したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。

企画もの【バトル・ロワイアル】新・総合検討会議

1名無しさん@初回限定:2004/08/03(火) 00:27

雑談、キャラクターの情報交換、
今後の展開などについての総合検討を主目的とします。
今後、物語の筋に関係のない質問等はこちらでお願いします。

規約はこちら
>>2

2名無しさん@初回限定:2004/08/03(火) 00:32

◆決まりごと

・キャラの死を書くにあたって
 バトロワ物の華であるがゆえに、書くときは注意深くね。
 「ぞんざいな死」がダメなのはもちろんのこと、話全体の流れも良く考えて。

・UP宣言
 本スレへのUP前に、検討スレにその旨を書き込みましょう。
 半日以上前に宣言→UPの1時間前に最終宣言が主流のようです。

・ストーリーの流れ
 参加者の一部はゲームそのものに反抗し、どこかの段階で主催者を倒します。
 最後の一人になるまでは殺しあいません。

・知らないキャラクターを書く場合
 過去ログを熟読して特徴をよく掴んでから書きましょう。
 キャラクターについての疑問点があったら有識者に迷惑に聞いてみましょう。

・監察・刺客を書く場合
 監察は、>>の『ルール違反』を犯した参加者に警告を与えます。
 締めの言葉は「死ぬことになる」で、要件を伝えたら消えます。
 刺客は、警告を無視した参加者にしか攻撃できません。

・バトンを受けるにあたって
 書き出す前に時間、グループ、スタンス、現在位置、所持品、能力を把握して
 矛盾無く繋ぎましょう。
 どこかに矛盾がある場合は、修正依頼がかけられる場合もありますよ。

・特殊能力について
 キャラ固有の特殊能力は原則、制限されていません。
 流れとバランスを考えて使用したり、筋に沿って能力制限をかけたりして、
 話を盛り上げましょう。

・書きたいキャラが被った、その展開は勘弁… etc.
 ここで相談しましょう。落ち着いて。

3名無しさん@初回限定:2004/08/03(火) 00:34

◆書式のお約束

・名前欄に、そのSSのタイトルを記入しましょう。
・冒頭に半角で 『>(レス番)』と打ち、どの続きを書いているかを明示。
・冒頭及び必要だと思われる個所では、半角・24時間表記で『(時間)』を記入。
・一連の書きこみが終わったら最後に『↓』を記入。
・一連の書き込みで死人が出たら、↓マークの下に
 【(参加者番号)(参加者名及び主催者名)(死亡 残り(数)人】と記入。
・一連の書き込みでグループ、スタンス、現在位置、所持品、能力制限が変更さ
れた場合、
 その旨を↓マークの下に記入。


1 名前:こんな感じ 投稿日:2002/01/31(木)
>303
(21:18)

琢麿呂、雷蔵を銃殺。

            ↓

                【No.13:海原琢磨呂】
                【所持品:銃器(詳細不明)
                       :重い物(詳細不明)】
                【スタンス:近づいてきたら殺る】
                【能力制限:無し】
                 NO.10 貴神雷贈 死亡 ―――残り38人

それ以外では・・・↓


【グループ名:(名前を入記)・(名前〜)】
【現在位置:】
【スタンス:(一致していて、その必要があれば)】
【備考:(必要があれば)】


【(キャラ名)】
【現在位置:(グループ欄で書いてあれば必要なし)】
【スタンス:(グループ欄で書いてあれば必要なし)】
【所持品:】
【能力:】
【備考:】

・・・・・・と言った感じでお願いします。

4名無しさん@初回限定:2004/08/03(火) 00:36

◆設定

<世界>
・舞台となる孤島及び世界は、ルドラサウム(巨大な白い鯨型の絶対神@鬼畜王
ランス)が
 ゲームの為に造ったもの
・参加者はルドラサウムが召喚した
・参加者たちは、言語の壁を越えて会話することができるが、文化の違いまで
はわからない
・ルドラサウムの部下、プランナーもそれに関わっている


<ゲーム>
・毎日0:00、6:00、12:00、18:00の四回、定時放送が入る
・参加者は首輪を装備している。首輪には爆弾、集音マイク・発信機が仕掛けら
れている
・参加者はランダム配布物(主に武器)、デイバックに非常食と水少量、地図を
所持
・監察は、ルール違反者に警告を発する役割
・ルール違反は以下4点で、上のものほど重要度が高い
  :主催者への反乱
  :ゲーム進行の阻害(首輪の破壊・解析など)
  :島からの逃亡
  :馴れ合い、戦意無し
・刺客は、監察の警告を無視した参加者を始末する

5名無しさん@初回限定:2004/08/03(火) 00:40
【過去作品スレ】
バトル・ロワイアル【今度は本気】第5部(html化待ち)
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1053422142/
バトル・ロワイアル 【今度は本気】 第4部
http://www2.bbspink.com/erog/kako/1044/10442/1044212918.html
バトル・ロワイアル 【今度は本気】 第3部
http://www2.bbspink.com/erog/kako/1029/10293/1029399672.html
バトル・ロワイアル。【今度は本気】 第2部
http://www2.bbspink.com/erog/kako/1012/10127/1012701866.html
リアル・バトル・ロワイアル。【今度は本気】
http://www2.bbspink.com/erog/kako/1008/10085/1008567428.html

編集サイト(現在休止中?)
ttp://syokikan.tripod.com/

6名無しさん@初回限定:2004/08/03(火) 00:41

◆参加者1(○=生存 ×=死亡)

○ 01:ユリーシャ  DARCROWS@アリスソフト
○ 02:ランス  ランス1〜4.2、鬼畜王ランス@アリスソフト
× 03:伊頭遺作  遺作@エルフ
× 04:伊頭臭作  臭作@エルフ
× 05:伊頭鬼作  鬼作@エルフ
× 06:タイガージョー  OnlyYou、OnlyYou リ・クルス@アリスソフト  
× 07:堂島薫  果てしなく青い、この空の下で・・・。@TOPCAT
○ 08:高町恭也  とらいあんぐるハート3 SweetsongForever@ivory
× 09:グレン  Fifth@RUNE
× 10:貴神雷贈  大悪司@アリスソフト
× 11:エーリヒ・フォン・マンシュタイン  ドイツ軍
○ 12:魔窟堂野武彦  ぷろすちゅーでんとGOOD@アリスソフト  
× 13:海原琢磨呂  野々村病院の人々@エルフ
× 14:アズライト  デアボリカ@アリスソフト  
× 15:高原美奈子  THEガッツ!1〜3@オーサリングヘヴン  
○ 16:朽木双葉  グリーン・グリーン@GROOVER
× 17:神条真人  最後に奏でる狂想曲@たっちー
× 18:星川翼  夜が来る!@アリスソフト  
× 19:松倉藍(獣覚醒Ver)果てしなく青い、この空の下で・・・。@TOPCAT
× 20:勝沼紳一  悪夢、絶望@StudioMebius

7名無しさん@初回限定:2004/08/03(火) 00:42

◆参加者2(○=生存 ×=死亡)

× 21:柏木千鶴  痕@Leaf
× 22:紫堂神楽  神語@EuphonyProduction
○ 23:アイン  ファントム 〜Phantom of Inferno〜@nitro+
× 24:なみ  ドリル少女 スパイラル・なみ@Evolution
× 25:涼宮遙  君が望む永遠@age
× 26:グレン・コリンズ  EDEN1〜3@フォレスター
× 27:常葉愛  ぶるまー2000@LiarSoft
○ 28:しおり  はじめてのおるすばん@ZERO
× 29:さおり  はじめてのおるすばん@ZERO
× 30:木ノ下泰男  Piaキャロットへようこそ@カクテルソフト
× 31:篠原秋穂  五月倶楽部@覇王
× 32:法条まりな EVE 〜burst error〜@シーズウェア  
× 33:クレア・バートン  殻の中の小鳥・雛鳥の囀@STUDiO B-ROOM
× 34:アリスメンディ  ローデビル!@ブラックライト
× 35:広田寛  家族計画@D.O.  
○ 36:月夜御名紗霧  Rumble〜バンカラ夜叉姫〜@ペンギンワークス
× 37:猪乃健  Rumble〜バンカラ夜叉姫〜@ペンギンワークス
○ 38:広場まひる  ねがぽじ@Active
× 39:シャロン  WordsWorth@エルフ
○ 40:仁村知佳  とらいあんぐるハート2@ivory

8名無しさん@初回限定:2004/08/03(火) 00:44

◆運営側(○=生存 ×=死亡)

○ 主催者:ザドゥ  狂拳伝説クレイジーナックル&2@ZyX
○ 刺客1:素敵医師  大悪司@アリスソフト  
○ 刺客2:カモミール・芹沢  行殺? 新選組@LiarSoft
○ 刺客3:椎名智機 將姫@シーズウェア
○ 刺客4:ケイブリス 鬼畜王ランス@アリスソフト
○ 監察官:御陵透子  sense off@otherwise

9とある参加人 </b><font color=#FF0000>(ZwrBkTNw)</font><b>:2004/08/03(火) 01:03

スレ建て成功!

期待していた方にはつくづく申し訳ありません。
とある参加人です。
恥ずかしながら・・・〆切破りの常連の私が言うのも何ですが、改めて完結に向
けて執筆を再開させていただきます。
その一環として、ここに検討スレを設けさせていただきました。
管理人さんに感謝。

スレタイには一応、企画もの【バトル・ロワイアル】新・総合検討会議、と書か
れてますが、このバトロワ以外の二次創作小説のネタ探し等に利用しても構いま
せんので。
時たま私はアナザーとかも投下するかも知れませんが、企画3周年を迎える前に
は完結させたいと思います・・・・・。

本当は今の時間辺りにしたかったことですが・・・本スレ建て、及び作品投下は
明日の夕方以降へと・・・・ああ、情けない。
(できなければ作品のストックがたまるまでここに投稿・・・・)
それでは。

10とある参加人 </b><font color=#FF0000>(ZwrBkTNw)</font><b>:2004/08/03(火) 01:09
>>2
訂正です(泣)

【誤】                【正】
有識者に迷惑に聞いてみましょう。 → 有識者に聞いてみましょう
                   迷惑をかけないように

11とある参加人 ◆98ZwrBkTNw:2005/07/25(月) 02:45:53
今から、葱板にスレッド立てます。
新作は挫折していた前スレの最終作のリメイクです。
ものすごく長くなりましたので、一部向こうに投下して、残りはここに投下します。

尚、これまでの自作品を読み返してみて、結構矛盾が見つかったので、
後ほど、改訂版をここに投下します。

12そして動き出す(1) ◆98ZwrBkTNw:2005/07/25(月) 02:57:07

(二日目 PM4:01 西の森) 

「あの……紗霧さん、これは何なのですか?」
 西の森に入ってすぐのところで、道中に回収したバッグの一つに入っていた
色とりどりのマジックペンらしき物体を見ながら、小柄でやや幼い水色ショートへアの
少女――ユリーシャはおずおずと尋ねた。

紗霧と呼ばれた、長い黒髪を黒いリボンで束ねた少女――月夜御名紗霧は
手に持った棒状の物体をどこか不満げな様子で見つめる。

「もしかしてハズレなのかな?」
と、そう言ったのは気絶したままの茶色の髪をした西洋剣士風の青年ランスを、
時たま羽を生やした右の方へぐらつきながらここまで運んだ、赤毛のショートカットの
少年(外見は少女)広場まひるである。
彼は同じく道中で回収したある参加者に支給されなかったバッグも背負っている。

「これは多分、筆の一種ですよ。
 もし、ただのペンなら役立てるのは難しいそうですけどね」
 まひるの後に続いて歩くかすりの着物を着た老人と身体に包帯を巻いた
真面目そうな青年が、自分らと同じように足を止めたのを見て紗霧は言った。
「参加者の支給品かな?」
 後ろを歩いていた青年、高町恭也はそう言ってそのペンを見る。
 横にいる老人――魔窟堂野武彦の所持品、ヘッドフォンステレオ等のように
彼らの敵である、殺人ゲームの運営者に没収されなかった物品もあったことを
思い出しての意見だった。

13そして動き出す(2) ◆98ZwrBkTNw:2005/07/25(月) 02:58:14
「どちらなんでしょうね?
 このバッグには他に道具は入ってありませんでしたしね」
と、紗霧は言ってペンを自分のバッグに仕舞って、また小屋を目指して歩き出す。

 森に向かう道中、茂みに捨てられてあった参加者用のバッグに入っていたのは、
色とりどりのマジックペンらしきものが16本入ったペンケース。
 ペンケースには18本入るスペースがあったが、入ってあったのは16本。
それを紗霧が目ざとく見つけて回収したのである。


