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【 青 い マ フ ラ ー 】

1働く社会人:2006/04/23(日) 19:03:08 ID:q5Y9PJbA
“ガチャ-------”

いつものように夜遅く自宅マンションに帰る


「明日は出張か……。」


独り言と小雨の音が入り交じる


ふと、ある額縁に入った写真と、破れかけの青いマフラーが目に入った



母ちゃん…………


それは、十数年前にこの世から消えてしまった母の写真だった

2働く社会人:2006/04/23(日) 19:03:25 ID:q5Y9PJbA
俺がまだ高2の頃------------------------



「あさってから合宿か…。」


ふと独り言がもれる



「冬なのに北の方へ行くのかい。」

「あぁ。」

「それは大変ねぇ。」

「はぁ…。」

中身のない俺の返事とため息で、最後の、母の心配する声は締めくくられた



その時はまだ、心配する声だけもらったと思っていた


合宿前日---------------------


友達とスケジュールを決めに、近くの空き地に集合をする



自転車に座ろうとすると、庭をはいていた母が

「つまづかないようにね。」

と声をかけてくれた


まだこの言葉の重要さに気づかなかった俺は


「あぁ。わかった、行ってくる。」


と走るように言った  今だったらもっと感謝ができたが……


自転車にのり、ゆっくりペダルをこいでいると、先を行く友達が見えた


「お〜〜い!○○!」


俺はその友達を大声で呼んだ



「あっ、○○!」
友達は、裏をふりむくと、バランスがうまくとれずに、転びそうになった


そしてついに転んでしまった


「あっ、ゴメン、大丈夫か?」


俺は友達の近くで自転車をとめてしゃがんだ



「大丈夫。……そういえば、お前ってどんなことあっても転ばないよなぁ。」


「そうか………そうだよな…………。」







ふと思ったが、これまで俺はあまりころんだことがない



挫折が少なかった




母が毎日のように、「くじけないようにね。」とか「つまづかないようにね。」とか



言葉をかけてくれたのはそのお陰か………。


高2の俺でも思ったことだ


「どうしたんだよ、おい。」



友達の声でふと我に返る


「あ、あぁ。さ、早く空き地行こうぜ。」




その後俺も友達も転ぶことなくスケジュールを立てて帰ってきた

3働く社会人:2006/04/23(日) 19:03:38 ID:q5Y9PJbA
帰ると母の姿がなかった


そのかわりに、ラップで覆ってある茶碗の横に紙が置いてあった


“○○へ  母さんは出かけてくるから、夕飯を食べておいてね。ごめんね。
母さんより”



「合宿の前日だってのに、これが親の言う言葉か」

俺は受け止め方を誤った



そして入浴の途中、玄関からドアの音がしたような気がした



あのころは、合宿のことで頭がいっぱいで気のせいだと思っていた

「明日から大変なんだよな…。」



翌日、母は寝室でまだ眠っていた



「はぁ…。」


俺はとんでもない勘違いをしていた



この母の眠りは二度と起きないものだということも知らなかった



そして合宿のため早く行く


朝食も作ってあった


“何かあったのかな…”


ふとバスの中で思う




合宿先へ着いたとき、一本の電話が届いた








人生の中で一番不幸な電話だった



もう母に会えない……… 母と話せない………



俺は突然の出来事で涙も出ない


友達に心配されながら俺は部屋へもどる


すると不思議に手がバッグの中へ伸びる


母の優しさ、心配に満ちたこれまでの人生の上でのカンだった


すると、中に青い、あったかそうなマフラーが入れてあった


“こんなもの、気づかなかったよ。  俺は大馬鹿者だよ……”


すると、その瞬間から目は涙でにじむ



後から気づいたことだが、母は前から風邪気味だったらしい


誰にも心配かけたくなかったらしく、一言も自分の体調など人に言わなかった



どうして言ってくれなかったんだよ……



そしてあの日、母はマフラーの糸を買いに出かけてたらしい


新品の糸で縫いたかったために……


そしてあの時風呂場で聞いたのは母の帰りだった




ドアの音も消すなんて、何て良い母親なんだ


そしてあの夜徹夜してこのマフラーを編んでくれた…



母が寝付いたのはきっと深夜すぎだったのだろう…




きっとマフラーを編んでる最中に風邪をこじらせて……



母がくれた、最後の優しさ


“青いマフラー”


合宿中からずっと、破れるまで手放さずに使ったよ、母ちゃん


あれがなかったら俺、風邪ひいてたよ


母ちゃんがいつも言ってたこと、今かなえるよ


絶対転ばない



つまづきそうになっても心配するなよ


絶対に転ばないから




明日、ダルマを置いておこう



転ばないダルマを




「明日もあのマフラー持ってくか。」


記憶を読み返して涙が出た


涙をこらえた


マフラーが母の形見だ



一生の宝物だ



心の底から感謝するよ


ありがとう


母ちゃんの優しい思い


ありがとう


青いマフラー


お前には当分世話になるよ

4働く社会人:2006/04/23(日) 19:04:58 ID:q5Y9PJbA
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5名無しさん:2011/02/27(日) 15:55:50 ID:???
ちょww糞ビッチの飛び出すおっぱい3D写真がだだ漏れしてるww
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