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プチ避難所

1360CC ◆RA.QypifAg:2014/06/28(土) 18:00:35
盤上の月4〜最終章〜(35)


アキラの声がかすかに震える。胸が熱くなり言葉が詰まりそうだった。
だがアキラの中で10年間大切に暖め続け、何度も繰り返し呟いた想いをヒカルに伝えた。


「―――オレも……… オマ エと 一緒 に 生きた い……………

最後の 最後ま で ずっと 一緒 に…………………オレと オマエとで…………」


「――――――――――進藤………」



アキラの前にある碁盤の盤上は、淡く月色に染まっている。
その盤上の黒石の一つに、ぽたりと水滴が落ちた。
両目を瞑るアキラの頬に、かすかな一筋の涙痕。
10年前ヒカルと別れて以来に流すアキラの涙だった。
今まで重なることがなくすれ違いを繰り返していた二人の時軸は、深く固く重なり合い結びつく。
そして力強く同じ時を刻み始めてゆく。

夜が明け、星の残る朝空には、暁色に身を変えた満月と、地平線から昇り眩しく強い光を放つ太陽の二つ
の姿があった。アキラが盤上に並べた白と黒の碁石を再現するかように―――。


                          (盤上の月〜最終章・完)




盤上の月を書き始めた頃は3の内容で終了と決めていて、今でもそれで良いと思っているが、こういう路も
ありかなと。棋士アキラたんを書いていたのに、根本テーマは愛だったんだと今頃気付く。(←にぶい)
あかりたんは一番辛い配役となり、申しわけなかったけど良い子だから幸せになれるよ。書き上げた物をあ
わわと転がりながら改めて全部読んだら、アキラたん、ヒカルたん、あかりたんの3人の物語だったんだな
あと。書き上げてみないと自分でも分からない。SSってある意味生き物だとつくづく痛感。おおまかの話筋
を書き終えて思ったことは、アキラたんフォーエバーにつきる。この4の章は、手直し殆どないからまあ完成かな?


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