「まぁ…調べるのは小屋に着いてからで良いじゃろ」
と、魔窟堂が言った。
「おもちゃの銃でも意外な物が仕組まれてたな」
と、恭也はポケットの中に忍ばせた鋼糸に触れながら、笑みを浮かべて紗霧に言った。
 それにあいずちをうちながら、紗霧は今後のアイテム収集のことを考え始める。
(もう参加者の支給品には期待はできないでしょうね。
 やはり『例のモノ』と、鍵の使用場所の特定を急がなくてはなりません)
「おっ?」
 そんな紗霧を尻目にランスを担いだまひるが声をあげた。
 背に担いだランスが身動きしたからだ。
 目を開き始め、頭痛がするのか頭を押さえながらランスは目覚めた。

14そして動き出す(3) ◆98ZwrBkTNw:2005/07/25(月) 03:01:22
(………なんで…俺は担がれてるんだ……?)
 目覚めたランスの視界に入ったのは、地面から二メートル近い高さまで自分を
軽々と担いでいる見知らぬ赤毛の少女。
 目覚めたランスに気づいたまひるがゆっくりとランスを地面に下ろしていく。
 それに注目する10の視線。
 ユリーシャが感激の声を上げるも、今のランスにはよく聞こえないし、よく見えない。
(……俺はどうしたんだ?…あのヤロウを殺ったのか……?)
と、ぼんやりと考える。
 そして目をこすりながら周囲を見始めた。

「ランスさまっ!!」
「気が付いたようじゃの!」
 ユリーシャと魔窟堂は、ほぼ同時に声を上げて、ランスのほうに駆け寄った。
(ユリーシャ……)
 ランスはまとまらない思考で何とかその名を思い浮かべる。
 そんな彼を周り囲む三人とは別に、紗霧と恭也は数メートル離れて観察する。
 そして、ランスは周り囲む三人の姿を認め、言葉を発した。

「ユリーシャ…か……」
「はい……ランスさまのおかげで…こうして…」
 安堵の息を漏らすランスに、ユリーシャはにかんだ笑顔で応えた。
(うんうん……恋人同士の再会…いつ見ても感動するシチュエーションじゃわい)
(姫さん良かった……)
 そんな二人を見て魔窟堂とまひるは素直に感動する。
「…がはは…当然の結果だ……」
 状況をよく把握出来てないものの、そうランスは返答する。
 彼は再び周囲を見回し、ユリーシャに尋ねた。

15そして動き出す(4) ◆98ZwrBkTNw:2005/07/25(月) 03:03:26

「…ユリーシャ…ここはどこだ? それにこいつらは誰だ?」
「あ……ここは島の西の森の中です。
 この方々に助けていただきました」
 ユリーシャはやや慌てた様子でそれを伝えた。
 その説明を聞いた途端、ランスの顔色が変わった。
「助けた…だと?」
「助けられたのはわしらも同じじゃよ、ランス殿
 わしの名は魔窟堂野武彦。
 我らは主催者打倒を目指して行動しておる。
 お主さえ良ければ、ともに戦おう」
 自らの首に手を当てながら、穏やかに魔窟堂は言った。

「おいっ、ユリーシャどういうことだ?
 俺は…ケイブリスの野郎はどうなったんだ!?」
 魔窟堂には目もくれず、半ば怒鳴るような感じでユリーシャに問う。
「そ、それは……」
「………」
「ランス殿、たいした怪我は負っておらんよ。
 それにあの怪物はここには居らん。
 じゃが、お嬢ちゃんが駆けつけてこなんだら、手遅れになる所じゃった」

「・・・・・・」
 首輪を着けてない老人を一瞬、鬱陶しそうに見てからランスは言った。
「駆けつけただと?ユリーシャお前……」
「……ランスさま……」

16そして動き出す(5) ◆98ZwrBkTNw:2005/07/25(月) 03:05:09
(…この人)
 まひるは心中でそう呟き、一歩下がった。
 ランスの様子に嫌な違和感を感じ始めたからだ。
 紗霧と恭也もそれを察したのか警戒し始める。
 いまだ違和感に気づいてないのは魔窟堂だけ。
「ランス殿、悔しいのはわかるが…お嬢ちゃんを責めてはいかん」
「じじいは黙ってろ!俺は待っていろと……」
「・・・・・・・」
 問うランスに対し、ユリーシャはただ黙って彼の目を見つめている。
「それに野郎の首輪を勝手に…」
 たまりかねたまひるは、どういう意味?と言おうとした時。
 ユリーシャは口を開いた。
「いろ…と…」
「…………」
 まくし立てようとしたランスだったが、彼女の様子に黙り込む。
「………」
「……………」
 しばしの沈黙の後、ユリーシャは言った。
「わた…私はランスさまに死んで欲しくありません……だから…だから…言いつ
けを破りました」
 目を伏せ、だがしっかりとした様子でランスと対峙するユリーシャ。
「・・・・・・」
 そんな彼女にランスは息を飲んだ。

 一同は沈黙する。
 そしてランスは彼なりに考え、深く息を吐いて言った。
「……でかした…ユリーシャ…」
「!」
 彼女は顔を上げる。そしてランスは、
「心配かけちまって悪かったな…」と彼女に言ったのだった。

17そして動き出す(6) ◆98ZwrBkTNw:2005/07/25(月) 03:07:46

(二日目 PM4:10 西の森)

 ランスが落ち着きを取り戻し、魔窟堂らは改めて彼と交渉を始めた。
 魔窟堂では有利に交渉を進められないと判断した紗霧は前に出て自己紹介をしようとした。
「私は魔窟堂さんのどう…」
 右掌を前方に出し、どこか自慢げにランスは彼女の台詞をさえぎった。
「言わなくていい、名前は知っている」
 それを聞いて、紗霧は眉間にしわを寄せた。
 彼女はゲーム中、自分の素性を他の参加者に極力、知られないようにしていたからだ。
「私は貴方の事を存じませんが?」
「俺様はこの島にいる女の子の名前は全部知ってるのだ」
と、言いつつ紗霧の顔を見つめた。
 実はランスはゲーム開始前後、わずかな時間の内に例の教室にいた女性達の内、二人を観察していた。
 その二人とはユリーシャと紗霧。
 遠くに離れていてよく観察できなかったのと、ユリーシャが自分の前に出発した事もあって、ランスは最初のターゲットを彼女に選んだ。
「…むっ、むむむむむっ!」
 紗霧をはっきりと眼前で確認したランスは感嘆の呻き声をあげる。
 そして、改めて紗霧を目の前にし、いつものように寸評を入れようととするが、
うまく言葉にできなかった。
 ランスの紗霧に対しての評価は決して低い訳ではない。
 むしろランスにとって出会った女性参加者の中では最高と言え、
 どこがいいのかと問われると、細かく言うのがのがはばかれるくらいだ。

 北条まりなの手帳から参加者情報を得た彼は、上機嫌に親指を立てて言った。
 尚、当人と魔窟堂を除いた面々が彼の態度に呆れているのに彼は気づいていない。
「と、とにかく!双葉ちゃんグッドだ!!!」

「「「……………………?」」」
「?」
「……………」

「どうした?」
「「「「…………………」」」」

「私の名は月夜御名紗霧です」

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 彼はまちがえてた。

18そして動き出す(7) ◆98ZwrBkTNw:2005/07/25(月) 03:09:49
                  *
                  *
                  *


白けた空気の中、まひるの提案で(なかば強引に)彼らは自己紹介を続けた。

 恭也の番が回ってきた。
「この方が高町恭也さんです」
「……………」
「ん?」
 ユリーシャの口からまひる達が紹介されてく中。ランスは恭也を見て声を上げた。
「お前は………………………昼の奴か?」
ランスはまだ痛む頭で恭也の事を思い出し、同時に知佳のことを思い出そうとする。
「・・・・・・?」
 頭を書きながら恭也と会ったなら、訊きたい事もあるのも思いだそうとするが、思い出せない。
 ちなみに恭也の名前を彼は覚えていない。
「ランスさま? お知り合いなのですか?」
「……………」
「……………」
 ユリーシャの疑問を他所に対峙する二人。
 ランスは恭也の治療痕と他のメンバーを一通り一瞥し、言った。
「おい、知佳ちゃんはどうした?」
「……ここには…いない」
「何?」
 二人の間に軽い緊張が走った。

19そして動き出す(8) ◆98ZwrBkTNw:2005/07/25(月) 03:12:33
 
 空気を読んだのかユリーシャは嫉妬することなく、小声でまひるに尋ねた。
「あの…知佳さんって…どちらさまで…」
「えと…恭也さんの恋人だよ」
と、まひるも小声で返答した。
「え?」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
 今日の早朝までなら、恭也はまひるの発言に照れただろうが、今は状況が違う。
 さらにランスの言葉は続いた。
「どこに行ったんだ?」
「…………」
 頭を振る魔窟堂。
 それを見ているのかいないのか、ランスは恭也の傷を再び見て言う。
「助けにいかんのか?」
「……っ」
 恭也の予想だにしなかった、ほぼ反射的に出たランスの問い。
 恭也が返答する前に、紗霧がランスに言った。
「その事も含めて、ランスさん貴方に訊きたい事があります」
 ランスはゆっくりと振り向き、
「何だ?」
と、答えた。

「ランスさん……単刀直入に言いますが、貴方は我々に協力できるんですか?」
と、表情も語気も穏やかに紗霧は言った。
 ランスは紗霧と魔窟堂を見比べる。
「リーダーは誰だ?」
「特に決めておりません」
 実際の所、一応は魔窟堂がリーダーである。
 ランスの表情がわずかに変わり、口に出す言葉を考える前に、紗霧は更に続けた。
「ランスさん……貴方、今でも男性を邪魔者と考えているでしょう」

20そして動き出す(9) ◆98ZwrBkTNw:2005/07/25(月) 03:14:09
 
 これは怒り、興味、軽蔑、賞賛のいずれの感情が混ざった台詞ではない。
 あくまで穏やかに真摯に言った紗霧の問いだ。
 紗霧の真意がつかめないランスはすぐに返答できなかった。
 理由はそれだけではない。
 自身にとって非常に重要な局面に入っているのを直感で悟ったからだ。
「………!」
 魔窟堂が紗霧に何か言おうとした。
 それを止めようとする手があった。
「!!!」
 指を口に当てた、まひるだった。
 それを受けて、少し驚きながら魔窟堂は引き下がる。
 ランスの本質を前もって知っている、恭也とユリーシャは緊張した様子だ。
 特にユリーシャは冷や汗をかいていた。

「……」
 ランスは沈黙している。
 その行為は問いに肯定したも同然に写る。
 魔窟堂が引き下がった直後に紗霧は言った。
「出来る事なら残った参加者全員で対主催者に挑みたい所ですが、足並みが揃えず、我々の行動の妨げになるとどうしようもありません。
 その場合、足並みを揃えたユリーシャさんの方がずっと大きな働きができるでしょうし、戦力は現状のままで十分です」
「・・・・・・・!!!」
「!!」
 思わぬ言葉に目を見開き、ランスはユリーシャを見る。
 ユリーシャは驚きに口を開けていた。
 そして我に帰ると、紗霧に向かって叫んだ。
「わ、私はランスさんと一緒でないと、皆さんと行動できませんっ!
 ですから、ですからっ……」
と、自分のバッグから首輪解除装置をだそうとするが、いつのまにか手元になかった。
 おろおろしているユリーシャを見ながらランスはこれまでの事を考えていた。

21そして動き出す(10) ◆98ZwrBkTNw:2005/07/25(月) 03:16:24

“参加者・運営者を問わず、女は全員犯して俺の女にし、男は皆殺しにする”

それはゲーム開始時のランスのスタンスだった。
彼はこれまで自由奔放に生きてきた。
自らの命を危険に晒した回数など数え切れない。
むしろそれに意を返さず、突っ込み、生還する。
それを可能とする実力も、自信も、悪運もあった。

だが、このゲームに至っては

女性参加者の大半を助けられず、彼について来た同行者二人も失った。
その上、ゲームの黒幕は自分の住む世界の神だった。
認めたくなかったが…彼はそういう自分をとても不甲斐なく感じていた。
かつて…この島に来る前にある国の兵隊に追われ続けた時以上に。
ランスは焦っていた。

「ユリーシャさん、さっきの私に対する彼の反応を見て、何とも思わなかったんですか?」
「……!」
 ランスが黙ったままの会話は続き
 相変わらず彼にとって、ユリーシャにとって不利な状況が続いている。
 まひるがたまりかねて紗霧に何か言おうとしたのと、ランスが“ある覚悟”を決めようとした時、
 紗霧は恭也の方へ視線を写して言った。
「高町さん。 貴方にとって彼の力は必要ですか?」と。

