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オンライン小説寸評スレ

1 名前:名無しさん 投稿日: 2002/04/04(木) 19:56
上記のルールを守って寸評しましょう。
では、皆さんお願いします。

47 名前: 投稿日: 2002/09/09(月) 13:51
「バケモノ村の人間奥さん」

テンポ良い語り口が醸し出す独特の雰囲気が最大の魅力。
楽しく読ませていただきました。
主人公のトモカ奥さんは、一見「イイヒト」のように描かれているものの、
実はかなり「イイ性格のヒト」であることに気付かされます。
彼女はすべて承知の上でマイペースを装っているに違いありません。
きわどい駆け引きで世を渡るたくましいトモカ奥さんが何故バケモノ世界に嫁いできたのか。
その理由を悟らせる恐るべき微笑みには、寒気すら覚えるほどであります。
寓話ですね。これは。

48 名前: 投稿日: 2002/09/09(月) 13:52
「ネイザンの物語」

歴史を切り取る断面が、クールに過ぎる視線で描かれているので、
モノクロの映像が目の前を流れていくような気分にさせられます。
読者を選ぶ作品なのでしょうか。
登場人物の、歴史に残らなかったであろう台詞が只の一つも記述されない点は、
作者の狙いだろうとは思うのですが、私は哀しく感じました。
あるいは、少し誤読しているのかも知れません。

49 名前: 投稿日: 2002/09/09(月) 13:53
「甘く包み込む」

ごく身近なハラハラの後に訪れる小さな安堵感がゆっくりと流れます。
この淡々とした中の、ちょっとした起伏が素敵なバランスです。
しっかりと、きちきちと描かれたこの作品、「匂い」というモチーフを扱っている
のですから、帰り道や古い家や主人公の抽象的な不安まで「匂い」で描写してしまっても
良かったのではないかなあと感じました。
結末が読者に嗅ぎつけられない程度に、説明の省略はあってもいいかと思われます。

50 名前:くろがね 投稿日: 2002/09/09(月) 19:52
「ネイザンの物語」
<ストーリー>  ★
斬新なストーリー、と言えるのかもしれませんが……。すいません、私には歴史の教科書を読んでるようにしか感じられなかったです。

<キャラクター> ★★
一人一人の人生は結構魅力的だと思います。ただ、登場人物が多いせいか、それぞれの印象が薄かったです。もう少し掘り下げて書いてあると良かったと思います。

<設定>     ★★★
小説の世界観は充分に掴めました。しかし、あまりにも唐突に小説が語られている印象があります。世界背景の説明がもっとあればさらに良いと思います。

<文章>     ★★
個人的な意見ですが、会話文を改行せずに段落に組み入れてある点・固有名詞の説明に「」を使っている点。この2つが気になりました。

酷評希望との事なので、かなり厳しい意見になってしまいました。不快に感じるようでしたらすぐに削除依頼を出します。

52 名前:くろがね 投稿日: 2002/09/10(火) 10:23
「夏の海の物語り」
<ストーリー>  ★★
ありふれてはいますが、面白くて魅力的な話でした。ただ、場面が転換する時・新しい登場人物などが出るときに、少しテンポが悪くなったと感じます。もう少しエピソードの数を減らして、一つ一つを深く描いたほうが良いと思います。また、宗助がらみのエピソード(特に宗助に対しての彰の感情の動きなど)をもう少し詳しく書いて欲しかったです。

<キャラクター> ★★★★
優希・太助のキャラクターはとても魅力的でした。特に優希は非常に私好みのキャラでした。主人公の彰に関しては、少し描写不足と感じる点もありましたが、これくらいでも充分かと思います。でも、ストーリーに深く関わるはずの香澄・麻妃の個性がいまいち感じられなかったのが残念です。

<設定>     ★★★
世界観を掴む、という点では充分な描写があると思います。ただ世界背景に関しての説明が少し唐突で、また詰め込みすぎのような感じを受けてしまいました。もう少し背景説明を散らして配置してもいいと思います。

<文章>     ★★★
基本的な文章作法には特に気になった点はなかったです。ただ、第2話や第8話での蝉の鳴き声の擬音が同じ回数で繰り返されている所が気になってしまいました。回数を減らしたり増やしたりしてみてはどうでしょうか?

53 名前:くろがね 投稿日: 2002/09/10(火) 11:04
>51は私のミスです。
無駄にスレを消費して申し訳ありません。

これからはちゃんと落ち着いてから書き込むことにします。

54 名前:くろがね 投稿日: 2002/09/11(水) 09:24
「バケモノ村の人間奥さん」
<ストーリー>  ★★★★★
とても面白く、また独創的な話でした。特にテンポが非常に良く、最後まで詰まることなく一気に読むことができました。後は個人的な好みなのですが、最後の奥さんが本性(?)を出すシーンが少し短く感じました。なので最後に吸血鬼にも出番を与えても良かったかと思います。でもこれは好みの問題なので、気にする程ではないです。

<キャラクター> ★★★★★
主要なキャラの個性もしっかりと確立されていました。奥さんは何を言われてもこたえない天然系かと思いましたが、良い意味で裏切ってもらえました。ありふれた個性のように見せかけて実は違う、というキャラ設定は見事だと思います。

<設定>     ★★★
3ページの短編ではあっても、充分に世界観を掴む事ができました。ただ、作者の方は狙ってやっているのだと思いますが、奥さんにあまりにも謎が多すぎ、またそれに答えが与えられていない点が少し気になります。特に、ミイラ男と奥さんの馴れ初めについての説明が欲しかったです。

<文章>     ★★★★
これは純粋に好みの問題だと思いますが、体言で文章を終了させる場合が少し多かったのでは。そういう点を重視し、嫌がる読者もいるかと思います。でも私は、このまま個性ある文章を描いていって欲しいです。

56 名前:くろがね 投稿日: 2002/09/12(木) 15:16
「黒き魚たちの渇き」
<ストーリー>  ★★
ちょっとテンポが悪いかな、と思います。地の文で重く描写を続けていますが、少し削ったり曖昧な表現にしてもいいのでは。また、剣が出てからの話は一気に進みすぎのように感じます。基本的なストーリーは面白いのですが、前半後半でテンポを変えてしまっていますので、どちらかに統一したほうが読みやすさをあたえると思います。

<キャラクター> ★★★
キャラクター設定は非常に面白かったです。ただ、2人の少年の個性の違いがなかなか感じ取れなかったです。メインとなる2人なので、もっと個性の差を出してみてはどうでしょうか?

<設定>     ★★★★★
世界観・世界背景、共に充分な説明があると思います。あえて言えば、オムニバス式の一作しか読んでいないので、紅剣の設定などはちょっとわかりにくく感じます。でも気にする程の問題でもないかと。

<文章>     ★★★★
重苦しい表現を多用してはいますが、文章作法は充分だと思います。ただ、もう少し読点を増やして欲しかった所もあります。読点が少ない文はちょっと読みにくく感じてしまうので。

寸評とは全く関係ないですが、8話の下にある「Back」のリンクが違う話に行ってしまうので、直しておいたほうが良いと思います。

57 名前:くろがね 投稿日: 2002/09/13(金) 10:56
<ストーリー>  ★★★★
ありふれた展開を使ってはいますが、とても面白い話でした。恋愛が絡むと友情が崩壊する話が多いですが、この話ではそうではなかったのが魅力です。動きのある場面(貴成が登場するときなど)でのテンポは非常に良かったです。ただ、日常を描いた場面などで少しテンポが悪くなるときがあり、そこの所が気になってしまいました。

<キャラクター> ★★★
那月・早苗はきちんと個性が描かれ、2人が書き分けてあったので早いうちからキャラを掴む事が出来ました。地の文が一人称なのも関係していると思いますが、それ以外の人間の個性がいまいち感じられなかったです。特に義弟の玲は登場回数が多く、那月とも深く関係するので、彼の個性があまり感じられなかったのが残念です。

<設定>     ★★
世界観は充分につかめました。ただ、背景説明のタイミングを少しずらして欲しかったです。たとえば那月と貴成がどういう感じで別れたのか、が説明されるのがかなり後なので、それ以前の那月の心情を理解するのに少し戸惑いました。

<文章>     ★★★★
文章作法として特に問題のある箇所は無かったと思います。後は個人的な意見ですが、地の文の一人称で、少し過去形の表現が目立って感じてしまいました。過去形の表現を見ると、那月の心ではなく説明を読んでいるような感じになってしまうのが残念です。

