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根拠無き言葉

1イッシ:2007/04/09(月) 14:30:14 ID:???
この話は、俺が小学校の3〜4年くらいだったか。
ある人のお見舞いに病院へ行ったときの話です。

その病人(俺はおじちゃんと呼んでいた)・・・俺の親父の古くからの友人で、家族ぐるみの付き合いが
あった人だった。
もともと、影の噂が耐えない人だったと、後に聞いた。
昔、そのおじちゃんは麻薬に手をだしてしまった。
親父はそれをみて「一家離散しかねんぞ、そんなもんやめろ!」
といったのだが、おじちゃんは聞く耳を持たなかったという。
それを見た親父は、それ以来、そのおじちゃんに近寄ることは無かった。
当時俺はまだ3歳くらいだったと思う。

そして、月日は流れ、俺が小学生になったころだった。
ある日、俺は親父におじちゃんのことを聞いた。本当に何気なく聞いたんだ。
「おとうさん、00のおじちゃんどうしてるかな?」
そういうと、親父は黙り込んだ。
子供ながらに聞いてはいけないと感じたが、その後をどうするかが、できなくて、ただただ黙っていた。
次第に、顔が険しくなる親父。
その顔にビビる俺。
そのときは俺と親父二人きりだった。
沈黙を破ったのは親父のほうだった。
「00、あのな、お前にはまだわからないと思うだろうが、おじちゃんは病院に入院してるんだよ」
「え?なんで? なにかあったの?」
「・・・昔な、麻薬に手を出したんだ・・・。もうそれで、5年くらい入院してるかな・・・。」
「・・・・」
衝撃的だった。
自分の身の回りに麻薬に手をだして、体がボロボロになって病院に行く人なんて始めて聞いた。
その話をきいて、俺は黙るしかなかった。
すると、親父が聞いてきた。
「お前、おじちゃんに会いたいか?」
戸惑ったが、俺は「うん」と返事をした。
「じゃあ、今度の日曜に病院へいこうか。ただし、俺とお前だけだぞ。」
「わかった・・・」

2イッシ:2007/04/09(月) 14:43:01 ID:???
俺の両親は別れていて、別居していた。
俺は母方の方へ引き取られていたので、親父とは週に一回会う程度だった。
その後、親父に母親の家の近くまで送ってもらい、そこで親父と別れた。
家に帰ると、母親がテレビを見ていた。
俺はその日に親父と話したことを母親に告げた。
母親はしばらく黙っていた。
俺は、何があったの?と母親に問いかけた。
・・・母親は真実を告げてくれた。
「昔ね、おじちゃんは麻薬にはまっちゃったのよ。
あんたのお父さんは、必死でおじちゃんを止めたんだって。でも、あんたのお父さんの話を一切きかなくてね・・・。
その後、麻薬を買うために大きな借金をしてね、それでも、おじちゃんの奥さん、おばちゃんは一生懸命働いて、おじちゃんが心を入れ替えるのを信じてのよ。
あの時は、おじちゃんの周りにいた人全員が止めたんだけどね・・・。
もう手遅れだったみたいでねぇ、体を壊してしまったのよ。
それから、おじちゃんとおばちゃんは別れてしまったんよ。
あそこの子供さんも、どっかにいっちゃったみたいだよ。ほら、よく遊んでもらった00にいちゃん。覚えてる?
その兄ちゃんもどっかへいっちゃったんだって。」

聞いてはいけないような話を聞いてしまった・・・当時はそう感じだ。
「かあさん。おじちゃんにお見舞いにいくんだけど、大丈夫かな?」
「・・・あんたのお父さんが行くか?って聞いたんでしょ?」
「うん」
「・・・あんたのお父さんなりに考えがあるのかもね・・・でも、おかあさんは止めたほうがいいと思うよ。
どうする?それでもいく?」
俺は会ってみたい、どんな風になっているのか見てみたい。そんな考えだった。
会う恐怖はなかった、ただ、おじちゃんの所へ遊びに行く感覚でいた。
俺は母親に行くと言った。
母親もじゃあ、もうなにもいわないから、あんたの決めたことだからね。
こういって、母親とのおじちゃんの事の話は終わった。