22とある参加人 ◆98ZwrBkTNw:2005/07/25(月) 03:31:23
残りは今日中に…

23そして動き出す(11) ◆98ZwrBkTNw:2005/07/25(月) 07:43:48

ランスは内心、舌打ちをしながら恭也を見た。
それは昨日、恭也に戦闘を仕掛けてしまったからだ。
恭也もランスを見る。
そして恭也は続けて紗霧・ユリーシャを見た。
彼はここにはいない知佳・自分の奥義を破った猪乃・今、バッグに仕舞っている小太刀の
元の持ち主の事を考えた。

「・・・・・・」

わずか十数秒のち、彼はその疑問に答えた。

「…俺は必要だと思う……」
「!!」
 紗霧は少し考えたのち言う。
「理由は何ですか?」
 恭也は過去の苦い記憶をあえて思い出しながら言った。
「間違いなく、今の俺より強いから」
「単純な戦力として必要だからですか?」
 そんなの見てわかります、とでも言いたげに僅かに眉を歪めさせて紗霧は言う。
 すぐさま恭也はランスの方を向いて
「ランス……」
「何だ?」
「ユリーシャさんとは最初から同行してるのか?」
「そうだ」
「もし、さっきまで戦っていた怪物がここに現れたらどうするんだ?」
「? 戦うに決まってるだろう」
「もし今、動けなくなったユリーシャさんと二人きりで、そいつと戦わなきゃならないなら
どうするんだ?」

24そして動き出す(12) ◆98ZwrBkTNw:2005/07/25(月) 07:58:55

「…………っ」
 ランスは答えに詰まった。
 彼は誰かをかばいながらの戦いが苦手だからだ。
 自由奔放がゆえに滅多に気を回せないのだ。
 そんな彼を他の面々はじっと見詰めている。
「・・・・・っ」
 それでもあえて彼はしぼりだすようにやけくそ気味に返答した。
「二人でとことん戦うしかねえだろ…」
「そうか……」
と答え、恭也は目を瞑った。
 次に空を見上げて言う。
「この島で仁村さんと出会う前、俺はある人と同行してたんだ」
 それは独白。
「?」
「……俺はある男と戦って、……攻撃を交わされた程度のことで負けを認めてしまった」
「? それでお前とそいつはどうなったんだ?」
 恭也は続ける。
「無傷でその男に見逃してもらったよ。
でも、負けた事で落ち込んだ俺は、その人に愛想を尽かされたんだ」
「…情けない奴だな」
 そう言うランスの表情に何故か嘲りの色はない。
「あの人は一人ででもあがこうとしていたと思う。
 だけど、その人は数時間後に俺の知らない場所で命を落としてしまったんだ」
「…………」
 場が更に静まった。 
 恭也は息を大きく吐き、紗霧に言った。
「少なくとも、彼は俺と同じ理由で心を折られることはない。
 この状況でとんでもない間違いはしないと俺は思う」
 突如、風が吹き森を揺らした。
 一同はそれに気づいてないかのように静まっている。
 紗霧はため息をついて恭也に問う。
「高町さん……彼は貴方や魔窟堂さんを助けるようなことはしませんよ。
 それでも宜しいのですか?」
「俺はみんなが良ければ彼と手を組んでもいいと思う。
 油断できないけど」
と、苦笑しながら言った。

25そして動き出す(13) ◆98ZwrBkTNw:2005/07/25(月) 08:01:59
 
 ユリーシャと魔窟堂が安堵のため息を漏らす。
 「・・・・・・・・・」
 ランスは何か考え込んでいた。
「それなら、仕方ありません。まひるさんは……」
「待て」
と、紗霧の質問をランスが遮る。
「おい、お前」
と、恭也の前にズカズカと歩み寄り、釣られて恭也も後方へと下がる。
 そして、彼にだけ聞こえるような小声で質問した。
「その死んだ人ってのは女か?」
 恭也は思わず釣られて小声で「ああ」と答える。
「そうか」
 淡々としたランスの返事。
 男だったとしても返事は同じだったろう。
 胸の内は別として。
「何、言ってるんですか?」
と、不機嫌そうに紗霧も近づく。
 それに構わず、ランスは小声で言った。
「その女の名前は何て言った?」
「う…………」
 迷う恭也。
 だが、答えた。
「篠原秋穂さんだ」
 二人の歩みがピタリと止まった。

「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「?」
 怪訝そうに二人を見る紗霧。

「……そうか………」
 顔を下げず、表情をあえて変えないまま、ランスはかろうじて、そう答えた。

26そして動き出す(14) ◆98ZwrBkTNw:2005/07/25(月) 08:05:37

「・・・・・・・・・・・」

 彼はきびすを返す。
 そして、紗霧の方に向き合い、地面にドカッと座る。
「!?」
 腕組みして、この場にいる全員に向けてランスは言った。
「言いなりにはなれんが……お前らが良ければ協力してやる」と。

                 *
                 *
                 *


「まひるさんは?」
「・・・・・・・」
 まひるもさっきまでのランスの態度には嫌な違和感を多少なりとも感じていた。
 だが、見捨てる見捨てないかとなると話は別だし、ユリーシャと恭也のことも
 あり、ランスと一緒に行動するのに異論はない。
「あたしもいいよ。紗霧さんは?」
「条件付きでなら反対はしません」
「そ、それでは!」
 喜びの声をユリーシャはあげる。
「条件については解っていると思いますが、質問は宜しいですか?」
「……手を出すなと言いたいんだろ?」
 心底、残念そうにランスは答える。
「両方ともですよ?」
「わかってるって。その前に言いたい事がある」
「何でしょう?」
 紗霧の持つ独特の迫力に身の危険を感じはじめたのかランスは、念を押すように紗霧に言った。
「あくまで協力はするが、言いなりにはならん。それでいいな?」
「…………随分と虫の良い話ですね。まあ良いでしょう。活躍を期待してますよ」
「あ、ああ、任しておけ」
 彼にしては珍しく遠慮がちに返答する。
「魔窟堂さんも異論はありませんね?」
「うむ」
「み、皆様、有難うございます!」
 それを見たユリーシャは感謝の言葉を述べて、彼らにおじぎをしたのだった。

27そして動き出す(15) ◆98ZwrBkTNw:2005/07/25(月) 08:13:51

 再び腰を上げ、会話しながら西の森の小屋へ向かおうとする一同。
 ユリーシャはランスに駆け寄って言う
「ランスさま、さっき高町さんと、どのようなお話を?」
「お前には関係のないことだ」
  
 その返事に少し残念そうな表情を浮かべるもユリーシャは引き下がった。
 仮にも秋穂の同行者であった彼女に気を使っての彼なりの配慮。
 根本的な解決には決してなりえないが、今のふたりは少し幸せそうに見えた。

「……?」
 何か、忘れている。
 ケイブリスとの戦闘前に湧いた、ランスにとってささやかな疑問。
「ランス、朽木さんの事で話が……」
 思い出した。
 手帳に載ってた恭也に絡む情報を。
 彼は言った。
 その問いが再び、一同を混乱させる事態になることを知らないまま言った。



「お前、フィアッセって女と知り合いか?」

28そして動き出す(15+1) ◆98ZwrBkTNw:2005/07/25(月) 08:16:08

【グループ:紗霧・ランス・まひる・恭也・ユリーシャ・魔窟堂】
【現在位置:西の森】
【スタンス:主催者打倒、アイテム・仲間集め、西の小屋へ向かう】
【備考:全員、首輪解除済み】
    秋穂に関連するランスと恭也の会話内容は他の4人は知らない】


【ユリ―シャ(元№01)】
【スタンス:ランスを中心にグループに協力】
【所持品:ボウガン、スコップ(小)、メス1本、指輪型爆弾×2、小麦粉、
      解除装置、白チョーク1箱…は紗霧に隠されてます】
【能力:勘が鋭い】
【備考:疲労(中)】


【ランス(元№02)】
【スタンス:女の子優先でグループに協力
      男の運営者は殺す】
【所持品:なし 】
【能力:武器がないのでランスアタック使用不可】
【備考:肋骨2〜3本にヒビ(処置済み)・鎧破損・疲労(小)】
    

【高町恭也(元№08)】
【スタンス:知佳の捜索と説得】
【所持品:小太刀、鋼糸、アイスピック、銃(50口径・残4)、鉄の杖、保存食】
【能力制限:神速使用不可】
【備考:失血で疲労(中)、右わき腹から中央まで裂傷あり。
    痛み止めの薬品?を服用】


【魔窟堂野武彦(元№12)】
【スタンス:運営者殲滅】
【所持品:レーザーガン、軍用オイルライター、白チョーク数本、スコップ(小)
      ヘッドフォンステレオ、マジカルピュアソング、謎のペン16本】
【能力:気合で背景を変えれる。????。???】
【備考:ちょっと自信喪失中】



【月夜御名紗霧(元№36)】
【スタンス:反抗者を増やし主催者へぶつける。 モノの確保】
【所持品:対人レーダー、銃(45口径・残7×2+2)、薬品数種類
スペツナズナイフ、金属バット、文房具とノート(雑貨屋で入手)、智機の残骸
の一部、 医療器具(メス・ピンセット)】
【能力:毒舌・隠匿】
【備考:隠しているけど疲労(大)、下腹部に多少の傷有】


【広場まひる(元№38)】
【スタンス:智機以外の相手との戦闘はなるべく避ける。
      グループが危険に晒されるなら、応戦する
      島からの脱出方法を探る】
【所持品:せんべい袋、服3着、干し肉、斧、救急セット、竹篭、スコップ(大)
      携帯用バズーカ(残1)、タイガージョーの支給バッグ(中身は不明)】
【能力:身体能力↑、怪力、爪、超嗅覚・感覚、片翼、衝撃波(練習中)使用】
【備考:疲労(小)】

29とある参加人 ◆98ZwrBkTNw:2005/07/25(月) 08:18:44
一旦、終了です。
一気にコピペで本スレに全部投下したいけど、投稿規制があるからなあ……

30とある参加人 ◆98ZwrBkTNw:2005/07/25(月) 10:22:02
投下終了。
これで即死はなくなったかな?
次は透子と他3人?の話の予定です。

31名無しさん@初回限定:2005/07/31(日) 02:01:54
復帰したのか。
昔残していたネタ、図々しいかもしれないが手伝いになればと投下してもいいか?

32とある参加人 ◆98ZwrBkTNw:2005/07/31(日) 06:40:40
>>31
構いませんとも。
僅かでも手伝ってくれるとありがたいです。

ちなみにまた遅れ気味の新作ですが今日中に投下できそうです。

33名無しさん@初回限定:2005/07/31(日) 21:07:45
>>32
ありがとう。
運営方法は今まで通りでいいんでしょうか?

話内容
ケイブリスと智機の拠点(学校)での掛け合い。
前回の残された続き、智機がケイブリスの腕と鎧の補修をする。
そしてザドゥと透子に対して参加者への率先介入を好む智機がいざという時のためにもケイブリスと繋がりを深め組もうと提案する。

34とある参加人 ◆98ZwrBkTNw:2005/07/31(日) 22:17:37
OKです。
ただ、今書いている話ではメール欄①がおこります。
本日の新作投下後、またここに書き込みます。

35名無しさん@初回限定:2005/07/31(日) 22:43:19
>>34
了解しました。
というか透子とも出会ってくれた方が>>33の内容を書きやすくなりそうで良さそうですね。
楽しみに待っております。

36名無しさん@初回限定:2005/07/31(日) 22:44:26
う、>>34のメール欄をしてくれた方がと書くべきでした。
以後、気をつけます。

37とある参加人 ◆98ZwrBkTNw:2005/08/01(月) 14:26:00
加筆修正を繰り返した結果、一日伸びてしまいました。
次はあの六人の小ネタの予定です。
内容的にはかなりアドリブが効く上に変更点もありません。
早ければ今日の深夜でも投下できそうです。

あの魔人とはレイのことだったり…

38名無しさん@初回限定:2005/08/01(月) 20:33:12
>>37
お疲れさまです。

此方の方は遅くても三日後には投下予定です。
早ければ二日で(推敲したいのでできてから最低一日は開けたいのです、我侭で申し訳ない)

二つお聞きしたい点があるのですが、
一つ目は、手帳にレイの名前が書かれた経緯はどの話でしたっけ?
今確認しているのですが、途中からスレを一つ一つ読まないといけなく、該当個所が解ればとw

二つ目は、鍵と島の東西南北の塔(であってましたよね?)の関係について、どう考えているかを。
参考までに昔考えていたネタでは、主催者用の緊急回復アイテム、緊急脱出用ゲート(一気にルドラサウムの元へ)
または智機がこっそりと配備しておいた対ルドラサウム用の何か(ワーグとか・・・・・・)
とか考えていましたが、どのようにこの伏線を回収するつもりでしょうか?

