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東方出鱈目コンテスト 第一会場

12612K </b><font color=#FF80FF>(knigHtXk)</font><b>:2004/02/20(金) 22:44 ID:lMDa5Pm2
# 読み上げるのは大変ですので、コメントアウトでどうぞ。
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# 雨のそぼ降る音が聞こえる。
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# 私は部屋に染み込むその音を聞きながら机に向かって書き物をしている。
#   こんな日は、世界に私一人しか居ないような気にさせられる。
#   此々は世界の果て。私はそこに残された、たった一人の守部(もりべ)。
#   そんな益体もない事を考えた。
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# 遠雷。
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# 誘われるように外に出る。雨が髪を、肌を、服を湿らせてゆく。
#   それでもその雨は温かく。人の、温もりにも似て。
#   居ないはずの誰かに抱かれるように、私は雨の中に立っている。
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#   ふと、気配を感じる。背中合わせに立つ、同じ背丈の女の子。
#   振り向けばいなくなる。消えてしまう、そんな予感。
#   背中を向けたまま、手をそっと後ろに伸ばす。
#   袖口が触れ合う。その先にある華奢な手。雨に濡れた柔らかな感触。
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#   ゆっくりと、指を絡ませるように手を繋いだ。
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#   見えない現実。感じる幻想。
#   世界を洗う雨が伝える、ただ一瞬の邂逅。
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#   ――あなたの、名前は?
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#   私の、名前は――。
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#   気がつけば雨は上がっていた。
#   振り向けば、そこにはやはり誰の姿もなく。
#   繋いだ掌に、僅かに残った少女の温もり。
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#   雲の切れ間から差し込む光に目を細めた。
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#   彼女はきっとそこに居る。世界はきっとそこに在る。
#   私は、この世界を歩いてゆく。
#   果てのない世界を、どこまでも。
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ほんの少し、薄紙一枚ほどずれて存在する、現実世界と幻想郷。
時折二つの世界は重なりあい、そして一瞬の出会いがある。そんなイメージで書いてみました。
雨が繋ぐ二つの世界、そこに立つ二人の少女。どちらの視点からなりと、どうぞ。

以上、見た目は真面目、世界観解釈は出鱈目なトーナメント支援でございます。

という訳で、<<博麗 霊夢>>に一票。「永遠の巫女」を聞いてて、雨に濡れながら
空を見上げる霊夢の姿が思い浮かんだので即興で仕上げてみました。
微妙に電波かつポエミィなのはまぁ、ご愛嬌と笑ってやって下さい。

東方ADSLにござい。


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