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今よみがえる伝説のアドベンチャー・ゲームブック達

1SeireiK:2004/09/17(金) 22:42
私はものもちがいい方である。
そんな私の蔵書の中でも一際自慢なのが雑誌「ウォーロック」。
実に創刊から丸2年分保有している。
何度も親の「廃品回収に出すべぇ」というセリフを退け、21世紀の現在まで守り通したものである。
「これは“興味ある人にとっては”ものすごく貴重なモノだからなるべくしかるべき人や店に譲りたい」と漠然と思い安易に捨てることだけは拒否していたのだが、まさか再び自分がその「興味ある人」になろうとは。

時は1999年〜2001年あたり。
それは私がPCを手にする前のこと…

その雑誌「ウォーロック」は社会思想社から出版されていた「アドベンチャー・ゲームブックとテーブルトークRPGの専門誌」(う〜む。なんてマニアックな響きだ)。
ゲームブックの全盛期、私ももちろん「ソーサリー」や「ドルアーガ」シリーズ、「火吹き山の魔法使い」や「バルサスの要塞」と言った“その筋の人には超有名、一般人でも知ってる人は知っている”というメジャータイトルをはじめとするゲームブック達に夢中になったものだった。

当然メジャーどころというかお気に入りの本は捨てずに取ってあったが、私はふと思い立ってこれらのゲームブックや「ウォーロック」を“一字一句読み落とす事なく”全て読もうと決意した(馬鹿でしょ)。結局「ウォーロック」は本当にかなりの冊数まで“完全に熟読”したと思う。

2SeireiK:2004/09/17(金) 22:44
そして、思った。
ゲームブックは一つの文学であり文化である、と。
推理小説を「異形の文学」と呼ぶならば、ゲームブックは異形中の異形であろう。
しかし、「展覧会の絵」(後述:なんと復刊されてます!)のように文章そのものが素晴らしいものもあり、また「ゲーム部分も面白く、小説としても面白く、さらにその両面の融合ぶりが秀逸」という凄まじい完成度を誇るものもあり、文学とまでは行かずともこれは明らかに「活字媒体の一ジャンル」としてもっと評価されてもよいのではないかと感じた。
また、ブームに乗り実に色々な出版社がゲームブックを粗製濫造し、それがゲームブック衰退の一因にもなったと思うのだが、ゲームブック最盛期が丁度バブル経済期に当たることからむしろ当時の勢いやパワーを感じ取ることが出来ること、そして結局バブル崩壊と共に社会思想社や創元推理文庫がゲームブックから撤退、ブーム終焉となった、といったことなどはやはり時代を反映していたとでもいうか、文化的側面もあるよなぁなどとしみじみと思いを馳せてしまうのである。

今現在、ゲームブックは「そんなのもあったね」程度の扱いを受け忘れられようとしている。
かろうじてコンピュータゲームの「サウンドノベル」というジャンルでその存在は保存されているかのように感じるが、さにあらず。「サウンドノベル」と「ゲームブック」は似て非なるものだ。
これでは、いかん、と。
私は何故か使命感に燃えてしまった。
TRPGは根強いファンが要るからいいのだが、ゲームブックは違う。
これはやはり「誰かが後世に残す努力をしないと」永遠に忘れ去られてしまう。
誰もやらないなら私がやろう。
かつて出版された膨大な数のゲームブックを全て集め、将来は博物館なんかを作っちゃる!という勢いでもって古本屋めぐりの旅に出た(いや、旅には出てないけど…)。

3SeireiK:2004/09/17(金) 22:45
1年くらいひたすら近辺の(自転車で日帰りできる距離にある)古本屋を、まぁ20件くらいは廻っただろうか。もちろん大手ショップなどは回転も速く今でも新たにゲームブックが入ることがあるため、かなりマメに通ったりした。
なんといってもゲームブックは「今では二束三文の値段で売られている」のが魅力で(苦笑)、「おおーー!この名作がこの値段で!」みたいな喜びもあり、ゲームブックハントの日々は続いたのだが…

そのうちなんだか少しずつ熱が冷めてしまった。
当時はネットオークション等思いもよらず、「これ以上はやはり日本全国の古本屋を巡るしかないな」と諦めの境地に入ったせいもあるだろう。
単に少しずつ興味が薄れていったのかもしれない。
ゲームブックに、ではなく「集める事」への興味が。

そして、02年にPCを入手。
その頃はまだゲームブック熱は冷め切ってはいなかったものの、なんせネット環境はダイヤルアップ。
一度「ドラゴン・ファンタジー」シリーズを検索して、「復刊ドットコム」というサイトでゲームブック復刊の動きがあること、私の他にもゲームブックをひたすら集めている奇特な(笑)人が一人いることを知ったのみ(その時の短い接続時間の間に見つけた人が一人だけだったということ)。