この二つを話に盛り込んで流れをお手伝いできたらいいなと考えたものです。

追記:まとめサイトはやはり必要でしょうか?
時間はかかりますが本当に簡易なもので良ければ作る事は可能です(他にメインのものがあるため……)

39とある参加人 ◆98ZwrBkTNw:2005/08/01(月) 21:15:35
それで構いませんとも、楽しみに待ってます。

>手帳にレイの名前が書かれた経緯はどの話でしたっけ
まりなの手帳には参加者やその候補、もしくは運営者候補の情報が断片的にいくつか
書かれてるんじゃないかなと思ってこうなりました。
よってレイの名が登場する話はありません。
初期の話に出てきましたが、何しろあの手帳には、何故か別世界のなみや星川翼の情報が書かれていたくらいですから。
手帳に関わる真相の一端はメール欄です。別の人が考えたネタを拾ったんですけどね。

ここでレイの名を出したのは、私がたまたま保存していた以前の総合検討会議スレの1に
彼が運営候補者としてエントリーされていたのを元にメタなネタとして使いました。
尚、2と3は保存できてませんでした。

東西南北の鍵の使い場所の二つ目は今回の話で知佳が見つけた地下部屋の
出入り口としました。
回復アイテムか強化アイテムの配置を考えてます。
後の二つはまだ特に考えておりません。
臨機応変に使っていくつもりです。
うち一つはランス救出時の魔窟堂が発見したかもと考えてます。

>まとめサイトはやはり必要でしょうか?
そうしていただけるとうれしいです。

次はメタな話なので一旦、ここに投下します。

40選外・前編(1) ◆98ZwrBkTNw:2005/08/03(水) 00:22:50


(二日目 4:15 西の森)

「・・・・・・・・・!」
 ランスの口から出た名、フィアッセ。
「当たったか」
 恭也にとっては知り合いどころか、姉弟同然の間柄である。
「……どうして…その人の名を知ってるんだ……!?」
「…俺様も直に聞いたわけじゃねえが……」
 ランスはそう言いながら、自分の身の回りを探り始める。
「……?」
 手帳がない。
 バッグは……東の森に放置したままだ。
 更に探すが、鍵束もない。
 それは紗霧が失敬したからだ。
 ハリセンは……どうでもいい。
「………」
 自分の身の回りのチェックを終えた、ランスは言った。
「手帳、無かったか?」

41選外・前編(2) ◆98ZwrBkTNw:2005/08/03(水) 00:24:00

「なんと!! まりな殿の!」
「ああ……」
 手帳を無くした事に気づいたランスは、探すより先に自分は人づてに手帳を手に入れ、記載されてたその内容の一部を読んでその名を知った事を語った。

「人づてという事は…ランスさん、その人は主催者にやられたんですか?」
と、誰かを気遣う演技をしながら紗霧。
「………」
紗霧の問いにランスは考えてから言おうとする前に
「そうですか」
と紗霧は落胆する振りして先に断定口調で言った。
「……そのとおりだ、紗霧ちゃん」
と、ランスはそれあわせるように言ってしまった。
ちゃん付けされた紗霧は一瞬眉をひそめるが、別に不愉快っていうわけでもなかったのか何も言わなかった。 
もっとも、紗霧はランスが穏便なやり方で手帳を入手したとは露ほども思っていない。
 あえてランスの都合の悪くない方へ会話を進めたのは、これ以上、会話が逸れる前に情報をスマートに集めたいからに過ぎない。
「なんと……グレン殿はやはり…!」
と、魔窟堂は怒りをにじませ、ぎり…と歯軋りをした。

42選外・前編(3) ◆98ZwrBkTNw:2005/08/03(水) 00:25:20

「「「……………」」」

この会話の流れに対して、あえて口を挟まなかった他の三人は何を考えてたかというと…

(……………)
ユリーシャは半ば、思考停止状態だった。
ランスがグレン様を殺害したことがばれれば、彼自身の立場が危うくなるのでこうなるのは、ユリーシャにとっても都合がいいはず。
だが、ユリーシャは自分が騙されていないのに、何となく騙されている気がしてならず、静かに困惑していた。

(…変。 でも今、突っ込んじゃいけないところなんだろーな…)
と、こちらはまひる。

(グレン!? でも彼は……即死だったはず。 嘘なのか?)
と、こちらは未だ、この島にグレンの名を持つ者が二人いた事実を知らない恭也。
もっとも彼は七番目に出発した参加者だったし、今日の昼の放送も気絶していた事などもあって、気づかないのも無理はないのだが。

「グレン殿……まりな殿……おぬしらの仇はわし等が必ず…!」
と、自分の世界に入りこんで、意気込む魔窟堂。
ランスそんな燃える老人を見て、思わず自分の頭をかいていた。

「…優先しなければならないことがあるでしょう」
と、紗霧は魔窟堂を落ち着かせるようになだめてから、コホンと咳払いをしてから、他の四人に言った。
「色々と訊きたい事がありますが、先にランスさん『手帳』に関する情報提供をお願いします」
「ああ」
ランスは快く返事をして情報を話し始めた。
その内容とは、フィアッセを含めたランスの知らない人物数人の名前とそれに関する簡単な情報であった。

43選外・前編(4) ◆98ZwrBkTNw:2005/08/03(水) 00:27:25

ランスの口から語られる、手帳のある二ページに記載された名前とは……

―――参加者にエントリーされる可能性有り

“高部絵里”
“フィアッセ=クリステラ”
“レティシア”
“八車文乃”
“綾小路 光”
“天上 照”

の六名。

         *          *          *

「知ってる人の名前はないですね」
と、しゃがみこんで木の枝で六人の名前を書きながら紗霧は言った。
「私も心当たりが……他の皆さんは…」
とユリーシャはまひるらに尋ねた。
「あたしの知ってる人はいないよ」
「俺も他の五人については知らない…」
「何だ?本当に知らないのか?」
「女の人の名前ばかりですね」
「男の名前などいちいち覚えてられんしな」
「「「…………」」」
ランスの暴言に、恭也はため息をつき、まひる・紗霧は怪訝そうに彼をみた。
「…ぐ……悪りィ…。俺も二ページしか読んでないからなぁ…」
それに対してランスは気まずそうに言葉を吐いた。
「…レティシアさんにいたっては何故か外見的な記述もなく名前だけですしね」
「…ランスどの……わしもこの六人については知らんが、“綾小路 光”の関係者については心当たりがある」
「紫堂神楽さんのことですね」
と紗霧は言った。
「義理の姉って書いてたな」
「彼女も神楽殿と同じ力を持っておったんじゃろうか……」
魔窟堂は神楽に治療して貰った方の肩に触れた。そして
「まりな殿……お主は一体何者だったんじゃ…」
 遠くを見るような目で魔窟堂は言った。

44選外・前編(5) ◆98ZwrBkTNw:2005/08/03(水) 00:29:26

 六人の女性についての議論はこれ以上、進展しようがなかった。
 六人の内、五人はすでに死亡した参加者の関係者だからだ。
「違う話をしませんか?」
「う〜む…」
「そうだな…朽木さんのこともあるし」
「………」
 紗霧はしゃがみこんだまま、地面に書いた名前を見て考える。
 (姓名だけではほとんど判断できませんね)
と、木の枝で文字を消そうとする。
「?」
が、ある名前を改めて見てそれを止めた。
(天上 照…)
 見知らぬ名前。
 いや、彼女のいた世界にもあった、ある太陽神の名をもじったものというのはわかる。
 ただ、彼女にとって不思議なのは、何故、会った事もない人の名前で急に興味が湧いてきたかだ。
 紗霧はぼんやりとその名前を見続けた。

45選外・前編(6) ◆98ZwrBkTNw:2005/08/03(水) 00:30:44

(……だとしたら……大げさな偽名みたいですね…それとも…これが言霊というものでしょうか…?)
「どうしたの紗霧さん」
「!」
 まひるの声に紗霧は我に帰った。
「あは…おどかしちゃった…ゴメン、ゴメン」
「・・・・・・」
 紗霧はジト目でまひるを見ながら、立ち上がり
「…………」
少し躊躇したものの、地面に書いた名前を靴で揉み消してから言った。

「双葉さんの話をしましょうか」


                  ↓

46選外・前編(6+1) ◆98ZwrBkTNw:2005/08/03(水) 00:36:41

【グループ:紗霧・ランス・まひる・恭也・ユリーシャ・魔窟堂】
【現在位置:西の森】
【スタンス:主催者打倒、アイテム・仲間集め、西の小屋へ向かう】
【備考:全員、首輪解除済み】

【ユリ―シャ(元№01)】
【スタンス:ランスを中心にグループに協力】
【所持品:ボウガン、スコップ(小)、メス1本、指輪型爆弾×2、小麦粉、
      解除装置、白チョーク1箱…は紗霧に隠されてます】
【能力:勘が鋭い】
【備考:疲労(中)、紗霧に対して苦手意識】


【ランス(元№02)】
【スタンス:女の子優先でグループに協力
      男の運営者は殺す】
【所持品:なし 】
【能力:武器がないのでランスアタック使用不可】
【備考:肋骨2〜3本にヒビ(処置済み)・鎧破損・疲労(小)】
    
【高町恭也(元№08)】
【スタンス:知佳の捜索と説得】
【所持品:小太刀、鋼糸、アイスピック、銃(50口径・残4)、鉄の杖、保存食】
【能力制限:神速使用不可】
【備考:失血で疲労(中)、右わき腹から中央まで裂傷あり。
    痛み止めの薬品?を服用】

47選外・前編(6+2)/本スレ26訂正 ◆98ZwrBkTNw:2005/08/03(水) 00:39:29

【魔窟堂野武彦(元№12)】
【スタンス:運営者殲滅】
【所持品:レーザーガン、軍用オイルライター、白チョーク数本、スコップ(小)
      ヘッドフォンステレオ、マジカルピュアソング、謎のペン16本】
【能力:気合で背景を変えれる、????、???】
【備考:ちょっと自信喪失中】

【月夜御名紗霧(元№36)】
【スタンス:反抗者を増やし主催者へぶつける。 モノの確保】
【所持品:対人レーダー、銃(45口径・残7×2+2)、薬品数種類
スペツナズナイフ、金属バット、文房具とノート(雑貨屋で入手)、智機の残骸
の一部、四本の鍵束、 医療器具(メス・ピンセット)】
【能力:毒舌・隠匿】
【備考:隠しているけど疲労(中)、下腹部に多少の傷有】

【広場まひる(元№38)】
【スタンス:智機以外の相手との戦闘はなるべく避ける。
      グループが危険に晒されるなら、応戦する
      島からの脱出方法を探る】
【所持品:せんべい袋、服3着、干し肉、斧、救急セット、竹篭、スコップ(大)
      携帯用バズーカ(残1)、タイガージョーの支給バッグ(中身は不明)】
【能力:身体能力↑、????、怪力、爪、超嗅覚・感覚、片翼、衝撃波(練習中)使用】
【備考:疲労(小)】

48名無しさん@初回限定:2005/08/03(水) 00:47:58
お疲れさまです。
この名前が後々どう生きてくるかが楽しみですね。
名前に関しても、ここまできたら自由に増やしてもいいかとw
智機・ケイブリス話の方も明日(もう今日ですが)か明後日には投下します。
頑張りましょう。

49とある参加人 ◆98ZwrBkTNw:2005/08/03(水) 00:53:45
終了。
余裕があれば明日もう一本かけるかな?
今作は一応ルドラサウムに関する伏線話のつもりで書きました。
ちなみに今回、名前だけ出た女性六人は本編で出すつもりは今の所ありませんので。
出るとしたらエピローグかな。

ワーグ登場…考えようかな

50名無しさん@初回限定:2005/08/03(水) 00:59:23
>>49
ワーグですか。
上で述べたように智機がいざという時の切り札としてひっそりと隠しているとか考えてましたが……
どうしますか?
かなり対ルドラサウムへの伏線になりそうですし。

51とある参加人 ◆98ZwrBkTNw:2005/08/03(水) 01:12:42
>>48
どうもです。
下の三人はこの手の作品に登場すれば大暴れしてくれそうと思いながら書きました。

>>50
それでは、登場させましょうか。
登場話はよければそちらでお願いします。
近々、公開の智機の過去話もそれに合わせますんで

では、今作を本スレに投下してきます。

52名無しさん@初回限定:2005/08/03(水) 01:17:21
>>51
了解しました。
ちと今、過去作を見直していたら、智機は魔人(ケイブリス)に関して無知であったようですね。
なので少し変更をして今は伏線の段階で処理をしておきます。
具体的にはケイブリスからワーグの存在を聴いてあれこれ思索する程度で……

