「You are piece of the World. 第1話 松理の事情・綾子の事情」 ざっと一読しての感想は、中途半端だなあ、だった。それで作者氏に直接お訊きしてみたのだが。 一般小説なのかライトノベルなのかとお訊きしたのは、どちら寄りなのかわかりにくかったからである。どちらとも取れるし、どちらでもないような印象も受けた。つまり、作品世界を掴みにくいということ。ジャンルが問題なのではなくて、読者を迷わせてしまうのが難点。市販小説なら、レーベルで多少は判断できるのだが(良くも悪くも最近は曖昧になってきてるけど)。 世の中にはいろいろな好みの人がいて、できれば好みに合う小説を読みたいと思っている(天の邪鬼な読者もいるだろうが)。極端な例を持ちだすが、純文学を期待して読み始めたのにライトノベルだった、となると、非常にがっかりする。重苦しいホラーだと思って読んでいたら途中からラブコメになった、という作品を掴まされた読者は、何を思うものだろうか。 そういう不幸な擦れ違いを招かないためにも、冒頭で作品世界の雰囲気をはっきりさせておいたほうがいいと思う。ジャンルはなんでもいいし、曖昧なままでもいいけれど、こういう雰囲気の話にしたい、という作品イメージはしっかり持ったほうがいいと思う。そのイメージに添って、使う単語や言い回しを取捨選択すれば、全体の雰囲気も統一される。 作者氏のコメントから考えるに、そのあたりのことはわかっているようではあるが、どうも何か中途半端。大人が無理して子供のまねをしているような雰囲気と、子供が背伸びしているような雰囲気の両方を感じた。それで、どんな方向を目指しているのだろうかと混乱したわけで。 文体は内容に合わせて軽くしたつもり、と作者氏はおっしゃっているが、私が感じたのは、拙さ。努力している様子は窺えるのだが、残念ながら手が届いていないなあ、と感じた。読者の目を意識することはわかっているようだから、頑張り次第で伸びるだろうと思うが、現段階ではまだまだというところ。
最後に、寸評人御用達スレッドでも書いている通り、私は、作品のタイトルに注目しているので その点で一つだけ。 この作品のタイトルは「You are piece of the World.」で、第一話のサブタイトルは 「松理の事情・綾子の事情」という事なのだが、メインタイトルが、ある程度ストーリーの大意を 説明しているような作品では、過剰な説明ととられる事もあるので、注意していただきたい。 また、両タイトルを見比べた時の軽快感も、バランスが良いとはいえず、その面から考えてもサブタイトルは 一考の余地があるように思う。 さらに、この話は各章ごとにも章タイトルがついているのだが、単純に場所を示すのであれば 地文で十分にはたせる事であるので、もう少しヒネリをきかせた方がいいのでは?と思った。
「...tear in king」 他の方も書いているが、まず、革命という言葉の使い方に齟齬を感じる。それから、城の燃え方についても気になった。この話の城は、どんな素材でできているのだろうか。木材ならよく燃えるだろうが、石作りの場合は、城そのものは燃えないんじゃないかと思うのだが。どちらとも取れる書き方をしているので、少々混乱した。 重箱の隅をつついていると思うかもしれないが、こういう曖昧さが全体から感じられる。整合性を考えずに、好みのシーンをそのまま取り込んで書いているような印象を受けた。短編だし、説明描写を簡略化するのは構わないのだが、ポイントがずれていると逆効果になってしまう。読み手の目、感じ方というものを、再考してみてはいかがだろうか。