ブロードバンド環境になり、HPを作る頃になるともう熱はかなり冷めてしまっていて、ゲームブック関係のサイトを探したり巡ったりするようなことはなかったが、HPのコンテンツの一つにゲームブック関係のものを置きたいというのは実はHP開設当初からずっと考えていた。
「ソーサリー」の攻略ページやら「ゲームブック所有目録」等ネタは豊富にあったのだ。
しかし、興味というか熱の注ぎ口がすっかり模型へと移行してしまったので(大苦笑)、そういったコンテンツを作る意欲は失せ、今までの間「ねこのしろ」同様に半ば忘れられた存在となっていた。

4SeireiK:2004/09/17(金) 22:47
そして、04年9月。
ひょんなことから、ゲームブック関係のサイトを覗いたり「ソーサリー」を検索することに。
そこで私は見た。

おお、私と同じ志を抱いた人がこんなにぃ〜〜〜!
おお〜、「ソーサリー」も「ドラゴンファンタジー」も「展覧会の絵」も復刻ぅ〜〜〜???
「ソーサリー」のIアプリ版だってぇ〜〜〜?????

私は時代の波にすっかり乗り遅れていたらしい。
いや、日本全国の中ではまぁ片手で数えるくらいには熱烈なゲームブックファンがいそうだとは思っていた。
それでもここまでコアなファンサイトがいくつもあるとは(当時は)想像していなかったし、復刊もありえないんだろうなぁと思っていた。
今では「うん、まぁそういうサイトの二つや三つは絶対ありそう」程度の認識は持つようになったが、自分がやろうとしていた内容のものを先にやられているのを見ると悔しいというのもあってか、今の今までそのようなサイトをこの目で見ることはなかった。

しかし、やはり根強いファンというのは凄い。
ゲームブック関係のリンクページを見るにつけ、ここに私のサイトが載っていないということへの苛立ち、悔しさ、不甲斐なさ、「復刊ドットコム」へ投票すらしなかった(だって当時PCよくわかんなくてセキュリティ的にメールアドレス教えるの怖かったんだもん)無力さがこみ上げてきた。

現在「ソーサリー」等を復刊している創土社の酒井さんという方は、

http://media.excite.co.jp/News/weekly/040309/topics.html

↑ここのインタビューで「もうブームはこりごり」「良質なゲームブックだけを復刻することで一つのジャンルとしてのゲームブックを守りたい」というような発言をしている。

1人の「ゲームブック大好き少年」が大人になって、愛する「ゲームブック」を生き返らせた……。
という部分を読んだ時は「あぁ、私はこの酒井さんになりたかったのだ」と思ったものだが、しかし私はやはり「過ぎ去った文化・失われたもの」としてのゲームブックをもこよなく愛しているわけである。
ほんの少数ながらゲームブックファンサイトを覗いた感想としては、やはり「ソーサリー」や「ドルアーガ」、「ファイティング・ファンタジーシリーズ」といった「有名どころ」に対する根強いファンは健在だが、「ゲームブックそのものをグローバルに取り扱っている」サイトは少ないような気がする。

5SeireiK:2004/09/17(金) 22:49
有名かつ後世に残るべくして残る名作ゲームブックが、きちんと後世に伝えられる基盤はもう出来たようだ。
とりあえず一安心した。
酒井さんはじめ、ネットでずっと頑張ってきたゲームブックファンの皆さん、ありがとう。
復刊とIアプリのゲーム化により、じわじわと、しかし大きなムーブメントになることなく、ひっそりと「今度こそいいものだけが」残って、生き続けてほしいと思う。

もう、「名作を保存し世に伝える」動きに関して私のやることは無い。
(ってか、アンタ最初から何一つ協力してへんがな…)

ゲームブックの一ファンとして、私はこれから「金輪際絶対に日の目を見ることは無いであろう」駄作品の数々でも細々と紹介して行こうかな、などと思っている。
駄作を紹介することでより一層「ソーサリー」や「ドラゴン・ファンタジー」シリーズの素晴らしさも浮き彫りにされることであろうし、駄作は駄作としてまたそれなりに面白いのだ。
ファミコンゲームだって数多くの「クソゲー」と呼ばれた愛すべき作品群があるではないか。
全て総括して「ゲームブック」そのものを愛し、研究し、掘り下げて行こうと思う。
とりあえず蔵書の整理から始めねば…(苦笑)。

何はともあれ、創土社の復刊・出版事業と「ソーサリー」のIアプリゲーム化に喝采を、そして今まで地道にサイトを運営し、ゲームブックの復活を陰ながら支え続けてきた多くの(?)ゲームブックファンの皆様に声援と感謝の念を贈りたい。
模型業界においてハセガワからバルキリーが発売された時は「望めば叶う夢もあるのです」と言われたものだったが、私にとってはこれこそまさに、叶いようもない夢が叶ったという印象である(感涙)。

…あぅ〜、ソーサリーのためだけに携帯欲しくなった…。

(後ほどこの文章はきちんとHTML化する予定。例によって予定は未定ですが…)


創土社のページはこちらです。
http://www.soudosha.com/


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