53とある参加人 ◆98ZwrBkTNw:2005/08/04(木) 23:57:52
これから数時間後に知佳と透子の話をここに投下します。
後に微調整して明日の夜明け以降に本スレに投下です。

54名無しさん@初回限定:2005/08/05(金) 01:11:50
ちょっと変更を加えてるため遅れてます。申し訳ない。

55より鋭く、深く(1) ◆98ZwrBkTNw:2005/08/05(金) 04:49:35

(二日目 PM4:25 学校へと続く道)

「わたしの名前…知ってたのね」
 銀杏の木にたたずむ透子は知佳に言った。
 黄色く変わり始めた銀杏の葉は陽光に照らされ、透子と知佳の亜麻色の
髪と似た色彩を再現していた。
 風に吹かれていないそれは、今少なからず動揺している知佳と比べて対称的だ・
「……あ…あの人の…心を読んでしまったから…」
 と、知佳は新校舎において、智機が心中で透子に悪態をついていた事を思い出しながら言った。
「そうなの」
「…そうなのって……」
「……」
 透子の淡々として、どこかズレた反応。
 だが、そこに冷たさは感じられなかった。
 その為か知佳は自分の緊張が幾分か和らいでいるのを感じた。
「話はもういいの?」
「……」
 知佳の言葉に透子の返事はない。
「………」
 二人は会話を口にしてるが、別に読心能力が作用してないわけではない。
 透子は心の声の返事さえ返してないのだ。
 知佳はその沈黙に耐えられなくなったのか、透子に届くようにお礼の言葉が届くように念じた。

56より鋭く、深く(2) ◆98ZwrBkTNw:2005/08/05(金) 05:00:28

(さっきは……ありがとう…透子さん)
 それはケイブリスを追っ払ってくれたことに関する感謝の念。
 透子にも思惑があるかも知れないと解っていても知佳にはありがたかった。
 後ろ髪、惹かれる思いを残しながら、この場を去ろうとした知佳に対して、
透子は言った。
「単独行動を続けなさい…」
 空気が変わったような気がした。 
 知佳は足を止めた。
「…参加者の中にはあなたに対して危害を加える人がいる」
 透子の心の声は聞こえてこない。
 知佳は右手をぎゅっと握り締める。
「ゲームに戻りなさい」
「・・・・・・・・・」
 殺人ゲームの強要。
 それでも彼女の声には冷たさはなかった。
 知佳は大きくかぶりを振って叫んだ。
「……そんなこと、できないよっ!!」
「……」
 透子の心の声は聞こえない。
「透子さん!あなたは……」
「わたしは“こんな事”を望んでしている」
「・・・・・・!?」
 “こんな事しちゃいけないよ”と言おうとした知佳はショックに言葉を詰まらせた。
 それに構わず、遠い目で透子は言い続けた。
「もう、諦めかけていた…」
「……だから…ってこんな事したって」
 透子だけは他の運営者とは違う。
 それを願って、知佳は透子にゲームの運営をやめてくれるよう説得しようとした。

57より鋭く、深く(3) ◆98ZwrBkTNw:2005/08/05(金) 05:06:22

「……」
 知佳には言えなかった。
 そんなことしたってその人は喜ばないよとも、間違ってるよとも、はっきりと心の中で
そう思う事さえできなかった。
 もし恭也が命を落とせば、自分も運営者のようになってしまいそうな予感がしたからだ。
透子は自分に言い聞かせるようなやや強い口調で続けた。
「諦められない確かな理由がわたしにはできた」
「・・・・・・!?」
 偽りのない言葉。
 聞こえ始めた心の声もそれに同調し、それは知佳の心にも聞こえ始める。
 いつのまにか知佳の身体からは妖光が消えていた。
 そして、知佳の心に透子の心の声が台詞と同調して聞こえ始めた。
「この仕事を終えた時だけ、わたしの手で『あの人』を元に戻す事が出来るようになる」
 知佳の鼓動が早くなった。
「わたしが生まれた世界では『あの人』を復元できる方法はなかった…。 最初から……」
「だから…この仕事をやめることはできない」
「『あの人』を見捨てられないから」

 知佳の耳に頭にその独白は響き渡った。

「……………」

 それは知佳に有無を言わせない透子の威圧感。

「……………そん…な」
 
 知佳はなんとかそう言うものの、地面にへたり込んでしまった。

58より鋭く、深く(4) ◆98ZwrBkTNw:2005/08/05(金) 05:14:15

「もし、あなたが最後の一人になった時…」
「叶える願いは…よく考えてから、口にした方がいいと思う」
   
「・・・・・・・・・・・・・・・」

「?」
「どうして…どうして……わたしに話し掛けたの?」
「昨夜、あなたはわたしに心を閉ざさないでと伝えた」
「…………」
「言ってる意味がよく判らなかったけれど、印象に残った」
「………」
「だから気になった」

透子の姿が徐々に薄らいでいく。

「あなたは昨夜…“愛を知る人に、悪い人など居るはずがない”とも言った」
「…………」
「わたしは……」
 透子は神から受け取ったロケットを握り締め、自らの能力が住んでいた世界に
どういう影響を与ええるかを思い出しながら、この島に来る前にその事を知った人が
どういう反応をしたかを思い出しながら言った。

「……逆だと思う」

そう言い、透子は知佳の前からすっと姿を消した。
 
       *      *      *

「・・・・・・・・・・・・」
 知佳はしばし、茫然自失だった。
 我に返ったのは、遠くから何かが噴出される音を聞いてからだった。
 今の知佳にその音源を探す気はなかった。
 自分が甘かったことと、透子とも戦わなければならない現実が堪えたからだ。
 彼女は今、自分の身の回りしか気が回らなかった。
 「……何か、しなきゃ…」
 知佳はそう呟くと立ち上がり、目の前にある手帳を拾いに行こうと歩き始めた。
 歩く少女の周囲には微弱だが電気が漏電しているように、ぱちぱちと小さな音が響き渡る。
 透子が去ったからか、知佳の身体には虹色のオーラと翅が具現している。
 
 それはさっきまで比べて色は黒っぽくなっていた。


              ↓

59より鋭く、深く(4+1) ◆98ZwrBkTNw:2005/08/05(金) 05:15:58

【仁村知佳(№40)】
【現在位置:学校へと続く道】
【スタンス:恭也が生きている間は、単独で彼らの後方支援へ
      主にアイテム探しや、主催者への妨害行為】
【所持品:???】
【能力:超能力(破壊力さらに上昇中・ただし制御は多少困難に)飛行、光合成】
【備考:疲労(小)、やや放心状態】



【監察官:御陵透子】
【現在位置:学校へと続く道】
【スタンス:ルール違反者に対する警告・静止、偵察。戦闘はまだしない】
【所持品:契約のロケット】
【能力:中距離での意志感知と読心
     瞬間移動、幽体化(連続使用は不可、ロケットの効果)
    原因は不明だが能力制限あり、
    瞬間移動はある程度の連続使用が可能。他にも特殊能力あり】
【備考:疲労(小)】

60とある参加人 ◆98ZwrBkTNw:2005/08/05(金) 05:20:48
投下終了。
ちなみに今作の噴出される音は智機ロケットが発射された音です。
また、昼か夕方に。
>>54
いえいえ、無理しない程度に互いにがんばりましょう。

61とある参加人 ◆98ZwrBkTNw:2005/08/06(土) 00:11:58
本スレ投下終了。
次はあの六人のアイン・双葉に関する論議です。
今日、一日かけて完成させ、本スレに投下の予定です。
これで登場人物の時間軸は、ほぼ統一されるかな。

その後、どのグループに手をつけようかな?

62名無しさん@初回限定:2005/08/06(土) 23:53:37
今晩中には投下できそうです。

その前に一つ。
開始時間の方、先の話のやり取りと移動をその後の含めて

二日目PM5:20分くらいで大丈夫でしょうか?

63とある参加人 ◆98ZwrBkTNw:2005/08/07(日) 04:05:40
大丈夫です。
ちなみにその頃の東の森の戦闘はメール欄になってます。

64名無しさん@初回限定:2005/08/07(日) 14:43:12
では、まず此方へ投下します。
問題なければ、夜に本スレへと投下します。

65名無しさん@初回限定:2005/08/07(日) 14:44:54
(二日目 PM5:00 本拠地・管制室)

 辺り一面機械に包まれた部屋。
 そこに大きな影が一つ招かれるようにして入ってきた。
「ありがとう、良く来てくれた」
 そう言った彼女の前には巨大な影の主である魔獣が対峙していた。
 しかめっ面で辺りを見回し、「ケッ」と言うと彼は用件を切り出した。
「俺様をわざわざ引き戻したんだ。それ相応の理由がなくちゃ納得しないぜ?」
 魔獣ケイブリスの気がビリビリと場を振るわせる。
 なるほど、気の弱い者が奴の姿を見れば発狂して止まないだろう。
 機械である自分でさえ、場に漂う異質な気が体の表面から感じ取れて仕方がない。
 所詮、解析能力から来る危険信号が反応を出しているものだ。そう理解はしているが、この魔獣の凶悪さは異常だ。
 よくザドゥが易々と通したものだ。と思ったが、今ではその理由も良く解る。
 通さざるを得なかったのだ。
 戦えば自分とてタダではすまないと気づいたのだろう。
(これは予想以上に慎重に扱わねばいけないようだな……。特に機嫌に関しては……)
 こんな奴に礼も何もない。
 本来の智機の性格から考えれば、そう言いたい処だが、これから動いてもらいたい共謀者にもなるのだ。
 奴が納得して『私のために』動いてもらうよう働きかけねば。
 
「では、まず主題から始めよう」
 空中に高く持ち上げられた椅子の上から、見下すようにして智機はケイブリスへと語りかける。
「フン……」
 その様子が酷く気に入らないケイブリス。それも智機の計算の内だ。
 見た目とはいえ、このようにして奴との間に上下という差を作る。
 こうする事で『私の方が上』という印象を無意識の内に与えつけるのだ。
 頭の悪そうな魔獣だ。気にいらなさそうな顔はしているが、特に深くは考えていないのだろう。
 交渉を有利に進める上での彼女なりの演出と言えた。
 先のアズライトに対して持ちかけた時のように。

66名無しさん@初回限定:2005/08/07(日) 14:45:19
(その分、言葉の上では慎重に行かねばな……)
「単刀直入に言うぞ。“私と組まないか?”」
「ぁあ?」
 不満げに漏らされたケイブリスの返答が部屋に響いた。
 『何言ってるんだお前は?』とでもいいたげな声と顔をしている。
「組むも何も俺たちは……」
「まぁ、待て。今のはあくまでも主題だ。これからその訳を説明する」
 パチリ。椅子の横にあるスイッチを押すと部屋にモニターが現われ光が映る。
「これを見て欲しい」
 言われてモニターを見たケイブリスの目に映るのは五人の人物。
 それぞれ細かく何やらデータが書かれているようだが……。
「んん〜。こりゃザドゥの奴……それにお前もいるじゃねぇか」
「その通り。これは、我々運営者五人のデータだ。そして今ここにいる新たに呼ばれたお前を含めて計六人となっている」
「だけどよ? こいつがどうしたってんだ? 見ない顔の奴もいるみたいだがよ」
「話の続きだ。モニターを見ながら聴いて欲しい」
 モニターの方へとケイブリスが目を戻すのを確認すると智機は話を再開させる。
「我々運営者は、誰もが神と契約し、報奨の約束とともにこのゲームの運営に従事している」
 智機が一区切りした所で、モニターに変化が訪れる。
 具体的に言えば、人物の周りが色で分けられ、まるで勢力図かのように区分されたからだ。
「存じていると思うが、ザドゥをトップとし、我々はゲームを円滑に進めるための駒として配置されている。
 それが我々の運営形態だ。だが……」
「だが……なんだ?」
「各々の求める運営形態と言うのが極端に違うのだ。
 今、色で分けられた中、赤いのが消極派。青いのと緑が積極派と思ってもらえばいい」
 それを言われたケイブリスは、モニターを凝視する。
 確かにザドゥと透子は左側の赤か染められた中いた。
 それに対するように智機が青色、そして名前の上に素敵医師とふられた長谷川均とカモミール・芹沢は緑色だった。
「ザドゥと透子の奴はテコでも動かないだろう。それこそゲームの崩壊の危機になるような事態でなくては動かない。
 お前に首輪解除装置を奪取する命令を出した時点で、やっと動いたくらいだ」
「ほー……」
「だが、それもここまでだ。こうなった以上、今動いているのが収まれば、もうザドゥは動かないだろうな。
 それに透子も期待できん……」

