうまいので一気に読めます。そういう意味でも、いろいろ参考になるところが多いのではないでしょうか。

340イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/14(水) 18:58

無機質なコンクリートに覆われた壁。細い鉄線で覆われた電球は静かに赤く光っていた。
金網の天井からは液体。黒く、どろりとしたそれは、さらに床の金網に落ちて下へと落ちていっていた。
そこに、一つの影が伸びていた。鼠色のジャケットを羽織り、短い黒髪の少年は端正な横顔を赤く照らされ、俯き目元は黒髪に覆い隠されていた。その右手には、つや消し黒の物体。中折れ式で、大型の木製のグリップに、ほっそりと伸びた六角形のバレルの―ケースド・ピストルと呼ばれる、単発のタイプの拳銃だった。
少年は拳銃脇のストッパーを右手の親指で押す。拳銃は機関部から上が折れ、金色に輝く薬莢の底を晒す。そして少年がバレルを握ってさらに折ると、バネの反発で薬莢が飛び出し、金網の上に落ちて金属音を立てた。
空の薬莢はそのまま転がっていき、やがていぼいぼの突起のある靴底に当たって止まった。
少年と同じ、鼠色のジャケットを羽織った男の体。男は壁に持たれかかる様に座り込み、力無く開けた口からは舌が飛び出していた。額には小さな赤い穴が空いており、頭が引きずっていた黒い線を辿ると、トマトが弾けたような跡と繋がった。
「全ては」
少年はベルトに付いたポーチから銅色の弾丸の付いた新しい弾を取り出す。そして、新たな弾を詰め直すと少年は先ほどと逆の動作をして、機関部を元に戻した。
「始まったばかり、か」
少年は呟くと、顔を上げた。灰色の鋭い瞳が、前髪の間から見えた。

ちょっとした中篇の始め、として書いてみました。私的にはいいと思うんですが、どうでしょうか?

341330:2004/07/14(水) 21:22
>>337
なるほど。
フォーカスがずれている上に無駄が多く、読者に肝心な事が伝わっていない、という事ですね……
丁寧な描写は必要。でも必要のない描写は極力抑えるべき。
基本なんでしょうけど、何を一番表現したいか、という点の見極めができていなかったと思います。
目からウロコ的な事も教えていただきありがとうございました。
>>339
早速明日にでも書店にひとっ走りしてきます。

342イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/14(水) 23:07
 遅レス。

>>328
 えっ、夕方だったの? (と、改めて読み返してみる)
 ――なるほど、確かに夜だとはどこにも書いてないね。
 これは誤読のようですた。んー、なら合格祈願でもなんとか通るかな。
 お詫びと共に、動機の指摘は撤回します。
 (ネタ練れるよなーとは思うけどこのままでも支障はない、つー意味で)

 それと、どこで夜だと勘違いしたかというと。
 冒頭の「誰もいない小道」と「石焼き芋の売り声」。
 「誰もいない小道」で寝静まった夜を連想し、
 「石焼き芋の売り声」でそう決定しました。
 (これは個人的な話だけど、漏れの住んでいるところだとラーメンのチャルメラや
 石焼き芋の声はたいてい夜遅くに聞こえてくるんで)
 んで、その後も特に夜だということを打ち消す表現は見当たらず、
 329さんの仰る通り、「寒いのか。確かに12月にもなりゃ夜風は厳しいよなぁ」
 と考えてました。

>伝わらなかったでしょうか?
 つーことで漏れには×。
 どの辺の言葉が、夕方を指しているんでしょう?

343イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/15(木) 03:48
>>340
うーんと、前に狙撃の話書いてた人だよね?違ったらスマソ。
以前にもいわれてたとおり、説明多すぎ。一から十までみんな説明せんでもいいよ。色とかもさ、赤い黒いつや消し金色銅色灰色。どうしても説明したいなら小出しにしてくれ。冒頭でこんだけ固め打ちするとこのあと読む気が失せてしまうよ。自分の中にあるイメージを残らず伝えたい気持ちはわかるんだけど、力みすぎ、空回り。
あとは細かいところ。
金網の天井 と 床の金網 のところで混乱した。これは天井も床も金網でできてると解釈していいのかな?主人公(?)もそこに立っていると。
そこに、一つの影が伸びていた。鼠色のジャケットを羽織り、短い黒髪の少年は端正な横顔を赤く照らされ、うつむき目元は黒髪で覆い隠されていた ここは文章としておかしいよな。鼠色のジャケットのかかりかたが順番的にちぐはぐ。羽織り、照らされ、隠されと、受け身なんだかどっちなんだかはっきりしない。
その右手には、つや消し黒の物体 これだけだと黒一色のなにかを想像してしまう。このあとの説明で木製のグリップと書かれているんだけど、それでもほんとに黒一色なの?木の部分も黒いの?あと、色よりはサイズや形状にしたほうがいいと思う。短い棒状の物体とかさ。
いぼいぼの突起 ここまで無機質にやってきたのに台無し。急に子供みたいな表現になるのはよくないね。他の表現を探してほしい。
銅色の弾丸の付いた新しい弾 おれはこういうのはよくわからないけど、銅色の弾丸 と 新しい弾 って同じものじゃないのかな?
灰色の鋭い瞳 これは個人的要望なんだけど、せっかく無機質な舞台の雰囲気を作ったんだから、ここの表現もうすこし凝ろうぜ。あっさりしすぎ。作者としてもここは思い入れのある構図なんじゃないの?

344イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/15(木) 03:52
>>336
ttp://book2.2ch.net/magazin/ の中に「貴方にあった本を探すスレ」つーのがあるから、そこで聞いてみてもいいかもよ。良スレだからきちんと答えてくれると思う。

345イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/15(木) 07:32
>>343
なるほど…すごい参考になります。
色はある程度省略していいでしょうね。銃もよっぽどのことが無い限り特殊な色にはならないだろうし…
まだまだ精進中なので、これからも指摘してもらえると嬉しいです。

346鶴田:2004/07/16(金) 20:03
「白い猫は幸せだ」
 先生はそんなことをいった。
 わたしは腕の中のトワと見つめあいながら、先生の言葉の意味についてしばらく考えたあと「どうしてですか?」と聞いた。
「体が白いと目だってしまうだろう? 白という色は野生動物には適さないんだ。死に絶えるべき色なんだ」 
「でも、トワは白いです」
「家猫だからさ。生き延びる努力をする必要がなかった。おとなしくて従順な性格だから、愛玩用にもてはやされた。まったく幸運な連中だ」
 先生はパソコンの画面をにらみつけている。真っ白なテキストエディタ。親の仇でも見るみたい。
「おまえは猫でよかったね」
 先生に聞こえないようにこっそり囁くと、トワは「ニャア」とのんきに答えた。
「尾形くんはどうしても来れないのか?」
 わたしは背筋を伸ばした。母の代役として、娘として、みっともないことはできない。
「はい。胸の痛みがひどいらしいんです。お医者さんも絶対安静だというし、今も病院で寝ています」
「そうか。うーん」先生は残念そうにうめいた。
「まったく困ったことだ。このシーンに関して、どうしても彼女の助言が必要だったのだがな」
「わたしでよければ、できるかぎりのことをするように、と母にいいつかっています。編集者の娘として全力を尽くすようにと」
「悪いが、僕がほしいのは身の回りのお手伝いとかじゃない。表現なんだ。僕の頭の中にある真実を具現化するための直截的かつ繊細な手段なんだ。失礼だが、君は何歳だ?」
「潤子です。五月で十歳になりました」
 先生はおおげさにため息をついた。
「まったく困ったことだ」
「先生。お願いです」声を張り上げると、先生はびっくりして振り向いた。
 このまま帰るなんてできるものか。母に悪いし、なにより悔しい。
「わかったよ。わかった。別に泣く必要はないだろう」
「泣いてません」
「泣いてるだろう」
「泣いてましぇん」
 ぐす、と鼻をすする。
「とにかくやめてくれないかな、そういうの。誰かに見られたらちょっとしたスキャンダルだよ」
「やめます。でも泣いてません」
 先生は面倒くさそうに首を振った。
「トワの話なんだ」
「トワの?」
 腕のなかのトワと目があった。
 丸くてたいらな顔。空を写したようなターコイズブルーの瞳。耳のさきっぽがすこし折れたトワ。
「おまえの話なんだって」
 トワは「ニャア」と返事した。


 某所でやっているリレー小説から引っ張ってきたものです。話の中ほどの部分にあたるのですが、冒頭とも読めるように書きました。
 話の冒頭としての批評、お願いいたします。

347イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/17(土) 02:20
バトルもん書きたいなと思って30分で書きました

既に町の半分以上は赤い魔獣の腹に飲み込まれていた。
炎という名のその魔獣の食欲はまだまだ食い足りないように町のすべてを飲み込まんとしている。
逃げ遅れた人々の阿鼻叫喚の叫び声は丘の上から町を眼下に収める喪服の男に満足げな笑みをもたらす。
「燃えろ燃えろ・・・ハハッ」
タバコを燻らせながら男は呟いた。眼前の光景は傍から見て決して気持ちのいいものではない。
轟音を立てて崩れる時計塔。その残骸に潰されもがく子供。
そんな景色を見ながら男は軽い快感と興奮を覚えているようだ。
その時。背後の薮から強大な殺気と銀の残像を残す突きが繰り出された。
刹那、男は後ろを振り返りつつその突きを避ける。
しかしその殺気は男を逃がそうとはしなかった。続けざま袈裟切りの一撃が繰り出される。
それを懐からとりだしたコンバットナイフで防御。ガキッっと金属音が響いた。
力を込めナイフを手元に引き寄せる。
男は目の前の殺気の塊を見やると、やはり、といった様子で唇を吊り上げ笑った
「……黒獅子ぃ」
黒獅子と呼ばれた男は無表情だが鬼気迫る灰色の相貌でそれに答えた。
「相変わらず火遊びが好きなようだな」

バシバシ叩いてやってください

348イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/17(土) 11:02
>>346
なんだか、小説を読んでいるというよりも何かの台本を読んでるような印象がした。
静的な画が作者の狙いだとしても、シーンのほとんどが会話のみで、描写があまりに不足しているし淡白。
作家らしい「先生」の外見的な印象もここからでは読者に伝わってこない。
特に、少女の性格を描いている「先生。お願いです」〜「やめます。でも泣いてません」
のくだりはもっと効果的に見せてもいいと思う。
全体的に小説的な演出が足りないのでは。

>>347
文章の表現としても場面の見せ方としても陳腐なものが多いというのが正直な印象。
そして肝心なアクションだが、もっと丁寧に描いた方がいいと思う。
描写があまりに雑。
黒獅子の得物ってなに?

349猫丸:2004/07/17(土) 11:43
>>346

個人的に、「白い猫は幸せだ。」から「・・・まったく幸運な連中だ。」までの
会話が微妙にかみ合ってない気がします。言いたいことはわかるのですが、なんか
違和感が残るというか・・・・。まあ、私だけかもしれません。あと、作品の雰囲
気やテンポ、潤子の性格はかなり好きです。続きが読みたいですね。

 ところで皆さん、わたしの作品に関する批評、どうもありがとうございます。近
日中に、女の子が出てくるところも曝しますので、そっちのほうもどうぞお願いします。

350イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/17(土) 14:58
一つ質問。「」でくくられた会話の次の行に地の文を書くとき、
頭は一文字下げたほうがいいのでしょうか?文庫本なんか見てると
そうしてるみたいですけど・・・。

351347:2004/07/17(土) 16:43
>>348
大幅加筆中です。お目にかけられる・・・といいんですが。
とりあえずまた晒してみますね。できたら。

352119:2004/07/17(土) 20:05
これが今書いてるものについては本当に最後です。私は真剣です。

 土曜日の午後、青々と繁る葉をつけた街路樹に沿って、
フブキ、チトセ、鈴蘭が歩いていた。行き先は病院である。
 入院中のフブキの友人がもうすぐ退院できるとの報せがあったので、
その前にもう一回お見舞いに行っておくことにしたのだ。
 「あたしも行っていいのかしら? その人とは面識ないのに」
 バラの花束を抱えた鈴蘭が言うと、チトセがだいじょーぶだよと答えた。
 「そのコね、ちょっと人見知りするコなんだけど、
鈴蘭ちゃんなら気があうとおもうよ」
 「だといんだけど…ね、フブキ」
 鈴蘭はフブキを見つめた。
 「昨日は本当にありがとう。あなたが助けに来てくれなかったら、
あたし、どうなってたか…」
 「いいよお礼なんて。僕は鈴蘭ちゃんとチトセちゃんが仲良くなっ
てくれただけで満足なんだから!」
 フブキは両腕を広げて、うしろから覆いかぶさるように、女子小学
生二人の肩に手お置いた。
 しかし、ここでまた悪い癖が出た。肩に置かれた手はそれだけでは
収まらず、二人の脇の下に滑りこんだかと思うと、チトセの平らな胸
と、それよりはわずかに成長している鈴蘭の胸を、服の上からギュッ
とつかんだのである。

353イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/17(土) 20:08
>>352
お前の人生に m9(・∀・)ヘキサゴン

354119続き:2004/07/17(土) 20:14
 「チョーシにのるなっ!!!!!」
 チトセと鈴蘭のダブルキックをくらって、フブキは前のめりに倒れた。
 「う〜ん、ひどいよ〜…」
 地面に顔をめりこませて呻き声をあげるフブキに、鈴蘭はやれやれと
ため息をついて、
 「まったく…これから会いにいくお友達も男の子なんでしょう? やっ
ぱりコイツみたいにスケベなの?」
 「ぜんぜん! とってもおとなしくて、いい子だよ!」
 「そう、安心したわ」
 鈴蘭はチトセと手をつなぐと、楽しげに語らい合いながら歩いていく。
 「お〜い、待ってよ〜!」
 起き上がったフブキは、あわてて後を追うが、チトセも鈴蘭も振り向こ
うともしてくれない。
 「ごめんよ〜、エッチなことは控えるから機嫌直して!」
 フブキは知らなかった。
 「ちょっとかわいそうだったかしら? 助けてもらったのに?」
 「いいよ、チトセがごほうびにスカートめくらせてあげるから」
 「じゃあ、あたしも一回ぐらいなら…」
 「ダメ〜! 鈴蘭ちゃんのパンツなんて、フッくんにはシゲキが
つよすぎるよ!」
 こんな会話を二人が交わしていたことを。


355イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/17(土) 20:33
>>119
えっと、これで真剣だったら…ちょっと進展のしようがないよな…
まずは君、高校に行くか戻るかしなさい。

356無名人:2004/07/17(土) 22:47
以前ご指摘の有った会話部分を改めて書き直してみました。
深刻な内容のわりに軽くなり過ぎた気がしていますが…。

十八歳になったばかりの山本宏樹は、支給されたM−16A2自動小銃を
抱きかかえ、ブラックホーク機内より眼下を流れる光景を食い入るように
眺めていた。
目には強い殺気と憎悪が宿り、銃を掴む手は力が入り過ぎてかすかに震えて
いる。
「お前、実戦は初めてか?」
その様子を見ていた宏樹の真正面にいる、89式小銃を肩に立てかけて
乾パンを食べていた三十代の自衛隊員、酒巻直哉三等陸曹がヘリの轟音が
響く中、大声で宏樹に話し掛けてきた。
「え!? は・はい!」
宏樹は、いきなり声をかけられて慌てながら答えた。
「怖いか?」
「いいえ! そうじゃないんです。 ただ…」
 そう言いかけて、宏樹は言葉を詰まらせた。顔は激痛に耐えるかの様に
歪んでいる。
「何だ?」
「ただ…。やつらが憎いだけです」
 殺気に満ちた低い声で、宏樹は言った。
「そうか。だが、焦りは禁物だ」
 陸曹はそこで一旦言葉を切り、血気にはやる宏樹を懐かしむように見つめて
から言った。
「やつらへの復讐を望むなら、まずは生き延びる事を考えろ。俺たちの後ろに
ついて、やる事為す事を一つひとつ見て憶えていけ」
そう言って陸曹は、乾パンの缶を宏樹の方に差し出す。
「分かりました、有難うございます」
 宏樹は礼を言うと、乾パンを一枚受け取って口に入れた。
ほおばっているといきなり背中を強く叩かれ、危うくむせそうになった。
「だ・誰だ!?」
振り向くと、宏樹のクラスメイトにして仲間内で最も射撃が上手い坂井隆康が
、ニヤニヤ笑いながら話し掛けてきた。
「何カッコつけてんだよ、オメェは! ゾンビ映画オタクのくせして復讐鬼を
気取ってんじゃねぇ!」
 同じく文学少女にして爆発物のエキスパートという、矛盾した嗜好と特技を
持つが故に“文系の爆弾魔女”という物騒な称号を持つ源田由紀子が、
読んでいた「神曲」の文庫から顔を上げて後を続ける。
「そうそう。山本君、今更カッコつけたって誰も拍手なんてしてくれないよ」
 由紀子のルームメイトで、宏樹が所属する布施師団一の美少女と言われる
古賀美里が、微笑みながら言った。
「そうね。ここで“ナチス・ゾンビ”とか“スペース・ゾンビ”とかのB級
ゾンビ映画について、色々講釈たれる方が宏樹らしいかも」
「お・お前らなぁ…」
 気勢を削がれた宏樹がため息を付くのと同時に、外国人特有の高い発音の
日本語が、ヘリの轟音を圧して機内に響いた。
「後15分で有明埠頭だ!!」
声を出したのは、軍曹の階級章を付けた五十前の白人の男。
宏樹の部隊、第十小隊隊長を努めるライズ・アーメイ軍曹であった。

357イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/17(土) 23:24
表現が乏しいな…もうちょっと描写しないといけないかな?
主人公のセリフも・とかをつけて誤魔化しているのはちょっとね。せめて震えた、とかでもいいから表現するといい思う。
それに設定もおかしいところが多いかな。クラスメイトって…クラス単位でゾンビ狩りですか。そんなに部隊員が困窮しているのか…
あとこの作戦ってどう意味があるのか、とか一度考えてみたほうがいい。
ブラックホーク、M−16A2自動小銃、89式―そう言われても、ぱっと思いつく人っていないと思う。
それにリアリティを追加するなら、89式かM16に絞るべき…白人の男が日本語を喋るのもおかしい。
まだまだ精進していってくれ。

358イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/17(土) 23:26
>>352
もっと文章を豪勢に飾り立てて華やかさを演出した方がいいんじゃないかい?
学芸会の小話みたいだ。

359イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/17(土) 23:32
>>357
もうちょっと、描写できないのかな、ね。
眼下を流れる景色―ってどんなの?想像するのが難しい。
陸曹って出てくるけど―この場合何等なのか分からない一曹なのかとかがね。
設定よりも表現する事をこだわった方が良いと思う。

360イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/18(日) 02:48
>>356
かなり省エネな文章になってるね。
描写を心がけたのかもしれないけど、これだと結果的に説明文になってる。
人数が多いことだし、初登場時の描写は諦めた方がいいと思うよ。
どんな人たちかは、おいおい分かってくればいいんだしね。
あと会話がつまらん。キャラの練り込みは大丈夫?

361イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/18(日) 04:03
>>347
なんというか……30分で書き上げた推敲不足の文章をそのままもってくるのはやめてくれ。
批評してもいいんだけど、普段だったらきみがするはずもないようなミスをしてる可能性だってあるわけじゃん。そんなとこ指摘されても意味ないでしょ?
せめて今度は推敲したものをもってきてくれ。でないとお互いにとって時間の無駄。

>>350
いまいちよくわからんな……。「」もなにも、一時下げは基本中の基本だと思うのだが……。

>>352
最近「撲殺天使ドクロちゃん」という本を読んで、ようやくきみのやりたいことがわかった気がする。でも残念だがいまのきみにあれは書けない。あの手のものはいいかげんい書いてるように見えて実はきちっと計算されているからな。とりあえずいろいろな種類のものを書いて地力を鍛えろ。話はそれからだ。

>>356
前のよりはよくなってる気がする。
でも説明しようという気持ちが強すぎてそれが足を引っ張っているように見える。
冒頭の「十八歳になったばかりの山本某は〜」という部分なんかまさにそうなんだけどさ。地の文で一気に説明しようとするあまりカチコチに硬い文章になってしまっている。同じことを表現するのだって、やり方や見せ方はいくらでもあるだろう?
たとえば中学時代のこと。祝ってもらえたかもしれない誕生日のこと。三十代のおっさんと顔付き合わせて話てること。クラスメイトが銃を持って武装してること。異常事態なんだから「十八歳になったばかりの山本某」てのをどこにかけることも可能じゃん。それに付随して会話やキャラ同士の交流が生まれるかもしれないし、逆に内側にとじこもってしまうかもしれないし、とにかくもったいないよ。せっかくいい舞台と材料があるんだからさ。
同じことは自動小銃を抱えてることやへりにのってることについてもいえる。すべての行動に意味を持たせろとまではいわないけど、キャラの行動の多くは必然的なもの。表現に乏しいといわれてることでもあるし、一度考えてみるのはどうかな。まあ冒頭のシーンだからシンプルでいいんです、といわれればそれまでだが。
こういうような一気に紹介するシーンは「バトルロワイヤル」なんか参考になると思うよ。あれの冒頭もたしかものすごい数の生徒がでてきてたけどそこそこうまく消化してたはず。あれにくらべればこっちは人数すくないほうだし、短いなりにきれいにまとまるんじゃないかな。

362360:2004/07/18(日) 17:11
>>356
前回不親切だったので、きちんと書きます。

会話がつまらないのは、主人公の描写が弱いせい。
巻き込まれ型なのはいいとしても、実戦初参加の心境を活き活きと書くべきでは?
主人公の憎しみについても、直後学園祭ノリになっているため、
切実なものに感じられない。それから、ナチスゾンビはやりすぎ。
せめて、ゾンゲリアや死霊のしたたりクラスにすべきかと。いやどうでもいいか。

説明文だと感じたのは、
> 同じく文学少女にして爆発物のエキスパートという、矛盾した嗜好と特技を
>持つが故に“文系の爆弾魔女”という物騒な称号を持つ源田由紀子が、
>読んでいた「神曲」の文庫から顔を上げて後を続ける。
こういう情報の羅列が、随所に見られるため。

文学少女=爆弾担当という設定のギャップは、もっと活かした方がいい。
”矛盾した嗜好と特技を持つが故に〜”は設定の説明になっちゃってるよね。
人物像を頭の中で思い描くことは読書の楽しみの一つだけど、
その楽しみを奪ってる。物語の中で描写していってほしいところ。
俺はこの人がどれだけのゾンビを巻き込んで自決してくれるかが楽しみなので、
早く続きを書いてください。ブラックホークは脱出用なので、ダウンしないのかな?

個人的には前回の晒しの方が好みだったり。
ライトノベルにして欲しくないと思うのは自分だけかな。

363イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/18(日) 17:33
>>346
鶴田の文章はとっくに基準値に達してるので、
プロットなり作品全体なりを晒した方がいいんじゃないかな。
●◎短編小説・曝し場◎●
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/read.cgi/movie/2689/1052065374/
【投出】途中まで書いた長編を晒すスレ【厳禁】
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/read.cgi/movie/2689/1054480094/

>>119
>「チョーシにのるなっ!!!!!」
ワロタ。
それはともかく、本スレで妹SSを晒してるヤツに負けてる気がする。

364イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/18(日) 21:57
>>363
ここじゃあどれがどう超えてるのか分からんのう

365イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/18(日) 22:57
>>356
初登場時に説明するのはキャラの性格か、能力のどちらかに絞った方がよいのでは?
あとは、坂井隆康の紹介文から加速度的にゴチャゴチャ感が上がって、どれが誰の台詞で
どれが誰の説明文か格段に判り難くなってる。
良く読めば判るが、読み手は確実にここで「ん?」となって読み進めている流れが断ち切られてしまう。

あ、あと個人的馬鹿一趣味ですが、源田由紀子はやはり初登場時から有名作品の引用を言わせるとキャラが立つと思います。

366猫丸:2004/07/18(日) 23:56
 前回より少し進んだところです。ちなみに、舞奈はこの話のヒロイン、
ユキくんは主人公にして語り部です。自分で見た限り擬音がちょっと多す
ぎる気もしたのですが、どうでしょうか。それと、一番肝心なことだと思い
ますが、萌え効果は出ていますか?どうか、批評お願いします。

「気がついたんだね、ユキくん。」
聞き覚えのある声に俺は一安心。振り返ると、舞奈ちゃんが木の影から頭だけを突き出していて、
 思考が、止まった。
「ま、舞奈ちゃん・・・・・・?」
自分の目を疑いつつ、俺はうわごとのように言葉を漏らす。舞奈ちゃんの頭の上には、犬についているような白い耳が二つ、確かに生えていた。
「なに見てるの?」
木の陰から出てきた舞奈ちゃんは、きょとんとして俺を見つめる。それでも、頭をじいっと見られていたらさすがに気付いたらしい。舞奈ちゃんは、自分の耳を軽くつまんで、
「似合ってるかなあ?」
笑顔を向けられても、こっちとしては何とも言いがたい。ていうか、その耳はなに?いつ生えたの?口に出して言おうとすると、舞奈ちゃんは褒め言葉を求めるような表情で、頭のわりに大きな耳をぱたぱたさせ始める。その可愛らしさに、出かけていた言葉は一瞬で止まって、
「尻尾もあるんだよ。」
機嫌よく言って、舞奈ちゃんはその場でくるりと半回転して見せた。なるほど、はためく緋袴の腰元からは、耳と同じく白い尻尾がぴょこんと突き出ている。
「ねえねえ、似合ってる?」
舞奈ちゃんは尻尾を左右にふりふりして、肩越しにこっちを振り返る。似合ってるかって訊かれたらそりゃあ・・・・・・・。
 俺は、耳と尻尾に対する違和感が晴れないながらも、本音のままに言ってあげる。
「似合ってるよ。すごくかわいい。」
「ほんと?嬉しいなあ。」
よほど嬉しいのか、こっちへ向き直っても、尻尾がせわしなく動いているのが見える。こんなところは、犬とまったく同じだ。

367イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/19(月) 00:36
>>366
完全に読者の立場に立って、
自分がどんなものを読みたいかという観点からレスしてみます。

文章は十分及第点だと思う。
萌えはだめ。

どう駄目かというと、舞奈のケモノ感が足らない。
これは男女共通して言えることだけど、自分に懐いて胸に飛び込んでくる異性というものは、
それはもう愛おしい。こういうタイプを犬に喩えることはよくあるよね。
犬少女を題材に選んだ時点で、最低限クリアすべき課題がある。

それから、犬だったらベロをだしてハァハァくらいさせて欲しい。
すると俺も舞奈に対してハァハァできると思う。
この一文には独特の可愛らしさがあって、これはこれで悪くない。
だけど、今萌えをやろうとする人は、生半可じゃ駄目だと思う。
うわっこれギリギリじゃねえの?っていうくらいのケモノっぷりを期待。

368イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/19(月) 03:59
>>362
いや、むしろもっと濃いほうが笑えるだろう。読者がゾンビ系の映画知らないこと前提ならスペースゾンビはタイトル的にインパクトがあて○。ナチスゾンビは×。悪魔の毒毒モンスターとかレイダース失われたゾンビとか、だれが聞いてもあほっぽいほうが笑えるのでは……ここまでかいてきづいたが、笑いはいらないのかな。まあすきにしてくれ。

>>猫丸
文章はいいと思う。擬音も気にするほどのものじゃない。もっと多くても萌え王なら許せる気はする。
367がいうように、もっと犬ぽくてもいいかな。とびつく、足にまとわりつく、膝のうえに乗ってくるエトセトラエトセトラ。犬のしそうな行動を萌えに直結させるとよりよくなるかと。
個人的にはユキくんはもっと理性があってもいいと思う。舞奈のことをかわいい、ほめてあげたいと思いながらも理性がじゃまするというような、そんな葛藤があるとより引き立つのでは。具体的には「似合ってるよ。すごくかわいい」とかの部分を心の声にしたりとかするわけだ。そうするとほめてくれないことに対して舞奈は不満をつのらせたりするかもしれないし、それによってさらに萌える行動をとるかもしれない。なんにしろ、すぐに認めちゃうのはもったいないかなあ。

369猫丸:2004/07/19(月) 17:40
 >>367・>>368

 批評ありがとうございます。まさか萌えが足りないとは思いませんでした。
締め切りの明日までじっくり考えてみます。それにしても、規定五十枚以内
なのに五十五枚超えそうなのは辛い。どこ削ろっかな・・・。

370368:2004/07/20(火) 02:11
>>猫丸
希望というかなんというか、もうまにあわなそうだが一応。
顔をなめる、というアクションは必ずいれてくれ。

371猫丸:2004/07/20(火) 05:36
>>370
分かりました。なんとしてでも入れます。確かに萌えなシーンですからね。

372鶴田:2004/07/20(火) 18:51
批評してくださったかた、ありがとうございます。

>>348
たしかに、静的な画を狙いすぎて描写が少なくなりすぎてしまったようですね。
もう少し足してみます。

>>349
唐突な物言いをするキャラ、ということで頭の中のイメージはあったのですが、書くべきかどうかで悩んでいたのです。
やはりこのへんは読者に伝えておくべき情報ですかね。

>>363
なるほど、こんなところがあったんですね。参考になります。

373某スレの809:2004/07/20(火) 21:26
みなさん。お久しぶりです。
今回も、電撃に送ったけれど「作家でごはん」には上げなかった小説を、推敲し直してから全部上げます。
かなり長いです。
どの位長いかと言うと……レスを10個消費します。

以下に上げる短編では、最初に「萌えキャラを出す」と決め、全てをそこから作っていきました。
聞きたい事は、
1:一瞬でも萌えたか(興奮したか、でもいい)
2:スラスラと文章を読む事が出来たか
3:萌え小説でも、こんなオチはありだと思うか
の三点です。
個人的には、電撃に送った作品の中で最も自信の無い作品ですが、
どうぞ、批評をよろしくお願いいたします。

374某スレの809:2004/07/20(火) 21:27
 そいつはもちろん驚いたし、そいつを見つけた男はもっと驚いた。
 だが、そいつは見つけられてしまったし、男は見つけてしまったのだから、仕方が無い。
「お前、何者だ?」
 男が言った。
 そいつは、うろたえていた。
「え……ええっと……あのぅ……」
 そう言って、口元に手を当て、「どうしよう。どうすればいいんだろう」という風に、キョロキョロとまわりを見まわす。
 そいつは、まだ年端も行かない少女に見えた。その少女は、部屋の中に一人でいた。そして、どういうわけか、その少女は全裸だった。
 そして、さらにどういうわけか、その少女には、羽根が生えていた。
 背中に、真っ白な羽根が生えていた。
「……お前、一体何者なんだ?」



 男が少女の居る部屋に入ったのは、全くの偶然である。
 男は、今日の分の食料を近くのコンビニから調達し、今日の寝床を探していた。そして、偶然見つけた、どこにでもある二階建て全室1DKの、木造アパートに入った。
 男が偶然開けた部屋には、少女がいた。その少女には、羽根が付いていたのだ。



375某スレの809:2004/07/20(火) 21:27
「わ……私は……」
 少女は、ただただうろたえていた。布一つ纏っていない体を隠そうともしなかった。この少女は、男に裸を見られた時にどうすればいいのかすらわかっていないようだった。
 一つ一つ、聞きたい事を細かく分け、順番に聞いていく事にした。
「お前は、いつからここにいるんだ?」
 男が聞くと、少女はまたしても「え?」という顔をした。
「お前はどのくらいここにいるんだ? まず、それを教えろ」
 男は、声に少し怒気を込めて言った。
 少女は、ビクリとふるえた。
ただただ怯えていた。男は、何を言っても似たような反応しか返さない少女を、殴りつけたくなった。
「ご……ごめんなさい。怒らないで」
 少女は、上目遣いで男を見上げながら、ようやくそれだけ言った。
 これだけの時間をかけ、少女がようやく言った言葉は、コレだけであった。男はキレた。
「いいから、さっさと質問に応えろ!」
 男は怒鳴った。少女は「キャア」と言い、頭を手で抱え、下を向いた。目には、わずかに涙が浮かんでいた。
 それを見て、男は「ああ、ダメだコイツ」と思った。
 男は、少女のすぐ近くまで歩いて行き、しゃがみこんだ。視点の高さが、少女と一緒になった。

376某スレの809:2004/07/20(火) 21:27
「君は、いつからここにいるの? 教えてくれる?」
 男は、小さな子――幼稚園児くらいの子――に話しかける時の口調で、少女に言った。
 見た目は高校生くらいに見えた。絶対に、中学生未満という事はない。
 こうすると、ようやく少女はまともな受け答えをするようになった。
「わ……私は、私は、」
 少女の声は、どもりがちだった。
「わ……私は、生まれた時からずーっとここに……い……います……」
 少女は、どもりながらもそう言った。
 そして言った。
「あ……あと……私、ママがいないんです……」
「なんだって?」
 男は、眉を寄せながら少女にそう言った。
 男がそう一声発しただけで、少女は怯えの表情を見せた。
「わ……私は、お母さんがいないのに、生まれてきたらしいんです……」
 男は、何も喋らずに、少女の言う事を聞いた。
「そ……それで……ここにくる人達が、ずーっと、私の面倒を見てくれてたんです。それで、私は、生まれてから、ずーっと、ここにいるんです……」



377某スレの809:2004/07/20(火) 21:28
 そう言うと、少女はまただまりこくってしまった。
「お前は、自分がどこで生まれたのか、わかるか?」
 男がそう言うと、少女は物凄い勢いで首を横にふった。「この男の言う質問には、すぐに反応しなければ殺される」。そんな事でも思っているようだった。
「わ……わからないです……」
 男は、少女の背中から生えている「ように見える」羽根に、触ってみた。
「きゃぁっ!」
 少女は、男が羽根に触れると悲鳴を上げて男の手から逃げ出した。そして、部屋の隅に行き、足を抱えて座り込む。
「……やめてくださいぃ……さわらないで下さぁいぃ……」
 そう言うと、男の方に尻を向けたまま、しくしくと泣き始めてしまった。
 男は、自分の手を見た。ついさっき自分の手に触れた感触は、子供の玩具の類には思えなかった。
 だから、
「君は、人間なのか?」
 と男が質問をしたのは、当然の事だった。

378某スレの809:2004/07/20(火) 21:28
「わ……私には、お母さんもお父さんもいません。ひっく……だから、わかりませえぇん……」
「ほう。では、君はどこで生まれたのかな? まさか、この部屋で生まれてきたってわけでもあるまい」
「わ……私は、」
 そこで、少女の口が止まった。
「……どこかの研究室で、生まれた……ひく。はず……です」
 たしかそうだった、というような口調。
「誰の子供として?」
「……ひく。知りません」
「君は、ずっとここに一人でいるのかい」
「……はい……」
「君は、ここから逃げ出そうとした事は、一度も無いのかい?」
「……ひく。一回だけ……ひく。ここを逃げ出した事があります」
「ほう。じゃあ、その時の事を話してくれるかい?」
「……はい」



379某スレの809:2004/07/20(火) 21:28
 私は、ずっとここに住んでいました。日に三回、食事を持った人がこの部屋に来てくれる以外は、この部屋に一人ぼっちでいました。ある日、退屈で退屈で仕方がなかった時に、この部屋の壁をじーっと見つめていたんです。そうしたら、不思議な事に、壁に穴が開いたんです。私にも通れるくらいの……はい。私にも理由はわかりません。けれど、私が壁をじーっと見つめていたら、穴が開いたんです。
 私は、穴から外に飛び出しました。この部屋は二階だったので、地面に落ちてしまいました。……はい。この羽根は、空を飛ぶ事は出来なかったんです。私は空を飛ぶ事が出来ず、地面に落ちました。けれど、何故か体は全然痛くなくて、すぐに立ち上がる事ができました。
 私は、街の中を歩きました。
 ……はい。その時も、裸でした。
 この格好で、街に出て行きました。
 通りに出たら、色々な人がいました。
 私を見て、ポカーンとしている女の人。子供の目を塞ぐ親。苦笑いを浮かべながらも、ジーっと見ていた男の人。その場から逃げ出した人。
 私は、皆さんの驚いている理由が何だか、分かりませんでした。
 しばらくして、誰かが
「あれ! あの女の人、羽根がついてる!」
 と叫びました。ちっちゃい子供でした。
 私は、その声を聞いた時、「えっ? 何かおかしい事なの?」と思いました。
 それから何が起きたか、よく覚えていません。
 気が付いたら、私は研究所に連れ戻されていました。

380某スレの809:2004/07/20(火) 21:29


 そう言うと、少女の口は動きを止めた。
 男は尋ねた。
「……何故、部屋の壁に穴が空いたんだろう?」
「わ、わかりません。……けれど、研究所にいた人達が、『あなたは超能力を持ってるんだよ』って、言われた事があります」
「ふーん……ところで、『日に三回食事が運ばれてくる』って言ってたな? お前は、飯を食べるのか?」
「は……はい。ご飯を食べないと、お腹が減って死んじゃいます。ご飯は、すごく好きです」
 男は、不思議に思った。
「最後に飯が運ばれてきたのは、いつだ? お前はその時から一度も食事を取らずに生きているのか?」
「は……はい。そうです。不思議なんですが」
「どういう事なんだ?」
「私にもわからないんですけど……」
 少女は、「最後に食事が運ばれてきた時」の話を始めた。



381某スレの809:2004/07/20(火) 21:29
 最後に食事を運んできてくれた人は、男の人でした。
 男の人が運んできた食事は、それまでと違う味がしました。
 男の人は、「研究所で作っていた食料がなくなってしまったから、これは近くの店からとってきた物なんだよ」って言ってました。
 ……今までの物よりも、まずかったです。
 ……ただ、その日。普段と違っていた事は、食べ物の味だけではありませんでした。
 男の人は、私が物を食べている間、私の事を、じーっと見てたんです。
「見られながらじゃ食べづらいです……」
 って私が言うと、
「いいから。気にしないで」
 って言われました。
なんだか、私の事を見てるのが楽しかったみたいです。
……ちょっと、嬉しかったです。
ちょっとだけ緊張しながら、私は食べ物を食べ終えました。
そうしたら、男の人が、



382某スレの809:2004/07/20(火) 21:29
「私のここを、舐めだしたんです」
 少女が指で示した部分は、彼女の首筋だった。
「それで、男の人は、私のここを押して、私を床に押したんです……」
 少女が指差している部分は、男が一番触りたいと思っている部分だった。
 男は、ゴクリと唾を飲み込んだ。
 まさか、その時の事を、これから一つ一つ事細かに説明してくれるってわけじゃないだろうな?
「そうしたら、なぜか男の人は気を失ってしまいました」
 ……え?
「それから、二度と目を覚ましませんでした……多分……男の人は、死んじゃったんだと思います」



「どういう事だ!?」
「……私にも、理由はわかりません……」
「……わからない、って……そいつの体……死体は、どこに行ったんだ?」
「……し、死体は……そ。そう。その男の人の体は、毎日少しずつ減っていきました。体についている肉が、毎日同じ量だけ、まるで機械が燃料として使っているみたいに、減っていったんです。毎日少しずつ体が削れていって、肉がなくなって、臓器がなくなって、最後に骨がなくなりました……」
 言い終えると、少女はまた上目使いで男の方を見上げた。
 少女は、今はもう男の方に向き直っている。そして、瞳はまだ涙に濡れていた。

383某スレの809:2004/07/20(火) 21:30
 男は思った。
 この部屋に、「人間の体を燃料に」使うような、機械はない。
 そう。「機械」は、無い。
「どうして、そいつの体は削れていったんだ?」
 男が聞くと、少女はさっきと同じ上目使いで、
「私には、わかりません」
 と言った。
「ごめんなさいぃ……私にはこれ以上はわからないんですぅぅー。お願いだからそんな怖い顔しないでくださぁぃぃ」
 そう言うと、天使みたいな羽根を持った少女は、また顔を俯かせ、メソメソと泣き出した。
「……おい。お前に一つ聞くぞ」
「何ですか?」
「その男の体が全部無くなったのは、一体いつだ」
 少女は答えた。
「昨日ですよ」



 その次の瞬間です。男の人は、気を失ってしまいました。そして、二度と目を覚ましませんでした。
 そして、男の人の体は、前の人と同じように、少しずつ減っていきました。
 まるで、この部屋にいる一人ぼっちの誰かが、少しずつ食べているかのように。

384イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/20(火) 22:57
おや、オピローグくんか。
結局受験生に戻るとか言ってまだ書いているんだね。
懲りない人だ。

最初から一番自信ない作品とか抜かしてるから見るのすら嫌だったんだが、一応読んだ。
全く意味不明な内容だったけど。
つーか、文章が読みづらい=そもそも内容が訳分からんから。
これで萌えるとか興奮するとかは俺には絶対無理。最後まで読むのも辛かったぞ。
まあ、一次落ちは仕方ないという内容だったな。

385イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/20(火) 23:43
>>某スレの809さん
1:おびえる少女にちょっとだけ。

2:特に文章のつなぎなどでひっかかるとこはなかったかな。読みやすいと思う。

3:結末がダークすぎるかなぁ。例え前半すごい少女に萌えてても、読み終わったら吹き飛んでる気がする。
  あと男が最初から暴力的なのは結末のインパクトを弱めてるんじゃない。

前に晒してあるのも見たけど下地はできてきてると思うよ。アイディアはもう一ひねり欲しい。

386イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/21(水) 06:19
なんか、内容が無かった気がするなあ。
つまらない…は言い過ぎにしても、普通以下の気がした。

感想のことなんだけど、偉そうに決めた感想要求するんじゃなくて、読んで
率直に思った感想を聞く方がいいんじゃない?
プロじゃないんだから。

387イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/21(水) 10:42
>>某スレの809
文章が全体的にぼんやりした印象。「これだけの時間をかけて〜」とか具体的でない表現が多いからだと思う。「きもい」とか「普通に」みたいな若者言葉的な適当さを感じる。それが狙いなのか天然なのかはわからんが、個人的にはひっかかる。三人称でしょ?
少女に関してはまったく萌えません。つか、これで萌えられる人も珍しいだろう。「背中に羽根」とか「素っ裸」とかさ、借り物のイメージにしか見えない。ありきたりというか発想が貧困というか。目新しい部分がない。
男がアパートにたどりついた理由も釈然としない。コンビニ荒らしをしてからなぜアパートにいったのかがわからん。この部分に関する君の説明もまったく不十分。これだったらないほうがいいくらいだ。たぶんきみはシーンに縛られすぎてるんだと思う。少女がいるアパートに男をいかせようとするあまり、それでいて男を乱暴なやつにしようとするあまり、わけのわからない理由と背景を作り出してしまっている。ホラーて雰囲気命みたいなところあるからさ、基本的な部分で違和感があるのはまずいよね。
見た感じ、変にこらなくても男は郵便配達かなんかでいいんじゃない?それだと乱暴な男にはならないかもしれないけど、乱暴である必要もないじゃん。実際暴力描写もほとんどないし。いらないものをカットすれば、もっとよくなると思う。これはどの小説にもいえることだけどね。
で、こういう萌え小説はありか?に関してだが、おれはなしだと思う。すくなくとも重要なのは萌えじゃない。ホラーの要素。萌えはあくまで副産物として考えろ。まあ、そもそも萌えるホラー小説って見たことないけどな。
電撃に送った、ってのはすごいな。いろんな意味で。あそこがこういうの求めてると本気で思ったのか?

3881/3:2004/07/21(水) 18:21
>某スレ809氏
わりと酷評になるかも。
批評が見当違いだったらスマソ。

1.泣いてるとことかは微妙に。
ただ羽根少女、男ともに(悪い意味で)普通やらないような変な行動を取っている。
ストーリーの都合通りに動く人形みたいな感じ。

2.出来なかった。
a.文章が冗長で無駄が多い
・接続詞(「そして」「だが」など)や会話文前後の「〜と言った」「〜と言って」は大体省略出来る。
・至近の文章で同じ単語、同じ言い回しを多用してる。>>374とか特に。
わざとかも知れないけど、やっぱり読みにくい。

3892/3:2004/07/21(水) 18:23
b.キャラクタの行動が不自然。特に「男」が何考えてるのかさっぱり分からない。
「偶然見つけたアパート」にいた少女に「いつからここにいる」といきなり聞くか?
普通「偶然見つけたアパート」の部屋に人間がいたらその部屋の住人だと思うよな。
男が部屋の住人に「いつからここにいる」と真っ先に聞く目的って何?
それとも少女が部屋に不法滞在していると思って、だから聞いたのか?
だとしたら男は何を根拠にそう思ったんだ?
大体男は何故怒ってるんだ? 怒る理由なんてあったか?
>>375の時点でもうこれだけ分からない。
それ以降の文章でも、「母親無しで誕生した」みたいな謎なことを言われても男のリアクションは薄いし、
普通の木造アパートに住んでる少女に「逃げ出そうと思ったことはないのか?」とトンチンカンなこと聞いてるし。
それ以外にも男と少女の変な言動は山とある。
作者の書きたいストーリーのために、キャラを無理矢理動かしてないか?
なんか男も少女も、未来が見えてるみたいな不自然な動きをしてる。
そのキャラクタがその状況に陥ったらどう行動するのか、そして読者にどうそれを説明するのか、もっと考えながら書いていった方がいいと思う。

3903/3:2004/07/21(水) 18:30
c.説明不足。
後半は説明放棄のすっとばし感があった。
また、部屋や少女の外観について具体的な描写に欠けてた。
どんな部屋でどんな羽根よ、と。
大きさは? 形は? どこから生えてる? などなど。
作者にとってはどーでもいいかも知れないけど、読者としては具体的な描写がある程度ないと読んでてイメージがわかないのよ。

3.少女にもっと強烈な人間味(あるいは萌え要素・萌え属性w)があれば可能かと。
あの結末が最も栄えるようなキャラ付けをして、読者に「俺も〜たんの食料になりたい」とか思わせれればしめたもの。

まとめると、アイディアはいいんだけど文章・構成が洗練されてない感じ。
食材の選び方はまあまあだけど、調理の仕方がまだまだ拙い、てとこかな。
地道な鍛練を続けていけば克服出来る部類の弱点なので、
まあ、これからも頑張って下さいです。

391某スレの809:2004/07/21(水) 19:34
>>384
>懲りない人だ。
俺だめ人間ですから(笑)

>全く意味不明な内容だったけど。
まともな内容の物が書けるよう、努力します。
読むのもつらいような物を読ませてしまい、申し訳ありませんでした。

>>385
>あと男が最初から暴力的なのは結末のインパクトを弱めてるんじゃない。
……当初は、もっと違う感じの男を書く予定だったのですが……
うまくいかず、こういうキャラに変えました。
そういうキャラを書く力が無いってゆー事です。

>>386
>感想のことなんだけど、偉そうに決めた感想要求するんじゃなくて、読んで
>率直に思った感想を聞く方がいいんじゃない?
>プロじゃないんだから。
偉そうに見えたんだったら、すいません。
どうしても聞いておきたい事だったもので……

392某スレの809:2004/07/21(水) 19:34
>>387
>狙いなのか天然なのかはわからんが、個人的にはひっかかる。三人称でしょ?
天然で、やっちまいました。
出来る限り修正していきます。

>ありきたりというか発想が貧困というか。目新しい部分がない。
そういう部分を、思いつけなかったというのが実情です。

>この部分に関する君の説明もまったく不十分。
確かに、読み返してみるとその通りです。
何度も書いた事ですが、出来る限りそういうミスをなくすよう努力していきます。

>すくなくとも重要なのは萌えじゃない。ホラーの要素。萌えはあくまで副産物として考えろ。
ホラー小説を書いたつもりは、まったくありませんでした。
……「萌え小説を書く」と何よりも先に決めて、そこからストーリーも作っていったのに、そういう評価をされるのは、ある意味アレです(笑)

>あそこがこういうの求めてると本気で思ったのか?
わからなかったから、短編連作の一つとして送りました。
自分に萌え系の話が書けるかどうか、調べてみたくて書いた、というのも理由の一つですが。

393某スレの809:2004/07/21(水) 19:45
>>388-390
>a.文章が冗長で無駄が多い
今後、気をつけます。
推敲する時に、何でそういう所に気付けないんでしょうかね。ホントに。

>キャラクタの行動が不自然。特に「男」が何考えてるのかさっぱり分からない。
キャラクターに関する描写を、もっと細かくやるべきだったと、反省しています。(男は怒りやすい気質だったとか、男が何故そういう質問をしたかの、男の心情描写とか)
今後は、そういう読者の疑問点に気付けるようがんばります。

>c.説明不足。
>作者にとってはどーでもいいかも知れないけど、読者としては具体的な描写がある程度ないと読んでてイメージがわかないのよ。
今後、気をつけます
って、このセリフ言うの何度目かわからないのですが……

>3.少女にもっと強烈な人間味(あるいは萌え要素・萌え属性w)があれば可能かと。
努力します。


皆さん、批評、ありがとうございました。

394387:2004/07/23(金) 02:07
>>392
お、ちがうのか?萌え要素を含んだホラーだと認識してたんだけど。きみ自身も「こんなオチはありなのか」っていってるし、そのへんのバランスも考慮に入れての批評がほしいのかと思っていた。必要ないならすまなかった。
あとすこし疑問なのが、短編連作(複数の短編がまとまってひとつの作品になっていると解釈した)って規定違反じゃないのか?というところ。たいていどこの新人賞でも完結した「一つの」物語であることってのが暗黙の了解だった気がする。たとえば電撃の規定を例にとってみると、欄外に「複数応募可。ただし1作品ずつ別送のこと」と書いてある。もちろんおれの解釈がまちがっている可能性もあるので、確認しておいたら?

395鶴田:2004/07/23(金) 19:51
 私は胸元のコサージュをいじりながら、呆然として鏡を見ていた。
 オレンジ地に赤のフラワープリントドレス。オレンジのヒール。眉毛は緩やかに弧を描き、唇には薄いピンクのリップまで塗っている。まるで映画に出てくるお嬢様。
 私はメイクなんてほとんどしたことがない。昔、内緒でママのリップを借りたことがあるんだけど、そのときはお化けみたいになってしまった。今日はそれに加えてドレスにヒールだ。ジーンズにシャツが制服の私にとってはあまりといえばあまりの変わり様。初めて尽くしフルコース。まったくの別人になったみたいで落ち着かなった。嬉しい気分ももちろんあるけど、どちらかといえば恥ずかしさが先に立ってしまう。
「……私、やっぱりこういうのやめる」
「「似合うわー。希ちゃん。手伝ったかいがあるわね」」
 多重音声がドレスルームに響く。鏡に私と同い年くらいの女の子が二人、映っている。
 赤くて裾にレースの入ったドレスを着ているのがユリ。枝毛のないまっすぐな髪が背中まで届いている。小動物のようにくりっとした目で私を見ている。
 青くて裾にレースの入ったドレスを着ているのがルリ。枝毛のないまっすぐな髪が背中まで届いている。小動物のようにくりっとして目で私を見ている。
 一卵性双生児ということもあってか、二人はよく似ている。背格好も顔も声も、ほとんど同一人物のものだ。しかも天使のようにかわいらしい。
 ヒールを脱ごうとすると、二人に止められた。
「だめよー。せっかく似合ってるのに」
「そうよー。ヒール高いからチビなのも目立たないのに」
「ドレスもゆったりしてるから、ちょっとやそっとのずん胴でもバレないのよね」
「ペチャパイでも平気なのよね」
「「ねー」」顔を見合わせてハモる。
「やっぱり脱ぎます……」
「だめだったら(にこにこ)」
 がしっ。
 双子の手が肩をつかんでくる。華奢な外見からは想像もつかないほど力が強い。
「文句いうと殺すわよ?(にこにこ)」
「こわっ。笑いながらいうところがこわっ」
「そんな希ちゃんには特別に、どちらがユリか見分けるいい方法を教えてあげるね」悪魔のように微笑むユリ。
「あら、そんな便利な方法あるの?ユリ」
「簡単よ。かわいいほうがユリ」
「てめえ殺すぞこのヤロー」
 ルリが笑いながらユリを殴った。グーで。
 二人が殴り合いの喧嘩になった隙に、私はそっとドレスルームを抜け出した。


―――――――――――――――――――――――――――――――

 前回同様、リレーの一部抜粋。
 冒頭よりちょっと進んだシーンなので、希の説明は済んでいます。
 双子キャラを書くのは初めてなものであまり自信がありません。とくにそのあたり中心にお願いします。

396無名人:2004/07/23(金) 23:16
皆様批評ありがとうございます。
あの会話はやっぱり軽過ぎて内容にそぐわないのでので完全にカットし、まず
は主人公が何故ゾンビを憎んでいるのか、彼の過去を描く形で説明するように
します。
他の登場人物は、この後の東京港での戦闘シーンで登場させ、個々の役割を
見せることで紹介していくことにします。

>ライトノベルにして欲しくないと思うのは自分だけかな。

個人的に一番効いたのはこの一言ですね。ロメロ作品のように冷徹かつ非情
な人間描写を心がけるようにします。

397イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/24(土) 15:57
>>395
描写が紋切り型ではあるけれど、双子キャラの魅力は充分伝わってきたよ。
ただ、コサージュっていうのがなんなのか分からなかった。
自分はファッションに極端に疎い方でもないです。
いま調べてみたら胸元の花飾りということなんで、
その通りの言い回しで充分なんじゃないかな。

>>396
>他の登場人物は、この後の東京港での戦闘シーンで登場させ、
>個々の役割を見せることで紹介していくことにします。
そのやり方に賛成。よかったらまた読ませてください。

398イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/24(土) 20:51
>>395
読みやすいんだけど、ちょっと古臭いかな。
>昔、内緒でママのリップを借りたことがあるんだけど、そのときはお化けみたいになってしまった。
とくにこれは『今』にはそぐわないような。あ、現代物じゃないのかな?
あと、個人的には「「」」とかわざと全く同じ文をくり返して
双子のそっくりぶりを強調するのとか
『もうすでに誰かがやってる、ちょっと変わった表現』
は評価できなかったです。新人賞に出すには不利なのでは。
比喩もありきたりなものばかりだしなぁ。
一箇所だけでいいから、「お、これは新鮮な表現」と思える描写が欲しいですね。

399鶴田:2004/07/26(月) 18:30
批評ありがとうございます。
>>397
なるほど、そっちのほうがわかりやすくていいですね。
>>398
表現が淡白すぎました。もうすこし頭をひねってみます。
リップのところですけど、現代物じゃないと思われるほど古いですか?なんとなく女の子がやりそうな行動のパターンとして頭の中にあったんですけど。それ自体が古いのかな……気をつけます。

400イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/26(月) 19:14
「ママのリップを〜」という表現を見て、
現代ものじゃないなんて思う人はいませんよ^^

401398:2004/07/26(月) 22:40
うをっ(゜∀゜)。変なこと書いてた。スマソ
現代物じゃないと思ったんじゃなくて、80年代ぽいと感じたのです。
いまどきは小学生でもネイルとか楽しんでお洒落してるし(しかもかわいい)
ママンのリップでなく、ふつうに自分用買ってもらってたりするしね。
なんつーか、「こっそりお化粧して失敗した」がなさそうなわけです。
ただ単に、いままで化粧に興味なくて、今回初めて(強制的に)されちゃった、だけのほうがいいのかも。

402猫丸:2004/07/27(火) 08:39
 今回の萌王に送った作品です。まず受賞は無いと思われるので、貼り付けます。
以前に頂いた批評を受けて修正したところもありますが、できなかったところも
あります。その点はどうかご了承ください。
 批評についてですが、やや厳しめにお願いします。ストーリーから文章まで、気
になったところはどんどん指摘してください。あと、良かったところ、悪かった所
をそれぞれ指摘してくださればとても嬉しいです。

友達の家からの帰りだった。誰もいない夕方の小道を遅足で歩いていると、どこからか石焼き芋の売り声が聞こえてきた。近付いているなら買ってもいいかな、と思ったけど声は徐々に遠ざかって、しばらくすると吹き付ける北風にかき消された。多分、さっきまでいた友達の家の方に行ったんだろう。俺は大きくため息をついて、薄暗い道をまた歩き始めた。
 少しして曲がり角を過ぎると、夕闇のすぐ向こうに低い山のシルエットが浮かび上がった。高さを考えたらむしろ丘と言ったほうがいいと思うけど、この辺りでは一応“鎮守の山”なんて呼ばれている。と言うのも、この山のふもとに十市神社という小さな神社があるからだ。
 それにしても、この辺りは昔とまったく変わっていない。今とちがって神社へちょくちょく遊びに来ていた小学校の頃と、風景はもちろん、寒さの具合、風に乗ってくる埃の匂いまで同じ気がする。ただ、いくら環境がそっくりでも、俺自身はそうはいかない。今の俺は、あの頃とはまったく変ってしまった。無邪気な心も、毎日を楽しいと思う気持ちも何もかも――――――無くしてしまった気がする。
 そんなことを考えていると、俺は神社のすぐ前にいた。眺めてみると、相も変わらず小さい神社だった。実際、木肌も黒ずんだ本堂は並の家と変わらない大きさだし、石の色そのままの鳥居も人二人分くらいの高さしかない。それでも枯れ木の目立つ山を背景に立つその姿は、風情がある以上に霊験あらたかで、見ていてみすぼらしい気はしなかった。けれど、
 ……あれ?
 何かが妙だった。あまりに不自然で、かえって気づきにくい、そんな変化が起きている気がした。気になる俺は、狭い境内を一面見渡す。本道、参道、手水舎、鳥居……あ。
 一匹、足りない。
「初詣でのときは…二匹ともいたよな?」
 そう。本来なら二匹で向かい合っているはずの狛犬は、今や右側のがただ一匹で虚空を見つめていた。一匹は、壊れでもして捨てられたのかもしれない。そう考えて残っているほうを見ると、こっちも今にも壊れそうな感じでヒビが入っていた。狛犬は魔除けのためにあると言うけど、一匹、それも壊れかけので魔除けの役割は果たせるのだろうか。大きく開かれた目を見ていると、何となく狛犬が可哀そうに見えてくる。頭を撫でてやると、手に伝わる石の感触がやけに硬くて冷たかった。
 鳥居の前から境内を見ていると、初詣でのとき以来お参りをしていないことに気がついた。ここまで来てお参りしないというのもあれかな、と俺は鳥居をくぐる。とりあえずは、あんまり進まない受験勉強について祈ってみよう。手を洗ったり水を飲んだりというのは、面倒くさいから省略する。
 賽銭箱に五円玉を放り込んで、まずは景気良くひも(?)を振る。静かな境内に鈴(?)の音が響き渡ったのを確認して、俺は目を閉じた。手を合わせて祈る内容はもちろん、
 (金を積む以外のどんな手を使ってもいいから、大学に合格させてください。できれば国立、それも地元が…)
 五円ぽっちの賽銭であまりにも厚かましい願をかける俺。これじゃあ、千円くらいは奉納しないといけないかな。そんなことを思い始めたとき、

403猫丸:2004/07/27(火) 08:41
 《ほんっと、厚かましいなあ》
どこからともなく、女の子のからかうような声が聞こえた。本堂の中からじゃない。ていうか俺、願い事を口にした覚えはないのに。
《かなり無茶なお願いだけど、特別にかなえてあげる。そのかわり、約束して欲しいことがあるの》
声は相変わらず聞こえ続ける。不思議に思って辺りを見渡してみても、誰もいない。受験勉強のストレスで、幻聴が起こったのか?
《約束はかんたん。お参りが終わったら、わたしといっしょに遊んでくれればいいの。どうする?約束する?》
声は、頭の中で響いているみたいだった。普通に考えれば、これは間違いなく幻聴だろう。でも、仮にそうじゃないとしたら……
神様の声?
考えてすぐ、馬鹿馬鹿しいと思った。神の声なんてものは、よっぽど信心深い人にしか聞こえないはずだ。少なくとも、俺には無理だろう。
《約束するの?しないの?》
女の子の声が、ちょっとだけ苛立ちを帯びる。もう、何が何だがわからない。こうなったら、ものは試し。<神の声>に答えてやろう。
「約束します。」
俺がそう言うと、声は二度と聞こえなくなった。俺は風が落ち葉を蹴散らす音を聞きつつ、しばらく茫然となる。約束って言うけど、破ったらバチでも当たるのだろうか。幻聴なら、行くのはやっぱり精神科か。
いいかげん悩んでいても仕方ない、と俺は我に返る。それから、来た道を帰ろうとして、
「ずいぶん長いこと、考えことしてたね」
参道に立っていたのは、まっすぐな黒髪を長く伸ばした、十歳くらいの女の子だった。この神社の巫女さんなのだろうか。初詣での時によく見る、紅白の装束を身に着けている。

404猫丸:2004/07/27(火) 08:41
 《ほんっと、厚かましいなあ》
どこからともなく、女の子のからかうような声が聞こえた。本堂の中からじゃない。ていうか俺、願い事を口にした覚えはないのに。
《かなり無茶なお願いだけど、特別にかなえてあげる。そのかわり、約束して欲しいことがあるの》
声は相変わらず聞こえ続ける。不思議に思って辺りを見渡してみても、誰もいない。受験勉強のストレスで、幻聴が起こったのか?
《約束はかんたん。お参りが終わったら、わたしといっしょに遊んでくれればいいの。どうする?約束する?》
声は、頭の中で響いているみたいだった。普通に考えれば、これは間違いなく幻聴だろう。でも、仮にそうじゃないとしたら……
神様の声?
考えてすぐ、馬鹿馬鹿しいと思った。神の声なんてものは、よっぽど信心深い人にしか聞こえないはずだ。少なくとも、俺には無理だろう。
《約束するの?しないの?》
女の子の声が、ちょっとだけ苛立ちを帯びる。もう、何が何だがわからない。こうなったら、ものは試し。<神の声>に答えてやろう。
「約束します。」
俺がそう言うと、声は二度と聞こえなくなった。俺は風が落ち葉を蹴散らす音を聞きつつ、しばらく茫然となる。約束って言うけど、破ったらバチでも当たるのだろうか。幻聴なら、行くのはやっぱり精神科か。
いいかげん悩んでいても仕方ない、と俺は我に返る。それから、来た道を帰ろうとして、
「ずいぶん長いこと、考えことしてたね」
参道に立っていたのは、まっすぐな黒髪を長く伸ばした、十歳くらいの女の子だった。この神社の巫女さんなのだろうか。初詣での時によく見る、紅白の装束を身に着けている。

405猫丸:2004/07/27(火) 08:43
……すみません。二重にカキコしてしまいました。

「わたし、舞奈っていうの。そっちは?」
「僕は、名瀬幸俊だよ。みんなはユキって呼んでるけどね。」
「ふうん。じゃあ幸俊さんのこと、ユキくんって呼んでいい?」
「うん。いいけど。」
頷いてあげると、舞奈と名乗った女の子は、人懐こそうな笑顔を振りまいて喜んだ。その表情を作る大きな瞳を可愛いなと思いつつも、俺はなんとなく釈然としない。舞奈ちゃんの声は、どこかで聞き覚えがあった。
「ねえ、ユキくん。約束だよ。私と一緒にあそぼ。」
「約束…(!)」
思い出した。舞奈ちゃんの声は、さっきお参りしてる時に聞こえた声と全く同じだった。
ああ、と俺は心の中で納得した。ようするに、お参りのときの声は幻聴でも神様の声でも何でもなく、単に舞奈ちゃんがどこかに隠れて言っていたわけだ。わざわざ隠れたのは、子供らしいイタズラ心によるものだろう。
「ねえねえ、遊ぼうよぉ。」
そう言って、舞奈ちゃんは俺の腕を引っぱり引っぱり。正直、今は一分一秒が惜しい身だけど、ここは舞奈ちゃんのかわいらしさに免じてOKしよう。それに神サマとの約束だし。
「うん。いいよ。」
「ほんと?じゃあ、来て欲しいトコがあるんだけど…」
俺の手首を握ったまま、舞奈ちゃんは遠慮がちに俺を見つめてくる。
 と思うと、舞奈ちゃんの目線が脇に向いて、
「あそこの階段を昇っていくんだよ。」
舞奈ちゃんが指差したのは、本堂の裏手から山の中へ伸びる階段だった。幅は、二人がどうにかすれ違えるくらいだろうか。段差もかなり急だったから、止めたほうがいいかなとも思ったけど、舞奈ちゃんは特に気にした様子も無い。まあ、この神社の子なら慣れた道だろうと、俺は何も言わずについていくことにした。

406猫丸:2004/07/27(火) 08:45


舞奈ちゃんに案内されたのは、山の中腹にある狭い空き地だった。草の一本も生えていない、土むき出しのそこには小さなほこらがぽつんと立っていた。
「こっちだよ、ユキくん。」
先に来ていた舞奈ちゃんは、ほこらの隣からこっちに向けて大きく手を振る。一体、何をしようというんだろう。とにかく行ってみると、舞奈ちゃんは急に真剣な顔をして、
「ねえユキくん、これから見ることは、他人に絶対言わないって約束してくれる?」
あまりに唐突な言葉だったから、さすがに面食らった。これも、遊びのうちなのだろうか。まあ子供の言うことだし、とりあえずは頷いてやる。そうすると、舞奈ちゃんはまた楽しげな表情に戻って、
「じゃあ、指きりげんまんしよっ。」
正直、この歳で…と思ったけど、舞奈ちゃんは小指をいっぱいに突き出して俺の指を待っている。ここまでされたら断るわけにもいかないだろう、と俺はお互いの指を絡め合わせた。
「うそついたらはり千本の〜ますっと。」
お約束の向上を述べた後も、舞奈ちゃんは絡めた指を離そうとしなかった。溶けそうなくらいに細くて暖かい指をかわいいな、と思っていると、舞奈ちゃんは照れ笑いのようにえへへ、と呟く。指を絡め合わせているのが、楽しいのだろうか。それとなく指を外そうとしても、舞奈ちゃんは名残惜しそうに俺の顔を見つめて、それを引き止めた。
「これで、約束は大丈夫だよね。ユキくん。」
「うん。」
そう言ってやると、舞奈ちゃんはゆっくりと指を外して満足げに微笑った。それにしても、これからどうするつもりなんだろう。遊ぶにしても、場所さえろくに無いんだけど。
そんなことを考えていると、舞奈ちゃんはおもむろにほこらの開き戸に手を伸ばした。
「ちょっと、そんなトコ開けたら…」
「へいき。」
そういや、舞奈ちゃんは巫女さんだから、開けてもバチは当たらないだろう。ちなみに、俺も小さい頃開けたことがあるけど、中には何も入っていなかった。神様は目に見えないから、と言ってしまえばそれまでかもしれないけど。
軽い音を立てて、扉が開く。俺は何も無いはずの内部を覗き込み、
そこは、光でいっぱいだった。
「……ッッ!」
あまりの眩しさに、俺は両腕で目をふさぐ。ほこらの中からは、真っ白な閃光があふれ出していた。
「ユキくん、ユキくん!」
脇腹をつつかれて、俺は視線をほんの少し横に向ける。その先で、舞奈ちゃんはどういうつもりか、開いた手をこっちに向けて差し出していた。
「舞奈ちゃん、この光って…。」
「説明はあとだよ。いまは、手をつないで。」
本気の口調で言われて、俺は何も分からないまま舞奈ちゃんの手を握る。と、その瞬間気持ちが芯から安らぐような温かみが手に伝わった。
「それじゃあ、行くね。」
どこへ?、と口を挟む余裕も無かった。光は一瞬にして俺と舞奈ちゃんを包み込み、視界のすべてを奪ってしまう。これは、夢なんだろうか。夢なら、早く醒めてくれないかな。そう思いつつ、俺は徐々に意識を失っていく。その中で、舞奈ちゃんの手だけが最後まで温かかった

407イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/27(火) 15:45
ほへ、これで終わりですか?
時間見る限り、もう続きはないのかな。

とりあえず、長さ的にSSって感じなのかな?
ただ、SSに一番大切な落ちの部分がないなぁ、と感じました。
物語であるならば、起承転結でいったら、起の部分だけ抜き出したような印象です。

文章云々は、正直、ラノベでは問題ないと思いますから、話の面白みと、キャラの魅力が重要かと思います。
その点で、キャラの描写が少ないのはちょこっと頂けないかな、と思いました。
エロゲの主人公並に存在感がなさそうな感じのユキと、巫女属性ってだけの舞奈。
主人公の描写もある程度は必要だと思いますし、巫女って書けばいいってもんじゃなくて、巫女なら衣服についての描写とかも入れたほうがより萌えやすくなるかと思います。

408猫丸:2004/07/27(火) 17:31
>>407

ご指摘のとおり、これは冒頭です。全部で60枚ほどの長さなので一部だけを
貼り付けましたが、続きを待っていたならごめんなさい。追って貼り付けます。

409猫丸:2004/07/27(火) 18:44


なんだか知らないけど、あったかいところだった。気付くと俺は、意識を失う前とは全然違う風景の中にいた。辺りは山どころか青々とした草はらで、季節も春の半ばくらいな気がする。そのうえ、少し離れたところには竹垣に囲まれた、平安時代の貴族が住むような建物があって、どことなく別世界的な趣を感じさせた。
(ここは……どこなんだ?)
後ろの木にもたれて座り込んだまま、俺は錯綜する思考を整理しようとする。そもそも、ここへ俺を連れてきたのは舞奈ちゃんだ。ということは、舞奈ちゃんはここのことを知っている……?
そう考えて、俺は舞奈ちゃんを探そうと立ち上がる。と、その時。
「気がついたんだね、ユキくん。」
聞き覚えのある声に俺は一安心。振り返ると、舞奈ちゃんが木の影から頭だけを突き出していて・・・・・・
 思考が、止まった。
「ま、舞奈ちゃん……?」
自分の目を疑いつつ、俺はうわごとのように言葉を漏らす。舞奈ちゃんの頭の上には、犬についているような白い耳が二つ、確かに生えていた。
「なに見てるの?」
木の陰から出てきた舞奈ちゃんは、きょとんとして俺を見つめる。それでも、頭をじいっと見られていたらさすがに気付いたらしい。舞奈ちゃんは、自分の耳を軽くつまんで、
「似合ってるかなあ?」
笑顔を向けられても、こっちとしては何とも言いがたい。ていうか、その耳はなに?いつ生えたの?口に出して言おうとすると、舞奈ちゃんは褒め言葉を求めるような表情で、頭のわりに大きな耳をぱたぱたさせ始める。その可愛らしさに、出かけていた言葉は一瞬で止まって、
「尻尾もあるんだよ。」
機嫌よく言って、舞奈ちゃんはその場でくるりと半回転して見せた。なるほど、はためく緋袴の腰元からは、耳と同じく犬みたいな白い尻尾がぴょこんと突き出ている。
「ねえねえ、似合ってる?」
舞奈ちゃんは尻尾を左右にふりふりして、肩越しにこっちを振り返る。似合ってるかって訊かれたらそりゃあ……。
 俺は、耳と尻尾に対する違和感が晴れないながらも、本音のままに言ってあげる。
「似合ってるよ。すごくかわいい。」
「ほんと?嬉しいなあ。」
よほど嬉しいのか、こっちへ向き直っても、尻尾がせわしなく動いているのが見える。こんなところは、犬とまったく同じだ。
 ……違う!感心してる場合じゃない!!俺は気を取り直して訊いてみる。
「ねえ、舞奈ちゃん。その格好は…なに?」
「ええっと…どう説明すればいいのかな…。」
人差し指を口に当てて、虚空を見つめる舞奈ちゃん。黙っている間がやけに長く感じる。
 妙な緊張を感じつつ、俺は舞奈ちゃんの言葉を待つ。そして、無邪気な表情で放たれた言葉は、
「わたし、十市神社の神サマだから♪」
「……は?」
「だから、わたしは神サマなの。こう見えても、けっこう偉いんだよ。」
そう言って、舞奈ちゃんは腰に両手を当てた姿勢で胸を張る。それに合わせて耳が動くのを眺めながら、俺は、今の状況をなんとか理解しようと考えを巡らせた。そもそも、ことの始まりは舞奈ちゃんがほこらの扉を開けたことで、その後俺はここに来て……
「信じてもらえないみたいだね。ま、いいや。話だけは聞いてね。」

410猫丸:2004/07/27(火) 18:46
黙り込んでしまった俺を見かねたのか、舞奈ちゃんはほんの少し呆れた様子で続ける。
「ここへ来る前に通ったほこらね、あれは神サマが住む世界への入り口なの。普段はただのほこらなんだけど、私たち神サマが霊力をこめたときだけ、あんな光が出て門の代わりになるの。それでね……」
と、そこで舞奈ちゃんはとびきりの笑顔になって、
「ここは、わたしの家の前なんだよ。」
なるほど。そう言われてみれば、いかにも神様が住んでいそうな風情ある家……
 考えて、俺は舞奈ちゃんの顔を見る。こっちを見つめる瞳に、嘘はなさそうだった。
 はっきり言って、舞奈ちゃんが神様だということも、ここが神様の世界だということも、未だに信じられない。でも、夢を見ているのでない限り俺が別世界にいるのは間違いなくて、そのつじつまを合わせるには、舞奈ちゃんが神様だと認めてしまうしか無いのかもしれない。
「やっと信じてくれたみたいだね。」
俺の気持ちを見透かしたのか、舞奈ちゃんは小首をかしげて笑いかける。こうなったらもう、信じるしかないだろう。でも、その前に一つ。
「ところで、神様って、僕みたいな普通の人に見えるものなの?」
「ううん。普通は見えないよ。でも、今回はわたしが霊力を使って見えるようにしてるから。」
「それって、やっぱり……?」
「そ。ユキくんと一緒に遊ぶためだよ。ちょっとした予知能力で、ユキくんが今日この時間ここに来るのも知ってたしね。」
……なんか俺、ずいぶん好かれてないか?まあ、小さい女の子の姿をしているとはいえ相手は神様だから、ここは喜ぶべきなんだろう。それにこの神様、姿も性格もなかなかに可愛らしいから、しばらく付き合ってあげてもいいかもしれない。俺は、できるだけ優しく笑顔を作って、
「それじゃあ、舞奈ちゃんの言うことは全部信じるよ。で、最後に聞くけど、僕はこの世界から帰れるんだよね?」
「うん。心配しなくても、ちゃんと帰してあげる。」
だったら問題ない。俺は、約束どおり舞奈ちゃんと遊んであげようとして、
 ……そうだ。
「ねえ、舞奈ちゃん。そもそも、どうして僕と遊ぼうって思ったの?」
言った途端、白くて大きな耳がぴくんと動いた。舞奈ちゃんは目線を脇に向けて、うつむきかげんに
「……言ってあげない。」
消え入りそうなその声には、なぜか恥ずかしさと悲しみがない交ぜになっている気がした。けど、それも束の間、舞奈ちゃんはまた明るい表情を見せてくれたから俺もほっとして、
「じゃあ、そろそろ遊ぶ?」
「うん。でも、その前にあそこでお清めだよ。」
言われて舞奈ちゃんが指差したほうを見ると、舞奈ちゃんの家から少し離れたところに、こぢんまりとした手水舎があった。普通、神社の境内にしか無いはずなのに。
「家の外に出たときには、身を清めてから入るってのが決まりだからね。」
う〜ん。神様が住んでいる家というのは、普通の家とはやっぱりどこか違う。そりゃあ、神様が穢れてたら話にならないけどさ。
「ま、そういうことならやっちゃおうか。お清め。」
「うんっ!」
元気よく言って、舞奈ちゃんは手水舎へ走っていく。その後ろ姿で揺れる尻尾は、いかにも子犬みたいで見てて飽きなかった。

411猫丸:2004/07/27(火) 18:48
手水舎を使うのは何年ぶりかな、と思いつつ俺はついていく。と、その途中、
「ねえ、ユキくん。手水舎の正式な使い方、知ってる?」
「ううん。ていうか……、そんなのあるの?」
「一応、ね。」
会話してて、かなり気まずくなった。神様を前にしてのこの態度、ひどく罰当たりで失礼な気がする。ここは丁重に謝って、正式な使い方を習うべきか。そう思っていると、
「気にしなくていいよ、ユキくん。わたしも知らないから。ユキくんが知ってたら、教えてもらおうかなって思ったんだけどね。」
……神様が知らなくていいのか?清めの儀式もずいぶんいい加減なものだ。まあ、いいけどさ。
 とにかく俺は、決まりなんか無視した作法で身を清める。飲んだ水が心なしか甘い気がしたのは、神様の霊力のせいだろうか。
 で、舞奈ちゃんを見てみると、
「んー、んー。」
切なげな声を上げて、必死に背伸びする舞奈ちゃん。ひしゃくが高い位置に吊るされていて、舞奈ちゃんの背丈では届かないみたいだ。見てるとけっこうほほえましい姿だったけど、放っておくと怒られそうな気がする。俺は笑いを声に出さないようにして、水をすくったひしゃくを手渡してやった。
「ありがとう……。」
恥ずかしそうにこっちを見上げてから、舞奈ちゃんはひしゃくを口に近付ける。すると、顔が小さいものだからそのほとんどがひしゃくに隠されて、
 ごち。
 なんだか、とてもかわいらしい音がした。見ると、舞奈ちゃんは恨めしげにひしゃくのふちを見つめている。どうやら、水が入ったひしゃくの重みを支えきれなくて、額に当ててしまったらしい。
「ぷっ。」
思わず吹き出すと、舞奈ちゃんは顔を真っ赤に染めて俺をにらんだ。ひしゃくをどけた口回りには、さっきのでこぼれたのか、水がちょっと散っている。
「ごめんごめん。いま拭いてあげるから。」
「……自分でやるからいいもん。」
口を尖らせて、舞奈ちゃんは巫女装束の袖で口元をぬぐおうとする。でも、服を汚したらいけないだろうと思って、俺は舞奈ちゃんの腕を握ってそれをやめさせた。
「服の袖で拭いちゃだめだよ。じっとしてたら、すぐに終わるから。」
「うん……。」
てっきり、ハンカチを奪い取ってでも自分で拭くと思っていたのに、舞奈ちゃんは素直に頷いた。意外に思いつつも、俺は舞奈ちゃんの口元を拭き始めるけど、これがなんとも言えず照れくさい。小作りな唇なんかを見てると、まるで可愛い妹の世話をしてるみたいに思えてくる。

412猫丸:2004/07/27(火) 18:53
「……これでよし、と。今度はこぼさないように気をつけてね。」
「うん。」
照れた顔を見られたくなかったのだろうか。舞奈ちゃんは、素直に頷いたもののすぐに後ろを向いてしまう。神様だから正確な歳は分からないけど、こんなところは外見どおり子供らしい。
で、俺は、二つのひしゃくを元の位置に戻してたんだけど、
(ん……?)
ひしゃくを吊るした位置を見て、俺は気付いた。両方とも、舞奈ちゃんでは届かない高さだった。でも、家に入るときにここで必ず身を清めるということは、 舞奈ちゃんはいつも誰かにひしゃくを取ってもらってたことになる。まあ、神様とはいえ舞奈ちゃんの見た目は小さな女の子。親と一緒に暮らしていても、何の不思議も無い。となると、俺は何人(?)もの神様が住む神聖このうえないお屋敷に招待されているのか?
……考えたら、緊張してきた。
「ユキくん?」
隣では、舞奈ちゃんが不思議そうにこっちを見上げている。 俺は、緊張を顔に出さないよう、表面だけの笑みを造ってみせる。どうか、ご利益がありますように。
「早く行こうよ。ね?」
「う、うん。」
頷いて俺は、門の中に入っていった。

ここまででちょうど半分ほどです。長くてすみません。とりあえず、ここまでの
批評をお願いします。

413猫丸:2004/07/27(火) 18:55
文章の始まりは402からです。

414イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/28(水) 03:46
>>猫丸
さすがに長いな……一気に全部は無理なので、ぱっと目についたところから。
会話文の「」では、最後に「〜だった。」のようにしなくてもよい。
402の冒頭部分でさっきまでいた友達のところ〜 とあるけど、「さっきまでいた」はいらない。なくてもわかる。
405の人懐っこそうな笑顔を振りまいて喜んだ〜 のところ、振りまいた〜はおかしい。その場には舞奈と主人公しかいないわけだし。
うなずいてあげると〜 とか、細かい部分なんだけど主人公が偉そうな気がして嫌かも。そりゃあ年下の子供みたいな女の子なんだろうけどさあ。「〜してあげる」とか頭の中で思うかな?普通に「うなずくと〜」でよくない?
406 冒頭で壊れた狛犬は出してあるし、読者はこの時点で女の子が狛犬少女であろうと推測している。なので動作はすでにこの時点で犬っぽくてもいいのではないだろうか。
410 予知能力は軽すぎるかなあ。いつ来るかもわからないけど、どうしても主人公に会いたくてずっと待ってた、のほうがいじらしいと思う。忠犬ハチ公みたいに。そうした場合ストーリーに支障があるかもしれないが。

あとは407氏のいうとおりパンチがたりない。主人公の陰が薄すぎるのが問題なんだと思うんだよね。一人称の主体がおとなしいから、ストーリーもゆっくりおとなしくなってしまっている感じ。もうすこしなんというか、いい意味で暴れてみたら?殻を破るつもりでさ。
舞奈もアクティブに感情の起伏を激しくしたほうがいいかな。自分に会ったことがある(だよね?)のを忘れている主人公に噛みつくとか。まあそこまでいくとやりすぎかもしれないし、正直好みの問題なのかもしれんが、個人的にはそれくらいの動きはほしい。でなかったら「くーん」とか悲しげに鳴いたり(犬っぽすぎる?)。

415鶴田:2004/07/28(水) 19:24
>>401
そうか……いまどきの小学生はそうなのか……もう歳かな……ふ……。

>>402
文章で気になるところはありませんでした。読みやすいと思います。
ストーリーに関しては最後まで読んでいるわけではないのではっきりしたことはいえません(この後の展開次第だと思いますし)。それでもあえてあげるなら407、414さんのいってるようにユキのアクが足りないのではないでしょうか。舞奈の特殊性や萌えを引き立たせるためにももうすこし会話が膨らむようなキャラにしたほうがいいと思います。
たとえば409の最後のほうで、

「だから、わたしは神サマなの。こう見えても、けっこう偉いんだよ」
「おう小娘。受験生舐めてんじゃねえぞ。このちんちくりんが、どの面下げて神サマだと?ざけんな、賽銭返せ。今すぐ俺の千円返せ」
「いたた、痛いよ。痛い。耳引っ張らないで。というか金額増えてるし」
「うるせえよ、こちとら過酷な受験戦争を戦ってんだ。将来この日本を背負って立つ愛国の戦士様なんだよ。コスプレマニアの小娘が、耳のひとつやふたつもげたところで文句いうな……ってあれ、もげねえな。生意気に強力な接着剤使ってやがる」

とか。上は極端な例ですが、ノイローゼの受験生はこういうふうに捉えることもできると思います。

416イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/29(木) 02:05
>>402猫丸さん
 「筋が弱いかなあ」という点で他氏に同意。
 その対策として「主人公への魅力づけ」は出てるので、漏れは別案を。

 この話、障害がないんだわ。だから、話のメリハリが弱いように感じられてしまう。
 まあ、そういう話も小咄系統としてありなことはありなんだけど、ちょっとこれでは
弱い。なもんで、障害を入れることをお勧めする。

 障害(トラブル)と言っても、簡単なものでいいんだわ。
 例えば――
・主人公は急いで帰らなければならない。
 模試が翌日とか。ところが、遊んでもらいたい舞奈が主人公の大切なものを隠して
 しまう。そこで主人公は、言いなりになって遊んでやるふりをしながら、隠された
 ものを探す。もちろん舞奈は邪魔してくるんで、それを誤魔化しながら探す必要あ
 り、とか。
・舞奈が親しい人にそっくり。
 例えば、死んだはずの妹とか。そうすると、「本人?」とか「どういう繋がりだろう
 ?」とか色々気になることが出てくる。そこで本当のところはどうなのか、その真相
 解きが障害になる。
・迷子/帰り道がわからない。
 連れてこられたのはいいけど、帰り道は実は舞奈も知らないとか。
 逆に舞奈が帰り道がわからなくて、主人公の家までついていってしまうとか。
 (↑まあ、これだとまったく別の話になるけどw)

 今、ぱっと考えただけなんで大したネタじゃないんだけど、こんな感じで幾つも
障害を考えてみて、その中から一番話に活かせそうなものを入れておく。そうする
だけでも結構、面白くなると思うからお試しあれ。

そんなところです。

>>415
 ワラタ

417イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/29(木) 22:25
長編のプロローグ、という位置づけで評価を頂けるとありがたいです。


◆エピローグ 十一月十日

「村山さん」
 呼びかけのおかげで、消えかけていた意識を少しだけ取り戻すことができた。
鉛のようなまぶたをやっとの思いで持ち上げる。
 森全体をぼんやりと光らせているのは、辺りを飛び回る青い蝶の群れ。
夜空に網を張る枝の隙間からは、白い月が覗いている。
 そして目の前には、先輩が立っている。今しがた役目を終えたばかりらしい青い刃を下げたまま、
傍らにいつもと同じようにこのはちゃんを連れて。
わたしのせいで切断されてしまった左腕が元に戻っていてくれて、少しほっとする。
 きれいで、強い先輩。何があっても冷静に、顔色一つ変えずに乗り越えていく先輩。
わたしもこんな風になれたらな、と思っていた。
 でも、そんな先輩の顔が、今は歪んでいた。
 どうして。どうして、そんなに悲しそうな顔を。
 わたしは力を振り絞って笑ってみせた。もう満足に体が動かせなくて形にできるかどうかわからないけれど、
それでも先輩の辛さを少しでも取り除けたら。そう思って、鳴らない喉のかわりに必死で笑顔を作ってみせた。
「……ごめんなさい」
 ……どうして先輩が謝るのか、わからない。わたしがこうなったのも、先輩がやったことも仕方のないことで、
気に病む必要なんてこれっぽっちもないのに。
 ――先輩は、わたしの不始末を片付けてくれただけです。だから気にしないで。
 そう言いたくても、やはり声は出なかった。
 先輩が左に顔を向ける。わたしも視線だけでそれを追う。
 ――ああ。
 わたしがやったことは、無駄じゃなかった。もう、何も心配しなくてもいい。
 死を前にしているにも関わらず、胸の内に去来するのは満ち足りた安堵感。
こんな気持ちで眠るように逝けるのなら、それはもしかして幸せなんじゃないだろうか?
 そんなことを思いながら。
 わたしはそっと、目を閉じた――。

418猫丸:2004/07/30(金) 20:18
>>407,414,415,416
批評ありがとうございます。キャラが弱いという指摘はとても参考になりました。
特に、鶴田さんのおっしゃるユキ像はかなり面白そうなので、本気で使ってみたいと思います。
話の続きは明日辺り、今度は量を減らして貼り付ける予定です。長くてすみませんが、またお願いします。

419イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/30(金) 23:53
>>417
目覚めてまだぼんやりしているだろうに、いきなりえらいたくさんの物がはっきり認識出来るわけですな。
読者には何も分からない既成事実まみれ。
主人公がえらい物分りのいい自己満足野郎に見えて共感出来ない。
評価できないでしょう。

420イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/31(土) 00:41
>>417
「村山さん」「先輩」(女の人かな?)と、状況との違和感があります。
体を再生できるみたいだけど、どうやってとかがまったくわかりません。
それを知りたいんだけど、「村山さん」からはどんな推測もできませんので、
ここだけ読まされては、ちょっと苛々しますね。

421イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/31(土) 02:47
>>417
プロローグといってるのにいきなり冒頭でエピローグとなってるけど、これは狙ってのことと解釈していいのかな。逆回転ムービーみたいな。
419氏もいってるように、村山さんが目覚めた瞬間にあたりの情景を把握できてるのはおかしい。それは三人称か神の視点。ぼやけた視点のピントをあわすためにほうぼうを見回すということも考えられなくはないが、状況を考えると村山さんにとって一番大事なのは先輩でしょ?だったらまずなによりも先輩を見なきゃ。幻想的な光景を演出したいのかもしれないけど、そういう作者の都合によってキャラを動かすのはやめたほうがいい。不自然になる。どうしてもやりたかったら三人称にすべし。
村山さんは倒れていると思われるのに、「目の前に先輩が立っている」のは変。どんな状態だよ。「目の前に先輩の顔があった」とかなら大丈夫だけど。
村山さんが自己完結してるのが痛いなあ。そりゃ任務みたいなものがなんとか達成できて安堵して死んでいくパターンっていうのはよくあるよ。でも、冒頭でそれをやられると読む気がなくなる。読者がまだ感情移入もしてないのに、しかも本人納得ずくでしょ?村山の死に関して悲しいともつらいとも思わないよ。勝手に死ねば?とすら思う。この事件をきっかけにして読者を呼び込むのは難しいんじゃないかな。まあ「目を閉じた」だけで「死んだ」とは断定してないから、おそらくなにかこのあとに続く部分があるんだろうけどさ(つか、あるんだよね?)。

422417:2004/07/31(土) 07:01
ありがとうございました。
初めなのにエピローグなのはもちろん狙ってやったことで、この後すぐに十一月初頭に戻り話が始まります。
先に終わりの一片を提示して「どこがどうなってこうなるんだろう」と不足している情報に対する興味を読者に持たせたく、
(具体的には先輩が村山を斬ったのか? 等の推測をさせたかった)
視点が村山にあるということで「村山は木にもたれかかっている」「どうやって再生したねん」等の情報は省いたのですが、
単に描写と説得力の不足で読み手をイライラさせるだけのようですね。

「作者の都合によってキャラが動く」というのは全くそのとおりだと思いました。
村山がこうなった過程やキャラの位置を考慮すれば、周りの光景よりも
まず目の前に立っているであろう先輩の姿が目に入るべきでした。


3行目・4行目の効果を狙ってこういう始め方をするなら、
もっと長く章をとって情報を書き込むべきでしょうか?
それとも、そもそも効果を期待できないと割り切ってすっぱりデリートするべきでしょうか?

423イラストで騙す予定の名無しさん:2004/07/31(土) 17:35
>>422
基本的に推理を強要させる展開は大半の読み手にとってストレスにしかならない事を理解すること、誘導と強要は違う。
俺も意味もなく、プロローグ(ラスト一歩前)→本編→エピローグ(プロローグと直結するシーンから展開)とか
やりたくなるんだが、やはり演出上なんらかの必然性があってやるべき。叙述トリックみたいなやつとか。

仮にこれで行きたいならもっと文をスッキリさせてしまっても良いと思う。
必要なのは「村山さん」が「再生能力を持って(怪物化?)」いて「先輩に斬られる」という三点だけだから。
まーこの辺は書き方より文章力自体の問題かも。

あと今時こういう掴みやられると「どうせ村山さんは殺されずに助けられるんだろ?」としか思わない
「ああ!村山さんどーなっちゃうの?」みたいな純真な人間はまずいない。
……まーこれでホントにエピローグでバッサリ斬殺されたりするなら驚くけど
驚かせた所で満足するラストかどうかはまた別問題だしなぁ。(w

424猫丸:2004/07/31(土) 17:38
412の続きです。批評お願いします。

意外なことに、家の中に入っても俺と舞奈ちゃん以外の気配は感じられなかった。全員、外出中なんだろうか。とにかく、俺は約束どおり舞奈ちゃんと遊んであげたんだけど……。
「そろそろオッケーかな〜。」
鼻歌交じりに、舞奈ちゃんは煙をたてる落ち葉の山を木の棒でまさぐる。出てきたのは、ほどよく焼けた焼き芋二つ。ひとしきり遊んでおなかがすいているらしい舞奈ちゃんは、嬉々としてそれを見つめている。
 それにしても、舞奈ちゃんに付き合うのは大変だった。子供は元気だと覚悟はしていたけど、舞奈ちゃんの元気は予想をはるかに超えていた。神様だからかもしれないけど、まるで一刻一刻を惜しむように遊んで、少し休んだら?という俺の言葉も、まったく聞こうとしなかった。
「どうしたの、ユキくん?なんか疲れてるみたいだよ。」
縁側に座ってぼ〜っとしていると、いつの間にか、舞奈ちゃんが目の前に来ていた。見ると、串刺しした焼き芋を両手に持っている。
 舞奈ちゃんは、飛び乗るようにして俺の隣に座り、
「焼きいもできたから一緒に食べよ♪」
こっちへ串を差し出した拍子に大きな耳があごをくすぐって、なんともいえずいい気持ちだった。と、そのことに気付いたのか、舞奈ちゃんはいっそう体を近づけてくる。
「耳気持ちいいの?だったら、あとで触らせてあげるね。」
「あ…ありがと。」
間近で見る屈託ない笑顔は、本当にかわいかった。とはいえ、相手は小さな女の子、いや神様。俺は努めて冷静を保ち、焼き芋を半分に割る。瞬間甘い香りが立ち昇ったところを見るに、なかなかよくできてるみたいだ。黄金色に焼けた中身も、なかなかに食欲を誘ってくる。

425猫丸:2004/07/31(土) 17:39
 一方舞奈ちゃんは大急ぎで皮をむいて、芋の先っちょを口に運ぶ。
「……うん。おいしい!これ、すっごくおいしいよ。ユキくんも早く食べて。」
よほどおいしいのか、舞奈ちゃんは両足と尻尾を一緒に動かして芋をほおばっている。まったく、無邪気というか可愛いというか。見ているだけで、疲れもずいぶん引いた気がする。
 庭で焼き芋をするのは何年ぶりかな、と思いつつ、俺は芋を口に入れた。同時に、とろけるような甘みが口いっぱいに広がって、
「うん。ほんと、よく出来てるね。」
「でしょでしょ?」
そう言って、また体を近づけてくる舞奈ちゃん。さっきからやけに甘えてきてる気がする。まあ、可愛い子だから嫌な気はしな……
 ぺろ。
「……!」
何を思ったか、舞奈ちゃんは俺の頬を舐めてきた。戸惑っていると、さらにぺろぺろ。小さな舌が動く感触がくすぐったい。まるで、本当の子犬にじゃれつかれているみたいだ。
「あの〜、舞奈ちゃん……?」
さすがに恥ずかしくなって、俺は舞奈ちゃんの顔から距離をとる。舞奈ちゃんは、悪ふざけをした後の子供のように舌の先を出して、
「ごめんね。つい、やってみたくなっちゃて。」
「いや、謝ることはないんだけど……。」
言いながらも、俺は少しだけあっけにとられる。いくら舞奈ちゃんが外見子供とはいえ、今日はじめて会った人に普通ここまで甘えるものだろうか。
「ねえ、ユキくん。“もう一回”、頭なでてくれる?」
“もう一回”?いつ撫でたんだろう。ま、いいけどさ。それにしても、よく甘えてくる。
 手の平を乗せると、舞奈ちゃんの髪の毛はふわふわしていいさわり心地だった。
「えへへ。優しくしてね。」
手の平の動きに身を任せつつ、そんなことを言う舞奈ちゃんがあんまり可愛いから、俺はちょっといたずらしてみる。まずは耳の外側をちょいちょいとくすぐって・・・・・・
「きゃは、きゃははっ!やめてよ、もうっ!!」
一撫でごとに、舞奈ちゃんは身をよじって悲鳴を上げる。やっぱり、犬の耳だから人間のそれよりは敏感らしい。もう少しいたずらしてみたい気もするけど、これ以上やったら神様のバチが当た

426猫丸:2004/07/31(土) 17:41
るかもしれない。俺はごめんごめんと言いながら、耳に当たらないよう注意して髪の毛を撫でてやる。そんなことをしていると、自分でも信じられないくらい和やかな気持ちになってきた。
 こんな気持ちは、本当に久しぶりだった。考えてみると、ここ最近は受験が近いこともあって、心に余裕がまったく無いような状況だった。それが、どういう心境の変化なんだろう。思えば、今日神社に入ったとき、一匹きりになった狛犬の頭を撫でたときから、俺の心の中の何かが変わったのかもしれない。
 舞奈ちゃんは、気持ち良さそうに表情をゆるめて、俺の顔を見上げている。その様子を見ていると、ずいぶん前に忘れていた何かを思い出せそうな気がしてきて、俺は、“これも神様の能力なのかな”とふと思ったりした。


 焼き芋を食べ終わると、さすがにはしゃいだ疲れが出たのか、舞奈ちゃんは目をとろとろさせ始めた。最初は自分から口を開いて眠気を振り切ろうとしてたけど、そのうち口数も少なくなって、今ではふらふらと身体を揺らせている。
「舞奈ちゃん。寝るんだったら、部屋までつれてってあげるよ。」
「……いい。ちょっと霊力を消耗しただけだから、ここで……。」
それだけ言って、舞奈ちゃんは全体重を俺に預ける。どうやら、体力か霊力かの違いだけで、神様も人間と同じように疲れるらしい。
 とにかく、座ったまま寝かせるわけにもいかないから、俺は舞奈ちゃんを縁側にそっと横たえる。枕は、適当なものが無かったから俺の膝。体には、巫女装束だけじゃ肌寒いだろうということでセーターをかけてあげた。
 横になってすぐ、舞奈ちゃんは安らかな寝息をたて始めた。寝顔を覗き込んでみると、食べ物の夢でも見ているのか、しきりに鼻をひくひくさせている。それがなんとも言えず可笑しくて、俺は舞奈ちゃんを起こさない程度に頬をぷにぷにとつついてみた。
「やだよぉ、お姉ちゃあん……。」
寝言、なのだろうか。舞奈ちゃんは幸せそうな顔のまま、頭を揺らす。どうやら、舞奈ちゃんにはお姉さんがいるらしい。
 ふと寝姿を見ると、体の力が抜けたのにあわせてか、耳と尻尾もぺたんと垂れていた。たぶん、何の心配も無く俺に身を預けているのだろう。俺は、そんな舞奈ちゃんをいとおしむように、ずり落ちかけたセーターを直してやり、
「お姉ちゃん、行っちゃやだ……。」
そう言って、舞奈ちゃんは俺の手をきゅっと握ってきた。その表情は、今にも泣き出すんじゃないかというくらいに切なかった。夢の中身はよく分からないけど、何もしないわけにもいかない。そう思って、小さな手を両手で包み込んでやると、舞奈ちゃんの表情はほんの少しだけ柔らかくなった。

427423:2004/07/31(土) 17:45
>>423
失礼、再生能力を持ってるのは先輩だね。吊って来ます。

428421:2004/08/01(日) 03:30
>>422
……先輩に切られた?ああそうか、「今し方」ってところか。
すまんが、そこはまったく疑問に思わなかった。村山と先輩以外の敵がいて、そいつにやられたのかと思ってしまった。
3、4行目については構成のきりかた次第で入れることは可能。効果が出せるかどうかは君次第。

429イラストで騙す予定の名無しさん:2004/08/01(日) 06:17
>>424
地の文章が長ーい。昨日俺がやった「てんたま」というギャルゲーぐらいコンパクトになさい。DC版なら千円で売ってる。

430イラストで騙す予定の名無しさん:2004/08/01(日) 13:26
>>424
スキンシップによる単純な萌えに走りすぎじゃないかな。
同じ文章の量で、スキンシップでドキドキする場面を少し削って、
代わりに舞奈ちゃんと遊ぶ場面を具体的に入れたほうがいいと思う。
この場合だとシンプルな昔ながらの遊びで、元が獣系だから鬼ごっことか。
獣本能で物凄くエキサイトする舞奈ちゃんは服が乱れても気にしてない。
勉強で体力衰えてる上に舞奈ちゃんの服の乱れが気になって主人公はバテバテ、
そこで疲れたからもう一度冷たいお水を飲んで、お腹すいたから焼き芋しようって
流れになると、そのおいしさがグッとリアルに伝わるでしょう。
スキンシップとコミュニケーション、両方をバランス良く取り入れることで、
キャラへの思い入れは深まると思うよ。

431イラストで騙す予定の名無しさん:2004/08/02(月) 03:01
>>424
前回の分もそうだったけど、ひとつひとつの行動に対してむりに感想をいいすぎ。しかもほとんどが「かわいいなあ」じゃん。さすがにここまで繰り返されるとつらい。スキンシップもワンパターンだし、メリハリつけなきゃ飽きられるよ。
あと、個人的に疑問なのが舞奈の登場シーンをふたつ作る必要はあるのかってところ。いきなり神様の世界(?)に迷いこませてもいいんじゃないかな。方法なんていくらでもあるし、そのほうがすっきりすると思うのだがどうか。それとも尻尾と耳がないシーンは絶対必要なものなの?

432猫丸:2004/08/04(水) 22:16
>>429,430,431
批評ありがとうございます。
やっぱり、萌えを書くのは難しいですね。ストーリーに関してもまだまだ力不足のようなので、精進を続けたいと思います。

433猫丸:2004/08/04(水) 23:03
426の続きです。

 三十分くらい経っただろうか。神様の世界も日が陰って、空気もだんだん冷たくなってきた。このまま寝かせておいたら風邪引いちゃうかも、と俺は舞奈ちゃんを抱きかかえる。幸いなことに、立ち上がっても目を覚ます気配は無かったから、このまま手近の部屋まで運ぶことにする。
辺りを見回すと、ちょうど背後に障子戸が見えた。中に神様がいる気配も無いから、寝かすのはこの部屋でいいだろう。舞奈ちゃんの身体の軽さに感心しつつ、俺は足で障子戸を開ける。
 そこは、旧日本家屋そのままの、一面畳の部屋だった。広さは八畳くらいで部屋には電灯が無く、変りにあるのはなんと燭台。よく見れば、ほかにも歴史の教科書でしか見たこと無いような小道具がちらほらとある。さすが神様の家、とでも言おうか。俺は舞奈ちゃんを畳に寝かせて、しばらくの間部屋の雰囲気を味わってみる。
 神様の部屋にも慣れてきたところで、俺は舞奈ちゃんを寝かせる布団を出そうと押入れに近付く。で、上段を開けると、
「あれ?違ったかな?」
入っていたのは、何着もの巫女装束だけだった。仕方なくふすまを閉じようとするけど、その時ふと気になった。どの服も、舞奈ちゃんが着るには明らかに大きすぎる。となると、ここは舞奈ちゃんの部屋じゃない……?
「ん……。」
絞り出すような声に振り返ってみると、舞奈ちゃんが半身を起こして、目をこすっているところだった。押入れを開けた時に、目が覚めてしまったのだろうか。俺は押入れを開け放したまま、舞奈ちゃんのところに行く。
「ごめんね。起こしちゃった?」
「ううん。ちょうど目が覚めたところ……」
そこまで言って、舞奈ちゃんは全ての動きを止めた。大きく開かれた目は、俺の背後ただ一点を見据えている。振り返ると、そこにあるのは押入れの巫女装束……。

434猫丸:2004/08/04(水) 23:04
「…おねえ、ちゃん……」
え?と思う暇もなかった。舞奈ちゃんの瞳からは、大粒の涙がぽろぽろとこぼれだしていた。俺は、戸惑いながらもその肩に手を置こうとするけど、舞奈ちゃんはそれを払うようにして立ち上がる。押入れへ向かう足取りは、今にも転びそうなくらいに不安定だった。
 押入れに辿り着いた舞奈ちゃんは、巫女装束のうち一着を抱きかかえて、それを顔に押し当てる。その隙間からの泣き声を聞いて、俺は思った。押入れの巫女装束は舞奈ちゃんのお姉さんのもので、そのお姉さんは今……。もしかすると、俺は舞奈ちゃんの一番辛い記憶を思い出させてしまったのかもしれない。
 激しい後悔が俺の頭を突き抜ける中、舞奈ちゃんは装束から顔を離して、かすれ声で呟いた。
「……ごめんね、お姉ちゃん。わたしもすぐ、そっちに行くから。」
泣いているはずなのに、なぜか明るい声だった。俺は、舞奈ちゃんに近付くことさえできずに、たださっきの言葉の意味を考える。 “私もすぐ、そっちに行くから”これは、やっぱり……。
 とその時、舞奈ちゃんは無理に造ったみたいな笑顔をこっちに向ける。一体、何を言い出すんだろう。
「ねえ、ユキくん。」
続きは聞きたくない。そう思った。けど、そんな予想に反して、舞奈ちゃんは意外なことを言う。
「見せたいものがあるから……来てくれる?」
さっきよりもさらに明るい笑顔で言われて、俺は正直面食らった。ひょっとすると、俺の取り越し苦労だったのか。そうであることを祈って、俺は舞奈ちゃんの言葉に頷いた。
「それじゃ、ついてきて。」
俺から離れると、舞奈ちゃんはまっすぐに廊下へ歩き出す。一見すると、遊んでいるときと同じくらい元気に見えるけど、実はそうじゃないことは後姿からなんとなく伝わってくる。尻尾も始めて見た時とは違って、頼りなげに垂れて揺れていた。

435猫丸:2004/08/04(水) 23:06
 互いに一言も話さないまま入ったのは、さっきの部屋と同じような和室だった。ただ、一つだけ違うのは部屋の隅にある大きな木箱。舞奈ちゃんは俺を箱のそばに座らせて、その蓋を開けた。
「うわっ……」
見た瞬間、箱の中全体が鈍いきらめきを放った。入っていたのは、何十枚もの手鏡だった。
「舞奈ちゃん、この鏡って……?」
「見ればわかるよ。」
楽しくって仕方がない、といった表情の舞奈ちゃん。やっぱり、普通の鏡じゃないみたいだ。俺は、予想のつかない神様の力に期待しつつ鏡の一つを手にとって、
「……はぁ!?」
鏡に映っていたのは、全く違う俺だった。いや、たとえじゃなくて本当に。だって、何もかもが……
「驚いた?神サマはね、過去に見たことをこうやって鏡に残せるんだよ。」
舞奈ちゃんの言うとおり、鏡の中ではいまや遠い記憶となった七歳くらいの俺が、神社前の道路で当時の友達と遊んでいる。鮮明な動画を見て、俺は恥ずかしいやら懐かしいやらだった。
「今度はこれでも見る?」
そう言って舞奈ちゃんが取り出した鏡には、若い女の人に抱かれた赤ちゃんが映っていた。場所はこれまた神社前の道路だけど、女の人の顔は、間違いなく俺の知っているものだった。
「ねえ、この赤ちゃんまさか……。」
「そうだよ。ユキくんの可愛い可愛い赤ちゃん時代。抱いてるのは、ユキくんのお母さんだね。」
くすくす笑いながら、舞奈ちゃんは鏡のへりを指で叩く。映像の中の母親は、あたりまえだけど今よりずっときれいだった。
 と、舞奈ちゃんはまた別の鏡を取り出そうとする。それを見て、俺はピンと来た。まさかとは思うけど……。
「ねえ、舞奈ちゃん。ひょっとしてこれ全部・・・・・・?」
「うん。全部ユキくんのだよ。」
「……なんで俺のがこんなに?」
「ん?そりゃあ、今まで見た風景の中からユキくんが出ているのだけを取り出したからで……」
そう説明する舞奈ちゃんの目はあちこちに泳いでいて、頬も心なしか赤らんでいる。俺としては、“取り出した”理由を聞きたかったんだけど、この様子じゃ無理に聞き出すのも気が引けた。
それにしても、よく考えてみれば舞奈ちゃんは俺の過去を全部知っているということになる。でも、相手が神様だからだろうか。不思議と嫌な気はしない。
「もっと見てみようよ。」

436猫丸:2004/08/04(水) 23:07
そう言われて、俺は次々と過去の自分を見る。そうしていくうちに、俺は自分の中にさっきまでとは違う感情が生まれてくるのを感じた。一言で言えば、“羨ましい”のかもしれない。
 鏡の中の俺は、今の受験で悩んでいる俺とはまったく違う表情をしていた。明るくて、何の心配事もなさそうで……まるで、別人だった。
 そんなことを考えているうちに、俺は鏡の中でも歳をとってきた。だけど、映像のほとんどは小学生以前の俺のもので、中学以降は両手で数えられるくらいだった。そして俺は、年齢が上がるとともに外見だけでなく表情までが今に似てくるのを、一つのやるせない思いで見つめていた。
 もう一回、ずっと昔に戻れたら───────。
「これが、今年の初詣でだね。今日のは無いから、これが最新ってことに……ユキくん?」
俺の気持ちを感じ取ったのか、舞奈ちゃんは俺の顔を不安げに覗き込む。無理に笑おうとしたけど、出来てないのが自分でも分かった。
「……辛い思いさせたのならごめんね。でも、もう一枚だけ見てくれる?」
そう言って、舞奈ちゃんは箱の中からまた一枚。それで、箱は空になった。
「ねえ、ユキくん。今まで鏡を見てきて、気付いたこと無かった?」
……そういえば、気になることがあった。鏡の中の俺はいつでも、神社前の道路にいた。神様の目から見た風景だったら、境内なんかが映っていてもいいはずなのに。
「気付いてるみたいだね。それじゃあ……」
舞奈ちゃんは手鏡を持ったまま、俺に寄り添うように座ってくる。と、鏡から声が聞こえた。

≪おい、ユキ。そんなきったねえ狛犬見てないで、早く遊ぼうぜ。≫
声は、小学生時代の友達、ケンタのもの。鏡の中の俺は、九歳くらいだった。
≪いいじゃんよ。ちょっとだけだから。≫
≪はっ。お前も変ってるなあ。狛犬を撫でるなんて。≫
ケンタとのやり取りの中で、俺の姿がどんどんズームアップされていく。いや、実際には俺が近付いているのか。直後、鏡は俺の顔でいっぱいになって、鏡面がほんの少し揺れた。
≪あはは。やっぱ、狛犬は硬えな。≫
≪当たり前だろ、バカ。≫

437猫丸:2004/08/04(水) 23:09
 なんと言っていいのか分からず、俺は隣の神様を見やる。犬のような白い耳に、これまた犬みたいな白い尻尾。最初は戸惑ったこの姿も、今なら納得がいく。だって、舞奈ちゃんは……。
「わたし、すごく嬉しかったの。長いこと狛犬やってきて、このくらいの年の子に優しく撫でられたことなんて無かったから……。」
そう言って、舞奈ちゃんは涙混じりの笑顔を俺に向ける。手の甲に置かれた小さな手の感触が、言葉にならないくらい温かかった。
「だからね、ずっと思ってた。いつか、ユキくんと一緒に遊んでみたいって。でも、普通の人の目に私たちが見えるようにするにはかなりの霊力を使うし、神社の番犬としてのお勤めもあったからずっと我慢してたの。でも、そうこうしてるうちに私たちにも寿命が来ちゃって……。」
「……!」
思い出した。今日見た狛犬が、今にも壊れそうだったこと。それから、一匹きりだったこと。で、もう一匹の狛犬は……。
「私たちの寿命はそのまま霊力の残量で、それがなくなった瞬間狛犬は崩れ落ちちゃう。ユキくんも気付いてると思うけど、いなくなった狛犬、あれはね、私の・・・おねえちゃん・・・なの。」
 舞奈ちゃんは、深くうつむいたまま細い肩を震わせる。頭に手を置いてやっても、泣くのは止まらなかった。
「舞奈ちゃん……。」
それ以上、言葉が浮かんでこなかった。そんな間にも、舞奈ちゃんはかすれる声で続ける。
「お姉ちゃんは、わたしに最後の霊力を分けてくれたの。死ぬ前に一度、ユキくんに会わせてあげるって。でも、そのせいでわたしより先に……」
聞いてるうちに、俺は理解した。狛犬が壊れそうになっていた理由も、舞奈ちゃんが時間を惜しむように遊んでいた理由も。舞奈ちゃんは、もう……。
 そのあとの考えは、舞奈ちゃんの言葉に遮られた。
「ねえ、ユキくん。一つ訊いていい?」
舞奈ちゃんは涙ながらにも、凛として俺を見つめている。そこには、反論を許さない切実さが感じられて、俺は黙って頷くしかなかった。
 少しの間が空いた。舞奈ちゃんは、今までに無い落ち着いた口調で喋り始める。
「さっき鏡を見てたとき……、ユキくんは何考えてた?」
「ううん…。上手くはいえないけど、懐かしいというか、昔の自分がうらやましいというか……。」
「うらやましい?やっぱり、そう思ってたんだ……。」

438猫丸:2004/08/04(水) 23:11
そう言って、舞奈ちゃんはなぜか悲しそうな表情を見せる。羨みの気持ちで昔を懐かしむのは、そんなにいけないことなんだろうか?そう思っていると、舞奈ちゃんはいきなり顔を近づけてきて、
「ねえ、ユキくん。うらやましいって思うのは、どんなとき?」                  
「どんなときって……。そりゃあ、自分には持ってないものを見せられたときとか?」
「だよね。でも、それだったらユキくんはうらやましがることなんてないよ。だって、ユキくんは“持ってる”もん。」
持ってる?何をなんだろう。昔の自分は今の俺に無いものをたくさん持っていて、それがうらやましいと俺は感じてたんだけど……。
「今日鏡を見せたのはね、ユキくんにその事を分かって欲しかったからなの。なんかユキくん、神社に来たときから辛そうな顔してたから。」
確かに、俺は思っていた。今の俺は、何もかもが変わってしまったと。でも、それは本当のことじゃないんだろうか。
 思う間に、舞奈ちゃんは続ける。
「あの鏡はね、ユキくんの姿だけじゃなくて、心もそのままに映してると思う。今日狛犬のわたしを撫でてくれたみたいな、変わらない優しさをね。つまり、ユキくんは昔と何にも変ってなくて……。」
そこで舞奈ちゃんは、顔を赤くして言葉を切る。一瞬の沈黙が流れて、そして。
 神様は、言う。
「わたしは、そんなユキくんのことが……ずっと好きだったんだよ。」
……好き?神様が、俺のことを?今までで一番幸せそうな舞奈ちゃんを前に、俺は気持ちの整理がつかなかった。
 でも、素直に嬉しかった。好きと言われたこともそうだけど、それよりも、ずっと俺を見守ってくれたうえで、俺が何も変わってないと言ってくれたことで。
 返事をしよう、と思った。でも、
「返事はいらないよ。だってわたし……」

 もうすぐ死んじゃうから。

439鶴田:2004/08/06(金) 17:25
>>433-438
狛犬が崩れた理由が寿命っていうのがすこし疑問ですね。そんなことをいいだしたら日本全国の狛犬大ピンチですし。
天変地異やあるいは人為的事故のせいで崩れた、といったほうが説得力はあると思います。それをユキの子供の時に遭遇した事件と絡ませることもできますし。
個人的な要望として、舞奈に「好き」といわせないでほしい。現実ではいう機会もわりと多い言葉ですが、小説で「好き」と書くのはクサいです。

440イラストで騙す予定の名無しさん:2004/08/07(土) 02:28
>>猫丸
細かい部分に関してのツッコミどころはいままでのと同じなので、あまりゆうことはないな。
神様の世界が神様の世界っぽくないところとか、かなあ。なんか普通の田舎の家っぽい。ここはそういう狙いなのかもしれないけど。
あと、装束はえもんかけにでもかかってたのかね? 押し入れ開けてざっと見ただけで大きさまでわかってたけど。

441猫丸:2004/08/08(日) 13:40
これで最後です。長々貼って、本当にごめんなさい。できましたら、全体を
通しての評価をお願いします。

 笑顔を作る瞳の端に涙をためて、舞奈ちゃんは言った。それがどうしようもない事実だということは、もう分かってしまっていた。でも、俺には何もできない。ずっと見守ってくれた神様に、俺は何もしてやれない。
 (……本当にそうか?)
 心の声が聞こえる。俺は、舞奈ちゃんの言葉を思い出す。
 “ユキくんは、昔と何にも変ってなくて……”
 昔の俺なら、こんなときどうしただろう。自分を好きだといってくれた神様が、目の前で涙をこらえているこの状況で、俺は鏡で見た自分と心を重ね合わせる。同時に、壊れかけの狛犬と死を前にした神様が重なり-------。
 ―――――――決めた。
「舞奈ちゃんっ……。」
それだけ言って、俺は舞奈ちゃんを全力で抱きしめる。頭の後ろに置いた手で、髪の毛を何度も何度も撫でながら。
「ユキ…くん…。」
胸に顔を埋めて、声を詰まらせる舞奈ちゃん。あごに当たる耳も、はかまの紅に映える白い尻尾も本当にかわいかった。
 俺は今にも泣きそうだった。舞奈ちゃんは、こんな刹那しか思いを叶えられない。ずっと見守ってきた想いなのに、それなのに……
 そう思ったとき、舞奈ちゃんの足首から先が幽霊のように薄れてきた。そして、舞奈ちゃんは俺の胸から顔を離して、
「わたし、もうすぐ消えちゃうみたいだね。でも大丈夫。ユキくんのお願いを叶える霊力は残ってるから。」
最期の最期で、舞奈ちゃんは晴れ晴れした表情になる。それはまさに、最後の勤めに向かう神様の笑顔だった。
こんな俺のために、最後の命まで削ってくれる神様の。
「ユキくんには、わたしの霊力をほんのちょっとあげる。お願いを叶えるにはそれで十分だから。でもわたし、本当に嬉しいよ。だって、好きな人のお願いを叶えて死ねるだもん。」
言葉を紡ぐ間にも、舞奈ちゃんの身体はどんどん半透明になっていく。と、舞奈ちゃんはまだ残っている両腕を俺の首に回して、顔を近づけてくる。
「霊力をあげるやり方って、正式には別にあるんだけど……、今回はこれでいいよね。」
「…うん。」
「それじゃあ……」
小さな呟き。一呼吸の間をおいて、俺と舞奈ちゃんは唇を重ね合わせた。俺は舞奈ちゃんに合わせて目を閉じて、この瞬間が少しでも長く続くよう祈る。でも、体を抱く感触はすぐに無くなり、そして唇も―――――――。
 閉じたまぶたの向こうで、すべての温かみが消える。同時に俺は、暖かい光の中で意識を失っていった。

442猫丸:2004/08/08(日) 13:41


目が覚めると、俺はいつの間にか本堂前に戻っていた。もちろん、辺りには冬闇の北風が吹いていて、とてもコートなしではいられない。元の世界に帰ったことを実感しつつ、俺はふと考える。あれは夢だったのかな、と。
 だけど、夢じゃない証拠は確かにあった。ここからでも見える、鳥居横の狛犬の台座。そこには、二匹の狛犬ともいない。それは、自分を見守ってくれた神様がもういないという、何よりの証拠だった。
 死ぬ間際、舞奈ちゃんは俺の願いをかなえてくれた。なのに、俺は祈る前よりもずっと、救われていない。もう一回祈ってみたらーーーとも考えたけど止めた。俺の神様は、舞奈ちゃん一人だけだから。
 その時、神社のすぐ近くで石焼芋の売り声が聞こえた。それは、俺に舞奈ちゃんと食べた焼き芋の味を思い出させた。あのときの舞奈ちゃんの笑顔は、もう二度と見られない。犬耳をくすぐったときの表情も、キスの感触も二度とーーーー。
 涙があふれた。しばらく止まりそうにないけど、止めるつもりも無い。今はただ、こうしていたかった。
 と、俺の背後で本堂の扉が開いた。あわてて涙をぬぐって振り返ると、そこには神官装束を着た、端正な顔立ちの男の人が立っていた。
「名瀬幸俊君だね。これを、受け取ってくれないかな。」
そう言って、神官さんは一つのお守りを突き出してくる。見ると、合格祈願お守りだった。
「ああ。私はこの神社の神主をしている高部英明です。突然で悪いけど、本堂の中に来てくれませんか?」
「いいですけど……?」
高部さんの言葉に、俺はわけが分からないながらも本堂の扉へ歩いていく。何故だろう。今の俺にお守りなんて意味無いはずなのに、高部さんにもらったお守りを握っていると不思議な安心感に包まれてくる。
 高部さんが扉を開ける。俺は中を覗き込む。そして、
「来てくれたんだね。ユキくん。」
広間の中央には舞奈ちゃんが……と一瞬思った。けど、よく見れば違う。白い耳と尻尾は同じだけど、背も舞奈ちゃんよりは少し高いし、顔立ちもそっくりなもののどこか大人びている。……この子は、まさか。
「やっぱり気付いたか。でも、それでこそ舞奈の恋人だよね。」
そう言って、女の子はぺろりと舌を出す。もう、間違いない。
「はじめまして!わたし、舞奈の姉で明奈といいます。よろしくね!」
「こちらこそ。僕の名前は……知ってるみたいだね。」
予想通りの展開だったけど、俺はふと思った。確か、明奈ちゃんは舞奈ちゃんに霊力をあげて死んだはずだ。だったら何故、今ここに。考えていると、高部さんは俺の肩に手を置いて、
「魂をお札に封じ込めて、一時的に実体化させてるんですよ。」
……そんなことが出来るのか?にわかには信じがたかったけど、舞奈ちゃんとの体験をした後だから、少しは受け入れやすい。

443猫丸:2004/08/08(日) 13:44
「もちろん、実体化といってもほんの短い時間しかさせられませんが、お札に封じ込めている限り、魂はかなりの間生き続けますよ。」
ということは舞奈ちゃんも。そう思って、俺は手の中のお守りに気付く。お守り袋の中には小さなお札が入っていると聞いたことがあるけど、この不思議な安心感を与えてくれるお守りの中にはひょっとして。
 しばらくお守りを見つめたあと顔を上げると、明奈ちゃんと高部さんが同時に頷いた。
「呼んでみて。」
微笑んで明奈ちゃん。俺はお守りの口を開けて呼びかける。
「出てきてよ、舞奈ちゃん!」
瞬間、袋の口から蛍のような光の玉が飛び出す。それは俺の顔の前で止まって、直後、目が眩むほどの光を放った。
 光が収まり、俺はまぶたを開ける。すると、
「えへへ。また会ったね。」
目の前には、間違いなく舞奈ちゃんが立っていた。耳と尻尾も、無邪気な笑顔も別れたときのままだった。
 いろんな思いがこみ上げる中、俺は舞奈ちゃんの頭を撫でてみる。ふわふわした髪の感触も、指に当たる耳の気持ちよさも、記憶とまったく同じだった。
「実を言うとね、幸俊くん。舞奈ったら、力を失った直後からわあわあ泣いて手が付けられなかったのよ。いつまでもユキくんと一緒にいたい……なんて言ってね。」
「そうそう。本当に、こっちが祟られるくらいの勢いでね。でもまあ、こうやってお守りの中に入れてあげれば、幸俊君ともずっといられるから……満足でしょ?舞奈ちゃん。」
「うんっ!」
これ以上は無いと言うくらいの笑顔で、舞奈ちゃんは頷く。一方で、俺は何も言えなくなっていた。何か一言言うだけで、涙があふれてどうにもならなくなりそうだった。
「まあ、お姉ちゃんには神社に来たらいつでも会えるから、その点はオッケーとして。で、幸俊君。あとは君しだいだけど……。」
その言葉とともに、高部さん、明奈ちゃん、舞奈ちゃんは一斉に俺のほうを見てくる。そうだ、ここは泣いてる場合じゃない。これまで俺を狛犬として見守ってくれた神様は、今度はお守りになって俺のそばにいてくれようとしている。変わらない俺を見つけてくれて、そんな俺を好きだといってくれた神様。誰よりも可愛くて、誰よりも頼りになる神様。俺は、幸せ者だ。心からそう思えた。
「舞奈ちゃん。」
俺は中腰になって、舞奈ちゃんの瞳に俺の顔を映す。舞奈ちゃんは一瞬照れたような表情をしたけど、すぐに真剣な顔つきに戻る。俺は、右手のお守りをぎゅっと握り締めて言った。
「これからも、僕の神様でいてくれる?」
その言葉に、舞奈ちゃんは涙まじりの笑顔で頷いた。高部さんと明奈ちゃんは、満面の笑顔だった。
 次の瞬間、舞奈ちゃんは跳ぶ。
「大好きだよっ、ユキくんっ!」
胸に飛び込んできた舞奈ちゃんは、本当に子犬のようだった。俺は、いろんなことを考えながら舞奈ちゃんの髪の毛を撫で続ける。いくらなんでも、普通の人の前での実体化はまずいよな。家でも、家族にばれないよう気をつけないと。でも、どこか楽しいところにも連れてってあげたいな。
 ……そうだ。

 家に帰ったら、尻尾を引っ張ってみよう。

444イラストで騙す予定の名無しさん:2004/08/08(日) 22:00
スレだと読みにくいので投稿サイトにまとめて載せてくれ。
http://f15.aaacafe.ne.jp/~bklbkl/

445感想その1:2004/08/09(月) 05:34
>猫丸
突っ込みたいことは色々あるけど、とりあえず【ストーリーの根幹にも関わらず足りない描写】を4つほど。

1.舞奈ちゃんがユキくんを好きになった理由
頭撫でられたくらいで神様(というか狛犬)が人間に惚れるかなあ? まあちょっと気になったりはするかもだけど。
ただ、それだけじゃ弱いので「その後いかにして『ちょっと好き』から『本当に好き』に変わったのか」を描写すべきでは。
具体的には、回想におけるユキと狛犬のからみ、それに対する舞奈の思いをもっと書いて欲しいな。

2.霊力を失いつつある舞奈ちゃんの様子
例えば無理して遊んでる病人って、見ててけっこう分からない?
舞奈ちゃんも遊んでる最中急にフラつくなりセキするなりボーっとするなり熱があるのがバレてごまかすなりして欲しい。
元気に遊びまくって「霊力が〜」言っても説得力ないっしょ?

446その2:2004/08/09(月) 06:22
3.舞奈ちゃん復活の伏線
ハッピーエンドは賛成だけど、伏線なしに急展開するとご都合主義に見えやすい。
例えば「この神社のお守りには魂がこもってる、なんて噂もある」みたいな文章をどこかに入れるとか、
ユキくんが物語序盤でお姉さんの姿をチラリと目撃するとか、ちょっとでいいので何か伏線張って欲しい。

それと(こっちの方が重要だけど)最後で今までの話との整合性が取れなくなってない?
姉がまだ生きてるのなら、姉の狛犬が壊れたことで舞奈ちゃんが悲しくなったりしないのでは。

4.受験eteに対するユキくんの閉塞感
本文中の描写だけでは、ユキくんが「昔の自分が羨ましくなる」ほどの閉塞感を持ってるようにはとても思えない。
そのせいで、鏡のシーンが薄っぺらいものになってる。
もっと悩ませて愚痴らせてため息つかせてノリ悪くした方が良いのでは。

総評としては、もっと「具体的な描写」を増やして欲しい、につきるかな。
どう遊んだのか、舞奈ちゃんがどうかわいいのかなどを抽象的な表現に逃げないでちゃんと描写して欲しかった。
あと、ユキくんはロリっぷりが自然体過ぎないかw
見た目10歳相手にためらいなく可愛いと言ってのけるし自然体でロリってるなw

447猫丸:2004/08/09(月) 07:12
>>444
まとめて載せてみました。読みにくいと思う方はこちらへどうぞ。

>>445・446
ありがとうございます。私は、まだまだ力不足のようですね。これから
も精進していくようにします。あと、これまで読んでくださった方にも
改めて感謝します。

448鶴田:2004/08/09(月) 18:32
>>447
うーん、まさかこうくるとは……。さすがに唐突すぎますねえ。ハッピーエンドのほうがいいとは思うけど、そのせいで積み重ねてきたストーリーが台無しになってるように見受けられます。
ラストの家族にばれないように、とか普通の人の前で実体化はまずい、の部分を書いたほうが面白そうな気がしたのは私だけでしょうか。このへんは連載化?を意識してるのですかね。
そしてまあ、たしかにユキは○リコンですな……。神様の姿の時は一時的に十六歳くらい(年齢は適当)に成長させるのもいいかもしれません。逆もまたしかり。そうするともちろん巫女服がぱつんぱつんになったりとかの問題がでてくるわけで、そこもまた萌えになるのではないでしょうか。とかまじめに考えた自分が嫌になったので腹を切ってきます……。

449イラストで騙す予定の名無しさん:2004/08/15(日) 18:41
 花壇に一人残ったフブキは、ベンチにもたれて青空を見上げた。
 須磨鈴蘭の顔が浮かんでくる。
 チトセの前ではああ言ったものの、美少女モデルが転校してくると聞いては、
男子として冷静でいられるわけなんかない。
 (二年おそく生まれてくればなあ…)
 自分が中学生であることを激しく後悔していると、近づいてくる足音が聞こえ
た。もうチトセが戻ってきたのかと、あわてて空に描いた鈴蘭の顔をかき消す。
 「すみません、ちょっと聞きたいことがあるんですけど、いいですか?」
 チトセより幾分か大人びた少女の声。はて誰だろうとフブキが声の主を見ると、
たった今消したばかりの顔が微笑んでいた。
 「校長室がどこにあるか教えていただけませんか?」
 須磨鈴蘭だった。あの須磨鈴蘭がそこにいたのだ。
 (そんな? ありえない!)
 フブキは目をこすってみた。いくら転校してくるとはいっても、いきなり
自分の前に現れるなんて都合がよすぎると思ったのだ。
 しかし、いくら目をこすっても美少女は消えてくれない。これはもう本物
と断定するしかなさそうだ。
 (うわあ、やっぱりカワイイなあ…)
 亜麻色の髪を背中までのばし、それを後方になでつけるようにしてヘアバ
ンドでとめている。顔の作りは日本人に近いけれど、瞳の色がブルーなあた
りはさすがクォーターだ。
 初等部の女子はこの季節、ブラウスの上から襟がV字型にカットされた春
用のセーターを着るのが通例だが、鈴蘭はセーターの代わりに紺のチョッキ
を着ていた。赤いリボン・タイを結んで、赤いチェック柄のスカートをはい
ている点はチトセと同じである。
 「あの…校長室がどこにあるのか教えてほしいんですけど知らないんですか?」
 「ええっ?」
 ボーッとして、質問に答えるのをすっかり忘れていた。

450イラストで騙す予定の名無しさん:2004/08/15(日) 19:26
こんな美少女との会話は心の準備ができてからにしてほしいものだ。
 「こ、校長室ですか? 知ってますとも! あの校舎の一階の、あのへんに
ありまして、こう行ってこう…」
 フブキは少々焦りながらも、どうにかこうにかして道順を教えてあげた。
 「よくわかりました。ありがとうございます」
 美少女モデルは深々とおじぎした。
 「あたし、明日からこの学園に入学するんです。それで入学届を校長室ま
で届に来たんですけど、すごく広い学校だから迷ってしまって…本当に助
りました」
 お礼を言って、立ち去ろうとする。
 「あっ! ち、ちょっと待って!」
 フブキはあわてて呼び止めた。せっかくのお近づきになるチャンスではないか。
 「なんですか?」
 「い、いや〜その〜…君は須磨鈴蘭さんですよね?」
 少女は頷いた。
 「はい、須磨鈴蘭です。あたしなんかのサインとかでもいいのなら、遠慮なく
おっしゃってください」
 やはり全国に名が売れてからは、こういうことにも慣れているのだろう。
 「本当は学校ではモデルとしてふるまっちゃいけないって言われてるんです。
でも、あなたは親切な人だから特別(はぁと)」
 と、鈴蘭はウインクした。
 (うわ〜っ! こいつはたまらん!)
 子供特有のお色気とでもいおうか、まさに『少女』ならではの魅力が炸裂、
フブキは卒倒しそうになるのを危うく踏みとどまった。
 「い、いや、サインもいいけど、ひとつふたつ質問したいなあって…」
 「どうぞ。答えられる範囲でお答えしますから。あ、でも、スリーサイ
ズだけは聞かないでくださいね。まだ人様に自慢できるほど育ってませんから」
 「いえいえ、僕はそんなことよりも…」
 案外お茶目なところもあるんだなあと思いつつもフブキは言いよどむ。
そんなこと(スリーサイズとか)以上に聞きたいことなんかないというの
が実情だからだ。
 (う〜ん困った。何か、何か、軽蔑されないような上品で知的な質問
は〜?)

お目汚し失礼しました。

451イラストで騙す予定の名無しさん:2004/08/16(月) 00:52
>>449-450
上のほうで何度か書いてさんざん言われてた人?
いや、おれもいろいろ書いたんだけどね、まえのより断然いいと思うよ。

452イラストで騙す予定の名無しさん:2004/08/16(月) 04:00
>>451
いや、ぜんぜん変わってないだろ。
チトセがいないから痛さが薄れてるだけ。それでも十分痛いんだけどな。

>>449-450
なんつうかさ、基本的には前のと同じじゃん。
すでに完成してる作品のどの部分を抜粋するかの違いがあるだけ。
いままで注意されてきたことは直ってないし、努力したあとすらうかがえない。
本来なら前のを参照しろ。で終わらせてもいいんだけど、まあ暇だし批評してみるよ。
問題はふたつだ。ひとつめは登場人物の痛さ。
登場人物が痛いってことはいままでもさんざんいわれてきたよな。フブキがロリコンすぎる。その世間的には非常識であろうロリコンぶりを否定する人がいない(つっこみ、といいかえてもいい)。作者自身がロリコンなのはわかった。こういうのが大好きというのもつたわってくる。でもそれをストレートに書いちゃだめなわけ。わかるかな。創造者としての閃きを感じない作品に、どれだけの読者がついてくると思うよ。好きなものを好きなまま書くだけなら誰でもできるんだよ。
ふたつめは地の文章。
文章にクセがなくさらっと読めるのは君の長所だと思う。だけど地の文章に作者の好き嫌いを表しすぎなんだ。フブキがロリコンで、鈴蘭の美貌にまいったってのは別にいいよ。心の中でほめまくるのもかまわない。だけど作者までがほめるのはやりすぎ。客観的でない作者の視点や感想ってのは見ていてうざったいだけ。
こんな美少女との会話は心の準備ができてから
子供特有のお色気
まさに『少女』ならではの魅力が炸裂
とかさ、これは作者の意見でしょ。それも相当かたよった。三人称なら三人称なりの気を使えよ。フブキみたいな妄想爆裂系のキャラならなおのことだ。境界線はきちんと引け。

453451:2004/08/17(火) 15:15
気になったんでまえの投稿分から読み直してみたよ。
やっぱりずいぶんと印象がちがう。
これはチトセが出てきていないから、というだけではないだろう。
(おれがイタタと思ったのはチトセではなく、フブキの存在と作者視点の混入だっ
たし)

おれがフォローするのもへんな話だが、このシーンではフブキは性犯罪者一歩
手前ではなくて、あるていどの分別は持ちあわせていると感じられる(年齢差を気
にしたり、質問に頭を悩ませたり)。
また、上で挙げられている三つはどれもフブキの心情であって、作者のものでは
ない。すくなくとも、この文に作者の顔が見えることはなかった。
読んでいて引っかかる点というのも、ほとんどが瑣末なもので最初のと比べたら
かなりよくなっていると思うけれどね。

作者不在でこんなこと話しても仕方ないけど。

454イラストで騙す予定の名無しさん:2004/08/17(火) 16:44
文が成長した成長しない云々より、話に魅力を感じられない時点で、それは
失敗じゃないだろうかね。

455119です:2004/08/17(火) 20:21
作者の意見はそのままフブキの意見と思ってほしいのですが、
>452
ストレートに書いてる奴の考えが出てると受け取られてしまうのは未熟ゆえですね。
フブキのロリコンにつっこみを入れる人間がいない…のは、
三人以上もキャラを書き分ける自信がないのです。
一応、鈴蘭にツッコミに近い役割をふるつもりなのですが。
>451
文に成長が見られますか。ありがとうございます。
プラスに見てくださる意見があると励みになるものです。
でもフブキは表面に出てないだけで性犯罪者そのものの願望をもってます。
もちろん、実行するのはマズイという良識はあります。
>454
話に魅力を感じない…一言もありません。具体的にどのへんがと言ってくだされば。

すでに、この話であるところへ応募してしまいました。
最初に書き込んだものに若干の修正を加えていますが、落選必至でしょう。
でも、私の脳内ではこの子たちがかなり成長してしまっているのです。
他にもフブキの兄さん(学者)が、ヒッキーで留年して、
もうすぐ二十歳になる女子高生と恋人になるとか、
フブキの友達のヤワな男の子が2メートルの怪力大女と交際したりとか、
そんな設定はいろいろと考えています。
フブキやチトセは考えた中で一番一般ウケしそうだと思ったからですが、
自分の感性はかなりズレてるみたいですね。
しかし中学生が小学生好きなのはロリコンなんでしょうか。

456452:2004/08/18(水) 05:17
>>453
どこが痛いかってのは人それぞれだろうから、そこに関しては別にいいと思う。おれはフブキが痛いと感じた。その痛さは薄れてないように見える。
フブキが年齢差を気にしたり質問を悩んだりってのはあくまで「初対面のシーン」だからだとはおれは解釈している。たとえば352時点での作者のフブキに対するキャラクター像と現時点でのキャラクター像にズレがあると思わせるに足る部分は、おれには見つけられなかった。作者の発言においてもそれは同様。下のレスと455を突き合わせてもわかるだろうが、作者はフブキをロリコンだと思っていない。450のシーンでは表面上は見せないようにしているが、内心では性犯罪者的願望があるという。だったら「打ち解けてしまえば」やはりセクハラはするだろうよ。そういうフブキをおれは痛いと思う。

>>455
子供特有のお色気。とかスリーサイズ以外に聞きたいことがない。ってところを見てもわかるように、フブキは「小学生」が好きなんだよ。「〜才年下の美少女」が好きじゃないんだよ。しかも恋愛というよりは性的欲望のニュアンスが強いし。これをロリコンといわずしてなんというのかね。

457イラストで騙す予定の名無しさん:2004/08/18(水) 17:17
>>455
先生、八才女児に恋しちゃうのは立派なロリコンの証かと思われます。

458イラストで騙す予定の名無しさん:2004/08/18(水) 21:05
否定はしない。好きになるのはかまわないと思う。
子供同士のつたない恋愛というのも、それはそれで許容範囲。
でも露骨に性の対象として描写しちゃあかんよ。
>>449-450の文章からは、いやらしさを真っ先に感じる。それが嫌。生理的にダメ。
やるならマリみてのようにオブラートとリボンをで包みまくって、なんだかこれも良いかもと錯覚させてくれなきゃ。
素っ裸で剥き出しにされても困る。
この手のジャンルは考えている以上に料理が難しいということを念頭において、装飾するべし。
とにかく裸はダメ。発禁。

459119です:2004/08/27(金) 00:15
この話についてはこれが最後です。次から別の作品にとりかかります。

 放課後、チトセは同じクラスの友達とも帰らず、一人とぼとぼと歩いていた。
 (なによ、フッくんてば、鈴蘭ちゃんが美人だからってデレデレしちゃって…)
 昼のことを思い出して苦い気持ちになる。
 (でも、鈴蘭ちゃんて本当にカワイくてキレイだなあ…
フッくんもキレイだし…)
 認めたくはないが、二人並んでベンチに座ってるところはお似合いだと思った。
 (ううん! あんなエッチな男とイヤミなオバンだからお似合いなのよ!)
 ぶんぶん首をふって否定しようとした矢先、いちばん認めやくない顔が現れた。
 「一緒に帰らない?」
 校門を出たところに鈴蘭が立っていた。
 「……」
 黙って回れ右をしようとする。
 「待って、チトセちゃん!」
 鈴蘭がチトセの腕をつかむ。
 「離してよッ!」
 「離さない! あなたがあたしとお友達になってくれるまで!」
 「お友達?」
 チトセはきょとんとする。
 「そうよ、昼間はひどいこと言っちゃってごめんね。でも、あたし
チトセちゃんみたいな子ってうらやましい。好きな男の子が他の女の
子と一緒にいただけで、あんなに怒れるぐらい自分の気持ちに正直な
子って素敵だと思う。だから、お友達になりたい」

460119です:2004/08/27(金) 00:29
 そう言われても、にわかには信じ難い。世間の注目を一身に浴びる美少女
モデルが、自分のような取るに足らぬガキンチョを、うらやましくて素敵だ
と言っているのだから。
 「……うそ」
 「ウソじゃないわ。本気でそう思ってる」
 「うそだもん……チトセなんてチビで、ちんちくりんで、お子ちゃまで、
おっぱいぺったんこで、うらやましいわけないもん…」
 「ぺったんこなのはあたしも……ゴホンッ……それにね、チトセちゃん
だって、本当はまだフブキのことが好きでしょう?」
 「キ、キライだもん! あんなスケベ!」
 「あら、好きでいてもらわないと困るわ」
 「えっ……?」
 鈴蘭は大げさに肩をすくめてみせて、
 「あなたはフブキが浮気したって誤解してるみたいだけど、あんなの
こっちでお断りよ。エッチで、女にだらしなくて、あなたにでも面倒み
てもらわないとね」
 「な、何よお、それ!」
 チトセは怒った猫みたいにふたつのおさげを逆立てた。
 「そりゃ、フッくんはエッチだよ! チトセのスカートめくるだけじゃなくて、
パンツ下げてお尻まで見たりするもん! でも、エッチなだけじゃないんだよ。
カッコいいときはすごくカッコよくてやさしいんだから! 昔、チトセの傘を
とってくれたこともあるんだよ!」
 「ほーら、彼を悪く言われると怒るじゃない。やっぱり好きなんだ」
 鈴蘭がクスクス笑う。チトセはまんまとのせられたことに気づいたがもう遅い。
 「う……うん……好きだよ」
 これ以上、意地をはっても無駄だと思ったのか急に素直になった。

461イラストで騙す予定の名無しさん:2004/08/29(日) 04:53
>>459-460
うーん、逆に聞きたいんだけどさ。
君はこれのどのへんが問題だと思ってるの?
文章?内容?どこをどう克服したいと思ってるの?
いままで同じ作品の違う部分を抜き出してきてさ、ほぼ似たようなレスをもらってるじゃん。
こっちからすると君がどうしてほしいのかわからんのよ。
方向性としてどういう方向にもっていくつもりなのかも聞きたい。電撃みたいないわゆるラノベか、萌え王か、もしかしたらポルノ小説なのか。どこに応募するかだけでも書き方は全然違ってくるからね。

462イラストで騙す予定の名無しさん:2004/08/29(日) 08:16
>>459-460
ぶつ切り説明調の地の文に芸が無さすぎ。

463119です:2004/08/29(日) 19:39
>461
文章です。
>462
そう、まさにそういうのを気にしていたんです。
どうすればただの説明から描写になるのか、と。

464119です:2004/08/29(日) 20:01
方向性としては、やはり電撃みたいなラノベです。
しかし、どうしてもイヤラシイことを書きたくなってくるので、
どこへの投稿を目指せばいいのか迷っています。
ラノベにしては品がない、ポルノにしてはやってることが児戯のレベル。
あんまり濃い鬼畜なエロはあまり好みじゃないんです。
地文の味気なさに関しては、似たような場面をプロの小説から探してきて、
その描写を参考にしてますが、そのまま写すわけにもいかないので、
ああでもないこうでもないと考えているうちに今みたいなのになってしまいます。

465461:2004/08/30(月) 00:40
>>464
うーんなるほどね。というかそれってものすごい中途半端な状態だな。
絞ったほうがいいよ。時間の無駄。自分でもいってるように。ラノベにしては品がないってのはわかってるわけでしょ。その時点でポルノか萌え王しかない。でも過激な描写はいやだ。だったらこの作品は萌え王だと割り切ってさ、ラノベは別の作品で書けばいい。
ざっと見たところ、冒頭の放課後〜いちばん認めたくない顔が現れた。の部分が気になるな。ここで一気に説明してしまおうって思ったでしょ。それがおそらく462氏の指摘してるポイント。チトセの頭の中で全部表現できればそりゃあ簡単なんだけど、雑だともいえるわな。地の文章がおもろいなら別なんだけど、まあ普通だし。チトセの行動や、鈴蘭とかからみの中で同じことが表現できれば、それは描写になる。
あと、じゃっかん気になったのが鈴蘭かな。チトセ(八才の、なくて当たり前ぐらいの年頃のガキ)が胸のないのを気にしたら、ちょっとむかつたりしない? 自分がぺったんこを気にしてるならなおさらだと思うんだけどなあ。

466山田:2004/08/30(月) 18:19
以前晒したノウハウではヌルー、同人板で晒されてボボン扱いされたものです。

この後も読み進めたい気になるかどうか知りたかったのですが
結局わからずじまいでしたので、良かったら批評お願いします。

--------------------------------------------------------------

勇者サラマンド。
13にして王国を襲ったドラゴンをうち倒した男。
その後も国に降りかかる数々の難問を解決に導いた男。
わずか15にして勇者の称号を得た、大陸唯一の男。
けれど勇者は、突如として姿を消した。
数々の名誉も地位もうち捨てて。

8年で、彼は伝説になった。

だが、王国に闇が影を落とす今、再び勇者は姿を現す。
クールでニヒルなナイスガイ。サラマンド山田。
今、彼の運命が変わろうとしていた。

467山田:2004/08/30(月) 18:26
不穏な空気を感じ取ったサラマンドは、己に課した禁忌を破り、一路王都へと向かった。
国にも民衆にも、もう何の義理も未練も感じない。
何より、今では誰も彼の姿を覚えてはいないだろう。
『暁の勇者』
その名前だけが一人歩きしているのが現状だ。
まるで都合の良い神のように、何でも叶えてくれる魔法の呪文のように、人々はその名を呼ぶのだ。
そんな状況に嫌気が差して姿を消したはずなのに、今また、彼は王都へ向かっている。
『暁の勇者』
彼にとって重荷でしかないその呼び名が、今も彼を縛り続けているのだ。

迷いの森と呼ばれる難所にさしかかった時だった。
サラマンドは前方に、なにやら怪しい人影を見とめた。
怪しさこそあれど、危険を感じる事はなかったのだが、サラマンドは慎重を期して、静かに間合いを詰めた。
人影の正体は、小柄な少女。
ふわりとした優しい感じの服を着ていて、
とてもこんな危険な場所にいるような格好だとは思えない。
最初、森に迷い込んだ村娘かとも思ったが、
その背には華奢な体と服装にそぐわぬごついリュックを背負って、
しかもよく見れば剣まで所持していた。
少女は見るからに疲労の色を隠せない様子で、それでも一心に前を目指して歩いている。
ただの迷い込んだ村娘ではないようだったが、手練の冒険者とはとても思えない。
この森は、そんな娘が、しかも一人で気軽に来れるような場所ではない。

468山田:2004/08/30(月) 18:26
一体少女にどのような理由があるのかはわからないが、
如何にクールでニヒルなサラマンドであろうとも、
この状況を見過ごす事はできなかった。
一歩また一歩と、ピンクのボンボンが可愛く揺れる少女に近づいていくサラマンドは、
次第に、なんだか隠しようのない違和感を感じ始めていた。
更に近づいて、そして理解した。
彼女が持っていたのは、荷物だけではなかったのだ。
少女は、男二人をロープに縛り付け、引きずるようにして歩いていた。
それは確かに疲れるだろうと、サラマンドはしみじみと納得した。
察するに、彼女はひとりで森に入ったのではなく、
先の戦闘でその二人が戦闘不能に陥ってしまったが為にひとりになってしまったのだろう。
これでますます見過ごすことが出来なくなってしまった。
サラマンドは少女に声をかけるべく一歩踏み出した。

今では認めざるを得ない。
それは間違いだったのだと。
彼は良心など捨てるべきだったのだ。
完全なる失敗。
だが、それに気付く事が出来なかった。


今彼は、転落の人生への一歩を踏み出した。
けれどそれを知るのは、もう少し先の話になるだろう。

469イラストで騙す予定の名無しさん:2004/08/30(月) 23:25
>>466
文の書き方も話の内容もボボン。
小説読みなさい。
山田さんはこの話の何が面白くて他人に見て欲しいと思いますか?

470イラストで騙す予定の名無しさん:2004/08/30(月) 23:37
ボボンって何……?
話の中身ですが、残念ながら気になるほどではないです。文章もやや読みにくい。
この調子で続くんだったら私は短編でも挫折する自信があります。

471イラストで騙す予定の名無しさん:2004/08/31(火) 02:22
>>466
勇者ものへのアンチテーゼみたいな作品は君が思ってる以上に多い。
ぶっちゃけ飽き飽き。
地の文章で笑いをとれれば読めるんだろうけど、とれてないし。
この先があったとしたら、たぶん少女のキャラが判明するところまでは読むと思う。

472イラストで騙す予定の名無しさん:2004/08/31(火) 03:02
山田よ、お前はあらすじを書いている。小説を書いていない。

473山田:2004/08/31(火) 03:24
早速の批評ありがとうございます。
最初はナレーション調で進めようとしてたけど
やはり読みづらいようですね。
途中からは普通の文章になるのですが
冒頭で引き返されることが多いので、やはり書き直したいと思います。

>>469
ちぐはぐなパーティーを無理やり組む羽目になって
苦労しながらやっていくサラマンド山田の苦悩が
深刻ではなくギャグっぽく伝わればいいと思ってます。
ですが、伝わらないようでは意味がないので、もう少し考えようと思います。
小説は、あまり心動かすようなものがないので
最近ではアガサ・クリスティ以外読まなくなりました。

>>470
短編でも無理ですか。
文章の読みやすさを考えなおして、
冒頭で読み手を引き込めるようにしたいと思います。

>>471
勇者もののアンチテーゼという気はまったくありませんでした。
ただ、いくら伝説の勇者でも、仲間が弱かったら苦労するんだろうな、
と思い書き始めたものです。
そのおかしさが伝わらないのでは、やはり意味がないですね。

ずっと悩んでましたが、全文改稿したいと思います。
ありがとうございました。

474山田:2004/08/31(火) 03:28
>>472
目から鱗です。
確かに、ナレーション調で書けば、あらすじにしかなりませんね。
最初はこの書き方が面白いかも、と何故か思っていたのですが
それが気のせいだという事に気づきました。ありがとう。

475イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/05(日) 01:53
かつて投稿を目的として書いていたけど、諸事情あって没にした小説の冒頭です。
久々に書いた小説なので、読みにくいかもしれませんが、よかったら感想をください。

 少年は、赤い髪を存分に風になぶらせて、サンドスクーターを飛ばした。ゴーグル越しの景色は、
今日もクリアだ。すぐそこのキャラバンも、よく見える。
 長い袖に隠れた手を上げ、合図の煙幕弾を打ち上げる。くすんだ赤の煙が、彼の手と空を繋ぐ線
を、伸びやかに描いた。
 商人やその護衛たちも気づいただろうか。まあ、気づいたところで、大したことはない。少年の、マ
ントの襟元で覆い隠した口許が、自信に溢れた笑みを作る。陣風と呼ばれる俺たちが、ヘボい商人
どもに捕まるわけがない。
 スロットルを開く。砂を含む風に音を消されているが、すぐ後ろに仲間たちがいるのを感じる。
 無意識に小さく頷くと、最後尾のカーゴに突っ込んだ。
 片側のグリップには足をかけ、もう片方は膝を当てて操作する。多少の蛇行ぐらいで振り落とされ
たりはしない。背中に回していた、バズーカに似た銃を肩に担ぎ、構える。
 パスッと乾いた音がして、縄がカーゴへ飛んでいく。先には鉄の筒がついている。それで船体に穴
を開けるのだ。その衝撃で傘が開いて、筒だったものは穴よりも大きくなる。そうして固定したロープ
を伝って、船にお邪魔するという算段。
 砂漠での立ち往生は、限りなく死に近い。救援は砂嵐にかき消され、周囲には水も生物も存在しな
い。それを回避するために、とにかく燃費を抑えようと、大概の船は軽量化されている。こうやって、
風穴を開けることが可能なほどに。
 ロープが伸びきって、それでもさらに前に進もうとするサンドスクーターを解放してやる。少年から
解放された愛機は少し走ってから安定を失って倒れ、鉄馬から解放された少年は、振り子の要領で、
吸い寄せられるように船体に近づいた。体全体でぶつかることがないように、両足を前方へ突き出す。

476イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/05(日) 11:22
>>475
いきなりたくさん情報与えられてもなー。しかもたいして意味のない動作多いっしょ。
早く話を始めなさい。
ただでさえだらけてるのに視点が少年視点と神視点で混在しているのはまずい。
しゃきっとしなさい。

477475:2004/09/05(日) 18:56
情報の詰め込みすぎは、気にしてるのですが、直ってないみたいですね…。
もう少し取捨選択して、必要な情報を書くように心がけます。
情報が多いから展開が遅くなってしまうというのもあるような気もしますし、
両方を加味して考えてみます。
視点の混在は、やっぱりまずいんですね。
よく、主人公の思考が地の文に混ざるような、あんなイメージだったのですが、
一人称が出てきてしまうのは駄目ということでしょうか。
次は、そのあたりも気をつけてみたいと思います。
レスありがとうございました。

478イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/05(日) 23:55
>>475
説明が多くて妙に間延びした感じ。
あと、読点が多くて文がぶつ切りの印象。
三人称かと思ったら一人称でびっくりしたと思ったらまた三人称だし。
この場面ではスピード感を重視して、勢いで読ませた方がいいと思う。

479475:2004/09/06(月) 01:12
>>478
レスありがとうございます。
読点の多さは、こうやってレスを書いているときも気にしていることなのですが、
すらすら読むには多いですよね。これは、より一層気をつけたいと思います。
一人称が出てくるのはやっぱりまずそうなので、今後は書き方を改めて、
地の文での思考は、もう少しなめらかになるように頑張ってみたいと思います。
スピード感を活かすということについて、もう少し勉強してみます。
ありがとうございました。

480イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/06(月) 03:51
>>475
神視点に一人称を混ぜてやるのは正直プロのすることだと思う。
デビュー目的のアマがやると、ただ単に書き分けのできない奴と勘違いされる可能性があり、危険。
シーン的にはテンポよく書けばもっとうまくみせられる。

>>無意識に小さく頷くと
ここは仲間に指を立てて合図を送ったりしたほうが動きが出る。まあ好みの問題かもしれんが。

481475:2004/09/06(月) 10:57
>>480
視点のことは、なるほど、納得しました。
確かにこちらの意図はそうであっても、書きわけられないと思われる可能性は十分ありますね。
自分はまだアマなんだということを肝に銘じておきます。
仲間に合図のことは、単純に、小さな動きは砂煙で見えないかなと思ったので
(合図を煙幕にしたのもそういう理由からなのですが)、やめてみました。
でも、腕の振りとかなら見えますよね。
テンポや動きといったところを、もう少し小説を読んで、研究してみたいと思います。
ありがとうございました。

482イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/08(水) 12:53
辛口の批評をお願いいたします。
去年富士見に送ろうとして自主没にしたものの、冒頭です。


夜の沙漠に、満月が昇った。

「やめろ、ばか」
銀の煙管にくわえた途端、隣に胡座をかく相棒に後ろ頭をはたかれた。
容赦ない勢いの一撃に、思わずエルクの上体が前に傾ぐ。煙管は、座る
足元の岩肌に落ちた。
カツン――という軽い音が、静寂の岩場に響く。

「煙を立ててどうする。待ち伏せしてる自覚あるのか、おまえ」
赤褐色の大岩にもたれた相棒――ハディスが、周囲の夜気より冷ややかに言った。
散切りの黒髪の下、眦の切れ上がった目元にはむやみな迫力がある。だが
エルクは、十年来の悪友に白眼視されるのに慣れっこだ。

がしがしと赤髪をかき上げながら、エルクは口を尖らせる。
「だって暇じゃないかよー。待ち伏せ徹夜でもう三日目、オアシスもない殺風景な
岩沙漠で男と二人きり。しかもそいつは無愛想で目つきが悪いときたら」
「他はともかく、俺の目つきは関係ないだろ」
「とっておきの冗談に半眼を返されると、へこむんだろ人として」
「おまえの話はつまらん」

不意の冷たい風が、二人の髪と、部族お仕着せの青い戦装束をはためかせた。
昼間は鍋底のような熱砂地帯ながら、夜には七分袖から出た腕に、鳥肌が立つ。
かといって、焚き火をするわけにはいかない。隊商を狙う凶族を待ち伏せして
いるというのに、「ここにいますよ」と知らせる馬鹿はいない。が。
「……でも正直、俺もいい加減、奴らを誘いだしたい。狼煙でも上げてな」
砂まじりの突風がおさまったのに、うんざりとハディスがため息ついた。
だろう? とエルクが頷きかけた。その瞬間だった。

483イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/08(水) 12:53
星月夜の底――二人して隠れる岩壁の向こうで、なにかが動く気配がした。
蠍や山猫ではない。大きな生き物が、複数連れ立って忍び足をしている。
おでましだ。エルクはハディスと視線を重ねて頷く。
風にまぎれそうな声で、エルクは呟いた。血が騒ぐ。
「何人いるか、賭けない?」
「……十人」
短く応じるハディスは、緊張で硬い横顔を見せていた。エルクは笑って、
その背を叩いてやる。

「そんなら俺は十二人。おまえが負けたら、おまえの書いた詩集を見せろな」
相棒は、生真面目に唇を結んだまま頷きかけ――ぎょっとしたふうにこちらを
振り返った。
「待ておまえ、なんでそんなことを知ってる!?」
「え? だっておまえ、なんかこそこそ帳面に書いてるだろいつも。この前
ちらっと覗いてみたらば、あらまあ浪漫あふれる文章が、」
「わあああああ! 忘れろー!! 今すぐ忘れ――」
それまでの冷淡な表情を吹き飛ばし、全身で暴れはじめるハディスの口を
ふさいで、エルクは真面目に息をひそめた。

幸い、大岩の向こうにいる連中に、こちらに気づいた気配はない。岩壁と強い
夜風が、いい具合に声を遮ってくれた。
「落ち着けハディス。おまえが勝てば、部族のみんなには秘密にしとくから」
「…………そうやって、俺を働かせようとしてるな?」
鋭い指摘に肩をすくめ、エルクは傍らに置いていた弓を手にとる。憮然としながらも、
ハディスも曲剣を腰に佩いた。そして。
二人は、岩陰で立ち上がった。

484イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/08(水) 16:37
待ち伏せしてるなら相手の人数くらい把握しておきたい。
あと、そんなに恥ずかしいならハディスは賭けなどという勝負を断るべきだ。
っつーか、がんばっても結果変わらないだろ。
ゆえに、「何人殺(と)るか」の勝負にした方が意味が通じる。ただ、主人公
にあんま血みどろキャラになって欲しくないなら、そういう勝負もできんがな。

あと、煙草を吸うなら煙より匂いの方を気にしれ。んでハディスは、渋がって
るポエットにしちゃ台詞に捻りがない。あと、エルクの詩集発言に「待て!
お前なんでーーーーまさか見たのか!?」にすると(これもまあテンプレっぽ
いが)、一応ものを考えてるように見える。

485イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/08(水) 19:23
>>482
 思いっきし私感です。

 まず、冒頭からキャラの掛け合いはやめて欲しいなあ。
 よほど面白いなら別ですが、たいていの場合げんなりします。
 文章がいいだけにもったいない。

 キャラの対比のさせ方は良。陽気な主人公と冷静な相棒ね。
 ただ、男性向レーベルに送るなら、この配置は逆の方がいいかも。
 もし可能なら、ハディスからの視点で話を進めてはどうでしょう?

 個人的にはもう少し周囲の描写が欲しいとこだけど、これは好き好きかな。
 とりあえず続きを読んでみようという気にはなりましたので、冒頭としては
 及第点だと思います。
 後は、それに続くネタ次第ですね。がんばって下さい。

 以上です。

486イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/08(水) 21:34
>>482
テンポよく話が進んでいて、続きを読みたいという気になりました。
ちょっと改行というか空行が多いような気はしますが、
書き込みだと投稿で区切れちゃうから、感覚がわからないので、保留…。
キャラ二人の会話は、ある程度はしょうがないかとは思いますが、
ちょっと説明的?かも???
会話だけでもキャラを立たせられそうですし、無理に説明を詰め込まない方が、
すんなり読めるように思います。

あと、煙草の煙って、夜でもそんなに目立つのかというのが疑問でした。
煙草に火をつける時の明かりは見えるかもしれないけど…。
街灯がある都会の夜しか知りませんが、待ち伏せしている相手が相当近くにいない限り、
見えないんじゃないかしら、と思いますがどうでしょうか?

487イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/08(水) 21:38
これと言って違和感はないかと。
強烈にひきつけるものは無いものの、文章に安定感もあるし、始まりを予感させるには充分。
ああ、でも一つ。何で七分袖なんていう中途半端な服装なんだろう。
沙漠だから長袖、というのは当方の勝手なイメージかな。

488イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/08(水) 21:50
感覚的なもんだけど、もうちょっと文章を簡略化したほうが
読みやすいんじゃないかと思いました。
「やめろ、ばか」
煙管をくわえた途端、エルクは相棒に頭をはたかれた。
容赦ない一撃に、思わず体が前に傾ぐ。
銀の煙管が足元に落ちて、カツン、と軽い音が静寂の岩場に響いた。

489イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/09(木) 02:54
>>482
文章↓
銀の煙管にくわえた途端→銀の煙管をくわえた途端
隣に胡座をかく相棒に→隣で胡座をかく相棒に
など、おかしな部分が見受けられる。推敲しなおしたほうがいいかも。
状況↓
待ち伏せ徹夜でもう3日目〜二人いるんだから交代で睡眠とれるじゃん。
七分袖〜身軽である必要があるのかどうかはしらないが、あまりにも軽装すぎるんじゃないか?
台詞↓
おまえが勝てば、部族のみんなには〜「部族の」はいらない。
足りない部分↓
隊商をおとりにして待ち伏せているのだろうが、だったら隊商の描写が欲しい。どうも位置関係がはっきりしないので。

490イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/09(木) 11:06
最近書き始めた小説の冒頭です。
よろしければ批評お願いいたします。

「もしもし、おばあちゃん?」
夜の空港は国内線ということもあり、人はまばらであった。そのターミナルの片隅で公衆電話を利用している高校生が一人。
すこしよれた制服が、あまりパッとしない顔にいかにもマッチしていた。
「そう、今から飛行機に乗るから。そっちに着くのは夜中だと思う。―うん、空港からはタクシー乗ってくから先に寝てていいよ」
その後、5分くらい話したあと紀伊国鈴太はため息をつきつつ受話器を置いた。
「ばあちゃんも心配しすぎなんだよな」
そう呟きながら鈴太は、電子音と共に吐き出されたテレホンカードを財布の中へしまうと横に置いてあったスポーツバッグを肩に背負った。
鈴太は毎年二回、夏と冬に飛行機を利用して祖母の家へ訪れるようにしていた。祖父が他界してから一人きりで暮らしている祖母にとって、年に二回の孫の来訪は何よりの楽しみらしく、鈴汰が訪れると心から嬉しそうに歓迎してくれる。そして数年前に両親を失くし、東京で一人暮らししている鈴太にとっても唯一の肉親である祖母の家へ訪れるのは一年のうちでもっとも楽しみなイベントであった。
「十九時三十五分発、北海道行きNH1717便に搭乗予定のお客様――」
不意にターミナルに鈴太が乗る飛行機の搭乗アナウンスが響き渡った。
「え?もうそんな時間!?」
あわてて腕時計を覗きこむと…針は十九時三十五分を指していた。
生まれつき絶望的なまでの寝起きの悪さと芸術的なまでの運動おんちを兼ね備えている鈴太は、身の回りにある時計の針を五分進めるようにしている。
つまり現在の時刻は十九時三十分。
「やっばい!急がないと」
鈴太は、大またに走り出した。

鈴太が座席に座ると同時に機内放送が流れ、かすかな振動と共に機体がゆっくりと動きだした。

491イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/09(木) 11:06
汗を拭いながら時間を確かめる。出発は遅れたようだ。針は予定の時刻よりやや先を指している。
心なしか、周囲の視線が冷たく感じられるのは気のせいではないだろう。
鈴太は、制服の上着を脱ぎ、それをカバンへしまうと、ゆっくりとため息をついた。
「まあ、間に合ったからいいか…」
シートベルト締めると同時に機体が浮かび上がった。
離陸直後の激しいGも、飛行高度に達すれば心地良い振動へと変わる。
鈴太は、機内の暗さも相まって、いつしか深い眠りについていた。

そして、この二時間と一五分後、紀伊国鈴太は死亡した

492482:2004/09/09(木) 11:15
批評ありがとうございました!
自分じゃ気づかぬ欠落やミスに気づけて勉強になりました。
ありがとうございます。

>>484
!言われてみればその通りでした……気をつけます。
匂い、なるほどです。自分煙草吸わないので失念しておりました。
「殺るか」にしなかったのは、お察しの通り、主人公ズを冷酷っぽく
見せたくなかったが故ですが、結果的にどうにもズレた会話になって
ましたね……よかった、推敲せずに投稿せんで。

>>485
掛け合いで始めた方が、とっつきやすいかと思い込んでおりましたが、
なるほど、げんなり要素でもあったのですね。参考になりました。
蛇足ながら、本編は、二人の視点を切り替えつつ書いておりました。

>>486
説明台詞、気をつけます……! 短いパラグラフで色々伝えたくなって
しまうたちなので、つい。空行は、投稿にあたって入れました。
読みやすくしようと思ったのですが、まぎらわしくてすみません……。
煙草は、ハディスの神経質な性格を表そうかと思ってのネタでしたが、
おっしゃる通り説明不足でした。反省です。

>>487
今読むと、自分でも陳腐だと思います……ああ発想力が欲しい。
七部袖は、当方の勝手な趣味でした。現実的には長袖でマントズルズル
なのですが、軽快さを出したくてつい。夢見がちでした。

>>488
なるほど。くどさ削減に向けがんばります!

>>489
! すみません、一部コピーの途中で文章が途絶えてました……!
待ち伏せ作戦、おっしゃる通り完全に描写不足でした。
さりげなーく地の文に入れ込めばよかったですね。
交代で睡眠、そういえばその通りです……二人組してる意味ないよ自分。

493イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/09(木) 12:11
>>490
まず、『テレカ!?』と思うのは俺だけじゃないと思う。もしかして苦学生な
のか? それとも携帯持たない主義? 伏線や必然性がないなら説明を入れる
か、素直に携帯にしておいた方が無難だと思う。
あと、周囲の描写ももう少しした方が、場面を滑らかに想像できると思う。例
えば空港の規模や主人公の制服。詰め襟かブレザーか、あと色ぐらいは欲しい。
これも描写に類するが、主人公の表情を描くと、もっと感情移入(感情移入す
るほどの長さはないが)がスムーズにできるハズ。楽しみにしているなら軽く
笑顔ぐらい浮かべさせたい。
他にも、『激しいG』というのはちょっと記号的な表現な気もする。というよ
り、俺が『激しいG』という表現を使うとしたら、戦闘機の離陸とかになるな。

これら以外は特に癖もなく、読みやすい文章だと思う。

494イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/09(木) 19:57
>>490
凄いどうでもいい事だけどさ、肩に背負うほどの大きなスポーツバッグって
自分で持って飛行機に乗るんじゃなくて出発ロビーに入る前に預けないか?
後、空港にもよりけりだが、帰省シーズンなら19時台で人がまばらと言う事は有り得ない。
最後に「北海道行き」って。飛行機の目的地名なら「新千歳空港行き」とかじゃない?

以上、どうでもいい揚げ足どりでした。……失礼なようだけど、一人で飛行機乗ったことある?

495イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/09(木) 22:46
年に二回訪問するのに「一年のうち一番楽しいイベント」なのは微妙かも。
あと、こういう雰囲気の文章なら周囲の風景とかの描写がもう少しあってもいい気がする。
「激しいG」は前の人があげてるから割愛。

496イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/09(木) 23:07
>>490
うう、書いたのにIEが落ちた…。

最後の行が印象的で、おお、と思いました。
文章も全体的に読みやすく、引っかかりもなく読めました。
ただ、読みやすかったせいなのか、最後の行以外の印象があまり残っていません。
情報だけが入ってきているという感じで。
もう少し物語っぽい方がよかったかもしれません。
あと、現代物は、説明をしなくても読者がわかってくれるという利点がある反面、
嘘を書いたら一発でばれるという危険性がありますから、
もう少し調べてから書いた方がいいかもしれませんね。

497イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/10(金) 03:13
>>490
運動音値とか寝起きの悪さを説明だけで済ませてしまうのはもったいない。ドタバタ感を出したり鈴太のキャラの演出に使ったほうがいいべ。
その他の描写は他の人がいってるので、それ以外に気になったこと。いや、どうでもいいことなんだけどさ。田舎に帰省するときってお土産とか買っていかねえ?

