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SSの館

1名無しさん:2003/11/09(日) 05:43
創作小説をジャンジャンと

2名無しさん:2003/11/09(日) 06:03
小説でなくとも創作系ならガンガンと
替え歌とかも全然グーです

3名無しさん:2003/11/10(月) 03:08
替え歌は有りか
有りなら昔作ったのを貼ってみようかと思うんだが

4アクセルs:2003/11/10(月) 03:09
ネタだから良いと思うぞ?

5名無しさん:2003/11/10(月) 03:10
閑散タイム(ターンAターン)

レスが常に続くと 誰が決めたんだ 人数の不足が 流れを食い止める
マターリした談義は 人と人つなげて やがてくる人々 賑わいを願って
祭りの合間の 妄想と談義を このスレに捧げる 萌えというしるしで
閑散タイム 閑散タイム 閑散
閑散タイム 閑散タイム 閑散

6アクセルs:2003/11/10(月) 03:11
語り継ぐ人もなく
吹きすさぶおけつの中へ
紛れ散らばる漏れの名は
忘れられても
ヘッドおけつ・テールおけつ ホモはまだ終わらない
ヘッドおけつ・テールおけつ ホモはまだ終わらない

発見!また探してくるんだな、これが

7アクセルs:2003/11/10(月) 03:11
〜ミィたんに捧げる歌〜    by 黒騎士(ションゲ)
浜辺のふたり
ほら 空をみてごらん
綺麗な月だろう。 あの月が波をひいているんだ
遠い遠い彼方から…

君のすぐ側には 僕がいる。
僕のすぐ側には 君がいる。
こんなにも惹かれあうのは 自然なことだね…

8名無しさん:2003/11/10(月) 03:11
マナイタだって輝いて(嵐の中で輝いて) forフィオナ

マナイタだって輝いて 発育をあきらめないで
平坦なあなたの胸に 天使のブラ そっとつけて つけてあげたい

広く果てない板の片隅で 生まれたふくらみ 今小さくても
あなたの胸が育つ明日を 誰よりそばで 信じていたい
成長期すでに 終わっていても マナイタ(そのむね)に輝く
空望み(ゆめ)を 消したり そうさ 消したりなんてできない

マナイタだって輝いて 発育をあきらめないで
平坦なあなたの胸に 天使のブラ そっとつけて つけてあげたい

投下完了。こんなネタ覚えてる記憶力を他で生かせればいいんだけどなぁ…

9アクセルs:2003/11/10(月) 03:12
俺のテーマソング『アクセル隊長(デビルマン)』

あれは誰だ 誰だ 誰だ
あれはアクセル
アクセル隊長 アクセル隊長
ショボ隊長の名を受けて
プライド捨てて勧誘する男
組織の名前はTRFB
活動目的は仲間集め
本当はただ何となく
理由は特にありません
ショボのレッテル 貼られた
ショボい隊長
アクセル隊長 アクセル隊長

続き作って貼っていいか?

10名無しさん:2003/11/10(月) 03:13
Just sister Beat communication
飴も買えないから お金が無い 寒い思い
一晩中伝えたいよ tonight
濡れたその指を 暖めるように舐めた
舐めあったルリレビは 何を求め感じるの
二人の間に入りたい
悲しみ強さに変えるパパを信じて
Just sister Beat communication
舌を絡めながら 感じあえる 熱い舌技 誰にも見せられないから
Just sister Beat communication
通販やめるから 散財した きつい思い
一晩中伝えたいよ tonight

11名無しさん:2003/11/10(月) 03:13
【トップをねらえより】

くじけますよ 貧な私
姉の指が食事 隠した涙がアウアウ

シュウもみんな 初めはそう あきらめたらだめだ 舐めてみなさい しっかり

とてもできません
舐めなきゃ死ぬぞ

カジカジしてみる
噛んでも無駄よ

瞳閉じて 舐めるように
FireFire 今 お盛ん萌やすの

姉をとめないと走り続けます
口につっこんだ 指がふやけるまで

RIDE ON RIDE ON RIDE ON
RIDE ON RIDE ON RIDE ON

12名無しさん:2003/11/10(月) 03:14
【ロマンスより】

愛に気付いて下さい
俺が抱き締めてあげる
仮面つけるせつなさは 逃げられ屋のメロディ
壊れてしまったアイナとの関係
レビレビ撫でる指先が震えて
目を閉じてごらん
ラーメン屋に行こう
鮮やかに奪いさった パパのレビカレー!
愛に気付いて下さい
俺が食べさせてあげる
恋に落ちたマジボレは エロハチのメロディ

13名無しさん:2003/11/10(月) 03:14
ツカッツカッツカッ(足音)
アイナ「レビ・・・レビ=トーラーさん?」
レビ「ん?誰だ?アイナ・・・・貴様か何か様か?」
アイナ「貴方の・・・貴方のせいで!?あの人は!」
ギュッ(握る音)ダッ!!
レビ「な?!何を!!」
ダッダッダッダッダ!(走る音)
シロー「レビ危ないっ!!(今の俺かっこいい(TДT))
」ドンッ!(押す音)ブスッ!!(刺さる音)
シロー「ぐっ・・・・はっ・・い・・・痛ぇ・・」
バタンッ!(倒れる音)
アイナ「あ・・ああ・・・いやぁぁぁぁ!!嘘よぉぉぉ!!」
ダッ!(走り去る)
レビ「シ・・・シロー・・・だ・・大丈夫か?なぁ!返事しろよ!なぁ!!」
ユサユサ(揺する音)
シロー「レ・・・レビか?」
レビ「シ・・シロー!大丈夫か!?し・・死ぬんじゃないぞ!」
シロー「へ・・へへへ・・・ち・・ちく・・しょう・・目が・・・霞んで・・きたぜ・・・」
レビ「ま・・・待っていろ!今、人をy」
シロー「せ・・・せめて、レ・・・レビと・・・・一発・・やりたかっ・・・・」
ガクッ
レビ「シ・・・シロー!う・・嘘だろ?なっ!返事しろっ!シロー?シロォォォォォ!!」
ザァァァザァァァザァァァ(雨の音)
                    〜愛する者の為〜完

14アクセルs:2003/11/10(月) 03:15
エクセレン(以下エ)「キョウスケ、何時まで新聞を読んでるの?」
キョウスケ(以下キ)「ああ・・・分かってるエクセレン」
アルフィミィ(以下ア)「キョウスケ・エクセレンおはようですの!」
エ「おはようアルフィミィ朝御飯、直に準備するからね」
キ「ん?おはようアルフィミィ・・・今日も元気だな・・・」ゴソゴソ
ア「はいですの!」
            〜朝・・・始まり〜完

15アクセルs:2003/11/10(月) 03:15
仮面ライダーRB・シロー=アマダは、改造人間である。
ある人物に殺されたが作者によって改造手術を受け、仮面ライダーRBとして甦り、愛す者の為に戦うのだ!!
第一話【誕生?その名は、仮面ライダーRB】

やるかは、知らん(w

16アクセルs:2003/11/10(月) 03:16
【仮面ライダーRBのテーマ】
迫るある人 地獄の乙女
彼女ら狙う 黒い影
愛する者を 守るため
ゴーゴーレッツゴー 輝く砲身
ライダー(サーベル!)
ライダー(全弾発射!)
仮面ライダー レビ・ブッチャー
RB(アールビー) RB(アールビー)

OPまで、出来たんだな、これが(w

17アクセルs:2003/11/10(月) 03:16
○月×日何曜日?
今日は、エクセレンといっしょに商店がいにおかいものに行きましたですの。
おにくやおやさいなどがいっぱいあったですの。いっぱいあって、まよったですの。
おかいもののとちゅうで、東方のおじさんや九十九お兄さんに会ったですの。
かいものがおわって、かえろうとしたら雨がふってきましたの。
ぬれてかぜを引くといけないからと、エクセレンが言ったので雨やどりしてたら、かさを持ってキョウスケが来たの。
帰りは、三人で帰ったですの。いつまでも三人でいたいですの。今日は、楽しい日でしたの。

                    〜ミィたん日記より〜

18アクセルs:2003/11/10(月) 03:17
ヴィレッタ「シロー」
シロー「ん?なんだい?ヴィレッタ」
ヴィレッタ「すまない・・・・呼んでみただけだ」
シロー「ふふふ・・・そう」
ヴィレッタ「・・・・可笑しいか?・・・私がこんな事しちゃ(////」
シロー「ううん・・・ヴィレッタは可愛いな〜と思っただけさ」
ヴィレッタ「なっ!か・・からかうな!(////」

限界だ・・・もうこれ以上は書けないんだな、これが

19アクセルs:2003/11/10(月) 03:17
彼は父親の、飛影。彼女は母親のって居ないじゃないか!
気を取り直して・・・・彼女は、長女のレビ。彼女は、次女のルリ。そして、これは戌のジェット。
貧乏ながらも幸せに暮らしているこの家族。1つだけ普通じゃない事があります。え?すでに普通じゃないって?
普通です!確かに、父親が忍者ロボで戌までロボですが普通なんです!良いですね?
さて、1つだけ普通じゃない事とは?もう分かりますね?さっきから後でやってますしね?
そうです。この姉妹は、恥女だったのです。え?最初っから知ってるって?まぁ、常識ですしね?

                  〜姉妹は恥女〜未完

20自慰の鼓動〜遺言〜:2003/11/10(月) 03:19
三月四日、ルリルリのおっぱいを触った。殴られた。
三月五日、ルリルリのおっぱいを触った。蹴られた。
三月六日、ルリルリのおっぱいを触った。鈍器で殴られた。
三月七日、ルリルリのおっぱいを触った。包丁で刺された。
三月八日、ルリルリのおっぱいを触った。銃を乱射された。

薄れゆく記憶の中・・・感触を思い出しながら今、自慰をしながらこれを書いている。
俺の生きた証を残す為に。俺と股間の最後の戦いを成し遂げる為に。
しかし、死ぬ間際でも自慰は止められぬものだな。かの文豪達も自慰をしながら死んだのだろう。

さて・・・この文章を一番初めに読んだ人にお願いがある。死人の頼み、聞いて欲しい。
恐らく俺の股間が顕になっているだろう。舐めて欲しい。ゆっくり、丁寧に。
剥いてくれて構わない。叶わなかった俺の夢・・・叶えてくれ。

もう思い残す事はない・・・さようなら、人生。さようなら・・愛した股間。

21アクセルs:2003/11/10(月) 03:21
昔、ある国に王様とお妃がいたんだな、これが。
ちなみに、ギニアス王とシーマ妃って言うんだ。
名前で呼ぶから思えておくんだな、これが。では、続き行くか
仲の良い2人でしたが、子供が居なかったんだ。噂じゃギニアス不能らしいんだ
まぁそんな訳で毎日、神様にお願いしてたんだよ。
国中の人々も 子供を待ち望んでたみたいだな。
やがて、シーマに美しい女の子が生まれたんだ。
これが、美しいんだぜ?お世辞じゃなく。
お城では 誕生パーティーが開かれたんだよ。
六人の魔女が招待されたんだな、これが。それぞれが姫に魔法を掛けたんだ。
ちなみに、姫の名前は、エクセレンって言うんだ。姫も名前で呼ぶからな。
確か、俺の記憶が正しければ。最初の魔女は、世界一美しくなるように。
「これ以上美しくするのかよ!」って、突っ込みたかったね。彼女の名前は、恵子って言うんだ。
出るかは知らんが、覚えて上げてくれ。俺からのお願いだ。
次の魔女は、優しい天使の様な人になるように。
彼女の名前は、アルフィミィって言うんだぜ?彼女自身が、天使だって意見もあるがな
次の魔女は・・・・・・え〜とう〜ん・・・あっ思い出したした!!
優雅で上品な人になるようにって言ってたな・・・・たぶん
名前は、ルリって言うんだ。皆、ルリルリって呼んでるがな


ここで一時的に終

22アクセルs:2003/11/10(月) 03:21
 昔、ある国に王様とお妃様がいたんだな、これが。
この王様とお妃様の名前は、ギニアスとシーマだったと思う・・・・だぶん
名前で呼ぶから思えておくんだな、これが。それじゃ、続き行くか
 仲の良い2人でしたが、子供が居なかったんだ。噂じゃギニアス不能らしいんだ。
現実には、股間野郎だけどな!まぁそんな訳で毎日、神様にお願いしてたんだよ。
国中の人々も 子供を待ち望んでたみたいだな。
 やがて、シーマに美しい女の子が生まれたんだ。これが、美しいんだぜ?お世辞じゃなく。
 お城では 誕生パーティーが開かれたんだよ。
六人の魔女が招待されたんだな、これが。それぞれがお姫様に魔法を掛けたんだ。
ちなみに、お姫様の名前は、エクセレンって言うんだ。お姫様も名前で呼ぶからな。
 確か、俺の記憶が正しければ。最初の魔女は、世界一美しくなるように。
「これ以上美しくするのかよ!」って、突っ込みたかったね。
そうそう、彼女の名前は、恵子って言うんだ。登場するかは、不明だが覚えて上げてくれ。
 次の魔女は、優しい天使の様な人になるように。
彼女自身が、天使という噂がある魔女アルフィミィが掛けると効果絶大だな。
 次の魔女は・・・・・・え〜とう〜ん・・・あ〜・・・思い出した!!
優雅で上品な人になるようにって言ってたな・・・・たぶん
名前は、デスピニスって言うんだ。ロリロリな娘だ。一文字代えると死股間になる。
 次の恥女じゃなくて魔女は、エクセレンがダンスが上手になるようにだったと思う。
恒例の名前紹介で、名前はレビという。お盛んな娘だ。多重人格って噂があるよ。
彼女は、世界一の恥女になるようにって掛けるのではと心配だったのは内緒だ。
 次の魔女はなぁ〜エクセレンが小鳥のように美しい声になるようにって言ってたかな?
彼女は、レンジの妖精・・・電磁の妖精だったかな?って呼ばれてる名前はルリだ。
皆、ルリ艦長って呼ぶな・・・レンジでも電磁でもなく電子の妖精だったかも・・・・
 はぁ〜最後の魔女は、エクセレンが、どんな楽器でも、上手に演奏出来るように。
どんな男も一撃で倒せるようにと言うんではないかと心配したんだな、これが。
彼女の名前は、アスカだ。こいつも恥女な上レズだ。だが、エクセレンには、手を出すよ〜
 魔女らがお祝いの魔法を掛けて、魔女達がテーブルに着くと、
それぞれの席には金と宝石で出来たスプーンとナイフとフォークが並べられていた。
贅沢な食器だぜ・・・売ったら幾らになるんだろうな、本当によ。
金があるなら、シュウにでも上げろよ!そんで、俺にも頂戴!!←本心(w
ちなみに、シュウってのはグ(略の為に金欠な男だ。登場は、たぶんしないぞ。
 そこへ、一人の魔女が遅れて来たんだが、テーブルの用意がなかったんだよな〜確か。
その魔女が言おうとした瞬間に、何か行き成り消えたんだ・・・・・その後に居たのは!?
・・・・・グ(略が何故か居たんだな〜シュウが乗ってきたんだろうけど・・・出てきちゃったよ
「ククク・・・私を除け者にするとは、良い度胸です。仕返しと言う訳では無いですが、
姫が糸紡ぎの針で死んでしまう様に、魔法を掛けて上げましょう。何、お礼は良いですよ。
では、失礼します・・・ククク」
シュウは姫に魔法を掛けると、グ(略に乗って飛んで行きっちまったんだな、これが。
・・・・それにしても魔女役のアリエイル大丈夫か?ブラックホールクラスターくらったけど
しかし、魔女じゃなくて魔王が来てしまった・・・・負けるな王子!正攻法じゃ勝てないぞ!
「大変な事になった」ギニアスは大変心配そうだと思っていたよ最初はな・・・何故かって?
(このままだと、処女のまま死んでしまう!ならこの私が・・・)物騒な事考えてるんだぜ?
流石股間野郎って思っちまったってのは、内緒なんだな、これが

一部修正と追加をした今回は、ここまで(何時完成するのか)

23アクセルs:2003/11/10(月) 03:22
題名【眠りの森の美女〜少し可笑しな物語〜】

登場人物
(メイン)
キョウスケ=王子 エクセレン=姫 アルフィミィ=優しい魔女
シュウ=真・悪い魔女改め魔王 アクセルs=ナレーションなど
(脇役)
ギニアス=王様 シーマ=お妃様 恵子=魔女A デスピニス=魔女Bレビ=魔女C
ルリ艦長=魔女D アスカ=魔女Eアリエイル=悪い魔女 九十九=兵士
復讐鬼(アキト)=コック シロー=村人 黒騎士=見張りの蝙蝠 ヴィレッタ=司会
(以後全ての名前は略させて頂きます【例】アクセルs→ア)()内のは劇には関係ありません
『』内のは、心の声です。え?どうやって聞くかって?企業秘密なんだな、これが〈〉内は音

24アクセルs:2003/11/10(月) 03:23
ヴィ「只今より、萌路学園による【眠れる森の美女〜少し可笑しな物語〜】を上映します。」
ビ〜ビ〜ビ〜(緞帳が上がる)
ア「昔、ある国にギニアス王とシーマ妃がいたんだな、これが。
 仲の良い2人でしたが、子供が居なかったんだ。噂じゃギニアス王、不能らしいんだ。
実際は、股間野郎だけどな!まぁそんな訳で毎日、神様にお願いしてたんだよ。
国中の人々も 子供を待ち望んでたみたいだな。
 やがて、シーマ妃に美しい女の子が生まれたんだ。これが、美しいんだぜ?お世辞じゃなく。
 お城では 誕生パーティーが開かれたんだよ。飯美味いんだろうな〜そんなことより
六人の魔女が招待されたんだな、これが。それぞれがエクセレン姫に魔法を掛けたんだ。
 確か、俺の記憶が正しければ。最初の魔女は、頑張り屋の魔女だ。」
恵「エクセレン姫が世界一美しくなりますように」
ア「これ以上美しくするのかよ!って、突っ込みたかったね。」
(恵「台詞なんだから仕方が無いじゃないですか!」ア「そうだな」)
ア「次の魔女は彼女自身が、天使という噂がある魔女だ。」
アル「エクセレン姫が優しい天使の様な人になるようにですの」
ア「彼女が掛けると効果絶大だな。信憑性も十分あるしな。
次の魔女はロリロリな娘だ。一文字代えると死股間になる名前の娘だ。」
(デ「それは言わない約束です」ア「そうだったか?」)
デ「エクセレン姫が優雅で上品な人になるように」
ア「次の恥女じゃなくて魔女はお盛んな娘だ。多重人格って噂があるよ。」
(レ「誰が恥序だ!」ア「お前(即答)」)
レ「エクセレン姫がダンスが上手になるように」
ア「彼女が世界一の恥女になるようにって、掛けるのではと心配だったのは内緒だ。
 次の魔女はなぁ〜レンジの妖精・・・電磁の妖精だったかな?」
(ル「電子です」ア「そうだったか?」ル「そうです」)
ル「エクセレン姫が小鳥のように美しい声になるますように」
ア「皆、ルリ艦長って呼ぶな・・・それと、レンジでも電磁でもなく電子の妖精らしい
 はぁ〜最後の魔女は、恥女な上レズだ。だが、エクセレン姫には、手を出すよ〜」
(アス「出さないわよ!」ブンッガンッ ア「イテテ・・」)
アス「エクセレン姫が、どんな楽器でも、上手に演奏出来るように」
ア「どんな男も一撃で倒せるようにと言うんではないかと心配したんだな、これが。」
(アス「死ね!」ブンッガ〜ン ア「へブッ」)

25アクセルs:2003/11/10(月) 03:24
ア「魔女らがお祝いの魔法を掛けて、魔女達がテーブルに着くと、
それぞれの席には金と宝石で出来たスプーンとナイフとフォークが並べられていた。
贅沢な食器だぜ・・・売ったら幾らになるんだろうな、本当によ。
 そこへ、一人の魔女が遅れて来たんだが、テーブルの用意がなかったんだよな〜確か。
その魔女が言おうとした瞬間に、何か行き成り消えたんだ・・・・・その後に居たのは!?
・・・・・グ(略が何故か居たんだな〜シュウが乗ってきたんだろうけど・・・出てきちゃったよ」
(シュ「私の役は無いんですか?」ア「無いぞ」シュ「ないなら作るまで・・ククク」
ア「前に言ってたが、こう来るとは」)
シュウ「ククク・・・私を除け者にするとは、良い度胸です。仕返しと言う訳では無いですが、
姫が糸紡ぎの針で死んでしまう様に、魔法を掛けて上げましょう。何、お礼は良いですよ。
では、失礼します・・・ククク」
ア「シュウは嫌、真・魔女改め魔王は姫に魔法を掛けると、グ(略に乗って飛んで行きました。
(ア「それにしても魔女役のアリエイル大丈夫か?ブラックホールクラスターくらったけど」
アリ「大丈夫じゃないです!」ア「その割には、元気そうだが」アリ「・・・・・・・」
ア「しかし、魔女じゃなくて魔王が来てしまった・・・・負けるな王子!正攻法じゃ勝てないぞ!」)
ギニアス「大変な事になった」
ア「ギニアスは大変心配そうだと思っていたよ最初はな・・・何故かって?それはな・・・・・」
ギ『このままだと、処女のまま死んでしまう!ならこの私が・・・』
ア「物騒な事考えてるんだぜ?流石股間野郎って思っちまったってのは、内緒なんだな、これが
 その時、優しい優しい天使のような可愛いアルフィミィは言ったんだ。」
アル「あの男の魔法は強いから、解く事は出来ないですの。
でも死なずにすむようにしてあげますの。百年間眠るのですの。百年経てば、キョウs」
(ちょっと待て!違うぞ王子様だ・・・良いね? アルフィミィ「はいですの解かったですの」)
(舞台を戻して) アルフィミィ「王子様が現れて、お姫様を魔法を解いてくれるですの」
ギ「百年も・・・・・・」ギ心『やはり、私が頂くしか』ブンッゴン ギ「イタタタ」
ア「いい加減にしろ股間野郎!!続き行くぞ続き・・・・
ギニアス王は、国中の糸車を燃やしちまったんだ。勿体無いよな売れば良いのに
 エクセレン姫は、すくすくと育ち、美しい王女になりました。当然だけどな・・・
 ある日、姫が庭で小鳥の囀りを聞いていると」
〈コットン カラカラ コットン〉
ア「と、不思議な音が聞こえてきました」
エ「あら〜何の音かしら?」
ア「音は、お城の高い塔の方から聞こえてきました。
 エクセレン姫は、怪談じゃなかった階段を一段一段上がって行きました。」
(ア「下から見たら中身見えるかな?」エ「あ〜ら見たいの?んふふ♪」ジャキッ
ア「い・・いいえ遠慮します(穴が空くのは嫌だ〜)」エ「そ〜お?」)
ア「塔の一番上の小部屋では、一人のお爺さんが糸を紡いでいました」
〈コットン カラカラ コットン〉
エ「こんにちは、お爺さん」ア「エクセレン姫が声を掛けると、お爺さんは、」
シュ「う、イタタ。娘さん、代わりにちょっと糸を紡いでくれんかね?」(爺の声)
ア「と、悲鳴を上げて指を抑えました。お爺さんは、指を怪我した見たいなんだなこれが」
(ア「しかし、何とも胡散臭い話だよな」シュ「私がいけない訳ではありませんよ」
ア「・・・・・無理矢理出てくる男が言うか?」シュ「それは、言わないで下さいククク」)
エ「ええ良いわよ〜、私が代わって上げるわ。んふふ♪」 ア「エクセレン姫はそう言って、
糸車に手を掛けました。その時!針が手にチクッと刺さってしまったんだな、これが」
エ「あ、痛い!」 ア「そう叫んで、エクセレン姫はバッタリ倒れてしまったんだな、これが」
シュ「ククク、上手く行きましたね」 ア「爺は、シュウ改め真・魔女改め魔王だったのだ!!
って、誰でも解かりそうだが・・・そこは、お約束気づかないのだ!」ズドーン
(ア「名前長いぞ、おい!」シュ「知りませんよ、勝手に短くすれば良いではないですか」
ア「それもそうだな。次回からシュウで統一するか」シュ「勝手にどうぞククク」)

26アクセルs:2003/11/10(月) 03:24
ア「倒れたエクセレン姫は昏々と眠り続けました。
そこへ、あの優しい優しい天使のような可愛い魔女が、現れました。」
アル「百年経って目を醒ました時に、独りぼっちだったら可哀想ですの寂しいですの。
皆のも魔法を掛けてるの。そしたら、独りぼっちじゃないですの。」
ア「魔女は杖を振りったんだな、これが。七色の光が、お城の中に満ちて行きました。
ギニアス王もシーマ妃も兵士の九十九もコックの復讐鬼も、皆眠ってしまいました。
ふあ〜俺も眠くなってきたんだな、これが・・・・お休み・・・・」ブンッ ゴ〜ン
ア「イテッ・・・・何だよ?」謎の人「寝るんじゃねぇ!」ア「解かったよ」
ア「棘だらけの蔦がお城を包んでいきました。
こうしてお城は、百年の長い長い眠りに就いたのでした。」
〜そして、百年の月日が過ぎて行き〜
ア「ある日、隣の国の王子であるキョウスケ王子が通り掛かりました。」
キ「あの城は、何故荒れ果てているんだ?」
(ア「もう少し愛想良く出来ん?」キ「・・・・・・」ア「聞いた俺が馬鹿でした」)
ア「キョウスケ王子は村人に尋ねてみました。村人は言いました。」
シ「あそこには、世界一美しい王女様が百年も眠り続けておられるのです。
何でも王子様がその眠りから目覚めさせると言う話です。」
キ「それは可哀想にな。その王子が来ると良いな」
ア「と、言って過ぎ去っていきました。っておい!お前がその王子何だぞ!」
(キ「何故俺なんだ?」ア「お前が王子役だから速くエクセレンを助けに行け!」
キ「エクセレンが姫役なのか?」ア「そうだ。だから行け!」キ「仕方が無い」)
キ「気が変わった。俺が助けに行こう」
ア「キョウスケ王子がお城に向かおうとした時、少女が現れました。」
(キ「お婆さんでは、なかったか?」ア「良いんだよ!これで」)
アル「この機体を持って行って下さいですの。きっと貴方を守るんですの」
ア「と、赤く額に付いた角がチャームポイントのアルトアイゼン・リーゼを渡しました。
そしてこの少女は、あの時の優しい優しい天使のような可愛い魔女でした。
 キョウスケ王子がお城の門を開けると、茨が絡み合っていて一歩も進めません。
生身だったらの話だがな・・・・王子は5連チェーンガンで粉砕しながら進みました。
 元魔女の部下である見張りの蝙蝠が飛び立ってシュウの所へ知らせに行きました。」

27アクセルs:2003/11/10(月) 03:25
黒「大変です!王子が、王子が・・・キョウスケ王子がエクセレン姫を助けに来ました!」
シ「キョウスケ王子が来ましたか。私の食事の邪魔をするとはククク」
ア「その日のシュウの食事は、もずく・・・一品でした。」
シ「クククそんな事は、良いんです。行き来ますよ。ネオ・グランゾン(以下ネオ)」
ア「シュウはネオに搭乗するとキョウスケ王子の居る所に向かって行きました。」
〜以後戦闘〜
キ「伊達や酔狂でこんな頭をしているわけではないぞ…!」
シ「その程度でこの私に勝てると思っているのですか?さて、私の番ですね
では、参りましょうか」
キ「損傷度を確認…さすがに丈夫だな。こちらの番か。…勝負!」
シ「 狙いがあまいんですよ。攻撃とは、こうするものです!」
キ「かわせんか…!だが、とどめには遠い!好き勝手にはやらせん!」
シ「むっ…その程度で私と戦おうと?…愚かな…さて、私の番ですね
これに耐えられますか?;ブラックホールクラスター、発射!」
キ「く…アルト、あと少しもたせろ…!」
〜戦闘終〜
キ「ぐっ・・・・」
シ「ククク私の食事の邪魔をした事を後悔しなさい」
ア「ちょっと待て!王子が負けそうでどうするんだ!!・・・・・仕方が無い。最終手段だ。
シュウ、ちょっとこっちに来てくれ」チョイチョイ(手を振る)
シ「なんですか?」
(ア「シュウ、ごにょごにょごにょ」シ「本当ですか?」ア「ああ」
シ「仕方がありませんね。負けてあげましょう」ア「契約成立!」)
キ「零距離取った!」シ「な・・・何!」
ア「行き成りの展開だが、シュウを倒したキョウスケ王子。無理矢理とか言うなよ。
お城の茨は消えて行き、代わりに美しい鼻じゃなくって花が咲き、小鳥達が囀り始め。
 百年の間眠っていたお城が、目を覚ましたんだな、これが。
キョウスケ王子は機体から降りるとエクセレン姫を探しました。しかし見当たりません。」
キ「おい・・・エクセレンは何処に居る?」
ア「塔に居るんだな、これが。」キ「そうか・・・・」
ア「キョウスケ王子が塔の上の部屋に入っていくと、エクセレン王女が横たわっていました。
その唇にキスを英語で言うとKIISをすると、すると・・・・・早くしろよキョウスケ!」
(キ「しなくてはいけないのか?」ア「あたりまえだ!」キ「・・・・ふぅ」)
ア「気を取り直してもう一度キスをすると、魔法が解けて、エクセレン姫はぱっちりと
目を開けました。」
エ「まあ、私どうしていたのかしら?貴方は誰?」
キ「俺の名前はキョウスケ。お前は」ブンッ ガン キ「くっ・・・」
(ア「お前じゃないだろ!?貴方だろ!?」キ「・・・・解かった」)
キ「貴方は百年もの間眠っていたんだ。そして、今眠りから覚めた処だ」
エ「ありがとう、キョウスケ王子様んふふ♪」
ア「エクセレン姫は立ちがりました。その頃、ギニアス王もシーマ妃も兵隊の九十九らも
コックの復讐鬼達も目を覚ましました。お城は生き返ったんだな、これが」
キ「エクセレン姫、俺と結婚してくれ」ア「エクセレン姫は喜びました」
エ「はい・・・・ありがとう、キョウスケ王子」
ア「ギニアス王もシーマ妃も大喜びのご様子」
ギ「さあ、結婚のお祝いだ!音楽を鳴らせ!!」
ア「こうしてキョウスケ王子とエクセレン姫は、何時までも幸せに暮らしました。
ちなみに、後で本当に結婚式をやるので御出で下さい。」キ「なっ!」
(緞帳を下ろす)
ヴィ「ありがとう、御座いました。これで、萌路学園による劇を終了します。
お付き合いして下さいまして、本当にありがとう御座いました。」

28名無しさん:2003/11/10(月) 03:26
アクセルsの大作の後にこんなのを投下するのは恥ずいな・・・
元ネタ解かる強者はいるかね?

レビビ「予想しうる… 最悪の事態
    ”股間”の刺客――… だが…
    幸いにして… 短小だ…」

ドモソ「王者と呼べ… 四回戦ガール」

29名無しさん:2003/11/10(月) 03:26
・・・・・ちょうどその時、アメリア州政府・・・。
州政府大統領カットナルはいつものように精力的に実務をこなしていた。
「・・・あれからずいぶんと立つな・・・。」
かつてドクーガ3将軍の一人として闇世界に君臨していた彼もネロネロスの消滅、
ドクーガの解散などにより政治の世界に転進。表の顔としてこのアメリア州の住民
のために日夜精進をしていた。
「ふう・・これもかつての罪滅ぼしじゃい。それにしてもブンドルやケルナグールは
げんきにしておるのかのお・・・?」
・・・いつものように一日が終わろうとしていたその時・・・・。
事件が起こった。

30名無しさん:2003/11/10(月) 03:27
・・・「カットナル大統領・・・。」扉が突然開かれ何人もの兵士が執務室に
進入してくる。その中央にはカットナルが副官と頼んだノモア・ノモスがたたずんでいた。
「なんのつもりだ、ノモア?」カットナルの問いかけにノモアが静かに答える。
「私はアナタより巣晴らしい存在に出会ったのですよ。カットナル。覚えているかね?
ガイゾック戦争で破壊されたバンドック機動要塞がこの近くの海底に落ちた事を。」
ノモアの顔が醜くゆがむ。「私は月の出身でね。地球圏統一戦争で破れた月国家ムーンレイス
の出身なのだよ・・・。バンドックは実に興味深い存在だったよ・・。人類にとって
新たな飛躍をもたらすといっていい・・。ククク」
「まさか・・・すばらしい存在というのは・・・。」
「そう・・・ガイゾックのコンピュータは70%破壊されていたがまだ機能を残していた。
私はそこからさまざまな情報を得たのだ・・。そう人間爆弾のこともね。」

31名無しさん:2003/11/10(月) 03:27
「貴方は不要な存在になったのだよ・・これから私がアメリアの大統領として
地球連邦に宣戦を布告する。」
「馬鹿な・・・ガイゾック戦争後、地球の戦力は増大して今更バンドックを手中に
収めようと・・・」
「心配は無用・・・。私の最高傑作が起動しはじめるからね。ふはははは」
カットナルを連行しようとする兵士たち。次の瞬間兵士たちは銃撃を浴びて倒れ
てしまう。
「お久しぶり〜。元気だった?ミスタープレジデント?」とレミー
「はいはい、もういい年なんだからあまり興奮しないしない。」そういったのはキリー
「かつての敵だが、ほっておくわけにもいかないのでな。」と真悟
カ「まさか お前たちに助けられるとは・・・。」
レ「感謝の言葉は後後!たっぷりホテルのディナーをおごってもらうわよ。」
真「そういうことだ。窓の外にトライスリーが待機している。早く乗ってくれ」

32名無しさん:2003/11/10(月) 03:28
大統領官邸から離脱し待機するトライスリー。
地上には統一戦争で月側が使ったMSジュニスが攻撃を仕掛けてくる。
カ「すまんが SS-858ポイントへ向かってくれんか?あそこに大統領専用機が
隠してある・・・」
真「了解! 行くぞみんな」

次の瞬間・・大統領官邸が崩れ去り巨大なMAが出現した・・・。
ガロード「カリス・・・やはりここに・・・!ティファ!カリスを助ける。力を貸してくれ!」
統一戦争後忽然と消えたカリスを探していたガロードとティファ。
闇の情報屋(実はオルバ・フロスト)より情報をえてこのニューブロンクスへやってきていたのだった。
シャギア・フロスト「ふふふ・・・ガロード・ラン。私たちの味わった苦しみをお前にも与えてやろう。」

33名無しさん:2003/11/10(月) 03:28
レ「大統領専用機?これってドクーガの・・・・。」
懐かしいドクーガ幹部時代のカットナル艦。
カ「そうよ!これが一番! それにしてもノモアのやつ腹立たしいわ!!ぐぐ・・・精神安定剤を。」
カ「わしも出撃する。連中はあの巨大MA以外にもバンドックをかくしもっておるからのお」
「それじゃ 俺たちは先に行ってるぜ」「出遅れるなよ!」「貴方の戦力期待してるわよ〜♪」
カットナルは自分の指揮下にあるアメリア州軍にノモア追撃の指示を出す。
カ「うぬ・・・奴め!さすがに手が早い。わしの指示を聞いてくれたのは・・・」
「エクセレン・ブロウニングとキョウスケ・ナンブ・・非番で遊びに出かけていたからバンドック
要塞に拘禁されずにすんだとな・・・。」
ブンドル「そう あきらめたものでもないぞ。」ケルナグール「おう! かつての戦友の危機じゃい。わしらも手助けするぞ!」
スクリーンにかつての戦友 ブンドルとケルナグールの姿が現れる。
ブ「それにしても・・お前の目は節穴か?あんな美しくない男を側近においてうらぎられるとはな。」
昔のようにブンドルの皮肉が今のカットナルには嬉しかった。

・・・・・。ニューブロンクス市内。トライスリーとノモア軍の先頭は続いていた。
レ「いくら旧型のMSでもこんなに居たんじゃ。それにあのMAものすごい火力よ!トライスリーじゃ危ないわ。」
キ「文句をいいなさんなマドモワゼル。ゴーショーグンは健太と一緒に旅立ってしまったんだから、うちらでなんとかしないとね。」
真「それにしても連邦軍は何をしているんだ?これほどの大騒ぎなのに。」

34名無しさん:2003/11/10(月) 03:29
ジュニスの大部隊に押され始めるトライスリー。
レ「損耗率が70% そろそろやばいわよー。」
キ「ここまでか・・・自伝小説が 続・ブロンクスの狼 が永遠に消えちまう。」
真「どうせ売れてないんだ。紙資源の無駄にならなくて結構。にしても!」

ベートーベンの運命をかけながら MSクラウダ部隊と戦うブンドル艦、カットナル艦、ケルナグール艦
の前に 巨大な土偶を模した要塞が現れバンドック砲が発射される。
ブ「おのれ・・美しくないものにおされるとは何たる屈辱・・・。」
その時! 健太「 レミー、真悟、キリー・・・」
銀河の果てに旅立った健太とゴーショーグンが再び姿をあらわした。
健太「みんな・・地球は確かにネオネロスという悪しき意思の束縛を解いて
立ち上がったけど・・・再び・・・試練を受けなくてはならなくなったんだ・・
ビックソウルがそれを伝えるようにって・・。それだからゴーショーグンを再び
地球においておく事にしたよ・・。みんななら大丈夫さ!ボクは行かなくちゃ。」
レ、キ、真「健太!!」
健「そうそう・・・ゴーフラッシャースペシャルは使えなくなってる。試練が終わるまでは・・・。」
ブ「なんと! ゴーショーグンが虚空からあらわれるとはな・・それにしても美しい機体だ・・・」
ケ「こうなったらこっちのもんじゃい。はやくガシンするんじゃ!」

一方、ガロードは MAからカリスの意思を感じ取ったティファを信じDXで接近を試みていた。
「くっそー。なんて数だよ。キリがねえ! カリス!いいかげんに目を覚ませよ!」
ガロードが地上をモニターすると一人の少女が戦いの中を逃げ惑っていた。
「あーいうの・・・ほっとけないんだよな。ティファ、少しよっていっていいか?」
ガロードが振り返るとティファの顔が真っ青になってそして「ダメ!」とやっと声を振り絞って
告げる。「星が・・・星が輝くの・・・。もうすぐ!」
「何?星って 今夜だしたくさん輝いてるじゃん?」と聞き返すガロード。
その瞬間・・。街のあちこちで戦闘以外の爆発が・・。少女の居た場所もすさまじい爆炎の中に
包まれていた・・・。
「なんだ・・一体!?」「星が・・輝いて、人がたくさん死んだの・・」
カットナルが悔しそうにうつむく。「奴め・・・すでに人間爆弾を・・・」

35名無しさん:2003/11/10(月) 03:29
ノモアの姿が空に浮かび上がる。
「われわれの力は知っただろう?連邦の愚劣な諸君。私はこれより月に向かう。
失われたわれらが国ムーンレイスを再びこの手に取り戻すために。ふはははは!」

 バンドックが浮上する。月に向かって・・・。
そしてニューブロンクスではゴーショーグンとDXが共同戦線をはりMAを追撃する。
アメリア州軍のエクセレンとキョウスケもそれぞれの機体を駆って突撃を行った。

数時間後、MAは破壊され カリスも無事収容された。
しかし・・・・。

カットナル「わしに・・・もう少し人を見る目があったら・・・こんな事には・・・」
ブンドル「カットナルよ・・後はわれわれに任せて政務に戻るのだ・・・」
カ「しかし!」ブ「見ろ・・あの星の痣を刻まれた人々を・・。われわれの力ではどうする事も出来ぬ
このような犠牲者をもう出さないようにおぬしにはできることがあるのではないか?」
ケ「そうじゃ! わしらの力を信じんかい!」

「ブロウニング、ナンブ両名 到着いたしました」
カットナルの背後に唯一生き残った州軍パイロットが現れた。
カ「お前たち・・・ゴーショーグンチームと一緒に月に行ってくれ・・・。アメリアは
私が居るから大丈夫だ。」

ガロードはカリスを病院に見舞った後 少女を見かけた街角に花を捧げていた。
ティファも泣きながら黙祷を捧げる。
「ティファ・・俺たちも月に行く・・・。」
そしてその姿を後ろから見つめる 二人の男。
「兄さん ガロードたちは月に行くようだよ。」
「オルバよ・・われわれは日本に向かう・・・ゲッター事件・・使えそうだ」

36アクセルs:2003/11/10(月) 03:30
題名【眠りの森の美女〜少し可笑しな物語〜】

登場人物
(メイン)
キョウスケ=王子 エクセレン=姫 アルフィミィ=優しい魔女
シュウ=真・悪い魔女改め魔王 アクセルs=ナレーションなど
(脇役)
ギニアス=王様 シーマ=お妃様 恵子=魔女A デスピニス=魔女Bレビ=魔女C
ルリ艦長=魔女D アスカ=魔女Eアリエイル=悪い魔女 九十九=兵士
復讐鬼(アキト)=コック シロー=村人 黒騎士=見張りの蝙蝠 ヴィレッタ=司会、突っ込み
(以後全ての名前は略させて頂きます【例】アクセルs→ア)()内のは劇には関係ありません
『』内のは、心の声です。え?どうやって聞くかって?企業秘密なんだな、これが
〈〉内は音だ

修正・追加してまた参上!