67名無しさん@初回限定:2005/08/07(日) 14:46:18
「あの女か……」
 ここに来る途中、出会った少女の事をケイブリスは思い出す。
「あいつの能力は、運営に於いて必要と認められたもの以外、どうやら制限されているようだ。
 能力と存在が相まって生半可な事では倒すのは不可能かもしれないが、それに対するように誰かを攻撃するという能力も欠けている」
「ふぅん……なるほどな」
「まぁ、話を戻そうか。恐らく、この二人は参加者達がここに直接乗り込んできても静観を保つだろう。
 おそらく自分達に牙を向けられない限りはな」
 再び椅子にあるスイッチを智機は押した。
 すると画面が移り変わり、一つの動画が流れ始める。
「こいつはなんだ?」
 いるのは一人の男、そして今ここにいる彼女の姿。
 ケイブリスはそれを見入る。
「これは、以前校舎を襲ってきた参加者達とのやり取りを録画したものだ」
 画面の中の男が少女の映し出されたモニターを眺めている。
 その脇では同じくらいの年齢の幼い少女が大量の智機相手に奮戦している。
「おー、おー、あのちっこいの頑張るじゃねぇか」
『―――アズライトぉっ!!』
 男が叫ぶ、少女が泣く。
 そしてそれはアズライトと呼ばれた男の自爆で幕を閉じた。

「―――以上だ」
 映像が終わるとモニターは元の勢力図に戻る。
「で、一通り見終わったが、こいつを見せた理由は?」
 動画を見て抱いた疑問をケイブリスは、智機へと尋ねた。
「これだけの事があってもザドゥは動かなかった。
 そしてあろう事か、この件に関して映像の通り対処した私を快く思わず咎めたよ」
「あぁ? 何言ってるんだ、こんなヤツラはボコボコのギタギタにするのが当然だろうが。
 俺の眼から見てもお前が正しいぜ」
 まるでガイの野郎みてぇだな。とケイブリスは思う。
 鬱憤の溜まる千年を経験した自分にとって、手を出せないその気持ちは良くわかる。

68名無しさん@初回限定:2005/08/07(日) 14:47:16
「ありがとう。そう言って貰えると信じていた」
「で、青のヤツラが動かねぇのは解ったけどよ。
 わざわざ違う色にしたんだ。この緑はお前と同じってわけじゃぁねぇよな?」
「その通りだ。同じ参加者へ積極的に介入していくスタンスこそ一緒だが、そこにある目的が違う」
 モニターの一部分が光り焦点を浴びる男、長谷川均。
「私がやるのは、あくまでもゲームの運営を円滑にするための介入だ。“私の願いを叶えて貰うため”にな。
 だが、彼は違う。無論、彼も願いを叶えて貰うために運営をしているのには違いない。
 しかし、彼がゲームに介入する理由は異なる。」
「で?」
「介入したいから、面白そうだから。彼がゲームに手を出す理由はそれだけだ。
 おかげで此方が命令しても、言う通りに動かない事もあった。
 それどころか命令してない、余計な事までしだしたりもな……」
 ちらりと智機がモニターの方を見る。
「その女がどうした?」
 智機の見る先、同じく緑に囲まれた少女、カモミール・芹沢をケイブリスは指した。
「彼女もゲームを進めるべく、仕事を請け負って出動した。
 しかし、長谷川均の手によって薬を投与され、彼のいいなり同然の廃人にされたよ」
「おいおい、仲間割れか?」
「今の我々も、おいそれと言える立場ではないと思うがな……。
 まぁ、そうだ。奴は自分の好き勝手行動した挙句、同じ運営者にまで手をかけた。
 これには、あのザドゥも切れた。素敵医師と呼ばれる奴はザドゥの命で運営者から外されたよ。
 今、彼が席を外しているのも、長谷川均を処分するために動いているからだ」
「いないと思ったら、そう言うことか……」
「情勢は、極めてまずい事になっている。
 仮にザドゥが長谷川均を処分し、カモミール・芹沢を助けたとしても、彼女はこのゲーム中はもう使い物にはならないだろうな。
 そうなると残った運営者は、私を含めて四人しかいない。
 しかもザドゥと透子は、参加者が直接襲い掛かってくるまで手を出そうとはしない。
 例え拠点が襲撃されたとしても、ザドゥは私やお前に迎撃を命じ、参加者が彼の元に辿り着くまで椅子に座しているだけだろう。
 透子の方は、私でもどうなるかは不明だが……制限されたこの状況でもある。迎撃の数として考えるのは止めた方がいいな」

69名無しさん@初回限定:2005/08/07(日) 14:47:53
「おいおい、何とかできねぇのか?」
「まだ早い。これはあくまでもマシな状況の方だ。
 もし出撃しているザドゥが、既に首輪を外している参加者に襲われでもして見ろ。
 また首輪をつけていたとしても、爆発させる暇もなく、不意を突かれるケースもある。
 奴が負傷、最悪死んだ場合、残った運営は、私と透子と貴様と言うことになる。
 最悪、素敵医師達を残した状態でな」
「するってぇと……」
「その場合は、実質、私が権限を握ることになるのは間違いない。
 だが透子が素直に言う事を聞くとは思えない。お前に好き勝手動いてもわれても困る」
 ポリポリと頬をケイブリスがかいた。流石の彼も思い当たる節に気づく。
 実際、何もなければ自分は好き勝手動くだろうなと安易に想像がついた。
「そこでだ。最悪のケースを想定した事も含め、私とお前で手を組みたいのだ。
 我々の願いを叶える為にな……。
「クック……」
 ケイブリスがニヤリと笑った。
「俺達の願いを叶える為な……気にいった。いいぜ組んでやろうじゃねえか、ただし条件がある」
「ランスの処遇か?」
「解ってるなら話は早い。奴の始末だけは俺がやる」
「ふむ、私も見返りなしとは言わない。それを呑もう。その状況に手を貸す事、折れた手の補強と鎧の修理、これでどうだ?」
「OK、俺はお前に力を貸す。それで手を打とうじゃねぇえか」
「交渉は成立だな……」


「ところで具体的にこれからはどうするんだ?」
 破損したケイブリスの鎧を智機が受け取り、修繕と補強をしている。
 それと同時にケイブリスの身体データを収集し、彼の折れた腕を補佐するための機具の設計を創案していた。
「まずザドゥの方がどうなるかだな。
 明確に我々が手を組んだ以上は、もう恐れるものは数少ない。
 多少奴が文句を言おうとも、できる限り動いていくべきだろう」

70名無しさん@初回限定:2005/08/07(日) 14:50:26
 今までは、思うように動きたくてもザドゥがいたせいで、動けなかった。
 無視して動くと言う手もあったが、素敵医師とカモミール・芹沢という二つの駒が消えた以上、ザドゥとの衝突は避けたかった。
 それにヘタして動けば、次は自分が粛清される可能性がある。
 その結果、どちらかが勝ち、新たな覇権を握ったとしても、相応の被害がもたらされるだろう。
 それで運営がお粗末になり、ゲームが崩壊したら本末転倒である。
 だが、ケイブリスという協力者を得た今なら違う。
 自分の持つ力と彼の強力な戦闘力を合わせれば、ザドゥと透子が組したとしても恐れる必要はない。
 今までは、衝突を避けるためお互いに譲歩しあっていた……いや、智機が不利であった状況が一変する。
 ザドゥが生きているのならば、彼に対する抑止力としてケイブリスの効果は大きい。
 最悪、ザドゥが形振り構わず我々に牙を向いたとしても、二人なら確実に勝てる算段を幾つか考案できる。
 ザドゥとてそれが解る人物だ。此方が動いたとしても、そうそうは形振り構わずなんて自体にはならないとふめる。
 ザドゥが負傷したり、死亡して身動きが取れなくなったのなら、二人が結束しているというのは大きい。
 透子も無下に反抗したりはしないだろう。もし素敵医師達が残っている場合も色々と工作しやすくなる。
 元々、今にいたるように素敵医師がやりすぎなければ、ザドゥが彼を明確に敵と定めなければ、彼と組むという選択肢も有り得た。
 その気概が彼との取引に応じたスタンスでもある。
 最も、今となっては彼に対する何とも言えない扱いづらさも解っているので組む気にはなれないが。
 それでも、ただ殺すのではなく、色々と工作しやすくなる。
 もしもの時もケイブリスがいれば、始末する事は簡単だ。
 それだけケイブリスと手を組めたというのは、それだけで大きい利益を生み出す。

「当面の目的は、組んだという事で達成された事ではあるが……。
 運営としては、反抗者をどうするか。それとゲームに乗る二人を残すという事だ」
「ああ、あいつもそんな事伝えてきたっけな……」
「望みとしては最適な人物がいたのだが……」
 その一人は、反主催のグループの中核として動いていた。着々と戦力を整え、抗う準備を整えつつある。
 願いを叶う事に拘っているはずの彼女が、今だそのように動いているのだ。
 恐らく、本心は『主催に参加者をぶつけ、勝てば良し。負けても自分が優勝すれば良し』と考えているのであろうが。
 問題は、撃退されたとはいえ、戦闘における警告効果はあったはずなのに。それでもまだスタンスを変えないという点だ。
 最低、確実に運営者と相打ちにもっていく自信はあるのだろう。
 とすると残っている参加者は、もう変心させでもしない限りは難しい。

71名無しさん@初回限定:2005/08/07(日) 14:51:34
 しおりと戦わせる存在がどうしても欲しいのだが……。
 候補のアインと双葉の方は、手を出す準備は万端だ。
 後は時間の問題。
 どちらかが生き残っているなら望みはある。その為にも手を出し、確保をするべく動いているが、あそこにはザドゥがいるのだ。
 万が一の可能性を考えると、時間と運という難しい勝負にもなる。
「どうにかして他も変心させる手段はないものか……」
「あー、そりゃ俺様の専門外だな。ワーグの野郎ならそう言うの得意なんだがよ」
「ワーグ? 少し話を聞かせてもらえないか?」
 何気ないケイブリスの言葉に何かの活路を見出した智機は尋ねる。
「俺様の陣営にいた魔人でな。夢を操れるんだ」
 ケイブリスは続ける。
 ワーグという魔人は人を眠らせ、夢の中に入ることで、意識を操作し、洗脳する事が可能なのだという。
「夢、洗脳、そうか……!」
「おお、何かいい案が浮かんだのか?」
「ああ……」
 素敵医師との取引であった薬物を使う手も考えてあるが、それだと対象を確保、投与、洗脳と面倒だ。
 だが、そのワーグと呼ばれるものなら、何のリスクもなく、相手を変える事ができるという。
(直接、プランナーの奴に掛け合ってみるか? その効果を持つモノでも何とか用意できれば……)
 智機がケイブリスに言った台詞は、ハッタリだけではなかった。
 そう。ルドラサウムとはプランナーは彼女とひっそりと接触していたのだ。
 と言っても今まで何かして貰っていたわけでもない。
 そうそう呼ぶな。と釘も刺されている。
 だが、彼女は唯一プランナーと連絡できる手段を持つ者だった。
 今までは呼んだ時のリスクを考えて、または運営のできぬ無能者という烙印を押されたくがないために呼ばなかったが、こうなった情勢なら話は別だ。
 一度は話し掛けてみる価値はあるかもしれない。
 ルドラサウムと違い、彼は運営に酷く拘るのを彼女も知っていた。
 だからこそ、自分と接触してきた事も。
「で、俺様はどうすればいい?」
 考え込み、黙ってしまった智機にケイブリスが声をかける。
(期を見て交渉してみるか……。と言っても今の情勢ではあまり時間はないが……。
 失敗したなら、此方で何とかその効果を出せる方法を試案してみよう)

72名無しさん@初回限定:2005/08/07(日) 14:51:49
「ん。あぁ、此方の作業が終わるまでは、じっとしていて欲しい。
 今の内に身体を癒しておけ。その後、かなり動いてもらう事になるだろうからな」
「ッケ。解ったよ」
 早く動きたい気持ちを抑え、ケイブリスは奥へと引き下がっていくとごろりと横になって寝た。
 
「さて。これから、やるべき事はいっぱいあるな」
 
【主催者:椎名智機】
【所持武器:レプリカ智機(学校付近に10体待機、本拠地に40体待機
      6体は島中を徘徊)
       (本体と同じく内蔵型スタン・ナックルと軽・重火器多数所持)】
【スタンス:素敵医師の薬品の回収、アイン・双葉・しおりを利用・捕獲、ケイブリスと同盟・鎧修繕・腕の補強機具作成】
【能力:内蔵型スタンナックル、軽重火器装備、他】
【備考:楡の木広場付近にレプリカ一体と強化型一体を派遣】