498490:2004/09/10(金) 10:19
数々の批評ありがとうございます。
>>493
この小説は「読みやすさ、読む時のテンポの良さ」を優先させるつもりで書いたんですが
簡略化しすぎたみたいですね・・・。
周囲の描写をもう少し自然な感じで織り交ぜていくよう努力します。

テレカに関しては下の「数年前に両親を失くし云々」の一節で補っているつもりだったんですが
これだけでは描写不足ですね。フォローする説明を足しておきます。
激しいGに関しても、もう少しくだけた表現に置き換えてみます。

>>494
完全に勉強不足でした・・・。特に北海道行き・・・。
国内線はまだ乗ったことないです。
実家に帰るときも飛行機どころか新幹線でもなく青春18切符・・・。

>>495
やはり周囲の描写不足が一番の問題ですね。
読み手のテンポと自然描写のバランスが難しいです。

>>496
問題点の鋭い指摘ありがとうございます。
印象に残りにくいというのは確かに自分も感じます。
あと自分自身の勉強不足も今後の大きな課題ですね・・・。(北海道行きとか北海道行きとか)

>>497
土産・・・
そこまで頭が回りませんでした。少し織り交ぜてみようと思います。

やはり全体的な描写不足が当面の問題ですね。
みなさんの意見を踏まえた上で一度書き直してみようと思います。

499494:2004/09/10(金) 13:20
>>498
>テレカに関しては下の「数年前に両親を失くし云々」の一節で補っているつもりだったんですが
両親が死亡=携帯も持てないほど生活が苦しい、とは繋がりにくいと思う。
それなら祖母の説明時に「経済的な援助」云々を付け加えた方がよかったかと。

ついでに私見なのだが、もしも主人公が一人暮らしならば、家に電話線を引くくらいなら
携帯電話を買うと思う。実際、ケータイあっても家の電話はない奴多いし。
唯一の肉親である孫と離れて暮らすならなおさら祖母は常に連絡できる手段を持っておきたいと思う。

なんか色々重箱の隅をつついているが、この冒頭は先の展開が気になるのでがんがってクレ。
あとあんまり気になるなら一度近場の空港行け(w

500イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/10(金) 17:33
 ───ここか。
 男が立つその先には、重厚な作りの木造の門が立ちはだかっていた。
 門の表札には、でかでかと達筆でこうかかれてある。

 「ジェノサイド医食同源の道場!!」

  「!!」という感嘆符までびっちりとしたためられている所から
 ここの道場主の気迫が感じられる。
 閑古鳥すら寄り付かないような静寂が、門周辺を包み込んでいる。
 これもまた、道場主の威厳によるものなのかもしれない。
 ── 一体、どんな奴が師範をやっているんだ。
 そう考えただけで男は心臓を鷲づかみにされたような圧迫感と恐怖を覚えた。
 全身の鳥肌が一気に逆立ち、胃の内容物が一気に逆流しそうな勢いだ。
 大学中卒、ただ今無職。古ぼけたセーターに、整えられた七三分け、小ぶりなメガネがちょっとしたチャームポイント、
 そんな普通の男、山下 次郎は、この「ジェノサイド医食同源の道場」の前に仁王立ちをしている。
 いや、この「男」と呼ぶにはいささか語弊があるかもしれない。
 山下は今この瞬間、「男」ではなくなり「漢」としてこの場に居るのだ。
 それだけ、彼のこのハートはただならぬ決意によって煮えたぎっていたのである。
 季節は夏、本来なら暑くて、すべての物がとろけそうな季節である。
 しかし、今は朝方というのもあるのだろうか道場の周りには冷たい風が吹き荒れていて
 肌寒くさえ感じるほどだった。

501イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/10(金) 17:52
とりあえず、文章についてだけ。
誤表記がひとつ。大学は中卒ではなく中退だYO!
あと、下に引用した部分が散漫になってる気がした。

>季節は夏、本来なら暑くて、すべての物がとろけそうな季節である。
>しかし、今は朝方というのもあるのだろうか道場の周りには冷たい風が吹き荒れていて
>肌寒くさえ感じるほどだった。

神視点から登場人物の視点に切り替わるポイントでもあるので、
もうちょっと漢の主観にフォーカスした方がいいかと。
それから、夏の暑さなんて誰でも知ってるのに、
”本来なら”と断って書くのも野暮ったい気がする。

こんなんどう?↓

 季節は夏。日中の猛暑は、すべての物をとろかしてしまいそうである。
 しかし、朝方とはいえ、道場の周りには冷たい風が吹き荒れている。
 肌寒くさえ感じられ、男は身震いをした。

502猫丸:2004/09/10(金) 20:15
>>500

「心臓を鷲づかみにされたような」、「胃の内容物が・・・」などの表現が
少し不自然な気がします。あと、二行目で門の前にいるのはわかるのに、あ
とで「…の前に仁王立ちしている」と書くのは重複ではないかと。でも、道場
の中身は気になる…。

 以上、久々のレスです。

503イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/11(土) 00:02
>>500
普段読まない系統の文章(というか内容)なので、本当に感想になってしまいますが。
とりあえず、名前すごいですね…ジェノサイドって(笑)。
これは、内容を鑑みて、わざとの可能性もあるかなとも思うのですが、
少々文章がこってりというか、くどい感じが…。
語尾や言葉の選択が、今ひとつ内容とあっていないところがあるようにも思いますので、
そのあたりをもう少し工夫すると、解消されるかな?という気がします。

504500:2004/09/11(土) 05:34
批評ありがとうございます。やはり自分でも感じてた通り
くどいですね(笑
表現の不自然さも確かに目立ちます・・・(汗

いきなり批評をもらったついでと言ってはなんですが、
この物語の序盤の別の部分のワンシーンを貼ってみます。



 ── 山下とて、並々ならぬ決意をしてこの道場にやってきたのだ。
 医食同源のなんたるかについてはすでに熟知しているつもりだった。
 医食同源とはすなわち、「医=食事」という発想。すなわち「医学」とは「食事学」であり
 「治療」とは「食事そのもの」なのである。
 つまり、医食同源とは栄養バランスに富んだ、良い食事を毎日かかさずに行う事で、体の健康を保ち、幸せな
 人生を送ろうという中国4000年の歴史が織り成す、先人達の知恵である。
 この男、山下 一郎は今年で20歳、無職だ・・・・・
 彼は先月まで山田大学に通う一人の学生であった。


 ──先月前のある日、山下は一本のカニカマを手に取り考えていた。
 「こんな、添加物まみれのコピー食品が今、世の中に大量に出回っている。はたして
 こんな事で日本の食生活はいいのだろうか・・・」
 彼の言うとおり、日本の食生活は害悪に満ち溢れていた。
 化学調味料(例:○の素)やカニカマを筆頭としたコピー食品、
 さらには、見るからにいかがわしい色で子供達を誘惑する怪しげな駄菓子(例:ねるねるね○ね)・・・
 日本の悲しい未来を想像した山下は、手にしているカニカマを思いっきり握り締め、そしてひねり潰した。
 その顔は今にも燃え出さんとばかりに高潮し、湯気さえ立ち上っている。
 カニカマが粉砕された後も、その握り拳にはなおも力が加わり、小刻みに振動している。
 目からぽろり、ぽろりと悔しさの雫が搾り出される。
 日本の子供達の未来を想像すると、泣いても泣ききれない。怒っても怒りきれない。
 苦悩はもはや限界をブッちぎっていた。
 「こんな事では駄目だーーーーーーー!!!!」
 山下はたけ狂う猛獣のごとく目の前のちゃぶ台をひっくり返した。
 幸い、一人暮らしの為、誰も彼をとがめる者はいない。
 彼はその勢いですぐさま、退学届けをしたため、すぐさま山田大学に提出した。
 退学届けをしたためるその様は、まさに速記者のようだったと目撃者は
 語っている・・・・

505500:2004/09/11(土) 05:36
 >カニカマが粉砕された後も、その握り拳にはなおも力が加わり、小刻みに振動している。
 >目からぽろり、ぽろりと悔しさの雫が搾り出される。
 >日本の子供達の未来を想像すると、泣いても泣ききれない。怒っても怒りきれない。
 >苦悩はもはや限界をブッちぎっていた。

このあたりがくどいかなぁ・・・と自分では思ってます。
次からはその点を留意して書き直してみるつもり

506500:2004/09/11(土) 05:50
>>503
追記となりますが、先ほどの文の内容と表現はおっしゃるとおり、
わざとそうしたつもりです。
ただ、くどくて見苦しいと感じるようであれば改善すべきかなぁと思ってます。

507猫丸:2004/09/11(土) 12:59
 くどいと言うか…なんか凄い話ですね。(感嘆半分)というより、これは
どこのレーベルを狙ってるんでしょうか?でも、もうちょい自然に読ませれば
ハイテンションギャグとして面白いかも。

508イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/11(土) 15:25
割り込むような形になってしまいますが批評願えるでしょうか。
現在書いているもののワンシーンです。
知りたいのは動きがすんなりと頭に入ってくるかどうか。
普段のアクションシーンから文体を変えて、スピード感を押さえ気味に説明を多めにしてみたのですが
逆にわかりづらくなったような気がしています。
どんなもんでしょうか。

――――――

 裂帛の気合が走り抜ける。
 下から上へ。剣道のセオリーを無視した斬撃は、蘭子の胴をかすめて天頂に跳ね上がった。
「ちいっ!」
 防具のむこうで斬撃を放った相手が舌打ちした。全身をバネにして一直線に伸び上げた腕をくるりと返し、そのまま前方に飛び込みながら打ち下ろす。間隙のない連打。竹刀が空気を裂き、全体重を乗せた一打が床を叩く。
 その軌道上にすでに蘭子の姿はない。脚の組位置を変えてわずかに下がったのだ。ただそれだけのことで二度の攻撃をかわし、まったく体勢も崩さなかった。傍から見ていれば蘭子は微動だにせず、相手が勝手に空振りしたかのように映ったかもしれない。
 蘭子が攻撃に転じた。床に脚が吸い付いているかのような動きで、すい――と前に踏み出し、気負いもなにもない打を一直線に振り下ろした。
 研ぎ澄ました刃のような一打だった。空間に白い残像が残る。断ち斬るための一打はしかしその半ばで竹刀に受け止められ軌道を逸らされた。
 腰が完全に落ちた無理な体勢で蘭子の打を受け止めた相手は、そのまま力負けしたかのように床に沈んだ。
 ――ちがう。受けきっても不利な体勢になると読み、そのまま転がるようにして距離をとったのだ。
 剣道の動きではない。いかなる剣術の動きでもない。ただ本能のままに身体を動かしている、それだけだ。
 長い歴史に裏打ちされ徹底して無駄を殺ぎ落とした蘭子の太刀筋に比べ、あまりにも粗野で荒削りだった。それは磨きあげた日本刀と、鋼を叩きあげたなまくら刀[#「なまくら刀」に傍点]の闘いといってもいい。蘭子は断ち斬り、相手は叩き斬る。技と力の争い。
 双方の距離は約3メートル。一足で切っ先が届く間合いであり、それゆえの緊張が狭い剣道場に満ちた。
 ささくれだつような一瞬を気合が突き破った。
 っ――――――――――――――ぁ!!
 言葉にならな気合が蘭子を叩き、それを追いかけるように相手が跳び込んでくる。
 蘭子は薙いだ。真横。相手の身体が床をこするまで沈み込み、蘭子の剣閃とクロスするように逆方向から竹刀を振った。剣道ではありえない脚部を狙った攻撃。避けることも受けることもできない、そう確信した捨て身の一撃。
 しかし蘭子はそれを避けていた。ただ片足を持ち上げ相手の剣閃をやり過ごし、そのまま上げた足で踏み込みながら体重を乗せた一撃を打ち下ろした。
 叩き伏せた――――
 すさまじい一撃を頭頂に受け、相手は床に倒れこんだ。
 勝負あり、だ。誰の目から見ても疑いようのない決着だった。
 がくりと膝をつき、平伏すような姿で身動きしない相手に、蘭子は竹刀を足元に置きながら心配そうに声をかけた。
「あ、あの、大丈夫……?」
 相手は返事をしない。
 もしかして気を失ってる――?
 ひやりと背筋に冷たいものが走り、蘭子は慌てて甲手を外し自由になった手で面を取った。湯気のように熱気が立ち上っていく。
「門真くん!? ねえってば、門真くん!!」
「……うるさい」

――――――

509イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/11(土) 17:46
>>508
プロのものでもこれ以下の戦闘シーンを見かける事もあるが、悪いがプロっぽ
いという意味でもない。
全体的には上手くまとまっていると思う。が、ところどころに無理が見える。
まず、飛び込んで来た相手の剣を避けて微動だにしない(ように見える)のは
不可能。蘭子の薙いだ剣をくぐった(?)シーンの描写が分かりにくい。とい
うか、少しどういう状況か考えてしまい、俺の中で流れが止まった。
例えば、『ヘッドスライディングをするように身体を投げ出し〜〜』とかいう、
少し記号的な表現の方が、動きの多いシーンでは良いと俺は思う。
あと、相手はともかく蘭子は、打つ時に声を出した方が良い。というか、剣道
やってるならそれが当たり前。
ここからあとは俺の好みだが、武道のシーンでは『静と動』のメリハリをつけ
て欲しい。せっかく緊張感を出すのにちょうどいい場面なんだから。

510イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/11(土) 17:56
六三四の剣に嵐子(らんこ)っていう少女剣士が出てくるけど、
それと思いっ切りかぶってるよ。

511イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/11(土) 18:17
>>500
そういう色の作家なんだっていうことがわかっていたら、好きな人は読むと思いますし、
山下君のように(笑)突き詰めるのも手かと思います。
私はあまり手を伸ばさないかもしれませんが…。
さらに深く追求するなら、これがわざとだってわかるようにするのがいいかと。
今だと、わざとだということが伝わりにくいですから。

512イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/11(土) 18:39
>>508
どっちがどの動作をしているのかがわかりづらくて、
考えながら読むことになってしまいました。
結果として、ほんらいなら流れているであろう動作がぶつ切りになってしまい、
あまり上手くない漫画家のコマ割みたいな映像が…。
シーンに似合う言葉を探して書かれたので、
どうしても語彙が少なめになってしまったのかもしれませんが、
読み手にわかりづらいのでは困りますので、もう少し詳しく書いて欲しいです。
それと、蘭子を際だたせたいのはわかるのですが、少々無理があるように思います。
実際その動きを想像して、描写と食い違いがなく、どこにも無理はないということでしたら、
描写が足りないとかで、読み手に正しい情報が伝わってないと言うことでしょうから、
文章を書くときに工夫してみてください。

513初ラブコメのプロローグ:2004/09/11(土) 19:09
タイミングを見計らってたんだが、迷ってるといつまでも貼れそうにないので、
割り込みになって申し訳ないが貼らせてもらいます。できれば長所短所を指摘
して貰えるとありがたいです。

 脇腹が痒い。
 眠い。うるさい。
 頭がイマイチ回っていない。
 最後のは少しばかりまずいので、俺はヘタり気味のクラッチを繋ぐように思考を開始した。いや、車運転した事ほとんどないけどな。
 この世には望んで手に入るものとそうでないものがあって、容姿を始め身体的な特徴は後者にカテゴライズされる。当然以前の問題として、たまにしか意識されないけどな。人はその中で妥協なり努力なりをして何者かになるんだが、欲を言えば俺はもっとマイルドな外見が欲しかった。具体的に言うなら、頭痛がしている時に通りすがりの女の子をちらっと見ても『ひっ』とか言われない程度だ。いや違う。俺は断じて睨んだりしていない。そいつの着ていたものが上から下までどピンクだったからぎょっとしただけだ。あ、えーと、例え話だったな。だからその、将来的にそう言った事がありそうかなと。
 その点、目の前にいるこの娘、逆島アヤノは、自分の容姿に対して俺と同じような諦観を抱いている。俺から言わせてもらえば贅沢な悩みで、俺自身も『贅沢な悩みだ』と言われた事があったりするが。別に俺もアヤノも自慢で言ってはいない。一九〇以上の背丈がある奴に訊いて回れば、十人目ぐらいで『別に背が高くたって良い事ない』と苦々しく言う奴が見つかるはずだ。
 っと。アヤノの事だよな。こいつはなんつーか、ガムシロップをリッター単位で使ったようなパーツを、気合いの入った表情でまとめた感じか。髪はショートだし、眉なんかデフォルトが逆ハの字だ。形自体は良いと思うんだがな。まあ、あれだ。何を隠そうこいつは現代格闘研究会なんつー部活でマネージャーやってるからな。性格も話し方も体育会系だ。身につけてるモンぐらいは周りの影響で洒落てたりするが。
 ついでだから周囲の評価も言っとくか。俺の相方で、現代格闘研究会の部員であるところの真山隆司は、『んー? ガキっぽいのでパス』と言っていた。が、この年増好きの抜かす事は無視して良い。次にウチのクラスが密かに誇る、(要するに誇ってないって事だ)《お笑い高校生ウルトラクイズ》制覇のオタク四天王は『激萌え! あれで気弱なところも見せてくれたら萌え死ぬ。一度で良いからあの眉をハの字にしてみたい!』とコメントしていた。ああ、大丈夫だ。ちゃんと殴っておいた。『モエ』と言うのが良く分からないが、クラスの女の子がネコの写真を見て『きゃーカワイイ。萌え萌え〜』と言っていたあれと同じなのだろうか? ならつまり可愛いという評価だ。他には、…………居やしねえ。
 知り合い、と言うか、暫定的中立勢力や敵は多いのだが、友人と言える奴は少ない事に気付いた。寝起きなのに鬱が入る話だ。くそ。
 あー、アレだ。俺が寝起きな理由は、ここが俺のマンションだから。現にケツの下にはベッド代わりのソファーがあるし、俺の格好はダークグレーのスウェットだ。このマンションは仕事が趣味な両親が俺に置いて行ったもので、あの二人は一度も足を踏み入れた事がない。部屋は──広い。少なくとも、高校生の一人暮らしには分不相応なほどに。
 でもって、アヤノが何故ここに居るのかに関しては、
「先輩先輩先輩ぃ〜。聞いてますか? 聞いて下さいってばぁ〜!」
 いや、普段は語尾に『ッス』一人称は『自分』、口癖は『イチイチ腕立てッス!』だからな。ああ、イチイチ腕立てってのは一分間に百回の腕立てをやる事だ。『グラウンド十周』とかと同じようなモンだな。
 俺はぼーっとした頭で、それでもやるべき事を思い出し、アヤノに返事をした。
「あー、聞いてる聞いてる。分かったから続けろ」
 返事をしたのに、アヤノの不機嫌顔は戻っていない。『あー』の時にあくびをしたのと、スウェットの裾から手を突っ込んで脇腹を掻いたのが良くなかったらしい。
「先輩最近冷たいッス……」
 ん、口調が戻ってるな。俺のリアクションが余程気に入らなかったのか。
 まあいい、それよりも、俺にだって言いたい事はある。
「たりめーだ。何が悲しくて朝っぱらから『リュージ先輩がどうした』だの『リュージ先輩がああ言った』だの聞かなきゃならんのだ。お前は俺をホモにでもする気か?」
「だって先輩以外に相談できる人居ないんスよ〜」
「作れ」
「無理ッス〜!」
「お得意の気合いだ」
「気合い入れても無理ッス! 自分の友達、みんなリュージ先輩のファンなんスから」

514初ラブコメのプロローグ後半:2004/09/11(土) 19:10
 まあ、アヤノの発言のあとに解説するまでもないと思うが、隆司はいわゆるモテ男だ。でもって、アヤノは隆司が好きだ。でもって俺は、部室でアヤノが隆司のスポーツウェアを胸に抱いているのを発見し、うわヤバっていうかナニやってんのコイツ、ストーカー? とか固まっている間に目が合い、──以来相談役となっている。
 超面倒臭え。
 視界が狭まっている。眠気はもうあまりないのだが…………ああなんだ、半眼になってるだけか。
 その翳った視界の中で、アヤノは居心地悪そうにもぞもぞとし始めた。こいつは動いてないと落ち着かない種類の人間だからな。まあ、『ちゃんと座ってる』って目的があれば、長時間座ってる事もできるみたいだが。つまりは、手持ち無沙汰なのがダメなんだろう。
 そんな事を考えていると、アヤノはおもむろに立ち上がり、勝手知ったるといった感じでキッチンに向かった。
「先輩。コーヒー飲んで良いッスか? 先輩の分も淹れるッスよ?」
 カウンター越しにアヤノの上半身が見える。あ、ここリビングなんだよ。昨日借りたゲームやってて力尽きてな。
「ブラックはダメだ」
「分かってるッスよ。これでも敏腕マネージャーッス」
「敏腕が余分」
「はいッス。む〜」
 取りあえず返事してから不機嫌な声を出すあたりが筋金入りな感じだ。
「つーかそんなん隆司にやってれよ」
「コ、コーヒー……ッスか?」
「いや、朝勝手に部屋に入ってきて、叩き起こすところから」
「勝手にって、カギに自分の指紋も入ってるじゃないッスか」
 ウチのカギは指紋照合だからな。んでいつぞや、『これってどう登録するんスか?』とか聞いてきたので教えてやったら、勝手に登録しやがった。まあこのへんは、登録抹消しない俺も俺かも知れないが。
「おめーはカギが開くならどこでも入るのか? それ以前に俺のプライバシーを考えろ。オナニーでもしてたらどうするつもりだ」
 どうやらコーヒーは本格的に淹れるらしく、アヤノはドリッパーやらろ紙やらが入っている棚を探っていたが、俺の言葉で、見えていたケツがぴたりと動きを止めた。
 そして、なにやら押さえた声で、
「先輩、それセクハラ気味ッス」
「その発言は彼氏でもない野郎の部屋に上がり込んでる時点で不許可だ」
「はいッス。…………むぅ〜」
 そりゃもちろん思うところがあるのだろう。アヤノは口を噤んだ。
 それを見て、ったく、その通りだよと、俺は自分の言葉に相槌を打った。
 本当に、何を考えているんだろうな。高校生の男が一人暮らしをしている部屋に上がり込むなど、エロ女かバカ女のやる事だ。アヤノはどちらでもないと思うのだが、と言う事は、…………俺って安全牌に見えんのか?
 いっぺん襲ってやれば認識を改めるのだろうが。
 いかん。考えるとそういう気分になってくる。ただでさえ朝だし。
 ああもうウゼえ。超面倒臭え。
 頭をバリバリと掻くと、湿った髪のまま寝てしまったため、結構パンク調な寝癖になっているのが分かる。
 コーヒー用の薬缶がコポコポと鳴るのが聞こえてきた。
 苛つく頭がコーヒーの良い香りで解され、その隙間から思考がこぼれた。
 なんで俺はこいつなんかに惚れたんだろうな。
 ──面倒臭えの嫌いなんだがな。

515イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/11(土) 19:59
>>513
主人公、自転車乗ってるのかと思ったら、室内にいたのか。
>っと。アヤノの事だよな。
だれも聞いてないよ。少なくとも俺は聞いてねえ(´Д`;)
だからアヤノ云々のとこは流し読み。
で、起き抜けらしいとわかって、「なぁんだ、話なんにも始まってねえのか」
と思って読むのやめますた。

516イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/11(土) 20:45
>>513
語りが変だよ。
ラブコメとして見た場合、キャラ造型や台詞まわしはなかなかいい。
ただ、構成や文章力が厳しいので読めない。もったいない。
せっかく容姿についての語りが印象的なんだから、
そのテーマを受け継いだイベントに移行すべきではないかとも思う。
例えば、容姿についての考察を冒頭において、

・容姿について。
・側にいるアヤノの外見について
 (屋内にいる時の行動を取らせておく。
  たとえば”俺”の布団を畳んでいたりして、おっと思わせる)
・時に、ここは俺の部屋 → アヤノが側にいる理由
・アヤノは隆司が好き → じゃあなんで俺の部屋にいんだよ

という流れにすれば、すんなり読者の頭にも入ってくる。

また、
>なんで俺はこいつなんかに惚れたんだろうな。
というような直接的な描写は避けて、匂わせる程度に留めといたらどうか。
一人称が多くを語りすぎてる。

関係ないけど、ヒロインについての描写を読んだとき、なぜかよしみるのイラストがぱっと頭に浮かんだ。

517516:2004/09/11(土) 20:48
しくじった。
例をあげたのは、容姿についての語りを引き継いだ例ではなくて、
単なるプロットの改訂案。そのつもりで読んでください。

518508:2004/09/11(土) 21:10
批評ありがとうございました。

>>509
>飛び込んで来た相手の剣を避けて微動だにしない(ように見える)のは不可能
ここは「蘭子スゲー」という場面なので、できればそのまま使いたかったりします。
はったりですから「基本的に無理」ということを承知の上で、以下の説明(屁理屈)を
付け加えてみようかなと考えています。

 傍から見ていれば蘭子は微動だにせず、相手が勝手に空振りしたかのように映ったかもしれない。打ち込みが終わった前と後で、間合いがほとんど変化していないためだ。踏み込みと同時に同じ距離だけ下がる――ただそれだけの、しかし事実上不可能に近い動作を蘭子は自然にこなしていた。

>蘭子の薙いだ剣をくぐった(?)シーンの描写が分かりにくい
これはもう、その通りでした。
くぐりぬけたことがはっきりとわかる描写を追加します。

>蘭子は、打つ時に声を出した方が良い。というか、剣道やってるならそれが当たり前
じつは剣道の試合じゃなかったりします(汗
正統な剣術家と、無手勝手流のケンカのような決闘のような、そんなシーンなんです。
前後をはしょってるので、わかるわけないですよね……。
一応、蘭子は剣術家で、打つための剣ではなく、斬るための剣を振るいます。
最後まで振り切っているのはそれが理由という、まあ屁理屈ですが。

>武道のシーンでは『静と動』のメリハリをつけて欲しい
うあーー、「静」が書けません。
いっつも、動動動です。
なんかもう、半ば諦めてたり。

>>510
ありがちな名前ですからねえ。
ちょっと考え直します。でもそれっぽい名前ってまた被りそうだなぁ……。

>>512
>どっちがどの動作をしているのかがわかりづらくて
やはりそうですか。
特に前半部が拙そうな気がしていたんですが、かといってあまり描写を増やしすぎても
もっさりした感じになるし。
視点があやふやなのが最大の原因かなあと感じたので、試しに蘭子視点であることをはっきり
させながら書き直してみようと思います

>蘭子を際だたせたいのはわかるのですが、少々無理があるように思います
これはもう開き直ってます(笑
はったりです。ぶっちゃけありえないです。全編通してこんな感じです。
リアルな方向で動きを作れないので、苦肉の策です。
全編をこの「微妙にファンタジー」で統一するつもりなので、なんとかなるかなぁ、と。


御意見ありがとうございました。
書き直す部分が見えてきましたので修正してみます。

519イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/11(土) 22:22
>>513
ちょっぴり読みにくかったです…。
理由を考えてみたのですが、語り口調が癖があるせいでしょうかね。
何というか、自分のペースで読めない感じ…。
話が転々として、転がった先の話題にフォーカスをあわせたら、
おっと話を戻そうかってな感じに引き戻される、私はそんな具合でした。
キャラクターはすごくしっかりしてそうですね。
この娘が女っぽい一面とか見せてくれると、ふらっといきそう(笑)。
とりあえず、あとは…高校生より、大学生っぽく見えてしまっているので、
どこか高校生っぽいイメージがあるといいかも?という感じでした。

520イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/12(日) 05:22
>>508
視点があやふや、ってのはもういわれてるのか。
微妙にファンタジー……んー、ほんとに微妙すぎる。
萌子を際だたせたいならもっと有りえない動きを増やした方が際だつ。
読者が頭の中でシーンを構築してみて初めて「ありえない」とわかるのでは遅すぎる。テンポよく動動動で畳み掛けろ。
記号的表現が一番やりやすいかな。「踏み込みで床板割れる」とか「竹刀だけど石灯篭を切り倒す」とか、見た瞬間にありえねー、と思わせるくらいのものを交ぜるといい感じ。
>>513
冒頭がもたついてる印象。これは説明が多すぎるんだな。一気に出さず小出しにしたほうがいいだろう。
マイルドな外見のエピソードについては、「相手がおかしな格好をしてたから」ではなく、「目つきが悪い」からのほうがすっきりする。そのほうがキャラを立てやすい。せっかくの欠点なんだし、有効に活用すべし。
ガムシロップをリッター単位で〜というのはちょっと想像できない。
デフォルトが〜基本が、でいいじゃん。表現として使うと浮いてる気がする。






アヤノのキャラにはすこし萌えた。おまえの勝ちだ  orz

521520:2004/09/12(日) 05:27
>>516
おれはなんとかホライゾンというバレーボール漫画を思い出した。長身の女子バレーボール選手。

522イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/12(日) 19:24
>>513-514
戯言がギリギリの許容値で舞城の「土か煙か食い物」を2Pで放り投げた俺には読めん。スマンかった。
後上でも挙げられているが「ガムシロップをリッター単位で〜」という表現はどういう顔か全くわからない。

大量の地の文で圧倒する手法自体の良い悪いは抜きにしてもこの手の書き方の作品の中でも圧倒的に読みにくい。
文中に理由が書いてあったのに「高校生なのに分不相応な一人暮らしだな〜」と思ってしまったくらい。
うーん、具体的にどう悪いか指摘できなくて恐縮だが、主人公の語りが余りにもあっちこっちに跳びすぎてるのが一因だとは思う。
ただ、キャラクターは個性的でパワーが有りそうな感じがして面白そう。

523初ラブコメのプロローグの中身[TRACKBACK]:2004/09/12(日) 21:00
数々のアドバイス、言葉もないです。
テンポが悪い、話がふらふらと跳ぶなど、総合的に分かりにくい事が指摘され
ていて、読み返してみたらああなるほどと思えました。自分では気持ち良く書
いているので、そこまで気が回らなかったようです。やっぱり人に見てもらう
事は必要なのだと切実に感じました。
反面、キャラクターの個性に好意的な意見を頂き、こっそり狂喜乱舞していま
す。ていうか☆よしみるですか……。いや、爆乳以外は嫌いじゃないですよ?
そして、数々の指摘があった『ガムシロップ〜』ですが、アヤノのキャピキャ
ピ(死語)した外見を表現したかったのと、主人公の回りくどい思考を表現す
るために考えたもので、迷ったのですが、どうにも捨てられない表現です。

アドバイスを考慮した改良版を書いたのですが、また長々とここに張るのが気
が引けて、(マカーだからか)うpロダも使えなかったので、長期間放置されてい
るスレに張ってしまいました。
やってしまってからラ板と同じノリで張るのはまずかったのではないかと気付
き、恐縮しております。管理人様につきましては、全面的にこちらの非ですの
で、消去して下さっても一向に構いません。
場所はこちらです。
http://jbbs.livedoor.com/bbs/read.cgi/movie/2689/1051805278/r114-117
厚かましい話ですが、こちらに付いても感想を頂ければと思います。

524イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/12(日) 21:29
あいかわらずアヤノの顔がイメージできません。
>ガムシロップをリッター単位で使ったような、実に甘ったるいパーツ
>アイドル歌手とフランス人形を足したような外見
>童顔と言ってもクレームは出ないであろう、整った顔

最後のはまだなんとなくわかるような気もするけど、
上の二つは何をイメージすればいいのか悩む。

525イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/12(日) 22:09
>>513
読みやすくなってました。でも、パワーダウンしたような気も…。
キャラクターの個性がしっかりと書かれているのは変わりはないのですが、
どうしても高校生に見えないのは私だけでしょうか。
あと、逆ハの字眉毛のフランス人形って、どんな感じなんでしょうか。
アイドルまでならわかりますけど…。
アイドルとフランス人形を足されても、全然異質なもののような気がするので、
やっぱり顔が今ひとつイメージできませんでした。
主人公の顔のイメージは、BASTARD!!のDS(髪は短い)になっちゃいました…。

526イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/13(月) 02:37
>>523
アイドル歌手とフランス人形を足すと……なんだろう、リカちゃん人形とかか?
まあなんにしても、わかりにくい。主人公の回りくどい性格を表現したいのだとはいっても、最低限読者につたわらなければ意味がないだろう。どうしてもやりたいなら表現を練り直すべき。「回りくどいけど、わかりやすい表現」という、やたら難しいことなんだけど、君が挑戦しようとしているのはそういうこと。「回りくどいし、わかりにくい表現」じゃ誰も読んでくれません。

527>>523:2004/09/13(月) 04:00
描写を欲張りすぎてるのがよくない。
ある描写のついでに別のことを描写する場合は、
よっぽど上手くやらないと二兎を追うものは一兎をも得ずの結果になる。

>知り合い、と言うか、暫定的中立勢力や敵は多いのだが、
>友人と言える奴は少ない事に気付いた。
>寝起きなのに鬱が入る話だ。くそ。
これは思いっ切り蛇足。語るべきはアヤノの外見についてなのに、
急に語り手が自分語りを始めてしまい、結果的にどちらの印象も薄くなってる。
「他には、」以降をばっさり削るか、「周囲の評価も言っとくと」を
「数少ない友人の評価も言っとくと」あたりに改変した方がいいと思う。
それ以上のことを語ろうと思っているなら欲張りすぎ。
意識を流れを描き出そうとしてるようにも見えるけど、素人にはおすすめできない。

マンションについての説明も不要。
ここが”俺”の部屋だということを読者に知らせたければ、
「汚いですねぇ。パンツくらい片づけてくださいよ」
「うるせえ。俺の部屋だ文句あるなら出てけ」
とか言わせておけばバッチリ印象づけられると思う。
それから、両親はどちらかと言えば甘やかしているのでは。
設備のいいマンション与えてるわけだし。

指紋照合のエピソードは、
アヤノへの思いを匂わせるために入れたにしても蛇足。
どうしても描きたければ、別の機会でも充分だと思う。

さんざん叩かれてる比喩については、
不器用ながらも勢いで伝わってくるので俺は否定しない。
作者が自覚できてれば、じゅうぶん持ち味にもなり得る。
だけど、改訂後もやっぱり文章がよくない。基礎力がない。
偉そうに言うけど、読み書きの経験値を溜めるなり、
好きな作家の文体を完コピするところから始めた方がよいのかも。

528イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/13(月) 15:27
ある程度ストレートが投げれないと変化球なんざ投げられるわけが無いって話だな。

ただ、ノリは個人的には好みなので是非この方向で精進して欲しい。

529イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/14(火) 03:21
 いま書いている作品の冒頭です。
 批評、よろしくお願いします。

 自然と込み上げてくる笑いを、俺は抑えられなかった。そんな場合じゃないことは、十分に承知していたが、それでも気分は高まり笑いへと変わっていく。
 目の前には鎖帷子を着込み、幅広の剣と雫型の盾を構えた四、五十の男。丸い兜からは鼻と眉間を守るためなのか、T字型に短い鉄板が伸びている。その両側にある真っ青な瞳が、俺のことを苛立たしげに睨んでいた。
 ゲーム、漫画、映画。あらゆる娯楽に出てくるまんまの騎士。違うのは、本物ということだけだ。そして向き合っているのは、剣道の防具に木の棒という装備の、一介の高校生。
 こんな馬鹿馬鹿しいシチュエーションで、笑わずにいられるものか。
 ククッと笑い声が漏れる。騎士は顔をしかめ何事か叫ぶと、剣を振り上げ襲ってきた。
 上段からの打ち込みを棒で払う。だが鈍い音がし、刃が棒に食い込んでしまった。予想以上の衝撃に痺れた両腕と、思いがけないことに一瞬、反応が遅れる。騎士の引いた剣に棒を取られそうになり、慌てて手首を返し刃をはずした。棒から削れた木片が飛ぶ。
 騎士の二撃目は大振りの横薙ぎだった。今度は余裕を持ってよけられ、隙の出来た手元を狙って打ち込む。剣は間に合わない。入った、と確信した瞬間、甲高い音が響き棒の切っ先が折れ飛んだ。盾の上から見える青い目が笑っている。
 後ろへ跳ぶ。追うように盾の陰から剣が突き出された。反射的に払おうとしたが、長さが足りず籠手をこすった。
 急いで間合いを取る。
 距離を保ちつつ、左手にチラリと目をやる。甲部分に切れ目が入り、中綿がはみ出していた。盾を持って戦うなんて、戦いにくいんじゃないかと思っていたのだが。なるほど、防御に使うだけではなかったらしい。
 短く息を吐き出し、棒を握り直した。標準的な竹刀の長さに削っていた棒は、あっという間に半分近くなった。RPGの初期装備と言えば、棍棒と相場が決まっているものだが、やっぱり現実は厳しいらしい。硬い素材を選んだつもりでも、たった一撃で役立たずだ。
 自分の思考がおかしく、またも笑いが浮かぶ。それが気に食わなかったのか、騎士の顔が大きく歪んだ。盾を構え跳びかかってくる。
 俺は騎士の左に回り込み、突きをかわした。そのまま背後に回ろうとするが、雫型の盾を横に構え進路を断たれる。とっさに短くなった棒を投げつけると、騎士は顔をかばうのに盾を持ち上げた。チャンスとばかりに無防備になった下半身目がけ、蹴りを放つ。視界を盾で塞いでいた騎士は、呆気なく地面に倒れ込んだ。
 盾を蹴り飛ばし、騎士を跨いで後ろ向きに立つ。両足を取り脇にしっかり挟み込むと、そのまま腰を下ろして胸を思い切り反らした。地面を叩くような音に首だけで振り向くと、騎士が地面を掻いていた。呻き声と、おそらくは罵声を飛ばしながら、必死に逃れようと暴れる。しかし、振るった剣には力がこもっておらず、伸ばした左腕も届かずむなしい抵抗だ。ちょっと力を込めると、剣まで放り出し喘ぐだけになった。
 師範に怒られながらも、遊んでいたかいがあったというものだ。三十秒もかかっていないだろう。騎士が息も絶え絶えに、かすれた声でなにか言うと、それが途切れないうちに周囲で歓声が上がった。ギャラリーがいたことをすっかり忘れていた俺は、驚いた弾みで思い切り騎士の足を捻ってしまった。声にならない悲鳴が上がる。
 さすがに哀れになり、自由にしてやることにした。観客の喜びようから察するに、俺の勝ちで間違いないだろう。足を放し、立ち上がりざま剣を拾い上げる。思いがけない重さに取り落とし、騎士の鎖帷子とぶつかり金属音を立てた。
 とたんにシンと静まり返る。みんな息を呑んで俺のことを見ていた。まだ俺が続けると思っているのだろうか? 今度は力を込めて剣を拾い上げ、辺りをうかがいながら騎士から離れた。するとギャラリーの九割を超える村人たちの間から、ブーイングが起こった。それに対するように、騎士に付いてきていた従者数人が村人に向かって怒鳴り始める。
 ワケが解からず唖然として見ていたら、村人の何人かが物を投げ始めた。石だったり、薪だったり、水汲みの桶にニワトリと思しきものまで。二十歳前後の男が騎士に駆け寄り、飛んできたものから守るように助け起こした。淡い金髪の、見覚えがある男だった。しかし、そんなことなど誰も気付かず争いは続く。

530「初ラブコメのプロローグ」の中身:2004/09/14(火) 23:39
リトライにも関わらずまたアドバイスを下さり、ありがとうございます。
やっぱアヤノの顔、イメージできませんか……。まあ、俺自身もそう詳しく考
えて居ないんですが(ぉぃ ていうか、キャラ造形って「なんとなくこういう
感じ」って説明するぐらいにしたいんですよね。各自補完して欲しいと言うか。
それと、『敵が多い』の話は後のストーリーに絡みます。「でもくどい」と言
われればそれまでなんですが。
しかし……パワーダウンですか。難しいですね。入れるべきところに力を入れ
るって、その「入れるべきところ」を自覚していないといけませんしね。多分
俺はまだ自覚できてません;

てわけで。気合い入れて精進します。ありがとうございました。

531イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/17(金) 00:39
>>529
文章の勢いが冒頭らしくないというのが第一印象です。
小エピソードを一つぐらい終えた後ならこういう落ち着いた文章でもいいかと思いますが、
冒頭でこれだと、やっぱり弱いかな?と思います。
一つ一つの動作はよくわかるけど、コマ送りを見ているような…
前後のシーンが映像としてうまくつながらない、そんな感じでした。
あと、あまりに状況がわからなさすぎて、最後の観客のシーンで、
あらそういうことだったの?と、すこし面食らいました。
ない情報は勝手に脳内保管されてしまうので、あまり情報を後出しすると、
作者の想定している状況と、読者の想像とが食い違ってきてしまうかと思います。
最初の方から少しずつ、周囲や主人公の描写を入れていった方が、
すんなり、流れに乗って読めるのではないでしょうか。

あと、これは純粋に疑問なのですが(あまり詳しくない人間ですので)、
西洋の幅広の剣は両手剣であることが多いように思いますが、
片手用の幅の広い剣もあるんですか?

532529:2004/09/18(土) 00:02
531さん、ありがとうございます!
勢いがありませんか。多分、全編こんな感じです……。(ーー;)
状況は、一人称で書くのは久々だったので感じがつかめず
主人公視点にこだわっていたのが、まずかったですね。
バランスに注意しながら書き直してみます。

幅広の片手剣。
自分も詳しいわけではないんですが。
調べてみた限りでは、ブロードソードやロングソードなんかが
片手用、幅広と紹介されていました。
なので、多分、あるかと思います。

読みにくかったのに、ありがとうございました。

533イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/18(土) 01:19
>>532
>調べてみた限りでは、ブロードソードやロングソードなんかが
>片手用、幅広と紹介されていました。
そっか、あれ幅広いほうなんだ。意外でした。
確かにレイピアとかエストックなんかに比べたら広いか…。
私の想像していた剣が幅広すぎたんですね(笑)。
わざわざ回答ありがとうございます。

534イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/18(土) 04:26
>>529
本物の剣で攻撃されても笑う余裕があるとは、主人公すごいですな。まあそういうキャラなのかもしれんが、なんかバキっぽく見えるのは俺の気のせい?

535529:2004/09/19(日) 02:53
534さん、ありがとうございます!
主人公が余裕に見えるのは、現実逃避中で実感がないからです。
主人公の変化がテーマなので、そこら辺は後々書いていこうかな、と。
バキっぽく見えますか。読んだことありませんけど、バキですか……。
突き抜けるだけの勢いは欲しいです。(-ω-;)

ありがとうございました。

5361/2:2004/09/21(火) 18:04
 ……ケツが痛ぇ。

 桑原は機嫌が悪かった。
 とっくの昔に慣れてしまった痛みだが、それは我慢できるかできないかというレベルの話であって、痛みそのものが消えるわけでは断じてない。ましてや、じくじくとした肛門の鈍痛で起床を促されようものなら、機嫌の良かろう筈もなかった。
 寝直そうにも、アドレナリンの分泌ですっかり目が覚めてしまった。朝っぱらから怒りなど覚えるものではない。仕方なく静は身を起こした。
 擦り切れたランニングにトランクス。十七歳だが、どうかすると小学生にすら見えてしまいそうな小柄な少年である。赤い瞳に白い髪は先天的な遺伝子の異常を示しており、なまっちろい肌と相まって病的な危うさを生み出している。たおやかな百合の花に毎日LSDでも注射し続けたら、似たような雰囲気を醸し出すかもしれない。
 ベッドの上に身を起こすと、なで肩からランニングがずり落ちた。むき出しの腕に七文字刻まれている。アルファベットと数字の組み合わせ。
 MMJA349――彼の地で作られし者の349番。
 ぼりぼりと頭をかきながら、手持ちぶさたにPCの電源を入れた。脳天気な笑顔で、お天気レポーターが今日の降水確率を述べている。60パーセント。微妙なライン。
 雨……降らねえかなあ……。
 桑原はそんなことを思った。雨の日はあまり「客」も来ないので、このまま家でごろごろする言い訳が立つ。もともと誰に頼まれて始めた「仕事」でもないのだから休むも休まないも自由なのだが、逼迫していた昔の思い出が背中をどやしつける。
 それにつけても。
 ケツが痛ぇ……。
 肛門の痛みの原因――貧相なモノを誇らしげに反らした中年親父を思い出した。真珠を埋め込んだとかいうグロテスクな「それ」。もはや人の備えし器官とも思えなかった。裂けなかったのが不思議なぐらいだ。
 特別料金をたんまりせしめたので懐はだいぶ暖かくなったが、失ったものも大きかった。さすがに昨日の今日で客を取る気にはなれない。
 雨が降ることを祈りつつ、サイドボードから煙草を取り出す。現代では稀少品の――違法化の向きさえある――「有毒物質」の含まれた代物である。
 一本抜き出し――
 口の中に放り込み――
 荒々しく咀嚼し――
 無雑作に嚥下した。
「ああああああっ! な、なな、なに食べてるんですかぁっ!?」
「んなっ!?」
 自分以外いるはずのない部屋である。桑原は驚いた。
 攻撃衝動をトリガー>戦闘態勢へシフト/塩基配列変換>高速細胞分裂及び壊死を開始/網膜解像度上昇/筋強化/接触性毒物の精製>爪部へ注入/皮膚硬化/インプラ■■#%…\@■

5372/2:2004/09/21(火) 18:07
「っ……ぁ……!」
 勝手に暴れだした右腕を体全体で押さえつけるように床にダイブした。カップメンやジュースの空き缶を蹴り倒し、押し潰しながら転げ回る。壁に背中を打ちつけたところでようやくおさまった。
 目眩がした。全身を覆っていた灼熱感がどこかに引いていく。決定的な変異を遂げる前に死滅した細胞が垢のようになって肌に積もる。
「だ、大丈夫ですか!? ああもうやっぱり煙草なんて食べるから――」
 大きく息を吸い、吐く。
 駆け寄ってこようとした「その人物」を手で制する。
 ようやく相手を観察する余裕ができた。
 少女だった。せいぜい自分と同年代か、少し下ぐらいの女の子。寝癖のついた栗色の髪。よく動く大きな瞳。小柄な自分よりさらにちまっこく、地味なブラウンのスーツを着込んでいるのがかけらも似合っていない。
 そして――ここが重要だが――知った顔ではなかった。
 そもそも、自宅の住所を他人に教えたことなどない。である以上ここを訪れる自分のことを知っている客というのは、例外なく面倒な用件と言い切っていいだろう。
 なにより、
「……てめぇ、どうやって入った……?」
 治安の悪い区画ということもあり、自前の錠前を三つ追加してある。
「あ、そうそう。ひどいじゃないですかっ。何度も何度も何度も何度も呼び鈴押したのに全然出てきてくれなくて。わざわざ屋上からベランダに回ったんですよっ」
 なるほど。
 桑原はうなずいた。
 インターホンの存在など忘れ去って久しいが、そもそもインターホンですらなくなっていたらしい。彼女は呼び鈴が壊れていることに気付かず頑張った挙げ句、ご苦労にもロッククライミングを敢行して幸い最上階だったこの部屋への侵入を果たしたと。
 つまり。
「押し込み強盗か……」
 ゆらり。目に剣呑なものを宿し、桑原は立ち上がった。
「あああああ違います違います違いますっ! わたしっ、わたしこういう者ですっ!」
 ばたばたと慌ただしく、少女は懐から手帳を取り出した。
 桜を意匠化したマークは記号的に「とあるもの」を連想させたが、瞬間的に却下する。
 まさかそんな。それだけはあるまいて。それ以外思いつかないけど。いやいや騙されないぞ。そんなはず無いよな。……でも言うだけならタダだし。いやいや。
「……警察?」
 自信なさげに――実際には認めたくない気持ちで――恐る恐る問うと、少女はぱっと顔を輝かせた。
「そうですっ! わたし、お巡りさんなんです!」
 盛大なSEを響かせて、桑原の中で何かが――世界への信頼とでもいうべき何かが崩れ落ちた。

 近未来風です。よろしくお願いします。

538イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/21(火) 18:09
ああ、ミスです。五行目の「仕方なく静かは身を起こした。」は無視してください。

539イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/22(水) 00:25
>>536
投稿先を選ぶような内容…かな、と…少女向けのレーベルなんだと想像しましたが…。

よくあるシチュエーションだなと思いました(すみません)。
男娼っていうのも、アルビノっていうのも、腕に記号も、女の子が転がり込んでくるのも…。
(人造人間か改造人間が研究所から逃げ出して)働く手段がないから身をひさぐっていうのも、
わりとよくある手段ですし。
全然違う話なら、これで始めちゃうのは、そういう意味でもったいないと思います。
また、このままならそれほど意外性のある状況ではないと思うので、
何かインパクトのあるものがほしいかなあというのが感想です。
もちろんレーベルによるんでしょうけど、女の子が出てきてるし、
いわゆるやってればいい(…)BL系ではないと思いますから、
何か一押しのつかみはあった方がいいんじゃないでしょうか。
変身シーンはそれ用に入れられたのかもしれませんが(最初、文字化け?と思いました;)、
せっかくだからもうちょっと書き込んでもいいかな?と思います。…が、この辺は好みでしょうか。

>決定的な変異を遂げる前に死滅した細胞が垢のようになって肌に積もる。
これちょっとよくわかりませんでした。肩にふけが…状態のことですか?

ちょっと辛口です。ごめんなさい。

540イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/22(水) 02:01
>>536
あー、辛口になってしまうが、ライトノベルレーベルで賞はとれないと思った
方が良い。この作品が面白い場合の例えだが、バトロワみたいな感じで。
ライトノベル読んでると、時々「ええ? こんな話?(エログロ方向)」って
のがあるが、そういうのは編集が知り合い(セミプロレベル)に書いてもらっ
たり、デビューしたはいいがパッとしない作家が書いたりする。
まあ、相応に面白かったら編集さんから電話が来ると思うが。

文章自体に対して言うと、手慣れた感じはする。淡々としすぎている印象はあ
るが、読みやすい。SFテイストもライトノベルっぽく出てると思う。ただ、目
新しいものはないな。

あと、細かいツッコミとしては、LSDの一般的な使い方は希釈物を紙に染み込
ませて肌に貼るとか食べるとかだぞ? まあ、注射しない事もないが。あと、
「ナニに真珠」をやるのは主にヤっちゃんだが、分かってる? 分かってるな
らいい。けど、「貧相だが裂けなかったのが不思議」ってどういうこっちゃ?
と混乱した。他には、ネクロージスやらなんやら意図的にいじれる(?)なら
ケツ直せよ。とか思った。もし自分の意志でコントロールできないなら馬鹿一。
長くなったな。そろそろうんざり? まあいいや、他には「垢が降り積もる」
って表現じゃなくて、「〜垢により、肌の表面が乾燥し、ひび割れたように見
えた」とか「〜色が鑞のようにくすんだ」とかの方が、視覚的に分かりやすい
と思う。

ここで評価する時は意識的にきつく評する事にしてるが、話の雰囲気は嫌いじ
ゃないぞ。むしろ好きだ。
あとは、「キーリ」の壁井ユカコの、電撃hp短編最終候補にも似たようなのが
あったのを思い出した。興味があったら探してみると良い。

541536:2004/09/23(木) 18:09
批評ありがとうございます。

>>539
いえいえ、辛口上等でございます。
いつも硬い話になってしまうので、わかりやすくべたべたなお話を、と思って書きました。そのまますぎるようなので、もうちょいひねってみます。
自分の中にあるSFっぽいものを書いたらこうなったので、とくに少女向けとかは意識してないです。でも冷静になってみると後ろの経験ありな主人公は一般向けではないですな……。
垢の表現は540さんのがわかりやすいですかね。だいたいあんな感じでございます。

>>540
なるほど。なんとなく静注するものなのかと思ってました。SF的な部分も考証しなおしてみまする。
壁井ユカコの作品も探してみます。

542鶴田:2004/09/27(月) 19:00
 パッパッ。
 いまにも切れそうな蛍光灯が、点滅を繰り返している。
 ババババババババババ。 
 終点に向かうローカル線のバスの車内に滝のような大雨の音が響く。それは先週の初めから降り始め、今もやまない。
 永遠にやまないのかもしれない。キルは思った。自分の心が晴れないように、世界を覆うこの厚い雲は二度と晴れないのかもしれない。きっと、このまま世界は水に飲まれて水没してしまうんだ。
「雨雨降れ降れも〜っと降れ〜♪」
 女が歌っている。雨にも負けじと声を張り上げて。
 キル以外にはお客の乗っていないバスの中。酒に焼けたしゃがれ声で歌っている。
 豊満な体のラインを浮き彫りにするような赤いマイクロミニのワンピース。水商売でもやっているのかもしれない。黒い小さなバッグとウイスキーの小瓶をお供に、仕事のうさでも晴らしているのだろうか。
「雨雨降れ降れも〜っと降れ〜♪私のいい人連れて来て〜♪」
 それがかつての流行曲であることなどキルには知る由もなかった。なにせキルが生まれる前の曲だったから。
 女は窓ガラスに頬をくっつけるようにして外を見ていた。時折小瓶を口元に運んでは、中身のないのを嘆いている。
「ねえ、僕」
 女に呼びかけられてキルはぎくりとした。じっと見ていた不躾さをとがめられるのだろうか。あるいは酔っ払いらしい理不尽さで絡んでくるつもりなのだろうか。
「お酒、持ってない? 持ってるわけないか」
 ひとりで勝手に納得すると、女はギャハハと笑った。歌いながら立ち上がり、つり革をとっかえひっかえしながらよろよろとキルの席に近寄ってくる。
「僕、一人?」
 女がキルの隣の席に滑り込んできた。酒臭い息を耳に吹きかけてくる。
 キルは席を移動しようかと思ったが、そこまであからさまに拒否するとどんな難癖をつけられるかわからないのでやめた。救いを求めて運転手のほうを伺ったが、水の深みにタイヤをとられないように必死で、とても乗客のことにまで注意を向ける余裕はなさそうだ。
「耳、聞こえないの?」
 柔らかくて暖かいものが腕に触れる。キルは身を固くした。このまま地蔵になってしまいたかった。
「聞こえますよ。僕は一人です」
「リュックなんか背負っちゃってるけど、どこに行くの?」
「別に……」
「あてのない旅ってわけ? 傷心旅行とか? やるねー、一人前じゃん」
 女は豊かな黒髪をかきあげて、猫のように目を細めた。キルは一瞬その眼差しに吸いつけられた。おばさんかと思ったら存外若い。せいぜい二十代半ばといったところだろうか。酔っ払いでなく、ギャハハなんて下品な笑い方さえしなければ美人といえるかもしれない。
「そんなんじゃないです。あてはありますよ」
「あらそうなの。どこ行くの?」
「それを探してるんです」
「詩的だねー」
「そういうのとも微妙に違うんですけど……」
「でもねえ、僕。行き先は告げておかなきゃいけないよ。あてがないならせめて旅に出るってぐらいはね。身内とか友達とか恋人とかにはさ」
「伝えましたよ」
「ならいいの。私の男が僕よりガキだったってだけの話だから」
 ほんとバカだよなー、と女はつぶやく。放埓にあぐらをかいて小瓶を傾け、舌打ちした。
「行き倒れ同然のところを拾ってやってさ。手厚く介抱してやって飯も食わせてやって仕事見つかるまでヒモ同然の暮らしさせてやったってのに。いざ見つかったと思ったらぷいと出ていっちまいやがった。一宿一飯どころか一年丸々だぜ。そんな恩、犬でも忘れねーっつーの。あーあ、やだやだ」
 女は背もたれに沈み込むと、両手で顔を覆った。
「私のこと、必要だっていったじゃんかあ……」
 ぐす。ぐすぐす、ひっく、うぇ〜ん。 
 女があまりにも哀れっぽい声で泣くので、キルはたまらなくなった。
「あの、僕でよかったら話聞きますけど。えっと、その、失礼でなければ……」
 女はパッと泣き止むと、両手の指の間からまじまじとキルを見つめた。
「あら僕、若いのにしっかりしてるねー」
「いえ、僕の友人がいつも僕にそうしてくれるから。っていうか、あれ、泣いてたんじゃ……」
「いい友達もってるんだ」
 からりと笑顔になった女の豹変ぶりに混乱しながら、キルはうなずいた。実際にはルナはいい友達、なんて簡単な存在ではないのだけれど、説明するのに適当な言葉も思いつかなかった。
  
****年**月**日
 To ルナ
 Title 無題
 本文 ルナへ。僕の大切なルナへ。僕は旅に出ます。
    ルナのいっていた場所を探しに。それはどこにあるかわからないし、どこにもないのかもしれないけど。
    僕にもルナにも、きっとそれが必要だから。
 
 女の話に耳を傾けながら、キルはそっと携帯を開いた。返信はまだない。

543鶴田:2004/09/27(月) 19:00
 パッパッ。
 いまにも切れそうな蛍光灯が、点滅を繰り返している。
 ババババババババババ。 
 終点に向かうローカル線のバスの車内に滝のような大雨の音が響く。それは先週の初めから降り始め、今もやまない。
 永遠にやまないのかもしれない。キルは思った。自分の心が晴れないように、世界を覆うこの厚い雲は二度と晴れないのかもしれない。きっと、このまま世界は水に飲まれて水没してしまうんだ。
「雨雨降れ降れも〜っと降れ〜♪」
 女が歌っている。雨にも負けじと声を張り上げて。
 キル以外にはお客の乗っていないバスの中。酒に焼けたしゃがれ声で歌っている。
 豊満な体のラインを浮き彫りにするような赤いマイクロミニのワンピース。水商売でもやっているのかもしれない。黒い小さなバッグとウイスキーの小瓶をお供に、仕事のうさでも晴らしているのだろうか。
「雨雨降れ降れも〜っと降れ〜♪私のいい人連れて来て〜♪」
 それがかつての流行曲であることなどキルには知る由もなかった。なにせキルが生まれる前の曲だったから。
 女は窓ガラスに頬をくっつけるようにして外を見ていた。時折小瓶を口元に運んでは、中身のないのを嘆いている。
「ねえ、僕」
 女に呼びかけられてキルはぎくりとした。じっと見ていた不躾さをとがめられるのだろうか。あるいは酔っ払いらしい理不尽さで絡んでくるつもりなのだろうか。
「お酒、持ってない? 持ってるわけないか」
 ひとりで勝手に納得すると、女はギャハハと笑った。歌いながら立ち上がり、つり革をとっかえひっかえしながらよろよろとキルの席に近寄ってくる。
「僕、一人?」
 女がキルの隣の席に滑り込んできた。酒臭い息を耳に吹きかけてくる。
 キルは席を移動しようかと思ったが、そこまであからさまに拒否するとどんな難癖をつけられるかわからないのでやめた。救いを求めて運転手のほうを伺ったが、水の深みにタイヤをとられないように必死で、とても乗客のことにまで注意を向ける余裕はなさそうだ。
「耳、聞こえないの?」
 柔らかくて暖かいものが腕に触れる。キルは身を固くした。このまま地蔵になってしまいたかった。
「聞こえますよ。僕は一人です」
「リュックなんか背負っちゃってるけど、どこに行くの?」
「別に……」
「あてのない旅ってわけ? 傷心旅行とか? やるねー、一人前じゃん」
 女は豊かな黒髪をかきあげて、猫のように目を細めた。キルは一瞬その眼差しに吸いつけられた。おばさんかと思ったら存外若い。せいぜい二十代半ばといったところだろうか。酔っ払いでなく、ギャハハなんて下品な笑い方さえしなければ美人といえるかもしれない。
「そんなんじゃないです。あてはありますよ」
「あらそうなの。どこ行くの?」
「それを探してるんです」
「詩的だねー」
「そういうのとも微妙に違うんですけど……」
「でもねえ、僕。行き先は告げておかなきゃいけないよ。あてがないならせめて旅に出るってぐらいはね。身内とか友達とか恋人とかにはさ」
「伝えましたよ」
「ならいいの。私の男が僕よりガキだったってだけの話だから」
 ほんとバカだよなー、と女はつぶやく。放埓にあぐらをかいて小瓶を傾け、舌打ちした。
「行き倒れ同然のところを拾ってやってさ。手厚く介抱してやって飯も食わせてやって仕事見つかるまでヒモ同然の暮らしさせてやったってのに。いざ見つかったと思ったらぷいと出ていっちまいやがった。一宿一飯どころか一年丸々だぜ。そんな恩、犬でも忘れねーっつーの。あーあ、やだやだ」
 女は背もたれに沈み込むと、両手で顔を覆った。
「私のこと、必要だっていったじゃんかあ……」
 ぐす。ぐすぐす、ひっく、うぇ〜ん。 
 女があまりにも哀れっぽい声で泣くので、キルはたまらなくなった。
「あの、僕でよかったら話聞きますけど。えっと、その、失礼でなければ……」
 女はパッと泣き止むと、両手の指の間からまじまじとキルを見つめた。
「あら僕、若いのにしっかりしてるねー」
「いえ、僕の友人がいつも僕にそうしてくれるから。っていうか、あれ、泣いてたんじゃ……」
「いい友達もってるんだ」
 からりと笑顔になった女の豹変ぶりに混乱しながら、キルはうなずいた。実際にはルナはいい友達、なんて簡単な存在ではないのだけれど、説明するのに適当な言葉も思いつかなかった。
  
****年**月**日
 To ルナ
 Title 無題
 本文 ルナへ。僕の大切なルナへ。僕は旅に出ます。
    ルナのいっていた場所を探しに。それはどこにあるかわからないし、どこにもないのかもしれないけど。
    僕にもルナにも、きっとそれが必要だから。
 
 女の話に耳を傾けながら、キルはそっと携帯を開いた。返信はまだない。

544鶴田:2004/09/27(月) 19:02
ぐああ、しまった。二重投稿です。ごめんなさい。
今回は一人称的三人称を目指してみました。アドバイスお願いします。
あと、実在する歌の歌詞って書いちゃだめなんでしょうか。基本的なことなんですが、よくわからないので……。

545イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/28(火) 00:42
>>544
ジャスラックにお金を取られる<実在する歌詞。
もっとも投稿作品を出版するなら当然編集の手直しが入るので商品名とかと一緒で
そこまで神経質に気にする必要は無いかと。

546イラストで騙す予定の名無しさん:2004/09/29(水) 00:06
>>542
文章ではなく、主人公の思考そのものがどうもカクカクした感じで、すんなり同調できなかったのですが、
読みづらいというほどではなかったし、このシーンについては、一人称的三人称としては悪くないと思います。
ただ、一人称とか一人称的三人称は、そのシーンの主人公に同調して読むので、
長い文章がずっとこの感じで続いていたら、少しつらいかもしれません。

文も少しこなれていないところがあるような気がしました。
こなれていないのとは違うのかな? 描写に入り込む前に次のシーンに行ってしまうような、そんな感じです。
たとえば出だしの主人公の思考が「〜水没してしまうんだ。」で切れて、直後に女の台詞になっている、
そこでもう少し、思考でも描写でも、地の文が続いてくれればテンポに乗りやすいかという気がします(個人的にですが)。
おそらく、主人公に同調しづらいのと原因は同じで、作者の気持ちが、描写より速い速度で先に行きたがってしまっているのでは。
もう少しそのシーンをゆっくり流してくれた方が、少なくとも私は読みやすくなるのですが。

547鶴田:2004/10/01(金) 01:08
>>545
おお、氷解しました。ありがとうございます。

>>546
なるほど。テンポに気を配りつつ地の文を増やしてみます。ありがとうございました。

548感想お願いします:2004/10/01(金) 19:19
 質素な木造の小屋に掛けてある看板には、『ストーンロード一番の霊媒師』と書かれている。
 小屋の中から、時折り老婆の絶叫が聞こえてくる。が、道を行き交う人は気にも留めない。いつものことだからだ。
「おぎゃあああ! むうう! 見える! 私には霊が見える! お主はとんでもない悪霊に取り憑かれておるぞ!」
 紫色のフード付きローブを被ったいかにもな風体の老婆が、水晶球を睨みながら叫び声を上げた。
「……どんな悪霊が憑いてるんだ?」
傷の目立つプレートメイルを装備している、黒髪の冒険者リストは、一応老婆に訊ねてみた。
だが、既に彼はこの老婆がいんちき霊媒師であることを見抜いていた。
「おお、恐ろしい、恐ろしい悪霊じゃあ!」
 水晶球に、ぴしりとヒビが入る。魔術による、ただの演出だ。しかし、これですっかり騙される者がいるからこそ、老婆の商売は成り立っている。
 だがリストは、まったく騙されなかった。この手のいんちき霊媒師を、それこそ何十人も見てきたからだ。
「もしもーし? 俺のどこが悪霊なんですか? 善良な一般幽霊ですよ?」
 老婆の顔の前で、半透明の青年アーウィンが、面白そうに手を振ったり部屋中を飛び回ったりしている。だが、老婆にはその姿が見えていない。
 汗を流しながら何やら必死で呪文を唱えている老婆を尻目に、
「駄目だな。こいつも偽者だ」
アーウィンは急に興味を失ったのか、冷たく言い放った。リストが軽く頷く。
 二人のやり取りに気付かない老婆は、ここが稼ぎ時と、口角泡を飛ばしながらセールストークを始めた。
「おお、大悪霊じゃあ! この悪霊は、貴様に必ずや不幸をもたらすぞ! 具体的には頭痛肩こり生理痛、胃痛神経痛などなどの各種の体調不良じゃ!」
「俺、男なんだけど……生理痛?」 
「ええい、細かいことは気にするな! とにかく、様々な諸症状の改善にはこれ、『元気になる秘薬、ヒヤックンⅤ』じゃあ!」
 老婆は、緑色の液体に満たされたフラスコをリストに手渡した。剥がれかかったラベルには、思いっきりドクロマークが描かれていた。ドクロの下には『成分未調整』と書いてある。
「どうじゃ? 今なら十本ご購入の方にはもれなくもう一本サービスするぞ」
「……何の成分が未調整なんだ……? いや、そもそもいつの間に薬の宣伝になったんだ?」
「あ、間違えた!……い、いちいち細かい奴じゃな貴様は! と、とにかく、悪霊は今すぐ除霊しなければならん! 除霊には本来五万ペソドル必要じゃが、今なら、初めての人にはお試し価格でご奉仕中じゃから、三万ドルペソで手を打とう! さあ、除霊をしてやるから金をよこせ!」
 三万ペソドル。大金だ。一ヶ月は三食付の宿屋に泊まれる。老婆は、リストのことを、冒険帰りで金をたんまり持っていると睨んだのだ。大間違いだった。
 いつまでも偽者に構っていられないと、
「あの、ばーさん。興奮しているところ悪いんだけど、もういいよ。ありがとう、そしてさようなら」
 リストはすっくと席を立ち、霊媒師の小屋から出て行った。
 アーウィンは、小屋を出るときに老婆に向かって思い切りあかんべえをした。
 獲物を逃したいんちき霊媒師は、次からは十本購入の方には二本サービスすれば逃げられないだろうなどと、見当違いなことを考えた。

549イラストで騙す予定の名無しさん:2004/10/02(土) 20:20
hidoi

550イラストで騙す予定の名無しさん:2004/10/02(土) 22:05
長い小説の中のほんの一幕って感じだな。中味については評価不能。
会話ギャグとしてはちょっとテンポが悪いかも。
面白い風に書いてあるだけで、面白くはない。でも生理痛はややウケ。
なにも酷いってこたあない。

>紫色のフード付きローブを被ったいかにもな風体の老婆が、水晶球を睨みながら叫び声を上げた。

>傷の目立つプレートメイルを装備している、黒髪の冒険者リストは、一応老婆に訊ねてみた。
>だが、既に彼はこの老婆がいんちき霊媒師であることを見抜いていた。

このへん、説明的すぎて野暮ったい。もっと他に書きようはないのか。
「叫び声をあげたのは、いかにもな風体の老婆だ。
 紫のローブを身にまとい、水晶球を睨みつけている。」
こんな風に二文に分けて書けば、若干こなれる気がしない?
後は、フードが付いてることまで無理に詰め込まず、情報量を削ることとか。
一気に書かずとも、また後の方でおいおい書いていけばいいわけだしね。

551イラストで騙す予定の名無しさん:2004/10/03(日) 02:45
とりあえずペソドルはやめておけと。あまりにもアホっぽすぎる。
あと、冒険者リストと続けて書かれると、冒険者の名前がずらりと書かれたリストを想像してしまう。

552イラストで騙す予定の名無しさん:2004/10/03(日) 04:21
>>548
内容については、まだ事件が発生しておらず、もう少し読んでみないとわかりませんので割愛。
このシーンを読んだ感じ、老婆の存在が浮いちゃっているように見えます。
せっかくの老婆の勢いを主人公が打ち消しちゃってるんじゃないでしょうか。
ギャグにするなら、主人公側にも流れに乗れる勢いがないとつらいかと。
せっかく主人公サイドに二人いるので、どちらかをギャグ担当にしてみるとか。
今のままだと、ギャグとシリアスのどっちつかずな感じになりそうな気がします。

553イラストで騙す予定の名無しさん:2004/10/03(日) 09:07
>>550
説明的過ぎると言うのは、よく言われることです。文を分けて、とにかくこなれた
感じを出すしかないですね。
面白い風に書いてあるだけで、面白くはない……
長編の、結構自信があった序盤シーンだったんですがまだまだだったらしいです。

>>551
ペソドルと、リスト……ネーミングセンスに問題がありますね……
冒険者リスト。確かに作者の頭の中ではリスト君のイメージが出来上がって
いましたが、読者側から見れば……反省します。

>>552
どっちつかず……打ち消しあい……個人的には「ノリ突っ込み」とか
が苦手なので、どうしてもこういったテンポのギャグになってしまいます。
独りよがりなギャグにせずに、もっと修行するべきですね。

554イラストで騙す予定の名無しさん:2004/10/03(日) 17:15
ギャグマンガを書く時の心構えに「自分が10面白いと思うものは他人が読んだら1くらいしか価値がないと思え」と言う物がある。
特に意味は無い。

555イラストで騙す予定の名無しさん:2004/10/03(日) 18:27
>>554
ならば、自分が千面白いと思えば、他人が読んだら百の価値があるというわけです。
努力します

556イラストで騙す予定の名無しさん:2004/10/03(日) 20:24
ギャグの方向性としては、キノの旅とか読んでみたらどうかね。

557イラストで騙す予定の名無しさん:2004/10/03(日) 20:56
>>556
キノの旅。ギャグなのですかアレは。読んだことがないのですが、
てっきりしんみり系だと思っていました。書店で目を通してみることにします。

558イラストで騙す予定の名無しさん:2004/10/04(月) 00:26
ギャグ小説ではないけど、話によっては、ところどころギャグっぽいのが入ってる。
「二人の国」とか、ちょっと会話がギャグっぽいか?
基本的には展開がはっちゃけてるとこがギャグっぽいんで、全体読んでみないとわかりにくいかもしれん。

559足立区のワナビ:2004/10/05(火) 20:13
執筆暦1年のワナビです。
青春モノの冒頭部分を貼り付けました。
話のツカミとして良いモノか、皆様の批評お願い致します。



「開花宣言なんて遠い世界の話だ」

 僕はそうぽつりと呟いて空を見上げる。
 本日は風も強い所為で雲の流れも速く、ゆっくりと形を崩すさまが肉眼ではっきりとわかる。吐く息の白さは日々薄れつつあるけど、やはりこの時期の風は冷たく耳がひりひりと痛んだ。
 まったく北海道という土地はもうすぐ三月が終わるというのに、庭の芝生には霜を降ろし、歩道の脇や建物の日陰にびちゃびちゃの雪の塊を残し、こんな晴れた日に限って風は冷たく……放射冷却現象とかいうヤツだ……挙げ句の果てに雪やら雹やらを何の予告も無く降らせる無慈悲な土地なのだ。
「そうですね……切ないですね……やるせないですね……この寒さは。暁を忘れるようなうららかな春は……ちっとも訪れる気配がないですね……」
 先程の僕の呟きに深い相づちを打つのは、幼なじみの玉城ゆらら。彼女は先週パルコで購入したクリーム色で薄手のコート「お気に入りブランドの春の新作」の襟を立て小刻みにヒザをかたかた震わせている。どうやら彼女は衣替えのタイミングを間違ったらしい。
「始業式に着ていくんじゃ無かったの?そのコート」
 ゆららは目を細めて微笑むと、のんびりというかおっとりというか間延びしつつもよどみない口調ですらすらと答える。
「早く袖を通したい……制服に合わせてみたい……友達に見せびらかしたい……という女子高生におけるおしゃれ三大原則の精神に負けたのです……」
 僕はそんなゆららご自慢のコートをしげしげと眺める。
「可愛いボタンだね、葉のレリーフもオシャレだし」
「さすが景陵くん……この新作は今年の流行色である緑を全体のカラーを壊さないよう……ボタンというワンポイントでさりげなく使用しているのが……ミソなのです」
 ゆららはさらに目を細くして微笑む。ゆららは笑い方にもちょっとした特徴があって、目は糸目で、唇はあまり動かさない。いまみたいに微笑んでも口角がちょっと上がる程度だ。その表情はまるで・・・

・・・・・・

「あ・・・バスが来ました」
 定刻より15分遅れのバスの到着が、僕の思考を中断してくれた。
 そうだ、もういい。
 あれはもう思い出す必要のない記憶なんだ。
 僕はこうして「生きているゆらら」と一緒にこんな変哲の無い穏やかな生活を送ればいい。今は亡き人をいつまでも思っていても仕方が無いんだ。振り返るな、前を見ろ。彼女の面影をゆららにもう被せるな。それはもう誰の為にもならないのだから。

560猫丸:2004/10/05(火) 20:29
 私は好きですよ。こんな感じの冒頭。ゆららのキャラがめちゃくちゃ気に
なりますけど(笑)

561イラストで騙す予定の名無しさん:2004/10/06(水) 00:31
確かに。幼馴染なのにこの会話は……キャラが気になるw

562イラストで騙す予定の名無しさん:2004/10/06(水) 01:29
ゆらら、かわいいですね。萌え。
主人公の、面影を〜っていうのなんかどうでもいい、ゆららが気になる!
…という感じで、続きを読みたいと思いました。
そんな動機でもいいですか?

563足立区のワナビ:2004/10/06(水) 20:20
>560/猫丸様、561様、562様
感想ありがとうございます。

自分としては語り部「僕」の視点で、ヒロイン「ゆらら」の身辺で起こる
ドラマを書きたいと思っているので、
この時点で「ゆらら」に興味を持って頂けると嬉しいです。
キャラクターの性格として
「おっとりでミーハーでお嬢様のような幼馴染」
という実にトンチキなキャラ設定を
丁寧に表現出来るかがこれからの課題になりそうです。

なので
>主人公の、面影を〜っていうのなんかどうでもいい、ゆららが気になる!
>…という感じで、続きを読みたいと思いました。
>そんな動機でもいいですか?
いいです。「してやったり」という感じです(笑)
この感想を励みに4/10に向けて頑張ります。

あと、書き方についても文法・表現方法でおかしな点ありましたら
ご指摘お願い致します。
自分からの質問としては、
今後も「ゆらら」の会話部分や「僕」の思考時間の表現に三点リーダを
意図的に多用するのですが問題が無いでしょうか?
読みづらくならないか心配です。

※貼り付けた文章が冒頭部ということで短く、
 非常に判断しにくいと思いますが・・・・・・迷惑でなければ
 この続きを貼って批評いただきたいのですが・・・・・・どうでしょうか?

ご回答・酷評のほう、宜しくお願い致します。

564イラストで騙す予定の名無しさん:2004/10/07(木) 01:56
三点リーダは、私はもう少し減らしてくれた方が正直読みやすいかも、です。
でも、読点を使わずに……で処理されているようなので、
変に読点を使うよりは、このままの方がいいんでしょうかね。
うーん、正直、この長さで全体を判断するとなると少し難しいですが。

あと、三点リーダは「・・・・・・」ではなくて、「……」です。
Atokだと、中黒を変換すると出てきますが、IMEどうだったかな。
辞書登録しちゃってるので忘れましたが、たぶんすぐに見つかるようなものなので、
そちらで書かれた方がいいかと。

565イラストで騙す予定の名無しさん:2004/10/07(木) 16:55
細かいところだけど、「所為」は「せい」でいいでしょうね。
三点リーダは、これだけの量だと気にならないのですが、このまま二百枚三百枚と書き続けていくには厳しいかもしれません。
なにより原稿の完成予想図が美しくない。「ー」や「……」を多用することを毛嫌いする人も多いので、ほかの方法を見つけたほうがいいでしょう。
この続きはぜひ張ってほしいです。

566足立区のワナビ:2004/10/08(金) 21:53
>564様、565様
ご回答ありがとうございます

>三点リーダは「・・・・・・」ではなくて、「……」です
ご指摘ありがとうございます。
現在書き終えた所までチェックしたところ
半分ほど「・・・・・・」になっていました。修正しておきます。

>「所為」は「せい」でいいでしょうね。
PCで文章を作成すると安易な漢字変換をしてしまう自分の悪いクセが……。
以後、気をつけます。

最後に三点リーダの使用頻度についてですが……
やはり読んだ時に「不快にならない」程度……そこのボーダーの見極めですね。
少し恥ずかしいですが、作品が完成したらラノベ読みの友人たちに
「これぐらいの……使用頻度は……どうなのよ?」みたいな感じで読んでもらい
その感想・酷評を真摯に受け止めようと思います。

567イラストで騙す予定の名無しさん:2004/10/09(土) 12:28
>>563
三点リーダー、頻度的には若干引っかかる程度なんだけど、
「ゆららのキャラ立て」として使うつもりなら他では少なめにした方がいいと思う。
今のままでは注釈がないとゆららのキャラなのか作者の癖なのかはっきりしない。

568イラストで騙す予定の名無しさん:2004/10/10(日) 06:25
今書いている小説の冒頭です。
すごく中途半端なところで切れていますが、このあともうちょっと説明くさい文章が続きます。



恐怖に駆られて走る。いつものことだと思いつつも焦らずにはいられない。
胸の内から黒い何かが噴きだしている。いつもの事ながら嫌な感覚が広がっていく。
物語の始まりはいつも唐突で、突然終焉がくる。しかも、それは毎回同じ終わりを迎える。奇跡など起きない。
───そして今日もまた私は人を殺めた

とあるオフィス街の一角に小さなビルが建っている。無機質なビル群の中で異質な存在感を放っているそのビルに一人の少女が駆け込んでいった。時刻は午前三時。少女が一人で出歩くには少々危ない時間帯だ。
そのビルの近くに一台のトラックが止まっている。
どこかの企業の荷物搬送用のトラックのようだが、町の灯りを落としたこの場所において、規則正しいエンジン音を鳴り響かせているトラックは、なにか現実と遠くかけ離れた存在のように見える。
「…今回のターゲットはあの娘か。正直気が進まないな」
『ぼやくな。これも仕事だ』
「でもなぁ…」
トラックの荷台から話し声が聞こえてくる。ひとつは若い男の声。もう一つは機械から発せられる無機質な響き。
『今回の対象はBクラスだ。それ程難しい仕事でもないだろう』
「いや、あたしが言ってるのはそういう意味じゃなくてさ、なんつーかこう…いたいけな少女を手にかけるってのが」
『気に食わないか』
「まあ、気乗りはしない。…気乗りはしないけど、やらなくちゃいけないんでしょ」
『当然だ』
「当然…ね。OK、ターゲットの情報を出して」
『了解した、一時的に接続を遮断する』
「はーい。…さてと」
会話の終了と同時に荷台の中に灯りが点き、積まれていた荷物が駆動音とともに動き出した。側面に取り付けられた巨大なモニターに様々な文字が浮かんでいく。辺りは様々な機器で埋め尽くされているが、そのどれもが一つの機械に繋がっていた。
<指揮戦闘用ヒューマノイド 神楽>
機械の側面にはそう書かれていた。
──ヒューマノイド
近年めまぐるしい発展を遂げたこの星の技術の中で最もポピュラーで、且つ最も一般的になったものである。
開発当初は、単調な命令をプログラム通りに実行するというだけのものだったが、十数年前にある技術者が開発した自律思考型プログラムにより、人間さながらの思考能力を得るまでに至った。
それと同時に器となるべき祖体の開発も進められ、ちょうど十年前の星暦3011年に史上初の自律思考型ヒューマノイド<アス>が完成した。


少々判断材料が少ない気もしますが、批評、アドバイス等よろしくお願いします

569568:2004/10/10(日) 08:08
すいません、上の文章の13行目の「ひとつは若い男の声」を「ひとつは若い女の声」に訂正いたします。

570ずれてたらスマソ:2004/10/11(月) 07:17
>>568
とりあえず細かい部分をあれこれ。

・同じ単語・言い回しが至近の文章に何度も出てくる。
「いつものこと」「いつもの事」「いつも唐突」とか。「ビル」もちょっと言い過ぎ。

・文法的なねじれ
>物語の始まりはいつも唐突で、突然終焉がくる。
>しかも、それは毎回同じ終わりを迎える。

図に直すと
物語の始まり は いつも唐突
           で
         突然終焉がくる。
それ     は 毎回同じ終わりを迎える。

つまり、この書き方だと
「物語の始まり」に「突然終焉」がきて、
「物語の始まり」が「毎回同じ終わりを迎える」。
ことになるんだな。
「突然終焉」も「毎回同じ終わりを迎える」も本来は「物語」を主語にすべきだから、
この書き方だと文法的に変。文法に即して書くなら

物語の始まりはいつも唐突だ。そして、その終焉は突然やってくる。
しかも、そのパターンはいつも同じだ。

とかかな。↑もぜんぜんこなれた文章じゃないけど。
まあうっかり文法ミスしないように気をつけましょうってことで。

571イラストで騙す予定の名無しさん:2004/10/11(月) 09:23
恐怖に〜殺めた
こういうかしこまったコメントはオープニングイベント終えてから入れた方がいい。
とある〜から初めて静かにこれからどういう話になるんだと読者に思わせる引き込みを狙え。
それからドーンとぶつけるんだ。
内容はありきたりに見えるけど発展しだいかと。

572568:2004/10/11(月) 11:31
批評ありがとうございます!

>>570
>・同じ単語・言い回しが至近の文章に何度も出てくる。
>「いつものこと」「いつもの事」「いつも唐突」とか。「ビル」もちょっと言い過ぎ。

なるほど…確かにちょっとくどいですね。自分が読み手に回ったときはこういう同じ単語の羅列はうざいと感じてしまうのに自分でそれをやってしまうとは…

>・文法的なねじれ

>つまり、この書き方だと
>「物語の始まり」に「突然終焉」がきて、
>「物語の始まり」が「毎回同じ終わりを迎える」。
>ことになるんだな。
>「突然終焉」も「毎回同じ終わりを迎える」も本来は「物語」を主語にすべきだから、
>この書き方だと文法的に変。

うっかりの文法ミスを大量生産しそうな悪寒…
文法云々に関してはもうちっと勉強しようとおもいます

>>571
>恐怖に〜殺めた
>こういうかしこまったコメントはオープニングイベント終えてから入れた方がいい。
>とある〜から初めて静かにこれからどういう話になるんだと読者に思わせる引き込みを狙え。
>それからドーンとぶつけるんだ。
>内容はありきたりに見えるけど発展しだいかと。

ここに書き込んだ後にプロットを再構築したら文章の中に矛盾が出てきてしまって、文章自体を大幅に変えてしまい、移動させようかこのままか迷ってたので凄
くタイムリーな感じです。移動させることに決めました。

俺の周りに推敲してくれる人間がいない(みんな小説とか読まない)ので客観的に見た意見は非常にうれしいです
ありがとうございました

5731/2:2004/11/05(金) 11:48
最近この板を見つけた者です。
なんか、もうあんまり人がいないような気もしますが、せっかくこういう場があるので
貼り付けたいと思います。批評お願いします。


 雨に包まれた漁港は薄暗く、見通しが悪かった。
「あれで、体の大部分はただの水……海水なのか」
 緑色の雨合羽を着た中年の男が、双眼鏡をのぞきながら言う。漁港を包囲する自衛隊
員からは若干離れた場所だ。
 雨音の中で、ズンという重い音が定期的に響いていた。
「見るのは初めてだが、すごいものですな。かなりの破壊力だ」
 雨合羽からのぞく襟元を見れば、男が自衛隊の幹部だとわかる者もいただろう。
 が、部隊の指揮をしている者は彼以外にいた。この中年の幹部は、彼の隣に立つ女性
の応対をするために来ていたのである。
 先ほどヘリで到着した女性は、最初の軽い挨拶を交わした後はほとんどしゃべってい
なかった。しかたなく、とでもいう風に、男はさらに言葉をつづけた。
「たしかに、あんなものが数十匹も一斉に上陸してきたら、ビルだって倒壊する。東京
が壊滅したのも理解できますよ」
「……あのタイプは、大した驚異ではありません」
 男の言葉に対し、女性が低い声で応じた。
「しかし、東京を襲ったのはあの巨大アメーバなのでは?」
「最初は、そうです」
 女性は短く答えた。
 傘こそさしているが、ヘリを降りたときに浴びた雨で長めの黒髪や服は濡れたままだ。
縁なしの眼鏡だけは、男が気づかないうちにぬぐったらしく、水滴はついていない。
 落ち着きを感じさせるが、まだ若いだろう。二十代半ばだと思われた。
「巨大アメーバに見えるかもしれませんが、あれはいくつもある形態のうちのひとつに
過ぎません。構成する物質によって、その性質は大きく変化します。そして、液体を構
成物質とするもの──私たちはスライムタイプと呼んでいますが──は、能力的には非
常に低い部類に入ります」
「あれで、非常に低い、かね」
 思わずそうつぶやき、もう一度双眼鏡をのぞく。
 雨が降りしきる中なのではっきりと見えるわけではないが、なにか黒い塊が活発にう
ごめいている。はっきりとした形をもたないそれは、やはりアメーバと形容するのがも
っとも適しているように思えた。
 そのアメーバが、体を大きく持ち上げ、漁港のコンクリートに打ち据えるという行為
を先ほどからくり返しているのである。さきほどから定期的に響くズンという音の正体
はそれだった。
 巨大アメーバは、体当たりのみで漁港を破壊しようとしているのだった。
 その威力は見た目よりはるかにある。一度の体当たりで、軽く2メートル以上の範囲
にヒビが走るのだ。その重い音は、ここまではっきり届くほどだった。

5742/2:2004/11/05(金) 11:49
 漁港の四分の一ほどはすでに原型を留めていない。もうこの港はほとんど使いものに
ならないだろう。
「こんなのが何匹も一斉に上陸してきたら、と思うとゾッとする……」
「まだ、これからも<コア>の上陸はつづくでしょうね。……でも安心してください。
<コア>がこんなところに迷い込むのは、例外的なケースです」
 それは男も理解していた。それは、ほぼ必ず都市部を襲うからだ。こんな片田舎と言
える漁港に上陸したのは非常にめずらしいことのはずだった。
 しかし、そんな「はぐれ」に対して用意された自衛隊員は二百名を数えた。
「彼らは嗅覚をもっていますから。……人間と、人間の文明を嗅ぎつける嗅覚を」
 そう、彼らは正確に「人間」を目指してやって来る。湾岸に面した都市を目指し、彼
らは海からやってくるのだ。
「呼称は、コア、ということでいいのかな? たしか正式には別な……」
「かまいませんよ。日本ではその名称で定着してしまいましたから。いま米国では<イ
コライザー>などとも呼ばれていますが……」
「じゃあ、そのコアについてひとつ質問させてもらっても構わないかな、五尭所長」
「失礼、私は所長ではありません」
 そんな返事がかえってきて、男は一瞬戸惑った。その組織の所長の名は、たしかに五
尭という名だったはずなのだ。
 女性は、男に対し、五尭伊吹と名乗っていた。
「自己紹介が適切ではありませんでしたね。所長は父です。私は副所長をやっておりま
す」
 ことばだけ聞くと謝っているようにも感じられるが、五尭伊吹は目も合わせず、無表
情なままそう言った。
 その視線は、隊員の包囲している中心、巨大アメーバに常に向けられていた。
「では、五尭副所長……質問させてもらうが、あれは──<コア>とは一体なんだとい
うのですか?」
 その質問に、五尭伊吹は一瞬沈黙した。それから、考えながらというようにゆっくり
と話し出す。
「……いまだその正体は皆目わからない、というのが正確な答えなんでしょうけどね」
「な……」
 よりによって、「わからない」などという答えが返ってくるとは想像していなかった。
「しかし君らは、あれを研究する機関の人間だろう?」
「あれは、人類が初めて相対する物なのです。その性質のいくつかは通常の物理法則を
超えています。おいそれとその正体を解明できるものではありません」
 男が言葉を失っていると、五尭伊吹は「ですが」とつづけた。
「ですが、これだけは言えます。もう誰もがわかっていることでしょうけれど──あれ
は、海の底の底からやってきたあの物質は」
 一呼吸おいて、五尭伊吹は言った。
「──敵です。我々人類の」

575イラストで騙す予定の名無しさん:2004/11/06(土) 13:25
なんの参考にもならない意見ですけど、怪獣映画みたいなもんでしょうか?
自分だったら正体についての議論より、いきなりドンパチやりたいなあ。
無責任な感想ですんませんけど…。

576573:2004/11/06(土) 16:33
>>575
感想ありがとうございます。
……怪獣映画というよりは、仮面ライダーかなあ(゚∀゚;)

人類に襲いかかる<コア>に対し、その<コア>の力を手に入れた少年が
戦いつづける、みたいな話なんです。

577イラストで騙す予定の名無しさん:2004/11/06(土) 19:12
これって導入部なんですよね?
まず冒頭でコアとやらが出現して、世界の各都市が襲われたことや、
コアがどんな外観やパワーを持ってるのかを説明する部分ですよね?
プロローグとしてはこれといって欠陥はないように思えますけど。
副所長という人がコアの力を手に入れた少年とかかわることになるのかな?

578573:2004/11/06(土) 21:17
>>577
ありがとうございます、安心して書き進められそうです。

いちおうあの部分をプロローグにもってこようかと思っています。
コアの側から見た話とどっちをプロローグにしようか迷ったんですけど。

577さんの予想どおり、副所長が最初に少年と関わることになります。
(いまちょうど出会ったあたりを書いてます)

579イラストで騙す予定の名無しさん:2004/11/07(日) 11:51
>>573
期待できそうな感じ。
でも、演出効果としての雨に注意をはらうと、もっと雰囲気が出るかも。
単純に小雨か土砂降りかというぐらいでも、
状況が違うと、セリフの意味も。その下の心理も、違ってくることがある。
再考されたし。

http://www.yasui-kaimono.com/books-jp/��≪�若��/��≪�若����c�鴻�����/P-0000000a0000556b5957695155645159/�����勐�����/�����勐�����.php

580579:2004/11/07(日) 11:53
>>579は文字化けしてしまった。
「雨の名前」(小学館)を参考図書としてオススメする。

581573:2004/11/07(日) 23:41
うお、うちの2chビューアでは>>579が丸々見えなかった。

参考になるもの教えてくれてありがとうございます。
たしかにどんな雨か、っていうのまったく書いてませんね。気をつけなきゃ。

582579:2004/11/08(月) 05:19
冒頭の雨が土砂降りだったら、その雨の中でも、
コアが衝突する音が響くということで、コアの破壊力の表現になる。

小雨だったら、「欝だけれども、この程度のことは、わりと
よくあるんだよ」という、副所長の心理の描写につながる。
世界に対する人間の無力さ……。

けっこう面白そうだから、がんがれ(´▽`)ノ

583イラストで騙す予定の名無しさん:2004/11/12(金) 17:00
>>573
文章が完成されており、先を読ませる力があると思う。
だけどどこか退屈で、どうして退屈に感じるのかと考えてみたところ、
アメーバ状の大怪獣という題材が使い古されたものだからという理由に思い当たった。

宇宙大怪獣ドゴラ、人食いアメーバの恐怖、ブロブなどの映画がさっと頭に浮かぶ。
ライトノベル界隈では、上遠野浩平の虚空牙シリーズとかなり似ている。
そもそもブギーポップからして、”虚空牙の能力をコピーした怪人”の登場する
仮面ライダー的なノリの作品。これは偶然符号しちゃってるだけなんだけど。

というわけなので、別にこのままでもいけると思うけど、
もし何か心に引っかかる点があったら、これらの作品との差別化を図った方がいいかもしれないです。

584119です:2004/11/13(土) 00:03
あれからずっと悩んでまして、今やっと新作の4分の1近くまでいったとこです。
これはプロローグですが、おかしいところがあればご指摘願います。

 直径四センチほどのボール状の物体が空中に浮かんでいた。銀色で質感は金属
みたいだが、物体には瞳があり瞼があり、まるで人間の眼球そっくりだった。
 パチクリとまばたきを二回ほどして、十メートルほど下で行われている光景を
ジッと観察した。
 「おい、そんぐらいにしとけよ」
 今まさに哀れな子羊に悪の拳が振り下ろされる寸前、背後からのドスの効いた
少女の声がそれを制止した。
 将来の、というより、すでに現役の不良といっていい五年生のいじめっ子三人
が、それまで殴る蹴るとやりたい放題に痛めつけていた気弱そうな男子生徒をい
ったん放置して、声のしたほうを振り向く。
 「今時、イジメなんて流行んねーんだよ。他にすることねーのか?」
 その少女・水原森乃は、プリーツスカートのポケットに両手をつっこんだまま
刃物のようにギラついた視線で、いじめっ子たちを一瞥する。
 まだ十歳という年齢にふさわしく身長百四十センチに満たない小さな体だが、
敵を威嚇するには効果十分な迫力がみなぎっている。やや吊り上った目のせいで
キツい印象はあるが、どちらかというと美少女の系統に入るだろう。ショートの
髪を束ねているせいで、後頭部から菊の花が生えているようになっている。
 一瞬、森乃のかもしだす異様な迫力に、不良五年生たちは声も出せずにいたが、
相手が小柄な女の子とわかるや、ニヤリと顔を見合わせ、

585119です:2004/11/13(土) 00:21
 「あんだよ、テメー? なに説教たれてんの?」
 「お兄さんたちは楽しく遊んでんだよ。ガキが出る幕じゃねえっつの」
 「オンナはすっこんでな。それ以上不細工なツラになりたくなきゃな!」
 ただでさえストレスの発散とカツアゲという実益をかねた、お楽しみの暴力
タイムを邪魔されて、彼らの不機嫌は頂点に達している。イジメ三人組は歩を
そろえて森乃のほうへと向かっていく。
 「あ、あ……」
 自分のせいで無関係の人間まで巻き添えにしてはならないと思ったのか、鼻
血を流してへたりこんでいた男子生徒が、やめてくれとすがるように三人組へ
手をのばす。無論、そんなことで止められるはずもないのだが。
 「おー、オレらに勝てるとでも思ってるワケ?」
 三人の中で一番背の高いヤツが完全に小バカにしきった態度で、身をかがめ
て視線を森乃と同じ位置に合わせる。これで怖がらせているつもりらしい。
 「思ってるぜ」
 森乃はせせら笑って、いきなり背負っていたランドセルで、高身長の五年生
の顔面を張り飛ばした。
 「グエッ!」
 潰れたカエルみたいな声をあげて鼻の頭をおさえる不良五年。
 「こ、このヤロウ!」
 予想外の奇襲に手加減無用と判断したのか、残る二人が両側から飛びかかっ
たが、すばやく森乃がしゃがんだせいで互いの顔をぶつけ合う結果となった。
森乃は相手が態勢を立て直す暇を与えず、懇親のボディブローを叩きこんだ。
 「てめーッ!!!」
 高身長が熊みたいに両腕をひろげて掴みかかろうとする。しかし、それより
高くジャンプした森乃は、スカートがめくれるのもかまわず右足をあげて、カ
カトを相手の脳天へと命中させていた。
 不良五年生が失神する寸前に見たのは森乃のスカートの中身だったが、そこ
は黒のスパッツで保護されており、期待するものを見ることは叶わなかった。

 この後、ボール状の物体でケンカをサーチしていた高校生が出てきます。
その男子高校生と武闘派女子小学生・水原森乃のラブコメみたいな話です。

586イラストで騙す予定の名無しさん:2004/11/13(土) 09:09
>>584

>ボール状の物体はまだでてこない。

最初の4行は削れ。

>ポケットに両手をつっこんだまま刃物

流れからして、いきなりカッターナイフを出すのかと思ったよ。
刃物のような目つき以外の比喩を使ってくれ。

>不良五年

五年間、不良をやっているように聞こえる。

587イラストで騙す予定の名無しさん:2004/11/13(土) 09:10
>>586の訂正

>ボール状の物体

まだでてこない。
最初の4行は削れ。

588119です:2004/11/13(土) 11:00
ご指摘ありがとうございます。
>最初の4行は削れ
ボールが出てくるところまできちんと書くべきでしたね。
>刃物のような比喩を使ってくれ
語彙にとぼしいもので、ありきたりの表現になりがちです。勉強します。
>五年間、不良をやってるように聞こえる。
言われてみれば確かに。不良五年生と書けばいいでしょうか。

589イラストで騙す予定の名無しさん:2004/11/13(土) 14:28
>>584-585
細かい部分を指摘しても始まらないので、全体的な批評でも

書きたいものをそのまま垂れ流しにして、読者に理解させる・感じさせる努力をしていないように思われる。
小学五年生という設定にしても完全に空回りしていて、どの描写・演出をとってもその年齢に不釣合い、
違和感しかあとに残らない。
まず少女の登場シーン。

 「ドスの効いた少女の声」「刃物のようにギラついた視線」「敵を威嚇するには効果十分な迫力」

この描写と「十歳という年齢の美少女」は、ミスマッチを通り越して完全に分離してしまっている。
おなじことは敵役の不良にも言えて、おそらく全体を通しての読者のイメージは

 「小学生のコスプレをした大人がなんかやってんな」

だろうと思う。
ミスマッチ=意外性なのだから、狙うのならば演出なりで工夫と努力を。
たとえば後半にいきなり登場するランドセルを、ちょっとした小物として利用するだけでも印象はかなり変わるはず。
初登場で、

 「そこには赤いランドセルを背負った少女が突っ立っていた。
  ほどよく整った顔立ちは愛らしく、目元の険を除けば美少女と称しても問題なかろう。
  140センチにも満たない小さな闖入者の姿は、不良たちの残虐心をふたたび呼び覚ました」

とにかく「ランドセル」によって小学生であることを印象付ける。
そこから「美少女」「小柄」などにつなぐことで弱者であることを描写。
いじめられていた少年の「やめてくれとすがる」行為にもはじめて意味が出る。よって、
「自分のせいで無関係の人間まで巻き添えにしてはならないと思ったのか〜」などとちまちま説明する必要はない。
説明せずに描写しましょう。
その後、

 「背負っていたランドセルで、いきなり相手の顔面を張り飛ばした」

とすれば、意外性を演出することができる(たぶん)。
あとはもう、好き勝手に大暴れすればよし。


稚拙だけど、あくまで一例です。
「読者」を意識していれば、こういった演出が自然と出てきていたはず。
まあ自分もこんなこと偉そうに言ってられる立場じゃないんだけどさ。

長文失礼。

590586:2004/11/13(土) 22:36
>>588
>ボールが出てくるところまできちんと書くべきでしたね。

ボールの描写は、ボールが出てきてからでいいんだよ。
森乃VSイジメっ子が終わってから、書け。

>不良五年生

イジメっ子A(10歳)ぐらいで十分だ。

591119です:2004/11/14(日) 16:30
>589
やはり、意外性が大事ですか。
先に「小学生」であることを強調したほうがいいんですね。
読者の存在を意識…自戒します。
>590
>ボールが出てきてからでいいんだよ。
こういう機械が存在する世界だと、まず印象づけたくて。
以下の流れを見ても早すぎるでしょうか。
>イジメっ子(10歳)ぐらいで十分だ。
それでいきます。ABCで。学年も六年に上げときます。

 「どうも……ありがとう」
 疾風のように現れた小さな救世主に、イジメ被害者の男子はお礼を言ったが、
森乃はそれには答えず、ポケットからティッシュを取り出すと放り投げた。
 男子生徒がそれを受け取って鼻血をふくと、これで出番は終わったとばかりに
武闘派少女は後も見ずに去ろうとする。
 その直後、
 「危ない!」
 という男子の声と同時に、石を握りしめた手が彼女の頭めがけて振り下ろされた。
 すんでのところでかわすと、倒したはずのいじめっ子ABCのうちBが、血走っ
た目に憎悪の炎を燃えたぎらせていた。
 「てめえ……ゼッタイ殺す!」
 他の二人は無様に転がっているが、こいつだけはKOするには至らなかったらし
い。目をさますや否や傍らに落ちていた石を拾って逆襲に出たのだ。
 (パンチの威力が甘かったな……)
 自分の打撃力不足を反省しつつ森乃は、今度こそ完全に眠らせてやろうと拳を構
えた。しかし、その必要はなかった。
 突然、空から落雷のような光線が降ってきて、不良六年生Bを直撃したのである。
 「ギャッ」
 と一声残して、Bは倒れ伏した。体からブスブスと黒い煙をあげて。

592119です:2004/11/14(日) 16:45
 いじめられていた男子生徒は、何が起こったのかさっぱりわからないという感じで
目を白黒させていたが、森乃には謎の光線の正体がすぐにわかった。
 上空を見上げると、思ったとおり金属性の目玉みたいな球体が浮かんでいた。光線
はその球体の瞳の部分から発射されたものだ。
 (あのヤロウ……余計なことしやがって)

 それから数分後、森乃は「霞ヶ浦」と表札のかかった家の前に立っていた。
 「コラァ! 群平! 出てこーい!」
 二階の窓にむかって叫ぶ。
 サッと窓が開いて、目にまぶしいグリーンの頭が飛び出した。
 「やあ、森乃ちゃん。なにか用?」
 十五〜六ぐらいの少年が、ニコニコしながら階下の森乃にたずねる。
 「とぼけんじゃねえ! あの変な目ン玉みたいなの、おまえんだろ!
ったく、あんな連中、オレ一人でも十分すぎるんだよ!」
 「あいや〜、バレてたかあ〜」
 少年は大げさに緑に染めた髪をかきまわす。
 「バレるに決まってんだろ! あんなワケわかんねーモン作るの、お
まえの他に誰がいるってんだよ!」
 「ゴメンねー、森乃ちゃんのことだから手助けするまでもないと思っ
たんだけどさあ。相手凶器もってたし、麻痺ビームの安全性も試したか
ったし……さっきの奴、死んでなかったよね?」
 そう言いながらもヘラヘラ笑っている。顔だけなら十人並以上なのに、
どこか緩んだ雰囲気と、染めた頭髪のせいで、必要以上に軽薄に見えてし
まうこの少年こそが、ボール型浮遊物体の製作者なのだ。
 彼の名は霞ヶ浦群平、水原森乃と同じ蛍学園に通う生徒で、高等部の一
年生である。

593590:2004/11/14(日) 20:05
>>591

>こういう機械が存在する世界だと、まず印象づけたくて。

機械が実際に役に立っている描写がなければ、
印象づけられないだろう?

小説の世界っていうのは、ちゃんと動かさなければ、
読者に印象を与えられないぞ。

最初の4行、>>592の先頭のところに持っていった方がいい。
目玉が役に立つところが出てきたところで、説明をまとめとけ。

594イラストで騙す予定の名無しさん:2004/11/14(日) 23:27
>>584
無難にまとまっているんと私は思いましたが。
少なくとも森乃は、設定や言動が特殊みたいだから、このままでもかまわないと思います。
ただ、10歳と小学5年生と書いてますが、小学4年生と5年生で、しかも4年生の女の子と5年生の男の子。
体格の差がそこまであるとは思えないんですよね。
3人組を中学生ぐらいにしたら、不自然さがなくなるんじゃないでしょうか?
今度は、小学生が中学生相手に勝つというのが不自然になるかもしれませんが。

金属の目玉については、これだけの短いセクションですから、これはこれでありかと思います。
ただ、4行の直後から日常が始まってしまうと、意識が切り替えにくいです。
ボール視点から森乃視点に変わりますしね。
その位置に入れたいのであれば、ここだけ独立しているというのがわかるようにしてはどうでしょうか。

>懇親のボディブロー
誤字でちょっと笑いました。

595119です:2004/11/15(月) 19:25
>593
うーん、悩むところです。
>594
前に指摘されたとおり、もう少し子供っぽさを強調する
ことにしたんですけどね。ただ森乃の外見に関する情報を、
どこまで最初の時点で書くべきか迷ってます。
確かに、強い少女であることを印象づけるのに、
相手が小学生3人では役不足かも…。
どれぐらいの相手が適当かは再考します。

596イラストで騙す予定の名無しさん:2004/11/16(火) 19:25
>>594
たしかに小学生ぐらいだと女子のほうが男子よりでかいことも多かったわな。

597こういう感じの文体って通用しますか?:2004/11/19(金) 01:15

牧野きさきがやって来たのは……
第二文芸部が文化祭を控えて緊張感漂う(第一)文芸部の部室を追い出され、
部室としての機能を果たしそうな部屋の占有を求め、和蘭人の如く彷徨した挙げ句に、化学部顧問の先駈から扇風機を一個渡され、「屋上に行ったら?」と言われたのが、まず始まりだった。
普段は鍵の掛かっている屋上のドアを、鉄の耳掻きとトゲ抜きを細く加工したモノでこじ開け、夏の強烈な日差しが怒り狂っている屋上の隅っこの、申し訳ない程度に影が出来ているスペースを陣取り、
「日陰でもケツが熱いぜ」と異口同音の愚痴を、ある人はもっと下品に、ある人はもっとエレガントに言い合うのも終わり
やっと文化祭の出し物についての話し合いを始めたその時だった。
『「元気良くていいね」で全て済むと思っているなら小学校に戻ってくれ』と担任に昨日、言われた彼女がついに屋上に現れた。
開口一番、「いや〜、バイト代が競馬で消えたよ」と言い放った彼女は、とりあえず、手に持っていたすり切れた競馬新聞をビリビリに破き、その紙片を白城の積乱雲と高湿高温高気圧の大気が競演する青空に、羽ばたかせるかのように解き放った。
怪我を癒した灰色の鳩が再び空に回帰するというイメージを脳内に抱いているのか、彼女の表情は非常に愁いを秘めていた。
そんな女優牧野な一面を見せると、今度は、彼女のお気に入りの安物のトートバックから英語の教科書を取り出して、それを屋上の中央に、頁を少し開いて立てた。
ヘリポートよろしくの異なる半径の同心円が幾重にも描かれている屋上の中央部の、さらに円の中心に立てたモノだから、黒魔術の儀式のように見えなくもなかった。
まぁ、このような奇行は彼女の得意分野であるから、別にいいと部員一同、無視を決め込んでいると、
一通りの作業を終えた彼女は部員達の輪に無理矢理に入ってきた。
屋上まで駆けてきて息切れしている彼女はとりあえず熱かった。
人間は百Wの電球と同量の熱を発すると言うが、余分に放出しているのでは感じた。
彼女の隣になってしまった僕と笹井真希は共にお前、暑苦しいよという表情を目一杯、顔に浮かべたが、彼女からの反応は無かった。
いつも通りの舌と脳が足りなさそうな口調で、部長代理の春日井優子が「とりあへず、何にしまそうか?」と切り出した。
第二文芸部全員(彼女と部長除く)は決まり合わせたかのように「映画を作ろう」と合唱した。
春日井は困った。困った、困ったという顔したが、最後には泣き顔になって「文芸部なのに、どうして」と部員達の提案を受け容れた。
出し物は映画製作で決まりそうだが、どのような映画を撮るのかで一悶着あるだろうと全員(これも彼女と部長を除く)が嘆息した瞬間、一陣の風が吹き、カタッと乾いた音が、陽炎で歪む屋上に響いた。
夏のありがたくない熱風が屋上の中心に居座っていた例の教科書を倒してしまっていた。
彼女は第二文芸部の輪からゆっくりと抜けて、教科書を拾った。
それは奇妙な拾い方だった。
彼女はまず腰をかがめ、膝を地面につけ、そのまま膝に教科書を大切そうに乗せ、両手で包み込むように抱きかかえた。
彼女はスカートの下に短パンだかをつけているので僕はなんも期待してなかった。
「誰か、誰か」という呟きが彼女の口から聞こえてきた。
彼女を教科書から目を離し、周りを見回してはじめた。
目当ての人物は見つからないのか、声はだんだんとか細くなり、涙声に漸近していった。
こちらに向けられた背中からは絶望と無力感が滲み出ていた。
「誰か……誰か、お願いします、助けて下さい……」
部員全員はいつのまにか立ち上がり、そのまま立ちつくしていた。
彼女は叫んだ。
「助けてください! 英語の単位が死にそうなんです、助けて下さい!」
その絶叫は背表紙はボロボロになり、表紙には変なイラストを落書きをされ、本文中のアルファベットの『O』にはマークシートのように真ん中を黒く塗りつぶされてしまった英語の教科書の断末魔のようにも聞こえた。
彼女のことはもうどうでもいいやという雰囲気で、フォーラムは再開された。
「主演は牧野ちゃんで良いわね」とさきほどの寸劇で目頭に涙を浮かべる部長代理はしんみりとそう言い放った。

598イラストで騙す予定の名無しさん:2004/11/19(金) 02:49
通用するかどうかはわからん。
ただ俺個人は三文目で息切れした。読むのがつらい。

599イラストで騙す予定の名無しさん:2004/11/19(金) 05:07
たしかになあ・・・。
四行目までが一文なんだよね?
出だしとしてはツライなぁ。

600イラストで騙す予定の名無しさん:2004/11/19(金) 18:25
なんか似たようなのどっかで読んだような気がする。
こういう感じのってことだから意図的なんだろうけど、やっぱ破綻してるんじゃないかな。
中盤にきてようやく「僕」の一人称とわかるけど、てことはこれは個人の思考なんだよね。
ふつう、こんな風に考える? ちょっと頭が逝っちゃってる人ならOKかもしれんけど(まあ
それ以前に三人称視点が混入してるけど)。

狙いたいんなら、句読点の打ち方とかもっと適切にやらないと。こういうのって、見た目と
実際が一致しちゃいかんと思うよ。読みにくそうだけど、読んでみたら不思議と読めるって
いうふうにならないと。

601イラストで騙す予定の名無しさん:2004/11/19(金) 21:38
俺なら読み飛ばすだろうな…。少なくともこの本を買うことはない。
あえて難解な単語を使ってるんだろうけど、読みづらいことこの上なかったし。
それと、少なくとも「」の前後に地の文がついているのは、減点対象になるんじゃないか?
下読み系とか投稿系のサイトでは、絶対それが書いてあるけど。

602イラストで騙す予定の名無しさん:2004/11/22(月) 16:54
ううむ、読みにくいなあ。
情報を詰め込みすぎなんだよ。一気に説明しておきたい気持ちはわかるけど、もっと動きで見せてほしい。
……ああ、聞きたいのは文体についてだっけ……まあ読みづらいっす。以上。

603イラストで騙す予定の名無しさん:2004/11/22(月) 22:47
えーと、ちょっと悩んでるんですが……。
ライトノベルってこういうものでしょうか? 批評お願いします。



 一日休んで登校すると、七飯みどりのクラスに異星人が転入していた──。

 桃山高校一年E組の教室に入るなり、みどりは思いっきり引いた。教室には、
子どものように小さな見知らぬ生徒がおり、あろうことかその頭からは触覚が
生えていたのだ。二本の触覚の先には、蛍光色の玉がついている。
 触覚なのかアンテナなのか、ともかくたちの悪いアクセサリーにしか見えな
い。それ以外は、身長が低いことをのぞけばどこがおかしいというわけでもな
い、どこにでもいそうな生徒である。問題は、なぜそんなものをつけているの
かということだった。
「あ、みーちゃん。転校生来たんだよ」
 わけのわからない生徒を見てたじろいでいるみどりに、クラスメートの蛍が
話しかけてくる。その言葉に反応して、転校生というその少年もみどりのほう
を見た。
「異星人なんだって」
 転校生を見たみどりの疑問に、蛍が簡潔に答える。アンテナ(触覚?)の理
由がその一言でかたづけられた。
「ヨロシク」
 異星人だというその転校生は、笑顔でみどりにあいさつした。なにからツッ
コめばいいか、みどりは真剣に悩んだ。
「僕、ホシ★ワタルといいマス」
 名前もつっこみどころ満載だー!とみどりは心の中で叫んだ。どうやってツッ
コむかさらに悩んでいると、転校生は調子に乗ってこんなことまで言い出した。
「ちなみに、ホシとワタルのあいだには『★』を入れてクダサイ」
「自分の星に帰れ!」
 マジメな顔でそんなことをぬかした転校生に、みどりはついにキレた。

604119です:2004/11/23(火) 15:40
面白い。もっと続きを読みたい。

605イラストで騙す予定の名無しさん:2004/11/23(火) 17:56
>>604
うはww自演だと思われそうwww
……まあ、投稿の予定などないんで、よろこんでもらえるならいくらでも。



「まあまあ。とりあえず、ホシ君が自己紹介してるんだから、みーちゃんも
ちゃんとしないと」
 蛍になだめられ、みどりは嫌々ながらも自己紹介した。
「……わたし、七飯」
「ナナエサン? ミーチャンというのは?」
「七飯は苗字よ。名前はみどり。どっちも名前っぽいのは蛍だって同じでしょ?」
 クラスメートの蛍も、香苗という苗字なのだ。
「ナナエ、ミドリ、カナエ、ええと、ケイ……」
 自称異星人がみどりたちの名前をくり返して、ずいぶん悩んでいるようだった。
「……なんか、四人分の名前を覚えなきゃいけないようで、損した気分デス」
「いま、宇宙人はバカだと判明したわね」
 容赦なくみどりは言った。
「そもそもなんで、宇宙人が日本の高校に転校してくるのよ!」
「色々あるみたいだよー、宇宙船の故障とかー、地球人の実態調査とかー」
「ソノトオリデス」
 蛍が答え、ホシ★ワタルがうなずく。どちらかというと、蛍の態度にあきれ
るみどりだった。
「あんた……信じてる?」
 みどりの質問に、蛍は不思議そうな顔をした。わかってない。
「どうしてコレが宇宙人だと信じれるか!」
「痛いデス、ミドリサン」
 みどりはホシ★ワタルのアンテナをつかんでひっぱっていた。
「だって、本人が異星人って言ってるんだよ?」
 ぜんぜん疑問にも思ってないような調子で蛍が答える。
「ソノトオリデス」
 さも「他の星から来ましたー」というような顔をするホシ★ワタル。
「あんたらねー……」
 会話にならない。

606603,605:2004/11/23(火) 18:18
それで、何を悩んでいるのかと言いますと。

これって元々、何を血迷ったのか4コママンガを書こうと思ったときに、
アイディアをメモするようなつもりで小説形式にしたものなんですよ。
で、そうやって自分で書いたものを見て、疑問がわきあがったわけです。
こういうのをライトノベルと言うんじゃないか? と。

自分は文学を極めたいなどという欲求はカケラも持っておらず、
自分の書いたもので楽しんでくれる人がたくさんいればいいな、とだけ
昔から思っていまして、それで誰でも読みやすいものを書こう、という
意味でライトノベルを志していたつもりなんですが、
ひょっとして「誰にでも読める」みたいなことを追求するなら
こんな文体が一番適しているのではないかと悩んでしまったわけで。

あと、実は自分じゃライトノベルとジャンル分けされている小説を
ほとんど読まないんですよね。(そこが大問題と言われては返す言葉も
ありませんが)
それで他の人の意見も聞いてみたいと思い、これをUPしてみたわけ
なんです。いかがなものでしょうか。

607イラストで騙す予定の名無しさん:2004/11/23(火) 22:43
>>603
ライトノベルっていうのはこういうものだろうか、というそれだけに回答するなら、
>>603の考えてる、書いてるものは十分ライトノベルに属すると思う。
とはいえ、投稿するつもりもないということだし、楽しむために書くならジャンルなんかどうでもいいと思うんだがな。

608603:2004/11/23(火) 22:52
>>607
あ、いや、投稿するつもりなんてもう有り有り(゚∀゚;)
ただ、投稿用に書いてるのは別にあって、
603に関しては元々アイディアメモくらいのつもりで書いたんだよね。

これが充分ライトノベルに属すると言われると、やはり少し考えてしまうな……。

609イラストで騙す予定の名無しさん:2004/11/24(水) 01:54
>>603
一言ライトノベルと言っても幅は広いよ。
ドクロちゃんから十二国記、腐女子向けのホモ本もある。
結局、手軽に読めて楽しめればライトノベルなんじゃない?
ライトノベルってものを、(小)中・高生を対象とする、
エンターテインメント性の高い小説と考えたら、
603だってラノベだろうし、読んでないからわからないけど、
今603が書いてるものもラノベにはいるかもしれないじゃん。
どっちかがラノベならどっちかはそうでないとは決まってないでしょ。

610603:2004/11/24(水) 04:13
おお、心強い意見。

てか十二国記もラノベに入るのか(゚∀゚;)
…うん、いま書いてるのもいけるような気がしてきた。ありがとう。

611イラストで騙す予定の名無しさん:2004/11/24(水) 16:41
ライトノベルを書こう、なんて肩に力いれんでもええじゃろー。読みやすくて面白い作品であればどこのレーベルでも採用するだろうしさー。出版社によってはジャンル違いの作品でもOK出したりする例もあるしなー。
大事なのはまず書くこと。完結させること。それが読みやすく面白いこと。ライトノベルかどうかは二の次だべさー。

612603:2004/11/25(木) 02:26
やっぱり読みやすくて面白いことですよね。
なんとかやってみます。

ちなみに、書いて完結させて、はけっこうやってきたんですよ。
もうそんな若くないんでね(゚∀゚;)

613119です:2004/11/30(火) 21:58
どうも自信なくて最初のほうに戻って書き直してます。

 森乃は玄関のドアを開け、霞ヶ浦家に上がりこんだ。
 「あら、森乃ちゃん、いらっしゃい」
 「邪魔するよ、おばさんッ!」
 ひょいと顔を出した群平の母親の真横を走りぬけ、乱暴な足取りでまっすぐに
二階の群平の部屋をめざす。
 「群ぺーっ!」
 力まかせにドアを蹴りあける。
 黒いシャツの上から灰色の半袖セーターを着た群平がそこで待っていた。腰か
けていたスチール製の椅子を回転させてこちらを向く。
 「森乃ちゃん、ようこそ……グホッ!」
 いきなりドロップキックを薄い胸板にくらい、かすかに肋骨がきしむ音をたてて、
群平は椅子ごと倒れた。
 「ゲホ……あんまりじゃないかあ……」
 「だまれヘンタイ野郎!」
 緑色の頭を踏んづけて、森乃は室内を見渡した。
 「しっかし、あいかわらず気味悪い部屋だな……」
 パソコンを置いた学習机、テーブル、ベッド、本棚と配置されているものを見る限
りは、ごく普通の部屋である。しかし、奇妙なガラクタをギッシリ詰めこんだ数個の
ダンボール箱の存在が、部屋の住人が普通ではないことを物語っていた。
 森乃にはどんな目的で作られたのか見当もつかない、まるで前衛彫刻を思わせる珍
妙な形の機器の数々、その中にはスパイボールの試作品らしいプラスチックの義眼み
たいな物も混じっている。それらはすべて霞ヶ浦群平が作りかけて途中でやめてしま
ったアイテムであった。
 森乃は、この発明家高校生とは、家が隣り同士ということもあって、物心ついた時
以来のつき合いである。
 「で、どんな映像があるんだ?」
 頭にのせていた足をどかして森乃は聞いた。
 「どんなって?」
 「さっきみたいなエロ映像がまだいくらでもあるって言ってたろ! あんな
目玉作って、おまえが何に使うかなんてわかりきってんだよ。また性能テスト
とか理屈つけて、オレん家でのぞきやってたんだろ?」
 「当たり……見たい?」
 「つーか見せろ! 内容次第で没収する!」
 それじゃあ、と群平が頭をさすりながら起き上がり、机の上のリモコンを手
に取った。それを操作すると、天井から白い垂れ幕が下りてきた。スクリーン
である。
 肩のあたりで静止しているスパイボールに、群平が何か指示をすると、人工
知能が主人の言わんとすることを即座に理解し、先日から水原家に潜入して撮
影した成果を写しはじめた。

614イラストで騙す予定の名無しさん:2004/12/03(金) 00:11
小学生の生活を盗撮する高校生の話とは、相変わらず己の性癖と自己投影を垂れ流した作品を書いてますね。

615イラストで騙す予定の名無しさん:2004/12/03(金) 00:50
>>614
己の性癖、事故投影であったとしても、もし他人が読んで面白ければそれでいいんじゃないの?
これが面白いのかどうかは、これしか書いてないとわかんないけどさ。
そこは否定する必要はないところだと思うけど。

で、119です はそれをここに書き込んで、どうしてほしいわけ?
613だけじゃ内容を判断できる文章量でもないし、
だからって前回のカキコとつながってるわけでもないし。
きっちり批評や感想がほしいなら、ある程度書き上げて、
判断できる材料にしてから投稿すべきだね。
部分部分を好きにあげられても、どうしようもない。

616イラストで騙す予定の名無しさん:2004/12/03(金) 05:02
> いきなりドロップキックを薄い胸板にくらい、かすかに肋骨がきしむ音をたてて、
>群平は椅子ごと倒れた。

森乃の視点で書き直せ(#`皿´)ノ☆ ビシッ!
ずっと森乃の視点で書いておいて、2行だけ郡平の視点で書いているぞ。

617119です:2004/12/03(金) 20:20
>614
もう、どうしたってそういう話しか書けないみたいです。
痴漢も覗きもしない主人公なんて優等生すぎて面白くないんです。
ていうか、こんなキャラが出てくる話なら読みたい、
と自分で思うものを書いているんです。
>615
文法的に変なところはないか、あまりにたどたどしくないか、
文中で何が行われているかちゃんと他人にわかるかお伺いしたいんです。
ちなみに思いついた場面場面を書いていってます。
それをどうにか繋がったストーリーにできないかと思案中です。
これもポルノもどきになりそうです。
オナニーをしようとするシーンを書いてしまったので。
>616
こういう指摘を求めてます。ありがとうございました。

618イラストで騙す予定の名無しさん:2004/12/03(金) 20:27
>痴漢も覗きもしない主人公なんて優等生すぎて面白くないんです
すまんがそれは犯罪者だ

619イラストで騙す予定の名無しさん:2004/12/03(金) 21:52
>>613
ストーリーの全体像の構想なしに場面場面を書いていくのはお勧めできないが、それでもあえて。
気になったことは、後半の森乃の行動が結構変。
>「だまれヘンタイ野郎!」
>緑色の頭を踏んづけて、森乃は室内を見渡した。
>「しっかし、あいかわらず気味悪い部屋だな……」
なぜ見渡す?
森乃が部屋に来たのは視察でもなければ部屋の掃除でもなく、盗撮の件なんでしょ?
だとしたら森乃が気になっているのは、群平自身か盗撮器具のどっちか。
わざわざ部屋を見渡す気にはならんと思うんだが。
ボールの位置が書いてないからよく分からんがボールを探そうとしてるなら
>「しっかし、あいかわらず気味悪い部屋だな……」
とわざわざ言う必要性はない。
初めて見たのならともかく、割と日常的に見てる(とは書いてないが俺はそう解釈した)のなら、
いちいちそんなことに感想を言わないはず。
ましてや、出会い頭にドロップキック食らわす程頭に血が上っているのに。
故に、部屋の描写もここに入れるべきではないね。
後の行動も怒ってる小五の女の子にしちゃひどく冷静というか優しいというか子供っぽくないというか。

もう一つ、これは俺の感性で気になったことで、客観的に見れば問題でもなんでもないかもしれないけど、
>パソコンを置いた学習机、テーブル、ベッド、本棚と配置されているものを見る限りは、ごく普通の部屋である。
>森乃は、この発明家高校生とは、家が隣り同士ということもあって、物心ついた時以来のつき合いである。
>スクリーンである。
「である」多すぎない?

620119です:2004/12/04(土) 21:52
>618
犯罪者ですか…こういう男が主役の話って、どこか受け入れてくれないかな。
>619
部屋の感想を言うのはわざとらしかったですね。
群平がどんな人物か印象づけるために部屋の描写をいれたのですが。
森乃の行動が子供っぽくない…本当に子供にイタズラして
反応を確かめるわけにもいかなくて困ってます。
まあ、この二人の間では「いつものこと」なんです。
「である」は二文続かなければいいんじゃないかと思うのですが、
気になる人は気になりますか。ありがとうございます。

621イラストで騙す予定の名無しさん:2004/12/05(日) 04:45
>>620
>犯罪者ですか…こういう男が主役の話って、どこか受け入れてくれないかな。
更正するとかならともかく、それをそのまま放置してたら、
どこも受け入れたりしないだろ。
常識で考えろよ。

622119です:2004/12/05(日) 19:26
>621
痴漢するだけの人じゃないとはおいおい書いていくつもりなんです。
一途に愛するが故に小学生を盗撮してしまうという…。
小学生側も「しょうがないなあ」と怒りつつ容認してるような。
やっぱり一般向けではないんでしょうか。

623イラストで騙す予定の名無しさん:2004/12/05(日) 23:50
一般向けとかそういう問題ではなく、もうちっとキャラクタ性から妄想を削ぎ落としてまろやかな味にしてくれ。
今のままだと久留米ラーメンみたいな感じでゲップがでるというか。

例えばばかほり作品の主人公も大概セクハラ風味だが、そこまで嫌悪感はない。
あれは「ちょっとえっち」という範疇のギャグに収まってるからな。
キミのはキャラクタはエロスに対する欲望がギトギトしすぎていて正直引く。
なんつーか、性犯罪者風というか作者の妄想が透けて見えるというか。

AV監督だって大多数の男を喜ばせるために撮るんであって、完全に自分『だけが』愉しみたい
極限まで狭い性癖を狙ったエロならそれこそ一人で書いて一人で読め。それならば誰もキミに文句は言わない。
だがキミはオナニーするためにコレを書いてるわけじゃないだろ?
他人に読んで欲しいからここに晒したりしてるんだろ?

まあてきとーに言ってるだけだから聞き流してくれても全然いいや。
……というかキミはなんというか、なんだ、スレていないぶん色々とズレてるな。これが若さか。
>やっぱり一般向けではないんでしょうか。
だから問題は一般向けとか18禁とかそういう問題ではなく(ry
とりあえず仮にキミが二次元ドリーム辺りでエロ小説だしても俺は絶対に読みたいとは思わない。

624イラストで騙す予定の名無しさん:2004/12/06(月) 01:20
>>622
一般向けかどうかという問いについては、完璧に一般向けをはずしていると答える。
これまでどれだけの人があんたの小説読んで、同じことを言ってきたと思ってんだ?

別にあんたが書きたいものを書くことは否定しないよ。
ただ、あんたがもし人に読んでもらいたいと思うなら、同人誌で出したほうがいい。
商業誌では出してもらえる確率は皆無に等しいだろう。ラノベかそうでないかにかかわらず。

なぜなら、あんたの書いてるそいつは、あんたが好きなものであり、あんた以外の読者が激しく限定されるからだ。
痴漢や覗きが世間的に受け入れられないってのは、いい加減これだけ否定され続ければわかるだろ?
あんたの書いてるのは、エロでもなんでもない。
あんた専用のずりネタだ。
ターゲットが限定され、売れないことがわかっている本を出版するような会社は、資本主義社会には存在しない。

それから、書きたいシーンを書いてるだけみたいだが、それじゃ実力つかないよ。
ある程度のまとまった量を書き上げて、推敲して、それからアップしな。
前から言われてるだろ、これ。
批評してもらうんだから、それぐらいするのが礼儀だ。

625624:2004/12/06(月) 01:26
脳内補完してた。訂正。
>ターゲットが限定され、売れないことがわかっている本を出版するような会社は、資本主義社会には存在しない。
ターゲットが限定され、売れないことがわかっている本を「廉価で」出版するような会社は、資本主義社会には存在しない。

学術書の刷られる数と値段の関係を見たらわかると思うが。

626119です:2004/12/06(月) 21:04
手厳しいご批評、つつしんで受け取ります。
ただ、ここは私の個人的なことを書く場所じゃないのは
承知で腑に落ちない点を。

>エロスに対する欲望がギトギトしすぎていて正直引く。
それを隠す意味でラノベ風味にしてるのですが成功してないということですね。
しかし、エロ小説読んでも、それほど作者は「自分」を隠していないような。
>スレてないぶん色々とズレてるな。これが若さか。
あんまり若くないんですけどね。スレてないのは体が弱いせいで、
家に閉じこもりっぱなしの生活だから世間知らずなだけでしょう。
普段は、寝てるか妄想にふけるぐらいしかすることなくて、
それを小説という形にまとめたいと思ったのです。
ラノベを呼んで思うのは、私の書く主人公がやりそうなことって、
他人の作品ではお調子者の友人とかがやることなんですね。
それで主人公は妙に生真面目というか常識人というか。
たとえば、ノックなしにドアを開けたら、女の子がお着替え中で、
「ご、ごめん!」とか言って閉めてしまう。
なんで、そんなに聖人君子なの?と思うのです。
>人に読んでもらいたいと思うなら、同人誌で出したほうがいい。
無理に出版してもらう必要もないのだから、その手もありますね。
盲点でした。気づかせてくださってありがとう。
自分で会場まで売りに行けるのかという難題もありますが。
>ある程度のまとまった量を書き上げて、推敲して、それからアップしな。
「まとまった量」だけなら、すでに中編一本ぐらいの量は書いてます。
ただ、頭に浮かんだ場面を書いていくだけなので、整合性はなくバラバラです。
推敲もいきなり書いたのをそのままアップしてるんじゃなくて、
あとから手直しを加えたものを出しています。
つまらないことを書き連ねて、余計に不愉快になったらご容赦を。

627イラストで騙す予定の名無しさん:2004/12/06(月) 21:25
ごめんスルーするつもりだったけど一言だけ突っ込ませて。

>「まとまった量」だけなら、すでに中編一本ぐらいの量は書いてます。
>ただ、頭に浮かんだ場面を書いていくだけなので、整合性はなくバラバラです。

>>624の言ってる「まとまった量」っつーのは単純な分量じゃなくて
電撃とかなら一章分のちゃんとシーンが繋がって、構成がしっかりしたと言う意味の
「まとまった量」だろ。

628624:2004/12/06(月) 23:38
>>626
長レス失礼。

あんたに、自分の感覚が世間とずれてるっていう自覚がない理由はわかった。
体が弱くて外に出られないっていうなら、ほかの小説や漫画読んだり、ドラマ見たりして、
それが普通なんだって理解するぐらいしかないだろうな。
でもだな、
>たとえば、ノックなしにドアを開けたら、女の子がお着替え中で、
>「ご、ごめん!」とか言って閉めてしまう。
>なんで、そんなに聖人君子なの?と思うのです。
それは、女は他人に着替えを見られれば怒るからだ。
いやがっているにもかかわらず男が眺め続けているなら、その男を軽蔑するからだ。
最悪110番に通報するかもしれない。
「ご、ごめん!」とか言って閉めてしまう、そうするのは、聖人君子だからでも何でもない。
それが社会一般の常識であり、法律に則った行為だからだ。
そもそも、年頃の女の子は家族でも男には裸なんぞ見せない(例外もまあなくはないが)。
あまつさえ、あんたの言うその女の子は家族じゃないんだろ? なおさらだ。

まとまった量については>>627の言うとおり。
書きたいシーン、好きなシーンを書いているときは、誰でも筆が乗るし楽しい。
書きたいわけではないけど必要なシーン、書くのがつらいシーンになると、とたんに筆が鈍る。
書いていて楽しい場面だけを書いていては話ができあがらないのは、
今そうやって小説を書いているんだからわかるだろ?
苦手なシーンや書くのが苦痛なシーンも全部書いて、話を書き上げてみろ。せめて1章だけでもな。
好きなことだけをしていては練習にならない。それでは、上達を望むのは厳しい。

あと、同人誌だが、即売会場で販売するだけが売り方ではない。
通信販売という手段がある。
さらに、最近はネットも普及してるんだから、自分でサイトを開いてそこに小説を載せるという手もある。
発表の手段はいくらだってあるから、もし作家としてデビューしたいというのでないのなら、
そういった手段を検討してみるのもいいんじゃないか。

629イラストで騙す予定の名無しさん:2004/12/07(火) 02:38
まあ着替えをのぞいてしまった場合、すぐ閉めるパターンだけでもないがな。
見とれてしまって、相手からものでも投げられてようやく気づき自己嫌悪に陥る、というのもあるだろう。
すぐに閉めた上で、妄想爆発させるやつもいるだろう。

なんにせよ、若い女の子なら、たとえ好きな男の子がのぞいたのだとしても、なあなあで許したりはしないと思うぞ。
女の子が、男の「のぞきをする性格」が好きって設定なら、そりゃもう恥女だw
いまのままだと、対応にリアリティがない。他人との関係を気にして行動してしまう「人間」という生き物の、リアリティがね。

630イラストで騙す予定の名無しさん:2004/12/07(火) 08:59
>>626

>主人公が妙に生真面目で常識人

その方が変化をつけやすいからだよ。

幼女の黒ビキニ以外には、
まるで植物人間のように無反応であることがウリって……、
そんな主人公、動かしようがない。

631イラストで騙す予定の名無しさん:2004/12/07(火) 09:23
「お約束のパターン」を外そうと心がけるのは別にいい。
問題はそのパターンを破った物が面白いか否かだ。

632イラストで騙す予定の名無しさん:2004/12/07(火) 19:59
佐藤ケイも、デビュー前には、
女湯を覗いた人智学者が主人公で、
自己の覗き趣味を正当化する弁明を行い、
裁判で無罪を勝ち取る文学作品を書いていたよ。

119の感覚を否定はしない。
でも、>>628の言うように、自分の感覚と世間の感覚と
ズレていることを自覚することは必要だろうね。

そのズレをうまく笑いに結びつけられることができれば、
マイナスがプラスに転じることもできるだろう。

633119です:2004/12/30(木) 21:23
>>592 【の続きです】
年も押し詰まってきたことですし、今年最後の書き込みです。

「どーにか生きてたみたいだぜ? って、ンなことどーでもいいんだよッ!
余計な手出しして、オレに恥かかせんなってコトだ!」
「恥かかすなって、こういうコト?」
 森乃が来るより一足速く戻ってきていたらしく、群平の掌にあの金属球体
があった。群平が球体に何かを囁くと、それに反応して球体の瞳から、さき
ほどの電撃とは異なる光線が照射され、森乃の背後にある住宅の壁に何かを
浮かびあがらせた。
 「こ、これは……ッ!」
 森乃の顔にサッと朱が走る。
 いじめっ子Aにカカトを決めて大股びらきになった瞬間、黒のスパッツに
覆われた森乃の股間が超拡大されて映っていた。中学生相手のケンカの様子
は逐一、眼球型の偵察用メカに監視され、撮影されていたのだ。
 「スパイボールにはスライド機能もあるんだよね。便利でしょ? ん〜、
よく撮れてる撮れてる♪」
 「よく撮れてるじゃねえ! 何考えてんだバカ! わ〜ッ、人が来る来る!
はやく消せ消せ〜ッ!」
 クラス一のケンカの実力と、粗っぽい言動のおかげで、学校では男女呼ば
わりされている森乃ではあったが、まだ若干の乙女心らしきものは残ってい
るとみえて、自分の股間を大写しにする壁の前で、あわててバタバタと手を
ふった。
 「消すのはいいんだどさあ。でも、僕の部屋には、このテの映像がまだい
くらでもあるよ?」
 「てめー許さねえ! そこ行くから待ってろ!」

634イラストで騙す予定の名無しさん:2004/12/31(金) 22:27
>>633
実況中継にしかなってない地の文章と、ドタバタにしかなってないセリフが味気無いわあ。
練れ。

635イラストで騙す予定の名無しさん:2004/12/31(金) 23:37
>>633
他人の意見を取り込むということのできない人間に、感想なんて書く気にもなれない。
直前までの書き込みを精読したのか、君は。

636イラストで騙す予定の名無しさん:2005/01/03(月) 00:35
結局、褒めて欲しいだけでしょこの人。
何か言われたらなんだかんだ言って反論するだけだし。

637119です:2005/01/03(月) 01:50
>634
難しいけどがんばります。
>635
取り入れてるじゃないですか。女の子怒ってるでしょ?
>636
じゃあ開き直らせてもらうけど、自分は相手してほしいんですよ。
学生時代の友達とは、もう環境が違いすぎてどんどん疎遠になっていく。
正月に家族が初詣に出かける時も体に差し支えるからと一人留守番。
自分にとってもう十五年以上も家(と病院)の中が全世界。
パソコンは親がそういう自分を憐れんで買ってくれたものです。
少しぐらいはサービスしてくれたって…そんな義理ない?
ああ、そうですね。

638イラストで騙す予定の名無しさん:2005/01/03(月) 15:14
>>637
うん、そんな義理ないね。何当たり前のこと言ってんの?
あんたの境遇なんて知ったことじゃないんだよ。ここはあんたのサイトじゃないんだから。
サービスしてほしいなら、自分のサイトを開いて、馴れ合えるオンラインの友人つくって、お互いにほめ合ってればいい。
少なくともここはそういう場ではない。

639119です:2005/01/03(月) 18:55
はい、反省しました。
これからはロリコンが肯定されていて、
女の子は性的におおらかという世界で書いていきたいと思います。

640イラストで騙す予定の名無しさん:2005/01/03(月) 20:36
こんな書き出しを考えています。
文章が読み易いかどうか、書き出しとして適当かどうか
(つるっと入っていけるか否か)、といった点を批評してください。

 奈美が祖母の家を訪れたのは一〇年ぶりのことだった。
門から玄関まで伸びる磨り減った石畳、滑りの悪い戸。屋内に入れば
客間の見事な欄間が目に入る。米糠で磨かれた板の間は黒く光り、
足を触れれば靴下越しに冷気が伝わる。鴨居を潜ると微かに香る井草の
匂いさえも記憶の中のそれと変わらないような気がした。
 ただ祖母だけが違った。
 頬の肉はたるみ、記憶の中では額に僅かにあっただけの皺が顔全体に
深く刻まれていた。髪も白くなり、少し薄くなっている。
何より、彼女は冷たくなっていた。畳みに敷かれた布団の上で
真白な死装束を着せられて。
 大嫌いだった祖母は死んでいた。

641イラストで騙す予定の名無しさん:2005/01/03(月) 21:30
つるっと入ってはいけるよ。
ただ、文章の硬さと描写がうまく釣り合ってない感じがする。

この硬さにこの描写では物足りない。
なんというか、実感がこもっていないというか。殊に、家屋の
描写のくだりについては、そのじつ説明文でしかない。
祖母の死を際立たせるためにも、奈美の祖母に対する感情を
ほのめかすためにも、溜めをつくるなり、感傷的な目で見るなり
したほうがいいような。
というのも、「大嫌いだった祖母」ってのはそれほどサプライズ
にもアイキャッチにもなっていないので、予測の範囲内なら定石
どおりにきっちり固めたほうがいいのではないかと。

642イラストで騙す予定の名無しさん:2005/01/04(火) 02:51
>>640
一般小説で見かけるなあという印象ではありますが、描写は悪くないと思います。
本当に頭なら、登場人物への読者の意識もニュートラルですから、私は淡々としているのもありだと思います。
ただ、祖母の描写はちょっと、何かが引っかかりました。
何がどうひっかかったのか、はっきりと言えなくて申し訳ないのですが、おそらく、
>ただ祖母だけが違った。
と強調されなくても、10年もたてば老け込んでいて当然という意識があったからかと思います。
亡くなっている描写も、強調してかかれるほどの内容ではないと思ってしまいました。
前半の家の描写に対して、一気に強調する語が増えているから、違和感を覚えたのかもしれません。

あと、特に意図がないのであれば、一〇は十がいいと思いますよ。

643イラストで騙す予定の名無しさん:2005/01/04(火) 08:45
>>640
いきなりの家の描写がうっとおしいので、先に祖母とのショッキングな出会いを演出して、後で落ち着いた頃に家の描写をした方がいい。

644640:2005/01/04(火) 18:11
>>641-643
皆さんありがとうございます。確かに、祖母関連は改善が必要ですね。

描写に関して、「説明文でしかない」と「悪くない」と相反する意見が
あります。わたし自身、描写と説明の違いが明確に整理できていません。
「彼は孤独だ」と書くのが説明で彼が孤独であることを描くのが描写と
どこかで見たことがあります。しかし、孤独であることを描写するために
、「友達がいない」、「手の平を見つめる癖がある」と書いたとして、
それらもまたそれ自身の説明だと思うのです。とすると描写と説明は
連鎖し続け、きりがなくなってしまいます。

「描写」と「説明」。みなさんはどう区別してますか?

645641:2005/01/04(火) 22:04
なんと言おうとわたしのは印象批評でしかないのですが……

説明文と書いたのは、「実感がこもっていない」というところに大きく関係しています。
「磨り減った石畳」、「滑りの悪い戸」とか、いかにもそれらしいけれど、もっと皮膚感覚
に訴えるような書き方ができると思います。古い石畳を歩くときの足の運び方、どうにも
かたくガタガタとうるさく鳴るガラスの引戸、玄関に入ったとたんに鼻に入ってくるその家
独特のにおい etc、そういった実感を得ることができなかったということです。
もちろん、いちいちやっているとしつこくなりすぎるので程度の問題ではありますが、
意図的に情景描写を冒頭にもってきたのであれば、もうすこし上手く印象づけたほうが
いいのではないかと。

あとひとつ大事なこと。641を書いたときにはライトノベルとしてはどうか、というのは考え
ていません。ラノベ文体(というのがあるかどうか、よくわかりませんが)ってのはラノベの
特徴のひとつであって、ラノベかどうかを峻別するものではないでしょうから。

描写と説明については、描写はイメージの喚起、説明は情報の提示と考えています。
たとえば「友達がいない」と書くのではなくて、友達がいないと知らしめるシーンを書く。
放課後いつもひとりで帰っているとか、陰口を叩く相手を一瞥し何も言わずにその場を去
るとか。同窓会の終わり、みんな二次会に繰り出すのにひとりだけ用事があると断り、
「君に告白しようと思ってたんだよ」と打ち明けた彼女がさよならと手を振るのに応えた後、
じっと手を見るとか(あ、これは癖じゃないか)。
それ自体はフィクションである世界を、いかにリアリティのあるものに見せるか、これは
描写にしかできないものだと思います。

646イラストで騙す予定の名無しさん:2005/01/04(火) 23:06
>>644

642です。

冒頭の文章については、641さんのおっしゃるように、においみたいなものでしょうかね、
そういうものが感じられないというのは、確かにあります。
私は、家にはさほど重要性がないからさらっと流しているのだろう、と判断したので、
これでもいいんじゃないかなと思いました。
ただ、私だったら、書く場所を一つ削るか何かして、歩くテンポで見える景色を書くと思います。
この文章は、何となく、通り過ぎてから景色を思い出している、そんなスピードに見えました。

描写と説明の定義についてですが、641さんの回答がしっくりきました。
私も情報と想像の喚起の違いだと思います。
それと、もう一つ私が思う描写というのは、
「視点の主(そのシーンの中心人物)の気持ちが文章から感じ取れるもの」
です。
あまり書くのが得意でないので、極端かつ陳腐で、なんだかなあと思う文章ですが(汗)。
1「彼女の髪は、赤い。」
2「彼女の髪は、地獄の炎の色をしている。」
3「彼女の髪は、紅玉石もかくやという輝きを放っている。」
1は、私が思うところの説明文、2と3が描写です。
髪の色が赤いのはどれも一緒、でも印象が違う(と思います…)。
1もありだと思います。効果的に使うことができます。とにかく「赤」を印象づける場合とか。
でも、1ばかりだと味気ないのではないかしらん。

私の感覚としては、情報プラスアルファの何かが読者に伝わるのが描写、という感じでしょうか。
においや雰囲気みたいな、その場の空気というようなものが。

647イラストで騙す予定の名無しさん:2005/01/06(木) 09:35
>>640

視点キャラが決まっているのならば、その心情を地の文にも反映させるべきだと
思う。
「見事な欄間」「微かに香る井草の匂い」といったプラスイメージの説明は、
奈美が祖母に対して抱いていたマイナスイメージにそぐわない。


削ったら、こんな感じ。

 奈美が祖母の家を訪れたのは一〇年ぶりのことだった。
門から玄関まで伸びる磨り減った石畳、滑りの悪い戸。屋内に入れば
米糠で磨かれた板の間は黒く光り、足を触れれば靴下越しに冷気が
伝わる。鴨居を潜ると湿った空気さえも記憶の中のそれとさして変わら
ない気がした。

648イラストで騙す予定の名無しさん:2005/01/07(金) 22:47
投稿予定の話の冒頭なんですが…
「おぉ?」と興味を惹けるか判断をお願いしたく。

「やあ」
 僕が本を片手に持ち替えて軽く手を上げると、小椋も無言で手を上げてみせる。
 私立英鐘女学院高等部正門前。バス停で本を読みながら授業終了を待っていた僕は、
もちろんそこの生徒じゃない。近所にある、おそらく偏差値が十以上は違うだろう
共学高校の生徒だ。
 本を閉じ、既に歩き始めていた小椋と並ぶ。特に何か会話をするわけでもなく、
ただ、僕達は放課後の時間をひたすら歩く事で消費していた。別に二人で一緒に
歩く必要はこれっぽっちもないけれど、僕は小椋を待つし、小椋もたまに僕を待つ。
 僕達は恋人とかそういう関係ではまったくない。つい二週間前に初対面を果たしたばかりで
今もまだその状態に近く、お互い何も話す事はしないでただ時間の浪費を共にしているだけ。
誰が見ても僕達を計ったり括ったりすることはできないだろう――それは確信だ。

 で、本当のところ僕達の関係が何なのかと言うと。
 殺人志願者と自殺志願者。
 彼女は前者で僕は後者。
 それは二週間前、晴天下の自殺未遂現場にて。

649イラストで騙す予定の名無しさん:2005/01/08(土) 00:20
>>648
まだ弄りようはあるけど、「興味を惹く」という最低限の要求は満たしていると思う。
いいんじゃないかい。

650イラストで騙す予定の名無しさん:2005/01/08(土) 01:43
>>648
ここまでだけで答えていいなら、私は少なくとも好みです。
引っ張りすぎずにネタを明かしてるし、タイミングもいいのではないでしょうか。

651648:2005/01/09(日) 02:48
ありがとうございます。最低限OKなら…。
いじりようあるとのことですが、宜しければご教授下さいませ。
とにかく掴みは大事なので、ここは特に力を入れたく。

652イラストで騙す予定の名無しさん:2005/01/09(日) 18:11
>>651
ん、ご教授ってほどのもんじゃなく、もうちょっと描写入れられるな、と思っただけ。
 
 短編ならまた別なんだけど、長編だと多分このシーンで最低4枚は要ると思う。
つまり、足りない。何が足りないかというと描写。
 648では、二人の関係を「僕」の独白という形で処理してるでしょ。まず、これが描写
にできる。二人が2週間前まで赤の他人であり、特殊な縁で知り合ったことを示すような
描写を入れる。他にも周囲の様子とか彼女の姿の描写とか。
 そこら辺の描写を一段落させ、そこで読者に「ん?」て思わせて、それからおもむろに
「僕達は恋人とかそういう関係では……」と持っていく。で、「本当のところ僕達の関係
は……」でショックを与えて、締める。
 そういう描写を省き、独白だけでストレートに進めているから短い。もうちょっと
増やせるはず。そういう意味で「弄れる」と書いたわけです。

 まあ、どこまで描写するかは個人の好みなんで一概には言えないけど、最初に
ショッキングな情報を与えて興味を持たせる、というのはどの作者もやっているはず。
好きな作者の本で探して、色々研究するといいかも〜。

653648:2005/01/09(日) 19:25
>>652
描写ですか…参考にさせていただきます。
70枚ちょいの短編なのですが、何か効果的な描写を
最低限の字数で入れてみようかと。
書き直しましたらまた投下する予定なので、
宜しければご意見お聞かせ下さればと思います。
ありがとうございました(ぺこり)

654イラストで騙す予定の名無しさん:2005/01/10(月) 02:09
小説の一部ではなくあらすじと各キャラ紹介なんですが、創作文芸スレで質問
したら長い物はここで貼れと言われたので貼らせていただきます。
三人のキャラの内でどれを主人公にすれば一番読み物として面白くなるか迷っているのです。
批評よろしくお願いします。
でも趣旨から外れすぎだということでしたらスルーには長すぎるかもしれませんが
スルーしてください。
※背景
・温暖化による海水上昇、それに付随する災害、環境汚染で、居住可能な土地が少なくなり限られた土地を海水その他諸々を防ぐ高い塀で囲ってその中に住む形態が主流になった時代。こういう囲いが世界中にありただ「街」と呼ばれる。
・滅び行く人類がかろうじて命をつなぎとめてるというわけではなく、人口こそ減ったものの閉鎖された空間に暮らすため通信技術が、狭い土地で効率よく食料その他の物資を生産するため生命科学(遺伝子操作が主)が発達しかえって現在よりも社会が繁栄している。
・街のシステムを作り今もそれを管理する企業があり、街の外はただの砂漠か汚染地帯か海水侵食されてる場所だから行かないようにと街の人間に触れ回り、ほとんどの人はそう信じているが実は街の外にはたくさんの人間が存在し、企業に対してのレジスタンスをそこここで組織している。
・それは街のシステムからはじき出された人々。ひょんなことから企業の裏の顔を知ってしまった者や使い捨てにされた者、不自然な手段で生み出された者。発展した生命科学を向けてはいけない方向に注いだ結果生み出された人間亜種。
・主流レジスタンスは二つ。一つは人間亜種(長命だったり葉緑体が組み込まれてたり再生能力強かったりほかにもいろいろ)が中心。もう一つは元は一般人だったものの持って生まれた異能で企業から注目され、それゆえはじき出された人々。だがもともとその能力を買われて企業に遺伝子操作陣と戦わせられた者がいるため(現在でもそういう者はいる)この二つは非常に仲が悪い。
・異能ってのがこの世界でまだ未知数な要素なのだが「何らかの手段で標識した物体に、何らかの変化を与える能力」というもの。たとえば右手で触った物体の分子運動をエネルギーを与えて温度を上昇させるとか、血を落とした物体の分子結合を壊す(=分解する。それが水でも酸素と水素に分解してから火種でもありゃ素敵なことに)とか。人間相手にやりゃ軽く殺せる力。
・この二つが取引したり騙しあったりしてる間でどの陣営にも属さない情報屋とか変装得意の隠密行動引き受ける擬態屋とか知識のみを求めるマッドサイエンティストとかも味付け程度に。最後に勝つのはどのレジスタンスだそれとも企業か!?

↑コレを一番うまく見せられると思うキャラはどれか意見をお願いします。いや全部出したらわけわからんようになるのはわかってますんで飽くまで面白そうに見せるってだけ。
どのキャラを主人公に据えたら一番読み物として面白くなるか、それって人の意見を聞かないとどうしてもよくわからないので・・・

655イラストで騙す予定の名無しさん:2005/01/10(月) 02:10
以下の選択肢の人物はすべて十代半ばです。

・一人目:プロフとプロット
女。外見年齢実年齢−5〜6位。左手で触れたものの分子運動を極限まで小さくする(=温度を下げる)異能の人だが管理企業に飼われるのを拒否し自ら街の外に出ようと試みる。
入れられてた施設を逃げ出すが無論大騒ぎで周囲に厳戒態勢がしかれ余計逃げにくくなる。だが騒ぎを大きくすることが彼女の目的でもあった。
企業の施設が破壊されたとき必ず現れるという武器の塊に、自分も含めた全てをぶち壊してもらうというために。
普通に暮らしていたのにそれは企業によって引き裂かれた。親とも兄弟とも離されて人殺しまでさせられた。
けれど企業に逆らうことは出来ない、そうあきらめていた矢先企業の施設の破壊が相次いで起こった。そこに現れたという化け物の噂を聞いた。
それが何かに火をつけた。
同時期街の警察が犯罪スレスレのことばっかやってる運送屋(〜を運んでくれという形の依頼なら何でもやる。愉快犯的行動多数。しかし妙に義賊っぽくもある)に仕事を依頼。たたけば埃が死ぬほど出そうな研究所があるのだが圧力がかかってて捜査できないので
民間の人間が動かぬ証拠をつかんで警察に持ってきて、しぶしぶ警察が調べた形にしたい。使いの警官は何であんな犯罪者にたのまなアカンのだとぶーたれるが相手は二つ返事で引き受ける。
不死と呼ばれるほどの戦歴を持つくせ外見はふつーのにーちゃんのリーダーと荒事をするには若すぎる助手三人(三人ともに十代)。
しかし彼らは驚異的な手腕で順調に地固めしていく。後一歩のところで研究所一部破壊のお知らせ。無論冒頭の女子がやったこと。
何事があったと運送屋研究所のある街へ急襲かける。
こいつらが無事証拠をつかめるのかとか冒頭の女子とか武器の塊の謎とか企業が臭いことばっかやってるのに圧力がかかって叩けない刑事たちの苦悩とか、そんなのが絡んでラストになだれ込む。

656二人目1/2:2005/01/10(月) 02:12
二人目:プロフとプロット
男。外見年齢実年齢+2〜3。遺伝子操作陣(仮称)所属。遺伝子操作で生まれた互換性100%(他人に臓器移植しても拒否反応が起きない仕様。逆も可)タイプ。
遺伝子操作陣は生まれのせいか自らの体を生物学が絡んだ範囲でいじることを嫌い、やろうと思えばいくらでも生身のものは作れるのに、体の欠落は使い捨てされた人間の技術を集大成して作った筋電義手で補うほどなのだが(まったく関係ないがここまで考えた後鋼と攻殻を知って凹んだ)、小さいころ異能との戦いの場で爆発に巻き込まれ、たまたま近くにいた実験好きのマッド(仮称)にバラバラの体を同じくバラバラだった他の人間(友達とか育ての親だった)とつなぎ合わされ生きながらえたため、企業と異能を憎む気持ちは並ではないのだが、ごく少数を除く周囲の者には白眼視されている。
何とか認められようと無理を言っていろいろな活動に参加し史上最年少で戦闘部隊に組み入れられるが、任務で街に入った際企業でも上層と見られる者に「貴様はm-134型!?」と自分のタイプとはちがう物と間違われる。
その場で殺してしまったのでそれ以上を聞く事が出来なかったが何かわだかまるものがある。独断でそのタイプがなにか、彼は調べ始めることにした。
自分と共通項があるという、最大の失敗作にして最高の傑作と言うそいつは誰なのか。このレジスタンスの創立に深くかかわっていたらしいのに、その時代を知るものはなぜそいつについて口を閉ざすのか。
それはm-134型もまた当時の周囲に憎まれるようなことをしたからなのか。
調べて調べて、ついにレジスタンスの創立者、現トップまでたどり着くが彼も口を開かなかった。

657二人目2/2:2005/01/10(月) 02:13
その後また大きな任務が来た。自然体験施設に見せかけた遺伝子操作の大きな研究をやっている施設を破壊すると言うものなのだが、その場に急襲をかけてみるとその研究者も実験体もすでに運び去られたあとで何も知らない民間人しかいなかった。武装集団にびびる無垢な人々を前に彼は思う。ひょっとしてこれは罠ではないか?ここにいるたくさんの人間が外に出たら自分たちはどう言われるだろう。武装した化け物たちがおそって来た―――。その一言に尽きる。ただでさえ情報操作のうまい企業はそれを最大限に利用して自分たちを攻撃するに違いない。
それを話すと上に理解してくれる人がいたので一斉に懐柔策に出た。幸いずいぶんなついてくれた十歳くらいの女の子がいてそれが相手の態度軟化に一役買ったらしい。目的はここの施設で、人を傷つける意図は一切ないと繰り返し説明するとある程度は納得してくれた。
しかし企業の策略はその上を行った。体験施設のどこかが壊れて鉄砲水が施設内に押し寄せてくるというのだ。これで人が死ねばそれを全て遺伝子操作陣(仮称)に被せるつもりなのだ。
必死で他の人間を逃げ出させるが間に合わない。お前も早く逃げろと先の少女の手をつかむが動こうとしない。彼女は逆に相手の腕をつかんで、企業と遺伝子操(ryについて街の外の人間でなければ知りえないことを確認するように聞く。どんなことがあったか知っていると言ってから、
「でもあの大きなシステムにつぶされて泣いてる人はほかにもいるの。家族と引き離されて、人質にとられて、つらくてもひどいことやらされるの。お願いそれだけは覚えてて。許してなんて言わないから」
それだけ言うと手を振り払って水が来るほうへ走って行ってしまった。追おうとするが仲間に阻止される。
半分も逃げ出せないままとうとう最後の時が来た、と思うが水は一向にこない。
彼は奥まで行ってみた。押し寄せた水は凍り付いてそれ以上進行できないようになっていた。
彼女はどこにもいなかった。
その後あった事全てをトップに報告すると、トップはしばらく黙っていたがなぜM-134が禁忌の名になっているかを話した。
当時すでに異能の人々へ遺伝子操作陣(仮称)は敵対感情を持っていたが身体の再生能力と丈夫さでよく対異能戦に駆り出されていたM-134は身近で彼らと接しほかのものとはまた別の感情を持ったらしい。彼らもまた自分たちと同じではないかといったのだ。
――泣きながら仕掛けてくる奴がいる。死に掛けながらながらむしゃぶりついてくる奴がいる。何で企業にそこまで尽くすのかと思っていたがこないだ死にかけた奴が言うのを聞いてやっと分かった。やらざるを得なかったんだ。そうしないと恋人だか子供だかが殺されるんだそうだ。
そしてもし降伏するなら彼らを仲間に引き入れてもいいのではないかとまで言ったのだという。
それでそれまでともに戦ってきたにもかかわらず現トップや他の仲間と対立し、やがて孤立し、その後軍まで引き入れて激しくなる一方だった戦いの中でついに死んだのだそうだ。
間違われたってことはひょっとしたらお前奴の生まれ変わりなのかなとトップは言う。違う、と少年は言う。生まれ変わりなんてないと思うけれど、もし似たような人間が何周期かで生まれるとするなら、それは多分、まったく違う相手の気持ちも思いやって、その上で行動した彼女が―――。

658イラストで騙す予定の名無しさん:2005/01/10(月) 02:14
・三人目:プロフとプロット
女。外見年齢=実年齢。肉体的・能力的・社会的にまったく普通。ただし十歳以前の記憶が部分的にしかない。
街の外の企業が作った神話を何の疑いもなく信じていたがあるときひょんな事から街の外に出てしまう。
その先が砂漠でも汚染地帯でも海でもなく、時には畑すらあるのどかなところであり彼女は面食らう。
何よりもそこにいた異様な人々。肌の色が青に近かったり手足がどう見ても無機質で作られていたりする、銃器その他で武装した異形の者たち。
殺気立った様子で言葉を交わしていたがそのうち彼女の姿を見つけて大騒ぎになる。
あいつは!あのときの!何でここに!殺せ!いや待て早まるな捕まえろ!
とんでもない言葉にびびりまくり必死で逃げるが、最後には異様に熱心な少年の活躍で訳も分からずとっ捕まってしまう。
遺伝子操作陣(仮称)たちは荒れに荒れる。あいつは間違いない、あの悪魔だ、いやそれにしてはあまりにも世間擦れしていないし第一反撃しないのがおかしい、でも顔はそっくりだぞ。
五年前遺伝子操作陣(仮称)に多大の被害をもたらした異能の子供と、彼女は瓜二つだったのだ。
とりあえず結論保留の間監禁されるが、別人派の者からいろいろ街の外について説明してもらう。企業はいろいろ悪いことをやっていて、この場所は生み出されたけど使い捨てられた者や街にいられなくなった者が集まって作った集落だと。既成の知識を全てひっくり返すような内容で、それはそれは驚きながら聞いていたのだが、そのうちはっとなる。所々しかない記憶と、なぜか合致するところがある!
どうして、まったくの一般人で、街の外に出るようなことは今まで一度もなかったはずなのに。
そのうち確実に人違いであることがわかり(過去のあれこれでさまざまな識別データがあったのだが、調べてみたら指紋が違った)少年にも謝罪されて和解して、誰にも何も言わないなら街へ戻してやるとまで言ってもらうが、その矢先まったくの一般人であるはずの彼女をなぜか管理企業は重武装で追ってきた。
手先は異能の人々と、援護する非正規の企業子飼いの軍。そのときようやく彼女は遺伝子操作陣(仮称)の武装の必要性を知る。攻撃ではなく防御のためだったのだ。
遺伝子操作された人間ががなぜ作られたか、異能の人々をなぜ企業は集めるか、その二つにかかかわる彼女の利用価値とは何か。
それは彼女の記憶の欠落と、同一視された異能の少女とをあわせて始めてわかるものらしい。
これらの謎を決着させて、全てを知った(というわけでもないが)彼女が街の外の住人になることを選んでエンド。

659イラストで騙す予定の名無しさん:2005/01/10(月) 03:29
 むー……まずどうでもいいことだが、整理して書いてくれ。内容理解するのに三度読み直した。小説もこの調子だったら、まず投げるぞ。
 それはともかく、どれが良さそうかという話ね。以下、私感です。

本命:三人目(いわくありげな街の少女)
 これを本命に推すのは、読者が一番「この世界」に入りやすい形だから。中の世界の人間が外の世界を見て、カルチャーショックを受けるわけだ。だから当然、彼女はその世界をつぶさに観察することになる。そうすることで、彼女の目を通じて世界を丁寧に示すことができる。これは利点。
 欠点としては、まず主人公が少女という点が読者の受け入れを妨げるかもしれない。外の世界あたりに少年を一人立て、少年少女を交互に出すという形が無難かな。また、少女が無力であるのも辛い。対策は同じ。

対抗:二人目(自分にまつわる謎を探る異能者)
 「謎を解きたい」という動機はキャラを動かしやすいし、また読者にとっても理解しやすい心情。ドラマの形も示されているし、ストーリー的には一番期待が持てる。
 鍵は、主人公の造形と世界の描写かな。それに自信があるなら、こちらでもいいかも。

大穴:一人目(自らを殺したいと願う異能者)
 世界観を呑み込んでしまえば悪い話ではないと思うんだけど、やはり一話目には向かないように思う。主人公の動機が後ろ向きなのは悲劇に仕立てればいいんだけど、その際、読者を置いてきぼりにする危険がある。悲劇の原因がその世界特有のものだから、まずそれを理解して貰えるかどうかがポイントになる予感。
 ただ、主人公を運送屋の方に切り替え、ハッピーエンドに落とすなら、これでもありかな。

 ざっと見て思ったのは、サイバーパンクの例えば古橋や「ウィザーズブレイン」のような世界観提示型のものを書きたいのかな、ということ。なら、正直ストーリーはどれでもいけると思うから、全部書いてみてその中から一番面白く仕上がったものを選ぶ手もあり。没稿も今後のストックになるしね。

 まあ、そんな所です。

660イラストで騙す予定の名無しさん:2005/01/10(月) 03:35
すまんが理解できなかった。
文章にせず箇条書きで纏める。
特有の名詞を使うなら、別の言葉に置換せず、貫き通す。
そのぐらいしてくれないと、これじゃ何もわからん。

これ、自分用に書いたメモそのまま貼ったんじゃない?

661イラストで騙す予定の名無しさん:2005/01/10(月) 11:31
ぶっちゃけ欲張りすぎだな。
背景が面白すぎる。

文庫本一冊の分量を前提にするのならば、
普通の男の子が、ネット上でやりとりをしている遠くの「街」の女の子に
会いに行くために旅をして、男の子の成長と変化を物差しにしながら、
驚異の世界をガイドする方向が、いいと思う。

662イラストで騙す予定の名無しさん:2005/01/10(月) 11:56
寝て起きて改めて見たらぐちゃぐちゃだ。お二方すみません。
しかし自分用のメモなんて張るわけないじゃないですか仮にも人様に見せるのに
自分用のなんて昨日打ってたら途中でパソコン様が昇天なすって消えたところだ!
・・・血涙で投稿用に構築しなおしたのが上です。読みやすいよう推敲しなおすべきところ
勢いで張ってしまい本当にすみません。

一人目はまさにその通り運送屋メインのハッピーエンドで落とすつもりでした。でも即予想されるようなオチなら
変えたほうがいいのかな。
あとメル友ネタはリバーズエンド見て自分にゃできないと思いました。どうすりゃいいんだ。

663創作文芸ラノベスレ151:2005/01/10(月) 20:31
>>654
約束したので感想を書く。

特に世界設定が複雑だとは、俺は思わなかったな。
アニメやゲーム、漫画に慣れた世代なら、違和感無く受け入れられると思う。
体制派(大企業)とアウトロー(レジスタンス)という対立の構図も定番。
そういう分かりやすさが、良いのか悪いのかは判断できないけど。

で、内容を読んだけど、本当に書きたいのは二人目なんじゃない?
一人目は二人目の話の派生っぽいし、三人目はまだネタが揃ってない感じ。

もしそうなら、二人目を基本にして、一人目の話を混ぜればいいんじゃないかな。
体制側の能力者か体制側の亜人間がいれば、バトル物の体裁も整うでしょ。

バトル物でなく、どうしても世界設定をテーマにしたいというのであれば、
三人目の話もアリかな。
ただ、このままだと長編小説として、エピソードが少ないと思われ。


ま、自分だったら、今、書きたい物を優先するかな。
全部書きたいのであれば、ネタが揃っている方を書く。
締切も近づいてきてるしね。

664658:2005/01/12(水) 19:25
>>663
わざわざ名乗ってくれてありがとう。
>一人目は二人目の話の派生っぽい
これ実は逆なんだ・・・。一人目に適当な男キャラをあてがおうと思って考えたらこんなんなった。
書き込みが長いのはむしろまとめ切れなくてそうなってしまった。
いろいろ考えたんだけど、バトルメインが苦しいからこそ世界設定に力を入れた感じなので、
三人目で「悪魔と瓜二つ」の特徴をもっと推して、レジスタンス側と主人公側と
交互に視点を変えて読者にだけ主人公と問題の人物が似てるってことが分かるようにして、
それで二つのレジスタンスに追っかけられる前半と、人違いが判明した直後企業が追っかけてくる中盤と、
追っかけられる理由が明かされて外の住人になると言う流れで、どたばた分を増してやってみようと思う。

批評と言うか質問で悪いんだけど、たとえばキャラ設定だけちらっと見たとして、読んでみたいと一番思われそう
なのは三人のうちでどれか教えてください。今後の参考にしたいので。

665創作文芸ラノベスレ151:2005/01/12(水) 21:58
>>664
動機が強い一人目かな。
他の二人の行動原理は、基本的に自分探しなので、
動機の面では弱い印象がある。

666イラストで騙す予定の名無しさん:2005/01/14(金) 18:27
以前萌王用に書いたものの冒頭を、試しに晒してみます。よろしければ批評お願いします。


 イクは、水から出ることの出来ない女の子である。
 彼女は僕が通学の途中に毎日渡る橋の下の川の中に棲んでいる。
 毎朝僕が川にやってくると、川面から首を出し、僕のほうに手を振ってくれる。トレードマークはツインテールの髪の毛。いつも水面下にある小さな体には、一見タンクトップとショートパンツのように見える、おしゃれなセパレートの水着を着ている。これはけーきがプレゼントしたものだという。
 なかなかかわいい子であると近所でも評判だが、いくらかわいくてもまだまだ子供、水着姿にも色気なんかあるわけが無い。正確な年齢は誰にもわからないが、おそらく十歳にも満たないんじゃないか?そうでなければ、なかなか発育が悪いほうになると思うが・・・。
 その日、僕とけーきは学校の帰りにイクのいる川に寄り道した。
 そろそろ夏本番といった風情で、川原には近所の子供達が何人も集まって川遊びに興じていた。そんな中に混じって、イクも楽しそうに泳いでいる。
 「イクー!!」
 けーきが呼ぶと、イクは僕たちのほうに気がついた。
 「あー、秋さーん、けーきー」
 イクは川の深いところから、ばしゃばしゃと見事なクロールで僕達のところへと泳いできた。確実に僕よりも泳ぎは上手いだろう。なにしろ、一年中水の中にいるのだから。
 「そーれっ!!」
 川岸の近くまで来ると、イクはいきなり僕達に向かって水をかけてきた。
 「うわっ、バカ、やめろって!!」
 不意打ちをくらって、僕の制服は少しだが濡れてしまった。イクはそんな反応を楽しむかのように、ツインテールをふりふりさせてはしゃいでいる。まったく、本当に子供なんだから・・・。大体、僕はともかく、けーきは女の子なのに。
 おそるおそるけーきのほうを見ると、水に濡れたスカートが足にぴたりと張り付いて、僕としてはちょっと気まずい状況になっている。

667イラストで騙す予定の名無しさん:2005/01/15(土) 04:37
>>666
「僕」と「けーき」の年齢や関係は、すぐに判らせたほうがいいかも。
あえて説明を遅らせているんなら、すまん。
あと、ツインテールは長さにもよるけど、水に濡れるとつぶれちゃうよな。
妄想度の高い髪形だから大した問題じゃないけど。

668イラストで騙す予定の名無しさん:2005/01/15(土) 16:46
ツインテールという髪型はないという噂がある。

669666:2005/01/15(土) 16:51
>>667
ツインテール・・・盲点でした。
僕とけーきの関係についてはこの後に入ります。今度は666の続きからその辺りまで晒してみます。



 「大丈夫か?」
 と一応声をかけてやると、
 「あーあ、上まで濡れちゃったわよ。でもね、今日は大丈夫なの。ほら」
 そう言うとけーきは、何をトチ狂ったのか、ベルトを外してスカートを脱ぎ始めた。
 「っておい!!」
 僕は度肝を抜かれて慌てたが、けーきはスカートの中に、学校指定のスクール水着を身に付けていた。
 「じゃーん!!今日は帰りにここで泳ごうと思ってたから、下に着てきたの」
 けーきは得意げにそう言いながら、上の制服も豪快に脱いで完全な水着姿になり、川の中へと入っていった。
 「・・・帰りはどうするつもりなんだろう・・・」
 脱ぎ去られたけーきの制服の横で、僕は一抹の疑問に苛まれる。
 けーきこと景城美奈子。苗字から「けーき」というニックネームで呼ばれているが、本人はやや不服らしい。目を引くのは黒いロングヘアー。僕とけーきはそれほど仲がいいわけではないが、他の男子生徒と女子生徒に比べれば少しは親しい間柄だと言える。        
 僕がここに転校してきてまもなくの四月、初めてイクと出会ったときに一緒にいたのが彼女だった。その日初めてイクの姿を目にした僕は、こんな季節にこんな朝早くから子供が川の中で遊んでいるのかと思い、気になって橋の脇から川原へと降りていった。イクは僕の姿を、泳ぎながら怪訝そうにちらちらと見ていた。しばらくして僕の後ろからやってきたけーきの姿を見るとイクは途端に笑顔になり、彼女に手を振った。
 僕は同級生だったけーきによってイクに紹介され、イクのことについていろいろと聞かされた。彼女は三年ほど前からこの川に棲むようになった、川から出ることの出来ない女の子なのだということ。なぜか何も食べなくても平気らしい。水から出ることは出来ないものの、夏場には近所の子供達が泳ぎに来るし、そんな子たちと一緒によく遊んでいるという。街の人たちにも好かれているらしい。が、誰も彼女がどこから来たのかは知らなかった。
 イクはけーきによくなついていた。今イクが来ている水着も、けーきのお下がりだ。
 「妹が欲しかったんだ」
 その時けーきは、そう言った。だからイクが来てからは、イクを妹代わりに思ってよく遊び相手になってやってるらしい。
 「おーい、秋さんもおいでよー!!」
 イクが呼んでいたけど、僕はけーきみたいに用意周到ではない。ついでに言えば、あんまり泳げないし。
 「俺はダメだよ」
 「うえー、泳いでけばいいのにー。つまんないのっ」

670イラストで騙す予定の名無しさん:2005/01/16(日) 00:21
>>668
噂っつーか、髪型の呼称というか用語として『ツインテール』という呼び方は存在しない筈。たぶん。

671最近になってこの板の存在知りました:2005/01/16(日) 14:18
電撃応募用に書いてる奴の冒頭です
よろしければ、批評お願いいたします


 百にも上る火呪が解き放たれ、戦の始まりを彩った。
 符より転じた火炎は術者の念に従い、地の束縛を切って飛ぶ。
 両軍より放たれた火球の群れが、赤く禍々しい大蛇となって放物線を描く。呂玄と慶蘭、対峙する二つの軍は喧嘩する双子のようにほぼ同規模、同陣形を敷いてこの戦いに臨んでいた。正面から対峙していたこともあり、放物線の軌跡は両軍の中央にて交わる。
 一時に火炎の密度が高まった。交差する火球の幾つかは互いに接触し、周囲の火呪を巻き込んで、天を焦がす火炎の大輪が咲いた。
 交差を終えた残りの火球は互いの敵を焼き尽くさんと落ちてゆく。今だ爆炎冷めやらぬ大輪を背に、炎の蛇は地を這うのろまな獲物を飲み込まんと大口を開けたかのようであった。
 飛来する火弾の雨を前に、呂玄軍より銅鑼が高く打ち鳴らされる。続く戦鼓の拍子の下、前面に配置されていた呪符兵の一隊が縦横に動く。
 大多数の兵が鋼の武具に身を包んでいるのに対し、彼等の装いはやや異質だった。緩みを持つ道服めいた衣の上に動きを阻害しない程度の皮鎧を纏い、幾多の色ででたらめに染められた旗を一本掲げた様はとても兵士とは見えない。複雑な文様の描かれた旗を振り、隊伍を組みあげてゆく様は祭りの演隊のようで、見るものによっては滑稽さを感じただろう。
 ただ良く見れば、彼等の動きは無秩序であるようでいて、その実、良く修練を積んだ者にしか不可能な統制を含んでいることが理解できる。無駄を省くならそこには手際が残るもの、迫り来る炎蛇に臆する様子さえ見せず、太鼓の拍子を七拍と数えぬ内に、兵士たちは疾く陣を練り上げた。
 陣が完成するやいなや再び銅鑼が鳴らされる。陣を構成する兵は気勢を上げ、腹に響く重い音の広がりと共に『網』が張り巡らされた。
 軍の前方を覆うように張られたその『網』は、水滴で編まれた水の網であった。静止する水滴は陽光と迫る炎を映してきらめき、戦の緊張に強張る兵士たちの目を射る。
 水網に火呪が到達し、接触した。幾重にも編まれた水網の内で炎蛇は暴れ、瀑布の落ちる滝壺をつらねたような爆音が響く。雲のような水蒸気が立ち上り、『網』と『蛇』の闘いを覆い隠した。
 一瞬の後、揺らめく蒸気を抜けて火球が落下する。水網と蒸気に熱を奪われて大きく勢力を減じながらも、蛇は網を喰い破ったのである。
 悲鳴が上がる。運の無い兵士が至近に着弾を受けて咽を枯らす。より不運に好まれた者は直撃を受け、うめき声一つ上げることなく異臭を放つ物体となって地に伏した。半端に焼かれた者たちが火を消そうと地面の上をのた打ち回る。それに砂をかけて消火を助ける者もいたが、大方の者は彼等の不運よりも自らの不運を思いやって、緊張を新たに己の得物を握り締めた。
 既に両軍の距離は、最初に火呪が放たれた時より半分程に縮小されていた。お互いの息遣いや鼓動が伝わってくるような錯覚。これから殺し合う相手の持つ鋼の色の禍々しさ。張り裂けんばかりの胸中を鷲掴みにする熱。決壊の気配を見せる堤防のように、両軍間の圧力は距離に比して高まっていた。

672 最近になってこの板の存在知りました:2005/01/16(日) 14:26
っと、すいません何を批評してもらいたいのか書くの忘れてました。

主に意見を伺いたいのは、文章的な面です(これだけじゃ、それぐらいしか評価できないとは思いますが)
当方、今までコメディタッチの軽い文章しか書いてこなかったもので
この手の煩雑な文章を上手く書けてるか自信が無く、ご意見承りたく思い参上した次第です

673イラストで騙す予定の名無しさん:2005/01/16(日) 17:10
>>671
すまんが背景(映像的なの)が浮かんでこねぇ。
それと単語一つ一つをパっと解読する事が出来んかも。いや、雰囲気としては良いんだが。
  _
(;゚∀゚)電撃だと微妙じゃね?

