したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

ネタバレスレ

15名無しさん:2003/12/01(月) 20:31
罹災編8-3(旗7本)
季斎編メイン・シナリオ進行に伴い、特定の期日にしか出入りできない黄海の門を、
11/28(金)9時更新後〜12/3(水)21時まで開放致します。
【蓬山(ホウザン)】
<李斎>
「どうして……
 どうして天は、戴をお見捨てになるのです!?」
李斎の、悲鳴にも似た怒号が、宮殿の静寂を打ち破った。
しかし眼前にいる玉葉は、表情にまったく変化を見せない。
蓬蘆宮(ホウログウ)の一室にて、女仙の長である玉葉と●たちは対面していた。
外見上はそれほど老けては見えない玉葉だが、●よりもはるかに年齢は上なのであろう。
●たちの話を聞いて、玉葉が出した結論は、助けられない、であった。
<李斎>
「天があり、天意があり、天の神々がおられるなら。
 なぜもっと早く戴を……」
<玉葉>
「李斎、落ち着きなさい」
<李斎>
「これが落ち着いていられますか!」
いったん区切り、続ける。
<李斎>
「天帝は王に、仁道をもって国を治めよ、と言われたのではないのですか?
 にも関わらず、その王の上におわす方々が、仁道を踏みにじると仰るのですか?
 かくもたやすく民を見捨て、仁道を踏みにじる方々が、仁道を説くなど……」
<玉葉>
「天には天の道理があります。
 理なしに、世は安定させられません」
だが……人の想いはいつでも理の外にある。
それゆえに、踏みにじられることがあった。
<玉葉>
「……不憫(フビン)には思う。
 だが、できぬことはできぬ」
<李斎>
「失礼だが。
 あなたは戴の現状を見て、そう仰っているんですか!?
 戴はもう、いくつも冬を越えられない……
 上から見下ろすだけじゃ、何も!」
<玉葉>
「もちろん知っておる」
玉葉の凛とした声が室内に響く。
矢継ぎ早にまくしたてる李斎に対して、玉葉はあくまで落ち着いて対処していた。
<虎叫>
「口を挟むようだが……
 聞いて知ってるのと、見て知ってるのとでは。
 大分違うと思うんだが?」
<玉葉>
「この眼は、偽りは映さん」
<李斎>
「ならば……!」
<玉葉>
「李斎、この玉葉とて万能ではないのだ。
 天理を覆すことは、どうあがいても不可能。
 それは禁忌に触れること」
<李斎>
「それじゃあ……
 一体、天にとって、私たちは何なのですか?」
玉葉は沈黙したまま、何も答えない。
●は、ある考えに行き着いた。
天帝というのは、きっと完全無欠に立派で公平な人格者で、強い者にも弱い者にも、お金持ちにも貧乏人にも、ただ平等に見守るだけで決してどちらか一方をえこひいきして手を差し伸べるなんてことはしないのだ。
結局、自分の未来は自分で切り開くしかないのか。
●たちは、それぞれの思いを胸に玉葉の元を去った。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板