37アクセルs:2003/11/10(月) 03:31
ヴィ「只今より、萌路学園による【眠れる森の美女〜少し可笑しな物語〜】を上映します。」
〈ビ〜ビ〜ビ〜〉(緞帳が上がる)
ア「昔、ある国にギニアス王とシーマ妃がいたんだな、これが。
 仲の良い2人でしたが、子供が居なかったんだ。噂じゃギニアス王、不能らしいんだ。
実際は、股間野郎だけどな!まぁそんな訳で毎日、神様にお願いしてたんだよ。」
ギ・シ「神よ・・・どうか私達に子を授けて下さい」
ア「国中の人々も 子供を待ち望んでたみたいだな。股間王子じゃない事を願ってたんだけどな。
やがて、シーマ妃に美しい女の子が生まれたんだ。これが、美しいんだぜ?お世辞じゃなく。
 お城では 誕生パーティーが開かれたんだよ。飯美味いんだろうな〜そんなことより
六人の魔女が招待されたんだな、これが。それぞれがエクセレン姫に魔法を掛けたんだ。
 確か、俺の記憶が正しければ。最初の魔女は、頑張り屋の魔女が
先に丸い玉が付いている杖をエクセレン姫の顔の上で円を書くように振りながら言いました」
恵「エクセレン姫が世界一美しくなりますように」
ア「その時俺は、これ以上美しくするのかよ!って、突っ込みたかったね。」
(恵「台詞なんだから仕方が無いじゃないですか!」ア「そうだな」)
ア「次の魔女は彼女自身が、天使という噂がある魔女でした。その天使のような魔女が
先に星が付いている杖をエクセレン姫の頭上で星を書くように振りながら言いました」
アル「エクセレン姫が優しい天使の様な人になるようにですの」
ア「彼女が掛けると効果絶大だな。信憑性も十分あるしな。
次の魔女はロリロリな娘だ。一文字代えると死股間になる名前の娘でした。そのロリロリ魔女が
先に三角形の付いている杖をエクセレン姫の体上で三角形を書くように振りながら言いました」
(デ「それは言わない約束です」ア「そうだったか?」)
デ「エクセレン姫が優雅で上品な人になるように」
ア「次の恥女じゃなくて魔女はお盛んな娘だ。多重人格って噂がある魔女でもある。
先に四角形が付いている杖をエクセレン姫の足の上で四角形を書くように振りながら言いました。」
(レ「誰が恥序だ!」ア「お前(即答)」)
レ「エクセレン姫がダンスが上手になるように」
ア「彼女が世界一の恥女になるようにって、掛けるのではと心配だったのは内緒だ。
ちなみに、三角形の理由は、馬だ・・・・解からないんならそれでいい。解かる奴が大半だろうが
 それじゃ次に行きますか。次の魔女はなぁ〜レンジの妖精・・・電磁の妖精だったかな?
まぁいいやその魔女が先に台形がある杖をエクセレン姫の首の上で台形を書くように振りながら言いました」
(ル「電子です」ア「そうだったか?」ル「そうです」)
ル「エクセレン姫が小鳥のように美しい声になるますように」
ア「皆、ルリ艦長って呼ぶな・・・それと、レンジでも電磁でもなく電子の妖精らしいんだな、これが
 はぁ〜最後の魔女は、恥女な上レズだ。だが、エクセレン姫には、手を出すよ〜
その危険な魔女が先に楕円がある杖をエクセレン姫の手の上で楕円を書くように振りながら言いました」
(アス「出さないわよ!」ブンッガンッ ア「イテテ・・」)

38アクセルs:2003/11/10(月) 03:32
ア「魔女らがお祝いの魔法を掛けて、魔女達がテーブルに着くと、
それぞれの席には金と宝石で出来たスプーンとナイフとフォークが並べられていた。
贅沢な食器だぜ・・・売ったら幾らになるんだろうな、本当によ。
 そこへ、一人の魔女が遅れて来たんだが、テーブルの用意がなかったんだよな〜確か。
その魔女が言おうとした瞬間 何か行き成り消えたんだ・・・・・その後に居たのは!?
・・・・・グ(略が何故か居たんだな〜シュウが乗ってきたんだろうけど・・・出てきちゃったよ」
(シュ「私の役は無いんですか?」ア「無いぞ」シュ「ないなら作るまで・・ククク」
ア「おい!何処行くんだ!」シ「・・・・ククク秘密です」以上過去より)
シュウ「私を除け者にするとは、良い度胸です。仕返しと言う訳では無いですが、
姫が糸紡ぎの針で死んでしまう様に、魔法を掛けて上げましょう。何、お礼は良いですよ。
では、失礼します・・・ククク」
(ア「何で糸紡ぎの針なんだ?」シ「そういう話だからです」ア「違うのでもいいじゃないか」
シ「王道で行くということで」ア「王道か」シ「ええ、王道ですよ・・・ククク)
ア「シュウは嫌、真・魔女改め魔王は姫に魔法を掛けると、グ(略に乗って飛んで行きました。
(ア「それにしても魔女役のアリエイル大丈夫か?ブラックホールクラスターくらったけど」
アリ「大丈夫じゃないです!」ア「その割には、元気そうだが」アリ「・・・・・・・」
ア「しかし、魔女じゃなくて魔王が来てしまった・・・・負けるな王子!正攻法じゃ勝てないぞ!」)
ギニアス「大変な事になった」(ア「本当に大変な事になったよ」)
ア「ギニアスは大変心配そうだと思っていたよ最初はな・・・何故かって?それはな・・・・・」
ギ『このままだと、処女のまま死んでしまう!ならこの私が・・・』
ア「物騒な事考えてるんだぜ?流石股間野郎って思っちまったってのは、内緒なんだな、これが
 その時、優しい優しい天使のような可愛い魔女のアルフィミィは言いました。」
アル「あの男の魔法は強いから、解く事は出来ないですの。
でも死なずにすむようにしてあげますの。百年間眠るのですの。百年経てば、キョウs」
(ちょっと待て!違うぞ王子様だ・・・良いね? アルフィミィ「はいですの解かったですの」)
(舞台を戻して) アルフィミィ「王子様が現れて、お姫様を魔法を解いてくれるですの」
ギ「百年も・・・・・・」ギ心『やはり、私が頂くしか』ブンッゴン ギ「イタタタ」
ア「いい加減にしろ股間野郎!!続き行くぞ続き・・・・
ギニアス王は、国中の糸車を燃やしちまったんだ。勿体無いよな売れば良いのに・・・」

39アクセルs:2003/11/10(月) 03:32
(それから十数年の月日が流れ)
ア「エクセレン姫は、すくすくと育ち、美しい姫になりました。当然だけどな・・・
 ある日、姫が庭で小鳥の囀りを聞いていると」
〈コットン カラカラ コットン〉
ア「と、不思議な音が聞こえてきました」
エ「あら〜何の音かしら?」
ア「糸紡ぎの音です。行ったら針に刺さって眠ちゃいます。」
エ「あら?ありがとう。じゃぁ行かない事にするわ〜」
ア「行かないと困ります。王子に会えませんが良いんですか?」
エ「・・・仕方が無いわね〜」
ア「音は、お城の高い塔の方から聞こえてきました。
 エクセレン姫は、怪談じゃなかった階段を一段一段上がって行きました。」
〈ツカツカツカ〉
(ア「下から見たら中身見えるかな?」エ「あ〜ら見たいの?んふふ♪」
何処からか〈ジャキッ〉っと聞こえる
ア「い・・いいえ遠慮します(穴が空くのは嫌だ〜)」エ「そ〜お?んふふ♪」)
ア「塔の一番上の小部屋では、一人のお爺さんが糸を紡いでいました」
〈ギィィィ コットン カラカラ コットン〉
エ「こんにちは、お爺さん」ア「エクセレン姫が声を掛けると、お爺さんは、」
〈ブスッ〉
シュ「ぐっ、イタタ。娘さん、代わりにちょっと糸を紡いでくれんかね?」(爺の声)
ア「と、悲鳴を上げて指を抑えました。お爺さんは、指を怪我した見たいなんだな、これが」
(ア「しかし、何とも胡散臭い話だよな」シュ「私がいけない訳ではありませんよ」
ア「・・・・・無理矢理出てくる男が言うか?」シュ「それは、言わないで下さいククク」)
エ「ええ良いわよ〜、私が代わって上げるわ。んふふ♪」 ア「エクセレン姫はそう言って、
糸車に手を掛けました。その時!針が手にチクッと刺さってしまったんだな、これが」
〈チクッ〉
エ「あ、痛い!」
〈バタンッ〉
ア「そう叫んで、エクセレン姫はバッタリ倒れてしまったんだな、これが」
シ「ククク、上手く行きましたね」 ア「爺は、シュウ改め真・魔女改め魔王だったのだ!!
って、誰でも解かりそうだが・・・そこは、お約束気づかないのだ!」
効果音:ズドーン
(ア「名前長いぞ、おい!」シュ「知りませんよ、勝手に短くすれば良いではないですか」
ア「それもそうだな。次回からシュウで統一するか」シュ「勝手にどうぞククク」
シ「それはそうと何故私の時は〈ブスッ〉なのですか?」ア「男女差別」
シ「そうですか・・・ククク」ア「い・嫌な予感が・・・」シ「・・・・・」ア「や・やめろ!!」
シ「ブラックホールクラスター発射!!」ア「うぎゃあぁぁぁぁ」シ「良い夢を・・・」
ア「・・・ぐ〜むにゃむにゃもう食えないよ」シ「・・・・・・」)
ア「(気を取り直して)倒れたエクセレン姫は昏々と眠り続けました。(パンツが〜)
そこへ、あの優しい優しい天使のような可愛い魔女が、現れました。」
アル「百年経って目を醒ました時に、独りぼっちだったら可哀想ですの寂しいですの。
皆にも魔法を掛けるですの。そしたら、独りぼっちじゃなくて悲しくないですの♪」
ア「と、言って先に星がある杖を星を書くように振るい魔法を掛けました。
すると、杖の先から七色の光が、お城の中に満ちて行きました。
ギニアス王もシーマ妃も兵士の九十九もコックの復讐鬼も、皆眠ってしまいました。
ふあ〜俺も眠くなってきたんだな、これが・・・・お休み・・・・」ブンッ ゴ〜ン
ア「イテッ・・・・何だよ?」ヴィ「寝るんじゃない!」ア「ちぇっ解かったよ」
〈ニョキニョキニョキ〉
ア「棘だらけの蔦がお城を包んでいきました。
こうしてお城は、百年の長い長い眠りに就いたのでした。」

40アクセルs:2003/11/10(月) 03:33
〜そして、百年の月日が過ぎて行き〜
ア「ある日、隣の国の王子であるキョウスケ王子が通り掛かりました。」
〈トコットコットコッ〉
キ「ん?あの城は、何故荒れ果てているんだ?」
(ア「もう少し愛想良く出来ん?」キ「・・・・・・」ア「聞いた俺が馬鹿でした」)
ア「キョウスケ王子は村人に尋ねてみました。村人は言いました。」
シ「あそこには、世界一美しい王女様が百年も眠り続けておられるのです。
何でも王子様がその眠りから目覚めさせると言う話です。
実は俺が今からあの城に行って眠り姫を・・・ふふふ。あんたも一緒に来るか?」
ア「と、最初こそ暗い表情で言っていましたが、本性を表すかのように
だんだん怪しい表情になり危ない事を言いさらに王子を誘いました」
キ「それは可哀想にな。その王子が来ると良いな」
ア「と、言いながら村人を仕留めると過ぎ去っていきました。・・・・・あれ?
お〜い!お〜い!お前がその王子何だぞ!過ぎ去って行ってどうするんだ〜」
(キ「何故俺なんだ?」ア「お前が王子役だから速くエクセレン君を助けに行け!」
キ「エクセレンが姫役なのか?」ア「そうだ。だから行け!」キ「仕方が無い」
ア「彼が王子役になった訳はエクセレン君が姫役になる交換条件だったのは内緒だ」)
キ「気が変わった。俺が助けに行こう」
ア「と、言って城にキョウスケ王子が向かおうとした時、少女が現れました。」
(キ「お婆さんでは、なかったか?」ア「良いんだよ!これで」)
アル「この機体を持って行って下さいですの。きっと貴方を守るんですの」
ア「と、赤く額に付いた角がチャームポイントのアルトアイゼン・リーゼを渡しました。」
(ア「独語で「古い鉄の巨人」だからって錆びてたりしないからな!」)
ア「そしてこの少女は、あの時の優しい優しい天使のような可愛い魔女でした。
 キョウスケ王子がお城の門を開けると、茨が絡み合っていて一歩も進めません。
生身だったらの話だがな・・・・キョウスケ王子は5連チェーンガンで粉砕しながら進みました。」
〈ズダダダダ・・・ カランカラン・・・〉
ア「その頃、シュウの元に元魔女の部下である見張りの蝙蝠が飛び立って行き
シュウにキョウスケ王子がきた事を知らせに行きました。」
〈バサッバサッバサッバサッ〉
黒「大変です!王子が、王子が・キョ・・キョウスケ王子がエクセレン姫を助けに来ました!」
〈ズズズズ〉
シ「キョウスケ王子が来ましたか。それにしても、私の食事の邪魔をするとはククク」
ア「その日のシュウの食事は、もずく・・・一品でした。」
シ「クククそんな事は、良いんです。行き来ますよ。ネオ・グランゾン(以下ネオ)」
ア「シュウはネオに搭乗するとキョウスケ王子の居る所に向かって行きました。」
〈ズドオォォォォォ〉

41アクセルs:2003/11/10(月) 03:33
シ「ようこそ、キョウスケ王子・・・・」
キ「!お前が姫を眠らせた者か?」
シ「いかにもそうですが・・・ククク」
キ「ならば倒す!覚悟しろ!!」
シ「こちらも食事の邪魔をした罪を償って貰いますよ?ククク」
〜以後戦闘〜
キ「伊達や酔狂でこんな頭をしているわけではないぞ…!」
シ「その程度でこの私に勝てると思っているのですか?さて、私の番ですね
では、参りましょうか」
キ「損傷度を確認…さすがに丈夫だな。こちらの番か。…勝負!」
シ「 狙いがあまいんですよ。攻撃とは、こうするものです!」
キ「かわせんか…!だが、とどめには遠い!好き勝手にはやらせん!」
シ「むっ…その程度で私と戦おうと?…愚かな…さて、私の番ですね
これに耐えられますか?;ブラックホールクラスター、発射!」
キ「く…アルト、あと少しもたせろ…!」
〜戦闘終〜
キ「ぐっ・・・・」
〈ピシッピシッ〉
シ「ククク私の食事の邪魔をした事を後悔しなさい」
ア「ちょっと待て!王子が負けそうでどうするんだ!!・・・・・仕方が無い。最終手段だ。
シュウ、ちょっとこっちに来てくれ」
〈チョイチョイ〉(手を振る)
シ「なんですか?」
(ア「シュウ、ごにょごにょごにょ」シ「!・・本当ですか?」ア「ああ」
シ「仕方がありませんね。負けてあげましょう」ア「契約成立!」)
キ「零距離・・・取ったぞ!」
〈ズキュバァァォォォン!ズバッァァズキュンッドバッドバッドバッドバッ・・・・ドバッ
カララララン・・・・ズバァァォォォン!〉
シ「な・・・何!」
〈ドバンッドバンッドバンッドォォォォン!〉
ア「行き成りの展開だが、シュウを倒したキョウスケ王子。無理矢理とか言うなよ。
お城の茨は消えて行き、代わりに美しい鼻じゃなくって花が咲き、小鳥達が囀り始め。
 百年の間眠っていたお城が、目を覚ましたんだな、これが。
キョウスケ王子は機体から降りるとエクセレン姫を探しました。しかし見当たりません。」
キ「おい・・・エクセレンは何処に居る?」
ア「塔に居るんだな、これが。」キ「そうか・・・・」
〈ツカツカツカツカツカ〉←少し早く
ア「キョウスケ王子が塔の上の部屋に入っていくと、エクセレン王女が横たわっていました。
その唇にキスを英語で言うとKIISをすると、すると・・・・・早くしろよキョウスケ!」
(キ「しなくてはいけないのか?」ア「あたりまえだ!」キ「・・・・ふぅ」)
ア「気を取り直してもう一度姫にキスをすると、魔法が解けエクセレン姫はぱっちりと
目を開けました。」(ア「お〜〜!!2人の影が1つに」)
エ「・・・あら?私どうしていたのかしら?貴方は誰?」
キ「俺の名前はキョウスケ。お前は」ブンッ ガンッ キ「くっ・・・」
(ア「お前じゃないだろ!?貴方だろ!?」キ「・・・・解かった」)
キ「貴方は百年もの間眠っていたんだ。そして、今眠りから覚めた処だ」
エ「まぁそうですか。ありがとう、キョウスケ王子様んふふ♪」
ア「そんなに嬉しいのでしょうか?エクセレン姫の顔には満面な笑みを浮かべていました。
エクセレン姫は立ちがりました。その頃、ギニアス王もシーマ妃も兵隊の九十九らも
コックの復讐鬼達も目を覚ましました。お城は生き返ったんだな、これが」
キ「エクセレン姫、俺と結婚してくれ」ア「エクセレン姫は大変、喜びました」
エ「はい・・・・ありがとう、キョウスケ王子」
ア「恥じらいながらもキョウスケ王子に抱きつくエクセレン姫その顔は幸せな顔でした。
ギニアス王もシーマ妃も大喜びのご様子」
ギ「さあ、結婚のお祝いだ!音楽を鳴らせ!!」
ア「こうしてキョウスケ王子とエクセレン姫は、何時までも幸せに暮らしました。
・・・・・え?結婚式も書けって?う〜んリクエストが有ったら書くかもしれないさ、これが」
(緞帳を下ろす)
ヴィ「ありがとう、御座いました。これで、萌路学園による劇を終了します。
お付き合いして下さいまして、本当にありがとう御座いました。」

42アクセルs:2003/11/10(月) 03:34
あるところに自称股間の神を名乗るドモンと言う男が居ました。
その男は、象・・・嫌マンモスが短いのを気にしていました。
ある日、ドモンは父親にマンモスが長くする方法を聞きました。
すると父親は、「そままでも良いだろう」と言いました。
こなままが嫌なドモンは、自分の師匠に聞きました。
師匠は「未熟者め!」と怒鳴りました。
「気になるのなら引っ張って伸ばせば良いだろう」と謎の声が聞こえました。
ドモンはアホなのでその言葉を実行する為に挟む物を探しました。
挟む物が見つかるものの痛くてしょうがありません。
仕方が無く挟むのはあきらめました。その後も伸ばす方法を探しましたが見つかりません
諦めかけ川で夕日を見てる時いきなり川からワニが現れマンモスに噛み付きました。
痛くてしょうがありませんが食われるのは嫌なドモンはマンモスを引っ張ります。
ドモンのピンチに気が付いた父親がドモンを一緒に引っ張ると
「ポンッ」
とマンモスと一緒に外れました。ワニはマンモスを持って去り、ドモンはマンモスがなくなりました。
こうしてドモンはマンモスが無くなり名前を代えドモンビーと名乗りました。おわり

【ドモンビー誕生秘話(嘘)】

43名無しさん:2003/11/10(月) 03:35
「それにしても兄さん・・・連邦はダメだね・・。」
「オルバよ・・・腐った大木が倒れる日も近いようだ・・。
 数人の高官を暗殺しただけであれではな・・・われらの計画を
邪魔するものに容赦はいらない・・。さあ 行くぞ!」
兄の車椅子を押しながら MSキャリアに乗り込む二人。
その胸には連邦高級将校のバッチが輝いていた。

ガ「カリス・・・これから俺たちは月にいくんだ・・・。アイツを
人を虫けらのように殺す アイツをゆるさねえ・・・」
カリス「ガロード気をつけるんだ。ノモアは統一戦争のあの時確かに
死んだはずだ・・・なにか裏がある気がする・・。とてつもない裏が・・」
νブロンクスを後にしてゴーショーグンと合流する二人。
エクセレン「可愛いカップルね♪これからよろしくー。」
キョウスケ「・・・・・。油断をするな・・・。」
彼女たちもまた月に向かうのだ。

「・・・何!奴は大統領を辞任しないだと!・・・わかった。」
カットナルの政敵 グエンラインフォードの事務所。
「ミハエル大佐・・・・。アメリア州の大統領には誰がふさわしいかね?」
「それは、グエン卿貴方です。あのようなドク―ガとの噂が囁かれるような
男では・・・。しかし 奴には何故か人望があります。今はまだ時期尚早かと。」

アメリアに混沌を残しつつグッドサンダー基地は元ドクーガ艦隊を率いて
月に向かう。
レ「なーに?瞬間移動が出来ないわけ?えー。健太くんの旅立ちでエネルギーが
ほぼなくなった?今はゴーショーグンが戻ってきたおかげで充電できるけど20時
間はかかるの?」
キ「はいはい、お嬢さん。俺たちが現れると会話口調が多くなって読むのが
大変になるからそのくらいにしておきましょ。」

ーバンドック復活編ー
第一部 完

44バーン:2003/11/10(月) 03:35
よっと、一応私の描写力の限界を貼っておくか…
PCの中から探し出すのにえらい手間がかかったが、
エロパロに貼ろうと思って書き始めたので途中で、頓挫したSSだ。
まあ、私が書くとこんな感じになるって訳よ。

1 ギル・バーグ

「お前達はわしの最高傑作じゃ。このブリッジにいる奴等もわしが造ったモノだが、お前達に
比べればカスのようなものだよ。ぬふふふふ」

そのターサン博士の言葉に、ギル・バーグは耳を疑った。無論その言葉は彼にかけられた
のではない。ターサン博士の正面にいる4人の者たちに向けられた言葉だった。

(この連中が最高傑作だと?笑わせやがる!エスパーだがなんだか知らんが、この俺こそが
最高の兵器だ)

彼自身、宇宙海賊バンカーの一員となるべく自ら体をサイボーグ化し、後はターサン博士がその
本拠地へと自分を連れ立つものばかりだと思っていた。しかし、その思惑とは裏腹に博士は何処から
か拾ってきた4人のエスパーと共に、コードネーム『ダンメカニック』という兵器をバンカーに売
り込もうとしているのだった。

(俺はなんの為にサイボーグ化までしたのだ…そう、力さえあれば俺は奪われる者から奪う者へと
なれる!)

忘れた筈の光景が一コマの断片の様に、彼の脳裏に浮かんでは消える。陵辱される自分の姉。
物陰に潜み何も出来ない無力な自分の姿。破壊し尽くされた廃墟。・・・そして、一瞬の閃光。
運が良かったのだろう。たまたま拾われたバンカーの一員が操縦している船から、その光景
を眺める彼の虚ろな瞳は、己の帰る場所るべき故郷が無くなったという事実を映していた。

(俺は・・・俺は・・・生まれ変わったのだ。それをこんな奴等に邪魔はさせん)

復讐など考えなかった。『生まれ変わった』ギル・バーグが目指したのは、海賊として食物連鎖の
頂点に立つ事であり、売り飛ばされた先の惑星は、戦士として彼が成長するのに様々な教材を与
えてくれた。やがて名も売れるようになりターサン博士の存在を知った時には、既に
少年の面影は彼の外ばかりではなく内からも消えていた。
そして、自ら生身の体を捨るに到るまでの道程は、過去を封印したの男の慟哭を聞いているかの
様ですらあった・・・

45アクセルs:2003/11/10(月) 03:36
【眠れる森の美女〜少し可笑しな物語〜外伝】
    【眠り姫の見る夢は?】

第1話【好奇心は人を消す・・・・え?】

眠り姫が魔王によって糸車の針に刺さって眠ってから
幾年かの月日が流れた頃・・一人の男が暇を弄んでいました。
男「あ〜!!暇だ!・・・暇過ぎるぞ!王子が来るまで後、数十年もあるしよ・・・・
好い加減シュウを見てるのも飽きたし、何か面白い事ないかな〜」
この男はエクセレン姫らをとある事情で見ている者でした。(只の暇潰し)
そんなある日の事でした。この男は1つ疑問に思った事がありました。
その疑問に思った事とは・・・・・
男「そういや眠り姫ってどんな夢を見てるんだろうな?・・・・そうだ!良い事思い付いたぜ」
どうやら新しい暇潰しを思い付いたようです。
男「思ったら直に実行せねば!準備、準備っと」
そう言うとその走って行った。
その男が走って行きドワを開けると何かの部品などが散乱してる部屋だった。
どうやら何かを作る部屋のようだ。部屋に入ると男は紙などを取り出し何か書き始めた。
男「・・・・ここがこうで・・ありゃ?違うな・・・」
どうやら何かの設計図を書いてるようだ。
〜数週間後〜
ピヨピヨピヨデコケッコッコー
男「ふふふふぁはっはっはっは出来たぞ!遂に完成だ!!」
男の居る部屋には以前は無かった装置が真中にドンッと己の存在感を出していた。
その装置は、簡単に言うと・・・・
四角形の物からホースに似た物の先に帽子の形をした物が付いていて
その四角形には画面が付いているはっきり言って変な物である。
男「これで、眠り姫の夢が見れるぞ!はっはっはっは」
どうやらこの男は、眠り姫の夢を覗き見るともりらしい。
プライバシーの侵害で捕まるんじゃないかと思うが、この世界では関係無い事である。
男「さてと・・・持って行くか!」
そう言って男は、その装置を何かバイクのような物の後に乗せると
自分もそのバイクのような乗り物に乗って男は眠り姫の居る部屋へと向かって行った。
姫の居る部屋に着くとその男は颯爽と装置を組み立てていく。ガチャガチャガチゴチャ
男「出来た!さてと颯爽やってみますか!!」
その男出来ると直にその謎の装置を動かそうとスイッチを押すと画面に何か文字が現れた。
ア「さてと、まずこれを眠り姫の頭に付けてっと」スポッ
そう言って眠り姫の頭に先にホース状の物が付いた帽子の似た物を被らせると画面を見ながら
なにやら操作していると姫の頭に付いた装置が光だす成功だと思ったが何やらその男は慌てている。
男「な!何だ!どうなっているんだ!」
装置の画面に暴走を表すかのようにEORRORという文字が危険を表すかのようにビービーと音が鳴る。
男「い・・いったいどうしたんだ!」
男は装置を操作するが事態は一向に変わらない嫌、時と共に前より酷くなっているようだ。
それを表すかのように部屋を嫌、城を世界を不思議な例えるならオーロラのような光が覆っていく。
男「こ・・・これは!」
男の叫びと共に光はより一層眩しく輝くと一瞬にして消えた。何も変わらないそう思えたが・・・・
そこの眠り姫の居る部屋嫌、【居た部屋】というのが正しいだろう。
何故ならばその部屋には、眠り姫もあの男の姿は無くなっていたのだから・・・・・・
                                   つづく

次回予告
消えてしまった俺と姫
しかし!?消えたのは彼らだけではなかった!!
・・・・・本当は未定だ。何せ行き当たりばったりだからな!!
はっはっはっは!って事で次回は未定!気長に待っててくれ!
待っててくれる奴なんて居ないか!はっはっはっはっは!!

46アクセルs:2003/11/10(月) 03:36
【眠れる森の美女〜少し可笑しな物語〜外伝】
    【眠り姫の見る夢は?】

第2話【不器用とホモ逝く・・・・おい】

世界が光に包まれる少し前
〜魔王の間〜
男「ふぅ・・・頂きますかね」
一人の男嫌、魔王ことシュウ=シラカワが卓袱台の前に座り食事を取ろうとしていた。
ちなみに、卓袱台の上には砂糖をまぶし炒った食パンの耳が三本置いてある。
(魔王になっても質素なのは変わらないようだ。
シ「ふっ大きなお世話です。第一そお思うならもう少し豪華にしてくれませんか?」
シュウにはそれが似合うからね)
シ「・・・・砂糖を使ったかいがありますね・・・喫茶店から砂糖を持って来たかいがありましたねククク」
そう言って食パンの耳を食っていると塔の方が何やら騒がしい。
シ「また、あの男が何か暇潰しでもやっているのでしょう。」
と言いながら食パンの耳を食べるのを再開しようとすると塔の方角から光が漏れていると思うと
一瞬にして彼自身をも光に包んでいった。
シ「なっ!こ・・これは一体!・・・彼は何をしたの・・・・」
光が消えると彼も消えていた・・・・時は進み
〜隣国〜
老「王子〜!!キョウスケ王子!何処に居りますじゃ〜!!」
老人・・・着ている服などを見る限り執事が何かだろうか?
その老人はこの国の王子を探しているようだ。
男「どうかしたか?じぃ・・・・・」
じ「おお!王子そんな所に居ましたか!?」
王子と呼ばれた男は一言で言えば無愛想な男といったイメージだ。
その王子嫌、キョウスケは木の枝の上で寝ていたがじぃに呼ばれそこから飛び降り見事着地した。
じ「王子!危険な事はしないで下さい!!もしもの事があったら王に何とお詫びしたら良いか」
じぃは腕で顔を隠し嘆いた。
キ「解かったから・・・好い加減に顔を上げろじぃ。で、用は何だじぃ・・・」
ジ「はっ!そ・・・そうでした王子!大変で御座います!実は・・・!?」
じぃが言おうとした瞬間、隣国である茨の城の方角から光が迫って来た。
キ「なっ!?何だいったい・・・・」
じ「あ・・・あれは!?」
言いかけたとたんキョウスケら光が包みそして・・・・キョウスケは光と共に消えた・・・・

次回予告
お約束でシュウも消え、時を越えキョウスケも消えちゃった
魔女達は出ないぞ?キャラは出ると思うが役が違う・・・たぶん
今度は何時になるやら解からんが待っててくれ!待つ人居たよ!嬉しいぞ!!
行き当たりばったりが何時まで続くか・・・・

47アクセルs:2003/11/10(月) 03:37
星の海へ・・・グッドサンダー基地は月へと向かう。
拡がる星の海に見とれるレミー。
レ「本当、宇宙に出るのって久しぶり〜」
キ「お嬢さん、今夜ロマンチックにシャンペンでもどう?」
レ「いいわね〜 でも また今度にしましょ?」
真「ははは、残念 キリー」
キ「いいさ いいさ 他のお嬢様たちをっとあちらさんはアツアツでした。」
真「キリー?いくらあちらさんが美人でも 人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて
なんとやらというぜ。おとなしくマージャンでもしよう」

一方 エクセレンとキョウスケ。
エクセレン「キョウスケ・・この辺ね・・・」
キョウスケ「ああ、アイツが消えていったところだ・・もうくるまいと思っていたが・・」
地球圏統一戦争の影でおきた連邦軍公式記録から抹消された”アインスト事件”
人類を消滅させ新たなる静寂な世界を作ろうとしたアインストと連邦軍独立部隊
の激しい戦闘のことだ。メンバーはすでに散り散りになりキョウスケとエクセレンは
軍をなぜか追われカットナルが歴戦の勇士として州軍に採用したのだった。
エ「あの子は私だった・・・」
キ「気にするな・・・。アイツは自分の心を得ながら逝ったんだ・・・。」

その時、グットサンダー基地に警報が!
ファザー「前方から救難信号・・・救命カプセルのようです!」
カプセルを回収するライン・ヴァイスリッター。
ガロード「はじめてみるけどエクセレンさんの機体って変わってるよな。キットが
みたら解体したがるぜ」
エ「冗談言ってないの。カプセル回収終わりました。」

カプセルが開けられる。
OVA「爆発物他 危険な反応はありません・・あ、目を覚ました!」
カプセルの中には13歳くらいの少女が横たわっていた。
ガ「何でこんなところに女の子が?遭難かな?」
キ「少年、浮気はいかんよ♪」
ガ「違うんだ! ただ気になったんだよ!本当だ ティファ!」
ティファ「この子・・・心が二つある・・・。」

エ「え!?何・・・声が・・・」

ノイ・レジセイア ”我が一族の肉をもつ人間の女よ・・・。我もまた人の行く末を
見たくなった・・・だが我の力既に尽きんとしている・・・・。
最後の力を持ち虚空に浮かぶ汝が分身の心をこの死にかけた少女に植え付けようと思う。
これは 我が一族を退けた汝らへの手向けだ・・・。
この宇宙には既に”別に生まれしもの”の来訪をうけている・・・。
人よ・・彼らを退け汝らが道を行け・・・・。ここまでのようだ・・・。
さらばだ・・・”

エ「ノイ・・・レジセイア?」
キ「どうした?エクセレン?」
少女が目を覚ました・・・・。
少女「キョウスケ、キョウスケ♪」
キ「何・・?この少女は一体・・・」
エ「この子はあの子・・・あの子の心をもってるの・・・」

48名無しさん:2003/11/10(月) 03:37
【出逢いガイゾック編】
ガイゾック戦争後・・。地球圏はガイゾックとビアル星人のもたらした
超科学によって未曾有の大躍進時代に突入した。

”地球圏以外に生命体がいて、その世界に旅立つことが出来る・・”

かつての16世紀、西洋の冒険者が未知の海原にのりだしたかのような
熱狂が世界を覆っていた。瞬く間に月面や火星に小規模なコロニーが建設され
スペースコロニー群が数カ所に建設された。

しかし、大航海時代と異なり星の海を駆けめぐるには膨大な資金が必要
になる。そしてガイゾックのような侵略者の存在。その事が世界を一つに
まとめようという動きが促された。
 そしてそれに前後して人類の力が巨大になることを嫌った地底からの
先住民族の抵抗・・・。

地球圏の各国家は国際連合の元に結集すると思われたが・・・。
宇宙世紀007年、ガイゾック戦争終結後6年。
地球圏の諸勢力はとある事件をきっかけに覇権を争うことになった。
これを地球圏統一戦争という。
そんな戦争中に起こった愛の一コマ・・を語ることにしよう。

・・・・・東南アジア、国際連合軍コジマ大隊第08MS小隊
シロー・アマダ少尉。何の変哲もない一軍人の彼がこれから愛の
物語の主役になる。

 いつものように密林を偵察中の08小隊。
この辺に降下したコロニー国家ジオン公国の秘密基地が建設されて
いるというゲリラからの連絡を受け捜索活動を行っていた。
サンダーズ「隊長・・・喉が乾きませんか?」
シロー「ああ・・・。そうだな。すこしおりてみるか。」
シローがMSをおり川に水をくみに行くと上流から緑色の物体が
どんぶらこどんぶらことながれてきました。

サンダース「隊長! あの緑色の動いています!人間のようです!」
シロー「何! 助けなくては! EZ−8起動!」

緑色の物体はシローによって助けられますた。よくよく見ると人間では
あるようですがなんだか凶暴な顔をしています。

サンダース「隊長! 絶対こいつはやばいですよ!捨てましょう!」
シロー 「馬鹿いえ! 顔だけで中身がわかるか!取りあえず介抱しよう」

しばらくすると緑色の巨人・・・キラーザブッチャーは目を覚ましました。
ザンボットとの決戦。バンドック頭部でザンボット3と戦ったブッチャーで
したが力及ばずザンボットのイオン砲によって破壊されブッチャーは後頭部
ユニットごとこの東南アジアに吹き飛ばされこの地で原始生活を送っていたの
でした。
ブッチャー 「おーほほほほ 人間に会うのは久しぶりよのお・・・
我が輩を介抱してくれたのか?・・・(感動)・・・」
ブッチャーは生まれて初めて他人に優しくされたのが嬉しかったのかシローに
ほのかな恋心をもってしまったのでした。
シロー「う・・・(汗)無事だったら良かった。しかし何で川に?」
ブッチャー「水を飲もうと思ったらひっくり返ってしまったのよ おーほほほ」(照)
シロー「こんな奥地で大変ですね。何かあったら連絡をしてくれれば守りますよ。
ここはジオン軍も潜んでいて危険ですから。」
シローは基地に帰投しました。でもシローを付けるガイゾック兵。
ガイゾック兵「ギョイ!ブッチャー!シローを守る任務遂行します。」
その日からシローは影に日向にブッチャーに守られるようになりますた。
ある夜など EZ−8が一晩が強力な機体に改装されたりシローにとっては
不思議なことばかり。
さてシローには想い人がいました。
名前は アイナ。ジオン軍のパイロットです。ガイゾック兵はある日ロケットを
眺めているシローの姿を発見しブッチャーに報告しました。
ブッチャー「ぬおおおおお! そのアイナという娘を抹殺するのだ!」
シローを思ってる娘のこともガイゾック兵は報告しました。そのなはヴィレッタ

ブッチャー「そんな小娘にまけてなるものか!」

ここに シローをめぐるバトルロワイヤルが展開されることになりますた。
この後の話はいずれまた・・・。

49アクセルs:2003/11/10(月) 03:38
【気紛れシリーズ
     ヴィレッタ編】

その時、シローと目が合いシローの顔が迫ってくる。
シ「ヴィレッタ・・・目を瞑って・・・・」
目を瞑るヴィレッタ・・・お互いの顔が嫌、唇が後数センチと言う時

彼女はパチッっと目覚めてしまう。
ヴィレッタは辺りを見渡すがそこは彼女の見慣れた寝室であった。
ヴィ「夢・・・・か」
そう言ってヴィレッタは自分の目覚めの良さを怨みながらベットから降りると
服を取り出し着替え始めた。ガサゴソガサゴソ
着替え終わるとキッチンに向かって行った。
そして、彼女は何時ものようにパンをトースターに入れる。
パンを焼いている内に目玉焼きとサラダを作り紅茶を入れる。
彼女の朝食の献立は固定しているらしいそんなこんなで彼女は食事を済ませた。
そして、彼女は出勤する・・・萌路学園へと

〜萌路学園前〜
生「先生おはようございます!」
と、元気に挨拶をしてくる生徒達に
ヴィ「ああ・・・おはよう」
と、元気無く返事をするヴィレッタ
生徒が疑問に思いその事を言おうとしたその時、校門の方から何か聞こえる
そこには・・・・・・シローとブッチャーが
ブ「あなたー!いってらっしゃい!!」
シ「ああ!行ってくるよブッチャー!!」
とシローとブッチャーがラブラブフィールドを展開していた。
気の滅入るヴィレッタを見て生徒は納得した。
そんな事は気にもせずシローとブッチャー更に強力なラブラブフィールドを展開している。
ブ「ああ!あなた!ブッチャーは・・・ブッチャーはあなたと離れるのが寂しいわ」
シ「僕だってそうさ!出来れば一秒たりとも君と離れたくは無いさ!!」
ブ「ならどうして一緒に居てくれないの?あなた!」
シ「はは・・・これも君や将来の子供為さブッチャー!我慢しておくれ?」
ブ「ああ!あなた!!」
シ「おお!ブッチャー!!」
と熱く無駄なエネルギーを朝っぱらから解放している。
そんな光景をみながらヴィレッタは我関せずな太陽を見ながら

       現実とは上手くいかないものだ
と思いながら校舎へと消えていく・・・・・
                 完

50アクセルs:2003/11/10(月) 03:38
この物語はインパクト後の話・・・・なのかもしれない

□年○月×日△曜日
あの大戦から幾らか経ったある日の事・・・・・
かつての仲間達にある手紙が送られた・・・
キョウスケらからの手紙であった・・
あなたは、手紙の封を切り中身を見ると二枚の紙が入っていた
1つにはこう書いてあった

『○○様へ

  この度私達は結婚する事になりました。
 場所は、○○にて○時から挙行いたします。
 つきましては、当日の挙式にご参列頂きたい存じますので
 挙式30分前に同所へお揃い下さいますようお願いいたします

                キョウスケ・エクセレンより』

どうやら結婚式の招待状であるようだ・・・
もう1つの紙には返信用の葉書であった。さて、貴方はどっちに丸を?
『□ご出席 □ご次席』
君は行ってエクセレン君のウェディングドレスを見て悔しがり
アルフィミィ君がエクセレン君の着ているウェディディンの裾を持っている姿に萌えるか
それとも行かないか!それは君の選択で決まる!!
では今回はこの辺でさようなら

気紛れシリーズ 3人編 第1話『手紙が来ました・・・え!?』

51もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 03:40
新西暦188年、DC戦争、ホワイトスター戦役を終えた人類にまたも危機が訪れた。
エアロゲイターと呼ばれる異星人、ゼ・バルマリィ帝国の本格的な侵攻である。
それに対し、地球連邦は先の戦争勝利の立役者ハガネ、ヒリュウ改の2艦を中心に戦力を集中し短期決戦を試みた。

この、後にL5戦役と呼ばれる史上最大の戦いの結果

人類は敗北した

機体の大半が大破し、兵士の殆どが戦死もしくは重症を負って、戦力といえるものを失った人類には
もはや帝国の侵略に抗う術はなかった。

そして新西暦193年、地球人類は帝国軍による破壊活動そして理由不明の捕獲によって人口を従来の半分近くに減らしており、
現状でこれに抵抗するのはレジスタンスと呼ばれるゲリラ集団のみとなっていた。

52もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 03:41
月の人の気配がしない工場のそばに2つの機動兵器が降り立った。
地球連邦の主力兵器であったPT、AMのどれにも形状は似ていない。もちろん帝国で使われる人型兵器とも違う。
そのそれぞれのコックピットから宇宙服を着た男女が降り、工場の制御室に向かうと
慣れた手つきでパネルの操作を始めた。一般のものよりかなり広い工場内に空気が満ちると
―先ほどしたのはおそらくこの操作だろう―2人はヘルメットを外し大きく深呼吸した。
男の方は背が高く、眼鏡をかけた青年。女の方は逆に小柄で可愛らしい少女である。
二度ほど深呼吸を繰り返した後、男はまたパネルを操作し、乗ってきた機体に無線連絡を入れた。

53もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 03:42
「ラウル、フィオナ、聞こえますか」
呼ばれた2人は残された機体のパイロットだろう。
機体を工場の方に向け、眼鏡の男の呼びかけに応答した。
「こちらラウル、通信状態バッチシだ」
「こちらフィオナ、こっちもOKよ」
2人のパイロットは双子だろうか、性別の違いを除いてはよく似た顔立ちをしている。返答を聞き男は眼鏡を押し上げ頷きながら、また通信を返した。
「結構。それでは先ほど伝えたようにここでエクサランスの最終チェックをします。
用意はいいですか?」
「ちょっと待った、ラージ。さっき聞いたときも思ったんだけどさ。
もうここは完全に帝国の占領下だぜ。いくらなんでもちょっと危ないんじゃないのか?」
ラウルの心配そうな問いにラージと呼ばれた青年は自信に満ちた表情で答えた。
「確かにすでに地球圏は帝国の占領下にありますが、現在帝国軍の動きは殆どが地球上で、という話です。
月面上ではここ2年間帝国軍は確認されていません。
それにいくら時流エンジンが半永久機関とはいえ
エクサランスはコロニーから地球までの長距離航行なんて想定していません。
大気圏突入もありますからここからは輸送機を拝借していきますが、
地球に着いたと思ったらいきなり帝国軍に鉢合わせ、
しかし予期せぬ故障があったなんて洒落にならないでしょう」

54もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 03:43
(だったら最初から輸送機でも用意したらよかったじゃない…全く妙なところでケチなんだから)
内心で毒づきながらフィオナもラージに質問した。
「それは分かったけど、チェックってどうするの?
ここまで来てエクサランスをバラす訳にもいかないし、
まさかこんな所でエクサランス同士でドンパチやるつもり?」
「その心配も無用ですよ。相手はこちらでしっかりと用意してあります。
いいですか、ミズホさん」
ミズホと呼ばれた少女は先程からラージとは違うパネルを操作しモニターを見ていたが
ラージとは違い困惑した表情を浮かべている。
「はい、残っている機体のオートパイロット設定は済みましたけど…
本当にいいんでしょうか?」
「構いませんよ。この工場の持ち主のマオ・インダストリーはすでに存在してませんし、
完全に出来上がってもいなくて、出来上がる予定もない機体が2、3体壊れたところで
大きな損害にもなりませんよ」

55もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 03:44
マオ・インダストリー―かつてこの月に本社を置き、数多くの優秀なPTを作り出した一大企業だったが、
L5戦役後地球圏を占領した帝国軍によって本社が攻撃を受けたため壊滅してしまっていた。
この工場はそのマオ・インダストリーの工場の一つだったのだが、
本社や他の工場から特に離れた位置にあったため奇跡的に無傷のまま残っていたのだ。
しかし機体の製造を依頼する地球連邦も命令を下す本社も無くなってからは
完成していない機体を残して廃墟と化していた。

56もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 03:44
ラージの不遜とも言える物言いに顔を引きつらせながら
ミズホは引き続きパネルを操作すると工場からエクサランスの目前に一つの機体の影が現れた。
「おい、ラージ!もしかしてこれがその『相手』なのか!?」
その相手の意外な姿にラウルが驚きの声を上げる。
「そうですよ。量産型ヒュッケバインMk-Ⅱ…まだ製造途中のため武装は装備してはいませんが
駆動系は完成していて問題なく動くことはできます。しっかりと狙わないと当てることはできませんよ。
なおフィオナが乗っているコスモドライバーフレームは比較的接近戦に不向きですから
ストライカーフレームのラウルが接近戦、
フィオナがその援護というフォーメーションでいって下さい」
「ちょっと待って…もう!いつも人の都合ってものを考えないんだから…
ラウル!聞いたとおりよ。こっちで動きを押さえるから後は頼むわよ!」
「任せろ!」

57もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 03:45
ラウルの操るエクサランス・ストライカーがその巨体に似合わないスピードで
量産型ヒュケバインMk-Ⅱに接近し攻撃を仕掛ける。
だが相手もかつての連邦軍の主力となった機体である。
パイロットがいないとは思えない俊敏さでその攻撃をかわした。
しかしその先で物陰から放たれたエクサランス・コスモドライバーの遠隔機動兵器
フェアリーのビームまでには反応することができず、直撃を受け体勢を崩した。
「今だ!ギガントクラッシャー!!」
ストライカーの右腕に装備されたウェポンアームが量産型ヒュッケバインMk-Ⅱの胴体を貫いた。
一瞬火花が散り、爆発の衝撃が周囲に広がっていった。

58もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 03:45
「ふむ、一応問題はないようですね。しかし念のためにもう少し続けましょうか。ミズホさん…」
2体のエクサランスのデータを取りながら、その動きに満足したように頷いていたラージの言葉が終わらぬうちに、
次々と残りの量産型ヒュッケバインMk-Ⅱが起動しエクサランスの方へ向かってきた。
「ラージ!これはさすがに多すぎじゃないか!?」
ラウルが思わずラージに大声で問いかけたが、当のラージも予定外の事態らしく慌てた声をあげた。
「ミズホさん、あと一機だけでいいんですよ。ここまでしなくてもいいんです」
「違うんです!私は何の操作もしていません!暴走…いえ、
誰かがここのコンピューターにハッキングを仕掛けているんです!」
「何ですって…!?」

59もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 03:45
突然のアクシデントに4人はうろたえるが、起動したヒュッケバインMk-Ⅱ
はそんなこともお構いなしにエクサランスに攻撃を仕掛けてくる。
しかし相変わらず武装の装備はしておらず格闘戦のみだったので
エクサランスの2体も後退しながら何とか攻撃をかわすことができていた。
舌打ちしながらも冷静に状況を把握し、フィオナはラウルに呼びかけた。
「仕方ないわね…全部で6体、相手できない数じゃないわ。やるわよ、ラウル!」

「我はデュミナス…過ちを起こさせるもの」

「!?」
「フィオナ!聞こえたか!?」
「ラウルも!?」
突然聞こえた謎の声に2人は動揺したが、ラージの声によって我を取り戻すのに
さほど時間はかからなかった。
「2人とも一体何を言ってるんです。しっかりしてください、敵が近づいてますよ!
…あと気休めかもしれませんが元連邦軍のコードでSOSを発信しておきました。
何とか持ちこたえてください」
「連邦軍ってもう無いじゃないか…本当に気休めだな…」
そうぼやくラウルだったが言葉とは裏腹にその目の闘志が衰えておらず、
ストライカーのウェポンアームから放たれたビームは、敵機の頭部に命中した。

60もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 03:45
工場のコンピューターが暴走し戦闘が始まってから10数分たった。
2人とも武装してない量産型が相手のため墜とされる様子はないが、
装甲が装着されていないものまで持ち出し次々と現れる敵に疲労と焦りを感じ始めていた。
逃げようにもまだ制御室にいるラージとミズホをコックピットに乗せることができるほどの余裕がない。
「こんなところで終わるわけにはいかないのに…」
「弱気になるな。でも…このままじゃキリがない…ッ!フィオナ!後ろだ!!」
フィオナのコスモドライバーにヒュッケバインMk-Ⅱが背後から迫る。
体勢を立て直すのもフェアリーを呼び戻すのも間に合わない。
フィオナは思わず目を瞑った……が、いつまでたっても予想していた衝撃がこない。
恐る恐る目を開けると腕から巨大な薬莢を落とす白い、
歪な形をした機体の足元にヒュッケバインMk-Ⅱが黒煙を上げ倒れていた。
何が起こったのかわからず呆然としていると白い機体の後方から通信が入ってきた。
「こちら『レジスタンス』のリュウセイ=ダテ中尉だ。救援に来た!
SOSを発信したのはあんたたちか?」
「やった…地獄に仏ってこのことね。はい、そうです!救援感謝します!」
待ち望んだ通信がに喜ぶフィオナに続き、
後方からもう一つのPTの影が見えたのを確認してラージも安堵の溜息をついた。
「駄目元のSOSでもやってみるものですね…
しかしレジスタンスは今地球にいると思ってましたが…」

61もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 03:46
レジスタンスの増援によって一気に形勢は逆転し、工場から来る機体は全て沈静化した。
味方の数が増えたのもその要因の一つだが、何より増援に来た2人の戦闘技術が
ラウル、フィオナの2人のそれを遥かに超えていたことが大きかった。
「終わったか…。えっと…あんたらのその機体、もしかしてエクサランスってやつか?」
「えっ!?、何でそれを知ってるんですか?」
極秘で、というより個人レベルで開発していたエクサランスのことを
地球にいたレジスタンスのリュウセイが知っていたことに驚くフィオナを見て、
ラウルは呆れたような声でラージに言った。
「ラージ…もしかしてフィオナに何も言ってなかったのか?」
「僕はてっきりラウルかミズホさんが言うと思ってましたから…」
「私も二人のどちらかが言っているものだと…」

62もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 03:46
3人のやり取りを聞きどうやら自分だけが何も知らなかったらしいことに気付いたフィオナは
戦闘中にも見せなかったほどの鋭い目つきでラウルを睨んだ。
「ラ〜ウ〜ル〜、どういうことか説明してもらえるかしら?」
口調は丁寧だが声は明らかに怒りに震えている。
「(やばい、フィオナがこういう声を出すときは大体キレる寸前なんだよな)
あ、いや。いくらエクサランスでもたった2機で帝国を相手にするわけにはいかないだろ。
だから地上で活動してるレジスタンスに合流して協力させてもらうってことになってさ。
それでこっちの戦力をアピールするためにもその連絡の際にあらかじめエクサランスのデータも一緒に送っといた
…という訳なんですが…ご理解いただけたでしょうか?」
眉間に皺が益々寄ってくるフィオナを見て冷や汗を掻きながら
あたふたと弁明するラウルの言葉にリュウセイも続いた。
「全くこっちも驚いたぜ。秘密裏に行動している俺たちの連絡手段をどこから見つけてきたんだか…
しかも協力したいって機体は訳の判らない動力を使っているものらしいしな」
「訳の判らないって…時流エンジンというものはですね…」
「いつまでも無駄話をするな。戻るぞリュウセイ」
リュウセイの言葉に反応してラージは説明を始めようとしたが、白い機体からの声に遮られた。

63もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 03:46
「わかったよ…ったく、それにしたって無愛想にもほどがあるだろ…」
戻ろうとする2体を見て慌ててラージとミズホをコックピットに乗せながら、
フィオナは2人にまだ礼もしていないことに気付いた。
「あっ、本当にありがとうございました、リュウセイ中尉と…えっと」
「…キョウスケ=ナンブ大尉だ」
ぶっきらぼうだが別に不機嫌なわけでもなさそうなキョウスケの声にフィオナは安心した。
(よかった…怒ってるわけじゃないみたいね。
それにしてもあのときの声…デュミナス?間違いを起こさせるもの?一体何者なの…)
「フィオナ、わからない事をいつまでも考えていたってしょうがないぜ」
フィオナの顔を見て何を考えているか想像がついたのだろう、ラウルが声をかけてきた。
「ラウル…うん、そうね」
しかし、胸にいつまでも妙な不安感が付きまとう。
工場から離れたところに停泊してあったレジスタンスの旗艦、クロガネに向かいながらも
フィオナには空に広がる宇宙がいつにも増して暗く感じられていた。

64もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 03:47
フィオナたち4人はエクサランスをクロガネに着艦させた後、
キョウスケに連れられブリッジへと招かれた。
5年前に作られたとはいえ、当時では最先端の技術を用いられた戦艦の一つというのは伊達ではないようだ。
想像していたよりブリッジの中にいる人間は少なかったが、航行に不自由しているようには見えない。
初めて乗る戦艦に4人とも珍しそうにあたりを見回していると、
20代半ばほどの若い女性が近づいてきた。
「初めまして。私はレフィーナ=エンフィールド大佐、このクロガネの艦長です。
パイロットのフィオナ・グレーデンさんとラウル・グレーデンさん。
メカニックにラージ・モントーヤさん、ミズホ・サイキさんでしたね。
ようこそ、レジスタンスへ。歓迎します」
「へえ、意外とお若いんですね。俺は艦長といったら厳つい顔のおっさんをイメー…ぐはっ」
自己紹介と共に差し出された手を握り返していたラウルの鳩尾に肘打ちをきめて、
フィオナは今まで疑問に思っていた事をレフィーナに聞いてみた。
「すみません、失礼な事を。
ところでレジスタンスは地球で活動していたと聞いていたんですが、なぜ月に?
私たちにとっては助かりましたけど…」
自己紹介のときは真面目な顔をしていたレフィーナだったが
2人のやり取りを見て思わず笑顔でそれを崩し、リラックスした表情のままフィオナの質問に答えた。
「ふふ、構いませんよ。仲の良いご姉弟なんですね。
…月へはあなたたちを迎えに来た、と言いたいところなんですけど
実は近々、宇宙で大規模な作戦を行う予定なんです。
そのために一旦月を経由していたところにあなたたちのSOSを受信したというわけなんですよ」

65もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 03:47
「艦長、俺はこれで失礼させてもらう。フリッケライの整備をしたいんでな」
今まで後ろで話を聞いていたキョウスケが会話に割り込んできた。
それまで一言も発しなかったため、正直4人はそこにいた事を忘れかけていた。
「あ、わかりました。お疲れ様です、大尉」
「あの人…無口ですよね。さっきもここへ案内するときもほとんど何も喋らなかったし」
フィオナの肘打ちで悶えていたラウルがようやく立ち直り、
ブリッジから出て行くキョウスケの後姿を見ながら呟いた。
「根は悪い人ではないんですよ。ただちょっと過去の戦争で…
いえ、これは今の話には関係ありませんでしたね。
とにかくキョウスケ大尉はPT部隊の隊長ですので戦闘では彼の指示に従ってください」
少し表情に影を落としたレフィーナだったがすぐ気を取り直し、説明を続けた。
「今この艦はセレヴィス・シティに向かっているのですが…
テツヤ副長、後どれくらいで到着しますか?」
「はい、後30分といったところです」
副長の返答を聞き、レフィーナは頷いた。
このテツヤと呼ばれた青年も副長という役職の割には若く見える。

66もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 03:48
よく見てみると、ブリッジに入ったときには気付かなかったが、ここにいる人員は若い者が多い。
向い側に座っている、おそらくオペレーターであろう女性もレフィーナと大差ない年齢だろう。
「ありがとう。…聞いた通りです。とりあえず今から30分は自由時間ということになりますので、
手の空いている者に艦内を案内…あら、ラージさんは?」
見渡してみると確かに先程までいたラージの姿が消えている。
すぐに行き先が思いついた3人は揃って頭を抱えた。
特にどっと疲れたような顔をしたフィオナがレフィーナに言った。
「気にしないでください、病気みたいなものですから。何もまずい事はしないと思います…多分。
案内は私が聞いておきますから大丈夫です。で、セレヴィス・シティへは何のために?」
「本当の目的は近くのムーンクレイドルで補給をするためなんですが、
あの街に用事がある人が結構いるんです。
あなたたちもやり残したことがあるのら済ませておいたほうがいいですよ」
そう言うとレフィーナはまた暗い表情になった。
「…あまりこういうことは言いたくはないのですが、
今度の作戦は生きて帰れるという保証がありませんから…」

67もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 03:48
レフィーナの話の途中で姿を消したラージだったが、3人の予想通りのところにいた。
格納庫である。
いきなり見知らぬ男が現れじっと機体を見つめているという奇妙な光景に他の整備員たちからの
視線を一気に集めているのだがラージは全く気付いていない。
この熱中振りを見るとフィオナが言っていた病気というのも
まんざら嘘ではないのではとさえ思えてしまう。
そのラージはさっきからリュウセイが乗って自分たちを助けに来たR-1を見上げていた。
「R-1…データによれば動力は核融合エンジンなのですが、
あのときの戦闘で見せたパワーは確実にその限界を超えている。これは一体…」
ラージは工場での戦闘の際に救援に来た2体の戦闘データも取っていたのだ。
これをまめと言えるかあざといと言えるかはともかく、そのデータと自分の持っていたデータの
食い違いに違和感を感じていた。
「そのデータは古いものだよ」
周りを気にせず考えにふけっていたラージは突然背後からかけられた男の声に驚いた。
振り返ると金色の長髪を後ろで束ねている青年がにこやかな笑みを浮かべ立っている。
「あ、失礼。俺はロバート・H・オオミヤ、
ここで整備班主任をやらせてもらってる。ロブと呼んでくれ。
で、このR-1だけど、元々は君が言っている通り核融合エンジンを搭載していたんだ。
だけどこれの兄弟機R-2がL5戦役の時に大破してね。
修理しようにも専属パイロットは戦死してしまったし、そんな余裕もなかった状況ということもあって
そのトロニウムエンジンをR-1に組み込んだんだ。
それに伴いT-LINKシステムもR-3のものを組み込んで強化しているから
今のR-1のスペックは昔のものより大体5割増くらいになっているよ」

68もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 03:49
トロニウムエンジン―新西暦179年落下したメテオ3から発見された
希少金属トロニウムを媒体とし膨大なエネルギーを生み出すエンジン。
しかしその使用には常に暴走の危険性を伴っている…
ラージは昔父親の部屋から盗み見たデータを思い出し、苦虫を噛み潰したような顔を浮かべた。
「あまり感心しませんね…」
「君の言いたいこともわかるよ。自分たちで発見し、生み出した力以外は使うべきではない、
というのがモントーヤ博士の持論だったからね。
でもあの時の俺たちにはエアロゲイターに対抗するためにこの諸刃の剣に頼るしかなかった。
まあ、結局負けてしまって、今もその状況は変わらないんだけどね。」
自虐的な笑みを浮かべ首を振るロブの話に自分の父親が出てきたことに驚いた。
「父を知っているんですか?」
「そりゃ知っているさ。君は知らないかもしれないけどEOTI機関が設立された当初、
フェル・グレーデン博士と共に君のお父上も参加されていたんだ。
EOTI機関は元々色んな研究をしている人たちが集まっていたけど、
特に博士たちの研究は変わっていたから記憶に残っているよ。
確か論文によると時流エンジンというものはその力を突き詰めていくと…」
「…夢物語ですよ。」
「そうかい?俺から言わせてもらえば時粒子を取り出しそれをエネルギーに変えるなんてことも
夢物語だと思っていたけどね。実際目の前に実物があるんだからそうも言えないが」

あまりしたくない話なのだろうか、ラージは目線をキョウスケが乗っていた白い機体に移し、話題を変えた。
「では、あの機体もトロニウムエンジンを?」
「いや、あれの母体はゲシュペンストMk-Ⅲアルトアイゼンで、動力は普通の核融合エンジンだよ。
…まあ、見て判らないというのも仕方ないかな。どうもパイロットが無茶をよくしてね。
よく壊して帰ってくるんで他の機体のパーツと交換していたら、
もう原形をとどめていないほどになってしまったんだ。
今ではコードネームもフリッケライガイストというものに変わっているよ」
コクピットのハッチを空け整備をしているキョウスケを見ながらロブは苦笑いを浮かべた。
そのキョウスケは自分の方を見られているということにも気付かず、相変わらずの無表情で
整備に没頭している。
「フリッケライガイスト…継ぎ接ぎの亡霊ですか。
言い得て妙というか、名は体を現すとはよく言ったものですね」

69もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 03:50
「やっぱりここにいた…ラージさん!いきなりいなくなるからフィオナが怒ってましたよ」
ミズホが格納庫に入ってきた。フィオナに案内は自分たちが受けるから
ラージを探してくるように頼まれたのである。
こちらに駆け寄ってきたミズホはラージの隣にいるロブにようやく気が付き
慌てて会釈した。
「もしかしてオオミヤ博士ですか?私ずっと博士を尊敬していたんです!
一緒の艦に乗れるなんて感激です。よろしくお願いします」
満面の笑みを浮かべ目を潤ませているミズホを見てロブは照れくさそうに頭をかいた。
「ああ、こちらこそ、ミズホさんだったかな。エクサランスのデータは見せてもらったよ。
戦場に対応してフレーム換装に従来のものより汎用性を高めるというコンセプトか…
中々画期的で面白いね。そこのコンテナに入っているのが他のフレームかい?」
あまり褒められるということに慣れていないミズホはロブの言葉を聞き、顔を真っ赤にした。
「はい、陸上戦用のストライカー、宙間戦用のコスモドライバーの他に
射撃戦用のガンナー、空中戦用のフライヤーがあります。
でも、そんなに珍しいアイデアでもないですし…」
「まあ、アイデア自体は確かに以前からあったものだけどね。
だけどここまで大胆な換装システムは考えられてなかったよ。
本当に大したもんだ。マオ・インダストリーかテスラ・ライヒ研究所が残っていれば
優秀な研究者になれたと思うよ。社交辞令抜きにね。」
もう褒め殺しの域にまで達しようとしているロブの賛辞にミズホは益々顔を赤くする。
マオ・インダストリー、テスラ・ライヒ研究所…どちらも現在は存在していないが、
ロボット工学を学ぶ者たちにとっては誰もが一度は夢見た職場である。
そこの研究者の中でも五指に入るといわれたロブに認められるとは
本当に夢じゃないかとすら思えてくる。

70もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 03:50
「でも…さすがにオオミヤ博士には及びませんよ。
博士はもう開発には携わってはいないんですか?」
ミズホの言葉を聞きロブは少し目線を下に落とした。
「ああ…その環境が整っていないというのもあるけどね。
一番の理由は…怖くなったんだ。前の戦争で俺の作った機体で大切な仲間を不幸にしてね。
人殺しの兵器を作っておいて勝手な話だと自分でも思うよ。
でも…もう無理なんだ。ライやアヤの様な人を俺はもう見たくない…」
何か聞いてはいけなかった事を聞いてしまったらしい。
どうしたものか迷うミズホにすっかり話から外されていたラージから助けが入った。
「ところでミズホさん、僕に何か用があるんじゃないですか?」
「あ、はい。セレヴィス・シティに着いたら…」
そう言うのと同時にクロガネが少し揺れた。どうやら減速を始めたらしい。
「あ、言っている内に…とにかく、セレヴィス・シティの共同墓地に行って
お父さんのお墓参りをしようってフィオナが言ってましたよ」

71もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 03:51
月やコロニーに対するゼ・バルマリィ帝国の破壊活動の被害は地球と比べて小さかった。
その差は小さなもので住民が息を潜めて生活しているという状況は変わりがなかったが、
病院のような医療機関が健在なだけ地上よりはマシといったところだろう。
そのセレヴィス・シティにある唯一の病院の廊下をリュウセイは一人歩いていた。
人が少ないためか院内は静かで足音がよく響く。
ある病室の前に立ち、リュウセイは一瞬迷ったあと扉を開いた。
病室の中では肩ほどに伸びた緑髪の美女が微笑を浮かべながらベッドの上でマフラーを編んでいる。
「久しぶり…アヤ」
アヤはちらりとリュウセイを見たが、何も言わず微笑を浮かべたまま編み物を続けた。
アヤはリュウセイも所属していた元SRXチームのリーダーだった。
しかしL5戦役のとき激しさを増す戦いの中、
彼女の繊細な精神は過剰なT-LINKに耐えることができなかった。
それ以来アヤはこの病院に入院することになった。リュウセイも始めは頻繁に見舞いに訪れていたが、
レジスタンスとしての活動が忙しくなると次第にその間隔も開いていった。
最後にアヤに会ってからもう2年が経つ。久しぶりに会う彼女は以前と変わらないように見えたが
その雰囲気は比べようがないほど儚げに感じられた。

72もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 03:52
リュウセイは病室を見渡したあとベッドの脇で椅子に腰掛け、話を始めた。
アヤは相変わらず話を聞く様子がみられなかったが気にしていない。
「アヤ…3日後レジスタンスはグリーンフラワーに攻撃を仕掛ける。
…5年前は、俺は弱かった。弱くて…SRXの力を引き出せなかったんだ。
ライはそんな俺を助けるために死んだ。そしてお前も…
…今の俺はあの時からどれだけ強くなったかわからない。
だけど今度は絶対に勝つ。勝ったからといって何も戻っては来ないけど、
守りきってみせる…今度は、絶対に。
それだけを言いに来たんだ。もう、ここに来ることもないかもしれないから」
「ねえ、リュウ」
突然呼ばれてリュウセイは驚きアヤの方を見た。
「このマフラーの色…マイに似合うかしら?」
そう言って編んでいたマフラーをリュウセイの目の前に差し出した。
入院してからアヤはただマフラーを編み続けている。
部屋の隅にはすでに編みあがったマフラーの山ができていた。
しかしこれからもアヤは編み続けるのだろう、すでにこの世にいない妹、マイのために。
おそらく、ずっと。
「ああ…そうだな。似合うと思うよ」
リュウセイは目頭が熱くなるのを必死にこらえて、ただそう言った。
握っていた拳に思わず力が入る。
「そう、よかった」
アヤが編み物を再開するのを見てリュウセイは病室を出ようと立ち上がり扉の取っ手を握った。

「来るわ」

アヤが言ったのかと思い振り返るが、相変わらず編み物を続けている。
気のせいかと思いリュウセイは病室を出た。
リュウセイの足音が次第に遠ざかっていき、また病室に静寂が戻る。
その中で微笑を浮かべていたアヤが小さな声で呟いた。

「あの人が…来る」

73もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 03:52
リュウセイが病院でアヤと会っていた頃、フィオナたちはセレヴィス・シティの郊外にある
共同墓地にある彼らの父親の墓の前にいた。
「ここに来るのも久しぶりね。最近はずっとエクサランスの開発にこもりっきりだったから…
 ミズホは来るの初めてだっけ?」
来る途中に街で買った花束を墓前に置きながらフィオナは聞いた。
「ええ…でも博士たちと面識がなかった私が来てもよかったんですか?」
性格からだろうミズホは居心地が悪そうに答えた。
「別にいいさ。親父たちは偏屈なわりに寂しがり屋だったからな。人数は多い方が喜ぶよ。
 ミズホの方はご両親に連絡とかしなくていいのか?」
「私も…父も母ももういませんし、墓もエルピスにありますから…」
「そっか…ごめん」

ミズホの両親は9年前のエルピス事件の際に命を落としていた。
彼女だけではない。この共同墓地に眠る人々もほとんどが戦災等によって亡くなっている。
そういう意味では病死という自然な形で人生を終えた父たちは幸せと言えたのかもしれない。
以前よりもずっと多くなった周りの墓石を見ながらフィオナはそう思った。

「それにしてもタイミングが悪いよな。レジスタンスに合流したのはいいけど
 いきなり敵の本隊への突撃作戦だっていうんだから」
重くなった空気を変えようと努めて明るい調子で言ったラウルの言葉にラージが答えた。
「逆に言えばチャンスですよ。ここで戦果を挙げることができたら
 時流エンジンの有効性を大きく広めることができますから」

そう、それがレジスタンスに参加した一番の目的だった。
新しいエネルギー技術の宣伝には戦争というものは格好の舞台である。
他人が聞けば不謹慎だと激怒しかねない理由だろう。
もちろん地球圏の開放という意思は少なからずある。
しかしそういった理想だけで人が生きていくことはできない。

「とにかく負けることはできませんよ。ここまで来て失敗したら
 あの世で父さんたちに何て言われるか…」
「メチャクチャ怒るでしょうね、何か目に浮かぶわ。
 …もうそろそろ時間かな。クロガネに戻りましょう」
「そうだな」
クロガネへ戻る途中、ラウルは奥に一つの人影を見つけた。
「あれ、あそこにいるのキョウスケさんじゃないか?」

74もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 03:52
キョウスケは一人墓前の前に座り、持ってきた二杯のコップに日本酒を注いでいた。
いつもは見せないような穏やかな表情をしている。
「エクセレン…前にお前が飲みたがっていた大吟醸だ。結構高かったぞ」
チンと音を立て持つ者がいないコップに乾杯をして口をつけていると
様子を見ていたフィオナたちが近づいてきた。
「キョウスケさん…」
「ん?お前たちか…」
雰囲気から話しかけてもいいものか迷ったが好奇心から思わず話しかけてしまった。
墓石を見ると Excellen Browning 164−188 と書かれてある。

「昔の仲間…ですか?」
「ああ…」
拒絶されるのではないかと恐る恐る尋ねるがそんなことはなくキョウスケは淡々と答えた。
先程の様子から見て、ただの仲間などではなくおそらく深い関係…恋人同士だったのだろう。
「やはり帝国監察軍に?」
不躾な質問をするラージに思いきりヘッドロックをきめながら慌ててフィオナはキョウスケに謝った。
「何であんたはいつもそう無神経なのよ!
 ごめんなさいキョウスケさん!こいつの言うことは気にしないでください」
2人の漫才のようなやり取りを全く気にせずキョウスケは立ち上がった。
「いや、こいつは…エクセレンは…俺が殺した」
「え…?」
意外な答えに4人が固まっていると墓地にもう一人入ってきた。

「お、何か珍しいメンバーが揃ってるな」
「リュウセイ…アヤの調子はどうだった?」
「…うん、元気だったよ。エクセレンへの挨拶は済んだみたいだな」
笑顔で話すリュウセイだったが少し表情がぎこちない。
無理をして笑っているのだろう。よく見ると目が少しはれている。
「ああ、俺はもう戻るが…お前はライのところに寄って行くのか?」
「まあな、少し遅れるかもしれないから艦長にはそう伝えておいてくれよ」
墓地を出て行くキョウスケを見送った後リュウセイは暗い顔をしている4人の方を振り向いた。
「で、どうしたんだ、お前たち。キョウスケに何かきついことでも言われたか?」
「いえ…その…エクセレンさんの事を聞いて…」
フィオナの言葉を聞いてリュウセイは少し困ったような顔をした。
「そうか、聞いたのか…まあ、昔の話だしお前たちには関係ないさ。
 あんまり気にするなよ。じゃあ、俺はまだ用があるからまたな」

リュウセイと別れて帰路についても4人は口数が少ないままだった。
「ねえ、ラージ。私がもし死んだらキョウスケさんみたいにずっと私のお墓参りに来てくれる?」
フィオナはふと思った事を口にした。
自分にはエクセレンの様に何年経っても自分の事を想ってくれるような人がいるだろうか…
「死ぬなんて、そんなふざけた事を言わないでください」
「ラージ…」
「あなたの生命力の強さとしぶとさは僕が一番よく知っています。
 僕よりあなたが先に死ぬことなんて100%ありえませんよ」
思わず出てしまったラウルの笑い声を聞きながらフィオナは肩を落とした。
(少しでも感動した私が馬鹿だったわ…)
4人の中に少し明るい雰囲気が戻ってきた。
もうすぐクロガネも視認できるくらいに近づいてくる。
それでも腑に落ちない何かが消えることはなかった。

75もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 03:53
その日の夜、フィオナは一人で艦長室の前にいた。
扉の前に立ってインターフォンを押そうとし、その手を下ろすといった事を数分繰り返している。
また少し悩んだ後、意を決したような顔をしてインターフォンを押した。
「どうぞ」
「…失礼します」
中からのレフィーナの声を聞き、開いた扉の中に入っていった。
「あら、フィオナさん、どうしたんですか?さあ、そちらに座ってください」
艦長室のデスクにはスコッチが注がれたグラスがあった。
真面目なレフィーナのイメージに似合わないそれに気付き、思わずフィオナは聞いてみた。
「お酒…飲まれてたんですか?」
「あ…ええ、尊敬していた人たちがよくお酒を飲まれててね。真似して飲み始めたんですよ。
 私はあんまり強くないから本当に少しずつですけど。
 …規律違反ですから内緒にしてくださいね。
 って私のことばかり話してもしょうがないですね。何か話があるんじゃですか?」
急に話を振られたフィオナは言いにくそうにした後、姿勢を正してレフィーナの顔を見た。

「共同墓地でキョウスケさんに会ったんです。
 そこで聞いたんですけど、エクセレンさんって人を殺したって…どういうことでしょうか?」
初めは彼女を守りきることができなかったという意味だろうと思った。
しかしそれを言ったときのキョウスケの顔や、リュウセイの態度を見ると
それだけではないような気がする。
彼らに改めて聞くことははばかれるがレフィーナなら何か知っているのではないか、
そう思ったのである。
レフィーナは黙ってスコッチを一口飲んだ後、聞き返した。
「なぜそんな事を聞くんです?あなたにそれを知る必要が?」
「……わかりません。ただ…気になるんです。単なる好奇心とかじゃなくて…」
フィオナの言葉を聞き、一つ溜息を吐いてレフィーナは話し始めた。
「5年前、私たちの敵はエアロゲイター…帝国監察軍だけではありませんでした。
 今はなぜか出現しなくなりましたが、アインストという正体不明の敵もいたんです。
 そして…」

76もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 03:54
何度目かのアインストとの戦闘の後、突然エクセレンは失踪した。
次に彼女が現れたのはアインストの集団の中、敵としてだった。
恋人だったキョウスケは説得を何度も試みたが効果は見られなかった。
そしてその日が来た。
アインストの罠に掛かりキョウスケ以外の者が出撃できないときにエクセレンが現れた。
艦を、他の仲間を守るためにキョウスケができたのは一つだけだった。
エクセレンが乗る機体の撃墜。
脱出装置は、働かなかった。

「それから大尉は変わりました。元々よく喋る人ではなかったんですけど、めっきり無口になって…
それに戦闘でも…」
元々突撃戦法を得意としていたキョウスケだったが、特に無茶な突撃をすることが多くなった。
今まで生きてこれたのが奇跡と思えるほど機体も壊れた。それでもその戦い方を止めようとしない。
これは、キョウスケにとって自分に対する罰なのだ。戦うこと、死ぬこと自体が罰ではない。
仇を討とうにもその相手はいない。自ら命を絶とうにも、そんな安易な死では自分が許せない。
その状況でどこまでも不器用な男のできる唯一の贖罪。
それはエクセレンのいない世界で戦い、生き続けること。
どんなに苦しもうとも、傷つこうとも続けられるだろう。
いつか意味のある死が彼を全てから開放するまで。

「そんな…そんなのって…」
「キョウスケ大尉だけではありませんよ。リュウセイ中尉もL5戦役でチームメイトを
 亡くしてしまいました。彼ら以外にもこの艦にいる人は大体同じような傷を持っています。
 私も…大切なものを失いました」
レフィーナは手に持ったグラスを見つめた。いつの間にかグラスは空になっていた。

フィオナは愕然としていた。自分の周りにいる者の想像していた以上に過酷な生き方に。
それに比べると自分たちのやろうとしていることが、とても自分勝手で幼稚なものに感じられる。
自分にはここにいる人たちと共に戦う資格すら無い様にさえ思えてきた。
フィオナが何も言葉を発することができずにいると、後ろの扉がいきなり開いた。

77もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 03:54
「艦長、いつの間にそんなにおしゃべりになったんだ」
キョウスケが艦長室に入ってきた。先程の話の直後だったためフィオナは驚いて思考が停止した。
「大尉…女同士の会話を盗み聞きですか?」
「部屋に入ろうとしたら聞こえてきただけだ。それにそんな話でもなかっただろう」
「キョウスケさん…その…」
何か言わなくてはと思いキョウスケの方を見たが目が合うと二の句が告げなくなってしまった。
その暗い瞳に自分の全てが見透かされるような気がして酷く惨めに感じる。
自然と涙があふれてきた。
「私…その…ごめんなさい!」
結局何も言うことができず、ただそう謝ってフィオナは艦長室を飛び出した。
キョウスケはしばらく扉の方を見た後、フィオナが座っていた椅子に腰掛けた。

「女の子を泣かせるなんて男の風上にも置けませんね」
「……さっきといい、最近ショーン副長に似てきたんじゃないのか」
微笑みながら言うレフィーナにキョウスケは心底呆れた顔をした。
「フフ…そうですか?とにかく何の御用でしょう」
「分かっているだろう、オペレーションSRSの確認についてだ」
「そうだと思いましたけど。どうですか、彼女たちは?」
急に真面目な顔になりレフィーナは聞いた。
オペレーションSRS、三日後行われる地球圏の存亡をかけた作戦の名前である。
「センスはいいものを持っている。機体性能も中々のものだ。
 贅沢を言えばもう少し経験を積ませたかったが時間がないしな。
 まあ、足手まといにはならないだろう」
「厳しいですね。まあ、私たちには人員を選んでいる余裕なんてないんですけど」

78もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 03:54
フィオナと共同で使っている部屋にいたミズホは、
今まで見当たらなかったフィオナが急に入ってきて驚いた。
「フィオナ、一体どこにいたんですか?…もしかして泣いてます?」
フィオナは目をこすり涙をぬぐって、明るい声で答えた。
「ううん、ちょっと艦内を散歩していただけ。なんでもないよ。
 …今日は色々あって疲れちゃったからもう寝るね。おやすみ」
「……おやすみなさい」
ミズホは心配そうにフィオナを見ていたが、
どうしたらいいのかわからなかったのでフィオナがベッドに入るのを見とどけた後
自分もベッドにもぐりこんだ。

ベッドに入ったフィオナだったがレフィーナの話が頭から離れず眠れずにいた。
枕を抱きしめながら、明日どんな顔で皆に会えばいいか考えたが全く思いつかない。
自分は何をするべきなのか、何ができるのか。そんなことが頭の中を回る。
その日、フィオナは結局ほとんど眠ることができなかった。

79もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 03:55
「…オナ…フィオナ!」
心ここにあらずといった感じでエクサランスのコクピットで整備をしていたフィオナは
同様に整備していたラウルからの通信にやっと気が付いた。
「え…何?」
「何?じゃないよ。ラージがさっきから呼んでるぜ」
下を見ると確かにラージがエクサランスの足元でこちらの方を見上げている。
「ホントだ…ごめんラージ!どうしたの?」
「時流エンジンのチェックをしますから出力を50%まで上げてください!」
少し苛立っているようなラージの声を聞き、フィオナは慌ててエンジンを起動した。
エンジンの機動音が格納庫の中に響き渡る。
その中でミズホが心配そうな顔でフィオナの方を見つめていた。

ロビーのベンチに座り俯いてまた悩んでいたフィオナだったが、
急に首筋に冷たいものを当てられて驚いた。
「キャ…ラウル!」
ラウルは笑いながら両手に持っていたジュースの入ったカップの片方をフィオナに差し出して
隣に座った。
「今が戦闘中だったらお前は死んでいる…なんてな」
冗談を言って茶化した後、ラウルは神妙な顔をしてフィオナの顔を覗き込んだ。
「一体どうしたんだ?今朝からおかしいぞ。ミズホも心配していたけど、
 昨日の夜何かあったのか?」
「うん、ちょっと…」
「俺にも言えないようなことなのか?」
「ううん、そうじゃない…実はね…」
フィオナは昨日レフィーナに聞いた話をした。
キョウスケの過去、リュウセイの仲間、この戦いまでに失われていった命。
そして自分たちはこのままでいいのだろうか…

「そっか…そんなことが…」
ラウルはジュースを飲みながら天井を見上げた。
「でもさ…酷な言い方だけど俺たちが悩んでもどうしようもないんじゃないかな。
 全てはこの戦いに勝ってから…だろ?」
「そう…かもね」
少し明るい表情に戻ったフィオナを見てラウルは安心した。
「そうそう、大体フィオナの頭は深く考えることに向いてはいないんだからさ。
 悩んだって意味ないって」
「そうね…ってあんただけには言われたくないわよ!」
「ちょ…フィ、フィオナ…首…き、極まってる…って」
数分後、医務室に青い顔で意識を失ったラウルが運ばれてきた。

80もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 03:55
「…以上がオペレーションSRSの内容だ。質問は?」
オペレーションSRS決行の前日、ブリーフィングルームにパイロットが集められ、
キョウスケから作戦内容の説明があった。
その内容は至極単純なものだった。
まず、PT部隊による敵旗艦ヘルモーズへの攻撃。
それにより人型兵器の陽動。
そこにクロガネの回転鋭角を用いてヘルモーズ内部への突入。
そしてPT部隊も突入し、艦の中枢を破壊というもの。
地球圏存亡を賭けた作戦としてはいささかお粗末で無茶なものとも思えるものだが、
彼我戦力差を考えてもこれが最善の策だ。
そしてその前準備としてレジスタンスは地上での大胆な活動を行い、
帝国監察軍の戦力を地上へと向けさせていたのだ。

「作戦成功確率はどれくらいなのでしょうか?」
リュウセイの隣に座っていた見知らぬ女性が手を上げキョウスケに質問した。
フィオナとラウルは「誰?」と囁きあう。
「…成功確率は9.23%だ。ただしこれが最も高い数値でもある。
 ラトゥーニ少尉以外に質問は無いか?」
その想像していたよりも低い数値を聞き騒々しくなった部屋を見渡し、
キョウスケは先程までより大きな声で言った。
「無いようだな、ではこれで解散する。今日は全員よく休んでおけ」

81もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 03:55
会議が終わった後、ミズホと2人で廊下を歩いていたラウルは、
展望室に入っていくリュウセイを見かけ、つられるように展望室の中に入った。
窓から宇宙を見ていたリュウセイだったがそこに映るラウルたちを見て振り向いた。
「ラウル…何か用か?」
フィオナにはああ言ったものの話しかけづらくなってしまっていたラウルは戸惑った。
「あ、いや、別に用というほどじゃないんですけど」
「すまないな」
「はい?」
急にリュウセイに謝られて何を言っているのかわからず思わず聞き返した。
「危険な作戦に巻き込ませてしまった。
 元はといえば俺たちが5年前に負けてしまったのが今の地球圏の状況の原因だ。
 本当なら俺たちだけでケリをつけるべきなんだろうけど」
「そんなこと気にしてません。自分たちからレジスタンスに参加するのを志願したんですから。
 それに誰もリュウセイさんたちを責めてはいませんよ。
 リュウセイさんたちも大切な人を亡くして今まで苦しんできたんでしょう」
言ってしまった後でしまったとラウルは思ったが
リュウセイは気を悪くした様子も無く、また窓の方を見た。
「ああ、そうだな。だから今度は失くさない。命に代えても…」

「リュウセイ…」
先程ラトゥーニと呼ばれた女性が入ってきた。
ラトゥーニの様子を見て女の勘からか何か閃いたミズホはラウルの腕を引っ張った。
「ほらラウル、エクサランスのチェックをしなくちゃ。明日はガンナーで出撃ですよ」
「え?それは会議前に終わらせたはずじゃ」
「…鈍感。いいから行きますよ」
そのままミズホはラウルを引きずって展望室から出て行った。
「何だ?あいつら」
「…こっちも鈍感」
ミズホの意図が全く理解できなかったリュウセイには小声で呟いたラトゥーニの声も聞こえなかった。
「リュウセイ…さっき命に代えてもって言ってたけど…」
「聞いてたのか…」
「駄目…だからね、死ぬなんて考えたら。そんな事をしたってライ少尉もアヤ大尉も喜ばない…
それに…リュウセイがいなくなったら…私…」
ラトゥーニはそう言って俯いた後、首を振った。
「ううん…リュウセイはアヤ大尉の面倒をずっと見るんでしょう。だから…生きなきゃ」
「…そうだな。生きて帰らなきゃいけないよな」
また窓の外を見て言ったリュウセイを見て、ラトゥーニはぎこちない笑顔を浮かべた。

82もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 03:56
艦長室ではレフィーナとテツヤが向かい合わせで椅子に座っていた。
「よく考えてみれば副長とこうやって2人きりでお酒を飲むのは初めてでしたね」
「自分は酒が全く駄目ですから…」
「これはそんなに度が高くないから大丈夫ですよ」
ワインを2つのグラスに注ぎながらレフィーナは言った。
「本当に副長には感謝しています。副長がいなかったら私の時間は5年前で止まったままでした」
「そんな、艦長がいらしたからこそ我々もここまで戦って来れたんです。
 それに艦長の下について支えていけというのがダイテツ中佐の最後の命令でしたから」
それを聞いてレフィーナは目を伏せた。
「そう…だったんですか…」
「いえ!命令でなくても自分は艦長の下に入る事を望んだだろうし
 …できることなら、これからもずっと艦長を支えていけたら…って何を言っているんだ俺は
 ……ええい!」
急にしどろもどろになったテツヤはグラスのワインを一気に飲み干し、
真剣な顔でレフィーナを見つめた。
「艦長!この戦いに生き残ることができたら、自分と…」
そう言うテツヤの口に指を沿えレフィーナは止めた。
「副長…私、好きなものは最後まで残しておくタイプなんです。
 だから…それは全てが終わった後聞かせてください。
 ただ…今は…名前で呼んでもらえませんか?」
「艦…レフィーナ…」
そして薄明かりの中で2つの影は重なった。

83もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 03:56
ついにオペレーションSRS決行の日が来た。
ラグランジュポイント5に到達したクロガネの前方に
帝国監察軍旗艦ヘルモーズ、コードネーム・グリーンフラワーが見える。
カタパルトから次々と発進していくPTに続き、フィオナたちが乗るエクサランスも発進した。
「でかい…」
遠くにいても視界のかなりの部分を占めるヘルモーズを見てラウルは呟いた。
クロガネの数倍の大きさはある。
「サイバスターがいれば少しは楽になったかもしれないけどな」
「マサキは…まだラ・ギアスから帰ってきてないから…地上のことは…私たちで何とかしなきゃ」

リュウセイたちの会話を耳にしながらフィオナは不安そうな顔でヘルモーズを見た。
ラウルに言われたことはわかっているのだが
それでもキョウスケが乗るフリッケライガイストを見るとつい悩んでしまう。
そこにキョウスケからフィオナに個人回線で通信が入ってきた。
「フィオナ、この前艦長に聞いた事を忘れろとは言わん。
 だが俺たちの過去はお前たちには関係のないことだ。
 戦闘中に他の事に気をとられると死ぬことになる。今はただ…生き残る事を考えろ」
「キョウスケさん…はい」
部隊の展開が終了すると、ヘルモーズからも敵機が出撃してきた。

全部隊にレフィーナの通信が入る。
「こちらクロガネ…全機へ、聞こえますか。
 今まで…多くの同胞たちがその命を散らしていきました。
 我々がここまで来れたのも、その屍を礎にした血塗られた階段を上ってきたからです。
 彼らの想い、彼らの願い、決して無意味なものにしないためにも…
 この戦い、負けることは許されません!
 皆さんの奮戦を期待します!!」

84アクセルs:2003/11/10(月) 03:58
幼女────
汚れ無き未成熟な体に純粋な心を持ちし幼い女の子の事である。

そんな天使のような幼女に黒い魔の手が忍び寄っていた!
そいつらは、全ての幼女を大人にしてしまおうとする
     悪の組織《アンチロリータ》
幼女達は抵抗も空しく次々と奴らの手によって大人にされていった
しかし!そんな時に何処からかそいつは現れた!
全身が真っ赤なパワードスーツを着て
額にチャームポイントの真っ赤な1本の角を付け
端ら辺に○の中に《幼》の字のある真っ赤な布を首に巻き
そして、目の部分は唯一赤くない黒いサングラスを付け
そいつはやって来た!!そいつの名は・・・・
     幼女大佐ロリッシャー!!!!!