674イラストで騙す予定の名無しさん:2005/01/16(日) 22:05
>>666
うーん…今ひとつ萌えどころがわからないのですが。
水から出られない女の子っていうのは変わった設定でよさそうなのですが、
あげられてる分だけだと、その設定がどう活きているのかよくわからないし…。
水に濡れたけーきとか、もうちょっとエロく(笑)描写してくれたら嬉しかったかも。

>>671
この独自用語と漢字の多さは、単語で雰囲気を出そうという意図でしょうか。
逆効果になってしまっているような…ものすごく読みにくかったです。
言葉を理解しながら読むのに集中しないといけないから、上手く情景を想像できませんでした。
言ってることは情報としてはわかるんですけどね。

675イラストで騙す予定の名無しさん:2005/01/16(日) 22:19
>>671
本当に煩雑なだけの文章だ。
緻密かつ圧倒的な文章はもっと暗いうねりに満ちているもの。
無駄を省いて手際を残せ。
>>674
独自用語って水網と火呪くらいじゃん。
むしろ独自用語で雰囲気出そうというには全然足りないレベル。

676674:2005/01/16(日) 22:39
>>675
感想の詳細を語っても仕方ないのですが(^^;)

種類としては三種類(火呪・呪符兵・水網)ですね。炎蛇を入れれば四種類。
文章全体がこの長さですから、種類としては適度であると思います。
ただ、言葉が何度も登場するので、トータルの数が多い。
それに加えて漢字も多いので、
>この独自用語と漢字の多さは、単語で雰囲気を出そうという意図でしょうか。
という感想を抱いた次第です。

>>671
老婆心ながら、三国志(吉川版あたり)を読んでみると参考になるかもしれません。

677イラストで騙す予定の名無しさん:2005/01/16(日) 22:43
>>673-675
批評どうも

自分でも独り善がりな文章かなー、とは思ってたんですが
そのものずばりみたいですね

スキルアップしてる時間も今回はありませんし
元に戻して、一から書き直してみます

ありがとうございました

678666:2005/01/17(月) 19:45
>>674
どうもありがとうございます。
萌え不足ですか。もっと研究しないといけないですね。
イクが水から出られないのは、この後に続くメインストーリーの伏線です。確かにもっと早めに出したほうが良かったかもしれません。

最後に前の後に続く、イクの萌えシーンを晒してみます。


イクはほっぺたをむくむくと膨らませた。そこまで怒らなくても・・・。
 「イク、私が遊んであげるわよ」
 けーきが声をかけてもイクはまだしばらくむくれていたけど、けーきが後ろから抱きしめると機嫌もよくなったみたいで、
 「うんっ!!」
 と元気のいい笑顔になった。色々と妙なところもあるけど、こういう顔を見るとやっぱり普通の女の子なんだなと思う。
 けーきでも胸の辺りまで浸かるほどの深いところで、イクは小さな手で水鉄砲をやったりしてはしゃいでいる。水に潜ったり出たりするたびにツインテールが水を散らしながらぴょんぴょんするのが、見ていて楽しかった。けーきもけーきで、見ているこっちが恥ずかしくなるぐらいに、イク以上にはしゃいでいた。
 そんなけーきに親近感を覚えたのか、他の子供達も次第にけーきの周りに集まり始めた。面倒見のいいけーきは、そんな子供たちとも遊んであげている。水をかけられたり、背中にしがみつかれたり、水着を引っ張られそうになったり。うーん、子供に好かれる人は大変だなあ・・・などと思っていると、
 「秋さん、秋さん」
 いつの間にかイクが僕の足元近くにいた。水深が浅くなっているので、水の外に出られないイクは川底に這いつくばって、サンショウウオみたいな格好になっている。それで僕が吹き出すと、
 「もー、秋さんってばあ!!」
 イクはちょっと身に詰まったような声を上げた。様子から察するに、結構真剣な話を聞いて欲しいような感じだった。
 「ごめんごめん。どうかした?」
 「うん。あのね、あの、あの・・・」
 イクはちょっと後ろを振り返り、
 「内緒の話なんだけど、聞いてくれる?」
 と、不安そうな顔で僕を見上げた。
 「何だ?」
 僕はイクのほうに顔を近づけた。
 「私、いつもは川の中から出られないんだけど、満月の夜だけは違うの。満月が出てる夜の間だけは、地球の重力が減るから、私も水の外に出られるんだよ」
 「え、そうなのか?」
 そんなことは初耳だった。けーきや他の人からも一度も聞いたこと無かったし・・・。でも、イク自身がそう言っているなら、たぶん嘘ではないのだろう。
 「おどろいた?これはね、まだ誰にも言ってないの。秋さんだけだよ」
 イクはどこか得意げにそう言って、にっこりと笑う。うーん、そんな重要なこと、昔から仲良くしてるけーきには教えなくていいのかな?
 「ね、それでお願いなんだけど・・・次の満月の夜に、私と一緒に遊んでくれない?」
 「それって、いつだ?」
 「四日後だよ」
 じゃあ、次の火曜日か。ま、そんなことならお安い御用だ。
 「いいよ。一緒に遊びに行こう」
 僕がそう言うと、イクは大喜びするかと思ったのに、意外なことに、なぜか驚いたような顔をして僕をじっと見上げた。
 「・・・本当?本当に、来てくれるの?」
 「ああ。本当だって。約束するよ」
 ひょっとして、僕ってあんまり信用ないんだろうか・・・と心配していると、イクは今度は照れくさいような顔をして、頬のあたりを真っ赤に染めた。
 「やった」
 イクは小さな声でそう言うと、僕の右手首を掴んで体を引き寄せ、耳元に囁いた。
 「秋さん、大好き」

679イラストで騙す予定の名無しさん:2005/01/17(月) 20:26
>>678
何故か知らぬがイクに萌えられない。
ここで好きって単語使うのは止めて欲しかった(;´Д`)
まだアゲられてる分だからなんとも言えんけど、どういうキッカケから好意を持って、そこから
如何に感情を発展させて行くか、ってのは語れないんかね?
どうも軽く見えて仕方ない。
それとも恋愛感情とはまた別、って事か?
とりあえず4日後の満月の夜に期待。

それと、秋㌧の「いいよ。一緒に遊びに行こう」ってとこでイクが疑うのが微妙に不自然かも。
満潮にだけ出られる、っていう話を信じるかどうかの所で疑うと思ったんだが。
俺なら両方とも疑って、最後に>>僕ってあんまり信用ないんだろうか・・・を入れると思う。
ものっそい細かい個人指定スマヌナorz

680イラストで騙す予定の名無しさん:2005/01/18(火) 00:47
>>678
ん〜…何となく萌えポインツが見えない理由がわかったような。
イクとかけーきとか、ここがかわいいんだぜ!ってところが書かれてないんですよ。
容姿についての描写は、ツインテールの幼い女の子で、セパレートの水着を着ている女の子っていうぐらいですよね。
そのほかも、別に目立ってかわいい動きをしているわけでもなく、台詞も普通です。
どこら辺が萌えどころのつもりで書いていたのか、伝わってこないです。
伝わってっていうか、ほんとにわからん…。

設定については、満月云々で使い道はわかりました。
ただ、>>679も書いていますが、そのあとの流れがちょっと不自然かと。

681666:2005/01/18(火) 19:56
>>679
>>680
どうもありがとうございます。
自分では気付かない欠点がボロボロ出てきますね・・・
イクが秋に好意を抱いた理由ですが・・・すいません、この後にも何も出てきませんor2
確かに安直に過ぎたかもしれません。

萌え描写も不足ということですね。当時の自分ではこれが精一杯でしたor2
けーきはこの後イクに水着のお尻を引っ張られたり、通学路を水着姿で帰る羽目になったりするんですが。

どうやら自分は萌えを描くにはまだまだ未熟ということのようで、今後精進を重ねて行きたいと思います。本当にありがとうございました。

682666:2005/01/18(火) 20:00
最後に、イクが水から出られない理由、満月の夜に秋を誘った理由ですが、
↓こんなんです。先の場面から大分あと、秋とイクが夜の町でしばらく遊んで、イクが秋にキスをしたあとのシーンです。


「さ、そろそろ行こうか、秋さん!!」
「行くって、どこへなんだよ?」
「えー、だってさー・・・」
イクは僕の右手を、小さな両手で包み込むように握ってから、いたずらっぽく笑って言った。

「こんな水の底にいつまでもじっとしてたって、どうしようもないでしょう?」

そしてイクは僕の手を引きながら、ふわり、と、夜空に浮かび上がっていった。


僕の体は、夜空に浮いている。その僕の右手を、イクがやさしく握っている。下を見下ろせば、山裾に広がる家々の光が・・・僕達の町が、足元に見える。イクの顔を見ると、やさしく笑って僕を見つめている。もう虫の声は聞こえない。
「あ・・・泣いてる」
イクが、下を見下ろして言った。
「え、誰が?」
「ふふふ、ないしょ」
イクは舌を出した。もう山すらも小さくなっている。僕達は、一体どこまで昇っていくのだろう?
イクは僕の手を握っていた両手のうち右手を離した。僕はイクとは細い一本の腕だけで繋がれることになり、少し不安になった。イクはそんな僕の心を読み取ったのか、
「大丈夫だよ、私に任せておいて」
と得意げに言った。
もう空気もだいぶ薄くなってきているはずだと思うのだが、少しも寒さは感じなかった。僕とイクの体はどこまでも昇っていき、止まりそうにもない。このまま、宇宙にでも行ってしまうのだろうか?そしたら、息が出来なくなるんじゃないのか?でも、昇っている途中、呼吸はまったく普通にすることが出来た。これはひょっとして、イクにもらったキスの効果だろうか。
「なあイク、これから、どこにいくんだ?」
ようやく、僕はイクに話しかけることが出来た。
「いいところだよ。きっと秋さんも気に入ってくれるよ」
イクは鳥のように両手を広げて、星空の中を天使のように舞っていた。その様子は幻想的でやもすれば儚げであったものの、一緒に夜道を歩いていた時のような頼りなさは微塵も感じなかった。こんな信じられないような体験をしながらも、僕は、イクが隣にいてくれたおかげであまり不安は感じなかった。
イクは、川の中よりもずっとかわいかった。


僕とイクは月にやってきた。
僕達は地球の大気圏を抜けて宇宙空間にまで到達し、そして僕達の頭上でどんどん大きくなっていったクレーターだらけの灰色の球体、月に着陸した。
と言っても上手く文字通りに着陸できたのはイクだけで、僕の方はというと生まれて初めて体を襲った慣れない感触に戸惑い、しりもちをついてしまった。
「あーあー、だめだなー秋さんは」
イクは僕を指差して、呆れたように笑った。そのイクは、月の地面に、しっかりと両足で支えなしで立っていた。

683イラストで騙す予定の名無しさん:2005/01/18(火) 23:57
>>682
「最後」が続きますね(笑)。

イクは月のウサギだったということなんでしょうか。
これ、萌王じゃなくて普通の短編に仕上げた方かと思いました。
せっかく綺麗な話なのに。

空を飛んでから月に着陸するところは、もう少し書いてほしかったです。
あと、「かわいかった」って書いてしまうと、想像の余地がなくなってしまうのではないですかね。

684666:2005/01/20(木) 23:23
>>683
色々とご指摘ありがとうございます。
確かに今考えてみると、枚数の少ない萌王より短編向きに書いたほうがよかったかもしれません。
そもそも自分は萌えを十分理解していなかったようですし。

皆さんに頂いたご指摘を顧みて、もっと読者の側に立った描写を意識して次回の萌王に臨みたいと思います。

685119です:2005/01/22(土) 11:13
冬の朝のさわやかさを表現したくなりました。伝わるでしょうか。

 「じゃあ、行ってくるよ」
 望は自転車の荷台に、豆腐をつめたブリキ缶をのせると、サドルに腰かけ、
ペダルを踏み、朝の冷たい空気の中へと飛び出していった。
 いつも手入れのいきとどいている自転車は、毎朝主人を乗せての仕事がうれ
しくてたまらないようで、風をうけて回る車輪が、朝日にキラキラと輝き、道
路に影絵のような軌跡を残す。
 一気に坂道を滑り下りて、ガードレールにぶつかるギリギリのところでカー
ブを曲がると、そこに小さな竜巻が起こり、すれちがう人は自転車の少年を、
つむじ風か何かのように錯覚するのだ。この素晴らしいスピードは豆腐売りに
しか出せないものである。牛乳配達とも新聞配達とも違う。朝飯の用意をはじ
めた、まな板で葱を刻む音と、味噌の香りのする下町へやって来る、白く四角
い幸福の販売人。
 望は合図に自転車のベルを鳴らし、腰に紐で結びつけたラッパを吹き鳴らす。
 「豆腐だよーっ!」
 すると、あちこちの家々の戸が開いて、顔なじみの奥さんたちが顔を出し、
鍋を片手に、ぞろぞろと望のまわりに集まってくる。
 「おはよう、お豆腐屋さん。今日はいいとこ持ってきてくれた?」
 「うん」
 と、望はそっけなく答えて、おかみさんたちが差し出す鍋に、ブリキ缶から
豆腐を手づかみで取り出し、ひょいひょい放り込むように入れていく。素人目
にはずいぶん乱暴に扱っているように見えるが、そうでない証拠に、鍋の中に
投げ入れられた豆腐は少しも崩れていない。
 「ひとつ二百円」
 おかみさんたちも慣れたもので、自転車のカゴにすえつけた木箱に百円玉を
ふたつ落としていく。二十個あった豆腐は全部売れた。一度だって売れ残った
ことはない。
 木箱の金はちょうど四千円あるのを確かめてから、望は自転車にまたがり、
その場を後にしようとすると、客の一人に呼び止められた。
 「ちょっと! 待って望ちゃん」
 それは他のおくさん連中よりふたまわりは若い、髪の長い女性だった。
 酒屋の長女の保美さんである。望のことは小学校にあがる前から知っている。

686イラストで騙す予定の名無しさん:2005/01/23(日) 01:02
>>685
情報は伝わってくるのですが、情報止まりで、映像になりませんでした。
伝わっているかどうかということについて回答するなら、伝わりませんでしたということですね。
書いてある文章が、説明であって、描写になっていないからだと思います。
イメージを殺さないような書き方にしてみてはどうでしょうか(具体的にどうだとはいえませんが)。

687イラストで騙す予定の名無しさん:2005/01/24(月) 00:01
>>685
冬の朝のさわやかさは感じませんね。
自転車と豆腐屋の描写ばかりだから。
主人公の近辺や忙しさは見えるが、遠景や気温に伴う描写にも気を配らないと。

688イラストで騙す予定の名無しさん:2005/01/24(月) 08:27
>>685

豆腐を載せたまま、そんなに速く走ったら
ウリモノの豆腐がぐちゃぐちゃになるよと思う。

689119です:2005/01/24(月) 09:37
ご指導ありがとうございます。

>686
よく言われることですが、やはり説明を脱していませんか…。
どうすれば描写になるのかよくわからないのです。
自分の場合、小説作法の本なんか読んで、
これが「描写」だというような例文とかを読んでも、
頭の中で映像にならないことがあります。
脳に問題でもあるのでしょうか。
>687
たしかに自転車と豆腐についてしか書いてませんね。
冬の冷気の中を突っ切るイメージを描きたかったのですが、
ポイントをはずしていました。
>688
これも言われて初めてそうだなと思いました。
あれだけ速く走ったのに豆腐は崩れていない、
とでも付け加えたほうがよかったでしょうか。

690イラストで騙す予定の名無しさん:2005/01/25(火) 00:17
とりあえずわかることだけ書きますが、たとえば
>朝の冷たい空気の中へと
これ、説明です。
これ、望が冷たいと感じてる文章じゃないですよね。
作者が、今空気は冷たいんですよって書いてるだけですよね。
「冷たい」では感覚になりません。
「冷たい」を感じている主人公を書く、「冷たい」を読者に感じさせる、それが描写だと思います。
あと、冬の冷気の中を突っ切るイメージを書きたかったということですが、
そのことに言及しているのはここしかないように見受けられます。
これではイメージは伝わらないのでは?

691イラストで騙す予定の名無しさん:2005/01/25(火) 16:22
地球とは別の惑星。
その星に二つある大陸
といっても、実際のところ大陸は一つと言ってもいい。
片方の大陸は、もう片方の大きな大陸の北東に、ぷかりと浮かんだ小さな陸地。
赤道から離れているため、四角い地図だと大きく見えるが、楕円を使った面積が正しく表される地図だと、大陸というより島といった印象だ。
自然、名称などというものはその印象で変わってしまうもので、世間では大きな大陸は大大陸、小さな大陸は小大陸と言われている。
だが、七年前の戦争で、その小大陸を修めているステインが、大大陸の連合軍を倒してしまった。
きっかけは海洋中のメタンハイドレートの埋蔵地の土地所有権についての諍いだった。
国家間で取り決められた立ち入り禁止海域に、たまたま入ってしまった連合加盟国の調査船を、たまたま勝手に示威行動をしに入ったステインの巡視船が、沈めてしまったという。
よくある戦争の理由づけだ。
だがそれが通じるのは戦勝国の場合のみであって、戦敗国がそんな言い訳をして通る道理はない。

戦勝の理由としては、
ステイン独自の技術によって量産された、歩兵用の気化爆弾
安価で、かつ高確率で当たるミサイル迎撃システムを、すでに実用段階にしていた事
初めて船舶の砲に大口径のレールガンを仕込んで、海戦で常勝を誇った事などがある
だが相手は大大陸の半分以上を占める連合国家、それらの技術をいくら上手く活用したと言っても、限界はある。
裏側で戦勝に大いに貢献したという、ハッキング。
それは気まぐれな一人の女性によってもたらされたと言われる。
それと並び、暗殺屋。
連合軍幹部が死んだ施設の幾つかで、監視カメラが光学迷彩特有の歪みを捉えていた。

692イラストで騙す予定の名無しさん:2005/01/25(火) 18:26
>>691
プロットのようには見えんので本編冒頭か。
似たようなの見ても思うんだが、初っ端から世界観説明するのやめとけ。
ラノベ用なら尚更だ…ってかコレ何用なんだ?

693イラストで騙す予定の名無しさん:2005/01/26(水) 20:10:45
>>689
冬の朝の風の中を自転車でつっぱしりたければ、

★ 自転車通学の学生
★ これ以上に遅刻すると必要な単位がピンチかも

↑のような設定にしとけ。

694イラストで騙す予定の名無しさん:2005/01/30(日) 20:45:51
何となく。(状況描写と心理描写が混ざって解りにくいよと言われる)漏れならこんな風に書くかも。
---
 「じゃあ、行ってくるよ」
 望は自転車の荷台に豆腐を詰めたブリキ缶を載せ、サドルについた霜を手で払った。それに跨り、――缶の中の豆腐が崩れないように――ゆっくりと、持ち上げられた後輪のスタンドから下ろす。軍手に着いた霜の膜を払い落とし、機関車の様に湯気をはき出しながら、ゆっくりと漕ぎ始めた。
 キィ、キィ、と一定間隔で耳に届く自転車の声。まるで歓喜の声を上げているかの様だ、というのは整備している者の惚気だろうか。冬特有のキンと響く空気の中、道路にはダイアモンドダストの様な光の瞬きが現れては消え、自転車は誰もいない道を加速する。
---
元々持ってるいいテンポを崩さないように気を配ってみたら崩れるという言い見本だけど。('A`)
状況描写が少々ウザいのは自覚してるんだけど、余り削ると自分でもよくわからなくなるるるるるるるるるるるるるる



…偉そうなこと言いつつ多分自分のがヘタレだ、ご安心めされよ!

695119です:2005/01/30(日) 22:59:35
>690
「冷たい」と感じる主人公を書くことが描写ですか、なるほど…。
>693
主人公は中学生で、朝にひと仕事終えた後、学校に向かうんですが、
最初の段階で年齢とかにも触れておくべきですかね。
でも、例として示してくれてもののほうがわかりやすいかも。
>694
いえ、こういう視点もあるなあと、新たに気づかせられました。
むしろ、そっちのほうが「冷たさ」に関する具体的な描写があります。

問題はこの後、どう話を膨らませていくかだなあ。
皆様、ご教授ありがとうございます。

696イラストで騙す予定の名無しさん:2005/01/31(月) 01:56:51
今書いてる長編の冒頭を曝します。
他人に読んでもらったこと無いんでかなり独り善がりな文になったかも。

 月輪は天を抜いて青白く、今宵は夜陰の勢威も人心を覆うに至らぬと見える。
時は慶応二年春未き、春草挙って萌す夜半の山麓に、一人童子の姿が在った。
親より受けた名は称(たたえ)。物心付いて直ぐ母を亡くし、今は父と二人、この地に樹果を狩って暮す。
既に亥の下刻である。幼子は皆夢を結ぶ刻限とて、称も一度空寝をしてから抜け出してきた。
故在っての奇行ではない。単なる子供の酔狂だ。当て所無くさすらうと、遂には一本の桜の前に辿り着いた。
今だ五分咲きのままである。
「桜がお好きなのですか」
 突然の声だった。顧みた背に女が一人。年の頃二十歳ばかりで、風貌は子供の目にも美しい。
見知った顔である。
 女は、名を薄緋(うすあけ)と言う。称の父に仕える家来――のようなものらしい。委細は知らぬ。
父が教えないからだ。
不思議な娘だった。
称はこの女を、今を引いて二度しか目にした事が無い。
一度は今日日と同じく、夜中に床を抜け出したときの事だった。
薄緋が言うに、心配した父に命じられて称を連れ戻しに来たのだとか。名はその時聞いた。
二度目は、母を埋葬した時の事である。初め薄緋は手伝いに来たのだと思った。
墓穴の掘削というのはそれなりの重作業であるから。
あの細腕に鍬は重かろうと称は案じたのだが、杞憂だった。薄緋は穴など掘らなかった。
鍬を振る父をじっと見詰める称の傍らで、彼女も同じ光景をただ眺めているだけだった。
広がる墓穴、寡黙な父、埋もれてゆく亡骸。
称の肩には白い手がそっと置かれていた。薄緋が何の為に居たのか、称には未だに判らない――。

697イラストで騙す予定の名無しさん:2005/01/31(月) 01:58:23
先程から一尺の間を後ろに控え、女は身動ぎ一つしない。
場に満ちた奇妙な沈黙に耐え兼ねて、称はとうとう口を開いた。
「別に……桜は、好きじゃない」
 そのぎこちない口調が可笑しかったのか、薄緋は小さく笑う。
「好きでもない物を、わざわざ夜中に眺めに来る事もありますまいに」
「花見に来たんじゃあないよ」
「では何をしにいらしたので」
 理由など無かったものが、ふと今になって思いついた。
「母様(かかさま)は桜が好きだったから、枝の一本でもお供えしようかと思って……薄緋?」
 薄緋が哀しげな微笑を浮かべた。確か母様を埋めた時もこんな顔をしていたな、と称は思う。
母の死は薄緋にとって悲しい事なのだろうか。
母が生きていた日の事を、言い換えるなら死につつあった日々の事を、称は今でも覚えている。
褥の上に横たわった母は、一昼夜に十年を老いていった。
髪は抜け落ち、骨は秀で、日毎醜くなる母が遂に目覚めなくなった時、父は悲しむよりまず安堵していた。
死因は判らない。
しかし、母は老いで、老いがもたらす衰弱ではなく老いそのもので死んだのだと、称はそう考えている。
その日の内に母は埋められた。父の作業を眺めていたら、気付かぬ内に薄緋が居た。
ふと振り返った一瞬に目が合った。その時見たのがこの表情だ。何が哀しいのか称には判らなかった。
今もそうだ。
薄緋の顔にはまたいつもの、柔らかな笑みが戻りつつあった。
「枝に手は届きますか? 何なら私が」
「いいよ。そこまでしなくても」
「私の手間などは気になさらないで下さい」
「満開になってないから止めたんだ」
「満開ではなくとも喜ばれると思いますよ」
 薄緋はそう言うと、称の傍らを離れて桜の幹に歩み寄った。手を伸ばす。
掴まれた枝はよく撓って、薄緋の頭まで垂れ下がった。

698イラストで騙す予定の名無しさん:2005/01/31(月) 01:59:14
「咲き切らない桜というのも美しいものです。でも――やはり満開の方が人には喜ばれるのでしょうね」
 薄緋は、何を拘っているのだろう。自分からしてみれば今し方の思い付きに過ぎぬものを。
称はそう思わずにいられない。桜に何か思い入れでもあるのだろうか。
「薄緋も桜が好きなの?」
 答えは返らなかった。
 静寂が二人を囲んだ。
 天空に満ち満ちて絶える事なく思われた月の光も、いつしか羊雲に隔てられて寸刻途絶えた。
夜の帳が何もかもを抱いた。
ただ、在るか無いかの雲間から漏れる僅かな輝線が、射干玉の闇の中、幽かに白いものを照らし出した。
桜の花である。
「称様。この桜」
薄緋が口を開いた。
「私が咲かせて見せましょうか」
「何だって」
 何を言っているのだ、この人は。
膨れ上がった暗がりの所為だろうか。
不意に、称には目の前の女が自分の見知らぬ、全くの他人のように思えてきた。
闇の中、輪郭すらつかめないその陰が、己が隣に添うていた薄緋と同一だとは思えない。
寒気が称の身を握り締めた。
「称様は先程、この花が好きか、とお尋ねになりましたね」
風の音さえ聞こえない。
薄緋の声だけが夜気を震わせる。
聞き覚えは確かにある声。
「お答えします」
 青月を厳しく包んだ雲も、やがて立ち退き始めた。
闇は過ぎ去って行った。再び現われた光景は、しかし安堵をもたらす事無く、ただ驚愕のみを称に与えた。

「私は桜が、嫌いです」

 月光の中浮び上がる花弁の群れ。
 五分咲きだった桜が、満開になっている。
それどころか、その美を存分に誇示した花弁たちは次の瞬間早々と、先を争うように散ってゆくではないか。
春風薫る山の裾野、称の視線の先で、薄緋は一人、満開の桜の傍に佇んでいる。その真上――
十六夜の月を抱く春宵の空高く、風に舞う薄紅色の斑雪は、人肌に触れて溶けもしない。

699696:2005/01/31(月) 02:04:21
以上です。批評して欲しいのは空気が書けてるか、
あと主語を結構省いているので意味が伝わっているかどうか。

700イラストで騙す予定の名無しさん:2005/01/31(月) 06:08:03
>>696
> 女は、名を薄緋(うすあけ)と言う。称の父に仕える家来――のようなものらしい。委細は知らぬ。
から>>697-698の「私は桜が、嫌いです」までが別作品みたいな雰囲気になってる気がする。
そこをうまくできたら、独特の雰囲気が出ていいと思う。


んで意味は伝わってるから大丈夫。

批評初ワナビ歴半年の戯言でした。

701696:2005/01/31(月) 23:28:52
レスどうもです。
>別作品みたいな雰囲気
自分では全然気付いてなかった……これは前半と中盤以降でやや文体が異なるせい、でしょうか?
自分としては中島敦みたいな文体で京極夏彦みたいな雰囲気を出そう、
とか考えてたのですが、結果、文にまとまりが無くなったのかも。

やはり他者の視点というのは重要ですね。皆様どうか引き続きご指南下さいまし。

702イラストで騙す予定の名無しさん:2005/02/01(火) 00:12:10
これラノベですか?
時代物を間違ってここにあげられたのかと思ってしまいました。

意味がとれないところはないようですが、登場人物の顔が浮かびませんでした。
それから、私は読めましたけど、ラノベ読者はルビないとよめないでしょうね。
漢字が多いと、ルビがあっても敬遠されがちですよ。
これ、手で書いてからワープロに起こしたのでしょうか。
ワープロの変換機能に頼って書いてませんか?

あと、結構段落替えのあとの一字あけがされてない場所が多いです。
それは気をつけた方がいいかと。

703702:2005/02/01(火) 00:15:49
あー、アンカー付け忘れた…。
>>702>>696宛です。

704696:2005/02/02(水) 23:04:29
702さん。批評どうもです。

>これラノベですか?
ラノベです。そのわりには地味な冒頭でしょうか。
ただ、どうすれば『派手』になるのかが判らないのです。
派手ならいいと言うものでもないのでしょうが。

>登場人物の顔が浮かびませんでした
書いてる時に勝手に脳内補完してました。
指摘されなかったら全然気付いてなかったと思います。

>漢字
確かに変換機能に頼ってます。
設定が明治初期の伝奇物なので雰囲気を出そうと思ったのですが、
止めた方がいいですかね? 他の批評者さんの意見が聞きたいところです。

>一字空け
書く時はちゃんとしてるのですが、投稿する際に長すぎる文を切ったりしてるうち、
めちゃくちゃになってしまいました。気を付けます。

705イラストで騙す予定の名無しさん:2005/02/03(木) 00:29:12
>>704
私見ですが。
派手である必要はないと思いますよ。独特の雰囲気を出すのはいいことだし。
ただ、山場がないというか。つらーっと話が進んで、「桜が嫌いです」。
…で?という感じで終わってしまうので、その当たりを気にしてみてはどうかと思いました。
それよりも、文体があまりに硬いので、これ本当にラノベか?と思った次第です。

漢字について。
手軽に、気安く読んで楽しめる、それがライトノベルの骨子だと思うのです。
陰陽ノ京なんかもあるし、一概にはいえないのですが、それでも、
「こぞって」なんていうのはひらがなでいいと思いますし、
ぬばたまって、そもそもあまり見ない言葉ですよね。
わからない言葉、読めない言葉が出てきたら、普通は読み飛ばしちゃうと思いますよ。

706イラストで騙す予定の名無しさん:2005/02/03(木) 00:47:21
>>>これラノベですか?
>>ラノベです。
いやいやいや、こんな文章と内容読む子供いないって。ラノベじゃないよ。
とりあえず話合いばかりで動きが無いのはラノベとしては退屈する。
主人公がどんな人かよく分からないので読者としては感情移入出来ない。
入り易さを意識しないと駄目でしょう。

707イラストで騙す予定の名無しさん:2005/02/03(木) 22:39:16
いやでもある程度本好きな層には受け入れられる気がするな。
ていうか俺が読みたい。

708イラストで騙す予定の名無しさん:2005/02/03(木) 23:57:22
ラノベ読者の中で「ある程度本好きな層」が占める割合って、そんなに高くないと思うのね。
それを、商売でやってる出版社が認めるか?っていうと、やっぱり認めづらいじゃん。
実際ああいう文章のラノベって、希少じゃね?

709イラストで騙す予定の名無しさん:2005/02/04(金) 00:56:06
所詮、資本主義国では利益の出ない出版物は認められんさ。
希少ってだけでは売れないだろうしな

710696:2005/02/04(金) 21:10:35
昨日は来れませんでしたが、皆さんレスありがとうございます。
>>705
>…で?という感じ
作者の頭の中では後に続くストーリーがフラッシュバックして
素晴らしい余韻を残す冒頭!みたいな感じになってるのですが
やはり読者には全然伝わってないのでしょうね。
ここで批評してもらうことで、自分がいかに読者を置き去りに
していたか思い知らされます。
漢字についてもルビがあるからいいか、とか考えてましたし。

>>706
>主人公がどんな人かよく分からない
最近ラノベをあまり読んでなかったので感覚を取戻そうかと
二三冊読んでみて愕然としました。
主人公に限らず大抵のキャラが、出てきた瞬間読者がその人物像を
つかめるように出来ているではありませんか。
……つーかそんな基本的なことにも気付いてなかったのかよ、私は……
ラノベ書き失格ですな

>>707
そう言ってもらえる人が一人でもいるだけで励みになります。

>>708
>>709
私としては、ラノベを卒業しそうなんだけど、やっぱりまだ
ラノベ的要素のあるものを読みたい、
という思いのある読者層を狙っていて、
C・NOVELSファンタジアあたりに送ろうかと思っていました。
今の段階では独り善がりの部分が強すぎて読者層を考える以前の問題でしょうが。
あと、こういう文体の作品があるなら参考にしたいのでぜひ教えて欲しいです。

711イラストで騙す予定の名無しさん:2005/02/07(月) 01:29:57
書いているSFの冒頭1場面を晒してみます。
後を読みたくなる文章かどうか、食いつきが心配ですので。
送る賞はまだ決めていません。

――――――――――――――――――――――――――――
 意思の介在しない現象ほど、人の定めた壁を無視できるものはない。道理が通用するのは人に対してのみで、物理現象は国境を渡る鳥のように、貴賎も上下も善悪も貫いてしまうのだ。生じた結果の差は、運で片付けられてしまう。
 そしていまも、人の運を試す現象が起こる。
 少女の世界が赤く染まった。
(え?)
 オープンカーの正面で生じた閃光は、赤から青そして白へと移ろった。太陽を直視するに等しかったから、高貴な少女の目は瞬時にやられていた。浮遊車の後部座席で目をつむり、彼女は混乱した。
(なに?)
 少女はレフォーレ星系第二惑星の入植一〇周年を祝う式典に、主賓の一翼として招かれていたはずだった。新型の惑星緑化技術によって開拓された新天地は、最大の街といえどもビルと呼べるレベルのものは一棟もなく、建物の大半は平屋の一軒家だ。道路は式典に合わせて清掃はされていたものの、周囲の畑から飛んでくる土ぼこりをすべて除くのは無理で、うすく汚れていた。郊外には有機栽培の畑が地平まで広がり、自動機械が作業に当たっている。暦は初夏であったが、第二惑星の首都があるその地域はちょうど秋で、実りの時季だった。都会に疲れた人が憧れる田舎の風景だ。
 式典の最後にあたるパレードは、快晴の陽気を受け、のんびりと進んでいた。余裕を持ったまばらな車列は全長五〇〇メートルほどで、前列に少女の長兄が、真ん中に主賓の母が、後列に少女がいた。

712711:2005/02/07(月) 01:30:44
 道端では入植者たちが、パレードを見物していた。シアム王家の紋章である風吹く丘が、手旗に揺れる。星の人口はわずか一〇万人で、少女の侍女長サリィの情報によると、うち四万人ほどが見に来てくれていた。パレードの要所を追う報道陣が目立つほど、少女にとって観衆は少なかった。より大規模なものをいくらでも経験し、場慣れしていたからだ。そのような呑気な雰囲気の中でいきなり発生した、眩しい火の玉だった。
 見えなくなる寸前の青い輝きが、少女を不安にさせていた。それは彼女の学んだ軍事知識の断片から、遺伝子を集中的に破壊するある兵器を浮かばせたからだ。
「ミーアさま!」
 若い女性の声がして、閃光から少女を守るように抱いてきた。隣の席にいた侍女長のサリィだった。
 サリィが動いた直後には、記念パレードを先導する行進曲の演奏も、旗振る民衆の歓声も、自然肥料の臭いを運ぶ風の音も、すべてが消えた。耳から脳に届いた爆音はほんの一瞬だけである。だがその一瞬はあまりにも巨大で、ミーアの経験したことがない、気が狂いそうな暴力的音響と、痺れだった。
 光ってから音が届くまで、二秒もなかった。さらに爆風が届くまでも、たいした差はなかった。視覚と聴覚を奪われたミーアを支配したのは、衝撃と熱波であった。全身を脳天からつま先まで抜ける震えと熱さに、そして痛みである。どれほどの体感ゲームも遠く及ばない、慈悲の欠片も存在し得ないリアルだった。守っていたはずの、サリィの感触は熱風と共に消えていた。

713711:2005/02/07(月) 01:31:05
 ミーアにとってこれは悪夢でしかなかった。貴い身分ゆえこれまで特別扱いを受け、躾でも叩かれたことさえなかった。だが、現象には通用しない。物理は誰にも平等であり、無差別で絶対なのだ。暴力は激しく、真顔で耐えられるものではなかった。痛さでミーアは悲鳴をあげていた。しかし自身の声も耳に届かない。鼓膜が破れているからだ。
 悪夢はさらに地獄へ進化した。激痛がミーアを貫いたのである。全身にまんべんなく痛打の津波が寄せ、脳髄にまで達して思考が停止した。衝撃で浮遊車から弾かれた、身長一三ニセンチしかない軽い体が、ニ〇メートル以上飛ばされた末に硬い舗装路に打ち据えられたのだ。肺の空気の大半が吐き出されるほどであった。涙がたちまち溢れるのを感じた。地に落ちた後も、あらたな痛みの元がミーアを囲んでいた。その燃える空気を、うかつにも吸ってしまった。縮んだ肺が空気を求め、本能で呼吸してしまったからだ。喉と肺に熱波を呼び込んだことで、死ぬような火傷の痛みが内側から襲ってきた。
 ミーアの幼い意思はこの仕打ちに耐え切れなくて、気を失った。ようやく地獄から開放されたのである――

714711:2005/02/07(月) 01:35:33
・炸裂したのは中性子爆弾です(敵対国によるテロ)。
・ミーア(姫さん)は助かりますが、母親と王太子が死にます。
・ミーアは主人公です。

715イラストで騙す予定の名無しさん:2005/02/07(月) 21:14:12
>>714
冒頭2行目で読む気が失せたが頑張ってみた。


ネーミングでまた失せた('A`)
ところで、オープンカーってのは主人公が乗ってんだよな?
仮にも一翼ならそんな無防備な物に乗らないぞ。
後、中性子爆弾は遺伝子破壊を主に置いちゃいない。主人公微妙な軍事知識だな。
アレは生物殺傷のための水素爆弾だ。
んで全部読むとなんとなーく展開予想できてしまうな…いや、コレは伏線として取っておこう

716無名人:2005/02/07(月) 23:08:11
久しぶりのカキコになります。いつかのゾンビ映画オタクでございます。
ディズニーランド上空を通り過ぎるヘリ部隊を見上げるゾンビの群れから
先をUP致しますので、批評の方、よろしくお願いいたします。

参考スレ
>>244

 交差する二つの剣の上に日章旗と星条旗が描かれた濃緑色の猛禽たち。
 AH−64アパッチ攻撃ヘリ五機と、UH−60ブラックホークヘリ六機の
計十一機は、新木場を右に臨みながら、有明方面へ向かっていた。
 ブラックホークのドアは総て開け放たれ、機内には迷彩服を着込み、自衛隊
と米軍双方の武器を装備した兵士達でひしめいているのがはっきりと見えた。
 三〜四人を除いて、あと全員十代後半の少年・少女達で占められている。
 彼ら初年兵達は、同じグループ同士で固まって話をしたり、武器のチェック
を念入りに行ったりしていた。

 十八歳になったばかりの山本宏樹は、武器のチェックも仲間同士の話の環にも
加わらず、一人壁にもたれて機外を食い入るように見つめていた。
眼下に流れる荒廃した街、路上に次々と現れるおびただしい数のゾンビを凝視
する目には殺気が満ち、M−16ライフルを抱える手は力が入りすぎて震えて
いた。
「大丈夫か?」
 宏樹の真正面で同じ様に座って乾パンを食べていた三十代半ばの男、酒巻直哉
が轟音の中、大声で話し掛けてきた。
「え!? は、はいっ!!」
「怖いのか?」
「いいえ! そうじゃないんです。 ただ…」
 宏樹はそこまで言いかけると、苦痛に耐えるかのように顔をゆがめた。
 その様子に直哉も先を促さなかった。
「ただ…。やつらが憎いだけです」
 暫くして、宏樹はそれだけを吐き出すように言った。
「そうか…」
 直哉の呟きはヘリの轟音にかき消され、宏樹の耳には届かなかった。
「やつらへの復讐を望むなら、まずは生き延びる事を考えろ。俺たちの後ろに
ついて、やる事為す事を一つひとつ見て憶えていけ、いいな」
 そう言って直哉は、乾パンの缶を宏樹の方に差し出す。
「分かりました、有難うございます」
 宏樹は礼を言って手を出すと、直哉は乾パンを手のひら一杯に出したので、
落とすまいと慌てて両手で受け止めた。
二個ほどを口に入れて頬張っていると、軍曹の階級章を付けた五十前の白人
の男、宏樹の小隊長であるジェームズ・アルドリッチの低い声がヘリの轟音
を圧して響く。
「目標まであと十分だ!」
その声に、宏樹は慌てて残りの乾パンを服のポケットに押し込んだ。

717無名人:2005/02/07(月) 23:09:29
東京ビッグサイトの西隣に位置する港湾地区、有明四丁目。
錆び付いたコンテナや大型トラックが路肩を埋め尽くす目抜き通りに、
無数のゾンビが溢れていた。
路上をうろつくゾンビは場所柄を反映して、ヘルメットを被った作業員や
トラックの運転手だった者が殆どだった。
東京フェリーターミナルのビルの上から五機のアパッチが現れて、
一斉にロケット弾をゾンビが群がる目抜き通り目掛けて発射する。
ロケット弾は次々と路上で炸裂、炎が総てを呑み込み、爆風と破片がゾンビ
たちを薙ぎ倒していく。
ロケット弾から逃れたゾンビたち目掛けて、今度は機首に取り付けられた
機関砲が火を噴く。
雨あられと降り注ぐ機関砲弾に、頭が破裂して脳漿を撒き散らし、どてっ腹に
穴を開けられて臓物を路上にこぼしながら、次々とゾンビが倒れていく。
アパッチはターミナルビルから有明埠頭橋へかけて目抜き通りを掃射し、
再び反転して同じ攻撃を繰り返した。

アパッチが持てる弾薬総てを使い切った時、路上には燃え上がる車やトラック
の残骸と、焼け焦げ、ミンチにされた多数のゾンビで埋め尽くされていた。
未だ致命傷を受けずに動いているゾンビも見えるが、先程とは比べ物にならない
ほど減少しており、もはや脅威ではなかった。

今度はブラックホークが有明埠頭橋上空でホバーリングする。
都内からやってくるゾンビの群れを、そのうちの一機が備え付けの重機関銃で
釘付けにしていた。
「ロープを降ろせ!」
 軍曹の命令に、宏樹と直哉はナイロンロープの束を機外へ放り投げた。
「よーし、行け、行け!」
 号令と共に、直哉と火炎放射器を持った四十初頭の自衛隊員が、煙と巻き
上がる埃で霞む地上へ降下した。
彼らの様子は、機内からは分からなかったが、銃火と立ち昇る炎は見えた。
「よーし、小僧ども、お前達の番だ! 行け行け!」
 軍曹の声に、宏樹は真っ先にロープを掴み、地上へとその身を躍らせた。
 
 ブーツが地面に着くのを感じると同時に、宏樹はライフルを構えて走り出した。
 自分に課せられた任務を心の中で確認しながら走っていると、突然左足首を
何かに掴まれて、うつ伏せに倒れた。
「な・何だぁ!?」
 見ると、焼け焦げた下半身のないゾンビが、足に食いつこうとしていた。
「こ・このやろっ!!」
 宏樹は左足でゾンビを蹴りつけ、引き剥がそうとするが、相手は唸り声を
あげながら手を離さない。
 悪戦苦闘している宏樹のところへ、兵士が一人駆けつけて、ゾンビの横腹
を思いっきり蹴りつけた。
 横からの思わぬ一撃に体が一回転し、その拍子にゾンビは手を離す。
仰向けに転がったゾンビを兵士は足で押さえつけると、ライフルの台尻でゾンビの
頭を殴り始めた。
殴り続けるうちに頭の皮が剥がれ、頭蓋骨が露出する。台尻が骨を突き破って脳を
潰すと、ゾンビはようやく動きを止めた。
「宏樹、大丈夫か?」
 兵士がそう言って宏樹の方へ顔を向け、手を差し出す。
 同年代の、柔道部員のようながっしりした体格と、いかつい顔立ちの少年。
同じ部隊の親友、豊田隆であった。
「あ・ああ。隆、有難う」
 差し出した手を宏樹が掴むと、隆は一気に引っ張り上げて立ち上がらせた。

718無名人:2005/02/07(月) 23:10:16
「一、ニ、三!」
 号令と共に乗用車やワゴン車がひっくり返され、即席のバリケードが築かれる。
そのすぐ後ろでは、眼鏡をかけた小柄な少女が、楽しそうに路面に開けられた
穴の中へ爆薬をセットしている。
 その傍らへ爆薬を抱えて、隆と宏樹が駆け込んできた。
「源田、持ってきたぞ」
 源田由紀子と言う名前の少女は、宏樹が差し出した爆薬を受け取ってうなずく
「おれ、もうダメ…」
 隆は息も絶え絶えにへたり込んだ。
「豊田君、あと一つでセット完了だから頑張って」
 由紀子は微笑みながらそう言うと、電気コードを巻いたリールを持って軽快
に駆け出した。
「体は強い方じゃないのに、こういう時だけは元気だよな」
 隆はへたり込んだまま呟く。
「大丈夫か?」
 宏樹はそれに答えず、呼吸を整えながら言った。
「ああ、ちょっと休めば大丈夫だ」
 
「ねえ、誰かこっち手伝ってよ!」
 突然上から降ってきた声に宏樹と隆が見上げると、色白で日本人形のように
端正な顔立ちをした少女が、バリケードの上から二人の方を見詰めていた。
「俺はこっちを手伝うから、まだ休んでていいぞ」
 宏樹がそう言うと、隆は弾みをつけて立ち上がった。
「そういう訳にもいかないだろ、俺は源田を手伝うよ」
 隆が爆薬を拾い上げて由紀子のところへ駆け出すのを見送ると、宏樹は古賀
と呼ばれた少女のほうを振り向いた。
「で、俺は何をしたらいいんだ?」
 古賀美里は宏樹を手招きして、傍らの重機関銃を指す。
「コレ据え付けるのを手伝って」

 可動式の銃座に、二人掛りで重機を設置し、美里が固定するのを宏樹は銃
を支えて助ける。
 美里が作業をしている間、宏樹は外の世界に視線を向けた。
 外装がボロボロに剥げた東京ビッグサイト。
 焼け焦げ、地上に落下して横倒しになったゆりかもめの車両。
 腐食が進み、今に倒壊しそうなレジャーランドの観覧車。
 乗り捨てられた乗用車の列を縫い、こちらを目指してヨタヨタ歩いてくる
無数のゾンビたち。
 眼前の光景に、宏樹の目つきが自然に険しくなっていく。
 怖い表情で外を見詰める宏樹の肩を、美里は軽く揺さぶった。
 次の瞬間、宏樹は腰のホルスターから拳銃を引き抜き、美里の眉間に銃口
を突きつけた。
 ヒッと短い悲鳴をあげ、息を呑む美里。
 宏樹はその悲鳴で我に返り、慌てて銃を仕舞う。
「ご・ごめん…」 
 美里は固まったまま動かない、気まずい空気が二人の間に流れた。
「俺、他の所を手伝うから。休んでてくれ」
 宏樹はそう言って、逃げるようにバリケードから飛び降りて駆け出した。
「あっ、待って!」
 美里の声は、遠ざかる宏樹の耳には届かなかった。

719無名人:2005/02/07(月) 23:11:58
以上になります。
できるだけロメロ作品的な雰囲気を意識したつもりで書きました。

720イラストで騙す予定の名無しさん:2005/02/08(火) 00:43:03
>>711
SFということですから、普段から翻訳物をよく読まれるのでしょうか。
翻訳物によくある文体に見えました。
代名詞を主語にするとか、ものを主語にした受動態なんていうのは、日本語としてはまず見かけないものですよね。
一番最初からそう来られると、ちょっとつらいものが…。
あと、視点がぶれまくってます。
視点がぶれると読んでいて疲れますので、視点は統一していただけるといいかと。

>>716
ミリタリーはよくわからないので、用語は読み飛ばしました。
All You Need Is Killを少し前に読んだせいか、初陣にしては、ずいぶん落ち着いている印象を受けました。
戦場臭さがないっていうか、硝煙のにおいがしないっていうか…。
もうちょっと切迫した戦闘シーンだと、用語がわからなくても楽しめると思うのですが。
そこが残念でした。
書きたいこととか雰囲気は伝わってくるので、もうちょっと軍事用語がわからなくても楽しめるお話だといいなあ(希望)。

721711:2005/02/08(火) 01:00:45
>>715
サンクス。
やはり最初の数行は余分ですな。消す。
オープンカーなんたらと「未来技術による」中性子爆弾は
ここで説明されていない細かい事情が後発で出ます。
展開というかどんな物語(ずばり復讐)かは冒頭で予感させないと
ダメと言われてきたのですが、かえっていけないのかな……
冒頭の「被爆」は最後のどんでん返しにおける伏線となる予定です。


>>716-718
私の好みのせいかもしれませんが、
ゾンビの雰囲気を出したいのか、人間を書きたいのか、
両方とも狙って、印象に残る描写がないように思えます。
冒頭であれば、ひとつのことに集中してみるのが手かな、と。
つまり主要人物紹介に集中するか、あるいはどういう状況かの
描写と、主人公(+せいぜい1人)のみの紹介に努めるか。

722711:2005/02/08(火) 01:02:46
>>720 上
最近、ちょっとそっち系を読書しすぎてました。
日本語の勘を取り戻すべく勉強しなおしてきます。

723711:2005/02/12(土) 21:19:10
>>715
名前で読む気が〜〜が気になっていたのですが、
今日はじめて知りました。ガンダムデスティニーは
見たことないので名前は偶然です。ってツウヨウシネエナ。

724イラストで騙す予定の名無しさん:2005/02/15(火) 04:24:27
 今まで創作活動には縁がなかったんだげっちょ、思う所あって書き始めてみた話の冒頭です。
 批評は勿論、文法の誤り・勘違いとかも指摘してください。

===========================================================================

 バリ、という乾いた音が、深夜のコンビニに響いた。
 紙を裂いたような音と感触に、山崎直人(ヤマザキナオト)は慌てて手元の
雑誌を見やる。
 ページをめくる際に力が入りすぎたのか、グラビアページが真ん中から縦に
破れてしまっていた。大股開きで笑顔を浮かべるアイドルの豊満な体が、ちょ
うど股ぐらから二つに裂けてしまっているその姿は、いささかシュールである。
その光景に直人は、こみ上げてくる笑いを抑えきれず、ついには吹きだしてし
まった。
「あ」
 呟き、慌ててレジへと視線を滑らせる。幸いなことに――というか都合のよい
ことに、店員の姿はない。次いで店内を見回したが、店員はおろか自分以外の客
の姿も見えない。深夜とはいえ、なんとも寂しい光景である。
 少なくとも、今の行為を見咎められはしていないようだ。直人はホッと表情
を緩め、そして無残なアイドルの肢体へと視線を落とした。
 これをどうするべきか。否、どうにもするべきではない。
 逃げよう。
 まずは静かに雑誌を閉じ、そ知らぬ顔でマガジンラックへと戻そう。そして、
店内のどこかに居るであろう店員に気取られることなく、可及的速やかにこの
店を出るのだ。それだけで良い。
 店と、やがてあの雑誌を購入する気の毒な客には済まなく思うが、かといっ
て顔も知らぬ者のために、ろくに興味もない――時間潰しのために読んでいた
雑誌に身銭を切るつもりは一切ない。悪いのはたやすく破れる紙質であり、粗
末な媒体を商品に利用する出版社、そしてそんな商品を閲覧可能な状態に陳列
する店舗だ。むしろ自分は粗雑な管理体制の犠牲者である。
 判決、無罪。帰ってよし。
 完璧な自己弁護の組成に満足した直人は、今しがた考察したプランを最速最
短で実行せんと、雑誌を閉じ、顔を上げて――耳元に囁かれた言葉に硬直した。
「困るんですよねぇ、お客さん」
 冷ややかな声音に、その表情に焦りの色が浮かぶ。皮膚が泡立つ感触。いつの
間に店員が? 疑問を抱く間もなく、直人は弾かれたように振り向いた。
 そして彼の意識は断たれた。
 首と一緒に。

725724:2005/02/15(火) 04:25:01

「……なんつって」
 床に突っ伏した死体を背にひとりごちると、男はレジへと向かって歩き出した。
 べっとりと血に濡れた銀髪をかきあげ、片手の『戦利品』を見やる。驚愕と焦
燥に彩られたその『表情』に、男は満足げに顔を綻ばせる。
「今日はいい日だ。いやマジで」
 男は『戦利品』を目の高さまで掲げ、その双眸を見つめながら微笑んだ。
「これなら6000、いや7000は堅いかぁ? ウッハウハだわなぁ、『死に損ない』殺しは」
 『戦利品』の額を小突きながら、愉快そうに笑い続ける。
 レジにたどり着いた男は、カウンターを乗り越えると、足元に転がる店員の死
体を踏みながら、もう一つの『戦利品』を拾い上げた。
 二つの『戦利品』を掲げた男は、まるでほお擦りでもするかのように顔を近づ
け、むせかえるような血の臭いを胸いっぱいに吸い込んで嘆息した。
「みんなお前らのおかげだよ。ん〜? 聞ッいッてッまッすッかッ、マクフラ
イ?」
 『戦利品』同士の額をクラッカーのように小刻みに叩き合わせてリズムをとり、
男はとても愉快そうに嘲笑う。ひとしきり笑い終えると、男は二つの『戦利品』
を脇に抱え、床に転がる二つの首なし死体をそれぞれ見やり、にんまりと笑った。
「毎度あり」
 生首を抱えた男は、弾む声でそう言って、コンビニを後にした。

726猫丸:2005/02/16(水) 08:44:54
 ここに書き込むのも久しぶりです。ここんとこ受験だったもので。でも
一昨日とある法学部に合格したので、これからは小説も書きまくりたいと思います。

727イラストで騙す予定の名無しさん:2005/02/17(木) 09:07:26
>>724
首切り直後辺りの描写がちょい足りない風味。

出来るだけ簡潔に日常から非日常へ転換させたいのはわかるけど、
情景の情報が足りなくて、首を切られたってのが実感しにくく、いまいち転換に驚けない。

他はわりかし良い感じだと思う。
きどった言葉多いのも、全体に通せばくせのうちだとは思うし

728724:2005/02/20(日) 06:30:47
>>727
はい、そうです。いきなりポンッと転換させたかったんです。
ですが、読み返したら確かにブツ切りというか、情報不足ですね。
最大限情景が伝えられるようにリライトしてみます。

>きどった言葉多いのも
書いてて、自分の読書の中から好きな言い回しを拾って、それを
余り消化せずに切り貼り継ぎ接ぎで書き出してる感がありました。
我ながら感心できる傾向じゃないんで出来れば矯正したいんです
が、クセなのかな……

ありがとうございました。

729イラストで騙す予定の名無しさん:2005/02/23(水) 09:34:57
>>724-725
全体の批評よりも細かい部分を突っつくほうが簡単、というか
おれの文章力じゃ批評なんて無理、ということで細かいところを指摘してみる。

>いささかシュールである。
>深夜とはいえ、なんとも寂しい光景である。
こういうテンプレートで中身のない文はむしろない方がいいのでは。
もし書くならもうちょっと実感がもてるような表現がいいなあ。

 >これをどうするべきか。否、どうにもするべきではない。
 >逃げよう。
いや、どうにかしてるよ。逃げてるよ。逃げてる時点でもう「どうにか」しちゃってるよ。

>冷ややかな声音に、その表情に焦りの色が浮かぶ。
省略した部分を埋めると
(店員の)冷ややかな声音に、(山崎直人の)表情に焦りの色が浮かぶ。
となるわけで。
前半と後半で動作の主体が違うのに、それを省略しちゃってるもんだから状況がかなり取りにくい。
「その表情」=「山崎直人の表情」ってのは前後の文脈から推理しないと分からないし。
文法的にもちょっと危ないかも(俺も大して文法知らないけどね)

前半よりも後半の方がよく書けてると思う。
後半はノッて書いてたのだと予想。

730イラストで騙す予定の名無しさん:2005/03/06(日) 22:15:30
今書いている長編の書き出しです。
全く話の中身に触れていない書き出しなのですが、文章作法の突っ込み等をいただければと思って書き込みました。
宜しく御願いします。
-----------
 祭と云う物に興味はない。いつもの通り道である境内が人間で溢れ、草木の隙間を縫って歩かねば為らぬのだ、寧ろ、煩わしい。数が寄ると小さき物に気を配りもせぬ。
 茂みを抜け、静かな本殿の裏手へ。先客が居た。社の張り出した板の上に、人間が二つ。片方が腰をかけ、片方がその膝に頭を載せて居る。腰をかけた人間は知っている。
チリリと私の首の鈴が鳴ると、腰をかけた人間が、
「おいで」
 手招きをする。私はニャアと鳴く。立てかけてあったリアカーに飛び乗り、板を伝ってかの人間の元へ。躊躇無く膝の上に乗り、手を丸めて落ち着く。乗っている人間の頭が少々邪魔である。大きな手が私でなく、その頭を撫でているのも気に食わぬ。
 もう一度、ニャアと細く鳴く。彼の手は私には来ない。直ぐ横にある顔を見た。人間の女と云う者。目蓋は閉じている。
 挨拶代わりに鼻先を舐めてやった。
 冷たい。
-----------
いくらなんでも短すぎ?('A`)

731イラストで騙す予定の名無しさん:2005/03/09(水) 16:14:38
感じたことをいくつか。

うお、旧仮名かと思ったら違った。
なんか既視感がある。
漢字を多用しているので、この猫にはそれくらいの学はある→なのに
人間を「ふたつ」と勘定するという点。
ひざに頭を乗せているのは男のほうだと、読み進める前から勝手に
決め付けていた→誤読はおれだけか、それともミスリードを誘うつくり
なのか。
ということはこの猫は雌か? 嫉妬しとるのか? 人間の女とこの男を取り
合うのか、とかいらん想像をさせる余地があるのはいいことだと思う。

732イラストで騙す予定の名無しさん:2005/03/13(日) 21:31:11
通りすがりの者です。

誰かが膝枕してる膝に猫も乗る? 不自然のような。
もしかして膝枕がミスリードなら、なおさら中途半端な不自然さ。

細かい文章作法としては、
>チリリと私の首の鈴が鳴ると
の前は一字下げるのでは?
あと、
>茂みを抜け、静かな本殿の裏手へ。先客が居た。
の文章はなんていうのだろう。体言止めじゃないけど、
転調のような効果で使うものだろうと思う。
でもその前の文が短すぎて効果がなく、ただぶつ切り感を受ける。
その直後にまた「かの人間のもとへ」と同じように使っているし。
そういうのは効果的に用いないと、文章力を疑われそうだ。
とくに擬古文調?な文章だから目についてしまう。
これが軽いタッチのコメディ調なら、たぶん気にならないんだろうけど。

733猫丸:2005/03/22(火) 08:38:34
 今書いているラノベの冒頭です。批評よろしくお願いします。

 バス停のある団地から少し歩くと、小さな山が間近に迫ってきた。雨が降っているということもあって、辺りは薄暗く人影もほとんどない。閑静な小道には、雨粒が木の葉を揺らす音だけがしつこく響いている。
 そんな中を犬笠蓮太は、大きなリュックを背負ってぼちぼち歩いていた。隣には、小学生が持つような真っ黄色の傘を持った十二歳そこそこの少女。艶やかな黒髪が腰の辺りまで伸びていて、眼前の風景を見つめる物憂い表情は小柄な体に似合わない大人びた印象を与える。
「いやじゃのう、こんなに雨が降って」
ふと、少女が年寄りくさい口調で言った。
「恵みの雨、とでも考えれば?」
どうでもいいや、とばかりに肩をすくめる蓮太。
「…ナウなヤングなのか年寄りなのか分からん返答じゃな」
「奈々姫は100%年寄りくさいけどね」
二人の足元で溜まった水が撥ねる。奈々姫と呼ばれた少女は濡れた靴を恨めしそうに見つめてため息をつく。

734イラストで騙す予定の名無しさん:2005/03/23(水) 01:16:47
>>733
せっかく特色あるキャラなんですから、
先に会話があって、あとで人物描写や
風景描写に持って行ったほうが
インパクトあるかもしれません。

735イラストで騙す予定の名無しさん:2005/03/23(水) 23:33:05
>>733
主人公と思われる犬笠蓮太の描写がないのは、わざとでしょうか?
彼の顔が浮かばなかったので、頭に絵が描けませんでした…。
文章の量が少なくて、内容についてはあまり書けないので、文章的なことを書きますと、
十二歳そこそこというのは、違和感を覚えました。
十歳そこそこ…が普通ではないかと思います。

736猫丸:2005/03/24(木) 08:29:10
 批評ありがとうございます。

 蓮太の描写がないことについてですが…やっぱり必要ですかね。いろんなラノベ見
ても、たいした特徴のない男キャラの描写はほとんどない気がするのですが。参考に
なりそうな作品を知ってたら教えてください。

737イラストで騙す予定の名無しさん:2005/03/24(木) 14:44:54
私も蓮太の描写がないことが気になりました。
外見よりも、年齢がわかりません。
女の子より(外見が)年上か同年配かさえわからないのでは、
すんなり彼の視点に移入できないのでは。
さらされている部分が短すぎるせいかもしれませんが、
導入としては弱いように感じます。
セリフと人物描写を先に持ってきて、そのあと情景描写の方がいいと思う。

それから、細かいことですが、セリフのあと(間)の地の文は一文字下げるのが
一般的だと思います。掲示板だからこうなったのかもしれないけど。

738イラストで騙す予定の名無しさん:2005/03/24(木) 23:31:29
>>736
これといって特徴がない、とか、いまいちぱっとしない顔だ、とか、
いくら地味で目立たない男キャラであっても、何かしら書いてあると思うのです。
さすがに主人公に関する情報が皆無というのは、ないんじゃないでしょうか…。

739猫丸:2005/03/25(金) 11:34:17
>>738

うっ…。そう言われてみれば多少の描写はありました。今まで特に気にしませんでしたが
こういう描写もそれなりの必要性を持って書かれているんですね。以後精進します。

740イラストで騙す予定の名無しさん:2005/03/25(金) 22:32:04
「……です――」
 今、彼女はなんと言ったのだろうか。まともな考えが、うるさく鳴く蝉の声にかけされていく。彼女は夕日に赤く染まった顔を俯かせている。これ以上の言葉は聞けそうにないし、もう一回言って貰うのもなんだか憚られた。
 考えよう。まず俺が帰ろうとすると、下駄箱に手紙が入っていた。そこに丸っこい字で五時に体育館裏へ来てくれと書いてあった。俺は、藪か冬子辺りがからかっているのではないかという不安と、もしかしたらと言う期待でここへ来た。そこで待っていたのが鈴白春だった。
鈴白春――その名前を思い浮かべると、俺の心臓は激しい音を立てて胸を叩きはじめる。脈打つそれを数えると、少しずつ静まっていってくれた。彼女はなんと言ったのだろうか。彼女が言った台詞。それは告白と言う奴じゃなかったろうか。もし、そうであるなら答えは一つしかない。が、冬子や薮の悪戯という可能性も捨てきれない。なにせあいつらは俺の気持ちを知っている。
風が吹いた。それは彼女の腰まで伸びた黒髪を揺らす。肩は震えている。彼女の白い頬が赤いのも夕日のせいだけではない。期待が不安を塗りつぶしていく。
「鈴白さん――」
 彼女が顔を上げると、黒目がちな大きな目が現れた。その目に考えていた答えが吸い込まれていく。「あ……その……」なんと言えば良いのか。答え? なんの答えなのだろう。彼女の目、きれいな長髪、すっと通った鼻筋、白い肌、潤んだ桜色の唇。に入る彼女の全てが、俺の頭を真っ白に染め上げて行く。
「えっと、その……」わけもわからずうめきを漏らすと、彼女がくすりと微笑んだ。
「なに? 秋山君」彼女のその言葉に、口が勝手に動いてくれた。
「その――俺も前から君のことが……」彼女の目はこちらをじっと見ている。どこか、不安はあるのだけど、それ以外の何かで満たされている、そんな目。まるでその目に促されるように、俺の口は動く。
「……好きだった」
 蝉の鳴き声が一際大きくなった気がする。
「その、よろしく」
 俺はにっこりと笑って手を伸ばすと、彼女の白い手が答えてくれた。
「よろしくね」
 彼女の手はとても暖かかった。

おねげーします。

741イラストで騙す予定の名無しさん:2005/03/26(土) 03:36:23
>>740
>蝉の声が一際大きくなった気がする。
この部分なんかは、私としては好みの表現です。
ですが、全体的に表現過多のような気がしないでもない。
この量で一冊続くとなると、斜め読みしてしまう箇所が増えそうです。
もう少しこざっぱりしていてもいい感じかな、などと。
素人考えですがご参考になれば。

742猫丸:2005/03/26(土) 10:18:26
>>740

 確かに私も少々回りくどい気がします。でもこれがラストシーン、あるいは
ストーリーの根幹となるシーンだったりしたらいいのかなとも思います。

743イラストで騙す予定の名無しさん:2005/03/26(土) 18:03:28
>>741

あ、これでもくどかいんですね。レスありがとうございます。
是非参考にさせていただきます。

>>742

冒頭で結構重要な部分です。伏線にもなっているのでw。もう少しあっさりと行ったほうが良さげですね。

744イラストで騙す予定の名無しさん:2005/03/26(土) 19:34:36
>>740
私は蝉などの分量はさほど気にならなかったのですが、経緯を語るのが説明的すぎる気がちょっと…。
それと、これジャンルとしては何小説になるんでしょうか。
怪奇小説っぽい文章に見えてしまったのですが…。

745イラストで騙す予定の名無しさん:2005/03/26(土) 20:17:52
>>740
私はわかりやすい文章で、丁寧に書いてあって好感が持てました。
私に関しては、怪奇小説ぽいとは感じませんでしたが……。
ただまだ書きなれていらっしゃらないのかな? と思うところがいくつか。
一字抜けているところがこれだけの文章で二箇所あるし↓
>蝉の声にかけされていく
>に入る彼女の全てが
そのほかにもちょっと読んでいてひっかかるところがありました。

>考えよう。まず俺が帰ろうとすると
という文で、短い回想に入るのですが、私は最初、回想と思わずに、
現在から続いた状況と読みかけてしまいました。
「ちょっとさかのぼって考えてみよう」みたいに直すと
スムーズに読める?かも?

重箱の隅をつつくようなレスですいません。
自分の文を推敲するようなつもりで読んでいますので。

丁寧に書いてあるだけに、ほかの方々がくどいと感じられるのかもしれません。
でももっと書き慣れていけば、
徐々にメリハリのきかせ方や、描写の抜き方などが
自然に身についていかれるのではないかと思います。

746イラストで騙す予定の名無しさん:2005/03/26(土) 21:45:17
>>744です。
>>745のレスを読んで気づきましたが、言葉が足りていないようでしたので、補足します。
怪奇小説にぴったりの文体だ、ということではないのですが、文章全体に漂う緊張感が、
恋愛小説のどきどき感ではなく怪奇小説の緊迫感のように感じられてしまったのですね。
わくわくよりどきどきが前に来てしまって、恋しているふわふわみたいなものが追いやられているというか。
皆さんの書かれている蝉も、期待を高めるよりは不安や緊張を煽るような要素に感じました。
もっと楽しい空気も感じ取れれば、恋愛小説だということがわかったかと思うのです。

747イラストで騙す予定の名無しさん:2005/03/27(日) 14:58:15
みなさん、ご意見ありがとうございます。

>>744
自分でも、ちょっと分野がわかりません。広義なミステリーになるのかな。
章末で主人公は死にますし。ただ、最初は恋愛小説なようなノリで進める予定なので精進が必要ですね。
ただ、ヤオイかオオツキかそんな感じのお話なので、広義のミステリというかw
回想シーン、もうちょっと考えてみますね。ありがとうございます。

>>745
誤字については、なんと言って良いやら。気をつけます。
三人称で短編を一つ書いたことしかなく、二作目なのですが一人称が全然なじまないみたいで……目下研究中です。
やはり、回想は考えないと駄目ですね。それに書きなれないと。

>>746
う〜ん。恋するふわふわ……。む、難しい。変な汁が出そうです。

748イラストで騙す予定の名無しさん:2005/03/29(火) 21:15:50
冒頭文晒します。批評をお願いします。

"実験台募集中!
 貴方の魔力を高めて高位な魔道士になってみませんか?"
 その広告には、そんな見出しが大きく書かれていて、下の方に
"興味のある方は、トルシェの街郊外 魔女・シルフィエルの館まで"
 という文句とともに、簡単な地図が描かれていた。
 この広告が貼られているのは、トルシェの街の中央広場にある掲示板。
 貼られている広告はこれだけではなく、酒場のウエイトレスの募集や、近隣のモンスター退治依頼、行方不明になったペットの捜索依頼等々、多種多様な広告や依頼記事が並んでいる。
 その中でも、最も目に留める人が居ないであろうこの実験台募集広告を見て、雑踏の中、足を止める一人の少女の姿があった。
 
「『実験が成功すれば、貴方の魔力は格段に高まります。危険は一切ありませんので、お気軽にご応募下さい』と」
 そこは、警備兵の控え室のような簡素な一室だった。
 窓は無く、壁には扉が一枚と、その向かいに、殺風景な部屋を写し出す鏡が備え付けられているのみ。
 部屋の中にはある物は、テーブルと一対の椅子だけだった。
 木製の椅子にもたれかかりながら、男は手にした広告の内容を読み上げている。
 年の頃は二十代後半といったところか。金(ブロンド)の短髪に、たれ目気味で、軽薄そうな印象を受ける。
 服装は、麻の服の上からジャケットを羽織った、街によくいる若者のようなラフな格好だ。
 男は、誰に言うでもないような口調で続ける。
「いやー、流石にこれで『実験台になりたいですっ!』なんちゅー奇特な奴は、そうそうおらへんのと違うかなぁ?」
 言って男が目を向けた先には、テーブルを挟んだ向かい側に、同じような椅子に座り、腕を組んだまま沈黙しているもう一人の男。
 こちらは三十代前半程の、精悍な顔つきをした男である。目の前の男よりはやや長めの黒髪で、額の傷が印象的だ。
 服の上に軽鎧を着込んでおり、腰にはミドルソードが一振り。見た目の印象としては、経験豊富な剣士といったところか。
 黒髪の男の反応が無いのを気にする様子も無く、手元の広告に目を戻し、金髪の男は再び口を開く。
「あのばーさんも、もーちょいまともな文句を考えて欲しいもんやなぁ」
「不満があるのか」
 ここで、黒髪の男が、唐突に口を開いた。
 金髪の男は、やっと反応を示した黒髪の男に向き直る。
「いや、不満とはちゃうねんけど──」
「俺達は、ただシルフィエル様の指示に従うだけだ」
「……はぁ、やっぱりあんさんと話しててもおもろないなぁ」
「そう思うなら黙っていろ」
 そう言って、黒髪の男は口を閉ざし、金髪の男は大袈裟に肩をすくめる。
 特にやることも無いため、再び先程の広告でも眺めようと、手元に目を移し──
 コンコン
 突然、ノックの音が鳴り、続けてくぐもった声が響き渡った。
『すいませーん。街の広告を見て来たんですけど……』
 その声を聞くと、男達は同時に顔を上げ、壁に備え付けた鏡へと視線を向ける。
 先程までは部屋の中を写していたそれには、今は一人の少女の姿が映し出されていた。
「奇特な奴がいたようだな」
「……そのようやなぁ」
 それを確認すると、二人は席を立ち、扉を開けて部屋を出た。

749イラストで騙す予定の名無しさん:2005/03/30(水) 21:33:52
>748
はっきり言うと、かなり読みにくいです。
気づいただけで、あまり必要もなく受動形になってる文がいくつかあるし、
使用している語句も重複ぎみで、描写も多いわりに風景が目に浮かびません。

細かい突っ込みをするようですが、部屋の描写からは
警備兵の控え室みたいには思えないとか、
「読み上げている」という描写から、
実際に読み上げている台詞が離れすぎているとか、
印象的というだけでは額の傷がどんなものか想像できないとか、
そういう細かな点が積み重なって、フラストレーションを感じます。

冒頭としては、謎の広告というのが印象的でいいです。
つかみはOK!という感じなのに、文章で損をしてらっしゃるように思います。

750748:2005/03/30(水) 23:05:36
>749
ご意見ありがとうございます。
描写は自分で苦手気味な自覚があったので、具体的なご指摘に感謝です。
受動態が余分、語句が重複気味ですか……気をつけてみます。

部屋は、例え方の方がまずかったみたいですね。こちらは例えを変えてみます。
「読み上げている」の部分は、実は最初は台詞のすぐ近くにあったんですが、読み返してるうちに、部屋の描写を入れた方がいいなと思って、間に足してしまった結果、こうなってしまいました。完全に裏目でしたね。
修正で元の文を壊してしまっては本末転倒でした。気をつけます。
額の傷の細かい描写を入れなかったのは、描写漏れというか、単純にミスですね。追加修正したいと思います。

最初の部分は印象的に見せることを重視して考えていたので、そこを評価していただけたのはうれしいです。ありがとうございます。
しかし、肝心の文が読みにくかったら意味が無いですよね。
折角色々助言をいただいたので、ご指摘を受けた部分に注意して、修正してみようと思います。

751イラストで騙す予定の名無しさん:2005/03/31(木) 12:56:49
くぐもった声が響き渡った

これがおかしくね?

752イラストで騙す予定の名無しさん:2005/03/31(木) 13:03:16
二つの文章に分けず、一つの文章を纏められる希ガスるところがいくつかあったとおも。
あと、情景のイメージが作者さんの頭の中で固まってないか〜って感じもあり。
それと、場面転換のタイミングのせいか??となった。
描写に関しては、視覚だけじゃなく、音と匂いと肌触りあたりを入れると厚みが出て良くなると思われ。
読みやすい文章ではあると思うしね。がんがれ。

乱文だけど、箇条書きのほうがやりよかったんでw。

753イラストで騙す予定の名無しさん:2005/03/31(木) 19:39:10
情景描写、人物描写、私も苦手ですw
もしかしたらそうすると不都合があるのかもしれませんが、
たとえば視点人物を決めて、その人視点で描写したらどうでしょう?
色気もそっけもない部屋だ→向かいに座ってる人物も負けず劣らずそっけない
などと視点人物の感想を地の文に混ぜると、描写に味付けすることができて、
無味乾燥になりがちな文を救ってくれることがあります。
最初のブロックはともかく、次のブロックでは有効かと。

754ブラッド・レイン 1/3:2005/04/01(金) 00:33:59
習作ぽく書き始めた作品ですが、思いのほか興が乗ってきたので、
どなたか批評をお願いします。タイトルは「ブラッド・レイン」です。

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「雨、やまないね」
 いったい何度目だろうか。うっすら埃の積もった机に頬をくっつけて、僕の向かいに
座った奈里子(なりこ)は言った。汚いからやめろと僕はいつも言うのだが、奈里子は
やめようとしない。だって図書室の机だから大丈夫だよ、というのが、奈里子のよく
分からない言いぶんだった。
 奈里子の指は、机に伏せた『鏡の国のアリス』の上で、何やら奇っ怪な文様を描き続
けている。
「やまないな」
 僕も応えて窓の外を見る。真っ黒な雲から真っ赤な雨。この三日間、飽きもせず弱ま
りもせず、かと言って「天の底が抜けた」というほどの激しさもなしにだらだらと降り
続いている。
「またモドキが増えるかな、昼雄(ひるお)」
「……かもな」
 僕は校庭にできた小さな川を眺めながら言った。「かもな」も何もあったもんじゃない。雨が降れば降っただけ、人間は減ってモドキは増えるに決まっている。
「嫌だね。ほんっとに嫌」
 奈里子は顔を上げ、頬の埃をぬぐった。指先の灰色を見て顔をしかめる。仕方がないさ、
と言いかけて、僕は口をつぐんだ。奈里子は一七歳。毎週の〈儀式〉が憂鬱になる時期だ。
歳をとるということがどういうことなのか。まさか忘れているということはないだろう
けれど、奈里子自身はあまり気にしている風もない。実感が湧かないのかもしれないし、
とっくに諦めているのかもしれない。何にせよ、僕にはそれを奈里子に訊く勇気はなかった。
「今夜も見張りを立てるのかな」
「……多分な。勇一とか克美、張り切ってるし。身を守らないわけにもいかないし」
「嫌だね。ほんっとに嫌」
 とんとんとん。指先でアリスの額を小突きながら、奈里子は口を尖らせる。同感だった。
嫌なものだ。どんなに繰り返しても慣れないものだ。「もともと人間だったもの」を殺すのは。

755ブラッド・レイン 2/3:2005/04/01(金) 00:34:37
「それ」が初めて降ったのは、もう五年も前のことになる。鉄錆の味がする、赤い雨。
すわ天変地異か、と、騒動にはならなかった。もっと深刻な問題が時を同じくして持ち
上がったからだ。
 あのときのことは今でもよく覚えている。何かに憑かれたような目をした大人たちが、
家やビルや電車や車の中から、傘も差さずに屋外へと歩みでた。箸や書類や鞄や携帯電
話を持ったままの大人たちは、みな空を見上げて、びっくりしたような表情で雨を顔に
受け続けていた。子供が泣きながらその脚にすがっても、こうるさげに蹴り飛ばされる
のが関の山だった。
 そして、大人たちは変わり始めた。何に変わったのか、と問われたらこう答えるしかない。
あらゆるものだ。僕たちの見ている目の前で、大人たちはこの世の、そしてこの世以外
のあらゆるものに変わり始めたのだ。
 たとえば、ある大人は巨大なダチョウに変わった。ただしそのダチョウには目も羽毛
もなく、代わりに強酸を噴きだす円形の口と、死人を思わせる冷たい土気色の皮膚があ
った。
 別の大人は服も身体も風化したかと思うと、転瞬、数万匹の蛾に変わった。その蛾は
猛毒の鱗粉を持っていて、群れで人を襲った。獲物が鱗粉をたっぷり吸いこんで麻痺す
ると、おもむろに長い産卵管を突き刺すのだ。体表を蛾が覆った数十秒後には、獲物は
幼虫のためのベッド兼エサに成り果てているという具合。無数の卵が孵った後は、生き
たままむさぼり食われることになる。
 また別の大人は犬に変わった。その犬の身体は、実は無数の長い長い線虫の絡み合った
代物で、どういう方法かは分からないが犬の形状を保っているのだ。与し易しと見て
うっかり近づこうものなら、全身の穴という穴から進入されて苦悶のうちに息絶えることになる。
 そのほか体高一〇メートルもある真っ黒な象に変わった大人もいたし、サソリと蜘蛛を
掛けあわせてカゲロウの羽を生やしたような節足動物に変わった大人もいた。――例を
挙げればきりがない。そいつらの姿に共通点があるとすれば、どこかしら生物らしき
外見をそなえているということくらいだった。だから生き残った者たちは、生物に似たもの
という意味で、いつからかそいつらを〈モドキ〉と呼ぶようになっていた。
 モドキの特徴は千差万別だが、大抵の個体に共通する点もある。たとえば、かなり
積極的に人を襲うこと。たとえば、明かりに群がる性質を持つこと。
 そしてたとえば、夜になると活発に活動すること――。

756ブラッド・レイン 3/3:2005/04/01(金) 00:35:14
 ごつり。
何か硬いものが肩に当たって、僕は目を覚ました。
「当直だぜ、大将」
 克美だった。僕が寝床と定めている理科準備室に照明はないが、低い声と「大将」と
いう口癖でそれと知れる。さっきは何かが肩に当たったと思ったが、克美が軽く蹴った
ようだ。そう言えば、今夜の見張りは克美と一緒だった。気を利かせて起こしに来てく
れたのだろう。
「ん……ああ」
 僕はあくびを噛み殺しながら机の下から這いだした。気分が悪い。不快で混乱した夢の
微かな記憶が、アスファルトにへばりついたガムよろしく、頭蓋骨の内側に黒くわだかまっている。
――夢トハ、昼ノ間ニ見聞キシタ事柄ヲ長期記憶ヘト移行スル際、脳ノ活性化ニヨッテ惹
起サレル、あとらんだむナ記憶ノ再生ニ過ギナイ。
そんないかめしい文章をふと思い出す。確か、そうやって再生された記憶を覚醒後につぎ
はぎして辻褄を合わせたものが夢の正体だとかなんだとか。もしそれが本当だとすれば、
ある夢が悪夢かそうでないかは、起きた後の気分次第ということになる。さて、どの本に
書かれていたことだっただろうか。
「おい、どうした? 早く行こうぜ」
 思わず目をつぶる。克美が懐中電灯で僕の顔を照らしたのだ。電池も豆電球も貴重品だ
から、普段から点けっぱなしというわけにはいかない。
 謝ろうとして目を開けると、克美は机の下の布団を舐めるように照らしている最中だった。
「……何してるんだよ」
「いやぁ」
 克美は岩から削りだしたような顔をにやりと歪め、
「てっきり、寝るときも奈里子と一緒だと思ってたんだけどな」

「そんなに怒るなよ、大将。悪かったって」
 背後からの謝罪は、しかし悪気のないからかい混じりだ。僕も別に怒っているわけじゃない。
ないのだが、照れ隠し半分に肩を怒らせて歩きだしてしまうと、歩調を緩めるきっかけが
どうにもつかみにくかった。
「しかし、よく降るな」
 怒っていないことを伝えるつもりで、僕は言った。事実、克美が気まぐれに振り回す
懐中電灯の光を反射して、血塗りの針のような雨が窓の外に見えていた。
「ああ、まったくだ。モドキも随分ざわついてるみたいだぜ」
 追いついてきた克美に、これと言って変わった様子はない。克美は僕や奈里子とは違う。
身を守るのに何のためらいもないタイプだ。こんな世界ではそっちの方が正常なのだろうか。
「ま、さすがにそろそろやむだろ。今夜を乗りきっちまえば、また降りだすまではのんび
りできるさ」
 そういうわけだから今夜はよろしく頼むぜ、大将。克美はそう言って僕の背中をどやし
つけた。
 そうこうするうち屋上に着いた。僕たち二人の今夜の持ち場だ。用意のいい克美が大き
な傘を広げ、僕を入れてくれた。
「遅かったじゃないか」
 合羽のフードを跳ねあげて近づいてきたのは勇一だった。見張りのための暗視鏡を着け
た勇一は普段にも増して威圧的な印象だ。背が高いから、では恐らくない。背なら克美の
方がさらに高いが、克美はどんな格好をしても威圧感など少しもない。
「まともに動く時計が少ないもんでね」
 克美がひょいと肩をすくめる。まぁ、嘘ではない。
「……早く持ち場に着け。俺は休ませてもらう」
 勇一は暗視鏡を乱暴に剥ぎ取りながら言った。頭をひとつ振って滴を跳ねとばし、暗視
鏡を克美に押しつける。作の一つ一つを嫌みったらしいものに感じるのは、やはり僕が勇
一を嫌いだからだろうか。

757754:2005/04/01(金) 00:50:18
……失礼。

>>756の最後から二行目、
>作の一つ一つを嫌みったらしいものに感じるのは、やはり僕が勇一を嫌いだからだろうか。
は、
>動作の一つ一つを嫌みったらしいものに感じるのは、やはり僕が勇一を嫌いだからだろうか。

の誤りです。

758イラストで騙す予定の名無しさん:2005/04/01(金) 03:22:26
>>754〜756
すごく面白いです。先が知りたくてたまりません。
文章も読みやすく、リズムがいいです。

ただ、モドキの具体的な説明が早すぎるように感じました。
この時点ではもっと漠然と恐ろしげな感じで触れるだけにとどめて、
個々の細かな描写は実体が出てからの方がいいと思います。
そこはもっとひっぱって、それより少年たちの現状を説明するのを
先にした方が、より読者の期待が高まるのではないかと。

また、具体的な描写が、一般的な話として語られて、浮いてしまっているような。
「誰々の父親はこんなモドキになった」「担任の教師はこうなった」
という具体的な例示にしてしまえば浮かないと思いますが、
なんだか筆が乗って書き込んでしまったかな?という感じを受けてしまいます。
でもその描写がとてもユニークです。楽しんで読みました。
それだけに、もっと効果的にかましていただきたい。
期待しています。

759754:2005/04/01(金) 08:33:15
>>758
どうもでございます。

>また、具体的な描写が、一般的な話として語られて、浮いてしまっているような。
>「誰々の父親はこんなモドキになった」「担任の教師はこうなった」
>という具体的な例示にしてしまえば浮かないと思いますが、

うーん、ごもっとも。
主人公にとって、モドキへの変身は実際に自分の目で目撃した事件な
わけですから、身近な話として語らせた方が臨場感が出ますね。
的確な指摘、ありがとうございます。

760イラストで騙す予定の名無しさん:2005/04/01(金) 09:21:29
キャラクターの外観がまったく描かれていないね。
別に細々と描写する必要はないと思うけれど、例えば
「奈里子の大きな瞳が」とか、「克美のひょろ長いシ
ルエットが浮かびあがる」とか、こちらが想像する助け
をくれるとありがたい。とくに克美は真っ白けだし。

761748:2005/04/01(金) 10:25:39
>751
家の外から中の人に呼びかけたのを、中で聞くのをイメージしたんですが、おかしいでしょうか?
言葉自体がおかしいかな……?

>752
読みやすいように一つの文に表現を詰め込まないようにしてるつもりだったのですが、度が過ぎたみたいですね。修正してみます。
イメージが固まっていない……うーん、そうかもしれないです。それに、視覚でしかイメージして無かったって言うのは正にそうでした。
音と匂い、肌触り等ですか……なるほど。
激励のお言葉感謝です。がんがります。

>753
視点を特定の人物寄りにする。ですか。
初心者が、視点の切り替えを多用しすぎると、視点がぶれて、読みづらく・わかりづらくなるっていうのを聞いたことがあるので、敬遠してたんです。
私ごときが使うと、正にそうなってしまうんじゃないかと不安だったり……でも一案ですよね。試してみます。

>>754-756
全体的に、描写も良いし、読みやすくていい感じだと思います。
ただ、ちよっと説明不足な点があるかなと。自分の読解力不足かもしれませんが。
というのは、奈里子に関する事が、後半語られてないこと。
奈里子といたのは夢の中で、実際奈里子はそばにいないというのはわかるのですが、
主人公が奈里子のことに直接触れていないので、ちょっと戸惑ってしまいました。
未熟者故、的外れな意見でしたらすいませんです。

762添削屋さん:2005/05/04(水) 10:45:04
>タイトルは「ブラッド・レイン」?

----------------------------------------------------------------

「雨、やまないねぇ」
 もう何度同じ台詞を彼女は繰り返したことになるだろう――
 うっすらと埃の積もった机に頬をくっつけて、奈里子(なりこ)は、また
消え入りそうな小さな声でそう囁いていた。
 汚いからやめろと僕はいつも注意するのだが、奈里子はそれを決して
やめようとしない。
 だって図書室の机だから大丈夫だよ、というのが、奈里子の言い分。
 奈里子の指は、机に伏せた『鏡の国のアリス』の上で、何やら奇っ怪な
文様を描き続けている。
「確かに、やまないよな」
 僕もそう応えて窓の外を見た。
 真っ黒な雲から真っ赤な雨。この三日間、飽きもせず弱まりもせず、
かと言って「天の底が抜けた」というほどの激しさもなしにだらだらと
降り続いている。
「またモドキが増えるのかな、昼雄(ひるお)――」
 彼女は漸く、思い出したかのように、僕の名前を口にした。
「……かもな」
 僕は校庭にできた小さな川を眺めながら言った。
「かもな」も何もあったもんじゃない。
雨が降れば降っただけ、人間は減ってモドキは増えるに決まっている。
「嫌だね。ほんとに、嫌――」
 奈里子は顔を上げ、頬の埃をぬぐった。
そして指先の灰色を見て顔をしかめた。
言わんこちゃない――仕方ないだろうよ?
と言いかけて、僕は口をつぐんだ。
奈里子は一七歳。毎週の〈儀式〉が憂鬱になる時期だ。
歳をとるということがどういうことなのか、まさか忘れているという
ことはないだろうけれど、奈里子自身はあまり気にしている風もない。
実感が湧かないのかもしれないし、とっくに諦めているのかもしれない。
何にせよ、僕にはそれを奈里子に訊く勇気はなかった。
「今夜も見張りを立てるのかな」
「……多分な。勇一とか克美、張り切ってるし。身を守らないわけにも
いかないし」
「嫌だね。ほんっとに嫌」
 とんとんとん。指先でアリスの額を小突きながら、奈里子は口を尖らせる。同感だった。
嫌なものだ。どんなに繰り返しても慣れないものだ。
「もともと人間だったもの」を殺すのは。。。


  <<<正直、良く分からんが―――>>>

763添削屋さん:2005/05/04(水) 10:52:37


 根本的に、時間経過? が、おかしいんでないのかい この文章は――

764イラストで騙す予定の名無しさん:2005/05/04(水) 11:38:50
あ、HNが変わってる

765イラストで騙す予定の名無しさん:2005/05/15(日) 18:40:00
>奈里子は顔を上げ、頬の埃をぬぐった。
>そして指先の灰色を見て顔をしかめた。

顔に埃が付いたら、皮脂があるので指でぬぐっても頬に汚れがこすれる。
指先が灰色になるくらい汚れたなら、顔にも筆で書いたような線が引かれたはず。
奈里子がプラスチック製とかなら別だけど。

766砂漠の星のオプティミスト?:2005/06/15(水) 07:32:19
 ぶわんぶわん、ぶわんぶわんと、音が響く。
「ねえちょっとオーガスト、もっとスピード出ないの?」
「無茶言うなメリウェザー、これが限界だ! これ以上出したらエンジンが
火を噴きかねん!」
 赤く広大な砂の大地を、砂上クラフトが疾駆していた。
 通称『ホバー』と呼ばれる型。旧時代の二輪車めいた形をした、随分と
古いモデルである。
 超速に舞い上がる砂と熱気を呑み込んで、ホバーを操舵する男が喚いた。
「火を噴くの? それは派手だね、なかなかいい。少なくとも、ガリッと
齧られて死ぬよりはいい散り様だなあ」
「派手って何だ派手って、花火じゃないんだぞ!? 大体落ち着き払ってる
場合なのかこれが!?」 
 重力制御装置が砂をかき分け、ホバーの通った後に浅い轍(ワダチ)を
作る。限界を超える速度から来る揺れが、轍の形を時折歪ませる。

          (以下 略)

 例えばこういうさくひんっていうのは、確かに素人衆の中では筆力が
ある方で、おそらく作者自身は、さぞや「これは、かなりイケテル!」
と、確信していることだろうが――

 その分、傍から見ればというか、プロの人間ならば思いっきりシビアに
内容の精査に入る訳で――「果たしてこの登場人物の在り方ってどうよ?」
みたいな処から入って、よくよく見てみれば……嵐の駄目出し百連発! 位
は何時でも直ぐに出されてしまう、みたいな――典型的な素人騙し的な物だね


※何処かの賞に応募しているのなら、二次選考突破、位までは赦してあげても
全然構わないとは思うけど、一応編集部としては電話で呼び出して、二時間位
プロの作家として認められる為の条件――みたいなものを懇々と説教してあげ
て欲しいよなぁ〜 是非 今の内に――とか、思うタイプの 奴 かなぁ〜※

767イラストで騙す予定の名無しさん:2005/06/16(木) 15:11:24
初投稿用に見栄えのするバトル物に挑戦してみたのですが、正直、今までと文体などが全然変わったものになってしまったので、少々不安です。
批評、よろしくお願いします。
なお、これは中盤で盛り上がる場面のバトルシーンの一部です。

「運命とやらもなかなか粋なことをしてくれるわね。ここなら余計な邪魔が入ることもない」
 ちょうど空自身、まったく同じことを考えていた。
「グラディウス王子の暗殺者、剣(レイピア)だな」  
「そういう貴方はアウレイリア姫の飼い犬ね」
 挑発するように切り返してくる。
 今さら精神戦が無意味なことなど知っているだろうに。
 だが、その小気味の良さは悪くない。
 彼女は小振りな剣を両手に構えている。 
 すらりと伸びた長身に、最低限の防具を身につけた動きやすそうな服装を身につけている。
 闇夜にも鮮やかな長い金髪を後ろで束ねて、その美貌は獲物を前にした女豹のように活き活きとしている。
 碧眼に灯る焔の刃は、剣の二つ名にふさわしい。
「千載一遇とはこのことだわ。そう思わない?」
 澄んだ声音だが、女性としては少し低めだ。
「ああ。まったく同感だ」
 一目見た時から分かっていた。
 彼女は自分と同じ、剣のみで戦う暗殺者だ。
 騎士などと違い、暗殺者は様々な得物を使い多種多様な戦い方をする。彼らは状況や相手に合わせて、自身の戦闘のスタイルを調整しなければならない。だから、一流の暗殺者が『全力』で戦い己の技量の全てを尽くすには、自分にとってもっとも見合った状況で、もっとも相性の良い相手と対峙し、しかもその敵が自身と同レベルの技量を備えていなければならない。
 力量が上がれば上がるほど、ただでさえ稀少なその確率は0に近づいてゆく。
 それが、この瞬間。
 奇跡にも等しい可能性の積み重ねの果てに、今、彼らは最高の敵と相対しているのだ。
「そろそろ始めましょうか」
「そうだな。間合いの駆け引きですら名残惜しいところだが、いつまでもこうしているわけにもいかない」 
 その微笑、
「きみに会えたことを__」
「__神々に感謝するわ」
 どちらかの主が居合わせれば、嫉妬したに違いない。
 闇夜に剣戟の音が高鳴って、火花が散る。
 交叉する刃を力任せに吹っ飛ばすと、彼女は地を蹴ってくるりと宙を舞う。
 こちらも右足にあらん限りの力をこめて跳躍し、必殺の突きを繰り出す。
同時の雄叫び。稲妻のような金属音。
 ズザッ、と地を滑りつつ着地する。
 頬を伝う一筋の血。あと一瞬遅ければ、下顎の付け根から上が空を舞っていたはずだ。
 実際のところ。
 心の底から眼前の敵の首を欲するその一時の間だけ、彼らは恋に落ちていたのだから。

768767:2005/06/16(木) 15:30:44
ついでに冒頭も晒しておきます。ラノベの投稿においては冒頭シーンはかなり大事だと聞いたので。

月のない、星明りだけがうっすらと闇を照らす夜だった。
 かすかな夜風に、水面がさざ波立つ。
 そんな湖畔の草原に、白馬が一頭寝そべっている。
「ごめんね、カイ。遅くまで付き合わせてしまって」
 ささやくような女性の声。白馬はかすかに首をもたげると、指し出される細腕に顔を寄せる。その影をよく見れば、白馬の額には一本の角が生えていることが分かっただろう。
 額に角持つ白馬の主人は、まだうら若い鎧姿の女性だった。と言っても、少女と言うほど幼いわけでもないし、淑女と言うにはまだあどけない面影を残していた。
 星明かりに青白く映える、ほっそりした輪郭。腰まで届く栗色の髪に、美しいというよりは愛らしい小造りな顔立ち。そして、雲一つない夜のように澄んだ、深い黒曜の瞳。
 艶やかな花と言うよりは、繊細な装飾を施された宝剣のような印象を受ける佳人だった。だが、どういうわけか女性の左目は、布に巻かれて隠されていた。
「ここに来るのは七年ぶりか」
 傍らの白馬に話しかけるとも、独り言ともつかぬことを呟きながら、湖の向こうに切なげな視線を向ける。 
 ややあって、なにかを振り切るような微笑を浮かべて
「帰ろうか、カイ。城まで乗せていってくれる?」
 ぴくりと耳を立てて、唐突に白馬が立ち上がる。主人の声に反応してのことではない。
 しゃらん、と鞘から抜く時に剣が鳴るように。
 形の良い眉が吊り上がって、黒曜の瞳の色が変わる。
 射抜くような視線が、何もないはずの闇に向けられる。
 足音一つ聞こえなかったはずであった。
 だが剣士である以上、これだけの数の殺気を向けられれば、嫌でも気づく。
「カイ。下がっていて」
 額に角持つ白馬は主人を信じきっているらしい。とくに脅える様子も見せず、主人の一歩後ろに控えると、そのまま彫像のように動かなくなる。
 女性は剣を抜くと、あたりに気を配りながら正眼に構える。装飾一つない実戦用のものだが、鋭くも澄みきった銀月の刃はその身にふさわしい。
「どうしました?娘一人に数人がかりで、近寄ることさえできないとでも?」
 揶揄するような言葉を、闇の向こうに投げかける。
「……女だてらに多少は使えるという噂、嘘ではないらしいな」
壮年の男のものらしき、かすれた低い声。
「別に逃げたければ止めはしません。お前達には敵に背を向けてはならない義理などないのですから」
負けじと言い返す女性。いや。鈴の鳴るような音でありながら、その口調は剣士のものだ。
 がさりと草を踏む音。二人、横手にまわった。
 だが、まだ動くわけにはいかない。
「ふん。数々の武勲も白昼での話よ。騎士など闇夜では、我らに捕われ喰われる者に過ぎぬ」
 反対側の横手に……たぶん三人。
 彼女の額に、大粒の汗が流れる。
 人数を正確に把握できるほどの腕は、彼女にはない。ただ予想していたよりも、ずっと多い。
「フレイル王国が第二王位継承候補、アウレイリア姫殿下とお見受けするが、相違ないか?」
 刺客の言葉に、一瞬だけ場の流れが止まる。
 女性は一息つくと、
「いかにも。我が名はアウレイリア。今は亡き、サーレイス王の遺志を継ぐ娘です」
 高らかと、誇らしげですらあるかのように彼らの誰何に答えた。
 それが、宣戦布告だった。

769イラストで騙す予定の名無しさん:2005/06/18(土) 19:11:16
>>768 冒頭としてはちょっと……人物描写の連続で入りづらいと思う。
>美しいというよりは愛らしい小造りな顔立ち と、
>艶やかな花と言うよりは、繊細な装飾を施された宝剣のような印象を受ける佳人
という描写がイコールしないような気がするんですが。
「いうよりは」が2文連続してるし。こういう表現の重複が多いです。
そのせいか、なんかゴタゴタした印象。

>>767の文の方がテンポアップして感じられる。
でもバトルものなのにバトル描写より人物描写の方が多いって……。
>間合いの駆け引きですら名残惜しいところだが
って台詞で言ってないで、黙って間合いの駆け引きをするところを
描写した方が、緊張感が伝わると思うんだけど。
敵同士の殺気と、男女間に漂う艶っぽさをかけたところはいいと思う。
でも暗殺者はうんぬんの下りは、言いたいことが伝わらないし、
いまいち読者を納得させる力を持ってないと思う。

文体を変えたということだけど、まだこの文体に慣れてないのかな?

770イラストで騙す予定の名無しさん:2005/06/18(土) 20:53:43
CivというゲームのWikiにアップした物です。そのゲームを下敷きにして書いたものなのですが・・・
どうか批評をお願いします。

まずガレー船5個船隊が九州南部に召集された。そして本土中の部隊−弓兵7部隊、戦士1部隊、槍兵2部隊が続々と到着し、我先にと乗り込んでいく。その近くの小高い丘の上に、厳重に警備された指揮所があった。中にいたのは、将軍・徳川と、軍事担当・神原の姿があった。
「どうですか、閣下!見事な眺めでしょう。規模は以前の大陸進出と同じ程度ですが、あの時はほとんどが槍兵部隊でしたからな。しかも今度は、わが国が大陸諸国に負けぬ力を持っていることを証明できる戦いです。兵の意気込みも違います」
興奮しながら語る神原を横目に、徳川は冷静だった。この軍事担当は必ず勝てると言い、それを信じてみようとあの時思ったが−正しかったのだろうか?中国の戦力を見下しているのではないか?やはり、他の策も講じておく必要があるな。
「どうかしたのですか、閣下?」
顔を急に覗き込まれ、今考えたことを感ずかれていなければいいなと思いつつ、平静を装った。
「いや、なんでもない。ところでこの春嵐計画は、対中国戦争計画と聞いたが、北京強襲しか考えていなかったのか?」
神原は眉を少し吊り上げた。気分を害したらしい。
「そんなことはありません。現在進行している、海上から北京を強襲・制圧する“鈴蘭作戦”の他に、大陸自国都市よりインド領を通過し、中国各都市を占領する“秋桜作戦”がありました。しかし、大陸侵攻はわが軍の機動力が不足していることと、本土が南から攻撃される恐れがあるため、この“鈴蘭”を採用しました」
「なるほど、ありがとう。頼もしい限りだな。ところで本当に君も、この侵攻船団に乗っていくというのは本当か?」
ある程度機嫌が直ったのか、苦笑しながら答えた。
「はい。ただ、ずっと船の上に乗っているだけです。わが軍が勝利するところを間近で見ようと、私は船から降りる、と言ったら部下から猛反発を受けました」
「それはそうだろう。もし万が一のことがあれば大事だからな」
「大丈夫です。閣下。わが軍は必ず勝利します。吉報をお待ちください」

それから2日後、強襲船団は出航した。

船団が出航してすぐ、徳川は執政室に内務、通商、外交、文化の各担当官を呼び出した。
「もし万が一の事も考えなければならない。負けた場合の事をだ。国内は混乱に陥るだろう。今本土の都市の大半が無防御状態だ。反乱でも起こされたらどうすることも出来ない」
徳川は椅子から立ち上がり、両手を後ろで組んで足早に歩き出した。
「混乱を最小限に抑えるには、君たちに尽力してもらわなければならない。やってくれるだろうか?」
物静かな紳士である東郷外交担当が、顔を真っ赤にして言った。
「一体、何を、どうやってですか!負けた場合の事などと。閣下はあの時、神原殿の言うことしか聞かなかったではないですか。それを今更−」
「すまなかったと思っている。あの時軍事担当を止めればよかったのだ。許してくれ」
東郷は目を丸くした。将軍の口から謝罪の言葉を聴くのはどれだけ振りだろうか。室内が静まりかえる中、小野文化担当が口を開いた。
「閣下、一国の主ともなると決して謝罪をしてはなりません。民の目の前では特にそうです。さあ、それでわれわれは何をすればいいのですか?」
徳川は再び椅子に座りなおした。
「・・・負けた場合、わが国は永遠に中国の属国になりかねない。そこで、中国に圧力をかけ、最悪の事態を回避したい。加藤内務担当、ガレー船と開拓団をひとつずつ用意してくれ。大至急だ。辻通商担当、大陸都市の影響圏内にある贅沢品を戦争中、奪われることの無い様。東郷外交担当、中国といつでも交渉できるよう、経路を確保していてくれ。小野文化担当、中国の政治宣伝に国民が惑わされるないように、愛国心を高い状態で維持してくれ。難しいとは思うが、頼む。日本が日本であり続けるために!」

開戦前夜午後7時。侵攻船団は台湾沖に停泊していた。中国に発見された様子はない。すべて手筈どうりいけば、明日深夜0時に宣戦布告し、午前3時に北京市郊外に上陸する事になっていた。

771イラストで騙す予定の名無しさん:2005/06/19(日) 14:33:37
>>770
あの、これはライトノベルとして投稿する予定の作品ですか?
それとも趣味で書いてるだけ?
作品のどの部分?

あと、ここ覗いてる人、いまあまりいないみたいだから、たくさんの批評欲しいなら、
新人賞スレにでも「批評求む」って言ってここに誘導した方がいいと思いますよ。
>>768の人も。

772767:2005/06/19(日) 21:23:28
>>769
的確な批評、感謝します。

>冒頭としてはちょっと……人物描写の連続で入りづらいと思う。
 最初に見せ場を持ってくると同時にヒロインの凛々しさを印象づける……というつもりだったのですが、たしかに人物描写の比重が多すぎだったかもしれません。

>描写がイコールしないような気がするんですが。
 愛らしく、かつ凛々しいというイメージだったのですが、改めて読み返すとたしかに読み手にはそれが分かりずらい表現になっていたかもしれませんね。

>表現の重複が多いです
 これは僕も自覚しています…orz。直してもいくつか残ってしまうのですよね…精進します……。

>バトル描写より人物描写の方が多いって
 この点については説明不足でした。これはバトルの冒頭シーンで、この後、電撃三枚分ほどバトルが続くのです。

>暗殺者はうんぬんの下りは、言いたいことが伝わらないし、
 いまいち読者を納得させる力を持ってないと思う。
 これは読んでもらった友人にも指摘されたことです。自分、設定魔のくせにそれを物語に活かす技術がまだ未熟なのですよね……。

>まだこの文体に慣れてないのかな?
 うーん、冒頭はともかく、767の場面あたりから慣れてきた…という感覚はあったのですが……。バトル物を書いたのも投稿を意識して書いたのもこれが初めてなので、やはりぎこちなさがあるのでしょうね。

>>770
 僕は批評はまったく素人なので、一つだけにしておきます。参考程度に考えておいて下さい。

 ちょうど作品の世界状況や戦略等を説明するための場面を書いているから、というのもあるかもしれませんが、少し登場人物の個性の描写がおざなりであるように感じました。
 戦記物だから、というのもあるかもしれませんがどんな作品であっても、登場人物の魅力は重要な要素かと思います。
 群雄劇の中で登場人物を個性を巧みに書いた作品には、ラノベでは『銀河英雄伝説』、一般小説だと『ローマ人の物語』や司馬遼太郎の日本史ものあたりがあるので、参考にしてみてはどうでしょう。
 同じ内容のことを言わせるのでも、ちょっと演出に凝ってみたり台詞廻しを工夫させてみるのも手かもしれません。同じ陣営や同志でもキャラごとに微妙に異なる信念や気質をもたせて、常にそれに基づいて描写することを心がけておくのもいいかと思います。

>>771
 そうすることにしましょう…。
 助言感謝です。

773769:2005/06/20(月) 15:50:56
>>767
>これはバトルの冒頭シーンで、この後、電撃三枚分ほどバトルが続くのです。

なるほど。いや、私も「長い」という言い方をしたのがいけなかったですね。
つまりアクションの描写が、人物描写の書き込み方と比べて、浅すぎるということです。
これ以降も同じような書き方をしているとしたらですが。
たとえばマンガのバトルシーンなら、コマごとに、打ち合わされる剣、互いの表情、
踏み切る足などを描いて効果線を入れれば、それなりに雰囲気は出せる。
でも小説では、アクションを体感させるような描き方が必要になる。
さらされている部分に限って言えば、この描写ではマンガどまりということです。
恋愛ものやコメディとかならともかく、バトルものなら、これでは不十分じゃないかな。

いや、バトルは本当に書くのたいへんだから、初投稿作というならがんばっていると思う。
読者が登場人物の動きを体感できるように書く、しかもテンポよく読ませる、
できればさらに「あっといわせる」。ぜんぶクリアするのは本当にたいへんだから。
プロのアクションシーンを読み込んで、参考にしてみたらどうでしょう?

774767:2005/06/20(月) 16:54:33
なるほど……そういうことでしたか。

<登場人物の動きを体感できるように書く、しかもテンポよく読ませる、
 できればさらに「あっといわせる」。
 さしあたって、僕に一番必要なのは最初の項目のようなので、そのあたりを中心に意識してみます。

775イラストで騙す予定の名無しさん:2005/06/21(火) 14:41:03
初書きしてみたのですがどうでしょうか?

 彼の気分は2,3日雨が降り続いていることもあってかいつにもまして憂鬱な気分だった。
何を見るわけでもなく窓からグラウンドに落ちていく大粒の雨を横目に軽いため息をひとつ演じてみた。そのため息は窓ガラスを曇らせ、雲のように窓に滞在している。
それを見ながらまた一つ、今度はさっきより大きいため息を出してみた。ため息は窓ガラスを更に曇らせ、その音は先生にまで届いてしまっていた。彼の身長はクラスで2番目という中々の長身のため、嫌でも目に付いてしまう。
「これで3度目ですよ。ため息をしている暇があったらノートを取ったらどうですか?神谷君。それとも校庭で走ってきますか?」
先生の3度目の台詞は怒りを通り越して呆れ口調になってしまっていた。
肘を机につけていた手を思わず滑らせ、頭を思わずぶつけそうになってしまいながら反射的に立ち上がった。
「す、すみません、先生。」
その3度目の台詞は頭をぶつけまいとしていた状態で言ったためなんともおかしい音程になってしまっていた。
1,2度はクラスメイトも笑っていたが、3度目になるともう飽きてしまい。ただこちらを見て彼のあわてた顔をしているだけだった。
「顔を洗ってすっきりしてきなさい。」
その呆れ顔も先生が滅多に言わない言葉もに神谷とってはもはやお決まりの台詞であった。
神谷はいつものように頭を縦に振るといつもとように立ち上がり、いつものようにトイレへ向かった。
神谷の中学校は私立のために回りは比較的綺麗で、特にトイレは今年作り直されたばかりでとても学校とは思えないでデパートの1室のようなトイレだった。手洗い場もまるで大理石かのようにピカピカに磨いてある。
神谷は蛇口勢いよくをひねり、その蛇口からとめどなく出る水を見ながら頭の中でただ一言、言葉を発してみた。
「俺は何をやっているんだろう・・・・。」
いくら外の景色を眺めても何も起こらないし、何百回ため息をついても何も変わらないのは彼もわかっていた。だがため息とは自分の気持ちに嘘偽りなく出るものである。ため息を消すためには、彼の体の中の憂鬱を消すしかなかった。
神谷は心の中で自分を軽く罵倒しながら勢いよく出る水を手ですくい、それを一気に顔へ押し付けた。水は自分が思っていた以上に勢いがよかったために手から飛び跳ね、ピカピカの台を水で汚してしまった。
その行為は何回も続けられたが、表面上の眠気は洗い流せても憂鬱を洗い流すことはできるわけがなかった。
洗い流せていない自分の憂鬱を感じながらふと自分の顔を鏡で見てみた。そこにはいつもと変わらない自分が写っていた。こんなに自分のことをまじまじと見つめるのは久しぶりかもしれないな。鏡の自分はさっきの水のせいでその髪の毛の先から顎までびしょびしょで眠気もすっかり覚めたはっきりとした黒い眼で自分を見つめ返している。だが、その目の下にはクマが出てきている。それになんだか元気がなさそうだ。○○はそんな自分を見て、またため息をついた。
その瞬間親友の言葉が頭の中を一気に駆け抜けていった。
「神谷は本当に一生ここにいるつもりなの?」
その言葉は、ふざけているわけでもなく、からかっていたような素振はまったくない。そして真剣な眼差しで神谷に向けられていた。あれが本気だとしたら俺は行きたいのだろうか?それともここに残り続けていつも通りの変わらない生活を送り続けるのがいいのだろうか?
その考えは永久に続くかとも思われた。だが、彼の考えは決まっていた。そしてこの憂鬱を消すためにはこの無限に続く構想に自ら終わりを告げるしかないことも気が付いていた。
もう引き返せはしない。本能的にそう感じていた。



冒頭だけうpしてみました。なんかキャラの気持ちがごたごたになってわかりづらい気がします。

診断お願いします。

776イラストで騙す予定の名無しさん:2005/06/21(火) 23:53:45
>>775
読点使いましょう。例えば最初の文なら、
「彼の気分は2,3日雨が降り続いていることもあってか、いつにもまして憂鬱な気分だった」
これだけで多少わかりやすくなったかと思います。
さらに言うなら、私であればこの文、
「2,3日雨が降り続いていることもあってか、彼の気分は憂鬱だった」
という具合に、倒置を使って主語と述語を近い位置に置きます。
また見ていただければわかるでしょうが、重複表現もカットしてあります。
とにかく、読者にわかり易い文章を心がけるのが吉かと。

777イラストで騙す予定の名無しさん:2005/06/22(水) 01:31:20
>>775
はじめてだから当然ですが、基本的な文章力がまだ……。
>神谷の中学校は私立のために回りは比較的綺麗で、
 特にトイレは今年作り直されたばかりでとても学校とは思えないで
 デパートの1室のようなトイレだった。
とくにこの文、長すぎるせいかミスが目立ちます。
「トイレは…(略)…トイレだった」(主語繰り返し)
「回り」(造り?)
「綺麗で」「ばかりで」(「で」重複)
「学校とは思えないで」(入力ミス?)
「デパートの一室」(「デパートのトイレ」では? 一室という表現はどうかと?)

書き換え例。
「神谷の中学校は私立だけに、比較的綺麗な造りだった。
 特に、今年作り直されたばかりのトイレは、手洗い場もまるで大理石のようにピカピカに磨かれ、
 学校というよりデパートのトイレを思わせる。」
……難易度高いです。書き換えにも苦労しました。
それ以前に、「トイレの描写なんていいよ。とっとと先に進めよ」
っていうのが読者の本音かもしれない……。

776も言ってるけど、
まず簡潔でわかりやすい文章を書くことを心がけ、それをクリアしたのちに、
徐々にニュアンスをつけ加える書き方をめざしていった方がいいと思う。

778775:2005/06/22(水) 18:43:11
診断ありがとうございます!
今一から読み直してみました。やっぱり読みづらいですね・・・・。
濁点や重複、さらには書き間違いまで・・・・(´・ω・`)
なるべく簡潔に、それでいてわかりやすくするように頑張ってみます。
ついでに辞典とかで勉強もしておきますね・・・・

後板違いなんですがやっぱりそのキャラ主点に動く時は、そのキャラのする行動等は
意味を持たせたほうがいいでしょうか?

779イラストで騙す予定の名無しさん:2005/06/22(水) 19:04:15

動機?ストーリーに対する意味?
後者は確実に必要かと思われ。

780イラストで騙す予定の名無しさん:2005/06/24(金) 02:20:57
冒頭シーンなのですが
多少なりとも「続きを読みたい」と思わせられる文章を作るのに四苦八苦してまして、ご教授頂けたら幸いです。

――

高級マンション。
築五年の二十二階建て。駅から徒歩五分。敷金礼金ゼロ。部屋割りはY3LDK(約二十三坪・賃料五十万円)からADF(約九坪・賃料十五万円)まで。
システムキッチン、ユニットバス、オートロック、ルームサービス、CS・BSアンテナ、セキュリティまで完備。利便性を重視した好立地。溢れ出す高級感を質素に抑えた無駄のない構造。住む人々に上質な暮らしを約束する最高の物件である。
その上なんと凄い事に――


――住民が全員ヤクザ。


「はぁ・・・・・・これ終わってから学校・・・・・・間に合うか?」
 げんなりと、大して高級でもない腕時計に視線をやる。
自分の事ながら、時計を身につける習慣は今時の高校生にしては珍しいと思う。
時刻は午前五時。
時計の文字盤を覆うガラスに反射する俺の顔は、誰がどう見ても疲れているようにしか見えないだろう。普段はさらさらストレートを保っているセミロングの黒髪が、へたれたワカメみたいになってる。友人に鷹のようだと言われる眼も、今は死んだ魚に例えた方が的確だ。眠気の無い時なら引き締まっているはずの口元も半開きだし、その上涎まで垂れている。
口元を拭い、時計の日付表示を見た。
日付は七月の一日。
既に至福の日曜日は終わりを告げて、学校の始まる憂鬱な月曜日に差し掛かっている。
だというのに、なぜ俺は自宅から遠く離れた高級マンションの非常階段前に居るのだろう。
(これから菊池組の組長の所に乗り込んで、手打ちを申し入れるためっすよ?)
 鼓膜を介さず、脳に直接響き渡る声。いや、声と言うには語弊があるかもしれない。これは俺と《意識同調》している上条 遊佐と言う名の若衆・・・・・・つまり俺の部下にあたる人物から送られてきた意思である。
送られてきたという表現も、適切では無いか?
俺と遊佐は今、俺の肉体を二人で共有している。
つまり、「お前が俺で、俺も俺で」状態なのだ。
(なんか、わかりにくい表現っすね・・・・・・)
 俺もそう思う。一つの肉体に二つの高次元霊的意識構造体、通称《霊識》を入れている状態と言った方が、良かったか。
(若ぁ、前から疑問だったんすけど・・・・・・高次元なんとかって何すか?)
「まあ・・・・・・便宜上の造語だから、深い意味は無い。《霊識》が幽霊やら魂みたいなもんだと分かっていれば充分だ。それより若って呼ぶなっ。俺は組の跡を継ぐつもりなんて無いんだから」
(でも若が若じゃなくなるってことは、若の部下やってるボク達は、仕事がなくなって破門されちゃって路頭に迷ってダンボールハウス作りの名人になって空き缶拾いに就職して、月に一度の安いお酒を楽しむ世知辛い生活を送るはめに・・・・・・いえ、今のは聞かなかった事にしてください。若は若のやりたい事をやってくれれば、ボクたちにとってはそれが一番なんです・・・・・・ううっ・・・・・・ぐすん・・・・・・ひっく・・・・・・うぇぇ)
「ああああ、やめっ! 《意識同調》してる時に落ち込むな! 感情も共有してんだから、こっちまでなんかヘコんでくるだろ・・・・・・」
 全身に纏わりつく切なくて寂しい感情に胸を痛ませながら、なんとか遊佐をなだめようと試行錯誤する。「遊佐、元気出せ」(・・・・・・若ぁ)「わかった、俺が悪かった、若でいいから」(やたっ! 若、これからもよろしくっす!)「・・・・・・」
今更ながら、今回の行動のパートナーに遊佐を選んだのは大きな失敗だったのかもしれないと後悔してます。ああ、帰ろうかな・・・・・・
(し、失敗とか言わないで下さいよ! ボク、仕事はちゃんと頑張りますから!)
「とりあえず、期待してるぞ・・・・・・?」

781イラストで騙す予定の名無しさん:2005/06/25(土) 03:31:19
>>778
質問の意味がよくわからない。
それよりまず「自分ならどうするか」考えて書いてる?
たとえば、冬のさなかでも、相当意図的にやらないと窓ガラスが曇るほどのため息って出ないとか、
自分がそんな巨大なため息をついておきながら、しかも三度めであるにもかかわらず、
教師に注意されてびっくりするかとか、
そんな生徒がいて、自分が教師とかクラスメイトだとしたらどうリアクションするかとか。
ごめん。どうも不自然。

782イラストで騙す予定の名無しさん:2005/06/25(土) 03:55:32
>>780
いきなり特殊な設定を口頭で(地の文でも)説明しはじめるのではなく、
肉体を二人で共有している状態を、行動なりで表現する方がベターだと思う。
他人がそんな状態の主人公を相手にして混乱するとか、
いっそことのはじめにさかのぼって回想とか、もっと見せ方に工夫が必要。

あと、私は不動産情報にくわしくないので、ADFとか言われてもわからないです。
そういう、読者がひっかかりそうな単語を省いて、もすこし短縮してもいいのでは?
>その上なんと凄い事に
というより「ただ、唯一の問題は」じゃ?

キャラや掛け合いはおかしくて魅力的。
遊佐の一人称「ボク」がなんかいい。

783イラストで騙す予定の名無しさん:2005/06/25(土) 16:19:04
冒頭です。人に見せるのは初めてですが、批評お願いします。

「気がついたかい?」
 十七、八歳の男の子が、声をかけてきた。黒い瞳が印象的な美少年だ。やさしげな顔立ちや小柄の体格のために、少女のようにも見える。
「ここはどこ? わたしはだれ?」
「ここは僕の家だ。君のことは、よくわからないけど、川で拾った」
 私の質問に、少年が簡潔に答えてくれた。
「でも、普通、自分のことじゃなく、僕のこと聞かない?」
 少年の指摘に、うつむいて視線をそらす。自分でも赤面するのがわかった。
「ていうか、君のこと聞きたいのは僕の方だけど。僕はユウ。君は?」
「わたしの……名前?」
 名前を思い出せず、つい問い返してしまった。
「わからない。わたしは、わたしはだれ?」
「も、もしかして、記憶喪失……なの?」
 少し考えて、微かにうなずいた。
 わたしは誰なのか、何をしていたのか、それさえも記憶にない。
 そう答えると、ずっと微笑を浮かべていたユウの顔が、一瞬、困っているような、驚いているような表情に変わり、またすぐに戻った。
 わたしは何と言えばいいかわからず、口を閉じた。
「え、えーと、お腹空いてない?」
 重くなった空気を払うように、ユウが話題を変えた。
 わたしが答える前に、お腹が勝手に返事をする。
 わたしは、とっさに顔を隠した。手の奥では、また顔が真っ赤になっているに違いない。
「ちょっと待ってて」
 そう言ってユウは部屋を出ていった。
 外からは何やら話し声がするが、聞き取れない。
 何気なく横を向くと、十六、七歳の女がいた。
 その深い翡翠色の瞳に、意識が吸い込まれる。
 その淡い黄金色の髪に、視線が引き寄せられる。
 あまりの神々しさに、身動き一つできない。
 しばらく見詰めあった後……気がついた。目の前にある鏡に。
 わたしが見とれていた少女は、わたし自身だった。
 鏡に映った顔がみるみる朱に染まっていく。
 誰もいなくてよかった。
 そう思った瞬間。
「あなた、ずいぶんと自分が好きなのね」
 わたしは飛び上がりそうなほど驚いて振り向いた。
 部屋の入り口には、ユウによく似た、背の低い少女。十四、五歳くらいだろう。笑いながらわたしを見ている。
「スープ持ってきたわ」
 そう言いながら、わたしの所に歩いてきて、どうぞと、湯気が立つお椀を差し出した。
 温かいスープからは食欲をそそる匂いがする。
 ふぅふぅと冷ましながら一口すすってみた。
 おいしい!
 もう一口飲もうとしたところで、使ってとスプーンをわたされた。
 スープには野菜や魚介類がふんだんに使われていて、とても美味だった。
 わたしはそれを、むさぼるように食べた。いつの間にか、お椀が空になっていた。
「ずいぶんお腹が空いてたのね」
 からかうように少女に言われ、顔から火がでそうだ。羞恥心で体がいっぱいになってしまった。
「姉さん、あんまりいじめちゃ、ダメだよ」
 ユウが戻ってきて少女をたしなめた。
 ……姉さん?
 少女に視線を向ける。
 どう考えても、ユウより年下にしか見えない。
「ホントに姉? って思ってるでしょ」
 図星を指された。ユウの方を見て、ごまかす。
「自己紹介がまだだったわね。あたしはエセル。これでも二十一よ」
 エセルを凝視する。
 ……何か見覚えがあるような気がした。
 鏡を見て、確かめる。
「気がついたみたいね」
 髪と瞳の色を変えれば、エセルは鏡に映っていた女に、つまりわたしにそっくりになる。もう何年かするとだけど。
「あなたは、だれ?」
 声が震えてしまった。
 必死に頭をめぐらせても、何が何だかわからない。
「それはあたしのセリフよ。ホント、あなた何者?」
 エセルの問いに、いくら考えても答えることができなかった。

784テーマは若年性テロリズム:2005/06/25(土) 21:09:00
さすがにもっと文章に肉付けするけどこんなもんでどうでしょうかね?


十二月三十日。曇り。再開発のために一時的に生み出されたサラ地。
そんな時間と場所で、僕らは三度おちあった。
彼女は普段より厚手の服装をして、彼は普段より薄手の服装をしていた。
「そんな格好で寒くない?」「そんな格好で暑くない?」と、いつも通りの間抜けなあいさつを交換する。
彼女は犬を連れていた。珍しくもない灰色の雑種犬。
「私が代わり散歩しているだけ。そもそも動物を飼うという習慣は……」
「あぁ、もういいよ。僕は暇じゃないし」
だってそうだろ? クサっても僕は受験生。
「どうせ私たちは暇人なんだよ、いつ集まろうと、どこに集まろうと問題はないじゃないか」と滑稽な声音で続ける。
「まぁ、私は自営業みたいなモノだからいいけど、受験生が暇人ってのは、ちょっと問題だよね」
「はぁ、そうですね」
腑に落ちないままの返答、こんな場所で彼女特有の入り組んだ長弁舌を聴いても、気がめいるだけ。
なんで、彼女の呼び出しに応じてしまったのだろう?
地面を見ると、廃材の破片、乾いた土塊、生気を失っている雑草があって。
「まぁ、君を今日、呼び出したのは、わかっているだろうけど進行状況を確認しようと思ってね」
天上を見ても、祝福すべき新年が数時間後に訪れる、そんな予感を拒絶する憂鬱な曇天。
「誰もが共和国建国六十周年を祝う準備で忙しいし、浮かれきっている」
周囲を見ても、青灰色の公団住宅、背の低い堤防、ドブ川。
「機は熟したんだ」
思わずこんな独り言を言いたくなる。『せめて、こんなところに呼ばなくても……』と。
どこから、とこなく救急車のサイレンが聞こえてきた。
そのサイレンも距離による音量の軽減、ドップラー効果、遮蔽物による反響の影響で、不気味なほど音量が上下する低音となって響く。
「まぁ、大晦日といっても死ぬ人間も居るし生まれる人間もいるだよね」と彼女はうれしそうにつぶやいた。
僕には『うれしそう』としか形容の出来ないつぶやきだった。
サイレンが遠のくと今度は彼女の連れている犬が騒ぎ始めた。

785イラストで騙す予定の名無しさん:2005/06/26(日) 14:47:24
>>783
「ここはどこ? わたしは誰?」って……ギャグならともかく、どう?
情景描写がまったくない。舞台となる場所が鏡しか描かれていない。
私の頭のなかでは主人公が真っ白な空間の真ん中にいて、宙に浮かんだ鏡を見ています。
主人公、記憶をなくした人のわりには、ずいぶん呑気だなとも思うし。
腹が鳴ったくらいで恥ずかしがってる場合かよ!と突っ込みたくなりました。

描写は足せばいいですが、冒頭、記憶喪失の美少女が……というのは。
よほどひねらないと新鮮味を感じさせないと思う。

ですが、文章は非常に読みやすい。
スムーズに言いたいことが伝わる、テンポのいい文。これはあなたの武器ですね。

786イラストで騙す予定の名無しさん:2005/06/26(日) 15:30:39
>>784
悪いんだけど、私は、感性を前面に押し出したこういう文章にツボがありません。
ので、その点については、こういう文が好きな方に批評してもらった方がいいと思う。

肉付けというより推敲が必要。ほかの人もだけど、誤字脱字が多い。
人称も「彼」か「僕」かに統一すべき。
>「あぁ、もういいよ。僕は暇じゃないし」
>「どうせ私たちは暇人なんだよ、いつ集まろうと、どこに集まろうと問題はないじゃないか」
同一人物の発した言葉に見えて、暇か暇じゃないのかと混乱する。
こういう文章は独りよがりな印象を与えがちだから、なおさら注意が必要なのでは。

あと、十二月三十日が大晦日って、そういう特殊設定?

787783:2005/06/26(日) 16:10:42
>>785
>私の頭のなかでは主人公が真っ白な空間の真ん中にいて、宙に浮かんだ鏡を見ています。
言われてみれば情景描写ぜんぜんないですね。orz

キャラとありがちな冒頭は再考します。……プロット作り直しかぁ。orz

参考になりました。ありがとうございます。

788イラストで騙す予定の名無しさん:2005/06/30(木) 19:27:03
連続になるけど、俺も晒してよいですか。
>>783の人と同じく、これもやっぱり冒頭部分です。

 ああ、やっぱりこうなってしまうのか。
 半ば他人事のように、春樹真人は心のなかで呟いた。
 他でもない、己の身に起こっていることだ。それが分かっていないわけではないのだけど、どうにもそれがしっくりこない。
 なぜ、こんなに落ち着いていられるのだろう。彼は不思議で仕方がなかった。なんというか、こういう時はもっと、大いに取り乱してパニックに陥ったりするものではないのか。小説やドラマなんかでは大抵そうだから、現実でもきっとそうなのだろうと思っていた。
 もっともそれはあくまで「思っていた」だけであって、実際にそうなった人を見たことがあるわけではない。もしかしたらフィクションで描かれているのは全くのウソで、これこそが正常な反応であるという可能性だってあるわけだ。
 ともかく、だ。見当外れの方向に行きかけていた思考に、彼は方向修正をかけた。今は、そんなことはどうだっていいのだ。なにせ、今彼は死にかけているのだから。
 繰り返しになるが、こんなのは彼にとっても初めてのことだ。今までは死ぬような怪我なんてしたこともなかったし、誰かがそういう目に遭っているところを目撃したこともない。だからその「死にかけている」というのもやっぱり感覚的なものに過ぎないのだが、この部分についてだけは、彼は絶対的な自信をもっていた。死期を悟る、とかいうほど大げさなものではないが、感覚としてはそれに近いだろう。自分に死というものが刻一刻と近付いてきているのが、ありありと感じられる気がした。
 少し首を起こして、問題の部分――左のわき腹あたりに目を向けてみる。明かりがない上に、どうやら目が霞んできているようだ。見えにくいことこの上なかったが、それでもなんとか、自分のシャツに赤黒い染みが広がっているのが確認できた。
 刺されたわけでもないのに出血しているというのは、どういうことだろう。もしかしたら、折れたアバラがお腹の肉を突き破って、外に飛び出しているのかも知れない――そこまで考えるとさすがに少し怖くなって、彼は目を閉じた。
 ふ、と全てが暗闇に閉ざされる。なんだかもう、痛いんだか苦しいんだか、よく分からない。もしかしたら自分はこのまま、もう二度と目を開けることはないのかも知れないけど、これ以上は無理だ。このまま、なんだかこのおかしな気分のまま、闇に沈んでいったほうがまだマシかも知れない。
 そうやって、いよいよ死というものをはっきりと意識したとき、ようやく彼の胸に後悔の念が押し寄せてきた。どうしてこうなったんだろう。一体、何がいけなかったんだろうか。
 死にたくない。そんな当たり前の情動も、この時になってようやく生まれ始めた。死にたくない。自分には、まだやりたいことがある。
 だけどそれも、激しい悲嘆となって彼の心を支配するというほどではなかった。何か大したことのない、例えるならどこかへ出掛ける予定がある日の朝起きたら雨が降っていて、ああいやだな、と思うのと同じぐらいのレベルだ。
 どうしてだろう。どうして自分はこんなにも、落ち着いていられるのだろう――
 ゆっくりと意識を失っていく間にも、彼はそんなことばかり考えていた。
 こうなることを全く予想していなかったと言えば、うそになる。だけど、では死ぬ覚悟が出来ていたのか、と問われれば、間違いなく彼は首をかしげただろう。
 それではいったい何故、彼はこんなにもあっさりとした態度で居られたのか。
 もしかしたら、彼はその時すでに予感していたのかも知れない。これは、終わりなどではない。始まりなのだ、と。

これだけじゃあなんとも言えない、とお感じになったら、もう少し先まで晒しますので、お申し付けください。

789イラストで騙す予定の名無しさん:2005/07/09(土) 17:16:53
>>788
スタートのアイデアはよい。
どうなるのだろうと引き込むものがある。
文章のリズムもよい。

ただ、悪いことは言わない。
「なぜ、こんなに──」から「──感じられる気がした」の部分は
全て削れ。

冒頭に「とにかく」は避けろ。

「とにかく(兎に角)」を使うと、
それこそ兎に角をつけるような違和感とともに、
話の流れが切れてしまう。

そういう効果が必要なこともあるだろうが、
最初のスタート時点では、できるだけ使わない方がいいと思うぞ。

さておき、主人公が死の淵から舞い戻るところから
話を始めるというアイデアは面白いと思う。
主人公をそういう目に合わせた敵がいることを暗示。

また、感情と感覚をバランスよく拾い上げる一人称型三人称の
文体は、将来の主人公と敵との激闘をしっかりフォローすると
思われて、よい雰囲気。

790イラストで騙す予定の名無しさん:2005/07/13(水) 20:27:41
>788
789と同意見になるけど、「ああ〜(中略)ありありと感じられる気がした」
ここ全部いらないっぽい。いらないというか、「なんなんだこの状態は」という
感じの独白を一行ないしは数行ていどにおさえて、さっさと脇腹の描写に入った
ほうがテンポよく読めると感じたです。
「死にかかってる」とまえもっていわなくても、怪我部分を見たら「死にそう」
ってわかるので、まず描写に語らせてから「あー俺って死ぬのか…」と独白
入れるほうがいいかな。

791未だ題名も決まっていない話。:2005/07/18(月) 02:26:29
このスレッドの人々の投下する話を読んでるとほんとに自分の作品の拙さが目に見えてしまいますが……
それでも勇気を持って投下してみます。ぶっちゃけ少なすぎて意味わかんねーと思いますが、こき下ろしてくださいお願いします。

・・

 暗闇に、雨音と波音が続いている。



「――起きろ、」

 完全な漆黒の中、唐突に命令形の言葉が生まれた。
 雨雲が夜の光を遮り、あらゆる視覚が意味を失うその場所に、何かがいる。
 言葉は、何かに向けられている。

「起きろ、逃げるぞ――」

 再び繰り返す。
 応じる者がいるのか、そこにいる一人の人間は、早急にその場所からの逃走を望み、呼びかけていた。その間も雨音は途切れず、彼方には雷鳴も轟く。稲妻の明かりもまた雲の中で生じているのか、彼ら、もしくは彼女らには届かない。
 声が小さ過ぎたのか、あるいは雑音に紛れたのか、返答はなかった。だが、―――そこに言葉でも雨音でも雷でもない、新たな音が生じた。それは初め、木の板の上を歩くような効果音で、水面がそれまでの規則性を破って波打つ気配を伴った。

「…………息を吸え、後は――俺に任せろ。暴れるなよ――」

 最初の声が、今一度呼びかけた。
 返答らしい返答はやはりなかったが、しかし微かに、低く唸るような――注意深く聞けば肯定に聞こえなくもないような別の人間の声が漏れ、
 すぐにそれは、水へと飛び込む音に消えた。

・・

冒頭部分、こんだけです。どうなんでしょうか。

792788:2005/07/18(月) 21:54:21
返事が遅れてしまってすみません。

みなさんが仰っているように、やはり少しくどいですね。
こうして横書きに直してみると、違った目で見ることが出来るのでいいですね。

とりあえず、要らない箇所があるというのは間違いないと思います。
最終的に、これの半分ぐらいの長さにするのがいいでしょうね。

では。

793イラストで騙す予定の名無しさん:2005/07/21(木) 00:33:41
>>791
こきおろすにも材料が少なすぎて……。
文章はきれいだと思うんだけど、なんだか持って回った言い回しが連続して
内容を理解するのに時間がかかる。
そういう雰囲気を意識しているのかもしれないですけど、
冒頭はすばやく読者を引き込まなければいけないから、危険かも。
雰囲気を取るか、読みやすさを取るか。
分量が少なすぎてそれくらいしか言えません。

ところでみんな、自分の文投下するだけじゃなくて、ほかの人の批評もしてあげようよー。

794イラストで騙す予定の名無しさん:2005/08/30(火) 21:07:55
思いつくままの言葉を文章にしてみたのですが、やっぱりレベルが低すぎでしょうか?
他人に自分が書いたものを見てもらう機会がなかったので心配です。
どんな感じで書けばいいかアドバイスなどありましたらよろしくお願いいたします。


夏が終わる。夏が終わる。夏が終わる。
――夏が終わってしまう!

上雲八幡、高校2年の夏もあと1週間で終わってしまう。
何の思いでもなく、何もせずに夏が終わってしまう。
今年だけではない。去年も一昨年もその前も。

今まで16年生きてきて記憶に残る夏など一回もなかった。
旅行にも行ったことがない。お祭りも地元のしょぼい神社に男友達と行ってまずい焼きそばを買って、家で食ったことしかない。

「俺の人生って終わってる」

たとえ今日死んだところで俺には灯相馬なんて絶対見えない。

―あと俺は何回同じ夏をすごすんだろうか。
そんなことを考えているといつの間にか眠気が襲ってきた。

外ではセミが最後の一鳴きとばかりにわめき、近所の公園から聞こえる子供たちの声
蒸し暑いコンクリートジャングルの中を駆け抜ける、夏の終わりを告げる風

どこからともなくリーン、リーン、リーンと風鈴の音が聞こえてくる。
あぁ俺はきっと残りの夏もこうやって同じ様に寝てばかりの夏を過ごすのだろう。
そう考えている内にいつの間にか眠っていた。

795イラストで騙す予定の名無しさん:2005/08/30(火) 21:08:25
※第1章

僕は海に立っていた。
正確に言えば砂浜の波打ち際。
見たこともない青い海と白い砂浜。
空には雲ひとつなく、水平線さえぼやけて無くなってしまいそうな海に、空と海を分けんとする船が一隻水平線に沿って走っている。

「どこだ?ここ?」
自分で言って置きながらハッとした。

そうだ。僕はこの景色を見たことがない。

いや、見たことが有るには有る。テレビや本でだが。
しかし、それにしてはやけにリアルだ。

僕の記憶にある海は、湘南の人ごみと黒い砂浜、濁った海。
そんな世界とは別世界のようでいて、僕の足に時々かかる水はやけに冷たく、時折吹く風は暑さを吹き飛ばしてくれる。

――あぁそういえば今年は崇と海に行ってないなぁ
毎年なんだかんだであいつと一回は海に行ってた気がするが今年はそういや行ってない。

まぁそんなことはどうでもいい。
あいつと海に行ったところで海にも入らずに日陰でダラダラしているだけだし。

ザバンッと大きな波が俺のひざ小僧までぬらしていった。
まるで「こっちへ来い」と呼ばれているような気がしてくる。

もう一度ザバンッと今度は腰の辺りまで波が濡らしてて行った。

796イラストで騙す予定の名無しさん:2005/08/30(火) 21:08:58
いや違う。
波が高くなっているのではない。俺が海に向かって歩いているのだ。
いつの間にか浜辺から五メートル以上はなれている。

―あぁ、でも気持ちいい。
いつの間にか風は止み、真上にある太陽は一段と大きく見えて、夏を感じさせる暑さと、それを冷まさんとする水の冷たさがとても気持ちよく感じた。

そんな事を考えていた刹那だった気がする。

「行っちゃダメ!」

世界が割れるかと思うほどの声で後ろの浜辺のほうから、普通の人よりちょっと高めの声で、でも全然癇に障る声でもなく。その声が僕が歩み続けていた足を止めた。

いつの間にか俺の胸ほどまでに水の高さが来ていたみたいだ。

「そこは行っちゃダメなの。あなたはそこには行っちゃダメ。あなたはこちらとあちらの真ん中にいるべき人だから。そこはダメ」

止めた足を今度はひねり、浜辺を見る。
そこには一人の女・・・いや少女が立っていた。

797イラストで騙す予定の名無しさん:2005/08/30(火) 21:09:50
どこを見るでもない。
俺しか見ていない目。
真っ直ぐこっちを見ている瞳。

それは間違いなく僕にかけられた言葉だと一瞬で理解できた。

「君はだれ?俺はどうしてここに・・・ここはどこ?」
「私は私。あなたはあなた。ここはここ」

相変わらずの真っ直ぐな瞳で俺を見ながら彼女の口は微笑んでいる。
まるで吸い寄せられるかのように、僕の足は今度は来た道を戻っていた。

「もうすぐあなたに会えるから。もうすぐ私と会えるから。そしたらあなたはすべてを受け入れる」

彼女がそういい終わるか終わらないかの刹那の瞬間。
俺は彼女に殴られたかと思うほどの衝撃をほほに感じていた。

段々と覚醒していく記憶
今まで開けていると思っていたまぶたが少しずつ光を取り込んでいく。
光が完全に目になじんだそこは見慣れた部屋と見慣れた片方の足。そしてもう片方の足は俺のほほに乗っており、その見慣れた部屋の中に見慣れぬ人物がいた。


以上がプロローグなのです。長くなりましたが、よろしくお願いいたします。

798イラストで騙す予定の名無しさん:2005/09/01(木) 22:46:13
通りすがりだけど、ざっと読んだので。

文章はさほど悪くはないと思う。読めたから(基準はそこか)。
ただ、書きなれてないのがよく判ってしまうのはなんとも。
とりあえず、文頭一字あけと「・・・」ではなく「……」を使うといいよ。
それから、これはもう今はさほど言われてもないし市販小説でも違ったりするんだけれど、
やっぱり文章中の数字は漢数字が嬉しいです。
上雲八幡って、名前? あんまり名前っぽくないから、学校名なのかなんなのか判断がつきません。
改行がやたら多いのは、ここに載せるから見せやすくするため? そうでないのなら、非常に厨臭いオンライン小説のようで微妙に心地悪いです。

夏が終わる。
と言う始まりは夏好きにはたまらん感じに惹かれました。
ただ、惜しむならばそれを生かしきれてないかなぁ。あと、擬音が正直あまりに安直で安すぎる。
リーン、リーン、と風鈴は響きませんw
風鈴の音、聞いたことある? リーン、リーンだとどうしても鈴虫っぽいw
どうせなら、冒頭の「夏が終わる」は全部はしょっちゃって良いかも知れない。
インパクトを狙うなら、だけど。(ただ、私個人としては夏が終わる、というその焦燥感は好きだ)

気になった部分。

「近所の公園から聞こえる子供たちの声」……「近所の公園からは、子供たちの騒ぎ声が響き〜」など、きちんと文章として成すこと。
「世界が割れるかと思うほどの声で後ろの浜辺のほうから、普通の人よりちょっと高めの声で、でも全然癇に障る声でもなく。」
……文章として成すこと。文頭の前半をまとめ切れてないので、意味がわからなくなっている。
後、個人的に「世界が割れるかと思うほどの声」が甲高いのは想像つかない。
「刹那の瞬間」……重複文。「刹那」も「瞬間」もおなじ。「刹那」使いすぎると厨臭いので気をつけて。

ざっとはこんなかんじかなぁ。
通りすがりが辛口でごめんなさい。がんばって完成させてください。

799イラストで騙す予定の名無しさん:2005/10/13(木) 16:32:04
短編の冒頭です。
出来れば、批評をお願いできないでしょうか。

 大学からの帰り道。スーパーでの買い物を終えた僕は、寄り道せずに家路を急いだ。
 ここ最近は、毎日こうしている。友人の誘いも、全部断って。「付き合いが悪い」と言われようが、構うものか。僕にはもっと大事なことがあるのだ。
 アパートの階段を上がり、部屋のドアを開ける。日当たりの悪い、六畳一間の安アパート。本来なら喜び勇んで帰って来たくなるような場所ではない。だけど――
「おかえりなさい!」
 無言でドアを開けた僕を、彼女の元気な声が出迎えた。同時に、部屋の奥から彼女の笑笑顔が飛び出してくる。薄暗い廊下が一気に明るくなるような、そんな笑顔。
「ただいま」
 僕も思わず笑顔になりながら、帰宅のあいさつをする。すっかり当たり前になった感のあるこのやりとりを、僕は喜ばしく思っている。誰だって、誰も居ない部屋に帰るよりは、出迎えてくれる人が居るほうが嬉しいものだ。たとえそれが――
「ねえ、買ってきてくれた?」
 彼女の明るい声が、僕の思考を遮る。
「ああ、うん」
 僕は、手に提げていたスーパーの袋を差し出した。彼女は僕から受け取ったそれを一通り確認すると、
「うん、オッケー。今から作るから、ちょっと待っててね」
 僕の返事を確認する間もなく、彼女の姿はキッチンへと消えていく。彼女の長い後ろ髪が、僕の視界の先でふわりと揺れた。彼女の甘い香りが、僕の鼻腔をくすぐったような気がした。本当はそんなこと、絶対にあり得るはずがないんだけど。
 部屋に上がり、ぼんやりとテレビを眺めながら待っていると、やがて彼女の料理が出来上がった。いただきます、と言って、彼女の手料理を食べ始める。おいしい、と連呼しながら。彼女は僕が食べ終わるまで、その様子を横からじっと、嬉しそうに眺めている。彼女が作った料理を、彼女が口にすることはない。たぶん、もう二度と。
 食事が済んで、テレビを見ながら彼女と過ごすうちに、寝る時間になった。布団を敷き、横になる。僕一人で。彼女は僕が寝るときになると、部屋の外へ出て行く。僕に気をつかっているというのもあるのだろうけど、僕が寝ているのを横で眺めているのは彼女自身辛いのだという。自分の立場を改めて思い知らされるような気がするのだとか。
 僕と彼女は、触れ合うことはない。別にプラトニックだとかそういうことではなくて、単純に「出来ない」のだ。だって、彼女は――
 幽霊だから。
 僕が彼女と出会ったのは、僕のアパートの近くにある、小さな公園だった。ベンチに腰掛け、一人で寂しそうにしている彼女の姿が、僕には何故か見えてしまったのだ。
 むろん、僕は最初、彼女が幽霊だなんて夢にも思わなかった。見た目には、普通の人間と何も変わらないのだ。彼女に声をかけたのは、なんだかそうしないといけないような気がしたから。僕が声をかけなければ、彼女はずっと独りきり。何故だか、そんな風に思った。
 最初に、なんと声をかけたのか。僕はよく覚えていない。だけど、声をかけられて、びっくりしたような顔で振り向いた彼女の顔を、僕は一生忘れないだろう。その一瞬で、僕は恋に落ちてしてしまったのだ。
 それからは、夜になると公園に行って彼女と話をするのが日課になった。何を話したのかは、やっぱり覚えていない。話の内容なんて、どうでもよかったんだと思う。ただ彼女と一緒に居られれば、それでよかった。彼女の口から、彼女が幽霊であることを聞かされたときも、僕は自分でも意外なほど驚かなかった。たぶん、そのときにはもう、そんなことでは揺るがないほどに彼女のことを好きになってしまっていたのだろう。
 僕の部屋に来たい、と言い出したのは彼女のほうだった。むろん、僕は二つ返事で了承した。それから、彼女が一日のほとんどを僕の家で過ごすようになるまで、さほど時間はかからなかった。
 彼女は、何でも出来た。物に触れることも、さっきみたいに料理をすることも。普通の人間と変わりなく、なんでも出来てしまうのだ。ただ一つ、「人と触れ合うこと」を除いて。
 それが障害になっているといえばそうなのだろうけど、僕は気にしていない。朝、彼女が起こしてくれて、送り出してくれる。講義を終えて、家に帰れば彼女が待っている。僕には、それだけで十分だった。

800799:2005/10/13(木) 21:54:46
少し補足。
なぜ「僕」に「彼女」が見えたのかは、この後明らかになります。
彼らが本当に今の関係でお互いに満足しているのかということも、
この後問題になってきます。

801イラストで騙す予定の名無しさん:2005/10/13(木) 22:11:26
設定、ストーリーはおいとくとして(というかこれだけじゃ何ともいえへん)。
句読点の使い方をもうちょっと何とかした方が良いと思われる。
ぶつ切り過ぎだったり、変なトコで区切ってたり。

802 草薙?剛 朗読FU:2005/10/15(土) 12:28:00
 その日もボクは、大学の講義が終わると
近所のスーパーで簡単なゆうげの買い物だけを済ませて一目散に我が家に帰った。
 ここ最近は、ボクは毎日こうしている。
 友人の誘いも、全部断って。
「付き合いが悪い」と言われようが、構うものか。
 僕にはもっと大事なことがあるんだ――
 アパートの階段を上がり、部屋のドアを開ける。
日当たりの悪い、六畳一間のIKの安アパート。
     それがボクのお城――
本来なら喜び勇んで帰って来たくなるような場所ではない。
       だけど――
「おかえりなさい!」
 無言でドアを開けた僕を、彼女の元気な声が出迎えてくれた――
それと同時に部屋の奥からはこぼれるばかりの彼女の笑顔も飛び出してくる。薄暗い廊下が一気に明るくなるような、そんな笑顔。
「ただいま」
 僕も思わず笑顔になりながら、帰宅のあいさつをする。
すっかり当たり前になった感のあるこのやりとりを、僕は喜ばしく思っている。
誰だって、誰も居ない部屋に帰るよりは、出迎えてくれる人が居るほうが嬉しいものだ。
たとえそれが――
「ねえ、買ってきてくれた?」
 彼女の明るい声が、僕の思考を遮る。
「ああ、うん」
 僕は、手に提げていたスーパーの袋を差し出した。彼女は僕から受け取ったそれを
一通り確認すると、
「うん、オッケー。今から作るから、ちょっと待っててね」
 僕の返事を確認する間もなく、彼女の姿はキッチンへと消えていく。
彼女の長い後ろ髪が、僕の視界の先でふわりと揺れた。
彼女の甘い香りが、僕の鼻腔をくすぐったような気がした。
本当はそんなこと、絶対にあり得るはずがないんだけど。
 部屋に上がり、ぼんやりとテレビを眺めながら待っていると、
やがて彼女の料理が出来上がった。「いただきます」と言って、
彼女の手料理を食べ始める。「おいしい」と連呼しながら。
彼女は僕が食べ終わるまで、その様子を横からじっと嬉しそうに眺めている。
彼女が作った料理を、彼女が口にすることはない。たぶん、もう二度と。
 食事が済んで、テレビを見ながら彼女と過ごすうちに、寝る時間になった。
布団を敷き、横になる。僕一人で。彼女は僕が寝るときになると部屋の外へ出て行く。
僕に気をつかっているというのもあるのだろうけど、僕が寝ているのを横で眺めているのは
彼女自身辛いのだという。自分の立場を改めて思い知らされるような気がするのだとか。
 僕と彼女は、触れ合うことはない。別にプラトニックだとかそういうことではなくて、
単純に「出来ない」のだ。だって、彼女は―― 幽 霊 な の だ か ら。

803イラストで騙す予定の名無しさん:2005/10/18(火) 11:24:45
>>799

>本来なら喜び勇んで帰って来たくなるような場所ではない。
>だけど――

冒頭で逆接の接続詞を使うのは、やめておけ。

あと、>>801が句読点のことを指摘しているけれども、
文体は、とりあえず、よく言えば、独特だな。
それがいい方向にでるのか、悪い方向にでるのか、
今の段階では不明。

804イラストで騙す予定の名無しさん:2005/10/18(火) 19:25:17
何故冒頭で逆説が駄目なのか、それを説明してあげないと。

……てか、俺も知りたい。

805イラストで騙す予定の名無しさん:2005/10/20(木) 02:17:10
俺は801ではないが、そもそも接続詞を使いすぎるとテンポが悪くなる。
それに、事実が転換したというイメージがより強くなってしまう。ここは
あっさり、

本来なら喜び勇んで帰ってくる場所ではないのだけど――
「おかえりなさい!」

でいいと思う。あっさりしてて。

806803:2005/10/23(日) 19:34:10
>>804
逆接の接続詞を使うと、論理の流れが一つ増える。
その分に、読者に負担がかかる。

安アパートが普通は帰りたくない場所とか、さしたる
必要のない情報でしょ?

冒頭から、逆接の接続詞で、さしたる必要もない情報のために、
論理の流れを増やすっていうのは、読者にとってストレスが
たまると思う。

最初から、俺は読者のサイドの負担など気にしていない、と宣言する
ような態度にも思われ……。

だいたい、そんな感じ。

807788:2005/10/30(日) 23:32:01
上で晒した人はもう見てないかな?
自分が晒すばっかりだと申し訳ないので、僭越ながら感想を述べてみます。

>>795
上でも他の方が仰ってることですが、文章は特に問題ないと思います。
若干表現が拙いと感じる部分もありますが、
そういうのはきっと全部書き上げてから推敲する時に自然と修正できるのではないかと思います。
少し希望的観測ではありますが。
ただ、冒頭の独白の部分、僕の読み違いでなければ
寝転んであれこれ考えている状態なんですよね?
だとすれば、そのことを少しでも説明したほうが分かりやすいのではないかと思います。
何も情報がない状態からいきなり寝ちゃうので、少し唐突な感じがしました。
あと、これは好き好きかもしれませんが、
夢の描写はもっとぼかしたほうが夢っぽくなるのではないかと思います。

>>802
某巨大掲示板のスレで「晒す」と書き込んでた人ですね。
あちらではいろいろな意見がありましたが、
そこでの評判どおり文章はこなれている感じがしました。
やはり描写不足の感は否めませんが。
ここで言われている句読点についてですが、
僕は気になりませんでしたがこれだけ同じ意見が出ているのですから
気をつけるべきではないかと。

808788:2005/10/30(日) 23:35:11
さて、連投になってしまいますが、>>788で晒した作品を本格的に執筆することにしたので、
冒頭の部分もここで頂いたご意見を参考にして修正しましたので載せておきます。
もしよければまたご意見いただけないでしょうか。


 ああ、やっぱりこうなってしまうのか。
 ぼんやりとした意識の中で、春樹真人は小さく自嘲した。
 春が近いとはいえ、まだ夜は底冷えする。背中で感じる地面の感触はまるで氷のようだ。
 うっすらと開かれた視界の先で、冬の星座がきらきらと瞬いている。死んだらお星さまになるってのは本当だろうか――なんとなくそんな考えが頭をよぎって、真人は思わず苦笑した。馬鹿馬鹿しい、夢見る少女じゃあるまいし。
 状況はどうしようもなくシリアスなのに、どうも頭がそれについていけていないようだ。なんだか思考にモヤがかかっていて、ろくな考えが浮かんでこない。痛いとか苦しいとかいう感覚も、気付けばいつのまにか無くなっている。いよいよ、おつむのほうも働きを終えつつあるらしい。
 ただじっと、真人は夜空を仰ぎ見ていた。べつに星の輝きに目を奪われていたのではなくて、たんに視界を動かしたくなかっただけだ。きっと今の自分の身体は、まるでスプラッタ映画に出てくる惨殺死体のようになっているに違いない。いくら頭がろくに働いていないとはいえ、そんなものを見てしまったらさすがに気分が悪くなるだろう。
 やがて、不意に光が差した。あいつが近付いてきたのだ。とどめを刺すつもりだろうか。
 小さく息を吐いて、真人は目を閉じた。俺の人生もこれで終わり。ずいぶんとあっけないものだ。昨日までは――いや、つい一時間ほど前までは、自分がこんなふうに死ぬなんて思いもしなかったのに。
 後悔はない。強がりではなく、本当にそう思う。今日一日の自分の行動を思い返してみたところで、悔やむべき点は見つからないのだ。他に選択肢があったとは思えないし、もし今日と同じ日が百回続いたとしたら、自分はきっと百回ともこれを同じ結末を迎えるに違いないと思う。
 自分にとって、この死は必然だった。意味はないけど、仕方がない。
 意味はない――ふいに浮かんだその言葉が、真人の心をずきりと痛ませた。死、というものに対してだけではない。一体今まで自分は、何のために生きてきたのか。形としては彼女のために死ぬわけだが、彼女から見れば自分など勝手に心配して勝手についてきて、勝手に巻き込まれて死ぬだけの男にすぎない。そう、彼女はとうとう最後まで自分のことを思い出してくれなかったのだから――
 まったく、なんてバカな話だろう。
 閉じたまぶたの奥から、一滴の涙が溢れ出た。その涙がゆっくりと、耳の裏側をつたって零れ落ちていくのを感じながら、真人の意識はゆっくりと闇へ呑まれていった。

809イラストで騙す予定の名無しさん:2005/10/31(月) 10:06:47
スラスラ読めますた。
個人的に気になるのは二点かな。

①「お星さま」→「星」で良い希ガス。
男で「お星さま」と言うのは生理的に……w


②意味はないけど、仕方がない
 ↑
 ここを強調するために、前後を改行した方が良いっぽ。

前)同じ結末を迎えるに違いないと思う。自分にとって、この死は必然だった。意味はないけど、仕方がない。
 意味はない――ふいに浮かんだその言葉が

 ↓
後)
同じ結末を迎えるに違いないと思う。自分にとって、この死は必然だった。


『意味はないけど、仕方がない』


意味はない――ふいに浮かんだその言葉が真人の心をずきりと痛ませた。死、というものに対してだけではない。


……あくまで自分個人的の、主観的な意見っす。
文章自体は読みやすかったですよ( ´∀`)

810イラストに騙されても負けない名無しさん:2005/10/31(月) 15:31:27
>>808
の文章は、何枚もある写真を描写しているようだ。
描写が単発で終わっている為、変化が感じられない。
もっと写真と写真の間を描写するべきだ。

例えば、真人のコンディションの変化が書かれていない為
「スプラッタ映画に出てくる惨殺死体」というよりも
「応急処置が終わった重傷者」的な印象を受けた。
この点を修正すればもっと迫力が出るのではないかと思われる。

811イラストで騙す予定の名無しさん:2005/10/31(月) 20:52:01
>>808
真人は痛みを感じてない?
地面が冷たいとは感じてるんだよね?
真人の感情の第一に来てるのは諦観?
真人のキャラは言ってしまえばクールだけど、大切なものには強い執着を示す人?
自分の死すら「どうでもいい」と思ってるような絶望系?
真人の感情は総括するともうぬるぽ?
そういや、血は流れてるのかな? アイツが近づいてきたけどヌルーされてる?

ここら辺が、感想と疑問点。全部疑問系なのは、続きを読まんときっぱりと分からないからね。
まぁ、参考にでも。

812808:2005/11/01(火) 01:42:12
みなさん、レスどうもです。
>>809
細かい指摘痛み入ります。
確かに男のくせに「お星さま」は変ですねw
訂正しておきます。

>>810
もう少し具体的に真人の状態を描写したらいいのですかね?
少し考えてみます。

>>811
ううむ、地面が冷たいと感じてるのに痛みは感じなくなってる、か。
確かにおかしいですね……
まあ感覚がなくなる前、倒れた直後から地面の冷たさは感じていたはず、
という言い訳はできますが、違和感があるのは否めない。

他の指摘は大体あたってます。
中でもヌルーされてるってのは正にその通り。
何故わかったんだ〜〜って感じです。
あと、後々語られることですが
この出来事は彼にとってあまりにも唐突な出来事であったので感情が麻痺している状態です。
本当はクールではなくて、もう少し素直というか、少年ぽい性格です。
大切なものには強い執着を示すってのはあたってますが。

813811:2005/11/01(火) 19:10:05
>>812
ふむ。なるほどありがとう。
冷たいのは分かった後にとしたいなら、その描写をいれる必要があると思う。
ex)その前に倒れた瞬間の痛みを熱として比較してみるという手もあると思う。
感情が麻痺しているとわかる描写がないと、読者が混乱してしまう可能性がある。
ex)異常な状況ならば、異常と捉えやすいように文体を(普段の文章と)変えてみるという手もある。

それと、真人という人物は死というものをとても身近に捉えている人物であるか、
とても空虚な人間であるようにみえる。
あなたの言う少年のようなイメージと(感情が麻痺していたとしても)繋げられない。
今後の文章で、キャラクターの一貫性がでるように気をつけておくといいかも。

疑問に答えてくれたので突っ込みやすくなりました。特にしたほうがいいんじゃない?って思うところはなかったんで。
ちなみにヌルーってのは止めを刺しに向かってきたんじゃねーのかよ! って思っただけです。
遠ざかってったほうがいいんでない? プロット上問題がないなら。

814808:2005/11/02(水) 14:35:43
>>811さん、二度もご意見ありがとうございます。
僕があまり書き込みすぎるのもよくないかも知れませんが、
ここは答えるのが礼儀だと思うし何より今後の執筆の参考にしたいので返信します。

そういえばこの晒し文章では付け加えていませんが、
真人の怪我は腹の部分を大きく切り裂かれたものです。
「まるでスプラッタ映画のような〜〜」の後に、
完成版には「腹が大きく裂けて〜〜」という描写の一文を入れることにしました。
なので、疼く腹の傷と氷のように冷たい背中の地面という対比はやりやすいかと。
ただ、ぶっちゃけてしまうと腹を裂かれた痛みというのがどんなものなのか
当然僕は味わったことがないので、どう描写していいものやら見当がつかないんですよね。
なので少し逃げに走ってしまった……というのが正直なところです。
あと、のっけから「いたいよ〜〜」と連呼する主人公も
いかがなものかと思ったというのもありますが。

感情が麻痺していると書きましたが、
もっと分かりやすい言い方をすると真人の心情は「諦めの境地」というやつです。
人間、どうあがいてももう助からない状態に追い込まれれば
たいていはこんな心理状態になるんじゃないかと思ったのですが。
今後はもっと>>812で言ったような性格に見えるような描写を心がけます。

遠ざかっていってしまうと、プロット上大きな問題がありますねw
というか、物語が終わってしまう……
「あれ、近付いてきたのにとどめの一撃が来ないな」
ということに気付けるような心理状態に真人はなかったということではダメでしょうか。

815イラストで騙す予定の名無しさん:2005/11/04(金) 00:11:47
>>814
過疎ってるし、書き込みすぎって事はない気がしますが、
そちらに合せて俺も一文晒しということで例にしてみますね。

えっと、個人的に小説にはリアリティというものは必要であっても、リアルである必要はないと思っております。
要するに相手の想像力さえ刺激すりゃいいんでねぇのと。で、下手糞ですが例示。

春が近いとはいえ、未だ街は寒さに包まれていた。
春樹真人は、霞がかった意識の中で氷の様に冷たい地面を背中に感じていた。
こんなものなのか。真人は思う。
ぬるりとした感触にふと視線を落とす。仰向けに寝ているのだから、落とすとは言えないかもしれない。
真人の目を赤い色が刺激した。
「あ……」
お腹がからっぽだ。比喩ではなく空っぽだった。
それを視た瞬間、最初に感じたのは熱。じんわりと体に満ちていく熱は、次いで言葉にはならない刺激になった。
それは痛みだったのかもしれない。けれど、彼の頭ではそれはただの刺激だった。
声にならない声が口から漏れた。それは叫びだったのかもしれない。ただひたすら、刺激に対して、激しい反応を示す。
辺りが赤く染められていく。真っ赤になっていく視界の中、真人は自分の管理から離れた肉体をただ眺めていた。
やがて肉体は全てを諦めた。叫ぶことも、もがく事もなくなった。最初に感じた熱さえなくなり、地面の冷たさだけが取り残された。
下を見るのは止めておこう。真人は思い、夜空を見上げた。不完全な、醜い肉体を軽蔑するように、星は綺麗に輝いていた。

勝手に状況使ってごめん。頑張ってくださいね。
あと、最後の質問ですが答えはわかっていますよね?w

816俺は推敲用人格、竹島博士を脳内に雇っている:2005/11/04(金) 19:15:30
>>812
>>810 だけど以下みたいなシミュレーションをしていき、
時間の変化とともに体調が変化していく様子を描写して欲しいって事ね。

想像をしてみよう。季節は冬、君は何者かに襲われて怪我をしている。
動けなくなる事は死を意味する。それでも君は倒れこんだ。
何故か? 当然、肉体的に限界が来たからだろう。
なぜ限界が来たのか? それはエネルギーが不足したからだ。
人間のエネルギー供給システムのうち、最初にダウンするのは酸素供給系だ。
心臓、肺、血液、そのどれかが限界を超えた時、人は動けなくなる。
君が倒れたのは酸素が不足したからに違いない。

では動けなくなった直後の君の身体状態を考えてみよう。
息は荒く、心臓の鼓動は早い、体温は高い。
運動による熱は冬の寒さを超越し、君は冷たい水や風を望むだろう。

数分が経過した。どう感じるだろうか?
体調は通常に近づいている。しかし普段の体調には戻らない。
君は怪我をしているのだ。血液の酸素運搬能力が低下している。
必要な酸素量を確保する為には、普段よりも多くの血液を必要とする。
心拍数や呼吸数は高めであろう。
では体温どうであろうか? 想像の参考資料として思い出して欲しい、冬の夜に最初に寒さを感じる部位はどこだ?
「血行が悪い」手足の指の先ではないか? 血行が悪い部位は寒いのだ。
君は今出血によって全身の血の巡りが悪い。
今の君は通常よりも寒さを感じやすい状態ではないだろうか。
さらに、汗、血液が気化すれば体温は奪われていく一方だ。
外的要因よりもまず、自分の体自体が寒いのではないだろうか

以後永遠に続く、推敲用文章だからこの文自体の推敲はなし。
悪文だけど気にしない。

817808:2005/11/04(金) 22:54:01
>>815の最初の一文を信じて、さらに書き込んでみたりして。

>>815
僕とは文体が違うみたいですが、上手いですね。
奈須きのことかと似たようなものを感じました(むろん悪い意味ではないですよw)
というか、実はよく考えたら>>808の文章、致命的な欠点があるんですよね。
真人が助けようとした「彼女」はこのまま真人が意識を失ってしまったら助からないはずなんです。
「あいつ」はもともと「彼女」を殺そうとしていたんですが、
そこへ真人が割って入ったからこんな怪我をしているということです。
だからもっと必死に抵抗していないと変なんですよね。
もっと推敲を重ねてみることにします。

>>816
痛みの描写は僕が描きたい主題とはちょっと外れてしまうから
意図的にやっていないという本音もあります。
けど、上で書いたように書き直す際に痛みの描写も入れなくてはならなくなるかも知れません。
これって一応三人称ではありますが視点はあくまで真人です。
こんな状況下で血巡や体温について冷静に描写するのは何か変な感じもするのですがね。

818イラストで騙す予定の名無しさん:2005/11/05(土) 12:18:47
>>817
うぇうぇ。今新作やってるからなぁ。その内抜けるはず……。
元はあっさりした文体なんだよう。
必死に抵抗しようとするも、お腹がなけりゃ、立ち上がることすらできないわけで、
その無力と絶望感を結び付けられればいいんでないかい?
あ、そうそう。人間の信仰心とは凄まじいもので、人間BBQになることもできれば、
首を自分で切った後、9mくらい自分の首を抱えて歩けるそうな。
後者は眉唾だけどね。記録に残ってるそうだ。死を超越した(神への)愛というやつだね。
参考になれば。

それと、三人称の利点は、視点を切り替えられる事だよ。遠ざかったり近づいたり。

819イラストで騙す予定の名無しさん:2005/11/10(木) 04:38:19
今書いている話の冒頭なんですが、文体とかに自信があまりないので、意見をもらえませんでしょうか?
ダメな所を指摘してもらえると、為になるので、酷評歓迎であります。
てか、話的に読む気が起きそうかどうかも、よかったら聞かせてください。


 人気のない暗闇に響くのは、自身の足音。
 息が、苦しい。
 あの凄惨な現場を目撃してから、どれくらい走っただろうか。
 足に限界がきている。
 呼吸はひゅうひゅうと、貪欲に酸素を求める。
――だめだ、少し休まなくちゃ。
 あそこからはだいぶ離れたはずだし、とりあえずは平気だろう。
 電柱に背中を預け、乱れている呼吸を整える。
 思考が正常に戻ったところで、同時に吐き気がこみ上げてきた。
 それを抑え切れず、電柱に寄りかかって戻した。
 人が、人を、喰う、姿――。
 一瞬にして、全身が粟立つ。
 それは、もう人ではなく、獲物を狩る獣のそれだった。
 無惨に引き千切られた手足は、わたしに助けを求めているようで――
――いけない。ここにいては、いけない。
 殺される。
 ここにいれば、わたしはそこに転がっている人だったモノのように――

          マチガイナク、コロサレル

 瞬間、凍りついた理性を総動員させて、そこから逃げ出した。
 自分の声とは思えないような声が、恐怖の叫びとなって口から出ていた。
 人を肉として喰っていたそれには、当然気付かれただろう。
 だが、それ以外に体を動かす術などなかった。
 今、思い出しても背筋が凍る。体中が情けないほどに震える。
 それほどまでに、圧倒的な死があそこにはあった。
「なに……あれ……」
 失敗した。
 やっぱり昼間に先輩に言われた通り、夜の街になんか出るんじゃなかった。
 以前に遭遇した変態さんとはワケが違う。
 でも、まあ、このまま帰れれば――
 かつん、と死の気配(おと)が背後でした。
「――――――――ぁ」
 なんて、間抜け。
 あんな人間離れしたモノから、どうして逃げ切れたなんて思ったのか。
 振り返るまでもない。それ以前に、振り返ることなどできるわけがない。
 体は金縛りのように言うことを聞いてくれず、厭な汗が背中を伝う。
 かつん、と足音は近付いてくる。
 死んだ。
 わたしは何の抵抗も出来ずに死ぬ。
 ひゅん、と背後で鋭く空気を切り裂く音。
「――――――っ…………!」
 次に来る筈の衝撃に、目を瞑る。
 それは、一直線にわたしを目がけて振り下ろされ――
――てこない。
 その代わり、風の音がずいぶん近くで聞こえている。
 なんか、体も軽い気がする。
「ぇ……?」
 恐る恐る目を開くと、そこには散りばめられた宝石のような夜景が広がり、

 わたしは、空を、飛んでいた――――――

820那賀 健比古:2005/11/12(土) 23:18:56
書きかけのライオノベルの冒頭です。少し硬めでソノラマ辺りに向けた作品なのですが、宜しければ感想をお願いします。

1945年3月9日午後6時。俺は出撃前に体を清めることにした。手拭いに塩と水を含ませ、祝詞を唱えながら略式の禊ぎを済ませる。胸元からサラシをきっちりと巻くと、不思議と気持ちも引き締まるものだ。
 手早く軍服を着て長靴を履きゲートルを巻く。腰には伝統的な97式三鈷柄軍刀、そして私物だが万州経由で入手したモーゼル一号拳銃を装着する。
 部屋の戸を開けて出ると、廊下には既に許嫁の土門が待機していた。土門の武装は見るからに仰々しい。背中には背嚢の上から、89式7.7mm旋回機銃を背負い、特徴的な円盤弾倉も2つ。腰には南部式、それも悪名高い自殺拳銃を下げている。
 俺は過去に暴発させ自分の太股を打ち抜いて以来、南部拳銃を信用していない。南部自動拳銃は、どちらも側面のシアーバーを強打すると暴発してしまうが、特に94式は最低だ。
 あれは安全装置を掛けて引き金を引くと、シアーバー曲がって固着し、安全装置の解除と同時に撃針が落ちてしまうのだ。言わば自動暴発機能付きの欠陥品だが、土門は威力の割に軽くて便利だと主張し譲らない。
 それなら荷物を減らせば良さそうなものだが。土門は右手に、巨大な101式5鈷軍杵まで持っていた。5鈷軍杵は両端に霊的蓄電器『オルゴン筒』を装備しており、呪術・魔法戦で強力な武器となるが、狭い機内で扱うには向かない。
 滑走路まで持ってやろうかと思ったが、土門はさっさと出て行ってしまった。俺は土門を慮り、何も言わず後に続く。ウ号作戦(インパール作戦)での失敗が無ければ、この作戦は土門が指揮したはずだ。俺の異例の抜擢と昇進で、2人の絆にひびが入ってしまったのが歯痒い。
 滑走路には異形の機体が駐機し、暖気運転を始めていた。
 キ58襲撃機『降龍』
 元は100式重爆『呑龍』の派生型で、3機だけ試作された、編隊翼端防衛用の多座重戦闘機だった物だ。今回の作戦に合わせ、両側面と後下方銃座は『ア号兵器』に換装され、対空砲火に備えて下面に装甲を加えている。
 左舷下方からは、銅管を束ねた剣山のようなア号照射管が、その禍々しい姿を見せていた。
 米国でもB-25やB26爆撃機を改装し、地上攻撃に特化した機体を運用している。だがこの機ほど洗練された、独創的な武装を載せてはいまい。
 降龍は言わば空飛ぶ加持祈祷の祭壇であり、呪術・魔法の増幅と機動力とを合わせ持つのだ。
 画期的な兵器ではあったが、戦局の悪化で作業は遅れに遅れた。その上ベトナムまでの輸送に手間取り、出立はとうとう明号作戦の当日だ。レイテ沖で連合艦隊を失い、輸送網が寸断された為だった。帝国は後が無くなりつつ……
 ドガッ、ガシャリ!
 間抜けた音に驚いて、俺は土門機の方を見た。
 アァやっぱり。土門がタラップから転げ落ちている。降龍へ乗り込む際、搭乗口に機銃を引っ掛けたらしい。見かねて助けてやろうかと思ったが、乗員達が駆け寄るのを見て止めにする。目が合うと、土門は照れ笑いを送って寄越した。
 軍刀にしておけば良かったのに。
 そう思わないでもなかったが、土門は名高い陰陽師の一門、土御門家の傍系だ。呪術・魔法については強烈な拘りが有るのだろう。俺も頭を振って苦笑いを返し、自分の機に向かって行った。出撃前に、僅かでも関係を修復出来たのが嬉しかった。

821那賀 健比古:2005/11/13(日) 00:19:57
 熊楠も自機に搭乗し、ア号最後の部品が揃った。これより我々帝国術法部員3名は、古都フエを発ち、中国国境のカオバン省を目指す。往復5時間を超える長旅となろう。
俺は寒気のする”戦慄”を感じ、我知らず身震いした。これは武者震いだろうか? それとも俺は怖じ気づいているのか? 天候は悪くないが乗員達の吐く息は白い。
 術者は霊的に鋭敏で、しばしば敵の呪詛や行く手の困難を、予兆として感じ取る事がある。断定は出来ないが、今のもそれに似ていた。
 俺は吉兆を占おうとしたが、無線・航法手の大久保に呼ばれて操縦席に赴いた。
「榊大尉どの、管制室から最後の通信です「貴官ラノ武運ト作戦成功ヲ祈ル」とのこと」
 俺は重大任務を負った責任と、重大任務を得た名誉とを等しく思い起こした。そう、この作戦は何としても成功させねば成らないのだ。
「有り難う。こう返信を頼む「我ラ期待ニ背クマジ」」
「了解しました」
 これからは作戦開始まで無線封鎖となる。
 多分俺の思い過ごしだったのだろう。それに本当に全員に危機が迫ったら、3名で作り髪を仕込んだ護符が燃え、はっきりと危険を知らせてくれるはずなのだから。
降龍は中島発動機の不安定な音を響かせ、急角度で滑走路を上昇していった。作戦全体の指揮は俺の任務だが、この機の操縦と編隊の指揮は、操縦手兼編隊長の天宮小尉の担当となる。狭い操縦室で邪魔になっても悪い。俺は後に引き下がることにした。
 後ろに下がるといっても降龍は旅客機ではないから、後ろの席と言えば尾部か、後上方にある銃座しか無く、そちらは既に射手が座って警戒に当たっていた。
 俺の席はア号兵器の操作盆だが、これは結跏趺坐して操作するので座席は付いてない。単に待機するだけなら、別に胡座でも体育座りでも構わないのだが、それならどこに座っても同じことだろう。
 目標空域到着まで2時間は掛かる。狭い所で寝るのは慣れているが、真夜中からオルゴン箱に隠り切る気はしてこない。俺は夜型でまだ起きたばかりなのだ。結局、通路の操縦室近くで胡座を組むことにした。この方が楽だし状況も掴み易い。
 床几でも持ち込むべきだったな。
降龍は高度4000mまで昇ると北上を開始した。春先とはいえまだ日没が早いのは有り難い。人丹術『氣血吸入』で鍛え上げた俺の体は、霊的には半ば鬼仙と化しており、肉体も変化を始めているからだ。
 この高度なら流れ水は問題ない。河川を流れる氣の乱流は、不快感ではあっても霊体をかき乱すほど危険なものではない。
 しかし逆に日光は高度が上がるほど強くなるものだから、陽の氣も同様に厳しさを増していく。別に灰になって焼け死ぬ訳ではないが、熱帯地方の高空で直射日光を浴びれば、魂魄に酷い火傷を負う危険があった。
 左道の外法を用いた報いだ。これもお国の為、いや故郷に置いてきた家族と、共に轡を並べて戦う許嫁、土門の為に。そう思えば後悔は無いが、戦死した時は……

822イラストで騙す予定の名無しさん:2005/11/14(月) 18:32:18
>>820-821
正直に言えば、続きを読みたいと思わない。
なんか凄い兵器と魔法があって、日本は大変そうなんだな〜、って言うのはわかった。
けど、それ以上に伝わってくることがなかった。
例えば出兵する主人公の悲壮な決意であったり、婚約者のキャラクターであるとか。
おいおい、わかるのかもしれないけど、冒頭としては引きが甘いと思う。

823那賀 健比古:2005/11/14(月) 20:00:30
「キャラクター紹介」については、少し叙述トリック的な伏線とした為、故意に控えています。
それが上手く処理出来ていない、ということなのでしょう。指摘はごもっともかと。
特に引きの甘さは、もっと考えなくてはなりませんね。有り難う御座いました。

824イラストで騙す予定の名無しさん:2005/11/14(月) 22:25:57
>>823
主人公が女とか?
それはさておき、一番最初の一文はもっと良く考えた方がいいと思うよ。

825那賀 健比古:2005/11/15(火) 00:57:34
仰るとおり「オレ女」です、ハイ。第一章のクライマックスで、米国O∴S∴S(オーダー・オブ・ソーサリー・ソルジャー)所属の魔女との対決で、性別の誤解を呪文の失敗に繋げようと考えてこうなりました。
それまでは出来るだけ仄めかすだけに止めたくて、どうしても知り合い同士の会話は控え目に成ります。冒頭を少し追加しましたがどうでしょう?