58 名前:くろがね 投稿日: 2002/09/13(金) 10:58
すいません、上の寸評題名書き忘れてしまいました。
「Dear DJ.Delight」です。

……なんだかミスばっかりしてますね。
すいません。

59 名前:くろがね 投稿日: 2002/09/13(金) 18:01
「Remnant Session」
<ストーリー>  ★★★★★
非常に面白い話でした。ストーリー展開にも無理がなく、終わり方にも何の不満点もなかったです。ただ、全体的にはテンポが良いのですが、説明部分が少し長く感じました。もう少し散らして配置しても良いのでは。ストーリーがこれだけ素晴らしいので多少テンポが悪くてもそれほど気にはならないですが、もう少しテンポに気を使うとさらに良い作品になると思います。

<キャラクター> ★★★★
千歳も栄太郎も充分に個性を感じ取る事が出来ました。美紗や恵都子の母といった他の人物もちゃんと個性を出して書き分けてあったと思います。でも気になったのが、恵都子の母。名前を出さないのも演出なのでしょうか? ちょっと読んでいて違和感を感じてしまいました。

<設定>     ★★★
千歳のセリフや栄太郎の回想から世界観はちゃんと掴むことができます。でも、なんとなく唐突で詰め込みの様な印象を受ける事が多かったです。ストーリーの所とかぶりますが、もう少し散らして配置するか、少し削るとさらに良いと思います。

<文章>     ★★
会話文の終わりに改行する時としない時があり、その点で少し違和感を感じます。特に長い説明を会話によって行っているので、改行せずに文を続けるとどうしても読みづらく感じます。後、文章作法というより個人の好みの問題になりますが、会話文の終了時に句点をつけると敬遠されることもあるので気をつけてください。

60 名前: 投稿日: 2002/09/18(水) 14:39
「卒業」

語り手の姿と位置を隠すことで読者の不安をかきたて、最後に明かして
驚かすという手法が効果的な第二話。緩急ある構成が怖さを演出しています。
対照的に、第一話冒頭の主人公の事情説明になる独り言は不要だと思われます。
むしろ、背景は結びのニュースでさらっと語られるほうが、読者の想像力を
導いてぞっとさせることができるでしょう。

酷評希望とのことでしたので──
自己中心的な心情を吐露する生徒たちが並列して描かれるオムニバスは、
自分だけの世界から自分以外の存在を認識する境界を越えられなかった
未熟な思春期を感じさせる……という受け取り方もできますが、
なんとも既成概念的な学校批判が青臭く、主人公の行動原理がありきたりな
甘えにあることから、死を前にしても「だから、何」と読者は冷めた見方でしか
いられません。
一学級生徒数くらいの数の話が相互に関係し合って、それぞれの生徒の
心情や人間関係が浮き上がってくるなどの仕掛けがないと、単なるおどかし話で
終わってしまうのではないかと思われます。

61 名前:読み道楽 投稿日: 2002/09/18(水) 23:08
「卒業」
第一話は、ストーリーが浅く、何の感慨も残らなかった。何故放火するほど追い詰められたのか、単なる逆恨みなのか、あるいは悪意に追い詰められたのか――放火に至るまでの心理変化や事情等を書き込んで、ストーリーに厚みをつけるといいんじゃないだろうか。
第二話は、SSとしてのまとまりは悪くないと思う。文章のリズム感もいいし、ラストにもインパクトがある。しかし後味が悪すぎて、正直げんなりしてしまった。こちらも第一話と同じく、自殺した少年の心理や事情を深く書くと、後味の悪さを多少改善できるのではないかと思う。
二作を読んで、私が一番気になったのは、作者の意図だった。何を目的に書かれた作品なのか、それがわからないと、評価を決められない。単なるインパクト狙いであれば、成功していると思うが。
後味が悪いこと自体は別に構わないのだが、こうした作品は読み手を苛立たせやすい、ということを知っておいたほうがいいと思う。作者の意図がどこにあるかで、読み手の気持ちは変わってくる。たとえば、少年たちの心理に同情できるような書き方をすれば、後味が悪くても反発は覚えない。
読者の感想を決定するのは、題材ではなく、書き方だと思う。陰鬱な題材でも、書き方次第で感慨深い作品になる。書きたいことをただ書くのではなく、自分の意図を読み手に正確に伝えるにはどうすればいいか、ということを考えてみるといいんじゃないだろうか。

62 名前:よた 投稿日: 2002/09/20(金) 22:00
「卒業」
 起承転結がないように思えます。ネタバレですが一話など、
『主人公が学校を恨み、火を点けようとするが手元が狂い、自分が死んでしまう』
 というように完結にまとめても平坦なものでしかないです。この作品のカラーは、後味の悪さではないでしょうか。それもストーリーのせいで引き出されていません。
 もっと盛りあがる山場があると、メリハリがつくんじゃないかと思えます。
 暗い話が好きなのでがんばってください。

63 名前: 投稿日: 2002/09/25(水) 14:39
「寝転(こ)がり地蔵」

しっかりとした筆致。主題が明確に読み手に伝わる作品です。
しかしながら、野にある意味の主張が複数回書かれるあたり少々くどく、
逆に、戦時中の記憶を思い起こす重要な部分が不明瞭な描かれ方だったりと、
描写の濃淡にムラが感じられ、雑多な印象を受けます。
また、地蔵の価値に言及する人物が学生であるというのも役不足というか、
ちょっとちぐはぐな感じです。
情景を「美しい」と書くのではなく、読者に「ああ美しいなあ」と
思わせることが肝要とはよく言われることですが、地蔵の心情と同等以上に
地蔵を取り巻く自然の風景の描き方次第で“その場所”を鮮明にすることや、
ラストシーンの味わいを深めることが容易だと思われます。
真面目にがしがしと文字が積み上げられた感が強いので、削り取り磨き上げる
工程を重ねて洗練させる余地がまだまだあるのではないでしょうか。

64 名前:のむ 投稿日: 2002/09/29(日) 01:16
「寝転(こ)がり地蔵」
導入部の少し長すぎるような風景と地蔵の心理描写は、何度か繰り返される「牧歌的」なイメージが感じられた。作品の雰囲気を象徴する意味でもこの部分は長くていい。
だが、その後も同じような描写が長々と続いてしまうのは単なる冗長に感じる。若者の登場により、牧歌的な世界が崩される危機に瀕するわけなのだから、回想にあまり紙面(?)を割かず、先へ先へと話を進めた方がいい。回想があまりにも長すぎて、若者の登場も回想の一つなのだろうかと混乱した。
回想に入るときも唐突。地蔵の視点から描かれているせいか、どの時代のどの場面について描かれているのか非常にわかりづらかった。場面展開をもう少し分かりやすく、すっきりと描けば全体が引き締まると思う。
それから、女性と男の登場も唐突に感じた。若者の行動を止めるだけが目的なら、なぜ女性は苔まみれの地蔵を清めたりする必要があるのか? 今まで放っておいただけに疑問。
それから男を登場させる必要はあるのだろうか。ネタバレになるが、今まで回想という形で登場した梶木がわざわざ男という表記で登場し、「」の台詞で喋るのは、回想なのか今起こっていることなのかの判断ができず混乱を招く。梶木という人物がこの物語でのオマージュとしての役割を担っていることからも、完全に地蔵の回想という形を取り、人物像を読者に任せた方が効果的。
若者が学生ということに違和感を覚えるというのは鮭さんに同意。学生相手にしては村長の姿勢が低すぎ、学生にしては若者が堂々としすぎている。祝い酒、という単語が出てきた時点で誤植かとも思ったが……。
また細かいことになるが、地蔵視点で描かれた物語なのだから、地蔵が知るはずもない「赤トンボ」の名称は使わないほうがいい。
厳しいことも書いたが、ゆったりとした風景描写に彩られた物語の雰囲気はよかった。この雰囲気を活かしたまま余計な部分を削ることができれば、かなり良いものになるのではないか。

