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雑談スレ

132『CROSS 68〜猫メイドホテル〜』 ◆NECOkE/60g:2009/04/25(土) 17:51:29

 「・・・そっか。アンタも、鬼太郎さんなんだものね・・・」
優しいけれど鈍感で。心は広くてもどこか妙に頑ななひと。
意識的に閉ざしていた、自分の知る鬼太郎の面影が呼び起こされて、
ネコムスメは力なく笑った。
背もたれに腕を掛けて身を起こすのがやっとの鬼太郎の姿を見ていたら、
空ろな顔つきも愛らしく思えてきて・・・
 「・・・ん・・・?」
ネコムスメに手を取られるままに長椅子に横たわる。
重い瞼を開けば、ネコムスメの身がゆっくりと圧し掛かってきた。


 「ほんと、どこ行っちゃったんだろう・・・?」
迷うほど組みいった廊下ではない。
けれどここは時空のよじれに存在する猫屋ホテル。
その空間は導かれるようにそれぞれの部屋へと繋がっていく。
 「もしかして・・・」
ふと思い出し、43階へ向かう。
───・・・あの部屋へは近付かないほうがいいわ。
猫娘の言葉に反するのは気が咎めるけれど・・・
ネコ娘が意思を持って進めば、その扉には容易に近付けた。
4300号室。
ドアノブに手を掛ければ、やはりすんなりと開く。ネコ娘の侵入を拒むことはない。
けれどもしも然るべき客といたならばと、音もなく静かにドアを開く。
 「・・・あのぉ・・・」
妙な物音はなく、ほっと吐息をもらす。
長椅子に目を向けた時、同じ猫目の光と視線が合った。
 「お邪魔します。あの・・・」
身を起こしたネコムスメの下の人影に気付く。
ひとり横たわっていただけではなく、その身に折り重なっていたのだ。


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