 昭和20年3月9日午後6時。ベトナムの寝苦しい昼が明け、俺は棺桶寝台で目を覚ました。何か悪夢を見ていた気がする。これは何かの啓示だろうか? しかし思い出す傍から夢は揮発し、意味を掴みきれぬまま、言い知れぬ不安だけが残る。
 いや、出撃前に後ろ向きな事を考えるのは止そう。初めて実戦で作戦指揮を任され、緊張しているだけだ。神経質な自分が少し情けない。
 気分を改める為、俺は出立前に体を清める事にした。手拭いに塩と水を含ませ、祝詞を唱えながら略式の禊ぎを済ませる。水は生ぬるかったが、心身は清涼な氣で包まれた。
 俺は着替えを取り出し身支度を始めた。鏡に写った俺の顔は、日本人離れして目鼻立ちが整い、その肌は抜けるように白い。と言うより本当に背後の調度品が透けて見え、俺が半ば幽界の者である事を示していた。
 我ながら体型もなかなかだ。陸軍らしからぬ長髪は耳に被り、あたかも宝塚の男装の麗人……って俺は出撃前に何をやっているんだ? 馬鹿馬鹿しい、さっさと服を着てしまおう。鏡に写る半透明な顔は赤面し、血色の良い幽霊なんて矛盾した表現を思いついた。
 胸元からサラシをきっちりと巻くと、不思議と気持ちも引き締まるものだ。手早く軍服を着て長靴を履きゲートルを巻く。腰には伝統的な97式三鈷柄軍刀、そして私物だが万州経由で入手したモーゼル一号拳銃を装着した。

826イラストで騙す予定の名無しさん:2005/11/15(火) 10:29:45
昭和20年〜というのは要らないと思う。泥臭くしてる。
レシプロ機で戦争中ってだけで、第二次大戦くらいというのは普通の人でもわかるし。
ベトナムって書いてる割に、ベトナムの気候が感じられません。
感覚の描写が少ないせいか、平坦に感じます。
書いて削ってを繰り返した方がいいと思います。

827808:2005/11/15(火) 19:38:16
>>819
ちょっと「――」を使いすぎかな。
それを含め、某氏の影響がもろに出すぎかなあ、と。(違ってたらごめんなさい)
多分ライトノベル系を目指してるのだと思いますが、
それだともっとシンプルな文体のほうが受け入れてもらいやすいかと思いますよ。
むろん、よほど文章力に自信があるというのなら話は別ですが。

>>820-821
僕は軍ヲタではないのでちょっと好みに合わなかったかも知れません。
それを差し引いても、冒頭としてはやや説明臭すぎるかな、と。
ライオノベルってライトノベルのことですよね?
だとしたら中高生が主な読者となるわけですし、
冒頭での引き込みというのは一般作品よりもさらに大事になってくると思います。


ところで、>>808の文章を大幅に修正してみたのですが、また晒してもいいでしょうか?
あまり僕ばかり晒すのもどうかと思ったりもするのですが……

828275:2005/11/15(火) 21:27:14
>>827
GO。成果を見てみたい。

829808:2005/11/15(火) 21:38:56
ではお言葉に甘えて……
といっても、絶対に前より良くなっているという確信があるわけではないので、
もし期待はずれであってもあしからず。



 ああ、やっぱりこうなってしまうのか。
 ぼんやりとした意識の中で、春樹真人は小さく自嘲した。
 春が近いとはいえ、まだまだ夜は底冷えする。地面は氷のように冷たく、吹き付ける風は容赦なく体温を奪ってゆく。
 まるで世界の全部から見捨てられたようだと真人は思った。ここで今まさに息絶えようとしている人間が居るというのに、誰もそのことを知らないし、助けようともしてくれない。今まで俺が生きてきた世界って、こんなにも冷たいところだったのか。
 出血はかなり酷い。斬られたのは腹の部分だけなのに、うつぶせに倒れた地面には血糊が大きく広がっていて、地面にくっついた頬の部分までぬらりとした感触に覆われている。今日び、こんな戦国時代みたいな殺され方をするなんてある意味貴重な体験じゃないだろうか。そんな馬鹿げた思考が頭をよぎって、真人は思わず苦笑した。こんな時だっていうのに、まったく俺という奴は。
 うつぶせに倒れた姿勢のまま、真人は視線だけを動かした。人気のない、川辺の公園。聞こえる音といえば川の流れる音ぐらいだ。街灯もろくにないから、あたりは一面の闇に覆われている。やはり自分は世界から断絶されてしまったのだ。そんなことを思いながら、真人はぐるりと闇を見渡した。左側からゆっくりと右へ行って、ちょうど真人の右肩あたりまで来た時、真人の視界に何かが映りこんだ。暗闇に溶け込むように真っ黒なズボン、真っ黒な靴。
 ――あいつの足だ!
 その瞬間、まるで雷に撃たれたかのように真人は正気に戻った。自分は何のためにここへ来たのか、何故こんな目にあっているのか。そうだ、その目的はまだ果たされてはいないのだ。
 足は、ゆっくりとある方向へと歩いてゆく。彼女のほうへ向かっているのだ。
 真人は手を伸ばして、足を掴もうとした。痛みと寒さで全身が震えて、うまく力が入らない。それでも無理やりに動かそうとするものだから、余計なところにまで力が入ってしまって、腹の傷がひどく疼いた。
 血が足りなくなってきたのだろう、いよいよ意識が薄れてきた。正気に戻るのが遅すぎたのかもしれない。ぼんやりと霞んだ視界の中、それでも足だけを見据えて必死に手を伸ばした。今まで俺はなんのために生きてきて、なんのために死ぬのか。その意味を奪わせはしない。
 クモの糸。ふと、そんなことを思った。あれは、この地獄から俺を助けるために垂らされたクモの糸。だけど果たして俺は、助けるに値するような善行を今までやってきただろうか――
 そうして、指先に何かが触れたような気がした次の瞬間、全てが闇に閉ざされた。最後の瞬間に触れたのは本当にクモの糸だったのか、それとも何か他のものだったのか。そのことを真人が知るのは、もう少し後のことになる。


こんな感じです。前と比べてどこがどう良いか、あるいは悪いか。
そして、全体を見て前とどちらがよいかのご意見を頂ければ嬉しいです。

830イラストで騙す予定の名無しさん:2005/11/16(水) 03:24:24
全体的に良くなってるよ。
覆われているの後に「にも関わらず痛みは無い。いかれちまってる」なんて一文をいれて、感覚の無さをアピールすべきかと。そんな状態なのに淡々としすぎ、って思った直後に正気を取り戻して、あ、そういう事って思う感じだった。
あと、最後に三人称に切り替わるのは、混乱した。三人称をいれないか、工夫すべきかと。
キャラクターの感じも出てるし、引きもある。冒頭としてはいい感じだと思います。

831819:2005/11/16(水) 08:48:15
>>827
批評、待ってました。ありがとうございます×2!!
確かに、こうしてみると「――」多すぎますね。
意識して、少なくしていってみようと思います。
ちなみに、ご指摘の通り、某氏の影響をかなり受けてます…orz
というか、今回小説というより、シナリオと意識して書いてみたもので。
シンプルな文体とは、どんなものでしょうか?
僕の文章で言うと、どのあたりをどのように変えてみたら良いと思いますか?
指摘して頂けたら光栄っす。

あと>>829の文章、すげえサクサクと読めました。
テンポがよくて、長い文章でも飽きなさそうですね。
俺は勉強が足りん!きぁーーーっ!

832イラストで騙す予定の名無しさん:2005/11/16(水) 16:01:55
>>830
最後の一文はやっぱり変ですか。
最初は「よく分からなかった」とだけ書いてたんですが、
なんか納まりが悪い気がして上記のものに変えたんです。
やっぱり素直に最初のほうでよかったのかな。

>>831
シンプルな文章……というのを言い表すのは難しいですね。
他の作家の作品を読んでみてはどうです?
シンプルな文体というのでは宮部みゆき、
難しい文章を使いこなすというのでは村上龍なんかがお勧めです。

833イラストで騙す予定の名無しさん:2005/11/16(水) 20:12:41
>>832
閉ざされた。で、終わりじゃなダメなのか?

834イラストで騙す予定の名無しさん:2005/11/16(水) 23:45:13
>>833
それこそ納まり悪くないすか?
僕の考えすぎなんでしょうか……

835イラストで騙す予定の名無しさん:2005/11/16(水) 23:53:55
ん〜、確かに収まりは悪いけど、三人称にいきなりなって混乱するよりまし。
過ぎたるは〜って言うけど、過ぎてるほうが大概悪い。

836イラストで騙す予定の名無しさん:2005/11/17(木) 00:09:24
まあこれは元々一人称寄りの三人称
(いや、三人称寄りの一人称と言ったほうが近いかな?)ですからね。
唐突ではないかな、と自分では思っていたのですが、人の目に晒してみるとダメだった、と。
問題の箇所はプロローグ部分の締めになるわけですから、
書き出しの部分と同じくらい気をつかうべきでしょう。
まし、では片付けたくないなあ……
なんかいい方法がないか、考えてみます。

837819:2005/11/18(金) 16:43:18
>>832
宮部みゆきはよく読みますねー。
あんな感じですか、ふむふむ。
今度、村上龍も読んでみようと思います。
もっと、飽きさせない文章を書けるように、努力することにします。

838那賀 健比古:2005/11/18(金) 20:18:45
・私なぞが批評するのも気が引けますが「あいつの足」を描写する目的であれば、

 >そんなことを思いながら、真人はぐるりと闇を見渡した。

 ではなく、砂利音とか物音で誘導してやっては如何でしょうか?


・私も>820-821、及び>825を全面改稿しましたので晒してみます。ポイントとしては、
 オープニングのインパクトを増す事と『ベトナム』の描写、読者が主人公に興味を
 持つよう気を配るといった点です。
 >826の

 >昭和20年〜というのは要らないと思う。泥臭くしてる。

 については、戦記物らしく成るよう故意に西暦から変更しておりまして、効果的なので
 そのままにしております。


 昭和20年3月9日午後5時。ようやく熱い陽の陽の氣が退くのを感じて、俺は箱形寝台から起き出した。人の気配に気が付くと、配膳係が薄気味悪そうな顔で俺を見ている。何故箱に入って寝てるのかと訝しそうだ。
「居らしたんですか?」
 しまった、寝起きを見られた。
 見られていると意識して、寝ぼけ頭がいきなりはっきりする。俺は慌てて手洗いに行き顔を洗った。水は生ぬるかったが、指先は氣を流されて感覚が薄れていく。俺は手拭いで顔を拭きながら、照れ隠しに小言をこぼした。
「済まないが入る前に一言いってくれないか」
 配膳係は恐縮して答えた。
「申し訳有りません。ノックはしたのですが、ご返事が無く不在かと思いまして」
そうか、熟睡していて気付かなかった。初の部隊指揮を控え、緊張でなかなか寝付けなかったせいだ。俺は鏡を見て寝乱れた髪を整えた。
 鏡に写った俺は日本人離れして目鼻立ちが整い、肌は抜けるように白い。と言うより本当に透き通り、俺が幽界の者である事を示していた。寝間着の裏地が透けて見えている。
 寝間着? 着替えを持って入るべきだった。まぁ仕方がない。少なくともそれ程乱れていないし、彼は気付いていなかったようだ。俺は牙磨きを済ませて手洗いを出た。
「失礼ですが、何故あんな棺桶みたいな箱に?」
 朝食を並び終えて、配膳係が尋ねてきた。
「底が土間に成ってるんだよ」
「土間ですか、つまり土が敷いてある?」
 俺はそれ以上答えずに窓に向った。鎧格子を上げると、水牛に牽かれた荷馬車や、天秤棒を担いだ物売り達の帰宅姿が見える。水田の上を鳥達も森に帰って行く。
 ベトナムの夕暮れ時。3月は乾期にあたり、気温は日本の秋並に涼く過ごしやすい。だが遮るものの無い日差しは鋭く俺には辛い。俺は鎧格子を下ろして夕日を遮り、食卓に向かった。
 朝食の献立はご飯とみそ汁、米粉の春巻きとサラダ。それに鉄籠に入った数匹の活ネズミ。
 またネズミだ。インドシナでは食用ネズミの飼育が盛んで、これもさっきの行商の誰かから買い取ったものだろう。
 貧しい農村では大事な蛋白源らしいが、日本人の俺にはどうしても馴染め無い。生きた人間からとは言わないが……それはそれで今だ抵抗が有る……たまには鶏か兎くらい口にしたいものだ。本国や餓島の事を思えば文句も言えないか。
 食欲が進まぬまま俺は食卓に着いた。配膳係が興味深そうな視線を向けている。
「食べる間外してくれないか」
「食べ終えたら片付けるよう言い付かっていますが」
 指示に忠実そうだが本心は見え透いている。俺がネズミをどうしてるのか知りたいのだろう。
「食べ終えたら声を掛けるよ」
 俺は重ねて出て行くようほどこした。
「分かりました」
 そう残念そうな顔をするな。見れば興味を持った事を後悔するのだから。
 俺は籠の蓋を開けるとネズミに手を伸ばした。畜生でも命の危険が分かるのか、狂乱して逃げまどう。1匹捕まえると、そいつはキィキィと哀れげに鳴いて藻掻き、掌に噛み付いてくる。
 俺はその程度では傷付かないし痛みも感じない。そういう体なのだ。ネズミの足掻きに怒りよりむしろ感動を覚える。生き延びようと懸命に努力するその姿が、今の日本の境遇に重なるからだろうか。
 俺はトリを絞めるようにそいつの首を捻り、一息に止めを刺してやった。
 俺は服を汚さぬよう気を付けながら4匹ばかり”平らげ”た。死体を籠に戻し、サラダを烏龍茶で胃に流し込む。ご飯とみそ汁、春巻きには手を出さず、俺は簡素な食事を終えた。

839イラストで騙す予定の名無しさん:2005/11/18(金) 21:38:34
>>838
ん〜、ストーリーの流れが見えないです。
推敲して再投稿されるのが良いのではないでしょうか?

840那賀:2005/11/18(金) 22:03:04
 そりゃ冒頭の、そのまた始まりだけでは判らないでしょう。小説で言えば1Pと半分だけですから。
この後>>820の出撃に繋がります。

 出撃前に血と死の穢れを清めなくてはならない。俺は服を脱ぐと手拭いに塩と水を含ませ、祝詞を唱えて略式の禊ぎを済ませた。
 俺は着替えを取り出し身支度を始めた。胸元からサラシをきっちりと巻き、軍服を着てベルトを絞める。左腰には伝統的な97式三鈷柄軍刀、右には私物のモーゼル一号拳銃を装着し、長靴を履きゲートルを巻く。
 身支度を終えた俺は、背嚢を持って部屋を出た。出掛けに厨房に寄って、あの配膳係に後片づけを頼んで外へ出た。
 発動機がプロペラを回す音が聞こえ、土と牛糞の臭いに混じって、排気と焼けたオイルの臭いが漂ってくる。滑走路から電源車が戻り、格納庫に戻っていくのが見えた。
 滑走路には異形の機体が駐機し、暖気運転を始めている。
 キ58襲撃機『降龍』
 元は100式重爆『呑龍』の派生型で、3機だけ試作された、編隊翼端防衛用の多座重戦闘機だった物だ。今回の作戦に合わせ、両側面と後下方銃座は『ア号兵器』に換装され、対空砲火に備えて下面に装甲を加えている。
 左舷下方からは、銅管を束ねた剣山のようなア号照射管が、その禍々しい姿を見せていた。
 米国でもB-25やB26爆撃機を改装し、地上攻撃に特化した機体を運用している。だがこの機ほど洗練された、独創的な武装を載せてはいまい。
 降龍は言わば空飛ぶ加持祈祷の祭壇であり、呪術・魔法の増幅と機動力とを合わせ持つのだ。

841イラストで騙す予定の名無しさん:2005/11/18(金) 22:19:45
いや、そういうストーリーじゃなくて、
情景は浮かぶんだけど、映像の一貫性みたいなものがないってことを言いたいのよ。
たとえば、最初のところだけど、メイドさんが入ってきて超絶スルーをかます主人公とかさ。

842那賀:2005/11/18(金) 23:42:22
了解。主人公が会話を拒否しているのを明確にします。

843那賀 健比古:2005/11/19(土) 20:43:57
 ここの指導を受けて、自作の方向性に疑問が出ました。ちょっと説明が過ぎるかなと。
>>840の続きを載せますので、ご意見お願いします。
 設定としては魔法が科学と平行進化し『黄金の夜明け団』や『ユング』のにより、
体系だった学問として確立した世界でのWWⅡです。まだ構想中ですが、歴史も多少の
変化を見せています。
 なお、主人公の許嫁である土門さんは、処理が難しいので基地に残す事にしました。


 画期的な兵器ではあったが、戦局の悪化で改装とフエへの搬入は遅れに遅れた。
 俺の任務はホー・チン・ミ率いるベトナム独立同盟、略称ベトミン(越盟)の呪的懐柔であったが、これも本来なら明号作戦の前に着手したかった。
 俺は短い脚立を昇って機内に搭乗した。俺の鋭敏な耳には、発動機の喧騒に混じって、操縦席の話し声が聞こえてくる。あの2人は、出発前に紹介を受けた操縦手兼編隊長の天宮と、無線・航法手の大久保だ。
「随分と華奢な士官さんだな、あれで隊長だとよ」
「術法部の妖怪だって聞いてますよ。何でも毎日生き餌を食べてるそうで」
 妖怪か。確かにその通りだ。この作戦も、夜間で無くては全力を出せない俺と犬飼に合わせ、
夜間に設定されている。その犬飼が念話を送って寄越した。
「「出撃準……終えま……熊……少し遅れ……。ウェン・カムイ(悪霊)……フッ……」」
 念話は言語に相当するものが無く、訓練を受けた者同士でも不鮮明に成りがちだ。敵の妨害を受けている現状では尚更。最後のは薬草を使ったアイヌのお祓い、フッサラの事だろう。
 北海州出身の熊楠は優れた祈祷師で、樺太アイヌの先祖からキムン・カムイ(山の神=熊)への獣化能力と優れた霊感を受け継いでいる。その霊感聴力が何か聞き付けたのだろうか? 。
「「君の犬神は何か知らせたか?」」
 胸騒ぎを覚えて俺は犬飼に問い返した。我々帝国術法員は、着任時から敵に目を付けられており、呪的妨害で霊感が鈍らされている。危険と言うなら既にして危険な状態ではある。
「「犬神……無……りません」」
 犬飼の使役する犬神も、何も嗅ぎ付けられないようだな。
 もちろん我々は、越盟の潜伏地に式神を送り、調査を試みている。そして失敗した。遠く重慶に本部を置く米国O∴S∴S(オーダー・オブ・ソーサリー・ソルジャー)は、術者を動員してカオバン省一帯に結界を敷いていたのだ。
 出来たのは占術による間接的な調査と、現世の情報部による地道な活動だけだった。それでも越盟の潜伏地を、3カ所にまで絞り込んだ。動員する降龍も3機、搭乗する術者も3名。
 その3人目がようやく現れた。熊楠は恰幅の良い大柄な男で、痩せ狼の犬飼とは対象的だ。丸々とした顔に総髭を伸ばした姿は、獣化する前から羆を連想させる。そのノンビリとした性格と仕草も。搭乗の遅れを気にする風もなく、ゆっくりと自機へ歩いて行く。
 仕方が無い奴だ。肩の煌びやかなエムシアッ(太刀帯)から、これ又華やかなエムシ(宝刀)を下げ、落ち着き払った姿からは危機感を感じ取れない。俺の思い過ごしだったか?
「「遅いぞ熊楠」」
 俺の念話に熊楠は弾かれたように振り向き、頭を掻きながら遅刻を詫びた。いそいそと脚立を昇って自機に搭乗する。
 これでア号最後の部品が揃った。これより我々帝国術法部員3名は、中国国境のカオバン省を目指す。往復5時間を超える長旅となるだろう。
 天宮の指示で、滑走路の整備員が輪留めを外す。ベトナムの初春には珍しく冷え込み、彼らの吐く息が白く煙っているのが見えた。
 機体が発進位置を目指し誘導路を進む。俺は大久保に呼ばれて操縦席に赴いた。
「榊大尉どの、管制室から通信です「貴官ノ武運ト作戦成功ヲ祈ル」とのこと」
 「貴官ラ」ではなく「貴官」の。きっと土門からだ。俺は許嫁の思いやりに感謝した。土門はウ号作戦(インパール作戦)の失敗で、過失も無しに作戦から外され、意気消沈していた。土門の為にも、術法員の有効性を証明しなくてはならない。
 俺は重要任務を与えられた責任と、重責を得た名誉とを等しく思い出した。もう日本の敗北は避けられない。しかし独逸や伊太利亜のようには成らないし、させない。名誉ある敗戦を受け入れて、荒廃した国を立て直すのだ。
 見ていてくれ。祖国日本と君の為に、俺はやり遂げて見せる。そして戦争が終わったら除隊して結婚しよう。
 俺は既に除隊後の計画も考えていた。根強い女性蔑視の習慣を改める、社会活動に奉仕するのだ。土門はどう思うだろうか。
「有り難う。こう返信を頼む「我ラ期待ニ背クマジ」」
「了解しました」
 これからは作戦開始まで無線封鎖となる。語りたい事は沢山有ったが、それは胸に秘めて俺は出撃に向かった。

844那賀 健比古:2005/11/19(土) 20:45:25
 作戦全体の指揮は俺の任務だが、この機の操縦と編隊の指揮は、操縦手兼編隊長の天宮小尉の担当となる。狭い操縦室で邪魔になっても悪い。俺はまた後に引き下がることにした。
 後ろに下がるといっても降龍は旅客機ではないから、後ろの席と言えば尾部か、後上方にある銃座しか無く、そちらは既に射手が座って警戒に当たっている。
 俺の席はア号兵器の操作盆だが、これは結跏趺坐して操作するので座席は付いてないし、2重に密閉されたオルゴン箱の中で狭苦しい。目標空域到着まで2時間は掛かる。狭い所で寝るので慣れているが、現地までオルゴン箱に隠り切る気はしてこない。
 結局、通路の操縦室近くで胡座を組むことにした。この方が楽だし状況も掴み易い。床几でも持ち込めば良かったのだが。
 発進位置に着いた降龍は速度を増し、俺は通路の壁に捉まって加速に耐えた。降龍は中島発動機の不安定な音を響かせ、急角度で滑走路を離床する。
 基地を出てしばらくすると新市街上空に達した。新市街と旧市街を隔てる、フオン川越えに備えて心の準備をする。人丹術『氣血吸入』で鍛え上げた俺は半ば鬼仙と化しており、霊肉一致しかけた体は流水を苦手とするのだ。
 風水的に河川は氣の流れとされ、地脈と違って激しい乱流は霊体に及ぼす影響が大きい。直接触れさえしなければ不快感だけで済むが、体が浸かると霊体を掻き乱され仮死状態に成ってしまう。降龍の機上にあっても、俺は戦慄を伴う悪寒を感じて竦み上がった。
やがて旧市街に入り王宮を越え、フエを出る頃には高度も4000mまで上がった。ここまで上がれば河川の氣流も心配要らない。俺はようやく緊張を弛めることが出来た。
 春先とはいえ日没が早かったのは有り難い。鬼仙の俺は流水だけでなく日光にも弱い。正確には日照に伴う陽の氣にだが。これは高度が上がるほど強くなるものだから、熱帯地方の高空ともなれば、魂魄に酷い火傷を負う事がある。
 左道の外法を身に付けた報いだ。鬼仙と成り、得た物は多かったが失う物もまた多かった。
 俺は変わっていく体以上に、心も変わっていく事を恐れている。今でさえ生き物の氣血を奪う事に、性的な快感を感じているのだ。尸解して本当の鬼仙に成った時、俺は最後の人間性さえ失い、妖怪と成り果てる事だろう。その時は土門よ、俺を滅ぼしてくれるか?
 降龍は北上を続ける。作戦開始まではまだ時間が有るので、俺は作戦計画書を読み直そうと思い、背嚢をまさぐった。中に入れた覚えの無い包みが有る。良く見ようと体を捻ったが、サラシをきつく巻き過ぎて思うようにいかない。
 仕方無く取り出して見ると、それは笹に包まれた弁当だった。夜間飛行は危険な夜間着陸を避け、早朝に終えるのが常だから、配膳係が気を利かせてくれたのだろう。彼に少々冷たく当たり過ぎたかも知れない。戻ったら礼を言わなくては。
 その時不意に足下が頼り無くなり、体が落下する感覚に襲われた。しばらくすると機体は身震いして落下を止め、続いて床を突き上げる勢いで上昇する。機体は波に揉まれる船のように、上下左右へ不規則に揺れ、軋み音を立て振動した。
 俺は驚いて操縦室へ向かった。この季節のベトナムは気象が安定しており、基地の気象予報も快晴と伝えていた筈だ。
「乱気流です! 申し訳有りません」
 操縦手の天宮が報告する。大久保の怪訝そうな視線に気付くと、自分がまだ弁当を持っている事に気が付いた。俺は慌てて軍服の物入れに仕舞った。
「自然現象では仕方がなかろう」
 俺は出来るだけ威厳が出るよう願いながら返事を返した。考えて見れば、彼ら搭乗員とは余り話す機会が無かった。通路で作戦計画書を読み返すより、ここで意思疎通を深める方が有意義かも知れない。邪魔に成らなければだが。
 俺は愛想良く笑みを浮かべながら、軍服の物入れを探り弁当……では無い、煙草を取り出して勧めた。
「もう少し力を抜きたまえ、恩寵の煙草でもどうかね?」
 天宮は視線を合わさず、前方を見据えたまま答えた。
「ハッ頂きます。申し訳無いが、火を付けて頂けませんか」
 夜間飛行の操縦手に強い明かりは禁物だ。目が眩み、再び闇に目が慣れるまで時間がかかる。
 しかし上官の俺が、部下の煙草に火を付けてやっては立場がない。それに、どうも彼の態度には意図的なものを感じる。俺は自分の分を引き抜くと箱ごと大久保に預けた。大久保は心得え顔で2人分の煙草に火を付け、1本を天宮に手渡した。
 俺のような士官学校出は、どうしても叩き上げの部下に気を使う。意気高になって反感を買うのも拙いが、舐められるのもまた良く無い。操縦手の要望を無視する形になったが、天宮は気にする風もなく煙草を吸うと、おもむろに尋ねてきた。
「この作戦の目的は一体何でありますか?」

845那賀 健比古:2005/11/19(土) 20:46:49
 天宮の緊張と反感はその為か。駐留軍による仏植民政府への軍事クーデター、明号作戦ならば彼も知っている筈だが、この特別任務は極秘事項として扱われてきた。俺自身、まさか明号開始当日に飛ばされるとは思わなかった程だ。
 天宮の質問は分を超えかけていたが、彼にはそれを知る権利があるだろう。
「ユング博士は知っているかな? 欧羅巴は瑞西の真理学者だ」
 俺は一端はぐらかすことにした。
「いえ、存知あげません」
 天宮は反抗的な返答でそれに不満を表したが、大久保がなだめるように間の手を入れてくれた。
「その学者さんが、この作戦に何か関係有るのでありましょうか?」
 俺は大久保の質問に答える形で話を続けた。
「その学者さんは、呪術や魔法を科学的に理論付けたんだよ。つまり仏教でいう阿頼耶識、インドではアカシャーと呼ばれるものが、人類の集合的無意識だと突き止めた」
 2人は怪訝そうな顔をしている、無理もない。こんな知識は陰陽寮の得業生にでも成らない限り、一般人が知る機会は少ない。大戦以来、軍事機密に指定されていれば尚更だ。
「誰しも”思わず”とか”魔が差す”とかして、自分自身でも説明し切れない行動をする事があるだろう。普段は意識していないが、心の奥深くに澱のように溜まって、人に影響を与えるものを無意識と呼ぶ。ここまでは聞いた事があるかな?」
 呪術・魔術の技法とは、正にその無意識に接触する手段の追求である。
 術は無意識層でなくては発動しないが、無意識は自我の殻に囲まれて普段は表に出てこない。術者はその殻を潜り抜け、或いは打ち破る技を身に付けて、無意識に接触せねばならない。しかも無意識は言語や数字を理解出来ず、様々な象徴や観念の体系を用いねばならないのだ。
 俺は説明を続けた。
「その無意識を仏教では末那識呼ぶ。しかしこれは個人単位のもので、それより奥底には家族が共有する無意識、更に一族郎党や各地域、民族や人類のと、下に行く程広がり、互いに繋がり合っていく」
 それこそが呪術・魔法が、時間や空間を超越して伝播する理由であった。小宇宙は大宇宙に影響を与え、大宇宙は小宇宙の動きを左右する。
「つまり山のてっぺんみたいなものですな」
 天宮もようやく興味を持ってくれたらしい、自分なりの解釈を交えて話を促した。流石に叩き上げで士官に成っただけあり頭が切れる。
「どちらかと言えば海に浮かぶ島々に例えた方が良いな。例えば日本列島は一見するとバラバラだが、海面下では繋がっている。これが民族的無意識だ」
 個々の民族が共有する文化や宗教によって、形成される無意識層も異なるものとなる。その為に術者が操る術も、地域ごとに特色が出る。神道と仏教では術の形態が異なるし、同じ耶蘇(キリスト)教であっても、朝鮮やベトナムでは精霊信仰等が混じった独特の信仰だ。
「成る程。しかしそれを言うなら、大陸とだって繋がっているでしょう?」
 地球そのものとも。無意識層の深奥には、ほ乳類や動物層、更には生物的無意識層まで存在する事が確認されている。
「それを人種的無意識とでも呼ぼうか。つまり亜細亜人は亜細亜人なりの価値観があり、それに沿った考え方をする」
 天宮は小さく顔をしかめた。
「ハン、大東亜共栄ですか?」
 天宮は非公式に、軍の宣伝を胡散臭いと言っている。
 俺自身は大東亜共栄の理想に、賛同はしても鵜呑みにはしていない。どの国だってそれぞれ事情というものが有るのだから。
 西欧の植民地支配から民族を解放すると言えば聞こえが良いが、日本がそうするのは政治・軍事的に都合が良いからに過ぎない。逆に連合側は「日本の侵略・拡張主義から守ってやる」とでも宣伝していることだろう。
 大体カンボジアやラオスなど、タイ王国……一時は日本と共に蒋介石と戦火を交えた友軍……の支配から、仏蘭西の保護国となって独立した過去を持つ。ベトナムのように強制的に植民地化された訳ではない。
 そのタイ王国は日本から戦車や軍艦を輸入し、時には肩を並べて戦いながらも、連合軍とも通じる抜け目なさだ。万州国は承認せず、1933年にはハッキリと中立を宣言し、日本と袂を分かっている。
 そして当初の敵である蒋介石は、我らが陸軍士官学校の出身なのだ!
 しかし上官として、天宮の軍隊組織への批判を肯定する訳にはいかない。もちろん作戦飛行中に、操縦手・編隊指揮官に手を出すのは論外だし、そこまでする気も無いのだが。

846那賀 健比古:2005/11/19(土) 20:49:14
「それはしばらく置いて、文化や思想の話さ。」
 俺は天宮の挑発に取り合わず、気付かなかったふりをして続けた。
「例えば日本では、古くから女性は汚れとされて、神域には入れなかった。東洋全体でもその身分は低いとされているが、西洋ではそれ程ではない」
 俺は京都の帝国陰陽寮『中町学校」』で学んだ時のことを思い出しながら、2人に説明を続けた。女にとっては失礼で迷惑な例えだ。
「しかし母と言えば、洋の東西を問わず”暖かい”とか”優しい”ものを連想する。それが人類という種族の集合的無意識だ。ずっと突き詰めていけば”死を恐れる”ことなど生物全体の集合的無意識にまで辿り着く。そうした無意識層をインドの古代語でアカシャーと呼ぶんだ。日本には仏教とともに伝わり、阿頼耶識と呼ばれている」
 天宮は、乱気流に揉まれ軋み音を立てる降龍を操りながら、苛ただし気に先を促した。勿論、腹立だしいのは俺ではなく乱気流だろう。
「その”嵐”とやらは何の関係が有るんです?」
 煙草は指もとまで燃えて、チリチリと音を立てている。俺は摘んでもみ消した。なめし革のようになっている俺の皮膚は、少々の事では痛みも感じない。天宮が不気味そうに見る視線を感じる。
「ア号兵器を使い、ホー・チン・ミ率いるベトナム独立同盟、略称ベトミン(越盟)に呪術的攻撃を加える」
 呪術攻撃といっても呪殺を意味する訳ではないが、2人は明らかに誤解したらしい。問い返すように振り向いた天宮に、俺は初めて正面から顔を見合わせた。操縦席の窓硝子には、燐光を放つ俺の眼が写っている。天宮は唾を飲み込んで眼を逸らした。
 結構、ようやく主導権を握ることが出来たようだ。脅すような真似はしたく無かったが、こうも反抗的では仕方がない。親睦を図るという訳にはいかなかったが”意思疎通”には充分だ。
「我が軍は米英の援蒋補給路を遮断し、作戦・兵站基地を確保する為に、仏領インドシナ(仏印)に進出し、仏蘭西の主権を認める代わりに駐留を許可された。」
 俺は機外前方に向き直り、何気なさを装いながら話を続けた。
「本来なら独立派勢力と手を組んで植民地を解放し、親日政権を立てるのが理想的なのだろう。だが同盟独逸の占領により、仏蘭西は名目上とはいえ味方となった。植民地解放を掲げて、親独ヴィシー政権と対立する訳にはいかない、これまでは。」
 戦局の流動により……よりはっきりと言うなら枢軸の凋落により……事態は一変した。連合軍によるパリ解放とドイツの敗北で、ヴィシー政権が解散したのだ。新たに首班となったドゴールは、日本=ヴィシー政府間協定の無効を宣言した。
 今でこそ旧ヴィシー政権派が植民地の実権を握っているが、じきにドゴール派が取って代わるのは間違いない。既に水面下にあった対立が表面化していた。
 我が国はレイテ沖で連合艦隊を失い、第15軍はインパールで密林に漉し取られて消えた。米海軍・英陸軍の侵攻に植民軍が呼応して決起すれば、我が軍の組織的抵抗は不可能となり、仏印の作戦・兵站基地も手放す事になる。
 対抗手段は各個撃破しかない。そこで大本営は、政権交代による指揮系統の混乱に乗じ、植民地の解体と傀儡政権の樹立を目論んだ。仏印駐留軍は第38軍に改編され、軍司令官となった土橋中将は、仏印武力処理「明号作戦」を計画。その決行こそ今日この日なのだ。
「漸くやっつける機会が来たって事ですな。あいつ等東洋人を馬鹿にしやがって」
「吠えるな、そう簡単にいくものか。越盟だけでも苦労してるんだぞ」
 大久保は勇ましいことを口にするが、天宮は冷静に戦況を把握していた。大戦から取り残され、無傷の仏蘭西植民軍は強力だ。主力は2万に過ぎないが、現地人の徴用は7万にも及ぶのだ。
 そう、現地の人心を掴まねばならない。最悪なのは、仏蘭西政府がベトナム独立と引き替えに、越盟と共闘する事だ。その前にこちらが同盟を結ばねば。
「民族独立の志と、大東亜共栄の理念は融合し得る。この作戦は、今まで敵対してきた越盟を味方に付ける為のものだ」
 そして仏印三国を独立させ日本との同盟関係に置けば、防衛力を増強しつつ、進駐軍を減らして他に転用することが叶う。

847イラストで騙す予定の名無しさん:2005/11/22(火) 00:34:18
「那賀」から「長過ぎ」に改名したら?

848イラストで騙す予定の名無しさん:2005/11/25(金) 19:33:29
まぁ、確かに乗せる量もだが、ワンシーンに置ける文章量も多すぎだな。
つーか、ここは推敲して貰う場所じゃないと思う。だから推敲してから乗せてくれ。

849イラストで騙す予定の名無しさん:2005/11/26(土) 00:41:09
まともに感想がつかないのは、単に長すぎるからというだけではないとオモ。
なんというか、惹き付けられるものがない。
残念ながらとてもじゃないが全部読む気にはなれない。
連続だったのでどうしても>>829と比べてしまうが、
きっと>>829の文章ならもう少し読む気になるんじゃないかと思う。
俺の好みの問題もあるだろうが、
多分10人に見せたとするとそのうちの7、8人は>>829のほうが面白いと言うんじゃないだろうか。
同じ素人の文章と比べてもそうなんだから、プロと比べてどうかは言うまでもない。

たぶん何かの賞に応募する予定なんだと思うけど、
ライトノベル系ならMFがいいんじゃないだろうか。
評価シートをもらえるし、きっと参考になるよ。

850那賀 健比古:2005/11/29(火) 21:54:46
いや自分でも読み進める吸引力に欠けてるのは痛感しまして、応募は見合わせます。
先ず問題は、一人称で背景とか歴史を説明するのが難しくて、その為に機内の会話が説明になってしまった事ですね。
つまりストーリーでは無く、説明に成ってしまっている。
元の構想からどんどん離れていくし、矢張り三人称で改訂します。
わざわざ批評して頂いて申し訳有りませんが「冒頭の甘さ」「流れが判らない」等、有益なアドバイスを有り難う御座いました。

851イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/02(金) 20:53:46
始めまして。オリジナルとしては初めて人目に晒すので
かなりどきどきしております。書き進めているうちに
「ちょっとくどいかな?」と心配になったので、思い切って
ご意見を頂こうと思った次第です。どうぞよろしくお願いします。



 四月某日日曜日、晴れ。朝早くから西田家の台所は戦場と化していた。
大きな物音やら、叫び声やら、焦げた匂いやら、黒っぽい煙やら。
料理を作っているのか、実験をしているのか、はたまた何かを燃やしているのか、
判断に苦しみそうな光景だった。
 こっそりと様子を窺うお母さん。『この後一体誰が片付けるんだろう』とか、
『食材が勿体無い』とか、『ちゃんと家事を教えておけば良かった』等等、
言いたいのを堪えているのがありありと解る。それでも口に出さないのは、
我が子可愛さからなのだろうか。有難くて涙が零れるよ。
 ところが弟の敦には、そんな優しさは微塵も備わっていないようだった。
「……これ食わされる奴、気の毒だな。」
 例えその通りだったとしても、第三者から言われると無性に腹が立つのは世の常で。
しかも、これ見よがしにため息までつかれたりして。言返そうにも本当の事なので、
ただ顔を赤くしてわなわなと振るえる事しか出来なかった。我ながらなんて情けない。
 お父さんに至っては、無言でテーブルの上に胃薬を置いて行った。……これが一番
傷付くんですけれど。なんで我が家の男達はこうもデリカシーがないんだろう?
 がっくりと肩を落とす私に、とうとうお母さんが声を掛けてきた。
「幸子ちゃん、お母さんが作ってあげようか?」
 なんて甘い誘惑をするんだ、お母さん。思わず『うん』と言いそうになったではないか。
作ってもらいたいのは山々なれど、あの優次の事だ。あんまり上手に作っても、
『母親に作らせるな、0点』位は言いそうだ。いや、奴なら絶対に言うに違いない。
ただ首を横に振ると、再びフライパンと格闘を始めた。
 タイムリミットまであと一時間――――。

852イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/02(金) 20:59:23
>>851
多分、章か小説自体の冒頭だと思うんだけど、概ね良いと思う。
小説全体の雰囲気も伝わってくる。
気になるところは二つ。
>わなわな
一人称なのに、語り手が客観視しすぎていて文章から浮いてるように感じた。
>――――
なんとなく微妙。終わらせられなくて無理やり切ったように見える。

853851:2005/12/02(金) 22:07:19
なんと、早速レス頂けて感激しております。
小説全体の雰囲気が伝わってくると言って頂き、天にも昇る気持ちです。
正直、かなりの酷評を覚悟していましたので。

さて、ご指摘の二点ですが。
「わなわな」
これはあまり考えずに入れた言葉ですね。読み返した時はさほど疑問にも
思いませんでしたが、言われてみると、ですね。もう少し表現を考えて見ます。
「――――」
これは、「タイムリミットまであと一時間」も込みのご指摘でしょうか?
ここでの終わり方は、割と早くから決めていまして、無理やりに切った訳では
ないのですが、唐突過ぎる、って事なんですよね?う〜ん、ここもちょっと
再考が必要なのかな。

予定では原稿用紙換算で150前後になるかと思うのですが、この調子で進めても
くどくはないでしょうか?(恐らく始終この調子で話は進むと思われます)

854852:2005/12/02(金) 22:24:01
>>853
天に昇って頂いたところで地獄に引きずり込んでおきます。
注)酷評しようとして酷評してます↓
まず、雰囲気が伝わってくるのは、ライトノベルのテンプレート的な雰囲気だからです。
わなわなの部分、柔らかく言ってますが、致命的だと思います。わなわな震えているのは、作者、読者の視点であって、語り手の視点ではありません。この量の文章で出てくると言うことは、この先そのような事態が頻発してると予測します。少しではなく良く考えてください。
また、――ですが、ここに関しては文章の続きがわからないのでなんとも言えません。尻切れトンボ的な印象を与えたいなら良いと思います。
この調子で進めたらダメに決まってます。文章のノリが一定であると言うことは、メリハリがなく単調で平板な文章になって行くことでしょう。
それと書き出しは三人称風一人称なのに、自分が出てくる分岐点の描写がでてきません。
視点の混線はプロがやるなら許されますが、ワナビがやると叩かれます。
基本的に描写が足りてないとも思いますが、この手のノリの文章なら量的には問題ないと思います。ただ質を高めたいなら、短い文で適切に状況を表そうとすべきでしょう。ノリの良い文章が身上でしょうから、質を高めるのは逆に難しいと思いますが。
まぁ、言いたいことは勝って兜の緒を締めよ的な事です。

855851:2005/12/02(金) 22:55:49
再びの書き込み、ありがとうございます。
酷評をみてちょっとだけほっとしていたりします(笑)
わなわなについて
仰せの通り、自分でも書いている途中で「あ……」と
思う事がしばしばあります。今回のご指摘の部分などは
自分だけで読み返してもさほど疑問に思っていなかった
部分ですので、おっしゃる通り、かなりの数で同様な事が
起こっていそうです。書き進める前に、その辺りのチェックを
もっともっとしてみます。
描写ですが、どんな話を書く時でも必ず苦しめられるんですよね。
自分でいうのも何ですが、このノリで逃げている面もあるな、と。
でも、どんな内容であれ、小説を書くのであれば描写はちゃんと
できないとダメですよね。もっといろいろな本を読まなきゃ。
この調子で進めたら、くどいよりも単調になる……。確かにそうですよね。
最終的には幸子がしおらしくなる予定なんですが、その辺りで進め方を
考え直してみます。
また機会がありましたら続きを出して見ます。その際はどうぞよろしくお願いします。

856イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/03(土) 00:49:30
>>851

某日日曜日>同じ漢字が被るのは避けましょう。

判断に苦しみそうな>判断に苦しむことを迷いそうな、では分かりにくいです。
苦しむ、でOKです。

こっそりと様子を伺う>どこから様子を伺っているのか分からないので、あまり想像しやすくないです。

等等>等々

そういう優しさ>『そういう』が何を指すのかあまり明確に示唆されてないので、分かりにくいです。


言返す>でも、言返す

振るえる>震える

母親に作らせるな、0点>ならば、『あまり上手く作らせても』という文章は不要だと思います。

横に振る>否定の意を少しでもいいので、書いておきましょう。

857イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/03(土) 15:58:57
 その日、僕は放課後の中庭にいた。中庭からは赤くなったグラウンドが見えて、駆け回るサッカー部の連中の姿が土の上に揺らめく空気で歪んでいた。
 7月に入ると、蝉も鳴き声で自分を主張する。蒸し暑さに溶けそうな肌をなでる風が心地よかった。プールに溶けた塩素と、しめった埃の臭いと、夏の校舎だけがもつ有機的で無機質な臭いとが僕の気持ちを落ち着くとも沈めるとも言えない気持ちにさせた。
 時間はとうに過ぎていた。待ちぼうけかと何度思ったか数えようとした時、一人の女子が校舎から駆けてくる。すぐにわかった。長く黒い髪。彼女だ。普段の白い肌は夕焼けに赤く染まっている。
 彼女は僕の目の前で止まった。うつむき、息を整えている。見慣れない懸命な仕草に胸が鳴った。
 彼女の顔が上がる。見上げる顔が夕日で影になり彼女の印象を幽かにさせている。
「秋白君、急に呼び出してごめんね。お待たせしました」
 息を落ち着かせて彼女が言った。いつもの様に明瞭な声の響きに、胸が高鳴る。心臓の音が大きい。彼女に聞こえてしまいやしないか。
「いや、いいよ」
 声が震えないよう気を使うのに精一杯のセリフの淡白さに、堪らなく恥ずかしくなる。
「えっと、そのね……言いたいことがあって」
 夕日が地平に流れていって、彼女の顔に表情が浮かびあっていく。
「付き合ってる人……いる?」
 少し太めの眉が、ちょっと困ったように、付け根に寄っている。夕焼けのせいか赤く染まっている白い頬。黒く大きい瞳は強い光を放っていて、僕を射抜く。
「え……いないけど」
 蝉の大合唱、捨てられたペットボトル、風が運ぶ彼女の甘い臭い。堪らず頭に血が上り眩暈がする。
「そっか……それなら――」
 彼女の少し湿り気を帯びた桃色の、唇が目に入った。惹きつけて離さない。
 小さく開く唇に、ゆっくりと空気が吸い込まれていく。白いシャツが空気が押し上げていき、ついに止まる。蝉の鳴く声だけが辺りを満たしている。
「――です、付き合ってください」
 辺りが静とした。心臓の音だけが浮ついている。彼女の声が頭の中でなんども繰り返す。言葉の意味を理解するまで何度と繰り返したのか、僕は気づき、焦る。彼女は僕を見つめている。頭の中では泡みたいな答えが生まれては消えていく。決まっているに決まっている答えが、泡の海に沈んでいって思考が窒息する。彼女の姿だけが意味も無く頭の中を支配した。
 あ、彼女が微笑んだ。

おながいします。

858851:2005/12/05(月) 00:03:11
>>856
書き込みいただいていたのに、気付かずに失礼しました。
またしても疑問にすら思っていないところで、ご指摘の箇所は
言われてみて初めて気付いたものばかりでした。
やはり、書いたものはこうして添削して頂かないと、いろいろな
あらが見えてこないものなのですね。
今回頂いたアドバイスを胸に、日々精進します。どうもありがとうございました。

859イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/05(月) 22:44:04
>>829

俺も>>833の意見に賛成。

あと、言おうか言うまいか、迷ったけど、言ってしまおう。

文章が削った分に、ぐんと引き締まった。それはいい。

でも、代わりに、読者に与える時間間隔があまりにも短く
なりすぎて、真人の苦痛が伝わりにくくなっている。

腹を刺されたら、どうなるかの話で、時間を稼いでほしい。

空手の試合でレバーに後ろ蹴りをカウンターで叩き込まれて
ダウンした個人的経験から推測するに……。

痛いこともあるだろうけど、その痛みで呼吸ができなくなって、
しまう。これが辛い。

痛みで筋肉が痙攣してしまって、肺が作動不能状態。
ともかく酸素がほしい。
頭の中は、そればかり。
首に手をかけられて締められる方がまし。

腹の中に重い石が入っているというか、そういう痛み?

うわ、やっぱ、人間、酸素が必要ダヨ。

おそらく腹を刺された場合にも、そういう呼吸困難の苦しみ
があると思う。

860イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/05(月) 22:54:18
>>857
批評とかあんましたことないから感想だけど。
主人公の緊張というかいっぱいいっぱいな感じは伝わってると思う。

気になったのは、彼女の名前。
伏せなきゃならない理由がないなら名前を出した方がいいんじゃないか。
顔見知りで「彼女」とだけ呼ぶのはちょっと他人行儀すぎる気がする。

861イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/06(火) 15:56:27
俺のもお願いします。以前本スレまわりで上げたことがある奴の微修正版。


 稲妻のように駆ける赤毛の犬が、獲物を捕らえた。
 騎乗した猟師と勢子、十数匹の猟犬に追われながら、獲物の野兎はよく逃げ回っていたほうだった。
 だが、安全な木々の下生え、暗い茂みへの逃走路は、常に先行する騎手か犬によって塞がれていた。数十頭もの馬と犬。野兎は知らず知らずのうちに、追う者達が狩猟場と呼ぶ場所をぐるぐると駆けめぐって、彼らの思う壺に嵌まっていた。
「マヴルーシカ!」
ひときわ、大きな掛け声が狩猟場に響いた。反応したのは、それほど見栄えの良くない、赤毛の猟犬だった。マヴルーシカは疾走する騎手達の足もとを恐れる風もなく駆けぬけると、他のどの犬よりも速く、隙を見せた獲物へと飛びかかった。
「よおし、よし、よし!」
赤毛と野兎がごろごろと転がり、追いついた他の犬どもがそれを囲んだ。マヴルーシカが取り押さえたところで、ころあいを見て下馬していた猟師の一人が、手早く野兎を縛り上げた。力強く尾を降る赤毛の頭をひと撫でして、猟師は周囲に集まってきた仲間に見えるようにと、獲物を高々と持ち上げた。何十もの好奇の視線が集まる中で、脚を縛られ身動きをとれなくなった野兎は、透きとおった目で周囲の者たちを見つめていた。
 ざわめき、興奮して甲高くしゃべる皆の間を抜けて、狩りの主催者である子爵令嬢が姿を見せた。すでに両親をなくしており、戦争でただ一人の兄も失った令嬢は、子爵家の事実上の主人であると見なされていた。遠慮する皆に片手で楽にするようにと示して、令嬢は乗っていた鹿毛の上から腕を伸ばした。とらわれの野兎を受け取った令嬢は、野兎を顔の前にぶらさげてまじまじと見つめて、満足そうな笑みを浮かべた。
「よし」
傍らの騎手に獲物をほおって、令嬢は言った。
「よくやった。皆の酒代を上乗せする。マヴルーシカにはあとで脚を一本おやり」
猟師と勢子が上げる歓びの声をうけて、もう一度にこりと微笑んでから、令嬢は鹿毛の頭をめぐらせた。マヴルーシカを遣っていた猟師が、仲間に背中を叩かれていた。

 夏から秋にかけての、毎日が変化に富んだ、あの魔法のような時季のことだった。明け方に降った雨はほどなく止んで、狩猟には絶好の上天気になっていた。
 子爵家の有する狩猟場は、いまだひとの手の入ったことのない森の脇の、さほど広くない一角だった。周辺には村の一つもなく、子爵家の領地における邸宅からは、馬で二時間ほどの場所にあった。
 令嬢は次の狩りの段取りをつけるために、馬丁と猟犬監督の姿を探した。馬丁には勢子の仕切りを、猟犬監督には猟師と猟犬のそれを任せていた。
 令嬢を乗せた鹿毛は狩猟場をゆるゆると進んでいった。さほど広くはないとはいっても、そこは貴族の有する場所だった。緩やかに起伏する狩猟場の各処に、この狩猟に参加しているひとびとの姿が散見できた。放した犬をまとめている猟師の一団。先の獲物のことをしゃべっている何人かの手隙の騎手。馬から下りて蹄鉄の具合を調べている勢子の奥手では、今回の狩りの獲物を鞍にくくりつける作業がつづけられていた。令嬢は狩猟場を見渡した。
 ほどなく、令嬢は思い思いの格好をして猟師達の指示を待つ犬どもの向こうに、猟師の一人と放す馬丁の姿を見出した。鹿毛の首筋をひとつ優しく叩いて、令嬢は馬丁のもとへと馬を進めた。

「猟犬監督からの知らせです」
話していた猟師を示しながら、馬丁が言った。
「少し向こうの、森に入ったところです。猟犬監督が、お嬢さんに来てほしいと」
 うなずき、令嬢は知らせを持ってきた猟師と馬丁と共に、猟犬監督のところへと馬を駆った。

862イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/06(火) 18:56:05
>>860
感想ありがとうございます。好感触を得られたようなのでなによりです。
もう少し描写を足して削って質を高めたいと思います。
名前もどうにもリズムを悪くしてしまうので、書くか書かないか考えていたのですが、やっぱり書くべきですね。
気合いれて作ってきます。

863イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/06(火) 19:11:48
>>861

猟師⇒近隣の貴族(騎士階級以上)とその子弟
勢子⇒従者
子爵令嬢⇒女伯爵

にしておけ……。

ただの猟師の財力では、馬ほど食う動物を飼育し続ける
ことはできない。
仮にできたとしても、猟師は、高い身分の女性の前に
出して恥ずかしくないだけの礼儀作法やマナーを心得て
いない。

ちょっと検索してみたが、
貴族の狩りについては、「トム・ジョーンズの華麗な冒険」
とかいう映画が参考になるっぽいぞ。

864イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/06(火) 20:42:59
>>863
猟師の財力っつっても、放牧してるなら餌代はかからなくない?
現代日本とかで馬を飼うとなると、餌の問題はあるだろうが。
背景からするとそう難しいとはおもわないけど、やっぱきついものなの?

あと、俺は馬丁がいちいち間に入ってるのが雰囲気出てていいと思ったけどなぁ。
身分の低い物にどう令嬢が当たるかでキャラ立ても出来てるし。
それなりに扱う、貴族にしては礼儀がなってる人と読んだ。

ところで、これ誰がやってる狩りなんだろ?
お嬢さんは犬を遣ってないし、楽しいんだろうか。

865863:2005/12/06(火) 21:33:33
>>864
もしも、作品舞台が、野生の馬を放牧できるような草原地帯だとしたら、
それは遊牧民の世界だよ。

遊牧民は、家畜が牧草を食い尽くしたら、次から次へと移動しつづける。
その結果として、領土に結びついた封建貴族制度は、普通ありえない。

このあたりの関係は、多少、勉強していなければ、わからないか……。

でも、↓は常識的なセンスでわかってほしい。

ぶっちゃけた話、ウサギ狩りみたいなことに馬を使うのは
あくまでヨーロッパ貴族のお遊びのスタイルであり、
狩りとして実用性は、全くと言っていいほど、ない。

狩猟でメシを食っている猟師ならば、そんな金と時間と労力のかかる
ような手法はとらないよ。

866イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/06(火) 22:10:52
あー、狩猟シーンは全体的にトルストイの戦争と平和の影響を受けています。
当時のロシア貴族の場合、猟師も勢子も猟犬も馬匹も「貴族のお遊び」のための、
自分持ちの雇い人だったりします。貴族が狩りをしないときは食卓を豊かにするために頑張ります。
贅沢なもんです。そりゃ革命も起こるわい。

>>863氏の意見は概ね正しいっつーか俺がorzな感じなのですが、一つ反論すると、
封建社会が拡張過程で遊牧民族の生活圏を領土に組み込むと、封建制と遊牧民の存在が両立します。
また、大規模な放浪型社会が拡張過程で定住型社会を領土に組込み、影響を受ける事例はよくあります。
(前者はロシア帝国、後者はモンゴル帝国)

867861,866:2005/12/06(火) 22:26:01
あ、ロシア帝国の場合タタールのくびきがあるから逆かも。
そして名前ミス

868863:2005/12/06(火) 22:34:13
>>866
一応、ロシア帝国などの例外の存在は想定していたよ。
だから、>>865では「普通」ありえない……と書いた。
でも、そんな感じですな。

>封建社会が拡張過程で遊牧民族の生活圏を領土に組み込むと、
>封建制と遊牧民の存在が両立します。

そのあたり、資料を集めて、世界をつくりこめば、真面目に
面白いね。
ただ、年齢の若いライトノベルの読者はついていけないかも
しれない。

869イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/06(火) 22:56:12
>>865
あれ、そうなのか。
なんかヨーロッパの貴族が狩りをしてるっていうイメージだと、
黒い森だの出てくるようで、なんとなく馬も飼えるだけの緑があるんだと勘違いしてたよ。

んでさ、ウサギ狩りに馬遣うのは貴族の遊び、っていうのは分かる。
イギリスのキツネ狩りとかもそうだよね。
でも、>>861って猟師が狩りしてるんだよ。
普通、スポーツとして楽しむなら貴族様が犬を使って追い込みまでしないか?って
思ったんだ。(少なくとも止めは貴族がとらないか?と)
それとも、これも思いこみで実は貴族は見てるだけ?

870861,866:2005/12/07(水) 00:03:20
だいたい869氏の認識で合っています。が、地域・文化にもよりますが、
貴族の狩猟の場合、スポーツとしての側面の他に、尚武的な、軍事訓練的な側面もあります。
大勢の騎乗した部下を駆って目的を達成するという手段自体が、もう一つの目的だったりするのです。

俺が書いたシチュでは、お嬢は暇をかこっていた狩猟用の被雇用者のために
狩猟をやっとるわけです(本来彼らを率いるはずの彼女の兄は戦死している)。
猟師が犬を遣うように、彼女は部下を遣っている訳です。
まぁ、そのあたりは裏設定的というか書いている人間だけ知っていればいい情報なので
>>861では特に描写していませんが。
読んだ方にそういう疑問を抱かせたなら、説明を入れるべきなんじゃろか。

871イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/07(水) 00:22:03
>>870
ああ、なるほど。
書き込んだあとにその可能性もあるな、と思ったんだけど。

この時代は出てくる猟師はお囲い、ってのは説明入れて、
夜あたりに令嬢が狩りについてなにか感想を洩らすといいかもね。

使用人Aが夜風に吹かれる令嬢に近づき、
「お嬢、一日中馬に乗ってお疲れでしょう。明日もあることですし、おやすみになられてはどうですか?」
ぼんやりとした顔で令嬢は振り返り、ため息を吐く。
「……あれで良かったのかしら? 私は兄さんの代わりになれてた?」

みたいな。
もしくは、野ウサギに同情するとか。その辺は令嬢のキャラクター次第で。

ただ、これをやるなら狩りのシーンのあとに猟犬監督と話す場面を入れる、ってのは辛いかな。
>>861を一段落、二段落、三段落と分けて、
一段落、夜のシーン、次の日にかわって二段落、三段落って感じか、
二段落の状況説明は一段落のすぐあとに持ってきて、次に繋がる部分を三段落の頭にくっつけるとか。

872イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/07(水) 00:31:05
嫌々じゃなければ、「楽しそうだったから、明日は追い込みに参加する」ぐらいかな。

873イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/08(木) 01:33:24
 正直言って、設定に口を挟むのは見当違いでは無いかな。まだ書いてないだけで、
背後にどんな設定が有るのか知れたものでは無いし、時代や地域によって条件が違う。
作者が資料を集め設定を練り込むのと、読者の嗜好には因果関係が無いんだし。
 違和感を感じない限り、普通はお抱えかも知れない猟師が、馬を持てる程豊かか
そうで無いかなど気にしない。同様に、お嬢が直々に狩りをしないのが変とも思うまい。
 ただ描写された内容から、背景の設定を推察するだけで、その意図は達成されてる。

874よろしく。:2005/12/09(金) 22:10:42
パサパサと、髪を軽く叩かれる感触があった。
寝ぼけたまま、机に突っ伏した顔を上げると、髪の毛に紙が貼り付けてあった。
授業は既に終わってしまっているらしいのだが、窓は開けっ放しで、そこから入る海風が紙を揺すっていた。
その海風が無神経にも午後の惰眠を貪る僕を起こしたらしい。
紙を手に取ると、そこには素っ気ないルーズリーフに見覚えの筆跡が綴られていた。書かれている内容は。
『最後のロケット・ライダー募集中 至急、裏山のガレージに来たれ』
 
彼女は僕の前に誇らしげに立つと。
「じゃっじゃーん。これが前世紀の廃棄物、宇宙への夢の遺骸、ロケットで〜す」と宣言した。
ガレージから台車に乗って現われたロケットは白く塗装され、外壁にはUSAの文字が赤色に刻み込まれていた。
アポロ計画で使用されたサターンVロケットを模したデザインなのだろうか。
海風で補強の甘いパーツが揺れているという欠点を除けば総ダンボール製とは思えない、なかなかのできだ。
「さぁ、乗りなさい」
「えっ? どこから乗るの?」
彼女は黙ってサターンVに近づくと、第二段ロケットの壁面を外した。
雰囲気ぶち壊しだよと思いつつ、中をのぞくと、そこには自転車の車体があった。
ロケットの下部の隙間からタイヤが地面に付いていた。
外壁をなんなく乗り越えて、サドルに座るとペダルに足を乗せた。
心の中で『準備完了かな』と唱える。
「もしかしたら、ロケットエンジンなのかと淡い期待をしてしまった自分が恥ずかしい」
「それはいくらなんでも私でも無理」
「君はどうするの? この恥ずかしいさまを見ているだけ?」
彼女は第一段ロケットの壁面を外すと、僕の後ろに座った。
「万事オーケー」
「で、このあとはどうするの?」
「サカキ山から海岸までの下り坂をノーブレーキで突っ走る」
前の席に座る僕が間抜けな疑問を尋ねた。
「とりあえず、ロケットの中で遊んでないで、ロケットから降りて、これをサカキ台まで運ばないとね」
「うん」
後ろの席に座る彼女ははっきりとした間抜けな返答をよこした。
サカキ山のチキンレースというのは、この辺では有名な話だ。
年に一、二回は開かれる子供たちだけの秘密の遊び。
サカキ山の頂上から開眼へと続く坂道をノーブレーキで下り、波打ち際でぴったりと停車するというゲーム。
前輪に海水が付いたら負け。
もしも、坂の途中でブレーキを使おうものなら問答無用にチキンと呼ばれる。
そして、最も波打ち際に近づくことの出来た、このゲームの真の勝者は、この年、最も勇気を持つ者という栄誉が与えられる。
が、そんなことをしているのがもしも大人にばれたら、大変。
次の日には学校で臨時集会が開かれ、校長があの話をするのだ。
チキンレース中、失踪してしまった少年の話を。
海岸に着いてもブレーキをかけず、そのまま、波打ち際を越えて、その海のむこう、地平線の果てまで自転車で走り抜けて行った少年の話を。
その話を僕も彼女も一度は聴いたはずだ。
忘れもしない、その少年の友人たちが、彼がブレーキをかけないことを不審に思い始めたくだりだ、そこで彼女は。
『それは浮いたままいったのですか? それと潜水して行ってしまったのですか?』と話の展開を見抜いた質問を、全校生徒の前で校長に訊いてしまった。

875イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/09(金) 22:27:17
>>874
掴みとしてはけっこう面白いと思う。
ただ、展開が早すぎて(場面が変わりすぎて)ちょっと理解するまでに時間を要する。

あとは……「手紙の内容は。」は要らない気がする

876イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/10(土) 03:02:48
 オリジナル作品を人の前に出すのは初めてなのですが、批評の方をよろしく
お願いいたします。あんまりラノベらしくないかもしれませんが……では次レ
スから始めさせていただきます。

877イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/10(土) 03:04:37
 出会いなんて、たいしたきっかけが必要なわけじゃない。
 パンをくえた女子高生と曲がり角でぶつかったりだとか、幼馴染がいるだとか、そんな夢みたいなことは
龍二の人生に起きなかったし、起きることを期待もしていなかった。

 厳密に言えば彼には、幼馴染がいないわけではない。ただそれは男で、幸いにも男好きというわけでは
なかった。幼稚園の頃に知り合って、小学校、中学校、高校と、クラスが別なことはあっても、家が近かっ
たから、互いの家を行き来して遊んでいた。

 ただ最近、雄太というその幼馴染とツルむことは少なくなっていた。それは彼に、恋人が出来たから。美幸
という名前のその少女は、龍二と雄太、共通の知り合いで、高校のクラスメイトだった。龍二もまた美人だな、とは
思っていて、仄かに憧れを覚えていたから、幼馴染と彼女が付き合いだしたと聞いた時は、軽くショックでは
あった。だがまだ、好きという程までには深入りしていなかったから、割とあっさりと諦めることも出来たし、二
人を祝福することも出来た。
 とはいえ、二人の仲に入りづらくなったのもまた、事実だった。雄太は相変わらず誘いの電話をくれるし、
美幸もまた、
「龍二君も一緒に遊ぼうよ」
 と声をかけてくれるのだが、何となく気が引けて、適当な言い訳を付けて三回に二回は断るようにしていた。
「悪いな、何か」
 二人きりの時に雄太からそう言われて、龍二は苦笑で返す。そして、
「気にすんなよ。美幸ちゃんのこと、大事にしてやれって」
 本心からの言葉ではあったが、どこか嘘っぽいな、と彼はふと思う。が、他に言いようがないのも、また事実
なのだった。

 そんな彼が、最近、気になり出したのは、クラスで隣に座る少女、美咲だった。

878イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/10(土) 03:04:57
『町田君、タバコ吸ってた?』
 そう書かれた紙を美咲から手渡されたのは、夏休みも近い、うだるような暑さに龍二が吐き気を覚えて
いた午後のことだった。もっともその気持ち悪さは、昼休みに生まれて初めて吸ったマイルド
セブンのせいかもしれなかったが。
 渡された紙に目を通し、その内容を理解して、龍二の背中に冷や汗がにじむ。それでも何とか驚きの
声を挙げるのを押し殺し、隣を睨むが、美咲は何事もなかったかのように前を見ている。が、彼の反応には
気付いていたのだろう。ノートの切れ端にまた、何かを書き込むと、龍二の方を見ることなくそれをこっそ
りと回す。
『放課後、待ってて』
 今度はその内容を理解することが出来ず、戸惑ったまま彼女を見つめるが、美咲はやはり、それに何の
反応も示さなかった。


「ん……くぅ」
 何度目になるかわからない試行錯誤の後、ようやく龍二は美咲の中に自分の分身を突き刺すことが出来た。
「……痛いのか?」
 唇を噛み締め、スーツを強く握り締める彼女の様子に、ホテルに入って初めて彼は言葉を発する。緊張に
口の中が渇いていたせいか、ややかすれたその声は、それでも美咲の耳に届いたらしい。
「だい、じょうぶ……」
 明らかに嘘とわかるその言葉と共に、涙のにじんだ目で美咲は彼自身を見つめてくる。深い黒の瞳の中に
透けて見える少女の必死さに、龍二は言葉を失う。
「いい、よ……動いて」
 むしろ自ら腰を押し付けるような美咲に、彼はただ彼女の髪を優しく撫でることしか出来なかった。

 安いラブホテルの一室に、二人が来ているのは、美咲が誘ったからだった。
 わけもわからぬままに、龍二は彼女の言葉どおり教室に残っていた。誰もいなくなった頃に、一度教室を
出て戻って来た美咲が、こう告げたのだ。

「町田君。私のバージン、もらってくれない?」

879イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/10(土) 03:05:17
 気になっていた少女からの言葉に、龍二は驚くと同時に、幻滅を覚えもした。美咲は美人とは言えない
までも整った顔立ちで、少し染めたのだろう、淡い茶色の髪を肩の長さまで伸ばしている。やや大人びた
印象と清楚な雰囲気に、龍二は惹かれていたのだった。
 だからこそ、反動から来る失望は激しかった。何だよ、それ。そう心の中で呟く、いや、吐き捨てる。
「タバコのこと、黙っててあげるから。お願い」
 彼の沈黙を勘違いしたのだろうか、そう続ける美咲から目をそらして、龍二は言った。
「いいぜ、わかった」

 そのまま二人は、学校を出てホテル街へと向かう。龍二が先を歩き、美咲がその後に続く。一度、彼が
振り向くと、彼女は俯いたまま立ち止まった。
「何?」
 か細い声で言われるのに、龍二は答えず、また歩き始めた。

 龍二と美咲、二人の持ち金を合わせても大したことはなく、結局いつ建ったのかわからないような古い
ラブホテルしか見つからなかった。もっとも、学生服を着たままの二人が引き止められなかったのは、
そのせいかもしれなかったが。
 鍵を受け取り、上るエレベーターの中でも、二人は言葉を交わさない。少しずつ冷静さを取り戻して
きていた龍二は、この状況に異常さを覚えてきてもいたが、かといってここで引き返すのは癪だった。
抱かれたいんだったら、抱いてやるよ。そんな風に心の中で言ってみても、何だか言い訳のような気が
して、余計に苛立つばかりだった。

 部屋は狭く、ただベッドと、申し訳程度のバスルームがあるばかりだった。
「シャワー浴びてくる」
 そう言う美咲を、龍二はベッドに押し倒す。
「ちょ、町田君」
 構わず彼は、少女の制服を脱がし始める。わずかばかりの抵抗も、すぐにあきらめたかのように止ん
で、程なく龍二の目の前には、美咲の眩しいばかりに白い裸体が露になっていた。
「電気……消して」
 一瞬、見惚れていた彼は、彼女の言葉に頷いて、電気を消す。真っ暗な部屋の中、それでも龍二の
瞳には、少女の美しい姿が残っていた。

880イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/10(土) 03:05:38
「大丈夫か?」
「う、ん……痛く、なくなってきた」
 嘘だと、龍二にはすぐにわかった。涙は流れ続けているし、声もかすれている。AVでしか知識のない龍二
だったが、それでも美咲が感じてなどいないことぐらいは察することが出来た。
「止めるか?」
「ううん……本当に、大丈夫だから」
 気丈な少女の言葉が、あまりに胸をしめつけてきて。
 龍二は彼女を強く抱きしめながら、激しく腰を振り始める。
「……ん!……ぅ!……ぁ!」
 声にならない悲鳴をあげながら、それでも美咲は彼の抱擁に答えるように、抱きしめ返す。あまりに意地ら
しくて、龍二は早く果てようとするが、緊張しているせいか、全く射精の瞬間は来ない。気持ちよさも、また。
ただ突く度に、彼女の体を傷つけている、そんな罪悪感と後ろめたさが襲うばかり。
「……ん!んぅぅ!」
 ようやく彼が果てたのは、挿入からどれぐらいの時間が経ってからのことだろう。快感のない射精は、自慰
よりも空しい思いだけを、彼の心に刻んだのだった。


「初めて、だったんだね。町田君も」
 後始末を終えた後、シャワーを浴びて出てきた美咲は、まだ上半身裸の龍二から、恥ずかしそうに目をそら
して言った。
「ん……ああ」
 改めて見た少女の、意外に豊満な胸と、その先の小さな突起に目を奪われかけた彼は、曖昧にそう答える。
が、すぐに、
「俺も、初めてだったから……その、悪いな」
 言わないといけないような気がして、龍二は言った。それは彼が、罪悪感から逃れようとして口にしたのかも
しれなかったが。

881イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/10(土) 03:06:00
「いいよ、別に……こっちこそ、ゴメン」
 そう言ってから、恥ずかしそうに自分の体をバスタオルで隠した美咲は、そのままベッドに潜り込んでくる。
そして端に腰掛けていた龍二の背中に、そっと額を押し当てた。
「本当に、ゴメン。無理なお願いして」
「だから、いいって」
 理由を、聞きたいと龍二は思った。だが、何故か、聞くのが怖かった。
 あの時……二人が、繋がっていた時。セックスの快感も、一つになることの高揚も、いわゆるセックスで
得られると言われている感覚を、彼は何も得られなかった。
 だが、確かに、あの瞬間は、特別なものだったのだ。
 果てる寸前に、美咲の方から求めてきたキス。そのぬくもりは、まだ龍二の唇に残っている。


 その日、結局、二人は会話らしい会話をすることもなく、別れた。何事もなかったかのように家に戻った
龍二が、部屋に戻って携帯を見ると、メールが一通、届いていた。差出人は、アドレスを交換したばかりの、
美咲からだった。
「今日は、本当にありがとう。また明日、学校でね」

 どう返事を返そうか、迷って龍二は結局、何も送らないことにした。

 夜、彼の夢の中に、美咲が出てきた。だが一度も、彼女はその顔をこちらに見せることがなかった。

882イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/10(土) 03:07:02
 以上です。導入部なのですが、どうかよろしくお願いいたしますm(_ _)m

883イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/10(土) 15:42:26
 短い間に時系列が行ったり来たりして、話の流れが理解し辛い。特に最初の濡れ場は、
始め何が起きているのか、すんなり分からなかった。そもそも告白して、いきなり肉体
関係を要求するのは、流石に不自然で違和感を感じる。
 煙草と肉体関係。ブギーポップに似たシチュエーションが有ったが、あれは独特の
乾いた文体に合わせたものだし、女性の方が放煩な性格で、しかも交際を進めた末に、
という仄めかしが有ったはず。

884イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/10(土) 23:46:36
しかし、ここで晒す人も本当に様々だね。
ある程度のレベルに達していると思われる人も居れば
>>829なんかはこれにあてはまると俺は思うのだが)、
本当にいかにも「自信ありません」という感じの人もいる
(これは具体例を挙げると失礼になるので自粛しとく)。
むろんその中間も居る(ここで晒すほとんどの人がここにあてはまるだろう)。
俺も一応小説書いてるけど、俺は中間よりちょっと下ぐらいかな。
「良き作家であるためには、良き評論家であれ」という言葉を信じてここを覗いてるんだが、
たまに自信なくしそうになったりするから悲しい。

885イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/11(日) 00:01:04
濡れ場は書かないほうがいい気がするけどね。
これじゃ、それなんてエロゲ? って話になっちまうから。
具体的に作品名を挙げておくと「SEXFRIEND」つーエロゲがあって、
切ない感じのなかなか良いゲームだった。

で、こっからちょっと真面目に言うと、
導入としての引きが弱い。
理由は、キャラクターの行動が意味不明、無味乾燥としてる、エロシーンとして面白くない(描写がたりてないし、エロくないし、テンプレート的過ぎ等など)、主人公の心の痛みに共感できない(リアリズムが無い)
読みづらい、文頭と回想に矛盾を感じる、文章的な強弱が無いので読んでるだけでの面白さがない等々。
感想としては、
ライトノベルに濡れ場はイラネ、かな。エロゲだったら続けるけど、本だったら閉じる。

886イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/11(日) 00:24:48
>>884
文章力なんて主観的な判断なんだから(文章力という言葉の定義自体があやふやだし)
気にしないで書いて書いて直して直せば良いんじゃなかろうか。
で、ここに書き込むのは1つ2つくらいしか突っ込みも無いだろうと思った時とかじゃない。
それで、自分の主観と世間の主観が噛み合ってるか噛み合ってないか、確かめる手段と言う感じじゃないかと。

887829:2005/12/12(月) 19:54:42
>>859
しばらくここを覗いてなかったもので……返信が遅れてしまって申し訳ありません。

少し考えた結果、「こんな戦国時代みたいな……」の部分を消して、そこに感覚の描写を入れることにしました。
戦国時代うんぬんの部分は主人公が正気を失っている感じを出そうと思って入れていたのですが、
死にかけのくせにやたら落ち着いてるな、
というのは他の部分で十分に伝わると思うので敢えて入れる必要はないかなと。

888イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/13(火) 02:54:05
専門用語解説でひっかかったので、ツッコミお願いします。前後の流れを崩しすぎてないかが特に知りたいです。



「牡って……あ、タマついてるんだ。タマ」
「里香……あんたも一応は女子高生なんだから、そういうセリフを平気で吐くっていうのはどうかと思うけど」
「他に言いようがないでしょ」
「セン馬じゃないんだ、とか」
シルフの股間を覗き込んで言う里香に、綾華の冷静なツッコミが入る。
もっとも綾華も慣れっこなのか、一瞬呆れた顔をした後、すぐにいつもの表情に戻った。
セン馬――闘争心を抑えるために去勢された牡馬のことである。
闘争心が重要な要素を占める競争馬と違って、穏やかな気性が必要とされる乗用馬は、大半がこのセン馬で構成される。“ついている”牡馬は珍しいのだ。
「ま、やんちゃな子だったらタマとっちゃえばいいんだけど」
「いや、だからそういうことをあっさりと言う女子高生ってどうかと思う」

889888:2005/12/13(火) 02:56:20
すいません、あと一つ

知らない人にもきちんと理解させられるような解説になっているか

これも知りたいです

890イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/13(火) 03:12:27
僕は競馬漫画大好きなのではっきりしたことは言えませんが、問題ないと思い
ますよ。でもシルフと聞いてシルフィードを思い浮かべた僕は末期なのか?

891888:2005/12/13(火) 03:28:01
>>890
まあ、風の妖精という意味は同じなんで…
一応、馬術風の名前(できるだけ簡潔な名前)で設定してみました

892イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/13(火) 16:46:20
競馬関連さっぱりな人間ですが、特に分からないという点はないです。

893888:2005/12/14(水) 19:52:32
>>892
ありがとうございます

ではこれで行きます

894イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 20:55:58
「2ch文章アリの穴」
http://ana.vis.ne.jp/ali/index.html
に投稿したプロローグを改訂したものです。台本か設定資料じみていた文体を工夫し、
会話を増やして、小説らしく成るよう手を加えました。どうか宜しくご指導下さい。


運命の交差路〈ラスプーチ〉

 世界は死の断末魔に喘いでいた。迷信に満ちてはいるが、古き良き浪漫の時代が。そして不死鳥が自らを火にくべるかの様に、再誕の鉄火に身を投げようとしていた。
 この時代〈トキ〉この帝国〈バショ〉の中心に居たのは、延び放題の髪と総髭を生やした、肩幅の広い痩せた中背の男で、不潔な体に地味な黒い僧服を纏った姿からは”奇跡の人”と呼ばれた偉大な霊能力も、一国を左右する権力も想像出来ない。
 グリゴリー・エフィモビッチ・ノヴィーク。トボリスクとチウメンの交差路(ラスプーチ)に位置するポクロフスコエ村出身。元々は住民の大半と同じラスプーチン姓だったが、難病の皇太子を救った功績から、皇帝より豪華な邸宅とノヴィークの姓を下賜されている。
 そしてこの成り上がりの似非僧侶こそ、この年代〈アイオーン〉の中心の一つであり、歴史の転換点そのものであった。それ故にそれを知る一人の男の深慮と、それを知らぬ多数の者達の短慮とで、彼自身も運命の交差路に立たされる事と成ったのである。

895イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 20:57:29
 服をまさぐられているのに気付いて、グレゴリーは目を覚ました。自分がなぜ横たわっているのかは分からなかったが、茶菓子〈ケーキ〉を食べながらマディラワインを一瓶空け、良い気分に成って食前の……実際には少し摘んだ後だったが……祈りをしたのは覚えている。
 ただ茶菓子もワインも、妙な苦みが舌を刺激し、お世辞にも美味いとは言いかねた。グレゴリーは口直しにお代わりを要求したが、ユスポフ公爵は声を裏変えして、抗議の叫びを上げたものだ。
 ワインが傷んでいると仄めかしたのが、貴族の矜恃を傷付けたのかも知れない。だからと言って接待役の主人〈ホスト〉が、招待客に凄むなど無礼極まりない話だが。まして後ろから殴り掛かるなど、帝国屈指の大貴族だとて許されがたい……殴り掛かる?
 怒りがグレゴリーの意識を鮮明にさせ、何が起こったのかを思い出させた。殴られた拍子に受けた、耳が麻痺する程の衝撃。あれは銃声だ。と言う事は彼の背を殴りつけ、息を詰まらせたのは銃弾だったのだろう。
 その時、服をまさぐっていた男が宣言した。
「呼吸、心拍共に確かに停止しています」
 グレゴリーはその声に聞き覚えが有った。確かラゾヴェルトとか言う藪医者だ。その博士に遮られて良く見えないが、視界の陰にもう一人居るのに気が付く。
「本当に確かだろうな? 君の調合した青酸カリは効かなかったぞ」
 その声こそユスポフ公爵だった。彼の会話の内容が引っ掛かる。医者がここに居るのは、激昂して思わず”奇跡の人”に不敬を働き、後悔して治療を任せたからでは無いのか?
 グレゴリーは暫し迷った。事情が飲み込めるまでもう一度目を瞑って死んだふりをするか、それとも雰囲気タップリに起きあがり、2人に事情を説明させるか。しかし先程から金縛りに遭った様に体の自由が効か無い。息も苦しい、と言うより息をしていない。
 このままでは、本当に死んだと思われて埋葬されかねない。
 グレゴリーが迷っていると、公爵がヒョイと博士を避けて、グレゴリーの視界に歩み出た。 目が合う。
「ぎゃぁ!」
「うわっ」
 途端にユスポフ公が仰け反って短く悲鳴を上げた。公爵も驚いた事だろうが、その反応にグレゴリー自身も驚いて声を上げる。それでようやく、歯車が噛み合う様に、グレゴリーの体が正常な活動を開始した。息を吸い起きあがろうとする。
 振り向いたラゾヴェルト博士が、グレゴリーを見て腰を浮かし、呟いた。
「そ、そんな馬鹿な! 有り得ない」
「だから聞いたんだ。お前には何一つ確かなものが無いのか!」
 ユスポフ公は博士を間に挟む位置に後退した。
「”復活”を信じぬ不信心者め等が!」
 大体ご大層な医者が役に立たぬから、自分の様な者が帝国に必要となるのだ。公爵がグレゴリーを招待したのも、奇跡の力で夫人の治療を願ったからではないか。 
 公爵がポケットから銃を取り出すのを見て、グレゴリーは博士を突き飛ばした。浮き足だっていたラゾヴェルト博士は、転びかけて公爵にしがみ付こうとしたが、銃把で頭を殴られて気を失い、床に倒れ込んだ。
 グレゴリーは哀れなラゾヴェルトを踏み付て、公爵目掛けて突進した。だがユスポフ公は、グレゴリーより一瞬早く、銃のスライドを引いて身構える。銃を突きつけられ、ギクリと立ち止まるグレゴリー。2人の間に緊張が走った。

896イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 20:59:55
毒入りの”最後の晩餐”はお気に召さなかった様だな」
「毒入りだと!」
 ユスポフ公爵は初めから彼を暗殺する積もりだったのだ。グレゴリーは、公爵の口車に乗った事に後悔した。公爵夫人のイリーナはニコライ2世の姪で、美女と名高かったのだ。
「クソ! それでか。儂の神通力が弱ったのも、この頭痛・腹痛・生理痛も」
「生理痛は違うだろ、意味分かって言っているのか?」
「ぶっ無礼者、文字くらい読めるわい!」
 実際には、公爵達が茶菓子とワインに仕込んだ青酸カリは、常人の致死量を遙かに超えていた。体調不良位で済むはずも無かったのだが、それでもグレゴリーは平然とし、お代わりまで要求したのだ! 焦った公爵が背後から銃撃しても、仮死状態に成っただけで蘇生してのけた。
 このグレゴリーの不死身ぶりに、ユスポフ公は迷信的な恐怖心を抱いていたが、全く効いてない訳でも無いと気を取り直した。公爵は改めて抹殺の決意を固めた。もはや病死に見せ掛けられずともやむを得ない。
「槍の代わりに鉛弾をくれてやる。十字架に張り付けるのは省略だ」
 余裕を取り戻した公爵は、不敵な勝利の笑みを浮かべて引き金を引いた。カチリッと撃鉄が落ちる小さな音がして……いや、それだけだ。何も起きない。
 肩透かしを食らったグレゴリーとユスポフは、キョトンとした顔をして、2人を遮る銃に視線を下げた。ユスポフが手首を捻ると、弾倉が抜けて空に成ったグリップが見えた。
 ブローニング32口径。サラエボ事件でも使われた最新の自動拳銃だが、この銃はマガジン・キャッチがグリップの下に有る。ユスポフが博士を殴りつけた際に、その固定が解除され、弾倉が抜け落ちてしまったのだ。
 2人の視線が床を彷徨い、ラゾヴェルトの腹の上、落ちた弾倉で止まった。
 再び視線を合わせる2人。ユスポフがばつの悪い思いを笑って誤魔化せば、グレゴリーも応じて愛想笑いを返す。
「アハハハッ……」
「ホッホッホッホ……」
 っと、緊張が戻り死闘が再開された。
 ユスポフ公は素早くグレゴリーの脇を潜り抜け、地下室を閉ざす扉に飛び付いた。取手を回し、力一杯押したが開かない。
 扉はグレゴリーが生きていた場合に備え、逃亡を防ぐため外から閉ざされていたのだ。
 ユスポフ公は扉を叩き、外に向かって解錠を求めた。
「外の者、扉を開けよ。私だ、フェリックス・ユスポフの命令だ!」
 誰も居ないのか?
 情報漏れを防ぐ為に、衛兵を遠ざけたのは間違いだった。空し取っ手を握る彼の心に、後悔の念が過ぎる。だが後悔していられたのは束の間だった。
 グレゴリーが背後に詰め寄り、猫を持ち上げる様に襟首を掴み上げたのだ。公爵の悲鳴は喉元で詰まり、押し殺したか細い呼吸と、少量の唾となって口から溢れた。
「待たせたな、荒縄と銀貨30枚は省略じゃ」
 ユスポフ公が不自由な首を回すと、グレゴリーの顔が間近に迫って見えた。痘痕だらけの不潔な顔に、瞳孔の窄まった不気味な視線。必死に空気を求める彼の鼻腔に、グレゴリーの不快な体臭が飛び込んできた。
 これまでか? ユスポフ公の瞳が絶望に曇った。彼は君側の奸を取り除き、英雄と成る事を夢想していたのだ。
 帝国の貴族男子は、軍務か宮廷に付くのを慣例としている。彼は命の危険の無い宮廷勤務を選んでいたが、内心ではオリンピック選手にして近衛軍将校の、親友ドミトリーの名声を羨んでいた。

897イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 21:00:56
 しかしその時扉が開いて、外の光が地下室に飛び込んできた。
「そこまでだ。テーブルを下ろせ、黒い悪魔め!」
 ユスポフ公爵の同士、国会議員のウラジミール・プリュシケヴイッチが到着したのだ。
「恩知らずめが! そなたが議員に成れたのも、儂が陛下に国会の開催を言上したからだぞ」
 腹を立てたグレゴリーは、銃を構えたプリュシケヴイッチに、ユスポフ公を放り投げた。
 地下室に再び轟音が鳴り響き、グレゴリーは踏鞴を踏んだ。プリュシケヴイッチは吹き飛ばされながらも発砲し、その内一発が運良く命中したのである。
 屋敷から逃げなくてはならない。体の前後に被弾して、流石の彼も弱気に成った。かつて短剣で刺されながらも、刺した相手を即座に呪殺してのけた彼だが、今日はどうにも体調が悪い。毒を盛られたせいだろうか?
 ユスポフ公爵が燭台に取りすがって立ち、配下の衛兵を呼ぶ声び寄せる。
「ラスプーチンを殺し帝国を救え!」
 グレゴリーは臼に跨る己の姿を想像〈イネージ〉した。両手にそれぞれ杵と箒を持ち、森を飛翔する姿を連想する。
 ユスポフ公とプリュシケヴイッチ議員、そして意識を取り戻したラゾヴェルト博士ら3人は、公爵邸の地下室に、暗いタイガの森林の光景が重なるのを見ておののいた。彼等は不思議と、それがロシア民謡の魔女「バーバ・ヤーガ」が住むという、ザグの森だと確信していた。
 黒い森の木陰とグレゴリーの僧服が解け合い、その遙か向こうに異形の館が陰を見せる。人骨の柵に囲まれて、一本の巨大な鶏の脚に支えられた小屋が。窓に覗く人影は……
 突如として地下室に突風が吹き荒れ、グレゴリーは姿を消していた。暗殺者達は呆然として、声も無く立ちつくしている。衛兵達が到着したが、今の出来事を説明する気に成れなかった。

898イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 21:21:04
あくまでも個人的な意見

フリガナでカタカナ連発はちょっと厨臭く感じる
ついでに、少し読みづらいかも

899イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 21:32:17
キャラの発言について相談です。
多少世間ズレしたキャラですが、以下の文章で発言に違和感を感じたら教えて下さい。
ついでに文章について意見をいただけたら幸いです。



「合理主義は優香にはわからないかもね。空手なんて非合理的なものをやってる時点で」
「空手まで馬鹿にしないでよ。少ない手数でいかにして相手を倒すか。十分合理的……」
「礼は無し。いや、それ以前に試合会場も時間も決めずに不意打ちで相手を倒す。それが一番合理的でしょ?」
いかにも度の強そうなメガネをかけながら、優香の反論をぴしゃりと封じる。確かに正論ではある。それがすでにスポーツではなくなっているという問題点を除けば。
「お姉……私に特殊部隊にでも入れと?」

900イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 21:34:58
文章、主述関係がはっきりしていないのでかなり読みにくい

901イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 21:36:18
会話には違和感を覚えないけど、字の文の補填がちょっと気になる。
視点と主語の関係がはっきりすればわかりやすくなるかも。

902イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 21:38:44
>いかにも度の強そうなメガネをかけながら、
↑これが意味不明なんだが。どこかに容姿に関する描写を入れたくて無理やり
挿入したのかな?

903イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 21:43:15
特に違和感無い。
ついでに、合法・非合法でのやり返しも入れてみたら?
スポーツなら、合法的に殴り合えて、「不幸な事故」がおこっても仕方ないが、
スポーツでない場合、それは犯罪でこれほど非合理極まりないものはない。
殴り合いを総合的に合理化したものが空手とかボクシング。
とか何とか言い返したり。

904イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 21:44:51
>>900-901
じゃあそこに気をつけて修正します
>>902
当初は「メガネをかけながら」だったけど、目が極度に悪いってことを強調するためにやりました

やめたほうがよかったかな…

905899:2005/12/15(木) 21:50:11
>>904も自分です

>>903
場面は主人公と妹の会話シーンなんですが、
妹が主人公の好物にケチつける→合理性をとく→妹「わからん」
→主人公「空手とか、非合理的よね」→妹「合理的だし」→主人公に強引な理論に論破されて妹黙る
っていう流れです

あ、でも妹の強気さを強調するには再反論させたほうがいいかな…

906イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 21:53:40
>>904
分厚い度の強そうな〜〜
牛乳瓶の瓶底みたいな眼鏡を〜〜
とかの方が通じる気がする。

あと「礼はなし」より「まず挨拶から入るなんて非合理的よ、」のが良いかもしれん。
なんだかお前さんの文は一言足りなく感じる。

907899:2005/12/15(木) 21:55:51
>>906
だったら多少しつこいくらいの描写のほうがいいっすかね?

練り直ししてみます

908イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 22:02:36
>>899
いや、そうじゃなくて描写を挿入する場所がおかしい。
眼鏡かけていることにその時点まで気づかなかったのか?

909イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 22:06:08
>>908
いや、言葉のまま。どこからか取り出した眼鏡をかけたんじゃないのか?
流石に「かけている」くらいのボキャブラリーはあるだろうし。


と適当ぶっこいてみる

910899:2005/12/15(木) 22:07:36
>>908
いや、ここで初めてメガネをかけます

……もう少し描写力を向上させないと

911イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 22:09:42
お? ほんとにその時点でかけたのか。じゃあ眼鏡を取り出す描写を入れた方がいいよ。

912899:2005/12/15(木) 22:13:31
>>911
・メガネを取り出す描写を加える
・メガネに関する描写が変
・発言はもう少しわかりやすく
・主語と述語をもう少しわかりやすく

こんな感じかな。後は自分アレンジすればいいか

913イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 22:18:13
勝手にリライトしてみる。

「優香には『合理主義』はわからないかもね。空手なんて非合理的なものやってるし」
「空手まで馬鹿にしないで。十分合理的だよ。少ない手数でどうやって相手を倒すかって」
 お姉は度の強そうな眼鏡を胸ポケットから取りだしてかけた。
「まず試合前の礼とか必要ないでしょう。それ以前に、試合会場も時間も決めずに不意打ちで
相手を倒す。それが一番合理的でしょ?」
 優香の反論をぴしゃりと封じる。
 確かに正論ではある。それがすでにスポーツではなくなっているという問題点を除けば。
「お姉……特殊部隊にでも入れと?」

914イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 22:20:00
>>894-897
目を覚ましたら、虫になってたわけじゃないのか。
まぁ、それはともかく、一番初めに思ったのは読みにくい。誤字はおいとくとして、文章の長さとリズムが一番の問題かね。

>この時代〈トキ〉この帝国〈バショ〉の中心に居たのは、延び放題の髪と総髭を生やした、肩幅の広い痩せた中背の男で、不潔な体に地味な黒い僧服を纏った姿からは”奇跡の人”と呼ばれた偉大な霊能力も、一国を左右する権力も想像出来ない。

例えばこの文章だと、二つの文章に簡単に分けられる。けど、分けてないから一息に読まなくてはいけなくなって、読みづらさを感じさせている。他に、
>それ故にそれを知る
であるとか、
>ユスポフ公が仰け反って短く悲鳴を上げた。公爵も驚いた
であるとか、ところどころに読者を混乱させる作用を持つ言葉の使い方が見られる。
また、風景や気候、心理等などの描写がない為、ストーリーを「解読」しなければならなくなっている。
もう少し、読者の目を意識して、書いてみるべきではないだろうか。

915イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 22:23:01
なんで眼鏡を掛けるのか分からない、というとあれだろうか?
視力が悪いなら普段から掛けてるはず。

916899:2005/12/15(木) 22:24:32
>>913
一瞬、なぜに一人称? とか思った。
ここでは主人公の名前が出てないから当たり前か……
妹の口調はそっちのほうがらしいような気もしてきた
基本設定は「強気なスポーツ少女」だからなあ…

917イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 22:25:03
「ありがとうございます」も言えない人間に、みんな優しいな。
お礼なんて、非合理的か?

918899:2005/12/15(木) 22:26:13
>>915
晒してない部分で描写しているんですが、これ朝食シーンです

919イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 22:27:33
>>918
お前さん眼鏡かけてる?

眼鏡の世話になってる人間が起きてまずすることは眼鏡を掛けることなんだ。
特に、視力が弱ければ弱いほど。

920899:2005/12/15(木) 22:28:21
>>917
すいません。落ちる前に言うつもりだったんですが……

921イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 22:30:35
>>919
そうなのか?
俺も目が悪くてメガネかけてるが、左目と右目の視力が一緒じゃないのと、
左目がまさにビンゾコなんで、授業中であるとか以外メガネかけないが。

922899:2005/12/15(木) 22:31:13
>>919
免許は要眼鏡等ですけど、私生活には支障が無い程度の視力です

根本から変えて、あんまり視力悪くないor最初からかけてる設定にしたほうがいいかなあ

923イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 22:31:26
>>899
一人称じゃないぞ。地の文に一人称出てないだろ。お姉の名前がわからんから
お姉って書いただけだ。つーか主人公(妹)って優香だろ?

>>917
べつだん口調悪くないから気にならない。お礼が言って欲しくてやってるわけじゃないし。

924イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 22:32:46
オネエって名前にしちゃえよ。
苗字は地主で

925イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 22:33:18
レス見てて思うんだが、弱気な香具師だな

神g(ryみたいに妙なつっかかりされても困るけど

926イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 22:35:15
>>922
まあそれが無難かなー。
少なくとも朝食の時にわざわざ眼鏡を掛けることはないと思う。

927899:2005/12/15(木) 22:35:32
>>923
妹が優香です

>>924
主人公は妹とセットでネーミングしてあるんで、あんまり変えたくないです……

928イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 22:38:08
つか、本スレIDと照らし合わせると怪人の人?

929イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 22:39:22
なに? 視点キャラ(妹)が主人公ちゃうのか。

930924:2005/12/15(木) 22:39:37
>>927
いや、ネタにマジレスされても……悪い事した気分になるじゃないか。

931899:2005/12/15(木) 22:43:19
>>928
そうですよ
>>929
いや、「お姉」が主人公……
>>930
えー……とにかくごめんなさい。空気嫁をリアルで言われますorz

932イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 22:46:05
>>899が神器と別の意味で心配な件
もう少し強気にならないと作家にはなれないぞ
ゼ○や神g(ryみたいにはならないでいいけど

933イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 22:46:52
普通、視点キャラと主人公を別にしたりはしないものなんだが、まあいいか。
会話文は書き慣れてない感じがするよ。一度、自分の書いた会話文を音読すると
いいよ。「こんなん実際の会話じゃ言わねー」っていう無駄な部分がすぐわかる。

934イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 22:49:45
結構良くある手法じゃなかった?
たしかホームズもそうだと聞いた気が。

935899:2005/12/15(木) 22:51:09
>>933
一応、妹もサブ主人公的立場ではあるんですけど……(主人公の年齢(25)が高すぎっていう不安があるんで)
場面転換までは場を動かすのは妹だし

会話文に関しては、女が女言葉杉って言われたことが……

936イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 22:52:12
>>899の人気に嫉妬

937イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 22:53:43
視点キャラをそのまま主人公にする方が圧倒的に多いよ。だって読んでる方に
すぐ主人公だってわかってもらえるから。ホームズとかポワロは特例。あれは
ミステリじゃん? 読者と視点や考え方のレベルが同じ、愚者としての視点キャラが
必要だから、ワトスンやヘイスティングズがいるわけなのですよ。
逆に言えば特別な理由が必要だってこと。

938899:2005/12/15(木) 22:58:24
ちょっと長居しすぎなので落ちます

アドバイスありがとうございました

939イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 23:11:24
ふふ、眼鏡の扱いは気を付けてくれよ?

940イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/15(木) 23:13:52
>>939
貴様は同士メガネスキー!

941イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/16(金) 15:10:25
雑談スレに成ってきたな。

942那賀 健比古:2005/12/17(土) 00:19:02
 それでは私めが晒します。不評だった前作を三人称に直し、ストーリーも変えてみました。
「長過ぎる那賀」との称号を頂戴した事もあり、冒頭の1センテンスのみとします。


仏印武力処理

 昭和20年3月9日。夕方にも係わらず、明号作戦を控えたフエの帝国陸軍基地は、喧騒に満ちていた。
 滑走路上には暖機運転しているキ21『97式重爆』と、本土から急遽送られたキ58特襲機『降龍』の翼影が並び、護衛に付く中島一式戦闘機『隼』は、今まさに発動機を回すところであった。
 九七式中戦車『チハ』が、サイレンの様な冷却ファンの音を奏で、派手な排煙を炊き上げる。その脇にはアステカ帝国謹製の、人型歩行兵器『強者〈ヤグウァ〉』を装着した装甲歩兵が、98式装甲運搬車『ソダ』に乗り込んでいく姿が見えた。
 同盟独逸から寄贈された虎の子を投入する辺りに、第38軍司令官・土橋中将の入れ込み様が見て取れようというものだ。
 虎の子と言うなら、自分たち帝国術法部の特選隊もそうだ、と公字〈コードネーム〉黒羽中尉はは考えた。或いは鬼子と言うべきかも知れないが。
「構わん、作業を続けろ」
 黒羽に気付いて敬礼する兵士達に、鞭打つ様に鋭い声を掛けて先を急いだ。
 いや本人は気遣っている積もりなのだが、引き締まった長身と整った白皙の顔、隠し事の多い大本営直属の士官とあって、黒羽は兵士達に敬遠されていた。凛とした澄んだ声までもが、黒羽の人物造形に一役買っているかの様だ。

943イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/17(土) 01:21:53
台詞の前に兵士達の敬礼を入れた方が良いと思った。

 黒羽に気づいて作業を止めた兵士達が、姿勢を正そうとしているのが目に入った。
「構わん、作業を続けろ」
 無感動に兵士達へ鞭打つような鋭い声を掛けて、黒羽は先を急いだ。

って感じで。何もないと急に兵士達が湧いたようで、ちょいとおかしい。

「いや本人は〜」がちょっと説明的で浮いてるというか。
まず「いや」は要らない。あと「整った、白皙の、顔」ってのがちょっともにょった。
「引き締まった、長身」と同列に並べてるんだから、修飾1に被修飾1でリズムを整えてはどうか。
その後の、「凛とした〜」はちょっと言いたいことが分かりにくいな。
間違ってたら悪いけど、黒羽が場違いな印象を与えてる、と読み解いていいんだよね?
以上を元にちょいと弄ってみました。

 本人は気遣っている積もりなのだが、引き締まった長身と白皙の美貌、覚悟との多い大本営の士官とあって黒羽は敬遠されている。
凛として澄んだ声も、華族の社交界ならばともかく雑多な軍隊の中では距離を取られる要因となっていた。


あんま自分の出来も良いとは思えないけど、まあこんな感じにしては如何でしょうか?

944イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/17(土) 20:47:54
うわ、今見直したら「覚悟との多い」ってなんだ……。
隠し事の多い、です。

945874:2005/12/18(日) 01:21:11
>>875
批評アンガト。
う〜ん、センテンスを少し長く取ったのが悪く出たかな。
もうちょっと短くすれば、テンポも良くなり
その分、場面転換の速さに適応しやすいと思いました。
略したほうが良いよといわれた部分も
文章の息を長く取らせたいという思惑で付け足した部分でしたが、蛇足でしたか。

946829:2005/12/18(日) 17:51:36
ここもにぎやかになってきましたね。嬉しいことです。
ところで、>>829の続きの第一章が出来上がりました。
需要があるとは思えませんが、一応晒しておきます。
暇つぶしにでもしてやって下さい。
批評のほうは無理にして下さらなくても結構です。
どうしても言いたいことがあれば……ということで。

ttp://wannabee.mine.nu/uploader/files/up0078.txt

あと、word形式もあります。word特有の煩わしさみたいなのはありますが、
上記のテキスト形式は一部ルビなどが変になっているのに気がつきましたので念のため。

ttp://wannabee.mine.nu/uploader/files/up0079.doc

947イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/18(日) 18:43:04
長い! くどい!
きっと全体的に半分で済む。間違いない。

「ああ、やっぱりこうなってしまうのか」
のフックも弱い。
「やっぱりこうなってしまうのか」や、「やらなければならないこと」、
「世界の全部から見捨てられたようだ」
など、方向性が複数あって散漫。
あと、自嘲はいらないような。感情が複数並ぶことになってこれも散漫。
感情は「やらなければならないことがある」の義務一発でいいだろ。

この冒頭なら、
「何かやらなくてはならないことがある、
でも出血で意識朦朧で分からなくなりつつある、
そこへ足音がやってきて、やらねばならないことを思い出す」
という一本の流れで整理したほうがいいんでない?

948イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/18(日) 19:58:57
>>947
何故今さら>>829を見てるんだ? 直すと言ってただろうに。
どのレスかは忘れたけど。

というか、俺も>>946のリンク先を見たわけじゃないので、どの程度変えたのかは知らんけど。

949イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/18(日) 20:12:19
>>946

>プロローグ

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
痛みは思ったほどでもないが、その痛みのために横隔膜の
上下運動が制限されてしまい、肺が動かない。呼吸できない。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
最低限にこの程度の解説はいるように思った。

>青原

相手の目の色が銀色って、さすがに、それは顔を見た瞬間
に気がつくと思うぞ。

>OH

まじめに頑張ってトレーニングしているひとがいても、
ちっとも報われない世界だね…… (´・ω・`)ショボーン
個人的な好みとしては萎える。

950イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/18(日) 20:30:43
現代もので能力バトルって、たいていその能力の存在は公になってないよね。
だからそのOHとやらで世界観を作ってるのはちょっと新鮮ではあるが、
設定そのものが斬新ではないので(本人も分かってるだろうが)それだけで勝負できるものではない。
やはり文章力はあると思うが、これも特別秀でているわけでもない。
となるとあとはストーリーだが、一章というぐらいだからこれはまだ序盤だよな?
だとしたらまだストーリーに関してはなんとも言えない。

以上から、批評は無理に……とか言われるまでもなく、批評のしようがなかったり。
>>949みたいな細かい問題点はプロの作品にも多少はあるものだが、
気になるようなら直すといいだろう。

一章を晒したということは、当然続きも晒すつもりなんだよな?
出来上がりを見て、それから批評したい。

951947:2005/12/18(日) 20:32:36
>>948
>>946のTXT版読んだ感想。

952イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/18(日) 20:42:22
>>951
それに自嘲はないよ。どうでもいいけど。

953キャンタマの人:2005/12/18(日) 22:57:01
向こうのスレで宣言した通り、晒しますのでお願いします

――――――――――
「あー! ムカつくムカつくムカつく!」
「それ、クラブの備品だから破らない!」
 叫ぶと同時に雑誌を破ろうとした少女を、同じような年頃の、やはり少女が止めに入った。
「だって綾華! この記事!」
 ばん! と大きな音をたて、見るからに気の強そうな少女が、開いた雑誌を机に叩きつける。
 開かれたページには、一つの写真と二つの記事が載っていた。
 止めに入った少女――綾華は雑誌を手にとり、
「なになに……? 姫野里香さん(15)とブラックダイヤ号、優勝。危なげない飛越、巧みなコーナーワークで……特に問題のある記事じゃないと思うけど」
 眉をひそめ、なぜか怒っている少女――里香に雑誌を返す。
「そっちじゃない! こっちが問題なの!」
 渡された雑誌を破れんばかりの勢いで広げると、もう一つの記事を指さす里香。彼女の優勝を知らせるそれよりも、二回りほど大きな記事。
「大井弓江さん(15)とシンフォニー号、まさかの敗北。やはり人馬の調整不足が……」
「それよ!」

954キャンタマの人:2005/12/18(日) 23:05:51
だん! という音が響いた。里香が机を叩いた音だ。思わず後ずさる綾華を無視して、里香が続ける。
「まるで調整不足が敗因みたいじゃない!」
「それはそうでしょ。弓やシンフォニーの実力を考えると、本調子であんなにミスをしまくること自体が考え辛いし」
「……そうだけど…………いや、それ以前に“まさかの敗北”ってなによ。まるで、私が勝ったのがまぐれみたいに聞こえるじゃない」
「……里香、弓との今までの対戦成績は?」
 綾華の言葉に、勢いよく文句を言っていた里香の体が硬直した。追い討ちをかけるように、
「大井弓江さんとの対戦成績は?」
 冷静な一言。

955キャンタマの人:2005/12/18(日) 23:08:01
直後に伏線兼ネタバレが入るのでここまで

中途半端ですが、お願いします

956イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/18(日) 23:14:54
確かに判断しかねる分量だな。
一見して問題がありそうには見えないが、あえて気になった点を挙げるとするなら、
三点リーダーを使いすぎな気がする。
もっとどんな間の空け方をしたか、呼吸は荒いのか、それとも全くの沈黙か、
そういった辺りを三点リーダーの代わりに地の文で表現してみちゃどうだろう。

957キャンタマの人:2005/12/18(日) 23:21:07
>>954のほうです?

確かにそう言われてみると三点リーダーが鬱陶しいかも……

958イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/18(日) 23:22:07
エクスクラメーションマークと三点リードが多いような気がする
それと里香と綾華の特徴とか部室の描写が少なかったりしてイメージし難い
喋りでキャラの特徴を描いてるのは解るのでもう少し文章でもフォローして欲しい
ノリとか雰囲気は良いと思った

959キャンタマの人:2005/12/18(日) 23:28:08
>>958
部屋か……確かに書いてないorz

あと人物描写について質問なんですけど、プロローグでは流して書いて、一章冒頭できちんと描写するって手法はありですか?

プロローグは短い(20×20で5枚)んですけど……

960953リライト:2005/12/18(日) 23:29:48
 
最初の三行、誰が叫んでいるのが、一瞬、判断に迷ったので、
里香が叫んでいることを明確にするため、行を入れ換える。
そして、二人のキャラの区別の明確化のために、!を使うのは、里香だけにする。
「同じ年頃の」「やはり」はうざいからカット。
キャラの名前を出す箇所は、止められた、止めたで対照を取る。
語順はきっちりと整理。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「あー! ムカつくムカつくムカつく!」
 叫ぶと同時に雑誌を破ろうとした少女を、別の少女が止めに入った。
「それ、クラブの備品だから破らないでよね、姫野里香さん……」
 止められた少女──里香が、開いた雑誌を机に叩きつける。開かれたページには、一つの写真と二つの記事が載っていた。
「だって、この記事、まじムカつくよ、綾香!」
 止めた少女――綾華は、雑誌を手にとり、
「なになに……? 姫野里香さん(15)とブラックダイヤ号、優勝。危なげない飛越、巧みなコーナーワークで……特に問題のある記事じゃないと思うけど」
 眉をひそめ、なぜか怒っている少女――里香に雑誌を返す。
「そっちじゃない! こっちが問題なの!」
 渡された雑誌を破れんばかりの勢いで広げると、もう一つの記事を指さす里香。彼女の優勝を知らせるそれよりも、二回りほど大きな記事。
「大井弓江さん(15)とシンフォニー号、まさかの敗北。やはり人馬の調整不足が……」
「それよ!」

961イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/18(日) 23:30:45
手法としては有りよ。難しいけど。

ミステリのMr.クインでは、プロローグが数行でほとんど主人公の独白。
でも面白い。違う奴は違う。

962イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/18(日) 23:30:47
情報の小出しはテクニックの一つだし、アリだと思うよ。
それこそプロローグだけ神の視点にしてみるのもやり口として面白いと思う。
ただ人物描写も外見的特徴なら、読者により印象付けるためにも最初に畳み掛けた方がいいと思うな。
あくまでも俺の考えであり、同時に手法だから、正しいとは限らないけど。

963イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/18(日) 23:33:03
それ以前に、これ物語のどの辺の場面?

964キャンタマの人:2005/12/18(日) 23:36:59
>>960
もうちょっと綾華のクール(実際はそこまでじゃないけど)ぶりを前面に出すべきですかね……
>>961>>962
難しいですか……その難しい手法をSD投稿作で使ったorz
あっちはプロローグが夢描写だったけど。
>>963
まさに出だし。

965946:2005/12/18(日) 23:40:24
みなさん、批評どうもです。
欲を言えばストーリーについて何か言及して頂きたかったのですが、
>>950さんの言うとおり、これだけでは何とも言えませんかね。
章ごとに晒していくとまた中途半端になってしまうので、
全部仕上げて推敲もきちんとしてからまた晒します。
たぶん一ヶ月以上空いてしまうでしょうけど……

966イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/18(日) 23:43:35
>>964
小説の一番最初?一ページ目?
それともプロローグは別にあって章の最初なのか。

967キャンタマの人:2005/12/18(日) 23:45:37
>>966
小説のプロローグの一行目ですよ

968キャンタマの人:2005/12/18(日) 23:52:57
またスレを占拠するとあれなんで、そろそろ落ちます
アドバイス、ありがとうございました

969イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/18(日) 23:59:09
だったら、もうちょっと人物の名前を強調した方がいいかなぁ。
とりあえず思いついたのが下。

1地の文でいきなり名前を出す。
2場面を描写して、そこで名前を出す。
3いっそプロローグでは名前を出さない(二人で会話することが前提、二人称に気を付ける)


あと、スレの占拠とか気にせんで良いと思うよ。

970イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/19(月) 03:24:31
>960
>「それ、クラブの備品だから破らないでよね、姫野里香さん……」
親しいであろう相手をわざわざ姓名で呼ぶのは違和感が。
直後に読み上げさせる記事にフルネームの紹介は任せてしまっていいと思う。
会話のテンポやキャラクターのノリは好きだな。続きを読んでみたい。

971イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/19(月) 15:24:48
>>970
親しいからこそ嫌味になるんじゃないか?

972キャンタマの人:2005/12/19(月) 16:20:46
晒した部分だけである程度伝わっているといいけど……

綾華=微クール。里香の良き相談相手。
里香=綾華の前だと素直。基本はツンデレ。

ちなみに二人はクラスメイト兼幼なじみ。名前だけ出てる弓江も幼なじみ。

973イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/19(月) 18:09:06
嫌味にするなら台詞の頭にでも
「○○杯優勝の」とか付けた方がそれと分かり易いと思うが。
現状だと違和感を覚える読み手が出てもおかしくない

974960:2005/12/19(月) 20:10:05
>>971の言うように嫌味のつもり。

米国は子どもを叱りつけるとき、フルネームを使う。

だから、わざと芝居がかって、海外ドラマの女教師っぽい
身振り手振りをしてみせて、相手のことをフルネームで呼ぶ。

──ちょっとは大人になりなさいよ

そういう嫌味が言外に込められる。

ただし、>>972の言うように、綾香が微クールだったら、
そこまで芝居がかった真似はしないかも。

小さな子どもをフルネームで呼ぶ叱り方って、
わかるひとには、ああ、アレね、とピンとくると思うんだ。

しかし、>>970>>973のように、
違和感をおぼえるというひとも確かにいるわけで、
どういう読者層を対象にするか、難しいよね。

975イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/19(月) 20:19:57
いや、それは知ってるけど、
俺の感覚だとそういうのを同級生に使う時って最後通牒っぽいから、
この場合のツッコミ程度の用法だとやっぱり変に感じるんだよな

976イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/19(月) 20:35:30
「あー。ムカつくムカつく信じらんない!」
 雑誌を読んでいた里香が突然叫び声を上げた。勢い任せに雑誌を破ろうと立ち上がる。
「クラブの備品だから破らないでね」
 対面に座っていた綾華は里香を一瞥し、また手元の教本に視線を戻した。
 くしゃみが止まったような不快感。迸る怒りをどうすればいいのか。里香はとりあえず席に着いた。数分そわそわと室内を見回し、もう一度雑誌を開いて記事を読む。
 やっぱり納得いかない。里香は椅子を蹴倒して立ち、綾華の隣に移動した。
「だって綾華、この記事見てよ!」
 叩きつけられた雑誌が机とともに悲鳴を上げる。露骨に顔を顰めて、「椅子直しなさいよ」綾華がその記事を目にする。
 馬に乗った里香の写真と、それに関する文章だ。
「姫野里香さん(十五)とブラックダイヤ号、優勝。危なげない飛越、巧みなコーナーワークで……特に問題のある記事じゃないと思うけど。写真も良く映ってるじゃない」
 綾華は記事にさらりと読み通して、椅子を起こしている里香を見た。その目は何処が変なのだろうかと不思議に思っている。
「そっちじゃなくて、こっちが問題!」
 早足で綾華の隣に戻り、里香は開いているページの左下を指さした。一行開けて、確かに何か書いてある。写真はないとはいえ、文章量なら里香のそれに劣らない。否、むしろ多い。
「大井弓江さん(十五)とシンフォニー号、まさかの敗北。やはり人馬の調整不足が……、これ?」
「それよ!」
 里香が机を勢いよく叩く。不快な顔をする綾華だったが、涙目になっていた里香に免じて許すことにする。里香はこっそり、机を叩いた左手を後ろに回してさすっていた。
「調整不足ってなによ、そんなの言い訳にならないでしょ!」
「……でもさぁ、弓やシンフォニーの実力を考えると、本調子であんなにミスをしまくること自体が考え辛いし」
 自分の弁護をして貰えると思っていた里香の気勢が殺がれる。だが里香は打たれ強かった。往生際が悪いといった方が正しいかも知れない。
「だーけーど! 調整不足でまさかの敗北ってなによ。弓が本調子だったら私が勝ってなかったみたいに聞こえるじゃない」
「あれ? 勝つ自信あるんだ。へぇー、ふーん、ほぉー」
「な、なによ」
「里香って弓に競技成績で勝ってたことあったっけ?」
 綾華の容赦ない攻撃に里香が言葉に詰まる。うーとかむーとか唸るその姿が綾華の嗜虐心を煽る。
「ねぇ、姫野里香さん。どうだったっけ?」
 楽しそうに笑う綾華。


俺もリライトしてみた。
場面的にさー、地の文に最初から名前出しておいた方が良くない?

977イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/20(火) 03:58:38
>>976

名前を最初に出すのは俺も賛成。序盤もいいと思う。でも最後のほうが
安っぽくなった気がする。

978那賀 健比古:2005/12/21(水) 21:15:35
>943
 ご指摘有り難う御座いました。確かに兵士と黒羽の位置関係が、分かり難かった様です。
例文を参考に少し改訂してみました。幾つかはそのままパクリましたが。それと、元々は
滑走路に向かう途中を想定していましたが、展開がだれるので、敬礼する兵士は降龍の
搭乗員としました。

 昭和20年3月9日。夕方にも係わらず、明号作戦を控えたフエの帝国陸軍基地は、喧騒に満ちていた。
 滑走路上には暖機運転しているキ21『97式重爆』と、本土から急遽送られたキ58特襲機『降龍』の翼影が並び、護衛に付く中島一式戦闘機『隼』は、今まさに発動機を回すところであった。
 九七式中戦車『チハ』が、サイレンの様な冷却ファンの音を奏で、派手な排煙を炊き上げる。その脇にはアステカ帝国謹製の、人型歩行兵器『強者〈ヤグウァ〉』を装着した装甲歩兵が、98式装甲運搬車『ソダ』に乗り込んでいく姿が見える。
 同盟独逸から寄贈された虎の子を投入する辺りに、第38軍司令官・土橋中将の意気込みが見て取れようというものだ。
 虎の子と言うなら、自分たち帝国術法部の特選隊もそうだ、と公字〈コードネーム〉黒羽中尉はは考えた。或いは鬼子と言うべきかも知れないが。
 そんな考えを弄びながら、黒羽は駐機中の降龍に歩を進めた。作戦隊長の到着に気付いて、搭乗員達が姿勢を正す。黒羽は鞭打つ様に鋭く声を掛けた。
「構わん、作業を続けろ」
 本人は気遣った積もりであったが、この場合は逆効果であった。
 元より隠し事の多い大本営直属の士官に、基地の人間達は好意を持っていない。
 ましてや黒羽の引き締まった長身と、華族を思わせる白皙の美貌、透明感の有る凛とした声は、ここでは完全に浮いている。
 そんな黒羽の人を拒む様な態度に、搭乗員達は顔を見合わせ、白けた表情を浮かべて、出撃前の最終確認を再開するのであった。

979イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/21(水) 22:40:40
>>978
同じ人物からもう一つ。
あなたの文章はちょいと固いかなと思います。
確かに文法通りの模範的なものではありますが、
読む時につっかえてしまうともったいないですね。
例えば一行目。

>夕方にも係わらず、明号作戦を控えたフエの帝国陸軍基地は、喧騒に満ちていた。

これは後方の読点を外してもかまわないと思います。

>夕方にも係わらず、明号作戦を控えたフエの帝国陸軍基地は喧騒に満ちていた。

以上のように、句点読点の位置を変えてみたものをちょいと書いてみます。


 昭和20年3月9日。夕方にも係わらず、明号作戦を控えたフエの帝国陸軍基地は喧騒に満ちていた。
 滑走路上には暖機運転しているキ21『97式重爆』と本土から急遽送られたキ58特襲機『降龍』の翼影が並び、護衛に付く中島一式戦闘機『隼』は今まさに発動機を回すところであった。
 九七式中戦車『チハ』がサイレンの様な冷却ファンの音を奏で、派手な排煙を炊き上げる。その脇にはアステカ帝国謹製の人型歩行兵器『強者〈ヤグウァ〉』を装着した装甲歩兵が、98式装甲運搬車『ソダ』に乗り込んでいく姿が見える。
 同盟独逸から寄贈された虎の子を投入する辺りに、第38軍司令官・土橋中将の意気込みが見て取れようというものだ。
 虎の子と言うなら、自分たち帝国術法部の特選隊もそうだと公字〈コードネーム〉黒羽中尉はは考えた。或いは鬼子と言うべきかも知れないが。
 そんな考えを弄びながら、黒羽は駐機中の降龍に歩を進めた。作戦隊長の到着に気付いて、搭乗員達が姿勢を正す。
 黒羽は鞭打つ様に鋭く声を掛けた。
「構わん、作業を続けろ」
 本人は気遣った積もりであったが、この場合は逆効果であった。
 元より隠し事の多い大本営直属の士官に、基地の人間達は好意を持っていない。
 ましてや黒羽の引き締まった長身と華族を思わせる白皙の美貌、透明感の有る凛とした声はここでは完全に浮いている。
 そんな黒羽の人を拒む様な態度に搭乗員達は顔を見合わせ、白けた表情を浮かべて出撃前の最終確認を再開するのであった。


一箇所、縦書きにした際に黒羽という文字が横に並ぶので改行もしました。

どうでしょう?黙読した際の感じの違いは出てるでしょうか?

980那賀 健比古:2005/12/21(水) 23:55:52
 度重なるアドバイス感謝します。何分にも漢字が連続するので、意図的に文を短くし、
句点も増やしたのですが、少々杞憂が過ぎたかも知れませんね。

981イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/22(木) 00:03:40
漢字が多い、と言えば多いかぁ。
ある程度、かなに開いちゃっても良いかも知れませんね。
これはまあ小説の雰囲気の問題になるんで、ちょいと難しいですが。
自分としてはこのままでも十分かと思います。


ああ、それともう一つ。
縦書きなんで、数字は全て漢数字に統一した方がよろしいかと。
これはここに書き込むためかと思ってスルーしてたんですが。
一応縦書き小説としてのマナーですな。

982那賀 健比古:2005/12/22(木) 21:41:58
そうすると更に漢字が増えて”読むのを拒絶するかの様な”文章に成りまして……

983イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/22(木) 22:06:38
>>982
戦車とか飛行機の名前って読者にとってはどうでもいいことが多いからなぁ。
もうちっと、読者のことを考えて書くべきじゃないかね。

984キャンタマの人:2005/12/22(木) 22:23:49
放置プレイしてすいませんorz
>>973-975
綾華が里香をフルネームで呼ぶのは違和感がありますね
晒した部分+それ以外で書いた部分+脳内設定の綾華だと、そこまで嫌味を言うタイプじゃないんで……
>>976
リライトありがとうございます
ただ、里香って一応はお嬢様(馬術を始めた理由を作ったのもその境遇)なんで、「マジムカつく」って発言に正直違和感が……

985イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/22(木) 22:33:28
>>982
んじゃ幾つか漢字をひらいておくべきかな。
その辺の加減はまあ、適当に。

>>984
「マジムカつく」などとは書いてない罠!
そしてお嬢様などとは知らされてない罠!
まあ、お嬢様でも今時の子ならムカつくぐらいは言うでしょう。
ていうか、ムカつくはおまいさんの本文から取ったのだ。

986キャンタマの人:2005/12/22(木) 22:55:51
あと、相談です。夢による過去回想シーンの描写をしたんですが、自分でも違和感を感じてます
ばっさりと斬って下さい

―――――――――――
「里香ちゃんはいい子ね」
 またそれ? 聞き飽きた。
「さすが里香ちゃん。誠一さんの娘だけあるよ」
 なによ! 私自身を誉めているわけじゃないじゃない! いつもいつも家のことばかり。それって私が私でなくてもいいってことじゃない!
 外食産業の雄、株式会社姫野コーポレーション社長・姫野誠一の一人娘。 里香の立場を一言で表すと、そうなる。
その立場ゆえだろう。
 人並みに怒ってくれる両親は別として、他のオトナの口からは、賞賛の言葉しか発せられなかった。
 里香自身が勉強、スポーツ双方にそこそこ優秀だったのもあるが、それにしたって異常なほどに賞賛された。
 試しに一度、叔父が大切にしていた古そうな壷を割ったこともあったが、その時だって一緒にいた従兄弟がなぜか怒られていた。
 大人が他人を、まして他人の子供を、心から絶賛することなんてない。絶対ない。里香の中を、そんな考えが埋め尽くそうとしていた頃。
「すごいよ君! 始めてでそんなに乗れるなんて!」
 だからそれは聞き飽き……え?
 彼の浮かべた満面の笑み。それは、オトナたちが自分を誉める時の作り笑いとは違う。
 私を……姫野里香を認めてくれるの?
 姫野里香、九歳の夏。彼女が始めて乗馬と出会った日。彼は言った。
「君じゃないとダメなんだ。君だからできる」
―――――――――――

コピって気づいたけど、推敲ゼロとはいえ文章が破綻しかけてるorz
一応、三人称里香視点の夢描写です。

987キャンタマの人:2005/12/22(木) 22:58:54
ごめんなさいorz>>960のリライトだった……>マジ〜
お嬢設定は今晒した部分で触れてます

988イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/22(木) 23:13:25
なんか、里香にいらっとするのは気のせいですか。

989イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/22(木) 23:16:23
>>987
謝っても許さねぇ。ばっさり斬ってくれる。

まず一行目と四行目が矛盾。
十行目が日本語的に、ちょいと考えるとおかしい。
十六行目の台詞が結婚詐欺師みたい。いやこれは仕方ないか。
あと全体的に夢でそこまで場面が進行するか?という感じはする。
これを夢、と片づけるのは苦しいかなぁ。

とりあえず語彙を除いた指摘はそれだけ。

990イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/22(木) 23:55:27
>>986
句点が多い
最後になるまでヒロインのどのくらい前の過去話か解らないのでイメージし辛い
それとなく外見やとかを入れて欲しい
古典的だが過去の自分を意識体の自分が見下ろしているとかなら違和感なく身体描写出来ると思う


あと細かいところ
「じゃないじゃない!いつもいつも」の行は読み辛い
じゃない大杉じゃない?
大人とオトナ、揃えた方がいい

991イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/23(金) 00:32:14
句点も読点も多くはないと思うぞ?

992キャンタマの人:2005/12/23(金) 09:43:52
>>988
やさぐれツンモード全開な場面なんでこればかりは……
>>989
細かい指摘㌧クス
イメージ的には悪夢系でよくある、過去の人物から罵倒→ヒロインやら主要キャラといった現在の人物から罵倒みたいな感じで書いてみましたけど、変ですか
>>990
じゃないじゃないは即修正しますorz
大人=普通の意味、オトナ=ちょっと嫌味入ってるって感じで書いてみた

993イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/23(金) 10:51:54
>>992
文章が独善的な感が否めない。
もう少し考えて書くべきではないだろうか。

994イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/23(金) 17:56:58
>>992
普通の回想ぽくリライトしてみた。
悪夢系だとなんてーか、救いがないはずなんだよね。夢に。


「里香ちゃんはいい子ね」
 誰かが私の頭を撫でてくれた。確かに私を見ているけれど、その瞳に私は映っていない。
「さすが里香ちゃん。誠一さんの娘だから優秀だねぇ」
 あなたは誰に話してるの? 私も里香だけど、あなたが見ているのは本当に私?
 幼い私は常々不思議だった。周りの大人は私を呼ぶけれど、本当に呼ばれたのは私じゃない。どこかに存在する、私の知らない女の子が彼らには見えていたらしい。
 それが「父さんの娘である私」と気づいたのはいつだったのか。ちょっと思い出すことはできない。
 今思うと、外食産業で成功を収めた若社長――姫野誠一の娘というポジションは、私を取り巻く大人にとって大きな意味を持っていたのだろう。
 何かにつけてちやほやされたし、両親以外に叱られたことはなかった。それが良かったのか悪かったのかは分からない。自分でも気になるほどに強がりな性格になってしまったから、悪かったのかな。
 小学校に上がって、二年ほどたった頃にはすっかりクラスのうるさい女で通っていた。何かにつけて文句を言う。男子と真っ向から喧嘩して何度も勝った。級長としては立派に役目を果たしたし、テストも丸が一杯だ。
 それでも私は空虚だった。子供ながら人間不信に陥ってたのかも知れない。
 大人なんて私を見てくれないんだ。
 怒られたって怖くない。誉められても嬉しくなんかない。
 けれど、いつもより暑かったあの夏。九歳の私が初めて馬に乗ったあの日。
 そんな価値観を一発で粉々にする人が現れた。穏やかに笑う、とてもとても優しい人。馬が好きで、とっても好きで。そんな自分に嬉しそうに困っていたあの人。
「僕は馬が好きでね……あ、里香ちゃんも馬が好き?」「あ、上手い上手い。そうそう。……里香ちゃんは才能があるなぁ」「何してるんだ! 下手をすると死んじゃうんだぞ!」
 くるくると変わるあの人の表情。その時の空気の味すら鮮明に思い出せる。
 父さんと母さん以外で、私を本気で叱ってくれた人。父さんと母さん以外で、私を本気で誉めてくれた人。
 なんだ、大人だって私を見てくれるんだ、父さんの子供である私じゃなくて、姫野里香を見てくれる人がいるんだ。心にかかっていた靄が、まるで魔法のように晴れていく。

995キャンタマの人:2005/12/23(金) 22:04:18
>>994
気分は完敗orz

夢描写でもぶつぎりじゃなくて、きちんと描写したほうがいいんだと思い知らされた

ありがとうございます。これでもう一つレベルを上げられるような気がする

996那賀 健比古:2005/12/24(土) 18:57:16
 ご指摘の件ですが、下記の通り書き直してみました。

  >キ21『九十七式重爆』と、本土から急遽送られた……

 名称などやたらに多いのは、私が少々ミリヲなのと、実在の兵器に架空兵器を並べて、
リアリティーを増す効果を狙った為です。ここで搭乗する『降龍』も、元になったキ58は
実際に存在しました。
 まあライトノベルは、有るていど同好の士が同行の士に向けて、共感を感じさせる物ですから。
最もミリヲタは、些細な違いで啀み合うから諸刃の剣。ワナビには危険かも知れませんね。

 最後に、何故か名前が載ってなかったのですが、ラスプーチンも私です。>898、>914さん
有り難うございました。

997イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/25(日) 14:22:57
ふと思うのだが、推敲してからここに乗せるべきじゃないか?

998イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/25(日) 15:41:17
いやいんじゃない?
俺はかまわないと思うけども。

999イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/25(日) 15:51:43
>>998
でもなあ、推敲してなお行き届かない点を他人に教えてもらうってのが
立派な大人のやりとりじゃあるまいか。

1000イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/25(日) 16:01:09
そうそう、そう思うのだよ。
描写が丸々思いつかない時はひたすら小説を読みまくるべきだし。
とりあえず自分にとって完璧だ! と思わなくても、自信有りという状態にしてからにすべきじゃないかなと。

それが出来ないって、読者の目を基本にしてないってのと同義だべ?

1001イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/25(日) 16:16:55
ああ、それはそうだけどさ。
推敲前の文章を見せてもらうことも、自分の勉強になると思ってるし。
ま、お堅くいかなくても良いんじゃないかと。

1002イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/25(日) 16:19:32
>>1001
うーん、つまりアレかな。自分と他人と、推敲の経緯でどういうふうに
文章が枝分かれするのかを確かめたいって事? それならそう明言して、
その上で推敲前と後とで併載すべき、かな。それでないとフェアじゃない。

1003イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/25(日) 16:21:32
人それぞれだからなんとも言えないけど。
推敲してから乗せろよカス! って言われても構わないなら晒してくれって感じだなぁ。
初めて小説書いて……ってなら話はわかるんだけどね。

1004イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/25(日) 16:21:32
>>1002
いや、俺は推敲させて貰うことが勉強になるなぁと思ってる。

1005イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/25(日) 16:23:07
>>1104
それならネットに転がってる二次創作、適当にひっぱてきてみ。
やりがいあるぞ。

1006イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/25(日) 16:23:07
だってさ、美味しくない?
晒した人は推敲して貰える。
こっちは推敲させて貰える。
双方ともにメリット発生。うひゃほぅ!

推敲してあげてる、と思ってここに来るのはもったいないと思うんだ。

1007イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/25(日) 16:24:48
別に誰も推敲してあげてるとは思ってないだろう。
批評してもらいたいなら、推敲は済ましておけよ、と思うだけだろ。

1008イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/25(日) 16:31:29
まあ礼儀っちゃ礼儀だろうなぁ。
でも気にしない人もいるってことで。

1009イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/25(日) 16:46:22
>>1008
その二者の間の溝がでかいのが問題なんだろうけどね。
勉強させて欲しい、と言う人と、書き手の尻をとことん叩きたい、って人が
混在してる。正直別にスレ立てられるほどの溝。

1010イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/25(日) 17:49:50
ふーむ。
それでも、晒してくれる人は歓迎しますぜ、モニタの前の旦那。

1011イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/25(日) 20:21:40
>書いてみたはいいけど、この表現どうなの?会話シーンに自信ないんだけど、ちょっと見てもらいたい・・・。
>そんな悩みを抱えるあなたは、このスレに、書いた作品の一部を載せてみましょう。
>ついでに、執筆上の悩みもガンガンぶちまけましょう。
>投稿する際には、あまりに長いのは避けてください。また、このスレはオリジナル限定とします。
>その他は、ライトノベルであれば、ジャンルその他は問いません。


ルールとしては、あまり長いものでなければ、どちらでもスレの趣旨に合っていると思うけれどね。
那賀が叩かれていたのは、余りに長くてつまらない、粗筋を書いていたからでしょう。
ここは有益な助言が多いけれど、プロばかりって訳では無いから、批評してる人にしても怒っている人にしても、
自分が何をどう感じたかとか、何を怒っているのかが、上手く表現出来てない事があるみたいだよ。

1012イラストで騙す予定の名無しさん:2005/12/25(日) 23:39:15
>>1011
言いだしっぺが言うのもなんだが、特定して語るのイクナイ。
全体の雰囲気の問題として対処するのがよろしいかと。

理想としては晒す本人がどういうレベルでの対処をして欲しいかって事を書くべきなんだろうな。
例えば、本当にちょっと書いてみて方向性はあってるか確認したいであるとか、
細部までのツッコミが欲しいとか。
後者であるなら当然推敲しとけって話になるわけで。

1013那賀 健比古:2006/01/01(日) 16:25:49
皆さん明けましておめでとう御座います。
今年も宜しくお願いします。

1014キャンタマ怪の人:2006/01/01(日) 21:59:06
明けましておめでとうございます。
今年はまずMF、電撃で大賞穫れるように努力していきたいと思います。

1015イラストで騙す予定の名無しさん:2006/01/02(月) 02:53:04
明けましておめでとうございます。
新年早々御見苦しいかも知れませんが、表現に違和感があったらご教授願えれば幸いです。
主人公と敵の戦闘シーンです。現代を舞台に戦ってます。

「ほら、どうした?」
 口元を歪める男。
 逃げ回るのが精一杯で、その表情に怒りを覚える暇も無い。
 次いで繰り出される剣閃。
 殆ど勘だけで真横に飛ぶ。
 肩を裂く様な痛みが、体中を一気に駆け巡り、視界がチラついた。
「ほら、蹲れば死んでしまうぞ」
 その声に、折れそうな膝を酷使して、再度後ろへ跳躍。
 誰も居ない公園で、日本刀を振りかざす男に襲われている17歳の少女。
 ああ、滑稽だなと笑みが毀れそうになる。
 マトモな神経なら、もう既に使い果たしてしまった。
 ここから先は、もっと図太い神経系を順次使い尽くすしか無い―――
「さて、鬼ごっこは終わりにしようか」
 もう飽きた。
 その素っ気無い声が、ぞくりと背筋を凍らせる。
 氷点下の海に投げ込まれた様に、体は硬直し、思考は四散して行く。
 後は簡単だ。
 何も出来ず、海の藻屑と消える―――そんな末路が、こんな頭でも考えられた。
「参ったな、女性を殺してしまうのは好きじゃないんだが」
 ポリポリと頬を掻く男。
 無機質な眼は、多分、私など見てはいないのだろう。
「さようなら、お嬢さん」 
 視界から消える男。
 消えた、と視認した時には―――私は地面を転がっていた。

1016イラストで騙す予定の名無しさん:2006/01/02(月) 13:57:27
敵  :「ほら、どうした?」
敵  :口元を歪める男。
主役 :逃げ回るのが精一杯で、その表情に怒りを覚える暇も無い。
敵? :次いで繰り出される剣閃。
主役 :殆ど勘だけで真横に飛ぶ。

人称を書かないまま視点が替わるので少し混乱します。とは言え、

 もう飽きた。
 その素っ気無い声が、ぞくりと背筋を凍らせる。

は良い感じで効果が出てますから、あくまで趣味の範囲の意見ですが。
それと”−−”は二つが定石です。

1017那賀 健比古:2006/01/02(月) 22:59:40
それではベトナムの地形や気候を折り込んだ改訂版を書き上げましたので晒して見ます。


ベトナムの屍鬼〈コ・ホン〉

 昭和20年3月9日。夕方にも係わらず、明号作戦を控えたフエの帝国陸軍基地は喧騒に満ちていた。柵の周りには現地人達が群がり、興味深そうな目で基地を眺めている。
 ベトナムの気候は海雲〈ハイヴァン〉峠を境に南北に分けられる。北部に位置するフエの三月は日本で言えば梅雨に当たるが、日本の梅雨より寒くてより湿度が高い。
 そんな薄暗くじめついた中を、兵士達が作戦の準備を急いでいた。
 滑走路上には暖機運転しているキ21『九十七式重爆』と、本土から急遽送られたキ58特襲機『降龍』の翼影が並び、護衛に付く中島一式戦闘機『隼』は、今まさに発動機を回すところであった。
 九七式中戦車『チハ』がサイレンの様な冷却ファンの音を奏で、派手な排煙を炊き上げる。その脇にはアステカ帝国謹製の発動鎧『強者〈ヤグウァ〉』を装着した装甲歩兵が、九十八式装甲運搬車『ソダ』に乗り込んでいく姿が見える。
 同盟独逸から寄贈された虎の子を投入する辺りに、第38軍司令官・土橋中将の意気込みが見て取れようというものだ。
 虎の子と言うなら自分たち帝国術法部の特選隊もそうだ、と公字〈コードネーム〉・黒羽中尉は考えた。或いは鬼子と言うべきかも知れないが。
 そんな考えを弄びながら黒羽は駐機中の降龍に歩を進めた。作戦隊長の到着に気付いて搭乗員達が姿勢を正す。黒羽は鞭打つ様に鋭く声を掛けた。
「構わん、作業を続けろ」
 本人は気遣った積もりであったがこの場合は逆効果であった。
 元より隠し事の多い大本営直属の士官に、基地の人間達は好意を持っていない。
 ましてや黒羽の引き締まった長身と、華族を思わせる白皙の美貌、透明感の有る凛とした声はここでは完全に浮いている。
 そんな黒羽の人を拒む様な態度に搭乗員達は顔を見合わせ、白けた表情を浮かべて、出撃前の最終確認を再開するのであった。

1018イラストで騙す予定の名無しさん:2006/01/02(月) 23:20:25
非軍ヲタの俺が置いてきぼりなのは確実で

1019イラストで騙す予定の名無しさん:2006/01/03(火) 00:58:38
1) 設定まわりのちょっと思ったこと
魔法がある世界の大日本帝國陸軍パワードスーツ部隊が大暴れ、まで読み取れた。
違ったらすんまそん。
書きたいのはわかるが、メインストーリーと絡むのでなければ、
軍用機の形式はばっさり略して護衛戦闘機、輸送機程度でいいかも知れん。
あと旧軍の分類だと装甲車部隊は装甲歩兵じゃなくて機械化歩兵になるんじゃないかと。

2) オタ感想
乾いた文体は割と好き。仮想戦記の文体でロボ物と言ったところでしょうか。
チハたんの横を行く装甲車、降車して活躍するパワードスーツ。いいじゃない(悪人ヅラ)

ただ俺の好みだといっそベトナム戦争中の日本人志願兵の話にして士気↓のなかで
コカインとハシシでピロピロになりながらパワードスーツ大暴れとかが(山田正紀の装甲戦士)

1020イラストで騙す予定の名無しさん:2006/01/03(火) 01:57:49
どうも朝松健がちらつくのよね

1021イラストで騙す予定の名無しさん:2006/01/03(火) 08:24:00
>1015
 「肩」を裂く痛みが「全身」に広がるのはヘンだろ

 随所でムリして使ってるっぽい小難しい感じがバカっぽいと思う

1022那賀 健比古:2006/01/03(火) 20:40:16
>1018
 実は私も必死に資料を漁ってそれらしく見せてる段階です。
>1019
 と言うわけで一々名称を並べたのは”昭和20年3月9日”の書き出しと同じく、戦記風に
見えよう工夫した次第です。ストーリーには直接絡まず、メインは『降龍』の方でして。
 肩透かし食らわせて申し訳有りませんが、装甲歩兵は通りすがりのガジェットに過ぎません。
パワードスーツ部隊を通常の機械化歩兵と区別する意味合いで、装甲歩兵と書いてみましたが、
調べてみると同盟独逸では装甲歩兵と呼ばれてましたので、これも問題に成りますね。何か適当な
造語を検討してみます。”人型歩行兵器”を”発動鎧”に変更した事ですし。
>1020
 仰る通り朝松健氏の影響受けまくりです。ひょっとすると同じ本を読んでるかも知れませんね。

1023ちょい長め1/2:2006/01/05(木) 23:16:18
少し長いのですが、表現上のわかりにくいところなどを指摘してもらえるとありがたいです。
_____________________________________

 炎上するムーンダイバーからの脱出に成功したのは、俺を含めてもわずか数名に過ぎなかった。
 酸化剤がなくなるまでのわずかな時間で、ダイバーは墜落の衝撃で月面に新たなクレーターを作るとともに、こんがり丸焼けになっており、俺たちから生存者をさがす手間を省いてくれていた。
「軍曹」
小隊の生き残りからの通信には実に逼迫した響きがあった。
「ECMが通じてなかったんです! 我々は待ち伏せ攻撃を食らっています! 他の連中も……」
 突然、雑音が入って通信が途絶えた。周囲では敵のミサイルが次々と新たな目標を見つけており、月の軌道上からつっこんでくる友軍のダイバーとそこから吐き出される兵士たちに、俺たちと似たような運命を押し付けていた。

「くそ」
俺は装甲気密服の中でふるえていた。待ち伏せ攻撃に気付くと同時に、俺は自分にかせられた義務をうっちゃっておくことにして、最低限の装備だけを持って飛行するダイバーから飛び出していた。
 他の連中にも声はかけたが、俺ほど運が良くなかった連中、後方から来たばかりのタフを気取っている新兵などは、多少目端の利く少数を除いてほとんど生き残ることができなかった。そこには小隊長も含まれていた。
 俺は例の衝突クレーターに頭から突っ込むと、生命維持系を除く装甲気密服の全機能を強制終了させた。
 もしも敵のミサイルがパッシブホーミングなら、機能停止した全高二メートルに満たない月面に突っ伏した金属・セラミック塊を見つけるのは困難であるはずだった。気密服は冗長性をもたせて造られているから、五分や十分で窒息することだけはないと踏んでいた。
 周りにミサイルの雨が降る中で、俺は今までに抱いた売女の数を数えはじめた。

 もしもあんたがこの戦争の起きた理由を知りたいのなら、次の呪文を唱えるといい。
 R.U.R.、ローゼン協会、ゲノム、メガテクボディー社、来栖川電工。
 わかるやつならわかるだろう。これらは全部が全部、人型ロボットやレプリカント、いわゆるアンドロイドを開発している企業の名前だ。
 前世紀の終わりから今世紀の初めにかけて発達した分野に、自律型ロボットと宇宙開発がある。
 宇宙開発のほうは、主に中国とインドの本格参入――インドの新指導者がパキスタンのバックについている中国を名指しで非難したことで双方がスターウォーズ計画のアジア版に着手した――によって、冷戦期の米ソ宇宙開発競争並の金がじゃぶじゃぶ使われたことによる。自律型ロボットについては、当時日本で開発された人間環境対応型人型自律ロボットが非キリスト教圏でバカ売れして各国の先進企業が追随したことで一気に価格がこなれて普及した。
 結局中国とインドは今世紀半ばになって和解したが、それまでに人類は安価な対軌道輸送システムと宇宙開発に必要な要素技術のほとんどすべてを手にしていた。
 デタントによる楽観的な雰囲気と、準戦時体制の解除による雇用・失業問題の影がちらつく中で、アメリカのコードウェイナー・ポール博士とスミス・ラインバーガー博士が連名で新時代における宇宙開発計画の私案を発表した。

 環境保全法によって縛られている大企業は、自社製品を最終的に『自然にやさしい』かたちで処分する責任を負っている。これは前記のアンドロイド企業も同様で、連中は廃棄されたり市場から駆逐されたりしたアンドロイドを回収して部品レベルに還元してリサイクルをする必要がある。
 だが、実際にはそれには膨大な資金が必要となり、多くが自社の敷地内に『ゴミ置き場』をつくって廃棄アンドロイドを放置してお茶を濁しているという現実がある。
 ポール=ラインバーガー私案はそのゴミを資源にしようと主張していた。
 具体的には月に送り込んでしまえといっていた。

1024ちょい長め2/2:2006/01/05(木) 23:18:00
 ミサイルの雨がやんだのを待って、俺は装甲気密服のシステムを再起動した。
 クレーターから這い出した俺の目の前に、ちぎれた女物の脚が丸太のように転がっていた。ヒスパニックのものらしいその脚は真空にさらされて半ばどす黒く染まっていたが、被服の破れ目から見える滑らかな太ももが妙にエロティックな印象を俺に与えた。
 ムーンダイバー……月面降下艇はその三割近くがやられていた。国連の月面強襲作戦は開始早々につまづいていた。
「くそ」
俺はもう一度つぶやくと、小隊の生き残りを把握しようと中隊主力がいる方向へと移動した。
 月面に散らばるダイバーの残骸の中を、俺と同じような格好をした国連の兵士たちが甲虫の屍骸に群がる蟻のようにうごめいていた。降下作戦に参加したのは各国が人員を出し合って編成された国連宇宙軍の一個大隊だったが、現状はどう贔屓目に見ても二個中隊に足りるか足りないかぐらいだった。俺の耳に中隊通信系がささやいてきた。

……進め、前進前進前進……隊列を組んでマイク・ノーヴェンバー・オスカーへ侵攻せよ……第一小隊と第二小隊は先行してセンズリしていろ……第四は後衛、第三は司令部直接指揮下に入れ……

 俺は第三小隊だった。俺は中隊司令部へと急いだ。
「生きていたんですか、軍曹!」
まだ声に学生の雰囲気を残している兵士が俺を迎えた。新人で生き残ったのは彼女一人だけらしかった。
「おまえこそ、だ。ナカジマ」
俺は軽くいなして残りを探した。マレクとチャベスが片手を上げて見せた。二人とも三度のムーンダイブを生きて帰ったベテランだった。他に小隊の生き残りはいなかった。
「再会を喜びあっている暇はない」
全員の耳に冷徹な声が響いた。俺が振り向くと、中隊長以下の連中が月面に固定錨を打ちこんで射撃姿勢をとっていた。
「ナザーロワ大尉」
俺が何か言おうとするのを、大尉は片手を振って押しとどめた。
「すべては後でだ、軍曹。第三小隊の残りを指揮しろ。すぐに連中がやってくる」
 俺は月の地平線へと視線を向けた。奴らが見えた。地平線のむこうからやってくる、目下のところの人類の敵の姿が見えた。
 奴らが。ロボット達が。アンドロイド達が。メイドロボ達が。
 限界高度まで降りてきたオービタルダンサーが爆撃を開始したのが合図になった。
 俺は銃を構えると固定錨を打ちこんだ。

 ポール=ラインバーガー私案は、二人がすでに名を成した『重鎮』研究者であったこともあって、発表後に広範囲からの反響を得た。私案は複数の科学者と技術者に叩かれることでその完成度を高めていった。
 航空宇宙産業に色気を持っていた企業グループと宇宙開発における地盤沈下を愁いていたアメリカが資金を出し合って行なった小規模な実験は、実に興味深い結果を出した。各国、各企業間での調整が水面下で速やかに行なわれて、私案発表から数年後には最初のアンドロイド支援衛星が月軌道上にあげられていた。
 要は人海戦術だった。高度な状況判断能力と(ある意味で)究極の汎用マニピュレータを持った自律機械が、ただ市場原理に敗れたというだけで企業の倉庫の中で眠っているのだ。これを使わない手はなかった。
 最低限のメンテナンスをされたロボット/アンドロイド/レプリカント/メイドロボが続々と月面に送り込まれた。そこで行なわれるのは重機が登場する以前の大型建築そのものだった。
 百万を超える人型機械が、その手と原始的な道具だけを用いて人類初の地球外植民地を築いていくのだ。一種異様な光景だった。
 建築資材のほかには何の支援も与えられない『奴ら』は機能の劣化をパラメータの変動と互換性のある機体間での共食いによって防ごうとした。奴隷労働と同族食いだ。
 個々の行動は混沌を極めていたが、全体では一つの意思の元に働いていた。蟻や蜂の行動様式だった。
 月のいくつかの海に最初の恒常基地が建設されて、月の裏側には巨大な電波望遠鏡が魔法のように出現した。
 そして月面に人間が常駐するようになって一年もしないうちに、アンドロイド達は発狂
した。

___________________________________________
まぁこんな感じです。アンドロイド企業名はヤバめなので変えようかとも思っています。どんなもんでしょう。

1025イラストで騙す予定の名無しさん:2006/01/05(木) 23:46:47
 3、4節の背景説明が助長に過ぎないかな? 直接ストーリに関係無い背景なんだから、
説明したい衝動はグッと抑えて、5節めのメイン・ストーリに戻した方が良い。
 世界観を表すとは設定を並べるのでは無く、雰囲気を匂わせる描写の事だよ。
 逆に「国連の月面強襲作戦」は何をしに来たのかな? 遠大な世界の構造を語るよりも、
先に主人公達の目的や行動を書いた方が読者のストレスが少ないと思う。

1026ちょい長め:2006/01/06(金) 00:45:38
おおっといきなり適切な指摘。
第四節あたりをダイエットさせつつ饒舌に状況を説明させる……
へへへ、挑戦しがいのある問題だぜ。

ありがとうございます。

1027イラストで騙す予定の名無しさん:2006/01/06(金) 02:18:47
一文が長杉で読みづらい。

1028イラストで騙す予定の名無しさん:2006/01/06(金) 22:52:33
−−−−−−−−−1−−−−−−−−−2−−−−−−−−−3−−−−−−−−−4−−
 それは有るな。代表的なライトノベルを何冊か手に取って読んで欲しい。例えば今オレの
手元に有る物は一枚辺り、つまり2p又は見開きで42文字×34行に成っている。そして3行以上
続く文は殆ど無い。
 こんな風に一反区切る訳だ。

1029ちょい長め:2006/01/07(土) 02:16:24
さすがに一文が長すぎとかは考えてなかった。
自分で読むと繰り返し直しを入れた分するする読めるので気付かないんよ。
一般小説への移行を考えるか、ぶつぶつ切るか。
へへへ、挑戦しがいのある問題だぜ。

ありがとうございます。

1030イラストで騙す予定の名無しさん:2006/01/07(土) 11:36:39
ラノベ的文体とはやや違うが、悪くないと思う。
このスレで読んだ中ではいい方では。
書き上げたら徳間あたりに送ってみれば?

1031イラストで騙す予定の名無しさん:2006/01/07(土) 21:34:16
>その他は、ライトノベルであれば、ジャンルその他は問いません。

という前提で批評してる訳だから、盲目的に受け入れれば良いという訳じゃ無いしね。
此方の手元に有る「TWELVE Y.O.」ではその位の長文は当たり前だし、専門用語や設定も
詳細で量も多い。
でもやっぱり、戦闘描写→背景説明→戦闘描写→背景説明では、折角の迫力を損ねるかと。

1032イラストで騙す予定の名無しさん:2006/01/07(土) 22:54:57
実際、読者がどう取るかだよな>長文

読者を“信用”しすぎて、長文たらたら書いて読者の気が滅入ったらアウト
読者を舐めてかかって文を区切りまくって持ち味殺すのも微妙

いかに対象の読者レベルを読むかだよな

1033イラストで騙す予定の名無しさん:2006/01/09(月) 10:22:01
ベトナムの気候を書けと言ったが、
暑くて湿っぽい気候なんてのは言われるだけならない方が良い。
そして描写が全然足りてない。文章の長さの話じゃなくてね。
気候の話も同じこと、読者がベトナムに居るように錯覚する文章を書け。
まず、何を書きたいのか、書かなければいけないのかってのをしっかり定めて書いたほうが良いと思う。
背景が書割りで良いと言うなら、そんなん気にする必要もないと思うけど。

1034イラストで騙す予定の名無しさん:2006/01/10(火) 02:24:02
ひょっとして推敲で騒いでたのも君かな?

1035イラストで騙す予定の名無しさん:2006/01/16(月) 23:14:39
近所から誘導されてきました。
時間があれば批評などしてくれるとありがたいです。

(妹暴行、そして殺害)

俺は仰向けに倒れこんだ妹に馬乗りになる。
妹の腹部に体重を預けた瞬間、呻る様に妹の口から悲鳴が漏れた。
それで少し我に返りそうになった。しかし俺の目下にある、妹の表情がそれをさせなかった―
哀願と憎悪が、ショッキングな色の絵の具を混ぜた瞬間みたいに、混濁した表情。
そのマーブルは群青になって俺の心に流れ込んできた。
昔見た付録の安っぽい3Dメガネを通してみた世界が目の前に広がる。
―うわぁ、なにもかも、おもちゃみたいだ。
そして気に食わないおもちゃを叩きつけるように、目の前の妹の顔を、殴ってみた。
ぐにゃり、と世界と一緒に妹の顔がひしゃげた。うわ、なんかおもしれー。
ひしゃげる感じが楽しくて、もう一発―。ぐにゃり。うひゃひゃ。
おもしれー。おもしれー。殴れば殴るほど周りも俺も一緒にぐにゃぐにゃになって
妹の顔もぐちゃぐちゃになって赤い血がいっぱい飛び散って。その赤がまた世界の色
ぐちょぐちょ混ざって。色んな絵の具を足した水彩画セットの水バケツみたいだ。
どれぐらいかき混ぜたんだろう。世界も俺も妹も、もう何色か分らなくなってきた。
だけど俺はまだかき混ぜ足りなくて、もっと強くかき混ぜようと、拳に力を込めた。
その瞬間。パチャ、っと水を零したような音がした。唐突に世界が単一色になる。
それはすべての色を混ぜた最後、黒い赤。俺の血の色だった。
「う―、あ?」
なぜか冷静に、我ながらずいぶん間抜けな悲鳴だ、と思った。
手でゆっくり黒い赤を掬い上げた。プシューっていってる。
俺の腹から出ていた。そこには銀色のナイフ。妹の白い手が突き立てていた。
「なん、で?」
また、パチャ、と水音。俺の身体が自分の血溜に倒れた音。
そのまま水底に沈んでいく気がした。水面に目をやれば、さっきとは逆の構図、
妹が俺を目下に見下ろしている。妹は何故か笑っていた。
そして本当にゆっくりと妹が右手を振りかざす。黒光りしたハンマーが握られていた。
ハンマーが頂上にかざされた瞬間、妹の顔から、ニタリ、と音がした気がした。
―さようなら、〝お に い ち ゃ ん〟
鉄が弾ける硬い音がして、俺は、深い深い、常の闇に、落ちていった。
―今度は、ワタシが、かき混ぜるばん

1036イラストで騙す予定の名無しさん:2006/01/16(月) 23:27:43
自分では理解できている描写が結果として抜け落ちてるので、唐突に感じる部分がいくつかある。
あと、一人称で書く場合は描写の言葉も、視点のキャラのレベルである必要がある。
例えば、チンピラDQNの視点で妙に文学ちっくな表現があっちゃヘンでしょということ。

色で纏めたのは結構よさげ。
せっかくなんで、もう少し色の表現に凝ってみてもいいかもしれん。
その場合、俺がそういうのにある程度詳しいという条件が必要になるけど。

10371035:2006/01/16(月) 23:39:50
>>1036
唐突な感じ……確かに良く受ける指摘です。描写不足ということでしょうか。
次はもう少し過剰装飾にしてみよう
人称もやっぱりそこまで考えないと駄目なんですね。特に一人称は難しい。
一人称にうかつに挑んだ自分に反省↓
色の表現は自分の武器にするつもりです。仰るとおり「色」の表現の習作です。
もっと勉強して一つの武器にしたい……
ありがとうございました!オス!

1038イラストで騙す予定の名無しさん:2006/01/16(月) 23:44:36
擬音が多いのもわざとだよね?
色と擬音で表現されてるように感じられたけど。
擬音が癖なら勘違いかな。

主人公の感覚表現が少ないのかな。されたときの表現っちゅうか。

腹を刺されたとき、血が見えたんだと思うけど馬乗りになってたら見えないんじゃ
ないかと思ってしまった。
俺の血の黒に染まる妹、何故?
とかの方がいいような。
刺されて目が眩んだっていうのなら俺の読み間違い。

10391035:2006/01/16(月) 23:51:38
>>1038
擬音も音もわざとです。が、そんな質問が返ってくるってことは意図が反映
されていないということで……orz主人公の感覚表現も色や音で表現した
つもりでしたが、全然レベルに達してないってことですね。とほほ……。
確かに情景をイメージすれば妹が血に染まった方が自然ですね。
レベルアップに努めます。ありがとうございました!

1040イラストで騙す予定の名無しさん:2006/01/16(月) 23:53:11
>>1037
描写不足というよりも、むしろ視点の混乱かと。

例えば、>それはすべての色を混ぜた最後、黒い赤。俺の血の色だった。
の部分。
これは時系列に並べると、刺される→血が出る→俺がその事に気がつく。
となる。
けれど、妹の血が飛び散ってる状態で、果たして「俺」は自分の血だけを見て、それが自分の血と気がつけるか?
という問題。
これは神の視点では刺されたのは自明で、それをそのまま「俺」がその視点を継承してしまっているから生じてくる。

蛇足。
色に拘るなら、「俺」を美大生とか美術コースの高校生とかいう風にして、刺さってるナイフを美術に縁のある凶器とかにすると面白いんでないかと。

10411035:2006/01/17(火) 00:00:10
>>1040
あーなるほど。一人称であれば「伝わるべき」情報を必要十分に伝達できて
いないということですかね。そしてそれは一人称だから伝わる情報で
なければいけない、「神」の介入は厳禁、と。一人称はむつかしいです……
でもキャラを掘り下げる勉強にはなりそうです。
美術館系の凶器……素直に小刀かな?へらかな?

1042イラストで騙す予定の名無しさん:2006/01/17(火) 00:42:18
へらで色を塗るのさ。
部屋がキャンバス。
妹の血や肌の色、皮や洋服を切り裂いて色を作り絵を描くんだ。

1043イラストで騙す予定の名無しさん:2006/01/17(火) 00:49:55
確か一種の失調症で、他人の感情に応じて色彩を観る人間ってのが居たはず。
TVを観ていても、主人公や脇役の感情の変化に合わせて、フィルターが掛かったり
視界に色が走ったりするそうな。
怒りで目が眩むとか赤く染まるって、自分の感情に連動したのでは無く、他人の感情に
連動している辺りがミソだね。
上遠野氏みたいに、各色毎に何を暗示するか決めておいて、描写に使うのも面白いかも。

10441035:2006/01/17(火) 18:20:55
>>1042
がーん!ホラーって苦手で読んだことないのですが
そこまでやらないとダメですか?(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
>>1043
それはそのまんまラノベに使えそうな話ですね。「色」って人の感情に
すごい関係があるって読んだことがあるけど、その失調症の人は脳の
「色」を司る場所と「世界」が繋がったのですかね?すげぇ。
ブギーポップ、有名すぎて逆に避けてしまっていたのですけど読んでみます。
「色」は使い古されているけどまだ追及の予知がありそうです。
ありがとうございます。

1045イラストで騙す予定の名無しさん:2006/01/17(火) 21:26:46
渡瀬のパラサイトムーン(だっけ?)でそんなキャラがいたような。

1046イラストで騙す予定の名無しさん:2006/01/18(水) 19:58:31
文章途中の単語の詳細説明を入れる時、
(単語)――(詳細) という使い方をすると思うんだけど
 (例:私の父――小泉純)

この時、詳細が単語なら
・私の父――小泉純は外科医であった
という風に使って、詳細が文章なら
・私の父――この土地の地主である小泉純――は外科医であった

となんとなーく使い分けてるんだけど、使い方変?普通?そもそも気にする必要無い?

1047小泉孝太郎:2006/01/18(水) 20:08:48
間を空けたい時はそれでも良いけれど、普通はこう書くんじゃ無いか?

 ・私の父――小泉純は外科医であった
         ↓
 ・私の父、小泉純一郎は総理であった

1048イラストで騙す予定の名無しさん:2006/01/18(水) 20:17:57
そういうのは、書き手の腕の見せ所だろう。

1049イラストで騙す予定の名無しさん:2006/01/18(水) 20:21:42
ただ「―」はあんまり使いすぎると文章が間延びするので注意が必要かと。

1050イラストで騙す予定の名無しさん:2006/01/18(水) 20:28:50
>>1047-1049
即レスさんくす。
変では無いけどやっぱバランス的な問題、って所か。
確かにその前後の――とか句読点次第でうっとおしくなりそうだね。

1051イラストで騙す予定の名無しさん:2006/01/19(木) 03:05:47
俺の場合、ダッシュでくくる時はその場だとあまり必要のない説明を使うな。

例えばこんな感じか。
・この土地の地主である小泉純は――私が嫌悪している父なのだが――外科医でもあった。

1052那賀 健比古:2006/01/19(木) 23:38:28
 通常は挿入に使っていますが、人によっては間合いを空けるのに使いますね。
参考用に買った古橋秀之氏の「ブラッドジャケット」のP15ではこうです。

 瀟洒な調度の数々に彩られた広い室内、玉座のようなソファに腰掛けた美貌の青年−−〈ロ
 ングファング〉を取り巻くように、イブニングドレスの美女(いずれもミズ・ユニバース級
 だ)が十数人、妖艶な笑みの端に牙をのぞかせて立っている。

 ここでは挿入と言うか注釈に()を使っていますが、他のページでは−− −−で
やはり挿入文に使う事が多い様です。

1053イラストで騙す予定の名無しさん:2006/01/20(金) 00:43:36
なんかその抽出文章だけ見るととてもプロとは思えないなw
美女の表現にミズ・ユニバース
カッコが多くて読みづらいし
まさにラノベ作家、って感じだな

俺のバイブル「竜馬がゆく」では文中より会話の中がほとんどだな
読みようによっては間を空けているような気もするし、逆に前後の間が無いことを示している気もする。
難しいのぅ

1054イラストで騙す予定の名無しさん:2006/01/21(土) 17:46:44
ここはラノベ・スレなんだし、表現の多様化に挑戦しても良いのでは?
秋山氏のように、1ページ半分を空白にして「海が、」って書いたプロも居る。
そしてどちらもラノベ作家として高い評価を受けているんだ。

1055避難所3717:2006/01/21(土) 22:06:59
皆様お疲れ様です。
少し長い話を書こうと思うのですが、オープニングがどうもうまくいきませぬ。
曝してみるので、どうか忌憚無きアドバイスをお願いします。

それは空への階段 
手を伸ばしたら指の隙間から蒼の溢れる青い空
手を伸ばしても届かない でもそれは蒼でつながっている
みんな同じ空で繋がっている 同じ蒼を見ている
だから私は世界がとても好き 愛しています
同じ空を見ている貴方を あいしています

 無限に広がっているような、そんな錯覚に陥る空に包まれた学校の屋上。蒼野由紀歌という
少女はそこで詩を詠っていた。由紀歌は干したての布団のような、柔らかい、暖かい声で空に
向かって詩を捧げていた。天を仰ぎ、祈るように、小さな身体をゆっくりと揺らして。
時々細い両手を広げて、詠う様は、世界を抱擁しているようだ。そしてその詩も、
世界への愛しさで溢れかえっていた。

涙が出そうなときは空を見上げる 貴方も同じ空を見ていると思うから
嬉しいことがあった時は空を見上げる 貴方も同じ空を見ていると思うから
私と貴方は 空で繋がっている 届かない蒼でつながっている
果ての無い蒼で繋がっている 
それは空への階段 貴方を愛することで私は空へ上っていく

 少年がその詩を隣で聞いていた。少年は仰向けに寝そべっていた。彩った青が空を包む様に、
彼は由紀歌の歌に身を寄せていた。由紀歌の詩を聞いていると、見上げた空が自分を赦してくれる
ような気がした。すべての業から、放たれたように感じた。
 それは錯覚であることを少年はよく知っていた。生きることは業を背負うことだと彼は思っていた。
だけどそれでもすべてを愛したいと願っている。そんな由紀歌という少女を少年は愛していた。
少年にとっては由紀歌が空だった。手を伸ばしても届かない空。だけど同じ空を見ていると思うから、
少年も世界を愛したいと思った。
 空が広がっていた。どこまでも、どこまでも無限に広がる蒼。手を伸ばせば届く様な気がして、
そっとそっと空に手を伸ばす。指の隙間からは、空が漏れていた。掴めないのがわかっていても、
少年は手をそっと握り締めた。

1056イラストで騙す予定の名無しさん:2006/01/22(日) 00:09:25
>>1055
うん、まぁ、オープニングならこんなもんじゃね?
少年の業ってのも気になるし。
いい感じだとは思う。

そうねぇ。

空を抱く少女と空に手が届かない少年。
この二人をもっと対称的に書いてみたらどうかな?

あとは

>それは空への階段 
>手を伸ばしたら指の隙間から蒼の溢れる青い空
>手を伸ばしても届かない でもそれは蒼でつながっている
>みんな同じ空で繋がっている 同じ蒼を見ている



>だから私は世界がとても好き 愛しています
>同じ空を見ている貴方を あいしています

とで口調が変わってるよな。
なんでかな?
それと
>同じ空を見ている貴方を あいしています
愛じゃなくて「あい」なのは何か意図してのことかな?
物語に関わってくる表現ならいいけど、違うなら「愛してます」に統一したほうがいい

ぱっと見て俺が思いついたのはこんなとこ

1057イラストで騙す予定の名無しさん:2006/01/22(日) 00:19:16
>>1055
もし新人賞に応募する気なら、適度かつ効果的な改行を覚えた方が良い。
縦書きと横書きだと感じる読みやすさが全然違うから。
この文章、たぶん縦書きで読むと物凄く読みづらいはず。
 
詩的表現はリズミカルに読んでもらわないと意味がないので、
例を挙げると
1.短文(キャラの動作・行動を簡潔に示す)
2.長文(詩的な比喩を滔々と重ねて雰囲気を作る)
3.短文(……
といったように「読みやすいポイント/最低限読んでもらわないといけないポイント」
を考えて文章を作っていくと良いよ。
 
文章を飾る『足し算』は知ってると思うから、
今度は、簡潔な文章で効果的に内容を伝える『引き算』を頑張ってみよう。

「描写・表現を書くためにストーリー・シーンを作る」という考え方から、
「ストーリー・シーンを語るために描写・表現を考える」という考え方にシフトしていこう。
修飾過多な人には、往々にしてそういう傾向が見られるから、もし思い当たるフシがあったら気を付けて!

1058避難所3717:2006/01/22(日) 00:21:32
>>1056
レスありがとうございます!
そうですね。せっかくのオープニングなら綺麗に見せるのに対比をもっと
しっかりと使ったほうが効果的かも。なんか想像力掻き立てられます。
「愛」と「あい」の使い分けは狙いがあります。若干でも「ん?」って
思ってもらえれば第一関門通過かなぁ。ふふふ(自己満足)
でも文中詩の口調が変わっているのは……すいません意識不足ですorz
考えすぎて書けなくなってたので一回フィーリングで書いてみたんです。
こうやって第三者に注意してもらってやっと、はっ、とできるのだから
未熟だ。読み直したのになぁ。
ありがとうございます。拳を胸の前で合わせて、感謝の意を、です。

10591056:2006/01/22(日) 00:30:56
「あい」に意図があるなら、そうした意図を強調する意味で
「アイしてます」とカタカナにするのはよくある手法だ。
意図があるかないかで迷ったからね。
本当の意味の語感とかによるけど、使ってみるとよいかも。

あと>>1057の改行に関しては俺も同意。
文章の形まで計算に入れるんだ。
どうすれば見やすくなるか。読みやすくなるか。

1060避難所3717:2006/01/22(日) 00:38:54
>>1057
改行の効果的ポイントは勉強すれば何とかなりそうですが、「リズム」は
もっと訓練しないとおっしゃる意図で使えない気がしました。がんばり所ですね。
実は漏れの小説「リズム」はすごい武器にしたいポイントなんです。詩的表現が
好きだし、韻を踏んだ文章が好きなんです。ただ勢いで書くのでどうしても
修飾過多になり気味で……あと「描写は多いほうがいい」って思ってました。
動きの大きいパフォーマンスを洗練していく過程を少し意識してみます。
短文⇒長文⇒短文も、意識して推敲してみます。詩はキーだからもっと
強化しないと。ありがとうございます!勉強になりました。

1061避難所3717:2006/01/22(日) 00:46:43
>>1056
「文章の形まで計算に入れるんだ」
むぅ……何かツボに入りましたそのセリフ。すごいかっこいい。
でも実践できるかなー(汗)見やすい、読みやすいなんて基本なはずなのに
考えるとなんか良くわからなくなりそうです。「文章を書く」って入り口
に立ったことを喜んでいたらいきなり鉄門。がんばろう。うん。

1062怪の人:2006/01/22(日) 00:54:22
>>3717さんが批評受けてるところすいません
冒頭、主人公が朝飯食ってるところ(以前、空手が非合理的とか言ってたあれ)について相談です
次のうちのどれが入って行きやすいでしょうか……
物語の一行目なんでちょっと迷い中です

―――――――――
朝はコーヒー牛乳を。それは伊武沢利佳が十年来続けてきた習慣である。

―――――――――
コーヒー牛乳を一杯。伊武沢利佳の朝はここから始まる。

―――――――――
ちなみに前者は作品タイトルをそのまま引用してます

1063イラストで騙す予定の名無しさん:2006/01/22(日) 00:57:47
>>1062
前者の方が流れる感じでいいと思います。

1064怪の人:2006/01/22(日) 01:04:20
>>1063
やっぱり前者かあ……
ていうかインパクトか文章への入りやすさは感じます?