65 名前:のむ 投稿日: 2002/09/29(日) 15:45
「緋の華」
読んでいてまず感じたのは、説明描写を入れる場所がおかしいのではということ。2話で錬金術師という単語が出てから、その説明が入るのは5話。更に4話で舞台が街へ移動したというのに、その街についての説明が出てくるのは6話という具合で、その中途半端さが物語全体の構成をぎくしゃくさせているように思える。間を置く意味もないので、錬金術師という単語を出した時点でその説明、街に移動した時点で街の説明をしたほうがいい。特に錬金術師という職業について、読者側は知識を持っていない可能性が高いのだからその説明はすぐに入れるべきだ。また本来錬金術とは本来卑金属を貴金属に変化させる、不老不死の薬を製造するという試みを行うことだが、作中では爆弾やら薬やらを作る、材料の採集にカゴを用いるなど、いかにもゲームから取り入れたような設定となっている。そのこと自体は悪いとは言えないが、この世界での錬金術とはこういうものだという定義付けをまず最初に行ってほしい。
それから、結局あの魔物はどういう経緯で現れて人を襲うようになったのだろうか。次の話への引きに繋げるにしても、あれを一話とするには不明瞭な要素が多すぎてすっきりとしない読後感があった。
意味ありげな描写ばかりが全面に出ており、物語自体が希薄になっている感じがある。不明瞭すぎる部分を減らして肉付けを行ってほしい。
また、口コミ、BGM、緊張がピークに達するといった表現はいかにも中世ヨーロッパ風のこの物語には不自然なので、雰囲気に合った用語を用いるよう気をつけてほしい。
四名のキャラクター作りはよかった。主人公であるジルベルのキャラクターがつかみにくいままだったのが気になったが、四名の性格のバランスはいい。後半、エマリーとダグレイが続けて「隊長が、森で、グリフォンで……」と叫びながら登場する場面は素直に笑うことができ、この部分のテンポは物語の中でも特によかった。

66 名前:読み道楽 投稿日: 2002/09/30(月) 23:20
「寝転がり地蔵」
主題と冒頭とラストは良かったが、中間部分はいまひとつ。
この話に赤トンボを持ちだす必然性が感じられなかった。シーンそのものは悪くないのだが、すぐに理解しにくい、という点に難がある。印象的なシーンも、注釈を読まないと理解できないのでは、印象度が半減してしまう。赤トンボという通称をどうしても使いたいのであれば、注釈ではなく、作中で説明したほうがいいと思う。
さらに、ここで戦争を持ちださなければならなかった必然性も感じられなかった。辛い時代の象徴として使用したのだと思うが、わかりやすくはあるけれども、いささか安易な使い方ではないだろうか。文章量が少なく、一般的なイメージに頼っているように感じられた点もマイナス。
この作品の場合は、村人との関わり方だけでもテーマを描き出せるように思うし、村人との関わりの変化で、時代変化や地蔵の気持ちを描き出したほうが、より味わい深いストーリーになったのではないかという気がする。
女性と若者が対峙するシーンはいまふたつ。一番気になったのは、説得の仕方の曖昧さ。ストーリーを無理に折り曲げたような印象を受けた。
若者は、若者らしくないのが難点。ストーリー的に、学生よりも、そこそこの年齢の蒐集家のような人物のほうが合っている気がする。設定を変更すれば、このままの台詞でも違和感はないように思う。
全体を通して一番惜しいと思ったのは文章。雰囲気は出ているけれども、ところどころで引っ掛かる。たとえば「一人の若い男は知らない男、〜」という一文は、男という単語の重複が気になる。こういう癖は早めに直したほうがいいと思う。

67 名前: 投稿日: 2002/10/01(火) 13:57
「緋の華」

終始、読者を全く裏切らない展開で楽しませてくれます。
色々とご都合良過ぎる点や、同様の物語構造を持つ作品が本邦既刊の書籍に数ある
ことは置いておいて、(誤解を招くかも知れませんが)マンネリの良さという
楽しさを感じました。
このタイプの作品は、展開のリズムとシリアス&ユーモラスのバランスが重要だと
思われます。様々な設定やグリフォンが退治されるべき理由、騎士の行動の動機など
理解し難い部分があり、ところどころ何がどうなっているのか? と思わせられて
しまう点が今ひとつ流れに乗り切れない原因になっていますので、初読ですんなり
飲み込めるように説明部分を整理することが必要かと思われます。
登場人物は類型的ではあるものの端々に魅力があり、続編を読んでみたいという気に
させられました。主人公の謎めいた部分が少々わざとらしく、鼻につくのが難です
ので、作中で過去をもっと明かし、グリフォンとの因縁(?)を明確にしたほうが
クライマックスがより盛り上がったのではないでしょうか。

趣味で書いていらっしゃるとのことですので、文章作法その他への言及は控えさせていただきます。

68 名前:読み道楽 投稿日: 2002/10/05(土) 13:28
「緋の華」
気になるところは、他の方とほぼ同じ。重複するので省かせて戴く。
文章そのものは、特に難はないように思う。リズム等も考えているようで、読みやすかった。
オンラインではわりとよく見られる書き方、一行空けの多用をしているが、このスタイルは、この作品には合っていないような気がした。
スタイルそのものに難癖を付けようというのではない。行空けも技法の一つで、使い方次第で、文章で描写するよりも高い効果を上げられる。
ただ、この書き方には難点も付属している。ある程度の描写力を備えている場合や、描写力を伸ばしたい場合は、枷になるんじゃないかと思う。空白=間、という認識があるため、動きのあるシーンには合わない、というのもある。
どうしてもこのスタイルで書きたいという拘りがあるなら別だが、ないのであれば、普通の書き方をしてみてはいかがだろうか。今のスタイルだと、文章の力が削がれてしまうように思うので。
この書き方のまま単純に移行すれば、当然アラが目立つことになる。しかしスタイルを変え、そのスタイルに合う書き方を模索することで、文章力をもっと伸ばすことができるのではないかと思う。誰にでも勧められる方法ではないが、この作品を読む限りでは、移行したほうがもっと伸びるんじゃないかという気がした。
ストーリー構成やキャラ造形等も、特に難はないように思う。世界観設定や書き込みに甘さを感じて多少引っ掛かりはしたものの、特別気になるというほどでもなかった。
グリフォンとの死闘シーンは迫力があり、非常におもしろかった。

69 名前:よた 投稿日: 2002/10/20(日) 20:17
「自分を探して」
ミ○キーが汚い言葉を使うっていうのが良かったです。
ぜひとも聞いてみたい(笑)

「頭をひねってみても、全然分からない。困ったな。どうしようか。」
から
「ひょ、ひょっとしたら。悪い考えが頭をかけめぐった。保険金目当ての殺人を侵して今まで殺した人数は三人。被害者には老人もいる。その度に素性を変え、また新たなターゲットを狙う金の亡者──ってこともあるかもしれない。善人を希望したいところだけど、人生そう上手くいくわけなさそうだしなあ。そう思いながら溜め息をついた」
の流れが急だったような気がします。
 保険金目当て……ということに、次第に思考が飛躍していくといいなと思いました。

70 名前:よた 投稿日: 2002/10/20(日) 20:18
すいません、勢いあまってエンター押しちゃいました……

71 名前:読み道楽 投稿日: 2002/10/24(木) 20:45
「自分を探して」
アイディアは悪くないと思うが、消化しきれていない。冒頭からご都合主義が目に付き、話に入り込めなかった。難点は多々あるが、一番気になったのは冒頭。
まず、二段落めで大きなぬいぐるみを出しているが、ここでだいたいの予想がついてしまう。そういうぬいぐるみが大量にある場所は限られているので。
主人公はショーウィンドウに映る自分の姿を見て驚いているが、ここにも無理がある。彼はこのシーンに至る前に、自分の身体の状態を知ることができたはずである。
あの格好だと、下を見下ろすのは困難なように思うが、自分の身体を見ることがうまくできないと気付いた時点で、何かおかしいと感じるんじゃないだろうか。少なくとも、手を見ることはできるんじゃないかと思う。手を見れば、普通ではないことがわかる。主人公は何故それをしなかったのか。できなかったのであれば気にならないが、できたのにさせていない。
これがいわゆるご都合主義と言われる書き方。ストーリーの都合ではなく、作者の都合でキャラを動かしている。
この冒頭の難点は、目覚めてから人に会うまでにかなり時間が経過していること、もしくは時間をかけようと思えばかけられることにある。控室(?)には主人公しかいなかったようだから、すぐに外に出なくてはならない理由がない。座り込んでじっくりと考えることもできたはずである。記憶がないのであれば、行動することに不安を感じるものではないだろうか。
この冒頭の難点を回避するためには、主人公に考える時間を与えないように話を作ればいい。たとえば、控室ではなく、路上で転ばせて頭を打たせ、記憶喪失にさせてしまうという手がある。主人公はすぐに起き上がり、周囲の異様な光景に驚く、という展開にすれば、自分自身に目を向けなくてもさほど違和感はない。そうすればぬいぐるみという単語の使用を避けることもでき、読み手を騙すことも比較的容易になる。
この冒頭部分の難点に、この作品の難点が集約されているように思う。アイディアはいいのだが、それを生かす技術が不足している。
表現力はいまひとつだが、テンポのいい文章は悪くない。ダークなオチもいいと思う。難はあるけれども、ストーリーを作ろうとしている姿勢は窺えるし、その点は評価できる。キャラの行動に無理がないか考えながら、話を作っていくといいんじゃないかと思う。