【主催者:ケイブリス(刺客4)】
【スタンス:反逆者の始末・ランス優先、智機と同盟】
【所持品:なし】
【能力:魔法(威力弱)、触手など】
【備考:左右真中の腕骨折】

【現在位置:本拠地・管制室】

73名無しさん@初回限定:2005/08/07(日) 14:52:34
タイトルはまだ未定です。
中々、いいものが浮かばなく……。
状態欄に関しては間違いはないと思いますが、他にも突込みどころあったらお願いします。

74とある参加人 ◆98ZwrBkTNw:2005/08/07(日) 16:25:59
連絡が遅れてしまい、すいません。
新作読ませていただきました。なかなか面白かったです。
おかげで先の展開も色々とイメージしやすくなりそうです。

今晩投下の新作はそれを匂わせる描写が入ってます。

これも今はなき前スレでの誰かのアイデアを拾ったものですが、
取引材料になりそうなアイデアの一つにメール欄を考えてます。
よければどうぞ。

タイトルが思いつかなければ〜話とかつけてみてはどうでしょう。
ちなみに次ので234話目です。味気ないですが……

75 ◆/0/OloR40U:2005/08/08(月) 00:58:05
多少、加筆修正を加えて投下しました。
多分、この時間でないと連投制限くらいまくりそうだったので。
改めて遅れて申し訳ありませんでした。

次のメール欄も結末は幾つか考えてあります。
智機の過去話と>>74のメール欄に準じた匂わせる話によって、取り入れ上手く作りたいと思います。
今、智機(本体の方)達は休息状態なので、過去話の方の投下OKです。
その為に、時間も予定より早めておきました。

次に書きたい話で、まひると狭霧の掛け合いがあります。
もし、其方の都合と被らなければ、書きたく。
今後にあわせた彼女らの心情の描写といった感じになると思います。

76とある参加人 ◆98ZwrBkTNw:2005/08/08(月) 01:16:26
こっちもようやく完成しました。
むこうに投下の予定でしたが連投規制が厄介そうなので一旦ここに投下します。
こっちもまひると紗霧の掛け合いが主ですので。

77心の天秤(1) ◆98ZwrBkTNw:2005/08/08(月) 01:18:23

(二日目 PM4:25 西の森)

「そうだ紗霧ちゃん、長い紫髪をしたナイチチ娘と会わなかったか?」
(なぬっ……ナイチチ!?)
 双葉の所在を知りたがっていたランスの質問に対し、少年まひるは“ナイチチ”という単語にびくっと身体を震わせ反応した。
「…………」
「………?」
「お前じゃないから、お前じゃないから」
とランスは呆れ顔で手をひらひらさせて否定する。
 紗霧はランス以上の呆れ顔で一瞬まひるを見たが、それ以上取り合わずにランスに言った。
「ランスさんは双葉さんと私を間違えられましたが、彼女について他にも情報を?」
「手帳に載ってたんだ。 朽木双葉って名前と長い紫髪の少女ってな」
(言われてみれば……)
 と、ユリーシャは反射的に紗霧の髪を見て納得した。
 紗霧の黒髪は確かに紫がかっており、見方によってはそう見えないこともない。
「それと……バットって書かれていたなあ」
と、ランスは怪訝な顔で思い出す。
「「バット?」」
 その単語に反応したのは本日『バット』に関わったまひるとユリーシャ。
「どうした」
 ランスの問いに対して、まひるは智機との戦闘を思い出したが、ちょっと怖くなったので「話を進めて」と促した。
 尚、魔窟堂は確かめたいことがあると言って、少し離れた所に移動している。
「………。 その手帳には私達、参加者の情報も書かれていたと言う訳ですか」
「まあな。 俺様が確認したのはそいつだけだが」
 紗霧は腕組してをしながら息をついて、話を続けた。
「私は会った事はありませんが、魔窟堂さんなら」
と、別の人物に手がかりを訊き出そうとした。

78心の天秤(2) ◆98ZwrBkTNw:2005/08/08(月) 01:19:28

「俺も会ったんだ」
と、その前に恭也は真剣な顔で口を挟んだ。
 その様子にランスは何かを察しながら彼に言った。
「お前もあいつに襲われたのか?」
「!!」
 その問いに恭也は一瞬ショックで凍りつく。
 だが、ある意味暴言とも取れるランスの発言に異を唱えることもなく単刀直入に言った。
「……襲われたかどうかまでは、解らない……
 でも、俺と仁村さんは……昨晩、星川翼と名乗る少年と出会ったんだ」


「!?」
「?」
「「!!?」」


            *         *         *

―――恭也の双葉に関する情報提供から、五分以上の時が流れた


「………」
 自分の知る双葉の情報を伝え終わった恭也も苦渋の表情で立ち尽くしている。
 ランスと紗霧は無言で何かを考えている。
「まさか…まさか…このような事に……」
 異変を伝えようと、ここに戻ってきた魔窟堂も眉間に苦悩からくる皺が刻まれていく。
「………………」
 まひるはいつになく真剣な表情で誰もいない前方を見つめていた。

 魔窟堂はさっき見つけた情報を伝えた後、恭也らに双葉とアインの事について尋ねられた。
 魔窟堂は渋ったが、紗霧に促された四人に問いつめられ、話さざるをえなくなったのだ。

79心の天秤(3) ◆98ZwrBkTNw:2005/08/08(月) 01:22:32

「早朝、私達を襲撃してきたのは双葉さんでしたか」
「……どうして…どうしてなんだ」
 平然としてる紗霧に対して、恭也はうわごとのように呟き、頭を押さえている。
「今の星川ってのは当然、あいつの作った偽者だろうな」
「……恐らくは…双葉の式神じゃろう…」
 先ほど、陰陽師の式神の事を思い出した魔窟堂はしぼり出すように言った。
「し、式神ですか……」
 双葉の事を話題に出されて少なからず動揺していたユリーシャも、その動揺を紛らわせようと何とか口を挟む。意味はわからなかったが。
 そんな彼女を紗霧は気づかれないように見た。
「きっと…心細かったんだな…」
 そう呟く恭也を尻目に魔窟堂はまひるの方に視線を向けた。
「…………………」
 アインの星川殺害の件を知ったまひるは無言のままうつむいている。
(この様子では、また繰り返し同じようなことを 
魔窟堂は未だ皆に伝えきっていないことがある。

―――アインのタカさん殺害の件と、遙殺害の件

 形はどうあれ、事実は事実。
 素敵医師が絡んだ遙の件はともかく、自らの意思で殺害したタカさんの件を伝えれば、グループのアインに対する心象は更に悪くなる。
 魔窟堂はどうしてもアインを仲間として迎えたかった。
 だが、一方でまた同じような悲劇を繰り返してしまうんじゃないかという、
アインに対する恐れも芽生えているのも自覚したくはなかったが事実だった。
 魔窟堂は自分のそんな考えを慌てて頭から消して、タカさんのことを話すには
まひるがそれに触れてからだと考え、沈黙を守っていた。

80心の天秤(4) ◆98ZwrBkTNw:2005/08/08(月) 01:24:49

「それで、俺達はこれからナイチ…、双葉とアインに対してどうすればいいんだ?」
と、ランスは自らの考えを決めた上で紗霧に意見を求めた。
 紗霧はそれを見透かしたように、彼等に対して言った。

「皆さんは朽木双葉さんとアインさんを我々の同士として加えたいですか?」
 紗霧はランスの方を向き、彼もそれに答えた。
「双葉を加えるのは反対だ。いうか、ああいう奴は俺様のハイパー兵器で何とかしてやらんと、仲間に加えてなんて多分、言わないだろーな」
「ひねくれてますね」と、割とひねくれている紗霧が返す。 
「それにあいつがアリスを殺したかも知れんのだ、それで俺の気がおさまるか」
「…………」
 半ば吐き捨てるように言ったランスを見て、紗霧は少し考えて言った。
「参加者の中には首輪の盗聴器と発信機の両方を所持していた者がいたのをご存知ですか?」
「なんだと?」
 海原琢麿呂の事である。
 もっとも、彼が所持していたのは盗聴器だけであり、発信機は紗霧がずっと所持しているのだが。
「その人はもう亡くなってますが、どうやらそれらを行使して次々と参加者に手をかけて行ったみたいなんです」
「首輪にそんな仕掛けがあったのか?」
「ええ」
紗霧は貴方も気づいてなかったんですかと、言いたい気持ちをこらえて返事した。
「・・・・・・・」
 ランスは思い出した。
 今日の昼頃になるまで、自分の首輪が解除されてなかったことに。
 それに気づく事で、あの時は大して気にも留めてなかったが、運営者が簡単に自分らを見つけられた理由が彼にも解ったのだった。
(グレンの奴……)
 とランスは半ば呆れながら、殺した彼に毒づいた。

(ハイパー兵器って……)
と、続けて紗霧はその妙な単語に対して疑問をぶつけようとするが、悪い予感が頭をよぎり、とっさに次の質問をした。
「…アインさんはどう思います?」
 ランスはすぐに答えた。
「俺様一人なら加えてやるところだが……無理に加えるのはやめた方がいいんじゃないか?」
 ランスは仮にも一国の王である。
 美人の武将なら多少性格に難があっても、配下に加えていったが、他の女の部下を殺害していくなら話は別である。
 今回の場合は、アインによって他の女の子に危害を加えられるんじゃないかという危険を明確に提示されたが故の回答だった。
 紗霧がアインと遭遇していた事を話していれば、別の回答が返ってきただろうが。
(話聞く限り、俺様のハイパー兵器をぶちこむ前にやりかねないからなぁ…)
と思いながらランスは自分の結論を言った。
「敵として現われたら、捕獲できるなら戦う、できないなら逃げるでどうだ?」
「そうですか…。 両者ともそれが出来ない場合は戦闘不能になるまで戦うで。
 いいですね?」
 紗霧のその問いにランスはうなづいたのだった。

81心の天秤(5) ◆98ZwrBkTNw:2005/08/08(月) 01:27:03
 
 紗霧は次は恭也の方を向いた。
「朽木さんとアインさん。 出来るなら両方とも加えたいと思う」
「…………」
「でも、説得してもだめだったら…」
と恭也はランスの方を見た。
「お前も俺の意見に賛成か?」
 その問いに恭也は僅かに首を下げた。
「次は…」
 紗霧は次にユリーシャの方を向いた。
「………」 
 ユリーシャは何かを思い出してそれを口にしようとしていたが、それは紗霧が求める答えと関係がなかったので、自分の率直な気持ちを口にした。
「私は双葉さんも……アインさんも怖い方だと思います…」
「……」
「ですが……皆さんがどうしてもとおっしゃるなら……」
と、ユリーシャはランスを見つめる。
「…」
 紗霧は今度は魔窟堂の方を向いた。
 
 ちなみに、ユリーシャが思い出したこととは、ゲーム開始前に自分に話しかけてきた少年のことである。
 少年は自己紹介をしながら、ユリーシャを元気付けようとしていたが、精神的に余裕がなかったユリーシャはまともに取り合わずにさっさと教室を出たのだった。
 その少年の名は星川翼と言った。

82心の天秤(6) ◆98ZwrBkTNw:2005/08/08(月) 01:29:22

「魔窟堂さんも双方説得、でなければランスさんと同じで宜しいですか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 魔窟堂は悩んでいた、自分は結局、アインと双葉にとって最悪に近い状況になるのをただ手をこまねいて見ていただけなのかと。
 最悪、不幸な自分に陶酔して、努力を無意識に怠っていたのではないかと。
 だが、それでも自分に出来ることを最大限努力してするしかないと言い聞かせて、紗霧に答えを返した。
「ああ……構わんよ…」
 (もし、再び遭えたなら己の全てをぶつけて諭すのみじゃ!!)
と、魔窟堂は心の中で叫んだ。