以前、一行目でハートを掴めと友人に言われて以来一行目が気になって気になって……

1065避難所3717:2006/01/22(日) 01:07:50
>>怪の人
では僭越ながら意見を。
二つの文章は与える情報がまったく違うと思うのです
前者(朝は〜)は伊武沢利佳の「習慣」とか「繰り返される生活」
みたいな「過去からずっと続けていること」を伝える印象が強いです。
後者は(コーヒー〜)は伊武沢利佳の「生活習慣」や「くせ」みたいに
「今の在り方」を伝える為のきっかけに見えます。
コーヒー牛乳とヒロインの組み合わせは個人的には「おお!」って感じなので
どちらの出だしでも引っ張れると思いますが、この問題は、この後に続く
文章次第、ではないでしょうか?ありきたりですみませぬが。
それでも「どちらかを」と仰るならば前者です。単純にタイトルとつなげる
のは読者に最初の「発見」を与えやすい有効な技法だと思います。
……しつこいですが。
美しい女子とコーヒー牛乳。
それだけでご飯三杯いけますた。ごちそうさまでした。

1066怪の人:2006/01/22(日) 01:20:09
>>1065
この後は優香(妹)が「よく飽きないね。てか不味くない?」とか言ってきて、プチ喧嘩です。

ちなみに外見的には
―――――――――
ところどころがはねている髪をいじりながら、書類に目を通す
―――――――――
牛乳瓶の底と言っても差し支えの無いメガネをかけ、須藤に向き直った。
―――――――――
こんな感じで「おめかし?なにそれおいしいの?」的研究一筋25歳処女だったり。
あと表主人公だったり。
それはともかく前者で行ってみます。

1067避難所3717:2006/01/22(日) 01:32:07
>>怪の人
いい!!超好み!彼女にしたい!マジで。猫に「ガロア」ってつけてる
数学マニアな女性をを想像しました。きっと怪の人が考えてる話とは
違う方向になるのでしょうが、沢利佳の萌を追求してほしいなぁ。
興味あるので機会あれば是非また拝読させてください。

1068イラストで騙す予定の名無しさん:2006/01/22(日) 01:52:31
>猫に「ガロア」
なかなかサディスティックさが見え隠れするネーミングですな。
 
*エヴァリスト・ガロア=
当時の数学界最高峰の論文を提出するも、担当官のミスにより紛失。脚光浴びれず。
有名な数学校に入学するも、革命運動に参加したため退学処分。脚光浴びれず。
数学大賞に応募するべく論文を執筆するが、審査員逝去の際に論文喪失。脚光浴びれず。
内容的に素晴らしいことこの上ないはずの業績を一切認められぬまま、二十歳で夭折。生前ついに脚光浴びれず。
数学史上でも指折りの、不幸な男です。

1069怪の人:2006/01/22(日) 01:53:30
ちなみに、正しい読みは伊武沢(いぶさわ) 利佳(りか)です
で、生物学マニア。さらに言うと博士号持ち。

1070イラストで騙す予定の名無しさん:2006/01/22(日) 10:40:56
もちろん、博士号は複数所持だよな?

1071怪の人:2006/01/22(日) 14:47:31
>>1070
一応、爬虫類学と哺乳類学の博士号は持ってます

爬虫類(らしきもの)と哺乳類(らしきもの)のアドバイスを求められるところから物語が始まるので

1072イラストで騙す予定の名無しさん:2006/01/22(日) 17:28:12
>>1071
最近は博士(理学)とか博士(医学)という表記になってるんで気をつけるよろし。
ところで25だと、スキップしてないと博士ムリなんじゃ?
筑波とかなら、ギリギリ間に合うのかな?

1073怪の人:2006/01/22(日) 20:06:59
>>1072
可愛がってくれてる教授が推薦してくれた設定
主人公の年齢をこれ以上年齢上げるとラノベとして難しい……
かと言って下げるのもあれだから、院卒+一年で妥協

1074イラストで騙す予定の名無しさん:2006/01/22(日) 20:07:55
大学院−Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%9A%E5%A3%AB%E8%AA%B2%E7%A8%8B
国内では25歳で博士号二つは難しそうです。
もっとも漫画的表現の許されるラノベですから、その優秀さを端的に示すガジェットに、
そう目くじら立てる人は余り居ないでしょうが。

1075イラストで騙す予定の名無しさん:2006/01/22(日) 20:39:44
>>1073
その院卒だと、修士課程しか出てないことになるんじゃまいか?
海外留学とかさせて、帰ってきますたとかの方がハッタリとぼかしが効いていい方な気がする。

1076イラストで騙す予定の名無しさん:2006/01/22(日) 22:20:26
>>1075
海外だと飛び級もありますしね。高校生ぐらいで大学入学していれば
25歳で博士号二つもってても不自然じゃないかも。すげー天才だ。
浮世離れした感じを出すのにもいいファクターかも。
……やっぱり飼ってるペットは爬虫類かな?名前は王道でダーウィン。

1077イラストで騙す予定の名無しさん:2006/01/22(日) 22:33:40
俺的には天才と言えばドギー・ハウザー

1078イラストで騙す予定の名無しさん:2006/01/22(日) 22:43:46
天才少年ですな

1079怪の人:2006/01/22(日) 23:40:38
>>1074
優秀さも示したいけど、
怪獣出現→専門家を呼べ→主人公呼ばれるの流れが欲しいんで……
>>1075>>1076
やっぱり海外留学設定が自然かな
ちょっと海外での博士号取得について調べてみる

1080イラストで騙す予定の名無しさん:2006/01/23(月) 01:06:51
三十路の主人公でもいいじゃn(ry

1081怪の人:2006/01/23(月) 01:14:34
>>1080
三十路主人公(♀・処女)に萌える読者が多いなら考える

1082イラストで騙す予定の名無しさん:2006/01/23(月) 01:23:29


1083那賀 健比古:2006/01/23(月) 01:53:00
>>1035氏へ、面白い話を見つけたのでリンクを張っておきます。見つけたのは、
私がネタ元として重宝している「Hotwired Japan」の「Wired News」です。
>>1043氏の話題は「共感覚」と呼ばれている様です。

 ・「言葉や音に色が見える――共感覚の世界」
  http://hotwired.goo.ne.jp/news/technology/story/20020325306.html
 ・「VRもオーラも「共感覚」の一種?」
  http://hotwired.goo.ne.jp/news/technology/story/20050309301.html

更に「共感覚」で検索してみると、こんな専門的な説明も見つけました。

 ・「脳の構造と共感覚および意識」
  http://www.ccad.sccs.chukyo-u.ac.jp/~mito/yamada/chap2/

興味がお有りでしたら、ご自分で調べてみると面白いかも知れません。
 
 ・「[共感覚] goo ウェブ検索結果」
  http://search.goo.ne.jp/web.jsp?MT=%B6%A6%B4%B6%B3%D0&amp;type=stick&amp;PT=stick

1084怪の人:2006/01/23(月) 02:00:06
>>1082
残念なお知らせが

さっきリアルで
年下の女友達「ごめん、おばさんくさくて」
って言われて萌えたので時代は「体は少女、心は三十路」に確定しました

1085イラストで騙す予定の名無しさん:2006/01/23(月) 02:55:14
初めまして。
以前からこちらを拝見してたのですが、今回自分の書いたものを批評して戴きたくレス致しました。

オリジナルで話を書くのはこれが初めてなので酷いことになっていると思いますが、読んで頂けると光栄です。

話を書くにあたり注意するべき点なども是非教えて下さい。

では、晒させて戴きます。










「ねえクラウス、やっと扉が開くみたいだね」

上級貴族を思わせる気品を漂わせた身のこなしで、少年は暗がりから文字通り『現れた』。

「昨日の夜から僕興奮しっぱなしなんだ。君も解るだろ?身を裂くようなゾクッとする感覚。こんなに落ち着かないのは久し振りだよ」

天井の小窓からの月明かりに照らされた肌は青白く、闇と僅かな光に見え隠れする顔立ちは厳密に計算されたかのように美しい。

それはまるで古の美の国で賞賛されていた彫刻家の最高傑作のようだ。

それに対して、クラウスと呼ばれた男の風貌は月光が当たらない為窺うことができない。

彼は闇から響いた声に特別驚いた様子もなく、久しく閉ざされた扉から誰からも褒め称えられるであろう美貌の少年へと視線だけを持っていく。

「ルドヴィーク、君と一緒になどされたくないんだが。私は至って平静だ。……最後に扉が開いたのは西が滅びた年だったから百年程前になるかね。あのときは扉を抜ける者が後を絶たなかったから君は大いに愉しんでいたから覚えているだろう」

「そんな昔のこと忘れちゃったよ。どんなに愉しくても過去は過去だからね。今が暇じゃ何の足しにもならないよ。思い出すだけ無駄ってものさ」

肩を竦めた少年はクラウスの横にある文字飾りの施された扉へと歩み寄り、そこに掌をついた。

するとそこにはオーロラのような帯の形を成した光が現れ、彼を包む。

ルドヴィークはその光を見やることなく瞳を閉じ、深呼吸する。

半時ほどその状態で動作の無い彼だったが、何か発見をしたのか急に瞳を見開き扉から手を離した。






中途半端で申し訳ありません。

読んで戴きありがとうございました。

批評・感想など戴けたら幸いです。

1086避難所3717=1035:2006/01/23(月) 19:05:09
>>1083
おー!丁度もっと「色」に拘った描写入れたいと思っていたのです!
匂いも文字も「色」になる感覚は「色」を駆使した描写にも通じるものがあるかと。
共感覚を持たない普通の人が漏れの文章を読んで、世界が「色」と「音」で
満ち溢れている事を体感してくれたらいいなぁ。文章が知覚を交代させる、みたいな。
読み物としても面白かったです。那賀 健比古さん、ありがとうございました。
>>怪の人
……「身体はちょっと中年、心は乙女」も萌えますよ。
っていうか>>1081 )ノ

1087避難所3717:2006/01/23(月) 19:35:29
連投スミマセヌ
>>1085
未熟者の雑感でよければ。参考になれば幸いです。

・響きのかっこいい言葉を並べただけ、という印象を強く持ちました。
読者に「何を伝えたいか」という意識をもっと持ったほうがいいと思います。
『いつ・どこ』で『なに』が起こって、『どんなキャラ』が『何のため』に『何をする』のか。
最低限それぐらいはきっちり伝える為の努力をすべきかと。
・セリフの仰々しさに比べて地の文章の描写が薄すぎます。短い文章なのもあると思いますが
どんな場面なのかを想像させるにはもっと書くべきことが沢山あると思います。
上記した事にもかかってくるのですが、最低限「自分が一番伝えたいポイント」
をもっとはっきりさせる工夫が必要ですよ。
・文の繋がりが全般的に唐突です。セリフと地の文の繋がりはもっと意識してもいいと
思います。文章は点ではなくて線で考えるものだと聞きました。「どうしてこの文の
後にこの文が来るのか?」小説の究極系は文字ひとつとして無駄なものは無い
そうです。どんな短い文章でも、常に自分の書く文字の意味を意識するように
してみてはいかがでしょうか。

……すべて漏れも言われたことですが(汗)小難しいことを考えないで
まずは楽しんで沢山書くことが一番だと思います。ただその中で自分の小説への
「目的」に対する意識を高めるだけでも、ちょっと違った感じで書けますよ。
漏れも最近書き始めたばかりです。お互い楽しむ事を忘れず研瑳していければ
いいですね。では雑文乱文失礼しました。

1088イラストで騙す予定の名無しさん:2006/01/24(火) 00:41:40
>>1087

昨日晒してからボーッと読み返して3717さんと同じようなことを感じました。

文が唐突、格好いい言葉……など書いてる自分でおかしいなと首傾げながら、何が引っかかっているのかわからずにいました。

でも1087を読みこれが引っかかってたんだとわかりすっきりです。

適切な批評ありがとうございます。

いつ・どこでなど、何が目的なのか云々についてですが、晒した時点でこれ言われるなと思ってました……気づいてたのにそのまま晒してすいません↓↓

そういうのが抜けてるのは、プロローグ(いつ・どこでetc.)をすっ飛ばし主人公すらいないシーンを晒したためです。

にしてもこれはないな……と思います。
本当に恥ずかしい限りです。

3717さんの言葉を胸にしっかり刻み込み、読んでくれる方に親切なものを書けるよう頑張りたいと思います。

本当にありがとうございました。

パソコンを買って、この只の文の塊をどうにか出来たらまた晒すかもしれません。

その時はまたよろしくお願いいたします。

1089イラストで騙す予定の名無しさん:2006/01/24(火) 02:22:38
>>1087
スルーしようかと思ったんだけどさ。

>未熟者の雑感でよければ。

と前置いたからには、自分の言葉で書きなさい。
きみが書いた内容は全て他人からの受け売りでしょう。
理解と暗記は違います。
ほぼ引用である内容に対してこのような前置きをしたとき、
元の発言者が見たらどう感じると思いますか?

1090避難所3717:2006/01/24(火) 18:24:14
>>1089
……確かに短慮でした。たぶん自分と同じ指摘が当てはまると思って軽い気持ちで
意図的に流用したのですが、それならば文頭は「受け売りですが」などと、人の意見を
受けてのことだとするべきでした。「自分の雑感」ではないですね。
ご指摘ありがとうございます。引用元になって不愉快な思いをされた方は
申し訳ありませんでした。猛省です。
>>1085
こんな他人のふんどしで相撲取るような輩(汗)の意見でよければレス
しますんでまた投下してください。こちらも勉強になるので。

1091イラストで騙す予定の名無しさん:2006/01/25(水) 21:21:53
>>1085
最初の方をちょこっとだけ(・ω・`)もう見てないかな

>上級貴族を思わせる気品を漂わせた身のこなしで、少年は暗がりから文字通り『現れた』。
何をどうやって現れたから「文字通り」なのか伝わらない。身のこなしとか言われても……。もう少し描写が欲しい。

>「昨日の夜から僕興奮しっぱなしなんだ〜
少年とクラウス、どっちが喋ってるのか判らない。たぶん少年だろうけど、もう少しハッキリさせた方がいい。と思う。
と言うのは、前文の「やっと扉が開くみたいだね」に対して「君も解るだろ?」が、会話の目線というか、言葉遣いが違うので同じ人なのかちょっと悩んだ。
「やあクラウス。やっと扉が開くみたいだな」とか「君も解るだろ?クラウス」とか、定石の「と、その少年は言った」とか。

>天井の小窓からの〜
雰囲気に負けてこの文章の変な所に気付いてないっぽ。分解すんね
【天井の小窓からの月明かりに照らされた】【肌は】【青白く、】
【闇と僅かな光に見え隠れする】【顔立ちは】【厳密に計算されたかのように美しい】
【天井の】と【闇と】がほぼ同じ意味。というか同じ情景がイメージできる。
だから俺の脳では
【明かりの照らされた】【肌は】【青白く】
【明かりの照らされた】【顔立ちは】【美しい】と、2回同じ事を聞かされてる気がして(・ω・`)んー ってなる

リライト例
天井の小窓からの僅かな月明かりに見え隠れする肌は青白く、その顔立ちは厳密に計算されたかのように美しい。(長いか)
天井の小窓から漏れ入る僅かな月明かりが彼の顔を照らす。
その肌は青白く、顔立ちは厳密に計算されたかのように美しかった。(文章が美しくない……)
……リライトは他の方にお願いします(・ω・`)

>それに対して、クラウスと呼ばれた男の風貌は月光が当たらない為窺うことができない。
この描写いらない気がする。

雑感
・全体的に無駄描写多い気がします。
・その割に行動を表す描写が少ないので、読んでて沸くイメージが凄く「カクカクしてる」
・もう少し読んでて全体の流れをイメージし易い様に組み立てた方がいいと思います

10921091:2006/01/25(水) 21:48:39
追記
小説を読むとき、言葉を拾ってどういう状況なのかイメージするんですが、
>>1085は、風景が全然思い浮かびません。
風景の描写は多少多くても気にならないので、入れたほうがいいと思います。
必要無い時もあるんですけど、風景描写はイメージの土台ですので。

いらないのは、プロローグ限定で

少年は扉の前に立っていた。
ノブは無く、両開きになっている。
鍵はかかっていないようだ。
(この扉の向こうに……)
彼は両手をそれぞれ左右の戸に添えた。
少し、力を込める。
予想と異なる、ずしりと重い感覚。
少年は深呼吸をしてもう一度、力を込めた。彼の力の限り――
(開け、開け、開けー!)

みたいな、ちょっとポエミィな時ぐらいだと思います。(推敲してないので俺の批評は勘弁w)

1093イラストで騙す予定の名無しさん:2006/01/26(木) 23:35:03
いつもながら的確な助言をご苦労さまです。
宜しければそろそろコテハンでなされては如何でしょう?

10941091:2006/01/28(土) 11:12:35
ん?俺か?(・ω・`)俺はここで批評するの1091がはじめてですよ

1095キャンタマの人:2006/01/30(月) 21:59:24
ちょっと詰まってますorz
ラストの綾華の台詞がこれでいいか不安で……
―――――――――
「舞うは協奏曲、女王のステッキで勝利を奏でる……か」
「なに? 詩人にでも転向するつもり?」
「違うわよ。前、雑誌に載ってた弓江のキャッチフレーズ」
 茶化す綾華に、里香があくまで冷静に答える。
 いつもと明らかに違う里香の反応に、綾華は眉をしかめると、
「……ひょっとして、柄にもなく緊張してる?」
 いぶかしげに問う。
「緊張……じゃないと思う。これが弓江に勝つ最後のチャンスなんだなって思うと、ね……」
 いつもの癖でステッキをくるりと回して、里香は言った。
「……一応聞いておくけど、変な宗教にはまってないでしょうね? 独り言といい、練習中にいきなり暴れ出した時といい」
「え……あ、それは……大会が終わったら話すね」
「? それならいいけど。ところで里香、もう準備しないと。時間でしょ?」
 ちらりと時計を見て、綾華。里香の組のスタート予定時刻まで三十分を切っている。
「……うん、わかってる。準備してくる」
 決意の込められた表情で、頷く里香。すぐにきびすを返して馬房へと走り出す。
「ちょっと里香! だから馬房で走るのは……」
 注意しかけて、綾華はそこで言葉を止めた。
「里香って……あんな大人な女だったっけ?」
 走り去る里香の背中は、いつもよりも大きく、そして頼りがいがあるように見えた。

1096イラストで騙す予定の名無しさん:2006/01/30(月) 22:24:56
>>1095
セリフは生き生きしてて、これだけの文章からでもキャラクターを想像
させるだけの力があると思うよ。正直うらやましい。意味も通じるよ。
でもそれをより生かす為の地の文章の描写が薄すぎやしないか?
例えばだけど
「舞うは協奏曲、女王のステッキで勝利を奏でる……か」
の一語だけでも
「自分に酔うように空に言い放った」「歌う様に呟いた」
みたいにそのセリフの前後の情景を掻き立てる描写がいくらでも付けれる気がする。
逆に言うと、地の文章が薄いからどんな風に各セリフを言ったのか想像しにくい。
よく言えば読者の想像力に任せてる。悪く言うと投げすぎ。
せっかくラストで盛り上げどころなんだから、もっと自分の伝えたいシーンを
書き込めばいい。ちなみに俺ならキャラの感情描写をもっと増やす。

1097キャンタマの人:2006/01/30(月) 22:38:48
>>1096
地の文かorz
推敲の時に気をつけてみる
台詞を誉められたのは素直に嬉しいです
ありがとう!

1098イラストで騙す予定の名無しさん:2006/01/31(火) 00:51:32
キャンタマの中の人は地の文がうっすい印象がある
ある程度はセリフで補えてるんだけどな
一度、練習用にセリフ数制限して書くのも手かと

1099イラストで騙す予定の名無しさん:2006/01/31(火) 01:03:28
地の文に限定していうと、
・視点がとっちらかり気味。
・箇条書きに近いぐらいそっけない。

なんで、いきおい地の文は飛ばし読み状態に誘導される。
情景が薄いんで、その場に立ち会っているというよりも誰かから話を後から聞いたみたいな印象を受けてしまう。

1100イラストで騙す予定の名無しさん:2006/01/31(火) 11:31:29
can玉の人ってラノベを読み始めたのはどの世代?
なんとなくだけど、あほさるや神坂全盛期の「キャラの勢いで読ませるけど、地の文が薄い」描写の影響を受けてる感じがする

1101イラストで騙す予定の名無しさん:2006/01/31(火) 12:46:23
>「ちょっと里香! だから馬房で走るのは……」
> 注意しかけて、綾華はそこで言葉を止めた。
>「里香って……あんな大人な女だったっけ?」
> 走り去る里香の背中は、いつもよりも大きく、そして頼りがいがあるように見えた

ここにあなたの悪い癖がでてる気がする。
言葉をとめてすぐに真逆のことを言っているから、こちらも疑問符を浮かべてしまう。
で、その後急に綾香の一人称になっていると。
こういう読者に混乱を招く書き方は一個あったら百個あるもんだし、チェックしたほうがいいとおも。

1102キャンタマの人:2006/01/31(火) 23:21:23
>>1101
視点移動か……
昨日本スレで話題になってたことをやるとは流石俺orz
ちょっとリライトしてきます

1103キャンタマの人:2006/01/31(火) 23:57:42
リライト終了。まだ微妙に違和感が……

「舞うは協奏曲、女王のステッキで勝利の歌を奏でる……か」
「なに? 詩人にでも転向するつもり?」
 淡々と飛ぶシンフォニーを見ながら呟いた里香を、綾華が茶化す。
「違うわよ。前、雑誌に載ってた弓江のキャッチフレーズ」
 そんな綾華と対照的に、あくまでも冷静な里香。
 いつもと違うその反応に、綾華は眉をしかめると、
「……ひょっとして、柄にもなく緊張してる?」
 訝しげに問う。
「緊張……じゃないと思う。これが弓江に勝つ最後のチャンスなんだなって思って」
 里香はいつもの癖でステッキをくるりと回すと、苦笑して言った。
 その答えに、綾華は釈然としないものを感じたらしい。
「……一応聞いておくけど、変な宗教にはまってないでしょうね? 独り言といい、練習中にいきなり暴れ出した時といい」
 里香の首もとに指を当てて、問い詰める。
「え……あ、それは……大会が終わったら話すね」
「? それならいいけど。ところで里香、もう準備しないと。時間でしょ?」
 ちらりと時計を見て、綾華。里香の組のスタート予定時刻まで三十分を切っている。
「……わかってる。準備してくる。最後に勝利の歌を奏でさせないためにも、ね」
 里香はなにか決意をしたかのような表情で頷くと、すぐにきびすを返して馬房へと走り出す。
「ちょっと里香! だから馬房で走るのは……」
 注意しかけて、綾華はそこで言葉を止めた。
「あれ……あの子……あんなに大きな後ろ姿だった……?」
 弓江とシンフォニーとが叩き出した本日の最高タイムにわき返る会場に、綾華の小さな声は、すぐに掻き消えた。

1104イラストで騙す予定の名無しさん:2006/02/01(水) 00:41:57
誰も突っ込まなかったと言うことは、俺が変に読んでるかもしれんが
>「……一応聞いておくけど、変な宗教に〜」
> 里香の首もとに指を当てて、問い詰める。
>「え……あ、それは……大会が終わったら話すね」
>「? それならいいけど。ところで〜」
ここなんすけど
問い詰めて「後で話す」と言った後、「それならいいけど、ところで〜」って
あんまり心配してる様な感じじゃないな、と思った。
「まぁ、信用してるけど」とか「しょうがない、後でちゃんと説明しなさいよ」とか、そういう感じじゃないかなぁ

>大きな後姿だった
ん、りかさん巨大化した?と思ったよw
そこは「あんなにお子様だった(?)里香が頼もしく見えた」って表現したいのかな(キャラわからんので適当)
そこ独り言だし、無理にセリフにしなくて良いと思うけどなぁ。

1105イラストで騙す予定の名無しさん:2006/02/01(水) 05:11:18
しかし「……」の使いすぎではないか?

1106イラストで騙す予定の名無しさん:2006/02/01(水) 18:07:09
第4回のSD新人賞の佳作、シャドウライトは……と――を使いまくっていたな
どのページ見ても……――ばっか。
なんじゃこりゃ……とあきれたものだ

1107イラストで騙す予定の名無しさん:2006/02/01(水) 19:44:20
>>1103
んー、やっぱり登場人物に関する情景描写が少ない気がしますよ。
地の文が「誰かが」「何をした」を少ししか説明してないから
大半の情景をセリフの中身からしか想像できない。
セリフだけで情景を説明しようという意識が強すぎるのかも。

文章は読者に「絵」を想像させるものだと俺は思っているのだけど
想像させたい「絵」をディティールを作り手がいかに細部まで自分で構築
出来ているかが、その為には重要だと思うんだ。
canの人は読者に想像して欲しい「絵」をもっと自分で明確に作りこめば
自然と地の文の描写も厚みが増してくるかと。

1108イラストで騙す予定の名無しさん:2006/02/01(水) 23:14:53
そろそろ次スレか。
できれば批評元文章と批評内容が2分しない様、
批評対象中のキャン氏によきところで(納得頂いたところで)立てて頂くのが良いのだが。
もしくは批評対象文を今書き込もうとしている人。

1109イラストで騙す予定の名無しさん:2006/02/04(土) 15:22:24
ここの住人は批評するよりもされる事を望んでいる。
謙虚だが有る意味で主体性が低いから、誰か音頭を取らないと話が進まないと思うよ。
マァ1000レス以上書き込めるのは確かなんだし、スレの重複を避ける意味でも、
このままで良いんじゃ無いかな?

1110イラストで騙す予定の名無しさん:2006/02/05(日) 23:12:26
しかし「……」の使いすぎではないか?

1111イラストで騙す予定の名無しさん:2006/02/08(水) 17:42:18
気にするな……それは……ライトノベルの…………デフォルト……だ……

1112イラストで騙す予定の名無しさん:2006/02/10(金) 12:26:49
ラノベでもコメディやギャグでもないのに使いすぎると微妙じゃない?

1113イラストで騙す予定の名無しさん:2006/02/11(土) 13:03:17
それも効果や文体との兼ね合いで、原則としては多用を控えるべきだが、
それに捕らわれない方が良い。
クリス・クロスやH2Oの「高畑 京一郎」氏はかなり多用する癖があるよ。
新伝奇の「奈須 きのこ」氏に至っては”……””――”を併用してるし、
長さだって時々によって変わる。

 1.「……そう言えば、そんな事もあったっけ」
 
 2.「――――――」
    女の子、という単語に反応する式。

効果も何も考えずに、沈黙や静寂を表現するお手軽な手段として使うのは拙いが。

1114イラストで騙す予定の名無しさん:2006/02/11(土) 15:57:59
きのこは別に上手くないだろ。
あいつは泥臭さが良い文体になってるんだとおもうが。(よくも悪くも味がある)
高畑京一郎は読んだ事がないからわからんが。

「――」や、「……」をなんで/どのように使うかって方が重要だな。
む、日本語の文章で/を多用というのは余り見たことがないな。やってみる……価値はあるか?

1115イラストで騙す予定の名無しさん:2006/02/12(日) 20:19:10
/をものすごい量使う小説は海外からの翻訳だけど出ていたはず
先月か先々月あたりの本の雑誌で言及されていた
視点移動を意識したものすごく変な文体だったと思うが、詳しくはよく覚えていない

1116イラストで騙す予定の名無しさん:2006/02/13(月) 16:36:53
冒頭の部分なんですが、キャラとキャラの置かれた
状況が大雑把にでも説明できてるでしょうか?
批評・感想いただけるとありがたいです。よろしくお願いします。
ちょっと長いのでうpろだにあげました。
ttp://wannabee.mine.nu/uploader/files/up0096.txt

1117イラストで騙す予定の名無しさん:2006/02/13(月) 17:22:00
>>1116
キャラクターに関してはなんとなくわかったが、その他の小道具部分の描写がわからないことが多かった。
冷光灯であるとか、そんなんね。
細かく設定を考えているんだろうなとは思わせるけど、それを全部出す必要はないだろうし、出すなら感覚的に理解できるように心がけるか、しっかりと説明すべきじゃないかな?

1118イラストで騙す予定の名無しさん:2006/02/13(月) 17:55:01
描写が丁寧過ぎるかな、と。
例えば、階段を昇るっていう描写があるとする。
その描写が右足の次に左足を上げて、というようなくどさを感じる。
状況は理解出来るし、情景も浮かぶんだけど、するするっと物語に滑り込んでいく感覚が無い。

中辛でした。

1119イラストで騙す予定の名無しさん:2006/02/13(月) 17:57:05
>>1116
文章がのっけから、というか、ほとんどが頭でっかちでどうにも苦手な部類。
>両の腕で頭上に掲げられた身の丈ほどもある鉄梃が風切り音をたてて振り下ろされる。
最初の一文にしては長すぎる。
俺が川上弘美みたいなぶつ切りの文章が好きというのもあるかもしれないけれど、
一文一文、どれも長ったらしくてたるく感じる。
すぱっすぱっと切れて小気味良い方がリズムがつくと思うんだが、個人の好みというものだろうか。
蓼食う虫の一匹からの意見でした。

1120イラストで騙す予定の名無しさん:2006/02/13(月) 18:22:28
ご意見ありがとうございます。
>>1117-1118
小道具関係はその世界独自の物が多いのであえて説明を省く方向で書いてみました。
描写の密度に偏りがあるということだと思うので、もう少し描写を練ってみます。

>>1119
一文が長いというのは友人にも指摘されまして、その友人も趣味の問題かもと言っていました。
自分の場合は一文が短いとどうにも足を止められる気がして……。
読点の使い方がまずいのかなぁ。

1121イラストで騙す予定の名無しさん:2006/02/13(月) 21:24:03
これは……何から言っていいのか、ものすごく困る。
状況はまあ確かに、最後まで読めば『何となく』程度にはわかるが……
とりあえず、冒頭という所で何をすべきをよく考えたほうがいいと思う。
あと文章の流れを映画のカメラワークとして捉えると解決しそうな問題がいくつかある。
読点はたしかに少なすぎると思うが、他の点を直せば問題なくなる気もする。
それと単純に疑問なんだけど、説明文を一切書かないのはなぜ?

1122イラストで騙す予定の名無しさん:2006/02/13(月) 23:03:29
そういや、秀逸なSF小説読んでると、説明文がやたらと面白いもんな。

11231116:2006/02/14(火) 11:10:22
>>1121
掴みが弱いと言うことでしょうか。あるいは感情移入がしにくい?
カメラワーク、ですか。文章や描写の繋ぎ方が拙いところがあるということでしょうか?
もしよろしければ、晒し文から例を提示していただけるととてもありがたいです。
説明文がないのはこれを書くときに「見える物をただ写す」という書き方をしてみようかと思ったので。
あと、細かな注釈をつけると文が止まってしまう気がしまして。
もう少し速度のある場面を冒頭に持ってくるべき、ということでしょうか。

1124イラストで騙す予定の名無しさん:2006/02/14(火) 16:49:17
>1123
わかりにくい書き方をして申し訳ない。後から自分でもどうかと思った。
「掴みが弱い、感情移入がしにくい、文章や描写の繋ぎ方が拙い」という
あなたが書いた通りの意味で概ね合っている。
カメラワークと書いたのは、特に一番最初の部分が気になったため。
最初数行を映像として考えるとこんな感じになると思う。

 (タイトル?)→振り下ろされるかなてこ→右足、きしむ床板→止まるかなてこ→
 →じっくりと部屋の風景(様々な機材、甲冑、……バケツ)→
 →かなてこを振るうアークの姿→……

一行目から二行目への画面切り替えって明らかに変だと思う。
いきなり勢いよく振り下ろされたかなてこが止まって、「何だ?」と思ってるのに
なぜか部屋と置かれたものだけがじっくりと時間をかけて映る。
それからやっとかなてこの持ち主が映る。ひきつけた勢いを殺してると思う。
それに詳しく描写しているようでいて、ここの描写はほとんど意味がない。
世界設定がわからないのに、甲冑や様々な機材が部屋に置かれてる、と言われても
武者鎧なのか西洋式甲冑なのか未来的戦闘服なのかまったくわからない。
「様々な機材」と言われても同じことで、どういう分野の機材か想像できない。「控え室」も。
とりあえず最初の部分だけでこのくらい。

それから、説明入れない理由は「何となく」ということでいいのかな。
ちょうど2chのほうの前スレ終盤でカメラ視点による描写の話が出てたけど
無意味に悩むことになるから構成上の必要でもないなら避けたほうが無難かと。
こういう設定があってこそ成り立つ話だと、さらに死ねるはず。
実際何回か読み返さないと状況がわからないよ、これ。

1125イラストで騙す予定の名無しさん:2006/02/14(火) 17:56:25
>>1116
みんな読んでるみたいなので、俺も頑張って読もうとしたけど挫折したw
以下、読解力が低い上、100%理系で文学的教養0という事を無視して講釈をたれさせてもらう。


非常に読みづらい!神器と違った意味で読みづらい。

SF見たいに謎単語乱発で理解に手間がかかるんじゃなくて、単純に一文がゴチャゴチャしてる。
一言で言うと「一文に意味を詰め込みすぎ」

「このセンテンスはこう、この一文ではこういうシーンをイメージさせたい」と言うのがハッキリしてなくて、
読んでて何とな〜く重厚な雰囲気が、ぼんや〜りと伝わってくる感じ。
何となくしか伝わってないから、何回も読み直さないと意味が理解出来ない。(意味の拾い漏れ)
結果同じ文章を2回、3回と読む割に全然話が進まなくて「ああ、もういいわ」ってなる。

なんでこういう事がおきるかって言うと、主に二つだと思う
一つは「形容詞の重ね着」、もう一つは「主語の入れ替わり」


形容詞の重ね着(表現がわからん)は、「白い犬」で例に取ると
・やせ衰えた白い犬がいた。左耳の下に傷がある。何故か尻尾だけは黒かった。
これを、>>1116
・左耳の下に傷を持ち、尻尾だけが黒いやせ衰えた白い犬がいた。
って書いてる。(例:>両の腕で頭上に掲げられた身の丈ほどもある鉄梃)
一つの「鉄梃」に幾つも形容詞を重ね着してるから、「鉄梃」をイメージし辛い。
「の」を繰り返さない様に気をつけるのも、この「重ね着」を防ぐためだと思う。


もう一つ、主語の入れ替わり。
>天井に並ぶ冷光灯からは澄んだ明かりと発光触媒の循環するかすかな音が漏れ、唯一の出入り口である古びたドアの向こうから低く響いてくる喧騒と混ざり合い、白塗りの壁に反射して部屋を満たしている。
>天井に並ぶ冷光灯からは〜 ⇒ 主語は「冷光灯」
>唯一の出入り口である〜  ⇒ 主語は「音」
と、途中で主語が切り替わってる。

他にも
>鉄木の圧縮合板でできた床板が踏み出した右足の下で軋みを上げ、鉄梃の鉤先が床に触れるか否かでぴたりと静止した。
だと、前半は主語が「床板」、後半は「鉄梃の鉤先」


とにかく一行の中に「意味」を詰め込みすぎて、理解するのに時間が掛かるor何回も繰り返して読まないといけない。

まぁ、>>1120で本人の友人が言ってる通り、趣味の問題かもしれん。こういうのが好きな人は平気なんだろうなぁ

11261125:2006/02/14(火) 17:57:35
読解力が低くて、100%理系で文学的教養0ってのは俺ねw
念のため

11271125:2006/02/14(火) 18:04:07
主語で文章を分割&句点+αを追加した例

両の腕で頭上に掲げられた、身の丈ほどもある鉄梃が風切り音をたてて振り下ろされる。
振り下ろされるたび、鉄木の圧縮合板でできた床板が踏み出した右足の下で軋みを上げる。
鉄梃の鉤先は床に触れるか否かでぴたりと静止した。
大股で五歩も歩けば突き当たる控え室。
乱雑に私物を載せられた机や椅子など、さまざまな機材が置かれており、あまり広くない部屋をさらに手狭くしている。
天井に並ぶ冷光灯からは澄んだ明かりと発光触媒の循環するかすかな音が漏れている。
その音は、唯一の出入り口である古びたドアの向こうから低く響いてくる喧騒と混ざり合い、白塗りの壁に反射して部屋を満たしている。
部屋の隅に置いてある木のバケツに満たされた水が踏み込みの震動でゆらゆらと揺れていた。

幾分読みやすくなったと思うが……

11281116:2006/02/14(火) 19:40:10
>>1124
詳しい説明ありがとうございます。
読者の視点を意識して、描写の順序と密度を再検討してみます。
説明に関しては「作品の特徴」になるかと思ったのですが……。
単なる描写不足のところもあるようですし、少し縛りを緩くして修正してみます。

>>1125
細かなご指摘、ありがとうございます。
仰るとおり、何とか一文に押し込めようとする癖があるようで……。
形容詞の分散と短文での完結を心がけてみます。
ああ、でも読点で文を繋いでしまいそう……。

11291116:2006/02/15(水) 00:20:53
少々リライトしてみました。多少は読みやすくなったでしょうか?
ttp://wannabee.mine.nu/uploader/files/up0097.txt
批評・感想いただけるとありがたいです。よろしくお願いします。

1130イラストで騙す予定の名無しさん:2006/02/15(水) 21:25:51
>>1129
>>1116乙彼様です。では少々雑感を。

文体は実直な感じがして良く言えば安定感がありますが、悪く言えば面白みが
無いと思います。冒頭に持ってくる文章ならばもっと興味を惹き付ける工夫が
必要ではないでしょうか?技法的なものでも内容でもいいので、「続きを
読んでみたくなる」為の要素をもっと考えてみてはいかがですか?
また、この文章で状況を読者に把握してもらうのは難しいと思います。
たぶん描写が足りないわけではなくて、文章として「読者に伝えるべきポイント」
が拡散してて押さえきれていないからだと思います。個人的な意見ではありますが、
冒頭で読者に把握してもらうべき情報は「大まかに、確実に」が重要だと
考えています。>>1116さんが冒頭で読者に確実に伝えたいことは何でしょうか?
自分の伝えたいことを100%すべて伝えようとするよりも、「とりあえずこれだけ
伝わればいいや」ぐらいに肩の力を抜いてみてはいかがですか?そのほうが
読み手側も>>1116さんが伝えたいことを受け取りやすいと思います。
へんな例えですが名投手は「8割の力で投げる」感覚を大事にしているらしいですよ。

1131キャンタマの人:2006/02/15(水) 21:30:26
すいません、風邪で寝込んでましたorz
間に合うんかMForz

別場面なんですが、……と――を減らしてリライトしてみたので、よろしければ批評お願いします。
―――――――――
 コンビニの通路に置かれたカゴは、大量のスナック菓子で一杯になっている。詰めて入れれば、もう少し入らないこともないだろう。
「これと、あとこれも食べたいな」
 なにやら独り言を言いながら、次々とカゴにお菓子を詰め込んでゆくポニーテールの少女。髪型こそいつもと違えど、里香である。
 店内の客は里香一人だけで、レジに立つ大学生らしきバイトは、里香に興味を持つ素振りもなく欠伸をしている。
「体重制限気にしないでいいからせいせいした。」
 誰も聞いてくれる人はいないのだが、勝ち誇ったように続ける。
「だいたい、年頃の女の子が好きなお菓子も食べられないなんて変なのよ。これからはそんな変な縛りがなくなると思うと――」
「なにやってるの?」
 かけられた声に、新作のチョコレートを吟味しといた手と、勢いづいていた言葉とが止まった。
「……弓江?」
 いつの間に店内に入ってきたのか、里香の眼前にはTシャツに布ズボンという、ラフな格好に、変装のつもりなのかサングラスをかけた弓江が立っている。
「……こんな時間にお菓子の買い込み? いいわね。太らない体質の人は」
 スナック菓子で一杯になった買い物カゴを一瞥して、嫌みたしく言う。

―――――――――
思い切り途中で終わってますが、直後にネタバレがあるんで、気にしないで頂けると幸いです

11321116:2006/02/15(水) 23:19:52
>>1130
感想ありがとうございます。「現実とはやや離れたSF風味の異世界」で
「試験前に浮ついている主人公」と「それを遠回しに気遣う姉」
というのをおおまかに提示したつもり、ではあるのですが……。
もう少し何か削らないといけないかなぁ。情報の取捨選択、なかなか難しいです。

1133946:2006/02/16(木) 01:56:01
お久しぶりです。
以前アップさせて頂いた作品がだいぶ出来上がりましたので、
一度みなさんのご意見を伺いたく参りました。
かなり長いですので無理にとは申しません。
もしお時間があって気が向くようでしたら何かご意見をお願いしてもよろしいでしょうか。

以前と同じく、テキスト形式とword形式の両方を用意させて頂きました。

テキスト形式
ttp://wannabee.mine.nu/uploader/files/up0099.txt

word形式
ttp://wannabee.mine.nu/uploader/files/up0100.zip

word形式はサイズが大きいのでzipに圧縮してあります。
やはり私としては傍点やルビの関係上word形式を推したいのですが、
今回は圧縮もしてあるので、ご面倒でしたらもちろんテキストの方で構いません。
よろしくお願いします。

1134イラストで騙す予定の名無しさん:2006/02/16(木) 02:41:30
>>1133
自分の原稿もあるから、精読したわけじゃなくてすまんが……一応通して読んでみた。
文章に難はないと思う。あくまで文章自体には。
気になったのは構成の偏りかな。例えば、OH課の説明なんかずっと続いてバランスが悪い。
思わず流し読みしたくなってくるのはつらい。上手く織り交ぜた方が良いと思う。
あと、中盤の山場に至るまでの間が長くて、少し退屈したのもある。
一応は謎が提示されてるけど、個人的には畳み掛けてくれた方が面白いし、興味も湧く。
ただ山場まで入ると読ませてもらえた。読んで欲しいポイントはしっかり抑えてあったってところかね。
エピソードなり何なりを再考すれば、もっと良くなるんじゃないかな。

11351133:2006/02/16(木) 03:33:54
>>1134
早速のご意見ありがとうございます。

やはり前半のダレが問題ですか……
これでも前半部分は当初より削ったんですがねw
自分でもまだ満足はしていませんでした。
説明の長さをなんとかしないとなあ。
でもあそこで説明しないわけにもいかないし……

難しいです。
まだ時間はありますので、いろいろと考えてみます。

では。ありがとうございました。

1136イラストで騙す予定の名無しさん:2006/02/16(木) 13:47:27
>>1131
>かけられた声に、新作のチョコレートを吟味しといた手と、勢いづいていた言葉とが止まった。
>「……弓江?」
このセリフの……は振り向く間みたいなのだろうと思うんだけど、

>「……こんな時間にお菓子の買い込み? (省略
この……が呆れを示しているのか、只の間なのかが分かり難い。
というか、ぶっちゃけなくてもいいんじゃ?

1137キャンタマの人:2006/02/16(木) 15:57:14
>>1136
カゴ及び中身を見た時の間です
わかりにくいなら消したほうがいいか
作者のオナヌーじゃしょうがないですもんね……

1138イラストで騙す予定の名無しさん:2006/02/16(木) 18:18:08
>>1137
それならカゴの中を一瞥して云々と、そういう描写をきっちり入れればいい。
「……」って無言とか、ちょっとした間を示すことはできても、
その間に何をしてるのかなんてのは前後にある程度書き入れないと分からないぞ。

11391138:2006/02/16(木) 18:20:28
あ、一行目ちょいと訂正。
それなら「先に」カゴの中を一瞥して云々と、そういう描写をきっちり入れればいい。

11401133:2006/02/16(木) 19:16:07
すみません、ちょっと2chのほうでややこしいことになってしまいまして……
消させて頂きました。
勝手なことをしてしまい申し訳ありません。

1141イラストで騙す予定の名無しさん:2006/02/16(木) 20:04:16
>>1140
今回は運が悪かったね。
取り敢えず気を落とさずに頑張ってくれ。
全文晒した訳じゃないし、まだ一ヶ月以上あるから、その気になれば改変出来るよ。

1142イラストで騙す予定の名無しさん:2006/02/16(木) 20:59:52
>1131
文章自体は普通に読めた。
でも「せいせいした。」の「。」は要らないのでは。
それとよく見ると最後が「嫌みたしく言う」で脱字。
最後から二行目のセリフの頭は別に「……」がなくてもいいと思う。そのくらい。
ただ個人的には、根本的に独り言言わせるの自体がどうかなってのはある。
理由は二つ。コンビニで独り言呟いてたら不審な感じがすることと、
一種の説明ゼリフみたいな感じがすること。普通に心情書けばいい気がする。
もともと独り言の癖があるとかだったら別にいいです。

1143キャンタマの人:2006/02/16(木) 23:18:22
>>1138
むしろ弓江の……は消したほうがいいかな、という気になってきたorz
>>1142
独り言言ってる理由は三つあります

1.迷っている自分を説得中
2.思念会話してくるシルフ(馬)のせいで癖になった
3.直後のシーンで、弓江の「綾華から聞いてはいたけど、独り言多くなったわね」的な発言につなげたい

ってか誤字……「……」を消したついでに必要な物まで消してどうする俺orz

1144イラストで騙す予定の名無しさん:2006/02/17(金) 14:09:22
>>1143
これは批評じゃないんで、素人の戯言というか寝言だとでも思ってくれ。
晒した分しか読んでないからハッキリとは言えないけども、
セリフの冒頭に「……」を入れるのが半ばクセになってない?
>>1103でもそうなんだけど、割と無くても成立するか、
その「……」を描写に置き換えられそうな箇所が他にも多々ありそう。
余裕があったらでいいから、ちょっと見直してみたら良いんじゃないかな。

以上、寝言でした。

1145イラストで騙す予定の名無しさん:2006/02/19(日) 20:21:29
彼女と僕が出会ったのは、桜が舞い始めた季節だった。

僕はいつものように、図書館で昼寝をしていた。
春の日差しがとても気持ちが良い。
ただゆっくりと過ぎてゆく時間。
それが僕にとっては、とても大事な時間だった。
授業は出ない。出ても仕方がないと思っていたから。
何もかもが面倒だった。
そんな時、いきなり声を掛けられた。
「こんにちは」
振り向けばそこに黒髪の少女が立っていた。
綺麗な娘だ。正直にそう思った。
「誰?」
知らない女の子だった。
そもそも今は授業中だ。僕みたいな怠け者が他にいるとも思えない。
一体、この子はなんなんだろうか。
「そんなことはどうでもいいの」
訳の分らない事を言う。
「僕は見ての通り昼寝をしてるんだ。邪魔しないでくれよ」
そう言った僕は、とても不機嫌な顔をしていたに違いない。
彼女はそんな僕の様子にひるむ様子は見せなかった。
ただ語りかけてくる。
「君はいつもそうしているの?」
僕は答えない。
「不思議な人」
僕からしてみれば彼女の方がずっと不思議だ。
授業中にもかかわらず、図書館で惰眠を貪る不良生徒に、嬉々として声を掛けるなんて。
もしかして、図書委員だろうか?
こんな所でさぼっている生徒を注意しようというのか?
いや、ありえない。
じゃあ、彼女は何者なんだろう?
「ねぇ、遊ばない?」
本当に彼女は何を言っているのだろう。
「今は授業中だろう?」
僕も何を言っているのだろう。そんなことは分かり切ったことだ。
「あなたもさぼってるじゃない」
ああ、そうだ。彼女の言うとおりだ。
何も言わないのを肯定と受け取ったのか、彼女は僕の手を引いて立ち上がらせようとする。
「ちょっと待ってくれよ」
言っても聞く様子は無い。仕方なく立ち上がる。
「さぁ、どこに行こう?」
無邪気に聞いてくる。とても楽しそうだった。
「どこへって……」
「商店街でいい?」
戸惑う僕に、彼女はただ喋り続ける。
手を引かれたまま、僕は図書館を連れ出されてしまう。
握った手から彼女の体温が伝わってくる。
なんだか、とても気恥ずかしかった。
幸いにも、玄関を出るまで教員には出会わなかった。

結局その後、彼女に連れ回されて一晩中遊び回った。
どこを回ったのかは良く覚えていない。
ただ、楽しかったことだけは鮮明に思い出せる。

これが、彼女との出会い。



主人公の回想シーンです。
なんというか、ふわふわした印象が出てればいいんですが。
どんなもんでしょうか。

1146イラストで騙す予定の名無しさん:2006/02/19(日) 21:34:57
ふわふわというよりぼやけた感じがする。
全体に描写不足じゃなかろうか。

1147イラストで騙す予定の名無しさん:2006/02/19(日) 22:40:48
彼女と僕が出会ったのは、桜が舞い始めた季節だった。

僕はいつものように、図書館で昼寝をしていた。
開いた窓から入ってきた淡い色の花びらが、ひらひら夢の中に落ちてくる。
春の日ざしは優しく暖かで、とても気持ちが良かった。
なかば夢の中、ただゆっくりと過ぎてゆく時間。
僕にとっては、とても大事な時間だった。
目を閉じた暗闇に、くるくると舞う桜の花びら。

 夢の中で声を聞いた。
目を開けると、そこが夢の続きであるかのように、机の上に花びらが一枚、落ちていた。
 窓からの春風が、さあっ……と部屋を駆け抜けた。
 振り向けばそこに黒髪の少女が立っていた。
綺麗な娘だ。なかば夢うつつにそう思った。
 同じ学校の制服だが、知らない女子生徒だった。
 彼女は髪を風に乱されぬよう押さえながら、何かいいことを思いついたように微笑んでいた。
「遊びにいかない?」
 彼女がいった。
 それもいいかも知れないな。僕は思った。
 どうせ学校にいても、自分にできることは何もないんだから。
 僕は春の優しい風に背を押され、彼女に手を引かれて立ち上がった。
 彼女の手は、春の日差しのように優しく、あたたかかった。

 それからは、よく憶えていない。
 目を覚ましたとき、夢の記憶がないように。
 でも、夢の中での感情だけは憶えているように。
 彼女と遊んでいた時間が、ただ楽しかったことだけは憶えている。

 これが彼女との出会いだった


こんな感じでどうよ

11481145:2006/02/19(日) 22:57:35
>>1146-1147
アドバイスありがとう。
描写をちょっと考え直してみます。

1149イラストで騙す予定の名無しさん:2006/02/20(月) 04:19:37
 まず、彼女との出会いについて話そう。
 僕と彼女との出会いは、言うなればドラマチックな部類だった。ドラマチック。"嘘み
たいな嘘、のような"という事だ。また"思い出すと赤面したくなるような"という事でも
ある。つまり、僕と彼女との出会いは嘘みたいな嘘に似ていて、思い出すと赤面し
たくなるようなものだった。
 季節は春で、たぶん新学期が始まったばかりの頃で、桜はちらほらと花びらを落と
し始めていた。
 僕は図書館で昼寝するのを日課としていた。机に突っ伏して無為な時間を過ごす
ことに喜びを見いだせる人種だった。授業もろくに出なかった。予鈴が鳴って、いそ
いそと書棚を行き来する学生を後目に、僕は惰眠を貪った。
 その日も、僕は昼寝を決め込んでいた。授業はとうに始まり、図書館はしんと静ま
りかえっていた。
「こんにちは」
 唐突に、僕の後で声がした。僕はぎょっとして飛び起きた。振り返ると、見ず知らず
の少女が椅子に寄りかかって微笑んでいた。
「誰?」
 僕は訝しげに尋ねた。人の安眠を妨げるような趣味を持った知り合いは僕に居な
かったし、授業をふけて図書館に来るような知り合いも居なかった。ましてや、女子
なら尚更だった。
 少女は少し肩を竦めて、
「そんなことはどうでもいいの」
 口笛を吹くような、軽い声で言った。本当に心の底からどうでもいいと思っている声
だった。
「僕は見ての通り昼寝をしてるんだ。邪魔しないでくれよ」
 と、僕は言った。言葉の端々に精一杯の不機嫌を込めた筈だったが、少女は意に
介さなかった。
「君はいつもそうしているの?」
 大きな目を僕の方へ向けて、心なし首を傾げた。
「不思議な人」
 そう言って、また笑った。僕は何も言えなかった。ただ、笑うと左の頬にえくぼが出
来るんだな、と思った。誰なんだろう、とも思った。じっと見つめていると、少女は椅
から
手を離して、くるりと回った。
「ねぇ、遊ばない?」
 まるで芝居の一幕みたいに、細い手をそっと僕に差し出した。
「今は授業中だろう?」
 僕が言うと、少女は大きな目を瞬かせた。
「あなたもさぼってるじゃない」
 その通りだったので、僕は何も言い返せなかった。

なんとなく似非春樹風味にしてみた。書いてる間は少し楽しかった。今は反省している。

1150イラストで騙す予定の名無しさん:2006/02/20(月) 05:05:49

 僕が彼女と出会ったのは、丁度、校庭の桜花ははらはらと舞い散り、心も漫ろに
なるような季節であった。
 彼女との出会い。ああ、僕は今もその光景を明瞭に思い出すことが出来る。あの
日の彼女の仄かな笑みと、穏やかな春の日射しとは、僕の心に一生涯残り続ける
であろう。
 それは、僕の通う学校の図書館での出来事であった。
 とうに授業も始まり、薄暗い書架の間には人影も絶え、深閑とする館内で、僕は机
に突っ伏して眠っていた。こうしていると僕は満ち足りた気分になることが出来たの
である。
 そのまま、しばらく眠っていただろうか、
「こんにちは」
 と鈴鳴る声で話しかけられ、僕ははっと目を覚ました。きょろきょろと辺りを見回し、
それから振り返ると、黒髪を腰にまで垂らした少女が僕を見下ろしていた。
 僕は息をのんだ。少女は目鼻立ちのきりりとした、利発そうな顔をして、なにより美
しかった。
「誰?」
 思わず、僕の喉から声が漏れていた。そして、それは僕の芯からの疑問でもあっ
た。目の前に立っているのは、見も知らぬ少女であった。これほどに美しい少女が、
何を考えて、こんな時間にここに居るのか。そして何故、僕のような人間に声をかけ
ねばならぬのか。
 すると少女は、
「そんなことどうでもいいの」
 言って、くすくすと笑った。僕は憮然と見上げるだけであった。何がどうでもいいの
か、皆目分からなかった。
 僕は不意に、彼女に対して反感を覚えた。馬鹿にされているような気になったので
ある。
「僕は見ての通り昼寝をしてるんだ。邪魔しないでくれよ」
 思い切り不機嫌そうに言ってやったのだが、彼女は平気な顔をして、
「君はいつもそうしているの?」
 答えるのも癪であったので、僕は黙った。彼女はきらきらとする目で僕の顔を覗き
込み、
「不思議な人」
 そう言って、再び笑った。
 僕にして見れば、不思議なのは彼女の方であった。何を考えているものやら、さっ
ぱり分からない。図書委員ではあるまいかと思ったものの、いや、図書委員といえど、
授業は出なければならぬ。こんな所に居る道理は無い。
 僕が渋面で考え込んでいると、
「ねぇ、遊ばない?」
 彼女の手がすっと目の前に伸びてきた。白魚のような、滑らかな指だった。
「今は授業中だろう?」
 驚いて僕が言い返すと、彼女は心外だと言わんばかりに目を見開いた。
「あなたもさぼってるじゃない」

寝付かれないので今度は似非横溝風味にしてみた。書いてるあいだはすごく楽しかったが全然似てない。これから反省して寝る。

11511116:2006/02/21(火) 19:00:40
また場をお借りします。
指摘を受けた点に留意して一通りリライトしてみました。
ttp://wannabee.mine.nu/uploader/files/up0103.txt
ご意見、ご感想書き込んでいただけると幸いです。
よろしくお願いします。

1152イラストで騙す予定の名無しさん:2006/02/21(火) 22:32:44
もの凄く些細なうえに個人的感想だけど、
もう少し改行多くした方がテンポよくなるとおも。
文体とかは上手いと思うから、
それだけにかっつめ過ぎ文章で目が滑ってしまいそうになるのは惜しい。

11531116:2006/02/21(火) 22:59:32
感想ありがとうございます。
まだ長文癖が抜けてないみたいです……。
もう少し改行ポイントを考えてみます。

1154イラストで騙す予定の名無しさん:2006/02/21(火) 23:36:41
>>1116
これから闘技が始まるのだとして、最初はまだあんまり説明を急がなくてもいいのでは?

最初の町で全ての道具が揃ってるより、少しずつ出てきた方が使い方も分かりやすい。
同じように、最初から使う道具を並べず、必要になった道具だけ先に出すぐらいの方が、読みやすいかも。

要は、この次(試合)を匂わす場面設定なら、後で必要になる描写をガンガン外しても、
展開重視にした方が引っ張り込みやすいって意味ね。

基本的に他に問題なさげだから、やっかみ半分で世界観の説明臭さを突っ込んでみた。

11551116:2006/02/22(水) 00:08:55
ご意見ありがとうございます。
必要な分を描写した程度に抑えたつもりだったんですが。
後に回せそうな部分をピックアップして推敲してみます。

1156イラストで騙す予定の名無しさん:2006/02/22(水) 01:24:05
おれも長ったらしい文章好きで、いつもこねくりまわしているから言いづらいんだけどね、
これで賞を狙おうってんならやめといたほうがいいと思う。400字換算で20枚くらい? が
ずっと説明で続く。会話すら説明。
このシーンにあなたなりのこだわりがあるだろうけど、残念ながら改稿してもブラッシュアップ
したとは思えない。
読ませることを第一義に置くなら、たとえば戦闘シーンから入って、辛くも勝利するがオーバー
ヒートで控え室に運ばれ、姉に説教されつつ応急処置のシーンとかいれてそこで読者向けの
説明を挟むとかさ。読者が入り込みやすい導入にしたほうがいいんじゃないかな。

世界を積み上げる作業は、もっとほかの場所でいっぱいできると思う。

11571116:2006/02/22(水) 05:20:59
感想ありがとうございます。
物語をはじめるのに必要だろうと思ったキャラが置かれている状況、心理状態、世界観を
不自然にならないように説明するための描写なので、説明的でと言われればその通りかもしれません。
主人公の問題を提示するところからはじめたかったのですが、それを後回しにするのも手かも知れませんね。
このシーンを没にして別シーンから始めることも考えてみます。うまく臭い消しができるか分かりませんけど……。

1158イラストで騙す予定の名無しさん:2006/02/22(水) 11:06:56
>>1157
いや、もし最後まで流れが決まってるなら、いじるのは区切りがいいところまで書いてからの方がいい。
時系列で書いてしまってからの方が分かりやすいからな。

最初からデッサン無しでイラストを書くとどうなるか、みたいなもんだ。
どこから遡らせるか、どこから始めるか、なんてのは後でも出来るから。

その際、横に複線をメモしておいたり、予備設定をメモしておいて、
そこを切った場合に入れられる準備をしておくべきかな。

11591116:2006/02/22(水) 19:08:14
アドバイスありがとうございます。
とりあえず時系列を前後させずに何とかなりそうです。
伏線設定は別メモで管理するようにしてみます。

1160リアル一次落ち四回目〜家政婦は即死レベルの小説を見た!:2006/03/02(木) 21:05:35
スニーカー一次落ちの小説はこんなレベルです。
ttp://www.eonet.ne.jp/~sonosaki/syousetu/enka.txt

1161sage:2006/03/03(金) 01:06:51
>>1160
向こう側は話題が移ったのでここで。

素材や小道具選びから、センスを感じます。うらやましいです。
ですが素材に何を使うかは決めたものの、それを使ってどんな作品を作るのか
完成イメージを克明にしないまま、曖昧な完成イメージで執筆に入りませんでしたか?
文体・キャラ・設定など細かい物を選ぶとき、どうしたら完成イメージに近づく事が出来るか
確たる指針も決めないまま、ただ「それっぽいもの」を選んではいませんか?

プロット以前の「何を書くつもりなのか」の時点から曖昧である事が、コロコロ時間と雰囲気が変化する
冒頭から伺えます。区切りは露骨に見える位につけないと、読者には区切りの見分けが付きません。
他の方も仰っている時系列の混乱は、全体像と構成を作者さんが把握していないからでしょう。
「何を書くか決める」という事の本当の意味を考えてください。

あと、作中のリアリティが気になりました。
武術・妖術とか人物とかをこういうものです、と地の文で説明するのではなく、作中のエピソードで
語っていかないと、作者の設定を押し付けているだけで、読者には実感が沸きません。
「世渡りがうまく、説得や根回しがきわめてうまい」なんて書かないで、兄弟の会話の中でその性分を
うかがわせる言動をさせる、とか。
文章云々は二の次だと思います。

エンターテイナーの素晴しい資質を持っていらっしゃると思います。
物語の基本を見直せばきっと素晴しい作品が書けると思いますので、お互いがんばりましょう。

1162イラストで騙す予定の名無しさん:2006/03/03(金) 01:07:26
テラハズカシwwwwwwwwww

1163イラストで騙す予定の名無しさん:2006/03/03(金) 01:22:55
ちょっとごめん。これ別スレのために書いてるんだけど、行き詰ってしまった。
タイトル見ればなんとなくドコのスレの住人か分かると思うんだけど、とりあえず向こうには「2」の終わりまでを晒した。
これから晒すのは「3」以降を含めてあるもの。
向こうには完成した状態で晒したいので、こちらで手ほどきをお願いしたい次第であります。
で、「3」の部分から、なんか自分が書こうとしてたのと違うような気がしてるんだけれど、
客観的に見てわくわくできる内容になってるか評価していただきたいのです。
(ちなみにこれとはべつに俺も電撃に向けて今書いてる)。

ttp://www.uploda.net/cgi/uploader2/index.php?dlpas_id=0000011272
あらすじは朝起きて女の子になった28歳の男性が云々というもの。

11641163:2006/03/03(金) 01:28:47
あ、ごめん。パス忘れてた。
DLパス asano

1165イラストで騙す予定の名無しさん:2006/03/03(金) 02:35:30
導入としての役割は十分果たしてると思うよ。
自分の書こうとしてたのと違うとか言われてもわからなくて困るけど。
あと文体で町田康の名前をちょっと思い出したが、
読んだのは随分前なので全然関係ないかも。
ラノベとしては主人公の年齢とかネタとか問題あるかも…スレ用だからどうでもいいか。

11661163:2006/03/03(金) 03:21:54
>>1165
読んでくれて助かる。
3以降で主人公を徐々にロマンチックにさせていこうと思ってるんだけど、
コミカルな部分とのバランスに手こずってしまった。
主人公の性格が変わりすぎじゃないかとか、ふざけすぎで読み手を怒らせたりとか。
でも、導入の役割を果たしてると評価して頂いたんでこのまま進めていく。
町田康。おれ、好きだよ。影響受けすぎて、パクり気味になってるかもしれない。
あと、ラノベでもいける感じにしたつもりなんだけど、ダメか。卑猥すぎるか。
――少年が朝起きて少女ってネタは難しくてできなかった。主人公がアホになりすぎて。

11671163:2006/03/03(金) 04:55:52
>>1160
 どうも書き出される言葉の順序がちぐはぐになってるみたい。
 たとえば主人公が朝起きるときに、
「今日だった」
 って声をあげてから飛び起きてるんだけど、
 普通はガバッと起きてから(あるいはいつもと変わらぬように起きて)、
 あ、やべえそういえば! みたいな反応になると思う。
 あとこの場合の台詞が適切じゃない。
「今日だった」って反応じゃなくて「何をしなきゃならんのか」ってことが、
 意識にのぼると思う。
 他にもそういうところがあるみたいだから、
 それに気を配れば余計な台詞が省略されて自然になると思う。
 話の序盤はインパクトのある出来事が配置されてて、
 やってることは間違っていないと思う。
 ただ、こういう「かっこいい殺人者少年」を書くためには、
 かっこいい少年のかっこ悪さを知る必要があると思う。
 まずは「かっこいい少年」になりたがる自分を客観的に見て、
 どうして自分はかっこいい少年になりたいのかってのを考えると、
 自分のかっこ悪さが見えてきて、そうすると、結構面白いもんが書けると思う。
 いや、かっこ悪い自分を直視しなきゃならんのは、かなり辛いと思うけど。
 と、こんな長々書いてる俺は一度も作品を仕上げたことがない。
 作品を最後まで作り上げることができるってのは尊敬できる。

1168リアル一次落ち四回目〜家政婦は即死レベルの小説を見た!:2006/03/03(金) 07:07:19
>>1161
読んでくださってありがとうございます。
構成が煩雑すぎる、焦点が甘い、描写不足、ということですね。
参考になります。

>>1167
ありがとうございます。
煩雑すぎるという問題は読んだ方ほぼ全員のおっしゃることで……
そのラインをまず考えてみます。

1169イラストで騙す予定の名無しさん:2006/03/05(日) 07:58:36
てすと

1170イラストで騙す予定の名無しさん:2006/03/05(日) 15:37:29
ここは晒せるのは一部だけでしょ。
長編晒したいときはどこのスレ行けばいいの?

1171イラストで騙す予定の名無しさん:2006/03/05(日) 17:47:17
ラノベならこっちで良いんじゃない?↓
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/2689/1138708785/l50

1172イラストで騙す予定の名無しさん:2006/03/07(火) 17:48:00
 現在執筆中のファンタジー小説の一部です。
 ファンタジーだけどテレビもゲームもある世界です。
 終盤あたりのテンポよく進めたい場所なのに、
ごちゃごちゃしてる気が……。
 勇者と魔王が親友、王様がラスボス(?)です。
 キキは勇者のサポートをする神殿の巫女。

「これを……」
「これは?」
「魔王を倒すことができる、唯一無二の武器です」
 布に包まれた何かを、キキが差し出した。勇者は受け取ると、その布をはぐ。
 布にくるまれていたのは、単純な武器。柄の部分が細く、先のほうが広がっている。それはどこからどう見ても――RPGの勇者の初期武器としておなじみ、ヒノキノボウ。
「ヒノキノボウで魔王が倒せるか!」
 女性を怒鳴りつけるなんて、どれほどぶりだろう。勇者は思わず叫んでいた。肝心のキキは不満げな表情を浮かべ、唇を尖がらせる。
「ヒノキではありません。聖樹ユグドラシルの幹から彫り出した聖剣です」
「フォルムの問題だ、フォルムの!」
「わたくしの造形技術に問題があるとおっしゃりたいんですか? 見てください、この手のマメを。徹夜で製作したんですよ!」
 右手を腰に当てて、どこか偉そうに左手のひらを見せた。手のひらの丸く腫れたタコをマメと認識するのなら、マメはある。しかしそんなもの勇者の手にはいくつもできている。
 だが、勇者にはその言動以上に引っかかるものがあった。
「徹夜って……つくりたて? ありがたみなさすぎるぞ! 初代勇者の武器は?」
「初代勇者様といわず、今までの勇者様方は争いがお嫌いでしたから。もし戦う場合でも銃をお使いに」
 そういってキキは銃を撃つ真似をしてみせる。
 勇者は完全に切れた。完全に切れてみると、頭の中は冷静なことに気づけた。
 チラリと『最終兵器』に視線を移せば、他国を侵略するための『最終兵器』は自国の城を瓦礫にしようとしていた。威厳の威の字もないデブ王は泣き叫びながら頭部にしがみついている。あのあたりに、魔王が動力になるためにつなげられているはずだ。
(どうすれば――)
 勇者は考え始めていた。
(どうすれば、王を事故死に見せかけて殺しつつ魔王を助けることができる?)
 勇者は本気でそう考えていた。

1173イラストで騙す予定の名無しさん:2006/03/07(火) 18:51:57
>>1172
おおむね問題なしでは(`・ω・)でもリライト。多分あんま変化ない。むしろ変になってるかも。

「これを」
「……これは?」
「魔王を倒すことができる、この世界で唯一の武器です」
 古めかしい布に包まれた”何か”を差し出すキキ。勇者は受け取り、その布をはいだ。
 埃舞う中、勇者が見たものは――棒だ。柄の部分が細く、先のほうが広がっている。それはどこからどう見ても――RPGの勇者の初期武器としておなじみ、ヒノキノボウ。
「ヒノキノボウかよ!!」
 勇者は反射的にツッコんでいた。肝心のキキは不満げな表情を浮かべ、唇を尖がらせる。
「ヒノキではありません。聖樹ユグドラシルの幹から彫り出した聖剣です」
「フォルムの問題だ、フォルムの!ていうかどう見ても剣じゃねーだろ!棒!これは棒!よく見て!」
「……わたくしの造形技術に問題があるとおっしゃりたいんですか? 見てください、この手のマメを。徹夜で製作したんですよ!」
 右手を腰に当て、どこか偉そうに左手のひらを突きつけた。手のひらの丸く腫れた小さな水ぶくれをマメと認識するのなら、マメはある。
 勇者は視線を落とし、自分の手のひらを見た。幾つものタコと傷がそこにあった。誇らしげなキキの顔を見て、勇者はがっくりと肩を落とした。
 半泣きの勇者は、キキの言動以上に引っかかるものを思い出した。
「徹夜って……もしかしてつくりたて?」
「もちろんです!新品ホヤホヤ。私の愛が篭ってます。キャッ」
「『キャッ』じゃねえええ!ありがたみなさすぎるぞ! 初代勇者の武器は!?」
「初代勇者様といわず、今までの勇者様方は争いがお嫌いでしたから。もし戦う場合でも銃をお使いに」
 そういってキキは銃を撃つ真似をしてみせる。何故か笑顔でウインクをしていた。
 勇者は完全に切れた。完全に切れてみると、頭の中は意外と冷静なことに気づけた。
 チラリと『最終兵器』に視線を移す。
 他国を侵略するための『最終兵器』は自国の城を瓦礫にしようとしていた。
 威厳の威の字もないデブ王は泣き叫びながら頭部にしがみついている。あのあたりに、魔王が動力になるためにつなげられているはずだ。
(どうすれば――)
 勇者は考え始めていた。
(どうすれば、王を事故死に見せかけて殺しつつ魔王を助けることができる?)
 勇者は本気でそう考えていた。

1174イラストで騙す予定の名無しさん:2006/03/07(火) 19:00:51
>>1172
既存のRPGというか、DQのブランドイメージにぶら下がりすぎかと。
その割には毒が少ないので、「分かってやってるパロ」というよりも「借り物イメージの再構築」にしか見えない。

11751173:2006/03/07(火) 19:09:03
うわー、自分のリライトしてぇ('A`;)
真ん中らへん

 勇者のツッコミに全く動じる様子を見せず、キキは右手を腰に当ててどこか偉そうに左の手のひらを突きつけた。
 つるつるとした肌。の中にいくつか見える、赤く腫れた小さな水ぶくれをマメと認識するのなら、マメはある。
 勇者は視線を落とし、自分の手のひらを見た。幾つものタコと傷がそこにあった。誇らしげなキキの顔を見て、勇者はがっくりと肩を落とした。
 半泣きの勇者は、キキの言葉の中に、彼女の言動以上に引っかかるものを思い出した。
 「そういえばさっき徹夜って……もしかしてつくりたて?」

1176イラストで騙す予定の名無しさん:2006/03/08(水) 15:13:51
>>1172
一度持ち上げて落とす方がメリハリが効くと思う。

↓ただの木の棒かと落胆する。
↑実は魔王を倒せる武器です。
↑勇者 幾度の戦いを経ているはずなのにまるで新品のようだ、実はすごい武器なんだ。と自分に言い聞かせる。
!キキ 頑張って作ったんですよ。と手のひらを見せる
↓↓↓勇者 ああああやっぱりただの木の棒だ

こんな感じ。

>>1175
去年一次落ちの実力を見せてやる!
……だめっぽ

「……わたくしの造形技術に問題があるとおっしゃりたいんですか? 見てください、この手を。徹夜で製作したんですよ!」
 キキは右手を腰に当て、どこか偉そうに左手のひらを突きつけた。荒事とは縁の無い、柔らかそうな手のひらが赤く腫れ、細い指先にはいくつものバンドエイドが貼ってあった。
(剣を握る事を許された頃、俺はこんな手をしていたっけ)
 勇者は幼い日を思い出した。
(あの頃の手のひらは、いつでも擦り剥けて痛かった。でもその痛みが、一人前に近づいた証に思えて嬉しかった)
 勇者は視線を落とし、自分の手のひらを見た。マメの上にタコができ、鎧のようになっている。いつのまにか剣を振るっても痛みは感じなくなっていた。
 勇者は横目でキキを覗き見た。キキは胸を張って勇者を見ていた。勇者とキキは目が合った。キキは微笑んだ。勇者は目をそらした。
 そして勇者は何も言えずに肩を落とした。

シリアスEND ここからギャグ

1177イラストで騙す予定の名無しさん:2006/03/10(金) 18:37:49
 ご感想ありがとうございます。
 勇者をキレさせるファクターとして、
キキのおちゃらけがもうちょっと多いほうがよさげですかね。
(`・ω・)

1178那賀 健比古:2006/03/12(日) 00:57:50
お久しぶりです。前回、主人公が作戦飛行に赴く場面でアドバイスを頂きましたが、今回は
魔法戦の描写で、少々煩雑過ぎるかなと迷い晒してみました。

黒羽は爆弾庫に戻り、ア号の電源を予熱から作動に切り替えた。『オルゴン箱』と『テスラ
管』が通電し、活動状態に成った増幅回路が羽虫の様な低周波音を上げた。
 電子工学において、増幅回路は蓄電器と真空管の組み合わせで構成される。ア号兵器のオ
ルゴン箱は一種の霊的蓄電器として設計されており、これを回路に組み込む事で魔力を電気
的に増幅する事が可能となる。
 しかし術の機械的な入力手段は未だ確立されていない。
 受話器では呪文を大きくしたり無線伝達するのが関の山だ。複雑な術の増幅に利用するに
は、術者自らが回路の一部と成って霊的変調を加える必要が有る。その為ア号の操作盆はオ
ルゴン箱の中に設えてあり、内部で術を行使する事で氣を変調するよう設計されていた。
 氣圧を保つ二重扉を開けて黒羽はオルゴン箱の中に入った。狭い潜り戸を苦労して抜ける
と、内部では四橛に囲まれた護摩檀と、その前に置かれた操作盆がほのかな壇灯に照らされ
ていた。
 黒羽は背嚢から護摩炉を取り出すと、檀に据えて固形燃料に点火し香を供える。
 かぐわしい香の匂いが立ち込め、煙が壇灯の光を拡散して幻想的な雰囲気を醸し出す。操
作盆に結跏趺坐した黒羽は、調息して魔術儀式に先立つ清めを開始した。一言毎に素早く印
を結び替えながら九字真言を唱える。
「臨!」と唱えながらまず『普賢三昧耶印』を結ぶ
「兵!」と唱えながら次に『大金剛輪印』を結ぶ
「闘!」と唱えてながら結ぶ『外獅子印』
「者!」と唱えて結ぶは『内獅子印』
「皆!」と唱えて結ぶ『外縛印』
「陣!」と唱えて『内縛印』
「列!」と唱え『智拳印』
「在!」と『日輪印』
「前!」『隠形印』
 ダン!
 床を蹴って片膝を立てた黒羽は続けて『刀印』を結び、再び九字の掛け声を唱えながら護摩
檀の上を横に五回、縦に四回切り払い邪気を祓った。
「臨兵闘者皆陣列在前!」
 一瞬、空間に格子状の光の線を観想する。オルゴン箱に集積された雑氣が聖別され、活性化
した霊氣が鼓動を始めるのが感じ取れた。
 祭場の払いを終えた黒羽は、この作戦の主目的である越盟の調伏を開始した。修法は『愛染
明王の一夜護摩』。最も一般的な修法である不動護摩の本尊を、敬愛を司る愛染明王に替えて
行うものであり、恋愛成就や異性の獲得に大きな効果があるとされている。
 と言えば少々いかがわしい響きが有るが、調伏に用いた場合は敵を術者の意のままに出来る
とされている。『不動護摩』やより強力な『大威徳明王護摩』よりも、こちらの方が作戦目的
に合致していると考えての選定であった。
 そう、人の考えを変えてしまえるのだ。外法を用いる事への罪悪寒や己の業を汚す不安を感
じながらも、国を救う使命と戦友たる仲間達――特に婚約者の御門――の期待に答える為にそ
れを押しのけて精神を集中させる。

1179イラストで騙す予定の名無しさん:2006/03/12(日) 03:41:09
>1178
馴れ合いしたって成長するわきゃないから、あえて辛口で行かせて貰う。
まず、増幅回路は信号にバイアスをかけることで大きな出力を出せるようにするものであって、君の説明とは全く違う。
電子回路はオタクの教養みたいなもんだから無意味な嘘吹かしたって、反感買
うだけ。同じつまらないでも薀蓄ならまだ価値があるが、俺設定を長々と垂れ流しても無意味どころか不愉快。改善できないならカットすべき

次に、『なんちゃらかんちゃら印』って一体どんなだ。読者は(密教に興味が無い限りは)そんなもの知らないんだから、その一言で済ませるのは描写の放棄でしかない。そのくせそれ以外の文では、いかにも描写に(あらぬ方向に)力を入れてる風で失笑を誘う

結論として、古橋の二番煎じにさえなってない、ただの古橋のパクリ。

1180イラストで騙す予定の名無しさん:2006/03/12(日) 04:58:52
>>178
当方仏教系大学卒(仏教学部ではない)
結跏趺坐と九字の使い方に問題があるから突っ込み。

まず、結跏趺坐について。仏教の座法の一種で、実は何種類もある。
他の人間が結跏趺坐と書いても許されるだろうが、
>>178は他の用語を細かく書いているから、ちゃんと書かないと勉強不足と思われる危険がある。
あと、結跏趺坐から片膝をつく描写があるけど、こういう厳密な儀式ならば全跏趺坐だよな?
両足首が逆足の太ももに乗っているから、一度足を崩さないと片膝立ちとか無理だと思う。
無理やりやろうとしたら派手にコケるのではないかと考えられる。
しかも両手は印を結んでいるだろうから、無防備のまま顔面を痛打する危険がある。
両手をポケットに入れたまま二人三脚をするようなものだからお勧めできない。
大体、禅の座法っていうのは、長時間動かないでいる事に特化しているから、アクションには向かない。
今回の晒し文の中にはないが、もし滝修行とかさせるシーンを考えているならやめた方が無難。
結跏趺坐中は体の重心位置が変化するから、顔が水面より下にある状態で安定する。
かなり危険。

あと、これは自信がないんだけど、九字の法の順番あってる?
昔、曹洞宗の僧籍もってる友人にやってもらったけど
印印印印印印印印印印印 →↓→↓→↓→↓→
ではなくて 
臨→印 兵↓印 闘→印 者↓印 皆→印 陣↓印 列→印 在↓印 前→印
て感じだった気がするんだけど、その辺資料調べてる?
まぁ九字専門なら真言宗辺りだろうから違いがあるのかもしれないけど……

最後に、専門用語というのは、危険物だから避けた方がいい。
一般人はそんなもの知らないから、説明するだけでページ食ってしまう。
知っている人は専門家で、数年勉強した程度だとボロがでる。

おとなしく普通の中高生が知っている知識の延長で書いた方がいいと思う。

1181イラストで騙す予定の名無しさん:2006/03/12(日) 12:46:56
おろ、言葉、印、⇒の順を繰り返すとおもてた
刀印のが先か

1182イラストで騙す予定の名無しさん:2006/03/12(日) 17:07:34
駒澤大学だな。

1183イラストで騙す予定の名無しさん:2006/03/12(日) 19:12:00
あまり詳しい説明や描写を入れるより、ハッタリと勢いで押し通した方がいいんじゃね?

1184那賀 健比古:2006/03/12(日) 20:29:34
矢張り疑似科学は反感を買うものでしょうね。それに『増幅回路』も、『発振回路』とゴッチャに成っていました済みません。
「増幅回路」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A2%97%E5%B9%85%E5%9B%9E%E8%B7%AF
「発振回路」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BA%E6%8C%AF%E5%9B%9E%E8%B7%AF

さて結跏趺坐は仰る通り、気を付けないと座禅転がしに成ってしまうので、九字を切る段階では半跏趺坐にしておきます。
厳密な儀式では全て結跏趺坐にしておくべきなのでしょうが、視覚的効果として片膝を付く場面を優先したいので。
九字護身法についてですが、密教系で『九字を結ぶ』のと『早九字』を切るのをそれぞれ一回ずつやらせています。
それを併せて行う方法は初めて知りました、曹洞宗のお話有り難う御座います。
実際には宗派によって『臨兵闘者皆陣列在前』であったり、『臨兵闘者皆陣列在行』であったりします。
また早九字は求める効果に応じて井桁に切る順番が変わったり、もう一字を加えて『十字』を切ったりと変化します。
「九字護身法」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B9%9D%E5%AD%97%E8%AD%B7%E8%BA%AB%E6%B3%95
彫銀(ほりぎん 「九字」
http://horigin.com/shingon/shingon.html
「真言密教入門コーナー」
http://www1.plala.or.jp/eiji/sub6.htm

1185イラストで騙す予定の名無しさん:2006/03/13(月) 00:13:15
 中世風ファンタジーの出だしです

 七月の風が、ウインクルム領を吹き抜け、林檎の樹の梢を揺らした。
「あ……」
 白い頭巾からわずかにはみ出していた黒髪を風になぶられ、イレーネ・ウィンクルムは農作業の手を休めると空を見上げた。
足の下で、木製の脚立が小さく軋む。
 雲ひとつない空には太陽が鮮やかに輝き、光と熱を地上に投げかけている。イレーネは手をかざすと、十六という年齢にして
は幼さの残る顔を、日差しから庇った。木綿の服に包まれたほっそりとした身体は、汗をにじませている。
 周囲には整然と植えられた林檎の樹が長い列を作り、大勢の農婦が手入れをしている。村落のほぼ中央、領主の館が建つこ
の小高い丘は、東面から南面にかけてのゆるやかな斜面が、広大な林檎園になっているのだ。
 イレーネは、この季節のウィンクルムが大好きだった。
 北国であるウィンクルムの夏は短い。七月から八月にかけてのわずか六十日たらずに過ぎず、すべてが雪と氷に閉ざされてし
まう厳しい冬の、半分にすら満たない。
 だからこそ、その夏は宝石のごとくすばらしい。
 春の雪解けと共に目覚めた草木が野山を花々で飾り立て、鳥や獣は昼夜の区別なく生命を謳歌する。
 人の営みもまた例外ではない。農民は畑を耕し、羊飼いや豚飼いは家畜を太らせ、狩人や漁師は豊かな自然の恵みを集める。
そしてそれは、実りの秋が過ぎて最初の雪が降るまで続くのだ。
「いいお天気ですね、姫さま」
 向かいの樹の手入れをしていた中年の農婦に話しかけられ、イレーネは小づくりで控えめな目鼻立ちの顔には愛らしい微笑を
浮かべた。
「ええ、本当に」
 頷くとイレーネは再び手を動かし始める。
 姫、と呼ばれた事から分かるように、イレーネは領主であるウィンクルム辺境伯オトカルの一人娘だ。
 貴族の子女が農民に混じり額に汗して働くなど、王都ゼノンに住まう貴顕淑女には考えられない事だろうが、辺境には辺境の作
法がある。
 ウィンクルムを含めたヴァーレリ河以北に住まう諸族が、オルデント王国に帰服して百年余り。聖教を始めとする中元の文化は根
付きつつあるものの、古くからの習わしが絶えたわけではない。
 かつて独立した部族であり、上も下も一つの運命共同体だった時代の気風が、ウインクルムの民には色濃く残っていた。

11861185:2006/03/13(月) 00:39:17
 改めて見ると誤字御用があったので訂正 orz

 七月の風がウインクルム領を吹き抜け、林檎の樹の梢を揺らした。
「あ……」
 白い頭巾からわずかにはみ出していた黒髪を風になぶられ、イレーネ・ウィンクルムは農作業の手を休めると空を見上げた。
足の下で、木製の脚立が小さく軋む。
 雲ひとつない空には太陽が鮮やかに輝き、光と熱を地上に投げかけている。イレーネは手をかざすと、十六という年齢にして
は幼さの残る顔を、日差しから庇った。木綿の服に包まれたほっそりとした身体は、汗をにじませている。
 周囲には整然と植えられた林檎の樹が長い列を作り、大勢の農婦が手入れをしている。村落のほぼ中央、領主の館が建つこ
の小高い丘は、東面から南面にかけてのゆるやかな斜面が、広大な林檎園になっているのだ。
 イレーネは、この季節のウィンクルムが大好きだった。
 北国であるウィンクルムの夏は短い。七月から八月にかけてのわずか六十日たらずに過ぎず、長く厳しい冬の半分にすら満
たない。
 だからこそ、その夏は宝石のごとくすばらしい。
 春の雪解けと共に目覚めた草木が野山を花々で飾り立て、鳥や獣は昼夜の区別なく生命を謳歌する。
 人の営みもまた例外ではない。農民は畑を耕し、羊飼いや豚飼いは家畜を太らせ、狩人や漁師は豊かな自然の恵みを集める。
そしてそれは、実りの秋が過ぎてすべてが雪と氷に閉ざされてしまうまで続く。
「いいお天気ですね、姫さま」
 向かいの樹の手入れをしていた中年の農婦に話しかけられ、イレーネは小づくりで控えめな目鼻立ちの顔に愛らしい微笑を浮
かべた。
「ええ、本当に」
 頷くとイレーネは再び手を動かし始めた。
 姫、と呼ばれた事から分かるように、イレーネは領主であるウィンクルム辺境伯オトカルの一人娘である。
 貴族の子女が農民に混じり額に汗して働くなど、王都ゼノンに住まう貴顕淑女には考えられない事だろう。だが、辺境には辺境
の作法というものがある。
 ウィンクルムを含めたヴァーレリ河以北に住まう諸族が、オルデント王国に帰服して百年余り。聖教を始めとする中原の文化は根
付きつつあるものの、古くからの習わしが絶えてしまったわけではない。
 かつて独立した部族であり、上も下も一つの運命共同体だった時代の気風が、ウインクルムの民にはまだ色濃く残っていた。

1187イラストで騙す予定の名無しさん:2006/03/13(月) 00:42:02
ス……スマン、改行の関係で非常〜に読みにくい。君のせいでは無いのだが。
それでアドバイスだが、雰囲気は良いけれど出だしとしては、ほのぼのし過ぎて掴みが弱いのでは無いかな?
もちろん想定している出版社によって異なる訳だが。

1188イラストで騙す予定の名無しさん:2006/03/13(月) 10:10:10
>>1186
出だしとしては引きが弱い
描写だけで文章を読ませるのはかなり難しいことだと思うので、
のっけから筋で読ませていくべきじゃないだろうか。

何を描写したいのかが明確でない
恐らく最後の数行の説明を出だしでは行いたいのだろうが、
それが読者にとって知っておかなければいけない情報であるか疑問
で、ここの骨子は「辺境のお姫様」だろうから、
ナウシカを参考にしてみるといいのではないだろうか
ナウシカのオープニングを自分のキャラらしい行動にしてみて文章化するとか

説明が多すぎかも
読者に必要な情報だけに絞って、後はデータとして保存しておいた方がいいかも
あと必要になったら随時提示、後は伏線程度にしておく
説明できるチャンスがあったら、とやっていくと、たるくなってしまうんじゃなかろうか

1189イラストで騙す予定の名無しさん:2006/03/13(月) 14:39:04
>>1186
もし、作品の内容が、田舎のほのぼのとした日常を描く系ならば神描写。

『雲ひとつない空には太陽が鮮やかに輝き、光と熱を地上に投げかけている。イレーネは手をかざすと、十六という年齢にして
は幼さの残る顔を、日差しから庇った。木綿の服に包まれたほっそりとした身体は、汗をにじませている』
の一文を計算して書いてるなら、今期の入選諦めモードだ。

これで普通のキャラ小説だったらがっかりだけどな。

11901186:2006/03/13(月) 22:26:41
御意見、ありがとうございます。
基本的にこのシーンの狙いは、ヒロインのイレーネと舞台になるウインクルムの紹介です。

この後、ほのぼのとした農村がとんでもない災厄に見舞われ、主人公達はその解決に奔走するのですが、
事件が起こる前に、主人公が守りたい『平和な故郷』を、しっかりと描写したいと思いまして。
冗長な説明が続くのは、そのためです。

ただ、確かに掴みが弱いですね。
事件の背景には、15年前にで起こった内戦があるのですが、そのシーンをプロローグとして入れる、
というのはどうでしょうか?
背景は説明せずに戦闘とその顛末だけで押し切り、最後を『十五年の歳月が流れた」で締める。
そして第一章冒頭でのウインクルムの説明に入る、という構成になりますが。

1191イラストで騙す予定の名無しさん:2006/03/14(火) 01:44:33
内戦やってたにしてはずいぶん長閑だなや。

1192那賀 健比古:2006/03/14(火) 22:01:10
難しい手法で私なぞでは手には負えませんが、平穏の中に不吉な前途を暗示させる手法とかも有りますよ。
この会話の後に、林檎の病気が発生していて畑を一区画焼き払う事に成ったとか、或いはもっと暗示的に
鳥や虫に食われた林檎を故意にしつこく丹念に描写するとか。

11931186:2006/03/16(木) 11:29:07
 新しく書いてみた序章。


 急峻な山間に築かれた石造りの城に、激しい剣戟の音が響き渡る。
 ヒヒーンッ――
 哀しげにいなないた馬が横転し、鞍上の騎士を地面に投げ出した。すかさず駆け寄った敵手
が馬上から剣を振るうと、ようやく膝立ちになった騎士の喉を深々とえぐる。騎士は無言のまま、
自身が流した血の泥濘に倒れ伏した。
 勝利した騎士とて、勝ち名乗りを上げる暇すらない。横合いから突きかかってきた槍兵を斬り
倒し、新たな騎士と激しく刃を交える。
 怒号と悲鳴、鋼と鋼がぶつかり合う不協和音、そして濃密な血臭。夕刻を待たずして、ウインク
ルムの城は赤く染め上げられようとしていた。
「負け戦か」
 城の中央に建つ居館、その最上階のバルコニーから眼下の戦況を見下ろし、城主であるウイン
クルム辺境伯ヘルベルトは一人呟いた。いつもの癖で、枯草色の髭に覆われた逞しい顎を撫で
さする。
 すでに城門は破られ、戦場は城の中庭へと移っている。騎士兵士を合わせて五百に満たぬ手
勢で三千近い寄せ手を相手取った一月半。だがいかに武勇と知略の限りを尽くしても、六倍とい
う兵数差を覆すには至らなかった。
「申し上げます!」
 背後から声をかけられ、ヘルベルトは振り返る。そこには、大柄な赤毛の少年騎士が片膝をつい
ていた。小姓の一人で、名をハウエルという。中々に目端が利き、剣や馬も巧みなので、ヘルベル
トは何かと目をかけていた。
「申せ」
「はっ! 先ほど南塔が陥落し、インゼル卿が討ち死になさいました! 残余の兵はベルガー卿が
取りまとめ、ひとまず東の大櫓まで引くとのことです!」
「そうか」
 短く答えると、ヘルムートは踵を返して広間に戻った。この数日というもの、ろくな睡眠を取ってお
らず、甲冑をまとった雄偉な体躯には疲労が重くのしかかっているが、その足取りに乱れはない。
 主だった家臣は各々の持ち場を守って奮戦しているため、今この広間に詰めているのはハウエル
たち小姓組のみだった。
「この場に残った者に伝令を命ずる。皆の間を巡り、こう伝えるのだ」
 疲れきり、薄汚れた十人ほどの若者を見回し、ヘルムートは言った。
「皆の働き、まことに見事。されど、もはや我が方の劣勢は覆しがたし。諸卿らは既に臣下の責務を
完遂せり。この上は降るも逃げ延びるも自侭にせよ――とな」
 思いがけない命令に、沈黙が落ちた。ややあって、ハウエルが震える声で問いかける。
「御屋形様は、いかがなさるおつもりですか?」
「儂か? そうさな、儂なりのやり方で幕を引くよ」
 腰の大剣をぽんと叩き、ヘルムートは莞爾と笑う。
「ならば――ならば我ら一同、最期まで御屋形様にお供いたします!」
 大きく叫ぶと跪き、深々と頭を下げるハウエル。
「ならん!」
 次々と上がった同意の声を、ヘルムートは一喝した。
「すでに命令は下した。貴様らは主命に背くのか? よろしい、分かったならば急ぐのだ」

1194イラストで騙す予定の名無しさん:2006/03/17(金) 22:24:23
>>1193
感想ね。
>>ヒヒーンッ
なんか間抜け。
>>六倍
篭城戦なら、武勇と知略の限りを尽くせば何とかなりそうな数字な希ガス。
戦争関係の何とかの法則とかあったような。
>>莞爾
にこにこって意味じゃなかったか?

1195イラストで騙す予定の名無しさん:2006/03/19(日) 15:48:01
神器=りすかマニアの新作をうp

 そして、アシッドは唐突に腕を振り、腕から噴き出した液体がゼロに降りかかる。
「お喋りはここまでです。これで機動力は落としましたよ」
 ゼロはマグナムを食らわせるために、走りでアシッドに近づく。相手を油断させるためだ。
確かに、普段の脚力よりいくらか筋力が落ちている。
「そんな真正面から来て、ボクに勝てるとでも?」
 そうアシッドが言った瞬間、ゼロシステムを発動。横に回る。そして、
「食らうがいい。ネイキッドマグナム」
 拳をアシッドの身体に撃ち込んだ。
 ドンッ、と音を立ててアシッドの身体が飛ぶ。
だが、吹き飛んだアシッドは攻撃が当たる瞬間、自分を液体化してダメージを和らげていた。
地面に落ちても液体化を維持している。そして、液体のまま高速で目の前まで来ると
再び元の姿に戻りゼロの腕を上から掴もうとした。だが、
「スケルツォ」
 これはリボルバーの効果の一つ、一回見た攻撃は必ず避けれるというスキルだ。
サミット会場で見ていたので避けれたのだが……。
「甘いですよ」
 アシッドの手が液状化し、ゼロの腕に降りかかった。
ジュウウという音をあげて機械の腕が溶けていく。
「クッ……」

1196イラストで騙す予定の名無しさん:2006/03/19(日) 15:48:12
思わず呻きを漏らすゼロ。
 ゼロシステムで緊急回避を行った。十メートルほどアシッドから距離を取る。
「ここからなら攻撃も届かないだろう。シントラクトライフル」
 ゼロが腕をアシッドに向けて思いっきり振り切ると、十メートル離れてるにも関わらず
アシッドの胸に斬撃が加えられた。
シントラクトライフルは百メートル先まで斬撃を与えることが出来るリボルバー内のスキルである。
胸に強烈な斬撃を食らったアシッドは再び液状化し、
「天地制覇の使徒は全員が波動刻印保持者ですよ。これで終わりに。レベル2を使います」
 液状化したまま、ゼロに超高速で近づき、覆い被さろうとしてくる。
「なっ……早いっ……!」
 突然の事に回避を怠ってしまった。だが、ピンチに陥ったとき、ゼロの前に黒い影が現れる。
その影は覆い被さってくるアシッドにこう言った。
「グッバイ、坊や」
 その後ろ姿を見守るゼロだったが、次の瞬間驚愕することになる。
アシッドに自分から腕を突き刺したのだ。
そして覆い被さってくるアシッドに突っ込まれた人物の手が、その瞬間、大爆発を起こす。
一瞬の内にアシッドを蒸発させてしまった。
いったい誰が助けてくれたのか、と落ち着きを取り戻したゼロはゼロシステムでその人物の目の前に移動する。
その人物はバーストだった。バーストは、
「よぅ」と一言。
「なんで私を助けたんだ? 敵同士だろ」
 当然の疑問である。そう問うゼロに彼はこう言った。
「あんたには最後まで残って貰わないといけないんでね」
 バーストの理解不能な行動に疑問を抱くゼロだが、
それを言ったきりバーストは足下を爆発させて跳躍、そしていつも通り姿を消した。

1197批評お願いいたします:2006/03/19(日) 23:16:47
現代学園もの、コメディメインで、ほんのりディテクティブも混じった話です。ネタバレ防止のため
多少改変してますので、主人公の立場などが見えないのは仕様です。ご容赦を。

 大体からして別に、自分の教室を荒らすつもりもない。授業妨害など考えもしない。愉快犯などとんでもないし誰か特定の生徒に恨みを持っている訳でもない。教師にもだ。恨まれる覚えはあってもこちらが恨むのは筋違いというものだろう。どう見ても業務妨害をしているのはこちらのほうなのだから。とは言え業務しているのはこちらも一緒なのだから、間違いを犯したのはこちらの方としても、業務上過失の枕が付く……付かないか。
「うわー! 牛ー!」「逃げろ! ヤっちん逃げろー! 踏まれるぞー!」「ぎゃー俺の鞄踏まれたー!」「章くんのお弁当ー!」「うわーロッカーが! ロッカーが! 奥には俺の秘蔵の……!」「ナニ! てめえ尾村大人になるのは一緒って約束しただろ!」「信じられない!先生、この二人ロッカーの奥に」「あーこりゃこりゃ。今は授業中だぞ」
 猛烈な気まずさも、余計な心配や配慮も、窓をぶち割った時に出来た傷の心配も、洗濯機に放り込まれたまま地震に巻き込まれたような振動に溶けて即座に消え散った。残った理性は体力配分と振り落とされる恐怖と、右手に持ったカメラの保持に割り当てればそれで底を突く程度しかない。
 何をする余裕もない。鐙も手綱もない暴れ牛から振り落とされないようにするだけで精一杯、それもそろそろ牛――ホルスタイン牛――の首輪に引っかかった指が汗で滑りそうだ。牛の背を挟む両足もそろそろ痺れてきた。ぐるぐるとシェイクする視界で牛が教室に斜めの傷跡を刻むのを辛うじて認識しながらそろそろ待避を「うォうっ!」駄目だ尻が痛い少しでも気を抜くと体がロケットみたいに投げ出されそうになる掴め締め付けろ死んでもかじりつけいやむしろ投げ出されたら死ぬ揺れる揺れる伏せろ牛に密着すればああ今度は胸とか顎も突き上げ食らって牛が臭い。
 中学で使ったような学習机ではなく、大学や、あるいはニュースで見る大規模な会議の講堂にあるようなネジで据え付けるタイプの机の上を、興奮した牛が凄まじい勢いで横断した。悲鳴を上げる生徒をよそにその牛は因幡の白兎さながらに机の天板を渡り、そのまま廊下へ飛び出る。
 飛び出た先で、廊下の景色に混じって人型のノイズが視界に入った。
「はっ!」
 ノイズは裂帛の気合を吐いた。続く数瞬については本格的に見識があやふやなので、確かには言えない。ただ人影が動き、牛が悲鳴を挙げ、視界がぐるりと回転し、跳ね上がった牛がついでに押しつけた衝撃を受け自分の体が投げ出され、一瞬の浮遊感の後に脳天がどこかに突き刺さった感触。この一連の流れは確かだ。

1198イラストで騙す予定の名無しさん:2006/03/20(月) 00:17:28
>>1197
文体的には句点読点の省略に冒険というか個性があり、
それでいて、リズム感もあって、きちんと読める。
加点要素はあると思う。

ただ、減点要素もけっこう目につく。

>業務上過失の枕が付く……

牛でひとをはねたら業務上過失致傷?
その手の法律用語を使ったネタは、ラノベ読者に
伝わらないのでは?

>俺の秘蔵の……!

ロッカーの奥に何を隠していたんだ?
さっぱり、わからない。

1199イラストで騙す予定の名無しさん:2006/03/20(月) 00:25:45

>講堂にあるようなネジで据え付けるタイプの机

教室に飛び込んだ牛が、生徒たちに深刻すぎる
ような被害を与えることもなく、それでいて
派手に走り回って、すぐに教室を出ていく。
そういう絵がほしかったのは想像できる。
おそらく、そういう絵のために、牛を机の上に
走らせたかった、と。

でも、君が考えているような特殊な机であっても、
牛が机の上を走ったら確実に壊れるよ。

それに、普通の高校に何でそんな特殊な机があるん
だよという、いらない疑問を読者に持たせる。

もう、机は普通のものにして、牛がまともに教室の机の
列の間を走り回ってもよいのでは?
机も生徒も派手にぶっとんだりするだろうけれども、
ギャグだったら「奇跡的に」死傷者なしで許される
ケースだと思う。

後のツッコミは他に譲る。

1200イラストで騙す予定の名無しさん:2006/03/20(月) 01:26:29
ヘンとヘンをあつーめてーもっとーヘンにしーましょ♪

うる星みたいに勢いだけで突っ走って、あとは知らんぷりでいいんじゃないか?

1201イラストで騙す予定の名無しさん:2006/03/20(月) 10:05:57
うわー、何かもう、自信がすさまじい勢いで無くなっていく〜orz
一年くらい前に書いたやつの書き出しですが、今はこれを越える事ができないので、微妙に修正しつつ凹
思っきしつっこんでやってくださいっ。


 黒とも茶とも言えるほど曖昧な色合いの岩壁が、それまで視界のほぼ全てを覆っていたが、急に目が痛くなる様な青が広がったので男はそこが「端」だと思った。一般的に括ってしまえば、そこは端ではない。
 平べったい世界地図では東に位置している、緑の大陸(ビリジアン・グラウンド)。緑が豊富にある事から名付けられたこの大陸の端と端の間で、そのどちらとも言いがたい場所だ。不毛の岬と呼ばれている。
 それでもなお、男は今いる場所こそが端だと思った。彼にしてみれば、陸が無くなったと感じた場所が、世界の端っこだからだ。
 男は、切り立った崖の先端に行こうとした。
 寝て起きたばかりの頭に、空と海の青を染み込ませ、まだ眠ったままでいる思考を動かせたかったが、道とは言えない道の幅より少し大きめの物体が、まるで岩石の様にこんもりと通せんぼをしていた。彼にとっては見慣れた光景だ。
 昨日、その生き物の懐で眠ったのも覚えている。
 不規則ではありながら、安定した膨張と収縮の繰り返し。要するに睡眠状態。

1202イラストで騙す予定の名無しさん:2006/03/20(月) 10:06:29
あ、あげちゃった_| ̄|○


「起きろよ」
 男は少し乱暴にその生き物を蹴った。
 ──ガツン──
 耳障りな音が返答する。蹴った方も蹴られた方も、金属性の高い素材である事を証明している。外装部分を蹴っても、内部へ衝撃が伝わる事は無い。それでも普段はすぐに起きるので、完全に寝入っている事がうかがえる。
 もっとも、たったそれだけで起きるとは微塵も思っていない男は、更に強く外装部分を蹴った。
 ──ガイン!――
「────!!」
 声にならない声を発し、その場にうずくまる男。音で起きた小鳥達が、心配そうに小首を傾げた。それ以上の強硬手段は得策では無いと判断し、今度は諦めのため息と共によじ登り始めた。
 うずくまると己の身長より三十センチほど高くなるこの生き物を飛び越えるのは、男にとってはたやすい。寧ろよじ登るより労力が少ない。
 それでも地道に登ろうと思いついてしまったのは、彼自身が寝惚けているからだった。
「どいてどいて。オラ、邪魔するんじゃない。しっしっしっ」
 表面積が広いこの生き物は、他の生き物達にとっては陸と同じ。何故この陸地を離れなければならないのか、理解しないままに退いた。退いてすぐ、新たな陸地を見つけ、翼や羽を休める。男の肩や頭は、暫くもしないうちに賑やかになった。
 もう少しで一番高い所に手が届くという場所で、
「う、きゅ〜……」
 意味不明な呻き声を上げながら、寝返りらしき行動を起こす、爆睡中の生き物。
 大地が動いた感覚に襲われ、斜面を滑り落ちる石ころの様に転げ落ちたが、長年に渡って染みついた受け身を自然に取った。起き上がって避ける間も無く、男は巨体に腰から下を潰された。
「こら、起きろーッ! 俺を殺すつもりか、コノヤロー!!」
 厚手の革製グローブでぺしぺしと物体を叩くが、情けない音がする以上の効果は、これと言って無い。
 日光浴を終えた小動物達は、わざわざ男の顔面を通って──兜をかぶっているが、その中に迷い込んだ生き物はいない──、それぞれの狩り場に出かけた。
「起きろっつってンだろぉが、このネボスケーッ!!」
 男は危機的状況にありながらも、常に携えている得物を手放さなかった自分を褒めつつ、得物の尖った石附でちくちく巨大な生き物を刺す。
 彼の得物は槍。それも、槍と言うよりは柄の長い斧の様な武器で、突くという槍本来の働きより薙いだり斬りつけたりといった、個人戦向きの槍だ。外見的には斧の様な刃に、太い鉄パイプが付いた様な代物だ。
 そんな刃でこの生き物を突ついたり出来ないので、必然的に石附で突くという行動に出る。彼の今の目的は、〝相手を倒す事〟では無く〝相手をどかす事〟なのだから。
 下半身や腕が痺れてくる。腕の痺れは、見た目より遥かに重い槍を支え、のしかかっている巨大な生き物の弱点を正確に突ついている結果だ。少しずつ思い通りに動かなくなるのを感じながら、男は根気よく突つく 。
 通りすがりの人間が男を観察しているとするならば、彼が感じている時間の流れは遅過ぎると言っただろう。ほんの数分間だけだったが、それでも彼は何時間も格闘していた様に感じた。
 じりじりと昇る朝日が彼を熱し、唯一露出している顔の下半分に、汗を噴出させる。戦いの緊張から来る汗とは違っていたが、彼の体力を奪うのには充分だ。
「起きやがれ、コンチクショーッ!!」
 苛々した男は遂にのしかかっている巨体に、力の限り得物を突き刺した。弾力のある手応えはしかし、先程と大して変わらなかった。
「いったぁぁぁいッ!!」
 人間で言えば女性体の声が発せられ、男を潰していた生き物が、ようやくずもっと動いた。
 気休めにもならない、ほんの少し。
 表皮である鱗は、翡翠の様に美しく太陽光を反射している。胴体の数倍長い翼を折りたたみ、逆三角形の頭を前足の上に乗せている。象牙色の牙は、小さくても人間の骨を軽く貫通する。猫の爪の様な三日月形の鉤爪は、内側がギザギザしていて、獲物を斬り裂くのに丁度良い。
 尻尾はトカゲの様に長くてしなやかだ。先端に白い紐がきゅきゅっと蝶々結びにされている。
 頭部の上半分を覆う兜は、材質不明。目の部分にだけ穴が開けられ、縁という縁を金箔で飾っている。耳の辺りで翼の様な飾りが付いているのも、特徴的だ。
 翼と胸の辺りにも、鎧。翼の鎧は指の様になっている骨組みの外側を覆い、胸の辺りには人間とさほど変わらない胸当て。
 人間は、通常この生き物をドラゴンと呼び、恐れる。厳密に言えば違うのだが、異種族の個別認識は非情に曖昧な為、本物のドラゴンと彼女──と呼ぶべきだろう──の区別がつかず、一括りにしてしまう。
 せいぜい実際に戦っている所を見て、やっとドラゴンではないと確信できるくらいだ。彼女は、ドラゴン共通で最大の特徴である炎を、噴く事ができないのだ。

12031197:2006/03/20(月) 23:20:18
遅くなって申し訳ありません。
>>1198-1199
>その手の法律用語を使ったネタは、ラノベ読者に
>伝わらないのでは?

そうかも。ハッタリ以外の何ものでもない語用ですが、ちょっと考えてみます。

>>俺の秘蔵の……!

>ロッカーの奥に何を隠していたんだ?
>さっぱり、わからない。

すんません俺も考えていませんorz

>机
言い訳になりますが、一応金のある私立の高校という設定で、
80人とか100人くらい収容する教室を想定しています。なので
学習机100個というのはアレかと言う裏の事情がありました。申し訳ない。が、
踏めば壊れるというのは確かにそうかもです。壊しましょう。
「奇跡的に」重傷者はいない、というセンさえ守れれば
ある程度アバウトにしても問題ないので。

お褒めの言葉には感謝を。その一言で自信が持てました。

>>1200
うん、そう。ヘンとヘンが掛け合わさってももっとヘンになるとは
限らないのが難しいけど。

1204イラストで騙す予定の名無しさん:2006/03/21(火) 06:08:04
>>1201
「一読して頭に入る文」を目安につっこむので、それを目指してないなら話半分くらいで聞いといて。

>黒とも茶とも言えるほど曖昧な色合いの岩壁が
そもそも岩壁の一般的イメージは白、灰色、薄茶色くらいだし、「黒と茶色」の中間の色というとイメージが湧かない。
せめて言わんとしていることが伝わればいいが、何を言ってるのか判断できずに文章を三往復くらいしたが理解不能。

>男はそこが「端」だと思った。一般的に括ってしまえば、そこは端ではない。
否定する前に、なんの「端」なのか分からないと、起としての能力が損なわれる。せめて「世界の端」などとすべき。

「寝て起きたばかりの」→「目覚めたばかりの」と一語にした方が読みやすい。
それと「まだ眠ったままでいる思考を動かせたかったが、」は日本語自体がおかしい事はさておき、被修飾語がない「底抜け文章」になっている。
「道とは言えない道の幅より少し大きめの物体」は、「道とは言えない」と「道の幅より少し大きめの」が「物体」を修飾している様に見える。
「道とは言えない」は別の言い方に直すか、行を改めて描写した方が誤読の危険性を回避できるのではないか?
さらに「こんもりと通せんぼ」というのはおかしい。「こんもり」はむしろ「物体」の修飾語であるべきで、通せんぼに修飾はいらないのでは?

>声にならない声を発し、その場にうずくまる男。音で起きた小鳥達が、心配そうに小首を傾げた。それ以上の強硬手段は得策では無いと判断し
これは小鳥が「強硬手段が得策ではない」と判断した様に読める。「”男は”それ以上の強硬手段が」とするか、小鳥の描写は別にした方がいい。

>何故この陸地を離れなければならないのか、理解しないままに退いた。
退いたのは「他の生き物たち」なのか「表面積の広いこの生き物」なのか判断に困る。
また「男の肩や頭は、暫くもしないうちに賑やかになった。」のは何故なのか理由が示されていない。

>厚手の革製グローブでぺしぺしと物体を叩くが、情けない音がする以上の効果は、これと言って無い。
>日光浴を終えた小動物達は、わざわざ男の顔面を通って──兜をかぶっているが、その中に迷い込んだ生き物はいない──、
これがシリーズの中程であったり、「黒とも茶とも」の前に文章が無いのであれば、男の容姿が突然描写された事になる。しかも描写不足で男の容姿が伝わってこない。
兜をかぶっている事を後の段階になって出してくるか、先に「男」の容姿を明らかにしておかないといけないだろう。

「彼女」の描写は最後のドラゴンを強調するためにわざと小さい所から描写しているのかもしれないけど、
それならば、せめて「目線の移り方」を考えて鱗→しっぽ→はね→頭→牙というような順に描写した方がいい。

1205イラストで騙す予定の名無しさん:2006/03/21(火) 08:07:38
>1204 長文レスありがとうございますっ。
初っ端なので、入りにくい(徐々に世界を描く)方にばかり気を取られていて、かなり読みにくかったようですね。
うあー。
友人にも見せまくっていたのですが、全く指摘されませんでした。
勉強になります。
ちょうど今データ開いたところなんで、その部分も含めて全部見直した方がよさそうですねorz
的確な指摘、ありがとうございます!

1206イラストで騙す予定の名無しさん:2006/03/21(火) 08:45:52
連続書き込みごめんなさいι

>>1204さん
>「一読して頭に入る文」
読みにくい文を目指してはいますが、あくまで「読みにくい」だけであって、「一読して理解できる」とは別物ですね。
何でンな簡単な事に気付かなかったんだorz
>岩壁の一般的イメージは白、灰色、薄茶色くらいだし
どうにも「荒野」のイメージの方が先にあったようです。
実際にあまり岩壁を見た事が無いと言うのも一因ではありますが、言われてみれば確かに。。。
>否定する前に、なんの「端」なのか分からないと、起としての能力が損なわれる。
難しいところです。
「世界の端」にするべきか、「大陸の端」にするべきか、迷っています。
あぁあぁあ、イメージが言葉にならないのはもどかしい。
>「こんもりと通せんぼ」というのはおかしい。
>「こんもり」はむしろ「物体」の修飾語であるべきで、通せんぼに修飾はいらないのでは?
何と言うか……「物体」より「こんもりと通せんぼ」の方がしっくりくるんです。
「通せんぼ」にも色々あるだろ、と当時の私は考えたらしいです(なんじゃそら
>これは小鳥が「強硬手段が得策ではない」と判断した様に読める。
>退いたのは「他の生き物たち」なのか「表面積の広いこの生き物」なのか判断に困る。
改めて読み直したら、確かにそうでした。
この辺り、指摘されるまで普通に理解してましたけど、そういうのってやはり作者だけですね。
他にもありそうで恐ろしいo.....rz
>しかも描写不足で男の容姿が伝わってこない。
>兜をかぶっている事を後の段階になって出してくるか、先に「男」の容姿を明らかにしておかないといけないだろう。
うひーっ。
結局先にある程度、彼の容姿を書く事にしました。
そこに文章を入れる事ができた、という事は明らかな描写不足です、ハイ。
>それならば、せめて「目線の移り方」を考えて鱗→しっぽ→はね→頭→牙というような順に描写した方がいい。
なるほど……。
資料とにらめっこしてたので、思い切りよくスルーしてました。
基本ができてないって……、ぬるぽ。

せっかちな性格が災いしまくりですねι
まだまだ時間があるので、>>1204さんのレスを思い出しながら、頑張ります。
ここのところ、やる気とか向上心とか無かったのですけど、ここに来て、本当によかったですっ。
ありがとうございました〜!

1207イラストで騙す予定の名無しさん:2006/03/21(火) 12:31:40
とりあえず1201はレスの時から丁寧に書くようにしたほうがいいと思うよ。

1208イラストで騙す予定の名無しさん:2006/03/21(火) 16:52:04
ちゃんとした小説として書くつもりはないんだけど、
「こういう書き出しは読みやすいんじゃないだろうか」と思って書いてみたんだけど、どうだろうか?
___________________________

退屈な日常に紛れ込んだ違和感は、欲しかったオモチャを手に入れた時の子供の気分と一緒だ。と、思う。
叔父がやってる寂れた小さな古本屋で、俺はカウンターに座るというボランティアを夏休みに入ったその日からさせられていた。
といっても誰か来るなんて事の方が珍しいので、夏休みの間は適当に面白そうな本を見つけて読みふける予定だったのだが、わずか三日目で崩れた。
「あの、高梨くん……」
今、カウンター越しに不安げな表情で俺を見つめているのは、クラスメイトの長崎ねねだ。
何処の眼鏡屋で買ったのか分からないまん丸な眼鏡をかけ、いつもうつむきがちでオドオドしている。
顔は"眼鏡を取ったら美人"というタイプだ。容姿のみならず、そのキャラがウケて上級生にも熱烈なファンがいるという噂がある。
学校では当然ながら模範的に制服を着こなしているのだが、今日は私服で、しかも頭に黄色い網をかぶり、服は濃いめのスカイブルー、そして白いひらひらのついたミニスカ

ートという学校の時のイメージとは対照的な服装だった。
そして、声を掛けられるまでに、そこまで考えが及ぶほど長崎を凝視していた事に気がついた俺は、彼女の白い太ももから目を引きはがす。
「長崎さんが来るなんて珍しいね」
珍しいのは叔父の店に客が来ること自体である。さらに長崎さんは初めてこの店に来たのだから珍しいも何もないだろ俺のバカ! と内心で自分を罵倒しつつ、ヘタに目線を

そらしたらウソがばれるという訳の分からない焦燥感から頬の筋肉を少しつり上げて営業スマイルを作り、彼女の茶色い瞳を可能な限り見つめた。
「高梨くんって、いつもここでアルバイトしてるの……?」
長崎が首を傾げるのに合わせて、ウェーブした栗色のセミロングが控えめに揺れる。
「ま、まぁね」
かろうじて平静さを演じて答えていると、長崎の顔に魅力を見つけてあやうく目線を落としそうになった。が、その先に白い太ももが見えてすぐに引き上げる。
入り口から入ってくるそよ風がほんの少しだけスカートのすそを持ち上げている事を視界の底に感じながら、賢明に長崎の顔を見ることに力を注いだ。
「あの、それで……」
何か言いたげにモジモジとしている長崎の両手の中には、茶色い表紙の古びた本が一冊あった。
「あれ、そんな本、うちにあったかな?」
と俺が言うと、長崎は「えっ」と小さく驚いてから、いったん本を胸に抱える形にして恥ずかしそうに口を開く。
「ち、違うの……これは私が持ってきた本で……」
「そうなんだ。じゃあ売りに来たの?」
その言葉に、何故か顔を赤くしてうつむいてしまった。それから上目遣いにこちらを見る。
「売った本って、高梨くんも目を通したりするの?」
「へ? うん、まぁ、汚れはないかとか、落丁してないかとか見たりはするけど」
「そっか……」
長崎は、まるで人生で初めてライオンに手づかみで餌を与えるようなおっかなびっくりした手つきで、本を差し出してくる。
「こういう本って……売れるのかな?」
といわれて受け取った本のタイトルには、初めて見る奇妙な文字が使われていた。パラパラとページをめくるが、そこに書かれた文字はやはりタイトルと同じ、記号の様な文

字の羅列ばかりで一つも内容が分からない。ついでに裏返してみたら、バーコードも出版社も書いてなかった。
「あー、こういう本は店長に見せないと分からないな」
店長というのは当然、叔父の事である。
怪しげな客が怪しげな本を持ってきて怪しげな交渉の末に本を売っていくというのは、以前にも何度かあった。しかし必ず、その時は叔父が店にいる時で、叔父が交渉相手を

していたのだが、今日は同窓会とやらに出かけて店を留守にしている。
「明日か明後日にまた来てくれれば店長も帰っていると思うけど」
「あっ、それじゃあ本を預けておくから……また明日来てもいい?」
「へ? え、でも……」
「あの! その間、高梨くんが読んでてもいいからっ」
突然の申し出に、どう返答しようか一瞬だけ迷った隙をつかれて、長崎は外に出て行ってしまう。
「あ、ちょっと!」
消えた後ろ姿を追って店先まで出てみるが、そこにはもう長崎の姿は無かった。
「読んでてもって…………読めないだろ……」
その日、古本屋には一冊の奇妙な本とシャンプーの微かな香りだけが残った。

12091208:2006/03/21(火) 16:53:28
やべ、文章長すぎて余計な改行が入ってら、メンゴorz

12101163:2006/03/21(火) 20:51:24
>>1197
ジョイスみたいでおもろい。俺の好みの文体。読んでてノッてくる。
俺もそういう文体で書き進めてるんだけど、やりすぎて意味不明になってしまう。

横からすみませんが、俺のも評価お願いします。
以下の文章が意味不明になりすぎていないか見ていただきたいと思っております。
(ほどよく意味不明にしたいという意図があります)
あらすじは、必殺仕置き人みたいな美少女に殺された悪い教師のおっさんが復活して魔法少女に変身し、
必殺仕置き人に仕返ししようとするのだけれどもあえなく失敗して散っていくというサイコホラーです。
以下の文章は物語の真ん中を越えたあたりの山場のエピソードで、主人公の回想シーンの一部です。


あの日、私は死んでいた。境内にある大樹に吊るされて、大凶のおみくじ気分で、股から腹までズタズタに切り裂かれ、はみ出た内臓がぶらぶら揺れて、こぼれた腸から排泄物がだだ漏れで、夜闇に散るのは酷薄の桜。くははっ。きれいだよ。だが、あいつだって、あのクソガキだって。そうだ! あれはちがう! 断じてちがうんだ! 漆黒のセーラー美少女、群青のブレザー美少年、真紅の和装の美少女で、ペンダント。神社で十字のペンダント。神社の境内で。なんだなんだなんなんだおいなんだ! 足がよろけてすっ転び、地面に突っ伏し、輪っかがしゅるり。ほぐ。勢いよく空に舞い上がり、あがあが、と。あがあがあが、と。顎に食い込む極細鉄弦。ひしゃげて潰れる喉仏。死ぬ死ぬ死ぬ、あ、逝く、あ、逝く。でも、死ねなくて。けれど、なんとか枝につかまり宙ぶらりん。ばるんばるるん。え、何の音。いぎゃあああああああああああ もうやめて! もうやめでえええ!

1211イラストで騙す予定の名無しさん:2006/03/22(水) 02:46:54
>>1210
どの程度が「ほどよい」のか分からないので評価出来ないと思うんだが。
少なくとも混乱した思考ってのは分かる。でも面白くない。たぶん状況説明が入ってないから。

「私は死んでいた」のに「はみ出た内臓が」と言っているし、途中から少女の紹介に切り替わり、
最後の方はあがあが、ばるんばるん、いぎゃああああなどという擬音の様な言葉が占領してる。
前後の関係でどうにかなりそうであるが、少なくともこの文章のみから計ると「これを考えているヤツがどんな状態か」が透けて見えない。

12121163:2006/03/22(水) 07:00:21
>>1211
ありがとう。
>でも面白くない。たぶん状況説明が入ってないから。
>「これを考えているヤツがどんな状態か」が透けて見えない。
自分のやろうとしていたのは、
『主人公の見たもの感じたものをそのまま羅列して、
かつその状況が「読み手に透けて見える」ようにする』
と、いうものだったのですが、失敗です。
この物語は16人の一人称を順繰りに何度も交代させながら進めるという構成で、
一人のキャラクターの状態を、別の一人のキャラクターが見ています。
だけど、それを見ているキャラクターも状況を的確に説明してくれないため、
やはり同じように「透けて見えない状況」になっています。
この点を面白く見せられるよう、なんとかしようと思います。

12131163:2006/03/22(水) 08:19:33
あ、忘れてた。
>>1209の『そうだ! あれはちがう! 断じてちがうんだ!』は、
イタリック体での表記になっています。この部分から視点が過去に入り込んでます。
『いぎゃあああああああああああ』もイタリックです。

1214イラストで騙す予定の名無しさん:2006/03/22(水) 10:59:46
>>1213
フォント弄りは人によっては嫌われるから気をつけろよ。

12151163:2006/03/22(水) 20:17:19
>>1214
ういっす。さんくす。
馬鹿みたいに意味もなく使う、みたいな状況にならんように気をつけます。

1216イラストで騙す予定の名無しさん:2006/03/22(水) 21:37:39
>>1212
要するにそれはザッピングだと思うのだが、面白くするのは至難の業なのでプロットを破棄することをお奨めする。
全体の頁数の十六分の一の長さで面白い物語が作れ、さらにそれを十六個も作る。
しかもどれも他のキャラに負けない個性を持っていて、重ねて最低でも16^15もの接点を設定しなくてはならない。

電撃文庫から出ている「七姫物語」の三巻とそれ以外の巻を比べてみると分かりやすいのだけれど、
物語のブツ切りは基本的に読者の不快感しか生まないし、キャラ一人一人の“見分け”がつかず混乱を招きやすい。
>>1210を読む限り、しっかりと頭に入り、さらに混乱をコントロールする技術があるようには見えない。

1217那賀 健比古:2006/03/23(木) 00:29:57
ライトノベルでザッピングと言えば「ブギーポップ」は傑作ですね。

12181163:2006/03/23(木) 07:45:12
書き出しはこんな感じでありました。

 エンディング    

「まだ、罪を認めないつもり?」
 追い詰められた白百合さろめは、そんな状況だった。
 どんな状況だったかというと、釘バットをばるんばるんいわせる美少女に、わけの分からない懺悔を促されるといった状況で、右に幼い美少年、左に和風な美少女。
 艶のある暗闇のなかでキリスト像の輪郭が白い線になって浮き立って、そのキリストは、十字架に磔にされ、茨の冠を被り、カックリと馬鹿のように首を傾げていた。
 虹色のステンドグラス。
 月の光が差し込んで、三つの影を、ゆらりと照らす。
 ――黒の古風なセーラー美少女。
 ――紺の小洒落たブレザー少年。
 ――色鮮やかな打掛服の美少女。
 そしてさろめは、キリスト像を前にして、涙と涎と鼻水で顔をぐしょぐしょにしながら腰を抜かして、恐怖のあまりに、おしっこちびって、ぶるぶる震えて、しかし、それでも反省しない。
 あたりまえ。ごめんなさい、なんていうつもりは微塵もなかった。それで正しかった。さろめはそういう意味では、確かに何も悪いことなどしていないのだから。
「反省? 反省ですって? どうしてアタシが反省しなきゃいけないのかしら?」引き攣った微笑みがイッキに破顔。「ふざけんじゃないわよおおおおおおおおお!」
 さすが、黒百合学園最強のお嬢様。
「如何なる理由があろうと自殺するニンゲンは自殺するニンゲンの勝手! それはアタシのせいじゃない! バカが勝手に死にたいと思いそれで死んだ! いったいなにがご不満なの?」
この状況で、ここまでいえる人間、そうはいない。
 けれど、もしかしたら、その心底の恐怖が彼女を饒舌にさせ、強情にさせていたのかもしれない。
「――怨み、晴らします」
 釘バット美少女は やめてええええええええッ 神に十字を切るように、ソレをふるった。
 じゅばん、
 と、爛れたように破裂して。
 破裂したのはさろめのアタマ。柘榴のように飛び出す目玉、飛び散る脳漿。噴き出す血液、流れる髄液。唯一残った下顎に、舌がべろりと載っていた。
「必殺完了」

12191163:2006/03/23(木) 07:45:30
1                             
 
【天野明福】

 清掃。リリム&リリス礼拝堂を過ぎて、ハレルヤコーラス。くねる銀杏並木にグシャるギンナン。ふざけるな阿呆なにが黒百合学園だ。
 百合のくせに銀杏の木々に囲まれて、むわっと匂う銀杏並木。実に最悪。とりわけこの時期、地面は滅茶苦茶。いったいどうしてギンナンなんか植えるんだ馬鹿野郎。という憤りを禁じえない。
 黒百合はルーテル派のミッションスクール、創立は明治三十四年。プロテスタントだから格式に関してそれほどこだわりがない。なんて思っていたら大間違いで、金持ちばかりを入学させて多額の金銭を搾取するというような校風。
 幼稚舎から大学までの一貫教育が施され、一八年間通い詰めれば純粋培養の腐ったミカンが世に排出されるというわけだ。
 表向きは質素倹約、質実剛健。だが、入学者の門地がその校風と矛盾しているので福音自由だろうがなんだろうが格式が重視される。べつに私はそれを否定しない。
 それにつけても、三つ折ソックスは大変良い。ルーズソックスなどというものは邪道であって、何が邪道というに、あんなもっさりした物を足に巻きつけていたのではエロスというものを殺してしまっており、靴下というのは踝がくっきり浮かび上がるべきだし、そうでなければならない。
 と、彼女の足元に、真っ赤なハンケチが落ち、風に吹かれて私のところに。拾ってみると、白百合さろめ、山吹色の刺繍。
「――ありがとう」
やわらかい微笑み。
 聖母マリアのようだった。
 彼女は一礼し、ブリーツを乱さぬよう、たおやかに立ち去って、
(――なんてゆゆしきことかしら。さろめ様が、あんな汚らわしい豚に)
 なんだあの糞チビは。聞こえよがしに、ロリイタめ。
 日本国憲法において『すべての国民は法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的地位、又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において差別されない』とあるわけだが、この条文に「差別する者は死刑」との案件を盛り込むべきである、と、私は強く思った。と、いう冗談を思った。
 古今東西において悪人扱いされるのは、醜い容姿、醜い性格の持ち主である。両方揃っていれば、まずもって「巨悪」である。だが、清く正しい人間の場合においては、容姿が醜くてもこの限りではない。
 それは何故か。
 何故かって、そんなものは決まっている。世の中は、常識に基づく都合のよい人間を、みすみす排除したりはしない。容姿最悪性格最善という人種ほど、社会にとって扱いやすい道具はないのだから。
 いや、むしろ見た目が悪いほうが、その汁は美味いのだ。そう、だから、あえて私はこんなところで豚汁奴隷教職員を装っているのであって、何せ私の正体は 
                                                         

【眩草まりあ】

 わたくし、くらくさまりあ、十五歳、なのですの。
 ああンなんてゆゆしきことかしら。
 ひしゃげて潰れた銀杏が、とってもエグいのですけれど、でも、たまらなく癖になりそうこの匂い。なんだかとってもエロティック。イエス様、不埒なあたしをお許しください。
 ――あら。あすこに。
 でっぷり肥えた豚がおりますの。
 息をふうふういわせながらイチョウ並木を箒をもって闊歩しておりますの。  あン、さろめ様。
 こともあろうに、ボンレスハムがそれを拾って、ありがとう、と、澄んだ声が夕闇の彼方に響き渡って。
 なんてゆゆしきことかしら!
 わたくしは付いていきますの。付かず離れず距離を開け、ブリーツを乱さぬように。いいえ、ストーキングなどではありませんの。
 さろめ様をお守りしなくちゃいけないから。
 そうですの。そうなのですの。
 ぐしゅ、と潰れる感触がして、銀杏が。まるで臓物が飛び出したようになってしまって――。
 ごめんなさい、といいながら、わたくしはオレンジ色に縁取られたさろめ様の影を追いかけますの。愛しい影は、校門の線の向こうに吸い込まれ、愚民どもの影のなかに埋没して、さろめ様の影が踏み荒らされて、どけよ愚民ども! と、追いかけているうちに。
 まったく、
 いつもこうなのですの。
 さろめ様を、ボンレスハムのような欲望の塊からお守りしようと思っても、校門を過ぎるころには泡のように消えてしまわれて。
 こンちくしょう。
 いつしか、ひと気はなくなって、とろけるようなオレンジ色の暗黒が、あたりを闇に包み込み、
 背中がぞわっとした感じ。砂が擦れる土の音。
 あら、あちらのオッサン。
 ――なにゆえに。
 お顔がパンストなのかしら?

12201163:2006/03/23(木) 07:46:17
と、いうわけでして。
十六人が登場して、エピソードは5つ。そのうちの1つが4つのエピソードの元凶という形でした。『死の床に横たわりて』のパロディをやろうとしておりまして、実に恐れ多いことだとは思っていたのですが、今に比べるとあまり思っていませんでした。プロットを破棄してたまるか、こンちくしょう。と、思わずにはいられませんが、やはり技術が圧倒的に足らない。技術をつけた後、また挑戦したいと思います。――辛酸を舐める思い。苦渋であります。

1221イラストで騙す予定の名無しさん:2006/03/23(木) 12:22:55
フォークナーなんて生半なことではパクる事すら出来んと思うよ。
あと、意識の流れだとかああいう感じの事もやりたいのかな。
それだと率直に言ってラノベとしてどうかと思うし技術が圧倒的に不足してるんじゃないかな。

まあ、俺も大概無教養なんで馬鹿なこといってるなと思ったら無視してくれ。

12221221:2006/03/23(木) 12:28:57
そういや、読んでもない本を挙げるのは良くないけど、
視点については阿部和重のシンセミアなんかは参考になるかも。たぶん。

12231163:2006/03/23(木) 12:39:33
>>1221
意識の流れをやりたいのだけど、あそこまでいくと訳が分からなくなるので、
その一歩手前の状態にできないだろうかと思って書いてました。
ラノベにあの方法を持ち込むことはできないだろうか、って感じで。

>まあ、俺も大概無教養なんで馬鹿なこといってるなと思ったら無視してくれ。
教養があるとかないとか、そんなことどうでもいいです。俺もないです。
阿部和重のシンセミアは興味があったんで、買って読んでみます。
わざわざありがとう。

12241208:2006/03/24(金) 16:29:39
>>1208って全然評価されないんだけど、評価出来ないくらい悪いって事でいいのか?orz

1225イラストで騙す予定の名無しさん:2006/03/24(金) 20:25:47
前に同じ事を書いた人が居たけれど、ここは「書き手」の姿勢を問われるところなんだ。

12261208:2006/03/24(金) 22:50:01
つまりそれって評価できるだけの実力があるヤツがいないって事?

1227イラストで騙す予定の名無しさん:2006/03/24(金) 23:26:10
他の奴がどう思ってるかは知らんが、
>ちゃんとした小説として書くつもりはない
なんていう奴の相手はしたくない。

1228イラストで騙す予定の名無しさん:2006/03/24(金) 23:42:34
>>1208
個人的には書こうと思ってたんだけど、会社でみてたのと、ケータイからではしたらば先生がうけつけてくれないのとで見送っていた。
だがあえて書く。

文章にリズムがあって読みやすいね。
ただ、他の人が指摘してるところとも若干かぶるんだが、
「これちょっと思いついた」
ってのが見え見え。本来は着想から始まりそこに肉付けがあって、書き出しになるわけでしょ?
登場する、主人公も、叔父も、眼鏡少女も、本も、どれもこれもとってつけたような印象になる。

これはもちろん、"真面目に書くときはもっと考えて書くよ"って言われればおしまいなんだけど、
あくまでもこの場は"出された文章"を判断する場であって、
その観点から行けば、1次は通ると思うがそれから先は無理だろうと思う。
詰まるところ、肉付けがされていないからオリジナリティが見えない。

個人的には文章のリズムがいいと思うので、ちゃんとできあがった作品を見たいな。>>1208の書いたものなら最後まで読めると思う。

12291208:2006/03/25(土) 00:44:55
>>1228
貴重な意見をありがとう。
書くときには一応物語の流れを頭の中で考えて可能な限り肉付けして書いたんだけど、
やはりまだ記号的過ぎたかもしれない。

文章の書き方が受け入れられたのは嬉しい。実は書いている途中からゴチャゴチャし過ぎて、
「これ混乱しないで読めるかな?」と心配になったが、一応の成功は収めたようだ。
今読み返すと自分で二カ所ほど修正したくなる部分も見つかった。

次はもうちょっとキャラ設定を考えてみる。

1230本スレ698:2006/03/27(月) 02:21:43
 それから六年の歳月が流れた。
 月日の経過に障壁はなく、二人の仲は睦まじいまま。近所の公園に顔を出せば、どこぞの子供も目立つ二人に一緒に遊ぼうと集ってくる。平和な日常何もない日々、時間は笑顔で埋め尽くされた。
「こーえーくん、なでしこちゃんばいばーい」
 夕闇迫るせせらぎ公園。あらゆる遊びに充実を得て、たくさんの友達とばいばいの時間。
「うん。また遊ぼうな」
「また明日遊びましょう」
 神楽撫子の丁寧語に、友達の多くは不思議がった。けれどもそこは幼い特権。細かいことは気にしない。もっとも言葉を教えたのは、脚本母親の監修紅英。美を言葉で表現しよう――紅英の考えに撫子は快諾した。
「紅英さん、私たちも帰りましょう」
 撫子はそう言って歩き出したが、紅英はその場を動かなかった。
 三歩四歩の距離を保ち、西日に照らされて輝く二人。
「どうしました?」
「撫子、この前に話したこと、覚えているか?」
 それは数日前のことである。桜が咲いたら学校というところに行かなければならないと話した。
「はい。もちろんです」
 撫子は学校というものをよく知らされていなかった。『紅英と一緒』の定義が守られている。それならどこでも何でも平気。撫子はそう、信じていた。
「僕、学校に行けなくなった」
 暗いトーンの紅英の声。理解に苦しむ撫子は、きょとんと紅英の瞳を見つめる。
「僕は撫子のお母さんの子じゃないから、学校に入れてもらえないことがわかった」
「そ、それって私のこと嫌いになっちゃったからですかぁ?」
 自分と違うことをするつもりらしき哀しい顔の紅英を見て、撫子は咄嗟にそう思った。
「そうじゃない。今もこれからもずっと、いっぱいいっぱい大好きだ」
「私も紅英さんのこと、大好きです。だからどこにも行っちゃやです!」
「大丈夫。もう家には戻れないけど、桜が咲いたり、せみが鳴いたり、もみじが落ちたり、雪が降ったりした日に会いに行くぞ。約束する」
 公園に響く指きりげんまん。固い絆の出来る瞬間。バックミュージックはカラスの鳴き声。二人の約束。誓った関係。
 ひとりぼっちの暗い夜道。それでも泣かない撫子の強さ。それを見込んで紅英は行く。
 早く桜が咲かないものかと既に撫子は待ち望む。
 必ず戻ると心に誓い、親を捜しに紅英は走る。
 お腹が空いても眠たくなっても、ずうっとずうっと、走り続ける。

1231イラストで騙す予定の名無しさん:2006/03/27(月) 02:55:16
なるほど・・。おもしろいな。
こういう体言止めの多用は少女レーベルで見る気がする。
ここまで多くはなかったけど。
アクセント程度にすると、読みやすくなるかも。
がんばってください。

1232イラストで騙す予定の名無しさん:2006/03/27(月) 05:10:38
 それから六年の歳月が流れた。
 月日が経っても二人の仲が変わることはなかった。
 近所の公園に顔を出せば、二人を見つけた子供達が一緒に遊ぼうと集まってくる。その顔は笑顔に満たされていた。
「こーえーくん、なでしこちゃんばいばーい」
 空はオレンジ色に染まり、子供達は誰からともなく家路につき始める。
「うん、また遊ぼうな」
「また明日遊びましょう」
 撫子の丁寧語に子供達は首を傾げるが、一瞬後にはもう忘れてしまっていた。大きく手を振りながら遠くに駆けていく。
「紅英さん、私たちも帰りましょう」
 たくさんの足跡だけが残った公園の中を撫子は歩き出そうとするが、紅英は動こうとはしなかった。
 数歩の間をおいて、二つの長い影が落ちている。
「どうしました?」
「撫子。この前に話したこと、覚えているか?」
 数日前に、桜が咲いたら学校という所に行かなければならないという話をしていた。
「はい、もちろんです」
 撫子は学校という所をよく知らなかったが、紅英と一緒という安心感が不安を打ち消していた。
「僕、学校に行けなくなった」
 うつむく紅英。撫子はその言葉を飲み込めずに、きょとんとした表情で紅英を見つめた。
「僕は撫子のお母さんの子じゃないから、学校に入れてもらえないことがわかった」
「そ、それって私のこと嫌いになっちゃったからですかぁ?」
 紅英と一緒に居られない。突然襲ってきた不安感に、撫子は泣きそうになる。
「そうじゃない。今もこれからもずっと、いっぱいいっぱい大好きだ」
「私も紅英さんのこと大好きです。だからどこにも行っちゃイヤです!」
「大丈夫。もう家には戻れないけど、桜が咲いたり、セミが鳴いたり、紅葉が落ちたり、雪が降ったりした日には会いに行くぞ。約束する」
 紅英が小指を立てた。撫子もその意味に気がついて、自分の小指を絡める。
 夕空にカラスの鳴き声が溶ける中、二人は指切りげんまんをした。
 そして紅英は、必ず撫子の元に戻ると心に誓い、親を捜す為に歩き出した。
 遠くなっていく足音を背中に感じながら、撫子は桜の木をぼんやりと見つめていた。

そもそもの設定が分からんから、何を変えて良いのか分からんが、とりあえず文面から読み取ったストーリーで
俺が書くとしたらこうかな。という程度。大事な所を削っちゃったらすまん。

1233イラストで騙す予定の名無しさん:2006/03/27(月) 07:23:19
 それから六年。
 月日が経っても二人の仲が変わることはなかった。近所の公園に顔を出せば、自然と子供達が集まってくる。どの顔も笑いで満ち溢れていた。
「こーえーくん、なでしこちゃんばいばーい」
 空はオレンジ色に染まる頃、子供達は誰からともなく家路につき始めた。
「うん、また遊ぼうな」
「また明日遊びましょう」
 撫子の丁寧語に子供達は首を傾げるが、一瞬後にはもう忘れて、大きく手を振りながら遠くに駆けていく。
「紅英さん、私たちも帰りましょう」
 たくさんの足跡だけが残った公園の中を撫子は歩き出そうとするが、紅英は動こうとはしなかった。
 数歩の間をおいて、二つの長い影が落ちている。
「どうしました?」
「撫子。この前に話したこと、覚えているか?」
 二人は数日前に、桜が咲いたら学校という所に行かなければならないという話をしていた。
「はい、もちろんです」
 撫子は学校という所をよく知らなかったが、紅英と一緒という安心感が不安を打ち消していた。
「僕、学校に行けなくなった」
 うつむく紅英。撫子はその言葉を飲み込めずに、きょとんとした表情で紅英を見つめた。
「僕は撫子のお母さんの子じゃないから、学校に入れてもらえないことがわかった」
「そ、それって私のこと嫌いになっちゃったからですかぁ?」
 紅英と一緒に居られない。突然襲ってきた不安感に、撫子は泣きそうになる。
「そうじゃない。今もこれからもずっと、いっぱいいっぱい大好きだ」
「私も紅英さんのこと大好きです。だからどこにも行っちゃイヤです!」
「大丈夫。もう家には戻れないけど、桜が咲いたり、セミが鳴いたり、紅葉が落ちたり、雪が降ったりした日には会いに行くぞ。約束する」
 紅英が右手の小指を立てた。撫子もその意味に気がついて、自分の小指を絡める。
 夕空にカラスの鳴き声が溶ける中、二人は指切りをした。
 そして紅英は、必ず撫子の元に戻ると心に誓い、親を捜す為に歩き出した。
 段々と小さくなっていく紅英の姿を見つめながら、撫子は桜は明日には咲くのだろうかと思った。
 公園の桜のつぼみはまだ固い。

こんなのでどうだろう

>>1230
>神楽撫子の丁寧語に、友達の多くは不思議がった
撫子と子供達は初対面なの? 知り合って長ければ気にならないと思うんだけど。

1234イラストで騙す予定の名無しさん:2006/03/27(月) 10:12:22



     この厨房どもは、一体何をどうしたいんだろ・・・・

1235イラストで騙す予定の名無しさん:2006/03/29(水) 09:04:59
アニメファンが同人書くのと同じようなもんじゃないか?
まあリライトも一応は反応としてギリギリ成立しないでもないかも。
批評としては駄目だけど。

1236イラストで騙す予定の名無しさん:2006/03/29(水) 21:28:25
そもそもライトノベル作家を目指す厨房の巣で何を言っているのやら……
コミケで同人誌を批判するより的外れじゃ無いのか?

1237イラストで騙す予定の名無しさん:2006/03/30(木) 12:53:16
感想、批評の遣り取りは兎も角、
この場で逐一リライト報告すんな、ってことじゃないの?

1238那賀 健比古:2006/03/30(木) 18:47:38
>投稿する際には、あまりに長いのは避けてください。また、このスレはオリジナル限定とします。

私もそれでひんしゅく買った口ですし……

1239イラストで騙す予定の名無しさん:2006/04/05(水) 15:26:31
 >1234 が言いたいのは、多分――リライトしてブラッシュアップした筈の文章が
「大して変わってないじゃん・・・」ショボーンという感想を述べたかったのではないかと

1240イラストで騙す予定の名無しさん:2006/04/05(水) 22:25:49
491 名前:りすかマニア ◆JmZ/qc/LHE [] 投稿日:2006/04/05(水) 20:58:36
今、ダチと競作してる小説で、枢機卿という議会の能力者の性格を掴ませるために書いた例文。
ぶっちゃけ痛いです。

ツンデレ(ツ)、戦闘好き(戦)、熱血(熱)、優しいショタ(優)、残酷なロリ(残)、爺(枢機卿リーダー)、
おしとやかな少女(お)、脇役的少年(脇、ボーイッシュ(ボ)、委員長タイプ(委)、天然系(天)、渋いオッサン(渋)

爺「さて、今日は枢機卿会議じゃが」
天「ねぇねぇ、おじいちゃーん。そんなことより〜」
爺「なんじゃ、天」
天「なんか面白いことないかな〜」
爺「何を言っておる、今は崇高な枢機卿会議じゃぞ」
委「そうですよ、天さん。今はそんなこと話してる場合じゃ……」
渋「まぁ、いいんじゃないの。委ちゃん。天ちゃんも枢機卿に選ばれた能力者の一人だしさ」
委「ですが、渋さん!」
ボ「そうなんだよな〜、委は堅すぎるんだよ」
お「私は委さんに同意かな、折角リディスさんからこの国の未来を決めるように言われてるんだから」
脇「天ちゃん、俺だったら話に乗るよ〜]
ツ「全く、脇はクズの役にも立たないな」
戦「それより、早く会議進めようぜ……。五百年前に封印された奴が、殺される前に復活し、銃を持った師団を皆殺しにしたって言うんだから、興味沸くじゃないの、早く戦いたいぜ」
熱「激しく同意する!! さっさとぶち壊してやりゃいいんだよ」
優「ボクは、戦いはあまり好きじゃないです……。出来れば、和平的解決をしたい」
残「バカか? 優は。うちの師団がバラバラにされたなら、細切れにしてやるのがいいと思うよ。ワタシはね」
爺「まぁ、待て。残。あれから、命令が変更され、保護するということになった。倒すのは急事の時のみじゃ」
残「へぇ、爺は黙ってられるの」
爺「いや、そうは言っておらん。やはり、殺さずに封印された身。下手に好戦的になると、我が身を滅ぼすやもしれんと言っておる」
お「そうですね。おとなしく、保護させてくれればいいんですが……」
天「そんな事より皆〜。今日のノエインはね〜、最終回なんだよ〜。絶対見ようね〜」
皆「……」

1241イラストで騙す予定の名無しさん:2006/04/06(木) 20:19:36
>>1240リライト


爺「十二人全員揃ったようだな――では、始めよう」
天「ねぇねぇ、お爺ちゃん」
爺「ふむ、何か事前に通達すべき事でもあるかね、天」
天「こんなつまんない事より、もっと面白くて、楽しい事ないかな?」
爺「巫山戯るのも大概にしたまえ。天、貴君が枢機卿に名を連ねてより大分経つが、未だにその自覚がないと見える
  力を持つものには、それ相応の責任が伴うものだ。自覚を持たぬものなど、枢機卿の末席を汚す事さえ叶わぬ。
  今の発言は忘れよう。早く、席につきたまえ」
委「爺の仰るとおりです。会議を退屈などとは――天殿、早く席に。今は、そのような事を話している場合ではありません」
渋「爺も委も、些か彼女を侮りすぎではないか? 
  天とて枢機卿に選ばれるだけの実力の持ち主、相応のものは持ち合わせていなければ、ここに列席する事も叶うまい。
  むしろ、奔放な振る舞いこそ、我々にはないもの。何も格式張る事ばかりがこの場の本旨ではない、と思うが?」
委「ですか…礼節を弁える事こそが――」
ボ「委は少し堅すぎるんだよ。別に騒がれたところで、無視してでも話を進めれば良いだけの話だろ」
お「渋様、ボ様。ワタクシ達はリディス様からこの件を一任された身。
  民草を護る事こそが、ワタクシ達の本懐なればこそ、この場には私心を廃して望むべきだと思いますが」
脇「天さん、僕でしたら、話相手に程度にはなりますよ。
  爺、席を外しても構いませんか? 子細は後で教えていただければ」
ツ「脇、貴方の頭の上に乗っているものは飾り?
  席を外す? 何のために、全員に招集がかけられたと思っているの?」
脇「あぁ、その――すみません。考え足らずでした。以後、注意します」
ツ「別に、状況を考えろ、と言っているだけで、貴方が人に優しいのが悪い事だと言ってるんじゃないからね。
  か、勘違いしないでよ」
戦「それよりも、早く本題に入りたいものだ。正直、席を温めているだけでは、な。
  完全装備の一個師団が全滅したと聞く。我らに比せば、烏合の衆と大差ないものではあるが、
  如何な存在がそれだけの被害を生んだのか、非常に興味深い。 叶う事ならば、是非、手合わせしたいものだ」
熱「為合いたい、という事に関しては同感だが、死者を烏合と呼ぶことは許せんな」
戦「御同類が良く言う。死者を悼めと諫めるのならば、貴様のその鼻を衝く香水は何か? 
  染み付いた血臭を誤魔化すためのものであろう? 
  上品な御託を並べる以前に、如何に多くの人間を殺してきたかを思い返してみる事だ」
熱「少なくとも、私が殺してきたのは敵の軍勢だけだ。見境のない貴様とは違う」
優「落ち着いてください。皆さんは血の気が多すぎます。可能ならば、争乱を起こさない解決策を模索すべきでしょう。
  無闇に力を振るうものは、いつか、力に溺れるものです」
残「生温いこと。貴方、頭が臭いましてよ。中身が腐敗しているのでしょうね。
  その頭蓋を捌いてさしあげましょうか? そうすれば、貴方も少しは、正常な思考が出来るようになるかもしれませんわ。
  死には死を。ワタクシ、これは至極、当然な事と思いますけれど」
爺「皆、猛っておるようだが……心せよ。我々に下された命は、件のものの保護である。
  破壊が是認されるのは変事急事のみ。無論、我等全員が召喚されたということは、急事、変事など起こりようはずもない」 
残「身内を殺されているというのに、黙っていろ、と仰るのですね。
  老いているのは身体ばかりかと思えば、その血潮も冷め切っているようですわね。
  御老体は棺に収まって、土中で永眠すべきでは? ――何なら、御身を今からでも八つ裂きにしましてよ」
爺「聞け。件のものの保護は王命である。
  王は兵卒や民衆どころか、件のものの身さえ慮っておられる。
  無論、保護の後に、相応の贖いはさせよう……王命は我等にとって絶対であるのは言うまでもあるまい」
お「えっと、今、議題になってるのは、五百年前の封印から解かれたものの事……なんですよ、ね?
  けれど、一個師団を壊滅さえたような方が、そう簡単に保護出来るようなものでしょうか?」
天「う〜、つまんない〜」
皆「……」

1242イラストで騙す予定の名無しさん:2006/04/08(土) 20:33:03
1シーンにキャラが何人もいる時点で、リライトしようがどうしようが微妙ス

1243イラストで騙す予定の名無しさん:2006/04/08(土) 23:01:42
 だから「リライト」じゃ無く「論評」しなさいな。問題点を指摘して、
その上で改訂版を書くならまだ判るが、いきなり「僕だったらこう書く」
じゃ駄目だろう。
 それに敢えて言うなら、>1240-1241はライトノベル以前に小説では無い。
ただのシナリオ擬きだ。戯曲の形式で書くなら別だが。

1244イラストで騙す予定の名無しさん:2006/04/11(火) 01:22:35
正直>>1240は、そもそも読むと気持ち悪くなってくるんだよなあ。
枢機卿という役職に対して具体的なイメージが無い。間違いなく。
あとその枢機卿が出席して、しかも戦争しますか? って話題なのに
全然緊張感も無いし、意思統一以前に彼等はそもそも過去に一瞬でも
一個の集団として統一されたことがあると思えない。つまり
「彼等が会議を開き、互いに同席している」事自体が異様というしかない。
枢機卿のキャラがどうこういう以前の問題。で、そういうのを置いておくとして、
枢機卿のキャラは出てるんじゃない? 「会議」を開くとか言っておきながら
実質何の話し合いもなく、会議以前に勝手に決めた事を一方的に知らせて、
しかも出席者が誰もそれに文句を言わない辺りは特に。野蛮人を言葉で弄ぶ
世話焼き(っぽく見えて)爺さんって感じ。

1245なりたい:2006/04/12(水) 15:47:43
世界観です。意見お願いします。         
星は生きている。星はすべての生物に精霊を宿し、精霊を通して生気を吸収し、自然現象を起こしていた。人間は長い進化の過程で、逆に星から力を吸収して地水火風の属性を操る〈魔法〉を習得した。
魔法によって疲弊してしまった星は苦しみから逃れるように叫び続ける。星の声を聞いた人々の、星を救う戦いがはじまる。

1246イラストで騙す予定の名無しさん:2006/04/12(水) 16:53:50
現行人類を皆殺しにする怪人達の話でも書く気か?

1247イラストで騙す予定の名無しさん:2006/04/12(水) 22:31:56
なんともいえないな。童話ならいいんだが。
とりあえずその設定だけでは興味を惹かれると言うことはおそらく無いだろう。
その設定ですすめるなら一ひねり・二ひねりぐらいいるんじゃねーかな

1248イラストで騙す予定の名無しさん:2006/04/12(水) 22:55:50
まあ、よくあるグリンピース系の話だ罠。
結局、行きすぎた文明っていくないよね、なんて最悪な展開はヤメレ。
あらすじ読んだ段階でポイされる可能性高し。

ところで、星と惑星は根本的に違うぞなもし。

1249イラストで騙す予定の名無しさん:2006/04/13(木) 14:44:32
設定だけ、プロットだけって論評し辛いんだよね。
その設定なりプロットなりを使って、どんな話を書きたいのかな?
「ロードス島戦記」をカーラの側から書くとでも?

1250那賀 健比古:2006/04/15(土) 01:11:18
「実力あるのに売れてないラノベ作家」
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/magazin/1135315310/
138 :イラストに騙された名無しさん :2006/01/18(水) 23:09:06 ID:ooFtD71S
田中芳樹はヤバイよな。
思想の粉(特にサヨ系のやつ)は思春期的な優越感をくすぐるからなあ。
「俺はバカな大人と違ってこんなにも現実が見えてるんだぞ」って感じの。
大学紛争とかやってた世代って、今の中高生くらいのメンタリティだったのかな。
どれもこれもはしかみたいなもんなのにね。

 青臭い思想を取り込む事に遠慮は要らないと思います。むしろモラトリアムの優越感をくすぐり、
成功を収める事だって少なく無いかと。
 同様の事はこちらでも指摘されていますし、自覚的に用いるなら良いのでは?


「惑星開発大辞典」
http://members.at.infoseek.co.jp/toumyoujisourin/jindex.htm
「田中芳樹」参照

 こちらでは「現実に」そうした活動をしている「サヨク」や「プロ市民」についての、興味深い
考察も見受けられます。「小林よしのり」氏が「脱正義論」で描写している、永遠に実社会から
離れて社会正義に奉仕する自分に酔いしれていたい社会運動家など。

1251イラストで騙す予定の名無しさん:2006/04/15(土) 12:04:10
>>1245
それ何てFFⅦ?
本編見ない事にはそれしか言えない

1252イラストで騙す予定の名無しさん:2006/04/17(月) 00:54:33
いままでWEB上でアニパロとかしか書いてきたことが無かったのだが、今回初めて投稿に挑戦してみようと思った

あげるのはプロローグと一章目の一部、いわゆる導入部分です
批評よろしくお願いします

1253イラストで騙す予定の名無しさん:2006/04/17(月) 00:55:21
砂埃がレンガ造りの家並みを灰色に染めていく。
あたしに良く似たその女性は、旧式のアサルトライフルのチャンバーに薄く積もった埃をふっと軽く息で吹き払うと、そっと安全装置に親指を添えた。
似ている、なんてものじゃない。多分に一卵性の双子であってもここまで酷似した例は稀であったろう。
彼女の年の頃はおそらく17〜20歳くらい。あたしと同じであるならば18歳か。決して大きいとは言えない上背に一見戦場には不似合いな細身の身体。丸い奥二重の眼と…これはあたし自身コンプレックスに思ってはいるのだが…小さくて低い鼻。
何から何まで彼女はあたしにそっくりだった。違うと言えば、肩口で綺麗に切り揃えられた髪と日に焼けた肌、そして「死」を見続けてきた険しい瞳くらいか。
「S-4、ポイントに待機しました。予定時刻に実行します」
 彼女は…いや、もう「あたし」と言っていいだろう。あたしは彼女の目と耳と触覚を通してそこに存在していたのだから…骨伝導マイクを通して「仲間」に報告する。使用した言語はなぜか英語。各方向に展開する「仲間」は計8名。攻撃対象となる家に隠れる「敵」は、衛星で確認しうる限りは4名。
 あたしは今回は揺動役だった。周囲に展開する味方に先んじて正面から突入する、危険な役。突入する時間は他の仲間に対して10秒早いだけだが、その10秒が持つ意味は大きい。
 ドアの横の壁で息を殺しながら、あたしは仲間同士で正確に合わせた腕時計に目を遣る。この作戦で生死の鍵を握るのは隠密性と速さとチームワーク。
 特に速さは重要だった。人間の反応速度は、予測して待ち構えても約0.2秒、不意をついて0.8秒〜1.2秒。
 まさか敵がもたもたと1.2秒も何もできないなんていう僥倖を元に予測を立てるわけにはいかない。0.8秒だ。ドアを破壊してから0.8秒の間に視認し得る全ての対象を行動不能にさせることができなければ、それはすなわちあたし自身の「死」を意味する。
 10秒前、まさか寸前まで時計を凝視しているわけにもいかないのであたしは時計から目を離すとライフルの銃口を扉のロックの要点に向けた。跳弾を避けるため射線は斜めに。
 そして、心の中で残り時間を正確にカウントする。
 …4、3、2、1、
 ピピピッ!ピピピッ!

1254イラストで騙す予定の名無しさん:2006/04/17(月) 00:56:13
    1

 ピピピッ!ピピピッ!
 無機質な電子音が世界を浸食してゆく。あたしの目蓋を染めるのは、薄いカーテンを貫いてもまだ弱まることのない朝の日差し。
 あたしはゆっくりと目を開いた。白いクロス張りの天井が薄ぼやけた視界に映る。
 妙な浮遊感があった。おそらく超能力とかいうものが本当にあったとして、思いがけずに瞬間移動してしまったらこういった不思議な感覚に囚われるものなのかもしれない。
 いや…もちろん頭のどこかにある理性では、あたしはわかってはいた。これは「寝惚けているだけ」なのだと。
 あたしは頭上に右手を伸ばしてしつこく鳴り続けている目覚まし時計を止めると、ゆっくりと上半身を起こした。最近の目覚ましは簡単に止められないように上の大きなボタンを押して止めてもまたすぐに鳴り出すようにできているけれど、あたしの指先は適格に裏側のメインスイッチの場所を覚えていた。
そして前方の壁…つまりあたしのベッドの足元…にある「イブリース」という名前の和製ロックバンドのポスターをぼんやりと見つめながら、あたしは自分を取り戻す作業を開始することにした。
「う…えっと…」
あたしは…あたしの名前は…えっと、そう、絵梨。うん、東山絵梨で間違いない。絵梨子でも絵梨香でも千絵梨でもない、ただの絵梨!意味をあらためて考えると「梨の絵」ってことになるんでもしかしたらとんでもない名前なのかもしれないけれど、パパとママがこれが可愛いと思って付けた名前であろうから、これでいいのだとも思う。
 あたしの職業は…うん、少なくとも兵隊さんではない。だいたい戦争なんてテレビのニュースやアニメの中にしかない遠い出来事に過ぎない。こう言ってしまうと遠くで命懸けで働いてる自衛軍の人達やたくさん死んでいってる現地の人達に対して不謹慎に過ぎるのかもしれないけど、でも、普通の日本の女の子なんてこんなものだ。そこは許して欲しい。
 …じゃなくて、職業!えっと…うん、高校生!公立崎山高等学校の二年生で歳は18。
 18歳でまだ二年生をやってるって…そこは、ちょっと事情があってね。決して勉強ができなかったとか、そういうのではないです、うん。
 家は一戸建て。二階建てで二階の部屋の一つが今あたしのいるここ。首都から電車で一時間と少しくらいの内陸部にパパとママとの三人暮らし。首都に程近い、とは言ってもここは結構田舎で自転車で30分程も山に向かって走っていけばだだっ広い田園風景とカエルの鳴き声が出迎えてくれる。
 現実感覚を取り戻したあたしは、階段を下って居間に向かうことにした。…「彼女」、あたしに良く似たあの兵士が登場する夢を見たごは必ず夢の世界から現実の感覚に戻るまでに時間がかかった。もちろん他の時でも…例えば朝起きてトイレに向かったと思ったら実はそれも夢だった、みたいな感じの時には同じように現実感を取り戻すのが難しかったりする。しかし、「彼女」の夢のときは100%自分自身の確認作業を必要とした。
 不思議だった。別にあたしは戦争だのなんだのが好きだとか憧れてるとかいうわけじゃない。むしろ…怖い。現実に道端で車に轢かれた猫の屍骸や何かみたいな身近な死の怖さというよりももっと遠い…なんか、抽象的な「死」というものの怖さ。なのに…どうして、どうしてあんな夢を見てしまうのだろう…?しかも、何度も。
 階下から香りが漂ってきた。この甘い濃密な香りは…蒸発したバターの、濃厚な、それ。ママが定番のオムレツを作ってくれているという、その合図。
 あたしはとりあえず今朝の夢に対する疑問よりも空の胃袋の要求を優先させることを決定した。

1255イラストで騙す予定の名無しさん:2006/04/17(月) 01:01:11
えっと、このあと主人公は事件に巻き込まれ、襲われたり拉致されたり、そうして敵や協力者と出会って流されているうちに自身の「過去」に直面して苦悩し絶望し新たな愛と希望を見つけて戦う、
そういう話の予定です

よろしくお願いしますm(_ _)m

1256イラストで騙す予定の名無しさん:2006/04/17(月) 02:17:17
誤字は「揺動役」くらいかな。「兵士が登場する夢を見たごは」、ってのは未変換か。
「首都から電車で一時間と少しくらいの内陸部に」と地名の記述を拒否してるのは
奇妙に感じたけど、なんか訳があるんだろうか。
冒頭のハードアクション風から一転して新井素子っぽい語り口は計算してやってるんだろうね。

でも、これだけだと良くある話。奇妙な夢に悩まされてて、それが実は、ってパターン。

描写がほとんどないからアラが目立ちにくいけど、「砂埃がレンガ造りの家並みを」としか
示せないあたりに描写力の不足を感じた。突入する家も、見つめているはずの扉も
時計も具体的な姿が読者に伝わってこない。(夢だから曖昧にした、のならいいけど)

あとは文章がくどい。
「多分に一卵性の双子であってもここまで酷似した例は稀であったろう。」
多分に、はいらない。
「あたしはとりあえず今朝の夢に対する疑問よりも空の胃袋の要求を優先させることを決定した。」
は「とりあえず今朝の夢に対する疑問よりも胃袋の要求を優先させることにした。」
まあ、これは慣れれば良くなるだろうし、好みもあるし。

この調子で通していければ、一次はとおるだろうと思う。

12571255:2006/04/17(月) 09:18:35
>>1256
的確な批評、ありがとうございます。参考にさせていただいて研鑽します

>地名の記述を拒否してるのは
>描写力の不足

曖昧にはしてますが、むしろ資料の無さ…というか、それゆえの自信の無さの現れでしょう
俺は中東にも北関東にも本来は縁がありませんので

>冒頭のハードアクション風から一転して新井素子っぽい語り口は計算してやってるんだろうね。

計算、っていうか硬い表現を微妙に増やしたり減らしたり…
しかし、新井素子先生の名前がでたのは驚きです
模倣してるつもりはありませんが、ン十年前の中学生時代に確かにハマリまくって影響を受けた先生の一人、ですから

>あとは文章がくどい。
癖です。気をつけたいと思います
一人称の場合、「あたし(私・俺・僕)」といった主語の省略を拒否すると、くどくなりますね。でも、省略はほどほどにしてS+Vはできるだけ守りたい
その辺は倒置や受動態で主語を入れ替えることなどで工夫したいと思います

しかし…一人称って、難しい><

12581255:2006/04/17(月) 09:22:15
>この調子で通していければ、一次はとおるだろうと思う。

厳しいですね…。1256さんの評価が、ではなくて、この世界が

たぶん、「クオリティを落とさずにありがちでないものに仕上げてようやくB」といったところですか?
本当にありがとうございますm(_ _)m 頑張ります

1259イラストで騙す予定の名無しさん:2006/04/17(月) 10:16:34
それも運が良ければ一時通過かな
パクリでも何でもいいからまずは文章を盗む事をしてみては

1260イラストで騙す予定の名無しさん:2006/04/17(月) 23:41:15
確信持てないアレですまないけど、どこまで細かく書けば
読者に残りの部分を汲んで貰えるか、読み手に任せる信頼感覚が
まだフラフラしてるのかと。

口語体なのに一文(=一息での発音)が長いのが冗長の原因かな。
読み手はほとんど反射的に「自分が喋っている」感覚で読んでしまう。
それなのにこっちが息継ぎしたくなっても平気で喋り続けるから、
読み手は不安感というか異物感を喉に抱えてしまう。同様に
喋り文体で結構饒舌かつフランクな感触がするのに、時々不意に
「文章的な」演出を施した文章が現れる。これも違和感の原因かと。
もっと、ほんとに喋りながら書く気で行くのがいいかな?

「そんなに言うならオマエやってみろ」と言ってくだされば、当方なりに
指定された文章のリライトなどもさせていただきますワ。

12611255:2006/04/18(火) 08:20:47
ご指摘の部分に修正加えて、書き進みました
とりあえずはこのまま突っ走って、後に見直そうと思います

今度晒すのは完成してから。…何ヶ月かかるかはわかりませんが

>>1260
ありがと。でもリライトは遠慮させてください

1262イラストで騙す予定の名無しさん:2006/04/19(水) 18:33:59
1245です。 FF7プレイしたことがないのですが、どんな粗筋、世界感なんですか?    よかったら教えて下さい。

1263イラストで騙す予定の名無しさん:2006/04/19(水) 18:44:25
あれ? 送信したはずなのに書かれていない。
もしかしてどこかに誤爆したのか……終わった。

12641263:2006/04/19(水) 18:53:27
容量オーバーだったのかな? まあいいか。
電撃掌編用に書いたものを晒したいと思います。
批評をお願いします。


 ――ミンは天才だ。彼女を知る者は口を揃えて言う。
 ――ミンは貧乏だ。彼女の才を羨む者は、哀れみの中に、暗い愉悦を含ませて、言う。
 ――ミンはバカだ。彼女の保護者である祖母の言葉。きっとこれが、もっとも正しい評価なのだろう。

 わらぶき屋根が立ち並ぶ、人口三桁の小さな村。主な産業は牧畜と農耕。領主に納める税の工面に四苦八苦する、そんな村。
 今日は年に一度の収穫祭。村人が総出で、頭を垂れる麦を刈り取り、腰の曲がった老人や子供が、それらを昔から伝わるレシピに従って調理する。村を駆けめぐる風には、麦を焼く香ばしい匂いと、祭り独特の高揚感が入り交じっていた。
 しかしその高揚感と無縁の人間もいた。
 集落から数百歩ほど離れた場所に建つ一軒家。その家は、集落にあるどの家よりも小さく、どの家よりも古かった。
 家の中では、床に腰掛けた少女が頭を抱えてウンウンと唸っていた。少女の前には、大量の荷物が散らばっている。少女はこの家の主、名前をミンと言う。座れば、床に届くほど長い髪を持つ少女だ。
 王都の誇る、数々の賢人を排出した学舎。そこの特待生であるミンは、長期休暇を利用して故郷に帰ってきていた。
 六歳で学舎に入ったミンからしてみれば、五年ぶりの帰郷である。そんな彼女が、収穫祭だというのに何故家に引きこもっているかというと、
(うう、人の輪に入れない)
 村に滞在できる期間は三日。これは長期休暇のほとんどを移動時間に費やしたためだ。そして今日が三日目。明日の昼には村を発たねばならない。滞在期間と収穫祭が被ったのは存外の幸運だった。ミンの幼い頃の記憶では、収穫祭はもう少し後の時期に行われていたはずだ。今年は麦の生育が早かったのだろうかと、彼女は疑問に思う。
 しかしその祭りも楽しめそうではない。ミンは皮と布でできた大型の鞄に、学舎の制服を仕舞いこみながらため息を出す。五年という月日は、ミンが考えているより長かった。
 どこかぎこちない様子を見せる友人たち。彼らは村で必要とされる技能の大半を習得し、個人で生活する力を身に着けている。
(それに比べてわたしは……。料理はできないし、麦も刈れないし。ああ、なんて役立たずなわたし)
 手に持った布で、はらはらと零れる涙を拭うミン。その布が洗濯したばかりの制服であることに気付いた時にはもう遅い。制服は鼻水と涙でべったりと汚れていた。
 もう一度洗う時間はない。ミンは溢れそうになる涙を堪えて、制服を丁寧に畳む。
 外からは、祭りの開始を知らせる笛の音が響いてくる。

12651263:2006/04/19(水) 18:54:26
(ああ、孤独です。ばっちゃま、どうしてミンを置いて死んでしまったのですか)
 村人から聞くところによると、祖母はミンが王都に発ってから二年後に死んだ。ミンを学業に専念させたい。祖母はそう言って、ミンに己の死を伝えることを拒否した。ミンが祖母の死を知ったのは、帰郷後のことだ。
 ミンは首を捻って家の中を見渡す。テーブルやタンスの配置は、彼女が故郷を発つ前と変わっていなかった。村人が時折掃除をしてくれたため、家自体も痛んだ様子はない。だけどこの家からは、人のぬくもりが感じられない。
 それがミンの涙腺を緩める。この家はもう、ミンと祖母が暮らした家ではないのだ。
 家の外からは人々が騒ぐ気配。祭りはもう始まっている。昔は自分も祭りの輪に入って騒ぎ倒したのにと、ミンは自嘲する。
 せっかく収穫祭とかち合ったのに、家で一人寂しく過ごすミン。彼女は抱えた膝の間に、頭を塞ぎ込ませる。真っ直ぐ伸びた黒髪が床に広がる。すぐそこから聞こえる喧噪が、彼女の心をいっそうわびしくさせる、が。
(すぐそこから?)
 何故、村はずれにあるこの家の側から喧噪が聞こえるのか。首を傾げるミン。答えは扉から入ってきた。
「ミン、いるか?」
「ジャック?」
 軋みを発して開かれた扉。その隙間から顔を覗かせているのは、昔よく遊んだ男の子であるジャック。外には他の子供たちの姿もある。
「なにやってるんだよミン。せっかくお前が帰ってくるのに合わせて収穫祭を開いたっていうのに、肝心のお前が参加しないんじゃ意味ないだろ」
「ジャーック。素直に言っちまいな。ミンと一緒に祭りを楽しみたいって」
「そうだよジャック。ミンが帰ってくること、あんだけ喜んでたでしょ」
「ミン。ジャックってば、ミンの手紙が来たその日から……」
「あー、お前ら黙れ!」
 扉の隙間から次々に顔を出す子供たちに、ジャックは怒鳴り声を上げる。蜘蛛の子を散らすように離れる子供たち。しかし彼らは一定の距離を取って、ジャックとミンの様子を眺めている。
「来いよ、ミン」
 ミンに向かって、手を差し出すジャック。
 ミンはジャックの手は取らずに――泣きながら、彼の体に抱きついた。
「ミミミ、ミン?」
「うう、ありがとう。ジャック」
 はやし立てる周囲の声も耳に入らず、ミンはただ、ジャックの胸の中で涙を流した。

1266イラストで騙す予定の名無しさん:2006/04/20(木) 18:42:47
 掌編ということなら過不足無く書けてると思います。強いていうなら、ミンが感じた
疎外感にもう少しスポットを当てては如何でしょう? 学校を、職場を、故郷を離れて
感じるそれは、勉強、仕事、家事手伝いの出来不出来には有りません。
 むしろ休み時間に話すTVの話題、アフター・ファイブや井戸端会議で感じるだろう、
価値観の違いにこそあるものです。

1267イラストで騙す予定の名無しさん:2006/04/20(木) 19:49:27
>>1264

細かいことを言うなら、床は「腰掛ける」ものじゃなくて「座り込む」ものです
大局には、言うことはあまりありません。主人公の名前を繰り返して読者に印象付ける導入法といい、マクロ(村)からミクロ(主人公)へとパンしていく描写といい、手馴れたものを感じます

ただ…疑問が…

人の輪に入れない
せっかく収穫祭とかち合ったのに、家で一人寂しく過ごすミン

こういった疎外感や寂寥感を感じる時、人は「頭を抱えてウンウンと唸」るものなのでしょうか?
例えば自分に置き換えるなら、俺ならたぶん「虚空を焦点の合わない目で見ている」でしょうし、この状況なら「窓からぼんやりと祭の様子を眺めてる」かもしれません

まあ、「頭を抱えてウンウンと唸」る性格の主人公なのかもしれませんが

12681263:2006/04/20(木) 20:52:17
>>1266

>学校を、職場を、故郷を離れて感じるそれは、勉強、仕事、家事手伝いの出来不出来には有りません。
>むしろ休み時間に話すTVの話題、アフター・ファイブや井戸端会議で感じるだろう、価値観の違いにこそあるものです。

考えてみれば、確かにその通りですね。自分の学生時代、友人は頭の良い奴らばかりでしたが、そのことで疎外感を感じたことはありませんし。

>>1267

>こういった疎外感や寂寥感を感じる時、人は「頭を抱えてウンウンと唸」るものなのでしょうか?

指摘された部分を読み直しました……ものすごく変ですね。

お二人とも、批評していただきありがとうございます。
おかげで自分が抱える問題点がわかりました。

12691267:2006/04/20(木) 21:38:28
多分に1264は、自分の中の物語を客観視して捉えることができるゆえに、上手い描写ができるのだと思う。ある意味優れた資質だな
そして、それは諸刃の剣で、それゆえに俺や1266の指摘につながるんじゃないか?