3イッシ:2007/04/09(月) 15:09:22 ID:???
次の日曜日。
親父はいつものように車で家の近くまで迎えに来てくれた。
その日の親父の顔はどこかさびしそうな顔をしていた。
俺を乗せたあと、親父は車のなかでいろいろと話をしてくれた。
麻薬で体を壊したあと、病院に入ったが家族内でお見舞いに来た人は誰一人としていないこと。
病院のお金はいまだにおじちゃんの奥さんが払っていること。
体が動かなくて、寝たきりだということ。
そのため、自分で呼吸すらできない状態で、機械によって呼吸をしていること。

そんな話を親父はしながら、病院へとついた。
親父は車の後部座席から、小さな箱を取り出した。
ちゃんと包装されて、リボンもついていた。
「おとうさん、それなに?」
「これはオルゴール。おじちゃんのお見舞いに買ってきたんだ。」
「・・・俺もなんかもってきたほうがよかった?」
「いや、お前が来てくれるだけで、おじちゃん喜ぶと思うよ。」
「・・・そっか・・・」
病院へ入り、そのおじちゃんの病室へと移動する。
病室のドアの前で親父は俺にこう話した。
「00、さっきも車で話したけど、まだ小さいお前には驚くような光景がまってるぞ。
それでも、お前はおじちゃんに会いたいか?」
ここまできて、何を言い出すのか・・・。
しかし、今思えば、母親や、親父は俺に気を使ってくれていたんだろうと思う。
小さい俺には、衝撃的な光景なので、できれば会わせたくは無かったんだろう。
「とうさん・・・ここまできたんだから、おじちゃんに会うよ」
「・・・・そうか・・・わかった。」
そういって、俺と親父は病室へと入った。
その病室は4人部屋で、ベットには爺さん4人が寝ていた。
俺は部屋に入ると、だれがおじちゃんなのかわからなかった。
親父は窓際の左側のベットへと移動した。
俺もその後をついていった。
そこでひさしぶりにおじちゃんに出会った。

悲惨な光景だった。
喉に管を通され、右腕に点滴を打たれ、大きな機械が尿を吸い取り、呼吸するための機会が枕元においてあった。
絶句した。
そこには、7〜80の爺さんが寝ていた。
ありえないことだった。
そのおじちゃんはまだ50代半ばの年だったはず。
頭が真っ白になった。
すると、親父は笑顔で「00さん、ひさしぶりねぇ。元気してたか?
ほら、お見舞いにオルゴールを持ってきたぞ。あんたオルゴール好きだったもんなぁ」
おじちゃんは喉に管を通していたため、言葉をしゃべることができなかった。
しかし、かすれてはいるが、多少言葉は聞こえた。
おじちゃんは親父に「ありがとう」と言ったように聞こえた。
「ほら、00さん。うちの息子の00よ。でかくなったろう?覚えてるか?」
その言葉で、俺は我に返った。
こわばった顔をしてはおじちゃんに悪いから、俺は笑顔をやや無理やりに作った。
親父がおじちゃんの頭を持ち上げ、俺の姿を見せてくれた。

