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リネ2であった、いい話を語るスレ

164アデンの名無しさん:2004/05/14(金) 16:50 ID:89zY2rG6
2週間ほど前のこと。

クレリックである俺は、いつものようにクルマPT募集のシャウトをしていた。
すぐに4人集まったが、「もう一人ぐらいアタッカーが欲しいね」ということで
追加募集することにした。
しばらくして、ミスリル重鎧に1.5M槍を持ったHumが、目の前にやって来た。
「あのぅ……Lv36の槍ウォリアですけど、宜しいでしょうか?」
「あ、ちょっと待ってくださいね」
俺はオープンチャットで素早く返事をして、PTチャットに切り替える。
「槍ウォリが来たけど……断っても良い?」
「え、どうして?」
「リンク処理のスリープに攻撃範囲が引っ掛けられたりすると厄介だし」
「大丈夫だと思うけど……ヒーラーさんがイヤなら、断ってもいいよ」
「それじゃ、断るね」
PTチャットからオープンチャットに切り替えたところで、
他のPTメンバーも「アサシンが欲しいところだしな」と発言した。

「そうだな。槍は微妙だしw」

あっ、と思った時には遅かった。
チャット欄には白字で俺のセリフが表示されていた。
俺が謝るより先に、槍ウォリの彼は「……わかりました」と言うと、
走り去ってしまった。
少し気まずい思いをしたが、最初の予定通りアサシンをPTに加え、
その日は2時間ほどクルマに籠もった。
しばらくして、俺はプロフィットに転職した。

ある朝、俺は同じ血盟のオークモンクの転職クエストを手伝っていた。
ノーブルアントを狩るために蟻穴に初めて足を踏み入れ、
散々迷った挙げ句、ようやくノーブルアントを発見した。
クエストmobを見つけて、浮かれていたのだろう。
モンクは一直線にノーブルアントに向かっていった。
それに反応して動き始める赤蟻。しかし、モンクはそれに気付くことなく
ノーブルアントを殴ってしまった。
あっという間に、5匹の蟻に囲まれる。モンクのHPが凄い勢いで削られる。
俺も必死にヒールをしたが、今度は俺が赤蟻にタゲられて逃げ回るハメになり、
ついにモンクが倒れた。
俺は、モンクの「逃げろ」という血盟チャットを背中に聞きながら、
その場から脱兎の如く逃げ出した。

逃げ出したところで、狭い蟻穴では次々とアクティブな蟻が反応し、
気付くと10匹以上の大トレインになっていた。
俺は、「hhh」と打って助けを求めたが、もう駄目だと諦めかけていた。
ふと、逃げる先に一人のHumが自己buffしているのが見えた。
「どいて」と打ち込もうとした瞬間、
「自ヒールの準備が出来たら、俺の目の前で止まれ」と彼が言った。
俺は、駄目もとで彼の目の前で停まって、自ヒールし始める。
蟻が俺に群がるのと、彼のスキルが発動するのは、殆ど同時だった。
彼は続けてスキルを2つ使い、その後はSSを連打し始める。
蟻の鳴き声に混じって、聞き慣れない重いSSの音が響いた。
俺に群がりかけていた10匹以上の蟻は、20秒も経たないうちに居なくなった。
「大丈夫? 一緒に来てたオークは?」
彼は散らばる金やアイテムを拾おうともしないで俺に聞いた。
「ありがとうございます。連れは奥で死んで……」
お礼の言葉を言い、改めて目の前に立つ彼を見て、俺は息をのんだ。


彼は、2週間前に俺の誤爆で走り去った槍ウォリアだった。


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