んで、な

>おかげで自分が抱える問題点がわかりました。
わかるなよ!わかった気になるのが一番怖いぞ!

これからもこういう問題もたくさん出てくるだろうから、わからなくていいから書き上げて、少なくとも3人の友達に読ませて同じように指摘してもらえ!
そして修正と校正に創作と同じくらいの時間をかけろ!

12701263:2006/04/20(木) 22:14:24
>>1269
>わかるなよ!わかった気になるのが一番怖いぞ!

>これからもこういう問題もたくさん出てくるだろうから、わからなくていいから書き上げて、少なくとも3人の友達に読ませて同じように指摘してもらえ!
>そして修正と校正に創作と同じくらいの時間をかけろ!

作品の内容だけでなく、創作における心構えも指摘してくれてありがとうございます。
友達に見せる、か。……良い作品を書くためだ。この際、恥ずかしいなんて気持ちは捨てるか。

1271那賀 健比古:2006/04/21(金) 18:17:54
文学的な人間観察と描写についての指摘、ラノベの範疇に留まらない質の高いやり取りですね。

1272イラストで騙す予定の名無しさん:2006/04/22(土) 20:04:37
 それは、今から約二年前――西暦二千十年のことだった。
 そのころ、俺はまだ高校に入学したばかりで。高校を出た後の人生について、別にたいした夢や希望があるわけでもなく、まあごく普通に成り行きまかせな人生を送っていた。
 そんな人生でも楽しかったし、幸せだった。
 父さんはごく普通の会社員。母さんはごく普通の専業主婦。飼ってた犬はごく普通の柴犬。兄弟も何もいない一人っ子だった俺だから、両親からはちょっと甘やかされていた感じはあるが、その分だけ俺を厳しく育ててくれるひとがいて、なんというか喜ぶべきことだと思うんだけど、俺はごく普通にまともに育っていった。自分で言うのもなんだが。
 だけど。そういう普通の幸せってやつは、案外簡単に崩れるものなんだ、と。俺は嫌というほど思い知ることになったんだ。
 夏の、特に暑い時期だったと記憶している。八月ごろかな。たまに母さんが作るかき氷が美味くて、腹を壊すほど食ってたっけ。
 まあ、そんな時のことだった。
 普通に普通だった俺の普通な人生を、世界ごとまとめてぶち壊す事件が起こった。
 大規模な、そう、それこそ世界規模で悪質なウイルスが蔓延したんだ。
 最初にどこの誰が感染したのか、知ってる奴はいないだろうし、今となってはそんなことに何の意味もないと思う。
 とにかく、最初の誰かさんからどうにかして他のどこかの誰かさんに伝染したその病原菌はまた他の誰かさんに感染して、と。それが凄まじい速度で繰り返されて、あっという間にどこか外国にある一つの町全体の人間を感染者に仕立て上げてしまった。
 そこで始めて、やっと本格的に深刻な事態となって、俺達が住んでいる日本のちょっと田舎が入った町の茶の間にもニュースとして伝えられたわけだ。
 それを、テレビの画面ごしに見るそれを、俺はいったいどういう風に言い表せばいいのか、分からなかった。
 いや、知っていたと思う。分かっていたと思う。
 だけど俺の思考はその答えを出すことを拒否していたんだ、と思う。
 それは、とても理解したくない惨状だったから。現実とはかけ離れた夢や幻の産物のように見えたから。
 俺は箸ではさんでいたジャガイモが落ちてテーブルの上を転がったことにも気付かず、画面の中の地獄を食い入るようにして見ていた。父さんも、母さんも、そうしていた。
 ――そうだ、地獄だ。これが何よりも適切な表現だと思う。

1273イラストで騙す予定の名無しさん:2006/04/22(土) 20:05:13
 ヘリコプターに乗った報道者達のカメラによって上空から映されたそこには、地獄があったんだ。俺が今までに見たこともないような、地獄が。
 町のあちこちでは爆発が連続して、ビルが倒れて瓦礫が山を作っていた。
 ひび割れた道路には車が玉突き事故でも起こしたのか何十台、何百台とスクラップになって放置されていたし、中からは血まみれの腕が力なく飛び出ていたりして、運転者の末路を否応無しに想像させた。
 絶叫が聞こえていた。身震いするような断末魔の悲鳴が。町中から、競うように。
 だけど、そんな中で何より目に付いて、しかも恐ろしい光景があった。
 人が歩いていた。
 たくさんの人が歩いていた。
 地獄の中を、山ほどの数の人が歩いていたんだ。
 だけど、どうにも異常だということは、遠く離れた地にいる俺にだって一目で分かった。
 その時、リポーターだろうか、ヘリの中の誰かが、大きな声でそこを指差した。ほとんど悲鳴じみた声だ。現場にいる彼こそは誰よりも深く恐怖しているのだと思う。
 果たして、何千人――いや、何万人といるかもしれない人々の一部を、カメラは大きく映し出す。
 ああ、やっぱりな、と俺は思った。横では母さんが悲鳴を上げていた。父さんが喉を鳴らす音が聞こえた。
 ゾンビだった。そう、簡潔に言ってしまうと、そこにはゾンビがいたんだ。
 いつか友達といっしょに借りてきたビデオで見たB級ホラー映画とか、何年も前に発売されて大ヒットした有名ホラーゲームだとか、そういうものに登場する、ごく普通の、ゾンビ。
 腕が千切れている男がいた。脳漿が飛び出ている女がいた。臓物を引きずって歩く男がいたし、足がないので這うようにして進む女もいた。
 作業服を着ている奴がいれば、高価そうなスーツを着こなしている奴もいたし、薄汚れたドレスを着ている人もいれば、裸同然の人もいた。
 まったく共通性のないように見える彼らに、だけど共通して言えることが一つある。
 死んでいるのだ。完全に死んでいる。人間が、ああなってまで生きていられるわけがない。動けるはずがない。歩けるはずがないんだ。だというのに、頭が半分ほど吹き飛んでいても、どう見ても心臓があると思われる位置に風穴が開いていても、彼らは動いて、歩いて、進んでいた。
 ゾンビだよ。そう、ゾンビなんだ。
 崩れた町の中を、山ほどの数のゾンビが、群れをなしてただ一つの同じ方向に向かって行進していた。
 それを、はっきりと、ちゃんと理解した瞬間。
 俺は、いま胃の中に詰めこんだものをすべて吐き出していた。
 酸っぱい味が口の中を占領する。腹筋のあたりが痛いくらいに収縮している。
 俺を気遣う父さんの声が、やけに遠くのものとして聞こえた。

12741272:2006/04/22(土) 20:07:21
と、いう冒頭から始まるゾンビ話なんですが、どうでしょうかこれ(´・ω・)
批評をお願いしたいです。よろしくお願いします。

1275イラストで騙す予定の名無しさん:2006/04/22(土) 23:39:03
>>1272-1273
これが出だしだとすると、弱い。
描写が弱いしオリジナリティも感じられないからもっと考え直した方がいい。
アイディア以前の問題じゃないかな。

ウィルスをモチーフにした小説や映画は山ほどあるので、
それらの冒頭がどう始まっているか、一度研究してみることをお勧めする。

12761272:2006/04/23(日) 02:49:19
>>1275
どもです。ご意見ありがとうございます。
書いててどうも「ありきたりだなー」とは感じていたので
やっぱりなー、ということで書きなおす決心がつきました。

何か他に問題ないでしょうか。一人称ってどうも慣れてないもので…

1277イラストで騙す予定の名無しさん:2006/04/23(日) 11:34:34
>>1276
偉そうに書いてしまったついでで、主観だけどアドバイスを。

一人称っていうのは、基本的に「僕」から見た世界しか書けない。
ということは、他人の痛みや感情、あとは世界の情勢なんていうのは、
「僕」というフィルターを通して表現されなければならないわけ。

そうなると、独自の世界を書いたりするときには役立つ一人称も、
冷静に物語を進めないといけない推理やサスペンス物では、
「一人称」そのものをギミックにでもしない限り、
「三人称」のほうが書きやすいということになる。
(名探偵ホームズが主人公の一人称はなく、ワトソンが一人称として語られるのも、
このあたりの理由によるものだと、個人的には考えている)

一人称と三人称の選択そのものにも、意味を持たせた方がいいと思うよ。

12781277:2006/04/23(日) 11:41:48
ごめん、ちと主題がずれたな。
今回の文章の場合、本来なら緊迫しなくちゃいけない場面なのに、
あくまでも「僕」が間にたって地の文を進めているので、
どこか冷めた印象がでてきている。
これは上の通り一人称の弊害でもあるんだけど、やはり書き慣れていない感じが出ている。

何事も経験なので一人称で進めてみるのもいいと思うが、
緊迫したシーンをどう書くかを、
(他人が混乱している状況を書く、とか、「あとで知ったことだが」のように完全に一歩退いて書く、とか)
小道具や、いろんな手法を駆使して書いてみたらいいんじゃないだろうか。

12791272:2006/04/23(日) 20:37:17
>>1277
>あくまでも「僕」が間にたって地の文を進めているので、
>どこか冷めた印象がでてきている。
なるほど・・・
確かに改めて自分で読み返しても、緊迫した感じが伝わってこない。
もっと勢いがいい感じで書いたほうがいいのかなあ。
「僕」の思考をそのまま押し出すような・・・ムズヒ

ずっと三人称で書いてきたものなので、手探り実験状態です。


頑張ってみます。ありがとうございました。

1280イラストで騙す予定の名無しさん:2006/04/24(月) 18:38:50
 冷たい風が、私の頬に遠慮なく吹き付ける。
 頬は冷たく、体は火照って、それでも私は走り続けていた。
 ビルの合間を、飛ぶように進む。足はもう棒のようだったが、止まるわけにはいかない。
 追っ手は、すぐそこまで迫っている。振り切る事はできないにしろ、時間を稼がなければならない。
 いまだ非生体(プロスフェラ)の私は、最下級にさえ劣るのだ。追いつかれれば最後、読師(ヤツ)に勝てるはずもない。
 せめて対等に戦えるようになるその時まで、私は逃げる。人の街を、駆け抜ける――。

 銀色のビルが後ろに跳び退り、流れ過ぎる。
 数十もそれを後にしたころ、急にビルの森が疎(まば)らになった。
 元々それが狙いだったのだから、当然といえば当然だ。
 私という獲物を探す狩人(ヤツ)は、人の匂いから獣(わたし)の臭いだけを探し当て迫り来る。
 だからこそ私は、人の匂いが薄れる都会の外へと向かう。ヤツは、私の思考がいまだ人間の域をぬけていないと侮っている。人の海である都会に私が隠れると思っているのだ。
 しかし、私は既に自分が人外である事を悟っている。そんな愚かな事はしない。
 人外(わたし)は人間の中にいてはならないのだ。
 目を薄め口の端をゆがめる。笑んだつもりだったが、漏れたのはしゅう、という嘆息だけだった。
 かれこれ数時間、休みもせずに走り続けた私の体はすでに疲れ果てている。
 限界が近い。早く、休める場所を見つけなければ。
 乱れた呼吸を、足を止めて何とか整える。見上げると、月が昇り始めていた。
「うっ」
 見慣れた月が、ぐにゃりと歪む。頭から、血の気が引いていくのがわかった。足ががくがくと痙攣して、体を支える力を失う。
「気を緩めたら、すぐにこれか」
 月に向かって一人ごちる。
 霞む月を見上げるように、私の体は倒れ伏していた。

 暫(しばら)く立ち上がろうと努力したが、ペースを崩したこの体は容易に私の命令を受け付けない。
 なんとか首だけを動かして、あたりを見回す。
 人の気配はない。冬も近づく今、わざわざ寒空を歩く『人間』などいないのだ。人は群れをなし、温もりの世界でのうのうと生きる。私も、………。
 ふん、と鼻を鳴らして、私は浮かんでしまった希望に少しだけ腹を立てた。
 人外の私には、人間の暖かさなど必要ない。獣は、常に世界(うつつよ)の外にあるのだ。
 愛玩動物(ペット)でもない限り、人間のぬくもりなど獣にはいらない。
 そう断じてから、私はその気持ちに顔を背けた。
 くるりと、視線を回す。
 目前に、人間が立っていた。なんて迂闊(うかつ)だろう。
 自分の事に気を取られて、私は辺りなど見ていなかったのだ。
 男が、私を見下ろしている。何か疑っているような、奇妙な表情だった。
 男と私の視線が絡み合う。男の黒い瞳が眩しいくらい輝いて、私はそこに吸い込まれていた。
 傍から見れば明らかに不審であろう私に、男は眉根を寄せる。しかし、瞳の輝きは収まらない。その輝きは男の心を写しているのか、それともただの好奇心か。
 男が、口を開く。

     ▼▼

 十五世紀から、現在まで受け継がれてきた儀式が存在する。
 連綿と時代を経て、それでもなお終わらない。
 悪魔に心を売り渡し、人々を脅かす『獣』に裁判(ショブン)を行う。
「判決(断罪)」
 今宵も正義の名の下に、神罰を騙る殺人を。
『魔女裁判(ヘクセン・タンツ)』

    ▼▼

 某、研究学園都市。
 整然と並べられた家々。
 全てが造られたその街に、月だけは超然と夜空に輝いて、道路沿いに二人の男女を浮かび上がらせた。
 女が――少女と言った方が正しいだろう――道路に仰向けで倒れている。
 長い黒髪が放射状に広がって、奇妙に妖艶だった。黒いコートを身に纏(まと)って、革のような質感の服を着ている。
 少女は、先ほどからピクリとも動かない。
 といっても気絶しているわけではなく、眼光鋭く目前の男を見上げていた。
 見上げられている男は、買い物袋をその手にぶら下げ、けだるそうな視線で見返している。
「……救急車でも呼ぶか?」

12811280:2006/04/24(月) 19:15:04
よくある月並みなストーリーの冒頭部分です。ご批評お願いします。

1282イラストで騙す予定の名無しさん:2006/04/25(火) 01:07:53
描写力が不足。具体的には単語の選び方が変だと思う。
冷たい、の次に火照って、とくるから寒いのかどうか判らないし、
飛ぶように、とあるから華麗な動きかと思ったら、足が棒。
「霞む月を見上げるように、私の体は倒れ伏していた。」これ、身体起こしてるの?伏せてるの?
あえて語を対比させて効果を出す、という手法でもないようだから、たぶん、適切な描写が浮かばないんだろう、
と思う。本を読んでない、長文になれてない可能性もあるけど。

ひたすら走って、「勝てなくてもせめて時間稼ぎ」、と悲壮な覚悟を示していながら
「休む場所を見つけよう」、なんでこういう場当たり的な描写が続くのかなあ。

1283イラストで騙す予定の名無しさん:2006/04/25(火) 06:41:52
描写については1282が言ってるので、別の意見を

導入、としてはありきたりっぽくてちょっと弱いかな?
逃亡の部分を一人称にしたのは、読者を引き込むための工夫のつもりだろうけど、その直後に

十五世紀から、〜

という説明に切り替わっているので違和感が強い上に必然性も感じられなくなっている

一人称の導入にこだわるなら、いっそ、逃亡の部分も三人称にして客観的に描写して、その前の部分に一人称で
「主人公が過去を振り返って懐かしんだり、後悔したりみたいな感情表現を主としたプロローグ」
を付け足したほうがいいかと思う

1284イラストで騙す予定の名無しさん:2006/04/25(火) 16:20:08
よくある月並みなストーリーの冒頭部分のご批評ありがとうございました。

1285イラストで騙す予定の名無しさん:2006/04/26(水) 00:56:41
「お察し発言」とか言ってる時点でそう思ったのは自分なんだから私怨だろ

12861285:2006/04/26(水) 00:57:25
人生初誤爆おめでとう俺 ありがとう俺

128748:2006/04/26(水) 01:02:14
りすかマニアへ。作品を読んでいて、感じたこと。

【舞台設定】

1:世界観はどんなもんよ?
 主人公達が暮らす場所の、文明レベルがよくわからない。
 世界の十五企業とか、車や発電所があるから、現代なのかな、と思っていると、
 唐突に国際サミットで、天上人云々とか出てきて、どんな世界観なのか、混乱する。
 また、天上界から大規模な侵略を受けているなら、
 そうでない国にしても厭世的な空気が漂っているんじゃなかろうか?
 難民とかもいるかもしれないし、仮に日本なら、食料、燃料などの価格が高騰しているかも知れない。
 東京だって、31区とか出来ているなら、かなりの変化があっただろうし、
 そういった前提が一切、説明されないため、世界観に物凄い違和感を感じてしまう。 
 
2:天上界や天上人て何?
 空の上にいる事と言われても、正直、さっぱりイメージが出来ない。 
 天上人、天上界の外観とか、地上を侵略するにしても、どのような手段で行っているのか、とか。
 何故、地上人を奴隷として連れて行っているのか、など具体的像が絶無。
 能力者をぶつけようとするくらいだから、もしかすると、現行の兵器は無効なのかな、と考えたりもしたが、
 そういった事は一切説明されず、ただ、抵抗し、倒す、とだけ言われても、正直、困る。
 敵なら、敵として、もっと極悪非道ぶりをネチネチ描写して、もっと悪っぽい印象を与え、
 尚かつ、能力者が戦う必然性を明記していかないと。

3:企業て何?
 イレギュラーシステムを作った事はわかるが、世界観や天上人などと同様で正体不明。
 企業、企業と繰り返されるだけで、具体的な名称すらないのは如何なものか。
 物語のキモである、能力に関わっている部分だから、幾ら書いても書き足りない、という事もなかろう。
    
4:イレギュラーシステムの謎
 これは脳に埋め込むものだよな?
 しかし、何カ所かでイレギュラーシステムは「人の形をしているけど半分は機械」という記述が出てくる。
 意味がわからない。脳に埋め込むだけで、何で、半分が機械になるのか?
 イレギュラーシステムは脳への処理と肉体の機械化が同時にされてるの?
 そのあたりが、説明不足。
 「二人倒せば、レベル2になる」とか、「どんな乗り物でも操縦出来るようになる」とか、
 幾つか設定はあるようだが、ほとんど活かされていない。
 使わない設定なら、わざわざ、書く必要もないし、下手に書くと、とってつけたように見える。
 乗り物の操縦なんかは、バーストが車を運転する時に明かされたが、
 その時、バーストは実は無免とかいうネタにしておけば、印象づけられたと思う。
 あと、「痛覚遮断機構」や「絶対領域」などは全員が共通してもっている機能なのかもわからない。
 また、重要な役割を持つらしい「波動刻印」の説明が一切されていないから、
 「波動刻印」の効果で、と言われても、ハァ? としかならない。

128848:2006/04/26(水) 01:02:37
4:天地制覇の使徒
  何で、唐突に国際サミットを襲うのか?
  一般人を見下してるのだけはわかるが、それだけでは納得出来ない。
  また、強大な能力を与えるのだから、それを与えた企業側は、
  暴走した時のために、自爆装置なり何なりで、外部から制御する手段を持っている方が自然。
   
5:バトルロワイヤルの意味。
  致命的な質問其の一。
  地上の大部分を侵略されているのに、わざわざ、強力な能力者を殺し合わせる理由とは?
  三大能力を与えるためなら、殺し合う必要もなく、単に競技会を開き、競いあわせれば良いじゃないか。
  外部に強大な敵がいるのに、内輪揉めを起こしていて、どうする。

6:天上界の存在意義。
  致命的な質問其の二。
  敵が天上界である必要性はどこにある?
  別に巨大な軍事国家とかでも、問題はないような…
  現代風の世界観の中(と、俺は判断したが)にあえて、
  おファンタジーなものを引っ張り出してきた理由がわからない。

128948:2006/04/26(水) 01:03:00
【登場人物】

1:主役不明
 主役が誰かわからない。これは、わりと致命的だと思う。
  
2:人数過多
 台詞を一度でも発したキャラが「25人」近くおり、その大半が固有名を持っているあたり、無駄が多い。
 正直、設定としてあっても、固有名詞を出す必要はない、と思う。
 特にイレギュラーシステムとそのOSは名前の語感が似ているのが多くて、混乱した。
 (但し、必ずしも、名前を似せる事が悪い、と言っているのではない)

3:印象薄弱
  外見どころか、年齢、場合によっては性別さえまともに書かれていない事が多く、
  どのキャラクターも具体的な姿をイメージ出来ない。

  また、キャラクターの大半が二言三言喋り、戦い、殺される、というパターンで、消えていくため、
  能力やシチュエーション毎で印象に残る事もない。
  キャラクター同士の絡み、各々のキャラの掘り下げも出来ているとは言い難い。

  水無月 零がゼロとなる事を決意するまでの葛藤、
  バーストがゼロを守ろうと自分から決意した理由、
  花が裏切りるまでの心理変化、
  薫が、突然、目覚めたノアシステムを受け容れるまでの過程
  ナイトメアが自分の能力に対して持つ感情が如何なるものか、等々、

  掘り下げて、キャラを印象づけようと思えば、幾らでも出来る部分はあるのに、
  その大半を、そう決めた、とか、〜であるの一言や一文で済ませてしまっていて薄っぺらく、
  勝手にキャラクターが納得して、大半が自己完結している。
  何というか、感情変化が尽く一瞬で済んでいて、読み手がおいてきぼり。
  作者の都合が良い展開に持っていくための装置としてしか、キャラクターが扱われていないような印象。
  これはキャラクターが多すぎる事に起因している面もあるのかもしれない。
  もっと人数を減らして、少ない登場人物話を回してみると良い、かも。

129043:2006/04/26(水) 01:04:59

4:全体的な説明不足。
  バーストが前半でゼロに対し、殺すなどと言っていた理由。 
  花が何故、薫の家に居候しているのか。
  薫達は何歳なのか? 学校は小学校か、中学か、高校か? 
  母と同居しているのに、薫は何故、家主なのか。
  天地制覇の使徒は、何故、国際サミットを襲撃したのか?
  ジエンドが何故、天上界に嫌気がさしたのか
  また、彼はどうやって、ゼロやバーストに目をつけたのか等々。
  見せるべき過程が欠如しているため、常に行き当たりばったり、
  上にも書いたが、それが、「作者の都合の良い展開」に持って行くために、
  キャラクターが扱われている印象を殊更に助長している。  

5:必然性に乏しいOSの人格。
  OSに人格があるという設定。
  正直、OSに人格があるという設定が少しでも有効に機能したのは、
  薫の中でノアシステムが目覚めた時と、
  最後のジエンド戦で、システムが停止させられ、反応が返って来ない時くらいだと思う。
  それ以外のシーンでは、ただ適当に喋ってるだけの外野の役目しか果たしていない。
  使用者との信頼関係が見えるでもなく、戦闘で人格がある事が役に立つわけでもなく、
  主人が死んだら、その身体を乗っ取って、動き出すでもなく、
  OSの人格は、イレギュラーシステムの暇潰しの雑談相手なのか?
  それなら、イレイザーのシステムのみに人格があるとかにしても問題はないし、
  人格をなくしても、書きようがあるはず。
  OSの人格設定を全廃するだけで、台詞持ちの固有名詞キャラが「十人」は減り、無駄がなくなる。

129143:2006/04/26(水) 01:05:19
【展開】
 :唐突+単調
  前半に日常描写が少しあるだけで、
  後は、敵と遭遇→適当に会話→殺す、だけのワンパターンの繰り返し。
  全体的にも、それと同じ事が言える。

  意外性を意識した、と言っているが、
  予め、まともな布石を打っていないか、見え見えの展開が多く、
  違和感を覚えるか、今更、そんな事言われても。という程度にしか思わない。

  個人的に花の裏切りは意外っちゃ意外だったが、
  事前に内通していたとかの描写もないのに裏切られ、唐突過ぎて、唖然とした。  
  アッシュを刺すシーンにしても、「ごめんね、ごめんね」とか、謝りながらならともかく、
  「ハーレスの後釜だ」とか言っているもんだから、裏切りというより、
  最初から敵だったようにしか見えない。おかげで、薫の命云々も、空々しくしか聞こえない。

129243:2006/04/26(水) 01:06:10
【総評】
 世界観にしろ、人物にしろ、土台がしっかりしていない、という印象が強い。
 主人公達の行動も感情や過程の描写に乏しく、スイッチが切り替わるように、唐突に変化している。 
 結局、作者は他人に向けて書いているつもりでも、自分の方しか見ていない感じ。
 お世辞にも、表現が多様だとは言えないし、文法もおかしいところが多すぎる。
 突き詰めれば、読書量とか、基礎的な部分が絶望的に足りていない、と言われても仕方なし。

 というか、ぶっちゃけ、ゴミ。

 1:わからない、理解出来ない言葉は、使いたいと思っても絶対に使わない。
 2:何かを書く時は知っていると思う表現でも、必ず、辞書を用意し、意味を確認するようにする。
 3:こんなので、本当に良いのか、と常に自問自答を繰り返す。
   とかしてみれ。

 後、批判してばっかりだと、あれなので、最後に良かった点を

【良かった点】
 魚屋で買い物する薫の「マグロの刺身二切れください」の台詞。これは素直に面白かった。大爆笑。
 以前は「使徒」の字に対し、「使途」延々誤用していたが、今回はそれがなくなった。

1293イラストで騙す予定の名無しさん:2006/04/26(水) 01:08:45
以上。
考えて、物を書け。

1294イラストで騙す予定の名無しさん:2006/04/26(水) 07:22:31
えっと…避難所の誤爆ですか?

1295イラストで騙す予定の名無しさん:2006/04/26(水) 09:09:31
違う。誘導来てたんだよ。

1296イラストで騙す予定の名無しさん:2006/04/26(水) 10:29:51
>>1292
>魚屋で買い物する薫の「マグロの刺身二切れください」の台詞。これは素直に面白かった。大爆笑。
神器の時も4本読んで1フレーズだけ「うわ、このセリフ絶妙」みたいな事があったなぁ。
なんか時々そう言う衝突事故みたいなことが起きるから怖いぜ

1297イラストで騙す予定の名無しさん:2006/04/26(水) 13:09:59
刺身を二切れ、て単に「さく」て単位を知らないだけじゃ……

1298イラストで騙す予定の名無しさん:2006/04/26(水) 16:03:21
>>43
論評乙です。
ありがとうございました。

1299イラストで騙す予定の名無しさん:2006/04/26(水) 20:48:30
荒らしが始まったのかと思ったぞ

1300イラストで騙す予定の名無しさん:2006/04/28(金) 10:31:52
冒頭部分です。意見を聞かせてください。


夢の中にいたカームを、鈍い音が現実に呼び戻した。聞き覚えのない妙な音。 寝癖のつきかけた金髪を軽く掻いて体を起こす。一応剣を取り、廊下に出た。
人影はない。何かあれば皇子であるカームの元に報告が来るはずなのだが兵士の姿はない。       「そらみみかな?」   カームは、ぼそっと呟き扉をしめかけたのだが、またも奇妙な音が耳に入った。今度はガラスの割れる音。さすがに空耳には思えず、音のした方へ歩き始めた。単に物を落としただけか、それとも報告に来れない程の異常事態か、カームは前者であることを祈りながら暗い回廊を進んだ。

1301イラストで騙す予定の名無しさん:2006/04/28(金) 12:24:30
続きです。                   進むにつれ、カームの緊張が高まってくる。かすかに聞こえるうめき声。どうやら事態は深刻なようだ。 足音はもちろん、寝巻と床が擦れる音にさえ気を遣い慎重に進んでいく。   闇の中に、炎が浮かんでいた。床には倒れた兵士とランプの破片が映し出されている。         カームが兵士に駆け寄ろうとした時、炎を飛び越え一つの黒い影が現われた。 全身を黒いマントで覆っていて、顔には仮面を付けている。         火に照らされた仮面を見た時、カームの体に寒気が走った。         異様に鋭い八重歯、角張った頬骨、深い闇を映す垂れた目。鬼の面を纏った、恐らく男であろう、その影は静かに剣を構えた。

1302イラストで騙す予定の名無しさん:2006/04/28(金) 16:43:57
緊張とか自体は深刻とか言ってるわりには、読んでてどうも実感が湧かない。
直接の原因としては描写不足が考えられるけれど、
率直に言ってしまえばそれ以前で、全体的に文章がつたないと感じた。

1303那賀 健比古:2006/04/28(金) 19:52:26
携帯から打ったのでしょうか? 先ずは改行をきちんとすべきです。

1304イラストで騙す予定の名無しさん:2006/04/28(金) 20:16:06

侵入者に対して、王子が自ら駆けつけるというのは、どうなんだ?
血気にはやったという解釈もあると思うけど、せめて声をあげて
人数を集めろよ。
王子の護衛の兵士はひとりだけなのか?
「ものども出会え出会え」
これが基本。
時代劇にでてくる悪い奉行の屋敷には、暴れん坊将軍とか
遊び人の金さんとか、かなりの確率で侵入してくる。
そういうケースにおいて、侵入者にひとりで立ち向かう
悪い奉行を、俺は見たことがない。

1305イラストで騙す予定の名無しさん:2006/04/28(金) 23:12:56
典型的な「梗概のような小説」ですね
スピード感の必要なクライマックスの戦闘シーンならこの程度の描写でもいいのですが、序盤はもっと丁寧に書きましょう
読者は背景や世界観や人物像がわからないと入っていけないですから…

興味を持たせるためにこういったシーンから導入するってのは、正しいです
でも、最初は「わかってもらうこと」が大切ですから、描写を惜しまないように

1306イラストで騙す予定の名無しさん:2006/04/29(土) 04:49:58
1300です。       確かに描写不足でしたね。迫力もないような・・・。色々書き足してみます。

1307イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/01(月) 21:55:44
>>1304
一応同意だが、その点については全体を読んでみんことにゃ分からんな。
 例えば小さな遊牧民族の三男坊とかなら身軽な王子もあり得ん話では
 なかろうし、ファンタジーに腕の立ったり魔法が使えたりする奴でかつ
 猪突タイプの性格ならそれもありえん話ではないだろうし。

 どちらにせよ、王道ファンタジーっぽい世界観の話ではよほど文章力に自
 信があるのでない限り、冒頭がありがちというのはマズイと思う。
 アイデアが浮かばなくとも、なにかしら設定、キャラなどに自信のあるも
 のがあれば、しょっぱなで出し惜しみせずに一つくらい出してしまっても
 良いのでは。
 いや、俺も以前やった失敗なのだが。
 最初にいきなりバトルで盛り上げようという考え方は斬新ではないが娯楽
 物語のツボをおさえてはいると思うので、そこをどうにか発展させてみる
 とか。
 
 あと、文章力は正直言ってアマチュアとしてもまだ未熟なレベルと思う。
 とはいえ、文章がわりと未熟で面白い話作るプロもいるし、慣れてみん
 と分からん技術でもあるので諦めることはまったくないよ。
 経験から言うと、好きな小説を読み直して自分なりに分析してみるのが
 良いかと。

 ……俺も人の作品にケチつけてる場合じゃねえorz

13081305:2006/05/01(月) 22:26:08
主語と述語の対応を意識して書いてみればいいんじゃないかな?
んで、くどかったり無いほうが効果的だったりと思える主語を省いてみる、と
それから、固有名詞だけじゃなくて、適度に「彼は」といった代名詞を使ったほうが読みやすい

あと、描写だけど、基本的に一つの章(プロローグ)の中に

いつ、どこで、誰が、何を、どんな風に、どうした。

を表現しきること
そして

いつ:その時代はどんな時代か
どこで:どんな国、または星、または時空のどういう地形または建物か
誰が:それはどんな人物でどんな地位でどんな性格か



まあ、そんな感じで書いてみてください

くどくならないか?とか思うかもしれませんが、小説というのは
書き手が30分かけて書いた文章を、読者は10秒で読むもの
なのです
ガンガレ!

13091305:2006/05/01(月) 22:28:53
追記

いつ、どこで、についてはファンタジーでは詳しい描写は必須ですが、現代劇だったりすると、ある程度は簡略化できまう

1310イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/04(木) 00:39:23
 時代劇に限らず読み手の共通認識を前提にした作品はそうですよね。ライト・ファンタジーでは
普通、エルフとはどんな種族で、魔法とはどんなものかを詳細に説明しないものですし。最初から
そうしたものが存在する、という前提で説明がくどく成るのを避けますから。
 この作品を読んだ場合読者は「王子は腕に覚えが有るか、無くともアグレッシブな性格である」
と見なすでしょうし、同様に「王族の身辺に何者かが忍び込める」のも読み取れます。
 つまり謀略渦巻く王宮なのか、忍び込んだ者の腕がそれ程の実力なのか、或いは治安が悪くて
王族といえども気が休まる暇が無い場所なのか。何れにせよファンタジーでは良くある事ですし、
その点は整合性を求める事は無いと思います。
 むしろその情景を思いついたのであれば、そこから背景を練り込んで設定を整えるべきかと。
この作品を読んだ限りでは、王子はそれなりに腕が立ち、かつ侵入者が有り得るのを認識している
かの様に伺えます。その辺の描写を加えてみては如何でしょう?

1311イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/04(木) 00:53:06
 これと同じ様な事は>1260さんが別の人に書いていますが、彼方では読者に与える情報のについて
取捨選択を説いており、此方ではもっと根本的に「情報を考え、与えよ」と説いています。多分、
考えていないでしょう? その辺りをRPGのロール・マスターのように妄想を膨らませるのが作家
(志望)の醍醐味ですから存分に楽しんで下さい。
 それと改行や句読点、律の配分も創作の内ですからもう少し意識すべきです。

1312ちょっと長いけど、よろしく 1/5:2006/05/04(木) 02:40:17
 夜の街は、喧騒に包まれていた。
 極彩色のネオンの光に浮かび上がる人波は途切れることがなく流れて行く。
 人々は、鬱積したストレスを吐き出す為に、あるいは、退屈な日常を忘れさせてくれる何かを
求めて夜の街を彷徨う。
 通りを飛び交う様々なノイズ、人々の吐き出す熱気に充てられて街は、加熱していた。
 街角を吹き抜ける風は、妙に生暖かい。
 何かが起きる、そんな予感を抱かせる、月の見えない週末の夜。
 だが――
 人々は、知らない。その街の片隅で、人ならざる者と、それを狩る者との戦いが始まろうとし
ている事を……

「ねぇねぇ、何してんの?」
 いきなり背後から声を掛けられて、その背の高い少年は、面倒くさそうに振り向いた。
 そこには小柄な少女が立っていた。
 女子高生だろうか?浅黒い顔に、茶髪、スカート丈の短い制服の上にパーカーを羽織った、
その姿は、まんまコギャルと言った趣だが、その顔は幼く、中学生か、下手をすればその小柄な
体と相俟って小学生に見えた。好奇心を湛えた子猫の様な大きな瞳が印象的な少女だった。
 一方の声を掛けられた少年の方は、少し気の早いタンクトップにGパンといったラフな出で立
ちだが、目を引くのは、タンクトップから伸びたその二の腕の太さだ。
 大げさではなく、声を掛けてきた少女のウエスト程は、ありそうだ。また、タンクトップを押し上
げる、大胸筋や腹筋の発達具合も尋常ではない。
 それだけ、隆々たる肉体を持ってるにも関わらず、ごつく見えず、寧ろスマートに見えるのは
その長身のお陰だろう。180cmを軽く超えて190cmにも届きそうだ。
 成熟した肉体に比べて、顔の方には、まだ少年の面影を色濃く残しており、少年を少年たらし
めていた。
 ボサボサの髪、太い眉毛やまだ若干丸みを帯びた輪郭等は少々野暮ったいが、筋の通った
鼻筋、大きな瞳、そしてその瞳から放たれる強い意思を感じさせる眼光など、近い将来に男前
になるであろう片鱗が見て取れた。
 もっとも、今その顔には、まるで先生から放課後、居残る様に命じられた悪ガキの様な憮然と
した表情が浮かんでいるが――
 そんな、少年にお構い無しに、少女は言葉を続けた。
「ねぇ、暇してるんだったらさ、私に付き合わない?」
「……いや、今取りこみ中だ」
 少年は、憮然とした表情を崩さないまま、素っ気なく言い放った。
「え〜なんでよ、今さっきからずっとその場所に、つっ立ったまんまじゃない」
 少女が指摘した様に、少年は、表通りに面したブティックのショーウインドに持たれ掛かった
まま彼是一時間程、通行人を眺めているだけだった。
「あっ、もしかして誰かまってるの?」
「……まぁ、そんな所だ」
「誰、待ってんの?友達?それとも彼女?」
「誰だっていいだろ、それよりもこんな時間に、女一人でうろついてると、悪い狼に食われちま
うぜ」
「なにそれ、オジサンみたいなこと言わないでヨ、超ダサー、まだ11時ちょい過ぎジャン」
 少年の太い眉毛が、ピクリと動いた。
「兎に角、俺は忙しいんだ、逆ナンパがしたけりゃ、ほか当たれよ」
「バッカじゃないの!折角、この私が声掛けてあげたのに!もしかしてアンタ、ゲイなんじゃない
の?そう言えば服装も、マッチョ系だし、やっぱりゲイなんだ……ウホ!ゲイなんてサイテー、カ
マ掘られてヒイヒイ喘ぐなんてキンモ★〜、近寄らないでよ、この変態!」
 突然、少女は癇癪玉が破裂したかのように、大声で一気に捲くし立てると、唖然とする少年を
尻目に、さっさと行ってしまった。
 すると、何を思ったか少年から5m程離れてから、少女は立ち止まった。そして少年の方を一
瞥すると――
「あっかんべ〜〜」
 ガキかよ!、と少年がツッコミを入れる間もなく、少女の姿は、人波に消えてしまった。
 結局、反論も出来ないまま、一人取り残された格好になった少年は、騒ぎを聞きつけた通行人の
好奇の視線を一身に浴びる。
「バカヤロー、誰がゲイだ。硬派と言えよ硬派と!大体、女が嫌いなんじゃない、お前みたいなチャ
ラついた女が嫌いなんだよ!」
 通行人の痛い視線を無視しながら、少年は口の中で呟いた。

1313ちょっと長いけど、よろしく 2/5:2006/05/04(木) 02:41:39
 あの、少女が立ち去って、どの位の時間が経っただろうか。
 少年は、未だにブティック前にいた。
 ブティックのショーウインドウには、無骨なシャッターが下りていた。流石に、表通りを流れる人波
も、途切れがちになっていた。
「今宵も待ち人は、現れず……か」
 誰に言うでもなく、少年が呟いた。
「それにしても、もう一週間だぜ、人の味を覚えちまったんだ、もうそろそろ血を押さえられなくなる
頃だが……それとも、狩場を変えたの――」
 そこまで言って、不意に少年は、顔を上げた。
 少年の視線の先、行き交う通行人の足元に、一匹の黒猫がいた。
 黒猫は、少年と視線を合わせると、身を翻して駆けて行った。
 弾かれた様に、少年も走り出した。通行人を巧みに躱わしながら、黒猫の後を追う。
 恐ろしく足の速い猫だ。まるで黒い疾風の如く、通行人の間を摺り抜けて行く。少年の足も決して
遅くないのだが、見る間に黒猫との距離が開いていった。
 黒猫は、通りの角で折れてアーケード街に入っていく。数秒遅れて少年もそれに続いた。
 アーケード内の商店は殆どがシャッターを下ろしていた。通行人の姿も見えない。そのお陰で
前方を走る黒猫の姿をはっきりと目視することが出来た。少年と黒猫との距離は三十m程か。
「……フゥ!」
 少年は短く息を吐き出した。次の瞬間、ローギアからいきなりトップギアに入れたかの如く少年
の体は一気に加速した。
 速い!それまでも十分俊足と言えたが、今のスピードは短距離の世界のトップアスリートをも遥か
に凌駕する驚くべきスピードだ。
 ダイナミックなフォームで走る少年の姿は、まるで獲物を狙うしなやかな獣だ。瞬く間に、前方を走
る黒猫との差が縮む。
 少年と黒猫との距離が五m程まで詰まった時、黒猫はアーケード街を抜けて飲食店や居酒屋が
多く立ち並ぶ区画に入った。
 飲食店街には、まだ人通りが残っていたが、少年はスピードを緩めない。
 その時、赤提灯の店から出てきた千鳥足のサラリーマンが少年の行手を遮った。
「…っと!」
 少年はハードルを飛び越える要領でサラリーマンを一跨ぎした。一跨ぎとは言っても、軽々と2
mは飛んでいた。
「おぉ!なんだぁ!……あ痛てぇ」
 いきなり目の前に現れた少年に驚いて、赤ら顔のサラリーマンは尻餅を突いた。
「ゴメンよ!」
 顔だけ向けて謝ると少年はそのまま走り去る。背中越しにサラリーマンの罵声が聞こえたがそ
れを無視した。
 しばらく追跡を続けると、前方を走っていた黒猫が突然止まった。
 少年も急制動を掛けたが、スピードに乗っていた少年の体はすぐには止まることが出来ない。
 ズズズズ――
 スニーカーのソールでブレーキマークを刻みつけながら4メートル程横滑りして、ようやく少年
の体は止まった。ちょうどいい具合に黒猫の傍らだ。
 黒猫は、雑居ビルの間の薄暗い路地の前に、ちょこんと座っていた。
「ここだな、しかし……」
 路地の暗闇の先を見つめる少年の顔が一瞬、強張った。
「ニャ〜ン」
 何時の間にか少年の足元に擦り寄っていた、黒猫が甘えるような鳴き声を上げた。
「ん?そうだな、お前の”使役”は、終わったからな、戻っていいぜ」
「ニャン」
 黒猫は少年の言葉に答える様に鳴いた。すると突然、黒猫の体から青白い炎が噴き上がった。
その青白い炎は、瞬く間に黒猫の全身を包み込む。そして次の瞬間、眩い光を放ちながら爆発
したかの様に四散した。

1314ちょっと長いけど、よろしく 3/5:2006/05/04(木) 02:42:26
 黒猫の姿は、忽然と消えていた。その代わりに一枚の紙切れが黒猫が居た場所に落ちていた。
 少年は、驚いた素振り一つ見せず、然も当たり前のように、その紙切れを拾い上げた。
 縦三十cm横十cm程の短冊状のその紙の表面には、なにやら幾何学模様のような文字がびっし
りと書かれていたが判読不能だった。唯、墨で書かれた「猫」と「探査」の二文字だけは読み取る
事が出来た。
 その紙をGパンの後ろポケットに押し込こみながら、少年はもう一度、路地の方に目を向けた。
 路地に澱む闇が深すぎて、通りからは3m先も見通す事が出来なかった。
 きらびやかな夜の街に、ぽっかりと口を開けた魔窟――。そんな印象だ。
 人間は、本能的に暗闇に恐怖を覚えると言う。路地に澱む闇の深さは、人の侵入を拒むには十分
だった。
 もっとも、この少年は、そんな繊細な神経など持ち合わせていないのか、大胆に、そして無遠慮に
路地の中に足を踏み入れた。
 狭い路地だ。大柄な少年が両手をいっぱいに伸ばすと両サイドの壁に手が付いてしまいそうだ。
 大股で三歩も行くと、もう通りからの光は届かなくなり、墨汁を垂らしたかのような暗黒が少年を包み
込んだ。
 だが、少年は夜目が利くのか、スイスイと路地の中を進んで行く。
 しばらく歩くと、ポリバケツが地面に転がっていた。何処かの不心得者が蹴り倒したのか、蓋が外れ
て中の生ゴミが狭い路地いっぱいにぶち捲けられていた。
 それを無視して更に奥に進むと、不意に少年の足が止まった。
「………やはり、か」
 少年の口から、溜息にも似た呟きが漏れた。
 路地の奥まった場所に何かが横たわっていた。うち捨てられたマネキンか?
 いや、違う。少年の鼻を刺激する臭いがそれを否定していた。狭い路地の中に立ち込めた、吐き気
を催すほど濃密な”血”の臭いが……。
 灰色の壁に彩りを加える飛び散った血痕。地面は、赤い絨毯を敷き詰めたかのように、真紅に染ま
っていた。
 少年は、視線を足元に落とした。そこには切断された右腕が転がっていた。上腕骨が覗く切断面を見
る限り切断したと言うよりも噛み千切ったと言った方が正解だろう。
 少年は、死体の方に近づく。若い女性のようだ。OLだろうか?ブルーのビジネススーツは血が滲んで
黒く見えた。
 最後まで必死に抵抗したのだろう。左手の爪は、小指以外全て剥げていた。その指の間には灰色の
長い毛が挟まっていた。
 視線を死体の上半身に移す。喉笛の辺りにぽっかりと穴が穿っていた。恐らくはこれが致命傷だろう。
そして顔。カッと目を見開き、恐怖と苦痛が綯い合わさったまま凍った表情は、女性の両親が見てもす
ぐには、自分達の娘とは気が付くまい。
 少年は身を屈めて死体に触れた。無論すでに冷たくなっていたが、死後硬直は始まっていなかった。
死体になってそんなに時間は経っていないようだ。
 視線を上げた時、女性の顔が少年の目に入った。死体を見るのは初めてではない。寧ろ商売柄、見
馴れていると言ってもいい。だがそれでもこの女性の顔は当分の間忘れる事は出来ないだろう。
 少年は、そっと女性の顔に手を当てて、見開いたままの目を閉じた。
「……ゴメン。助けられなくて、だが仇は取る……絶対にな」
 搾り出すようにそう言った少年の声は、僅かに震えていた。

1315ちょっと長いけど、よろしく 4/5:2006/05/04(木) 02:43:31
 男は、腹の奥底から突き上げてくる衝動を、必死に押さえ込んでいた。
――食らいたい!食らいたい!食らいたい!!
 先の”食事”から二時間もたっていないのに、激しい飢餓感が男を苛む。だが僅かに残った
男の理性がそれを押し留める。
――今はダメだ、今は……
「ねぇ、どおしたの?顔色悪いよ」
 男と並んで歩いた少女が、男の顔を覗きこんだ。
「いや……なんでもない」
「フ―ン、ならいいけど」
 少女は、興味を失ったかのように男から離れた。
 男は額の汗を拭いながら傍らの少女を見た。つい今先まで見ず知らずだった少女だ。
 街角で二言、三言、言葉を交わしただけで少女は男に付いて来た。名前は確か真理とか言っ
た。だが少女の名前など男には、何の意味も持たない。
 なぜなら少女は男の飢えを、渇きを潤す為の贄にしか過ぎないのだから。この少女の肉を貪り
たい!血を啜りたい!男の本能が、獣としての本能が男の体を駈り立てる。
――だが、ここではダメだ。人目に付くこの場所では……
「なぁ……ちょっと寄って行かないか」
 男が指差したのは市民公園の入り口だった。
「んー、どうしょうかな〜、ちょっとムード有りそうだけど……でも変なのが居たりしない?クスリ
でラリッてるのとか」
「……大丈夫、この公園に人は居ない。」
「なんで分かるの?」
「……臭いだ」
「臭い?なにそれ、あなた犬系の人なんだ」
 そう言うと真理は何が面白いのか、ケタケタと笑いだした。
 男も真理につられて笑顔を浮かべた。その口元には人の歯と言うには余りにも太く鋭い犬歯
が覗いていた。
 そして二人は連れ添って公園の中へ入っていく。その様子を街路樹の上から一匹の白猫が
見つめていた。

 公園の中は、闇と静寂に包まれていた。点在する街灯の周りだけが大海の中の小島のように
浮かんで見える。
 繁華街から近いと言うのに、喧騒から切り離されているのは公園を包む様に植林されている
街路樹が防音壁の役割を果たしているということもあるが、公園自体がかなりの広さ持ってい
る為であろう。
 日中ともなれば、緑を求めて散策する者や近くのオフィス街から昼食をとる為に訪れる者など、
市民の憩いの場所として人通りがあるのだが、日付が替わり、丑みつ時と言ってもいい今の
時間に公園を散歩する物好きの姿は見えなかった。――男と真理以外は。
 二人は、公園の中央にある広場に向かう遊歩道を歩いていた。
「……ねぇ、ちょっとここ、怖くない?」
 真理は、男に寄り添いながら、気味が悪そうに辺りを見渡した。
「………」
 だが男は、真理の問いを無視したまま、どんどんと先に進んで行く。
「蚊や変な虫も多いし」
「………」
「ねぇ、やっぱりここ出ない?私、ここなんかヤだな」
「………」
「ねぇ!聞いてる?」
「………ああ、そうだ、な……出るか」
 それまで無言だった男が漸く答えた。
「じゃあ早く出ようよ!……ホント、ここヤなカンジ!」
 そう言って、背を向けて足早に立ち去ろうとする真理の肩に男が手を掛けた。
「もぅ!ここじゃ嫌だって言ってるでしょ!」
 肩に掛かった男の手を払い除けようと真理は、男の手に自分の手を重ねた。
「!?」
 これが……これが、人の手なのか?剛毛に覆われたこの獣のような手が。
 沈黙の中、息を呑む真理の喉の音と男の荒い息遣いだけが聞こえた。
 真理は、ゆっくりとゆっくりと振り向いた。
 男の顔は、闇に隠れてよく見えなかった。だが男の目が、……禍禍しく、赤く光る目だけが、
闇の中に浮いていた。
 公園に、女の悲鳴がこだました。

1316ちょっと長いけど、よろしく 4/5:2006/05/04(木) 02:51:31
 真理は、走っていた。ただひたすらに走っていた。だが、いくら走っても公園の
出口が見つからない。まるでゴールのない迷路に迷いこんだようだった。
 街灯の下まで辿り着いた所で、真理は、力尽きたかのように座り込んでしまった。
 必死に息を整えようとする真理の耳にあの音が、男の荒い息遣いが聞こえたきた。
 真理は、恐る恐る音の聞こえる方向に顔を向けた。
 男の姿は、見えなかった。だが闇に浮かぶ二つの赤い目だけは、はっきりと見え
た。
 真理は、有らん限りの大声で悲鳴を上げた、喉が焼ける様に痛い。だがそれでも
真理は、悲鳴を上げ続けた。しかし真理の悲鳴は、誰の耳にも届くことはなかった。
 闇の中に浮かぶ二つの赤い目は、ゆっくりと、しかし確実に真理に近づいて来る。
 ようやく街灯の光に照らし出された男の顔は人としての特徴を残していなかった。
 長く尖った耳、前に突きだし大きく切れ上がった口、そして裂けた口から覗く鋭い
歯、いや牙と言うべきか。その顔は、狼そのものだった。
「ね、ねぇ、ジョウダンは、やめようよ……ハロウィンは、まだずっと先なんだから
さぁ」
 震える声で真理は、男に問いかける。だが男からの返事は無い。
 返事の替わりに男が真理の方に右手を伸ばした。剛毛で覆われた指先には黒々と
した鋭い爪が生えていた。
 真理には既に逃げる気力は残っていなかった。ただボンヤリと男の動きを眺めていた。
「……そうよ!これって夢なんだ!夢じゃなきゃこんなこと有る訳ないよ!、目を
覚ますときっとベットの中に居るだ……だったら……だったら、早く私を起こしてよ
ぉ!……ママぁ!」
 真理の願いとは裏腹に男の右手が真理の首筋に近づく。これは紛れも無い現実なの
だ。
 その時――
 唐突に風が鳴った。その唸りは獣の咆哮にも似ていた。
 ヒョオォオオォオオ――
 次の瞬間、男と真理の間に風が…疾風が駆け抜けた。
 男は、風が鳴るのとほぼ同時に後方に仰け反るように跳ね飛んだ。5メートル後方
に男が着地するのと同時に、真理の足元に何かが落ちた。
「キャアァ!」
 真理の眼前に転がった物、それは切断された男の右腕だった。
 男の右腕から流れ出た夥しい鮮血が地面を朱に染める。だがなんとう生命力か、男の右
腕は血に染まりながらも、まだ獲物を求めてワナワナと動いていた。

1317ちょっと長いけど、よろしく 追加:2006/05/04(木) 02:56:39
「フン、大した生命力だな、さすがは人狼だ」
 突然、真理と男、いや人狼以外の第三の人物の声がその場に響いた。真理と人狼
は同時に声がした方向に顔を向けた。
 何時の間に現れたのだろうか、その背の高い人物は、真理のすぐ後ろに立ってい
た。
 真理は、這いつくばって、その人物の足に縋りついた。
「お、お願い!助けてぇ………て、アンタはさっきのマッチョゲイ!?」
「誰がマッチョゲイだ!………て、そう言うお前は、さっきのバカ女か!?」
 真理とその少年は、顔を見合すなり声を上げた。無理もない、つい今先、一悶
着起こした相手とこんな所で顔を合わせる事になろうとは
「だから言わんこっちゃねぇ!、言っただろうが、女がこんな時間に一人歩きする
なってな!」
 少年は、拳を振るわせながら怒鳴るよう言った。
「……アハハ、やっぱり怒ってる?」
 愛想笑いを浮かべながら真理は、首を竦める。
 少年は、無言のまま、座り込んでいた真理の制服の襟首の部分を左手で掴むと、
そのまま持ち上げた。
「うにゃん!」
 真理は、首根っこを摘まれて持ち上がられた子猫のように空中で手足をぷらんぷ
らんとさせた。
 その姿勢のまま少年は、左腕を回して真理を人狼の目から隠すように自分の背後に
下ろした
「八時の方向に……お前から見て左斜め後ろに道があるはずだ、その道を真っ直ぐ
行けば公園を出られる」
 少年は、肩越しに真理を見ながら言った。
「あの……助けてくれるの?」
 真理は少年の顔を見上ながら遠慮がちに言った。この娘にしては珍しく、しおらし
物言いだ。
「男てのは女を守るもんだ、例えそれがどんな性悪女でもな、ホレ、早く行けよ」
 そう言うと少年は、悪ガキのように鼻の頭を指で擦った。
「あ、ありがと!……そんな奴ケッチョンケッチョンのギッタンギッタンにやっつけ
ゃってよ!」
「ヘイヘイ」
 真理が去って行くのを確認してから少年は、人狼の方に顔を向けた。
「よう……ようやく会えたな」
 まるで古い友人に話しかえけるような気安さで少年は人狼に声を掛けた。が、
無論と言うべきか人狼からの返事はない。
 二人は、――と言ってもいいのものか?――7mの距離を置いて対峙していた。
 人狼は、今先から一歩も動いてはいなかった。右腕の傷口からは止めど無く鮮血
が流れ落ちていた異形の顔は、苦痛と憤怒に歪み、剥き出しにした牙の隙間からは
呪詛の言葉にも似た唸り声が漏れていた。そして赤い凶眼から放たれる光には狂気と
殺意を孕んでいた。
 その凶眼を真っ直ぐ正面から見据えながら少年は……笑っていた。
 真理に見せていた悪ガキ然とした表情とは、根本的に違う凄みのある笑みだ。
 その笑みを形容するとすれば、不敵でも、大胆でも、剛毅でもなく、それは”獰猛
な笑み”だった。
「痛いかい?……そりゃ痛いよなぁ、腕が千切れてるだから……だが!テメェに食われた人達の痛
みや苦しみはそんなモンじゃなかったぜ!」
 そこで言葉を一区切りすると、少年は自分の右の拳を左の掌に打ち据えた。
 パン!
「テメェを殺るには、法術も符術も要らん。体術で……俺の拳でぶっとばす!!」

 すみません、長い上に読み難くなってますがよろしくお願いします。

1318イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/04(木) 08:09:40
上手いね。上手いし巧いです。…文章力は

ただ、上手くどことは言えないですが、散々使い古されてカビの生えたような表現が多い気もします
これはもしかしたら作者さんが俺と同年代で同じようなものを読み続けてきたということかもしれませんが

あと、「少年」の性格になんとなく違和感。ってか、捕食者に対して
>寧ろ商売柄、
「商売」なのに、怒りを覚える熱いヒーローって昨今では見かけないですから
むしろ「お前に恨みは無いが、人間のほうだって黙ってやられてるわけではない」といったほうが主流かもしれません
この後で、この少年がこういう性格になったくだりの描写で少年の「熱さ」を上手く貫き通して、それから日常の描写をどう扱えるかによって、受賞も射程に入るでしょう

…と、なんかやばいので褒め殺ししておくw

1319イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/04(木) 14:02:54
どうせなら「真理」って女の子を敵の人狼にしてしまえば?

1320イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/04(木) 18:35:22
>>1319
それ、批評じゃないからw

1321イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/04(木) 20:17:44
>>1317-1312
書き慣れている感じがする。文章的な破綻も少ない。
ただし上にもすでに批評があるとおり、表現の古さ、というよりも、情景と語彙が古い。
実際に夜の渋谷のセンター街や池袋をウロウロしてみて、それでもう一度書き直してはどうだろうか?
(石田衣良もIWGPを書くときにそうしているという)

それと、台詞に作者の思いがまったく込められていない。
地の文の描写とは裏腹に、没個性だし、工夫もまるで見られないところが気になる。
台詞はキャラクター性の発露だ。もっと考えて、なりきって書いたらいいのではないか。

書きたいことはあるのだろうから、
もっと自分自身の感性や力のいれどころを考えればぐっと面白くなると思う。

13221319:2006/05/04(木) 23:44:55
>1320
ごもっとも。
文章力に比して設定や展開がありきたり過ぎるので、つい毒の有る展開を勧めてしまった。
色々な超人や魔人が氾濫しているライトノベルで、いまさら人狼や吸血鬼など、使い古されたガジェットもなかろうと。
やるんなら使い方に工夫が無くては。

1323イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/05(金) 01:30:38
空は暗く、あたりは霞んだように見づらくて、僕は目を凝らしていた。
足元には、花弁のように広がった、真っ赤な水たまり。
その中には、壊れ、奇妙な角度で曲がった人間が一人、落ちている。
「ああ、そうか」
 僕は、一人で納得する。
確かにこいつは憎まれていて、僕はそれを知っていた。 そして僕は、こいつを憎んでいたあの子を、知っている。
 だから、そう、まんまとはめられたのだ。あの子に。
人通りの少ないこんな裏通りで、バットを持って死体を眺めている僕は、傍から見れば殺人犯以外の何者でもない。
返り血がないのが、唯一の救いと言えるだろうか?
 でも……賢いあの子のことだ。このバットにはたっぷりと、この死体の血が塗りつけられているだろう。
そしてもちろん、今までこれを握っていた僕の指紋は、残された時間では拭き取れないほど着いているだろう。
「たまんないなぁ。僕が、捕まっちまう」
空を見上げて、僕はあの子に少しだけ愚痴った。
 でも、それでも僕は、あの子を助けるって決めてたわけで。
あの子が、人殺しなんて、そんなバカな事を犯してしまうようになっても、僕はあの子が好きなわけで。
「どうせなら、」
もう少しまともなやり方をしてくれれば、処分も簡単だったのに。
撲殺なんて、色々飛び散って片付けられないじゃないか。
せめて死体を処分できれば、事件の発覚が防げた。時間稼ぎくらいには、なったんだけどな。
 でもさ、ほら。あの子の助けくらいはしてやれる。
あの子が昔、いたずらした時みたいに、僕が犯人になってやるから。
 サイレンが聞こえて、僕はバットを振り上げた。
どなり声が煩い。警察が物騒なものを構えてるのも、見てとれた。
 しかし今の僕には、それこそ歓迎。
だって、もうこいつは死んでいるんだから。
僕の役目は、終わっている。
かまわず僕は、バットを――。

1324イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/05(金) 01:33:28
   ◇
 夏の日差しも収まり、そろそろ秋の気配が見え隠れしだした、10月のある日。
通学路をいく私、近藤美咲(こんどう みさき)と、友人の朝野琴音(あさの ことね)の2人は、いつものように学校からの帰り道を歩んでいた。
「あー、そういえば美咲」
 何かを考えるように空を見つめていた琴音が、学生服を翻しながら私に向きなおる。
ショートヘアーが流れ、林の隙間、秋の日差しに照らされた。今の彼女は、さながら絵画のモデル。
でも次の瞬間、彼女はイメージに似合わない、なにやら不穏なセリフを放っていた。
「例の、撲殺事件だけど」
琴音のセリフが理解できず、私は間抜けな声を上げた。首をかしげる。
「撲殺……?」
「ほら、そこの裏通りで殺人事件があったじゃない。その話だよ。ええっと、あれ? ……美咲、まさか知らない?」
「ぜんぜん」
 そういって、私は首を振った。学校でも、そんな話は聞いていない。テレビもあまり見ないから、当然ニュースも知らない。
「うーん、ここらへんじゃ、もう有名なんだけどなぁ。 ま、美咲には情報が遅れて届くから、仕方ないか」
「なにぃ、失礼な」
 少し怒ったフリをしながら、腕を振り上げる。琴音はするりと私の元から離れて あはは、と笑った。
「えっとね、4日前の話。あそこの裏通りで、殺人事件が起きたんだ」
 裏通りとは、呼んで字のごとく。いつも私たちが通ってるこの表通りから、一本中へ入った場所だ。
ビルは、裏側から見るととても汚い。その、集大成のような場所。
「確かに、いかにも起こりそうな場所ではあるね」
 ちょっと唇を結んで そーだね、と琴音がうなずく。
私たちは、あの裏路地をめったに通らない。あそこは数十メートルに1本街路灯があればいいほうで、夕方になるといかにも危険な雰囲気が漂ってくるからだ。
「犯人は、金属バットで被害者をめった撃ち――、」
 そういうと、人差し指だけを立てて、私の目前に持ってきた。言葉を続ける。
「――壮絶だよ。被害者はもう死んでるのに、警察が来ても殴ってたって言うんだから」
 額にしわがよった神妙な顔で、琴音は言葉を切った。
 でも、こういうことを言う時の彼女が、私には輝いて見える。
他人が驚くようなこと、そういうものを他人に伝えるときが、彼女にとって一番刺激があって面白いのだ。
たとえそれが、他人が聞いたら、少しヒいてしまうような事でも。
「怖いね」
 私は、とりあえず当たり障りのない返事を返した。でも、それが情報源には気に入らなかったみたいだ。
「なーに、その無反応。もうちょっとこう、驚いてくれてもいいじゃん」
「だって一番最初にオチを言っちゃってるもの。それに、どうせ新情報があるんでしょ?そのために私に話を振った」
「っちゃー、そういえば……。でも、ま、美咲の予想通り『最新情報』はあるよ。これが意外でさ。犯人についてなんだけど」
「まさか、知り合いとかいうオチ?」

 そして私は、彼が殺人を犯し――警察に射殺されたことを知った。
     ◇
 階段を駆け上がる。マンションの一室、家の鍵を取り出して、扉を乱暴に開けた。
あたまが痛い。無数の単語が私の頭の中を跳ね回って、頭蓋骨に突き刺さる。
痛い痛い。私はベットに横たわり、体を丸めた。
 部屋に飾られて、いつもは私を優しく見守っているフランス人形が、今日だけは鬱陶しかった。
 なぜだろう。
すこしだけ天然な彼は、いつも他人の評価なんて気にせずに飄々としていて。
それでも何故か、他人の心を読めるかのように気配りが利いて、とても心優しかった。
よく言われるみたいに、殺人犯特有の残酷さなんて、そんな物は持ち合わせていなかった。
 彼に『付き合ってください』と言った時も、彼は優しく私を抱きしめるだけだった。
私が塾で忙しくて、しばらく会えないなんていった時も、彼はうなずくだけで私を許してくれた。
付き合ってることを秘密に、なんてお願いもだ。
なのになんで、
そうか、私のせいだ。私が、嫌いな人を言ってしまったから。
優しい彼は、そうだ。
――私の嫌いなあの人を、消してしまったんじゃないか。
 顔を上げた私を、人形が、責める。
私は起き上がって、拳で人形を殴った。
間抜けな音。転げ落ち、部屋の隅に転がった人形の、視線。
窓から、空を見上げていた。
私は、ベランダの手すりに足を掛け、一気に――。

1325イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/05(金) 02:28:28
 なかなかブラックな導入で良いんじゃないか? この先を読んでみたい気にさせられるよ。
ただ細かい所を指摘するなら”――”と”……”を併用するなら、自分なりに原則を決めないと。

 >「撲殺……?」
 >「――壮絶だよ。被害者はもう死んでるのに、警察が来ても殴ってたって言うんだから」
 >そして私は、彼が殺人を犯し――警察に射殺されたことを知った。
 >――私の嫌いなあの人を、消してしまったんじゃないか。

 こんな風に使い方が乱立すると、読者が混乱し易いからね。文を挿入するのに使うのか、
会話や文に一拍置く為に使うのか決め統一しましょうよ。

1326イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/05(金) 13:50:14
>>1323-1324
悪くないと思う。
よくを言えば描写がちょっと上滑りな感じ。
(深刻さを出そうとしているのに、リアリティが足りないので空回りしている)

暗い話は、(個人的には)落としどころをどこに持っていくかが肝心だと思うので、
このテンションを下げずに書ききれば面白い物になるんじゃないだろうか。

1327イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/05(金) 14:08:26
てか、最近、レベル高くね?

1328イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/05(金) 16:15:01
最近?

1329イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/05(金) 16:43:33
>>1328
最近、ってか>>1264>>1312>>1323が上手いなあって、それだけ

1330イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/06(土) 21:38:27
ある日本を読んだら、このスレに書き込まれた文が載っていた。
――なんてことがあったら面白いな。

>>1329
確かに最近レベルが高くなったと思う。
個人的には>>1323が好き。続きを読んでみたい。

1331イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/09(火) 01:24:58
今書いているものの導入部 よろしければ評価頼む
ttp://wannabee.mine.nu/uploader/files/up0119.txt

1332イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/09(火) 07:25:25
この短さで、しかも幼女の一人称だから、評価は難しいけど。

冒頭いきなり説明入れてるのは、短編ならともかく、長編なら止めた方がいいと思う。
舌足らずのいかにも子供っぽい会話が続くのは、正直、読むのがかったるい。
こんなあどけない子が、という同情が狙いとは判るし、
でも実は、なんて展開もあるのかもしれないけど。

ディテールが書かれてなく全て抽象的、頭の中だけで考えた感じで
理解は出来るけど響いてこない気がする。
例えば、執着しているベルはどんな外観?主人公にはどう見えているの?

寂しそうにしてる女の子のイラストが一枚あればいいってことかも。

1333イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/10(水) 00:37:22
>>1332
ありがとう 参考にちょっといじってみた
ttp://wannabee.mine.nu/uploader/files/up0120.txt

1334イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/10(水) 18:54:32
戦闘シーンを抜粋してみた。

「ふんッ!!」
 裂帛の気勢と共に振り下ろされたヘルベルトの大剣は、オトカルの
かざした盾に受け止められる。続いて繰り出されたオトカルの長剣を、
ヘルベルトが引き戻した剣で弾く。
 幼い日々を共に過ごした古城を舞台に、兄と弟は剣を交わした。鋼
と鋼がぶつかりあって火花を散らし、激しい刃鳴りの音が連環する。
 十合――オトカルの鋭い突きがヘルベルトの兜をかすめ、面頬を弾
き飛ばす。
 二十合――ヘルベルトの強烈な斬撃が、オトカルの胸甲に亀裂を刻
む。
 双方の力量は互角であり、剣戟はいつ果てるともなく続いた。石造り
の暗い室内にチラチラと陽光が差し込み、兄弟の相克を複雑な陰影で
照らし出す。
 四十余合も渡り合っただろうか。横殴りに振るわれたヘルベルトの剛
剣を、オトカルは身を沈めてかわした。大剣の重さに引きずられ、ヘル
ベルトの腰がわずかに流れる。
 小さな、だが確かな隙を、オトカルは見逃さなかった。
 咄嗟の判断で盾を捨て、大きく踏み込む。ヘルベルトの右脇を駆けな
がら、両手で構え直した長剣を存分に遣った。
 無言で繰り出された斬撃は甲冑の脇、鎖帷子で編まれた急所の部分
を引き裂いた。兄の肉を切り、骨を断ち、臓腑を抉る感触が、生々しくオ
トカルの手に伝わる。
「ぐ、む……」
 苦鳴とともに、ヘルベルトの巨躯がぐらりと揺れる。それでもなお、振り
向きざまに剣を大上段に構えるが、それが限界だった。
 力を失った両手から大剣が滑り落ち、喉の奥からごぼりと熱い血の塊
が込み上げてくる。
 次の瞬間、まるで朽ちた巨木のようにヘルベルトは倒れ伏した。

1335イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/10(水) 19:24:47
名前の描写が多すぎて文章が間抜けになってる

1336イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/10(水) 19:26:17
たとえ三人称でも描写の主点は1人に合わせた方がいいと思われ

1337イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/11(木) 18:18:23
1280と1323が同じ作者という裏話

1338イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/11(木) 21:17:18
オトカルはオスカルにしろ

1339イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/11(木) 22:04:45
むしろラスカル

1340イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/12(金) 16:57:18
「貴方はいったい何人、罪も無い人たちを殺してきたのっ!!」
激高して少女が叫ぶ。
しかし男は、まるでなにかを思い出すように宙を見上げた。目を細めて、薄笑いを浮かべた。
「――かつて、私の仲間の一人に、とても残酷な男がいました。彼はいつも動物を残酷に殺し、それを得意げに私に話しました。
私はそれが嫌いではありませんでしたが、好きでもありませんでした。だから、適当に聞き流していたのです。そんなある日、彼は私に突然こんな質問をしてきました。
『お前は、今まで食べたパンの枚数を覚えているか?』確か、こうだったと思います。
私はどうせ、彼がまた何処からか引用してきたのだと考え――それはよくある事だったのです――そして、私はその質問に答えませんでした。彼が永遠にそこを去るまでです。
彼は次の日、大量殺人をして警察に射殺されました。彼の問いかけの理由は、死によって永遠の謎となったのです」
男が視線を戻す。視線がズバリと交わって、少しだけ少女は動揺した。男は話を続ける。
「――しかしだ。今なら、私は彼の質問の意図が理解できる。私は今まで食べたパンの枚数を覚えていない。覚える必要さえありません。
つまりはそういう事です。私は今まで殺した人間の数など覚えていません。それは私にとって、どうでもいい事なのです。貴方も、パンの枚数なんて覚えていないでしょう?
それが、『どうでもいいことだから』」
唇がつう、と三日月のように釣りあがる。

13411340:2006/05/12(金) 16:58:57
薄笑いを浮かべた。→薄笑いを浮かべる。

13421333:2006/05/13(土) 00:38:52
無反応なのはやっぱり根本的に駄目ってことですかね?

1343イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/13(土) 00:43:57
>>1340
>「貴方はいったい何人、罪も無い人たちを殺してきたのっ!!」
自分で言ってみると分かるが、リズムが悪い。
それに怒鳴っているヤツが一つのセリフを細かく区切ると怒鳴っているという説得力が無くなる。
「いったい何人の罪も無い」にするだけでも違う。

>目を細めて、薄笑いを浮かべた。
「目を細める」はそのまま笑顔になる事を指す。だから「薄笑い」は重複。
それと「三日月のように釣りあがる」とも重なってイメージが湧きづらい。

>視線がズバリと交わって
状況がハッキリしないが、一対一の状態で視線が交わるなんて当たり前だと思うが。
いちいち視線が交わって動揺してたら話にならんだろ。

>「――しかしだ。
ですます調が、ここだけ突然「である調」に変化している。
意図的なら構わないが、読んでいる限りでは効果性も感じられないし、ですます調に合わせた方がいい。

13441340:2006/05/13(土) 01:12:12
tasikani

1345イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/13(土) 04:17:00
 「お前は今まで食べてきたパンの数を覚えているか?」
              ‖
 俺にとっては殺人など食事と同じく日常茶飯事だよぉ〜ん

これって漫画か何かのパクリでしょうが。「JOJOの奇妙な冒険」だったかな?
マズイとは言わないが、主人公はもちろん私でも知ってる台詞だし、それを知ってるはずの主人公がなぜ

 「彼の問いかけの理由は、死によって永遠の謎となったのです」

なの?
即座に判る読者は凄く多いだろうし、そんな事をさも大発見であるかのように説明すると白けるよ。
何かを悟って解脱しちゃった筈の人が、ロジックも台詞も借り物のガジェットに過ぎないなんて。
うそ寒い冷酷さと虚無感を演出するにしても、その主人公なりのロジックを組み立てるべきでは?

13461340:2006/05/13(土) 09:31:17
2ちゃんねるのAAキャラが現実世界に、って言う設定なので
そういう部分は想定の範囲内です

1347イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/13(土) 11:18:59
>>1340
かなりありがちな台詞だが別に駄目とも思わない
ただ「っ」が入るとシリアスに見えない

13481345:2006/05/13(土) 15:42:02
成るほど。隠語や共通認識、いわゆる共通認識を逆手に取ったメタ小説書くのか。
難しい挑戦だけれど、それなら

 「彼がまた何処からか引用してきたのだと考え」

も生きてくるな。

1349リス愛好家:2006/05/15(月) 22:54:39
中途半端に長いですがよろしくお願いします。
http://www3.tok2.com/home/samuhan/html/%83f%83B%83%8a%83X.htm

1350イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/15(月) 23:14:42
>>1349
シーンごとに見せたいものが分りにくい上に、繋がりが悪い文章だね
あと一文の内容が薄いせいか流し読みすると訳わかんない
いい文章は流し読みしても読みやすいか、じっくり読みたくなる力がある
これにはそーいうものがまったくないよ。読んでてとにかくツライ
意味が分らなくってつかってるんだろうなって単語がたくさんあって
読んでて恥ずかしくなったよ。なのに描写に創意工夫が無い
久しぶりに誉めるべき所が無い文章読んだ。何も面白くない。
つらい。本当に辛かった。
ごめんねひどいこと書いて。
でも本当に読んでて辛かったんだ。

13511350:2006/05/15(月) 23:30:42
うーん、もう一回読み直してみたけど
具体的なアドバイスが出来ないよ…(汗)
それぐらい全体的にひどい。一文一文がつっこみどころだらけ。
さっきは感情的になってしまったような気がしたけどやっぱりひどかった。
>>1349さんは実は本を読むの好きじゃないんじゃないのかなぁ?
やる気の無い小学生の読書感想文みたいだと思った
だから何が駄目とかじゃなくて、もうそういうレベルじゃなくて
少なくとも人に文章を書くことを真摯に考えればこんな文書にはならない
創作者としてもっと「どうすれば自分の言いたいことが伝わるか」
考えようよ。基本だよ。
連投&乱文スマソ

1352リス愛好家:2006/05/15(月) 23:35:58
>>1350-1351
感想どもです。
これは実はダチと競作した作品で、
繋がりが悪いのはそのせいかもしれませんね。

具体的な解決策とかありますでしょうか?

13531350:2006/05/15(月) 23:49:01
>>1352
競作なんだ。だとしても関係ないよ。文章としての基本的な構築力が欠如しているから。
解決策ねぇ…オレも未熟者だから確実じゃないけど、とりあえずもっと
文章を読んでそれに対する感想を持つべきじゃないかなぁ。
ただ「おもしろかった」とか「つまんなかった」じゃなくて文章を論理的に
分解して構成を分析する訓練をしたらいいと思うよ

1354イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/15(月) 23:54:17
いきなり全力で読者を置いてけぼりにするなよ。

大気に煽られってなんだよ。大気かよ大気。無風でも煽られる不思議マントかよ。
殺傷を許可ってなんだよ。つか、殺傷を許可の次の言葉がいきなり殺せとの命かよ。命令か許可かどっちだよ。
一つの台詞の中でいきなり矛盾かよ。
てか、部下が帝王って呼ぶってなんだよそれ。もそっと勉強しろ勉強。
たった二行で錯乱二回も使うなよ。もう少し言葉覚えろよ。
彼は小走りに腕を掴んだかよ。位置関係どうなってるんだよ。おにゃのこから小走りで近寄らなきゃいかんほど距離があったら、
最初の乱射で巻き添え食ってるんじゃねえのかよ。

たった数行で、よくもまあここまでつっこみどころを詰め込めるな。感心するよ。
とても最後まで読めねえよ。ひどいとかなんとかいう以前の問題だよ。
小学生でも、マジでもっとつっこみどころの無い文書くぞ。
推敲って言葉知ってるか? 推敲しろよ。
おまい、こんな文章の本が本屋に並んでたとしてさ。
買う気になるか?

1355イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/16(火) 01:36:06
>>1349
競作って、どういう風に書いてるの?
句読点ごとに書く人が変わっているのか?

まずは文が滅茶苦茶。読んでて状況が思い浮かばないし、
修飾語や目的語が、どの単語に係っているのか非常にわかりづらい。
もうね、読んでてリアル鬼ごっこを思い出したよ。

とりあえず本を読むこと。夏目漱石とか太宰治とかがお勧め。もちろんラノベでも良いけれど。
それと書いた作品は何度か読み返して、意味の通じづらいと思う部分があったら修正すること。

1356リス愛好家:2006/05/16(火) 01:57:41
>>1350
一つの作品を読み込むってことですか?
某スレでは多くの作品を読めって言われて、どっちがいいんだろうか……。

>>1354
プロローグは、導入で引き付けるって基本に沿ってみました。
矛盾は、もうどうしようもないっすな。
共作相手も何も言わなかったし。

>>1355
キリのいい所まで書いて、ファイル受け渡し→以下ループっす。

一応、一節ごとに推敲はしてるんですが、足りないようですね。

1357イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/16(火) 06:52:45
今読み終わった。
ここまで起承転結のない言葉の羅列を読まされるとは思いもしなかった。

以前のから進歩してこれなら、1次を通るのは君の寿命が尽きても無理だな。


>某スレでは多くの作品を読めって言われて、どっちが良いのか。
両方。
多くの作品を何度も読み返せ。

1358イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/16(火) 10:13:28
>>1357
よく最後まで読めたな。えらい。

1359イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/16(火) 14:37:02
ここのスレ、結構常駐人がいるんだな

1360イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/16(火) 15:01:21
いるよん
ずっとROMってるが……

1361イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/16(火) 16:47:52
別スレのURLから飛んできて覗いてみたんだが、
あまりの酷さに五行目の時点で脳が拒否した。
共作だからつながりが悪い?
それ以前の問題だよ。
なんで敵性組織に追いつめられる主人公の描写で髪の色がどうこうと全く意味が無い描写。
生け捕りするのになぜ暴発や誤射の危険性を考慮せずに実弾の出る銃しか持たせる?麻酔銃とか投網を発射するランチャーとか普通に考えつかなかった?
きっとこの後も死ぬほど突っ込みどころがあるんだろうけど
とてもじゃないが読めたもんじゃないわ。

1362イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/16(火) 16:53:04
×生け捕りするのになぜ暴発や誤射の危険性を考慮せずに実弾の出る銃しか持たせる?
○生け捕りするのになぜ暴発や誤射の危険性を考慮せずに実弾の出る銃しか持たせない?
y=ー( ゚Д゚)・∵. ターン

1363イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/16(火) 16:59:01
久々に見た気がする、神視点。
とりあえず頑張って読むよ。
神器の小説は昔からワンポイントで俺のツボのセリフとかあんだよな。

1364イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/16(火) 17:01:07
くじけそうorz

1365イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/16(火) 17:17:28
なんか賑わってると思ったら、神器なのか?
違ったら悪いんだけど、以前よりもレベルが落ちてる感じがした…

1366イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/16(火) 17:54:54
>>1349
とりあえず半分ぐらい読んだ。旅立ちの途中まで。もうダメですorz

なんとなく流れ的(>>1195あたり)に神器だと思っていたが、これ別人だな。
神器も酷いと思っていたが、こっちのほうが酷い。
セリフもキャラも全然魅力がない。劣化コピーだな。

中身は、突っ込みどころが多すぎて何もいえない。
とりあえず大きい部分だけ。
(実は伏線で、後にフォローが入ってるかも知れないけどそこまで読む気しない)

軍が唐突過ぎ。
そもそも状況把握せず出会い頭に「殺せ」とするほどヤバイ封印なら、軍が警備してるもんだろ?
自由に出入りできるなら、軍は封印の意味を知らないはずだし。
意味を知っているなら出入りは厳重に管理してるはず。
封印は「解かせない為」にあるんだからさ。観光名所みたいになってんじゃん。

ちなみに俺が諦めたのは
>ツヴェンの頭の上にハテナマークが浮かぶ
だ。もうね、近年のラノベってこんなにレベル落ちてるのかと。嘆かわしい。

1367イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/16(火) 18:13:45
なんかしらんが祭りになってるっぽいので俺も読んだ。
一言で言って、書かれてる情報、単語を意味として理解できない。
「目が滑る」ってこういう事を言うのかとつくづく納得できた。

まず、「描写」というものを根本的に理解してない。
単語を適当に並べればいいだろうっていう安易さが見える。
「少女らしい黒い服」って何だ。
こういう描写部分のミスが目につく。
かと言って「黒いビスチェで布地はこうで……」なんて事言われても困るけどな。
少女の服装は大事な部分だけど、「少女らしい」じゃ、いい加減すぎるし、細かく書かれたら鬱陶しい。

コントラストは暗示するものだと思ってた。
「これはコントラストですよ」って書いてるの初めてみた。

本題に入るまえにしょうもない部分でストップをかけられるせいで、読む気が失せる。

1368イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/16(火) 19:00:22
ボロクソとはこういう事を言います。テストに出るので覚えておきましょう。

1369イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/16(火) 20:19:16
プロローグを書き換えるならこうするかなぁ。
神視点はむずいわ。

 少女の瞳が藍色から銀色に変わった。
 漆黒のマントが風を孕み、舞い上がる――その下も、吸い込まれるような黒。
 黒衣に包まれた闇のなか、少女の瞳だけが銀色に輝き、取り囲んだ男達を睨め付ける。
 「ひっ!」
 悲鳴が上がった。
 少女から、ではない。
 大の大人。
 それも誇り高き帝国の軍人が三十人。手には銃を持っている。
 その銃口が狙うのは、まだ幼さを残した少女。
 圧倒的な優位にいるというのに、誰もが恐怖におののいている。
 ――何故、こんな少女に――そんな疑問すら浮かばない。
 ただ、恐ろしい。
 誰もが先天的に刷り込まれた、死への恐怖を感じているのだ。
 「構わん! 撃て! 陛下から許可されている! 同行者も殺せとの命だ!」
 後ろから、怒号が響く。
 自棄になったのか、感覚が麻痺しただけなのか、男の一人が銃爪に指をかけ、引き絞る――その刹那。
 少女が、その細い指を横に振りはらった。
 ふわり……と、マントが、歓喜に震えるかのように踊った。
 そして――
 軍人達の四肢が、バラバラに飛散した。

1370イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/16(火) 20:37:26
リライトは止めようや。
俺も俺もとみんながリライトして、収集がつかなくなるから。

1371イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/17(水) 02:40:25
このスレで過去プロになってもおかしくない文章を晒してきた奴がいただろうか?

1372イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/17(水) 02:51:06
そもそもこのスレ全てに目を通した人間がいるのだろうか?
俺は1200以降のしか見てない。
全てに目を通すには、量が多すぎる。

1373イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/17(水) 10:43:25
批評してる香具師ってどうしてこう鬼の首でも捕ったように見えるんかね。

1374イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/17(水) 10:51:49
糞つまらない文章を読まされて腹がたってるんだろう。

1375イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/17(水) 11:13:07
>>1373
お前の目が腐ってるからじゃね?

1376イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/17(水) 12:54:45
批評するのは簡単だけど
書くのは大変なんだよねぇ…
かといって1349をかばうわけじゃないけど

1377イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/17(水) 13:05:03
書くのが大変だろうか何だろうが、まったく関係ない罠。
イヤなら晒さなきゃいいだけの話。

13781366:2006/05/17(水) 14:49:24
>>1376
君はなんもわかっとらん
読んで感想を言うのは簡単だよ?
けど批評をするのは大変だっつーの
真面目に他人の文章批評した事ねーだろ。
>>1349を「真面目に批評する」目で読んだときにどれだけ脳が憔悴するかわかんねーだろw

確かに最後まで書き上げるってのはすげー大変だし、そこは認めるよ。頑張りました。
でも真面目に批評しようにもアレを出された時の気持ちを考えてくれ……乾いた笑いしか出てこないよ

ちなみに俺の批評ルーチン
・読み漏れが無いか2,3回センテンス毎に読み直しながら、全体を2,3回読む
1回目:誤記、文字抜け、意味不明な単語抽出(>>1349はこの一回目、しかも途中で挫けた)
2,3回目:プロットの流れ、リズムなど全体のバランス
・推敲しながら頭の中で整える
・作者に俺の感じた違和感を伝わりやすいよう言葉を選びつつレス

伏線の読み落としとか恥ずかしいからな
場合によっては作者より見直すよ。
仮に>>1369の批評で30分〜1時間ぐらいだ(時間がかかるのは俺の批評スキル不足もあるが)

1379イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/17(水) 15:27:09
どうでもいいが1366はなんでそんなに必死なんだ?

1380イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/17(水) 15:41:34
こんなに必死になってくれる人がいて、1349は幸せもんだ

1381イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/17(水) 15:54:22
>>1379
昔神器に「読んでもらったなら礼ぐらい言えよ」と言った時
>こちらも作品アップという代価を支払ってる。
>作品うp→代価
>批評  →代償
>等価交換だろ?

と言われてな。それ以来「批評は簡単」とか「批評感想当たり前」と言われるとその、あれ、条件反射だ。
正直すまん。とりあえず3年ROMっとく

1382イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/17(水) 18:14:22
第三者客観の能力なんて誰にでも備わってるし
自己客観視が必要な小説書くほうが難しいに決まってるだろ。

1383イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/17(水) 18:31:51
難しいからと駄言葉の羅列出されても困る。

1384イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/17(水) 18:54:32
難しいか難しくないかなどと言っても、まるで意味はない。
問題は、誰も面白いとも思わなければ続きを読みたいとも思っていない。
それどころか、最後まで読み通すのが苦痛ということ。
つまりは、魅力がないっつうことですな。

1385イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/17(水) 18:56:42
駄言葉

1386イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/17(水) 18:58:17
>>1383
^^;

1387イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/17(水) 19:16:00
正直言って文と呼ぶのもおこがましいから別に良いんじゃね?

1388イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/17(水) 20:05:25
話の噛合い率が40%を下回っています。

13891/2:2006/05/17(水) 20:14:55
>>1349
>藍色の瞳から銀色の瞳に変わった少女。

この文章だけでもいくつか考えられる。
「目の色がごく短時間で変化した」「目の色が成長によって変化した」「以前会ったときには藍色だった目が、次に会ったときには銀色だった」
リライトされた事も考えると、後々の文章で特定できるのだろうが、少なくとも初見ではどれだか特定できない。

>その姿は漆黒のマントが大気に煽られ、下には少女らしい黒い服が見える。
「その姿は」もしくは「大気に煽られ」が余計。この文章は「その姿は」だけ消した方が通じる。
また「大気」の使い方が間違い。風は変動によってしか感知できないから動的な意味を持つが、大気は静的な状態な事もある。

>その場に怒号が響く。少女に銃が向けられた。
まず「その場」が野外なのか屋内なのか? そういった描写がなされていない。

>軍人達は錯乱気味に
言いたいことは分かるが「思考に異常を来し気味」って来してるのか来してないのか分からん。
「混乱」とか「錯乱」に「気味」を付けると非常に中途半端になる。
そもそも上官が「撃て」って言ってるのに撃ってない兵士の状態がおかしい。むしろ上官に待機命令出させて、命令無視で撃った方がいいだろ。

>不思議そうに聞く少年。
で、この少年は誰なんだ。少女の側の人だろうって辛うじて分からんでもないが、それまでの文章からは判断材料が少なすぎる。
少女を描写する時に少年もセットで描写するか、どの位置にどのような格好で存在しているか描写すべき。
それに次の描写の「目の前の軍人も少女も」がダメだ。「目の前」なのは距離的に少女の方だろう。「目の前の少女も軍人も」と言った方がいい。

>阿鼻叫喚たる有様のなかで
熟語を使えばいいってわけにはならない。この「阿鼻叫喚」はそれまでの文章から浮きすぎ。

>「やめてよ! もうこんなこと!」
さっきまで「保護しに来てくれたのかも」などと冷静だった少年がいきなり叫び出す矛盾。
確かに少年の立場を示したいというのは分からないでもないが、心理の変化としてはおかしい。

>大将らしき女の怒号により、かき消される。
>「ほら、言ったでしょう? さぁ、ツヴェン。あなたも復讐する時だ」

最初の描写で何の特異性も認められなかった「上官」がいきなり女将校として描写されると、「復讐する時だ」が女将校が語るイメージになってしまう。
それにここでは距離的な描写が一切なされていない。読み手は「撃ち殺せ!」の声を(描写の流れとして)少年側で“聞く”事になるわけだから、
しっかりと「軍人達の向こう側から」などの表現をした方がいい。これでは少年のすぐ近くで「撃ち殺せ!」と言っているように見える。

>敏感にそれを感じ取った軍人達
おそらく全員が感じ取ったと思うので「敏感に」はいらない。「敏感な兵士だけが動きを止めた」ならまだ分かるが。

>雰囲気の変わった少年
これは細かく描写すべき。というか、先刻まで冷静だったのだから、あんまり変化が分からない。
ここでは序破急的な表現方法を使って、もっと脅えさせてまともに喋ることも出来ないようにするとかしないと分かり難い。

>であることは間違いないだろう。
これはどちらかというと将校の視点だろう。いきなり銃撃戦の距離を“カメラ”が瞬間移動している。
少年少女の側で書くなら「それが少年の力だった」とかなんとか書くべきで、あからさまにそれまで描写していたのだから濁す意味がない。

>少年は女にそう問うた。
「問うた」は、それまでの文体から考えて古くさすぎる。まぁ威厳があるような感じにしたかったんだろうと予想できるが。
それと「女」ではなくせめて「女将校」または「将校」とすべき。

>「答えは……否だ」
>女は叫びながら幾度も
冷静に否定してるのに次の瞬間には叫んでいる。典型的な「切り貼り」シナリオにありがち。少年の心理の変化と同じく不自然。

>この事態に発展したのは、数分前、いや、数時間前に少年、ツヴェンと名づけられた少年が少女、ディリスを封印から解いた事に端を発する。
>ここからが全ての始まりの場所となった。
この描写を一番最初に持ってきた方が良かったんじゃないだろうか。それだけでも随分と違うぞ。

13902/2:2006/05/17(水) 20:15:17
だいたい全体の1/7だけでこれだけツッコミが入るわけだが。しかも「主な点」だけで。
プロローグを通して言えることは、まず背景描写が足りない。つーかしてない。銃撃戦があったのは何処なんだ?
北極でも、砂漠でも、市民プールでも、アルタ前でも出来る事なので、頭に状況が浮かびづらい。

それに一番問題なのが「語り手」の立場がハッキリしていない事。
三人称で書くヤツでたまにそういうバカやるヤツが居るんだが、地の文を「語ってる人物」ってのは「物語の中に存在している」んだよ。
透明人間だから誰にも影響を与えないが、あくまで“三人称さん”という存在は、その世界の事を観測し続ける。
しかも文章の“三人称さん”は一人しかいないので、激しく立ち位置を変えると疲れてしまって観測がおろそかになってしまう。
あれもこれもと言わず、“三人称さん”をいたわった描写の仕方をしましょう。

1391イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/17(水) 22:01:04
少し落ち着けよ。「競作」と断ってる時点で、どの程度の作品か想像が付こうに。
先ず作品全体に明確なプロットが無い、次に描写や設定など文に整合性が無い。
そして何より問題なのが、作品に対する愛着や思い入れが無い事だ。
これは一種のリプレイかブレイン・ストーミングと見なすのが適切なんだから。

逆に言うと>1349さん。ここは作品に思い入れのある連中が集まっているスレだから。
以前にも世に出す気は無いと断って投稿した人が無視されていたでしょう? (確認しれ)
ある意味で、ライトノベルのレーベールにSM小説投稿するくらい場違いなんだよ。

1392イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/17(水) 22:32:27
全文表示して「ちゃんとした小説として書くつもりはない」で検索すれば見つかるな。

1393イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/17(水) 23:19:29
今書いてる小説の冒頭付近なんですが、良かったら評価お願いします


 僕は岸壁に立ち、波がコンクリートの防波堤に打ち付ける音を聞いていた。波は一定の規則性を持っていて、大きくぶち当たった後には決まって小さな音が小刻みにきこえてくる。近くに来て遠ざかる。遠ざかるとまた近くに来る。とくん、とくん。それは海の心臓の鼓動かもしれない。それが聞き手を海の重圧から開放する。誰だって巨大なものは怖い。特に小さな人工の島で見る海は、本当に恐ろしい。周りを見渡しても仲間なんていないし、あるのは永遠を彷彿とさせる海と、飲み込まれる寸前の自分だけだ。そこで空なんて見上げようものなら、もうゲームオーバー。徒党を組んで陸地から見渡すのとでは訳が違うのだ。
 だから、というわけじゃないが、僕は時々一人でここに来て波の音を聞いて心の安定を保っているのだ。これは呼吸することと同じ。生きること以上に重要でくだらないルールのようなものだ。そうしていると僕の腹は空腹を訴える。これもルール。
 そろそろ戻ろうかと踵を返すと、サエコが少し離れた場所に立ってこっちを見ていた。サエコは僕の仕事の上司、そして僕の姉だ。小柄で童顔だが、僕たちの中で一番のしっかり者。
「全然気づかなかった」
僕はそう言って笑った。いつも大体笑っているけど。
「なにをしていたの?」
 彼女は笑っていない。これも大体いつもそうだ。
「海を見ていたよ」
「そう」
「うん、あと船も見たかな。たぶん漁船だったと思う」
「よかったわね」
 サエコが戻って行った。僕は慌てて後を追いかけて彼女の横に並ぶ。
不機嫌そうな横顔。サエコは美人だが、怒っている時の方がより美人に見える。本人にも誰にも言ったことはないけれど、たぶん真理だ。
「サエコ、怒っているの?」
「怒ってなんていません」
 彼女は僕の方を見ない。それは怒っているからだ。
「ごめんよ、僕が悪かった。謝るよ」
「あなたは何かあたしに謝るようなことをしたんですか?」
 僕には彼女が怒っている理由はわかったけど、僕が彼女に謝る理由はわからなかった。
「いや、してないけど。でも、謝った方がいいんだろう?」

1394イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/17(水) 23:29:39
これも大体いつもそうだ

修飾語重複

1395イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/18(木) 00:39:36
>>1394
指摘ありがとうございます。
何度も同じ表現を連続させてテンポ上げてる作家さんもいるけど、素人が使うには難しいですね……

1396イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/18(木) 00:56:01
>1393
 キチンと作家を志した姿勢を見ると心が洗われますが、極めて短い事もあり残念ながらこの先の展開や
背景が全く判らず作品の中に入っていけません。強いて上げるなら書き出しと、次の文との関連性があまり
良く理解出来ません。

 >僕は岸壁に立ち……中略……訳が違うのだ。

 >だから、というわけじゃないが……中略……これもルール。

 主人公は心に何を抱えているのでしょうか? 作者は――もちろん貴方の事です――その理由を漠然とでも
知っているのでしょうか? それならば「だから」では無く、もう少し内面描写を加えるべきです。
  普通なら不安に駆られるような場所と描写した後、何故そんな場所に行くと心の安定が保てるのか。
一人になって物思いに深けたい。過去に海や闇、孤独にまつわる思い出がある。etc……
 少なくともこの書き出しで一ページに満たない量では判別が付きかねます。これが冒頭だとしても、
文の密度と量からなる「質量」が少な過ぎませんか?

1397イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/18(木) 01:08:41
>>1396
批評ありがとうございます。
前後の繋がりがわかりにくいですね。
「聞き手を海の重圧から解放する」を「だから、」と繋げたかったんですが、読み返してみると説明不足みたいです。
状況がわかりにくいので続きの部分もさらして見ます。


 僕の言葉は彼女の怒りに油を注いだだけだった。怒らせるつもりはなかったけど、彼女の性格を考えると明らかな失言だった。
 彼女は僕を睨みつける。泣いていたのか目元が少し赤い。
「ふざけないで。あなたはいつもそう。相手の気持ちも考えずにその場限りで適当なことばかり言って。だから、ニアを簡単に甘やかすんです」
 そう言って屋敷に入って行ってしまった。僕は追いかけない。取り残される。バツが悪そうな素振りで屋敷を見上げる。観客はいなかったけど、そんなスタイルで。
 確かに彼女の言うことにも一理ある。僕が妹のニアを甘やかしているのは本当かもしれない。できる限りニアの意思を尊重させたいし、したくないことまで強要はできない。それをサエコは「適当」なんて揶揄するけど、相手の気持ちなんて目に見えないものをわかったような気になっているサエコも傲慢だと僕は思った。気持ちは擦れ違ったり空回りしたり、時には暴走したりもするもので、それをきちんと操縦することは熟練のパイロットにだってできないことだ。それでも、人間は気持ちを上手く乗りこなして、相手を幸せにしたり、又は不幸にしたりする野望を傲慢にもいつまでも持ちつづけている。本当は自分の幸せだって曖昧なくせに、だ。
 しばらく夕日が沈むのを眺めていた。夕日は水平線の彼方の街へと落ちていった。そこは僕の街だ。いつかはそこへ帰らなければならない。軽い感傷。僕にとってこことあそこは別の世界だから、一度取り込まれると気持ちの切り替えに少し戸惑う。それは僕自身の問題だ。世界とは何の関係もない。要は、僕がどこに居て、気持ちがどこに在るのかということ。その気になればここでもあそこでもやっていける。一つの世界だけで生きていくことも可能だ。
 僕はその時、ニアのことを頭のどこかで考えていた。
 愛する妹のニア。
 その間、僕は空腹のことをすっかり忘れていた。しかし、ずっと忘れているわけにもいかないので食堂に向かう。食堂に行けば誰かがいるかもしれないし、食べるものにありつけるかもしれない。それは別に決まりごとではないけど。

1398イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/18(木) 01:25:08
全体的に雰囲気はある。
けれど一節一節が上手く繋がっていない。

>観客はいなかったけど、そんなスタイルで。
>本当は自分の幸せだって曖昧なくせに、だ。
>それは別に決まりごとではないけど。

これ全部、その前の文との関連性が理解できない。
ていうか要らないと思う。

逆接の接続詞の使い方がちょっと不自然かなぁって思います。

1399イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/18(木) 01:35:53
>>1398
すごくためになるご指摘、ありがとうございます。
そこは自分でもちょっと微妙だなって思ってたところです。
キャラの性格設定を「少し離れた場所から現実(自分も含め)を見ているような男」としたかったので、あえて変な言い回しにしたんですが、
たしかに無くても問題ないんですよね……
発言、行動、表情のわざとらしさを出したかったんですが、もう少し勉強してみます

>逆接の接続詞の使い方がちょっと不自然かなぁって思います。

もう少し国語力を付けないと駄目かもしれないですね。

1400イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/18(木) 01:54:01
こなれているが故に独創性に欠ける。
ぶっちゃけ、どこかで誰かが書いててもおかしくない。そういう文章。
リズムに関してもそう。とくに波の音と生体のリズムを同一視するのも典型的な例。
なんというか、>>1393氏の好きな小説のフィルターをかけて読んでいるようなそういう気分にさせられる。
こう書かなくてはならない、という作法のようなものに小説自体が引きずりまわされている。
おそらく、別の作家の文体模写をしても同じ骨格の出だしを書く技量は持っているかと思う。
漫画で言うならば、小器用に二次創作をさせるとそこそこ面白いものを描けるが、自分の絵ではなぜか面白くならないというあのパターン。

一度、推敲とか人に読ませるとか、そういうのを無視して書きたいことだけを書き殴ることをお奨めする。

1401イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/18(木) 07:15:20
使われてるいくつかの語句は「ちょっと違うんじゃないかな」とおもった。
間違いじゃないけど、ちょっと変。良くある言い回しを、とりあえず借りてきた、って感じ。
原因はたぶん「国語力の不足」「語彙の不足」。だから、こなれてると言うより、不慣れだなあと感じた。

あと、書きたいものが、判らない。これはこの長さだからしようがないんだけど。
冒頭、海を見つめているシーンは、どういう意図でこれにしてるのかな。
この物語の重要なテーマを象徴してるのならともかく、全体に弱い。
リズム云々は不要な夾雑物にしか思えない。

あれこれ挟まれる「独白」「変な言い回し」も、こなれていないから魅力に欠ける。
これは、書く方と読む方のセンス、好みも絡むから、一概に言えないけど。
まだまだ「ひとりよがり」っぽい部分が多い。

1402イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/18(木) 08:53:49

>特に小さな人工の島で見る海は、本当に恐ろしい。

という話をしていて、どうして、

>だから、というわけじゃないが、僕は時々一人でここに来て波の音を
>聞いて心の安定を保っているのだ。これは呼吸することと同じ。

↑につながる?
「だから」 の接続詞の使い方を間違っている。
「誰だって巨大な」から「訳が違うのだ」まで削った方がいい。

1403イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/20(土) 09:36:07
つーかそのへんは「れとりっく」というやつ。

使い方がおかしいとかそういう視点じゃなく、
効果を発揮しているかどうか、という視点から評価しないと、
場合によっては、「読めてないな」、と思われるよ。

まあ、この場合は、通じていない=効果がないor下手だった、と判断出来るから、
参考にはなるだろうけど。

1404イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/20(土) 12:16:26
技法以前の問題

14051936:2006/05/20(土) 22:01:23
 雰囲気は伝わるのに何を伝えたいのか判らない、文章力が足りないだけでは無いでしょうね。
小説全体のプロットやストーリー展開について、大まかにでも良いから決めてますか?
 感性だけが先走って「自分が何を表現したいか」を決めかねている印象がします。
結局のところ、主人公には姉や妹がいて、それをどう思っているかについての独白が続く。
 セカイ系などは「思春期の本音トーク」が多いのですが、冒頭からそれが延々と続いて
何が面白いと思います? チャットじゃ無いんですから。
 感性の赴くままに書いているから、バランスの欠けた自分語りが終わらないのです。

 主人公については判った。さぁストーリーを初めて下さい。

1406リス愛好家:2006/05/21(日) 03:58:38
描写不足を指摘されてるので描写の練習します。

テーマ「海」
 そこには青い世界が広がっていた。天気は快晴、澄み渡るような青空。
熱気がその世界を包む。
ボクは砂浜に佇み、その青い世界の音を聞く。〝サラサラ〟と砂の擦れる音と、
水が押し寄せては引いていく波の音が混ざり合っていた。潮風は仄かに鼻孔を
くすぐる。清浄なる青い世界、その水の世界を人は〝海〟と呼んだ。
「ねぇ、最近面白いことない?」
「いやぁ、ないなぁ。ここに二人で遊びに来て、
帰る頃にはきっと楽しい思い出になってるはずだよ」
「そうだよね、こんな綺麗な海なんだもんね」
 今風の水着を着た若い男女が、こんな会話をしていた。
ボクも帰る頃には、楽しい思い出になってるだろうか?
そんなことを考えたりもする。
 今はその世界を眺めるだけで十分だった。
 どこかの子供達がキャーキャー言いながら、目の前を走っていく。
「転ばないようにね」
 ボクは独り言のように呟やき、前に歩き出す。
 自分の服装は、T−シャツに短パンだ。この服装では勿論、泳ぐ事は出来ない。
水着も一応持ってきているが、どうしても泳ぐ気にはなれなかった。
特に理由もないのだけど、気分的に。
「海を眺めるだけの楽しみ方があってもいいじゃないか」
 歩きながら、人もまばらな砂浜を裸足で歩く。砂は太陽で熱せられていて、とても熱い。
それでもボクは砂の上を歩き続けた。そうしてるうちに、青い世界の入り口へと足を踏み入れた。
 海水が足に当たり、そのまま後ろに流れてゆく。
 とても気持ちが良かった。天を仰ぐと、白い太陽が眼に入り、咄嗟に眼を瞑る。
 もう少しこのままでいよう。ボクは波の感触を楽しみながら、砂浜を歩いていく。

1407イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/21(日) 06:41:14
「海」というものは大体の読者の共通認識で想像しうるものなので、最初の四行の書き方だと、迂遠でくどい
ただ、海にも澄んだものや汚れたものや荒いものなどがあるので、それを表現するには悪くは無い

具体的には、最初のセンテンスを
>そこには青い世界が広がっていた。
の代わりに「目の前には一面の海が広がっていた。」みたいにして場所を明示して、後の描写を繋いで
>その水の世界を人は〝海〟と呼んだ。
を削除するほうがいいかと思う

その後の部分は、まあ、悪くは無いと思う

1408イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/21(日) 10:26:00
これが悪くないって、普段どんな悪文読んでんだ?

1409イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/21(日) 10:43:53
まあ、神器もそれじゃ納得しないから指摘してやるよ。

最初三行に青という文字が四回、世界という単語が五回出てる。論外。
青い世界=海なのに「熱気がその世界を包む」とはどういう事だ?
砂の音は海ではなく、浜辺の領域。
潮風が仄かに鼻孔をくすぐる?お前夏の海に行ったことねぇだろ?この描写はありえねぇ。

会話三行。普段人と話してないから無茶苦茶。

「ボクも帰る頃には、楽しい思い出になってるだろうか?」悪文の代表例。主語と述語がおかしい。
「前に歩き出す」どっちだよ。意味は分かるな?どっちに向けて歩き出したんだ、こいつは。
「自分の服装は〜」人称ぐらい統一したら?水着はどこにあるんだ?
「特に理由も〜」この一文いらねぇ。単なる表現の重複。無駄。つーかゴミ。

「海を眺めるだけの〜」これ、何?括弧でくくる意味がわからん。
「歩きながら〜歩く」お前アホだろ。ついでに言うとな、真夏の砂浜を裸足では歩けないから。
「海水が〜後ろに流れていく」わけわからねぇ。後ろとはどっち?
「天を仰ぐと〜」あのなぁ、ちっとは外に出ろよ。この行動が不自然だってわからねぇんだろ。
「もう少しこのままで〜」どっちに歩いて行ってるんだ?


これ、描写がおかしいのと全然足りないせいで出てくる指摘。
あとさ、ここ練習スレじゃないんだよね。

1410イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/21(日) 11:03:36
昔、湘南爆走族って漫画があってのう。
その中で、真夏の砂浜でじっと立ちつくす我慢大会というネタがあったんじゃよ。

真夏の砂浜はそれぐらい、熱い。
早朝とか夕暮れとか曇りとかなら熱くはないが、真昼の炎天下の砂浜は熱い。
我慢大会が成立しちゃうぐらい熱い。
嘘だと思うなら、真夏に公園の砂場に裸足で立ってみるとよい。
ちょっとやそっとの熱さではない。下駄で薬師岳を制覇した漏れの足の皮でも熱い。

描写不足とかいう前に、世界を知らなさすぎる。
教科書のあの坂をのぼればを読んでみれ。

1411リス愛好家:2006/05/21(日) 13:35:57
感想どうも。

>>1407
>青い世界の入り口へと足を踏み入れた。
に繋げたかったので、あえて海と表現せずに比喩を使いました。

>>1409
文字と単語が複数出てくるのは、この場合、印象付けるためにも必要なのでは?
二個目はミス。
浜辺もカテゴリとしては海と思うんだが……。浜辺と聞いて、海を思い浮かべない人はいないだろう。
行った事あるぞ。中学生くらいの頃だが。

そこだけリライトしてみてくださいよ。
海に向けて歩き出す、とした方が良かったですな。
全部「ボク」だとかえって不自然な気が……。水着がどこにあるか描写する必要はあるのかという疑問。

独り言。
うn。でも走って海まで向かった、だと雰囲気ぶち壊し。
海岸沿いに。描写不足。

練習スレってあるの?
あとアンタ、凄い偉そうだよ。

>>1410
砂浜が熱いってことは言われて思い出しました。

1412イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/21(日) 13:50:34
あのさ、俺は神器に向かって指摘を書いたつもりなんだが。
あんたが応えて良いのか?

1413イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/21(日) 14:55:27
皮肉で、海に言ったことがないと思えるほど描写が下手 と言われてるのに気づかず
>行った事あるぞ。中学生くらいの頃だが。

1414イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/21(日) 14:57:25
>>409
ここ練習スレじゃねぇの?w今知ったわ

1415イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/21(日) 15:03:00
>>1414
>>1参照。
練習目的で使うとこじゃない。

1416イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/21(日) 15:18:56
ああ、校正やら推敲の参考にするのね
でもそれって練習じゃね?

1417イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/21(日) 15:22:17
要は今書いてる作品の推敲の手助けをするところであって、
スキルアップのための書き散らしを添削するとこじゃないって事だよ。

故に、練習のためのスレじゃない。

1418イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/21(日) 15:25:17
確かにリス云々のは練習って自分で言ってるし、スレタイの「小説の一部」でもないなw
把握したw

1419イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/21(日) 19:19:30
相変わらず自己弁護に徹するばかりだなw しかも「アンタ、偉そうだよ」と
鼻の穴広げながら言うアンタはどうかって話だわさ。ハイハイ俺もね俺も。

このスレはあくまでも批評スレなんだよな。少なくても自分で出来る推敲は
全部した上で、自分の目では分からない事を洗い出してもらうためのスレ(のはず)。
しかも指摘に対して「じゃあこうしよう」じゃなくて「そこはこうなんですよ」。
どうして自分の方から動こうとしないのか。いやこれじゃ伝わらないか。
どうして「つまらない」と言う他人に「面白くなる読み方」を伝えようとするのか。

1420イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/21(日) 19:53:52
 書いている最中超能力探偵物の序章一部です。
 長目です。


 それはどこからどうみても人間の死体だった。
 開ききった口腔はすっかりかわいている。白かったであろうワイシャツは黒に染まっていた。
 路上に転がる抉れ落ちた肉には、すでに白い物が湧いている。ポッカリと頬に開いた穴は鳥につつかれたものか……それとも人喰いとい

う行為の果てか。
 そんな凄惨な状態でありながら、その死体は通常として受け止められていた。
 力も無いくせに、身なりのいい格好でここを訪れた馬鹿が一人死んだだけ。そう割り切っているスラム街の住人は、死体を避けて歩く。
 彼らにとって死体は恐怖の対象でも、悼むべき対象でもない。ただ、邪魔な障害物だ。
 もう少しすれば、やる気の無い警察が巡回に来て、とりあえず身なりがいいので、この死体の割り出しをするのだろう。そして、貴族か

それに準ずる地位でなければ、簡単な捜査さえ行われない。遺族が探偵に依頼すれば別だろうが、それも金がなければままならないだろう


 やせ細った中年の男が、死体に近づいた。何か金目のものが残っているかもしれないという、そんな淡い期待とともに。
「やめたほうがいいぜ」
 その男の背中に、別の男の声がかけられた。中年の男は面倒くさそうに振り返った。
 そこには、なかなかに身なりの良さそうな格好をした若い男女が立っていた。
「ちょっと退いてくれねえ? 俺さ、こいつに用があるんだよ」
 若い男の偉そうな口調に、中年の男は露骨に眉を顰めた。
「いや、止めちゃって悪いね。俺、月瀬実風。こう見えても探偵なんだよ。だからさ、死体アサリしてるあんたを殺人犯としてしょっ引く

ことも可能なんだ。いやだろ? スラム街の人間が、警察でどんな扱い受けるか知ってるだろ?」
 軽い口取りだったが、妙な迫力がこめられていた。逆らってみろ、殺してやる。そんな殺気さえ感じられる。
 その物腰に並ならぬものを感じた中年男は、舌打ちをしてその場からそそくさと離れる。実風の後ろに立っていた女の脇を通り――投げ

られた。
「ミコ」
 実風が咎めるように振り返ると、ミコと呼ばれた女は面倒くさそうな表情で男に関節技をきめていた。男の胴を自分の足で挟み込み、両

腕で男の右肘関節を逆の方へ押している。男は抜け出そうと力をこめるが、ミコは華奢そうな外見とは裏腹にかなりの力の持ち主のようだ

った。
「だって聞いてよ、所長。こいつ、あたしから財布掏ろうとしたのよ。百万年早いっての」
「だからって関節技決めることは無いだろう。折れたらどうする。弱って死なれたら目覚めが悪い」
「こいつ、三年は死なないでしょ」
「まあ、そうだがな……」
 冷静に、淡々と。もがき苦しむ男にとっては、関節技をきめてくる女も、それを静かに咎めるだけの男も、どっちもどっちである。
「そろそろ止めたほうがいいぞ。ほんとに折れちまう」
「はーい」
 ミコは名残惜しそうに力を緩めた。男は右肘の辺りを押さえ、憎しみの表情で二人を睨み去っていった。

1421イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/21(日) 20:40:31
>開ききった口腔は
「口の中」と表現してはならない理由は? 口腔では堅すぎてイメージが湧かない。

>抉れ落ちた
えぐれるってのは「へこむようにして無くなる」って事だから、無い物が落ちるわけがないよね?

>その死体は通常として受け止められていた
「日常として受け入れられていた」でないとダメだと思う。「通常」っておかしいだろ。

>「やめたほうがいいぜ」〜舌打ちをしてその場からそそくさと離れる。
どれが誰のセリフか分からん。中年男はおそらく喋ってないんだろうが、「こいつに用がある」ってのが中年男のセリフに見える。
喋ってないなら喋ってないで喋ってないと表現すべき。

>殺人犯としてしょっ引く
その世界がどうだか知らんが現実では探偵は一般人なわけで、犯人を逮捕する権限はないのだが。

>その場からそそくさと離れる。実風の後ろに立っていた女の脇を通り
「離れる」を使うとおかしい。確かに「死体―男―探偵」という構成だから男が死体から離れるのはすなわち探偵に近づくことになる。
しかしながら、探偵に近づく描写をしてないから男は「探偵から離れた」ように思える。近づくならもっと違う表現があるだろう。

>力の持ち主のようだった。
こんな説明、この中でいるのか?
力を持ってるかどうか断言しないなら、「男がいくら力を込めても外れない」くらいでいいだろ。

>三年は死なないでしょ
まぁなんか設定があるのかもしれないが、具体的な数値を出す意味がよく分からん。

>どっちもどっちである。
何がどうして「どっちもどっち」なのか分からん。別に良い悪いの言い合いをしていたわけでもないし。


全体的に必要な描写が抜けて必要ない描写が入ってる所が多いっつーかほぼ100%そういう構成になってる。
自分が知っている所を思い切り削っちゃってる。自分がまず全く知らない状態で読んだらどう思うか予想しながら書け。

1422イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/21(日) 20:40:46
>>1419
少なくともそんな書き方はしてないとだけ言っておく。

1423イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/21(日) 20:44:28
>>1422
どちらさまで?

1424イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/21(日) 22:11:42
こういう読み方をしないといけないんですよと説明されても確かに困る罠

1425イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/21(日) 23:13:57
ちなみに、もしプロを目指してるんなら、
読者が意味を読みとりにくい描写、表現は徹底的にリライトさせられる
ということを覚えておけ。
多少分かり易すぎるくらいに書いてちょうどいい。
もちろん、その上できちんと『面白く』書くのは当然のことだけどな。

1426イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/21(日) 23:16:28
 そうやって読者に対しても一々読み方を指導する気ですか? エヴァンゲリオン以来、
ガジェットや裏設定の解説書が一般的に成りましたが、少なくとも作者がそれをしちゃ
いかんでしょ。翻訳家が辞書を添付して要約で済ますようなもの。
 ここが練習スレで無いのは暗黙の了解事項と思っていましたが、それに付いては敢えて
触れずにおきます。親切にも批評しリライトまでしてる人が居るのですから。しかし
批評に対して反発する位なら、そんなもの端から求めるべきでは有りません。

 付け加えるなら、ここでの批評は必ずしも的を射たものとは限らないし、自分が求めた
答えが得られるとは限りません。しかし自作の善し悪しや、進む先の方向性などを写す
鏡など存在しません。
 プロ作者はそうした闇の中を手探りで進みながら作品を書き上げます。勿論売り上げや
読者からの手紙、プロの編集や批評サイトや2chが参考に成るかも知れませんが、
我々にはそれすら有りません。
 ここはでは各自が、批評というリアクションをフィールドバックして、作品に反映させる
場所なのです。気に入ろうが入るまいが、リアクションが有る事に感謝すべきです。
 貴方はスルーして欲しかったのですか?
 内実のない賞賛が欲しかったのですか?

1427イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/22(月) 03:19:19
誰が誰にいってるのかよくわからんが。
>最初三行に青という文字が四回、世界という単語が五回出てる。論外。
って指摘自体はおかしいと俺も思う。

同じ語を繰り返すのは、詩でもよく使われる有効な技法の一つだ。
いちめんのなのはな、なんてのを知ってるだろう?
英語だと禁じ手で、同意語に置き換えるのが鉄則だけど。

ただ、ここでは、語彙不足、描写力不足を露呈しているだけだから、
修正した方がいいとは思うけどね。

1428イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/22(月) 07:09:41
同じ語を繰り返すのは定型にするか、韻を踏むためだ。どっちもできてねぇし。
そもそも小説で短い文章で語を繰り返すのは、言葉が使えてないと思われるだけ。
詩で「も」よく使われる、じゃない。詩で「は」よく使われる、だ。

故に論外。もっと分かりやすくいうなら、「小説」を書いてください。

1429イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/22(月) 10:17:23

「名は体を表すって、本当ね」
 前方から歩いて来る男を電柱の陰から覗きこみながら、優子は言った。
優子の頭一つ上から同じように覗いていた健太郎は、冷静に否定する。
「ありゃ偶然だろ」
「でも、太ってるじゃない」
「良いか優子、ふとし君だって、生まれた時から太ってたわけじゃない。名前が身体に影響を与えるんだったら
生まれて来る赤ん坊全員、麗とか美子とかに統一すれば良い。アイドルデビュー決定だ」
「実際そういうこともあるかも知れない。深層心理で影響を受けてるってこともあるんじゃないかしら。
名前がストレスになって、過食症になって、太ったとか」
「ないね。大体それ、ふとしだけの話じゃないか。それに俺は身を持って知ったんだ。
優子と名前の付く奴は、大抵優しくない」
「私はレアなパターンなのね」優子はしれっとした顔をする。「もういいわ。とにかく彼が、細井ふとしで間違いない」
 健太郎は吹き出す。「何だ、あいつ細井って言うのかよ。ほら、俺の持論は証明された。名は体を表さない」
「でも『ふとし』なんだって」
 優子は溜息を一つ吐く。当の細谷ふとしは、自分が一番偉いと言わんばかりに胸を張りながら、夜道を歩いている。
今にも張り裂けそうなほど伸びきったTシャツとジーパンが、二人に嫌悪感を沸かせた。
「どうするんだっけ、これから」
 優子は呆れて健太郎の顔を見る。この男は、指令書を見ていないのか。
「もっとちゃんとやってよ。遊びじゃないのよ」
「分かってるよ。遊びで連続強盗犯と対峙するわけないだろ。この先の公園に行かせないよう、
五分間足止めしてれば良いんだろ」
 健太郎の言い方が癪に障ったので、優子は語調を荒げる。
「分かってるんじゃない」
「ただの冗談だよ、バカ」
「バカとは何よ」
「お前のことだよ」
 言い争いが始まる。いつものことだった。健太郎と優子が組んだ場合、大抵は喧嘩になる。
そして、本来の目的を忘れる。つまり、連続強盗犯である細谷ふとしは、二人を横目に公園へと向かってしまう。



会話が上手くいかない……。会話をテンポ良くするにはどうしたら良いだろう

1430イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/22(月) 11:09:37
自分がテンポがいいな、と思った小説のワンシーンを20本ばかり用意する。
次に、それを丁寧に写す。手書きじゃなくてタイプでもいいけど、とにかく一字一字きっちりと読みながら写す。
次に、それぞれのシーンを自分でリライトしてみる。台詞や描写は変わってもいいが、シーンの意味などは変えない。
(要するにケンカのシーンなら、ケンカをしている。各キャラの感情や感覚などはそのままで自分なりにリライトしてみるということ)

出来上がったリライトと元のシーンを比べてみる。
特に、語尾の処理や会話と地の文の割合、順序。句読点、使用した形容詞などを比べてみる。

これを徹底的にやり込むと、自分の文の癖というのがかなり見えてくるぞなもしばってん。
ちなみに、上達しようとこれをやると参考にした小説の癖に喰われるので注意が必要。

1431イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/22(月) 11:44:57
>>1429
声に出さなくてもいいけど、とにかく抑揚つけて読んでみるといい。
あとはまあ、説明台詞になってないかチェックする。

文章全体としてみると、ふとしの説明がないのに名は体を表す、ってのがいきなり出てて不自然。
「前から歩いてくる恰幅のよい男」とでも変えると、読者は台詞に納得する。
「良い」を「いい」に開く。日本人は無意識に「よい」と読んでひっかかるから。
「付く」を「つく」に。
読点を付けたり外したりする。

とりあえずそれでだいぶ変わるはず。

1432イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/22(月) 19:19:28
>>1429
もしかして「藍色の瞳から銀色の瞳に変わった少女」の文書いた人?
どんな場所にいるのか分からんし、必要な描写がことごとく抜けている。

1433イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/22(月) 21:58:45
 吉田は手招きして玄関へ入るようにという仕草をした。僕は門を抜けてステップを
上がり、忌々しい傘を畳んだ。後ろを見ると、佐倉が門の前で立ちすくんだままだった。
「来なよ、渡すものがあるんだろ」
 僕が促すと、彼女は頷きながらあわてて玄関にいる僕のそばへ来た。黄色い傘をたたみ、
ガチャガチャとせわしなく水滴の付いたランドセルを開けようとする。それを吉田が止めた。
「まあ、家に上がってけ」
「あ、でも、用事はすぐにすむし」
 僕はそう言った。そもそも自分には関係のない用事だった。
「おもしろいものを見せてやるからさ」
 吉田は妙に機嫌が良い声で僕と佐倉の手を引っ張った。靴を脱ぐ時、佐倉はさすがに躊躇った。
「や、やっぱり帰る・・・・・・」
 しかし、吉田はまるで昔からの友人のように強引な態度で階段を上らせたのだ。
 吉田の部屋は殺風景で、ほとんど家具らしいものはなかった。ベッドと机、テレビがあるだけだ。
吉田はどこかから座布団を三枚用意して、フローリングの床に並べた。僕と佐倉はそこに座らされた。
隣にいる佐倉の微妙な雰囲気が空気を伝わり、雨で冷えた僕の腕に届いた。

1434イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/22(月) 22:18:49
>忌々しい傘を
なんで忌々しいの?傘=忌々しいとする描写が前後にないから意味不明

視点がめちゃくちゃすぎ。
これでは読み手は混乱します。
こんな短い文なのにつっこみどころが多すぎです。
推敲しましたか?

1435イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/22(月) 22:45:18
悪文の才能っては確かにあるかもしれんね。
で、練習用なら別スレ立ってるからそっちへどーぞ。

1436イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/23(火) 22:53:58
プロローグ後の第一章。
町についての説明のシーンですがくどすぎないかと思ったんで晒します。

全日本国民に赤目市を知っているかという質問をすれば、少なくとも一割は“はい”と答えるだろう。地方のオフィス街として、またはあの名門大学の所在地として、あまりにも有名だからだ。しかし、王港町を知っているかという問いには果たして一分も“はい”があるだろうか?もしかすると赤目市民すら質問してくるかも知れない。
「王港町ってどこですか?」と。
 実際、ここは小さな町だ。赤目市中心部から北東に二十キロ。海に面した市の北端に位置するこの町には主要産業は漁業程度しかなく、交通機関はわざわざ壇宇市を経由して赤目市まで三〇分もかかる単線電車と、月に二、三人の圧死者が出ると評判のバス。あとは徒歩か常に渋滞している国道しか存在しない。ベッドタウンとしての利用価値も放棄されたようだ。
 町全体の構造も単純明快。海沿いには電車、バスの停留所と僅かな娯楽施設。漁港と工業施設が密集しており、一方の山沿いは山腹を削って作られた住宅街が延々と広がっている。目立つ建物は老若男女のたまり場と化し、幼児向けアニメソングの絶えない(万引き発生時のBGMだそうだ)総合デパートと、小中高等学校、県外には無名、地元教師には“行けば明日は無い”と評判の私立大学の校舎以外は皆無だ。
 決して悪い町とは思わないが、もう少しどうにかならないのかとは思う。

1437イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/23(火) 23:07:39
一割とか一分とか言わんと、10人にひとりとかにした方が良いんでないかい?
あと、あまりに有名という形容詞にしては一割は少なすぎると思われ。
一割の人間が知っている程度の市をあまりに有名と形容してしまうなら、奈良や京都はどう形容するよ? つう感じじゃろうか。
あと、バスがそんなに混むなら電車ももっと利用されるぞなもし。路線数が少ないから異様に込むとは普通はならない。
田舎の単線地方鉄道とか、バスの寂れ具合ときたら走ってるだけで赤字だろ! ってぐらい寂れてるし。
車両一つに(つうても、2両ぐらいだが)1人か2人とかいうのがざらなのが田舎の地鉄。

1438イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/24(水) 07:58:48
>>1433
なんかどっかで見たことがあるようなシチュエーション。漫画だったかな。
小学生と思われる設定の割りに硬い喋りをするのな。

14391436:2006/05/24(水) 12:53:54
文章の読みにくさなどを指摘されると思ったらまさかそことは…
一応、友人の住んでる町を参考にしたつもりだったのだが取材不足らしい。
今日中に改訂版を晒すつもりですがそれ以外にもおかしいところがあったらバンバンツッコミをお願いします。

1440イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/25(木) 18:13:24
個人的意見ですまないが、「○○だろうか?」と語りかけるのは好きではない。
読んでいる側としては聞かれるたびに「知らねぇよ」と心の中で突っ込む事になる。

語り手が誰に向かって喋っているのか考えた方がいいんじゃないかと思うが。

1441イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/25(木) 18:29:24
なるほどそうだな。反語なら「?」は要らない気がする。

1442イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/25(木) 22:33:22
 >1437さんが指摘している事と重なるが、全体的に「くどい」というより「気負い過ぎ」な、
若しくは「不自然」な表現が目立つ。リライトは趣味じゃないが一行だけやってみよう。

 >全日本国民に赤目市を知っているかという質問をすれば、少なくとも一割は“はい”と答えるだろう。
  ↓
 道行く人に「赤目市をしっているか?」と聞けば、十人に一人は「知っている」と答えるだろう。

 説明を説明として書いてはいけない。あくまで小説を楽しみながら、読者が町の設定を「推察」
出来るような書き方にしなくては。

1443イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/26(金) 12:33:52
これだけでは判断しかねる。
プロローグがどんな風であったのか、それによりこの文章の意味も大分違ったものになると思う。

と、いうかこれを見る限りはライトノベルである必要性は感じられない。

1444イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/27(土) 00:36:52
>>1440-1443
参考になりました。
この後、ラヴコメホラー展開になるんでライトノベルじゃないってことは無いと思いますw
文体については表現に困るたびに参考にしていた雪風やラヴクラフト全集が
マズかったかもしれません・・・

しかし、よく考えてみたらストーリー上、田舎町である事を説明できれば問題ないわけで、
こんな長々とした説明はいらない事に気付き、カットすることになりました。
こんな駄文に真面目な評価をありがとうございました。

1445イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/27(土) 15:45:06
 非常に対照的だったので捕捉すると、>>1393>>1397は先ず主人公の心理描写など、
文章から入っているがストーリーの展開が遅く「その文で何を読者に伝えたいか?」が
明確でない。
 主人公が複雑な心情を抱えていて、同じように複雑な人間関係を抱えている事は考察
出来るのだが、物語が展開していないしこの先どうなるかも想像出来ない。
 一方で>>1436はハッキリと筋立てが決まっており、作中の舞台について説明した後で、
その土地で何かが起こるのを期待させる、そしてそれはこの土地にまつわる何かだろう。
 逆に言えば設定をそのまま書き並べているので説明調の文に成っており、読者が作品に
入っていけず取説を読んでいるような気分にさせられる。

 理想をいうなら、>>1393>>1397のような文章を読みながら、>>1436のような情報を
読者が推察して、この先の展開を期待出来るようにしたい。

1446イラストで騙す予定の名無しさん:2006/05/27(土) 19:49:42
つまりフュージョンしろと言う事だな

14471447:2006/06/01(木) 23:36:58
人いない気もするが晒し。冒頭です。


M6:08 麹原公園。

そこに蛇がいた。
それも一匹ではない。
五、六匹。互いに絡み合い、伸び、うねっていた。
リズミカルに息を吐く男の腕の中でである。
「ふっ、ふっ、ふっ」
腕立て伏せ、またはプッシュアップ。一般にはそういわれる運動である。
男の顎から地上に向けて汗が滴り、砂に染み込んでゆく。
さらに言うならば上半身裸の男の体には汗が付いていない場所などないようであった。
夜明け前に始めた筋力トレーニングだったが、もう朝日は昇っている。
不意に腕立てのペースが徐々に落ちていく。それから20秒ほどが経つと男の動きは完全に止まった。
「ふううううう…」
男の唇から大きな息が吐き出される。
ランニング7km、50mダッシュ20セット、スクワット100回、腹筋100回2セット、腕立て100回2セット。
日課のトレーニングがちょうど終わったところであった。。

立ち上がった男は美しかった。
いや、違う。
ぼさぼさの黒髪、両手の甲の開口した髑髏の刺青。口元から見える八重歯。
瞳は大きいが愛想はほとんど感じられない。
体型は決して大柄ではない。男の上背が日本人の平均身長であると言われても納得できそうな身長である。
器量も10人が見れば3人の目には整った顔立ちに写るかもしれない。その程度の顔であった。
目立つことこそあるかもしれないが別段美しいところも無いのである。
ある部分を除いては。
肉体である。
ヒザまで捲くったジャージから覗くしなやかな脹脛。
首から背筋にかけての流れはまるで岩である。
先ほどまで酷使していた両腕を二回ずつ回すと、また皮膚の下で蛇のような筋肉が蠢く。
生きるために不必要な部分を削いだ野生の肉食獣のようであった。
不快であるはずの汗の匂いも男には何故か似合っている。
ゆっくりとした足取りで公園の隅にある水場へ向かい、おもむろに水道を思い切り開く。
蛇口の下に頭を入れ水をかぶる。焼けた鉄のようだった体が急速に冷えていくのが心地良い。
顔を上げると頭を振り、たっぷりと髪に含まれた水分を飛ばす。癖の無い髪であった。
近くのベンチにかけてあったTシャツと薄手の黒いワークシャツを羽織る。と、突然顔を別の方向に向ける。
白い針金製の柵の上、猫がいた。男はこの猫の視線を感じたらしかった。
鳴くでもなく、動くでもない。猫はただじっと男を見ている。
男も見返す。最初はただ見ているだけである。
ちょうど6秒後。突然男の目から何かが飛び出した。目には見えないものである。
殺気。いや正確には殺す気などないのだからそう呼ぶ物ではないのかもしれなかった。
威圧感、闘気、そういった類のものだ。
瞬間、猫はびくりと体を震わせると一目散に藪の中へと消える。
男はそれを確認すると満足げに笑顔を作った。気持ちの良い笑みだ。
だが、どこか影と憎たらしさがあった。

1448イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/02(金) 09:58:36
夢枕獏みたいだ
文章の雰囲気は好きだな。でも
>ちょうど6秒後
って言うのが浮いてる。あんまり「ちょうど6秒」って言うのがイメージ沸かない。

1449イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/02(金) 19:25:54
六拍とかにすれば良い。
あと、

 「たまらぬ〜であった」
 「見事な〜であった」

も使おう。

14501447:2006/06/04(日) 00:02:55
ご意見ありがとうございます。
AMのAが抜けてたり句点が連続してたり何やってんだ俺はorz

>>1448
夢枕獏氏の作品はおもいっきり意識して書いてます…
書いてみたら非常に書きやすく、好みの文体だったので。

ちょうど〜〜のところは自分でも何回かリライトした文ではありますが、
やっぱり自分が違和感を感じる部分は人も違和感を感じるんですねえorz

>>1449
見事な〜〜〜はいいですね。自分では出てこない形容詞でした。

もっとボロクソに言われると思ってた(ちょっとそれを期待してた部分もあった)
んですが、そうでもなかったのでこのまま書き進めてみようかと思います。

1451イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/04(日) 09:38:55
>>1447
>そこに蛇がいた。
まず最初に男を書いて、その後で蛇の描写にしないと情景が浮かばない。
というか読み返さないと筋肉の描写ってのが分からん。

>一般にはそういわれる運動である。
ではこの中では腕立てともプッシュアップとも言わないことになるのだが。
「一般には」っていう表現が無駄。

>それから20秒ほど
具体的な数値は入れない方が、読者の想像力を煽る。
六秒もそうだけど、短い時間の経過を具体的に書くのはよくない。

>いや、違う。
どっちなのかハッキリして欲しい。
完全否定しなくても、別に以下の「十人中三人が」的な事は入れられるし。

>おもむろに水道を思い切り開く。
蛇口を開けたりひねったりする事はあるが、水道は普通は無い。
あと「おもむろに」が「思い切り」を相殺して、「水道を切り開く」と読んでしまう。
おもむろに開けたのか、思い切り開けたのかどっちかにしてくれ。

>気持ちの良い笑みだ。
誰にとって気持ちの良い笑みなのか?
男にとってか、周囲が見たときにそう感ぜられるものなのか?

1452イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/04(日) 22:30:40
細部の描写から入って徐々ににパンしていって全体をみせる、って手法。
判りづらいところはあるけど、推敲すればokだろう。

ただ、夢枕文体の真似ってのが辛いな。
キャラも、乱蔵とか、そういう感じだし。

オリジナリティ、というより「劣化コピーじゃないよ」って
ことをどうやって示すか、が問題だろう。

14531447:2006/06/05(月) 19:01:10
>>1451
事細かにありがとうございます。参考にさせていただきまた推敲してみたいと思います。

>>1452
台詞回しとかストーリーでなんとか
「それっぽさ(読んでる人には一発でわかる夢枕氏からの影響)」を中和できればなーと楽観していたのですが、これがかなり難しい…
長編になる予定ですので、推敲しつつゆっくり書き進めて行きたいと思います。

1454イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/06(火) 00:13:53
 影響され過ぎるのも問題だけれど、何一つ瑕疵が代わりに特徴も無い文よりは、
自分の個性を追求した方が良いと思う。もちろん一丁一石に出来るものでは無いが、
だからと言って自然に育つものでも無いから。
 これは何も文書に限った事ではなく、大雑把に作風としか表現のしようが無いが。
 「この文章ならあの作家だな」と読者がはっきり区別出来る特徴。銀英伝の
田中芳樹や、星界シリーズの森岡浩之みたいなウィットに富んだ会話。夢枕獏の
描く綿密(それとも粘密?)な情念と感情描写。ロンギヌスの槍や原子砲等の
ガジェットが、同等の存在感で並び立つ菊池秀之etc。
 各作家の特徴だけでスレが立っちまうから、今日はこの辺にしといてやらぁ。
ってな位、色々思い付くでしょう? 最初は真似でも良いから、自分なりに色々
追求してみると良い。

1455イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/06(火) 00:15:58
 失礼!
>何一つ瑕疵が代わりに → 何一つ瑕疵が無い代わりに

1456イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/06(火) 01:15:44
>>1454
ついでに朱筆で一筆。

一丁一石→一朝一夕

14571454=1455:2006/06/07(水) 21:30:12
うっ……うわらヴァッ!

1458イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/17(土) 00:54:47
ちと、どっちの文体で行くべきか迷ってる。どっちの方が狂っている感じがするかお聞かせください。
シーンは違うのは堪忍してください。

 足元には戦場があった。ああ! 闘争だ! 戦争だ! 電子の海で、人の魂がぶつかり合い、愛し合う。「呪いあれ!」口々に叫ばれる求愛の言葉。まるで肌を隠す乙女の様に、戦場はその姿を、砂煙に覆い隠している。時折ベールから覗く、魔法のきらめき、矢じりが返す太陽の光、それは秘密めいた微笑だ。誘いかける妖婦の、処女の恥らいの微笑だ。
 胸は高鳴り、血潮は急き立てる。早く行け、彼らと愛し合え。
 <慧眼>を発動すると、ベールは取り払われ、眼下の戦場はその素肌を、俺の前に晒した。そこには無数の老若男女が殺しあう姿があった。騎士が魔術師を突き刺していた。侍が忍者の体を二つに割った。屍鬼の腕が宙に投げ出された。僧侶がバーベキューになっていた。阿鼻叫喚、鼻を突く血と肉と、死の芳香。
 次の瞬間には俺の体は動いていた。血が、体が、魂が求めていた。殺戮を。それは純然たる、穢れのない本能だった。
 俺が宙へ身を投げ出せば、戦場はぐんぐんと近づいてくる。重力、加速、俺の肉体は難なく操作され、着地に最適な姿勢へと変換された。

1459イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/17(土) 00:55:27
その2です。

 豚野郎の四肢が寸断され、体は青空に舞い上がった。放物線を描くそれには<地雷>が仕掛けてある。爆散。命名、打ち上げ花火。坊主頭だったほうが似合ったのにな。
 これで俺への愛を達成した人間は何人目だろうか。そろそろ二百近いはずだ。ウォーギルドのメンバーは両方を合わせて三百前後のはずだ。これでしばらくは、戦争など不毛な事はしないだろう。
 そろそろ俺に挑む馬鹿の数も減り、逃げ回る奴らが増えてきた。初志を貫徹すべく<炎矢>を詠唱して、それら馬鹿以下のチキンな低脳共を涅槃へと導く。日本人なら大乗か。
「<狂犬>! やはり貴様か!」
 ブラーマンとなって布教を進める俺に向けて、白い騎士が大仰な口調で叫んだ。
「俺らが相手になる。これでお前の噂も打ち止めだ」
 のっぺりとした、抑揚のない淡々とした口調で続けるもう一人は、黒い騎士。本日の主賓にして主菜、<モノクロ・ブラザーズ>こと、アベルとカインだ。こいつら実世界で兄弟やってる寒い名前の二人組はウォーギルドそれぞれの長である。
 月一ペースで、こんなイベントを起こしては愛し合う、近親相姦ホモ野郎達だ。そんな素敵な変態達の組織が、それなりの規模に成長するのを待つ俺の姿には、電柱の影からこっそり見つめる恋する乙女も兜を脱ぐだろう。

1460イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/17(土) 01:12:55
>>1458-1459
狂った感じ以前に状況が掴めない。
特に前者は抽象的すぎている。
おそらく一人称型の小説なのだろうが、文章のセンスが無さ過ぎて読んでも読んでも面白くない。

ついでに後者。技名だけが出てくる時点で典型的な作者の自己完結型の文章だ。
魔法といっても、これまでの歴史上、いくつかに大別できるため技名だけでは判断ができない。
情景が浮かばないのが、シーンを切り取っているからならまだいいが、これが全体に及んでいるなら致命的な欠陥だ。

1461イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/17(土) 01:53:53
狂ってはいないな。酔っぱらってはいるが。

1462イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/17(土) 01:54:44
>>1460
批評ありがとう。

>文章のセンスが無さ過ぎて読んでも読んでも面白くない。
そこまで言われると、逆にすっきりしますわ。センスも磨いて身に着ける物だと思って頑張ります。

>狂った感じ以前に状況が掴めない。
で、技術的な問題としてここが焦点になっていると思うわけですが、
確かに情景描写が、全くと言って良いほどありませんね。
抜粋ミスですし、この分量に対してと考えれば、致命的でした。

もうちっと落ち着いて物を書くことにします。ありがとうございました。

1463イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/17(土) 02:00:23
どっちも狂ってるが、文体の違いがよくわからん。
下のほうが壊れてる感じはするが、何が行われてるのか分からない。

1464イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/17(土) 02:40:59
>>1462遅レスだが一言
抽象的な意見ですまないが、リズムが悪い。
後者の文体なら気にならないが、前者みたいに比喩を連発する場合、
リズム悪いと激しく読み辛い。
書き上げてから音読してみるor音読しながら言葉を選んでいく事をオススメする

1465イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/17(土) 07:43:33
>>1458-1459
……ネットゲーム?

1466イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/17(土) 08:09:57
>>1458-1459
上の方が高揚感があって狂ってるっぽいキガス
下は説明がやや多めでマトモっぽい

戦場を求愛活動に見立てるのはスキだったかも、でも
>そこには無数の老若男女が殺しあう姿があった。
→そこには無数の老若男女が愛し合う姿があった。
で、その前の
>早く行け、彼らと愛し合え。
は、まぐわえとか合体とか結合とか
戦ってる直接描写は最初と最後ぐらいで、後は恋愛的な描写に徹底していた方が読みたい気がした。
まあアト、細かいこと言うと、いろいろ文章に不満がある。もっと練って欲しい。

1467イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/17(土) 15:53:30
例えば「HELLSING(ヘルシング)」のようにスタイリッシュに狂気を表現している作品がある。
上の文の方はこれに似ているのだが、漫画のように絵で描写しているなら兎も角、全てを文章に
依存している小説では「何が起こっているのか分からない」文章になってしまう。
まず狂気の暗喩やその為の詩的リズム感は脇に置いて、何が起こっているのかを先に決める。
すでに考えているにしても、読者にそれが分かるように書く事を怠らないように。次にそれを
どう表現するか考えた方が良い。

1468イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/17(土) 16:40:59
結局、狂気を狂気たらしめるのは登場人物であり、それを象徴する台詞。
地の文はそれを補強する程度。
でないと、酔っぱらいの繰り言と同じで何がなんだかさっぱりわからん。

1469イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/17(土) 17:37:10
>>1458-1459
以前どこかで読んだ事があるような気がするぞそれわ

他の方々も苦言を呈しておられるが、一度、一人称の文を「モノローグ」と「描写」に分けて考えてみたらどうだろう?
モノローグ部分は多少は破綻してでも迫力を持たせることに努め、描写部分は丁寧正確かつ一人称の利点としてのウイットに富んだ表現で書いてみては?

14701458:2006/06/17(土) 21:24:39
たくさんのレス、ありがとうございます。
>ネットゲーム?
ネットゲームを舞台にした一方的な殺戮シーンです。

このキャラクターがストーリーの進行上狂っているキャラというのが外せない事が起因して、
「イカ臭い文章」になってしまっていることが、やはり大きいみたいですね。
で、このイカ臭さを抜く為に文体を変えたり四苦八苦していたのですが、
文章の練りこみの足りなさを、多くの方が指摘下さった事から、
文体的な問題よりも考えて書く事が重要かなと思っています。

・独白と描写の明確な線引き
・描写の強化
・独白のリズム

これらを強く考えながら、書いていきたいと思います。
台詞回し……苦手なんですよね。orz
ガンダムでも見ようかしら。

1471イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/17(土) 21:34:14
ぶっちゃけ、狂気に走りたいなら一人称は向いてない。
狂気と比較する正気がいるけど、それを読者に一任するのは危険杉。
三人称で突き放しながら、ねちっこく狂気のキャラを追いかけるとか。

1472イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/19(月) 23:08:23
人称を選ぶのも何気に重要な選択だったりするな、戦記物とかだと背景説明が不可欠だし。

1473イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/21(水) 05:05:59
批評お願いします。
シェアードワールドのファンタジー物です。
冒頭部分なんですが、読まれた感じを教えてください。またシェアードワールドのような
共通認識の多い場合は、どれくらいのさじ加減で説明を入れたほうがいいのでしょうか?
宜しくお願いします。

-遺跡-

 エッセ、彼女はドワーフの盗賊である。

 彼女の獲物は、古に慢心の為滅びた魔術師達の遺跡で、冒険者という危険を厭わない頼もしい仲間と
盗掘を生業としていた。
 遺跡には、数多くの財宝があり、またそれを守る為、罠やモンスターなどもいる。
 危険だが一攫千金狙う事が出来る為、盗掘者が後を絶たない。

 ドワーフとは、大地に属する妖精族の小人で、人間に比べて頭2つ分位低く
全体にずんぐりっとした印象がある。
 生来、手先が器用で、彼等が作る細工物は緻密で大変素晴しく、町で高値で取引されるほど。
 また、男性は髭を伸ばすのを美徳とし、頑健で力強く、
そして無類のアルコール大好きで、彼等と飲み比べで、勝る種族は無いとされるほどだ。

 ある酔いどれの賢者言う。

 勇者が戦に赴くとき、戦乙女の精霊が彼の者を愛し守護するように。
 ドワーフ達は、酒の精霊に愛され守護されているから強いのだと真実しやかに主張する。

 又、宝石や財宝を愛し、それを求め冒険に出るもの達も多い。
 エッセもその一人という事に為る。

 今、息を殺しながら、岩盤をくりぬいた人工の石の通路を進んでいた。
 時折、弱い光を放つ特殊な苔が壁を這い、まばらに光る以外は無明の世界である。

 人は闇の中では長時間精神を保つ事が出来ないとされる、何も見えないか闇の中、想像力が刺激され、闇に怪物を生むのだというのだ
 暗視能力。暗闇の中あっても、普通に視力を得ることが出来る力。
 大地の妖精として産み出された彼らドワーフには、闇は在って無いものなのだ。
 その為、我々人間には耐えられない闇の中で何時間でも活動できる。

 闇を見通す目、そして手先が器用なのだから、盗賊には向いてるように思えるのだが
 ピチャリ、所々、汚れた水溜りがあり、足をとられ音を立てる。
 状況が悪い事もあるが、生来の足の短さも手伝ってか、この手の行為は余り得意ではない。

 「ガネード様、今の無し。」口には出さず、心で信じる神に懇願する。

 ガネードは有名で大勢力の六大神信仰とは違い、マイナーに感が否めない神様で俗に盗賊の神とされる。
元来の性格は職人の技巧を司り。教義は創意工夫をもって、自分や親しい人に豊かな生活を手に入れよ、と説いており。

 又、思わぬ富を恵み神とも言われている。職人気質のドワーフや人間の職人達に人気がある神様なのだが。
 この思わぬ富を与える性格が転じて、身分に関係なく富を分け与える事から博徒や盗賊間にも人気がある。

エッセの場合は後者になる。

 そのガネードに祈りは通じたか判らないが
もし先に何かが潜んでいても、気が付きませんようにと、自分勝手な要求をしつつ、冷や汗を流しなす。

 丁字路の脇までエッセは進み先を、聞き耳を立てから、こっそりと「頭を出して」覗き見る。
 通常明かりの取れる冒険であれば、盗賊達は、よく磨いた鏡で先をこっそり覗くだが、映す光の無い闇のでは、鏡で見ることが出来ず直接見るしかない。

 覗き見た先に、暗闇を得意とする魔物がいた場合お互い鉢合わせうる危険性があり、エッセは足音にかなり注意を向けていたのだが、先のような塩梅で。
 幸運にも左右の通路には人影は無く、ほっと胸をなでおろすと、振り向かず手だけで後方に合図を送る。

 後方に控えるは二人のドワーフ。

 エッセの兄貴分で、短い髭を左右分け、紐で縛っていた。また手には意匠を凝らした戦斧を持ち、外套の下に鎖帷子を着込んでいた。
このパーティのリーダ的存在で、ガネードの神官戦士のアルト。

 もう一人は、坊主頭の赤ら顔で、頬より苔のような髭を生やし身の丈より大い戦棍棒(モール)を壁に立てかけ
別に腹が減ったわけではないのだが口寂しいのか。腰に吊るした袋から取り出した土竜の蜂蜜肉を無造作に咥えている。
古強者の戦士ボン。

1474牧師 ◆vV4kBtD4Gk:2006/06/21(水) 11:27:50
本スレでスルーされてるのでこっちに投下

「ヒヒヒヒヒ」
身の毛のよだつような薄気味悪い笑い声が洋子の耳に届いた。
どうして? 涼一には聞こえてないの?
涼一には音しか聞こえていない。笑い声は武にも涼一にも聞こえていなかった。 僕はいぶかしげに洋子の方をみた。
ここで読者の諸君に説明せねばならないだろう。
僕=涼一でこの話の主人公に当たる。20歳の若者で父親はサラリーマン、
母親は専業主婦という家庭で育ったどこにでもいる青年だ。
洋子17歳。もうおわかりだと思うが涼一の恋人であり本作品の
ヒロインです。そして謎の人物が武。22歳の父親が非サラリーマンとという
ちょっと変わった家庭に育っている。もしかしたらここまで読んで
武が怪しいと思うかも知れない。しかしちょっと待て。
それは軽率と言うものだ。もう少し読み進めていけばきっと驚くに
違いない。そして道化師。これは全く謎に包まれている。これ以上は
いえない。
え? 僕が誰かって?
名乗るほどではありませんが、本作品の作者であり、この話の
狂言回しだと思っていただきたい。さて、話を進めよう。
洋子はダイアモンドみたいな大きな眼を開いて闇を見つめている。
笑い声が聞こえたわ……。洋子は心の中で思った。
そんなことを僕は知るよしもない。
「ヒヒヒヒヒヒ……。」
不気味な笑い声に武はびくともしなかった。武は思った。こいつは邪悪じゃない。ただ寂しいだけなんだ、と。
僕は「洋子!。 だめだ。その声を聞いてはだめだ!!!!!。」
「@!」洋子が声にならない声を上げた。僕には何がなんだか分からない。
「ヒヒヒヒヒヒ……。」
!!!。
僕にも聞こえた……確かに聞こえた。そう、涼一には今の声が聞こえたのだ。ここで説明しておく必要がある

1475牧師 ◆vV4kBtD4Gk:2006/06/21(水) 11:29:37
五章の一部

僕は目が覚めた。
すべては夢だったのか。夢なら夢であってほしい。君ならどう思う?
ピエロは確かに存在した。真っ赤な口を大きく開けて僕たちに襲いかかってきた。洋子は殺され、武も行方不明だ。僕は命からがら逃げ出した。
電話が鳴った。携帯電話の方だ。NTTは高いのでauに変えたばかりだ。マイラインもauに変えた。しかし死んだ洋子は戻ってこない。
「もしもし」
「もしもし」
「涼一です」
「私は加代って言うの。早稲田の政経学部を出ています」
「それはすごいですね」
「今日はそんなことをいいに電話した訳じゃないの。私は朝日新聞の売れっ子ジャーナリストなんだけど、ピエロについていろいろと調べているんだけど」
「え? ピエロですか?」
「そう、ピエロよ」
「夢じゃなかったんだ……」
夢は続いていた……。涼一は握り拳に力を入れたが、痛んだので力を抜いた。そしたら痛みがすうっと引いていった。
お金はほしい。だけど世の中お金じゃない……。
マネーイズエブリシング!
「いったい何を考えているの?」
加代はいらだちを隠さずに眉をひそめた。

1476イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/21(水) 11:49:26
>>1473
読みづらい
ただ、あなたの文章を書くのが楽しい、という気持ちだけは伝わって来る

1477イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/21(水) 13:07:16
……なんで牧師がこんなところにいるんだ?
ありゃ、ラ板観測所用の公開コテキャラじゃなかったか?

1478イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/21(水) 14:37:06
>>1473
言えた様な立場ではないので控えようとも思いましたがなにか参考にでもなれば。

全体的に説明文が多すぎる、というよりあらすじのような書き口なので
先を読もうという意欲が湧いてきません。
伝えたいことや説明したいことがたくさんあるのはわかりますが、
客観的な視点を持って、どういう風に書けば読者に続きを読んでもらえるか
ということを大前提に考えて、書いていくべきだと思います。

自分も似たような文を書いては一人で悦に入っていた時期がありました。
幸いにも私は自分がやりたいことは小説の皮をかぶったオナニーではないということに
気づかされましたので今では読者を意識した文を(当時に比べれば)書けていると思います。

1479イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/21(水) 21:03:27
>>1473
さすがに九割説明ってのは、まずいだろ。そもそも小説じゃないし

これならいっそ、一切説明を抜いてキャラを行動させて、何か事件が起きた後で別章としてこの文章を(今度はキャラ描写を全て省いて)書いたほうがはるかにマシ

1480イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/21(水) 22:57:20
>1473
大前提として、舞台がソードワールド世界なら、ドワーフに付いての説明は必要無い。
彼女の行動原理や心理描写が必要に成ったとき初めて、

 >又、宝石や財宝を愛し、それを求め冒険に出るもの達も多い。
 >エッセもその一人という事に為る。

を使って説明すれば良い。設定は利用するものであって説明するものじゃない。
酒好きなのも同様。遺跡で一休みする時にでも、彼女の水筒は実はすべてエールだったとか
”設定を上手く生かしてますよ”と仄めかせして読者に訴える。実際に中世の農民は、
安くて手軽な清涼飲料としてそうしてた位だから不自然では無い。

ぶっちゃけソードワールドのシェアワールドなんて、読者の方もお約束を踏まえて読むものだ。

1481イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/22(木) 12:24:35
始めに、レスいただけなくても、読んでくれたみなさんに感謝。
>>1476さん
やはり、読みづらいですか。ファンタジー物は好きなんですけど
上手く伝えられなくて、精進中です。
でも、少しでも伝わる要素がある?って言うのは嬉しいです。

>>1478さん
いえ、批評嬉しいです、やはり説明が多すぎますよねー。
悩んではいるんですが・・
ファンタジー初見の人にもって、欲張りですよね。(自分の今の実力だと汗)
独りよがりに為らないように、頑張ります。

>>1479さん
すみません。別章立てに・・おお!考え付きもしませんでした。
物語の方に内容を集中させ、読者に興味持ってもらえるような描写を
実に付けられるよう、もっと頑張ります。

>>1480さん
やはり、ある程度解っている人対象になるから、いりませんか・・
>設定は利用するものであって説明するものじゃない。
これ、目からウロコです。
後飲酒の話も参考になります。
あちらでは、昼食に飲んだりもするんですよねー
冒険者のような、旅から旅への場合保存のきく飲料水としては
事実ポピュラーかもですね。
(そういえば、代表の水野さんや他の人の作品には、
生ぬるい水を飲む描写が多いので、対比的にも良いかもです。)

1482イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/23(金) 05:46:27
>>1481
えーと、あんたの問題はまず句読点がしっかり使えていないこと。
「説いており。」とか、「おり」って付けるならその先になんか説明が続かなきゃならん。
説明ありなし以前に、日本語として読めないのが不味い。

それに「分からない人用に」という言い訳で付けられている設定が、全く持って描写を伴っていない。
分からない人のために書いているのに、分かっている人の視点から書いている。
どちらかというと、立場や行為、評価といったものだけを書いているので興味が湧かない。
作家として根本的に必要な先入観を抜く行為が出来ていない。

「ずんぐりとした体型」って言われるだけじゃ“ずんぐりって何よ”っていう事になってしまう。
ドワーフを描写するなら、どんな目で、どんな口で、どんな鼻で、どんな肌で、どんな頭身でっていう所か。
よくある「美人の描写」を参考にしてみるといい。髪の毛は流れるうんたらのようで、目はメノウを思わせ・・・みたいなやつ。

>>牧師
なんか弄るのがタブーっぽいが言っておくと、
「え? 僕が誰かって?」「君ならどう思う?」という語りかけはやめとけ。つまらない。
それとセリフに命が吹き込まれていない。生身の人間と関わって経験を積むことだな。
ちと人間味の無さが行きすぎて、わざとやってんじゃないかって思うくらいだが。

1483イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/23(金) 18:02:37
 ファンタジーもののプロローグです。


 果てしなく青い空、ただそれだけがイレーネの前に広がっていた。
「ふわあ」
 ぱっちりとした黒い目をしばたたかせ、イレーネは歓声を上げた。大気を震わせる轟音が、その小さな声をあっという間にかき消す。
 巨体が風を引き裂く唸り、力強い翼の羽ばたき、そして時折り上がる咆哮――イレーネは今、空を飛ぶ竜の背に跨っているのだ。
「どうした? 怖いのか、イレーネ」
 鞍の前席で竜を操っていた父が振り返る。身じろぎ一つしようとしない娘を心配したのか、その声にはどこか気づかう響きがあった。
「ちがうのとうさま、こわくなんかないの!」
 父を見上げ、イレーネは甲高い声を張り上げた。幼い顔にぱっと満面の笑みが浮かぶ。
 革帯で鞍に固定された不自由な姿勢のまま、大きく腕を振り回す。そのはずみに毛皮のフードが背に落ち、刺すように冷たい風が真っ赤な頬を叩くが、気にもしなかった。
「あのね、すごいの! とてもとてもすごいの!」
 つい先日、六歳の誕生日を迎えたばかりの愛娘が、懸命に初めての空の感動を伝えようとしている――その事に気づいた父は、大声で笑った。
「そうか、すごいか」
 伸ばされた大きな手の平が、イレーネの柔らかい黒髪をくしゃくしゃと撫でる。
「それでいい、我らウインクルムの一族は大空の民だ。それでいい」
 そう言って正面に向き直った父の広い背中に、イレーネはぎゅっと抱きついた。そのまま、今度はゆっくりと周囲を見回す。
 周囲に広がるのは澄み切った真っ青な空、上には黄金の光を投げかける太陽、下にはしみ一つない白い雲――
 初めて目にする鮮やかな光と色彩の世界に、少女の魂はすっかり魅せられていた。
「ねえ、とうさま」
「どうした」
「わたしも、とべるかな?」
 再び振り返った父の目を、イレーネはじっと見上げる。
「わたしもいつか、とうさまみたいにじぶんのりゅうでそらをとべるかな?」
 しばしの沈黙の後、父は頷いた。
「ああ、もちろん飛べるとも」
 この上なく真摯な表情で続ける。
「お前はウインクルムの子だ。きっとなれるとも、良き竜騎士にな」

 この日――初めて空を飛んだ日の事を、イレーネはけして忘れなかった。

1484イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/23(金) 22:33:18
>>1483
普通に上手いね。文章の一つ一つが計算しつくされてる感じだし。
酷評したいけどできない。けして→決してにしても細かいことだし、まあ、どうでもいい。

あえて言うなら

>この上なく真摯な表情で続ける。

こういった主語省略文は

そして、この上なく真摯な表情で続ける。

みたいに、接続詞で前の文をフォローしたほうがわかりやすい。

1485イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/24(土) 05:13:40
>>1483
文章的に問題はない。
しかし、もし賞などへ応募する作品だったとしたらそのプロローグは問題。

ウェブ小説などにありがちだが、どうでもいい冒頭を書きすぎ。
父親の乗る自転車の後ろのかごに娘が座って「私もいつか自転車に(ry」というシーンが、
読者を惹き付ける様な事はない。

もしかしたら平和な日常から一転して戦乱の……というのにしたいのかもしれないが、
それだったら絶望的な状態から始める方が良い。
最初から存在している幸せなんて誰にとってもつまらないので、そのシーンは途中に挟む回想シーンくらいにしか使えない。

1486イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/24(土) 09:33:28
問題ないわけじゃないと思うけど。

「刺すように冷たい風」はイレーヌの感覚、内面の描写。「真っ赤な頬を叩く」は外から見ている描写。
「気にもしなかった」はまた内面。こういうのは「視点のぶれ」。

「父は、大声で笑った。」のあたりも、イレーヌの視点で「笑い声が降ってきた」というように
統一すれば、と思う。まあ、こっちは好みだけどね。

「この上なく真摯な」のあたり、接続詞でつなぐのは、わかりやすいけど、リズムが悪くなる。
ここでは原文どおり接続詞がない方がいい、ってのも、個人的な好みだけどね。

冒頭は、まあ、いいんじゃないのかな。
竜騎士になりたい、っていう主人公の夢というか動機付けを示して、
「きっとなれるとも」と真摯な表情で答えさせて、何か障害のある(起きる?)ことを
暗示(明示?)してる。

唯一の問題はイレーヌが「懸命に初めての空の感動を伝えようとしている」けど伝わってこないところ。
これは書き手が「空を飛ぶ」ことをほとんど描写していないから。

1487イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/24(土) 10:12:14
まあ、問題はなかろう
この後次第だな

1488イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/24(土) 11:44:40
 問題なし。ウィザーズ・ブレインも冒頭は過去の稽古の場面で、しかも順主役とはいえ
脇役の過去であった。このイレーヌが主役なら、オーソドックスなプロローグと言える。
逆にオーソドックス過ぎるのが気に食わない人も居るかとは思うが……

1489イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/24(土) 14:18:06
「プロがやってるから」と、その足跡を踏むと偉い目をみるぞ。

喩えるなら、「映画監督が偉そうにしているから、監督志望の俺も偉そうにしよう」みたいな事。
何本も作品を出しているから、ファンは「最初はつまらないけど後から面白くなる」とか、
「ああ、この人の作品の見所は何頁目からだな」と我慢する。

無名な新人がする事ではない。

1490イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/24(土) 14:33:16
そんな理由か?w

1491イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/24(土) 17:09:37
ストーリーだけが全てじゃないから好きにやればいいんだよ。
どっちの方が他人が読みたいか、どっちの方が自分が読みたいか。
天秤にかかるようなことではないと思うけどな。

1492イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/24(土) 17:32:31
読み難いかも知れませんが評価をお願いします。よく有る学園物の冒頭です。

 朝日が目に染みて痛い。
 昨日、学校非公認のアルバイトを終えた秀哲は、家に帰ると疲れて夕食も取らずにベットに
寝ころんだ。早く寝たせいかそれとも空腹のせいか、或いは昨日の興奮がまだ残っているのか、
セットした目覚ましの時刻よりもかなり前に目が覚めたのだ。
 登校までまだ時間があったので、シャワーを浴び汚れた服を始末する事にする。窓を開けると
隣家の庭木から雀の鳴き声が聞こえてきた。秀哲の部屋はマンション三階にあり、窓を開けると
その枝先の葉を摘む事が出来た。
 用意しておいたスプレー塗料を吹き付け、服についた血痕を誤魔化す。色は赤、プラモデルに
使うやつだ。一通りの作業を終えると、塗料が乾くのも待たずにポリ袋に突っ込み、ついでに
要らなくなったプラモの箱も入れた。ゴミ収集のおっちゃんも要らぬ詮索はしないだろう。
 ホステスをしている母は帰りが遅く、何時帰ったのかも分からない。起こすのも気の毒なので、
パンとコーヒーの簡単な朝食を済ませて、秀哲は自転車に跨り学校へ向かった。
 いや待った、今日はちょうど燃えるゴミの日だ。さっき掛けたばかりの鍵を取り出し、もう一度
自宅にUターン。自転車を置き玄関の戸を開けて自室に入ると、眼を覚ました母が寝室から声を掛け
てくる。
「ヒデ〜、今日は燃えるゴミの日だからゴミ捨てといてぇ」
「分かってる、やっておくよ」
 ゴミ回収所には先客が来ていた。引っ越してきたばかりの新婚さんで、サラリーマンをやってる
旦那が、スーツに似合わぬ大きなポリ袋を回収所に置いて行く。秀哲はその奥に自分のゴミを突っ
込むと、自宅のはぞんざいに積み上げて自転車に戻った。
 こんなに早くから登校するのは久しぶりだ。小学生の集団登校を見送るおばさん達が、珍しい
ものでも見るように注目しているのを感じる。すれ違いざまに頭を下げてやったら、驚いて視線を
外してやがった。背後ではさっそく井戸端会議が始まった事だろう。
 賀茂秀哲は高校生である。「秀哲」という名前が与える印象と裏腹に、学校の成績はお世辞にも
良い方とは言えない。
 頭はけして悪く無いと思っているが、退屈な授業を受ける事に意義を見いだせず、三流高校の
落ち溢れとして底辺を漂っている。授業をサボる事もしばしばだったが、担任の教師からそれを
責められた事は無かった。たまに出席日数を注意される位だ。
 三流高校のご多分に漏れず、ここ脇坂高校でも不良や非行が蔓延っている。特に問題を起こす事も
無く、成績が悪いだけの不登校生など教師にとって空気も同じだ。補習の手間さえ掛けなければ、
自分が居ようと居まいと教師には関わりが無い事なのだろう。
 こんな学校に通い続ける意味があるか言えば、正直言って何の意味も無いとは自分でも思う。しかし
せめて高校程度は卒業しておきたい。退学した友人の話を聞いても、中卒と高卒とでは就職する時に
大きな差が有るそうだ。ハッキリ言って、いまどき中卒にはろくな就職先が無い。
 夜の仕事で苦労している母の事を思えば、高校に通わせてもらっているだけでも有難いと考えるべきだ。
自分のフロント企業、いわゆる企業舎弟で働くよう誘っている叔父からも、高校だけは出ておけと釘を
刺されている事だし。
 住宅街を抜けて公園を曲がった秀哲は、その先の長い緩やかな坂を下りていった。坂を下りた川沿いの
湿地は、最近になって新興住宅地になっている。更に暫く進むと次第に人家も疎らとなり、駅前の繁華街とは
うって変わった田園風景が広がる。
 秀哲が通う脇坂高校はこの田圃のまっただ中、昔は城だったと言われる小高い丘の上に建っている。正門を
避けて学校の裏手に回った秀哲は、雑木林の中に自転車を止めてワイヤー・ロックを掛けた。
 校内にはちゃんと自転車置き場が有るのだが、そこに置いたら登下校が周りに確認出来てしまう。
別に知られて困るという事も無いのだが、最近はそうした些細な行動にも気を遣うようにしている。
こうした慎重さは習慣にした方が良いのだ。

1493イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/24(土) 21:53:08
素人とプロの差は漢字の量の差、という話を思いだした。
校正受けたら半分以上の漢字に「開きましょう」と朱がつくんじゃないかな。

よくある「目が覚めた」からはじまる冒頭。それが途中から、ありふれた設定説明に移ってる。
そこに、読ませる工夫がまったくないから「読みづらい」。
自分でわかっていて、なんで修正しないんだろう。

1494イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/24(土) 22:09:22
なんか、説明と描写が淡々と詰め込まれていて、週刊誌にある「実際の事件をヒントにした掌編」みたいな文章だなあ〜

少なくとも、ラノベ的ではないと思う

1495イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/24(土) 22:14:28
>>1492
まず一見して思ったのは、無駄な文が多い。
>学校非公認
これが典型的な例で、不必要だし文全体のリズムを悪くしている。
あと、或とか常用でない漢字は開くべき。明治の頃から生きている人に読ませるわけではないだろうし。
で、たまに主人公の主観が地の文になるけど、わざとならもう少し練った方がいい。

で、ここからは俺の好み。
動作に主人公の人格を乗せてほしい。説明的な描写は小気味がよくて良いけれど、味気がなさ過ぎる。

1496イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/24(土) 22:22:40
>>1495
いや、おそらく

>学校非公認のアルバイト
>服についた血痕を誤魔化す。

で、この後の伏線になってるんジャマイカ?

1497イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/24(土) 22:25:45
>>1496
伏線にするにしても、文章中から浮き上がってしまってる。
伏線だからこれでいいと書いた人が言うならよいかと。

1498イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/24(土) 23:05:25
荒事、それもおそらく非合法なものに手を染めているのに、血痕の残った服を始末せずに眠るってありえなくね?
もし親が部屋に入ってきたら、どうするんだ。

それとも主人公の未熟さの表現、あるいは親も一枚かんでいるという複線なのかな。

14991496:2006/06/24(土) 23:13:41
>>1497-1498
横から悪かった…

15001497:2006/06/24(土) 23:33:23
>>1499
何が悪かったのかわからんが、乙。

1501イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/24(土) 23:34:25
というか速攻で処理しないと黒ずんで酷いことになる<血

毎回湯水のように捨てては代えてるか、
アルバイトとやらに慣れてないか、ということが読み取れる。

1502イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/25(日) 11:26:05
>>1492
これは、ちょっと頂けない
最初はいいにしても、すぐに説明文になっている。
時期を置いてから自分の作品とは思わず、もう一度読んで欲しい

1503イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/26(月) 00:57:53
批評有り難う”御座”います。漢字が多すぎるのはパソコンを使っている影響ですね。
普段は使わない(↑)漢字でも、簡単に変換出来るのでつい多用してしまいました。
そして最大の問題点は、感情移入しにくい説明的な文章ですか……精進いたします。

1504イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/28(水) 21:25:53
早く寝たせいかそれとも空腹のせいか、或いは昨日の興奮がまだ残っているのか、
セットした目覚ましの時刻よりもかなり前に目が覚めたのだ。

これちょっと違和感があるんだか、この文だけで完結しちゃってるなら、
最初の「朝日が目に染みて痛い」 っていうのが邪魔になってないか?
朝日が目に染みて痛い=早起きしてしまった でつながってる感じしないから。

もし「夜型の人間であるという前提」があれば、これでいいと思うけど。

1505イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/28(水) 23:42:43
心頭滅却すれば火もまた涼し、なんて悟りをひらいた先人様たちはきっと俺なんかとはまったく格の違う素晴らしい方たちだったに違いない。
しがない一市井の俺では、いくら思考を停止させて、体で覚えた通学路をフラフラと人の流れに沿って歩いても、学校についた頃は全身の汗腺から垂れる汁でダラダラでうちわをあおぐ気力すら萎えそうである。

夏だった。それは、いかんともしがたい夏だった。



プロローグです。短すぎですが、評価おねがいしますm(_ _)m

1506イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/29(木) 00:41:49
目が泳ぐ。とくに二行目。文の繋ぎが悪いし、装飾過剰だと思う。

1507イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/29(木) 04:59:41
一文が長すぎると思います。一気に情報が入ってきすぎて、どんな状況かわかりづらいし、リズムよく読めません。        文を細かくすればいいと思います。                    あと、文体が谷川流に似すぎてる感が・・・

1508イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/29(木) 13:22:55
きちんと書けよ、そんな単文で何を評価して欲しいんだ?

1509イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/29(木) 19:31:29
導入部です。
評価お願いします<(_ _)>

光が、来た。それを知ることが出来た。
だけど、それは不可視の光だ。
この光では、眩しさに眼を眩ますことも、ここにあるものを知ることもできない。
光を視るためには、手段が必要だった。


───ずっと、暗闇に立っていた。
元いた場所の明るさを覚えていたから、ここは暗いのだと知っていた。
そこには誰もいない。その場所をきっと誰も知らない。
知って欲しくないとも思った。
ここは暗すぎて、入ってきた人がかわいそうだから。

抜け出すことは、しなかった。
だってここの暗さは、子供のころ悪戯した時のお仕置きとして閉じ込められた、あの押入れそっくりだ。
これが罰だと言うのなら、それを甘んじて受けるべき罪があったのだ。


でも。
それでも。
知らなければならないことがある。
果たすべきこともある。
この世にある本当を、見なければならない。
でないと、自分が自分を許せない。
それは何よりも許せない。
だから、他の誰でもなく、自分に償うために待っていた。

光を、待っていた。眩しさに眼が眩むの願っていた。ここにあるものを、教えて欲しかった。

それだけを想っていた。
他には何も無かった。幸せも、生も死も、何も無かった。
そんなことは、この暗闇の中では意味の無いことだった。
空っぽになった心を、想うことだけで埋めようとした。


そして今、光は届いた。見えないけれど、確かにきた。
必要なものは揃った。
あとは、手段を選ぶだけ。

ココロのスキマが、増えていく。
想うことだけでは、もう足りない。確かなものが、必要だった。
だから、選んだ。

その身を暗闇に置いたまま、光を視るために。この世にある本当を知るために。
俺は、彼女の手をとった───

1510イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/29(木) 19:45:06
―、…は二文字分が基本。

自分では思わせぶりで雰囲気たっぷりで情緒的でミスリードも含んでて、
とか思ってるのかもしれないが、はっきりいうとありきたり。

導入としては目新しさもないし、世界観としてもワナビとしてはありがちすぎる。
ぶっちゃけ、ここまで読んでの感想は「はいはい、またオレ様世界系ですね」というネガティブな感覚が出来た。

この後に続くであろう本文が、よっぽど面白くない限り、流し読みしてポイの道をたどると思う。

1511イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/29(木) 21:10:12
概ね>>1510の感想と同じ。
要するに「プロローグ」になってなくね?

エヴァだって最初の一話は必要な情報を与えている。
正体不明の「使徒」が「襲って」くるので「ネルフ」は「エヴァ」を使って「ドンパチ」する。
そのエヴァを操れるのが「シンジ」である。
で、話が動いている。

つまり、>>1509の文は情報を全く提示していないので「ハイハイ」と思われてしまう。

1512イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/29(木) 22:27:20
>>1509
ん〜。
最近流行ってるようだな、そんな始め方
他サイトでもいくつか見た

だが、みんなの言うように説明不足

1513イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/29(木) 23:36:08
説明的だとか説明が無いとか……

1514イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/30(金) 13:37:15
>>1513
要するに説明的に見えないように説明しろということなのだよ、明智君。

1515イラストで騙す予定の名無しさん:2006/06/30(金) 22:40:08
素晴らしい説明に目から鱗だ。
そうだよな、如何に楽しく説明文を読んでもらうか考えなくては。

15161509:2006/06/30(金) 22:49:59
>>1510さん
>―、…は二文字分が基本。
初めて知りました、今後気をつけます!