「まひるさんは……」
「あたし……アインさんがしたことには、すごく腹が立ってる」
「!! ま、まひる殿」
覚悟していたとはいえ、その言葉に魔窟堂は少なからずショックを受ける。
紗霧を除く、他の三人は何事かと顔を見合わせた。
「…アインさんは加えない方針ですか?」
「あたしはアインさんも双葉さんも受け入れたいよ」
「……?」
「でもさ、それはものすごく難しいことなんでしょ?」
「……当然ですね」
 まひるは手を自分の髪の結び目にやってから、言葉を続けた。
「それでも……あたしはアインさんに言いたいことがたくさんあるから、
それを目指したいよ」
と、言いつつ空を見上げるまひるに対して紗霧は胸の内を表に出さないように言った。
「まさか……今すぐあの三白眼ロボを追って東の森に行くおつもりですか?」
 魔窟堂がさっき上空を見上げている時に見つけた、飛行型智機。
 尋常ではない視力を誇る魔窟堂だから見分けがついた。
 だが、それを見つけたからといって紗霧の当面の行動に変更はない。
 運営側が準備を整えている内に、ここにいる全員で休憩を取りたいのが本音だからだ。
「あたし一人ならそうしてると思う。 でも、みんながいるから…」
 まひるは靴で土をいじりながら、はるか昔の友人だった軍人数人を思い出しながら言った。
「結局、貴女は何が言いたいんですか?」
 苛々した様子で紗霧は言った。
「あたしはランスの意見に賛成。それでいま、アインさんと双葉さんにあたしがしてやれることってないかなって考えてるんだ」
と、申し訳無さそうに笑いながら言うまひる。
「無いですね」
と、きっぱり紗霧は言った。
 それに魔窟堂らは反応するが、正直言って魔窟堂とまひる以外の者にはそんな余裕は無い。

83心の天秤(7) ◆98ZwrBkTNw:2005/08/08(月) 01:30:49

 最速でも、午後六時の放送が終わってからでないと動けそうにない。
「そっか…やっぱり悔しいよね」
 まひるは落胆した表情を見せず、笑顔で紗霧に言葉を返した。
「悔しいって何がですか……? アインさんのことですか?」
「紗霧さんは…ランスの意見に賛成でしょ?」
「……」
 まひるの問いに紗霧は黙ってうなずく。
「このまま……言いたい事を言えずに会えなくなるなんて嫌だなって思っただけ」
「・・・・・・・・・。 私に何をしてほしいんです」
 怒りも喜びも無い、淡々とした紗霧の問いにまひるはこう返した。
「紗霧さんがいなかったら、あたしはきっと力を出し切れないまま、あのメガネロボ軍団にやられてたと思う」
「………」
「あたし、頭良くないけど、そっちの方でもがんばるから…」
「・・・・・・・・・・・」
「…何か、あの二人を止めるのに、あたしがしてやれることって本当にない?」
「……」
 紗霧は考えた。そして…
「申し訳ありませんが、まひるさんには出来ることはありません。 ですが…」
と、言いつつ魔窟堂の方へ顔を向ける。
「むっ…わしの出番か!!」
と、嬉々して魔窟堂は声を上げる。
「勘違いしないでください。 魔窟堂さんにはその『出来うる限りの』ことをしていただきます」

84心の天秤(8) ◆98ZwrBkTNw:2005/08/08(月) 01:32:29

「気をつけてね…じっちゃん…」
と言って、しまったという感じでまひるは手に口を当てた。
 つい、昔の知人のことを思い出して口に出してしまったからだ。
 魔窟堂はそれに軽い違和感を覚えたものの、目を細めてやさしく語りかけた。
「そう、呼ばれるのも遠い昔のような気がするの…」
と、まひるの頭に手を置いた。
「くれぐれも東の森の深部には入らないで下さいね」
と、紗霧は釘を刺すのを忘れない。
「真のオタクを嘗めるでない」
と、魔窟堂は手に持った鍵束を懐にしまいこんで言った。
(充分嘗められそうな対象なんですが…)と、隠れオタクの紗霧が心中で毒づく。
「さっさと行け、じじい」
と横柄に空気に蹴りを入れながらランスは魔窟堂に催促する。
「では行ってくるぞ!!」
と魔窟堂は自分に気合を入れて、加速装置を発動させて、東の森・東部を目指して走り去ったのだった。

             *         *        *

「まひるさん、これから嫌というほど働いて頂きますからね」
「やさしくしてよー」
 紗霧は金属バットを取り出し、そんなまひるの頭を小突いた。
 恭也はそんな二人を暖かく見守っている。
 それとは対照的にランスとユリーシャはやや暗い雰囲気で思索していた。
(運営者の連中なら、秋穂やアリスを殺した奴が誰か知ってるはず)
(双葉さんと……アインさん……)
 ランスはやや暗い炎をたぎらせ、ユリーシャは漠然とした不安を抱えて歩く。
 紗霧は痛さに頭を抱えたまひるを余所に、チラっとユリーシャの方を見た。

                    ↓

85心の天秤(8+1) ◆98ZwrBkTNw:2005/08/08(月) 01:33:46

【グループ:紗霧・ランス・まひる・恭也・ユリーシャ・】
【現在位置:西の森】
【スタンス:主催者打倒、アイテム・仲間集め、西の小屋へ向かう】
【備考:全員、首輪解除済み】


【ユリ―シャ(元№01)】
【スタンス:ランスを中心にグループに協力】
【所持品:ボウガン、スコップ(小)、メス1本、指輪型爆弾×2、小麦粉、
      解除装置、白チョーク1箱…は紗霧に隠されてます】
【能力:勘が鋭い】
【備考:疲労(中)、紗霧に対して苦手意識、双葉・アインとは会いたくない】


【ランス(元№02)】
【スタンス:女の子優先でグループに協力
      男の運営者は殺す、運営者からアリス・秋穂殺しの犯人を訊き出す】
【所持品:なし 】
【能力:武器がないのでランスアタック使用不可】
【備考:肋骨2〜3本にヒビ(処置済み)・鎧破損・疲労(小)】
    
【高町恭也(元№08)】
【スタンス:知佳の捜索と説得】
【所持品:小太刀、鋼糸、アイスピック、銃(50口径・残4)、鉄の杖、保存食】
【能力制限:神速使用不可】
【備考:失血で疲労(中)、右わき腹から中央まで裂傷あり。
    痛み止めの薬品?を服用】

86心の天秤(8+2) ◆98ZwrBkTNw:2005/08/08(月) 01:35:01

【月夜御名紗霧(元№36)】
【スタンス:反抗者を増やし主催者へぶつける、計画の完遂、モノの確保】
【所持品:対人レーダー、レーザーガン、薬品数種類、謎のペン8本
スペツナズナイフ、金属バット、文房具とノート(雑貨屋で入手)、智機の残骸
の一部、 医療器具(メス・ピンセット)】
【能力:毒舌・隠匿】
【備考:隠しているけど疲労(中)、下腹部に多少の傷有】

【広場まひる(元№38)】
【スタンス:智機以外の相手との戦闘はなるべく避ける。
      グループが危険に晒されるなら、応戦する
      島からの脱出方法を探る】
【所持品:せんべい袋、服3着、干し肉、斧、救急セット、竹篭、スコップ(大)
      携帯用バズーカ(残1)、タイガージョーの支給バッグ(中身は不明)】
【能力:身体能力↑、????、怪力、爪、超嗅覚・感覚、片翼、衝撃波(練習中)使用】
【備考:疲労(小)】




【グループ:魔窟堂野武彦(元№12)】
【現在位置:西の森→東の森:東部】
【スタンス:運営者殲滅、ある施設の調査、森のある二ヶ所に火を炊く】
【所持品:軍用オイルライター、銃(45口径・残7×2+2)、
      白チョーク数本、スコップ(小)
      ヘッドフォンステレオ、マジカルピュアソング、謎のペン8本】
【能力:気合で背景を変えれる、????、???】
【備考:特になし】

87とある参加人 ◆98ZwrBkTNw:2005/08/08(月) 01:49:31
投下終了です。
明日、本スレに投下します。次は魔窟堂が見つけた隠し拠点の話です。
かなり初めの方の話にあった伏線を消化してます。プランナーも少し登場します。
次に東の森の決戦を一気に行きます。
幕間にヤク中前の素敵医師と、サイスと出会う前のアインの過去話が入ります。
まひるや紗霧のそれとは方向性がかなり違いますが。

昨日、隠し拠点のアイデアについてまとまったので早ければ今日あたりにも
ここに作品として投下します。
智機の過去話については一部を除いて、東の森の戦闘が片付いてからになると思いますので。

88 ◆/0/OloR40U:2005/08/08(月) 21:25:00
>>87
なるほど。
では、その魔窟堂〜東の森決戦の間を埋める形で残されたチームの掛け合いを描く事にします。
魔窟堂がどのくらいで戻ってくるか、どうなるかで若干変わるので、次の話を見てからいきますね。

智機での東西南北の鍵関連や手帳関連は、プランナーとのやり取りで絡める予定です。
此方は、時間軸のこともあるので決戦後にいく予定です。

89とある参加人 ◆98ZwrBkTNw:2005/08/09(火) 01:10:48
今作品、本スレ投下終了です。
次は予定通り、魔窟堂の話です。
作中時刻で17:15ごろ地震がおきます。
日中から夕方にかけて本スレに投下予定です。


>>88
了解しました

90とある参加人 ◆98ZwrBkTNw:2005/08/10(水) 02:48:25

『野武彦がゆく』投下終了です。
小ネタ入れれば良かったかな?

>>88
魔窟堂は5:30過ぎに戻って来れるよう調整しました。
次は東の森の決戦を4・5回に分けて一気に最後まで書く予定です。
その間良ければ、他のキャラのパートお任せします。



早ければ今日の夜以降に

91 ◆/0/OloR40U:2005/08/11(木) 00:37:21
>>90
お疲れさまです。
大分伏線が生み出されて絡んで来ましたね。
質問を何点か。

>ランスを救出した際、応急処置ができる場所を探して見つけた鍵が掛かっていた妙な建物の事を。
これは本編になかった今作での付け足し部分ですよね。
確認のために位置は東の森内でいいでしょうか?

>ゲームの舞台である『島』から異界へと通じる神々が創った空間ゲートはも含めて全部で四ヶ所。
作品を読んだ感じだと東西南北四つの建物全てがコレではなく、
魔窟堂が入った東の森内(?)の建物がコレであるという認識でいいでしょうか?
全部か全部でないかで智機話(メール欄)があるかどうか変わってくるので。
ぱっと思いついた構想では残りの一つはプランナー、一つは智機(ただし使用できない、プランナーとの連絡用)、最後はルドラサウムが管理してるというネタがあります。

お気づきになると思いますが、明日より三日ほど執筆が無理な環境になります。
その間の時間埋めにもなる掛け合い話は五日後ほどに投下予定です。

92 ◆/0/OloR40U:2005/08/11(木) 00:48:19
内、管理というより監視という言い方が正しいのもありますが……

93とある参加人 ◆98ZwrBkTNw:2005/08/11(木) 04:09:50
>>91
>ランスを救出した際、応急処置ができる場所を探して見つけた鍵が掛かっていた妙な建物の事を。
はい。 それでOKです。

>ゲームの舞台である『島』から異界へと通じる神々が創った空間ゲートはも含めて全部で四ヶ所。
はい。 建物全部じゃなくて構いません。ゲートの種類もそれでOKです。
こちらはゲートの種類をルドラサウム用、プランナー用、智機・透子用、一部の建物用の四つで
考えてました。
施設はどんな建物でも構いません。

それと以前、ザドゥが言った「うまく利用すれば、どの参加者でも優勝できる可能性を
秘めていたのにか」の言葉の意味は、“そこに訪れることができた参加者はその時に
自分が望む効力を持つアイテムを一つ召喚できる”という施設の用途を知っていたが
故の発言だったというオチを考えてます。
その場合、当然効力には限度がありますし、参加者に相当するキャラの召喚はできないように調整されてます。
ちなみに施設一つにつき一回しか利用できません。

>執筆・投下期間
了解しました。
その間にこちらは東の森の戦いを決着直前まで進める予定です。

94とある参加人 ◆98ZwrBkTNw:2005/08/17(水) 00:10:49
新作……遅れてしまってます。
今日の夕方あたりに一本ここに投下する予定です。

95 ◆/0/OloR40U:2005/08/17(水) 22:29:15
すみません。
事後処理(次回参加とか等)で此方も遅れてます。

96 ◆/0/OloR40U:2005/08/26(金) 23:04:56
ふぅ……やっと落ち着けました、スミマセン。
月曜辺りに投下予定です。

97 ◆/0/OloR40U:2005/08/31(水) 20:03:19
何度か書いてみたのですが、地震前で一度区切って、地震待ち。
その後、様子見て投下の二部構成予定にします。
前半部分、明日か明後日には投下できたらいいなぁ……

98とある参加人 ◆98ZwrBkTNw:2005/08/31(水) 20:12:22
こちらも長らく留守にしてすいません。
今日の深夜には一本投下できそうです。

99 ◆/0/OloR40U:2005/09/03(土) 21:38:50
中々日々が忙しく難航してます、大変申し訳ない。
日曜を使って仕上げれたら……

100とある参加人 ◆98ZwrBkTNw:2005/09/08(木) 00:39:46
かなり間があいてしまいましたが、今から本スレに投下します。




掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板