72 名前:読み道楽 投稿日: 2002/12/19(木) 01:41
「三日月国のいそがしい3日間」
冒頭はノリが良く、先の展開に期待を持てた。読後感は、ちぐはぐな印象。
文章は、いささかぎこちなく、ところどころ捩れている。一文中で同じ言葉を使用していたり、単語の使い方に首を傾げるところもあった。たとえば「権利」とか「本懐」とか。
全体的な印象として、言葉の使い方に粗雑さを感じる。たとえばシンデレラ姫を天才と書いているが、その単語に付属しているイメージに描写を頼っているため、奥行きが浅くなっているように思う。他にも、既成のイメージに頼っている部分がいくつも見受けられる。
キャラクター造形は、厳しいことを言うが、平凡。ありがちの域から出ていない。シンデレラ姫も、破天荒なキャラとしてはわりとありがち。加えてこの姫は、破天荒でありながら、いささか存在感が薄い。前半は特に、ただばたばたと走り回っているだけで、意味のあることをしているようには見えない。印象的ではあるけれども、キャラクター設定がストーリーに生かされていないために、薄っぺらいキャラに感じられてしまう。これは少々もったいないと思う。
世界観設定もちぐはぐな印象。現代的な感覚で描写することはさほど気にならないのだが(このタイプの話ならば)、迷彩服やロケットランチャーといった、モノが持ち込まれていることには違和感を覚えた。何か意味があるのであれば気にならないが、こけおどし以外の意味はないように思えたので。これらのモノを持ち込むのなら、この世界にそれらが存在する理由が欲しい。
個人的な意見を申し上げれば、もっとファンタジーっぽいこけおどしを使ったほうが効果的だと思う。ベタなたとえだが、ドラゴンに乗って登場するとか、ドラゴンを召使いのようにこき使うとか。読み手の気持ちをしらけさせない工夫が欲しい。
クライマックス部分の戦いシーンは良かった。引っ掛かるところがなくもないが、シーン自体はいいと思う。伏線の敷き方は、見直す余地があるかもしれない。誤読と言われればそれまでだけど、三冊の本がこのシーンの前フリだと思っていたもので、まったく関わりがないとわかって拍子抜けしてしまった。三冊の本のエピソードも、それはそれでおもしろかったけれども。
それと、ストーリーが進むにつれて文章力が上がってきているが、これもちぐはぐな印象の原因になっているように思う。文章力が上がった影響で、シンデレラのキャラクターがだんだん物語にそぐわなくなり、一方でデュークとセフィリアの存在感が強まっているのだと思う。
まだ成長しそうな様子が窺えるので、もう少し筆力が固まってから、ストーリーや描写を整え直すといいかもしれない。
これは個人的な意見だけど、筆力が上がったと自分自身ではっきり感じられるようになるまで、新しい話をどんどん書き進めたほうがいいと思う。中途半端な段階での書き直しは、壁にぶち当たる原因になることもあるので。

73 名前:読み道楽 投稿日: 2003/07/15(火) 23:12
「You are piece of the World. 第1話 松理の事情・綾子の事情」
ざっと一読しての感想は、中途半端だなあ、だった。それで作者氏に直接お訊きしてみたのだが。
一般小説なのかライトノベルなのかとお訊きしたのは、どちら寄りなのかわかりにくかったからである。どちらとも取れるし、どちらでもないような印象も受けた。つまり、作品世界を掴みにくいということ。ジャンルが問題なのではなくて、読者を迷わせてしまうのが難点。市販小説なら、レーベルで多少は判断できるのだが(良くも悪くも最近は曖昧になってきてるけど)。
世の中にはいろいろな好みの人がいて、できれば好みに合う小説を読みたいと思っている(天の邪鬼な読者もいるだろうが)。極端な例を持ちだすが、純文学を期待して読み始めたのにライトノベルだった、となると、非常にがっかりする。重苦しいホラーだと思って読んでいたら途中からラブコメになった、という作品を掴まされた読者は、何を思うものだろうか。
そういう不幸な擦れ違いを招かないためにも、冒頭で作品世界の雰囲気をはっきりさせておいたほうがいいと思う。ジャンルはなんでもいいし、曖昧なままでもいいけれど、こういう雰囲気の話にしたい、という作品イメージはしっかり持ったほうがいいと思う。そのイメージに添って、使う単語や言い回しを取捨選択すれば、全体の雰囲気も統一される。
作者氏のコメントから考えるに、そのあたりのことはわかっているようではあるが、どうも何か中途半端。大人が無理して子供のまねをしているような雰囲気と、子供が背伸びしているような雰囲気の両方を感じた。それで、どんな方向を目指しているのだろうかと混乱したわけで。
文体は内容に合わせて軽くしたつもり、と作者氏はおっしゃっているが、私が感じたのは、拙さ。努力している様子は窺えるのだが、残念ながら手が届いていないなあ、と感じた。読者の目を意識することはわかっているようだから、頑張り次第で伸びるだろうと思うが、現段階ではまだまだというところ。

74 名前:読み道楽 投稿日: 2003/07/15(火) 23:13
「You are piece of the World. 第1話 松理の事情・綾子の事情」
以下、特に気になった点について。
まずは冒頭の会話。説明なしにいきなり会話が始まるが、章タイトルから夫婦の会話とわかる。子供の年齢から、夫婦の年齢も推測できる。松理に少々問題があることもわかるし、ことの成り行きも理解できる。夫婦の性格も、わからないことはない。
必要なことは盛り込まれているし、形は悪くないのだが、説明臭が強すぎるのが難。
会話の多い作品は、作者だけが理解している独りよがりなものになることが少なくないが、この作品は、読者を意識した書き方を心がけていて、その点は評価できる。
しかしその一方、通常は地文に任せる説明も会話に入れ込んでいるために、説明臭い台詞が多くなり、会話のテンポを悪くしている。
一番の問題は、果たしてこの冒頭で読者を捕まえることができるだろうか、ということ。
読者の目に一番最初に触れるのは、
「さて。年も明けてだいぶ落ち着いてきた訳だけど、今年はいよいよ、松理とるるの小学校入学ってぇ一大イベントが控えてる年だ」
という台詞であるが、いきなり説明臭い。こういう台詞を一行目に置いてはいけない。断言するのは好きじゃないんだけど、これはまずいと思う。筆力の底が推測できるような文章を最初に目にしてしまったら、読み手はさっさと逃げてしまう。
たった数行で判断しないで欲しいと言うかもしれないが、巧い書き手は、書き出しも巧い。一行目から読者を作品世界に引き込む。文学だろうがライトノベルだろうが、それは同じ。書き手が自分の小説を売り込まなくてはならない読者は、巧くておもしろい小説をたくさん知っている。舐めてかかってはいけない。

♯4で、綾子がボクシングに関して語っているが、実在する人物ネタを使うのは危険が伴う。読み手の中にはその人物のファンがいるかもしれないし(念のため、私はファンではない)、時事ネタだと古臭さを感じさせてしまう場合もある。事実そのままだと、キャラクターの考えではなく、作者の意見と取られる可能性もある。独自の視点ならおもしろいが、ありきたりだと逆効果。「そもそもストイックでなければ〜」の台詞はおもしろかったが、そのあとの、尾似塚と猿太郎に関する台詞は、どこかで読んだような気がしてイマイチ。
綾子のキャラクターを読み手に伝えるため、という役割しかない台詞ならば、ぼかしたネタに差し替えたほうがいいと思う。
「いやぁ、尾似塚がボコボコにされるのを観て、スカッとしたいなぁと思いましてね」という綾子の台詞は、とてもいいと思った。この台詞だけで、綾子のキャラクターが掴める。――というか、掴めたと思ったのだが、作者氏が想定したキャラクターそのままかどうかは疑問。

松理に関しては、キャラクター造形は別に問題ないと思う。難があるのは描き方。大人のような子供の話し方と、大人の話し方は、微妙に違わせたほうが雰囲気が出るんじゃないだろうか。
松理も含めて、登場人物全員の話し方が、どこか似ているのも気になった。それぞれに特徴を作ったり、使う単語使わない単語を決めたりして、キャラクターごとに差を出してみてはどうだろうか。台詞の形で誰がしゃべっているのかわかるようにすれば、地文で説明する必要もなくなる。
全体を通して気になったのは、リズム感の悪さ。個々の文章は考えて作って配置しているのが感じられるが、シーン構成や流れや繋ぎ方が、リズム感を鈍くしているような気がする。会話主体の作品の場合は、テンポの悪さは大きなマイナスになる。

