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プチ避難所

1355CC ◆RA.QypifAg:2014/06/28(土) 17:55:28
盤上の月4〜最終章〜(30)


「ちょうど偶然にね。藤崎さんのほうから話がしたいとあって少し喫茶店で話したんだ。藤崎さんはいい人
だね。話していてとても気持ちが落ち着いたよ」
10年ぶりの電話のわりには、二人の会話は淡々と続く。
「そうか………。実はあかりからオマエのこと少し聞いて……」
「どんなことを聞いたんだ……」
アキラはあかりが言った言葉を思い出す。
―――『……塔矢君、一度ヒカルと話してみるべきじゃないのかな』―――
あかりはヒカルと話す機会を、こんなにも早く作ってくれた。アキラは深くあかりに感謝した。
「……その………………まだオマエが………オレのこと好きだって……」
あかりからアキラの気持ちを聞いて、ヒカルは事実を確認したくてすぐに行動に移した。それがアキラには、手に
取るように分かった。その時のヒカルの気持ちを想像すると、アキラの胸の鼓動は早鐘を打つように激しくなり、
受話器を握る手には汗がじわりと滲む。はやる気持ちを落ち着せながらアキラはヒカルの問いに答える。
「―――そうだよ」
「そうだよって、塔矢……オマエ……」
「ボクのこの想いは、あの頃のキミには傷つけるだけものだったから……
10年前に言えなかったことを、今やっとキミに伝えられる
ボクの想いはキミに重荷になるかもしれないのは重々承知しているが、…………それでも………、
…………それでも言わせて欲しい……。」


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