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こんなにヘンだよ山本弘(疑似科学・トンデモ批判)2

33名無しさん:2008/01/22(火) 21:40:17
なんか、ここで見たような文言があるんだが気のせいだろうかw

『ダ・ヴィンチ・コード最終解読』

小説とは嘘である。

小説家が「これは本当にあったことです」と言うのは、奇術師が「タネも仕掛けもありません」と言うのと、本質的に変わらない。観客(読者)を楽しませるためなら、どんなトリックでも使うのが奇術師(小説家)である。

その昔、半村良氏は『産霊山秘録』を『SFマガジン』に連載した際、まえがきにまで嘘を盛りこみ、『神統拾遺』という書物が実在すると読者に思わせた。僕も見事にひっかかった(笑)。でも、そのことで半村氏を恨みはしなかった。むしろ「見事に騙された!」という快感を覚えた。

ダン・ブラウンも同じである。最初に『天使と悪魔』を読んで、なんと面白い嘘をつく作家かと感心した。『ダ・ヴィンチ・コード』にしても、「おいおい、これ、どこまでほんとなの?」とにやにやしながら、作者の論理展開のうまさに舌を巻いた。

僕だけではない。娯楽小説を読み慣れた者なら誰でも、小説を嘘として楽しむことを知っているはずである。

『ダ・ヴィンチ・コード』の不幸はあまりにも売れすぎたことではないだろうか。普段、小説をあまり読まない者、小説をフィクションとして楽しむというスキルに欠ける者までが読むようになった。

そのため、「奇術師が『タネも仕掛けもありません』と言ったのだから、あれは本当の魔法に違いない」と思いこむ者や、「『タネも仕掛けもありません』と言っておきながらトリックを使って人を騙すなんてけしからん!」と怒り出す者が現われた。

本書は『ダ・ヴィンチ・コード』のトリックを暴露する本である。「シオン修道会」や「ダ・ヴィンチの暗号」の真相は、実にしょぼい代物だ。しかし、トリックというのはそういうものなのである。たいていのマジックは、タネを知ってしまえば「なあんだ」とがっかりするものだ。

だからと言って、トリックで観客を騙す奇術師の行為を、非難したり蔑んだりすべきではない。著者の皆神氏もあとがきでその点を注意している。「小説としての『ダ・ヴィンチ・コード』は実に面白い」と。

『ダ・ヴィンチ・コード』に騙されたみなさんも、ブラウンを恨むのではなく、この機会に騙される楽しみというものに開眼していただきたいと願う。(山本)



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