余計なことかもしれないが、作家志望ならば、地文の書き方は勉強したほうがいいと思う。この作品から考えるに、地文がというより、描写が苦手のように思える。地文のほとんどは説明調になっているし、台詞の書き方からも描写が苦手なように感じる。
たぶんまだ描写の論理みたいなものが理解できてないんじゃないかと思う。会話文を洗練させつつ、描写のほうも勉強してみてはいかがだろうか。
会話文だけで読ませる方向を狙うのもおもしろそうだけど、この作品の作者氏にそれを勧めるのはためらう。センスよりも論理構築能力のほうがまさっているような気がするから。

75 名前:カイリ★ 投稿日: 2003/07/18(金) 20:16
「You are piece of the World. 第1話 松理の事情・綾子の事情」

やはり、連載物を一話だけ見て、批評すると言うのは大変に心苦しい。
現状で書かれていないことが、今後書かれる事もあるのだろうから
今の不足を不足として捉えること自体に無理がある。
実は、この評を書くにあたって、依頼ページとは別にあった、全話のダイジェストと呼ばれるものと
番外編にも軽く目を通させていただいたのだが、その印象はあまり考慮にいれず、
あえて、第一話に目を通した印象のみで書かせていただくことにする。

まず、最初に一言、書かせていただくなら、地に足がついてない印象が強い。

読者の対象年齢を意識せずに書かれたとの事であるので、およそ、それが原因であろうと思う。
プロ志望の方とのことなので、あえて言葉を厳しくするのを許していただけるのであれば
誰に向かって書くのかはっきりとした意思を感じさせない作品を、読んでくれるほど
読み手という存在は優しくもないし、暇でもないのだ、くらいに思って書かれるのが丁度いいのではないだろうか。
万人受けすると言う言葉と、ターゲットを限定しないという言葉はイコールではない。
誰にどんな言葉で伝えるのか。
最低限、その事を意識して書き始めることで、作品はもっと地に足をつけると思う。

さて、現時点で気になることを、すこし上げておきたい。

第一話と言う事は、物語の導入にあたる部分になるわけだが、
ストーリーは一応、流れているものの、どこかしら無理があるようにも思えるし、リアルでないように感じた。
それは、すでに話題や小道具が、古いモノになっていると言うことにも一因があるようにも思うが
それよりも、このストーリーをリアリティある展開と読み手に思わせる工夫の面が足りていない印象の方が強いように思う。
作者自身が気付いているのかどうかは判らないが、ストーリー内に現れる矛盾や疑問をしっかりと解消させておかないと
どうしても、うそ臭くなってしまう。
実際には、そう言った矛盾や疑問の解消を試みていないわけでもないのだが、どれも説得力に欠けている気がしてならない。
表面上はスムーズに進行している話でも、深読みや勘繰りなどしてしまう読者のために、予め、疑念や疑問を差し挟む余地を
コントロールしておく事も少なからず必要であると思うので、その辺りにも、今後注意を払っていただきたいと思う。

76 名前:カイリ★ 投稿日: 2003/07/18(金) 20:16
「You are piece of the World. 第1話 松理の事情・綾子の事情」

他には、私個人としては、松理の保護者の描写が気になる。
彼らが軽薄なのか、それとも軽妙なのか、その一点は書き手の側で完璧にコントロールしてほしい
何故なら、松理が戻る家は彼らの家なのだ。その意味でこの描写のコントロールは重要である。
現時点での印象では軽薄な感じが強調されている気がする。
それが作者の意図と違うとするなら、修正をためらわないでいただきたいところだ。

作者自身が幼稚で持ちパターンが少ないと言って居られる、地文の件だが、
「にっこり」や「たっぷり」と言った、他の地文と比べて硬度の違う副詞や
「ずずず」といった擬音の不用意な使用を避ける事でも印象が変わるので、試されてはどうかと思う。
また、副詞、接続詞ともに違和感を感じる使用をされている場所があるのも少々気になる所ではある。
「まるで」「実は」「しかし」等、不要だったり、別の言葉に置き換えた方がよかったりする物が
見受けられるので、改稿されるのであれば、是非その辺りに注意を払っていただきたい。

それと、これは、地文を多く使用することに苦手意識が、ある上での苦肉の策と言っておられた
セリフの多用の件だが、今のままでは、全てが似たようなリズムで読めてしまうために、
マイナス効果の方が強いが、これはキャラクターをしっかりと書き分ける事でも改善されるだろう。
また、長いのセリフに読点が少ないのも辛いところがあるので、注意していただきたい。
句読点はリズムを生む為に、有効な武器であるので、上手く使いこなしてほしい。
本当に話す時と、文章を読むときはリズムが異なるのだ、と言う意識を常に持つ事で、多少の長い
セリフであれば、読み手にストレスを与えることはなくなると思う。

最後に、寸評人御用達スレッドでも書いている通り、私は、作品のタイトルに注目しているので
その点で一つだけ。
この作品のタイトルは「You are piece of the World.」で、第一話のサブタイトルは
「松理の事情・綾子の事情」という事なのだが、メインタイトルが、ある程度ストーリーの大意を
説明しているような作品では、過剰な説明ととられる事もあるので、注意していただきたい。
また、両タイトルを見比べた時の軽快感も、バランスが良いとはいえず、その面から考えてもサブタイトルは
一考の余地があるように思う。
さらに、この話は各章ごとにも章タイトルがついているのだが、単純に場所を示すのであれば
地文で十分にはたせる事であるので、もう少しヒネリをきかせた方がいいのでは?と思った。

言葉は、湿度も温度も、重量も臭いも想起させる。長尺な文章と違う、タイトルだからこそ、
それらのイメージのコントロールには十分に気を使っていただきたいと思う。

77 名前:カイリ 投稿日: 2003/08/02(土) 04:24
「花少女売り」

 文章は読み易いし、この話を収めるテキスト量としても、これくらいが丁度だろうと思う。
 ただ──これは微妙な話なのかもしれないが、作者がこの作品に込めたメッセージと言うのがなんなのか?
 それが若干曖昧な気がするのだ。
 その原因はおそらく、この話のキモでもある「花が少女の形をしている」と言うことにあると思う。
 この設定や話の内容から、読み手の抱く印象には、おそらく「人身売買」や「少女売春」のイメージがついてまわる。
 そう読み解けば、「花売り」も「女衒」を象徴しているのではないかとも思える。
 「花愛好家」と言う言葉も深読みすれば「少女性愛者」と読み解くことも出来そうだ。
 おとぎ話の内容も男性から見た、性的対象としての女性というエロティックな雰囲気が漂っているようにも思う。

78 名前:カイリ 投稿日: 2003/08/02(土) 04:25
「花少女売り」

ここで問題なのは、作者はそれを意図しているのかそうでないのかということだ。
 
 上記の指摘を初めから意図して書いてるのであれば、何故、それそのものでなく、「少女の姿をした花」にしたのかが、きちんと説明しきれてないように思う。
 花が少女の姿をしている以上、それは「そうでなければならない」のだ。
 「花は少女の姿をしていなければならない」
 そして、これはその「少女の姿をした花を売る人間の話」でなければならないのだ。
 その一点を意識して作品を読みかえした時に感じられる綻びや、収まりの悪さは、翻って、作者はもしかすると、先に書いたような事を意図してないのではないか?と言う疑問になって、読み手の中に澱を残す。
 そして、これがもし、読み手の深読みのし過ぎであると言う着地になった場合、それは、作者と作品に対するかなりのマイナス評価にもなりかねない。
 つまるところ、人身売買や売回春に対して非常に認識の甘い人間の書いた小説と思われてしまうと言う事だ。
 それは、作者にとっても、そして作品にとっても悲劇としか言いようのない事だろう。

 もちろん、現状でもそのリスクを認識しているであろう事は、予測できる。
 だが、それでも、やはりまだ足りないと思う。
 それは、やはり良くも悪くも「少女の形の花」の所為であると思うのだ。
 この設定を「逃げ」ととられるか「攻め」ととられるか。
 もう少し、その点に注意をはらい、掘り下げて書かれた方が、より作品は良いモノになると思う。
 作者の腹のくくり方一つで、この作品は今の何倍も良いモノになると私は確信している。
 頑張っていただきたい。