おじちゃんが俺を見た瞬間、大きく息を吸い、かすれた声を上げて、何かを言っていた。
その目には涙がこぼれていた。
「おじちゃん、ひさしぶり。」
この一言しか、俺はおじちゃんに話すことしかできなかった。その後はずっと黙っていた。
その後、親父とおじちゃんは話をしていた。どうやら、親父は多少理解ができるようだった。
「00さん、オルゴール聴くか?」
おじちゃんは小さく頭を縦に動かした。
親父はオルゴールのぜんまいを巻いて、小さなテーブルの上においた。
オルゴールの曲は未だに思い出せない。たしかビートルズかなんかだったと思う。
そのオルゴールの音色に聞き入るおじちゃん。
しばらくすると、親父とおじちゃんは静かに泣き出した。
親父がおじちゃんに聞く。
「だれか、ほかにお見舞いに来た人はいるか?」
おじちゃんは横に顔を動かした。
「だから言っただろう・・・一家離散してしまうぞって・・・」
親父は大粒の涙を流しながら言った。
それを聞いたおじちゃんも、大粒の涙をこぼしながら、グッグッっと声にならない泣き声をあげていた。

4イッシ:2007/04/09(月) 15:32:13 ID:???
それから、ポツポツと親父は俺のことや、いろんな事をおじちゃんに話をきかせた。
時々、おじちゃんも笑顔をみせたりもしたが、やはり自分で呼吸することができないため、無理をすることは
できなかった。
その後、病院の看護婦さんが診察に回ってきた。
親父は、そろそろ帰るね。また会おうな。
そうおじちゃんに告げた。
すると、おじちゃんは親父を手招きして、「抱き上げてくれ、00の顔みせてくれ」
といった。これは聞き取れた。
親父はあんまり無理できないから、ちょっとだけね。といって、おじちゃんの上半身を抱き上げた。
おじちゃんは抱き上げると、俺を手招きした。
多少怖かったが、おじちゃんのそばへと寄った。
おじちゃんは、俺にこういった。



「俺、がんばるぞ、お前も、がんばれ」


驚いた。
その瞬間、親父が声を上げて泣き出した。
おじちゃんもボロボロと涙をこぼした。
まだ、小さい俺は理解ができなかった。
なぜ、こんなときにがんばれなんだろうか、と。
その後、俺と親父は病室をでた。
親父の涙はまだとまらない。その親父をだまって見る俺。

親父が落ち着いて、病院をでて俺にこういった。
「00、おじちゃんの今の言葉わかるか?
お前にがんばれって言ったんだぞ。」
「うん、聞こえたよ。」
「そうか・・・、まだ、お前にはわからないと思うが、このことは絶対に忘れてくれるな。
絶対に覚えているんだぞ。いいか、約束できるな?」
「うん、絶対わすれない。」

その後、おじちゃんに会うことは無かった。

俺自身も年をとり、多少世の中のことを理解できてあのときのおじちゃんの言葉を考える。

スイッチを切れば死んでしまうのに、苦しくても体が動かなくて自殺すらできないのに、
家族にみすてられ、家族が回りいなくなってしまったのに、なぜがんばるぞ、なんて言葉がでるんだ。
このおじちゃんのことを思い出すと、涙がとまらない。
今こう思う。
自分の奥さんが唯一のつながりではあるが、その奥さんも一度も会いにこなかったという。
そんなボロボロになり、見捨てられ、ただただ、死を待つだけの体になってしまったのに、
なぜ俺に「俺はがんばるぞ」と言ったのだろうか。
きっと、自分の人生のすべてをかけて、俺に教えてくれたのだろう。
諦めな、必死で生きろ。
自分なりに解釈はしてしまうが、きっとおじちゃんの言いたかったことはこういう事だろうと、
考える。

今の世の中、自殺してしまう人が多い。
いじめや、リストラ、家庭内暴力、様々なことで自分の命を絶つ人がいる。
そんな話をニュースでみると、とても馬鹿らしく思えて仕方が無い。
おじちゃんみたいに、ボロボロになっても生きてやると、がんばるぞと、こういった人もいるのに、
なぜ簡単に命を絶つのだろうか。

もうすこし、自分のことを考えてもいいと思う。

泣ける話を書いているつもりでしたが、話がそれてしまいました。
すいません。
これは俺の実体験の話です。

5名無しさん:2011/02/27(日) 15:51:50 ID:???
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