《幼女の味方》

?「突然だが諸君、君達は幼女が好きかね?
私は幼女が好きだ!嫌、大好きだ!!
あの汚れ無き未成熟な体を触れるのが好きだ。
白く純粋な穢れの無い心を自分色に染めるのは何とも言えない。
しかし!しかしだ!!
こんなに素晴らしい幼女を大人にしてしまうなどと言う
人生の半分を嫌!90%以上を無駄にしている哀れな者達が居る
そいつらの居る組織の名は《アンチロリータ》
まったくもって哀れな者達である・・・幼女の素晴らしさに気付かないとは
本当に哀れだ・・・そこで今回、私は《アンチロリータ》の諸君らに幼女の
素晴らしさを教える為、そして幼女を守る為に立つ上がったのである!!」

シャア「それと、最後になるが自己紹介をしておこう。
私の名前は《シャア=アズナブル》皆は私の事を大佐などと呼ぶ。」
ピキーーーン!
シャア「む?早速幼女のピンチのようだ!
それでは諸君!!また何処かで会える事を祈る!!たぁっ!!!」

85ハマーン:2003/11/10(月) 03:58
『ある日の暖かい午後』

その日はまだ陽が高いうちに仕事を終える事になった。
寡黙に作業を進めるキョウスケは人より仕事のスピードが速い。
普段からこういうわけではないが、時に定時より早く仕事を終えて帰宅する事もある。
「まだ時間はあるか」
今日のエクセレンは非番、この後アルフィミィでも連れて何処か出るかと思っていた。

「ただいま」
いつもならアルフィミィが飛んでやってくるはずなのだが、今日に限って家の中はやけに静かだった。
「時間出来たから皆で何処か行くか…」
リビングにまで来てキョウスケは家の中がやけに静かなわけを知った。
アルフィミィが窓際のソファーの上でぐっすりと昼寝していたのだ。
「まったく…気持ちよさそうに寝てるな。これでは起こせんか」
キョウスケはアルフィミィの側まで行き、軽く彼女の髪を撫でながら呟いた。
「キョウスケ、何してんの?」
キョウスケが視線を上げるとそこにはエクセレンの顔があった。エクセレンの両手には恐らく取り込んだばかりであろう洗濯物。
「キョウスケ〜寝た子に何をしようとしてたのかしら。まさか……」
「別に何もしてないぞ」
「わかってるわよ。だってアルフィミィ…こんな天使のような寝顔だもんね」
エクセレンもアルフィミィの髪を優しく撫で上げる。アルフィミィは相変わらず気持ちよさそうな寝顔をしている。
そしてそれを見守るエクセレン。
「エクセレン………今の顔、お前も天使みたい…だったぞ」
言ってすぐ視線を外に向けるキョウスケ。しばしポカンとした表情のエクセレン。
(慣れない事を言うものではないな)
「キョスケもちゃんと言えるじゃない♪
 じゃあ、この家にはふたりも天使がいるのよねぇ。キョウスケの幸せ者♪」
「そうだな」
(こんな気持ちのいい日は、部屋でごろごろしてるのも悪くないか…)

「ん…」
それから数10分後、アルフィミィがぱちっと目を覚ました。そしてごしごしと目をこする。そして感じる重い感覚がふたつ。
「?」
全く状況の分からないアルフィミィの右側にはキョウスケ、左側にはエクセレンが彼女を挟むように居眠っていた。
「キョウスケ、エクセレン起きるですの。重いですの」
窓からは今も暖かい日差しが3人を優しく照らしていた。

86ハマーン:2003/11/10(月) 03:59
『いつかのメリークリスマス』


 ゆっくりと12月の明かりが灯りはじめ、慌ただしく踊る街を誰もが好きになる。

「キョウスケ、クリスマスって何ですの?」
キョウスケの膝の上でテレビ番組を見ていたアルフィミィが唐突に訪ねた。
 時は12月、世間はクリスマス一色だった。
「クリスマスというのはだなキリストの誕生を祝う日だが、今ではほとんど関係ないな。
 普通にパーティーなんかをしたりするものだ」
「パーティー…楽しそうですの」
「それとねぇ、クリスマスには好きな人にプレゼントをあげたりするのよ」
入浴を終えたエクセレンがガウン姿でリビングへ入ってきてそう付け加えた。
 その後はクリスマスのカップルの過ごし方などの独演会へと続いていった。
「クリスマス、プレゼント……」
相変わらず独演会を続けるエクセレンとそれを無視してテレビを見るキョウスケを尻目に、
アルフィミィの中にひとつの思いがあった。

87ハマーン:2003/11/10(月) 03:59
 それから数日後のナンブ家。
「最近のアルフィミィ…自分の部屋に閉じこもってばかりね」
「ああ、そうだな」
夕食と入浴を終え、普段ならば3人揃っての団欒の時間のはずなのだが、
アルフィミィは入浴を終えると「用事がありますの」とさっさと部屋へと戻っていってしまった。しかもそれが数日続いている。
「ちょっとキョウスケ、様子を見てきてくれない?」
「どうして俺が」
「こういう時は父親の仕事よ。たまには父親らしく振舞いなさいよ」
キョウスケは重い腰を上げるとアルフィミィの部屋へと向かう。
 まさかアインストの…という考えが一瞬脳裏を過ったが、それはないとその考えを振払った。
「アルフィミィ…入るぞ」
ドアをノックして部屋に入ろうとするキョウスケ。ドアには鍵がかけられてあった。
 キョウスケ自身の風習として部屋のドアに鍵をかける事はないのだが、「年頃女の子には見られたくない秘密が多いものよ」と、
エクセレンが鍵をつけさせたのだった。
「キョウスケ!?
 ダメですの。入っちゃダメですの」
わざわざ鍵を開け、少し開いたドアからアルフィミィが顔を覗かせた。ドア越しに初めて見るアルフィミィの部屋は年相応に可愛らしいものだった。
「聞いてるんですの?
 忙しいから出てってほしいですの」
「ああ、すまん」
小さな手と女の子の弱い力で頑張ってキョウスケを押し出すとドアを閉めた。
 キョウスケはとりあえずアインスト関係の心配はないと思いつつも、やれやれという感じでリビングへ戻った。
「で、どうだったの?」
リビングではエクセレンが入浴後にいつも行っている体操の最中だった。
 パジャマを着てするのではなく、いつも素肌の上にガウンを纏った状態でやっているのだけは、やめて欲しいとキョウスケは言っているのだが、当のエクセレンは聞く耳を持たない。
 以前この時にブリットが訪ねて来た事があって、ちょっとした騒ぎにもなった。
「何も…部屋にすら入れない状態だった」
「おかしいって事は?」
真面目な顔になってエクセレンが聞く。彼女にとってもまだアインストの事が気にかかるのだ。その心配はないだろうとキョウスケが答えると、ようやく安堵の表情を浮かべた。
 キョウスケがソファーに座ると、エクセレンも体操を終えて彼の横に座る。アルフィミィが来てからしばらくなかったふたりだけの時間。彼女の為に酒を入れてやると、グラスを前に差し出した。
「キョウスケ、クリスマスプレゼントって決めた?」
「いや…子供向けのプレゼントなんて思い浮かばんしな」
それでもふたりの間の会話はやはりアルフィミィの事になってしまう。
 ふたりの間のちゃんとした子供というわけではないが、そういう事が問題ではない。
 アルフィミィが側にいるだけでより人に優しく出来る、穏やかな気持ちになる。
 そして何より大切にしたいと思える気持ち。そういうのが大事だという事。
「お前は決まったのか?」
「もっちろん。準備はもう整ってるわよ。
 キョウスケは決まってないだろうと思って、ちゃんとキョウスケの事も考えてあるわよ♪」
その時のエクセレンの表情は小悪魔的なちょっと悪戯心を匂わせる微笑みを浮かべていた。

88ハマーン:2003/11/10(月) 03:59
 12月24日。クリスマスイヴ。
 この日はふたりとも通常勤務で、夕方になるまで仕事をする事になっていた。その辺はクリスマスだからというのとは関係ないものである。
 夕方、作業を終えるとエクセレンとキョウスケは近くのショッピングモールへと向かう。キョウスケからアルフィミィへのプレゼントを買うためだ。
 結局あの日エクセレンはキョウスケに何を買わせるかというのを教えずに、「私に任せといて」と言うだけだった。
 キョウスケは嫌な予感がするとは思いながらも、ひとりでは考え付くことなどできないと腹を括っていた。
「キョウスケは、これを買ってプレゼントするのよ♪」
「こ…これをか? 分の悪い賭けだな……」

 ちょっと遅くなってふたりは家へと戻ってきた。部屋の中は電気はついているものの、やはりアルフィミィは自室で閉じこもっているようだった。
「ただいまぁ、アルフィミィ。これからパーティやるわよ〜♪」
荷物を抱えてエクセレンがキッチンへと向かった。その後を例のプレゼントを抱えたキョウスケが気配を察知されないようにリビングへと移動していた。
 もう夜も遅いのでこれから料理をするわけではなく、あらかじめ買っておいたものなどを調理するくらいだから短時間で準備はできあがる。
「キョウスケ、準備できたわよね? アルフィミィ呼んできてくれない?
 来ない…とは思わないけど、一応ね」
リビングの方でパーティーの準備を終えたキョウスケは、アルフィミィの部屋へと向かう。
 思えばあれからあまり顔を合わせていない。顔を合わせるのは食事の時間くらいだけだろうか。エクセレンは一緒に入浴してるから、
その分だけは若干会う時間は多いのだが、それでも大差はない。
「アルフィミィ、パーティーの準備ができたぞ」
「もうちょっとですの。もうちょっとしたら行きますの」
ドアをノックしてドア越しに伝えたキョウスケの言葉に応えた。キョウスケは「分かった、待っているぞ」とだけ言い残してリビングへ戻る。
 既にそこには多くの料理が並べられていて、飾り付けが華やかだった。
 キョウスケの話を聞いたエクセレンは、ふたりのグラスにはシャンパン、アルフィミィのグラスにはジュースを入れて待つ事にした。
 アルフィミィの部屋のドアが開く音を聞くと部屋の明かりを消し、キョウスケがケーキのロウソクに火をつけた。
「わ…暗いですの」
リビングの暗さにアルフィミィが驚いた表情で言葉を紡いだ。
「Merry X'mas. アルフィミィ♪」
「メリークリスマス、アルフィミィ」
そのアルフィミィをエクセレンとキョウスケがクリスマスを祝う挨拶で迎えた。とてとてとアルフィミィがふたりの側まで来る。
「ほらアルフィミィ、ケーキのロウソクの火を消して」
「はいですの♪」
エクセレンに促されるままにアルフィミィがふ〜っと息を吐いてロウソクの火を消した。
(誕生日じゃないんだがな)
ついそんな事を思ってしまったキョウスケだが、それも野暮な事か…とそう思うのをやめにした。

89ハマーン:2003/11/10(月) 04:00
「じゃあ、これからプレゼント交換ね」
親子3人のパーティーもそろそろ終わりを迎えようとしていた。
 アルフィミィも楽しそうな顔をしてるし、キョウスケも普段の表情とあまり変わらないような気がするがきっと楽しんでいる。エクセレンにはそう感じる事が出来た。
「まずは私からアルフィミィへ」
包みをアルフィミィへと渡す。開けてみてと言われたアルフィミィがその包装を解くと、中は化粧用の道具箱だった。
「アルフィミィは私と一緒で素がいいし、きっと化粧したら可愛くなるわよ♪」
次はキョウスケの番よ…とウィンクで合図を送るエクセレン。
「次は俺だ。俺からはこれを……」
キョウスケは立ち上がり部屋の隅から大きな物体を運んできた。
「わわ…おっきいですの。くま?」
アルフィミィの前へ移動されたそれは、大きなシロクマのぬいぐるみだった。体長にして1.5Mもある大型のもの。先ほど買ったプレゼントというのはこれの事だった。
 アルフィミィはその大きなぬいぐるみをしばらく抱きしめると、「プレゼント取ってきますの」と部屋へと戻っていった。
 数分後、リビングに戻ってきたアルフィミィの手には何かが握られていた。
「えっとプレゼント…色々考えたけど、なかなか思いつきませんでしたの。
 だから絵を描いてみましたの。私とキョウスケとエクセレン。ずっと一緒ですの。そう思って描きましたの」
アルフィミィの手にあったそれは3人揃った記念写真のような絵だった。上手ではないけれども、アルフィミィの気持ちが十分に伝わってくる、優しい絵だった。
「アルフィミィ…」
「アルフィミィ、ありがとう。私たちはずっと一緒よ」
エクセレンがぎゅっとアルフィミィを抱きしめる。
「キョウスケも、エクセレンも嬉しいですの。クリスマスっていい日ですの」

 いつまでも手を繋いでいられるような気がしていた。何もかもが煌めいて、がむしゃらに夢を追いかけた。
 喜びも悲しみも全てを分かち合う日々が続いていく事。それを思って微笑みあえる、いつかのメリークリスマス。

Fin.

90もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:01
「そこだ!」
迫り来るゼカリアにラウルの乗るエクサランス・ガンナーのガトリングビームガンが命中し
また一つ宇宙に小さな光が灯った。
「ったく、どんだけ倒せばいいんだよ!」
ラウルの叫びに近いぼやきも仕方がない。もう戦闘開始から全体で100機近くは撃墜している。
それでも、初めからわかっていたことだが物量戦では分が悪い。
レジスタンスの味方機もかなりの数が撃墜、もしくは中破で戦艦に戻っており
戦闘している機体は初めの半分近くに減っていた。
「がんばりなさい!あと少しの辛抱よ!」
フィオナの激が飛ぶが、このセリフももう5回目である。
疲労感が漂ってきたところにリュウセイの声が届いた。
「もうそろそろ打ち切りらしいぞ」
確かに今まで次々と出てきた敵の増援がいつの間にか途絶えていた。

「今です!艦首超大型回転衝角始動!」
クロガネの艦首モジュール、超大型回転衝角が回転を始める。
「テスラドライブ最大出力!」
「ロケットエンジンクラスター点火!」
ブリッジの中に声が響く。緊張した顔をしたレフィーナは一度目を伏せた後
前方のヘルモーズを睨み、叫んだ。
「全速前進!クロガネ突撃!!」

91もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:01
「クロガネが動いた!?」
「行けぇぇぇ!!」
ヘルモーズへ向うクロガネを見てフィオナたちは祈るような気持ちで叫んだ。
回転衝角がヘルモーズの装甲を貫く
…かと思われたが、装甲まであと数メートルという所でクロガネは遮られてしまった。
「これは…ホワイトスターと同じ積層式フィールド!?」
テツヤが驚愕に満ちた声をあげる。
艦全体が振動する中このままでは艦体自体がもたないと判断したレフィーナは後退を命じた。
「くっ、エンジン逆噴射!後退します!」

「駄目…だったのか?」
虎の子の作戦が失敗したのを見てレジスタンスの誰もが諦めと絶望の言葉を漏らす。
その隙を突いてヘルモーズの艦首がレジスタンスの部隊の方へ向いた。
「敵艦艦首に高エネルギー反応!」
「!?Eフィールド出力全開!PT部隊は射線上から避難してください!」
ヘルモーズのレギオン・バスターが閃光と轟音を携え放たれた。
「ち、ちょっと待った!」
PT部隊が四散する中、ラウルが反応が遅れ取り残されてしまった。
「ラウルーー!!」
フィオナの悲痛な声が周囲に響いた。

92もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:01
レギオン・バスターの閃光が収まり、宇宙に静寂が戻った。
「ラウル!大丈夫なの!?ラウル!!」
「大丈夫だ…キョウスケさん!?」
取り乱した声を上げるフィオナにラウルは返事しようとしたが、前の光景を見て驚いた。
エクサランス・ガンナーの前方にフリッケライ・ガイストが立っていた。
フリッケライ・ガイストが盾となったためラウルは助かったらしい。
「騒ぐな、まだ動ける」
どうやら無事らしいキョウスケの声にラウルたちは安心したが
最悪の状況は今だ変わっていない。
「各機、クロガネに戻ってください。一旦離脱します!」
「駄目だ」
レフィーナの後退命令が下ったが即座にキョウスケは拒否した。
「このまま後退してもまた敵の戦力を集中させるだけだ。
 勝てるチャンスは今しかない」
「しかし大尉、あの積層式フィールドがある限りこのままでも勝ち目は…」
「まだ…打てる手はある」
キョウスケはそう言うが八方塞がりのこの状況で
そんな物があるとはレフィーナには思えなかった。

「フリッケライのステークにはフィールド貫通機能がある。
 全エネルギーをそれとブーストにまわせば艦体まで届くはずだ。
 そこに回転衝角で突撃すればクロガネでいける」
「ふざけるな、キョウスケ!そんな事をしたら…」
リュウセイが大きな声を上げる。
確かにフリッケライガイストを点としフィールドにぶつければ
艦体に到達する可能性はわずかながらにあるかもしれない。しかしその数値はかなり低い。
しかも、例えそれが成功したとしてもフリッケライガイストは確実に回転衝角に巻き込まれる。
脱出も不可能だ。
「そうです!ここで大尉を失うわけには…っ!?」
キョウスケの提案を聞き入れることができないと判断したレフィーナだったが、
モニターに映るキョウスケの顔を見て言葉を失った。
キョウスケの目からはすでに光を失われている。誰が見ても明らかだった。
「大尉…」
「さっきのビーム自体はバリアーで何とか防げたが…光にやられた。
 もうまともに戦うことはできん。だが方角と距離さえわかればステークをぶつけることくらいはできる。
 …早く判断しろ。時間はないはずだ」
ラウルが弱々しい声を上げる。それも仕方がない、自分のミスが原因なのだ。
「俺が勝手にやったことだ。気にするな」
そんなラウルに対するキョウスケの声の中には
いつものぶっきらぼうな様子だけでなく少しだけ優しさが感じられた。

93もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:02
レフィーナは迷った。
5年前、多くの部下を失っておきながら自分はダイテツとショーンの計らいで生き延びてしまった。
ここでもまた犠牲にしなければ、同じ過ちを繰り返さねばならないのか…
「艦周辺に重力震反応!」
そんな思考もオペレーターであるユンの声に遮られた。
クロガネの周りを囲むように敵機が現れる。打ち止めかと思われたがまだ戦力が残っていたらしい。
「副長……キョウスケ大尉に敵艦座標の伝達を」
「艦長!?」
「これ以上の被害を被るわけにはいきません!」
テツヤはまだ何か言おうと口を開いたがレフィーナの頬を流れる涙を見て歯を食いしばった。
「大尉…敵艦は現在のフリッケライの位置から2時の方角、距離300だ…」
「了解」

「何で…何で皆止めないんですか!?死ぬことなんてないですよ!」
「フィオナ、それくらいにしろ」
他の者の反応が信じられないようにわめくフィオナをリュウセイが止めた。
「リュウセイさん…だって…」
「これは戦争なんだ!絶対に…負けられない戦争なんだよ!」
リュウセイの叫びに思わずフィオナはひるんだ。
誰も納得などしていない。しかしこれは戦争、誰かが死ぬというのは当たり前の事。
改めて自分は戦場に立っているということを知った。
「リュウセイ、後の戦闘指揮は頼んだ」
「ああ……」
「キョウスケさん!俺…」
ヘルモーズの方へ向いたキョウスケに向けてラウルは言葉をかけようとしたが
何を言えばいいのかわからず言葉が続かなかった。
「…お前たちは俺のようになるな。守りたいものは決して諦めずに最後まで守り通せ。
 お前たちには何もしてやれかったが…最後の命令だ」
その通信の後、フリッケライガイストはヘルモーズに向けて突撃した。

94もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:02
フリッケライガイストの右腕とフィールドがぶつかり合い。じわじわとステークが押し込まれる。
しかしフィールドの斥力もかなり強く、激しい振動がコックピットにも伝わってくる。
「さすがに…この賭けは分が悪すぎたか…」
精一杯の力で機体を押さえながらキョウスケはひとりごちた。
しかしその顔は警報が鳴り響くコックピットの中にふさわしいものではない。
キョウスケはわずかに笑みを浮かべていた。
左腕が吹き飛びながらもその表情を崩すことはしない。
「エクセレン…もうすぐ…お前の所に行けそうだ」

「キョウスケ…」

「!?…幻聴…か。フッ、思っていたほど悪い者でははないな。…最後だ!いけっ!フリッケライ!!」

95もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:02
ついにステークが艦体に辿りついた。同時にフリッケライガイストは機体の限界を超え、爆発を起こした。
「クロガネ、突撃!!」
そこにクロガネの回転衝角が突き刺さる。キョウスケが命を賭してフィールドに穴を開けたため、
一度目よりは進めているが、それでも抵抗はまだかなり強い。
「このままでは艦体がもちません!」
「諦めてはいけません!このチャンスだけは決して無駄にはできないんです!」
レフィーナの必死な言葉の直後、回転衝角がフィールドを突破した。艦体とぶつかり合い火花を散らせる。
そして数秒後、クロガネは艦体を突き破り、中へ突入した。
「今だ!PT部隊、突入!」
それまでクロガネの護衛をしていたPT部隊にリュウセイの指示が伝わる。
次々と残っていたPTがクロガネが空けた穴へ入っていった。

「リュウセイ中尉、敵艦内への全機突入確認しました」
「了解」
やっと突入したヘルモーズの中でユンからの報告を聞きリュウセイは返事を返した。
しかし、本来この報告を聞くはずだった男はもういない。
「キョウスケ…クッ、ちっくしょおおおおおお!!!」
静かな艦内にリュウセイの慟哭だけが響き渡った。

96もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:03
「艦体の被害はどのくらいですか?」
ひとしきり涙を流したレフィーナがテツヤに現状を聞いた。
いつまでも悲しんでいるわけにはいかない。まだ作戦は全て終了したわけではないのだ。
「艦首回転衝角はもう使い物になりません。
 また動力部にも被害があり通常航行は問題ありませんが、戦闘は不可能です」
かなり無理をして突入したのだ。この程度の被害で済んだことはむしろ幸運とも言えるだろう。
「わかりました、それでは本艦はここで待機します。
 PT部隊は二つに分け、一つは本艦の護衛、もう一つはリュウセイ中尉の指示に従って
 敵艦中枢部を破壊してください」
「了解…うっ!?」
レフィーナの指示を聞き自分が連れて行く人員を選ぼうとしたリュウセイは
頭の中に火花が散るような感覚を感じた。
この感覚は忘れもしない。5年前L5戦役のときに感じたものと同じ物だ。
「艦長…どうやらその必要はなさそうだぜ」
「えっ?」
レフィーナの疑問の声と同時にユンは周囲に起こった異常に気が付いた。
「重力震反応!大型機動兵器サイズの物体が転送されてきます!」

クロガネの前方に紫に輝く機動兵器が空間転移をしてきた。
今までに出現した帝国監察軍の機体とは雰囲気から違うそれを見てフィオナは思わず唾を飲んだ。
「こいつは…」
「ズフィルード…帝国監察軍の切り札。5年前もあと少しまで追い詰めたところでこれが出てきたわ。
 そしてこの一体のために私たちは全滅した…」
「そんなに強いんですか!?」
ラトゥーニの説明にラウルは動揺し、声を上げる。現在のレジスタンスの戦力は
5年前のそれと比べればやはり見劣りしてしまう。
それを全滅させたような化け物を相手に勝てるのだろうか…不安に思うのも無理はない。
「逆を言えば、こいつさえ倒せば後は雑魚だ。
 それにこのグリーンフラワーの中枢も兼ねているらしい…力の出し惜しみはするなよ」
そう言ってリュウセイが乗るR-1がズフィルードへ向かって突撃した。
他のPTたちも攻撃を開始する。2体のエクサランスもそれに続いた。

97もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:03
最後の戦闘が始まった。
レジスタンスたちは全力の攻撃を仕掛けるが
念動フィールドに遮られ、ズフィルード本体にまで届かない。
「フェアリーも効かない!?」
「単発の攻撃じゃフィールドを破るのは無理だ!複数の攻撃を同時に叩き込め!!」
リュウセイの指示を聞き、ラウルはフィオナに通信を入れた。
「聞いたかフィオナ!俺のプラズマカノンにフェアリーを合わせてくれ!」
「わかったわ!タイミングはそっちに合わせる!」
ガンナーのロングレンジプラズマカノンとコスモドライバーのフェアリーが同時に火を噴く。
さしものフィールドもこの一点攻撃には耐えられず、ズフィルードは直撃を受け体勢を崩した。
「いける!」
倒せない相手ではない。
希望が見えたことによりレジスタンスの攻撃も一層激しいものになる。
しかしズフィルードは大した被害もない様子で体勢を立て直し、先程攻撃を加えた相手、
コスモドライバーに攻撃目標を絞り、オメガウェーブを放った。
「くっ、避けきれない!?きゃあああ!」
直撃だけは避けたがその高威力にコスモドライバーは跳ね飛ばされ壁に叩きつけられた。

「大丈夫か、フィオナ!?フィオナ!!」
ラウルの声にも反応しない。壁に衝突した際に気絶してしまっていた。
動けないコスモドライバーに対し止めを刺そうとズフィルードは狙いを定める。
「させるかよ!」
何とか狙いを外させようとリュウセイたちは猛攻をかけるがものともしていない。
エネルギーの光が集まり攻撃が放たれるかと思われた時
ヘルモーズ全体が揺れだした。
「何!?地震…なんてわけはないし…」
「艦長、新たな重力震反応が!」
まだ何者かが出てくるのか。レジスタンス内に緊張が走ると
ズフィルードのそばで光が集まってきた。
集まった光が球体状になるとその中から漆黒の人型機動兵器が現れた。
「何だ、こいつは…」
その姿を見て思わずラウルは呟いた。

98もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:05
「ここは…?破壊神は…いないようだな」
新しく現れた機体から発せられた男の声を聞きリュウセイは思わず声を上げた。
「この声…イングラム教官!?生きていたのか!!?」
「R-1…それにその声はリュウセイか…どうやらまた違う世界に来てしまったようだな」
イングラムと呼ばれた青年は周囲を見渡し意味不明の言葉を言った。
「どういうことだ?」
「こちらの話だ。戦闘中なのだろう?手を貸す」
「!?…また、裏切るつもりじゃないだろうな」
リュウセイの疑いの言葉も当然かもしれない。
この男には一度手痛い裏切りを受けているのだ。
「そう思うのなら後ろから俺を撃っても構わん」
そう言ってイングラムの機体は背面の翼を開き戦闘態勢に入った。
その姿はさながら美しい堕天使のように見えた。

「ラウル、コスモドライバーを連れて一旦クロガネに戻れ」
「そんな!俺はまだいけます!」
受けた命令が納得いかないように言うラウルに対してリュウセイは落ち着いた声で返した。
「フィオナをそのままにしておくつもりか?それにもう戦うなといっているわけじゃない。
 簡単な修理を終えたらすぐ戻ってこい」
ラウルは一度コスモドライバーが倒れている方を見た。
「…わかりました」

99もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:05
格納庫へと運び込まれたエクサランスにラージとミズホが駆け寄る。
「ミズホさんは先にガンナーの修理へ。僕はフィオナを起こしてエンジンをチェックします」
「はいっ」
外側から手動でコックピットハッチを空けたラージは
ぐったりと気絶しているフィオナからヘルメットを外した。
一応外傷は見当たらないことに安心すると、頬を叩いて起こそうとした。
しかしフィオナはうめくだけで起きる気配はない。
起こすことを諦め、一旦外へ運び出そうとするがベルトをうまく外せず愚痴をこぼした。
「まったく、誰ですか。こんなにきついベルトにしたのは…」

「くしゅん…あ、ごめんなさい」
「それはいいから早く修理を終わらせてくれ!」
コックピットに入り込みフレームのチェックをしているミズホにラウルは叫んだ。
まだ外で戦っているリュウセイたちが心配なのだろう。
「フレームに異常はありませんね。修理は必要ありませんけど…
 っ!口の中を切ってるじゃないですか!」
口を拭ってみると確かに手の甲に血がついている。
興奮状態にあった戦闘中は気付かなかったが今になって鉄の味が広がった。
「こんなの大したことない!早く戻らないと…
 もう…人が死ぬのに何もできないなんて嫌だ!」
血をパイロットスーツに擦り付けながら取り乱したように叫ぶ。
結果的に自分のミスによってキョウスケを死なせてしまったショックを思い出したようだ。
「落ち着いてください!そんなんじゃ戻ったって何もできませんよ!
 …お願いだから…落ち着いて…」
自分の肩を掴み涙を流し始めたミズホを見てラウルは少し落ち着いてきた。
「わかったよ…ごめん、ミズホ」
「いえ私こそ…手当てをしますからヘルメットを脱いでください」

100もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:05
ラウルたちが格納庫に戻っている間も戦闘は続いていた。
驚くことにイングラムの乗る機体は一体だけでもズフィルードと互角に戦える力を持っていた。
むしろリュウセイとのコンビネーションによって押してさえいる。
だが他のレジスタンスは近づくことすらできず後方からの援護に専念するしかできない。
(イングラムの機体…何なんだ?地球やエアロゲイターだけじゃない。
 見たこともない技術が使われている?)
「リュウセイ!一気に決めるぞ!」
黒い機体が打ち出した遠隔機動兵器の攻撃を受けよろめくズフィルードを見て
イングラムはリュウセイへ叫んだ。
「ああ!!」

「時の流れを垣間見よ…」
イングラムの機体が右腕をかざし、光の球体が集まる。

「トロニウムエンジンフルドライブ!念動集中ぅ!」
R-1の右手にエネルギーが集まり光を発する。

「インフィニティ・シリンダー!!」
「T-LINKナッコォォォ!!」

イングラムが放った光の球体が命中しズフィルードが吹き飛ぶ。
そこにR-1の拳が胸部を貫いた。
数秒の沈黙の後、閃光を放ちズフィルードは爆発した。
「俺たち…勝った…のか」
リュウセイの呟きの後、レジスタンス全体から歓声が巻き起こる。
「…そうだ、イングラム!…いない。どこに行ったんだ…」
見渡しても先程までいた黒い機体の影もない。
「イングラム…お前は一体…」

101もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:05
格納庫の中ではラウルたちが外からの歓声を聞いていた。
「終わったみたいですね。
 結局、私たちは力になれたんでしょうか」
「いいさ、そんなことは。皆生きてる…それだけで十分だよ」
「…そうですね。ラウル、お疲れ様」
格納庫へ戻ってくる味方機を見て、戦闘が終わったことを確信し安心して微笑みあう。
しかし、その安らかな雰囲気も突然起こった爆発によって崩された。
予定外の攻撃にブリッジにも再び緊張が走る。
「何が起こったんですか!?」
「艦尾部に攻撃が命中!どこからの攻撃かは不明です!」

「私はデュミナス…」
ラウルはこの聞いた覚えのある声に反応した。
「この声は!?ミズホ、降りろ!もう一度出る!」
「えっ、駄目です。まだ手当てが…」
「そんな時間は…くっ、しっかりつかまってろ!」
1秒でも惜しいかのように慌てたラウルはミズホを乗せたままハッチを閉じ、クロガネを飛び出した。
「ラウル!?待ちなさい!」
ラージはその様子を見て呼び止めたが間に合わない。
まだ気絶しているフィオナを見て舌打ちすると、コスモドライバーを操縦しラウルを追いかけた。
ラウル、フィオナには及ばないがラージにも一応操縦の心得はある。
しかしコスモドライバーはまだ修理を終えていないこともあってふらふらとよろけながら進んだ。

102もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:06
「ラウル、いきなり飛び出してどうしたんですか?」
「あいつだ…月の工場で機械を暴走させた奴がいるんだよ!」
「何ですって…」
ラウルの言葉にラージが驚いているとクロガネの後方から見たこともない機体が現れた。
いや、どこか生物的なフォルムを持つそれは機体と呼べるのかもわからない。
「私はデュミナス…過ちを起こさせる者」
再び言葉を発したデュミナスと名乗るそれがまたクロガネに攻撃を仕掛けた。
「させるかぁ!」
ガンナーはデュミナスへ向って攻撃を仕掛けるがデュミナスはその攻撃をものともせず
攻撃をガンナーへと向けた。
「うわっ!」
その攻撃に耐えきれずガンナーが倒れる。
「ラウル!大丈夫ですか!?」
コスモドライバーがふらつきながらもガンナーに近寄る。
ミズホはコックピットのモニター見て驚きの声を上げた。
「フレーム損傷率80%を突破!?たった一撃で…」

そんなエクサランスたちを見てレフィーナは即座に命令を下した。
「このままでは…PT部隊出撃!」
「駄目です。先程の攻撃でカタパルト部分が大破!出撃できません!」
テツヤの言葉を聞き思わず絶望の表情を浮かべる。
「そんな…」
そこにまた大きな振動が起こった。
「動力部に被弾!…爆発します!」
「くっ、総員退避!
 …ダイテツ中佐、ショーン少佐…申し訳ありま…」

「クロガネが!」
ラウルは振り返り、攻撃を受け爆発するクロガネを見た。
その爆発に巻き込まれるかと思ったその時、奇妙な光が2体のエクサランスを包んだ。
「これは…!時流エンジンの出力が上がっている!?
 120%…150%…馬鹿な!?」
ラージが上げた驚きの声を聞いた直後、すさまじい衝撃が機体を襲った。
「うわああああ!!」
「きゃああああ!!」
3人の意識はそこで途絶えた。
そしてL5宙域の大部分を巻き込んだ大きな爆発が収まった後、そこには何も残ってはいなかった。

103もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:06
後に4人は知ることになる。

5年前のL5戦役の実情、

突如襲いかかってきたデュミナスの正体、

そしてこの戦いは序章に過ぎなかったということを。

しかしそれはまだ先の話である…

104ハマーン」:2003/11/10(月) 04:07
『とある元旦のギアナ高地の風景』

マスター「新年明けましておめでとうぞ、ドモン」
ドモン 「明けましておめでとうございます、師匠」
マスター「うむ、こういう時は臥薪嘗胆というものぞ」

そこでプチっと切れますドモン=カッシュ。

ドモン 「東方不敗! あんたは間違っている!!」
マスター「なにィ!?」
ドモン 「なぜならば、あんたが言おうとした言葉な中国の故事熟語。いわば新年の挨拶とは無関係!!
     新年の挨拶を間違えるなど、愚の骨頂!!」

師匠は応じます。

マスター「ならばワシが正しいかお前が正しいか、決着を着けてくれるわ!」

師匠、聞く耳持ちません。新春からこの師弟はこんな感じでありましたとさ。
ちなみに臥薪嘗胆と謹賀新年を間違えたという事で、ひとつ。

105アクセルs:2003/11/10(月) 04:08
このあらすじは、「スパロボクエスト」の仮のあらすじです。
変更するかもしれません・・・

あらすじ
第一章「影のヒロイン」←改名「影の薄い幼女」
王様に呼ばれるエリスは、王より最近、子供(幼女)が誘拐されている事件を
調べ出来るならその首謀者を倒すように命じられる。
第二章「ショボ兄貴の冒険」
ある城の話。城の皆から兄貴と呼ばれる生物学上男の戸籍上女なふたなり娘(?)
は、城の外に出たくて仕方がない困った姫(?)。自室の壁を壊して脱走する事
は星の数ほどそのたびにシーブックとアクセルに連れ戻されました。
そんなある時、城(町?)の外に脱出に成功した姫はそのまま旅にでようとすると
シーブックとアクセルが城から来ましたが、連れ戻さずに付いて行くとの事・・・
シーブックとアクセルと共に旅に出て・・・(長い)
第三章「夜逃げ屋シュウ」
ある町にシュウという男がいた。この男、借金地獄な日々を過ごしている。
実はそんな生活から逃げ出す計画を練っていた!
そう・・・夜逃げをしようと考えていたのだ!借金取りからシュウは逃げれるのか!?
第四章「萌えキャラスレの痴女姉妹」
レビとルリの姉妹はある人物を探す放浪の旅に出たのであった。
ある人物とは、ミスマル=ユリカとヴァルシオーネの2人である。
自分達の想い人が惚れている二人を亡き者にして、悲しんでいる想い人を
慰めてゲットしゴールイン!・・・何て考えていたりする・・・
第五章「導かれしショボ達」
主人公・・バーンは村の皆からションゲと呼ばれる男。
ある時村に魔物が襲撃して来た!村の者達はションゲを護る為に戦うつもりだ!
ションゲはドモンビーによって地下倉庫に連れて行かれそこで衝撃の事実を言われる。
なんとションゲはショボ勇者である事を教えられる。
驚愕の事実に驚くションゲを隠すと扉を隠し戦いに赴くドモンビー!
外が静かになったのに気付き外に出たションゲは荒れ果てた村を見る。
そして・・・池の近くにドモンビーが愛用していたエロ本が・・・
そこで一言
「ドモンビー・・・前から思ってたけどやっぱり男だったのか・・・・」
こうしてションゲは魔王を倒す事を胸に誓いながら旅立つのであった・・・・
・・・その行く先で・・・多くの「導かれしショボ」に会いながら・・・・・

106デスピニス:2003/11/10(月) 04:09
…エリスさんがライアン役なら、ホイミン役はブルホーンですか?
四章の主役がレビさんルリさんということは、飛影さんは殺されてるの?

107アクセルs:2003/11/10(月) 04:10
ホイミン役は・・・・決まっていない。
ホイミンから人になるからな〜
飛影は殺されていません・・・何せ動機がまったく違うから(w

ホイミン役・・・誰が良いでしょう?

108アクセルs:2003/11/10(月) 04:11
ホイミンはアルフィミィにします。
人間になって欲しいからね・・・
パノンはヒイロだ!
寒いギャグは彼の専門だからな!!
問題はドランだ・・・
誰にしよう?

109もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:12
「うう…うん?ここは…」
ラウルが目を覚ますと、そこは自分が気絶するまでいた場所、
エクサランスのコックピットとは似ても似つかぬ光景が広がった。
医療機械器具とベッドが並んだ殺風景な部屋、どこかの医務室らしい。
「ラウル!気が付いたんですか!?」
おそらくずっと看病してくれていたのだろう、
ミズホが今にも泣き出しそうな顔でこちらを覗き込んできた。
「ミズホ…そうだ!デュミナスは…クロガネはどうなったんだ!?」
少しでも動くたびに体中が悲鳴を上げたが、何とか上体を起こし詰め寄ると、
ミズホは何か言い辛そうに目を伏せた。
「その…ラウル、落ち着いて聞いてください」
「おっ、気が付いたみたいだな」
そう言って医務室に入ってきた少年を見てラウルは驚きの声を上げた。

「リ、リュウセイさん!よかった…無事だったんですね」
ラウルの言葉を聞いたリュウセイは困ったような顔をして頬を掻いた。
「ん?あんたもか…悪いんだけどさ。どこで会ったっけ?ちょっと覚えていないんだよな。」
「え…?」
よく見てみると目の前にいるリュウセイは自分の知っている人物と比べて
少年らしさが抜け切れておらず自分と変わらない年くらいに見える。
すっかり混乱したラウルはミズホを見つめた。
「すみません、まだ気が付いたばかりで記憶が混乱しているみたいです。
 あとで皆さんのところへ挨拶をしに行きますから少し2人にさせてもらえますか」
ミズホがそう言うとリュウセイは気にしていないように笑顔を浮かべた。
「そっか。じゃあ俺はロビーにいるよ。多分皆もそこにいると思うから」
「はい…すみません」
リュウセイが出て行くのを見とどけてすぐ、ラウルは再びミズホに詰め寄った。
「一体どういうことだよ!あの人リュウセイさんだよな?
 俺たちの事を覚えていないって…第一、何であんなに若いんだ!?」
「だから落ち着いてください。…ラウル、今が何年かわかりますか?」
「何年って…新西暦194年だろ」
いくら時流エンジンの研究に忙しく世間知らずだったとしても、それくらいは知っている。
しかしミズホは首を振り、信じられない事を口にした。
「いいえ、ここは新西暦189年。私たちのいた時代より5年前の世界なんです。
 そして…ここは地上にある地球連邦軍極東支部伊豆基地です」
「何…だって…それじゃフィオナとラージは!?一緒にいたんじゃないのか!?」
「それが…発見されたのは私たちだけらしいんです」

110もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:12
地球連邦軍極東支部伊豆基地、その司令室に一人の男が入ってきた。
急に入ってきたために室内にいた者たちの注目を一身に浴びたその男は
その視線も気にしないようなそぶりで敬礼をした。
「イルムガルト・カザハラ中尉、マオ・インダストリー社への出向任務完了し、
只今帰還しました」
敬礼を解いて笑顔を浮かべたイルムを見て初老の男、この伊豆基地に停泊している戦艦
ハガネの艦長であるダイテツが懐かしむような顔をした。
「ご苦労だった、イルム中尉。だがマオ社への出向任務終了はもう少し後の予定だったはずだが?」
「まあそれはこちらにも色々都合があるということで…
 ところで格納庫に知らない機体がいくつかありましたけど、極東支部か開発したんですか?
 マオ社やテスラ研でも新しい機体の開発はまだ本格的に取り掛かれていないというのに」
苦笑いを浮かべ後頭を掻いたイルムは、基地についたとき気になった事を聞き話題を変えた。
「残念ながらあれは我々が所持している機体ではないよ。
 連邦軍に協力したいという人物たちが現れてね。まだどういう扱いにするか決めかねているが
 しばらくここにいてもらう事にしている。おそらく今はロビーに集まっていると思うから
 暇があれば行ってみればどうだい?」
イルムの疑問に伊豆基地の司令官であるレイカーが柔和な表情を浮かべたまま答えた。
ホワイトスター戦役から地球連邦軍の指針として戦力の補充が重要視されている。
そのためいくつかの開発途中だった機体も計画から凍結され、量産機の製造が求められていた。
それはSRX計画を進めていた極東支部も変わりはない。
そのロールアウトされている機体も前大戦の傷が癒えきっているとは言えず
プラスパーツの再調整に手間取っている状況だ。
「そうですか…それじゃ今からロビーに行ってみますよ。
 …そうだ、一つ質問があるんですが、その新人さんって女ですか?」
そんなイルムの言葉を聞き司令室にいた者は皆呆れたような溜息をつき、
同時になぜイルムが予定より早く出向任務を終えたか少し想像がついた。

111もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:12
まだ体の所々が痛むがとりあえずミズホにつれられてラウルは基地内にあるロビーにたどり着いた。
そこにいる者の顔はほとんど見知らぬものばかりだ。
わずかに知っている者もいたが、リュウセイのように自分の記憶の中の姿より少し若い。
「あら、もう起きて大丈夫なの?」
緑色のショートカットの女性がラウルたちに気付き声をかけてきた。
「はい…あなたは?」
恐る恐る聞き返すとその女性は笑顔で答えた。
「あ、ごめんなさい。私はアヤ・コバヤシ大尉。この地球連邦軍極東支部に所属しています」
(アヤ大尉…その名前、どこかで聞いたことが…)
ラウルが記憶の中から何とか思い出そうとしているとリュウセイが話の中に入ってきた。
「それにしてもあんな機体で大気圏突入してよく無事…じゃないな。3日寝込んでたんだから」
「ええ、まあ…」
ミズホから聞いて今までの成り行きは聞いている。
まだにわかに信じられないのだがタイムワープをした後
エクサランスはこの伊豆基地近くの海上に不時着したらしい。
そこで突然現れた事の言い訳として単身で大気圏突入したという事にしていた。

「志願兵だって?仲間が増えて嬉しいことは確かだけど、
 そんなに俺たち困っているように見えるのかなあ。
 まあ、確かに最近はDC残党の件で少し忙しいけどさ…
 ところで、やっぱりラミアとはお互いに知らないんだよな?」
「ラミア…?」
聞き覚えのない名前を聞きラウルは首をかしげるとリュウセイは自分の後方を指差した。
「ああ、あっちに一人で座っている女だよ。お前たちと一緒に不時着してきたんだ。
 本当に知らないのか?」
リュウセイの指し示した方を見ると確かに一人の女性が座り、こちらを見つめていた。
その視線は鋭いもので、むしろ睨んでいると言った方がいいかもしれない。
だが、やはり当たり前の事だが、見覚えのない顔だ。

112もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:13
ラウルはラミアの方へ近づき話しかけてみた。
もしかしたらフィオナたちの事を知っているかもしれない。
「えっと、ラミアさん…ですか」
「呼び捨てで結構でございますですわ」
訛りというにはあまりにおかしいその口調にいきなりラウルは面食らった。
「口癖のようなものでありますですわ。お気になさらないでくださいでございます」
(ちっ、早めにこの言語回路の故障も修理しておかなくてはな…)
ラミアが漏らしてしまったその呟きをラウルは聞く事なく悩んでいた。
はぐれてしまったフィオナたちの事を聞こうにも自分たちがタイムワープしてきた瞬間を目撃され、
その事を他の者に聞かれたりしてはややこしい事になる。
「ラウル…どこを見ているんですか?」
ミズホの妙に低い声に我を取り戻すと目の前にラミアの胸があることに気が付いた。
いつの間にか俯いて考えにふけっていたらしい。
「うわっ、すみません!そんなつもりじゃ…」
しかし当のラミアはそんな2人のやり取りの意味がまったくわからないのか
きょとんとした顔で聞き返してきた。
「何か話があるのではございませんですか?」
「あ、その…そうだ。俺にも敬語は使わなくていいですよ。息苦しいのは苦手ですから」
「そうか、助かる」
「…普通に話す事もできるんですね」
「気にするなといったはずだ。早く話をしてもらおうか。こちらも暇ではない」
苛立ってきたようなラミアの声を聞き慌ててラウルは話をしようと口を開いた。
しかし、それと同時に警報と共に館内放送が響き渡りその声はかき消される事になった。
「百里基地にDCの部隊が出現。当基地に救援要請が来ています!
 ハガネクルーは総員第2種戦闘配置につき、待機してください!」

113もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:13
「な、何だ!?」
「DCの残党だよ!最近多いんだよ、こういうことが」
途端に基地の中が慌ただしくなってきた。
突然の状況の変化にうろたえるラウルは喧騒の中から聞こえてきた「出撃」という言葉を耳にして閃いた。
「ミズホ!エクサランスは動けるか!?」
「え?一応格納庫で修理してはいますけど…まさか!?」
「俺も出る!」
正直なところラウルはまだ今置かれている状況を理解できず混乱していた。
いや、厳密に言えばそれは正しくない。理解はしているのだ。
しかしそれを受け入れることができないでいる。
こういうときは何かに集中すれば落ち着けるかもしれない。その点で戦闘というものは丁度いい。
ミズホが止めるのも聞かずラウルはロビーを飛び出した。

「リュウセイさん!」
勢いよく飛び出したはいいものの、基地の構造がわからず早速立ち往生してしまったラウルだったが
運良くパイロットスーツに着替えたリュウセイを廊下で見つけた。
「ラウル?ロビーで待っといてくれよ。すぐ戻るから」
「俺も…行きます!」
駆け寄ってきたラウルが発した言葉を聞き、リュウセイは顔をしかめた。
「ラウル、これはゲームなんかとは違うんだぞ」
「俺も実戦経験ならあります。遊びのつもりなんかじゃありません」
そう言ったもののリュウセイの難しい表情に変化はない。
だが思わぬところからラウルに助け舟が入ってきた。
「わかったわ、格納庫に案内するからついてきなさい。」
急にかけられた声に驚き、後ろを向くと体に密着したパイロットスーツを着た美女が立っていた。
「ヴィレッタ教官!?」
「彼の実力を見るいい機会でしょう。ダイテツ艦長には私から言っておくわ」
「ならば私も同行してよろしいでございますですか?」
気配も感じなかったのだが、いつの間にかラミアもそばにいた。
またもいきなりで面食らっているラウルとリュウセイを差し置いて一人冷静なヴィレッタが答えた。
「ええ、そうね。あなたも来なさい」
話が自分を除いたところで勝手に進んでいることに納得しない様子のリュウセイだったが
ラウル、ラミアの2人とヴィレッタを交互に見つめ、結局観念した。
「まあ、ヴィレッタ教官がいいって言うなら仕方ないか。
 あとラウル、さっきから言おうと思ってたんだけどよ、俺にも敬語は使わなくていいぜ。
 年はあまり変わらないだろ?」
「あ、はい…じゃなくて、ありがとうリュウセイ」
そう言われたものの、リュウセイに対してはまだ未来での彼の姿のイメージが強く、
受け答えもどうもぎこちなくなってしまう。
しばらくは苦労する予感がした。

114もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:14
基地の地下に停泊しているハガネの格納庫に着いたラウルたちは
他と比べサイズが一回り大きく、存在感のある機体に気が付いた。
「おい、これってグルンガストじゃないか!?」
「何です?他の機体とかなり雰囲気が違うんですけど…」
「超闘士グルンガスト壱式、テスラ・ライヒ研究所が開発したスーパーロボットだ」
この時代の機体についてほとんど知識がないラウルの質問にラミアが答えた。
「よく知っているわね。それに頭部を見たところ、あれは1号機。
 するとパイロットは…」
ヴィレッタの記憶の中にはこのグルンガスト壱式のしかも1号機を愛機にしている人物は一人だけ、
女性を見ればまず口説きから入る、以前は彼女の上司だったリン・マオの恋人の…
「そう!俺ってわけさ」
「イルム中尉!?いつ戻ってきたんだ?」
「ついさっきな。…っとそこの2人が噂の新人さんかい?
 俺はイルムガルト・カザハラ、イルムって呼んでくれていい。ま、よろしく頼むよ」
「あ、はい」
「第2種戦闘配置との命令だったでありますでしょう?
 これ以上話がないなら私は失礼させてもらいますですわ」
急に自分たちに話を振られうろたえるラウルと対照的にラミアは丁寧ながら冷徹に話を止め、
自分が乗ってきた機体、アシュセイヴァーへと踵を返した。

その様子を訝しげに見つめていたイルムは自分に向けられたリュウセイとヴィレッタの視線に気が付いた。
「ん、何だ?」
「いや、イルム中尉があんな美人を口説かないなんておかしいな…って」
「あのな…俺は所構わず女を口説くとでも思っているのか?」
「違っているの?」
ヴィレッタの言葉にイルムはがっくしと肩を落とした。
「まあ、正直自分でも驚いてはいるんだがな。彼女、何か違うんだよな…」
「何かって何だよ?」
「それが分かれば苦労しないさ…」
そんな事を話しているうちに格納庫の床が小さく振動しだした。
「ハガネも発進したみたいね。あなたたちもコックピットで待機しておきなさい」
現在の戦闘指揮官であるヴィレッタの指示でラウルたちはそれぞれの機体に向っていった。

115もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:14
DC、かつてのロボット工学の権威、そしてEOT解析の第一人者であったビアン・ゾルダーク博士を
総帥として、地球連邦に反旗を翻した組織は先のDC戦争において崩壊していた。
しかし、ビアン・ゾルダーク、アードラー・コッホといった反乱の首謀者が死亡したとはいえ、
その構成員全てが消え去ってしまったわけではない。
世界ではそのわずかに残ったDCの残党兵による小規模なテロ活動が問題となっていた。
地球連邦政府はそれに対し徹底抗戦の方針を打ち出し、
非情とも言えるほど元DC兵、またはDCに協力した者たちに対する取締りを強化していた。
しかしその目的は単なる治安維持だけではない。

DCに参加した者が全員、ビアンのように異星人に対抗するためでも
アードラーのように世界征服を目的としたわけではなく、
むしろそうでない者が大部分であった事からわかるように
潜在的に連邦政府に不満を持っているものは多い。
そういった者たちによる反乱を抑えるための「見せしめ」としてである事は
誰の目から見ても明らかであり、
陰でこの連邦政府の行動を「残党狩り」と呼ぶ者もいた。

116もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:15
「全機出撃!」
佐世保基地が視界に入ると同時にダイテツの命令が下り、ラウルたちはハガネを飛び出した。
「はあ…」
「どうしたんです…じゃない、どうしたんだリュウセイ?」
「いや、おまえのエクサランスもラミアのアシュセイヴァーもスーパーロボットじゃないんだよなあ…」
「は?」
リュウセイの言葉の意図が分からず思わず聞き返したところに、通信が割り込んできた。
「まだおまえはそんなくだらない事を言っているのか。
 もうすぐ敵の射程範囲に入るぞ。気を引き締めろ」
「くだらないって何だ、ライ!いつもいつも…お前には男のロマンってものが…」
「だから何度も言わせるな。そんなものは知らん」
「はいはい、2人ともそれくらいにしなさい」
「本当にここは軍隊なのか…?」
SRXチームのやり取りを聞き、小さな声で呟いたラミアの声は誰の耳にも届かなかった。
ラウルの方はと言えば未来の雰囲気とのあまりのギャップに苦笑いを浮かべるしかない。
しかしどこか心地良い雰囲気ではある。いつの間にか肩の力は抜けていた。
「敵機判別、リオンタイプFが13機。高機動タイプの敵が相手ね。
 リュウセイ少尉とイルム中尉が敵を撹乱しつつ突撃、
 他のものが援護というフォーメーションで行きましょう」
「了解、行くぜ!R-1フライヤーモード!!」
ヴィレッタの指示を聞くと同時にR-ウィングに変形し、勢いよく先行するリュウセイを見て
イルムは口の端を上げた。
「やれやれ、あいつも相変わらずだね。それじゃ俺も遅れないように行きますか」
グルンガストも飛行形態ウィングガストに変形し、R-ウィングを追いかけた。
「教官、リュウセイでよかったのですか?」
R-2のツインマグナライフルを放ちながら、ライがヴィレッタに問いかける。
その問いにアヤがヴィレッタの代わりに答えた。
「あの子も前の戦争で十分成長しているわ。心配しなくても大丈夫よ」
「別に俺は心配などしていませんが…」

117もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:16
数十分後、戦闘は大した問題もなく終わろうとしていた。
敵機の数は少なくなかったが、万全の状態でないとは言え
前大戦を勝ち抜いたSRXチームたちにとっては大した問題ではない。
また新たに加わったラウルとラミアの実力が想定していたより高かったのもその理由の一つだ。
「へえ…結構やるじゃないか、ラウル」
「それほどでも…!?危ない!アヤ大尉!」
リオンを撃墜し、振り向いてリュウセイに返事をしたラウルが見たのは
援護のため後方に回っているR-3を狙いレールガンを構える敵機の姿だった。
「えっ?きゃああ!!」
援護も間に合わずレールガンから放たれた弾丸がR-3の背部に命中し、倒れこむ。
止めを刺そうと再度構えるリオンだったがウィングガストの突撃、スパイラルアタックを受け
その銃口から弾丸が発射されることはなかった。
「あ、ありがとうございます、イルム中尉」
「いいさ、気にすんな…」
口をつぐんだイルムの視線の先には、淡々と最後に残った敵機を撃ち落した
ラミアのアシュセイヴァーがあった。本人は気付いていないがその視線は
味方を見るものにしては少々険しいものになっている
「何か?」
「……別に」
その視線に気付いたラミアの問いにイルムは肩をすくめてぶっきらぼうに答えた。

「全敵機の沈黙を確認。ハガネに戻るわよ」
「敵兵の捕獲はしなくてよろしいのですか?」
「それは百里基地の方に任せましょう。彼らだって無能ではないわ」
聞き方によっては無責任とも取れそうな指示を出したヴィレッタに続き
他の機体もハガネへ帰艦していく。
ラウルはその最後尾でゆっくりと進んでいた。
(本当にここは過去の世界なのか…だとするとあの人たちはもうすぐ…)
「どうすりゃ…いいんだ…」
苦しげに漏れたその言葉に、答える者はどこにもいなかった

118もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:17
「……え?」
フィオナは目の前のモニターに映し出されている景色に呆然となった。
どこまでも広がる暗闇、そしてその中にいくつか小さく灯る星々。
どこをどう見てもそこは宇宙空間だった。
「えっと…確か私たち、グリーンフラワーの中に突入して…そこでズフィルードって奴と…」
戦闘の途中で気絶し、戦線離脱したフィオナにはなぜ自分がこんなところにいるのか
まったく見当もつかない。
頭を抱えて俯いたフィオナの目に、自分の腰に抱きつく形で眠っているラージが入ってきた。
「な、何してんのよ!!」
思わず蹴飛ばしてしまったラージの後頭部はまっすぐ壁に向かい、
鈍い音が狭いコックピットの中に響いた。

「いたた…あ、フィオナ、気が付いたんですか?」
「そんなことより、これは一体どういうことよ!?」
「…宇宙ですね」
「そんな事見りゃわかるわよ!私が聞きたいのはなぜここにいるかってこと!」
指差したモニターを覗きこみ、眼鏡を押し上げながら言ったラージの言葉に
フィオナはつい声を荒げてしまった。
ラージのいつも冷静でマイペースな性格は、とても頼もしく感じることもあるが
こういった場合だと苛立ちを増大させてしまう。
「ええ…フィオナは気絶していたから混乱するのも無理はないですね。
 落ち着いてください。説明しますから」

大まかにこれまでのことの説明を受けたフィオナはショックを隠しきれないようだった。
「そんな…クロガネはデュミナスにやられたっていうの…?」
「おそらく…あの爆発でしたから…なぜ僕たちが無事なのか不思議ですけど」
「じ、じゃあラウルとミズホは!?」
「周囲に彼のエクサランスの反応はありませんね…おや」
勝手にレーダーのコンソールを操作していたラージは何かを見つけた。
「フィオナ、エクサランスを後ろに向けてくれませんか」
「いいけど…えっ、これって…地球?」
振り向いたエクサランスの眼前に広がったのはまぎれもなく青く光る美しい星、地球だった。
「どうやらここは衛星軌道上のようですね。それよりもこれを」
ラージが指差したモニターの部分には身動きせず漂っている人型機動兵器があった。
「もしかしてレジスタンスの機体かも!パイロットは!?」
自分たち以外の生存者の可能性を見つけ、嬉しそうな声を上げたフィオナは
その機体に近づき、接触通信を試みた。

119もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:17
「…うう…レモ…ン」
「よかった、生きてる!聞こえますか?応答してください!」
「ん…ここは…どこだ?」
「地球近くの衛星軌道上ですよ。あなたはレジスタンスですか?」
「レジスタンス?いや違う。俺は……誰だ?」
「え…もしかして…」
「くそっ、思い出せない。記憶喪失ってやつか」
「あ、私はフィオナ・グレーデン。こっちはラージ・モントーヤです。
 …あなたの名前は?何も思い出せませんか?」
せっかく見つけた記憶喪失ということに少し落胆した様子のフィオナだったが
相手を気遣ってか、明るい声で聞いた。
「君がキスしてくれたら思い出すかもな」
「え?キ、キス?」
「それならお安い御用ですよ。さあフィオナ、あちらのコックピットに…」
「何言ってるのよ!冗談に決まってるでしょう!」
「そうなんですか?」
異常なまでに世間知らずのラージの言うことはどこまで本気なのか判別がつかない。
少し頬を赤くしたフィオナは相手をするのも疲れるだけだと判断して、
記憶喪失という男の方に視線を戻した。
「いや、してくれるんならそれはそれで嬉しいんだが…冗談だよ。
 …自分が誰だかわからないのは本当だけどね」
「…ったく、本当に何もわからないんですか?」
「ああ…いや、ちょっと待ってくれ。
 …アクセル」
「もしかして、それが名前ですか?」
「そう…らしい。他のことはさっぱりだけどな」
少しであるが事態が進んだことで表情がいくらかやわらいだフィオナは次にとるべき行動を考えた。
「それじゃ、いつまでもここにいたってしょうがないし…移動しましょうか」
「そうですね。ここからだと月へ向ったほうがいいでしょう…これは!?フィオナ!」
ラージが何気なく見たレーダーの反応に異変が起こっているのを見つけた。
いつの間にか周囲を小型の機動兵器に囲まれている。
見たことがない機体だが、ところどころに突き出ている突起が
どことなく図鑑で見たことがあるハリネズミという動物を連想させる。
「どう見ても地球のものじゃないわね。帝国監察軍?」
「こんな兵器のデータは見たことありませんが…多分そうでしょうね」
などと話していると、その小型兵器が突然ガトリングを放ってきた。

120もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:17
「燃料チェック…結構消費してるな。
 機体の損傷は…軽微。全然動けそうだな」
「アクセルさん!?」
敵の攻撃を何とかかわしたフィオナは黙々と戦闘準備を始めているアクセルに気が付いた。
「戦うしかないさ。友好的な相手でもなさそうだしな。
 あんたたちは逃げろ!」
「1人じゃ無茶ですよ!記憶だってないのに!」
「大丈夫だ。操作方法は体が覚えているらしい。武器の威力も記憶で変わるわけでもないし、
何とかやれそうな気がするんだな、これが」
「…わかりました」
少し躊躇したが言い争いをしている状況でもない。
覚悟を決めた顔をして振り向きざまに近づいてきた機体にハイコードマグナムを叩きこんだ。
「フィオナ!?逃げろといっているだろう!」
「私だってこんな状況が初めてってわけじゃないですから。
 ラージ!SOSをお願い」
「もうしましたよ」
「さすがね。じゃあ、しっかりつかまっててよ!」
「あんたら…」
コスモドライバーが放った二度目の攻撃を合図にしてか
敵機が一斉に突撃を始めてきた。

121もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:18
「よいしょぉっ!一丁あがり…っと何か近づいてきているみたいだな」
拳を敵機に打ち込み―驚くことにアクセルの機体は現在の兵器にしては珍しく
内蔵兵器を用いず、拳と鋭く尖った肘を武器としていた。
アクセルはこちらに近づく影に気が付いた。
「こちらでも確認しました。戦艦のようですね」
「もしかして…クロガネ!?」
フィオナの淡い機体もむなしく、現れたのは見たこともない赤い戦艦だった。
「あれは…馬鹿な、あれはL5戦役の際に大破したはず…」
ラージの言葉の意味がわからずフィオナが聞き返そうとしたところで通信が入ってきた。
「こちらは地球連邦軍所属、ヒリュウ改艦長のレフィーナ・エンフィールド中佐です。
 SOSを発信したのはあなたたちですね」
「!?レフィーナ艦長!生きていらしたんですか!…でもちょっと若い」
「え…確かによくこの職に就くには若いと言われますけど…」
「すみません、救援には感謝しますが戦闘中ですので話はこの程度に」
お互いに戸惑っている2人をおいてラージが話を切り上げた。
「そうですね。PT部隊出撃してください!」
レフィーナの命令でヒリュウ改から4体の人型機動兵器が出撃していく。
「ヒリュウ改…」
まだ混乱しているフィオナの耳にアクセルの呟きが聞こえてきた。
「記憶が戻ったんですか!?」
「いや…戻ってはいない…」
(そう…見たことはないはず…なのに俺はこの戦艦を知っている?)

それぞれの理由で動きが止まってしまったフィオナたちとは逆に
ヒリュウ改から出撃してきた機体は着々と戦闘準備を進めていた。
「よっしゃ、久しぶりの実戦だぜ!いくぞ!」
赤い量産型ゲシュペンストMk-2に乗る、気の強そうな女が他の機体に確認を入れる。
「オクト2了解、あれは…エアロゲイターか?」
緑の量産型ゲシュペンストMk-2に乗る男は逆に少しおどおどしながら敵を見ていた。
「オクト3了解、しかしまあ…ひさびさ地球に戻ってきたと思ったらこれかよ」
他に比べてかなり大型の機体、ジガンスクードに乗る少年は溜息をついている。
「オクト4了解、嫌なら下がっていなさいタスク、あなたは訓練をよくサボっていたんだから」
黒色のAMガーリオンに乗る、どこかしら高貴な雰囲気を漂わせる少女がタスクと呼んだ少年に言葉を返す。
「お、心配してくれてるのか、レオナ?」
「べ、別にそんな事はなくてよ。ただ…足を引っ張られるのが不安なだけで…」
「お前ら、戦闘中に無駄話してんじゃねえよ!」
なんとも緊張感に欠けた状況で戦闘は再開された。

122もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:18
もう、フィオナたちが手を下すまでもなかった。
ヒリュウ改から出てきたオクト4人はこういった正体不明の敵に対して慣れているらしく、
またフィオナとアクセルでかなり敵機の数を減らしていたこともありすぐに戦闘は終了した。
「あなたのお名前は?」
「あ、はい。フィオナ・グレーデンといいます。あっちにいる人はアクセルという名前らしいです」
「それではフィオナさんとアクセルさん、ヒリュウ改に着艦してもらえますか?
 少しお話を聞きたいので」
「わかりました」
穏やかではあるが決して断れない雰囲気を持ったレフィーナの言葉を聞き、
フィオナとアクセルはヒリュウ改へと進路をとった。
「ねえ、ラージ、これって…もしかして…」
「話は後にしましょう。今は少し考えをまとめる時間が必要のようです」
「そう…ね」
そうは言っても、ラージの苦しげな表情を見て
フィオナは自分の想像がおそらく間違ってはいないことを確信してしまった。
フィオナの少し後ろをついていくアクセルの方も、また難しい顔で考え事をしていた。
(ヒリュウ改だけじゃない。
 あれから出てきた機体も俺は知っている…俺は一体…何者だというんだ…)

123もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:19
フィオナたちがヒリュウ改と合流した翌日、極東支部伊豆基地の司令室には
ヒリュウ改からの通信が入ってきていた。
「それでは、そちらでもヒリュウ改に地球帰還命令が出た理由はわからないということか」
「ええ、何しろ急な話でとにかく戻って来いということでしたから。
 今もその後の命令が来ないので、エルピスコロニーにお邪魔させてもらっていますよ」
腕組みをしたダイテツが話している相手はヒリュウ改の副長のショーン・ウェブリーである。
そばには複雑な顔をしたレフィーナもいた。
「しかし、伊豆基地の方にもお客さんがいらしているとは…
 実はこちらにも来ているんですよ。エクサランスという機体に乗った可愛いお嬢さんたちが」
「宇宙にもか。志願兵と言ってはいるが…少々怪しいところもあるな」
「人を疑うというのはあまりしたくはありませんが
 イングラム少佐の件の二の轍を踏むわけにもいきませんし…」
レフィーナが悲しげな顔をして言うと、ダイテツは元気付けるように少し笑った。
「こういうことについて調べてくれそうな人間に少し心当たりがある。
 そちらにきた3人についても合わせて聞いてみる事にしよう。その代わりといってはなんだが、
 ヒリュウ改が遭遇したという正体不明の機体についての調査は任せるぞ」
「ええ、少なくとも地球製ではありませんし、エアロゲイターの機体とも少し違うようですから…
 もしかしたら別の異星人のものとも考えられますな」
「また…戦争が始まるのでしょうか…」
レフィーナの表情がますます暗くなった。
この若い艦長にはその肩書きにしては少々優しすぎるところがある。
「そんな顔を部下に見せてはいかんぞ、レフィーナ中佐。
 決して喜ぶべきことではないが、我々はそのためにいるのだからな」
「わかっています」
ダイテツの厳しい言葉にレフィーナはそう答えるものも、その表情は晴れなかった。

124もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:20
中国山東省、水墨画をそのまま抜き出したような雄大な自然が広がっているところに、
それには到底似つかわしいとは思えないテントがあった。
慌しく白衣や作業着を着た人間が出入りしている中で2人の美女がお互いに難しい顔をして向き合っている。
眼鏡をかけた女性が一つ溜息をつき黒髪の女性に問いかけた。
「ウェンリーさん…やはり、私たちには協力してはもらえないのですか?」
「はい…あなた方、LTR機構の方々の事情は理解しています。
 本来ならば強行的にもあれを運び出して調査できる権限もあるのに、
 エリ博士は私の話を聞いてくれてここでの調査にとどまってくれている事にも
 感謝してはいますが…
 それでもやはりあれは人の手に委ねるべきものではないのです」
ウェンリーと呼ばれた女性は俯きながらも強い意思を込めた調子で返した。
「我々はただ学術的にあの遺跡から発掘されるものを調査したいだけです。
 それにあれはあくまで過去の遺物でしょう?
 現代で軍事利用も出来るとは思えませんが」
エリもそう簡単に引き下がるわけにもいかず、何とか説得を試みようとするが
ウェンリーの意志は曲がりそうもなくただ首を振るだけだった。
「あれは…科学といったものの常識を遥かに超えたところにあるのです。
 だからこそ私の一族は旧世紀からあれを外に出さないという使命を
 この名前と共に受け継いできました」
こういった押し問答をもう何ヶ月も前から繰り返してきている。

また一つ溜息をついてエリが口を開こうとしたとき、
テントの外から大きな爆発音と振動が伝わってきた。
「何が起こったの!?」
エリがテントの外に飛び出すと、一気に悲鳴と砂煙が襲いかかってきた。
見上げると空から数機のAMリオンが遺跡を攻撃している。
「あれはAM…もしかしてDC!?」
「アンザイ博士!ここは危険です、下がってください」
「私はここの責任者です。自分だけ真っ先に逃げることはできません!」
「し、しかし…」
遺跡から逃げてきた研究者と言い争いをしていると、
攻撃をしていたリオンは地面に降り立ち、何やら作業を始めた。
彼らの目的の見当がついたときにはすでに遅く、
リオンたちは遺跡の中の何かにワイヤーを巻きつけ飛び立っていった。

「なぜDCがこの遺跡を…彼らはあれがどういうものなのかわかっているというの…?」
エリはもう小さくなってしまっているリオンを見続け、自分に問いかけるように呟いた。
「4体!?確かに彼らが持ち去ったのは4体だったんですか!?」
急に聞こえてきた大声に驚き振り返ると、ウェンリーが命からがら逃げ出してきた研究員に
掴みかからんとするような勢いで問い詰めている。
「ウェンリーさん、どうしたんですか?」
ウェンリーは、落ち着かせようとして呼びかけたエリの言葉も聞こえないようで、
その場にへたり込んでしまった。
エリが駆け寄ってきても、この世の終わりが来たかのように絶望の表情を浮かべ
何か呟き続けるだけだ。
「そんな…龍と虎だけではなくあの2体も復活していたなんて…」
ふと遺跡があった方を見てみてが、エリの不安を表したかのように
黒煙が絶えることなく立ち上がっているだけだった。

ラウルとミズホが伊豆基地に保護される1ヶ月前の事件である。

125もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:20
「もう知っているものがほとんどだろうが、彼らがこれよりこの極東支部に協力してくれることになった
 ラウル・グレーデン君、ミズホ・サイキ君、ラミア・ラヴレス君だ。
 ラウル君とラミア君はパイロット、ミズホ君はメカニックでそれぞれ曹長待遇とする。」
ラウルたちはブリーフィングルームで前に並ばされ、レイカーから紹介を受けた。
「…それではヴィレッタ君、これからの事を説明してくれ」
その他の部署などの簡単な説明の後、ラウルたちは下げられ代わりにヴィレッタが前に出た。
「このあと13:00に、ハガネのクルーは戦闘準備をしてまたここに集合…」
「何かあったのか?」
何もなければそのような命令は出ない。
愚問とも言えるリュウセイの質問で説明が中断されても、ヴィレッタは顔色を変えず答えた。
「極東支部にDCの犯行予告が来たのよ。時間は15時ちょうど、場所は神奈川の藤沢地区。
 ハガネはそこで警備を行います」
「藤沢だって!?」
場所の名前を聞きリュウセイは声を荒立てた。
「ああ、そういえばあの地区にはあなたの実家があったわね。
 でもあまり心配する事はないと思うわ。今まで、DCが犯行予告をしたことなんてなかった上に、
 藤沢地区には政治的、軍事的に重要なものがあるわけでもないから
 たちの悪いいたずらといった可能性が大きいし」
「陽動といった事は?」
「もちろんその可能性も考慮して他の極東支部の基地も緊急配備をとっているわ。
 私たちが警備につくのも支部の中で一番小回りがきく部隊だからよ。
 …特に質問がなければこれでブリーフィングは終わらせるわ」

126もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:21
ヴィレッタの話が終わった後もブリーフィングルームの中はざわついている。
その中でリュウセイが難しい顔をして椅子に座ったままでいた。
自分の母親は極東支部の軍事病院に入院しており藤沢地区にはいない。
しかし自分が生まれ育ったところが狙われていると聞いては、
心配する事はないと言われても気が気ではない。
そんなリュウセイの姿が気になりラウルは声をかけた。
「リュウセイさん…」
「……ん?ああ、ごめん。考え事をしてたよ。
 そうだ、まだ俺たちの紹介をしてはなかったかな。この前、一緒に戦ったからわかってると思うけど…
 あそこのキザったらしい金髪がライディース・F・ブランシュタイン少尉。
 さっき説明していたのがヴィレッタ・パディム隊長。後は俺とアヤでSRXチームってのを組んでるんだ。
 そしてあそこでラミアを口説いているのがイルムガルト・カザハラ中尉さ。
 ま、これで俺たちは正式に仲間になったんだ。改めて、よろしくな」
「あ…ああ、よろしく」
無理に明るく振舞っているようなリュウセイの態度にかける言葉が見つからず
横を見てみると、ミズホが信じられない事を聞いたかのように顔色を真っ青にしていた。
「……ブランシュタイン…」
「ミズホ、どうかしたのか?」
「え…あ、なんでもないです」
そうは言っても顔色はまだ優れない。
そのままミズホはふらふらとした足取りでブリーフィングルームを後にした。
「大丈夫か、彼女?」
「さ、さあ…」
残された2人は心配そうな視線をミズホが出て行った扉から動かせなかった。

「ライディース少尉…」
廊下を歩いていたライは、ともすれば聞き逃してしまいそうな小さな声が自分を呼ぶのを聞いて足を止めた。
振り向くとミズホがこちらを向いて俯いている。
「君は…ミズホ君だったかな、俺のことはライでいい。…何か用か?」
「あの…ぶしつけなことを聞いてすみませんが、
 エルザム・V・ブランシュタインという人を知っていますか?」
「エルザム?兄だが…何か?」
「兄弟…いえ、なんでもないです。呼び止めてすみませんでした」
会釈をして走り去っていくミズホの背中をライはわけのわからないといった顔で見つめた。

127もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:21
先程リュウセイに口説いているといわれていたイルムとラミアだが、
2人の間を包んでいる空気はそんなものではなかった。
「話とは何でございますでしょうか?」
「この前の戦闘だがな、あの時のお前の位置だったら
 アヤが撃たれる前に助けることもできたんじゃないか?」
「そうだったでしょうか…なにぶん始めての実戦だったでございますから
 ただ一番近くの敵を攻撃した方がいいと思ってしまったですわ」
「それだ。お前は自分を戦闘に関しては初心者と言っているが、
 この前の動きでは俺には到底そうとは思えないんでな」
もともと穏やかとはいえないラミアの目がますます鋭くなる。
「何が言いたいのでありますか?」
「単刀直入に言うと、俺はお前が信用できないってことさ。
 前も手痛い裏切りを受けたことがあってね。何度もそういう目に遭うのはごめんだ」
何秒かお互いの視線がぶつかりあい、ラミアの方が口を開いた。
「私からは信用してくれと言う他ありませんですわね」
「…ふん、まあいいさ。こっちも証拠があるわけではないしな。
 ただ俺が言ったこと…忘れるなよ」
一方的に話を切り上げイルムは立ち去った。
(あの男…中々勘が良いようだ。今後の任務の邪魔になるかもしれんな…今のうちに消しておくか…?
 ちっ、アクセル隊長がいればもう少しうまくいくのだろうが)

128もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:21
藤沢地区にハガネが到着し警備に就いてからかなりの時間が経った。
「…何も起こらないな」
ラウルがぼやいたのも無理はない。予告された時間からとうに1時間は過ぎている。
「他の地区が攻撃されたというのも聞きませんし、やはりいたずらだったのでしょうか?」
「…かもしれないわね」
ライとヴィレッタがそんな事を話している中、リュウセイは落ち着きなく周りの景色を見渡している。
「どうしたのリュウ?」
「あのさアヤ…ちょっと外に出たらダメ…だよな」
リュウセイにとって前大戦終結後の休暇以来の故郷である。
しかも、そのときには母親といることが多かったため家から出ることも少なかった。
しばらく見ないうちに様変わりしてしまったように感じる景色を見てみたいと思ったのだ。
「そうね…もうDCが来る気配もないし、地域住民の人も避難先から戻り始めたみたいだから…
 ただ、すぐに戻りなさいよ」
「サンキュ!やっぱアヤは話がわかるぜ」
そう言ってリュウセイはR-1を屈ませて、コックピットから飛び出した。

「確かこっちの方だったよな…」
あたりを見渡しながら見慣れた街並みをぬけると、そこにまた懐かしい建物が見えた。
「お、あった。はは、さすがにこれは変わってないや」
それは学校だった。
今はアメリカのラングレー基地で看護兵をしている幼馴染のクスハ・ミズハと共に通った高校。
軍にスカウトされたため卒業を目前にして中退となってしまったが、
ここで作った思い出は忘れた事はない。
「リュウセイ…?リュウセイでしょう!」
懐かしい気分に浸っていたところに突然自分の名前を呼ばれ振り向くと、
浅黒い肌の元気そうな少女が手を振りながらこちらに駆け寄ってきた。
「お前…カーラか!それにユウも、久しぶりだな!」
「やっぱりリュウセイだ。ほらユウ!あたしの見間違いじゃなかったでしょう」
近づいてきた少女はリルカーラ・ボーグナイン、
それに困ったような顔をして歩いてついてくるのはユウキ・ジェグナン。
リュウセイとクスハの中学時代からの友人だった。
特にカーラとクスハは親友同士で以前はよく4人で遊びに出かけたりしていた。

129もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:22
「本当に久しぶりね、リュウセイ。でもその制服…軍に入ったって話は本当だったんだ」
「まあな、今は伊豆の方にいるよ」
リュウセイの返事にカーラは心底落ち込んだように溜息をついた。
「なんだ、つまんない。じゃあ、クスハと駆け落ちしたって噂は嘘だったんだ」
「その噂を流したのもカーラだっただろう」
「そうだっけ?」
「何でそうなるんだよ。大体クスハは今、彼氏と一緒にアメリカにいるんだぞ」
「ええっ!どうして!?あの子あなたにベタ惚れだったじゃない!」
今度は大声を上げて自分に詰め寄るカーラに少しリュウセイはたじろいだ。
「お前なんでそんな事を…」
「そんなの見てりゃ誰でもわかるわよ。気付いてなかったのはあなただけ。
 まったくどこをどうやったらこんなに鈍感になれるのやら」
「うっ…別にいいだろ。こっちにはこっちの事情があったんだから」
そう言ったものの、カーラはまだものすごい形相で自分を睨んでいる。
仕方なく軍事機密にかかわらない範囲で成り行きを説明することにした。

「へえ、白人美男子と愛の逃避行か…それはそれでまたロマンチック…」
「おい、全然違うぞ。お前…本当に俺の話を聞いてたのか?」
リュウセイの突っ込みも耳に入らないのか、
説明とはまったく違う想像をしているカーラは胸の前で手を組み目を輝かせている。
「無駄だ、リュウセイ。こうなったらこいつに何を言っても聞かないのはわかっているだろう」
「ユウ…お前も相変わらず苦労しているみたいだな…」
「まあな」
自分の世界に入ったままのカーラに置いていかれた2人は苦笑いを浮かべた。

そのまま3人で昔話に花を咲かせていたところで、
ポケットに入れていた携帯通信機の発信音がそれを遮った。
「やべ、時間をとりすぎたかな」
急いで通信機を取るとアヤの慌てた声が飛び込んできた。
「リュウ、早く戻ってきて!連邦軍の輸送機がDCに襲われてこっちに向ってるの!」
「何だって!?わかったすぐに戻る。おっと、ユウとカーラはすぐに避難所へ戻ってくれ」
「ねえ、その輸送機ってあれ?」
カーラが指差した先には煙を吹きながら近づいてくるタウゼントフェスラーがあった。
「何でこんなに近くまで…HOSジャマーでも使われてたのか!?」
「そんなことよりも、あれ…こっちに落ちてくるぞ!」
慌てて3人が逃げ出したと同時に学校へタウゼントフェスラーが突っ込んでいった。

130もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:22
「いたた…なんでこんなところを軍の輸送機が通るのよ…」
数十秒ほど気絶していたカーラが目を覚ますと周りは以前の面影もなく瓦礫だらけとなっていた。
「ユウ…リュウセイ…生きてる…?」
「うぅ…」
うめき声が聞こえた方を見るとリュウセイがうつ伏せで倒れていた。
「リュウセイ!大丈夫!?」
急いで駆け寄り、体を揺するとリュウセイも気がついた。
「痛ぅ…足をひねったみたいだな。カーラは怪我ないか?」
「うん…ユウは…?ユウ!返事をして!!」
見渡していてもユウの姿は見当たらない。当然返事も聞こえなかった。
「う、嘘でしょ。さっきまで…一緒にいたんだよ…」
「カーラ…」
リュウセイは呆然としたカーラにかける言葉もなく、思わず視線をそらすと
その先にある撃墜されたタウゼントフェスラーの中に、PTの影があることに気がついた。
「カーラ、俺をあのPTのところまで運んでくれ」
「え、でも…ユウが…」
「早くしろ!まだDCの攻撃は終わってはいないんだ!このまま死にたいのか!!」
「死ぬ…って…」
認めたくはなかった現実を突きつけられ、覚悟を決めるしかないとわかったカーラは
リュウセイに肩を貸し何とか立ち上がらせ、タウゼントフェスラーへと向かった。

「これは…ゲシュペンストMk-2のタイプTT!?」
ようやく姿を見せたPTはリュウセイが始めて乗り込んだ機体だった。
何とか外からコックピットのハッチを開け乗り込むとリュウセイは手際よく機体の操作を始めた。
「エンジンに火が入っている?それにこの出力…かなりチューンされてるぞ」
「そんな事よりさっさと出しなさいよ!」
「カーラ!?何でお前まで入ってるんだよ!?」
「あんたが連れてきたんでしょうが…それとも、か弱い女の子を1人であそこに置いていくつもり?」
「仕方ねえ…タイプTT、起動!」
2人を乗せたゲシュペンストMk-2タイプTTが力強く立ち上がった。

131もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:22
「あれは…!?一体誰が動かしているんだ!?」
外ではすでに本格的に戦闘が始まっており、
リオンの攻撃をR-2の巨体に似合わないすばやい動きでかわしたライは
リュウセイたちが乗ったゲシュペンストに気がついた。
「俺だよ」
「リュウ!?どうしてそこにそんなものが?」
「話は後だ!民間人を1人保護している。R-1はまだそこにあるか?」
「民間人だと?お前…その機体に民間人を乗せたのか!?」
ゲシュペンストMk-2自体はそう新しい機体でもないが
タイプTTが搭載しているT-LINKシステムはいまだ最重要機密となっている。
ライが神経質になるのも当然と言えた。
「そこまでにしなさいライ、今は戦闘中よ。リュウセイの処罰は後で決めるわ。
 リュウセイ、R-1はハガネの陰に移動させてあるわ。急いで戻りなさい」
(それにデリケートなあのシステムが2人乗っていても変わりなく作動しているということは…)
「しかし隊長…わかりました」
ヴィレッタの有無を言わせない雰囲気にライも口を閉ざすしかなかった。
「やっぱ、あたしが乗るとまずかった…?」
「気にすんなよ。…急ぐからしっかりつかまってろよ!」

132もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:23
R-1のところへは他の味方機が敵を近づけさせないように配慮してくれた事もあり
難なくたどり着くことが出来た。
リュウセイはR-1のコックピットへと乗り換えタイプTTに一人残ったカーラへ言った。
「いいか、ここもじきに危険になるから、早く後ろに下がっていろよ。
 そいつの操縦方法はバーニングPTと同じだからお前もわかるだろ」
確かにこの機体のコックピットは
よくリュウセイに付き合わされてプレイした事のあるゲームのコントローラーに似ている。
しかし、ゲームと実戦ではかなりの違いだ。リュウセイに抗議しようとしたが、
R-1は変形し戦場へと飛び去っていってしまった。
「ちょっと、リュウセイ!
 …もう!何かに集中すると周りが見えなくなるのは相変わらずね。
 えっと…確か、これで移動を…」
危なげな感じで後退を始めたタイプTTだったが、ある程度ハガネから離れたところで
敵機に見つかってしまい、リオンの攻撃が襲い掛かってきた。
「わっと…攻撃は…これ!?」
装備していたマシンガンで応戦するが実戦の素人、ゲームも付き合い程度しか経験のない
カーラでは機動性の高いリオンにかすらせる事も出来ない。
そんなカーラへ向けてリオンは容赦なくレールガンを発射する。
狙いは何とか外したが脚部に命中してしまい、バランスを崩して尻餅をつく形で倒れこんでしまった。
リオンの銃口が今度は外さぬよう慎重にコックピットへ向けられる。
「ダメ…まだ…こんなところで死ねない!」
カーラのその叫びに呼応して、背部の武器パックから刃の付いた円盤が飛び出し、
回転をしながらリオンへ向っていった。
「な、T-LINKカッター!?カーラが使ってんのか!?」
救援に入ろうとしたリュウセイが驚きの声を上げる。
カーラが意識して動かしたわけではないのだがT-LINKカッターは
耳障りな金属音と火花を撒き散らしながらリオンを叩き落し、
そのまま首と胴体を捉えビルを背に磔にした。
カーラにも何が起こっているのか理解できなかった。
「うわああああっっ!!!」
だがそれ故に、単純な死への恐怖が彼女にマシンガンを乱射させた。

133もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:26
「カーラ……カーラっ!」
ふと我に返ると自分の名前を呼び続けるリュウセイの顔がそばにあった。
どうやらこれに乗り込んだときと同様に外からハッチを開け中に入ってきたらしい。
「リュウセイ…あの敵は…?」
まだ体が震えて操縦桿から手も離せなかったが、ただそれだけは声に出すことが出来た。
「ああ…戦闘は終わったよ。もう大丈夫だ」
そうリュウセイは言うがその表情はどうもぎこちない。
体も意識的に外を見せないようにしているように見えた。
視線を脇にそらし外を覗き込んでみると
「ダメだ!見るな!」

そこに見えたのは
マシンガンが直撃したのだろう、大きく穴を開けたリオンのコックピット
真っ赤な血に染まったその中央にあるのは
以前の姿を想像させることも不可能な、人間"だったもの"の塊

「あ…あれ……あたし…あたしが……殺した…?」
胃からこみ上がってくるものを何とか抑えカーラは呟く。
その声は先程とはまた違った恐怖に震えていた。
「落ち着け!お前のせいじゃない!」
自分へ呼びかけるリュウセイの声がどんどん離れているように感じた。

「い…や……嫌ああああぁぁぁっっっ!!!!」

134もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:26
寝ぼけてますね。また大きなミスをしてしまいました。
以下が>>124>>125の間に入る予定でした。


「ラウル、いいですか…?」
「ち、ちょっと待った!」
ミズホがラウルに当てられた部屋に入ると、着替え中でトランクスだけ穿いているラウルと目が合った。
「…ごめんなさい!」
「いや、扉のロックもしてなかった俺も悪いし…それより何か用?」
とりあえずズボンだけでも急いで穿いて、顔を真っ赤にして後ろを向いているミズホに問いかける。
「ええ…レイカー司令からなんですけど、
 ラミアさんと私たちを基地の皆さんに改めて紹介するので、
 ブリーフィングルームに来てくれということらしいです」
「なんか…今更って感じだな」
「仕方ありませんよ。ラウルはずっと寝込んでいて、私もあまりここの人と話していませ
 んし…」
この前の戦闘の後、病み上がりの状態での機体の操縦でラウルは基地についた途端に倒れ、
また医務室に逆戻りになってしまい、再び2日ほど寝込んでしまっていた。
やっと今日、普通の生活に支障がないほど快復したばかりである。
ミズホもまたその間、ラウルの面倒とエクサランスの整備を往復しているだけだった。
リュウセイや、アヤなどは何度か見舞いに来てくれて話も少ししたが、
他では顔と名前すら一致しない者もいる。
「そうだったな…ごめん、俺のせいで」
「いいですよ。でもこれからは自分の体のこともちゃんと考えて行動してくださいね」
やっと着替えも終わり、ラウルとミズホはブリーフィングへ向った。

135もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:27
「こちらタウゼントフェスラー9。L4宙域到達まであと0100」
他に何も聞こえない静かな宇宙空間に1隻の輸送艇がゆっくりと進んでいる。
その操縦席に座っている、少々気の弱そうな少年がいずこへと連絡を取っていた。
少年の名はリョウト・ヒカワ。その優しそうな顔から想像もつかないが、
これでも先の戦争で活躍したハガネに搭乗し、活躍したパイロットの一人である。
「どうしてこんなに定時連絡の回数が多いのかな…?やっぱり、僕じゃ頼りないのかな…」
「何言ってるの。あなたはこの輸送機の機長なのよ。もっと自信持たなきゃ!」
「う、うん…」
リョウトが落ち込むように呟くと、後ろからリョウトと逆に気の強そうな少女の声が聞こえてきた。
少女の名はリオ・メイロン。彼女も同様にハガネに搭乗していたパイロットである。
2人はホワイトスター戦役終了後、軍を辞めて月のマオ・インダストリーに就職していた。
もともと機械いじりが趣味だったリョウトにとって、血生臭い軍よりは性に合っていたのだが、
突然、謎の荷物の輸送任務を言い渡されエルピスコロニーへと向かっていた。

リョウトはリオに気づかれないようにズボンのポケットの中に手を入れた。
中には映画のチケットが2枚ある。
この仕事を終えたら2人には休暇が与えられることになっており、リオを誘おうと考えていた。
オペレーションSRWの前日にも横浜の中華街へデートに誘ったのだが、
結局マオ社の入社でうやむやになってしまい、その後も休暇が合うことが滅多になかった。
―リョウトは知らないのだが、それはリオの父親でありマオ社常務のユアンがそう仕向けていたらしい。
とにかく、疎遠になっていた2人にとってこの休暇はチャンスである。
リョウトは緊張のため高鳴る鼓動を抑えるために一度深呼吸をして口を開いた。
「あのさ、リオ…」
「それにしても、今私たちが運んでいる積荷って何なのかしら?」
いきなり撃沈である。
それはともかくリオの疑問はリョウトも気になっていた。
DC残党のテロが問題となっているが、ホワイトスター戦役を終えてからは世界情勢もいたって穏やかと言える。
それなのに兵器製造が主な業務であるマオ社の社内は何やら慌しくなっている感じがしていた。
そこに意図不明の輸送任務である。どうもきな臭いものを感じられる。

136もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:27
「mk-2の量産型かしら?」
リオの言った量産型とは、マオ社で自分たちが開発をしていたヒュッケバインmk-2の量産型のことである。
兵力補充を急務とした連邦政府の指針で開発を急かされた機体だ。
「でもあれはもう1ヶ月前にロールアウトしたよ。いまさら極秘で運ぶ必要もないと思うけど…」
リョウトの言う通り量産型ヒュッケバインmk-2はすでに起動実験も終え、
各コロニーや地球連邦支部にいくつか配置されている。
「じゃあ、何だって言うの?」
「それは…」
リョウトがまた俯いて考えていると、リオは操縦室から出て行こうとした。
「どこへ行くの?」
「ここで考えてみてもしょうがないから実物を見てみるのよ」
「で、でも…」
「リョウト君はここにいていいわ。私だけで見てくるから」
「待って、僕も行くよ」
リョウトは操縦をオートパイロットに変更し、1人で格納庫へ行こうとするリオを慌てて追いかけた。

その時、急いでいたためリョウトは気づかなかったが、
輸送機のレーダーはこちらに向かっているいくつかの機体を捉えていた。

137もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:28
「さあ、召し上がれ。口に合うかどうかわからないけど…」
所変わってエルピスコロニーに停泊しているヒリュウ改の食堂。
結局ヒリュウ改に乗り込むことになったフィオナが他のメンバーに料理を振舞っていた。
エルピスコロニーについて1週間ほど経ったがあの正体不明の機体は依然発見されず、
したがって戦闘もないまま過ごしていたフィオナはエクサランスの整備に忙しかったラージと違い
とにかく暇をもてあましていた。
そこでいささか遅れたが救援の礼ということで昼食を自分が作ることにしたのである。

「へえ、結構美味いじゃないか」
「一応前は毎日作ってましたから」
エクサランスを開発していた当時はラージもミズホも作業に専念しており、
かといってラウルに任せるわけにもいかないので家事一般は全てフィオナの仕事となっていたのである。
「いや、でも本当に美味いよ。イカロス基地にいたころはほとんど毎日レトルトの料理だったし
 たまに手料理があっても作るのがカチーナ中尉やレオナだったからとても食べれるものじゃ…」
勢いよく料理を口に運びながらフィオナを褒めるタスクは自分に突き刺さる2つの冷たい視線を感じた。
「タスク…後で外に出て実戦訓練だ。サボっていた分を一気に取り返させてやる」
「中尉、私も手伝わさせていただきますわ」
死刑宣告ともいえる言葉を聞き、冷や汗をかいたタスクは周囲に目で助けを求めるが
皆、何も言わず料理を食べているだけである。
(ご愁傷様…)
そこにいた全員が言葉に出さずそう思った。

半分泣きかけながらタスクが何とか言い訳を考えていると、
突然緊急事態を知らせるサイレンが艦内に鳴り響いた。
「L4宙域にてSOSを受信しました。総員第二種戦闘配置についてください!
 繰り返します…」
「これは大変だ!急がないとな!」
不謹慎ながらこれ幸いとタスクは一目散に飛び出していく。
「あの野郎…」
カチーナも苦々しく舌打ちをしてタスクを追いかけていった。
「フィオナ、僕たちも行きましょう」
「ラージ…いいの?」
自分たちがタイムスリップをしてしまったことに気づいた後、
フィオナはラージにあまりこの時代に干渉しないように釘を刺されていたのである。
「もしかしたらラウルたちかもしれません。それにあまり消極的に動いていると
 かえって怪しまれてしまいます」
「…そうね」
そうは言ってもフィオナの表情は少し嬉しそうだった。
未来で自分の無力さを痛感していたフィオナは誰かの役に立つということが
ただ単純に嬉しかったのである。

138もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:28
時は少し戻る。
リョウトたちはタウゼントフェスラーの格納庫で突然襲い掛かった振動に驚いていた。
「これは…爆発!?」
自分が出るときにはぶつかるような隕石や小惑星のたぐいは無かったはずである。
すると自分たちは今、何者かに攻撃を受けているということになる。
「どうして…操縦席に戻ってみる!」
「もう間に合わないわ!あれで脱出しましょう」
振り返り戻ろうとするリョウトをリオは呼び止めた。
指差したところには一機の戦闘機がある。
「あれは…PTのパーソナルファイター?何でこんなものが…」
「考えたってわからないわよ。早く乗りましょう!」
パーソナルファイターにリョウトたちが乗り込み、脱出するのと同時に
タウゼントフェスラーはエンジンに攻撃を受け爆発した。