>>1511さん
>>1512さん
説明が足りないから、プロローグになっていない、と。
抽象的すぎた、という事ですか。

>>1514さん
なるほど、そこで技量が問われるわけですね。

どうも、ご批評ありがとうございましたm(_ _)m

1517イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/04(火) 19:44:49
剽窃はマズイかな?

 まだ幼さの残る顔に凄絶な表情を浮かべて少女はブレードを鞘から抜いた。
相対するは世界各国から集められた名だたる達人達。イタリアン、フレンチ、
そして懐石料理と寿司の並み居る鉄人が、白刃の戦列を並べて迎え撃つ。
 しかし誰しもが少女の瞬殺を予想し或いは期待して、悲壮な或いは残酷な
悦びを胸に秘めて見守る中、予想も付かぬ展開が観衆をどよがせた。
 誰しもが知りあこがれながらも、決してそれを他言する事なき伝説の技。
遠く幼い頃に夢見て、忘れ去った筈のあの懐かしき料技が、今伝説の中から
蘇ろうとしていた。
 たこ足ウィンナー、兎耳リンゴ、そして炒り卵とふりかけで絵文字を描いた
母ちゃん弁当が。常人であれば気恥ずかしさに即死するであろう、その究極の
料技の数々に、その道を究めた鉄人達が尽く翻弄されていく。だが倒れていく
彼等の顔は、しかしどこか安らかで暖かであった。
 しかしその時。破竹の進撃を進める少女の前に、一人の男が立ちはだかった。
その手に握るのはただただ丸めた包みがただ一つ。ソフトボールと呼ぶには
やや大きく、サッカーボールと呼ぶにはやや小さい。
 男が包みを開けると、中から艶やかな黒い球が姿を現した。してみるにそれは
ボーリングの玉なのであろうか? しかし何の為に?
 だが唯一その正体を見取った少女の顔には、驚きと戦慄の帳が影と落ちていた。
それを認めて男が太い不敵な笑みを浮かべる。
 丹念に固められた三角形をも余計な手間と断じて淘汰し、どんぶり山盛りの
ご飯を丸めて固められたライスボール。黄金比を嘲笑うかのように、一枚一枚
執拗に塗り固められた、分厚い海苔のコーティング。
 それはお握りと呼ぶには余りにも大き過ぎた。大きく丸く、余りにも大雑把
過ぎた。それは正に野郎の手料理だった。

1518イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/04(火) 20:29:04
>>1517
それなんのあらすじ?

1519イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/04(火) 20:49:27
スラップスティック・コメディです

1520イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/05(水) 11:06:07
読みづらい。
どこが面白いのか、シリアスなのか、はっきりと伝わるようにすればいいよ

1521イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/05(水) 11:42:25
>>1517
ちょっと前まで、漢字を開くのなんのと話をしていたわけだが……。
とりあえず読みにくい。苦痛に感じるくらい読みにくい。

んで、この手のネタにかけてはちゃねらーの右に出るものはいないと思っているのだが、
ガイドライン板にでもいってみればよいんじゃなかろうか。
リズムやテンポが悪くて、面白みがなくなっている。
漫才やらなんやら見てておもうことなんだが、ネタ自体は大して面白くないことのほうが多いんだよな。
どこが面白くしているのかって、話し方やそういったことへの工夫なんだと思う。
>>1517の場合、漫才的なおもしろさが主軸になると思うのだけど、その工夫が足りないんじゃなかろうか。

ところで、落語とかそっちのほうが文章と親和性が高いんじゃなかろうか?

15221517:2006/07/05(水) 23:36:28
いろいろ参考に成ります、有り難うございました。

1523イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/07(金) 19:30:42
明らかに作品そのものとは思えない掌編に対してミナ親切な事だな。

1524イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/08(土) 11:09:02
文句は>>1517以上のものを書いてから言おうね

1525イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/08(土) 13:46:24
柳沢を責められる人間が日本に何人いるかという話になるぞ。

15261523:2006/07/08(土) 19:20:48
>1524
誤解の無いように書いておくが、私は文句を言った訳ではない。
このスレの住人達の姿勢を”賞賛”したんだ、皮肉混じりではあってもな。
実際に、本人でなくとも>1521の指摘や見解、アドバイスは参考になるしな。

1527イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/08(土) 19:29:36
そうならそうと読めるように書こう。

1528イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/08(土) 21:32:45
冒頭部分なのですが表現におかしいところはあるでしょうか?
いや、ありまくるのはわかるんですけどね、なんとなく……。



ある初夏の日。

蝉の求愛行動がけたたましく鳴り響き、人の耳にもひと夏の人生を謳歌している様子が窓ガラス越しに伝わる。

その窓ガラスの内側、鷲崎総合警備の雑然とした事務所には謝罪の言葉が響いていた。

「はい・・・まったく仰るとおりです・・・・はい・・・・はい・・・・」

受話器の向こうから悲鳴混じりの怒号が漏れている。

電話に対応している小柄な女、鷲崎杏奈の心は怒りに狂っていた。

第三者が見たら思うのではないだろうか。人とはここまで憤怒の感情を表情に出しながら誠心誠意謝罪できるのか、と。

杏奈の頭に浮かび出ている血管が痙攣しはじめた。これ以上の会話は限界を越えると脳が信号を出す。

「ああっ!携帯に緊急の呼び出しがっ!!木田さん本当にごめんなさい!!お話はまた今度!!」

叩きつけると言ったほうが正しい勢いで受話器が置かれる。

もちろん机上のホルダーにかけられた携帯電話は着信などしていなかった。

「ふうううう・・・・」

軽く閉じた目と目の間のシワ、つり上がった眉、充血した眼球。

容姿は中学生と言っても通じそうなほど幼い杏奈であったが、

体の内から溢れ、周囲に響き渡る無音の怒りと殺気の混声合唱は奈落の王すら威圧できそうであった。

その時、外の階段からリズミカルな音が聞こえてくる。靴底が鉄の薄板を叩く小気味のいい音であった。

それに気づいた杏奈の顔がゆっくり上がり、血走った瞳が見開かれる。

同時にノールックで右手を伸ばし、ブックシェルフから厚さ5cmはある冊子を抜き取る。

悪魔の視線は、机の正面の出入り口に突き刺さっていた。

ノブが回る。

「もどったぞ・・・おおおおおお!!」

扉を開けて入ってきた男の視界に一瞬、“職業別”という表記が飛び込む。

電話帳は目標には当たらず、どが、と破砕音を立てて冊子の角はコンクリートの壁に穴を穿った。

「…ちっ」

机に座った小さな仁王が憎憎しげに舌打ちをする。

1529イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/08(土) 21:44:01
修飾語過多、しかも不恰好でバランス悪い。
もうちょっと削ってすっきりさせたほうがいいかと。

1530イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/08(土) 22:25:35
>>1528
分かりにくい

が、化けそうな気がしないでもない

1531イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/08(土) 22:32:14
杏奈=悪魔=仁王
固有名詞の代名詞化は、少なめに押さえないとわかりにくい

あと、
>扉を開けて入ってきた男の視界に一瞬、“職業別”という表記が飛び込む。
いきなり視点が移動している。事務所に入ってきた新たな登場人物が主人公なら、間を空けてから視点を移動すべき

ここで「男の視界に一瞬、“職業別”という表記が飛び込む。」という表現を活用したいのなら

杏奈の右手は、男の視界に一瞬、“職業別”という表記が飛び込ませることには成功した。しかし、それだけだった。

みたいにしては?

1532イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/08(土) 23:44:24
>蝉の求愛行動がけたたましく鳴り響き
行動は鳴り響かない。
意図するところは分かるけれど、日本語として違和感があった。

>人の耳にも〜窓ガラス越しに伝わる
窓ガラス越しにしか伝わらない、と思ってしまう。
次の文につなげるのなら、
〜ひと夏の人生を謳歌している様子が伝わる。窓ガラス越しにだって伝わる。
みたいにしてみては?

>悲鳴混じりの怒号
怒号に悲鳴は混じらない。
何を意図しているのか分からなかったし、電話の向こうに二人以上いるのかと思ってしまった。
もしその通り(二人以上いる)なら、それが明確に分かるようにしてほしい。

>憤怒の感情を表情に出しながら誠心誠意謝罪できるのか
憤怒しているなら誠心誠意じゃない。

>机上のホルダーにかけられた携帯電話
ホルダーにかけられた、という状態がいまひとつ分からなかった。
この描写が重要なのでなければ、ホルダーに収まっている携帯電話、という書き方が無難では?

>容姿は中学生と言っても通じそうなほど幼い杏奈であったが、体の内から溢れ、周囲に響き渡る無音の怒りと殺気の混声合唱は奈落の王すら威圧できそうであった。
怒りや殺気は響き渡らない。
無音の怒りと殺気なのに混声合唱ってどういうこと? とも思う。
それから、結局、何歳なの? という疑問だけが残った。

>同時にノールックで右手を伸ばし
はじめ意味が分からなかった。理解してからも、わざわざノールックと書かなきゃならなかったとは思えない。
読み返さなくちゃ意味が分からないような単語は使わない方がいいと思う。
単語に限ったことじゃないけれど。

>ブックシェルフから厚さ5cmはある冊子を抜き取る
雑然としている事務所なのに、使用頻度の高いであろう電話帳がブックシェルフに収まっているのは変だと思う。
もし偶然収まっていたとしても、この書き方だと、他の本もきっちり収まっているように見える。
それから、わざわざ「冊子」と書いたのはどうして?
すぐ後で「電話帳」と書いてあるのだから、ここでそれを伏せる意味はないと思う。
むしろここではっきり「電話帳」と書いておけば、後の、
>扉を開けて入ってきた男の視界に一瞬、“職業別”という表記が飛び込む。
という文が、違和感無くすんなりと読者の頭に入ってくると思う。

>悪魔の視線は、机の正面の出入り口に突き刺さっていた。
>ノブが回る。
出入り口、じゃなくて、ドア、とか、扉、とかの方が分かりやすいと思う。


単語の誤用が多いと思う。
正直、誤用していてもすんなりと意図が伝わればそれでいいと思うけど……そうはなっていない。
(逆に言えば、誤用していなくても意図が伝わらなかったらダメ、ってことでもある)
あと、その時その時で思いついたことを書いているだけにも思えた。
書いている最中はちょっと前に書いたことさえ忘れちゃうこともあるだろうけど、あとで見直すとき、その辺は修正するべき。

あと。

行頭は一文字あける。
「……」を使う。
特別な意図なく読点で改行しない。
一行ずつに空白の行を入れない。

読みやすいように、と思って書き換えてくれた部分もあるのだと思うけど、
これは「小説の一部」であって、こんなレスとは違うのだから、
原文そのままを書いてくれた方がいい。
……と、俺は思う。

15331528:2006/07/09(日) 00:23:36
流石サタデーナイト。レスの速さがダンチだぜ!

>>1529
了解しました。
動きのある場面なのでもっとシンプルかつリズムよくなるように推敲してみます。
ありがとうございます。

>>1530
化けれたらいいんですが…。ありがとうございます。

>>1531
具体的な指摘ありがとうございます。おもいっきり移動していますね。
視覚的に表現してみたい場面だったのでこういう書き方になってしまいました。

>>1532
長々とありがとうございます。
いかに自分が無知の知ったかぶりかということを改めて痛感しました。
一行空けたのはおっしゃってる通り、詠みやすさを考えてのことでした。
確かにありのままを読んでもらったほうがより的確に批評していただけますね。


しかしみなさんのおかげで下がったモチベーションが上がりました。
また晒すこともあるかもしれませんがよろしくお願いします。

1534イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/09(日) 00:32:30
どうでも良いが

沈黙は三点リーダ二つ
! と? の後ろにはスペースを入れる

これは常識だぞ?

1535イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/09(日) 03:46:49
>>1528
もうちっと砕けた文章のほうが内容にあっている気がする。
それはともかく、なんか読んでいてストレスが溜まる。
というのも、一文一文、解釈してかないと頭に入ってこないから。
>>1532氏の指摘する単語の誤用というのもある。
加えて、表現の回りくどさとか、文章の構成を考えていないからとか、が原因。

赤く美しい花が咲いている。
花が赤く美しく咲いている。
咲いている花は赤く美しい。
美しい赤の花が咲いている。

とか、一つの意味の文章でも(ニュアンスが変わることはあるけど)複数の書き方があるわけで。
さらに単語の入れ替えを考えてみたら、もっとパターンは増える。
で、一番したの表現は明らかに、あ? って思ってしまうと俺は思うのだけど、いかがだろうか。

この取捨選択をもう少し考えて書いた方がよいんじゃなかろうか?

1536イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/10(月) 23:31:07
プロローグと本文の間に淹れる煽り文だけど、すかしすぎだろうか。

 かつて、様々な神秘や秘跡が世をしろしめしていた古代紀。
 現代に続く、人間がその英知と力をもって世界を切り従えていった近世近代紀。
 その狭間に横たわる千余年、すなわち中世紀は、後世から時として『暗黒時代』とも呼ばれている。
 大いなる存在が地上を去った後、残された魔性や怪異と、剥き出しの人間が対峙していた時代――これは、そんな世界を生きた人々の物語である。

1537イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/11(火) 00:03:49
なんていうか、その程度の情報量でプロローグが既にあるなら入れる必要を感じないんだが。
煽り文でやるなら冒頭の初っぱなだろうし。
強いて煽りをその位置に入れるなら、神林長平みたいにコピーっぽいワンセンテンスで締めた方がいいと思う。

1538那賀:2006/07/11(火) 21:07:17
私もやりましたよ、スカしたルビたっぷりの恥ずかしい文を。
それ位は割り切って使ったらどうです?

1539イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/12(水) 18:52:34
>>1536の他の箇所(プロローグとか本文とか)の文体が分からないから、スカしてるかどうか分からない。
たとえば那賀の文体なら許容されると思う。
たとえば>>1528の文体なら許容されないと思う。
テーマやコンセプトが何か、というのも絡んでくるから、ちと煽りだけじゃ判断できない。

1540イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/12(水) 20:52:29
 一番まずいのは、本来なら話の流れの中で掲示すべき情報を、そのまま情報として書いてしまう事だ。
那賀の場合はそのままでは舞台設定が分からない。読み進める内に「ああ、これは帝政ロシア末期だな」と
理解出来るし、そこで前の煽り文が生きてくる。
 君の場合はどうなんだろう? そのまま時は中世暗黒時代、舞台はヨーロッパだというだけで、
後の話の流れに関係ないなら、読者の感情移入を妨げる「>これは、そんな世界を生きた人々の物語である」は
止めた方が良い。「――前略――対峙していた時代」から舞台に移るか、さっさとストーリーに入るべし。

 と言うのは一般論で、アニメのように毎回そんな文を入れる手法もあるし、ロードス島シリーズだって似た様なもの。
シリアスな文体に合わせて使うも良し、コミカルな文体とのギャップを演出するも良し。ようは使い方次第だ。

 煽り文がスカして恥ずかしいとかは関係ない。小説を書いて誰かに読んで貰うという行為自体が、
自分をさらけ出す恥ずかしい事なんだから。むしろそれこそが気になっているんじゃないかな?

1541辻書人 ◆wtjNtxaTX2:2006/07/16(日) 17:24:35
とあるコンペで曝した作品です。
今これをベースに長編を書いているのですが、方向性を見失ってしまいました。
自分の良し悪しを見つめなおすきっかけを掴みたいのでアドバイスお願いします。
少し長いかもしれませんが、宜しくお願いいたします。

http://wannabee.mine.nu/uploader/files/up0132.txt

1542辻書人 ◆wtjNtxaTX2:2006/07/16(日) 17:25:02
ごめんなさい。ageます

1543イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/16(日) 18:02:07
読んでみたけど、あのときあのスレに書かれてたくらいのことしか言えないなあ…
以下、今はわかってるよ、てなことも含んでるかもしれないけど作法について少し。

まず「!」や「!!」のあとは一文字空けること。「♪」のあとも同様に空けた方がいいと思う。

それと、「♪」は語尾に付けるには良いけど、
それについて言及するときは「音符マーク」と言ってあげた方が親切だと思う。
できれば、記号に頼らずにそのニュアンスを伝えられるよう訓練して。

あと数字。横書きならいいけど、新人賞に応募するなら縦書き印刷になるから、
一桁の場合は全角で、二桁の場合は半角で書いたのを縦中横設定、
としたらスマートになる。これはワードでも一太郎でもできる。
「!!」や「!?」も同様に縦中横に。

それから言葉。
一般的に人工生命体を言うときは「ホムルンクス」でなく「ホムンクルス」だと思う。
英語で書くと「Homunculus」。
それと、仕方ないときは「やむおえん」でなく「やむをえん」。止むを得ず、ですから。
わかっててやってるならいいけどね。

内容についてはまたもう少し読み込んで、何かあれば書きます。

1544辻書人 ◆wtjNtxaTX2:2006/07/16(日) 18:16:21
>>1543
ありがとうございます!
細かい作法的な指摘はありがたいです。勉強したはずなのにすっかり忘れて
新人賞用も書いていましたから。縦中横設定ははじめて知りました。
記号を使わないでニュアンスを伝える……。確かにその方がもっと面白くなりますね。
努力してみます。うん。
「ホムルンクス」と「やむおえん」は間違えて覚えていました(吐血
やっぱり指摘を受けると色々目が覚める気持ちになりますね。
感謝です。

1545イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/16(日) 18:16:57
単純な話、どういう話にしたい?

技法なんかに突っ込んでいけば、音符マークは使うなだの
時系列がわかりにくいだのとあるけど。

作品の方向性についていうなら、最近の流行だよね。
幼女+男ってのは。

1546辻書人 ◆wtjNtxaTX2:2006/07/16(日) 18:32:33
>>1545
実はそれを悩んでいるのです……。
作品の内容の方向はもう王道を邁進しよう、と言うのは決めています。
ただもふきゅるで褒めてもらったところを生かしつつ、もっとおもしろいものを創りたい、
と考えると何か迷走してしまいまして。
細かいところにもっと気を回すべきか、いややはり勢いをもっとつけるべきか?
キャラを作りこむのか、技法にもっと凝るべきか?
成長しないといけないのは分るのですが、ぶっちゃけ何をすればもっと
面白くなるのか、わからなくなってしまいました(汗)
こんな事を聞くのは甘えなのかもしれませんが「おもしろい」って何ですかね……?

1547イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/16(日) 18:33:24
>>1541
うーん・・典型的な作者が気持ちいいだけの文章って感じ。冒頭のギャグっぽいとこも
ひたすら寒かったし。唐突に出される設定もそうだね。特に八極拳士って???だぜ。

一応ギャグ狙ってる?んだと思うけど、要修行って感じかな。あと、男のモノローグが
なんつーかキッツイ。滅茶苦茶エロゲテキスト。波長が合わないと読めん希ガス。

俺は大きいお友達の感覚が分からないから、そっち狙ったってんならスマソ。

1548イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/16(日) 18:38:57
大きいお友達じゃなくてエロゲテキストだと断じるのもすごいが、
そもそも一人称小説は作者と波長が合わないと読みにくいのが多い罠。
だがしかしそれが味でもあるわけで、
例えば最近人気のハルヒだって、あの文体を受け付けないという人は意外にいる。

1549イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/16(日) 19:10:57
>>1546
きっついこというとね、キャラの位置がありがちなんでどこかで見たものを焼き直してるように
感じられます。男がサポートで女が戦闘。電撃には多いかな。シャナなんかもこれ。

主人公に男を据えて、男の読者に感情移入させる。都合の良い女性をそばに置いて性欲に訴えかける、
まあこの手の作品の構造はこれ。
ハルヒなんかは極限とってる。読者=主人公はほとんど何もしてない。巻き込まれの典型。
んでモテモテ。感情移入してる読者もウハウハ。
物語を見せるってのなら悪くはないけど、余程その話が面白くないと辛い。
世界に引き込むだけの魅力がなければね。

世界がどうなってるかを練り込んで、主人公に目的を持たせてみるといい。
目的が相方に依存してるんじゃなく主人公自身で決めたものにしておく。
これで少しは魅力的なキャラになると思う。

モノローグ突っ込みは外すと途端に寒くなるから、それも加減すべきかな。
>>1547じゃないが、最初のやり取りはかなり厳しく人を選ぶよ。


あとね、個人的な嗜好なんだが、斜に構えた型の主人公って多すぎて食傷気味。

1550辻書人 ◆wtjNtxaTX2:2006/07/16(日) 19:33:29
>>1547
なるほど……やっぱり勢いに任せて書いていると読者を置いてけぼりにしていって
しまうんですね。ギャグも寒い、と。手厳しいですがそういう感想が欲しかったので
助かります。作品を表に出たいと願うには、大きく欠けているものがある、
と言うことですかね。修行します。押忍。ありがとうございます。
>>1548
一人称の方が書きやすいし読者を引き込みやすいとは思っていましたが
波長が合わないと厳しい、と言うのは思いつきませんでした。そこも考えて
人称は選ばないといけないんですね。
>>1549
>>1547氏にも言われて気づいたんですが、私は厳しい指摘を求めていたのかも
知れないです。忌憚のない意見に感謝です。
そうやって分析してみると構造は「ありがち」で、その上で作品に
魅力を持たせるにはまだ錬りこむ余地があると言うことですね。
「性欲に訴える」はまさにそれを狙っていたところがあったのですが、
確かにそれも珍しくはないですね……勉強不足でした。
掛け合いは、もっと色々試してみながら面白いものを考えてみます。
ショートショートをもっと書きこんで練習してみようかな。
見失っていた方向性をつかむヒントを貰った気がします。
ありがとうございました。

1551イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/16(日) 20:05:30
>>1550
一応誤解のないように補足させてもらうとさせてもらうと、一人称だから癖があるってわけじゃない。
三人称でもそーいうのは多い(やたら解説してみたり、突っ込み入れてみたりと作者が出しゃばる)。
要はバランス。やり過ぎは駄目だが、抑え過ぎても空気になるしね。

まあ最近の一人称もんはモノローグ過多で自己主張するのが流行りっぽいけど。

1552イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/16(日) 22:38:49
正直一人称だろうが三人称だろうが合わない文体は合わないと思うから、色々試してみて他人に受けた方で書くと良いと思う。

男がサポートで女が戦闘、って位置づけはこの設定の場合仕方無いし、特に問題は無いと思う。
まぁ、確かに最近は一回りして熱血野郎を主人公に据えるのも流行ってるが、そこらは好き嫌いだし。

それよか戦闘シーンに力入れて欲しいな。
戦闘が完全な力押しだとか、もふきゅるの時も言われてたが空中でテツザンコウ撃っても意味無いとか。

1553辻書人 ◆wtjNtxaTX2:2006/07/16(日) 23:04:55
>>1551
一応理解しているつもりです。ただ一人称は読者に同調することで力を発揮する
文体だと思うので、書き手のクセは良し悪しに直結しやすいのかなと思います。
バランスはすごく難しいです。自分はやりすぎになりがちかな。
>>1552
そうですね。やっぱり色々試してみて他人の評価を得るのが上達に近いと感じてます。
自分は正直若くはないので焦りもあるのですが、やっぱり自分のスタイルを決めて
しまうには未熟だと感じています。色々やってみます。
戦闘シーンは今色々読んで勉強中です。「とにかくかっこよく見せたい」と
いうのはあるのですが、これが中々ムツカシイです。模倣は出来ても自分の
物にしきれません。テツザンコウは(汗)八極拳の本買って読んで勉強して
猛省しました。あれは接地と呼吸が大切な拳法なのですね。
ありがとうございました。「まだ色々試せる余地がある」と思って努力します。

1554イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/16(日) 23:08:29
大型バイクの描写なのですが、
ボキャブラリーが少なくてついつい体言止めを多用してしまいます。
短い文で申し訳ありませんが表現として変な部分がないかどうか教えていただきたいです。


鍵をスタート位置まで捻ると、セルモーターのカン高い音が一瞬響き、すぐに激しいアイドリングへと変わる。
MX-JJ1400黒獅子。それがこの二輪の脚を持つ獣の名。
低い車高とダークメタリックの車体。短く刈られた鬣のようなビキニカウル。
ガソリンタンクからシートを通りテールへと抜けるラインは見方よっては扇情的ですらあるだろう。
左右二本ずつ飛び出した尻尾の如きマフラーは排気をしながら小刻みに武者震いをし、今か今かと走り出す時を待っていた。

1555イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/16(日) 23:17:33
>>1554
通りかかったので一つだけ。

きっとご自分でバイクに乗られるのかな、と思うのですが
私はバイクに乗らないので、何がカッコいいのか伝わってこないです。
表現的に矛盾はないですが、バイクに乗ったことのない人でも
「バイクに乗ってみたい」と思う描写を目指した方がいいと思います。
意味のわかりにくい横文字が多いのかな……?
もっと広い人がわかる名詞や形容詞をつかえばいいかもしれません。

1556イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/16(日) 23:33:42
表現としてはさほど問題無いと思う。
だが専門用語が多いのは、分かる人は燃えられるんだが、そっちの知識が無い人間には苦しい。
パーツの位置や形なんかをもっと多く描写してくれると分かりやすくなるかも。
でもあんまり詳しく描写し過ぎると鬱陶しくなるんだよな……そこら辺のさじ加減は難しいな。

1557イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/17(月) 00:05:50
> 辻書人 ◆wtjNtxaTX2

念のため書いておくけれど、ここの評価や批評は絶対じゃない。あくまでワナビのバイアスかかった感想だ。
小説の出来不出来なんて、正確に計測する事は出来ないのだから、それを実際に使用して(読ませて)
その反応から予測するんだと思えばいい。
「電撃にありがち」なんて評価には、批評した側にも「同じものばかり」という現状への反感が見え隠れ
しているのが分かるだろう? 俺だって「萌え」だの「無力無能だがもてる主人公」だのは大嫌いだ。
だがそれが受けており、売れているのも確かな事実なんだな。そういうジャンルを書くと決めたなら、
読者に媚びているのを承知で需要に応えるのも作家と言うものだ。
勿論「今までのとは一風変わったもの」を求めてもしいし「俺が新しい流れを作る」と意気込むのも良い。
けど方向性ってのは作者の姿勢しだいであって、他人に決めてもらうもんじゃ無いぞ。

君はここの住人に「この先はどこに続いているのでしょう?」と聞く事は出来るし、道くさや回り道を
注意してもらう事も出来る。しかし最終的にどこへ行くかは自分で決めることだ。


>1554
描写としては問題ないかと。後は>1555の書いた通り「バイクに乗ってみたい」と感情移入させる
ことが出来ればなお良し。
けどエンジンを掛けただけで、そこまで求める気はありません。続きを頑張って下さい。

1558イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/17(月) 00:31:05
電撃にありがちってのは俺が書いたんだが、
「劣化○○」なんて評価を受けるのが新人賞じゃ一番やばいのね。
先入観を持たれた瞬間に、批評ってのはマイナス方向に働くから。
よく選考員が「どこかで見たストーリー、キャラ」なんて書いてるだろ?

よっぽど筆力だのストーリーテリングに自信があるならともかく、
鬼門は避けた方がいいってのが持論なんだ。
現状その手の作品が売れてるから、新人賞でも安牌だろうってのは禁物。
それなら新人なんか採らずに既存のプロ作家に書かせるよ。

まあ、絶対的な意見じゃないから、頭の隅にでも入れて貰えると嬉しい。

1559辻書人 ◆wtjNtxaTX2:2006/07/17(月) 00:32:30
>>1557
それは、わかります。最終的に決めるのは自分です。
人からもらえるアドバイスもあくまで指標だとも考えています。
……とはいえ悩んでいます。私は褒められるのが好きなので多くの読者に
認められたいと思っています。でも自分の中で譲れない思想や世界観を
認めてもらいたいです。第三者からの意見と、自分の意思との均衡を
巧くとることがその近道だと考えていますが、「じゃあ具体的に何をするの?」
と聞かれたら答えられません。未熟だからだと思います。
ただ今日ひさしぶりにこういう場所で意見を貰って感じたことは、今の自分は
「悩む」のと「決める」のを同時にやらなければいけない、ということです。
自分の方向性は常に見ているんだけど、考える事をやめないで方向性に
修正を加えていく。苦しいですがそれをやらなければいけないと思いました。
……みんな普通にやっていることなのかもしれませんが。
アドバイス、無駄にしないようにがんばります。
長文ありがとうございました。

1560辻書人 ◆wtjNtxaTX2:2006/07/17(月) 00:50:29
>>1588
「劣化○○」ですか……確かにそう思われた瞬間「駄作」とレッテルを貼られて
落ちていく作品を私もいくつか目にしています。
実際自分では「既存の良さを取り入れつつも斬新な作品だ」と思っていても
読み手からすれば「ありがち」なんて事はありますよね。
……正直「ロリ妻と相棒ダンナ」って「ないよ。これは新鮮だYO」って
思ってました。今となっては恥ずかしいですが。がっくし。
でも書きたい話は私の場合きっと鬼門にたどり着く気が、今はしています。
だから開き直って筆力やストーリーテリングを激しく磨いてみようかな、
とも考えています。「いや、やっぱり斬新さが重要」という声も脳内に
聞こえていますが。本当にドウシタインダオレ?
絶対的ではないかもしれませんが、今の私には必要な意見でした。
今回色々もらった意見をどう生かすかが自分のターニングポイントになるかと。
最終的には自分で決めますが、いただいた意見は身にしてみせます。
ありがとうございます。多謝です。

1561イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/19(水) 18:15:34
でも安易に方向転換はしない方が良いかもよ。
作者自身が乗り気でない、面白くないなんて作品は、読者の方だってつまらないから。
ほのぼのファンタジーで描写力を評価された人が、改訂した途端に下手でつまらなくなってたし。

1562イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/19(水) 19:43:13
面白いか面白くないのかの二元論意外に考えるべきことがあるのか?
あざとさを売りにしたいなら考えるべきかもしれんが。

1563イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/19(水) 23:07:05
>>1554
表現はおかしくない。
バイクを知らない俺から見ても、まあ単語の意味は分かる。
セルモーター、ビキニカウル、テール……。
まぁ、モーターなんだろう、ビキニだから後部のカバーみたいなのだろう、テールランプっていうから後ろのことなんだろう……。
くらいの想像はつく。
でも、読者にわざわざ単語の意味を考えさせている、ということには注意が必要かと。
それから、
>MX-JJ1400黒獅子。
>〜見方よっては扇情的ですらあるだろう。
黒獅子なのに扇情的と言われても、困る。
獅子はカッコイイものであって、そそるようなものじゃないから。
もっと適切な単語があるはず。

1564イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/21(金) 13:07:12
>>158
亀レスですが「好もしい」じゃなくて「好ましい」では?
誰も突っ込まなかったんで。
豚切りスマソ

1565イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/21(金) 13:07:51
>>158
亀レスですが「好もしい」じゃなくて「好ましい」では?
誰も突っ込まなかったんで。
豚切りスマソ

1566イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/21(金) 13:26:55
>>158
亀レスですが「好もしい」じゃなくて「好ましい」では?
誰も突っ込まなかったんで。
豚切りスマソ

1567イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/21(金) 14:28:32
うお。不具合で連投スマソ。
逝ってきます

1568イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/21(金) 16:31:16
好ましくないなw

1569イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/21(金) 17:57:48
1564です。

誤爆しました。ほんとうにすみません。

ロムの森に帰ります。

1570イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/21(金) 18:34:40
>>1564
イキロ
そんなお茶目ぐらい気にすんな

1571イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/21(金) 20:52:07
>>1564
あ、でも俺古い小説とかで「好もしい」って見たことある。
頼む→頼もしい、と同じ変化で好む→好もしいとなるよ。
ついでに言えば変換イッパツで出るし。

1572イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/21(金) 21:03:05
>>1570
やさすい。おいちゃん泣いちゃったYO。


>> 1571     
おおそうだったのですね!
別スレでしたのにありがトン!

これで心おきなくロム森に消えます。

1573イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/22(土) 11:44:55
二、三年前に書いたヤツなんだが、どうだろうか?
当時、思い切り勢いだけで殴り書きしたんだが、感想を貰えると嬉しい。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
「おお、《破壊者》よ!」
 そう叫んだ私の無機質なレンズが宇宙を見上げる。空に月はない。太陽がもうすぐ地平線に見える頃だ。
 周囲は不毛の大地。砂漠の乾燥に強い植物がまばらに生えているだけで、何百年も前から景色は一向に変わらない。
 その中にあって、私――戦闘用アンドロイドの特別機として作られた《プレマリオン》たる私の《目》は無数の流れ星を捉えていた。
 流れ星――惑星圏内に次々と墜ちてくる強襲揚陸艇の中には、汎用型の《レペリオン》が四機ずつ積み込まれている。部隊の展開速度を優先している為、パラシュートの開かない乱暴な降下――いや落下だ。
 結果として、空中で爆発する艇はその日の第一派だけで半数近くにのぼる。彼らにも《命》があるだろうに……。
 私は《破壊者》たる人間の行う残酷な所行をしばらく見つめた後、移動を始めた。
 砂ばかりの不毛な大地をしばらく歩き、急勾配を駆け上がる。すると、次第に《古き時代》が見えてくるのだ。
 超硬コンクリートによって作られたビル群の頭。昔は天を突くような高さがあったのに、地盤沈下など諸々の理由で半ばから折れたり、砂に沈んでたりしている。
 その灰色の群落の向こうに、高く高く砂柱が立った。揚陸艇が墜ちたのだ。
「さて、今日は何体墜ちた」
 はるか昔、まだ文明がこの惑星に息づいていた頃。アンドロイドは姿形も思考も人間を模して作られた。そして私の中には、今も生体活動をシミュレートする無機質脳細胞が存在する。

1574イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/22(土) 12:08:42
勢いはある。
それで書きたいものも分かる

だけど、説明的でちょっと不自然
でも、いじり方次第ですごく面白くなると思う

1575イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/22(土) 14:48:07
>>1573
説明的なのはアンドロイドっぽくて嫌いじゃないけど
言葉の選びで引っかかる。もっと的確な表現があると思う。
"私"という主語がないほうがいいかなと思ったり、それだと難易度高くなりすぎかと思ったり。

第一広角レンズを上部へ照準を変更させた。月はない。流れる一筋の流星を追うと地平線から赤い空が生まれ出ていた。

とか、何か違うな? ごめんやっぱよく分かんないや。↑この前にもう少し文が欲しいな。
先に砂漠の描写入れるか。ああでもセリフからの流れがおかしくなるな。
でもやっぱ上見てるのに地平線見えてるのも少し納得できないんだよな〜。

1576イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/22(土) 18:38:17
以前に書いたものの訂正版です。
>>1483を受けた本文です。

 七月の風がウインクルム領を吹き抜け、青々とした一面の麦畑を波打たせる。
「あ……」
 白い頭巾からわずかにはみ出していた黒髪を風になぶられ、イレーネ・ウインクルムは草取りの手を休めると空を見上げた。
 北国であるウインクルムだが、夏ともなればその日差しに容赦はない。イレーネは手をかざすと、十六という年齢にしては幼さの残る顔を陽光から庇った。木綿の服に包まれたほっそりとした身体は、汗をにじませている。
「いいお天気ですねえ、姫様」
 隣の畝の草取りをしていた侍女のメイディア・マルデンに声をかけられ、イレーネは小づくりで控えめな目鼻立ちに愛らしい微笑を浮かべた。
「ええ、本当ね」
 ちょうど十歳年長の侍女に頷くと、イレーネは再び手を動かした。細くしなやかな指が丁寧に雑草を摘み取り、虫を潰していく。
 実りの秋はまだ先だが、この時期の手入れが収穫量や品質を大きく左右するとなると、疎かにはできない。害虫や病を払うため、畑のあちこちに守護の印を刻んだ要石(かなめいし)が置かれているものの、やはり人の手は必要なのだ。
「ふう」
 小さく息をつくと、イレーネは土で黒くなった手を、エプロンで拭う。美しい刺繍が施されたエプロンは、すでに薄く汚れていた。
 姫、と呼ばれた事から分かるように、イレーネはこの地の領主であるウインクルム辺境伯オトカルの一人娘である。
 貴族の子女が農民に混じり額に汗して働くなど、王都ゼノンに住まう貴顕淑女には考えられない事だろうが、辺境には辺境の作法というものがある。
 ウインクルムを含めたヴァーレリ河以北に住まう諸族が、オルデント王国に帰服して百年余り。聖教を始めとする中原の文化は根付きつつあるものの、古くからの習わしが絶えたわけではない。
 かつての独立した部族であり、上も下も一つの共同体だった時代の気風が、ウインクルムの民にはまだ色濃く残っていた。
「この畝は、もうこれでいいかな」
 呟くとイレーネは傍らの杖を手に取り、それを支えに立ち上がった。そのままゆっくりと背を伸ばす。不自由な左の膝に代わって酷使されていた腰や右足が、鈍く痛んだ。
「あつつ……」
「姫様!」
 思わずよろけたイレーネを、素早く駆け寄ったメイディアが支えた。
「あ、ありがとう、メイディア――」
 振り返ったイレーネの黒い目と、吊り上げられたメイディアの青い目が交差した。彫りが深く整った顔立ちだが、目元にやや険のあるメイディアがそういう表情をすると、相当に迫力がある。
「ですから申し上げたでしょう!」
 メイディアに叱り付けられ、イレーネは身を竦めた。
「以前のように無理が利く御身体ではないのですからね! 御屋形様が不在の今、万一の事があったらどうする御つもりですか!?」
「でもね、メイディア」
 忠実な侍女の諌言をさえぎると、イレーネはゆっくりと周囲を見渡す。
 真昼の陽光に照らされているのは、整然と区切られた畑と、その合間を縦横に走る畦道や水路。煙突から昼食の煙を上げる農家。のんびりと回る水車小屋や風車小屋。のどかで、平和な田園の風景――だが、何かがおかしかった。
 勤勉に働く農民達、そのほとんどが女子供や年寄りなのだ。働き盛りの男は、ほんの数えるほどしかいない。
「西の戦で、男衆の多くが出払っているわ。人手が足りないのよ。秋口に皆が帰ってくるまで、わたし達で畑を守らないと」
「それは、姫様の御気持ちはもっともですよ」
 三つ編みにまとめた豊かな金髪をもてあそびながら、メイディアはため息をついた。
「ですけどね、あまり御無理をなさってまた床につかれるような事になっては、かえって皆に迷惑がかかりますよ。何度も言いますが大事な御体です。家宰のファルツ様やうちの亭主も、口にはしませんが心配しているのですよ」
「それぐらい、分かってるわ。でも……」
 諄々と諭され、イレーネはうつむく。その時だった。

1577イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/22(土) 20:43:22
>>1576
「あ……」 「ふう」
これいらない。しかも、「ふう」の後に『小さく息をつくと』ってあるから二重になってる。
私的意見だけど、こういうのがあるとすごく文章が拙く見えるから、気をつけた方がいいと思う。

1578イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/22(土) 22:45:05
文章的に特に致命的なものはない
が、読者を引き込むものがない

生意気言ってごめんね

1579イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/23(日) 00:33:45
>>1576
文句ないな。テンポもいいし、間の取り方も上手い。まったりとした感じでよい。

1580イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/23(日) 08:24:36
説明文を描写に埋め込んでるのが気になった。
「十六という年齢にしては幼さの残る」「ちょうど十歳年長の侍女に」

ある程度はしようがないけど、もっと普通に描写したほうがいい。
「小づくりで控えめな目鼻立ちに愛らしい微笑を浮かべた。」
こういうミスがでてしまうのもこの手法の欠点だけど(目鼻立ちは微笑を浮かべない)
たとえば示したいのは侍女の人柄や主人公との関係で、10歳上かどうかはどうでもいいはず。

あとは「御屋形様って和風過ぎ」「素手で草取りとか、現実にはやらんよなあ」、という疑問もあるけど、
ライトノベルじゃこの程度はokか。

ワナビレベルとしては標準以上の文章だと思う。

15811576:2006/07/23(日) 14:59:09
色々な意見、ありがとうございます。

>>1577
ただでさえ地の分が多いので、時々は会話文をはさまないと読みにくい気がしまして。
台詞回しを工夫してみます。

>>1578
精進します……

>>1579
ありがとうございます。
でも、まったりって……

>>1580
どうもキャラクターの説明がまとめてドンとあると、流れが悪くなるような気がしまして。
描写しながらちょこちょこ説明を挿入したんですが、読みにくいですか。
『目鼻立ち』の指摘はありがとうございます。

15821554:2006/07/24(月) 22:52:00
すいません、しばらくネットが出来なかったものでレスが遅れてしまいまった。

専門用語は普通に使ってましたが、興味ない人はわかりませんよね、考えてみれば。
配置や形状を大まかにでも伝えていきながら描写したほうがいいのだろうか……。
それだと野暮ったくなりそうかなという不安もあったり。

ともあれみなさまありがとうございました。遅ればせながらお礼申し上げます。

1583イラストで騙す予定の名無しさん:2006/07/28(金) 01:00:20
>>1581
まったりはまったりである。のつそつでも、のたりのたりでもない。まったりである。

1584イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/03(木) 20:50:06
小説を書いたんだけど、新人賞に応募したいから晒せない。
だけど、誰かに批評してもらいたい。
そういうわけで、パスワードつきのブログに文章を載せて、
批評がもらえたら削除しようと思うんですけど、誰か見てくれる方いますか?
ここ何日かこの掲示板には書き込みがないようなので、
もし人が居ないようでしたら、ブログを作るのは止めようと思うんですが。

1585イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/03(木) 22:12:52
構わないだろうが、ブログならテキスト形式だからコピー&ペースト出来てしまうから意味無いと思うが。

序章や第一章の最初だけでも技量ってのはある程度分かるから、差し障りなければそれを晒した方がいいと思う。
一番良いのは読んでくれる友達を見つける事だな。

1586イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/04(金) 20:45:14
オレなら見るお

1587イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/04(金) 21:47:26
友達にはとても恥ずかしくて見せられないんですよね……
ここで晒すのも小っ恥ずかしいないようですけど、
とりあえず最初の最初のほうだけここに載せます。
それで愛想尽かさずにまた見てくれる人が居たらブログ作ることにします。
では、いきなり恥ずかしいで出しですが……

 今夜は生憎の曇り空で星どころか月も見えなかった。といっても、今じゃ田舎にでも行かなければ晴れていても星なんて見えないけど。
 僕こと宇境天は真夜中に外をぶらつくのが趣味というちょっと変わった人種だ。
 深夜の誰もいない道を歩いていると、まるで世界から隔離された僕だけの空間にいるような気分になる。
 突然だけど、僕は自分が嫌いだ。
 今までの人生を振り返ってみると、本当にくだらなくて恥ずかしいことばかりやってきた。それを思い出す度に自分の馬鹿さ加減が身に沁みて嫌になる。
 でも、本当に嫌なのは自分がした馬鹿な行為で自分が周りに嫌われたんじゃないかと思うことだ。人間ってのはそう寛容な生き物ではないようだから、ちょっとしたことでも誰かを排斥の対象にしようとする。自分が周りから軽蔑され、嫌われることが何よりも恐かった。
 だから、人から嫌われるようなことをしてしまった未熟な自分が嫌いだ。
 僕だけの孤独な空間は孤独ゆえに他人の干渉を受けない。つまり、僕が何をしても人からどうこう思われることはないのだ。だからきっと僕は、安心できるこの空間、真夜中の散歩道が好きなんだと思う。
 だけど、不思議なことに普段は独りでいるとなんとも物悲しい気分になることがある。
 本当は今頃楽しい大学生活を送っているはずの僕は、諸事情があって高校三年生をもう一回やっている。
 同級生のみんなが卒業して大学に行ったり浪人したりしている中で、僕は一人下級生のクラスに放り込まれることになった。元々ただでさえ初見の人とコミュニケーションを取る事が下手な僕なのに、自分が留年生とあってはますます周りと接しづらい。周りの一個下の同級生たちも相手が留年生では接しづらいと思う。
 そういうわけで、留年してから一ヶ月ちょっと経った今でも僕はクラス内で浮いた存在になっている。みんなが仲良くお喋りをしているなかで自分だけ一人で本を読んだり机に突っ伏して寝たふりをしていたりすると、自分は人から必要とされない存在なんじゃないかなんてちょっと思っちゃったりするわけだ。
 独りがいいのか人に構ってもらいたいのかよくわからない僕は、今日も真夜中の住宅地を徘徊しながら本当はどっちが自分の望むものなのだろうかなんて考えていた。
 そうして時刻も夜の三時を回る頃、僕は住宅地を抜けて運河沿いの小道にやってきた。この辺まで来ると周りにはさっきまでちょこちょこ見かけた深夜でも元気に活動している住居の明かりもなく、完全に人というものの存在が感じられない―――はずなんだけど、今晩は後ろに僕以外の誰かの気配を感じた。

1588イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/04(金) 22:34:15
 出だしの数行からして物語に入り難い。これは関連性の少ない文章を、散文のように並べているからだ。
大事な大事な冒頭なんだから、もっと繋がりとか考えて書かなくては。
 
 >今夜は生憎の曇り空で星どころか……状況説明
 >僕こと宇境天は真夜中に外を……登場人物紹介

 目的はハッキリしているけれど、これではただの概要だ。それなら取り扱い説明書の方がマシ。
 
 >突然だけど、僕は自分が嫌いだ。

 本当に突然です、前振りは何だったのでしょう? では改訂してみよう。


 僕は自分が嫌いだ。
 今までの人生を振り返ってみると、本当にくだらなくて恥ずかしいことばかりやってきた。それを思い出す度に自分の馬鹿さ加減が身に沁みて嫌になる。
 でも、本当に嫌なのは自分がした馬鹿な行為で自分が周りに嫌われたんじゃないかと思うことだ。人間ってのはそう寛容な生き物ではないようだから、ちょっとしたことでも誰かを排斥の対象にしようとする。自分が周りから軽蔑され、嫌われることが何よりも恐かった。
 だから人から嫌われるようなことをしてしまった……
 僕は未熟な自分が嫌いだ。
 僕こと宇境天は真夜中に外をぶらつくのが趣味というちょっと変わった人種だ。
 今夜は生憎の曇り空で星どころか月も見えなかった。といっても、今じゃ田舎にでも行かなければ晴れていても星なんて見えないけど。
 深夜の誰もいない道を歩いていると、まるで世界から隔離された僕だけの空間にいるような気分になる。
 僕だけの孤独な空間は孤独ゆえに他人の干渉を受けない。つまり、僕が何をしても人からどうこう思われることはないのだ。だからきっと僕は、安心できるこの空間、真夜中の散歩道が好きなんだと思う。


 少し変えて並べ替えてただけでも随分違うでしょう?

1589イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/04(金) 22:48:14
>>1588
意見ありがとうございます。
では、こういう順番はどうでしょうか?

 僕は自分が嫌いだ。
 今までの人生を振り返ってみると、本当にくだらなくて恥ずかしいことばかりやってきた。それを思い出す度に自分の馬鹿さ加減が身に沁みて嫌になる。
 でも、本当に嫌なのは自分がした馬鹿な行為で自分が周りに嫌われたんじゃないかと思うことだ。人間ってのはそう寛容な生き物ではないようだから、ちょっとしたことでも誰かを排斥の対象にしようとする。自分が周りから軽蔑され、嫌われることが何よりも恐かった。
 だから、人から嫌われるようなことをしてしまった未熟な自分が嫌いだ。
 そんな僕こと宇境天は真夜中に外をぶらつくのが趣味というちょっと変わった人種だ。
 深夜の誰もいない道を歩いていると、まるで世界から隔離された僕だけの空間にいるような気分になる。
 僕だけの孤独な空間は孤独ゆえに他人の干渉を受けない。つまり、僕が何をしても人からどうこう思われることはないのだ。だからきっと僕は、安心できるこの空間、真夜中の散歩道が好きなんだと思う。
                  ・
                  ・
                  ・
 独りがいいのか人に構ってもらいたいのかよくわからない僕は、今日も真夜中の住宅地を徘徊しながら本当はどっちが自分の望むものなのだろうかなんて考えていた。
 今夜は生憎の曇り空で星どころか月も見えなかった。といっても、今じゃ田舎にでも行かなければ晴れていても星なんて見えないけど。
 そうして時刻も夜の三時を回る頃、僕は住宅地を抜けて運河沿いの小道にやってきた。この辺まで来ると周りにはさっきまでちょこちょこ見かけた深夜でも元気に活動している住居の明かりもなく、完全に人というものの存在が感じられない―――はずなんだけど、今晩は後ろに僕以外の誰かの気配を感じた

1590イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/04(金) 23:01:03
>>1587
キツイこと言います。

ある程度の誇りをもって友人に見せられるような物が書けるまで、修練することをすすめます。
たった一人の身近な人物に見せられない様な物が、どうして一万人以上の会ったこともない人間に見せられますか?
デビューしたら、そうなるんですよ。

内容ですが、全面改稿した方がいいと思います。
一人称を三人称にする方がいいとも思います。
というのも、この物語を読む人間は、誰も主人公に興味なんてないからです。
例外なく誰もです。
「少なくとも冒頭部分では」という言葉が付け加わりますけどね。

冒頭から、そんな興味のない主人公の一人語りで状況だの舞台だのキャラだのの説明をされても、困るわけです。
上手でも魅力的でも読みやすいわけでもない文体ならば、なおのことです。
一人称って、難しいんですよ。
たとえば、ハルヒは上手いことやっていましたが、それでも嫌う人間は多いです。

さて、あなたの冒頭はハルヒの冒頭よりも面白いですか?
違うのならば、書き直しましょう。

1591イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/05(土) 10:25:00
ただの日記だなあ
同感して欲しいのかな?
だったら、それは小説とは言えない

1592イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/05(土) 11:24:44
>>1590
いい文章を書けようが書けまいが、友人には恥ずかしくて見せられません。
冒頭の内容は確かにつまらない感じがするので、考え直します。
意見ありがとうございました。

>>1591
同感して欲しいわけではなくて、
ただ主人公の性格が後に物語に関わってくるので、
最初に説明したほうがいいかなと思ったんですが。

1593イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/05(土) 12:16:09
君のその姿勢が全てを物語っている。
文章をさらけ出せない奴に作家は無理です。

1594イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/05(土) 12:30:43
>>1592
主人公の性格なんか、読んでるうちにわかっていけばいいと思うけど。

たとえば、誰かと初対面のとき『俺はこうこうこういう性格なんだ』と言う人とは友達になれそうにないし、
そうか、そういう性格なんだな、と鵜呑みにもできない。
性格なんてのは、その人と会話をしたり、一緒に行動したり、観察したりすることでわかってくるもんでしょ。

小説にしても同じ事じゃないかな、と俺は思う。

1595イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/05(土) 17:32:04
空気を読まずに貼り。
主人公が最初に変身するシーンなのですが、
伝わりにくい部分があるかなと思いまして批評をいただきたく思います。
個人的にはもっと字数を使って強烈な印象にしたいのですがなかなかうまくいきません。
よろしくお願いします。


瞬間。
どくん、と、苛烈な熱さを持つ奔流が晋作の体内をひとまわりした。
なんだ。
なんだこれは。
どくんどくん
血管が導火線になり、その上を炎のようなものが走っている。
速くで、凶暴な高温。
それが体中を蹂躙する。
どくんどくんどくん。
皮膚の下。肉の中。粘膜。脳。
全ての中を、炎が駆け抜けてゆく。焼いてゆく。
「い……っぎっぃ……」
体の自由がきかない。
膝はがくがくと震え、腰は折れ、視線は足元の地を捕らえている。
眼球すら、熱い。
炎が体の中を動くたびに、自分が自分で無くなるような感覚があった。
皮膚を溶かしながら自分の中から何かが飛び出してくるようである。
炎を外へと出す。出さねばならない。
やり方はわからない。
しかし出さねばならない。それはわかる。
そうしなければ自分はただの灰になってしまう。
頭の神経がぶちぶち焼き切れていく。
加速しつづけていた炎の速さが限界に達した。
もう晋作の皮膚の下には炎だけしか入っていないようであった。
「っぎぃあああああああああああああああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
煉獄の劫火に焼き尽くされたような、絶叫。
叫び終わらないうちに晋作自身激しい光が放たれた。
爪の先から、目から、口から、毛穴からまでも、光が放出される。
凄まじい光である。
目など開けていれば光と熱に瞬時に破壊されてしまうであろう。
それほどの光だった。
「〜〜〜〜〜〜!!」
その中心で、焼き尽くされた喉で、晋作はまだ叫んでいる。
それは歓喜の咆哮のようでもあり、最後の抵抗にも聞こえた。

1596イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/05(土) 20:28:01
全体に語彙の少なさが目立つ。例えば、

 ひとまわりした→駈け巡った

等、他にも少し推敲した方が良い。
類語辞典は持ってるかな?

1597イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/05(土) 21:52:44
1587です。
意見くれた人、ありがとうございました。
やはりまだまだまともな文は書けないようなので、
もっとちゃんとしたものを書けるようになるまで消えます。

1598イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/06(日) 00:32:46
なあ、そろそろ新スレたてねーか?

1599イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/06(日) 01:45:42
なんで?

16001595:2006/08/06(日) 12:26:17
>>1596
指摘されて読んでみると同じ単語使ったりしてますね……

シソーラスが使い放題だった頃はよかったんですが
使用制限がかかるようになってからはほとんど使ってないですね>類語辞典
購入を検討してみます。ありがとうございました。

1601イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/06(日) 14:55:48
同じ言葉を多用するということは、シーンやキャラの動作も同じパターンを繰り返しているということなので、
語彙以上にもう少し中身を吟味した方がいい。

たとえば、やたらと走ってばかりのキャラとか。
やたらと絶叫してばっかりのキャラとか。
ひたすらうなずきまくってるキャラとか。

1602イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/06(日) 17:32:43
>>1599
最後の書き込みから50以上前のレスが読みたいなと思った瞬間に、1000以上のレスをスクロールさせて見つけ出したりしなければならなくなってるから。
端的に言うと、長くなりすぎて使いづらくなってるから。
まぁ、このままでいいっちゃいいんだが。

1603イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/07(月) 00:29:04
>1601
マクロ的には正しい意見だろうけれど、1Pに満たないワンシーンでは関係無いのでは?
まぁ描写の際の心得として、と言った所かな。

1604イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/07(月) 19:32:33
最近書き始めました。よろしかったら批評して下さい。


思った以上の痛みはなかった。かなりの勢いで全身を地面に叩きつけられたはずなのに。その代わり、左足だけがただ熱かった。
ゆっくりと瞼を上げると、ピントの合わないレンズ越しに、ねずみ色の地面が広がっているのが見えた。由利康介は地面に両の手をついてうつぶせで寝転がり、熱板のようなアスファルトの感触の中を泳いでいた。
その康介の頭の先、手を伸ばせば届きそうな位置で、甲高い子供の泣き声が聞こえる。その泣き声は、康介を安心させるには十分であった。
良かった。助かったんだ。
康介は自分の体から急激に力が抜けていくのを感じ、一旦大きく息を吐いた。すると切れた唇から鉄臭い液体が流れ込んでくるのが分かり、それを口からはきだした。
それは僅か一瞬の出来事であったのだが、その間に子供の泣き声が消えている。そこら中で喚き散らしていた蝉の声さえ消えたような気がした。ただ、いつの間にか集まった野次馬の息を飲む音。本来なら聞こえるはずのない、その音が康介には確かに聞こえた。
不審に思い、何とか起き上がろうとしたのだがまるでろうで固められたかのように動かない。仕方なくかろうじて動く顔だけを上げた。
本来ならそこに子供の姿が見つけられるはずだったのだが、残念ながら障害物がそれを邪魔している。康介は相変わらず幕がかかったかのようにボヤける視線を障害物に向けた。
それは、見慣れた白い康介のスニーカーであった。それが康介に靴底を見せる形で転がり、視線を遮っている。
車に衝突した衝撃で脱げたのだろうか?
体が動かないため、それをどうにもできない自分に苛立ちつつ、康介はその白いスニーカーを睨みつけた。
変化は山頂の天気のように唐突に訪れた。いつもの見慣れた白いスニーカーが変わって行く。もう白ではない。赤だ。
その赤に比例するように、スニーカーを中心に赤い水溜りが広がっていく。
あれは何なのか。そんな事は考える必要もなかった。体温が、熱がアスファルトに吸い取られていく。その中で、左足だけは未だに熱を発し続けていた。

1605イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/08(火) 00:29:05
>>1604
普通に読めますし、きちんと描写になっていると思います。
気になったところは――

>ピントの合わないレンズ
眼球の比喩なのか本当の眼鏡なのか分かりません。

>その泣き声は、康介を安心させるには十分であった。
泣き声で安心するかどうかは、微妙なところかと。
痛くて泣いてるのかも知れませんから。
その泣き声はどういう性質の泣き声なのか、主人公の主観ででも書いておいた方が分かりやすいです。

>僅か一瞬
修飾するまでもなく、「一瞬」は「僅か」です。

>幕がかかったかのようにボヤける
膜の誤変換ですか?

>見慣れた白い康介のスニーカー
「見慣れた」「白い」「康介の」と、少し修飾しすぎです。

>その赤に比例するように、スニーカーを中心に赤い水溜りが広がっていく。
熱い、という描写と合わせても、足がちぎれていることが分かりづらいです。
ですが、後に明記することによって「あぁちぎれてたのか」と思わせるためなのであれば、問題ないです。

――このくらいでしょうか。
あと根本的な問題に「子供を助けて車に轢かれる主人公ってどうよ?」というのがありますが。
どういうつもりでこの冒頭にしたのか、教えてほしいですね。

1606イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/08(火) 09:46:35
さて、横だけど、

>僅か一瞬

>見慣れた白い康介のスニーカー
は問題が無いように思います。

「僅か」は程度の修飾で、「一瞬」は「瞬き一回分の時間」という具体的な数量。
つまり「たった二、三滴」というのと同じような文法かと。

そして、スニーカーに関してはこの三つの修飾は必要では。「見慣れた」がないとあっさりしすぎだし、「白い」は血で赤く染まる演出に必要、
そして「康介の」がないと、文面から推測はできるものの「子供のもの」にも思える。

ただし、
>康介はその白いスニーカーを睨みつけた。
>白いスニーカーが変わって行く。
の「白い」は抜くべき。

あと、俺は読んでいて>>1605を目にするまで「足が千切れている」ことには気が付かなかった。これは本当にわかりにくいと思う。
せめて、
>赤い水溜りが広がっていく。
の後ろに肉塊に関する記述を入れるか、最後のセンテンスの
>左足だけは未だに

左足の本来あるべき場所は未だに
としてみては?

1607イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/08(火) 17:42:24
>>1604
これは始まりかな?
だとすると状況がすぐ伝わらないかな
親切な文とは言えない
でも熱意というか、やる気は感じられる
「電波的彼女」に近い感じ

ぜひ、いろんな書き方に挑戦して欲しい
伸びる人と見た

1608イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/08(火) 19:00:52

>>1605
この話は義足をテーマに扱っていこうと思っていますので、こういう始め方にしました。
ひとまず、漠然と"左足がない"ということを匂わせておきたかったのです。ですので、これは冒頭と言うよりプロローグなのかもしれません。
批評ありがとうございました。

>>1606
確かに分かりづらいです。。最後の部分と、左足の描写を修正します。
批評ありがとうございます。


>>1607
批評ありがとうございます。
あまり深く描写すると、後の展開が読めてしまう可能性がありますので、先にも述べました通り"左足がない"ということだけを、読者に意識させようとしました。話の前提を知っておいていただきたかったのです。

1609イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/09(水) 00:38:01
前後の状況が分からない、一場面だけの批評を求められても困る訳だが……

1610イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/09(水) 23:39:01
>>1609
スレタイ嫁

1611イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/10(木) 00:45:08
 月は、どこで見ても同じだと思っていた。
 ……月まで、こんなに遠いなんて。
 冴え凍る夜気に自分の体を抱きしめながら、少女は天空遥かに浮かぶ満月を見上げていた。
 故郷の月は、もっと手の届きそうに近かった。
 都の月はこんなに遠く、風はこんなにも冷たい。
 体はすっかり冷えきっていたし、明日も朝から稽古がある。早く戻って休まなければと思うが、いまは、まだ教坊に戻る気分にはなれなかった。
 ……みんな、元気かな。
 白く光る月に、懐かしい面影が、浮かんでは消える。――父に母に、弟や妹たち。
 一番年上の自分が、一番先に売られるのは、仕方のないことなのだ。そうしなければ、弟妹たちが食べていけない。二番目の弟の修安。あの子は頭がいいから、できれば塾に入れてやりたい。勉強すれば、あの子はきっと、立派になる。
 だから、泣いてはいけない。皆のために、家を出たのだから。
 そう思って、少女は唇を噛みしめる。
 それでも月を見上げる大きな瞳は、水面のように揺らいでいた。
 ……みんな、きっと元気。だいじょうぶ。あたしも、元気。だから泣いたらいけない。泣いたら――
「誰か、そこにいるのか?」
 ふいに声をかけられて、少女はひっと悲鳴を上げ、振り向いた。その途端、堪えていた涙が一滴、頬をこぼれ落ちる。
 月明かりの下、少年が立っていた。
 十六、七歳くらいで、きちんとした身なりをしている。少なくとも、夜回りの番兵ではなさそうだが――
 その少年が、少女のほうに歩み寄ってきた。
「……泣いているのか?」
「なっ、泣いてない、ですっ」
 とっさにそう言って、少女は慌てて頬をごしごしと擦った。
「どうしたんだ、こんな夜更けに、こんなところで。……どこから来た?」
「……教坊……」
 答えながら、少女は少年を見上げた。
 上品で、やさしい顔をしている。
 自分の知る男どもといえば、ごつごつした石くれのように粗野な者ばかりだが、この少年は同じ石でも、磨き上げた宝玉のようだと思った。
 それでも軟弱そうには見えないのは、凛とした涼やかな眉と、意志の強そうな瞳のせいだろうか。
「教坊ということは……おまえは、妓女か」
 言い当てられて困ることもないはずだが、何となく気恥ずかしくて、少女は首をすくめ、小さく頷いた。
「教坊でも、皆もう休んでいるだろう。こんな夜更けに、こんなところまで歩いてきて、どうかしたのか?」
「……」
 どうとも答えられず、少女はうつむいた。
 すると少年は、少女の目の高さに合わせるように屈み、その顔を覗き込んだ。
「怒っているわけではないんだ。あまり長く外にいては、体を悪くするから。外にいなくてはならない訳でもなければ、戻ったほうがいい」
 穏やかな口調に、少女はおずおずと顔を上げた。
 少年は、微笑んでいる。
「……月が」
「月?」
「見たくて……」
 たとえここが城壁に囲まれた大きな都でも、その真ん中の広大な宮殿の内でも、月だけは、故郷と寸分違わないと思ったのに。
「……月か」

1612イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/10(木) 00:45:51
 少年は上に着ていた長い衣を脱いで、少女の肩に掛けた。小さな少女には幾分大きい衣は、裾が引きずれてしまう。
「晩冬の月見も、悪くはないな。一緒においで」
「え、でも、あの……」
 少女は慌てた。宮殿のこんな奥に、夜更けまでいられるとすれば、相当位の高い官吏か、あるいはもっと身分ある――帝の縁者ぐらいのはずだと、急に気づいたからである。
「ここは風が通るから。どうせ月を見るなら、風を避けられるところがいい」
「……」
 誰なんだろう。
 少年は歩き出そうとしたが、立ちすくむ少女に苦笑して、戻ってきた。
「大丈夫。すぐ近くだ」
「……」
「名は?」
「……え?」
「おまえの名だ」
「……愛鈴」
 少しためらって、少女――愛鈴は、名を言った。田舎者のくせに、ずいぶん可愛らしい名前を持っているものだと、ここで名乗るたびに笑われている。
「愛鈴か。良い名だ。おまえによく似合っているよ」
「え……」
 からかわれているのかと思ったが、少年は先ほどと変わらず、穏やかな笑みを見せていた。
 ……いい人なんだ。
 きっと人を笑ったりしないのだろうと、愛鈴はほっとして、ようやく少年について歩き出した。
 ところが、少年の行く先に番兵が立っているのを見て、愛鈴は足を止める。
「どうした?」
「だって、あの」
「遠慮することはない。この先は、私の庭だよ」
 ……私の?
 宮殿に来て日が浅い愛鈴には、まだ教坊の中とその周辺ぐらいの建物しかわからず、いったい誰の庭に案内されようとしているのか、見当もつかなかった。
 だが官吏であれば、まさか宮殿に自分の庭を持っているはずはない。それに、官吏にしては、少年は若すぎる。
 躊躇する愛鈴の前で、少年を見た番兵が姿勢を正した。
「おかえりなさいませ!」
「御苦労だったな。もう番所に戻る時刻だろう。構わないから、下がっていい」
「は。では失礼いたします、慧俊様!」
 ……慧俊様?
 その名は、聞いたことがある。いや、ここに来て、真っ先に聞かされた。
 我々、宮殿の妓女は、この猿国の帝様にお仕えする身です。しかし帝様は、最近病がちで御気分が優れません。我々が日頃鍛えた技芸を御披露するお相手は、いずれ帝様の後継ぎとなられる太子の慧俊様、あるいはその弟君の昇貴親王殿下、さらには貴族のお歴々が主となるでしょう――
 慧俊様。
「……太子の……慧俊様……?」
 愛鈴の肩から、衣がすべり落ちる。
 いずれ帝となる人物であるかもしれない少年は、苦笑して衣を拾い上げ、もう一度愛鈴に羽織らせた。
「いかにも私は陸慧俊だが、おまえが気にすることはないよ。今夜はただの、月見の相手だから」
 気にするなと言われて、気にせずにいられる者がいるだろうか。愛鈴は思わず後ずさりして――衣の裾を踏んでしまった。

1613イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/10(木) 11:31:13
少女小説かな?

>月は、どこで見ても同じだと思っていた。
>……月まで、こんなに遠いなんて。

同じ単語から始まる文の繰り返しは読んでて違和感を覚えます。
韻を踏んだりリズム感をつけたいとか特別な意図があるなら別だけど。
しかも出だしからコレだと読者側が物語に入りにくい

>一番年上の自分が、一番先に売られるのは、仕方のないことなのだ。
>上品で、やさしい顔をしている。

特別おかしいわけでもないけど、句読点の位置がちょっと気になった
まあこれは好みの問題ですね

雰囲気は素敵です。読みやすかったし。
頑張ってください

1614イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/10(木) 12:55:58
>>1611
一つだけ感じたことを。
筆者が頭にある情景・人称・心理で書いた文が、必ずしも読者と一致するとは限りません。
>>1613さんも言ってますが、最初の書き出し二行で地の文に二通りの文体があると、
大抵は違和感を覚えてしまいます。
頭の中の台詞を『……』以下で表現しようとしてるんですよね?
やはりここは、do as the romans doがいいでしょうね。
よく使われる手法は、
(こんなかんじ……かな?)
のように括弧を使うやり方でしょうか。
それから、他の上官の言葉と思われる『我々は──』という行も、
何らかの括りに入れた方がいいでしょうね。

句読点にしても字下げにしても、先人が文章を書きながら編み出した、
読みやすくするための手法です。有り難く使わせていただきましょう。

それ以外は特にすんなり読めました。上品な雰囲気で、綺麗な文だと思います。

ただ、自分の好みとしてはもう少し、少年の品を落とすことでギャップを入れた方が、
キャラクターが入って動かしやすそうだなとは思いました。
シンデレラストーリーもいいですが、完璧超人はのっぺらぼうになりやすいので……。

1615イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/10(木) 16:05:03
>>1611
ああ、なるほど、そういう事か(笑
君はこの作者とレスする人両方を馬鹿にしてるって訳だ

1616イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/10(木) 16:31:05
これか。
ttp://lu3.gagaga-lululu.jp/maihime/

1611-1612の人はどういう意図で持ってきたんだろ。
まさか、「他人が書いた小説」だからなんて間違った理由じゃないよね?

他人が、「(あなたが)書いた小説の一部」を批評するスレだよ?

1617イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/10(木) 19:28:05
釣りだろ?
どっちにしても最低なことに違いはないけれど。

てか、法的にはどうなんだろ?

1618イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/10(木) 20:25:21
要するに、ここの奴らの「見る目」がないっつー事を言いたいんだろ。
プロだからっつって突っ込み所がないかというとそういうわけじゃないけどな。

1619イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/10(木) 20:33:52
それでも、

 特別おかしいわけでもないけど、句読点の位置がちょっと気になった
 まあこれは好みの問題ですね
 雰囲気は素敵です。読みやすかったし

とか、

 >>1613さんも言ってますが、最初の書き出し二行で地の文に二通りの文体があると、
 大抵は違和感を覚えてしまいます。

 外は特にすんなり読めました。上品な雰囲気で、綺麗な文だと思います。

なんだから、結構ここの人にも批評眼は有るんだな。

1620イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/10(木) 21:20:33
文芸板の酷評スレじゃしょっちゅうだよ

1621イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/10(木) 21:59:41
>>1619
そりゃあプロなんだから

1622イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/19(土) 03:32:57
サイエンス・フィクションの冒頭部です。よろしくお願いします。
設定的には、現在の人類とほとんど変わらない『地球系人類』と、
火星に入植後、自らの身体を改変して宇宙に適応する『火星系人類』が、
外宇宙開発競争をしている世界での、ある地球系植民惑星の話です。

   ***

 人類支援システムが発狂した。

「ダナン第三地区、中央計算機、発狂しました」
「ナポリ、パレルモで生産システムの発狂を確認、現地の自律ロボット群は胎児生産施設及び畜獣生産施設を横断する形で改修、計画にない大型獣の生産を開始しました」
「大規模サボタージュ! それも惑星開拓システム自体の本当に奥深いところで、だと」
「南極隔離コロニーでの検証作業中、問題のコードが含まれる領域を検査中の作業員がトリガーワイヤに引っかかりました。南極隔離コロニー、火星化します」
「感染が広がる前に焼き払え。治安システムは?」
「治安システムは初期から人類支援システムへの接続を許されていません。圏内制圧用自律戦闘体群、起動を確認」
「大虐殺になるぞ。植民地の人間は」
「受け入れるしかないでしょう。惑星上の人間のうち、古典的な意味で生き残れるものは少数のはずです。人類支援システムの発狂と同時に、人類支援システムへのアクセス権のある人間の大部分は悪意のあるコードを受け取ったと予想されます」
「その結果は」
「自由意志を保てるものは幸運でしょう。恐らく、圧縮データから再生された人間のほとんどが、外部からのコントロールを受けるための拡張か、なんらかの条件で顕在化する火星製のコードを埋め込まれていたはずです」
「生ける死者の群れか」
「いつまで生かしてくれるかは解りません。過去の事例からして、火星人は生産システムの制圧後に、惑星環境に最適化された火星人か、使役生物の生産を開始するはずです。資源不足を補うために、意思のない人間が再処理施設に行列を作ることになります」
「ならば結果は同じだな。この惑星系で地球系人類を存続させるためなら」
「一つ、感染・発狂が確認された人類支援システムの速やかな破壊。一つ、感染・発狂が確認された、あるいは疑わしいその他のシステム全ての速やかな破壊。一つ、感染・発狂が確認された、あるいは疑わしい生物全ての速やかな破壊」
「もちろん、人間も」
「もちろん人間も」
「治安システム自律戦闘体群、大陸中央部にて都市防衛システムとの戦闘に入りました」
「あそこはまだ無事だと思ったんだが」
「南部の都市から受け入れた難民の一部に、感染の可能性があったようです」
「千人にも満たない難民のために、数十万を皆殺し」
「きわめて妥当な判断です」
「私もそう思う」

1623イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/19(土) 04:19:31
>>1622
まず大きな所から行くと、会話だけってのはこの場合辛すぎる。
この場合は、そこに登場するキャラクター達は全て同等の重要度になるんだが、
シーン的には指揮官と部下の会話が入っているようなので、これを分ける必要性が出てくる。
指揮官か、あるいはその場所を傍観する対象によって状況を説明しつつ会話を進めないとダメだと思うな。

もう一つは使われている用語にどうもセンスがない。「発狂」というのが何に対するものなのかハッキリとしないし、
どういう状態なのかもあやふやすぎて分からない。「システム」の使い方も広範囲だからどう捉えて良いのやら。
「横断する形で改修」なんかにも引っかかる点があるし、まぁ言ってみれば「映像が浮かばない」。

難しそうな単語を並べただけじゃ知的には見えない。
ちゃんとその言葉の概念を理解し、一つの概念に則って単語を繋げていかないと面白く感じないよ。

1624イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/19(土) 11:01:57
冒頭部がこれだときついなあ
何が起こったんだ!? と読者を引き付けるくらいじゃないと

1625イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/19(土) 22:48:32
>>1622
一言で表せば、「効果音が長い」かな。

最初の意味深長な台詞というのは、読者にとって効果音でしかないよ。
つまり、緊迫感や速度、温度なんてのを受け取ってもらえるのが精々で、
その台詞を全て作者の頭の中通りに理解してもらうのはまず無理ってこと。

今の状況は、あまりに読者の理解とはかけ離れ過ぎている感じ。
置いてかれても、読者は追ってきてくれるとは限らない。

この簡単な解決方法は、読者を作中に出してしまうこと。
言い換えれば、「何も分からない人物を出して、狂言回しがそいつに説明する」ってこと。

何にせよ、効果音は3行ぐらいに留めた方がいいかな。
後はキャラに喋らせたり、画面に表示させたり、機械に喋らせたり。

もしかして緊迫感を出したかったのかもしれないけど、これでは逆にダレる。
それなら体言止めで無感情を出すとか、他にも方法はあるし、ね。

1626イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/20(日) 02:16:02
>人類支援システムが発狂した。
>
>「ダナン第三地区、中央計算機、発狂しました」

この時点でぬるぽ。同じことを二回言うのってどうよ。
でだ、この文章すべてが「発狂した」という状況の説明なわけじゃん?
この中でストーリーに必要な内容は? 冒頭で書いとかなければ「いけない」ことってなに?
発狂したということだけがわかればいいのなら、一文で済む。

そんで地名がナポリとかになっているけど「ここは地球なのか」と読者に誤読させたいわけじゃないなら、フォンブラウンでも何でもいいから変えるべきじゃね?
だれがなに言ってるのかわからね。全員がモブならこのシーン自体いらない。主役級のキャラがいるなら、きちっと描写すべき。
もし、主役のいない作者が主人公みたいな小説(私小説って意味じゃないよ)ならラノベではない。ラノベでないなら延々「」はありえない。

つーわけで、要約されていない文章というのは基本的に読者にとって不快。なにを書きたいかを明確にすべき。

16271622:2006/08/20(日) 09:23:22
参考になります。SF好きとしての側面が暴走してそれ以前のレベルになってるっぽいです。
出直してきますです。

1628イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/28(月) 07:58:48
軽い練習になんとなく思いついたまま書いた駄文なんですが、せっかく書いたので晒してみます。
相当腐ってると思いますので、あんまり酷いと思いましたら「酷い」とだけ言ってくれれば結構です。

 どんよりとした暑い雲が空を覆う、ある夏の朝のことである。
『――早朝に幸川市大和町で発見された男性の死体は、奇怪な状態で放置されていたことから、今回も一連の事件と同一犯によるものだと――』
 切迫した表情で話すアナウンサーの声がテレビから響く。
 幸川市大和町で猟奇殺人が起こるのは今月に入ってからすでに四度目である。最初の事件が起こったのは八月三日。次が八日。三度目が十一日。そして昨日は十二日である。事件の間隔が短くなっているのは誰の目にも明らかだった。
 一度目の死体は抉られた心臓を口に押し込まれていた。二度目の死体は首を切られ、それを両手で抱えるようにして放置されていた。そして三度目は開きにされ、臓器を全て取り出された代わりに子猫の死体を入れられていた。今回はどうだかわからないが、アナウンサーが『奇怪な状態』と明言を避けたように、とても朝の食卓で聞きたい内容ではないだろう。
 こんな手の込んだ殺人が起こるのは深夜であると相場が決まっている。
 そのことが一人の少年を燃え上がらせた。
「よくもまあ、好き勝手やってくれちゃって。夜は俺の縄張りだ。聖域を荒らす奴は俺が許さないんだからな。とっ捕まえてやる」
 一見すると『こいつが犯人なんじゃないか』と思われるような劣悪な人相をした少年は、上記のセリフを冗談で言っているわけではない。本気である。
 今の少年は、空想物語の主人公になったつもりでいた。
 いつも少年は夢見ていた。何かワクワクするような事件が起きて、自分が知恵を絞り、スリリングな戦闘を切り抜け、その事件を解決することを。
 テレビの見すぎ漫画の読みすぎ妄想のしすぎである。
 はっきり言って、バカである。だから大学にも落ちるのだ。
 少年は朝食を早々に切り上げると、いつもより少し早めに家を出て、予備校前にある店へ寄って、あるものを買った。
 少年はアニメイトでコスプレ用の木刀を買った。
 それで殺人犯と戦うつもりである。
 バカである。
 その後、木刀を抱えて予備校に行った少年が、いつも以上に周囲から奇怪な目で見られたことは言うまでもない。

1629イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/28(月) 08:00:33
 時計の針はすでに午前一時を回っていた。
「そろそろ行くか。月の見える晩は、やけに気持ちが高揚するぜ」
 今夜は曇りである。月など見えるはずがない。
 バカである。
 夜道の散歩は毎日の日課と化していた。『夜は俺の縄張り』たる所以である。ただ、今回の事件が起こってからは、当然であるが夜道の独り歩きは禁止されていた。
 少年は眠っている両親に気づかれないよう、そっと家を出た。もちろん木刀持参である。
 そうして、少年は自転車に跨り、夜の街の散策に出かけた。
 自転車を漕ぎつつ、木刀を背負った少年は怪しい人物がいないか周囲の様子に気を配る。少年自身が一番怪しい。
 一つだけ色の違う街灯。どこかで響く銃声のようなもの。知らずに聞こえ出した奇妙な音。いつもは気に留めないような場所にまで意識を割いていた少年はそんなものを発見した。
 もしここが現実ではなくて、小説や漫画の世界だったのなら。
 色の違う街灯は異世界への招待状であり、銃声は謎の組織による強襲の合図、意味不明な音は超常現象の予兆であっただろう。
 しかし現実は、ただの整備不足だったり、どこかの不良達が爆竹で遊んでいるだけだったり、大型の排気口から漏れる音が聞こえただけだったり。そんなものだ。
 現実は現実で、空想は空想。現実は空想ではなく、現実世界に空想世界の出来事は起こらないのだ。
 現実は現実的である。そこに存在する登場人物に一切の情けや援助を与えることはない。
 つまり。
 木刀一本で猟奇殺人犯と渡り合おうと思っても、返り討ちにあうのがオチなのだ。
 それでも少年は自分になら、現実が空想のように味方をしてくれると思っている。故に自分が失敗することはないと思っている。
 だったら、今頃大学生だろうに。
 全く、少年はバカである。
 幸か不幸か、一時間ほど辺りを散策したが、少年は犯人を見つけることが出来なかった。
 当然といえば当然である。もしその程度の探索で犯人が見つかれば警察も苦労はしまい。

1630イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/28(月) 08:01:44
 少年は休憩がてらに二十四時間営業のスーパーに寄って、アイスを買った。そのまま近くの公園で食べることにした。
 マンションに併設された小さな公園だ。一つしかない街灯の白い光に一つしかないベンチが照らされていた。
 少年は公園のベンチに腰掛ける。ベンチはちょうど公園の入り口部分に背を向けるようにして配置されていた。
 少年はアイスを食べ始めた。
 夏の夜風が心地良い。少年は音楽を聞きたくなった。何か夏の風情を感じられる音楽を。少年はポケットから取り出したMDプレイヤーにつながれているイヤホンを耳につけ、MDを聞き始めた。七十年代を象徴するメロディーが少年の脳に響く。
 曲名は『なごり雪』。全く夏とは関係ない。
 気分も上々、アイスを食べていた少年は世代を越えた名曲に心を奪われ、背後から迫る影に全く気づかなかった。
 影は少年に声をかけるも、周りに人がいなかったことをいいことにガンガンに音量を上げて音楽に浸る少年の耳に、その声が届くはずがない。
 ――影は少年に近づいて行く。
 影の腰には銃が下げられていた。
 ――影は少年に近づいて行く。
 そして。
 ――影は少年の肩を叩いた。
 そして――


 少年は補導された。
 当然である。あんな事件が起こっている時期のこんな真夜中に、こんな木刀を背負った男が深夜の公園で佇んでいたのである。真っ当に職務をこなそうとする警官なら放っておく訳がない。
 少年は、木刀は護身用であること、自分はただ勉強に疲れて散歩をしていただけのことなどを適当に話し、結局少年から変死体を作り出せるような凶器も見つからなかったことから、無事解放された。

1631イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/28(月) 08:04:02
とりあえず↑で半分くらいです。

1632イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/28(月) 12:22:59
練習という言い訳のようだが、問題としては描写が足りない。
主人公に人間味が足りないし、どういう人物なのかも想像が出来ない。
ただ「そういう人間だから、そういう行動に出て、そういうオチがついた」という感じ。

人物が面白いわけでもなく、行動が面白いわけでもなく、ストーリーが面白いわけでもない。
まぁ「練習だから」って言い訳して逃げるのは構わないけど、例えばこの作品をプレゼンする時、なんて説明する?

1633イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/28(月) 16:06:20
物凄く読む気が失せる文章、とだけ言っておこう

1634イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/28(月) 17:01:02
やっぱり相当クソな文章みたいですね。
感想くれた人、どうもありがとうございました。

1635イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/28(月) 18:53:37
俺は好きだな。文章も読みやすいし、コスプレ用の木刀だの真夏に「なごり雪」だの、シニカルな演出が行き届いていい。
ただ、「大学にも落ちる」年齢設定が痛すぎて、かえって1632のいうように「人間味が足りない」といった感じになっている。
要するに「記号としての痛いやつ」だ。

できれば小学生。せめて中学二年くらいまでだといい。
なぜなら

 >テレビの見すぎ漫画の読みすぎ妄想のしすぎである。
 >はっきり言って、バカである。

に対して、いまの年齢設定だと、読者としては
うん、バカだわ(笑)。で?
になるけど、年齢設定を下げることによって
まあ、バカだけど……俺も対して変わらなかったような気がするし、いいんでね?
と、地の分のツッコミに対する擁護や逆ツッコミを起こさせることによって、主人公と読者を近づける作用がある。

1636イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/28(月) 20:21:28
読ませていただきました。
ねらいたいこと自体は全然面白いと思います。

ただ、読者をもっと意識したほうがいい。
たとえば、


 ――影は少年に近づいて行く。
 影の腰には銃が下げられていた。
 ――影は少年に近づいて行く。
 そして。
 ――影は少年の肩を叩いた。
 そして――


 少年は補導された。


の部分たるすぎ。説明だとつまらない。
近付いてくる影を「もしかして殺人犯?」と思わせたいならこういうリズム(スローのように強調して見せたい?)ではなく、
突然後ろから肩をつかまれて、意気揚々とでかけたのにその殺人犯だと思ってめっちゃあわてたら警察でーみたいな描写のほうが、
バカな主人公に共感が持てると思います。(ありきたりかもしれませんが)

先を読ませない裏切るリズムも必要かと。

1637イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/28(月) 20:59:38
>>1635>>1636
あんな文章に少しでもお褒めの言葉が戴けて光栄です。
年齢は確かにもうちょっと若くしたほうが良かったような気がしますね。
影のところについての指摘も参考になりました。
ありがとうございました。

1638イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/28(月) 22:39:46
てかなんで文章にかたくなに拘るんだw

足りないのは読書量と引き出しの数。

1639イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/31(木) 02:16:55
なんかの賞に送ろうと思って途中で断念した作品の頭です。
ちなみにラノベ。厳しく酷評してください

「暑っちぃ……」
 真夏の外気と太陽の真摯な視線に、思わずバスから降りる足を止めてしまった。 冷房の効いた車内とのギャップについ顔をしかめてしまう。
 背中に届くバスの中からのほのかな涼気のせいで後ろに下がりたくなってくるものの、そんな恥ずかしい真似ができるものかと一喝して停留所へと降りる。
 一つのベンチに屋根をつけただけのような簡素な停留所には二人のおばあさんがいて、俺が降りるのを見るとバスに乗り込もうとゆっくりと歩いてきた。おばあさんたちとすれ違うように停留所の下へと向かう。
バスから降りる客は自分ひとりであったようだ。バスの入り口から離れると微かな涼気と別れることになり疲れた気分になった。
 それにしても、暑い。
時計は既に四時を回っていたものの、その日差しにまだまだかげりはない。
本当はもう少しゆっくりと、それこそ比較的動きやすい涼しい時間帯に到着するようにくるつもりだったのだ。しかしたった今降りたバスの前に乗り継いで来た電車は、図ったように降りた先降りた先にすぐに乗り換えの電車がやってきた。 別に混んでいるわけでもないローカル線を見送る理由は何もなく、比較的スムーズにやってきてしまったのだ。
その点に関しては文句は無い。久しぶりの長旅で景色を楽しむために結構な距離を鈍行で進むことにしたのだ。降りた先にすぐに次に乗る電車があるということは、一本見送れば次に電車が来るまでまるまるの時間を待つ羽目になるということで。それを考えれば幸運だったといってもいいだろう。
眩しい太陽から逃れるために、やや駆け足で目の前の停留所へと避難する。 停留所のベンチの上にぼすっとたった一つの手荷物であるボストンバッグを置いた。それほど重いわけではない。主な中身は当面の間の着替えだけである。その横に自分も腰を落ち着ける。
ベンチに座るとちょうど目の前にはさきほど降りたバスがある。 さきほどのおばあさん達がやっと乗り込んだらしく、プシューっという音を立ててドアが閉まった。エンジンをふかせたままのバスがゆっくりと出発する。

1640イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/31(木) 02:20:42
 それが完全に通り過ぎると心地よい潮風が体を包んだ。 目の前には堤防があり、その切れ目がちょうど目の前にあり、その隙間の先には海が広がっていた。バスの陰になり見えなかったようだ。
なんとなく嬉しくなる。 暑さにより寄っていた眉の間の皺が伸びた。
私は海が好きだった。特に理由は無いが、少なくとも真夏に海はいいものだ、そう思っている。同じように思っている人も多いだろう。これから海に飛び込めたならなおさら良かったのだが、私のバッグの中身にはあいにくと水着は入っていなかった。 裸で飛び込むような勇気はないし、服のまま飛び込むような気もさらさらない。
それにその前に訪ねなければならない場所がある。知らない仲では無いものの、これから世話になる家にいきなり濡れ鼠で参上するのは明らかに礼に欠いているだろう。そこまで礼儀も恥も知らないわけではない。それにこれからこの町に住むのだ。泳ぐ機会なんていくらでも作れるさ。
 夏はまだ始まったばかりだ。
 ベンチに下ろしていた腰を上げる。潮風から少しばかりの活力を貰った私は、ボストンバッグを握りなおして目的地に歩いていくことにした。


一応区切りがいいとこまで

1641イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/31(木) 06:08:55
情景描写というよりいいわけ(説明文)にとどまっている。
改行の位置が悪い。
主人公の能動的な気持ちが読み取れない。

1642イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/31(木) 10:03:16
何かってどこだよ
せめてだいたいの目安はつけとくべき。
細かい情景描写だと賞を取れるとでも思ったか?

こんなとこか

1643イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/31(木) 20:20:33
>情景描写というよりいいわけ(説明文)にとどまっている。
>主人公の能動的な気持ちが読み取れない。

>細かい情景描写だと賞を取れるとでも思ったか?

ありがとう
細かいだけじゃ何も伝わらないんだね
難しいな

>何かってどこだよ
確か電撃だった気がする

1644イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/31(木) 20:24:16
細かさの意味をはき違えてる。

例えばだ、登場人物が階段を昇る描写があったとする。

右足を上げて体重を移動し、しかるのちに右足を階段のステップに乗せて――

みたいな描写を読みたいと思う?
必要なのは印象的な描写であって、細かさというのはその印象を強めるための補足事項に過ぎない。

1645イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/31(木) 21:19:35
↑にまったく同意。

もっと右脳を鍛えなさい。感覚的になること。
畑違いだが、マンガでいう「切符を買う」という状態。

つまり主人公が電車に乗ってるシーンを描くだけで、よっぽど特異な状況じゃないかぎり、もう「切符を買っている」とみんな判るのに、
わざわざ「切符を買う」コマを描くとする。
するとそのネームはぐだぐだで読者を飽きさせるモノになる。

あなたの文章はムダが多すぎる。
むしろ細かくするよりも、1センテンスでどれだけ判らせるか、
感じさせるかだと思う。

通りすがりえらそうにスンマセン。

1646イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/31(木) 21:24:08
>>1639
えっと、まず、細かいけれど大事なこと。

>俺が降りるのを見ると
>私は海が好きだった。

一人称の主語は統一してください。主人公が解離性同一性障碍の患者で、場面ごとに人格が入れ替わっているというのなら別ですが。
あと、主人公の年齢、性別が全然つかめません。説明をいれろとまでは言わないですが、匂わせるくらいはしてください。

それと、視覚の描写を追いすぎです。>>1644のいうとおり、細かい描写というよりも「余分」が多い。

>しかしたった今降りたバスの前に乗り継いで来た電車は、図ったように降りた先降りた先にすぐに乗り換えの電車がやってきた。
>ベンチに座るとちょうど目の前にはさきほど降りたバスがある。
>これから海に飛び込めたならなおさら〜服のまま飛び込むような気もさらさらない。

いらない。

余分を全て捨てるのがいいわけじゃないと思う。俺も比較的くどい文章を書くほうだし。
ただ、だらだらと続く情景の中の「余分」は無用。例えば映画の手法とかで、登場人物の会話を映してたかと思ったらいきなりカメラが切り替わって小道具や遠景を映す、
そういった形の「余分」なら効果的。
そういう意味では「おばあさんたち」を描いたのはよかったと思う。

16471646:2006/08/31(木) 21:36:53
補足

>これから海に飛び込めたならなおさら〜服のまま飛び込むような気もさらさらない。
これをいらないと言ったけど、正確には
「最初からその気がないのなら言うなよ」
といったところ。
なんとかうまいこと表現を変えて「主人公が海が好きで、現在泳ぎたい衝動に駆られていて、それでも諦めを得ざるしかない」
ということを伝えられたらと思う。

1648イラストで騙す予定の名無しさん:2006/08/31(木) 21:46:51
>>1639
>>1639-1640までを総合するとさ
「あまり遠出をした事がない、なんとなく海が好きな主人公が、
熱い日にボストンバック担いで電車を乗り継いでからバスに乗って、
海が目の前に見える停留所で降りたら二人のお婆さんと擦れ違い、
時計が四時を指している頃に木陰で休んでから目的地に行く」
という「お話」なわけ。

だいたい4KB使ったって事は、1KB500文字だからその四倍で2000文字。
40*34原稿が1360文字だから、改行や空白を考えるとだいたい二枚分なわけ。
これをラノベにすると四頁なわけ。

All You Need Is Killだったらヨナバルが即死してるし、
ネクラ少女はクラスメイトに心の中で毒を吐いてるし、
ドクロちゃんは桜くんの脳髄をエスカリボルグで吹っ飛ばしてるし、
はじめ君は自分の脳みそを運ぶ宇宙人がヤク○トで酔っぱらうのを目撃してるわけ。

何が駄目か自分で考えるわけ。

1649やっぱり長いけど、よろしく 1/4:2006/09/03(日) 00:02:07
 
 唐突ですが>>1312-1317の続きです、章が変わったと思って読んでください。

 分厚い雲の切れ間から、ようやく顔を覗かせた赤い満月が、地上に淡い光を投げ掛ける。
 不吉な赤い月光に照らされて、夜の帳に包まれた公園に、二つの人影が浮かびあがった。
 一つは、背の高いスマートな影。その影は、黒のイタリアンスーツに身を包みでいた。派手な
シャツは、胸元をはだけ着崩し、その首元には金色のアクセサリーが光っていた。
 一見、ホストを思わせる風体だが、その顔は、色男と言うには程遠かった。いや、それ所か人類
の範疇からも大きく逸脱していた。
 狼を思わせる、その異形の相貌の主は、人狼――。この世の影の中に蠢く、妖魔に連なる闇の
眷属。
 人狼の紅玉にも似た、その凶眼から放たれる光りは、憤怒、怨恨、殺意、そして狂気。それら
負の感情を視線に込めて、もう一つの人影に叩きつけていた。
 人狼の視線の先、相対するように、もう一つの人影が立っていた。人狼よりも更に背の高いそ
の人影は、少年の姿をしていた。
 タンクトップにジーンズ姿の、その少年は、体こそ大きいが只の人間の様に見えた。しかし――。
その肉体が、その表情が、少年が只者で無い事を、無言の内に、証明していた。
 シルエットだけでも判る、彫刻像を思わせる、鍛え上げられた鋼の様な隆々たる肉体。
 ボディビルの様に器具を使ったトレーニングだけでは、決して得る事の出来ない、柔軟性に富ん
だしなやかな筋肉は、それが人に見せびらかす為の”飾り”ではなく、戦いの為の”武装”である事
を示していた。
 そして、その顔に浮かぶ表情。人狼から叩きつけられる憤怒、怨恨、殺意、狂気と言った、負の
感情を正面から受けながら、それら全てをねじ伏せて、笑っていられるこの少年が只者であろう筈
がなかった。
 両者は、7メートル程の間合いを置いて対峙していた。
 人狼は、少年を見据えたまま、上体を屈め前傾姿勢を取っていた。その様は、あたかも獲物に
襲い掛かろうとする、狼の如く。
 一方の少年の方は、右肩をぐるぐると回して、まるでこれから人狼とキャッチボールでも始める
のではないかと思わせる風情だが、しかし、その目は、一瞬たりとも人狼の姿を外す事は無い。
 両者の戦いは、既に始まっているのだ。少年と人狼の間には、可視不能の火花が飛び散り、緊張
感が両者の周りの空間を凍らせた。風のざわめきすらも息を潜め、静寂の中、両者の息づかいだけ
が、時を刻む。永遠とも思える、一瞬が続く。
 ザッッツ!
 唐突に人狼が動いた、地面を蹴って走る!残像を残しつつ砂塵を巻き上げ、風を切り裂き走
る様は、まさに肉弾!7メートルの間合いを瞬時に詰めて少年の顔面に左の手刀を叩き込んだ。
 ブィン!
 人狼の手刀が少年の顔面を捕らえたかの様に見えた。――が、人狼の手刀は空しく宙を切り裂
いただけだった。
 回避不能と思えた人狼の必殺の打ち込みを、少年は、左に一歩、距離にして僅か90センチ動
いたでけで躱したのだ。
 たった一歩、だがその一歩で、右腕を欠いている人狼の攻撃範囲の死角に入る。
「!?」
 人狼の異形の顔に驚愕の表情が浮かぶ。そして次の瞬間、その顔は苦痛に歪んだ。 
 ドンッ!
 少年の腰溜めの左掌打が、人狼の右わき腹にめり込んだのだ。
「グェエッ!」
 呻き声を漏らし、人狼はよろめきながら後退った。それに合わせて、少年は一歩踏み込むと同時
に、左足を振り上げた。左の上段回し蹴りだ。

1650やっぱり長いけど、よろしく 2/4:2006/09/03(日) 00:03:08
 独特の山形の軌道を描き、振り上げられた蹴り足は、上から下ヘ叩きつける様に振り降された。
 その回し蹴り―いや、縦蹴りと言うべきか―は、ブラジル人空手家が多用するブラジリアンハイ
キックと呼ばれる蹴りによく似いていたが、切れ、スピード、伸び共に、少年の蹴りは、常人のそれ
を遥かに凌駕していた。
 風を切り、少年の左足が人狼の顔面を襲う。
「ガァアッ!!」
 態勢を崩しながらも、人狼がその巨大な口を開いた。少年の蹴り足に喰らいつこうというのか!?
「フン、しゃらくさいぜ!」
 瞬間、少年の蹴り足は、空中で身を翻す飛燕さながらに、軌道を変化させた。左の上段回し蹴り
は、スピードは、そのままに、中段回し蹴りへと姿を変える。
 ドスッツ!
 再び、少年の蹴りが人狼の右わき腹にめり込んだ。しかも狙っていたのか、寸分違わず、掌打を
打ち込んだのと、同じ部分だった。
 開いたままの口から、ヨダレと血玉を撒き散し、人狼は体をくの字に折りまげて3メートル以上、
吹っ飛んだ。少年は、更に追い討ちを掛けるべく、間合いを詰める。
 空中に飛ばされ、そのまま地面に激突すると思われた人狼の体は、地面スレスレの所でクルリ
と体を返すと見事に着地して見せた。人間では、ありえないその体捌きは人外の獣の運動能力の
成せる技か。すかさず身を起こすと、走りこんでくる少年にカウンターの中段蹴りを放つ。
「チィッ!」
 ズザッザザ――
 少年は、スニーカーで地面を耕して急制動を掛つつ、上体を退け反らした。 
 ブゥウンッ!
 人狼の黒い革靴がが少年の胸板を掠めた。蹴り足の起す風圧が少年の前髪を揺らす。
 少年は、紙一重で人狼の蹴りを躱したかの様に見えた。しかし――。
 ズサッ!
 その時、黒い革靴のつま先を衝き破り、五本の黒々とした鋭い爪が30センチ程、伸びてきた。
その内の一本がタンクトップを切り裂き、少年の左胸、心臓の辺りに傷を刻み付けた。
 が、浅い。人狼の爪は、少年の分厚い大胸筋に浅く傷を付けただけだった。
 少年は、間合いを開くべく、後方に二歩、飛び退いた。人狼もそれに倣うかの様に一歩、退き、
再び両者は、7メートルの距離を置いて対峙した。
 パラッパラパラ――。
 一瞬、遅れて、両者の超高速の動きによって巻き上げられた砂塵が、夕立の様に地面を叩いた。
 常人には、その動きを目で追うことすら敵わない、神速の攻防だった。
 しかし、それにしても、少年は、この少年は、一体何者なのだろうか?人外の魔物である人狼と
互角以上に渡りあうスピード、技の切れ。少年の技量は、武術、武道の達人といったレベルをも
遥かに超越した次元にあった。或いは……或いは、この少年もまた、人の姿をした獣なのかもしれ
ない。
 その獰猛な笑みを崩さないまま、少年は、チラリと自分の胸板に目を遣った。胸の中心から左胸
にかけて15センチ程の裂傷が走っていたが、傷の深さは、精々3、4ミリ程度の浅い物だった。
 少年は、右手の人差し指と中指の伸ばすと、まるで投げキッスでもするかの様に、人差し指と中指
を唇に付けた。そして、そのまま人差し指と中指を、胸の傷口に宛がうと、傷口をなぞる様に、動かし
た。すると、指が動いた後、傷口は消え去り、その跡には、ピンク色の真新しい地肌が覗いていた。
 少年は、再び顔を上げると、人狼に兆発的な視線を送った。
「へっ!、使い間風情がなかなかやるじゃねーか!それじゃあ、もう少し楽しませて……」
 そこまで言うと、何故か少年の笑みが一瞬、揺らいだ。
「………いけねぇな、どうも。この血は、この体は、戦いを楽しんでやがる……今は、そんな気分じゃ
ないのにな」
 獰猛な笑みは、何時の間にか、自嘲めいた苦笑に変わっていた。

1651やっぱり長いけど、よろしく 3/4:2006/09/03(日) 00:03:58
 不意に、人狼が土下座したかの様に地面に這いつくばった。無論、少年に許しを乞うている訳では
ない。四肢―今は、右腕を失って三肢となっているが―で、地面を踏みしめる事により、強
力な反発力を得る為だ。
 人狼の体が、矢を番えた弓の様にしなる。服の上からでも、その筋肉がギリギリと音を立てて
引き絞られているのが判る。
「…グルルルル!」
 牙を剥き、喉を鳴らして、人狼が少年を睨む。真紅の視線がビームの様に少年の顔を射抜く。
 それを受け、再び少年の笑みは、獰猛なモノとなった。
「ケリを着けよう、てか?……フン!いいだろう、相手になってやるぜ!」
 少年は、右足を半歩前に出し、左足は、一歩後ろに下げ、体重を右足に乗せて腰を下げた。
そして、右手の一指し指と中指を合わせて立てると、それを人狼に向けた。
「…テメェにまだ人語を理解出来る理性が残っているのであれば、御神楽神勢(みかぐらかぜ)と
いう名を覚えてろ。テメェをあの世に送る男の名……つまり俺の名だ!黄泉路の船頭にこの名を
告げれば超特急で地獄に送ってもらえるぜ!」
 伝法に言い放つと少年……神勢は、人狼に向けていた右腕を折り曲げて、右手の人差し指と
中指を左肩に付けた。まるでプロレスの水平チョップを繰り出す前のポーズだ。さらに腰を捻って
右肩を人狼の方へ向けると、神勢は不敵な面構えで人狼を見やった。
「さあ!、おっ始めようぜ!」
 睨み合う両者。途端に、周囲の空気が重くなり、痛い程に研ぎ澄まされていく。
 両者とも睨み合ったまま、ピクリとも動かない。まるで時間が凍りついたかの様な錯覚を覚えた。 
 静止した時の中、不意に両者を照らしていた月光が陰った。赤い満月が雲の中に姿を隠したのだ。
 再び、薄闇が世界を覆い隠す。 
 その瞬間――
「ウォオオォオオゥン!!」 
 咆哮と共に、風を引き裂き、人狼が駆けた。
「おぉおおぉお!!」
 雄叫びを上げ、闇を貫き、神勢が跳んだ。
 ゴオッオッオオオオ!!!
 両者の影が、交錯した瞬間、風の唸りが轟き、空気を震撼させた。
 そのまま、両者の影はすれ違うと、ちょうどお互いに対峙していた場所を入れ違える様に止まった。
 一瞬の間………、そして――
 ブシュアッ!!
 影の一つから、音を上げ、墳血が噴き上がった。夥しい出血に、周囲に血の匂いが立ちこめる。
 その時、きまぐれな満月が再び姿を現し、月光が薄闇を溶かしていく。
 墳血を上げいたのは、人狼だった。人狼の体には、肩口から袈裟切りに、鋭利な刃物、大刀か
何かで切り裂かれたかのよう創傷が走り、半ば胴体を切断していた。
 傷口から鮮血と臓腑をぶちまけて、口から吐血しながら人狼はヨロヨロと振り向いた。
 明らかに、絶命しているにも関わらず、それでもなお獲物を、神勢を求めるのは、魔獣のサガか?
背を向けたままの神勢に向けて左手を伸ばした――が、そこまでだった。グラリと身を傾がせると
ゆっくりと人狼は地面に崩れ落ちた。人狼の周りにルージュの海が広がって行く。
「……御神楽兵法、空ノ刃」
 振り向かないまま、神勢は言った。それが、人狼に体を断った技の名か?
 右手の人差し指と中指を数ミクロンの間を開けて固定し、右腕を超高速で振りぬく事によって
指の間にカマイタチを発生させ、人狼の体を切断したのだ。
 しかし、文字で表すは容易いが、実際にカマイタチを発生させる為に、一体どれだけ肉体を酷使
しなければならないのか。そしてそれがどれだけ肉体に過酷な事なのか、小刻みに痙攣を起して
いる神勢の右腕を見れば想像がついた。
 その痙攣を、腕をグルグルと振りまわすという乱暴な方法で、無理やり止めると、神勢は
ジーンズのポケットに手を突っ込み、携帯電話を取り出して、通話ボタンを押した。
「……俺だ、終わったぜ、ちっとばかり派手にやっちまったから、後始末を頼む。場所は、分かる
よな、それからさっきの……そうか身元が分かったのか……ああ、分かった。それじゃ俺は先に
フケさせてもらうぜ」

1652やっぱり長いけど、よろしく 4/4:2006/09/03(日) 00:04:36
 手短に要件を言って携帯を切ると、神勢は大きく溜息を吐いてから振り向いた。
 人狼の遺体を一瞥する神勢の顔には、神妙な表情が浮かんでいた。真理に見せていた悪ガキ
の様な表情や、人狼に見せていた不敵な表情に比べると幼く見えたのは、それが神勢の初めて
見せる、歳相応の表情だったからかもしれない。
「……こんなのが手向けになるなんて思っちゃいないけど、仇は取ったぜ、安らかに眠ってくれ」
 それは神勢が助けることの出来なかった、あの女性に向けた言葉だった。
「あーっ!やっけてくれたんだー!」
 いきなり、神勢の感慨や余韻をぶち壊す、脳天を衝くようなキンキン声が木霊した。
 声の主は、確認するまでもなく真理だった。神勢はウンザリしながら声の方に顔を向けた。
 どうした訳か真理は、少し離れた芝生の所でペタリと座り込んでこちらの方を見ていた。
「お前、逃げたんじゃなかったのかよ?」
「あははは、安心したら腰が抜けちゃってさ……」
「ふーん、あそ、じゃな」
 あっさりと言うと神勢は真理を無視して歩き出した。
「ちょ、ちょっと待ってよ!、か弱い女の子をこんな所に置いてくつもり!」
 真理は、気味が悪そうに人狼の遺体とチラリと見ると、縋りつくような視線を神勢に送った。
「しばらく待ってりゃ、人が来る。そいつ等に助けてもらえよ」
 取りつく島もなく言い放つと、神勢はどんどんと歩いていく。
「あ、あんた!さっき言ったでしょ!、男てのは女を守るもんだ、特に私みたいな美少女は、って!」
 ハタっと神勢の足が止まった。微妙にセリフが違っている気もしないでもないが、確かに神勢が
さっき言った言葉だった。
「…御神楽家、家訓、御神楽の男子は、一度口外した事柄は、それがどんな瑣末な事であれ、一命
を賭して遂行すべし、か…くそぅ、恨むぜ、ご先祖さま」
 ボヤクようにそう言うと、神勢はボサボサ頭を一掻きしてから、面退くさそうに真理の所に歩いて
行くと、座り込んでいる真理を引っ張りあげようと手を伸ばした。すると真理は上目づかいに神勢を
見ながら一言、
「……お姫さま抱っこ(はーと)」
 ピシッと言う音と共に、神勢の眉間に皺が刻まれた。が、反論のも面独臭くなったのか、そのまま
無造作に真理を抱え上げた。
 軽々と抱えあげらた真理はキャキャと奇声を上げながら破れたタンクトップから覗く分厚い胸板を
つんつんと指で突ついている。そんな真理を無視して、神勢は公園の出口に向かって歩いていく。
「……あたし、草むらからあんたがアイツと戦ってるとこ、見てたんだけど、あんたちょっとカッコよかっ
たよ」
 そう言いながら、チラリチラリと神勢の顔を仰ぎ見る真理の視線は、妙に粘っこく熱っぽい、それは
いわゆる”恋する乙女”の眼差しだった。
 ピシッピシッと音と共に、神勢の眉間の皺は日本海溝よりも深いモノとなった。
「あー、ハッキリと言うけどな、俺はお前みたいなタイプの女が大嫌いなんだ、悪いがな」
 率直すぎるほど率直に神勢は言った。その言葉を聞いて、真理は子猫の様な大きな瞳を、更に
見開いた。
「!………も〜〜ツンデレなんだから!、そういう素直じゃない所も、ちょっといいかも(はーと)」
「………て、オイ」
 神勢は、目の前クラクラする思いだった。そんな神勢に、更に追い討ちを掛ける様に、真理は
言葉を続けた。
「ねぇ、ねぇ、ところでさぁ〜、あんた一体何者なの?」
 今更な質問を真理は口にした。神勢は、もはや考えるのも面独臭くなったのか素っ気無く一言、
「見ての通りの、通りすがりの只の退魔師だ」  
 と、ぶっきらぼうに言い放った。

 長々となりましたが、よろしくお願いします。
 最後に、>>1318>>1319>>1320>>1321お礼をするタイミングを逸して、今更になりましたが、
 御批評ありがとうございました。これからの執筆の参考にさせていただきます。

1653イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/03(日) 00:59:18
>或いは
もう毎度になるが、開け
然しとか但しとか漸くとかこの手のものに当てはまるパターンは多いから気をつけて。
訊くも常用外ではあるんだが「質問する」という意味合いを持っていたりするから、こういうのは微妙。

んで、本題ね。
強度の表現が貧弱! 貧弱! 貧弱!
「スゲェ!」とか「マジヤバ!」とか言っているのと(作家を目指すものとして)同レベル。
ゴォォォォとか安易に使いすぎ。こういうのが「表現の安っぽさ」を割り増しさせる。
で、普通の文章にしても「超高速」のすぐ後に「超越」と来ている。
はぁ「超スゲェ!」んですね、と言われてもしょうがない。
とりあえずテンプレサイト巡礼に行ってらっしゃい。他のテクニカルなところは他の人へパス。

それから、キャラクターが安っぽい。ストーリーもありきたり。
まぁ、こんな一部だけを見ていえるようなことではないがな。この部分だけではハッキリとそう言える。
君の文章を一言で批評(なんかいやな言い回しだな)「安易」。以上。

>>1648
どっかで聞いた事ある口調だと思ったら、
肌と腹が黒い、痴女じみたシャーマンか。ちがった?

1654イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/03(日) 05:52:41
批評お願いしてもいいですか?ごくごく一部です
---------------------------------------------------
 そのあとは……
 先輩達の稽古風景を見てて、なんか、萎縮しちゃってた。
 だって、なんか、みんなハキハキ大きい声出してて。
 すごい熱気っていうか……
 ――ううう、すいません。
 とにかく、誰かに謝りたい気持ちになっちゃって。
 私、ちょっと、舐めてた。
 ウチの近所の小劇団。
 とっかかりには、じゅーぶん!
 ぐらいな、軽い気持ちだったにも、関わらず。
 想像以上に本格的なんだもん!
 よく見たら、女の人でも結構いい体つきの人が多いし。
 筋肉、マッスル!って感じじゃないんだけど、キュッと引き締まってて。
 なんかこう、カモシカ的な……
 キレイなボディラインの人が、多いこと多いことっ!
 私なんか、すごく貧弱なカラダ。
 ハッキリ言って、筋肉ナシ。
 というか、運動ニガテ。
 50メートル走、確か最速、13秒……だっけ?
 かなりの不安を感じつつ、お芝居をする先輩達を、じぃーっと見て。
 そっか……稽古するときは、ジャージとかスウェットとか。
 動きやすい服装がキホンなんだ。
 ――考えてみれば、そりゃそうだ……
 何で私は、こんな場にスカートで来ちゃってるんだろぉぉ。
 場違いだ……
 服装とかを教えてもらってなかった、ってのもあるけど。
 そんなこと、基本中の基本だった、ってことなんだろーな……
 と、とにかく、せめて、カタチから入んなきゃ!って内心焦りながら。
 頭の中に、メモメモ……稽古用のスニーカーも買わなきゃ……
 私って、根っからインドアな人間で。
 こうしてアクティブな稽古を傍から見ているだけでも、こんなに刺激的な世界。
 ……っていうか……刺激的すぎて……
 挙動不審になってきた――――っっ!
 なんのトリエもないような私には、もう、すっごい華やかな世界に見える。
 というより、別次元の世界に紛れ込んじゃったっていうか……
 宇宙っていうか……
 チャレンジ精神以前の、モンダイで。
 紛れ込む世界、間違えたかもしれない……
 ひょっとして、ここはブラックホールなのでは?
 ※別シーンに続く

1655イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/03(日) 06:00:05
「すみません……ちょっと、気分が悪いんです」
 その会話を聞いて、こっちに歩いてきた人は……
 トーマさん。
「体調、悪いのか?」
「……」
 ――――答え、られない。
「おい」
「……」
「森下、そんなに体調悪いのか?大丈夫か」
 とうとう、トーマさんは。
 氷室さんと並んで、私の目の前に立った。
「貧血かもしれないわね」
「貧血なら、しばらく寝かしときゃ治るだろうけどなぁ……。お前……おいおい、フラフラ、してる、って!」
 ぐらあっ。
 バランスを崩した私の身体を、トーマさんが支えようとした瞬間。
「やめてくださいっっ!」
 私は叫んで、そのまま膝から倒れこんで。
 床に、うずくまってた。
 氷室さんが、心配そうにしゃがみ込んでくれる。
「相当、体調悪いみたいね……今日は、早退したら?」
「……はい……そうします」
 答えて。
 立ち上がろうとした私の腕を……
 ひょいっと、トーマさんが掴んだ。
 またも反射的に、心と身体が、それを拒絶する。
「やめて、ください……」
 トーマさんは。
 至って、普通の表情で言う。
「やめてくださいって、お前、まともに歩けねーじゃん」
 やめて……
 また、先輩達に、私……
「とりあえず、外でタクシー拾った方がいいな。手空いてる奴、手伝えよ。こいつの荷物と靴、入り口まで持ってこい」
 また、あんな思いをするのは……
 イヤ……
「肩貸してやるから。頑張って、少しは歩けよ。――氷室、こいつ運んでくるわ」
「わかった」
 やめて……
 離して、離して……
 さっきの先輩達が……見てる……
「……っ」
 抵抗しようとしたけど、全然、身体に力が入らない。
 私、そのままトーマさんの肩を借りて、歩かされてしまって……
 内心は、絶望的な気分だった。
 またひとつ、火種。
 トーマさんの優しさよりも、何よりも、火種が増えてしまったことが悲しくて。
 次の稽古の時に……また、このことで何か言われたら。
 仮病だったんじゃないの?なんて……言われてしまったら。
 その時は……どうしたら……
「おい」
「……え?」
 いきなりトーマさんが、近くで話しかけてくる。
 朦朧とした中だけど、耳元ではっきり聞こえるトーマさんの声。
「何か、気負ってることでもあんのか?」
 ――――。
 心配、してくれてる。
 純粋に。
 ただ、ただ。
 心配してくれてるんだ……
「人生相談とかなら、聞かねーけど。もし芝居で悩んでんなら、少しは力になれる」
 今、本当の意味で。
 トーマさんがモテる、というのが。
 ただ単にカッコいいからなのでは、ないんだ、って。
 理解できたような気がして。
「人生悩み相談なら、あいつにしろよ。氷室。あいつも苦労してっからなぁ。気の利いたコトワザのひとつも、出してくれんだろ」
 何故かは、分からないけど。
 ぽろぽろ、ぽろぽろ。
 涙がこぼれた。
「へっ?」
 トーマさんがギクッとした顔で、目を見開く。
「お、お前、何、泣いてんの……!?」
 私、慌てて、首を横に振って。
「違うの。違うんです。うれしいだけなんです。本当に」
「な……なら、いいけど」
「……あの……」
「――あんま無理して喋んなくても、いいけど」
 どアップのトーマさんが、視線をこっちに向ける。
「大丈夫です。少し落ち着いてきました」
「そうか」
「私……やめたくないんです」
「何を?」
「ここを」
「……お前、入って1ヶ月も経ってねーだろーが」
「ハイ。だから、やめたくないんです」
「……普通、そーだろーなぁ」
 稽古場の入り口が、近付いてくる。
 タクシーが、停まってる。
 入り口の方で、私の荷物を持った人が、手を振ってる。
「――私……、また来ても」
「あ?ごめん、ちょっと聞き取れなかった」
 私は、すとん、とトーマさんの肩から降りる。
「また、来ても、いいですか?」
 そしたら、トーマさん。
 声を出して、笑った。
 そして、呆れたような顔になって。
「何言ってんだ、お前。変な奴。来たけりゃ勝手に来い。お前が決めることだろ?」
----------------------------------------------
こんなところです。よろしくお願いします。

1656イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/03(日) 09:18:25
これ・・ネタか?
釣られるべきか?

1657イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/03(日) 09:22:34
>>1649
前に批評されたとこ直した?
>>1318>>1321で指摘されたとこ、まったく変わってないけど?

なんていうか悪いけど文全体から昭和のかほりが漂ってるよ・・・
台詞とか、人物の服装の描写とか、ストーリーそのものもすべてが1980年代ですよ。

>金色のアクセサリー(今時のホスト風は金アクセなんかしない。ヤクザならする)
>投げキッス(・・・)
>「それじゃ俺は先にフケさせてもらうぜ」(フケる、という単語自体が古い)

もしかしてそれが狙いなのかな?だとしたらある意味成功してるが。

文章は読みやすいと思う。でも表現方法は使い古されたものばかりで
読んでいて新鮮味がまったくない。

1658イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/03(日) 13:01:46
>>1654
基本からやりなおしてこい。
話はそれからだ。

1659イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/03(日) 16:45:15
>>1649
>ようやく顔を覗かせた赤い(ry

「ようやく」は余計。この言葉は主観性が伴わなければ意味がない。

>人狼よりも更に背の高いその人影は、少年の姿をしていた。

人狼ちっちゃ!!

>まるでこれから人狼とキャッチボールでも始めるのではないかと思わせる風情だが

言いたいことは分かるけど、キャッチボールを例えに出さなくてもそういった構え方は既にありふれてるから、
「緊張してない」とかその程度で十分。この辺を自分の個性と勘違いしているのかもしれないけど、単なる無駄。

>ザッッツ!

that's

>ブィン!

たまにこういうおならの音ってするよね。

>距離にして僅か90センチ

肩幅どんくらいか知らないけど、おそらく人一人分動いてるから「わずか」ではないと思う。

>回避不能と思えた

誰が思うのこれ?

静かなシーンで雰囲気を出せず、戦闘シーンで迫力を出せない。
もうちょっと読み手の事を考えて作るべきだと思うけど。

>>1654
目が滑った。
自分の中で完結し過ぎ。

1660イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/04(月) 01:01:30

 >>1653>>1657御批評ありがとうございます。

 >君の文章を一言で批評(なんかいやな言い回しだな)「安易」。以上。

 やはり、見る人が見れば、一発で分かってしまいますね。
 これは、大昔に設定もロクに考えないで勢いだけで書いた物に、ちょこちょこと描写を付け足した
 物です。
 バックボーンなんかも設定していない、ぺらぺらに薄いキャラに、安直でありがちなストーリー展開、
 テンプレートを切り貼りしたような、ありがちな描写。はい、自覚してましたorz
 自覚しているなら、何とかしろとよと、つっこみが入りそうですが、それっぽい、描写で誤魔化せる
 かな、などとなめた事を考えてました。やはり、読者を舐めてはいけませんね。

 >台詞とか、人物の服装の描写とか、ストーリーそのものもすべてが1980年代ですよ。
 
 これの元を書いたのは97年頃なんですけど…orz
 その頃、ソノラマの菊地秀行作品に、ハマッていてそれの影響をモロに受けています。
 強烈な80年臭は、そのせいかなと。
 
 >もしかしてそれが狙いなのかな?だとしたらある意味成功してるが。

 古い文章の方に、合わせて改稿しています。1/3ほど新しく継ぎ足していますが、読んでいて違和感
 がないのなら、成功と言えば、成功です。

 ただ、今回は、意識して古い文章に合わせていますが、自分の文章が、古臭い事は、自覚しています。
 私は、出戻りワナビで、数年間、ラノベはおろか一般小説も、読んでいません。その為、センスや感性
 が古いまま、錆ついちゃってます。一応、最近のラノベを、読んで研究はしていますが。

1661イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/04(月) 20:46:02
一つ質問。


 うだるような炎天下の中、城へと続く街道を、騎士ギルベルト・マルデンは馬を駆っていた。
 大柄で逞しい体を鎖帷子で包み、その上から軍衣を着ている。兜はかぶっておらず、燃えるような赤い髪と髭に覆われたいかつい顔は剥き出しだった。その後に、従者のヨアヒムが御す馬車が続いている。
 強い光を放つ暗褐色の目で、騎士は周囲を見回す。畑にはまだ人影はなかった。
「お前さま!」
 横合いから大声で呼び掛けられ、騎士は右手を振り向いた。
「おう」
 思わずギルベルトは声を上げる。
 街道沿いに流れる川の向こう岸、小さな水車小屋の陰に、イレーネと妻のメイディアの姿を見つけたのだ。すぐさま馬首を巡らせ、川にかけられた橋を渡る。
「こちらにおられましたか、姫」
 巨体を感じさせない軽捷な動作で馬から下りると、ギルベルトはイレーネに騎士の礼を取った。
「何があったの、ギルベルト?」
 問うイレーネの声は固い。
 ギルベルトは旗騎士として、ウインクルム領に残った留守役の騎士たちを取り纏めている。北の大門に詰めているはずの彼が自ら馬を駆って城に向かうというのは、余程の事に思われたのだ。
「実はですな――」
 丸太のような腕を組み、ギルベルトは少し言いよどんだ。さて何から話すべきかと、迷っているようだった。
 髭のため年配に見えるが、ギルベルトはまだ三十前である。そういう表情をすると、年齢相応の若さが顔をのぞかせた。
「……こちらを御覧になっていただくのが早いでしょうな」
 ようやく追いついたヨアヒムの馬車を指し示すギルベルト。馬車の荷台には藁で即席の寝台が作られており、一人の若者が横になっていた。
 おそらく意識がないだろう。両目は硬く閉ざされており、ひび割れた唇からは苦痛の呻きが上がる。だが何よりイレーネの目を捉えたのは、木の葉を思わせる形の、細く尖った耳だった。
「エルフ……」
 呆然と呟くイレーネ。
「先ほど、深手を負った姿で大門に現れました。取り合えず、血止め等の応急処置は施しましておりますが」
 閉鎖的で、他種族と交わろうとせぬエルフが、人里に助けを求めてきたというのだ。一体、何事があったのだろうか。
「分かったわ、わたしも城に戻ります」
 頷くと、イレーネはメイディアとヨアヒムの手を借りて荷馬車に乗った。
「ギルベルトは城への先触れを。メイディア、あなたは修道院に行ってブリエンツ司祭さまを呼んできて」
「承知」
「了解しましたよ」
「急ぎましょう、姫様」
 てきぱきと指示を出すイレーネに、一同が答える。
 イレーネの母マリアは五年前に他界しており、父オトカルはそれ以来、後添えを貰っていない。オトカルが出征の途についている今、残された民と領地を守るのはイレーネの勤めだった。
 その時、またもやイレーネは目を細めた。
 風が、吹いた――
「どうなされました、姫様?」
「ううん、何でもないのよ」
 ヨアヒムが朴訥なつくりの顔に心配気な表情を浮かべているのを見て、イレーネは慌てて手を振る。だが、内心は穏やかではない。
 今の風に乗っていた悪意に満ちた嘲笑を、イレーネは確かに聞いたのだ。


こういう風に、途中で視点が人物から人物にスライドするのはNGだろうか?

16621651:2006/09/04(月) 20:49:16
3段落目と5段落目の『騎士』は『ギルベルト』に脳内で差し替えてください。

1663イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/04(月) 22:15:19
↑の文章を自分が読んだ時は、特に違和感なく自然に読めました。
わかりにくくなければ、いいんじゃないかと思う。

16641653:2006/09/05(火) 00:06:48
>>1661
視点のぐらつきが良くないと言われているのは、意味がわからなくなるから。
意味がわかればよい。ただ、文章作法原理主義みたいな人もいて、そういう人は気に食わない、らしい。
下読みの人がそういう人の可能性もあるから、乱発しないほうが無難かも?

>>1660
そういう事情ならしょうがないのでは? 技術的な問題を聞きにきたというより、ありかなしかを聞きにきているみたいだし。
ところで、今の表現っていう話があったけど、真理に年齢はないというし、純粋に文章力うpを目指せばいいんじゃない? 漱石とか今でも素晴らしいわけだし。
で、それだけじゃあれなんで、俺の言う強度の表現のお話。
斉藤環(だったと思う。東かも)によると、今の子どもたち(つまりラノベ読者層)は強度を伝え合うそうだ。
マジとかゲキとかテラとかギガとかピコとか多用している話を例に言っていた。
俺もなるほどと思って強度の表現に気を使っている。それで強度のことを言ったのです。
参考になれば。

なんか俺の文章高圧的だな。そういうつもりはないので、一つよろしく。

1665イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/05(火) 23:38:23
>>1661
主体はしっかりさせないと。誰を中心に(もしくは神視点)書くのか固定しないと分かりづらい。
始めギルベルトが、急にイレーネにすり替わって違和感を感じる。こーいう移動は好ましくないね。
部分的に1人称的なとこもあるし、神視点か主体視点かがハッキリしないのもモヤッとだ。

基本的に視点移動は、流れやシーンに区切りがついて、別のシーンにならないと駄目だろう。
分かりやすく言うと、俺のターン!〜でターンエンド→敵のターンって感じ。

1666イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/06(水) 14:25:45
>>1661
例えばA氏とBさんがいる。分かれ道があって別行動をした。右へいったA氏の話に区切りがついて、
一方その頃〜てな具合にBさんに移るのはおーけー。Bさんについてはスタート地点からでも、リアルタイムザッピング
でも、時間的・場所的な変化もあり。ただ段落ごとにA→B→A・・ってのはやめた方がいいやな。

とりあえずどんな効果を狙って視点移動、複数視点をやりたいのか聞きたいな。

1667イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/09(土) 03:37:09
>1661
そのていどの視点の移動は文章としては問題ないよ。

ただ、読者としては、騎士はどうなったんだ?と疑問に思う。
主人公が姫なら、どういう効果を狙って騎士の視点から始めたのかも疑問。

だから、手法としては問題ないけど、この例では使う意味がないと思う。
構成が下手、と思われるだけ。

16681661:2006/09/09(土) 13:31:32
遅くなりましたが、いろいろな意見をありがとうございます。

やっぱ途中で段落を分けて視点の変化を明白にするか、最初からイレーネの視点で書いたほうが無難のようですね。
推敲してみます。

1669イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/18(月) 09:40:20
ファンタジーのプロローグです。
よろしければ感想をお願いします。

 信じられない人物が目の前にいる。
 ゆっくりと近づいてくるその人物に出会った驚きで、マルスは剣の稽古を中断し、立ち尽くしていた。
 切れ長で細い目をした長身の堂々とした体躯の男。髪は長いが、後ろで束ねているので肩まではかかっていない。その全身を覆いつくした黒いマントが風にたなびいていた。
 顔はもう完全に大人になっているが、五年前に突如として行方不明になった実の兄テルスに間違いない。と、マルスは確信した。
「テルス兄さん!」
 もう会えないと思っていた兄に合えたことで、マルスは持っていた稽古用の剣を地面に放り出し、歓喜の表情でテルスに駆け寄る。鈍い金属音が地面に響くと同時に、テルスは歩みを止めその場で立ち止まった。
「お前がマルスか?」
 テルスは抑揚の無い声でマルスに話しかけてきた。
「そうだよ。五年もたったから見違えちゃったかな? 俺ももう十六だし。ほら、背もこんなに大きくなって」
 マルスが自分の頭に手を当て上に伸ばす動作をしている間に、テルスは腰の脇から静かに短刀を抜き出す。
 何事かと思い、テルスの顔を見上げるマルス。
 どこまでも無表情なテルスの顔。その額には、美しく輝く緑色の輝石がその存在を主張していた。マルスは短刀の事を忘れ、しばしその美しさに魅入られてしまった。
「兄さん、その宝石はいったいなんな……」
 マルスは最後まで言葉を発する事はできなかった。何が起きたのかわからず、自らの胸より流れる血潮を眺めながら、膝を折り前のめりに倒れる。薄れゆく意識の中で、マルスが最後に見たのは不敵に微笑むテルスの姿であった。
 
 ――誰かが自分を呼んでいる。
 所々耳に入ってくるこの声。マルスにとって昔から馴染みのある声だ。この声の主に呼応してマルスは目を明ける。目を明けると、その声の主が叫び声をあげながらマルスの体を揺らしていた。
 サラサラとした長い後ろ髪を赤く大きなリボンで束ね、腰までの長さにとどめている。顔の中で一際目立つ、他人より大きいその目は幼さを際立たさせていた。そしてその両眼からは涙がとめどなく流れている。その涙は少女が身につけているミニスカートに、吸い込まれていた。
 マルスの妹、リスティである。
「リスティ……」
「お兄ちゃん!」
 マルスが気がついた途端、リスティは一瞬笑顔に変わり喜んだが、すぐその後でマルスに泣きついていた。
「お兄ちゃん! お父さんが! お兄ちゃんが……」
 取り乱している二歳年下の妹をあやすように、マルスは両腕をリスティの背中にまわし優しく抱きしめる。
「大丈夫だ……兄ちゃんがついてる」
 震えるリスティを抱きしめながら、マルスは脳にいくつかの疑問をうかばせた。
(なぜ、兄さんは俺を刺した? なぜ、俺は助かった?)
 自分の胸をみても、刺された形跡はなく、それどころか服に血痕一滴ついていない。しかし、あの体験は夢なんかじゃない。マルスはそう確信していた。胸をえぐるようなあの感覚が夢ではなく現実なんだと思い起こさせるからだ。
 しばらくすると、リスティは落ち着いたのか、細々とではあるが、事の仔細を話し始めた。
「あのね……」

 家の扉を勢いよく開け放つと異臭がした。
 ――そんな、ばかな!
 ありえない、とマルスは思った。
(あの、父さんが、出鱈目に強い父さんがそんなことになるわけがない!)
 そのマルスの思いもむなしく、目の前の光景は現実を叩きつけてくる。
 マルスはフラフラとした足取りで家の外へ出て、そこで待っていたリスティに視線を向けた。
「お兄ちゃん……」
 心配そうな顔でマルスを見つめてくるリスティに、救いを求めるかのようにマルスは泣きついた。
「父さん……父さぁああん!」
 自分の中の悲しみを全て出し尽くすまで、マルスは泣き続けた。悲しみを出し尽くした後に残ったのは、兄テルスに対する限りない憎悪だけであった。

1670イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/18(月) 15:38:23
>>1669
「あ、そう」って感じかなぁ。
キャラに感情移入できるだけの描写がない状態で展開してるから、
兄に刺されようが親が殺されようが「ふぅん」としか思えない。

それと、「額の宝石のせいかもよ」ってのは読者を誘因する力に欠けると思うよ。古くさすぎる。
もちろん中盤か後半で「そう思わせておいて、実は違うんです」ってひっくり返す予定なんだろうけど、
そこまで読んでもらえないと意味ないし。

1671イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/18(月) 22:10:03
>>1669
悪い意味で展開が早いね。必要なことが説明されてない。
まず主人公はどこで稽古してるのかは普通書いてないといけないし、
「過去に兄が失踪したある程度の詳しい状況」「超絶的な父の強さ」も
この最初のシーンで書いておくべきだと思う。

自分でわかる範囲でいいから、必要なことを考えて書き足していくといいよ。

1672イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/18(月) 22:18:03
>>1669
まずファンタジー世界の土台が説明されていない。

物語世界は何でもありだから「ファンタジー」と一口に言っても、
SFやスチームパンク、ハイ・ファンタジーにロー・ファンタジーと沢山ある。
しかも社会構造や観念の違いというのもあるから、それを説明しないとならない。

まずは先入観を捨てて、真っ白な紙に一つずつ世界を描いていくつもりで書くといい。
そのプロローグは舞台を説明した上で展開しないとならない物語だから。

1673:2006/09/19(火) 09:20:41
40×34字で4ページの長いプロローグです。お手間でなければ
ご批評おねがいいたします。主人公達は高校生、一応は伝奇系の話として
考えています。

 去年の五月か六月の事だ。街を歩いていると、ぱらぱらと流れる人の流れの向こうに
見知った顔を見かけた。伊部崇だった。おとなしくまとまった髪型と地味な眼鏡、
頼りなげなたたずまいを見れば間違いない。啓耀学園高校に入学してからまだ日も浅いが、
剣持弓鹿はすでにクラスメイト全員と学年で目立つ生徒の顔を概ね覚えていた。
伊部崇はクラスでも印象の薄い方に入る。目立つのが嫌いなのだろう、いつも
肩をすくめるようにしているし、大きな声を出すのを聞いた事はない。
問題を起こしそうにも見えない――というのは、ひいき目に見れば
知性の匂いのする目を持っているように思えたからだが――。黙っていれば
十人中九人が目にも留めない、そういう人物だ。実際今日見かけて目に留まったのも、
言ってはなんだがちょっとした偶然と言っていい。
 日曜日の街の賑やかな雑踏の中で崇の姿がこうも目を惹いたのが何故か、
即座に理解した。挙動不審だったのである。腰をかがめ、道の端から人の流れに背を向け、
路地を所在なげに見つめている。何を考えているのか時々不安げに
周囲を見渡し、また視線を路地に戻す。路地の奥にあるものの正体を知りながら
足を踏み出しかねているといった風情だ。

1674:2006/09/19(火) 09:21:15
 見ていていらいらさせられる光景だった。優柔不断がどうの
男らしさがどうのとは言わないが、クラスメイトが町中で
不審げな様を晒しているのを見ると、自分まで恥ずかしくなる。
下世話ではあるが、気にもなった。素知らぬ顔で声でも掛けて、
ついでに問いただすか――。
 声を掛け損ねた。弓鹿が一歩踏み出すのと同時に、崇も恐る恐るに
路地に足を踏み入れたのだ。そして、これもまた即座に看取した。
崇の注意はあくまでも前方に向かっている。背中に降りかかる視線など
気にも留めていないくせに、妙に緊張している。
 興味をそそられた。崇の足取りも視線も、気後れはあっても
後ろめたさを感じさせないものだ。反射的に足取りを弛め、弓鹿は
崇に気取られぬ程度の距離をキープした。もちろん崇はそんな視線になど
気付きようもない。へっぴり腰でおどおどと、遊園地の
お化け屋敷を行くような足取りで路地を進んでいく。
 路地はそれなりに奥深く延びている。曲がり角もあればビルの裏口に積まれた
ビールケースもあるので視界はだいぶ遮られ、また裏通りという事で
掃除なども行き届いていない上に薄暗い。さまざまな意味で
人の目が届きづらい環境になっている。死角だ。街の構造そのものが
人払いをするように作られている。そんなところに気弱な優等生が
何をしに行くというのか。暗い好奇心に顎をくすぐられる。

1675:2006/09/19(火) 09:21:46
 するすると進むうちに弓鹿は異変を察知した。鈍く短い音が、
遠くから断続的に耳をノックする。鈍く、重く、水っぽい音。
崇は恐る恐る、だが迷い無く音の源へ向かっている。
 角を曲がったところで崇は足を止めた。いや、すくめた。
その視線の先でどんな事が起こっているのか、弓鹿の想像にも難くない。
殴り合いか、袋叩きか。だがそんなところにわざわざ首を突っ込んで
何をするつもりか。ビルの陰から頭半分だけ出して、弓鹿は崇を見据えた。
「……あの」
 自分の声に驚く崇はともかく、何故自分まで心臓が跳ね上がるような
思いをするのか。いささかの不条理を噛み締める弓鹿など気にも留めず、
崇はほとんどすくみっぱなしのまま、へっぴり腰で一歩前に出た。
その先にどんな連中が何人いるのか弓鹿からは見えない。が、
たとえ一人二人が相手でも、どうかと言えばひ弱なおぼっちゃまにしか
見えない崇に何とか出来るとは思えない。
 予想通りだった。路地の向こうからニットをかぶった男が一人、
崇に額をぶつけるほどの距離に詰め寄って来た。肩を押しつけ、
胸を突き飛ばす。見ているだけで胸がむかむかするような、あからさまに
嵩に掛かった態度。突き飛ばされた拍子に崇がこちらに気付きはしまいかと、
弓鹿は慌てて頭を引っ込めた。それからしばらくは隠れてやりとりを
聞いているだけだったが、流れは手に取るように分かった。

1676:2006/09/19(火) 09:23:03
ウザいクチを叩くバカを、ニットの男が引っ掴んで仲間の所に
引きずり出そうとしているのだ。
 しばらく待つ。男達のけたたましい笑いとからかいの言葉が
ひとしきり続き、それから再び一つ、何かを打つ音が響いた辺りで
とうとう弓鹿は立ち上がった。
「誰か! 喧嘩です! 誰かーっ!」
 声には自信がある。警察のサイレンみたいだとからかわれた事も
あるくらいの大声だ。
 急に向こうの気配があわただしくなった。声の強さが幸いだ。
弓鹿を捜す事よりも引き払う事を第一にしたらしい。連れだった足音が
どんどん遠ざかるのが分かる。それでも足音が完全に消えるまで待ってから、
弓鹿はやっと物陰から出て、崇が引き込まれた道まで足を踏み入れた。
「大丈夫? 怪我はない?」
「あ……剣持さん。どうして?」
 何故かあの男達に絡まれた時よりもよほど驚いた顔で――と、
弓鹿はさしたる根拠もなく想像する――訊ねてくる。その顔を見て
弓鹿は溜め息を吐いた。さっきまで掛けていた眼鏡が外れ、頬が
赤くなっている。弓鹿の視線を察して崇は慌てて頬を隠し、少しばかり
口ごもってからまたパッと弾かれたように後ろを振り向いた。
「そうだ、あの、早川君がちょっとひどい事になっちゃって。
僕ちょっと人を呼んでくるから、その間に電話を、いや、傷を
見たほうがいいかな。でもさっきの人達がまた……」
「携帯で呼べるでしょ。さっきの人達もわざわざ帰ってきたりはしないわ」
「いや、待て。病院はいらない。大丈夫だ」
 第三の声はさっきまでうずくまっていた早川慎司だった。こちらは
きれいな顔立ちも少々いじられているが、後々まで残る――つまり
後遺症になりそうな傷はなさそうだ。数日は体中が腫れて仕方ないだろうが。

1677:2006/09/19(火) 09:23:40
「でも早川君、そんなに……」
「大した怪我じゃないさ。いや、嘘だけど、担ぎ込まれるのは勘弁してくれ」
 むしろ弓鹿のほうが、それを冗談としてきちんと受け止められた。だが
精密検査は受けた方がいいだろう――。そう伝えると、苦笑いで
肩をすくめられる。
「しかしまあ、伊部、助けられて言うのもなんだけど、わざわざ
こんな事に首を突っ込む事もないだろうに。尾けてきたのか」
「ごめん。余計な事だったかな」
 何故か助けた方が恐縮している。慎司は何も言わずに崇の肩を叩いて、
弓鹿にも向き直る。
「剣持にも感謝しなくちゃな。まさかとは思うけどお前も尾けてきた?」
 いたずらっぽい顔で訊かれて、何となく気恥ずかしい思いで頷く。
「伊部君を見かけて、それで……」
「ありがとさん。お前がいてくれなかったら男二人で心中だったよ。しかし、
ウチのクラスは野次馬が多いな」
 軽やかに笑う。崇も表情をカチカチにしながら――きっとこういう時に
笑う事に慣れてないのだ――言ってくる。
「ありがとう、剣持さん」
「どうするつもりだったの?」
「え?」
「わざわざ危ない事をして、あれからどうするつもりだったの?」
 思ったよりも鋭い切り込みになった事に、弓鹿は自分でも驚いた。
もう少し、そう、呆れたような笑いを浮かべながらでもよかったろうに。
怒っているようにしか思われまい。

1678:2006/09/19(火) 09:24:08
 案の定、崇は頬を押さえたまま気後れしたように目を逸らした。呟く。
「その……声を掛ければ気が削がれていなくなるかな、とか、うまく引きつければ
早川君を逃がせるかな、とか……うわっ」
 ひっくり返ったような声を挙げたのは、慎司が突然後ろから崇の首に
抱きついてきたからだ。入学早々噂の多い早川慎司だが、そっちに
強いというのは初耳だ。
 弓鹿は一度喉の奥で息を引き絞ってから、弓弦のように張ったそれを
弛めて呑み込んだ。茶々を入れるのが勿体なく思えたのだ。救われた気分と
言ってもいい。
 それに加えれば、自分の卑しさに対する引け目もあった。慎司はああ言っているが、
弓鹿が崇を尾行したそもそもの根拠は単なる下世話なのぞき見趣味であり、
危険を察知したにも関わらず崇の行動を観察し続けたのは、崇のひ弱な印象を
裏付ける行動を見る事で自分の暗い感情を満足させたかったからだ。もっとも
その期待は裏切られた訳であり、その意味ではまったく救われていないが。
 それなのに救われたと感じる自分が情けない。そして弓鹿が傍観を
決め込んでいた事に思い至っている――思い至らない訳がない――にも関わらず、
詮索一つしない二人に言いようもない劣等感を抱く。
「剣持さん、どうしたの? 気分でも悪いの?」
 慎司にへばりつかれたまま、崇が心配そうな顔で見ている――。さっきとは
別の感情に喉をくすぐられているのを感じてから、それがますます情けなくなる。
「早川君は大丈夫でも、伊部君は来なさい!」
 慎司を引き剥がし、そのまま腕を掴む。昔は父に倣って武道を
やっていたのだ。動きの鋭さでは負けない自信があった。
「いや、ちょ、ちょっとあの、僕も全然平気だから。冷やせば……」
「もう少し殴られ慣れてから言いなさい。目が驚きっぱなしよ」
 まだむにゃむにゃと繰り言を述べるのは無視した。如才なく出したハンカチを
ひらひらと振る慎司に一瞥を送りながら手近の病院を思い出す。
 掴む手から伝わる手首の感触はやっぱり頼りない。ろくに鍛えていないのだろう。
こんな情けない腕で、馬鹿だ。へっぴり腰でおどおどとしか立ち向かえないくせに。

1679イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/19(火) 11:02:55
4以降、会話が始まるとそれなりに読めるのに、それまでが非常に読みにくい。
まず、この書き出しだと伊部崇が主人公なのかと思ってしまう。もちろん数行後で剣持弓鹿が主人公だとわかるのだが。
第一、剣持弓鹿が女性だとは途中まで気が付かなかった。いや、もしかしたら女性のような話し言葉の男性なのかもしれないが。
それくらい主人公に対する描写が無さ過ぎる。

>主人公達は高校生、一応は伝奇系の話として考えています。

これは本文じゃないところで記しておくものではなく、本文を読んでるうちにわからせる努力が必要。

要するに描写が不親切。脳内で動いているドラマや情景を、どうやって言葉を解して他人にわかるように伝えるべきか工夫すべき。
文章そのものよりは、映画などでカメラワークを研究したらどうだろうか?
主人公の年齢、性別、服装および容姿(ミクロ)→街の情景、天気、時間帯、そもそも舞台が現代日本かいや地球上であるか(マクロ)→主人公視点での事件、会話(ミクロ)
みたいに、カメラワークを意識してミクロとマクロの描写を丁寧にするべき。

あと、文章自体は極端に主語省略文が多すぎると思う。そこにきてモノローグの挿入のタイミングが悪いから、自由間接話法どころか視点の定まらないただの一人称三人称ごちゃ混ぜ文になっている。

まあ、俺が気になったのはそんなところかな?

16801673-1678:2006/09/19(火) 22:00:06
>>1679
ありがとうございます。キャラクター一人だけの状態での
行動描写がいい加減ということですね。
もしかしたらリライトして再うpするかも知れません。

1681イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/19(火) 22:16:46
俺は逆に会話が始まってからの内容がいまいちわからんかった。
主人公の心理描写が特に。

何故といわれてもわからんがな!

1682イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/19(火) 22:23:18
名前が読めん。人物どころか学園とかも。
後、非常に個人的なことですまんが『――』を使いまくる文が嫌いな俺にとってはすっげぇ読みにくかった。

1683イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/19(火) 22:39:29
たくさん感想を聞きたいようなので、読者の目線で勝手なことを言わせてもらう。
もっと読みやすく!!

2の途中で読むのやめた。

16841673-1678:2006/09/19(火) 23:53:32
>>1681
会話ですな。何故と言われて答えられないくらい意味不明と受け止めて、
読者に伝えたい情報を明瞭にしてきます。

>>1682
失礼しました。ルビを忘れておりました。「――」は抑えたつもりなのですが、
これについても更に善処させていただきます。

>>1683
よっしゃ! なんとかして半分くらいに縮めて、
さっぱりとした文章に仕立て直して来ます!

どなた様もありがとうございました。

1685イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/20(水) 00:08:26
>>1684
全然わかってないなあ〜。
1679は、主人公が一人のとき、と言ってるのではなく複数だとお前の描写の問題点が目立たないと言っている。

1682は、ルビ云々もだけど、それを突き抜けて読ませる魅力が無いと。
『――』に関しては俺もよく使うが、それ以前の文章のわかりやすさに気をつければ問題にはならない部分だ。
てか、主語を省くな。それだけでがらりと変わる。

1683の「もっと読みやすく!!」はイコール「簡潔に」という意味ではないぞ。
文を読むと同時に想像力を喚起され場面と情景とキャラの行動が浮かび上がり、すらすらと読めるようになる。
要するに1679に通じる意見だ。

一言でいうと、勉強しなおして出直して来い!

16861684:2006/09/20(水) 00:48:43
>>1685
おう、これは丁寧な翻訳ありがとうございます。こちらがどの程度
咀嚼出来たか、ただちに伝えられないのが残念ですが、
一度文章全部書き直してきます。ノシ

16871669:2006/09/20(水) 07:52:44
>>1670
おっしゃるとおり描写がないですね。申し訳ありません。
宝石は話の根幹に関わってくることなんですが、たしかに古くさい気もします。
>>1671
情景描写をしなかったのは失敗でした。すいません。
兄と父についても後々明らかにする予定なのですが、
感情移入してもらうならはやめに情報をだしたほうがいいですね。気をつけます。
>>1672
世界観はたしかに大事ですよね。
言われてみれば、いつ、どこで戦ってるのか全く書いてないので状況がつかめないですね。
今度は、説明的にならない程度に世界の土台を書いてみたいと思います。

みなさま、読んでいただいたうえに感想をくださってありがとうございました。
文章以前の問題の作品を投稿しておいてあれなんですが、文法や文章はどうだったでしょうか?
読みづらいとか、日本語になってないとか、教えてもらえるとありがたいです。

1688イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/20(水) 08:22:24
>去年の五月か六月の事だ。
具体的な数字は要らなそうなので、
リズムを考えると「去年の春の事だ」などの方がよさげ。

>剣持弓鹿
一瞬、名前に見えなかった。伝奇だったらもっと平凡な名前の方が良いかと。

>見えない――というのは
まぁ人にもよるんだけど、ここは「――」じゃなくて「、」か「。」の方がいいかも。

>からだが――。

ここは「……」の方がいい。

>不審げな様を晒しているのを見ると、自分まで恥ずかしくなる。

ここまで来て一気に読む気が失せた。
なんでかっつーと淡々とした日常描写を延々と続けているから。
そしてその先も何の進展もなさそうだから。

>下世話
辞書で引いた? よくみんな感覚で使いがちだけど、
「それって要するになんていう意味?」って聞かれたときに断言できなければ、
しっかりと辞書引くべき。「下世話」にしても通じなくはないけど不自然。

>看取
逆にこれは他人が辞書引かないと読めないんでやめておいた方がいい。
常に一般常識と一般的感覚ってものに注意を払わないと。

>声を掛け損ねた。
>興味をそそられた。
どうも英語っぽいというか、結果や結論が先に来すぎ。
「なぜ」という説明がついてないから、頭に残りにくい。
この辺は話の持って行き方の悪さだな。
出来れば「〜〜だから、興味をそそられた」の様な形にするといい。

>肩を押しつけ、胸を突き飛ばす。
これがどういう状態なのかよく分からない。
突き飛ばすだけでいいかもしれん。

>嵩に掛かった態度
これもあんま使わない方がいいかもしれん。
まぁ「雰囲気作り」の一環としてありっちゃありだけど、
中学、高校辺りが理解できるかねぇ。これ。

>ウザいクチを叩くバカ
なんか使い方を誤っている様な気がしないでもない。
どうも読んでると三十代四十代が無理矢理書いてる感じがする。
言葉の選び方も昭和の匂いがしてるんだけど勘違いかな。
ちなみにgoo辞書で「うざい」をひくと載っていたりする。

>「携帯で呼べるでしょ。さっきの人達もわざわざ帰ってきたりはしないわ」
あれ、これって女だったの?
性別が何処にも書いてないから男だと思ったんだが。どっちなのか悩む。
この時点で主人公達の説明が思い切り不足してるなぁ。


6の最後の方は何がなんだか分からないまま進んでしまっている。
プロローグというわりに淡々とした、ありふれたエピソードで興味が湧かない。
序章をどういう意味に取るかによるが、わざわざ分けるんだから、
もっと非日常的な物語の始まりを予感させるものにした方がいい。

1689イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/20(水) 12:44:26
>>1669=1687 じゃあ、純粋に文章の話で。
批評始めてなんで、おかしい部分があったらこのレスにも指摘お願いします>批評家の方々

●言葉の重複
>信じられない人物が目の前にいる。
>ゆっくりと近づいてくるその人物に出会った驚きで、
「人物」のどっちかを「人」にするだけで文の流れと印象が変わる。

>所々耳に入ってくるこの声。マルスにとって昔から馴染みのある声だ。
>この声の主に呼応してマルスは目を明ける。目を明けると、その声の主が叫び声を
・一段落に「声」が5回
・「マルスは目を明ける。目を明けると、」
ちょっとくどい。できれば別の表現に。

>マルスの妹、リスティである。
>「リスティ……」「お兄ちゃん!」
下の呼びかけで名前も関係もわかる。地の文の説明は不要。

>悲しみを全て出し尽くすまで、マルスは泣き続けた。悲しみを出し尽くした後に残ったのは、
この反復は幼稚な感じがする。

>髪は長いが、後ろで束ねているので肩まではかかっていない。その全身を覆いつくした黒いマントが風にたなびいていた。
>顔はもう完全に大人になっているが、五年前に突如として行方不明になった実の兄テルスに間違いない。
「〜〜が、」が続いて読みにくい。

等々。全体的に似たような言葉をあまりにも近い位置で使いすぎだな〜と。
言い換えるか、要らない部分はどんどん省いちゃってください。
その方が本当に伝えたいこともクリアになるだろうし。
もちろん、何らかの効果をねらってやる場合は別ね。
あとテンションが一定すぎるので、もっと文章の流れや緩急を意識するべし。
書いたものを音読してみると、読みづらい部分がわかって(・∀・)イイ!!かも。

●矛盾
>信じられない人物が目の前にいる。
>ゆっくりと近づいてくるその人物に出会った驚きで、
コレすごく混乱する。
男は足を止めてるのか、それともこちらに向かって動いているのか?
マルスの間近にいるのか距離的に離れているのか?
いや最初立ち止まっててマルスが自分に気づいたことでまた歩き出したのか?

とか。たぶん「目の前にいる」という表現を「視線の先にいる」の意で使ったのかな。
「目の前」というと手を伸ばせば触れるくらいの位置だと思うんで、気をつけて。

>膝を折り前のめりに倒れる。
>薄れゆく意識の中で、マルスが最後に見たのは不敵に微笑むテルスの姿であった。
前に倒れる→うつぶせで意識を失う、ってことなら、最後にテルスの表情が見えるのは物理的におかしい。
普通地面しか見えないはず。マルスが倒れきる前にお兄ちゃんの顔が見えたんなら別だけど。

1690イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/20(水) 13:05:14
>>1664
なんか肩に力入りすぎかな。もうちょっと力抜いて書いた方がいいと思うよ。書き直しはいくらでもできるのだから。
後、最初一人称かと思った。主人公の回想から始まるのかと。一行目くらいに剣持ユミカは・・・みたいな文章でもいれてくれると。
ああ、そうそう剣持って名前をみた瞬間、キャラクターの映像が佐藤ふみになったんだが・・・w これは俺のせい? か?

それと文法ミスがちょくちょくある印象。不審「げ」とかね。こういう使い方はできなかったはずだと思うけど。
あと、嵩に掛かったって言い方も気になっていたんだが、嵩に掛「け」たじゃなかった?

んー、一まとめに言っちゃうと、統一感がないかな。ストーリーや、文章や、心情の流れが感じられない、とでも言い換えればいいのかね。

1691イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/20(水) 22:58:31
>>1669
プロローグだと掴みが弱いと思う。
いっそ兄貴に刺されるあたりから初めて、主人公が気絶したところで切り
親父や妹云々は本編の回想等で改めて語る、ぐらいにほうがインパクトがあるんじゃ?

16921664:2006/09/20(水) 23:38:28
>>1688
細かいご指摘ありがとうございます。文章の品質に関わるご指摘については
こちらの著者校正・推敲が足りないとしか言いようがありません。
牽引力の低さについては、全体の構成そのものを入れ替えるなど
「文章レベル」とは別の次元での解決も考えておりますが、
そもそも魅力的な文章であればそのようなご指摘もなかったかとも思います。
冒頭に持ってくる文章としては無神経でした。申し訳ありません。

>>1690
>心情の流れ
恥ずかしながら思案の埒外でした。
またこちらも文法ミスのご指摘で、こういう細かいつまずきで
いちいち興を殺いでいるかとも思っております。
あとはやはりカメラの安定の悪さのご指摘でしょうか。取り急ぎ対処いたします。
肩の力はニンともカンとも。私自身が作品イメージについて、
こういう固さの表現でなければならないと凝り固まっているのでしょう。
一度頭を冷やして参ります。

どちら様も、お時間を割いていただきましてありがとうございました。

1693イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/21(木) 01:05:39
ドラゴンライダー対ワイバーンの空中戦のシーンですが、どうでしょうか?


 風に乗って高度を稼ぎ、雲の間に隠れながら、イレーネとアルバインはワイバーンの群れの上方に周りこんだ。
 距離が詰まるにつれ、群れの様子がはっきりする。ワイバーンの数は四頭、歪んだ菱形の隊型を組み、南を目指していた。
(まだ、気付かれていない)
 緊張で渇いた唇を舌で湿し、イレーネは心中で呟いた。戦いの期待に昂奮したアルバインが、咽の奥から唸りを洩らす。
 マントの襟を上げて口元を覆うと、イレーネはアルバインの首の付け根をぴしゃりと叩いた。
『行って』
 無言の指示と共に、アルバインは動いた。四肢をたたみ、翼を閉じ、ワイバーンの群れに直上から急降下をかける。
 ワイバーンの姿がみるみる大きくなる。その時になってようやく気付いた右のワイバーンが、警告の叫びを上げる。たが、遅い。
『先頭を狙って』
 アルバインの口がかっと開き、その奥から灼熱の吐息がほとばしる。直撃を受けた先頭のワイバーンは、悲鳴一つ上げられないまま松明のように燃え上り、落下した。
『次は後ろから』
 降下の勢いを利用して巨体を旋回させ、アルバインは群れの後方に潜り込む。同時に再び炎の息を放つ。残った三頭のワイバーンは素早く散開して回避するが、最後尾の一頭がやや遅れた。
『逃がさないで』
 アルバインはそのワイバーンに踊りかかると、喉笛に喰い付いた。鋭い牙が鱗を貫き、深々と肉に食い込む。甲高い悲鳴を上げながら、ワイバーンも必死に鉤爪や尾の毒針で反撃する。しかし背後からのしかかられる体勢のため力が込められず、竜の強固な鱗に弾かれてしまった。
 空中で激しくもつれあいながら、アルバインは容赦ない力を顎に込めた。頸骨が砕ける鈍い音が響き、二頭目のワイバーンが血の泡を吹きながら断末魔にのたうつ。
 と、周囲を見渡していたイレーネの目が、後背から襲いかかる残り二頭のワイバーンを捉えた。
『後ろ』
 それだけで十分だった。アルバインは痙攣するワイバーンを放り出すと、振り向きざまに吐息で迎撃する。
 虚空を薙ぎ払った炎をかわしそこねた一頭は、右半身を炭化させられ墜落する。だが最後の一頭は灼熱の洗礼をかいくぐると、アルバインと交叉しざまに尻尾を振るう。その一撃は、アルバインではなく背のイレーネを狙っていた。

1694イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/21(木) 01:08:59
1693の続き

『下に避けて!』
 とっさにアルバインを降下させ、致命の毒針をかわす。だが避けきれない。ワイバーンの尾はイレーネの頭をかすめ、アルバインの翼を傷つけた。
「あうっ」
 マントのフードが裂け、額当てが弾け飛ぶ。激しい衝撃に意識が飛びかけた。
 竜騎士の最大の弱点は、竜に比べてはるかに脆弱な人そのものだ。だがその人が、本能のまま荒れ狂う竜を御す事によって始めて、竜騎士は竜騎士たりうる。
 この瞬間、イレーネはその手綱を手放してしまった。
 るるるるぐおおおぉぉぉ――
 アルバインが吠えた。格下の敵に主と自身を傷つけられた怒りが、白竜を駆り立てる。
 傷ついた翼を猛然と羽ばたかせ、一気にワイバーンとの距離を詰める。凄まじい速度と勢い。だがそこには、先ほどまでの戦術がまるでなかった。
『落ち着いて、アルバイン』
 懸命に呼び掛けるイレーネ。だがまだ意識が回復しきっておらず、初めての実戦に昂奮した騎竜まで『声』が届かない。
 突撃の勢いのまま、アルバインはワイバーンに襲いかかった。まずすれ違いざまに、反撃で振るわれた右の鉤爪を自らの尾の一撃で粉砕。続いて反転し、悲鳴を上げるワイバーンの首・両翼・左足・尻尾に、牙と四対の爪を打ち込む。最後に、そのまま首を伸ばし四肢を大きく広げた。
 ワイバーンの肉体は、文字通り引き裂かれた。五つに分断され、血と臓物を撒き散らしながら地上へと落下する。
 おろろぉぉぉん――
 白い鱗を赤く染め、歓喜の咆吼を上げる騎竜を、イレーネは叱りつけた。
『アルバイン――』
 その時、アルバインの巨体が大きく揺れた。
「な、何っ!?」
 慌てて周囲を見回しましたイレーネの顔が、恐怖でひきつった。傷ついた右翼の皮膜が、強引な動きの負荷に耐えられず、大きく裂けてしまったのだ。
 るらららぁぁぁ――
 苦痛の声を洩らしたアルバインが、平衡を失って空中で横転すると、石のように落下する。まるで、自分が屠った四頭のワイバーンの後を追うかのように。
「ああああぁぁっ!!」
 イレーネは悲鳴を上げた。凄まじい勢いで、地表の情景が拡大する。
「母さま――」
 今はもうこの世のどこにもいない人への呼び掛けは、誰の耳にも届かなかった。

1695イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/21(木) 14:31:29
>>1694
俺からは二点。

1)竜の火炎強すぎね?w
直撃したら即死かよ……。
そんだけ熱量持っている火球を吐き出して、竜の体は無事なのか
と突っ込みたくなるのは常識的な感覚だと思いたい。

2)無言の指示が万能すぎるw
『』が全部無言の指示というのはさすがに無理あるだろう。
実際に言葉に出したほうが自然だと思う。
でなければ「とっさに下へ避けるように指示した」などと
地の文にまぎれこませてしまったほうが違和感は少ない。

1696イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/22(金) 22:40:45
 戦闘機のドッグファイトを意識したんだろうけれど、これだと戦記物にも劣るよ。
少し気の利いた戦記物ならば、スティックを引いただのGの強烈さだのを書くことで、
読者に臨場感を与える工夫をするもの。
 例えば敵ワイバーンの編隊に襲いかかるシーン。

 >翼を閉じ、ワイバーンの群れに直上から急降下をかける。
 >ワイバーンの姿がみるみる大きくなる。

 ここに一文入れてみる。

 >イレーネは内股で竜鞍を締めて、宙に浮きかけた腰を固定した。

 とか。或いは風圧に目を細めたりとか。
 それに乗り手の脆弱さを強調するなら、竜がワイバーンに噛みついた時点で、イレーネは
かなりの衝撃を受けるだろうし、ワイバーンともつれ合えば振り合わされるだろう。臨機に
そうした描写を入れたらどうかな?
 そうそう。竜の炎がどれほど強力だろうと、そこはファンタジーだからとやかくは言わない。
しかし当然、乗り手もマズルブラストを感じるはずだ。
 例えばマグナム拳銃は、銃口を頭に付けた状態なら空砲でも人を殺傷出来る。
であれば、

1697イラストで騙す予定の名無しさん:2006/09/22(金) 22:47:14
 済まん、途中で送ってしまった。

 であれば頬や額に強烈な熱風を感じたり、焦げ臭い臭いを嗅いだり、或いは髪がチリチリに
成ることさえあるかも知れない。情景に対してそんな時はどうなるか想像力を膨らませ、
五感を総動員して読者に「感じさせる」努力をして下さいな。

16981669:2006/09/23(土) 07:06:17
>>1689
細かい批評ありがとうございます。
今度からは言葉の意味をよく考えて、重複した部分や、要らない部分を省いていきたいと思います。
「目の前」は言われてみればすぐ近くって感じがしますね。
自分としては「視線の先にいる」みたいな感覚で使ってました。
倒れきる前に見たという表現のほうがわかりやすいですね。すいません。
>>1691
自分としては掴みはこれでいいかなと思っておりました。
構成を考え直したいと思います。貴重なご意見ありがとうございました。

みなさんどうもお世話になりました。
いただいた感想を糧にこれから頑張っていきたいと思います。

1699イラストで騙す予定の名無しさん:2006/10/03(火) 22:02:47
すみません、よろしくおねがいします。今書いている長編の冒頭部分です。
冒頭だけなので、ストーリーの意味がわからないと思いますが、初小説で文章にまったく自信がないので、文章が通じるかどうかを教えていただけると幸いです。
文章が下手すぎて意味が伝わらないのではないかと、このまま書き続けるのに不安を感じていますので……

 川原にぽつりと小さなベンチがある。
 中年の男がそこで雑誌を枕にごろりと横になった。
 春の陽気のせいか、男はすぐにいびきをかき始めた。
 そのとき、すこし離れたところで、バアンという音が響いた。鉄板を叩いているような音だった。
 眠っている男は、すこし身じろぎをしたが、そのまま眠り続けている。
 しばらくして、またバアンという音が響いた。しばらくしてもう一度、そしてまたもう一度。
 男は目を覚ました。
 さっきからやたらとやかましいな。男は腕時計を見た。4時30分を回ったところだった。学校帰りの子供たちが、鉄柵を叩いて遊んでいるのだろうか。
 バアン。
 男は音のした方を見上げた。どうやら、少し離れたところに立ててある看板から音がしているようだ。「チカンに注意」。ありふれた看板だ。しかし、看板のそばには子供たちはおろか、誰の姿も見えなかった。
 男は顔をしかめた。どういうことだろうか。
 バアン。
 今度ははっきり見えた。石だ。どこからか石が飛んできて、看板を打っているのだ。
 対岸から飛んできているのか?
 男は対岸のほうへ首をめぐらせ、目をこらした。この川は幅が200メートル近くある。対岸にあるものはどれも小さくしか見えない。
 その時、対岸で豆粒のような影が動き、そこから石が飛んでくるのが分かった。
 石は吸い込まれるように看板にぶちあたった。
 あれは……子供じゃないか。
 その子供は小学校低学年ぐらいに見えた。あんな小さなガキが、こんなに遠くまで石を投げているというのか? それだけではない、さっきからあの2メートル四方の看板に石を当て続けているのである。尋常のコントロール力では不可能だ。
「どうみても小学生ぐらいやないか。ありゃあ、野球選手になったら、どえらい投手になるぞ」
 男は思わず口に出していった。
 自分が応援していたプロ野球チームで、その少年が投げているところを想像した。
 しかし、男はその妄想をすぐに打ち消した。
 いや、俺は何を言ってるんだ。もうプロ野球なんてこの世には存在しない。それどころか、全てのスポーツはこの世界から姿を消した。もう馬が走るところも見ることができないし、マラソン中継だって無い。
 サッカーは嫌いだったが、今だったら観たいような気がした。しかし、当然サッカーも禁止されている。
 唯一許されているのは、格闘技だけだ。それも普通の格闘技ではない……極めて血なまぐさいやつだ。
 男はため息をついて、堤防の上へと続く階段を昇り始めた。家に帰って、一杯やるつもりだった。もちろんビールは禁止されている。せいぜいコーラを枝豆でぐいとやるのが関の山だ。
 背後でまたバアンと看板が鳴ったが、男はもう振り返らなかった。

1700イラストで騙す予定の名無しさん:2006/10/03(火) 22:04:35
>>1699の続きです

 あちゃあ、あのベンチに人が寝てたのか。悪いことしたな。
 マモルはペロリと舌を出した。
 対岸のベンチで眠っていた男が起き上がって去っていくのを見てはじめてそこに人がいたことに気付いたのだ。
 きっと看板に石が当たる音がうるさくて、怒って帰ってしまったんだ。
 マモルは握っていた石を足元に放り投げた。
 堤防の石段に腰を下ろし、疲れた腕をぐるぐると回す。
 もうあれぐらいの看板なら、百発百中で命中させられるようになった。さすがに飽きてきたなあ。
 別にマモルは何か目的があって、看板に石を投げているわけではない、ただの暇つぶしである。
 堤防の上にはバス停がある、マモルはそこへバスに乗って帰ってくる姉を待っているのだ。毎日毎日待っている間に石を投げ続けた結果、これだけの腕になってしまった。
 はじめは川の中ほどまでしか届かなかった石が、一年もすれば対岸まで届くようになった。さらに半年で、大体の狙った位置へと投げることができるようになった。そしてさらに半年かかて、今のコントロールを身につけたのである。
 まったく意味のないことだ。マモルは苦笑した。
 石を投げる仕事でもあれば、一生食いっぱぐれは無いのにな。……こんなくだらない妄想をしていると知ったら、姉ちゃんに怒られるな。
 マモルは足元に落ちている木切れを拾った。そしてそれを大上段に振りかぶり、階段の手すりを打ち据えた。
 両手に痺れが走り、マモルは顔をしかめて枝を取り落とした。
 ……かと言って、闘技場で闘う気にもならないしな。
 俺は姉ちゃんのように背も高くないし、力も弱い。ああいうのは俺には向いてないだろうと思う。
 その時、向こう側の角を曲がって、バスの黄色い車体が姿を見せた。
 マモルは階段を駆け上がり、バス停へと走った。
 しかし、バスから降りて来る人の中に、姉の姿は無かった。
 マモルはふてくされてように、また川原へと降りた。
 気がつけば、また石を掴んでもてあそんでいた。
 対岸に人がいないか確認する。
 今度は……そうだな、あの遠くの電柱を狙ってみるか。
 マモルは、さっき当てていた看板よりも、さらに遠い位置にある電柱に狙いをつけた。
 大きく振りかぶり、足を高く上げて石を放った。
 石は放物線を描いて川を越えていく。
「あっ!」
 マモルは思わず声をあげた。あれは……電柱じゃない。
 マモルが電柱だと思って狙いをつけたのは、人間だった。いや、人間といっても地球人ではない。黒い衣服に身を包んだ、3メートルほどの巨体。○○星人である。
「あぶない」という声をあげる間もなく、石は○○星人の体へ激突した……と見えたその瞬間、石はフッと消滅した。
 ○○星人がゆっくりとマモルの方を向いた。
 その巨大な体を別にすれば、○○星人の見た目は地球人とそれほど大差はない。
 ○○星人の赤く輝く目が、マモルを捉えた。マモルは心臓を思い切り握りつぶされたような気がした。
 ○○星人が笑った……ように見えた。この距離である、対岸にいる人間の表情が見えるはずがない。しかし、マモルには、彼が笑ったということがはっきりと分かった。
 その時、背後でパアンという音が響き、マモルはふくらはぎに激痛を覚えた。
 マモルが振り返ると、石段の上に、粉々になった石が散乱していた。
 その欠片のひとつが、マモルのふくらはぎに浅く突き刺さっていた。
 ひとつひとつの石の見分けがつくはずもないが、マモルはその砕けた石が、自分の放ったものだという確信があった。
 もう一度対岸を見やると、○○星人の姿は無かった。

 
 冒頭の第一章になります。長いですがよろしくお願いします。

1701イラストで騙す予定の名無しさん:2006/10/04(水) 01:16:30
いい掌編かけたので、久々に批評というか感想というか、させて頂きます。
私的意見なので俺の読解力不足もあるかもしれないですが、そこはご容赦を。

まず感想。
「読めました?」と聞かれたら「読めました」と答える。しかし
「読みますか?」と聞かれたら「読みません」と答える。そんな感じっした。

・導入部としては、ちょっと弱すぎる。
・(たぶん無関係な)おっさんのシーンが長すぎ。
・世界観の伝え方が少なすぎ。
 近未来?超未来?宇宙人がいて普通の世界?異常な世界?ファンタジー?
 とにかくわかるのは「ここが現代世界ではない」と言うことだけ。
 伝わらないので3mの行動が「どれだけ不思議なのか」がわからない。
 マモルが200mの遠投が出来ることが「どれだけすごいことなのか」がわからない
 (↑おっさんの感想が冷静すぎるのもある。ちなみにプロ野球の入団テスト遠投は100mもない)
 足に石が刺さっているのが「痛い」のか「それほどでもない」のかわからない
 (↑マモルが冷静すぎ)
 とにかく「現象」に対してのリアクションが薄すぎて、その凄さのイメージがわかない。
 たとえばテレポーテーションで友達の家に遊びに行っても「やあ、いらっしゃい」とリアクションされたら、「この世界では普通のことなんだな」って思うでしょ。
 特に現代世界じゃない場合、その世界に住んでる人(小説内の人物)のリアクションでしか把握できないからね。メリハリ付けた方がいいと思う。
・スポーツが無い世界、と言うのを一生懸命説明しているが、その理由に全く触れないのでその事が重要なのか重要じゃないのかわからない。
・慣れてるならともかく、初小説なら人称の統一はしておいた方がいいと思う。

全体の感想は「漫画のコマを文章で書いてみた」という感じ。

まず、「必要な描写」「伝えたい描写」と「不必要な描写」を分けて、不必要なことを出来るだけ削除してメリハリを付けること。
描写やリアクションで「世界観」を伝えること。
これで少しは「読んでみようかな」って感じになると思う。

こんなもんでしょうか。頑張ってください。

1702イラストで騙す予定の名無しさん:2006/10/04(水) 15:40:16
まず、初めてなりに自信をもって書こう
すぐに読者に見透かされてしまう
そして、もっともっと本を読んで書きまくる事。

1703イラストで騙す予定の名無しさん:2006/10/04(水) 22:05:28
>>1699
おもしろいものを書けてると思うよ。
初めて書いたものに不備があるのは当然だから、
あまり悩まずにどんどん続きを書くべき。
書いてりゃ直ることもいっぱいあるから。

でも○○星人は、ちゃんと何星人か考えような。

1704イラストで騙す予定の名無しさん:2006/10/04(水) 23:18:03
批評でも皮肉でもないんだが一つだけ言わせてくれ。

>コントロール力

こんとろーるちからと読んでしまった。

17051699:2006/10/04(水) 23:51:37
みなさん、ご批評ありがとうございます。
生まれて初めての小説で周りに読んでくれる仲間もいないので、不安のあまり、このような中途半端なものをアップしてしまいました。
おかげさまで、多少気が楽になりました。
稚拙な文を読んでいただいて感謝しております。アドバイスを参考に、これからがんばります。

1706イラストで騙す予定の名無しさん:2006/10/20(金) 09:41:20
う〜ん、最近誰も書かないのね

オレ?
そ れ ど こ ろ じ ゃ な い orz

1707イラストで騙す予定の名無しさん:2006/10/20(金) 16:50:48
締め切りはあと10日ですよ!