 最後にタイトルについてだが。
 タイトルを音読した時に妙に引っかかる気もするのだが、これはこれでいいのかなと言う気もしないでもない。
 読み手の興味も引くだろうし、話の筋の狙いどころとも外れてはいない。
 ただ、一つ注文をつけるなら、作中でも「花少女売り」と言う単語は使用して欲しかったと思う。
 別になくても構わないのだが、折角、世界観を造り、その言葉を作ったのだから、さりげなく使っておく方がいいのではないだろうか。
 個人的には、先に触れた作品の問題点もこの一点にかなりのウエイトがあるのではないかと言う気がしている。
 「花少女売り」と「花売り」はやはり違うモノとして存在するべきだろう。
 たとえ、世界中の花が全て少女の形をしていたとしても・・・・

79 名前:井戸がえる 投稿日: 2003/08/05(火) 01:00
「花少女売り」

文章は読みやすい。設定も面白いと思うが、この世界の「花」について
もう少し説明が欲しかった。
文中に「せっかくつぼみがつくまで育ったというのに」とあることから
この世界での花は絶滅品種に近いのではと感じた。
それなら、花はどうやって育っているのか。一般人は花を見かけたら
どうしているのか。
また他の方々がおっしゃっていたが、花が性的対象になっているのかに
ついても説明があると、世界観がより鮮明になると思う。
私は、女性の一人称のためか、花=性的対象になるのではということは
さほど気にならなかったのだが。
だが、そうなると花がなぜそこまで高価で売れるのかが疑問となるので、
やはりそれらについて説明が加わればいいのではと思う。

また、貧民街の住民がどのような暮らしをしているのかの説明も欲しい。
貧富の差が激しい世界なのだろうということは想像つくが、
主人公の日々の暮らしなどを描写して、世界観がもっと伝わってくると思う。
設定は魅力的なので、もう少し詳しい描写が欲しい。

80 名前:井戸がえる 投稿日: 2003/08/05(火) 01:23
「花少女売り」

文章についてだが、独白や説明時に一行空きが多用されているのが
少し気になった。
時間経過と場面展開にも一行空き(二行空き?)が使われるため、
独白の部分はわざわざ行を空けず、通常の文章に組み込んでもいいと思う。

また、テーマの一つに「醜さと美しさの対比」があるように思えたが、
そうなると、花の表現をもう少し工夫してほしいと思った。
美しさを表現するのに「美しい」と書いても、読み手にはその美しさが
どのようなものなのか伝わってこない。
比喩を使うなど、書き方を工夫して目に見えるような美しさを表現してほしい。
また、上記にもあるが貧民街の暮らしの説明や、また金持ちが花を
どう扱っているのかについての説明を入れることで「醜さ」についても
より一層浮き立たせることができると思う。

重箱の隅つつきなものが多くなってしまい、失礼しました。

81 名前:カイリ 投稿日: 2003/08/20(水) 22:21
「万の物語〜一万個目の宝石〜身から出たサビ〜」

現状では、読後に消化不良感がひどく残る。
内容的には確かに短編向けのストーリーではあるが、このままではボリューム不足であると思う。
この状態では、小説と言うよりも、その前段階のプロットに近い。

まず主人公である、卯月とウヅキのコントラストが弱い。
折角名前を同じにしているのであるから、もっと違いを明確に立てた方がよい。
と、言うよりも、同じ名前だからこそ違いを確立させるべきなのだと言ったほうがいいだろう。

読み手というものは、いろいろなモノに反応する。
特に意味のありそうな事や物が、作中に書かれると、それは何かの伏線なのではないか?と思ってしまう場合がある。
この話の主人公たちが同じ名前と言うことも、何か意味があるのだろうと、読み手が思えてしまう。
もちろん、それは、「同じ名前でもこんなに違う人物」と言う、正反対のイメージを書こうとしている事は判るのだが、欲をいうなら、もう少し鮮明な対比が欲しい。
台詞回しが軽妙な印象があるので、そこを上手に使い、もう少しドタバタ感を煽ってみるなどすると、2人のやり取りの対比が、彼ら自身によって浮き立たされる事になるだろうと思う。
基本的に同名と言う設定は、かなり使い道のあるモノなので、しっかりと掘り下げて、設定を使いきっていただきたい。

次に物語の冒頭で書かれる「万(よろず)のものが村に訪れるとき。幸運がもたらされる」という言い伝えだが、万を(よろず)と読ませる場合、「一万」と言う意味よりも「たくさんの」あるいは「全ての」と言う意味が出てきてしまう。
そうなると、一万人目に固執させる話の根元が緩んでしまう。
この話は「一万」と言う「数」がキーになっている物語である。
たとえ、言い伝えという古さをかもし出す手段だとしても、語彙が揺れるような使用法は避けた方が良いだろう。

総合的にみて、最初に触れた通り、この段階より先に、さらに推敲を繰り返した完成品が提示されるべき作品であろうと思う。
現状の作品を元にして、細部を練り直し、人物像を掘り下げて、もう一段上の作品としていただきたいと思う。

82 名前:井戸がえる 投稿日: 2003/10/29(水) 01:27
「...tear in king」

読み始めてまず最初に気になったのが「革命」という単語の使われ方だ。
この小説では「革命」政権を奪うため武力を行使する意味として使っているが、
厳密には政権を奪い、政治や経済の社会構造を覆す意味である。
そのため、「革命」ではなく「クーデター」という表現を使うのが
適当ではないだろうか。
趣味で書いているということだったため指摘すべきか迷ったが、
この話に置けるキーワードの一つだと思えたので書かせていただいた。

短編小説として抜けてる部分があるようだということだったが、
個人的に短編で重要になるのはテンポと山場だと思っている。
この話の最大の山場とは、主人公の正体が明かされる箇所だと思ったのだが、
王がそれを知り、主人公に伝えられるまでのタイムラグが気になる。
「王は一体何を聞かされたのか?」と読者に思わせた後、すぐ主人公の正体を
明かした方が、山場としては盛り上がるのではないだろうか。
また、主人公と王、二人の会話を主としてストーリーが進行されているが、
どのシーンも同じようなテンポになってしまっているので、
会話以外でも心理描写や風景描写を入れるなどの工夫が欲しい。
「……」が多いのも気になった。

83 名前:井戸がえる 投稿日: 2003/10/29(水) 01:29
「...tear in king」

主人公の正体が明かされるシーンが他と同じテンポで進められていたのも、
山場として今ひとつ盛り上がりに欠けた印象となった原因の一つかと思われる。
主人公の正体には意表を突かれたこともあり、余計に勿体ないと感じた。

それから、主人公はなぜ反乱軍のリーダーとなったのだろうか。
王や過去の政治についてあまり知識がなく、王に対する反感も全く持って
いないように感じられたため、主人公の行動理由が今ひとつ解らない。
王との対話を通して悩んだり意志が揺らいだりするのなら構わないが、
今のままでは主人公の考えがあまりにも薄いように感じられた。
また、実際にクーデターが起こった理由そのものも薄く、リアリティに欠ける。
戦争の話もそれほどまで反感を持たれるような内容とは思えない。
クーデターが起こった理由付けは、この短編に置いては
世界設定そのものになるため、もう少し丁寧に書いてほしい。

文章は読みやすく、展開そのものも良いと思う。だが全体的に書き込みが
不足しており、印象に残りづらい。
台詞以外の書き込みをもっと重視すれば、しっかりとした話になると思う。

84 名前:カイリ 投稿日: 2003/10/31(金) 05:47
「...tear in king」

全体としてのストーリーは悪くないと思う。
文章は若干こなれているが、単語の硬度がそろってなかったり、説明が過剰であったり、不足していたり、倒置法が無駄づかい気味な所は今後注意をはらっていただきたい。

気になるのは、セリフのある部分での人物の心理描写や情景描写の少ないこと。
特に心理描写は、主人公の心の揺れを重要視する作品にしては少なすぎると思う。主人公の語調が統一されていない所為で、それは余計にマイナス面を強調させているように思う。
主人公の口調の違いを、意図的に行っているのであれば、その意図を読み手に誤解させない為にも、地の文で人物の心の動き等はバランス良く書き込んだほうがいいだろう。

また、ストーリーのオチが主人公の正体を絡めてのモノなのだから、それを引き立たせる為に重要な人物関係は鮮明にしておくべきだろう。
特に反乱軍の長は、重要な人物であるにも関わらず、登場も唐突であるし、描写も弱い。彼と主人公の関係性を深く掘り下げる事で、作品に厚みも増し、オチも、さらに鮮烈になると思われるだけに、惜しいと思う。