自分たちを襲った機体を見てリョウトは言葉を失った。
量産型ゲシュペンストmk-2、以前は自分たちが属していた地球連邦の機体である。
「あなたたち!私たちはマオ・インダストリー所属の者よ。なぜ攻撃するの!?」
リオが呼びかけても相手は反応せず、こちらへ攻撃を仕掛けてくる。
何とかそれをかわしたリョウトは、タウゼントフェスラーがあったところに
PTらしき物があることに気がついた。
「ヒュッケ…バイン?見たことないタイプだけど…!
 リオ!あれを使うよ」
「え、本気なの、リョウト君」
「こんなところで死にたくないだろう!?」
敵の攻撃をスレスレのところで避けながら何とかドッキングに成功すると
PTのカメラアイに力強い光が灯った。

(やっぱり…開発計画書で見たことがある。これはヒュッケバインmk-3だ!
 でもどうして…mk-3の開発計画は凍結されたはずじゃなかったの!?)
自分たちが乗り込んだ機体の正体に戸惑うリョウトは目の前の計器が示してある言葉にまた驚いた。
「これは…トロニウムエンジンを搭載している!?」
SRX計画のいくつかの機体が搭載しているトロニウムエンジン。
膨大な出力をもたらしながらも常に暴走の危険性を伴う、最も危険な諸刃の剣を
自分が今扱っていることに武者震いしてしまう。
「ぼうっとしてないで!敵が来てるわよ!」
リオの言葉に我を取り戻しヒュッケバインmk-3を急前進させる。
一応エンジンはクォータードライブに抑えたが、それでもかかるGはすさまじいものだった。
「こんな機体を僕が使うの…!?でも…やるしかない!」
リョウトの顔に先ほどまでの気弱そうな表情と変わって強い意志が浮かび上がった。

139もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:28
「ゲシュペンストとヒュッケバインが戦っているですって!?」
戦闘開始から数分後、ヒリュウ改がSOSが発信された宙域、
つまりリョウトたちが戦っている場所に辿り着いた。
しかし、戦っている相手が連邦軍のゲシュペンストmk-2であるという報告を聞き
レフィーナも判断に詰まってしまう。
「ヒリュウ改、応答願います。こちらはリョウト・ヒカワです」
「リョウト少尉!?ではそのヒュッケバインは少なくとも味方ですね」
「はい、あっちは何度通信を試みても反応してきませんから…」
レフィーナが目配せするとユンは頷いて答えた。
「連邦軍の識別信号は出していますが、こちらの通信にも応答しません」
「ではPT部隊…」
レフィーナがゲシュペンストを敵と見なして出撃命令を出そうとしたところで
その敵機は四散して撤退していった。
「追いますか?」
穏やかな表情を崩さないショーンの言葉にレフィーナは首を振って答えた。
「いえ、罠かもしれません…今回はリョウト少尉たちが無事だったことで良しとしましょう」
「賢明なご判断ですな」
ブリッジとは逆に納得いかない様子なのが今か今かと出撃を待っていたカチーナである。
「おいおいマジかよ…せっかくタスクの代わりしてにストレス発散できると思ったのによ」
(実戦訓練って何をするつもりだったんだろ…)
フィオナは少し想像してみたが、すぐに止めた。

140もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:29
「なるほど…ではマオ・インダストリー社にも問い合わせてみる必要があるかもしれませんね」
エルピスコロニーに帰る途中のヒリュウ改のブリッジでレフィーナたちはリョウトの報告を聞いていた。
「ヒリュウ改に下された地球帰還命令といい、少尉たちが運んできた凍結されたはずの
 ヒュッケバインmk-3のことといい、地球圏も少しきな臭くなってきましたな」
「あの…」
考え事を始めたショーンたちにリョウトが言いにくそうに声をかける。
「そういえば、2人とももう軍は辞めていましたね。
 エルピスコロニーに着いたら艦を降りても結構ですよ」
「そのことなんですが…僕をまたパイロットとして使ってもらえませんか?」
「リョウト君!?」
突然の申し出にそこにいた者の全員が驚く。
「ごめんリオ。でもやっぱり僕は戦争で…理不尽な暴力で苦しむ人をこれ以上増やしたく
 ないんだ」
「仕方ないわね…じゃあ私もこの艦に残るわ」
「いいのですか?こちらとしては願ったり叶ったりなのですが」
「はい」
2人は真剣な顔で声をそろえた。

(はぁ…これで2人きりの休暇も先の話か…)
「どうしたの、リオ?」
リョウトが問いかけると、少しため息をついたリオは顔を真っ赤になって首を振った。
「な、何でもないわ!…これからもよろしくね、リョウト君」
「う、うん」

141もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:29
ある一室の中、一組の男女が電灯もつけずにいる。暗くて顔もうっすらとしか見えないが、普通こういうときにあるような甘い雰囲気は全くなく、むしろ緊張した空気が部屋全体を包んでいる。部屋に盗聴器がないことを確認したあと、女の方から話し始めた。
「ダイテツ中佐からの依頼だけど一応調べてみたわ」
「どうだった?」
「6人とも一癖あるって感じね。…誰から聞く?」
「では記憶喪失という男から聞こうか」
「アクセル・アルマーだったわね。
 …はっきり言ってこの男のことが一番不可解よ。
 この男、連邦軍所属とデータにあったんだけど…死んでいるのよ。
 DC戦争の3年前に」
「死んでいる?」
「ええ、訓練中の事故ということで。
 あの時期は事故での死亡者や行方不明者が結構いたけどその中の一人というわけね。
 DNA検査とかしたわけじゃないから本人かどうかは判別つかないけど…
 乗っていた機体、ソウルゲインについては手がかりなし」

「…そうか。ではラミアという女の方は?」
「ラミア・ラブレスという名前は確かに戸籍データに存在したわ。
 スペランツァコロニーに父親がジャンク屋を経営していて
 その父親もDC戦争中に死亡というのも合っている」
「機体の方は?ジャンク屋に作れるような代物なのか?」
「ジャンク屋っていっても腕のほうはピンキリあるからね。
 不可能ってわけじゃないと思うけど…ただ」
「何かあるのか?」
「データが…似過ぎているのよ。ADの最新機に」
「AD…フレモント・インダストリー社のアサルト・ドラグーンか?
 しかしあのプロジェクトは中止になったはずだろう」
「ええ、元々プロジェクトADはマオ社のPTに対する敵対心から始まったものだし
 企業としては採算が取れないということで開発は無期延期になったわ。
 …だけど気になる事もあるの」
「何だ?」
「DC戦争の時期からなんだけど連邦からフレモント・インダストリー社にかなりの金が流れているのよ。
 初めは少しずつだったんだけど、今では戦後復興という名目でマオ・インダストリーとほぼ同額の
 補助金が出ているわ」
「……」
「この件に関してはZ&R社も同じなんだけどね」

142もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:29
「で、最後にエクサランスという機体に乗ってきた4人ね。
 彼らも戸籍に関しては供述と合っているわ、ほとんどね」
「…こいつらも何かあるのか?」
「フフ、うんざりした顔をしないで。戸籍を見るとこの4人…全員14,5歳のはずなのよ。
 まあ、人によってはその年で20歳前後に見えなくもないこともあるかもしれないけど
 4人が4人とも、というのはおかしいでしょう
 そしてエクサランスという機体…確かにフェル・グレーデン博士たちが新しいエンジンの研究をしている
 というのは知っているけど、実用化のレベルまで研究が進んだというのは初耳だったわね」

「…死んだはずの男、中止された計画の機体に乗る女、そしてデータと年齢が合わない4人か…
 確かにどいつも一筋縄ではいきそうにないな。一応このことはダイテツ中佐に報告しておくが
 もうしばらく調査を頼めるか?」
「ええ、私もそのつもりだったし。
 …そうだ、話は変わるけどあの2人、こっちの要請を承諾してくれたわ」
「そうか……皆には迷惑ばかりかけるな。特にお前には…すまない」
「あなたはあえてそういう道を選んだんでしょう。
 皆わかっているわ…それであなた自身が傷ついているのも。
 だから協力しているのよ、私も含めてね。
 もっと自信を持って…レナンジェス・スターロード中佐」
「ああ…ありがとう、ミーナ」

143もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:31
先の藤沢地区への出撃から1週間が過ぎたある日、
伊豆基地のロビーではリュウセイとカーラが向き合って無言のまま俯いていた。
傍から見ると何やら深刻な雰囲気を漂わせそうな様子だが、実際にはそんなことはない。
それも当然のことで、二人はただDコンを使ってリュウセイはゲームの、
カーラは音楽のデータと睨めっこをしているだけだからだ。
「なあ」
「うん?」
そんな中、リュウセイがカーラに話しかけた。
ぞんざいな返し方にも気を悪くした様子がないところを見ると、
ロビーの中を包む静寂に耐えられなくなっただけなのだろう。
「お前、いつになったら家に帰るんだ?」
先の出撃のときに止むを得なかったとはいえ、
機密事項の塊ともいえる軍の機体に乗り込んだことでカーラは伊豆基地に連行されていた。
恋人であったユウが行方不明になってしまったこと、
初めて自分の手で人を殺めてしまったことで激しく取り乱した
カーラの様子を見たリュウセイにとっては、
彼女を心配せずにはいられなかったのだが、
それを一笑に付せるかのように翌日にはその本人が
何事もなかったかのように元気な様子を見せていた。
「ほら、あたしって昔から嫌なことも一晩寝れば忘れるタイプだったでしょ」
カーラは笑いながらそう言っていたが、注意深く見ればそれは
ただ周りを心配させないための空元気であることは明白だった。
だが、リュウセイは安心した様に見せた。
自分がどんな言葉をつくろっても彼女の傷を癒せないことをわかってしまったからだ。

144もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:31
ともかく、ヴィレッタの厚意もあって無断で機体に乗り込んだことも不問に終わり、
念のための精密検査も2日程前に以上無しとの結果が出たはずで
カーラが伊豆基地に残る理由はなくなったはずである。
「あれ、リュウセイは知らなかったっけ?」
「何をだよ」
「あたしここでパイロットをすることになったから。
 ま、同僚になったわけね。」
「ふうん……何だってぇ!」
適当に聞いていたため、さらりと流してしまいそうになった会話の中に
聞き捨てならない言葉があってリュウセイは大声を上げた。
「きゃ…いきなり大きな声出さないでよ。びっくりしたじゃない」
「パイロットになったっていつから!?」
「えっと…一昨日からかな?」
激しい剣幕に思わずたじろってしまっているカーラの言葉を聞くと
リュウセイは勢いよく立ち上がり部屋を出ようと走り出した。
「ちょっと、どこへ行くのよ」
「パイロットなんてだめだ。俺は許さないからな! すぐ家に帰れ!」
「何で一々あんたに許しを請わなきゃならないのよ」
「とにかく! 今から教官に話をつけてくる!」
カーラの話も聞く耳持たず、リュウセイはロビーを飛び出した。
そんな様子を見てため息をついたカーラは何となしに天井を見上げ、呟いた。
「そりゃあ、あたしだってしたくはないよ…
 戦争なんて…人殺しなんて…」

145もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:32
「どういうことだ!」
ヴィレッタの部屋に入るなり先程と同じ剣幕で怒鳴ったリュウセイを見て、
アヤと何やら打ち合わせをしていたヴィレッタは相変わらずの冷静な態度で聞き返した。
「何のことかしら?」
「カーラのことだよ! 何であいつがパイロットになってんだ!?」
拳をデスクに叩きつけながら詰め寄るリュウセイの言葉に
ヴィレッタは納得いったかのように頷いて、
デスクの上にあったコーヒーを飲みながら切れ長の目でリュウセイを見つめた。
「連邦軍が慢性的な戦力不足にあることはあなたも知っているでしょう。
 それに彼女はT-LINKシステムを扱える貴重な存在よ」
「だからって…あいつは民間人だぞ!
 それに貴重って、俺たちが持っている念動力って何なんだ?」
「今はまだ話すことができないわ。私もよく知っていることではないし
 今言えるのは、イングラムが求めていた力の一つということ…それだけね」
リュウセイの抗議が一旦止まったところでヴィレッタはさらに言葉を続けた。
「それにパイロットにするというのは彼女本人から言い出したことよ」
「えっ、どういうことだよ」
「彼女のボーイフレンド…ユウキ・ジェグナンといったかしら、
 軍が行方不明になっているその人の捜索を続ける代わりに、
 自分をパイロットとして使ってくれとね」
ヴィレッタの話を聞いてリュウセイは何も言えなくなってしまった。
元はといえば自分が勝手にR-1から離れ、カーラたちに会わなければ
戦闘に巻き込ませることもなかったかもしれない。
それでなくても、ゲシュペンストに乗せたとき安全な位置まで避難させておけば
カーラも持っていた念動力の素質が発覚することもなかっただろう。

部屋に入ってきたときの勢いが全く無くなってしまったリュウセイを見て
今までそばで2人のやり取りを見ているだけだったアヤが言葉をはさんできた。
「そのことについて今、ヴィレッタ教官と話をしていたんだけど
 捜索の結果、学校の周辺ではあなたたちの話にあったような人の遺体は発見されなかったわ」
「じゃあ、ユウは生きているのか!?」
かすかな希望が見えたことで明るい表情を取り戻すリュウセイとは逆に
アヤは深刻な顔で首を振った。
「残念だけど…そう楽観視はできないわ。
 生きているとすればなぜ名乗り出てこないのか疑問に残るし…
 今は藤沢地区周辺の病院にも問い合わせているところだけど
 それらしき人が収容されたという報告もまだなのよ」
「結局…どういうことなんだ?」
「わからないわ…今の段階では情報が少なすぎる。
 とにかくこの件は軍の情報部に任せることになったから安心してくれていいと思うけど…
 このことはまだカーラさんには話さないほうがいいでしょうね。
 リュウも注意して」
「…わかった」

146もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:32
事態を少しも好転できなかったことに落ち込みながら
ヴィレッタの部屋を出たリュウセイはふと自分の手の平を見つめた。
ヴィレッタが貴重といった、自分たちが持っているという念動力。
T-LINKシステムを扱えることや前大戦で自分が乗ったSRXの起動に必要など、
軍にとっては確かに普通の人間が持っていないという点もあって、貴重かもしれない。
だがそれで今まで一体何ができただろうか。
結局、前大戦でも敵に捕らえられ、
機械に操られていた哀れな少女一人救い出すこともできなかった。
そして今回も、今はアメリカにいるクスハと同様、
その力を持っているというだけの友人を戦争に身を置かせることになってしまっている。
リュウセイは苦々しい顔で唇を噛み締め、
いつの間にか血の気が引くほど強く握り締めた拳を廊下の壁に叩きつけた。

147もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:32
同じ頃、伊豆基地の司令室でもダイテツとレイカーが深刻な表情で話をしていた。
「ジュネーブの連邦本部が音信不通になった!?」
ダイテツはレイカーの口から出た信じられない言葉に驚き、目を見開いた。
「そうだ。何が起こったのかはまだ不明だが、
 昨日まで異常無かったというのに、現在では一切の連絡が取れなくなってしまっている」
「たった一晩で攻め落とされたとでもいうのか…
 しかし、今ジュネーブは連邦軍の中で最大の戦力を持っているはずだぞ」
前回の戦争の中でDCの襲撃とエアロゲイターのミサイル攻撃によって
2度壊滅させられたジュネーブにある地球連邦軍本部は、
ヒュッケバインmk-2などの量産型を多く配置された結果、
以前より大きな戦力を保持しており
Rシリーズなどの特別な機体を持っているこの極東支部や
アメリカのラングレー基地を含めても
地球圏の中で最も攻め落とすのが難しい拠点となっていた。
「一体どのような方法で…?」
「これを見てくれ。軍事衛星から撮影された今朝のジュネーブの写真だ」
レイカーから渡された写真にはジュネーブのごく普通の風景が写されており、
その他には何も無かった。
そう、何も無いのだ。
本来ならばDC残党のテロを警戒して巡回しているはずの偵察機も、
演習を行っているはずの部隊も写されていない。
まるでジュネーブから軍だけが消え失せたようになっている。

148もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:32
「まともに戦闘を行った形跡すら残されていないとは…
 まさか…エアロゲイターか?」
「いや、それはないだろう。アステロイドベルトのイカロス基地やコロニー統合軍からも
 異星人の軍勢が襲来したという報告はない。全く正体不明の敵というわけだ。
 そこで我々がその調査をするようになった」
量産機の製造を重視した昨今における連邦の方針だが、
ジュネーブ本部以外にそれらの機体はほとんど配属されず、
DC戦争時と同様、この非常時にまともに動ける戦力を持っている支部は極わずかという
皮肉な状況になっていた。
「仕方のないことだな。ハガネの艦首モジュールは?」
「まだトロニウムエンジンの調整が終わってはいない。
 クロガネを使ったほうがいいのではないかね?」
「いや、こういった時ほど使い慣れたものの方がいいからな」
「わかった。艦首モジュールの代わりといっては何だが、
 宇宙にいるヒリュウ改やラングレー基地のATXチームも
 ジュネーブに向かわせることになった。途中で合流してくれ。
 その他の人員や装備も準備ができ次第そちらに補充させる」
「やれやれ…状況は以前より悪いくらいだな。儂にはお似合いと言えるかもしれんが」
不敵な笑みを浮かべるダイテツにレイカーは申し訳なさそうな顔をした。
「すまないな…出発はいつにする?」
「できるだけ早い方がいいだろう。
 機体の整備などから今日はもう無理だろうが、明日にでもここを発つ」

149もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:33
その日の夜、伊豆基地の格納庫では整備員、パイロットを問わず
ハガネクルー総出での作業が行われていた。
しばらく基地を戻ることが無いだろうと伝えられたため、誰もが念入りに整備している。
「なんだかこの雰囲気、未来でのことを思い出しますね」
エクサランスの周りでフレームのチェックをしていたミズホが
コックピットの中を覗き込んで、作業をしているラウルに話しかけた。
「あの時と同じ結末には…しない」
深刻な顔をして呟くラウルを見て、ミズホは少し悲しげな顔をした。
(まだ…吹っ切れてはいないんですね)
ミズホは自分の視線に気付かず作業を続けるラウルに
できるだけ明るい声で話しかけた。
「エンジンの調子はどうですか?」
「だめだ、出力が思ったより上がらない。
 たぶんエンジン本体に異常があるんだろうけど…
 こればっかりはラージじゃないと無理だろうしな…」
大きくため息をついて頭を掻いたラウルは、
その横で通信機のランプが点滅していることに気がついた。

150もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:33
「誰からだ?」
通信機のスイッチを入れると前面のパネルに
この時代に来てからずっと心配し続けていた顔、フィオナが映し出された。
「あ、本当に繋がった!」
「フィオナ! 生きてたのか!?
 しかもこうやって通信できるってことは…お前たちもこの時代に?」
「まあね。そのあたりはラージが詳しく…
 ラージ! ラウルたちと繋がったわよ!」
久しぶりに顔を見たのがよほど嬉しいのだろう、
フィオナは満面の笑みを浮かべながら近くにいるラージを呼び寄せた。
「やはりあなたたちもこの時代に来ていたようですね」
「やはりって…わかっていたのか?」
「今は時間が無いのですから…その話はまた後で。
 今どこにいるんですか?」
「地上の極東支部の伊豆基地って所だけど…
 明日にはここを出るらしいぜ」
「極東支部…もしかしてハガネという戦艦に乗り込んでいるのですか?
 なら丁度いいですね。僕たちは今、宇宙でヒリュウ改に同行しています。
 これからヒリュウ改は地球に下りてハガネと合流する予定ですから
 その時にまた改めてこれからのことを話し合いましょう」
「あ、ああ…」
「それから、この時代の人たちにあまり干渉しないように注意してください、いいですね。
 それではまた地球で会いましょう」
「お、おい。そりゃどういう意味だ!?」
ラージはラウルの呼び止めも聞かず、通信を切ってしまった。
「くそっ、いつだって人の話を聞きやしない!」
光を灯さなくなった画面を殴りつけ、ラウルは不機嫌そうに立ち上がりコックピットから出た。
「ラウル! どうするんですか?」
「寝る。俺にできることはもうやりつくしたし、明日は早いんだ。
 ミズホも早く寝たほうがいいぜ」
苛立ちを隠そうともせず肩を怒らせながら格納庫を出て行くラウルを見て
ミズホの心配そうな表情はますます深くなってしまっていた。

翌日、ハガネは伊豆基地を出発した。
これが新たなる戦いの本格的な始まりとなることを
その時、誰一人として予想してはいなかった。

151もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:36
自室として使ってあるマオ・インダストリーの社長室で
リン・マオは執務に追われていた。
机の上に山の様に積まれている資料や報告書に目を通し、
手際良くサインをすませている姿を見て、
彼女が以前は優秀な軍人であったことを想像できる者はほとんどいないだろう。
仕事が一段落ついたのか、首をまわしてマッサージしながら
紅茶を飲み一息ついていると、どたどたと大きな足音が廊下から聞こえてきた。
「社長!」
入ってきたのはユアン・メイロン。
リンの父親であるマオ・インダストリー先代社長、ティン・マオと共に
一代にしてこの会社を大きくした功労者である。
「どうした、常務? そんなに慌てて」
「どうしたもこうしたもないですよ。Mk‐3を運んでいた輸送機が襲われたって
 なぜ私に教えてくれなかったんです!?」
(こうなるとわかっていたから言わなかったんだが…)
普段の冷静なユアンと、今目の前にいるおろおろしている彼とのギャップに、
リンは悪いと思いながらも微笑みを隠し得なかった。

「大丈夫だ。積み荷は無事エルピスコロニーに届いたそうだ」
「あの社長…私が心配しているのはそちらではなくて、
 いや、もちろんそれも心配ではあるんですが…」
「わかっているよ。リオ…娘さんも無事だ。
 今はリョウトと一緒にヒリュウ改に保護されているらしい」
意地悪そうな笑みを浮かべるリンの言葉を聞き、
ユアンは安心してほっとため息をついた。
「そうですか…しかし、こんなことになるなんて…
 だから私は反対したんですよ」
「常務が反対していたのはあの子たちを2人きりで任務に就かせたことだろう」
「う、それは…」
リオとリョウトがほぼ付き合っているという関係で、
ユアンがそのことを快く思っていないことは社内でもっぱらの噂だった。
ユアンとしてもリョウト個人に対しては悪い印象は持っていない。
開発者としても優秀であるし、人当たりの良い彼の性格はむしろ好感が持てる。
しかし、だからといって今まで愛情を注いで育ててきた一人娘との交際には
簡単に首を縦に振ることができない。
父親としての複雑な心情である。

152もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:36
「傍から見ていると余計な心配だと思うがな…」
どう見ても恋愛事に奥手そうな2人であるため
ユアンが危惧するような事になるには
あと数年はかかるだろうと簡単に想像できる。
もしリオの相手がイルムのような男だったら…
(どうしてここであいつが出てくる!)
そこまで考えたところで、自分が追い出した男の顔が浮かび、
リンは頭を振った。

2人がそれぞれの理由で頭を抱えていると、
備え付けのインターフォンから秘書の声が聞こえてきた。
「社長、イスルギ重工のフィリオ・プレスディ主任が
 ご面会に来られていますが」
「あ、ああ。すぐに行くと伝えてくれ」
「かしこまりました」
自分の考えていたことを聞かれたわけでもないのに
どぎまぎしながらわざとらしく咳払いをするリオと違い、
ユアンの方は仕事に生きる男の顔になっていた。
「例の二社提携によるプロジェクトですか?」
「ああ、開発もいよいよ大詰めといったところだろうな」
「それはよかった。
 あちらのAMとこちらのPT、人型をしているという点では似ていますが
 内部構造はかなり違うらしいですから。
 中々折り合いがつかなかったらしいですから」
「だがこちらにもメリットはあった。
 特に、現時点でテスラドライブに関して、我が社はイスルギ重工にもテスラ研にも
 遅れを取っているからな。そのノウハウを学べるというのは大きいよ」
そう言いながらスーツの上着を羽織っていると、
インターフォンからまた発信音が鳴り響いた。
「どうした? 今出るから主任にはもう少し待ってもらってくれ」
「いえ違うんです。たった今連絡があったのですが、
 セレネ基地で調整を行っていたレッドが何者かに強奪されたそうです!」
「何だと!?」
インターフォンから聞こえてきた言葉にリンとユアンは驚きで目を見開いた。
嫌な感じの冷や汗が背中をつたってくるのを感じた。

153もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:37
一方、エルピスコロニーの方ではジュネーブ陥落の一報が伝わっていた。
「では我々も地球に赴いてハガネと共に調査せよと?」
「ああ、そういうことになった。
 慌しいことになってすまないと思っているが」
レフィーナと話している壮年の男性、ブライアン・ミッドクリッド大統領は
少々申し訳なさそうにしながらも人当たりの良い薄い笑みを浮かべた。
「それに言いにくいことではあるんだが…
 君たちがここに居ることで少しばかりまずいことになりそうでね」
「それは私たちが地球連邦軍に所属しているからですかな?」
ショーンの言葉にブライアンは頷いた。
「そういうことだね。最近、DCの残党狩りの影響もあって
 地球連邦のコロニーに対する風当たりは強くなっている。
 それでコロニー統合軍の中で以前にもまして
 地球連邦に不満を持つものが増えてきているんだ。
 もともと統合軍にはマイヤーの信望者が多かったしね。
 そんな中、連邦軍所属のヒリュウ改がエルピスに停泊しているということは
 彼らに無用の刺激を与えかねない。
 何とか僕の方でも抑えてはいるが、下手をすると第2のDC戦争が始まってしまうかもしれない」
「わかりました。なるべく早くここを出ることにします」
ショッキングなことを言われたにもかかわらず、穏やかな表情を崩さない
レフィーナの返事を聞いてブライアンは深々と頭を下げた。
「本当に申し訳ない。君たちを追い出すような形になってしまって…」
「お気になさらないでください。大統領の責任ではありませんよ」
そう言ってレフィーナはショーンの方を見て頷きあった。

154もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:38
「地球に降りるってことになったら、コスモドライバーフレームじゃ
 少し心許ないわね…」
ラージの部屋のベッドに腰掛けているフィオナが、
同じ部屋の机に向かって資料と睨めっこをしているラージに話し掛けた。
「そうですね…」
フィオナは気の抜けた返事をするラージの背中を溜息混じりに見つめた。
「ねえ、ラージ。何をそんなに苛立ってるのよ?」
「別に、そんなことはありませんよ」
「嘘。何年付き合ってると思ってんの?」
ラージは作業を一旦止めてフィオナの方を振り向いた。
あまり感情を表に出さないラージの顔を見ても
他の人間は何を思ってるのかわからないだろうが、フィオナはそうではないらしい。
「逆に僕の方が聞きたいですよ。なぜフィオナはそんなに落ちついていられるんです?
 僕たちは過去の世界に居るんですよ。」
「だって…仕方がないじゃない。来てしまったことはもう変えられないんだから」
「僕は…父のタイムマシンの研究を否定してきました。
 それが偶然とはいえこんな事態になるなんて…
 科学者としてこれほどの屈辱はないですよ」
苦々しい表情で呟くラージはいつもの落ち着いたイメージと少し離れて見える。
「だからって悩んだってどうしようもないでしょう。
 これからどうするのか考えないと」
フィオナにしても何も不安がないわけではない。
それでもそのまま立ち止まらないだけの強さが彼女にはあった。

「そうですね…とりあえずはラウルたちを見つけ出して、
 未来に戻る方法を考えないと」
「ちょっと待って、ラウルたちもこの時代に来ているの!?」
思わず声を荒げて聞き返すフィオナにラージはさも当然といった顔をして話を続けた。
「あの状況から考えてそうみるのが自然でしょう。
 ただ彼らの居場所が掴めないことにはこちらからも迎えに行けませんし…」
そう聞くなりフィオナは急に部屋を出ようとした。
「どこへ行くんですか?」
「エクサランスよ。あれには通信機を載せてたでしょう。
 うまくいけばラウルたちと連絡がつけるかもしれない」
「あ、その手がありましたか」
フィオナの提案を今まで思いつかなかったのだろう、
ラージは目から鱗が落ちたかのような顔をした。
それを見るフィオナの顔に少し苦笑いが浮かぶ。
「頭はいいくせにそういうことは思いつかないんだから…
 とにかく、早く行きましょう」

155もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:38
明日の出向に向けてまだ騒がしさの残る格納庫で、
フィオナはエクサランスのコックピットにで通信機の操作を始めた。
ラージは他の整備員に捕まり、作業の手伝いをさせられている。
通信機の周波数を合わせ、何度かコールを試みたが
ラウルからの反応は無かった。
(やっぱりダメなのかな…)
そう思って諦めようとした時、通信が開きラウルの顔が画面に映し出された。
「あ、本当に繋がった!」
「フィオナ! 生きてたのか!?
 しかもこうやって通信できるってことは…お前たちもこの時代に?」
「まあね。そのあたりはラージが詳しく…
 ラージ! ラウルたちと繋がったわよ!」
フィオナが呼ぶと外で何やらリョウトと話をしていたラージは
すぐにコックピットに駆け寄ってきてフィオナを押しのけた。
「やはりあなたたちもこの時代に来ていたようですね」
「やはりって…わかっていたのか?」
「今は時間が無いのですから…その話はまた後で。
 今どこにいるんですか?」
「地上の極東支部の伊豆基地って所だけど…
 明日にはここを出るらしいぜ」
「極東支部…もしかしてハガネという戦艦に乗り込んでいるのですか?
 なら丁度いいですね。僕たちは今、宇宙でヒリュウ改に同行しています。
 これからヒリュウ改は地球に下りてハガネと合流する予定ですから
 その時にまた改めてこれからのことを話し合いましょう」
「あ、ああ…」
「それから、この時代の人たちにあまり干渉しないように注意してください、いいですね。
 それではまた地球で会いましょう」
「お、おい。そりゃ…」
ラウルは何か言おうとしていたらしいが、
ラージは自分の要件を告げるとすぐに通信回線を閉じてしまった。

156もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:39
「あれくらいでよかったの?
 もうちょっと話し合った方がいいんじゃないの」
フィオナが少ししか話をすることができなかったことで不満気な声をあげる。
「いや、ここで話し続けていれば他の人に
 怪しまられてしまうかもしれませんから。
 フィオナは部屋に戻って休んでいてください」
「いいけど…ラージは?」
「僕はもう少し作業を頼まれてますから」
そう言ってラージはさっさとコックピットから離れてしまった。
一人残されたフィオナも何もすることが無くなってしまったので
結局ラージの言う通り部屋に戻ろうとしたがその途中、
廊下で自分と同様、所在無さげにうろついているアクセルの姿が目についた。

「アクセルさん、どうしたんですか?」
「ん、いや。リョウトとラージにソウルゲインの整備を頼んでたんだが、
 そばでゴチャゴチャしてると邪魔だっつって追い出されちまったんだな」
よほど暇だったのだろう自分に話し掛けてきたフィオナを見て
アクセルは嬉しそうな顔で話した。
「自分で整備できないんですか?」
「ある程度は戦闘と同じで体が覚えてるんだがな。
 専門知識のいるところまでいくとさっぱりだな」
普段の様子や戦闘の時の熟練した動きを見るとつい忘れてしまいがちだが
この男は記憶を無くしていたのだ。
まずいことを聞いてしまった気がしたフィオナは少し俯いてしまった。
「…早く記憶が戻るといいですね」
「まあ戻るんなら早いに越したことはないけど…
 記憶喪失ってのも意外と楽しいもんなんだな、これが。
 フィオナも一度なってみるか?」
「え、遠慮しときます」
自分たちとはまた違った意味で辛い境遇にあるはずなのに
底抜けに明るいアクセルを見ていると
自分たちが悩んでいることがくだらないことのように思えてしまう。
フィオナはぎこちない笑みを浮かべながら目の前にいる不思議な男に頼もしげなものを感じた。

157もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:40
格納庫ではソウルゲインの整備をリョウトとラージが行っていた。
「この機体は非常に興味深いですね。
 非常識な外見と戦闘方法に比べて内部構造はかなり合理的なものになっている」
コックピットのハッチに背もたれながらラージが呟くと
それにコックピットの中にいるリョウトも頷き返した。
「うん…どうやら駆動系はゲシュペンストmk-2のSタイプを基にしているみたいですね」
グルンガストの基礎にもなったそれならばこの機体のパワーも納得はできる。
「では動力は何を使用しているのでしょう?
 電力を用いているところがありますけど、それだけでは出力が足りないですし…
 他に何か使っているみたいですが…
 ここは一つ、分解してみますか」
リョウトはいきなり物騒なことを言い出すラージを見て、少し冷や汗が流れた。
「い、いやそこまでしなくても…
 それに、多分これは生体エネルギーの一種だと思いますよ」
「生体エネルギー? いきなり非科学的なことを言い出しますね」
「前の戦争のとき、そんなエネルギーを動力にする機体に乗った仲間がいたんですよ。
 もしかしたらこの機体を開発した人も、そのデータを見たのかもしれないですね」
ラージがリョウトの話に興味を示し聞き入っていると、
コンソールを操作していたリョウトがモニターに映ったあるものに気が付いた。

動力系とも駆動系ともつかなく、また火気類を搭載していないソウルゲインに似つかわしくないそれは、
以前自分がハガネに持ちこんでしまったものを想像させる。
「ラージさん、ちょっとこれを見てもらえませんか?」
リョウトに言われモニターを覗きこんだラージの顔色が少し青くなった。
「これは…もしかして、爆弾?」
「やっぱりそう思いますか。
 …どうします? 解除して取り外してみましょうか」
リョウトの声にもさすがに緊張の色が見えるがそれも仕方のないことだろう。
爆弾処理など自分には全く経験のないことであるし、
出港までの時間を考えると専門家を呼ぶ余裕もない。
「止めておきましょう」
「えっ、どうしてですか!?」
予想外のラージの答えにリョウトの声が少し上ずった。
「今までの戦闘で爆発しなかったところをみると
 この爆弾の起爆装置は簡単には作動しないものなんでしょう。
 …おそらく自爆用の物ですね。ならば僕たちのような素人が迂闊に扱うより、
 アクセルさんの記憶が戻ったときに処置してもらう方が安全です」
「そう…ですね」
見つけたときには少しうろたえてしまったが、
冷静になって考えるとラージの言うことの方が正論であるように思える。
「とにかく今は様子を見てみましょう。必要だと判断したら僕が艦長に報告します。
 それでいいですね」
「わかりました」

158もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:41
翌日、エルピスコロニーを出たヒリュウ改は順調に地球への航海を進んでいた。
もうすでに、目の前に地球が広がっている。
「地球…か」
窓から見える青い星を見て呟いたフィオナの後ろからカチーナが話しかけてきた。
「何だ。地球は初めてなのか?」
「いえ、私は地球生まれなんですけど…
 久しぶりに降りるんで、何か懐かしくって…」
父親の行った時流エンジンの研究の為にコロニーへ移住してからは、
地球に戻る暇もなく、そこに帝国監察軍の侵攻が始まったのである。
実質10年近く地上に降りていないことになる。
(そういえば…この時代にも当然昔の私たちがいるのよね…
 何だか不思議な感じね)
フィオナが何も喋らずそう考えていると、不安になっていると勘違いしたのだろうか
カチーナが元気付けるように明るい声をあげた。
「ま、心配するなよ。旧世紀時代ならともかく今は大気圏突入でも危険はあまりなくなったし」
「でも大気圏突入の隙をついた攻撃というのもセオリーの一つッスよ」
どこにいたのかタスクが後ろからいきなり話に入ってきた。
「どこの世界のセオリーだよ…」
カチーナが呆れたように返していると突然艦内に振動が走り、警報が鳴り響いた。

「正体不明の集団から攻撃を受けています!
 PT部隊は直ちに出撃してください!」
「だあっ、タスク! お前がいらん事言うからだ!」
頭を掻き毟りながら走り出したカチーナは八つ当たり気味な言葉を
隣に走るタスクにぶつけた。
「お、俺の所為っすか!?」
「ごちゃごちゃ言ってんじゃねえ!
 フィオナ、お前も早く行くぞ!」
「は、はい!」
カチーナの勢いに呆然としていたフィオナは急に呼ばれたことで我を取り戻し
カチーナたちの後を追って走り出した。

159もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:41
攻撃を仕掛けてきたのは前回と同じ、量産型ゲシュペンストmk-2の部隊だった。
「ドラゴン2から各機へ、本艦は5分後に大気圏突入の態勢に入ります。
 それまでに戻ってきてください」
オペレーターのユンの言葉を聞いてカチーナは薄い上唇を舐めた。
「5分もあれば十分だ。全部片付けてやるぜ」
「まあ、血気盛んな隊長さんだこと…ん?」
肩をすくめて呟いたアクセルはレーダーが捉えた
超高速で接近する機体に気がついた。
「何だ…うわっ」
一瞬の隙をついて黒い機体が物凄い速さでPTの間を縫って通りぬけた。
その機体が一直線に向かう先にはヒリュウ改がある。
「しまった! ゲシュペンストは囮だったか!?」
「ヴァイ…サーガ…」
「アクセルさん?」
意味不明の単語を呟くアクセルにフィオナが問い掛けると、
急にソウルゲインは黒い機体を追いかけていった。
「待って! アクセルさん!」
「フィオナ、黒い奴はアクセルに任せろ!
 あたしたちはここでこれ以上敵を通さないようにするんだ!」
カチーナに呼び止まれ、フィオナは少し躊躇した素振りを見せたが
意を決したように振り向き、ゲシュペンストに向けてフェアリーを放った。

ヒリュウ改に近づいた黒い機体は交差した瞬間に斬撃を叩きこんだ。
小さな爆発が次々と起こる。
だがそれに黒い機体は満足しないのか二撃目を与えるために剣を振りかぶった。
が、その剣が振り下ろされることはなかった。
横からソウルゲインの玄武剛弾が飛んできたため
マントのようなシールドで防いだのだ。
2体は向き合って数秒対峙する。
しかし永遠に続くかのように思われたその静寂を黒い機体のパイロットが破った。
「なぜお前がここにいる?
 お前はW17と共に地球に降りたのではなかったのか?」
「あんた…俺を知っているのか!?」
「何を言っている…?
 …ちっ、時間だ。引き上げるぞ」
そう言ったかと思うと、黒い機体は来たときとは逆の方向に向けて飛び去っていった。
ゲシュペンストもその後に続く。

160もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:41
「引き際を見極める力はあるようですな。
 中々あの指揮官侮れませんぞ」
状況を省みず感心したように頷くショーンの言葉とは逆に
ユンはかなり焦って声を荒げた。
「艦長、先ほどの敵機の攻撃により突入コースから少し外れてしまいました!
 一度戻って再突入を…」
「いえ、このままPT部隊を収容して突入します。
 今、戻れば狙い撃ちされかねません」
ユンの言葉を遮ったレフィーナにショーンはまた頷いた。
「賢明ですな。とりあえず少しばかり角度が狂ってもヒリュウ改なら大丈夫でしょう」
「…わかりました」
ユンもそんな二人を見て頷き、PT部隊が全機収容したのを確認して艦内ヘ放送した。
「これよりヒリュウ改は大気圏に突入する。
 なお、これは予定外の突入となっている。各員は衝撃に備えよ」
「さて宇宙でも色々起きましたが、地上では何が待っているんでしょうな。
 はたして鬼が出るのか蛇が出るのか…」
ショーンの呟きは警報にかき消され誰の耳にも届かなかった。

161もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:41
「こちらw17、応答せよ」
ハガネがジュネーブへ向けて出発した日の深夜、
暗い格納庫にあるアシュセイヴァーのコックピットの中で
ラミアが何処かへ連絡を取ろうとしていた。
だが、通信機が故障でもしているのかスピーカーから聞こえてくるのは
微かなノイズ音だけである。
「応答せよ…駄目か」
落胆したような言葉を吐いたラミアだったが、
声色や表情からは全くそれを感じさせない。
とにかくこのままいても仕方ないと判断したラミアは物音を立てずコックピットから離れた。
その時、誰にも気付かれないように消しておいた電灯の明かりが急に灯った。
「誰だ!?」
「きゃ…ラミアさん?」
「ミズホ・サイキか…何をしている?」
思わずそう聞いてみたが、彼女が手に持っている工具箱を見ると愚問だっただろう、
想像通りの返事をミズホは返してきた。
「ちょっと気になって眠れなかったので、エクサランスの点検を…
 ラミアさんもですか?」
「ええ、そんなところでございますですわ。では私はこれで…」
先ほどの自分の行為を見られていたわけではないことに安心して
いつものおかしな敬語でこの場を立ち去ろうとしたラミアだったが、
ミズホに呼び止められてしまった。
「あのラミアさん、よろしかったら少し手伝ってもらえませんか?」
「…何?」
ミズホが何を言わんとしているのか理解できず、ラミアはその場に硬直してしまった。

162もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:42
(…で、なぜ私はこんなことをやっているのだ?)
ミズホの指示通りスパナを渡しながら、ラミアは難しい顔で悩んでいた。
ミズホの方はそんなラミアの悩みもまったく気づかない風に
楽しそうに笑顔すら浮かべながら手際よく作業を進めている。
「助かりました。こんな広い格納庫に一人でいるとさすがに心細くて…」
(そういうものなのか?)
ラミアには想像できない心理である。
他愛もないことを話しながら進めていたミズホの作業も一通り終わったらしい。
ラミアは先ほどから疑問に思っていたことを聞いてみた。
「ミズホさん、素人目ですけどエクサランスには問題はございませんように
思えたのでありますが、こんな時間にここまでの点検の必要はあったのですか?」
「ええ、特に問題はなかったんですけど…
 私がこうすることでラウルが生きて帰ってくる可能性が高くなるのなら…」
「そんなにラウルが大切なのでごさいますか?」
「えっ!? あ、あの私はそんな…
 いえ、大切なのは確かですよ…ええと…そう!仲間ですから」
耳まで真っ赤にして、一人でうろたえるミズホをラミアは理解できないといった風に、
首をかしげながら見つめた。
兵士は消耗品。確かに無意味に消費するのは愚の骨頂であるが
だからといって、一人一人に必要以上に固執するのもまた愚かしいことである。
ラミアは今までそう考えて、いや、教えられていた。
そしてそれに疑問を感じることもなかった。
そのためミズホの言っていることも理解できずにいた。
「仲間…か」
ラミアの呟きも耳に入らなかったのだろうか
ミズホは相変わらず赤い顔でぶつぶつ言いながら首を振っていた。

163もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:43
夜が明けてもハガネの航海は順調に進んでいた。
進みすぎていることが嵐の前の静けさといった言葉を想像させるのだが…
「ふあぁ…」
「気がたるんでるぞ、エイタ。」
一部、そうでないものもいるようである。
ブリッジの中では欠伸をかみ締めていたエイタが、副長のテツヤにたしなめられるといった
のどかな雰囲気に包まれていた。
「でも思ったような敵襲もなくて暇で暇で…」
「当たり前だ。そのために海路を進んでいるんだからな」
ハガネはDC残党等の攻撃を避けるためにもユーラシア大陸ではなく
太平洋を横断していた。
現在のDCには以前と違いハガネに対抗できるだけの海戦力を保持しておらず、
距離的にも日本からさほど変わらないために選んだ航路である。
また途中で北米のATXチームと合流するにも都合がよかったのも理由の一つである。

「もうそろそろハワイ沖に着くころか」
「え、はい、あと数時間でハワイ島が見えてきますが…」
テツヤはダイテツにそう返したが、そこに何かあるのか思いつかなかった。
「昨日、出るときにレイカーに言われてな。そこで一足先に補充人員が待っているらしい」
「補充人員ですか…誰ですか?」
「フフ…懐かしい顔だぞ」
お世辞にもあまり似合っているとはいえない笑みを浮かべるダイテツの顔を見て
テツヤとエイタは顔を見合わせて同時に首をかしげた。

164もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:43
「イエェェイ! 3、連、勝!」
その頃シミュレータールームではカーラの明るい声が響いていた。
その傍らではラウルがすっかり落ち込んでいる。
戦闘初心者であるカーラの訓練のためにラウルと模擬戦闘を行っていたのだが、
結果は先ほどの通りらしい。
「ほう、大したもんだな」
「昔っからこういったことの要領掴むのは得意なんですよ」
感心したように頷くイルムに向けて
カーラはピースサインを出しながら得意そうな笑みを浮かべる。
「俺だってこのシミュレーターがエクサランスに対応していれば…」
「チッチッチッ。甘いよ、ラウル君。
実戦で敵はそんな言い訳聞いてくれないんだから」
面白くなさそうに言うラウルだったが、逆にカーラにやり込められてますます落ち込んでしまった。
そこに今度はリュウセイが袖をまくりながら入ってきた。
「よし、じゃあ次は俺が相手してやるよ」
「え、いやよ。あんたちっとも手加減してくれないんだから」
「バカ、それこそ実戦で通用するか。
 さっさとシミュレーターに入れ」
まだ文句を言うカーラを押しやっていると艦内に警報が響いてきた。
「どうした!?」
『本艦針路上にて友軍のSOSを受信!
総員、第一種戦闘態勢に入れ』
「ラッキー、急いでいかなきゃね」
これ幸いとばかりに格納庫へ走り出すカーラを見て
他の者も呆れたように苦笑いを浮かべながら後に続いた。

165もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:44
ハワイ諸島の中の小さな島の上で戦闘が始まっていた。
戦っている一方はPT2機と輸送機が1機。
もう一方はとても機械には見えない骨やツタで作られたような物体である。
「クソッ、いったいこいつらは何なんだ!」
「今までのどのデータにも該当するものはない…」
量産型グルンガスト弐式のブーストナックルを撃ちながら、
苛立つように叫ぶ男、カイ・キタムラ少佐とは逆に、
戦闘機に変形している白いPT、ビルドラプターに乗る少女、
ラトゥーニ・スゥボータ少尉は冷静にデータとの照合を試みていたが
それも意味を成していないようである。
「こうなったら…T8! ここから離脱しろ!
 近くにハガネが来ているはずだ」
カイの命令があったがタウゼントフェスラーは一向に離脱する様子を見せない。
「どうしたT8! 早く離脱を」
「カイ少佐、それは出来ない。
 俺の仕事はあなたたちをハガネに届けることだ。
 行こうとしても敵がそうさせてくれそうにない」
「だがレナンジェス中佐!」
「それに件のハガネも今来たところらしい」
その言葉が終わるとほぼ同時に水しぶきを上げて海面からハガネの姿が現れ、
そこから機体が飛び出してきた。

「ビルドラプター!? じゃあ乗っているのは…」
以前の自分の愛機を見つけたリュウセイの声にラトゥーニが返事をした。
「リュウセイ…」
「やっぱりラトゥーニか! 元気そうだな」
久しぶりに戦友の顔を見て自然とリュウセイの顔がほころぶ。
「ってことはそっちの弐式には」
「相変わらず元気は有り余っているようだな」
「やっぱりカイ少佐か…」
「何だ、その扱いの違いは?」
思わず呟きを聞き逃さなかった額に青筋を浮かべながら迫るカイを見て、
イルムは冷や汗を浮かべて目が泳いだ。
「いや、別に他意はありませんよ」
「そんなことより今は戦闘中でしょう!?」
ラウルの言葉がきっかけになったわけではないだろうが
ツタで造られた方の敵からのビームが襲い掛かってきた。
「いったいなんだよ、あれは!? 生きてんのか?」
異様な敵の姿にリュウセイもさすがに驚きで声を上げる。
「それはわからん。いきなり現れて攻撃してきたんでな。
 わかっているのは敵ということだ」
カイの説明を聞き、リュウセイは舌打ちしながら
R-ウィングのGリボルヴァーを放った。

166もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:45
いつもとは勝手の違う敵に、誰もが苦戦を強いられながらも
何とか少しずつ敵の数を減らしていた。
だが慣れというものは、時によっては油断を生み出すものとなる。
ラミアのアシュセイヴァーがガンレイピアで骨のような敵を倒し、
次の目標へ向かおうとしていると、後方からビームが襲い掛かってきた。
「しまった! 避けきれんか!」
せめてコックピットへの直撃を避けようと、
腕で防御する体勢を取ったアシュセイヴァーの前方にR-1が入り込み
そのまま命中した。
「ぐっ!」
「リュウ! 大丈夫なの!?」
「大丈夫だ。少し頭を打っただけだよ」
R-3のアヤが近づき心配そうな声を上げるが、リュウセイの声を聞き安堵の溜息を吐く。
そんな様子をラミアは呆然としながら眺めていた。
「なぜだ?」
「ん?」
「なぜ私の盾になった? 一歩間違えば撃墜されていたところだぞ」
リュウセイの方もラミアの言葉が理解できないといった感じで
頬を掻いて答えた。
「なぜって…仲間だからだろ。当たり前じゃないか。
 それよりもまだ敵は残っているんだ。気を抜くなよ」
リュウセイはそう言ってまたR-ウィングに変形し飛び立っていったが
ラミアはまだ動けずに何やら呟いていた。
「仲間…私が…? 馬鹿な、そんなものは私には必要ない
 だが…なぜ不快な感じがしないのだ…」

167もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:46
半分ぐらいに数を減らしたところで、残りの敵は煙のように消え失せてしまった。
戦闘終了を確認して各機はハガネへと戻っていった。
そんな中、格納庫へ戻ったイルムは同時に収容した
タウゼントフェスラーから降りてきた男を見て驚きの声を上げた。
「お前…ジェスか!?」
「イルム! そうかお前は極東支部にいたんだったな。
 何年ぶりになるかな」
ジェスの方もイルムに気づいたのか、少々驚いた様子を見せながらも
笑顔を浮かべた。
「あいつらの葬式以来だから…3年だな。
 お前こそなんでこんな所に? 参謀本部にいるんじゃなかったのか?」
「見ての通り、少佐たちのエスコートさ。
 もちろん、それだけという訳でもないが…
 すまないがダイテツ艦長の所へ案内してもらえるか?」
「だったら俺たちと行こう。今から報告もしなければならんからな」
2人の話の中に入ってきたカイに連れられてジェスが格納庫を出て行くと
タイミングを図っていたラウルがその場にいた者の疑問を代表する形でイルムに聞いてみた
「イルム中尉、知り合いなんですか?」
「ん? ああ、仕官学校時代の同期さ。
 もっとも、俺と違ってあちらは次席卒業のエリートだがね」
「へえ…中尉と違って真面目そうな方ですね」
「どういう意味だよ」
極東支部に来て日が浅いラウルにまでそういった風に見られていることに
イルムはらしくもなくショックを感じた。

ブリッジで、ジェスはダイテツに封筒に入った書類を渡していた。
「それではこれを…例の報告書です」
「うむ、すまないな。しかし本部は壊滅したというのによく無事だったな」
「ちょうどその時は他の所に行っていたので。
 そういう悪運は強いんですよ」
封筒の中身を気にしながらもテツヤがジェスに恐る恐る話しかけた。
「中佐は先ほどの敵をご存知なのですか?」
「いや、俺も全く初めて見たものだった。
 もしかしたらあれが本部を襲ったのかもしれないが…」
「それはジュネーブに行けば答えが出るだろう」
ダイテツの言葉にジェスは頷く。
「そうですね。それでは俺はこれで、本部が音信不通になって色々と忙しいので」
一礼してブリッジを出て行ったジェスを見送り、テツヤはダイテツに聞いてみた。
「艦長、なぜレナンジェス中佐が危険な輸送任務に?
 中佐は極東支部所属でもないのに…」
「さあ、な」
ダイテツは明らかに何か知っている風な様子だったが、
その雰囲気がこれ以上の問答は無意味というものを感じさせたため、
テツヤはそれ以上何も聞けなかった。

168名無しさん:2003/11/10(月) 04:46
股間王誕生!