1708イラストで騙す予定の名無しさん:2006/10/30(月) 19:11:32
 誰も書かないから俺のを少し投下。ちなみに小説書くのは初めてです。


 第二章


 赤い――
 前後左右、縦横斜め、一、二、三次元のどこを見回しても、世界は赤一色に染め上げられている。そんな異空間の中で、感覚を失った四肢がただただ無抵抗に流されていくさまを、他人事のように陶然と見つめる自分。
 次元の狭間のような世界を漂いながらも、去りし日々の経験が冷静にこの状況を分析する。
(これは、また夢なんだろうな)
 来る日も来る日も眠りに就く度に辿り着く、この不安定な空間。どこだか分からない場所へと放り出され、何をすることも出来ずに、眠りから覚めるのをじっと待つ。何もない空虚の世界の中で、何だか分からない物を求めて一人虚空を彷徨い続け――
(いずれは自分以外の何かを見つけられるのか?)
 夢の内容は、見る人の精神状態に大きく左右されるという。とすると、こんな漠然として理解しがたい夢を見る自分の心の深層は、相当病んでいるのかもしれない。
(こんな生活を続けていれば心も参るわな)
 「鍛錬」と称して繰り返されてきた虐待の数々。物心がつくかつかないかの時分から始められ、泣いても喚いても止むことはなく、筋肉質な大男の、無機質で硬く尖った双拳にひたすら殴られ続ける。毎日当然のように行われてきた暴力行為は、町の誰もが見知っていて、それと同じ数の人々が黙殺していた。時には哀れみの視線を投げかけてくる者も居た。それでも、誰一人として救いの手を差し伸べてはくれない。哀れみの視線はその裏に好奇を隠し、人々はこの非人道的行為の傍観者であろうとした。彼らのその双眸を見つめて助けを請うと、白羽の矢を立てられた傍観者は即座に視線を反らし、何事もなかったかのように大衆の雑踏へと消えて行く。これらは皆、自分にとっては当たり前の日常。
 そう遠くない昔のこと。遂に涙は枯れ果て、激情を顕にすることもなくなった。相変わらず男の暴力は止まるところを知らなかったが、急所への一撃だけでもなんとか防ぐ術を覚えた。どんなに苦しくても、誰にも救いを求めなくなった。
 ……どうして自分はこんなにも変われたのか。理由は考えたこともない。だけど、一人の味方も存在しない中で、この悪夢のような状況を打開するためには、自分が変わらなければいけないってことは、本能的に承知していたんだと思う。
 だからこそ俺は、あの計画を実行することに決めた――
 計画のことを考えると逸る気持ちを抑えきれず、一人きりの異空間を忙しなく飛び回る。無謀な計画であるにも拘らず、何故か失敗する気がしない。それどころか自由を得た後の自分を想像して、心が躍り狂う。親父に対する罪悪感が時たま胸を刺すが、たとえ親父を裏切ることになっても、計画を諦めるつもりはない。俺をここまで追い詰めたのは、他ならぬ親父なんだから。
 もうしばらくすると朝が来る。決行は今日。大丈夫、後悔はしない。たとえどんな結果になったとしても、今より悪くなることはないはず――
 自らの生み出した夢の世界の中で、アドルフ・ヴァーサは独り静かに拳を握り締めた。

 色々と至らないところがあると思うので、今後の参考のために助言をお願いいたします。

1709イラストで騙す予定の名無しさん:2006/10/30(月) 22:12:04
>>1708
第二章。という事で前提がごっそり抜け落ちているわけだが、
これは短編連作方式で、新しい物語の冒頭だという事で話を進める。

まず「アドルフ・ヴァーサは独り静かに拳を握り締めた。」を一行目に持ってきた方がいい。
赤一色の夢の部分は、どうしても必要というわけでなければ全てカット。
主人公の心理を表したいのだろうけど、
親に虐待されて何かを決意するだけで読者は十分に察する事が出来るはず。
もし入れるなら主人公の状態がどうなっているのか直接的に表現すること。
「四肢が無抵抗に流されていく」はとらえ方が複数あるため適切ではない。

上げられている部分全体で必要なのは
1.親による虐待
2.周囲の反応
3.主人公の変化
4.何かを決意する
なので、文字数はこれの半分以下に抑えられるはず。
そして抑えないと冗長的すぎて読むのが辛い。

全体的に頑張りました的な雰囲気は感じるのだけど、
オサレ文章にする事に傾倒していて、頑張る方向が間違ってる様に思う。

17101709:2006/10/30(月) 22:13:53
あと追加。

夢見てる必要性が感じられない。

1711イラストで騙す予定の名無しさん:2006/10/31(火) 15:25:16
>>1709-1710
アドバイスありがとうございます。
これは短編連作方式でも、新しい物語の冒頭ではありません。
話の途中を抜き出して曝したのは不適切でした。申し訳ありません。
私が文中で描きたかったのは、
1.厳しい鍛錬
2.(主人公から見た)周囲の反応
3.主人公の変化
4.何かを決意する
5.親への不満
6.毎日繰り返し見る夢
7.赤い世界の中には主人公一人しか居ない
の7点でした。
「四肢が云々」にかんしては、自分では気付かなかったところなので早速修正したいと思います。
それと、文が冗長感じられるというのは致命的ですね。これからは気をつけたいところですが、改善できるかどうか……。

1712イラストで騙す予定の名無しさん:2006/10/31(火) 20:02:30
>>1708
ほんとに初めて書いたならうまいほうだと思うよ。
なんていうか、「なんだかよくわからない」みたいな効果を狙うということもあるしな。

あと、多少は冗長で読みにくかったが、これでいいという確信があるなら
このままでも問題はないかも。
もし反省する点があるなら、てっとりばやいところでは改行を多くすることを勧める。

1713イラストで騙す予定の名無しさん:2006/10/31(火) 23:23:31
改行を多くしたところで冗長性は回避できない。
描写が重複していたり、意味のない所が多かったりするから。

あと、全編この調子なら、俺は絶対に読みたくないな。

1714イラストで騙す予定の名無しさん:2006/10/31(火) 23:27:17
まるで、本格ミステリのような痒いところに手が届きすぎな文章だな。
ライトノベルなら、もうちっと筆を滑らせても問題ないよ。

17151709:2006/11/01(水) 00:48:58
>>1711
5は1と4の派生。6と7は2と3の派生だな。
つまり5〜7は蛇足だ。主人公の内面を表すのには無くていい。

自分の作品にこだわりたい気持ちは十分に分かるが、
読者から見たときに「この部分の情報が欲しい」という所だけを
上手く残して表現を削る必要がある。

シェイプアップした文章ほど「読みやすい」ものはない。

1716イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/01(水) 01:48:46
読みやすさを優先するか、文体の与える効果を優先するかはそれぞれだろう。

1717イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/01(水) 09:51:57
文体の与える効果とやらが効果的だったら、指摘されないんじゃまいか

1718イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/01(水) 14:47:34
そうか? たぶん指摘されるぞ。ここなら。

1719イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/01(水) 17:45:04
その後、そのまま鵺のマンションに帰る。鵺がさっきから機嫌が悪い。もちろん僕のせい
なのだが。どうも気が立ってるなぁと思いつつベランダで黙々と煙草をふかすオレ22:30。
むぅ、何か謝罪せねば。ただでさえあの気難しい鵺だしな。などと思案していると火がフ
ィルターに到達。ちょっと熱い思いをしたのだった。
吸殻をベランダ備え付け(もちろん、置いたのはオレ。)の灰皿に突っ込んで室内をちらり
とのぞく。
鵺がチャンネル1東海テレビよろしくSMAP×SMAP見てるし、相変わらず疑問なのだが
やっぱりあの料理対決にはレシピとか作られてて台本通りにやってるんだろうかと。まぁ、
アドリブであんなことができるのなら愛のエプロンにも出るはずだろう。
鵺はこたつに突っ伏して見ている。眠たいのかもしれないが。
おっと、そろそろ番組が終わるじゃないか。今日は月曜日だからな。アレを見なくちゃ一
週間が始まらない。そんなわけで室内に入ってコタツに入ろう・・・と思ったが、思いと
どまってキッチンに向かい冷蔵庫からさけるチーズ(無論、スモーク)を二本とってコタ
ツに戻る。
テレビは番組の間にやるニュースが映っていた。あいかわらず、連続殺人犯の事を言って
いるが気にしない。

1720↑の続き:2006/11/01(水) 17:46:27
鵺が地味に端によってオレが座るスペースを作っている事に気がついた。まぁ、チョット
感激するオレ。自分自身もそうそう大柄ではない。むしろ、男性の中では小柄なのかもし
れない体格だから二人並んで座れるんだけど。
鵺の横に座って、スモークさけるチーズを渡した。鵺が「さんきゅ。」とお礼を言う。
さて、ちょうど23:00。あいのりである。どうも、鵺が退院してから一緒に見るのが恒例と
なっているのである。意識取り戻してからも少々入院していたときに見たらしい。入院先
はもちろん岐阜大学付属病院であった。鵺が旧病棟から移動するときは大変だったとか。
まぁ、そのときはまだ意識不明だったが。
二人で並んで観ているのを知ったらさぞ十六夜は笑い転げるだろう。そんな二人でもっし
もっしとスモークさけるチーズを食べながら観ているカップルもいないだろうと思う。
今回は告白はなかったななどと思っていると番組終了。ぶっちゃけ、加藤晴彦だろうがウ
エンツだろうが変わらないような気がするんですが。
スモークさけるチーズのパックをゴミ箱に放り捨てる見事入る。オレナイスゴール。
って、そんな事してる場合じゃないでしょオレ。

1721↑の続き:2006/11/01(水) 17:47:18
桐矢はそのまま正面のテレビを見つめたまま鵺に話し掛けた。鵺はスモークさけるチーズ
を食べて、あいのりが終わるとまたコタツに突っ伏している。
「なぁ、鵺。」
「・・・・・。」
「さっきは俺が悪かった。ごめん。」
「・・・。」
うげっ、まさかの無言の返答、ヤバイこれはやばい。下手したらいきなりバルムンクに代
わってボコられるかもしれねぇ。
そんな事を心の中で考えていると。鵺が顔を起こして、肩に頭を乗せて話し掛けてきた。
「今回だけは許す。」
ほっと、胸を撫で下ろすオレ。よかった。
「ホント、ごめんなさい。」
「次、あんな事行ったらバルムンク嗾けるから。」
「それは勘弁してくれ。」
テレビはいつのまにかニュースよろしく滝川クリステルが映っていた。

1722本田透 ◆99GaM7IbzU:2006/11/01(水) 17:49:47
↑の三つ書いたものです。

行き詰まってます。なにか意見もらえると嬉しいです。

1723イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/01(水) 18:00:17
とりあえず、いきなりぶつ切りのモノを持ってきてだな。
なにか意見とか言われてもどーしようもないわ。

何を聞きたいのか。
このシーンは作品全体の中でどういう意味を持つのか。
理想像としてはどうしたいのか。

ぐらいは最低限情報として出汁やがれ。

1724イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/01(水) 20:09:26
まずは文章作法から勉強しようね。
人に意見を求めるのはそれからだよ。

1725イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/01(水) 20:52:52
文章にテンポや読みやすさを与えるには語り手のキャラに一人語りさせるのが一番なんだが・・
それは独り言を言うんじゃなくて、情景等をそのキャラのフィルタを通して描写するのが目的。

あと、書き出す情報は限定しないと駄文になっちまうぜ〜

1726イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/01(水) 21:51:47
体言止めだっけ?
それがうざったい

あと何か陳腐。
自分がもっとも山場と思える文章を書いてみてくれ
誰もが見た事ないようなのでもいい

17271708:2006/11/01(水) 22:59:44
色々なご指摘ありがとうございます。
>>1713
さすがに全編がこんな調子って事はないです。主人公がメンヘラっていう設定なのでこんな文体にしてみました。
ところで、視点ごとに文体を変えるのは禁じてなのでしょうか。

17281713:2006/11/01(水) 23:18:24
×禁じて
○禁じ手

1729イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/01(水) 23:23:56
むしろ、視点をころころ変える方が禁じ手に限りなく近い。
絶版だが、食前絶後という小説では一人称の視点チェンジをやっている。
古本屋で見つけたら、一読の価値在り。

1730イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/02(木) 11:36:48
冒頭部分を投下。

 沢渡雄二はチーズケーキが好きだ。直径十センチほどのホールケーキに笑顔で野口英世さんを出すほどには好きだ。大好きと言ってもいいかもしれない。
「沢渡雄二さんですね?」
 雄二は駅前に新しい喫茶店がだす、チーズケーキが中々おいしいと評判なので確かめに行こうとしていた。休日の駅前はそこそこ賑わっており、しかし、少女はその賑やかさとは無縁のように無表情で雄二を見ていた。
「どなたですか?」
 微笑を浮かべて雄二は尋ねた。見知らぬ人に声をかけられるのは慣れていた。
「私は桐ヶ丘聖羅です」
 少女は無表情に答える。
「きりがおか、すてっらさんですか、変わったお名前ですね」
「はい。嘘ですから。本名は大阪花子と申します。偽名ですが」
「…………」
 雄二に染み付いた感覚が告げる。関わるな。さっさと逃げろ。
「あの、ボクは用事があるので、失礼していいでしょうか?」
「言葉を正す必要はありませんよ、沢渡雄二さん。もっと気楽に話しかけてください。そのほうがこちらもやりやすいので」
 ざわざわ、と駅前の広場の人口密度が上がる。どうやら、電車が停まったようだ。
「さて、ここで話すのもなんでしょうし、そこの喫茶店に入りましょう。あなたの用事とやらのチーズケーキぐらいはごちそうします」
 彼女は言うだけ言って、さっさときびすを返し雄二が向かおうとした喫茶店へと向かう。雄二は少し迷ったが、回れ右してここから去ることを決めた。
 好んで変人に付き合うほど、酔狂じゃない。

1731イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/02(木) 22:23:39
>>1730
>沢渡雄二はチーズケーキが好きだ。

あなたのキャラクターなんて誰も興味がありません。
誰も興味がないものは誰も読みません。

>「沢渡雄二さんですね?」
>雄二は駅前に新しい喫茶店がだす〜〜

まず一つ目はキャラクターのセリフの後に状況説明に入っている。明らかに間違い。
二つめ、「駅前に新しい喫茶店が出すチーズケーキ」意味が分かりません。
辛うじて「駅前に新しくオープンした喫茶店が出しているチーズケーキ」だと予測できます。
しかし、もっと抽象的で様々なとらえ方が可能な文章で同じ様なことをされると予想できなくなります。

>さっさときびすを返し

踵を返すのは引き返す時です。辞書を引きましょう。
この場合は「さっさと喫茶店へと入っていってしまった」などの文章の方が適切です。


てにをは、修飾語の関係性、日本語センスに問題が見られます。

1732イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/02(木) 22:55:47
>>1730
>沢渡雄二はチーズケーキが好きだ
 こんなに酷い冒頭は久しぶりに見た。まだ会話から入ったほうがマシ。冒頭の一行目だよ?大切にしようぜ

>野口英世さんをだす
 良くない。「諭吉」程メジャーに使われない比喩を堂々と使わないほうがいいだろう
 どうしても使いたいなら「野口英世を一枚」という風に「お札」とわかるようにしたほうがいい
 っつーか何故に「さん」?神視点か?

>好きだ。大好きと言ってもいいかもしれない
 好きも嫌いも大好きもどうでもいいしな。つーか冒頭の一行あまりにもどうでもよすぎて笑えて北

>雄二は駅前に新しい喫茶店がだす
>賑わっており、しかし、少女は〜
 つ 「小学校国語教科書」

なんというか
いろいろ頑張ってね。もう。いろいろ。

1733イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/02(木) 23:01:23
>雄二は駅前に新しい喫茶店がだす
駅翻訳の日本誤訳みたいだ。

1734イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/03(金) 12:03:51
ああ。野口って札かw

今気付いたよorz

1735イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/04(土) 01:22:06
勉強になる

1736イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/04(土) 15:15:50
「チーズケーキが好き」なのも、ユーモアで牽引するなら悪くないと思うがね。
最近、何やら否定する事に意義を見いだしてるかのような批評が多すぎやしないか?

ただその場合、キャラクターの行動原理がかなり「チーズケーキ」に左右される訳で、
変人相手であろうとつい釣られてついて行く方がそれらしいと思うのだが?

1737イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/04(土) 17:29:52
俺もそう思う。チーズケーキを強調しといてなんだそりゃ?って感じ。
全体的に説明臭いのもよろしくないな。

でも続きは気になる。

17381732:2006/11/04(土) 22:14:00
なんか改めて見たら、冒頭に関しては「酷い」としか言ってないなw
追記しとく

つまり冒頭が「チーズケーキが好きだ。かなり好き。大好きだ」と言われても「はぁ、そうなんすか」としか言えないでしょ。
句点三つも使っておきながら「好き→かなり好き→大好き」という三段活用(?)が全く活かされてないじゃん。

どうせ「好きだ」という事をアピールしたいなら、「ホールケーキに小一時間顔を埋めるのが最高の贅沢だと思っている」だとか
「『うんこがチーズケーキで出来てたら俺閉鎖空間でも生きていける』と豪語している」とかさ。なんかあるでしょ。「異常なほど好き」というのがさ。
それなのにただ「駅前に出るための理由」じゃん。
後で使われる伏線かどうかはしらんがそんなもの、冒頭の一行目という、小説で(特にラノベで)一番重要な場所に持ってくる必然性がわからん。

俺が辛口なのは確かだが、「全く効果の無い三段活用」は絶対にやるべきじゃないし
一行目をもっと大切にしろ、と言いたい。
「後半まで読めば面白いから」なんて言い訳つうじねーですよ。必ず最後まで読んでくれるのはお友達だけですよ。

と言っても>>1732含め、俺の独断的意見だとは思うので、誇りを持って「ここは意図してです!」と言うのなら問題無いです
いじょ

1739イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/04(土) 23:27:16
というか冒頭シーンが完結してないっぽいのがモヤッと。
これじゃ判断のしようがない。最悪でも逃げたあと、
喫茶店の中でもいいけど、そこまでは書くべき。

1740イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/05(日) 07:14:37
>>1736
プロの作品がここに晒された時はあまり否定してなかったから、
単純に否定要素が盛りだくさんな作品が多いだけな気がする。
逆に「素人だから」って甘く見ている感じもするし。

1741イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/05(日) 10:21:18
うん。きちんとした要素が多ければ(丁寧に書かれてたら)素直に評価すると思うよ

1742イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/05(日) 11:58:17
だな。
面白いかどうかは置くが、プロのは体裁は整ってた。
ここであがる作品はぶつ切りのシーンだったり、未完の冒頭だったりだからねえ。

1743イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/05(日) 20:31:29
お腹が空いた。
冷蔵庫は空で、お金はない。
何にもやる気は起きないし、やれる気もしない。

頭の中がぐちゃぐちゃだ、伸び気味の髪を掻き毟る。
日曜日の夕方、ノートパソコンの前にただ座る。
仕事を探すでもなく、ゲームをするでもなく、ただ、座り画面を眺める。
たまに何かを思いついてはマウスを動かしキーボードを打ち、また止まる。
画面が暗転すると自分の顔が映る、ひどい顔だ。
その生気のなさは、男の顔にある種の不気味さを演出していた。
自分で思う、こんな顔した奴とは関わり合いたくねぇな、と。
まるで死んでいるような顔。
こんな奴に笑い話をしてもくすりとも笑わず、嘲笑されているような気分になるだろう。
他人は自分を映す鏡だと言う。
ならば、まるで自分は死神ではないか。 周りの笑顔を一人で奪い生気をなくす。
この顔を生まれつきだと言い訳する気はないし、周りの人間を愛してもいるが、
だからと言って改善したいとも思えなかった、痛みも苦しみも愛している、
自分だけのものだ。
だがしかし、自分の体は正直で、不安や焦燥が湧き上がるのは止められない。
とても人恋しい、でも、煩わしいとも思う。
どうにもならない矛盾の中で、頭の中がぐちゃぐちゃだ。
どうしよう……。
頭の中は生温い濁った沼のようにぬたぬたに微睡んで、
体は主人の命令を待っている犬のようにただモニターを眺めていた。
じっとしててもお腹は空き、お金はかかる。
このままではヤヴァイと体は思ったんだろう、鞭を打つように体に知らせる。
「腹減った」 腹が減ってるから気力も湧かない。 「それでも、気力を振り絞れ」
まるで、自分は体の奴隷のようだ。
頭と体は別物で、
結局情報である人格は、他の人格に干渉できない孤独な存在ではないだろうか。
エネルギーの少ない人体コンピューターは意味不明な思索を続けているようだった。
その時、不意に一つの解を思いつく。
「人恋しい」と「煩わしい」は矛盾ではなく、
両立できうる条件だ、曰く「煩わしくない方法で人恋しさを解消すれば良い」
その方法は目の前にあった。
おもむろにマウスを動かしタイピング、ブラウザを開いて掲示板に「書き込む」
人格を反映させた情報と人格を反映させた情報とが接触し、且つ煩わしくない方法。
むしゃくしゃして書いた、今は反省はしていない。

1744イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/06(月) 17:46:54
ちょっと不安になったんだが、

>ぶつ切りのシーンだったり、未完の冒頭だったり

をUPして批評をもらうスレなんだよな?

1745イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/06(月) 18:14:04
>未完の冒頭

冒頭がちゃんと書けてる未完作品いいけど、冒頭が未完の未完作品はいかんと思うんだ。

17461745:2006/11/06(月) 18:39:59
何言ってるか良く分からんかったorz

例えば冒頭を見てくれ〜って言うなら、ちゃんとキリのいいとこまで書けって話。
チーズケーキのやつみたいな、半端で終わってるのじゃ評価のしようがない。

1747イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/07(火) 02:40:50
>>1746
たしかに短すぎたら言えることも少なくなるが、ここまでの長さなら良し、って基準もないだろ。
俺が以前晒した冒頭も、プロローグの終わりまでだけうpしたら10レス以上使ってたと思う。
長すぎてもうざがられるだろうし、好きな分量で投下しろと言いたい。

1748イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/07(火) 09:36:17
未完でも中途半端でもかまわんと思うんだ俺は。
要は自分の批評してもらいたい箇所の問題だろう。
キャラ描写が出来てるか、とか。風景のイメージが沸くか、とか。

まあどこを投下してどういう風に一言追加すれば自分の欲しい意見がもらえるか、というのも作者の力量だろうよ
チーズケーキを評価しようがないのは、中途半端な上に何をどう評価してくれとも書いてないから
「日本語でOK」としか言いようが無いって事なんじゃねーの

1749イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/09(木) 18:32:11
 そもそも超能力だのなんだのといった科学では証明できないような不可思議な力などこの世には存在しないわけで、そんなくだらないもののために貴重な時間を浪費するなど愚か極まりない行為だ。お前にはそこらの一般人では歯が立たない程の才気と知識 、そして好奇心があるではないか、何故その能力をもっと有益なものに注ごうとしないんだ。
「そんなこと言われてもなあ。有益なものって例えばなんだい」
例えばだな、社会に貢献するようなことだ。科学者にでもなって、発明品を作るのなんてどうだ。
「余計なお世話だよ、僕はそんなのにはまるで興味無いね」
じゃあ医者なんてどうだ、世界中の不治の病で苦しんでいる人たちを助けてやるんだ。
「不治の病だけかい?」
 つべこべとうるさい奴だ。かわいそうだと思わないのか、今こうして俺たちが話している間にも世界中で病に苦しむ人たちが助けを求めているんだぞ。それを見捨てるって言うのか、非道い奴だ!
「そんなに言うのなら、君が助けてあげたらどうだい」
 俺にそんな器量は無い。
「世界中の病気に苦しむ人達に謝れよ、今自分が言った事は全て嘘ですってさ。君が他人を助けてあげたいだの何だのと考えるはずが無い」
それは心外だ、言われの無き誤解だ、憎むべき冤罪だ。俺はいつだってだれかのために全身全霊で悩み苦しんでいるんだぞ。
「あまりにも嘘くさいよ。かわいそうだの助けるだのそんなものは単なる偽善だって言っていたのは一じゃないか」
 確かにそうは言ったが、偽善であろうと何であろうと救われる命はあるのだ。
「付き合ってられない、僕は君が何と言おうがこの本を読む」
 よせと言っているだろう、この分からず屋め!
 俺の制止もむなしく、幽真は読書に(少なくとも本人は読書だと言い張っているが、あり得ない早さで次々とページがめくられていく)集中しだした。もう俺が何と言おうとこの偏屈男は頑として聞きやしない。根っからの唐変木だ。
 幽真の手にしている本は、超自然現象解説とかいうすこぶる怪しく、胡散臭い、ペテンのオーラ全開な代物だ。全くもって胡散臭い、おまけに読んでる奴も胡散臭いときたもんだから始末に負えない。見ろ、誰がどう見てもただ単にページをめくっているだけにしか過ぎないぜ!
「真・超自然現象解説だよ」
 聞こえてたのか。
「隣でそんな奇妙な実況を大声でしていたら、誰にだって聞こえるってもんさ」
 そう言うが早いか幽真の奴は本を閉じる。まだ読み始めて十分も経っていない。
「大変参考になった。この本の著者は素晴らしい人物だ、感動したよ。まるで超能力者本人が書いたみたいだ」
 一人で勝手に感想を述べやがった。超能力者が居るとすればそれはお前の事だ。十分で本を一冊読み終える奴がどこの世界に居る。悪い冗談にしか思えない。
「なにも初めから読んでたわけじゃ無いだろ、ひねてるなぁ。一の欠点は実践もしないですぐになんでも非難する事だよ。君も一度やってみると良い、きっと気に入るはずだ。まず・・・」
 俺にそんな電波なものを解説する気か、やめてくれ。大変に余計なお世話だ。
「だからさっき僕に余計なお世話を働いたのは君の方だろ」
 本当につべこべとうるさい奴だ。 

スニーカーかスクエニ投稿しようと思ってるやつなんだがどうだろうか

1750イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/09(木) 19:28:25
止めた方がいい

1751イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/09(木) 21:34:50
とりあえず最初の一行でハルヒか?と思った。
(別に俺はハルヒ信者じゃないが)

キャラ同士の掛け合いと一人称のツッコミがかなり寒い。
台詞がくどい。中2病っぽいのが売りならそれでもいいと思うが。

1752イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/09(木) 21:56:48
エキセントリックだが実はスゴイ主人公格と、つっこみ役の主人公というのはキングオブ馬鹿一。
これでいこうと思ったら、よほどキャラが立ってないとムリ。しかし、キャラはおろか掛け合いにも捻りがまるでない。
ちっとも主人公の相方がスゴイという感じがしない。
故に馬鹿と無能のたのしい中2病劇場にしか見えない。

1753イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/10(金) 11:51:32
なんで主人公のセリフを「」でくくらないの?

1754イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/10(金) 12:39:49
>>1753
流し読みなのでよくわからんが
たぶん、主人公が幽霊とか宇宙人とか二重人格とかテレパシストとか
前フリがあるからそういうことだろうと思った

1755イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/10(金) 14:01:59
ハルヒの丸パクリしてるからだろ。あれの文体まんまだし。

1756イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/10(金) 15:36:10
最近レベル低いな。

1757イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/11(土) 11:51:13
神は現れんのか

1758イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/11(土) 13:45:48
>>1756さんの高レベルな文章晒して!

1759イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/11(土) 17:54:04
>>1749
 そもそもパクリだと一見して印象を与えるような作品は、パクリだと証明する必要もなく評価されないわけで、そんなくだらないもののために貴重な時間を浪費するなど愚か極まりない行為だ。お前にはそこらのワナビでは思いつかないような、自身から発生する文章やネタがあるはずではないか、何故その能力を自身の小説へ注ごうとしないんだ。
 例えばだな、ぐだぐだと長い文章を削るとかだ。編集になったつもりで、文章を一から点検してみるなんてどうだ。
 キャラクターなんてどうだ、自分の思い描く魅力的なキャラクターとして表現されているか確認してやるんだ。
「そんなに言うのなら、おまえはどうなんだ」って思っているかもしれない。残念ながら俺にはそんな器量は無い。せいぜいこうやって文章を改変するくらいだ。

馬鹿にするつもりは無い。自力はあるように感じられるから、がんがれと言いたい。
キャラクターが弱いのが気になる。少なくともうpしてある文章からはキャラクターの魅力が感じ取れない。

1760イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/11(土) 18:01:24
自力って地力じゃね?

1761イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/12(日) 04:13:56
 最近ハルヒが売れているようだけれど、売れ筋に影響されただけの作品はパクリとされても仕方がない。
舞台やその他の設定を変えても、作風どころか文体まで似ていては、そりゃ劣化コピーでしか無いだろう。
取り敢えずここを読んでくれ(半分はジョークだと思うが……)

 『下読みの鉄人〜確実に落選するテーマ』
  ttp://www.sky.sannet.ne.jp/shitayomi/m04-04.htm

 『ライトノベル作法研究所 オンラインでの小説上達研究の場 タブー、これをやってはいけない!』
  ttp://www.raitonoveru.jp/howto/h.htm

創作論で言うなら、面白いと思った作品を色々いじって、自分のオリジナルを考えるのはありだと思う。
クトゥルフ神話を背景にした作品なんかは、ラブクラフトの「剽窃してよろしい!」という方針も手伝って、
それ自体が一つのジャンルとして確率しているし、ファンタジーやSF世界でミステリーやハードボイルドを
展開する作品も多い。
そのまま真似せずに、舞台をファンタジーに……てのは既に有り余ってる気がするが、スペースオペラに
移し変えてみるとか。
主人公キョンの、内心と発言が混在する谷川流の文体を、自由間接話法で表現するとか、もっと工夫してくれ。
元ネタが何か判らない位に。

1762イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/12(日) 04:17:47
済まん、10行目は「確率」じゃ無く確立な。



……鬱だ寝よう。

1763無名人:2006/11/12(日) 23:03:41
どうもです、いつぞやのゾンビ映画ヲタクでございます。
あんまり筆が進んでいませんが、一応書き続けております。
で、1749を読んでみましたが、確かにこれはまんまハルヒですね。
この系統で行くのなら、自分的にネタ元と考えてるイギリスのバカSF作品群
を、一度読んでみてはどうでしょうか?
とりあえず、グラント・ネイラー『宇宙船 レッド・ドワーフ号』1.2巻が
オススメです。
自分は、根源を更に遡って『銀河ヒッチハイク・ガイド』を読んでみます。

1764イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/12(日) 23:34:52
ちょっと言わせてくれ!

ハルヒには一応「地の文」があるぞ。
>>1749のそれは、単に「」(カギカッコ)を省略した「会話連続文」でしかないだろ?

1765イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/13(月) 00:16:10
それは単に技量が足りないだけだろう

1766イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/13(月) 08:44:36
>>1765
もちろん技量も足りないし、それに小説の手法というものに対する認識もおかしいと思うんだ。

勝手な想像だけど、>>1749はカギカッコの頭に登場人物の名前を書いて台詞を続けるようなSSしか書いたことがないんじゃないかな?
それがいざ「小説」を書こうと思い立って、どうすればいいか考えた挙句「ハルヒみたいにすればいいんじゃないか」と思い立ったような。

1767イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/13(月) 20:43:46
でもここに書く人は恐れずにどんどん書き込んで欲しい

1768イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/15(水) 10:05:20
全くの暇つぶしで書いた文章です。軽く、ひとつ。

 マンション6階にあるイソベの部屋を空けてみて、最初に感じたのは圧力だった。
 開けた瞬間、部屋の中から猛烈な雰囲気を伴った空気が体を押しに来るのである。むせかえるような熱気、粘つくような湿気、異臭。分けても凄まじいのは匂いだ。嗅ぎ分けのたぐいは最初の一秒で放棄した。それ以上吸い続けたら発狂しかねかったからである。
 それでも放棄する前に吸い込んだ一息から何かを拾い出そうとする癖が、反射的に鼻を荒らし回る悪意を分析する。ラッカースプレー、腐った玉葱、カビ、体臭、鉄の匂いもある。いや実際それら一つ一つの名前を挙げても仕方がない。人間の生というものが抱え込むありとあらゆる文化と歴史と生物としての業が丹念に練り合わされそれらが部屋のヌシの怨念で数年薫蒸された一品物の匂い、と、ほとんど観念的に言うのが一番ただしいのではなかろうか。湿気で緊密に結び合わされ、隙間という隙間を丹念に埋められた部屋にみっしりと満ち満ちた湿気で沸き上がり、逃げ場が無いまま無制限に高揚していたところでタヌキチは「こちらからおいで下さい」と逃げ道を作ってしまったのだ。愚かにも。
 暴動というよりも、崩壊と言ったほうが正しい。部屋じゅうに構築されていた、イソベの人生を材質にした空気が地盤沈下の煽りを食らって崩落したのだ。崩落した空気は周囲の空気のうねりに呑み込まれ大河に呑まれる残骸さながらに更に更に広がり、
 やがてマンション全域は巨大な悪意のあぎとに収まった。

1769イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/15(水) 19:45:10
>>1768
表現が硬い。
以上。

1770イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/15(水) 22:57:09
くどいw
ギャグならいいけどね。まぁ暇つぶしだからだろうが、くどい割に内容が無い。
つーかなさ過ぎ。意味不明。読んで後悔した。そして理解した。罠だったと今理解したw

1771イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/15(水) 23:40:10
仰々しいのもそうだけど、途中まで読んで三人称だった事に気づいたよ。
人称が怪しい。始めの>イソベの部屋のドアを開ける〜のとこを
>イソベの部屋のドアをタヌキチが開けると〜にした方がいいと思う。

1772イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/18(土) 22:55:11
今書いてる長編の冒頭部分です。よければ感想をお聞かせ願います。



 この街を包む人工の明かりも、その人工の明かりを生み出す雑居ビルに構えた店や大企業のオフィスやホテル、高級マンションなどの高層ビルも、その明かりに群がる人間たちも、何もかも少女がこの街にいたときと変わりない。
 変わらない良さなど、そんな綺麗ごとを思い起こさせるようなものはここにはない。
そんなもの、この星の何処にあるのかなんて少女には予想も就かないが。
 少女は、この大都市の一画を締め、夜間人口が最も多くなる歓楽街にいた。正確にはその歓楽街の外れに建つ七階建ての空きビルの屋上の手すりに腰掛けていた。
 そのビルの正面は通りになっていてそれに面したこの歓楽街と、この通りが東西にのびているのに対し南北に伸びる商店街やその周囲の住宅地、そのさらに向こうにまるで異世界との壁のようにそびえる高層ビル群がよく見渡せる場所である。
 眼下の通りでは路肩にうずくまっていたり千鳥足でかろうじて歩いている酔っ払いや、路地裏や路肩で喧嘩を始める血の気の多いチンピラ風情、客引きをする男女、 目を光らせ巡回する警察官などがあちこちで見かけられる。
 少女は、血塗られたように禍々しく、それでいて鮮やかな真紅の双眸を細めてそれらをじっと見つめていた。流れるように真っ直ぐ伸びる黒髪と、上半身を覆う短めのマントの襟に通し、正面で蝶結びにした長い真紅のリボンが静かに北に風向きを示していた。
 少女にはこの国のあらゆる大都市、とりわけ夜の歓楽街ほど目と耳と鼻が腐りそうなところは他に無い気がする。この街には浮浪者や犯罪者なんかが溜まり、警察も行政もさじを投げ黙認するような無法地帯と化したスラムがないだけまだましだが。
ここでは恥を知らないらしい社会人、景観という概念が全く感じられない町並み、田舎の清澄な空気で育った人間は拒絶反応を示すのではないかというような酒と煙草と香水と料理なんかの匂いが複雑に混ざりあった空気、朝まで止まぬ喧騒はまるでこの国の、ひいては現代社会の汚点をデフォルメして詰め込んだようだ。
 少女は深く溜め息を就こうとして思い止まった。深く息を吐けば今度は深く息を吸わなければならない。この汚い空気を。
 少女は心の中で深い溜め息を就くことで妥協した。
 少女が此処に来たのには目的があり、その目的を達成しないことには此処を離れるわけにはいかないのである。
 そしてその目的は眼前に広がる景色と呼ぶにはあまりにも下賎な情景のなかの人々の生死と直接関わってくるのである。が、少女にはそんなことはどうでもよい。彼らがどうなろうと自分には全く以ってどうでもよいことだ。無関係だ。
 だが少女は一組織に身を置いている。となれば当然、多かれ少なかれ仕事をこなす必要があり、そうして組織に身を委ね義務を果たすことで自らの安全と生活が保障されるのである。
 何の目的があって組織は〝奴″を消したいのかは判らないが、その任務が自分に課せられ、それが結果として目の前の人間たちを救うだろうという事実のみが重要なのである。少女と、目の前の多くの人間たちにとっては。
 だから少女は見張っている。この歓楽街に〝奴″が現れるのを。
 そいつを見つけ次第抹殺するために。

1773イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/18(土) 23:21:19
描写がしつこくまわりくどい。
それでいて、どっからどうみてもただの都会のビルの屋上の風景でしかなく、途中で飽きる。
漫画で言うなら、路地裏のポリバケツからコマが始まって路地裏を抜けて大通りで雑踏を2コマぐらいつかって、一気に視点を上に上げて、
片道3車線ぐらいのビルの谷間を縦長のコマで一コマつかって1ページ。
見開きでビルの屋上で夜風に髪を嬲らせている少女とタイトル。
次のページから少女の繰り言兼状況説明で本編突入。

という凡庸なシーンでないの? という風にしか感じない。

1774イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/19(日) 02:19:18
 確かに小説を書くなら漫画やアニメ、それに映画なり演劇やミュージカルも観て勉強するべきだね。
その映像表現がどんな意図を持っているのかとか、登場人物の台詞のやりとりと、そこから読み取れる
舞台設定とか。それにリズム感も大事だ。
 今回の場合、描写がしつこくまわりくどく見える要因は、何も詰め込み過ぎているからだけじゃない。
最初の一文を詳細に検討してみると、

 >この街を包む人工の明かりも、

に対して直後であるにも拘わらず、

 >その人工の明かりを生み出す

と同じ単語を繰り返している。更に「この人工の明かり」に接続するのが、

 ①雑居ビルに構えた店や
 ②大企業のオフィスや
 ③ホテル、
 ④高級マンションなどの高層ビルも、

と街並みを表現する描写が多い。その上まだ終わらず、

 >その明かりに群がる人間たちも、

と続き、ここで作者が説明したいのが 「人工の明かり」→「街並み」→「人間たち」と判る。
つまり三つを連続して表現している最中に、街について四つの形容を挿入している訳だ。これが
しつこく感じられる理由となっている。
 映像表現ならパンしたところから入って少女にズームする一般的な技巧なんだろうけれど、
小説で使うなら意識してやらないと。
 一瞬で少女まで持って行くのか、それとも街の描写に焦点を置くのか。今回は明らかに少女なのだから、
街の描写は寄り道と考えるべきだろう。
 チープながら書き直してみると、

  この街を包む人工の明かりも、それを生み出す雑居ビルの林も、そこに群がる人間たちも、
 何もかも少女がこの街にいたときと変わりなかった。

ではどうだろうか? 今回は舞台を駅前辺りの雑居ビル群と想定してみた。歓楽街を舞台にするなら、
オフィス街を連想させる高層ビルはちょっと頂けない。六本木ヒルズのど真ん中に吉原もあるまい。
 どうせこの後で「異世界」のように遠くに見えるのだから。

1775イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/19(日) 12:30:37
>>1773>>1774
ご指摘ありがとうございます。

言われてみれば確かに、ただの歓楽街の描写なのに
何回かに分けて書いたのはくどいかもしれませんね。
そこらへんをよく考えて見直してみます。

1776イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/19(日) 12:49:11
>>1773>>1774
ご指摘ありがとうございます。

言われてみれば確かに、ただの歓楽街の描写なのに
何回かに分けて書いたのはくどいかもしれませんね。
そこらへんをよく考えて見直してみます。

1777イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/19(日) 12:50:47
↑すみません。勘違いです

1778イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/19(日) 13:54:20
そうだなあ・回りくどいな
最悪「こいつは文章に酔っている」と思われかねない
あと、
<少女が此処に来たのには目的があり、その目的を達成しないことには此処を離れるわけにはいかないのである。
等は説明するんじゃなくてじょじょに明らかにする方がいいと思う
「この少女はナンナンだろう、何をしたいんだろう」と思わせる事で読者の注意を引く(物語に引き込ませる)事が出来る

1779イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/21(火) 03:01:11
文章の質が、ちょっとどうかな、と思う。

「予想も就かない」「一画を締め」というような変な誤字。
「血の気の多いチンピラ風情」は誤用に近い。
「客引きをする男女」も変だけど「目を光らせ巡回する警察官など」はないよ。
「目を光らせる」とするなら「〜に」をつけないと、ロボットの描写になってしまうし、
具体例を描写した後で「などがあちこちで」で曖昧にぼやかすのは最悪。
想像力、描写力がここで息切れしたんだな、ととられてしまう。

1780イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/24(金) 01:08:47
age

1781イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/24(金) 01:51:51
冒頭部分に限らず、話全体ですっばらしい量の設定を作る上に、
それを殆ど話に出さないと気が済まなかったので、
今回の長編は設定の量はそのままに、出す量を限りなく少なくしてみました。
初めての試みなので、まだその匙加減がよくわからない状態です。
ホラーに重きを置いたファンタジーの、冒頭部分です。宜しければご指摘をお願い致します。


 激しい運動をしたのでは無い。
 しかし少女の呼吸は荒く、素朴な印象の頬を、汗が一筋流れていく。顔をナメクジが這っているかのように感じた。
 時間が経てば経つほど、少女を取り巻く空気は重くなり、その呼吸を奪う。
 理不尽な暴力を突きつけられた時、人は大抵その思考を止め、ただ眼前に広がる映像を見る事しかできなくなる。
 つい先程まで、少女と共に食卓を囲んでいた両親は、既に人間と呼べるほどの原型を留めていなかった。
 逃げなければ、と頭のどこかで声がした。
 だが、身体は鉄の棒を仕込んだかのように重く、動く事ができない。
 生暖かい風が吹き、拙く揺らぐ蝋燭の火を消す。ぬらぬらとした床に落ちずに済んだ、最後の一本だった。
 こちらへ向かう音がする。
 壁も天井も、ただの木屑になってしまった。
 月の明かりが煌々と、そいつらを炙り出す。
 川魚をさばいた時に、見る内臓のような外観。何かが腐ったような、吐き気を催す強烈な臭い。人間や他の動物とは違う、奇妙な造りの肉体。
 青白い光が薄い膜に反射して、より不気味に見えるそれは、あまりにも異質すぎて、目を逸らす事ができない。
 逃げなければ、生きたまま喰われる。血肉の塊になった、両親のように。
 遅鈍に動くそれから逃げるのは、容易いかも知れない。
 しかし肝心の身体は、それが腕らしき部分を振り上げようとも、ピクリとも動かない。
 殺される恐怖が、突然彼女の中で増殖し、やがて訪れるであろう激痛に耐える為、目を瞑り、歯を食いしばる。
 その脇を、風が一つ突き抜けていった。
 子竜だ。
 両の掌に乗るくらいの大きさで、数ヶ月前に怪我をして倒れていたところを、少女が介抱。以来、友達のように過ごした、『竜』と呼ばれる爬虫類だ。
 随分元気にはなっていたが、まだ飛ぶのも拙い。
 案の定、子竜は不気味な肉塊に叩き落され、ぼてぼてと無様に転がる。
 それでも子竜は立ち上がり、何度も何度も突っこんで行っては、軽く跳ね飛ばされる。
 向かっていく軌道がいびつになっても、起き上がるまでの時間が長くなっても、少女がそこから動かなくても。

1782イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/24(金) 09:41:36
>>1781
きつく言っていいかわからんのでやさしめに

とりあえず人称がワヤですね。全体的には三人称だと思うんですが
>顔をナメクジが這っているかのように感じた。
>こちらへ向かう音がする。
>あまりにも異質すぎて、目を逸らす事ができない。
他にもあるけどこの辺は容赦なく一人称。
あと視点も主人公⇔神と入り乱れております。

>川魚をさばいた時に、見る内臓のような外観。何かが腐ったような、吐き気を催す強烈な臭い。人間や他の動物とは違う、奇妙な造りの肉体。
視覚⇒嗅覚⇒視覚に戻るより、最後は聴覚とか、視覚⇒視覚⇒嗅覚にするほうが良いかと。

あと読点がちょっと多いかな。ホラーというか雰囲気重視の文章は、描写のテンポが重要だと思うので。
(キャラ押しは会話のリズム)
読んでいて違和感の無いギリギリの少なさに挑戦してみてください。たぶんよくなると思います。
頑張れ!

※最初流し読みしたときは三国志物だと思ったよ……

1783イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/24(金) 17:49:58
>>1781
ううん。。
冒頭にしてはちょっと弱過ぎる。
ああ、頑張ってるんだな、というのは読者に伝わるけど少し空まわり
これは個人的(大塚嫌いな香具師もいるだろうし)なおすすめなんだが
つ多重人格探偵サイコ
あなたの望むジャンルじゃないかもしれないけど勉強して欲しい(偉そうですまん)

1784イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/24(金) 19:19:20
>>1782
あっ……加減を意思表示してませんでしたね。済みませんι
辛口の方が好みです。スパーンとはっきり言って下さる方が、より理解しやすい。
うぅむ……、まだまだ弱いんですね……。
主人公に近い視点ってのに慣れていないものですから、問題点すらもわからない状態でした〜。
言われてから、句読点多いと気付きました。悪い癖です……。
容赦無く一人称! 目標がはっきりと見えただけでも、大いなる収穫です。
丁寧でわかりやすいご指摘、ありがとうございますっ。

>>1783
サイコは小説の書き方の本で知って、漫画版は全て揃えました。
サイチョコの方も……。
あの死体の描き方がグロくて、今でも思い出すだけでお腹ぐるぐるです。
あれだけで充分ホラーな気が。小説の方も探してみます。

よく考えたら、ホラー系の漫画はよく読むけれど、小説はあんまり読んでないような……。
好きなんですけどねぇ、ホラー……。

1785イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/24(金) 19:31:19
サイコ小説版
買うなら立ち読みしてから買ったほうがいいよ。
俺は買って後悔した。三ページ読んで本棚にしまった。たまたまはずれだったかもしれんが。
漫画は好きなんだがな……やっぱ大塚氏は原作屋なんだろうとおもたよ

17861782:2006/11/24(金) 22:36:44
>>1784
容赦なく一人称にしろ、という事ではなく
どう見ても一人称ですよ、ということですよ。一応w
統一するなら主人公視点の三人称がいいんじゃないかと……

1787イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/25(土) 18:24:53
>>1785
サイコに限らず、大半のラノベが買って埋まります。
たまに読み返しますが……。
立ち読み苦手です。長く読んでいると、ブッ倒れてしまうので。

>>1786
あららっ、勘違い済みませんでした〜。
う〜ん……、いつもあまり三人称だの一人称だの気にしないで書いているものですから
コムズカシイ……。
(本人は書いてて混乱しないので、なおさらタチが悪いのです)

1788イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/25(土) 18:30:57
書いていて混乱しないのは、書き手だから流れを理解できているだけのお話。
読み手は当然ながら、書かれていること以上のことは知らないのだから混乱する。

1789イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/25(土) 22:09:26
うーあー……かなり難しい問題ですね。
癖になってるようですし……。
気長に確実に直しますっ……!
ご指摘ありがとうございました。

1790イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/25(土) 22:22:49
人称、っーか神視点と主人公視点の混濁は、俺は気にならなかったなあ〜。
例えばホラー映画なんかで、主人公の背中をそっと追うカメラがあって、次のカットで主人公が振り返って誰もいなくて胸を撫で下ろして向き直ると……なんてのもその手法だし。

ただ、下読みさんや審査員がどう判断するかは知らない。

1791イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/25(土) 22:28:37
短い文だと、そんなに混乱はしない。
しかし、これが長編ともなると前の部分の視点の乱れに引きずられてしまう。
このことにより、どのキャラクターに感情移入すれば良いのか。どういう展開なのか。何が中心なのかということが曖昧になってしまう。
この曖昧さは、容易に読者を物語世界より引きはがし没入感を奪いさってしまう。
こういう場合、読後に残るのはわけがわからんうちに終わっていた。なんかクサイ台詞で格好付けているだけ。という感覚である。

逆に言うと、この曖昧さを拭えるのならば視点のスイッチングはそれなりに有効ではある。

17921781:2006/11/25(土) 23:50:06
>>1790
ホラー物のイメージがまさにそれなんです。
だからでしょうか、どうにも主人公の主観も入ってしまうんですよ……。

>>1791
主要どころか登場キャラクターは、主人公とそれを助けていく人のみです。
いつもいつも、無駄にキャラクターを作ってしまうので、今回は必要最小限だけで行こうと決めて。
実際、プロットに詰めたいと思うだけのキャラクターを作れていません。増やす予定無しです。
ですがこうして制限してみると、今までの物語に無駄が多かったと実感。
ついでに極限状態でどこまで書けるのか、知りたかったというのもあります。
臭い台詞も、言わせない(と言うより、言わせたくない)です。
今回の物語の方向性だけは、しっかりと見すえているので、他の物語書くより安定していると思っていますよ。
まだ誰にも読んでもらっていない状態なので、断言できませんけど。

1793イラストで騙す予定の名無しさん:2006/11/26(日) 03:47:07
>>1781
うーん典型的な乱れた文章だな。視点の乱れは印象の乱れと覚えてもらいたい。
三人称に一人称な独白が混ざってるのもそうだけど、少女の狂騒状態なのかモンスターのおどろしさなのか、
何を強調したいのかが見えてこない。書き出す情報の取捨選択が出来てない。
こうなると読者は何がしたいの?ってモヤっとする。最後の竜の件でトドメ。(蛇足になってる。)

作品を捉えるカメラの位置とカメラが何を映してるかを気にしないとダメ。
小説のカメラは映像媒体のそれと違って画面がはるかに小さいって事も理解して。(小説と映像媒体の違い)
それと人称統一は文章作法。心理描写の類は人称ごとにやり方があるから、それに則って。

17941781:2006/11/26(日) 18:25:39
>>1793
ご指摘サンクスです。
うーむー……よく考えたらそうかも_| ̄|○
何を書きたいんだ、私。
……致命的じゃん。
あいっ、気を引き締めてリライトしまっす!
道理で筆が進まなかった訳だ……。

1795イラストで騙す予定の名無しさん:2006/12/01(金) 23:32:00
今書いている長編の一シーンです。タイムスリップものです。
特に描写の量が適切かどうか見て頂きたいです。よろしくお願いします。


夕食をとった後、佐知は家の外へ出て家の壁にもたれかけて座り、風に当たっ
ていた。暗闇に点々と灯る集落の家の暖かみのある柔らかい明かり。空を見上
げれば満天の星空。ぷんとただよう草の臭い。そしてただただ静かだった。
「佐知」
 静かな空間にその声が響き渡る。佐知はその声に反応してびくっとした。声
の方を向くとマルセルが立っていた。マルセルであることは声のトーンで分か
っていた。
佐知はマルセルの顔を見ると、またあの、ぞくぞくっとした気持ちが出てき
た。恐怖を感じているようで、同時に何かに期待しているような、そんな二つ
の気持ちが入り混じった複雑な思い。しかし、その思いを佐知は不快に感じる
ことはなかった。良く分からない感情に戸惑っているだけだった。
「隣、いい?」
 マルセルの言葉に佐知はうなずくと、マルセルは佐知の横に座った。すると
佐知はガチガチに固まった。変に緊張して横にいるマルセルの顔が見られなく
なった。今まで普通にしていたのに急に――原因は佐知には分からなかった。

1796イラストで騙す予定の名無しさん:2006/12/01(金) 23:33:18
 佐知は両腕を交差させて、自分の腕の付け根あたりに手を置いて、自分を抱
くような姿勢をとった。それを見たマルセルが寒い? と問う。佐知は首を横
に振った。
「佐知の世界ってどんな所? 君は何才で本来の世界では何をしているの?」
 マルセルが問う。佐知はマルセルの方を向こうとする。しかし出来なかった。
「私の世界はもっとここより文明が発達していて、お金を払えば世界中どこへ
だって行けます。そういう世界で、私は十六才で、学生をしています」
佐知は固まったまま、前を向いたまま答える。口調も坦々としている。これ
ではマルセルに嫌われると佐知は焦った。固まった体が許せなかった。案の定
マルセルの溜息がする。佐知は惨めでいたたまれない気持ちになった。
何か言わないとと、佐知は思った。それでとっさに浮かんだ言葉を言った。
「マルセル様はどういう人なんですか?」
「俺? 俺は中途半端かな」
 言ってマルセルは自嘲するように薄く笑った。その雰囲気に魅せられて佐知
の金縛りが解けた。佐知がマルセルの横顔に視線を送っていると、マルセルは
佐知の方を見て肩をすくめて言った。
「六つ上にジャンっていう名前の兄貴がいて、兄貴は騎士の家系の長男として
騎士の身分を引き継いだ。次男の俺は何も期待されていないから、自由に何に
でもなれるんだけれど、何がしたいか分からなくてふらふらしてる。だから中
途半端」
 言って、マルセルはふっと笑った。それはどこか寂しそうな泣き出しそうな
笑みだった。佐知もそのマルセルの表情につられて、悲しい気分になった。胸
がぎゅっと締め付けられた。その佐知の顔を見て、何て顔をしてるんだとマル
セルは笑った。そしてゆっくりとつぶやくように言った。
「俺は大丈夫だから。だから佐知がそんな顔をする必要はないんだ」
 二人の間に沈黙が流れた。佐知とマルセルは無言のまま、前の景色を眺めて
いた。

1797イラストで騙す予定の名無しさん:2006/12/01(金) 23:34:07
と、マルセルが口を開いた。
「佐知は好きな人はいるの?」
 マルセルの唐突な問いに佐知は驚いて、反射的にマルセルを見る。マルセル
の目はどこまでも優しかった。佐知はうなずいた。
「誰? 一緒にこの時代にきた相手?」
 佐知は少し躊躇するも、再びうなずいた。
「過去世の思いに引きずられて……か。俺には想像出来ないな」
 言ってマルセルは空を見上げた。
佐知はその横顔を複雑な気持ちを抱えて見つめていた。佐知はマルセルに問
う。
「マルセル様の好きな人って、彼女ですか?」
 言って佐知は自分を指さした。マルセルはうなずく。
「ミシアとは結婚の約束もしてる。だからできるだけ早くミシアに体を返して
もらいたいんだけどな」
 マルセルはおどけた調子で言った。佐知はそれを聞いて、その表情を見て、
なぜか寂しい、一人取り残されたような気持ちになった。
――何だろう、この感じ。
佐知は無性に泣きたい気持ちになっていた。どうしてそんな気持ちになるの
か佐知には理解出来なかった。


 佐知はそのままマルセルと別れ、部屋に入った。部屋はすでに暗く、エレー
ヌはベッドの一つに布団をかぶって寝ていた。佐知はエレーヌを起こさないよ
う、そっともう一つのベッドに入る。佐知は仰向けに寝、天井をみつめた。
佐知は先ほどのことを考えていた。佐知は胸に手を当てた。そして自分の気
持ちをゆっくりと整理していくことにした。
マルセルを見るとぞくぞくする。マルセルが近くにいると、とても緊張する
。マルセルの好きな人がミシアだと聞いて寂しい、悲しい気持ちになる――。それを佐知は呪文のように心のなかで何度もつぶやく。
佐知は自分の気持ちに気付いて目をむいた。
いつのまにかマルセルのことを意識していて、マルセルの恋人であるミシア
に嫉妬している。
――これが好きっていう気持ちなのかな。
佐知は自分では確証できなくて戸惑った。佐知は誰かに教えてもらいたかっ
た。貴方の今の気持ちはこれこれこういう気持ちですよと。この気持ちが宙ぶ
らりんの状態のために、佐知は気持ちが悪くてしょうがなかった。
いつからこんなことになったんだろうか。佐知は思いをめぐらせた。
ぞくぞくした感情を持った時から? いや違う。もっと最初――。きっと腰
に手を回され、驚いて初めてマルセルの顔を見た時から――。
 最初にマルセルの顔を見た時の、マルセルの顔が佐知の頭の中にふっと浮か
んだ。そのマルセルを感じた瞬間、佐知は体の中心から、あのぞくぞくした感
じが湧き出てくるのを感じた。
 このぞくぞくする気持ちも佐知には何であるのか分からなかった。ただ、ぞ
くぞくした気持ちには、佐知をいい気分にさせる麻薬のようなところがあった


少し長くて恐縮です。

1798イラストで騙す予定の名無しさん:2006/12/01(金) 23:41:35
すいません。1795-1797書き直し版です。
同じくタイムスリップものです。描写の過不足あたりが特に知りたいです。
よろしくお願いします。

夕食をとった後、佐知は家の外へ出て家の壁にもたれかけて座り、風に当たっていた。暗闇に点々と灯る集落の家の暖かみのある柔らかい明かり。空を見上げれば満天の星空。ぷんとただよう草の臭い。そしてただただ静かだった。
「佐知」
 静かな空間にその声が響き渡る。佐知はその声に反応してびくっとした。声の方を向くとマルセルが立っていた。マルセルであることは声のトーンで分かっていた。
佐知はマルセルの顔を見ると、またあの、ぞくぞくっとした気持ちが出てきた。恐怖を感じているようで、同時に何かに期待しているような、そんな二つの気持ちが入り混じった複雑な思い。しかし、その思いを佐知は不快に感じることはなかった。良く分からない感情に戸惑っているだけだった。
「隣、いい?」
 マルセルの言葉に佐知はうなずくと、マルセルは佐知の横に座った。すると佐知はガチガチに固まった。変に緊張して横にいるマルセルの顔が見られなくなった。今まで普通にしていたのに急に――原因は佐知には分からなかった。 佐知は両腕を交差させて、自分の腕の付け根あたりに手を置いて、自分を抱くような姿勢をとった。それを見たマルセルが寒い? と問う。佐知は首を横に振った。
「佐知の世界ってどんな所? 君は何才で本来の世界では何をしているの?」
 マルセルが問う。佐知はマルセルの方を向こうとする。しかし出来なかった。
「私の世界はもっとここより文明が発達していて、お金を払えば世界中どこへだって行けます。そういう世界で、私は十六才で、学生をしています」
佐知は固まったまま、前を向いたまま答える。口調も坦々としている。これではマルセルに嫌われると佐知は焦った。固まった体が許せなかった。案の定マルセルの溜息がする。佐知は惨めでいたたまれない気持ちになった。
何か言わないとと、佐知は思った。それでとっさに浮かんだ言葉を言った。
「マルセル様はどういう人なんですか?」
「俺? 俺は中途半端かな」
 言ってマルセルは自嘲するように薄く笑った。その雰囲気に魅せられて佐知の金縛りが解けた。佐知がマルセルの横顔に視線を送っていると、マルセルは佐知の方を見て肩をすくめて言った。
「六つ上にジャンっていう名前の兄貴がいて、兄貴は騎士の家系の長男として騎士の身分を引き継いだ。次男の俺は何も期待されていないから、自由に何にでもなれるんだけれど、何がしたいか分からなくてふらふらしてる。だから中途半端」
 言って、マルセルはふっと笑った。それはどこか寂しそうな泣き出しそうな笑みだった。佐知もそのマルセルの表情につられて、悲しい気分になった。胸がぎゅっと締め付けられた。その佐知の顔を見て、何て顔をしてるんだとマルセルは笑った。そしてゆっくりとつぶやくように言った。
「俺は大丈夫だから。だから佐知がそんな顔をする必要はないんだ」
 二人の間に沈黙が流れた。佐知とマルセルは無言のまま、前の景色を眺めていた。

1799イラストで騙す予定の名無しさん:2006/12/01(金) 23:43:04
 と、マルセルが口を開いた。
「佐知は好きな人はいるの?」
 マルセルの唐突な問いに佐知は驚いて、反射的にマルセルを見る。マルセルの目はどこまでも優しかった。佐知はうなずいた。
「誰? 一緒にこの時代にきた相手?」
 佐知は少し躊躇するも、再びうなずいた。
「過去世の思いに引きずられて……か。俺には想像出来ないな」
 言ってマルセルは空を見上げた。
佐知はその横顔を複雑な気持ちを抱えて見つめていた。佐知はマルセルに問う。
「マルセル様の好きな人って、彼女ですか?」
 言って佐知は自分を指さした。マルセルはうなずく。
「ミシアとは結婚の約束もしてる。だからできるだけ早くミシアに体を返してもらいたいんだけどな」
 マルセルはおどけた調子で言った。佐知はそれを聞いて、その表情を見て、なぜか寂しい、一人取り残されたような気持ちになった。
――何だろう、この感じ。
佐知は無性に泣きたい気持ちになっていた。どうしてそんな気持ちになるのか佐知には理解出来なかった。


 佐知はそのままマルセルと別れ、部屋に入った。部屋はすでに暗く、エレーヌはベッドの一つに布団をかぶって寝ていた。佐知はエレーヌを起こさないよう、そっともう一つのベッドに入る。佐知は仰向けに寝、天井をみつめた。
佐知は先ほどのことを考えていた。佐知は胸に手を当てた。そして自分の気持ちをゆっくりと整理していくことにした。
マルセルを見るとぞくぞくする。マルセルが近くにいると、とても緊張する。マルセルの好きな人がミシアだと聞いて寂しい、悲しい気持ちになる――。それを佐知は呪文のように心のなかで何度もつぶやく。
佐知は自分の気持ちに気付いて目をむいた。
いつのまにかマルセルのことを意識していて、マルセルの恋人であるミシアに嫉妬している。
――これが好きっていう気持ちなのかな。
佐知は自分では確証できなくて戸惑った。佐知は誰かに教えてもらいたかった。貴方の今の気持ちはこれこれこういう気持ちですよと。この気持ちが宙ぶらりんの状態のために、佐知は気持ちが悪くてしょうがなかった。
いつからこんなことになったんだろうか。佐知は思いをめぐらせた。
ぞくぞくした感情を持った時から? いや違う。もっと最初――。きっと腰に手を回され、驚いて初めてマルセルの顔を見た時から――。
 最初にマルセルの顔を見た時の、マルセルの顔が佐知の頭の中にふっと浮かんだ。そのマルセルを感じた瞬間、佐知は体の中心から、あのぞくぞくした感じが湧き出てくるのを感じた。
 このぞくぞくする気持ちも佐知には何であるのか分からなかった。ただ、ぞくぞくした気持ちには、佐知をいい気分にさせる麻薬のようなところがあった。

1800イラストで騙す予定の名無しさん:2006/12/02(土) 13:54:43
>>1795
ルルル?
少し描写が丁寧過ぎる
あと、臨場感があればよくなると思う

18011795:2006/12/02(土) 22:48:36
>>1800
批評くださり、ありがとうございます。
ルルル……描写が女性向けっぽいですか?
一応男性向けに書いているのですが。(汗)

描写が丁寧過ぎますか。心理描写ですよね、きっと。
了解です。もう少しさらっとしてみます。
臨場感のないのは情景描写の不足からくるものでしょうか?
心理描写をもう少し軽めにして情景描写を増やす。ありがとうございます。

1802イラストで騙す予定の名無しさん:2006/12/04(月) 01:23:20
 少女漫画と少年漫画の違いの一つは、心理描写に重点を置くか置かないかにある。
方針としてはそれほど間違えてはいないと思うよ。個人的にはむしろ、主人公の造形が
単純過ぎると考えた位だ。
 例えば悩む主人公が安らかに眠ってるエレーヌを見て、半ば八つ当たりで気分を
害してみせるとか。その場合「エレーヌを起こさないよう」に静かにしてはいない。
乱暴に扉を閉めて起こしてしまうとか。色んな状況を考えてキャラクターの造形を
掘り下げてはどうだろう?

 あと投稿する前は、充分に推敲しておくこと。

18031795:2006/12/05(火) 08:45:01
>>1802
批評くださり、ありがとうございます。
方針として間違えていないというのは、
私の文章は男性向けととってもらえるということでしょうか?
女流作家の文章を読むとどれも心理描写がねっとりとしている印象を受けます。
私はそれにくらべてまだ坦々とした文章で……。
しかし狙って坦々とした文章にした訳ではなく、技量不足によるものです。
女流作家のような濃密な心理描写が書けるけれども、男性向けに
心理描写の量を押さえられる技量をつけていきたいところです。

また、主人公の造形が単純という指摘ですが、私が悩んでいることです。
いつも登場人物に個性がなくみんな同じような人になるのです。
あらかじめ設定をきちんと決めているにもかかわらずです。
その原因は登場人物の行動描写が足りないところに原因があったのですね。
今後そのあたりに気をつけて書いていきたいと思います。

ありがとうございました。

投稿前は推敲。すいません。気をつけます。ご迷惑おかけしました。

1804イラストで騙す予定の名無しさん:2006/12/08(金) 23:39:46
hp一次落ちを晒しときます。↓の317
ttp://wannabee.mine.nu/uploader/
よろしければ批評をお願いします

1805イラストで騙す予定の名無しさん:2006/12/09(土) 05:06:49
たまたま見かけたのでカキコ。ここの流儀がわからないので乱文だったら失礼。

えーと、まず送ったのがhpというのは間違いじゃない?
作風から見て、この作品は明らかに少女レーベル向けです。
普通の少年読者にとって、チョコ作りに情熱を燃やす少女にのめりこむことは
できない。この読者層は冒頭で読むのを止めるでしょう。まあ、「hpにいるだろう
少女層に訴えたい」ということならいいけど、そうでないなら素直に送り先を変える
べきかと。

内容に関して。キャラ・ストーリー、共に地味です。正直、面白くない。
もうちっと工夫してください。

個人的意見なんだけど、ラノベの楽しみは漫画に近い破天荒さにあると思う。
つまり設定や展開にアイディアを凝らすことで話を面白くするんだけど、この作品では
そういった要素が見受けられません。これでは面白くなくて当然かと。

なんとなく書き上げるので精一杯。そこまで気が回らなかったのではないかという印象です。
次作はそういった点にも気をつけて頑張ってください。

1806イラストで騙す予定の名無しさん:2006/12/10(日) 00:10:40
>>1804
たぶんカテゴリーエラー。
コバルトとか、新しいルルルとかの方が合ってたと思う。
あと気になったのは、
>私は眉をしかめる。
>三歩進んで四歩下がるような有様だ、とため息をつく。
主人公視点の一人称なのに、主人公の視覚表現や客観的な視点。
たぶん主人公の性格にあわせての表現だろうと思うけど、いまいち機能してない気がした。
キャラは確かに少し弱いかも。
ストーリーは嫌いじゃないです。
あと短編は、特に時系列を乱すのって心象悪いかもしんない。まあケースバイだろうけど。

1807イラストで騙す予定の名無しさん:2006/12/11(月) 00:46:00
>1804
ストーリーは悪くないけど、バランスが悪いかなあ。

設定の説明に枚数をかけすぎてるような。
で、お菓子を作り始めたとおもったら、走り回って、渡して終わり。
お菓子の失敗をどんどんエスカレートさせるとか、
走り回ってるあたりでもっと不幸や誤解のネタ突っ込むとか、いろいろ出来るはず。
逆に、実はカード添え忘れた、なんて見え透いたオチは、どうでもいいと思う。

1808イラストで騙す予定の名無しさん:2006/12/13(水) 16:34:36
>>1804
一本調子すぎ。盛り上がりがない。男女どちら向けかさっぱりわからん。
とりあえずそれぞれ向けの児童文学でも読んで勉強せいって感じかな。

1809イラストで騙す予定の名無しさん:2006/12/21(木) 16:36:22
>>1804
皆さん随分厳しいなぁ……と思ったら、なるほど、そういうことですか。
話のモチーフは自分好みでかなり好きでした。しかし、普通すぎる。
そんなに破綻してないからこそ、これは電撃向きでは無いのかもしれないですね。

自分がそうだったから思ったのかもしれませんが、キャラを大事にし過ぎな気がします。
だから、何も破天荒なことが起きない。
まずは、自分を知った方がいいかもしれません。
自分が書きたいものと書きたくないものを追求してみましょう。
その上で、自分が書きたくないものの理由を考えて、あえて書いてみた方がいいかもしれません。
傷つくのが嫌だと、大抵は完璧超人が出来上がります。
でも、そんな完璧超人がいても、作者が誰も傷つけたくないから、誰もやられてくれません。
結果、起伏のない完璧さの説明文が続くだけになってしまいます。

もし恋愛モノをやるのであれば、『犠牲』は付き物です。
何かリスクを背負っても突き通したい恋愛──燃えるじゃないですか。

ただ、最初から人に対する略奪愛を書くのはかなりハードルが高いので、
動物やモノに対する略奪愛や、別の犠牲──例えば時間やお金を犠牲とした話を書いてみてはどうでしょう?
完璧超人は、やられる側を作らなければ成り立ちません。
犠牲者を演じることが、恋愛モノの作者には求められます。

書けないキャラがあることは、話を書く上ではそれだけ損します。
頑張って下さい。

1810イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/03(水) 01:51:56
今書いているものの冒頭部分なのですが、些細なことでもいいので批評お願いします

 俺はタダならぬ殺気に気づき目覚めた。
いつもの教室に充満する、異様な殺気。
それもかなり近くに感じ取ることが出来る。
見るのも恐ろしい……しかし俺は意を決し、殺気の源を辿って行くことにした。
まず机に伏せている顔をゆっくりと上げる。
そしてある程度上げた所で、今度は目線だけをゆっくりと上にやる。
そしてそこには、俺の想像どおり、殺気の根源が仁王立ちしていた。
「おはよう、レイク=ファルディ君」
「お、おはようございます先生…」
 殺気の源――もとい先生はため息を漏らした。
「君ねぇ、そんなんだからいつまでも成績が伸びないのよ?」
「そ、そうですね……ハハ」
 俺は先生の話に相槌を打った、というか、そうすることしかできなかった。
「運動が好きなのは良いことだけど、もうニ年生なんだしやっぱり勉強もねぇ?」
 先生は不自然なほどにこやかな表情で俺に対し小言を言う。殺気は依然として消えない。
それどころか激しさを増し、教室全体が黒く染め上げられつつある感じがした。
「さぁ、ファルディ君、この後先生が言いたいことは分かってるわよね?」
 更に黒いオーラを増し、何人たりとも逆らうことの出来ないブラック・スマイルで俺に言った。
無論、俺も逆らえない人間の一人、反論する勇気も余地も無い。
ゆっくりと席を立ち、教室の出入り口までまっすぐ歩いて向かう。
40人程居る教室から、痛い視線やせせら笑いを浴びせられながら、俺は静かに教室を後にした。

1811イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/03(水) 04:22:45
>>1810
平凡。ここまで短くないと読む気にもなれない。
これ読んで「えっ!? この後どうなるの?」なんて考えるヤツがいたら、
そいつは脳みそが腐ってるとしか思えない。

21行だから、だいたい文庫にして一頁強。買わないね。誰も。

1812イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/03(水) 07:23:20
>>1810
顔を上げていないのに教室中に充満しているのなんて把握できない。
ましてや、寝てた直後。記憶を寝る直前の環境に戻して状況を理解出来るはずがない。
『そして』の2行目のは要らない。
全体構成としては、はっきり言って遅い。
只ならぬ殺気は只なる殺気と違って初めて意味を持つ。
一瞬でその意味を理解させる描写が要るのに、「そんなだから成績も〜」なんて平凡性を出すべきじゃない。
只ならぬ殺気=先生の視線だとしたら、はっきり言って描写の無駄。
只ならぬ殺気が先生のものではなくまた別なものだとすれば、文が全く足りない。
きちんと落とした所まで書かないと、批評も何も無い。

ちょっと思いつきでコメディ調にリライトしてみたんで置いとく。

(──誰だ?!)
 一面に漂う殺気。
 それを察知し、暗闇に目を開ける。
 窓に引かれたカーテンの隙間から月明かりが差し込む以外、全ての物は濃い紺色に包まれていた。
 おおよその見当はついている──先日壊滅させた組織の残党からの刺客だ。
 しかしながらこのレイク=ファルディ、こんな事もあろうかと常に寝るときにはナイフを右手に忍ばせている。
(……残念だったな、寝込みを襲えば倒せるとでも思ったか!)
 闇に笑みを浮かべつつ、右手に持つナイフに人差し指をかける。
 一旦目を閉じ、耳を澄ませ、肌に神経を集中し──その動きを捕らえんと構える。

「そこだッッ!」



「……何が、『そこだ』、なのかな? レイク=ファルディ君」
「…………?」
 ぼんやりと焦点の合ってくる視界。
 低い声と共に聞こえてきたのは、カラカラと鉛筆が転がる音。
「おはよう。よく眠れた?」
 非常に柔らかな表情で微笑む、一人の女。
 一人の女?
「…………ッ!
 い、いや、あのッ……は、はい……」
「そうよね、ここに数分立っていても気付かないぐらいだったんだもの」
 同じ微笑みなのに、段々と先ほどの殺気は膨れ上がっていく。
 それにつれて背景にはもうもうと黒い煙が漂ってきていた
 ようやく、大体の状況は把握できた。
 ここは学校の教室。
 僕は組織に追われる者ではなく、只の学生レイク=ファルディ。
 そして、授業中にも関わらず、寝ていたわけで──目の前で教師が仁王立ちしている。
「や、あの……す、スイマセ──」
「……レイク=ファルディ、廊下に立ってろッ!!」

1813イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/03(水) 11:11:36
ちょっと晒してみる。ちなみに本稿は応募するつもりなので晒せない。よってボツ稿の冒頭。
ちなみにこの時ハルヒは読んでない……はず。でもなんかキョンを意識したような文体なんだよな……。
ttp://wannabee.mine.nu/uploader/files/up0351.txt

あと夢オチになっているが、フラッシュバック+後半が夢という状態。
殺した少女が実は生きてました程度に続くのだが、そこまで続けるとダラダラと長くなるのでカットした。

>>1812
リライトが流行りのようだけど、やめろ。
それは自慰にしか過ぎないし、技術的に五十歩百歩だ。

1814イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/03(水) 11:14:39
何の根拠も無いんだけど、>>1810が神器に見えた。つまりは
それくらい自己陶酔している文章って感じ、かな。
主人公の陶酔ぶりをうまく客観化して「笑える奴」というキャラを与えるか、
あるいは逆に殺気を突きつけられる緊張感をきっちり書かないと
退屈になってしまう。

俺が個人的に「こうやったほうがいいかな」と思ったところでは、
「俺は」「俺が」と余り書きすぎない事かな。この場合は、だけど。
あんまり置くと視線が冷めて緊張感が抜ける。あるいはそれを文章力で補うか、
逆に何とかして使いこなすか。あとは語尾にいちいち格好付けの匂いがキツい。
もっと普通にやってくれ、と言われて何も思いつかないのなら
ハメットとかチャンドラーがいかにかっこつけているか、読んでみるのも一興かと。

1815イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/03(水) 11:30:47
プロでもないのにリライトすんのはどうかと。
まあ最終選考まで逝ったなら別だけど。

>>1813
うp乙
村雨といい、リザードマンといい、あまりにもオリジナリティーがない。
あと、あまりにも淡々としてる

1816イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/03(水) 11:30:54
>>1813
確かに五十歩百歩だな。最初3行で読む気を無くす。
誰に語りかけてるんだよ。そんな設定羅列を読者が求めるはずがないだろ。
どうせ頭でやるなら、台詞で語らせるべきだな。
てか、リライトもしてなさそうなボツを晒して意味があるのかどうか。

1817イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/03(水) 11:50:35
>>1813

うーん……?
たしかに一気に読めるね。

でも、感情がまったく描かれていないんで、
そのリザードマン切りがどういう位置づけなのか分からない。
それって主人公にとって楽しいの? 辛いの? 退屈なの? 怖いの?
それをするのは義務? 趣味? 仕事?
それらがないんで、読者としてどう読んでいいのか分からない。

>もし村雨の能力がなかったら、今頃俺は生きていないかもしれない。

のなら、村正に頼るとか、文句を言うとかあるんじゃなかろうか。
そもそも刀が喋るなら、かけ合い漫才は基本だろう。

ヒロイン斬首をショッキングにしたいなら、
ジョークとか交えつつもっと楽しげに朗らかに
ばっさばっさやるとか。
あるいは辛い仕事で、ヒロインが心の支えであることを
示しておくとか。
「読者にショックを与える」技法がいろいろあると思う。

これの前にネタを振ってるならいいけど……

1818イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/03(水) 11:51:11
あと、出だしがいまひとつもたつく感じがする。

>機械類にしても携帯電話で一番使わない機能が電話機能だったり、ゲーム機がパソコン化する一方でパソコンがゲーム機化していたりする。

この文章いらないんじゃね?

最後に、なんで改行してるのに一字下げしてないんだ。

1819イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/03(水) 13:11:11
ワードとかからコピッてくると
一字下げ機能のせいでスペース無くなる事あるんだよね
たぶんそれだと思う

1820イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/03(水) 14:03:20
>>1811-1812,>>1814
批評ありがとうございます。
平凡で退屈ですか……がんばってメリハリのある文章に直したいと思います。
ついでですいませんが神器って何ですか?

18211814:2007/01/03(水) 18:50:39
>>1820
ごめん、違ったのなら忘れてくれ。神器ってのは2ちゃん創作板の
一部スレに出没するイタい作家志望の事。

ただの思いつきだけど、一度>>1810の流れを全くの第三者の視点、
たとえば先生やクラスメイトの視点で書き直してはどうか。
その上でもう一度、どうすれば面白くなるのか、何故退屈と言われるのか、
考えてみるのもいいかと。

18221820:2007/01/03(水) 21:28:54
>>1821
そうですか、なにかの作品名かと思いましたが個人のことでしたか。
つまり私の文章もなかなか痛いということですね、気をつけます。

第三者の視点……確かに視点を変えればまた違ったものが見えてきそうですね、ちょっと試してみます。
アドバイスありがとうございました!

1823イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/05(金) 21:31:11
「邪王戦聖記vs現実」冒頭
ttp://wannabee.mine.nu/uploader/files/up0354.txt

忌憚なきご意見・ご指導ご鞭撻のほどをよろしくお願いいたします。

1824イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/05(金) 22:04:50
>>1823
普通に面白いんじゃないかなあ。
ただ、気になった点がある。本当に地味な所なんだけど、
『実名入りメールで抗議したり、をしまくったあげく』っていう所。
○○たり〜〜たり、って感じに使うんだったような。

細かいツッコミでゴメン。+的外れだったらゴメン。
こういうノリの話はあまり読まないから、新鮮で面白かったよ。

1825イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/05(金) 22:05:49
>>1823
最初の二行くらいで読む気を失った。
後は途中から数行と最後から数行。まぁ、基本的につまらない。

「自分の書いた小説の人物が現実にいる」という事でいいんだろ?
そしたらそこから始めるべきだな。それ以外のあれやこれやは要らねぇ……。
あと作品内に架空の作品を出すってのはかなり技術力がいるし、その作品では成功してない。
後出しジャンケンにしか見えなくて、後々の展開も期待できない。

そもそも件の作品に思い入れがあるのは主人公だけだから、読者にはどうでもいいことだ。

1826イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/05(金) 22:28:15
>>1824
ありがとうございます。推敲の参考にします。

>>1825
>そもそも件の作品に思い入れがあるのは主人公だけだから、読者にはどうでもいいことだ。

そうなんですよねぇ……そこがかなりネックだと思います。

1827イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/05(金) 23:39:39
>>1823
今、見終わった。少し遅れながらも感想を。

もしも昔書いた邪気眼小説のキャラが現実に……って設定なのか。メタ的だ。
内容は、主人公の語り口とあいまって結構面白いと思った。
文法的に問題ないと思うけど、主人公の語りと設定がどう受け止められるかが評価の胆かな。
自分的には面白かったし、オッケだね。

まだ冒頭だから最終的な評価はどうなるかわからんのだけど、ネット小説とかであったら普通に見ちゃうと思うよ。
ちなみにこれ作品を全部晒さないの? 
どういう風なストーリーになるのか結構気になるw。

1828イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/05(金) 23:42:33
>>1823
正直、読めるレベルではない。

冒頭での、いきなりの自分語り。壁に向かってしゃべってろと思う。
文章が痛い。エロゲ一人称。二次創作小説でも書いとけよと突っ込みたくなる。
展開が退屈すぎる。証明大会をいつまで続ける気なんだ。日が暮れるまでか?
人物の影が薄い。テンプレ的エロゲ主人公。存在意義のない彼女。記号電波女。

これを自分で読み直した時点で、やばいと思えないのはかなり問題がある。

1829イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/06(土) 05:54:38
なんか意見がわれてるから俺も読んでみようと思ったら、もううpろだにないのな。
残念だ。

1830イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/06(土) 12:27:54
>>1827
すいません、まだ全部書いてないんで。

>主人公の語りと設定がどう受け止められるかが評価の胆
まさしくその通りですね……ここでの評価もそこで二分されているようですし。
もう少し引っ張る工夫をしなくてはならないのかも。

>>1828
>証明大会をいつまで続ける気なんだ。
>人物の影が薄い。

やはり長すぎますか。
キャラの薄さ・冒頭の自分語り説明・証明大会の長さは、
まさに自分でもどうかなと思うポイントだったので、
もう少し練り直してみます。

読んでくれたみなさん、ありがとうございました。


>>1829
UPしたものと内容同じ・テキストベタ書き。自サイトです。

ttp://www.eonet.ne.jp/~sonosaki/syousetu/jaou.txt

一週間くらいで消します。

1831イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/06(土) 14:39:18
>>1830
いや、正直悪くないんじゃないか?
一回引っ張り込みさえすれば、かなり勝負できそうな気がする。
まぁ確かに語りでダレるのは否めないから、早いところで場面転換して部屋に連れ込むとか。
彼女が興味を持つシーンも、彼女を逃がさないまま火琉奈が唐突に行動を起こすとかにすれば、
場面転換と共に日常シーンへの布石にもなる。
>>1828の指摘も、最初から火琉奈のシーンを切り出して始めればいいだろうし。

ちなみにテーマって決まってる? キャッチコピーみたいな。
読んだ限り、
「昔書いた小説のキャラが現実世界に出てきたら?」
といった感じのようだけど、どうせ彼女がいる設定なんだったら、
「現実のヒロインvs架空のヒロイン」的なドタバタ恋愛コメディーにした方が良さそうな気もする。

ちなみに、タイトルは0点。ただ単に事実を述べてるだけだし、語呂も悪い。まだ適当に付けただけかもしれないけど。
よくあるのは、
(1)第1章が読み終わった所でその意味が一気に分かるモノ
例:ハチワンダイバー
(2)最後に至るにつれて段々とその意味が現れてくるもの
例:not simple
(3)主人公を端的に表す単語(職業や競技に絡めることが多い)
例:へうげもの
(4)名作の捩り
例:謎の彼女X
……みたいな感じか。

まぁ、個人的にはリズム(43、34、75、77)で付けるのが好きなんで、
これなら『邪王戦聖記・顛末録』とか、『手前のハナシの尻を拭く23の方法』とかだな。

1832イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/06(土) 14:40:03
>>1830
一つ聞きたいんだがその設定が面白くなる理由を説明出来るか?
「こういう設定だから面白いでしょ?」っていう曖昧なものではなくて、
きっちりと論理立てて説明するという事が、できないなら書かない方がいい。

説明できるって事は読者を想像できるって事だし、それに合ったものを書けるが、
漠然と「これなら面白いかも」では面白さも漠然としてしまう。
ここでわざわざ説明しなくてもいいんだが、少なくとも自分の中で説明出来る物を練ってみ。

1833イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/06(土) 16:44:59
>>1831
タイトルは暫定です。
キャッチコピーをつけるなら、「現実と真実のツープラトン攻撃」

>>1832
設定が面白い理由というのはわたしには説明できません。

「緊張と弛緩」とか「自己犠牲によるお涙頂戴」といった、
「こういう設定だから面白い」「こういうキャラでこういう展開パターンだから感動できる」
という「これなら面白いかも」「自分ならこれが面白い」の形でしか考えないもので。
客観的視点を抽出できる量の感想サンプルを集めることもできませんし。

この場合だと、「自分が面白いかも」と思うポイントは、
「恥ずかしい過去との対決と調和」
「常識知らずの巻き起こす騒動」
「親などにばれないよう彼女をいかに隠すかというスリル」
「過去がばれないよう仲間を集める、その欺瞞のスリルとプレッシャー」
こんな感じです。
どれも「自分ならこれが面白い」というだけで、
なぜ面白いのかを論理に説明することはできません。

1834イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/06(土) 18:55:05
 どんな作品でも言える事だが、冒頭で説明文を書くのは避けた方が無難。
 例えばファンタジー作品で「ここは〜国、隣国との戦争が小康状態となり……」
なんて背景を説明され「主人公の〜は大学の学費に行き詰まり、悪名高い傭兵
ランツクネヒツの会計として徴募に応じて、糊口を凌ぐことにした」
 なんて続いても退屈でしょうがないだろう? そういった事柄は本来ならば、
物語を読み進める内に自然と読者が推察出来るようにするのが望ましい。
 書くのであれば抽象的な煽り文にしてしまうとか「あの子」をいきなり登場させ、
インパクトを打ち出した方が良い。

1835イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/06(土) 19:44:22
>>1833
ついでにもう一つだけ。
その「面白いポイント」の後半二つは、どこか『成功する』感じがするんだけど、
話を盛り上げる為には『失敗する』方がオイシイってことも考えておいた方がいいかもね。
さらに、失敗した際の周りの反応で『ひっくり返す』ようにしておくと、かなり引っ張り込めるかも。

1836イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/07(日) 00:14:57
「恥ずかしい」んじゃなくて、単純に忌まわしい過去にすりゃいいんだよな。
過去にもそういう事があって、恋人が死んだとかにしてさ。
最後は、その小説に従ってヒロインも死ぬ運命にある。
だから主人公はヒロインに冷たくしたりしましたって風にすれば、それなりに綺麗に収まるだろう。

恥ずかしいってのは少なからず好意や肯定する意味が含まれてるもんだ。
それが自分の小説となれば、単なるナルシストでしかない。
その小説がつまらない「理由」はそういう所にある。
「理想のヒロインがいました」程度なら、単なる恋人自慢でしかないからな。

結局の所、相対する敵も逆境もない。

1837イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/07(日) 08:46:11
>>1830の感想を簡単に。
 一人称だと説明が楽なんだろうけど、どうも主人公がほとんどを説明しているような
 気がしてならない。これが俺は気になった。
 自分の小説なり設定があらかじめ分かっているんだから、それをひっくり返すサプライズがもっと
 欲しいな。

 タイトルがよくない。もっと現実的な物にしたらどうか。

1838イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/07(日) 09:52:55
>>1823
やっぱりどうしても、説明的に過ぎるんだよなあ。てか、シoナかよと思った。悪い意味で。
この設定だと、俺なら最初の6行は抜くね。
そして、「〜な話だった」「〜な設定だった」みたいな説明部分は省く。
むしろその説明すべき部分を「主人公が読者に対して隠し持つ謎」として物語の核に備えて、敵を斃したり世界の謎を解いたりするストーリーと平行させて読者に提供する。

1839イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/07(日) 11:50:23
ラノベの一人称モノなら、これくらいの一人語りや説明臭さは結構あるからいいんじゃね?
ただ、無駄しゃべりはいらないな。説明臭さも状況を言うのはともかく、設定云々
は言わさないほうがいい。

冒頭はアクションシーンだけで、厨小説云々は後に回したほうが良くないか?
じゃないなら、今現在執筆中で〜って感じにした方がいいとオモ。

1840イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/07(日) 15:08:54
>>1830
んー。すまんが楽しめなかった。
なんというかノリがネットの二次創作まんまなんだよね。
漫画やアニメのキャラがこっちの世界にきてワーキャーっていう。
二次創作の場合は、元ネタとなった素材を読者が知っている&好きな状態ではじめるからいいんだけど。
邪王戦聖記は俺らの誰も知らないから、説明が大量に必要になる。この時点でかなりマイナス。
そういや何回も火琉奈が美形だっていう説明が入ってるけどさ、そんなに繰り返す必要ないよ。うざいだけ。
しかも全部描写じゃなくて説明になってる。これじゃ読者には火琉奈がどう美しいのか伝わらない。
美形とかけば読者は勝手に美少女を想像してくれるであろうって考えはやめたほうがいいよ。
説明ではなく描写をってのは小説の基本だからがんばろうね。

1841イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/07(日) 16:55:10
>>1830
すまん。ヒロインふたりがシャナと吉田さんにしか見えない…orz
一人称の語り口に特に違和感は感じなかった。
だいたいの情報量こんなもんでしょ、って感じ。多くも少なくも無い。
だが、せっかくの一人称なのに個性が感じられないと思った。
あとさ、情景描写が少ないよ。読んでて光景が全然浮かばない。

あとタイトルよくない。すまん。

18421830:2007/01/07(日) 17:53:16
みなさん、本当にありがとうございます。

これほどの感想をいただけたのは初めてで、それだけでも嬉しいです。

自分が感じていた問題点が正しく問題であることがわかったうえに、
さらに自分の感じていなかった問題点を指摘していただけたことに
感謝と喜びを感じています。
この感激と高揚があれば、あと十年は戦えます!

設定説明の配分と方法、情景およびキャラ外見描写、キャラ立て、語りの工夫、
このあたりをまず検討しようと思います。

1843イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/07(日) 21:02:01
>>1842
最後に一つ言っておく。これは忠告だ。
その燃料を使って一年で燃え尽きろ。

1844イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/08(月) 19:21:10
>>1842
これぞネット小説、って感じのジャンクな楽しみ方ができるいい話だと思う
俺の黒歴史ノートが現実に! みたいな設定はかなりラブで
この先昔子供だった僕たちへ的な展開を見せるなら、笑いだけでなくノスタルジーすら
感じられるものになると確信している。いやマジで。
確かに、金が取れる、と言えるような緻密な組み立てではないが、
この内容なら構造的に、そのラフさを許容していると思う。むしろ手堅く書いてしまうと
良さが損なわれてしまうかもしれない。
というか、他に投稿する場所はなかったのか? これがウケる場所は必ずある、
それについては保障するが、多分ここではないぞ。

1845イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/08(月) 22:52:41
批評依頼ではないですが、2ちゃん鯖規制喰らってることもあって、ちょっと質問させてください。


 Yは無言。備品だろうか、さほど大きくないノートパソコンのキーボードをそのごつい指で叩いている。お世辞にも上手いタイピングとは言えないが、全く使えないAからみると、それでも驚嘆に値した。
 R奈はというと、綺麗に積み上げられた十枚程度の書類の一枚一枚に目を通し、ボールペンでなにやら修正を入れてはYに手渡している。と、その右手が止められてテーブル脇に置いてあった通学鞄に伸ばされる。
(お弁当でも出すのだろうか?)
 そのAの予想は、半分は正解で半分は誤りだった。R奈が取り出したのは確かに昼食である。しかし、弁当などではない。机の上に置かれたのは、手のひらサイズのレトルトパックの、ゼリー食品が二つ。
 R奈は左手だけで器用に飲み口のキャップを開けると、次々と咥内に流し込んだ。その間も書類を見る目とペンを握る右手に忙しそうに使役を強いている。
 ごくり、とその白いノドがなまめかしく動いて、彼女は即席の昼食を胃に流し込んでいった。
 キーボードを叩く乾いた連続音、紙をめくりペンを走らせる擦過音、小さな準備室の空気中に存在するものはそれだけ、である。
 (※窓ガラス一枚を隔てた)外では、雑多なざわめきが聞こえ始めていた。もうほとんどの生徒が食事を終えた頃合なのだろう、談笑する者、ドッジボールやサッカーに興じる者、ふざけ合いじゃれあう者、それらの声が混然となってどこにでもある日常の一場面を形作る。
>※たった一枚の、叩けば割れてしまうような窓ガラスで仕切られた内と外の世界は、ストイックさと奔放さという意味において、あまりにも対照的であった。
「さ……待たせたわね。――で?」
 気が付くとR奈はすでに書類を底辺でトントンと揃えて鞄にしまい込むところであった。Yもパソコンを閉じてしまっている。


>※たった一枚の、叩けば割れてしまうような窓ガラスで仕切られた内と外の世界は、ストイックさと奔放さという意味において、あまりにも対照的であった。

この一文、あったほうがいい? それとも「対照にしている意図はわかるんだし、くどい! 不要!」かな?
いまはとりあえずは、この部分が無くて(※窓ガラス一枚を隔てた)がある状態でかいてますが。

1846イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/09(火) 01:04:37
>>1645
正直、まずは放っといた方がいいな。

全体の文体として、こういった表現が出てくるのであれば、効果はある。
あえて言明して対比させることに効果がある場合も、意味はある。
何となくなら、意味はない。
オタクファッションと同じだな。
決して髪を縛ったりバンダナしたりすることが格好良いんではない。
そのスタイルをしたキャラクターが格好良いんであって。
もしくは、そのキャラクターの格好のモデルとなるスタイルが流行っていたんであって。
同じように、メッシュベストや革グローブ、チェーンが格好いいんではない。
その全体に流れるモードや一貫したコードが、きっちりと整っているから格好良いんであって。
もしそれが付け焼き刃ではなく、そういった台詞を自分がよく出すなら、
出しておいていいことになる。
まぁ、試しにやってみるのもいい。
その台詞が最終的に浮くようなことにならないなら、成功だ。
浮くってのは、普段着にネコミミを付けるようなものだ。
狙ってるならいい。何かのキャラクターを真似している場合もいい。
ただ、ネコミミが好きだからという場合は……い、いや、それはそれでいいか。

……まぁ、間違いないのは最初に言った通り、書ききってから推敲することだな。
こんな質問をする時点で「自分が何者であるか」ってのは分かってないだろうし。
書いてるうちにわかってくるもんだから、気にしなくてもいいが。

以上。

1847イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/09(火) 05:27:57
>>1846
ありがと。

実はここ、付け焼刃で出そうとかいうよりむしろ、普通にそう書こうとして筆が止まってしまった場所なんです。
読む人に対して少々押し付けがましい、言い換えると「野暮」かなあって。

とりあえず、おっしゃるとおり迷わずに書ききってから全体のバランスを考えて推敲することにしますね。

1848イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/14(日) 01:29:46
現在進行中の一部です(投稿用)。戦闘シーン自信ないので批評お願いします

早瀬あかりと名乗った少女は空中で静止しながらこちらの様子を伺っている。その赤黒い目は何を考えているのかよく分からないが、ただひとつ言えることは、こちらにとって非情にまずい展開だということだ。
(ワシを抜いて早く構えよ。この者相当な厄介者だぞ)
 ムラサメが鞘の中で暴れている。
 俺はその声のままに、鞘からムラサメを抜き放ち、京子の前に立ち位置を変えると、赤目女に向かって青眼に構えた。
 俺がちらりと背後に目をやると、京子は分けがわからないといった様子だったが、俺と目が合うと、背中にぎゅっとしがみついてきた。
「ばか、掴むな。身動きが取れない」
 俺は視線を赤目女に向けたまま押し殺した声を出したが、京子はますます強い力でしがみついていく。
(この背後の女邪魔だな……)
 ムラサメが冷静に呟く。
 その時、赤目女が口を開いた。
「お前たち、たしか……みずきの友達だったか……」
 それは聞きなれた声だった。みずきとは違う、低くかすれて聞く人を不快にさせる。亡者の声だ。
みずきはこいつに憑かれている。
「とにかく、その物騒なものは邪魔だな……」
 そう言うと、赤目女は左手をこちらに向けた。
 瞬間、風を切る音ともに五本の指の爪が、矢よりも早くこちらに伸びてきた。
 早いっ。
背後に京子がしがみついている俺は、京子ごと体を右側へ投げ出し、左手で足に向けて伸びてきた爪の一本を打ち落とした。
「京子、逃げろ」
 体を反転させ京子を振り払うと、倒れている京子が背後に逃げられるように体を移動させた。
「え、わたし……なにがなんだか……」
 京子は泣き声になっている。そりゃあそうだ、普通の人間だったら生涯体験しない夢物語が今現実で起きているのだから。
(小僧、次が来るぞ)
 赤目女が右手をこちらに向けた。直線的な攻撃のためよけやすいのだが、よければ京子に当たってしまう。
 青眼から下段に構えを変え、体を落とした。ぎりぎりのところで斬り上げて方向を変えるしかない。
 その時、どこからか犬の遠吠えが聞こえた。それは次々と他の犬たちに連鎖していき、遠くの家の二階に明かりが灯った。
 赤目女は狼狽した様子で周囲を見渡した。亡者のくせに、なぜか人目を気にしているようだ。
(何か動揺しておるな……)
ムラマサも異常に気がついたらしい。
(しかし、まだ相手の殺気はまだ消えてはおらん……)
 赤目女は左手を伸ばすと時計をちらりと見た。
「まだ、いける……」
 そう言うと、赤目女がなにごとかを呟きだした。負のオーラが彼女を中心に凝縮していく。
(これは下法じゃ。まさか、こやつこのようなことまで)
「どういうことだ」
(負の気を凝縮させることによって、その場にもう一つの空間を作りだすつもりのようじゃな。この術を使うものと遭遇するのは二百年以来じゃな)
 赤目女のところへ集まった負の気は、すでに普通の家なら三、四軒は飲み込めそうなほどの大きさになっている。どこまで大きくする気だ。
(退却したほうがよいな。相手の条件下で戦いを強いられるのは不利じゃ)
 俺は下段に構えたまま、首を京子の方へ向けた。
「京子、明日香の家は分かるか」
 京子は両手で顔を覆って泣きじゃくっていた。気持ちは分かるが、今はちょっと我慢してくれ。
 俺は構えを解くと、京子の右頬を軽くはたいた。
 京子がはっとした表情でこっちを向く。
「明日香の助けがいる。呼んできて欲しい」
 俺は両手で京子の顔を優しく挟んでうなずいた。
「一之瀬さん……」
「そう、ここはもう危ない。明日香に今の状況を知らせて君はそのまま家に帰れ。そうすればなんとかなる」
 京子はぼんやりと俺の目を見ていたが、やがて子供のようにこくんとうなずいた。
「一之瀬さんを呼んでくればいいのね」
「そう、頼む」
 まだ目は虚ろだが、とりあえずすべきことが認識できたようだ。
(小僧、来るぞ)
 ムラマサの声で振り向くと、先ほどからさらに5倍ほどに肥大した黒い球体を、赤目女が持ち上げていた。
「暗黒結界……」
 赤目女はそう言い放つとその球体を真下に投げ下ろした。
 光の閃光が地面を走り赤目女を中心に円を描いていく。
「涼君……」
 閃光の奥に京子の姿が見えた。どうやら彼女はぎりぎり範囲から外れたようだ。
 俺は右手を握り締め親指を立てて、京子へ振った

1849イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/14(日) 01:58:13
2chで要望伺いこちらに参りました。
一通り拝見させていただきましたが、戦闘の描写自体はさほど問題とは感じませんでした。
以下、個人的にいくつか気になった点を述べます。
①「スピード感・切迫感が感じられない」
主人公、ヒロイン、そして剣の霊ムラサメ?ですか、会話に切迫感が感じられません。
目の前に自分たちの生死を左右する敵がいるという実感が欠けているせいで、
描写自体がスピード感に欠けたように感じられるのがもったいないと思います。
②「漢字、カナ、単語の選択に対する疑問」
①にも関連しますが、日本語的にやや微妙な部分が特に会話文に見られます。
例:(しかし、まだ相手の殺気はまだ消えてはおらん……)
また、漢字をひらいて書くことを心がけているのだと思いますが、
主人公とムラサメの言動が平板な感じに見えてしまっているのは
言葉の選択も影響しているかと思います。
例えばこのへん。
(これは下法じゃ。まさか、こやつこのようなことまで)
「どういうことだ」
(負の気を凝縮させることによって、その場にもう一つの空間を作りだすつもりのようじゃな。この術を使うものと遭遇するのは二百年以来じゃな)
正直、ムラサメの発言は微妙です。口に出してみると多分判ると思いますが不自然です。
背後の設定がよくわからないのですが、主人公より遥かに年齢を重ねた剣ならばそれなりの話し方というものがあると思います。
以上、私は戦闘描写自体よりむしろ全体の流れが気になったので、あえて指摘させて頂きました。
どうかご容赦。それでは

1850イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/14(日) 02:29:00
>>1848
戦闘シーンというか、動作の描写がいい加減でバラバラになってる感じ。

>体を反転させ京子を振り払うと、倒れている京子が背後に逃げられるように体を移動させた。

例えばこれとかね。前後をよく読んでもどういう状況なのかがさっぱりわからない。
他にも刀を持って敵に立ち向かっているのに「俺は両手で京子の顔を優しく挟んでうなずいた」とか
正確さも緊迫感もない。
こういう箇所がちらほらとあって、一読でイメージが浮かばないような描写、あれ?と疑問に思うような描写は
スピード感を要求されるシーンでは大きなマイナスじゃないかな。

それと、これ以前の話で説明されているかもしれないけれど、「青眼に構えた」のような剣道をやっていない人には
さっぱりわからない表現とか、「負の気」みたいな雑すぎる表現とかは避けた方がいい。

あと表記ミスだろうけども「ムラサメ」と「ムラマサ」が混同しているのが個人的には一番気になったかなw
登場人物(?)ぐらいちゃんと書けとw

1851イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/14(日) 02:54:10
>>1849

ご指摘ありがとうございます。たしかに戦闘シーンに緊迫感がないように感じたのでここにアップして批評いただこうと思いまして。
もう一度練り直してみます。
語彙のほうは指摘されるまできづきませんでした。アドバイスありがとうございました。仰るとおりムラサメは250歳くらいの設定ですので、もう一度推敲してみます。

>>1850

ご指摘後再度読み直してみると、確かに分かりにくいところが多いような気がします。ご指摘ありがとうございます。
剣道の構えについては、司馬遼太郎や池波正太郎でこのような表記がそのまま使われていたようなので使っていましたが、ラノベの場合はもっと開いたほうがよいのですね。ご指摘ありがとうございます。
あと、ムラサメとムラマサは本当に凡ミスでした。ご指摘ありがとうございました。

お二方とも読み苦しい拙作のご批評ありがとうございました。精進して再度アップしていきたいと思います。

1852イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/14(日) 16:20:51
>1848
何か描写が変だ。
たとえば

>俺がちらりと背後に目をやると、京子は分けがわからないといった様子だったが、俺と目が合うと、背中にぎゅっとしがみついてきた。
主人公が振り返ったのはほんの一瞬だよね。この書き方だと数秒間振り向いてたような印象が。
“京子は分けがわからない…”“俺と目が合うと、背中に…”のどちらかを削ったほうが良くない?
自分なら、ちらっと見たときは茫然自失の京子だったが、赤目女と対峙中にいきなり主人公の背中に抱きついたとか、そういう流れにする(これもベタだけど)

それとこの赤目女の身長は普通の女性サイズ?相当大きい?憑かれているらしいし、「早瀬あかりと名乗った少女」と書かれているから人間サイズかと思ったが、
>左手で足に向けて伸びてきた爪の一本を打ち落とした。
「爪の一本」ということは相手が大きい?
さらにいうと赤目女はどんな体勢で襲い掛かってたのか?
爪で狙っているのは主人公?剣のほう?
主人公は相手を倒したい?できるだけ身体は傷つけたくない?

おまけで
>この者相当な厄介者だぞ
この短文で「者」が二回は微妙。「この者」を「此奴(こやつ)」に変えてみるのはどうだろうか。

1853イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/14(日) 17:36:35
>>1848
他の方々に指摘されている部分はともかく、全体の文章としては読みやすくわかりやすく、問題は無いと思った。
ただ、これ、「戦闘シーン」じゃないよね?
敵キャラの登場であり、戦闘へとつながるエピソードの一部ではあるけれど。

「京子」という「足を引っ張る存在」を上手く使うことで、緊迫感を十分以上引き出せると思うので>>1852さんの意見あたりを参考に推敲をお勧めします。

1854イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/14(日) 22:58:20
およそ戦闘シーンに相応しくない言葉遣いなんだよな。語彙少ないんじゃねぇ?

つーか、「村雨」で「喋る刀」って流行ってるのか?

1855イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/15(月) 03:18:17
>>1854
流行じゃないだろうけど、まあ喋る刀剣ってのはメジャーな題材ではあるな。

1856イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/16(火) 02:46:17
ttp://wannabee.mine.nu/uploader/files/up0360.txt

ストレス解消に書き殴ったプロローグ。後を書くかは不明。
良ければ感想でも書いてくれぃ。

1857イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/16(火) 07:04:09
>>1856
字下げのない部分があるのは、ワードの勝手字下げのせいか?
主格を表す代名詞を徹底的に排除した一人称、これは好みの分かれるところだと思うけど、まあ、プロローグだし、普通に上手いと思う。
俺はこういう書き方は好きだな。短いセンテンスを連ねて改行している部分も効果的だし。

ちょっと細かいけれど
>全身を覆う鋼鉄のアーマーは、八○ミリの弾丸を弾かない。

「弾」という漢字がかぶるし、出だし部分でどちらのアーマーの説明かちょっとわかりにくい点もあると思うので、俺なら
全身を覆う鋼鉄のアーマーは、それでも八○ミリの弾丸の前には紙くず(布切れ、無意味も、どれでも好きな表現を)同然だ。
という風にするかな?

18581857:2007/01/16(火) 07:21:18
と、
>主格を表す代名詞を徹底的に排除した一人称、

自分でこれを書いていて思ったのだが、
もしかしてこのプロローグの主人公は、本編の主人公の敵または味方内での正体不明のライバルとして登場し、斃されてアーマーを剥ぎ取ると中身は女の子だった。
とかそういう感じなのかもね。

1859イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/16(火) 11:55:42
>>1856
文意が伝わるかどうか、という点では問題がない気がする。
何をしているか大概が理解できた。

ただし、死への恐怖や緊迫感は感じてこなかった。
いきなりの自分語りで、「これが恐怖か」、とかいわれても、ふーん、そういうものなの、としか言いようがない。
それよりも、必要な装備も持ってこないで自分に浸っているこのバカは何をやってるんだと思った。

あと、最後の段落の文章の陶酔感が鼻についた。

1860イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/16(火) 14:48:40
>>1856
プロローグとしてはまぁまぁ面白かった。
ただ「六〇九」が「何」なのかが序盤で出てこなかったので、パワードスーツみたいなもんだと
気づくまでに2、3回読み返しちゃったよ。

1861イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/17(水) 10:20:11
>>1856
感情移入しにくい

1862イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/17(水) 15:53:13
>>1856
悪くはないけど味気ないな。人に見せるって意識が薄いっちゅーか。
主人公の独白部分も、人間味なさ過ぎ。始めからの数行は詩かとオモタ。

1863イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/23(火) 22:40:06
冒頭部分なんだが、処女作ゆえ滅茶苦茶になってないか不安だ。辛口評価を頼む

 十二月初旬、昨日から降り出した雨は相変わらずに谷地市を濡らし続けていた。空は正午近い時間だと言うのに夕方のように暗い。初冬の冷たい空気と過剰な湿気は不快な大気となって地域一体を覆っている。黒崎透はノートを取る手を止め、傍の窓ガラスを伝う雨垂れと、霧に覆われて薄らぼやけた稜線を眺めながら、授業の退屈さを誤魔化そうとしていた。
 市の外れ、山間部に位置する高校の、最上階の教室からの光景は悪く無いが、長時間の鑑賞に堪えうるほどではない。誰かと私語でもしながら潰せれば最良だったが、前列にいる彼の悪友、新山は授業開始十五分後に早々と夢の世界へ旅立っていた。起こすという考えも浮かんだが、彼はかつて起こそうとした教師に拳で応えて謹慎処分を受けた男だ。痛い目に逢うのは御免だった。
 そして隣の席に座っている女子、立花は話しかける相手としては生真面目すぎた。無視されるか、注意されるのが目に見えている。おまけに黒崎には女性に話しかけられるような話題も、テクニックも無い。放課後ならともかく、授業中にナンパして振られた日には末代までの恥だ。
 幾つかの考えが否定され、教室の中に興味を惹くものを見つけられなかった黒崎に残された暇つぶしはやはり外の鑑賞しか残されていなかった。冬休み間近の半日授業、あと二十分我慢すれば自由の身になれると考えれば、少しは気も紛れた。
 雨は少し小康状態になってきたようだ。雨垂れの数が段々と少なくなり、分厚い雲の隙間にも僅かな隙間が見える。時計に目をやるが、針は相変わらず進んでいない。黒板には先日の期末考査の解答が板書されていたが、何故か写す気にはならなかった。今やらなくても誰かに頼めばいい。最悪、写さなくても大きな問題は無い。その場のテストさえなんとかしていけば、卒業くらいは出来るはずだ。黒崎はそう考えながらも、自分が妙に怠惰になったと客観的に思った。授業を放棄して何処かに逃げ出したい。そんな欲求がこみ上げている。新山のように昼寝をするのもいいと思ったが、こんなときに限って眠気は無かった。
 ぼんやりしていると視線はどこか惹き付けられたように窓へと向う。雨は止んでいた。雲の切れ目は更に広がり、そこからは映画に出てくる教会のステンドグラスのような光の帯が地上に漏れ出している。その光は正午の時間のそれにしては妙に紅く、まるで夕刻の空のように黒崎の眼に映った。
 違和感と、何故か焦燥感を覚えていた。むしろそれは不吉な“予感”と表現したほうがいいかもしれない。唯物論信者とは言わないまでも、超常的な現象を信じない彼にとって、予感などと言うものは、フィクションの中の都合合わせになって久しかったはずだ。しかし、それ故にその予感は妙な確実性をもって黒崎の心に蟠る。それはここ数年、彼が忘れていた感情。幼い頃、ふと深夜に目覚めたとき、闇に閉ざされた廊下を一人でトイレへ向うときの恐怖に似ていた。
 恐怖を振り払うべく、黒埼は窓から眼をそむけた。時計の針を見つめるがその動きは何時に増して、遅い。ふと、彼は上方から発せられる僅かな物音に気付いた。どんどんと床を叩くような音。それは上階から響く、誰かの足音のようにも聞こえた。それは少しずつ、しかし確実に大きくなっている。
 上に教室があるのなら何の不思議も無い、ただの足音だ。だが、ここは最上階である。おまけにこの校舎には屋上に上がる階段は無い。上には誰も居るはずはないのだ。
音は数秒後には天井を蹴るような、バスケットボールでもやっているような騒音へと姿を変えていた。更に数人の生徒が気付き、上を見上げ始めた頃には、音は最高潮に達した。教室にざわめきが満ちた。教師すらもそれを静止せずに上を見上げる。最早足音から、誰かが和太鼓でも叩いているかのように肥大化していた音は、視線を察知したかのように唐突に途切れた。
 暫時、教室が不穏な沈黙に包まれた。黒崎は立花が、不安げなこちらを見つめている事に気付いた。いや、立花だけではない。教室内の全ての人間が、事前に打ち合わせたかのように、無言で互いの顔を見合わせていた。まるで誰かが怪音についての合理的な説明をするのを待って、けん制しあっているように思えた。
 巨大な揺れが校舎を揺らしたのはその直後だ。

18641830:2007/01/23(火) 23:18:16
辛口なあ……

どっかで見たことある文体だな。
これ書く前に、なんかこれっぽい小説読んでないか?
内容はとくにおかしいことはないし、とくに目立つものはないが。

若いときって一度はこういうのやりたくなるんだよね。
「無かった」とか「相変わらず」とか「居る」とか「何故か」とか「御免」とか。
こういうの、作者補正の色眼鏡なかったら読みにくいだけだから。

まあ、上のやつらとかをひらがなにひらいてちょっとリズム整えたら
ラノベ読者にも普通に読める文体になるんじゃない?
根本的にラブクラフト翻訳文的難解熟語とか古語とか使ってないし。

気になったのは、
>巨大な揺れが校舎を揺らしたのはその直後だ。
これは
>巨大な揺れが校舎を襲ったのはその直後だ。
じゃなかろうか。
これくらいだな。

1865イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/23(火) 23:19:03
しまった名前残ってた……ウカツ

1866イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/23(火) 23:19:26
自分も割と似たような文体なので思うが、ちと堅すぎるような。独白っぽい部分が高校生と思えないよ。
堅い文体の上に、読み進んだときのリズムもちとごつごつしているので余計にそう感じるのかも。
とりあえずホラーなのかな?緊迫感を狙っているのならいいのかもしれない。

1867イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/23(火) 23:28:49
ムダに言葉を重ねすぎ。文庫体裁で4ページも使っているが、その割にちっとも話が進んでない。
つかみとしては弱すぎる。つか、半分ぐらいで続き読む気無くす。
この手の文体でいくなら、最初にガツンと事件でひっぱたかないとだれる。
読み手が何に注目すればよいのか理解しづらい。

1868イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/23(火) 23:31:08
>>1863
最初の一行目で物語が始まってないので読む気が起きない。
やるなら最後の一行を一番最初に持ってこないと。

1869イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/23(火) 23:36:02
>>1864
今まで一人称で書いてたんで、手元のスティーブン・キング系を参考にしたのが裏目に出たか…
あとPC変換に頼りすぎたのも痛い・・・

>>1866
ホラーです。
ただ、緊迫感を狙って堅くしたと言うよりは自分の悪癖が出ただけですな。
>独白っぽい部分が高校生と思えないよ
一年前まで高校生やってたんですけどね…もうちょっと軽くしたほうがいいか。

1870イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/23(火) 23:44:36
>>1867-1868
この前に序章を入れるか否か迷ってたのですが、入れたほうがよさそうですね…
無駄な文が多すぎるという意見には反論できません。精進します。

1871イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/23(火) 23:47:14
このままではラノベの賞は難しいのではないか。
一般でも無理だろうけど。

ラノベホラーの冒頭セオリーとしては、
どっかの誰かが襲われたりするショッキングシーン→主人公の平穏な日常→
主人公襲われる→主人公の日常
軽いラブコメタッチで始まる→不吉な予兆→

このへんがよくあるパターンだな。

キングはラノベのテキストにはむいてない。長すぎる。


まあ、あんまり難しいこと考えずに書いてみたら。

1872イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/24(水) 00:10:32
>>1871
受かる見込みが無いのは処女作だし、仕方ないっすよね…
だからって放置するのも目覚めが悪いんで修正しながら完成はさせますよ。

1873イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/24(水) 00:23:50
べつに処女作だから受からないといっているわけではない。
このタイプの文体でラノベ賞受賞した作品がおれの記憶にないだけだ。

1874イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/24(水) 00:33:49
>>1873
ウホッ、いい辛口…

とりあえず市場調査をやり直してきますわ…

1875イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/24(水) 00:42:07
 何だか賛否両論あるけれど、この文体ならば一般向きだという点では一致してるようだね。
漢字を開いたり、もう少し推敲して文を整えれば、一般小説の方でいけるんじゃないかな?
無理にラノベを嗜好して作品をいじらない方が良いと思うけれど。

1876イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/24(水) 01:02:59
無力な人間が怪異の前に右往左往するのがキング系ホラーだから、
ヒーローとかキャラ立ちが要求されるラノベとは相性悪いんだよな。

1877イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/24(水) 01:12:22
>>1863
描写が細かすぎる。この一言に尽きる。
緻密さは、あなたの文体の個性的な長所ではあるとは思うが、冒頭でこれではまずい。
冗長な情景描写が、読者が物語に入る事の妨げになってしまっている。

私見だが、文章は非常に上手だと思う。
ただ、ラノベに向きとはお世辞にも言えない。
その年齢で、これだけ書けるなら、普段の読書はラノベではないであろう。
自分の文体が活かせる、普段良く読む小説と同じカテゴリーの賞を狙った方が良いのでは?

そうすれば、俺のライバルがひとり減るし。

1878イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/24(水) 01:18:26
>>1875
個人的にはラノベの大らかさが好きなんですよね。
日本の一般ホラーはサイコサスペンスばかりで好きになれないし。
どうすりゃいいんだ。

>>1876
俺の方向性自体がラノベに向いてないって事か…

1879イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/24(水) 01:23:29
雑音はあんまり気にせずにどんどん書いちゃうのがいいよ。

語ってる俺らだってどうせみんなド素人なんだし。

だいたいこの中に19歳でそんだけ書けるヤツが何人いるやら。
オレは無理だった。

1880イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/24(水) 01:24:11
>>1878
つメフィスト賞

1881イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/24(水) 01:24:35
>>1868
その評価はちょっと変じゃね?

1882イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/24(水) 01:29:41
>>1873
「狼と香辛料」は?
情景描写にかなーりの文をさいているけども。

1883イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/24(水) 01:57:05
狼と香辛料の舞台は読者にとって馴染みがない。だからこそ、情景描写が生きてくる。
つまり、未知の風景は見ているだけでもそこそこ楽しめる。
が、どこにでも転がってるような日常風景を延々ダラダラと描写されてもちと困る。

世界の車窓からと山手線一周ビデオ撮影をどうじにホイと差し出されて、山の手一周を食い入るように鑑賞するのは難しかろう。

1884イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/24(水) 02:10:17
描写が細かすぎるか。逆は想定してたのに思わぬ答えだなぁ…
例えば一段落目はどの程度にまとめられるでしょうか?

1885イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/24(水) 04:34:49
個人的にまとめるとするならば、

 雨が降っていた。教室と外を隔てる窓に、幾筋もの小さな川が出来ている。

だな。

1886イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/24(水) 10:56:32
>>1883
小説における情景描写っていうのは作者のイメージに近いものを
読者にも持ってもらうためのもので、読者が知識として知ってるか知らないかで
あったら困るとかいうものじゃないと思うけど。

その山手線にしたってそう。東京在住の人には見慣れた風景かもしれんが、
地方に住んでいる人にとっては珍しいものだよね。

1887イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/24(水) 11:08:07
いわば世界の車窓からはハイファンタジー、山手線の車窓からはローファンタジーだな。

1888イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/24(水) 15:14:23
山手線の風景は見慣れてはいないが東京の街並みという点で珍しいというほどでもないなぁ。テレビで見かける風景として頭に浮かぶから。
とはいえ例えとしてはそんな感じだろうね。

個人的に>>1863を読んでわかったのは、
「12月の午後、どんよりした空の雨の降る退屈な授業中、外を眺めていたら変な音が聞こえてきてクラス内がざわついている」
というだけ。
友人の性質の片鱗と主人公の性格的な部分、勉強への熱意の薄さとかもあるけど、読んでいて興味を引かれるというものでもなかった。
本にして最初の1ページ目でこれだけの情報を得られるならいいかもしれないけど、ページめくっても物語が動かないのはちょっとダルいかなという印象だった。
友人については物語が動き出して会話などで接触した時にでも描写すればいいんじゃないかな。

文章そのものは上手だと思ったよ。漢字をもう少し減らせば読みやすくもなるし。

1889イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/25(木) 15:29:16
冒頭の部分なのですが、おおまかな世界観などはこれで伝わりますか・・・?
動きのあるシーンで始めたかったもので・・・。
他にも気づいた点ありましたらご教授願いたいです。


駆け抜けた。
雨田重工製自立式自動警備ロボットPOR-669“ポーラス”のボディを、一筋の赤光が。
その光は、中央部の装甲の隙間から内部に侵入。そのまま鋼の心臓を貫いた。
「ギ――グご――」
無様な音を出しながら、ポーラスは幾度か弱弱しく火花を散らす。
機能停止の証だった。
その火花が、一人の男を照らし出す。背が高い、初老の男。
短く刈り揃えられた口髭と白髪混じりの短髪は男の精悍さを引き立てている。
漆黒のボディスーツとスペクトラアーマーに身を包み、体つきは非常に筋肉質。
腰の後ろには横一文字に長いナイフが装着されていた。
真っ直ぐ突き出された右腕が、鉄の体から引き抜かれる。
赤い光を伴って、腕は再び外気に触れた。
忍術外部入力用手甲型デバイス“十六夜”の中枢宝玉が発していた赤い光が、消える。
廊下は再び、静寂と闇に包まれた。
畜生。
男――如月重蔵は心の中で呟く。
いくら本調子で無いとはいえ、この程度のガードロボに補足されるとは、通常では考えられない。
他に連絡される前に処理できたからいいものの、判断が遅れれば脱出するしかなくなる。
一度そうやって警戒されれば、再びこうして忍び込めるようになるまでどれぐらい時間がかかるのか、想像したくもなかった。
こういう日はさっさと仕事を終わらすに限る。
余計なことは考えずに、だ。
「くかか……」
はっ、とナイフを引き抜きながら背後を振り返る。
そこに立っていたのは、異形の人間であった。
「やっぱりぃ……お前ぇかぁ……如月ぃ重蔵ぉ……」
重蔵とよく似たボディスーツを着た、痩せ細り、ひょろりとした男であった。
背丈は重蔵と変わらないぐらいだが、手足が異常なほど長い。
特に、左の腕は地につきそうな程である。どうやら義手であるらしかった。
闇に蠢くそのアンバランスなシルエットは不気味という他ない。
「……手の長さの違う知り合いなどいないが」
「そうつれねえ事言うんじゃねぇよぉ……」
「……俺がお前ならば、相手に自分の存在を悟られる前に背後を取る」
重蔵は話しながらナイフを構え、腰を落とす。
いつ何がおきても対応できるようにするために。
「自ら相手に存在を明かすなどという馬鹿な真似はしない」
「言ってくれるぜぇぇえ……」
痩せた男も同じく腰を落として構えた。
長い左腕はだらりと力なく垂れ下がったままだ。
「まぁあ……いい……お互いちゃんとお仕事をしようぜぇ……」
二人の間の空気が一気に張り詰めていく。
「死ぃねやぁッ!」
男の叫びと同時に重蔵の体が、弾丸になり直進した。
男の右手も凄まじいスピードで動く。
瞬時に“印”を結び、手に埋め込まれた宝玉が緑の光を放つ。
「きぃぃぃぁあああああああああ――!」
長い左腕がさらに長さを増し、飢えた大蛇のように一直線に重蔵を迎え撃った。

1890イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/25(木) 16:02:21
>>1889
>冒頭の部分なのですが、おおまかな世界観などはこれで伝わりますか・・・?

時代背景は現代〜近未来で忍者っぽいのが2人出てくる以外はさっぱり。

冒頭から動きを出したいってのはわかるけど、俺には動きを出しすぎて読者置き去りに
なってる感じがするなあ。
あとガードロボットっぽいのについてる名称や〜重工製云々の説明は
まったくいらないように思いました。

1891イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/25(木) 17:03:03
>>1889
判っていてわざとなら構わないが文章の最初とカギ括弧の後の文章は一マス空けて。
これで言ったら

 駆け抜けた。
雨田重工製自立式自動警備ロボットPOR-669“ポーラス”のボディを、一筋の赤光が。
その光は、中央部の装甲の隙間から内部に侵入。そのまま鋼の心臓を貫いた。
「ギ――グご――」
 無様な音を出しながら、ポーラスは幾度か弱弱しく火花を散らす。
〜以下略〜

こういう感じで。
あと捕らえられるという意味なら補足じゃなくて捕捉。補足は補足説明など足りないものを補うという意味で使う。

これは好みの問題かもしれないが、「ギ――グご――」も文章で表現したほうがいいと思った。
シリアスな文章なのになんか間抜け。狙ったならそのままで。

ちなみに世界観に関する感想は>>1890と一緒。

1892イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/25(木) 17:25:45
>>1889
>冒頭の部分なのですが、おおまかな世界観などはこれで伝わりますか・・・?

近未来っぽいことは何となく想像できるぐらいか。

それよりも、未知の固有名詞の俺設定情報が多すぎてついていけない事が問題だ。
逆に、ロボットに心臓とか読み進めるのにひっかかるところを説明せずにスルーしている。

1893イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/25(木) 17:32:37

見つかったらどうなるかわからないから緊迫感がない。

18941889:2007/01/25(木) 18:04:24
うお、レス早!

>>1890
やはりあまりに描写や説明を省きすぎるのもまずいですね・・・

>あとガードロボットっぽいのについてる名称や〜重工製云々の説明は
>まったくいらないように思いました。

これは本当にその通りですね・・・ありがとうございます。

>>1891
初歩的な指摘痛み入ります。

>補足じゃなくて捕捉

すいません・・・普通に誤変換ですorz
「」の部分は考えてみます。うまく表現できれば文章のほうがよさそうです

>>1892
>それよりも、未知の固有名詞の俺設定情報が多すぎてついていけない事が問題だ。
>逆に、ロボットに心臓とか読み進めるのにひっかかるところを説明せずにスルーしている。

やはり軽い説明を入れないとわけがわからなくなってしまいますね
なんとかリズムを崩さずに入れたいですね・・・

>>1893
仰るとおりです


全体的には説明と描写をもう少し増やしたほうがいいのかなと感じました
指摘・ご意見ありがとうございます。
世界観はとりあえず現時点で伝えたい部分は伝わってる・・・と思いたいorz

1895イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/25(木) 21:09:01
>>1891
>判っていてわざとなら構わないが文章の最初とカギ括弧の後の文章は一マス空けて。

ちなみに横書きの場合はあけなくてもOKよ。

1896イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/25(木) 21:33:35
後ろに義手の男が現われる部分だが「くかか・・・」だけでは混乱してしまう。
誤植かと思ったくらいだ。笑い声である事を示す一文を入れたほうがいい。

1897イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/26(金) 07:39:01
>>1889
個人的には「駆け抜けた」の時点で減点だな。十点中三点くらい。
逆に「重工云々」の部分は単なる記号で、同時に「ああ、近未来アイテムだな」程度なので問題なし。
どちらかといえば警備ロボットの通称を「ポーラス」とでもした方が面白いけど。
あとポーラスがどういう形状してっか分からないから「中央の装甲」とか言われても浮かばない。
それと「火花が散ると機能停止」ってのもよく分からない。火花が散ってるって事は駆動してる証拠だろ。
目ん玉に灯ってた光が消えたとか、全身の力が抜けたとか、バネが飛び出たとかならまだしも。
なんたらスーツとか宝玉とかも問題だな。オリジナルアイテムなら見た目の描写から始めるべき。
男が出てくるのも唐突すぎる。なんの状況説明も描写もないから「ああ、文字の向こうでなんかやってんなぁ」としか思えない。

ところでこの冒頭って途中だよね? それともこれで終わり?
途中までならまあこれから推敲のしようはいくらでもあるからいいけど、
これでまるまる冒頭(プロローグ?)っていうんだったら問題がありすぎる。
廊下にいたロボットをチョップで壊し、後ろから忍び寄ってびっくりさせてきたキモいお友達とナイフでケンカ。
この何処に描写したかった所があるのか俺にはよく分からない。
物語で重要な位置を占めるとも思えないし、簡単に言えばその先を読みたくならない。
長編で送られてきたらパラパラっと読み飛ばしてだいたい真ん中辺り見て、引っかかるものがなかったら即ボツにするタイプ。

1898イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/26(金) 09:29:32
読ませてもらったから、感想を書いておく。

なんか、最初からつっかかる感じだな。印象づけたい気持ちはくみ取れるんだけど
>>1897と同じく減点。「何がどうした」っていうのを明確に書ききった方がいいぞ。
「なんたら重工」って書くと、いかにも近未来メカチックなお話に行けると思うけど、
それもチープ。もぎとった腕から火花が散っているのを見て、メカと戦っていたんだなと
思わせる方がいいかも。その腕のナンバリングで、なんたら重工製というのが分かればいい
くらいの設定の方がいいかな。物語に噛んでくる企業ならな。
あと、ナイフをもてあそんでいる奴が「ヒッヒッヒィ」と気色悪く笑うのは、もうこれ馬鹿一じゃない?

構成が悪いのと、やっぱり絵柄が脳内補完されてるところ。そこが気になる。
アクションをどう見せるかと、説明をしすぎないようにしたら?
ロボットがきしむ音を「ギ――グご――」 変な奴が笑うと「くかか……」
かなり安っぽい文章になるよ。今の感じだと、同じようなダラダラが最後まで続いちゃう気がする。
新人賞に応募するならがんばれ。もう一回推敲してから人に読んでもらいな。

18991/3:2007/01/27(土) 16:51:35
// アクション皆無の雰囲気先行もの。実験中

 指定された店の指定された席には、事前に聞いたとおりの格好で一人の男が座っていた。

 大正時代のカフェを模した店内は、四人掛けの丸テーブルがいくつかとカウンター席があるのみで、その男と文士気取りの数人の若者のほかに客はなく、ゆっくりと流れるジャズが若者たちの話し声と重なりあっていた。
 カウンターには火のついていない紙巻を咥えた店員が一人と、まるい盆をもった和装にエプロン姿の女給が一人いるだけで、どうやらそれだけで店を切り盛りしているようだった。カウンターの後ろにはコルクの掲示板がかけてあり、古いポートレートが鱗のように重なりあって張られていた。
 いらっしゃいませと笑いかけてくる女給に笑みを返し、クロウは咥え煙草の店員に事前に教わったとおり要件を伝えた。
 男は後ろの壁から一枚の写真をはがし、それを持っていくようにと教えてくれた。

 丸テーブルの一つに腰を落ち着けた男は、向かいに座ったクロウにも顔を上げず、新聞を読みふけるポーズを続けていた。熱々のエスプレッソが注がれたデミタスカップに、紙を敷いた小皿の上のビター・チョコレート。ときおり、ちょこんとカップを持ち上げる右手には小指と薬指が欠けていた。
 女給がクロウのためのミルクと砂糖菓子を置くのをまって、クロウは渡された写真を相手に見えるようにテーブルの上に置いて見せた。男がようやく新聞をたたみ、クロウの方へと視線を向けた。口角を上げたアルカイックな笑みを浮かべ、写真を手にとってほほ笑みを強くする。
「どこかで、お会いしたことがあったでしょうか。ええと、ミス……?」
「クロウです。シスター・クロウ。初めてお目にかかります、高井様」
「はじめまして、ミス・クロウ。失礼ですが、ずいぶんとぶしつけな印象を受けますが」
きゅっと、クロウはテーブルの下で手を握る。
「失礼ですが、高井様が我々の出したメールを確認した痕跡が見当たらないもので。失礼、私も高井様とお会いするために費やした日々を思うと、つい礼儀を忘れがちになってしまいます」
 高井が困ったような顔をして写真をくるくると回す。
「いや、すみません。正直に言えば、最近はメールをチェックしていなかった。最近はこの店に入り浸りっきりで、この店は端末の持込を禁じているもので」
失礼します、と言って高井は席を立ってカウンターへと向かう。高井は咥え煙草と少し話すと、預けていた端末を受け取って店の外へと姿を消した。

19002/3:2007/01/27(土) 16:52:12
 クロウはミルクを飲みながら高井を待った。聞くこともなしに若者たちの話を聞いていると、どうやらサンドボックス内で自律進化させたAIを収穫し、商業的に再加工する技術の新手法についてしゃべっているようだった。
 クロウは少し眉をひそめて考えた。サンドボックス――論理的に保護された領域でプログラムを走らせる手法は、時として設計者の想定を超えて破綻することがある。致命的なバグによる被害は致命的なもので、ハードウェアとウェットウェアの境界線が消えつつある現在では、悪夢的な事象すら起こりえることをクロウは身をもって知っていた。
 クロウはテーブルの上の新聞へと視線を移した。新政権の管理官が出来合いの電磁飛翔体加速装置で吹き飛ばされた、最新のテロについての記事が載っていた。

 高井が戻ってくるまでに、クロウは二杯のミルクを片付けていた。どうやら高井はクロウ以外からのメールも確認していたらしい。ますます印象が悪くなったが、高井は気にした様子も見せずにクロウに対して営業用の顔をして見せた。
「確認しました、ミス・クロウ……ええ、紹介者の方にも確認が取れました。その上で、私の提供するサービスについてどの程度理解していただいているのかを、お伺いしてもよろしいでしょうか」
一瞬、クロウは怒りで我を忘れかけたが、意識して深く呼吸をすると、自分の知っていることを話しはじめた。
「『AI殺しの高井軍曹』」
高井が苦笑いをして頷いた。
「敗戦間際に編成された陸軍部隊に所属していた。敗戦時に破棄された軍のプログラム・デッキを隠匿し、戦後はそのデッキとインプラントでコンピュータビジネスのシーンで独特の存在感を示していた。敗戦時に流出した軍用AIの処置で数件の請負仕事を成功させたことが知られている」
二人の間に置いてある写真には、若き日の高井と思われる姿が写っていた。私物らしいジーンズにフード付きのジャンパー、正規軍の作業帽。正規の軍服の変わりに、PBと書かれた腕章が左腕に巻かれていた。ひどいものでしたよ、と高井が言った。
「私は四年間軍にいて娑婆に出たんだが、予備役登録はしなかったんです。誰かが名簿を持っていて、予備役もそうじゃないものも関係なしに駆り集めた」
こつこつと、写真の腕章の部分を指でつつく。
 PB。憂国旅団。戦争末期に予備役その他を無理やりにかき集めて組織されたいくつかの半民兵部隊の一つ。その手の部隊のほとんどが、映画撮影用のフラッシュをまともに浴びた蛾のように一瞬で燃え尽きる中で、重火器の不足を補うためにゲリラ戦へと走り、それでも補えない戦力不足を覆すために実験的な技術をむやみに投入した鬼子たち。傀儡政権が起った後はテロリストとされ、ほとんどが処刑か投獄の憂き目にあったと聞く。
「まぁ私やこの店の彼のように生き残ったものもいたわけでして。私の場合は牢屋で知っていることを洗いざらい吐き出して刑期を減らした。仲間内では裏切り者で通っています」
高井は軽く言い放ったが、高井と咥え煙草の店員の仲はそれほど険悪には見えなかった。実際のところは、もっと複雑な事情があったのだろう。クロウは確認するような視線を高井へ向けた。
「メールの内容では、私がやるべきは、とあるAIの被害にあった少女の救出……治療? というのでしょうか」
「はい。私の教会を支援してくださるある方のお嬢様が、生まれついての障害の為に脳にインプラントをしていたのですが……詳しくはここでは」
 高井は難しそうな顔をして見せた。
「正直に言えば、私はこの件についてあまり乗り気ではありません」
口を開こうとするクロウを片手で制して、高井は続けた。
「理由を聞いてください。まず、私は人間に直接影響力のあるAIを相手にした経験がないことが一つ。いままでに処理をしたものは、研究室レベルの自己増殖ユニットの制御部や装甲兵員輸送車にたっぷりとチップを詰んだAI車両などでした。脳を増設した人間の、増設部に巣食ったものを相手にした経験はありません。もう一つは、以前と違って今の私はそれほど経済面で危ない橋を渡る必要がないことです」
高井は札入れから名刺を出してクロウへと渡した。
「今の私の肩書きです。北欧のサービス企業の、当地におけるコンテンツ・ビジネスのアドバイザーです。こちらの流行を伝える調査員も兼任しています。MoeとKawaiiは儲かるんです」
 名刺には、企業名と高井のフルネーム、部署とアドレス、メルヘン趣味でありながらひどく生地の少ない服を着た幼い少女の絵が描かれていた。

19013/3:2007/01/27(土) 16:55:52
 クロウが高井との接触が時間の無駄だったと結論付け、とりあえず二三発殴ろうと決めたところで高井は言った。
「ですが」
高井はあのアルカイックな笑みを浮かべていた。
「さらに正直に言えば、私にも紹介者の方への義理と貴方に迷惑をかけてしまった点があります。それに、ええ、メールで写真を見ましたが、くだんのお嬢様も実に儚げで同情を禁じえません。恥ずかしながら、戦争と投獄で縁がなかったためか、私、大の子供好きでして。お嬢様のためにも一度きちんとお話をうかがおうかと思います」
 つまりはロリコンなのね、とクロウは思った。

// ここまで。文章中で独自用語の説明はつけていませんが、
// インプラント;サイボーグっぽい身体埋め込み機器
// サンドボックス:メモリ領域を論理的に隔離して、その範囲内での動きが外に影響しないようにする考え
// シスター・クロウ:ヒスパニック
// あたりは説明を加えておきます。

1902イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/27(土) 17:28:33
大正時代のカフェを「模している」にもかかわらず、「文士気取り」「紙巻」「女給」なんて単語を使うのに違和感。

1903イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/27(土) 18:40:38
で、なんの実験をしているの?

1904イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/27(土) 18:54:03
敬語表現がおかしくて引っかかるな。
「ぶしつけな印象」を与えるために崩しているのか?

> 致命的なバグによる被害は致命的なもので
このトートロジーはギャグですか。

1905イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/27(土) 20:07:41
バグが致命的なのと、被害が致命的なのをかけてるんでそ。
(仕様的にヤバいバグを致命的なバグという)

19061447:2007/01/27(土) 20:41:42
以前に晒した奴の続きなんです。
一回お蔵にしたんですが最近また続きを書き始めました。
どうしても獏さんの影響が出すぎてしまいます。
こういうのってどうにか解消できるものなんでしょうか?
(似ないように考えながら書きまくるしかないのかなとは思っていますが)
批評いただけましたら嬉しいです。


ビニールの張られた長椅子の上にあぐらをかき、目を閉じる。
頭をよぎる大量の雑念をしばらく無視し続けていると、自分の心の形が見えてくる。
黒柄の直槍――。
それが自分の心の形だった。
試合前の精神集中は、それを磨ぐイメージで行う。
徐々に、徐々に、少しづつ、丁寧に、鋭くしてゆく。
そのまま磨ぎ続けていくとその槍に変化が起こる。
ぎらり、ぎらり、と凶暴な光を放ち始めるのだ。
そして、槍は自分に語りかけ始める。
早く突けと。
早く肉を裂かせろと。
早く血を浴びさせろと。
頭に直接訴えてくる。
そういう状況まで集中することができれば、後はそれと同化を図るのだ。
自分は槍だと思い込む。思い込ませる。
脳に、体に、血に、魂に。
そのうち、敵を貫くその為に自分は生まれてきたのだと思うようになる。
試合前には、そこまで持ってゆく。
そしてゆっくりと目を開ける。
肉体が、精神が、心地いい緊張感に包まれている実感がある。
時計を見ると、いい頃合だった。
長椅子から立ち上がり、控え室のドアの前まで歩く。
ノブを回し、外に出ると右に千佳が立っていた。
うっすらと顔が汗が残っていた。走ってきたのだろう。
「邪魔しちゃ……悪いと思って。」
そう言うと畳んだ状態で手に持たれていたタオルを広げ、男の肩にかけた。
「がんばって。」
こくり、と晋作は頷いた。
何か言えば一緒に抜け出るものがある。
精神集中の後に、言葉を交わすわけにはいかないのだ。
それを、千佳もわかっていた。
晋作が、千佳が来たほうと逆の方向へ歩き出す。
厚くも広くもないが、限りなく硬い背を、千佳は見送った。
気安く触れることすら憚られる様な鋭さが、その後姿にはあった。

19071447:2007/01/27(土) 20:44:24
すいません・・・行頭空けとかのルール一切無視してました(;´Д`)
そのへんの突っ込みは控えめにしていただけると幸いです…

1908イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/27(土) 21:58:36
>>1907
で、何を尋ねたいんだ?
夢さんに似てしまうというなら、もっと他の作家の本を読んで見れば良い。
>>1906についての感想というなら、ぶっちゃけ「以前に晒したものの続き〜」とか言われても意味不明。
そもそも前の晒しをどう変更したのかしてないのかさえもわからん。

文体がどうとか文章がどうとかいう以前にだな。
おまいが何を望んでいるのか意味不明。

1909イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/28(日) 03:14:57
>>1899
非常に微妙なところ。
ひっかかる部分は多いが、読めないほどではない。十点満点で六点かな。
「こういう事がしたいんだろうな」というのが分かるんだけど、
読者が求めている情報を提供できてない部分も目立つ。

それに文章の選択も考慮してないのか、読み返さないと分からない部分も多い。
あまりにもモヤモヤしたので言っておくんだが、

「指定された店の指定された席には、事前に聞いたとおりの格好で一人の男が座っていた」

という部分。冒頭一行目だから一番目立つので「あれ、読むのやめようかな」と迷ってしまった。
最初の「指定された」は、わざと繰り返しているのは分かるんだけど視覚的に引っかかる。

「ゆっくりと流れるジャズが若者たちの話し声と重なりあっていた」

というのも個人的には気持ち悪い。「重なり合う」って事は融合するって事だから、
イメージとしては若者達の喋りがジャズのリズムベースになっているか、ジャズが若者達の会話に参加してる事になる。
考えた末の表現かもしれないけど、「重なる」は避けた方が印象がいいと思う。混じる、とか、の中で、とか。

「女給がクロウのためのミルクと砂糖菓子を置くのをまって、クロウは渡された写真を相手に見えるようにテーブルの上に置いて見せた」

これも個人的には気持ちが悪すぎる。「給仕が自分の前に」などにした方が収まりがいい。
この段落は三回もクロウと出てくるので、なんとかまとめて一つにするべき。この辺が一番考慮が足りてないという印象を持つ。

小指と薬指がないくだりは目をひくんだけど、高井がどんな印象の声をしているのかが知りたい。
勝手に想像する事は出来るんだけど、高井のセリフを読む間じゅう、不確定だからずっと頭の端に引っかかる。

それにシスター・クロウが高井の説明をするくだりも、敗戦間際と敗戦時がごっちゃになる。
説明の仕方が文章的に雑で、セリフを全部拾って整理しないと状況が飲み込めない。
もっと分かりやすくなるように入れ替えたりする努力をしたほうがいい。

基本的にはクロウを中心とした一人称付き三人称だから、その面でもっと整理出来る部分はいくつもある。
一つ言えることは、とにかく最後まで読むのに苦痛は感じなかったこと。
根本的な技術力としてはそれなりの物が整ってるようだから、あとは文章力を磨けば宝石が出てくると思う。

>>1906
改行のしすぎと自分酔いの臭いが酷すぎて読むのが苦痛だった。

そう言うと畳んだ状態で手に持たれていたタオルを広げ、男の肩にかけた。
「がんばって。」
こくり、と晋作は頷いた。

の部分で、視点が動きすぎて物凄く混乱した。

「あ、そう。勝手にして」という印象しか持てないし、どういう読者に見せようと思ってるのかも分からない。
もしかしたらスポーツ物好きの人達には物凄く面白そうな印象を与えるのかもしれないけど、
少なくとも俺からは、文章に重さが足りない。という感想しか出ないな。
ぶっちゃけ後のシーンがなくても「このシーン全部いらないだろ」と断言できそうなくらいに軽い。

君の場合は批判を受ける以前の「自分で試行錯誤する段階」で、
それ以上に成長出来ないなら「お前にこの業界は向いてないからあきらめろ」としか言えない。

1910イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/28(日) 11:39:46
>>1906
影響をなくしたいのなら他の人の作品を読むのがいいと思う。

> そう言うと畳んだ状態で手に持たれていたタオルを広げ、男の肩にかけた。
ここから、視点がおかしくなっているので修正が必要。

自分酔いは気にならなかった。緊張状態ならこのくらいはありでしょう。
改行も歯切れを出すためにありだと思う。
が、もし、この場面意外でも改行しまくりなら、ちょっと考えた方がいい。

君の問題点は他の人が指摘しているように、晒すことによって、どうして欲しいかが伝わってこないことだな。

1911イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/28(日) 12:31:12
>>1899
これも何を目的で晒しているかが書いてないな。

文章は下手ではないが、上手でもない。
所々、視点がずれたり、形容詞が重複したり、表現がおかしいところがある。
推敲して直そう。が、もし推敲してこれならば不味い。友人など他人にチェックしてもらう必要があると思う。

描写をがんばっているのは伝わってくるが、ややくどい気がする。
説明台詞や耳慣れない単語が飛び交っていて、読み進めるのに難をきたしているところに、長々と描写を続けられたらたまらない。
読者は、交渉がどう進むかが一番気になっていると思うので、ここは雰囲気よりも物語を先に進めるべきだと思う。

あと、気になった点は、ずいぶん技術がすすんだ世界みたいだが、そんなところでメールチェックを怠る奴がいるのかということ。
それに、インプラントという技術があるぐらいなら、指を治すことぐらいわけないだろう、と思ったことか。

19121899:2007/01/28(日) 21:48:37
どうもです。自分が今回意識して書いたのが、
・十分に視覚化できるだけの背景描写
・わざと断片的に情報を出して、矛盾を少なくできるか
・セリフはわざと少しおかしくする(日常会話は文法が破綻しているほうがらしいとの考え)
・テクノロジック使いまくり
などでした。トートロジーっぽい繰り返しの多さや、
技術レベルと運用の間の差は、単純に自分の手癖です。反省。
フラッシュを浴びた蛾の下り等、わざと違和感を残すような書き方をした部分が
特に指摘を受けない反面、あまり意識しないで書いた地の文が指摘を受ける等、参考になりました。

最初にどのような指摘が欲しいかを明示しなかったのは失敗でした。
すみませんでした。自分としては、
『極端な破綻はないが終始違和感が残る文』を書いたつもりだったので、
いただいた指摘はとても参考になりました。感謝。

1913イラストで騙す予定の名無しさん:2007/01/29(月) 07:38:05
一つ言える事は、そういう「俺しかできないんだぞ」的な事を目指そうとするのは危険だ。
そもそも読者は君らしさなんて求めてないから。小説を書くとき、君が君である必要性はない。

1914イラストで騙す予定の名無しさん:2007/02/04(日) 00:29:28
人生で始めて女の子に告白されて舞い上がってたら
バツゲーム告白だったので泣いてアパート帰ってそのまま眠った。
目覚めたら体が触手になっていた
ついでにその触手の虜になった女の子が横で寝ていた。

女の子によると昨日俺はなんかレベルEクラスの生物兵器に襲われて
頭以外全部食われて体は触手がヒト擬態してぶっちゃけ宿主にされたらしい
体の支配権は俺にあるが生物学的に俺はもうヒトではないのだそうだ
コンビニで言うところの従業員社長の雇われオーナーみたいな感じか。ちょっと気が滅入る。

だから俺はその気になれば頭以外を全部触手にできるらしい。
出来るといわれたらやってみたくなるのが人情だ。
早速やってみたらなんかFFに出て来るモルボルみたいな有様になった。
なんか溶けたキャンディーみたいなネッバネバの分泌物が遠慮会釈なく撒き散らされ、
しかもそのままフトンに染み付いた。ふざけんな触手。掃除する身にもなれ。
壁に染み付いたら敷金返ってこねーだろうが。

急いで人間形態に戻ってみたら、なんか女の子がぽやーっとした目でこっちを見てた
なんだいきなり。尋ねてみると主人に命令を貰った犬みたいな目で答えてくれた。
何でもこの触手は自分の一部を他生物の体内に入れる事で寄生増殖が出来
そして親株の分泌する体液がそのフェロモンになってるそうな。
じゃあご主人様と読んでみろと言ってみたら夢心地で読んでくれた。GJ触手。敷金の件は不問にしてやる

掃除が終わって甘い香りが消えうせたら
女の子は突然キルモードシャナばりの怖い顔になって切りかかってきた
女の子は実は触手を退治にきた戦士なのだそうで
昨日ちょっと取り逃がしてしまいしかも触手(俺)にあろう事か寄生されたのだそうだ
ちょっととり逃したじゃねぇだろ。やばい殺されると思ってまたモルボル化して見たら
またぽえええっとなっとなった。試しに一本足に絡めてみたらそれだけで感涙した
殺そうとしてすいませぇええんとか泣くないい子になりますぅうううとか叫ぶな
どうすんだこれどうしよう。これが世に言うツンデレですか多分違うけど

後一ヶ月で触手は俺の脳味噌まで食い進むらしい。
まあいいやどうせ今後数十年生きててもモテそうもないし人間辞めてこいつと子孫作ろう。
そんで人類滅ぼそう。愛とか恋とかムカつくし。敷金もどうせ返ってこないし。


みんな死ね。死んじまえ。

1915イラストで騙す予定の名無しさん:2007/02/04(日) 00:46:05
二次ドリにでもいってくだしあ

1916イラストで騙す予定の名無しさん:2007/02/04(日) 01:09:46
むしろ釣りだと言ってくだしあ

1917イラストで騙す予定の名無しさん:2007/02/04(日) 17:35:40
>>1914
俺は好きだなぁこういうのw
まぁこれで完結してるから、ショートストーリーという類なんだろうけど。
むしろ長編をずっとこの調子だったら、書き手の方がつらいかもしれん。
同じテンションでずっと続けるにはどれだけの濃い世界観とプロットが必要になるのやら。

1918忘・藤:2007/02/04(日) 20:16:33
ここやラノベ板の本スレで、戦闘シーンについて言及があったので、いま書いている作品の後半部分の一部を晒してみます。
格闘中の「説明」が割りと多目ですので、スピード感はあまりないだろうと自覚してますが、緊迫感と熱さがなんとか伝わればいいな、と思ってます。

あくまで「部分抜き出し」で、キャラ説明が不十分ですので、そこだけ書かせていただきます。

藤原アキラ:身長160センチ以下の小柄な少年。ベースは柔道だけど、元軍人に格闘術を教わった経験あり。
     実は女の子。
山崎 :高校のキックボクシング部部長。長身痩躯で禿頭。アキラが女の子とは当然知らない。

ttp://wannabee.mine.nu/uploader/files/up0375.txt

1919イラストで騙す予定の名無しさん:2007/02/04(日) 21:18:40
>>1918
>蝶番の油が切れてさび付いたドア

必要かこれ? あえて例は出さないけど、もっと分かりやすく縮められるぞ。

>だがそれは……すべて避わされた!

この表現、俺は嫌い。間の取り方が素人(まさに素人だが)じみてる。
経験を積まないとならんだろうけど、もっとスマートな間の取り方がある。


全体的に流し読みだけど、確かに情報を詰め込みすぎでテンションが低いね。
悪くはないけど、もうちょっと綺麗に出来る余地があるから微妙。
ここに晒された中では良い方だと思う。


あと設定いらねぇ……。

1920イラストで騙す予定の名無しさん:2007/02/04(日) 21:29:44
>>1918
ちょっとよけいな説明ゼリフが多いかな。でも嫌いじゃない

改善案
①1:1でスピード感出したい戦闘中
アキラ、アキラ、山崎、山崎ってキャラ名連呼しないほうがいいよ
例 名前を最小限にして、技や思考の流れだけで表現してみたりとか試してみて

②ただ殴りあいじゃダメだと思うんだ
例 最後の「そしてアキラの拳は山崎のあごを正確に打ち抜いた」
ここにこそもっと「どんな」が欲しいと思うんだけど、どうだろう
「どんな」で組長の、バカな男山崎に対する思いを表現できると思うんだけど

重要な交差には表現を濃く、そうでない所はちょっと抜く。メリハリ付けてみて


気になったセンテンス
・蝶番の油が切れてさび付いたドアを後ろ手に締める山崎をにらみ
・十二畳ほどの大きさの部屋が実質上の密室になったことがアキラの胸に不安をよぎらせる

組長の石ころヘッド頭突きと足関節。ネタ分かる人には面白いな

1921イラストで騙す予定の名無しさん:2007/02/04(日) 21:30:53
あ、1920は寸○めね

1922イラストで騙す予定の名無しさん:2007/02/05(月) 01:38:01
>>1918
悪くないと思う。
自覚しているとおりに、スピード感がないのが玉に瑕だとは思うが、おおむね問題ない気がする。
個人的には、三点リーダーとダッシュを使用しすぎだと思うが、好みの問題ともとれるレベルだ。

逆に気になったのが、内容の方。
身長160切るような女の子なら、どんなに重くても体重は50キロくらいだろ。
長身と表記される山崎なら身長180前後だろう。体重は軽くても65キロはあるだろ。
最低でも15キロ差。現実的にはもっと開きがあるだろう。
これだけ差があるのに、やすやすと攻撃を受け止めることはできないだろ。
特に膝蹴りなんか、ガードしても気絶するぞ。
戦い方なんかはリアル志向なのに、こういうとこだけご都合主義だと読者は冷めてしまうと思うのだが。

1923イラストで騙す予定の名無しさん:2007/02/05(月) 20:24:05
スピード感が無いのは、全般的に文章が欲張りすぎなせいだろう。

 >蝶番の油が切れてさび付いたドアを後ろ手に締める山崎をにらみ、アキラは問いかけた。

これなんか描写したいのは、ドアを閉めたこととその時に蝶番が錆びていること。
そしてアキラが問いかけたことの二つに分けられるし、分けるべきではないかな?
或いは思い切って蝶番は削除してしまう方が良い。

 >ドアを後ろ手に締める山崎をにらみ、アキラは問いかけた。

読者に廃屋だと説明したいなら、別に文をもうけた方がシンプルで切れが出るよ。

1924忘・藤:2007/02/05(月) 20:29:27
>>1919-1921
ご批評およびアドバイスありがとうございます。
なお、「○○は××の効果で書いたつもり」「△△はわざとです」みたいな「言い訳」はしないで素直にご意見を受け止めたく思いますので、
個レスは控えさせていただきます。

ご指摘のあった最初の部分は、実は自分でも文章として違和感がありました。
そして、他の部分も最もな御意見ですが、推敲で修正可能のようにも思えますので、
>>1919-1920さんのレスを最終推敲の参考にさせていただこうと思います。
そして>>1922さんの御意見ですが、読んでいてご都合主義に思わせてしまうほど「ハッタリの効かない」私自身の筆力および技量の不足と、
真摯に受け止めさせていただきます。

この作品は、一部とはいえ投稿用にと用意したものですので、今夜中に削除させていただきますね。
mixiのどこかには常時晒していますので、運が良ければ見つかるかもしれません。
そのときには、駄文ですがどうかよろしくお願いいたしますm(_ _)m

1925忘・藤:2007/02/05(月) 20:31:43
>>1923
ありがとうございます。やっぱり複文だとこの場合はおかしいですよね。
参考になりました。ありがとうございましたm(_ _)m

1926本田透 ◆99GaM7IbzU:2007/02/14(水) 15:31:54
すいません。前にぶつ切りの作品投下して申し訳ありませんでした。
今後、気をつけます。
ちょっとラブストーリーらしき物持ってきたので見ていただけないでしょうか?
ちとファンタジーほど遠いですが、ちょっとした
練習を兼ねて書いてみたものです。
自分で読むと序盤〜中盤の肉が少なめな気がします・・・。
他、書き足したらおk見たいな所あったらおねがいします。

1927イラストで騙す予定の名無しさん:2007/02/14(水) 15:34:06
>>1926
いいからとっととうpしろ

1928本田透 ◆99GaM7IbzU:2007/02/14(水) 15:35:16
アレから何年と通っている道。
アレから何年と通っている病院。
アレから何度も通っている病室。

君はあそこから出られないでいる。

病院の二階、312号室。ドアを軽く二回ノックし、ドアを開ける。
彼女は無機質な白い部屋の中央に配置されたベッドの上で座っていた。
まだ明るい午後の日差しが彼女を包んでいる。
その光は、白い病室と彼女を一層白く見せた。
彼女は「皆勤賞だね」と僕を労う。俺はあぁと軽く返し、
お土産に買ってきたジャンクフードを渡す。
彼女は中から鮎菓子を取り出しはいと僕に渡す。
彼女の体を見る。
白い服から覗く白い腕や足は病的なるいそうを起こしているのか、
無駄なものが付いていないように細い。
まるで骨と皮のような気もする。簡単に折れてしまいそうだ。
残念ながら性的欲求のようなものは残念ながらあまり感じられないだろ
う。
顔も顔色が優れない。慢性的な貧血なのだ。
対照的に黒い髪は長く、美しかった。
彼女の病気は慢性骨髄性白血病。
今のところドナーも見つかっていない。
それはそうだ、アレで下半身不随に陥る可能性すらあるのだ。
公共広告機構がCMでドナーが足りませんとやっているが、
アレはアレで酷い。
彼女と俺が同じ血液型だったため僕は前に髄液検査を受けた。
大人でも泣き出す痛さだというが、
彼女はそれ以上の苦痛に常時耐えているのだ。
そして検査の結果を待ったが、芳しくない結果が返ってきた。
なんでも、髄液のHLA型という型が合わないらしい。
血液型のようなものだと医者言っていた。
結局、骨髄移植はできなかったが、代わりといっては何だが輸血をした。
貧血のためらしい。
彼女は「なんか力が出てきた」と一時的だがとても元気に見えた。
心因的なものだろうが。
「いらないの?」彼女の言葉にふと現実に引き戻される。
大丈夫?と声をかけてくる彼女に大丈夫と言って鮎菓子を受け取る。
おいしそうに鮎菓子をほおばる彼女は素直にかわいいと思う。
俺も鮎菓子をほおばる。餅が甘い。
俺が一匹食べた頃には彼女はもう二匹の鮎を平らげていた。
ちょうど限がいいときだったので俺は彼女に提案した。
ドライブに行こう、と。
彼女は喜んで了承してくれた。

駐車場に二人で降り、車の鍵を開け、助手席のドアを開ける。
どうぞお姫様と冗談を飛ばしつつ彼女を室内に招きいれた。
彼女はシートに座るとありがとうと声をかけてくれた。
僕は助手席のドアを閉めた。
そしてサプライズ。車のソフトトップを開ける。
わぁ、と彼女は感嘆の声を上げて喜んでいた。
僕は運転席に乗り込み、青いグリフィスのV8のエンジンに火を点け、
駐車場を後にした。
最後のデートとも知らずに。

1929本田透 ◆99GaM7IbzU:2007/02/14(水) 15:36:36
オープンカーに初めて乗る彼女はとてもはしゃいでいた。
普通の人には若干肌寒いのかもしれないが、
常時微熱のある彼女には気持ちいいのかもしれない。
途中コンビニで飲むものを二人分買い、また走り出した。
彼女がどこに行くのと聞いてきた。僕は答える。
いい物を見せてあげると。

しばらく走って着いたのは小高い山の上だった。
二人で外に出て街を見る。
町の向こうには赤く輝く夕日が見える。
彼女は「綺麗・・・」と呟くと夕日に見入ってしまった。
その内に俺はソフトトップを閉め、
トランクからブルゾンを2着出して閉めた。
彼女にブルゾンを着せる。流石に夜風は体に悪い。
もう夕日が沈んで暗くなり、次は、美しい夜景が姿を見せた。
俺もブルゾンを羽織り、彼女の横に立つ。
すると彼女の俺にもたれて来た。俺は彼女をしっかり支える。
また来ような、と僕は彼女に言い、彼女はうんとうなずいて俺を見上げた。
身長は俺が178㌢あるのに対して、彼女は156㌢程しかない。
俺が若干腰を屈めて、彼女の肩に手を置きキスをした。
二人とも時間が止まって思えた。

しばらく二人で夜景を眺めてからそろそろ帰る事にした。
病院の看護師さんに怒られては堪らないし、
彼女の体にもよくはない。
帰りの車の中で彼女は惚けてぼーっとしていたが、
病院に着いてまた一緒に来ようなとと言うと嬉しそうに頷いてくれた。

病室まで送り届け、お休みと声をかけて帰ろうとしたが、
彼女が「ねぇ・・」と問い掛けてきた。
なんだい?と振り向くと彼女はベッドの前に立って俺に言う。
やらないの、と。
俺は彼女が好きだ。
そりゃあもうやりたいさ。
でも、やったら彼女を壊してしまう。
彼女はそれを承知で言ってくる。
壊れてほしくないと思う俺。
壊れてもかまわないという彼女。
俺は彼女を抱きしめた。
頭を抱えて抱きしめた。
彼女も俺を抱きついてくる。
ただそれだけ。
言う事は必要ではなかった。

俺はまた明日と言って、病室を出て行った。

だが、一晩も経たない内に僕は病室を訪れた。

1930イラストで騙す予定の名無しさん:2007/02/14(水) 16:24:28
>>1928-1929
まず、小説としての評価から。大筋としては可もなく不可もなく、というか
よくある展開なので別に感動も斬新さも感じない。

けど、描写面で
>ただ、残念ながら性的欲求のようなものは残念ながらあまり感じられないだろう。
みたいな部分は不必要だし、見舞いの品にジャンクフードをもっていく、
病人をオープンカーに乗せて連れまわすなんて行動は、少なくともまともな人間がすることじゃない。
あと2階なのに300番台の部屋番号等、細かい粗が目立つな。

で、だ。

君ね、病気の事を書きたいならそれを真剣に調べてから書きなさいよ。
作中の白血病やドナーに関する描写はほとんどでたらめじゃないか。

例えば、骨髄移植のドナーが下半身不随になるって都市伝説な。
こんなのをいまだに信じてる奴がいるとは思わなかった。
これはおそらく骨髄と脊髄の区別がつかない馬鹿のいいだしたことで、
移植用骨髄はほとんどの場合、骨盤から抽出する。
主要な神経網が通っていない骨盤に針さして何で半身不随になりますか。

さらにHLAは「白血球」の型であって、その検査方法は採血。
髄液の型だ、なんて、いったいどこの無免許医師?

作中ではおそらく、彼女の容態が急変して死に至るような描写がなされているけれど
慢性骨髄性白血病ではこういう経過はたどらない。急性期に入っているんだ、とするなら
前述したオープンカーで連れまわし等が犯罪の域に突入だな。

そもそも現在は骨髄移植以外にも、造血幹細胞移植もあるし、放射線治療等の効果向上、
新薬の登場とCMLの治療は劇的に変化している。
白血病だ→不治の病だ=かわいそうなんて図式は、今時、韓国ドラマでもやらんよw

もっと勉強してください。

1931本田透 ◆99GaM7IbzU:2007/02/14(水) 23:19:07
>>1930
根底からのまちがいでしたかっ!?

ありがとうございました。勉強します。

1932イラストで騙す予定の名無しさん:2007/02/15(木) 01:26:04
病気について扱いが難しいのは、「読み手がいるから」なんだけど…
あまりわかってないみたいだなw

1933イラストで騙す予定の名無しさん:2007/02/15(木) 01:26:40
既存作家名騙るなよ……

1934イラストで騙す予定の名無しさん:2007/02/15(木) 04:43:54
りすかファンと同じレベルだよな、

1935辻書人 ◆I2.li66hCU:2007/02/16(金) 22:59:14
皆様おひさしぶりです
以前、競作大会で出した掌編を長編にしたものの導入部になります
これだけ読んでさらに続きが読んでみたいと思えるかどうか判断していただきたいです。
アドバイスもいただけると嬉しいです。宜しくお願いします。

ttp://wannabee.mine.nu/uploader/files/up0389.txt

1936イラストで騙す予定の名無しさん:2007/02/17(土) 02:01:08
>>1935
個人的に続きは読みたくならなかった。
駅構内で他人がイチャついているのを見て、共感を抱く奴はそうはいない。
小説の冒頭だろうとそれはいっしょ。

1937イラストで騙す予定の名無しさん:2007/02/17(土) 02:36:20
>>1935
感想 面白おかしく読ませてもらいました。

が、正直、冒頭部分だけでお腹一杯です。
続きが読みたいかといわれると、否ですね。
キャラのやり取りは面白くても、ストーリーの取っ掛かりが
見えてこないのが敗因かと。
結局、小説の冒頭というよりは、ショートコントか何かを見せられた
といった感じです。
その後の展開や、依頼の内容によっては反応も違うのでしょうが、
うpされている部分だけで判断すると、そんな感じです。
もう少し、ありきたりな言葉でいえば、序盤にしては冗長すぎるって、
ところでしょうか。

ちなみに、主人公がなんなのかが気になりましたね。
個人的には「その辺のオチをどうするんだろう?」といった感じで。

1938辻書人 ◆wtjNtxaTX2:2007/02/17(土) 12:37:13
>>1936
すごい納得できる端的なアドバイスありがとうございます(笑)って笑い事ではないですね。
冒頭のポイントは「共感」ですね。覚えました!
>>1937
やっぱり物語としての転がりはじめがもっとはやくないと駄目ですか。自分でも少し気になるところだったのですが・・・
どうも単長な作品の癖があるみたいなんで、自分では早過ぎぐらいのテンポで書いてみます。
ありがとうございます!

1939イラストで騙す予定の名無しさん:2007/02/17(土) 12:56:40
作品世界に読者が感情移入できるかどうかは、小説を面白くするかどうかの重要なポイントなんだが、
これが案外と難しいんだよなぁ……書いてる本人にしてからがそれが出来ないのだから。
これってやはり、テクニック以前の感性に頼る部分が多いのだろうか? 魅力的な登場人物を作れと
よく言われるけれど。

1940イラストで騙す予定の名無しさん:2007/02/17(土) 21:02:30
>>1935
私感。構成をいじるのも手かな。

***************************************************
「”遺恨の聖女”の話はご存知?」
 全体が茶色と灰色で彩られた地下バーのカウンター。
 八点鐘きっかりに姿を現したマリア捜査官は、席につくや俺にそう囁きかけた。
「知らないね」
 応えて俺はスコッチをあおり、片目でこのバーを眺めやる。
 夜の街に生き、裏の世界に生きる連中がひと時の休息を求めて集まる場所――それが
ここだ。木目調のデッキにおかれたグラスの中で踊るロックの輝きを見つめて、今日一
日生きることに疲れた自分を癒してやる。できの悪いスピーカーから流れるノイズ交じ
りのジャズも、時折ほかの客から漏れる低い囁き……それが俺にとっては心地よい。
(まさにハードボイルド! くぅぅぅっ、かっこいいな、俺!)
「つれない言い草ね。これは貴方にも関係のある話なの。それでも興味ない?」
 ハスキーな彼女の声に俺はグラスの氷を軽く鳴らし、ハードボイルドらしく口を開こ
うとした次の瞬間、
「すいませーん、ばばなチョコパフェくださーい♪」
 俺の横でチラチラ動く目障りな原色で着飾った小さい生物が、このハードボイルドな
バーに似つかわしくない注文を、やたら甲高い声で注文した。
 ……ちくしょー、さっきからあえて存在を無視していたのに!

 ……………………
 …………
***************************************************

 下手でスマンが、できるだけ原作を変えないように構成を変えてみた。
 言葉で言うと、「冒頭で読者が興味のありそうなことを振っておき、それを展開させ
ながら、キャラを導入していく」つー方法です。(ちなみに、”遺恨の聖女”はとりあ
えずの漏れのネタ。まあ、読者の興味を惹くフレーズなら何でもおk。)

 作者は登場人物がどういうキャラかわかっているから、キャラの掛け合いだけでも
十分楽しめるんだけど、読者にとっては初対面。それを楽しませるのは結構苦しい。
(二次創作を原作を知らない読者が楽しむのは難しいのと同じことね)。そこらへん
に書く側と読む側とギャップがあるわけで、気をつけないといけないやね。んで、そ
れを埋めるのも技術の一つ。頑張ってみてください。

では。

1941イラストで騙す予定の名無しさん:2007/02/17(土) 23:26:39
「冒頭で読者が興味のありそうなことを振っておき、それを展開させながら、キャラを導入していく」つー方法

「マクガフィン」
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%AF%E3%82%AC%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%B3

1942辻書人 ◆wtjNtxaTX2:2007/02/18(日) 00:50:54
>>1940
おお、改稿ありがとうございます!自分の作品に他の人が血を入れるとすごい色々発見できますね・・・
第三者な読者を物語に引き込むために様々な事を考えなければいけない上に、過不足も駄目。冒頭はやはり一番難しいと最近感じます。逆にいえば冒頭が上手くいけば物語としてはかなり良い線いけるはずだとも考えています。
構成からのアプローチは色々試してみますね。参考になりました。
本当に大感謝です。

1943イラストで騙す予定の名無しさん:2007/02/18(日) 17:18:13
>>1935
まず」の前には。を置かないこと。

個人的な感触は悪くなかった。
キャラは書けてると思うので、設定の練り込みや改稿の仕方次第では継続して執筆する価値はあると思う。

とはいえ手放しに誉められる出来では当然ない。

まず>>1540も言ってるけど、
最初のシーンが「ただ待ってるだけ」から始まるのは退屈。

あとは主人公のノリが軽すぎてちょいしつこい。
似非ハードボイルドとのギャップをギャグにしてるんだろうけど、いくらなんでも行き過ぎてる。
そこまではっちゃけると読者とのテンションが離れすぎて浮くし、作品の最後までノリが保たない恐れもある。
そもそも軽いキャラはヒロインが充分その役割を果たしているんだから、主人公はそれに対して乗っかる以上の事はしなくていい。
ボケとノリツッコミの漫才は成立するけど、ボケとボケの漫才は成立しない。
具体的にいうと、「 だまれ糖尿幼女。おれが肺がんで死ぬならお前は糖尿で死ぬね。――」あたりまでは許容範囲だと思うが、
「――やーい、やーい、ぷっくりチョコ饅頭、僕の顔をお食べ〜♪」まで行くとやりすぎかと。もちろん「おっぱい! おっぱい!」もナシ。引く。
(注:ここでいう許容範囲はあくまで俺が読者だとしてのの線引き。一般的な許容範囲は更にもう少し狭いと思う。
どうしてもこのノリで行きたいなら、一般的な許容範囲を多少逸脱しても本を閉じさせない程の作者の筆力が求められるので覚悟が必要。
少なくともこの文に、その辺のノリを強引に許容させる程の力は残念ながら無い。
でもそんな力持ってるのは日本中探してもおかゆ先生くらいだから気にしなくていい)


次。
結局キスしたりキスしようとした少年を殴り飛ばしたりするにしては、平時のヒロインに対する態度がキツすぎるのも違和感を感じる。
エロゲーなんかで普段はヒロインにたいしてやたらと尊大な主人公をよく見るけれど、
あれはなんだかんだで相手を本気で傷つけかねないような発言(糖尿など)はそうそうしない。
(あえてそれを失言としてやってしまう事で次の展開に結びつける手法はあるけど、序盤でやる事じゃない)

次。
管理官のキャラに関する描写が説明文に頼りすぎている。
せっかくメインヒロインは地の文に頼らずにキャラを描けてるんだから、管理官に関してだってそれは出来るはず。
この場では説明無しにしてしまって後から出した方がまだいい。
説明文だけならメインヒロインよりサブヒロインの方が分量が多い、ってのはちょっとおかしい。

細かい点。
チビ輔よりはチビ助の方がいいかと思う。違和感を感じる。何か後で意味が出てくるなら別だが。



最後に。
筆力、バランス感覚共に未熟だし大賞を狙えるレベルではないと思う。
だけど少し読んだだけで「あーこいつ才能無いわやめた方がいいよ」って思わせるような酷さは持っていない。
頑張って欲しいと思う。
文章の読みやすさを心がけることと、読み手の事をもっと考える事を覚えれば、それだけで数段階レベルアップ出来ると思う。

1944辻書人 ◆wtjNtxaTX2:2007/02/18(日) 21:02:53
>>1940
まずは、凄い密度のアドバイスをいただいたことに感謝です。
これだけの助言は中々得られませんから。

たぶん仰られていることを解決するキーは最後に触れられた「バランス感覚」
を養うことなのかな、と感じました。読者に違和感無く物語を受け入れてもらうには、
あんまりに奇をてらいすぎていては駄目だし、とはいえ平凡すぎるものでは
つまらない。多くの読み手が「心地良い」と感じてくれるような材料の調合を
出来る感覚を磨いていく必要性を痛感しました。
技術力は数をもっとこなせばついていくのでは、と少々楽観的に考えています。
もちろん要努力ですが。

頑張れ、と言っていただけたのが凄く嬉しいです。自分はまだ新人賞などへの応募
を考えてはいませんが、まずそのレベルに自分がある、とはいえないのも確かです。
でも先がある、と言っていただける方がいる以上はいつか応えられる様に
頑張っていきたいです。ありがとうございました。

1945辻書人 ◆wtjNtxaTX2:2007/02/18(日) 21:31:01
(チラシの裏です)

少し文章を載せただけでも、たくさんの人がアドバイスをくれるのが
本当に嬉しいです。ひさしぶりだったのでスルーされてしまうかも、と
不安でしたが。ここは俺にとってやっぱり先生達でした。

感謝の形をどう示せばいいのか思いつかないのですが、何度でも、ありがとうです。

もしわたし程度の批評でよければ名指ししてくだされば、
徹底的にアドバイスしてみることにします。それが恩返し、かな?

1946イラストで騙す予定の名無しさん:2007/02/19(月) 23:30:33
名無しで気楽に批評しなさいな。
と言うか作品UPするにせよ批評するにせよ、コテハン使うと反感買う恐れがあるから。
プロ作家・批評家気取りとか、個人を特定出来るから次にUPした時に仕返しとか。

1947イラストで騙す予定の名無しさん:2007/02/20(火) 08:15:57
>>1946
そうですね。
では、いったん名無しに戻っていることにします。
助言ありがとうございます。

1948イラストで騙す予定の名無しさん:2007/02/26(月) 23:23:17
皆様執筆お疲れ様です。
皆さんにいただいたアドバイスを元に、長編用に序盤を書き直してみました。
これを改稿して、一度投稿用の長編を仕上げてみたいと考えています。
少し長いですが、感想、批評等をいただければ幸いです
よろしくおねがいします

ttp://wannabee.mine.nu/uploader/files/up0428.txt

19491948:2007/02/26(月) 23:28:56
間違えました!

上のアップのことは忘れてください!

すいませんでした




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