85 名前:カイリ 投稿日: 2003/10/31(金) 05:48
↑すいませんパスワード間違えました(汗

86 名前:カイリ 投稿日: 2003/10/31(金) 05:53
「...tear in king」

次に、これは個人の好み程度と把握していただいてかまわないのだが、「IV interval」は違う見せ方の方が良かったのでは、と思う。
ストーリー上さして必要でない脇役を新たに出して語らせるにしては、重要な内容であるし、作品の間の取り方としても、流れを寸断する形に感じられ、私個人としては、好ましく思えなかった。
よく言われる「起承転結」や「序破急」に当てはめるなら、この章は「転」や「破」の冒頭にあたるところであろうと思う。
それを名もなき群衆に任せてしまうのは、あまり良い方法とは思えない。
現在の方法で上手く見せる見せ方もあるだろうとは思うが、そのためには事前にもっと反乱軍を全体的に書き込むなりしておくべきだっただろう。


作品の結びが、どちらかと言うとソフトな着地になったのは、作者の人間性でもあるだろうから、それを大切にする意味でも、より人物描写や人物造形(この二つは同じではない)に力を入れた作品作りをこころがけていただきたい。
今後、この作品と同じくらいのボリュームの作品を何本か書かれるのもいいが、もう少しボリュームのある話にも挑戦していただきたい。
個人的には、今と同じスケール感のストーリーで倍くらいのボリュームの話を書けるようになると、かなり面白い作品を書かれるような気がするので、頑張っていただきたいと思う。

最後に、タイトルについて、メインタイトルは少し本文の硬度に合っていない気がするのだが、これは個人の好みの範疇であると思う。
ただ、章ごとのタイトルはどれも場面や状況を説明しているだけで、章のタイトルの見せ方としてはあまり上手いとは言えない。
作品のタイトルも各章のタイトルもつけてしまう以上、そこに意味が発生する。
深読みをさせすぎたり、あまりにも独り善がりな意味不明なものをつけるのも、いかがかとは思うが、「意味が発生する事」を意図してタイトルをつけるという程度の、意識の持ちようは必要だと、私個人としては思う。

87 名前:カイリ 投稿日: 2003/10/31(金) 22:43
一箇所訂正。
>章ごとのタイトルはどれも場面や状況を説明しているだけで

章ごとのタイトルでは、場面や状況を説明しているだけのものは、
が、正しいです。

以後、こう言うミスの無いように気をつけます。
申し訳ありませんでした。

88 名前:カイリ 投稿日: 2003/11/04(火) 23:17
「夕凪の下で」

現時点で未完の作品であるので、気になった部分を上げることで
評にかえさせていただきたい。

まず気になったのは、主人公の名字が出てくるのが遅いこと。
確かに養子縁組に際して、養子は養父母の姓を名乗らなくても良いのだが、
その事を知る人は多くはないと思う。
作者は恐らく、それを知っていてこの作品を書いたのだと思われるが、
そういう一般にはあまり知られていないような事を書く場合は
ある程度の説明は事前にしておかないと、不要な混乱を招くこともあるので
注意して欲しい。

次に、物語冒頭で、主人公が舞台となる街の説明をかなり長くするのだが、
この時点で舞台となる地名が出てないのは、
舞台を特定させたくないという意図だと思ったのだが、
話が進むにしたがって、具体的な地名などが出てくることには
少々違和感を覚えた。
5W1Hと言うのは、文章を書く上での基本だが、
その中の「Where」をはっきり特定させるかさせないかで
作品の見せ方、あり方は少しづつ変わってくるので、しっかりと
狙いどころを定めて欲しい。

それから、比較的多く出てくる、実在のバンド名や曲名、紅茶の銘柄、
車種等だが、キャラクター造形の一環としては効果的なのだが、
時として使いこなせていない印象がある。
これら実在のモノの名称を使用する場合、「ただ使う」ではなく、
さりげない説明を織り交ぜて「使いこなす」事が望ましい。
そのあたりの読み手への配慮が、今一つ足りていない気がする。
こう言った問題は推敲の段階で、例えばダージリンを紅茶と置き換えてみて、
作品の質が著しく損なわれるかどうかを確認し、問題がないのであれば、
書き換えてしまうなどすると、ある程度は制御できるので、試してみて欲しい。
むろん、書き手のこだわりは放棄しないと言うのが前提での事であるので、
そのあたりのバランスの取り方は他者の作品と自作品を読み比べたりして
研究していっていただきたい。

89 名前:カイリ 投稿日: 2003/11/04(火) 23:20
「夕凪の下で」

あと、これは文章云々と言うよりも、見せ方の話になるのかもしれないが、
6章の混乱している主人公の思考を表す段の書き方や、
所々に太字を用いる事などは視覚効果に頼りすぎているととられて
敬遠する読者もいるので注意していただきたい。通常の配置や同じ字体にして
文意が伝わらないものであれば、それは視覚効果に拠る所が多いということ。
それらを使う事を、私は否定はしないが、それはあくまでも見せ方であって、
それ以上に要求されるのは文章そのもののクオリティであることは
肝に命じていただきたいと思う。

その他、★で段落を分けるところと、そうでない所の使い分けが
時々はっきりしない点、時系列が読者にわかりづらい事がある点、
比喩表現やセリフに無駄なものが多少見られる点など、
気になる部分はあるのだが、このボリュームの話を書ききろうという、
作者の意志が明確に感じられる点は良いと思う。

キャラクター造形については、主人公二人については、
かなりしっかり書けていると思う。ただ、脇をかためる人物が
このボリュームの話にしては薄味の印象に思える。
確かに地の文やセリフなどである程度把握は出来るのだが、
やはり実際に動いているキャラクターとでは読み手の感情移入の度合いが違う。
また、重要な人物であるだろう、主人公の義姉についての描写を、
構成上難しかったとはいえ、一番最初に、脇役に
(それも急に登場した印象の強い脇役に)任せたのは少々気になる。
あの部分があるのはいいのだが、それより前の段階で一度主人公に彼女の造形を
詳しく語らせるなどしてあると、より良かっただろう。

さて、現時点で掲載されている分を読み終えて、私個人は
続きを読んでみたいという気になっている。
そう思わせた時点で連載小説と言う形式での見せ方は何割かは成功している。
(この読み手に対する「引き」も回を重ねるごとに上手くなっていると思う)
後は、書ききる事。
完結後に再度寸評をこの板で望まれるのかどうかは判らないが、
今回触れられなかった、ストーリー全般に対しての評も、
完結後に望まれるのであれば、私個人としては喜んでつけさせていただきたいと思う。

残り、四分の一、頑張って書き終えていただきたい。

90 名前:読み道楽 投稿日: 2003/11/07(金) 03:53
「...tear in king」
他の方も書いているが、まず、革命という言葉の使い方に齟齬を感じる。それから、城の燃え方についても気になった。この話の城は、どんな素材でできているのだろうか。木材ならよく燃えるだろうが、石作りの場合は、城そのものは燃えないんじゃないかと思うのだが。どちらとも取れる書き方をしているので、少々混乱した。
重箱の隅をつついていると思うかもしれないが、こういう曖昧さが全体から感じられる。整合性を考えずに、好みのシーンをそのまま取り込んで書いているような印象を受けた。短編だし、説明描写を簡略化するのは構わないのだが、ポイントがずれていると逆効果になってしまう。読み手の目、感じ方というものを、再考してみてはいかがだろうか。

一読して感じたのは、この話の核はどこにあるんだろう、という疑問だった。作者氏は何を書きたかったのだろうか。何を、どんなふうに、どう表現したかったのか。どんな読者を想定し、何を思って欲しかったのか。伝えたいことがあるように思えるのに、それがうまく見つけられず、どうにももどかしかった。
ストーリーから考えるに、運命の皮肉さや悲哀のようなものを書きたかったのかなと思うが、表現力が追いついていないため、物語が薄くなっている。このタイプの短編は、文章力が低いといささか辛い。作者氏の今の力量なら、中編か長編にしたほうがいいんじゃないかと思う。長くしようとすれば説明しなくてはならないことも増え、思考力や文章力の鍛練にもなる。
キレのいい短編にしたいのであれば、メインのキャラクターを一人に絞ってみてはどうだろうか。レオノーラの視点と心理に絞って、しっかり深く書き込めば、充分読みごたえのあるストーリーになると思う。