キキキ キキキ キングオブハート!!
キキキ キキキキ キングオブハート!!
怒れ 鉛色の股間 赤い赤玉 金の玉
光輝く自慰ストーン 幼女の貞操 汚すため
今こそ 勃ち上がれ
人の女の貞操を 汚す変態許せない
キキキ キキキ キングオブハート!!
キキキ キキキ キングオブハート!!
早朝オ○ニー承認だ!
今だ! 妄想展開だ!
変幻自在! 曲がる・精子!
露出! 妄想! カツ丼! 自慰! 誕生!
無敵の ドデカイ一物 ぼくらの股間王!
キキキキ キングオブハート!!

169名無しさん:2003/11/10(月) 04:47
諸君、私は萌えスレが好きだ。諸君、私は萌えスレが好きだ。諸君、私は萌えスレが大好きだ。

セクが好きだ。質問攻めが好きだ。雑談が好きだ。談議が好きだ。ネタが好きだ。
コテが好きだ。名無しが好きだ。百合も好きだ。薔薇が大好きだ。
元は家ゲ板で、ゲサロで、議論板で、その他はとりあえず無視してこれだけで、この地上で行われるありとあらゆる萌えスレが大好きだ。

ネタを並べたコテの一斉ネタ投下がハゲワラの表示と共に名無しを吹き飛ばすのが好きだ。
空中高く放り上げられた鰤が名無しの書き込みでウワアア━━━━━ヽ(`Д´)ノ━━━━━ ン!!!になった時など心が踊る。
ドモンの操る(ピー)が萌えコテを脅かすのが好きだ。
怒号を上げてアスカが脱いだ服を名無しが鍋で煮て食した時など胸がすくような気持ちだった。

桜島大根をそろえたレビのセルフバーニングをニヤニヤするのが好きだ。
デパ地下にやってきたシュウが、すでになくなった試食皿を何度も何度も刺突している様など感動を覚える。
弟絶対主義のクインシィをgishigishi.exeで攻めていく様などはもうたまらない。
泣き叫ぶ海本が私の振り下ろした手の平とともに金切り声を上げる芋の山にばたばたと薙ぎ倒されているのも最高だ。

哀れなションゲが、雑多なPCで健気にも立ちあがってきたのをfusianasanがPCごと木っ端微塵に粉砕した時など絶頂すら覚える。
フィオナの無乳が滅茶苦茶にされるのが好きだ。

必死に披露したはずだったネタが放置されていく様はとてもとても悲しいものだ。
名無しの物量に押し潰されて轢かれるのが好きだ。
荒らしに追いまわされ空転する談議をするのは屈辱の極みだ。

170名無しさん:2003/11/10(月) 04:47
諸君、私は萌えスレを、地獄のような萌えスレを望んでいる。
諸君、私に付き従ってはいなくて対等の萌えスレ戦友諸君、君達は一体何を望んでいる?
更なる萌えスレを望むか?情け容赦のない祭りのような萌えスレを望むか?
ネタの限りを尽くし、三千世界のコテを圧倒する嵐の様な萌えスレを望むか?

萌えスレ!!萌えスレ!!萌えスレ!!

よろしい。ならば萌えスレだ。
我々は満身の力をこめて、今振り下ろさんとするコテと名無しだ。
だが、この暗い闇の底で200スレ以上もの間堪え続けて来た我々にただの萌えスレではもはや足りない!!
大萌えスレを!!一心不乱の大萌えスレを!!

我らはわずかに1板100人に満たない2ちゃんねらにすぎない。
だが諸君は一騎当千の古強者だと私は信仰している。
ならば我らは諸君と私で総住人100万と1人の住人集団となる。

我々を忘却のかなたへと追いやり眠りこけている連中を叩き起こそう。
髪の毛をつかんで引きずり降ろし眼を開けさせ思い出させよう。
連中に萌えスレの味を思い出させてやる。
連中に我々のネタとセクの嵐を思い出させてやる。
天と地のはざまには奴らの哲学では思いもよらない事がある事を思い出させてやる。
100人に満たない住人で世界を萌やし尽くしてやる。

「最初最後のノーマル&薔薇両刀の旦那ことグエン・サードより全住人へ」
目標、萌えスレ本スレ!!
第何次でもいい、とにかく騒いで祭ってやれ作戦。状況を開始せよ。
逝くぞ、諸君。

171白鳥九十九:2003/11/10(月) 04:48
あれは、数日前だったか・・・
最近の俺は出撃任務よりもコンピューター相手に睨めっこしてる時間が多い
肉体派の俺に、こんなもんやらせてもわかるか!
・・と、くだらない愚痴はこの辺にして、とまあそんなわけで
その日もいつものメンバー(月臣とか)と一緒に任務をしていたわけだが
夜も遅くなり、見回りの為俺は懐中電灯を持って一つ一つ部屋を回っていく
そして、現在の俺の仕事場についたとたん。不意にいやな寒気を俺が襲う
しかし、幽霊が怖くては軍人なんぞ務まらんので普通にドアを開け中の様子を見る
・・・・特に異変はない、見回りも終わったのでその部屋を出ようとしたら

つづく

172白鳥九十九:2003/11/10(月) 04:48
つづき

その部屋を出ようとしたら

カチャッ

!!!!・・・・聞こえたのはキーを押す音・・・何故?ここにはだれもいないはず
たった今それを確かめたばかりなのに・・・
恐る恐る後ろを振り返ると・・・
そこにあった端末が一斉に点きはじめたのだ!
そして、画面には4・死 という文字
俺は怖くなったので急いで出口のドアを開け外にでようとした
そしてドア閉めようとしたとき思わず中の様子を見てしまった
・・・画面の文字はこう書いてあった

「さようなら」

ドアを閉め、鍵も掛けるのも忘れ俺は急いで自分の部屋に戻った
そして、一つ深呼吸をしドアを開け外を見る・・・異常はない
・・・・すべては気のせいだったと無理やりにでも思うことにし
プライベートの端末に電源を入れいろんな場所を見て回る
そして、ある場所を覗いた瞬間!
---------------------------
|あなたは | 好きですか?|
---------------------------

本当の恐怖はここから始まったのかもしれない

173白鳥九十九:2003/11/10(月) 04:48
上の最後やつもとネタ分からない人の為に↓
ttp://www.geocities.co.jp/SiliconValley/4358/red_room1.html

174もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:51
「不機嫌そうね…」
「当たり前だろう。なぜ俺が、よりにもよってあの人形と共同任務に就かなきゃならない。
 潜入任務なんぞ俺だけでも十分だ」
「確実に成功させるためよ。あの子は私の最高傑作なのだから。」
「俺が人形に劣っていると言うのか?」
「そうじゃないわ。言ったでしょ、確実に成功させるためだって。
 1人より2人の方が成功確率が高い…単純なことよ。
 私情を任務に持ち込んで失敗するわけでもないでしょう?」
「…無論だ」
「じゃあ行ってらっしゃい…気をつけてね」
「ふっ、お前からそんな言葉が聞けるとはな」
「失礼ね。私が人の心配したら悪いの?」
「そんなことはないさ…行って来る、レモン」

175もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:51
「う…」
アクセルの目が覚めたときに初めに目についたのは、自分にかけられた白いシーツだった。
どうやらいつの間にか気絶してしまい、医務室に運ばれたらしい。
「あ、気が付きました?」
フィオナが心配そうに覗き込んできた。そばではカチーナが腕組みをして、備え付けの椅子に座っている。
「俺は…どうしたんだ?」
気絶したときのショックのためか、どうもその前後の記憶がはっきりしない。
(記憶喪失も慢性化ってもんがあるのか?)
などと考えているとカチーナが呆れた顔で話し始めた。
「お前が大気圏突入ギリギリに格納庫に入って来たりしたから
 機体を固定できずに、色々転げまわって目を回したんだよ。
 今、ラッセルたちがその片付けをしているぜ。ま、外傷とかは全く無いから安心しな。」
「なるほど…」
ということは、この看病というものがいまいち似合わない二人がここにいるのも
その片付けをサボる口実といったところだろう。

「じゃあここは地上ってことか?」
「ええ。北米の西海岸…ロサンゼルスから東へ100キロといったとこです。
 ただ着陸に少し失敗したらしくて、今ヒリュウ改は動くこともできないらしいんですけど」
「そうか…よっと」
「アクセルさん! もうちょっと寝てないと」
ベッドから飛び起きたアクセルを見て、フィオナは心配そうな声を上げたが、
当の本人は何も気にしていないように、軽い柔軟体操を始めている。
「大丈夫そうなんだな、これが。そうベッドにいつまでも寝ていたら体がなまっちまう。」
そんな様子を見てカチーナはため息をつきながら立ち上がった。
「そんなに元気そうなら、もうサボることもできないな。フィオナ、艦長に報告に行っといてくれ。
 あたしはラッセルたちの様子を見てくる。もうそろそろ片付けも終わったころだろ」
背中越しに手を振りながら医務室を出て行くカチーナに続き、
フィオナも少し心配そうに振り返りながら部屋をあとにした。
独り残されたアクセルはいつの間にか体操を止めて、ベッドに座り込んでいた。
その顔にいつもの人当たりの良い笑みはなく、深刻な表情をしている。
「さっきの夢は…俺の記憶なのか?
 人形…潜入任務…か。前から薄々感じていたが、どうやら俺は堅気の人間じゃないらしいな」

176もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:51
「合流予定のハガネ、そしてラングレー基地のATXチームへの通信も完了。
 あとは本艦の修理を待つだけですな」
「ユン伍長、修理はいつ完了しますか?」
相変わらずの落ち着いた調子で口ひげを撫でながら話すショーンとは逆に、
レフィーナは艦長席のアームをせわしなく指で叩いている。
「あと1時間もすれば、通常航行は可能になります。
 しかし戦闘は設備の整った場所で本格的に修理しないと不可能ということですが…」
「艦長、少しは落ち着いたらどうですかな」
「副長…ですが今の本艦はあまりにも無防備な状況です。
 このままでは敵にとって格好の的に…」
レフィーナの危惧ももっともである。最近活発になってきたDCの残党に加え、
一夜にして連邦軍本部を陥落させた敵や、無理な大気圏突入による不時着の原因となったゲシュペンストの部隊
といった、解決すべき問題は山積みになっている。
この中で自らが置かれた身動きすらとれないといういかんともしがたい状況に、歯痒さを感じているのだろう。
「お気持ちもわからなくはないですが、こういうときこそ艦長はどっしりと構えておくべきです。
 上の者がおろおろしていると、部下も満足した動きができませんぞ。
 はい、ここは一つ深呼吸でもして」
生真面目にショーンの動きに合わせて深呼吸をしたレフィーナは少し自嘲の笑みを浮かべた。
「すみません、副長。いつまでも未熟で…」
「いやいや、完璧な人間などこの世にはいませんよ。
 だからこそ、そばに我々がいるのですから」
ショーンの言葉に対して微笑みを返したレフィーナはブリッジの天井を見上げひとつため息をついた。

177もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:53
一方その頃、1機の輸送機がヒリュウ改へ向かって飛んでいた。
その操縦桿を握っている男はキョウスケ・ナンブ中尉。
本来、輸送機の操縦など一部隊の隊長である彼が行うべき事ではないのだが、
連邦軍の慢性的な人員不足の余波はここまで来ているのだろうか。
それはともかく、彼の後ろから心配そうな少年の声がかかってきた。
「キョウスケ中尉、この輸送機にグルンガスト弐式が積まれてましたけど…
 まさかまたクスハを…」
声の主はブルックリン・ラックフィールド少尉。前大戦からの仲間である戦いが似合わない少女、
クスハ・ミズハに想いを寄せており、終戦後看護兵になった彼女がまた戦場に出ることを心配しているのだろう。
「今度の敵はどこまでの規模を持っているのかわからん。戦力は多い方がいい。
 だが心配するな。クスハはあくまでも看護兵として出向することになっている。
 彼女が弐式に乗るとは限らん」
前を向いたまま話すキョウスケの言葉を聞いたブリットは、少し安心したようにため息をついた。
そこに話の種となっていたクスハが元気づけるように話しかけた。
「ブリット君、心配してくれてありがとう。だけど、もしも必要だったら私も戦うわ。
 確かに戦うのは嫌だけど、私だけ安全なところにいてブリット君や皆が傷つくのはもっと嫌だから…」
「クスハ…わかったよ。けど約束してくれ、絶対に無理はしないって」
軍の輸送機の中にはそぐわない雰囲気を醸し始めた2人を
キョウスケの隣で眺めていたエクセレン・ブロウニングは楽しそうに頷いた。

「うーん、青春よねえ。ねえ、キョウスケ。私にもああいうこと言ってくれない?」
「何をだ?」
「だからぁ、『無理するなよ』とか『お前は俺が守ってやる』とか…」
怪訝そうに眉をひそめながら、少しエクセレンを見たキョウスケだったが、
すぐに視線を前方に戻した。
「…これ以上始末書を書かされるのは御免だぞ」
「いや、全っ然違う! って言うか、始末書を書く原因は私よりあなたの方が…って通信が入ってきてる。
 ヒリュウ改からだわ。どうしたのかしら、予定合流時間はもうちょっと先だけど」
通信を開くと、ユンの顔がモニターに映し出された。
先ほどとは打って変わって、エクセレンは満面の笑顔でモニターに手を振る。
「あらユンちゃん、お久しぶり〜。どう? そっちの皆は元気してる?」
「ええ、まあ…こほん。
 ヒリュウ改よりATXチームへ、
 現在、本艦は敵の攻撃を受けています。至急救援に来てください」
能天気ともいえるエクセレンの調子に少しあっけにとられたユンだったが、
すぐに彼女本来の冷静な態度を取り戻し現状の説明を始めた。
「了解、あと10分ほどでそちらに着く。もう少し耐えてくれ」
手短に通信を終わり、モニターはまた暗い闇を映した。
「相変わらず真面目ねえ、ユンちゃんは」
この緊急事態にもかかわらず、エクセレンは相変わらずの調子で呟いた。
あるいは不謹慎ととられかねない態度だが、どんな状況でもマイペースを貫き
自分を見失わないことは、彼女の強さの一つでもある。
「あれから一年も経っていないんだ。そう簡単に人間が変わることはない。
 それより飛ばすぞ、掴まっていろ」
そう言ったかと思うと、輸送機は急加速し、かなりのGが襲いかかった。
「ち、中尉! 急ぐのはいいんですが、安全運転でお願いします!」
ブリットの涙混じりの叫びが操縦席に空しく響いた。

178もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:55
ATXチームとの通信より数分後、ヒリュウ改ではまだ戦闘が続いていた。
襲いかかったのは骨とツタのようなものでできた生物的なフォルムを持つ敵。
彼らには知る由もないことだが、先日ハガネが遭遇した敵と同じだった。
「ちっ、次から次へと湧きやがって…イライラさせやがるぜ
 第一、あたしは防戦ってのが性に合わないんだよ」
「そうだろうなあ…」
「何か言ったか、アクセル? あばら折るぞ?」
「な、何も言ってないさ、気にしない気にしない」
目を座らせて睨めつけるカチーナにアクセルは冷や汗をたらしながらなだめる。
「ったく…キョウスケたちも来るなら早く来いっての」
残弾が尽き、トリガーを引いても軽い音しかしなくなったマシンガンを投げ捨て、
カチーナの赤いゲシュペンストはプラズマカッターで目前の敵に斬りかかった。

「エネルギーは全てEフィールドへまわしてください!
 砲手は弾幕を張ることに専念、敵を本艦に寄せ付けないように!」
レフィーナの勇ましい声がブリッジに響く。
そんなあわただしい中、フィオナから通信が入った。
「レフィーナ艦長、私も出ます!」
「しかしフィオナさん…あなたの機体は地上戦に対応していないのでしょう」
レフィーナの言葉通り、今フィオナのエクサランスには
宇宙戦用のコスモドライバーフレームしかない。
そのため戦闘には参加せず、格納庫で待機していた。
「それでも砲台代わりにはなります!」
「…わかりました、出撃を許可します。しかし、危なくなったらすぐに帰艦してください」
「了解!」

そうして、勢いよくカタパルトから飛び出したエクサランスだったが
すぐにバランスを崩し地上へと落ちてしまった。
「ったぁ…こんなに大気圏内が動きにくいものとは思わなかったわ。
 フェアリーはさすがに使えないわね…ならハイコートマグナムで!」
何とか立ち上がったエクサランスは危なげな動きでマグナムを放つが、
全てを宇宙用に調整されているコスモドライバーでは照準もままならなく、
中々敵に命中しない。
「このっ! このっ!」
半ば意地になって乱射するが、冷静さを欠いてしまっては当たるものも当たらない。
その上、あまりに攻撃することに集中してしまったため、後ろから近づく骨の敵に気付かなかった。
いつもならばするはずのない致命的なミスだ。
「きゃあ!」
突然の衝撃にエクサランスがうつ伏せで倒れる。しかも当たり所が悪かったのか、
思うように脚部が動かず立ち上がることすらできなくなってしまった。
そんなエクサランスに対し、骨の敵は無慈悲に腕を振り上げ、止めを刺そうとする。
「こんなところで…っ」
後悔と無念だけが頭をよぎる中でフィオナは目を閉じた。

179もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:55
が、その後に聞こえてきたのは予想とは違う大きな火薬の音と何かが地面に落ちた音だった。
目を開き何とか上を振り向くと、腕から硝煙を立ち上げている赤いPTが悠然と立っていた。
ATX計画で製造された特別機、コードネーム「アルトアイゼン」である。
「そこのパイロット、大丈夫か?」
どこかで見たような光景にフィオナが呆然としていると、アルトアイゼンから通信が入ってきた。
「キョウスケさん!?」
モニターに映し出された顔は―身に纏う雰囲気はかなり違うが、確かに未来で共に戦った男のものだった。
フィオナは驚きの声を上げると同時に未来での出来事を鮮明に思い出し、言葉を続けられなくなってしまったが
キョウスケにしてみればそんなことがわかるはずもない。
「確かに俺はキョウスケ・ナンブだが…どこかで会ったことがあるか?」
「あ、いえ…その…」
なんと説明してよいやら迷っていると、横からカチーナの怒鳴り声が割り込んできた。
「キョウスケ! てめえ遅いんだよ!」
「まあまあ中尉、これでも急いできたんだから怒らないで。
 それに言うでしょ、『過労は寝て待て』って」
「少尉、それを言うなら『家宝』ですよ」
「『果報』だ」
「…相変わらずそうですね。」
どこか懐かしささえ感じてしまう漫才にレフィーナは苦笑いを浮かべた。
「すまない、艦長。キョウスケ・ナンブ以下ATXチーム4名、これより貴艦の指揮下に入る」

「……ハジ…マ…」
「!?」
「喋った!?」
いまいち気の抜けたやり取りをしている中で突然敵から聞こえてきた声に
キョウスケとエクセレンは驚いたが、どうやら反応したのはその2人だけらしい。
「何を言ってるんです、少尉!」
ブリットがチャクラムシューターで敵を切り裂きながら叫ぶ。
声が聞こえなかった彼からは、まだふざけているように感じたらしい。
しかし、そのブリットに倒された敵が、また消滅する前に言葉を残した。
「ア……ウグ…ス……」
「また!? ねえキョウスケ、聞こえたでしょう!?」
「ああ…」
(だが、聞こえたといっても通信を受けたり、外から聞こえたわけじゃない…
 むしろ、頭の中に響いたといったほうがいいのか…?)
「本当にどうしたんスか、中尉たち? もしかしてあの化物たちを知ってるとか?」
いつもと様子の違う2人にタスクが怪訝そうに聞くが、
当のキョウスケたちもあのような敵を見た覚えはない。
「いや…俺も知らない」
「う〜ん…ああいうデザインなら一度見たら忘れるはずがないんだけど…」
「アインストですの」
2人が考え込んでいると、また急に、今度ははっきりとした少女の声が聞こえてきた。

180もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:55
声が聞こえた方を見ると、赤い髑髏のようなもの身に着けた禍々しい印象の機体が浮かんでいた。
「やっと会えましたの…エクセレン、そして…キョウスケ」
声の主の青い髪をした少女は、長い間会えなかった恋人を見るような安らかな眼差しで
キョウスケとエクセレンを見つけた。
「明らかに他のとは違うって感じね。あなたが親玉かしら、お嬢ちゃん?」
「アルフィミィですの」
また聞き慣れない単語が出てきた。話の流れから考えると少女の名前だろうか。
「アルフィミィちゃんって言うの? じゃあ、少しお姉さんとお話しない?
 どうも、私たちのことを知っているみたいだけど…」
「残念ですけど、それはできませんの。今日は顔を見せに来ただけ…
 帰りますのよ、クノッヘン、グリード」
アルフィミィと名乗った少女がそう言うと、ヒリュウ改の周りを囲んでいた敵が次々と姿を消し始めた。
「逃げる気か!?」
「そうはさせん!」
そう言い終わる前にアルトアイゼンは背部のバーニアをふかして、
その巨体に似合わないスピードでアルフィミィの機体へ迫り、右腕のステークを突き出した。
しかし、その寸前に目標の影は陽炎のように消え去り、ステークも空を切るだけだった。
「慌てなくてもまた会えますの。そして、その時は…」
また頭の中に響くアルフィミィの声だけを残し、アインストと名乗った集団は全て消えてしまった。
「おしかったんだな、これが」
気がつくと、アルトアイゼンの隣にアクセルのソウルゲインが立っている。
近づかれた気配がなかったことを考えると、アルフィミィへの突撃の際に、同時に攻撃を仕掛けていたのだろう。
「お前は?」
「あ、挨拶がまだだったな。俺はアクセル・アルマー、職業は記憶喪失。よろしくっ」
「…おかしな男だ」
自分のことは棚に上げながらキョウスケは、彼にしては珍しく薄い笑みを浮かべた。

181もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:56
戦闘を終えた後、キョウスケはチームを代表してブリッジに来ていた。
「では、中尉たちは本当にあの敵…アインストについては知らないのですか?」
「はい、相手は俺たちのことを知っているようでしたが、こちらには全く記憶はありません」
「声が聞こえたというのは?」
「はっきりと言えるわけではありませんが…空耳や聞き間違いではないと思います」
やはりというべきか、話の内容は先程の敵、アインストのことが中心となった。
しかし、キョウスケにとっても訳のわからないことばかりで、逆に誰かに質問したいくらいである。
「そうですか…この話はここまでにしましょう。
 で、これからのことですが、もうすぐ合流するハガネも含めて
 中尉にはまた戦闘指揮を採ってもらいたいんです」
レフィーナの申し出はキョウスケにも予想できていたことだった。
前大戦で同じ職に就いたキョウスケが確かに適任だろう。
「了解しました。ところで、いつの間にか新しい顔が増えたようですが?」
「ええ、話せば長くなるんですが…とにかく皆さん心強い味方ですよ」
「そうですか。彼らは今ロビーに?」
「多分そうだと思いますよ。行ってみますか?」
「はい…」

ロビーでは久しぶりに顔を合わせたことで、
以前の思い出や近況といった話に花が咲いていた。
「ホントみんな変わりないみたいね」
「それはこっちのセリフだぜ」
話の輪の中心になっているエクセレンをフィオナは外れたところから見つめていた。
(あの人がエクセレンさん…キョウスケさんの恋人…)
そして未来で聞いた話によればいずれ命を落とす女性、それもキョウスケ自身の手によって…
複雑な気持ちで見ていることを気付かれたのか、ふとこちらを向いたエクセレンと目が合った。
「フィオナちゃんだっけ? 私の顔に何か付いてる?
 まあ、熱い視線を受けるってのは悪い気はしないんだけど、私そっちの気はないのよね…」
「い、いえ、そんなんじゃないです。すみません、ええと…」
何やら怪しい話の流れになってフィオナがうろたえていると、ロビーの扉が開きキョウスケが入ってきた。
「あ…」
考えていたことが知られたわけでのないのに、申し訳ないような気持ちになってしまい、
思わず目をそらしてしまう。
そんなフィオナを一瞥した後、キョウスケはエクセレンたちがいるところへ歩いていった。
「あら、ダーリン。どうだった?」
「その呼び方は止めろ…とにかく、結局配置は前大戦時とほとんど同じようになるようだ。
 それより、あと数分でハガネと合流するらしい。
 それと共にヒリュウ改は戦闘ができないからPT等の機体は全てハガネに移すことになった。
 自分の機体がある者は準備をしろ」
キョウスケの言った言葉に一部からブーイングが起こりながらも、
ロビーからどんどん人がいなくなっていった。
フィオナもそれに続こうとしたとき不意に隣から声がかけられた。
「思ったより早くラウルたちと合流できましたね」
「ラージ!? いつからそこにいたの?」
「さっきからいましたよ。
 …フィオナ、はっきり言っておきますが、僕たちは歴史を変えることを極力抑えなければなりません。
 だから…」
「それ以上言わないで…わかってる。
 ……わかってるわよ」
フィオナはそう言うが、俯いた彼女の瞳はいつもと比べて弱々しい。

外ではもうすでにハガネのエンジン音が聞こえ始めていた。

182ゴーマン大尉:2003/11/10(月) 04:57
俺の名はゴーマン大尉。ベガ星連合軍の大尉だ。
今回の話も俺の若い時、軍に入りたての時の話で、キャンプ訓練の時の話だ。
夜の訓練も終え、俺達訓練生は睡眠を取る事になった。
テントは10人用で、俺を含め7人の訓練生と全員のリュックサック等をおいて丁度いい くらいの広さだった。

夜になり寝袋をひいて中に入る俺達、これが学生なら怪談話等で盛り上がるのだろうが、訓練で疲労の為に俺達はグッスリと寝てしまった。

しかし、夜中に寝苦しさを覚えふと目をあけて見るた、なにかテント内が異様な雰囲気だった。
どうだったと上手く言えないが、寝た時とは少し様子が違ったのだ。
(…おかしいな?)
テント内にはみんなの寝息とともに、寝袋のすれる音のみが聞こえていた。
(みんな寝てるはずだよな…?)
点検のつもりで、頭を少し上げてグルーっと見まわしてみました。
そのときわかったのです!
(なっ、8人いる!?)
俺を含め7人のはずが、しっかり8人居るのだった!何度数えても、どう見ても8人 いるではないか!

テント内は管理人室からの明かりで、どうにか輪郭が見えるといった程度で、 見間違いかも知れないと思ったのと、単純な好奇心から 全員の顔を確かめようと、上半身をおこし 懐中電灯でひとりひとり顔を照らしていった。
7人並んで寝ていた中で俺は 左の入り口から2番目だったので、右側から見ていった。
しかし二人の顔は確認できたのだが、後はすっぽり寝袋を被ってたり、そっぽ を向いていたりでよく見えなかったのだ。
すると私の左側に寝ていた唯一の訓練生ジグラ(俺の左にはこのジグラ一人だけ)が、 大きな目を開けて俺を見ていたので、思わず叫びそうになってしまった。
(うわっ!!)
するとジグラが小声で、
「おい…」と言うので、
「脅かすなよ…起きてたのか?」と聞くと、
「ああ…さっきな、なんかチーってチャックの音がしたから…起きちまったんだ…」
と言うのだった。
「あん?リーダーでトイレの近いゲッペルか?」
「俺が知るかよ…」
ちょっとした恐ろしさも有ってか、俺は少し興奮気味だった。俺の右側にいる6人を思いっきりたたき起こして、 正体を暴いてやろうかと思ったのだが…ふっと右側を見て俺は驚いた。
(なっ!?ひ、一人減ってやがる!)
そう、何故か5人しか居なかったのだ。
俺の見間違いだったのか?それとも本当に別の何かがいて…?
まさかな…俺は恐怖も有ってか「まあ良い、もう寝ようぜ…明日も早い」
といって寝袋におさまった。

次の朝になって、訓練生の皆がテント内の掃除を始めた。すると同じ班のの訓練生であるホワイターが 「おい、落し物だぞ」 見てみると、名前の書いていないキャップだった。
「どこにあったんだ?」と聞くと、
「俺達のテントの中だ」というので、全員で調べまたのだが、全員名前の書いた
キャップを持っていた。念の為、他の班や教官にも聞いて見たが、誰も該当者が居なかったのだ。
ついでに昨夜、誰か見まわりに来たか聞いたのだが誰一人、テントのそばにさえ 来ていないと言うのである。
ましてや、チャックを開けて見るなど…

そのキャップはキャンプが終わるまでに、どこかへ無くなってしまった。
上の人間が保管しているのかも知れない。
今思えばチーっというチャックの音は、すでに誰かが中に入り、内側から閉めた音かもしれない…俺はそう思いたかった…

183:2003/11/10(月) 04:58
ハガネが着陸してすぐ、ヒリュウ改からの搬入作業が始まった。
急な決定ではあったが、何とか滞りなく作業は進んでいるらしい。
ブリッジのモニターにはダイテツの顔が映し出されており、
これからのことについて話し合っていた。
「レフィーナ艦長、色々と大変だったようだな」
「ええ…申し訳ありません、このような非常時に」
「気にするな。君の判断には間違いは無かった。他の者だったら地球に降りることすらできなかっただろう。
 それで、これからはどうするのかね?」
「はい、一度テスラ・ライヒ研究所に立ち寄って修理した後、ジュネーブに向かおうと思います」
レフィーナの言葉にダイテツは頷いた。
ハガネも同様であるがEOTによって改修されているヒリュウ改は、それだけで整備する環境すらも限られてしまっている。
その点、EOTの研究機関の一つであるテスラ研ならば畑違いとはいえ、比較的満足な修理を行うことができるだろう。
「うむ…今の連邦軍基地にヒリュウ改の修理ができるほど余裕のあるところも少ないだろうからな。
 では、本艦が近くまで同行しよう」
「それでは任務に支障が…」
「いや、方向はさほど変わらないから大した回り道にはならん。
 それにDC残党や例のアインストとやらが狙ってくるとも限らん。
 今ヒリュウ改は連邦軍の貴重な戦力だ。失うわけにはいかんからな」
確かに護衛部隊もハガネに送ってしまった今のヒリュウ改では、攻撃を受けるだけでひとたまりもない。
「…それではお言葉に甘えさせていただきます」
「それでいい、わざわざ気を使う必要もない。副長、搬入作業はあとどれくらいで終わる予定だ?」
「はい、あと一時間で発進できるそうです」
「よし、できるだけ急がせろ。なるべく早くここから移動した方がいい」

184もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 04:59
ハガネが着陸してすぐ、ヒリュウ改からの搬入作業が始まった。
急な決定ではあったが、何とか滞りなく作業は進んでいるらしい。
ブリッジのモニターにはダイテツの顔が映し出されており、
これからのことについて話し合っていた。
「レフィーナ艦長、色々と大変だったようだな」
「ええ…申し訳ありません、このような非常時に」
「気にするな。君の判断には間違いは無かった。他の者だったら地球に降りることすらできなかっただろう。
 それで、これからはどうするのかね?」
「はい、一度テスラ・ライヒ研究所に立ち寄って修理した後、ジュネーブに向かおうと思います」
レフィーナの言葉にダイテツは頷いた。
ハガネも同様であるがEOTによって改修されているヒリュウ改は、それだけで整備する環境すらも限られてしまっている。
その点、EOTの研究機関の一つであるテスラ研ならば畑違いとはいえ、比較的満足な修理を行うことができるだろう。
「うむ…今の連邦軍基地にヒリュウ改の修理ができるほど余裕のあるところも少ないだろうからな。
 では、本艦が近くまで同行しよう」
「それでは任務に支障が…」
「いや、方向はさほど変わらないから大した回り道にはならん。
 それにDC残党や例のアインストとやらが狙ってくるとも限らん。
 今ヒリュウ改は連邦軍の貴重な戦力だ。失うわけにはいかんからな」
確かに護衛部隊もハガネに送ってしまった今のヒリュウ改では、攻撃を受けるだけでひとたまりもない。
「…それではお言葉に甘えさせていただきます」
「それでいい、わざわざ気を使う必要もない。副長、搬入作業はあとどれくらいで終わる予定だ?」
「はい、あと一時間で発進できるそうです」
「よし、できるだけ急がせろ。なるべく早くここから移動した方がいい」

185もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 05:00
次々とハガネの格納庫に入れられていく機体の中に、フィオナのエクサランスの姿もあった。
「あ、来た来た。本当にあいつらもこの時代に来てたんだな」
搬入作業の手伝いも兼ねて、様子を見に来ていたラウルとミズホはその影を見つけ、
嬉しそうな声を上げた。
あちらもそれに気付いたのかコックピットハッチがすぐに開き、
フィオナがこちらに勢いよく駆け寄ってきた。
「ラウル! ミズホ!」
(俺たちがいなくて寂しかったのかな、なんだかんだいってフィオナも女の子だよな)
などと思い、ラウルは両手を広げてフィオナを待ったが、
フィオナはその横をするりと通り抜け、後ろにいたミズホに抱きついた。
「久しぶり! 元気そうね、ミズホ」
「フィオナも。でもちょっと痩せました?」
「あ、わかる? 最近色々大変だったからね…」
盛り上がる会話を背中で聞きながら、固まった笑顔のまま広げた両手をどうしたものかと悩んでいると
フィオナに遅れてラージがいつの間にか目の前に来ていた。
「抱きついた方がいいですか?」
「いや、やめといてくれ」
何やらどっと疲れてしまったラウルは力無くうなだれた。

「とりあえず無事に会えてよかった。
 色々と話すことがあるので人が来ないところに案内してもらえませんか、ラウル」
「ああ、そうだな…俺の部屋に来いよ。あそこなら多分大丈夫だ」
そうして格納庫を出ようとした4人だったが、
ちょうどその時入ってきたヒュッケバインmk-3を見て、ミズホは立ち止まった。
「あれは…どうして…?」
「どうしました?」
「いえ、何でもないです。行きましょう」
声をかけられて、慌てながら3人の元へ走り出したミズホの後ろにあるヒュッケバインmk-3を
ラージは少し険しい目で見つめていた。

186もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 05:00
また別の場所でも再会に喜ぶ者たちがいた。
「クスハ!」
クスハは自分の名前を呼んで、駆け寄ってくる少女を見て目を丸くした。
「カーラ? どうしてここにいるの!?」
「えへへ…まあ成り行きでね。ちょっとここでパイロットをやってるの」
「そんな…」
「クスハ、知り合いか?」
「あ、うん。高校のクラスメイトのリルカーラ・ボーグナインっていうんだけど…」
「この人が噂の彼ね。…ふーん」
クスハの後ろから声をかけてきたブリットは自分を値踏みするようなカーラの視線に
居心地悪そうに少しうろたえた。
「な、何だよ」
「ま、顔はいいわね。リュウセイも顔だけ見れば結構いけるし、クスハって意外と面食いだったんだ」
「ちょっと、カーラ!」
頬を染めて声を荒立てるクスハを尻目にカーラはからからと笑った。
「あはは、ごめんごめん。とりあえずよろしくね、ブルックリン君」
「ブリットでいいよ」
「じゃあ、あたしもカーラでいいよ」
こちらもまだ少し顔が赤いブリットだったが、その頬は緩んでいた。
このように誰に対しても気軽に付き合えるのもカーラの才能の一つと言えるかもしれない。
そんな和やかな雰囲気の中にリュウセイが近寄ってきた。
「クスハ、ちょっといいか?」
「え…うん」
彼にしては少し似合わない、深刻な雰囲気にクスハは少し戸惑いながらもリュウセイの後についていった。

187もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 05:01
「いいのか、ブリット?」
2人の後ろ姿を見送るブリットの背中から今度はタスクが話しかけてきた。
「何がだよ?」
「いやさ…ほら、あの2人。
 クスハちゃんもリュウセイのこと完全に吹っ切れたってわけでも…ないんだろ」
さすがに言い辛そうに目線をそらしながら話すタスクだったが、
ブリットは逆にさほど気にしないようだった。
「大丈夫だよ…うん」
「あらあら、余裕ねぇ。この前のデートでも手を繋ぐところまでしかいかなかったでしょう」
「し、少尉! いつからそこに…って何でそのこと知ってるんですか!?」
「わお…まあいいじゃない、そんなことは」
「何だ。お前らまだそんなものなのかよ」
「そ、そういうお前こそレオナとはどうなんだよ?」
笑ってごまかすエクセレンと、呆れたように言うタスクに追い詰められたブリットは言い返したが、
苦し紛れのその言葉はタスクにとって触れたくない話題だったらしい、彼の目が明らかに泳いだ。
「……お互い、がんばろうな」
「…ああ」
奇妙な男同士の友情が再確認された瞬間だった。

「そんな…ユウ君が…」
格納庫の一角でリュウセイから聞いたカーラの話はクスハに少なくないショックを与えていた。
少し顔が青ざめている。
「でも、さっきのカーラはそんな素振りは…」
「あいつもああいう性格だからな。多分心配かけたくないんじゃないかと思うんだ。
 でも…きっと無理してる。それでさ、クスハにあいつを見ていてほしいんだ。
 俺は…どうもそういった心配りってのが苦手だからさ」
「……わかったわ。でも…ふふ」
突然嬉しそうにに微笑んだクスハを見てリュウセイは眉をひそめた。
真面目に深刻な話をしたつもりだったのに馬鹿にされたような気がしたのだ。
「何だよ。おかしな事言ったか?」
「ううん、そうじゃないの。
 リュウセイ君がそんな風に女の子の気持ちがわかるようになったのがなんだか嬉しくて。
 前のリュウセイ君だったら、そんなこと気がつかなかったと思うから…」
クスハがそう言うとリュウセイはばつが悪そうにそっぽを向いて口を尖らせた。
「おふくろみたいなこと言うなよ」
「同じようなものよ。小さな頃から一緒にいて、見ていたんだから」
「…とにかく、カーラのこと頼むぜ」
これ以上居ては昔のことを色々と蒸し返されそうだ。
リュウセイは一方的に話を切り上げて、逃げるように格納庫から出て行った。
クスハはそんな様子をまだ微笑みながら見ていたが、
ブリットたちと楽しそうに話すカーラの方を向くと悲しそうな眼をした。

188もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 05:02
そしてここでも。
しかし、他のところとは少し様子が違っていた。
「アクセル隊長!?」
「ん?」
ハガネへ入ってくるソウルゲインを見つけ、まさかと思いつつもラミアが格納庫へ入ると
物珍しそうにきょろきょろとあたりを見渡しているアクセルを見つけた。
「無事だったようでありますわね。指令のことでございますですが…」
「ちょっと待ってくれ。あんた俺のことを知っているのか?」
「は?」
予想外の返事にラミアが唖然とすると、笑いながらアクセルが言葉を続けた。
「俺、どうも記憶喪失ってやつらしいんだ、これが。
 あんたが俺のことを知っているなら教えてほしいんだがな」
(記憶喪失だと…?)
ラミアがいぶかしげに目の前でへらへらしているアクセルを見ていると、
そんな2人を見つけたのか、キョウスケが声をかけてきた。
「アクセル、知り合いなのか?」
「ああ、どうもそうらしいんだな」
(どうする…これでは使い物にならない…)
「本当なのか?」
押し黙ったままの、様子がおかしいラミアを見て、
キョウスケが聞き返すがラミアは首を振った。
「いえ、人違いだったりしちゃったようですわ。失礼いたします」
おかしいながらも丁寧な言葉使いとは逆に、
愛想なく背を向けて歩いていったラミアを見てアクセルは呟いた。
「変なしゃべり方だな」
「…お前が言うか?」

189もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 05:02
「どういうことだ! ラージ!!」
部屋の中にラウルの声が響いた。
しかしそんな怒声をぶつけられた当のラージは、相変わらず落ち着きはらって眼鏡のずれを直している。
「どういうことと言われても、さっき言ったとおりですよ。
 僕たちはこの時代で表立った行動をすべきではない。
 つまりは必要以上にここの人たちの手助けをしないということです」
「お前…本気で言ってるのか!? この後皆がどうなるか、お前も知ってるだろう!」
「ラウル、ちょっと落ち着いてよ。大体ここの人たちって皆強いよ。
 …それこそ私たちが助ける以前にさ。それに多分問題となるのはL5戦役でしょう。
 だったらまだ先の話よ」
すっかり興奮した様子でラージに詰め寄ろうとするラウルを押さえながら、
フィオナは必死になだめた。
「いえ、それだけではないようですよ。
 …そうですよね、ミズホさん?」
ラウルの剣幕にすっかり身が引けてしまっていたミズホは、急に自分が呼ばれて思わず聞き返した。
「え…何のことですか?」
「先ほどヒュッケバインを見たあなたは少し様子がおかしかった。
 そう…そこにあるはずのない物を見たように」
「どうなの、ミズホ?」
「はい…私も本で見ただけですから詳しくは言えないんですけど…
 あのヒュッケバインシリーズには異名というか、少しいわくがあるものなんです。
 バニシングトルーパーという…」
3人の視線を受け、少しまごつきながらミズホは話し始めた。

「その名前も初めは起動実験の際に暴走事故を起こして基地一つを消滅させたmk-1だけを意味するものでした。
 しかし、その原因となったEOTを排除して造られたmk-2も、DC戦争の際に2号機をDCに奪われて行方不明に。
 続いたmk-3も一機は起動実験に失敗して廃棄、成功したもう一機も輸送途中の事故で行方不明になったんです。
 そういったことからその高いスペックと相まって
 マオ・インダストリーをいい意味でも悪い意味でも代表するシリーズなんです。
 だから…ここにそのmk-3があるはずはないんですが…」
「輸送途中の事故って、あのゲシュペンストたちのことね…
 ……ちょっと待って、あの時私たちは特に何もしてないわよ?」
確かに襲われているリョウトたちを助けたときにフィオナは出撃した。
しかし、その時はろくに戦闘もしないままに相手は撤退していったはずだ。
「ええ…でも事実としてmk-3はここにある。
 本来の歴史であれに乗っていたリョウトさんたちがどうなったかまではわかりようもないですが…」
ミズホの話に得心がいったように頷きながらラージは言った。
「確かにフィオナが言うとおり、あの時は僕たちの行動が歴史を変えたとは思えません。
 しかし…僕たちがここにいるということ自体が歴史に影響を与えているとしたら?」
「え…?」
「本来僕たちはこの時代にいるはずのない人間です。そんな存在が因果律に影響を及ぼさないはずがありません。
 こんなことを見落としていたとは僕の失敗としか言いようがありませんが…
 このままでは取り返しの付かないことになります」
「タイムパラドックス…私たちの存在が消えてしまうって言うの?」
思っていた以上に深刻な話に誰もが口を閉ざした。
ただ一人ラージは変わらぬ調子で淡々とフィオナの言葉に答えた。
「それはまだいい方ですね。最悪の場合、この宇宙が崩壊します。
 それも決して低くない可能性で…」

190もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 05:03
その言葉が決定的となり部屋の中の雰囲気は一層重いものになった。
望んだことではなく、そして事故が原因とはいえ自分たちの存在がそこまで重要なものになっていることに、
誰もがショックを隠し切れなった。
「だけど…俺は…!」
ラウルは拳を握り締めながら吐き出すように言う。
そんな様子をミズホは心配そうに見つめた。
「ラウル…」
「ねえラージ、結局のところどうすれば解決するの?
 ここの歴史に介入しないとは言っても、それは問題を先延ばしにしているだけでしょう?」
「僕たちが元の時代に帰ることですね。それも一日でも早く、歴史への介入を最小限にして…
 それにはまず、時流エンジンの研究を進めなければなりませんが」
「だったら話は決まりね。
 今のところは現状維持、私たちはエクサランスで戦ってエンジンのデータを集める。
 その結果がどうなるかはわからないけど」
「フィオナ! 僕の話を聞いていたんですか!?」
フィオナの言葉に今度はラージが声を荒立てる。
仕方がない。先ほどまでの話からどうしてそうなるかラージには理解できなかった。
「聞いて、ラージ…
 私は…もちろんラウルも、トレーニングとかシュミレーションじゃなくて実際に戦場に出てるからわかる。
 あそこでは結果は2つしかない…勝つか、負けるか。死ぬなんてことも…全然珍しいことじゃない。
 そんな中では、私たちは必死になって戦うしかないの。
 うまく立ち回ろうとか都合のいいこと考えている余裕なんてない。
 もっと私たちに力があれば違うかもしれないけれど…」

「フィオナ……わかりました」
口ではそう言うが納得してはいないのだろう、ラージの表情がいつも以上に厳しくなっている。
そんな様子を少し寂しげな目で見た後、フィオナは暗い雰囲気を変えようと明るい声で言った。
「と言うわけで、ミズホ、フレームの在庫ってある?
 私が今持ってるのはコスモドライバーフレームだけだから地上じゃちょっと辛いのよね」
「すみません、私たちの方にも乗ってきたガンナーフレームをだましだまし使ってるんです。
 …あ、でもフライヤーフレームなら1週間ほどくらいあればできると思います。
 設計図のデータディスクなら持ってますし、
 コスモドライバーフレームと互換性が利くパーツも結構ありますから。
 …そうだ、そういえばこっちの方もエンジンの調子がおかしいようなんですよね、ラウル?」
「ああ…そうだったな」
「それは僕が見てきますよ」
そう言って不機嫌な様子のままラージが部屋を出て行った。
それに続いてこちらもまだ苛立った表情のラウルも出て行こうとする。
「ラウル、どこへ行くの?」
「ダイテツ艦長のところだよ。もしかしたら2人ともしばらく出撃できないかもしれないだろ。
 そのことを言いに行ってくる」
ぶっきらぼうに言葉を残してラウルは部屋を後にした。
そして残されたフィオナとミズホは顔を見合わせた後、同時にため息を吐いた。
「まったく、男ってやつは…」
そんなフィオナの呟きにミズホは苦笑いを浮かべる。
「はは…じゃあ私もディスクを取ってきますね。
 ……フィオナ、2人の言うことを同時に…いえ、忘れてください」
首を振りながら言ってミズホも自分の部屋へと向かっていった。
結局一人だけ残ってしまったフィオナは窓から見える景色を見つめた。
ガラスに映るその顔に先ほどの元気は少しばかり消えていた。
「できることならそうしたいけど…無理よね、多分…」

191もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 05:03
一方、ロビーでは明るい話し声が響いていた。
と言っても、そこにいるのはリオ、レオナ、クスハ、そしてカーラの4人である。
女が3人寄れば…とは言うのもこの場合も間違いはではないようだ。
その盛り上がっている話題はどうやら彼女たちのボーイフレンドのことらしい。
年頃の少女にとっては最も気になる話題の一つだろう。
「そんなこと言ったの? まったくタスク君ったらどうしようもないわね!」
「でも、私もあの時はちょっと悪かったかも…」
「だめよ、レオナ。男ってのはちょっと甘やかすとすぐつけあがるんだから」
「リオったら…リョウト君もそうなの?」
苦笑いを浮かべるクスハの言葉に、大人ぶって頷いていたリオは急に顔を真っ赤にした。
「べ、別に私たちはそんなんじゃ…
 そうだ、カーラはどうなの?」
「へ、あたし?」
いきなり話を振られてカーラは少し戸惑ったが、
どうにかして話題を自分たちのことから離したいリオは勢いよくまくしたてた。
「そうよ。いるんでしょ、彼氏の1人や2人。なんだったらクスハの高校時代の話でもいいけど」
「ちょっとリオ!」
慌ててクスハが止める。そんな話題になればユウのことに触れるわけにはいかない。
できるなら今はそのことは忘れさせてやりたかった。
そのために年齢が近いリオたちの中にカーラを紹介したのだ。
「気にしなくていいよ、クスハ。
 うーん、なんだか話し続けて喉が渇いちゃった。皆はどう?」
「え…うん、そうね」
2人のやり取りに違和感を感じながらリオとレオナは頷いた。
「じゃ、お茶入れてくるね。
 紅茶に関してはちょっとは鍛えられてるから期待していいよ」
そうしてカーラはロビーを出て厨房へと向かった。その後、恐る恐るリオが尋ねる。
「クスハ…もしかして私、悪いこと言っちゃった?」
「うん…でも気に病まないで。後で説明するから」
そう、リオは悪くはない。事前に彼女のことを説明しなかった自分が悪いのだ。
そう自分に言い聞かせてクスハも厨房に向けて走った。
リオのフォローもしたかったし、何より一言謝りたかった。

192もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 05:05
「新たな〜伝説を〜 今この手で〜♪」
厨房に入るとカーラが得意な歌を歌いながら棚を探っていた。
「カーラ…」
何と声をかけたらよいか迷いながら呼びかけると、
カーラはいつもどおりの明るい顔を向けた。
「あ、クスハ。一緒にお茶っ葉探してくれない?
 どうも勝手がわからなくてさ」
何もなかったかのように振舞うその様子を見て、かえって心苦しくなってしまったクスハは
慎重に言葉を選びながら話し始めた。
「あのね、カーラ。リオは何も知らなくて…その…悪気があったわけじゃないのよ。
 だから…」
「ああもう、大丈夫だって。あたし気にしてないって言ったでしょ。
 昔からクスハはそんな風に人のことを気にしすぎなのよ」
カーラは心配など必要ないかのように手を振り笑顔を浮かべる。
「でも…辛くないの?」
言った後でしまったと思った。
リオのフォローをしようと思ったのに、こんなことを言ってしまっては本末転倒である。
すぐに謝ろうとしたところにカーラが抱きついてきた。
その肩が小刻みに震えている。
「か、カーラ…」
「なあんちゃって!」
予想外の展開にクスハがうろたえていると、ばあと先ほどと変わらぬ笑顔でカーラは顔を上げた。
「え…」
「少しはびっくりした? …心配しなくていいよ。ユウもきっと見つかる。
 軍の人たちが探してくれているんだから…きっと見つかるよ」
あくまで笑顔を崩さないカーラを見て、クスハも少し頬が緩んだ。
「そう…よね」
「あ、お茶っ葉、見っけ! クスハと話して手間取っちゃったんだから少しは手伝ってよね」
「はいはい。そうだ、せっかくなら隠し味に私のドリンク…」
「それはだめ!」
今度は慌ててカーラがクスハを止めた。

193もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 05:05
その日の深夜、ラウルはどうも寝付けなかった。
しばらくはベッドの中でもんどりうっていたのだが、
それにも飽きてしまい部屋を出て散歩に出てみることにした。
すると、廊下で人影が見えた。よく見るとそれはカーラだ。
「カーラ、お前も寝付けないのか?」
「あ、ラウル。まあちょっとね…嫌な予感がすると言うか」
「それってリュウセイたちも持ってる念動力ってやつか?」
何気なく聞いたことだったが、カーラはあごに指をあてて真剣に悩んだ。
「い、いや、そんなに悩まなくても…」
「うーん、よくわかんないや。
 大体さあ、特別な力があるって言っても
 あのリュウセイも同じ物があるってんだから結構微妙なのよね」
「お、俺はよくわからないかな…はは」
なんとも答えようがないことを言われて愛想笑いでごまかす。
「ところで、ラウルはどこへ行くの。
 もしかしてミズホのところへ夜這いとか?」
「そ、そんなわけ!…ないだろ…」
人の悪い笑みを浮かべるカーラの言葉に慌てて怒鳴ってしまったが、
今の時間帯を思い出してその勢いは急激にしぼんだ。
「何だつまんない。…でもいいよね、大切な人がそばにいるって」
聞こえないように呟いたのだろう、思わず聞き逃してしまいそうな小さな声だったが、
そう言ったときのカーラの表情を見て少し胸が痛んだ。
人づてに聞いたにすぎないが、ユウのことはラウルも知っている。
2人の間に気まずい空気が流れた。
(こんなのを見せられても…何もするなって言うのかよ)
「あのさ…」
とりあえずこの沈黙を破ろうと口を開いたラウルだったが、
ちょうどそれと同時に艦内に震動が走った。
「な、何!?」
「敵襲か!?」

194もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 05:06
「被害は!?」
「報告ありません、被弾はしなかったようです」
ブリッジは深夜ながらも喧騒に包まれた。
寝ているところを叩き起こされて、少しばかり服が乱れたままの者もいるが気にしてはいられない。
「…次の攻撃がきませんね」
すぐに対応できるようになって数分経ったが、初めの震動以降に敵の攻撃らしきものはない。
少し苛立ったようにテツヤが呟いた。
「レーダーに反応は?」
ダイテツもしかめっ面で聞くが返ってきた返事も異常なしとのことだった。
「超長距離射程からの狙撃か…」
「発射された方角はわかりました。追跡しますか?」
「いや、本艦はここに停止。偵察部隊を編成しよう」
「先ほどのは囮…ですか?」
「そうかもしれないということだ。編成についてはキョウスケ中尉とヴィレッタ大尉に任せよう」

「で、俺たちが偵察に行くってわけか」
ブリーフィングルームに呼ばれて集まったのはリュウセイ、ライ、イルムの3人だった。
「ま、ヒリュウ改の奴らは昼間からの疲れがまだとれてないだろうからな。
 ラウルのエクサランスも今使えないらしいし」
臨時部隊の隊長となったイルムが欠伸を噛み締めて、頭を掻きながら言う。
どうやら彼も気持ち良く眠っていたところを起こされたくちらしい。
「とりあえず、詳細はさっき話したとおりだ。特に質問がなければ出発するぜ」
「あの…」
申し訳なさそうに聞こえた声の出所を3人は探すが、その声の主は扉のそばにいた。
「カーラ? どうしたんだ」
「あのさ、あたしもついて行っていいかな?」
「君はなぜ俺たち3人だけで行くように言われたのかわからないのか?」
「それはわかるんだけど、何かあたしも行かなきゃいけないって予感がするのよ」
「そんな理由で…」
少し目が険しくなったライをなだめたのはイルムだった。
「まあまあ、いいじゃないか。こう言っちゃ何だが1人ぐらいだったらさほど変わらんだろ」
「しかし中尉…仕方ないですね」
ライはまだ何か言おうとしたが結局諦めた。
この面子でこうなってしまっては自分が折れるしかないのは前大戦からわかりきっている。
「よし、行くぜ」

195もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 05:06
「ハガネからの反応ありませんね」
「まさか、あなた直撃させたりしてないでしょうね?」
「いや大丈夫、うまくかすらせたって。
 大体な、今更そんな心配するくらいだったらブラックホールキャノンで超長距離狙撃なんて
 無茶苦茶な命令すんなよ」
「男だったらぶつくさ言わない」
「ぐ…」
「あの…来たようですが」
「どれどれ…グルンガストにR-1、R-2とこれはゲシュペンストmk-2のタイプTTか。
 ほら、うまくRシリーズが出てきたじゃない」
「絶対偶然だ…」
「何か言った?」
「いや、何も」

196もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 05:07
「ねえ、陸地がずいぶん遠くになってきたんだけど」
カーラの言うとおり、狙撃された方角へと進んできたが一向に敵らしき影は見当たらず、
偵察部隊一行はすでに海上を飛んでいた。
ホバー機能のないゲシュペンストはウィングガストの背に掴まっている。
「もう逃げちまったんじゃねえのか?」
リュウセイはもうすっかり疲れたような声で言ったが、それはすぐに否定された。
「いや前方3キロってところの島に反応がある。多分それだな」
その機体が目視できるところまで近づくと、目に映ったものに4人は驚きの声を上げた。

「なっ…黒いグルンガストに赤いヒュッケバインだと!?
 おいライ、まさか…」
そこにあったのは漆黒のグルンガスト、真紅のヒュッケバイン、
そしてカーラの乗るものと同じゲシュペンストmk-2タイプTTだった。
趣味から軍のPTに詳しいリュウセイも、このようなカラーバリエーションは聞いたことがない。
だが自分の乗機を全て黒く塗る人物については1人だけ心当たりがあった。
「いや、それはないな。
 確かにあの男ならグルンガストも黒く塗りつぶしかねんが、グルンガストシリーズは奴の趣味ではないはずだ」
「それにマオ社にいたときに聞いたことがある。
 グルンガスト壱式とヒュッケバイン008Lにそれぞれ改良計画が挙がってるってな。
 親父たち、いつの間にか完成させていたのか?」
「じゃあ、あれ連邦軍なの!?」
イルムたち4人がそれぞれの反応を示す中、悠然と立っていたグルンガスト壱式の改良型、
グルンガスト改のパイロットから通信が入ってきた。
「久しぶりね、イルム」
「女!?」

197もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 05:09
その声は確かに女性の声だった。年の頃はイルムと同じくらいだろうか。
「その声…まさか!?」
イルムがそう言ったと同時にモニターにその女の顔が映し出された。
「聞いてるわよ、前大戦では活躍したそうじゃない。
 同期として鼻が高いわよ」
「やっぱり…パットか。なら、そっちのヒュッケバインはヘクトールか!?」
「お、お前が男の俺の名前を覚えてるなんて珍しいな」
「知り合いかよ、中尉?」
「ああ…パトリシア・ハックマンにヘクトール・マディソン。
 この前、ジェスって奴と会ったろ。あいつと同じで士官学校の同期だ」
そう言うイルムだが彼らの間にある雰囲気は久しぶりに会った旧友を喜ぶものではない。

たまたま狙撃された方角に、
たまたまそれが可能な技術を持つ者がいて、
たまたまそれが可能な機体に乗っている。
そんな偶然があるだろうか?

答えは、否。

「お前たちがハガネを狙ったのか?」
「ええ、そうよ」
「撃ったのはヘクトールのヒュッケバインか? そのブラックホールキャノンで」
「そうだぜ。だけど当たらなかっただろ。そのように狙ったからな」
「なっ!」
イルムとの淡々とした受け答えを聞いてライが驚きの声を上げる。
改良されたものとはいえ、あのヒュッケバインの同型機に乗り、
そして事故を起こした本人であるライにはそれがどれだけのことか誰よりもわかっているからだ。
「お前ら何を考えている!? それがどういうことかわかってるのか!!?」
「私たちの目的は一つよ。
 …Rシリーズ全ての破壊」

「何だと!?」
パットが発した言葉に今度はリュウセイが驚く。
そして、その声を皮切りにしてグルンガスト改、ヒュッケバインEX、ゲシュペンストmk-2の3機が
戦闘態勢に入った。
「あなたたち個人に恨みは全くないけれど…その機体、破壊させてもらうわ。
 ヘクトール! あなたはR-2とゲシュペンストをお願い。イルムは私が相手をするわ」
「俺は…R-1ですね」
「ええ、だけど無理はしないこと。動きを抑えるだけでいいから」
「俺でも倒せますよ?」
「彼らを過小評価しないで。DC戦争、ホワイトスター戦役を生き抜いたのよ。
 乗る機体もEOTの塊の特別機。あなたのゲシュペンストもフルチューンしてはいるけど、
 それでもまだ性能差があるわ」
「…了解」
敵3人のやり取りを聞いたカーラが唇を震わせながら呟いた。
「そんな…どうして…」
「どうしたんだ、カーラ?」
「どうしてその機体からあの声がするのよ!?」
「っ、来るぞ!」
爆音を轟かせながら3機が突撃してきた。

198もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 05:09
グルンガスト同士の対決は計都羅喉剣のぶつかり合いで始まった。
暗い夜空に火花が走り、2つの機体のよく似た姿をを映し出す。
数秒の鍔迫り合いの末、イルムのグルンガストが身を引いた。
そこにすかさずグルンガスト改のファイナルビームが襲い掛かる。
爆風と轟音が立ち上る中、ウィングガストが尾を引いて飛び立った。
何とか直撃は避けられたらしい。
「くそっ! パワーが違いすぎる!
 変形機能をオミットした分、出力を上げたってわけかよ!」
彼にしては珍しく、思わず毒づく。
「それでも普通のパイロットだったら、さっきので仕留められたわ。さすがね」
「何でこんなことをするんだ!? 確かにRシリーズは危険すぎる諸刃の刃かもしれないが…
 それでもこんなテロ紛いの方法を取ることはないだろう!」
「あれが単なる兵器だったらね。だけど、あなたたちは知らない。Rシリーズが作られた本当の目的を」
「何…だって?」
「だから私たちは確実に破壊するの。正義のためにね」
そう言ったかと思うとグルンガスト改は突き出した拳を握り、ブーストナックルを発射した。
グルンガストもガストランダーに変形し、迫り来る拳にオメガキャノンを放つ。
だが1発、2発、そして全弾命中してもブーストナックルの勢いは止まることはない。
とっさに回避運動を取るがわずかに間に合わず、肩部の装甲が吹き飛んだ。

「ちっ、長期戦になると不利か…だったら!」
グルンガストが計都羅喉剣の刃を相手に向けて水平に構える。
「最大パワーでの一撃に賭ける…か。結構好きよ、そういうの!」
そしてグルンガスト改も全く同じ構えをとった。

「計都羅喉剣!」

「暗、剣、殺!!」

沈みかけの満月を背に2つの超闘士が交差する。
崩れ落ちたのは、イルムのグルンガストだった。

199もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 05:10
イルムが戦っている同じ時、そばではライのR-2とヘクトールのヒュッケバインEXが対峙していた。
マグナ・ビームライフルとフォトンライフルが撃ち合われるが、
R-2はその強固な装甲で防ぎ、ヒュッケバインEXはその機動性でかすりともせず、
双方とも決定打となる一撃を与えることができずにいた。
「あのヒュッケバインをここまで使いこなすとは…只者ではないな!?」
「かのブランシュタイン家の次男坊にそう言ってもらえるとは光栄痛み入るね。
 だけど、そちらは噂ほどではないかな」
「…くっ」
かつてならば激昂したであろう言葉をかけられたが、ライは必死に自分を抑えた。
(挑発に乗るな…奴はこの拮抗した状態を崩そうとしているんだ。
 この根比べがそのまま勝負を決める!)
そのライの考えは正しく、ヘクトールの方も一向に埒が開かない状況に少しずつではあるが苛立ちを感じ始めていた。
(さすがに乗ってこないか。まあ、乗ってきたらきたで拍子抜けだけどな。
 …ならこれはどうかな?)
突然、ヒュッケバインEXはフォトンライフルを収め、
その最大最強の武器であるブラックホールキャノンを構える。

「そこだ、行け!光の戦輪よ!」
ブラックホールキャノンはそのエンジンから直接エネルギーを採りだすため、
接続の際の一瞬、どうしても隙ができる。
そこを狙ってライはビームチャクラムを発射した。
だがピンチであるはずのヘクトールは相変わらず余裕の笑みを浮かべている。
「かかったな!」
ヒュッケバインEXは持っていたブラックホールキャノンをそのまま地面に落とした。
接続はされていなかったのだ。
迫り来るビームチャクラムをロシュセイバーで叩き落し、そのまま一気に間合いを詰めた。
「しまった!」
自分が犯した痛恨のミスに気付きR-2は防御体勢をとるが、それすらもヘクトールの読みの内だった。
てっきりロシュセイバーで斬りかかってくると思われたヒュッケバインEXは、そのまま肩から体当たりをしてきた。
想定していたものと違う質の衝撃にR-2のバランスが崩れる。
すぐさま体勢を整えようとするが間に合わない。
「テクニックは最高級だし、経験も十分にある…だけど狡猾さが足りなかったな」
自分を照準に定めたフォトンライフルの銃口がモニター越しにはっきりと見えた。

200もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 05:10
そして、ヘクトールが相手をするはずだったもう一人、
カーラのゲシュペンストは敵にもいた同じ機体へと真っ直ぐに向かっていた。
そこではリュウセイのR-1との戦闘が始まっている。
「機体を捨てろ、リュウセイ・ダテ少尉。俺たちの目標はあくまでRシリーズだけだ。
 君に直接危害を加えるつもりはない」
自分に向けられたはっきりした声にリュウセイも聞き覚えがあった。
「お、お前は!?」
「ユウ! ユウキ・ジェグナンでしょう!? あたしよ、高校で一緒だったカーラよ!」
だが、間合いを離したゲシュペンストから聞こえるユウの言葉は、彼女たちの思いもよらぬものだった。
「何のことを言っている? 君たちに会うのは今日が初めてだ」
「え…」
「どういうことだよ、記憶を失ったのか!?」
「俺は…記憶を失ってなどいない!」
苛立っているような声を上げたユウは、そのままT-LINKリッパーを放った。

ゲシュペンストmk-2タイプTTのT-LINKリッパーは、
Rシリーズの一つであるR-3が持つストライクシールドのように、操縦者の意思のままに動く遠隔起動兵器である。
R-1はコールドメタルナイフで四方から来るそれを、弾き落としたが、
カーラのゲシュペンストはそのまま呆然と立ち尽くしているだけだった。
「何よそれ…冗談にしちゃ、全然笑えないよ…」
カーラは焦点の合わないまま呟く。ぎこちない笑顔だったがその目は今にも涙があふれそうになっている。
「カーラ、何をやってるんだ! 応戦しろ!」
「できないよ! だって…あれにはユウが乗ってるんだよ!」
「…ちっ」
リュウセイはそんなカーラの顔を見て舌打ちし、力づくでユウのゲシュペンストに取り付いた。
「ユウ! 本当に俺たちのことを覚えてないのか!?」
「くどい! 例えそうだとしても…今の君たちは俺の敵だ」
顔面にマシンガンを突きつけられ、R-1は思わず蹴り飛ばして間合いを取る。
「違うよ! あたしたちが戦う理由なんてない!」
「君にはなくても俺には…」
「だったらその理由を聞かせてよ! あたしにできることなら何でもするから!」
「な…戦闘中に何を…うっ」
カーラの言葉に呆気に取られたユウだったが、突然顔をしかめ、頭を抱えた。
「あ、頭がっ…!」
「ユウ! どうしたの!?」
「あ…ああああぁぁぁぁっ!!!」

201もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 05:10
「ユウ!」
パットたちもユウの様子に気が付いた。
「何が起こっているのかわからないけど、まずいってことは確かね。
 ヘクトール! ここは退くわよ!」
「あいよ!」
フォトンライフルとは違う銃をヒュッケバインEXは打ち出す。
その弾丸は空中で小さな破裂音と共に砕け散り、そこから吹き出た白煙が一帯を包んだ。
「煙幕弾!?」
「動くな! 味方同士で衝突するぞ!」
煙幕が晴れると辺りに敵機の姿はなかった。
レーダーに目を移し周囲を探すと、遠方の空中に小さくなっていく機影を見つけた。
「逃がすか!」
「追うな、リュウセイ」
R-ウィングに変形し追いかけようとしたリュウセイだったが、イルムに止められた。
言い返そうと振り返るが、そこに見えた光景に言葉を失ってしまった。
各部から煙を立ち上らせて倒れこむグルンガストとR-2。
リュウセイの記憶の中でもそんな2機の姿を見たことはない。
「1人で行っても、返り討ちにあうだけだ」
「…くそっ」

R-2のコックピットの中でライは苦々しい表情をしていた。
あのままヒュッケバインEXがコックピットを狙っていれば自分はここにいないだろう。
だが、あの銃口から放たれた弾丸は手足の間接部を貫いただけだった。
R-2の動力であるトロニウムエンジンを避けたことも当然あるだろうが、それだけではない。
遊ばれていただけなのだ。
まるで突っかかってくる子供をあしらう大人のように。
(あの前大戦を生き抜いただけで強くなったつもりでいたか?
 兄を超えたつもりでいたのか? ライディース!)
痛みを感じることがなくなって久しい左手をモニターに叩きつけ、
ライは屈辱に歯をきしませながら呟いた。
「ヘクトール…マディソン…その名前、忘れん!」

イルムの連絡を受けて、ハガネが彼らを迎えに来たときにはすでに空が白みがかっていた。
迎えを待つその間、4人は誰も口を開かなかった。
完全な敗北だった。
戦略、戦術など関係ない、単純な力と力のぶつけ合いで。
それは彼らにとって初めての経験だった。

202もしもR組がOGに出たら:2003/11/10(月) 05:11
格納庫に何とか機体を収め、リュウセイがコックピットから出ると
クスハが息を切らせながら駆け寄ってきた。
看護兵の彼女はずっと彼らの帰還を待っていたのだろう。
「リュウセイ君、何があったの?」
「…ユウがいた。敵の中に」
「え…」
「しかも…俺やカーラの記憶がないみたいだった」
「そんな…カーラは!?」
クスハの言葉で、まだカーラが機体から降りていないことに気付いたリュウセイは
ゲシュペンストの方を見た。
するとハッチが静かに開き、そこからカーラが降りてきた。
「いやあ、まいったまいった。まさかユウがあんな風になってるとはね。
 でも、生きてるってわかっただけでも儲けものよね」
いつもどおりの笑顔が痛々しい。
見ていられずに視線を落とすリュウセイと何も言えずにいるクスハを見て、
カーラはその場の雰囲気にそぐわない明るい声で言った。
「何よ2人とも、心配しなくていいって。あたしは大丈夫だから……あれ?」
カーラの足元の床に一粒の涙が落ちた。
そしてそれは頬を流れる一筋のものとなり、流れてくる量が増えていく。
何度も手の甲でぬぐっても途切れることはなく、むしろ次から次へとあふれ出してきた。
「本…当に…大丈…夫だから……」
クスハは思わず、嗚咽混じりのカーラの首に手を回し、優しく抱きしめる。
「いいから…無理に平気なふりしなくていいから…
 辛かったら、悲しかったら泣いていいのよ。
 心配かけさせないなんて思わないで。
 私たち…親友でしょう?」
「クス…ハ…
 う…うわぁぁぁ…ああぁぁぁ……」
カーラのその泣き声は止まることを忘れたかのようにいつまでも格納庫に響いていた。

203白鳥九十九 </b><font color=#FF0000>(wOd6PnI.)</font><b>:2004/07/22(木) 21:25
その日、俺はとあるハンバーガーショップに来ていた
そこで、何が気に入らないのか分からないが、ガラの悪い連中が店員さんに絡んでいた
俺は迷惑だなぁ・・・と思っていたがそのままにしておくわけにもいかないので
間に入ってとめようとする・・・・
しかし、俺が止める前にピエロが間に入ったんだ・・・
そしてピエロはガラの悪い連中にこういった・・・・
ttp://tune.ache-bang.com/~vg/outitem/up/img/1235.jpg

204白鳥九十九 </b><font color=#FF0000>(wOd6PnI.)</font><b>:2004/07/22(木) 23:15
あれは、ほんの数日前・・・俺はある任務で出撃していたんだ・・・
出撃先でキャンプを張り休んでいると、ふと人の気配を感じた・・・
俺は気配のする方へ向かうと、そこには一人の女性が立っていた
・・驚いた事にその女性は・・・・ミナトさんだった・・・
彼女がこんなとこにいるわけがない・・・俺は不審に思いつつもその女性に話しかける
すると、彼女が口を開いた・・・
「ねぇ・・白鳥さん・・・死ぬときは私たち一緒よね?」
・・・突然そんなことを言われ俺は思わず・・・「ああ」と答えてしまった
その答えに満足したのか、彼女は笑顔になり・・すっと消えた・・
俺はその場に暫く立ち尽くしてしまったが・・疲れで幻覚でも見たのだと思い
その日は眠りについた・・

205白鳥九十九 </b><font color=#FF0000>(wOd6PnI.)</font><b>:2004/07/22(木) 23:15
翌日・・任務を終えた俺はミナトさんに会いに行くため車を走らせる
そして、彼女と会い何事もなく買い物をなどを楽しんでいた・・・
夕方になり、俺は彼女を送るために車を走らす、彼女は疲れていたのか隣で眠っていた
そして・・それは突然起こった・・・
ブレーキがきかなくなったのだ・・・このままでは確実に二人とも死んでしまう!
俺は、休まずブレーキを踏み続けた、すると曲がり角にぶつかるぎりぎりでブレーキがきき
なんとか、事故を起こさずに済んだ・・・俺はホッと胸を撫で下ろしミナトさんのほうを見る
・・・彼女は何事もなかったかのように寝ていた・・・しかしうっすらと口が動いていた
「死ぬときは一緒って言ったのに・・・」
・・・その後何事もなかったかのように彼女は元に戻っていたが
俺はしばらく彼女と笑うことは出来なかった・・・

206宣伝:2004/08/05(木) 12:41
K-O-K-A-N世紀0080・・・世界は混沌の闇に包まれていた。
突如としてやってきた異星人による股間狩りによって、人間達は繁殖機能を失った。
それにより世界は滅亡の危機を迎えようとしていた。
世界連合軍の武力攻撃は異星人達には一切通用せず、正に八方塞の状態であった。

その頃、遠くアマゾンの奥地の小さな村にも股間狩りの魔の手が迫っていた。
その村は遠く昔、股間族として栄えた一族の末裔たちの村であった。
次々と狩られていく村人達の股間・・股間族の末裔とはいえ、今の彼等に力はなかった。
このままでは村は全滅・・それどころか地球そのものが絶滅してしまう・・

それだけは避けなければならぬと、長老は村の少女ルリを使いに出す。
村の守り神として山奥にそびえる神像。そこへ赴き、全裸で神像の股間を撫でるのだ・・と。
長老はただ1人股間族の力を受け継いでいた。最後の力を使い、異性人たちを押さえ込む。
その間、ルリは一心不乱に神像を目指す。聞こえてくる村の人間達の悲鳴・・
ルリが神像に達した頃には、もう村の人間達の声は聞こえなかった。

ルリは神像の前で全裸になり、股間を撫で出す。何秒も、何十秒も・・・
その最中、異星人たちが最後の生き残りであるルリを狙ってくるのだった。
だが、ルリは最後まで股間を撫で続ける。そして奴等の手が掛かろうとした瞬間。
神像からまばゆい光が発せられる。その光を浴びた異星人は消滅していくのだった。
まばゆい光の中、神像の中から人が現れる。逞しい肉体。超絶なる股間。
遠い昔に栄えた股間族の伝説の男・・その強大な力から自らを封印したと言われる、
その男こそ、股間王、その人であった・・!!

世界を、股間を脅かす異星人・・その股間の危機に今伝説の男が蘇る。
股間族の少女ルリとともに、股間を救う旅へ・・
行く手を遮る異星人の刺客・・そして明らかになる股間族と異星人との関係・・
今までに類を見ない壮絶股間アクションストーリー!
「股間王」!!こうご期待! さあ、皆も一緒に自慰ファイト開始だああ!!

207ガチンコファイトクラブ ナデシコの場合――:2004/09/16(木) 06:01
第一話 
たが為に広島弁――

劇場版で奇しくも傷み分けた両雄
だが 事態がその停滞を許すはずはなく ついに合間見えるウサギとお姉さん
一体 ―― どうなってしまうのか?

青龍の方角から、、、艦長ミスマルユリカ選手の入場です
ttp://www.strangeworld.info/upload/download.php?file=5139
ユ 「私が艦長のミスマルユリカでーす! ぶい!V」

白虎の方角から、、、妖精ホシノルリ選手の入場です
ttp://www.strangeworld.info/upload/download.php?file=5141
ル 「ハーリー君 よろしく…」
禿 「OK ボス!」
ル 「……… ハーリー君…変わった?」


7 ゲーム好き名無しさん sage 04/09/16 02:24:58 ID:???
武器の使用以外 全てを認めm

ttp://float-i.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/upload/img-box/img20040916010421.jpg
バチバチバチバチ――ぐにゃーーー ←(何か景色が歪む音)

ユ 「アキトは私の王子様なんだよ?」
ル 「……それ かっこつけてます」

ttp://www.strangeworld.info/upload/download.php?file=5143
ル 「あの人は大切な人だからラーッシュ…」
ユ 「ひえーーーー!?」

ttp://www.strangeworld.info/upload/download.php?file=5144
ル 「ハッキングタイガードライバー…」
ユ 「ひーー! 死ぬ! それ死ぬ!」

                        to be continue―――

208ガチンコファイトクラブ ナデシコの場合――:2004/09/16(木) 06:02
次回予告

ttp://float-i.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/upload/img-box/img20040916012024.jpg
「……ラピス… 俺の知ってるミスマルユリカとホシノルリは、死んだ―――」

激化する龍虎の痴話ケンカ
突如現れ 無責任に引きまくってる天河アキト
そして次回――黒い王子様の前に第三の男の乱入が!?

風雲急を告げるガチンコファイトクラブ ナデシコの場合
一体……どうなってしまうのか!?

209ガチンコファイトクラブ ナデシコの場合――:2004/09/16(木) 06:03
第二話 
 妖精破れる  ユリカさん――先に地獄で待っています
(同時上映) 
 ツインアルティメットバスター炸裂! 復讐鬼を狩る者 汝の名は発情鬼――


ル 「終わりですユリカさん 後家は後家らしく、二時のワイドショー見て みのもんたに人生相談でもしてて下さい」

ユ 「アキト…私に力を…」
ttp://float-i.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/upload/img-box/img20040916012024.jpg
――――   ユリカ……

(キュピーン!)
ユ 「はあああああああーーー!」 ちゅどーん BB+10
ル 「っ!?」

ttp://www.strangeworld.info/upload/download.php?file=5148

ユ 「肘打ち裏拳正拳とおりゃーーー!」
ル 「っイタ! っイタ! か 艦長……ちょと シャレになってn」
ユ 「まずはその口をふさいであげる!」
ル 「っっ!?(ジタバタジタバタ)」

―――― 骨肉の争い 子供相手にマジギレかます 大人げない25歳の図 ――――

210ガチンコファイトクラブ ナデシコの場合――:2004/09/16(木) 06:04
同時刻―――

? 「貴公が天河アキトだな?」
黒い王子様に声をかけたのは
背に悪… いえ ギニアスサハリンの一文字を背負った
、、て … ま ん ま じ ゃ ん 

ttp://float-i.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/upload/img-box/img20040916034853.jpg


天 「生憎だが君たちの知ってる天河アキトは死んだ…」
? 「ならば――――――― 貴 様 も こ こ で 死 ね ー ー ! 」

ttp://www.strangeworld.info/upload/download.php?file=5149

天 「これは木連式抜刀術!?」
? 「違うわヘチマ野郎! これこそが我がシベリアの大地で会得した サハリン心陰流の極意なり!」

                      …………消火器で殴るのが ですか?(ボソ)

ユ 「 ア ル テ ィ メ ッ ト ユ リ カ バ ス タ ー ! 」
ttp://www.strangeworld.info/upload/download.php?file=5150
少 「 ア ル テ ィ メ ッ ト サ ハ リ ン バ ス タ ー ! 」
ttp://www.strangeworld.info/upload/download.php?file=5151

        (ドドオオオオオオオオオオン!)

ル 「っは―――つっ…… たかがコント漫才でバスター系持ち出すなんて……大人って  ズルい……(ガク)」
天 「……済まない二人とも……もう君らにラーメンを作ってやる事はできn…(ガク)」

                            ――― to be continue

211ガチンコファイトクラブ ナデシコの場合――:2004/09/16(木) 06:04
次回予告
ttp://float-i.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/upload/img-box/img20040916012024.jpg
「ラピス オーダー入るぞ…… ニンニクラーメン チャーシュー抜き一丁―――」

300年の時を経て今対峙する―――
何か ガチンコでも何でもないような気がしてきたケド 取りあえずノアだけはガチ
次回――最終回

風雲急を告げるガチンコファイトクラブ ナデシコの場合
一体……どうなってしまうのか!?                



            いや どうもこうもね...    ………バカ?

212ガチンコファイトクラブ ナデシコの場合――:2004/09/16(木) 06:09
最終話
 シベリアサハリンの逆襲 こんなにも苦しいのなら――愛などいらn


ユ 「私の勝ち! 子供は寝る時間よ!」
ル 「うう……」
ユ 「さてと! アキトー アキトはどこー」

? 「    待    て    い    !    」

ttp://www.strangeworld.info/upload/download.php?file=5152

―― 人はみな 代償様々な枷に縛られて生きている
―― 自然の理がそうさせるのだ  だが、
―― 天 地 人の理に逆らい続ける者がいる 不貞を恐れぬ者がいる
―― 人の魂を突き動かす原動力   人それを  愛  という


ユ 「貴方は何者!?」

少 「 ゴ ッ ド ハ ン ド ア ナ コ ン ダ バ イ ス 」
ttp://www.strangeworld.info/upload/download.php?file=5153
ユ 「 ひ い  い ー ー ー ー ー ー!? 名乗る名前がない!はどうしたのーー!?」

少 「  求  婚  ! 」
ユ 「 痺 れ ち ゃ う ー ー ー ! !」


曰く  G−1には魔物が棲んでいる ―――

213ガチンコファイトクラブ ナデシコの場合――:2004/09/16(木) 06:12
魔物 「サア…これが私たちの門出です」
ユ 「うう…アキト――――」
ttp://www.strangeworld.info/upload/download.php?file=5154
   (ずるっ)
魔物 「  た  わ  ば  っ  !  ?  」


ttp://www.strangeworld.info/upload/download.php?file=5155
ユ 「 ギ ニ ア ス さ ん の シ ス コ ン ー ! 」
魔物 「ギニャー! お師さん もう一度温もりをーー!」

――――――
ttp://float-i.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/upload/img-box/img20040916012024.jpg
天 「ユリカ 強くなったな……」
ラピ 「アキト これも所謂 まるっと解決?」
天 「ああ…行こう ラピス…」



帰ってこなければ追いかけるまでd …というか 
勢いに任せて作ったはいいけど…
オチ 考えるの忘れた――

要はアレです    えと
何が言いたかったかというと―――


http://float-i.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/upload/img-box/img20040916045746.jpg
バカばっか……     

―――――――――   お休みなさい  (ペコリ) 

               ――終わり――  っていうか終われ...

214名無しさん:2005/10/14(金) 04:20:41
「このまま時が止まったら良いのに・・」
ルリはそう言い、男の胸に顔をうずめた。
恍惚の表情を浮かべる男の目には、ほんのりと涙が浮かんでいた・・・
「これ以上精子を出したら・・あなたは死んでしまうんですよ・・・?
 どうしてそこまでして精子を出そうとするんですか!?」
男は答えた。
「人類を救うため・・・いや、君を・・ルリルリを救うため・・」
ルリは言葉を遮るように言う。
「私は・・私は貴方のいない世界でなんて生きていたくない・・
 あなたがいないと私、私・・・!!」
ルリの頭を男はスッとなで、そして顔を無理矢理股間へと近づけた。
男はルリを生かすため、彼女の未来を救うため、心を鬼にして股間を口にねじ込む。
「んっ・・・!!」
そして、すぐに口から股間を抜き出す。
男は襲い来る異星人達を正面に迎え、ルリに最後の言葉を投げかける。
「生きろ」と。その表情にもう迷いはなかった。
ルリはそんな男の姿に何も言うことが出来なかった。
世界のために自分を捨て、最後の精子を搾り出そうとする戦士の姿に。
涙で溢れたその眼は、男の姿を捉えて離さなかった。最後の最後まで。

男はルリの唾液に濡れた股間を上下に擦りだした。
異星人たちに向けて、最後の一撃をくらわせるために。
「はあああああああああっっっ!!!おあああああああああああああああっ!!!
 ル・・ルリルリ・・・そ、そんなところ・・・あ・・だ、駄目だって・・やばいよ・・・
 そんなところまで見せちゃっていいのかい・・いいのかい・・・」
彼の恒例の儀式が始まった。いつもなら禍々しい儀式も、今日だけは神々しい光を放っていた。

シコシコシコシココスコスコスコスコスコスシコシコシコシココスコスコスコスコスコスハアッハアハハッハハハッハアアアアコスシコグチョヌポオオオオオオ
コスコスコスシコシコオッハアアアアルリルリシsコソッソアkソアjs・・・・・

そしていままさに男の股間から液体が出ようとした時、男の股間からまばゆいばかりの光が
あらわれ辺りを包み、男の頭に声が響いた。

  【目覚めなさい・・・股間王・・・力を今こそ呼び起こすのです・・・】


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