あと、これはまったくの蛇足ですが、章タイトルの前の文字は機種依存文字です。慣れているので支障はありませんが、参考までに。

91 名前:井戸がえる 投稿日: 2004/03/07(日) 17:18
「煙が雲になった日」
※初めにお断りしておきますが、かなり厳しい内容になっています。ご了承ください。

まず、時系列が非常にわかりにくく、非常に混乱した。
この物語は、主人公が何歳くらいの時期を想定したものなのだろうか。
アンケートが届いた時点から物語がスタートしたのだと思ったが、そのすぐ後に
>これをネタにして、会社仲間と馬鹿な話をした。
>今でも良く覚えている。
とある。ここで前文は全て過去の出来事に変化しており、アンケートが届いた時期は、「本来なら忘れてしまうほど過去の出来事」となってしまっている。
その後、アルバムや文集を見るシーンがあるが、その時点がいつなのかもわからない。アンケートの内容を長い間忘れられず、何年も経ってから昔のことを思い出そうと行動に移したのだろうか。そうすると、それまでのタイムラグが問題になる。主人公が今になってアンケートの内容を思い出し、昔を気にするようになるには、それなりのきっかけが必要になるはずだが、その説明もない。

92 名前:井戸がえる 投稿日: 2004/03/07(日) 17:23
「煙が雲になった日」2

この物語は、三つの時系列が存在すると判断した。
つまりは、
・「現在」……アンケートを思い出すことで過去に囚われる主人公。結婚している。
・「過去1」……アンケートが届いた時点。「現在」よりもかなり昔。その時点ではアンケートへの関心は強くなかった。同僚とアダルトサイトについて話題していることから、かなり若い時期と予想される。
・「過去2」……主人公が小学生の頃。遠足があった。

冒頭の時点では「過去1」であり、その後すぐ「現在」に切り替わり、夢や回想で「過去2」が何度か登場している、と捉えたが、非常に分かりづらく、自分の解釈にもあまり自信がない。
「現在」がどの時期なのか、また場面展開の際、それがいつの話なのかしっかり説明していただきたい。

次に、全体的な説明不足を感じた。
主人公の一人称でストーリーが進んでいるのだが、独白的な文章が続き、説明を端折っているような印象を受ける。
特に、主人公が小学生の頃に住んでいた場所の景色、そして遠足の前夜に行ったことは物語最大のポイントと思われるが、その説明や描写がボロボロと抜け落ちており、材料のいくつかを読者に与えただけで説明を投げてしまっているような印象を受けた。

93 名前:井戸がえる 投稿日: 2004/03/07(日) 17:24
「煙が雲になった日」2

この物語は、三つの時系列が存在すると判断した。
つまりは、
・「現在」……アンケートを思い出すことで過去に囚われる主人公。結婚している。
・「過去1」……アンケートが届いた時点。「現在」よりもかなり昔。その時点ではアンケートへの関心は強くなかった。同僚とアダルトサイトについて話題していることから、かなり若い時期と予想される。
・「過去2」……主人公が小学生の頃。遠足があった。

冒頭の時点では「過去1」であり、その後すぐ「現在」に切り替わり、夢や回想で「過去2」が何度か登場している、と捉えたが、非常に分かりづらく、自分の解釈にもあまり自信がない。
「現在」がどの時期なのか、また場面展開の際、それがいつの話なのかしっかり説明していただきたい。

次に、全体的な説明不足を感じた。
主人公の一人称でストーリーが進んでいるのだが、独白的な文章が続き、説明を端折っているような印象を受ける。
特に、主人公が小学生の頃に住んでいた場所の景色、そして遠足の前夜に行ったことは物語最大のポイントと思われるが、その説明や描写がボロボロと抜け落ちており、材料のいくつかを読者に与えただけで説明を投げてしまっているような印象を受けた。

94 名前:井戸がえる 投稿日: 2004/03/07(日) 17:27
この物語は、三つの時系列が存在すると判断した。
つまりは、
・「現在」……アンケートを思い出すことで過去に囚われる主人公。結婚している。
・「過去1」……アンケートが届いた時点。「現在」よりもかなり昔。その時点ではアンケートへの関心は強くなかった。同僚とアダルトサイトについて話題していることから、かなり若い時期と予想される。
・「過去2」……主人公が小学生の頃。遠足があった。

冒頭の時点では「過去1」であり、その後すぐ「現在」に切り替わり、夢や回想で「過去2」が何度か登場している、と捉えたが、非常に分かりづらく、自分の解釈にもあまり自信がない。
「現在」がどの時期なのか、また場面展開の際、それがいつの話なのかしっかり説明していただきたい。

次に、全体的な説明不足を感じた。
主人公の一人称でストーリーが進んでいるのだが、独白的な文章が続き、説明を端折っているような印象を受ける。
特に、主人公が小学生の頃に住んでいた場所の景色、そして遠足の前夜に行ったことは物語最大のポイントと思われるが、その説明や描写がボロボロと抜け落ちており、材料のいくつかを読者に与えただけで説明を投げてしまっているような印象を受けた。

95 名前:井戸がえる 投稿日: 2004/03/07(日) 17:35
「煙が雲になった日」3(重いと思ってリロードしたら二重投稿の嵐に……すいません)

まず、主人公が小学生の頃に住んでいた場所についての回想。
主人公が見た「景色」は、物語の重要なポイントとなるのではないのだろうか。たった三行で終わらせてしまっているので、初めに読んだ時点では全く印象にも残らなかった。
ここでは工場、煙突、そして雲のように立ち昇る煙の様子をもっと鮮明に描写してもらいたい。また、
>―――あの煙が雨を降らしているんだ―――
この文によって読者はようやく「煙が雲のようなのだ」と気づくことが可能だが、「煙=雲=雨を降らす」と一瞬で結びつけることはできない。「煙がまるで雲のように立ちのぼっていた」「煙突から煙が立ちのぼっており、僕はそれが雲になるのだと思っていた」など、一文を追加するだけで流れがスムーズになるのだが。

そしてラスト、一番重要なシーンであるにも関わらず、こちらも説明を端折りすぎている。
小学生の少年が、「遠い」場所にあるはずの工場に夜、たった一人で訪れて「ボルトを抜く」という作業が出来るのだろうか? あまりにもリアリティに欠ける。
「立ち入り禁止の標識を横目で見ながら」「張り巡らされた鉄線の間をくぐり抜け」「闇の中、煙突のシルエットが立ちはだかる」「油でべとべとに手に力を込め、ボルトを一気に引き抜く」など、少し考えただけでこれだけの描写が思いつく。これはただの一例であり、この通りに書く必要は全くないが、もう少し丁寧な描写を工夫していただきたい。

96 名前:井戸がえる 投稿日: 2004/03/07(日) 17:40
「煙が雲になった日」4

また、彼が撒いたものはガソリンで合っているのだろうか? 小学生が重いガソリン缶を持ち運ぶことは不可能であり、また小学生が安易に手にすることができるような場所にガソリン缶は置かれない。「うち捨てられたようにぽつんと置かれた、中身がまだ入っている缶」「予め持ってきていたペットボトルに移し替えて」……など、何でもいいのでそういった補足説明が欲しい。こちらもリアリティが全く感じられなかった。
そして、「何を撒いているんだ?」→「人が何人も死んでいる」というストーリーの流れにより、「撒かれたのはガソリン」「これによって爆発、または火災が起こった」ということが想像できるが、こちらも「煙」のときと同様、判断材料が少なすぎる。「何かを撒く→人が死ぬ」に行きつく前に、「主人公の行いによって事故が起こった」ことの説明がなければ前後が繋がらない。
結末は尻切れトンボな印象。続きがあるのかと、思わず「次へ」のリンクを探してしまった。
結末まで行きついた後、それまでの流れを何度か読み返して、この物語はホラー仕立てであるのだろうと感じられた。ラストの回想シーンをしつこいくらいに描写した上であのラストの一文にたどり着くことができれば、ホラーとして面白い話に仕上がったと思う。全体的な描写不足、説明不足が物語全体にリアリティのなさや疑問点を与えており、勿体ないと感じた。

作者はジャンルを「現代(心理)」としているが、そうするにはあのラストでは足りない。主人公の深層意識、恐怖の原因が明らかになった時点で物語が断ち切られており、そういったラストはホラーとしては有効だと思うが、心理を描くなら過去を思い出してからの主人公の心の葛藤や、過去からの逃走や現実への逃避といった、過去が明らかになった後の主人公の心の動きが重要になってくる。もう少しストーリーに厚みを持たせるといいと思う。



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